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1964/12/03 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 商工委員会 第2号
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1964/12/03 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 商工委員会 第2号

#1
第047回国会 商工委員会 第2号
昭和三十九年十二月三日(木曜日)
   午前十一時五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         梶原 茂嘉君
    理 事
                赤間 文三君
                上原 正吉君
                近藤 信一君
                向井 長年君
    委 員
                植垣弥一郎君
                大谷藤之助君
                岸田 幸雄君
                剱木 亨弘君
                豊田 雅孝君
                前田 久吉君
                阿部 竹松君
                大矢  正君
                藤田  進君
   国務大臣
       国 務 大 臣  高橋  衛君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        村上 春藏君
       通商産業省企業
       局長       島田 喜仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞壽君
   説明員
       通商産業省繊維
       局繊政課長    蒲谷 友芳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (物価問題に関する件)
 (繊維問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(梶原茂嘉君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議事項について御報告いたします。
 本日は、物価問題に関する件、繊維問題に関する件及び中小企業問題に関する件について質疑を行ない、次回は十五日開会することに予定をいたしておりまするから、御了承を願います。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(梶原茂嘉君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、物価問題に関する件の調査を進めます。
 まず、政府から説明を聴取いたします。高橋経済企画庁長官。
#4
○国務大臣(高橋衛君) 最近の物価の動向について御説明を申し上げます。
 御承知のように、昨年の暮れ以来、まず日本銀行に対する預金の準備率を引き上げ、それから日本銀行の貸し出しについて規制をする、さらにまた、今年の三月に入りまして、公定歩合の二厘引き上げというふうな金融の引き締めを通じて全体の経済の調整をいたしてまいっておる次第であります。また同時に、今年の一月に消費者物価対策を十四項目にわたりまして対策を立てまして、そうしてその実行をいたしてまいっておるのであります。それで十四項目については、各省庁におきまして、それぞれそれが実施をはかってまいり、その相当の部分は三十九年度予算において実現を見、または先般の通常国会におきまして、これがある程度の実現を見てまいったような次第であります。行政措置等につきましても、それぞれ各省庁においてこれが実施をしていただいておるわけでございます。それらの結果といたしまして、今年度の上半期の消費者物価の上昇率は昨年度比較において三・二%でございまして、前年の同期が八・一%の上昇を見ましたのに比較いたしまして、ある程度の、つまり落ちつきを示しておる、こう申し上げていいかと思う次第でございます。ところで、その後最近におきまして、主として野菜の価格が相当に上がってまいりました。この原因は、昨年の秋から暮れ、冬にかけまして相当に野菜が豊作でございましたために、野菜価格の暴落がございました。そんな関係で野菜の作付面積が今年は相当に減少いたしております。さらにまた、ことしの夏が相当な干ばつでありましたこと、また台風がございましたこと、また秋になりまして、例年よりも早く冷え込みがまいりました等のことがございましたために、野菜の価格が九月に入りましてから急に上昇してまいりました。これを原因といたしまして、全都市の消費者物価指数は十月において前月比較二・一%という非常な上昇を示したのでございます。したがって、今後については相当心配をしておる次第でございます。例年十一月、十二月は野菜の出回り期にありまするために値下がりが普通の傾向でございますが、現に十一月の東京都のCPIは、前月比較において〇・九%の減少と、こういうことに相なっておる次第でございます。そういうことで、今年全体としてなお非常に懸念すべき点はございますが、全体として昨年度よりも相当な落ちつきを示しておることは御了承願えるかと思うのであります。
 ところで、九月、十月にそういうふうに野菜等の生鮮食料品の値上がりが相当顕著でございましたので、政府といたしましては、先般生鮮食料品の年末年始価格対策というものを決定いたしまして、そういうふうな野菜の流通過程を改善するということ、それからある水産物等につきまして輸入を促進するということ、またはその他きめのこまかい個々の措置をとりまして、そして野菜の流通をよくすることによりまして、年末年始におけるところの生鮮食料品の値上がりをできるだけ阻止しようという考え方をもって措置を進めておる次第でございます。
 もとより物価は各種経済活動の結果でございまして、これは原因ではございません。結果として出てくる数字でございます。したがって、今年度の物価の上昇見通しは今年当初に、つまり三十九年度の予算を編成いたします際に、三十九年度間におけるところの消費者物価の上昇見込みというものを四・二というふうに立てたわけでございます。それで政府といたしましては、この四・二を政策目標としてあらゆる努力を続けてまいっておる次第でございます。ところで物価につきましては、なおそのほかにもう一つ申し上げておきたいと存じますのは、今年一月の物価に対する対策の一つの大きな特徴は、公共料金について一年間これをストップするという措置をいたした次第でございます。もちろんその中で、中小企業等の対象になっておる公共料金につきましては、経営が非常に困難だというふうな部面も生じてまいりましたので、そういうものについては、例外的に多少料金の引き上げ等を認めた面もございますが、原則としては全般的に全部押えてまいったような次第でございます。しかしながら、こういうふうな公共料金のオール・ストップというふうな措置は、これは非常の措置でございまして、むしろ物価に対して政府が非常な決心をもってこれに当たっておるという姿勢の問題で意味があるのでございます。これを永続的に全部停止するということになりますると、経営体でございますので、経営体自体が崩壊するという現象も起こってまいります。したがってこれはさらに続けて公共料金も全部押えていくという考え方はとるべきでないと政府としては考えておりますが、しかしながら、さればといって、一年間の期限が切れたから全部を野放しにするという考え方は、絶体にとるべきでないと考えておる次第でございます。言いかえれば、それぞれ公共料金の対象になっておる企業の内容を十分検討いたしまして、その企業において近代化、能率化等、つまり企業の経営の合理化によってこれを切り抜ける道がないかどうかという点を十分に検討いたしまして、最小限度において料金の引き上げを認めていくというやり方をやりたいと考えておる次第でございます。したがって、いわゆるケース・バイ・ケースに、個々に相当慎重な審査をした上、値上げをするにいたしましても、その時期並びに幅については十分慎重な態度をもって臨みたいと、かように考えておる次第でございます。
 以上、簡単でございますけれども、最近の物価の動向並びにそれに対する政府の考え方について御説明を申し上げた次第でございます。
#5
○委員長(梶原茂嘉君) 御質疑のおありの方は、御発言願いたいと存じます。
#6
○藤田進君 委員会ですから、事前の通告はしておりませんので、数字その他についてはなければけっこうです。ただ、考え方として、物価問題は、どうも政府は政府独善である。これは不思議なことはない、従来もそうなんだ、高橋さんになったから急にそうなったわけじゃないけれども、一年間ストップしたその理由は、池田総理もしばしば予算委員会においての私の質問に対しての答えは、まず一年すればどっと上がる結果にならぬだろうか、いや、それは安定ムードが出てきて――といったような、これは大きな見込み違いであったと思うのです。それで、さらにケース・バイ・ケースと言うが、これは物価はもう絶対に安定させなければなりませんよ。高橋さん、これはあなたの責任は非常に佐藤内閣の中でも重要だと思うのです。そこで、基本的な政策の面からと、それから私がいつも言う対症療法、緊急なものとに分けて、しかも総合的に全内閣の使命としておやりにならなければなりませんが、ところがお答えを聞くと、一年たったのであるから、個々の合理化の実情等を勘案しながら、やむを得ないものについては上げる場合もあるし上げない場合もあり得る、というあいまいなことなんです。政府が一体何をするのか、高度経済成長と称するそういういわば設備投資ブーム、そういった信用インフレの中で公共料金というものを上げざるを得ない実情にあるものも、相当私いま調査しておりますが、数あるのです。交通、通信あるいは電力等等、設備拡張が受け身の形で設備投資をせざるを得ない。しかし、やっていくことによってコスト高になることはもう当然、しかしコスト高になってもこれを設備をストップするわけにいかない。それぞれの第二次産業が設備増強になるに応じてこれに対応せざるを得ないという形で、国の高度経済成長政策にマッチするように指導され、やってきたが、さて今日、企業経理としてはどうにもならないというときに、じゃ合理化はどうか、合理化も限度ないしそれに近いというものについては、しからば行財、租税といったような一連の国の政策はどうするのだろうか、ここを私はまずこの辺で聞きたいのです。
#7
○国務大臣(高橋衛君) 御承知のように、消費者物価がなぜ上がるかという原因を考えてみますると、一つは、総需要が急速に増大するという面があると思います。もう一つは、コストが上がるという両面があるかと思います。ただいまのお尋ねは、総需要として、つまり財政の規模が大きくなれば、財政需要が国民経済全体の総需要を引っぱって総需要を大きくする、そういう意味で財政政策をどうするかという趣旨のお尋ねだとこう存じますが、政府といたしましては、先般閣議において財政金融一体化のもとに健全均衡の方針を貫くということをきめておる次第でございます。したがって、来年度予算等におきましても、公債発行というようなことじゃなしに、歳入の範囲において健全な均衡財政政策をとっていく考えでございます。
#8
○藤田進君 これは例をあげたほうがいいでしょう。私のほうは、公報でも皆さんごらんになったでしょうが、昨日、中部電力が電気料金を値上げするということなんですよ。これはもうたいへんなことだというので、専門家に院内に来ていただいてその説明を聞いたわけです。説明資料等を逐一長い時間をかけて、きのう私どものほうは関係議員、商工その他二十数名集まって質疑もいたしました。ところが、昭和二十九年から三十八年度までの需要の伸びというものが三倍四分の二になっている。これだけ需要が伸びてきた。そこで、従来の発電所ではまかない切れない。それは電力供給制限をすればいいのですよ、設備をしないで。それは政府としても許さないわけで、安定した供給ということでこれが累年設備投資をやってきた。当時の昭和二十六年の再編成時における電力料金のコストというものは、これは電灯から大口電力、いろいろありますが、それぞれその当時の単価ではすでに今日の電源開発はまかない切れない、これはわかるのです、これは数字が出ていますから。そこでまかなってきた。ところが、下期約三十億の赤字、自己資本が三〇%余、人件費はどうか、人件費は全体のこのコスト形成の中で約一五%、わずかなものですね。かつては五〇%をこえていた時代があるのですよ。それからロス率はどうか、限度一ぱいまでロス軽減の努力をやり、送電線、配電線の改修その他ということでこれまた急激に下がった。かつて昭和二十九年が二〇・一%だったのが、それが三十八年ではわずかに八・七に下がっている。こう考えて説明を聞くと、物価高を招来するそのムードをあおるということになり、コストにもむろん基礎産業ですから影響するのですが、これを上げさせないためには、だめだというだけでは一体いけるものだろうかどうかということで、政府の意見を私は聞くわけです。どうしますか。政府が公租公課なり行財政、税制その他考えるか、あるいは融資にするのか、まあ一部審議会では、石炭については利子補給はどうだろうかというようなうわさも出ていることですね。どうしますか。こういうことで、これは上げるということはもちろん問題があるが、また上げないということになっても問題がある。
#9
○国務大臣(高橋衛君) 中部電力から値上げの申請があったということは聞いております。まだ通産省で内容を詳しく審査しておる段階でございまして、私どもも内容は全然承知いたしておりません。したがって、審査の結果に待たなければ、一体それはどうすべきかという結論も出ていないわけであります。
#10
○藤田進君 いや、私は単にわかりやすく例示したにすぎない。そこで個々、個別の公共料金その他については、またこの国会、来たる通常国会でも高橋企画庁長官の政策も聞きますが、総理の政策も聞きますが、これはきょうは全体の基本的な考え方として、こういうことを例示して、そういうものを、これだけじゃありませんが、高度経済成長にマッチするために、企業としては、やはり場合によればこれなどもそうなんですが、電力なども労働賃金のほうはきのう聞いてみると、平均が三万円、平均年齢は三十四、五歳、中部の場合はもっと上がっている。家族ももちろん、だから経験年数をどんどんそれにしわ寄せされてきている。一方スト規制法でストライキしてはならぬというような法律をつくる。そういうこれは一つの例です。ほかにもたくさんある。そういう場合に、ケース・バイ・ケースだということかもしれないが、基本的には政府はこれからどういう政策をとろうとするのか。上がった原因についてはあなたがおっしゃる以外に、私が本会議でも指摘したように、高度経済成長に傾き過ぎているのです。重化学工業中心だ、生産財中心だ、これはむろん消費財を含んでコストが上がってきたというようなことをいまあなたも言いましたが、卸売り物価が安定しているということをいつも言うのですが、卸売り物価が安定していて、その商品コストというものが上がったからといって、そんな理屈が一般的な議論として出てくるのですか。どうします、これは例示にすぎませんが、物価対策を。
#11
○国務大臣(高橋衛君) いま中部電力の例をおとりになりましたが、まあこの問題についてはなお検討中でございますので、お答えは保留させていただきたいと思いますが、ずっと最近の、つまりコストと物価との関係を調べてみますと、昭和三十六年度から三十八年度まで、この間において賃金の上昇がたしか――ここに数字は持っておりませんが、もし数字が間違っておればあとから訂正させていただきますけれども、たしか二三・幾つかの上昇率に相なっております。それに対して生産性の上昇率は一六・幾つということで、結局この面をとらえて言えば、やはりコストが上がったということが相当物価に影響しているということは、これは申し上げられるのじゃないか、こう思います。しかし、自由主義経済でございますから、賃金の決定は双方の交渉に従う問題でございまして、これをとやこうするわけにまいりません。それから高度成長の結果と、そういうふうにお話しになりますが、高度成長、設備投資というのは、要するに生産性の向上をもたらすところの素地でございまして、したがって、個々に物価のいろいろな上昇の原因を見てみますと、中小企業等におきまして、生産性の上昇が十分にいっていない。しかしながら、賃金所得の平準化の作用もあって、だんだんと中小企業においても労賃を引き上げざるを得ない。労働の過剰な時代においては中小企業と大企業との間に賃金の相当大きな格差がございましたが、それが労働需給が逼迫してきたという関係から、少なくとも若年労務者については、もう完全に同額ということでなければ若年労務者を採用することができないという実態になっているのが現在の実情でございます。そういうふうな関係からいたしまして、生産性の上昇がないにもかかわらず賃金は相当上がってくる。そういう場合に、その企業としては価格にそのしりをもっていくか、しからずんば企業自体がつぶれるという形をとらざるを得ぬ。そういうことでそれが多くの場合価格に転嫁されて、そうして消費者物価を押し上げるという結果を来たしていることが一つの事実であろうかと思います。また農業について申し上げれば、藤田さん百も御承知のとおり、お米の値段の決定の仕方は、いわゆる生産費所得補償方式、これは都市勤労者の賃金をべースにして、米の生産性の向上が十分あればもちろん価格の引き上げということにしわ寄せにならないのでございますけれども、農業の特質上、どうしても生産性の上昇というのはそう急速にいかない。しかも都会の賃金の上昇が非常に急速であるというところから、当然それが生産者米価にはね返ってくる。その他農作物について政府が価格を支持しているものは総生産物の大体七割を占めていると存じておりますが、それらのものが当然その影響を受けている。それがまた当然に消費者物価に影響を及ぼしてくる、そういうふうな関係を来たしておるのが現在の物価上昇の実態であろうかと、かように私どもは見ておるわけでございます。
 したがって、もちろん総需要と総供給の関係で成長をうんと抑えるということになれば、全体としての賃金上昇もおのずから影響されるでありましょうが、そういうふうな関係から物価がある程度安定するということは、これは当然に申し上げられると思うのであります。しかしながら、問題はそのときどきの時点において、ほんとうに完全雇用に近づいた経済、しかも国全体として所得が相当に上昇していく経済、それこそがやはり福祉国家建設のための一つの目標でございまして、それに進んでいく過程においていろいろなひずみが出てくる、これまたいなむべからざる事実でございますが、しかし、そういうふうな結果が出てきたことは、必ずしも国全体としていいことであったとは申し上げかねますけれども、したがって政府としては、あまりに高度な成長というものがそういうふうに各方面にひずみを来たしているというふうな関係から、経済の成長を安定的な基調に乗せていきたいというのが現在政府として努力しているところでございます。今年の一月に経済審議会に中期経済計画というものを諮問いたしまして、そして非常に大ぜいの各界の専門家に御勉強願って、そして今月の十七日に中期経済計画についての御答申があったわけでございますが、この中期経済計画においても、昭和四十三年度において国際収支がバランスをとるということ、経常収支においてちゃんと均衡をとるということ。同時にまた、消費者物価を年率二・五%の程度に安定させる、そのためには一体経済の成長はどの程度がしかるべきか。またその他の重点を置くべき政策の基本はどこに置くべきかというようなことについて答申があったわけでございますが、その結果として答申された数字は、年率実質において八・一%の経済の成長がいいだろうという答申であったわけでございます。御承知のとおり、過去十年間の経済の実質の伸びは一〇%近い。過去三年間の経済の実質成長率は一〇・七%でございます。それに比べれば相当低い成長率に相なっておるかと思います。しかしながら、これを米国なりヨーロッパの諸国の経済成長に比べれば、はるかに高い成長であり、政府といたしましては、それらの点も十分考慮しながら勘案いたしまして、来年度の経済政策の運営の基本方針を定めたい、かように考えておる次第でございます。
#12
○藤田進君 他の委員も御質疑が相当おありのようですから、私は次の意見を申し述べて、ひとまず本日は終わりますが、これは池田さんのときの中期経済計画を立てる審議会であったので、私ども見たところ、メンバーは要するに結論を池田政策にマッチできるように、若干のひずみ是正を打ち出していくということで、私はあまり意味がないと思う。これはあとでまた機会を改めて質疑をいたしますが、八・一%で二・五%に物価を抑えるというポイント、外貨事情はこうだと。これはかつてもう九%を三ヵ年池田さんに言ってきたんです。いまの自由主義経済だとおっしゃる政策のもとにおいて、ああいったものができるんだろうか。初め一年で、あるいは二年でもう十年先の完成度合いまで到達するものであったり、それからさらに物価が二・五のその状態で抑えられるだろうというように考えてまいりますと、なかなか長期計画のように見えてそうではないように思われる。そして高橋さん御就任早々所得政策、これは内容に深く入らないままに推移してまいりましたが、なるほどいま生産性の伴わない賃金アップという考え方のようですが、おしなべて人件費のコスト形成の中における割合というものは非常に少ないのです。ほとんど六割ないし七割強は資本費ないし公租公課という状態なのですから、この点は所得政策ということを若干加味しながら触れられておるような懸念があるので、改めてもらいたい。
 それから中小企業等、平準化のために労働賃金が上がってきたとおっしゃいますが、それ自体に対する中小企業なり農業政策自体が貧困であったために大都市へと、大企業へと偏在した行財政が結果をもたらしたということを私ども申し上げております。これに対して間違っておれば、また後刻御指摘をいただきたい。今日国の行政、特に財政というものは、地方財政を含めて、経済のパニックでさえこれを阻止できるという説があるほど大きなウエートを占めておるのです、国の財政というものは。ですから、それだけのウエートを認めている多くの説があるように、それだけに国の財政というものは非常に大切であります。物価においても経済成長においても。そこで佐藤さんは顧みて、いわゆる調和、社会開発ということを言い出したんだろうと思う。総裁選挙のあとのあいさつその他等を見ると、党が変わってないのだから同じだと言ってみたり、これは支離滅裂ですよ、いまのところ。これは経済企画庁あたりでどうこの裏づけを打ち出すのか、国民も私も非常に重要視しておるわけです。私は後日もっと内容に入れるように準備いたしますが、大臣におかれても、ひとつ十分新しい政策、新政策を立てて臨んでもらいたい。あまりにもいまの段階では抽象的だと思います。
 以上できょうは終わります。
#13
○委員長(梶原茂嘉君) 他に御発言がございませんければ、本件は本日はこの程度にいたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(梶原茂嘉君) 次に、繊維問題に関する点の調査を進めます。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#15
○大矢正君 前の国会で繊維新法が成立を見て、去る十月の一日から新しい法律に基づく繊維産業に対しての対策が行なわれつつありますが、最近の繊維の市況を見ますると、それが綿あるいは梳毛というような部分に限らず、化合繊の面におきましても、かなり不安定な状態になりつつあるようでありますが、現在の化合繊を含めて繊維の市況というものはどういう状態になっているのか、まずお答えをいただきたいと思います。
#16
○政府委員(村上春藏君) ただいまの大矢先生の御質問で、少し勉強が足りないので適切を欠くかとも思いますけれども、最近の繊維の市況はほんとうに低迷しております。これは引き締めがようやく浸透したところへ、繊維新法が施行され、格納設備の破棄に伴う約三十一万錘の新規稼動があって、供給過剰の可能性が生じたこと、及び繊維新法のもとでは、従来のような操短による需給調整を行なわないたてまえとなったことによりまして、今後の需給についての不安が生じたことが原因であると考えられるのであります。このような市況の低迷に対しては、繊維新法の成立後まだ日が浅いので、とりあえず法律を厳格に施行、運用することに力を注ぎ、新法の施行過程で生ずる混乱は回避するように措置をしたいと思います。今後生ずることが予想される供給のゆるみについては、当面は輸出振興をはかることによって、需給の均衡を維持したいが、繊維新法のもとでは、供給は業界各社の自主的な判断によって決定されざるを得ないので、各社の動向を見守って今後の方針を決定したいと考えているわけであります。
#17
○大矢正君 今日の繊維品の市況が非常に不安定であるということについては、私は春の通常国会の際にも特にこの点は強調したつもりでありますが、それには根本的な問題として、当時立てられた新法施行について繊維産業をどうとらえるかという、そのとらえ方の点で通産当局では間違いがあったのではないかということを考えざるを得ないのであります。で、合繊の分野で考えて見ますれば、私は新法が議会に出されました当時、近い将来必ずこれは設備過剰になるぞ、もっと業界が自主的にやるか、法律的に規制をするか、そのいずれの道をとるかは別としても、何らかの設備抑制の措置をとらない限り、近い将来合繊の部門においても過剰生産傾向が出てくるのではないかということを指摘をいたしましたし、同時にまた新法が提案をされました時点において、繊維産業を具体的にどう把握をするかというその把握のしかたに間違いがあるのではないかということも指摘をしたつもりでありますが、今日の市況が不安定であることの一つの大きな理由は、私はやはり通産当局の判断の誤りがあったのではないかという考え方を持っておりますが、その点について政務次官から御答弁をいただく――といいましてもなかなかたいへんでしょうから、繊政課長のほうからひとつお答えをいただきたいと思います。
#18
○説明員(蒲谷友芳君) ただいまのお話の中で、特に問題の綿関係、合繊関係でございますが、綿関係につきましては、旧法下の政府によります操短体制が繊維をとりまく国際環境の中で、繊維の今後の発展が困難ではないかという判断で、いままでの長い政府の法律または行政による操短体制を新しい自由競争体制に持っていく場合には、多少の問題があるとはわれわれも考えたところでありますが、しかし、それを踏み切る必要があるのではないかということで繊維新法の御審議をいただいたわけでございます。で、現在その結果を見ますと、お手元にも資料が一部配ってございますが、大体私たちの考え方は、綿紡、スフ紡を含みまして、特に綿を中心にしまして、大体全体としましては三百四十万錘の紡機を格納して、それが四十二年には百万錘程度の需要増があるので、二対一のルールでまいりますと、二百万錘の紡機をつぶせばそのルールに乗ってくるということで、大体百万錘の紡機に対しましては、新設が五十万錘、解除が五十万錘という大体の試算をしまして、全業界のアンケートをとりました数字でも大体それに似かよったものが出ているとわれわれは見ているわけでございますが、結果としまして、新法を施行してみましたところが、現在の段階では、まず解除を予定しました五十万錘に見合うものとして三十万錘弱のものが出ております。大体三年間と申しましても、いまのルールは最初の二年間でそのルールが行なわれるのではないか、最後になって、法律に基づく解除をする必要はないであろうということで、そうしますと、初年度大体五十万錘、その五十万錘の大部分はまず解除ではないか。そういう見方をいたしますと、大体いまの十二月二日に出てまいりました数字から見ますと、二十五万錘程度でございまして、そのルールには乗っているのではないかという気がしております。ただ、現在の不況の大きな原因の中に、一般的な金融引き締めで、需要自体について伸びの鈍化があるというのと、もう一つは中間需要がいまとまっているという引き締めの関係もありますし、繊維新法によって今後どうなるかわからないということで、中間需要がとまっているという問題に加えまして、繊維新法下ではどうなるのか、数字はどう動くのかということで心配しております関係がございまして、いまの不況が起こっておりますが、現在の状態では、われわれの考えているルールに近い状態で進んでおると考えております。特に、十月非常に低迷しました市況も十一月を過ぎまして十二月に入りましてから、相当持ち直しております。三品相場を見ましても、昨日あたりは、綿でも大体百七十円台に返ってきております。スフも百十円台に戻ってきております。そういう意味では、もう少しいまの新法の施行を完全にしますれば、そうした不安がなくなってくるのではないか。在庫を見ましても、あまりふえておりませんようであります。一応われわれとしましては、この新法の精神にのっとって、それを完全に施行することによって、繊維業界の前進がはかられると考えております。
 合繊につきましては、御説のように、今後設備をどうするかという問題がございますが、根本的に申しまして、合繊は確かに需要が伸びております。大体繊維の需要が全般的に申しまして、五ないし六%の年率の伸びという中で、合繊は現在でも二〇をこえる伸び率を持っております。その伸び率が大きいために、むしろ投資意欲が大きいということで、現在は一般金融引き締め影響もございますが、そのほかにその投資意欲が大きくて、一時に出ました設備の生産力と需要との関係に多少のアンバランスがあったということで、この不況は、いまの合繊の需要の伸び率から見れば、近い将来当然切り抜けられようし、そういう過程をたどっていくのが合繊ではないか。根本的に申しまして、やはり需要の伸びに対しまして、設備の投資が過剰になることは国民経済上も問題でありますし、また今後、後発会社が出てまいりまして、関係の業界にも影響が出てまいりますので、やはり伸び率を考えながら、適正な投資をすることを考える必要があるのではないかというふうに考えております。
#19
○大矢正君 十一月末現在で廃棄を届け出た錘数は七十五万錘という数字が出ているようでありますが、七十五万錘を廃棄するということになりますと、当然のこととして三十七万五千錘の新設もしくは凍結解除が可能になってくるということだと私は思うのでありますが、そこで、これは当初予定した数字よりは非常に急速に廃棄が行なわれ、同時にまたあわせて復活が出てくるということになってきて、こういう面が今日の繊維の市況というものを悪化さしている、コスト割れというような状態を出しているというように私どもは考えるのでありますが、そういうことはないという立場ですか。
#20
○説明員(蒲谷友芳君) ただいまのお話のように、確かに十月二日にいきなり、まあ綿で申しましても、五十万錘をこえる廃棄の申請がございまして、これでどうなるんだろうということの不安があったと思います。特に、われわれがその集計をしている段階で皆さん方は、いまの段階で廃棄をするのであれば当然新設が伴うんではないかということで、これは最も新しい機械が動くんだと、今後政府が言っている二百万錘の廃棄という問題、それに見合う百万錘の稼働はすぐにくるんじゃないかという大きな不安を持っていたわけです。私も大阪のほうへ参りまして業界と会いますと、特にその不安が大きかった。ところが実態を調べますと、ほとんどが解除であったという問題と、そこには刷り出してございませんが、綿で申しますと、十月一日から先月末までに五十四万八千錘の解除が出ておりますが、十月二日付でそのうち五十万三千出ております。そういうことで、あとはほとんど二ヵ月たっても出てまいりません。四万錘でごいまして、この程度であれば大体今後の見通しができると。大体、政府がとりました企業のアンケートを中心とした見通しに近い線が出ているというようなことで、大体十二月近くになりましての市況の持ち直し――まあ持ち直しとまで言えるかどうかわかりませんが、百六十円を割って、最低百五十五円台にいきました綿糸の四〇の相場が、十二月に入って百七十一円という相場を出すというふうな、やはり繊維の新法に対しましてどうなるかという不安が大きくて、大体審議会のほうで御審議願いました見通しに近い線で動いているというようなことで、いまのような多少の持ち直しがあったのじゃないか。もちろん十一月が悪くて十二月に入りまして多少いいということで即断はできませんが、今後とももう少し様子を見てわれわれも分析する必要がございますが、そういうようなことじゃないかと、いま申しましたような、綿で申しました一番大きな問題は、五十四万八千錘のうち五十万錘まで一日で出た、それに対する不安が大きかった。しかしその後の安定を見まして、多少業界のほうも、個々の企業も、今後の対応策を考えられるのじゃないかというように考えております。
#21
○大矢正君 新法成立をするそのときに、その時点で需要に見合う錘数は幾らかという計算を立てて、そこでまずそれを現状で固定をし、その三年後の需要動向もにらみ合わせて、百十五万錘程度の新設もしくは解除が三ヵ年間の需要に見合うものである、端的に言えばそういう判断だと私は思うのであります。そこで、三年後に百十五万錘の解除もしくは新設で需給のバランスが能力の上からいってとれるという結果がかりに出てきたとしても、その三ヵ年間の間に廃棄をするものが一年間のうちに急速に出てきて、そのことのために生産過剰が起こる事態はないとは言えないわけですね。現に十月一日からですから、十月、十一月の二カ月間しかたたないのに、すでに七十五万錘の廃棄が出ているということは、平均をして二百三十万錘の廃棄を三等分すると八十万錘ですから、ほぼもう平均した一年間に見合う廃棄というものが出される、廃棄の届け出をしたからすぐ新設もしくは解除になるかといえば、必ずしもそれはなるとは限りません。それはそれぞれ会社の自主的な判断もあるでしょうから、ですからただちにそうとは言いませんが、もしかりにそれを二対一の比率で解除なり新設を認めるということになってまいりますと、結局のところ、三年後には、需給はそれでちょうどバランスがとれるかもしらぬが、その三年間の間に市況において非常な混乱がくるという事態は、当然のこととしてこれは予測しなければならない問題だと思うのです。そういうような状態が現実に私は出ていると思うし、これからも出ると思うし、もしそれが出た場合に、通産省としてはどういう手を打たれるお考えなのか。それでその打つ手というのは、法律のどこに基づいてやろうとするのか、そういう点について、この際明らかにしてもらいたいと思います。
#22
○説明員(蒲谷友芳君) いまのお話は、われわれとしましても予想しなくてはならぬ問題でございますが、現時点では、そういうような見方をするような事態ではないという気がいたします。もう一つは、現在まあ先生のお持ちの数字は前の数字でございまして、この間の国会の御審議の際には、二百万錘――二百四万錘という数字でお願いをしておりますが、大体ラウンド・ナンバーズで百万錘、二百万錘で申し上げます。大体企業が持っております設備の中で、すぐに動かせるものが相当ある、いままでの格納の中で。それにつきましては、企業はどうしても企業精神からいってそれは動かす状態にいきたいと、それがまず初日に出ました問題だと思います。今後はその格納しております中で、多少の修理、改造をして動かせるものが出てまいると思います。大体いまの市況なり金融事情では、その事態が一巡して後に新設ということで、それも繊維新法の大体の行き方を見きわめた上で新しい機械――それも機械をどういうものにするかという判断がくるのじゃないかという中で、大体百万錘というものが三年間に出てまいりますのは、もちろんわれわれ考えるような算術的なものじゃないと思いますが、そういうような市況を見、あるいは全体の需給を見て、企業がそれに対する対応策を考えるのじゃないか。それで多少の混乱はあるとしましても、いままでは混乱があれば、必ず政府が行政的に、あるいは立法的に出たということに対する期待があったのでございますが、今度の繊維新法をつくる段階では、繊維業界自体がその覚悟をきめて繊維新法を受けているというようなことで、そういうような状態に対する個々の企業なり業界の対応策は、経済の法則の中で生まれてくるのじゃないか、むしろそういう英知を期待していいのじゃないか、われわれは業界にその英知を期待した上に新法が立っているということで考えております。
 ただしかし、お前はそう言っても、実際としては経済は生きものなので、もしそういう状態が起きた場合にはどうするのかという問題がございますが、現在繊維新法にはその問題は何もございません。繊維新法はむしろこの問題については旧法から脱皮して突っぱねております。ただ一般的な法理論を申しますと、そういう不況事態が出た場合には、独禁法の中に不況カルテルの規定がございます。法理論としては不況カルテルを結べる状態になれば、それが法制的に、また社会の常識の中でそういう状態になれば法理論としては可能でございます。ただ現在、事実問題としまして、過去の綿紡百三十五社というかっこうでもなかなか共同行為はむずかしくて行政指導があったのでございますが、現在の新しい法律下では、百三十五社がむしろ五百社に近い形になっております、綿紡を引ける可能性のある会社が。そういう中で独禁法の共同行為は非常に技術的にむずかしい問題があるのではないかというふうに考えておりますが、現段階ではそういうような法理論的な問題を勉強している段階で、あるいは技術問題について勉強しているのでございまして、具体的にどうこうということはまだきめる段階でもございませんし、われわれが事務的に勉強しているという段階でございます。
#23
○大矢正君 申すまでもなく、新法が成立をするときの基本的な考え方というものは、もう長期にわたる、いうならば凍結、格納というような他の産業には見られない状態をこの際打開をして、自由な競争ができる繊維産業というものを作り上げようということが私は本質だったと思うのです。だから、そこで現実に使用しないで長期にわたって眠らしているような紡機はこれを廃棄し、完全に滅失をする考え方が出てきたと思うのでありますが、そういう考え方を法律の中にうたい、方向をとりながら、なおかつ短期の需給調整をこのいまあなたが言われるような方向でやらなければならないということは、新法それ自身がもうすでに不備なものであるという解釈をしなければならぬと私は思うのですがね。特に新法実施のちょうど十月ころは非常に金繰りが困難な金詰まりの情勢にあったとか、あるいはまた合繊は海外にどんどん出ていくが、綿は非常に輸出が鈍化をしている。むしろ輸出額にして見ると下がってきているという、こういう現実は、これはまあ通産当局が処置をしようとしてもこれはできない問題で、これは本質的な問題でありまするから、そのことについての議論は私はいたしませんが、行政当事者としての通産省の立場からいけば、こういう法律を施行しても、なおかつまた短期に生産調整をしなければならぬような方向というものはどうも理屈に合わない、こういう感じがいたしますが、いまあなたの御説明からいくと、最近は百七十円台まで市況が回復をしているから、将来は十分コスト割れではない状態にまでいく可能性はあるというようなお説ではありまするけれども、それはあくまでも見込みの問題で、やはり金融の引き締めが緩和されるというような情勢でもないように私は思いまするし、そういたしますると、結局のところ、どこかで何らかの措置を講じない限り、また再び自由競争を前提とした法律の実施がむしろ逆に生産を抑制するために使われなければならないような事態になってしまう可能性を考えるわけでありますが、その点で何らかの処置なり方法なりを行政的にやるという考え方があるのかないのか、その点ひとつこの際聞いておきたいと思います。
#24
○説明員(蒲谷友芳君) 現在では、いま申しました生産と需給の関係でございますし、現在の金融引き締め下で国内の需要についての大きな期待ができないのであれば、これは国際市場のはけ口を求めるということで、輸出振興によって繊維の生産と需給のバランスをはかりたい。実は過去においては非常に国内価格がよくて国際価格が悪いために輸出意欲について多少問題がございましたけれども、ある意味で現段階では、幸か不幸か、国際価格と国内価格は大体同程度で、非常に計算はむずかしゅうございますが、たとえば糸をとってみますれば、多少輸出価格のほうがよいという、もちろん危険の問題なりあるいは代金の回収の問題なり、むずかしい問題はございますが、一応そういう意味で非常に現在個々の企業につきましても、業界につきましても、輸出意欲を持っております。あるいはその中でそういうような輸出意欲をさらに起こすために、あるいはその輸出意欲にこたえるために、何らかの行政的な方法を検討するという問題もやっておりますが、そういうことでまず当面の問題としてはそういう手を打ってまいりたい。いま先生のお話の何らかの行政的な手を打つのかという意味が操短という問題であれば、それは現在考えておりません。また技術的に非常に困難ではないかという気がしております。
#25
○大矢正君 最近の新聞等の報ずるところを見ますると、たとえば自動連続装置というものに対して非常に関心を持ってきて、人手不足のおりから、労働力を必要としないような方向に機械設備の改善を行なっておりまするが、これ自身はまことにけっこうなことだと思うのでありまするが、しかし同時に、そのことは過去の紡機と比べてみた場合に、かなりの生産がアップするという面がありまするし、またこれも新聞等を見ますると、二十四時間操業をこれからはやるんだというような社会も現われてくるというようなことで、単に紡機だけで生産をとらえようとしてもとらえられないという現実がこれから出てきはしないかと私は思うのでありますが、そういう点については何らか考え方があるかどうか。
#26
○説明員(蒲谷友芳君) いまの御質問の要点は、そういうような新しい機械が出てくれば、相当な生産力が上がってくるので、そういうものをどう扱うか、あるいはわれわれが計算しました新法の基礎のデータに変化が生ずるのではないかというような御質問と意味をとりまして、お答え申し上げますが、現在の国際情勢の中で、非常に低賃金の過剰労務者を持っております後進国の競争が大きくなってまいりまして、それに対抗していくためには、どうしても中進国と申しますか、相当の経済伸長しております、しかも相当な賃金アップを今後考えなければならないという日本の繊維産業としましては、いまの自動連続装置のような方向に向かって、いままでの労働集約的な繊維産業を、資本集約的生産的な産業にかえていくということが、また現在ガットでもあるいはOECDでも、繊維関係の問題につきましては、先進国はみな同じような問題を討議し同じようなことを考えております。それにつきまして、いまのお話のような自動連続装置が出てまいりまして、そういうものが品質的にもあるいは能率的にも後進国との競争に勝っていく、たえていくということは望ましいと思いますし、今後ともそういうような方向で業界があってほしいし、ことに、それについてはできるだけの行政的な援助も考えたいと考えております。
 もう一点の、そういう問題が出た場合に、現在の新法を作りました基礎データに大きな変化があるのではないかということでございますが、大体われわれとしましては、関係業界、関係企業の意向も十分前もって聞いておりまして、大体今後どの程度のそういうような自動紡機が入ってくるか、それをどういうふうに能率を見るか、その稼動をどう見るかというようなことも計算しまして、実はこの繊維新法の御審議を願うときのデータに織り込んでございます。まだ実はナスとかキャスとかいわれておりますが、そう大きな数字じゃございません。いまキャスといわれているものもわずか三万しかございませんので、四十年末におきましても二十万錘に達しないというようなデータでございまして、これがフルに動きましても大勢に影響ございませんし、またわれわれはそういうものは一応データに組みまして計算をしまして、ああいうような方針をきめたのでございます。
#27
○大矢正君 次に、やみ紡機に関連をしてお尋ねをしておきたいと思いますが、十一月の九日の繊維工業審議会にやみ紡機の内容が報告をされているように承っておりますが、まず第一点は、この報告に間違いがなければ、綿とスフで百十万錘、梳毛で十一万錘、その他三十二万錘、合計百五十四万錘のやみ紡機が登録をされたと、こう出ております。これは私どもが新法を議論いたしました際に、通産当局としては、やみ紡機はほぼ八十万錘から九十万錘の間ぐらいであろうというようなお話がありましたが、いま私が申し上げました内容が事実であるといたしますれば、当時考えられていたやみ紡機の登録が倍にふえているという現状じゃなかろうかと私は思うのであります。そこで、どうしてこのような計算違いが通産当局の中にあったのかということが質問の第一点。
 それから第二点目は、そういうすでに登録をいたしましたやみ紡機でありまするからして、当然のこととしてその処置をしなければならないが、四十万錘については生産を認めるが、四十万錘は格納するということなんでありますが、その格納をするということが一体どういう形でやろうとするのか。
 それからいま一つは、それは法律に基づいてやるものなのか、それともそうではない何らかの方法があってやられることなのか、その点についてお答えをしていただきたいと思います。
#28
○説明員(蒲谷友芳君) ただいま先生の言われました百五十四万錘は、十月の二十日現在で申請のありましたものを締めたものでございます。その後これを実際そういう紡機が設置されているかどうかの確認をしております。大体ある数はもっと減ると思います。というのは、実際の紡機がございませんもの、あるいは部品が十分なくて今後動かす可能性のないものというようなものもございますので、多少の数字は動くと思いますが、大体百五十万錘程度のものが確認されるのではないかというふうに考えておりますが、その中で実質的に問題になりますのは綿スフ式のものでございますが、そのほかの梳毛式、あるいはその他麻とか、いろいろなものがございますが、ほかのものにつきましては、過去にありましたけれども使っていなかったというものが、旧法下では使うということで、われわれが確認しました八十五万二千錘のものも実際使っておったものでございますが、使ってなかったものも相当あった。それがこの際新しい法律で権利になるのだったら登録しておこうというものもございます。そういうものが多いようでございますし、またガラ紡などがチンハットにかわっておりまして、それがこの際登録するというようなこともございまして、そういう数字を含んで百五十万台になっておりますが、実質問題になりますのは綿スフでございますが、綿スフ系統につきましては、旧法下の九月末現在で、われわれが取り締まりとして確認しておりました数字が大体八十五万二千錘でございまして、そのうち八十万錘程度が綿スフ式のものでございました。それが現在約百十万になっているわけでございます。
 その百十万の問題につきましても、今後絶対に動かさないというような問題もございますので、大体百万錘程度が今後の問題になる綿スフ式の第四区分の登録のものでございます。これが実態でございまして、まだ完全な確認は済んでおりませんが、百五十四万錘の申請がありますけれども、確認した結果は百五十万錘程度の登録が起きるのではないかというふうに考えております。
 それから今後の第四区分の旧無登録精紡機の行政的な扱いでございますが、いま先生のおっしゃられました十一月九日の審議会でわれわれの考えを申し上げましたのは、実はちょっといま数字が見つかりませんが、現在の状態で八十五万錘のうち八十万錘が綿スフ式で、そのうちの約二十二万錘は動いていない。約五十八万錘が動いておりまして、そのうちの約二十万錘程度がほんとうに自由糸をひいている。あとの残りました三十八万錘程度のものがどうもわれわれが立ち入り検査すると、とまっておったり、自由糸をひいておるけれども、制限糸をひいている可能性があったのではないかというのでございますが、それが約三十八万錘というふうに考えられます。今度この八十万錘が百十万鈍になりまして、そのうちまず動くものが百万錘、そうしますと、今後とも自由糸の需要というのは二十万錘程度じゃなかろうか。そうしますと、八十万錘程度が自由糸以外のもの、つまり法律に違反しまして、五条違反をしまして制限糸をひくのではないか。で、いま実は、先ほどからお話のございます繊維不況の大きな問題の一つに、先ほど申しました廃棄解除、廃棄新設というものがどう動くか、先生のおっしゃられますように、お前のほうで三年と思っているのが初めにくるのではないかというような不安が一つございますが、もう一つは、この自由糸というか、第四区分にどの程度紡機の登録があるのか、その紡機はどういうものをひくのだろうか、それによっては第一区分の方々が二万錘、三万錘の自主操短をしても全然問題にならぬのではないかという不安があるわけでございます。自由糸というか、第四区分の今後の動向、それに対する行政の出方について非常に業界は注目し、それが確定しないことにはどうも新法に対する対策が出ないという心配があったわけでございます。で、われわれとしましては、現在、過去の旧法下で三十八万錘程度がひかれておって、それについても問題が多かった。通産局の監視能力がほとんどさかれたということで、今後それが百万錘になりまして、八十万錘が制限糸をひく可能性があるということになりますと、非常に問題が出るわけでございます。第一点は、根本的に、一般の第一区分に登録されている方々が、あの連中はどうするのだろうという心配と、自分たちが格納しているのに、そういうような旧法下で権利もなかった、登録のなかった方々が勝手にできるというのはおかしいじゃないか、しかもそれが需給上では、当然われわれは毎月毎月生産統計をとっておりますけれども、そういう方々はやみでやっておりますために、綿糸なりスフ糸なりというはっきりした報告をしない。そのために需給の動向もとらえられないという問題がありまして、そういう問題を全部解決するため、特にその検査というか、監視につきましては、われわれ通産局も全力をあげ、また業界からも応援を得ましてやっておりますけれども、これにも限度があるということで、一応行政的にすっきりしたらどうか。その方法としましては、割合に小さい方が多いし、数も多いので、半数をとめた場合には、いま大体綿の方々は平均で二四%程度とめておりますが、その倍の五〇%をとめた場合に、制限糸をひかすという許可をする、そういうことでやりますれば、大体百万錘から自由糸の二十万錘を引きました八十万錘、その半分の四十万錘が格納されて四十万錘は動くというのであれば、旧法下におきます三十八万錘に見合って多少増加した程度ではないか。需給上いまの非常に混乱している需給に対しても圧迫となるし、またはっきりとわれわれとしては需給量を押えられるし、今後の指導もできる。検査の面としましては、百万錘の工場に立ち入りしまして、ひいている紡機の糸を全部とってくる。それを検査をいたしまして、あああの糸は悪かったということでいく場合に、また違った糸をひいているということで、立ち入りをし、それを押え、裁判所へ持っていきましても問題が非常に多かった。今度の場合には物理的に押えまして、その部品をはずしておくというのであれば、検査も非常に簡単ですし、違反は困難になるのじゃないかということで、全般的に考えて、その方法を考えてみたい。その根拠としましては、繊維新法のこの法律の第五条の区分外糸でも一応例示がございまして、その他通産大臣が必要と認める場合ということで、いまの各第一、第二、第三、第四の専属糸がございまして、専属糸以外については、大臣の許可がない場合にひけないとなっておりますが、第四区分にそういう条件で第一区分の制限糸をひかせるということを第五条のこの区分外糸の許可を根拠としまして、省令で定めて、それを通牒で受けるというかっこうでやったらどうかということで、現在検討をしている状態でございます。
#29
○大矢正君 一つには、やみ紡機というものが当初予想していたよりも、倍もふえたというような問題が今日あらわれて、かりにあなた方のほうで計画をされております百五十万錘近いもののうちで現実に使わないものを除き、そうして同時に、この自由糸をひく部分について三十万錘をとり、さらに八十万錘のうちの四十万錘は格納し、四十万錘は制限糸もひかせるような方向で、これからやろうとすることでありまするが、しかし、これ自身やはり生産量と需給の問題では将来また問題が出てくると思いまするし、それから同時に、せっかくやみ紡機を登録させたとしても、新しくやみ紡機がまたあらわれるという心配が絶対ないとは言えないわけでして、そういう問題についてどう処置をするかということについても、いろいろ危惧がありますが、きょうは時間がありませんから、一応その点はまた将来いずれかの機会に質問することにいたします。
 次に、政務次官にお尋ねをしておきたいのでありますが、最近通産省は業種別に官民懇談会といいますか、あるいは官民協調懇談会といいますか、何かそういうふうな――これは新聞に出てくることでありまして、正確にはどういう名称がつけられているかはわかりませんが、そういうものができ上がって、だれが中心的な役割りを果たして、どういうことを議論しているかということはわかりませんけれども、たとえば化合繊については、化繊協調懇談会といいますか、そういうようなものを設けようというような方向が出ております。そこでそういうような懇談会というのは、どういう目標で何をやるためにいま行なわれつつあるのか。通産省それ自身も中に参加をしておられるようでありますし、もちろんだれが音頭をとったかといえば、私は通産省が音頭をとってそういうものをつくらしているのではないかと思うのでありますが、特に昨日でありましたか、衆議院の予算委員会の春日一幸議員の質問に対して、所管大臣ではない田中大蔵大臣が特振法をつくりたい、つくらなければならぬというようなことを表明をされておりまするし、そういう考えが内閣にありといたしますれば、そういうものとこの懇談会というものとは、どういう関係があるのかということも、この際あわせて御答弁をいただきたいと思います。
#30
○政府委員(村上春藏君) ただいまの御質問ですが、実は御案内のとおり特振法というものが国会で通らなかったわけでございまして、まあ早くいえば、それにかわる何か方法がなければいけない、こういうようなことで、このいわゆる設備投資の基本方針を検討する場といたしまして、官民協調の懇談会を発足さしたことは、特振法の考え方に対する業界の理解と熱意のあらわれとして、政府といたしましても高く評価しておるわけでございます。今後このような懇談会方式についてその運用よろしきを得れば、法案の意図した合理的生産体制の確立、また経営基盤の強化がある程度進んでいくものと考えられるわけでございます。
 そこで昨日の大蔵大臣の衆議院の予算委員会における答弁の問題でございまするが、これは特振法を出したいという意味で答弁したようではないので、検討してみたいという考え方のようでございます。まだこの点私ども確かめておりませんが、特振法につきましては、通産省といたしましては業界のもう少し様子を聞きまして、どうせこの臨時国会ではどうにもならない問題でございまして、通常国会にどうするかということを十分検討した上でひとつ腹をきめたい、こういうふうに考えております。
#31
○大矢正君 前の流れた特振法の当事者の企業局長が来ているから、この際企業局長からもお答え願いたいと思うのだが、このいま行なっている官民懇議会といいますか、協調ということばが当たるかどうかわかりませんが、これはどういうことなんですか。全業種にこういうものをつくらせるという方向を通産省それ自身が考えているのか、特殊な業種に限ってやろうというようなことで考えておられるのか、それからまた、この懇談会というものはどういう限度において議論を進めようとしておるのか。たとえば公取委員会は、この懇談会――協調懇談会というものは明らかに独禁法違反になる部面もあるというような非常に微妙な言い回し方もしている面があるわけですね。で特振法というはっきり独禁法に風穴をあける法律的な根拠があれば別だけれども、これがないという今日の中においてば、この懇談会が議論をすることも非常に法律的にも問題を残す部面があるのではないかという感じもいたしますから、その点についてどう思っているかということと、それからその特振法について、通産大臣は、新聞によれば、明らかに出したいという意向を表明しているし、同時に田中大蔵大臣は通産大臣の臨時代理でもあるから、通産大臣が言ったと解釈しなければいかぬわけで、もしそれをやるとすれば、今度は次官に特振法の連隊長があんた出てきたのだから、なるほどそれは理屈からいえばもう一回出てくるであろうということは感じ取れるのだが、この前のいきさつからいって、島田局長が一番この関心と興味を持っていると思うので、この際お答えしてもらいたいと思うのです。
#32
○政府委員(島田喜仁君) まず、通産大臣を兼ねられております大蔵大臣の御発言につきましては、ただいま政務次官からお答え申し上げましたように、直接は伺っておりませんが、やはりその後の情勢から、ひとつ特振法についてはもう一度考えてみたらどうだというような感じで言われたのじゃなかろうかと私どもは想像しております。ただ、これは大矢先生も御承知だと思いますが、特振法は三回国会に提出をいたしましたけれども、諸般の情勢からついに成立を見るに至らなかったわけでございまして、当時責任局長でございます私は、この前の国会の場が特振法を成立さしていただく最後の場であるという考え方を実は特っておったわけでございます。したがいまして、この過去の情勢判断をいたしますというと、この次にさらに特振法を国会に提出することはきわめて困難であると、こういうふうに考えております。ただ、政務次官の申し上げましたように、来たる通常国会で出します法案はすべてまだきまっておりませんので、特にまた通産大臣を兼ねられております大蔵大臣の御発言等もよく伺い、大臣の意向も伺いまして、そうして最終的にはこれをどうするかをきめたいと、こういうふうに考えておりますが、現段階では、ただいま申し上げましたように、国会提出は非常にきわめて困難である、こういうふうに考えておる次第でございます。
 なお、次に合繊関係で出ております官民協調の懇談会は、ただいま政務次官が御答弁になりましたように、特振法が成立しなかった現在におきましても、その後の情勢を考えてみまして、やはり官と民とが要するに話し合いをして、そうして開放経済下における競争力を強化していこうということは実は必要である、こういうふうに考えております。その精神は、御承知のように特振法の第一に掲げてございまして、今後も全部にそういう協調懇談会ができることを私どもは予想もしておりません。と申しますのは、官民協調の懇談会というのは、この官と民とが日本の産業を発展をさせるために非常にベターな方式であると、こう考えた場合にできるわけでございまして、私ども全部にこれをあれしようという考えは持っておりません。ただ、合成繊維は御承知のように繊維新法からはずれております。今後やはり安定的に合繊業界が発展していきますためには、各企業の要するに過当競争をやはり防止しなければならぬという面で、やはり今後のこの合繊各業種の設備がどういう程度に、需要の動向、あるいはこれから開拓さるべき需要に対して安定的に設備投資が行なわれていくかという、そういう問題を要するに全体の立場から判断をしていこう、こういうことでございまして、個々の企業の設備については、これは自主的にやっていこうということでございます。特振法では、御承知のように投資調整カルテルというのがございまして、これは独禁法で例外的に認められるということに相なっておるわけでございます。それができない限りは、総合的な判断としての大局的な合成繊維のあり方については、この官民協調懇談会で出ました好ましい姿に対する個々の企業の設備投資につきましては、個個の企業が自主的にやっていく、したがいまして、もしそういう考え方が長期的並びに総合的な判断から官民協調ででき上がるとすれば、ある程度まではその趣旨を達成するのじゃなかろうか、こういうことでございまして、独禁法との関係も、その限りにおいては私ども問題ない、こういうふうに考えております。
#33
○大矢正君 最近のこの合繊の市況もしくは在庫等を見ましても、たとえばポリエステルとかナイロンとかいうような部面に限って考えてみても、在庫がかなり大幅にふえている。どの程度が適正在庫であるかということは、いろいろこれは議論のあるところだと思うのでありまするが、過去の例から比較をすると、かなり在庫率が増加をしておるということと、半面価格が軟調である。で、こういうような事態というものは明らかに寡占体制にある。たとえば東レとか帝人、日レとかというような、ごく少数の企業によって市場を支配していたものが、旭化成なり三菱なりという後発メーカーが続々と設備の新設ないしは拡張ということをやり、それが今日合繊業界の将来にかなりの不安をもたらしているのだと私どもは解釈をしているわけです。で、いま企業局長から、設備の調整についてこの懇談会でやりたいというお話が出ておりますけれども、この協調懇談会で設備の調整というものがほんとうにできるのかどうか。合繊業界のここ一年ぐらいの動向を見ますると、国内では資金の調達ができないからということで、海外から資金を調達してきて設備拡張をやっているという現状にいまなりつつあるわけです。この懇談会ではたして設備の調整ができるかどうかということになると、私自身もなかなか簡単なものではないという気がする。そうすると、今日の合繊の不安というものはなかなかこれは取り除けないのではないかと思うのでありますが、その懇談会で有効かつ適切な話し合いというものが官民の間で行なわれ得る自信があるのかどうかということがまず第一点です。
#34
○政府委員(島田喜仁君) 御承知のように統制をやるわけでございませんので、非常にむずかしい点は、もう過去の経緯が示していると思いますが、今度合繊業界もそういう方向で、要するに過当競争を排除しようという意図をもってこの官民協調懇談会ができたわけでございますから、少なくともその方向で努力するであろうということは私ども期待をしておりますけれども、あとは、この業界の考え方、そういう方向でいくことが日本にとって、合繊業界にとっても必要である、重要であるという認識いかん、あるいは懇談会における今後の熱意いかんによるのではないか、こう思います。なお後発メーカー等が出てまいりました問題は、実は私どもといたしましては非常に重要な実はポイントでございます。と申しますのは、ナイロン等をとりますと、実は前国会におきましても、ナイロンは寡占状態で、むしろ価格が硬直的ではないかという御質問を受けておったわけでございます。一面価格を消費者のために下げていくという面からみますと、新しいいわゆる後発メーカー、新規企業の加入によって価格を下げるという私どもは方針をとっておるわけでございます。と同時に、また一面企業がそういう形で新規メーカーが参加してまいりますというと、あるいは行き過ぎという状況で、ただいま先生から御指摘のように、むしろ今後は需給状況が悪化するのではなかろうか、こういう両面をどういうふうに調整していくかということが、実は私ども通産行政に携わるものといたしましては非常に関心がございますので、そういう面では、ただいま申し上げましたような協調懇談会によりまして、官民協調の懇談会によって、この面面をうまく調整していこう、業界もまたそういう面を考えていくことを私どもは努力をするであろう、こういうふうに考えております。
#35
○委員長(梶原茂嘉君) 他に御発言がなければ、本件はこの程度にとどめます。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後零時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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