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#1
第049回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
昭和四十年八月九日(月曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 中村庸一郎君
   理事 小島 徹三君 理事 島上善五郎君
   理事 畑   和君
      今松 治郎君    小澤佐重喜君
      高橋 禎一君    中野 四郎君
      橋本龍太郎君    山村新治郎君
      田原 春次君    堀  昌雄君
      山下 榮二君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 永山 忠則君
 出席政府委員
        警  視  監
        (警察庁刑事局
        長)      日原 正雄君
        検     事
        (刑事局長)  津田  實君
        自治事務官
        (選挙局長)  長野 士郎君
 委員外の出席者
        日本専売公社副
        総裁      大槻 義公君
    ―――――――――――――
八月九日
 委員岡崎英城君及び佐藤孝行君辞任につき、そ
 の補欠として橋本龍太郎君及び山村新治郎君が
 議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員橋本龍太郎君及び山村新治郎君辞任につき、
 その補欠として岡崎英城君及び佐藤孝行君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 まず、参議院議員選挙の経過報告について説明を聴取いたします。永山自治大臣。
#3
○永山国務大臣 たいへん恐縮でございますが、私のあいさつをさせていただきまして、その中に参議院選挙の報告を兼ねさせていただきたいと存じますが、いかがでございますか。
#4
○中村委員長 けっこうです。
#5
○永山国務大臣 それではごあいさつを申し上げさせていただきます。かつ、その中へ参議院の選挙関係を御報告申し上げたいと存じます。
 私は先般の内閣改造に際しまして、自治大臣兼国家公安委員会委員長に就任いたしましたのでございますが、選挙の関係につきましては、かねてから格別の御配意にあずかっておりまして、この機会に厚く御礼を申し上げますとともに、今後格別なる御指導と御協力を賜わりたいと存ずる次第でございます。
 この機会に、最近行なわれました選挙の結果並びに選挙制度審議会の審議状況について、その概要を御説明申し上げ、所懐の一端を申し述べたいと存ずる次第でございます。
 まず、先般行なわれました参議院議員通常選挙と東京都議会議員選挙の結果について御説明を申し上げます。
 第七回の参議院議員通常選挙は、去る七月四日執行されまして、全国区の補欠議員二人を加えまして、百二十七人の参議院議員が選出されたのであります。特に今回の選挙におきましては、九州地方の豪雨のために、その投票日を繰り延べざるを得ない事態が生じまして、熊本県下の一部の投票区におきましては、豪雨による交通途絶のため、投票日を十一日まで繰り延べて執行いたしたのでございます。
 投票率につきましては、当初、従来の選挙に比しまして相当低下するのではないかと心配をいたしたのでありますが、結局は前回昭和三十七年の選挙を一%下回る六七%にとどまりました。これは戦後第三番目の成績でございますが、国民の国政に対する自覚が十分に高まってきているとは言明しがたいのではないかと考えておるのでございます。特に今回は、男女投票率の差が一・八%と著しく縮まりまして、東京、大阪、神奈川及び高知の四都府県におきましては、婦人の投票率が男子のそれを上回ったことは、喜ばしい現象であると思うのでございます。
 投票の結果につきましては、すでに御存じのとおりでございますが、自治省といたしましては、選挙の管理執行上問題となりました事項を調査検討いたしまして、今後の選挙制度の改正等に資するため、現在、地方の選挙管理委員会等に対しまして、その詳細について照会をしているところでございます。早急にこれをまとめまして具体的な検討に入りたいと存じております。
 次に、去る七月二十三日執行されました東京都議会議員の選挙についてでございますが、この選挙は、六月に制定されました地方公共団体の議会の解散に関する特例法に基づいて行なわれたものでございまして、国民の注目のもとに執行されたのでありますが、投票率は戦後最低の五八・五%を示したことは、残念に存じておる次第でございます。
 選挙の管理執行上の問題点につきましては、現在調査中でございますが、この選挙により選出された百二十人の議員によって東京都政がさらに明るく正しく行なわれることを強く期待するものでございます。
 次に、選挙制度審議会の審議状況について御説明を申し上げます。
 第三次選挙制度審議会は昨年九月以来、内閣総理大臣の諮問に基づき選挙区制その他選挙制度の根本的な改善案について鋭意審議を重ねているところでございまして、昨年末までに七回の総会を開催して一般的な意見の発表及び討議が行なわれまして、その後選挙区制及びその他の選挙制度を分掌審議する委員会をそれぞれ設けまして、本年初めから七月末にかけまして両委員会は通算して二十一回の会議を開催しております。
 選挙区制については、単純小選挙区制、小選挙区比例代表制、比例代表制、中選挙区制限連記制などの意見が述べられておりまして、目下これらの改正意見についての調整がはかられておるところでございます。
 選挙区制の改正に伴うその他の選挙制度につきましては、選挙区制に関する審議の状況と見合いまして、個人本位から政党本位の選挙に移行する場合の諸制度のあり方について項目別に論議している階段でございまして、いずれも任期が満了する本月二十八日までに最終的な結論を得ることは困難な状況でございますので、来たる二十六日の総会におきまして、これまでの審議の経過を取りまとめて報告をして、今次審議会の審議を終える予定でございます。政府といたしましては、諮問事項が選挙制度の基本であるとともにわが国民主政治のあり方に重大な影響を及ぼす事柄でございますので、あらゆる点から慎重に審議をしていただき、なおかつ、衆議院議員の選挙につき答申を得ました上には、引き続いて参議院の選挙制度についても御審議を願いたいという考えがありますので、現在の委員各位に再任を願いまして、次の第四次選挙制度審議会を引き続き発足させたいと考えておるのでございます。答申の時期等につきましては、でき得れば本年中に具体的な選挙区割り以外の選挙制度の改善案についても答申を願い選挙区割りについては、本年十月の国勢調査による人口数が判明したあとにおいてすみやかに結論が得られるよう希望しておるのでございます。
 以上、最近執行されました二つの選挙の結果と選挙制度審議会の審議概要を申し述べるとともに、選挙制度の今後の取り扱いについて説明をいたしましたが、いずれにせよ、国民の政治に対する信頼を確保するため、選挙制度の合理化と政党本位の選挙の実現に最善の努力を尽くす所存でございます。何とぞ今後ともよろしくお願いをいたしたいのでございます。
    ―――――――――――――
#6
○中村委員長 自治大臣に対する質疑の申し出があります。これを許します。堀昌雄君。
#7
○堀委員 いまごあいさつの中にもございましたけれども、大臣お急ぎのようでありますから、二点だけちょっと政治的な問題についてお伺いをいたします。
 第一点は、最近新聞紙上で拝見をしたことでありますけれども、いまの選挙区制の問題について、大臣は少なくとも来年の春ぐらいまでに成案を得て、臨時国会か何かでそれを法案として、次の総選挙はひとつその新しい区制によってやるんだ、こういうふうにおっしゃっているように新聞で承りましたが、大臣のこれに対するお考えをはっきりさせていただきたいと思います。
#8
○永山国務大臣 答申を受けましたならば、それによって慎重に議会側の皆さんと御相談を申し上げてやるという考えでございまして、個人的にどうこうするという考えはございません。
#9
○堀委員 実はこれまで私も選挙制度審議会の第一次、第二次の委員をしておりましたけれども、区制を改めるというときには、少なくともその次の選挙からすぐそれを適用するような取り扱い方は適当でないというのがこれまでの審議会の委員の多数の意見であったように私は記憶をいたしております。そのことは、かなり大幅な制度の変更があったとしますと、十分国民がその制度について理解をし、選挙する側のほうも十分それについての準備がありませんと、いまの中選挙区そのままの形での選挙ならこれはよろしいです。たとえば中選挙区に制限連記制を設けようというのが、審議会で宮沢、猪木私案といって伝えられているようであります。私はいま委員でありませんから新聞で拝見している範囲でありますけれども、そういう式のものならば、これは区が変わりませんから比較的スムーズに行なわれると思いますけれども、伝えられる土屋私案というような、小選挙区制に比例代表制を加味するというようなものは、これは非常に選挙の形が変わるわけでありまして、選挙区自体の分割ということが起こってまいりますから、これはそう簡単に、たとえば来年の中ごろに答申が出た、すぐ国会を開いて法案にして、そうしてその年のうちに選挙をやるというようなことができる性格のものではないのではないか。やはりこれまでのように、まあ審議はよろしいですけれども、その実施はその次の選挙からだというようなかっこうになるのが望ましいというのが、これまでの一般的な論議の経過であったと思いますが、その点についての自治大臣のお考えをお伺いしておきます。
#10
○永山国務大臣 選挙区制のようなものは、特に議院の意見を尊重してやるという考えであります。
#11
○堀委員 そうすると、これは新聞に出ていたのですが、臨時国会できめて、次にすぐやるというようなあれは新聞が適当に書いたということで、大臣の真意ではなかった、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#12
○永山国務大臣 さようでございます。必ず議会側の意見を中心にやる考えでございます。
#13
○堀委員 たいへん慎重な答弁でありますから……。私どももやはり選挙制度審議会がお出しになるものは尊重したいと思っております。尊重したいと思っておりますけれども、しかし、いまのように、選挙制度を変えるというのは重大な問題でありますから、議会における慎重な審議が当然必要になってくるわけであります。
 もう一つ、これも大臣のお考えを伺っておきたいのですが、私は、その審議会が答申をなさることについては、審議会の自主性を尊重いたしたいと思っております。ただ、私ども議会におります者の立場からいたしますと、区制を変えることによって、非常に大幅な議員の分布の変更が起こるような区制の変え方は、私は民主主義という原則からいって望ましくない。多少の変動はありましょう。しかし、多少制度が変わってきて、いまここにも書いてございますけれども、私も個人中心の選挙より政党本位の選挙のほうが望ましいという点においては、いま大臣のお述べになった点と同感でありますけれども、ただ、政党本位の選挙という中にも、ちょっとさっき私が申し上げました宮沢私案のような、中選挙区制限連記制というものも政党本位のものであります。中選挙区比例代表というようなものも方向は同じでありますけれども、急激な変化を与え、それによって土俵が広げられたり縮められたりするような結果が起こるのではなくて、漸進的にそういう問題が処理されるのが民主主義の原則だと思いますけれども、大臣のこれに対する御所見を伺いたいと思います。
#14
○永山国務大臣 選挙制度審議会の中に特別委員が出ておられますので、十分意見をお述べいただいて、そして意見の調整をいたして、答申は議会側の考えとあまり違わない方向へもっていくように努力すべきであるというように考えておる次第でございます。
#15
○堀委員 非常に大臣の答弁は慎重でございまして、けっこうです。慎重に御答弁いただいてけっこうでありますが、その次に、私どもは、いまの中で、審議会の答申は一つだけになるか、あるいは並列をされて答申をされるか、いろいろな形が生まれると思います。そこで私が伺っておきたいことは、一つであるほうが政府としては非常に処理がしやすいだろうと思いますけれども、こういう問題は多数決で審議会がきめられるような性格のものではないだろう。やはり多数意見、少数意見といいますか、一つなり二つなり三つなりの意見があれば、おのおのについてやはり審議会が答申をなさるようになるのではないか。これはわかりませんけれども、そういうふうな感じがいたします。ですからその際には、私が心配をいたしますのは、政府案になるところに私ども過去の例から見て非常に問題を感じておるわけであります。結局、答申をなさるのはだいぶ先のことでありますからよろしゅうございますけれども、その答申がなされたものについて、それが政府の案になる過程ですね、ここが国民も非常に注視をする問題であると思う。特に中選区制の区制がもし変わるような場合には、これはやはりこの前ハトマンダーと称してたいへんな混乱を起こしたことは永山さんも御承知のとおりでありますし、少なくとも公正な処置がとられなければならぬ、こういうふうに思っておりますが、その点について、取り扱い方ですね。審議会の答申についての取り扱い方をちょっと御説明願いたいと思います。
#16
○永山国務大臣 審議会は並列主義でなしに、でき得る限りまとめていただくことを希望をいたしておるものでございますが、しかし、いずれにしても、審議会のほうでおきめになることでございますので、どういう結果になりますかは予断を許しません。しかし、先刻言いましたように、特別委員も出ておられますので、できるだけ内部でよく意見の調整をしていただき、また、政府側といたしましても、答申をする前に審議会で十分意見の交換をするということで進んでいきたい。なお、答申を得ましたならば、どうしても議会側のほうの与野党すべての十分な御検討を願った上で、政府の独善を排除していきたいという考えであります。
#17
○堀委員 選挙局長にちょっと伺いますけれども、いま審議会のほうに政府の意向を伝えたいというように大臣がお話しになりました。その政府の意向を審議会に伝えるという方法は、具体的にはどうするのでしょうか。
#18
○永山国務大臣 私が言うたことばでございますから、私のほうで答弁いたします。
 私が政府の意向を伝えるということは、委員の皆さんとよく懇談をいたして、そうして、議会側の人を通じて審議をしていただくということを意味しておるわけであります。
#19
○堀委員 ちょっとあげ足をとるようで悪いのですけれども、政府の意向というのは、どうするということですか。
#20
○永山国務大臣 政府の意向ということばをこの場合撤回をいたしまして、皆さん側と一体になった意見ということでございます。
#21
○堀委員 初めてでありますし、時間もありませんから、この問題は一応ここまでにいたしますが、私どもは、選挙区制の問題というのは、これは選挙制度審議会ができましたときにも附帯決議がついておりましたように非常に重大な問題でございますので、ともかく慎重な御答弁ですからけっこうでありますが、慎重の上にも慎重を重ねお考えを願いたいと思います。
 次に、実は第一次選挙制度審議会は、昭和三十六年十二月二十六日に、当時の選挙制度審議会長の野村さんから池田総理大臣に対して、選挙制度の改正に関する件について答申をいたしました。その五番目に、「高級公務員の立候補の制限」という項がございまして、「国又は公社、公団若しくは公庫の法律で定める職にあった者は、離職後最初に行なわれる参議院全国選出議員の選挙に立候補できないものとすること。」こういう答申をしたわけでございます。その答申を受けて実は現在公務員の地位利用という部分が法律としてできたわけでありますけれども、これに関して、大臣も御承知のように、今回は専売公社の総務理事であった小林さんが、いまその関係者が多数に逮捕をされておるという段階でございます。警察庁、数だけでけっこうですから、件数とそれから現在の逮捕者数だけ、ちょっとそれだけをお伺いいたします。
#22
○日原政府委員 小林関係の専売公社の職員の検挙状況でございますが、二十七都府県、公社職員の関係で逮捕者が百三十九人、それから任意の検挙者が百三十一人ということでございます。
#23
○堀委員 いまお聞きになったように、専売公社の関係では二十七府県にわたって公社の職員が百三十九人、その他の方が百三十一人、現在まで逮捕されておる、こういうことのようであります。私は、実は高級公務員の立候補の問題については、当時の審議会でも何回も議論をいたしましたし、また当委員会においても実は何回もわれわれ議論をいたしてまいりました。党としてはこれについての法案も出しておるわけであります。
 そこで私は、非常にこういう問題が起きるときに、この前の参議院選挙でも厚生省の環境衛生局長か何かをしておりました聖成さんが出て、保健所関係にたいへんな逮捕者が出まして、中には自殺をした人が出たという例があるのでありますけれども、毎回の参議院選挙にこのような形が行なわれている。そうしてその逮捕された人というのは、実は非常に気の毒なんです。上からの組織的な力によって、何も自分がそういうことをしたくてしているのではないけれども、自分がそのポストにとどまるためにはやむを得ず、心ならずもそういうことをして、その結果は逮捕をされ、場合によっては何十年もつとめ上げておったところが退職金すらもらえないで首になるかもしれないという、まことに悲惨な状況が実はこの参議院選挙のたびに全国区で行なわれておるわけであります。私は、この点については、答申がこういうふうに出ておりますし、この前本会議でたしか大臣がお答えになったと思うのですが、選挙制度審議会にこの問題についてはさらにひとつ検討をしてもらいたいというふうに、総理だったか大臣だったか、ちょっとよく記憶ありませんが、そういうお答えを今度の臨時国会の本会議で聞いたような記憶があるのでありますが、この問題について、私は今度の参議院選挙で非常に重大な問題をやはり提起しておると思うのでありますが、ひとつ大臣のお考えをちょっと承っておきたいと思います。
#24
○永山国務大臣 高級公務員の立候補の制限に関しましては、当時から公務員の職の範囲という問題並びに憲法十四条並びに四十四条の差別の問題等から論議をされまして、そこで地位利用の制限、特別連座規定、特別の地盤培養禁止というようなもので強く制約をいたしたのでございますが、にもかかわりませずこういうような状態になるといたしますれば、さらに検討をする必要があるのではないかというように考えておりますので、選挙制度審議会にこの問題に対してもひとつ十分御検討を願い、なお皆さん方のほうでも御検討願いたいと考えておる次第でございます。
#25
○堀委員 実は現在の選挙制度審議会は、法律によって、その答申は尊重しなければならないと、こういうふうにきめられておりますね。すでに答申はこういうかっこうで出されておりますから、もう一ぺん聞くなんということは、私は審議会の権威について問題があると思います。ですから、検討なさる気持ちは私けっこうだと思うのですが、検討のしかたは政府自体の問題であって、いまさら審議会にもう一ぺん聞くなんということは、私は答申を尊重するというたてまえからしてまことに納得できない。この中でいま憲法関係についてお答えがありましたが、第一次選挙制度審議会で、当時の法制局の関係者は、具体的な理由があれば四十四条、十四条関係については問題はありませんとはっきり言っておるわけですね。ところが二回にわたってこれだけの問題が提起されておれば、これは明らかにそれらについての具体的な理由というものを挙証したと思う。この制度をほっておけば、いま申し上げましたように、ほんとうに何の罪もないような人を選挙違反にかり立てて、それをしなければ自分の職務が十分ではないのではないかという不安感によってかり立てられた人たちの、これは制度として何とか考えなければ非常に重大な問題だと思うわけです。これは大臣、選挙制度審議会に聞く問題ではない。大臣が腹をくくって、次の臨時国会なり通常国会に対しては、すみやかに自治省内部において検討を進め、政府の内部で検討を進められて成案を得てお出しになるのがしかるべきであろう、こう考えるのです。大臣、いかがでしょうか。
#26
○永山国務大臣 この点に関しましては、政府としましても十分検討をいたしていきたいと考えておるのでございますが、先般答申が出まして、それによりまして、いま地位利用その他の関係で制約していくということに一応なったのでございます。さらにその範囲の問題についても論議が強く行なわれておるという点もございますので、また御質問にはございませんが、泡沫候補の関係等ございますから、やはり審議会の意見をも聞きながら、十分政府のほうは皆さん方と相談してこの問題について再検討をいたしたいと考えております。
#27
○堀委員 次の参議院選挙は三年あとにまいります。それから、いろいろと全国区の制度については問題もありますけれども、これから衆議院の選挙区制の問題をやる段階でありますから、参議院の全国区については、少なくともこの次はもう一ぺんは参議院の全国区は、どのように規制についてお考えになっても物理的現象としてかかるわけでありますから、いま大臣が再検討をお約束いただきましたので、さらにひとつ審議会にも具体的な点についても諮問を――いまの泡沫候補の関係とあわせて、新しく第四次の審議会がこの月末か来月に発足することになりましょうから、諮問として出していただくということになるわけですね。
#28
○永山国務大臣 さように考えておる次第でございます。
#29
○堀委員 実は私ども、これからあとでいろいろと選挙法の問題について審議をいたしますけれども、大臣はきょうは非常に慎重な答弁でありますから、私もこれ以上申し上げませんけれども、選挙制度の問題というのは、一党の利益というようなかっこうでお考えいただいては困るわけです。東京都議会の選挙のときに自治大臣非常にハッスルなすって、東京都議会のあれをしっかりやらなければいかぬという御発言があったように実は新聞紙上で承ったのですが、自治大臣、あなたは国家公安委員長ですね、そして自治大臣ですね。なるほどあなたも自由民主党の党員でありますから、党員としては私どもわかりますけれども、現在のポストは、自民党としての党の問題を考える前に、日本という国家の中における政府の公安委員長であり、自治大臣でありますから、その点についてはひとつ党派の問題は、もちろんわれわれもあなたが自民党員であることは十分了承しておりますが、国家公安委員長とか、あるいは自治大臣という立場の問題がありますから、今後のそういう選挙その他党派に関係のある問題については、本日同様、ひとつ慎重にお取り扱い願いたいと思うのです。その点について大臣再度……。
#30
○永山国務大臣 お説の点を十分注意いたしてやりたいと考えております。特に選挙制度の関係は非常に民主主義の根幹でありますので、十分注意をいたしたいと思います。
#31
○中村委員長 島上君。
#32
○島上委員 時間がないようだから、ぼくは二、三点並べて一ぺんに質問します。御答弁によってはもう一ぺん質問するかもしれませんけれども……。
 一つの問題ですが、選挙制度審議会ですでにきわめて明確に答申があったものを実施しない。私たちはこれは答申自体生きていると思うのです。ただ政府が実施しないだけのことで、答申というものは生きている。それを答申直後に実施しなかったから、それはもう、いわば一種の時効になったようにお考えかどうかということ。これは官房長官の談話にもそういうことがあるのです。参議院で小林派の違反問題を追及された際に、こういうことを言っておるのです。泡沫候補の立候補と並んで高級公務員の立候補制限の問題はまことに重要な問題である。これは憲法にも関連することであり、慎重に考えたい。そう言って、政府も考慮したいが、同時に選挙制度審議会にも十分検討してもらい、期待にこたえたい、こういうように言っているのです。選挙制度審議会は、実は憲法問題等の関連も十分考慮した上で答申しているのです。ただ、政府がそれを実施しないだけのことで、私どもは政府の考えはどうも了承できない。答申の直後に政府が法案化しなかったから、一定の時間がたっているのでもう時効になったものとして、もう一ぺん検討してもらうという考えなのかどうなのか、その点もう一ぺんはっきりしてもらいたい。私たちは生きていると思うのです。そして、あのときはいろんな関係で政府は法案として出さなかったけれども、こう次々に大きな弊害が起こっている以上は、あの答申が正しかったということが立証されているわけですから、ここで答申をもう一ぺん熟読玩味して、政府が実行するというのがほんとうではないか、私はそう考えているのですが、それに対する見解をひとつ。
 それから、第四次審議会に参議院の選挙制度についても御審議をお願いする、こういうことを言っておられますが、私は、元来衆議院の選挙制度を根本にわたって変更するという際には、参議院の制度もあわせて検討するのが本来当然だと思うのです。答申の時期は衆議院のほうを先にして、参議院のほうをあとにするということはあってもよろしいけれども、衆議院と参議院は、選挙区制、選挙制度を大きく変える際には無関係ではないのですから、本来関連させて検討しながら答申を求めるというのがほんとうだと思うのです。いま衆議院の選挙制度について、ここに報告があったように幾つかの案が検討されております。これは幸か不幸か知りませんけれども、今度の第三次審議会では具体的な答申の形にはなりそうもありませんが、そうだとするならば、第四次の際には、衆議院の選挙区制を検討する際に参議院の区制の検討とあわせて、関連させて検討を進めるというふうにするのがほんとうでないかと私は思います。選挙運動のしかたでもそうです。その点、この際大臣のお考えを承っておきたい。私は選挙制度審議会の委員でもありますから、今後の審議の参考に承りたい。
 その次は、さっき堀君の聞いたことですが、新聞の報道ですから、どこまで的確かどうか私も断定できませんけれども、次の衆議院の解散選挙から改正の区制によってやるということが大臣の発言にもありましたが、その直後に、おそらく自治大臣が閣議に報告した結果ではなかろうかと思いますが、閣議の大部分の閣僚の意見も、次回は改正した案によって実施したい、こういうことを言っておる。閣議の大勢がそうである。閣議の決定とは言っていないが、大勢がそうである、こう伝えられております。これはきわめて重大なことですから、この点も伺っておきたいと思います。
#33
○永山国務大臣 お説のように、答申はやはり生きておるものだと考えております。しかし、それに対しまして、地位利用等の特別の制約等を法制化したわけでございますが、さらにこういうような事件もございますので、はたしてこのままでいいかどうか、その点に対しては十分ひとつ反省すべきものであると考えますので、しかも公務員の範囲等の問題やら、さらに泡沫候補の立候補の問題等も関連をいたしておりますので、御審議をお願いをいたすというようにしたらどうかと考えておる次第でございます。
 さらにまた区制の問題等もございますので、参議院関係の問題も関連して審議をしていただくことはごもっともであると考えておるのであります。
 次に改正選挙法によって選挙するという関係につきましては、閣議へ報告はいたしておりますが、そういうことが閣議では決定いたしておりません。したがいまして、重要な関係は必ず皆さん方の御意思を十分に主体として、政府も一体となって進めたいと考えておる次第でございます。
#34
○島上委員 いまの答弁はあいまいでまだ満足しませんけれども、別の機会に伺うことにして、こういう問題は、われわれもそうですけれども、お互いに慎重にしませんと、大臣がああいうハッスルした発言をすると、そうか、この次は改正選挙区でやるのだなということで、みんなそういう考えになる、気の早い人がいるのです。それならそれでよろしいのですけれども、そうでないものをそういうように言ったり、閣議の大勢がそうであるというように新聞で報道されたりすると、ある種の混乱を起こすことになりますから、ただいまの答弁のように慎重に扱ってほしいということを希望しておきます。
#35
○中村委員長 大臣に対する質問は終わりました。
 引き続き政府より説明を聴取いたします。長野選挙局長。
#36
○長野政府委員 お手元に配付いたしました「昭和四十年七月四日執行参議院議員通常選挙結果調」というものでありますが、これにつきまして簡単に御説明申し上げます。
 すでに御承知のとおりでございまして、内容はことさら取り立てて申し上げるようなことはございませんが、第一ページにおきますところの党派別候補者でございますが、全国区につきましては今度の参議院選挙が最も低い競争率ということに相なったのでございます。地方区は戦後三番目の候補者が出ておったわけでございます。
 それで、三ページにまいりますと、投票率でございますが、先ほど大臣から御説明申し上げましたように、投票率は三ページの一番下の右のほうの欄にございますように六七・〇一%でございまして、これは戦後――戦後と申しますか、参議院選挙始まって以来三番目の高い投票率でございまして、投票率だけからいいますと、まずまずというところでございます。
 その次に五ページにまいりますと、五ページでは、男女の投票率の差が大きかったところ、小さかったところ、婦人の投票率が男子の投票率を上回ったところというようなものを書き出しております。先ほど大臣のごあいさつにございましたように、大阪、高知、神奈川、東京では、参議院選挙におきまして婦人の投票率のほうが男子の投票率を上回ったというのは初めてのことでございます。国の選挙としても初めてでございまして、この点はたいへん注目に値するものであるということに相なると思います。
 その次に、各都道府県別の投票率調べがございます。これはごらんいただけばおわかりのことと思います。
 それからその次には各政党党派別当選人調べ、第一回通常選挙からずっと入れております。
 それから十二ページにいきますと、婦人の候補者と当選人の調べが出ております。これはその関係がはたしてそうなるかどうかわかりませんが、今回は十二ページの一番下のところの右を見ていただきますと、婦人の候補者が十三人、全国区八人、地方区五人でございます。当選されました方は九人でございまして、当選率は非常に高うございます。そういう意味では婦人の投票率が男子を上回ったということとある程度関係するかもしれないという意見もございまして、一応御参考までに掲げておいたわけでございます。
 それから十三ページ目は、第一回通常選挙以来の党派別の得票数調べでございます。これを見ていただきますと、今回の選挙におきまして、全国区におきまして自由民主党は四七・二%、地方区では四四・二%ということですが、全国区では、第六回、その上の欄と比較していただきますと、パーセンテージとしてはややふえておりますが、地方区では減っております。
 社会党の関係におきましては、全国区で二三・四%、地方区で三二・八%でございまして、全国区におきましては前回と比較いたしますとパーセンテージではふえておりません。全国区ではパーセンテージは同じというかっこうになっております。
 民主社会党につきましては、全国区が五・九%、地方区が六・一%でございまして、全国区はややふえておりますが、地方区は自由民主党と同じようにやや減っておる形になっております。
 公明党は、全国区一三・七%、地方区五・一%でございまして、いずれも前回の選挙よりふえております。
 共産党は、全国区四・四%、地方区六・九%でございまして、これもいずれもふえておるということになっております。
 各党におきますところの全国区、地方区の票も、接近しておりますところと非常に離れておるところとございまして、いろいろな傾向が多少うかがわれるということに相なっておるのであります。
 その次には、それを小分けにいたしました全国区、地方区の党派別、男女別の得票数を出しております。それをさらに十六ページ以下では府県別に表示をいたしております。
 非常に簡単でありますが、以上で結果調べについての御説明を終わらしていただきます。
#37
○中村委員長 津田法務省刑事局長。
#38
○津田政府委員 法務省といたしまして御説明申し上げる事項は、今回の参議院議員通常選挙における違反の状況、去る七月四日に執行されました今次参議院議員通常選挙におきまする選挙違反の取り締まりは、現在なお進行中でありますし、まだ最終的な結果を明らかにできる段階にはなっておりませんが、選挙執行後二十六日を経過いたしました去る七月三十日現在の集計によりますと、全国検察庁における違反事件の受理人員は、買収関係が五百八百三十二人、選挙妨害二百九人、不正投票四十三人、戸別訪問千二百八人、地位利用二百二十二人、文書違反二千四百七十八人その他六百十一人、合計一万六百三人であります。そのうち全国区関係の違反は八千五百九人、地方区関係の違反は二千九十四人でありまして、全国区関係の違反が多いことになっております。なお、前回の参議院議員通常選挙、すなわち昭和三十七年七月一日執行されました分の施行後三十日目の、七月末日現在の全国検察庁の受理人員は一万三千九百十六人になっております。したがいまして、今回は約三割近く検察庁の受理人員は前回よりも少ないことになっております。以上であります。
#39
○中村委員長 次に日原警察庁刑事局長。
#40
○日原政府委員 選挙違反の取り締まり状況でございますが、七月四日に行なわれました参議院議員通常選挙に関する違反事件につきましては、まだすべての捜査を終わっておりません。最終的な取りまとめはできておりませんのですが、中間的な数字で御説明いたしたいと思います。
 選挙期日後三十日を経過いたしました八月三日現在における違反の検挙状況でございますが、買収が二千八百二十九件、六千九百二十二人、自由妨害が二百二十件、二百三十七人、戸別訪問が千三百六十六件、千四百八十三人、文書違反が二千七百四十四件、三千六百五十六人、その他八百三十一件、八百八人ということで、合計七千九百九十件、一万三千百六人でございます。罪種別で申しますと、買収が最も多くて総件数の約三五%、総人員の五三%を占めております。それから全国区、地方区の別で見ますと、全国区が六千七百五十七件、一万四百五十八人、地方区のほうは千二百三十三件、二千六百四十八人ということで、全国区の関係が圧倒的に多くて、件数で八五%、人員で八〇%を占めております。
 それから検挙状況を昭和三十七年の前回のときと比較いたしますと、前回が一万一千二件、一万七千八百三十六人を検挙いたしておりますので、今回のほうが件数、人員とも二七%減少をいたしております。
 なお、公務員等の地位利用違反は、二百七十三件、二百十九人でございまして、この数字は表の中のその他という欄に含まれております。
 以上簡単でございますが、現在の違反の取り締まり状況について御説明した次第でございます。
#41
○中村委員長 質疑の申し出があります。これを許します。堀昌雄君。
#42
○堀委員 全国区の選挙違反が、今回は非常に多かったわけですが、前回の比率はどうだったのでございましょうか。
#43
○日原政府委員 全国区と地方区、前回の件数、人員、同じ時期で比較いたしますと、全国区のほうが前回は七千九百二十六件、一万二千八百十一人、それから地方区が三千七十六件、五千二十五人、こういう数字でございます。
#44
○堀委員 いま件数と人員で八五%、八〇%と今回の場合はお答えになったわけですが、そういう比率でいいますと、全体の中に占める全国区の前回の違反の件数及び人員の比率はどうなっておりましょうか。
#45
○日原政府委員 パーセンテージを出しておりませんが、ただいま申し上げました数字で申し上げますと、前回は全国区の半数まではいきませんけれども、半数近くに地方区が件数、人員ともあがっておるわけでございます。今回よりは半数に近い数字になっております。
#46
○堀委員 そのことは、今回の選挙では非常に全国区の違反が急増した、こういうことになるわけですね。
#47
○日原政府委員 急増と申しますか、地方区が少なくて全国区が非常に多いという傾向は、違反検挙の各段階を通じておおむねこの程度の比率で進んできております。
#48
○堀委員 そうすると、その総計の数の比較をしておりませんからあれですけれども、今度の参議院選挙での非常に特徴的な問題というのは全国区での違反の問題であると思います。いまわれわれが新聞紙上で拝見をしておる一番大きな問題は小林派の地位利用による選挙違反、その次は岡村派の選挙違反。そのほか全国区として選挙違反件数のかなり多い候補者または当選者、それをお答えいただきたい。
#49
○日原政府委員 各候補者別に検挙件数統計をとっておりません。お話しの二派の違反がいろいろな面から見て特徴的なものでございますし、また検挙件数も多くなっておりますけれども、その他のものについては候補者別に検挙件数を出しておりません。御了承願いたいと思います。
#50
○堀委員 候補者別に件数はあがっていない。件数はけっこうですけれども、それじゃ違反のあった全国区候補者、これはわかりますでしょうね。それをひとつ伺いたいのですが……。
#51
○日原政府委員 これはたくさんの人員になりますので、一々申し上げますこともどうかと思いますが……。
#52
○堀委員 ある程度でけっこうです。その中でも感触として多いと思われる者は……。
#53
○日原政府委員 お話のは公務員の関係でございますか。
#54
○堀委員 いえ、そうじゃなくて……。
#55
○日原政府委員 候補者別にとっておりませんものですから、どうもお答えいたしかねるのでございますが……。
#56
○堀委員 それでは、候補者別に件数はわからないと思うのですけれどもちょっと話をしぼって、公務員の地位利用についてはあなたのほうでは非常にはっきりしておるのじゃないかと思うのですが、さっきお話のあった公務員の地位利用は小林派だけなのか、そのほかにあるのか、あればそれはどういう候補者であったのか、ちょっとお答え願いたい。
#57
○日原政府委員 公務員の地位利用の面では、先ほどの小林派の違反が一番大きいのでございますが、そのほかに岡本関係、西村関係、山内関係などが公務員の地位利用違反ということであがっております。
#58
○堀委員 実はいま大臣が、選挙制度審議会にも検討を頼み、政府としても考えるとおっしゃったから、私どもこれはいいと思うのですが、警察庁の段階として、特に小林派の問題について非常に全国的に、二十七府県にわたって問題が出ております。そしてわれわれが新聞で承知しておる範囲では比較的末端のほうにたくさん出ておる。要するに出張所長であるとか、末端によく出ておる。ところが、こういう地位利用の問題というのは、中間が全然なくて末端だけでこういうことが起こる性格のものではないのではないか。末端の人がそういうことを全国的にかなりやったということは、その末端にいく経過の中に中間的なものがあって、そういうものの影響を受けて末端がやるのであって、こうまん中が全然すっぽ抜けていて、末端だけが自発的にやったりする性格のものではない、本来の仕組みからいって。そういうふうな感じがするのですが、最初に、小林派の問題について、いまの末端はいいのですが、中間も問題がすでにはっきりしておるのがあると思うのです。都道府県段階としては、中間段階の幹部といいますか、そこですでに逮捕されておるのは何名くらいございましょうか。
#59
○日原政府委員 中間段階というのはどの程度の階級の者をいうのかわかりませんけれども、一応地位別で申し上げたいと思いますが、本社の課長級以上の職員として三名逮捕、任意を二名検挙いたしております。それから支社長、地方局長では任意で、これは逮捕者ありません。任意で三名でございます。それから支社、地方局の部長以上の職員では逮捕十六名、任意で七名でございます。それから支社、地方局の部長代理以下の職員で逮捕十八名、任意十名。それから支局長で逮捕八名、任意五名でございます。出張所長以下は省略いたします。
#60
○堀委員 いま伺ったところで支局長ないし部長というのが十六名くらい逮捕者がすでにある。本社の課長級が三名逮捕されておるそうでありますが、ということは、かなりピラミッド方式というか、典型的な地位利用が私行なわれておったと思うのです。
 そこで、最初にちょっと公社にお伺いをいたしますが、小林さんが公社をおやめになった日は何日でございますか。
#61
○大槻説明員 昨年の十月十九日でございます。
#62
○堀委員 昨年の十月十九日に公社の総務理事はもうやめられた、職員ではなかった……。
#63
○大槻説明員 そういうことでございます。
#64
○堀委員 ちょっと警察庁に伺いますけれども、いまの主たる事案は、時期としては大体いつごろ、ぱらつきはあるだろうと思いますけれども、主としてどのくらいの時期であったか。
#65
○日原政府委員 これはいろいろな時期にわたっておりますが、主として昨年の秋からことしにかけての事項でございます。
#66
○堀委員 実は相当長期間に、どうせ全国的な問題でありますからわたっておるかと思うのでありますけれども、私、公社の方にお伺いをしたいのは、私はいま小林派の選挙違反がずっと出ているのを見て非常に残念でならないのは、さっき私、大臣にもちょっと申し上げましたけれども、最も多く逮捕されているのは出張所長その他の下部末端の職員、この人たちが一般の小売り人なりあるいは耕作者、その他の関係者と接触する面が多いわけですから、一番たくさん逮捕されているのだろうと思いますね。ところが、私がさっき申し上げたように、この人たちは何も自発的にやったとは思われないのです。その中をいまずっと伺ってみると、支局長あるいは地方局の部長段階が十六人も逮捕されておるということは、やはり明らかに部長、部長代理、合わせて三十四人ぐらいありますから、上から問題がおろされてきたことだろうと思うのですが、やはりこういう場合には、どこかにかなり上層部の中で、やはりそういうことで動いたのではないか。そのために末端がそうなっているとすれば、私はどうも今度の公社のいろいろな経緯を見て非常に残念なのは、何か末端の者に全部かぶせておいて、肝心の、おそらく中心的な処理をした人間は、いろいろ証拠の隠滅等があったように聞いておりますから、私は公社がそうしたことをしたことは非常に残念だと思うのですけれども、だれか責任を明らかにするくらいのことをしないと、私はどうも公社という組織というものは非人情な組織だ、要するに、下の人たちにああいう迷惑を負わせておいても、肝心の人間はどこかに証拠か何かを隠滅して涼しい顔をしているということでは、今後の専売公社の運営その他についても非常に大きな問題があるのじゃないかという気がするのですが、そういう点について副総裁、あなた方としてはなるたけそういう問題が出ないことを望むかもしれない。しかし、それはそれとして、やはりそういうけじめをつけるという意味では、ほんとうに責任のあった者は、やはり責任がありましたというっこうで出てくるのが、私は今後の公社全体の運営についても関係があるのじゃないかという感じがするので、そこらについて、公社の上層部としては、一体どういうふうに考えておられるか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#67
○大槻説明員 ただいまお話がありましたように、小林氏の今回の選挙に関連しての違反の実態は下部のほうに多い、さらに中間段階あるいは本社の関係においても、お話のような数字において現在取り調べが進められているわけでありますが、このような数多い違反が出ましたこと、それにつきましての私どもの気持ちとしましては、先般総裁も表明されましたように、まことに監督上の不行き届きな点については責任を深く感じております。まことに遺憾に存じております。ただ、つらつら考えますのに、この事態がどうして起こったのかという点でございますが、小林氏が昨年の秋、十月半ばまで現職におられまして、その間公社の在勤がかなり長い在勤でございまして、しかも最後は総務理事として要職におられたという関係で、公社の職員には小林氏の人柄なり等は十分各位が承知している。そういうような環境においていろいろな選挙についての関心も公社にあったということはいなめないと思うわけでありますが、御指摘のような、だれか公社の中枢に、そういうものを中心となって全体を指揮した者があるのではないか。あるとすれば、そのような者がこの段階においてみずから責めをとるべきであろうという御所見に対しましては、私はそのような者はないと信じております。それらの点につきましては、現在警察当局でいろいろ御調査にもおなりになっていることと思いますし、明らかにしていただけばけっこうだと思うのでありまするが、私はそのような者がいるとは信じておりません。ただ全体として違反者の数がこのように多くなったという点につきましては、われわれ深く遺憾に思っております。私どもの現在の見解を申し述べましてお答えといたします。
#68
○堀委員 あなたは公式な場所ですから、それは答えにくい点もあるかもしれませんが、こういうふうなピラミッド型になっている以上、いまのあなたのお話しのように、小林さんが長年勤務しておられて総務理事であったから、みなが自発的にやったんだということではこれはちょっと納得できないのですよ。あなたは立場だから、私が聞いたからといってそれ以上言えないかもしれないけれども、そんな制度にはなっていないと私は思うし、自発的にこんなあぶない橋を渡るということは、この人たちだって公務員の地位利用についての法律を知らなかったとは思わないのです。知っていて、危険ではあったけれどもなおかつやらざるを得なかった、その背景のほうに問題がある、こう私は思っているのです。だから高級公務員の立候補制限を私ども強く言うのは、そういうところに追い込まれる人たちを実は救いたいというのです。大槻さんは副総裁ですから、おそらくそういうふうなお感じはお持ちにならぬでしょうけれども、出張所長あたりの段階では、営々何十年かやってきて、もうあと何年かすれば退職をするのだ、この際はやはり上から流してきたことについては、あぶないけれども協力をせざるを得ぬではないか。おそらくそういう実につらい気持ちでやって、やった結果は、こういうふうになってきた。その人たちの心境は――もちろんした人が悪いのだから、悪いことについてはそれはやはり罰しなければなりませんが、しかし、心情はわかるような私は気がするのです。だから、そういうことをさせてはならないことを、私は、させた者がないとは実は言えないと思うのです。こういうふうに支局長、部長代理のところが三十四人、府県として二十七もあったわけですからね。この点は、私はここの答弁は答弁としてよろしいですけれども、しかし私は、これは明日また大蔵委員会でもお伺いすることですからいいですけれども、やはり何か部下のそういう人たちの立場を考えて、もう少しやはり何らかのことがあってしかるべきではないかという感じがいたします。それは意見です。
 警察庁にお伺いをいたしますが、新聞紙上ではかなり証拠隠滅が行なわれたということが報道されておるのですが、その点についてはどんなふうな感触でございましょうか。
#69
○日原政府委員 証拠隠滅につきましては、地検で証拠隠滅で検挙したように聞いておりますので、法務省のほうからひとつ……。
#70
○津田政府委員 小林派関係につきまして、専売公社の職員が証拠隠滅をはかったという事犯につきましては、東京地方局の小田原工場、広島地方局の職員課関係、これは山口ですが、そのほか山口県下におきまして山口支局萩出張所、防府、宇部、岩国、柳井、小松あるいは下松工場というようなところに起こっておる事件につきまして、ただいま捜査中でございます。
#71
○堀委員 公社にお伺いをいたしたいのですが、これはとんでもないことだと私は思うのです。よろしいですか。民間の会社その他が何かあってそんなことをするというのならこれはしかたがない点もあると思うのですが、公社、公団というのは国の政府関係の機関ですからね。政府関係の機関がこういう事件を起こして証拠隠滅をするというのは、これはどういうことですか。ちょっとあなたのこれに対する見解を聞きたいのです。
#72
○大槻説明員 ただいま法務省のほうから小田原並びに広島、山口県下について御指摘がございましたが、小田原の点は除きまして、山口県下の状況を私の承知しておるところを申し上げてみたいと思います。
 私ども一般的に文書の保存につきましては、従来、文書の種類によって保存年限というものをきめまして、それによって処理してきたわけでありますが、最近、ここ二年ぐらいだと私記憶しておりますが、文書の保存の方法について、保存年限にかかわらず別にファイリングシステムという新しい文書保存の検討を始めまして、地区により逐次その様式によって文書の整理をきせております。これはすでに現在かなり地区によって、工場により計画的に進めておりまして、それによりますと、重要な書類を除きまして大体不要なものは捨てていいんだ、一口にいえばそういうファイリングのシステムでありまして、ファイルされた書類は残っておりますが、それ以外の不要なものは廃棄するのがいいんだ、こういう指導でやっております。それで広島県におきましてもこれを実施しておりまして、各管下支局の配付文書については、ことしの四月からその方式に従って実施しているところでございます。たまたま今回の選挙に関連しての違反ということとからみまして、それらの点についての疑いを受けたものと私は思っておりますが、具体的に焼却と申しますか、廃棄した文書の様子も、各支局によって不備ではございますが調べたものもございますが、その辺の関係が私どもはっきりしておりませんので、御了承いただきたいと思います。
#73
○堀委員 山口はたまたまそういう時期にぶつかったということは、私ども内容がわからないですから、検察庁のほうでのお調べによってまた明らかになると思いますが、東京地方局の問題はこれはそういうことと関係がないんじゃないですか。
#74
○大槻説明員 小田原における事件も、正確ではございませんが、運転日誌を最近捨てたということのように承知しております。このことにつきましても、問題が起こっておる工場におきましてそのようなことがあったためにより疑いを濃くしたということは遺憾に思っております。
#75
○堀委員 そうすると、あなたのほうの言い分は、証拠隠滅などを公社としてはした覚えはないんだ、こういう言い方ですか。
#76
○大槻説明員 当事者の意識は私は承知しておりませんが、私どもとしてはそのようには考えていない、現実によってきめていただきたい、このように思っております。
#77
○堀委員 私は、事件が起きた以上は、公社はやはり国の機関でありますから、捜査に協力をするというのがたてまえではないかと思うのです。民間のところならば多少そういうことが起きても、いまの世の中の仕組みでありますから、われわれとしてはやむを得ないかもしれない。しかし、国の機関が――かたや警察庁にしたって検察庁にしたって、やはり国の機関なんですよ。国の機関が国の機関に対して処理するときに、それが内部的にそれについての捜査の協力ができないなんということは、これは非常に問題がある。ですから、そういう点は今後の問題として検察側がお調べになるんでしょうから明らかになってくると思いますけれども、公社のほうでは何かそれについて、今度の問題が起きたときに、そういう捜査に協力をしろ、そういうような証拠隠滅等をしてはならぬというような通達か何かおろしましたか。
#78
○大槻説明員 今回の事件に関連して特に積極的にそのような通達を発したことはございません。
#79
○堀委員 どうですかね。こういう段階にきたときに、やはり私は――この問題はもう悪いことは悪いんですよ。だから少なくとも捜査当局に公社の職員は協力をして、悪いものは悪いと、出すものは出して処理をすべきである。私に言わせると、これは捜査といっても実はなかなかたいへんなことなんですよ。それをたまたま免れたから、こっちはうまいことをした、あいつは貧乏くじを引いたなんということはいかがかと思うんですよ、これだけの範囲になってきますとね。だからそこらについて、そういう証拠隠滅をしないということは捜査に協力ずることなんですから、現段階においてやはり捜査には協力しろというぐらいな通達ぐらい一つあってもいいんじゃないかと思うんですが、どうですか、いまからでもおそくないから。まだ捜査は続行中でしょう。
#80
○大槻説明員 国の機関として刑事事件に協力すべきことは当然でございましょう。その意味におきましては、委員御指摘の御意見は十分わかるわけでございますが、現実には、私ども、その証拠隠滅の当該の問題は別としまして、捜査の段階におきまして、いろいろ警察から説明を求められ、連日説明にも参上して必要な資料は差し上げている。こういう状況でございますので、特段にこの段階でそのような注意をする必要もなかろうかと思っております。現実にそのような御協力を申し上げておるわけでございます。
#81
○堀委員 私どもは、国民もそう感じているんですが、証拠隠滅ということが起きて非常にわれわれ不愉快な感じがしているのです。だから、これがなければ、私も、いまみたいに通達をおろしなさいなんて言いたくないですよ。しかし、どらも国民が、公社はともかく事件が起きたら公社ぐるみで証拠隠滅にかかっているのだというような疑いを持つということは、これは私は国の機関として適当ではないのではないか。そういうことがなければ別ですが、ある以上、私は何かあったっていいんじゃないかという気がするんです。これはあなた方の自主性におまかせをいたしますけれども、今度の問題に対する国民の疑惑というものは、公社全体に対して非常に大きなものがあるんですよ。これはもう皆さんも――私もテレビや何かで聞いていて、買収公社だなんというような話が出るほどで、これはまことに残念だと思います。私もちょうど大蔵委員でございますから、大蔵省関係の政府機関がこのような非難を受けておることは非常に残念なので、逆に姿勢を正すという意味では積極的にひとつ協力をしろというくらいの通達がおりてしかるべきではないのか、そのことが私は国民に対して疑惑を晴らす公社の幹部としての当然の措置ではないか、こういう感じがしますので、あとはあなた方の御判断におまかせをいたしますけれども、その点についてひとつお考えを願っておきたい、こう考えます。
 その次に、岡村派の選挙違反について警察庁から少し御報告をいただきたいと思います。
#82
○日原政府委員 岡村文四郎議員関係の買収事件でございますが、これは現在警視庁はじめ八都道府県の警察で捜査中でございますが、現在までに報告を受けたところによりますと、全国共済農業協同組合連合会あるいは各県の共済農業協同組合連合会等、農業関係の団体の役職員による買収事件がおもなものでございまして、これらの団体の役職員二十一名を逮捕いたしております。
#83
○堀委員 大体全国区の違反というのは、おおむね何らかの組織によって選挙がされておりますから、この問題についてもかなり広範囲の――小林派に比べれば、八都道府県でありますから範囲が狭いのですけれども、問題が起きておる。この点は共済組合というのは公の機関ではありませんから、公務員の地位利用には関係がないのでありますけれども、ともかくもこれらの問題についても、私はその当事者たちは非常に気の毒な立場にある人が多いのじゃないかという感触がいたします。しかし、問題が問題でありますから、きびしく調査していただいて違反の事実は明らかにしてもらわなければならないと思いますが、警察庁、法務省のほうから、これらの問題の検挙をして、どうも高級公務員の立候補の問題については、基本的な問題について考えなければならぬのではないかという感触を皆さんもお持ちになったのではないかと思いますが、その点についてちょっとその感触を伺いたいのです。
#84
○日原政府委員 一般論として申し上げますと、やはり買収のほかに組織的な公務員の地位利用違反というものは、選挙違反に関する最も悪質なものであると思います。それ以外の問題もいろいろあろうと思いますが、それだけにとどめておきたいと思います。
#85
○津田政府委員 公務員が立候補いたしました場合に、地位利用関係の違反が起こりやすいということはあり得ると思うのであります。しかしながらまた一面、立候補そのものについての制限等考えまする場合、本来地位利用すること自体が悪いのであって、その地位利用自体を防ぐ方法を直接に考えるべきではないか。たとえばそういう職務環境をつくらないように、本来そういう官庁あるいは公社等が自戒すべき問題であるのではないかという感じがいたします。
#86
○堀委員 私は、地位利用というものがどんな形で出ているかという実例を一つ申上げておきたいのですが、ちょうどたまたま参議院選挙の直前くらいに、ある郵便局の局長にちょっと用があって行きました。私は、自分の地域の中ですから、ちょいちょい郵便局の局長のところに行くのですが、その前のたしか三月ごろには、その部屋には何もかかっていなかった。ところが、直前に行ったら、西村さんはすでに次官をやめておったにもかかわらず、西村さんの色紙が局長室にちゃんとあげてある。それで私は、あれ、局長さん、私二月ほど前に来たときにはこの色紙はあがっていませんでしたねと言ったら、ええ最近あげたんです、こういうことです。どういうところからこれは回ってきたんですかと言ったら、先生そんなことまでちょっと答えられませんからこらえてくださいと言うから、それはあたなの立場があるからいいですよと言った。それからまたしばらくしてほかの局へ行ってみたら、そこへやはり西村さんの色紙がかかっていた。そこで、これ最近あげたんでしょうと言ったら、先生よく御存じですねと言うから、いやほかのところで聞いてきた、この前、二月ほど前にないところにあがっていたからと言ったら、そのとおりです、こう言う。地位利用の問題というのは、末端の郵便局長のところに全国的に色紙が配られているということになれば、これだけでも地位利用だと思うのです。それがやめてから次官の色紙があがるのですからね。次官在職中に次官の色紙があがっていたというなら私も話がわかると思うのですけれども、選挙に出る直前に、やめてから色紙があがったということは、これはまさに全国の郵便局長に対して地位利用が行なわれたと同様の効果がある。私は全国の郵便局を歩いてみたわけではありませんけれども、私の選挙区の中でそういうのが数カ所ありました。だから私は、西村派の違反がどんなかっこうで出ておるのかわかりませんけれども、おおむね高級公務員が自分のいた組織をあたかも自分の組織であるかのような錯覚に基づいてやっておるということは、私はまことに許しがたいことではないかという感じがいたします。
 いま申し上げたように、そこへ額をあげたことだけが文書違反になるかどうかという点については、これは問題は別でありますけれども、しかし、その郵便局長がそこへ額に入れて色紙をあげるに至った心境というか、何かは十分そういう――御承知のように郵便局というのは管理職以外は全逓の組織の人間でありますから、上から言ったところでそれはなかなか入りませんが、少なくとも管理職に対しては、あるいは局長の部屋に入ってくる人たちに対しては、あるいは影響力があるものではないか、そういう感じがするのであります。ですから、これらの問題を含めて、今回の参議院選挙における地位利用の問題は、さっきお話のありました山内君の問題についてもありますけれども、そうすべてをここで明らかにする必要もありませんからここらにいたしておきますけれども、私は、この地位利用というものがいかに日本のそういう管理機構の盲点を巧みに利用して、まことにフェアでない措置をとっておったかということは、国民としては非常に遺憾に思っておるところなのであります。
 そこらを含めて、ひとつ今後の捜査においてもきびしい方向で処置をしてもらいたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
#87
○中村委員長 次に田原春次君。
#88
○田原委員 数日前の新聞の記事で承知いたしますと、法務省であったか、警察庁であったか記憶しておりませんが、全国区の違反当選議員のうちの四名だかにしぼって、その他は一応選挙違反捜査本部を解散するということでありましたが、それは事実でありますか。
#89
○日原政府委員 私どものほうの選挙違反取り締まりの当初からの方針でもあり、またこれは毎回の選挙のときそういう方針なのでございますが、投票日後約一カ月間に選挙違反の捜査を集中して行ないまして、あとは、いろいろな刑事事件もたまってまいりますので、そちらのほうに転用するというのが大体の方針なのでございます。したがいまして、違反取り締まりの本部といたしましては、一カ月間で大体各府県とも解散をいたします。ただ、もちろん中途はんぱでやめるということではございませんので、それぞれ捜査中の事案につきましては継続して行なうわけでございます。したがいまして、各府県それぞれ実情が違いまするけれども、小林派の違反その他大きな違反でまだ捜査しなければならない事項が残っております関係につきましては、各府県とも継続してやるということは、先ほどの取締本部の解散とは別問題として残っていくわけでございます。
#90
○田原委員 法務省はどうですか。
#91
○津田政府委員 法務省におきましては、最高検察庁が中心になりまして、全国区事件はもちろん、地方区事件につきましてもいろいろの協議をいたしております。先般、八月の四日でございましたか、全国の高等検察庁の次席検事を集めまして、処理方針、今後の方針について協議をいたしております。検察庁におきましては、まだ事件の大多数が、受理をして、起訴その他の処分に至っておりません。目下勾留する、あるいは勾留以外の身柄の状況につきましても、捜査中のものが大部分でございますので、ただいまお尋ねのような、何派の事件にしぼるというようなことは一切いたしておりません。
#92
○田原委員 確かにぼくが新聞で見たのは、最高検察庁であったか法務省であったか存じませんが、違反の事実を四人にしぼっておるということです。しぼったならば、どの議員であるか名前を明らかにしていただきたい。
 それから、皮肉にも同じ日の新聞記事に、別の欄に、やはり全国区で当選した山内一郎という前建設事務次官の違反の逮捕者も出ているようでありました。したがって、打ち切りは四人という名前と関係がないようです。そうすると、結局一方において事件を整理して打ち切りにする。四人にしぼる。四人の名前も明らかにしてもらいたいですが、同時にまた逮捕者も出ている。五人になっておるのですね。ですから、いまの御答弁によりますと、やはり疑いがあればそれはやるということと、それから最高検察庁の会議の結果四人だけにしぼるということで、どうも納得いかぬと思うのですが、もとに戻りまして四人の氏名を明らかにしてもらいたい。
#93
○津田政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、四人でしぼったという事実は全然ございません。したがいまして、他の関係事件につきましても、全国の検察庁で捜査しておるものもございます。本日御審議になりました小林派あるいは岡村派はもちろんでございますが、その他の派の事件についても、目下捜査中のものが相当ございますが、しぼったという事実は全然ございません。
#94
○田原委員 そうしますと、警察庁のほうは一応打ち切ったような御答弁だったと思いますが、それはどうなんですか。
#95
○日原政府委員 私どものほうも、そういう意味では打ち切っておりません。選挙取り締まり本部として大動員をかけて取り締まりに当たるというのは、一応取り締まり本部としては解散をいたしましたけれども、それぞれ残っております捜査につきましては、捜査二課で主管をして、今後とも強力な捜査を続けていくわけでございます。
#96
○田原委員 従来の例によりますと、選挙違反をせっかく検挙して公正を期していただいておるようでありますが、裁判の段階になりますと、一審、二審、三審とやりまして、長きは四年もかかって、次の選挙のときに前の分はもう取り消しということになってしまって、何のために選挙法があるのか、何のために選挙違反を押えておるかわからぬことになるのですね。これは一種の立法論でありますけれども、任期の定めのあるものに対する刑事事件は、もっと早目に最終段階にいかなければならぬものでありますが、やはり弁護士の手に入りますと、次々に慎重審理論でおそくなってしまいまして、消えてしまっております。ですから、選挙違反をやってもいい、金さえ使えば何でもかんでも引っぱれるのだということになれば、選挙法がある意味がなくなってくるし、選挙違反というものは実際の効果がなくなってくる。したがって、終戦直後の占領軍の法律だったか、占領軍の指令に基づく立法だったか存じませんが、選挙違反に限り百日裁判で処理するというような時期もあったと思うのです。したがって、調べられている本人も気持ちよくないと思いますが、調べているほうも、うやむやに六年も七年も続くようでは意味がないと思いますから、即刻、事件の全貌がわからぬでも、買収の全貌がわからぬでも、一人わかっても、それは違反になることは間違いないのですから、慎重であると同時に、事件を急いで最終段階に持っていくべきだと思うのですが、そういう方法はありませんか。警察の段階、法務省の段階、両方から聞いておきたい。
#97
○津田政府委員 刑事事件の処理に関しましては、公職選挙法の二百五十三条の二に「事件を受理した日から百日以内にこれをするように努めなければならない。」という規定がございますことは御承知のとおりでございます。しかしながら、実際の事件におきましては、いろいろな論点もあると思われるのでありまして、検察側におきましては、特にすみやかに裁判結果を得るように努力をいたしております。従来とも、各種の検察官の会議でこの点は問題になるわけであります。しかしながら、やはり裁判は相手のあることでございますし、ことに弁護人の側におきましては、いろいろな考え方なり言い分もあろうと思われます。したがいまして、なかなかすみやかな裁判結果を得るということが困難になっておるのが現状であるというふうに思うのでありますが、この点につきましては、原因と申しますかがいろいろあると思うのであります。弁護人は、少なくとも被告人の利益を擁護いたしますためにあらゆる努力をされることは当然であります。そういう意味におきまして、被告人の主張なり被告人の利益をはかるための努力をされるわけであります。それを一般的に見て、裁判所側が訴訟指揮によりまして、どの限度において、制限すべきものがあれば制限をするかということは、主として裁判所の判断になるわけであります。そこで、要するに私どもといたしましては、検察側、弁護側、裁判所側を問わず、本来のこの選挙法の趣旨というものを十分理解いたしまして、高い公益的な見地からすみやかな裁判の結果を得るように努力するのが当然であるというふうに考えるわけでございます。なお、法務省所管の検察側としては、一日も早く裁判結果を得るべくあらゆる機会に努力をいたしておることは当然でございます。
#98
○田原委員 自治省の選挙局長にこれに関連して御質問しますが、たとえば選挙違反で第一審有罪になった場合、新たに選挙法の規定なりをつくることによって、国会の歳費をとめるとか、あるいは出席をとめるとかいうようにして、待命みたいな形にする。それから最終的にきまったら、一切の歳費を、渡したものを取り戻すというようにすべきではないかというのが第一点です。
 第二点は、選挙違反を犯して有罪になった場合、その地区では永久に立候補できないというような選挙法の改正はできないものかどうか。これはたしかイギリスですかどこかでやっておったように記憶しますが、その選挙区で立てないようになると、他の選挙区にかわって開拓するには、たいへんな時間がかかる。従来の例によりますと、選挙違反に問われても、有罪になりましても、何か皇室のお祝いごとでもって、公民権停止が短縮もしくは免除される。そうして再びそこで立っておる者があるのです。これでは免れていくようなことを奨励するようなかっこうになると思うので、選挙法の改正に際して、そういうような選挙道徳の高揚の意味から制限を加えるというようなことも必要と思うが、これに対する御意見はどうか、お尋ねしたいと思います。
#99
○長野政府委員 選挙違反につきまして、一審で有罪になった者の歳費をとめる、あるいは有罪の判決が確定した場合に、その選挙区での立候補を停止するような措置というような御意見でございますが、現在選挙制度審議会におきましても、全体の方々の意見といたしましては、選挙違反というものに対する国民の認識と申しますか、そういうものが非常に足りない。したがって、選挙違反は、やはり罰則を強化すべきだという意見がございまして、その中にもいろいろの意見がございます。一つは、お話がありましたように、一審で有罪の判決がありました場合には、歳費をとめるということでなくて、職務の執行を停止する、要するに議員としての活動能力を認めないということ。もちろん歳費をとめることも入るかと思いますけれども、ということを考えることはどうかというような意見が一つ。それから違反が確定をいたしました場合に、公民権の停止というものがいまのでは短過ぎる。また同時に、罪質によりましては、現在では短縮することもできるようになっております。そういうことも全然認めない。そして少なくとも、公民権停止を十年ぐらいやることはどうか。もし十年もやれば、大体その人の政治生命は断たれてしまうであろうというような考え方の意見がかなりありまして、選挙制度一般についての議論をいたします場合には、必ずその問題に触れていくということに今後なるだろうと思うのでございます。問題は、選挙違反というものが、いままでは運が悪かったと申しますか、普通の破廉恥罪のようなものではないというようなことで、政治的な意味合いのあるものだというようなことでものが考えられておるきらいがあるわけでございますけれども、それに対しまして、やはりそういう考え方になるのは、選挙違反に対する罰則その他、非常に甘いといってはおかしいと思うのでございますが、効果が乏しい。政治家に対して一番痛いのは、公民権を奪うことであるというような意見が審議会においては強うございますので、その線に沿って検討をいたしたい、こう考えております。
#100
○津田政府委員 裁判未確定の状態におきまして、議員の資格あるいは権限行使を制限するような法制はどうかという問題でございます。この点につきましては、一般に一審裁判を受ければ、一応無罪の推定はくつがえっておる。一応有罪の推定がされておるということではありますけれども、やはり上訴審において原判決が変更されるということは相当あるわけです。その間におきまして、議員という資格に基づく権限の行使を停止することは、たてまえとしてはいかがなものであろうかという問題がございます。しかし、これは絶対できないことであるとも私どもは考えておりませんけれども、現在の裁判の結果に基づくいろいろの資格制限等は、確定したということを中心に考えられておりますのに、議員のみについて、それから例外的な扱いをするということにするのはいかがなものであろうかという問題があろうかと思うのであります。
 それからさらに、有罪の確定判決を受けた者につきまする公民権停止を恒久化するというような問題でありますが、この問題につきましても、やはりある程度の年限ということは、一つの問題として現在も行なわれておることでありますし、その年限を若干延ばすという問題は当然考えられる問題だと思うのでありますが、その年数が非常に長期間にわたるということになりますと、一面、その人の公的な活動を全然封じてしまうというようなことになりますので、これはその人の公民としての権限を保障されている憲法上の問題として、どの程度までが許され、あるいはどの程度以上は相当でないかという問題は、かなり慎重に検討を要する問題ではなかろうかというふうに考える次第でございます。
#101
○田原委員 これは議論のあるところだけれども、選挙の公正を期するといろ意味からすると、現在の三審制度と、最高任期四年ないし六年の国会議員の選挙違反の裁判進行の時間とは問題があると私は思うのです。そこで方法としては、たとえば選挙違反については高等裁判所から始めるというような必要もあるのではないかと思うのです。そのことによって審理を短くするということもあるし、それには起訴から時効を、いまの法規は私はっきり覚えておりませんが、たとい三年かかっても、もとに返して時効の中断にかかっていくか、そのことで表現が的確でありませんが、先ほどのような資格の剥奪ないし停止に持っていくというような方法は考えられる。これは選挙法のつくり方によるのですが、そういう点をいうのは、破廉恥罪と同格もしくはそれ以上に見るべき国家に対する一つの犯罪なのでありますが、へたをやってわかったからしょうがないというようなこと、第一審で有罪になっても二審に持っていく、続いて三審まで持っていって、最終的には有罪であるけれども、国会議員の任期一ぱい引っぱっていこうというような考えがあるものですから、したがって、普通の窃盗や殺人をした場合の一審、二審、三審ではなくて、任期の定めある公務員の、特に選挙による公務員に対する最終判決を短縮する意味において、三審制度を二審にするとかなんとかいうことが考えられないかという議論を私はしているのですが、これに対する自治省としての見解と、法務省としての見解を聞いておきたいと思います。
#102
○長野政府委員 どうもその辺になりますと、訴訟制度というのは検討いたしませんとなかなか一概には申し上げられませんが、確かに訴訟の種類によりましては、訴訟手続を促進いたしますために、ある程度中間を省略するとか、たとえば選挙管理委員会に対する異議の申し立てとか、訴願を受けつけるようなことは、中間を省略するというようなことがありますが、しかし、全体としては、三審と申しますか、その間のところを確保いたしまして、やはり特別重大な権利義務に関することでございますので、三審の機会を保障するというのが全体の流れじゃないかと思うのであります。しかし、選挙は別だということでものを考えるということがかりにできるといたしますと、そういう審理の促進のために、特別な制度を考えることはできるということもいえるのかもしれませんが、その辺になりますと、私どもでは、現在確たることを申し上げるようなことはできません。ただ問題は、むしろ私どもの見解では、選挙に関しまして、現在の裁判制度というものをはずすということはもちろんできませんけれども、裁判所の中に、行政事件なり選挙事件について、一つの選挙事件の訴訟を専門に行なうような機構ができれば、ある意味では促進されるんじゃないかというような気がいたします。
#103
○津田政府委員 先ほど申し上げましたように、現在では、「訴訟の判決は、事件を受理した日から百日以内にこれをするように努めなければならない。」それからこの訴訟については、「裁判所は、特別の事情がある場合の外は、他の訴訟の順序にかかわらず速かにその裁判をしなければならない。」こういうふうに、裁判所の取り扱い自体も優先にすべきだ、ほんとうは裁判所は事件の順序に従って通常の場合は審理を進めていくということになりますが、これはその順序を変更してもよろしい、変更すべきだということになっておるわけであります。にもかかわらず、今日この関係の事件の裁判が百日以内に終わったという事件は比較的少ないということは何が原因であるかということになります。法律上の手続として、少なくとも裁判促進の訓示規定としては、もうこれ以上の規定はないと私は思うのです。要は裁判所の訴訟指揮の問題だと思うのでありますけれども、先ほど申し上げましたように、検察官の態度としてはぜひ促進することを望んでおりますし、しばしばの会議におきましてこれが議題になる。しかしながら、まあ一面これは弁護人を非難するわけではございませんけれども、やはり事件を延ばすということの主たる動機というものは、やはり弁護人から出ていると私どもは見ている。したがいまして、弁護人の方々のこの問題に対するお考えといいますか、自覚というものが出てこない限り、裁判所だけでもできない問題であると思いますが、私はある程度裁判所の勇断を必要とする問題であるというふうに考えております。
 なお、審級省略の問題でありますけれども、これはやはり国民の重要な権利に関する問題を含んでおりますので、これに限って審級を省略するということは適当でないと思うのでありますが、ただいま自治省からおっしゃいましたように、裁判所に特別の専門部といいますか、そういう部を設けてこれに専念させるということは一つの方法であるというふうに私は考えます。しかしながら、いろいろ昨年臨時司法制度調査会でも問題になりましたように、これは裁判官の数あるいは検察官の数に相当影響のある問題でありますので、やはりその問題とあわせて解決する必要があると思いますが、少なくとも特別部を設けて訴訟の促進をはかるということは適切なことであるというふうに私は考えております。
#104
○田原委員 先ほどの話は、時効ということばを使ったのは適当でないかしらぬが、気持ちはこういうことなんです。選挙違反の時効、次点繰り上げは三カ月になっておるのですね。それから裁判は百日となっているけれども、実際は二年、三年続いている。したがって、百日以内に起訴された場合、つまり公職選挙法の時効の範囲で八十日目くらいに――いまだったら六十日目くらいでしょう。このころに起訴された者は、たとい三年後に判決があっても次点が繰り上がるようにするということが私の言う――時効ということばがはっきりしないのだけれども、そうしないと、検挙はされた。最終判決は三年後になったで、欠員はそのままになってしまう。本来は当然欠格条項に当たるべき者が、裁判所の関係、弁護技術の関係で、引っぱられた場合、当然繰り上げるべきものが上がってこない。前の前の参議院選挙のときも一つの例があるのです。今回も、もし伝えられるがごとく小林さん――これなんかも総裁を呼んでやりたいけれども、きょうは時間がないからやりませんけれども、総裁がやめると同時に小林もやめさすべきなんです。そのほか岡村もやめさせるべきだ。それから、そのほかにもあがっているものはやめさせるべきなんです。これは粘りに粘るのですよ。現に小林のように慢性胃炎で面会謝絶――慢性胃炎の面会謝絶なんていうものはあり得ない。専売公社の病院に自分で顔で行っているのだから。そういうような者は法律を犯して当選し、当選後においてまた法律を犯して、道義を犯してやっている。したがって、これの裏側からの罰則というか制圧は時効の中断ですね。何年かかっても、百日以前に起訴された者は、たとい最終判決が三年後にあっても、前にさかのぼって次点が繰り上がるということにすれば、そうがんばらなくてもいいということになるのではないか。そういう一種の立法論になりますが、そういうことに対する見解はどうか。法務省は法律まかせにするけれども、立法論というようなことで、裏から選挙違反者を早目に失格させていく方法はないか。これは議論でありますが、自治省と法務省の見解をこの際明らかにしていただきたいと思います。
#105
○津田政府委員 ただいま繰り上げ当選の時期をいつまでにするかという問題であると思います。この問題につきましては、むしろただいま御指摘のような意味の利点は、あるいはこれを任期一ぱいというようなことに考えればあるかもしれませんけれども、この問題はほかの問題に影響があるというふうに私どもは考えておりますので、私どもは詳しい繰り上げ当選のことについては十分検討しておりませんので、ちょっといま意見を申し上げることはできない状態であります。
#106
○長野政府委員 私どもも繰り上げ当選、百日過ぎてもいつまでたっても繰り上げ当選をすることがいいというふうには必ずしも考えないのであります。むしろ、先ほどおっしゃった、できないかできるかということは検討しなければなりませんが、職務の執行を停止するということがかりにできるといたしますと、停止されたら痛いですから裁判が促進されるという、そちらのほうがむしろ効果があるのではないかと思うのです。
     ――――◇―――――
#107
○中村委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。
 公職選挙法改正に関する件につきまして、閉会中もなお調査を行なうことができますよう、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○中村委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
 次に閉会中の委員派遣に関しおはかりいたします。
 ただいまの閉会中審査申し出案件が付託され、現地調査の必要が生じました際には、委員を派遣し調査をいたしたいと存じます。つきましては、派遣委員の人選、期間、派遣地その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○中村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、この際おはかりいたします。
 閉会中の理事辞任の件並びに欠員を生じた際の補欠選任につきましても、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○中村委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 本日はこれをもって散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。
   午後零時三十人分散会
ソース: 国立国会図書館
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