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1964/12/10 第47回国会 参議院 参議院会議録情報 第047回国会 運輸委員会 第3号
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1964/12/10 第47回国会 参議院

参議院会議録情報 第047回国会 運輸委員会 第3号

#1
第047回国会 運輸委員会 第3号
昭和三十九年十二月十日(木曜日)
   午前十時五十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     中村 順造君     大倉 精一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野上  進君
    理 事
                天埜 良吉君
                金丸 冨夫君
                天坊 裕彦君
                吉田忠三郎君
    委 員
                江藤  智君
                木暮武太夫君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                相澤 重明君
                小酒井義男君
                浅井  亨君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  松浦周太郎君
   政府委員
       運輸政務次官   大久保武雄君
       運輸大臣官房長  堀  武夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       運輸省鉄道監督
       局長       佐藤 光夫君
       運輸省自動車局
       長        坪井 為次君
       運輸省航空局長  栃内 一彦君
       日本国有鉄道総
       裁        石田 礼助君
       日本国有鉄道常
       務理事      豊原廉次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (日本国有鉄道の運営に関する件)
 (自動車行政に関する件)
 (航空に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野上進君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 初めに委員の異動について御報告をいたします。
 去る十二月四日付をもって中村順造君が辞任し、その補欠として大倉精一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野上進君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○吉田忠三郎君 前の委員会で残りました関係で、最初に国鉄の総裁に若干御質問して伺っておきたいと思います。
 その一つは事故の関係でございますが、前の委員会で、新幹線の事故、函館本線の事故、それから山陽線における列車妨害の問題について、副総裁から報告があったと同時に、関係の質疑に対してそれぞれ答弁がございました。ですから、その関係につきましては十分承知をいたしましたから、ここでダブって質問はしません。ただ、新幹線の場合の私は事故をいろいろその経緯等から見まして、国鉄の線路保守の体制とでも申しましょうか、やり方にやはり私は問題があるような気がするのです。で、具体的に申し上げまして、新幹線は世紀の新幹線であるとか、あるいは確かに国際的な水準から見まして最高のものですからそうした名前で呼ばれることはけっこうですけれども、保守体制がしからばあのような状態でいいのかということになると、非常に私は問題があると思う。今度の場合も、不幸にしてなくなられた方々というのは、本来の国鉄の線路保守の職員ではなくして、下請の諸君がたまたまとうとい人命を犠牲にされた、こういう結果になったと思うんです。で、私ども伺っているところでは、そういう関係の下請をしておる会社が十一社ある、従業員が大体千五百人ぐらいおる、こういうことを聞いております。ですけれども、それ以外に、その下請が、労働力の不足のこと等も手伝ってか、さらに下請をさせている、こういうようなことも伺っています。そこで、一たん元請から下請をしたこの十一社がさらに下請をさせておるものはどの程度であるのか、しかもその下請の下請のところで従事しています諸君がどのくらい働いているかということを常に把握しているのかどうか、こういうことを第一に伺っておきたいと思います。
 それから、もう一つは、この間犠牲になられた方々の労災保険関係が非常に社会問題になっているということも伺っています。これはまあ直接私は国鉄の問題ではないと思いますけれども、労働省の関係になろうと思いますが、私はだからといって国鉄が全く無関係だと言い切れないと思うんです。こういう関係をどう国鉄側が扱っているのか、とりあえずこの二つを伺っておきます。
#5
○説明員(豊原廉次郎君) 新幹線の線路の保守につきましては、先般事故の起こりました付近は、用地買収その他が一番おくれておりまして、線路のでき上がるのもしたがっておそかったのでございまして、そこで建設当時に建設の工事に従事いたしました請負者をその後の手直しに使っておったわけでございます。で、いま御質問の、請負のさらに下請というお話がございましたが、先般の事故が起こりましたところでは、確かにそういう状態が、きわめて例外的でございますが、三軌建設というのが下請をしておったのであります。ただいまではそういう請負のさらに下請という状態はなくしておるはずでございます。これらに従事しておる人数につきましては、いまここに詳しい資料を持っておりませんので、後ほど調べて、そういう業者がどのくらい働いておるかということは調べた上でお答えいたしたいと思いますが、もちろん御承知のように監督要員は国鉄がやっておりますけれども、新幹線の軌道というものは、在来線の軌道と違いまして、非常に長尺なものでありまくら木もコンクリートのまくら木を全部使っております。今後線路が落ちついてまいりますと、そうしょっちゅう手直しをするという必要がない軌道構造にしてございますので、今後におきましては、やはり保守をいたします場合には、相当の時間をとりまして一斉にやるというような作業方式をとりたいと考えておるのでございます。現在線におきましても、軌道強化ということで軌道の近代化をやりました部分につきましては、同様の保守方式をとっていきたい、こういうふうに考えておりますので、新幹線だけが非常に特別ということには将来はならないわけでございますけれども、現在におきましては、現在線で毎日毎日保一の職員が回りまして小さな手直しをしていくというようなことはないわけでございますので、監督をつけて、実際の日常の作業はきわめて簡単でございますので、請負と申しますか、そういう業者に出すということになるのでございます。
#6
○吉田忠三郎君 労災の関係は……。
#7
○説明員(豊原廉次郎君) 労災関係は、いまおっしゃいましたように、労働省とその業者の直接の関係になりまして、国鉄は一応関係はないわけでございますので、現地でいま労災の補償の手続をやっておるところでございます。国鉄としては直接やっておるわけではございません。
#8
○吉田忠三郎君 いま、下請の下請の関係は、事故発生以来そういうことはやっていない、人の関係も何人かいま資料を持っていない、こういうお話ですから、ここで何名ということは言いません。言いませんが、少なくとも十月一日から世紀の新幹線などというキャッチ・フレーズで運転を始めて、しかも国民には安全の問題については万全を期しておるということで営業開始をしたことは間違いない。そのときに、わずか一カ月足らずでかような大事故が起きて、その段階で――どうもこれは保守体制の根本的な問題です。こういうような問題をいろいろ取り上げられる段階になって、そうした制度上の問題で、下請がさらに下請さして、そこに何人働いておったか、いまここの席上で資料を持ち合わしておらないということは、あまりにも私は不見識だと思うのです。将来なくするからということで私は済まされないような気がするのです。どうもそういうところに私は国鉄の幹部のかまえにたるんでいる点があると思う。総裁にひとつここで私は答弁を求めたいと思いますが、私はかなり新幹線を当初予想しておったより以上に、営業の成績といいますか、営業係数といいますか、こういうものが良好な状態だと見ている。たいへんけっこうなことだと思う。そこで、そういうものであるとするならば、たいして予算的にも資金的に見てそう大きな問題では私はないと思う。下請にやったからといって、金を払うわけですからね。ですから、この際、こういう事故を契機に、国民に対していささかもこの安全の問題については不安がないのであるというような一つのかまえを示す意味からも、こういう制度というものを全廃して、本来の国鉄のつまり直営とでも申し上げましょうか、国鉄職員で、しかも保守についての練達されたかなり体験、経験を持った人々でこの線路保守をやらせる、保守作業を遂行させる、こういうことに私はしなければならぬものじゃないかというように思うのですが、総裁どうですか。
#9
○説明員(石田礼助君) お答えいたします。それは、あなたのおっしゃることはごもっとも千万であります。ただ、私としては、保線のほうにあれだけの人が要るということはちょっと初め想像できなかったのであります。それで、とにかく保線の仕事なんというものはそう何も込み入った仕事ではないものですから、そこまで注意しておらなかったのであります。私が一番心配しておったのは、気違いじみたやつが出て、大きな事故を起こすようなじゃまをせぬか、これを非常に心配しておった。それがために、とにかくもう費用のいかんにかかわらず、ウォッチマンというものをふやして、それで事故のないようにしようということで、そのほうに実は十分の注意をいたしましたが、保線のほうに対しては、いまどうも結果から見るというと、あなたのおっしゃるとおりなんで、実は少し抜けておったということは、これは白状せざるを得ぬ。しかし、今後の問題もありますので、御注意をひとつ体してやり方を変えなければならぬというふうに考えております。
#10
○吉田忠三郎君 いま総裁、今後十分そういう点検討する、こういうお話ですから、ぜひ、いま直ちにでなくても、この下請の問題については、十分この実態を当然事故発生と同時に対策委員会等々で検討されてやっておられると思いますけれども、実態調査をして、できるだけこういうものはなくして、本来の国鉄のあり方に私は戻してもらいたいということを申し上げておきたいと思います。それ以外、作業量とか、あるいは作業時間の調整等の問題もあろうけれども、これは当然国鉄の経営者のやることですから、とやかく言いませんが、こうしたこと等についても留意されまして、いささかもこういう面で再び事故の起きないように配置をしていただきたいと思います。どうも当時の新聞等を見ますと、見張りも置かないとか、あるいは現場の班長が指示を誤ったのだという――これは新聞が書いたことですから、あまり信用置けない、こういうふうに言われれば、それまでですけれども、非常に国民はこういう新聞記事を見て不安を抱くものですから、こういうことのないように私はしていただきたい。
 それから、豊原さんがいま労災関係について若干触れましたが、これはもう確かに労災問題は国鉄の直接の仕事ではないです。これは私も承知しております、冒頭に申し上げたとおり。ですけれども、事務の扱い等々は、これは労働省の関係、あるいは厚生省も若干関係があるかもしれませんが、犠牲になられた方の補償というものはこれ一つよりないんですね。この労災保険よりないんですよ。そこで私は、直接は国鉄のそういう関係はないとしても、問題はやっぱり国鉄の事故から発生したわけですからね。なくなられた方、さらに遺族の方々というのは、そのためにたいへんないま苦労をされているわけです。側面的にそういう関係の省庁により積極的に国鉄が働きかけをして、早くこういう補償問題等を――直接の補償じゃないですがね、保険の補償ですから――解決してやるように、少なくとも、私は、道義的に国鉄はそのくらいのことをやっていいじゃないか、こう思いますから、答弁は要りませんが、ぜひ関係の者は労働省の関係の者とこういう問題を早く解決するように積極的に私は働きかけをしていただきたいというふうに思います。
 それから第二番目の問題は、函館本線の関係です。これも、私はあの事故の現場を見てきましたが、無免許の資格のない人が踏切上でエンストを起こして、結果的にああいう鶴見事故の大体二の舞いのような、瞬間的にですね、事故が発生した、こういうことでございまして、いろいろこれも多角的に調べてみますと、確かに無免許、無資格の者が自動車の運転をしておったこと自体にこれは根本的に問題がありますけれども、国鉄の側としても今日踏切事故等々の解消のために対策委員会をつくっていろいろ努力されていますことはわかりますけれども、踏切のつまり立地条件といいますかね、若干手を加えますと、あの場合など、私はエンスト等を起こさないで済んだんじゃないかこれは現場を見なけりゃ皆さんなかなか理解しにくいと思いますよ。思いますが、結局、路盤が高いですから、踏切を越える場合、道路が若干坂になっております、踏切を越えるために。それが普通常識的に考えるより高いわけですから、ですからへたな運転手はエンストを起こすと、こういうことになると思う。で、この間副総裁は、あまり一種の踏切要員を配置するほどの通行量がない、そういう踏切だと申されましたが、そうではないんですよ。最近、御承知のように、札幌は急激に人口がふえて、もう七十数万人になっていますねここ六、七年の間に。それはどうふえたかというとこの踏切事故を起こした周辺が中小工業地帯になっていますよ、札幌の中で。ですから、かなり客貨の路面交通量というものは人口の増大とともに並行してふえている。だから、先般副総裁が申されたような認識では、これはいかない状態になっています。したがって、私は、道内の踏切事故対策等についても、十分これからこういう面をあわせ考えてやってやらないと国鉄の事故対策としては完ぺきではない、こういう理解を一つしています。
 この際、若干道内の関係を申し上げてみますけれども、新聞紙上では国鉄が先般発表しまして、三河島事故以来、対策委員会を設けて、二つか三つの柱を立ててその対策をやってきた結果、非常にこの踏切の事故というものは減少した、それ以外の列車事故等々についても非常に事故が減少している――確かにそのとおりだし、たいへんけっこうだと私は思います。しかし、そう言ってみても、これは十月末現在ですが、これは私が北海道支社でとってきた資料ですが、北海道に踏切というものは五千百六十六あります。そこで遮断機のついています一種の踏切が百九十四、わずかに三・七%であります。それから三種のいわゆるカンカンと称される信号機のついたやつが六百八十ある、一三・二%。それから全く無防備といわれる四種の踏切、いわゆる無人踏切ですね、これが四千二百九十二ある。総裁、これが八三・一%もあるこの無防備のやつが。こういう数字的に見て実態なのであるから、私は、国鉄の経営者が、最近踏切の問題等々についてはほとんどやや完ぺきに近いものであって、これ以上やるとすれば立体交差よりないということを、この間の委員会でも副総裁が申されました。確かに立体交差をやることは、これはより万全ですよ。しかし、こいつはなかなか、そう言ってみても、地元の負担であるとか、あるいは他の省庁との関係等々、しかも国家財政等々のこともあわせ考えてみますと、ことばでは簡単に立体交差ということは出てくるけれども、なかなかこれはその実行は容易ではないと思うのですよ。したがって、まだまだ私は、国鉄は、いまのこの北海道の一つの例をとってみても、国鉄独自の力でかなりこの踏切対策をやらなければならぬのではないか。私は、今日国鉄の申しているような必ずしも実態になっていない。私は北海道のことだけより申し上げませんけれども、全国的に見ても私はこの踏切問題についての安全度というものは必ずしも万全とは、言えない、こういう認識を実は持っているわけです。しかも、北海道の場合は、過去十年の間、ずっと私も統計を見てみましたが、おおむね年間二百件前後の事故があった。最近、三河畠以来、国鉄はかなりこれらの改良を努力されまして行なっていますけれども、ことしの場合、十月末すでにもう百十八件北海道の場合は踏切事故がございます。昨年は百七十三件ですから、昨年より上回っている。しかも、死者が三十一名、負傷者は八十八人を出して、これは統計上あらわれています。こういう関係等見てまいりますと、前後に申し上げたことばというものは、決して私は、オーバーな表現であるとか、あるいはためにせんがためのことば、表現だ、言い方だ、こういうことには私はならないと思う。したがって、北海道における踏切の問題を一体国鉄はこれからどう考えていかれるのか。これは多分に長期計画とも関連をしてくるであろうけれども、ここらあたりをぜひ北海道民が心配がないようなひとりお答えを総裁から私は伺っておきたいというふうに思います。これが一つ。
 それからもう一つ。これは総裁でなくてけっこうですから、豊原さんでけっこうですが、この函館本線の事故とあわせて、最近のこれは北海道新聞でございますが、非常にこの間私どもに答弁したこととは変わった内容の新聞が出まして、私ここへ持ってきました。持ってきましたが、先般は、無免許、無資格の者が運転しておって、したがって国鉄側に事故の責任はない。私も当時現場を見まして、ないと思っていた。ところが、だんだんこれは司直の手でその原因を究明しておるようですから、まだどうこう判断つかないのだと思いますけれども、最近のこの新聞では、例の清掃車の運転をしていた十六歳の少年が警報機のボタンを押しておると、こう言っておるのです。それから、発炎筒を燃やしたと、こう言っているのです。そうしますと、わがほうの今度運転士は発炎筒を確認をしていないということになるわけですね。こういう問題が新聞紙上には出ていますわ。ここらあたりは一体どうなのか。しかも、これらについては、何か新聞あたりでは、ほかに証人がいるようなんだな。こういう関係をどこらあたりまで、その責任の所在の問題でいろいろ警察当局等ともやっておられると思いますが、新聞にこのくらいのことが出ていますから、ですからおそらくや国鉄の本社の皆さんもこの程度のことは知っているのじゃないかというふうに思いますが、これはあわせてひとつお聞かせを願いたいと思います。
 それからもう一つは、北海道の問題だけでつけ加えて申し上げますが、これも豊原さんでけっこうですが、最近非常に国鉄のサービス問題が全国的に言われている。どうも国鉄のサービスというのは依然としてかみしもを着た営業サービスだと、こう言われています。私どもは、いろいろ、航空会社であるとか、あるいは運輸交通関係の仕事で申し上げますれば、ハイヤー事業であるとかバス事業であるとか私鉄等々と比べてみますと、やはりそういうきらいなしとしない面があるように率直に感じます。私も二十数年間国鉄の職場でもってお世話になりましたが、今日自己反省をしています、そういう面では。したがって、サービスの面ではかなり一般国民は国鉄については非常に関心を持っていると思うのですね。とりわけ運賃の面がいま議論されている段階になってきていますから、さらに国民の目はそちらのほうにいっているのじゃないかと思うのです。そういうときに、先般総裁が非常にがんばりまして、例の青函航路も漸次第三次船までたしか新造船が配置されたと私は思っていますが、非常にそういう意味では設備の近代化をされて、乗客も旅行をなさる場合に非常に環境もよくなったのですから、喜んでいるのじゃないかというふうに思いますが、たまたまあの青函連絡船の中におけるチップの問題が大きな問題になって、そのチップを何か高校生に強要した、こういうことが、これまたその当時の新聞をここに持ってきておりますが、大きく出まして、社会問題になっておりますが、こういう関係は、一体本社はどう指導しているのか。私ども、たしか国鉄はチップ制全廃などという話が今年のかなり早い時期に唱えられて、そういう指導をするということで、新聞などで拝見しておったところが、今度また、困った、石田総裁、こういう問題が出ているのですよ。しかも、高校生ですよね、やられたのは。この新聞記事の内容では、この高校生のほかに、何か数十名の人々が特別の客室のほうに案内されていって、そこで何かチップをちょうだいしたようなことが書かれているのですが、どうなんです。最近、この運賃の問題とあわせて、私はたいへんな問題だなあと思っているのですよ。私は国鉄を心配するのあまり言うのです。
#11
○説明員(石田礼助君) 青函連絡船のチップの問題というのは、私初めてきょう伺ったのですが、ひとつさっそく関係者に注意して、今後そういうことのないように指導したいと思います。
 国鉄の列車内におけるサービスの問題ですが、どうも大ぜいの中には、たまたまやはりいろいろな者がいるのであります。ただ、吉田さんに私は申し上げたいのだが、どうも日本人というものは、こきおろすことが好きでして、悪いところは書くが、いいほうはあまり書かない。サービスの相当いいものがあると思う。そういうのは新聞のたねにならない。やはり悪いほうだけを書くものだから、全部が悪く見えるのですが、まあサービスが非常にいいという例もしばしばあると思いますので、ひとつこれは、私としては十分注意はいたしますが、その点はひとつ寛大なお気持ちを持って御批判くださるように特にお願いしたいと思う。
 それから、例の踏切の問題ですが、国鉄の事故のうちの責任事故は別ですが、そうでない事故の大半というものは踏切事故で、踏切事故で一番こわいのは連鎖反応の起こるということです。つまり、複線における踏切、こういうことでございまして、それに対しては、全国に三千五、六百カ所複線の踏切がありましたが、これは警察、地方公共団体等と交渉いたしまして、できるだけ自動車の通るところを少なくする。そうして、通るところに対しては、遮断機をつけるとか、警報機をつけるとかいうようなことをとにかくして、しかも、それもぐずぐずしていないで早くやるということで、ほとんど完了したことになっておりまして、そのためと思いますが、最近は事故がだいぶ減ってきております。ただ、問題は、単線の問題である。これはいかにも数が多いので、これ仲まだ、同じような方針でいこうと思いますが、やはり二年くらいかかりはせぬかと考えている。
 それから、さらに吉田さんに申し上げたいのですが、国鉄がいかにこういうことをやってみても、これは国鉄だけの問題じゃないのですね。運転手の問題なんだ。なかなか勇敢なる運転手がいますからね。警報機が鳴っている間を突破していく、これでスリルをエンジョイするという運転手がいる。これは実にたまらぬ。これは新聞もいけない。たとえば、札幌のあの事件のごとき、つまり過失をなした原因というものは無免許の運転手にあったということなんですが、それはきわめて小さく書いてあって、そして事故の大きな批評とかなんとかいうことが非常に大きく書いてある。これは、私はこの間新聞記者会見に行ったのですが、要するに、踏切事故なんというものは、国鉄も注意し、運転手も注意し、むしろ、われわれのほうとしては最善のことをやっているのだから、現在必要なのは運転手の教育にあるのだ、それならもう少し運転手に責任のあるということをなぜ特筆大書しないか、こういうことを申しましたところが、最近はだいぶ変わってきておりますよ。そういうことで、われわれ国鉄としては、この間も、今後とも十分注意したい、できるなら立体交差をやりたいのですが、これはなかなか金がかかりますしね。そうして、あまりに多いのだ。それで、まあ複線における踏切事故というものは、ほとんどもう、いま申し上げたような調子で完了しましたので、これから単線における踏切事故というものに対して十分に促進していきたい、こういうことに考えております。それから運転手に対する教育の問題というものは、これは新聞社あたりにお願いして、何とかもう少しむちゃなことをやらないようにしたいと考えております。
 そのほかは何ですかね。大体そんなことですか。
#12
○吉田忠三郎君 総裁ね、ただ先般の琴似の事故だけとらえて見ると、まさに総裁のおっしゃったとおりです。私も現場を見まして、被害者こそ国鉄だと思っています、あの場合の事故はね。だけれども、私はその事故をとらえるのじゃなくして、先ほど北海道支社でまとめた資料、その後の事故件数等の統計から見ると、北海道はローカルであるとか、あるいはかりに大分にしても鹿児島でもしかりでございますけれども、つまり、いなかのほうはローカルであるからといって投げやりにしておくとたいへんなことになりはせぬかというとらまえ方をしているわけですよ。なぜかというと、最近、経済構造が変わったためだと思いますけれどもね、人口が、いなかといいましても都市集中の傾向が非常に出ておりますね。これは東京だけじゃない。したがって、それに伴う輸送の関係でございますね。輸送量の関係ですね。こういう関係は当然総裁以下十分把握をして分析をしておりますが、長期計画をどうしても実行しなければならぬ、こういう心がまえになってもらいたいと思うのですね。これはたいへんけっこうなことだと思いますがね。事故問題として札樽間などは、いま総裁の言ったように、事故の連鎖反応ですね。つまり、四分ヘッドで列車ダイヤをこしらえておる、この札樽間は。そうしますと、東京周辺とあまり変わらないのですね。そういうときに琴似の踏切だけではなくして、札幌周辺の踏切というものは、市内だけで二十七カ所あります。その二十七カ所も、約八割は、先ほど申し上げたように、全く無防備の無人踏切です。こういう実情になっていますから、当然、皆さんのところの事故対策委員会も、こういう点は分析して検討されるであろうが、ぜひこの力をより注いで、この踏切の事故解消の問題に取り組んでもらわなければならぬじゃないか。こういう考え方が札幌の場合は、北海道知事あるいは札幌市長はじめ地方の議会等々も頭をいためて、最近この札幌市内の鉄道の高架という問題が出てきているんじゃないか、こう思っている。決して私は総裁の答弁不満だからと言っているんではなくて、この間の事故は、確かに被害者はまさに国鉄であるけれども、国鉄はそのこととは別に、こういう実態を十分把握をされて、これは資金の問題もからみますけれども、より積極的にこういうものと取り組まなければ、総裁も、育ったように、確かに最近の若い運転手などは、これは道路交通法など守っている人は一人もいませんよ。だからといって、それを一挙におまえのほうを直さなければ、わがほうはぶつかってくるやつは責任ありませんからと言ってぼんぼんやられては、これはたいへんなことになる。ですから、それはそれとして、しかるべきところでしてもらうけれども、国鉄は国鉄の一つの防衛する意味からと、もう一つは、社会的に大きな責任と任務を背負っておるわけですから、企業自体が。だから、そういう点で私は北海道の全体の――北海道というばかりではなくて、大都市以外のこの踏切等々の問題についても十分配慮をしてもらわなければならぬ、こういう気持ちで申し上げたんですから、御了承願いたいと思います。
 そのほかに、先ほど聞いたボタンを押したとか、発炎筒をたいたとかいう新聞関係はどうなんですかね。
#13
○説明員(豊原廉次郎君) いまの琴似の事故で、車両用信号煙管は点火しておりますが、いわゆる踏切支障報知装置というものはこの踏切にもついておりますが、これは確かに使用はされたんでありますが、時期を失しておった。当時列車が入ってくるときには使用がされていなかったということが、いまの先生の新聞の調べとは逆に、列車に乗っておられた方の証言もあるというふうに、現地からこちらのほうには来ておりますので、全く逆になっておるようなかっこうでございます。もちろん、いま詳細には調査をいたしておりますけれども、こちらのほうの調べでは、踏切支障報知装置はあとで使用されたことになっておりまして、間に合わなかったというのが、いまのこちらの調べでございます。
#14
○吉田忠三郎君 これはまあしかるべく関係の警察のほうでその責任の所在を究明しておることでしょうから、ここにあまり私は申し上げませんですけれども、最初の新聞等では、いま豊原常務理事から申されたようなことのようでありましたが、そのあとの、かなりあとの新聞紙上で見ますと、必ずしもそうなっていない。しかも、これまた、これは総裁の言をかりますと、どうもそういうやつだけを大きく書いて、サービスのほうはさっぱり書かない、こういうことになるのかしれませんが、「見えなかった発炎筒」ですか、でかいタイトルで書いて、「微妙な立場に立たされた国鉄側」と、こう書いてまた出ているので、これはどうも私と豊原常務理事とやりとりしているようなことに受け取れないようになっていますから、十分に国鉄側もその調査に慎重を期して、私どもしろうとが見ますれば、それは再三申し上げますように、被害者こそ国鉄だと思っているものですから、ぜひ、こういうことを通して、あまり国民が変な気持ちを抱かないように、国鉄も万全の措置をとっていただきたいというふうに私も思います。
 それから、こういう関係でこの間も問題になりましたが、例の山陽線の列車妨害の問題、悪質きわまるものだと思います。信号機をいたずらしたりなんか、たいへんなこれは大罪悪だと私は思うんですよ。鋭意関係者を動員していま捜査に当たっている、こういうこの間の福総裁のお話でございましたが、総裁どうなんですか。何か公安官とかというのをだいぶん動員をしていろいろやっていますが、いまだにこれは犯人もつかまらぬわけですな。
#15
○説明員(石田礼助君) まだわからぬです。
#16
○吉田忠三郎君 そうでしょう。わからぬでしょう。それで、これはわからぬで済まされぬと思うんですな。かりに各駅の上下の場外あるいは場内の信号を含めたって、そう数あるわけじゃないですよ、列車妨害されていますいまの信号機は。したがって、この関係は、とにかく信号に一人ずつ張りつけたってぼくはたいした人間じゃないと思うんですがね。何か労働組合の諸君がひとつ作業をやるときには、この前も私は委員会で話をしましたが、青函のときには何千人という人間が来てつまらぬことをやっているんだな、公安官というやつは。こういう非常に犯罪行為として重大な、国民に、しかも、これは、このことによってもし事故が起きたらたいへんなことになりますよ。そういう問題を今後扱っていく場合に、この間の動員されている人数程度では、まことに心もとないような感じをしました。
 もう一つは、そういう体制と、それから根本的には捜査の方針に誤りがあるんじゃないか。それから捜査の体制に欠陥がありはせぬか。われわれが聞くところによると、まあ公安官がかりにAならAというところの信号所にきょうは警備体制をとるなんというと、直ちにそれが漏れちゃって、犯人のほうにもう先手を打たれている。こういうこと等も、総裁、聞いているんですよ、私は。ただ単に、この際は、鉄道の公安官だけの力では、とうていこういう悪質な犯人を逮捕する能力がないと思うんです。だから、この際は、より積極的に地元の警察あるいは警察庁等々と綿密な打ち合わせをして、一日も早くこうした悪質な犯人を逮捕すると同町に、この沿線における人々に不安のないように、安心を与えてやるように国鉄がもっと積極的にやっていい問題じゃないか、こう思いますが、総裁、どうですか。簡単に、まだ犯人つかまらないと言っているんだが。
#17
○説明員(石田礼助君) お答えします。
 この捜査方法に誤まりがあるかどうかということは、これは専門家のきめることで、私にはわからないのですが、いずれにしても、国鉄としては、保安員を動員するとともに、地元の警察に連絡しまして万全を期してやっておるつもりですが、なかなかどうも思うにまかせない。しかし、決してわれわれは怠っているわけじゃない。事故が起きれば非常な大問題になるのでして、これはよく吉田さんの意を体して、さらに地元に注意して、何とかして早くその根源をとらまえるということに全力を尽くしたいと思います。
#18
○吉田忠三郎君 総裁、あなた方が努力を怠っているとまで私はきめつけているわけじゃないのです。ただ、国民の側から見ますと、これはほんとうに一種の殺人行為ですよ、これはね。そういう大犯罪行為をやっている者が、しかも、やる場所というものは信号機ですから、ねらっているのは。これは目標ははっきりしているのです。目標がね。それだけに、国鉄側としても、信号機なんて、やたらにどこでもついているわけじゃないですから、しかも、妨害されている信号機というのは、全部わかっているわけでしょう。そこで、先般も科学捜査とかなんとか言ったって、その科学というのがようわからぬが、国鉄の科学捜査というのは化け学のほうでやっているのじゃないかと思うが、これは何か指紋なんかやるとか言っているが、ぼくはむしろ、原始的な捜査体制でこれはやれると思うのですよ、やり方によって。ですから、私は、国鉄の今日の公安官にはその能力がない、こう言っているのもそこにあるのですよ。そこに全精魂傾けてあなた方は、先ほども言ったように、何かのときには大量うろうろ連れてくるが、こういうときにこそ、あのうろうろしたやつを全部全国から動員してやりなさいよ。信号機に二人か三人つけて、徹夜交代でやったっていいじゃないですか。国鉄勤務というのは徹夜勤務でしょう。そうしたならば、未然に事故を防ぐことができる一面、一面では、そういう者がうろうろしていたら直ちに逮捕できるじゃないですか。そういう体制をとっていないでしょう。しかも、捜査の方針にあやまちがあるのじゃないかというのは、そういう計画をすると、直ちに瞬間的に相手方に情報をキャッチされるという、そういう体制に私は根本的なあやまちがあるのじゃないかと言っているのですよ。そういう事実はないのですか。われわれはそういうことを現に聞いているわけですよ。
#19
○説明員(石田礼助君) そういうこまかい点については古田さんのほうが専門で、私は小学校の一年生です。これはただ私としては専門家に、とにかく万全を期してそういうことがないようにやれ、費用なんという点はあまり眼中に置くな、こういう命令を出しているだけでありまして、そのこまかいことについては、どうもしろうとがやってみたって、これはしかたがない。ただいまのお話をひとつ材料にしまして、さらにこの問題の捜査を大いにやると、こういうことにしたいと存じております。
#20
○吉田忠三郎君 大もの総裁なものだから、こまかいことさっぱり存じ上げていない。まあしかし、いまの答えで、費用がどんなにかかろうとやれという指示をしたそうですから、総裁以下の幹部たち、総裁の意を体しまして積極的にこの作業を進めて、一日も早く犯人を逮捕するように要望しておきます。
 最後に、いろいろございますけれども、どうも運輸大臣どうしましたか。次官でこれは役不足と言っておりませんが、大臣に出席要求しておきましたから……。
#21
○政府委員(大久保武雄君) 予算委員会に……。
#22
○吉田忠三郎君 これは国鉄の基本の問題ですから、大臣に聞きたいと思ったので、大臣来てから……。
#23
○相澤重明君 吉田君は大臣が見えてからというので、私、緊急事案として、政務次官並びに鉄監局長及び自動車局長に御質問したいと思うのです。
 それはすでに皆さんも新聞で御承知だと思うのですが、昨日、福島交通株式会社のストライキが行なわれて、三十万人以上の足が奪われた、こういうことが出ているのでありますが、これについて運輸省自体は承知をしておるのかおらないのか。そのことから最初にお答えをいただきたい。
#24
○説明員(坪井為次君) 承知いたしております。
#25
○相澤重明君 今次のこの紛争は、どういう理由で紛争が行なわれておるのですか。
#26
○説明員(坪井為次君) この争議の経過を簡単に御説明いたしますと、三十九年の九月の二十八日に、組合側が会社側に対しまして要求として申し入れをいたしておりますが、その内容は、日給制を月給制にすること。延着手当を支給すること。折り返し待機時間を休憩時間でなく、労働時間に繰り入れること。それから休日問題、週一回と国民祝祭日のほか、十二月三十一日、一月二日及びメーデーを有給休暇とすること。配偶者出産時は、従来一日の有給休暇を三日間にすること。被服貸与期間三年を二年に短縮すること。こういった申し入れをいたしておりまして、その後、福島交通の経営陣に、経営者の交代の動きがありました。この動きに対しまして組合側は、新しい役員就任の反対の声明を出しました。その後、十一月の十日に臨時株主総会が開かれまして、この総会で新役員が選任されまして新しい経営陣にかわった。この経営陣に対しまして組合側は反対運動をやっておりましたが、その就任後に、社長と組合の公開の会見があったようでありまして、そのときに会社の社長は、そういった就任反対運動をするような組合は相手にできないということでつっぱねたわけです。これに対しまして組合は、不当労働行為であるとして地労委に仲裁執定の申し入れを行なったということであります。そういった経過をとりまして、現在、経営者側は、就任反対運動を続けている組合側とは交渉が持てないということで、そのまま、ものわかれになりまして、結局、組合側は会社側に対しまして、十二月の一日、ストの予告を通告したわけでございます。
 その内容といたしましては、十二月六日、十二月八日、十二月九日二十四時間全面ストを予告した。その上で、十二月六日二十四時間ストを実施し、それから十二月の八日の分につきましては、地労委があっせんに入りましたため、ストは中止いたしております。それから十二月九日はまた二十四時間を予告どおり行なっております。それで十二月八日に地労委のあっせん案が出ておりまして、このあっせん案に対しまして、組合側はあっせん案を受諾した。ところが、会社側はこれを拒否したということから、さらに組合側は十二月の十一日から十五日まで百二十時間ストの予告を行なった、こういったことの経緯でございます。
#27
○相澤重明君 この福島交通株式会社というのは、バスはどのくらい持っているのですか。電車の車両はどのくらい、延長距離はどのくらいですか。
#28
○説明員(坪井為次君) バス関係について申しますと、車両数で、バス用として六百六十四両、貸し切りバスとして百七十二、合計八百三十六両、免許キロは二千六百二十九キロ、従業員が三千八人でございます。
#29
○相澤重明君 電車はないのですか。
#30
○説明員(佐藤光夫君) お答えします。
 福島交通における客車の両数は三十二両でございます。一日の運送人員は二万八千人という状態でございます。
#31
○相澤重明君 大臣もお見えになったので、吉田委員の質問が、重大質問がありますから、私もできるだけ簡潔に事案をひとつ説明をいただき、また処理をしてもらいたいと、こう思うのですが、大臣もせっかくお見えになりましたから、いま緊急質問として私が御質疑しておるのは、福島県における福島交通株式会社の、昨日二十四時間ストライキが行なわれた。そのことについて、この福島県、宮城県の一部、茨城県、栃木県の一部、それぞれの広範囲にわたって約三十万人の足がとまった、こういうことが言われております。そこで、その経緯は一体どういうことなのかということを、いま自動車局長、鉄監局長にお尋ねをしたわけなんです。それによりますと、労働協約の改定に伴う紛争である、こういう説明がなされましたが、その中でやはり重大なことは、単に労働協約の改定の問題ばかりでなくて、経営者陣営の中の紛争がある、それは株主総会の中において、現在の社長と前社長との中に問題があって、そうして、その前社長は現在の社長を告発をしておる。それは詐欺事件、名誉棄損あるいは損害請求等のいろいろ民事事件でやっておるようでありますが、そのことと労働組合のいわゆる労働協約改定問題とごっちゃにされておるのでは、これはたまったものではないと、こう思うのです。経営陣の紛争は、経営陣で内部同士でやればいい。労使の問題は労使の問題として解決しない限り、被害を受けるのは、これは大衆なんです。したがって、私は、いまの自動車局長や鉄監局長の御説明はいただいたわけでありますが、お話を聞きますと、とにかく非常な広範囲に及ぶものでありますから、これをこのままさらに、監督官庁である運輸省がストライキを幾日でも打たしておく、こういうことであっては、私は、この年末繁忙期を控えて関係地域の人たちは非常な困難を伴うと思うのであります。したがって、一日も早く事態の収拾を考えるべきであって、そういう点について運輸者としての態度というものを私はお尋ねをしたわけなんです。
 ところが、いまの説明を聞きますと、十二月の一日ですか、これは予告をしたというのは。そうして六日の日にストライキを二十四時間決行をし、八日、九日のストライキについては、福島県の労働委員会が、地労委が職権調停に乗り出して、しかも、八日の午前二時半というのに調停案が提示をされて、そうして諾否を、回答を求めた。ところが、組合側は八日のストライキを中止をして、そうして、この調停案を受諾をした。あっせん案を受諾をした。ところが、会社側はこの調停案を拒否をして、あっせん案を拒否をして、しかも、いまの御説明によりますと、社長の就任に反対するような組合には会わない、つまり団体交渉もしない、こういうような形をとって逃げて歩っておる。だから、実際には、ストライキを収拾すべきこともできなければ、ただ会社側の経営陣のけんかによって、多くの、福島県を中心とした何十万人という通勤、通学、農民、商人の年末の足を奪った。これはきわめて重大だと思う。
 しかも、いまお話しの中でもありますように、もしこのままにほうっておくというと、十一日から十五日まで百二十時間のストライキをやる、こういうことを言っておるというのです。きょうはもう十日ですから、あすからストライキを百二十時間ぶたれたら、一日三十万の足が奪われたら、百五十万になる。これは平算ですが、そうでしょう、そういうことになるのです。これは私は年末を控えてたいへんなことだと思うのです。先ほども吉田委員からも、国鉄の交通問題についてもありましたが、国鉄、私鉄、バス、こういう交通事業は少なくとも公益性を持ったものであるから、そういう面については、この地帯における唯一の私鉄あるいは私営バスということで大きな事業を行なっておる福島交通株式会社が、百二十時間もストライキをぶたれるということになったら、もうたいへんなことだと思う。えらい損害だと私は思うのです。その地域の住民に対する損害はたいへんなものだと思う。
 そこで、せっかく運輸大臣が御出席になったのでありますから、おそらく鉄監局長か自動車局長から詳細のことはお聞きになっておるかどうかわかりませんが、これはひとつ運輸行政を担当する国務大臣として、私はもうあなたは、やはりこういうものに対してはどうしたらいいのかというぐらいの日ごろの考えを、こういういざというときにこそ出すべきだと思う。ふだんの心の備えがあれば、いつでもそういうことのあっせんに乗り出すことはできるわけでありますから、そういう面で、ひとつ運輸大臣も、せっかく、途中で御出席になったので要領が不十分だったかもしれませんが、いま私の申し上げたことについて、運輸大臣としての決意のほどをひとつ伺っておきたいと思うのです。
#32
○国務大臣(松浦周太郎君) いま突然入ってきて、私もほんとうによくわかりませんが、ちょっと鉄監局長の報告を受けますと、仙台の局長が仲に入りましていろいろあっせんをいたしておるようでありますが、おっしゃるように、経営者側にそういうような不合理な点がありましたならば、それは、われわれのほうでは経営者に十分な警告を発する必要がある。同時に、公益事業である以上、ストライキをやる場合には、十日以前に警告することがほんとうであると思うわけであります。今度の事件は、そういうような内部抗争によって突然起こったのでありまして、ほうとうはやはり十日以前に警告してもらうならば、その間にいろいろまた内部を取りまとめる時間もあったことと思いますが、はなはだ遺憾なことでありますが、十分警告を発するつもりでおります。
#33
○相澤重明君 いまの大臣の答弁、いま途中で来たからおわかりにならなかった点も二、三あったと思うのです。鉄監局長も自動車局長も、大臣によく説明をしておかなければいけないのだけれども、労使の紛争というのは一ぺんに起きるものではない。労働組合が要求書を出して、経営者陣がそれを受けて検討して、そうして団体交渉をやって、それがいいか悪いかという問題になってくるわけです。だから、団体交渉によって決裂をして、ストライキを予告しておる、こういうのです。そして、すでに十二月の六日にはもう二十四時間のストライキをやった、こういうのです。それで、その次の十二月八、九日のストライキを決定をしておる時点で、これはたいへんだ、こういうことで、地方労働委員会が職権調停に入った、こういうのです。だから、これはあくまでも手続としては私はたいへん努力を関係者はしていると思う。ただ残念なことは、会社側が株主の、経営陣の中でのいさかいというものが根本であって、労使の正当なそういう団体交渉権とか、あるいはそういう話し合いとかというものについて不十分の点がある、こういうことが言えるわけであります。したがって、この労使の問題については、ある程度自主的に、しかも、地方労働委員会が調停に入るなら、これはけっこうなことであって、そのことを少なくとも労使が守ってもらう、しかも、一方においては、すでにストライキを避けようということで、労働組合は職権調停についてのあっせん案を受諾したというのです。しかし、片一方の社長は、そんな前の社長を支持するとか、おれに反対するとかいうことで、逃げ回って会わない。それは経営陣の内部の話じゃないですか。そういうような労使の問題と経営陣の内部の話とをごっちゃにして、大衆に迷惑をかけるようなことは、それはいけない。だから、これは監督官庁外である運輸省が、やはりいま大臣の言うように、内容を調査して、悪いものには改善命令を出すことができるわけです、大臣は。それでもなおかつできない、どうしても公共に害を与えるというようなことになれば、これは免許停止もあり得ると思う。しかし、いま言った、一日に三十万人もの足をとめるのですから、そんなに簡単に免許なんてものは停止できるものではないわけです、公共性の立場からいっても。それだけに、政府が何と言おうと、組合が何と言おうと、地域住民が何と言おうと、おれのものだと言って逃げて歩いたのでは話にならぬから、そういうことを規制して――近ごろ、最近のうちに、来年の一月からバス運賃の値上げをするなんていうことを言っておるわけですから、そういう大きな影響力を持つ交通会社に対しては、もっと運輸省は監督官庁として慎重に検討して、事前に手を打つくらいの配慮があっていいと思う。こういう点について先ほど大臣のお話の、若干、予告期間とか、そういう間における冷却期間とか、こういうものについて若干の、私との認識の相違もあるのですが、これはお調べになればわかることですし、私はそういうふうに聞いて、しかも、新聞でも取り上げられておることですから、早急に大臣の善処を望んで、ぜひ、年末を控えた多くの、福島県を中心とした茨城、栃木あるいは宮城、こういう各県の通勤、通学、商人、中小企業の人たちの迷惑にならぬようにお手配をしていただきたいと思うのですが、最後にひとつ大臣の所信を伺っておきたい。
#34
○国務大慶(松浦周太郎君) いま鉄監局長に伺いますと、大体おっしゃるような手続は完了しておるようでございます。でございますから、結局、やはり御指摘になりましたような経営内部のいざこざから来ておるようでございますので、さっそく仙台の局長のほうに電話で強く警告を発しまして、一日も早く解決するようにいたしたいと思っております。
#35
○相澤重明君 仙台陸運局長のほうに本省から連絡をとって、そういうように究明すると同時に、少なくともストライキが――ただ私はストライキを中止しろということではなくて、やはり問題の本質を解決するように努力すれば解決する、ストライキも中止できるものだと思いますから、のないように。私がまるっきりあなたと同じ立場で、ストライキだけ早くとめろ、そんなことではないのですから、これは労使の正常な慣行を樹立して問題を解決するようにということなんだから、そういう点は、ひとつ大臣とくとお考えおき願いたい。これは自動車局長は、そういう点で非常に多くの問題をかかえておるわけでありますから、鉄監局長とも相談をされて、万全の体制をとってもらいたい、こういうことだけは、そう時間がないので、ひとつお願いをしておきます。
 それからいま一つだけ、これは時間がないので要望しておきますが、運輸大臣、神戸の港にインドネシアの軍川船が沈没をしておるということは御承知だと思う。ところが、インドネシアの軍用船が沈没しておるために、港に入るはしけ等がほとんど作業を狭められて因っておる。これは、ことしの九月の台風によって沈没したのだというのです。これは海上保安庁と、それから神戸港長、いわゆる神戸の港の管理者ですね、この両方の関係があるのですが、少なくとも、いま政府では外務省を通じて云々というような話をしているようですが、これは、そんな二カ月も三ヵ月もほうっておいて港の出入を危険にさらしておくようなことをいつまでもやっておるなんということは、私はいかぬと思うのです。ですから、それが軍用船であろうと、外国船であろうと、あるいはわが国の国内船であろうと、やはり障害は除去する。そうして、特に先日も運輸大臣に港の混雑緩和をどうするかと、こういう点もお願いしたところでありますが、私はやはりそういう港の入り口に船が横倒しになって、そうしてはしけ作業に障害を起こすようなことは、早くこれは直してもらいたい。そんなことをまた三カ月もほうっておくこと自体が私は、神戸の港長もずいぶんほうぼうじゅう連絡をとったようでありますが、政府機関がどうも活発に動いてくれない、こういうことが基本のようです。ですから、きょうは私は時間がないので大臣にこのことを申し上げて、ひとつさっそく関係省庁と連絡をとって善処してやってほしいと思うのです。
 いま一つは、そのために神戸の、神戸製鋼所というのがありますが、その神戸製鋼所というのは浸水だそうです。その船が横倒しになって水が中に入っているものだから、神戸製鋼所自体、会社自体も非常に迷惑をこうむっているということも言われておりますから、ぜひそういうふうなことのないようにひとつお手配をしてやってほしい。これは要望です。いずれあとで、それはどういうようなふうになったかということを委員会で聞きますから、きょうは時間がないので注文だけ申し上げておきます。
 それから国鉄総裁に一つ、これはやはりそういう注文をしておきたいと思うのですが、国鉄の複線区間の保安設備等がことしもだいぶ進んでというお話で、たいへんけっこうだと私も喜んでおります。それから線増を行ないますが、そのうちの一つで、北浦和のそばに電電公社か何かの共済会か何かの建物があるそうですが、そこで鉄道線路の拡幅に伴う移転の問題が出ているが、なかなか話がつかぬ、こういうようなことを実は私のほうに陳情が参りました。私は、御承知のように、神奈川県選出ですから、本来、浦和ならば、そこにおる金丸さんのほうに行くべきだと思うのですが、どう間違ったのか、私のほうに陳情が来た。これは、国鉄が大いにそういう線増をやるとか、輸送力を増強することは、私どもは大賛成で、いつも鞭撻をしている口なんですが、やはり地元民との円満解決ということは私は希望いたします。したがって、東鉄局長ですか、関東支社長ですか、いずれにしても、本社のほうとしてひとつ連絡をとって、そういう用地問題の解決については、あまり地元で反対運動をされないように、誠意をもって交渉をして、拡幅工事が円満にできるように、また進めているのかもしれませんが、ひとつ、そういうことで、もし線増を進めておれば、問題を早く解決するように、ひとつこれを要望しておきます。
 きょうの突然の話ですから、あなたのほうにもこまかい点で申し上げることはできませんけれども、以上二点を運輸大臣と国鉄総裁に要望して私は終わります。よろしゅうございますね。
#36
○吉田忠三郎君 運輸大臣が見えましたから、国鉄の基本問題について、きょうは予算委員会も開会中ですから、簡潔に考え方だけ聞いておきます。もとよりこの問題は予算の問題とからみますから、通常国会の段階で細部にわたりまして大臣の所見をただしたいと、こう考えておりますから、そういう前提で伺います。
 大臣は佐藤内閣の閣僚の一人でございますから十分佐藤内閣が今日かかえています諸問題については御承知おきだと思います。私も野党でありますから、よう存じ上げておりませんが、大体私ども推察するところによりますというと、佐藤内閣は、発足来、昭和四十年度の予算編成を年内に終わりたいという目標から、それぞれ作業をしているものだと考えます。もとより国民の側から申し上げますれば、この佐藤内閣がどういった予算をつくり上げてくれるかということで、非常に関心と期待を持たれていると思います。したがいまして、この予算編成とからんで、私は今日の段階で佐藤内閣には幾つかの課題をはらんでいると思います。その一つには、外交の問題もあるであろうし、それから予算を中心としていま努力されているようでありますから、予算面では佐藤さんが公約をした、つまり三千億の減税という問題と中山答申案との関係なども、やはり一つ政治課題だろう、こう私は考えます。それと労働力の不足の問題さらには予算編成の場合に、各省庁から出されました要求を、どう一体満たすために財源を確保するかということもその一つになるであろうし、それぞれ財源を措置するということも問題のやはり一つになろう、それから池田内閣の方針を踏襲することが所信表明で明らかになっていますから、その池田内閣の前内閣の政策を踏襲する場合に、ひずみの是正の問題も、これは政治課題の一つになるであろう、そうしてまた中期経済計画なるものがそろそろ論題になってまいりましたが、これらとも関連をいたしまして、今日逼迫をいたしました国鉄の輸送量をどうするか、こういうことが、もう私は佐藤内閣に課せられた政治課題の一つだと思います。これがために、大臣御承知おきのように、五月の七日から国鉄の輸送量増強に関する問題を主として取り上げる例の国鉄の基本問題懇談会というものが設置されまして、今日までかなりの回数を経て、種々それぞれこの問題に携わった学識経験者あるいは関係者が努力されて、新聞紙上ではその結論が出た模様であります。私どももその資料を一つここに持ってきていますが、そのまとまった意見書では、日本国有鉄道基本問題懇談会は、国鉄経営に関する基本問題、特に昭和四十年以降の設備投資計画及びこれに対する資金確保の方策について、先ほど申し上げたように、五月の七日から今日まで二十数回にわたって審議を重ねてきたのである。その審議をしてきた経過を、国鉄経営の長期安定、国の経済計画との関連並びに将来におけるわが国交通体系のあり方等々との観点からも慎重に検討を加えて、おおむね国鉄の現状、国鉄の第三次長期計画の必要性、設備投資の進め方、資金調達の方法、運賃制度と公共負担の是正、経営の合理化と改善その他、こういう六つの項目に分けまして、しさいに分析を試みて、かなり前向きの私は意見書ができ上がったと見ているわけであります。したがいまして、この答申案ができましたので、政府の閣僚の一員として当然これは内閣の諮問機関として発足と、心がまえとしてはさせたであろうと思いますので、これが、意見書が提出されて、内閣としてこの意見書が承認されているのかどうか。つまり具体的に申し上げますれば、閣議でこれを承認したかどうか、これがまず質問の一つであります。
 それからこの内容をしさいに検討してみますれば、当初国鉄の総裁が要望、要求をしていたものよりはかなり、資金計画につきましても、あるいは全体の年次計画につきましても後退をしているような感じがいたします。で、そのことは別にして、閣議でこれを承認したかどうかということと関連をして、細部にわたっての資金調達等々についても、前段に申し上げたように私は通常国会で申し上げるつもりでおりますから、ここでは申し上げませんけれども、国務大臣として運輸大臣がこれを端的に骨って、一体やるのかやらないのか。このことをひとつこの際私は聞かせていただきたいというふうに思うのです。
 それからもう一つは、この第七項目にあげています。「合理化と改善その他」という項に、どうも今日の国鉄の要員事情というものを十分把握しない感じさえ受けるような文章が出ておりまするけれども、国鉄を担当しております運輸大臣として、一体、国鉄の今日の輸送量を確保するために、現在の要員で十分であるかどうか。この項目ではむしろ人員を減らしなさいといった意味さえ感じ取れる内容になっておりますけれども、こういう関係を一体運輸大臣はどうお考えになっていられるか、これもつけ加えてお答えを願いたいというふうに思います。
#37
○国務大臣(松浦周太郎君) まず第一は、閣議の了解を得たかどうかという問題であります。これに対しましては、お説のとおりに従来国鉄の長期計画については、政府全体の承認をした計画はこれはなかったのであります。でありますから、いまの第二次計画の五カ年計画も、閣議の了解を得ていないというようなうらみもありまして、四年目に改定をしなければならぬといったようなことでございます。そういうような不合理な点があったものでありますから、昨年の十二月に閣議の了解を得て、政府全体の計画とするための委員会なるものをつくらなければならぬ。といっても法律をそのときにすぐつくることができないものでありますから、各省関係にこれは関係がありますから、各省関係の連絡調整機関としていわゆる基本問題懇談会というものを、閣議の了解のもとにつくりまして、そこでその懇談会には学識経験の豊かな、国鉄経営に経験の豊かな人たちを加えましていろいろ検討いたしました結果、お示しになりましたような十一月二十七日に答申ができたわけでございます。で、私どもといたしましては、この答申は二回出ております。第一回は、これより約三週間ぐらい前に、支出について、つまり事業の内容について二兆九千七百二十億を要する、簡単に言えば過密ダイヤの解消あるいは全線の幹線を複線、電化または近代的改良事業といったような、大きな点を言えば、そういうような点について工事を行なうべきであるというようなことで答申が出たんであります。そこで、直ちにその答申は閣議に報告いたしました。閣議といたしましては決定はまだいたしませんけれども、いずれの閣僚もこの程度のことは必要であるということで、その報告書を全部承認いたしましたのでございます。今度は、その次にはこれに要する資金をどういう方面に求めるかというような点に対しまして、最終的に、行なう事業と資金問題について、十一月二十七日に御指摘になりましたような書類が出ました次第でございます。それは言うまでもなく、財源とすれば大きく言って三つしかないんです。それは第一自己資金をもってするということ、第二は政府の投資をすること、第三は縁故債あるいは利用債というようなものも入れまして政府の財政投融資に依存すること、その三つの財源以外に財源を得ることができません。しかし、東海道の新幹線のごときは一部外債を得ましたが、今後は外債のことも考えたんですが、そこまでは手が及ばないというようなことでございますから、おおむね国内でやっていかなければならぬということになりますと、それは私は新聞にも値上げ大臣、値上げ大臣と書かれて、実は投票をもらわなければならぬ私ども議員といたしましては、あまりおもしろくないんです。けれども国鉄をあずかっておるのは総裁があずかっているんですが、それの監督をする役目であるということであるならば、これはやはり財源を得ることに対して協力しなければならぬ、そういう考えでございますから、まず大蔵大臣と相談いたしまして、いままでは一番多い年は財政投融資の中の一三%を国鉄でいただいております。一三%では、とてもそれは問題にならないです。少なくとも相当な、二千億以上のものをもらわなければならないということになるのでありますが、もう一ぺん最初の話を繰り返してみますというと、二兆九千七百二十億でございますが、それは六カ年でやるという予定でありました。それを財源その他の関係、運賃等いろいろ考慮いたしまして七カ年にやりまして、最初の四カ年を三千七百億ずつ、あとの三カ年を五千億ずっというようなことで、党のほうもいろいろあっせんしてくれまして、そういうことになっているんです。二千億以上出してもらいましても、千七百億というような膨大なものがなければならないということでございますから、これに対して、それならば政府が国鉄に対して一般会計から投資を相当額してくれるかどうかということについても、相当瀬踏みをいたしておりますが、いままで、吉田さんもよく御存じのように、四十一億しか出してきてくれないんですよ。それを千億も出せ、五百億も出せと言ってみたところで、なかなかさっきおっしゃるように財源難で、一体三千億も減税するというのに四千五百億しか自然増収がないのに、どうするんだというときに、それは歯が立たない。そうなってくると、自己資金という問題にいかざるを得ないということになります。国民大衆に対してまことに申しわけないことでありますが、どうしてもやはり自己資金に依存するということになれば、やはり運賃を上げるということになるのでありまして、ただ私は、皆さんが簡単に批評されるように、彼は値上げ大臣だという、簡単にそれを使っておられますが、私も同じような議員である以上、このことをやることについては、非常な苦しみを持っております。しかし、いまおっしゃるようなことでやらなければならぬ。そうしなければ、毎日ごらんでもありましょうけれども、朝のラッシュアワーにおける過密状況というようなものは、それは問題になりません。私はこの間も見に行きまして、よくこれでけがせずにやっておるものだ、ひとたびこれが問題が起こったら大問題が起こるということで、それらの点に対しましても、いままで総裁がいろいろ創意を発揚されまして何分おきかに札どめをしておられます。それではもう処理がつかぬということでございますから、この間閣議で決定をいたしまして時差通勤を三回に分けてなすことに、役所あるいは各企業あるいは学校に通告いたしまして、いまその用意をいたしておるような次第でございます。それとても応急手当であって基本的なものではない。そうするならば、これは何とかして財政投融資はどっちにしたって相当もらわなければならぬのだから、まず過密ダイヤの問題と安全輸送の問題と先に手をかけて、そうして運賃の問題はこれから皆さんに御相談して、国会の協賛を得なければならぬ問題ですから、運賃の問題もどうしてもやらなければなりませんけれども、まず得られる資金をもって、先にそういう方面を片づけていきたいというような考え方を持っております。
 いろいろ申し上げたいのでありますが、まだ重ねて御質問されるでしょうから、そのときに申し上げたいと思いますけれども、要員の問題について、これは機械化であるとか合理化であるとか、近代化というもの左やっていかなければなりませんから、一体その仕事に携わっている人間は減るであろうと思う。しかし、私は自分でもちっちゃな仕事をいたしておりまして、一つの仕事の合理化をやってそれで人間が余る、余ってコストが安くなる、なればその余った人を活用する積極性を持たなければならぬというようなことでございますから、私はまずとりあえず、この前にも神戸―名古屋間、名神国道に国鉄専門の、バスの運行を、いろいろの批評はありましたけれども、これはバス事業は相当国鉄は犠牲になっているのだから、これをひとつ許して、合理化その他によって余ってくる人員をこっちへ使っていこうということで、言いかえるならば、一方において合理化、近代化、機械化を進めて、コストを安くして運賃を安くする。他面においてはその余ってきた人人を、近代的な積、極性な事業に進めて、そこから益をあげて、さらに経営の安定をはかるというような方向に進めていきたいと私は思っている次第でざいます。
#38
○吉田忠三郎君 大臣から二つの等分がございました。前段の答弁の中で、国鉄の長期計画を進めることは、その必要性は閣議で認めている。これは私は当然のことだと思う。今日の輸送量の状況から見ますれば、あの計画は何人も否定できない。国民全体としても、あの計画を押し進めていただかなければならないというものだと私は信じています。そういう意味では、閣議が承認したということについては、たいへんけっこうだと思う。で、さてしからばその計画は必要性を認めた、その段階で、端的に、やるのかやらないのか、やれるのかやれないのかということについて、いま大臣から、所管事項として経験された内容がお答えになりましたけれども、大臣いま主張しておりましたことをちょっと書いてみましたら、その財源の方法手段として三つある。一つには自己資金である、一つには国家投資、それから利用債の公債、国家投資の中には財投も含まれている、こういうことであります。私はその中で、ちょっとこう大臣の答弁を聞いてふかし夢に思えますことは、確かに財源措置としての方法、手段は、そういう幾つかあろうと思われますけれども、これは私の聞き方が悪かったかどうかわかりませんが、どうも大臣は自己資金のほうをのみ力説をしているような感じ方をした。で、お説のように、自己資金について、今日の国鉄の財政、これはもう限られております。ですから、勢いあなたがおっしゃったように、運賃にその自己資金を求めなければならぬということになるわけですね。で、非常にこれは最近新聞紙上でも問題になっているように、運賃値上げの問題を、国鉄のみならず、あなたの所管事項の、ハス料金にしても、何か来月あたり一斉に十一社かなんか値上げ申請して、運輸省が認める方針のようでございますな。もとよりもう消費者の米価は前々から閣議決定しているようでありますから、こういう問題等々、非常に国民経済にすべてこの影響する。その影響がいい影響ならばいいけれども、悪い影響がはね返るということでですね、非常にこれは困った私は問題だと思うのです。そこで私は大臣とは考え方が違うのかどうかわかりませんが、一体この段階で、国鉄の企業というものの本質は何であるのかということを、真剣に私はこれは大臣、閣議あたりでも議論されているのだと思いますけれどもね、そこらあたりを私は、この本質的な議論をして答えを出す段階にきていやせぬか、こういう気がするのです。で、法律的には、国鉄は公共企業体のような関係に置かれていますけれども、私は国民要請、社会要請から見ますれば、国鉄の企業の本質というのは、公共事業だと思っております。これは大臣、どう考えられるか。国鉄の企業というものの本質は何か。これは公共事業である。大臣はこれは公共事業であるかないかということを、ここでまずひとつ答えてもらって、私は公共事業である、こういう規定をしている、公共事業であるという考え方に立てば、当然産業経済のつまり発展等々とからんで輸送というものは考えられなければならぬということに、次の答えが出てくると思う。さすれば、当然私は他の公共事業と同じように、国が公共投資をいたすことが、財源措置として当然だと思う。たとえば道路の関係、港湾整備の関係、それからこれも大臣所管事項でありますけれども、たとえば飛行場の関係、第二空港の関係、いま盛んに問題になっていますね、こういう関係、いずれも公共投資をしています。ところが、今度は、国鉄の場合は公共事業でありながら、いま大臣もおっしゃったように、今日までわずか四十何億くらいのスズメの涙ほどの金しか公共投資をしていないというこの矛盾は、一体大臣はどう考えるかということなんです。これをひとつ、私は大臣の考えを二番目に聞かしていただきたい。
 それからさらに考えていただかなければならぬのは、これは大臣の会社も非常にそのことによって潤っていく、それは例の貨物の長距離逓減制をしいています。とりわけこの農水産物の割引運賃制度が設けられてやっておる。それからもう一つは学割り、通勤通学の割引、定期券含めて等々やっていますね。これは非常に、国民経済にいずれもこれまた及ぼす問題です。私はその制度全廃をするなどという考えを持っていませんけれども、これらはいずれも国鉄が公共事業であるからこそ、そういう制度を今日八十数年間政府がやらしてきたものと思うのです。だけれども、二面政府が法律的に企業性を追求するような制度にさしているわけですから、だとすれば、私は諸外国と同じように公共負担について国が国鉄側に財政的に補てんしていくべき性格のものでもあるし、そういう義務があると思うのです。それを今日何らしていない。こういうこと等について、一体政府はどう考えているのか。運輸大臣として一体どう考えているのか、こういう点をしさいにまだまだ私は検討されてしかるべきだし、その後々に、どうしてもそれ以外の財源の道を求めなければならぬという場合にはかくかくしかじか、こういう私は答えになってこなければならないものだと考えるわけです。考え方ですから、君の考え方はそれはそういう考え方であるかもしれぬけれども、おれの考えと違うのである、こういうことであれば、それでもけっこうですが、一体運輸大臣は、私のいま考えておるこの考え方というのは間違っているかどうか、これをひとつ聞かしていただきたいというふうに思うのです。
 それから、これは決して松浦さんの私は責任じゃないと思いますけれども、戦後歴代の内閣がいま私が申し上げたようなこととは逆な国鉄に対するこの考え方に立った施策を私は施してきたところに、今日の財政的に見て国鉄がもう限度まできたところに追い込められたのじゃないかと思うのです。それは端的に言えば、つまり日本の歴代内閣というのは、産業投資に重点を置いて、こうした公共投資、とりわけ公共投資の中でも道路その他においては若干投資はしたけれども、全体のバランスを考えない、総合性を考えないで国家投資されたところにこういうひずみが発生した。ですから、いまこそこのひずみの是正などという問題が、農業問題であるとかあるいは中小企業の問題もございますけれども、今日の段階では、いわゆる輸送部門、とりわけこの国鉄のひずみを是正しなければ、どんなに佐藤さんが内閣を池田さんからバトンタッチされて政策をそのまま踏襲してひずみを是正して、そうして中期経済計画というものを遂行するなどと言っても、これはもうまことにただ単なるから念仏に終わるのではないかという私の心配なんで、ここらあたりについても大臣の御所見を伺っておきたいというふうに思うのです。
#39
○国務大臣(松浦周太郎君) どうも古田さんは私の言うことを逆に解釈されておりますが、速記録を見てもらえばわかるのですが、私はさっき運賃を上げなければならぬということのみを言ったのではない。できるだけ財政投融資あるいは政府の国鉄投資というものを行ない、それもどうしてもできないところは、上げるのは恐縮だけれども、上げてもらわなければならぬ。その上あげてもらうことも自分、代議士としてはほんとうは賛成ではないけれども、背に腹はかえられぬということを言っているのです。胸で泣いているということを言っているのです。それは御了承願いたい。
 それからいまいろいろ七項目か八項目仰せになりましたが、思想の、考え方は大体同じなんですよ。ただ表現の方法が違うだけなんです。公共事業とおっしゃったが、通路、港湾、飛行場というものは公共事業だけれども、国鉄は公共企業体、しかも独立採算制という一つの責任を持たされているのです。そこに避けられない悩みがあって、また自由経済下において公共企業体は独立採算制で責任を持たせる。そうして国民に対する公共企業体としての最大のサービスを行なわしめて、つまり、喜ばれる、愛される国鉄にならなければならないし、それが公共企業体の生命でなくてはならない。けれども、そのサービスの代償としてもらう運賃が、私はあまりにも低いということを言っている。それは何べんも言うことですけれども、物件費や人件費というものは、人件費は約六百倍、物件費は約五百倍、四百七十何ぼです。ところが、運賃収入は百六十一倍、そういうことでは、これはどんな手品つかいがやったって、経営は成るものではないのです。これは国民の共有財産ですから、そうしてまた国民の共有に利用すべき公共企業体なんですからそれはやはり、バランスのとれたいき方をやるべきである。あるいは郵便料金、あるいは電報、電話料金等に比べましても、はるかに低いのです。それだけサービスしているのです。それのしにいまもお話しありました、私はこの細長い日本の国で、中央過密、人口の多い中央方面における資源というものはほとんど使っちゃっている。だから資源が残っているのは、すみずみの遠いところに残っている。九州とか、北海道とかそういう方面の資源を価値づけて持って来るためには、長距離輸送の割引というものは、私はやはり続けていかなければならぬと思っているのです。けれども、通勤の割り引きについては少し度が過ぎるのではないかと私は考えています。独立採算制の上に立った公共企業であるといっても、国鉄の法規の中に五割以上の割り引きをしてはいかぬと書いてあるのですよ。それにもかかわらず九割二分なんというものがある。しかし九割二分というものをしなければならぬという御家庭に対しては、これはしてあげなければならぬ。そこで五割では面接の油とか電気料とか、あるいは人件費だとか、あるいは直接の償却費であるとかいう直接費はまあもらって、それ以上の経営上のいろいろな経費というものはサービスするとすれば、五割はい空までは判り引きしても、王制以上というものは私は無理じゃないかと思うんですよ、これは独立採算制である以上は。それならば困った家庭はどうするか。その困った家庭について、やっぱりいままで九割二分やってきたものを九割二分やらぬということになったらその御家庭は困るんです。しかし、それらは市町村で調べればすぐわかるものですから、それ以上のものについては、私は、社会保障として別に国が出すべきである。ということは、独立採算制である国鉄がこれだけの無賃収入と消費支出とのアンバランスの中に立っている以上は、そのことをやっぱり考えるべきではないかというふうに考えております。道路、港湾、飛行場等の問題がありましたが、これは公共事業でありまして、当然国が全体を出して、それで国民のために使うべきであります。先ほども、政府の歴代の内閣、及び運輸大臣も含めてでありましょうが、政策が間違っているとおっしゃった。まさにそのとおりです。日本の戦後ここまで発展してきましたのは、これは政府の施策もよかったでしょうけれども、経営を伸ばさなけりゃやまずという、いわゆる日本の商魂というか、日本の経済人のあの商売をやらなきゃやまないという、あの士魂商才というか、あのりっぱな商売の精神が今日の経済をつくり上げた。なぜ私はそう言うかというと、ほんとうは、公共事業は先に立って、あらゆる経済上における環境をつくったあとから民間の事業が伸びていくことがほんとうなんです。道路のないところに人間が行ってそして開墾さした、あの無謀な戦後における二十七万戸の入植者と同じ方法ですよ。だから、港が狭くて、一昨年のごときは神戸の沖には四十隻も船が停留する。道路はほとんどもう穴があいて通れないというような道路。ところが、そういう通路であっても、これだけの重さで契約したんだからその範囲内においてコストをあげなきゃやまぬというあの貿易業者の努力というものが、今日の日本の経済をここまで持ってきた。だからほんとうは、おっしゃるように、通路、港湾、飛行場といったような公共事業というものは民間事業より先にいかなきゃならぬやつが、逆におくれているんです。これが国鉄にも言えることでございます。でありますから、おっしゃるように、この公共投資は、政府の持ち株というか、政府の国鉄に対する投資をさせることが当然であるが、なかなか歴代の運輸大臣はよう取らなかった。私にかわっても、本年のこの国の財政状態では、とても一千億の金を取ってこいといってもなかなか投資は取れぬ。しかし私は、そういう予算は、一千億は取れぬといって引っ込みはしません。取れるだけ取るつもり。それから財政投融資も取れるだけ取るつもり。そしてどうしても足らぬところはやはり運賃で御協力願うより以外に道はない。こういうように考えております。でございますから、吉田さんの考え方と私の考え方は、表現の方法は違うが、思っている思想的な根拠は同じです。ということでございますから、ひとつ私の気持ちに御協力願いまして、予算編成に対しましても、ひとつ野党側からもやっしょいやっしょいと国鉄に御後援を願って、われわれの目的を達成するようにひとつお願いしておきます。
#40
○説明員(佐藤光夫君) いま大臣の御説明の中でちょっと御説明が運賃法の関係がございますので補足して申し上げさせていただきたいと思います定期運賃の割り引き率については、国鉄運賃法第五条の規定の、吉田先生御承知のように、運賃額自体が、一カ月、三カ月の定期については、百分の五十に相当する額をこえることはできないということがございますので、大臣はそれを基準にして考えておるという趣旨のことを申し上げたわけでございますので、その点御了承願いたいと思います。
#41
○吉田忠三郎君 財源確保について、大臣の熱意のほどが披瀝されましたから、ぜひそういう御努力をしていただきたい、こう思います。
 ただ、後段の若干運賃の問題について今後協力してくれという意味のお話がありましたから、そこらあたりになりますと、若干私は考え方を異にしていますから、これはあとあと、委員会あるいは通常国会で予算を議論するときに私の考え方を申し述べたいと思いますから、きょうのところはここでこれ以上大臣と議論していく場でありませんから、省略をいたしたいと思います。だけれども、大臣にひとつ国鉄の当面の財源確保は、大臣も、そういうかっこうで協力もしますし、お願いもしまずし、おまかせもしますけれども、だけれども公共負担の関係について、これはいまも大臣指摘されましたけれども、歴代内閣が正しい意味の運輸交通政策というものを私は持っていなかったのじゃないか。この点だけは一致しております。それで、そういう関係も寄り寄り検討されることであろうから、それと含めて国鉄の公共貧打というものを本質的に私は議論して解明する時期だと思うのですよ。いわゆる定期の五割の基準はどうだこうだという、そういう問題だけじゃなくて、たとえば災害等におきまして、公共負担に関係しますものを国鉄が負担している。また、大臣は、公共企業である、そういうものだと、こういう定義づけをしましたけれども、それは制度上そうなっておりますけれども、事業の本質そのものから見た定義というのは、私は、やっぱり公共事業だ、国鉄は。これは何とも否定できないと思いますよ。だから、そういう高い論争は別にして、当然に災害時における経費等々の負担についても、私はひとり国鉄の肩にのみたよる、こういうやっぱり考え方は誤りだと思う。だから、こういう考えも含めて十分検討願っておきたいと思います。
 それから、大臣予算委員会のほうへ参りますから、これで私は終わりますが、前の委員会でも大臣盛んに熱意を披瀝した問題ですが、例の、日米航空協定の問題です。完全に、私は文章の表現はどうであろうとも、決裂したものだと認識しています。しかも、あの協定は、前の委員会でも指摘したように、あれほど不平等な協定は私はないと考えておる。したがって、この際日本政府は決裂を幸いとして、あの不平等な協定を破棄をして、新たな角度から日米の航空協定というものを結ぶように私は努力をすべきじゃないかというふうに考えますが、この点について、運輸大臣どうお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
#42
○国務大臣(松浦周太郎君) 断じて決裂しておるのではございません。休憩しただけでございます。向こうのほうから時々いろいろ連絡があります。きのう向こうから上院の航空委員長、それから前航空局長官二人が連絡に来ております。さっき総理にも話しました。きのうは三時間ばかり、内容を発表することはできませんけれども、懇談いたしました。さらに、ライシャワー大使とも近いうちにこのことについて打ち合わせをします。それは、十二日に総理が向こうへ行かれた時分に必ずこの問題は出るものでありますから、その下相談をするつもりでありますが、御質問がありましたからこの機会に申し上げておきますが、おっしゃるように、まさに日米航空協定のごときは不平等であります。この不平等条約を平等条約に直すためには、単に国会の議論だけではなしに国民運動として国論がわき立つところまで背後の声が必要である。それに押し出されて交渉委員が出かけるくらいでないと私はうまくいかないのじゃないか。それが民主主義国における国民外交である、かように存じますから、これにつきましても御協力をお願いしたいと思います。
#43
○吉田忠三郎君 いま大臣は、決裂じゃなくして休憩している、休みの状態だ、こう言っていますね。しかしね、それは大臣が休憩とか休みとか、ことばは別として、これはいまあなたの決意から考えてみても、それから私の国民の一人としての感情から見ても、ああした世界に類例のない不平等な協定の改定にあたっての交渉が、まあ百歩譲って大臣が言うような休みの状態になったというのは、明らかに私はもう、そのことばは強いかもしれませんがね、決裂の状態だ、こう言っても過言ではないと思うし、もう一つには、大臣のような決意があるとすれば、私はそういう不平等条約というものは捨てて、破棄して、新たな角度で私はこの日米航空協定というものを改定するように政府は積極的にやらなければならぬと思うのです。幸い、かりに休みの状態であればなおさらのこと、これはより積極的に大臣が吐露された決意を示さなければならぬ。もとより世論の背景が必要だ、こう大臣説かれますから、私もそのことについては背走しますけれども、世論というのは、大臣ね、これは黙っておってでき上がるものじゃないのですね。世論というものはつくり上げるものですよ。その場合に、一体このままで世論がしからば喚起されるかというと、それはされるものではない。みずから政府がつくらなければならぬですよ。しかも、かなり長時間かけたこの交渉ですから、その交渉全体を、その全貌を国民の前に明らかにして、その上に立って私は国民世論というものを喚起すべきだ、これは一つの手段だと思うのです。それが、何ら今日政府が国民世論がわき立つような手段を講じていないのですからね。こういう点、ひとつぜひ大臣のあの内容等についても、もとよりそれは一種の外交上の問題等もあろうから、一がいに全部これはさらけ出すというわけにはまいらぬと思います。思いますが、できる範囲内で大臣も、世論喚起については私は非常に共鳴するところでありますから、ぜひひとつそういう面を積極的に取り上げていただきたい。しかも、前回の委員会では、大臣はかなりこの不平等な条約については一種の不満をぶちまけてあなたはここで答えていたわけですから、その気持ちをおそらくは今日なお持っていると思うので、休みの状態であるならば、早くこの休憩状態から再開するようにして、決意を、やはり不平等というものはいけないことですから、平等の原則に立った協定を結ぶように努力してもらいたいと思う。どうですか、大臣。
#44
○国務大臣(松浦周太郎君) 日米間の経済上、政治上いろいろな問題はたくさんありまして、ひとり航空協定だけではないのでありますから、おっしゃることはよくわかるのです。この間も予算委員会で、決裂通告をしたらどうだというようなことで、ずいぶん迫られたんですが、それはひとつ責任者である運輸大臣の胸三寸にまかせてもらいたいということを申し上げました。それはどういう決意をしておっても、それはそのときでないと、いまからいろいろなことを言うことはどうかと思うのです。国会においてそういうことはどうかと思う。しかし、おっしゃるように、国民に、いままで栃内君が行って交渉してきた内容を、新聞紙上には断片的に出ておりますから、何かパンフレットでもつくって国内に、まあ日米外交に影響しない程度に、航空上の不合理な点を発表することは必要であると思います。この点は肯定します。
#45
○吉田忠三郎君 日米関係の問題については、いま大臣からそういうお話もありましたから、この辺で質疑を終わりますが、最後に大臣に、佐藤さんが中国問題でかなり前向きの所信表明を、政策をとる、こういうことを明言をいたしましたが、しかし、その後どうも衆参の予算委員会等々の議論を通じて受ける印象としては、依然として前向きではないような感じさえ受ける。したがって、そういう批判等々はこれは別な機会でやりますけれども、ひとつこの運輸に関係する問題はやはりあると思うのです。私、先般機会がありまして、中国の「世界政策展開」という論文をちょっと読んだんです。この論文の中にいろいろ分析してあるわけですが、わが国に関係いたしますものは、これはそういうことがいいか悪いかということは別問題として、その論文の中には、「中間地帯理論」というものがある。その理論、妙な理論ですからずっと読んでいきましたら、その骨子は、アジア、アフリカ、それから中南米地帯の低開発国を、社会主義の兄弟国として第一の中間地帯に規定している、この論文では。第二には、この中間地帯として英国であるとか、あるいはフランスであるとか、西ドイツであるとか、あるいは西欧、カナダ、この中にわが日本も規定されて、つまり中国と協調のできる――資本主義の体制下にある国だけれども、中国と提携のできる、協調のできる国と規定してあるのです。この理論が、これはいいとか悪いとかいうことではなしに、私ども今日の段階では、日本はより日中関係の貿易の問題一つとらえてみても、かなり積極的に前向きにやらなければならないということは、国民すべて私は認めている客観情勢だと思うのです。幸い日中貿易関係は、やや心配されておりましたが、先般どうやら民間ベースによる貿易が再開される、こういうことになりましたからこれはほっとしていますけれども、あの民間ベースの中で行なわれる範囲、限度というものと、やはり残されている問題は、日中間の航空機の乗り入れより私はないと思う。しかも、中国の関係になりますと、これはやや外交上の問題になりますけれども、依然としてまだ日本とは国交回復をしていない現状でありますけれども、すでに中国を承認している国は、この理論は、私は肯定するかしないかは別にして、第二のほうのいわゆる中間地帯における英国、フランス、こういうところはすでに中国を承認していますね。最近の外交情報等を徴収してみますると、カナダももうおそらくや中国承認時間の問題だ、こういわれています。ですから、こういう国々は、あの膨大な中国の経済市場というものを巧みに活用をして貿易をいたしているわけです。わが国は残念ながらそこまでいっていない。これは非常に私は政治問題として大きな課題だと思います。具体的な問題としては、最近パキスタンであるとか、あるいはフランスなどについても中国と航空乗り入れをやる、こういうこと等が報道されています。しかも、フランスの場合は、おそらくや北京になるんじゃないかと思いますが、その一地帯を指定して日本にさらに足を伸ばす、こういうことになります。こういう関係を一体運輸大臣はどう考えるかということが一つ。
 それからもう一つは、そういう情勢下にあって、日本が一体、中国との航空乗り入れを運輸大臣としてどう考えているかということが、非常に私は内外から注目されていると思うし、当面私は、やはりこの問題を運輸大臣としては積極的に取り上げてこの航空機の乗り入れということを実現させなければならぬ、こういうことになっているんじゃないか、かように考えます。国民もこれはきっと関心を持っていると思う。運輸大臣、これどう考えていますか。
#46
○国務大臣(松浦周太郎君) お話しの大部分は外交問題になっているようですから、ひとつ外務委員会で御発言願いたいと思います。
 航空機の乗り入れの問題は、お説のとおりでございますので、経済閣僚懇談会においてしばしば問題にいたしておりますが、わが国と中共との関係は、前向きの姿勢で池田内閣以来やってまいりましたことは、御承知のとおりでありまして、今回の肥料その他を合わせまして相当な金額の輸出をいたしております。その基本をなす原理はどこからいっているかというと、政経分離の方法において行なっております。航空機の乗り入れというものが政に入るか経に入るか、これが経済閣僚懇談会の一番悩みの種で、きまらない理由であります。いずれ近いうちにはきまるであろうと思いますけれども、航空機は政に入るべきものか経済に入るべきものかということで足踏み状態になっておることだけを申し上げます。
#47
○吉田忠三郎君 いま大臣から政経分離の話が出てきました。その政経分離なるものの理論がいいかどうか、これはもうここで議論することじゃないんです。外交問題ですから外務委員会でやればいいんですから、やりませんが、具体的な問題として、大臣、日中の民間航空会社がかりに航空協定を結んだ場合に、現実問題として政府はどういう態度をとるかという問題が出てきます。聞くところによると日本も、おそらく全日空だと思いますけれども、かなり中国と民間航空会社とその作業を進めているやに聞いています。私ども聞いているのは、もうその協定ができ上がりつつある、こう聞いていますが、これは現実問題として当面出てくるわけですが、これに対して大臣どう考えますか。どういう措置をとるのですか。
#48
○国務大臣(松浦周太郎君) まあ私の考えを申し上げましたから、ちょうど局長が来ておりますから、局長から……。
#49
○吉田忠三郎君 大きな問題だからこれは大臣だよ。局長はそれは事務を扱うのであって、考え方はやはり大臣だよ。
#50
○国務大臣(松浦周太郎君) 私の考え方は申し上げたこと、あれ以上ないのです。
#51
○説明員(栃内一彦君) ただいま大臣から政経分離という問題に関連しましていろいろ御説明いたしましたが、民間会社同士でもって協定を結ぶ、そうして政府はどういう態度をとるか、こういうお話でございますが、民間会社同士協定を結びまして、政府がこれを認めていくという方式は、確かにあるわけでございます。実例もございます。ただ中共と日本との関係におきましてこれに現在踏み切り得るかどうかということは、やはり一にかかって政経分離という問題との関連において考えられるべきであると存じます。したがって、政といい経といい、非常に微妙な問題でございますから、正式の航空協定であるならば政であるか、あるいは民間ベースでやって政府もこれを認めていくならばなお政であるか、あるいは経に入るかというような関連になってまいりますので、この問題は、大臣がいまおっしゃいましたように、航空当局のいわば技術的な問題というよりも、外交方針がどうなっているかということとの関連におきまして、政府全体でおきめになるというような非常に重要な問題であるというふうに考えております。
#52
○吉田忠三郎君 まあ局長から、この問題、微妙な時期ですから慎重な答弁がございました。局長には私何も申し上げませんが、まあ運輸大臣がさきに答えられた、あくまでも政経分離の方針、そうすると、政治的にはこれは中国承認していませんから、これは問題ありませんが、民間航空会社同士が協定を結んで航空事業を遂行するということは、あくまでもこれは私はやはり経済の分類に入ると思うのです。そうすると、運輸大臣の考え方をそのまますなおに解釈すると、民間のベースで行なわれる航空協定については認めるという、こういうことになるわけですな。どうですか、大臣。
#53
○国務大臣(松浦周太郎君) いや、民間同士であっても、中共との間の飛行機の乗り入れということになれば、やはりこれはひとつの大きな政治問題になるものでございますから、先ほども申し上げましたように、この問題はたびたび経済閣僚懇談会の儀に付して、そうして一運輸大臣の量見できめるべきものではございませんので、議に付しております。一つの例を申し上げますと、韓国との間の民間航空協定をいたしました。これもしばしば閣僚懇談会で議を練りました上に、民間航空会社同士の協定によって行なったようなわけでございますから、まあいずれは――いずれはですね、許されるときが来るであろうが、ここ当分の間はちょっと見込みが立たぬと思います。
#54
○吉田忠三郎君 それではっきりしました。
 で、あと金丸委員もいま発言通告されておりますから、時間の関係でこれ一つで終わりますが、そうしますと、今度は、私どもが承知している範囲では、中国をすでに承認をしているフランスが中国の地点を経由して日本に入ってくるという協定がいわゆる中国とフランスででき上がっている、現実問題として。そういう場合に、これは外務省の関係も出てくるでありましょうが、運輸省としてこういう関係どう扱っていきますか。
#55
○説明員(栃内一彦君) ただいま吉田先生の御質問は、おそらく日本とフランスとの間の航空協定の関連、しかも、フランスが中共に乗り入れるという報道がしばしばあるということの関連においての御質問だと思います。確かに日本とフランスとの間の航空協定の付表には、中国大陸における一地点というものを相互に寄航地として認めておることは事実でございます。ただこれには条件がついております。具体的な場所については追って定めるというような注釈がついております。たとえば上海であるとか北京であるとかいうことがきめてないのでございます。したがって、現実にこのフランスの飛行機が中共との関係において日本に行くということを中共が認めた場合であっても日本とフランスとの間におきましてはどの地点を経由して日本に来るかということが確定されておらず、将来の問題として残されている、こういうような形の付表になっている。普通の航空協定の場合でございますと、たとえば香港とかあるいはサイゴンとかいう地点が明記されておる。あるいは、たとえばインドにおける一地点、これはどこでもよろしいというような書き方に普通なっておりますけれども、日仏航空協定における中国大陸につきましては、追って定められるというようなことになっておりますので、それを定めるということになりますれば、これは可能でございます。ただ、そこを定めるかどうかという問題も、やはり日本と中共との関係をどう持っていくか、むしろ隣国である日本と中共との間をどうするかというような問題との関連において日仏間の問題も解決がつく性質のものじゃないか、かように考えます。
#56
○吉田忠三郎君 これで終わりますが、そうしますと、局長、いまのフランスの関係は、それである程度理解できます。できましたが、パキスタンの関係はどうなんですか。パキスタンは私どもも、具体的にそういう申し入れなどは私ども見ていませんが、聞き及んでいるところでは、パキスタンは中国経由で日本に入ってくる航空路の開設をしたいという申し入れを日本政府としてかなり前に受けていることを聞いています。そのまま日本政府は今日放置しているということも聞いている。こういう関係はどういうことなんですか、そうしますと。
#57
○説明員(栃内一彦君) 日本とパキスタンとの航空協定につきましては、沿革的に申し上げますと、日本航空が南回り線経由、すなわち、パキスタンのカラチ経由でもってヨーロッパに行く線を開設しよう、そのためには日本とパキスタンとの間において航空協定を結ぶ必要があるというところから出発したわけでございます。そのときの協定付表によりますと、日本はパキスタンを経由しましてヨーロッパに行く路線を得たわけでございますが、その反対にパキスタンは日本から香港経由東京に行くという路線を得た。これで両方が協定を結んでおるわけでございます。したがって、パキスタンとしましては、香港経由であるならば東京に来ることは即時に可能である、こういう状況になっております。これが現在の協定のたてまえでございます。ところが、昨年の十一月にパキスタンの航空局長が東京に参りまして、東京で日本とパキスタンとの航空協定の付表改定交渉をするということで、先方の局長と私との間で約一週間にわたって会談を行ないましたのですが、そのときの先方の要求は、近くパキスタンと中共との間に航空協定が結ばれて、パキスタンの飛行機は中共に入れる、中共に入るについては東京まで来たいのだというようなことでございました。それにつきまして、こちらとしては、当時の日本と中共との関係から見て、その路線を認めることはできないというようなことで、いわば交渉は休会というようなことになっております。その後におきましても、パキスタン当局がわがほうに対しまして、強くそういうさらに再考慮を促しておるということは事実でございます。ただ、こちらといたしましては、日本とパキスタンとの関係は別としまして、日本と中共との関係において、現在においてはこれを認めることはできないということで、現在まだ、先方は早くやってくれ、こちらは現在ではできないというような状況が続いておる、こういうことでございます。
#58
○吉田忠三郎君 わかりました。
 では金丸君、どうぞ。
#59
○金丸冨夫君 与党の私の質問でありまするから、きわめて簡単に要領だけお伺いしたいと思います。緊急の問題でございまするので、時間も過ぎましたが、ごしんぼう願いたいと思います。
 問題は、ただいま非常に問題になっておりまするなま野菜等の輸送の問題でございまして、これに関連して運輸大臣に一言お伺いしたいのでありまするが、新内閣ができまして佐藤総理が新聞等におきまして発表した、いわゆる物価上昇に対する対策として物資流通の改善策を指示した、こういうことを私も見ましたが、関係組合の方々は非常に大きく受け取っておるわけであります。そうして、さような状況に相なっておるにもかかわらず、かような国鉄としては従来よりもなお悪くなった体制をとりつつあるということは、どうも口と政策とが違うじゃないかということで、だいぶ私攻撃を受けました。これに関連いたしまして運輸大臣に御説明願いたいのは、さような指示があったならば、具体的な問題としてどういう点であるか、大かたのところでよろしゅうございますから、特に国鉄に対してどういう指示をなされましたか。そういう点を明らかにしていただきたい、かように存じます。御記憶だけでよろしゅうございます。
#60
○国務大臣(松浦周太郎君) ただいまおっしゃるような意味の問題になりまして、列車の数はちょっと記憶がないのですが、十二月に入りましてから、たぶん米は新潟、東北から大阪と東京、名古屋に向かいまして、閣僚懇談会でこれが非常な問題になりまして、流通が悪いから値が上がるのだという問題でありますから、特別列車を、臨時列車を出して、それで物の充足をするということになりまして、列車名を申しますと、これは十月の十二日に計画いたしまして、十二月中毎日次のようにいたしております。
 米は、発送地が東北、新潟、北陸で、着地は東京、神奈川、大阪であります。これは列車十本。それから、ミカンは静岡、和歌山、愛媛、九州が発送地で、着地は東京と北海道であります。列車八本であります。リンゴは発送地が青森で、着地は東京、大阪でありまして、列車の数は三本であります。それから鮮魚及び冷凍魚の発送地は北海道、下関、三陸、九州、着地は東京、横浜、名古屋、大阪、二十九本の列車を出しております。野菜は発送地は東北、新潟、中部、九州、北海道、は東京、大阪、横浜でありまして、十三本であります。ただし、野菜については一列車を編成するだけの数が奥まらぬ場合が多いのでありますから、おおむね野菜は混合列車をもって運んでおります。ということで、そのほかに、なお国鉄の貨物輸送の増加に対応いたしまして、通運事業においても大都市を重点といたしまして、次のような対策を講じております。
 一は「地方支店からの応援等による運搬具(トラック)の確保」、東京においては十二月中計画、対前年比8%増になっております。それから二は「地方労働力の動員による臨時労務員の確保」、東京では去年よりも六%増になっております三二は「ホークリフト、パレットの増備による荷役の機械化」同じくそれぞれ一二%増、二四%増になっております。四は「大都市における道路交通の混雑に対処」、「現有能力の高度の活用及び鉄道輸送との連携の強化をはかるため、荷主との協議による休祭日及び早朝夜間作業の促進」、これは前年の一六%増になっております。その他「事業者の共同作業体制強化」、トラックにつきましては、輸送においても、例年十二月は輸送需要が平均の月よりも二〇%多くなるのが例年の例であります。本年の十二月における輸送増は、二万一千七百八十万トンの予定でございますから、前年度の一二%増ですから、普通から見るなら三二%多いということになるのであります。以上のような状況になっております。
#61
○金丸冨夫君 鉄道関係のただいまの御処置よくわかりました。
 問題は実は野菜でございまして、埼玉県の深谷地方は、御案内のようにネギ、それからホウレンウ等の輸送、特に大臣の御出生地の北海道向けの輸送が非常に混乱し、また従来より非常に改悪されているという事実を指摘されたのであります。私もそういうはずはない、こういうことでございますが、お調べを願うわけでございまするが、ただいま、なま野菜等につきましては、特にわれわれの家庭におきましても、切り身で大根を買うとか、ニンジンを買うとかというようなことで、たいへん値上がりと同時に入手困難ということで非常に困難をいたしております。特にネギ、ホウレンソウ等は、組合の話によりますと、浜松以西方面が本年は非常に不作である。したがって自分らのほうから全国に発送せられる状況になっておる。もちろん御指定いただきましたような列車等で輸送する量にはなっておりません。そこに問題があるというわけでございます。貨車の配給の問題、それから特に輸送期間というのが、これは国鉄総裁のほうにもお伺いしたいと思うのですが、これが十月一日のダイヤ改正によりまして、従来北海道まで四日間で着いておったものが、これが五日になった。これは全く改悪で、佐藤総理の言うことと全く反対じゃないかということで、手きびしく私もやられたわけでありますが、これは理由があると思いますけれども、年末対策として、国鉄はさらにこういう問題につきましては、いわゆる年末輸送対策で相当にいろいろと御準備願っておるはずでございます。そういうことであれば、かような事態は起こらないのではないかというような気がいたすわけでありまして、この点につきまして、ぜひともひとつ国鉄の方々の御答弁をいただくわけでありまするが、大臣もひとつ御留意願いまして、新内閣がうそを言わないというようなことで、ぜひひとつまた御指示、御監督を願いたい、かように存ずる次第でございます。
#62
○国務大臣(松浦周太郎君) 北海道のなま野菜が非常に欠乏して、おりますことは、御存じのようにタマネギは北海道が産地であり、それからジャガイモも北海道が産地である。内地へ送ってくることのほうが従来は多かったのです。今年も内地に送ってはきておるのですけれども、例のちょうど成熟する時分に大霜が降りまして、非常に不作なんです。だから、従来よりも埼玉県地方からネギなんぞの移入を相当しなければならぬ。いままでこっちへ送ってきたものが、今度こっちから向こうに送ってやらなければならぬ。逆輸送になってまいりまして、そういうところに非常に難点がありますが、これはひとつ……。
#63
○説明員(石田礼助君) 私のほうで説明します。
#64
○金丸冨夫君 国鉄総裁にお伺いいたしますが、ただいま申し上げましたように、この野菜関係につきましては、十分の、ただ単に価格の問題というだけでなく、生活上非常な脅威になっておるのでありまして、新内閣の方針いかんにかかわらず、従来特に年末輸送対策としては特別な方策を御実施になるということが慣例になっておるわけでございます。ただ、深谷地区のいわゆる出荷組合の方々の御意見でありまするから、私きのうでありまするので、数字はまだ調べておりませんので、これはあるいはそういうことではないということに相なるかもしれません。そうなればけっこうでありまするが、まず第一点は、十月一日よりのダイヤ改正によって、この地方から出ますいわゆる北海道向けの輸送が、四日で済んでおったものが今度は五日になる、これは非常に品質の新鮮を維持する意味においても、あるいはまた需要に早く応ずるというようなことの意味においても、非常に困難をしておるから、ひとつ何とかならないかというような実は話があったのでございます。この点はいかがでございましょうか。
#65
○説明員(豊原廉次郎君) ただいま御指摘の深谷を中心といたします地区からの北海道への野菜の輸送が、十月一日から約一日おくれるダイヤになったということは事実でございます。それで、これには途中の線路容量の関係、継走をとります操車場の作業の関係等もございまして、いろいろ研究をいたしましたが、現在まではそういう状態になっておりますので、その点につきましては、御指摘のような非常に大きな問題がございますので、ぜひ改善するようにただいま検討をしておるところでございます。
#66
○金丸冨夫君 これは輸送関係において従来からやっておるいわゆる輸送の経験者でなければ、勢いしろうと式な見方ということにもなりましょうけれども、組合の方々の言うことは、東北線の電化も行なわれ、あるいは複線関係の問題もだいぶんと進んでいるのじゃないか、また青函間の輸送についても、最近連絡船の増船も行なっておる。また、本年は反対に、なるほど数量目標として御用意の点はけっこうでありまするが、輸送関係の実情からいうと、そうたいへん貨物のほうは数量が上がっておるものでもないように思われる。こういう時期にあって、こういうぐあいに困っておる、いわゆる野菜の、不作という事態に対処して、輸送するものについては特別のひとつ配慮を願ってしかるべきじゃないか。にもかかわらず、従来やっておったよりもなお悪くなるというようなことは、ぜひ御当局にひとつ御再考を願って、こういう時期であるから、また新内閣の方針としての物価の抑制というような意味においても、これはぜひやってもらいたい。特に、これは総裁に言にくい話でございまするが、どうも鉄道は最近、いや物見遊山、スキー、それから温泉と、レジャー・ブームに乗っかって、結局そのほうがもうかるから、貨物のほうはどうも粗略にして、貨車の配給にしても、あるいはこういう列車ダイヤにしても、てんと顧みずにやっておるということがあるのじゃないか。もしありとすれば、ひとつこの際総裁にぜひ御考慮願って、そういう点の重要性を認識せられた観点に立って輸送関係のひとつ御督励が願いたい、かようなわけでございます。研究をしていただくのはけっこうでございますが、どうか一日も早く、これがやはり従来よりよくなるというならいいですけれども、悪くなるようなことは、ひとつ新総裁、名総裁の名にもかかわることであり、ぜひひとつ修正していただければ、相当数が向こうにまいっておるわけでございますので、お願い申し上げたい、かように思います。
#67
○説明員(石田礼助君) 実はこの問題につきましては、運賃値上げということで一番これに反対しているのは企画庁なんです。フレート・アップ即物価アップ、そんなことはさらない。簡単明瞭過ぎるのです。物価というのは、要するに物資の需要供給におけるバランス、これが一番大きな問題なんだということで、われわれはいま第三計画を立てるにつきまして、運賃値上げということが非常に大きな問題になっておる。とにかく物資の快速な流通、そうして順達な輸送ということが、これは物価の上に及ぼす影響は非常に大きい。こういう私は考から、約十日ばかり前に営業局長を私の部屋へ呼びまして、一番大きな問題は要するに食料品の問題なんでございまして、これに対しては営業局長に特に配意して列車をふやしたらいいだろう、実はこの話を聞いて驚いた次第でございます。この点はいま御意見もありましたので、さらにひとつ意を体して御希望に沿うようにいたしたいと思います。
#68
○金丸冨夫君 それでいま御決意をいただきまして、まことに出荷組合方面も非常に満足せられると思いますから、一日も早くこれをひとつお願い申し上げたいと思います。なお、ただいまのお考えの点は、昨晩の佐藤、堀田さんですかのお話にもありましたように、料金値上げ必ずしも物価の値上げではないのだということは、われわれもしごく同感でございます。どうかひとつやはりサービスを、ことにこういうものの速達といい、低廉できればなおさらでありますが、今日はスピードというのが価格決定に大きい影響がございますので、こういう点に着眼されまして、国鉄の運営にもどうぞそういうぐあいにお願い申し上げたいと思います。
 それからこれは局長にお尋ねして差しつかえないわけでありまするが、貨車配給が非常にいかないということをしつこく言っております。私その現地を見てくれというので見ましたが、ホウレンソウに氷を入れてやっているわけであります、品質を落とさないように。われわれは氷を入れるのは鮮魚ぐらいと思っておりましたが、それをなま野菜に入れてやっておるのはよくよくのことである。その上野菜に対する貨車の配給が非常に悪いが、ほかの物資についてはどんどん配給されるというようなことは、何とか優先配給の措置はとれないものかと思います。かような点どういうふうになっておりますか。
 それから青函間の関係で発送停止がいつも長過ぎるというのです。まあ受けるほうですから、そういう気持ちになりましょうが、こういう場合に、私考えますに、やはり北海道というような、ああいうことに冷害によって野菜が非常に欠乏いたしているようなところの輸送については、一列車専用列車でなくても、ダイヤを少し手入れをするとか、あるいは発送停止をこういうものだけをはずせば、少なくとも途中まで行っているわけであります。しけ等によって運航ができないときに渡せといっても、何ぼ野菜でもできませんが、しかし、それが開通すれば、やはりすぐ乗っかっていくようなお手配は今日の国鉄は決してできないことはないとわれわれは確信しておりますので、どうかひとつこういう点の事情、特に十日間以上も停止で全くものはしなびてしまうし、非常に困っている。貨車の配給はない。貨車にいたしましても、昨年も相当新造した次第でありますから、今日の貨車はそう不足だということは、国鉄のいわゆる貨車運用についても再検討を要することじゃないかと私は考えております。その点をひとつどうぞ。
#69
○説明員(石田礼助君) 金丸さんに申し上げますが、北海道といえば、喫するに東北線ということになるのですが、東北線は御承知のとおり、盛岡から青森までというのは明治三十八年に日本鉄道から買収したそのままの状態になっている。ちっとも輸送力はふえていない。しかも、旅客というものは年々歳々これは六%か七%ふえる。こういうふうにつまりそのお客を輸送しなければならぬ。要するにわれわれから言えば、両方立てれば身は立たず、一つしかない。輸送力というのは非常に限定されている。何ら余裕がない、弾力性がない。弾力性がないからしてほんとうの輸送機関としての任務は尽くせないというのが今日のつまり国鉄の状態です。これは根本問題です。これはそこに第三計画というものをひとつつくって、都市近郊の通勤、通学の問題とともにこういう点の輸送を増強しよう、こういうふうになっているわけでありまして、これは私からあなたにもお願いするのですが、第三計画の問題について絶大の御後援をお願いしたいと、こういうことであります。
#70
○金丸冨夫君 その点も基本問題としては十分わかっております。われわれも東北線自体が困っているということはわかっておりますが、先ほどその組合の方が私に言いましたような、いわゆる客と貨物という問題に対して、そういう貨物の出荷組合等はやはりそういう気持ちを持っておりますので、言いかえれば、客の問題につきましては、害は文句なしにダイヤに入れる、残ったところでちょいちょい拾って貨物列車を入れるというのが、背は、われわれの時代にはよく見たわけでありまするが、今日におきましては、やはりある程度のこういう主要輸送、今度の米のピストン輸送というような問題は、おそらくまず貨物列車をまっ先に入れるというような英断でおやりのことと思いますが、組合員の要望は、できるだけひとつ速達の方法を考えていただくということにお願いしたいというのが請願の、要旨でございます。私もこれを承りましたので、この点を実は御質問申し上げたのであります。
 貨車配給の問題はいかがでしょう。
#71
○説明員(豊原廉次郎君) 御指摘の、生鮮食料品の特に年末の輸送につきましては、国鉄、農林省が中心になりまして、荷主の皆様方とも御相談をし、御協力を得まして、でき得る限りの手を打ったつもりでございます。で、青函間の欠航ということがございまして、航路が、十二月の上旬に非常にしけが多かったものでございますから、そこで貨車が向こうへ渡らないということが生じましたために、十二月の上旬にこの方面行きの貨車を抑制せざるを得なかったわけでございまして、そこで御指摘のような事態が生じたわけでございます。で、一般的に申しますと、もちろん国鉄の輸送力のまずそのものが足りませんものでございますから、御承知のいまの繁忙期になりますと、毎年いろいろな貨車不足の問題が起こるわけでございますが、このいま御指摘の問題につきましては、全く青函航路の欠航ということから生じました事態でございまして、その他の、全国的に見まして、生鮮食料品の輸送については、まず御要請に応じた輸送力が確保されておるのが実情でございます。
 また、先ほど御指摘のありましたホウレンソウに氷を入れるというような事態は、これは本来は、いい貨車で、もっと早い輸送ができますれば、そういう事態はなくなるべきものではございませんけれども、一般に三日ないし、普通にいきましても、先ほど御指摘のように四日ばかりかかるわけでございますから、そういう際には、鮮度を保持するために荷主さんのほうで氷をお使いになるということは、これは従来もあったわけでございますが、いまのように欠航がございますので、特にそういう事態が長い期間にわたって生じたのではないかと思っております。で、この十日間たまりました野菜の輸送につきましては、実は十二月中に問題の深谷付近から北海道へ輸送される数量は三百三十車、約二千五百トンという御要請があるわけでございますが、上旬中はいま申し上げましたような連絡船の欠航のために発送が相当遅延いたしておりますが、残りは二十五日ごろまでに完全に輸送する手配をただいま講じておるわけでございます。
#72
○金丸冨夫君 ただいま総裁並びに局長より詳しい御説明をいただきましたが、どうぞひとつ、かような問題特に生鮮食料品の輸送については、年末輸送対策としても万全を期していただきますることをお願いいたしまして、私質問を終わります。
#73
○委員長(野上進君) 本件に関する調査は、本日はこの程度とし、次回は十二月十五日午後一時に開会することとして、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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