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#1
第049回国会 地方行政委員会 第6号
昭和四十年十月四日(月曜日)
   午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 中馬 辰猪君
   理事 奥野 誠亮君 理事 亀山 孝一君
   理事 纐纈 彌三君 理事 中島 茂喜君
   理事 川村 継義君 理事 佐野 憲治君
   理事 安井 吉典君
      大石 八治君    田村 良平君
      登坂重次郎君    村山 達雄君
      森下 元晴君    山崎  巖君
      和爾俊二郎君    秋山 徳雄君
      重盛 寿治君    華山 親義君
      細谷 治嘉君    門司  亮君
      吉田 賢一君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 永山 忠則君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (人事局長)  増子 正宏君
        大蔵事務官
        (主計官)   佐藤 吉男君
        自治事務官
        (大臣官房長) 松島 五郎君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
        自治事務官
        (財政局長)  柴田  護君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
九月八日
 委員武市恭信君辞任につき、その補欠として森
 清君が議長の指名で委員に選任された。
同月十六日
 委員阪上安太郎君辞任につき、その補欠として
 金丸徳重君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員金丸徳重君辞任につき、その補欠として阪
 上安太郎君が議長の指名で委員に選任された。
十月一日
 委員井岡大治君及び華山親義君辞任につき、そ
 の補欠として小川三男君及び堂森芳夫君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員小川三男君及び堂森芳夫君辞任につき、そ
 の補欠として井岡大治君及び華山親義君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方自治及び地方財政に関する件(地方公務員
 の給与改定に関する問題等)
 派遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○中馬委員長 これより会議を開きます。
 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。
 先般、地方行政及び地方財政の実情調査のため、第一班を兵庫県、三重県、愛知県、第二班を岡山県、愛媛県、香川県及び第三班を鹿児島県、宮崎県、熊本県に派遣いたしました。
 この際、順次派遣委員から報告を求めます。田村良平君。
#3
○田村(良)委員 私は、第四十九回国会における本委員会の決定による国政調査の第一班の調査の結果につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 今回の調査目的のおもなものは、第一に、神戸市並びに名古屋市におきまして、財源難に苦しむ大都市の税制並びに財政と問題の多い都市公営交通事業の実態を調査し、今後の打開策について検討しようとすることであり、第二に、兵庫、三重、愛知の三県と県下の市町村につきまして、地方超過負担の実情を調査し、その改善をはかろうとすることであり、第三に、愛知、三重、岐阜の三県の合併問題につきまして実情を聴取し、今後予想される広域行政のあり方について適切な方向を見出そうとすることであります。
 そのほか、兵庫県におきましては、播磨工業整備特別地域の建設に関し、また三重県におきましては、公害の地方財政に及ぼす影響について、それぞれ実情を調査することであります。
 なお、当調査班は井岡委員と私の二名で、これに調査室の白石調査員を伴い、去る九月五日東京を出発してから五日間、兵庫、三重、愛知の各県を縦断しての調査でありますが、各県、各市の協力を得て、各地ともに充実した調査を実施することができた次第であります。
 ここできわめて簡単に、調査の日程について申し上げたいと思います。
 まず、九月六日は、正午まで兵庫県庁において、兵庫県及び県下の市町村の超過負担の実情と、播磨工業整備特別地域の建設に関して、県当局から説明を聴取するとともに、今後これらに対する必要な諸施策の要望を受けました。午後は、播磨工業地帯に関する明石市における港湾建設現場、高砂市における工業用地埋め立て現場、加古川市における工業用水ダム建設現場等を視察いたし、翌七日には、神戸市において、大都市の税財政と都市公営交通事業につき、市当局から説明並びに要望を聞き、午後は市内交通の実情と今後の交通計画の準備状況を視察いたし、夕方三重県に入りました。
 翌八日には、県庁において地方超過負担の実情、三県合併問題、公害の地方財政に及ぼす影響等につき県当局から説明並びに要望を聴取し、午後四日市市の工業地帯を視察して愛知県に入りました。
 翌九日には、愛知県庁において午前九時から十時まで、岐阜県知事の出席を得て三県合併問題について実情を聞き、十時から正午まで愛知県当局から三県合併問題、地方超過負担の実情について説明並びに要望を聞き、午後は名古屋市において市当局から大都市の税財政と都市公営交通事業について説明並びに要望を聴取してまいった次第であります。
 これら調査の結果は、きわめて広範多岐にわたりますので、詳細な内容につきましては、時間の関係上、委員長の手元に提出をいたしました報告書を委員長において会議録に掲載されるようお取り計らい願い、これを御一覧願うことといたしまして、この際省略させていただきたいと思います。
 以上であります。
#4
○中馬委員長 次に大石八治君。
#5
○大石(八)委員 私は、第二班の調査の結果について、概要を御報告いたします。
 今回の調査目的のおもなものは、第一に、岡山県及び愛媛県における新産業都市建設及び香川県における地域開発事業の実態を調査し、今後における所要施策を検討しようとすることであり、第二に、これら三県における県、市町村の地方超過負担の実情を調査し、その改善の方途を究明しようとすることであり、あわせて第三に、最近の地方財政の動向を把握して必要な対策を考究しようとすることであります。
 なお、当班の構成は中馬委員長及び華山委員と私であり、これに上野調査員を伴いました。また岡山県では亀山委員の御参加をいただいたのであります。
 当班は、前後五日間の日程で、九月十四日岡山に向かったのでありますが、おりあしく台風二十四号及び二十五号の接近に伴う異常降雨により、国鉄予讃線の不通をはじめ交通事情がはなはだしく悪化したため、急遽二日目後半以降の予定を変更しまして、香川県に直行し、十六日帰京することといたした次第であります。このため、愛媛県は訪問し得なかったのでありますが、その後同県から送付された資料に基づき、所要の事項は適宜報告中に加えることにいたしました。
 なお、調査の結果は非常に広範多岐にわたりますが、簡単に申し上げれば、新産都市やそれから香川県のような地域開発事業をやっておる計画がありますけれども、現在の景気の後退の事情等で県の財源も非常に弱くなっております。したがいまして、地方負担に耐えかねているというのが実情であります。なお、実際問題としては建設事業に対する補助や融資の対象から漏れているものがありますが、実際を聞きますと、確かにこれらの対象といたすべきものもあるように思います。さような意味で進捗度等も非常に悪い状態になっておると私は考えられますので、さらに一考を要すると思います。
 超過負担の問題は、自治省として重大な問題として取り上げておりますけれども、農業普及員関係、保健所等では、その超過負担率というものは
 一〇〇%、二〇〇%というような状態のものも実際上はあるようでございまして、まことにゆゆしい問題だと思っております。
 それから、地方財政の状態というのはもう常識的に悪化の状態であり、数字的に言いますれば、市町村で見ますと、都市の場合がやや赤字率が高いといいますか、町村のほうはそれに比べて少ないような感じがいたしますが、これは逆に非常に悪いので、もう事業をほとんどやらないという形で赤字に転落することを防いでいるような状況だと思います。府県等につきましてはもう一律に悪化の傾向にあります。大きな問題だと考えます。したがいまして、こういう状態の中で人件費や今度の人事院勧告に伴う地方公務員の給与ベースをどうするかという問題は、感じで言いますればもうお手上げで、どういうふうに努力するという感じよりは、国のほうで何とかしなければ私のほうでは何ともいたしかねますというような調子に見受けられました。本国会でも問題だと思いますが、強く検討をするべき点であろうと考えます。
 以上、簡単に申し上げましたが、内容の詳細につきましては、時間の関係もあり、委員長のお手元に提出しておきました報告書を委員長において会議録に掲載されるようお取り計らいを願い、それによって御一覧をいただくこととして、省略をさせていただきたいと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
#6
○中馬委員長 次に細谷治嘉君。
#7
○細谷委員 私は、国政調査第三班の調査の結果の概要を御報告申し上げます。
 第三班は、中島茂喜理事、門司亮委員と私とが直江調査員を伴いまして、九月十三日から六日間、鹿児島、宮崎及び熊本の三県を調査してまいったのであります。
 今回の調査は、第一に、本年六月及び七月の豪雨並びに台風十五号によりまして多大の被害をこうむった鹿児島県及び熊本県の災害による財政上の影響を調べること、第二に、三県において辺地整備法の適用地域の比較的多いこれらの地域における公共的施設整備の必要事情とその対策を調査し、今後における地域格差の是正に役立たせようとすること、また第三には、宮崎県及び熊本県における新産業都市建設の状況と今後における必要施策を検討しようとすること、第四には、県及び市町村の地方超過負担の実態について調査し、その改善をはかることを主たる目的としたのであります。
 非常に限られた日数でありましたが、現地関係各位が経過地等に参集せられて、説明や陳情を行なわれるなど熱心な御協力をいただき、また熊本県では川村継義理事が御案内の労をとられるなど、調査の上に多大な御便宜を賜わりましたことをこの際あわせて厚く感謝の意を表したいと思います。
 次に、簡単に調査の日程について申し上げます。
 九月十五日に鹿児島県庁において、県、市町村の被災状況とその影響及び辺地の整備計画等について説明を聴取した後、谷山臨海工業地帯を視察し、翌十六日には宮崎県庁において、新産日向延岡地区の建設及び辺地対策等について説明を聴取した後、細島臨海工業地帯を視察いたしました。十七日には、熊本県人吉市を訪問し、市長及び球磨郡内被災町村長等より説明、陳情を受けた後、熊本県で最たる辺地と言われる五木村を訪問し、陳情を受けるとともに、村内被災地を経て八代市の被災地に至り、県事務所において同市及び郡内被災町村長等より陳情を受け、翌十八日には、熊本県庁において災害状況とその影響及び辺地対策、さらには新産不知火有明地区建設の状況等について調査を行なったのであります。
 災害対策につきましては、激甚災の指定基準及び法の内容、国の補助のしかた、それから原形復旧を改良復旧に改めていただかなければならぬというような深刻な問題が提起され、辺地対策につきましては、新たに新五ヵ年計画を樹立して強力に推進してほしいということ、あるいは教育施設、医療施設等について熱心な陳情をいただきました。また新産都市建設促進法に関する財政の特例法は、現実には焼け石に水にひとしいというなまなましい現地の要望もございました。
 具体的な内容の詳細につきましては、時間の都合もありますので、委員長の手元に提出いたしました報告書を、委員長において会議録に掲載されるようお取り計らい願い、御一覧願うこととし、省略させていただきたいと存じます。
#8
○中馬委員長 この際、おはかりいたします。
 第一班、第二班及び第三班の調査報告書は、これを本日の会議録に参照掲載することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#10
○中馬委員長 次に、地方公務員の給与改定に関する問題等について、質疑の通告がありますので、これを許します。安井吉典君。
#11
○安井委員 地方公務員の給与改定等の問題についてお尋ねをいたしたいわけでありますが、地方公務員の給与は、例年国家公務員の給与改定と関連して処理されるという習慣があるわけでございますが、
  〔委員長退席、奥野委員長代理着席〕
そういうふうな関係もありますので、きょうは総務長官の出席は願えませんでしたけれども、総理府の増子人事局長がおいでだそうでございますので、政府がこの人事院勧告を国家公務員の給与改定にどう実施していくのかという点につきまして、まずお伺いをいたしたいと思います。
 八月十三日に、政府並びに衆参両院議長に対して、人事院は勧告を行なったわけでありますが、それについて政府は今日までどういうふうな御処理をなすってこられているか、その点をまず伺います。
#12
○増子説明員 ただいまの人事院勧告をどのように扱うかという御質問でございますが、八月十三日に行なわれました人事院勧告につきましては、従来と同様、いわゆる実施時期をも含めましてこれを極力尊重すべきものと考えておるわけでございまして、政府といたしましては従来からこのたてまえをとりまして、その実施に努力してきたわけでございます。今回においても同様と考えておるわけでございます。
 なお、勧告を受け取りましてから、その内容等につきまして人事院当局より詳細なる説明を聞き、その後引き続き政府といたしまして、私どものところが中心になりまして各省の人事給与担当者との間におきまして事務的な検討も進めておるわけでございます。なお、政府の根本的な方針につきましては、いわゆる関係各大臣をもちまして協議をいたすわけでございますが、新聞などでは一般に五人委員会と称せられておりますものでございますが、これは大蔵大臣、自治大臣、労働大臣、それから総務長官、官房長官、この五人の方の協議でございます。この協議につきましては、去る九月十七日に第一回目を行ないました。その際には、主としてこの勧告の実施に要します財源の検討、またそれに関連します今年度の財政事情等につきまして、関係大臣の間でいろいろと意見の交換がなされた程度でございまして、なお引き続きこの検討を進めるということで、そのときには終わっておるわけでございますが、その後御承知のように、大蔵大臣が渡米されておりましたために、この会合は中断されておりました。昨日御帰国のようでございますので、さらに引き続きこの協議が持たれるものと考えておるわけでございます。
#13
○安井委員 初めの御答弁の中に、極力尊重をするたてまえで臨んでいる、そしてまた従来からも政府はそういうたてまえで臨んできたので、ことしもそうだ、こういうことでありますが、従来のお持ちになっておったたてまえが、私は完全実施というふうな形で実現されたことがないような記憶を持つわけであります。従来からそういうたてまえだとおっしゃいましたね。ことしもまたそういうたてまえだというのはどういうことなんですか。
#14
○増子説明員 人事院勧告をその内容どおり完全に実施する、そのために努力をするというのがたてまえでございます。従来におきましても、いま申し上げましたように、そのたてまえはとってまいっておるわけでございますが、ただ現実的な結果といたしましては、その意図に反しと申しますか、完全に実施をするということができなかった場合が多いわけでございます。勧告の実施時期につきまして、現在のように五月一日を適当と認めるというような形で実施時期を明示いたしておりますのは、御承知のように昭和三十五年の勧告以来でございます。それ以前は、できるだけすみやかにというような形で、勧告の実施時期が明示はされていなかったわけでございます。この時期をできるだけ勧告どおりに近づけるという意味の努力は重ねてきておるわけでございます。今回におきましても、もちろんその点に変わりがないという意味で申し上げたわけでございます。すなわち、従来は財政事情、いわゆる給与費の財源事情等によりまして、遺憾ながら勧告どおりには実施できなかったというのが実例でございますが、それにもかかわらず、できるだけ完全実施を目ざして努力するというたてまえは変わりないという意味で申し上げたわけでございます。
#15
○安井委員 従来からたてまえは完全実施という形でいつも私どもはお聞きをいたしておりました。完全実施というたてまえできたというのも、ずっと従来から同じ言い方でなさっておって、不完全実施というのも、これも従来からずっと一貫している実態であります。方針はいつも同じ、実態もいつも同じ、これでずっときているような気がするのですね。たしか昭和二十三年の十二月に人事院で最初の勧告があって以来もう十六回か十七回目になると思います。おそらくないのじゃないでしょうか。初めおっしゃる政府の方針は完全実施です。しかし、その次に結論が出たときは残念ながらだめでした。もういつも判で押したようなこういう仕組みで今日まできているような気がするわけです。私はことしの人事院の勧告の内容についても若干意見があるのですけれども、きょうはその段階でないと思いますのでそれは触れませんが、いまの御答弁は、私はこういう漫画みたいな御答弁はないと思うのですよ。いつもそうだというわけですね。いつも同じことをわれわれは聞かされて今日まできているわけです。だから公務員の諸君が腹を据えかねているというのも私は無理からぬことではないかと思うわけですが、公務員共闘の資料を見ますと、いまの御答弁の中にあった実施期日をきめての勧告が初めてあった昭和三十五年から昨年までの五ヵ年間に、不完全実施のために公務員がこうむった被害額は一人当たり六万七千四百二十六円である、こういうふうに書いてあります。こういうふうな形で今日までずっと推移をしてきているというのはきわめて遺憾なことではないかと思います。そこで、大蔵大臣が今度帰ってきたわけですが、次の五人委員会はいつというふうに総理府のほうでは予定されておりますか。
#16
○増子説明員 昨日御帰国になったばかりのようでありますので、まだ次回の予定は私承知いたしておりません。
#17
○安井委員 大体いつごろまでに最終結論にしようというお考えなのか、それを伺いたいわけです。というのは、最近の新聞記事を見ましても、臨時国会の終わりごろになるのではないかというふうな報道もあるようでありますので、一体いつごろまでにきめる気持ちで総理府はお考えなのか、それをひとつお聞きしたいわけです。
#18
○増子説明員 政府の方針を決定いたしますにつきましては、一番重要な点でございます財政の見込みというのがございます。この財政事情、すなわちこの人事院勧告を完全実施いたすために必要とする財源及びその他いわゆる今年度の補正を要する支出見込み、なおそれに対応いたしましていわゆる予算補正の財源の見込み、そういった財政事情がある程度はっきりしてこないと結論が出ないという事情がございます。そういう意味におきまして、私どもとしましてはできるだけすみやかに結論を出したいというふうに考えておるわけでございますけれども、大蔵当局等のいろいろの都合、御事情もあるわけでございまして、いまのところ何日までにというふうに確たる予定を申し上げることはできないわけでございますが、従来の例によりますと、大体十月の中旬くらいにはその方針をきめておるようでございます。総務長官がいままでお話しになっておるところからいたしますと、この従来の例よりはおくれないことを目標にして結論を出したいということでございます。
#19
○安井委員 従来よりもおくれない見込みというのは、昨年は十月の十五日、ことしもその日あるいはその日より以前を目標にしている、こういうことですね。
#20
○増子説明員 大体その見当でございます。
#21
○安井委員 私先ほど、完全実施がずっとできないで今日まできているという実態について申し上げたわけでございますが、そういうふうな事態、さらにまた人事院勧告はその性格からいっても、前年から本年にかけての民間賃金の上昇率に見合うベースアップ、こういうような形での勧告であります。前年における民間賃金の値上げは、その前年における物価の変動、そういうようなものから基礎づけられていると思うわけでありますが、物価の値上がりが民間賃金のアップを引き起こして、そしてそれから公務員賃金のアップ、こういうふうな三段がまえに私はなっているように思うわけです。ですから物価自体の値上がりから見れば、これはもうずっと二年おくれのあと追いなんですから、当然ぼやぼやしないで早いところ結論を出していくというのが私はたてまえ、筋道ではないかと思うわけです。現に同じ国の仕事に従事している国鉄その他の公共企業体の職員のほうは、この春の政府との交渉の中から、若干のトラブルはありましたけれども、仲裁裁定という形で打ち出された。それを政府は間を置かずに実施に移しているわけです。国家公務員にしたって地方公務員にしたって、政府に対する要求もできるし、交渉もできるわけでありまして、それもことしの春から同時に実施されているはずであります。ところが国家公務員あるいは地方公務員のほうはいまだに結論が出ない、こういうふうな実態ではないかと思います。しかも今度の国会に政府は国鉄料金の三七%引き上げというふうな考え方をお持ちだそうだし、郵便料金や電報電話等の料金についても値上げをお考えのようだし、それを今度の国会に出す出さぬは別として、そういうふうな物価値上がり要因というものがどんどん相続いている。ところが毎年方針は完全実施、実態は全く大きく値切った形で処置する、こういうような形が続いているものですから、政府に対する不信感というようなものが国家公務員や地方公務員の諸君の間に非常に高まってきているという実態で、報道によりますと半日休暇だとか、そういうようないまだかつてないような形までとられるのではないかというような点も私どもは知らされているわけであります。こういうふうな今日まで政府がお示しになった全く信頼が置けないような印象を公務員の諸君に与えるような態度、そういうところが私どもは一番問題ではないかと思うわけであります。そういったような点につきましてどういうふうに理解されておりますか。
#22
○増子説明員 従来のこの問題の扱い方あるいはその結果としてどういう事情になっておるかというようなこと、それらにつきましては、ただいまいろいろと御指摘になりましたとおりであろうかと存じます。したがいまして、政府といたしましては事情の許す限りはこの人事院勧告というものは完全に実施していきたいという心持ちを常に堅持はいたしておるのでございます。したがいまして、昨年は御承知のように、従来、四年にわたりまして十月一日実施ということになっておりましたのを一ヵ月早めまして、九月一日から実施をいたしておるというような事態もあるわけでございまして、政府といたしましても、この人事院の勧告の持つ意味、いろいろと御指摘になりましたような点から考えまして、真剣に考えているわけでございます。ただ、公共企業体等に関する仲裁裁定の場合と人事院勧告の場合におきましては、その制度の性質あるいは沿革等から見まして、若干違ったところがあるわけでございます。この違いがまたいろいろな新しい問題になっておるわけでございます。これは今後制度上さらに検討しなければならない問題であろうというふうにも思うわけでございます。
 なお、人事院の勧告制度はかねてから各方面よりいろいろと指摘があるのでございますが、年度途中におきまして相当多額の経費の追加を要します給与の改定を内容としておりますので、従来のように、かなり財政的に自然増収が見込まれます場合はともかく、昨年あるいは今年度のように、そういう事情が非常に変わってまいりましたときには、かなり困難な事情になるわけでございまして、特に地方公務員関係、地方財政に関連いたしますと、この問題は相当深刻なものがあるようでございます。そういう点から、この勧告制度のあるいはやり方、そういったものも根本的に検討しなければならないという情勢が相当迫ってきておるように思うわけでございます。政府におきましては、そういう意味で、昨年もずっと引き続きまして、この人事院勧告のあり方等も検討いたしたのでございますが、もちろんそれはどうすれば完全に実施できるかという観点を含めてのことでございますが、しかし今日におきまして、まだそれの結論として最終的なものが得られない、従来の方法を変えるという内容、そういった結果をまだ得ておりませんので、今回の人事院勧告につきましても、そこに従来と飛躍的に変わった形ということは出てこないのではないかと思うわけでございますが、いずれにしましても、そういった事情を踏まえて、できるだけ改善をいたしたいというふうに考えておるところでございます。
#23
○安井委員 問題をひとつそらさないでいただきたいわけです。というのは、いまそういう公務員の権利問題についてのお話が出ましたから、それについてもう少し論議をしたいと思いますけれども、それはそれとして、いまの公務員制度審議会やなんかの問題としてこれからの問題ですよ。しかし、いまあなたがこれから処理しなければいけないのは、現行制度における人事院勧告であり、その中においてどう処理するかという問題ですよ。制度の改正その他の問題は、これからあとにおやりになればいい、私はそう思うわけです。
 それで、この問題につきまして、もう自治大臣もおいででございますので、地方公務員の問題もここでからんでまいりますので、自治大臣の御見解をひとつこの機会に伺いたいと思います。
#24
○永山国務大臣 国家公務員に準じましてやるという考え方で、人事院の勧告を尊重してやるように鋭意大蔵大臣を中心に折衝を続けておるのでございますが、昨晩大蔵大臣も帰りましたので、早急に五人委員会を開きまして、ぜひ勧告の実現に全力をあげたいと考えておるのでございます。旧来の大蔵省関係は、なかなか会議の内容では、本年度の税収の減収見込み等を中心に、十分われわれの意見と調整をすることが困難な情勢に置かれております。それは、法人税等の税収は九月の決算で、十一月の初めにならないとその税収の減収見込みが立たない。しかも、これは初め千五百億といっておりましたが、最近二千億といい、さらに国税庁長官が大阪では二千五百億円になるかもしれぬというようなことも言われておりまして、この減収がどうなるかという見通しがつかずに、これらの補正関係は絶対に組みがたいものであるという強い意見がございますので、われわれは、まあそれはそれとして、政治的にこれを解決して、少なくとも昨年度の時期を下回らないように政治的に解決しようではないかということを強く要望して、まあIMFの会議に大蔵大臣は行きましたような次第でございますが、早急にひとつ意見を調整して、十分勧告の精神を尊重して努力いたしたいと考えております。
 また、少し財源関係は、どうしても地方も同じように財源が非常に減収でございます。中央の問題ではなくしてむしろ地方の問題だ。かりに国税二千億の減収であれば、地方税はやはり六百億ないし七百億の減収になる。さらに減収補正を組まれると、交付税は返すということが法律上のたてまえになっておるのでございます。そうすると、現在配分計画を立てて配分を一部いたしておる交付税四百五十億を吐き戻す、法律的にそういう問題が起きてきますが、こういうことは絶対に可能でないのでございます。したがいまして、これをどうしても吐き戻すことはせない。のみならず、この人事院勧告の財源の不足は絶対に政府がこれを見なければならぬ、見るべきであるということを強調をいたしております。
 まあ、お問いにならぬうちからみなお話ししてしもうてはいかぬのですが、時間が、きょうはお話し申しましたように、全国公安委員会と、それから国民健康保険の総会で標準保険税の問題等をやっております関係上、お許しをいただけば午前中でと思っておるものですから、これまでの折衝の経過を申し上げておるのでありますが、私はちょっと言い過ぎかもしれませんが、大蔵大臣に言っておりますことは、元来一%の節約を事実上やれば実は問題なかったのじゃないか、そうすると一千億という財源が出てくる。地方のほうでも事業を一部中止をすれば財源が出るのであります。だからして、今回の赤字は要するに単なる赤字ではない。政府の安定成長経済へ持っていくという大きなる基本施策によって一%の事業の解除をされたんだ。したがって、地方公共団体もこの事業を押えれば財源が出るべきものを、政府がこれを事業は押えずに伸ばそう、予定どおりやろうということだから、したがって財源の余裕のないのを無理にでもやっておるというような関係で、政府の施策に呼応して地方もやった関係においてこういう減収になるのであるからして、責任は政府の施策からきておる。したがって、財源は政府のほうでぜひ持ってもらわなければいかぬということを強く強調をいたしておりますと同時に、また中途で勧告されたんでは、政府はいいかもしれません。金持ちの政府はいいかもしれぬが、地方財政はどうにもならぬ。予算編成当時にこれだけの財源が要るというなら、あらゆる面に対してこれの処置はできるのであるけれども、中途勧告なされればいつでも実行ができない情勢になっておるので、ぜひひとつ予算編成前に勧告を受けるように抜本的な方途をぜひ講じてもらいたいということを強く要請をいたしております。どうもそういう空気にまだなっておりませんので非常に困っておりますが、皆さま方の力強い応援のもとに、ぜひそういう事態をつくりたいと考えておる次第でございます。
#25
○安井委員 大臣は財源の問題もすっかりお話しになって、それであとの仕事があるからかんべんしてもらいたいというふうなお話ですけれども、それはいかぬと思います。これは重大な問題ですから、あとでもう少し時間をかけてお尋ねをしなければならないと思いますが、いま私が伺っているのは、いまの公務員制度の仕組みの中からの問題で、この点もう少し明らかにしていただかなければいけないと思うのです。私がいま人事局長に伺っておりましたのは国家公務員の場合についてであり、大臣に特に伺いたいのは、今日まで地方公務員の給与も、人事院勧告の国家公務員に対する措置に追随して措置されてこられたが、いつも完全実施をすると初めは言いながらも、内容は半分くらいしか実施していないという、そういう
 ことの中から一年一年政府に対する公務員の不信感が高まってきたのだ。そうしてまたことしだって物価がどんどん上がっている、こういうふうな事態、あるいはまた公共企業体につとめている人たちには、もう春先すでに措置されているが、一般の国家公務員や地方公務員にはいまだにぐずぐずしている。こういうような中から半日休暇戦術だとか、そういうようなきびしい戦いが組まれるような段階になってきたんだ、そういうような点についての反省はないかどうか。この点はどうですか。
#26
○永山国務大臣 その点は非常に反省いたしまして、やはり人事院の勧告を中途でしないような方途を講ずべきであるということについては、ここに増子局長もおられますが、恩給局長のときに昨年、年金恩給制度をつくりますときに、物価及び生活水準、労働賃金等を勘案しまして、やはり来年度の物価の上昇、生活水準その他の上昇パーセントと見合うようにスライドをしく調整規定をつけるべきであるということから、局長もずいぶん努力をされまして、調整規定を設けようというくらいなところまでいったのでありますが、大蔵当局の了解を得ることができずして、それがお流れになっておりますが、やるという方針を立てればいくのではないか。だから一年おくれになるということ自体がおかしいのであって、これを来年度の物価上昇を見て、そして値上がりに即応するベースアップを予算化するという根本的な問題を解決する必要がある。この点に対しては人事院総裁にも申し入れました。人事院総裁は、やはり春闘のあとを追うていかないと春闘相場をつくるようなことになるという意見も、自分ではないが強くあって、難関であると言われるから、春闘相場をつくればいいじゃないか、物価その他の生活水準の上昇等を見て、これが適正だという相場ができたほうがむしろいいのじゃないか、積極的にやるべきであるという意見を強く要望をいたしておりますが、まだどうもいい空気になっておりませんのを遺憾に思います。努力は続けるつもりでございます。
#27
○安井委員 実施以前における大臣の答弁というものはいつも同じなんですよ。永山大臣は今度初めて自治大臣になられたかもしれませんが、昨年も一昨年もそうです。さきおととしもそうです。大臣はいつもそう言われるわけです。しかし実施された結果というのは半分くらい値切ってしまって、あとで財源がなかったからすみませんとあやまるだけです。いつもそうなんです。判でついたようなことなんです、いままで繰り返しておることが。だから、ことしは六年目、もうこういう目にあわないぞというような形でいまのような公務員共闘の激しい戦いの戦術というものが組まれてきたのではないか、そういうふうに思うわけです。その点は大臣も申しわけないというふうに先ほど言われましたので、そういうふうなきびしい戦術を組むのはやむを得ないなというふうに大臣もお考えになっておるかと思うのですが、その点はどうですか。
#28
○永山国務大臣 あらゆる努力をいたしまして、公務員その他の皆さんとも懇談をいたしまして、非合法的運動におちいらないように最善を尽くし、今後の処置に対しても努力を続けていきたいと考えておるのであります。そういうことで、いま申しましたような中途勧告にならない、完全実施に至る方途に対して根本的解決をいたしたい。この問題は先般の総評との定期会談におきましても、総評側からも申し出がある、われわれのほうからもこれを強く受け入れて検討をしようということになっておるのであります。
  〔奥野委員長代理退席、委員長着席〕
さらに物価と労働賃金の悪循環に根本的にメスを入れるということも、この場合絶対に必要であると考えておるのであります。すなわち、春闘におきまして労働賃金は上がる、次に公務員ベースが上がる、米の値段が上がる、公共料金が上がるというような悪循環がくるという基本的なものをもやはりこれを考えるべきであるということにつきましても、先般の総評との定期懇談会に大蔵大臣からも強く話しまして、そして総評のほうも必ずしも労働賃金のファクターそれ自体が物価騰貴の循環の絶対要素ではない、すなわち、流通機構その他総合性のものがあるから、それらの点に対して十分検討はすべきであるということで、その問題については労働省で真剣に取り組もうということについても総評側のほうからもお話がございまして、根本問題について強く取り組みをいたしつつあるのであります。
#29
○安井委員 この春参りましたILOのドライヤー委員長の報告がこの間発表されたわけでありますが、この中で、労働組合が選出に参加して設置される公平な仲裁機関を置き、その裁定は完全かつ迅速に実行されなくてはならない、こういうふうな趣旨のことばがあったように記憶するわけであります。この点については総理府並びに自治大臣はどういうふうに理解されますか。
#30
○永山国務大臣 もちろん、その点についてはさようにあるべきだと考えております。したがいまして、今回もこれが完全実施に至る諸要素について強く検討を続けておる次第でございます。
#31
○増子説明員 ドライヤー委員会の報告はいろんな点について問題を指摘いたしておりますが、ただいま御質問の点は、国家公務員については人事院制度あるいは人事院の勧告制度というものをどう考えるかということであると思いますが、御承知のように人事院勧告それ自身については、ドライヤーのレポートは具体的な問題として触れてはいないのでございますけれども、地方公務員についての人事委員会あるいは公平委員会等のあり方に関していろいろと指摘をいたしております。そこで述べられておる点は、人事院制度にも大体同じような考え方を持って臨んでもいいのではないかというふうに解釈されます。そういう意味で、私どもレポートに盛られておる問題点は十分参考として考えていかねばならぬというふうに思っておるわけでございます。
#32
○佐久間説明員 人事委員会、公平委員会のことにつきまして、大臣御答弁がございましたが、若干補足させていただきたいと思います。
 ドライヤーの報告書におきましては、人事委員会、公平委員会の委員の構成につきまして若干示唆されておるのでございます。それらの点につきまして、私どもといたしましても検討はいたしたいと存じておりますが、ただいまのところ、構成の点につきましては現行の構成が一番よろしいのじゃなかろうか、さような考え方を持っておりますので、つけ加えさせていただきたいと存じます。
#33
○安井委員 それでは大臣の答弁と行政局長の答弁は違うじゃないですか。大臣はいまの報告どおりやりたいと言われるし、行政局長は現行法でいいと言われる、どうなんですか。
#34
○永山国務大臣 いまのお尋ねは、仲裁裁定に関しては完全実施するような体制が望ましいということであると聞いたのでございまして、私はそういうようにやりたい、こういうように言っておるわけでございます。仲裁裁定の構成の問題等は、これは別途の、いまの御質問外であると私は考えておるわけでございます。仲裁裁定の人事委員会等に対しての構成問題に対して、国民の代表である議会がきめることが好ましいのではないかという議論をいたしておりますが、これらの点に対しては公務員制度審議会で十分検討をいたす問題であるかと考えております。
#35
○安井委員 どうもその辺、私は大臣のお考え方があいまいだと思うわけです。人事局長のほうも、構成の問題はいまの人事委員会でいいような内容のレポートになってないと私は思うのですよ。人事院の構成だって、人事院には直接触れてないかもしれないが、労働組合の参加という、そういうような趣旨を国家公務員に対する人事院についてもにおわしておるように私は思うのですが、その点はどうなんですか。
#36
○増子説明員 その点は、主として問題が地方公務員中心に論ぜられておりますので、直ちに同じ方式で人事院の、つまり委員という観点で言いますと人事官ということになりますが、人事官の選任等に当てはまるかどうか、この辺はにわかに結論は出し得ないのではないかというふうに思います。しかし、ものの考え方としまして、大体国家公務員の人事院制度、地方公務員の人事委員会制度、これはいわばパラレルといいますか、大体対応した制度であるというふうには思うわけでございます。したがいまして、そこに問題としては共通の考え方がなければいかぬだろうというふうに思います。
#37
○安井委員 この問題、さらに時期をあらためて、もう少し政府のお考え方をただしていきたいと思いますが、きょうの場合は、私は特に申し上げたいのは、今日の人事院の機能も、使用されている側の意見が加わらないという点でILOも疑問を持っているということが一つ、つまり人事院にしても地方の人事委員会、公平委員会にしても、全部一方的任命によっているわけであります。そういう点が一つありますが、それよりももっと重大なのは、地方の場合、人事委員会だとか公平委員会は全く有名無実的な存在であるわけです。特に公平委員会には勧告権なんか何にもありません。そういうような意味で、公務員からストライキその他の労働基本権と称されるものを奪った代償としては、今日の仕組みそのものでもきわめて不十分なものだということが一つ指摘できると思います。しかも、第二には、その不十分な仕組みであるそれらの勧告すらも、今日まで、毎年毎年政府が十分に実施をしていなかったという点です。つまり政府はいま二重に罪があると思うのです。代償というふうな組織を十分なものにしないままで放置したという罪と、それからもう一つは、その勧告すらも今日まで無視してきたということと、この二重の罪があるのではないかと私は思います。そういうような意味で、大臣の先ほど来のお話を総合してみたら、勧告をぜひ実施したいというふうなことでお話があるわけで、勧告を実施すれば問題ないかもしれませんけれども、勧告を実施しない場合には半日ストというふうな事態が起きても、これは労働者の権利とそれについての代償の問題とのバランスからいってやむを得ないことだ、こういうふうな解釈が成り立ってくると思いますが、どうですか。
#38
○永山国務大臣 労働者の法に反する行為は絶対にないように、十分話し合いを続けたいと考えております。もちろん人事院の勧告は尊重はいたしますが、給与は国会がきめる、国民がきめてくるのでございますから、したがいまして、十分この点を労働者の皆さんとも懇談をいたして、違法行為の絶対なきように懇談を続けて進みたいと考えておるのであります。
#39
○安井委員 大臣の御答弁、わからないでもありませんけれども、違法行為だなどと言う資格は私は政府にないような気がするわけです。現に政府は、今日まで毎年毎年不十分な実施で代償措置を講ずることを怠ってきて、その上において、自分のほうはやることをやらないで、おまえたちだけ悪いことをするなよというふうな形では、これは私は筋が通らないのではないかと思います。ともあれ完全実施をするということが、すべての問題を解決するただ一つの道なんだということを私ははっきりこの際申し上げておきたいと思います。大臣は昼までだそうですから、あと時間がありませんが、この点についてはひとつはっきりと大臣は御理解を願って処置されなければいかぬと思うのです。完全実施すれば何もかも当面の問題は片づくわけです。制度の問題がたくさんありますけれども、これはあとでゆっくりやりましょう。当面は完全実施をするということがあらゆるトラブルや何かを全面的に避け得る唯一の道だということを強く申し上げておきたいと思います。
 公務員の賃金の本質、特に地方公務員についての賃金の本質、国家公務員の賃金との違い、こういったような問題についても、もう少し申し上げようと思ったのですけれども、これはあと回しにしまして、財政の問題に移りたいと思います。
 先ほど来自治大臣から、国の財政も大きな欠陥が予想されるんだというふうなお話でありますが、大蔵省のほうからもう少し、人事院勧告の実現に関連しての国の財政の最近の情勢についてひとつお話し願いたいと思います。
#40
○佐藤説明員 たいへん広範な御質問でございまして、私どもといたしましては、目下鋭意財源の状況その他検討中でございますが、先ほど自治大臣から御答弁がございましたように、法人の九月決算その他種々の状況が確定するにはまだ時期が早うございまして、いまのところはっきりした歳入欠陥の状況は判明しておりません。ただその歳入欠陥があることは間違いない状態でございまして、その額があるいは二千億とか、あるいはさらに上回って二千五百億とか、いろいろ推測的なことは言われておりますが、大蔵省としてはっきりした見通しはまだ立っていないように存じております。
#41
○安井委員 いつごろはっきりしますか。
#42
○佐藤説明員 歳入の面では主税局が一番責任を持ってやっておるわけでございますが、主税局の話を仄聞いたしましたところでは、九月決算が判明しますのが十一月の初めごろでございまして、その辺になればはっきりしたことがわかる、こういうふうに申しております。
#43
○安井委員 先ほど総理府のほうからのお話では、昨年並みに給与の改定を結論づけたい、こういうふうなお話でありますが、大蔵省のお話では、十一月の初めにならなければ歳入見通しはつかないということですね。これはきょうは大蔵大臣も、それから総務長官もおいでにならないわけで、五人委員会の委員の重要なメンバーであられる永山自治大臣から、この辺の見通しをひとつお話し願いたいと思います。
#44
○永山国務大臣 大蔵大臣も、いまの答弁のように、十一月初旬でないとわからぬから、どうしても減収になるから、そこで減収予算を組む場合には、交付税の四百五十億円の還元問題等もあるしするから、この時期を見ないと予定が立たぬじゃないか。空で予算をやるわけにいかぬという意見が強く出ましたが、われわれは、どうしても昨年きめた十月中旬くらいまでには政治的にきめればいいじゃないか、補正予算はおくれても実施するという腹を政治的にきめることはできるじゃないかということを強く要望いたしておりまして、それじゃIMFから帰ったら早急に打ち合わせをしようということで別れておるのでございまして、政治的に解決をはかりたいと考えておる次第でございます。
#45
○安井委員 大蔵省、これも佐藤主計官のお答えを願える範囲かどうかわかりませんが、公債の見通しだとか、新規需要増の見通しだとか、そういったような問題と税の減収とのからみ合いが出てくると思うわけでありますが、いまの公務員給与の問題を含めて、そういう点についてはどうなんですか。
#46
○佐藤説明員 たいへん広範な問題でございまして、私から申し上げるほどよく存じておりませんので……。
#47
○安井委員 その問題はあとに保留しておきまして、地方財政の問題にひとつストレートにお尋ねを進めていきたいと思います。国の財源の見通しが立たないような現況でありますから、地方財政についてもしっかりした見通しをお聞きしても、お答えは無理かとも思いますけれども、この前の臨時国会の最終段階で、この委員会でも細谷委員からも御質問があってお答えを願ったわけでありますが、その後の情勢の変化を含めて、見通しをひとつお聞かせを願いたいと思います。
#48
○柴田説明員 この前の臨時国会のときにお答えしてからあまり進歩いたしておりませんが、情勢はいいほうに進歩しておりませんで、悪いほうに進歩しておるように思われます。
 それは、先般、九月に昭和三十九年度の決算につきまして府県分だけをまとめたのでございますが、府県分の三十九年度の決算は三十八年度に比べまして約五十億くらいの赤字がふえておりまして、主として東京都でございますが、東京以外にも若干赤字団体が出てまいっております。総額で百二十億強の赤字となっております。五大市は――市町村につきましては現在まだ調べておりますけれども、五大市につきましては若干赤字が減っているような状況で、たいした額でございません。ただし、その他の都市につきましてはふえているだろうというように思われるのであります。しかもその状況が、積み立て金の取りくずしというのが相当行なわれておりまして、財政調整積み立て金でございますから、こういう際には取りくずすのが建前のものではございますけれども、取りくずし状況というもののスピードがのってきているような感じがいたします。それが今年に入りまして、またその状況が激しくなっていやせぬだろうかという心配を実はいたしております。
 今年度の税収見通しにつきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、法人事業税、法人税割という、この二つの向背がつかめませんので、現在の段階では何ともお答えしようがないのでございますけれども、しかし、いずれにいたしましても、四、五月ごろに考えられた線よりは、さらにその減り方がふえておるような感じがいたします。一方、逆に公共事業費につきましては、一割保留の問題が解除になる。その解除の割合が当初予定いたしておりましたものの場合、つまり当初は千億程度の財源保留があったと考えられたわけでございますが、それが、その解除の割合が相当大幅であります。したがって、当初財政計画で予定いたしておりました需要というものは、相当程度計画どおりの規模で実行されるという形になった。一方歳入が予定どおり入らぬわけでございますので、その間に財政のアンバランスが出てまいった。これをどういう形で埋めているかということでございますが、団体によりましては、そういうことをある程度予想して、相当初めから思い切った節約をかけております。特に府県の場合がこの公共事業費の解除と歳入の減という、両方の波を大きくかぶるわけであります。したがって、おおむねの府県は、初めから節約をかけておるわけでございますが、年度の大体まん中近くになった最近では、非常に財政運営は窮屈になっております。したがって、給与改定の取り扱いがどうなりますか、これからでございますが、この取り扱いが本年度の財政問題に非常に大きな影響を与えるだろうというように存じておるところでございます。なお、そういった財政の苦しさの前提になっておりますのは、すでに決定いたしました普通交付税の額が前提になっておるわけでございますので、もし歳入更正によって更正減額というような事態が起きますと、非常に困った事態になる。そういうことは避けたいということで、私どものほうでもいろいろ検討をいたしておりますけれども、まだここで、このような形でこうしたいというようなことを申し上げる段階ではないかと存じます。全体といたしましては、最近年度におきましては最も困った事態をかかえておるような状態であります。
#49
○安井委員 いまのお話の後半の部分の地方交付税が減るというふうな事態は、法人税等の税額補正が行なわれたという場合に生ずるわけですけれども、法人税その他国税の税額補正も行なわれるような情勢なのですか、どうですか。その見込みはどうですか。
#50
○柴田説明員 私どもも国の財政についての責任的立場でございませんので、はっきりしたことを申し上げかねますけれども、国に歳入、税収入の減というものがある、これがはっきりしてまいりますと、これをどういう形で歳入減を埋めるかという問題になるわけでございます。その際、一方に歳出の増という問題もあるわけでございます。さしあたり公務員の給与問題の扱いがきまりますれば、少なくとも歳出増はあるわけでございます。その他、私どもの立場から申し上げますならば、昨年以来、未清算になっておるものも清算してほしいということもございますし、また、その他災害関係の経費もございましょうし、補正要因が出てくるだろう。そうしますと、歳入を更正するという事態が起こり得るということであります。更正されるかされぬかは別問題でありますけれども、かりに歳入更正というものが行なわれますれば、その大幅なものは法人税であろう。酒もあまり調子がよくないそうでありますから、酒も場合によっては減額更正になるかもしれぬ。そうなりますと、交付税への繰り入れ額というものが自動的に変更されるということになるわけであります。交付税への繰り入れ額が自動的に変動されますれば、交付税の歳出というものはまた自動的に変動になる。何もいたしませんとするとそうなる。そうなりますと交付税の再計算ということになる。八月決定いたしましたことは御破算になる、こういう事態が起こりかねない。そういう事態が起こることは困るので、先ほど申しましたように、そういう事態がないものと想定して算定された普通交付税の額を前提としてなおかつ非常に苦しいのだ、したがって、そういう事態をさらに起こすということは避けるように努力をしたい、こういうことを申したわけでございます。
#51
○安井委員 自治大臣、この問題は私どもいま初めて論議するわけではなしに、この前の臨時国会の終わりごろのときに細谷委員からも質問があって、自治大臣から幾つかの約束をこの委員会で確認したわけであります。たとえば国家公務員にベースアップを行なえば、それと同様の措置を地方公務員に対して行ない得る財源措置を責任を持って実施いたします、こういう約束もありました。それからまた、地方交付税の欠陥がもしできたら、その穴埋めはこれまた自治大臣の責任を持って必ず実行いたします、こういうふうなお話があって、胸をぽんとたたかれたわけであります。そういうふうな確認からきょうのお尋ねを進めているわけでありますが、その点については従来と少しも変わりないわけですね。
#52
○永山国務大臣 変わりはございません。全力をあげていま努力を続けております。
#53
○安井委員 ところが、地方公務員の分については地方財政が非常に苦しいから、国家公務員のベースアップよりも若干おくらせてもやむを得ないというような考えが一部流れていると聞くのでありますが、そういうことはありませんね。
#54
○永山国務大臣 絶体に私はそういうことはやらぬという考えでございます。
#55
○安井委員 そこで問題は、財源付与の点でありますが、税の減収が国税においてなされれば、地方税のほうは自然に減ってくるわけです。法人税の場合においては、地方税のほうは法人税が減った額のおそらく四十数%くらい減収をする、これは明らかであります。それからもう一つの減収のおそれは、国税三税について減額修正が行なわれた場合には、地方交付税がその約三割くらいの額減ってくる、こういうことになるわけですね。初めの国税の減収のほうについてはもう自然の形で出てくるし、それから地方交付税の減収の場合は、大蔵省のほうで国税減収を予算に組むか組まないかということできまってくる、こういう二段がまえに問題が出てくるわけでありますが、それでざっと計算いたしましても、二千億円減れば、地方財政のほうは地方交付税で三割ですから六百億円くらい、それから地方税で、国税が二千億円減れば約九百億円くらい、こういうふうな減収にごく大ざっぱな計算でなるわけであります。したがって私は、この地方公務員の給与に対する財源措置を含めて今後地方財政の問題をお考え願うには、すでに大臣からお約束を願っておりますけれども、地方交付税の穴埋め措置というのが一つと、それからもう一つは、地方税そのものが減るという点ですね。昨年は自然増収という形があったわけでありますけれども、ことしはむしろ自然減というふうな形であらわれてくるわけです。両面において措置がなされなければ、ことしの地方財政はたいへんなことになる、こういうことだろうと思うのですが、交付税の穴埋めについてはいまお約束がありました。しかし地方税そのものが自然に減ることによっての大幅減収、これについてはどうですか。
#56
○柴田説明員 計数の問題ですから私からお答え申し上げます。
 地方税がどのくらい減るか、勘定のしかたでございますけれども、法人税割につきましては、おことばのように法人税収入が減った分だけぴしゃっと減るわけでございます。事業税につきましては、必ずしも法人税の減収をそのまま反映いたしません。収入金課税の部分もございますので、そのままの数字で自動的に出てくるわけじゃございませんけれども、おおむね国税の法人税の減収に平仄を合わして減ってまいるだろう。その額が幾らになりますかということは、国税が二千億という場合には、何も法人税だけじゃございません、物品税の問題もございましょうし、それからまたその他の問題もあるわけでございます。地方税の場合にも同じように、国税の影響を受けます部分につきましては大きく減るわけでございます。また物品税が減ってまいりますということは、要するに消費活動、経済活動が鈍っておるということになりますので、それに関連して地方税の場合におきましても、料理飲食等消費税の場合にも若干の影響があるかもしれません。また逆に、地方税におきましてもふえるものもあるのであります。それらのものを彼此勘案しませんと、幾らくらい減るかということはわかりませんし、また団体によってその減り方の態様も異なってくるかと思います。その辺のところをある程度見きわめてまいりまして、総合的に地方税の減収に対してどういう対処のしかたをするかということをきめてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#57
○安井委員 私は、きょうは地方財政のいまの危機的実態に対する対策を論議の対象にしておりながら、同時に地方公務員のベース改定の財源問題をお聞きをしておるわけで、これは二つからんでくるものですから一緒に尋ねておりますけれども、特に私は、地方税の自然減といいますか、そういうような問題を取り上げたというのは、交付団体の場合は、給与財源措置は地方交付税に対する措置でできると思います。その措置を大臣は先ほどのお約束どおりおやりになればできるわけです。しかし不交付団体の場合は、いままでは税の自然増収だとかその他でかってにおやりなさい、こういう体制でおやりになっていたわけです。しかし、ことしはそれができないわけです。だからそういうような意味で、私は、税が自然減というふうな形になるという実態に対して、不交付団体のベースアップを頭に入れながらお尋ねをしているわけであります。その点について残念ながらまだ明確な御答弁をいただけないわけでありますが、いずれにしても不交付団体の場合も、ことしは給与財源措置を十分に考えてあげなければいけないというふうな事態にあるということだけはおわかりと思いますが、どうですか。
#58
○永山国務大臣 お説のように本年の問題だけでなしに、来年はやはりさらに大減収ではないかと考えられるかと思います。すなわち政府は減税をいたして体質改善をやって、そして公債によって社会開発をやるという安定成長政策をとりますから、したがって交付税の伸びも十分期待はできないし、さらに公債で地方開発をやればその負担分が増大をするというような問題等もございますので、税の問題としては一大重大問題であろうと考えておるのでございます。したがいまして、いま財源の移譲の問題あるいは交付税の率の引き上げの問題、あらゆる点を本年度の減収、来年度の減収とあわせて十分検討をせなければならぬ大問題であると考えておりますが、いまこれをどうするということにはまだ固まっておりません。ただお説のように交付税の分を返すということは、この分に対しては引き戻すというようなことは絶対にやらない、そしてまたベースアップの財源は政府の財政措置を要望する、この二点をとりあえず強く要望して、減収分に対する本年度、来年度あわせて予算編成等を通じて、ひとつ皆さんのお知恵をかりながら努力を続けたいと考えております。
#59
○安井委員 いまの二つのお約束はこの前の委員会からのお約束でありますけれども、国家公務員に対するベースアップが行なわれたら、地方公務員に対するベースアップが行なわれるだけの財源措置はするというお約束の中には、不交付団体の分も入っていると理解してよろしいですね。
#60
○永山国務大臣 不交付団体の税収入等が激減をいたしまして、そして交付団体の状態に立ち至るようなときはもちろんでございます。その他の問題についてはケース・バイ・ケースで検討をさしていただきたいと考えておる次第でございます。
#61
○細谷委員 関連して大臣に質問したいのですが、いま安井委員の質問に対しまして、とにかく国家公務員のベースアップと歩調を合わせて責任を持ってやる、こういう御答弁でございまして、大臣の考えは一貫している、こう私は理解しているのでございますが、重要な点でありますので、念のためにお聞きしたいのです。と申しますのは、私ども新聞等で拝見してみますと、地方財源、地方財政という問題がこの人事院勧告をめぐっての重要なポイントになっておるのです。自治大臣のことばは前向きではなくて、どうもうしろ向きで歩調を合わせるのではないか、こういうふうに理解される節があります。たとえば大蔵省は、省内では、財源難を理由に、昨年の九月なんて実施はできないのだ、もう来年の一月くらいにしてもらわなければいかぬのだ、こういう意見が強まっている、こういうふうに新聞等に出ております。これに対して労働大臣等は、やはり最低限昨年どおり九月実施、こういうことを御主張なさっておるようでありますが、新聞を読んだのでありますから、これはそうでないと思いますが、永山自治相も表向きには賛成しているのだけれども、大蔵、自治両当局内にはこれに難色を示す空気が強い、特に自治省内には、たとえ九月実施にしても五百億円近い財源が必要であり、地方自治体にはこの負担能力が全くないとして反対の意向が強い、大臣の足元のほうでは、大蔵省とアベックで歩調をあわせるけれども、とにかく勧告をもっともっと後退させた形でやるのだという意向が強い、こういうふうに新聞等、あるいは私どもの耳に入ってまいります。国家公務員はいつやる、それと軌を同じくして地方公務員もやるということについては大臣責任を持つのでありますけれども、歩調を合わせて大蔵とアベックで来年一月からだ、いや財源がないから自治省も賛成ということでは、先ほど来安井委員がお聞きした精神と反するんじゃないか、こう私は思うのです。ですから、そういう財源上の問題が昨年よりもっときびしいものがあるけれども、少なくともILOの勧告もあるし、また尊重するんだと政府は約束してまいっておるのですから、前向きで、そして国家公務員と一緒にやるのだ、後退して来年の一月に一緒にするということで責任を持たれても困るわけですから、その辺の態度をひとつ前向きでやるのだということを明確にしていただきませんと、歩調を合わせるでけではこれはどうなるかわかりませんから、ひとつ重要な点でありますからお尋ねしたい。
#62
○永山国務大臣 人事院勧告は尊重しなければいけないということで強く要望いたしておりまして、できるだけ一月からやるほうがよろしいということは申しておりません。勧告どおりにやれ、それがためにはどうしても基本的に勧告を中途勧告をすることのないように、この場合ひとつ方針を改めろということですね、積極的な姿勢になれ。もう一つは、物価と労働賃金の悪循環をこの場合断つということを総評、労働組合、国民に呼びかけて、これを十分やれ。この点に対してはすでに総評側のほうも十分ひとつ検討しようというので、労働省で中山委員会でこの話を進めようではないかということにこの間の定期会談でもなっておるような次第でございます。なお、大蔵省に向かいまして、ぜひひとつ勧告どおりやれ、そのかわり行政の効率化に対しては旧来よりも一段と努力をしていこう。したがいまして、あるいは公団あるいは公社、法人、いろいろなものをどっとつくっていく、あるいは部をふやし、局をふやし、人をふやすというような、経済が進めばまた役人も増加するという、こういう状態にならぬように、効率化ということに対して一段と自治省も努力するが、政府自体も努力して、そして勧告の実現に努力しろ、こういうことの実現に強く努力する点について、前向きに根本問題から解決しろということを強く要望をし^われわれも行政の効率化に対しては一段と努力をするから、そのかわり十分勧告を尊重しろというようなぐあいに要請をいたしておる次第でございます。
#63
○細谷委員 いまの大臣のおことばは、人事院勧告というのを完全実施するという前向きの基本態度でこの問題に取り組んでいくんだ、国家公務員も完全実施、そして地方公務員にも完全実施、こういう態度で取り組んでいくんだ、こういうふうに私は理解している。この問題を歩調を合わせても、前向きにやるのだ、うしろ向きにはやらぬのだ、こういうふうに私はいまの大臣の御答弁を理解したいと思うのであります。
 その際に、大臣は三つの問題を持ち出しておると思うのです。一つはいまおっしゃった行政の能率化、あるいは効率化、これはそのことば自体に私も賛成でありますけれども、大臣の構想は、一体その内容についてはどういうところにあるかということについては、きょうは時間がありませんから、いずれお尋ねして明らかにしていただかなければならぬのでありますが、それが一つと、もう一つは賃金と物価の悪循環を生じさせない。一体悪循環ということはどういうことなのか、この辺の大臣のお考えも明らかにしていただかなければならぬと思うのです。そういう点についてやはり大臣が前提条件として考えていらっしゃるのではないかという気がします。そういうことも大臣のお考えとしてはあり得ることでありましょうけれども、当面の問題は、とにかくこの人事院勧告を尊重する、それには前向きでやる、こういうふうに大臣が決意している、それでまた現在最大限の努力を払っているのだ、こういうふうに理解してよろしいか、重ねてひとつ明瞭に御答弁願います。
#64
○永山国務大臣 お説のとおりでございます。前向きにぜひひとつ勧告を実現しろということを申しておるのであります。物価と労働賃金の悪循環に対しては、経済企画庁長官も十分検討を進むべきである、労働大臣もこれをやれということを、私は大蔵大臣にも申しております。総評側のほうも定期会談においては、これを労働委員会の中山委員会でも検討しよう。ただ労働賃金だけの問題でないのではないか。要するに流通機構の問題その他のファクターと総合して検討する要があるということを労働者側からも申しております。経済企画庁長官も、ファクターはまだよくわからぬけれども、六五%は労賃値上げがそのファクターではないかというようなこともいま検討を続けておるが、十分検討しよう。そうしてわれわれは、効率化ということはまず理事者及び議会側がえりを正せということを申しておるのであります。会社が非常に経済が悪いときには、自分の財産を売ってでも整理に当たるのだから上の者がよそからやってきてどうして人事管理ができるか。自治大学をうんと利用して、地方の者をどんどんよこして再教育をして、そうして能率化のために何といっても人をつくらなければいかぬじゃないか。こういうような状態で能率化問題に対しても一段とひとつ計画を立てて前向きでいく。そうして人事院勧告は中途にしない、そういうことをやるのだという腹をきめて五月から実施したらどうか。そのくらいの度胸が政府になければいかぬというくらいに私は事実において申し上げておる次第でございます。
#65
○細谷委員 大臣の意気、文字どおり壮とすべきである。ただ私どもが新聞等で見た範囲では、自治省内部にもいまの大臣の意を体しないで、財源がない、しょうがないということで、大蔵省のほうとアベックでおくらせろ、おくらせろという動きもあるやに新聞に書いてあります。私はないと思うのですが、ひとつ大臣のその意気をやはり地方公務員が期待しておる、また地方の財政当局も、この困難な地方財政をどうしてくれるか。大臣のいまの意気、熱意に期待しているわけですから、ないと思いますが、省内に分裂があるらしいということはうわさがありますから、ひとつ大臣しっかり握って実現していただくように特にお願いしたいと思います。
#66
○永山国務大臣 努力いたします。
#67
○華山委員 私、山形県でありますが、最近自治大臣が山形に行かれまして講演をなすったそうでございます。その中で、私おりませんのでお聞きいたしませんで、たいへん失礼でございますが、地方財政は現在前ガン状況であるということをおっしゃったそうですが、そうおっしゃいましたか。
#68
○永山国務大臣 大体日本のすべてにおいて前ガン症状的傾向がある。したがいまして、この場合において放射線治療ではとてもいかぬ、張りこう薬ではだめだから抜本的手術をする。それには財源の移譲をしっかりやって、地方財政の確立をはからなければいかぬが、しかしそれは私が盛んに言いおるがまだなかなかついてきてくれないから、皆さんのほうもしっかり応援してくれというように申しました。
#69
○華山委員 前ガン症状であるということであれば、何とか早く切開しなければならないのですが、それについて大臣の御趣旨は、非常に人件費に重きを与えたというような印象を持っている。人件費の節約が前ガン症状の切開の一つの重要な方法であるという印象を与えております。非常に困ったことだと思うのでございますが、ひとつ伺いたいのでございますけれども、その際に地方自治に関しまして、自治省はこの次の国会あたりで定年制を規定したい、こういうふうなことをおっしゃったそうでございますが、ほんとうでございますか。
#70
○永山国務大臣 中央集権的な行政が強まって、自治の本質が失われようとしておる。すなわち自己財源で給料さえも払うのに困難な情勢になっておる。したがって自治の本質を確立するためにおいては税源をまず確保する必要があるということを強く主張をいたしております。もちろん人事管理面に対しては、十分ひとつ効率化をはからねばならない。したがって大学の卒業生中心でいくよりは、高等学校を出た者を自治大学で再教育をいたし、そうして大学を出た者だけが指導者になるということでなしに、広く人材を登用するというような方途についても考えて能率化をやるべきであるということで、ただ、人をということは、首を切れという意味ではございません。もちろんことばの足らざるところに対しては、誤解である点は私のほうで十分ひとつ御理解を求めなくてはならぬと考えておる次第でございます。なお、この定年制の問題につきましては、日本丸を運航いたしておるものは、何といっても行政、司法、立法である。その行政の推進力となるところに優秀なる人材が集まるということにならなければ、日本丸は高度に、末長く、世界的に運航することは困難だ、したがいまして、人材を登用せにゃならぬ。それで老後においては生活の安定を確保できるというような待遇処置はもちろん講じなければいけない。それには年金、恩給制度も物価にスライドする、あるいは若年停止は排除するというような諸種の点を考慮いたして、さらにからだをうんときたえていく。そうして年をとっても能率の上がるような――諸外国では六十五までやっているじゃないか、だからして定年制については地方自治体の趣旨によってやることを妨げないけれども、すでに人生五十年は七十年になっておるんだから、その間においてからだの練成をし頭をみがいて、そうして十分行政に専念のできるような体制を確立することが好ましいというように考えておる次第でございます。
#71
○華山委員 ちょっと簡単にお答え願いたいのですが、そうしますと、社会保障制度とかなんとかというものの確立しない間は定年制というふうなことはこれは考えられないのであって、この次の議会あたりに定年制という問題はお出しにならない。こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
#72
○永山国務大臣 それらの社会保障制度すべてと並行をして進むべきであって、地方自治体の自主性を尊重してやるということで、この点については議会側の意見をよく参酌し、そうしてまた組合側の意見を尊重して、そうして努力をいたしたいと考えておる次第であります。
#73
○華山委員 私は人事院等におきまして、人事院の相当の責任のある人から聞くのでございますけれども、人事院の勧告が国家公務員だけであるならばこれは完全実施できる、従来地方財政の問題があるから完全実施できないで、あるいは十月とか九月とかいうことになっているんだ、こういうことを私は責任のある人から聞きます。はたして過去においてそういうことであったのかどうか。大臣は御存じないかもしれませんけれども、自治省に長くいられる方から、そういうふうなことがあったのかどうか、財政局長からお聞きいたしたい。
#74
○柴田説明員 責任のある方からさようなことを聞いたことはございません。しかしそういうようなことを冗談まじりに言う人はないことはございません。
#75
○華山委員 さようなことは地方財政のために、その完全実施のうしろ足を引っぱったということは、過去においてはないのでございますか。
#76
○柴田説明員 今日の国、地方の公務員のあるたてまえから言いますれば、実際問題として警察組織を考えれば明瞭でありますけれども、国家公務員と地方公務員とを切り離して給与問題を扱うことはできないのであります。その辺の事情をよく知らない人が国家公務員は国家公務員、地方公務員は地方公務員というふうに簡単に割り切って、そういうつぶやきを言ったようではないかと私は存ずるのであります。
#77
○華山委員 私聞いておるのは、地方財政が困るから、国の財政だけであるならばできるのだけれども、地方財政が困るから完全実施はいままでできなかったのだ、こういうふうなことが考えられますか。
#78
○柴田説明員 私は過去においてさようなことがあったとは考えません。
#79
○華山委員 それであるならば、ひとつそういうふうなことに、ことしも地方財政の面から足を引っぱることのないように十分に御配慮を願いたいと思います。
#80
○安井委員 ただいまのお二人の関連質問の中でも、私もう少し詰めてお伺いしたい問題がたくさんあるのですけれども、大臣を解放しなければならない時間に大体なってきているわけですが、そのためもありますので、あとの質問を少しはしょりますが、大事な問題点をさらにまた後日お尋ねいたしたいということだけ申し添えておきたいと思います。
 そこで、先ほど来一般会計の職員に対する問題についてお尋ねをしてきた上に、もう一つつけ加えて地方公営企業の職員についてもこの際十分に考慮する必要があると思います。その財源措置について考慮する必要があると思いますが、この点についてのお考えを大臣に承りたいと思います。
#81
○永山国務大臣 地方公営企業につきましても十分財源措置等を配慮する必要があると考えます。しかしこれは受益者負担を原則としておるような関係等もございますので、やはりケース・バイ・ケースで、たとえば地下鉄等に対しては、特に非常な採算性の合わぬ問題であるとか、あるいはその他のいろいろの公営企業の状態というものを中心に十分検討をいたして、たとえば政府の金の支払い期限等、償還関係、資産の償却関係というものの見合いを考えて長期にするとかあるいは金利の問題を考えるとか、あらゆる方面を総合いたしまして、十分ひとつ検討いたさなければならぬと考えております。
#82
○安井委員 大臣、物価と賃金の悪循環とか、ケース・バイ・ケースとか、だいぶむずかしいことをたくさん言われるので、そこで問題をはぐらかしてしまわれたら困るのです。それからまた地方公営企業についての長期の対策のこともいまおっしゃったわけです。それも地方公営企業制度調査会の答申が近く出るそうですから、それを中心に私どもさらに論議をいたしたいと思いますけれども、当面のことしのベースアップにしぼって私はお尋ねしているわけです。いまの御答弁の前段には、地方公営企業の職員のベースアップについても同様に財源措置を考える、そういうふうなお気持ちをお話しになったと思うのですが、それでよろしいですね。
#83
○永山国務大臣 もちろん私は弱い者の犠牲において物価安定をしようという考え方は根本的に反対をいたしております。したがいまして、公営企業の関係者に対しましても、十分ひとつ公務員に準ずる態勢をとる必要がある。しかしそのやり方に対しましては、これをすぐ政府財源で処置するということとはつながらないのであります。諸種の問題のケース・バイ・ケースを中心にしまして、企業内の関係等をよく検討をして、これがベースが並行して行なわれるように努力をいたしたいと考えます。
#84
○安井委員 なお財政問題についてももっとお尋ねしたいことがたくさんあるわけであります。けれども、一応私は今日の段階の地方財政の危機について、政府もずいぶん腐心されているようだし、自治大臣のおことばでも前ガン症状だそうですから、早く手当てをしないところりといくおそれがありますから、早いうちきちっと徹底的な切開手術をやる、こういうお進めをいただかなければいかぬと思います。しかし、当面超過負担の解消の問題、これでも自治省の計算でも千二百七十三億も四十年度あるのではないかというふうにいわれる。こういうふうな問題の解決の道をとれば、財源は幾らでも浮いてくる。あるいはまた租税特別措置が地方財政にずいぶん悪影響を及ぼして減収を起こしているわけですから、これをやめるならば、ここでも千五、六百億から二千億くらい私は浮いてくるんじゃないかと思います。そういう租税特別措置の問題は、これは大きな問題でありますけれども、当面は法人税が減れば地方税がそのまま減ってくるという仕組みについても、この際やはり考える必要があるのではないか、そう思います。少なくもことしは当面の問題として考える必要がある。所得税が幾ら減っても、現在の税法では地方税は減らないことになっています。地方税はそこで遮断をして独自の計算をする。ところが法人税については、法人税が減ればそのまま地方の法人についての税も減ってくる、いまの仕組みはこういう仕組みになっているわけです。非常に不公平なわけです。一般の勤労者や農民や零細業者の人たちは所得税でいっているわけですから、その所得税が減ったら地方税が減るかと思ったら、それのほうはちょっとも減らしてくれないで、地方税は独自の計算をしてしまう。ところが法人の場合は減ればそのまますっと減ってしまうわけです。そういう不公平がある。それが、ことしも来年もおそらく同じことになると思うのですけれども、地方財政に重大な影響を及ぼすことになっているわけですから、私は、ことしの財政の危機に対しても、法人税の減税が地方税の減収にすぐ響かないような何らかの措置が必要ではないかと思います。たとえば法人事業税だとか法人税割の住民税の税率を特例措置として引き上げるとか、そういうようなことでもあれば私は財源の対策にはなるのじゃないかと思いますし、それからまた地方交付税の税率の引き上げの問題も、これはこの前の細谷委員の発言の中にもありますけれども、大臣はいずれにしても交付税は減らさぬのだ、こう言われますが、その方法としては、税率引き上げというのが私は一番筋が通ると思います。さらに、大臣も先ほどのお話の中にありましたが、公債で国が仕事をやるということになりましたら、地方のほうは、その国の事業についての地方負担を乗せていかなければならない。ところが、国が税の自然増収でやる場合には、地方のほうも税がふえれば地方税もふえてくるわけですから、その自然増収で実施できますが、国が公債でやった場合には、地方は自然増収はもちろんない。それは減るわけですからね。仕事はふえるし収入は減る、こういう二重の苦しみにあうわけですから、国がもし公債を出すということになれば、地方もこの際やはり大幅な地方債を、時期がだいぶ過ぎておりますけれども、出す、こういうような仕組みが私は必要になってくるのじゃないかと思います。こういうような具体的な措置で私は当面の地方財政の危機は回避できると思うわけです。もう少し時間があればこれは論議をしたいのですが、一応大臣の一般的なお考えだけでもこの際聞いておきたいと思います。
#85
○永山国務大臣 非常に示唆に富んだ御意見を承りましたので、ただいまのように税率の引き上げあるいはいわゆる法人税割の税率の引き上げ、また交付税率の引き上げ、その他地方が直轄事業で負担しなければならない問題に対しては交付公債制度を復元するとか、種々の問題があると思いますが、皆さん方の十分の御支持をいただきまして、来年度予算、本知の補正等に対しても最善を尽くしたいと考えて、ただいまのいろいろの御意見を十分尊重してやりたいと考えます。
#86
○安井委員 あと財政の問題、地方公務員の給与の問題ももう少しお尋ねしたいのですけれども、もうお帰りの時間になったと思いますので、その点はしょりまして、地方行政の問題について二点だけ簡単に伺います。
 第一点は、東京都議会の問題が起きた際に、この委員会では真剣な取り組みのもとに地方議会の解散の特例に関する法律案をつくって、衆参両院、全会一致で国会が通り、それによって東京都議会の解散の一つの基礎を与えることにもなったわけであります。その際に、附則の中に、一年以内に、この特例法は急々のうちにつくった経過があるので、検討するものとするというふうな附則の規定を設けて通過をさせたという経過があるわけです。だいぶ日がたつわけでありますが、自治省としてのこれについてのお取り組みはどうなっているか。特に、府県合併だとかの問題なんかも自治省は地方制度調査会に付議されて答申を得たようでありますけれども、むしろこういう地方自治の重大な問題があるではないか、こういうような問題について、地方制度調査会でなぜもっと論議しなかったのか、こういうふうに思うのですが、どうですか。
#87
○永山国務大臣 これに関しましては、まだ十分な考え方をまとめておりませんことを遺憾に思うのでございますが、世論の動向や、また皆さん方の意見を十分拝聴しまして、ぜひひとつ結論を得たいと考えております。個人的意見でございますけれども、自殺や腹切り関係はなるべくひとつ避けて、ほんとうの民意を尊重してやっている現行法を中心としたいと考えておりますが、何しろ東京都のようなマンモス都市におきましては、事実上リコール問題が物理的に困難ではないかというような点もございますので、これらをいかに取り扱うかは、ひとつ十分皆さん方の意見を尊重しながら結論を出したいと考えておりますので、よろしく御指導を願いたいと存じます。
#88
○安井委員 たしか一年以内と書いてあったと思うのですが、そういうことになりますと、そのお考えがまとまれば次の通常国会に提案をなさるおつもりなのかということ、それから地方制度調査会への諮問はなさるのかどうか、この点どうですか。
#89
○永山国務大臣 お説のように、一年以内に検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講じろという院議を尊重いたしてやりたい。したがいまして、地方制度調査会に対しましても諮問をいたしたいと考えておる次第でございます。
#90
○安井委員 次に、地方制度調査会のこの間の答申の中に、府県合併の問題があったわけであります。この調査会の中で、わが党の委員の諸君も十分に意見を吐いておりますので、もうよけいなことを言う必要はありませんが、現在の憲法やあるいは自治法の中でも合併の方法があるわけです。現にあるのを、さらに住民投票というふうな慎重な仕組みでやらなければいけないという憲法の考え方、それを無視して、ごく簡単に合併ができるような仕組みをつくろうという、そういう意図については、私ども非常に疑問に思うわけであります。その点の論議はきょうはもういたしませんが、ここで二点伺いたいのは、一つは、かつて昭和三十二年の地方制度調査会の答申の中に地方制に関する答申があったわけでありますが、そのときは地方制の案とそれから府県合併案とがあの制度調査会の中で二つに分かれて、たしか採決で一票差で地方制案が通ったという経過があるわけです。制度調査会の構成は変わりましたけれども、今度の第十次調査会では、府県合併のほうが通ったわけです。昔は府県合併が破れて地方制が通ったのが、今度は府県合併のほうが通っちゃったわけです。だから、そういう中から、地方制という考え方はもう地方制度調査会の中から消えたのだ、少なくとも政府はそういうふうなお考え方で処理するのではないかと思うのでありますが、どうでしょうか。その点が一つと、それからもう一つは、現在のところ政府は府県合併に関する特例法案というふうなものを次の通常国会などに提出するお考えがあるのかどうか、この二つを伺います。
#91
○永山国務大臣 答申の趣旨を尊重しまして、府県合併に関する方向で広域行政時代に進んでいきたい。しかし、これらは実際問題として、交通網の完備、地域間の格差是正というようなものが総合されて、初めてその効率化をあらわすのでございますので、それらの諸施設等と考え合わせまして、時期を見たいと考えております。なお、そのやり方につきましては、皆さん方の御意見は十分答申の中に意見を加えられておりますので、少数意見といえどもぜひ尊重をいたしまして、民意を尊重して地方の自治体の総意を反映するあらゆる点を考慮の上で法制化をしていきたい。したがいまして、すぐ次の議会にこれをお出しするということをお約束することにはいきかねると存じますが、鋭意検討を続けまして、答申を尊重してやるように努力したいと考えております。(安井委員「地方制についてはどうですか」と呼ぶ)地方制度の実施については、考えていないのでございます。
#92
○安井委員 それでは、時間が少しオーバーいたしましたけれども、これは大臣の御答弁の中にも少しむだな答弁があったからだ――ということだけではありませんが、まあそういうことでひとつ御了承を願いたいわけでありますが、今日の段階、公務員ベースアップの問題が非常に重大な政治の課題になってきております。この委員会は、特に地方公務員の問題について関心を持っているわけでありますが、先ほど来の大臣の御答弁をお聞きいたしますと、歌舞伎の舞台での何かこう大みえを切るようなそういう場面もだいぶあって、その点心強いように思いますけれども、しかしそれは実は芝居であって、うしろのほうでは、地方財政が苦しいのだから、あまり早く実施時期を早めては困る、こういうような舞台裏の作業があっては困る、こういう点を、先ほど関連質問の中でも強く出されたわけです。ひとつそれを芝居だけで終わらせずに、必ず実行に移していただかなければならぬわけです。とにかくことしのベース改定の問題は、今日まで政府が毎年毎年うそをついてきた。完全実施しますといって、そしてちっともやらない。これは重大な食言だと思うのですよ。それは毎年毎年なんだから。大臣は、きょうはこういうふうに言われていますよ。今度は、十月十五日にきまるかどうかわかりませんが、その次の委員会に、ここでどういうふうに言われますか。もしも完全実施できなかったら、あれだけここでお約束されてこの次できなかったら、私はたいへんだと思うのですよ。ですから、そういうようなことを今日まで毎年毎年続けてきたというところに、ことしのこれが完全実施できないような場面がもしうかがえたら、これは大きなトラブルが全国的に起こるおそれがある、私はそういうふうに思うわけです。そういうようなことでありますだけに、特にここだけの議会答弁というふうな形で終わらせるというようなことであっては、私は絶対に許せないと思います。その点、最後に大臣の御決意を伺わせていただきたいと思います。
#93
○永山国務大臣 ずいぶん一生懸命に努力を続けておることは間違いないのでございます。しかし、これに関しまして、なお大蔵当局その他政府全体におきまして、私の言うとおりの方向へ進むのには非常な難色を示しておりますので、皆さん方の応援とともに鋭意努力を続けたいと考えておるのであります。大蔵側の線は、結局これは国民がきめる法律で決定するものであるから、国の財政、国民全体の総意を中心に最後の決定をするというようなことを強く主張をいたしておりますので、われわれは人事院勧告を絶対に尊重をするということが基本であるというように、いま鋭意話し合いを進めておりますので、今日の激励にさらに意を強ういたしまして、努力を続けたいと考えておる次第であります。
#94
○中馬委員長 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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