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#1
第049回国会 運輸委員会 第6号
昭和四十年九月三十日(木曜日)
   午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 長谷川 峻君
   理事 關谷 勝利君 理事 山田 彌一君
   理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君
   理事 矢尾喜三郎君
      小渕 恵三君    川野 芳滿君
      高橋清一郎君    塚原 俊郎君
      南條 徳男君    増田甲子七君
      山村新治郎君    小川 三男君
      勝澤 芳雄君    野間千代三君
      内海  清君    竹谷源太郎君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 中村 寅太君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (航空局長)  佐藤 光夫君
        専  門  員 小西 真一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 航空に関する件(日米航空路線に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 航空に関する件について調査を進めます。
 この際、日米航空協定交渉経過について説明を聴取いたします。佐藤航空局長。
#3
○佐藤説明員 日米航空協定につきましては、御承知のように本年の八月十日から東京におきまして、わがほうは外務省北米局長、運輸省航空局長を首席代表といたし、米側はバース駐日公使を首席とする代表団を編成いたしまして交渉を継続したわけでございますが、九月二十二日までの間、途中米側代表団の都合による三週間の中断期間をはさみまして交渉が行なわれました。交渉はかなり進展を見ましたが、若干の点についてなお十分な合意を見ることができませんで、米側代表団が本国政府と、帰って協議をする必要があるという申し出がありまして、東京における協議は九月の二十二日をもって一応休会といたしまして、今後はさらに外交レベルによって交渉を続けることに相なった次第でございます。
 はなはだ簡単でございますが、概要御報告申し上げます。
#4
○長谷川委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
#5
○久保委員 いま経過の説明がございましたのですが、米側との休会の申し合わせでありますが、これはどちらから休会の申し出があったのか。いまのお話だと、米側が本国政府と協議する必要があるので一時休会、こういうふうにとれるのだが、そのとおりなのかどうか。それからもう一つは、いまの報告の中で、かなり進展したというが、進展したというのはどの辺が進展したのか。そういうことについて一言お伺いしたい。
#6
○佐藤説明員 まず第一点については、御指摘のとおり、米側が本国政府と協議をする必要があるという申し出がありまして、そのために休会になったということでございます。それから交渉につきましては、御高承のように、当方はニューヨーク及びその以遠という要求をいたしましたのに対しまして、米側がそれについての種々な関連する要求をいたしたのにつきまして、内容におきまして相当の整理をいたしまして、かなり双方の主張が煮詰まったということになっておるわけでございます。
#7
○久保委員 かなり話が煮詰まったというが、かなり煮詰まったならば、休会ということじゃなくて、普通、本国政府に請訓を仰いで、とにかく一応軌道に乗っている会談でございますから、その交渉を続行するのが外交的なルールかと私は思います。ところが休会に持っていったということは、いうならば、話は煮詰まったのじゃなくて、話は悪い方向に煮詰まった、話はとことんまでしたが、これ以上は双方とも進めない、こういうことで、休会という名のもとの打ち切り、こういうふうにとらざるを得ないと思うのですが、それはどういうふうになっているのですか。
#8
○佐藤説明員 先ほど申し上げましたように、相当な進展を見ましたけれども、米側の代表団が、ここにいて訓令を仰いで交渉するよりも、むしろ帰って本国政府と協議をしたほうが交渉の方法としていいと思うという判断を示しましたので、その結果休会になったということでございまして、交渉内容について行き詰まりを生じたというようなことではございません。
#9
○久保委員 先般椎名外務大臣が国連に参りまして、そのおり国務長官と航空協定を含めた当面の外交問題についてお話をなさったようでございます。新聞の報ずるところによりますれば、航空協定の問題については、どうも国務長官そのものはいまだ何も関心を示していないようにわれわれは見てとっているわけであります。その辺の情報はどう受け取っているのか、いかがですか。
#10
○佐藤説明員 椎名外務大臣がラスク国務長官と非公式に諸般の問題についてお話をなさったということは承っております。その内容についてはわれわれは承知しておりません。
#11
○久保委員 今後は外交ルートによって折衝したほうがいいというので米側は引き揚げていったということでありますが、外交ルートというと、いうならば日本の出先は駐米大使を通しての話だと思うのでありますが、これはその後どういうふうになっておるのか、折衝を始めているのかどうか、いかがでしょう。
#12
○佐藤説明員 外交ルートと申しますのは、在日の米大使と外務省を通じての交渉、それから御指摘のように駐米大使と国務省を通じての交渉という二つの方法があるわけでございますが、現在交渉の事務的な進め方としては、在日米大使館を通じての折衝を続けておるところでございます。しかし御指摘の方法もございますので、それらもなお今後の進め方については、現在われわれのほうと外務省と、さらにその外交ルートの具体的な進め方についても話し合いをしておるところでございます。
#13
○久保委員 大臣にお尋ねしますが、いままでの経過については航空局長からお話がございましたが、われわれがはたで見ている限りにおいては、今回の日米航空協定改定の交渉も、言うならば、この辺でひとつ腰を折った、挫折したというふうにとらざるを得ないのでありますが、これはどういうふうにとられておりますか。もちろん答弁としては、挫折したとは考えておらない、今後交渉を継続していくという御答弁かと思うのでありますが、率直にいって、いままでの経過――これまで二回の交渉がございました。アメリカにこちらから出向いての交渉がございました。三十六年、三十九年でございますか、二回ありました。二回の経緯と今度の経過を見れば、なるほど話の内容は多少趣を異にしたものもあるかもしれない。しかし全体を包む会談そのものの空気を見た場合に、あまり進展なし、言うならば変化なし、だから前二回の交渉と同様、今回の交渉も中途において挫折というふうにわれわれはとらざるを得ないと思うのでありますが、いかがお考えですか。
#14
○中村(寅)国務大臣 前二回の交渉の場合とはまた違うと考えております。交渉は中止したのではございません。いま交渉の方法を少し変えたということでございまして、交渉は継続中と御了解願いたいと思います。
#15
○久保委員 交渉継続中というのは形の上だけであって、実際にアメリカ側においては、九月の二十二日、今後の折衝はいわゆる外交ルートによってというので、本国の請訓を仰ぐ、協議する必要があるのでというような理由はつけたが、会談を打ち切っていったということを見ますと、これに対する熱意はさらにない、こういうふうにわれわれは今日の段階では見てとっていいのじゃないか。
 それからもう一つは、再三この席からも申し上げたように、日本側のこの交渉に対する態度としましては、不平等を是正するというのが眼目でありまして、日本とアメリカ間におけるところの国際航空のより効率的、さらに友好的な運営を高めていこうということじゃなくて、繰り返し申し上げるように、日本の対米不平等ということの是正を掲げていったわけでありますが、この八月の十日から始まった第三次の交渉全体を通じて、どなたが見ても、この日本の交渉態度である不平等是正というところには、アメリカ側はちっとも乗ってこなかった。言うならば、不平等というものをちっとも認めない態度できたということでありまして、もともと交渉の次元が私は違うと思うのです。次元の違う交渉を休会にしようが、継続にしようが、外交ルートに乗せようが、これは政治会談以外にはもはや解決のつき得ないだろうと思うのです。ところがラスク国務長官の一昨日あたりの椎名外務大臣に対する態度を見ても、あまり米側としては乗り気ではない。もちろん彼らの既得権を侵されるものでありますから、彼らが既得権を侵されるものについて消極的であることはわかるわけであります。しかし、少なくとも日本国民全体の不平等是正という悲願に対する、何というか、心理的な受けとめ方、そういうものが少しはあるべきはずであるが、ちっともない、こういうようにとっておるわけであります。そういう不平等是正を全然認められないような交渉を今後継続することは、はたして国民的立場に立っていいのか悪いのかということを判断する時期だと私は思うのです。
 よって、この際、もうあらためて申し上げるまでもなく、最悪の事態ということで決心をされるのが当然ではないだろうか。何か決心されるのがあやふやで、決心することをきらうために、タイミングを失いつつ、今日までずるずるべったりアメリカ側のペースに巻き込まれて、じんぜん交渉を続けてきたというふうにわれわれは考えざるを得ないのであります。この点で、どうでしょうか、運輸大臣、もはやわれわれとしては一ぺん白紙に返して、第一歩からやり直すという意味でも、日米航空協定は白紙に戻すということが、この際一番いいんじゃないか、それがよりよい、アメリカとのパートナーシップに基づくところの円満な話し合いを導き出す一つのきっかけではないか、こういうふうにさえわれわれは思うのです。どうでしょうか、もはやそういう手段を講ずるのがいいのであって、休会とか外交交渉のルートに乗せるとかいうようなことは、決して前進をはかる道ではないというふうに思うわけです。
 もしそうでないとおっしゃるならば、まだ交渉過程の問題ではありましょうが、具体的にその決意を裏づけるものがあるのかないのか、それをひとつ御披露いただきたいと思うのです。
#16
○中村(寅)国務大臣 日米航空協定に対するわがほうの態度は、不平等の是正という基本的な態度で臨んできたのであります。その線に沿って相当に話し合いは進展いたしたと考えておりますが、いまだ不十分な点がございますので、その点もさらに詰めていきたいという考えに立って継続中でございまして、一ぺん交渉をこの辺で打ち切って新規にやり直すという考え方は、いまのところ持っておりません。
#17
○矢尾委員 先ほど航空局長から簡単な経過報告がございました。私は、具体的にお聞きするということは、最初この問題が本委員会において取り上げられましたときに、交渉に支障を来たすというようなことがあってはと考えましたので、具体的には申し上げませんでしたけれども、今日の段階になりますと、新聞におきましてもその他の報道機関におきましても、いろいろの立場から報道されておるのでございまして、まだ交渉中ではございまするけれども、ちょっと中に立ち入ってお伺いいたしたいと思うのでございます。
 最初アメリカが日本に提示してまいりました項目は、たしか十二項目であったと考えるのでございます。いま航空局長の説明によりますると、何回にもわたる交渉によって話し合いが煮詰まってきたということを申されたのでございます。現在取り残されておる問題は、大圏コースあるいはロス−南米コース、こういうような問題であると考えるのでありますが、そのほかの問題については、アメリカの要求、日本の回答、そういうようなものについてはどういう経過をとってきておるかということについて、許されるならば御説明を願いたいと思うのでございます。
#18
○佐藤説明員 矢尾委員お話しのように、今回の交渉の内容につきましては、双方これを公表しないという話し合いになっておりますので、このような公開の席で申し上げることは差し控えさしていただきたいと思いますが、ただ、御指摘のように、まあ項目の数は別といたしまして、ニューヨーク以遠乗り入れに対しまして米側が出しましたいろいろな案件につきまして相当な整理をすることができまして、問題が相当集約されてきておるということは申し上げることができるかと思います。
#19
○矢尾委員 その点につきましては、大体日本も満足し得るような状態にありますかどうかということをひとつ御答弁願いたいと思います。内容に立ち入って詳細に両国とも発表しないということになっておりまするならば、日本側として大体において了承し得るような状態にあるかどうかということについてお答えを願いたいと思います。
#20
○佐藤説明員 今回の交渉におきましては、先ほど来申し上げておりますように、相当の時日を費やしましてそれぞれの主張をし、その中でお互いに整理をしてきたということでございまして、これが最後に全体としてどういうふうな御判断になるのかという問題は別といたしまして、われわれとしてはもう誠心誠意を尽くしまして、できるだけ国会の御決議の趣旨その他を体して交渉に当たったつもりでございます。
#21
○矢尾委員 そういたしますと、大体最初日本が提示いたしました項目は一つでございまして、日本のワシントン、ニューヨーク、ビヨンドということにつきましては、アメリカも一応は認めたのでございます。これを認めた上に立って、今度アメリカが大圏コースについてはどうであるとか、あるいは南米コースについては、日本としましてもアメリカの人間を南米のほうには乗せないというようなことが新聞には報道されておるのでございますが、たしか昨日の朝日か毎日の夕刊か朝刊に、日本の新聞に広告をしております。それによりますると、パンアメリカンを利用してワシントンやニューヨークに行くのに二時間半の短縮ができるというようなことが、広告の中に入っておるのでございます。そういたしますると、いま日本が強く主張しておりまする大圏コースというものが認められない場合におきましては、日本といたしましてはより以上に不平等な立場に置かれるという状態にございます。この点につきましては、日本側といたしましてもいろいろな立場から、ことばの上において何とか解決しようという努力は見えるのでございますけれども、その努力の結果が現実のこの場さえ糊塗すれば、あとはどういうような結果を招くかというようなことは深く考えられておらないような気がするのでございます。というのは、アメリカ国内において法の改正とか、あるいはまた運賃問題の改正等が行なわれたときにおいて、日本も考慮をしてもらうというような要求をされておるのでございます。こういうような、考慮をしてもらうとかもらわぬとかいうようなことが、ただ単なる口約束や外交辞令で行なわれているにおきましては、日本側といたしましては将来において相当不利な結果を来たすということも想像し得られるのでございます。こういうようなことに先だちまして、パンアメリカン航空会社がこの交渉中においても日本の新聞にそういう広告を大きく出しておることを考えますと、この大圏コースというものにつきましては相当困難が予想されると思うのでございます。一時的に糊塗する、ことばのあや等において妥結するというようなことは、日本の航空界のみならず、将来の日本の立場におきましても、より不平等を助長していく結果になると思うのでございます。
 この点につきましては、日本政府としては断じて譲ることができない、ただ単にこういうようなことでなく、将来やるときには必ずこういうぐあいにやってもらいたいというような強い要求をして、そうしてもしもその要求に応じないときにおいては、あなた方の責任ではございません、日本の国権の最高機関であるところの国会におきまして満場一致決議をしておるのでありまするから、私たちはそういうようなことに応ずることはできない、私どもは平等な立場において、破棄するということばは何か強烈なことばに聞こえますけれども、平等な立場に立ってやり直しをしようじゃありませんかというようなことで、対等の立場で交渉するということが私は当然であると考えるのでございまするが、この問題につきまして、航空局長としてのお考え、あるいは運輸大臣としての決意等につきまして承っておきたいと思うのでございます。
#22
○中村(寅)国務大臣 交渉の過程におきましても、日本航空企業の将来にわたっての運営が円満に行なわれるようにという配慮のもとに行なっております。それから現在の段階で廃棄をして再交渉をやるという考えには立っておりません。いまの交渉を進めることによって不平等が是正されるものであるという見通しの上に立って、いまは交渉を進めておる次第でございます。
#23
○佐藤説明員 大臣の御答弁に補足して説明さしていただきたいと思います。
 わがほうの米側に対する基本的な要求は、今日現時点においては、中部太平洋経由ニューヨーク及び以遠という要求でございます。それを中心にいたしまして、米側と折衝をなお続けておるという段階でございます。御指摘がございましたが、大圏コースにつきましては現在ノースウエスト航空会社が運航いたしておるわけでございますが、このノースウエスト航空会社が現在ニューヨークを起点としております航路の一部をワシントンを始発にしたいということで、米国国内の運航経路を若干変更するということをやっておるわけでございます。なお、大臣からも御説明申し上げましたように、この米側の大圏コース経由に対するわがほうの影響等も十分に考慮の上で今回折衝を続けておるわけでございます。
#24
○久保委員 どうも話がくつを隔てて足をかくようなうらみもありますし、もちろん外交交渉中の問題でありますから、詳細にそれを論議の対象にしてというわけにはまいらぬようでありますが、どうもそれにしても、もはやこの交渉は一つの限界に来ているとわれわれは認めざるを得ないのであります。いまこの場所で政府当局に、われわれの意見に同調させることはやや不可能に近いかと思うのであります。
 しかし、これは委員長に申し上げますが、特にわれわれ国会としても正規の場所で、しかも全会一致でこれに対する基本的態度を決定しておるわけであります。その態度を十分体して交渉に当たっているとは思うものの、その態度を決定したものの見方と、その交渉に当たるものとの間にはどうも大きなずれがあるようにも一つは考えられる。それからもう一つは、国民的利益の判定についても多少評価の違いがあるかもしれない。これは非常に重要な段階だと私は思うのでありまして、単に委員会等の論議だけで事を運んでいく筋合いではないと思うのであります。われわれも基本的な態度を決定したものとして、十分政府当局の意向を聞きながら、その評価に誤りがないかどうか、あるいは誤りがあるとするならば、いずれをどうすべきか、これは具体的な行動に入る時期ではないかと思うのであります。ついては、最近の機会に理事会等を中心にして、本問題の処理について一応御考慮をいただきたいことを申し上げて、この問題については私の質問を終わります。
 ついては、この問題とは別に、日ソの航空協定交渉の問題が日程にのぼっているようでありますが、これはどういう経過になっているか、御説明いただきたい。
#25
○佐藤説明員 日ソの航空交渉の経緯についてのお尋ねでございますので、いままでの経緯をかいつまんで申し上げさせていただきたいと思います。
 昭和三十三年三月に、ソ連側からハバロフスク−東京間の直通航空路設定のための交渉の申し入れがありまして、これに対してわがほうは、首都相互乗り入れが原則である旨回答いたしましたが、ソ連側はその後もハバロフスク−東京間の航空路設定を主張し、シベリア上空は国際航空路が設定されていないので外国機に開放できないということの話が、その後繰り返されておったわけでございます。昭和三十八年十月に、日本側からソ連に対しまして、シベリア上空は日本に開放できないとのことであるので、開放できるまでの間、日航がソ連のアエロフロートから乗員つきで航空機をチャーターして運航する単独方式というものを提案をしたことがございます。次いで昭和三十九年五月、ミコヤン副首相訪日の際、東京において専門家会議を開きましたが、いま申し上げました三十八年十月の日本側提案の対案といたしまして、日航とアエロフロートが共同でソ連側より航空機を乗員つきでチャーターするという共同運営方式の提案がございましたが、日航の単独運営は認めないという態度をとり、なおシベリア上空は開放できないという話に終始したわけでございます。わがほうとしては首都相互乗り入れの原則を実現させるという保障のない運航は応じられないものであるので、将来再び交渉を開くということで、昨年の交渉は休会に入ったわけでございます。その後、昨三十九年十二月にコスイギンソ連首相は佐藤総理あて書簡によりまして、ソ連は直通航空路を設定するための交渉を継続する用意があるということを申し述べてこられました。それに対しまして本年一月、佐藤総理からコスイギン首相あての返簡におきまして、日ソ両国の航空機が両国の首都を経由して欧亜を結ぶ航空路設定の意思を表明し、できるだけ早い時期に交渉を再開したいということを申し述べた次第でございます。この首相の決意表明の事務的な発展といたしまして、本年九月一日、日本政府からソ連政府に対しまして、九月末から十月はじめまでの間に交渉を再開したい旨申し入れて、ソ連側の回答を待っておるというのが現在の段階でございます。
#26
○久保委員 いまのお話だと、交渉については九月末から十月はじめ、ソ連側の回答を待っておるというのですが、回答を待っておる時期ですか、回答があったのですか、どちらですか。
#27
○佐藤説明員 まだ回答はございません。
#28
○久保委員 回答はなくて、ただ、昨今の新聞報道によりますれば、それぞれの代表派遣について向こう側はきめた、こういうような報道でありますが、これについては何も承知していないのでありますか。
#29
○佐藤説明員 御指摘のような新聞報道があったことは承知しておりますが、正式にはソ連側からまだ回答はございません。
#30
○久保委員 それじゃこちら側からは別にこれに対して、交渉に入りたいという意向はもうすでに言ってあるから、いまさら言う必要はない、向こうからの返事を待つだけでありますか。いかがですか。
#31
○佐藤説明員 それぞれの在外公館を通じて接触は保っております。
#32
○久保委員 大臣にお尋ねします。いま航空局長から経過の説明がありましたが、近くソ連側から来日されて交渉に入ると思うのでありますが、交渉に対する態度、こういうものは政府として御決定はすでにできているのですか、ただ単に、先ほど来説明があった佐藤総理の書簡、これはもちろん基本線でありますが、それ以上に具体的な態度というか、そういうものはきめてあるかどうか、いかがですか。
#33
○佐藤説明員 先ほど来申し述べておりますように、日ソ相互において航空路開設についての希望を表明しておるわけであります。ただこれに対するわがほうの基本的な考え方としては、従来からのとおりの態度でありまして、自国機による首都間相互乗り入れということを実現させるというたてまえで交渉に臨むという考え方をとっておるわけでございます。
#34
○久保委員 これは運輸大臣にお尋ねするのですが、向こう側では、新聞情報では先ほど来申し上げたとおりのようでありますが、日本側としてはいつでも交渉に応じられる陣容というか態度、そういうものは全部整っておるわけですか。
#35
○中村(寅)国務大臣 向こうの正式の返答によりまして、いつでも応じる態勢を整えております。
#36
○久保委員 アメリカとの交渉がただいままでの経過のような実態の中で、ソ連との交渉にはなかなかむずかしい面がありはしないかという心配がありますが、これについては心配ございませんか。
#37
○中村(寅)国務大臣 私は、米ソ両国間の航空協定は別ものでございますから、一切関連を持っておりませんので、そういう御心配は要らないんじゃないか、かように考えております。
#38
○久保委員 アメリカとの交渉が、われわれが見るのでは、先ほど来申し上げたとおり悲観的であります。よって日ソの交渉については、少なくとも成功させることがアメリカとの交渉を成功させるゆえんでもある、こういうような考えもあるわけですが、そういう考えを持っておりませんか、どうですか。
#39
○中村(寅)国務大臣 できるだけわがほうの主張を通して交渉を妥結したい、かように考えております。
#40
○長谷川委員長 ほかに御質問はありませんか――次会は、明十月一日午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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