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1964/12/01 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 内閣委員会 第2号
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1964/12/01 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 内閣委員会 第2号

#1
第047回国会 内閣委員会 第2号
昭和三十九年十二月一日(火曜日)
  午後一時三十七分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 十二月一日
    辞任         補欠選任
     上林 忠次君     栗原 祐幸君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         下村  定君
    理 事
                石原幹市郎君
                小柳 牧衞君
                伊藤 顕道君
    委 員
                栗原 祐幸君
                源田  実君
                古池 信三君
                林田 正治君
                堀本 宜実君
                三木與吉郎君
                村山 道雄君
                千葉  信君
                山本伊三郎君
   国務大臣
       法 務 大 臣  高橋  等君
       国 務 大 臣  小泉 純也君
       国 務 大 臣  増原 恵吉君
   政府委員
       防衛庁長官官房
       長        小幡 久男君
       防衛庁人事局長  堀田 政孝君
       防衛庁参事官   麻生  茂君
       法務政務次官   大坪 保雄君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  鹽野 宜慶君
       法務省刑事局長  津田  實君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  清君
   説明員
       公安調査庁長官  吉河 光貞君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審査)
○防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○派遣委員の報告
○法務省設置法の一部を改正する法律案(第四十
 六回国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(下村定君) これより内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。本日、上林忠次君が委員を辞任され、その補欠として栗原祐幸君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(下村定君) 去る十一月二十七日、予備審査のため、本委員会に付託されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について提案理由の説明をお願いいたします。増原給与担当国務大臣。
#4
○国務大臣(増原恵吉君) ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 本年八月十二日、一般職の国家公務員の給与について、俸給表を全面的に改定し、期末手当、勤勉手当及び宿日直手当等を改定することを内容とする人事院勧告がなされたのでありますが、政府といたしましてその内容を慎重に検討した結果、本年九月一日から人事院勧告どおりこれを実施することが適当であり、また、昭和三十六年十二月十四日付人事院勧告に基づく暫定手当の一段階相当額の本俸繰り入れにつきましても、これを明年四月一日から実施することが適当であると認めましたので、この際あわせて、これら関係法律について所要の改正を行なおうとするものであります。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改めまして、次のとおり本年八月の給与改定に関する人事院勧告の実施をはかることといたしました。
 すなわち第一に、全俸給表の全等級を通じ、俸給月額を現行の俸給月額より平均七・九%引き上げた額とするとともに、行政職俸給表(一)、教育職俸給表(一)、研究職俸給表及び医療職俸給表(一)の一等級を一括して、新たに指定職俸給表を設けるほか、行政職俸給表(一)について地方機関の職務の段階に適合させるため、現行四等級と三等級の間に一つの等級を設けることといたしました。
 第二に、初任給調整手当の支給期間を明年四月から現行三年以内のものを五年以内に、現行二年以内のものを三年以内に延長することといたしました。
 第三に、通勤手当について支給額算定の際の百円控除を廃止するとともに、自転車等使用者に対する同手当の支給額を百円増額して四百円(原動機付のものにあっては、四百五十円)に改めることといたしました。
 第四に、年末・年始等に勤務した職員に休日を支給することといたしました。
 第五に、宿日直手当の支給限度額を四百二十円(土曜日から引き続く場合は、五百四十円)に引き上げるとともに、新たに常直的な宿日直勤務を行なう職員に月額三千円以内の額の同手当を支給することといたしました。
 第六に、六月及び十二月に支給される期末手当を〇・一ヵ月分ずつ増額するとともに、三月に支給される勤勉手当も〇・一カ月分増額することといたしました。
 第七に、明年四月から暫定手当の一段階相当額を俸給に繰り入れ、昭和三十六年十二月の人事院勧告の実施をはかることといたしました。
 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律等の附則の一部を改めまして、暫定手当の一段階相当額の俸給繰り入れに伴う所要の改正等をはかることといたしました。
 なお、本法に附則を設けまして、俸給の切りかえ方法、切りかえに伴う措置等を規定することといたしました。
 この法律案は、以上申し述べました内容について改正を行なおうとするものであります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(下村定君) 次に、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案について提案理由の説明をお願いいたします。小泉防衛庁長官。
#6
○国務大臣(小泉純也君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与法等の、一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この改正案は、このたび提出されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の例に準じまして、防衛庁職員の俸給月額の改定等を行なおうとするものであります。すなわち、参事官等及び自衛官の俸給表の改定を行なうとともに、これに指定職相当の欄を設けることとし、事務官等については、従来どおり一般職に適用される俸給表によることとしております。これにあわせて、防衛大学校の学生に対する学生手当の額等につきましても改定を行なうことといたしております。
 また、期末手当、勤勉手当、通勤手当、宿日直手当、休日給及び初任給調整手当につきましては、一般職の改正に伴って規定の改正を行なうこととしております。
 なお、この法律案の第一条及び第二条の給与改定に関する規定は、公布の日から施行し、本年九月一日から適用することとし、第三条及び第四条の暫定手当の繰り入れに関する規定は、明年四月一日から施行することといたしております。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいまするようお願い申上げます。
#7
○委員長(下村定君) 以上で両案についての提案理由の説明は終了いたしました。自後の審査は、これを後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(下村定君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。本件は、当委員会の決定に基づき前国会閉会後に行ないました委員派遣の報告でございますが、まだこれを聴取いたしておりませんので、この際、派遣委員の方から御報告を聴取することにいたします。伊藤君。
#9
○伊藤顕道君 それでは今回の委員派遣報告を便宜上私から申し上げたいと思います。
 林田委員、鬼木委員並びに私の三名は去る十月四日から十月九日まで六日間の日程をもって、国の地方出先機関、公務員制度及び自衛隊の実情調査のため、航空自衛隊築城基地、大分県庁、大分行政監察局、宮崎県庁、航空自衛隊新田原基地、鹿児島県庁、海上保安庁第十管区海上保安本部、海上自衛隊鹿屋基地を視察してまいりました。以下調査の概要、特に視察先において述べられました当委員会に対する要望事項に重点を置いて御報告いたします。
 第一に、自衛隊関係について申し上げます。まず、航空自衛隊築城基地でありますが、同基地には現在第十六飛行教育団、第十飛行隊、第六飛行隊が所在しておりますが、T33ジェット練習機五十二機、F86Fジェット戦闘機五十二機が装備され、T33によるジェット・パイロットの教育訓練及びF86Fによる防空行動に当たっております。昨年八月池田総理が同基地を視察し、隊員の士気も非常に盛り上がっておるというようなことも聞いております。御承知のごとく、当委員会に継続審査中のいわゆる防衛法案では、同基地に第八航空団が新編せられることになっておりますが、未成立のため迎く第十、第六飛行隊をもって臨時築城航空隊を新編し、第八航空団への準備態勢を完了する予定とのことでありました。
 次に、航空自衛隊新田原基地でありますが、同基地には第五航空団が所在し、ジェット戦闘機F104J五十一機、F104DJ五機等が装備され、F104による防空行動を主任務としております。第五航空団は昭和三十五年七月編成以来、事故発生件数五、昭和三十八年三月の事故以来、飛行時間にして一万七千九百八十六時間、日数にして五百七十九日無事故を続けてきており、特に本年三月のF104ジェット戦闘機配属以来慎重に事故防止につとめているとのことでありました。
 同基地における問題点はF86Fよりさらに騒音の高いF104の騒音防止対策であります。従来より政府は八億二千万円を投じて、同基地周辺の学校の騒音防止対策につとめているそうでありますが、すでに同基地周辺の地元民より移転補償の要求が百九十二件も出ているとのことであります。騒音防止対策のみならず、なお一そう強力な民生安定対策が必要と見受けたわけであります。これはまた、同時に基地司令の強い要望でもありました。
 次に、海上自衛隊鹿屋基地でありますが、同基地には対潜哨戒機P2Vを主力とする実戦部隊である第一航空群と、教育部隊である鹿屋教育航空群が所在しております。同基地における問題点は、両部隊の装備機種は異なっておるので、同一滑走路上の航空機発着など訓練に非常な不便を来たしている点であります。すでに教育航空群を山口県の小月基地に移転する予定で、防衛法案にそのための増員分が含まれておるとのことでありました。なお、同基地では格納庫が不足しており、毎年の台風襲来に際しては、航空機を青森県の八戸基地に避難させるとかで、その増設の希望が強く述べられておりました。
 以上で自衛隊関係を終わりまして、第二に、国の出先機関に関する調査について申し上げます。
 まず、大分行政監察局についてでありますが、おもな要望事項は、行政相談委員制度の法制化、行政相談委員の待遇改善、合同庁舎の建設及び公務員宿舎の建設の諸点でありました。行政相談委員制度は、昭和三十六年発足以来、その効果きわめて著しく国民の各層から高く評価されながら、訓令によって設けられているのみで、まだ法制化されていないので、民生委員制度、人権擁護委員制度などと同様、この制度を法制化し、その法的根拠を明確にしていただきたい旨、また、行政相談委員には年間わずか三千円の実費弁償金を支給するのみで、その労に報ゆるには少なきに失するよう感じられるので、一そうの待遇改善が望ましい旨述べられました。さらに大分では、財務部、労働基準局、統計調査事務所並びに行政監察局の四機関の庁舎がいずれも老朽化し、合同庁舎建設が多年の懸案事項となりながら、まだ実現を見てないので、昭和四十年度にはぜひとも予算化していただきたい旨、また、当庁職員のうちには結婚適齢期にもかかわらず、公務員宿舎の絶対的不足から、結婚さえちゅうちょしている状況でもあるので、公務員宿舎の増設について特段の御配慮を願いたい旨述べられました。なお、大分行政監察局において九州管区行政監察局当局より要望を聞いたのでありますが、以上の諸点のほか行政相談の広報員の増額の必要が訴えられました。
 次に、第十管区海上保安本部でありますが、御承知のごとく、昭和三十七年一月発足しましたが、私たちが参りました直前に新築の庁舎に移転した由、なかなか明るい環境で執務しておりました。しかし、問題点は多々かかえているようで、特に巡視船の老朽化がひどく、いまだに、石炭をたき、黒煙もうもうたる船も使用しているとのことでありました。問題点として述べられましたところは、第一に、九百トン型大型巡視船の代替建造でありました。第二には、組織の整備であります。八代分室の海上保安署への昇格、串木町海上保安署の海上保安部への昇格、油津海上保安部燈台課の設置が要望され、また、第三には、航路標識の整備が南九州においては他地域より特におくれているので、この格差を締めていただきたい旨要望されました。
 最後に大分、宮崎、鹿児島の三県庁の調査について申し上げます。
 調査事項としては、各県における国の出先機関につき、特に地方自治との関連においてその機構、業務運営等についての所見及び各県職員の給与問題並びに各県の総合開発計画の諸点を主として聴取してまいりました。
 第一の問題点は、御承知のごとく、近時における広域行政要請の声や、今度の臨時行政調査会の行政改革意見、地方制度調査会の調査等において論議の対象となっている国と地方公共団体との事務の再配分という基本的問題とも関連するのでありますが、この点については、三県とも多少のニュアンスの違いはあっても、大体次のような意見が述べられました。すなわち現行制度のもとにおいては国の地方出先機関は行政の決定権能を持たず、単なる本省の経由機関化している実情であるので、結果的には二重ないし三重行政の弊が生じ、本省と地方出先機関双方に対しヒヤリング折衡等を行なわなければならず、そのため経費は増高して事務の迅速化、能率化は阻害され、不必要と思われる負担をしいられているのが県の実情である。したがって、事務の内容等、必要に応じて地方出先機関に大幅な権限を委譲して、地方出先機関限りで事務処理ができるようにするか、あるいは地方出先機関に関係のない本省の直轄事務として事務の単一化の措置を講ずる必要があるとの所見でありました。また、地方自治法附則第八条のいわゆる社会保険、職業安定等の事務に従事する地方事務については、名実ともに都道府県の職員として知事の監督のもとに置くべきではないかとの意見が述べられ、これが解決を強く要望されました。
 第二の給与問題については、今回の人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定に関連し、これに準ずる地方公務員の給与改定については、地方財政上三県とも負担が大き過ぎ、実施が困難視される状況にあるので、国において財政上十分配慮していただきたい旨強く要望されました。また、大分においては、大分市長より、市の立場から見た国と地方公共団体との事務配分についての所見を伺ったのであります。
 なお、私たちが鹿児島、宮崎両県に参りましたのは、ちょうど第二十号台風の直後でありましたので、その被害状況についても詳しく説明を受けたのでありますが、被害はことのほか甚大で、これに対する国の諸施策が早急に講ぜられる必要を痛感した次第であります。
 以上が今回の調査概要であります。なお、詳細な点につきましては、各機関より資料の提供を受けており、調査室において保管しておりますので、必要ありますれば、適宜そのほうでごらんいただきたいと任じます。
 簡単でありますが、以上、御報告を終わります。
#10
○委員長(下村定君) ただいまの御報告について御質疑はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(下村定君) 別に御質疑もないようでありますから、派遣委員の報告は、これをもって終了いたします。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(下村定君) 次に、法務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、第四十六回国会に、衆議院において修正議決の上本院に送付された議案でありますが、すでに提案理由の説明及び修正の趣旨説明を聴取いたしておりますので、先例によりこれより質疑に入ります。
 政府側御出席の方は、高橋法務大臣、大坪法務政務次官、鹽野司法法制調査部長、津田刑事局長、八木入国管理局長、富田同局次長、吉河公安調査庁長官、宮下同庁次長でございます。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#13
○伊藤顕道君 私は、この法務省設置法の一部改正法律案に関連して、まず大臣に二、三お伺いしたいと思いますが、最初にお伺いしたいのは、公安調査官の増員に関連してでありますが、御承知のように、第四十国会の当内閣委員会で、登記事務の激増に対処するための体制の整備、こういう点についての附帯決議が付されておるわけです。そこで、この趣旨に基づいて、昨年の第四十三回国会で法務事務官の増員をはかっておるわけですが、今回さらに登記専門職を増員しようとしておるわけですが、そこでお伺いするわけですが、登記事務の現状に対処するために一体どの程度の定員があったらいいのか、どの程度のことを考えておられるのか、こういう問題について明らかにしていただきたいと思います。
#14
○国務大臣(高橋等君) 御指摘のように、法務局の出張所の事務は近来とみに繁忙を増しております。そのために人員の充実をいたしまして、能率をあげること、これはこれを利用する人々に対するサービスの面から考えましても、きわめて必要なことでありますし、また、従事員の執務過剰を救うということも喫緊の急務になっておるわけであります。一昨年は二百名の増員をいたしておりますし、今度の設置法でも二百名の増員が出ておるわけでありますが、そして来年度におきましては、登記事務の適正化のために七百十一人の増員を要求いたしております。大体現在のところ、それが充足をいたしますれば、相当の緩和ができるのではないかという意味で増員要求を出しておるのでございます。
 なお、あわせて、御質問外でありますが、申し上げておきたいのは、庁舎におきましても非常に老朽であり、早急に建て直しその他をやりまして、利用者の便利とか、また事務能率を向上さすことをはからなければならない。これらの点につきましても、ただいま大蔵当局と、できますれば五ヵ年計画で、できない、むずかしい場合にはせめて十ヵ年計画ぐらいの計画をもちまして、この庁舎の整備をはかりたい。また、いままでいろいろ筆記によってやっておりましたものを、謄写等によって、新しい機械ができておりますので、できるだけ能率をあげるようにいたしていきたい、こういうような考えで、法務省としましては、法務局の登記所の整備拡充という問題につきまして、重大な関心を払って努力をいたしておるわけでございます。
#15
○伊藤顕道君 いま御説明のあった、登記事務を渋滞させないということは、ここの当委員会で附帯決議まで出されたぐらい、きわめて重要なことであるので、やはり年次計画を立てて体制を整備して遺憾なきを期すべきである、そういうふうに考えるわけで、さらに一段とこの点に努力してほしいわけですが、ここでお伺いいたしますが、この公安調査官についてですが、日本では、御承知のように、敗戦という非常に大きな犠牲を払っておるということと、国民の非常な努力ということによって、民主国家としての基礎が着々確立されつつある、これが現状であろうと思うわけです。ところが、いま申し上げたように、公安調査という美名のもとに、善良な国民に対してまで、思想の調査とか、行動の調査が行なわれておるということは、私が説明するまでもない周知の事実であるわけです。このことは、新憲法下においては断じてわれわれとしては容認できない、こういう問題であろうと思うのですが、この点は大臣としてはいかがお考えですか。
#16
○国務大臣(高橋等君) 公安調査庁のやっておりまする調査は、いわゆる破防法の適用をせねばならないような性格を過去において持ったか、あるいはその思想の根底に持っておりまする右翼、左翼の団体についてあるかじめ調査を成就いたすということが、御存じのように使命でございます。個々の人権にわたるような問題につきまして、そうしたことのないように十分注意を払っていたしております。警察の捜査その他とはを異にいたしておるのでございます。なお、御注意のような点につきましては、十分に当局としましても考えていかにゃならぬと考えております。
#17
○伊藤顕道君 もともとこの公安調査官のいわゆる権限といいますか、任務、こういうものは憲法で保障されておる、やはり基本的人権に深い関係があろうかと思うのです。そこで、時によると、この基本的人権と、この公安調査官の権限職務が競合する、こういうことが過去においても間々あったわけです。こういう意味合いで、こういう事例は幾らでも出てくるわけですが、そこでお伺いするわけですが、こういう場合には、一体どこに解決のめどを置いておられるのか、また、今後はどうしようとなさるのか。過去の問題はとにかくとして、今後に対する大臣としてのひとつお考えを明らかにしていただきたい。
#18
○国務大臣(高橋等君) 人権を侵害しないように、また公共の秩序安全のために慎重な行動配慮をやりつつ調査をする、これは基本的な態度でございます。十分そうしたことに留意をいたしておるつもりでございますし、これからももちろんそうしたことを留意しながら必要な調査を進めたい、こういうように考えております。
#19
○伊藤顕道君 ここでお伺いしたいのは、公安調査官という名のもとに、右翼とか、左翼、そういう特殊な、かんばしからざる団体に対する調査、これはきわめて必要なものであろうと思うわけですけれども、往々にして、善良なる一般国民に対する思想調査とか、行動の調査は、過去の事績で明らかなように行なわれておる。こういうことはきわめて遺憾であるので、そういう調査については必要最小限度にとどめて、いわゆる国民生活の安定向上をはかるために必要な政治の面に重点を置くことがきわめて必要なことであろうと、こういう観点からお伺いしておるわけです。こういう点については大臣はどうお考えですか。
#20
○国務大臣(高橋等君) ただいまお答えしたとおりでございまして、全く同感でございます。
#21
○伊藤顕道君 いま私が言うまでもなく、自民党内閣の経済政策の失敗からもう物価は日に日にはね上がっておる。物価抑制の運動が全国に充満しておるわけです。中小企業のいわゆる倒産、これも非常に深刻なものがあるわけです。さらには悪質犯罪が逆に激増しておる。こういう事態の中で、国民は政治に対する不信の念を強く抱いておるのが現状であろうと思うわけです。こういう方向をつくっておきながら、今度は一方公安調査官を激増して、定員を増して、その面の調査を強化する、こういうことはどう考えても本末転倒ではなかろうかと思うわけです。で、要は、まず政治の姿勢を正すことが基本的にまず大事なことではなかろうかと、こういうふうに考えるわけですが、この点はどういうふうにお考えですか。
#22
○国務大臣(高橋等君) ただいま申し上げましたように、犯罪の捜査その他とは趣を異にいたしております。したがいまして、先ほど申し上げましたような団体につきまして、人権を侵害しないように十分に注意をいたしながら公共の秩序安全のために慎重な行動、配慮をいたし、調査を進めておるようなわけでございます。もちろん法務当局としまして、暴力行為あるいは汚職、非行少年の問題等、いろいろ問題がありますから、公安調査庁のやっておりまする調査とはこれはまた趣を異にいたすということで、基本的には人権を尊重しながら調査の目的を達するように努力をしておる、このように御承知をお願いいたしたいと思っております。
#23
○伊藤顕道君 この公安調査庁と内閣の調査室、それから警察庁、こういうのはいずれも同じような内容、同じような方法で、しかもばく大な国費を費やして治安対策に当たっておるのが現状であろうと思う。これは単に公安調査庁だけではないと思う。治安維持のためのこういう調査を進めておるのは内閣調査室もそうであろうと思う。警察庁も同様である。また、公安調査庁の二百名増加ということについては、もちろん破壊的団体の規制の業務を充実させる、こういうねらいからでありましょうけれども、この点については、ひとつ、どうしてそのように必要なのか、具体的にひとつ御説明いただきたいと思います。
#24
○国務大臣(高橋等君) 御存じのように、警察が公安秩序の維持、犯罪の予防と摘発という任務を負っておる。公安調査庁は、先ほど申し上げましたように、破防法の制定によってその目的で進んでおる。したがって、具体的な取り締まる事柄が同じことを調べることもあるかもしれません。が、おのずから公共安全の維持、国の秩序維持といっても、ねらいと角度その他に違いがある。根本的にこれは違いがあるのでございます。その他の点につきましては長官より説明をさせます。
#25
○説明員(吉河光貞君) ただいま、御指名によりまして私から簡単に申し上げます。
 公安調査庁は破防法運用の主管官庁でございまして、特定の団体が破防法に規定されておりまするような暴力主義的な破壊活動を団体の活動として行なった場合に、さらに将来継続または反複して行なうおそれのある場合には、これを調査いたしまして、解散その他必要な規制を公安審査委員会に請求する、つまりそういう破壊団体を規制していきたいというのが破防法の眼目になっております。御指摘のように、警察は警備の実施をするために必要ないろいろな情報収集も行なっているようでございます。また、内閣調査室は一般行政上の資料収集も行なっております。しかし、公安調査庁のように規制に関して必要な証拠を集めるという調査は行なっていないのでございます。私ども公安調査庁の調査官は、規制のために必要な証拠を集めて規制の請求の準備をする、この規制につきましては、公安審査委員会の決定を受ける、さらに不服の場合には裁判所に審査を受けるというようなことになっておりまするので、準司法的な役割りを果たさなければならない。かような意味をもちまして、公安調査官は特定の破壊容疑団体につきまして調査を進めております。で、御指摘のように、こういうふうな似通った調査、あるいは情報の仕事は一本に統一してはどうか、あるいは少なくとも警察と公安調査庁は一本にしてはどうかというような御指摘もあるようでございますが、しかし、警察がすべて公安調査庁のやるような権限をもちまして、すべてを警察でやるということは、かえって機関相互の均衡と抑制を害することになり、権限集中の弊を侵す、これは終戦前の過去において私どもが苦い経験を味わったことでもある。むしろこれは公安調査庁をして破防法運営の責任機関として、独自にその責任を持たせてやらせるということがかえって民主主義の要請にかなうのではないかと考えている次第でございます。
#26
○伊藤顕道君 そうしますと、どこまでも破壊的といいますか、破壊的団体が対象である、そういう一語に尽きると思うのですが、そうなると、破壊的団体ということになると、まず考えられるのは、左右両翼があるわけですが、一体、左右両翼いずれに重点を置いておられるのか、こういうことについてお伺いしたい。
#27
○説明員(吉河光貞君) 私どもといたしましては、破防法に該当する限り、極左であると極右であるとを問わず、これを対象団体として調査するたてまえにしております。ただ実際の調査体といたしましては、御承知でもございましょうが、私どもが調査の対象としている日本共産党が、昭和三十四年の第八回党大会以来、非常に党勢が拡張してまいりまして、すでに党員約四万の党勢力が数年の間に十万をこえるというような事態になってまいりまして、非常に膨大な組織となっておるのでございます。また、右翼も最近、河野邸の放火事件、池田首相の襲撃事件、日共野坂議長襲撃事件等、数々の暴力主義的な過激行動を起こしておりまして、特に最近にも浅沼さんの刺殺事件というような不詳事件が起きております。こういうような事態に対しまして、私どもは右翼団体についても重大な関心を持ち、破壊的な容疑のある団体につきましては、鋭意調査を進めているような状況でございます。
#28
○伊藤顕道君 共産党について、党員は十万という御答弁があったのですが、右翼の構成については数字の御指摘がなかったわけです。左のほうの御指摘があったのだから、右のほうについても、その数字の概数をひとつお知らせをいただきたい。
#29
○説明員(吉河光貞君) 大体私どもが現在調査の対象としている極右団体は十団体でございます。そのほかに正式の調査の対象団体とはいたしておりませんが、将来調査しなければならないようなおそれのある団体としては、約二十団体、その構成員の総数は約一万名程度の人員に達しておる次第でございます。ただいま申し上げた調査の対象としている右翼団体を具体的に申し上げます。護国団、これは団長が石井一昌、日本同盟、これは代表は佐郷屋嘉昭、関西護国団、代表が足立悟、治安確立同志会、会長は高津大太郎、日本青年連盟、会長は豊田一夫、大日本愛国党、総裁が赤尾敏、全アジア反共青年連盟、代表は中堂利夫、憂国同志会、会長は野村秋介、大日本愛国青年連盟、これは会長は石本隆夫、このほか最近構成員が検挙されました国民同志会、総裁が吉田益三、この団体を加えまして、十団体となるわけでございます。
#30
○伊藤顕道君 概要についていま御説明があったわけですが、なお、いま御説明のあったことについて、詳細な分を資料としてひとつ次回までに当内閣委員会に得提出いただきたいと思います。
 なお、お伺いいたしますが、大体今度は五百八十六名、法務省関係の定員増という御説明があったわけですが、その内訳はどのようになりますか。
#31
○説明員(吉河光貞君) 今回ただいま御審議を賜わっておりまする法務省設置法の改正による公安調査官の増員は二百名でございますが、この二百名の定員は、極左・極右勢力の調査に配置したい、しかも第一線の調査の不足を補うために、これを配置したいと考えておるわけでございます。つまり、二百名の全調査官を全国八つございます公安調査局に配分する予定でございまして、特に、右翼調査につきましては従来から非常に手不足でございまして、その重要性にかんがみまして、この方面に四〇%の調査員を充てたい。約八十名の定員を全国に配置したいと考えております。で、左翼勢力の調査につきましては、残りの六〇%の定員を配置したい。つまり百二十名を全国に配置したいと考えておるわけでございます。御承知のとおり、私ども全国に組織を持って調査を進めておるわけでございますが、発足当時、千七百名程度の定員でございました。その後さしたる大きな増員はないのでございますが、大多数の地方局が定員十名というようなことで、左と右をかかえて調査を進めておるというような状況でございますので、この第一線の不足をぜひ何とか解決してやりたいと、かように考えておる次第でございます。
#32
○政府委員(鹽野宜慶君) 法務大臣官房司法法制調査部長の鹽野でございます。ただいま、法務省全体の増員につきまして御質問がございましたと存じますので、全体の増長の内容について概略を御説明申し上げます。
 五百八十六名の増員計画になっておりますが、その内訳を御説明申し上げますと、大臣官房が五名でございます。それから少年院関係が教官が五十名、それから少年鑑別所関係で、技官が十名、それから地方法務局関係で、これは先ほど御指摘のございました登記所等の関係でございますが、この増員が二百三名、それから保護観察所の観察官の増員が二十二名、それから入国管理関係の面で二十九名、ただし、これは入国管理関係で、入国者収容所の関係につきましては二十四名の減ということに相なっております。そのほか検察庁関係で九十一名の増員、それから最後に、先ほど御説明のございました公安調査庁関係の増員二百名、以上合計いたしまして五百八十六名の増員、かようなことに相なっております。
#33
○伊藤顕道君 これで定員の内訳は明確になったわけですが、こういう面の定員増もさることがなら、いま、申し上げるまでもなく、青少年の非行化、こういう問題が非常に大きな社会問題になっておろうと思います。あるいはまた、交通関係のいわゆる事件が日とともにふえておる。これもよく御存じのところだと思う。こういう面がきわめて手薄ではなかろうかと思うのですが、こういう点にはいま少し重点は注がれないわけですか。いまの御説明では、こういう方面があまり強化されたとは受け取れないわけですが、この点についての御説明をいただきたい。
#34
○政府委員(津田實君) ただいまの御指摘の点はまことにごもっともでございますが、今回、御提案申し上げております法律案の中におきます検察庁関係は、ただいま申し上げました九十一名でございますが、その内訳は、検事五人、副検事十人、検察事務官七十六人、うち、検事五人、検察官の増員につきましては、訴訟を促進するための、すなわち公判審理の迅速化をはかるための増員でございますし、あと副検事十人及び検察事務官七十一人につきましては、交通関係事件の増加に対処するためでございます。御指摘の少年関係につきましては、もちろん非常に重要な事項であり、最近においても、少年犯罪の増加ということはもちろんございますが、この面につきましては、現在の制度におきましては、第一次的には、警察及び家庭裁判所の関係になります。したがいまして、検察官におきましては、当面、今回におきましては、それらのものに対する増員ははかっておりませんが、現在、各検察庁には、もちろん少年係検事もおりますし、関係検察事務官もおりまして、その面につきまして、ただいまのところ、急に増加を要するという面は出ておらないわけでございます。しかしながら、少年関係につきましては、検察庁のあらゆる力を用いまして、その少年事件の防止等の面につきましては、中央、地方を通じて、関係官庁と連絡して、種々の施策を行なっておるわけでございます。
#35
○伊藤顕道君 先ほど来の提案理由の御説明の中で、破壊的団体の規制、こういう面をひとつ充実していこうという意味合いから、御説明があったような定員増はなされておると思うのです。そこで、破壊的団体ということになると、先ほどから御説明のあった左右両翼があろうと思うのです。これは、前の調べで、もし間違っておったら御訂正いただきたいわけですが、警察庁の調べによりますと、わが国の組織暴力団は、約五千二百団体、人員にして十八万四千人、十八万四千人というと、警察官総数より多い数だと思うのですが、こういう数字に間違いがあったら御訂正をいただくということと、しかも、重大な傾向としては、こういう団体は、京浜とか阪神、そういう大都市の大きい暴力団組織が、まず、なされておって、これが地方都市に進出して、いわゆる中小暴力団を傘下におさめようとする傾向がきわめて、いま強い。こういう傾向にあろうかと思うわけですけれども、これは、このままにほおっておくことは相ならぬと思うのですが、こういう点について、法務省としては、いかようにお考えになり、いかような手を打たれておられるのか、こういう点について御説明いただきたいと思います。
#36
○政府委員(津田實君) 全国暴力団の数でございますが、ただいま御指摘の数字は、昨年十二月三十一日現在といたしまして警察庁等の調べによるものと思います。具体的に申し上げますと、団体数は五千二百十六、構成員数は十八万四千九十一人という数字があがっておるわけでございます。それから暴力団の分布状況でございますが、この分布状況と申しましても、その活動の面から考えてまいるわけでございます。活動の面から考えてみますと、やはり近畿地方が一番多くて、その次が関東であります。あとは九州、東北が、大体その次の数字になりますが、北海道その他四国、中国は比較的少ないという活動状況になっておるのですが、しかしながら、具体的の事件におきましては、これは全体の数を申し上げるわけでありまして、具体的に現在大きな暴力団として、いろいろ検挙されている者の分布を考えますと、京都でありますとか、広島でありますとか、それから東京はもちろんでありますが、神戸、名古屋、あるいは大阪というようなところが比較的強力な暴力団についての事件が検挙されておる、こういうようなことになっております。
#37
○伊藤顕道君 私がお伺いしたいのは、もちろん団体の数、構成員、こういうことについても、まずお伺いしたわけですが、それと同時に、傾向として、大都市の暴力団が地方に進出して、地方の暴力団を傘下におさめて、いわゆる系列化そうとする傾向が強いように見受けられるが、これに対する法務省としてはどのような手を打っておられるかと、ここにむしろ質問の重点があったわけですけれども、その点についてまだ御指摘なかったようでございます。
#38
○政府委員(津田實君) 確かにただいま御指摘になりました有力暴力団が、地方の小暴力団を集めて、その傘下に置くというような傾向は見られるところでございます。しかしながら、これにつきましては、どういう対策をとっているかと申しましても、要するに暴力団をまず排除するということが中心になるわけでございまして、現在日々新聞をいろいろにぎわしておりますのは、各種の有力暴力団の幹部の検挙というものはいわゆる頂上作戦のあらわれということになっておるわけです。ただ御承知のように、暴力団が具体的に暴力的行為を行なう、すなわち犯罪行為を行なう場合は、その現象によって検挙をいたすわけでありますけれども、それが上部につながるかどうかということについては、なかなか問題があるわけなんでありまして、上部の関係はむしろ他の面からこれを検挙をするという方向にまいらなければならないわけであります。したがいまして、現在のところ、いろいろ研究いたしまして、たとえば脱税の面とか、麻薬の面であるとか、あるいはその他金銭の取り立ての面であるとか、そういうようなことを中心にして考えまして、できるだけ上部のほうを取り締まるということに向かって進んでいるわけでございまして、現に国税庁その他とも、税の問題については十分な協議をいたしているわけでございます。なお、御承知のように、本年八月に全国に暴力係検事の制度を設けまして、各地に暴力係検事を設け、なおかつその下に調査室を置きまして、暴力団の組織等について平常にその内容を把握するようにつとめているわけでございます。
#39
○伊藤顕道君 暴力団がお互いに勢力争いをやってはなばなしく拳銃の撃ち合いをやるとか、こういうことは、そのこと自体が、もうすでに国民に対してきわめて危険でもあるし、迷惑な問題であろうと思うのです。昨年の例を見ても、鳥取、岐阜、石川、広島、岡山、福岡、こういうところで百十余件の乱闘騒ぎが新聞で報道されておったわけです。多数の死傷者も出しておる、こういう事態、なお、最も新聞をにぎわしておったのは、六月七日の日曜のま昼に四国の松山市の住宅街で撃ち合いがあったということ、それに相呼応するかのごとく横浜でも商店街で撃ち合いがあった、こういうことは等閑に付しておくことはできないと思う。周辺の市民こそまことに迷惑千万な話で、こういうことを何とか規制していかなければならぬと思う。ということは、仲間同士の撃ち合いなどをやるということは、結局不法に拳銃を所付しておったり、あるいは猟銃、日本刀、こういうものはもちろん一部は密輸でも入りましようし、密輸でなくても猟銃のごときは許可制ですからむぞうさに許可される、幾らでも手に入るわけです。これは検討を要する問題ではなかろうかと思うのです。まあ拳銃はなかなか許可せぬでしょうけれども、猟銃のごときはこれはもう簡単に手続さえすれば何人も持つことができる。この猟銃は撃ち合い、乱闘、そういう場合に各面で利用されておる。こういう点で一段とこういう手続等についても調査して、よほど身元を調査して、あやしいものについては許可しない、たとえばの話ですがね。こういう点については、法務省としてはどのようにお考えですか。
#40
○政府委員(津田實君) ただいま御指摘のように、凶器の使用と申しますか、そういうものにつきましては漸次凶器の押収される数がふえてまいっておりますので、確かに御指摘のような傾向があると思います。そのうち拳銃につきましては、もちろん密造もございますが、輸入も相当ございます。拳銃の大口の輸入についてはしばしば各地で検挙をいたしておる状況でございます。なお、猟銃の点は、確かに御指摘のような問題があるわけでございます。もっとも猟銃の許可に関する限りにおいてはこれは警察庁のほうの関係になりますので、私どものほうでは十分把握はいたしておりませんが、現在猟銃の問題を含めて銃砲刀剣の関係、あるいは武器製造の関係についての法律については何らかの改正、すなわち刑の引き上げを加える必要があるのではないかということを、警察庁方面でも検討しておりまして、法務省といたしましてもその相談に応じておる次第でございます。
#41
○伊藤顕道君 いま拳銃についての密造はあるし、密売がある、特に密輸なども相当増加しておるということを聞いておるわけなんですが、要するに暴力団もこういう拳銃の数をもって自分の勢力をお互いに強化しておるというような傾向があろうかと思うのですが、これはもちろん法務省自体の問題でないとしても、関係は大いにあるわけですから、関係各省と緊密な連携をとって、まずこういうものから多角的に対策を講じていかないと、一つ二つの手ではなかなか暴力団の行動を阻止することはむずかしかろうと思います。各面並行して行なって、初めて成果はあがってくるということで、効果のあることは何でも、できることならできることからどんどん並行して実行していく、こういうことでなければならぬと思う。またいま、繰り返すようですけれども、猟銃の許可制などについても、これはもう何といっても現実は簡単に手に入ることは事実なんです。で、暴力団はこれはもう拳銃の密造、密売と違って、堂々と手続すれば入るのですから、こそこそやらぬでも堂々と猟銃を手にして、そして撃ち合う、これを利用するという傾向はあとを断たないわけです。したがって、そういうできる面から強力に、相談を受けておるということではなく、関係方面と相協力して、そういう方面を強化していく必要があろうかと思うのですが、これはやればできることだ、この点はいかがですか。
#42
○政府委員(津田實君) 暴力団の根絶の問題につきましては、かねてからいろいろの手を打っておりますが、先ほど申し上げました暴力係検事の設置もそのもちろん一つでありますし、前回暴力関係の法規の刑の引き上げを行なったのもその一つでございますが、さらに検察庁といたしましては、本年の九月に暴力団の根絶をはかるための検察運営上特に考慮すべき事項につきまして、全国の刑事部長検事を集めましていろいろと指示をし、いろいろと意見の交換をいたしました。ただいま御指摘がありました武器の問題につきましても議論に上りまして、つまり、通常の形ではなかなか武器を発見しにくい、その武器の倉庫と申しますか、あるいは武器の保管所というものをつくというような方策はいかんというようなことにつきましても検討をいたした次第でございます。それらの点につきましても十分の配慮はいたしておるつもりでございます。
#43
○伊藤顕道君 まあ御説明によると、暴力団係の検事もつくってあるし、そういう人たちを集めていろいろ相談はしたということなんですが、それはたいへんけっこうなことだとは思うわけですけれども、こういう事態をここで抜本的にひとつ対策を講じないと、やがて猟銃は自由だ、拳銃も密輸、密造が行なわれておる、そのうちに機関銃が飛び出してくる。そのうちにこの傾向がだんだん進んでいくと機関銃で撃ち合うような――そういうことは映画の場面ではよくあるようですが、まだそこまで実際にいっておるかどうかはよく知らないわけですけれども、ほっておけば、笑いごとではなくて、そういう武器に対する観念が薄らいでくると、ついには機関銃にまで発展しないということはどなたも保証できないと思う。これはゆゆしい問題なので、いまのうちに武器については各方面緊密な連携をとって、ただ会議を開くだけでなくて、できる面からどんどん実行する、こういう方向でさらに一段と努力すべきことではなかろうかと思いますので、一段とひとつこういう面の強化策をひとつ御検討し、実行いただきたい。この点についての大臣の所信のほどをこの際伺っておきたいと思います。
#44
○国務大臣(高橋等君) 武器の点につきましても、警察も、新聞紙上その他で御存じのように、いろいろと捜査に苦労をいたしております。しかし、御指摘のように、あまり大きな実効があがらないことを残念に存じておるのであります。十分各方面と連絡いたしまして、なお一段とくふうをいたしたい、こういうふうに考えます。
#45
○伊藤顕道君 当局においても、この暴力団の取り締まりについては相当骨を折っておられるということについてはわれわれも了解しておるわけですが、たとえば相当手抜かりがまだまだ見受けられる。その一つに年間何万という暴力団員が検挙されるし、いまも全国的に盛んに検挙は続けられておるわけです。警察官の努力も非常に多としておるわけですけれども、肝心の幹部とか、幹部級、あるいは背後の大ものなどは大体免かれておる、先端の小ものはみんなそのまま収容されておる、こういうような現状はいなめない事実ではなかろうかと思うのです。中には小もの、幹部ともども逮捕されて収容されるという、そういう面ももちろんありましょうが、間々そういう幹部級はえて逃れておる。こういうことが繰り返されておる限りは、なかなか暴力団の絶滅もむずかしかろうと思う。こういう点についてはさらに一段とこれを掘り下げて態度をひとつ強化していく必要があるのではなかろうか。こういう点についてはどのようにお考えですか。
#46
○国務大臣(高橋等君) 全く同感でございますが、近時御存知じのように、昔と、だいぶ違った方針をとって、いわゆる頂上作戦ということでできるだけ中心人物を検挙いたすということに力をいたしておることは御存じのとおりでございます。ことに昨年暴力等取り締まりの法案を成立をいたしまして、これを機会といたしまして十分この法の運用にもよりまして逮捕後の暴力団に対する措置につきましても、従前と違って十分なる考え方を打って進んでおります。また、検察当局も裁判当局も、暴力行為につきましては十分なる認識を持ってきておることを御了承していただきたいと思います。
 なお、御注意の点はとにかくいろいろ急いでみますし、くふうをいたしてみまするが、なかなかどうも団体数、構成員等が年々増加をいたす傾向はいなめないのであります。いまの国民の治安を守りまするためにも、これは政府全体として、保安当局だけの問題でなくて、政府全体の問題として、こうした問題あるいは青少年の問題ということに力をいたさねばなりませんが、私所管事項として総理に、いまの総理にも前の総理にも御説明を申し上げた重要なる案件のこれは一つとして内閣でもつとめておるようなわけでございます。
#47
○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、あと一点お伺いして私の本日の質問は打ち切りたいと思います。
 そこで最後にお伺いしたいのは、この暴力団は、えて表面はあるいは土建、あるいは興業、不動産関係の仕事を、金融あるいは風俗営業、こういう方面にきわめて合法的な企業で表面は糊塗しておるわけですが、一方、今度内面に入ると権利あるいは利益を吸い上げるためには手段を選ばないいわゆる不法な権利や利益を獲得するために血眼になっておる。こういうことが現状ではなかろうかと思うのですが、そこで覆面興業を実態としておるこういう情勢を見るとき、たとえば脱税行為などに監視をもっと厳重に行なうとか、あるいは著作権の問題についても十分監督を厳にするとか、いろいろ具体的な方法はありましょうけれども、要はこの裏面に伏せている、こういう不法または不当な権利、利益、不当利益、こういうものの搾取についてはまことに目にあまるものがあるわけです。そこでこういう点については、一体どういうような手を打っておられるのか。もちろん手をこまねいているとは決して申しませんが、まだまだこういう点が現実に具体的な問題として連続行なわれている。一般市民はたいへん迷惑をしている。この点についてのお考えをこの際明らかにしていただきたいと思います。
#48
○国務大臣(高橋等君) 暴力団の対策の一つとして、ただいま御指摘の資金源をどうするか、この資金源を断つということが非常に手っとり早い一つの重点のだと考えております。そうした面に対しましては先般も関係検事を集めましてその指示をやり、いろいろと検討させたのでございます。問題は非常に多岐にわたり、また複雑でございまして、その実態を把握することがきわめて困難なことはこれは残念ながら申し上げられるところ、そのとおりでございます。
 これは問題は、少しでもにおってまいりますれば、そうしたものについてはもう容赦なく手入れをいたすということをやっております。根本的の総合対策といいますと、これは実態が非常に多岐にわたっていろいろ苦慮いたしております。なかなか名案がないということを御了承願っておきたいと思います。しかし、なおざりにするわけではもちろんないわけでございます。
#49
○委員長(下村定君) 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、本案の質疑は本日はこの程度にとどめます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#50
○委員長(下村定君) 速記をつけて。
 本日はこれにて散会いたします。
     午後二時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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