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#1
第049回国会 災害対策特別委員会 第5号
昭和四十年九月十一日(土曜日)
   午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 楯 兼次郎君
   理事 池田 清志君 理事 小沢 辰男君
   理事 大村 邦夫君 理事 山口丈太郎君
      逢澤  寛君    小渕 恵三君
      草野一郎平君    倉成  正君
     小宮山重四郎君    田村 良平君
      高橋 禎一君    二階堂 進君
      西岡 武夫君    藤尾 正行君
      井谷 正吉君    岡本 隆一君
      落合 寛茂君    川崎 寛治君
      川村 継義君    沢田 政治君
      高田 富之君    武藤 山治君
      村山 喜一君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房参事官)  金子 任利君
        警  視  長
        (警察庁警備局
        警備課長)   後藤 信義君
        大蔵事務官
        (銀行局保険部
        保険第一課長) 村田  博君
        大蔵事務官
        (国税庁直税部
        所得税課長)  林  大造君
        文 部 技 官
        (管理局教育施
        設部長)    中尾 龍彦君
        文 部 技 官
        (管理局教育施
        設部指導課長) 大串不二雄君
        文部事務官
        (管理局教育施
        設部助成課長) 岩田 俊一君
        厚生事務官
        (社会局施設課
        長)      宮田 千秋君
        農林事務官
        (大臣官房参事
        官)      尾中  悟君
        農林事務官
        (農政局参事
        官)      河原卯太郎君
        農 林 技 官
        (農地局建設部
        災害復旧課長) 松井 芳明君
        農 林 技 官
        (蚕糸局蚕業課
        長)      熊本 盛順君
        農 林 技 官
        (林野庁指導部
        長)      福森 友久君
        中小企業庁次長 影山 衛司君
        運輸事務官
        (大臣官房審議
        官)      中野  大君
        運 輸 技 官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部施設課
        長)      斎藤  徹君
        運 輸 技 官
        (気象庁予報部
        長)      今里  能君
        建 設 技 官
        (河川局長)  古賀雷四郎君
        建設事務官
        (河川局水政課
        長)      粟屋 敏信君
        建 設 技 官
        (河川局防災課
        長)      重兼 暢夫君
        建設事務官
        (住宅局住宅総
        務課長)    角田 正経君
        自治事務官
        (財政局財政
        課長)    佐々木喜久治君
        消防庁次長   川合  武君
    ―――――――――――――
九月九日
 委員武市恭信君辞任につき、その補欠として金
 子岩三君が議長の指名で委員に選任された。
同月十一日
 委員大竹太郎君、舘林三喜男君、塚田徹君、橋
 本龍太郎君、藤本孝雄君、森下元晴君、坂本泰
 良君、泊谷裕夫君、中村重光君、西宮弘君及び
 吉村吉雄君辞任につき、その補欠として小渕恵
 三君、草野一郎平君、倉成正君、小宮山重四郎
 君、二階堂進君、藤尾正行君、川村継義君、高
 田富之君、沢田政治君、川崎寛治君及び村山喜
 一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員小渕恵三君、草野一郎平君、倉成正君、小
 宮山重四郎君、二階堂進君、藤尾正行君、川崎
 寛治君、川村継義君、沢田政治君、高田富之君
 及び村山喜一君辞任につき、その補欠として大
 竹太郎君、舘林三喜男君、塚田徹君、橋本龍太
 郎君、藤本孝雄君、森下元晴君、西宮弘君、坂
 本泰良君、中村重光君、泊谷裕夫君及び吉村吉
 雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
八月十一日
 一、災害対策に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 派遣委員からの報告聴取
 台風第十五号及び第二十三号による災害対策並
 びに昭和四十年九月の降雹による災害対策
     ――――◇―――――
#2
○楯委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 まず、台風第十五号による被害状況調査のため熊本県及び鹿児島県に派遣されました委員から報告を聴取することにいたします。井谷正吉君。
#3
○井谷委員 昭和四十年八月六日の台風第十五号による被害状況調査のため、議長の承認を得て、去る八月十七日から二十一日までの五日間、熊本県及び鹿児島県の両県に派遣せられました派遣委員として、調査の概要を御報告いたします。
 派遣委員は、砂原格君、稲富稜人君、井谷正吉の三名で、ほかに地元選出議員多数の御参賀を得て、つぶさに調査をいたしてまいったのであります。
 まず最初に、今次災害の原因となりました台風の経過概況について申し上げます。
 七月二十五日マーシャル群島ポナペ島付近に発生した弱い熱帯性低気圧は、その後西北西に進み、三十一日には沖ノ鳥島の南西海上に達し、発達して台風十五号となり、八月一日にはフィリピン東方海上に達し、急に進路を北西に変え、発達しながら北上を始め、四日には沖繩南西海上に達し、中型の強い台風となり、向きを北北東に変えて九州に近づいたのであります。台風は、九州南西海上に入った六日零時から三時にかけて最も発達し、中心の気圧は九四〇ミリバール、最大風速は五十メートル、中心の東側二百五十キロ、西側百五十キロ以内は二十五メートル以上の暴風雨となり、毎時三十キロの速さで北東ないし北北東に進み、六日四時過ぎに熊本県牛深市付近に上陸、時速四十キロの速さで北東に進み、九時には周防灘を通り、やや衰えて十時ごろには山口県に再上陸し、北に進み、日本海中部に去ったのであります。
 この台風の特徴は、まず、中心付近の風が非常に強い風台風であったことであります。熊本、鹿児島両県とも過去の暴風記録を更新したところが多かったほどであります。風の強さについて一例を申し上げますと、鹿児島の阿久根におきましては瞬間最大風速が五十四メートル、八月の阿久根における風速としては一位であります。また、同じく枕崎においては瞬間最大風速が五十メートル、さらに、熊本県の牛深、人吉等におきましては、それぞれ瞬間最大風速が四十九メートルないし四十八メートルを記録しており、いずれも過去の記録を更新しておるのであります。
 第二に、台風が九州南西海上に達してから最も発達し、中心気圧が最低値となり、ほとんどその勢力が衰えることなく、熊本県を通過したことであります。
 第三に、台風の規模の割りには比較的雨域が狭く、降雨時間も短かったので、雨量はわりあい少なかったこと。
 第四に、この台風が日本海中部を北上したため、日本海側の各地ではフェーン現象のために異常な高温が発生し、湿度はそれと反対に非常に低くなったこと等であります。
 次に、各県の報告に基づいて、被害状況について申し上げます。
 熊本県におきましては、まず一般被害から申し上げますと、死者七名、重軽傷者百七十名、住家全壊百三十二戸、半壊五千二十一戸、流失二戸、床上浸水五百九十九戸、床下浸水千三百四十七戸及び一部破壊八万七千七百九十七戸の多きに及んでいるほか、非住家では、全壊流失二千三百三十四棟、半壊浸水四千二百十二棟でありまして、その被害額は約六十億円に及んでおります。さらに加えて、農業水産関係三十二億円、商工業関係八億円、林業関係六億円、土木関係一億八千万円、教育関係一億四千万円、その他通信、鉄道、電気及び衛生関係等これら部門別被害額は五十二億円となっており、被害総額は約百十二億五千万円となっております。
 鹿児島県におきましては、死者二十名、重軽傷者二百八十八名、住家全壊二千四百三十一棟、半壊三千八百七十五棟、流失一棟、床上浸水三百三十九棟、床下浸水三千七百七十九棟、非住家において、全壊四千八百五十五棟、半壊五千四十九棟、一部破損八百十棟で、これら一般建築物関係の被害が約五十二億円に及んでおります。さらに、農作物関係二十九億円、耕地関係一億八千万円、鉱工業、商業関係八億三千万円、畜産関係一億三千万円、山林関係七十億円、土木関係七十一億円、学校関係二億七千万円、そのほか、畜産、水産、鉄道、電気通信等、これら被害の総額は百十三億七千万円に及んでおります。
 次に、各県においてとられた応急的な措置の概要について御報告いたします。
 熊本県においては、八月五日、台風コースが同県にとって最悪の条件になっているとの情報により、直ちに防災消防課及び水防本部においてそれぞれ所要の職員を配置し、台風対策の指示、予警報の伝達、情報の収集等に当たらせ、同夜二十時三十分警報の発令とともに警戒体制に入り、台風の接近に伴って八月六日零時四十分に熊本県災害対策本部を設置し、関係機関及び市町村と一体となって災害応急対策の万全を期したのであります。被害が判明するにつれて相次いで災害救助法を適用し、救助物資の急送、配分を開始したのでありますが、同法を適用した市町村は、八代市をはじめ五市二十一町十村にのぼったのであります。
 鹿児島県におきましても、台風の接近に伴いいち早く警戒体制に入り、五日十五時三十分鹿児島県災害対策本部及び各支部を設置し、陸上自衛隊との連絡体制を固め、避難その他の事前措置の強化をはかる等、災害発生予想個所を検討し、その対策について協議したのであります。台風の通過に伴いその被害状況の調査収集及び対策を検討し、被災激甚地に対し災害救助法の適用を決定し、被災者の救助を実施するとともに、通信途絶のため被害状況が把握できない場所には航空機によってその状況を調査する等自衛隊の出動要請、被災地視察の上さらに災害救助法の適用を追加決定し、救助物資の輸送、配分、被災地の応急整理等、災害救助を三十三市町村に適用して住民に対する救助対策を行なったのであります。
 以上、各県の報告に基づいて概略を申し述べたのでありますが、次に、われわれ調査団の調査日程に従って現地の実情及び要望事項について申し上げます。
 われわれ調査団は、十七日早朝日航機で羽田から板付に飛び、昼過ぎ熊本県庁において知事をはじめ県当局、県議会及び農業団体の代表の方々から説明を聴取した後、まず、松橋町、鏡町の町役場を経由して八代市を訪れました。御承知のように、熊本県は去る六月及び七月の集中豪雨災害にあったのでありましたが、相次いで台風十五号に見舞われ、六、七月災害の復旧改修がおくれているところにさらに被害をこうむったため、この地方の水陸稲の病害の発生は最悪の事態が予想され、収穫量の減少は必至となっているのであります。また、強風による家屋関係の被害は甚大なもので、住家、非住家の全壊、半壊は、八代地区だけでも一千百二十三戸に及び、一般被害額は九十三億円にのぼっております。特に、その被害者には、生活保護家庭や、その水準近くの生活困窮家庭が最も多く、いかにして復旧するかにも困弊しているのが現状であります。さらに、鶏舎、豚舎、乳牛舎等の倒壊が多く、全壊した家屋のかたわらに倒壊して圧死した鶏が多く、その中で一、二羽わずかに生存した採卵鶏が見られるという情景が各地で見受けられました。また、小中学校等の学校施設の被害が多く、八代市の日奈久小学校をはじめ、これら学校の校舎及び体育館の屋根がわらが飛ばされ、あるいは倒壊寸前の傾斜のため、新学期を迎えて授業不能となっており、二部教育等を考慮すべき事態となっております。さらに、電気通信施設においても、強風のため各所の電線、電話線が切断され、一時は全域にわたって途絶し、電話については、われわれ調査団がおもむいた際まで通話不能の場所があったほどであります。
 次いで芦北町におもむき、芦北地方の実情を聴取したのでありますが、ここでも瞬間最大風速四十四メートルが記録された強風のため、一般住宅をはじめ、公共建物の全壊、半壊等が多く、被害総額は十億円に達しております。また、果樹園をはじめ、農産物、林産物、港湾、漁業施設等も相当の被害を出しており、相次ぐ災害に住民も大打撃を受け、その日の生活にも困窮している状態であります。今般の被害者には低所得者層が多く、社会的にも重大な不安をもたらすもので、町としては住民の救助にも最善の努力を払っておりますが、再度の災害に復旧援助も意にまかせず、住民の生活安定に苦慮しているのが現状であるとのことでありました。
 かくして、午後八時宿泊地水俣市に到着し、翌十八日午前七時五十分宿泊地を出発して鹿児島県に入り、まず、出水市役所において、市長はじめ近隣の町長ほかの方々から説明を聴取したのでありますが、やはり個人災害が最も大きく、住宅罹災者中、被保護世帯、老人世帯、母子世帯及び要保護世帯の人々が大半を占めております。また、学校、公民館、公営住宅等の公共建物並びに道路等の受けた被害が大きく、災害救助法の適用に伴い法外援助に関する経費が相当多額になっているのが現状のようであります。
 次いで、高尾野町役場を経由して阿久根市役所に着いたのでありますが、ここは瞬間最大風速五十四メートルもの強風に見舞われ、住家全壊百八戸、半壊百七十四戸となっており、その他港湾、学校及び市有林等被害総額も六億以上に及んでおるのであります。
 次いで、川内市役所におもむき、川内市を中心とする川薩地方の被害状況を聴取したのでありますが、この地方においては、死者十一名、重軽傷者四百十九名、住家、非住家の全半壊六千七百棟に達する被害を受け、被災総額は実に四十七億円、被災人員約二十万人という惨状であります。幸いにしていち早く災害救助法の発動がなされ、着々復旧への努力が進んでおりますが、川内市長の説明によれば、今度の災害は台風常襲のこの地方にとっても古今未曽有のものであり、ぼう然自失しているのが実情であるとのことでありました。
 川薩地方の視察に引き続き、串木野市役所において説明を聴取いたしました。ここでも今回の台風の特徴として、住家、非住家、学校等公共施設等の建物が惨害を受けたこと、水陸稲、果樹、蔬菜等農作物の被害が深刻であったことをあげておきます。この市も災害救助法の適用を受けて救助活動に入り、また自衛隊の派遣を受けたことに感謝しており、住民もまた復興への意欲を燃やしておりますが、災害の打撃がきわめて大きいため、経済基盤の浅いこの市においてはその対策に苦慮しており、一日も早く国並びに県において適切な措置を講じられたいとのことでありました。また、上甑島、下甑島の町村長からは、島には職人と大工が不足しているため復興がおくれるので、離島における災害時の職人及び大工の派遣問題についても配慮してほしいとの特に強い要望があったのであります。
 かくして、夕刻鹿児島県庁に到着、県庁会議室において知事をはじめ県当局及び県議会の代表の方々から実情を聴取しましたが、県当局では通信施設の断絶から被害の実態がなかなかつかめず、日を追って被害の甚大なことに驚いたほどであるとのことでありました。
 十九日は鹿児島市内の宿泊地を出発して加世田市に向かうことになっておりましたが、予定を一部変更し、加世田市よりさらに西南端の笠沙町野間池地区まで足を伸ばし、笠沙中学及び小学校を視察したのでありますが、体育館の屋根は半分ほどもはがされ、中から青空を見通せるありさまでありました。台風の常襲地帯ともいわれるこれらの地方では、むしろ罹災者の逃難場所となるべきにもかかわらず、最も一被害が大きい実情を目の前にし、改良復旧の必要性を力説する地元民の窮状を身にしみて感じさせられたのであります。
 笠沙町を折り返して、加世田市におもむき、市役所において関係者の方々から実情を聴取し、道道被害現場を視察しながら、吹上町及び日吉町を経由して東市来の宿泊地に到着し、本調査団の全日程を終了し、翌二十日帰途についたのであります。
 以上、日程に従って現地の実情を申し述べましたが、今次災害は、過去の台風災害と異なり、まれに見る風台風であったため、通常は道路、河川、耕地の災害が大きいのに比し、これらの災害が比較的少なく、反面、家屋及び水陸稲、果樹、カンショ、蔬菜等の農作物被害がきわめて大きかったことが特徴としてあげられ、ことばをかえれば、公共災害よりも個人災害が甚大であった点、公共災害の場合は大きく感じられ、個人災害は小さく感じられるという弊害があることを十分考慮しなければならないところであります。
 次に、各地における要望事項について一括して申し上げます。
 一、今回の台風第十五号による被害は、住宅災害、農業災害を中心として著しく激甚であるので、今次災害を激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律第二条に規定する激甚災害に指定せられたいこと。
 一、普通交付税の繰り上げ交付、特別交付税の増額及び起債ワクの拡大について措置されたいこと。
 一、公共施設災害復旧事業について緊急査定を実施するとともに、台風常襲地帯にかんがみ、防災のためにも改良復旧措置を講ぜられたいこと。
 一、応急仮設住宅及び被災住宅応急修理の特別基準の設定について現行基準の三割を五割以上に引き上げられたいこと。
 一、罹災地帯のうち低所得者層の被害が特に甚大であり、災害援護資金の大幅な貸付が予想されるので、世帯更生資金の国庫補助ワクの増額をされたいこと。
 一、生活保護世帯の家屋被害が大きいので、家屋補修費の額を大幅に増額されたいこと。
 一、農林水産関係災害対策として次の諸点について配慮されたいこと。
  (1)天災融資法に基づく特別被害地域として
 の指定、自作農維持資金の災害融資ワクの拡大
 並びに償還期間、据え置き期間の延長、各種農
 林漁業資金の旧債償還の延長。
  (2)被害農作物防除経費中農薬費に対する補
 助措置。
  (3)開拓者資金による災害のワク拡大並び
 に融資配分の特別措置、開拓者災害対策補助の
 早期決定と早期支払い措置。
 一、学校等公共施設の緊急査定を実施せられたいこと。
 一、商工業関係災害に対する政府関係機関の融資を円滑にせられたいこと。
 一、水道施設等生活環境施設被害に対する国庫補助及び災害融資をされたいこと。
 一、被害者に対する税の減免、徴収猶予について措置されたいこと。
 以上のような要望があったわけであります。
 政府におかれましては、これらの要望を検討され、被災住民の生活の安定をはかるため、一日も早く適切な措置をされるようわれわれ調査団からも強く要望いたしまして、報告を終わります。(拍手)
#4
○楯委員長 これにて派遣委員の報告聴取は終わりました。
 派遣委員各位にはまことに御苦労さまでございました。
 なお、昭和四十年六月及び七月の豪雨等による被害状況調査のため岡山県、鳥取県及び島根県に派遣されました委員から、委員長の手元にその調査報告書が提出されておりますので、これを会議録の末尾に参照として掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○楯委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#6
○楯委員長 次に、この際、昨日の台風第二十三号による被害状況並びに九月四日の降ひょうによる被害状況について関係当局より説明を聴取いたします。警察庁後藤警備課長。
#7
○後藤説明員 台風第二十三号の被害状況でただいままで私どもの手元に届いております資料に基づきまして御報告申し上げます。
 九月六日、硫黄島南方海上に発生いたしました台風第二十三号は、七日、八日は小笠原諸島南方洋上を北西に進みまして、九日早朝ごろ南大東島を過ぎて間もなく進路を北に変えまして、九州地方の南方海上を九州地方に向かって進んだわけでございますが、同日夕刻ごろには九州、四国地方の南岸に接近し、翌九月十日午前八時四十分ごろに、中心気圧九百五十ミリバール、中心付近の最大瞬間風速五十メートル、中心から半径二百キロ以内では風速二十五メートルという勢力をもちまして高知県安芸市に上陸をいたしたのでございます。その後台風は衰えを見せずに四国を北に縦断し、同日午前十時過ぎに再度兵庫県姫路市南西付近に上陸をいたしまして、同県を北に縦断し若狭湾に出まして、さらに日本海を本州に沿って北東に進み、夕刻過ぎには北海道渡島半島に接近したのでございます。その後夜半に至りまして、北海道の西方日本海沿岸をかすめながら、十一日、けさでございますが、早朝稚内付近を通りましてオホーツク海に抜けたものでございます。
 この台風はほぼ日本列島に沿って通過したわけでございますので、この進路に当たりました四国、近畿地方をはじめといたしまして、全国四十の道府県下にそれぞれかなり大きな被害を出しておるのでございます。
 その被害の状況は、ただいまお手元に資料として差し上げたとおりでございますが、最も大きい被害を出しましたのは、県で申しますと兵庫県でございます。兵庫県では、死者が十五名、行くえ不明が三名、負傷者三百五十四名、家屋の全壊が五百八十四むね、半壊が千三百三十四むね、床上浸水が四千三百五十四むね、床下浸水が一万四千八十五むね、それから一部の損壊が二万四千四百九十むね、非住家の被害が三千七百四十四むねとなっております。さらに水田、畑等の冠水あるいは道路、橋梁の損壊、山、がけくずれあるいは鉄道の被害、木材の被害等が相当に出ておるのでございます。次に被害の大きかったのは徳島県でございました。徳島県では、お手元にございますように、死者が三名、行くえ不明が三名、負傷者が六十一名、家屋の全壊が二百五十七むね、半壊が五百五十八むね、床上浸水が百七十むね、床下浸水が七千七百七むね、一部の損壊が一万六千二百八十二むね、非住家の被害が千百七十七むね、以下、水田、畑等の冠水あるいは道路、橋梁の損壊、鉄道被害あるいは木材の流失、通信施設の被害等、相当に出ておるわけでございます。その次は、順序として申し上げますと、京都が被害が多うございました。その次は和歌山県でございます。以下、高知県、福井県、石川県、香川県というような順で、ただいま申し上げましたように、四十の道府県にわたりまして甚大な被害が生じておるのでございます。
 これらを集計いたしますと、死者は全国で三十九名でございます。行くえ不明は二十三名、負傷者が七百七十五名でございます。家屋の全壊は一千九十六むね、半壊が二千五百九十むね、流失いたしましたものが七むね、床上浸水が七千百六十二むね、床下浸水が三万八千三百五十むね、一部の損壊が五万七千九十六むね、非住家の被害は七千七百七十二むねでございます。それから水田の被害あるいは畑の被害等がかなり出ております。なおここで、ちょっと恐縮でございますが、お手元に差し上げました資料の中で水田の冠水の数字が違っておりますので、八千四百十ヘクタールと御訂正いただきたいと存じます。木材の流失あるいは通信施設の被害、道路、橋梁等の被害が相当に出ておるのでございます。なお、船舶の流失あるいは破壊、破損等も相当に出ております。
 死者が三十九名出ておるわけでございますが、このうちで、一カ所で一番多く出ましたのは兵庫県の姫路市でございます。ここでは姫路市の大阪化学工業姫路工場の煙突が倒れまして、これが事務室を倒壊させましたために、その下敷きとなりまして五名死亡しておるのでございます。それから明石市におきまして、ふろ屋の煙突が倒れまして、これが隣の家をこわし、その下敷きとなりまして四名の死者を出しておるのでございます。それから行くえ不明といたしましては、石川県の羽咋郡富来町におきまして、小型の漁船が福浦港の海上三十キロばかりの沖合いで消息を断ちまして、乗り組み員七名がただいままでその生死が不明でございます。それから、各県下にわたりまして死者がそれぞれ出ておりますが、主要なと申しますか、たくさん一カ所で出ましたのは、ただいま申し上げました兵庫県におきまして二カ所でございました。行くえ不明は、石川県の富来町の遭難事故でございます。
 以上が台風二十三号によります被害の概況でございます。
#8
○楯委員長 次に、建設省古賀河川局長。
#9
○古賀説明員 台風二十三号による被害状況について御報告いたします。
 気象状況につきましては、ただいま御説明がありましたので省略させていただきます。
 現在なお調査中でございますが、現在まで判明した被害額は、直轄災害につきましてはただいま調査中でございますが、補助災害につきましては、千四百三十四カ所、十七億六千九百九十四万四千円の報告があっております。都市施設の被害額は、二カ所で、五百万八千円の報告があっております。
 なお、直轄河川の出水状況につきましては、天神川、千代川、渡川、那賀川、揖保川、円山川、紀の川、由良川、木曽川等の出水がございましたが、そのほかに、その後の報告によりまして、富士川、吉野川、櫛田川、雲出川、それから北海道の河川といたしまして、追加報告になりますが、石狩川水系の豊平川、千歳川、それから後志利別川、尻別川、留萠川、常呂川、釧路川というような河川が、いずれも警戒水位以上越しておりまして、ただいま被害額につきましては調査中でございます。
 直轄河川の出水状況ではさようでありますが、お手元にあります報告書のほかに、先ほど報告がありましたのによりますと、ただいままでの集計によりまして、四十カ所、三億七千四百四十万という報告が入っております。
 補助の災害につきましては、宮崎県、大分県、高知県、愛媛県、香川県、徳島県、和歌山県、兵庫県、三重県、岡山県、京都府、鳥取県、愛知県、福井県、滋賀県、なお、北海道その他につきましては、ただいままだ報告があっておりませんが、現在調査中でございます。先ほど申し上げましたように、合計しまして、千四百三十四カ所、十七億六千九百九十四万四千円となっております。
 なお、その次のページに都市施設の被害状況が書いてあります。徳島県の公園二カ所が被害を受けております。
 なお、ただいままでの対策といたしまして、一番被害が大きいであろうと推定されます兵庫県に対しまして、明日係官を直ちに派遣することにきめました。
 以上御報告いたします。
#10
○楯委員長 次に、農林省尾中参事官。
#11
○尾中説明員 まず、今回の台風二十三号による農林水産関係の被害状況について御報告いたします。
 農作物、農林漁業、水産業等の施設関係を全部合計いたしまして――現在まだ取りまとめ中でございますので今後さらに増加すると思いますが、合計額といたしまして百九十億になっております。その内訳といたしましては、農作物は水陸稲、果樹、野菜等が中心でございますが、約百七十二億円、それから施設関係は、農業関係が約九億円、林業関係が八億七千万円、合計いたしまして施設関係で十七億八千万円、こういうことに相なっております。
 御承知のように、ちょうど四国、近畿地方の水陸稲につきましては中晩稲が穂ぞろい期になっておるのではないかというふうに推定をしております。したがいまして、相当風が強いということもございまして、倒伏なりあるいは摩擦によります被害稲が相当あるのではなかろうかというふうに考えております。
 なお、いまの数字の中には、北海道、東北につきましてはまだ報告が入っておりませんので、数字の中にないわけでございますが、北海道、東北地方はすでに登熟期に入っておりますので、若干の被害はあったかと思いますが、そうたいして心配は要らないのではなかろうかというふうに思っております。ただ、果樹につきましては、リンゴ、ナシ等取り入れの前でございまして、風が強かったために落果その他の被害が非常にあったのではなかろうかということでございますが、農作物につきましては、御案内のように、被害の調査に若干時日を要することもございまして、ただいま申し上げましたようにまだ不完全なものでございますが、一応県から現在入っております状況をごく簡単に申し上げた次第でございます。
 なお、県別にちょっとつけ加えて申しますと、農作物被害で特に被害が多額にのぼっておりますのは、兵庫県が約七十八億円、香川県が約四十億円、それから滋賀県が二十八億円というような数字がわれわれのほうに参っております。
 それから、引き続きまして、九月四日の降ひょうの被害の概況について申し上げます。
 九月四日の午後、寒冷前線が西のほうから東のほうに移動してまいりまして気象条件が非常に不安定だったために、関東、それから長野県、東北の一部にかけまして降ひょう並びに集中豪雨があったわけでございます。関係県といたしましては、青森県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、長野県の八県でございます。被害額といたしましては、現在統計調査部のほうでその詳細について調査中でございますが、県のほうから入りました金額を合計いたしますと、農作物につきまして約三十五億五千八百万円、その中で水陸稲が約二十二億円、それから野菜が約六億円、コンニャク等の工芸作物が二億八千万円、桑が一億八千万円ということに相なっております。この農作物被害のほかに、野菜等のビニールハウスがひょうによって被害を若干受けております。合計いたしまして三十五億七千万円というのが県からの報告でございます。県別に申し上げますと、栃木県の十二億円が一番多くなっております。その次が埼玉県の八億、それから茨城県の六億、こういったところがおも立った被害の多い諸県でございます。
 先ほど申しましたように、現在統計調査部を通じまして被害額の確定をやっておる最中でございますので、最終的な被害額についてはあらためまして御報告を申し上げたい、こういうふうに考えております。
#12
○楯委員長 これにて説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#13
○楯委員長 この際台風十五号による災害対策もあわせて調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口丈太郎君。
#14
○山口(丈)委員 私は、政府の本年度の各種災害の総合対策について、臨時国会の召集を控えて、予算並びに災害対策に対する政府の所信をこの際聞いておきたいと考えて、内閣の責任ある答弁を求めようとしたのですけれども、大臣が一人も見えぬというのは、被災者に対する政府の態度というものはまことに冷淡きわまりないものであるというふうに私は考える。一体これはどういうことなのか。ただ災害基本法を設け、あるいはそれに付随する法律をもって対処できるというような事務的なものではないと私は思う。したがって、委員長においてこういう政府の態度をただして、委員会の意思、国会の意思をもっと政府は尊重せられるよう、厳重に申し入れられんことをこの際要望いたします。
 したがいまして、私の質問は以上の趣旨に基づいてやるのでありますから、各省にわたる具体的な個々につきましては、それぞれ各委員から御質問があるのでありますから、私は重複を避けるのであります。ここに総理府は来ていますか。
#15
○楯委員長 金子参事官が来ております。
#16
○山口(丈)委員 実にけしからぬ。大臣が見えてからにしますけれども、一つだけ聞いておきたい。
 本年度の災害は、いままでのところ、六月以降の降雨並びに降ひょう、また九月に入りましての降ひょう、及び十五号台風並びに今回の二十三号台風、引き続いて起きましたこれらの災害復旧に関しては、通り一ぺんの事務的な処理によってはとうていこれをまかなうことのできないものであると考える。高度の政治性を持った対策を必要とすると考える。したがって、政府においてはこれが総合災害対策本部を至急に設け、来たるべき臨時国会において、しかるべくこの災害に対する総合的な対策とそれに対する予算措置をすみやかに講ずべきものであると考えるのですが、これに対する政府の今日までの対策を聞いておきたい。
#17
○金子説明員 お答えいたします。
 ただいま御質問のありました六、七月の豪雨、台風十五号、また今回の九月の降ひょう、あるいは今回の二十三号台風というようなものの対策につきましては、現在までのところ、激甚法などの適用によりまして、六、七月の豪雨につきましては、すでに八月二十日に政令を出しておるところであります。台風十五号につきましても近く激甚法の指定の政令を出す予定でおります。また、九月の降ひょう等につきましては、現在被害額等を把握するに農林省等を通じてつとめておるところでございますが、さらに今回の二十三号の台風につきましては、応急対策といたしましては、昨夜幹事会を開きまして各省と協議し、万全の対策をしいたわけでございますが、現在までのところ、かなり応急対策は順調にいっておるように思っております。今後につきましては、公共施設とかあるいは農作物等の被害の把握に現在つとめておる段階でございますので、この判明を待ちまして万全の対策を立てたいと思っております。
 総合的な対策というようなものについては、現在われわれは個々について激甚法その他の対策を考えておるわけでありまして、今後なお十分検討していきたいと思っております。
#18
○山口(丈)委員 そういう答弁しかできないということは、すなわち、政府が無策であるということになるのです。私はそう思う。そういう答弁を求めておるのじゃないのです。したがって、本日私は質問をいたしませんが、次の機会には必ず総理府において総務長官並びに関係各大臣、すなわち農林、建設、地方行政に携わっておるところの自治大臣、及び運輸大臣等の出席を私は求めて、総合的な政府の施策についてただしていきたい、こういうふうに考えます。
 事務的には、資料として、今日までにとられました災害基本法に基づく激甚地の指定等によって行なわれました施策の一切について、その政令を出された地域の報告書をまとめて当委員会に提出されるように要望いたしまして、質問を終わります。
#19
○楯委員長 高田富之君。
#20
○高田委員 私は、ただいま御報告のありました去る九月四日にありました降ひょう災害につきまして、若干の緊急質問をいたしたいと思います。
 去る九月の四日夕刻に北関東一帯に襲来いたしました降ひょうは、先ほどの御報告のとおり、栃木県、埼玉県を中心といたしましてかなり広範囲にわたる相当大きな被害があったわけでありますが、特に私は、埼玉県の深谷、熊谷、本庄三市、その他付近の一町三カ村、この地帯における状況を中心といたしましての緊急施策について、政府のお考えをただしておきたいと思うのであります。
 埼玉県の、ただいま申しました深谷市を中心としますこの地域は、昭和三十八年の五月、二年前でありますが、ちょうど同様の雷雨を伴う旋風及び降ひょうの非常に大きな災害をこうむった同一の地域でございます。当時のこの突風、降ひょう災害によりまして激甚地としての取り扱いを受けまして、政府並びに地方自治体から相当の救済措置を講じてもらったわけではございますけれども、必ずしももちろん十分ではなくて、それにもかかわらず、関係農民は営々努力をいたしまして、二年後の今日、どうやら立ち直りつつあるというときにあたりまして、再び重ねて同一地域に同様の深刻な被害がありましたことは、問題はきわめて重大かつ深刻でありまして、尋常一様の手段では今度は再びこれらの農民諸君に再起復興の熱意を取り戻させるということが非常に困難ではないかということが憂慮されておるわけでございます。今回の被害の状況につきましては、ただいま委員長のお手元に差し上げました実況の写真を委員の諸君に回らんを願っておるわけでございまして、ぜひそれをごらんいただきまして実情を御推察願いたいと思うのでありますが、一般に、降ひょう災害などと申しますと、必ずしもそう深刻なことを想像しないのでありますが、今回の降ひょうの災害は、一昨年のときの降ひょうよりも一そう深刻でございます。降っておりますひょうの大きさも、その写真に載っておりますように、野球のボールよりもさらに大きい程度のひょうでありまして、数時間後にとりました写真でも、そこにありますとおりピースの箱と同じぐらいの大きさであります。したがって、この二、三十分間に降りましたひょうのために、樹木は小枝は全部落ち、葉はもちろん全部落ちまして、とまっておりましたスズメが片っ端から胴と首がちぎれて道路にたたきつけられておるというような状況であります。幸いにして夜でありましたので、みな避難いたしましたから、人畜にはさしたる被害はなかったわけでありますけれども、家屋もかわらはほとんど全部こわされており、ビニールハウスなどはもちろん全滅でございます。農作物は何一つ残っていないのでありまして、収穫期を前にいたしました水稲のごときも、全部茎がちぎれて田の中にたたき伏せられてしまっておりまして、収穫は文字どおり皆無であります。また畑作物は、この地帯は有数の蔬菜地帯でございますが、キュウリ、ナス、その他すべての野菜類はことごとく全滅、収穫皆無、さらに、養蚕もこの地帯はかなり盛んなところでありますけれども、桑の葉は一葉といえども残っておらないのであります。これまた全滅であります。こういうふうな状況でありまして、一昨年同様の被害にあい、ようやく立ち直ろうとしかけたやさきにまたこの被害でありますから、御想像願えると思うのでありますが、普通の手段でこの農家に農業意欲をもう一ぺん起こさせるということは、実際問題としてまず不可能です。それほど事能は深刻であります。ただ、降ひょうという災害の特殊性から申しまして、深刻なのは限られた地域であります。隣合った地域でありましても、非常に軽かったりするようなことでありますために、全県の被害額を総合計すれば必ずしもそう多くはありません。全地域を総合計しましても、先ほど御報告がありましたように、栃木県十数億、埼玉県が十億足らずというようなことでありますけれども、その被害地自体を考えてみました場合には非常に深刻でございまして、たとえば長雨によりまして全県残らず被害を受けたという場合には非常に作物の被害額が大きくなりますけれども、個々の農家の被害というものは必ずしもそう大きいわけではないのであります。こういうふうな災害自体の性質を十分考えて、当該被害地農民の実情に沿った適切な措置を講じなければ、単に被害額が各県で総合計してどうだったということを基準にして対策を講ずるというのでは、これは全く適切な措置を欠くことになるということを非常に心配するわけでございます。さようなわけでありますので、われわれといたしましては、ぜひこの際思い切った措置を急速に講じていただきたいと思います。さっき山口委員からお話がございましたとおり、とかく政府におきましてはそういう点の政治的な施策の基本的な方針が現在確立されていないということが言えると思うのでありまして、そこに非常に大きな欠陥があると思うのでありますが、こういう機会にこそ、こういう点を徹底的に政府は反省されまして、被害農民の一人一人の胸を打つような適切な措置をとる、そういうふうにしていただくことがぜひ必要であると思うわけであります。
 そこで、特に緊急質問を許していただきまして、時間の制限もあるわけでありますから、私はこまかいことを一々ここで申し上げませんが、おおむね次のようなことについての政府当局の考え方を明らかにしていただきたいと思います。
 第一は、こういう場合には、何といいましても、政府の措置を待っていたのではとうてい間に合わない、いままで政府のやっておりますやり方というものは、まず調査をする、そして統計数字をきちっとつかむまでは何もいたさないということでありまして、それには、幾らせかせましても、ある程度の時間がかかるわけであります。それでは困るのでありまして、対策はもう即刻講じなければならぬということになりますが、それをやり得るのは当該市町村であります。当該市町村がまずやらなければならぬ。ところが、当該市町村が思い切ったことをやろうとしましても、第一金がないわけでありますし、無理算段をして措置を講じましたあとで、これのしりぬぐいは政府にやってもらえるかどうかということについては何ら保証がないわけであります。それでは実際問題としてやりようにもやりようがないのであります。こういうことになるわけでありまして、といって、火のつくような騒ぎをしておる被災地の市町村当局は何もしないというわけにはいかない、こういう事態でありますから、この際どうしても被害地の現状に適切な措置を末端の市町村自治体がとり得るようにしてやらなければならぬ、それが第一だと思うのです。それには、市町村でできるだけ応急措置をどんどん講じろ、そのかわりあとでめんどうを見るぞということがやはり必要だと思うのです。そのために、災害対策費については特別交付税で補てんするんだということを政府としては明らかにしておくということが、応急措置として一番大事である、こう考えるわけであります。でありますので、この点についてはひとつできるだけ親切な御答弁を第一に伺っておきたいと思う。
#21
○佐々木説明員 特別交付税についてお答え申し上げます。
 特別交付税の算定におきましては、災害対策諸費として、一定の基準によりまして災害関係の諸経費の算定を行なうことになっておりますが、さらに市町村におきまして私どもの考えております予想以上の経費が必要になりました事態におきましては、個々の市町村の財政の状況に応じまして、特別交付税の算定にあたりまして適当な考慮をいたしたい、かように考えております。
#22
○高田委員 一々問答をやっておりますと時間がありませんから、重ねて強く要望いたしておきますが、地方自治体でどんどん応急措置を講ぜざるを得ないわけでありまして、現に講じてもらうようにわれわれは地方自治体については要請をしておるわけでありますが、財政状況のきわめて困難な実情にあります地方自治体が、これによって自治体自体が破綻してしまうようなことでは困りますので、必ず政府において責任を持って特別交付税で補てんをするということのために、従来以上の抜本的な新たな決意の上に措置されんことを強く要請いたしたいと思うのであります。
 それから、次の各項目につきまして、特に農林省から御答弁を願っておきたいと思います。
 第一は、先ほどの数字によりますと、まだ最終的なものじゃないようでございますが、従来ややもしますと、そういう数字の面から、これは天災融資法の適用外だというようなことを結論されるおそれもございますので、この際、今回のような被害については、さっきも申しましたように、特別被害地の状態は深刻でありますから、ぜひこれは天災融資法を発動いたしまして融資の措置を講じてもらいたいと思います。この点が第一。
 それから第二は、自作農維持創設資金でございます。これを相当思い切ってワクを広げてもらう必要があると思うのです。と申しますのは、もし資金を必要とするという場合に、現在一番農民が使いやすいのはこの資金であります。災害のための特別の資金としましての天災融資なんかあるわけで、これはぜひやってもらいたいのですけれども、一番使いいいのは、災害のための資金では必ずしもありませんが、自作農維持資金、これを災害用に最大限度活用してもらう必要があるわけです。これならば設備にも使えますし、営農資金にも使えますし、その他融通のきく使い方もできますし、また償還等についてもずっと期限も長いというような関係もありまして、自創資金はこの場合に非常に大事であります。ところが、従来ややもしますと、災害地なんかでは保証人がなかなか得られないものですから、相保証ではだめだ、被害者同士の保証ではだめだ、こういうことになりますと、被害を受けていない遠くのほうの親戚や知人をかけずり回らなければならないので、保証人が得がたいために必要なものに資金がいかないという例が多いわけなんですね。そのために、非常に需要が多いのにもかかわらず実際借りられない、こういうことにもなりますから、そういうことのないように、必要なものにはこの資金が借りられるように、特別のこういうひどい災害地においては被害者の相互間の相保証でもやむを得ないんだ、特別にそういう措置を認めるという方針でどしどしこの資金を活用する措置を講じてもらいたいのです。これが第二。
 それから第三は、さっき申しましたように、おととしやられたばかりでありまして、各種の資金は本年あたりからぼつぼつ返すことになっておるわけであります。返還期になっておりますので、これはもう何といいましても償還期限を延期する、当分延期してもらう措置を至急に講じてもらわなければなりません。そうして利息については、利子についての減免措置を講ずる、たな上げするというふうにしていただいて、そうして新たな資金が導入できるようにしてもらうことが必要であります。この点についてはどうするかということです。
 それから、問題は、融資もさることながら、こういう場合には農家の場合は、言うまでもないのですけれども、商工業と違いまして、借金してうまく回転さして返すというようなことがなかなかそう計画どおりにはいかない。天候にも左右されますし、もともと非常に回転率はおそく、利潤性がないものでありますから、正直な話が、借金はしたがらないのでありまして、万やむを得ない場合にしか借り入れはいたしません。やはり災害の場合は、見舞い金的な意味で補助助成するということが必要だと思うのです。ところが、いままで政府の方針では、貸しはするけれども、くれないという方針のようなんですが、これは実際末端では通用しません。やはり市町村や県ではできるだけこういう災害地には金をくれなければならぬ。貸すばかりではだめです。借りられません。ですから、助成措置を講じていく。種を買うための費用であるとか、あるいはその他のある程度の見舞い的な意味をもちまして営農資金の一部について助成措置をすることが非常に大事であります。そういうことにつきましても特に今回は配慮をしてもらいたい。たとえば病虫害の薬剤費でありますとか、あるいは種子の購入費でありますとか、その他のそういった助成措置、補助措置というものについてもぜひ考えてもらいたいと思う。それが第三番目です。
 それからもう一つ特にお願いをしたいことは、この地帯は裏作の麦が今年は例の冷害のために非常に不作であります。ほとんど収穫これまた皆無に近いのです。二、三割程度しか収穫がないという地帯でありまして、麦類がほとんど全滅というあとへこの米の被害でありますから、主食に困るわけなんですね。ですから、単に営農上の資金に困っておるというばかりではなしに、実際食うにも事欠くようにひどい状態であります。生活資金に困るというような状態でありますので、その生活資金を何とか出さなければなりません。こういう問題があります。それについても、厚生省あたりと緊密な連絡をとって農林省としても適切な措置を早急に講じてもらいたいのです。その一つといたしまして、飯米を供給する特別の措置を考えてもらえないかどうか。これはぜひ必要だと思うのです。たとえば市町村に米の特別の配給をして、市町村から、ある程度は見舞いとして無償あるいは貸し売り、何らかの方法で飯米を被害農家に渡す、これなどは非常に農家の奮起を促す上には必要な措置だと思うのです。ですから、その飯米を被害農家に供給する方法は早急に講じてもらいたいと思うのですが、これについてのお考えを承りたい。
 それから、共済制度なんかも、この際やはり抜本的な改正問題をもう一ぺん考えてもらわなければならぬと思うのでありますが、ともかくいまある共済制度でも早急に概算払いをしてもらう、これは非常に必要なことであります。しかし、何といたしましても額がスズメの涙みたいなものでありまして、どうにもならないのですね。もっと災害補償の名に値する程度の保険金が入るような制度にこれは直さなければならぬ。果樹、蔬菜については全然適用がないわけでありますから、この適用のない部分についても、やはり早急に適用されるような農業共済制度の改正ということが大事であります。それから、現在共済制度の適用のない作物については、これにかわるべき何らかの臨機応変の補償措置、さっき申しましたような意味での助成金交付とういような形での助成措置を講じて、共済制度の適用外にある農作物に対する損害補償の一部を行政措置で果たすということをひとつやってもらいたいと思うのです。
 そのほか、いろいろ申し上げたいことはありますが、主要な諸点だけをいま申し上げたわけであります。以上の諸点につきまして、早急に、かつ誠意ある措置をぜひとってもらいたいと思いますので、この点についての当局の御答弁を願いたいと思います。
#23
○尾中説明員 ただいま九月四日のひょう害に関連いたしましていろいろお話があったわけでございますが、まず天災法の発動の問題でございます。御承知のように、天災法は、やはり相当の広がりと深さを持った天災がありました際に、従来その発動をやっておるわけでございます。一応の基準といたしましては、数県にまたがった被害であって、その被害金額が約三十億以上というような運用基準になっておるわけでございます。ただいま御指摘がございましたように、特にひょう害の場合には、その被害を受けました農家にとっては非常に被害の程度は深い、あるいは重いわけでございます。その点はわれわれとしてもよくわかるのでございますけれども、ただ、天災法の趣旨が、全体としての広がりなりあるいは深さをある一定以上持った場合に国として措置をするというたてまえになっておりますので、その点は従来の基準もございますので、現在調査を進めておる段階で何とも申し上げられませんけれども、その結果をまちまして十分検討してまいりたいというふうに考えております。ただその場合に、確かに被害は局部的であるけれども非常に深いという場合には、先ほども自治省のほうからお話がございましたように、現在各県でも、天災法にならいまして、局部的な災害に対しまして利子補給その他の措置をとっておるわけでございまして、そういう災害には特別交付税なり何なりの方法によりまして県財政なりあるいは市町村財政に対して十分支援をしてまいるということには、われわれとしても努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 それから自作農資金の問題でございますが、この点につきましては、年間約百億のワクを持っておりまして、年度当初に三十六億、これはすでに各県に配付しております。その後の運用といたしましては、天災法の発動のような災害に伴いましてそれぞれ関係県に増ワクをやっておるような次第でございます。したがって、すでに配付いたしました当初の自創資金は、各県にもうすでにワクとしておりておるわけでございますが、今回のひょう害に関連いたしましては、当初に申し上げました天災法発動の問題とあわせて検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから保証の問題でございますが、災害等の場合にはやはりその地域の関係農家が全部災害を受けておるということがあるわけでございます。したがって、その場合に相保証を全然認めないということになりますと、お話のあったような非常にむずかしい問題になってくると思うわけでございまして、農林省といたしましても、従来から、災害等の特殊な場合には、例外といたしましてそういった相保証についても実態に応じて認めてまいるという方針をとっておるので、その点を申し上げたいと思います。
 それから旧債の問題でございます。これは近代化資金あるいは公庫資金その他農協等からのいろいろな資金を借りておるわけでございますが、その災害を受けました場合に償還がなかなかできないという実態が確かにあろうかと思います。この点につきましては、災害のあるごとに実は各金融機関等に協力を要請いたしまして、実情をよく調査いたしまして、その実態に応じて、償還期限の延期等の措置については、われわれといたしましても、県並びに町村のほうとよく連絡いたしまして、また金融機関のほうにも協力を依頼いたしまして、そういった方向で善処してまいりたいというふうに考えております。
 それから第四点の補助、助成の問題でございますが、この点は、確かに従来凍霜害等の被害がございました際に、肥料、農薬等についての助成措置を講じてまいったわけでございますが、非常に技術的な問題になりまして恐縮でございますが、これはいわゆる零細補助になるという点もございますし、またその実態の把握について非常に問題があるわけでございまして、会計検査院その他の指摘も従来からたびたびございまして、近年、こういった零細補助にわたるものにつきましては原則としてやらないという方向を実はとっておるわけでございます。ただ、被害が非常に広範囲にわたり、その程度も深いというような場合には、再生産を確保するための種子等の対策につきましては、その実情に応じまして補助措置を講じております。実は本年度も東北の雪害等に関連いたしまして委託苗しろまたは共同苗しろ等につきましてはその補助措置を講じておるわけでございますし、また、過去の水害等によりまして種子確保のための対策についても一補助を講じた例はあるわけでございますので、この点、その量と深さあるいは要望の程度がどの程度であるかということにつきまして十分検討はしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、次の生活資金の問題でございますが、これは先ほどの、非常に困っておられる方々に対しましては自創資金等の道があるわけでございます。これは長期でございますし、金利も比較的低いということもございますので、そういった面で実情に応じまして十分その点を配慮しながら考えてまいる必要があろうというふうに思っております。
 ただ、米の特別配給の問題でございますが、これも実は、大きな災害があって罹災者の数も非常に多い、またその程度も非常に深いというような場合には、延納を認めまして米の特別配給をやるということをやった例もあるわけでございますが、今回の場合は比較的局部的であるということもございますので、国としてこういうことを制度的にとるのは非常にむずかしいのではないかというふうに考えておりますが、なおこの点につきまして県等とさらに連絡をしてみたいというふうに考えております。
 それから共済の問題でございますが、これは麦なり米なり、共済対象になっておるものにつきましてはもうすでにルールがきまっておりまして、被害がございますれば、できるだけ早く損害査定をやりまして、現地の共済組合あるいは連合会で仮払いのできる場合には至急仮払いをする、その能力のない場合には国のほうで資金手当て等も考えまして、これも損害査定を早く終わりまして必要な仮払いなりあるいは概算的な措置をとってまいりたいというふうに考えております。
 また、御指摘がございました現在共済の対象になっていない果樹等の問題は、これはかねて両三年にわたりまして検討を続けておるわけでございまして、本年度をもちまして一応その検討を終了する次第でございますが、来年度あたり具体的な実施の方法につきまして検討をしました上で、見通しがつきますれば来年の通常国会等に法案改正の形であるいは提出できるのではないかというふうに考えております。その他畑作物等についての共済問題も前々から研究を進めておりますけれども、この点につきましては、非常に作物が片寄っておるという点もございますし、いろいろな点で技術的な問題でなお検討を続けておるという段階でございますので、一応その点だけ申し上げたいと思っております。
#24
○高田委員 これで私も質問を終わりますが、以上申し上げましたことは強い要望でございまして、被害地の農民も一日も早く適切な措置が講ぜられることを待望しておるわけであります。ぜひとも政府におきましては府県、市町村と緊密な連絡の上、早急にこれらの強い要望にこたえて適切な措置を講ぜられますように強く重ねて要望をいたしまして、ひとまず私の質問を終わりたいと思います。
#25
○楯委員長 武藤山治君。
#26
○武藤委員 答弁側にお願いをいたしますが、十分間という時間の制約がございますので、答弁のほうも簡潔にお願いします。
 ただいま高田委員から指摘のありました九月四日のひょう害の問題でありますが、栃木県においてもたいへんな被害で、すでに関係当局も御存じだと思いますが、通常の災害と違いまして、ひょう害の場合には収穫皆無になってしまう。特に今度の場合には卵大の大きさのひょうでありまして、いま刈り入れを寸前に控えて水稲がたいへんな被害を受けたわけであります。栃木県の例を申し上げますと、水稲の被害面積が八千二百四十ヘクタール、そのうち、皆無、全く米が落ちてしまって、拾おうにも拾う方法がない、そういう面積が二千八百六十ヘクタールに及んでおるわけであります。問題は、全く収穫のなくなったこういう農家をどう元気づけてやるかというところにポイントがあると思うのです。特に栃木県の場合、あの辺はナシがかなりありますが、このナシもほとんど落ちてしまったわけであります。ここに埼玉県本庄の写真がありますが、ピースの箱くらいの大きなひょうが落ちております。したがって、栃木県の卵大のひょうの大きさというのがいかに甚大な被害を与えたかということは、皆さん、見たことのない人でも想像がつくと思うのであります。そういうひょう害というのは特殊な形態を持っておって、非常に局部的だけれどもひどい被害を個々の農家は受けるわけであります。それだけに、先ほど高田さんが指摘したような融資、補助、さらに、これに適切な措置を講じた市町村に対する援助、第四には減税、この四つのものを即刻適切に政府は指導しないと、農民は政府に対する信頼を失い、政治に対する失望を感ずると私は思うのであります。ですから、役所に与えられた範囲内で与えられた予算を何とか切り回しすればいいのだという考えでは、農民の期待にこたえることは私はできないと思う。したがって、今回の措置に対しては、八県も同日に被害を受けておるのでありますから、あまり統計調査部統計調査部と言っておらぬで、早く督励をして、各県は被害総額がすでに三十五億五千八百万という報告をしておるのでありますから、三十億になることはやや確実ですから、天災融資法の適用をして、これらの失望しておる農民に対して元気をつけてもらう。先ほど参事官は、三十五億という報告はあるが、統計調査部の調査が出なければ、まだ適用になるかどうかわからぬと、天災融資法の問題については確約を避けておる。三十億にはもう大体達するだろう。五億見積もり違いがあっても三十億には達しますよ。それをもたもたしておって、十一月の臨時国会の終わりごろに追加予算が出るんだから、そのころまでになんというゆうちょうな考えでもしおるとしたら、たいへんな怠慢でありますから、私はすみやかに結論を出してもらいたい、強く要望しておきます。
 時間が十分間でありますから、高田委員と重複をしないようにお尋ねをしますが、減税の問題であります。こういう被害を受けた農家に対する所得税へ市町村民税、この減税について、具体的に現在ある制度ではどの程度の減税が可能なのか、どういう方法で減税ができるのか、それをまず明らかにしてください。
#27
○林説明員 お答え申し上げます。
 時間の関係上簡単に申し上げますが、御指摘のとおり、降ひょうの被害は局部ではございますけれども、損害を受けた農家はその度合いが非常に強いわけでございます。したがいまして、どういうことになるかと申しますと、十一月に第二回の所得税の予定納税がございます。それから来年の三月に確定申告による所得税の納税がございます。この納税額を減らし、あるいは第一期に納めた税金が還付になるような手続が法律によりまして定められているわけでございます。したがいまして、今回被害を受けました地域は主として関東信越国税局管内でございまして、関東信越国税局に指示いたしまして、必要な手続をとるように十分配慮するように申しつけてございます。
 それから地方税関係でございますが、地方税関係はまた別に……。
#28
○武藤委員 その来年の確定申告なり十二月の予定申告の際、青色申告をしていない白色のもの、こういうものに対する被害の証明というのは、農協が出すのか、県が出すのか。これだけ被害がありましたということの証明を、税務署はなかなかうるさいことを言って認めぬわけですね。法人の場合だったら、翌年、さらに翌年に引き続いて赤字を落としていけますが、農家の場合にはそれがない。もう標準表でばちっと出されてしまう。特別の被害だからということでどこが証明を出したら、一体税務署はうるさいことを言わぬですんなり認めますか。
#29
○林説明員 お答え申し上げます。
 災害のときに、災害補償法によります補償金の支払いがございますと一番確実でございます。通常災害の場合には、青色申告と白色申告とを問わず、そのような証明があれば、もちろんそのような証明により、その他の方法でもしかるべく実情に即しまして処理するように指示してあります。
#30
○武藤委員 そういたしますと、白色申告でも赤字になりますね。ことしもう皆無になった人は七十万なり百万の赤字になる。明年度にその赤字は繰り越しを認めますか。災害の場合はどうですか。
#31
○林説明員 白色でございましても、災害による損失につきましては、三年間繰り越しができるように制度はなっております。
#32
○武藤委員 それでは、関東信越国税局に対して、こういう八カ県における被害、特に収穫皆無といわれるような農家に対しては、ひとつあたたかい適切な徴税方法並びに課税方法を直ちに申達することを約策してもらう、よろしゅうございますね。
 それから自治省のほうでありますが、県、市町村が地方税の減免をいたした場合に、明年度の交付税の算定の中に、それはすっかり基準財政収入が減ったということで入るかどうか。
 第二には、先ほど農林省の答弁では、補助金はだんだん減らして、融資に切りかえてきた、これが国の方針の基本の方向である。しかし、市町村はもう見るに見かねておる。皆無なんですから、食うにも困る。そこで市町村、県が補助金をこれらの災害農民に出した場合には、確実にこれが来年度の交付税の計算の中に入るかどうか。基準財政収入が減り、あるいは支出がふえた、需要がふえた、こういう形で災害の補助金というものが明年の算定の中に見込まれるかどうか。この二つの点です。
 市町村民税、県税をまけた場合、さらにもう一つ、補助金を直接農民に出した場合これが来年の交付税算定の中にどう反映されるか、この点の現制度をひとつ明らかにしてください。
#33
○佐々木説明員 まず第一点の税の問題でございますが、地方税の減税はそれぞれの地方団体の税条例で行なわれるわけでございます。したがいまして、自治省といたしましては、この場合の減免の一応の基準というものを地方団体に通達をいたして指導しております。これは所得の段階に応じまして減免の度合いが若干異なっておりますけれども、特にお話の降ひょうの災害の場合には、主として住民税における減免の措置が行なわれるであろうということが考えられます。それで、住民税は、市町村民税につきまして市町村が減免を行ないました場合には、同じ割合で府県民税も自動的に減免になる、こういうことになっています。それで、この減収の補てんにつきましては、今年度の特別交付税におきましては災害対策諸費の中で一応算定がされておるわけであります。さらに、その減免の度合いにつきましては、市町村の財政の状況を勘案いたしまして、個々にその市町村の財政状況を見て適当な措置をとりたいと考えております。
 なお、来年度の税は、本年の所得につきまして計算されましたものが来年度の住民税の課税標準になるわけでありますから、ことし所得皆無ということになります場合には、来年度の住民税の課税標準が皆無になるとかあるいは減少するということになります。そういたしますと、来年度の交付税の算定におきましては、その部分が基準財政収入額の算定上それだけの減収が見込まれて自動的に計算をされる、こういうことになってまいるわけでございます。
 それから第二点の本年度の災害について市町村のいろいろな措置に要しました経費につきましては、本年度の特別交付税において措置をするということになるわけでございまして、もしこうした特別な財政需要がまた来年度におきまして生じます場合には、その内容によりまして普通交付税なりあるいは特別交付税において適当な措置をとる、こういうことになると思っております。
#34
○武藤委員 そこで、市町村、県が補助金としてとにかく被災農家に出した、その場合に、先ほど高田さんに対する答弁では、一定の基準がある、その基準の範囲内ならば、補助金を市町村が出してもあとで特別交付税でこれがはね返ってくる。その特別の基準というものは、どういうものには市町村が補助金を出しても必ずカバーされるのですか。その基準というのをひとつ明らかにしてください。
#35
○佐々木説明員 災害の場合のいろいろな対策費につきましては、その内容によってとられる措置が非常に多種多様でございます。したがいまして、一応この災害対策諸費の計算におきましては、公共事業の被害額とか、あるいは農業災害の場合でありますと、反当面積に応じた一定の金額を一応の基準にいたしております。さらにそれ以上のものが出ます場合には、その市町村の財政の状況に応じまして、実際にとりました措置等を勘案いたしまして、さらにそれに上乗せをする措置を講じておるわけでございます。
#36
○武藤委員 一番臨機応変な措置をとるためには、県、市町村が何らかの補助を出す以外に農民の期待にこたえることはできない。その基準を、いまの抽象的な話ではようわかりませんから、あとでひとつ全委員に資料にして、各市町村がこういう施策をやった場合には国のほうでやがてこれは資金的にめんどう見られるのだ、こういう補助はだめなんだと、ひとつそれを明らかに出してみてください。市町村にもおそらく通達してあると思いますが、そういう点をひとつ資料でここへ提出を願いたいと委員長に要求しておきます。
 最後に一つ農林省の参事官に要望しておきますが、天災融資法の問題を統計調査部でいまやっておる。いつごろこの四日の被害の状況というものはあなたのほうで把握されるのですか、そしていつごろ天災融資法を適用するかしないかの結論というものが出そうなんですか、何月何日ごろの予定ですか、それを明らかにしていただけば質問を終わりたいと思います。
#37
○尾中説明員 天災融資法の前提となります統計調査部の農作物調査でございますが、農作物被害の実態は、御承知のように被害の直後にもちろんいろいろ調査をしておりますけれども、その後の実情に応じましてさらにそれに関連して被害が非常にひどくなる場合、あるいは緩和する場合、いろいろあるわけでございます。したがいまして、従来の例を申し上げますと、確定までに大体被害がございまして二十日程度実はかかっております。したがいまして、九月四日のひょう害につきましては、今月の下旬には計数も最終的にまとまるのではなかろうかという気がしております。ただここでちょっと気になりますのは、実は昨日二十三号台風によります強風による被害があるわけでございます。その被害との関連をどういうふうに見ていくかという点につきましては、これは事務的な問題でございますけれども、内部でいま至急検討をしておる最中でございますので、その辺のからみ合いによりまして多少のズレは出ると思いますが、本月末を目途といたしましてできるだけすみやかに調査のほうを急いでまいりたい、こういうふうに考えております。
#38
○武藤委員 各省担当官にひとつ要望して質問は終わりますが、とにかくひょう害の場合には、それがあとで病虫害の発生とか、あるいは収穫の状況が好転するとか、まさかたんぼの中に落ちた粒をはきあつめてそれを脱穀機にかけるなんというわけにもいかぬのでありますから、他の水害や病虫害と違う性質の災害だということをよく頭にとどめていただいて、すみやかにひとつ適切な処置を講ぜられるように要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。ひとつ最後まで誠意を持って処理をしていただきたいと思います。
 終わります。
#39
○楯委員長 それでは、これから十五号台風の質疑に入ります。池田清志君。
#40
○池田(清)委員 私ども災害特別委員及び災害特別委員会は、その災害がどの地域に発生したものでありましても、そしてまた、災害の原因がいかなるものでありましても、その復旧の迅速ならんことを進め、また罹災者に対し物心両面からの助成をいたしまして早く立ち直っていただくように努力をいたしておるものでございます。ただいまはひょう害の問題並びに台風二十三号の問題につきまして報告を聞き、山口君、高田君、武藤君の緊急質問を伺いました。その緊急質問の中において高度の要請、要求なるものがございました。この高度の要求、要請は、委員長及び政府におかれましてこたえていただくように私からもお願いを申し上げておきます。
 私は、台風十五号の関係におきまして先般の委員会で総論的な数項目についてお尋ねをいたしたのでありますが、その後政府におきましては現在の法制を最高度に活用せられましてそれぞれ措置をしていただいておるわけであり、現地の都道府県知事並びに市町村長等みな御苦労を願って、相当の成果を見ておると思うのでありますが、私は、この席におきまして実際の問題を取り上げつつ、各論にわたりまして二、三の点を明らかにしていただきたいと思うわけであります。
 まず第一に、台風十五号の被害総計なるものを政府が確定しておるかどうかという問題です。と申しまするのは、私ども委員会として拝聴いたしまする災害の被害状況なるものは、まず警察の速報を伺い、あるいはまた、各省が集めまするところのこれまた速報的な数字を拝聴しておるわけです。しかしながら、政府が行ないまするところの対策は、それをもとにするというよりも、相当の時間を経過いたしまして台風の――十五号の台風ですから台風と申しますが、災害の数字を確定した上で諸施策が行なわれておるやに伺うわけであります。私が懸念をいたしまするのは、速報的なものにおいては災害の調査の漏れがある。たとえば鹿児島県のごときは山が多いのでありまして、山奥の一軒家が全壊をしておりましても、警察の目に届かない、市町村長の目に届かないというようなところがあるわけです。時間が経過いたしました後にそういうのが被害としてあらわれるのでありますが、そういうような被害というものは、政府の集めまするところの被害の総計の中に、補正してあらわれてくるかどうかということをお尋ねする意味合いにおきまして、台風十五号の被害総計のいわゆる確定と申しますか、それがあったかどうか、そうしてまた、それに加えまして、各府県別の被害の総額をお示しいただきます。
#41
○金子説明員 お答えいたします。
 台風十五号の被害の総計といたしましては、現在激甚法に関係のある部分といたしまして百二十六億という数字を一応確定いたしております。もちろん、このほかに多少のこの項目にのってこない部分もあるかと思いますので、その点は御了承いただきたいと思います。
 県別の数字につきましては、ちょっとここで資料がございませんので……。
#42
○池田(清)委員 鹿児島、熊本だけでいいです。
#43
○金子説明員 ちょっと後ほど調べてお答えいたします。
#44
○池田(清)委員 いずれの災害におきましても同様でございますが、激甚災害の指定をしてほしいという要望が地元といたしまして強くあらわれますることは、御承知のとおりであります。国といたしましてはどこまでも激甚災害として扱うというべきであると思うのでありまするけれども、現在のたてまえにおきましてはそれに一応の基準があってどうこうということに区別をされてしまうというわけであります。しかしながら、罹災者の立場から申しますると、たとえ自分一個だけの罹災でありましても、激甚であり、あるいは激甚でないということが言えるわけでありましょう。そういうふうに地域的な災害というものを基本とするか、あるいは罹災者――人間と申しますか、罹災者そのものを中心として激甚をきめるかどうか、こういう問題になるのでありますが、私は、罹災者を早く立ち直ってもらいたいという意味合いにおきまして、理想として、罹災者そのものが受けたところの被害が激甚であるかどうか、こういうことにいくべきであるという理想を持っておるものであります。しかしながら、現在の制度ではそうなっておりませんから、しからば、激甚災害の指定について基準が云々ということがいつもいわれるのでありますが、その基準の大綱なるものをお示しいただきます。
#45
○金子説明員 お答えいたします。
 激甚災害の基準といたしましては、激甚法に、国の経済に重大な影響を与えるような災害が発生した場合、地方公共団体の財政援助等に対して云云というような目的がございまして、この激甚法の精神に沿いまして中央防災会議において激甚災害に適用すべき一応の基準というものを作成されております。この基準につきましては、具体的には、激甚法にきめられました各条項に従いまして、被害額がどの程度あった場合にこれを激甚災害に適用するかということを、その災害全体の大きさとして一つとらえ、また、その全体の大きさと、さらに県なり市町村なりの単位におろした場合に、一定の大きさがあった場合にこれを激甚とするというような考え方から、両面の考え方からこの基準をきめております。具体的な数字につきましては非常に複雑になりますので、省略してよろしゅうございますか。
#46
○池田(清)委員 激甚災害の指定をしていただきたいという地域の要望及び関係者の要望といたしましては、法律の上におきまする抽象的なお考えというものは、いまおっしゃったとおりであると思うのですけれども、それでは満足しないのです。しからば、災害のつど政府が検討いたしまして、法律の趣旨に合うような具体的な線を出してくる、こういうわけ合いであろうかと思うのでありますが、私は、台風十五号も激甚災害の指定をしていただきたい、こういう気持ちを持っておるものでありまするから、参考のためにお尋ねしておきまするのは、六月及び七月の災害に対しまして激甚災害の指定をされましたその標準というか、その実質的な数字と申しましょうか、家屋にしては何ぼ、災害が何ぼとかというものを二、三簡単にお示しをいただきます。
#47
○金子説明員 お答えいたします。
 台風十五号の被害額につきましては、激甚に適用になりました開拓者等の施設につきましては、被害額は約一億六千万円でございます。それから農作物につきましては総額が約八十三億五千万ということになっております。それから罹災者の公営住宅につきましては、これは戸数で査定しておりますが、約三千五百戸の被害総額ということになっております。
 なお、大きな被害を受けております熊本、鹿児島につきましては、住宅の滅失戸数が川内市で七百十七戸、串木野で二百七戸、宮之城で二百十一戸、およそそのような数字でございます。
#48
○池田(清)委員 前の六、七月の災害等に対しまする基準並びに台風十五号についての適用の一部をお話がございました。ですから、厳密なる指定の基準から申しますとはずれてしまうところが非常に多いわけです。いまおっしゃいました住宅につきまして、同じ鹿児島県下の災害を受けたところの中で川内市と宮之城市だけが拾い上げられるというようなことになりましては、同じ被害を受けておりまする隣接の町村といたしましては、それだけ格差がついてしまうわけ合いであります。あるいは厳密なる市町村単位の基準から申すならばそうであるのでありましょうけれども、そのやり方がよくない、こういう考えのもとに私は申し上げておるのでありますが、災害総額にいたしましても、家屋の災害にいたしましても、あるいはその他の基準の問題にいたしましても、相当の被害を受けておりまする台風十五号の関係におきまして、あるいはまたその他の関係におきまして、この災害の復旧を早からしめるというために、激甚災害の指定をするにあたっては一括して災害指定するというところまで踏み切っていくべきである。これは現在のあなたに対しましてはお答えを求めるのは無理であると思いますが、私はそういう意見を持っておるということをお含みいただきまして、これにつきましてお考えがありまするならばお答えをいただきましょう。
#49
○金子説明員 お答えいたします。
 ただいまおっしゃられましたことは、ある意味ではごもっともでございまして、被害を受けました町村あるいは一人一人につきましては、ある場合に高い援助が受けられ、ある場合にはそれほどでもないというようなアンバランスの起こることは、確かにその本人にとってはいかがなことかと思います。しかし、激甚法の適用にあたりましては、やはりどこかに区別をつけざるを得ません。これは被害額であるか、あるいは地域であるか、いずれにしましても、何らかの区別をいたさねばならないわけでございまして、もし年間を通じてあるいは全部を一緒にというようなことになりますと、これは通常の母法の補助と大差がなくなってまいりまして、現行の激甚法の趣旨とはいささか離れていくのではないかと思うわけでございまして、その辺に実際と法の体系との間に、どちらがいいということではなくて、多少そぐわない点もあると思うのでございますが、現在の激甚法が一つの法体系としてそのような形ででき上がっておりますので、その辺を御了承いただきたいと思います。
#50
○池田(清)委員 六月、七月の災害につきましては、その被害総額を一括せられまして同じ措置をとられました。つまり、激甚災害と指定せられ、政令等を出しておられます。八月以降の災害、すなわち台風十五号の問題、あるいは九月四日のひょう害の問題、あるいはまた昨日の台風二十三号の問題、これは別々の災害といえば、そうでありましょう。しかし私は、十五号台風などの被害総額が足らぬということでありまするならば、八月以降に起こりました諸災害を一括していわゆる激甚災害の指定をする、こういうことがしかるべきであると思う次第でありますが、そこのところの感触をお尋ねしておきます。
#51
○金子説明員 八月以降の災害を全部一括してという御質問でございましたが、現行の激甚法によりますと、当該災害ということをどこまでの範囲に解釈するかという問題になりまして、われわれといたしましてはできるだけ広くなるような努力はいたしておるわけでございますが、やはり法のたてまえ上ある程度の区別をつけなければならないと思っております。
#52
○池田(清)委員 一括してやるという御努力もしていただくというのでありますが、現行法制に基づいてそれは無理だというようなことでありまするならば、この問題はいわゆる立法上の問題であるということを提起しておきます。
 次に、市町村長が住民の被害者に対しましてお見舞いをいたすことが実情でございます。災害でなくなられた、あるいはけがをせられた、家が倒れた、商品がいたんだというようなところの罹災者に対しまして市町村長としてお見舞いをしておられます。鹿児島県下におきまする台風十五号の災害の後におけるこの問題として、市町村長としては――町村別にいろいろと金額に差がありまして、ある町村におきましては三百円、ある町村におきましては一万円、こういうようなかっこうになっておるのであります。私は、やはり市町村長が見舞いをすべきである、こういう考えのもとに立ちましてお尋ねをしておりますが、こういう町村別によって格差ができてしまっておるということは、いわゆる自治行政の立場から自治省としてはどういうふうに考えられるわけでしょうか。
#53
○佐々木説明員 市町村長が、罹災者に対しまして、その程度に応じて見舞い金を出すということは、私どもの特別交付税におきまして災害対策諸費を算定いたします場合には、一応こういう措置があるものとして考えて計算をいたしております。この場合におきましてもいろいろな場合を想定いたしまして計算をしておるわけでありますが、一般的に見まして妥当な水準の見舞い金であります場合には、この特別交付税の措置の中でこうした見舞い金の支出は可能であろうというふうに考えております。
#54
○池田(清)委員 鹿児島県下の実例を申し上げて、非常な格差がついておると申しました。市町村がこれを出すことについては特別交付税で見るということでありますから、ぜひそうしていただきたいのです。特別交付税で国が見るからには、各市町村別に格差がついてよろしいかどうか。しかもはなはだしい格差がついてあらわれておるのですが、それでいいかどうか。さらに進んで申しまするならば、自治省の指導によって、幾らぐらいといったような基準等もお示しになるのが親切じゃないか、こう私は思うわけでありますが、この点についてはどうでしょう。
#55
○佐々木説明員 こうした見舞い金の支出が、本来の市町村の固有の行政として見るべきかどうかということにつきましては、まだ若干の問題があるのじゃなかろうかというふうに考えております。ただ実際問題といたしまして、市町村がその市町村の行政として行なっております場合には、やはり私どものほうでこういう水準で見舞い金を出すべきだというような指導をするのがいいかどうか、この点はなお検討をいたしたいのでございますが、交付税上見ております見舞い金の水準等を勘案いたされまして、これは市町村のほうで適宜その市町村の社会的な実情に応じて措置されるのが適当ではないだろうかと、現在の段階ではかように考えておるわけであります。
#56
○池田(清)委員 この受けるところの罹災者をたてまえとし、あるいは、出しまするところの市町村というものをたてまえといたしました際、同じ隣しておりまする市町村の間でそういう格差というものがひどくあっていいかということを私は考えるわけでありまして、一つの問題として、自治省がこれをいかに指導すべきかということを提案いたしておきます。
 市町村は、災害のために、いま申しましたような見舞い金の支出がある、あるいはさっき質問応答ありましたように、公租公課の減免によりまするところの市町村あるいはまた都道府県の減収がある、さらにはまた、市町村といたしましては、災害のために情報を収集いたしましたり、罹災の救済をいたしましたり、災害復旧等に必要なる積極的な出費もふえてまいる、災害のために減収になり、あるいはまた、災害のために積極的な出費がふえてくる、こういうふうに市町村財政に相当の影響を及ぼすわけでありますが、これにつきまして、それらの補てんと申しましょうか、市町村あるいは都道府県に対しまする自治省の関係においてはどういうふうに措置しておられますか、簡単にひとつお尋ねをしておきます。
#57
○佐々木説明員 この場合の災害による減収あるいは災害による歳出の増というものにつきましての措置は、その災害の程度に応じまして、とられます措置が差があるわけであります。たとえば、いま例に出して御質問になりましたように、税の減収におきましても、漸甚災害の場合におきましてはその災害の範囲が広くかつ深い、したがいまして、減税の対象になります人員も相当数にのぼるというような場合におきましては、その年の減収額につきましては、減収補てん債ということで起債の措置によってさしあたりの減収補てんの措置をとってまいるということをいたしております。そしてこの減収補てん債の元利償還金については、翌年度以降の特別交付税におきまして必要な措置をとる、こういうことをやっておるわけであります。さらにまた、災害復旧事業におきましては、それぞれ国の補助の措置と見合いまして、通常の災害の場合、それから激甚災害の場合、若干の取り扱いの差がございますけれども、こうした公共災害、さらに単独災害も含めまして、必要に応じて起債の措置によってさしあたり財政需要をまかなう、さらに、その元利償還については、その後におきまして一定の割合で特別交付税におきましてそうした必要経費を見積もっていく、こういう措置をとっておるわけであります。
#58
○池田(清)委員 先ほど私は、災害対策を罹災者本位とすべきか、あるいは、ある地域本位とすべきかというようなことを申して、私は、罹災者本位であるべきだ、こういう理想を持っている、こう申しました。現在は、地域の関係、あるいはまた被害額の関係を基準といたしまして法制がなっておりまするから、その結果、罹災者におきまして非常なる不公平があらわれておることは、もう御承知のとおりであります。災害救助法の適用されたところと適用されないところ、罹災者にしてみれば非常な格差がついてまいります。激甚災害の指定を受けたところと受けないところ、これまた差がついてくる。天災融資法の指定を受けたところと受けないところ、これまた非常な格差がついてくるわけです。これらは、どちらをたてまえとしていくべきかということの差からこういうあらわれがきておると思うのでありますが、これはお尋ねをするまでもなく、法制上の問題でありますから、一つの問題として提起をいたしておきます。
 台風十五号は、御承知のように個人災害が非常に多かったわけです。鹿児島県のごときは、個人災害のうちでも、家屋建物というものが相当にやられ、農作物が相当にいたんでしまったわけであります。鹿児島は、御承知のように、所得の一番低いところと、嘆かわしいことでありますが、そういうふうに統計が示しておるのでありますから、台風十五号の罹災者の中におきましても、生活保護世帯、ボーダーライン層、あるいは身体障害者というような、まことに同情に値すべき方々が罹災者になっておられるわけです。でありまするから、そういうようなことであればあるほど、私どもは、これに対しまするところの保護救済というものを密にしてもらわなければならない、手厚くしてもらわなければならないということからいたしまして、いろいろと政府にお願いを申し上げておるわけであります。ここでお尋ねをいたしましたのは、災害の原因によっていわゆる保険制度というものがある、農作物については、先ほども質問がありましたように、米麦について共済制度がある、火災という原因の災害については火災保険制度というものがある、しかしながら、その他の原因、雨害でありますとか、風害であるとか、震害であるとか、病害であるとかいうようなその他の災害の原因については、いまだもって見るべき保険制度なるものがあまり行なわれていないというのは、嘆かわしく思うのであります。私は罹災者本位のたてまえから申しまして、災害の原因いかんにかかわらず、そういう保険制度というものもそこに拡大をすべきであるというふうに考えるのでありますが、政府はこれに対していかにお考えでありますか。
#59
○村田説明員 お答え申し上げます。
 現在、民間の保険会社で、風水害を対象にしまして保険を付しておる、こういう制度が四つばかりあるわけであります。一つは風水害保険、これは風水害を対象とします保険でございます。それから火災保険で風水害の担保特約を特に付しておるもの、これはやはり風水害に対しましては保険金をお支払いするというたてまえをとっておるものもございます。それから、数年前から発足いたしましてだんだん普及しておる制度といたしまして、住宅総合保険、店舗総合保険というものがあるわけでございますが、先ほど先生もおっしゃいましたように、こういった制度はございますが、その普及度は、現在の風水害の実情から申しまして十分万全のものかと申しますと、なお検討の余地はあろうかと思います。したがいまして、こういう保険の制度も商品としてはすでに出ておりますので、こういった両品の制度というものは十分活用いたしましてその普及をはかることは、今後とも十分指導してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#60
○池田(清)委員 先ほど申しましたように、台風十五号の鹿児島県下のあらわれ方といたしましては、いわゆる建物災害が多いのであります。ことに住宅が全壊、半壊、たいへんな被害を受けております。これに対しまするところの公営住宅あるいは仮設住宅等は、政府関係におかれましてそれぞれやっていただいておるわけです。感謝を申し上げます。そこで一つ問題でありまするのは、政府のきめまする建築単価というものが、実際の実情と合わないということにあらわれておるわけであります。これについては、建築単価の引き上げを頼むという声になってあらわれるのでありますが、政府といたしましてはこれに対してどういうお考えでありますか。
#61
○角田説明員 お答えいたします。
 公営住宅の単価にいたしましても、住宅金融公庫の融資の単価にいたしましても、先生の御指摘のとおり、必ずしも実情に合わない面が多少ございます。その点につきましては、年々私どもも大蔵当局と御相談いたしまして、実情に合うように努力をいたしておるわけでございまして、来年度もできるだけそのような線に沿いまして予算要求をするつもりでございます。特に実情に合いませんのは、工事費のほうでございますと、地域によりましてはそれほどございませんが、用地費のほうに問題がございます。用地費につきましては、特に、来年度もそういうふうな御指摘のようなことがございますので、できるだけ御希望に沿えるような単価にいたすように努力をいたしたいというつもりでございます。
#62
○池田(清)委員 鹿児島県下の台風十五号の罹災者が同情すべき方々が多い、こう申し上げました。これに対しまする制度といたしましては、世帯更正資金の貸し出しでありますとか、母子福祉資金の貸し出しでありますとか、いち早くやっていただいております。これはありがたいわけでありまするが、さらにもっと増額してくれぬか、こういうような要望もあるわけでありますが、これに対しましては、どういうお考えですか。――おりませんか。いなければいいです。
 次に、建物の災害の中で、目に見えて被害を受けておりまするのが学校関係の施設でございます。従来学校に対しまする災害の復旧といたしますと、原形復旧という制度で進んでまいっております。しかしながら、鹿児島県のごとく災害の多いところにつきましては、ことしりっぱにつくり上げても来年はまたこわれてしまう。現実に昨年つくりましたところの校舎が台風十五号で倒れておるという実例があるわけです。そういうことであれば、従来の原形復旧のことだけで事終われりとすべきではございません。この際どうしても耐久建築、不燃建築にすべきであります。学校施設の復旧につきましては、従来の態度を改めまして、改良を加えての復旧、すなわち、木造変じて鉄筋となる、こういうかっこうの復旧をお願いしたいのですが、当局はどうです。
#63
○中尾説明員 一度災害を受けましてこれを復旧したものがさらに再度災害を受ける、まことに私どもとしましても遺憾千万な事例でございます。在来の災害復旧につきましても、こういう再度災害の発生ということはつとめてわれわれとしても避けるべきでございますので、予算の範囲内で許される限りの改良復旧をこれまではかってきております。また、一般の学校の整備に際しましても、でき得る限り木造を鉄筋鉄骨の建物にする。一般の整備の場合、大体現在におきまして学校の八〇%を鉄筋化したいという目標で仕事を進めております。
#64
○池田(清)委員 いまのお答えでよくわかったのでありますが、念を押す意味合いにおきまして、申請者の側において、改良復旧を頼む、こう言うてきたら、それをお許しいただく、こういうことでございますね。
#65
○中尾説明員 申請者の御要望があれば、私どももでき得る限りそういう改良復旧を認めてきております。十五号台風に限り在来の災害以下の取り扱いは、おそらく、われわれとしても、予算が十分にあれば、そういう取り扱いはしない所存でございます。
#66
○池田(清)委員 農林漁業の関係につきまして、先ほど来お尋ねもあったのですけれども、重ねて申しますることは、天災融資法の適用を急いでほしい、こういうことでございます。これにつきましては先ほど来もいろいろとお尋ねがあったのでございますが、台風十五号の関係におきましても全く同様のことで、ぜひ天災融資法の適用を早く急いでいただきたい、こういうことを頼んでおきます。
 さらにまた、病虫害の防除でありますとか、農薬の補助でありますとか、散布機の配付でありますとか、いろいろ農林省系統でやっていただいております。その中で、鹿児島県に発生いたしました具体的な問項としてお尋ねをいたしまするのは、アリモドキゾウムシという、日本で初めて発生したかのごとく新しいところの被害があらわれてまいっておるのでありますが、これにつきましては災害の関係でないかもしれませんが、災害があってからこれが非常に広がってくる、こういう状況でありまするので、早く処置してほしいということで農林省に頼んでおるわけでありますが、これに対しまする処置はいかにしておられますか、お尋ねをします。
#67
○尾中説明員 お答えいたします。
 ただいま御質問ございました害虫は、カンショの害虫だと思いますが、これにつきましては、現在予備金の中から支出するように検討中でございます。
#68
○池田(清)委員 支出するように検討しておりまする間にカライモがやられてしまうのですから、一日も一分も早くやってくださるように頼むわけですが、これはどうですか。
#69
○尾中説明員 御指摘のように、急を要する問題でございますので、至急決定いたしまして、防除に万全を期したい、こういうふうに考えております。
#70
○池田(清)委員 まだ具体的な問題でお尋ねしたい事柄もあるのですけれども、正午も過ぎてしまいまして一時前になりましたから、これできょうは終わらしていただきます。
#71
○楯委員長 三十分間休憩をいたします。再開は時間厳守でお願いいたします。
   午後零時五十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十一分開議
#72
○楯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。川村継義君。
#73
○川村委員 二、三の問題について簡潔にお尋ねをしておきますので、そのつもりでお答えいただきたいと思います。
 きょう二十三号台風による被害状況を先ほど警察庁のほうからお聞きしたのですが、非常に大きな被害で、ずいぶんこれは被災者も難渋していると思われますが、その中で、兵庫県に非常に大きな死者が出ておる。これを先ほどの説明で聞きますと、おふろ屋の煙突が倒れて下敷きになった、工場の煙突が倒れて下敷きになってなくなった、こういうことがいわれたのであります。一体、こうしてこのような大災害に遭遇し、かくしてなくなった人は、これは結局死に損というか、自分は思わない不幸な目にあったということで済まされるものか、あるいは何らかその会社なりふろ屋さんが適当な処置をするのかどうか、この辺はどうなりましょうか。
#74
○金子説明員 お答えいたします。
 このような災害で被害を受けられました方々はたいへんお気の毒だと思うわけでありますが、このような方々に対して、実際に煙突の所有者であるおふろ屋さんならおふろ屋さんと被害者との間でどのようなお話し合いが行なわれるかは、これは一般の民法の関係になるかと思うのでありますが、政府として、たいへんお気の毒だとは思うのですけれども、特にこういう方々に見舞い金を出すといったようなことは、現在のところ考えてはおりません。
#75
○川村委員 午前中の質問で、ひょう害を受けた農村の諸君の災害の補償問題、あるいは救助、救援等の対策についていろいろ質問がありました。お聞きのことだと思います。これも現行のたてまえではどうしても手の届かない部面が大きく残っておりますね。六月、七月の九州における豪雨災害、続いて十五号台風災害、今度の二十三号の台風災害、これらを考えてみても、午前中の井谷委員の災害調査の報告にもありましたように、個人被害というものは相当大きなものがあり、これらについて十分な処置がなされないということはまことに気の毒であるというようなことが指摘をされておる。また、そういう点にも国として何らか配慮すべきではないかということは、従来から実は指摘されてきた問題であるわけです。
 そこで私はあなたにお尋ねいたしますけれども、次のようなことをあなた御存じであるか。御存じであるならば、どういう検討をされているのか、お答えいただく。御存じでないなら、総務長官なり当の責任者に――あなたはおそらく防災会議の専門委員になっておられるかと思うのですが、防災会議等の立場で十分検討いただきたいと実は私考えているわけであります。そこで、そのことをひとつ申し上げますから、お聞きいただきたい。
 実はこういう自民党、社会党両党間の申し合わせがある。「第三十九回国会における災害対策基本法案審議に際し、両党六者会談」――政審会長あるいは政調会長、国会対策委員長の関係者です。「両党六者会談の申合せに基づき災害対策基本法等の一部を次のごとく改正すること及び附帯決議の履行を確認する。」こういう前文になっております。
     記
  一、災害対策基本法等の一部を改正する法律
 案要綱を認める。
  二、本法案に対する衆参両院の附帯決議事項
 については、可及的すみやかに立法化する。
  特に激甚災害に係る統一的恒久立法について
 は、今国会において、個人災害に伴う援護法等
 については、次期国会で立法化することに努力
 する。
 こうなっております。
 そこで、御存じでございますか、ちょっとこの経過を申し上げますと、災害対策基本法の審議は相当難航した。そうして、一部修正はされましたけれども、第八章の部分は一応これを削除して災害対策基本法が成立をした。ところが、この第三十九国会において第八章の緊急事態のあの問題が相当両党間で修正がなされまして、あの現行の災害対策基本法として条文成立をしているわけです。そのときに、いま私が申し上げました一つ二つの両党の申し合わせ事項がある。そこで、附帯決議事項について私はここでは触れませんが、激甚災害に係る統一的恒久立法については、今国会において努力する、成立を考えるということは、これは申し上げるまでもなくて、御承知のとおりに、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律として、ここに恒久的立法として成立をしたわけであります。ところが、いま一つの問題は、「個人災害に伴う援護法等については、次期国会で立法することに努力する。」という申し合わせがあった。私が知るところでは、その後これらは何ら手を触れられていない。この点についてこれまでの経過を御存じであったらひとつお話ししていただきたい。
#76
○金子説明員 お答えいたします。
 私、不勉強にしてその過去の実例をよく聞いておりません。ただ、個人災害の見舞いあるいは補償というようなことにつきましては、特にそのための何か法制化をするということは、非常にむずかしいといいますか、たとえば、災害といいましても、天災とか自動車災害とか、いろいろなものがありまして、区別するのがたいへん困難であって、どこまでその範囲に入れべきか、非常にむずかしい問題があるということは聞いたことがございます。
 なお、その基本法ができましたときの申し合わせに基づいた的確なことにつきましては、さらに帰りまして検討さしていただきたいと思います。
#77
○川村委員 個人災害援護、その名前はどうつけるか、これはいろいろ考え方があると思いますが、いま私が申し上げたようなことを政府のほうで御存じであって全然これに手をつけられてこなかったということになると、私は政府の怠慢であるといわざるを得ません。あなたがいまお話しのように、いろいろこれにはむずかしい問題があることを私も承知いたしております。しかし、むずかしいからといって、やはりこれは検討せねばならぬ、やはりできるだけの手だてを講じて法制化するということは、当然の責務であると思います。
 なぜ私がそのことを言うか、また、こういう両党の申し合わせができたかというと、これはもう私が説明するまでもないことでありますけれども、災害基本法の第九十七条の後段に「被災者の災害復興の意欲を振作するため、必要な施策を講ずるものとする。」と書いてある。条文化してある。それを受けて九十九条の三号に「激甚災害の発生に伴う被災者に対する特別の助成」これをやらねばならぬと書いてある。そこで、こういう九十九条の三号の法文があるから、実は災害対策基本法が通過するときに両党間でこのような申し合わせができたわけであります。現行の激甚災害に伴う特別の援助というのは恒久化された。もう一つ残っておる大事な点が、これが問題だといわねばなりません。もしも政府のほうで御存じなくて今日に至るとなると、これは自民党さんのほうでこういう公党間の申し合わせ事項を全くないがしろにしておるということなんです。しかし、この両党の申し合わせを政府が全然知らないということはないはずだ。だから、この申し合わせによって災害対策基本法の第八章が成立をし、そして災害対策基本法、今日の現行法が成立しているわけですから、政府としては非常に責任重大だと私はいわぬばなりません。そこで、この点は、いまあなたがおっしゃるように、防災会議等、あるいはどこか担当の責任ある役所をきめてもらって、早急に個人援護に対する特別助成の法制化をひとつ検討してもらわなければならぬ。もういろいろ理屈は言いません。この場所で私はあなたに経過をお知らせすると同時に強く要求をしておきたいと思います。
#78
○金子説明員 お答えいたします。
 私最近現職に着任したので、それまでのいきさつはよくわからないのでございますが、私が現在思い出しましたところによりますと、個人の災害についても政府としてかなり研究はいたしまして、その結果、本来の生活保護法であるとか、あるいは世帯更生資金あるいは災害救助法、その他税の減免、これらを活用することによって個人災害についても十分対策はとれるのだというような考え方であるかと思われます。
#79
○川村委員 そういうような災害救助法、つまり災害が起こったときの緊急応急処置を講ずる方法、それは申すまでもなくあります。あるいは生活保護に対するところの基準の引き上げとか、その他処置を講ぜられております。しかし、それは必ずしもこの災害対策基本法にいう精神にのっとったものだけではない。生活保護にいたしましても、いろいろな物価の問題等々でこれは当然考えなければならぬ問題があるわけです。もちろん、個人を対象として考えられるいろいろな融資の方法等も、それはあるでありましょう。しかし、私たちがいまここで問題にしなければならぬのは、午前中の発言の中にもありましたように、あるいは池田委員の発言の中にもありましたように、特に水害とか台風とか、こういう災害においては、個人が被害を受けてどうにもならぬというようにせっぱ詰まっても何ら救助の手が伸べられない、こういうような諸君が多く続出をする、そういうものに対して何らかの方途を講じてやるという必要があるのではないか、これを検討されるべきである、私はこう申し上げておるわけなんです。
#80
○金子説明員 お答えいたします。
 先ほどもお答えいたしましたように、個人の補償というようなことはたいへんむずかしい問題があると思います。たとえば自然の災害、あるいは台風とか豪雨とかというものだけを、個人についてでございますが、なぜ取り上げなければならないかということは、非常にむずかしい問題だと思うわけでございます。他の人的な災害もございますし、最近では交通事故なども非常に多い。あるいは、人一人一人によりましてその経済内容等も非常に違ってまいりますので、特定の災害を受けた者にだけ何らかの措置を講ずるというようなことは、別の面であるいは公平の原則を害するような場合も起こり得るかとも思いますし、これらは……。
#81
○川村委員 あなたがいまおっしゃることはわかるのですよ。むづかしいということやら、何もかも含めなければならぬということは非常に大きな問題があることはわかっておる。しかし、この災害対策基本法に、一体災害とは何かと書いてある。こういうのを踏まえて私が言っているようなことを考えていったら、たとえば激甚地指定を受けた場合の個人に対する見舞い等は、私は、当然考えていい範囲ではないか、こう思っておるわけなんです。あなたのおっしゃることはわかります。しかし、何といっても、こういうような九十九条の三号に規定するような特別助成を考えなければ、いまの現行法だけでは救われない部面が多いではないか、こういうことを私は言っているわけです。これはひとつぜひ検討をいただかなければなりません。
 午前中の質問で、これは池田委員の質問であったと思うんですけれども、各町村がこういう台風、水害等で精一ぱいのあれをして、細々でも見舞い金を出しておる。町村によってはずいぶん差がある。同じような被害を受けて、隣の町村ではこれだけ見舞い金を出した、町長が見舞いをしてくれた、こちらはこれしか出ていない、こういうのは、実は隣同士にとって考えるとき、いいことじゃない。しかし、町村としては、やはり町民のことでありますから、苦しい財政の中からでもそういう処置をしておる。ところが、先ほどの自治省の答弁ではありませんけれども、こういうものについては特別交付税等で何らか考えていこうという考え方はあるようです。実際問題として一定のワクがある特別交付税を全国にばらまく、その中で、減税の問題であるとか、こういう市町村の見舞い金の問題であるとか、そういう財政をすべて補てんすることはできません。これは不可能ですよ。やろうとしてもできません。だから、はたしてそういうものが見舞い金をやったときにこれは一体見てもらえるかどうかということは疑問なんだ。これは町村がみんな不安を持っている。しかし、やむにやまれず見舞い金等を出すわけです。そこで私が言っておるのは、たとえばその個人に対する特別の助成等の考え方においても、法的に大体市町村が見舞いし得るような基準を制定して市町村に出させる、そのあとで国がめんどうを見る。交付税で見るのか、特別の財政援助をするのか、そういうようなものも当然考えていいはずです。これはできるはずなんだ。むずかしいむずかしいと言っておりますとこれは切りがありません。そういう点を考えると、私はそれも一つの個人に対するこの九十九条三号による特別の助成法ではないかと思う。いかがです。
#82
○金子説明員 市町村が見舞い金を出しまして、それを交付税のような本来の機構のメカニズムによりまして交付金を出すというようなことはあるいは考えられるかと思いますが、特に個人災害というものを取り出して、それに国が必ず援助をするのだというようなことを法制化することは、非常にむずかしいのではないかと私は考えております。
#83
○川村委員 どうもつまらぬ問答をしたくはありませんけれども、市町村が個人に見舞い金を出した、その見舞い金を出した場合に、三百円、四百円の見舞い金じゃだめなんですよ。そこで、やはりその被害の程度に応じて考えることはそれは当然でありますが、市町村がいわゆる基準に基づいて見舞い金を出す、その見舞い金を出したものを国が特別の援助をする、むずかしいですか。むずかしくないじゃありませんか。
#84
○金子説明員 ただ、先ほども申しましたように、どこまでを限度とするか、その辺に困難がありまして、非常に大きな範囲に及んでくるのではないかと思います。
#85
○川村委員 その広々と考える必要はまあ第二の問題として、災害救助法の適用を受けた市町村というようなことも一応しぼって考えられるわけですね。あなたのような考え方を持っておりますと、これは切りがありませんで、とてもやれっこありません。そういう点で考えていける可能性はあるのではないか、私はそう思うのです。もうこれ以上言いませんけれども、災害対策基本法の成立過程における経緯あるいは両党の申し合わせ等々がありますし、実際また今度の災害について、豪雨災害あるいは台風災害等について、何とか個人のこの窮状を見てやらなければ、現行の融資制度とか災害救助法とか、そういうものだけでは手の及ばぬところが多いということなんです。これはひとつ検討をいただかなければなりません。
 参事官はいま防災会議の専門委員ですか。
#86
○金子説明員 局員でございます。
#87
○川村委員 事務局の局員になっておられますね。そうすると、十分ひとつそういう点を御検討いただいて、防災会議等でそういう一つの基本的なものをまとめてもらう、あるいは関係の各省等と相談していただいて、ぜひひとつこの個人に対する特別助成の問題――個人援護法とでも名前をつけますか、上のほうには災害という文字をかぶせなければならないと思いますが、そういう点についてぜひ検討していただきたいと思います。実は時間をたくさんいただいておりませんから、もうくどくど申し上げませんけれども、いまの点をひとつ強くあなたのほうにお願いしておきたいと思います。
 もう一つ、これはいろいろ実情はあなたにお聞きしてもあるいは無理かと思います。実はきょうは、郵政大臣がどこか外国に行っておられて厚生大臣が代理をされるというから、厚生大臣においでいただいておるならばお聞きしたいと思ったのですが、それらのいろいろなこまかいことは別として、あなたのほうに要望しておきます。というのは、次から次にやってくるこういう災害によって相当痛ましい人命の犠牲が出ております。ところが、あれだけの大きな災害で比較的人命の失われることが少ないというのは、これはやはり災害救助活動等の力であると、私は敬意を表しております。特にその中でテレビ、ラジオ等がになっておる通信あるいは報道等の力というものは非常に大きなもがあると、私は実は心から敬服しておるのです。そこで、ますますラジオ、テレビ等を通じて、特に今日はテレビの普及率は非常に高まってまいっておりますから、これらを通じて一段とこの災害の情報、気象の情報、それからいろいろ避難処置等についての通報等についてテレビ、ラジオ等をもっともっと活用して、災害対策により力を出してもらうように実は念願してやまないものです。ところが、豪雨災害、台風災害等でテレビ等のそれらの情報を見ておりますと、やはり幾つかの問題点があるようです。たとえば、特に災害のひどいような刺激的な写真だけが出てくる、そうしてそのあとで、その報道が終わったかと思うと、歌って踊ってという、とんでもないのが裏から出てくる。これはやはりプログラムの編成の問題になりますから、私のようなしろうとにはよくわかりませんが、見ている者は必ずしも気持ちのいいものではない。やはりそういうような点を考えていただくということが大事ではないか。これはひとつ防災会議の問題にしてもらいたい。防災会議の基本計画の中にはそういうものは出てくるはずです。それから、やはり災害時には、放送局には大事なプログラムもありましょうが、もう少し時間をさいて災害の報道等は知らせてくれる、そういうような体制をとってくれることを、郵政省関係あるいは放送機関関係に皆さんのほうからひとつ御相談を願いたいと思います。でき得れば、民放に限らず、NHKはもちろんのこと、ああいう災害のときには、何時何時には気象通報をする、あるいは災害報道をするというような予告等を明らかにしてもらうというようなこと、さらには、最も民心を安定させるものの一つに交通問題がありますから、風が吹きまくって波が打ち上げておるというような写真だけでなくて、交通状況等についても知らせてくれる。専門の立場からごらんになるといろいろと問題があると思うが、これは気象庁あたりの皆さん方の力をかりるということも大事でありましょうから、ひとつ防災会議の問題として十分な検討をお願いしたい。よろしゅうございますか。
#88
○金子説明員 研究させていただきたいと思います。
#89
○川村委員 先ほどから、あなたのほうで、災害の救助あるいはそのほかいろいろ個人に対する手当てがあるとおっしゃったのですが、それはそのとおりでありますが、続いて、厚生省の係の方に、災害救助法の点につきまして一、二お尋ねをしておきたいと思います。
 現行災害救助法の全体についてお尋ねをする時間はございませんから、二、三点お尋ねをいたしたいと思いますが、まず第一に、災害救助の種類について、その中身についてであります。これは災害救助法の二十三条に十項目まで規定をしてあるわけでございますが、その中に収容施設の供与という問題があります。それにもいろいろ問題はあろうかと思いますが、罹災者に対する避難所を設置した場合の費用は今日幾らになっておりますか。
#90
○宮田説明員 避難所を設置いたしました場合の費用は、普通建物を、たとえば小学校の講堂を使うというような場合が一番多いわけでございまして、そのような場合に維持管理の費用を出すというようにいたしております。それを、収容いたしました避難者一人当たりに換算いたしまして、一人一日四円五十銭、かように定めております。
#91
○川村委員 そうすると、その金額は、これが決定されてから相当長い年月たっておると思うのですが、以前と変わりはありませんね。お話のように、いわゆる既存の建物を使う場合には一人当たり一日に四円五十銭、あるいは屋外仮設の場合には一人一日に五円二十五銭、こういうような計算があるようですが、全然前と動いておりませんね。それは一体検討されたことはないのでございますか。また、それで今日でも十分だとお考えでございますか。
#92
○宮田説明員 災害救助の各種の費目がございます。その救助の限度額につきましては、毎年これを検討いたしておりまして、ことしもことしの初めに検討をいたしまして、その後の物価の上昇、その他不合理な点を正しまして、上げる必要のあるものにつきましてはかなり上げて四月から実施をいたしております。そのときに、避難所のほうにつきましては現在の額でよろしいというように、検討の上でさような結論を出したようなわけでございます。
#93
○川村委員 どうも今日、私が実際借りて支払ったわけじゃありませんけれども、市町村からいうと、いまの金額は低いのではないか。たとえば天幕を借り上げる場合に、一人当たり一日一円五十銭、大きな天幕、小さな天幕ありますけれども、天幕に何人入りましょうか、そういう場合に、市町村自体が持っておる天幕がない場合に、一日一円五十銭以内ということで天幕が手に入るかどうかというような問題、これはよほど今日の事態に合わない金額ではないか、私はこう思っている。ひとつこの点につきましてぜひ再検討をいただきたい、これが一つであります。
 それから、項目的にお聞きしてまいりますが、第二にお聞きしておきたいことは、同じく収容施設の問題でありますけれども、午前中にも問題になりました応急仮設住宅、これは設置戸数が、全焼、全壊及び流失戸数の三割以内となっております。これは全然弾力的なものではない。ということは、三割では非常に困るというのが、水害及び台風を受けたところの市町村の意見であります。これについてお聞かせいただきたい。
#94
○宮田説明員 応急仮設住宅の設置割合の三割につきましては、一応予算を概算交付いたしますときの基準といたしまして、三割以内と、かように定めておりますが、しかし、実情によりまして、低所得者、被保護者が非常に多いとか等の事情に応じまして、三割以上を認めるということはしばしばございます。現にこの間の鹿児島、熊本の災害におきましても、三割を若干上回るという線を認めたようなわけでございます。
#95
○川村委員 その一、二の例を私はお聞きしたのであります。実際そういう特別の割り増しを三割以上認めてもらったというのはよほどのことのようであります。そこで、こういう点につきましては、いまお話しのような点で三割がいいかどうかということは、これは一つの根本問題でありましょうけれども、実際の設置戸数の認可にあたってはもう少し弾力的にぜひお考えいただかなければならぬ、こう考えておるわけであります。
 そこで、いまの仮設住宅でありますけれども、一戸当たりの仮設に要する費用は、金額は十三万円、坪数にして五坪、私はこういうことを聞いておるのですが、そのとおりでありますか。
#96
○宮田説明員 応急仮設住宅の坪数はおおむね平均五坪、それから単価につきましては、ことしから若干上げまして、木造で仮設いたします場合には十五万円を限度とする、かようにいたしております。
#97
○川村委員 では、私が十三万円と聞いておったのは、木造の場合ことしは十五万円に上がっておる。ところが、五坪十五万円、これは実際問題としてはたしてどういう家ができるか、これはひとつ考えてもらわねばならぬと思う。もちろん、仮設住宅でありますから、これはもうおそらく応急な住宅としてつくられていくわけですが、しかし、何といたしましてもぎりぎり二年間はこれは使っていくわけですから、いかに木造であっても、大工賃が一日に二千円も二千五百円もとるような事態になったときに、十五万円でいいかどうか、疑問であります。この点につきましてもぜひ再検討願いたい。でなければ、これは市町村の余分の負担に転嫁されるわけであります。今日よく市町村財政の問題で超過負担というものが非常に大きな問題になっておる。そういう問題もあるときですから、特に災害時には町村のあらゆる対策の費用の負担が大きいわけですから、ぜひこの十五万という単価につきましても再検討いただきたい、これがお尋ねとお願いであります。
 それからいま一つでありますが、同じく救助の種類の中に、たき出しそのほかの食品の給与等の問題があります。いま一日にたき出しに要する費用は幾らになっておりますか。
#98
○宮田説明員 たき出しに要する費用は、一人一日九十円以内というように定めております。
#99
○川村委員 一日に九十円となりますと、朝、昼、晩三回と見たときに、一回三十円ですね。これは厚生省の課長さんとしてもお考えいただけば、長い間一カ月も二カ月もたき出しするわけではないことですから、一日に九十円、一回に三十円の食費、もちろんこれは込みでやるでしょうけれども、これは問題ではないでしょうか。いかがお考えでございます。
#100
○宮田説明員 確かに、お話のように十分とは申しかねると思いますけれども、災害発生直後の混乱したときでもありますし、普通握りめしで支給するのが多うございますけれども、汁をつけて、つけものをつけて握りめしで出すというような、災害直後の応急的な事態でございますので、いまのところ、十分とは申せませんが、やむを得ない額かと思います。なお今後よく検討いたしたいと思います。
#101
○川村委員 これは私はくどくど申し上げません。もちろん、つけものと汁ということで人間が一週間なりやっていければけっこうなんですけれども、こういう点につきましてもぜひひとつ検討いただきたい。物価の問題をくどくど申し上げる必要はありません。また、今日いろいろそういう食品の値上がりということも考えると、これは当然なことであって、九十円ではとてもやっていけないだろうと思うのです。この点もひとつぜひ検討いただきたいことであります。
 その次に、四番目の問題として、法律の中にも「被服、寝具その他生活必需品の給与又は貸与」と書いてある。この生活必需品というのは一体どういう範囲でございましょう。
#102
○宮田説明員 災害直後の応急的な寒さをしのぐ最低必要なものというように考えておりまして、たとえばシャツ、ズボン下、あるいは被服、それから寝具でございますが、毛布、必要最小限度のもの、かような考えでおります。
#103
○川村委員 そこで、この前の災害で一つ気になっておるのですが、豪雨災害を受けて床上浸水何百戸、ものすごい水に洗われた。御承知のとおり、日本家屋には畳というものがあります。この畳は、皆さん方はおそらく生活必需品とは考えておられないと思う。日本人の生活様式から考えて、災害地の諸君が今度一番困って音を上げたのは、実は畳の問題です。この畳あたりもやはり生活必需品の中に考慮をするという御意図はございませんか。
#104
○宮田説明員 現在までのところは、万やむを得ない場合に、畳表の非常に小さいものというようなことを考えたことはございますけれども、畳そのものというのは、いままでのところはまだ考えておりませんが、今後なおよく検討いたすようにいたします。
#105
○川村委員 これはひとつぜひ検討をしていただきたいと思う。これはあるいは災害救助法にいう生活必需品とするかどうかは別として、ああいう豪雨災害等、特に今度は兵庫あたりでも、あるいは徳島ですか、こういう二十三号台風による堤防決壊等で浸水したところは、おそらく問題になるのじゃないかと思うのです。特に都会地においては私はなおひどいと思うのです。こういう畳等の供給について円滑にいけば、それだけ早く民生が安定する、罹災者がほんとうに落ちつく、こういう精神面から考えても、ぜひひとつ検討をいただきたい。
 全部お尋ねすることはもう差し控えますが、最後に、いまの種類の中でもう一つ、住宅の応急修理の問題でありますけれども、今日住宅応急修理に支出できる費用は、一戸当たり二万四千円でございましたか、二万八千円でございましたか。
#106
○宮田説明員 ことしから引き上げまして、二万八千円というふうにいたしております。
#107
○川村委員 そこで、もう私、金目の多い少ないは言いませんけれども、この二万八千円を一つの災害を受けた被害の基準によって交付される、これは現物支給のようでありますけれども……。ところが、これだけでしぼられますと、いろいろ問題があるわけですね。こういうものは、これは非常によくない考え方かもしれませんが、二万八千円を出してもらう、しかし、まあ二万五千円程度のものを――いままで二十戸の配当しかないものを、二万五千円で出して三十戸あるいは四十戸に配る、こういう弾力的な運用をできないものか。実はこれは市町村長が、特にこういう点は、あまり被害の程度は変わらぬ、しかしワクからはずれる人たちというようなことで、非常に苦慮している問題なんですね。こういう点はいかがでございましょうか。検討いただく用意があれば、そのつもりでお答え願いたいと思います。
#108
○宮田説明員 一戸当たり二万八千円を限度とする額というふうにいたしておりますので、二万八千円じゃなくて二万五千円ぐらいで済んだという場合にも、やはり戸当たりということでいたしますので、これ自体としては、薄く伸ばすというお話かと思いますが、ちょっといたしかねるかと思いますけれども、なおよく検討さしていただきたいと思います。
#109
○川村委員 そうなりますと、私も薄く伸ばすということはどうもあまり賛成しかねる問題ですけれども、実際問題としてそれを手当てをしていく場合に、市町村長あたりは特に頭を痛めている問題です。そこで、そう薄く伸ばすという考え方がいけないということになるならば、やはりもう少しワクを広げてめんどうを見てやる、こういうふうにぜひひとつ前進させていただきたい、こういう考えなんです。
 時間をいただき過ぎたようでございますが、実はいろいろお尋ねしたいことがございますが、きょうは、個人災害の特別助成の方法をやはり前進して法制化する問題があるのではないか、先ほど総理府の参事官は、災害救助法等の問題がある、こう一言に言ってのけましたけれども、災害救助法の中身を見てみても、もっともっと検討していかなければほんとうに個人というものが救済されない、こういう問題が伏在していると私は思っているわけです。そこで、そういう点について厚生省の方に特に御検討をお願いして、災害救助法等をひとつできるだけ高めていただくということをお願いしておきたいと思います。一つ二つの問題についてきょうはお尋ねをして、御意見を聞いておく次第です。
 これで終わります。
#110
○池田(清)委員 先ほど私が質問の際に担当の方が不在のためにお答えのなかったことについて、この際お答えを求めます。
 台風十五号におきまして、鹿児島県といたしましても、熊本県といたしましても、建物の被害が多いわけです。鹿児島県といたしましては、その建物災害を受けた方々は、生活保護家庭でありますとか、あるいはまた、ボーダーライン層であるとか、母子家庭であるとか、いろいろ同情すべき方々が多いのです。これに対しまして、政府といたしましては現行の法制を活用いたしましてそれぞれやっていただいております。たとえば世帯更生資金でありますとか、母子福祉資金であるとか、いち早く処置していただいております。私は、その二点について、現在までやっておられまする処置の大要、及び今後におきまして、地元の要望といたしましてはこれが増額をしてほしいというのでありますが、これに対しまする政府のお考えをお尋ねするのが第一点です。
 第二点といたしましては、台風十五号の関係で激甚災害の指定の資料となる各法条についての被害を鹿児島県、熊本県についてお示しをいただきます。これが第二点です。以上。
#111
○宮田説明員 第一は世帯更生資金のお話であったかと思いますが、これはすでに各県に年度当初に配付してあります資金ワクがございます。それ以外に、今度新たに県から災害のために追加の御要望がございまして、たとえば鹿児島県の場合に、母子福祉資金でありますと六百万、それから世帯更生資金でありますと一千万というような御要望がございます。それらの御要望につきましては現在検討をいたしておりますが、大体既定のとめ置いております予算のワク内で追加交付ができると、かような見込みでおります。
 それからもう一つ、激甚災の法律によります被害額が幾らかという点につきましては、第二章の公共土木関係の中に社会福祉施設と伝染病予防施設が入っておりますが、それの鹿児島、熊本関係の被害は、現在詳細に調査中でありますが、いまのところそう大きな額ではございませんで、保育所とか養老院とか、かなりやられておりますが、合計いたしまして、社会福祉施設が一千万くらいになるかと思います。伝染病予防施設も、同じか、それをむしろ下回るくらい、かようにいまのところ予想しておりますが、なおこれは詳細調査中でございます。
#112
○金子説明員 先ほど池田先生から御質問のありました県別、鹿児島、熊本の台風十五号による被害状況を御説明いたします。
 被害の著しかった熊本、鹿児島の両県について項目別に申し上げますと、鹿児島県につきましては、第二章のグループが六億八千七百六十六万になっております。それから五条の農地、農業施設等でございますが、これが一億九千八百万、共同利用施設が九千万、開拓者等の施設が一億二百二十七万、十一条の小型漁船関係が一千三十八万、中小企業関係が八億二千六百十八万、私立学校が七百十六万、伝染病の予防が八十九万、公営住宅が二千五百五十戸、合計いたしまして十九億二千二百五十四万の被害額でございます。なお、この中には、農作物が県別に出せませんので含まれておりませんが、農作物につきましては、先ほど申しましたように総額が八十三億でございますが、この大部分は鹿児島、熊本の両県の被害でございます。
 それから熊本県について申し上げますと、第二章グループが二億一千八百五十四万、農地等が四百二十九万。四捨五入いたします。共同利用施設が二千百万、開拓者等の施設が五千百十五万、小型漁船が一億三千二百二十七万、中小企業関係が八億六千三百九十三万。私立学校はありません。伝染病の予防三十四万、公営住宅が九百十七戸、このような被害額でございます。
#113
○楯委員長 川崎寛治君。
#114
○川崎(寛)委員 現行の防災対策上の基本的な問題について、けさほど山口委員のほうからお尋ねしようとして、結局、政府の責任者がいませんので、この点については山口委員のほうもはずされたわけでありますが、しかし、六月、七月、八月、九月、こうして続いております災害を考えますとき、これは本委員会において、中央防災会議の議長である総理大臣はさておいて、総務長官が出てこなかったということについては、私は要求をいたしておりましたのに、出席要求に対して出てこれず、昨日の二十三号台風等があり、審議室長も出てこれない、こういうふうな実態でありますが、しかし、抜本的な体制上の問題について検討しようとする本委員会の審議の根本的な問題について政府側の姿勢がきわめていいかげんであるということについては、ひとつ委員長のほうから厳重に申し伝えておいていただきたいと思います。
 そこで、現在の災害対策基本法に基づいております指導体制の問題でお尋ねをいたしたいのでありますが、この基本法の第一条に目的がございますように、この第一条の目的というものの観点からまずお尋ねをしたいと思いますが、六月、七月の豪雨によります死者が、六月で二十名、七月で五十一名、十五号台風で二十八名、二十三号台風で現在のところ四十一名、こういうふうに報告を受けておるわけでありますけれども、これらの方方がなくなったということの責任はどこにあるのか、まずお尋ねしたいと思います。
#115
○川合説明員 御質問の点でございますが、御指摘のように、この法律の第一条にしたためてございますように、生命を守るために「国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にするとともに、」云云、こういうことでございまして、法律が目ざしますところは、それぞれの各機関、もとより国を第一といたしまして、地方公共団体その他のそれぞれの機関の役割と責任というものを明確にいたしまして、そうして国民の生命、身体、財産、なかんずく、その生命につきましてこれを守るというたてまえをとっておるわけでございます。
#116
○川崎(寛)委員 それは法律を説明しただけであって、それでは現にどこに責任があるか。それはいわば最終的には中央防災会議の議長だ、こういうことになると思いますが、そこで、その議論はやりとりするのを避けまして、少し具体的にお尋ねしたいと思うのでありますけれども、六月から七月までの合わせまして百名を越しますそのなくなった方々が、不可抗力でなくなったのが何人か、ここの災害対策基本法でうたっておる災害対策をやっていたならば防げたであろう死者が何人か、その点はいかがでありますか。
#117
○川合説明員 御指摘ではございますけれども、災害の性格その他からいたしまして、ただいまのような分類をいたすことは事実上不可能でございます。と申しまして、災害対策の不十分を弁解することばではございませんで、私ども災害対策並びに災害に関連いたしますところの、ことにかような緊急防除的な施策におきましては、できるだけこれを努力いたしましてその生命の損傷の絶滅というものを期しております。なかなかにそこまで至っていないということははなはだ申しわけございませんが、御指摘のような分類は、正直申しまして、事実上でき得ない状況でございます。
#118
○川崎(寛)委員 佐藤内閣は人間尊重をうたい文句にいたしておるのでありますし、国民の生命を守るということは、政治の一番大きな柱でありますし、中央防災会議というものが設置をされておるゆえん、総合調整をするという機能の立場からいっても、私はそこで中央防災会議の関係の人にお尋ねをしたいと思いますが、この緊急防除対策にいま追われておりますので、その点では、おっしゃられるように不可能だ、こういうことになるかもしれませんが、災害があれば死ぬのは当然だ、それであとでそれぞれの対策を立てていこう、こういうことになって、なくなった方はかわいそうだ、こういうことで過ごされていたのではいけないと思うのです。でありますから、中央防災会議の関係の方にお尋ねしたいと思いますけれども、この六月から九月のころにおきましてなくなられた方々、こうした方々の、いま言ったことが不可能だ、不可能であるならば、死者というのはこれからも防ぐことはとにかく不可能だ、こういう論理的な帰結になろうかと思いますが、それは許されませんので、ひとつ中央防災会議の事務局のほうで、このなくなった方々については、それが絶対不可避の原因でなくなったのが何人だ、それから、もしこれだけのことがやられておったならば防げたであろう、そういうことも当然に個々のケースについては出てくると思います。でありますから、不可能だということではなくて、それらの原因をやはり十分に究明してやっていく、このことが、何といっても、人間の命を大事にする、そういう政治の眼目からいって大事だと思いますので、私は不可能だということでは過ごせないと思いますから、中央防災会議のほうで早急にそれらの分折をして示していただくことを要求いたしたいと思います。
#119
○金子説明員 お答えいたします。
 ただいまおっしゃられました原因等については十分調査いたしたいと思います。
#120
○川崎(寛)委員 事務局長が出ておりませんし次長も出ておりませんので、局員に対しましてその責任ある回答というのは困難かと思いますが、そのことはひとつ中央防災会議のほうに伝えていただいて明確にしていただきたいと思います。
 そこで、今日中央防災会議が総理府に置かれ、さらに建設省には水防協議会というのが設置をされておる、こういう状態になっておるわけでありますけれども、六月、七月、八月、九月と、こうして立て続けにやってまいっております災害を考えますならば、今日の中央防災会議というものがはたして災害の防除ということについていま機能を果たし得ておるのかどうか、今日の組織上の問題として、災害対策における指導体制の一元化というのが十分に行なわれておるのかどうか。つまり、現在の組織というのはもう最上のものかどうか、あるいはもっとこれを改めていく方法があるのか。中央防災会議があり、地方防災会議が県に設置されておるわけでありますけれども、しかし、県の地方防災会議というのは、これは組織のたてまえからすれば、上級機関であります自治省の関係にあって、消防庁が県の上級機関になり、消防組織法の二十条に基づいて、報告を求めたりあるいは指導したり、こういう体制になっておるわけでありますが、現在の中央防災会議というものが、地方防災会議あるいは建設省の中にあります水防協議会、そうしたものの一元的な指導体制というのは今日確立をしておるのかどうか。
#121
○金子説明員 防災対策の総合的な、また計画的な処理をするということは非常に大切でございまして、もちろん、この目的のために防災の基本法がつくられたわけでございますが、これによりまして、体制の面では、中央に中央防災会議、それから地方には都道府県防災会議なり市町村防災会議というのが設けられ、また計画の面では、防災基本計画あるいは関係行政機関なり公共機関なりの防災業務計画あるいは地方の地域防災計画というようなものがつくられまして、これらによりまして総合的または計画的な防災対策というものを現在推し進めているわけでございます。
  〔委員長退席、山口(丈)委員長代理着席〕
また、中央防災会議におきましては、防災基本計画の実施というものをできる限り推進する、それから、重要な事項につきましては関係各省というようなものと慎重に審議をいたしまして、その結果によって各省は防災行政を推し進め、また地方公共団体を指導するというようなことによりまして、従来よりもはるかに総合的計画的な防災行政というものが行なわれているものと思います。もちろん、なお努力しあるいは検討すべき事項も多多あることだとは思いますが、現在の体制を十分活用することによりまして、総合的計画的な防災行政の遂行というものはその目的を達成していくことができるのではないかと考えております。
#122
○川崎(寛)委員 防災計画をつくるとか、災害があったときに会議を開いていろいろと資金関係その他をやるとかという中央防災会議の今日の機能に期待できないものが、現在の災害の実態の中にあるのではないか。だから、台風なり災害なり、そうしたきわめて広範囲にわたって、しかも瞬間的に襲ってまいりますものに対処して、中央の指導機関というものがそれに備えてやっていくという場合の防災体制の中央の強力な指導性というものはどこにあるか、それは中央防災会議が持つのか、あるいは消防庁が持つのか、そういう防災体制の上における中央の一元化された指導機関はどこか。
#123
○川合説明員 御説明をするまでもないのでございますが、念のため申し上げます。
 現在の災害基本法のたてまえ並びに実際の状況でございますが、多少余談になりまして恐縮でございますが、災害対策基本法は、外務省を除きました各役所の共管という珍しい法律になっておるわけでございます。そのようなたてまえからいたしましても、各省がそれぞれの持ち分におきまして、災害の実際の指導と申しますか、いろいろな取り運びをいたしておるわけでございます。地方団体につきましては、消防関係を中心といたしまして、私のほうはその窓口と申しますか、指導をやっておるわけでございます。しかし各省それぞれにまた指導をやっておることは、御承知のとおりでございます。それらを総合調整いたします場面といたしまして中央防災会議がございまして、各省の共通の場になっておるわけでございます。緊急の場面におきましては、もとより中央防災会議のいろいろな総合調整を待ちながらでございますが、各省がそれぞれの持ち分におきまして、雨風の吹いておりますその場面におきまして指導を行なっていきますことはやっておるわけでございまして、また、われわれ消防庁といたしましても不十分な点はございますけれども、しかし、その行き方というものは実情に合っておるのではないか、かように考える次第でございます。
#124
○川崎(寛)委員 政府の責任者が出ておられませんので、なかなか議論もうまいぐあいにかみ合わないと思うのでありますけれども、もう少し進めまして、たとえば災害があった場合の報告にいたしましても、これは基本法に基づけば、市町村から県、県から内閣総理大臣、こういう一つの系統をたどるわけです。一方、県は縦割りでさらに農林省にやり、建設省にやり、あるいは文部省にやっていく、こういうぐあいに、一本化されておらぬわけです。だから私がここでもう少し質疑をいたしたいと思いますことは、生命が奪われ、財産が失われ、国土が損失をしていくという、今日のこの災害の頻発いたしております日本の情勢からいたしますならば、今日の行政組織のままでは不十分ではないか。端的に言えば、災害省、そうした常設のものがあって指導なりあるいは具体的な施策を総合調整して進めていくとか、そういうものがなければ不十分ではないか、こういうふうに思うわけです。そうした点が政府の部内で検討されたことがあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#125
○川合説明員 私から申し上げるのも少し僣越な点がございますが、実は私は、私事を申し上げて恐縮でありますが、災害対策基本法の立案に直接携わりました者の一人でございまして、そのいきさつ等を申し上げてお答えの一部にさしていただきます。
 当時防災庁の考えも強くございました。ございましたが、御承知のように、現在、災害関係の法律というものは、行政管理庁の調査によりますと、百六十一ございます。それだからこそ、災害対策基本法のような総合法をつくらなければならない点でもございます。また、現実の面といたしまして、この百六十一というものは、災害だけでない、それぞれの場面、日ごろの行政の場面を書きながら、災害のときにはどうするか、こういうふうな書き方もいたしておりまして、現実にはまた、百六十一といいますと非常に多いのでございますが、それはそれなりのまた一つの理由もあったわけでございます。それらの面を、言い方は歯切れは悪うございますが、考えましたときに、一気に防災庁というようなものをつくりましてはたしてうまくいくかどうか、これは、正直な話でございますが、慎重な検討を要する点であり、中央防災会議というような共通の場をつくりまして、各省がそこでやっていくということがいいのじゃないかという議論の結果として今日になっておるわけでございます。足らざる点は多々ございますが、いま少しく努力の日を重ねたいと思っておるわけでございます。
#126
○川崎(寛)委員 災害対策基本法の制定過程というのを伺ってたいへん参考になりましたが、その際にも防災省の議論があったということを伺えば、なおさらやはり再検討すべき問題もあろうかと思いますので、これはいずれあとに回して、さらにまた次の機会に根本的な検討をさしてもらいたい、こういうふうに思います。
 次に、午前中に池田委員のほうからも御質問があった点でありますが、秋は鹿児島であります。昨年の台風でやられました中学校の体育館、それが復旧工事をやりましたが、ことしまた吹っ飛んだわけであります。これはたいへんむだな国費が――国費ばかりでなく、金が使われておる、こういうことになるわけであります。昨年復旧工事をいたしました、特に学校に限ってお尋ねしたいと思いますけれども、この建物等でことしまた災害にあったというものが全国でどのくらいあるか、文部省にお尋ねをしたいと思います。
#127
○中尾説明員 昨年の災害復旧で建てた体育館がことしまたつぶれたというお話でございまして、私ども実はその点に関しましてまだ具体的な報告を得ておりません。不勉強の点は十分おわびを申し上げます。おそらくそういうふうに重ねて再度災害を起こすというようなものはほかにはないのじゃないかと私ども想像しておりますが、そういう再度災害を受けたという事例は、まことに残念に存じます。
#128
○川崎(寛)委員 これは医者の場合と同じでありまして、防災会議の抜本的な施策を進めていくという上においてはきわめて大事なことであって、そのつどそのつど何とかつじつま――といいますと失礼でありますが、対策を立ててやったにしましても、こういうことが繰り返されている、これは台風常襲地帯においてはしょっちゅうありますので、ひとつこの点はぜひ実態も調査を願いたいと思います。
 それから、今回の十五号台風でやられております姿というものを見ますと、体育館等は全部同じやられ方をしておるわけであります。屋根が吹っ飛んでしまって、全部やられておるわけです。そういたしますと、緊急避難の場所であるべき学校が、あるいは特に体育館等が部落民にとって緊急避難の場所たり得ないというのが今日の実態であります。池田委員の質問に対しまして、改良復旧工事については全部鉄筋化しておる、こういうふうな御答弁であったわけでありますけれども、しかし、それは地方自治体の財政能力等もあり、特に離島の多い鹿児島においては、実際問題として、それが全部鉄筋化されていくということは、きわめて自治体の実情の中から困難な問題があるわけであります。台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法がありますが、これは農林水産であるとか、河川であるとか、国土であるとか、そういうことに限られておるわけでありますけれども、こうした台風常襲地帯における学校の施設等については、今日の建築基準法、こういうものの範囲内ではとうてい処理できないものがあるのではないかと思うのであります。でありますので、まず第一にお尋ねしたいことは、台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法の中に、特にこうした社会的、地域的な役割りを持っております学校の施設等については、この特別措置法の中に入れる考えがあるかどうかというのが第一であります。そして、もしこの特別措置法の中に入れられないにしても、今日の建築基準法、そういうものの中で、特殊な地帯については云々という条文もあるわけでございますし、こうした台風常襲地帯については高率の補助というものについての特別の財政援助をなし得るのかどうか、それから建築の基準を変える考え方があるかどうか、お尋ねしたいと思います。
#129
○中尾説明員 最初の、災害防除法の中に、現行法では残念ながら学校の施設が含まれておりません。この法律の趣旨が河川だとか砂防だとか、国土の安定を目的とするというような目的を持っておりましたがために、おそらくは学校施設が入ってこなかったのかと思いますが、こういう点については、私どもこれからまた関係当局とよく折衝しまして、研究させていただきたいと存じます。
 第二に、公立学校の建物関係は、緊急避難の場所その他重要な意味があるので、これについて特別に構造等も災害に十分たえ得るようなものにする、そういうことのために特に貧困財政の町村にあっては負担にたえかねるから、これを特別の高率の補助を考え得られないかという御質問でございましたが、この点は現行法ではまだその道が開かれておりませんので、私どももつとめてその御趣旨等を体しましてその方向へこれから実現をはかっていきたいと思いまして、これはなお今後の宿題とさしていただきたいと存じます。
 それから第三番目の建築基準の問題でございますが、これは木造というものが災害にきわめて弱いのでありまして、私どもがこういう学校施設をつくる場合にも、木造を極力避けましてそして鉄筋鉄骨づくりとしていく、それで、現在一般の整備におきましても鉄筋鉄骨造を八〇%の比率で引き上げていきたいと努力いたしておる次第でございます。
#130
○川崎(寛)委員 これは文部省だけではなくて、あるいは建設省にもわたってまいると思うのでありますけれども、学校の屋根は長いわけですね。そのために、スレートなんかではとうてい耐られない、こういうことになるわけです。そこでかわらということになるわけでありますけれども、かわらがない。そこで市町村でいまよくいわれますことは、これは一般の民家の場合もそうでありますけれども、市町村はかわらを備蓄しておってくれ、これまで要求が末端では出ておるわけです。そこで、建物の基準あるいは構造そのもの、そういうものについて、これは防災計画を見ますと、科学的にやるということが出ておりますので、将来科学的研究の成果あるいは災害発生の実情等を勘案して修正していくのだ、こういうふうに防災基本計画のはしがきで大前提をうたっておるわけでありますから、当然にこういう災害が頻発をしております地域についてはそういうことが検討の対象になっていなければならぬ、こう思うわけでありますけれども、この屋根がわらにかわる強力なもの、そういうものの研究が政府の機関等で行なわれていないのかどうか。今日は職人がいないのです。だから、非常に無理をしておるわけでありますが、学校等にしても、あるいは民家等にしても、災害があってもなかなか建てられない、復旧ができない。そうしているうちにまた台風がくるわけですね。この点の研究等がなされているかどうか。
#131
○中尾説明員 屋根ふき材料につきまして、台風に十分耐え得る適当な材料というものの研究は、いま私の知る範囲におきましては、政府関係の機関では残念ながら行なわれていないようであります。しかし、民間におきましてはいろいろな考案があるようでありますが、たとえば台風がわらというような考案もございますけれども、これは必ずしも非常な強力な暴風雨等に対しましては十分耐え得られないような現状でございます。
#132
○川崎(寛)委員 これはひとつ防災会議のほうで屋根がわらは研究をするということを答弁しておいてもらいたいと思います。どうですか。
#133
○金子説明員 お答えいたします。
 屋根がわらは非常に危険であるから、かわりにどうかというようなことは、防災会議で検討するというのは……。
#134
○川崎(寛)委員 どこでやってくれるかはっきりすればいいのです。どこの機関でやるのか、研究をしておるのか、あるいはどこでやってもらうという……。
#135
○金子説明員 これは建設省の関係になるのではないかと思いますが、建設省になお確かめて……。
#136
○川崎(寛)委員 では、委員長、建設省にお願いいたします。
#137
○角田説明員 お答えいたします。
 私も先生の御指摘の点につきましてまだ詳細に承知しておりませんが、私のほうに建築研究所がございます。そこでそういうふうな問題につきまして検討をするように、内部で十分徹底いたしたいと思います。
#138
○川崎(寛)委員 ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 文部省はけっこうです。
 次に、先ほどの災害対策の基本的なところでちょっと落としておったのでありますけれども、通信途絶等に対しては十分にやるということが基本法の中でもうたわれておりますが、離島や僻地が非常に多い。先般の十五号台風の際にも、熊毛あたりまでは無線設備ができておりますし、また、奄美大島についても奄美振興特別措置法の中で措置をされましたので、無線の施設があるわけでありますが、ほかの十島村であるとか三島村であるとか、そうした離島については、災害の際はすぐ通信が途絶してしまう、こういう状態にあるわけであります。これはただ単に鹿児島の離島ばかりでなくて、全国にこうした離島なり僻地なりがあるわけでありますけれども、こうした通信連絡の施設設備、特に無線等に対する財政援助について検討されておるのかどうか、高率の補助をやってもらいたいと思うわけでありますが、その点をひとつお尋ねしたいと思います。
#139
○川合説明員 私のほうだけの問題でございませんが、便宜上答えさせていただきます。
 お話しのように非常に困った問題でございまして、一応形式で申しますと、地域防災計画の問題といたしまして重点としてこれを取り上げて検討しろというようなことは、私のほうでも声はかけておりますが、ただ声をかけましても、なかなか財政の問題もございますし、実現もいたさない問題でございます。離島振興法等で直ちにこれの問題がまかなえるかどうか、これは科学技術庁のほうの関係のあれでございまして、私どものほうの所管外でございますが、実はさような問題も含めまして、科学技術庁に対しましていろいろ私のほうからもお願いや御相談というようなことをいたしたいと思っておる次第でございます。
#140
○川崎(寛)委員 次に移ります。
 住宅金融公庫法の十七条六項で、罹災者に対しては建物の融資をする、こういうふうになっておりますが、ここでいつも問題になりますのは、市町村が債務保証しなければならぬということになっておるわけであります。この市町村の債務保証というものについて廃止してほしい、こういう要望が市町村には強いわけであります。その点をまずお尋ねしたいと思います。
#141
○角田説明員 お答えいたします。
 先生から御指摘がございますような御要望がございます。自治省のほうからもそのような御要望がございましたのですが、私どものほうの、いま金融公庫の貸し付けは、一般の場合でございますと、個人の保証人があります場合、あるいはそれにかわります物的担保がありますような場合というふうなケースを一応前提にしておりまして、通常の場合でございますと多少手続がかかります。そこで、災害の場合は、市町村長のほうに債務保証をしていただきまして、それで手続を簡素化しているわけでございます。現実にその結果市町村に御迷惑をかけた例は実は一件もございませんので、自治省のほうにも、また地元のほうの御要望にも、私のほうとしては現在御迷惑をかけておりませんから、できるだけ早く貸し付けができるような措置として御協力をお願いしたいというふうにお願いをいたしております。
#142
○川崎(寛)委員 廃止の方向ということでの努力ですか。
#143
○角田説明員 現在のままでやっていただきたいというふうに実はお願いしているわけでございます。
#144
○川崎(寛)委員 時間の関係がありますから次に移りまして、公営住宅を建ててもらう前に災害住宅をやってもらうわけですね。これをいま三〇%を五〇%に引き上げてくれということでお願いしておるわけでありますけれども、仮設住宅から公営住宅という段階で結局はずれているのが現行では七〇%、こういうことになるわけですね。その点の救済というものをどのように考えておられるか。
#145
○角田説明員 お答えいたします。
 応急仮設住宅、これがいまの限度でございますと三〇%、それから災害公営住宅が三〇%、残りの四〇%が対策から一応はずれるわけでございますが、それにつきましては、先ほど御説明いたしました住宅金融公庫の融資等によってカバーをしていくというふうに考えまして、いまの残りの方たちで融資その他御希望がありますれば、それに対しては全部貸し付けをするというふうな措置をとっているわけでございます。
#146
○川崎(寛)委員 それは先ほどの川村委員の質問とも関連をいたしてまいるわけですが、生活保護にかかるその直前のラインの人たちは相当に多いわけで、その点は、貸し付けをするという制度があるからいいのだということでは、実際には済まないわけです。しかも台風常襲地帯の場合には毎年やられているわけですから、この点ひとつ検討願いたいと思います。
 それから次に、これで終わりますが、台風常襲地帯等については、建築基準の中でも制限規定等があるわけでありますけれども、風に強い建物の設置基準というものを義務化する考えがあるか、あるいは、義務化すると同時に、そのための特別の助成を考えられるかどうか、お尋ねしたいと思います。
#147
○角田説明員 お答えいたします。
 一般の住宅、建物まで含めまして、先生の御指摘のようなところまでの基準をつくり、それに対します措置をどうするかという点については、正直のところ、まだ全部検討をいたしておらないわけでございます。ただ、御指摘のような問題がございますので、公営住宅の関係、これは災害常襲地帯につきましては、全部木造をやめましてブロック造または鉄筋コンクリート造というふうなことで、もう数年前から実施をいたしております。やはり公共的な建物から一応実施をいたしまして、一般の場合につきましても、公庫融資その他でできればそういうふうなワクをできるだけ優先的に使っていただくというふうな措置からまず始めていきたいというふうに考えておるわけであります。
#148
○川崎(寛)委員 終わります。
#149
○山口(丈)委員長代理 村山喜一君。
#150
○村山(喜)委員 初めに私は委員長に対して要望を申し上げたいと思いますが、委員長、御答弁を願いたいと思うのであります。
 この災害対策の特別委員会に参ってみますと、防災会議の事務局長であります総理府総務長官、これは責任者でありますから、当然出席を願わなければならないかと思うのでありますが、担当の大臣も出席をされていない。並びに、政府委員であります局長が一人として出席をしていない、そうして答弁をいたしておりますのは、その事務的なレベルにおいて答弁ができるという限度を持っております政府の説明員だけしか出席をしていない。こういうような形の中でこの委員会が開かれておるということは、災害復旧に対しましてきわめて強い関心を持っておる国民に対して責任を負わなければならない政府が、その責任を果たしていないものだと私は考えるのであります。そういうような意味において、委員長のほうからこれらの関係者に対して強い要請をしていただきたいのでありますが、それに対して委員長から御答弁を願っておきたいのであります。
#151
○山口(丈)委員長代理 答弁をいたします。
 委員長ただいま所用のため私が代理をいたしておるわけであります。午前中私の総括質問の中におきましても、実はこの会議に政府の首脳部が出席をして、政府の災害に対する基本方針を明確にすべきことを要求いたしまして、委員長からその旨政府に伝達をするはずでございます。今日までの本委員会の運営にあたり、ただいま指摘されましたように、政府の出席がきわめて少ないことははなはだ遺憾でありますので、今後政府に対してこの会議の運営にあたって協力するようさらに強く申し入れをするよう委員長に申し伝えることにいたします。
#152
○村山(喜)委員 関連をするわけでありますが、金子参事官が見えておりますのでお尋ねいたしますが、防災会議の事務局長は一人であります。しかしながら、三名の次長がおるはずであります。少なくとも三名のうち一人くらいはこの委員会に出席されてしかるべきであると私は考えるのでありますが、三名の次長はきょうはどういうような所用があって出席できないのか。あなたは担当の参事官でありますので、あなたのほうから次長の動向について御説明を願っておきたいのであります。
 それと同時に、この台風十五号災害について激甚災として指定されるのは、いわゆる住宅災害と農作物の災害、この二つの部面だろうと思うのでありますが、それはいつの閣議で決定をする見通しであるか、その点についてお伺いをいたしておきたいのであります。
#153
○金子説明員 防災会議の事務局の次長につきましては、消防庁の次長がここに出席されておられます。他の二人は所用がありましてちょっと来られなくなりましたが、次長がおられますので、御容赦いただきたいと思います。
 台風十五号の激甚災の指定につきましては、ただいまおっしゃられました農作物と公営住宅のほかに、開拓者の施設を激甚災に指定する予定でおりまして、次の閣議にはかけられる予定でございます。
#154
○村山(喜)委員 三名の次長、これはいずれもおいでになっていないのです。それで、金子参事官が防災会議の責任者として御答弁ができるのであればけっこうでありますが、あなたはお帰りになりましたら――いま私から委員長に対しても強く要望を申し上げましたが、三名の次長のうち一人くらいはこの委員会に出席を願わないと、これは国民のための国会の審議なんですから、あまりにも委員会を無視した行動である、私は強くあなたに指摘をしたい。その点は、お帰りになったらさっそく上司に対して、そういうような指摘があったということをあなたのほうから強く申し上げてもらいたいと思いますが、よろしいですね。
#155
○金子説明員 先ほど消防庁の次長と申し上げましたが、これは次長がかわりに出席をしているという意味でございます。失礼いたしました。帰りましたらよく申し伝えます。
#156
○村山(喜)委員 大蔵省の方は見えていますか。
#157
○山口(丈)委員長代理 ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#158
○山口(丈)委員長代理 速記を始めてください。
#159
○村山(喜)委員 私は、公立学校の災害の復旧方針について実は文部省と大蔵省にお尋ねをしたかったのであります。先ほども同僚の川崎代議士あるいはその他の委員のほうからいろいろお話がございました。
   〔山口(丈)委員長代理退席、委員長着席〕
やはり全壊をいたしたものも、あるいは半壊以上で、建物構造の上から、復旧の措置を講じましても技術的に見て不可能である、あるいはそれを引き直して建物を建てましても、二、三年でもう耐用年数がきて、あとは構造上不可能であるというようなものについては、改良復旧を鉄筋化の方向で進めていくというのが文部省の方針であるというふうに承っておるのでございますが、ただいま、大蔵省のほうもそういうような方向であるということの連絡が参りました。そこで、大蔵関係の責任者から直接この委員会でそのことを確認してもらいたいという意味で出席の要請をいたしておったのでございますが、残念ながら出席がございませんので、そういうようなことを踏まえまして、一応文部省のほうに、そのような方針というものは大蔵省でも大筋として了承をして災害復旧工事の方針が立てられているものだとわれわれは確認をいたしたいと思いますが、それでよろしいかどうか、その点だけお答えを願っておきたいのであります。
#160
○中尾説明員 改良復旧につきましてお尋ねがございましたが、災害復旧の国庫負担法という法律に、改良復旧であってもこれを原型復旧とみなすという、まことにふしぎな言い回し方の字句がございますが、こういう点で、私ども、在来の復旧におきましても、再度災害の発生ということを未然に防ぐ意味におきまして、でき得る限り改良復旧を推し進めてまいっております。たとえば昨年の災害などにおきましても地元の申請がかなりございましたが、私どもはその申請もほとんど全面的にその改良復旧の線に沿って実行いたしたような次第でございまして、今回の災害に際しましても私どもはその線を十分堅持してまいりたいと考えております。
#161
○村山(喜)委員 これは地元の鹿児島県の川内市の実例でございますが、二十九の小中学校のうち、国庫補助の対象になりますのが、二十六校も出ているのであります。総額五千三百八十五万三千九百円という災害復旧の計画が立てられましていま出されている。文部省のほうからも、大蔵省の現地からもいま災害の査定に出かけておりまして、現在その作業が行なわれているわけでございますが、やはりこの際、そういうような危険度の強い、しかも台風にやられて半壊状態になって、建物の構造から考えまして、これを起こしたりいたしましても、もう下の台が腐っている、柱が腐っているというようなものは、外から突っぱりをするだけではこれはもう意味ないと思うのです。そういうような意味において、私は、改良工事というものが文部省の手によって進められている方向が出されておりますことは、けっこうなことだと考えておったわけでございますが、先ほど私のほうに大蔵省のほうから連絡がありました内容では、大蔵省としても文部省のそういう方針に従って大筋としてはやっていく方針だということでございますので、できるだけこういうような実情に合わせて、再度災害復旧工事をやらなくても済むような方向で鉄筋化の方向を進めていただくように要望を申し上げておきたいと思うのでございます。
 次は、仮設住宅の運用の問題でございますが、厚生省のほうにお願いをいたします。
 先ほどいわゆる四級地におきます生活保護基準の住宅扶助料というものを調べてみますると、一人から二人の場合には六百円、三人以上の場合には九百六十円ということでございます。大体この四級地なり三級地というのが今度の災害を受けました地域でございますので、この点から割り出してみますると、三級地の場合で八百円、それから三人以上の場合には千三百円というのが、生活保護の基準ということに相なります。ただいま激甚災の指定を受けました場合には、いわゆる全壊戸数に対する五割の割合で災害公営住宅が建設をされるわけでございますが、その場合のいわゆる木造なりブロック、鉄筋の月当たりの住居費の金額というものを、建設省の標準建設単価によりまして割り出してまいりますると、木造の場合で千八百円から千九百円、ブロックの場合に千九百円から二千円、鉄筋の場合には二千百円から二千二百円というふうに承るのであります。そういたしまするならば、この第二種公営住宅の場合には月収二万円以下の者しか入れないことになっております。したがって、応急仮設住宅というのは、これは大体建築基準法からいって災害を受けて二年間だけしか住居として用いないようになっておる。こういうたてまえで、坪当たり三万円の五坪十五万円ということで単価がきめられてつくられているわけでございます。しかし、今度台風十五号災害による災害地の実情を見てみますると、生活保護を受けている人、あるいは準要保護世帯、母子世帯、老人世帯、こういうような経済力のない人たちが大部分でございます。さればこそ、厚生省におきましても、仮設住宅を三〇%という基準から引き上げていただきまして、実情に合うように四五、六%ということでこの措置をしていただきまして、この点につきましてはわれわれは非常に感謝をいたしているのであります。ただし、坪当たり三万円という単価で建造をいたします。ところが、この住宅の場合には、これはもう少し恒久的なものとして処理する方針が厚生省あたりにあっていいのではなかろうかという意見が実は強いのでございます。といいまするのは、簡単な建物構造で木造の場合に、かわらまで載せることのできるような単価を見積もってみますると、三万五千円ありましたら、その地区においては、簡単な工事でございますが、一応組み込み木造の建築ができるという実例がございます。そこで、これらの生活保護を受けるような人たち、あるいは要保護世帯の人たちの場合には、災害公営住宅に入るだけの能力がない、私はそういうふうに見るのであります。しかも将来にわたってそれだけの収入源があるようになるかといいますと、これまた、老人世帯や母子世帯でございますので、収入がないというのが実情であります。したがいまして、そういうような低所得者として今後も生活をしていかなければならないような見通しの確実な人の場合には、このいわゆる仮設住宅に事実上の問題として二年以上にわたって住まなければならない、五年なりあるいは十年ぐらい住んでいかなければならない、そうしてそこで死んでいかなければならないような人たちが現実にあるのであります。これを機械的に、そういうようなのはいわゆる応急的な措置であるから、あとは災害公営住宅に移ってもらえばよろしいというようなことをおっしゃるならば、なぜ生活保護基準をその月の最低の木造の場合に一千八百円から一千九百円というのに引き上げないのか。これを引き上げる力がないならば、この応急仮設住宅というものにもう少しそういうような親心の立場から五千円ぐらいの追加をいたしまして、それらの低所得者層を救済するという方法があってしかるべきではないか、このように考えるのでございますが、厚生省としてはこの問題について検討をされたことはないのか。私は、少なくともこういうような実情というものをあなた方も実際は把握しておられるはずであると思うのでありますが、どうも役人がやるのは、機械的に事務的に問題を考え過ぎて実情に合わないようなしきたりの中に追い込んでいると思うのでございますので、その点についてあなたのほうから説明を願っておきたいのであります。
#162
○宮田説明員 災害救助法によります応急仮設住宅の単価が、ただいまのお話のように三万円でございます。これをあと一息三万五千円まで上げればというお話がございましたければも、これは確かに御指摘の検討に値する問題だと思いますので、なお検討させていただきたいと思います。
 それから、今後どういう方向で考えるかという問題でありますが、これはいま十五万円の国庫補助金で建てておりますその補助金の計算上の耐用年数は二年である、かようなことでございますが、実際上は四年も五年も住んでおるというのがあります。そういう場合には、二年を経過いたしますと、国庫補助によって県が建てておるわけでありますから、県有県営の財産でございますけれども、県有財産から地元の市町村または本人に払い下げるというようにいたして、国庫補助の上では耐用年数が済んだから消えるというふうにいたしておりますが、払い下げを受けたほうで、二年で終わるべきものを三年、四年、五年と住んでおる。第二室戸台風が五年ほど前にありましたが、そのときのものでもまだ残っておるものがあるというような実情でございます。それについては、もう少し単価を上げてそこまで持たせたほうがいいという先ほどのお話もありますが、私どもは、やはりスラム街みたいなものをつくるとか、あるいは住居水準からして非常に気の毒であるとかいうことがございまして、早く行く先を探すほうの施策を進めるべきである、かように考えるわけであります。
 それからもう一方、最近プレハブ業界の生産が非常に進みまして、プレハブ住宅というものが非常に安くできてくるようになりまして、昨年鹿児島であった風水害のときもそうですか、ことしありました火災のときにも、プレハブ住宅を建てる、それが百戸、二百戸の団地ぐらいでやりますとだんだん安くなりまして、最近は十五万円ぐらい――五坪で十五万円で計算してそれを五軒長屋ぐらいにつなぐわけですけれども、単価として十五万円でできるというようなことが間々ございます。したがいまして、そのプレハブ業界の推進をなおにらみ合わせないといけませんが、さようなほうへ切りかえて、二年といわず、プレハブのときには六年ぐらいというような計算をしたこともございますけれども、ある程度の長持ちをさせることも考えなければいけない、さような方向もございますので、そうした各種の方向につきましてなお検討するようにいたしたいと思います。
#163
○村山(喜)委員 私は、この問題は単に仮設住宅の運用の問題だけではないと思うのであります。いわゆる低所得者層に対してどういうような措置を、特に災害を受けた場合には考えるべきかという問題があるわけです。政府の方針の中には、とりあえずの措置として二年間だけはそういう仮設住宅に入ってもらいましょう、そのあとは災害公営住宅もできましょうし、あるいは住宅金融公庫の貸し付けもございますから、それに移ってもらいましょう、こういうわけであります。そういうようなのが本筋であろうとは思うのでありますが、それであるならば、なぜ、生活保護基準を上げて、少なくとも第二種公営住宅にそれらの罹災者の人たち、生活保護を受けている人たちが入ることができるような措置を講じないのか。一方においては、相変わらず住宅扶助料は据え置き、災害住宅に入るだけの家賃はもらえないので、公営住宅に入るだけの家賃は計算基礎の中に入っていないのであります。そういうようなちぐはぐな政治というものが今日行なわれているところに、私は、厚生省も筋としてどうもおかしな点があるのではなかろうかと思いますので、これはやはりあなたのほうから担当の局長なりあるいは大臣のほうに、省内のこれは一つの問題点であるということを私指摘いたしておきますので、お帰りになったら、善処方をお話し願っておきたいのでございます。
 次に、先ほど世帯更生資金の問題につきましては池田委員のほうからお話しがございましたので、これはそれ以上具体的な問題に触れませんが、ただ、当初七千七百万円の割り当てがございました。それが六月に四千万円の国庫補助、そして第二次分としまして一千万円ということで鹿児島県には割り当てがあるわけでございますが、それに対しまして、それだけでは足らないからあと一千万円、国庫補助額は六百六十万円余り、こういうようなもので間に合うであろうという見通しだという説明がございました。しかしながら、私たちが聞いておりますのでは、県のほうからの要請はそういうところにとどまっているようでありますが、災害地の市町村にまいりますと、この世帯更正資金の活用という問題はきわめて要望が強いわけでございまして、これらの問題につきましてさらに何らかの措置を講じてもらいたいということでまいりました場合には、予算的に見まして何らかの措置がつくという見通しであるのか、その見通しだけをお伺いしておきたいのでございます。
#164
○宮田説明員 世帯更生資金の問題につきましては、鹿児島県の場合に、当初需要総額で七千七百万円、国庫補助額で五千百万円でありますが、これを大体年度当初にきめましたときに、鹿児島県当局の予算の地方財政に計上する都合からしてまず四千万をもらいたいというお話がございまして、六月ごろに四千万を差し上げるという決定をいたしました。そのときにまず四千万でいいということでありましたけれども、今度の災害が起こりましたので、残りの一千万も至急に交付をせよ、それからさらになお一千万分の資金を出すようにというようなお話がございましたので、さらにあとから出す一千万については、既定予算のワク内の操作によりまして充当できるというようなことで、さようにお答えを申し上げておるわけであります。それから、なお今後さらに御希望がありました場合には、御希望の規模にもよりますが、大体いままでのベースから考えましてしかるべき額であります場合には、大体既定の予算の中で何とか消化できるのではなかろうか、かように私どもは考えております。
#165
○村山(喜)委員 次は建設省にお尋ねをいたします。
 このたびの台風十五号による災害の内訳を調べてまいりますと、県のほうからの申請が、全壊で鹿児島県の場合二千六百九戸、これに対して査定官が参りまして査定をした結果は、鹿児島県だけで二千五百五十戸というふうになっているようでございます。そうなりますと、いわゆる激甚法の対象として考えてまいりました場合には、熊本県もその対象地区でございますので、当然、基準であります四千戸以上の被災地域全域について激甚法の対象地域として適用がなされるのである、こういうふうにわれわれは受け取るのでございますが、全体的に見まして、この滅失家屋というものが、いわゆる基準として設定をされております四千戸以上になるのかどうか。かりに激甚災としてその地域が指定をされました場合に、これを具体的に基準として市町村に当てはめてまいりますならば、市町村で二百戸以上の滅失家屋があり、あるいは一割以上の全壊家屋のあった場合には、激甚法の適用地域にするということになっているわけでございますが、これからまいりますと、台風十五号災害によりまして激甚災として指定をされる市町村というものは、鹿児島県、熊本県を含めまして、もし地域全体が激甚災の指定になったといたしましても、数少ない市町村になるのではなかろうかと思いますが、その地域は何カ市町村になるのかということについて説明を承りたいのでございます。
 それともう一つ、この際私のほうから強い意見を申し上げたいのは、このたびの台風十五号災害というのが、私のところにおきましては、川内と宮之城地区というところが中心になりまして、あるいは大口方面までその台風の非常に大きな影響を受けているのでございます。それらの周辺におきます町村、この場合にも、全壊家屋というものは百戸前後のきわめて大きな損害を受けているわけでございます。この場合に、これらの町村におきましては、ぜひ激甚災として処理をしてもらいたいという強い要望がございます。試みに川内市の場合等を見てみますと、全壊をいたしました家屋が七百十七戸もあるということで査定がなされているのであります。ところが、その周辺におきましてもきわめて大きな損害が出ておりますが、いずれも、激甚災の指定基準というものに当てはめてみますると、それを満たさない。しかし、事実上の問題としては、非住家等に子供たちが勉強部屋としてかねて使っている、いわゆるうまやの二階を使っている、あるいは老人がそういうようなところに住んでいる、こういうような問題があるのでございますが、建物の区分としては、税法上のいろいろな問題もありまして、住家と非住家に区分をしてまいりますと、それは非住家ということになる。そうでないと、いわゆる固定資産税やその他の税法上の問題が出てまいりますので、そのようなことになっていると私たちは見ているのでございます。そこで私は、査定官が参りました場合に、そういうような実情も十分考えて査定をしてもらうようにということで、地元の市町村長等が参りましたときにも、建設省のほうへ参りましてそのようなお願いをしたのでございます。それを十分お聞きになった上で査定がされたとは思うのでございますが、どうも申請額とそれから査定の戸数との間の関係を見てみますと、住家についてだけ査定がされて、事実上の住家であるそれらのものについてはほとんど考慮されていないように承るのでありますが、これらの点については一体どういうことになっていたのか。
 さらに、この激甚災として指定をする場合に、適格市町村の場合は別にいたしましても、その周辺においてはやはり同じような条件があるのだと私は思うのでありますが、それについてもっと基準というものを実情に合わせるような方向で考えてもらうわけにいかぬのか、この点をお尋ねいたしたいのでございます。
 それと同時に、激甚災に指定をされました場合には、限度といたしまして、全壊家屋の五割までこれは四分の三の国庫補助がついて、残りの四分の一につきましては九割の起債充当額が示されている。その他の災害を受けましたところは、三割の限度に対しまして三分の二の国庫補助、三分の一の金額については起債の充当率は大体九割、こういうことでございますが、地域的に見まして、この五割、三割という限度額については、その地域の実情によって公営住宅をつくろうというところもありましょうし、それでなくて住宅金融公庫の金によって処理をしていきたいというところもありましょう。そこで、これらの点を考えて、全体的に見てこれらの間において、たとえば各町村あたりの要望というものが三割を幾らかはみ出すというような場合には、その要望に従って措置をするという方法があってしかるべきだと思うのでございます。そのようなことを運用上の問題としてはお考えをいただいているものとは思うのでございますが、これについての対応のしかたをお答えを願いたいのでございます。
 それから、同時に答えていただいてけっこうでございますが、いわゆる住宅金融公庫の災害の特別貸し付けの問題であります。この場合におきましても、災害復興の貸し付けにつきましては、やはり全域で五百戸以上、一市町村で一割以上の損害を受けた場合にいわゆる貸し付けをするというのがあるようでございます。われわれが資金を調べてみますと十億円ということでございますが、それだけのワクがある。ところが、その後において二十三号台風も吹いてまいりました。そういうことになるならば、これは全部貸し付けをするのだという先ほどの御答弁でございますけれども、はたしてその貸し付けが災害復興貸し付けとして特別ワクの中から出すとこが可能であるかどうか、やはりそういうようなものは一般貸し付けのほうを回わさなければならないのではなかろうかと思うのでございますが、その住宅金融公庫のいわゆる貸し付け方針についてその点をただしておきたいと思うのでございます。
 以上の点について御答弁を願います。
#166
○角田説明員 お答えいたします。
 最初に、激甚法の指定の問題でございますが、先生御指摘の災害の四千戸といいます基準によりますと、先ほど先生から御指摘のとおり、滅失戸数の査定から見ましても足りないわけでございますが、もう一つの項目あがりまして、被災地全域で千二百戸以上でありまして、かつ一市町村の区域内で四百戸以上の災害があります場合という基準があります。今回の場合はそれに該当いたしますので、先ほど総理府からも御答弁がありましたとおり、住宅につきましては激甚の指定に入るわけでございます。
 そこで、具体的にどことどこが指定に入るか。全地域としては、いま申し上げましたとおり入るわけでございますが、なお個々にその市町村の指定をいたすわけでございます。それにつきましては、ただいま先生からもお話がございましたように、二百戸以上の滅失戸数があります場合、またはその地域の住宅戸数の一割以上があります場合、この二つの条件でございます。今回この条件に該当いたしますのは、鹿児島県の川内市、それから串木野市と宮之城町でございます。この三市町でございます。熊本県のほうにつきましては該当がございません。
 それから次は、このような災害査定にあたりまして、先生から御指摘がございましたように、必ずしも住家というふうに税法上その他ではなっていなくても、実際上住宅になっているようなものがあるのではないか、それを査定の際落としたのではないかというお話でございます。御指摘のとおり、私どものほうの災害を査定いたします際の住宅の基準を各市町村に全部通達を出しておりまして、住宅の定義といたしましては、一般的には、先生から御指摘がありましたように、専用の住宅というのが主でございますが、それ以外に仮設の住宅的なもの、あるいは小屋、あるいは先生からいまお話がございましたように、建物の中に、そのほかの用に供しておりながら、なおそれを住居に永久的に継続して使っているといいますようなものは、一応住宅戸数に計算をして滅失戸数に換算をするということにいたして通達を出しておるわけでございます。一応私どものほうの派遣いたしました査定官も、それを前提にして査定をしているとは思いますし、現地のほうの市町村の担当者もそれを御承知の上で出しておられることと思いますので、実情につきましては――私実情をつまびらかにいたしませんけれども、ある程度その辺の事情は考慮してやってあることだろうというふうに考えておるわけでございます。
 それからいまお話のように、激甚の指定町村が二市一町だけでございまして、その間にはさまれましたところがこの対象になりません関係で、非常にアンバラであるというふうな御意見がございました。そのために、この二百戸以上あるいは一割以上という指定基準を下げてくれというふうな御要望が、鹿児島県から非常にきつい御要望として出ております。私どももお気持ちはわかりますのでいろいろ検討いたしたわけでございますが、たまたまこの災害関係が書いてございます公営住宅法、基本になります公営住宅法のほうの規定が、災害復興住宅の基準がやはり同じように一市町村で二百戸以上または一割以上ということになっておりまして、これとの関係でまいりまして、なおこれに特例的に補助を上げていく激甚法でございますから、それとのバランスを見てまいりますと、いまの段階でこれを動かしますとバランスがくずれてしまうのではないかということで、ひとつごかんべんをお願いしたいということで申し上げたわけでございますが、実際問題といたしまして、激甚になります場合は、先ほどお話がございましたように、公営住宅の二種で三分の二の補助が四分の三になるわけでございます。なおそのほかに戸数の面、激甚の場合は災害の滅失戸数の五割、一般の場合は三割という差がございます。特に戸数につきましてはただいま先生からも御指摘がございましたので、私どものほうも、その点につきましてはできるだけ運用面で地方公共団体、地元の御要望に応ずるような措置を講じたいと思いますし、もし災害復興住宅の中でうまく処理ができません場合は、同じく一般の公営住宅の第二種公営住宅がございます。これも補助率が三分の二でございますから、これの優先的な配分というふうなことも考慮いたしまして、できるだけ地元の――現実に所得の低い人たちの住宅が困っておる現状でございますので、それに対するような対策をしてまいりたいと考えております。
 それから最後の御質問でございますが、住宅金融公庫の貸し付けでございます。先ほども御説明いたしましたように、現在十億のワクがございまして、お申し込みがあれば、適格者には全部お貸しするようにしているわけでございます。いままでの災害の状況でございますと、このワクの中で大体処理できるというふうに考えておりますが、もしこれをオーバーいたしますような場合につきましては、実は住宅金融公庫の資金ワクの中に二十億予備費的なものが入っております。これを災害に際しては優先的に使うということにいたしておりますので、今回の災害、あるいは二十三号台風の状況はまだはっきりいたしませんけれども、それに優先的な貸し付けをいたしましても十分足りるではないかというふうに考えている次第でございます。
#167
○村山(喜)委員 この激甚災の指定をしてもらいたいという要請は、やはり同一地域内におりまして、財政的に非常に苦しい、片一方が市街地の場合には、非常にまとまりまして二百戸以上倒壊をする場合が多い、しかし、農村地帯の場合には、あちらのほうに一軒、こちらのほうに数十軒というふうにかたまっているので、地域的に相当アンバラな状態の中で災害を受ける、こういう状況が現にあるわけでございます。したがいまして、その部分的なものを見てみると、激甚災の指定を受けた市町村と何ら変わりのないようなきわめて過酷な条件にある地域などがあるわけでございまして、それらの点から問題が派生をするのと、もう一つは、やはり町村の財政という問題から、激甚災になりましたら四分の三の国庫補助があるということで、ぜひそういうふうに基準を改めてもらいたいという強い要望が現実にあるわけでございまして、それらの点につきましては、ただいま公営住宅法との関連から早急に改めるということはむずかしいという説明でありますが、ぜひこの点につきまして建設省におきましても十分な検討を今後お願い申し上げておきたいと思うのでございます。
 そこで、次は農林省関係でございますが、先ほど八十三億の被害だということで、天災融資法の適用が行なわれることになろうと思うのでありますが、この際に、いわゆる自創資金なり、あるいは農林漁業金融公庫あるいは農業近代化資金等の資金に対する要請がきわめて強いわけでございますが、これらの要望について十分こたえられるように措置ができるかどうかということだけをお伺いしておきたいのでございます。
#168
○尾中説明員 台風十五号の被害につきまして、天災融資法の発動の準備をいま進めておりまして、来週早々の閣議におきまして決定になる予定でございます。資金ワクといたしましては大体八億程度、関係県――これは全部でございますが、八億程度を予定いたしております。そのほかに、自作農創設資金につきまして、現在なお計数の整理をしておりますので、はっきり金額を申し上げる段階に至っておりませんけれども、現在五十億程度自創資金の余裕がまだございますので、その中から、従来の例によりまして、地元の要望等も十分勘案いたしましてワクの決定を早急に実施したい、こういうふうに考えております。なお、公庫資金等に対しまして、災害による施設の復旧等に対しまして融資希望もあろうかと思いますが、そういう面につきましても、公庫のほうに連絡いたしまして、所要額についてはそれに応ずることができますように十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
#169
○村山(喜)委員 これで終わります。
     ――――◇―――――
#170
○楯委員長 この際、おはかりいたします。
 台風第二十三号による被害状況及び昭和四十年九月の降ひょうによる被害状況調査のため、現地に委員を派遣し、実情を調査する必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認の申請を行なうことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○楯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、派遣地、派遣期間、期日、派遣委員の員数及びその人選、並びに議長に対する承認申請手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○楯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、航空機利用の必要があります場合にも、委員長においてしかるべく取り計らいたいと思いますので、御了承をお願いいたします。
 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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