くにさくロゴ
1964/12/18 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 社会労働委員会 第4号
姉妹サイト
 
1964/12/18 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 社会労働委員会 第4号

#1
第047回国会 社会労働委員会 第4号
昭和三十九年十二月十八日(金曜日)
   午前十時二十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田藤太郎君
    理 事
                鹿島 俊雄君
                丸茂 重貞君
                藤原 道子君
                柳岡 秋夫君
    委 員
                川野 三暁君
                紅露 みつ君
                佐藤 芳男君
                竹中 恒夫君
                横山 フク君
                杉山善太郎君
                鈴木  強君
                林   塩君
    国務大臣
       厚 生 大 臣  神田  博君
    政府委員
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
       労働省婦人少年
       局長       谷野 せつ君
    事務局側
       常任委員会専門
       員        増本 甲吉君
    説明員
       厚生省公衆衛生
       局長       若松 栄一君
       厚生省環境衛生
       局長       舘林 宣夫君
       厚生省医務局長  尾崎 嘉篤君
       厚生省薬務局長  熊崎 正夫君
       自治省行政局行
       政課長      倉橋 義長君
       自治省財政局交
       付税課長     石川 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○衛生検査技師法の一部改正に関する請願(第八
 号)(第五六号)(第九〇号)(第一三九号)
 (第四六〇号)(第七六七号)
○北海道、東北地区に国立重度精薄児施設設置に
 関する請願(第一四号)
○身体障害者に対する強制義務雇用及び最低賃金
 制実施に関する請願(第五七号)
○全国一律最低賃金制の即時確立促進に関する請
 願(第五八号)
○日雇労働者健康保険打切り反対に関する請願
 (第五九号)
○日雇労働者健康保険打切り反対等に関する請願
 (第六〇号)(第六一号)(第六二号)(第七
 七四号)
○日雇労働者健康保険法廃止反対及び老後の保障
 に関する請願(第六三号)(第六四号)(第六
 五号)(第六六号)(第六七号)(第六八号)
 (第六九号)(第七〇号)(第七一号)(第七
 二号)(第七三号)(第七四号)(第七五号)
 (第七六号)(第七七号)(第七八号)(第七
 九号)(第八〇号)(第八一号)(第八二号)
 (第八三号)(第八四号)(第八五号)(第八
 六号)(第八七号)(第八八号)(第一八八
 号)(第一八九号)(第三五〇号)(第三五一
 号)(第三五二号)(第三六〇号)(第三六一
 号)(第三六二号)(第三六三号)(第三六四
 号)(第三六五号)(第三八九号)(第三九〇
 号)(第三九一号)(第四三〇号)(第四三一
 号)(第四三二号)(第五二一号)(第五二二
 号)(第五二三号)(第五四一号)(第五四二
 号)(第五四三号)(第五九七号)(第五九八
 号)(第五九九号)(第六四〇号)(第六四一
 号)(第六四二号)(第七七二号)(第七七三
 号)
○陸中海岸国立公園地域を青森県種差海岸まで拡
 張追加指定に関する請願(第一〇三号)
○失業保険の適用範囲の拡大充実に関する請願
 (第一二八号)(第一九七号)
○原爆被爆者援護法早期制定に関する請願(第一
 二九号)(第一九八号)
○サリドマイド児救済に関する請願(第一五五
 号)
○日雇労働者健康保険改善等に関する請願(第一
 八七号)(第五二〇号)(第六〇二号)(第七
 〇四号一
○国民健康保険制度体質改善促進に関する請願
 (第二一一号)(第二二二号)(第二四二号)
 (第二五〇号)(第二六五号)(第二八六号)
○国民健康保険事務の執行に要する費用の国庫負
 担金に関する請願(第二二〇号)
○保育予算増額確保に関する請願(第二二一号)
○国立福島療養所の充実強化に関する請願(第二
 三〇号)
○日雇労働者健康保険存続に関する請願(第二三
 一号)
○石炭産業関係健康保険組合の財政確立に関する
 請願(第二三二号)
○じん肺患者救済に関する請願(第二三七号)
○失業保険の受給資格延長措置中止に関する請願
 (第四二九号)(第五五八号)(第五八七号)
 (第七八九号)
○季節労働者の失業保険打切り反対に関する請願
 (第五二四号)
○全国一律最低賃金制の即時法制化に関する請願
 (第五二五号)(第六〇〇号)
○全国一律最低賃金制の即時確立等に関する請願
 (第五二六号)(第六〇一号)
○保健婦助産婦看護婦法改悪反対等に関する請願
 (第五二七号)
○原爆被害者援護法制定等に関する請願(第五四
 〇号)(第七九〇号)
○炭鉱離職者緊急就労対策事業の予算措置等に関
 する請願(第七〇三号)
○清掃事業の地方自治体直営に伴う業者への補償
 に関する請願(第七〇五号)(第七〇六号)
 (第七〇七号)(第七〇八号)(第七〇九号)
 (第七一〇号)(第七一一号)(第七一二号)
 (第七一三号)(第七一四号)(第七一五号)
 (第七一六号)(第七一七号)(第七一八号)
 (第七一九号)(第七二〇号)(第七二一号)
 (第七二二号)(第七二三号)(第七二四号)
 (第七二五号)(第七二六号)(第七二七号)
 (第七二八号)(第七二九号)(第七三〇号)
○重症心身障害者に関する請願(第七四三号)
○社会福祉施設等に働く婦人の労働条件、職場環
 境改善に関する請願(第七六三号)(第七六四
 号)(第七九一号)
○国民健康保険制度の根本的改善に関する請願
 (第七八八号)
○社会福祉施設職員の労働条件改善等に関する請
 願(第七九二号)(第七九三号)(第七九四
 号)(第七九五号)(第七九六号)(第七九七
 号)(第七九八号)(第七九九号)
○国民健康保険事業に対する財政援助措置に関す
 る請願(第八二五号)
○保育所の措置費国庫負担率確保に関する請願
 (第八二六号)
○昭和四十年度老人福祉予算獲得に関する請願
 (第八三二号)
○社会保障制度に関する調査
 (清掃問題に関する件)
 (原子爆弾被爆者援護に関する件)
 (看護業務等に関する件)
 (輸血問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤田藤太郎君) ただいまより開会いたします。
 継続審査要求についておはかりいたします。
 国有林労働者の雇用の安定に関する法律案(第四十六回国会参第一〇号)、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律の一部を改正する法律案(四十六回国会参第一四号)につきましては、閉会中もなお審査を継続することにし、本院規則第五十三条により、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(藤田藤太郎君) 御典儀ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(藤田藤太郎君) 継続調査要求についておはかりいたします。
 社会保障制度に関する調査及び労働問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(藤田藤太郎君) 次に、第八号、衛生検査技師法の一部改正に関する請願外百四十七件を議題といたします。以上百四十八件の請願は、一応専門員のもとで整理してもらい、委員長及び理事打合会におきまして審査いたしましたので、その結果について専門員より御報告いたさせます。
#9
○専門員(増本甲吉君) 委員長及び理事打合会において御審査の結果を御報告申し上げます。
 一二九号、一九八号、五四〇号、七九〇号の四件を留保とし、その他の百四十四件を採択せられるのが適当と御決定になりました。
#10
○委員長(藤田藤太郎君) ただいま専門員より報告いたしました第八号、第五六号、第九〇号、第一三九号、第四六〇号、第七六七号、衛生検査技師法の一部改正に関する請願、第一四号、北海道、東北地区に国立重度精薄児施設設置に関する請願、第五七号、身体障害者に対する強制義務雇用及び最低賃金制実施に関する請願、第五八号、全国一律最低賃金制の即時確立促進に関する請願、第五九号、日雇労働者健康保険打切り反対に関する請願、第六〇号、第六一号、第六二号、第七七四号、日雇労働者健康保険打切り反対等に関する請願、第六三号、第六四号、第六五号、第六六号、第六七号、第六八号、第六九号、第七〇号、第七一号、第七二号、第七三号、第七四号、第七五号、第七六号、第七七号、第七八号、第七九号、第八〇号、第八一号、第八二号、第八三号、第八四号、第八五号、第八六号、第八七号、第八八号、第一八八号、第一八九号、第三五〇号、第三五一号、第三五二号、第三六〇号、第三六一号、第三六二号、第三六三号、第三六四号、第三六五号、第三八九号、第三九〇号、第三九一号、第四三〇号、第四三一号、第四三二号、第五二一号、第五二二号、第五二三号、第五四一号、第五四二号、第五四三号、第五九七号、第五九八号、第五九九号、第六四〇号、第六四一号、第六四二号、第七七二号、第七七三号、日雇労働者健康保険法廃止反対及び老後の保障に関する請願、第一〇三号、陸中海岸国立公園地域を青森県種差海岸まで拡張追加指定に関する請願、第一二八号、第一九七号、失業保険の適用範囲の拡大充実に関する請願、第一五五号、サリドマイド児救済に関する請願、第一八七号、第五二〇号、第六〇二号、第七〇四号、日雇労働者健康保険改善等に関する請願、第二一一号、第二二二号、第二四二号、第二五〇号、第二六五号、第二八六号、国民健康保険制度体質改善促進に関する請願、第二二〇号、国民健康保険事務の執行に要する費用の国庫負担金に関する請願、第二二一号、保育予算増額確保に関する請願、第二三〇号、国立福島療養所の充実強化に関する請願、第二三一号、日雇労働者健康保険存続に関する請願、第二三二号、石炭産業関係健康保険組合の財政確立に関する請願、第二三七号、じん肺患者救済に関する請願、第四二九号、第五五八号、第五八七号、第七八九号、失業保険の受給資格延長措置中止に関する請願、第五二四号、季節労働者の失業保険打切り反対に関する請願、第五二五号、第六〇〇号、全国一律最低賃金制の即時法制化に関する請願、第五二六号、第六〇一号、全国一律最低賃金制の即時確立等に関する請願、第五二七号、保健婦助産婦看護婦法改悪反対等に関する請願、第七〇三号、炭鉱離職者緊急就労対策事業の予算措置に関する請願、第七〇五号、第七〇六号、第七〇七号、第七〇八号、第七〇九号、第七一〇号、第七一一号、第七一二号、第七一三号、第七一四号、第七一五号、第七一六号、第七一七号、第七一八号、第七一九号、第七二〇号、第七二一号、第七二二号、第七二三号、第七二四号、第七二五号、第七二六号、第七二七号、第七二八号、第七二九号、七三〇号、清掃事業の地方自治体直営に伴う業者への補償に関する請願、第七四三号、重症心身障害者に関する請願、第七六三号、第七六四号、第七九一号、社会福祉施設等に働く婦人の労働条件、職場環境改善に関する請願、第七八八号、国民健康保険制度の根本的改善に関する請願、第七九二号、第七九三号、第七九四号、第七九五号、第七九六号、第七九七号、第七九八号、第七九九号、社会福祉施設職員の労働条件改善等に関する請願、第八二五号、国民健康保険事業に対する財政援助措置に関する請願、第八二六号、保育所の措置費国庫負担率確保に関する請願、第八三二号、昭和四十年度老人福祉予算獲得に関する請願、
 以上、百四十四件の請願は、議院の会議に付することを要するものにして内閣に送付することを要するものと決定し、第一二九号、原爆被爆者援護法早期制定に関する請願外三件の請願は保留とすることといたしまして御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめて
  〔速記中止〕
#13
○委員長(藤田藤太郎君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(藤田藤太郎君) 社会保障制度に関する調査を議題といたします。
 清掃問題に関する件について調査を進めます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#15
○柳岡秋夫君 最近の人口都市集中化とか、あるいは生活水準の向上とか、いろいろ客観的な情勢によって、この清掃事業が非常に全国的な問題になっているわけでございますが、さきの国会でも生活環境施設整備緊急措置法というのができまして、その成立の際に、この清掃事業に対する今後の方向としての決議がなされております。その中で、特に「政府は、自治体に対して、自治体が責任をもって清掃事業の適切なる実施を期するよう行政指導すること。」こういう一項目があるわけでございますが、厚生省並びに自治省として、この決議に基づいてどういう自治体に対しての行政指導をなされておるのかということをまずお聞きしたいわけです。と申しますのは、この趣旨は、私どもが常日ごろ主張しておりますように、清掃事業はあくまでも自治体の固有の事務であるというたてまえに立って、直営化をすべきであるということが一つであります。もう一つは、住民の負担によらない、手数料などはとらないで、無料で清掃事業をやっていくということが決議をされた内容の趣旨ではないかというように私どもは考えております。したがって、そういう立場に立っての行政指導がどういう形で厚生省並びに自治省としてなされておるのか、この点をまずお伺いしたいわけです。
#16
○説明員(舘林宣夫君) 本来、清掃事業は市町村固有の責任においてやるべき基本的考え方はすでに清掃法に盛られておるわけでございますが、現行の法文では、一部やや明確を欠いた部分がございますし、法の第十五条に、業者にこれらの事業の実施を許可するというような条文が現にあるわけでありまして、お尋ねのような、市町村の責任を持って清掃事業を実施するという意気込みの度合いが現行法には明確になっていない部分があるわけでございます。これを正しますには、もちろん法律を改正いたしまして、いま少しそれらの点を明確にすることが適当かと思いますけれども、現在の段階においてその市町村が責任を持って清掃事業をやるための行政指導をどうするかというお尋ねでございますが、これは二年前から市町村の清掃事務をどのようにすることが理想的であるかということに関する特別の調査会を自治省と共同をいたしまして、市長会の中に特別委員会のような形の調査会を設けていただきまして、関係省もそれらの委員の中に入り、また、実際に清掃事務をやっておられる市町村の理事者の方、あるいは学識経験者等も集まりまして、基本的な検討を続けてまいったわけでございます。その際の論議におきましても、御趣旨のような方向で議論が展開されまして、本年七月にその調査会の答申が出たわけでございます。その答申の内容も、清掃事業に対しては市町村は貴任を持って実施すべきものであるという趣旨が明確に出されておりまして、その答申を私どもは全国各市町村に配付いたしまして、これが清掃事業の向かうべき方向であるということで指導をしてまいっておるわけであります。したがいまして、お尋ねの直営化の方向、市町村が責任を持ってやるべき方向ということは、基本方針としては私どもは指導いたしておるつもりであります。ただ、料金、手数料の問題につきましては、やはりその調査会で相当論議が行なわれたわけでございますが、将来の理想としましては、手数料を取らないで清掃事業のようなものが実施できることが望ましいことではございましても、現段階ではこれはなかなかむずかしいし、手数料を取らないことは、かえって清掃事務を停滞せしめるような市町村の財政事情もあるということで、将来の理想としてはそういうことであっても、当面はやはり手数料を取らざるを得ないであろう、かような御意見も出ましたし、私どももさように考えて現在指導いたしておるわけでございます。
#17
○説明員(石川一郎君) 清掃につきましては、昭和三十八年度までは地方交付税の上では衛生費の中に算定をいたしておりまして、三十九年度からは清掃事業については特に衛生費から分離をいたしまして清掃費を起こしたのでございます。そして清掃費につきましては、人口を測定単位といたしまして、ただいまお話のございましたような清掃事業研究委員会の報告の趣旨を勘案いたしながら改善合理化をはかっております。その結果、単位費用におきましては三百四十五円と、一般の三十八年度の場合よりも百四十五円引き上げになっておりますし、標準団体、これは人口十万の都市を想定いたしておるわけでございますが、標準団体におきましては約一千四百万円の基準財政需要額の増加になっております。ただいま申し上げましたような交付税法上におきましては改善の措置を相当強力に講じておるつもりでございます。
#18
○柳岡秋夫君 それぞれ適切な行政指導をされておるというふうには思いますが、しかし、現実の現地の事情を若干見てみますと、厚生省が考えておるこの基本的な方向と逆行するような最近民営化の傾向が非常にふえておるという、私どもが若干の都市を回って調査した結果、そういう結論が出ておるわけでございます。たとえば広島などで焼却場を民営化に移していくとかそういう問題もありますし、この民営化が最近ふえておるという現状は、どうもいま局長がいわれたような形での厚生省の意向が各地方団体に十分に認識をされておらない、こういうことにならざるを得ないのではないかと思うのですけれども、この最近における直営化から民営化への移行についての資料と申しますか、そういう把握を厚生省としていたしておりますか。
#19
○説明員(舘林宣夫君) 清掃事業を民間の業者が行なう場合に、現在の法律の十五条に基づきまして一定の地域の清掃を行なうことを許可を受けて、その地域に関しては業者が全責任を負う。市町村は一応法文上は責任はあるようにはなっておりますけれども、実態上必ずしも責任を負わないというような、完全民営というような形は、最近はもうだんだん減ってきておるように私どもは把握をいたしておるわけであります。ただ、お話しのように、二、三最近市町村の吏員によって消掃事業をやるというものに民間の者をこれに加えてやるという形のものが出てきております。ただ、実態は、あくまでも市町村の監督のもとに一部事務を委託をしてやるという形のものであるわけでありまして、完全に責任を転嫁したという形のものではないと私どもは思っております。その完全に地方吏員によってやるのがいいか、あるいは事務の一部を委託をしてやるのがいいかというのは、そのそれぞれの都市の状況によって、委託をしてやったほうがいい場合も、あるいはその業種の内容によって、たとえば運搬するというような場合に車を借り上げる、その場合には、車の運転手は車もろとも借り上げるという形のほうがかえって便利のことがある場合があるわけであります。しかし、そうだからといって市町村が責任を免れるわけでなくて、あくまでも市町村がその車の運行の責任をとるという形で実施されるべきものと、かように私どもは考えておりますし、現にそういう形の委託が一部あるわけであります。ただ、お尋ねのように、焼却場のようなものが役所のみずからの手によって行なわれないで、民間の手で行なわれるという方向は必ずしもいいものではございませんので、これは十分指導してまいりたいと、かように思うわけでございます。
#20
○柳岡秋夫君 そういう民営化の傾向と申しますか、そういうことをなぜやらなければならないのかということを考えてみますと、一つには交付税の問題があるのじゃないかと思うのです。結局先ほど自治省のほうで単価の問題も話されました。さらに、また、この清掃事業要員の問題等も、研究委員会の報告では百十五人ということになっておるようでございますが、しかし、実際は現実には各十万都市の中でその半分ちょっとですね、現実には七十二人というのが出ておりますけれども、それくらいの要員しかおらない。したがって、十分な住民に対するサービスができない、あるいは施設の面でも十分にできない、こういうことで住民からの不満が出てくる。そこで、自流体は、そんならいっそひとつ民営にしてやらしたほうがいい、こういうことになって、私は民営にする傾向が出てきたのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、こういう基準以下の市町村がほとんどであるというこの問題について、自治省としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#21
○説明員(石川一郎君) 財政上の措置といたしましては、先ほど申し上げましたように、清掃宿業研究委員会の報告の趣旨を私ども十分取り入れておるつもりでございます。三十八年度から三十九年度に、単位費用といたしまして百四十五円の引き上げになっております。標準団体で千四百万円引き上げというのは、三十九年度の改定の中でも、私ども最大のものだというふうに考えておるわけでございます。
 なお、交付税の計算につきましては、十万程度の人口のところを標準にいたしておるわけでございまして、十万人をこえる団体、これらのものにつきましては、清掃人口の増加とか、それぞれの状況に応じて補正で補っておるわけでございます。したがいまして、ただいまお話のありましたような民営の問題につきましても、交付税で計算をいたしております十万の人口について認められている人員にとどまっているのじゃなしに、それぞれ補正によりまして結果的には増員になっているという状況でございます。したがいまして、現状の是非についてはいろいろ御議論があると思いますけれども、交付税上の措置といたしましては、相当な満足すべきところに私どもはいっておる、したがって、これを交付税の見方が非常に足りないということによって民営にいっているのだというふうには私どもは考えておらないのでございます。
#22
○柳岡秋夫君 聞くところによりますと、この十万都市の基準について、し尿とごみの、要員として基準が自治省、大蔵省で百十五人、こういうことをいっておられる。しかし、厚生省は百三十六人、こういうことをいっておられる。ということになりますると、私は、清掃事業の直接の行政指導をする厚生省が百三十六人という数字を出している以上は、やはり、住民に十分の衛生行政をやっていく上からは、どうしてもいま大蔵省や自治省がいっているような百十五人では足りない。しかも、単価が非常に安いから、現実において七十人程度しかおらない、こういうことでございまして、この辺大蔵省なり自治省として、もっと実態に即した単価の引き上げ、あるいはこの要員の増というものを考えるべきじゃないかと思うのですが、この点はどうでございますか。
#23
○説明員(石川一郎君) 何ぶんにも財政の問題でございますので、財政上の措置を講ずるというときに、清掃事業研究委員会の考えられておりますような一つの理想のところに一挙に近づくことは、これは無理だと思うのでございます。われわれといたしましては、三十九年度においてできる限りの努力をいたしてきたつもりでございまして、今後もその努力を続けるということについてはやぶさかではございません。
#24
○柳岡秋夫君 せっかくこの前の国会で生活環境施設整備緊急措置法というのができて、そしてこれから国家財政を多くそのほうに向けられて住民の生活環境をよくしていこう、こういう意気込みであろうかと思ったのですが、しかも、今度の新しい内閣は社会開発という、何をやるのかわかりませんけれども、私らが考えれば、まず取り残されておる生活環境、あるいは住民のそういう生活に直接関係をするいろんなそういうところに力を注ぐのが私は社会開発の意味ではないかと思うんですけれども、そういう意味からいくと、今度の四十年度の予算では、少なくともこの清掃事業に対する大幅な予算の増というものが私はあってしかるべきじゃないかと思うんです。したがって、いま財政上の問題ということもいわれましたけれども、そういうような観点からいって、厚生省がどうしても十分な住民の衛生行政をやっていくには百三十六人というものが妥当である、こういうことであれば、これは自治省はただ単に金を出せば、あとはそっちのほうの指導は厚生省でやってもらっているのだからいいんだということであろうかもしれませんけれども、それをやるほうはそれだけの人間がほしいんだ、こういうことでありますから、その点はひとつ十分自治大臣ともよく用談していただいて、この引き上げについてひとつ御努力を願いたい、かように思います。
 それから、もう一つ、賃金支弁で雇っている労働者がおるわけですね、これは学校給食なんかではもう全部廃止をされているようでございます。したがって、この清掃の関係につきましても、来年度賃金支弁についてどういうふうにお考えになっておりますか、ちょっとお聞きしたい。
#25
○説明員(石川一郎君) ちょっと私、先ほどの申し上げようがあるいは悪かったかもしれませんが、私どもといたしましては、清掃事業研究委員会の報告もございますので、その報告の趣旨に沿ってこの問題の改善合理化に当たっていきたい、これが基本的な考え方でございます。ただ、その際には財政上の制約がおのずからあるということでございまして、特に来年度は、御承知のように、地方財政は非常に困難な見通しになっておるわけでございます。現実は非常に困難なものでございますので、その財政の見通しに立ちながら、われわれとしてはそれとの関連を持ちながら、しかし努力はしてまいりたい、こういう趣旨でございます。
 なお、賃金の問題につきましても同様でございまして、賃金支弁のものを賃金支弁のものでないようにするための努力は続けてまいりたいというように考えております。
#26
○説明員(舘林宣夫君) 先ほど来、柳岡先生からお話がございましたように、現在、標準人員の数は七十五人程度でございます。例の研究会で出された数字が百十五人であることは御指摘のとおりでございます。私どもとしては、理想的には百三十人以上やはりあることが望ましいということでこの問題は検討してまいったわけでございますが、現況七十数人のものを一挙に百三十人ということは、なかなか実際上も困難が伴ってまいったわけでございまして、自治省としては、実は清掃関係に要する費用として、地方交付税の中の算定の総額として約二百五十億程度従来組んでおっていただいたわけでございますが、本年度は一挙に百億ぐらいそれをふやしてくれたわけでございます。したがって、数字で申しますと、四割もつとか四割ぐらい一挙にふえたわけでございます。これもやはり清掃問題研究会の成果であると私ども思っております。おそらく今後も自治省は、この清掃問題研究会が出した当面の理想、当面の目標というものの実現に地方交付税をふやしてくれるものと私どもは期待しておりますし、今後私どもも努力しなければならないと思っておるわけでございます。一挙に研究会が出した当面の目標の数字までいき、さらに私どもがどうしても理想としている百三十数名までいくということは、一挙にはむずかしいかと思いますけれども、これには私どもも努力をしなければならないと思っておりますので、強力に自治省のほうにお願いをしたい、かように思っております。
#27
○柳岡秋夫君 まあ時間がありませんので、こまかい点に触れないで、しぼって質問しているわけですが、先ほど申し上げましたように、直営化から民営化への傾向が出てきておる。厚生省では、それはそうではないということを言うかもしれませんけれども、しかし、この市町村単位の件数からみると、やはりふえているというふうに私どもは見ているわけです。したがって、この民営化の方向がふえるということは、この前の国会で清掃法の改正を出されました。不幸にして流れましたが、次の国会にはおそらく出してくるだろうと思いますが、その法改正に私は大きな障害になるのではないか。法改正をする法改正の内容は、私どもはまだ不満であります。しかし、あの法改正をするにしても、民営化がどんどんいま起きつつあるということでは、これはこの法を実施していく上に大きな障害になるのではないか、こういうふうに思うのですが、そういう点から、厚生省のいままでとってこられた行政指導というものは、私は非常に欠陥があったのではないか、こういうふうに思うのですが、その点はいかがです。
#28
○説明員(舘林宣夫君) 先ほど来述べておりますように、現在の法そのものに必ずしも完ぺきということのできない部分もございまして、一部民営化というような方向も出てはおりますけれども、私どもとしては、全国を見渡しますと、総括的にはやはり直営化の方向に進んでいる、かように思っておる次第でございますし、今後の指導方向もその方針でまいりたいと思っております。その上に法律上の基礎づけができますれば一段と強力な指導ができる、かように思っておる次第でございます。
#29
○柳岡秋夫君 大臣が来ましたのでお伺いしたいのですが、先国会、あるいは先々国会の中で、この清掃事業の問題についていろいろ論議をされ、あくまでもこれは市町村の国有の事務として責任を持って市町村がやっていくという原則、これを確立すべきである、こういう決議なり、あるいはこれは正式な約束といえば約束なんですが、国会における委員会での論議の中でそういうことがされているわけです。しかも、厚生省として第一次要綱と申しますか、清掃法改正の要綱の中では、これらの決議なり約束に基づいて、原則としてこれは地方自治体が全部やっていく、こういうことをはっきり掲げておったわけです。ところが、その後どういう事情か知りませんが、先国会に出された法案ではこの原則がくずされて、非常にあいまいと申しますか、いままでとあまり変わらないような内容になってきているわけですが、このことは非常に私は遺憾であろうと思いますし、この委員会の決議なりに沿って次の通常国会に出される法案としては、もっとまたもとの要綱に返ったはっきりした明確な法改正というものをなされなければならない、こういうふうに思うのですが、大臣の見解をひとつお伺いしておきたい。
#30
○国務大臣(神田博君) お答えいたします。ただいまのお尋ねでございますが、まあこれは市町村が原則としてやるということの考え方は、私もそうであってしかるべきものだと考えております。そこで、まあ清掃法の改正案がそういうことをしっかり打ち出して持ってこい、こういう御意見のようにお伺いしますが、私もまだ十分これを検討をいたしては――はなはだ恐縮でございますが、いままでの検討の結果によりますと、守っておるんだ、こういう考えでございまして、実情に合わせて、そしてやっていく考え方は、いま柳岡さんのおっしゃったことと変わりないわけでございますが、市町村の実情に応じまして、そしてまあ所要のことをやっていく、こういうことでなかろうかと、まあ言いかえれば、市町村が直営としての責任は十分持っていながら、そしてまあ手段として業者も使う、そういう場合があり得る、こういうことでないかと、こう考えております。
#31
○柳岡秋夫君 市町村によってということは、当然地方自治のたてまえからいけばそうかもしれませんが、しかし、国民の立場からすれば、やはり公平にサービスを受けるということが必要であって、これはあくまでも地方自治法の中にも明記されておりますし、まあ清掃法の中では若干ただし書きはありますけれども、しかし、精神はあくまでも直営、地方自治体の固有の事務だと、こういうふうにはっきり書かれておるわけですから、しかも、現在の清掃法の中でやられている実態が非常に国民の中に不満が起きております。これはもっと責任のある体制の中でやってもらわなくちゃ困る。しかも、最近のように、非常にごみなり、し尿なりが大量に出てくる場合には、この処理施設の大規模化というような問題、あるいは施設の高度化、それに伴った技術者の養成、やはり、それぞれが一体となってやらないとますます行き詰まってしまうということにもなるんではないかと思うんです。したがって、そういう仕事をやるのは、やはりそういうことができる団体――地方自治体ですね、民営ではやはり採算の問題からしていろいろ手数料も出てきましょうし、問題もあるわけで、これは地方自治体のやはり責仕としてこの問題を解決をしていくということが、私はぜひとらなければならない、緊急課題であろうと思うんです。したがって、次の通常国会に出される法案は、前に国会に出された法案そのまま出すということでなしに、さらにひとつ検討をいただいて、そしていままでの国会内における論議、あるいは研究委員会等において出されました論議、そういうものをひとつ参考にされて、私ども賛成のできる、国民の納得のいく法の改正案というものをぜひ出していただきたい、こういうふうに思います。そのことを申し上げ、さらに大臣の御意見を聞いてこの問題についての質問を終わりたいと思います。
#32
○国務大臣(神田博君) いまお尋ねございました点等につきましては、お考えの点、私も十分了解できるのでございますが、問題は、なかなか簡単なようでやっかいな仕事でございまして、市町村の監督と申しますか、また、いまお話もございましたように、所要の経費の出し惜しみと申しましょうか、いろいろそういったことも相当原因があるのじゃないかと思うのでございます。みずから責任を持ってみずからの仕事としてやることは、これはもうなお一そう意義のあることだと思いますが、しかし、なかなか実情も、御承知のように、そうすぐ市町村が全部企業としてやれる能力といいましょうか、なかなか手の回りかねるところがあるのじゃないかと思います。そういう場合にそれぞれの業者を活用して、そうして十分な監督なり、あるいはまた所要の費用を惜しまないでやりますれば、その目的が達しられるのじゃないか、だから、言いかえますと、いまの現段階においては市町村の責任であることは、これはもういかなる場合でも当然でございますが、みずから直営でやるということと同じような考え方で、やはり実情に沿った線でやっていく、そのやり方の足りないことについての批評は、私どもも実は方々で十分耳に入っているのでございますので、これらの点については、今後自治省とも十分連絡いたしまして十分監督して、そうしてそういった非難のないようにやるということが大事なんじゃないか。御趣旨のお気持ちはよく私も理解できておりますが、厚生省といたしましては、市町村の責任であるということについては、もうこれは柳岡さんの御所見とは全然違っておりませんし、また、そういう気持ちでやっておりますが、個々の内容に入るといまのような問題があるのじゃないか、そういう点は十分ひとつ市町村とも連絡を密にいたしまして監督いたして、そうしてこの仕事の完ぺきをはかりたい、こういうふうに考えます。
#33
○柳岡秋夫君 これはもうお答えいただかなくてもけっこうですけれども、現状が非常に矛盾を来たし また 国民の不満が多く出ているから、この際、清掃法の改正を行なうわけです。したがって、その清掃法の改正の中では、いわゆる現状の矛盾なり、あるいは国民の不満というものを解消するためには、やはり責任ある団体が当然の仕事としてこれやっていくのだというふうに明記したほうがいいのではないかというのがわれわれの意見でございまして、これはひとつ財政上の問題であれば、自治省と十分話し合って、交付税を引き上げてもらうなり引き上げるようにするなりしてもらって、はっきりしたものを出してもらいたいと思うのです。私どもも、法案が通ったから、そのときからすぐ全部直営にしろということも無理だろうと思うのですけれども、しかし、そういう方向だけはやはり確立しておかないと、先ほどからお話が出ているように、いくら適正な研究委員会なり、あるいは方針なりに沿って地方自治体を行政指導しても、どんどんと各市町村によっては民営化が出てきている、こういう実態なんです。だから、それではあいまいな法改正では依然として民営化というものが解消されない。だから、もっと法案の改正としてははっきりしたものを出していただいて、これは暫定措置としてはまた考えるところもあろうかと思いますけれども、ひとつそういう御検討をお願いしたいと思います。
#34
○委員長(藤田藤太郎君) 本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#36
○委員長(藤田藤太郎君) 次に、原子爆弾被爆者援護に関する件について調査を進めます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#37
○柳岡秋夫君 さきの国会で、やはりこれも本院の決議として、原子爆弾被爆者に対する援護の決議がなされておることは御承知のとおりでございます。そこで、この決議に沿って厚生省としてどういう具体的に来年度の予算との関係で考えておられるのか、まずお聞をしたいと思うのです。
#38
○国務大臣(神田博君) 原爆被害者の援護対策を具体的にいま考えていることを説明するようにということでございますが、現在、原爆被爆者に対する施策といたしましては、被爆者の健康管理及び医療を行なっておりますことは御承知のとおりでございます。さらに、また先般の決議の趣旨に沿いまして、しかも、必ずしも長期の医療に直面することなく、被爆者の心身の特殊な事情に適応し得るよう、実態に即した施策を講じてまいりたい。そこで、このために具体的な改善措置として考えておる事項は次のとおりでございます。
 一つ、健康管理及び医療の強化。現在の定期健康診断、これは年二回やっておりますが、そのほかに被爆者の希望によって随時健康診断を受けることができることとするほか、必要に応じ収容検査を行なうことにいたしたい。
 それから、交通費の支給範囲を拡大しまして、健康診断の受診、従来は精密検査だけでございましたが、それに認定患者の通院についても支給することにいたしたい。
 三といたしまして、認定患者が受診中に死亡した場合に葬祭料を差し上げたいということ。
 それから、四といたしまして、医療手当を、ただいま二千円でございますが、三千円に増額することにいたしまして、所得による支給制限を緩和いたしたい。
 それから、特別被爆者範囲の拡大をいたしたい。入市者のうち、三日以内に爆心地より二キロ以内の地域に立ち入った者と、三キロ以遠において特に残留放射能を受けたと推定される者を特別被爆者とすることにいたしたい。
 それから、五といたしまして、被爆者の福祉施設の整備、広島、長崎両市の原爆病院の増床を考えております。
 それから、広島、長崎両市に主として被爆者を収容する特別老人ホームを設立いたしたい。それから、広島、長崎両市に健康管理センターを整備したい、こういうこと。
 それから、以上のほか、高根県有福及び長崎県小浜に被爆者温泉療養所を設置する。これは自転車振興会の補助対象事業といたしたい、こういうふうに考えます。以上でございます。
#39
○柳岡秋夫君 いまのお話ですと、これは現在の医療等に関する法律の若干の手直しというふうにいってもいいのじゃないかと思うのですけれども、積極的に原爆被爆者の遺族なり、あるいは被災者の生活をみていく、保障していくというような、そういう考えはございませんか。
#40
○国務大臣(神田博君) お話の点につきましても十分検討を加えたのでございますが、御承知のように、大東亜戦争の犠牲者がその他非常に多いことはよく御承知のとおりでございまして、これらとの比較均衝と申しましょうか、そういった点も十分配慮の要があるように考えますので、そこまでは踏み切っておらない現状でございます。
#41
○柳岡秋夫君 一般の被災者と同様に扱っておられるようですけれども、しかし、私は、この原爆被災者は一般の被爆者と同等に扱えない多くの問題があるのではないかというように思うのです。たとえば医療の問題で申請をしたいという気持ちがあっても、しかし、自分は原爆の被災者だということになると、それをほかの人に知られたくない、あるいは子供の結婚の問題にも支障を来たすのじゃないかといろいろ悩みがあって、せっかく医療法という法律があっても、それを適用してなおしていこうという、そういう積極的な意欲が湧いてこないという例を幾つか私も耳にしているのですけれども、そういうことを一つとりましても、私は、一般の被災者と違った多くの悩みが原爆被災者にはあるのではないかというように思うのです。厚生省は、それは一般の生活保護を適用してやればいいのだ、こういうふうにいわれておりますが、それではいま原爆被爆者のこの把握しておられる数の中で生活保護を受けておる方は一件何人おられますか、あるいは生活程度というもりはどういうふうな状態にあるか、その辺の資料はございますか。
#42
○説明員(若松栄一君) 広島、長崎両市につきまして調査をしたことはございますが、その結果によりますと、生活保護を受けておる数は全国平均についてほとんど変わりございません。
#43
○柳岡秋夫君 ちょっとわかりませんと、そういうことでなく、そういう数が把握されておるかどうかということです。
#44
○説明員(若松栄一君) 調査いたしました結果によりますと、実数その他はいま詳細に記憶はございませんが、人数の率だけ見ますと、全国平均の生活保護の率とたいした差がないという実情でございます。
#45
○柳岡秋夫君 率が変わらないということになると、二八か一七ぐらいですか。生活保護の率がありますね、保護率、あれと同じだということですか。
#46
○委員長(藤田藤太郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#47
○委員長(藤田藤太郎君) 速記を起こして。
#48
○説明員(若松栄一君) 私どもが具体的に調査いたしましたのは三十五年でございます。その点若干時日も経過しておりますので、詳細についてはまた現地も調査をいたしまして、正確な数字をお答え申し上げたいと思います。
#49
○柳岡秋夫君 そういう被爆者、いわゆる生存者、あるいは遺族のそういう実態調査というものをやはり厚生省としてももっと積極的にひとつやってもらいたい、こういうふうに思います。だから、医療だけにとどまってしまって、考え方そのものが一般の被災者という前提に立っておるから私はそうなると思うのですけれども、私はそうではなくて、原爆被爆者はこの前の本院の決議にもありますように、やはり一般の被災者と違って、特殊な被災者であるという立場で、ひとつ単なる医療だけでなくて、生活の面も十分考慮をした援護がなされなければならないというふうに思うのです。ところが、現在はもう医療のほうにのみ重点を置かれておって、戦没者遺族、あるいは軍人の問題については、新聞によりますと、来年も手当なり年金なり、あるいはその他の増額をはかるようでありますけれども、こういう方についは、いまいったような生活の面での対策が一つもなされておらないということを非常に残念に思うのです。これはこの前も委員会でちょっと私言った覚えがあるのですが、これは池田総理が広島で一日内閣か何かをやったときに、原爆被災者の遺族に対しては十分な援護措置をするということを発言されておりますし、また、佐藤総理大臣も、原爆被災者の陳情に対して同趣旨のような発言をしておるようでございます。したがって、その内容が先ほど厚生大臣が申されたような内容では、これは被災者のほんとうの要求というものを満たしておらないわけです。被災者はあくまでも生活の面も十分に考えてもらいたいというのがやはり重点になっておるのでございまして、その点をひとつぜひもっと積極的に実態調査をして、そうして対策を立てていただきたいというふうに思いますが、ひとつこの医療手当というものの性格は一体どうなのですか、それをお聞きしたい。
#50
○説明員(若松栄一君) 医療手当の性格は、原爆被害者というものが置かれております精神的並びに肉体的な特殊な状態というものを考慮いたしまして、といいますのは、身体的に病気になりやすい点があるだろう、心理的には非常に原爆被爆ということに何ごとも関連づけて考えやすい。端的にいいますと、原爆ノイローゼ的な状態におちいりやすい傾向がございます。そのようなものが総合いたしまして健康に悪影響を及ぼすということを考慮いたしまして、できるだけそのような障害を排除していこうということから、生活に潤いを与える、ゆとりを与えるという、心理的なゆとりを与えてそういう障害を排除していこうということが一番基本的な問題でございまして、したがって、たとえば入院中においてもいろいろ手なぐさみもできるような、そういうような費用を考えてみたいということがこの趣旨でございまして、本質的にいわゆる生活費の補給という趣旨を考えたものではございません。
#51
○柳岡秋夫君 生活費の補給ということではないかもしれませんが、しかし、単純に医療の手当でもないようでございますね。したがって、まあどちらかというと被爆者の援護的な面が若干含まれているのではないかというふうに私は思うのです。したがって、この医療手当という文学が私はそもそもそぐわないような感じがするわけです。いまいわれたようなことであれば、積極的な意味で、いわゆる健康手当とか、何かもっと積極性のある文字に変えていくことが必要ではないか。それには医療法というような法律ではなしに、これはやはりもっと積極性を持った援護法というような法律を新しくつくったほうが、そういう面からも私はいいのではないか、こういうふうに思うのですが、この積極的に生活の面も考えた被災者の援護法というようなものをつくるお考えはないか、その点厚生大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#52
○国務大臣(神田博君) 原爆被害者の置かれておる地位と申しましょうか、環境、または気持ち等を考えますときは、いま柳岡さんがお述べになったように、ほんとうにわれわれあたたかい気持ちなり、もっと前向きの姿勢をとりたいという気持ちについては、私まことに同感でございます。まあ現実の問題として、従来の行き方がいまのような制度にずっと移行してきておるわけでございますが、それでいいかという問題でございます。被害を受けましてもうすでに二十年になろうとしておる今日でございますから、この際に、いまお話しがございましたような実態調査をさらにいたしまして、また、そういう調査をもう二度やればいいのだというような安易な気持ちではなく、年々ひとつ継続して比較対照する、こういう、何といいますか、そういった重要な基礎と申しましょうか、裏づけによってもっと根本的なものを考えるべきものであるかどうか、現状でいいのかというようなことをこれは考える必要が私はあるのではないか。これは私の意見でございますが、まだ厚生大臣としてまとまった意見を申し上げるわけではございませんが、とにかくそういう段階にこれをひとつ考えてみる必要があるのではないか、まあそうだとすれば、その際にいまお話のような点もあわせて考えなければならない問題ではないか。要は原爆被害者に対するわれわれの国民感情として、これはもうお述べになったと共通の私は感情を持っております。そういう点の実態を十分明らかにして、その上でなおいろいろ国家財政の関係もあるとは思いますけれども、あたたかい気打ちで、前向きの気持ちでひとつ考える必要があるのではないかというような気持ちは私も同感でございます。
#53
○柳岡秋夫君 実態調査の問題でちょっと要望しておきたいですが、原爆被災者の中には、やはり自分がそういう病気じゃないか、したがって、こういう仕事をしたらさらに悪くなるんじゃないかという非常に不安があるわけですね。したがって、せっかく自分が希望する職場があっても、なかなかそこへ就職する気持ちになれないという者があるわけです。したがって、こういう人たちがどういう職業についているのか、そういうこともひとつ、たいした数でないんですから、原爆被災者を見てみましても。ですから、一人一人に当たって正確と申しますか、詳細な実態調査をしていただいて、その上でいま大臣のいわれたような前向きのひとつ検討をお願いしたいと思うんです。そのことをお願いしておきます。
#54
○委員長(藤田藤太郎君) 本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議なければ、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#56
○委員長(藤田藤太郎君) 次に、医療業務等に関する件について調査を進めます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#57
○藤原道子君 私は、たびたび本委員会でも、あるいは予算委員会でも問題になっておりますが、一向にこれが解決されない状態に置かれていることをまことに心外に思うわけでございます。そこで、きょうは率直に看護婦の不足の状況、そうして、また、看護婦の不足を来たす原因等についてどういう
  〔委員長退席、理事柳岡秋夫君着席〕
対策をお持ちになっているというようなことで少し御質問したいと思います。本日は時間の関係もございますので、要点のみをお伺いしたいと思いますので、ひとつ率直に、明快に御答弁を願いたいと思います。
 いま現実に看護婦の不足の現状が一体どうなっているか、その対策を具体的にどうしているのかということをまずお伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(神田博君) いま藤原委員から、看護婦の現下の憂慮すべき状態につきまして端的な御質問、また資料の御要求がございましたこまかいことは政府委員から答弁さしていただきますが、根本の問題でございます看護婦が不足して非常に困っているということはお説のとおりでございまして、私ども憂慮にたえない。このまま放置するようなことがあればたいへんなことになるという認識のもとに立っていろいろ対策を考えております。
 そこで、第一の、どうしてこういうことになったかという原因でございます。これはいろいろあろうと思いますが、いまそのうちのおもなるものを一、二申し上げますれば、待遇が据え置かれていると申しましょうか、他の産業に比べて非常に待遇がそれに伴なっていない。それから、労務過剰と申しましょうか、そういう特殊な勤務をされている例が多いのでございますが、そういう二つの面が一番多かったんじゃないか。特に第一の待遇がよくないという問題、こういうことは、結局長年医療費等の是正が行なわれなかったところに原因があろうかと思います。また、もっと例をあげますれば、女子の職場が非常に方々に広がってまいりまして、そういう面からいって、病院のほうにそういった悪条件があったために集まりが悪くなった、こういう問題もあるんじゃないか、こう考えております。いずれにいたしましても、病院経営なり診療所の経営におきまして、看護婦の持つ役割りというものはもう不可欠のものでございまして、しかも、重要な使命を持っているのでございますから、そういう認識の上に立って急速にひとつ充足できるような、しかも、質が低下をしないような、若い方々が拝んで来るような方途をひとつ講じてみたい、そういう考えのもとに、当面の問題としてはまたいろいろ考えなきゃならぬ点があると思います。若い方だけを望んで得られないこともあると思います。看護婦の数からいえば四十万といわれておりますから、看護婦の職を去って家庭にお入りになっている方もいるわけでありますから、そういう方々をもある時間ひとつお願いするというような手を打たなきゃならぬのじゃないか、総合的な配慮をいたしましていまのたいへん憂慮すべき状態を解消するようにしたい、こう考えております。あと説明員から答弁させます。
#59
○説明員(尾崎嘉篤君) ただいま大臣からお話がございましたように、現在、看護婦さん、堆看護婦さん等が手に入らない、そういうようなことで医療機関がいろいろ困っていられる、言われたとおりでございまして、われわれも責任を感じ、対策に努力をしておるものでございますが、この根本につきましては、いま大臣からもお話がございましたように、待遇、労働条件があまり他の職種に比べてよくないというようなことが一番根本問題だとは思いますが、同時に、医療技術の複雑化と申しますか、それとか看護婦に対する国民の要求の増大、また、労働時間も、四十八時間制を国立などが四十四時間制に切り下げていったこととか、さらに、基準看護というような制度が進められていった、そういうようなことで地域的にまた施設間のアンバランスが激化したという問題もあると存じます。数字を少し申し上げますと、毎年、近年一万七、八千の新卒業生があるわけでございますが、そのうち正看のほうが四千ぐらい、年によって少し違いがありますが。それから、准看のほうが一万四千ぐらい、こういうふうな数が新しく養成せられて出てくるわけでございますが、しかし、やめられる方とか、また、なくなる方もあったりいたしまして、それが八千ぐらいで、差し引き大体一万ぐらいの毎年就業をしていられる看護婦さん、准看護婦さんがふえているわけでございます。三十五年末には病院、診療所合わせまして十六万四千、三十六年末が十七万三千、三十七年末が十八万三千、こういうふうな数字になっておりまして、おそらく三十八年末では十九万四千ぐらいの数になっておるんではないかと、これはまだ数字ができておりませんが、推定しております。こういうふうに毎年一万ぐらいずつええておりました看護婦さんでありますが、対策の関係が少し功を奏したと申しますか、来年の四月におきましては、私どもの推定では、大体正看護婦さんのほうがやはり四千五百ぐらいになるのじゃないかと思いますが、それから、准看のほうが二万ぐらいの卒業生が出る、それで二万四、五千の新卒が出まして、例年よりも六、七千ふえてくる、それだけ来年は供給力はよくなってくる、こう思います。さらに再来年はなおこれはよくなると思いますが、いずれにいたしましても、現在の不足数に対しましてこれではまだ十分でないと考えますので、養成力をさらに増大する、養成施設をふやす、また、施設ごとの定員もふやす、また、定員をできるだけ一ぱいとってもらう、こういうことに努力する。いずれにいたしましても一定の教育が必要でございますから、その教育をする人をふやしていく、また、それに対しまして志望者がふえますように奨学資金というふうなものの金額のワクをふやしていく、また、養成所の運営がなかなか困っておられますから、できれば運営費の補助もしたいと、いま努力しているわけでございます。そういうふうにいたしまして養成力を拡大していきますと同時に、ただいま大臣からもお話がありましたように、資格を持っておられる方で家庭におられる方々にもできるだけお働き願えるような方途も講じていきたい。いずれにいたしましても、根本につきましては待遇でございますので、その待遇をよくするように努力いたしたいと思いまして、その一番基本になるというと少し口はばったいことでございますが、いろいろ他方面で参考にせられます国家公務員としての国立病院、療養所の看護婦さんの待遇等につきましても、人事院にわれわれは強力に働きかけまして、大臣も新任早々すぐ人事院のほうにお話し願ったのでありますが、まず待遇をよくすることと、夜間勤務の手当を増額することをことしやったのでございますが、前者の待遇改善のほうはほかの職種に比べましてかなりよくなりましたが、夜間勤務のほうは必ずしも成果をおさめることができなかったことを残念に思っております。さらに努力を続けていきたいと思います。数字を申し上げますと、全般といたしましては、国家公務員の待遇改善が八・八%アップになりますが、医療職の(三)の看護婦さん関係は平均いたしまして九・五%、一番よろしいのであります。職種といたしましては一番アップが大きくなっております。特に初任給につきましては一三%、正看護婦さんは一万五千四百円が一万七千四百円に、これは超勤等を除いた本俸でございますが、二千円のアップでございます。それから、准看護婦のほうは一万二千八百円が一万四千五百円と、こういうふうなアップ率を示しております。しかし、われわれもこれで十分とは思えませんので、さらに努力は進めていきたい、こう思います。
 なお、全体の民間の病院等につきましては、国立も同じでございますが、民間の病院等におきましてやはり待遇をよくしますのには、医療費をよくみてもらわなければいかぬので、今度の緊急是正などにおきましても、そういうふうな点を考えに入れてもらいますように、また、労働時間の短縮というふうな点も入れていただきますように、その中でいろいろ折衝し、検討してもらっている次第でございます。
  〔理事柳岡秋夫君退席、委員長着席〕
#60
○藤原道子君 いつも厚生大臣が答えることは同じなのです。この間も林委員が予算委員会で質問したとき、大臣は、やはり看護婦の不足の原因は、どうも待遇の問題に相当大きなウエートがあるんじゃなかろうかと思っております。だから、それを是正するようにしますと答弁していらっしゃる、非常に抽象的なのです。三十八年度の厚生白書によりますと、病院では七十五万床に対して看護婦は十六万人、これは外来を含まなくても約一万人不足しております。診療所では有床診療所が二万五千施設で十八万床、それから無床診療所が三万六千施設、歯科診療所が二万七千五百の施設がありますが、看護婦を計算してまいりますと三万五千人くらい不足だということになります。有床診療所の入院患者だけで一万人は不足している。診療所全部に一人の看護婦を置くとしたら九万人不足してくる。これが現実なんです。ところが、足りない足りないで、何としてでも足りませんということで、どうにも処置ができない段階にきている。特に国が所管をしております国立病院、診療所の欠員状況といたしましても、大阪の福泉なんかでは三分の一看護婦が欠員している。この欠員がどういう結果を来たしているかということを私は考えてほしい。各地にいろいろと不足がある、不測の事態が起こっている。この間でも私の知人の赤ちゃんが未熟児で入院して保育箱に入れておいても、看護婦がいないものでございますから、結局寝巻の糸が指にからんで、かわいそうに女の子が右の人さし指が壊疽を起こして落としてしまった。これ知らないでしょう。あなたのお孫さんだったらどう思いますか。こういう事態は、結局看護婦の不足である、これは過労におちいっておる。赤ちゃんだって痛いのでひいひい泣いたでしょう。泣いていても手が回らないのでうっちゃっておく、病院ではこういうことはちょいちょい起こります。慰謝料の若干をといったら、裁判でもしてもらいましょう、こういうことはしょっちゅう起きるのだ、こういう答弁をしておる。これで国民が安心して入院ができますか。この間も無資格の看護婦さんを使っているところで、看護婦さんが、これは東京の台東病院ですよ、無資格の看護婦が気分が悪いという人に静脈注射をして、その患者は家に帰って死んでいる、こういう事態が各地に起きているのです。腐った血を輸血して患者が死んだ、赤ちゃんが保育箱の中で焼け死んだ、あるいは喀血してのどにつかえて窒息した。入院していて医者も看護婦もいないところで死んでいく人がある。こういう事態が起こっているということで、これはいつも看護婦の責任にされるけれども、看護婦の責任ではないですよ。私はこういう点をいろいろ考えて、あなたはいま待遇ということが問題だ、そんなら待遇改善にどれだけ手を打ったか。予算が足りませんでは済まされない、人の命を扱うのです。それで、いま局長は、毎年看護婦がふえております、新卒がふえておりますというが、ふえるより以上にやめていっているじゃありませんか。やめていっている数はおっしゃらない。いま国立病院あたりでも、東一で婦長さんがみずから九州方面にスカウトに出かけておる。看護婦が足りない、東京第一国立病院においてすら看護婦が足りない、そうして婦長みずからが看護婦さがしに行かなければならない。こういう事態が起こるのは、婦人の職域がふえたから看護婦が足らないんじゃございません。この前も申し上げましたように、夜勤が平均して月の半分です。月半分夜勤をする。若い女性が、モグラじゃあるまいし、一月のうち半分夜勤をしなければならない。しかも、その夜勤の場合、一人夜勤が多いから休息時間が与えられていない、あるいは過労になるから病気で休むと、その病欠を年次休暇で埋めていこうというような、こういうやり方もしておる。夜勤は多い、休憩は規則どおりもらえない、しかも、夜勤に休憩時間もない、休息の施設もない。それで夜勤の休息時間を超勤に繰り入れてごまかしているところもある。みんな労働基準法違反であり、人事院規則の違反を平気で犯している。こういうところで看護婦のなり手があるはずがない。今度看護婦は九・何%かのアップをした、一番看護婦がアップされました、アップされて幾らです。私は、ここに人事院が昭和三十七年に出した人事院勧告の資料、その中で民間との賃金の対比が出されておる。四十五・八歳の総婦長さん、これが三万六千二百七円、三十七年でございます。これが同じ学歴で民間におきましては七万五千三百十三円の給与を得ている。看護婦の場合、三十二・八歳で一万九千百五十四円、それが同じ学力の民間産業では三万一千五百二十四円、これだけの格差がある。高校を出て三年教育を受けて国家試験を受けて、それでこういう給与なんです。それで労働条件はいま申し上げましたような状態、それで厚生省はむなしく時を過ごしていらっしゃるときに、大切な生命がそれによって脅かされている。一体これに対して厚生大臣はどういうように処置をされるか、いたしかたないというのでこのままいこうとされるおつもりであるか、その点をお伺いしたい。
#61
○国務大臣(神田博君) いま藤原委員から、看護婦の待遇、あるいは、また、看護婦不足に伴ういろいろな問題を提起していることにつきまして、一々お述べになりましたのは、そういう事実は私も全部じゃございませんが、身につまされている点もございまして、よく了解できる次第でございます。そこで、待遇の問題を早急に変えることが近道じゃないかということ以上に、人権を尊重することは当然のことと、こう私も考えております。先般の公務員給与改定につきましても、就任早々でございましたが、私は特に佐藤人事院総裁にこのことを申し上げまして、善処をお願いした次第でございまます。佐藤総裁もその趣旨をくまれまして、なかなか一ぺんにはできないが、自分としては努力したつもりだ、逐次直していきたい、こういうような御返事でございました。これはまあお役所仕事を言いわけするわけではございませんが、なかなか長年にわたって押せ押せでこういう事態になってまいりましたものを、一ぺんに解決することは一番いいことでございますが、なかなかこれは厚生省の力だけではむずかしいのでございまして、われわれ最善の努力を払っている次第でございます。今後におきましても、なお一そうひとつ努力いたしまして、できるだけ早くそういった処遇の問題が解決できるように、よた、同時に、増員の問題、これも十分考慮したい、こう考えております。
#62
○説明員(尾崎嘉篤君) いまの藤原先生のお話の中で、卒業生がふえておるけれども、やめていく人間があるんじゃないかというお話はそのとおりでございまして、私もその数が、やめていかれる方、なくなられる方が大体現に働いていられる方のうちに七、八千あるんじゃないか、これを差し引き、純増として働いていられる方が一万ずつふえておるということで申し上げたわけでありまして、卒業生が一万七、八千出ておりますが、そのうちで進学せられる方もございますけれども、働いていられる方が差し引き一万ぐらいふえている。だから、その出入りの差がふえるわけでこういうような数になるということで申し上げているわけでございます。で、国立関係でも、このごろ民間のほうの待遇がいいところなどへ、これは労働条件も含めておりますが、かわって行かれる看護婦さんが多い。いまお話がございましたが、東一につきまして、昨年におきましては二十九名やめられまして、三十七名採用になっておる、これは昨年はだから増加になっておるわけでございます。ことしは十一月までに三十名採用で、三十五名やめられておりまして、言われるとおり、差し引き五名のいま減が出ておりますが、このうちの二十名は育児のためにやめられたのでありまして、他の職場に移られた方が十名、進学の方が二名、休職二名、こういうような状態でございます。それで、東一の内部にもいろいろ特殊な条件もあるんじゃないかというので、私もつい先日、東一へ朝、状態を見に行ったりしておる状態でございまして、できるだけこれは手を打っていきたいと思います。
 それから、いまの待遇の問題でございますが、待遇と労働条件、これはうらはらのものでございまして、できるだけ待遇をよくし、労働条件をよくして看護婦さんになっていく希望者を多くし、また、やめられないように、さらにいま職についていられないような方も職についてもらうように、こういう意味で一番基本になるのが待遇ではなかろうか、それと同時に、労働条件もよくしていくということじゃなかろうか、こういうふうに考えて、われわれとしては、公務員の関係の待遇をよくする、また、民間でも待遇がよくできるように医療費の問題等についても中でいろいろ検討もしてもらっているわけでございます。いまほかの職種との比較のお話がございましたが、なかなか民間の年次が上がっていくに従いまして、看護婦さんの給与が上がるのが民間はうまくいってないのは事実でございますが、初任給につきましては、民間の状態は、三十九年の四月の人事院のお調べでは、看護婦さんが初任給は二万六千二百九十九円、それに対しまして短大出の事務職員とか技術者、これは民間でございますが、二万四千八百八十七円、また、栄養士さんが二万四千百五円というふうにいたしまして、初任給では看護婦さんがかなりよくなっておる状態でございますが、しかし、先ほど申しましたように、それがあと十分伸びていっていない、これは私たちも存じておりますところで、できるだけあとを上げるようにも努力をしていかねばならない、こういうふうに思います。なお、しかし、労働条件、いまお話がございました夜勤等がありますので、少しぐらい看護婦さんがいま民間で初任給がよくても、それでわれわれはいいものだと考えているわけではないことをつけ加えさせていただきます。
#63
○藤原道子君 いま私が申し上げました、この大量の欠員を埋めるのはどうするんですかということです。それで、民間に二十万以上の看護婦さんが眠っているんです。これは待遇の問題とか夜勤の問題その他が大きく影響していると思います。ところが、これをパート・タイマーで雇えば、ますます常勤の看護婦さんの夜勤がふえてくる。そうすると、いま平均して半月も夜勤をさしておりますのが、結果におきましてはさらにこれがオーバーしてくる。そこで、私どもたびたび申し上げておるし、外国でもそうした例がございますけれども、だんだん看護婦さんの既婚者がふえておるわけでございます。そういう場合に、休憩室もないような状態だから、こんなことをいうと、それはできませんというかわかりませんけれども、この看護婦の不足が国民の生命をも脅かしているという段階におきましては、各病院に、大病院でございましたら保育所を設ける、常時保育所を設けて、ほかの産業では保育所を設けているところがたくさんあるんですね、ほかの産業では。ということになれば、これだけ深刻な看護婦不足でございますから、そういう手も考えてみたらどうなんだろうか。国立でやめた看護婦さんが、やはり育児のためにやめていかれたり、それで聞いてみると、働きたい、働きたいけれども、子供を見てくれる人がいない、こういう人がたくさんあるんです。そういう点からいきまして、こういう福利施設も考えてみたらどうだろうか。それから、労働条件がよくなれば、民間に眠っておる有資格者もやはり私は登用できると思う。こういう点を考えたことがあるでしょうか。この点についてお伺いいたします。不足を満たしていくには、少々無理でも、何とかこれを実行しなければ、ただ困った困ったでは私は解決できない。いま大臣が私たちのところだけではどうにもしかたがないとおっしゃっておられる。それなら一体どこがやる。厚生省が医療行政を責任を持っておやりにならなければどこでやるんですか。私はいまの答弁では不満足でございます。
#64
○国務大臣(神田博君) 私どもだけでやれないという意味は、そういうふうにお聞きになったかと思いますが、なかなか一ぺんにはいかないと、こういうことを申し上げたので、私のところだけではいかないという意味ではなかったのでございます。ただ、御承知のように、予算関係は大蔵省というような関係がございますから、私どもの一存だけにいかない、こういう意味で申し上げたのでございまして、厚生省の責任のがれをした、こういうような気持ちは持っておるませんので、御了承願いたいと思います。
#65
○説明員(尾崎嘉篤君) 看護婦さんの供給が悪くなっているじゃないかというお話でございますが、まず三十年におきましては、病院におきまして五十一万ベッドに対しまして八万四千人の看護婦さん、准看護婦さんがおられまして、大体一人当たり六・一床でございます。それが三十七年末はベッドがふえまして七十五万床になっておりますが、そのときの看護婦さんの数は十四万でございます、看護婦さん、准看護婦さんの数は。これは五・四三で、大体病院に限りましては、ベッドの増加よりは看護婦さん、准看護婦さんの数の増加のほうが、何と申しますか、一割スピードアップされている、こういうような状態になっておりまして、われわれといたしましてもこの数字をさらによくしていくように努力をせねばならないと思いますが、養成だけでなく、資格を持って家庭等におられます方にどんどん働いてもらえますように、また、さらに育児等でやめられなくても済むようにというふうな立場で、できるだけ待遇と一緒に労働条件をよくすることに努力をしたい、これは先ほど申し上げたとおりでございます。
 保育所の問題がいまお話に出ましたが、保育所につきましては、従来、厚生省では地域的な地域主義と申しますか、地域地域で一つの保育所をつくるという立場を大体とっております。病院とか診療所等にも大小いろいろありますので、自力では独立の保育所を職場で持てないものがあったりいたしますので、そういうような点から、保育所をいろいろ病院等とからみ合わせて考えていただきますようにも言っておきましたが、それだけではちょっとやはりむずかしいのではないかと思って、われわれのほうでも試験的に二カ所ほど保育所を施設内につくっていまやってみるというふうなことも始めておるところでございまして、この点も十分検討してみねばならない大きなこれは問題だと私たち考えております。
#66
○藤原道子君 二カ所の保育所をつくったんですか、これからつくるのですか。
#67
○説明員(尾崎嘉篤君) 旭川と、もう一カ所ちょっと場所を覚えておりませんが、二カ所開設しているはずだと思います。
#68
○藤原道子君 私は、現実に事故が続発しているということをお考えになって、こういう場合に責任の所在がはっきりしないんですね。この間も公立病院ですけれども、指が落っこったりすることがときどきあると、それならば裁判でも何でもやってほしい、こういう態度でいいのがどうか。そういう場合にはどういうような責任をとられるのですか。生まれながらに指が欠損していたというんじゃない。五体満足で生まれたんです。しかも、病院に預けておいて起こった、その原因は看護婦不足というようなところからきている、そういう場合には一体どうなさるか。
#69
○説明員(尾崎嘉篤君) いろいろ医療事故が出ております場合に、その事故の責任の所在でございますが、これはその場合場合の状況によりましていろいろ差が起こっておると思います。で、はなはだ恥しい事例を申し上げますが、たとえば赤ちゃんが保育器の事故でなくなった相模原の事件などは、その病棟の隣の部屋に看護婦さんが二人おられたのでありますが、そういうようなところでも、それは機械の関係の故障が起きたのだろうと思いますが、そういう看護婦さんが横におられながらでも起こった場合もございますし、いろいろ場合場合があり得ると思います。それで、いまの指に着物の端の糸が巻きついて、それを看護婦さんが気がつかなかった事例を先生からお話がございましたが、この事例などは、よく具体的に事例を私ども調査してみておりませんので、どこの責任かということはちょっと私もここですぐ申し上げかねますが、病院の名前をお教え願いますれば調査をして、あるいは私どもの考え方が申し上げられるのではないかと思いますが、この判定というものは行政庁が下すべきものかどうか、それも問題がございますので、非常にデリケートな問題で、おそらくそういう立場から裁判でもというふうなことを病院が言ったのではないかと思いますが、詳しくはあとで病院等のお名前を教えていただきまして、私たちも勉強してみたいと思います。
#70
○藤原道子君 今度は具体的にもう一つお伺いしたい。夜勤の回数が月に半分以上ある。これは婦人の深夜は禁止されているけれども、看護婦と交換手には、これは職務上許されておる。けれども、何回やらしてもいいというわけじゃない、無制限に夜勤さしていいというわけじゃない、母体保護の立場から。ところが、現実に多いところは二十日間夜勤をさしている。こういうことについて何らかの手をお打ちにならなきゃいけないと思いますけれども、これの解消の方法をどうお考えになるか。それから、深夜勤務をさせながら、休憩室もなければ休憩時間も与えない。これは規則違反である、法律違反であることは明らかなんです。こういうことに対してどういう指導がなされておるか、また、そういう事実を御承知であるかどうか、この点も伺わなきゃならないと思います。
 それから、年次休暇が非常に少ない上に、病気で休んだ者を年休に振りかえていることがある、こういうことが許されているのかどうか。労働条件のひどいことは申し上げれば切りもないほど山積しているのですけれども、この結果がどこへしわ寄せされるかというと、看護婦が過労で病気で倒れる、と同時に、非常に看護の低下になる。入院している人たちの看護婦に対する不満が続出しております。冷淡であるとか、ものを頼もうと思ってもだめだ、だから、しかたがないから家族を看護に呼ばなきゃならない。ところが、完全看護とか基準看護ということになっているはずです。こういうふうな条件に放置しているのですが、これは具体的にいつになったら解決ができるのですか。また、解決の手段としてはどういうことを考えておいでになるか、ひとつ明確に伺いたいと思います。
#71
○説明員(尾崎嘉篤君) まず、夜勤の問題でございますが、夜勤が場合によると月の半分、十五日をこすというふうな御指摘でございますが、私のほうで国立等につきまして調べてみましたのでは、大体平均八回か九回ぐらいであったと思いますが、なるべく病院の本質といたしまして、患者さんに対して絶えず二十四時間看護しなきゃいけないのでありますので、そういう意味で、婦人労働者の特例といたしまして夜勤が認められておるのでございましょうが、この夜勤の数をできるだけ平均化し、また、少なくしていくように努力をしたい、それには、やはりまず看護力をふやさなければいかん、こういうようなことになってくると思いますので、一番最後にお話がございました需給関係をどういうふうに改善をしていくかという方策の問題になってくると思います。それから、休憩時間とか休憩場所の問題、特に一人夜勤をしております場合には、中央の夜勤を、婦長さんのところに少し人を置くようにして、その方が順次各病棟の看護婦さんのところに行って応援をして、そうして休憩をとるようにというふうなことを考えるとか、その他いろいろ検討してもらうように言っておるのでございますが、何ぶんいまお話がございましたように、看護婦さんの数自体が十分でないというふうなところで、このことは必ずしもうまくいってないということは御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましても、この改善には数の増加という立場でさらに郷力を続けていかねばならないと思っておるのであります。では、数の増加をどうするかという問題になりますと、これは先ほど申し上げました養成力をふやしていく、それから、現在おられる方をできるだけやめないでずっと勤めてもらうように、また、さらに家庭におられる方もこの職場のほうに来てもらうようにというふうなこと、それにはやはり一番待遇と労働条件が中心ではなかろうか、そういうふうなことを考え、将来のことを考えながら養成力を拡大していく、こういうような努力をいま続けておるのであります。なかなか先ほど申しましたように、多少改善はできると考えておりますが、急速な変化ができておりませんのは、はなはだ申しわけないと思いますが、さらに一そう努力を重ねたいと思います。
#72
○藤原道子君 時間がございませんので非常に残念ですが、いつも押し問答で終わってしまうことは非常に残念でございます。結局、夜勤は少なくとも一カ月に五回以内にとどめるべきだと思うのです。夜勤の回数は、一人夜勤があるために、精神病院なんかでは身の危険が脅かされるというふうな事件もしばしば起きておりますので、四十床以上の病床に看護婦一人夜勤では非常に危険だと思うし、患者の看護も十分に行ない得ない、こういう点から、少なくとも二名以上で夜勤をするように措置されたい。いまいわれました婦長が交替して休憩させる、こういうことは不可能でございます。婦長の責任から考えても、実際の現場へ行ってみましても、そういうことはできるものでございません。と同時に、それが行なわれているかどうかということもお調べになったことがあるかどうか、私はこれは一時の言いのがれじゃないか。それから、病気で休んだものを年次休暇に切りかえる、こういう方法などは規則違反ですから、そういうことのないように厳重に指導していただかなければなりません。人事院の指摘している中でも、その看護婦の労働条件の悪いということがしばしば指摘されておるのに解決ができないということになると、やはり厚生看が弱いのじゃないか。幸い、佐藤さんは社会開発ということを言っていらっしゃるのですが、このときだから看護婦の養成にもっと国が金を出し、待遇の改善をする、看護婦が否んで仕事に従事できるような方向で早急にやってほしいと、強く要望いたします。
 それから、無資格者の看護力への導入がこのごろ目立ってまいりました。医師会あたり、副看護婦制度ということを堂々とやっておいでになる。この医療法の施行規則の中でも、四床に一看護婦、この標準には根拠がなかった。当時厚生省内ですら二・五に対して一人が必要だ、いま病床数を看護婦の数で割ると四対一になる、暫定的にいたしかたないのだということを告白されたわけでございます。したがって、四対一でさえ無理なのに、いまでは保険局長の通達というのですか、それで五・三・二とか四・四・二とか、こういうものが導入されている、それでも足りない。しかも、無資格者を導入することによっていろいろな事故も起こっておるのです。こういうごまかしでなくて、日本の医療制度はいかにあるべきかということを、ひとつ根本的に御検討をいただきたいと思うのです。あなただって、心の中では四床に対して一人が妥当だなんて思っちゃいないと思うのです。ところが、それすら満たされていない、こういうことは大臣にもお願いしますけれども、この際、真剣にお考えになってもらわなきゃいけないんじゃないか。もうこの年末に病院ストなんかがぼちぼち起こりかけているのです。私はああいう悲惨な姿を起こさしたくない。したがって、そういうことの起こらない前に私は処置をしてほしい。態度を明確に打ち出してもらいたい。それから、いまこの看護婦の不足を是正してまいりますのは教育制度の問題以前の問題、もし制度の問題といたしますならば、いま早急にやってほしいことは、准看の進学が非常にむずかしいので、いつまでたっても同じ資格じゃばかばかしい、せっかく優秀な看護力を持っている人がやめていくのです。だから准看の進学、准看の正看への切りかえ、これをもっと真剣に考えてほしいのです。私は、同じ仕事をさせられながら、医療法を無視して、准看も正看もいまはございません。ほとんど同じような仕事をさせられている、それで待遇は非常に違う、絶えず准看という目で見られる、これじゃおもしろくないのはあたりまえだ。しばしは申し上げておりますけれども、夜間高校へ行けといっても、高校のないところがたくさんあるのです、病院の近くでは通えないのです。だから通信教育等もあわせ行なったらどうですかというようなこともたびたび申し上げておりますし、それから、実務年限によりまして、それで現任訓練を経て、それで資格を与える、こういうふうなことで看護力の低下を来たさないようにしながら、しかも、経済的にもそのほうならやれるという方向をとったあたたかい指導、あたたかい制度というものが私は望ましい、こう思いますが、これに対しての最後の御答弁をお伺いしたい。同時に、労働省の皆さんに――どにたが来ているのか、お伺いしたいのですけれども、国立病院のほうはまだいいほうなんです。民間はもっとひどい。それで、しかも年若い女性が、お聞きのとおりに夜勤を平均半分です。いま局長さんのほうでは九回くらいだとおっしゃったけれども、国立第一でも十三回やらしている、こういう状態なんですけれども、しかも、夜勤の場合、深夜でも休憩時間もない、休憩室もない。こういう状態で、はたして母体を守っていけるのだろうか、婦人労働がこれでいいんだろうか、こういうことについて婦人少年局長は御調査になった、あるいはこれを指導されたことがあるのでございましょうか。いまお聞きのとおりの看護婦の実態でございますが、局長の御見解を伺いたい。基準局長も来ているのでしょう。
#73
○国務大臣(神田博君) ただいま藤原委員から、詳細にわたって現下の看護婦不足の対策等々につきまして御意見がございました。たいへん私も教えられるところが多かったのです。本問題は、実行を急げというようなことでございました。もちろんこれはすぐできるものもあり、なかなか予算の伴うものもございますので、逐次そういうようなことになるというものもあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、看護婦不足ということは人道上の問題、また、病院対診療所の経営問題からいたしまして、これはたいへん大きな問題でございます。私どもひとつ大いに十分気をつけて善処いたしたいと、こう考えております。
#74
○政府委員(村上茂利君) 看護婦の労働条件、特に労働時間の問題でございますが、毎回藤原先生から御指摘をいただいておるわけでございますが、特に昨年度なども本委員会で御指摘をいただきまして、監督実施回数を、三十七年度に比較いたしまして、かなり増加いたしまして、監督の頻度を高めたわけでございます。その結果、かなり違反はございますけれども、違反率そのものはやや低下しておりますが、しかし、その中で、労働時間につきましては、まだ全体の三分の一ぐらいが労働時間違反、こういう問題に相なっておりまして、この問題の深刻さを私どもは監督を通じまして承知いたしておるわけです。本本的には、先ほど来御指摘のように、看護婦の絶対数そのものの不足という問題もございます。ただ、この時間の割り振り、その他労務管理自体につきまして、もっと通常の工業的事業のように、もっと研究する余地がないであろうか。病院のみならず、ほかの社会施設等におきましても従来の慣行をそのまま踏襲いたしまして、一般の工場、事業場が払っておりますような労務管理そのものの合理化、近代化と申しますか、そういった点についての配慮を加えることが基本的に大事ではなかろうかというふうに痛感しておるような次第でございます。
 そういう立場から、私といたしましては、厚生省の関係局とさらに密接な連携を保ちまして、そういった施設の労務管理そのもののあり方につきまして、近代化の方向を推し進めるということが必要ではなかろうかということから、実は最近におきましても厚生省の関係局にお願いいたしまして、そういった問題の検討を進めておるような次第でございます。
#75
○政府委員(谷野せつ君) 看護婦につきましては、高い専門的な知識とか技能を持った専門的な職業でございますわりに、労働条件が上がらない職業の一つだと私どもでは考えてまいりました。これはやはり伝統的な考え方とか、あるいは職場の体制が整わないための問題があると存じまして、かねてから婦人少年局におきましては看護婦の労働の実態調査を実施いたしまして、また、婦人少年問題審議会で、看護婦の職業を高めるための方策として、幾つかの条件をあちこちにお願いをいたしたことはございましたけれども、しかし、最近、一昨年の国会におきましても先生からの御発言もございますし、また、看護婦の状態の改善に対しまして私どもも何らかお手伝いができるのではないかと存じまして、ちょうどことしの七月から十月の間におきまして、婦人少年室の職員の訪問調査によりまして、全国で約四百の事業場の調査を実施いたしました。で、いまその結果につきましては、まだいろいろな角度から検討をいたしているのでございますが、使用者の意見並びに看護婦さんの意見、それから現実の労働の実態も明らかになると存じますので、その結果検討いたしまして、厚生省、あるいはその他広い立場をもちまして関係機関の方々に連絡をいたしまして、看護婦さんの状態を改善するためにもう一歩努力をさせていただきたいと思っております。
#76
○藤原道子君 私は時間がなくなっちゃったので、非常に残念でございますが、看護婦のみならず、厚生省関係が非常に弱いのです。いま保育所の問題、社会施設に働いていらっしゃる職員の皆さん、これらのことについてもきょうは御質問したかったのです。非常に人が不足です、やはり。特に保母さんの不足は日立っております。このごろ悲しいことに、高校卒業のときに進学の相談をすると、先生方が、看護婦だの保母になることをむしろとめられる、こういう傾向が出ております。私は、これからだんだん拡大されていかなきゃならないこれら施設に進もうとする意欲を持っておる子供にも、先生とすれば教え子はかわいいのです。方々の職場の実態を調べると、将来性がない、非常に暗い、そんな過重なところにやりたくない、こういう意見が出てくるのはあたりまえだと思う。私はこれらにつきまして重大な問題だと心配いたしておる。保母が非常に不足でございます。それから心身障害児の施設や、あるいはまた特別養護老人ホームですか、そこに働く人たちの労働はほんとうに見ていられない。二十四時間勤務だといっても過言ではございません。しかも、それに対する待遇が悪過ぎる。これでは幾ら社会保障とか社会施設の拡充、福祉国家といわれても、現実そのものがこういう状態では、ほんとうに思い半ばに過ぎるものがある。私はこれに対しまして特にお願いしたいと思いますのは、まず待遇を変えてほしい。予算予算とおっしゃるけれども、国民はその方面へ使う税金ならば私は文句を言う人はないと思う。使い道に問題がある。そういう点から、早急に待遇改善、人員の充実、それから養成機関等においても、ひとつもっと補助金を出す、看護婦さんのいまの奨学金制度だって微々たるものです。これで事足れりなんとは思ってもいない。だけれども、そういう甘い考えでは百年河清を待つがごときものである。私は、そういう点から、ぜひともこの保母さん、社会施設の従事者、看護婦さん、これらが足りないということは、すぐそのはね返りは国民生活に返ってくるのです。そういう点からいたしまして、これらに対する努力を真剣にやってもらいたい。厚生省が大蔵省に対して弱いと思うのです。欠員の充足は今度は認めない、がまんしろというようなことでございますけれども、それに対してはいろいろ努力はされておる向きに伺っておりますけれども、とにかく社会施設に働く人たちがだんだん希望者が少なくなる。そして施設はだんだんふえてくる。心身障害児の問題だって、施設はできたけれども、重度の子供が入りたいけれども入ることができない。病院の施設は立ち腐れになっておる、こういう例は各所にございます。私もこうした御質問を申し上げます以上は、各所を視察いたしまして、実態に沿ってお伺いをしているわけでございますから、いいかげんな答弁でごまかすのじゃなくて、真剣な方法を私は聞きたい。いまの社会施設に働いていらっしゃる人、保母さん等については、いずれあらためてお伺いいたしますが、きょうはお忙しいところをおいでいただいたけれども、こういう状態でございますから、来年度の予算にいたしましても特段のひとつ努力をしてもらいたいということを強く要望いたしまして、きょうは私の質問は、この件に関しては終わります。
#77
○林塩君 看護婦の不足対策等につきましては、いろいろ厚生省におかれましても御努力と思いますし、また、緊急を要する問題でもございます。私もたびたびそういうことについて申し上げております。ただ、いろいろ待遇の問題でございますが、これを改善いたしていきます場合に、なぜ改善ができないだろうかということで検討してみました。それから、まあ国家公務員の問題と民間との関連ということについても御検討になっていると思います。私どももいろいろ検討してみましたが、やむを得ない状態がいろいろあるということを発見いたしました。それで、やはりこれは医療費に関連する問題じゃないかと思います。医療費の中で看護がどのくらいに評価されているかという問題でございます。具体的には看護の点数というのがわりあいに少なく出ております。それで入院料の中で、基準看護を入れまして、将来、九・五%に是正になりますから、多少変わるのだということを聞いております。新聞でも拝見しましたので、多少そういうことから余裕も出てくるかと思いますが、しかし、現在では七百七十円、一類看護を入れまして、それから完全給食を入れまして七百七十円にしかならない。その中で看護費用をまかなわなければならないという状況であるようです、病院などをずっと調べてみますと。そういたしますと、一番働いていて、そして待遇が悪くて、重労働をやっていて、そこで看護の評価がなされていないといういまの医療点数というか、医療報酬のあり方に問題があると私は考えます。この間ずっと私は予算委員会で質問をいたしますときに、資料をずいぶん準備いたしましたが、時間がございませんので、その点について伺えなかったのでございます。それで、厚生省が三十六年にお出しになりました看護の評価の中に、看護婦の月給は病院の従業員の中で一番少ない、こういうふうに出ております。医師については三万六千円、看護婦については准看、正看をあわせて一万三千円しか出ておりません。それによって各病院では一応その基準で出しているように思います。国家公務員は医療職三表によって一応きめられておりますけれども、各病院はそれによって支払っておるという事務のあり方であります。したがいまして、この医療法によりますと、病院には看護婦は患者四人に対して一名、病床一つに対して一人となされておりますが、それはちっとも医療点数の中に、医療報酬の中には含まれていない。将来医療報酬を改定なさるおつもりであるということも伺いましたが、これは医務局だけでなく、保険局の皆さん方も、皆さんでそういう問題を検討していただかないと解決できないじゃないかと、こういうように思います。医務局長さんは、いつも、国立病院におきましてはと、こういわれます。国立病院はまだいいほうです。それでは国立病院はどのくらいあるかということを調べてみますと、一〇%そこそこしかございません、精神病院を入れまして。精神病院につきましては一割ぐらいしか公立がございません。そういうところ、全部あと九〇何%というものはその医療点数の中で給料が支払われておるという状態でございますので、上がりっこないのです。その上がりっこないところのそういった民間と比べてみて、人事院ではそういわれます、まだいいのだと。だから、国家公務員はまだいいからそれより上げようがないと。今回も伺いますと、ちょっと上がった率が多うございまして、けっこうと思います。しかし、まだまだ十分ではない。急にはいかないといわれますが、この状態では急にはいかないと、看護の財源をどこに求めておるかというところに問題があるようでございます。したがいまして、この問題について、看護の評価は非常に財政的には低いわけです、ですから、病院経営上、どうしても看護関係には少ないものしか支払われないようになっておるということが、これが一番原因であろうと思います。それで一番よく働かされて、一番労働条件が悪くて、しかも、給与が悪くて、病院の中における看護自体の評価が正しくされていないということを捨てておいて私は決して問題は解決しないと思う。医療費を上げましたものがどこにいくかというと、これは国が出す、看護の費用は国が出すか、あるいは患者が支払うか、あるいは雇っておる医師が支払うか、それは別といたしまして、これはそういうところに大きな問題があると思います。そういうところは厚生大臣に伺っておきたいと思ったのでございますが、そういう点についても、将来、中央医療協議会において、そういう医療報酬が、点数がきめられるということでございますが、その中に看護を代表したり、あるいはそういうものをもって、そしてこれくらいならばいいじゃないかということをいっていく人がおりません。それでありますので、常に評価がそのままになっていて、しかも、いろいろな問題が起こってくるんじゃないかと、こういうふうに私は考えますが、これについて厚生大臣どういうふうにお考えになりますか、御見解を伺いたいと思います。急には解決しないとおっしゃいましたが、徐々に改善していくのでなければ、これは十年このかた、いつもいつも持ってきている問題でございますが、一向に解決しない。それで各所でみな努力をしている。努力はしておりますけれども、一向に解決しない。医務局長さんにはいつも私はかみついておりまして、努力はしているので、少しは認めてくれないかと、こういっておられます。御努力はわかりますが、根本はどこにあるかということを究明しないでは私は無理じゃないかというふうに思うわけでございます。それにつきまして、医療費問題の非常にむずかしいおりからでもございますので、医療報酬につきましての算定の中にぜひそういうものを入れて、財源をどこに求めるかということになっていきませんとその仕組みの中が改善されないのじゃないかというふうに思いますが、いかがでございましょう。
#78
○説明員(尾崎嘉篤君) いま林先生から、国立のことだけしか言わないじゃないかというお話がございましたが、そういう意味ではなく、国立がよくほかのほうで参考にせられるというふうな点、また、データが国立のほうがすぐ手に入りますので申し上げたと、こういうわけでございます。これに準じまして、府県だとか大きな市町村というようなところがやはり看護婦さんの俸給等を参考にしながらきめておりますし、また、日赤とか済生会とかいう大きな病院も、大体これを参考にしてやっていると、そういう点からみますと、病院関係の看護婦さんの待遇につきましては、国家公務員が比較的大きな影響力を持っているということは言えるだろうと思います。それで、この国立と民間との関係でございますが、人事院の御調査では、たしか八十七対百ぐらいで、もう少し民間はよくなっていると思いますが、国のほうがいいというふうなデータが出ておりますか、漸次民間のほうも上がってきている。特に初任給につきましてはあまり格差がないから民間のほうがよくなったりしておりますが、それからあと、藤原先生が御指摘になりましたように、年齢の進むにつれて国家公務員のほうが進んでおりますが、それの伸びが、民間のほうが少ないという面があるように思います。われわれとしまして、民間の病院にこれをどういうふうにしろというふうに指示するわけにはまいりませんが、できるだけ日赤とか済生会等には勧奨するというふうなことで待遇をよくするように努力をしておるものでございます。なお、人事院の調査によりまして、民間とのバランスの問題がありますが、しかし、看護婦さんの待遇はよくせねばいかん、民間が国家公務員より低いからといってほおって置いちゃいかんのだということを力説しておりまして、それで今度は一番アップ率が多くなっているというふうな成果、必ずしも十分じゃないといいながらも、こういうふうなとこまでこぎつけたというわけでございます。なお、その給与の源が医療費にあるので、医療費の中でもう少しはっきりさしたらいいじゃないかというお話のようでございますが、これは保険局長が主管でございますが、そちらから答弁すべきものと思いますが、私、あるいは間違いが少しあるかもしれませんが、私の了解しておりますところで申し上げますと、各職種の全部おのおのの中で分析して、その職種の人件費としておのおの医療費を算出するということでなしに、全体の人件費として考えていくというふうに仕組みはなっていると思います。そして、ただ看護婦さん関係では、基準看護というような特殊な面で加算がつけられておる。この全体の医療費を考えます場合、また、基準加算というような問題につきまして、できるだけいまの看護婦さんの待遇をよくするように、また、労働時間等の短縮も考えあわせるようにというふうな検討を加えてもらっておる、こういうふうな状態でございます。それは予算委員会で保険局長から御答弁したと思いますが、われわれのほうもそういうふうな点はいろいろ一緒になって検討している、こういうところでございます。
#79
○委員長(藤田藤太郎君) 本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(藤田藤太郎君) それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#81
○委員長(藤田藤太郎君) 次に、輸血問題に関する件について調査を進めます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#82
○藤原道子君 時間もございませんので、ひとつ簡単にお伺いします。
 輸血対策のその後の状況についてお伺いしたいと思いますが、だいぶこのごろは献血がふえてきたというふうなことを伺って弄んでおりましたところが、最近また読売新聞で静岡県とか神奈川の状態が取り上げられておる。私はびっくりいたしまして、神田さん、あなたの地元でございます静岡県の状態を調査いたしました。私は、一体厚生省はやる気があるのだろうかというような疑問を持たざるを得ないことになりましたので、この点からまずお伺いをしたいと思います。
 結局、この輸血問題は、非常に売血制度に依存してきた。その結果、非常に血清肝炎がふえてきた。売血制度に依存している国はあまりない、何とかしなければならないというところから問題になったと思う。厚生省が、今後は献血に切りかえていくというようなことで、閣議でも血液事業の正常化を期していくというようなことで八月二十一日の御決定があったと聞いております。ところが、最近業者が巻き返してきたというのでございましょうか、預血というようなことで非常に巻き返してきている。それで、献血に対してどの程度の意欲を持ってあなた方はやろうとしておいでになるか。せっかく盛り上がったこの時期をはずさずにもつともっとPRをし、施設を拡充して、きれいな血に切りかえていくという努力をさらに推進していかれるべきだと思いますが、私が調査したところによりますと、静岡県あたりで、今月の三日ですか、県当局があっせんいたしまして、ミドリ十字という業者と日赤との会合を開いている。それは血液需給対策会議というようなことで会合を持たれている。ところが、開いてみますと、業者のほうから、自分の都合のいいところだけの病院の名をあげて、これはわれわれに預血でまかしてもらいたい。日赤は県の西部と東部、これを中心にやってほしい、こういうことを申し出て、そのリストも見せてほしいというようなことを堂々と要求している。私はこれは重大な問題だと思う。神奈川県でもやはり県当局があっせんをいたしまして、それで業者と日赤との懇談会を持っている。ところが、私は、本委員会の審議のときに、預血ということに対してそういうやり方ではならない、こう思いました。ところが、預血といっても、やはりどうも私納得いかないのは、いま業者がやっておるのは、業者が患者に見舞いとして五百円出し、患者はその五百円を供血者に返してくるというような形をとっているらしい。ということになると、実質的に売血と変わらない。それで、業者がいままでの実績がございますので、こういう預血というと、国民に与える応じは、血を与えておけばいつでも返してもらえる、こういうふうに業者はPRしている。日赤の献血は、血をささげたらあれは返ってこないのですよ。預血は返ってくる、こういうことで宣伝をしている、大宣伝なんです。ところが、日赤のほうはまだ陣容も整わないし、そういうPRのほうに欠けている点がある、こういうことで非常に混乱を起こしておるというのが現実の状態なんです。私は新聞を見て、すぐ真実はどうだろうかと思いまして、重大問題だと思って静岡県を調査いたしました。そうしたら現実にそういう会合が行なわれて、県があっせんしている。この問題はどう考えておいでになるか。何らかの厚生省として地方へ指令を流しているのじゃなかろうかという疑いを持たざるを得ない。また北海道から、いままで北海道は非常に血清肝炎も少ないし、献血が非常に進んでいる地域だが、ただ旭川のごときはほとんど血清肝炎の発生率は少ない。ところが日赤とすれば、従来やはり献血と預血これは合わせ行なっていたわけです。ところが献血一本でやれという指令だものだから、これに業者が便乗いたしまして、そしていろいろな策動が行なわれておる。そうすると、日赤とすれば献血一本ではやれない。それでいまのところ献血ということになっているけれども、病気のときにはやはり優先的に血を回すという方針で、日赤では北海道をやっていらしゃって非常な成果を上げているのです。ところが中央が乗り出してから、かえってやりにくくなった。こういうことが言われておりますが、一体、厚生省はどういう方針をもって今後の輸血を進めておいでになるか、この基本線をお伺いしたい。
#83
○国務大臣(神田博君) この売血の弊害につきましては、いまお述べになったとおりでございまして、私どもこのまま放置できないということでございまして、先般、御承知のように、三十九年度の予備費予算を大蔵省とかけ合いまして、そして予備費で踏み切ろう、本来ならこれは四十年度の予算でやるべきことでございましたが、世論の声、またその他の実情、血清肝炎の罹病率等を見ますと、このまま放置できないというような非常な強い決心を持ちまして、そして献血制度に踏み切ったわけでございます。とうとい予備費から新規の仕事をやるということになったわけでございまして、これは私は非常な、就任早々画期的なことだと考えております。そこで、その際だれをしてやらせるかということでございましたが、御承知のように日赤をしてひとつやっていこう、いろいろ準備もございまして本格的にこの仕事が全国的に活動いたしますのは明年の一月からという予定に相なっております。まだその途中でございますから、私いまお述べになったようなことは事実と思いますが、実はその後ずっと毎月報告も聞いておりまして、困難の中にも順調にいっているというようなふうに実は承知いたしておりまして、いま藤原さんの御注意を受けて驚いたのでございます。現に私も先般、山谷の友の会の健康診断週間がございまして、そちらにもまいりまして、売血の本場だといわれた山谷においてすら売血が七割五分くらい減っておる。二割五分くらいになっている。これはもちろん山谷の人口が非常に減っている関係もございまして、その統計が前と比較するわけにまいりませんので、量でまいりませんか、とにかく七割五分くらい減っておる。二割五分くらいになっている。献血制度を開いて非常によかったというようなことも山谷で実は聞いたばかりでございまして、非常に喜んでおった次第でございます。ただいまお聞きいたしますと、私の地元の静岡ですらそういうような状況だということになりますと、これはたいへんなことでございまして、私どもひとつ全国的になお糖蜜な調査をして、十分材料をひとつとりまして次の手を打たなくちゃならぬ。また御心配いただいている皆様方にも十分御報告しなくちゃならぬ、こういう考えでございます。いずれにいたしましても、これは重大なことでございますので、私ども実はここへまいりまして、そういう事情を聞いたようなわけでございます。担当局長がまいっておりますかり、詳細なことは政府委員からひとつ述べさせたいと思いますが、献血問題につきましては、厚生省といたしましては非常な熱意を持って立ち上がっておる。特に大蔵省との折衝の際にも、中途はんぱに終わってはいかぬということでございまして、これはもとよりそうでございますが、ことしを足がかりにして、来年、再来年とぐんぐん伸ばしていきたいという意欲を持っている際でございまして、大きな問題でございますので、十分ひとつ調査いたしまして、その原因を突きとめて、そうして献血制度をひとつ十分実施できるような方途を講じたいと思います。詳細は政府委員から答弁させます。
#84
○説明員(熊崎正夫君) 藤原委員の御質問の中の静岡で起こりましたミドリ十字と、それから日本赤十字社との協力分野といいますか、預血、いわばこれは預血と献血とをどのように区分してやるかという問題になるわけでございますが、この点につきまして御説明いたしたいと思います。
 実は、ただいま大臣が申し上げられましたように、予備費で予算化いたしました移動採血車は製作に若干日数がかかりまして、本月の二十三日以降各県に手渡されることになっておりまして、これが本格的に活動を始めますのは、来年の初めからということになりますから、したがいまして、いわば閣議決定によりまして日本赤十字社を中心として献血運動を強力にやろうということでございます。で、この血液銀行の店開きにつきましては、来年から本格的な運動に入る、こういうことになりまして、それまでの間は、献血組織の強力な進推ということで各県の献血推進委員会その他が結成されている段階でございます。
 静岡で読売新聞紙上に出ました預血、献血との関係のことにつきましては、中身としてはあのとおりというふうに私も聞いておりますけれども、その後実情をよく調査いたしましたところ、多少記事に、少し預血の関係につきましてあまり強く言い過ぎた面も若干あるやに私ども聞きまして、実情を調査いたしまして、大体預血につきましては、私どもは先生御指摘のように厚生省で預血を推進するとか何とかいうことは申し上げておりません。やはり献血一本でやるべきであるということで、こちらのほうは強力に主張いたしておりまして、北海道の場合におきましても、日本赤十字社が預血と献血両方やっているということにつきましては、なるべくすみやかに献血一本に統一するようにということを、こちらのほうから再三だわたって県の衛生部のほうに指示いたしております。しかし、従来のいきさつもあるから、一応預血のほうも過渡的に認めてくれというようなことを言っておりまして、早急に切りかえることは確かにむずかしいであろうということで、若干の時間的な余裕は認めるという形になっておるわけでございます。
 それから民間血銀がやります預血運動につきましては、私どもはこれを推進する方法はとらないということで、はっきりこれはお断わりいたしております。しかし、考えなければなりませんのは、民間血銀が全然売血の道が、断たれた、しかし、まだ若干はやっております。しかし、売血をやめて、民間血銀としてやはり血液を集めるということになるとすれば、いい血を集めるということで、個々の団体あるいは個人の方々に対して、商業血液銀行として個人的な契約でもって預血という形をとるということは、これは私どもとしては否定はできないわけでございます。したがいまして、民間血銀の生きる道として、預血という形できれいな血を民間の方々からひとつ契約でもって集めようというふうな形が現実に行なわれているのが、静岡におきまして日本赤十字社と民間血銀との打ち合わせをやった場合に行なわれた結果がああいう形になったわけでございます。しかし、たとえばミドリ十字のほうが十五の特約病院をきめて、日本赤十字社がこの病院に入らないようにしてくれということを言った事実はございません。これは県の衛生部が中心になりまして、先生御指摘のような県内の血液需給対策をどのようにするかという打ち合わせをやりましたときに、民間血銀のミドリ十字のほうから、実は私どものほうとしては十五の病院についてこういうふうなことをやっておるのだということを参考資料として出しましたのが、日本赤十字社側が、いかにもこれを特約としてわれわれの入る余地をボイコットするというふうに日本赤十字社側のほうで非常に神経質にそれを考えた、こういうふうに聞いております。それからまた血液の協力をしていただく登録簿を見せてくれというふうなことについて新聞にも取りざたされておりますけれども、この件につきましては、実はミドリ十字のほうが、まくら元輸血といいますか、新鮮血の輸血をやるさいに、日本赤十字社側のほうに病院から頼んだところ、日本赤十字社のほうは、私のほうは新鮮血のほうの輸血はやらないということで断わられたので、ミドリ十字のほうが、それではひとつ私のほうがやります、やるについては患者三名だったそうでございますが、この患者三名のO型とA型の血液を至急集めなければならない。その場合にだれかということがわからないので、日本赤十字社のほうに献血台帳があればそれを見せていただけませんかというふうにお話ししたのをあのようなふうにとられたということでございます。その他いろいろ新聞紙上には出ておりましたけれども、この件につきましては、県の衛生部としましては、いかにして県内の血液の需給調整を円滑にはかるということを、きわめて行政的な立場で円滑にやりたいということで開きました会議でございまして、その会議をいたしました結果があのような形に報道をされて、決してお互いにけんかをするとか、仲たがいをするとかいうふうな事実ではなかったというふうな報告を受けております。いずれにしましても、新聞に出ました静岡県の場合だけを取り上げるわけではございませんけれども、献血、預血の関係を今後どのように調整していくかという問題は、なかなか私はむずかしい問題だと思いますけれども、しかし、預血運動を推進をしていくという考え方は政府としてはとるべきではない。あくまでもやはり献血中心であって、政府としては強力に推進していくという考え方を貫くつもりでございますし、また来年以降、今まで米設置県でありました二十六府県が一斉に献血運動を始めるわけでありますから、こういったところにおきましては、献血と預血との関係というふうな、従来の県に見られたような形は出てこないのではないかというふうにも考えておりまして、大臣の申されましたように、献血組織の強力な推進ということで私どもは今後とも進めてまいりたいと思います。
#85
○藤原道子君 私は献血一本でやれということについて、献血、預血ということばのちょっと国民が受けるニュアンスが違ってくるのですね。もっといい名がないかしらと思うのです。赤十字もやはり預血もあわせ行なってきたのですよ、いままで。それから今度の献血の場合でも、献血した人にはいつでも返す、優先的に差し上げますということになっておるということは同じことになるのじゃないか。にもかかわらず、預血は、業者がやっておるのはやはり五百円とっておるのでしょう。業者が患者に見舞いとして出している。それがまた本人に返ってくるというようなことで、売血という名目をのがれようとしているのです。これはおかしいと思う。実はミドリ十字の方が私のところに、そういまから一カ月くらい前でしょうか、たずねていらっしゃった。世界各国回ってまいりましたけれども、外国だって売血がありますとか、預血制度でも、献血でも金のほしい人にはやはり金を渡しているのですよ、これは一つの売血じゃありませんか、ヨーロッパだってそれをやっております。それだのに、日本であまり潔癖に考え過ぎているというのはおかしい、いろいろ預血、売血制度が温存されておるということをしきりにお話しになった。私はそういう残っておるところだけ、あなた方の都合のいいところだけ伺うわけにはまいりません。外国のように節度がない国民性なんです、日本人は。こういう点から、やはり血液銀行でも当初の方針どおり国の法律を守って、頻回採血なんかもしないように健康診断をしたりしてやればこういう問題は起こらなかった。ところがやらせてみれば、もうかればいいということで、その法規を無視したやり方がきょうのこの事態を起こしたのじゃないか。したがって、日本は献血一本でいきたい、ただ血を預ければいつでも返してもらえるという預血制度はさらに検討しよう、しかし、預血に礼金が返ってくれば売血じゃないか、私はそういうことには実は賛成できない。ミドリ十字の方がいろい諸外国の例を言われましたが、これは何かおやりになるのかと思った。ところが、こういう問題があっちこっちであって、日赤そのものがやりにくいと言っている。こういう点については政府でもっと検討しなければならない。
 それから鮮血を扱わないということで、鮮血だけを業者にやらせる、これは危険だと思います。きのう、私どもは婦人参政権を与えられた十七日を記念して毎年婦人の集まりをいたしております。そこに出ましたら、ある人が、先生はえらいことだと思います。私はどこに持っていったらいいかわからない、私の近所の、窓も全部板でふさいでいる薄暗い室内であります、何をしているのかおかしいと思っておりました。ところが、私はある公の職を持っているものだから、それで要件を持って行ったら、これが売血者の巣だということであります。病院から鮮血の注文がくるでしょう、そこへ言っていけばそこから送るのだ。そういうこの部屋の中は、二段ベッドか三段ベッドが置いてあって、そこには青白い顔をした人がごろごろしている。こういうことになると、鮮血鮮血といっても、ああいう状態が許されていると、われわれは安心して鮮血をもらえない。池袋と言っておりましたが、私は、その住所を聞かせてほしい、私はさっそく調査に行きたいからと言って、きのう別れたばかりですが、私はこういうことは起こり得ると思います。銀行に大勢集めるとうるさいから、個人の宅に十人なり十五人の鮮血供血者がそこにとめられて、それで業者に申し込むとそれをやっている。こういうことが事実行なわれているのです。こういうことになると、日赤が鮮血を扱わないということになると、鮮血でなければできない手術がございますね、心臓の手術や何か。そういう場合に相かわらず業者にまかせておかなけれればならない、それで一体清潔な血が供給できるのだろうか。もっと善意な方法でこそ鮮血は集めるべきだと思います。こういった事例、また、これらに対してはどういう対案をとりますか。
#86
○説明員(熊崎正夫君) 日本赤十字社が新鮮血を扱わないということは、これは私は間違いだと思います。したがいまして、静岡の場合に、これを扱わないという日本赤十字社には、私のほうから厳重注意したいと思います。
 それからただいまのお話は、私も聞いておりますが、現在、採血及び供血あっせん業取締法という法律で血液行政をやっておりますが、先生の御指摘の分は血液のあっせん業者になるわけで、一般の市中血液銀行のやっている採血と違うわけでございます。あっせん業の取り締まりは、私どもはあの法律ができましてから厳重に取り締まりをやってまいりまして、最近はほとんどその数が激減しているわけであります。しかし、片や献血運動ということでやかましくなってまいりまして、血液が足りない、しかも応急的に足らないといった場合に今度は逆にあっせん業者がはびこることになるのではなかろうかという心配を私どもは実はいたしておったわけでございますが、それが現実に先生御指摘のような線で最近若干浮かび上がってきたのじゃないかという感じがいたしております。これはやはり日赤側の献血運動と、それから日本赤十字がやはり新鮮血を提供するということをPRしますと同時に、私どもとしましては、やはり新鮮血を輸血する場合には、極力、病院におきましては親戚、友人その他の方々をさがしていただいて、それでまくら元で新鮮血の輸血をするというふうな形で指導をしていくのが筋だと思いますし、今後そういう方向で指導をしてまいりたいと思います。
#87
○藤原道子君 現実にそういうことがあるのです。同時に、血液あっせん業者の取り締まり、あれは届け出になっているのですか、許可制ですか。
#88
○説明員(熊崎正夫君) 許可制です。
#89
○藤原道子君 それなら調べようと思えば調べられるわけですね。これは厳重に取り締まっていただかなければ非常に危険だと思います。それがしかも東京都内でそういうもぐっているというようなことは、やはり取り締まりがなおざりになっているんじゃないか、これは厳重に申し上げておきます。
 それからもう一つ、もう少しPRをすることと、血液型を、この前のときにも申し上げましたように、至急に血液型を調べる、無料で調べるようにしてほしいのです。これはもっとPRしてもらいたい。そうすると、それぞれ血液型が保健所なり日赤なりに登録されておけばグループ献血というようなことが考えられるのじゃないか。そういうことの動きは各所にあるのですけれども、血液の検査に行ってもなかなかやってもらえないとか、有料でしょう、まちまちでしょう。こういうことでせっかく民間の婦人団体等の善意がそこで行き詰まりになっている。これをもっと吸い上げるにはどうするかというようなことをもっと検討してもらって、いやしくも血液が売買されるとか、商業ペースで扱われるということは私たちは早くやめてほしい、善意な人はたくさんございます。新聞にちょっと手術の血が足りないと出ればわんさと供血してくださるのです。こういう点ももっと活用されるようにひとつやってほしい。
 最後に一つ、赤十字が一番悩んでおりますのは、献血だからただなんだと、そのために五百円のものをもうけてるじゃないか、健康保険が千六百五十円ですか、これは売血でも献血でも同じに扱われておる、あれはやはり日赤だって商売しているというようなことを宣伝されるわけです。非常に困るというのです。ですから、私はこのものずばりで、献血であった場合には五百円差し引いたらどうだ、あなたのほうではいろいろこやかましいような指令が出ていますね、実費を差し引いたものは中央に集結して云々というようなこと、そんなことをする前に、それにかかる費用はやはり国が責任を持ったらいいじゃないですか、国はほっかむりで日赤だけ犠牲をしいるというようなことはおかしいと思うのです、献血ですから。それからこれは薬務局で扱うというのは私はちょっと問題があるのじゃないか。それは今後の問題としまして、きょうは時間がございませんからこの次に譲りますけれども、あの五百円を差っ引く、献血だから、ただなんですから、ただで出した人か何もふろしき一つほしいなんという人はございません。そういう点で明確にしてあげたほうが日赤の献血運動がやりよくなるのじゃないか、売血も千六百五十円、献血も千六百五十円、これじゃ疑いを持つのがあたりまえなんです。日赤が何やらそれでうまい汁を吸っているというような宣伝をされているのです。ということになると、これはまあ献血する人にとってもちょっとひっかかる気があるし、日赤はそういうふうな宣伝でやりにくいし、そのために献血がかえって伸びないというようなことになるのじゃないかと私は思いますので、この点についてはどういうお考えを持っているか、私は伺いたいと思います。断じてはずすべきだと、私はそういう意見です。
 それから血液に対しては、中央血液研究所とか何とかというものを一本設けて、まだまだ未解決な問題がありますね、血清肝炎等についても、そういうことをひとつぱっと打ち出すような御努力はなされておるかどうか。
#90
○説明員(熊崎正夫君) ただいまの千六百五十円の中から血液代五百円をどうするかという問題でございますが、これは先生御指摘のとおり、私ども献血運動を今後推進する場合に、予備費の折衝をいたしました段階におきましても、財政当局と非常に取り扱いをどうするかということで議論をした点でございます。現在、社会保険の支払いのたてまえ上が、献血であろうと輸血であろうと一本千六百五十円で請求ができるということになっておりますので、これはもし献血の分を五百円はずすとすれば、一つの血液という牛乳びんに入りました一本の二百CCの分が値段が差が出てくる、実際に医療機関にそれが使われた場合に。同じ血液代について差が、二つの値段が出るということで、どうしても事務処理上非常な支障を来たしますので、やむを得ず五百円の使途につきましては、これは厚生省で基準を定めまして日赤側にこれをはっきり指示しますと同時に、その経理内容につきましてはこれを公開にするということで、献血者の意図に沿うような方法をとることにいたしたわけでございます。いま日赤側からも五百円につきましては何とかしてもらいたいというふうな要望もかねてからあったんでございますが、この十一月の終わりから十二月にかけまして、その使途、方法につきまして、献血者に対する処遇費ということでRhその他の経費等を全部はっきり明示をいたしまして、それでこれを天下に公表するという方法をとっておるわけでございまして、究極的に日本赤十字社のやります献血運動が全国的に、圧倒的な数量に達するといった場合には、千六百五十円から五百円をはずすということは私は可能だと思います。売血の分は特別扱いにするということは可能だと思いますが、それまでの時期の間は万やむを得ない方法ということで、私どもはこの五百円の処理についてはっきりした方針をきめておるわけでございます。誤解のないようにPRをする点の至らない点は私ども認めますけれども、まだこれを公開する段階まで実は献血運動は伸びておりませんので、その使途についてはっきりした公開の原則が打ち立てられて国民が納得していただけば、決して日赤はもうけておらないということははっきりすると思うわけでございます。
 それから、血清肝炎対策その他につきましては、御指摘のとおり、非常に不十分な点もございまして、これは世界各国を通じましての問題でございますが、われわれとしましては、血液学会と相談をいたしまして今後十分研究いたしたいと思います。来年度予算におきましても、血清肝炎の原因の究明対策あるいはビールスの究明をどうするか、あるいは肝炎の実態調査をどうするか、それから肝機能の検査をどのようにして行なうかというふうな研究費を約三千万、大蔵省のほうに要求いたしております。血液学会と今後よく相談をいたしまして、今後の究明に当たっていきたいと思っております。
#91
○藤原道子君 もうこれでやめますが、私は、いま別扱いをするのを逆にしたらいいと思う。数は少ないけれどもこれから国の方針は献血一本に持っていくのでしょう。だから、このほうを主にして、売血の場合をしかたがないから五百円プラスするというふうにしたらいいのじゃないですか。というのは、日赤はいやだといっているのですよ。非常に事務が煩瑣になる。必要経費だけは差し引いて殊りは積み立てる、こういうことが指示されている。きょうは時間がないから、資料は持っているのですけれども、そういうことでなしにもっとすぱりと、そのものずばりで五百円やめなさい。結局インドだってインドネシアだってやはり献血に対しては国が責任を持ってお医者の費用、看護婦の費用、器具その他一切国が持っておるじゃありませんか。日本が持とうとするのは半額補助だとか何だとか、採血車もまるで微々たる癖です松蔭学は非常に進歩しているという日本において、そんなみみっちいことはやめたらいいと思う。五百円をはずされることを私は強く要望いたします。
 それから、いま一つ最後にお伺いしたいと思いますが、採血車はいまどれだけを各県へ回して、それからどうするのか。それからオープン採血はいつごろから施行される予定であるか。もうやりいいようにやる手段をとらないで、ひねくり回しているだけでは解決できない。やはりオープン採血を至急に実施されて、それで献血がさらに躍進的に進むように努力されたいと思います。いつごろの時期を予定しておいでになりますか。
#92
○説明員(熊崎正夫君) この二十三日に移動採血車の第一次分が完成いたしまして、日本赤十字社の本社において引き渡し式を行なう予定でございますが、そのときに二十七台分各県に引き渡しを行ないます。それからオープン採血の分は、法人的に現在どのような省令でもってこれを取り扱うかということで検討いたしておりまして、大体、来年の初めにはオープン採血の省令ができると思いますが、ただ法律的な問題として、若干、先生方にわかっておいていただきたいと思いますのは、なぜ日本赤十字社だけに移動採血車を認めなければならないかという点を、法律事項としてこれを表現することに非常にむずかしい問題がある。つまり移動採血庫をやるということは、オープン採血、献血のためにやるわけでございますが、法律的に日本赤十字社だけに限るというふうな書き方をすることは非常にむずかしいわけでございまして、その辺の技術的な問題が残っておるために若干おくれておることだけを御了承いただきたいと思います。来年の一月にはオープン採血は大体できる予定でございます。
#93
○藤原道子君 私ね、国が責任を持ってやるということでしょう。そうすると、国が、この前は日赤のないところは公立でやらせるとかいうことでしたね、それで国が責任を持ってやる。それで国が移動採血車を出す、それを日赤なり、あるいは公立の病院に委託してやるというようなことにいくのじゃないですか。そんなら文句はないじゃないですか、国の責任でやるのですから。
#94
○説明員(熊崎正夫君) 採血をする場合の行為の問題になりまして、献血運動を推進することは確かに国の方針として打ち立てたわけでございますが、国自身がみずから採血するのではなしに、日本赤十字社なり、あるいは都道府県の公立の銀行にこれをやらせるわけでありまして、その採血をやる行為自体は、日本赤十字社の行為であり、都道府県の血液銀行の行為であるわけであります。国がやるというわけではないわけでありますので、この日本赤十字社のオープン採血をやる場合に、どのようなスタッフでもってどのような計画でやるかということを、厚生大臣が一応承認するといいますか、計画書を出させてそれを認めていくという形でチェックする方法を現在考えているわけでございます。
#95
○委員長(藤田藤太郎君) 私も一言。
 いまの千六百五十円の二百CC、これは社会保険支払いのところで同じ額だということ、それからこれはこの前から藤原さんもいろいろの問題を指摘されましたけれども、その売血の中で血清肝炎が三割もあって、厚生省は予備費まで使って踏み切られたわけですから、これは非常にけっこうなんですが、その問題は、献血といえば私はやっぱり地方自治体が主体になってその住民の協力を得なければどうにもならぬ問題じゃないかと思うのです。ですから、地方自治体がそういうPRをやって、そして献血で、日本の血によって、血清肝炎にならないように塗りつぶしていこうということになってこなければ、これは発展しない問題です。ところが具体的に献血も売血も同じ値段なんだということでは、地方自治体はみんなすくんじゃうわけですよね。だから何らかの方法を講じて、藤原委員の意見のように、とにかく何らかの方法を講じて、地方自治体が大手を振ってその住民に、売血から献血に国が踏み切って、そういう中でよい血を集め、そして人命をみんなで守っていこうじゃないかという運動をするのには、いまの状態では非常にやりにくい。ですから、そこはひとつ十分に大臣もお考えをいただいて、そしてその献血運動が、市町村、府県のどこでも大手を振って献血運動がやられるようにしていただくということがいま大事じゃないか。これはいま私はここで質問をどうこうと言いませんけれども、そういうぐあいに至急にひとつお考えをただしていただきたい。そうでないと、この問題はなかなかむずかしい問題で、これは地方自治体が旗を振ってやりましたら、献血運動は早く進歩しますよ。だから大臣やその他厚生省がお考えになっていることが早期に私は実現の運びになると思うので、その点もお考えになって、売血の問題と献血の問題との扱い方については、私たちは事務的な処理は社会保険支払い基準でやるにしても、その事務的処理さえつけば何とかなるのではないかと、私はそう思いますから、一段と研究をひとつお願いしたい、こう思います。
 本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議なければ、さよう決定いたします。――他に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト