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1964/12/17 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 外務委員会 第3号
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1964/12/17 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 外務委員会 第3号

#1
第047回国会 外務委員会 第3号
昭和三十九年十二月十七日(木曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         青柳 秀夫君
    理 事
                井上 清一君
                草葉 隆圓君
                長谷川 仁君
                加藤シヅエ君
    委 員
               大野木秀次郎君
                木内 四郎君
                黒川 武雄君
                杉原 荒太君
                和田 鶴一君
                岡田 宗司君
                佐多 忠隆君
                羽生 三七君
                曾祢  益君
                佐藤 尚武君
   国務大臣
       外 務 大 臣  椎名悦三郎君
   政府委員
       外務省アジア局
       長        後宮 虎郎君
       外務省条約局長  藤崎 萬里君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        結城司郎次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○国際博覧会に関する条約及び千九百二十八年十
 一月二十二日にパリで署名された国際博覧会に
 関する条約を改正する議定書の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査(国際情勢に関する
 件)
○国後島、択促島、北千島及び樺太地域への墓参
 実現に関する請願(第一三号)
○原水爆の禁止等に関する請願(第二五号)
○原子力潜水艦寄港反対に関する請願(第五四
 号)(第五五号)
○米原子力潜水艦寄港反対に関する請願(第一五
 九号)(第一八四号)(第一八五号)(第一八
 六号)
○米原子力潜水艦寄港反対等に関する請願(第八
 〇七号)
○原子力潜水艦寄港承認取消等に関する請願(第
 一六〇号)(第一六一号)(第一六二号)(第
 一六三号)(第三一二号)(第三一三号)(第
 三一四号)(第六九六号)
○米原子力潜水艦寄港承認取消に関する請願(第
 二七八号)(第三四九号)(第五一九号)(第
 五八八号)(第五九五号)(第六九七号)
○日本の平和外交推進に関する請願(第二六八
 号)
○日本と中華人民共和国との国交回復実現に関す
 る請願(第六九五号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 連合審査会に関する件についておはかりいたします。国際博覧会に関する条約及び千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名された国際博覧会に関する条約を改正する議定書の締結について、承認を求めるの件について、商工委員会と連合審査会を開会することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めまして、さように決定いたします。
 なお、連合審査会は、審議の都合上、当委員会を休憩し直ちに開会いたしたいと存じまするので、御了承を願います。
 それでは、外務委員会は暫時休憩いたします。
 午後一時十五分休憩
     ―――――・―――――
 午後二時十三分開会
#4
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから外務委員会を再開いたします。
 国際博覧会に関する条約及び千九百二十八年十一月二十二日にパリで署名された国際博覧会に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
 別に御質疑もなければ、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようでございますが、討論は終決したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。本件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の方は挙手を願います。
 〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(青柳秀夫君) 全会一致でございます。
 よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(青柳秀夫君) それでは、国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 去る十月十九日の当委員会における杉原委員の御質問に対する答弁が保留となっておりますので、まず、この件につきまして外務省当局より御説明を願います。後宮アジア局長。
#9
○政府委員(後宮虎郎君) 御答弁申し上げます。
 先般杉原委員より、日本漁船が拿捕された場合の地点を具体的に確認する措置いかんという御質問がございました。緯度、経度の確定とか技術的な要素もございますので、きょうは海上保安庁からも係官にお見えを願っておるのでございまするが、とりあえず、この間の安川参事官の答弁を補足いたしまして私から概略を申し上げますと、韓国警備艇によりまして日本漁船が追跡される、あるいは拿捕されるという場合におきまして、大きい船の場合は無線を持っておるわけでございますから、この無線の連絡によりまして、海上保安庁の巡視船が現場に急行する。そうして巡視船が現場において、この地点に関係があると思われる諸資料、特に李承晩ラインのどの辺に入っていたか、東経何度、そういうような緯度、経度の問題等のデータを調査し、収集するわけでございます。で、こうして集まりました情報は、適宜門司の第七管区海上保安本部に連絡いたしまして、この七管区本部から海上保安庁の本庁に連絡してもらう。そうして、さらに外務省がこれを受けまして、適宜代表部等に対して折衝するという、そういう段取りになっております。で、この近所に海上保安庁の巡視船等がおりません場合には、結局、あとからそこに参りまして、僚船――そこに一緒に行動しておりました船から、この地点等を聞くということになるわけでございまして、その場所で巡視船自身が確める場合と違いまして、その情報等も幾分確度についての差が出てくるのはやむを得ないところがある。そういうように聞いております。なお詳細、技術的な点につきましては保安庁のほうから……。
#10
○杉原荒太君 あまり詳細なことは聞かないでもいいんですが、いまの点で一番この根拠になるのは、追跡、拿捕した地点とかいうよりも、操業していた地点ですよ。これを確認する措置があるかどうかということがまず第一。もちろん追跡、拿捕した地点もこれは大事だけれども、一番大事なものは操業地点ですよ。そうすると、いまの御答弁によると、現実に操業していた地点というものは、これを知る方法は、その僚船のものに聞いたものを基礎にするほかに、別に客観的に、たとえば私が疑問にしておったのは、電波装置その他の手段によって客観的にその操業した地点が一々わかるようになっておるのかどうかということが知りたかったわけです。
#11
○政府委員(後宮虎郎君) その点は、客観的に確定するというふうにはなっておらないわけでございます。
#12
○杉原荒太君 それはできないのですね。
#13
○政府委員(後宮虎郎君) そうでございます。漁船といたしまして、お前はどこで操業していたかと聞かれた場合、その申し立てが、やはりいろいろデリケートな点がございまして、なかなか、現場に巡視船がいないですから、それをはっきり客観的に立証するというふうにはなっていないわけでございます。
#14
○杉原荒太君 それでは、それは確認する手段方法は、客観的なものはないということがはっきりしたのですが……。
 それからもう一つそのとき聞いておったのは、行政指導として、沿岸から何マイル以内には入っていかぬという指導をしておるかどうか。その場合でも、ただ単に李ラインとかなんとかいうだけでなくして、たとえば三海里以内に入ってはいかぬ、あるいは十二海里以内に入ってはいかぬ、そういうような行政指導をどういうようにやっておられるか、これを聞いたのです。
#15
○政府委員(後宮虎郎君) 御承知のように、まだ李ラインそのものをこちらで認めていないわけでございますから、行政指導といたしましては、三海里以内、いわゆる領海に立ち入らないようにということしか言えない立場にございますので、そういう十二海里とかなんとか、そこまでのことはいまやっておらないわけでございます。
#16
○杉原荒太君 しかし、三海里以内には入っちゃいかぬという指導をしておる。
#17
○政府委員(後宮虎郎君) これはそういう指導をしておりますし、法的にもそれは認められないことにもなっております。
#18
○杉原荒太君 そうすると、抗議される場合の抗議の根拠としては、抽象的に、たとえば公海上で拿捕したからいかぬとかいうふうに言っておられるんですか。明らかにこっちは三海里以内では操業していなかったんだということを根拠にしておられるんですか。
#19
○政府委員(後宮虎郎君) 各拿捕ケースが起こりますたびに、海上保安庁のほうから、つかまった場所について、経度、緯度まで詳しく記入した報告書が参りますので、それを基礎としまして、このとおり公海にいた、公海にいたのを拿捕したのはけしからぬ、そういう大体趣旨で抗議をしております。
#20
○杉原荒太君 操業しておった地点はもう根拠にしないで、拿捕された地点を根拠にしてやっておるということだね。
#21
○政府委員(後宮虎郎君) 操業の場所につきましても、農林第何区で操業しておったというふうな報告が参りますので、それは先ほど申しましたごとく、おもに関係漁船、僚船の申し立てに基づくそれではございますけれども、操業場所についてももちろん公海で捜業しておったということも抗議しております。
 〔委員長退席、理事長谷川仁君着席〕
#22
○曾祢益君 外務大臣に、中国問題についてごく基本的なことで少し伺いたい。
 佐藤内閣発足以来、どうも中国問題に対する政府のかまえといいますか、基本的な態度と申しますか、何かこう非常にもたもたしていて、たいへんことばは悪いかと思いますが、非常につかみかねて、内外にむしろいろいろな疑惑を与えておるのではないかという感じがしてならないんです。むろん、われわれ局にない者が中国問題に対する日本の政策はこうあるべきだ――いろいろな意見があって、しかし、当局としてはなかなか外交上はっきり言えないというようなことがあろうこともよくわかります。しかし、それにしてもどうも真意那辺にありゃわからない。外務大臣と総理大臣のお話がしばしば食い違ってみたり、あるいは外務大臣の言っていること、あるいは総理大臣の言わんとするところがどこかわからないということが多々あるような感じがするんです。これは非常に遺憾なことだと思います。それで、一々こまかいことで材料を持ってきて洗いざらい伺うということでなく、ずばりひとつ基本的なことで御意向を明らかにしていただきたいと思うんです。
 まず第一に、外務大臣の国会に対する演説における中国問題に対する説明ぶりは、これは私だけの感じかもしれませんが、たとえば中国の代表権問題に関連して言っておられることは、中共が国連に加盟を認められ、そして台湾が国連の地位を失うということは非常に困ると、まあ、そういう趣旨のことを言っておられたと思うんです。そのぼくの受けた感じからいうと、従来とかく日本政府としては、それが中共重要事項指定方式にせよ何にせよ、中共が国連に迎えられることそれ自身に反対するあるいはそれを遷延する、引き延ばすという印象を与えておったのに比べると、やや前進の姿勢を示そうとした文章ではなかろうか。つまり、中共の入ること自体に反対する、あるいはそれを阻止しようというかまえよりも、中共が入ることの結果が自動的に即台湾の追放になる、これは日本としては耐えられない、こういう意味のことを言おうとされているのではないか。これは私の我田引水の議論かもしれないが、私自身は、日本の国策は大体その方向にあるべきだという一つの見解を持っておりまするから、すなわち、言いかえるならば、その後の中共が国連に迎えられるときの条件、その場合の日本のとるべき態度等についての外務大臣や総理大臣の言い方を見ても、いつまでも無条件に日本が我を張るのでなくて、いわゆる三分の二以上の国が賛成であり、また、いろいろの条件――その中には当然私は台湾の地位の問題が上がると思います――それらの条件が整うような形で中共が迎えられるということであるならば日本も反対はしないのだ。中共が入ることそれ自身について反対するよりも、われわれとしては、少なくとも政府としては、台湾を完全に無視するような形の、中共を入れて即台湾を無条件に追い出す、これはできないのだよという意味を言おうとしたけれども、あまりはっきり言えなかった、あるいは言わなかった。そこに私はウエートあって、もしそういう意味ならば、それは私どもから見れば一つの進歩として認めていいのじゃないか。むろん、そういうものに対して、中共を迎えて台湾を無条件にアウトにしろと言う人からいえば、一向進歩でも何でもないということになるわけであります。これは観点の相違であります。一体そういうふうな方向であるのかどこに真意があるのかということをひとつお示し願いたい。
#23
○理事(長谷川仁君) ちょっと速記とめてください。
 〔速記中止〕
#24
○理事(長谷川仁君) 速記を始めて。
 〔理事長谷川仁君退席、委員長着席〕
#25
○国務大臣(椎名悦三郎君) 私は、あくまで国連における現実の間をつかまえて、それに対して所見を述べたつもりでございます。すなわち、アルバニア提案の中共代表権の問題、すなわち、中共を、手っとり早く言うと、国府と取りかえる。こういう問題が現実の問題として提案されておりますのであくまでこれに即して申し上げたわけでございます。これは同調はできない、こう言っているのであります。
#26
○曾祢益君 まあ、そうお答えになるのはわかりますけれども、しかし、今後のあり方としても、この点を分離してやるべきだ。中国は迎えるけれども台湾は置いておけという議論も国際的にあるわけです。私はそれを一がいに一つの中国論に反するからけしからぬというようなやぼなことは言うべきでない。日本のナショナル・インタレストがどこにあるかということを考えて、日本は日本の独自の考えで行くべきだという立場をとるわけですが、質問の形にそれじゃなりませんから質問しますと、それでは、過去においても、中共に国連の代表権を与える、しかし、国府は別だよという趣旨の提案が出たことがありますね。今後も出得る。そういう場合に対する政府のかまえを伺いたいと思います。
#27
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは日本にとってはきわめて緊切な重大問題でございまして、ただいまの情勢下において、さような場合を前提に置いた所見はよほどこれは慎重に扱うべきものであると考えますので、いわゆる仮定に基づいた御質問と申しますか、ちょっとこの際は遠慮させていただきたいと思います。
#28
○曾祢益君 しかし、あなた及びあなたの総理大臣は、仮定に基づいた質問に景気よく答えているんですよ。たとえば、中共が国連に祝福されるような形で入る場合にはどうかということに対して、仮定の、それこそ大仮定に基づいた質問に、堂々かあるいはおじおじか知りませんけれども、はっきり答えているのです。そういう意味でもう一ぺん伺いますが、やはりウエートは、日本が中共の加盟そのものを大勢も見ずに反対し、あるいは阻止するというのじゃない。その点は逆に言えば、外務大臣のあの場合における発言が中共の加盟を阻止するという趣旨にとられ、それを総理大臣が否定し、あなたも否定されたのだから、その点は受け合っていいわけでしょう。中共加盟の阻止にやっきになっているというのがウェートじゃないのだ。その点はあなたは御意見はどうなんですか。
#29
○国務大臣(椎名悦三郎君) あの場合ですが、現実のアルバニア提案というものを基礎に置いて私は話したつもりでございまして、かような、一方において中共の代表権を認めて、それとうらはらの関係において国府を追放する、いわば取りかえる、こういう問題を前に置いて、そしてものを言っておるのございまして、かような問題は、非常にアジア及び世界の平和あるいは安定の意味からいってきわめて重要な問題であるから、これは国際世論というものの動向をはっきりと確かめて処理するという意味において重要事項に指定しなければならぬ、重要だから重要事項に指定する。重要事項に指定するというそれ自身に何もどこを入れてどこを排撃するという意味はない。ないけれども、この問題にはもう一つ問題がくっついておって、そして、それは中共と国府を取りかえるということが、これは従来からの方針どおり反対である。こういうことでございまして、つまり、重要事項指定そのものに特別の意味はない。問題の全貌を見ると、国府を追放するということがあるからこれには反対。こういうことで、合わせて一本と申しますか、そういうことに御了解を願いたいということを私は釈明をしたのです。
#30
○曾祢益君 そうすると、合わせて一本そのとおりだ、まさに。それから重要事項指定方式――これはほんとうに重要事項なんですね、世界政治、日本の政治にもきわめて重要事項なんで、単なる総会に来た代表の信任状をどうするというような手続問題じゃないんですよ。ただ問題は、その重要事項指定方式ということによって凍結してしまう、議論を避ける、その態度がいけないので、事柄は非常に重要な問題だから、私は、単なる法律論、形式論からいえば、中国の代表権問題は、それ自身は重要事項だ。したがって、重要事項として取り扱う。三分の二ということは、これは形式論としては私は正論だと思う。ただ、政府のかまえが、ほんとは議論するのがいやなもので、ただ問題を遷延するのに、三分の二が取りにくいから、やっているのだという、その消極的なかまえを問題にしている。だから、重要事項指定方式というのは、何も中共の加盟を阻止するためにやっている意味じゃないのだということを言われたことは、私はわかります。それからもう一つは、それはそれとして、今度は内容的に言えば、そこも、中共の加盟を阻止するということにウエートを置くよりも、合わせて一本で、中共加盟即自動的に台湾の追放、それはいかんのだ。合わせて一本だけれども、逐次ウエートというものを、初めのわざありよりもうしろのわざあり。つまり、中共の加盟よりも台湾の無条件追放がいかんのだというほうにウエートを置いていくべきじゃないか、こういうふうに思うので、それから先は、どうせあなた答えないですから、一方的の希望になるかもしれませんが、私は、そういうかまえを逐次出していかれるのが日本の正しい建設的な中国問題のかまえじゃないか、こう思いますので伺ったのですけれども、これ以上無理かもしれませんから、きょうはこの程度にしておきます。
#31
○羽生三七君 ちょっとそれに関連して。原則的な問題ではないのですが、かりに三分の二を必要とする重要事項指定方式が、前回の決定をそのまま生かすということになればこれは別ですが、新たに提案をし直すようなことが起こった場合、原則的に私どもはもちろん反対だけれども、政府の立場で、もしそれをやる場合には、共同提案国になるのか、賛成国になるのか、その辺はどういうことですか。
#32
○国務大臣(椎名悦三郎君) それはまだどこが提案するかもきまっていませんし、したがって、共同提案国に加盟するかどうかということもまだ未定でございます。
#33
○羽生三七君 この前の閉会中の十月二十八日の予算委員会でその問題に触れたときには、外務大臣は、同調者になるという、こういう答えをしているわけです。賛成のほうに回るという、共同提案国にならんというふうに私は理解している。速記録にちゃんと載っていますよ。それはどういうことでしょう。
#34
○国務大臣(椎名悦三郎君) そう御理解いただいてけっこうでございますが、それ以上、場合によっては共同提案国になることもあるだろうし、そのままになっていくこともありましょうし、これは具体的な問題になってまいりますので、そういう点はまだきめておりません。
#35
○羽生三七君 しかし、その問題は外国の様子を見てきめることですか、その問題すらも。
#36
○国務大臣(椎名悦三郎君) 舞台は外国でございますが、日本で自主的にきめて、そうして訓令するということになると思います。
#37
○岡田宗司君 この間、国連の総会にお臨みになったわけですが、帰りにアメリカのラスク国務長官等ともお話しになってきた。その際に、アメリカ側の中国問題に対する考え方というものは聞いてこられた。もちろん、詳しい突っ込んだ話をここでされるわけにはいかないでしょうけれども、しかし、大体アメリカ側が、今回の国連総会において中国問題がどういうふうに取り扱われるか、その際にアメリカ側としてはどういう態度をとるかということはおわかりになっているはずだと思うのです。あなたが観察されたアメリカ側の態度、そうして日本がそのアメリカ側の対中国政策に対してどういうふうにお考えになっているか、それをまずお伺いしたい。
#38
○国務大臣(椎名悦三郎君) われわれが従来理解している態度とそう変わっておらぬ、こう考えております。
#39
○岡田宗司君 アメリカ側が従来やっておる態度とそう変わっておらぬといたしましても、国連において取り上げられる中国問題というのは非常に変わってきております。たとえば、北京政府側に中国の国連における代表権を与えよという支持がずっとふえてきている。アメリカが幾ら方針を変えない、あるいはそう変わっておらぬとあなたが見ても、変わらざるを得ないのですね。それに対処するアメリカの方策というものも、またアメリカ自身が持ち出している。それはあなたはおそらく突っ込んだ話をしてこられたんだろうと私は思うんですがね。その変わってきている、つまり、国連における中国問題というのがいままでと非常に変わってきた情勢に臨んでいる。そうすれば、それに対するアメリカの対策というものはおのずといままでと違ったもう少しこまかいいろいろ策が出ているだろうと思いますがね。それをどういうふうにごらんになり、また、それに対して日本側としてはどういう態度をもって臨むのですか。それをお伺いしているわけなんですよ。
#40
○国務大臣(椎名悦三郎君) その点については深く――いわゆるこまかい問題でございまして、時間もありませんで、そういうことに論及するだけの時間的余裕はなかったのでございます。それに、この代表権問題がいよいよ上程されるのはおそらく二月に入ってからだろうと思います。しかし、この問題をめぐって、きのうよりもきょう、きょうとあしたはまた情勢も変化するというふうに、一日一日といろんな変化をあらわすようになるだろうと思いますので、それらの問題に関してどういう対策を時々刻々とっていくかというようなことは、とても、いまからそれを予想して対策を考えるというような状況でないと思います、おそらくどっちに行くにしても。そういうことで、それらの問題に入って論及するだけの全く時間的な余裕はひとつもございませんでした。
#41
○岡田宗司君 そうすると、この間おいでになって儀礼的に訪問をされて、雑談でもされてきたようにしか受け取れないのですが、一国の外務大臣がアメリカへ行って、そんなことでもって帰ってきたとは私は思いませんが、今度佐藤さんが行かれることになりますと、おそらくあなたもおいでになるでしょう。行かれるのは一月の中旬ですね。そういたしますと、国連の総会が再開されて、いまあなたの言われるように、二月になると、この問題が取り上げられてくる状況になる。そうすると、佐藤さん、いやでもおうでもこの問題にぶつからざるを得ないでしょう。そうしてまた、話さざるを得ないですよ。あなたもおそらく総理が行かれるときに一緒においでになることと思うのですね。そのときまかせだというわけにはいかないだろうとも思うですがね。それは情勢は刻々変じていますから、それはいまどうこうとは言えないと言われるのも無理はないけれども、ままあ、碁でも、将棋でも、ちっと打てる人は先がどういうふうに出てくるかということをちゃんと読んで、幾つか手を考えておくのですけれどもね。それもやっておらぬというのじゃ、これは私は話にならぬと思う。おそらく、たとえばもし重要事項方式というものを今度あらためて提案しなければならぬ情勢、その際には、日本とすればそいつに対して提案者として、あるいは賛成になるか、あるいは反対、もしそれが今度通った場合に一体どうなるか、これは外務省でちゃんとやっぱりいろいろな場合を想定してあるはずだと思うのです。それをただ、想定もしていないから、変わるのだから、いまからわからないじゃ済まないと思う。一々こまかいことは聞けませんけれども、ただこういうことだけはお答え願いたいと思うのです。つまり、重要事項方式というものが一体今回もう一度提案されなければならぬのかどうか。これについて外務省として研究されておると思うのです。今回あらためてされなければならぬのかいままでのがそのまま効力を持っておるのかどうか。その点外務省で研究しておられると思うのですが、それはどっちですか。
#42
○国務大臣(椎名悦三郎君) よく研究しております。その研究の大要については、条約局長から申し上げます。
#43
○政府委員(藤崎萬里君) 私どもとしましては、重要事項指定の決議は、十六回総会に成立したのがいまでも生きているという見解をとっております。
#44
○岡田宗司君 いまでも生きているという見解をとっておる。そうすると、ほんとうに生きておるとすれば、それが続いて、三分の二多数というわけですけれども、しかし、まず第一にこの見解の相違、そうしてこの見解の相違から、たとえば、中国に代表権を与えようという側が、この重要事項方式というものはこれは効力がないのだ、あるいはあるとしても、これは変えろということで、総会で過半数で私は変えられると思う。総会の過半数で成立したものだから、総会の過半数でこれが廃止されるなり、あるいは変えられると私は思うのですが、そういう場合には、日本としてはどういう態度をとるのですか。
#45
○政府委員(藤崎萬里君) その点につきましては、重要事項を追加指定することは、十八条三項、で過半数となっております。過半数でできたものは過半数で取り消せるはずじゃないかというお考えはわかりますけれども、しかし、他方ひるがえって考えますというと、過半数で簡単にそれが取り消せるものならば、いつでも、それを取り消すという手間をかけるだけで、本案自体について過半数で決議ができることになりまして、わざわざ憲章が追加指定の制度を設けた趣旨が失われることになるというふうに考えるわけであります。学説も分かれております。あるものは過半数という説もございます。しかし、これは十八年二項に追加されたのだから、十八条二項に列挙されているものを削除する場合と同様の手続、つまり憲章改正手続を要するという、ケルゼンなんという人はそういう意見を持っております。そういう趣旨の意見もあります。しかし、私どもといたしましては、両方とも若干極端なんで、やはりある問題がすでに重要問題として指定されますというと、それを今後は重要問題として取り扱わずということも、重要問題に関する決定ということで、第十八条二項で三分の二の過半数を要する。こう解釈するのが一番妥当な解釈ではなかろうか、かように考えております。
#46
○岡田宗司君 それはあなた方の考え方なんですが、しかし、それを積極的に理論づける条項というのがないのですね。それはあなたの解釈で、それを重要事項方式になったからその問題はそう取り扱わなければいけないとなったならば、そういった決議そのものを変えるにはやはり三分の二が必要であるという積極的な何ですね、そのことを明らかにする条文というものはないのですね。
#47
○政府委員(藤崎萬里君) 「重要問題に関する総会の決定」と、この十八条第二項に該当すると解釈できるのではなかろうか、つまり基礎としては。しかし、先生御指摘のようにそういうような重要問題を取り消すという決議は、重要問題に関する決定であると手続規定か何かで書いてあるかどうかというと、こういう手続規則みたいなものはございません、しかし、他方そういう重要問題を取り消すことは過半数でできるという手続規則もないわけでございます。結局は、まあ解釈の問題ということにならざるを得ないかと存じます。
#48
○岡田宗司君 解釈の問題で、たとえば国連の総会における手続でそういう二つの解釈が対立をした。そういう場合に、この解釈をきめるのはどういう手続をもってやるのですか。
#49
○政府委員(藤崎萬里君) 別に、解釈が違った場合にはこういう手続によるという手続規則もないかと存じます。
#50
○羽生三七君 関連。その場合、一たん重要事項に指定しても客観情勢が変わると、いつまでもその決議が生きておったならば、どうしようもないことになるが、そういう場合に、いまあなたが言われた重要事項方式をとらないという、この問題については重要事項方式と指定しないと、こういう決議を出すと、こういう意味ですか。変える場合です。
#51
○政府委員(藤崎萬里君) 重要問題であるかどうかということは、あまり客観情勢で影響さるべきことかどうか。私、そこのところは若干疑問に思うのでございますが、もっと純粋に考えていいんじゃないかと思うのです。従来重要問題として取り扱われている具体的なケースとして、決議じゃございませんが、そういうものは多々あるわけでございます。そういうものと比較しましてこれが重要問題であるのは、事務的な見解でございますが、当然なことであろう。これは、どっちを支持するものが多くなったか少なくなったかということとは直接関係ないかと思います。
 それから、いまのお話の第二段の御疑問の点、そのとおりでございまして、かりにこれはもう今後は重要問題としないことにしようじゃないかというものが出てきて決議を取り消そう、前にできた決議を。そういう場合には、どういう表決手続によるものであろうかという御質問と了解して私申し上げておったわけでございます。
#52
○岡田宗司君 アメリカの解釈も、重要事項方式というものはいままで継続されていると、それからまた、それが重要事項方式からはずされる場合には三分の二の多数でなければはずせないのだ、こういう解釈ですか。
#53
○政府委員(藤崎萬里君) 方式の見解は、そのいずれについても表明されておらないと思いますが、最初のほうの点については、大体私どもと同意見のようでございます。
 第二の点につきましては、全然アメリカは公式見解がまだきまっていないようでございます。
#54
○岡田宗司君 この中国問題というのは今度の総会で非常に大きな問題になるが、外務大臣は、お帰りになってからの見通しとして語られたところを見ると、すれすれだ、場合によるというと、中国に代表権を与えよというほうが勝つのじゃないかというような意味に取れる発言をされておったのですが、外務大臣はそういうふうにごらんになっておるわけですか。
#55
○国務大臣(椎名悦三郎君) 単純表決でやるという場合というのが前提でございますが、非常ないろいろな各国によって票読みが行なわれておるようでございます。それで、楽観というような読み方もあれば、非常に悲観的な読み方もある。悲観的な読み方によりますと、やはり中共に代表権を与うべしというほうが数票多いというような予想のようでございます。
#56
○岡田宗司君 どうもいまのお話、ちょっとあげ足を取るようですけれどもね、中国に北京のほうに代表権を与えよというほうが多いというのを悲観的な見方だということを言われたんですがね。これは一体どういうことなんですか。あなたのやっぱり本心をさらけ出したのじゃないですか。(笑声)
#57
○国務大臣(椎名悦三郎君) いままでは、日本ははっきりした立場をとって、これに対して反対をしておりましたから、ついそういうことを申し上げました。(笑声)
#58
○岡田宗司君 大体その多いというふうな見方をされておるわけですが、各国がだんだん総会前に態度を明らかにしてきております。すでにイギリスにおいても労働党政府は、代表権の問題については北京政府側に代表権を与えよという方針を明確に打ち出してきております。アフリカの諸国においてもそういう方針を打ち出してきておるものもあるし、おいおいそれが明らかにされてくるようになっております。そういたしますと、たとえば、単純多数の方式であろうが、何であろうがそういう一つの大きな世界的な空気ができております。そうして、今回の総会でどういう手続上の形でそれが表現されようとも、中国に代表権を与えろというほうの数が多くなる。こういうことになると、これは日本がいままで考えておったのと違った芽が出てくることになる。そのときに、一体日本はあくまでも最後まで、やはりあなたが先ほど言われたような、いままでとあまり変わりのない方針を続けでいかれようとするのかどうか。よしんば三分の二の多数を要するという重要事項方式が続いたとしても、何らかの形で国連の総会において二分の一以上の多数が中国に代表権を認めよということになった場合に、日本とすればどういう今後方針をおとりになるのか。それくらいは考えておられるだろうし、また、明らかにされてもいいのじゃないかと思うのですが。どうでしょうか。
#59
○国務大臣(椎名悦三郎君) お断わりしておきますが、かなり棄権をする国もだいぶあるということをお考え願いたいと思います。
 それから、この問題は、やはり国際世論、明確な国際世論というものによって支持されなければならない。そういう重大な事項であります。かような意味から、重要事項指定方式によってこの問題は決すべしという意見を出しておるのでありますから、かりに単純表決というようなことのお話でございますが、これにはお答えをしないでおきたいと思います。
#60
○岡田宗司君 そうすると、あくまでも三分の二多数を要するんだということで突っぱっていくんだ、それで、何らかの形で、単純多数でもって中国に代表権与えるべしということをあらわす決議が行なわれても、日本はそれに反対し、その後もその反対の態度を続けていくんだ、こういうことでございますね。少なくとも、三分の二多数方式によって通るまでは反対を続けていく、こういうことでございますか。
#61
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいまの方針を変える理由はいまのところございません。
#62
○羽生三七君 そうすると、大臣、日本の自主外交とか、前向きとか、いろいろ佐藤内閣になって発言があったけれども、いずれにしても、もう重要事項で、三分の二で最終決着がつけば格別、それまでは日本の対中国政策については何らの変更もない、世界の動向がきまるまでは日本自身は何もしない、そういう最終決定で腹は固めておると、そう理解していいですか。
#63
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは池田内閣のときから言われておるのでありますが、この問題は日本一国の問題ではない。世界全体の問題である。したがって、世界全体としてこの問題を処理する、日本も含めて。でありますから、世界世論の動向を十分に見きわめて、そうして日本がこれに対処する、こういう言い方をしておるのでございまして、その方針は、佐藤内閣になりましても引き継がれておる状況でございます。
#64
○岡田宗司君 前の駐米大使の朝海さんがやめてこっちへ帰ってこられて、自分は、実は、ある朝、国務省から電話が来て、中国を承認いたしました、いままではたいへんありがとうございましたと言われるのを実にひやひやしておったんだということでしたけれども、ひとつそういうことにならないように、いろいろお考になっているならば、ここでもってはっきり言えないでも、そういうことにならないようにしていただきたい、そう思うんですが、いかがでしょう。
#65
○国務大臣(椎名悦三郎君) 御同感でございます。(笑声)
#66
○岡田宗司君 これはまた、いずれもう少し問題が具体化したら、なおお伺いすることとして、あと一点。日韓会談の問題についてお伺いしたいと思います。
#67
○曾祢益君 外務大臣は、イギリスの外務大臣と会談されますか。近くイギリスに行かれますか。――で、いまの問題に関連して、これはいろいろ非常に重大な、また建設的な意味でも、非常に重要なあれだと思うのですが、何といっても、イギリスと日本とがアメリカに対してやっぱりアドバイスをし、場合によって苦言を呈するというようなことが多々あると思うのです。東南アジアに対するアメリカの行き方をただ頭ごなしに非難するだけではなくて、しかし、こうしたらいいということもありましょうし、特にこの中国問題については、岡田委員、羽生委員からのお話もあったように、われわれ、イギリスを使ったり、フランスを使ったりして日本政府の動向をどうこうというようなことはいやな言い方ですけれども、何もおっしゃらないから言うのですけれども、やはりイギリス内閣が中共を中国の代表権の問題として、中共の代表権を認めるのはあたりまえじゃないか。ただし、そういうイギリスも、なるほど労働党と保守党どっちもそうですけれども、台湾は別という。でありますから、台湾は国連が預っておくというか。一種の一時的な信託統治的なものにして、最終的には冷戦が相当緩和したときに、住民の意思を聞いてから最終的な帰属をきめる。そのいい悪いは別だが、日本はそういうことを軽々しく言えないことはよくわかりますが、基本的な点において、いろいろ岡田君が言われたような、日本として、少なくとも外の大勢がきまったからそれにおくれないように便乗するのではなくて、その大勢を見ながら、日本としても、たとえばイギリスと話し合いながらアメリカにも呼びかけるとか、そういう意味において日英会談は非常に重要だと思う。労働党政府のこういった問題に対する積極的な役割りも、過大評価してはいけないけれども、かなり評価していいのではないか。日英外交がそういうところで相当率直に腹を打ち明けた話し合いをすべきではないか、こういうふうに考えまするが、ロンドンに行かれるひとつお考えのほどを、簡単でいいですけれども、聞かしていただきたい。
#68
○国務大臣(椎名悦三郎君) イギリスの責任の衝にある外務大臣から直接中共問題に対して考え方を実は聞きたいという気持ちはありますが、私もほんとうに率直に言ってくれるかどうかわかりませんが、そういう期待を持って参るつもりでございます。
#69
○曾祢益君 非常にモデストなお答えでけっこうですが、しかし、向こうから言わせれば、日本の外務大臣はこの問題についてどう考えているのかを聞きたがっているのじゃないかと思うのです。そういう点について、こっちも向こうを聞くだけじゃなくて、こっちも十分なお考えを持ちながら話してやるというつもりで行っていただきたいと思います。
#70
○岡田宗司君 日韓会談、別にこまかい点についてお聞きするのじゃないのですけれども、予算委員会での御答弁によると、あるいは衆議院の外務委員会等の御答弁によると、問題を全体として片づける。たとえば請求権問題は請求権問題、あるいは漁業権の問題は漁業権の問題、あるいはまた竹島は竹島、こういうことにすべきじゃない。こういう立場は明らかにされたように思うのですが、そういう立場で今後も臨まれるかどうか。
#71
○国務大臣(椎名悦三郎君) 請求権問題、漁業問題あるいは在留韓国民法的地位とか、その他従来から問題になっておりますものにつきましては、全体として解決したい、かように思っております。
#72
○岡田宗司君 これは一つ一つ片づけていって、向こうさんの思うつぼにはまるというようなことになっていくと、これはいろいろまた政府に対する批判も強くなってくると思うので、私ども臨む以上は、全体の問題として取り上げていくのがしかるべきだと思うのですが、特に、このうちでまだ取り上げて特別に問題になっていないのが竹島問題だと思うのです。前には竹島問題についていろいろ論議されていたようですが、いままでの会談のうちにおいて、特別に竹島問題を取り上げて、それをどうするかという問題について、まだ論議はされておらぬと思うのですが、今度新しい日本側の代表が任命されることになるでしょうが、櫻田さんがおなりになるか、あるいは他の方がおなりになるか私は知りませんけれども、どなたがおなりになっても、新たに始められる今回の会談において、竹島問題については、やはりこれは論議をされて、そうして日本側としては、竹島は日本の領土であると従来主張されてきたのでありますが、それを貫かれるつもりで交渉に臨まれるかどうか、それをお伺いしたい。
#73
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは疑う余地がなく日本の領土としてわれわれははっきりした結末をつけてまいりたいと、さように考えております。ただ、この問題について、ただ一つがあまりにも遷延するという場合を考慮いたしまして、場合によってはっきりした見通しをつけて全体問題を終了すると、会談を終了するということに、場合によっては、しなきゃならぬかもしれませんが、これはしかし最悪の場合であります。そのことだけを申し上げておきます。
#74
○岡田宗司君 その最悪の場合ということのお話がございましたけれども、そうすると、今回のはっきりした見通しをつけるというのはどういうことか、私にはよくわかりませんけれども、しかし、そういう最悪の場合にははっきりした見通しをつけて、一応たな上げするとこういうことになるんでしょうか。そうすると、全体としての解決ということはくずれることになるんじゃないですか。
#75
○国務大臣(椎名悦三郎君) 解決の方法をはっきりときめて、そうしてこの問題一つのために他の問題が懸案のまま長い間懸案として残っておるというような状況は、やはり日本の利益でない。そういうふうに考えられます場合におきましては、少なくとも大ワクだけははっきりときめて、そうして会談を終了するということも考えておる次第であります。
#76
○岡田宗司君 そうすると、それは解決の方法というのは、つまり前から日本側で考えておった国際司法裁判所に持ち出すということ、そうしてそれを向こう側が持ち出すことに応ずると、そういう方法が立てば、そうすれば、そこでその問題は未解決のままでも、ほかの問題さえ片づけばよろしいんだというふうに私どもは受け取れるんですが、そうでしょうか。
#77
○国務大臣(椎名悦三郎君) 国際司法裁判所にはっきりと向こうの同意を得てかけまして、公正な判断を期待しつつ会談を終了すると、こういうことでございます。
#78
○岡田宗司君 そうすると、全体として解決をしたならばということと食い違ってくる。手続の方法は、合意を見たからといって内容的な解決はないということになるんじゃないですか。それから、あなたの言われた、竹島は日本の領土であるという主張を貫くということにも、これを捨てなければ国際司法裁判所に提訴できない、形式的には国際司法裁判所の下した判定に従う。その場合に、あるいはこれは韓国側の領土であるという判決が下るかもしれない。そのことを予想して国際司法裁判所に提訴するということは、あなたが言われた竹島は日本の領土であるという立場を一応捨てなければならぬことになるんじゃないですか。そういう主張は一応引っ込めざるを得ないのじゃないですか。そうして見ると、全体として、竹島は日本の領土としての立場を貫いていくということと矛盾するんじゃないですか。だから、私は、そういうことでは、あなたの言われる問題を全体として解決するという立場で臨むということと食い違ってくるように思うのですが、どうでしょう。
#79
○国務大臣(椎名悦三郎君) まあ韓国側も、これは固有の韓国の領土である、こういうことを主張しておる。で、これをどうして一体決解するかということになると、自然国際司法裁判所の公正な判断にまつというところまで下がらないときまりようがない。そういうわけでございまして、実力をもって点拠するというわけにもいかぬ。解決の方法としては、遺憾でありますけれども、これ以外にはないということになるわけでございます。
#80
○羽生三七君 その場合、韓国が竹島問題の国際司法裁判所の提訴に応諾したという時点で一括解決しよう。法律問題は言いませんが、そういうことですか。
#81
○国務大臣(椎名悦三郎君) そういうことです。
#82
○岡田宗司君 そうすると、竹島問題は、内容的に言えばですね、未解決のままその解決を将来に延ばす、それでも韓国問題を解決しなければならないのだと、こういう態度で臨まれる、こういうふうに解してよろしゅうございますか。
#83
○国務大臣(椎名悦三郎君) さようでございます。
#84
○岡田宗司君 経済の問題でずいぶん向こうに譲歩し、二千万ドルのおまけもくっつけ、それからいわゆる李承晩ラインの撤廃のの問題でも、まあ、向こう側の意見もだんだんにいれていく。法的地位の問題について韓国側の主張に応じよう。今度竹島問題で一歩下がらなければ解決できないから下がる。こういうことで臨まれているわけですけれども、これでは私は国民を納得させることはできないと思うのです。特に竹島は眇々たる、しかも、これは無人島ですけれども、領土問題というのは、猫の額のところでも国民の心理に及ぼす影響というものは重大なものです。ですから、これを単なる技術的解決ということでもって、軽々にそういうような単なる手続上の問題でごまかされるということじゃ国民は納得しないということを十分にお考えになって交渉に臨んでいただきたいと思います。
#85
○委員長(青柳秀夫君) ちょっと速記をやめてください。
 〔速記中止〕
#86
○委員長(青柳秀夫君) 速記をつけてください。
    ―――――――――――――
#87
○委員長(青柳秀夫君) 次に、請願第十三号、国後島、択捉島、北千島及び棒太地域への墓参実現に関する請願、外二十四件の請願を議題といたします。まず、専門員から、各請願の趣旨について説明を聴取いたします。
#88
○専門員(結城司郎次君) 御指示によりまして、本委員会に付託されました請願について簡単に御説明申し上げます。
 付託件数は合計二十五件でありますが、大体五つのカテゴリーに分離され、その内訳は、お手元の一覧表のとおりでございます。まず第一は、第一三号国後島、択捉島の北方領土の墓参実現に関する請願であります。その趣旨は、お手元の三ページにございますとおり、これら諸地域への墓参実現については元居住者、戦没者、遺族等からしばしば当局に要請しているが、歯舞、色丹の一部について本年九月ようやく実現したのみで、その他の地域については何らの見通しがないので、一日も早く実現できるよう特段の配慮を要望しておるものであります。
 この問題に関し従来の経緯をごく簡単に申し上げますと、政府は従来からソ連領土及び北方地域への墓参のため交渉を続けてまいり、すでにソ連本土六カ所及び歯舞、色丹については実現を見ておるのであります。また、本年十月、フルシチョフ当時の首相は、藤山愛一郎氏と会見した際、樺太及びアルマアタについて認めてもよろしいと発言した経違がございます。それで政府におきましては、ソ連の政変後もどうかという確認の結果、フルシチョフ氏の発言は現在もソ連政府の意思であると了解しておるとのことであり、棒太及びアルマアタについては、明年、実現の可能性のもとに、その具体的計画について、またその他の国後、択捉、北千島につきましても話し合いを継続中であるとのことでございます。なお、北方地域への墓参に関する請願は、今回が初めてでありますが、第二十四国会で採択されました千島列島返還等に関する請願の中におきまして、墓地の整理と慰霊祭施行のため元住民代表の派遣を要望した例がございます。
 第二は、第二五号の原水爆の禁止等に関する請願で、四ページにありますとおり、世界唯一の被爆国としてわが国は昨年の部分的核停条約よりさらに一歩進めて、率先して全面的核停を訴えると同時に、うちにあっては十九年後の今日に至ってもなお苦しみを続けておる被爆者の完全救済のため、官民一致して援護の手を差し伸べるよう最善の努力をされたいという趣旨でございます。
 なお、原水爆禁止に関する請願は従来いずれも採択されており、被爆者援護を含めた請願は、第二十四国会及び第二十七国会においていずれも採択されております。
 第三は、原子力潜水艦の寄港反対ないし寄港承認取り消しに関するもの二十一件であります。これらの趣旨は六ページから一二ページまでにございますが、要約いたしますと、米国原子力潜水艦のわが国への寄港は、わが国の核武装につながるものであり、あるいは安全性が確保されていない、あるいはインドシナにおけるアメリカの戦争政策と関連して、わが国を核戦争に巻き込むおそれがある等の理由から、寄港反対ないし寄港承認の取り消し方を政府に対し要請してもらいたい、あるいはまた、国会において寄港反対ないし承認取り消しの決議を行なわれたいという趣旨でございます。
 なお、原子力潜水艦寄港反対の請願は、第四十三及び四十六国会においていずれも保留となっております。
 次に第四として、第二六八号日本の平和外交推進に関する請願は、一三ページにありますとおり、将来日本政府が変更しても一貫した平和外交を推進するため、次の事項を内容とする法律をまず制定されたいということでありまして、その内容といたしましては、一切の軍備を地球上から追放することをわが国外交の基盤とすること、各国軍備の発展的解消を国連を通じて促進すること、米ソ及び各国の軍備を統合すること、などを法律で規定すべきものである。さらに、米ソ両国の軍備を統合する要領といたしましては、世界警察軍総督というものを設け、総督は、場合によっては日本に置き、天皇をその相談役とすることもよく、日の自衛隊をそのまま総督護衛の警察軍とすることなどを定めておるものであります。
 なお、この趣旨のごとき請願は、今回が初めてであります。
 最後に第五として、第六九五号日本と中華人民共和国との国交回復実現に関する請願でありますが、一七ページ――最後のページにありますとおり、中華人民共和国との国交の即時回復、日台条約の破棄、中華人民共和国の国連における正当な地位回復ということに努力することを要望したものであります。
 なお、日中国交回復に関する請願は、従来いずれも保留または不採択となっております。
 以上でございます。
#89
○委員長(青柳秀夫君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#90
○委員長(青柳秀夫君) それでは速記を好めてください。
 それでは、請願第一三号、請願第二五号、以上二件の請願は、議会の会議に付するを要するものにして内閣に送付することを要するものと決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#93
○委員長(青柳秀夫君) 継続調査要求についておはかりいたします。
 国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び提出時期につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(青柳秀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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