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1964/12/17 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 商工委員会 第4号
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1964/12/17 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 商工委員会 第4号

#1
第047回国会 商工委員会 第4号
昭和三十九年十二月十七日(木曜日)
  午前十一時四十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          梶原 茂嘉君
   理 事
                赤間 文三君
                上原 正吉君
                近藤 信一君
                向井 長年君
   委 員
                植垣弥一郎君
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                岸田 幸雄君
                剱木 亨弘君
                豊田 雅孝君
                前田 久吉君
                椿  繁夫君
                藤田  進君
                鈴木 一弘君
   国務大臣
       通商産業大臣   櫻内 義雄君
   政府委員
       通商産業省通商
       局長       山本 重信君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞壽君
   説明員
       通商産業省重工
       業局長      川出 千速君
       特許庁長官    倉八  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○政府金融機関の融資額の増大と貸出金利引下げ
 に関する請願(第一一号)
○国立東北工業開発試験所の早期設置に関する請
 願(第一九号)
○中小企業近代化資金助成法の国庫負担率引上げ
 に関する請願(第一三〇号)(第一九九号)
○中小企業建設業に対する建設機械貸与に関する
 請願(第二一七号)
○電気工事業法制定に関する請願(第二六九号)
○鉱業政策確立に関する請願(第二八九号)
○一般物価の値上げ反対及び独占価格の引下げに
 関する請願(第三一五号)(第三一六号)
○物価値上げ反対等に関する請願(第三一八号)
○後進地域開発促進に関する請願(第七八五号)
○岡山県笠岡、井原地区の備後工業整備特別地域
 追加編入に関する請願(第八二七号)
○鉱業企業の体質改善施策に関する請願(第八二
 八号)
○継続調査要求に関する件
 (輸出振興に関する件)
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
    ―――――――――――――
  〔理事赤間文三君委員長に着く〕
#2
○理事(赤間文三君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議事項について御報告いたします。
 本日は、石炭鉱業調査団の答申に関する件について、石炭対策特別委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることを議決をし、請願の審査を行ない、継続調査要求書の提出を決定したのちに、輸出振興に関する件の調査を行なうこととなりましたから、御了承を願います。
 なお、外務委員会との連合審査会は午後一時から二号室で、石炭対策特別委員会との連合審査会は午後一時三十分から三号室で開会をする予定でございますから、御了承を願います。
    ―――――――――――――
#3
○理事(赤間文三君) 次に、連合審査会に関する件についておはかりをいたします。
 石炭鉱業調査団の答申に関する件につきまして、石炭対策特別委員会に対し、連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会は午後一時三十分から第三号室で開会される予定でございますから御了承を願います。
    ―――――――――――――
#5
○理事(赤間文三君) 次に、本委員会に付託をされました請願十三件を一括して議題といたします。
 本請願につきましては、慣例によりまして、本日委員長及び理事打ち合わせ会を開きまして、慎重に検討をいたしました結果、十三件の請願はいずれも採択することを適当と認めました。以上御報告を申し上げます。
 ただいまの御報告のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○理事(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 なお、報告書の作成等につきましては、慣例に従いまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○理事(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○理事(赤間文三君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりをいたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査は、会期中に調査を完了することが困難でありまするので、本院規則第五十三条によりまして継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○理事(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及びその取り扱い等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○理事(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#11
○理事(赤間文三君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、輸出振興に関する件の調査を進めます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#12
○理事(赤間文三君) では、速記を始めてください。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#13
○近藤信一君 私はこの際、輸出振興と行政指呼の問題について若干の質問をしたいと思います。
 一昨日の本委員会におきまして、中小企業倒産の質問の際にも、中小企業を振興させるためには輸出の振興が大切だという話が同僚議員からも出たわけでありまするが、この輸出振興に対して大臣はその重要性というものを認めておられるのかどうか、まずこの点をお尋ねしておいて、内容に入っていきたいと思います。
#14
○国務大臣(櫻内義雄君) 近藤委員が御指摘せられるように、わが国産業の発展の上に輸出振興あるいはもっと大きく申し上げますならば、貿易の振興ということが不可欠の要件であるということは申すまでもないことであると思います。ことしは、業界の協力も得まして、政府が当初考えておりました輸出六十二億ドル、輸入六十二億ドルの見通しが大きく変化がございまして、現在六十八億ドル見当に輸出は伸びるのではないか。また、輸入のほうにつきましては六十六億五千万ドル、六十七億ドル見当になるのじゃないかというように、予想をはるかに上回る非常な増勢でございました。この点につきましては、私としていま申し上げる日本産業発展の上に不可欠な要件であるということから考えまして、たいへん喜ばしく思っておるのでございますが、今後さらに一そう貿易の拡大に努力をしていきたい、それがために最高輸出会議、あるいは池田内閣の際に輸入懇談会などを設けまして、輸出輸入両方から貿易の振興に努力をしておるような次第でございます。
#15
○近藤信一君 いま大臣が貿易振興についての重要性ということをお話になったのですが、ところが、その重要な輸出を妨げるような行政が行なわれておるようなことがございまして、そのために倒産した会社や、それから夜逃げをした零細企業もあると私は聞いておるのです。したがって、本日の質問は一昨日の問題にも関連をいたしておりまするが、まずお伺いしておきたいのは、中小企業製品で輸出されるものの中に相当に外国商社のブランド品を下請して出しておると思うのです。そのために、わが国で輸出されているトランジスタラジオ並びに雑貨のうち、バイヤーズ・ブランドを使用して輸出しているものは一体どの程度現在あるのか、この点をお伺いします。
#16
○説明員(川出千速君) 全般的な輸出の商品について、バイヤーの指定によるブランドでどのくらい出ているのかというのは、私ただいま資料を持ち合わせておりませんのでございますけれども、私の局の所管をしておりますものの中で、トランジスタラジオ、これは中小企業が相当に輸出の役割りをしておるわけでございますが、トランジスタラジオについて申し上げますと、大体半分ぐらい、五割ぐらいがバイヤーのブランドによって出ているのではないかと推測をいたしております。
#17
○近藤信一君 雑貨の面はわかりませんか、ラジオだけでなく。
#18
○説明員(川出千速君) はなはだ申しわけございませんが、私の局は雑貨を所管いたしておりませんので、ここで即答はいたしかねます。
#19
○近藤信一君 わが国の輸出商品で、自社の商標で輸出されているものは少ないのではないかと私は思う。そこで自社商標で輸出することが理想ではございまするけれども、現実には外国商社の依頼によりまして注文のマークをつけるとか、あるいはマークなしに輸出するものは非常に多いのではないかというふうに私は思うのですが、この点はどうですか。
#20
○説明員(川出千速君) そういうような事例が多いと観測いたしております。
#21
○近藤信一君 その数といいますか、そんな色わけについてはわかりませんか。
#22
○説明員(川出千速君) 全般的な各品目についてとなりますと、いろいろなニュアンスがあると思いますが、ブランドの数から申しますと、バイヤーズ・ブランドが相当多いわけでございまするけれども、大手企業のほうは自己マークで出ております。これは大手企業は輸出の数量が多いわけでございますので、全体の輸出数量からいたしますと、バイヤーズ・ブランドのほうが多いとは言えないのではないかと考えております。
#23
○近藤信一君 バイヤーズ・ブランドを使用している中小輸出業者に対して通産省はどういう指導を行なっているか、すなわち、バイヤーの商標を拒否するように指導しているのではないだろうと私は思うのですが、そういたしますると、商品によっては輸出が不可能になること、それからまたあるいは部分品しか輸出できない、こういうことになるのではないか、こういうふうに思いまするが、通産省としてはどういうふうな指導方法を講じておるのか、この点をお尋ねしたいと思います。
#24
○説明員(川出千速君) 輸出振興全般の問題でございますので、これは通商局が総括しているわけでございますが、たとえば輸出デザイン法がございまして、これで政令によりまして品目を指定いたしまして、輸出しようとするデザインにつきまして、これは商標とデザインという関係でございますが、デザインの中に商標を含めるという解釈もできるかと思いますが、これを登録いたしまして、指定した品目につきまして輸出する場合にデザインを登録をいたしまして、その登録されたデザインに具体的に輸出するものが違反しているかどうかという認定をすることによりまして、その防止に努めている事例がございます。
#25
○近藤信一君 通商局、どうですか。
#26
○政府委員(山本重信君) ただいま重工業局長から申し上げたとおりでございまして、輸出デザイン法によりまして、必要な場合にそのデザインの登録を強制しておりまして、それに登録されたものについて、ほかの者がそれと類似のデザインを使って出すというような場合には、輸出の許可をしないということによって秩序ある輸出が行なわれるようにいたしております。
#27
○近藤信一君 バイヤーズ・ブランドを使用して輸出する場合に、商標権の問題がからんでくることが多いと思うのですが、通産省としてはその点を十分にチェックしてやっておられるのかどうか、その点はどうですか。
#28
○政府委員(山本重信君) 商標権の問題とそれからバイヤーズ・ブランドのデザインの問題は、必ずしも直接関係がございませんで、商標権のほうは商標権のほうの立場からの手続をとりませんと、そのために必要なものは行なわれないということになっております。
#29
○近藤信一君 バイヤーのブランドが輸出先の外国で登録されている場合、その場合には、輸出先ではそのバイヤーの商品として売られているのでこれは問題がないと思うのですが、これに反しまして、もしバイヤーがまだその商標を登録せずに、またあるいは他社の商標権を侵害するような商標でつくらされたといたします。その場合日本の輸出品のメーカーは、これは外国の商標に違反するのかどうか。それから、日本のメーカーとして外国の商標登録のこまかいところまで知ることは、これはなかなか困難だと思います。そういたしますと、やはり商機を逸することにもなるのじゃないかと思うのですが、この場合には、その責任というものは外国の注文者にあると私は思うのですが、この点はどうですか。
#30
○政府委員(山本重信君) 商標権の問題は、国々によって法制が違いますので、輸出されました場合に、輸出先におきましては、その国の法律によって当然規制されることになるわけでございます。したがいまして、もしバイヤーが、その国ではその人が使えない、要するにほかの人の登録された商標を使って注文してきたような場合には、それが輸出されますと、その国で必ず商標権侵害の問題が起きるわけでございますので、そうした問題を予防するのには、十分に先方の事情をよく調査してわかっていませんとできないわけでございますが、現状におきましては、なかなか必ずしも全部一〇〇%そうした調査をすることがむずかしいのでございまして、今後そうした面の調査はできるだけ官民協力して行なって、そういうことを事前に防ぐようにしなければならないかと思います。特に問題があるようなものにつきましては、必要がありますればこのデザイン法を指定いたしまして、そういたしますと、そのデザイン法の法律に基づきまして輸出先の国のデザインを調査しまして、それに抵触するおそれのあるものは輸出を許可しないという措置がとれるわけでございます。
#31
○近藤信一君 日本の輸出業者が受注した場合、バイヤーズ・ブランドが国内メーカーのブランドに類似していたら商標違反ということになるのかどうか。この場合に、やはりその製品が全部輸出される場合には別に国内のメーカーに損害を与えないが、それでも商標違反になるのかどうか。それからその商標がかりに類似しているといたしましても、単に製品にしたということだけで違反になるものかどうか。それからもし違反を構成するということになりますれば、これは外国のメーカーが悪いということになるんじゃないかと思うんですが、この点はどうですか。これは特許庁。
#32
○説明員(倉八正君) いま三点御質問がありましたのですが、第一はバイヤーズ・ブランドが国内メーカーのブランドに類似している場合には違反になるかということでございますが、これはなります。なりますと申しますのは、商標法というもののいまの法体系が、商量を附する行為、それから標章を附した商品を譲渡し引き渡す、これが商標法の内容の定義でございますので、したがいまして、バイヤーズ・ブランドを委託された、それが日本の国内のブランドに類似する場合には類似違反ということになるわけでございます。
 それから、そういう場合にどちらが悪いかという御質問でございますが、これはメーカーが悪いか発注者が悪いかということでございますが、それは、第一にそういうバイヤーズ・ブランドを受けたという日本のメーカーなりあるいはエキスポーターなりがその類似商標というのを一応調べまして、これについては大体だいじょうぶ、あるいはこれについてはあぶないと、そこをもっと掘り下げた検討が私は必要ではなかろうかということでございます。ただ、さっき先生も御指摘になりましたように、非常に商機を逸するという点がありますから、この点の調査というのは、結局専門の弁理士なりそういうものに依頼してやればもっと掘り下げた調査ができるだろう、こう考えております。
#33
○近藤信一君 いまの、長官の御答弁によりますと、国内のメーカーのブランドと類似している商標は違反になる、こういうことですが、違反になるということになりますれば、そのバイヤーズ・ブランドで注文を受けるということが非常に困難になるんじゃないか。長官も言われましたように、それが類似しているかいないかということを一々特許庁で調べなきゃならぬ。いまの特許庁の構成からいきますると、きょう行ってきょうすぐわかる、こういうふうなものでもないと思うんですが、そういう点は、あなたのほうは一体どういうふうな形でこれが類似しておるかいないかということをすみやかに判定を出されると考えておられるのですか。
#34
○説明員(倉八正君) これは法規的には非常にむずかしいことでございまして、正式な登録というのは、法律に従いまして登録願いというものを出していただく、ところが、それはいま先生の御指摘がありましたが、非常に長く時間がかかります。二年ぐらいかかっております。それではとても――たとえば一カ月も放置というようなことでは、貿易に間に合わない、そのときどういうやり方があるかとなりますと、これも法律に規定してあります――俗なことばで言えば判定制度というのがございまして、いわゆる特許庁で判定をするわけでございますが、これも相当時間がかかります。したがいまして第三の方法といたしまして、これは決して法規上の問題ではございませんが、たとえばトランジスターラジオのファイブ・スター・ゼネラルが特許庁にきた場合に、これは一つの行政的な措置といたしまして、特許庁はどう考えるかというお尋ねを受けましたなら、われわれのほうとしましては、きわめてそれは非公式ではございますが、まあだいじょうだろうとか、あるいはちょっとあぶないとかいうようなアドバイスは輸出振興からしていきたい、こういうふうに考えております。
#35
○近藤信一君 これは通産省にお尋ねするわけですが、バイヤーズ・ブランドを向こうの国で登録しておれば、これはわが国の輸出業者が自由にブランドを使用して、そうして輸出ができるんじゃないかと私は思うのですが、その点はどうですか。
#36
○説明員(倉八正君) 日本の輸出品の商標というのは、日本でも登録できますし、それから自分の好きな相手の国にも登録できます。いま先生御指摘のように仕向け先において登録して置けば、それはきわめて安全でございまして、輸出の際に一つもそういうブランド違反という危険は起きないわけでございます。
#37
○近藤信一君 中小の輸出産業者はバイヤーズ・ブランドが国内メーカーの商標に類似しているか、していないものであるか、先ほど長官も言われましたように一々特許庁に持ち込んで、そうして審判をしていただかなければならぬということになりますると、いま長官の話では二年ぐらいということなんですが、それでは注文を受けた価値がなくなってしまうのではないのですか。その点はどうですか。
#38
○説明員(倉八正君) 貿易の面から見れば、先生の全く御指摘のとおりでございます。ただ私のほうの商標法の立場から見ますると、年に大体十数万件出ているわけでありますから、それが出願されましたら、すぐそれをいいとか悪いということは、しかも先願というのが特許の基本原則でございますから、早く出したものから調べるということでございまして、現実問題としては、言われてすぐ三日なら三日、四日なら四日ということはとてもできないわけでございます。したがいまして非常に問題のある商品であれば、さっきも申し上げましたように、いわゆる俗なことばで言えば、下相談にあずかりまして、われわれが一応の勘と経験によってアドバイスするということが、一番現実的な問題ではなかろうかと思います。
#39
○近藤信一君 外国のバイヤーが、そのバイヤーの国で登録してある商標の製品をつくることを注文してきますれば、これは製造業者はそれをすぐ製造して輸出する、これはあたりまえのことだと思うのですが、その商標が確かに登録されているかいないかを確認するだけで十分でないかと思うのです。某社ではファイブ・スター・ゼネラルという商標で商品を製造するようにアメリカのバイヤーから注文を受けたわけなんです。このファイブ・スター・ゼネラルはそのバイヤーのアメリカにおいて所有しておる商標である。ところが、日本の別の会社でゼネラルという商標で登録していると、これはもう類似しているというので告訴された。こういう事実があって、目下厳重に官憲の手によって関係物品が押収され、それから関係者は身柄を拘束された、こういうふうな事件がある。さらに別の会社のゼネラルの商標はアメリカでは別にこれは登録されておりまして、ファイブ・スター・ゼネラルと並んでどちらも商標として向こうで売られているとのことでございますが、そうしますと、アメリカでゼネラルとファイブ・スター・ゼネラルとこれは決して類似商標ではない全く別の商標とこういうふうにいわれておる。某社のバイヤーの注文を受けて製造輸出するのは当然のことだと私は思うのですが、それをまた別会社から告訴されたからといって、直ちに関係物品を押収して関係者の身柄を拘束するというふうなことは、すこぶる私は不当なことだと思うのです。商標法違反という事実は、これは最終的には裁判所の判決に待つ以外に私はないと思うのです。それをその判決を待たないで直ちに逮捕して勾留する、こういう処置をとったということでございますと、中小業者はもううかうかと輸出品の製造ができない。こういう結果になろうし、そうすると、先ほど大臣が言っておられました貿易振興には一つも寄与できないことになるし、仕事をするより遊んでおったほうがいいという結果にもなろうかと思うのですが、この点をあなたのほうはどういうふうに考えておられますか。
#40
○説明員(倉八正君) 確かにその点から見れば先生の御指摘のとおりであると思いますが、この場合に商標法というのは例のパリ同盟条約によりまして、大体各国共通した法律がございまして、もしもいま御指摘のアメリカにおいて二つとも堂々と登録されておる。ところが、日本においては一方が登録されていないから商標法違反として引っぱられた、非常におかしい。そういうことでございますが、感じはそういう感じがしないわけではございませんが、ただ商標法の立場によりますと、そういう場合にはアメリカのファイブ・スター・ゼネラルと申しますか、それが日本に登録してもらっておけば、これは何らおじるところなく大手を振ってできるわけでございますが、われわれとしましては、願くはそういう体制をとってもらうことを希望する次第でございますが、しかし、それが急にできないならば、さっきの中小企業の輸出振興対策というものからすれば、今後類似商標と思われるものは、各通商局なり私のほうの原品と打ち合わせまして、そういう場合にアドバイスというものは十分していきたいと、こう考えております。
#41
○近藤信一君 それでバイヤーズ・ブランドが日本で登録されておるというふうなケースはあるかどうか。
#42
○説明員(倉八正君) これは非常に多うございまして、特に最近の四年間というものは国外からの登録の比率が圧倒的に増してまいった次第でございます。
#43
○近藤信一君 私はゼネラルとファイブ・スター・ゼネラルとは全然意味が違うと、こう思うのです。長官はこの点はどうお考えになっておられるか知りませんが、たとえば他の例を引きますれば、ナショナルとインターナショナルというものがある。こういうふうに非常によく似ておるようであるけれども、実際根本的な意味というものは全然違う。こういうときに、今度某社がいま刑事事件として扱われ、さらに民法で民事訴訟を起こしておる。私が聞いたところによると、何か警察当局で特許庁へ行って、このビネラルとファイブ・スター・ゼネラルとは似ておるかどうか、類似しておるかどうか、こういう問い合わせがあったそうでありますが、そのときに特許庁のほうとしては、個人の考えだけれども、これは類似しておるともいえるというふうなことを言われて、それが警察当局として直ちに逮捕する、こういう行動に出たと私は判断をしておる。一方においては民事訴訟で現在訴訟中なんです。それを刑事事件として取り扱った場合には、民事訴訟のほうにどう影響してくるかということは長官自身も私は御存じのことだと思うのです。一体この役所にいる責任のある人かどうか、私はその人は知りませんけれども、たとえそれが個人的な意見ということでも、これは個人的な意見にならぬと私は思うのですが、この点は長官どうですか。
#44
○説明員(倉八正君) 先生の御指摘のように、特許庁としましてそういう回答をしたことは事実でございます。これは九月の終わりの時分のようですが、それでこの回答については、その前に審査がございますが、類似しておるかどうかということは、すでに二十年以上ぐらいやっておる審査官が審査することでございますが、当該事件につきましては、横浜の地検あるいは検察庁から、類似しておるかどうか、ひとつ特許庁の見解を伺いたいという正式な文書が参ってきたわけでございます。したがいまして、私のほうでは審査官が十分ファイブ・スター・ゼネラルを見まして、これは類似すると思われるという回答を出しましたが、その根拠と申しますのは、刑事訴訟法百九十七条に、公務所からの――公務所ということばを使ってありますが、公務所からの捜査に関しての照会に対しては回答しなければいけないという規定がございますので、それで特許庁としましては審査官に十分それを研究させまして、審査官の良心で、これは類似のおそれありということを出した次第でございます。
#45
○近藤信一君 審査官からそういう御返事をされて、そうしてそれが一つの直接逮捕というふうなきっかけにもなったと私は判断をしておる。それをいま長官にお尋ねしたように、民事訴訟に対して私は非常に不利になるのじゃないかと、こういうふうに思うのですが、この点はどうかといって私はいま質問したのですが、長官はその点どうお考えでしょうか。
#46
○説明員(倉八正君) この工業所有権は御承知のように四つありますが、そのうちで特許、実用新案、意匠というものは親告罪でございまして、違反を受けた人が、あいつが違反をしたからどうかしてくれ、こういう親告罪になっておりますが、商標法だけは親告罪はもちろんのこと、官憲の判断によりまして、いわゆる捜査できるというのがこの商標法の特徴でございます。したがいまして、こういう処置になったと思いますが、ただ民事訴訟法との関係いかんということになりますと、これは裁判所の問題ではなかろうかと思いますが、一般的に申せば、民事事件でも違反と認められ、刑事事件ででもあげられるということになりますと、相当の会社はより不利になるのではなかろうかと常識的に考えておる次第でございます。
#47
○近藤信一君 ナショナルとインターナショナルとは、あなたは類似していると思われるのか、それともこれは全然意味が違うと考えられるのか、この点はどうですか。
  〔理事赤間文三君退席、委員長着席〕
#48
○説明員(倉八正君) 特許庁長官というものは審査能力を持たないのでございまして、その点審査官というものが一種の身分を保証されております。それが判定をしますから、インターナショナルとナショナルをどう思われるかといわれましても、ちょっとここで私は答弁能力がございませんから、これは審査官の意見を十分聞きまして、先生に申し上げさせていただきたいと思います。
#49
○近藤信一君 あなたには直接のあれがないといわれるけれども、ゼネラルとファイブ・スター・ゼネラルの問題も、そういうふうな特許庁で御返答された、こういうことによって一種の社会問題が起こっておるということもある。それはなぜかというと、あの問題ですぐ報道陣は一方的に警察の発表を信じて、これを発表した。しかも、これが二十日間も勾留されて、そうしてそれをテレビ放送なんかで写真まで放送された。そうしてそこの家庭までこわすような結果が出てきておる。たとえば報道された方のお嬢さんたちは高等学校に行っておったが、新聞やテレビにおとうさんがいかにも罪人のようなことが報道された。もう学校に行くのがいやだということで学校を転校しなければならぬ。もう現に転校した。こういうようなことまで起こっておるのです。だから私は特許庁が軽々しく、個人の意見であろうと何であろうと、意見をそう軽々しく述べずに、もっと慎重に関係当局の結論が出てからとか、もう少し慎重に私はやってもらいたかったと思うのですが、今後またこういう問題が起きぬとも限らないと思いますが、今後の問題について長官どう判断されますか。
#50
○説明員(倉八正君) 今度の点につきましては、輸出意欲に燃えて、できるだけ一個でもよけいに輸出しよう、こういう輸出面からみればこれは非常に遺憾だと思います。それで、ただ問題と申しますのが、われわれ官庁の立場としましては、たとえば刑事訴訟法にはっきり明文があって、捜査当局から官庁は意見を求められたときは回答しなければならないという一点がありますから、求められたら私は回答せざるを得なかろうかと思いますが、ただ、そこの段階に至る前に、そういう事態を起こさせないようにしたい。特に大臣も申し上げましたように、輸出政策というものがいま第一の国是でございますから、そういう事態を起こさせない、そのためにはこういうバイヤーズ・ブランドで、どうもくさいぞ、あるいは違反の危険がありそうだという問題につきましては、事前にできるだけ早くこれを原局なりあるいは通商局と打ち合わせまして、われわれがこれはだいじょうぶだと、決して心配要りませんというような、いわゆる内部の判定を早くしていきたい。これが私は輸出振興を助け、片や商標の権威性を維持する点からみて一番適切な措置ではなかろうか、こう信じております。
#51
○近藤信一君 先ほど来長官がいろいろと答弁しておられる中で、非常にバイヤーズ・ブランドの商標権の問題はむずかしい問題だと、このことは私自身もよくわかるんですが、最終的にはやはり裁判所の決定ということになるわけなんです。あなたのほうで意見を求められたらそれに答弁しなければならぬ、こういうことになっておると、こう言われるんですけれども、最終的には、あなたいま現に裁判をやっておるんだから、その裁判の結論が出なければ私はわからぬのではないか、こういうふうに思うんですが、それをその結論の出ない前に、あなたのほうでこれは類似しておるんだと、こういう意見というものは私は妥当でないと思うんですが、長官はこれを妥当だと思われるんですか。
#52
○説明員(倉八正君) これが正式に商標法に違反するかどうかは、もちろん司直の判断に待つわけでございますが、ただ刑事訴訟法に基づく調査権及びそれに基づく各官庁の協力義務というのが明記されておりますから、その裁判の判決の決定前に、何かそういう正式に求められたら官庁としましては、それをおれは知らぬと、判決あるまで待てと、こういうことは公務員の一つの義務としても言えないわけでございますから、そういうことを求められたらば、やはり特許庁としての一応の見解ということは申し上げなければならないと思います。しかし、なるべくそういう求められるような事態を引き起こさないことが重要なことでございますから、その点につきましては、さっき申し上げましたように指導していきたい、こう考えております。
#53
○近藤信一君 そういたしますると、中小輸出業者が安心してバイヤーズ・ブランドを使用して輸出できるようにするには、一体どういうふうな方法があるか、うかうかとあなた注文を受けて輸出はした、あとでそれは違反だということで検察庁から手を入れられたりなんかすると、もう仕事ができない。またバイヤーのほうも、そういうめんどうくさいことならもう日本への注文はやめていこう、そうして注文がだんだんと減少していく、いまでは香港の製品も相当世界市場には出回っておるし、日本の注文がなくなって香港へどんどん注文をする、こういうふうな傾向も出てくるおそれがあるんじゃないかと私は思うんですが、この点についての判断はどうされておりますか。
#54
○説明員(倉八正君) これは通商局長からの意見もあるかと思いますが、私は今度の事件を見てみますと、こういう事件が起こったのはきわめてレア・ケースでございます。最近先生も御存じのように、こういうことをお聞きになったことはなかろうと思いますが、今度の日本電子産業と八欧との問題というのは、ここ数年来の私は初めてのケースだと思います。しかし、もしもこういう傾向が今後どんどん拡大していくということになれば、この輸出の振興上からみれば確かに一つのそれをディスターブする要素になろうかと思いますから、さっきも申し上げましたように、エキスポーターのほうでももう少し商標のほうに関心を持ってもらうということと、それからまた各原局と特許庁は十分連絡をとりまして、それはあぶないおそれがある、あるいはそうではなかろうかというときには事前に相談する、これはだいじょうぶならだいじょうぶと、いけそうだと、そういうアドバイスをするというのが私は一番適切な措置ではなかろうかと、こう考えております。
#55
○近藤信一君 これは香港貿易の問題は、かつて双眼鏡の問題のときにもいろいろ言われたんですが、日本の業者が香港に視察に行って驚いた。このままでいったら日本の双眼鏡の輸出というものは非常に少なくなってくるんじゃないか。しかし、まあ当面は技術の面で香港は追いつかないだろう、こういうふうな判断をしておられたし、それからトランジスタの問題でも、現在は香港のほうは技術的にもまだ日本がすぐれておるかもしれませんけれども、技術というようなものはやはり口がたつに従って幾らでもこれはいいものができるし、機械の優秀なものが入れば、それによって製品というのは優秀なものができてくる、私はこういう日本の国内でうるさい問題が今後も出てくるというふうなことになると、もうおそらくこういう安い製品、トランジスタの安いものはもうほとんど香港あたりへ取られてしまうんじゃないか、造花の問題でもこれははっきりとこのことが言えると思います。かつては造花は日本の一手販売みたいな形でございましたが、今日ではほとんどが香港でこの造花がつくられている。日本のほうへの注文というものはだんだん減っていってしまった、こういう傾向になれば、通産省としては貿易を振興する、いわゆる輸出に対してはこれも大いにやってもらわなきゃならん、こういうことで輸出振興のために毎年いろいろと御努力をされるわけでございまするけれども、実際にはまた逆な面が出てくる。こういうふうなことでは私はこの日本の貿易振興ということには貢献をしないと思います。これからの日本の中小企業におけるところの輸出産業に対して、通産省は一体どういうふうな指導をしたら一番適切で、将来の発展があるというふうに考えておられるのか、この点御答弁を願いたいと思います。
#56
○政府委員(山本重信君) 香港の産業が最近急速に伸びてまいっておりまして、いろんな面で日本の輸出と競合関係が出てきておりますことは御指摘のとおりでございます。何と申しましても香港のほうは労賃が比較的安いという点がございまして、日本からの技術の吸収が進めば進むほどそうした面で向こうの競争力が強くなってまいっておるわけであります。われわれとしましては、そうした事態に対処をしていきますためには、最近日本の国内の賃金の上昇等もございますけれども、同時に合理化を推進して、できるだけコストの低下を全体として防いでいく、こういう努力をする以外に方法はないと思います。中小企業自体の生産性の向上をどういうふうにしていくかという問題に尽きるのではないかと思います。ただ香港からの輸出の場合に、たとえば日本がアメリカでの市場撹乱を防ぐためにワクをきめて自主規制をしておるという場合に、その規制のワク外で賃金だけがどんどん伸びていくというような不自然な制度上の制限だけはこれは撤廃して、やはり公正な立場で競争できるようにしてもらいたいというふうに考えております。しかし、何と申しましても基本的には、香港の産業がどんどん発達をしていくのに対処するためには、こちらでそれに負けないように、たとえば品質の高い高級品に重点を移していくとかいうような工夫をすると同時に、コストの上昇を防いで、むしろ生産費を下げるという努力をしていく必要があろうかと考えております。
#57
○近藤信一君 特許庁のほうにお尋ねしますが、現在商標に関する審判事件というのは一体どのくらいあるのか、この点おわかりでしたらばお示し願いたいと思います。
#58
○説明員(倉八正君) 三十九年の十一月現在におきまして、商標に関する事件は千六百件ぐらいでございます、いま現在われわれのほうで預かっておりますのは。
#59
○近藤信一君 千六百件まあおおよそあるというお話ですが、一体これらの千六百という多い数に対して、結論が出るまでにどの程度の日数がかかるか。早くやって一番早いのでどれくらいであるか。おそい場合には、先ほど長官は二年とこう言っておられましたが、この日数について……。
#60
○説明員(倉八正君) さっき私が二年と申し上げましたのは、これは審査のほうでございまして、審査と申しますのは、願書を持ってきまして、これをひとつ登録してくれ、こういって願書を出してから登録、いわゆる許可でございますが、ここまで大体二年近くかかるということを申し上げたわけでございます。ところが、いまの近藤先生のお尋ねの審判、これはいわゆるまあ裁判、特許の裁判と言ってもよかろうと思います。いま特許庁でやっております審判事件というのが約千六百件ございまして、これが両当事者間の権利の係争事件だものでございますから、なかなかいつということは申し上げられませんけれども、早いのは三カ月、それからおそいのにつきましては、あと一年半ぐらいはかかろうかと思います。
#61
○近藤信一君 先ほども私申し上げましたように、注文がきてから審判をされて結論が出るのに三カ月もかかるということになれば、これはもう注文がとれなくなってしまうわけなんですが、おそいので一年半、一年半後の注文をいま受けていかなきゃならぬ。こういうようなことになるわけなんで、それでは商業上の、また輸出産業としてはこれは成り立っていかないと思うのですが、一体この審判のスピード・アップというふうなものはほかに方法がないのかどうか。ないとするならば、ほかに何かもっと早くできる方法を考えていかなければ、いつまでたっても同じことを繰り返す、こういうことになろうかと思うのですが、この点はどうですか。
#62
○説明員(倉八正君) 仰せのとおりやり方としては二つあろうかと思います。いま特許庁というのは滞荷をかかえてその滞荷の重圧に呻吟しておるわけでありますから、したがいまして、毎年先生方にお上願いいたしまして、機構の改革それから増員をはかっておりまして、そういう面からできるだけ早く審査官なり審判官を増員いたしまして早くするということが一つと、それから先生が非常にいいところを御指摘いただきましたが、輸出のようなものは何か特殊な扱いができぬかという御意思であろうと思います。たとえば意匠につきまして、デザイン法という特別なことをやっておる。したがいまして、商標につきましても、何とか輸出商標については特別なそういう簡便措置を新しい制度としてお前考えてもいいじゃないかという御趣旨だろうと思いますが、これにつきましては、いま工業権の審査、審議というのをはかっております。まあ来年になりますか再来年になりますか、非常に大部な改正でございますから、そのときにぜひ間に合わせまして、何かもっと簡便にしかも早くできる方法を考えたい、こう考えております。
#63
○近藤信一君 海外バイヤーズ・ブランドで特約のない限り、バイヤーが自由にメーカーを選んで発注することが多々あると思うんです。わが国のメーカーはバイヤーズ・ブランドを道義上自己のブランドとして登録しておらないのです。もしある特定の業者が有名なバイヤーズ・ブランドを日本に登録してしまった場合、他のメーカーはこのバイヤーとの取引は一切不可能になると私は思うんです。もしこのような事態が発生した場合に、通産省としてはどういうふうに今後指導していかれるようなお考えを持っておられるのか。
#64
○説明員(倉八正君) 御趣旨は、いわゆる工業所有権というのは独占権を付与する権限を持っておる。ところが、それと今度は逆に利用しまして、外国の有名な登録をかってに日本に登録して、ほかのものが、たとえば輸入するときでも輸入させない、あるいは販売させないということだろうと思いますが、この問題の解決につきましては実態を見まして、たとえばその人が登録だけをしておって、しかも行使しないというのが三年続きますと、その権利というのは消滅いたしますから、そういうことでひとついわゆる善意の人を救済するという方法がありまして、この問題については現にいま問題になっているのが一、二件ございます。
#65
○近藤信一君 もし特許庁のほうにそういう申請がされた場合に、あなたのほうはこれを受け付けなきゃなりませんでしょう。その点はどうですか。
#66
○説明員(倉八正君) これは受け付けなきゃなりませんし、それが原則でございますが、非常にそれが世界的に著名なものであるという場合には、それを一応拒絶することもできます。
#67
○近藤信一君 著名的なものに対してはあなたは拒絶することができるが、やはりそう著名的なものばかりでなく、名の知れないようなあれでも日本に相当発注しておる、こういう事実があるわけなんです。その場合は一体あなたのほうはそれも拒否されるのですか。
#68
○説明員(倉八正君) それは拒絶いたしません。それが正規な手続で登録を申請してさましたらば、内容を審査しまして、登録にすべきものはするということになろうかと思います。
#69
○近藤信一君 これはもう時間もございませんから、最後に通産大臣の決意のほどをお伺いしたいと思うんですが、先ほど来大臣お聞きになっておりまするように、非常に商標権の問題はむずかしい問題があるわけなんです。で、ややもすると日本の中小輸出業者は今後生産に従事すること、生産を増強することもできないし、輸出もやめなきゃならぬ、こういう事態も起こってくるという問題、これはいろいろ含まれておるわけなんです。しかし何といっても、いま日本の経済から考えても、輸出を振興するということは非常に重大な問題であるし、それだけにまたよけいむずかしさというものが伴ってくるであろうと思うんです。それでなくても日本の輸出に対してはいろいろと規制をされようとしておる今日の段階でございまするから、やはり中小輸出業者が将来安心して輸出に努力できるような行政指導、こういうふうなことをやっていただかなければ、うかうかと生産ができない、こういうふうにも私判断するわけでございますが、今後の中小輸出関係に対する通産省の指導方針といいますか、こういうものについて、ひとつ大臣の決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
#70
○国務大臣(櫻内義雄君) 近藤委員から輸出振興に関連をいたしまして、バイヤーズ・ブランドの詳細な一問一答がございまして、私もこれを拝聴いたしまして、なかなかむずかしい問題であるということを痛感したのでございます。しかしながら、事は輸出振興に非常に影響する問題でございまして、御指摘のとおり、また政府委員より御答弁申し上げましたとおりに、審査判定などをこれを極力短時日にやるようにするとか、あるいは簡便措置を講ずるとか、あるいはまた、ただ登録だけをいたしまして、輸出業者に迷惑をかけるようなものに対して、現行においては、三年間行使しなければその後はこれが無効になるというようなことでもございますが、なお一そう詳細に検討いたしまして、中小企業者にできるだけ影響のないように、また安心して輸出が行ない得るように検討してまいりたいと思います。
#71
○椿繁夫君 私も先ほどから近藤委員の質疑応答を聞いておって、これは輸出振興の面から重大な問題だ、こう思いますので、ちょっとお尋ねするのですが、特許庁の監督権というのはどの大臣がお持ちですか。
#72
○国務大臣(櫻内義雄君) それは通産大臣でございます。
#73
○椿繁夫君 特許庁、それから通商局いずれも通産大臣の監督下にあって、しかも先ほどのファイブ・スター・ゼネラルとゼネラル商標を、輸出の許可願いを出すときには必ず並べて通商局の係のほうに出しておるに違いないと思うのです。それを係官がお調べになって、しかも、あれはたしか輸出許可は大臣の許可なんです。その許可をもらって輸出をしておるのに、あとになって同じ監督下の特許局のほうがある公務所からの問い合わせがあったといって、これは類似しておって特許法違反の疑いがあるというような回答を出されるに至っては、これは横のつながりというものが全然ない。この状態で輸出振興輸出振興というてかけ声をかけてみたところで、私は罪人をつくることに役所が協力しておるようなことになるのであって、こういうことは二度と起こっちゃならないと思う。そういう点について通商局長なり大臣、何かお考えありますか。
#74
○政府委員(山本重信君) 輸出の申請がございました場合に、できるだけ迅速に処理することがこれまた非常に必要なことでございますので、通商局が、実際にはものによりましては原局のほうで処理しておりますが、そこで輸出の承認をおろします場合には、当面問題になっております数量等につきまして最小限度のチェックをして輸出承認を出すように努力しておる次第でございます。たまたま中に商標権の問題等にからむ場合もございますけれども、そこまで全部審査をするということになりますと、具体的には特許庁のほうに回してそれを審査して、数カ月あるいは一年もかかるということになりますと、これまた全体の輸出承認事務が非常に停滞することにもなりますので、仰せのように同じ通産省でございますので、片方でやっていることと他方でやっていることとの関連というものが十分についてないというおしかりがあるのでございますけれども、とりあえずは現在そうした分業体制をとっておりますので、本件につきましては、特に商標権というものを審査するための手続は特にとらないということをやりましたために、こういう問題が起きてくるわけでございます。今後の問題といたしましては、ある商品につきまして、非常にそういう問題が頻発するというような場合には、あるいは業界で協定をつくりまして、取引法によりまして、必ずその商標といいますか、デザインといいますか、そのチェックをするという仕組みをつくる方法もあろうかと思います。が、そうした場合には、全体が、その商品の全部の輸出がそういうスクリーンを受けるということになりますので、業界の中で、あるいは自分のほうは全然そういう心配がないんだから、そういうことはごめんこうむるというような向きも出たりいたしますので、業界々々でいろいろ事情があろうと思います。しかし、実情によりましては、非常に頻発するような場合には、若干手続が煩瑣になるのを覚悟の上でそうした措置をとる必要があるかと思います。
#75
○椿繁夫君 国民の側から政府を考える場合、内部的なそういう事務の職務分掌の何か相違がございますから何ですけれども、通産大臣の認可をもらって輸出をしたものが、同じ大臣の監督のもとの役所から、これは違うのだ、これは違反じゃというようなことでは、政府はあまり国民に信用させないような気風をつくることになると思うのです。これはよくないと思うのです。そこで、この種の事件が将来出た場合に、役所が違うからといって、ファイブ・スター・ゼネラル、一つはゼネラル、こういうものがございますが、ファイブ・スター・ゼネラルを輸出してよろしゅうございますか、こういう書類を提出して、許可を求めておる場合に、特許庁の何とか審議官というようなのがおられるようですが、審査官ですか、そういうところにこの程度のなにはどうなるだろうといって合議をされて、その上でこういう認可を出すというようなことというのは、そう簡単にできないものですか、役所というのは。私はできると思うのだが、輸出振興のこの大前提からいたしますと、そう三カ月も一年半もかからなくとも結論は出るように思う。大臣はどうお考えになりますか。
#76
○国務大臣(櫻内義雄君) お話のようにやりますれば、これが一番適当かと思います。しかし、先ほどから御答弁申し上げておりますように、今回のケースはきわめてまれなことであると、こういうことで、このきわめてまれなケースでも、それは政府の信用の上から、また、安心して輸出振興に従事できるように当然考えなければなりませんが、他面また、輸出振興ということから考えますときに、通商局長も申し上げておりますように、また、近藤委員から輸出振興の趣旨からの御質問の上から考えますときに、あまり煩瑣な手続を考えてはいかがかと、かように思うのであります。しかし、御注意でございますので、今後かような事態が二度と起こらないように、行政指導の上において何か適切なことがありますれば、考えていきたいと思います。
#77
○椿繁夫君 次の委員会の時間が迫っておりますから、きょうはこの程度にいたしますが、私は通産省内部においてももう少しお考えをいただく必要があると思う。
 それからいま一つ、ただいま問題になっています日本電子産業と八欧電機の問題については、これは民事裁判が進行中なんです。その過程で、損害金を幾ら幾らもらいたいと、こう片一方が言う、そんな、うちの利益はこれだから出せない、こういうところまで訴訟が示談で進みよるときに、警察がいきなり手を入れて、この捜査を始めるというようなことは、これはきょうは警察、検察のほうがお見えにならぬようですから、次回に警察なり検察のほうも、特に委員長のほうで御配慮いただいて呼んでいただいて、本件についての審査を続行したいと思います。本日はこの程度で私の質問を終わります。
#78
○委員長(梶原茂嘉君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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