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1964/12/16 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
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1964/12/16 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

#1
第047回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
昭和三十九年十二月十六日(水曜日)
   午後一時二十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大谷 贇雄君
    理 事
                後藤 義隆君
                鈴木  壽君
    委 員
                石原幹市郎君
                小柳 牧衞君
                郡  祐一君
                斎藤  昇君
                吉江 勝保君
                占部 秀男君
                小酒井義男君
                基  政七君
   政府委員
       警察庁刑事局長  日原 正雄君
       法務省刑事局長  津田  實君
       自治省選挙局長  長野 士郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○継続調査要求に関する件
○公職撰拳法改正に関する調査
 (立候補届出前における文書の配布に関する諸
 問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大谷贇雄君) それではただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 継続調査要求につきましておはかりいたします。
 公職選挙法改正に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(大谷贇雄君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 なおも要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大谷贇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(大谷贇雄君) 次に、公職選挙法改正に関する調査を議題といたします。
 立候補届け出前における文書の配布に関する諸問題について調査を行います。
 まず当局の説明を求めます。今日御出席は、自治省選挙局長長野士郎君、法務省刑事局長津田實君、警察庁衆事局長日原年雄君、以上でございます。
 それではひとつ選挙局長から御説明を願いたいと思います。
#6
○政府委員(長野士郎君) お尋ねのございます事前運動の関係のものは、去る十一月十八日に最高裁判所で判決がございましたものでございますが、この関係の書類は、簡単に申し上げますと、昭和三十五年の秋に行なわれました衆議院議員の総選挙に際しまして、三十五年の十一月二十日に投票が行なわれたわけでございますが、そのちょうど約一ヵ月ちょっと前でございますけれども、十月の十二日から十八日ごろの間に、立候補予定の方に対する後援会加入の勧誘の文書として頒布された事件でございまして、その頒布されました文書の内容が選挙運動用の文書に該当するかしないかという問題であります。その事件には、ほかにも多少文書違反の行為があったようでございますが、その問題とは別に最高裁まで争われましたのは、その後援会の入会の勧誘の文書でございます。特に、それは単に後援会の加入の勧誘だけでなくて、それ自身が選挙運動用の文書になっておって、したがって、そういう意味で文書違反だということに判定を受けたわけでございます。その内容自身の問題から判定を受けたようになっておるわけでございますが、頒布された時期がそういう時期で、特定の選挙というものにおいて立候補しようとしておる特定の人に対する問題だということで、全体の状況も問題になったろうと思いますけれども、判決そのものの文面からいきますと、その文書の内容そのものからの判定ということになっておるように思われます。やや詳しく内容を申し上げますと、中学校――現在高等学校でございますが、京都府下の、ある高等学校の同窓会会員にあてまして、そういう後援会加入の勧誘をする文書が頒布されたわけでございますが、そのときに同校の同窓会員で現在国会議員をされておる方の具体的な名前を二人ばかりあげられまして、それらの方々の御健闘を祈り、かつまた、そうやって活躍されておることが同窓会員としても誇りであるということがまず書いてございます。その次に、具体の候補者たるべき方の現在までの活動ぶりを称賛をされまして、そして終わりのところに「この際広く同窓会各位の御参加を願い、氏を鞭撻激励することにより、円熟した手腕とその真価をますます発揮せしめ、大なる政治家として大成させて戴きたいと存じ、あまねく同窓の諸氏にお願いする次第であります。」こういう結びの文章があるわけでございますが、それにつきまして裁判所では、「大なる政治家として大成させて戴きたい」というのは、同人を、前に引き合いに出した両代議士と同様に国会議員に選出して国政に参与せしめられたいという趣旨であることが明らかである、したがって、そういう文書の記載内容自体からして、その真意は選挙運動のために使用するものと窺知するにかたくないから、したがってそれは公職選挙法第百四十二条にいう「選挙運動のために使用する文書」に該当するものである、こういう高等裁判所の判決を最高裁におきましてもふえんをいたしまして、「なお、本人の写真、経歴を掲げ、「大なる政治家として大成をさせて戴きたい」等の記載をした本件文書について、「文書の記載内容自体よりしてその真意は選挙運動のために使用するものと窺知するに難くなく、公職選挙法第一四二条にいう選挙運動のために使用する文書に誠当するもの」とした原判決の判示は、正当として肯認し得る。」ということを言及をしておるわけでございます。したがいまして後援会加入勧誘の純粋な文書とだけは言えないことが、文書自体の内容から判断をし得るというふうに判定を受けたわけでございます。判決文はほかにもございますが、具体の問題についてはそういうことでございまして、判決文からわれわれうかがいますと、そういう文書の内容を審査して、特定の候補者の選挙運動というもののための文書であるという判定をしている一つのケースだと考えております。
#7
○委員長(大谷贇雄君) 法務省、警察庁、いまの選挙局長の御説明に加えて、何か御説明を伺うことございますか。
#8
○政府委員(津田實君) 御連絡がございましたので、この公職選挙法第百四十二条の文書図面の頒布の違反事件並びにただいま自治省から御説明のありました十一月十八日の最高裁判所の判決に類似した判決というものを一部掲げました資料をお手元へお配りしてございます。これにつきまして簡単に御説明申し上げます。
 ここに御提出申し上げております違反事例は、これまでのこの種の違反につきましての全部の事例ではございません。昭和三十七年七月一日に施行されました参議院議員の通常選挙及び昨年十一月二十一日施行されました衆議院議員の総選挙において、公職選挙法百四十二条違反として有罪の裁判があってそれが確定した事案につきまして、そのうちで法務省に報告のありましたものについてここに掲げた次第でございます。で、摘録のしかたについてはいろいろ問題がございますのですが、要するに、詳細につきましては、証拠物その他を見ないと、はっきり申し上げられませんので、報告による要点だけを内容としてそこに掲げてございますので、その点を御了承いただきたいと思います。
 次に、ただいま御説明のありました十一月十八日の最高裁大法廷の判決の類似事例に関してでございますが、まず、この最高裁の判決の注目すべき点は二つであると考えます。すなわち第一点は、判決理由の中のカッコ書きに書いてありますように、ただいま御説明ありましたとおり、「候補者本人の写真、経歴を掲げ、「大なる政治家として大成させて載きたい」等の記載をした」この文書が、「文書の記載内容自体よりしてその真意は選挙運動のために使用するものと窺知するに難くなく、公職選挙法第一四二条にいう選挙運動のために使用する文書に該当する」と判断している点でございます。もう一点は、公職選挙法百四十二条は、選挙運動期間前といえども適用があるということを判断されている。この二点に帰着するわけだと思います。
 そこで、これに類似いたします判例を一応さがしてみたわけでございますが、いろいろな点で、類似すると申し上げていいかどうかは必ずしも確言はできないのでありますけれども、ここに提出してございます昭和三十六年三月二十日の最高裁第二小法廷の決定というものにつきましては、右の第一点につきましては、決定の事案は必ずしもこのたびの大法廷の判決事案と類似したものとは言えないかもしれませんが、その決定の数日前、すなわち昭和三十六年三月十七日に最高裁第二小法廷が言い渡した刑の判決がございます。その判決では「選挙運動のために使用する文書とは、文書の外形、内容から見て選挙運動のために使用すると推知され得る文書を言う。」として、職業氏名のみを印刷した名刺は、選挙運動用の文書でないといたしておった。それ以来、どの程度の記載があれば選挙運動のために使用する文書図画に当たるかということが、すなわち犯罪の成否について重要なる問題点となってきたわけでありますが、先ほど申し上げました決定と、このたびの大法廷の判決は、ともにこの二点につきまして積極的な判断を示してあることが共通している点であると思うのであります。また、第二点につきまして、この決定の事案も、立候補届け出前の事前運動にかかるものでありまして、その点が特に争点にはなっていないわけでありまするけれども、やはり大法廷判決と同じく、公職選挙法第百四十二条は、事前にも適用があるということを当然の前提として、下級裁判所の裁判を支持しているものでありますので、このような意味におきまして、この決定は一応類似の判例であるというふうに申すことができると思うのであります。その意味におきまして、この判例をお手元に資料として差し出した次第であります。
#9
○政府委員(日原正雄君) 十一月十八日の最高裁の判決につきましては、ほかの方々から申し上げたことに加えて特に申し上げることはございません。ただ、私どものほうの資料として「文書違反の検挙状況」というのを配付いたしてございますので、これをちょっと御説明しておきたいと思います。文書図面に関する違反で、従来検挙したものの数でございます。それは、選挙運動の期間前の行為と期間中の行為を区別して統計をとってございませんし、それから頒布と掲示も区別してとっておりませんので、立候補の届け出前における文書の頒布違反として検挙したものがどれだけあるか、統計上わからない現状でございますが、過去三回の主要な選挙で、文書違反で検挙したもの全部の数が、そこに掲げてあるような数字でございます。
 過去三回の総選挙における文書違反の検挙は、件数のほうで申しますと、九百件ないし千七百件、それから人員では千二百人ないし千九百人、それから通常選挙における文書違反の検挙は、その下にあります件数で、二千件ないし三千八百件、人員が二千四百人ないし四千七百人、こういうような統計が出ているわけでございます。
 以上でございます。
#10
○委員長(大谷贇雄君) 速記を中止して。
  〔速記中止〕
#11
○委員長(大谷贇雄君) 速記を始めて。
 それでは、いまから懇談会に入ります。
  〔午後一時三十七分懇談会に移る〕
  〔午後三時七分懇談会を終わる〕
#12
○委員長(大谷贇雄君) これにて懇談会を閉じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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