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1964/12/17 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 外務、商工委員会連合審査会 第1号
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1964/12/17 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 外務、商工委員会連合審査会 第1号

#1
第047回国会 外務、商工委員会連合審査会 第1号
昭和三十九年十二月十七日(木曜日)
   午後一時二十七分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
   外務委員
    委員長         青柳 秀夫君
    理 事         井上 清一君
    理 事         草葉 隆圓君
    理 事         長谷川 仁君
    理 事         加藤シヅエ君
               大野木秀次郎君
                鹿島守之助君
                木内 四郎君
                黒川 武雄君
                杉原 荒太君
                山本 利壽君
                和田 鶴一君
                岡田 宗司君
                佐多 忠隆君
                羽生 三七君
                森 元治郎君
                渋谷 邦彦君
                曽祢  益君
                佐藤 尚武君
                野坂 参三君
   商工委員
    委員長         梶原 茂嘉君
    理 事         赤間 文三君
    理 事         上原 正吉君
    理 事         近藤 信一君
    理 事         向井 長年君
                植垣弥一郎君
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                岸田 幸雄君
                剱木 亨弘君
                小林 英三君
                豊田 雅孝君
                前田 久吉君
                阿部 竹松君
                大矢  正君
                椿  繁夫君
                中田 吉雄君
                藤田  進君
                鈴木 一弘君
                奥 むめお君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   外務委員
    委員長         青柳 秀夫君
    理 事
                井上 清一君
                草葉 隆圓君
                長谷川 仁君
                加藤シヅエ君
    委 員
               大野木秀次郎君
                木内 四郎君
                黒川 武雄君
                杉原 荒太君
                和田 鶴一君
                岡田 宗司君
                佐多 忠隆君
                羽生 三七君
                曽祢  益君
                佐藤 尚武君
   商工委員
    委員長         梶原 茂嘉君
    理 事         赤間 文三君
                上原 正吉君
                向井 長年君
    委 員
                植垣弥一郎君
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                岸田 幸雄君
                剱木 亨弘君
                豊田 雅孝君
                前田 久吉君
                阿部 竹松君
                椿  繁夫君
   国務大臣
       外 務 大 臣  椎名悦三郎君
       通商産業大臣   櫻内 義雄君
   政府委員
       外務省アジア局
       長        後宮 虎郎君
       外務省条約局長  藤崎 萬里君
       通商産業省企業
       局長       島田 喜仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        結城司郎次君
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   説明員
       外務省条約局外
       務参事官     佐藤 正二君
  本日の会議に付した案件
○国際博覧会に関する条約及び千九百二十八年十
 一月二十二日にパリで署名された国際博覧会に
 関する条約を改正する議定書の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
  〔外務委員長青柳秀夫君委員長席に着く〕
#2
○委員長(青柳秀夫君) これより外務・商工委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の委員長の職をつとめます。
 それでは、国際博覧会に関する条約及び千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名された国際博覧会に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#3
○椿繁夫君 外務大臣はお見えにならぬのですか。
#4
○委員長(青柳秀夫君) すぐ参ります。
#5
○椿繁夫君 わが国がこれまでこの条約に加盟しないできておるわけですが、今回この条約の比准を求められて加盟をしようということになるわけですが、この場合の、加盟した場合と加盟しない場合の利害得失ですね。これは通産大臣に。
#6
○国務大臣(櫻内義雄君) 外務省のほうが適切かと思いますが。
#7
○説明員(佐藤正二君) いろいろ利害得失あると思いますが、大きな点だけ御説明いたしますと、利点といたしましては、わが国が国際博覧会を開催する場合と参加する場合と両方になるわけでございますが、開催する場合については、この締約国となっておりますれば、わが国が開催する博覧会にこの条約の締約国の参加を確実に期待できるということが一番大きな利点だろうと思います。その他参加の国については、その国の政府の責任において参加が行なわれるために、非常に無秩序な形の参加ということは行なわれないという点。それからその次に大きな利点といたしましては、参加の希望が競合するような場合には、この国際事務局で裁定をいたします。非加盟国の場合には、どうしてもその加盟国のほうが優先権を持つような形になります。その点は加盟国になっている非常に大きな利点だろうと思います。他国の博覧会にわが国が参加する場合、これも利点でございますが、この点については、必ずしもこの締約国になっていることが不可欠の要件ではないのでございますが、この条約の保障のもとに、確実な便益が開催国から得られる、その点が一番大きな利点だろうと思います。
 それから利害の害のほうにつきましては、これはまあ当然うらはらになってまいりますわけでございますが、非締約国の開催する博覧会に参加する場合には国際事務局の許可が要るわけでございます。この点、行動の制約を受ける。そういう点は、まあ、ちょっと害と言えば害と言えるかと思います。
#8
○椿繁夫君 条約批准を行なって、そうして加盟をすることによって、博覧会を誘致することができる資格がつく、こういう点が特典として考えられる。損失の問題としては、いろいろ加盟することによって制約、統制を受けるようなことが考えられると言われましたが、その制約を受ける場合、どういうことが予想されるんでしょうか。
#9
○説明員(佐藤正二君) この点は、先ほどちょっと御説明いたしました点でございますが、第七条にございます点でございますが、非締約国の開催の博覧会に参加する場合には、国際事務局の意見を求めなければならないという点が一つございます。それが一番行動の制約のきびしいものではないかと思います。それから、それ以外には、開催頻度の問題なんかございまして、これは、地域別に、世界を三つの地域に分けまして、ある地域において、同一地域において、たとえば第一種の一番大きな博覧会を開くような場合には、同一地域に一回行なわれますと、六年間博覧会ができないというような制約があります。
#10
○椿繁夫君 日本外交を考える場合に、いりもアメリカの動向を見て方向を決定するというふうに、私ども考えておるんですが、その博覧会条約については、アメリカはまだ批准しておらぬ。したがって、加盟もしていない。ところが、一九七五年ですか、ちょうど独立の二百年記念式典として、アメリカで万国博を開催したいという希望があるやに聞いております。しかるに、いまだにアメリカがこの条約の批准を行なわす、しかも、パリに事務局があると聞きますが、これにまだ加盟もしていない。どういう理由なんでしょうか、おわかりの点だけひとつ御説明をいただきたい。
#11
○説明員(佐藤正二君) アメリカが締約国になっていない理由といたしましては、これは推測するわけでございますが、この条約において、博覧会を開催する場合に、一時輸入の免税などの特権を出品物及び建築材料なんかに与えなければならない。この権限が州の権限になっているのでございます。したがって、合衆国、いわゆる連邦政府の権限になっておりませんために、各州との権限の調整を必要といたしますので、その点がやはりネックになって批准してないというふうに聞いております。
#12
○椿繁夫君 この国際博覧会と、国際見本市というものがほうぼうで行なわれておりますね、この違いは、通産大臣、どんなに違うのでしょうか。国際博覧会というのと国際見本市というのと、その違い。
#13
○国務大臣(櫻内義雄君) 見本市のほうはそれぞれ開催される主催国が、貿易を中心に考えておると思うのであります。この国際博覧会のほうは、過去の事例でもおわかりのように、開催のつど、その博覧会のテーマを掲げております。パリで行なわれました一九三七年は、「芸術及び技術と近代生活との調和をはかる」。それからブラッセル、これが一九五八年でありますが、「科学文明とヒューマニズム」、それから、今度行なわれます一九六七年のモントリオール市におきましては、「人間とその世界」、こういうようなふうに、それぞれ博覧会のテーマを掲げておりますので、ただ単は貿易を目的とするのではなくて、もっと広い視野、意味において博覧会を開催するようになっております。
#14
○椿繁夫君 先ほど外務省のお話を伺いますと、この条約を批准して、加盟をすることによって、わが国で開催をしたい場合の資格がつくということでございましたが、これはわが国に、この次の――一九七〇年ですか――ときには、ぜひ誘致したいという希望を持ってこの条約の批准をこの短かい臨時国会に出されておるのでしょうか。
#15
○国務大臣(櫻内義雄君) 現在国内におきまして、一九七〇年にこの国際博覧会をいたしたいという希望を持っておる個所が何カ所かございます。そういうことを念頭に置きますときに、現在こういう条約がありますので、この開催を前提としておるわけではございませんが、通産省の私どもの立場としては、もし意見が一致いたしまして、かりに国際博覧会をやるというときに、いろいろな障害なしにやりたいと、こういうような気持ちを持っておることは偽りないところでございます。しこうして、国際的に見まして、現にはっきり開催の希望を持っておるところが豪州でございます。また、そのほかにソ連、イタリアなども希望しておるということを聞きますので、万一のことを考えまして、条約に参加をしておって、そうしてそういう場合に各国の支援を得るということのほうが、いよいよやるときにはいいのではないかというような見地に立っておりまして、通産省の立場では、条約に加入をするのが好ましいということで外務省のほうと話し合いをした、こういうわけでございます。
#16
○椿繁夫君 ただいまのその意見が一致すれば万国博の誘致に踏み切りたい。その前段としてこの条約の批准を急ぐというふうなお話だったと思います。意見の一致というのは、政府の内部の意見の一致ということでございましょうか。
 それからあわせて、いま通産大臣お話しの、この希望をしておるのが豪州、イタリア、ソ連というふうに言われておりますが、パリの事務局を中心としてこれら三国の動きについて外務省からあわせて御答弁をいただきたい。
#17
○国務大臣(櫻内義雄君) 外務省のほうにいま各国の動きの御質問でございましたが、私どものほうもいろいろ情勢を耳にしておりますので申し上げますと、豪州が、先ほど申したように、一番具体的な希望を持っておるようでございます。しかし、先般のOECD閣僚会議に参りましたときに、現に国会で条約の審議中でもございますので、儀礼上の訪問をいたし、多少の様子を伺ったのでありますが、まだパリの事務局には積極的な働きはなかったようでございます。
#18
○椿繁夫君 この条約が批准される明年の一月から開催についての申請登録が行なわれるということを伺っています。その場合に、この開催の場所とか、運営の組織とか、あるいは開催の期間などを定めて申請をする必要があると思うのですが、この間の政府の心づもりはいかがでございましょう。
#19
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどの御質問にお答えが落ちたわけでございますが、開催地についての意見の一致は政府内でできてないのか、それともそのほかにあるのかというようなお話があったと思います。実は、ただいまの御質問とこれは関連すると思います。いよいよ開催の登録申請をします場合には、御指摘のように、添付書類といたしまして、資料として開催場所、運営組織、開催期間、展示条件などをつけることになっております。したがって、一九七〇年を目標にして登録申請をする。こういうことになりますと、この条約の定むるところによりまして、明年一月一日より明後年の六月末日までの間に、ただいま申し上げたような添付書類をつけて申請手続をしなければならないと思うのであります。ところで、現在の国内の情勢はいかがかとはっきり申し上げまして、兵庫県の神戸、大阪府の吹田市、滋賀県の琵琶湖、これらが開催の希望を持っておりまして、通産省のほうに資料をつけて希望の申し出がございます。また、いろいろの会合で決議をしておる場所といたしましては、千葉県の浦安があるわけでございます。この博覧会をやる場合に二つの方法があるようになっております。それは、政府または公共団体がみずからこれに当たる場合、それからもう一つは、政府の承認を受け、政府の指導監督のもとに、ある団体がこれに当たる場合と、二つの開催の方法があるのでございますが、何といっても、地方の自治体に非常に関係の多いことでございまして、通産省のほうとしては、自治体が熱心に開催を希望し準備が十分あることのほうが、この博覧会を推進する上に好ましいと、かように考えておるのでございますが、ただいま申し上げました三つの候補地のいずれにするのがよいのかなかなかこの調整に困難を感じておるのであります。特に関西方面に強い誘致の意思表示がございまして、近畿七府県として国際博覧会をやりたいと、こういう希望でもございましたので、具体的な資料の出ております神戸、千里丘、琵琶湖がすみやかに意思統一をはかってもらいたい。また、その意思統一のできるために通産省としてもできるだけのお手伝いをするように骨を折っておる次第でございますが、いまだに結論を見ておらない、こういう実情でございます。
#20
○椿繁夫君 まず条約の批准を終わり、その上でこの博覧会事務局のほうに開催の登録申請を行なう。これが先決でありますから、場所の話し合いなどについてはこの機会でなくともいいと思うのでありますけれども、大体近畿七府県あるいは滋賀、阪神というようなところで地方の公共団体から熱心な希望が出ておる。そういうところを尊重したいという御意向のようですが、通産大臣としては博覧会を開催する場合の主催者についてはどういうお考でしょうか。
#21
○国務大臣(櫻内義雄君) これは全く私見と申しましょうか、別に省内で協議をしたわけではございませんが、先ほど申し上げましたように、二つの開催の主催者としての場合があることを申し上げました。私としては、過去におきまして二千六百年祝典事業としての万国博覧会開催の計画がございました。そのおりには、社団法人万国博覧会協会が中心になった、こういうことでございまして、当時のいろいろ記録もございます。ただいまのところ、かような形で行なわれるのが好ましいというふうに思っております。
#22
○椿繁夫君 この協会の組織、その中には商工会議所であるとかあるいは地方公共団体が加わって協会を組織する、それでその協会に主催をさせたがよかろうという御意見ですか。
#23
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま私が申し上げました二千六百年祝典事業の場合の社団法人万国博覧会の構成メンバーは、お話しのような地方自治体、商工会議所等が入っております。
#24
○椿繁夫君 そこで、まあ、千葉あるいは近畿の三府県、競争しておられるようですが、いずれにいたしましても、博覧会を誘致するということになると、設備あるいは環境の整備など、相当所要経費が予想されるのであります。どのくらいお考えになっておるのでしょうか。
#25
○国務大臣(櫻内義雄君) これは申し上げるまでもなく、計画の内容によって相当差が出ると思うのであります。一応いままで数字らしいものが出ましたのは池田内閣当時に、宮沢企画庁長官が、パリの事務局を訪問後、お帰りになりまして、閣議の席上で、五百億円ぐらい直接の費用が必要だというようなほんとうの概算を口にせられたことがございます。通産省としては、ただいま御説明申し上げたように、各方面のいろいろ資料は出てはおりますけれども、具体的にどこを中心にしてやるのか、あるいはどこでやるのかというようなことがはっきりしておりませんので、いまにわかにその数字を申し上げかねると思うのでありますが、直接費の五百億円ぐらいは当然確保しなければならないのではないかと、こういうふうに思います。また、従来諸外国で行なわれました事例を見ましても、相当な費用がかかっております。
#26
○椿繁夫君 直接の経費が五百億、環境整備の経費など考えますと、やはり一千億を下らないだろうということが、しろうと考えにも、すぐに頭に浮かぶのであります。そういう際に、これまで東京でオリンピックが開催されました。だいぶん東京の町がきれいになって、御同慶にたえませんが、ところが、こういう国際的な催しものを誘致することによって、地方団体の民生予算というものが非常な圧迫を受けておる。その結果かどうか知りませんが、東京は水道が出ぬようになったりいたしましたが、民生予算というものが、この種の催しを行なうことによって著しく圧迫をされる。新産業都市を誘致したいというので、全国で相当数のところが先行投資を行ないまして、新産都市の指定にはならず、先行投資のために借金だけかかえておる。指定は行なわれたけれども、その後、新産都市に対する政府の補助などは具体的ではない。で、結局、一部の大企業だけが新産都市の場合でも誘致の対象になっておる。反面において民生予算が非常な圧迫を受けておる。こういう形で私は国際的催しものなどが積極的に誘致されることのないように、特に政府の私は開催登録申請を行なわれるに先立って、この民生予算を圧迫しないような配慮が必要だと思いますが、通産大臣のお考えはいかがでしょう。
#27
○国務大臣(櫻内義雄君) 御指摘の点は当然なことだと思います。したがいまして、通産省としては、それぞれ希望の開催地が自主的にいろいろ判断をせられまして、そして事業計画、資金計画を立てられるのが好ましいと思うのであります。これは当然都道府県が中心になります。また、そこには都道府県議会もあることでございまして、おのずから民生の安定を欠くようなそういう計画が主になって出てくるとは思わないのでありますが、しかし、いよいよそういうものが出てまいりますれば、通産省としても、ただいま御指摘のような点を十分留意をいたしまして検討もいたしますし、また、国の財政の許す範囲で援助もいたしたい、こういうふうに考えております。
#28
○椿繁夫君 いまの通産大臣の御意向を伺っておりますと、国としてもできるだけの補助はしなければならぬ、援助を与えなければならないが、まず中心となる地方団体が、地方自治体が財政計画など十分に立てて、その上で言うてこにゃだめだと。ところが、最近の地方団体の財政枯渇の状態というものは、御存じのとおり、とても自力で、いまいろいろ声があかっておりますけれども、政府の大きな援助なしに、自力でこの万国博を誘致しようというような財政事情にある地方団体というものは、私はないと思うのです。ですから、この条約を批准し、さらに登録申請をされる場合には、よほど政府としても思い切った助成を行なう心組みをもってかかられないと、誘致することは困難なのではないかという危惧を感じます。重ねて通産当局の御意向を伺います。
#29
○国務大臣(櫻内義雄君) 申し上げるまでもないのでありますが、国の財政も常に豊かであるとは言えないわけでございます。現に相当苦しいお台所の状況にあろうかと思います。今回、条約の批准のことは別といたしまして、もし博覧会を聞く場合にはどうかというようなことを一応頭に置きながらいろいろ考えておるのでございますが、その考えの前提になりましたのは、少なくとも近畿七府県関係の非常な熱心な御希望があるということが一応私どもの頭にある。また、先ほど外務省から御説明申し上げたように、アジアで他の国が開催をいたしますと、六年間はできないというようなことも考えてみますときに、豪州が希望しておるのです。そうであれば、万一日本がやる場合には、この豪州との競争に有利な立場に立っておく必要もあるのではないかというようなこともあわせ考えまして、条約に参加することが好ましいと通産省としては判断をしたわけなんでございまして、まあ、そういう経緯で、いま国が財政上におきまして非常な犠牲を払っても何が何でも博覧会をやらなければならないのだという前提に立ったかどうかと申しますと、まことに恐縮なんでありますが、むしろそうでなくて、せっかくこういうふうに熱心な御希望があるので、またある程度の資料などもちょうだいしております。この資料である程度国として援助をしていくならばまずまずやれるのではないかというようなあれこれ考えた結果でございまして、ただ、御指摘のように、民政安定に欠くるようなことがあってはなりませんから、いよいよやるということになりますれば、国の財政の許す限りこれはお世話をするのは当然だと思っております。
#30
○椿繁夫君 開催の場所あるいは国と地方団体の経費の持ち分などにつきましては、この条約とは直接関係ございませんからこの程度で終わりますが、この条約を批准して加盟をすることによって、分担金などはどのくらいかかるものですか、これは。
#31
○説明員(佐藤正二君) 分担金につきましては、条約の第十四条に書いてございますが、この条約は非常に古い条約でございますので、国際連盟という字がつかってありますが、国際連盟に払い込む分担金の額に比例してこれを定めるというふうになっております。ただいまのパリの事務局といろいろ打ち合わせた結果によりますと、いま、パリの事務局のほうでは、これを国際連合の分担金の比率を使って計算しているそうでございます。したがって、日本と国際連合の分担金の比率の近いイタリアをとってみますと、大体同じような数になるのではないかと推定しておりますが、これが、現在のところ、一九六四年の分担金でフランス・フランの一万四千フランから一万五千フランの間ぐらい、したがって、日本金で申しますと、百万円をちょっと出るぐらいの金になるかと思います。
#32
○椿繁夫君 年間ですか。
#33
○説明員(佐藤正二君) はい。
#34
○加藤シヅエ君 通産大臣からお答えいただくことかと思いますけれども、私は一九三四年のシカゴ博覧会、一九六二年のシアトル博覧会、そして本年度ニューヨークで開かれました博覧会、たまたま当地に滞在しておりまして、こうした博観会をみんな見てまいっておりますけれども、だんだん年とともに博覧会の開き方というようなものが非常に変わってきております。先ほど通産大臣の御説明でもございましたように、一つのテーマを持った博覧会というようなことでございまして、今度のニューヨークで開かれております博覧会にも、日本は民間機関であるジェトロを通じて日本館の出品があったというようなことを承っておるのでございますが、そのテーマということにつきましては、日本の出品についてはどういうようなお考えで日本館をお出しになったのでございましょうか。
#35
○国務大臣(櫻内義雄君) ニューヨーク博の日本館のテーマについては特別のことはございません。ニューヨーク博自体の理解を通じての平和をという、そのテーマの中で日本館もその趣旨に沿うべくやった。こういうことでございます。
#36
○加藤シヅエ君 ニューヨークでの博覧会で、日本館とそれからほかの国の出品の一部を見て回ったのでございますが、日本館もいろいろ工夫をこらされたとは思いますけれども、必ずしも日本の文化をそこによく表現してあったとは私は感じませんでした。一部の日本の産業の面をあらわしたというような御苦心はわかったように思いますけれども、文化の面では、ほかの国がもっともっとよくあらわしていた。そこで、日本のものは必ずしも成功ではなかったように思うのでございますが、そして、ほかの館ではもう列をなしてその館に二巻きも三巻きも列をして立っていなければ入れない。日本館にはそんなような評判のいいこともあまりなかったことは残念なことだと思いますけれども、このジェトロを通じてジェトロ自体があの博覧会でどのくらいこの半年の間にお金をおつかいになったのか。そして政府がどのくらい援助をなさったのか。その辺のことを伺いたいのです。
#37
○国務大臣(櫻内義雄君) 詳しい資料はございませんが、ニューヨーク博については約七億円政府関係で支出をいたしております。
#38
○加藤シヅエ君 全体ではどのくらいつかったのでしょう。
#39
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまニューヨーク博に関する資料がございませんので、後日の資料で差し上げたいと思います。
#40
○加藤シヅエ君 いま椿委員の御質問に対しての御答弁の中でも、将来日本で開くことがあるかどうかということについて、まだ最後的な御決定もないし、そのような動きを特になさっていらっしゃるということでもないように承っておりますけれども、多少ともそうしたお考えがございますのでしたら、今回のニューヨーク博覧会における日本館の成功の部面と、それからそうでなかった部面とに対して十分な御反省をいただきたいと思うわけでございます。特に私感じましたことは、日本の文化というものには相当外国人が注目しております。尊敬をしているものが相当たくさんあるということは事実でございます。だれも知っているわけでございます。しかるに、そうした面が少しもそこに表現されておらなくて、むしろ卑俗なものが――相も変わらず芸者、富士山といったようなそうした安易な日本の評判、それにこたえるかのようにそんなようなものがたくさんそこに出ているということは、特に私ども婦人として見てもたいへん残念なことに思います。そして、そこに相当の費用がつかわれているということは、はなはだ遺憾なことだというので、今後はそういうことに対しては十分御研究をいただきたいのでございますけれども、そうしたものを計画する場合には、どういうような機関を通じてそうしたことが審議されるのか。やはり、そうしたことの権威者たちの構成する委員会とかいうようなものがあって、そうした方たちの御意見をよく伺った上でこうした計画がなされるのか。それとも、今回は全然そうした御計画なしになさったのか。その辺も聞かしていただきたいと思います。
#41
○国務大臣(櫻内義雄君) ニューヨーク博についてどういう企画でやったかということはただいまつまびらかにいたしませんが、しかし、当時の関係団体としては、御指摘のようなジェトロ、また、そのほかに稲垣さんを会長とする民間の協力団体ができておりましたので、これらの関係者が総合的に判断したものと思います。ただいま加藤委員から種々御注意をいただきましたことも今後の参考にいたし、これからの博覧会に対するあやまちなきようにいたしたいと思うのでございますが、ただ、ニューヨーク博覧会につきましては、実は国会議員の方もだいぶお出かけになりました。すでに加藤委員のようないろいろ御批判をちょうだいいたしました。また他面に、このニューヨーク博を主催いたしましたアメリカ側からの批判も承りました。私はこれらを両方総合いたしまして、私どもから見た場合、またこれを御見物された、あるいは主催したほうの見方、いろいろあろうかと思います。これらを総合いたしまして、今後カナダの博覧会もございますが、そういう場合にいろいろ批判のないように、あるいはまた、もし日本で主催をするというような場合にぜひそれらの御意見は参考にしてまいるつもりでございます。
#42
○加藤シヅエ君 少なからぬ国費をつかうような計画でございました場合には、やはりあとで悔いを残さないように、また、日本の産業、文化すべての面がよく表現されるようなことであるようなごくふう、そして、特にそうしたものを一部の人がきめるのじゃなしに、やはり、権威ある委員会というものができて、そこで御討議の上でおきめになる。そういうようなことをしていただきたいということを希望的に申し上げまして質問を終わります。
#43
○委員長(青柳秀夫君) それでは、他に御発言はございませんか。――御質疑もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後二時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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