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1964/12/16 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 決算委員会 第5号
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1964/12/16 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 決算委員会 第5号

#1
第047回国会 決算委員会 第5号
昭和三十九年十二月十六日(水曜日)
  午前十時三十六分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 十二月十四日
    辞任         補欠選任
     川野 三暁君     八木 一郎君
     二木 謙吾君     草葉 隆圓君
 十二月十六日
    辞任         補欠選任
     草葉 隆圓君     二木 謙吾君
     八木 一郎君     川野 三暁君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                岡村文四郎君
                北口 龍徳君
                佐藤 芳男君
                横山 フク君
                相澤 重明君
    委 員
                沢田 一精君
                鈴木 恭一君
                谷口 慶吉君
                坪山 徳弥君
                谷村 貞治君
                山崎  斉君
                和田 鶴一君
                加藤シヅエ君
                小酒井義男君
                横川 正市君
                浅井  亨君
                天田 勝正君
   国務大臣
       労 働 大 臣  石田 博英君
   政府委員
       労働政務次官   始関 伊平君
       労働大臣官房長  和田 勝美君
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
       労働省職業安定
       局長       有馬 元治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池田 修蔵君
   説明員
       建設省住宅局調
       査官       川島  博君
       会計検査院事務
       総局第三局長   小原  剛君
       家計検査院事務
       総局第五局長   宇ノ沢智雄君
   参考人
       雇用促進事業団
       理事長      万仲余所治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算、昭和三
 十七年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十七年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十七
 年度政府関係機関決算書(第四十六回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書
 (第四十六回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第四十六回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和三十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第四十六回国会内閣提出)(継続案件)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
  〔理事相澤重明君委員長席に着く〕
#2
○理事(相澤重明君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 それでは、昭和三十七年度決算外三件を議題とし、審査を進めます。
 本日は、労働省及び雇用促進事業団の決算について審査を行ないます。
 まず、労働省の決算につき説明を求めます。始関労働政務次官。
#3
○政府委員(始関伊平君) 労働省所管の昭和三十七年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計の歳出決算につきまして御説明いたします。
 歳出予算現額は六百五十億一千四十六万二千円でありまして、支出済み歳出額は六百三十三億四千百二十一万八千円、翌年度繰り越し額は十一億六千五百九十一万一千円、不用額は五億三百三十三万三千円であります。
 歳出予算現額の内訳は、歳出予算額六百四十七億四千四百六十万円、前年度繰り越し額二億百一万二千円、予備費使用額六千四百八十五万円でありまして、前年度繰り越し額は雇用促進事業団交付金、炭鉱離職者援護事業費補助金及び炭鉱離職者援護事業費交付金等であり、予備費使用額は退官退職手当に要した経費であります。
 支出済み歳出額のおもなものは失業対策費でありまして、緊急失業対策法に基づく失業対策事業費補助、失業保険法に基づく失業保険費負担金及び炭鉱離職者臨時措置法に基づく炭鉱離職者援護対策費に属する経費であります。
 失業対策事業費補助の事業実績は、事業主体数一千二百三十二、事業数三千百四、失業者の吸収人員一日平均十九万四千七百八十人であります。
 炭鉱離職者援護対策費の実績のうち、まず炭鉱離職者緊急就労対策事業につきましては、事業主体数六十九、事業数四百七十八、吸収人員一日平均六千七百二十一人。
 次に、炭鉱離職者職業訓練につきましては、施設数十ヵ所、訓練人員延べ二千四百八十人であり、炭鉱離職者援護事業につきましては、移住資金の支給一万五千三百六十五人、雇用奨励金の支給二千九百四十件、住宅確保奨励金の支給八百九十六件、移動宿舎の建設二百七十九棟、労働者用簡易宿舎の建設九百戸等を実施いたしました。
 翌年度繰り越し額のおもなものは、炭鉱離職者援護事業費交付金、炭鉱離職者援護事業費補助金及び雇用促進事業団交付金等に属する経費であり、また、不用額のおもなものは、炭鉱離職者援護対策費等に属する経費であります。
 次に、労働者災害補償保険特別会計の決算につきまして御説明いたします。
 歳入予算額は六百七十六億九千六十万九千円でありまして、
 収納済み歳入額は七百三十九億三千三百三十九万一千円で、差し引き六十二億四千二百七十八万二千円の増収となっております。
 そのおもな理由は、製造工業等の雇用の増加と賃金の上昇により保険料収入が増加したこと等によるものであります。
 歳出予算現額は六百七十七億八百四十万一千円でありまして、このうち予備費使用額は四億二千五百八十七万一千円で、これは保険料精算返還金等に要した経費であります。
 支出済み歳出額は四百五十二億四千四十八万五千円でありまして、そのおもなものは保険費であります。
 昭和三十七年度末における労働者災害補償保険適用の事業場数は八十四万一千件、労働者数は一千八百五十五万八千人であり、災害補償の実績は、件数三百二十三万件、
 支給金額三百八十九億四千六百六十八万九千円であり、昭和三十七年度において新しく災害補償質の支給を受けたものは百四万五千人であります。翌年度繰り越し額は一千四百五十八万五千円でありまして、これは庁舎等新営費及び公務員宿舎施設費に属する経費であります。不用額は二百二十四億五千三百三十二万九千円でありまして、そのおもなものは予備費を使用しなかったためであります。次いで、失業保険特別会計の決算につきまして御説明いたします。歳入予算額は九百四十一億八千六百三十九万三千円でありまして、収納済み歳入額は九百六十四億五千八百十六万八千円で、差し引き二十二億七十百七十七万五千円の増収となっております。
 そのおもな理由は、被保険者の賃金の上昇及び被保険者の増加が当初の見込みより上回ったこと等により保険料収入が増加したため、及び運用収入が多かったためであります。
 歳出予算現額は九百四十二億二千七百二万三千円でありまして、このうち予備費使用額は七十九億五千七百三十六万七千円で、これは失業保険給付件数の増加等に伴う保険給付に要した経費等であります。
 支払済み歳出額は八百三十五億六千二百八十五万八千円でありまして、そのおもなものは保険給付費であります。
 昭和三十七年度末における失業保険適用の聖業所数は四十五万五千件、被保険者数は、一般失業保険一千五百四十六万七千人、日雇い失業保険四十七万三千人であり、昭和三十六年度に比較して、事業所数では八%、一般失業保険被保険者数では六%の増加であり、日雇い失業保険被保険者数につきましては八%の減少を示しております。
 保険給付の実績は、平均受給者実人員、一般失業保険五十一万九千人、日雇い失業保険十九万三千人、支給金額、一般失業保険六百七十九億八千五百九万八千円、日雇い失業保険三十五億五千七十万三千円であります。
 翌年度繰り越し額は一千九百三十三万一千円でありまして、これは庁舎等新営費及び公務員宿舎施設費に属する経費であります。
 不用額は百六億四千四百八十三万三千円でありまして、そのおもなものは予備費を使用すること等が少なかったためであります。
 以上をもちまして、労働省所管の昭和三十七年度決算の説明を終わります。
 なお、昭和三十七年度の決算検査報告において掲記された事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存ずる次第であります。指摘事項につきましては、鋭意改善につとめるとともに、かかる御指摘を受けることのないよう努力する所存であります。
#4
○理事(相澤重明君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。小原第三局長。
#5
○説明員(小原剛君) 労働省所管事項につきまして、昭和三十七年度会計検査院検査報告に掲げましたものは、報告書の九〇ページ以下にございますように、労働者災害補償保険事業の運営が適切でなく保険料等の徴収不足をきたしたもの、保険給付の適正を欠いたもの、失業対策事業費補助金の経理当を得ないもの、その三つの項目でございます。以下、簡単に御説明いたします。
 五五五号は、労働者災害補償保険に関する事案でございまして、強制適用事業とされております建設事業におきまして、国、地方公共団体等が発注いたしました工事について検査いたしましたところ、事業主が事業開始の申告をしておりませんで、また当局の調査も的確に行なわれなかったため、約二千三百工事が保険の運営から漏れていたものを指摘したものでございます。
 五五六号の失業保険事業における保険給付の事案は、事業所から給を得ております者に対する失業保険金を交付していたものでございまして、関係書類相互間の照合が的確に行なわれなかったことによるものでございます。
 五五七号から五七〇号までの失業対策事業にかかる事案は、国庫補助と基本額のうちに失業対策事業に就労しない者に対する賃金額を含めて精算していたものでございまして、これらを指摘したものでございます。
 以上でございます。
#6
○理事(相澤重明君) 次に、雇用促進事業団の決算について説明を求めます。万仲理事長。
#7
○参考人(万仲余所治君) 雇用促進事業団の昭和三十七年度収入支出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和三十七年度の一般会計の決算につきまして、以下収入、支出の部に分けて御説明いたしますと、
 収入の部におきましては、本年度の収入決定済み額は、八十八億七千百万余円でありまして、これを収入予算額百六億三千九百万余円に比較いたしますと、十七億六千七百万余田の減少となっております。
 この減少いたしましたおもな理由は、福祉施設設置資金の資金運用部からの借り入れ金の減少によるもので、貸し付けに必要な資金の借り入れが収入予算額二十億円に対し二億円にとどまったことなどによるものであります。
 次に、支出の部におきましては、本年度の支出予算現額百十五億八千九百万余円に対し、支出決定済み額は四十八億八千八百万余円でありまして、その差額の内訳は、翌年度への繰り越し額六十五億五千五百万余円、不用額一億四千六百万余円となっております。
 この繰り越し額のおもなものは、施設建設費四十六億一千二百万余円、福祉施設設置資金貸し付け金十八億一百万余円でありまして、繰り越しのおもな理由は、施設建設費につきましては、石炭調査団の答申に基づく炭鉱離職者特別対策として、三十七年度末近くの三十八年二月に、新たに四十四億六千四百万余田の移転就職者用宿舎の建設費が追加されましたが、その分の工事がおおむね翌年度に繰り越されたことによるものであります。また、福祉施設設置資金貸し付け金につきましては、この貸し付け金の貸し付けは予算額どおり二十億円の全額を貸し付け決定いたしましたが、資金の貸し付け額は一億九千八百十七万円にとどまり、その差額十八億百八十三万円を翌年度に繰り越したものでありまして、その繰り越しのおもな理由は、この事業は当事業団といたしまして新規事業の関係もありまして、貸し付け業務を開始するにあたりまして、貸し付け制度並びに諸手続の制定、取り扱い金融機関の決定委託、その他利用者への趣旨の普及など、初年度事務に若干日時を要したため、借り入れ申請者に対する貸し付け決定が年度半ばに行なわれ、また一方借り入れ申し込み者側においても、この融資の手続にふなれのため、建設工事の着手がおくれ、したがって資金の借り入れ申請の大部分が翌年度に繰り越されたことによるものであります。
 また、不用額を生じましたおもな理由は、移転資金並びに職業訓練手当の支給、及び就職資金の貸し付けが予定より減少したこと、並びに予備費を使用することなどが少なかったためであります。
 以上が、昭和三十七年度の一般会計収入支出決算の概要であります。
 次に、炭鉱離職者援護事業を実施するため別途経理しております昭和三十七年度特別会計の決算につきまして、収入、支出の部に分けて御説明いたしますと、
 まず、収入の部におきましては、本年度の収入決定済み額は二十五億八百万余円でありまして、これを収入予算額三十四億七千万余円に比較いたしますと、九億六千二百万余円の減少となっております。
 この減少いたしましたおもな理由は、計画された援護業務が石炭調査団の答申待ち等によって翌年度へ繰り越されたことにより、国庫よりの交付金等の収入が減少したためであります。
 次に、支出の部におきましては、本年度の支出予算現額三十七億一千百万余円に対し、支出決定済み額は十九億四千百万余円でありまして、その差額の内訳は、翌年度への繰り越し額十六億六千七百万余円、不用額一億三百万余円となっております。
 この繰り越し額のおもなものは、移住資金二億七千百万余円、雇用奨励金三億一千万余円、住宅確保奨励金六億一千六百万余円、労働者用簡易宿舎建設費四億一千九百万余円でありまして、繰り越しのおもな理由は、計画された援護業務の大半を石炭調査団の答申待ち等により翌年度に繰り越すことになったためであります。
 また、不用額を生じましたおもな理由は、予備費を使用することなどが少なかったことによるためであります。以上が、昭和三十七年度の特別会計収入支出決算の概要であります。
 次に、昭和三十七年度の一般会計にかかる雇用促進一般業務のおもな概要を御説明いたしますと、移転就職者用宿舎の建設戸数は四千二百五十二戸、職業訓練の実施延べ数は一万四千八百六十一人、福祉施設設置資金の貸し付け決定件数は四日二十六件であります。また、特別会計にかかる炭鉱離職者援護業務のおもな概要を御説明いたしますと、移住資金の支給人員数は一万五千二百六十五人、雇用奨励金の支給件数は二千九百四十件、支給人員数は三千八十六人、住宅確保奨励金支給の対象戸数は八百九十六戸であります。次に、会計検査院において昭和三十八年十月三十日に当事業団の会計経理の適正な執行について改善の意見を表示されましたので、これに対する措置状況について申し上げます。会計検査院から御指摘のありました、昭和三十六、七年当時の経理事務の処理につきましては、当事業団発足後まだ日も浅い関係もありまして、一部の出先機関におきましては、職員の企業会計事務にふなれなことなどにより、事務処理に適正を欠いた個所も見られましたので、これに対処するため、自後、職員研修の実施、企業会計事務を習得させるためのテキスト等の作成、指導、本部職員による現地指導、事務処理の簡素合理化の実施、その他適材職員の新規配置、及び考査役の新設など、経理事務の執行体制を一そう強化する諸方策を講じまして、事務改善に鋭意つとめました結果、現在におきましては、御指摘の点も改善され、正常な運営がなされておる運びとなりましたが、さらに今後とも、改善意見の御趣旨に沿い、より適正な運営がなされるよう努力する所存であります。
 以上で、御説明を終わります。
#8
○理事(相澤重明君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。宇ノ沢第五局長。
#9
○説明員(宇ノ沢智雄君) 昭和三十七年度の雇用促進事業団の決算の検査につきましては、検査報告の一八一ページ以下にその概要を記述してございます。
 なお、本事業団に対しましては、会計事務の処理が適正を欠く点がございましたので、三十七年の十月に改善の意見を表示いたしましたが、その全文につきましては、検査報告の二〇二ページに掲記してございます。
 なお、この本院の意見に対しまして、ただいま理事長から御説明がありましたとおり、指摘いたしました事項については、その後三十八年度の検査の際にしさいに検査いたしましたところ、これらの事態はほとんど全部改善されておるような状況でございまして、その後本事業団の経理も軌道に乗って適正に運営されているものと認めます。
 以上でございます。
#10
○理事(相澤重明君) それでは、これより直ちに質疑に入ります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#11
○横川正市君 最初に、この検査院の指摘にかかわる五五五号について労働省にまずお伺いをいたしますが、この種の運営上保険料等の徴収不足を来たしているものは、実際上ここに記載をされておりますこの数とか金額とかというものが全体ですか、それとも会計検査院の検査に基づくものはその一部であって全体額はこれよりか相当大きくなるのではないかというふうにも思われますが、その内容をちょっと数字で説明していただきたいと思います。
#12
○政府委員(和田勝美君) お答えいたします。検査院から御指摘をいただきましたのは、全部の監督署あるいは安定所についての御指摘ではございませんので、検査を受けなかった監督署あるいは安定所におきましても多少そういう向きがあるかと存じますが、それらにつきましては、検査院の検査をいただきました趣旨にかんがみまして、それぞれ手当てをいたしまして、徴収が下回っておるようなものにつきましては、検査を受けなかった安定所あるいは監督署におきましても徴収をいたしております。ただいまその総計につきまして手元に資料がございませんので総額を申し上げかねますが、以上のような事情でございます。
#13
○横川正市君 数字の面からどのくらいあるかがはっきりしないと、これでも相当多いとは思いますけれども、検査院の検査いたさなかった事業場ないしは監督署の件数というのがこれにどのくらいプラスされるものかによって、実は私この種の案件は、これは労働大臣にちょっとお伺いしたいのですけれども、これはいわゆる適正な法に基づいて運営する、その適正の度合いというのが幾らかきつ過ぎるのじゃないか。もっと何といいますか、いわゆる適正の、適正を緩和をすれば、これほど多くの案件というものは出ないのではないかというふうに思われるわけでありますけれども、大体運営上から見て調査の結果これだけの件数があがったということは、これは報告書によりますと、きわめて遺憾だというふうになっておりますけれども、労働省自体としては実際上どういうふうにお考えになっているか。私は、あまり件数が多過ぎるから、多過ぎるということは、適用諸法規あるいは適用内容がきつ過ぎるのじゃないかというふうに思われるわけでして、その点はどういうふうに労働省でお考えになっておりましょうか。
#14
○国務大臣(石田博英君) お答えをいたします前に、ちょっとごあいさつを申し上げたいと存じます。
 御承知のごとく、佐藤内閣が成立いたしまして、引き続いて労働大臣をつとめることに相なりました。かねて前に二度相つとめまして、いろいろお世話に相なったんでありますが、非才ではございますけれども、誠心誠意職務に尽瘁したいと思っておりますので、何ぶんとも御叱正、御指導のほどをお願いを申し上げます。(拍手)
 ただいまの御質問でございますが、会計検査院から御指摘を受けましたことについては、私どももはなはだ遺憾だと思っておるのであります。ただいま横川さんからお話がありましたように、基準がきびし過ぎるのじゃないかというのでありますけれども、やはり法の命ずるところによってあとう限り捕捉はいたさなければなりませんが、今後は失業保険、労災保険とも徴収事務を一元化していく方向に進めたいとも思っておりまして、その改善方について努力をいたしたいと存じておりますが、なお詳細は関係政府委員にお答えをさせたいと思います。
#15
○横川正市君 実は会計検査院にもお聞きをいたしたいんですけれども、例年こういう徴収不足あるいは徴収に適正を欠いたもの等不当事項などが非常にたくさんあがってくるわけですが、この種の案件を、指摘だけにとどまらないで、検査院自体としては、何かこれに対して改善要求等の、例年のことですけれども、検査の結果としてそういうような方針をとられることが私は妥当じゃないかというふうに思うのでありますけれども、事実上こういう案件が累積されているということに対して、検査院当局としてはどういうふうに考えておりますか。
#16
○説明員(小原剛君) いま御指摘がございましたように、保険関係の徴収不足の事案は、もう毎年同じようなものが繰り返されておるのは事実でございます。お話のように、検査院といたしまして、こういった事案を抜本的に改めていただくというためには、労働省におけるこういった徴収の機構あるいは調査、こういったことについて徹底的な改善が望まれるところでございまして、できれば私どもといたしましても、毎年同じような不当事項を掲記するだけではなく、改善の意見を表示できたならば最も妥当だというふうに考えております。そういったような観点から昨年度検討いたしたのでございますが、保険関係で厚生省、労働省がございますが、厚生省関係当局などにおかれては、保険の徴収機構をある程度改めるといったような話もございますし、あるいは保険料の基本となりますところの賃金の把握などのしかたについてももう少し間違いの起こらない方向にいませっかく検討中であるといったようなお話もございますので、改善案は一応その当局の仕事の推移を見て取り上げることにいたしました。また、労働省関係につきましては、いま大臣からお話がございましたように、やはり失業保険、労災保険は、いずれも同じような賃金総額を基本にするものでありまして、この機構の一本化によって従来指摘しておりましたような賃金総額をもとにするところの保険料の徴収というものは改まるのではないかというふうに考えております。
 なお、いまお話がございました五五五号は、従来の労災保険の徴収不足の事案とは違いまして、これは労働者がこの保険に強制的に加入することを法律で規定しておる。したがって、それによって労働者が保護を受けるといったたてまえの法律でございます。そういったたてまえが、ある工事については、事業主の申告の怠り、あるいは当局の調査不十分といったようなことによって、本来の法の趣旨から漏れておる労働者が相当おる。これは制度としてまずいのではないかということで、将来の改善を促す意味で、初年度として不当事項に掲げたわけでございます。
#17
○横川正市君 五五五号の徴収不足の問題と関連して、五五六号は保険給付の適正を欠いたもので、これは事実上本人に手渡されて、その後適正を欠いたものとして発見された項目だろうと思いますが、私は労働省にこの点でひとつ検討していただきたいと思うのは、相当の数にこの種の案件がのぼっておるということから、例年非常に多数の指摘事項としてあがっておるわけですが、しかもそれは全体の一部分として私どもは数字の上で確認をするわけで、十分これは検討をしていただく材料として、その点要望いたしておきたいと思うのです。
 あわせて、これは決算事項とちょっと離れますけれども、失業保険制度の改正については、さきの本会議等で労働大臣が答弁はいたしておりますけれども、実際上日々雇用の状態に置かれております季節労働者といいますか、しかもこれは地域的に非常に数が偏在をするわけで、北海道、東北、北陸等に重点的にその数が偏在をするわけでありまして、そういう不可抗力の自然の現象というものを考慮に入れた上で実際上の改正をしてもらわないと、これは首つりの足を引っぱるような結果になってしまうわけですが、その点の改正についてどういうふうにお考えになっておるか、まあ本会議では労働大臣からは改正をいたさないというふうにちょっと聞いたわけでありますけれども、改正しないと赤字の補てんのできない理由から、依然として何か一部にそういう改善を必要とするという意思があるようにも聞いておりますので、この際ひとつお聞きをいたしておきたいと思います。
#18
○国務大臣(石田博英君) 失業保険会計が非常に悪化しつつあることは事実でございます。これが、失業者が激増して労働力が過剰なときに失業保険が赤字を来たすというのはやむを得ないのでありますが、人不足が叫ばれておりまするときに失業保険会計が悪化するということはいかにも不自然でございます。したがって、失業保険会計について、その会計の健全化、運営の適正をはかるような指導をいまいたされておることは事実でございます。
 その悪化をなしておりまする原因は、ただいま御指摘のように、一つには季節労働の問題であります。それから第二には結婚退職に対する給付であります。おおよその概況を申し上げますと、北海道では、保険金の納付額が大体三十七、八億円に対しまして、支払い額が百四十二、三億円にのぼっております。それから青森県では、納付額が四億円未満に対しまして、支給額が三十九億ぐらいになっております。それから秋田県におきましては、納付額が五億円程度に対しまして、給付額が二十二億円という非常に著しい不均衡を示しておるのであります。そうして、現在失業保険に加入しておる総数は千六百万人くらいであろうかと思うのでありますが、その千六百万人を対象として支払われる保険金額が六百数十億に対しまして、五十数万人の季節労働に対して支払われる支給額が二百四十億円近くにのぼっておるという、しかもその対象業種が、建設業、それから食品加工業、農業、これに偏在をいたしておるのであります。対象業種の偏在、それからただいま申しましたような不均衡な状態、これはもとより、東北、北海道のような積雪寒冷地の悪い条件を補う作用をいたしておることは、これは明らかな事実であります。しかし、原理的に考えますると、たとえば雇用は通年雇用に大体切りかえするべきがほんとうでありまして、それがその土地の条件やあるいはその業種の都合によって通年雇用ができない場合は、休業手当なり休業補償なりという方法が行なわれるのがほんとうじゃないか。その休業補償や休業手当で行なわれるかわりに、失業保険がそれを補うというのは、これはどうも筋違いのように思います。
 それからもう一つは、農村の生産性の低さというものをこれは改善していかなければならぬことは言うまでもないのでありますが、その農村の生産性の低さを補う役目を失業保険がするということは、失業保険にとっては荷が重過ぎるのでございます。そういう点を勘案をいたしました上に、さらにこの制度を悪用とでも申しましょうか、する傾向が非常にふえてまいりました。一、二極端な例を申しますと、冬場になりますと、社長と専務だけ残って、あとはみんな一応失業して、失業手当を取るというような極端な事例も見てまいりました。あるいはまた、失業保険を求人の条件にいたしまして、水増し求人をしている事件が、先般山形県で発見をされました。そういうようなことがございます。と申しまして、不合理である、失業保険に荷が重過ぎると申しましても、現実それが東北、北海道というような不利な条件の、不利を相当補っておるということも事実でございます。したがって、他の条件、すなわち、それらの業種、業態の内容の改善、生産性の向上というようなものについての所要の施策が行なわれ、その効果があらわれ、あるいは農業の生産性を増進させるための施策が行なわれ、その効果があらわれないのに、にわかに、いままですでにそれによってたよっている生活者が相当多いのに、制度上理論的に合わないからと申しまして、にわかにこれを改廃するというようなことは、これは国民生活、その地域の生活に与える状態も非常に大きいのであります。
 そこで、私どもといたしましては、まずもって、現在の運用の状態が失業保険にしわ寄せされている状態は不合理である、間違っていることであるという認識をみんなに持ってもらいますとともに、同時に、諸施策の均衡をこれによって促していく。一方、その雇用の安定と申しますか、やはり働く人にとって一番大切なことは、失業保険をもらうことではなくして、適切な仕事をあてがわれることが一番大切なんでありますから、できるだけ適職をお世話をするというようなことで運用の適正化をはかってまいりたい。したがって、現在の六ヵ月を一年に延ばすというような種類のことを今次通常国会ににわかに行なおうという意思は全然ございません。それは明確に申し上げておきたいと思うのでありますが、その不合理を是正し、姿勢を正していくということはやってまいらなければならないことであると思っておるのであります。そうして、そういう点についての現行法の諸欠点について、これを取り上げまして、いかにすべきかということを検討はいたしております。まだその結論には達しておりません。
 それからもう一つ、結婚による退職でありますか、結婚によって退職した場合、失業保険法でいり就労の意思、能力があって適職がないということには、これはどうも該当はいたしません。該当はいたしませんけれども、これは強制適用でありまして、若い婦人が数年で結婚をするということは、大体みんなそれを予想している。予想をしている人に対しても強制適用しておるわけでございますから、該当しないからといって、強制適用さしたものをそのままほうりっぱなしにするというのも、これもどうかと思われますので、これについては何か別途の処置がないものか、これも検討中でございます。それから、特に申し上げておきたいと思いますことは、三ヵ月の期間失業保険の給付を受けるために、本人及びその本人の使用者が何年問積み立てればその金額に達するかと申しますと、実に十二年間かかるのでございます。十二年間かからないと三ヵ月の給付総額には達しないのであります。そういう実情を勘案しますと、片一方に不合理な給付が行なわれ、片一方には多くの労働者が非常に損をしておる。言いかえると、そちらのほうで集中して支払われるために、それがこなければこちらのほうの状態を改善できる余地があるのに、その改善をしんぼうしてもらわなければならないということも言えます。それから、農村の生産性の低さを補うというためでありますなら、農民全体に分けられるべき性質のものでなければなりませんが、特別の条件のあるものだけが特権を受けるということも、どうも不合理でございます。これはやはり検討を加えなければならない。
 それからもう一つは、スエーデンとかノルウェーとかソビエトとかというような日本よりも気候条件のさらに悪いところにおきましても、建設業等においては通年して作業をいたしておるのであります。わが国で冬はもう仕事ができないものだときめてしまうのも、これも早計であろう。したがって、これらの先進国のように冬でも作業かできるように技術能力を改善向上させるための所要の措置も伴っていかなければならないのじゃなかろうか、そういうようなことをあわせながら検討をいたしておることは事実でございますが、繰り返して申しますとおり、たとえ不合理なものといいましても、現にそれは決して高くない生活水準の人々の生活をささえていることも、これはまごうことなき事実であります。それを急速に激変を与えるような措置をとる意思はないことを、最後にもう一度申し上げておきたいと存じます。
#19
○加藤シヅエ君 関連して。いま大臣の御答弁の中に、結婚に対しては別途考慮中という御答弁でございましたが、その考慮中の中にはどういうような案がおありになりますか。
#20
○国務大臣(石田博英君) たとえば、これはたとえばで、結論に達していることではございません。たとえば、三年なら三年、四年なら四年どこかへつとめて保険金を納めておりますと、その納められた金額にまあ適当な利息を加えたものを結婚退職のとき差し上げると、いわば御損のないようにするというようなことも一つの方法ではなかろうかと、こういうふうに考えております。
#21
○天田勝正君 きょうは関連してのお伺いしか時間がありませんからお聞きしておくのですが、おそらくこれはもう大臣から社労のほうでは明らかにされたのではないかと思いますけれども、いま大臣の答弁されたのは、各県ごとに季節労務者の掛け金並びに給付金の比較をされた。ところが、全体として大臣は考えなきゃならぬということを申されておりますね。そうだとしますと、当該県における保険収入及び給付金だけでなくて、出かせぎ収入と、こういうものとくるめて一ぺん考え直す必要があるのではないか。北海道等では、すでにそれができておるのだと思います。私、三十七年のちょうどいま決算の検討中でありますが、その時点における青森県に行きまして実は調べたときに、米の収入で百三十億でしたか、リンゴのほうがそのとき八十六億か四億だと記憶します。それに対して、出かせぎ並びに失業の収入、これが百億近かったと記憶を実はしておるのですが、そういうものの表は、きょうでなくてもいい、もし官房長のところに数字がなければよろしいのでございますが、その一覧表はできると思うのですが、できたら御提出願えましょうか。
#22
○国務大臣(石田博英君) むろんできると思いますが、実は私は、何と申しますか、会計の非常にマイナスのアンバランスのことばかり申し上げておりますのは、逆のところを申しますと、逆のほうからばかばかしいじゃないかという議論が必ず起こってまいると思うのであります。そこで、あまりそういうことは逆のほうは言わぬほうがいいのじゃないかという配慮で、逆のほうを申し上げないのでありますが、政府は四分の一出しておりますけれども、その四分の一ではむろん足りぬのでありまして、逆のほうがたくさんあるからどうやらこうやらバランスがとれている。
 それからもう一つこの際申し上げておきたいと思うのですが、いずれできるだけ早く五人未満の事業所にも適用したいと思うのです。そうしますと、これは御承知のとおり、零細企業で、たくさんの事務費がかかるし、移動が激しい。どんなに少なく見積っても、それだけふえることによって五十億程度の赤字は見なければならない。したがって、それをやる場合には、やはりある程度土台を健全にしておかなければいけない。特に私こんなことを申し上げるのは、東北出身者で、いわゆる受益者のほうでございまして、はなはだ言いにくい。言いにくいけれども、おかしいことはやっぱりおかしいのでありますから、直していかなければならぬ。むろん数字は出します。差し上げますけれども、これをあまり全体として明らかにしますことは、勤労者相互間において無用の議論というか、感情を巻き起こすと私は考えますので、片方のほうはなるべく言わぬようにしておることを御了承いただきたいと思います。
#23
○小酒井義男君 関連で、大臣に失業保険の関係でこういうことは考えられぬかと思うのですが、実はよく民間会社の場合ですと、五十五才ぐらいで退職して、まだ仕事する能力も十分あると思うのです。ところが、失業保険の給付される期間中は失業保険をもらっておいて、それが切れてから就職する例をよく見受けるのです。こういうのに対して何らかの方法があれば、すぐ労働力として活用できるのですから、そのために、失業保険の給付ができる期間ですね、たとえば三ヵ月前に就職すれば一ヵ月半とか、六ヵ月間受けられるのに就職する場合には三ヵ月分とか――これは一つのあれですよ。そういうふうに切って言うわけではないのですよ。たとえばということで言うのですが、何か再就職の奨励金とか準備金とかいうようなものを出してすぐ就職させるということがやれれば、この保険財政のほうにもいいわけですし、労働力の活用の点でもプラスになるのじゃないかと思うのですが、そういう方法はないものでしょうか。
#24
○国務大臣(石田博英君) 就職支度金制度というのがございます。詳細は政府委員からお答えいたします。
#25
○政府委員(有馬元治君) 現行の失業保険法の二十六条の二の規定によりまして、就職支度金制度がすでに設けられております。この制度を活用いたしまして、私どもも、早期の就職促進措置といいますか、指導をやっておるわけですが、その内容は、給付残日数といいますか、それぞれ受給資格期間に応じて給付日数がきまっておりますが、その給付残日数が二分の一以上で三分の二未満の場合には保険金の三十日分、それから残日数が三分の二以上のとき、まあ六ヵ月もらえる場合には、四ヵ月以上を残して早期に就職をした場合には、保険金の五十日分というふうな金額で就職支度金を支給する制度がございます。いま先生の御指摘がございましたような考え方は、すでにこの制度で実現しておりますので、できるだけ早い機会に就職をしていただいて支度金を支給する、こういうことに相なっておるわけでございます。
#26
○小酒井義男君 その制度というものは相当活用されているのですか。私案は自分の周囲で見ますと、それじゃなしに、失業保険の受給できる間は受給しておって再就職する人が非常に多いのですね。ですから、そのいまの方法の適用率というものが大体どのくらいあるものか。もし少ないとすれば、それを引き上げるというようなことは考えられぬか。
#27
○政府委員(有馬元治君) この就職支度金制度は、三十五年度から改正されて実行されておりますが、三十八年度は支給金額が七十五億円にのぼっております。で、三十五年当時は二十億でございましたものが三倍以上に伸びておりますし、これは今後、私どももこの制度を活用して、早期の就職促進措置をやっておりますので、ますます活用されていくものと考えております。
#28
○横川正市君 いまの問題に続いてちょっと会計事務処理の内容がどうなっているかという点でお伺いしたいのですけれども、相当被保険者が多数になり、同時に事務量が増大をする。しかも、それに厳正適確性を加えなければならない。こういうふうになってまいりますと、当然事務処理についての具体的な方策というものが出てくるだろうと思うわけです。ただ一面では思想的には、たとえば日本の労働力は不足だとは青いながら、必ずしも安定雇用というかっこうにはなっておりませんから、流動性は非常に悪い意味であるだろうと私は思っておりますので、そういう悪い意味の流動性というものを、安定する職場に人を定住させる。こういう意味では、もっと日本の労働力というものをうんと使って、かえって機械化というものは少しくらいは事務処理がおくれても延ばすというような思想も私はあると思うのですけれども、一体この制度に基づいての事務処理について、現在どうなっておって、それが将来事務量に基づいてどういうふうな方策をとろうとされておるのか。この点をお聞きしたいと思いますが、たまたま私どもはNHKのテレビあるいはラジオの徴収事務を児に行きますと、これは全部電子計算機でオートメーション化されて、加入者のおそらく全体のものを百時間くらい、三日か四日あれば全部記録にとどめて、しかも間違いなく行なわれるような施設を持っておりますので、そういうようなものがあるのかどうかわかりませんけれども、実際上こういうふうに増大するのにどういう対処をされようとしているのか、事務処理の問題でお聞きしたいと思います。
#29
○国務大臣(石田博英君) 詳細は政府委員からお答えいたしますけれども、まずやりたいと思っておりますことは、先ほどもお答えいたしましたように、保険徴収事務を、いま労災と失業と分けてやっておりますが、これは一本化したいと考えております。それからできる限り機械化したいと思っております。これは私もしろうとでございますが、その機械化の方法があるそうでございます。いまお答え申し上げさせます。
#30
○政府委員(有馬元治君) 現在われわれの失業保険の事務を処理しておる職員は約六千二百名ございます。これが五十万事業所で、千六百万という規模の被保険者の徴収から始まって、給付まで一切処理しておるわけでございますが、御承知のように五人未満に拡大するということになりますと、事業所の数が一躍百万ふえる。被保険者はそれに反してわずか二百万しかふえない。非常に小口がふえるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、現在やっておりまするいわば手作業的な事務処理でこれに対処していくというわけにはいきませんので、大臣から答弁申し上げましたように、労災保険との徴収面での一元化という問題と、それから保険制度、両保険の制度の内容について共通できるものは、できるだけ共通させるというふうな制度の改善と相まちまして、機械化を最大限に取り入れて、できるだけ人手を省くという方向で、この徴収事務以下の保険事務を処理してまいりたい。かように考えまして、現在労働市場センター構想の一部におきまして、データ電送システムというのをとっておりますが、この中で当然失業保険の徴収事務、それから給付事務、こういう面で機械化できるところは全部機械にまかせる。機械でできないところだけを職員が人手で処理をする、こういう考え方で進めてまいりたいと思っております。
#31
○横川正市君 もう一つ事務的なことなんですけれども、実は労働大臣に聞いたら一番いいのではないかと思いますが、労働省所管で非常にたくさんな窓口を職安を含めて持っているわけなんですが、そういう職場に従事する人の質の問題といいますか、非常にいい人、いわゆるいい人という意味で配置されている場合もありますし、いわゆる何か役人という意味での悪い窓口取り扱い者というのがおるわけなんですが、それを端的に表現できるのは、そういう職場に労働組合があるかどうかということを見ればすぐわかるのです。労働組合のない、あるいは職場組織のないところが非常に多いわけなんですけれども、行ってみますと、悪い窓口が多いというふうにも通念とられるのではないかという節があるわけですが、これはいまの官庁の中における労働組合というのは、上部の者の考え方によってりっぱな組合ができたりできなかったりという面があって、そういう指導面はどういうふうに考えているのか。たまたま私ども地方を回っておって、そういう職場に顔を出してみたときに、非常な危惧と心配を持つわけなんですが、その点を甘い取り扱いをしろと私どもは言っているわけじゃないのですが、そういうふうに関連されて考えられては困りますが、いわば職場の形態として民主化されているかどうかという点で、そういう状況が見受けられない職場が非常に多いわけなんですが、この点なんかについてどういう指導をされておりますか。
#32
○国務大臣(石田博英君) ただいま御指摘になりました関係業務に従事しております者が、三十九年度で二万七千人おります。大体全労働に加入しておるものと私は思っておるのでありますが、中には若干そうでないものもあると思います。それと業務内容との関係は、どうも私にはよくわかりませんが、しかし労働行政というものは、結局人を対象とする行政でございますから、その人と一番多く接する第一線の人としてふさわしくない人は、極力避けるようにいたしております。私も機会あるごとに第一線へ出かけまして、その実情等を見て歩くようにいたしておる次第であります。人と接する面では、やはり親切に早く相手に迷惑をかけないように処理をするということをたてまえにしまして指導いたしておるつもりでございます。
#33
○横川正市君 これは私が一言だけ触れておきますが、下部の事情は、事務当局から聞いておいていただきたいと思います。先ほど大臣の答弁で、私もわからないわけではないのですけれども、たとえば農林省の林野事務等に従事しているいわゆる季節労務者という場合は、これは同じ政府機関の職員になるわけですね。ですから農業団体等が全体的な責任を負うということよりか、実は政府機関の中に非常にたくさんな季節労務的なものを持っておる職場があるわけですから、そういったこともひとつ十分横の連絡をとっていただいて、通年雇用に切りかえていくような努力をされないと、万々間違いはないと思いますけれども、片手落ちになる結果にもなりますから、この点はぜひそういう手配をしていただくようにお願いいたしたい。
 それから、もう一つは、離職者対策でありますけれども、言ってみますと、これは炭鉱離職者については非常な手厚い。不十分だろうと言われても、他の離職者から比べれば、ある程度行き届いた対策が立てられておる。しかし、駐留軍労務者のように、これまた日本の宿命的な一つのかっこうで出てきた離職者に対しては、非常に大きな差をつけられた対策しかとられていない、こういう点があるわけであります。たとえば炭鉱離職者の場合には、基本給とか、扶養家族加算額とか、そういったいろいろなものがあり、また遠距離に就職する場合には、それぞれの手当等も出ている。それに対して駐留軍労務者の場合には、それと比べてみて差がついてきておる。こういう取り扱いについての、特殊事情として取り上げられた問題は、ある程度の手当てができても、非常にいわば何といいますか、そういう特殊事情からはずれたものについては、手当その他救済について差別を受ける。これはやむを得ない事情もあろうと思いますけれども、しかし、炭鉱離職者とそれから駐留軍労務者の場合等については、私は大体まあ同じような事情で、同じような取り扱いをすべきものではないだろうかと思われるわけですが、そういう差別、取り扱いについて、労働当局ではどういうふうにお考え、またどういう対策を立てられようとしておりますか、お聞きしたいと思います。
#34
○国務大臣(石田博英君) まず先に、林野庁その他の政府関係機関の問題についてお答えをいたします。
 御指摘のような事実の改善は、私どもとして最も望んでおることでありまして、長い間その要求をいたしてまいっております。今次の臨時国会中におきましても、各委員会で農林大臣も通年雇用に向かって努力をするという答弁をいただき得るように相なりました。そういう方向に向かって努力をしているということを御承知いただきたいと存じます。
 それから、炭鉱離職者と駐留軍離職者の取り扱いでありますが、私はほとんど変わりないように取り扱いをさせておるつもりでおります。しかし、具体的に個々の点について違う点もあるかと思いますが、おっしゃるように、両方ともいわゆる政策的犠牲者とでも申しましょうか、政治的犠牲者でもございますので、そういう点については差別をそうつけるべき性質のものでないということについては全く同感でございます。
 なお、実情については、政府委員からお答えをいたします。
#35
○政府委員(有馬元治君) 大臣から答弁いたしましたように、政策的離職者でございますので、私どもは両者の間にできるだけ差のないようにという形で、今日まで運用してまいっておりますが、大きく違っておりますのは、移住資金の問題と雇用奨励金だと思います。炭鉱の離職者には平均七力五千円の移住資金がついておりますが、駐留軍には法律制度として移住資金制度がない、それから雇用奨励金制度がない。こういうことに相なっておりまするけれども、それを補うものといたしまして、駐留軍離職者のために、特に移住資金に相当するといいますか、かわるものといたしまして、移転資金というものを支給するように考えております。ただし、これは金額が多少移住資金より下回りまして、四万五千円を限度に移転資金を支給する、こういう措置を駐留軍離職者にはとっております。
 それからもう一点の雇用奨励金制度でございますが、これはなるほど炭鉱離職者独得の制度でございまするけれども、私どもは昨年の職安法の改正によりまして、中直年就職促進措置という特別の措置を講じたわけでございますが、この制度の中に職場適応訓練制度というのがございます。この制度を駐留軍には適用いたしまして、すなわち訓練手当として半年の間一万三千三百円を支給しながら雇用の促進に資するということをやっております。で、この場合に、雇用奨励金の場合には雇用主に五千円ないし七千円の奨励金がつくわけでございますが、これに見合うものといたしまして、訓練期間中は雇用主に対して訓練の委託料というものを五千円程度、五千二百五十円支給しておりますので、大体炭鉱離職者と比較いたしました場合に、むしろこのあとの点の職場適応訓練制度を活用するならば、そのほうが若干有利であるというふうな面も出てきておりますので、その制度を活用いたしまして、できるだけ両者の間に差のないような運用をしてまいっておるわけでございます。
#36
○理事(相澤重明君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#37
○理事(相澤重明君) 速記を起こして。
#38
○横川正市君 それじゃまあ労働大臣に一点だけお聞きをいたしたいと思うのですが、まあこれはもう雇用促進事業団の事業の一部でもありますし、その運用の内容からくる矛盾でもあるわけですが、それと関連をして最近この住宅事情緩和のための住宅貯金とかというような構想もあるようであります。私どもはまあ一般住宅が必要な人の中の住宅が建てられる階層、それからまあちょっと手を引っ張れば建てられるだろうと思われる階層、それからまあ相当手厚い施策でなければ住宅が持てない階層と、まあそればいろいろな形のものがあるわけです。職場からいえばたとえば夫婦共かせぎの場合なんかが住宅が建てられるというような血が、まあ一般世相の中にあるわけです。そうすると、この金額の面では、これはいまの賃金の倍の賃金払うようないまの経済事情の中ですれば、大体住宅というのは建たるのじゃないかというふうに思われるような節もずいぶんあるわけです。これはまあ何といいますか、的確な表現ではありませんけれども、そういう点もあるわけです。しかし、実際上家を建てたいと思って貯蓄をするわけですね。そうすると、土地の取得から始まる。土地の取得について、大体ほぼこの辺ならば、たとえば通勤距離一時間とか一時間下とかというそういう距離を求めて土地の単価というものを定めて何年貯金をすると、そうするとまあ三年なり七年なり貯金をして、いざ買いにいこうとすると、その土地の価格というのがはね上がっておって、とても取得には間に合わない。これは貯蓄というかっこうからいけば、いまの経済事情というのは、そういうかっこうで追っかけていく結果にまあなっておるわけなんです。ですから、前者においては相当な手厚い配慮をしなければ建てられない。まあ建てようと思って年次計画を立てても、いまの土地事情というものはそういう状態になっておる。こんな点から勘案してみて、一体この住宅事情緩和の一手段だとは思いますけれども、実際どういうふうな考え方で貯蓄等の方針を打ち出され、それをどう運用されていくのか、この際ですからお聞きしておきたいと思います。
#39
○国務大臣(石田博英君) ただいま労働省で考えておりますのは、住宅事情緩和だけではないのでありまして、これを推し進めてまいりまして、勤労者諸君に何と申しますか、不動産なり、動産なり、財産を持ちやすいようにするというような方向に進めてまいりたい。西ドイツで実行いたしております勤労者財産造成法、これを日本の実情に合わせたいものにしていきたいという構想の一環としてさしあたって必要であり、手がつけやすいものからという意味で、住宅にこれを着手しようといたしておるのであります。方法は、まだ詳細な金額、その他は関係各省と折衝中でございますけれども、一定金額、つまり建築費の二割に相当する金額を貯蓄してもらう、一定年限で。それについては、免税措置をとろう、免税と申しますか、税の控除、そうして同町に、それが貯金できた場合には、残りの八割について優先的に融資する方法を保証しようということであります、大ざっぱに申しますと。そうしてただし、どこへでも預けていいというのではなくて、一定の金融機関、金融機関と申しますか、住宅金融公庫なら住宅金融公庫というところに預ける、これに対する見返り、見返りと申しますか、見返りのものといたしましては、建設省の建て売り住宅というようなものを中心に考えたい。と同時に、政府が融資するだけじゃなくて、会社が融資するという場合もむろんございます。そういうような場合も当然対象に相なるわけでございますが、むろん土地の先行取得というものを頭の中に置いて考えないと、ただいまの横川さんの御指摘のような実情になることは当然予想しなければならぬ。現在は案外、市外地あるいは思惑で買った土地というようなものは、かなり下がってきてはおりますけれども、しかしそれでも将来に対してはそういうことは当然予想しなければならぬものだと考えております。それ以下の層、これに対してはむろん公営住宅等を拡充して収容しなければならぬと思っておりますが、先ほど申しましたように、手を引っぱればできる層、それにそういう施策をとって勤労者もその財産を持ち得るようにしていただきたい。しかし、これは雇用労働者だけでは社会的に不平等に相なりますので、所得できめたい、こういう考え方でおります。
#40
○小酒井義男君 大臣に一点だけ私お尋ねをしますが、労災保険特別会計の最近の傾向を見ておりますと、相当剰余金が出ておるのです。この剰余金の収納済みと支出済みとこう検討をしますと、まだ事実支給率の引き上げの余地はあると思うのです、あるんじゃないかと思うのです。現在の率は非常に低いから引き上げてくれという要望も、該当者から非常に強いわけなんですが、これを来年度というのですか、近く引き上げられるような御意向をお持ちになっておられるか、どうですか。
#41
○国務大臣(石田博英君) 金額の引き上げと申しますよりは、従来一時金で支給いたしておりましたものを年金に切りかえるというような方法で長く補償する方法に切りかえてまいりたいと思っております。いまそういうことを中心に検討中でございます。なお御趣旨は十分尊重してまいりたいと思っております。
#42
○天田勝正君 大臣に、あなた時間がないから要望だけでお答えがなくてもいいのですが、この住宅問題全くたいへんなことでありまして、過日も本会議で私質問をしました。それは総理が他のものと比べ日本の住宅はきわめて劣っている、こういうことを所信表明で言われたから、よほど画期的なことを実はやられるだろうという期待から私の質問になった。いろいろ調べてみますと、こういうことなんです。三十八年の暮れで賃金の平均は戦前基準、九−十一年、あそこがずいぶん実は一番安いながらすべてがバランスがとれている。これを基準にしませんと、二十五年くらいを基準にすると、それ自体がアンバランスになっているから、あとのものはどうも的確なものができてこない。
 そこで戦前基準をとらえてそれからの伸びを見ますと、賃金は三百九十七倍ということになっております。そこで他の物価を見ても大体これと見合っておる。小売り物価でいきますと見合っておる。だからその数字だけではとんとんです。ところが、何がわれわれの生活を圧迫しておるかというと、結局住宅費なんですね。この建築費を見ますと九百七倍という数字が出てくる。そのことは大臣よく御存じのように、質はちっとも考えないで、昔ならば住宅といえば四寸角の柱にきまっておったものがいまは三・三寸角で、床の下はまるで荒くて二十年もたったらがたがきて、今日はと言って入ろうとしても頭だけ外に出て曲がってしまう。こういうことで質のことは考えないのです。ところが、土地のほうはどうかというと千六百二十倍という数字が出ます。このほうはまた距離のほうは考えない。昔の場合はたいていつとめの人の住宅というのは青山やら渋谷あたりが売買の実際なんですからそれがとってある。いまのは立川の在とか八王子の在というのが調べのうちに入っておるのが、それで千六百二十倍。そのことを計算しますと、はっきりわかることは、賃金はストップになっておるのに住宅費は五倍以上になっておる。それで土地のほうは十倍。こういうことになる。それでは少しくらいのことをやっても、自分のうちは持てない。いままでの自力建設もずいぶん政府をあてにして計画は立っておりますけれども、自力建設のできる人の数がどんどん少なくなっていくということなんですね、いまや。たいへんなことです。そこで私は質問時間がないものですから田中さんがよくわかるように聞きに来た人には言ったのですが、さすが頭のいい田中さんも取り違えて答弁されておりました。私の言うのは、やっぱりいまの自由経済でいくならば、どうしたって個人であろうと法人であろうと償却を認めていって、他のもうけから引き去るということをしなければ――個人であれば税金をずっと翌年度翌年度に繰り延べるような形で、税金をことしだけ取らないというのじゃなくて、それにならって来年も取らないという――これはひとつこまかいことは懇談会のときにでもお話ししないと理解しにくいと思うのですが、そういうことをやらなければだめだ。人間の生活が落ちつくのは土台は家庭なんです。字で書けば家と庭と書くのですよ。コンクリートの壁の中じゃ、ちっとも家と庭じゃないので、だからそういうことでは安息できない。私の埼玉はべた一面に公団住宅がありますが、あれの変わるのは驚くべきほど変わる。それは野原の中にできておりますから、はたを見ても見るところがなければ比較できないが、見るところがあるとバラックでもいいから庭のあるうちということになるのですよ。ですからこういう点からも土地を才覚しなければだめだ。高層の何にすればいまの五倍くらいのあき地ができますから、個人じゃ庭が持てなくなるがそういうことをして公共の緑地、公園、こういうもので庭を与える、こういうことにならなければ、潤いのある人生というものはない。こういうことを申し上げたわけで、あなたも時間がありませんし、私も実は時間がないので、せっかくあなたも別の構想を持っておられると言うが、そういうこともあり得るということをひとつお考えの中に入れて、これは真剣に住宅、ことに勤労者の住宅ということでこの間取り上げたので、それは自力建設はできない、いま言ったような数字からもはっきりできませんから、そういう面でひとつお考え願いたい。希望だけ申し上げておきます。
#43
○理事(相澤重明君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#44
○理事(相澤重明君) 速記起こして。
#45
○横川正市君 事業団に二、三。これは実際上はあなたのほうで住宅を離職者に提供をして収入を上げるということではないから、相当価格については低廉に行なっているだろうと思いますし、それから数多い利用者に対してまんべんなく利用していただくという方策もあるだろうと思いますから、そういう点で一応きめられたことを一生懸命それはその範囲内で守ってやっていくという、こういうたてまえだろうと思いますから、私は少し無理を言うわけじゃないのですけれども、たとえば離職者の中で入居に対して一年間という期限があって、その一年間の期限が公営住宅や公団住宅やあるいはその他移転をする事情というものがその人にとっては非常にできなくなって、さらに入居していなければならない、そういう人たちに対しての対策なんですが、実情を見てみますと、一年ということではあるけれども、さらに一年くらい延長して、二年程度の入居というものについても暗黙に認めるような処置をとられている。それからもう一つは、そういった場合に契約を更新して、家賃をある程度高くして、そうして話し合いをしている。それに対しては六ヵ月とかあるいは一年ごとに覚え書きの交換をする、こういうような措置をとられておるようなんですけれども、それはもう少しその点弾力性を持たせて、入居者について、たとえば促進事業団ですから、雇用関係の安定とか、それに伴うところのいろいろなあっせん等も行なわれるでしょうけれども、そういったことをあわせて安定をするということに重点を置いて、そうして入っていてもいいのだ悪いのだという、期間にあまりとらわれないような、そういう処置がとれないかどうか。これはもし法律の改正が必要だとするならば、これは労働省の関係になりますが、その点は事業団としてどういうふうに考えておられるでしょうか。それとも労働省としてもし法律改正が必要だとすれば、これに対して法案改正の意思があるかどうか。さらにいろいろ正常じゃ考えられない事情があって、そう甘やかしちゃ困るのだという事情があれば、そういう事情も聞きたいと思うのですけれども、いずれにしてもこういう特殊な離職をしなければいけない人たちに対する対策として生まれた事業団ですから、もう少し事情に合った方策がとられてしかるべきじゃないかと思いますので、点あわせてお聞きしたい。
#46
○参考人(万仲余所治君) 結果から申しますと、お説はまことにごもっともなことでございまして、私もそうあり得ればと思っております。が、実際問題といたしましては、これは私どもの事業団ができますときからのすでにきまった方針で、一年ということになっております。それは非常に短くして迷惑をかけるという意味ではなくて、一年間のうちに別の永住住宅を設定していただくという考え方が初めからついておったわけなんであります。そういうことでございますが、お説はもっと長く置けないか、あるいはもっと弾力性をとれないかということにあるとうかがいますが、さっきお話の点にはちょっと違った点がございますのは、おことばを返すわけではございませんが、一年間は最初から当然これはあり得るわけでございます。事情のある人と申しますのは、すぐには出られないが、もう一年もたてばできます、永久的なところへ移り得る。自分で移るかあるいは会社で移るか、あるいは公団の住宅に移るかということが出てくる望みのある方には、もう一年延ばしてあげます。この間は家賃を上げません。二年をこしたらどうするか、これが問題でございます。で、二年をこしておる人も幾らかあるのであります。これにつきましては、私どもは二年こしたら出ていけとほうり出すことは、実際やっておりません。やっておりませんが、たてまえがある一定戸数は――これからも一定戸数はつくっていただきたいと思っておりますが、一定戸数をつくって、いままでのように炭鉱労働者だけではなくて、いまでも炭鉱労働者以外の方も幾らか入っておられますけれども、炭鉱労働者よりもこれはもう全般的な問題になってまいりますので、よけいつくっていただけます戸数が多ければ多いほど、いまのような緩和的な意味合いのことが多くできるわけでございますけれども、これは一方では予算で制限されておりますので、万やむを得ず出られないような方々は、ほうり出すということはいたしません。かわりに幾らか二年間における家賃よりは上がるということを了承していただきまして、まあなるべく早くもうちょっとほかの住宅にお移り願いたいということを申し上げております。それで一方では、片方ではそういうことでありますが、一方では、それじゃ公団住宅であるとか、公営住宅であるとか、あるいは雇われている方が住宅を建てられますための援助措置というものは、また別に考えております。御承知と思いますけれども、融資をするという制度も考えております。それから自分でおつくりになる場合に、一定条件のもとに住宅確保奨励金を差し上げます。あるいは産労住宅であるとか、厚生省関係のお金をお借りになっておつくりになる方に対しても、十万円という限度はございますけれどもお金を差し上げる、それから修繕をなさる場合でもお金を差し上げる、また万やむを得ず家を借りる、あるいは部屋を借りるというような措置をなさる方には、家賃の一部を差し上げますというような別の意味のこともやっておりますのでございます。いずれにしましても、一年しか入れないのならというような事柄が入るときの非常な御心配である。それがまた逆に言いますと、場所によりましては、そんなに短い期間で幾らか不便なところは入らぬというような意味の悪材料にもなる傾向がございますので、私どもとしては、できますならば、基礎の住宅戸数をもっとたくさんおつくり願えれば、もっと緩和的なことができますのではありますまいかと思っております。また別な意味から言いますならば、私どもの住宅でなくても、建設省関係の住宅でももっとたくさんどんどんできますれば、自然住宅状況が緩和して、私どものほうでもひどい無理がなされなくてもいいようになるのではないか。非常に希望しておりますけれども、実際はなかなかそのとおりにまいっておりません、実情でございます。
#47
○理事(相澤重明君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#48
○理事(相澤重明君) 速記を起こして。
#49
○政府委員(始関伊平君) ただいま万仲理事長から具体的な事情を詳細お話があったのでありますが、これは広域職業紹介によって転職してまいります者を、まあ炭鉱離職者を中心といたしまして一時的に収容するたてまえでございますが、その取り扱いにつきましては、ただいま申しましたように、そう無理なことはしない、こういうたてまえになっておる次第でございます。なお、建設省関係の公営住宅等につきましても、この方面に対する特別のワクをこしらえてもらいまして、そちらのほうへの移転が円滑にまいるようにということと、それから雇用促進事業団自体としましての住宅建設のための融資、また住宅確保奨励金の交付というようなことがございますので、さしあたりこれらの点を関係各省との間に十分連携を密にしましてやってまいるという考えでございます。法律改正の必要はさしあたりなかろう、そんなふうに考えております。
#50
○理事(相澤重明君) 住宅事情について、川島建設省住宅局調査官。
#51
○説明員(川島博君) ただいま御質問のありました炭鉱離職者関係の住宅対策でございますが、労働省御当局におきましては雇用促進事業団によりまして応急の住まいの問題を担当していただきまして、逐次これをある程度恒久的な住まいに移すという方面の住宅対策を建設省で担当いたしておるわけでございます。この点につきましては、中央におきましては建設省、労働省の両省、また地方におきましては都道府県の住宅支分部局、職業安定部局が緊密な連絡をとりまして対策を立てております。具体的に申し上げますと、昭和三十八年度から、安定した住まいを得たいという離職者に対しましては、持ち家を持ちたいという方には、住宅金融公庫による個人住宅の融資に特別のワクを設けましてごあっせんをしておりますし、また、それほどお金がない、したがって、低家賃の貸し家がほしいと言われる力には、これまた公営住宅に特別のワクを設けまして優先的に認めるという方針でやっております。少し数字に触れますと、三十八年度には、公営住宅につきましては千五百戸、三十九年度は二千戸、これは来年も同程度考えておりますが、そういった程度の特別ワクを設けまして建設をし、それには炭鉱離職者を優先的に収容するということにいたしております。なお、住宅金融公庫によります持ち家の融資を受けたいという方のためにも、また特別の優先の扱いをしておりますが、これは昨年の三十八年度の実績で申しますと、約百二十戸程度でございまして、本年も引き続き申し込みを受け付けておりますが、まだ数字はまとまっておりませんが、本年度も昨年同様融資についても特に優先扱いにいたしております。
#52
○横川正市君 この国会答弁を聞いていると、何も不都合がないようなんですね。ところが、実際上の事情を見てみますと、たとえば暫定的な宿舎の提供を行なっている労働省の暫定的なものから永住的な宿舎をあっせんしている建設省の業務へ移る場合に、いろいろな問題が私はあると思うんです。たとえば個人差の問題があります。あとでお聞きしたいと思っておりましたが、せっかく離職者で入居した者であっても、いまの中小企業その他の倒産問題から収入が全く見込みがなくなったような人たちの問題等もあって、具体的にそれらの対策の必要な面が起きてきていると思うんです。私は、労働省に対しては、そういう離職者に対するどういう対策を立てておられるか、これも聞きたいと思っておりますけれども、そういうことがありますので、この際ですから、先ほど政務次官は、法律改正の必要はない、それから事業団の理事長はきわめて法の運用については弾力を持たせてやっておられるようですけれども、この際法律改正が必要ならば改正してもらいたいと思うが、いま建設省が言っているように、お金を貸しましょう、それからお世話をいたしましょう、こういうふうに言っているわけですから、私は実際上は不都合は起こらないと思うんです。そういう状態なら、建設省がそういう人たちに住宅を提供するまであなたのほうでいまの仮住宅というものを提供する――一向などと言わないで提供するというような、そういう措置はとれないのか。いまのたてまえでとれないというのならは これは政務次官、あなたのほうでは改正措置が必要だと思わぬですか。その点は関連をしてどういうふうにお考えでしょうか。また措置はどうです。
#53
○政府委員(始関伊平君) ただいまの法律改正の問題でございますが、移転労務者用の住宅につきまして、これは暫定的なものであることはもちろんでございますが、この貸し付けの期間を一年以内に限る、あるいは、あとの一年を運用によって延ばすことができる、というようなことは法律に規定してあるわけではございませんので、行政運用の方針ともいうべきものであると思いますので、そういう点から申しまして私は法律改正の必要はないだろう、こう申したのであります。なお、他の公営住宅等へ移ることが円滑にまいりますれば問題は解消するわけでございますが、その点につきましては雇用促進事業団法という法律の三十七条という規定がございますが、そこに「建設大臣は、事業団の業務の円滑な運営に資するため、移転就職者について、産業労働者住宅その他適当な住宅の確保に関し必要な措置をとるように努めるものとする。」、こういったように法律の面からは十分配慮いたしました立法になっていることをお答え申し上げます。
#54
○政府委員(有馬元治君) 建設省からもお話はありましたし、事業団の理事長さんからも、無理はしないということで運用しているという説明がございました。私どももそういう趣旨で移転宿舎を運営しているのでございますが、御指摘のように、たとえばことしの二千戸の公営住宅のワクがあっても地域的にかみ合わないじゃないか、いろいろ具体的な場面になりますと、住宅の問題だけにやっかいな問題がありますが、これもできるだけ建設省側と現等当局と話し合いをしまして、スムーズに恒久住宅へ移れるように、もちろんこれは公営住宅ばかりじゃございませんで、社宅に対してもできるだけ優先的にとっていただくという方向で各企業に呼びかけております。
 それからまた、先ほどちょっと御指摘がございました再就職しても、さらに中小企業の倒産その他で離職をするという場合が若干ございます。そういうときに住宅をどうするかという問題でございますが、これは絶対に追い出したりするようなことがないように十分注意してやっておりますので、大体住宅に関する限り、生活の本拠でもございますので、そう軽々にしゃくし定木にやっていくつもりは毛頭ございませんので御了承いただきたい。ただし、性格そのものを恒久住宅として性格づけるということになりますと、これは建設省の住宅政策との調整がございますので、当面当分の間はそこまで性格を変えていく、たてまえを変えていくというふうな考え方はとらずに、あくまでいまのような移転宿舎としての性格で運用の点から十分に配慮を加えていけば十分ではないか、かように考えております。
#55
○横川正市君 いまの説明で私も、運用はそう入居者に対して過酷にならないで運用されるというふうに思うわけですけれども、この点は、いろいろ入居者からおそらく意見というものはあがってきているだろうと思いますので、いま私のほうから、質問した内容と答弁いただいたそれの内容とに照らして善処されるようにお願いしたいと思います。
 厚生関係の施設で、何か非常に暫定的な宿舎だということから厚生施設などというようなものについては、住宅に全然配慮されないで建てておられるようなんですが、たとえば子供の遊び場所とか、それから、いわば共同で使えるような施設だとか、そういったものを全然この付帯事業として考えておらないのですか。それとも、一時急速に家を建てたんだけれども、家が建ったから、その次は少しぐらいなあき地にそういった施設もつくろうということなんですか。いまの状態では、全然これはないようですね。私どもとしては、やはりそれぐらいのものはつくってあげたほうがいいんじゃないかと思うのですけれども、事業団としては、どういう措置をされておりますか。
#56
○参考人(万仲余所治君) お説のごとく、宿舎へおいでになりますと、場所によりましては、まだ何もないところもあるかと存じますが、私どもは、当初つくりましたときには、できるだけ多くの宿舎を早くつくるというたてまえが一番先にありましたもので、そういうことよりも先に、ひとつできるだけ宿舎を多くつくろうということでまいりましたが、だいぶ数もふえております。また場所によりましては、集団も、相当大きな集団ができております。漸次、いまおっしゃったような、むろん私どものやります限度というものは、そう何もかもやるというわけにはいきませんけれども、小さな子供の遊び場であるとか、現に自転車の置き場であるとか、そういう簡単なものはつくっておりまげれども、ごらんになりますと、こんなものではとおっしゃるようなものしかまだできておりません。できておりませんが、漸次それをやっていきたい。そうして、一年間が原則のところではありますけれども、おられます間、そう殺風景な気持ちでないようにいたしていきたいと願っておりますことを申し上げます。
#57
○横川正市君 いろいろとこまかいことはたくさんあるわけですけれども、これはいずれ、皆さんのところに実際の入居者、いわゆる離職者から要望がいくと思うのですね。その点ひとつ十分聞いて善処されるようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#58
○小酒井義男君 先ほど大臣に、労災保険の関係の給付額引き上げの意向がないかということをお尋ねしたのですが、現行の給付額がきまったのはいつですか。
#59
○政府委員(村上茂利君) 労災保険法は、三十五年に改正をいたしまして、従来の一時金による給付を一部年金化いたしまして、その後改正を行なっておりませんが、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、労災保険法のかなり広範なる改正の検討に着手しておりまして、近く法案をまとめることになっております。
 なお、先ほどの御質問の中に、財政的に余裕ができてきたのではないか、したがって、給付内容についても改善したらどうかというおことばがあったのでございますが、実は会計上の余裕はないのでございます。と申しますのは、当該年度で収入と支払いを差し引きますと、確かに何十億かの余剰がございます。しかし、御承知のように給付の年金化に伴いまして、支払い準備金というものをさらに充実しなければいけない、その支払い備金を算定いたしますと、年々百億程度のマイナスになるという計算になるわけでございます。ただいま申しましたように、労災保険法の給付内容を改善いたしまして、大幅に年金化するに伴いまして、将来のこういった支払い備金はさらに増大する、こういう関係にございます。したがって、お金が余っておるから給付内容を引き上げるという趣旨ではございませんので、給付内容自体は、年金化の方向で水準を高めていきたい、かように考えておる次第でございます。
#60
○小酒井義男君 たとえば、一つの例ですけれども、けい肺病なんかで入院しておる患者、そういうものに支給する月々のなにがありますね。そういうのもやはり三十五年にきまったままですか。
#61
○政府委員(村上茂利君) 御承知のように、従来は療養補償を継続しまして、三年たってなおらなければ、打ち切り補償千二百日分を支払いまして、そこで使用者の責任は免除する、こういう制度になっておりましたものを、昭和三十五年に労災保険法の改正をいたしまして、三年たってもなお、なおらないけい肺患者のようなものに対しましては、その後も引き続き長期療養補償を行なう長期給付という名前の制度を設けたのでございます。それが年金でございます。そういう形でずっと継続支給しておるわけでございます。御質問は、おそらくその給付金額の問題だろうと思いますが、けい肺患者につきましては、給付日数の問題以外に、その算定の基礎になります平均賃金が、大部分の者が坑内労働をしておりましたのが、その後、職場転換をいたしまして坑外労働に移る、すなわち賃金が低くなるわけでございます。その低くなりました賃金を算定の基礎にいたします関係上、支給額が全体として低くなるという、実は賃金計算の方法にも幾多問題があったわけでありますが、そういった賃金の算定方法につきましても、今回検討いたしておりまする労災保険法の改正法案におきましては、適当な金額が補償されますように、給付日額の算定について特別措置を講じたいと考えておる次第でございます。
#62
○小酒井義男君 そうすると、結局、本人の収入は、現在よりもふえていくのだ、そういうことになるのですか。
#63
○政府委員(村上茂利君) 現実に、いま給付されております一人一人の患者の給付日額が上がるかどうかということは、一がいには言えませんが、制度的には、将来、必要最小限度のものは担保されるような形の仕組みに持っていきたい。
 それから、いま受けておるものが、さらにふえるかどうかという問題につきましては、別に賃金のスライド制の問題があります。御承知のように、従来は四半期ごとに賃金の上昇傾向を見まして二〇%をオーバーしました場合に、スライドさせるという制度をとっておるのでありますが、今回の改正案につきましては、制度を、一年間を基準にして上がり下がりを見て、そうして一〇%上昇したならばアップを見るというような案を一つの案として考えております。そういたしますならば、賃金上昇に見合ってつまり長期給付を受ける年金の額もふえていくということになるわけでございます。しかし、この点につきましては、いろいろ議論があるようでございますので、最終的にはまだ確定しておりませんが、できるだけ給付改善の方向に向かって漸進していきたいと考えておる次第でございます。
#64
○小酒井義男君 最後に、これは政務次官かどなたか適当な方、答弁できる方にしていただけばいいいのですが、現在ここで問題にしているのは、三十七年度の決算なんですが、三十七年度の予算を執行する過程において、予算の不足のために計画をしたことが十分達成できなかったというような問題、あるいは、もっと予算の使い方をこういう方面に使えばよかったのじゃなかったかというようなことが、労働省として検討をされたというようなことがあるのかどうか。そういうことに対して答弁をできるような人は、いまの時点でおられるのかどうか、そういうことをお尋ねしたい。
#65
○政府委員(和田勝美君) 三十七年のときの具体的な個々の事案につきまして、いま直ちにどうこうということはなんでございますが、三十七年度中、予算執行をやっておりまして、この予算は三十七年度につきましてはよろしいけれども、将来として伸ばさなきゃならぬというようなものにつきましては、三十八年度予算編成の際に、三十七年度の経験を積み上げまして予算折衝をいたし、しかるべき措置を講じております。
 ただ、この金をほかに使ったらいいじゃないかという御質問がございましたが、実は私も、まことに口幅ったいのですが、そういう事例はなくて、大体不足であって、余ってるということはなかったように、いまのところ考えております。
#66
○小酒井義男君 これは、決算審査の一番目標が、なかなかやりにくいところなんですね。こういうふうに、いま官房長からお答えがあったように、三十七年度の予算執行の結果、三十八年度に重点的に、やはり予算を獲得をしなきゃならぬ問題があったというなら、それを具体的に、どういう問題があったか、ひとつ後刻でいいですが、資料を出していただけませんか。
#67
○政府委員(和田勝美君) さようにさしていただきます。
#68
○理事(相澤重明君) それでは資料を提出を願います。
 委員長から、一つお尋ねをしておきたいと思うのですが、港湾労働の問題について、本年度答申が出ておりますね。これについて、運輸省関係もありますが、労働省としては、どういうふうにお考えになっておるのか、この点ひとつこの際御答弁をいただきたいと思うのですが。
#69
○政府委員(始関伊平君) 港湾労働の問題につきましては、審議会の答申の趣旨に即しまして、ただいま法案を準備中でございまして、来たるべき通常国会に提案をいたす予定でおります。日雇い労務者の出頭手当という制度を設け、また登録制を採用することによりまして、全体としては常用化の方向に向かうといったような点が根本の着眼だと存じておりますが、問題は、そのために荷役場等に、まあ労働省の見解では、二%ないし三%程度の影響があるということでございますが、その見方につきまして、ただいま関係各省の間に若干の食い違いもございますが、いずれにいたしましても、政府の中の意向をまとめまして、通常国会に提案いたして御審議を願いたい、かように考えておる次第でございます。
#70
○理事(相澤重明君) 委員長から再度、これは安定局長あたりがいいと思うのですが、この港湾労働の答申案について労働省の作業を進める中において、非常にいろんな意見が、いわゆる資本家陳営といいますか、そういうところから出てきておる。私も十分承知しておりますが、労働省が労働者の雇用安定の問題を進めなければ、やはり進めるところがないわけです。ですから、その実態というものを把握した上で、法制定を促進しなきゃならぬと私は思う。ですから現状について、雇用状況について、港湾労働についてはどうなっているのかということを、この際少し安定局長あたりから説明を求めておきたいと思うのです。
#71
○政府委員(有馬元治君) 港湾労働の現状は、御承知のとおり三十六年当時のような船込みの状態では、今日は必ずしもございませんけれども、将来の日本の経済の発展並びにこれに伴って生じてくる貿易量の増大というようなことを考えますと、現在運輸省が新しく今年度から計画をしておりまする新五ヵ年計画、港湾整備の新五ヵ年計画という青写真がございますが、これをもとにいたしまして、私どもも港湾労働面の改善を飛躍的にはかっていかなければならぬ、こういう考え方を基本的に持っておるわけでございます。
 現在においてどの程度労働力の面で足りないかという問題でございますが、いろいろな計算方法がございますが、やはり現在においても二〇%程度労働力としても不足しておるのではないか。これがさらに四十三年の五ヵ年計画の見通しによりますと、荷役量も四割前後増大いたしますが、この暁におきまして、いろいろその過程で機械化もなされましょうけれども、やはり労働力に依存する面が港湾労働の状態から当然予想されるわけでございまして、この暁におきましては、やはり三五、六%から四〇%近くの労働力が不足するのではないか、このまま放置するならば。そういう見通しのもとに、この際ぜひ石井答申の線に沿って労働力の確保の万全を期する、これがやはり港湾運送業の将来のためにもよろしい、こういう判断に立っております。また一面、港湾労働者の労働の状態、生活の状態を見ますと、これはやはり人間尊重という観点からも放置できない事態が相当ございますので、こういう観点からも、住宅をはじめ福利施設を整備して、港湾の労働関係をぜひ近代化し秩序を確立していくという観点が必要になってくるかと思います。向町から、私どもとしましては、港湾労働を、この際関係方面の御協力を得てぜひよくしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#72
○理事(相澤重明君) 委員長から、いま一点お尋ねしておきたいのですが、先ほど横川委員から御質問がありました駐留軍離職者対策、内閣の中にも離職者対策を持っておるわけでございますが、非常に多くの離職者が出る予想がされておるのです。アメリカの政策によりまして、ドル防衛ばかりではなくて、やはり今年当初から非常に大きな問題になったわけでありますが、具体的に労働省が駐留軍の離職者の中高年齢層といいますか、お年寄りが多いわけですが、みずから事業をやろうという人もあるでしょうし、他に就職するという人もあるでしょうし、そういう面でどういうふうに日米合同委員会にお話しになったり、あるいは政府間でお話しになってこの対策を進めようとするか、この点だけひとつ御答弁を願っておきたいと思います。
#73
○政府委員(始関伊平君) 先ほど申し上げましたように、離職者、特に中高年齢層の離職者の就職促進対策につきましては、だんだんと対策もできておるわけでありまして、駐留軍労務者につきましては、炭鉱離職者に次いでというか、重点的な扱いをいたしておるわけでございますが、具体的には安定局長から御答弁申し上げたいと思います。
#74
○政府委員(有馬元治君) 駐留軍の離職者の問題は、主管官庁は防衛施設庁でございますが、われわれもこれに全面的に協力をいたしまして、まず駐留軍がやたら解雇をしないようにという前提で、やむを得ず解雇された者につきましては、私ともで就職の万全を期していく、こういう態勢をとって現在進めております。現に昨年からことしにかけまして、約五千名の離職者が見込まれておりますが、これらの対策につきましては、一面において官公庁で優先的に採用する、それからさらに非常に高年齢者でございます――高年齢者と言っては非常に語弊がございますが、相当年輩者の方が多いものですから、私どもの、先ほど申し上げましたような、中高年者の就職促進措置に乗っけまして、集中的に就職促進措置を講じてまいっております。主としては福岡県に発生しておる問題でございますので、福岡県当局を中心に、全国的な広域職業紹介体制をとりまして、そのあっせんに万全を期しておる次第でございます。
#75
○理事(相澤重明君) 最後に、いま一点だけ委員長からお尋ねしておきたいんですが、身体障害者の雇用促進についてはどういうふうになっているか。これを官庁で採用した率、民間で採用した率、こういうものについて概略を御説明願って、あとは資料でけっこうでありますが、一応いままで労働省が進めてきた方針なり実績をひとつ御答弁いただきたいと思います。
#76
○政府委員(有馬元治君) 身体障害者の雇用促進につきましては、三十五年に雇用促進法ができまして、ことしの三月を目標に、民間と官庁に分けましてそれぞれ雇用率を設定いたしておるのでございますが、民間の場合は現場の作業要員が中心になりますので、雇用率といたしましては一・一%、官庁は事務系が中心でございますが、この事務系の場合には一・五%と、こういう雇用率を設定いたしまして、その達成目標といたしたわけでございますが、民間の場合におきましては、大体いまの雇用率を達成いたしておりますが、官公庁の場合に、ややこの目標率を下回っております。官公庁が率先して範を垂るべき性質のものであるにかかわらず、そういう状態でございますので、これは政府関係機関に強力に働きかけまして、この雇用率の達成をぜひ本年度中には――一年おくれの本年度中にはぜひ達成したいということで、最後の努力をいたしておる状態でございます。
 なお、最近の新しい資料につきましては、後刻取りまとめて提出さしていただきたいと思います。
#77
○理事(相澤重明君) これは基準局長にお尋ねしておきたいんですが、現職、つまり、たとえば自動車運転手の人がけがをした、この場合にも運転手はできない。いま言った身体障害者として事務系に回らざるを得ない。この場合の給与措置あるいは年金措置というようなものはどういうふうになっているのか、御答弁をいただきたいと思います。
#78
○政府委員(村上茂利君) 運転手の例示がございましたが、まあ死亡されずにからだに障害が残るような形で、障害補償といった問題になった場合のことを考えてみますると、まず治癒――その療養の過程から、最近のたとえば労災病院などでとっております方針は、残存能力をできるだけ治用いたしまして、職場に復帰するといった方針のもとに、リハビリテーション施設というものの充実をはかっている次第であります。したがって、障害の程度に応じまして、これは事務のほうに進むか、あるいはさらに別な、たとえば手だけがまだ残っているということでありますれば、精密機械の組み立てとかいろいろ可能なわけでございまするので、残存能力の程度を判断いたしましてリハビリテーションを行なう、そしてさらに職場に復帰させる、こういう方向で全体の補償措置が考えられているわけでございますが、そこで、問題は障害補償の問題でございます。従来は、たとえば両腕を失ったというような状態の者を一応労働能力喪失度合いゼロといたしまして、そしてそれを障害等級の第三級にいたしまして、その以上の者、つまり第一、第二、第三級を年金の対象としておったのでございますが、今回検討いたしております改正法案におきましては、この年金支給の等級をさらにダウンいたしまして、七等級程度、でき得べくんば八等級程度まで年金で障害補償費を払う、こういうことにいたしたい。そういたしますれば、残存能力を活用して何らかの職場に復帰いたしました際に、一方においては年金を受給しつつ、一方においては働くことによって、健全なときよりは収入が減るといたしましても、補償費と合わせて生計を営み得るというような形で考えていきたい、かように考えまして検討している次第でございます。
#79
○理事(相澤重明君) 他に御質疑もないようでございますので、労働省及び雇用促進転業団の審査は、本日はこの程度にとどめます。
#80
○理事(相澤重明君) この際、継続審査要求及び継続調査要求についておはかりいたします。
 昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算、昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十七年度政府関係機関決算書、昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書、昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和三十七年度国有財産無償貸付状況総計算書の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中もなお審査並びに調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、継続審査要求書並びに継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成、提出の時期等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
  午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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