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1964/12/14 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 石炭対策特別委員会 第3号
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1964/12/14 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 石炭対策特別委員会 第3号

#1
第047回国会 石炭対策特別委員会 第3号
昭和三十九年十二月十四日(月曜日)
   午前十一時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十四日
    辞任         補欠選任
     吉武 恵市君     山本 利壽君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         剱木 亨弘君
    理 事
                大竹平八郎君
                小宮市太郎君
                鬼木 勝利君
    委 員
                江藤  智君
                川上 為治君
                郡  祐一君
                野田 俊作君
                二木 謙吾君
                山下 春江君
                山本 利壽君
                阿部 竹松君
                大河原一次君
                豊瀬 禎一君
                田畑 金光君
   国務大臣
       文 部 大 臣  愛知 揆一君
       通商産業大臣   櫻内 義雄君
   政府委員
       文部省初等中等
       教育局長     福田  繁君
       通商産業政務次
       官        村上 春藏君
       通商産業省鉱山
       保安局長     川原 英之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞壽君
   説明員
       通商産業省石炭
       局炭業課長    久良知章悟君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○当面の石炭対策樹立に関する調査(当面の石炭
 対策に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(剱木亨弘君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
 石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#3
○阿部竹松君 本法は、制定当時、私ども社会党の立場におきましても賛成した法案でありますし、今度の改正点はただ期間を延長するというだけで、きわめて簡単なものですから、格別お尋ねするところはございません。ただ、二、三承っておきたい点を申し上げまして、これから御答弁願いたいわけですが、今日まで該当した情けない山なんですが、該当した炭鉱がどれほどあって、鉱数にして幾ら、あるいは人員にして幾ら、あるいは政府が金を出した金額が幾ら、こういうものをお示し願いたいと思うわけですが。
#4
○政府委員(川原英之君) 計数的な問題でございますので、私から御説明さしていただきます。
 本法が成立いたしました三十六年度から今日まで累計いたしまして、三十九年度の十月までで炭鉱の数で七十炭鉱をこの対象といたしまして廃止いたしております。その金額全体を申し上げますと、三十八年度までに六億六千万、さらに今年度は、これはまだ一部未確定でございますので、若干動くかと思いますが、いままでに約一億四千万程度のものが出る予定になっております。なお、生産数量から申しますと、今年十月までに百二十一万トンという数字になっております。
 なお、離職者の数でございますが、これは確定いたしております三十八年度までに三千八百八十六名、本年はまだ離職者の申し出等が固まっておりませんので未確定でございますが、約千人ぐらいになるのではないかと存じます。なお、年度別に申し上げますと、以上のうち、昭和三十六年度に炭鉱数で十炭鉱、それから三十七年度に三十九炭鉱、三十八年度に十四炭鉱という数字になっております。
#5
○阿部竹松君 四年ほど前に、この法律ができた当時のことですから、いま変わっておるかもしれませんけれども、仄聞するところによりますと、あなたのほうの保安当局で、監督に、あるいは保安指導に行かぬ山がある、こういうことを承っておるわけです。当時の四年前、小岩井さんが局長さんだったというように記憶しておりますが、九州、特に筑豊が多いわけです。そこの山に行って見ると、保安監督局からだれも来ない。監督もしなければ指導行政もやらぬ、けしからぬではないかというお話をしたところが、政府の答弁は、これは正式に通商産業局から許可を得ておらぬ山であるから保安監督はいたしません。なるほど法理論的にいえばそういうことになるかもしれませんけれども、施業案によって正式に採鉱を認めた山でないのだから、保安監督はもちろんのこと、保安指導などやる必要はないというような御答弁をいただいて、いささか驚いたことがある。今日でも筑豊の山、特に九州、こういうところでそういうことが繰り返されておるかどうかということをお尋ねいたします。
#6
○政府委員(川原英之君) 先生よく御承知のように、いわゆる鉱山保安法の鉱山と申します場合、お説のとおり、施業案を認可いたしまして鉱業権を持っておるというものを対象といたすわけでございます。こういう山につきましては、近年特に厳重に監督をいたしております。ただ、いまお話のございましたのは、あるいは鉱業権を持たないでやっておる山が先生御指摘の山を意味するのかと思います。いわゆる盗掘と申しますか、そういうものにつきましては、一応形式上は、先生がいま御指摘いただきましたように、正式の法律の対象ではないのでございますが、やはり問題が問題でございますので、これは通産局と連絡をとりまして、そういう情報があります場合に、われわれとしましては、通産局との連絡をとりながら監督をいたすという態勢をとっておる次第でございます。
#7
○阿部竹松君 重ねてお尋ねするわけですが、この保安法が制定された当時は中小炭鉱を主としたわけですが、保安の確保ということが目的であって、あなたのほうでてこ入れして、中小炭鉱を中心とするところのそれぞれの山の保安を確保したいということが趣旨であったわけですが、今日ではその趣旨と反した面で、この保安法によって、山は掘れるだけ掘って、保安炭柱から全部掘ってしまって、山もばらばらにしてしまって、あなたのところの監督の言うことも聞かないというようなことで、最終的には保安法によって買い上げてもらって、一般従業員、労務者の賃金の未払い分の処理とか、その辺の中小商店から借りた借金を始末をしておる。したがって、保安法の本来の趣旨が若干今日ではゆがめられておるのではないかというような気がするのですが、そういうことはこざいませんか。
#8
○政府委員(川原英之君) この点も阿部先生よく御承知のとおり、この保安法によりまして、鉱山の非常に保安が悪いという場合に廃止勧告をいたすわけでございますが、この法律にございますように、この廃止の勧告をいたします前には、特にこのための調査をいたしまして、いろいろと従来保安法で、つまりこの法律でなくて、鉱山保安法に基づくいろいろの指示あるいは通達をいたしましても、なおかつ違反が続く、かつ、どう見ても非常にあぶないという場合には勧告をいたすわけでございまして、この運用をただいま先生のおっしゃいましたようなぐあいに運用しておることはございません。
#9
○阿部竹松君 この七十三炭鉱を今日まで買収したというのは、はしにも棒にもかからぬ炭鉱がおそらく買い上げの対象になって、買い上げて山をつぶしたと思うのですが、しかし、そのはしにも棒にもかからぬ山どころでなくて、東京から相撲とりの相模川が行って暴力団の旗振りやって、あなた方の部下の監督官が入ってきたら入れなかったという例がある。はしにも棒にもかからぬ山以外の山がまだあるのじゃないですか。あなた方が坑内に行って、監督行政の一環として坑道なり機械室なり炭層調査したいと言っても、なかなか七十三炭鉱、これははしにも棒にもかからぬ山でしょうが、これ以外の山がおそらくあるでしょう。そのために今日法律を延ばしてそれを整理したいというのが目的でしょうが、そういう山がどのくらいあるのですか。
#10
○政府委員(川原英之君) 御高承のごとくに、鉱山保安を守ります、もともと基本的には鉱山保安法によりまして厳重な監督、取り締まりをして、これによっていろいろ施設の改善を要するものがあれば、もともとは鉱山本来の義務としてやらせるということでやるわけでございますが、ただいま先生のお話いただきました、要するに暴力を用いて監督官を入れないというような山がまだあるのじゃないかという御指摘でございますが、この点は、私聞いております限りでは、現在そういう山はないように聞いております。
 なお、今後こういう山が出てくる理由といたしまして、これは先般提案理由を御説明いたしましたときにも触れたわけでございますが、今年までで大体そういう非常に保安上危険があるという山はなくなるという予定であったわけでございますが、最近の御承知のような石炭産業の非常に急激な変化というものに伴いまして、あるいは周辺の炭鉱の閉山に伴って、もともとはやっていけた山でも影響を及ぼしてくる、あるいはまた、昨年来、いろいろの点にかんがみまして監督を非常に強くいたしまして、そのために、特に施設上問題があるというような山が今後出てくるおそれがあるということは先生御指摘のとおりでございまして、そういう意味で今回特にこの法案の延期をお願いいたしましたような次第でございます。
#11
○阿部竹松君 劈頭申し上げましたとおり、単なる期間延長だけで、ほかに重要問題がないわけですから、もうこれ以上お尋ねいたしませんけれども、ただ、大臣と、担当である保安局長に申し上げておきたいことは、こういう法律があるということはあまり手柄になる話ではないような気がするのです。なるほど確かにこの七十三炭鉱の、国のお世話になった炭鉱の中には、戦争中に、石炭の一塊は血の一滴であるという政府の国家総動員法――当時あったあの法律の趣旨に従って犠牲になった炭鉱もあるでしょうけれども、七十三炭鉱の大部分は保安に重点を注がぬで、そうして生産第一主義をやって、安く労務者を使って、設備の十分なる改良も、あるいは合理化もせぬで、そうして掘れるだけ掘って、あとは国のお世話になるというようなのがこの七十三炭鉱に多いわけです。ですから、同情に値する炭鉱もないとはいえませんけれども、とにかく政府がこの法を延ばすのですから、初めの立法当時の精神に基づいて山の保安を守る、何でもかんでもむちゃくちゃやって、これは政府買い上げという、政府があと始末的役割りを果たすというようなことだけはおやめになっていただきたいという要望を申し上げて質問を終わります。
#12
○豊瀬禎一君 大臣にお尋ねいたしますが、いま阿部委員から御質問になったことと関連しますが、豊州の炭鉱や上清炭鉱等、筑豊の諸山が事故を起こしました際に、地元の新聞では、何日後に監督官が調査をするはずであったとか、あるいはその調査をめぐって、一つには、現地を調査する人々に対する経営者のほうの話が進んで、ことばは悪いのですが、話し合いの上で、意図的といえば少しことばが露骨になりますけれども、立ち入り調査をちゅうちょしたとか行なわなかったとか、あるいはこれは暴力団とは違いますけれども、業者とのなれ合いで調査の怠慢があったということが地元の新聞にも指摘されておるわけです。こういうことが事実かどうか、私は証拠を握っておりませんけれども、こういったことが事故があるたびに何らかの形で報道されるということは、現地における出先機関の保安に対する意欲なり、あるいは業務執行に怠慢があると思うのですが、どういうふうに把握しておられますか。
#13
○国務大臣(櫻内義雄君) 御指摘のようなことがもしあるといたしますならば、責任者の私としてはまことに不本意でございます。で、そういうような事態がないように、私としては、局長をして、さような場合に、できるだけ抜き打ち検査をして、さようなことのないようにつとめるべく指示をいたしておりまして、現在のところ、私の手元には、こういう不都合があったというような報告は最近もらっておりません。
#14
○豊瀬禎一君 大臣の監督の方針としては、さもあるべきことですし、また、実際に出先から、私ども業者から買収されまして調査を怠りましたという報告もおそらく出ないだろうと思うのです。しかし、やはり地元のきちんとした新聞にそういったことが報道されるということがあったかなかったかということを抜きにして、そういう行政の一つの欠陥がありはしないかと思うのです。こういう点につきましては、今後とも十分督励をして、調査の怠慢によって事故が起こるようなことの絶対ないようにしていただきたいのと、これは新たな角度から、三池の災害が起こったときに、前大橋労働大臣と私が直接話をしたのですが、保安監督というものについては、通産行政にまかせておるだけでは、やはり現行法の改正上、いま私が申し上げましたような意味におきまして不十分ではないだろうか、やはり保安の監督というものについては労働行政のほうに移行すべきか、両者併用の権限を与うべきではないか、こういう気持ちを持つのですが、通産行政の中にこれがまかせられておるのは、私、こちらのほうに、わりにといいますか、しろうとなんですけれども、私どもが産炭地におりましても、業者との接触ということから、意図的に怠慢ということではなかろうけれども、若干そういう不行き届きのことがある。こういう点をカバーしていくためには、労働者の保安という角度から、労働行政の中に保安監督の業務を移管するか、あるいは業者に権限を与うべきではなかろうか、こういうように思っておるのですが、大臣の所見を承りたい。
#15
○国務大臣(櫻内義雄君) 一つの御意見だと思うのでありますが、従来、通産省としては、生産と保安が不可分一体のものである、こういう見地でまいっております。また、私としても、いたずらに経営者が保安を度外視しての生産を強化するというようなことも遺憾なことでございまして、従来のそういう一体的な行き方が非常に機宜を得ておるものではないか、こういうことでまいっておる次第でございます。
#16
○豊瀬禎一君 三池のあの災害にいたしましても、当時いろんな経験者、あるいは学者等も、あそこで炭じん等のああいう事故が起こるということは昭和の現在考えられないことだ、こういう意見がずいぶんあったわけですね。いま、大臣のおっしゃった生産と保安とが一体であるというお考え方は納得できます。ところが、生産のために保安のほうが犠牲にされておるという面が事故を起こした一つの要因あるいは遠因ではないかといりことも危惧されるわけです。それと同時に、先ほど福岡県内で事故があるたびに報道される保安監督の不十分、あるいは怠慢、こういった点から考えまして、いま通産から炭鉱保安の調査監督の権限を全くなくして労働に移管するということには、過去のいきさつ、あるいは現在の行政機構から問題がありましょうけれども、やはり保安ということも生産も加味すべきですけれども、労働者の生命保全といいますか、保安というところに重点を置くと必ずしも生産と一致せず、あるいは保安のほうが優先すべき場合もあるだろうと思うのです。そういう観点から保安監督の権限を労働省のほうにも当然移行すべき時期にきておるのじゃなかろうか、そのことが考えられない事故であるということをカバーするためにも非常に大事な問題ではなかろうかと思いますが、いますぐそれはけっこうという回答をいただこうと思いませんけれども、こういった面についても、たびたび起こっておる炭鉱災害をなくするためにも、一省の行政の、何と申しますか、なわ張りという考え方を捨てて、大きな角度から労働者の保安ということを再検討すべき時期にきておりはしないかと思うのです。こういう点について、今後、大臣として検討していただきたいと思うのです。
#17
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほども申し上げましたように、一つの御所見だと思うのであります。ただ、私率直に申し上げまして、就任以来、新しい経営者、これからの経営者は何が最大の眼目であるか、これはおそらくただいま御意見がございましたが、経営者として、第一は、やはり人命の尊重、これがいままででも当然でございますが、これから技術などが向上して、そして三池炭鉱のごとき、これは原因はいろいろございましょうが、もしああいうような事態が起きますれば、これは従業者の方々の人命に関することだけでなくて、経営全体に及ぼす大きな問題でございます。ですから、一そうこれからの経営者は、新産業道徳ともいうべきそういう高いモラルの上から経営をしていかなければならない、こういうような考え方を強く私は持っておるのであります。ですから、先ほど申したような経営と保安というものは全く一体である、これを度外視してはできないのである、そういうようなことから考えていきますと、この両省にまたがっての監督というのと、これが一元的に行なわれるのとどっちがいいのか、よく問題が起きますと、二重行政のためにこの責任のなすり合いというようなことがあって、かえって問題も起こしておるのでございますので、現在のところ、私は、この問題については生産、保安の一体の上でやっていく、そして、しかも、これからの経営者は一そう新しい高いモラルの上に立って経営をしてもらいたい、こういう考え方に立っております。ただ、お話のごとく、一つの御所見でございますので、十分留意はいたしておきたいと思います。
#18
○豊瀬禎一君 いまの大臣の、生産のためには人命尊重が第一だという新しい産業モラルの強調については賛意を表します。そういった大臣の御所見を十分経営者に浸透していただいて、そうしたことから再び炭鉱で悲惨な事故が起こらないように御処置願いたいと思います。
 もう一点だけお尋ねしたいのは事業団の問題ですが、時間もありませんので、私の所見だけ申し上げて大臣のお考えをお聞きしたいと思うのですが、産炭地を振興するために、現在の事業団の権限と申しますか、与えられておる権限では産炭地振興のための事業団としてはあまりに弱過ぎると思うのです。この際、産炭地振興のために、事業団の権限、あるいは予算、こういったものについて大幅な権限を与えていくべきではないか。もっと大まかに申し上げますと、力ある事業団に再編成すべき時期にきていはしないか、こういうふうに考えるのですが、御所見を承りたいと思います。
#19
○国務大臣(櫻内義雄君) 産炭地振興事業団の実績につきまして、就任以来、私も注意深く検討しております。しかし、お話のように、十分期待どおりにはいっておらないと思います。ところで、この事業団の性格と申しましょうか、あるいは権限と申しましょうか、そういうようなものをさらに新たに立法措置で改正をして、そしてこの事業を行ない得るようにするのがよろしいのか、それとも現行の法律のもとでなお十分できるのに諸般の事情からできないのか、そういうような点については、ただいま権限強化、すなわち法改正を伴う御所見が出たわけでございますが、これはきょう初めて承るのでございまして、むしろ従来はこの事業団の活動が現行の制度の中においても十分ではないのじゃないかというような角度から見てまいったような次第でございますが、いずれにいたしましても、この事業団がもう一つ活発に行動ができて、そうして産炭地の実情に沿うように運営していきたいということについては御指摘のとおりだと思います。
#20
○豊瀬禎一君 最後に一点だけ。
 事業団の権限に関係する問題ですが、たとえば土地の造成にいたしましても、これは国が土地を全責任を持って造成する、そうして五十年とか三十年とか長期の計画を立てて、その中で償還するようにしていただかないと、土地の造成の費用までその土地代に含んで新しく事業を持ってこようとするのに売りつけるというように、何と申しますか、こういうみみっちいような産炭地振興ではとても現地の実情に間に合わないし、小さな工場とか、あるいは特定の産業しか来得ないと思うのです。やはりイギリス等でやっているように、国の責任で産炭地の開発をやっていく、こういう点をもっと抜本的に、産炭地事業団のワク内だけじゃなくて、大幅にこれは通産大臣のほうで検討していただいて、ほんとうに血の通うような産炭地振興対策を検討していただきたいと思うのです。
#21
○国務大臣(櫻内義雄君) 土地の造成の問題については、お話のような実情を聞いております。これについては私としても検討いたしたいと思っている次第でございますが、御承知のように、先般来、有沢調査団の二回目の調査がございまして、きわめて近い機会に答申が出される段階でございます。おそらくこれらの問題についても触れていることと思いますので、ただいまの御意見も勘案しながら最善を尽くしたいと思います。
#22
○田畑金光君 一、二点だけお尋ねしておきますが、まず最初に保安局長にお尋ねすることは、いままでのこの臨時法律に基づいて廃山した山、それから生産数量等々についてお話がございましたが、今後この法律の適用を受ける該当炭鉱というのはおよそどのくらい見ておられるのか、さらにまた、その結果どの程度の生産数量に上る山が閉山になるのか、離職者数はどの程度を予測きれているか、また、当面来年度の予算編成に関連して、四十年度予算の中ではどの程度の山をこの法律に基づいて整理勧告される御予定であるのか、これを第一に承っておきたいと思います。
 次に、まあ時間の関係もありますから、あわせて全部お尋ねしますが、大臣にお尋ねしますが、中小炭鉱の年末の金融対策として、この間私が新聞で読んだだけでありますが、七億七千万金融措置を講ぜられたと、こう聞いております。十億最低限融資財源のめんどうをみてくれ、こういう要望に対して七億七千万と、こういうことになったようでありまするが、その程度で押えられた理由についてお尋ねするとともに、また、今回の措置にあたっては中小企業金融公庫を通じて貸し付けるということでありますが、一件当たり二千万円程度貸し付け限度をふやしたということでありますが、その辺の事情もあわせて御説明願いたいと考えます。さらにまた、現在中小炭鉱は一体どの程度の借り入れ残を持っているのか、あるいはまた、赤字の額はどの程度になっているのか。と申しますのは、大手についても、今回の第二次調査団の調査に関連して、経理の内容というものをわれわれも新聞等で見ておりますが、中小炭鉱の経理の実態、経理の悪化、赤字の累積、あるいは借り入れ残高、こういうものについては承知しておりませんので、これらの事情についてひとつ御説明願いたいと思います。
 第三の点としてお尋ねしたいのは、今回は特に中小炭鉱だけでなく、大手においても年末の金融対策として七十億ないし百億ぜひひとつめんどうをみてくれ、こういうことで、先般来、通産大臣や総理にも直接申し入れしたと聞いておりますが、これはどの程度年末金融対策として措置されたのかどうか、これもあわせて御説明いただきたいと思います。
 第四点としてお尋ねしたいのは、第二次の調査団の答申が十六日前後になると、こう聞いておりますが、しかもまた、今月の十九日前後には大蔵省から四十年度予算の大蔵省案というものが閣議に説明される、こういうことも聞いておりますが、そうしますと、来年度の石炭関係の予算措置というのは、調査団の答申を待って大蔵省と折衝するのか、あるいはすでに大蔵省と来年度の石炭予算については折衝がなされて、おおよそその概数というものが出ているのかどうか、この点ですね。特にわれわれとして注目して見ておりますことは、第二次調査団の答申というものがどういう内容で出てくるのか。これには、たとえば価格差補給金というのが答申の中に出てくるのかどうか、これも一つの疑問として感じているわけであります。
 さらに、もう一つは、炭価の引き上げの問題と、あるいは従来の利息の補給金――借り入れ金利の補給金、炭価の引き上げということで、とりあえず経理の悪化を最低限に押えよう、こういう答申の趣旨の内容というふうにわれわれも聞いておりますが、こういう問題について、この際、通産大臣の考え方だけを聞いておきたい、こう思います。
#23
○政府委員(川原英之君) 田畑先生の御質問の第一点につきまして御返事申し上げます。
 この法案を適用いたしまして廃止勧告をいたす鉱山につきましては、これは必ずしも明確な予測は立ちにくいのでございますが、今日までに大体相当の整理を行ないましたと同時に、また、石炭事業団のほうに買い上げになった部分も相当数に上っております。そういった趨勢から推定いたしますと、おそらく今後四十年度におきましては、私どもの見込みでは約十万トン程度の鉱山がいわゆる保安不良ということで廃止勧告になる対象に上ってくるのではないか、かような予測をいたしております。鉱山数にいたしますと、約六、七炭鉱くらいが対象になるかと存じます。なお、四十一年度及び四十二年度につきまして、これはもいろいろ激動期でございますので、明確な推定をいたすことは若干危険でございますが、おおむねそういう程度のペースでいくのではないか。ただ、だんだんにこういうふうな山は縮小いたして減少してまいりますので、おそらく最終年度におきましてはもう少し減るのではないか、かように予想いたしております。
#24
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま四、五点の御質疑があった次第でございますが、実はたいへん恐縮なことでございますが、きょうそういう御質疑を受けるという心がまえで参らなかったものでございまますから、私の記憶にある概略のお答えでお許しをいただきたいと思います。
 この中小炭鉱に対する金融につきましては、お話のとおり、十億の要請がございまいましたことは私よく承知をいたしております。その後、年末金融の緊要性にかんがみまして、個別的にいろいろお話し合いをいたしまして、そして大体の御了承を得たところが、これが合計で先ほど御指摘のような七億七千万ほどになったと思います。もちろんそれで御満足がいっておるかどうかということについては疑問もございましょうが、しかし、御納得をしていただいておると思うのであります。それから、なお、額につきましては、これはお話しのとおりに、一千万のものを二千万まで引き上げたということは、これは確かでございます。
 それから中小炭鉱の経理の実情について聞かせろ、これはただいまおわびを申し上げたとおりで、いまここに資料もございませんので、これは後日資料で差し上げるほうが間違いがないのじゃないかと思います。
 それから、大手の炭鉱につきましては、これはやはりおっしゃるとおりに、七十億の希望があったことは承知しております。これにつきましては、年末万全を尽くすようにそれぞれの会社と折衝をしておりますが、結局最後に幾らになったかということの見当は、ただいまのところ、その総計を私承っておりません。これははっきりいたしますれば申し上げたいと思います。
 それから、次の予算の問題でございますが、これは概算要求をいたしました当時から、石炭関係予算は、別途調査団の報告後にいたしたいということで大蔵当局とも了承を得ておる次第でございまして、この十六日に出る報告をもとにいたしまして、早急に通産省としての予算要求の態度をきめたい、かように存じておる次第でございます。
 なお、お話の価格差補給金であるか、あるいはこの利子補給をするのか、いろいろ新聞などで私も拝見をいたしております。しかし、これらの点につきましては、調査団の報告によりまして、正式の結論を土台にして、通産省としての方針をきめたい、現在のところはいろいろ新聞等で見ておる範囲に私どももとどまっておるということを申し上げておきたいと思います。もとより、ただいま申し上げたような次第でございますから、近い機会、この委員会でもなお詳細にいろいろ申し上げるほうがよかろうと思いますが、現在のところ、私の記憶をもってたいへん恐縮でございまますが、一応のお答えにいたしたいと思います。
#25
○田畑金光君 最後に……。まあ大体わかりましたから、これ以上の質問はやめますが、ただ、通産大臣に特に要望だけ申し上げておきますことは、いま御答弁の中にありました大手の年末の金融措置についても、石炭局長かだれかと窓口で折衝さしているというお話だけでは私満足でございませんので、ぜひひとつ炭鉱経理の悪化の実情を見て、大手についても年末の金融措置については具体的な措置をぜひ実現してもらいたいということです。これが一つ。
 第二の要望としては、来年度の予算の編成が非常に財源難で苦労しておる、こういうことがいわれておるので、そこで、調査団の答申が出た暁に、利子補給の問題等をかりに一例を取り上げてみましても、予算編成の関連で難航することも予想されるが、しかし、第二次調査団の答申は、だれでも言っているように、石炭の私企業としてのぎりぎりの最後の機会と、こういうふうに見ておりますので、ひとつ通産大臣としても答申を百パーセント尊重する立場で予算折衝その他で御努力願いたい、それを強く要望しておきたいと思っております。
#26
○小宮市太郎君 保安のこの問題については賛成ですが、二、三聞いておきたいと思います。一つは、保安法の一部改正によって保安体制というものが一応できた。政府が主張された、われわれは反対したわけです、不満であったけれども。それから半年にもなるわけですね。ところが、その体制ができていないと思う。実際に三池に行ってもできていない。それから、この間、三井鉱山に行って中を見せてくれと言ったら非常に快く見せてくれた。ところが、よく岩粉をまいているし、散水もやっている。ところが、非常に、坑長がなかなか正直におっしゃって、もう一年にもなりますし、最近は非常によく坑内を見にいらっしゃいますから、その点は気をつけてやっておりますが、いつもこうじゃありませんよというわけです。それはそうだろうと思う。そこで非常に気をつけてやっていらっしゃることはよくわかるが、いわゆる抜き打ち検査というものに重点を置いてやるとおっしゃるのですけれども、まだそれがのっていないですね。これはひとつ大いに励行していただきたいということと、それから、いま体制がうまくできておるかどうか。それから、もう一つは、最近落盤事故というのが多いんですよ。昨日私は大牟田におって新聞で見たところが、落盤で死んでいるわけですね。それから組夫が非常に落盤その他の事故で死ぬんですよ。新聞に非常に最近は多いのです。組夫をどういうように考えて入れられておるか、限界はどこまでかということが明らかでない。最近は坑内に入る若手の労働者というのが非常に少なくなっている、技術屋が少なくなっている、そこで、つい組夫を限界をこえて労働させる、こういう点が非常に心配されるわけです。その組夫の考え方、限界ですね、それと、これは組夫について同じことですが、昨年三池の爆発のあとに日炭で爆発がありましたね、ガス爆発が起こった。そのときもほとんどの坑夫がいわゆる組夫であったということですね。もっとも、答弁によりますと、あれは払いで大体整理の段階だから組夫を入れておったということでしたけれども、実際に生産量からいうと、かなりの生産をあげているので、整理とはちょっと考えられない点もあったわけです。だから、その点については十分注意をするというお話ですが、その後どういうふうにそれがなっているのか、その点をひとつお聞きしたい。
#27
○政府委員(川原英之君) 小宮先生からいま御指摘のございました数点につきまして、事務的なことでもございますので、私からお答えさしていただきます。
 第一の、保安法の一部改正を行なってからまだ体制が整っていないのではないかというお話でございますが、この点はお説のとおりでございます。と申しますのは、保安法が成立いたしまして、その後保安法の改正に伴います具体的な規則の改正を急ぎまして、これが十一月に公布になりまして、現在その新しい制度の趣旨を各地に参りまして具体的に説明をしておるという段階でございます。なお、おくれます理由といたしまして、いろいろな制度をやります場合に、現実の体制がすぐそれに即応しがたいために、いろいろ講習をいたさねばなりませんし、資格の問題等もございますので、そういった点の準備がいま進められておるという段階でございますので、この点は私どもとしては早く実効をあげたいと存じますけれども、現実の問題としては、やはりいろいろの資格その他の点で講習をしたり、それによって資格をとらせるというようなことがその前段階としてございますので、その準備をいま実際にやっておるという段階でございます。
 それから、なお、実際に行ない得ますものにつきましては、すでに三池の爆発以来、具体的な施設の問題等は、いま先生から御指摘がございましたが、岩粉、散水その他防止措置というようなことにつきましては、事実問題として現実に行なわせておるという実情でございます。
 それから、第三の、抜き打ち検査の問題でございますが、これは先ほど大臣から申し上げましたように、昨年の事故以来、私どもとしましては、抜き打ち検査を主体にするという、抜き打ち検査という制度で実はいっておるわけであります。なお、三池の場合には、あそこにずっと常駐させましたので、抜き打ちというか、常時いつでもそこに入るということでございます。なお、ただ検査の中には、先生御承知のように、施設が完成をして、その試運転をするとか、そういう場合には、これは事前に通知をしませんと運転できないというような状態では困るので、そういうものも間々ございますけれども、現在はそういうものとあわせて実効のある検査を行なっていくという方針で私どもは臨んでおるつもりでございます。
 それから、第四点の、落盤の事故が非常に多いではないか、これは御指摘のとおりで、私どもとしましても、現在の災害の約過半数が落盤でございます。これはまことに遺憾でございますが、なお、この対策といたしまして、これはおそらく調査団等でもいろいろ御検討願っておるかと思いますが、われわれとしましては、またそのために特別の研究会をつくりまして、その場所におきまして一応落盤の分析をいたし、ことに長壁払い採炭個所が多いというような具体的な問題も出ておりますので、これに対して、たとえば水圧鉄柱を普及していく、あるいは自走支保を開発するという面について、今後いろいろ資金面にもそれを裏づけて実施していきたいということで考えておる次第でございます。これは落盤事故が非常に多いという点につきましては、御指摘を受けまして、まことに私どもも恐縮に存ずるわけでありますが、なお十分に今後その対策を強化していきたい、かように存じております。
 それから、なお、組夫問題の御指摘がございましたが、これは御承知のように、組夫の承認は石炭局の所管になっておりますので、そちらであるいは御答弁いただけるかと思いますが、保安法の関係から申しますと、組夫を実際に働かさせる場合には、その指揮系統、それから保安教育というものが完全であるかどうかということで、すでに施行いただきました保安法の二十三条で届け出制をとりまして、その届け出に基づいて、もし指揮系統に不備な点があるという場合には、これに対する修正をするというやり方をやっておりますが、今日まで相当数の修正をいたしてまいっております。ただ、御指摘の日炭高松の組夫が今年の八月に事故がございました。それ以来、なおこの体制の規制を強化しようということで、私どもとしましては、組夫の保安係員というもののほかに、鉱業権者側の係員が二重にチェックして保安を見ていくというような体制を、とりあえず二重チェック制をしかせるようにいたしました。で、なお、今後その組夫の具体的な保安確保という問題につきましては、これは特にわれわれとしては重点を置いて規制をしてまいりたい、かように存じております。なお、組夫をどういう場合に使うかという点につきましては、これは石炭局の石炭合理化法の関係でございますが、一時的、臨時的なものに限って承認をするという制度をとっておりまして、そういう方針をさらにあの事故の後に通達を出しまして、厳密にやるようにということを石炭局から通産局に通達をいたしておりますが、なお、詳細は石炭局からしていただきたいと思います。
#28
○説明員(久良知章悟君) 請負夫の使用につきましては、ただいま保安局長からお話がありましたように、昨年合理化法を改正いたしまして、坑内での掘進、仕繰り、採炭、運搬というふうな作業に請負夫を使用することは、原則としてこれを禁止いたしました。日雇い的なもの、臨時的なもの、あるいは特殊な技術の要るもの、そういうものに限って認めることにしたわけでございます。その結果、三十八年の七月に坑内に約一万六千九百人の請負夫の方が働いておられたわけでございますが、ことしの九月末で約一万四千七百人、二千二百人ほど減少したわけでございますが、一方、その間、請負夫以外の、いわゆる常用労務者の方は十四万六千から十二万人程度まで減少しておりますので、請負夫の数は減ってはおりますが、全労働者の中での請負夫の比率と申しますか、これは若干高くなっておるというふうな事情に相なっておるわけでございます。請負夫の使用につきましては、ただいま保安局長からお話のありましたように、いろいろな問題がございますので、私どもといたしましても、請負夫の使用の規制という問題につきましては、今後とも厳重にやっていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
    ―――――――――――――
#29
○委員長(剱木亨弘君) 委員の変更について御報告いたします。
 本日、吉武恵市君が委員を辞任され、その補欠として山本利壽君が選任されました。
    ―――――――――――――
#30
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでありますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。賛成者挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#33
○委員長(剱木亨弘君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。
    ―――――――――――――
#36
○委員長(剱木亨弘君) 当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言願います。
#37
○小宮市太郎君 本委員会から、去る十一月の十二日、十三日、筑豊地方の産炭地を視察しました。特に産炭地における教育の状態について重点的に調査をいたし、自治体関係者、あるいは教育行政に携わっている方の事情、あるいは学校等の事情を調査いたしました報告については、すでに九日の本委員会でこれはなしたわけでありますが、その報告について、まだ議事録は各手元にはいっていないと思いますけれども、その委員会に出席されましたのは、たぶん課長だったと思いますが、大臣もそれの内容についてお聞きになったのか、その点ひとつお伺いしたいと思います。
#38
○国務大臣(愛知揆一君) 産炭地のいろいろの問題、国会から特に御調査になりましたような結果、あるいは御意見等については、逐一承知いたしておるつもりでございます。
#39
○小宮市太郎君 あの報告書は、特に産炭地の社会環況というものが炭鉱の終閉山等によって著しく経済状態が悪く、社会環況はしたがって非常に悪いということを報告してありますが、その中でも、教育の中で、非行青少年が急激に増加しておるということを出した。これについていろいろ御承知になって御研究になっておると思いますが、これに対してどういうような措置をおとりになろうというお考えであるか、まず承っておきたいと思います。
#40
○政府委員(福田繁君) 非行青少年の問題は産炭地だけの問題でございませんで、全国的に、都市などにおいて最近非常にふえている傾向が見られるわけであります。しかしながら、その中でも、特に産炭地の該当県の中でも、福岡県自体は、非常に他の県に比べて御指摘のような傾向が強いと私ども感じております。したがいまして、この非行青少年の問題としては、文部省として教育の面からこれを取り上げるという問題でございますが、産炭地の最近の特有な問題として、たとえば筑豊その他におきましては、何と申しますか、閉山によって一般のそれに関係しておりました家庭の、一口でいいますと崩壊と申しますか、家庭の非常な収入減、あるいは経済的な困窮というものが非常に顕著になってまいりました。したがって、一口に申しますと、家庭の崩壊というような現象が起こりつつあるように感ずるのでございます。そういった面から、家庭教育、あるいは一般社会における子供に対する指導というものが十分届いていないということは、これは言えると思います。したがって、そういう面から社会教育や、あるいは一般学校周辺の子供に対する指導というものももちろん強化していかなければならぬということを考えておるわけでありまして、また、学校の中におきましては、これは当然に学校教育として、それらの生徒に対する指導というものを徹底しなきゃならぬという考え方でおるわけでございます。そのために、文部省としては、いわゆる生徒指導のための特別な講習会を開くとか、あるいはそれに対する専門的な知識を得てもらうために特別な教員を養成する、そういうような短期、長期の講習会というものをいま実施しております。これはすぐに間に合いかねますけれども、しかし、方向としては、これによっていわゆるカウンセラーというようなものを将来充実いたしまして、これらの子供の指導をもっと現在よりも徹底していくというやり方をとっていきたいと、こういう考え方で進んでおるわけでございます。
#41
○小宮市太郎君 局長のお話によりますと、大体産炭地の御出身でもあるようでございますし、非常に周囲の事情等もお聞き及びのことと思います。いまおことばの中にも家庭の崩壊というものが起きておる。われわれの聞いた範囲では、父親がいない、ないのではなくて、いないという子供もおる。それから、母親がいなくなったという家庭、そういうものが数多くあるわけなんですね。それに対していまの学校の定員、あるいは学級編制の基準ではどうしてもやっていけないというような部面が事実あらわれておると思います。と申しますのは、家庭がそういうように崩壊しておるということは、すでに家庭教育がほとんど無視されておる、できないということなんですね。その学校の教育に依存するといいますか、学校の教育そのものが家庭教育その他を全部やらなきゃいかぬというような状態になっているのではなかろうかというように思うわけであります。そういう点では、このいままでの基準を変える必要があるんじゃないか、こういうふうに私は思うわけでありますが、この点についてどういうふうなお考えを持っておられますか。
#42
○政府委員(福田繁君) 御承知のように、子供の指導の徹底を期するという意味におきましては、できる限り少ない人数の子供を相手にした指導ということが望ましいわけでございます。そういう一般原則がございまますが、たまたま産炭地という問題を離れまして、公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律というもりが改正されまして、三十九年度を第一年度として、五カ年計画でこの学級編制を最高五十人から四十五人に繰り下げていくという措置を講じておるわけであります。それに関連しまして、いままで福岡県などは相当の標準法を上回る過員をかかえております。したがいまして、その過員の問題も当然経過措置としてこれを講じなければなりません。また、そのほかに、今後生徒児童が急減するということによって起こってまいります、いわゆる法律を上回る過員というものも生ずるわけでございます。これが生徒児童が非常に急激に減少しますために起こる一時的な現象でありますけれども、それに伴って教職員の定数というものを相当考えませんと、一時的に非常に大量な整理というものが起こるということからいたしまして、いわゆる標準法の改正を実施したわけでございまます。したがって、その結果、福岡県などは生徒児童の減少に伴う先生の過員、それから、いままでの標準法を上回ります過員、そういうものをあわせまして相当大きな数として三十九年度の定数の中に織り込んであるのでございます。したがって、私どもとしては、三十九年度一般の学級編制、あるいは小学校、中学校の特殊な教員の増員といったようなものを除きまして、過員だけで約六百名以上の特別措置をいたしておるわけでございます。したがって、その六百名程度のいわゆるオーバーした定数というものを県の教育委員会が産炭地にこれを重点的に配当して、そして生徒児童の指導に十分意を用いてくだされば、ある程度これはいけるというように考えるのでございます。したがって、私ども、現在のところでは、三十九年度につきましても、法律の改正によってそういう特別措置が福岡県にできたわけでございますから、その定数の範囲内におきまして、十分ひとつ効果をあけるように県自体でお考えをいただきたい、こういうことを言っているわけでございますが、したがって、いま申したような事情から、たまたま産炭地の問題から出てきたわけでございませんけれども、ちょうど時期的にそれが一致いたしましたたのに、おっしゃるようないろいろな産炭地の問題についても非常にこれが働いてきたというように私どもは感じております。今後も実情を見ながら私どもとしては十分措置をしてまいりたいと考えております。
#43
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#44
○委員長(剱木亨弘君) 速記をつけて。
#45
○小宮市太郎君 大臣にもっといろいろな点についてお聞きしたいと思うけれども、いろいろ御事情もあるようでありますから、まあ文教委員会で十分突っ込んで聞いていただける点もあるかと思いますが、私は、石炭対策の中でぜひ聞いておきたいという点を重点的にお聞きしたいと思います。
 そこで、局長のお話を聞くと、県内でやり繰りせいというようなお話のように承ったのですけれども、石炭産業について、エネルギーの革命等によりまして、石炭産業には臨時あるいは特別の立法措置をやって、それで石炭産業を守ってきた。この石炭産地における、たとえば産業を新たに起こすとかいうような、そういう点については一応曲がりなりにもできたのですが、忘れられておったのは教育じゃないかというように思うのです。教育は全く忘れられている、人間が忘れられておるということじゃなかろうかと思うのです。だから、最近は石炭産業においても、生産よりも保安が大事だと、人の問題、人命を尊重するということをしきりにいわれるようになったのですが、どうしても人の問題というものは忘れがちであるのですが、この人の問題を取り上げる特別立法というものがぜひ私は一緒に行なわれなければならぬと、こういうふうに考えるのですが、産炭地だからどうもできないというのじゃなくて、産炭地だからこうしようと、どうせ産業が変わっていく、事情が変わっていけば人の問題がくるのは当然なんで、同時にくるべき問題だから、同時に並行して立法措置が特別に行なわれて人の問題を措置していくと、こういうようにならなければいかんと思いますが、いかがですか、その点について。
#46
○国務大臣(愛知揆一君) この産炭地の問題につきましては、端的に、ただいまの御質問にお答えする前に、先ほど申し上げましたように、私といたしましても、非常に心を痛めているわけでございます。いわゆる有沢調査団の報告書も最終的なものが出るわけでありますけれども、その中にも教育問題、人の問題が大きく取り上げられているわけです。それから、実は私も直接有沢先生の御意見もいろいろ伺って、大いに参考にしているわけでございます。そこで、特に先ほど来御指摘がありますようなことについては、これだけやればいいというような対策ではいかぬと思いますので、非常に総合的な対策を必要といたします。たとえば就学援助費の問題もございますし、給食の問題もございますし、医療費の問題もございます。それから、あるいは現状からすれば生活保護法に基づくいろいろの措置を実は学校の先生方が厚生省の役割りまでもかわってお世話をしなければならないというような実情もあるということも承知をいたしているわけでございます。そういったような総合的な対策につきましては、すぐいきなり立法が必要か必要でないかということよりも、総合的に実のあがる施策をぜひ実際上手早く実現したいという考え方でいるわけでございます。もちろん中には、たとえば補助率を大幅に引き上げるというような問題については、少なくとも政令の改正を必要とするという問題もございます。こういう点は十分配慮をいたし、実現いたしたいと思っておるわけであります。
 それから、たまたまただいまのお尋ねは教職員の定員の問題のお尋ねでありますが、これはいま局長がお答えいたしましたように、よく経過は御承知のとおりと思いますけれども、昨年末のいわゆる標準法の改正、それから、それに伴う政令の改正等によりまして、三十九年度の福岡県における実情を見ますると、やはり大ワクからいいましても、六百人はいわゆる定数超過に対する特別措置が現に行なわれているわけなんであります。それから、今後におきましてもいろいろの措置をしなければなりませんが、これは標準法の特例や、あるいは限度政令の運用によりまして実際上の問題として措置ができる、こういう私は確信に立っているわけなんであります。したがって、特に法律をこのためにつくって、産炭地のこれこれの小学校、あるいは養護学級等についてこれだけの定員が必要であるというような、いわゆる特殊立法をいたしませんでも、私たちと申しますか、関係の皆さんが非常に御心配の点は措置ができると、こういうふうな考え方でいっているわけでございますから、その中には、これは何と申しましても、現実に教員をどういうふうに配置をするとか、あるいはその勤務条件をどうするかということは、県の県教育委員会当局が実際責任を持ち、所管事項としてやることでございますから、文部省の意を体し、あるいは文部省と十分相談をし、あるいは県教育委員会の具体的な事情というものを十分にわれわれも配慮をいたしまして、そうして実際上の措置に遺憾なきを期するといいますか、遺憾なきを期するどころではない、十分の効果があがるようにできれば、それが私は最善ではなかろうかと、すぐにこれをいきなり立法をやるとかやらぬとかいうお尋ねがございましても、まず私は、中身において現にやっておりますことについてひとつその効果を見ていただきたい、かように私としてはお答えをいたしたいわけなんであります。
#47
○小宮市太郎君 いや、端的に、私は時間がないからそういう表現をして聞いたわけなんですけれども、われわれ調査に行って、委員長もお聞きになったと思いますけれども、ある町長さんは、農林省やほかの厚生省などに行くと、わりあいに何回か行っているうちに聞いてくれるというわけですが、ところが、文部省へ行くと、なかなかけんもほろろで聞いてくれないというわけですね。どうも文部省というのは、少しことばが過ぎるかと思いますけれども、人の問題を取り扱うところなんだから、もう少しやわらかいあれはできないものかという町長さんの御発言があったわけです。だから、いまおっしゃるように、愛知大臣はなかなかものやさしくて、聞いているとうっとりするようにやさしいように思うのですが、ところが、陳情に行くと、なかなかどうして文部大臣のようなやわらかみがなくて、玄関払いを食うようなこともままあるということを聞いているのですけれども、だから、どうもしてくれということじゃないのですよ。だから、いまおっしゃるようなことが実現すれば私はけっこうだと思うのですけれども、いまおっしゃるようなことばの中にも、実は県がやるべき問題だとか、そういういろいろなことばが出てきているわけです。そうすると、何回か何段階か下がっていくうちに、どうも規則がそういうことになっていないから、法律はそうなっていないからだめなんだ、こうやられるわけですね。だから、そうすればわれわれがほしいのは法律で、法律万能じゃないけれども、ひとつ法律でやってくれと、石炭対策においても特別の立法をやってその産業を守っていく、離職者を補導していこうと、事業団を起こして事業を誘致したいというふうに、段階的ないろいろな法律をつくってやっているわけなんですから、だから、それに伴ってやはり法律をつくって人の問題を片づけていこうじゃないかと、こういうふうにぜひやってもらいたいと私は希望するわけなんです。どうでしょう、何回も同じところをぐるぐる回わるようなことになるかもしれませんけれども、私はそういうような気がするのでありますが、いかがでしょう。
#48
○国務大臣(愛知揆一君) そういったような点についての御批評は謙虚に伺って、大いに参考にしたいと思います。同時に、今回の問題については当委員会で大いに御論議があったところだと思いますけれども、政府全体として、有沢調査団というものに非常な御期待を申し上げているわけです。で、この調査団の結成については、たとえば文部省に対するおしかりがございましたが、いつもこういう問題で一番おしかりをいただくのは財政当局でございますが、そういう点も配慮いたしまして、主計官の直接に仕事を担当するようなものが初めからこれに参加しておる、この点は有沢団長も多としておられるわけであります。相当練りに練って、そうしてそこで取り上げられたような問題については必要な財政上の措置は十分やるということで最後のとりまとめをいまされているわけだと私は了解いたしておりますが、先ほど申し上げましたように、有沢団長のお考えや、こういうふうな取り上げをしたらどうだろうかというような御所見も伺っておりますので、まあ私大体これは最終の報告が活字になって出ませんと確たることを申し上げることはもちろんできませんけれども、この調査団の報告書によって措置することは、私どもの考え方をもってして十分対処できるのじゃなかろうかと、まあこういうふうに考えております。
 それから、なお、県がどうか、文部省がどうかという話は基本の制度に関する問題でもございますから、別の機会にまたいろいろと御意見を伺うこともあろうかと思いますけれども、現状のもとにおいてなし得る最善のことをするということから申しますと、やはり福岡県で申せば、県の教育委員会や、あるいは教育長との間に十分私どもの意が通ずるように、また、同時に、現場の当局の意図が十分われわれにも通ずるようにということをやることは決定的な要件であると思いますので、その点については特に私として配慮したいと考えておるわけでございます。
#49
○豊瀬禎一君 大臣の先ほどの答弁に関することですが、もう定数問題その他につきましては、当委員会よりも、むしろ具体的な問題は文教委員会の所管でございますし、文教あるいは予算委員会でお尋ねしていますので、当委員会で詳細に聞くことは後日に譲りたいと思うのですが、先ほど政令あるいは限度政令等の政令の改正、あるいは限度政令等の運用の妙といいますか、こういうもので何とかやっていけるというお話でしたが、限度政令のワク内で、いま小宮委員が指摘した教職員の増配と申しますか、そういった趣旨のことをやりたいとお考えになっておるのかどうか、それが限度政令とも抵触しないでやり得るとお考えになっているかどうか。
 それから、もう一つは、これは大臣御承知のように、定数本法ですね、それに対する限度政令と、もう一つ暫定政令とでも称しますか、年度別に区切っていく政令がございますね。これは法の定めるところでは、昭和四十年度に必ずしも四十八名にしなくて、四十五にしてもよし、あるいは四十七に編制してもいいわけですね。これは政令の委任事項だと思うのです。そういう際に、それをどうして四十七にしますか四十五にしますかという質問ではなくて、その政令の中に産炭地の問題を別に定めることができるとお考えかどうか、その二点。
#50
○国務大臣(愛知揆一君) 第一点は、私の申しましたことに多少誤解があったかと思いますが、たとえばと申しましたのは、例を給食とか就学援助費とかに例をとれば、その国庫の補助率をたとえば十分の八、あるいは十分の七に上げるというような場合には、当然これは少なくとも政令の改正が要ると思います。しなければならぬと思いますということを申し上げたわけであります。
 それから、定数のほうの関係では、標準法の施行令であるところの政令、これの運用と、それから限度政令の運用によりまして御心配のような点は私は起こらずにうまくやってごらんに入れるということが、言える、こういうふうに私思っておりますので、そのまま申し上げたのでございます。しかしながら、その産炭地、あるいは養護教員の問題、あるいは産炭地における小中学校の定数は、現に非常に学級にいたしましても小さな学級になっておりますが、そういうことの事実は私どももよく知っておりますので、その事実に即した措置ができると、これは法令の改正は用いずして、私は現状においてできると、こういうふうに申し上げたというよりも、そういうふうに思っておりますので、そのままを申し上げたつもりでございます。
#51
○豊瀬禎一君 第二の質問のほうの、施行令であるところの限度政令ではない暫定政令の中に、産炭地のことがたとえば具体的に特記できますか、こういうことです。
#52
○国務大臣(愛知揆一君) これは法令の現状のたてまえからいえば、政令の中に特記するということはむずかしいんじゃないかと思います。
#53
○豊瀬禎一君 先ほどおっしゃった、教員の事務がふえている、たとえば事務職員、養護等の増員等についてもワクがありますね、これもやはり法律を変えないと正規の配当はできない、運用としては可能である、こういう御見解ですか。
#54
○国務大臣(愛知揆一君) 私は運用でやっていけると考えております。
#55
○鬼木勝利君 関連。いまの定数の問題ですが、事実そういうことができますか、私はできないと思うのですが、定数内において余分に増員というような場合には、私はどこかしわ寄せしなければそういうことはできないと思う。来年度の定数は何名だということがきまるわけです。その場合、それを特にはみ出して増員するということは、政令を変えないとできないと私は思うのですが、できますか、そういうことが。
#56
○国務大臣(愛知揆一君) その点は、実はなかなか技術的な問題になりますけれども、ただ、私が端的に、常識的にお答えいたしますと、三十九年度におきまして、本来ならば三十八年度の超過教員数というものが相当ございます。それを三百人超過教員を救済しましても、三百人といえばほとんど全部でございます。これは現にやっているわけでございます。それから、何といいますか、定数が急速に減少するという場合においては緩和措置ができることになっておりますから、その分で救済といいますか、措置しましたのは現に三百人、そして、その中で大半は産炭地に配置されておるわけでございます。かように法律並びに法律に基づく政令によりまして、現行法令のもとにおいて措置ができている、かようなわけでございますが、なお、その政令のこまかい規定その他についての適用のやり方等については、局長からお答え申し上げたほうが適当かと思います。
#57
○政府委員(福田繁君) ただいま大臣からお答えがありましたように、標準法による定数と申しますのは、県の定数の標準をきめるわけでございます。したがって、先ほど申し上げました標準を上回っております約六百人の過員というものの配置につきましては、これは県全体の定数の中でございますから、したがって、どこの学校に配置するかということは、これは県教育委員会がきめるところでございます。したがって、福岡県としては、大体産炭地と産炭地以外のほうの比率を見ますと、大体産炭地は三分の一程度と私は思っておりますが、先ほどの六百人の中で、産炭地に重点的に配当しております数は、私どもの調査では二百八十六人でございます、過員に対して。したがって、この二百八十六人というものを県の教育委員会はどういうぐあいに配置しているかということになりますと、各小学校に一名ないし二名、多いところでは十名、十一名というような定員以外の過員を配当しているわけでございます。それによって重点的に子供を指導させるというようなやり方をしております。したがって、それは県全体の定数がきまりますと、その中で県の教育委員会がいかなる配置をするかということが決定する、こういうことでございますから、先ほど大臣が申し上げましたようなことが実際上の運用としてできるわけでございます。
#58
○鬼木勝利君 じゃ、定数以上の過員というものはどういう基準で過員を設けているのですか。その基準です。
#59
○政府委員(福田繁君) 過員には二通りございますことは先ほど御説明したとおりでございます。福岡県としましては、従来定数法以外に上回った定数を置いておりました。これが三十八年度におきまして相当な数になっておったわけでございます。これを一ぺんに定数を減らさなきゃならぬということになりますと、県下教育界に非常な混乱を来たしますし、それはお困りであろうというので、約三百人を経過措置によって、政令の規定によってこれは国庫負担の対象にもし、あるいは、また、国庫負担の裏打ちとして交付税の対象にもするという財源措置を講じて、暫定定数の中にそれを繰り入れたわけでございます。そのほかに、先ほど大臣からも御説明がございましたが、三十九年度に非常に生徒児童が福岡県では急減いたします。そのために三百人以上の者が定数として落ちてくるわけであります。これも一年にそれほどの大量の定数減を来たしましては、やはり教育界が混乱するということで、合わせまして約六百人以上の定数というものを、標準法の改正に際して、これを暫定定数として織り込んだわけであります。したがって、この暫定定数に織り込まれたものは、当然に国庫負担金の対象にもなる、交付税の対象にもなる、こういうような財源措置をして福岡県の財政補償というものを国で相当みたわけでございます。したがって、これは一年限りのものでなく、今後四年間継続するわけでございます。先ほど申しました第一の過員につきましては、これは一ぺんには整理はできませんが、徐々に五年の間にこれをなしくずしにしていくという考え方でございます。
 それから、また、生徒児童の急減によって起こる過員につきましても、これは五年間にわたってそういう傾向が出てまいります。それも漸次漸減するような方針のもとに、無理のない定数計画というものが策定できるような措置が講じてあるわけでございます。そのことを申し上げておるわけでございます。
#60
○鬼木勝利君 大体わかりましたが、それでは産炭地に対するところの定数の増員ということは、来年度の福岡県下におけるところの暫定定数をそのままにしておいて、それによって融通してわれわれの期待に沿うように実現すると、かように解釈していいわけですね。
#61
○政府委員(福田繁君) 三十九年度は、先ほど申し上げましたように、約六百人以上でございますが、これが四十年になりますとさらにこの数がふえるわけでございます。したがって、私の見込みでは、あるいは二、三百はふえると思いますが、そういう増加する定数によって産炭地の問題も十分解決し得るというように私どもは考えておるわけでございます。
#62
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#63
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めてください。
 他に御質疑もございませんようですから、本件につきましては、本日はこの程度にとどめます。
 なお、ちょっと速記をやめてください。
  〔速記中止〕
#64
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めてください。
    ―――――――――――――
#65
○委員長(剱木亨弘君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 当面の石炭対策樹立に関する調査のため参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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