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1964/12/17 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 法務委員会 第6号
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1964/12/17 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 法務委員会 第6号

#1
第047回国会 法務委員会 第6号
昭和三十九年十二月十七日(木曜日)
   午後一時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十六日
    辞任         補欠選任
     山口 重彦君     小宮市太郎君
 十二月十七日
    辞任         補欠選任
     吉武 恵市君     大谷藤之助君
     鈴木 万平君     塩見 俊二君
     牛田  寛君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         木島 義夫君
    理 事
                後藤 義隆君
                迫水 久常君
                稲葉 誠一君
    委 員
                植木 光教君
                大谷藤之助君
                塩見 俊二君
                中山 福藏君
                小宮市太郎君
                山高しげり君
   国務大臣
       法 務 大 臣  高橋  等君
   政府委員
       警察庁保安局長  大津 英男君
       法務政務次官   大坪 保雄君
       法務省民事局長  平賀 健太君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局第一
       課長       長井  澄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        西村 高兄君
   説明員
       法務大臣官房経
       理部長      新谷 正夫君
       法務省人権擁護
       局長       鈴木信次郎君
       水産庁漁政部長  山中 義一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○戦争犯罪裁判関係者に対する補償に関する請願
 (第三号)(第一〇一号)(第一四一号)(第
 一六五号)(第二一八号)(第二四八号)(第
 四五一号)
○静岡保護観察所、静岡地方公安調査庁合同庁舎
 新宿に関する請願(第二三号)
○改正刑法準備草案第三百六十七条反対に関する
 請願(第四四七号)(第五四四号)(第六三三
 号)(第六八九号)
○仙台高等裁判所秋田支部の存置に関する請願
 (第七四二号)(第八三〇号)
○保護司に対する実費弁償金増額等に関する請願
 (第七六二号)(第八三三号)
○継続審査要求に関する作
○継続調査要求に関する件
○検察及び裁判の運営等に関する調査(福岡漁業
 組合員に対する人権侵犯事件に関する件)(法
 務局職員の待遇等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(木島義夫君) これより法務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 本日、鈴木が平君、吉武恵市君が辞任され、塩見俊二君、大谷藤之助君が選任されました。
 なお、本日、牛田寛君が辞任されましたが、その補欠は原島宏治君の逝去に伴う調整につき欠員となりますので、御報告いたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(木島義夫君) 次に、請願の審査を行ないます。
 請願第三号戦争犯罪裁判関係者に対する補償に関する請願外土五件を一括して議題といたします。
 便宜速記を中止して御協議を願います。速記を中止してください。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(木島義夫君) それでは速記をつけてください。
 ただいま速記中止、中に御協議をいただきましたとおり、静岡保護観察所、静岡地方公安調査庁合同庁舎新営に関するもの一件、仙台高等裁判所秋田支部の存置に関するもの二件、保護司に対する実費弁償金増額等に関するもの二件、すなわち、請願第二三号、七四二号、八三〇号、七六二号、八三三号、以上五件の請願は、これを議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(木島義夫君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(木島義夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(木島義夫君) 次に、継続審査要求についておはかりいたします。
 鉄道公安職員の職務に関する法律を廃止する法律案、売春防止法の一部を改正する法律案、以上二法案につきましては、会期中に審査を終了することが困難でありますので、閉会中もなお審査を継続することとし、本院規則第五十三条により、右二法案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(木島義夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(木島義夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(木島義夫君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。
 当委員会は、検察及び裁判の運営等に関する調査を行なってまいりましたが、本調査は、会期中にこれを完了することが困難でありますので、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと任じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(木島義夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(木島義夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#13
○委員長(木島義夫君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 まず、福岡漁業組合員に対する人権侵犯事件に関する件について調査を行ないます。小宮君。
#14
○小宮市太郎君 まず、初めに警察庁の保安局長にちょっとお尋ねしたいと思います。
 有明海には最近ノリの養殖が非常に盛んになりまして、そのノリの養殖について最近はかなりの成績をあげているわけであります。ところが、その成績をあげている反面、違反漁業といいますか、違反の事件がかなりあるわけなんです。と申しますのは、無免許でノリヒビを建て込んでいるというような事件、あるいは、農林省がきめていない地域に養殖をしている、こういうような違反、あるいはまた、一方、落ちノリということで、そういうものを理由にして、あるいはそういうものに便乗してノリをどろぼうするといいますか、そういうノリどろというのが最近は非常に多いということを聞いているわけですが、こういう点についてどのように措置されているのか、どのように取り締まられているのか、この点をまずお聞きしたい。
#15
○政府委員(大津英男君) ちょっと参りますのがおくれましたため、初めのほうの部分を聞き漏らしましたが、有明海の無免許の漁業、あるいはノリヒビの取り締まりの状況についてということで答弁申し上げてよろしゅうございますか。
#16
○小宮市太郎君 ええ、そうです。
#17
○政府委員(大津英男君) 最近、有明の無免許漁業、ノリヒビを荒らす事犯が増加する傾向にあるということで、沿洋地の警察におきましては、県の水産課それから各漁業協同組合などと連絡をとりまして、悪質事犯を中心にした取り締まりを実施しておるという次第でございまして、状況を申し上げたいと思います。
 福岡県におきましては、昭和三十八年の十月から三十九年の二月までの間におきまして、百十九回、船を二百二十八そう、警察官を二百九十四人動員をいたしまして取り締まりを行なってまいりまして、ノリの窃盗の発生八十件、検挙四件、九人ということでございます。それから無許可落ちノリの採取三十五件、二十二名、それから許可条件の違反九件、十一名、落ちノリ採取制限違反五件、七名、それから傷害の発生一件、検挙一件、それから器物毀棄の発生一件、検挙一件という検挙状況でございます。さらに、三十九年の十月から十二月十五日までの間におきまして、五十四回、船が四十九そう、警察官百三十五人が出動いたしまして、ノリの窃盗の発生が五十二件でございますが、検挙はございません。被害品としましては、網が七百七枚、ノリが三千三百五十六キロ、被害金額が三百十八万一千円。それからノリヒビの不法建て込み一件、これは警告によりまして自主撤去したという形になっております。
 それから佐賀県では、三十九年一月から十月までの間におきまして、脅迫が一件、一人、無免許漁業が四件、四人、漁業制限違反九件、九人、それから落ちノリ採取制限違反六十一件、六十一人を検挙いたしておりますが、脅迫を除きました他の事犯につきましては、被疑者が零細漁民であるということと、違反が軽微であるということを考慮しまして、説諭で済ましておるという状況でございます。
 それから熊本県におきましては、やはり本年の一月から十月までの間におきまして、漁業協同組合員による背任横領事件で十一件、十人、それから窃盗の発生一件、検挙一件、臓物故買一件、一人、こういう検挙を行なっておる、こういう状況でございます。
#18
○小宮市太郎君 そうしますと、三十九年の十二月現在というのはまだ把握していないわけでございますね。
#19
○政府委員(大津英男君) いまちょっとお話し申し上げましたとおりでございますが、十二月の現在の状況につきましては、一部かかっておりますが、はっきりつかめていない面がまだ残っております。
#20
○小宮市太郎君 ここに私は新聞の切り抜きを持ってきておるわけです。それは三十九年十一月二十六日の西日本新聞と短日新聞です。西日本新聞によりますと、「強制撤去を延期、二十八日まで無免許ノリヒビ」、こういう書きだしで内容が書かれているわけです。その内容を見てまいりますと、「水産庁有明海漁業調整事務局は、有明海北部の福岡、佐賀両県地先、約一万二千ヘクタールの農林大臣管轄区域内のノリ漁場に千コマ近い無免許ノリヒビが立て込まれているため、二十五日から強制撤去することにしていたが、二十四日午後、漁民代表から、同水域関係の二十三漁協が総会などを開いて話し合った結果、自主的に無免許ノリヒビを撤去するから二十八日まで強制措置を待ってほしいと同市事務局に申し入れたため、水産庁は二十八日まで強制撤去を行なわず漁民の動きを見守ることにした。しかし、同事務局は「二十八日までに自主撤去をしない場合は二十九日から方針どおり強制撤去作業を行なう」といっている。」さらに、それに引き続いて、「あす取り締まり状況を視察、県警本部長」、こう見出しを出して、「三宅福岡県警本部長は有明海ノリ漁場取り締まり状況視察のため二十六日大牟田市を訪れる。三宅本部長は同日午後三時半福岡市をヘリコプターで出発、大牟田署の不知火号など取り締まり船団の活躍を空から視察、同四時半過ぎ同市記念グラウンドに着陸、大牟田署の取り締まり状況について説明をうけた後、ノリ業者との懇談会に出席する。なお森防犯部長も同行の予定。」、こういうように報じておるのですけれども、そのことはわかっておりませんか。
#21
○政府委員(大津英男君) 新聞の点は、私ども読んでおりませんからわからないのでございますが、私どもつい先ほどまで報告を聞いておりましたところでは、不法な建て込みの状況が現在約三カ所、千五百コマ、約百五十町歩に及んでおって、福岡県の水産課では、十二月の七日及び十日の二回にわたって、漁業協同組合長に対して、十二月十五日までの期限を付しての自主撤去を強く勧告をしておる、それに従わないときは強制撤去を行なうという意向も漏らしておる、こういうふうな報告は聞いておるのであります。
#22
○小宮市太郎君 そうしますと、たいへん食い違っておるような気がするのです。相当食い違いがあると思う。私はそれでこういう資料をいただきました。確かにいま御答弁なさったように、大牟田の三浦漁業協同組合の組合長理事吉田広江から昭和三十九年十二月五日付の組合員に対する通達が行っております。その通達によると、「不法建込漁場撤去に関する件」「標記の件に関しては度々警告を発して来ましたが、此儘放置すれば漁場の統制は乱れ、今後組合の運営にも支障を来たし、調整委員会、県当局からも強制撤去を命ぜらるる恐れもありますので、役員会の決定に従ひ、自主撤去をする小になりましたので、万一撤去に該当するものがあれば十二月十一日迄に自発的に撤去されるやう警告致します」「記、一、撤去該当小間調査昭和三十九年十二月十一日、二、組合の一斉撤去昭和三十九年十二月十二日、午前八時集合、全組合員集合の上部落役員の指示に従うこと。以上」、こういう通告を組合員にはしているわけです。ところが、内容等いろいろ聞いてみると、非常に食い違いが多いわけですね。一体、どういうようにやっているのかさっぱりわからぬわけですが、あなたのほうで的確な把握がなされていないんじゃないでしょうか、どうでしょう。
#23
○政府委員(大津英男君) 先ほど申し上げましたような報告を受けておるわけでございまして、警察としても取り締まりはやっておりまするが、こういう不法建て込みの撤去につきましては、水産課が自主的にやらせるという線でいつも例年成功しておるということだというようなことも聞いておりますので、自主撤去が今度の勧告で行なわれるものと期待しておるのではないかと、かような見方をしているわけであります。
#24
○小宮市太郎君 いまずうっと組合の通達やあるいは実際に県の警察等の取り締まりの視察等を考えていくと、あなたのおっしゃるようなスムーズな自主撤去というのは行なわれていないんじゃないかということが非常に濃厚になってくるわけです。しかも、水産庁等に県を通じて報告なさるときにはきれいな文章で上がってきましょうから、非常にうまくいっているように考えられると思いますけれども、これからまた私はたくさんお聞きいたしますけれども、そういうものを考え合わせると、何となく不明朗な感じを持つわけなんです。こう時間的にずうっとずれてまいりますものですからね。というのは、一番住民が不審に思っていることが一つ新聞にあるわけです。毎日新聞にこう書いてある。「ノリ漁業取り締まりを視察、県警本部長」、こういう見出しですが、「県警本部の三宅本部長と森防犯部長は、二十六日午後三時県警ヘリコプターで、有明海のノリ不法漁業取り締まり状況を視察する。同海域では、大牟田、柳川、大川各署の取り締まり船のほか、三池海上保安部の巡視艇も出て警戒に当たっている。こん、どの視察は海、空、陸の立体取り締まりの実情を掌握し、こんごの対策を確立しようというねらい。同本部長は、一時間半にわたる視察のあと、同四時半、大牟田市記念グラウンドにおりて、同市大正町二丁目の料亭“ひな菊”で、地元ノリ業者と懇談する。」と、こう書いてある。だから、そういうのをずうっと見ると、何かしら大衆は、せっかく取り締まりがきびしくやられておるということだけれども、何かそこらで都合よく話がまとまってうやむやになるのじゃないかという危惧を非常に強く持っているわけですね。どうでしょう、こういう点は。
#25
○政府委員(大津英男君) そのことは、私先ほど申し上げましたように、報告を受けておらないからわからないのでございますけれども、ただ、いままでの取り締まりの実績を見てまいりまして、非常に広い海域にわたってそういう違反が行なわれておる、また、これを取り締まっていく場合においては、警察が船を出す、そうしてこれを現行犯で見つける、あるいはそれができなければまたあとで捜査をして検討するということもやっていかなければならないわけでございまするし、捜査が人手の面あるいは装備の面いろいろな面から非常に困難があるので、ヘリコプターで空からこれを視察をするということによって取り締まりの計画、あり方、体制というものをはっきり把握するために本部長はヘリコプターでそういうこともやる必要があると思います。
 また、本部長でなしに、実際に取り締まりに当たる者がヘリコプターを利用して違反が行なわれておるかどうかということを確かめるためにヘリコプターを使う方法もまたそこで考えておるということもあると思いまするし、その他、夜間などは照明弾を打ち上げまして明るくすることによってそういう違反がないように予防、警告の措置をやり、また現に行なわれておるならばそれを確認して検挙することができるようにするとかいうような方法を現地の警察においては計画し、実施をしておるわけでございまして、業者との間でいろいろ陳情あるいは懇談ということがありましても、警察の取り締まらなければならないものは断固として取り締まるという態度には一つも変わりはないと、かように考えておる次第でございます。
#26
○小宮市太郎君 私が大牟田の人間でなければ、私はそれ引き下がります。そういうことでなるほどうまくいっているだろうと引き下がります。ところが、私はあそこに五十数年住んでおるんです。もの心がわかってから四十何年いるんですから、大体その海の動きというものも知っております。だから、いまのようなお話で、ヘリコプターで上から調査する、花火を上げたりして合い図をしていろいろなことをする、これは捜査の技術として当然でしょう、当然だと思うんです。ところが、いままでそういう不法建て込みということが実際にシビアーに行なわれていないんですよ。やっぱり話し合いで若干の緩和といいますかそういうものが行なわれている事実を私知っておるんです。それをとり上げていまとやかく申し上げません。申し上げませんけれども、しかし、いまおっしゃったように、いろいろな相談をするのに漁連の組合長あるいは漁連関係の方々と懇談をするということは、これは当然行なわなければならぬ。スムーズにいくことであればそれでけっこうだ。それに反対するものじゃありません。しかし、私はいま言う料亭で云々というのは、新聞のそのとおりを私申し上げました。ところが、ここに書かれている料亭云々というのには相当いろいろなトラブルがあるんですよ。私はここでそのトラブルを一々裁判所でありませんから申し上げたいとは思いません。しかし、そういう具体的な問題をもう少し掘り下げて調査をしていただかなければ、住民の納得する調査というものができぬのじゃないかと、こういうふうに思うのですが、その点はいかがでしょう。
#27
○政府委員(大津英男君) もしそういう点で誤解を受けるようなことがあるということでございますれば、お説のとおりにその疑いが晴れるような措置を当然とるべきだと思いまするし、今度の場合がそういうことに当たっているかどうかということも、私のほうでまたよく調査してみたいと、かように考えております。
#28
○小宮市太郎君 そこで、警察庁だけにいつまでもお聞きしても始まらぬわけですから、ぜひお願いしたいことは、いま立体的な調査が行なわれる。空からヘリコプター、それから保安庁、警察等の取り締まりが行なわれておりますから、実際に不法建て込み等がシビアーにやられておるかどうか、確実にやられておるかどうかという点をもっと調査をしていただきたい。もし、そういう点がルーズになっておれば、やはりこれは住民の福祉のためでございますから、数人の利益のためじゃないのでございますから、厳重にひとつやっていただきたいということを申し上げたいと思います。
 なお、お願いしたいことは、もう少し調査の内容を明らかにしておいていただきたい、こういうふうに考えます、いかがでしょう、できましょうか。
#29
○政府委員(大津英男君) 御趣旨のようにやってまいりたいと、かように考えます。
#30
○小宮市太郎君 それでは、直接この人権擁護の問題についてお尋ねをいたしたいと思いますが、さっき私がお尋ねをいたしました有明海には、福岡県に二十三の漁業協同組合があるのです。その一つに、三浦漁業協同組合というのがある。その三浦漁業協同組合の組合員の三名を除名したという事件が起こったわけです。その除名されたのは、三十九年五月二十三日の組合の臨時総会において、名前は坂井義行、山本又男、古賀長一、この三名の者が臨時総会で除名された。六月の八日に組合から除名処分通知書がそれぞれ届いております。そこで、この三名は、さっそく福岡地方裁判所大牟田支部に地位保全の仮処分申請をいたしました。ところが、その申請は、昭和三十九年六月十一日、福岡地方裁判所大牟田支部裁判長高橋義夫氏のところで審理されまして、「当該申請人は本案判決決定に至るまで被申請人組合の組合員たる地位を保有することを仮に確定する」というこういう決定をみたわけであります。そこで、この三名は、さっそく組合に参りまして、地位保全の仮処分申請が決定したのであるから、組合員と同様に取り扱ってもらいたい、こういうことを申し入れたところ、組合は、組合の決定どおりに行なうのだから、君らの決定は決定だろうけれども、組合としては、それを聞くわけにいかぬと言って何らこれに対して取り上げようといたさないで今日に至っております。
 こういう点について、先ほど来しきりに基本的人権は守らなければならぬ、特に長い間人権擁護の週間等を設けて人権を侵されていないのかということでそれぞれ法務局は国民に訴えておりますけれども、現実にこういう人権がそこなわれておるというのに対して、一体どういう措置を考えてあるのか、大臣にお聞きしたいのですけれども、まだお見えになっていないようですから、人権擁護局長にお尋ねしたいと思います。
#31
○説明員(鈴木信次郎君) 人権擁護機関でただいま御指摘の事件についてどういうふうにしたかという一応の経過を御説明いたしまして、それからそれに対する意見と申しますか解決の方針を御説明いたしたいと思います。
 この事件につきましては、本年の六月四日に、福岡県法務局におきまして、御指摘のとおり、被害者坂井義行、山本又男、古賀長一という三名の方からの申告に基づきまして、人権侵犯一件として受理いたしまして、現在同局において調査中であります。
 申告事実内容は、三浦漁業協同組合組合長は理事の吉田広江という方でありますが、この三浦漁業協同組合は、昭和三十九年の五月二十三日、臨時総会におきまして、組合員であるいまの坂井義行、山本又男、古賀長一の三名を除名処分に付したのであります。その除名処分の理由といたしますところは、これら三名の方につきまして次のような事実があった。まず第一に、昭和三十三年度の有明海区漁業調整委員の選挙にあたりまして、名組合長を委員候補者として推奨するという同組合の従来からの申し合わせに反して、坂井が立候補し、その選挙運動にあたって組合運営及び組合長を誹謗したというのが第一点。それから第二といたしまして、右行動につき組合除名問題が生じた際、組合と右三名との間で、ノリ養殖場一コマ減反の不利益処分を代償として除名を見合わせる話し合いが成立したところ、その後になって減反処分は不法行為であるとして福岡地裁の大牟田支部に訴訟を提起したというのが第二点。第三点は、監督官庁である県に対しまして、組合が無許可地区にノリヒビを建てているという事実に反する申し立てをしたというのであります。それから第四点といたしまして、本年五月九日、組合員及び一般人に対し、次期組合総会において組合運営は非民主的であるゆえ改善を求める件、及び虚偽の事実である組合長の三千万円の浮き貸し事件の真相報告を求める件につき緊急動議を提出するので賛成を求めるという趣旨のパンフレットを配付し、もって組合の信用を失墜させたという、以上の四つの理由で除名された。ところが、これらはいずれも正当な行為であるから除名の理由とはならないにもかかわらず、不当に除名したものであり、それによって三名の生存権を脅かしているから救済してもらいたい、こういう申し立てでございます。
 これにつきまして、福岡の法務局で調査いたしましたが、なお現在調査中でありますが、現在までに判明したところは、大体次のとおりであります。すなわち、第一点につきましては、有明海区漁業調整委員会の設置海区区域内には相手方組合等二十三の組合が存し、同委員会は十名の委員をもって構成されております。で、相手方組合は従来から同委員には一般組合員からは立候補することなく組合長を委員候補に推せんするとの申し合わせがなされ、また組合相互間におきましても立候補を調整して無投票当選をもって選出するという暗黙の約束がかわされていたのであります。ところが、坂井はこのような選出方法を納得しかね、正当な手続を経て右委員選挙に立候補したものであって、その選挙運動にあたり、組合運営が非民主的であるとか、対立候補たる組合長は個人的に調整委員として不適格である旨の選挙演説を行なったことが認められるのであります。第二点につきましては、右坂井らの行動に対し、組合は組合員として許せざる行動であるとして総代会において坂井及び選挙運動に参加した六名の除名を決議し、総会において正式に除名されることが必至となりました。ちょうどそのころノリの仕込み時期が到来したため、除名されてから救済を願い出たのでは時期を失するので、やむを得ず全総代の方に陳謝して回り、結局組合が提示した条件に従い、わび状、誓約書を提出しノリ養殖場一コマ減反処分を認め、かつ、組合が本問題について必要とした会議費十万九百四十二円を損害金として支払うということで話し合いがつき、除名を免れたのであります。しかるに、その後になって坂井は右ノリ養殖場一コマ減反処分は不法行為であるとして、組合を相手どって訴訟を提起したのであります。第三点につきましては、坂井が監督官庁である県に対し組合が無許可地区にノリヒビを不当に建てている旨直接申し立てたのでありますが、県係官が調査した結果ではそのような事実はないということが判明したのであります。第四点につきましては、本年五月九日、昭和三十九年度通常総会に先立ちましてノリ養殖業者大会が開催された際、総会におきまして緊急動議として提案する事項として、組合長の三千万円の浮き貸し事件の真相報告を求める件など三件を記載したパンフレットを坂井ら三名の連署で右大会終了後会場から出て来る組合員に配付したということが認められますが、一般人に対してこれを配付したという事実は認められないのであります。
 ところで、これまた御指摘のように、坂井らが右除名処分の効力を争う前提といたしまして、福岡地裁の大牟田支部に地位保全の仮処分の申請をしたところ、本年の九月十一日――先ほど六月という御指摘でございましたが、私どもに対する報告では九月になっております。九月十一日、「本案判決決定に至るまで組合員たる地位を保有することを仮に確定する」という決定を受けたのであります。ところが、組合は、組合員七百余名の擁護のため、坂井ら三名の犠牲はやむを得ないとして、右裁判所の決定には応じられないとの態度を示し、坂井らに対し本年度ノリ漁場の配分をなさず、資材の供給も一切拒否し、組合員としての処遇を与えていないのであります。坂井らはノリの漁業収入によって生計を立てていたものであるため、生活に脅威を与えられるという事実が認められるのであります。
 そこで、せっかく仮処分命令で「組合員たる地位を保有することを仮に確定する」となっても、これでは何ら効果がないじゃないかという御指摘でございますが、結局、これは根本的には、ただいま申しました除名処分の効力、除名処分が有効かどうかという問題であります。これにつきましては、裁判所の判断にゆだねざるを得ないと思うのであります。しかしながら、地位保全の仮処分命令があったにもかかわりませず、これを無視して、坂井らの組合員としての処遇を一切拒否し、同人らに差し迫った生活上の脅威を与えている点は、これは人権擁護上放置し得ないのでありまして、組合側に対しまして、仮処分の決定を尊重し、除名処分につきましては本案の判決によって確定する、それまで組合員としての処遇を続けるように、引き続いて説得を続けているというのが現状でございます。
#32
○小宮市太郎君 いま申された六月十一日というのは、謄本がここに写しがございまして、これは間違いないと思います。
 そこで、私は、この問題が起きて相当期日がたって、このまま法務局がほうっておくという手はないだろうということで、実はこの福岡の法務局の人権擁護部第二課長の原口敬次郎さんのところへ参ったわけです。で、大体三人の除名問題、それから地位保全の仮処分の申請が決定したという問題、よく御存じでございました。そこで、まだ係争中であるから、私のほうとしてはまだ手出し――手出しと言ってはおかしいけれども、まだ動いておりません、しかし、そういう決定がなされたという以上は、私のほうとしても行政的指導をやります、こういうことで、実はさっそく県とも打ち合わせられたと思うのですが、当該の漁業協同組合に行って、法のたてまえからいって、こういう地位保全の仮処分申請が決定しているのだから、組合員として取り扱うべきだということを指導されたやに承っております。しかし、今日まで、紛争が決定するまでは何年かかるかわからぬのだから、それでひとつ争おうじゃないかというようなことで今日まできているわけです。三人は全く零細の漁民でございます。これ一筋に長い間海に行って生活を立ててきた子孫です。ですから、あとで水産庁のほうにお聞きをいたしまするけれども、共同漁業権でございますから、一括して――一括してということばは当たりませんけれども、とにかく漁業協同組合に漁業権というものが付与されており、したがって、その漁業協同組合を除名されると、その人は漁業をやることができないのです。ですから、もう漁業組合を除名されたとたんにその人は失業しなけりゃいかぬ。めしを食う方途がなくなるわけなんですね。こういうひどいことが一体あってよろしいか、どうかということをわれわれは痛切に感じるし、また、この三人に対しては、最初のうちはかなり乱暴者だとかあるいは長いものには巻かれろとかいうようなことで相当地元の人たちも三人に対しては批判的な考え方であったけれども、今日では非常に同情的になっておるのです。
 私は、順序立てていろいろなお話がございましたので、さらに申し上げる点はございませんけれども、私の知っている範囲では、三十三年の八月八日にこの有明海漁業調整委員会の選挙に立候補しているわけですね。だから、お話のように、組合長が立候補しておるのに、組合長でない者が立候補するというのはけしからぬと。ところが、憲法によると、漁民であればだれでもこれは公民として漁業調整委員に立候補することは何ら阻止すべきものはないわけなんです。これを押えるそのものがもうすでに違法であると私は思うのですよ。まあしかしそれは申し合わせとかなんとかあったとかりにいたしましても、ともかく出た。出たところが、それを理由に本人を除名するということには私は大きな問題があろうと思うのです。しかも、そのときはひどいのですよ。私は、こまかい点をあまり申し上げたくないのですけれども、当時、この坂井義行君の小学校の同窓生が、君立てというので、十四、五人の諸君が集まって彼を応援した。その応援したすべての者を除名しようとしておる。記録を私はちゃんと持っております、ここに。そして、その連中たちが、除名をするというものだから、除名されれば明日から生活ができなくなる。だから、中に集まった諸君がどういうことを考えたかというと、もうここまでくると、だれかを刺し殺すか、あるいはもう頭を――簡単に言うと、頭を下げるか、刺し殺すか両方に一つしかないじゃないかというような極論が漁民ですから出ている。そんな乱暴なことはだめなんだ、だからこの際はひとつ頭を下げたら、どうかということで、頭を下げて、わび状も書いた。ところが、おまえたちの話し合いについてともかく十数万円何がしかの金が要っておる、その十数万円の金をおまえたち出せと、こう言われた。いまその金を持ちませんと言ったところが、借用証を書け。借用証を書くときに、だれとだれとだれを保証人にしろというぐあいに、きちんきちんと筋道立って向こうから言われて、ともかく借用証を書いた。ところが、その年ののりの収入の中から、十万数百円の、十万九百四十二円ですか、これだけの金を差っ引かれた、こういうことをやっております。そのとき、坂井義行君の奥さんは、もう全く気が狂ったんです。これは皆さんのほうには御報告がないでしょう。ちょうど子供を生んだときでしたから、それは肥立ちも悪かった、いろいろな事件もあったと思いますけれども、これは子供を道連れに自殺しております。これは皆さんのところには報告は行っていないでしょう。こういう問題がずっと起きてきて、今日に及んできております。
 しかも、その誹謗したというのはどういう誹謗かというと、これは誹謗にも私は当たらぬと思うんですよ。その見出しは「健全、明朗なる民主的組合の育成は、みんなの手で」「われらは次の動議を提出する。皆さんこぞって動議に賛成しましょう」総会において緊急動議として提案するというので何項目かを書いて、これを組合員に配っているわけです。これが組合員に対して、組合長その他に対する誹謗だと、こういうのです。これは全く民主的とかなんとかというものからほど遠いところのものなんですね。
 これはまあいつまで議論していてもしようがないんですけれども、法務局で一体最後にはどういうようにこれを取り扱っていただくお考えなのか、これはどういうふうにすれば――まあ私どものほうから聞きたいのですけれども、どういうふうにすればこの三人は助かるのか、それをまずお聞きしたいと思うのです。
#33
○説明員(鈴木信次郎君) ただいま御指摘のとおりでありまして、どうも相当これは封建的なにおいのする事件であります。ところで、先ほども申しましたとおり、終局的にはすでに裁判手続に入っているわけでありますから、裁判所の判断によって決定するべきものと思いますが、事は生活権に直接影響します。すでに仮処分決定があったわけでありますから、いやしくも裁判所の決定があった以上、法治国の国民としてこれは当然尊重すべきでありますから、そのことはさらに十分説得いたしまして、できるだけ相手方の自発的な意思によって問題の解決をいたすよう現地に督励いたしたいと思いますと同時に、裁判手続のほうもさらに強力にお進めになる必要があるのじゃなかろうか、かように考える次第でございます。
#34
○小宮市太郎君 先ほどこの書類をお見せいたしましたが、九月とおっしゃったのは、この謄本によると六月十一日でございますが、これはこっちのほうが間違いでしょうか、そっちが間違いでしょうか、どっちが正しいのでしょうか。
#35
○説明員(鈴木信次郎君) 私どもに来ました写しには九月となっておるのでありますが、拝見いたしますとほんとうの謄本のようでありますから、それはやはり六月が正しい。したがいまして、私の先ほどの発言は取り消さしていただきたいと思います。
#36
○小宮市太郎君 さっきのおことばに、こちらの裁判をやれというようにおっしゃるけれども、この三名というのは全然収入がないんですよ。収入がない人が裁判を起こそうといっても、一体そんな無理な話ができるのか。こういう恵まれない人、そうして裁判やるにも、ふんだんに金がある人なら、それはそれで自主的にいろいろ解決ができましょう。できるけれども、裁判しようといっても、裁判の費用を持たない人、しかし、どう考えても理不尽な問題が起きている、基本的人権は剥奪されているというような事件に対してですよ、国が基本的人権を守ってくれるというのが日本の憲法のとうといところじゃないでしょうか。だから、法のあたたかさというものがそこにあるのじゃないでしょうか。それを、本人の裁判を待つよりしようがない、裁判を続けなさいというなら、何も人権擁護なんというのは別に存在価値がないような気がしますが、それは私の言い過ぎかもしれませんが、それを助けていただくという方法はないですか。
#37
○説明員(鈴木信次郎君) 無資力のために自分の権利を侵されましても訴訟を提起してこれを守ることができない者のために、わが国におきましては、たしか昭和二十七年からいわゆる法律扶助制度という制度ができまして、これは日本弁護士連合会の中にございます財団法人の法律扶助協会というところで、御指摘のような場合、裁判所に提出するいわゆる訴訟法上の訴訟費用のほか、弁護士を依頼して訴訟を遂行するに必要な手数料、謝金等を立てかえて支出する制度、リーガル・エイドというふうに一般にいわれておりますが、この制度ができたのであります。当初はこれは法律扶助協会の自己資金でやっていらっしゃいましたが、どうも資金が十分でないので実効を期することができないというので、昭和三十三年度からこれに対して国庫から補助金を出すということになりましたので、この補助金も、当初は一千万円、年によっては八百万円に減額されたことがございますが、本年度は、すなわち三十九年度から補助金が従来の五倍の五千万円に増額されましたので、まあまあ現在の運用状況では大体必要量を満たすのではないかと私ども考えているわけであります。しかし、どうもこの制度がなかなか一般に周知いたしませんで、宣伝につとめているわけですが、御指摘のような場合はまさにこの制度を利用すべき事件であろうと思われます。したがいまして、日本弁護士連合会の中にあります法律扶助協会、その支部が福岡にもあるはずですから、そちらのほうに御連絡願えば、一定の手続を経て訴訟費用等を立てかえ支出することができるわけでありますから、ぜひこれは御利用願いたいと思います。
#38
○小宮市太郎君 私は法律の専門家ではないのですから、こまかい点はわかりませんが、やっぱり国民感情として私は言っているんですよ、端的にいうならばですね。たとえば、さっき局長もおっしゃったように、除名の理由というのは、定款の第十四条第四項、組合の信用を失墜するようなことをやったというようなことが中心になっているわけです。その中で小さくいうならば、いままで漁業調整委員の立候補は組合長が立候補するというのが申し合わせ事項のようになっておった、ところが組合長でもない者が立候補した、これはけしからぬではないか、組合のいろいろな慣例などを無視してやってけしからぬというのが一点。組合の運営がどうも非民主的でけしからぬ、どうも不正ゴマ等もあるようである、こういう点については、組合としては何ともしてないのだ、こういう組合内部の混乱をするような損失を与えたというようなことでやったと、こういうようにおっしゃったわけですが、ほかに除名する理由としてはないのですから、そうやったと思うのですが、二つともどっちをとっても当然のことをやったのではないか、こういうような気がするんですよ。私の知っておる範囲内においては、漁業調整委員会の選挙をやる場合に坂井義行君が演説をして歩くと、そのあとからテープレコーダーを持って行くわけです。それでちょっとでも組合長はけしからぬことをやっていると言うなら、そこだけとって、こういうようにして組合長を誹謗しておる、組合を誹謗しているんだ、こう言ってそれを理由にしているわけですね。あるいはまた、前にわび状を書いているじゃないか、わび状を書いておりながらそれに違反してやるとはけしからぬじゃないかと。そのわび状たるや原因がどこにあるのかということなども十分究明されないままきているんじゃないかというふうに思うんです。
 そういうようないろいろの点を考えてまいりますと、ほんとうのことを言う者はどうも大きい圧力に負けて、いつまでたっても民主化というものは行なわれない。しかも強いボスが漁業組合あたりの組合長におれば、その人の自由にならなければ特権は与えられない。特権どころじゃない、組合員としての維持ができないというそのことがここに明らかにあらわれておると私は思う。そうしますと、非常に問題は重要な問題だというように私は考えるんですけれども、そこで、さっきお話しのように、いろいろと財政的な問題やらいろいろこまかに御説明がございました。ございましたけれども、国民感情としては、日本人の基本的人権を守ってくれる憲法、あるいはそれに基づく、どういう権限があるかはわかりませんけれども、権限はあまりないようでありますけれども、人権擁護の委員会等が末端に至るまで一応できて、そうして人権を尊重していくということにたてまえ上なっておるわけですね。そういう点をひとつ明らかにして、そういう者を救っていくということが私はあたたかい政治であり、ほんとうに行き届いた政治というものじゃなかろうか、こういうように思うんですが、この点については大臣にひとつお考えを承りたいと存じます。
#39
○政府委員(大坪保雄君) 私は政務次官でございますが、本日るるお述べになりました有明海の一漁業組合の組合員除名の問題は、除名された御当人たちにとってみますると非常に深刻な問題であると存じます。のみならず、一般の全国各地にある漁業組合の、組合の近代的ないわゆる民主的な運営ということによって零細漁民の権利を伸ばしていくべき立場からしましても、これはなかなか一漁業組合の一つの問題としてのみ見ておられない問題ではなかろうかというように考えるわけでございます。ただ、相当侵害されておりますと認めらるべき人権の擁護につきましては、今日法制上なかなか徹底した措置がまだとられ得られない状態でございまして、私どもとしてもまことに歯がゆいと申しますか、隔靴掻痒の思いをいたすわけでございます。これらの点については、なおひとつ将来立法上の問題としても検討していかなければならぬのじゃないかというように存じます。
 ただいまお述べになりました具体的事項につきましては、先ほど人権擁護局長からるる御答弁申し上げましたように、仮執行処分が現実に当該組合の執行部において守っていかれるように、さらに人権擁護局の当局者から、まあ当局者のみでなく、ほかの方面の動員も必要であろうと思うのでございますが、責任上当局者から説得を続けていく、こういうことにいたさなければなるまいと存じます。と同時に、権利を基本的に守るためには、これまた先刻人権擁護局長が申し上げましたように、訴訟方法等について便利な方法等を設けられておる現状でございますから、これらの点についてその権利を行使するように、これはひとつ先生からもひとつお教えいただければいいのじゃなかろうか。基本的には、先刻申し上げたようなふうに私ども考えております。
#40
○小宮市太郎君 政務次官は佐賀県でございますし、有明海のノリ漁業については相当御造詣が深いと思います。有明海の中でも福岡県では漁業協同組合が二十三、漁業協同組合がひしめき合っているわけですね。これは統合すべしだということをもう長年言っているのだけれども、それぞれ利害がございましょうから、なかなか統合というところまでは至っていないわけです。ところが、最近、ノリブームといいますか、ノリの価格が非常に市場でいいものですから、しかも有明海の漁場はかなり良好な漁場として希望が持てるところということで、最近はその漁場の拡大に漁民は一生懸命になっていることも事実なんです。そういう一生懸命になっているときに勢い不法建て込み等のいろいろな問題も起きてくると、こういうふうに思うのです。しかし、それもある意味で増産をするという意味で合意的にその海区の配分等が行なわれれば、それもまた日本の産業においてはプラスになることでありますから、研究してもらわなければならぬと思う。ところが、また一方、零細であって、そういう零細の中で泣いておるという現実がいまここに具体的に私があらわした問題なんです。だから、そういう問題を十分ひとつ研究していただくのは当然でありますが、まず私は法務省にお聞きしましたのは、いま三名のことを申し上げましたが、ここには前に何回もそういう地位保全をやったのがたくさんあります。地位保全の処分決定がなされております。おるのだけれども、それが一つとして解決していないのです。裁判所では地位保全の仮処分の申請が決定しておるけれども、最後は泣き寝入りというかっこうになっているわけなんです。だから、この際私がぜひお願いをしたいことは、こういう零細の諸君の人権を守るということ、生活を守るということの上に立って法務省の格段のあたたかい手といいますか、あたたかい政治を希望するわけなんですが、すでにいろいろ長く申し上げましたので、一言大臣がお見えになったようでありますから人権擁護についてお考えをお聞きしたいと思います。
#41
○国務大臣(高橋等君) ちょうど途中から参りましたので、お述べの趣旨はしかと了承しておりませんが、人権擁護問題につきましては、これは大きな問題にしろ小さい問題にしろ当然省におきましては十分なる力をいたして守るべきものを守っていくということで従来も指示いたしております。いろいろいま承れば解決をされない問題が多いようでございますが、十分注意をさせたいと思います。
#42
○小宮市太郎君 私がいままで法務関係の方々にいろいろお尋ねをいたしましたのは、直接には自分の身分を守るための地位保全の仮処分の申請についてお尋ねしたわけです。その方面で彼らの生活を守っていく、守れるという方法をぜひ早急にお考えを願いたい。直接の取り扱いは水産行政に関することでございますから、これからはその取り扱いについては水産庁の関係にひとつ承りたい、かように思います。法務大臣に重ねてお願いいたしますけれども、先祖伝来海に生きている漁民というものは、海を追われるというと、その者はもうまるきり死の宣告を受けたのと同じことです。そういうわけで、いままでるる私が申し上げましたのですが、法務大臣は途中でございましたから、詳細はお聞き願えなかったと思いますが、組合長の措置によって、組合長が強ければ強いほど何といっても組合員というものはまだまだ、漁民――農民もそうですが、漁民は特にひどいと思います。大きい木のそばに寄る、大きいところに寄らなければ自分の身があぶないから、何としても太いものに巻かれろ主義が多い。そういうわけで、気にくわないこと、いろいろ技術的なことについても、そういうことになれて、自分を泣く泣く守っていくという事実が非常に多いんじゃないか。たまに勇気を出して改革してやろうという若い者がおると、いつの間にやら海から追われるというような事実が出てくるんじゃないかと思うのです。この問題はノリの問題でございますけれども、ノリ漁業というのは、普通のげん敷網とかあるいはエビをすくってとるというような小さな網を持っていってとってきてやるという漁業ではなく、組合に一括して漁業権を与えられるわけですから、その漁業権というものは個人には直接ないわけです。だから、組合を除名されるということになると、その人は漁業権をなくするわけです。だから、海へ行けなくなる。だから、そういう何といっても組合長の言うことを聞かなければ、理事の言うことを聞かなければ、いつ何時組合からにらまれて除名されるかもしれないという点がございまして、戦々恐々としておるということもあります。それに反抗してやれば、いま申すように海から追われて生活をなくするということでございますから、もう少しこの点は研究していただいて、本人の生活を十分守れるようにしてやるのがこれこそ私はあたたかい政治だと思う。そういう点でぜひひとつ人間を尊重する意味からもやっていただきたい、こういうように考えますが、法務大臣、いかがですか。私の考え方は間違っていないでしょうか。
#43
○国務大臣(高橋等君) 抽象的に申しまして、全くお説のとおりと思います。そういう線で十分先ほども申しましたように処置を進めるようにいたしたいと、こう思います。
#44
○小宮市太郎君 それでは、法務省関係はどうもありがとうございました。
 次に漁政部長にちょっとお尋ねをいたしたいのですが、この間私この点についてお尋ねしたのですが、そのときに、「県当局を通じていろいろ調べまして、見解を検討いたしたのでございますが、仮処分で身分の保全が法務局において裁決された、保全ができたということであれば、その漁業協同組合の漁業権の行使規程に基づきまして、その組合員は、ノリの区画漁業権があれば、そのノリの区画漁業権を行使することができる。」と、こういうような意味の御答弁がございましたが、その後県とお打ち合わせになって処置をされたのでしょうか。
#45
○説明員(山中義一君) ただいまの小宮先生の御質疑に対しましてお答え申し上げます。
 水産庁といたしましては、この前の十月一日の農林水産委員会におきまして、ただいま御指摘の点について県当局を通じて行政的に指導して、漁業権の行使をできるように計らってもらうように指導したい、こういうことを申し上げましたが、県のほうといたしましては、その後漁協の組合長を通じまして、仮処分の地位の保全がなされたのでありますから、そのほうの趣旨にのっとって割り当てその他を考慮するようにというような指導をしております。それから、なおまた、調整委員会などもそのことについて協議はいたしておりますが、組合のほうといたしましては、この仮処分のこと自体は、地位の保全そのものは、法的にまだ争っておるのであるからというようなことで、県の監督的指導に対しまして具体的な割り当て会議等をいたさない。私どものほうといたしましても、なおその辺につきましては県を通じてもっと強力にその点を組合としても十分協議するように指導してまいりたいというふうに考えております。
#46
○小宮市太郎君 水産業協同組合法というような法律があって、それに基づいて定款ができるでしょう。で、連合会は連合会で行使規程をつくってそれぞれの組合員の漁業権の行使を規制している。ちゃんとこれはできているのです。だから、できている範囲内でいままで処理をしてきたわけです。だから、地位の保全がかりに決定したならば、従来の組合員と同じに取り扱われるというのが当然のはずだと思うのですが、そうすると、この行使規程はそのまま使えるんじゃないですか。そのまま履行できるんじゃないですか。
#47
○説明員(山中義一君) ただいまの定款等あるいは行使規程につきましてはそのとおりでございますが、具体的にそのどこの漁場にどのくらいの範囲で割り当てるかというようなことは定款に基づいてきめなければならない。その会議を組合としてはまだやらない、こういうことであろうと思っております。
#48
○小宮市太郎君 そうすると、そういうものの監督権というか、そういうものは一体どこにあるのですか。
#49
○説明員(山中義一君) 組合の業務の運営その他につきましては包括的には農林大臣にございますが、沿岸漁業組合の特に漁協系漁業につきましては、都道府県知事にほとんどその仕事は委任されております。
#50
○小宮市太郎君 そうすると、農林大臣が総括的には監督の責任を持っているが、大体県知事にその監督を委嘱している、委託しているといいますか、そういう立場にあるわけですね。その監督を聞かない場合、そういう聞かない場合は一体どういうようになるのですか、それをひとつ。
#51
○説明員(山中義一君) その聞かない問題につきましては、まだいまのところいろいろ行政的な指導をしておって、それに対しましてそういうことは聞けないというようなはっきりした意思表示その他はしてないわけで、事実的な行為を延ばしているというだけでありますので、直ちにこれはこちらの命令を一切拒否しているというふうにも知事としては受け取りかねているのではないか。私どものほうといたしましても、県知事のほうから、そのように命令をしたが聞かないというような点の報告は受けておりません。
#52
○小宮市太郎君 聞かないという御報告を受けていないということになると、もし聞かなかった場合は、どういう制裁の方法がございますか。
#53
○説明員(山中義一君) 聞かなかった場合、これはまあかりにでございますが、そのような点で行政的な所要の命令を発することができますことは、水協法の百二十四条第一項の規定に基づきまして必要の措置命令を発するには、県知事が百二十二条の規定による報告を徴した場合、または百二十三条の規定による検査を行なった場合において、その組合の業務または会計が法令に基づいてする行政庁の処分または定款もしくは規約に違反すると認められるときである必要がありますが、本件の場合にも、組合員として扱われないということが法令に基づいてする行政庁の処分、定款またはこのような規約に違反する事実としてはまだそのようにははっきりは考えられない。このようなことにつきましては、水協法の百二十四条第一項の規定に基づく必要措置命令としてではなく、そこまでは行っておりませんが、福岡県におきましても、商工水産部長名をもって他の組合員と差別をしないように指示をしております。また、漁業協同組合の内部の漁業権の行使問題につきましては、漁業法のたてまえから申しましても内部での自主的な話し合いということが基本でございますので、その線で県としても強力に指導しているというふうにこちらも了承しております。
#54
○小宮市太郎君 水産業協同組合法というのは、水産業を盛んにならしめ、漁民の生活の安定をはかるという面が最大の目的だと、何人もそれに反対する者はない。ところが、この中に、そういう目的に違反する、じゃまをするという者については制裁の道があるわけですね、定款その他でこういう者について除名をする。ところが、除名する人たちの横暴によって善良な漁民が除名されて、追われた場合には非常に制裁がしにくいという片手落ちの点があるのではないか、私はこう思うのです。特に具体的に申し上げて相すみませんけれども、この場合に、吉田組合長というのは、三浦漁業協同組合の組合長であり、福岡県漁業組合連合会有明漁連といいますか、連合会の会長である。漁業調整委員である。農業委員である。こういうように農漁民の中でこれという役職というものはほとんどこの人が握っているわけです。いえば、農漁村においてはまず権力者ということは私は言えると思うのですよ。こういう人が組合長であって三人の組合員を除名したのですが、これは県も非常に取り扱いにくいのだろうと思います、私は正直に申し上げて。県に同情するわけではありませんけれども。しかし、それかといって、これをほっておけば、住民の不信といいますか、政治に対する不信感というもの、こういうものはますますつのるばかりだと私は思うのです。しかも、この三名は、さっき私が何べんも申し上げますように、ノリ一本できている。ノリをとらなければその年の生活はできないのですよ。ところが、追われて、海のそばに住んでて追われて、その冬ノリをとらなければその年は全然収入はありません。無収入です。こういうものを助けるというのをもっと積極的になぜしないのか。こういうような行政指導をやっておりますけれども、まだまだ向こうでどうのこうのというような話ですけれども、もう少し積極的な方法はないものであるか、あればひとつ承っておいて、協力できれば私どもは協力しますよ。ないですか。
#55
○説明員(山中義一君) ただいまのお話の、具体的にノリ漁業ということにつきますと、これはいまのようなことで、割り当てがなされないでやれば、一番最初にお話のございました無免許操業ということになります。しかし、これは、ノリが一番右利で、現在そこで漁業を営むには最も容易に着手でき、かつ有利だという点ではノリでございますが、漁業協同組合の組合員は、あそこではもとはノリはきわめて盛んでなくて、もっとほかの小さい漁業がたくさんあったわけであります。そういったようなものは、これは別段極端な言い方をすれば組合員でなくてできる。あるいは、幾らか大きい――幾らか大きいと言うとおかしいですが、漁船を使ってやります漁業でございますと、漁業権漁業でないわけで、県知事の許可があれば、あるいは県知事の許可がなくてもやれる漁業は幾つかございます。したがって、ノリということに限りますと、どうしても組合の中で漁場の割り当てを得られないとやれないことになりますが、そうでないものであれば、これは幾らでも考えられるのではないか。ただし、これはいままでその人が船もろくに持っていないということであれば、ただ一般論で言えるだけにすぎないわけでありますが、漁業法のたてまえから考えれば、必ずしもこの人間は漁業は一切できないということではない、ほかにも働くかせぎ場は幾らもあるというふうに考えられるのじゃないかと思っております。
#56
○小宮市太郎君 そんな役人の考え方を言ってもらっちゃ困るですよ。あなた有明海の中に入ったことがありますか。ないでしょう。それで、いまあなたのおっしゃるのは、エビをやったりあるいはげん敷網その他をひとつやったらどうか、これは県知事の許可漁業だから、許可を申請して漁具を買ってきてやったらどうか、こう言うのだけれども、いままでノリをやった者が、エビがどこにいるのか、何がどこにいるのかわからぬのに、いつでもどこに行ってもすぐにエビがぞろっと入って生活ができるものじゃないですよ。そんなものじゃないですよ。それはあそこにサヤマキエビといういいてんぷらエビがおりますよ。ところが、それがだんだんだめになってしまって、これまた養殖漁業にかわらなければだめだろうと言われておる今日、あなたのおっしゃるような、ノリばかりが漁業じゃないのだから、ほかに船を持っておったら、ほかに網を使って持っていったらどうだろうかと、そんなでたらめを言ったらしょうがないですよ。いままで、古賀君というのは四十五アール、それから坂井君が四十五アール、それから山本君が三十五アールか、三反半と四反半と四反半ですね、これだけのノリをやっておったわけです。それを全然やめて、今度はそれじゃ貝を、あそこにアゲマキというのがある、アゲマキとか、あるいは大きな貝柱のとれるタイラギというのがありますけれども、タイラギなんて、もう沿岸におりませんよ。潜水でやらなければだめですよ。相当な金をつぎ込まなければだめですよ。こういうものを、ノリがやれないからそっちをやったらいいじゃないかというようなそういう無慈悲なことをあなたはおっしゃるならば、それは何をか言わんやです。もっと本人の現実、現在今日までいろいろなことをやってきたその実績をひとつ考えてもらって、だから、組合長は一体どうなのか、県の行政はどうなのか、漁業調整委員会もあそこにあるのですから、そこへ行って、もっと本人たちを救う道はないのかということを真剣に考えてもらわないと、ほんとうの水産行政というものはできないのじゃないですか。どうでしょう、それは。
#57
○委員長(木島義夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#58
○委員長(木島義夫君) 速記をつけて。
#59
○説明員(山中義一君) いまのノリ漁業ということであれば、そういうノリ漁業をやらしたいということでわれわれとしては具体的に福岡県を通じて指導しておるのでございまして、私がただいま答えましたのは、先生がノリ漁業以外にはないかとおっしゃったと受け取って、ほかのことだってあると申し上げたわけであります。私どもとしては、やはりノリ漁業は本人がいままでやっておった経過等も考えて適当であろうということで県を指導しております。
 それからまた、この沿岸漁業のことにつきましては、先生も十分御案内のとおり、漁場の使い方その他については、お互い同士の漁業者間の納得といいますか、お互い同士の了解がないというと非常に行なわれがたいという事情もございますが、これも十分御案内のことと思います。したがいまして、組合の内部で、聞くところによりますと、本人たちもいろいろ自分たちの地位を応援といいますか賛成してくれるという人たちの署名も求めておるというようなことも聞いておりますので、そういった方向で納得ずくでの漁場の配分が得られるというのがよい方向であろうと考えて指導しております。
#60
○委員長(木島義夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#61
○委員長(木島義夫君) 速記を始めて。
    ―――――――――――――
#62
○委員長(木島義夫君) 小宮君の質疑は一時中断して、法務局職員の待遇等に関する件について調査を行ないます。稲葉君。
#63
○稲葉誠一君 法務大臣がほかへ行かれるというので、この点だけ一つ確かめておきたいと、こう思うんですが、法務省に共済組合があって、そこに運営審議会があるんですが、これがことしの八月改選期になっておるのですが、その後の運営審議会の委員というんですか、これの状況がどういうふうになっているか、これは経理部長からでいいですからお答えを願います。
#64
○説明員(新谷正夫君) 法務省共済組合の運営審議会の委員の問題でございますが、ことしの夏任期が切れたわけでございまして、その後の委員の選考につきましては、いろいろの問題がございますので、事務当局におきまして慎重に検討いたしまして、その準備をただいま進めてみるという段階にございます。
#65
○稲葉誠一君 これは最高裁判所にも同じものがあるんですが、ここでは全司法という職員組合の代表を二人共済組合の運営審議会に入れているわけです。これは事実ですか。
#66
○説明員(新谷正夫君) 最高裁判所の関係は私の所管でございませんので、はっきりしたことは申し上げかねますが、そのようになっておるように仄聞いたしております。
#67
○稲葉誠一君 農林省とか大蔵省とかそういう各省があるわけですが、そういうところではこの運営審議会の委員をどういうふうにして選んでいるか。私の言うのは、そこに働いておる職員組合の代表を農林省でも大蔵省でもみんな加えて運営審議会ができておるというふうに聞いておるわけですが、その点はどういうふうにお聞きになっておるでしょうか。
#68
○説明員(新谷正夫君) 現在、各省の職員組合はたしか二十一ぐらいあると思います。その中で、ただいま稲葉委員のおっしゃいましたように、労働組合関係から共済組合運営審議会の委員を出しておる省がかなり多数ございます。労働組合と関係なしに委員を選出いたしておりますのは、ただいまのところ、私の承知いたしておりまするところでは、法務省のほかに、建設省、それから法務省の中に一つ刑務共済組合というのがございますが、これも出ておりません。そのほかに、防衛庁、警察も労働組合とは関係なしに委員の選出をいたしてみるように聞いております。
#69
○稲葉誠一君 防衛庁と警察には労働組合は元来ないんじゃないですか。
#70
○説明員(新谷正夫君) そうだと思います。しかし、建設省には労働組合はございますが、これはいま労働組合関係の委員は出ていないというふうに承知しております。
#71
○稲葉誠一君 防衛庁と警察は、これは組合がないんだから、入りっこないんです。外務省もこれは組合がないので入ってないというわけですが、農林省などは五対五で五人が組合代表、大蔵省も四対四で四人が組合代表、こういう形でどこでも入っておるわけです。最高裁でもちゃんと二人は組合関係の代表として入っておるわけです。これは法務大臣よく聞いておいていただきたい。ところが、法務省だけはそれを入れないわけですね。入れないのは、はっきりとした理由はないようですけれども、入れない。このことに関連をして、共済組合の連合会ですか、今井一男さんが会長をやっている、そこから何かもっと代表を入れるように検討したらどうかと、こういうような口頭かなんかで一種の勧告が前にあったことがあるんじゃないですか。
#72
○説明員(新谷正夫君) いまおっしゃいましたような勧告と申しますかお話があったということは、私も間接には聞いております。
#73
○稲葉誠一君 中垣さんの法務大臣のときには、次にはこれを検討するというふうなことを、国会で言ったのか、あるいは部内で言ったのか、そういうふうなこともあったんじゃないですか。
#74
○説明員(新谷正夫君) 中垣法務大臣の当時に、労働組合のほうからの要望がございました際に、そのようにはっきりおっしゃいましたかどうか私立ち会っておりませんので存じませんが、そのような趣旨の発言があったやに組合側からは聞いております。
#75
○稲葉誠一君 法務大臣ね、いまの大体のお話をお聞きになっていたとおり、地方の実情を反映したりいろいろ職員の事情を反映してこういうふうな運営審議会をつくるということになってきますと、最高裁判所ですら全司法という組合から二人、副委員長ともう一人の人が入っているわけですね。ほかの省はほとんど入っているわけです。こういうようなことは当然過ぎるくらい当然なことなんで、国会の中の職員組合でも入っているんです。どこでもみんな入っているので、法務省だけがやっていないというのは非常におかしいですね。何かやけに法務省が封建的なような印象を受けるわけですね。高橋さんという人は非常に民主的な人だというふうにぼくらも聞いているので、いま言ったような形のものは非常におかしいですから、大臣として早急にこの問題については検討をするということはお答え願えると、こう思うんですね。検討してぜひ善処を願いたい。これはほかの庁の関係なんかもありますから、よく調べていただいて、検討して善処をお願いしたい、こういうふうに考えております。この点についてお答えを願えれば、大臣のほうはきょうはこれでけっこうだと思います。
#76
○国務大臣(高橋等君) この問題につきましては、組合のほうから、私が大臣になりました直後だと思いますが、私のところに参りまして要望があったのであります。まあ私も事情がよくわかりませんので、よく検討をひとつさしてもらおうというので別れましたが、その後省の首脳の方面へは、こうした申し出があったから検討してもらいたいということを私から伝えてあります。しかし、まだその結論につきましては私のところへ報告は参っておりません。なお、法務省の組合が全体の利益を代表するというのには小さ過ぎるのじゃないかというようなことが中間的には来ておるのでありますけれども、まだ最終的な話にも相談にも乗っておりません。いずれこれは決定をいたします際は私の決裁を要する事項でございますので、よく事情を聞きまして、その土で出したい、こう考えております。
#77
○稲葉誠一君 いまの、全体の利益を代表するには小さ過ぎるというのですけれども、これは組合の代表だけ全部入れろということを私は言っておるのじゃなくて、きわめて一部分として入れろというので、当局側ももちろん四人くらい入っておるし、それから他の四人の中にもほかの人も入っておるわけですから、そういう形でやっていくわけですから、十分この点については御配慮をお願いいたしたいというふうに考えます。その点はどうでしょうか。
#78
○国務大臣(高橋等君) ただいまお答え申し上げましたように、最終的結論が出ますときによく報告を聞きまして、私としても納得がいかなければまたそれによって指示をいたしたい。結局、報告を聞いてそれをよく考えさしていただかないといけませんから。
#79
○委員長(木島義夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#80
○委員長(木島義夫君) 速記を起こして。
 それでは、本件に関し法務大臣に対する質疑はこの程度にいたしまして、先ほど中、断いたしました福岡漁業組合員に対する人権侵犯事件に関する件について質疑を続けます。小宮君。
#81
○小宮市太郎君 もうあまり長く聞きたくないと思いますので、簡単にどういう心がまえでいられるかをまずお聞きしておきたいと思います。
 山中漁政部長は、私の質問に対して、十月からあまり変わっていないんですよ。全然変わっていないんですよ。私はここへ持ってきているのですけれどもね。かえって後退しておるのじゃないかという点もなきにしもあらずです。そこで、私がさっき申し上げたのは、県と相談をしてとか、どこと相談をしてとか、そういう気分になっていますということばかりをしょっちゅう答弁していないで、何かほかの方法で解決する方法はないかと言ったら、そしたらあなたは、ほかのほうというとノリ以外のものはどうこうとおっしゃるので、変なかっこうになってしまった。ですから、もっと前向きの姿勢でこの問題の解決ということをひとつ強力に進めてもらいたいと思うのです。この問題は人権に関する問題でございますし、もうすでに年の瀬もあとわずかになりました。何らの収入もない者がうちにしゃがんでいるわけです。たぶんこの中にもNHKのテレビ番組をごらんになった方もありましょうが、奥さんの一人なんかは、盛んに手を合わせて神様か仏様か何かを拝んでいるような、もう頼むのはそういうところしかないというようなかっこうになっているんですね。そういうような問題ですから、もっと前向きの姿勢で水産庁は現地に行くなり何かの方法をやって、積極的な方法を講じて早急に解決してやるという考えはございませんか。
#82
○説明員(山中義一君) さらに県のほうに実情報告を求めております。それでいまのノリ漁業という点に限って解決するように、そのほかのこともあわせていろいろ検討はいたしますけれども、当面やはりノリをやりたいのだということであれば、組合員はその組合の規約で定められておる範囲内においてはノリをやる権利があるわけでありますから、その方向で取り組んで進めてまいりたいというふうに考えております。
#83
○小宮市太郎君 やっぱりお役人だからお役人の答弁はちっともそこから出ていかないので、非常に不満足ですけれども、さっきから長い間お尋ねいたしましたように、一方においては不正ゴマがどんどんふえており、一方においてはそういうような人権が無視されて狭められておるという、こういう二つの事件があるわけです。ぜひひとつ現地に飛んで行ってもっと解決を早くするという措置をおとりになることを強く要望いたします。できませんか、それは。
#84
○説明員(山中義一君) この点だけに限ってということではございませんが、有明海は、一番先の御指摘にもありましたような有明海の漁業調整事務局というようなのがこちらの出先機関で、大体これを通じて指導してまいっておるのが本筋でございますが、必要とあれば、ノリ漁業権の行使の適切ということで所要の調査なりあるいは督励なりをしてまいりたいというふうに考えております。
#85
○小宮市太郎君 必要であればではないでしょう。庄野さんにしても前から何回も何回も私からこういういろいろの資料をとってあるのですよ。私も渡しておるのですよ、こまかいものを。それで、現地に行ってひとつやってくださいということを再三にわたって申し上げておるわけです。だから、必要があればでなく、必要があっているのだからこういうような質問をしておるわけです。水産庁で、どうしてもできなければ法務省でという両方からお願いしておるわけですから、直接漁業をやっておる諸君の問題ですから、あなたのほうは行きましょうと言って現実にそういうものを見て解決の糸口ができれば解決をしていきますというそのくらいの積極があってしかるべきだと思いますが、どうですか。行きますか、行きませんか。
#86
○説明員(山中義一君) 漁業協同組合の内部の漁業権、行使の問題は、直接農林省がタッチするということは適当とは考えておりません。県と県の漁業権の争いでありますと、これは農林省が解決をはかるというのがたてまえで、県内のほうにまかしておるというのが漁業権漁場の調整上のルールでございます。
#87
○小宮市太郎君 どうも私は早うやめようと思ったのだが、なかなかそこへくると……。そうすると、県と県との問題であれば農林省が出かけて行く、県内の問題であれば県独自で解決してくれと、こういうことですか。
#88
○説明員(山中義一君) いまの点をもう一ぺん申し上げますと、いつでも県の中の問題は県独自ですべてやれという意味ではございませんが、いまこれは現に県がかなりの程度強力な指導を進めておる段階であります。もう少し具体的に申し上げますと、県は、組合長に対しまして坂井氏らが小官先生の御了解なしにどのような和解もしないというふうに申し立てておるということまで言っておりますので、組合長のほうに対しましては、私どものほうも、県から早く先生にお会いして話し合いの了解をつけるようにというふうにまで実は指導をしております。
#89
○小宮市太郎君 私の名前がいま出たからあれだけれども、私の了解がなければどうのこうのというのは、水産庁は一体それを了承して言っているわけですか。それは、そうすると、私にまかせますか。そういうふうに水産庁は私にまかせるつもりで言っているんですか。それはどうなんでしょうか。ずいぶんそれは軽率なことばじゃないですか。
#90
○説明員(山中義一君) そういうことは、おまかせするということではないのでございますが、坂井氏外二名はそのように申しておるという旨、県の部長からも連絡ございまして、それならば、組合長は、地元における三人の者のよき理解者という意味での先生にお会いをして、組合長の考えも述べたり、あるいはまた、先生からもその場合に地元の選挙民の一人ということで御指導を得たい。この解決をすべて先生におまかせするとか、そういう意味で言っているわけじゃないのですから、御了承いただきたいと思います。
#91
○小宮市太郎君 そこで、なおぐるぐる回っていると、常々めぐりみたいになっちゃって、変なかっこうになってきたんですが、初めから私が申し上げましたように、私はここに五十数年住んでいる。もの心づいてから五十何年になるんだから、ここら辺の事情はよく知っておりますということをまず申し上げていろいろ聞いたわけですが、そこで、坂井君やあるいはその他の諸君がこの問題について、われわれではどうしてもしょうがないから、小宮にいろいろと話を聞こうという事実はあったし、また、そういう考え方を持っていることも考えられないことはありません。ところが、また一方、私は吉田組合長というのをよく知っているんですよ。若いときからよく知っている。ところが、この人もまた、私に対しては、小宮という男がおれに会いたいと言っているけれども、おれのほうじゃ会わないのだと言って、片方は言ってくるが、なかなか個人対個人の問題じゃないのです。こうなると、だからあくまでも行政的にこれをひとつ解決してもらいたいというのがわれわれの考えであるし、また、一般の希望であろうというふうに思うんです。
 そこで、だいぶ長くなりましたから、繰り返し繰り返しになってくどくなりましたから、申し上げませんけれども、ひとつ水産庁は、山中漁政部長が行くのは非常に行きにくいなら、だれか水産庁からやって、もう少し詳しく調査をしていただいたらどうでしょう。それならどうですか。
#92
○説明員(山中義一君) 貴意にできるだけ沿いたいというふうに考えております。
#93
○委員長(木島義夫君) それでは、本件についてはこの程度にいたしまして、先刻中断いたしました法務局職員の待遇等に関する件について質疑を続けます。稲葉君。
#94
○稲葉誠一君 この前、民事局長に法務局の職員の年末の臨時執務態勢のことに開運をしてお聞きしたんですが、その点について、時間がおそくなりましたから、ちょっと二、三点確かめておきたい、こう思います。それは、超適勤務手当の配賦ですね、これはどういうふうに本省と地方の出先との間でやっているのかということなんですが、実は本省のほうがほとんど取っちゃって、地方のほうには月に八時間分ぐらいしか超勤が行っていないんだということが言われているんですが、本省のほうがうんと取っちゃうんですか。それだけ忙しければしょうがないとしても。
#95
○政府委員(平賀健太君) 超過勤務手当につきましては……。
#96
○稲葉誠一君 民事局関係だけでいいです。
#97
○政府委員(平賀健太君) 法務局は一本で入っておりまして、本省の超過勤務手当は、私のほうは実は所管ではございませんで、官房のほうでやっているわけでございます。でありますから、ちょっと基準は違うかと思うのでございます、法務局に対する関係は。同じ法務局でも、地方法務局の管内でございまして、法務局あり、支局あり、出張所があり、非常に忙しいところもあると思うと、またひまなところもある。ひまと言っても限度がございますけれども、繁閑の差がございますので、大体職員数をもとにいたしまして、法務局、地方法務局に予算の配賦をしておりまして、それを具体的にどう配分するかということは、法務局、地方法務局にまかせてございます。繁閑の差を見て不均衡にならないよう全般的な指導はいたしておりますけれども、実際具体的な配分のしかたは、法務局、地方法務局の裁量にまかせてあるわけでございます。
#98
○稲葉誠一君 超勤の手当は、毎月何時間というふうな形で法務省としてはやっているわけでしょう。この前ちょっと話がありましたのですが、それはどういうふうになっておりますか。二十時間請求したらだめで十一時間になったというのですが、そこのところはどうなっておりますか。
#99
○政府委員(平賀健太君) 現在の予算は、三十九年度の予算について見ますと、職員一人当たり十二時間ということで予算がつけられているわけであります。
#100
○稲葉誠一君 ところが、それが地方の法務局にいくと、一人十二時間に配賦されていないんじゃないですか。実際は地方法務局は八時間くらいじゃないですか。
#101
○政府委員(平賀健太君) それは、そういうことはないと思います。でありますから、ただいま申し上げましたように一人十二時間ということで入っております関係で、各法務局には大体その割りで配賦をいたすわけでございますが、現実に配分します際には、たとえば札幌に例をとりますと、札幌法務局は非常に忙しい。ところが、管内には、支局、出張所でそれほど忙しくないところがあるという関係で、法務局の職員は一カ月に十二時間以上もらっている者もおりましょうし、あるいは比較的事件の少ない出張所におきますとそれが四時間、五時間というようなことになっているところもあるということでございまして、おしなべてみますと、八時間というようなことはないと思います。
#102
○稲葉誠一君 私の聞きたいのは、本省は一人十二時間という基準で行っているんですか。こういう基準で行っても、実際はそれ以上たくさんもらっていて、その平均のところを本省のほうが取って、しまうから、地方は減って、地方のほうの運動の配賦が少なくなっているんじゃないですか。それが現実の姿じゃないですか。
#103
○政府委員(平賀健太君) ただいま申し上げましたように、法務局関係の超過勤務手当というのは一人一カ月十二時間ということで入っておりますので、それを本省のほうにさくというようなことはいたしておりません。それは絶対にございません。
#104
○稲葉誠一君 そうすると、本省では何時間の超勤ということになっているんですか、民事局なら民事局では。
#105
○政府委員(平賀健太君) 本省のほうは、私もいま数字を持って参りませんでしたが、ただ、本省は、地方に比べまして、私ども現、実を見ておりましても、定時に退庁できるような状態でございませんで、七時、八時、九時になることもしょっちゅうございまして、その関係で本省関係の超過勤務手当の予算は地方より多少予算の額も多いと思います。それはちょっといま私よくわかりませんので、お答え申しかねますけれども、いずれにいたしましても、法務局の予算をさいてそれを本省に回すというようなことは、これはいたしておりません。
#106
○稲葉誠一君 さかなくても本省のほうが多いということは、これはあなたの管轄でないとすれば、あとで調べてみればわかると思いますから、これはあとで調べていただきたいと思います。
 そこで、具体的には、たとえば札幌の場合は、十二月に何時間分の超勤の財源があるわけですか。何か五時間分しかないという話もあるんですよ。
#107
○政府委員(平賀健太君) 札幌の関係におきましては、五時間分ということはないと思います。
#108
○稲葉誠一君 どのくらいですか。
#109
○政府委員(平賀健太君) 札幌の関係だけは数字を控えて参ったのでございますが、年額内示ということで年度当初配賦しましたのは約三百万でございます。それから年末繁忙分ということで、五十八上方三千円というのを年末に特別に配賦いたしたわけでございますが、これは札幌法務局管内の全職員百八十八名、約二百名近くございますが、この計算の基礎は、一人当たり千五百円プラス十時間分と、こういうことでもって五十八万三千円という計算が出ております。そういうわけで、十二月分は一人当たり五時間分しかないということはないと思います。
#110
○稲葉誠一君 そうすると、札幌地方法務局で臨時執務態勢というのをつくって、第一次態勢が十一月十六日から十一月三十日まで、これは火曜、金曜は夜八時まで、土曜は午後五時まで、第二次態勢が十二月一日から十二月十二日まで、月水金は夜九時まで、土曜は午後五時まで、それから第三次態勢が十二月十四日から十九日まで、月水金は夜九時まで、土曜は午後五時まで、日曜全日、第四次態勢が十二月二十日から十二月二十八日まで、これは第三次態勢と全く同じ、こういうふうなことでやっているわけですが、こういうふうなことは、こういうふうにやるからという報告は一々法務省のほうに来るのですか、あるいは、その地方法務局の局長が全部全権を握っていてこういうふうにどんどん超勤を課してもいいわけですか。
#111
○政府委員(平賀健太君) 年末の繁忙対策としてどういう事務の処理態勢をとるかというようなことは、これは地方法務局に全部まかせてございまして、一々こちらに上申してまいりましてこちらで承認を与えるというようなことはやっておりません。ただ、現地におきましては、こういう処理態勢を立てまして、これをやるには超過勤務手当がこれだけ要る、ところがいままでの従来の配賦額ではこれだけ不足するので、差額をひとつ追加配賦してもらいたい、そういう上申が来るわけでございます。その機会に私ども知るわけでございますが、もしこの処理態勢があまりに妥当でないというような場合には注意もいたしますし、それからまた、現実に札幌からは、私はきょう書類を持って参りませんでしたが、ただいまお話しのような非常に強化された執務処理計画を立てておりまして、それに基づきまして、たしか八十万円ばかり予算が不足するので、八十万円ほど超過勤務手当の予算を追加配賦してもらいたいという上申が来ておったように記憶いたしております。これはひとり札幌だけではなしに、ほかの各局からもやはりそういう上申がたくさん来ておりまして、その上申どおりの全額を配賦するということがなかなか困難なのでございます。そういう関係で、本省におきましてはそれを適当にやはり査定をしなくちゃならない。札幌にも八十万円全額というわけにはまいりませんので、ただいま年末繁忙分としては五十八万三千円、約六十万円を配賦したと、こういう次第でございます。
#112
○稲葉誠一君 そうすると、いま私が言った第一次態勢から第四次態勢までの執務時間のことは、これは間違いありませんか。
#113
○政府委員(平賀健太君) 札幌の法務局から来ておりますのは、ただいま仰せのほど詳細ではなかったように思いますけれども、土曜についても全日、それから最後のほうは日曜も執務するというようなことで来ておったように思います。でありますから、いま仰せの点は、札幌で現実に立てました処理態勢と大体同じではないかと私は思っております。
#114
○稲葉誠一君 それは本省へ来る報告が非常に簡単だというのはちょっと問題がありますね。もう少し詳しく来なければいけないのじゃないかと、こう思うのですが、そうすると、このとおりに実働をやると百三時間になるわけですが、これで実際に超勤手当として幾らぐらい払われるのですか。これだけやれと命ぜられたとしても、幾らぐらい払われるのですか。――ちょっとはっきりしませんか。大ざっぱでいいですよ。
#115
○政府委員(平賀健太君) 札幌から来ておりますこの上申書を見ますと、ただいま仰せの執務態勢をとった場合の総額が幾らになるかという計算が出ていないのでございますが、既存の配賦予算でまかない得る時間はわずかなのでございます。一人当たりの超勤の必要時間百四十一時間という数字が出ております。ところが、既存の配賦予算でまかない得る時間は一人当たり二十時間でございます。そういう関係で、職員一人当たり百二十一時間分の超勤、算が不足である。これは札幌の法務局の登記課の職員四十七名、それから他の部課から応援させるということで六名ということで、総計五十三名でございますが、この五十三名について一人当たり百二十一時間分不足するということで、不足額の合計が八十二が七千円というようなことで上中が来ておるわけでございます。
#116
○稲葉誠一君 そうすると、百二十一時間不足するというのは、十一月と十二月ですか。十一月の中旬からですか、十二月だけですか。
#117
○政府委員(平賀健太君) 札幌から来ておりますのは、十一月二十三日から十二月二十四日までということで来ております。一日三時間としまして四十七日分ということで参っております。
#118
○稲葉誠一君 十一月二十三日から十二月二十四日ですね。
#119
○政府委員(平賀健太君) 十二月二十四日まで四十七日ということで参っております。
#120
○稲葉誠一君 四十七日になりますか。
#121
○政府委員(平賀健太君) 四十七日でございます。
#122
○稲葉誠一君 十一月二十三日から十二月二十四日までだと四十七日ということにはならないじゃないですか。初めと終わりが違うですよ。
#123
○政府委員(平賀健太君) これは誤植かもしれません、四十七日になりませんので。これは違っておると思います。
#124
○稲葉誠一君 まあそれは四十七日もおかしいのですが、一日三時間というのはおかしいのじゃないですか。一日三時間になりますか。日曜なんか全部やるのだし、土曜も五時までやる。普通の日も夜九時までやる。やらない日もあるのでしょう。それをならして三時間になりますか。三時間というのは、実際にはたとえば五時間も六時間もやるのだけれども、三時間分だけとにかく超勤をくれ、こういう意味ですか。そこのところがはっきりしないですが。
#125
○政府委員(平賀健太君) 上中書は一日三時間の超過勤務を命じというふうに書いてありまして、これが総計で百四十一時間になるということになっておるようでございますが、ちょっと私民事局でつくりました資料を持って来ておりませんものですから、この計算違いは民事局のほうではちゃんと整理しておると思います。
#126
○稲葉誠一君 あまりこまかいことをお聞きするのはあれですから、この程度にしますけれども、いま一つの例として札幌の法務局を取り上げたのですが、こういうふうにたくさん超勤を十一月から十二月にしなければならない。実際に払われるのはその全部ではない、一部分だ、こういうことになってくるわけですが、そこで、いまの場合は、五十八万三千円というのは、八十二万二千円不足だからくれと言った中から五十八万三千円を渡してあるというのですか、年末として。
#127
○政府委員(平賀健太君) さようでございます。これは、札幌から上申が参りますのと入れ違いに、こういう年末繁忙分としまして、札幌のみならず、ほかの局にも配賦いたしたのでございます。
#128
○稲葉誠一君 民事局の所管でもって法務局関係から年末としてほかからも上申があると言われたのですが、全体総計するとどのくらいあって、どのくらい財源として年末に渡せるわけですか。そこまでは計算はなかなかむずかしいでしょうが、大ざっぱでもいいし、あるいは月の予算でもいいのですけれども、法務局は非常に忙しいんです。ぼくら行ってみても、それはひまなところもあるかもしれませんが、非常に忙しいですね。
#129
○政府委員(平賀健太君) ただいまの仰せは、年末繁忙分として全体で幾らということでございましょうか。
#130
○稲葉誠一君 そうです。
#131
○政府委員(平賀健太君) 大体総額が三千三百万円くらいでございます。これを各庁に配賦いたしたわけでございます。
#132
○稲葉誠一君 上申ですよ。
#133
○政府委員(平賀健太君) 四十九カ庁でございます。
#134
○稲葉誠一君 上申として来ているのはどのくらいなんですか、各地方法務局から来ておるのは。それを全部渡しているわけじゃないでしょう。
#135
○政府委員(平賀健太君) これは私きょうは全然資料を持ってきておりませんので……。
#136
○稲葉誠一君 三千三百万円というのは、現実に渡した費用ですか。
#137
○政府委員(平賀健太君) これは現実に配賦した額の合計でございます。
#138
○稲葉誠一君 その三、三百万円というのは、前から、予算として取っておるのですか、何か特にもらったのですか。
#139
○政府委員(平賀健太君) これは年度当初には年末繁忙分なんかもございますって、一部留保して、年度当初には金額配賦しないで一部留保してありまして、その留保してある中から三千三百万円を増額配賦したということでございます。
#140
○稲葉誠一君 私が疑問に思いますのは、地方の法務局から上申してくるのは、すでに実際超勤を命じているものの全部でなくて、その何割かを上申してくる、金額的に言えば。さらにそれを本省のほうで何割かに切って渡すから、出先のほうで実際に働いているのはもっと時間的にも長く働いている、実際に支払われるのは少ない、こういうことが結果としてあらわれるのじゃないかと思いますが、その点はどうですか。
#141
○政府委員(平賀健太君) そのとおりの実情でございます、遺憾ながら。
#142
○稲葉誠一君 それは遺憾ながらそのとおりの実情だけで終わるわけにはいかぬが、そこで、法務省としては、大蔵省に対して四十年度の予算で超勤についてどういうふうな要求なんかをしているのですか。
#143
○政府委員(平賀健太君) 四十年度予算におきましては、三十九年度は十二時間分でございますので、せめてこれを十六・八時間分、約十七時間分でございますが、十七時間分まで増額してくれということで要求いたしております。これは従来も超過勤務手当の増額の要求は再々要求しておりますが、なかなかこの超勤予算というのは入りにくいのでございまして、三十八年度は十一・何時間でありましたのが十二時間分に丸くなったという程度でありまして、これは非常に困難でありますが、これは私どもとしても執拗に増額を要求していきたいと思っております。
#144
○稲葉誠一君 この問題はきょうはこの程度にしておきますが、あとで法務大臣にもあなたのほうからよくお話しくだすって、法務省が一丸となってもっとこの超勤を、実情がそうなんだから、もっと獲得するよう一生懸命骨を折っていただきたいと思います。きょうは、時間がありませんから、この程度にしておきます。
#145
○委員長(木島義夫君) 本件についてはこの程度にいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後四時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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