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1964/12/17 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 建設委員会 第2号
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1964/12/17 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 建設委員会 第2号

#1
第047回国会 建設委員会 第2号
昭和三十九年十二月十七日(木曜日)
   午後一時二十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十日
    辞任         補欠選任
     鬼木 勝利君     辻  武寿君
 十二月十一日
    辞任         補欠選任
     辻  武寿君     鬼木 勝利君
 十二月十六日
    辞任         補欠選任
     鬼木 勝利君     辻  武寿君
 十二月十七日
    辞任         補欠選任
     辻  武寿君     鬼木 勝利君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         安田 敏雄君
    理 事
                石井  桂君
                稲浦 鹿藏君
                熊谷太三郎君
                瀬谷 英行君
    委 員
                小沢久太郎君
                小山邦太郎君
                徳永 正利君
                森田 タマ君
                米田 正文君
                田中  一君
                武内 五郎君
                鬼木 勝利君
                田上 松衞君
                村上 義一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  小山 長規君
   政府委員
       北海道開発庁総
       務監理官     小熊  清君
       建設大臣官房長  前田 光嘉君
      建設省道路局長  尾之内由紀夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
       北海道開発事務
       監理官      谷藤 正三君
       厚生省国立公園
       局長       今村  譲君
       建設省都市局都
       市総務課長    播磨 雅雄君
       建設省河川局次
       長        国宗 正義君
   参考人
       自然公園審議会
       委員       田村  剛君
       日本自然保護協
       会常務理事    本田 正次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (日光東照宮周辺の道路拡張計画に関する件)
 (建設行政の基本施策に関する件)
 (北海道開発庁職員の住宅問題等に関する件)
○緑川並びに関連支派川の改修事業促進に関する
 請願(第九号)
○東北自動車道の早期着工に関する請願(第二二
 号)
○一級国道四十五号線等の整備促進に関する請願
 (第一〇五号)
○青森県八戸市、野辺地町間(三沢、むつ両市経
 由)道路の二級国道指定に関する請願(第一〇
 六号)
○鳥取県千代川の一級河川指定等に関する請願
 (第一一九号)
○鳥取県千代川水系の一級河川指定に関する請願
 (第一二〇号)
○関東ローム地域の道路整備特別立法等に関する
 請願(第一三一号)(第二〇〇号)
○日光神橋付近の由緒景観の保全及び交通上の施
 策に関する請願(第二七四号)
○奥州中部、北上山地縦貫産業開発道路早期着工
 に関する請願(第二九一号)
○道路整備措置に関する請願(第四四八号)
○下水道施設の整備拡充に関する請願(第八〇〇
 号)
○関越自動車道の早期建設に関する請願(第八〇
 五号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(安田敏雄君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求についておはかりいたします。
 本日は、日光東照宮周辺の道路拡張計画に関する件を議題といたしますが、本件の審議に必要と考えますので、自然公園審議会委員田村剛君及び日本自然保護協会常務理事本田正次君の出席を求めることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(安田敏雄君) 御異議ないと誌めます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(安田敏雄君) それでは、日光東照宮周辺の道路拡張計画に関する件を議題といたします。
 参考人の方には御多用のところ当委員会に御出席くださいましてまことにありがとうございます。参考人の御意見は、委員の質疑に答えていただく形でお述べ願うことにいたしたいと存じます。
 それでは、本件について質疑がおありの方は順次御発言を願います。
#5
○田中一君 事務当局からお聞きになっておると思いますけれども、日光の東照宮の境内の一部分を道路敷にもってこようという問題でありますけれども、いままでの資料を拝見して、記録的には、自然保護協会なりあるいはその他の団体等は、あれを切り取って道路敷にするということについては、反対の意思表示が再三なされておったように聞いているのです。恐縮ですが、自然公園審議会じゃない、自然公園保護協会ですか、何か団体がありますね、田村さんのほうの関係の団体の意思表示を最初にお伺いしたいと思います。
#6
○委員長(安田敏雄君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(安田敏雄君) 速記を始めてください。
#8
○参考人(田村剛君) それでは、私、日本自然保護協会理事長田村でございます。私から一応お答えいたします。
 日光杉並み木の件につきましては、大体昭和二十九年ごろから問題化いたしておりまして、われわれの立場として、当然これには重大な関心を持っておったわけでございます。その成り行きを重視いたしておりました。これに関する情報では、地元関係あるいは厚生省、自然公園審議会関係方面から事情がだんだんわかってまいりました。昭和二十九年八月と記憶いたしておりますが、自然公園審議会の委員数名が現地に出張いたしまして、そのときは、私はよく土地の事情はわかっておりますので、同行はいたしませんでした。この数名の視察の結果報告がございまして、日光杉並み木は現状のまま保存すべきである、しかし、道路の関係については、これもまた重要であるので、できれば大谷川の右岸に別の案を、代案をひとつ検討してみたらどうかというのが、大体このときの総括的な意見だったと記憶しております。これについては、何しろ十年も前のことでこまかいことは私記憶しておりませんし、記録も残っていないので、その程度のことしかわかりませんが、協会といたしましては、この成り行きにかんがみまして、昭和三十七年四月に役員会の議を経まして、「日光神橋周辺の環境保護に関する陳情」という書類を出しております。もちろん私はこの趣旨には賛成でございました。その後だんだん問題は、いわゆる代案について検討が行なわれまして、ことに地元栃木県側におかれましては、道路事業の変更申請を出しておられます。これは最初から建設省あるいは県、おそらく日光市等の賛成のもとにつくられた案と思いますが、現在の道路を拡幅する、それについては、杉の伐採もやむを得ないという案でございました。たまたま翌年であります、昭和三十八年三月二十四日及び二十五日に、空前の突風に見舞われまして、問題の杉の一部分、たしか四本、その他境内多数の被害木が出ました。私はその状況を知りたいと思っておったのでありますが、これについて協会の意見をただす必要がございまするので、だいぶおくれましたが、それは厚生省の自然公園審議会が三十九年三月に、この原案をやむを得ない事情によって、これを承認するよりほかはない、これは十分代案すべてについて検討の結果出された結論でございました。
 それで、このときは、私はその意見に賛成せざるを得ない、これは周囲から迫られたのではなく、私の本来の考え方から出ました結論でございます。そのわけは、またお尋ねがあれば申し上げますが、代案すべてを詳細に検討いたしまして、いずれも、原案と申しまするか、建設省の道路計画のために、どうもやむを得ない、遺憾ながらこれはやむを得ないということを認めましたので、私はこの際賛成側に回りました。なぜ変わったかということはお尋ねがあれば申し上げますが、いずれも代案が不十分で、原案も完全なものではないが、他の代案よりもよりよいという意味において、これに賛成いたす、ところが、自然保護協会としては、その結論にあきたらない、再びこれは検討して、当局方面に陳情する必要があるというので、三十九年七月に現地視察を行ないました。このときも私は参加いたさなかったのでありますが、その視察の結果の報告は、自然保護協会の部会長会議にかけ、そうして続いて理事会にこれをかけまして、いろいろ意見の交換をいたしたのであります。その際、私は自分の案を変えませんでした。というのは、つまり原案に賛成の意見を変えなかったのでございます。しかし、多数の役員、つまり理事はこれに反対の意見でございましたので、民主主義のルールに従いまして、私はこれが提案に賛成せざるを得なかった、これは私の意思ではございません。かような経過をたどりまして今日に至った次第でございます。
 概略を申し上げます。
#9
○田中一君 そうすると、先ほどお尋ねがあれば開陳しようとお話しになりましたが、比較検討された条件等、田村先生の結論を――結論というか、結論までの経過ですか、これをひとつお話し願いたいと思うのですが……。
#10
○委員長(安田敏雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#11
○委員長(安田敏雄君) 速記を始めて。
#12
○参考人(田村剛君) 簡単に申し上げます。
 これは私個人の意見でありますが、検討の結果、次のような結論に達したわけでございます。代案は四つおもなものがありましたが、そのうち三つが、早く自然公園審議会等においても問題外ということになりまして、また、自然保護協会の役員会においても、それらには触れなくなりまして、最後に一つ残りました代案というのは、神橋を渡りまして、つまり大谷川から行けば左岸の丘陵性の山がございまして、これに迂回道路を新たにつくるという案でございます。これは初めは掘り割りをつくって道路を開通したらどうかという案が始まりでありましたが、それよりもトンネルにするほうがいいという意見に変わりまして、その結果二つの案ができまして、一つは、比較的短い距離を通って山をトンネルで通る、一つは、かなり遠く迂回して通る、前の案によりますと、神社関係の建造物にかなりな影響があり、なお、壮年の杉の立木に多数の被害を及ぼすというような関係で、この案よりも大きく迂回して道路を開さくする、この案に傾いてまいりまして、主としてこの案に対する批判でございますが、以下これを申し上げたいと思うのであります。
 私の見解では、この案によりますと、日光橋――新たに建設省の監督のもとにおつくりになりました日光橋との結びつきが悪いので、橋を改造しなければならぬ、新たに橋をV字形につくるか、あるいはラッパ状に、先広がりにこれを拡げるかということであります。これは工事費を多額に要するばかりでなく、私の見るところによれば、かような変てこな橋というものは、外観上おもしろくない、単純にしたいというところにこういう複雑な橋をかけるのはおもしろくない。それからトンネルの口の所でございますが、日光の町を通ってこれに差しかかりますと、正面にトンネルの穴があくのでございます。この開口に伴いまして、若干老木に支障を及ぼしまして切らねばならぬ。この数はそう多くはありません。実地の詳細な設計図ができないとわかりません。その点もございまするし、それから一般観光客が東照宮にお参りするのに端のほうでちらっと神橋から上流をながめただけですぐトンネルにもぐる、そうしてしばらくの間景観のいい所をトンネルの中で過ぎてしまうので、観光道路としておもしろくない。それから、この新たな案によりますと、これは一部掘さくしまして、そうして埋め戻してトンネルの形にするので、それによって関係の地域にある建物、それから、ことに将来を期待される若木をたくさん犠牲にしなければなりません。この点がこの案の欠点ではないかと思います。それからトンネルの出口は下川原方面になりますが、この方面も現在滝が落ちておりまして、岩石の美観等、自然景観のすぐれた所でございます。ここに開口するということは、相当風致上問題がある。それから、これは道路専門家の御意見を尊重しなければならないと思ったのでありますが、道路当局の御意見では、この道路はS字形になっており、交通上非常に難点が多い、これをやる自信はないというような御意見も聞いております。われわれは、風致上の問題以外に、こういう専門的な意見は立ちませんけれども、当局のおっしゃるところで、なるほどそうであろうかと思う。工事費の問題は、私はそれほど重きをおくべきではないと思いますけれども、いよいよこれを実施するについては、県なりあるいは市なり負担を仰せつかるわけでありますから、これは地元が賛成しない限りなかなか実現性も少ないんじゃないかというような点もございます。で、私はこの杉並み木の杉の老木、太郎杉以下につきましては、一つの見方でございまするが、かなり老齢でございます。杉並み木よりももっと古い年齢であろうと思うのであります。この推定はなかなか困難ですが、とにかく非常な太郎杉は老齢でございます。しかも、この風害によりまして非常にいたんでおります。その周辺の多くは倒れておりまして、鉄線でつって起こしておるという、これはわれわれのほうから見ますれば、非常に醜い姿でございまして、このままでは捨ておけない、早くこれを復興する案を考えなきゃならない。そうして太郎杉その他は、たまたま集団的に残っておりまするので、しばらくはけっこうでありますけれども、また風に見舞われますと、これは倒れる危険が多分にございます。この杉は、根元はコンクリートで固められまして、一方は傾斜地にかかっておりまして、こういう非常に不利な条件のもとに残っておるのでございまして、山の中の杉などと同じように、これが生命を持続するものでない。まあ長さのことについては、これは予測はできませんけれども、いずれにしても、そう長いものでない。その保護のために非常な他に犠牲を払うことはおもしろくないという意見でございまして、万一これが倒れますれば、前回は幸いに神橋に影響はございませんでしたが、神橋にきわめて近い所に立っておりまして、この風倒による被害というものはおそるべきものがある。神社境内における杉についても、神社当局はこの点を心配しておられたはずでございます。現にそういう問題のものがございますが、この老木についても同様の危険が考えられるので、結局大観いたしまして、観光道路は、これは将来産業道路として、別につけかえのものができましても、神社参拝には縁のないものでございます。日光訪問者の多数は、やはりこの日光橋を渡ってまいるのでございまして、この道路が完全にならない限り、こそくな案というものは、日光大公園の入り口の道路として適当でない。道路の路線の設定というものは、そう複雑なものであってはならない。しかも、このS字形の道路というものは、前に申しましたように、観光上決して望ましいものでない。のみならず、杉は一時的なものであります。どうせこれは寿命がまいります。山体をうかがって傷をつけるということは、これははたして神社の尊厳を維持する上において適当であるかどうか、こういうところに疑問を持っております。杉は命数がまいりますれば、後継樹を適当な位置に新たに造成すべきものである。これは可能でありまして、一たびこわされた山体その他の建造物は復元ができません。こういうような点からいたしまして、私は涙をのんで、この際は英断をもって原案を遂行するのが賢明である、こういう考えでございます。
 以上でございます。
#13
○田中一君 よくわかりました。それはあとでまた御質問することもございますが、とりあえず本田さんから、この原案に反対された自然保護協会の役員会の模様並びに決定された結論をひとつ御報告願いたいと思います。
#14
○参考人(本田正次君) 自然保護協会の常務理事の本田でございます。
 ただいま田村参考人から開陳されました十年前からこのかた今日に至るまでの経過は、まさにそのとおりでございまして、寸分違っておりません。ただ最近の自然保護協会の理事会その他の会合におきましては、あくまでも現状を維持する、平たく言えば、太郎杉はじめ、その周辺の若干の杉の老大木を切るということには反対であるというようなことが、大多数の理事の意向でございました。それもいま田村参考人が開陳されましたとおりでございます。
 結局私どもの考えといたしましては、要約いたしますと、三百数十年の老大本も、さらにいろいろの支障はございますけれども、できることならばこのまま環境の保全、保護という意味で、また老大木の愛護という意味において残すということ、もう一つは、もちろん道路問題も重要なことでございますので、これも何とかして現在の隘路を打開していきたい。この両方をまあ両立させていきたいという考えでございます。先ほど田村参考人のお話がございましたように、バイパスの問題を取り上げてみたのでありますが、それもお話しのとおりに幾つかの案がございましたのでありますが、やはり落ちつくところは、いままでるる述べられましたところの隧道案というものに落ちついたわけでございますが、その点によりましても、いまお話がありましたように、費用の問題等も比較勘案をいたしたわけでございますけれども、やはりこの際助かるものならば老木も助け、多少の費用はかかっても道路が完全にできればこれにこうしたことはないというような考え方で進めてきたわけであります。
 それからもう一つは、いまお話はございませんでしたけれども、もう一つの案といたしましては、全然バイパスといったような考え方でなしに、道路拡幅ということに関しまして、現在の道路の幅を、これは私個人といたしましては、全面的に賛成はいたしかねておる次第でございますけれども、川のほうに持ってきて、参道式のものを設けて、結局幅を広げるというような案も出ているわけでございますが、要するに、いずれかに落ちつくところに落ちつかせて、道を別にとる、あるいは拡幅して、現在の道路は、できることならばこのままの状況、つまり太郎杉はじめ若干の老大木はそのまま、杉に限らず、すべての現在の個所を現況のままに保存していく、これは日光発祥の地として歴史的にもきわめて重要なところでございますので、できることならばこのままにして、そうしてこれは神社のあるいは代弁になるかとも思いますけれども、実はそうじゃありません。その神社参拝の方、あるいは広く日光に遊ぶ人たちのためを考えるならば、あの付近一帯は安全にして、心ゆくまでに参拝をはじめ日光観光という意味において、あの道路を歩道として残されるのが一番いいのじゃないか。そのためにも自動車道路というものを別に設けるというようなことが最善ではないかということ、つまり太郎杉をはじめ老大木を助け、かつ参拝者あるいは観光客のことも考え、また重要な道路問題をも解決の道がつくのじゃないか、そういうことを考えまして、自然保護協会の理事の多数の方々は、やはり太郎杉というものを伐採するということには反対だということ、それからいまお話がございましたとおり、昨年でしたかの券か夏の台風――台風と申し上げていいかどうかわかりませんが、暴風でございましたか、突風でございましたか、それで相当な被害が出たことは当然明らかなことでございます。つまり太郎杉をはじめ若干の周辺の杉に被害が見えていることも事実でありますけれども、それはむしろ補強をするというようなことによって、その杉の一群は助けられるというわれわれの結論に達しているわけでございまして、この際は、補強をしてでも助けてやりたい。こういうつもりで、太郎杉伐採あるいはその周辺の杉伐採、あるいはそれに伴うところのその環境の改変ということにはまず反対だということをわれわれは考えているわけでございます。簡単でございますが……。
#15
○田中一君 参考人お二人に対する質問は、質問というか御意見を伺いましたが、ほかの方でお二方にあればしていただいて、私は道路局長並びに大臣に御質問したいと思います。
#16
○委員長(安田敏雄君) ほかの方は参考人にありますか。
#17
○瀬谷英行君 景観を保持するというたてまえでもって、補強をして維持することが望ましいという御意見をいまお聞きしたのですが、先の川村さんのお話をお伺いすると、相当樹齢に達しておって、もうあまりこの先長くないようなお話しに聞き取れたわけであります。そうすると、人間の寿命でいうと九十ぐらいの年齢に達しているというふうに考えてよろしいものかどうか。その場合には、もうあと数年をたたずして粘れてしまうという可能性があるのか。そういう場合に補強をしてこれを維持するという方法は、どういう方法でもって補強、維持ができるのか、こういう点についてちょっとお伺いをしてみたいと思います。
 それから、景観の保持ですけれども、先般建設委員会で見に行った際に、ちょうど切られそうな杉の木に太いしめなわを張って、銀色の紙をぶら下げてありましたが、ちょっと杉の木は杉の木としてはえているところに値打ちがあると思うのです。あれにしめなわをやたらと張ると、杉の木がふんどしをしたみたいであまりていさいのいいものじゃなかったような気がするんですよ。おそらく切らせまいとする反対運動の一環としてああやってしめなわを張ったのじゃないかと思うのですけれども、景観保持の意味ではたしてああいうことがよろしいものかどうか、こういう疑問も一つあるわけです。
 それから、神橋の問題なんですけれども、歩道がなくて確かに困るわけです。私もできれば、切らないで済むなら切らないで済ましたいという気がしますけれども、一方、確かにこの道路は狭過ぎるわけです。歩道ということも考えなければならないと思うのですけれども、川っぺりのほうに突き出して歩道をつくるとしても、今度は神橋がじゃまになるわけです。考え方として、神橋というたって別に神さまがこさえたわけじゃないんで、コンクリートでこさえて赤い色を塗ったものですから、この神橋をむしろ歩道に開放して人を渡すようにしたらどうかなという気がいたしましたが、山口の錦帯橋とかいうのは、これは人を渡しているわけです。二重橋だってこれは渡れるんですから、神橋だけが見せものであって渡さないというのももったいないような気がするわけです。それは景観の保持の上に、どうも神橋を渡すというのはぐあいが悪いというふうに判断をされるものか。あるいはまた何か由諸があって、これは人を渡さないほうがいい、こういうふうに見られるものか、その辺をひとつそれぞれの立場でもってお考えを述べていただけたら聞かしていただきたいと思います。
#18
○参考人(本田正次君) 太郎杉の補強の問題につきましては、話は多少違いますけれども、自然保護協会ということを離れまして、実は私ども杉並保存委員会というものを四、五年来つくっておりまして、その中の委員の一人といたしまして宇都宮大学教授の鈴木丙馬、これの意見によりまして、十分補強をすればこれはまだ相当長く生きられるんだという意見、これは日光杉並み木を長年研究して、その結果学位をとった学者でございます。ですから、私はその学者の言を十分に尊重してよろしいと思いまして、その意見に従っているわけでございます。
 それから、しめなわ問題でございますが、これは私どものちょっと関知するところでございませんので、神社当局であるいはそういうような御意向があるやらないやら存じませんが、私まだそのしめなわの現場を知らないので何とも申し上げかねるわけでございます。
 それから、第三の神橋の問題でございますが、これもいま問題になっております東照宮の所管ではないやに聞き及んでおりますので、いま御発言がございました、御指示がございましたことも、私個人といたしましては、これは一応やはり考えないということは言えないのじゃないか。裏を返せば神社側、つまり二荒さんでしたか何でしたか、はっきりわかりませんが、そのほうの所管だと聞いておりますけれども、そのほうは別といたしまして、神社側のお考えは別といたしまして、私個人といたしましては、これはいまのようなことは考えてもよろしいのじゃないかというふうに私は考えております。
 簡単でございますけれども、お答え申し上げます。
#19
○委員長(安田敏雄君) いまの瀬谷委員の質問について、田村先生何か……。
#20
○参考人(田村剛君) 杉の樹齢がどのくらい保つかということは、これは何人も私は予言はできないと思います。手当てをしてどのくらい延びるか、これも私は何とも言えない。私も造園家でございまして、木の扱いには多少経験を持っております。現状で見ますと、風のために枝をひどく折られてたいへんな負傷をしている状態です。それにもってきてあの年齢、そして環境――あの交通のひんぱんな道路に接近して排気ガスその他最も条件の悪い所に立っておりますから、これが一般の山の中の杉のように樹齢が長く保てるものではあるまいという私は感じを持っております。それじゃ何年後に枯れるかなんて、そういうことは、専門家として予言はできません。
 それから、神橋の問題が出ましたが、私はああいった建造物は、その位置においてただながめるだけで保存するのが至当ではないかと思うのです。
 それから、さっき本田氏からお答えがありましたが、しめなわの問題でございますが、私の承知しているところでは、あの太郎杉は二代目でございます。初代は境内のもっと奥のほうにあった。それが粘れて、そして残った現在のものをまた太郎杉と名ずけたそうでございます。これが神体めいた存在であるとは考えられない。しかし、残ったもののあるいは一番りっぱなものであったかもしれません。しかし、現状は非常に尊厳をそこなわれております。枝が落ちまして見るからに痛々しい姿になっておる日光のあの杉並み木、これらと比べまして、あれがそれほどすぐれた代表的なものになっておるかどうか、疑問を持っております。
#21
○小山邦太郎君 私もこの間見に行ったのですが、あの杉並みが何年の後に死ぬかということは、これはだれにもわからぬと思う。なかなか勢いよく育っているようだ。それから、非常に狭い。これは何とかしなければいかぬと思える道です。しかしながら、ふしぎに――あの杉並みのほうに向かって自動車がぶつかって、杉並みが傷だらけのような道路、そしてまた、ここにもあるけれども、災害が非常に多いような――しかし実際は、あの狭いわりには交通事故は少ないのじゃないか。しかし、あれでいいとは言えないから、あそこでまず第一に目につくのは、あの狭いところに電車が通っている、この電車は永久にはずせないものかどうかということを開いたら、これはとる約束になっているということを聞いたのですが、それはそうでないのですか、あるのですか。約束はわかりませんか。市長の話ではとる約束になっている。約束になっているならば、まずそれを先にとるべきではないか。これはとることによってもたせる場合もある。こちらの端にはぶつかった形跡はあるけれども、向こうにはぶつかった様子はどうもほとんどない。それから杉はそうすぐ倒れるとは、しろうと目だから私が意見を述べてもしょうがない、それぞれの学者が見てそういうものではないと言っておるらしいから、それを信ずるよりしょうがない。それから、かりに百歩譲って十年の後に倒れるとしても、十年の間にあれだけの道路を計画どおり広げればいいのかということを建設省に聞きましたら、それでは不足である、おそらく数年の後か十年を待たずしてバイパスのようなものは必要であろう、こういうことであるので、そうすれば杉木の生命はわからない。バイパスはあれを直しても長くても十年の後にはどこかへつくらなければならないということであるならば、それを考えなければいかぬ。さらに、これは調査もしてないことですからはっきり言えませんが、地元の市長に聞くと裏のほうに、市の繁栄をいささかも害さずに裏山のほうにトンネルでなくて回り道ができるということを言っておるんです。それは測量は、建設省あたりはそれぞれもう具眼の士が行ったんですから、しろうとがそう見て判断してもしょうがないが、そういう測量の余地があるものかどうか。
 それからいま一つは、金谷とかなんとかという大きな旅館があります。あの旅館のあの辺にも、むしろあまり遠くへ持っていかないで、何か保存をすべき余地がありはしないか。そのようなことを考えると、これは日本自然保護協会では、ぜひあれを保存したい、自然公園、審議会委員長もかつては大反対であった。しかしながら、交通道路の関係や、もしトンネルが掘られればトンネルのほうがかえって景観を害するという、いろいろなことからやむを得ないという御意見もあったが、景観を害さずして費用もトンネルをあけるよりももっと安く、そうしてかりにそれを断行しても数年の後は行き詰まるというんならば、いま少しこれは研究してもいいのではないかというふうに考えますが、お二方は、どういうふうに考えられますか。
#22
○参考人(本田正次君) 私はただいまの御発言に賛成をいたします。お話しの中に、もう少し遠くへ離して道を考えたらどうか、また、そういうことが実際設計されているのかどうかというようなお話し、あるいは御質問かと思いましたけれども、うかつにして私はそこまで具体的に聞いておりませんけれども、本田個人の意見をお許し願えますならば、ただいまのお話しに大賛成でございまして、私は最初からもう少し遠回りをして道を思う存分、十年後、二十年後のことも考え、むしろ百年後の大計を立てていただいて考えていただきたいのでございます。いまお話を承れば、十年後はまた変えなければならないのじゃないかというお話であればなおさらのことだと私は考えております。
#23
○参考人(田村剛君) これは先ほど、つまり代案について今日考え得るものはすべて拾い上げまして、道路当局もこれに協力せられまして、それらすべてを検討した上での私の意見でございます。先ほど申し上げました遠回りをするというのは、いまおっしゃいました案そのものと同じでございまして、やはり私はこれには期待をかけることができないと思います。
#24
○瀬谷英行君 もう一つお伺いしますけれども、いま折衷案ということも考えられると思うのですよ。うしろのほうにトンネルを掘るという話もありますけれども、トンネルを掘ればだれもこれを見ることができない。それでは何もならない。見せるために切っちゃいけないというものを、うしろをトンネル掘って回り道したって何もならない。そうすれば、見れるようにしてなおかつ切らないということは非常にむずかしいと言うのですが、先ほど川のこっちに、写真で見る反対側ですね、杉のはえている反対側のほうに道をこしらえて金谷ホテルの下に道をこさえて、そして川の両側を通れるようにしてどっかで橋をかけて向こう側へ渡るといったような折衷案を地元へ行ったときに見せてもらった。そういう場合に考えてみると、神橋というものが道路と道路にはさまれたかっこうになっている。神橋をせっかく人を渡らせないようにしてかっこうをつけておくのに、両側をどんどん車が走る、センターラインみたいなところに神橋が乗っかっているというようなかっこうになると、必ずしも自然保護の面からいうと、神橋の値打ちを保てるかどうかわからぬという疑問が出てくる。金谷ホテル側の道路をこしらえることによって自然の景観がそこなわれることがないかどうかという問題が一つある。私自身としては、なるべく木を切らないほうがいいとは思うのですけれども、こんなに杉の木が一ぱいあるのですから、関の五本松みたいに五本切ってしまえばあと何もなくなってしまうのと別ですから、こんなに一ぱいあるから三本や五本ぐらいという気がないでもない。針金やなんかで引ぱってようやく倒れないようにして、これから先どれくらい保つか、台風が来た場合にわからないという気がするので、あるいは場合によっては代採をするのにやむを得ないという考え方に立つ場合もある。その場合に、いま木が立っているところを広げるとしても、かりに少しばかり広げたのじゃすぐに交通が逼迫して間に合わないということがあるのじゃないかという気がいたします。そうすると、今後はまあ結局、ますます切らなければならぬという問題が出てくると思うのですけれども、そんなことを考えてみると、折衷案的に道路を広げるという立場からするならば、川の両側に道をこさえるということを考えてみる必要があると思うのです。トンネル案よりもそっちのほうがいいのじゃないかと思います。この折衷案等についても考えられたかどうかお伺いしたいと思います。
#25
○参考人(田村剛君) いまの右岸、金谷ホテル側に道路をつくったらどうかというのは、これは最初に代案として出たのでございます。ところが、あの右岸は現在非常に完全に自然状態を保存した地域でございまして、落葉、紅葉時が主でありますけれども、あすこの景観上非常に重要で、ある人は杉よりもむしろそのほうが大事だ、ここに道路をつくれば相当な幅これを伐採されまして、そのつけ方についてもいろいろ検討せられて、川岸に近くうがつ案、上のほうへうがつ案についても検討しましたが、これはあの部分の自然状態を保護するために困るということで、これは代案の中で一番早く影を消した案でございます。
#26
○参考人(本田正次君) ただいまの問題につきまして田村参考人からお話がございましたが、そのとおりでございます。私もそう思います。
#27
○委員長(安田敏雄君) 道路局長か大臣か、瀬谷君が答弁をお願いしておるわけですから……。
#28
○瀬谷英行君 田中委員がいま所用があってちょっと中座するけれども、大臣の意見も聞きたいということをいま言っていたのです。
 それで先般、建設委員会として行ってみたんですが、いまお話をお聞きになったとおり、なかなかうまい案はないわけです。木も切らずに、道路も広げてというような器用なまねはできないわけです。かといってトンネルを掘れば見られないということになるし、反対側に道をこさえるということになると景観をそこなうということになる。現状のままに放置しておけば、この間交通事故で死者があって、私ら行ったときに杉の根っこに花束が置いてあった。幾らしめなわ張ってみたところで、人が死んで花束捧げるようじゃ意味がないと思うのです。結果的には何らか方法を講じなければならないという事態になってきていると思うのですけれども、大臣、この現場を見られたかどうか、この問題についての腹案を考えておられるかどうか、参考までにお伺いしたいと思うのです。
#29
○国務大臣(小山長規君) 私も就任以来この話をたびたび方々から聞いております。私も自然愛護者の一人でありますので、できるならば切らない方法はないかという立場から、あらゆることを道路局長にも聞いてみました。また都合では、太郎杉一本だけでも残しておいて、寿命が来るまで待ってみたらどうかという案もないかということまで聞いてみましたのですが、どうもだんだん聞いておりますと、いまの私の結論も、田村さんが言われたように、いろんな知恵を出してみたけれども、結局これは現道を広げていくほかはない、こういう結論に達しておるわけであります。
#30
○小山邦太郎君 ちょっと関連して。電車の問題はどういうふうにお考えになりますか。
#31
○政府委員(尾之内由紀夫君) 東武鉄道の問題は、これは神橋あるいは太郎杉の問題とは別に、かねてから栃木県知事が軌道を撤去することにつきまして熱心に動いております。ことに神橋のそでがきを戦時中より犠牲にいたしまして、ごらんのようにショートカットしておるような状況でございまして、戦中も済んだ今日ではいち早く復旧してくれ、これは文化財保護委員会でも熱烈なる御要望がございます。そういうような事情は知事も十分承知しておりまして、東武鉄道とは、前からそういう話は進んでおります。時期の点については知事にまかせてあるわけでございますが、早晩撤去するという方針で進んでおるわけであります。
#32
○小山邦太郎君 あそこに行って心配したのは、狭くて、前後がもうきているけれども、まだどう片づくか決定的にはなっておらないことが一つ。それでその場合に、前後がむだになるかということを道路局長に伺ったら、それはむだにならないということを伺って、私はそれはよかったなあというのが一つ。それではと行ってみて、まさにそうだ。それにはこの電車が先だなあ。
 それからいま一つは、非常に急いだのは、一つはオリンピックというようなことか何かがこの問題にからんでありましたが、そういうことはちっともなかったのですか、オリンピックまでに仕上げるということは。
#33
○政府委員(尾之内由紀夫君) ちょうど自然公園審議会のほうでこの方針をおきめになったのがことしの四月であったと思います。その時期に、もし予定の案のとおりに工事が進められなければ、おそらくオリンピックには間に合わぬだろう、こういう時期でございましたので、天下の観光地でありますので、その間に円満に解決できるならばしたいという希望を持っていましたが、オリンピックと直接関係あるものではございません。
#34
○小山邦太郎君 大臣一度ごらんになったのですか。
#35
○国務大臣(小山長規君) まだ見ないのです。
#36
○小山邦太郎君 だからひとつ一度ごらんになることが大事だと思います。前の大臣がきめたからおれもということでなしに、白紙でごらんになることもよくはないか。それで、オリンピックとかなんとかいうところでやらんければいけないというので、あすこまでいったがしかしできておらなかった。そうしてそれをそのままにしても前後がむだにはならないというなら、これほど自然愛護者もいろいろ言っておる場合であるから、われわれが言っても必ずしもみんな意見がぴしゃっと一致するというか、これはこれよりしょうがないというふうにまで言っておりませんので、こいねがわくば、これはいま少しく時間をかけてさらに御研究を願うことも、これは日光は日光市だけの問題ではない。日光市長が非常に熱心におやりになっているが、しかし、市ばかりに責任を持たせるのは気の毒だ、また、あれは栃木県ですか、栃木県は経済がどれほどいいか悪いか、私あまり知りませんが、そのほうにあまりかからないようにするというのはごもっともだと思うのです。これは栃木県だけの問題ではない、日本の問題である、もっと広い意味において。ことに今後は、観光ということからいくと、ひとり日光だけではない。日本全体の上に世界的な人々を招致するには非常に大事なものだろう、こう考えるので、行きがかりを捨てて、ひとつ大臣一度ごらんを願いたいと思って私はこの質問を終わります。
#37
○村上義一君 私も、せんだって短時間ではありましたが、拝見に参ったものであります。とにかく非常に無理だ、あすこでは。いまこれを若干広げられたところで、もう間もなく、先刻お話がありましたごとく、また、何とか方法を講じなければならぬということになることは明らかだと思うのであります。金精峠も間もなく開通されますし、そうして沼田のほうに連絡するということになれば、非常に車が多くなると私は思うのです。一般の道路でも人口の稠密に従って増加していきますが、あの道路だけは格段のコンジェスチョンを来たすと私は思うのでありまして、また、そういうことでいま現に奥日光なり、またさらにその先金精峠のもっと向こう側、沼田のほうです、いろいろな方面にいろいろと具体的の計画が進行しております。大きなホテルをつくる、あるいはユースホステルをつくる、青年の家をつくる、いろいろの計画が各方面で現にいろいろ相談を受けておるような次第であります。したがいまして、今後非常な車のコンジェスチョンを来たすことは明らかであります。いま歩道を入れてたしか十五メートルの計画のことに承っておりますが、それくらいの道路でもいかぬようになると私は思うのであります。あの道路はちょうど日光橋を渡ってから杉並み木の向こうのほう、これは車は入れないというようなことにして、全然車道を別に考えることが賢明じゃないか。いろは坂も上下異なった道路がほとんど完成に近づいております。ワンウエーの運転方式になるだろうと思うのですが、何とか車道を別にするという考えで、この際建設省でも思い切って計画を立ててもらうということが必要じゃないか。
 私は、一方におきましてぜひああいう関係は保存したいと思います。ただいまお話しにありましたように、金谷ホテルの側のあのがけの景色というものは、ちょっと他に類を見ないほどのものでありまして、あの関係もぜひ保存しておきたい。とにかく日光というものは世界的の観光地であります。日本を訪問した人は、箱根にあらずんばまず日光と言う、日本観光の玄関口であります。ぜひひとつ太郎杉はあくまで保存する、先刻もお話しにありましたごとく、自然とこれが枯死するということになればこれは真にやむを得ない次第ですが。なお相当の年限生命のあるものだという植物学者や造園家の御意見も伺っておりまするし、したがいまして、あの杉はぜひ保存をするということに国としては責任がある問題だと私は思うんであります。ぜひこの車道を別につくる。もちろん一面において日光の表道路をかんこ鳥が鳴くようなふうにさすことは、これは避けなければなりません。日光のあの大谷川の橋の手前で右へ回って隧道でもっても道路はとれるんじゃないかと私は思っておるのであります。ぜひひとつそういうふうにできないかと思うんでありますが、いま道路局長の御意見を伺えばしあわせに存じます。
#38
○政府委員(尾之内由紀夫君) この現在の原案によりまして、あの局部を広げましても五年か十年しかもたない、こういうことでございますが、実は、ごらんのように、戦後は車道十一メートルでおおむねできているわけでございます。そのほかに歩道がついているわけでございますが、この十一メートルで通しますれば、大体一万六千台ぐらいの交通の容量はある、こういうことになっております。大体その時期に達します年数でございますが、私どもの推定では昭和五十年ぐらいだろうということでございます。ただ、それじゃ一万六千台になったらば通れないのかと申しますと、現在私どもがバイパス計画をやっております混雑の度合いというのは、いま申しました交通容量の約倍以上になった場合に初めてバイパスをやるというような採択の状況であります。したがいまして、その状況でもなおかつ他の地域の各所にそういう状況が現在でもある。したがいまして、五十年と申しましたが、実際は五十五年あるいはもっと先までそれで当分がまんできるという状態ではないかと思います。もちろんそれで奥日光に達する道路が十分であるとは思えません。当然次の第二次的なことを考えなければなりませんが、これは、この局部だけではなくて、今市の手前から別線をもってずっといろは坂のほうに参ります全く違った新しいものを考えなければならぬと思います。それは、まだ計画ももちろんできておりませんし、直ちに必要な状況にも達しておりません。おそらく時期といたしましては、東北のほうに向かいます縦貫道路が宇都宮を通る、そういう時期でなかろうかと思いますので、それより先――それができる時期よりさらに先であろうと推定されますので、とにかく、当面、問題といたしましては、この局所を解決するのが一番効率的である、かように私どもは考えておるわけでございます。
#39
○瀬谷英行君 建設省の結論としては、いま道路局長のお話を聞いておりますと、結論としては、杉を切って道路を広げるというのが最善であるというふうに聞こえるわけです。村上さんなり小山さんのお話も杉の木はなるべく切らないようにしろというわけです、意見としては。切らないようにしたら道は広がらないということですが、切らないでなおかつ道路を広げるということを考えれば、川のほうに出っぱる以外に方法はないような気がします。バイパスをつくるか、対岸にこしらえるか、どっちもぐあいが悪ければ、川のほうに出っぱる方法で歩道をつけるとか、あるいは軌道を廃止して、このところを利用するとか、あるいは神橋の下のほうをくぐるということができるかどうかわかりませんが、そういったようなちょっとこそくな手段になるかもしれませんが、そういう手段を講じて拡幅するというようなことは、技術的に可能かどうかといったようなこと、それから軌道の撤去の問題は、単に電車でもって人を運ぶということだけであれば、トロリーバスに転換するという方法もあると思いますが、おそらく鉱材を運んでいるのじゃないかという気がするのです。そうすると、軌道の撤去というものはそう簡単にいかないのじゃないかという気がいたすのでありますが、軌道の撤去の可能性ということは、検討されて交渉されているものかどうか、その点もちょっとお聞きしたいと思うのですが。
#40
○政府委員(尾之内由紀夫君) 第一の、川のほうに道路を拡幅できないかという点でございますが、これは一番狭いところに神橋がございます。この神橋の下をくぐるとか、上のほうを通るということは不可能でございます。どうしてももし川のほうに広げるとすれば、神橋そのものを動かす、こういうことを考えなければ不可能であろうと思います。
 ところで、神橋でございますが、神橋は日光の一つの重要な文化財でございます。二社一寺としては杉と同等、それ以上どちらかといえば、神格化されたものを私ども考えております。実はこの問題について、自然公園審議会も、神橋に触れることはほとんど一回もなかったというように私は記憶いたしております。この日光の大谷川の下をトンネルを堀って、川の下をトンネルでいけというような意見はございましたが、神橋そのものに手をつけるという案は、一度も出なかったように記憶いたしております。非常に困難であるというように私どもは判断しているわけであります。したがって、お尋ねの川のほうに拡幅するということは、この神橋の問題を解決しない限り、技術的に不可能である、かように考えております。
 それから 東武鉄道でございます。これは、私どもはやはり東武鉄道をはずすという前提で、十一メートルの交通容量はさらに増すというふうに考えているわけでありまして、この撤去につきましては、先刻申し上げましたように、もうすでに栃木県知事が東武鉄道のほうと折衝を重ねて、これは撤去するという覚え書きのもとに、そでがきの付近を切りましたときにも、たしかそういう書類が残っていると思います。そういうことで、鉄道のほうは、そういうことに対しては前進的に考えているようでありまして、先ほど言いましたように、栃木県知事がその促進を常に、私どもとしてもお願いしておるような次第でございます。
#41
○瀬谷英行君 いろいろ話を聞いてみると非常にむずかしくなってくるわけなんですよ。皆さんの注文を全部受け入れるような方法で問題を解決するという名案はなかなか浮かんでこないような気がするのですが、最後に、この神橋の問題ですけれどもね、神橋があるために非常に拡幅もむずかしいし、歩道の設置もむずかしいということになってくるのですけれども、神橋はやはり現状、いまの位置にないと神橋としての価値がないということで、神橋はこれは動かせないわけですね。神橋そのものを多少ずらしてみるとか、あるいは神橋がどうも道路をまたいで向こう側までというのもちょっと格好がつかないだろうと思うのですけれども、神橋そのものに対する現状変更のくふうというようなものは、自然の景観からいってぐあいが悪いかどうかですね。何かくふうの方法があるかどうか。これは参考人の方にお伺いしてみたいと思うのですが……。
#42
○参考人(田村剛君) 神橋は、伝説によりましてあの地形に即してつくられた構造物であります。地図を見てもおわかりになりますように、両岸の迫って岩のあらわれた所にありまして、あれ以外の場所を選びますと、橋の長さが変わってまいります。したがいまして、神橋をそのままほかに移すということは、従来の伝承を尊重する意味からいっても、また、構造その他の点からいっても、これはむずかしいのではないかというように考えられます。
#43
○石井桂君 私も現場へ行かないのでよくわからないのですが、太郎杉というのは樹齢が何百年かたっていて、ちょっとやそっとでこれだけのものができないから、できるだけ残すのがいいだろうと思う。そうすると、先ほど瀬谷さんが御質問になったように、反対側に通路をつくったらいいじゃないかということはだれしも考えることです。先日ここで理事会が開かれたときに、皆でいろいろな議論が出ましたが、金谷ホテルのうしろのほうに二車線くらいの――欲張らないで二車線ぐらいの道路をつくって、いまの道路とループに使って一方通行にすれば木は切らなくていいんじゃないか。いま田村先生のお話しによると、杉などは問題にならぬほど金谷ホテルのほうが景観がいいのだというお話もある。景観がいいというのは、やはり何百年かたった木があるからかどうか、私は現場を見ないからわからないが、やはり同じような何百年たった木が一ぱいあるならどうにもしようがないと思うのですよ。方法がないと思うのですよ。まあこの前の、二、三回前の建設委員会で、ぼくは宮城前の景観のことを質問したことがあるのです。非常にひどい建物が宮城のわきへ、東条会館から向こうに共同便所みたいなのが一ぱいできまして、ひどく慨慨して私はこの委員会で問題にしたことがあるのですけれども、あとでだんだんよくなってきているのです、景観が。あそこらの景観が青よりは劣るかもしれないけれども、造園家の努力によって非常によくやっておる。そういう努力がまだ残されておるのじゃないか。だから金谷ホテルのほうは絶対に太郎杉が問題にならぬほどいいんだ、こっちのほうも切れないということじゃ、何もできないということになっちゃうのですよ。そこで、あまり大きな道路をつくるのでなくて、自動車が二台ぐらい並んで走れるぐらいな道をつくって、いま造園の技術ではいまある景観はそうそこねないでできるかどうか、そのくらいのことも一ぺん考えてみられたらいいと思うのですね。自然は何も手をつけちゃいけないのだ、木が枯れてしまって手が打てなくなるまでほうっておくでは、近代文化の生活ができなくなっちゃう。そうかといってむやみに何百年もあるものを大根やニンジンのようにすぱすぱ切っていかれても困る。そこで、さっきの瀬谷さんの提案なんですがね、現在のやつを一方通行にして、そして金谷ホテルのほうの裏のほうに最小限度の自動車道路をつくって、ループにして、行き帰りかに使わせる、こういうふうにすれば、そう建設省で計画したほどの幅がなくてもいいじゃないかということも考えられる。そういうことについては、まず建設省の道路局長のほうは、一体そういう案を考えたかどうか、そういうことができるかどうか。それから参考人のほうは、お二人で、一体金谷ホテルのうしろのほうに細い道を、自動車の通行可能な細い道をつくった場合に、景観がそうそこなわれるものかどうか、そういう点をそれぞれお答え願いたいと思います。
#44
○政府委員(尾之内由紀夫君) ただいまお話しの案につきましては、自然公園、審議会でもそういう案が出まして、私どももそういう案をつくって検討したのでございます。一方通行にいたしますれば、幅が少なくて済むということで、確かに全体に要する工事費も少なくなります。ただその場合に、現在、太郎杉を全く手をつけないでいいかといいますと、やはりあそこは狭い。ただ、十五本くらい切らなくても、何本か切らなければならない事態に達するであろうということが一つ。それから、右岸の金谷ホテル側に道路をつくりましても、かりに一方通行にいたしましても、のりを切る関係上、やはり全体の幅というものはそう小さくならない。車線の幅がかりに半分になっても、全体の堀さく幅が半分にならない。大きいのはやはりのりを切る面積でございますので、それほどやはり効果がないというようなこともございまして、先ほど田村先生のおっしゃったような、やはり景観存置の意味から、その案も実は案として消えたわけでございます。
#45
○参考人(田村剛君) 右岸、つまり金谷ホテル側に新たに道路をつくる問題が風致に及ぼす影響は、ただいま道路局長の言われましたように、相当な幅を荒らすことになりまして、そこの風致維持は困難であると思います。のみならず、上流でまた渡らなければなりません。そこに新しい橋ができますことは、従来の神橋を前景にしまして、その背景にモダンな鉄筋コンクリートの橋になります。そういうものが背景に出てくるということは非常に困るという意見でございます。どうもそちらのほうはむずかしいのじゃないかと私は感じております。
#46
○参考人(本田正次君) いまお答えがございましたとおりでございますが、この問題は、もうしばしば私どもの間にも議論が戦わされているわけでございますが、落葉樹――金谷ホテルの落葉樹の景観というものは、先ほど田村さんからもお話がございましたように、非常に貴重なもので、太郎杉と比較はできませんけれども、非常に重要なことは確かでございまして、これもいまお話しのとおり、できるだけあのままにしておきたい。また、かりにいま一車線なり二車線なりのトンネルをあけて、あるいはまた道路を若干右岸に設けるということになれば、いまお話しのとおり、どこか上流で橋がかけられるということになるし、それはうんと神橋をそのために関係がないようなところに持っていけば別問題ですけれども、それではまた意味がなくなると思いますし、また、近くでは同様に太郎杉に影響を及ぼすということにも相なるわけでございますので、いまお話しのとおり、私も同様に考えております。
#47
○石井桂君 大体景観がいいとか悪いとかいう尺度は私はないと思うのですよ。その衝に当たる人の心の中の尺度によると思います。まあいま宮城のことをいえば、三宅坂から大きなのりに松がはえているあの外堀の美しさというのですか、ああいうものだって非常に、私は東京じゅう一番きれいな場所だと思う。だから、さっき道路局長はのりがずいぶんできてきてどうのこうのと言ったけれども、のりができてもそののりが非常に美しいのりをつくればいい。それは自然のままであれば一番美しいかもしれないけれども、自然のままで何も手をつけないんじゃ造園学も何もあったものじゃない。やはり自然のままよりももっといいものをつくるところに造園学があるのじゃないか。私は実は建築屋なものですから、学校を出るまでに日光へはずいぶん行きました。日光の東照宮の保存にも協力しました。しましたけれども、それは昔のまま何から何まで置いておくということではなくて、田村先生が言われたように、コンクリートの橋ができれば神橋と非常につり合いがとれないという意見があるかもしれないけれども、コンクリートでももっとあの景観にふさわしいものが設計できる。だから何というか、何も手がないんだといって困らせてばかりいないで、もう少し知恵を出してお互いに譲り合ってみんながいい案を地元が考えるのが当然だと思う。国会の人が――全国から出ている国会議員がみんな心配して、できるものなら一本の杉も切らずに済まそうと忙しい中を汁水たらしてみんなやっているわけです。参考人二人の方で立場が違うから、一ぺん言ったことは一つも譲らない、建設省は道路をつくると言ったらこれも譲らない、日光市も譲らない、栃木県も譲らない、それが私は日本の現状だと思う。もうちょっとおとなびた解決の方法があっていいと思う。私も技術屋の一人だものですから、議員ではありますが、いろいろそういう問題にぶつかりますが、やっぱりお互いに譲り合って、できる程度まで譲り合って解決するよりほかにないんじゃないかと思う。そういう私の考えはどうですか、参考人は。それでもだめですか。
#48
○参考人(本田正次君) 参考人といたしましては、もちろんただいまの御意見に賛成でございます。私もここで結論を出すとか、あるいはどこまでも並行線で突っぱねていくとかという意思は毛頭ございません。ただ参考人として申し上げておるだけで、それを参考にしていただければたいへんありがたいと思います。
#49
○石井桂君 この問題について、ぼくら建設大臣の所感を聞きたいのですがね。
#50
○委員長(安田敏雄君) きょうは、参考人のお二方におもに質問していただいてもらって、それからあとお帰りになってから問題の焦点をしぼるという意味では建設大臣とか、道路局長に聞きますから……。
#51
○石井桂君 それでは、その機会に譲りましょう。
#52
○委員長(安田敏雄君) ですから、そのようにひとつ議事進行をお願いしたいと思いますが、まだ参考人に御質問がありますか。
#53
○瀬谷英行君 この間理事会でもって、こういうのはどうだろうか、ああいうのはどうだろうかという話も出ましたが、いま参考人の御意見を聞いてみると、やっぱり金谷ホテルのほうに道路をつくるのは景観を害すと言われれば私もそんな気がするのです。せっかく自然の岩の形ができているのをぶっこわして、あの地点を自動車が通るようになったらずいぶん殺風景なものになるだろうなと、言われてみればそんな気がする。そうすると、うまい方法なくなっちゃうんですね。しかも、杉の木の問題については、この問題は与党と野党が賛成反対というようにはっきりと分かれた意見じゃなくて、野党の中にも切ったほうがいいという意見もあるし、切らないほうがいいという意見もあるし、与党の中でも同じということになると、与党と野党の区別ができないわけです。それでどういう結論を委員会として出したらいいのかということになると、うまい知恵がこれまたないわけですよ、方法としては。やはりそんなに何も感情的に――地元はどうも私は感情的に対立している節があるように感じたんですけれどもね。問題を公正な立場でもって処理する場合には、地元の感情ということを抜きにして名勝の保存という立場でもって解決したほうがいいと思うのですけれども、考えられる方法は、いままでのあらゆる意見の中では、この杉の木の伐採というものは最小限度に食いとめて、なおかつ道路も必要の最小限度だけ保つという以外に方法はないような気がするんですね。そうすると考えられる方法としては、歩道をどうするか、歩道を今度は立体的にして車道の上に歩道をまた別にこしらえるといったような方法でもしないと、あるいは杉の木の間を縫って歩道をこしらえるとかいうようなことでもって車道を最大限に利用できるようにするということを考える以外には、うまい手はないような気がするんですがね。今度はちょっと歩道のほうが上のほうを通る立体的なかっこうになっちまうということになると、こっち側から見た場合、景観という問題にぶつかると思うんですがね。そういう場合に車道と歩道を立体的にして景観をそこなわないで済むというふうに考えられるかどうか。これはそれぞれの自然保護という立場でもって参考人の御意見を聞かしていただければ幸いだと思うんです。
#54
○熊谷太三郎君 関連で。いま瀬谷さんから御意見が出ましたが、その中のおことばにもちょっとあったように思うのですが、一つは、やっぱり地元の関係者ともう少しお話し合いを進めていただいて、そうして杉の木を切る数をなるべく少なくしていただくなり、あるいはいろいろな点について何か少し、いまおっしゃったように感情的な面もあるやにわれわれも察しられるのですが、そういうお話し合いもひとつ進めていただいて、やっぱり円満に解決していく一つの材料にしていただいたらどうかと思いますが、そういう点について何かお考えございませんか。
#55
○参考人(田村剛君) 道路を立体的にするという案、これはある程度建設省案に取り入れてございまして、車道よりも一段高く山手のほうに歩道を取る。そうしますと切り取りの面が短くなります。で、これをそれ以上に高めるという御意見かどうかわかりませんが、この構想はけっこうだと考えております。
#56
○参考人(本田正次君) ただいまのことでございますが、私も原則的にはそれは考えられることだと思います。
#57
○委員長(安田敏雄君) ちょっと私どもから質問したいと思いますけれども、私もこの間現地へ行って視察いたしましたが、きょうは建設省のほうにはお聞きしませんけれども、その際ですね、太郎杉について、ちょうど今市の駅からおりて車に乗って行きましたときに、途中にも太郎杉があるわけですね。途中にも太郎杉というものがあります。それから現地に行っても太郎杉があったのです。いま問題の太郎杉ですが、この太郎杉については、事件が、道路問題が発生してから後にいまの現地の太郎杉と名づけたのである、こういうことをうそか、その真偽のほどはわかりませんけれども、運転手さんが言われたわけです。また、そのほかの町の人にもちょっと聞きましたが、通りすがりの人にちょっと聞きましたら、やはりそういうようなことを言うわけです。ですから、いま問題になっておる太郎杉は、事件が発生してから後に太郎杉と名づけて東照宮でしめなわを張った、こういうように説明があったわけですが、こういう点のことにつきましては、審議会ではやはり論議されたかどうか、こういうことをひとつ聞きたいと思うわけです。
 それからもう一つは、あすこのところで学校へ通う学童が非常に交通がふくそうするために危険な状態にある、危険をおかして通学しなければならぬ、そういうような状況の中で自然保護という立場と、その学童の人命尊重という立場、そういうようなものがやはり考えられておったかどうか、こういう点を第二点としてお聞きするわけであります。
 それからもう一つは、土地収用委員会へ東照宮側が出席を求められて、その際交渉を受けたのが、総計二百五十五万だと、それ以上かどうか知りませんが、きわめて少額な補償額が伐採料その他を含めて提示された、こういうようなことで、東照宮側では、現地へ私視察に行ったときに、その責任者にお聞きしましたところが、補償額も問題にならぬ、こういうようなことを言われておるわけであります。聞けば、そのような額では伐採料にも当たらないし、それから同時に、あすこの土地は三・三平方メートル当たり――坪当たり三千円ぐらいにしか収用委員会の提示額では当たらない。しかし、あすこの周辺の土地というものは、大体坪当たり十万円ぐらいしておるのだ。ですから、合計二百五十五万か三百万か知りませんが、その程度の補償額ではてんで話にならぬ、こういうような趣旨のことでありましたが、そういう点もやはり審議会の中で論議されたかどうか、こういう点をひとつお聞きしたいわけです。
 もう一点としては、東照宮側は行政訴訟をしておる。で、片方のほうは土地収用委員会に栃木県ではかけておる。したがって、こういう土地収用委員会と行政訴訟との関連性において、東照宮側が行政訴訟を取り下げなければ、これは果てしないいつまでも争いが続くんではないかと、こういうように考えられる筋もあるわけです。したがって、そういうようなことを考えれば、さらに現地において各関係者を招じて、そうして話を煮詰めて政治的の解決をする必要でも考えなければならぬ、こういうように思われるのですが、そういうような点のお考えとか、あるいは結論に達するまでの論議があったかどうか、こういう四つの点について参考人の方にそれぞれお聞きしたいと思うわけであります。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中上〕
    ―――――――――――――
#58
○委員長(安田敏雄君) 速記を始めて。
 小山建設大臣から、建設行政の基本施策に関して発言を求められておりますので、この際、これを許します。
#59
○国務大臣(小山長規君) それでは、建設行政の当面の重要問題に関する所信表明をしておきます。
 私は、今回成立しました新内閣におきまして、再任されて建設行政を引き続き担当することとなりました。
 本日、参議院建設委員会が開かれるにあたり、就任のあいさつを申し上げますとともに、建設行政の当面の重要問題について所信の一端を申し述べさせていただきたいと存じます。
 すでに総理からも明らかにしましたとおり、新内閣は、経済開発と均衡のとれた社会開発を推進することを政策の基調といたしております。建設行政についても、特に、住生活の立ちおくれ、過密都市問題、地域格差等に見られる高度成長下におけるひずみの解決が急務となっております。
 このような情勢に対処して、当省といたしましては、住宅政策の推進を当面の最重点施策とし、過密都市問題の解決、下水道等の生活環境施設の充実、治水対策の推進及び道路の整備に当たりたいと存じます。
 以下その概要を申し上げます。
 第一に、住宅につきましては、財政、金融、税制等の各面にわたり強力で総合的な住宅対策を推進したいと考えております。
 政府、民間を問わず、住宅投資の資金量を大幅に増加させることに重点を指向し、とりわけ、勤労者層に対し希望と目標を与えるため、その生活の実態に応じて持ち家を入手し得るような方策を検討中であります。また、宅地につきましても、新住宅市街地開発事業等による宅地の大量供給をさらに強力に推進する所存でございますが、土地利用計画の確立、宅地の流通機構の整備をはじめとする総合対策につきましても、なお検討を急いでおります。
 第二に、住宅建設と並んで、社会開発の重要な一環である下水道の整備についても、すみやかに下水道整備五カ年計画を確立し、その強力な推進をはかる所存であります。
 次に、過密都市対策につきましては、拠点都市の開発促進、幹線道路網の整備等を通じて国土の均衡ある発展を推進すること、大都市に立地する必要のないものを極力他に移行させることが基本でありますが、そのための方策については、現在検討を進めております。
 第四に、治水対策につきましては、新河川法の施行を機として、昭和四十年度を初年度とする治水新五カ年計画を策定するとともに、一級河川の指定をはじめとする新体制への移行準備を推進する所存であります。なお、道路整備については、道路整備新五カ年計画の閣議決定を急ぐとともに、道路法の改正に伴う国道の管理体制の強化をはかりたいと存じます。
 以上建設行政の当面の重要問題について申し述べましたが、この上とも、従前と変わらぬ各位の御指導、御協力をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#60
○委員長(安田敏雄君) ただいまの建設大臣の所信表明に対する質疑は、後日に譲りたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(安田敏雄君) それではそのように決定いたします。
    ―――――――――――――
#62
○委員長(安田敏雄君) それでは、議題の日光東照宮の道路拡張問題を審議することにいたします。
 ちょっと私、いま質問したのに、お願いいたしたいと思いますが……。
#63
○参考人(田村剛君) 太郎杉の命名の問題でございますが、杉並み木のうちに太郎杉があることは、実は私もうっかりしておりまして、そのことを知りませんでした。本田さん、あるいは御存じかもしれません。現在の神橋付近の太郎杉が問題が起こってから命名されたのかという、どうも私この点はっきりいたしませんが、どうもこれは以前からそういう名称があったのではないかと思うんです。それから、行政訴訟その他の問題につきまして、土地の評価、そういうことが審議会で問題になったかどうかという、これらは私、審議会で問題になったという記憶はございません。
 それから、落としましたが、学童等の通行上非常な危険があるという、これは学童ばかりじゃなく、参拝人もあそこが非常に込み合って、車と通行人で非常な混乱をしておる。ことに季節のいいときにはたいへんな混雑ぶりであるということを伺っておりまして、したがいまして、車道ばかりでなく歩道の問題も非常に重要だと考ております。
#64
○参考人(本田正次君) 二つの太郎杉の問題でございますが、いま御指摘がございましたように、今市から日光に向かっての道路筋とか、かつての道路筋とか、ちょっとその辺がはっきりいたしませんけれども、杉並み木かなんかに太郎杉というのがございます。これは杉並み木というものが大体四つに分けられるわけで、その一つの中で一番大きなものをどれもこれもみんな太郎杉という名前にしているというのは、これは慣習かなんかと聞き及んでおります。だから、いま二つの太郎杉の問題が出ましたけれども、あるいは三つないし四つ太郎杉というのがあるのじゃないかと私は思っておりますけれども、これは確実ではございません。二つは確かにございます。
 それから問題の神橋の太郎杉は、事件発生してから命名されたんじゃないかというようなお話がございましたが、それは、いま田村さんが申しましたように、そうでございませんで、いまお話しありましたように、その付近で最も大きなものを太郎杉という慣習もございますので、そういう意味で昔からそういう名前はございました。で、二つないしは三つ、あるいは四つあるかもしれませんが、二つ以上の太郎杉があるということは事実でございます。
 それから学童の危険の問題でございますが、これは私、審議会に属しておりませんからわかりませんですが、自然保護協会での話し合いの中でもそういうことは出ておりません。ただし、先ほどちょっと申し上げましたが、ほかの団体で私が属しております杉並木保存委員会というのがございますが、その中ではしばしば取り上げられた問題で、対策なども話し合われたことは私記憶いたしております。ですけれども、どうもこれはただいまお話のとおり危険でないということは断言できないわけで、したがって、対策は講じなければならぬという話はしばしば持ち上がりますけれども、さてそれではどうという結論も実は出ていないような状況で、これははなはだそのほうの委員会としては申しわけないことだと思いますけれども、事実はそうでございます。
 それから、他の二つの行政訴訟を云々ということ、これも私、審議会に屈しておりませんから、また、自然保護協金の理事会その他へも出ておりませんし、また、東照宮の当事者でもございませんので、それ以上は遺憾ながらお答えできません。
#65
○田中一君 予算折衝で大臣だいぶ忙しいようですが、あなたも二十分ばかりおくれたのだから二十分ぐらいお願いします。
 いま、同僚の委員からいろいろ質疑があったと思うんですが、田村先生の立場でどうも道路がどうのトンネルがどうのという御議論は私は伺うはずじゃなかったんです。しかし、田村先生はどうもそういう形、たとえば建設省側、道路をつくろうという側の立場に立って御意見をお述べになったのですけれども、これは私、はなはだ失礼でございますけれども、不本意です。やはりわれわれが尊敬している先生は、やはり自然というものに対するほんとうの防衛の最後の古木、太郎杉よりももっと古い、名前のいい方だと私は考えております。しかし、これは御意見ですから何とも言えませんが、大臣とししてはどうなんですか。どういう――いま土地収用委員会にかかっているから、その結論にまかすということが結局結論だと思うのです。今日では諸般の手続が済んで、これだけじゃ済みません。これはあなたの責任じゃないけれども、大体オリンピックを招致するのだといって何百本の木を切りましたか。東京都心から道路をつくるといっては木を切る、宅地造成をするといっては木を切る、築造物は人間の力で建造することができますが、自然の木というものは時間をかけなければ再現できないのです。私は、どういう理由があろうとも自然の景観というものは守るという立場をとるのが建設大臣としての役目じゃないか。建設大臣は、すべて合理化されて何でもかんでも便宜化していくならば日本の国土は荒廃してしまいます。何といっても自然を生かしながらわれわれ日本の国土を愛する気持ちじゃなければいかぬと思います。外国のことを言ってはおこがましいと思うのですけれども、共産圏へ行こうがどこへ行こうが、木を植えるということは人間社会の一番最初の仕事です。東欧圏へ行ってもソ連へ行っても、どのくらい木を大事にするか、同時にまた、おのおのの国の歴史というものをどのくらい尊重しているか、いろいろな遺跡をあらゆる金をかけて保存している。これは頭が下がる思いです。私どもことしの夏も行って帰ってきて、その情熱をかき立てているのです。りっぱな木は切るものじゃない。木あってこそ地域社会の生活条件だということです。いままでの建設省の行き方というものは全部そうです、木を切ることが文化的な都市をつくるのだということに尽きておる。これは道路局長もいるけれども、あらゆるところの木を切っております。この国会周辺も御承知のように道路の木はみな切っています。そんなものじゃないです。智恵がなさ過ぎると思います。イージー・ゴーイングなんですね。安易な気持でもって国土計画をやられちゃたまったもんじゃないのです。この太郎杉、あの景観というものは、車でもって見るべきものじゃない、田村先生はそうおっしゃったのです。これは田村先生の場合には、建設省のほうで一つの目的へ向かって進路を進めているから、それに迎合とは言いませんけれども、それらのお考えのほうが強くことばにも出ておりますが、歩いて見るべきものです。山なんというものは、遠山ならいざ知らず、平野の向うにある遠山ならいざ知らず、平野の向こうにある富士山ならいざ知らず、歩いて見るべきものです。歩いて日光の東照宮に行くべきものです。
 そこで大臣は、この問題は現に収用委員会にかけている、その結論をもってやるのだ、結論が提案者のほう、事業執行者のほうの結論が出ればやっていくのだというお考えに立っているのか、あるいは新しい建設大臣として新しい国土経営といいますか、また社会開発というものを佐藤内閣は表面に出しております。これは政策と申しますか、これによって別の観点から今回の道路問題を考えようという立場に立っておるか、これは十分にお考えの上答弁してほしいと思うのですよ。そうして私は再三向こうへ行っておりますけれども、奥日光の開発というものは、とうていここで二十五メートル道路をつくったからって解決さるべきものではないのです。これは建設省の道路計画の中にはちゃんと別の道路というもの、別の産業道路的な道路あるいは真の日光国立公園の一貫した、全部を総合したところの道路計画というものがあるはずです。いろは坂だけの道路でもって十分いま満足しているわけではありません。いま御承知のように別に道路をつくっております。奥日光に行くには、どうしても一方交通にならざるを得ないようになっております。せんだって現地へ行って、道路局長が十年くらいもつであろうと言うんです。十年くらいもつであろうという計画が五年になり、三年に縮まったという例をわれわれは見ている。日本の経済成長、国民生活、国民所得という面から見ても、戦争がない、平和な国土を考えたら、そんなものは三年でだめになります。したがって、妥協ということばを使ってはおかしいが、結局争っているんだから妥協でしょう、妥協してどんな考え方に持っていくかということは、新しい観点から考えていただきたいと思う。日光の市長がこれ以外にないんだと言っている、横川知事もそう言っている。これは何も最善なるものとして考えているのではないのです。建設省が押しつけているんですよ、予算上の措置から押しつけている。これが一番早くできるとか、六カ月でできるといってから、今日まで十年近くたっているんです。六カ月でできるという初めの計画がもう十年かかるのです。おそらくこれはわれわれ支持する側、自然の景観をそこなわないという側から見たらあと三年や五年はかかります。かけてみせます。それではほんとうの目的に達するのではないのだから、この際ひとつ小山さんあなたの新進気鋭のいい感覚で、社会開発という面から見ても、世界に誇るべき日本の国土という面から見ても、そういう面から見ても、それは一応現在固まっている政府の原案はけっこうです。それはそれで当然のことです。国民の税金をむだなところにやたらに使われちゃ困りますから、一番安い経費でいくにはこれだという案もけっこうです。しかし、いまのいき方でいくと、ないほうがいいですよ、これはないほうがいいですよ。東照宮なんていうものはないほうがいいということになるんですよ。私はここでひとつあなたの新しい感覚でどう持っていくか、一応これは収用委員会の結論を待たなければなりませんが、どういう答申が出ようとも、あなたの政治家としてのほんとうの考え方、方針というものを立てなければならぬと思う。私がしゃべると、一時間でも二時間でもしゃべっちまいますから、困るでしょうから、その点は十分お考えの上で善処していただきたいと思うのです。伺っておきます。
#66
○国務大臣(小山長規君) ちょうどお立ちの間に私の考えを申し上げたわけですが、田中さんも御承知のとおり、私は日向の国の生まれで、自然と自然に対する親しみというのは、私は人一倍強いと思っているのです。現に、これはよけいな話になりますけれども、宮崎県の国道をごらんになればわかる。あるいは道路をごらんになればわかりますが、あそこでは自然にマッチするように木を植えたり、あるいは木を残したり、そういう風習の間にわれわれは育っておる、そういうような県民性なんです。そういう意味で私は就任のときから太郎杉のことを聞いておりますから、まだ現場は見ていなかったんですが、何とか残す方法はないかという立場で、あらゆる面から研究さしたわけです。中には、いま太郎杉一本だけでも残そうじゃないか、つまりあそこを残しておいて、裏側といいますか、がけ側を道路にして、太郎杉一本だけでも残す方法はないかというようなことなども含めていろいろなことを聞き、かつ詳細にこれはどうだ、これはどうだというふうにいままで聞いてきたわけです。結局いま田村先生も言われたように名案がないんだ。名案がないんだとすると、結局いまの道路狭いままほうっておくのも、これも一つの方法ですよ。ただ、ほうっておいた場合に、一体どういうあれが出てくるのか、あるいはまた、非常な迂回路をつくった場合に、日光の市民感情はどうなるか、こういうことを考えてまいりますと、もう結局名案がないんだから、収用委員会その他の結論は待ちますけれども、いま考えている現在の道路を拡張して、その杉は十本か何本か切ることになりますけれども、それ以上の風致を害しないような方法を講ずるほかあるまい、こういう心境に達しているわけであります。
#67
○田中一君 そうすると、いまの政府の、原案というか、これは栃木県がやっているんじゃないです。横川君も言っておりますよ、これがいいというようなことでやっているんじゃないんだ。しかし政府でもってこれ以外にないんだと押しつけられれば、これ以外にやむを得ません。こう言っておるんでしょう。あなたが、やっぱりそうでしょう、小山さん。あなたが大臣になって日がないものだから、これがこうだというくらいの強いものを持ち合わせて、出したくても出せない面があるだろうと思うけれども、それじゃ問題が解決されませんよ。現に道路局長、君、この間十年この計画でだいじょうぶと言っていたね。十年くらいこれでいいと思うんですと言っているがね、奥地開発はどうするつもりだ、また奥地には、工場とかあるいは精密機械工場とかいうものを全然入れさせないのか。現在日光の精銅所がありますね。それから人間までこれ以上入れさせないという考えなのか。ほかに将来の道路計画はあるでしょう、あるなら説明してください。
#68
○政府委員(尾之内由紀夫君) 先ほど御説明申し上げたんですが、先般栃木に行きまして申し上げましたことは、ややことばが足りなかったと思いましてもう一回申し上げます。あの個所は前後十一メートルに車道としては造成されております。あの部分だけが車道幅員五メートル五十、全体の幅員は六メートル七十になりますが、結局局部だけ狭い、こういう状況でございます。私どもは歩道を少々狭くしても、車道はぜひ通したいということで、十一メートルの車道をあの前後三、四十メートルのところにつくりたい、こういう計画でございます。十一メートルという車道幅員は、私どもの技術的な計算によりますと、大体一万六千台の交通容量を持っておる。そういう交通容量に到達する時点がいつであろうかという将来の交通の伸びを想定してやりますと、大体昭和五十年になる、こういうことであります。五十年ごろになりますと、大体計算されたキャパシティの状態になるだろう、こういうことを申し上げたわけでございます。現在国道あるいは二級国道も含めまして、バイパス二次改修をやっております。これはやはり全体の資金的な面もありますが、大体キャパシティの倍ぐらいになったものを再改良する、こういう状況でございます。したがいまして、キャパシティと申しますのは、その状況になったら全然通れないということではございませんので、なおがまんすれば、その倍くらいは通れるのだ、こういう数字でございます。一つの計算された数字でございます。したがいまして五十年で一応キャパシティに到達するといたしまして、あるいはそれが若干早くなるといたしましても、通常の再改良の採択の考え方からいきますと、現在でもそういうところはたくさんあるわけでございますから、五十年が五十五年、あるいはもっと先まで使える状況にはある、こういうふうに考えておるわけでございます。しかし、それでこの二級国道がいいということではもちろんございません。おそらく時代が変わってまいりまして、自動車で早く行くという時代が来ると思いますので、当然この方面に入ります別の自動車専用的な道路が要るというふうに考えられるわけでありますが、その時点は、やはり東京から東北のほうへ参ります自動車道路が宇都宮に到達し、さらに北のほうへ伸びる、そういうやはり時期よりあとであろう。かように想定されるわけでありまして、そういうときには、もちろんそういう二次的なものをやるわけでありますが、しかし、とにかく当面あの局部が狭いという状況は、交通対策といたしまして、私どもの手元にあります事故調査にいたしましても、特に道路条件の悪いことによる事故がはっきりしているわけです。運転手の不注意とか、そういうことではなくて、この局所における道路条件が悪いということにはっきり起因する事故が目立っているわけでございまして、そういう点からいたしましても、至急当面対策としてこれを何とかさせていただきたい、こういうふうに考えているわけであります。
#69
○田中一君 道路局長は、あれをやるんだという前提でものを考えておる。日光国立公園、あの周辺の全体の観光地として見た場合に、あれで足りるという計算に立っておらないでしょう。ほかに計画があるでしょう、別案というものは。この六つ出しているA、B、C、D、Eと出している案のうち、これのうちこれは原案を生かすために、こういう計画線をつくっている。しかし、それらのものでなく、別に考え方を持っているでしょう、あれでいくという。あれがかりに十一メートールになろうが、二十メートルになろうが、それではすまないという考え方を打っているでしょう。それを発表してください。
#70
○政府委員(尾之内由紀夫君) 私が申しました今後必要であろうというのは、自動車専用道路でございまして、その図面にございます六案かとは違ったものだろうと考えております。それからもう一つ申し落としましたが、精銅所のほうへ参りますところの別の東京――日光線という二級国道がございます。これはまだ整備されておりませんが、いずれこれも二級国道として整備しなければならぬ状況にあろうかと思います。したがいまして、奥日光に対しては、その東京――日光線という別の二級国道が整備されれば、当分これによってまた交通は、奥日光の回線に対しては逃げ道がある、こういうふうに考えております。しかし、それより手前に対しましては、やはりいまの二級国道しかございませんから、いずれにしましても、その方向に別の新しい計画を必要とする、こういう想定に立っております。
#71
○田中一君 先ほど本田さんが言っているように、歩道にすべきですよ。たくさんありますよ、どこにも観光地には。世界じゅうどこでも、車が行って単が戻ってくるのです。それでいいのです。そして、奥の交通は別の道を通ればいい。大体いまの道路政策技術的にもバイパスという考え方に立って、抵抗が強いところは全部バイパスでもって迂回しているのです。それがいまの道路計画のもとをなしている。それが道路改良工事ですよ。なぜ日光だけは切る切るというのか、ほかがそういうことをしているか。していないのですよ。あれがもし伊勢大神宮ならどうします。伊勢大神宮なら、一本の木も切りますか。まだあります。まだ例がたくさんあります。単なる徳川家の廟として、そんなものだから軽く考えている。そういう政治的な意図じゃなくして、世界に喧伝されている日光というものは保存すべきだという前提に立ってものを考えて、考え直してごらんなさい。バイパスでもっていけばいいじゃないかということです。この間も市長が、日光の町がさびれてしょうがない――さびれるはずですよ。やはり近代化されたものにマッチする経営がなくちゃならぬ。奥をごらんなさい。奥は非常ににぎやかになっております。中禅寺湖その他に行ってごらんなさい。どんどん向こうに近代施設のホテルでも何でもできています。モーテルもできていれば、それこそ学校の生徒が泊まるようなところができています。だから、全体の計画というものは、ただあそこで、あそこをあの境内を切ればいいということじゃないのです。切られればどうするかを考えてごらんなさい。金の問題でしょう。これはいま、まあ当面そうしたものの決定が収用委員会にかかっているのだから、それをあなたが、あなたというより建設省として、政府として、それを期待することはできないと思いますから、これはやむを得ないと思う。しかし、これは小山さん、あなただって考えていただきたいと思う。歴史です、歴史。そのような考え方に立ってものを考えると、日本の国土がおまかせできないですよ。日本の国土計画はおまかせできないです、実際。どうそれを保存するかという形でもって考えるべきなのです。あの周辺を全部車を乗り入れさせないという本田さんの希望、これも一つの道ですよ。行き方ですよ。そういう例はたくさんあるのですよ。伊勢大神宮に車、乗り入れできますか。できないでしょう。区域を広げれば何でもないのです。たしか善光寺さんだって、あれは道が狭いため入れないはずです。歩かなければいけない。歩くところにいいものがあるのです。これはあなた方がそういう態度でいるのだから、もう大臣に聞きませんけれども、しかしこれはもう一ぺん考えてみてください。結論は結論として、小委員会の結論は結論として、考えてみてください。私は田村先生は最後までこの問題については戦ってくれるのだという気持でおったところが、君子豹変とは言いませんよ。あなたが会長であり、あなたが理事長でありしている団体で決定された陳情なり、何なり国会に出ている。にもかかわらず、個人の意見は違いますというなら、理事長はおやめになる以外にございません。私はあなたを尊敬しておりますよ。しかし、民主主義のルールでもって多数できまったのだから、私はどこまでも反対でございますという態度ならば、その団体にとどまることはできないはずです。はなはだ参考人に対して失礼な言い分ですけれども、私の自分の気持ちを申し上げたわけです。小山さん、これはもういいです。
#72
○瀬谷英行君 厚生省の国立公園局長においでいただいているのですけれども、私のほうから厚生省の立場での御意見を一度お伺いしたいと思っております。
 すでにいままでいろいろの意見が出ておりますし、参考人の方からも、あるいは建設省からも答弁がございましたけれども、国立公園局長という立場から見た場合には、日光はいかにあるべきかという見解もあるのじゃないかと思います。この問題についての考え方が一つと、それから、いままで何回かこのやりとりをした中で、どうもあれもむずかしい、これもだめだという意見も出てきたのですけれでも、一つの方法として、太郎杉が、まあ計画によると道を十一メートルに広げた場合には、ちょうど道路のまん中になるんですよ。その道路にセンター・ラインを設けるという場合に、一メートルぐらいの幅に杉が道路のまん中に残っていたって、あまりじゃまにならないのじゃないかという気がするのですけれども、まあ太郎杉といっても、ほんとうは本物の太郎杉は枯れてしまって、いまのは二代目だ。二代目だとすれば、ほんとうは次郎杉かなんかになるわけですが、この二代目の太郎杉をまん中に当たるところにそのまま置いておいて、そしてその向こう側のうしろのほうの五郎杉か六郎杉ぐらいに該当するやつを伐採をして、なおかつ景観を保持するというようなことは可能かどうか、これはまあ参考までにお伺いしてみたいと思います。
#73
○説明員(今村譲君) 第一点の日光のあの地区における基本的な考え方はどうかということにつきましては、この太郎杉の問題をひっくるめまして、実は公園局としましても、二十九年に急に問題が燃え上がってから十一年目かそこらになりますが、重視して、何とかこの問題は、太郎杉そのものは残して、別な案はないかというので、非常に長大なトンネル案とか、あるいは金谷ホテルの案とか、そういうふうに、前後、数にしますと六、七本ぐらいの案を、県なりあるいは建設省のほうなり、いろいろお考え願いまして、やってきたわけでありますけれども、いずれも経費の面もありますし、期間の問題もある、あるいは杉が枯れてしまうというような問題もあるというふうないろいろな問題が審議会でも問題になりまして、最後的には、結局御旅所の下をトンネルで通す案、あるいは現道の拡幅案と二つしかないのだというようないろいろな要件で煮詰まったわけでございます。あの御旅所の下のトンネル案ということにつきましても、道路工法上、トンネルの中でS字状になるとかならぬとかいうふうな専門的な議論も戦わされまして、最後的には、この現道案ということになったわけでございますが、気持ちとしましては、おっしゃいますとおり、できる限りの方法を考えてあれを残したいという気持ちは十分にあったわけでございまます。ただ一方におきまして、たしか二十八年ごろは大体一日に千台あるいは千二、三百台というふうなものが、三十三年ぐらいに――ちょっと詳細な資料ありませんが、ということで、三十八年ぐらいにはもう一日最高八千台をこすというふうな道路交通上のものすごいラッシュといいますか、それに伴う小学生なり、あるいは参詣人なりというふうなものの交通問題というふうなことがひっかかりまして、これは国立公園の中では、景観の保持ということが非常に大きな問題でありますが、それと同時に、やはり交通、人の流れ、あるいは利用者の利便、あるいは生命、身体の危険防止というふうな問題も一つございますし、それから国の道路政策としまして、国土というふうな点が出てきて、その辺の解決のためにはいろいろな案も、結局におきましては、ほかにかわる代案がどうしても技術的に見つからないということで、これは厚生当局としましても、これはやむを得ないのではないかという実は内々気持ちでおりましたし、審議会の中でもそういう御意見が多かったということで、ああいう三月十一日の決定ということになったわけでございます。
 それから第二点の、十一メートルのまん中にこの太郎杉を置きましてという問題でございますが、これは非常に大きな木でございまして、しかも相当高いところにございます。したがって、それを下のほうにおろして、路面内にひょっこり立てさせるというようなかっこうになりますと、ものすごい石がきの問題が周囲に出てきまして、技術的には、これは道路上の問題もいろいろあろうと思いますが、その案は実は審議会では議論にならなかったというか、そういう考え方は浮かばなかったのだろうと思いますけれども、私といたしましても、まん中に一本だけ大きな石がきで――あれは高さが相当高いわけでありますけれども、それを残すということは、これは道路の専門家でありませんからわかりませんが、道路技術上はむずかしいのじゃないか、こういうふうな気がするわけであります、率直に申し上げまして。その問題は、一本だけでも残そうということは、いまおっしゃるような形では、審議会のほうでも議論がされなかったという問題がございます。
 それから、前のほうの、二十二本と記憶しておりますが、それは残して、そのうしろに道路といいますと、相当大きな、何といいますか、堀り割りというふうなかっこうになりますので、それはちょっと私のほうとしては技術的にも困難ではないかということで、ついに一応入れることはこれは――しかし、それならばむしろ御旅所の下を通るトンネルのほうがいいのじゃないかという議論で、トンネル案と拡幅案と二つの案で議論が煮詰まってきた、こういうかっこうでございます。で、いまでもあの太郎杉のところのうしろのほうにも相当数の、これはそれほど大きい木じゃございませんけれども、相当ございます。ございますので、ある程度御旅所なり何なりが全部まる見えということはないのではないか、こういうふうに考えております。したがって、その辺の林というものをなるべく補植なり増穂なりいたしまして、景観の修景といいますか、そういうふうなかっこうにいけるような、技術的な方法を考えなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えます。
#74
○委員長(安田敏雄君) 他に御質疑はございませんか。――御発言がないようでありますから、本件についてはこの程度にいたしまして後日の委員会で再度審議をいたしたいと思います。
 参考人の方々には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。御礼申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
#75
○委員長(安田敏雄君) 次に、北海道開発庁の住宅問題等に関する件を議題といたします。
 本件に対し、質疑のあります方は、順次御発言を願います。
#76
○田中一君 最初に伺っておきますがね、開発庁にね。北海道開発局のほうで、いまどのくらい欠員があるかということですね。それから、定員外の職員を何人使っているかということ、仕事の量が三十六年度、七年度、八年度、この三カ年間で、職員一人当たりの生産量はどのくらいになっているか、それをひとつ説明してください。
#77
○政府委員(小熊清君) お答え申し上げます。
 開発局における欠員でございますが、本年の九月四日現在で調べた欠員でございまするが、五十二名になっております。
 それから、第二点の定員職員以外にどのくらい職員を使っておるかというお尋ねでございますが、これは先生御承知のように、定員で処理することの適当でない、一時的あるいは臨時的な仕事がありますので、そのような仕事に対するものといたしまして、いわゆる非常勤の職員というものを雇用しておるわけでございます。その数は一時的なものが多い関係上、必ずしも固定はしていないわけでございまするが、おおむね事業の最盛期になりまする五月から十月、十一月ごろにかけましては、おおむね月平均四千人くらいにのぼっておるというふうに見ております。
 それから第三の三十七年、三十八年、三十九年の各年度における職員一人当たりの消化量はどのくらいかというお尋ねでございます。この点につきましては、実はただいま手元に三十九年の資料しか持ち合わしておりませんので、さしあたり三十九年についてお答えさしていただきまするが、開発局全体といたしまして直轄事業費を消化いたしまするに、臨時職員一人当たり三十九年が二百四十万四千円ばかりになっております。それからただいま三十八年、三十七年の資料が出ましたので一緒にお答え申し上げまするが、三十八年は二百十四万円ばかり。三十七年が百八十七万円程度ということになっておるわけでございます。
#78
○田中一君 北海道は全部請負契約になって仕事しているから、少ない年とはだいぶ違っているところがありますけれども、三十七年度の百八十七万円、これに対して三十九年度の二百四十万円ということになると、相当大幅な伸びなわけですね。伸びというか過重な――過重か楽かしらぬが、とにかく消化量が多いということですね。これで、これは当然このくらいできるのだという認定のもとにやっておるのですか。
 もう一つ聞きたいのは、三十七、八、九のし残しの量は、予算はどのくらいありましたか、年度内で残した量は。あれはどういうことばだったですか。
#79
○政府委員(小熊清君) 事業量は職員一人当たり三十七年、三十八年、三十九年というふうに、ただいま申し上げましたようにふえておるわけでございます。しかしながら、これに対して定員のほうの増加は必ずしもこの割合では増加しておらないのでありまして、事業費の面だけで見まするならば、職員の負担がふえてきておるということになろうかと思います。しかしながら、開発局といたしましても職員の負担の増加は、できるだけこれを避けるという方向で、いろいろ事務の執行面においてくふうを加えていきたい。たとえば事業の大型化をはかるとか、あるいは請負化をさらに促進するとか、あるいは測量事務とか設計事務等についても、外注に出し得るものはなるべく外注のほうに回すとかいったような事務の簡素化、あるいは合理化といったものを極力行ないまするとともに、機構の整備あるいは職員の適正な配置といったようなものをあわせてできるだけ行なっていこうということで、なるべく職員の負担が急にふえないように、できれば無理なく事業量が消化できるというふうにいろいろと努力をいたしておるわけでございます。
 それから第二点の予算の年度繰越額はどうかということでございますが、まことに恐縮でございますが、ただいま資料を手元に持っておりませんのですが、三十七年度から三十八年度への繰越額、これは前年度の繰越額よりも減っておったというふうに考えております。具体的な数字は、ただいまちょっと持ち合わせておりませんので、全体として少し減っておったというふうに考えております。
#80
○田中一君 四十年度の要求定員はどのくらいになっておりますか。
#81
○政府委員(小熊清君) 四十年度予算につきましては、ただいま財政当局のほうに要求しておるのでございますが、各事業の事業量の増加要求をいたしております。それに伴いまして当然定員のほうも増加する必要があるということで要求しておりますのと、明年度から河川法が全面的に改正されましてそれが施行されるということで、これに伴って当然業務がふえるというような関係もございますので、その他いろいろ合わせまして……。
#82
○田中一君 分割してお答えください。予算増によるところの定員要求は幾ら、それから河川管理によるもの幾らというふうに分けてください。
#83
○政府委員(小熊清君) 事業量の増大による分が六百三十九名でございます。この中には事業の増加のほかに、用地事務の用量とかあるいは自動車の運転手等も入っておる。それから河川関係の管理に要する人員として百八十二名、その他組織の整備でありまするとか、試験研究機関の強化といったようないろいろなものを全部ひっくるめまして全体で九百二十一名の要求をいたしております。
#84
○田中一君 九月四日現在で残っている五十二名の充足については、この予算の補正に伴う大蔵大臣の要求で閣議決定でもって充足しないというふうな話があったというふうに聞いておりますが、毎年どのくらい年度末には、年度末というか、九月四日現在で、どのくらい欠員があるのですか。
#85
○政府委員(小熊清君) 本年の九年の四日では五十二名と申し上げたわけでございまするが、例年大体九月ごろはその程度かと思います。だんだん年度末になるに従いまして、また自然退職がございますのでふえていくことになります。
#86
○田中一君 これはいまの制度としては充足できることになっておらないのですか。欠員に対する……。
#87
○政府委員(小熊清君) この九月四日現在の欠員は、行政管理庁のほうからの御指示で、原町としてはこれは補充してはいけない、ただ例外的に特に事情のあるものについては、行政管理庁のほうと協議をして認めることもある、かような扱いになっておるわけでございます。
#88
○田中一君 そうすると、五十余名分の実際の人件費は年度返すのですか。それとも事業費に伸ばしているのですか、その予算は。
#89
○政府委員(小熊清君) 予算上は人件費と事業費がはっきり分かれております。欠員が生じた分の人件費は、これを事業費のほうに回すということはございません。
#90
○田中一君 その金どうしているの。
#91
○政府委員(小熊清君) 予算の積算上ある程度の不用額が最終的に出ることになろうかと思います。
#92
○田中一君 とにかく、年度ごとにいままで人件費が余ったからといって返した例はないね、あるの、どっちなの。
#93
○政府委員(小熊清君) 人件費に、決算において不用額が出た場合には、それは不用額として決算されるということになります。
#94
○田中一君 いやそんな例あるか、実際そうかい。人件費は流用できるはずですよ、大蔵省の許可を受ければ。
#95
○政府委員(小熊清君) 年度途中において流用いたすということは、もちろんあり得るかと思います。いま私がお答え申し上げましたのは、さような流用とか移用とかという措置がとられないで年度末までいった場合には、これは不用額になるということを申し上げたわけであります。
#96
○田中一君 いまは当然そうなるのだけれども、返した例がありますか、これは余りましたといって人件費を返した例があるかい。とにかくじゃ決算を持ってきてくれ、全部、ここのところ十年ぐらいの間の、そんなことできっこないよ、君、勝手に流用して使っているじゃないか、年々返しているか。それは君ね、簡単に言うなよ、議事録残ると困るから。おそらくこれは流用して、流用を認めてもらって使っているはずだと思う。どうなんですか、この点は。
#97
○政府委員(小熊清君) 人件費の各年度の決算がどうなっておるか、不用額として立てておるか、それとも全部使い切っておるかという点については、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、後ほど資料として提出したいと思います。
#98
○田中一君 それから、これは行政部費の分と事業費と北海道どうなすったかな、この点は。全部事業費になってまかなっておった分、現場関係はみんなそうだね。それから管理職関係は別に行政部費になっているが、どのくらいになっている、それは区分けすると。いやそれは数字はいいけれども、それはどちらが、いま監理官言っているのはどちらの分は返します、どちらの分は事業費でもって流用しますと言われておるのだ。この五十二名の欠員の問題もどちらの分の欠員かということで、行政部費でまかなうべきものかあるいは事業費でまかなう職員の分か、その点を混同しちゃ答弁にならなくなってくるのですよ、そういう点が。で、私の言いたいのはこういうことなんだよ、当然欠員の分を事業費に流用して事業の伸びを見た場合には、結局労働強化になるということは間違いないやね、これは。事業費が伸びるのだから。で、現に定員をふやさないということは、一貫してそういう方針でいるけれども、実際に、事務次官、君政府委員か、何だい、説明員か、何だい。
#99
○説明員(谷藤正三君) ただいま先生に呼ばれて……。政府委員じゃございません。
#100
○田中一君 政府委員でなければ質問しても困るな。
#101
○委員長(安田敏雄君) 政府委員じゃない、説明員。
#102
○田中一君 じゃ大臣どうしたんだい。
#103
○委員長(安田敏雄君) きょう来られない。
#104
○田中一君 それじゃしょうがないね。これでいいと思っている、北海道の場合に。
#105
○説明員(谷藤正三君) ただいま最初の質問、先生の質問にありました五十二名は、工事事務費の職員でございます。大体が工事事務費でございます。ということは、御承知のように、閣議決定の線で欠員不補充の問題が出てまいりました。私どもといたしましては、この中で、あの文章の中にありましたところの、特に事情やむを得ざるものということで、五十二名というものも充足してもらいたいということで、特にやむを得ざるということになりますというと事業上の問題がございます。したがいまして、この行政管理庁と目下話し合いをしていますのは、工事事務上のやむを得ざるという事情を付しまして、いまの解除をしてもらいたいということで交渉しておるわけでございます。これには若干の、最初の、今年度の充員の、増員との話し合いがございまして、増員が決定いたしましたときには、すでに公務員試験を通った者が一人もいなかったという現実がございます。それで採用試験をやりまして、任用上の問題でございますから、採用試験をやって補充しようということで話を進めております途中におきまして九月四日の閣議が出てきた、こういう段階になっております。したがいまして、前の話と違うじゃないかということで、政府管理庁のほうには充員、補充、いまの解除の問題を特に強く要求しておる段階でございます。
 それから仕事の執行につきましては、これはいろいろ内地の建設局との問題と関連がございますけれども、増員が、事業量がふえた割合には毎年の増員はふえておりません。したがいまして、個人当たりの消化量は逐次ふえておるという状態になっております。ただ前にもいつか申し上げましたように、それでは執行体制がいつまでも不可能かという問題がございます。それに対してわれわれとしては消化せざるを得ない、北海道開発のためには全力を尽くして仕事をしなければならない。そうしますと、従来の執行体制の中に若干考えるべきものがないかということが、今後の問題になるかと思います。先ほど監理官から申し上げましたように、機械化の問題とかあるいは執行体制の全体の組織の問題、こういうことを検討いたしまして、逐次それに対応いたしてきておるわけでございまして、今後ともその点についてはなお十分検討いたしたいと、こういうふうに考えております。
#106
○田中一君 現在仕事は間に合っていないでしょう。
#107
○説明員(谷藤正三君) ただいま十一月末の状況で、本年度の工事量につきましては九〇%消化いたしております。残りの一〇%でございますが、あと用地その他の若干の工事がございましたのと、冬期間に橋梁その他の工事がございます。あと残りはトンネル工事がございます。こういうものを消化いたしますというと、いまの大勢では、大体年度末までには完全に消化できる、こういうふうな自信を持っております。
#108
○田中一君 三十八年度はどうですか。
#109
○説明員(谷藤正三君) 三十八年度も大体同じような状況だったというふうに承知しております。これは、稲穂峠、倶知安峠、その他のトンネルがございましたので、大体それで消化できた。
#110
○田中一君 北海道開発庁長官は行政管理庁長官を兼務しておられるから、きょうのような問題に逃げるのはあたりまえだけれども、これは委員長、何かの機会に呼んでもらわなきゃ困るんだ。一人二役しているから、結論すぐ出るんですよ。兼務してるんだから、出すほうも使うほうも両方やってんだからね。この面は、ひとつぜひとも、北海道のような季節的な悪条件のあるところは、やっぱり定員を確保するということです。そういう方針を特別に扱ってもらわざるを得ないと思う。内地の場合にはまだ直轄工事、直営工事があるもんだから、多少それをいまの方針として請負にもっていくということでもって若干カバーできるかもしらんけれども、北海道の場合できないですよ、全部請負でやってんだから。これは大臣にもよく話をしておいてください。
 次の問題だ。私はまあよく北海道に行って、北海道の実情を見ておるんですが、北海道では三十八年度、三十九年度には公務員住宅どれくらい建ってる。
#111
○政府委員(小熊清君) 公務員宿舎の設置戸数、実は年度別にはいま手元に持ち合わせておりませんですが、三十九年の十月一日現在の公務員宿舎の数は三千九百戸余りになっておることになっております。
#112
○田中一君 三十九年度で要求したものは。
#113
○政府委員(小熊清君) 北海道開発局の職員の人居する公務員宿舎は、そのほとんどが各事業費の中で建設をいたすわけでございます。
#114
○田中一君 一%でしたね。
#115
○政府委員(小熊清君) したがいまして、建設事業費の中でどれだけ割り振るかということを大蔵当局と折衡いたすわけでございまするが、三十九年度は大体一%程度だったと思っております。
#116
○田中一君 大体何戸くらいになるわけですか。総額幾らですか。あとで計算してもらおう。
 そこで三千九百戸あるけれども、この三千九百戸これは全部公務員住宅としてきたものじゃなくて、事業費の何%かを使って、一%以下を使って建設されたものだけですか。そうでなくて上級官僚の住宅なんかの宿舎はどうしているんです。それは例の特別会計のほうから金をもらって建っているものもあるんですか。
#117
○政府委員(小熊清君) ただいまの三千九百戸は、ほとんど大部分が工事費のほうから建てました宿舎でございまして、したがいまして、現場の宿舎ということになろうかと思います。ただ、そのうち数は多くないと思いまするが、管財局所管のほうの宿舎費で設置したものもあるかと思います。
 それから先ほどの三十九年度のお尋ねでございまするが、正確な戸数はただいまちょっとわかりませんけれども、大体金額にしては五億程度ではなかったか、一%ということで。
#118
○田中一君 三千九百戸いままでできているというものを調べてみると、大体一般職員よりも役付職員が入っている家なんですよ。そうして安い家賃で入っておるわけだ。実際下級職員の住宅なんかに充足される額じゃないわけですね。これは次官も知っておるね、その点は。そうした面はどういうぐあいに認識しているね。
#119
○説明員(谷藤正三君) これは先生のほうがよく知っているくらいでございまして、問題の公務員宿舎として財産になりましたものは、これは公務員宿舎法に基づきまして入掛基準がございます。その基準に従いまして当然やることになるわけでございますけれども、実際には現場の立場に立ちますというと、そういう運営だけではできませんで、ある者によっては、若い者でも離れておる者に対しては、そういう夫婦を入れなければならない場合が出てまいります。工事の施行体制に入居基準を基準としながら運営していかなければならぬ場合が多々出てまいりますので、原則的には建設局のあるところにつきましては、これは入居基準に従ってまいりますけれども、事業所になりますと、相当変わった形のものが出てこざるを得ないわけであります。
#120
○田中一君 これもさっきの欠員の問題と一緒に特別な扱いをしてもらわざるを得ないんですよ、実際に、北海道の場合には。これは監理官少しだらしないぞ。もう少し強く、内地と違うんだから。これは自転車もきかない、何もきかないところなんですよ。その場合に、そういう近距離の場所ばかりでなくて、現場は移動するんだから、これはどうしても一%と言わないで三%ぐらい取るような努力をしてもらわなければうそだと思う。除外例を設けてもらうんですよ。それを同じような条件で画一にやったらたまったものじゃないですよ。その点は今度の来年の予算の要求の際にどういう態度をとっておりますか。
#121
○政府委員(小熊清君) 北海道の特殊事情につきましては、従来から関係のほうに強く要求しておるところでございまして、これは坪数のことでございまするが、北海道は内地に比べて石炭置き場等でどうしても坪数をよけい必要とするということを強く言っておりまして、その結果と申しましょうか、今年の六月に宿舎法の施行規則が改正になりまして、それまで内地よりも一坪だけ多い坪数を認められておったわけでございます。それが二坪になったということもございます。また、ただいまお話のありましたような宿舎の数をできるだけ確保していこうということについては、事業費のきまりぐあい等ともにらみ合わせて今後とも努力をいたしたい、かように考えております。
#122
○田中一君 私は結論づけて言うと、欠員があれば欠員の金をどこに持っていくか。欠員に対する剰余金はどこに持っていくか。この金は合理的に合法的にやはり要求されているものに持っていくということが一番正しいと思うのです。事業に持っていけば。それでなくてすら労働強化になっている。三十七年度との比較は三十八年度百八十七万円、三十九年度二百四十万円と伸びておるのだから、消化量が。だからそういうものに、これは当然単なる特別な金をやるとか何とかというのではなくて、当然国の財産として残るものだから、そういうほうに重点的にやるということが一番必要だというのですよ。そのくらいな配慮をやはりこちらの北海道の場合には例外を設けてもいいと思う。そういう例外を設けて要求をしてもいいと思うのですよ。いまの大臣の増原君は北海道へ何べん行きましたか、就任してから。
#123
○政府委員(小熊清君) 大臣が就任されましてから北海道に三回ばかり来られていると思います。
#124
○田中一君 大臣は三回。その三回はどういう行程で、どういうコースで歩いたか説明してください一回ごとに。
#125
○政府委員(小熊清君) 長官が北海道を視察されまする場合には、開発事業の現地を親しく見るという観点から、初め第一回には……。
#126
○田中一君 何月。
#127
○政府委員(小熊清君) 八月でございます。道央地区を中心に道南地区あわせて視察されると、次の機会には道東地区を視察されるというぐあいに、大体北海道開発事業に視察を要するような個所はどこといって偏することなく視察されたというふうに考えます。
#128
○田中一君 まだなったばかりだから冬は行ってないですね。第四回目の北海道行きはいつごろになって、どういう行程を準備をしているのですか。
#129
○政府委員(小熊清君) 次の長官の北海道の視察の予定については、まだ伺っておりません。
#130
○田中一君 夏行ったってしょうがないんですよ、北海道というところは。やはり一月にはぜひ――まあ国会も、予算も固まってくると、大体まあ一月末から二月の初めに国会が開かれるから、その間にぜひ行くようにひとつ言っておいてください。そうして、ことしじゅうに通常国会になるともう一ぺん委員会を持つと思うから、そのときには必ず出席するように、これもひとつ監理官からも次官からも、要求しておいてください。そのときに締めくくりの質問をしておきますから。
#131
○委員長(安田敏雄君) 他に御発言がございますか――。他に御発言がないようでございますから、本件につきましてはこの程度にとどめておきます。
    ―――――――――――――
#132
○委員長(安田敏雄君) 次に、請願第九号緑川並びに関連支派川の改修事業促進に関する請願外十二件を一括して議題といたします。まず、中島専門員から説明を聴取いたします。
#133
○専門員(中島博君) それでは、この一枚紙の順序に従いまして申し上げます。
  〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
 文書番号の第九号でありますが、これは埼玉県の県南緑川等改修事業促進期成同盟会の大野元美さんからの請願でございますが、緑川並びに関東支派川の改修事業促進に関する請願。「埼玉県南荒川左岸低地帯に位置する川口市、戸田町、蕨市、浦和市一帯を連年の水害から救い、地区民が安定した生計を営みうるよう、緑川改修事業の早期着工と、本低地帯の内水排除事業の完成を図られたい」という請願であります。
 次の二番の請願は、一一九号でありますが、これは鳥取県千代川の一級河川指定等に関する請願であります。請願者は鳥取市長でありますが、内容は次の三番も同じであります。「現在適用河川に認定されている鳥取県の最大河川である千代川を新河川法による一級河川に指定するとともに、更に指定区間を智頭町並びに若桜町まで延長し、国の直轄事業として全域にわたる改修工事を早期に完成されたい」という請願であります。
#134
○理事(瀬谷英行君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
  〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
#135
○委員長(安田敏雄君) 速記を始めて。
 では、引き続いて専門員のほうから道路、都市局関係について説明を受けます。
#136
○専門員(中島博君) 次は道路関係でありまするが、四番の道路整備措置に関する請願、これは「去る十一月五日米子市で開催された、全国道路利用者会議全国大会において決議した、左記事項を実現せられたい」という請願でありまして、
 「一、新道路整備五箇年計画の内容として地方道の整備に重点を向け、次の事項を実施すること。1国庫補助事業として行なう地方道の改良、舗装に対する予算割当ての比率を引き上げること。2車両制限令に対応するバス路線の整備を急速に行なうこと。3奥地等産業開発道路整備臨時措置法による事業の促進を期すること。二、地方道路財源の拡充のため起債政策の強化を図ること。三、交通安全施設の整備を促進すること。四、高速道路網計画の策定を急ぎ、その早期実現にいっそう努力すること。」という内容であります。
 次の文書番号の二二号でありますが、これは東北自動車道の早期着工に関する請願でありまして、これは青森県の県会議長三村泰右さん外六名の請願であります。「新道路整備五箇年計画の予算配分に当っては東北自動車道の建設を優先させるよう北海道、東北六県議会議長会の決議により、強く要望する」というのがその内容でございます。
 次は八〇五号でありますが、これは関越自動車道の早期建設に関する請願でありまして、「関越自動車道建設促進同盟会は、昭和三十九年九月二十七日、通常総会を開催し、関越自動車道建設について満場一致をもって左記事項を決議したから、すみやかにその実現を図られたいとの請願。」でありまして、「一、昭和四十年度に調査が完了するように所要経費の獲得を期すること。二、「予定路線を定める法律」の早期制定を期すること。」という内容であります。
 次の二九一号は、奥州中部、北上山地縦貫産業開発道路早期着工に関する請願でありまして、これは、「昭和三十九年度で調査が完了する予定の、奥州中部、北上山地縦貫産業開発道路を、奥地産業開発道路整備臨時措置法による路線に指定し、早期に着工整備するよう強く要望するとの請願。」であります。
 次の文書番号一三一は、これは、長野県の県会議長風間和夫氏からの請願でありまして、関東ローム地域の道路整備特別立法等に関する請願であります。「長野県の浅間、八ケ岳、飯綱等の火山群から噴出した火山灰が、たい積してできたローム層地域の道路整備を円滑に推進するため、すみやかに左記事項を実現するよう強く要請するとの請願。一、ローム地域における道路整備に関する調査機開を設置し、その対策を確立すること。二、ローム地域の道路整備に対し、単独立法の措置を講ずること。」という内容でございます。
 次の請願二〇〇も同じでございます。
 それから、次の一〇五号は、宮城県の県会議長からの請願です。「一級国道四十五号線の整備促進を図るとともに、全線を道路法第十二条の二(一級国道の維持、修繕その他の管理)の指定区とされたい。なお、これが整備については、北海道同様に道路法第八十八条(道等の特例)の特例措置を講ぜられたい。」という内容であります。
 次の一〇六号は、これは青森県の八戸市、野辺町間道路の二級国道指定に関する請願でありまして、これは八戸市を起点として百石町、三沢市、六ケ所村、東通村、大畑村、大間村、佐井村、川内町、むつ市を経て野辺地町に至る路線を二級国道に指定していただきたいという請願であります。
 それからもう一つは二七四号、これは御承知の日光神橋付近の由緒景観の保全及び交通上の施策に関する請願でありまして、これは先ほど調査をいたしました内容のものであります。これで道路局関係終わります。
 それから次の都市局関係は一つでございまして、これは、八〇〇号の下水道施設の整備拡充に関する請願でございます。これは「日本下水道協会中国四国地方支部結成総会参加者の総意をもって、決議した左記事項の実現を強く要望する。」ということでございまして、「一、下水道及び終末処理施設緊急整備五箇年計画をすみやかに閣議決定すること。二、昭和四十年度下水道関係国庫補助を左のとおり計上すること。建設省関係百四十九億一千万円、厚生省関係三十八億五千四百万円、合計百八十七億六千四百万円、三、昭和四十年度下水道関係起債を左のとおり計上すること。建設省関係三百二十億円、厚生省関係百五十五億円、他に水洗便所起債要望額五十六億円、合計五百三十一億円、四、下水道起債の償還年限(現行二十五年)を四十年以上に延長すること。五、下水道起債の利子(現行六分五厘)を五分程度引き下げること。なお、公営企業金融公庫債についても前二項に準じて延長又は引下げを行なうこと。六、現行の下水道の国庫補助率三分の一を三分の二に引き上げること。」という内容でございます。
 以上でこの十三件の内容を終わります。
#137
○委員長(安田敏雄君) ちょっと速記とめて。
 〔速記中止〕
#138
○委員長(安田敏雄君) 速記つけて。
 本件に関し質疑のある方は、順次御発言願います。議事の取り扱いとして河川局関係からこの順のとおり審議することにいたしますが、御了承願いたいと思います。
 それでは整理番号一の緑川並びに関連支派川の改修事業促進に関する請願、これについて審議を行ないます。
 政府のほうの意見を聞きますか。――それでは河川局関係のこの三件について御説明願います。
#139
○説明員(国宗正義君) 整理番号一の緑川並びに関連支派川の改修事業促進に関する請願につきましては、埼玉県の南荒川左津低地帯に位置する川口市、戸田町、蕨市、浦和市一帯を連年の水害から救うための住民から改修の請願でございます。建設省といたしましては、緑川流域の近年におきまする被害の実情にかんがみまして内水排除その他河川改修事業を早急に実施する必要があると考えまして、改修計画を目下検討中でございます。検討中の改修計画によりますと、総事業費はおおむね十四億八千万程度に相なる計画でございます。なお昭和四十年度より新規中小河川改修事業として予算要求中でございます。(「採択」と呼ぶ者あり)
#140
○委員長(安田敏雄君) 採択でいいですか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(安田敏雄君) 次どうぞ。
#142
○説明員(国宗正義君) 整理番号二の鳥取県千代川の一級河川指定等に関する請願につきましては、建設省といたしましては千代川の一級河川の指定につきましては、現在作成中の治水新五カ年計画におきましては、一級河川として指定し、工事の促進をはかる方針のもとに、現在関係当局と折衝中でございます。指定区間を卸頭町並びに若桜町まで延長することにつきましては、本川の智頭町までにつきましては、すでに昭和三十七年度より小規模河川改修事業として工事を実施中でございます。また、八束川につきましては、現在八東町河住地先まで昭和二十六年度より中小河川改修事業を継続実施中でございます。若桜町までの区間の延長につきましては、右のような次第でございますので、現在のところ予定しておりませんが、なお県当局の意見も聞いた上で結論を得たいと考えております。ちなみに千代川の五カ年計画におきまする事業量二十九億余りでございます。千代川上流につきましては千九百万昭和三十九年度に実施し、八東川については二千四百万、千代川本川につきましては二億二千万の事業を実施中でございます。
#143
○委員長(安田敏雄君) これどう、一級河川の指定というのは。採択して……。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(安田敏雄君) 採択いたします。
#145
○説明員(国宗正義君) もう一つ、鳥取県千代川水系の一級河川指定に関する請願につきまして。千代川の一級河川の指定につきましては、さきに申しましたように、現に作成中の治水新五カ年計画において一級河川に指定することといたし、その工事の促進をはかる方針のもとに現在関係当局と折衝中でございます。なお、請願にございます旧袋川下流部の洪水防御及び内水排水対策につきましては、治水新五カ年計画においてその大半を完成する予定になっております。
#146
○委員長(安田敏雄君) ちょっと聞きますが、前の整理番号二も河川法が変わって、一級河川の指定は河川、審議会で取り扱うようになっているわけでしょう。こちらが先に採択決定して、その関係はどうなりますか。
#147
○説明員(国宗正義君) 河川法に基づきますと、一級河川の指定は、御指摘のように河川審議会の意見を聞き、関係府県知事の意見を聞いた上で、大臣が計画と予算をにらみ合わせた上で決定するものでございますが、ただいまの請願は、採択されますならば、それに向かっての処理意見は政府で別にあらためて提出いたすことにいたします。
  〔「採択」と呼ぶ者あり〕
#148
○委員長(安田敏雄君) 二、三採択。
 では、道路局関係をお願いいたします。
#149
○政府委員(尾之内由紀夫君) 整理番号四。道路整備措置に関する請願は、第一番目は地方道整備について三点要望が出ております。一つは、国庫補助として地方道の改良舗装を促進すること。二番目は、車両制限令に対するバス路線の急速整備。三番目は、奥地等産業開発道路整備臨時措置法の事業促進でございますが、一番目は、特に舖装につきましては県道舗装等を含めまして大幅に延ばすつもりでございます。請願の趣旨に沿うよう努力いたしております。
 それから車両制限令に対するバス路線も、おおむね二年間に整備を完了する予定で予算措置を考えております。これも請願の趣旨に沿えるものと考えております。
 奥地等産業開発道路は新たな立法でございまして、ただいま政令を各省と協議中でございますが、すみやかにその作業を終えまして、所要の道路指定を行ない、新五カ年計画においても財源の許す範囲で促進したい、こういうことでございます。
 それから二番目は、地方道路財源の拡充のために起債政策を拡充強化されたい、こういう趣旨のものでございますが、これは主として自治省で要求しておるものでございますが、いま大体百十五億くらい来年度に対して要請しておるようであります。建設省といたしましても、側面的にこれを支持するということでこの請願の趣旨に努力したいと思っております。
 交通安全施設の整備は、これも本年度は道路標識をおおむね整備いたしましたが、来年度は引き続きまして防護さく、道路照明等について、この趣旨に沿うような整備の促進をするつもりで、ただいま予算要求中でございます。
 四番目は、高速道路網計画の策定についてのことでございますが、これもそういう趣旨に従いまして現在調査中でございまして、なるべくすみやかに成案を得るようにいたしまして、その請願が出ましたならば、すでにきまっておりますものを含めまして、全国的な高速道路網計画の調整をはかり、その上で建設の促進をはかると、こういう趣旨で、これも請願の趣旨に沿うつもりでございます。
#150
○委員長(安田敏雄君) 採択していいですね。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(安田敏雄君) 採択いたします。
 次が整理番号五の東北自動車道の早期着工に関する件。
#152
○政府委員(尾之内由紀夫君) 東北自動車道の早期着工についてでございますが、これは他の中国、九州、北陸各自動車道とともに、本年六月予定路線の決定を見ましたが、これに基づきまして、来年度新規着工を予定いたしまして、予算を要求いたしております。私どもの考えでは、緊急に整備を要する区間から来年度着工したいという趣旨でございまして、全般的にはこの請願の趣旨に沿えると、こういうふうに期待しております。
#153
○委員長(安田敏雄君) 採択してよろしゅうございますね。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(安田敏雄君) 採択いたします。
 次は六。
#155
○政府委員(尾之内由紀夫君) 関越自動車道の早期建設につきましては、請願の趣旨は、調査費の計上と予定路線を定める法律を制定すると、こういう二点でございますが、まずとりあえずやらなければなりませんのは、調査の実施でございます。これにつきましては、四十年度新たに、すでに三十九年度予算を千二百万円つけまして調査を開始いたしておりますが、四十年度引き続きこれらの基礎調査を行なうようにしたいと、こういうつもりでおります。
#156
○委員長(安田敏雄君) 採択してよろしゅうございますか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#157
○委員長(安田敏雄君) 採択いたします。
 その次、整理番号七について。
#158
○政府委員(尾之内由紀夫君) 奥州中部、北上山地縦貫産業開発道路早期着工についての請願でございますが、これは先ほど申し上げましたように、ただいま奥地等産業開発道路整備臨時措置法に基づきます所要の政令を準備いたしておりまして、この政令の制定に従いまして、逐次所要の路線を指定していくという考えでございまして、この法の趣旨に基づきまして、関係知事の意見を聞くことになっております。その際地元の、要望を十分調整して定めたいと、こういうことでございます。
#159
○委員長(安田敏雄君) 採択してよろしゅうございますか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(安田敏雄君) 採択いたします。
 整理番号八、九について。
#161
○政府委員(尾之内由紀夫君) 整理番号八、九は、いずれも関東ローム地域の道路整備特別立法等に関する請願でございまして、これはローム地域の非常に地質の悪いところにおきまして、道路の整備に対しての特別の立法並びにそのための調査の要望でございますが、これはまだ現状よくわかっておりませんので、とりあえず建設省といたしましては、土木研究所におきまして調査研究いたしましてその対策の確立をはかるようにいたしたいと思っております。現行制度の範囲内でとりあえず特殊改良二種によります路盤の築造等やりまして、単独立法以前にできるような措置をとるということによって、この請願の趣旨に沿いたい、こういう考えでございます。
#162
○委員長(安田敏雄君) 採択してよろしいですか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○委員長(安田敏雄君) 採択いたします。
 次に、整理番号十について。
#164
○政府委員(尾之内由紀夫君) 整理帝号十でありますが、これは一級国道四十五号線等の整備促進ということと、もう一点この整備のために北海道と同様に道路法第八十八条(道等の特例)の特例措置を講ぜられたいということでございます。前段の整備促進をはかることについては、そのつもりで措置するつもりでございますが、後段の道路法第八十八条の特例の適用につきましては、これは非常に影響大なるものがございますので、現在のところ、こういう要望に沿うことは困難と考えております。
#165
○石井桂君 前段は採択、後段はいけないというのはあるんですか。
#166
○委員長(安田敏雄君) 保留にしておきましょう。
#167
○瀬谷英行君 むずかしいというのは、それはどういうことなんですか。道路法八十八条というのはわからないんですけれども……。
#168
○政府委員(尾之内由紀夫君) 道路法第八十八条と申しますのは、北海道の道道等に対する特例でございまして、いわゆる全額国庫で整備する根拠条項になっております。東北も北海道並みに全額国庫でやってくれと、こういう趣旨でございますが、なかなかこの適用につきましては、従来いろいろ議論がございますが、他に影響するところも多大でございます。それからすでに東北には低開発地域の補助率のかさ上げもやっておりますので、これを全額にするということは、非常に目下のところ困難であると、かように考えております。
#169
○瀬谷英行君 それがあるからちょっとむずかしいというわけだな。
#170
○委員長(安田敏雄君) 保留でよろしゅうございますね。
 それでは次が整理番号十一。
#171
○政府委員(尾之内由紀夫君) この青森県八戸市――野辺地町間の道路の二級国道指定の請願でございますが、実は前国会で道路法を改正いたしまして一級国道、二級国道を一本にし、一般国道として来年四月から施行する、こういうことになっておりまして、目下のところ、全国的にいろいろ国道昇格、国道指定の要望が多々ございますが、現在の段階では一、二級国道の合併をすることが第一段階と考えておりますので、新たなる昇格については現段階においては事務当局は考えておりませんので、この請願については目下のところ否定的な意見でございます。
#172
○瀬谷英行君 宮城県に関係あるのですか、八戸――野辺地間の道路は。請願者が宮城県議会議長になっているけれども……。
#173
○政府委員(尾之内由紀夫君) これはほとんど青森県の道路の昇格問題です。
#174
○委員長(安田敏雄君) 保留。
 それでは道路関係整理番号十二は、先ほど審議いたしましたので保留ということでよろしゅうございますね。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(安田敏雄君) じゃ保留にいたします。
 都市局関係。
#176
○説明員(播磨雅雄君) 整理番号十三の下水道施設の整備拡充に関する請願でございますが、第一点の五カ年計画をすみやかに閣議決定すること、これは問題がないのでございますが、第二点の昭和四十年度の補助額を建設省関係で百四十九億一千万円計上すること、第三点が昭和四十年度の建設省関係の起債を三百二十億円計上すること、第四点が下水道起債の償還年限を四十年以上に延長すること、第五点の起債の利子を五分程度引き下げること、第六点の現行補助率を三分の一から三分の二に引き上げること。このあとの五点につきましては、建設省といたしましては、要求いたしておるものもございますが、要求いたしてないものもございます。関係方面にもいろいろ強い異論もございまして、この形で採択になりますと、建設省といたしましても、いろいろつらい立場になる点もございますので、何とぞ事情御了察くださいまして御処理いただきたいと思います。
#177
○委員長(安田敏雄君) 保留ですね。
 それでは請願第九号外八件は、議院の会議に付することを要するものとして、内閣に送付することを要するものとし、請願第一〇五号外三件は、保留とすることにいたしまして御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(安田敏雄君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 なお報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(安田敏雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#180
○委員長(安田敏雄君) 次に、継続調査についておはかりをいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(安田敏雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(安田敏雄君) 御県議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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