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1964/12/15 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 本会議 第6号
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1964/12/15 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 本会議 第6号

#1
第047回国会 本会議 第6号
昭和三十九年十二月十五日(火曜日)
   午前十時二十五分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  昭和三十九年十二月十五日
   午前十時開議
 第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名
 第二 中央しか保健医療協議会委員の任命に関する件
 第三 昭和三十九年度一般会計補正予算(第1号)
 第四 昭和三十九年度特別会計予算補正予算(特第1号)
 第五 昭和三十九年度政府関係機関補正予算(機第1号9
 第六 報償設置法の一部を改正する法律案(第四十六回国会内閣提出衆議院送付)
 第七 石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第八 天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案及び天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、故議員小西英雄君に対し弔詞贈呈の件
 一、故議員小西英雄君に対する追悼の辞
 一、故議員原島宏治君に対し弔詞贈呈の件
 一、故議員原島宏治君に対する追悼の辞
 一、日程第一 中央選挙管理会委員及び同予備
  委員の指名
 一、日程第二 中央社会保険医療協議会委員の
  任命に関する件
 一、日程第三 昭和三十九年度一般会計補正予
  算(第1号)
 一、日程第四 昭和三十九年度特別会計補正予
  算(特第1号)
 一、日程第五 昭和三十九年度政府関係機関補
  正予算(機第1号)
 一、日程第六 法務省設置法の一部を改正する
  法律案
 一、日程第七 石炭鉱山保安臨時措置法の一部
  を改正する法律案
 一、日程第八 天災による被害農林漁業者等に
  対する資金の融通に関する暫定措置法の一部
  を改正する法律案及び天災による被害農林漁
  業者等に対する資金の融通に関する暫定措置
  法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
    ―――――――――――――
○議長(重宗雄三君)諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第五十六番、地方選出議員、岡山県選出、木村睦男君。
   〔木村睦男君起立、拍手〕
    ―――――――――――――
#4
○議長(重宗雄三君) 議長は、本院規則第三十条により、木村睦男君を社会労働委員に指名いたします。
     ―――――・―――――
#5
○議長(重宗雄三君) 議員小西英雄君は、去る八日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、すでに弔詞を贈呈いたしました、。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は議員従四位勲二等小西英雄君の長逝に対しましてつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
     ―――――・―――――
#6
○議長(重宗雄三君) 下村定君から発言を求められております。この際、発言を許します。下村定君。
   〔下村定君登壇、拍手〕
#7
○下村定君 議員小西英雄君は、去る八日、議員会館の自室において急逝されました。同僚議員としてまことに痛惜哀悼にたえないところであります。
 ここに同君の生前を回想し、その功績をしのび、つつしんで哀悼の意を表したいと存じます。
 小西君は、明治四十四年愛媛県新居浜市に生まれ、長じて住友自彊舎を卒業、特に望まれて渡満され、満州康徳金属株式会社社長に就任、幾多の困難を克服し、満州開発のため鋭意努力されたのでありますが、敗戦のため志半ばにして断絶のやむなきに至ったのであります。
 終戦後、同君は、かつて外地において幾多の辛酸をなめ、事業に精進していた多くの人々が、無一物に近い姿で内地に引き揚げてきた惨状を直視し、これらの人々に生業を与え、資産についてもできる限りその補償の道を開き、引き揚げ者の前途に明るい光明を与えることが、自分の使命であることを痛感され、引揚者団体全国連合会の顧問、さらに理事長として、献身的に活躍をしてこられたのであります。
 昭和二十四年には郷党の輿望をになって衆議院議員に当選され、その後昭和三十一年には本院議員に当選、以来今日まで当選三回、議員として国政の審議に尽瘁せられました。同君は、昭和三十一年本院議員になられますと、直ちに国会議員の代表として在外財産問題審議会委員に選任され、種々尽力の結果、引揚者給付金の支給を見るに至りましたことは、私どもの記憶にいまだ新たなるところであります。
 君の国会における活動は、ひとりこの方面にとどまらず、決算委員長、建設委員、内閣委員等として、広くその識見を発揮せられるとともに、北海道開発政務次官として、北海道開発のため、非常な熱意をもって努力されたのであります。
 また、同君は、自由民主党副幹事長、国会対策副委員長、広報副委員長等を歴任して、党の運営に貢献され、さらに本年十一月、政策審議会副会長に就任され、去る八日には、なくなられる直前まで、同会の会議に御出席になっておられたのであります。このことは、国会議員の使命を遺憾なく発揮されたものとして、何人も粛然えりを正さざるを得ません。
 思うに、同君は、みずからをむなしゅうして人のために尽くすことを第一義とし、昨年からは、日本身体障害者団体連合会の会長にも就任し、広く恵まれない人々の援護のため、全力を傾けてこられたのであります。君の努力により、本年新たに在外財産問題審議会が設置され、在外財産問題の根本的解決が期待されている際、その解決を見届けることなく、いまだ五十三歳というお年をもって、こつ然として世を去られましたことは、君としても、さだめしお心残りのことであったと推察いたします。
 政局の前途多事多難の際、君のような卓見有能の士を失いましたことは、国家にとりましても、また、本院にとりましても、大きな損失であると申さねばなりません。
 ここに同君の御逝去に対し、つつしんで哀悼のことばをささげるとともに、衷心より御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#8
○議長(重宗雄三君) 議員原島宏治君は、去る九日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 つきましては、同君に対し、院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞は議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 議長において起草いたしました弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は議員原島宏治君の長逝に対しましてつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
    ―――――――――――――
 弔詞の贈呈方は、議長において取り計らいます。
     ―――――・―――――
#10
○議長(重宗雄三君) 村松久義君から発言を求められております。この際、発言を許します。村松久義君。
   〔村松久義君登壇、拍手〕
#11
○村松久義君 諸君のお許しを得まして、議員一同を代表して、原島宏治議員に対し、弔辞を呈したいと存じます。
 議員公明党委員長原島宏治君は、本月九日急逝せられました。原島君の訃報は、まさに青天のへきれきでございまして、同僚議員といたしまして、まことに痛惜のきわみでございます。
 ここに原島君の御生前をしのび、つつしんで哀悼の意を表したいと存じます。
 原島君は、明治四十二年東京都に生まれ、昭和四年東京府立青山師範学校卒業後は、永年にわたり、数多くの子弟の訓育のため、熱誠をささげられたのでありますが、その間、昭和十五年創価学会に入信、幾多の辛酸をなめられました。昭和三十年には、同志の方々と政界進出を目ざされ、東京都大田区議会議員に当選、次いで昭和三十四年には、本院議員として議席を得られたのであります。
 原島君の政治理念は、仏法の絶対平和の思想、仏法民主主義という基本観念に発するものでありまして、全世界の平和と全人類の幸福をこいねがう、ひたむきな心情は、常日ごろ畏敬するところでありました。
 本院議員に当選後は、大蔵委員会委員、懲罰委員会委員、さらに裁判官弾劾裁判所裁判員として活躍され、なかんずく、大蔵委員としての経歴は長く、豊富な経験と卓絶した識見をもって、財政金融等の諸案件の審議に誠心誠意精励せられました。
 なお、その間、昭和三十五年五月に、創価学会理事長に推挙せられ、昭和三十七年七月には、公明政治連盟を結成せられまして、委員長に就任され、さらに公明党の結党に尽瘁され、本年十一月には、同党の発足とともに初代委員長の重責をになわれ、今後の発展の礎石となる大役を果たされたのであります。
 このようにして、公明党結党後、わずか三旬余りにして、不幸こつ然と幽明境を異にされた君のお立場は、衷心より御同情申し上げるものでございます。
 原島君は、その性情まことに温厚篤実、入信者として、内面、自己を冷厳に律しながらも、外面は柔和にして、常に慈愛にあふれ、仏教の哲理に生きる政治家として、まことに得がたい存在でございました。今日、すでにその姿に接することも、その声に耳を傾けることもできないようなことに相なりました。まことに惜しみても余りある痛恨事でございます。
 ここに原島君の霊に対し、つつしんで敬弔のまことをささげ、心から御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#12
○議長(重宗雄三君) 日程第一、中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名。
 指名する委員及び同予備委員の数は、それぞれ五名でございます。
#13
○亀井光君 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名は、いずれも議長に一任することの動議を提出いたします。
#14
○大矢正君 私は、ただいまの亀井君の動議に賛成いたします。
#15
○議長(重宗雄三君) 亀井君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、中央選挙管理会委員に大浜英子君、山浦貫一君、藤牧新平君、岡崎三郎君、山崎広君を、
 同予備委員に近藤英明君、小島憲君、中村勝正君、仲井英雄君、米山雄治君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#17
○議長(重宗雄三君) 日程第二、中央社会保険医療協議会委員の任命に関する件を議題といたします。
 内閣から、社会保険審議会及び社会保険医療協議会法第十五条第五項の規定により、佐口卓君、中西貴君、馬場啓之助君を中央社会保険医療協議会委員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(重宗雄三君) 日程第三、昭和三十九年度一般会計補正予算(第1号)、
 日程第四、昭和三十九年度特別会計補正予算(特第1号)、
 日程第五、昭和三十九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長寺尾豊君。
   〔寺尾豊君登壇、拍手〕
#21
○寺尾豊君 ただいま議題となりました昭和三十九年度一般会計補正予算(第1号)、特別会計補正予算(特第1号)及び政府関係機関補正予算(機第1号)の予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 これらの補正予算は、人事院勧告に伴う公務員給与の改善をはじめ、災害復旧その他、当初予算作成後に生じた事由に基づき、特に緊急に措置を要するものにつき編成されたものであります。
 一般会計予算につきまして、歳出の追加額を事項別に申し上げますと、公務員給与の改善を本年九月から実施するに必要な経費三百九十二億円、災害復旧事業に必要な経費百八十八億円、農業共済再保険特別会計への繰り入れ二十九億円、診療報酬改定に伴う増加経費四十五億円、食糧管理特別会計への繰り入れ六十億円、消費者米価改定に伴う増加経費三億円、義務教育費国庫負担金等義務的経費精算不足額の補てん百八十八億円、及び所得税収入等の追加計上に伴う地方交付税交付金の増加百五十九億円、以上合計一千六十四億円であります。
 しこうして、これに必要な財源といたしましては、租税及び印紙収入において六百五十一億円、税外収入において二百億円の増収を見込んでおるほか、既定予算につきまして二百十三億円の経費節減を行ない、これを充当することといたしておるのであります。したがいまして、今回の一般会計補正予算の規模は、歳入歳出ともそれぞれ八百五十一億円と相なるわけでありまして、この結果、昭和三十九年度一般会計予算は、歳入歳出とも三兆三千四百五億円となるのであります。
 右一般会計予算の補正に関連して、食糧管理特別会計等七つの特別会計予算について、それぞれ所要の補正を行なおうとしておるのでありますが、特に、交付税及び譲与税配付金特別会計におきましては、地方公務員の給与改善に必要な財源に資するため、資金運用部資金百五十億円の借り入れを行ない、これを財源として地方交付税交付金を増額することといたしております。
 次に、政府関係機関につきましては、日本国有鉄道において、新潟地震等の災害の復旧及び緊急な保安対策等を実施するため、また、北海道東北開発公庫において、新潟地震災害の復旧に伴う資金需要に対処するため、それぞれ所要の補正を行なうことといたしております。
 なお、財政投融資計画におきましては、いま申し述べました災害復旧に関連して、地方債百四十億円、日本国有鉄道二百五億円、北海道東北開発公庫四十億円を追加するほか、外航船舶の建造量の大幅増加等に伴い、日本開発銀行に対し百億円を追加することといたしております。この結果、三十九年度の財政投融資の改定計画は、先般決定を見た中小企業関係三金融機関に対する追加額二百四十億円と合わせまして、一兆四千百二十七億円となるのであります。
 これら補正算三案は、去る十一月二十六日国会に提出せられ、予算委員会におきましては、翌二十七日、田中大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、十二月七日、衆議院からの送付を待って、十二月八日から昨日まで六日間にわたって、佐藤内閣総理大臣並びに関係閣僚に対し質疑を行ないました。
 以下質疑のおもなるものについて、概要を御報告いたしたいと存じます。
 まず、外交問題につきましては、特に、中国問題並びに日韓問題に論議が集中いたしましたが、中国問題につきましては、「佐藤内閣の対中国政策は、必ずしも前向きではない。ことに中共の国連加盟について、重要事項指定方式を支持することによって、中共の国連加盟にブレーキをかけ、少しぐらいこれを引き延ばすことに、どれほどの効果があるか。もしも、国府を国連から排除することにならないならば、中共の国連加盟を支持するか。佐藤総理は、来年一月、アメリカを訪問するとのことであるが、どのような心がまえで、何を訴えようとしているか。」などの質疑がありました。これに対して、佐藤内閣総理大臣及び椎名外務大臣から、「わが国が重要事項指定方式を支持するのは、国連における中国代表権の問題が、アジアの平和、ひいては世界の平和に関連する重要な問題であるからであって、中共の国際社会への復帰を拒む考えは毛頭ない。ただ、わが国は国府と平和条約を結んでいるので、これを国連から排除するような措置をとることには同調できない。中共に対しては、政権分離の原則に立って、民間貿易その他事実上の接触を続けていくことは、池田内閣当事と全く同じである。しこうして、今後対中国政策をどうするかということについては、国際的関係の意見も聞き、また、国内における各方面の意見も十分に聞いてきめるつもりである。私は来年一月十二日、ジョンソン大統領と会見するが、わが国外交の中核をなす中国問題、台湾問題、それに沖縄問題を含めて、所信を披瀝して、十分に意思の疎通をはかる考えである。」との答弁がありました。
 日韓会談につきましては、「政府は何ゆえに日韓交渉を急ぐのか。理不尽きわまる李ラインを撤廃させることや、わが国固有の領土である竹島の返還を含めて、諸懸案の一括同時解決の既定方針は、いまでも変わりはないか。」などの質疑があり、佐藤内閣総理大臣、椎名外務大臣、赤城農林大臣から、「日韓国交の正常化は両国民大多数の希望であるから、政府としては日韓会談の早期妥結に努力をしているが、季ラインは国際法上並びに慣行上、不法不当なもので、絶対認められない。また、竹島問題については、確たる解決のめどがつかない限り、全面会談を終わらせる考えはない。わがほうとしては、相互平等の立場に立つて、条理を尽くして公正妥当な解決に達するよう努力をする。」旨の答弁がありました。
 次に、経済の問題でありますが、「池田内閣の高度成長政策は、成長に伴って幾多のひずみを生じた点で失敗であり、佐藤内閣は当然政策転換を行なうべきであるにもかかわらず、池田路線を踏襲するというのは大きな誤りではないか。また、中期経済計画は、いつごろ政府案として決定するか。同計画は、その諸指標から見て、高度成長型の計画と言えるが、これでは、物価や国際収支の安定は達成できないのではないか。」などの質疑がありました。これに対し、佐藤内閣総理大臣、田中大蔵大臣及び高橋経済企画庁長官から、「高度成長政策は、国民所得の増大、完全雇用の実現など、りっぱな成績をあげたが、ただ、それに伴って、いろいろひずみを生じたので、いまその是正につとめている。急激に政治の基本路線を変更することは得策ではなく、次第に経済の成長を安定基調にのせていきたいが、その手段方法についてはしばらく時間をかしてほしい。中期経済計画については、目下与党とも調整中であるが、その成長率や設備投資の比率等は、過去における実績よりも低くなっており、この意味で安定的基調になっている。」との答弁がありました。
 「物価問題は、いまやきわめて重大な段階に来ており、しかも、今回の消費者米価や医療費の引き上げで、消費者物価が再び急騰しようとしているが、佐藤内閣は、はたして強い政治的決意をもって物価問題に臨んでいるのか。また、どのような対策を用意しているか。」との質疑に対し、佐藤内閣総理大臣から「物価の安定は当面最大の急務であるから、政府としても真剣にこの問題に取り組み、あらゆる施策を集中する決意である。物価問題は経済の構造に深く根ざす問題であるから、個別的な対策はもちろん、総合的な物価政策を立てていきたい。」との答弁がありました。
 また、最近の経済情勢につきまして、「金融引き締めの浸透に伴い、倒産の続出、不渡り手形の激増、企業間信用の膨張、株式市場の不振等、不況の様相が深刻化している反面、生産は依然町水準を保ち、金融引き締めを緩和すれば、再び国際収支の悪化を招く危険があるが、政府は金融引き締めを緩和するつもりか。それとも、このまま引き締めを続けるのか。」との質疑に対し、田中大蔵大臣から、「現在の段階では、まだ金融引き締め基調をくずすべきではない。しかし、ひずみの出ている部分に対しては、弾力的に、きめこまかい施策を講じ、特に中小企業に対しては特別の配慮を加えていく。引き締めの目標は、国際収支、物価及び経済の安定であるから、この三つが安定する見通しが立てば、当然引き締め緩和の方向をとる。むずかしい現在の経済情勢ではあるが、引き締め政策をこのまま半年も一年も続けることにはならないと思う。」旨の答弁がありました。
 また、当面の経済問題といたしまして、証券市場対策について、「一般の証券会社と変わらない共同証券が株価操作を行なうのは証券取引法違反であり、その共同証券に日銀が直接融資をするのは日銀法違反ではないか」との質疑に対し、田中大蔵大臣から、「証券取引法の規定は、個々の銘柄について株価操作を禁じているもので、市場の不安人気を除くため共同証券が買い出動した結果、ダウ平均千二百円が維持されても、法律違反とはならない。しかし、日銀が直接融資をするということになれば、共同証券の公共性をもっと明確にする必要もあろうと思うので、これから検討をしたい。」旨の答弁がありました。
 補正予算に直接関連する問題といたしまして、まず、公務員給与の改定について、「政府が今回もまた人事院勧告を完全実施しなかったことは、まことに遺憾であるが、これには、人事院の勧告が四月の給与調査の結果に基づいて八月に行なわれ、給与改定は五月から実施しなければならないという制度の難点があることも事実である。このような制度の難点を政府はどのように改善是正しようとしているのか。」との質疑に対し、政府側から、「政府は、人事院勧告を極力尊重するたてまえから、極度の財源難にもかかわらず、特段の努力で、例年より一ヵ月繰り上げて、九月から給与改善を実施することとした。その閣議決定の際、勧告の時期等につき検討を加えることとなり、目下検討中であるが、調査の時期や、予算制度上種々の困難な事情があり、まだ結論に達していない。」との答弁がありました。
 次に、「政府は、食糧管理特別会計の赤字増大を防ぐため、消費者米価の値上げを行なったが、国民が消費者物価の高騰に悩んでいる際、このような米価の大幅引き上げは、消費者の家計を安定させることを旨として米価を定めるという食糧管理法の規定に違反するのではないか」との質疑に対し、政府側から、「家計支出に占める米支出の割合は毎年低下しており、消費者米価を一四・八%引き上げても、家計の安定を阻害するほどのことにはならない」との答弁がありました。
 また、災害対策につきましては、「本年の災害がきわめて大きかったわりあいには、災害に対する融資ワクが非常に少ないが、政府は災害復旧融資について再検討を加える意思はないか。開拓者は、制度は、天災融資法の資金や、自作農維持資金の借り入れができることになっているが、信用度が低く、事実上借り入れができない。早急に改善を要求するのではないか。今回の災害にもかんがみ、畑作についても共済制度を設ける必要があるのではないか」などの質疑があり、政府側から「天災融資の改正を待って、北海道冷害については融資ワクは二倍にふやし、自作農維持資金も増額する方針である。開拓者がせっかくの制度を実際上活用できないというのは遺憾であるから、さっそく適当な措置をとりたい。畑作共済については、困難な事情もあるが、なるべく実現の方向で前向きの検討を進めていきたい考えである」との答弁がありました。
 このほか、憲法改正、公明選挙、政党近代化等の政治問題、軍縮提案、国連垣設置、国連創設二十年記念行事等の国連問題、石炭対策、原子力発電等エネルギー政策、国鉄第三次計画、計画造船、第二国際空港等の交通問題、農政の基本方針、農業構造改善事業等の農業問題、ILO条約、公共企業体事事者能力等の労働問題上医療費の引き上げ、健保財政の赤字、看護婦不足の対策等の社会保障問題、さらには、広く社会開発の立場からみた住宅対策、離島振興、産炭地対策、移住問題等、内外の諸問題につき、広範多岐にわたる質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて昨日をもって質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して山本委員が反対、自由民主党を代表して村山委員が賛成、公明党を代表して鈴木委員が反対、緑風会の佐藤委員が賛成、民主社会党を代表して向井委員が反対、日本共産党を代表して岩間委員が反対の旨、それぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、予算委員会に付託されました昭和三十九年度補正予算三案は、いずれも多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#22
○議長(重宗雄三君) 三案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。山本伊三郎君。
   〔山木伊三郎君登壇、拍手〕
#23
○山本伊三郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になっております昭和三十九年度補正予算三案に対しまして、反対の意思を表明いたします。(拍手)
 今日の日本経済の現状を見ますときに、自民党政府の誤れる所得倍増政策の暴走によりまして、わが国の経済はあらゆる面にひずみと矛盾を露呈しておるのであります。すなわちわが党が前内閣当時からたびたび警告をしたごとく、過剰投資はいまや現実の生産力と化し、基幹産業全般に及び、その過剰設備、過剰生産の状態は深刻なものがあります。これがため、金融は梗塞し、企業の経営状態は悪化し、株式市場の暴落は、日銀信用による株価操作を必要とするほど異常な状態におちいっているのであります。また一方、中小企業は逐月新記録をもって倒産をしております。農業におきましても、高度経済成長の犠牲となって、農民は苦しんでおります。物価の高騰は国民大衆の生活にきわめて不安を与えているのであります。このように所得倍増の経済政策の破綻一歩前に、佐藤内閣が出現したのであります。この佐藤内閣は、奇しくも池田内閣の路線をその施策の基本として踏襲することを言明されました。ここに至っては、わが党としては、いかに佐藤内閣の新鮮さを買うといたしましても、佐藤内閣に対しましてはきびしく対決をせざるを得ないのであります。
 さて、以上わが党の態度を表明いたしまして、次に、具体的に補正予算に対する反対の理由を述べたいと存じます。
 その第一は、公務員の給与改善費であります。公務員の給与につきましては、今日民間との給与に比し、きわめて低いということは、人事院の勧告によっても明らかであります。しかも、争議権をはじめといたしまして、労働三権にきわめて制約を加えられているこの公務員のために、その代償として設けられた人事院の勧告すらも完全に実施せず、過去四回も、五月実施の勧告を十月としているのであります。本年はとにかく昨年より一ヵ月早く九月から実施したことは、一歩の前進というけれども、依然として五月の実施の人事院の勧告を無視していることは変わりはないのであります。このようなことは、公務員諸君の信頼を裏切るとともに、物価高にあえぐ公務員の生活の窮状に対処するゆえんでなく、政府の反省を鋭く追及したいのであります。さらにまた問題になるのは、地方公務員の給与引き上げに対する財源措置のしかたであります。政府は、地方公務員の給与引き上げに要する財源を、その不足分百五十億を交付税及び譲与税配付金特別会計において資金運用部から借り入れを行ない、それを財源として、地方団体に対し、交付税として交付するということであります。しかもその借り入れ金は五年間にわたり交付税会計から返済することになっているのでありますが、このようなやり方は、交付税の実質的な先食いでありまして、予算の単年度主義を乱すとともに、平衡交付金制度から交付税制度に変えられた趣旨に反するものであります。したがって、その財源措置は、当然交付税率の引き上げによってまかなうか、もしそれが早急にできないなれば、臨時の財政調整補給金として、一般会計から交付すべきであります。
 第二は、災害復旧及び長雨冷害対策であります。今回の補正には、新潟地震その他の災害に対して、公共施設に対する復旧費はわずかに百八十七億しか計上されておりません。被害者の個人災害に対しての費用または冷害や長雨による収穫皆無の状況にある人々に対する、生活にあえぐ農民あるいは低所得者の窮状を救う融資や租税の減免等の措置が、十分とられておらないのであります。冬を控えてこれらの困れる人々に対する温情ある対策がとられておらないことは、佐藤総理の人間尊重の政治信念に疑いを持たざるを得ないのであります。
 第三は、医療費の緊急是正に伴う増加の問題でございます。今回政府が決定した九・五%の医療費の引き上げに伴って、総医療費の年間増加額は七百億円に達するのであります。しかも一方、今回の医療費の引き上げによって、国民の総医療費は九千三百億にも達するのであります。国民総所得の五%近くになることになります。政府は、このような重要な医療費問題を、中央医療協の決定を無視して、自民党三役と厚生大臣の間の一片の了解できめたことは、今後の医療費問題に一そうの混乱を与えたものとして、政府の責任を追及せざるを得ないのであります。
 第四は、生産者米価の引き上げに伴う食管会計への繰り入れ及び消費者米価引き上げに伴う増加経費に関してであります。生産者米価の引き上げは、今日の生産性の低い農民にとって、所得を引き上げる道として、他に方法のない以上当然でありますが、それがため生じた食管会計の赤字をなくするため一四・八%に及ぶ消費者米価の引き上げは、今日の物価情勢のもとにあっては容認できないのであります。しかも政府の資料によって見ましても、低所得者ほどその家計への影響がきびしいのであります。われわれは、消費者米価の値上げ等により物価の高騰ムードをかもし出す政策には絶対反対するものであります。
 以上は、歳出の重要な項目について触れたのでありますが、次に、歳入面すなわちこれらの歳出をまかなうための財源調達の方法にも大きい問題があります。政府は、今回の補正において、財源難を理由に、さきに述べました公務員の給与、災害対策等の必要な経費をきわめて削減しております。今日の財源難は、独占奉仕による企業減税に重点を置いた従来の政府の責任であります。今回の補正予算においてみましても、法人税において百二十億の歳入欠陥が生じております。しかも、その法人税の歳入欠陥を、勤労所得を中心とする所得税の増収六百七十億によって穴埋めをしていることは、国民大衆の苛斂誅求によって一部の独占大企業の保護にきゅうきゅうとしておることにほかならないのであります。したがって、今回の補正予算において財源難を口実にすることは、従来の政府の財政政策のあやまちを露呈したものと、われわれは言わざるを得ないのであります。
 次に、既定経費の節減のやり方でありますが、今回の節減は、施設費、事業費、旅費、庁費等すべてに及んで、一律三%の節減をしたことでございます。このような無理なやり方のために、暮れが迫って病院を追い出される患者もあるということであります。既定経費の節減もよいが、学校給食、危険校舎の改善費、簡易水道、清掃施設整備費、僻地往診料特別補助等の諸経費のごとき、民生安定の、しかも、ぎりぎり必要な経費については考慮する必要があり、しかも、きわめてこのようなことは能のない補正のしかたであります。社会開発とか人間尊重を言われる佐藤内閣としては、納得のできないやり方ではありますまいか。
 最後に、中小企業対策についてであります。政府は、年末の中小企業対策として、財政投融資で二百四十億、買いオペで五百億円の金融をつけたとして、中小企業対策成れりという考えを持っております。はたしてこれだけのことで中小企業が救われるかどうかということは、きわめて疑わしいのであります。中小企業の倒産は毎月四百件以上で、新記録をつくっております。不渡り手形の発生が月四百億円にのぼっております。しかるに、それに反して、大企業は増資しやすいように共同証券を設立し、日銀から直接融資をする方法すら考えてもらえるのであります。一方、中小企業は中小金融三機関を通じてわずかな融資、あとは高利貸しにたよるか融通手形によるか、それ以外に生きる道のないのが、中小企業の現状であります。佐藤内閣の中小企業対策は、はたしていずれを向いてなされておるのか、判断に苦しむものであります。
 このように、現下最も緊急に措置を要する経済各部面にわたるひずみに対し、何ら抜本策を示さず、医療費、消費者米価等の値上げを行ない、国民負担の重荷を課し、国民福祉を顧みない補正予算には、わが党は断固反対を表明するものであります。
 以上、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(重宗雄三君) 村山道雄君。
   〔村山道雄君登壇、拍手〕
#25
○村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和三十九年度一般会計補正予算(第1号)外二件について、賛成の意を表するものでございます。
 右三案の内容につきましては、先ほど委員長からの報告にもありましたように、おもな補正要因は、第一に、公務員給与の改善を本年九月から実施することに伴い必要となる経費、第二に、公共土木施設等の災害復旧事業に必要な経費、第三に、農業災害に対処するための農業共済再保険特別会計への繰り入れ、第四に、診療報酬改定に伴う増加経費、第五に、食糧管理特別会計への繰り入れ、第六に、義務的経費の精算不足額の補てん等でありまして、いずれをとりましても、出初予算作成後に生じました事由に基づき、特に緊急に措置を要するものばかりでございます。ことに、本年度のように景気調整の影響を受けて租税収入が伸び悩んでおります中で、税外収入の確保と既定経費の節減につとめまして、一千億円をこえる財政需要をまかなうだけの補正予算を編成いたしました政府の努力に対して、深甚の敬意を表するものであります。
 次に、予算委員会の審議の経過並びに結果を通じまして論議の対象となりました二、三の点を中心に所見を申し述べたいと存じます。
 まずその第一点は、人事院勧告に基づく公務員の給与改善をいつから実施すべきであるかという点であります。政府におきましては、本年度の苦しい財源事情にもかかわらず、本問題に積極的検討を加え、物件費等につきまして、原則として三%の節約を断行いたしますほか、欠員の補充については、これを必要最小限度にとどめることといたしまして、補正財源の捻出につとめ、従来の十月実施を一ヵ月繰り上げて、九月実施に踏み切ることにいたしているのでございます。もし本案に反対する諸君の主張するように、五月までさかのぼって給与改定を行なう場合には、国においてさらに八百億円という巨額の予算を必要といたしますが、前述のような本年度の財政事情のもとでは、このような財源を捻出することはとうてい不可能であると言わざるを得ないのでございます。
 また、地方公務員の給与改定に要する経資につきましても、本案に反対する諸君は、その必要経費の全額を国が地方公共団体に交付すべきであると主張せられておりまするが、九月一日より実施する場合でも、その所要額は、一般財源計算で総額約五百七十億円、そのうち交付団体分で約四百三十億円という巨額に及ぶのでございます。本件について、政府が国税三税の補正に伴う地方交付税の増加以外はできるだけ地方税の自然増収を確保することにつとめるとともに、地方公共団体も国に準じて経費の節減をはかることによりまかなうというたてまえのもとに、特に臨時の措置として、交付税及び譲与税配付金特別会計が、資金運用部資金百五十億円の借り入れを行なうこととしておりまするのは、本年度の特殊な事情に即した適宜な措置であると言えるのでございます。
 第二の論点は、消費者米価の引き上げであります。このたびの補正予算におきまして、食糧管理特別会計への繰り入れは六十億円にとどまっておりまするが、これは御承知のように、生産者米価を三十八年度八・四%、三十九年度一三・六%と引き続いて大幅に引き上げました反面、今回消費者米価を二年ぶりに四十年一月一日から一四・八%引き上げることとした結果でありまして、もし本案に反対する諸君の主張されまするように、消費者米価を据え置くことといたしますれば、生産者米価と消費者米価との逆ざやは拡大し、食糧管理制度の円滑な運営を阻害することとなるのみならず、食糧管理特別会計国内米勘定の損失は、三十九年度当初予算に対して約九百六十億円増大し、このため同特別会計調整勘定への繰り入れ所要額は、本年度当初予算に計上しておりまする九百九十億円をさらに大きく上回る巨額に達するわけでございます。したがいまして、政府がこの際、消費者の家計を害しない程度において消費者米価の改定に踏み切るとともに、徳用米制度の活用と正月用モチ米価格の据え置きという措置をとられたことに対しましては、その勇断と慎重なる配慮に対しまして、ここに敬意を表する次第でございます。
 なお、消費者米価の引き上げに関連いたしまして、諸物価の値上がり傾向が問題とされておりまするが、消費者米価の引き上げそのものは、家計支出に対し〇・七%程度の影響しか与えないものであります。しかしながら、政府におきましては、こうしたことを契機として、便乗的な値上がりムードがびまんすることとならないように、周到な配慮を払われんことを切望いたすものでございます。
 第三は、災害の復旧に必要なる経費の追加についてであります。御承知のように、本年は、新潟地震や、山陰、北陸豪雨をはじめ、相当大規模な災害の発生が見られ、公共土木施設及び農地農業用施設の被害報告額は、昨年の千二百億円を三百億円以上、上回っております。政府におきましては、その復旧について百八十億円にのぼる予備費支出をもって、適宜適切な措置を講じておるところでございまするが、なお、今後の復旧のために必要とする経費百六十三億円と、過年災の復旧等事業について、予定の進捗率を確保いたしますため必要とする額二十五億円との合計額を、本年度の補正予算に計上されたわけでありまして、まことに時宜を得たものであります。
 また、農業共済再保険特別会計への繰り入れ二十九億円も、北海道、東北地方における冷害によって生じた豊作物被害等に対処するためのものであり、さらに財政投融資計画における日本国有鉄道に対する二百五億円の追加、北海道、東北開発公庫に対する四十億円の追加、及び地方債の追加百四十億円も、主として災害復旧のためのものでありまして、これら諸般の措置を通じて、被災地における経済の復旧と民生の安定が十分にはかられていることに対し、心から賛意を表する次第でございます。
 このほか、診療報酬改定に伴う増加経費、義務的経費の精算不足額の補てん等も、まことにやむを得ないものでありまして、あわせて賛成の意を表するものであります。
 最後に申し上げたいのでありまするが、以上申し上げましたように、今回補正予算に計上されました各経費を支出することについては、本案に反対される諸君からも、根本的には反対がないのでありまして、むしろ諸君の主張どおりにすれば、さらに巨額の財政支出を要することとなるばかりでございます。このような場合には、政府の意向をただしつつ、しかるべき財源をさがし出し、増額補正を要求するのならば、話はわかるのでございまするが、本案自体に反対を唱えられることは、私は理解に苦しむものでございます。したがいまして、私といたしましては、本補正予算三案に対し、全会一致賛成されることを希望いたす次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(重宗雄三君) 向井長年君。
   〔向井長年君登壇、拍手〕
#27
○向井長年君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提案の、昭和三十九年度予算補正三案に対しまして、遺憾ながら反対の意を表明いたしたいと存じます。
 佐藤内閣に対して、素朴な国民の期待が非常に大きかったと私は思うのでありますけれども、それにかかわらず、この予算案は、前内閣の処理案件を、前内閣の政策方針どおりに編成されたものでありまして、次の憂慮すべき問題点を内包いたしておるのであります。
 第一の問題点は、物価値上げ容認予算であるのであります。佐藤首相は、本国会の所信表明の中で物価抑制を強調しながら、実は国民生活の根底である主食費と医療費の値上げについて、前内閣の方針をそのまま引き継いでおるのであります。
 第二の問題点は、歳入補正編成にあたり、無定見な財源かき集め予算である点であります。
 その一つは、既定経費のうち、人件費を除く他の諸経費を、原則として、当初予算の二%分を節減している点であります。特に、施設費、補助金をも含む節減であるため、明らかに事業繰り述べを抜き打ち的に強制するものと言わなければなりません。このことは、本年度通常予算が、年度半ばにして全体の三%も節減でき得る水ぶくれ部分があったということになるのであります。
 その二は、地方交付金財源として、新たに資金運用部資金の融資を充当するよう法定しようとする点にあります。すなわち、地方自治体の経常経費財源に、将来返済を予定する融資部分を加えることは、交付税交付の安定を阻害するものと言わなければなりません。
 第三の問題点は、現在の大不況に対する緊急対策費を何ら計上していない点であります。現在の不況は、単に景気調整期のそれではなく、深刻なる生産過剰と供給過剰にもかかわらず、証券を中心に金融のメカニズムが半ばストップしておるのであります。政府と日銀の勇断なくしてこの危機を打開することはできません。特に、昨今の中小企業連鎖倒産は日を追って激しく、政府の言う年末向け短期融資によっては、とうてい防止できるものではありません。この際、政府は中小企業危機を打開するため、手形融資資金として最低五百億円は緊急支出すべきだと思います。
 民社党が本案に反対する最大の根本理由は、現下、全国民が熱望してやまない物価対策と不況対策樹立に関して全然眼を向けず、国民の期待を完全に裏切っている点であることを私は指摘強調いたしまして、反対討論を終わりたいと思います。(拍手)
#28
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#30
○議長(重宗雄三君) 日程第六、法務省設置法の
 一部を改正する法律案(第四十六回国会内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長下村定君。
   〔下村定君登壇、拍手〕
#31
○下村定君 ただいま議題となりました法務省設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、前国会に内閣より提出、衆議院において修正の上、本院に送付され、継続審査となっていたものであります。
 その改正要点は、第一に、法務省の職員定数を改めて、本省三百八十六人、公安調査庁二百人、計五百八十六人を増員すること。第二に、名古屋及び福岡の両刑務所の位置を変更すること。第三に、八戸市、尼崎市及び坂出市にそれぞれ入国管理事務所の出張所を設置すること等であります。
 本委員会におきましては、公安調査官の増員理由、暴力団対策、法務局及び人権擁護局の定員配置等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、伊藤委員は日本社会党を、鬼木委員は公明党をそれぞれ代表して、本法律案に反対し、その理由として、公安調査官の定数を大量に増員することは納得できない旨を述べられました。
 次いで採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#32
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(重宗雄三君) 日程第七、石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長剱木亨弘君。
   〔審査報告書は都合により追録に掲載〕
    〔剱木亨弘君登壇、拍手〕
#35
○剱木亨弘君 ただいま議題となりました石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、石炭対策特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 石炭鉱山保安臨時措置法は、転換期における石炭鉱業の保安対策として、保安不良炭鉱に対する調査、保安施設の改善勧告、さらには廃山勧告、廃止鉱山に対する整理交付金、離職金等の交付により、保安の確保が困難な石炭鉱山を円滑に廃止させようとするものであり、本年十二月二十四日までが本法の有効期間であります。しかるに、最近の、石炭鉱業合理化の急速な進展もありまして、周辺鉱山の閉山による坑内水の初出の激増するものや、自然条件、経理条件等の悪化のため、今後も保安不良の炭鉱が発生するおそれが出てまいりました。したがいまして、本法律案は、本法の有効期間を昭和四十三年三月三十一日まで延長して、保安不良炭鉱の整理を円滑に行なおうとするものであります。
 委員会におきましては、本法運用の実績及び今後の見通しをはじめ、石炭鉱山の保安行政の実情等について熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、直ちに採決しましたところ、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上報告を終わります。(拍手)
#36
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#37
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#38
○議長(重宗雄三君) 日程第八、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案及び天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)、
 両案について、国会法第、五十六条の二の規定により、提出者から順次趣旨説明を求めます。赤城農林大臣。
   〔国務大臣赤城宗徳君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(赤城宗徳君) 天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 天災融資法は、昭和三十年に制定されて以来、天災による被害農林漁業者等に対する低利資金の融通に大きな役割りを果たしてまいりましたが、最近における資本集約化、経営の協業化の進展等、農林漁業経営の推移に伴い、必ずしも経営の実態に即しているとは言いがたい面も生じてきております。特に第四十六国会終了後今日までの間において、北海道における冷害等、農作物等に著しく激甚な被害をもたらした災害が発生いたしましたが、現行の天災融資法による貸し付け限度額のままでは、これらの災害による被害農業者等の経営資金の需要に十分には対処しがたいのであります。この法律案は、このような事態に対処して、被害農業者等に必要な経営資金を供給するため、当面必要とする措置を早急に講ずることとし、天災融資法に所要の改正を行なおうとするものであります。
 次に、主要な改正点を御説明いたします。
 第一点は、内地十五万円、北海道二十万円と定められていた経営資金の貸し付け限度額を、それぞれ内地二十万円、北海道三十五万円に引き上げることであります。
 第二点は、政令で定める法人につき、その経営資金の特別の貸し付け限度額を設け、これを二百五十万円とすることであります。
 第三点は、すでに経営資金の貸し付けを受けている者がその償還期限内に再び被害農林漁業者に該当することとなった場合においては、その経営資金の償還に充てるために必要な資金の額を、政令で出止める額の範囲内において、経営資金の貸し付け限度額に加算することであります。
 第四点は、以上の改正にあわせて激甚災害法における天災融資法の特例措置に関する規定を改め、激甚害災害の場合の経営資金の貸し付け限度額内地二十万円、北海道二十五万円を、それぞれ内地二十五万円、北海道四十万円に引き上げることであります。
 なお、これらの改正規定は、七月以降の天災につき適用することとしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#40
○議長(重宗雄三君) 衆議院議員芳賀貢君。
   〔衆議院議員芳賀貢君登壇、拍手〕
#41
○衆議院議員(芳賀貢君) 天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法等の一部を改正する法律案につき、提出者を代表して提案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、現行の天災融資法は、昭和三十年に議員立法として制定されたものであり、農林漁業災害に対する融資制度として、白来十年間にわたり農林漁業の経営及び再生産に必要な低利資金を現在まで一千億円に及び融通する措置を講じ、農林水産業の出産力の維持と経営の安定に重要な役割りを果たしてまいったのであります。
 しかしながら、現行法は、十年を経過した今日、運用の面において本農林水室業の経営の実態に適合しがたい欠陥があらわれてきたことはいなめない事実であります。すなわち、近時における日本の経済の高度成長は目ざましいものがありますが、一方においては経済のひずみを生じ、成長率の低い農業と他産業との格差はますます増大して、昭和三十六年に制定された農業基本法もいまでは空文化される運命に置かれておるわけであります。しかも、最近における、物価の著しい値上がりは、農林漁業の経営に対しても必要経費の増加と資本効率の低下を招き、自立経営の維持発展に重大な阻害となっております。
 さらに、わが国の置かれた地理的、気象的条件は、天災による被害が連年各地に発生し、特に農林漁業のこうむる損害は甚大なものがあります。
 もちろん、国においても、天災によるこれらの災害については立法措置及び行政措置を講じて対処してまいったのでありますが、この際すみやかに災害関係の諸制度の根本的検討を進め、災害復旧、災害補償、災害融資等についての国としての責任を明確にすべきであります。
 特に農業経営に必要な資金の需要は増加の一途を示し、生産資材等の価格の高騰とあわせて投入量においてもはなはだしく増大しており、農林漁業の経営は、本法制定当時と比較した場合、その実態に大きな変貌を来たしているにもかかわらず、現行法は旧態依然として運用されており、ほとんど全文にわたり、不合理、不適当な個所が指摘されるのであります。したがいまして、わが日本社会党といたしましては、近時における災害が農林漁業に与える影響と被害農林漁業者の経営の実態に留意し、この際、現行法に積極的な検討を加え、すなわち、被害者となり得る、要件の緩和、貸し付け限度額の引き上げ、貸し付け金利の引き下げ等貸し付け条件の緩和、利子補給及び損失補償の国庫補助率の引き上げ等について所要の改正を行なうことといたしたのであります。また本年度において本土を縦断した台風二十号の激甚災害、及び未曾有の被害をもたらした北海道の冷害に対しましても、本法を活用し、早急に対策を講ずる必要があると認められますので、両災害につきましても適用できるようにしようとしているのであります。
 以上が本改正案を提出した理由であります。
 次に、本法案の概要について申し上げます。
 第一点は、第二条第一、項の被害農林漁業者となり得る条件を緩和いたしまして、広く被害農林漁業に対し、天災資金の融通を受けられるようにしようとするものであります。すなわち、農業者であって農作物等の減収量が平年度の収獲量の三〇%以上であり、かつその損失額が平年度の総収入の一〇%以上である旨、または果樹等の損失額が被害時の三〇%以上である旨、市町村長が認定した場合は、被害農業者として本法による天災資金の貸し付けが受けられることとなっているのでありますが、この被害率を緩和し、農作物等の減収量の三〇%を二五%に、同損失額の一〇%を八%に、果樹等の損失額の三〇%を二五%にしようとするのであります。
  〔議長退席、副議長着席〕
 林業者につきましても同様に、薪炭等の損失額がその者の平年度の総収入の一〇%である旨、または炭がま等施設の損失額が被害時の五〇%以上である旨、市町村長の認定を受けた者が貸し付け対象者となっているのでありますが、この被害率を緩和し、薪炭等の損失額の一〇%を八%に、施設の損失額の五〇%を四〇%にしようとするものであります。また、漁業者等につきましても、同様に、魚類等の損失額がその者の平年度の総収入の一〇%である旨、または漁船、漁具等の損失額が被害時の五〇%以上である旨、市町村長の認定を受けた者が貸し付け対象者となっているのでありますが、この被害率を緩和し、魚数等の損失額の一〇%を八%に、漁船、漁具の損失額の五〇%を四〇%にしようとするものであります。
 第二点は、第二条第二項の特別被害農林漁業者となり得る条件を緩和いたしまして、被害農林漁業者のうちその大部分の者に対し特別低利資金を融通することができるようにしようとするものであります。すなわち、特別被害農業者として特別低利資金の貸し付けを受けることのできる農業者は、現行法においては、農作物等の損失額がその者の平年度の総収入の五〇%以上、開拓者の場合は三〇%以上である旨、または果樹等の損失額が被害時の五〇%以上、開拓者の場合は四〇%以上である旨、市町村長の認定を受けたものとなっているのでありますが、これらの被害率を緩和し、農作物等の損失額の五〇%を四〇%に、開拓者の三〇%を二五%にし、また、果樹等の損失額の五〇%を四〇%に、開拓者の四〇%を三五%にしようとするものであります。特別被害林業者につきましても、同様に、薪炭等の損失額がその者の平年度の総収入の五〇%以上である旨、または炭がま等の施設の損失額が被害時の七〇%以上である旨、市町村長の認定を受けた者が貸し付け対象者となっているのでありますが、この被害率を緩和し、薪炭等の損失額の五〇%を四〇%に、施設の損失額の七〇%を六〇%にしようとするものであります。
 また、特別被害漁業者につきましても、同様に、魚類等の損失額がその者の平年度の総収入の五〇%以上である旨、または漁船、漁具の損失額が被害時の七〇%以上である旨、市町村長の認定を受けた者が貸し付け対象者となっているのでありますが、この被害率を緩和し、魚類等の損失額の五〇%を四〇%に、漁船、漁具の損失額の七〇%を六〇%にしようとするものであります。
 さらに、現行法におきましては、特別被害農林漁業者としての条件を整えているにもかかわらず、その者の被害地が特別被害区域の指定を受けられないがために、特別低利資金の貸し付けを受けられないという大きな矛盾があるのであります。すなわち、法第二条第五項で、特別被害地域として指定を受けることのできる条件は、原則として旧市町村の区域の被害農林漁業者の中に特別被害者が一〇%以上ある区域となっているのであります。しかしながら、被害の深度は、指定地域であるがゆえに必ずその他の地域より大きいとは断定し得ないのでありまして、法の適用の公平を期するためにも、この際、この不合理な条件を廃止しようとしているのであります。
 第三点は、第二条第四項第一号から第三号までの経営資金及び同条第七項の事業資金についての貸し付け限度額の引き上げ及び貸し付け条件の緩和をはかるとともに、この際、農業法人等に対する貸し付け制度を新設し、本法の拡充をはかることといたしたのであります。すなわち、経営資金の貸し付け限度については、現行法の被害農業者に対する十五万円を四十万円に、北海道の地域にあっては、二十万円を五十万円に引き上げるとともに、農業法人に対しては四百万円を、北海道にあっては五百万円を限度として貸し付けようとするものであります。また、以上のように貸し付け限度が定められているにもかかわらず、現行法にあっては、被害額を基準として、政令で定めるところにより算出された額が法律で定めた貸し付け限度額よりも低い場合は、その低い額によるものと規定されているのであります。
 この政令により定められる率は、過去の政令のほとんどが被害額の三〇%と定めている関係上、貸し付け限度額が不当に制限されており、必要経営資金の額を大きく下回り、実情に沿わなくなっているのであります。したがって、少なくとも被害額の四〇%以上は貸し付けるべきであるとの観点に立って、政令にゆだねる最低率を四〇%以上とするように明定したのであります。また、償還期限及び貸し付け金利につきましても、貸し付け額の増額に伴いまして、農林漁業者の返済能力と経営に悪影響を与えない限界を考慮して、相当率の緩和をはかろうとしているのであります。すなわち、現行償還期限の五年以内を十年以内に延長するとともに、据え置き期間三年以内を新しく設けることとし、また、金利につきましても農林漁業の低収益性と災害資金の特質を考慮して、現行六分五厘を三分五厘に、開拓資金の五分五厘を三分に、特別低利資金の三分五厘は、二分に引き下げることとしているのであります。また、被害地域の農業協同組合等の事業資金についても、経営資金の条件緩和に伴いまして、貸し付け限度額、貸し付け条件の緩和をはかることとし、すなわち現行の貸し付け限度額の五百万円を一千万円に、連合会に対する貸し付け限度の一千万円を二千万円にするとともに、償還期限の三年以内を五年以内に、金利の年六分五厘を三分五厘にしようとするものであります。
 第四点は、第三条及び第四条の地方公共団体の負担する利子補給及び損失補償に対する国庫補助額の引き上げであります。災害を受けた農林漁業者の属する市町村及び都道府県の財政負担を軽減することは、被害農林漁業者に対する措置と同様に欠くべからざるものであり、激甚災害に対処するための財政援助等に関する法律もこの趣旨をくんで立法されたことは明かであります。したがいまして、地方公共団体の負担する利子補給及び損失補償につきましても、原則として全額を国庫で負担するようにしようとするものであります。すなわち、現行法の利子補給は、三分五厘資金にあっては、利子支払い額の五〇%またはその年の貸し付け額を年利二分五厘で計算した額のどちらか低い額となっておりますのを、基準利子の九分五厘と三分五厘の金利差の六分の利子の全額を国庫負担にしようとするものであります。開拓者の三分資金については、基準利子の九分五厘と三分の金利差の六分五厘の利子の全額を、また、特別被害農林漁業者に貸し付ける二分資金については、基準利子の九分五厘と二分との金利差の七分五厘の利子の全額を国庫補助しようとするものであります。かくのごとく市町村及び都道府県の利子補給分の全額を国庫補助することになった場合にあっても、市町村及び都道府県が被害農林漁業者の支払う利子の一部を補助することを禁じているわけではなく、その部分を補助したとしても、その補助金については、国庫は補助の対象としないこととしておるのであります。また、損失補償につきましては、現行法にては、損失補償額の五〇%か、または貸し付け額の年二分五厘で計算した額か、どちらか低い額を補助することとなっておりますのを、今回、全額国庫補助にしようとしているのであります。
 次に、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部改正について申し上げます。
 本案は、その内容が天災融資法の改正に伴いまして、その均衡上の改正部分のみでありますので、改正の趣旨につきましては、重複を避けるためこれを省略させていただくことといたし、改正の内容について申し上げます。
 第一点は、第八条一項の経営資金の貸し付け限度の引き上げ及び貸し付け条件の緩和についてであります。すなわち、現行法の貸し付け限度額は、二戸当たり二十万円、北海道については二十五万円であり、政令で定める者については五十万円となっておりますのを、二戸当たり六十万町に、北海道については七十万円に、政令で定める者については百万円とするほか、新たに農業法人等に対する貸し付けの道を開くこととし、その限度額は六二百万円に、北海道にあっては七百万円とすることとし、法人のうち、政令で定める者にあっては一千万円としようとするものであります。また、償還期限につきましても、現行の五年を十年とし、政令で定める者に貸し付ける資金についての七年を十三年にしようとするものであります。
 そのほか、被害地域の農業協同組合等に対する事業資金の貸し付け限度額及び貸し付け条件の緩和については、組合に対する一千万円を二千万円に、連合会にあっては一千五百万円を三千万円に引き上げることといたしたのであります。
 次に、本案の附則において、本法は昭和三十九年七月一日以降の天災または災害につき適用することといたしたのでありますが、これは先ほど申し述べたとおり、台風二十号及び北海道の未曾有の冷害が激甚であることにかんがみて、本法をこれらの災害に適用する必要があるためであります。
 以上、この法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)
#42
○副議長(重政庸徳君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。吉田忠三郎君。
   〔吉田忠三郎君登壇、拍手〕
#43
○吉田忠三郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問するものでございます。
 提案理由説明でも明らかなように、改正せんとする趣旨は、第四十六国会終了後今日までの各様の天災、特に北海道における冷害に対処するものであると存ずるのであります。御承知のとおり、本年、北海道の冷害による被害総額は五百七十三億をこえるものでございます。被害農家十五万戸をこえ、その被害の規模と深さは、かつてないものであります。
 さて、今次災害を顧みるときに、明らかに私は天災であると言わざるを得ません。また、人災であると言って差しつかえないと思います。ことばをかえて申し上げますれば、多年にわたる政府の農業政策の欠陥が一挙に今日集積された政治災害であると申しても、私はあえて過言ではないと思うのであります。(拍手)このことは、今日、日本農業と農民は、政府の農業政策の破綻によって、経営と生活は危機に瀕しております。特に北海道農業にその現象があらわれ、農民は債負の累積と本年の冷害で、さらにきびしい重圧を加えられているのであります。すでに生活と経営は破壊され、飯米さえ持たぬ者が多数出ており、学生、学童の中には、昼食を持参せず通学する子供も多く、中には営農の希望を失い、絶望のあまり家族とともに死を選ぶ、まことに痛ましい犠牲者も出ているのであります。これらは、私は、まさに政府の貧困なる農業政策と、一面においては社会保障政策の欠除による犠牲であることを、指摘せざるを得ないのであります。
 したがって、私はこの際、第一に、災害の補償と被害者の救済は国の責任で実施されなければならないことを佐藤総理大臣に要求するものであります。そしてまた、緊急にして万全なる冷害対策はもとよりではございますけれども、これらの根本的な解決は、わが国の農業と農民の生活と経営を守る農業政策の確立と完全なる社会保障政策の確立以外にはないと私は考えます。この際、佐藤総理の御所見を承りたいのであります。
 さらに、総理にお伺いいたす第二の問題は、従来ややもすると、災害対策にあたり、天災は不可抗力である云々という政府並びに官僚諸君がよく使う常用語であります。私は、このことば、そうしてまたこの思想に、根本的な問題があると考えるのであります。われわれは、現代の進歩せる科学を駆使し、政治の英知と勇気と情熱によって、政府各級機関と、そうしてまた国民大衆の協力を動員いたし、断固としてこのおそるべき自然の暴威と戦い、未然に災害を防ぐとともに、発生した災害をも克服をしなければならないし、また私はなし得ると思うのであります。災害対策基本法によりますれば、防災全般についての対策を樹立することになっております。この中には、今次冷害、つまり北海道の異常低温にかかわる冷湿害なる自然現象について、もちろんその事前予防のための科学的研究等々、中央防災会議の会長である総理は、これらについて具体的にどのような指示を与えたか、いかなる対策を今日まで進めてこられたのか、北方農業振興対策を含めてこの際承り、総理の明快なる答弁を求めるものであります。
 次に、天災融資法の改正についてであります。提案理由でその説明が若干ございました。現行法、すなわち天災融資法は、わが党提案者も申したとおり、昭和三十年に議員立法として制定されたものであります。農林漁業災害に対する融資制度として、自来十年間にわたり、農林漁業の経営及び再生産に必要な資金を現在まで融通する措置を講じ、生産力の維持と経営の安定にかなり重要な役割りを果してまいりましたことは、御承知のとおりであります。しかしながら、現行法はすでに十年一昔を経過をいたしておりまするので、今日、運用の面においては、農林水産業の経営の実態に適応しがたい欠陥があらわれてきていることは、これまたいなめない事実であります。加えて、高度経済成長政策の失敗から、成長率の低い農業と他産業との格差はますます増大をしています。昭和二千六年に制定された農業基本法も、いまでは空文化される運命にあると私は考えます。しかも、最近における物価値上がりはたいへんなものでございます。これが直接間接的に農家経営の必要経費増を余儀なくされ、全国農家二戸当たり平均現金支出は、昭和三十年は七万六千円であったものが、三十八年には十五万二千円で、一九九・七%、飼料二五〇%、農機具またしかりで一五七%となっているのであります。したがって、これらが資本効率の低下を招き、自立経営の維持発展に重大な阻害となっています。総理は、これらの現状認識をいかに分析し、そして把握をされ、具体的に、その打開策、すなわち災害関係の諸制度の根本的な検討、災害復旧、災害補償、災害融資等について、この際、国としてその責任を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 次に、農林大臣にお伺いをいたします。
 前に申し述べたとおり、生産資材の価格の高騰とあわせて、投入量においてもはなはだしく増大をしております。農林漁業の経営は、本法制定当時と比較した場合、その実態に大きな変貌をきたしたにもかかわらず、現行法は旧態依然として運用されているのであります。ほとんど全文にわたり、今日では、不合理、不適当なものとして指摘されなければなりません。したがって、近時における災害が農林漁業者に与える影響と被害はきわめて大きなものでございますだけに、農林漁業者の経営の実態を私は留意いたし、この際、現行法に積極的な検討を加え、すなわち、被害者となり得る要件の緩和、貸し付け限度額の引き上げ、貸し付け金利の引き下げ、貸し付け条件の緩和、利子補給及び損失の補償の国庫補助率の引き上げ等について抜本的な改正を行ない、本年度における本土を襲った台風二十号の激甚災害はもとより、未曾有の被害をもたらした北海道の冷害に対処すべきであると考えます。
 私は、かかる立場から、第一に、被害農林漁業者になり得る条件緩和についてお伺いをいたします。政府提案では、現行法の諸条件を基準といたしまして、その二〇%程度の条件緩和を若干いたそうといたしておりまするけれども、この際、思い切った大幅な改正をいたし、さらに、一歩広く被害農林漁業者に対する本法適用、天災資金の融通を受けられるようにすべきではないか。具体的には、本日同時議題となりまして、先刻御承知のようなわが党の提案の説明がございましたが、政府は、この際、このわが党提案にかかる「天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案」を、そのまま本法として採用いたし、法の適用公平の原則からしても、現行法の不合理なる条件を廃止をいたし、幾多の矛盾を是正をして、もって被害農林漁業者を救わなければならないものと私は考えるのであります。この際、農林大臣の御所見はいかがでございましょうか、お聞かせ願いたいのであります。
 次に、金利についてであります。御承知のように第四十六国会におきまして、池田前首相が、必要があれば年二分の資金を貸し付けることをも考えると言明をいたしているのであります。今日、農家経営を圧迫している原因は幾つかございます。その重要な原因の一つに、多額の負債があることです。借金で苦しんでいる農家が災害にあい、生活のしようがない、心ならずもまた借金をしなければならない。これではとうてい農業を持続していける道理はないのであります。かかる現象が、私は、前池田総理大臣の言う、必要があればのことばに尽きると存じます。財政、金融、金利引き下げについて、この際、大蔵大臣の考え方を聞かしていただきたいと思うのであります。
 災害対策は、決して融資だけではないはずです。その根本的な対策は、災害によるすべての損失を完全に補てんするものでなくてはなりません。私は、このために政府は、本改正法案のみではなく、日本農業全般にわたる、いわゆる農業政策の一環として、その関係法律をもすみやかに抜本的に改正する必要があると存じまするが、政府の所信と、最後に、ただいままでの私の質問に対し、関係閣僚の明快な答弁を強く期待をいたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#44
○国務大臣(佐藤榮作君) 災害のないことを心から願っておりましたが、ことしもまた、地震、水害、冷害等々、災害が次々に起こりまして、多数の罹災者をみましたことは、まことに皆さん方に対しましても、罹災者に対しましても、お気の毒に思います。心からまず第一にお見舞いを申し上げます。
 ただいま、この災害対策について基本的な態度をいろいろお尋ねになりました。農業政策の基本的なものがないからではないか、あるいは社会保障制度が、十分これに思いがいたされてないからではないか、こういうような基本的なお話がございました。しかし、吉田さんも御存じのように、農業基本法ができ、そうしてその線に沿ってあらゆる施策を講じつつあります。また、基本的な施設についての国家的補助もすでに行なわれていることは御承知のとおりであります。また、災害が一たん起きた場合に、その方々に対しまして、社会保障制度、これが役立つこともよくわかります。私どもは、災害を未然に防ぐ、こういう意味で、災害が起こる前にその状態を整備すること、これにつきましてはあらゆる努力をしなければならないと思います。また御指摘のように、災害はいわゆる施設災害、また農作物災害、この二つに分かれておりまして、その施設災害に対しては早期復旧を政府も助成をし、また農作物の災害に対しては補償等の施策を講じていることはすでに御承知でありますから、詳しくは申し上げません。さらに、災害防除に対してあらゆる科学技術を使え、――お説のとおりだと思います。今日の科学技術の進歩したその姿をもってすれば、自然の悪条件を必ず克服し得る、かように私は思いますので、そういう意味の科学技術の使い方、これはもちろん考えていかなければならない。また、私が中央において議長をいたしておりますその職責におきましては、気象庁や科学技術庁を動員いたしまして、そうして長期にわたる天候の見通し、これなどは最もそれが事実に適合しておればたいへん役立つことだと思います。今日までの長期気象観測はまだまだ十分だとは思いませんが、これができておれば台風等の被害を最小限度にとどめ得る。また、今回生じました北海道の冷害などもさらにくふうする余地があったのではないか、かようにも思いますので、今後とも、気象庁、さらにまた、科学技術庁を動員いたしまして、先ほど申すような科学技術、これをこの方面にも役立てたいと、かように考えます。
 また、寒冷地についていかようなことを行なうか、こういうお尋ねでございましたが、私も、かつて北海道開発庁長官をいたしまして、北海道の土地柄、寒冷性の品種、そういう作物を推奨するとか、あるいは土壌の改善につきまして、特に泥炭地や、さらに火山灰地帯、強粘結土壌、こういうような地点に対します特別な改良工事をする、こういうことで酪農なども奨励してまいりましたが、適地適作、これについては特に力を入れていただかねばならないような問題のように思います。
 また、この災害のうちで、施設あるいは農作物については大体の政府の考え方を申しましたが、同時に、個人財産の被害、これを天災でこうむった被害については、個人財産といえども、政府が全部責任を持ってこれを処理しろ、こういうようなお話があったかと思いますが、ただいままでのところ、補償あるいは補てん、こういう点につきましては、政府は個人財産についてまで全部を納税者の責任で処理するということは、どうも考えかねるのであります。個人財産につきましては、まず個人の方々のみずからの力で立ち上がっていただくことを念願をし、同時に、その足らない点を政府が補助し、育成していく、かような考え方でございますので、ただいままで、その補助率をもう少し上げろとか、あるいは助成率を上げろとか、こういう方向でいろいろ研究されておる、かように私は承知いたしておりますが、いずれにいたしましても、災害をこうむられた方々に対して、心から御同情を申し上げ、そうして一日も早く再起される元気を出していただくようにお祈りする次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣赤城宗徳君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(赤城宗徳君) 天災融資法の対象条件等をもっと緩和したらどうかという御質問でございます。被害農林漁業者は、自力のみでは天災による被害から立ち上がれない、こういうのに限定して所要の援助を行なっているのでございまして、災害対策といたしましては、このほかに助成とか保険等もありますので、農林漁業経営の実績から見まして、現在の条件が酷だと、こういうふうに考えておりませんので、当分の間いまの条件でやっていきたいと思います。
 貸し付け限度額をもっと上げたらどうか、こういうことでございます。これは最新の統計等によりまして、現金の経営費はどの程度であるかということを勘案してこのたび貸し付け限度額を上げたのでございますので、このたびの措置がおおむね妥当であると私どもは考えておるわけでございます。
 金利の面についてのお尋ねがございました。現行天災融資法の金利は、御承知のように、特別被害者の場合は三分五厘、普通の被害者の場合は、開拓者については五分五厘、その他六分五厘となっております。このうち、三分五厘は、現在ある各種の制度金融中、最低の金利でございます。その他の金利についても、他の制度金融における金利との均衡を考慮しなければならないのでありますので、当面これ以上にすることは非常にむずかしいと思います。なお、災害の実態を考慮して、必要がありまするならば、今後の課題として金利の問題を検討していきたいと、こう考えております。(拍手)
   〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(田中角榮君) 天災融資法の改正につきましては、災害を受けた農林漁業者の資金需要の増大に対処いたしまして、経営資金の貸し付け限度額の引き上げ、第二には、法人に対する特別の貸し付け限度額の設定等の改正を行ないますとともに、激甚災害法が適用される場合の貸し付け限度額につきまして必要な引き上げを行なったものでございます。個人で激甚災害法が適用される場合には、北海道では四十万円、内地では二十五万円まで融資を受け縛ることになりまして、この改正が行なわれることも考慮いたしまして、北海道冷害に対する天災融資法による融資ワクは、さきに決定配分をいたしました四十五億円を、約百億円程度に増額を検討中でございます。その意味におきまして、被災者の資金需要に対しましては、大体対処できるものと考えておるわけでございます。
 なお、被災農民の災害復旧施策等につきましては、以後も前向きで対処してまいりたいと存じます。(拍手)
#47
○副議長(重政庸徳君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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