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1964/11/25 第47回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第047回国会 本会議 第5号
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1964/11/25 第47回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第047回国会 本会議 第5号

#1
第047回国会 本会議 第5号
昭和三十九年十一月二十五日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第五号
  昭和三十九年十一月二十五日
    午後二時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑
                (前会の続)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国務大臣の演説に対する質疑
                (前会の続)
    午後二時十分開議
#2
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑
                 (前会の続)
#3
○議長(船田中君) これより国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。湯山勇君。
  〔湯山勇君登壇〕
#4
○湯山勇君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昨日のわが党の代表質問に続いて総理に御質問を申し上げたいと存じます。(拍手)特に総理大臣には、十二点の御質問をいたしますから、答弁漏れのないようにあらかじめ申し上げておきます。
 質問の第一は、物価問題に対する総理の御決意を知る上で最も具体的であり、国民の最も関心の深い消費者米価についてであります。
 十一月九日、佐藤総理大臣が御就任になられたその日、政府は来年一月一日から消費者米価を一四・八%引き上げることを決定いたしました。これは国民の声を無視し、諸物価の値上がりムードを無視し、昨日成田書記長が指摘されたとおり、その手続も無責任きわまるものでありまして、全く暴挙といわざるを得ないのであります。(拍手)消費者米価の諮問を受けた米価審議会が、反対、賛成の二本立ての答申を行なったのは九日の十時十分ころでございました。その日は九時半から池田内閣最後の閣議が開かれ、審議会の答申が出たときには、すでに総辞職を決定して、閣議は散会をいたしておりました。ところが、そのあと、政府は持ち回り閣議で消費者米価の値上げを決定してしまったのであります。単なる形式的な問題ならばともかく、米審でも意見が一致しなかったようなむずかしい、しかも国民生活に重大な影響のあるこの問題を、閣議で正規の討議も行なわず、辞表を出した閣僚が持ち回り閣議で電光石火の間にきめてしまったのであります。まことに無責任、非民主的でありまして、暴挙といわれても弁解の余地はないと思うのであります。(拍手)佐藤総理はこの事実を御存じであるかどうか、このようなやり方をよしとされるかどうか、これで国民の納得が得られるとお考えかどうか、総理の国政に当たるお心がまえを具体的に知る好個の実例と存じますので、明確な御答弁をいただきたいと存じます。(拍手)
 昨日、総理は物価抑制に真剣に取り組んでいると御答弁になられましたが、公共料金の値上げ禁止の期限の切れる一月一日を待ちかねたように、政府みずから自由にきめられる消費者米価をまず引き上げておいて、はたして他の公共料金を押えることができるでしょうか。政府みずから範を示してこそ説得もでき、国民の協力も得られるのであります。自分だけあたたかい部屋に入って、おまえたちは外の寒い風の中でしんぼうしておれ、これではどんなに物価抑制対策を真剣におやりになっても、効果があがるはずはございません。すでにその破綻は次々出てまいっておるのであります。これを無理に権力で押えれば、政治不信を招くことは必至であります。このようなやり方ではたして物価抑制について佐藤総理は確信をお持ちであるかどうか、承りたいのであります。
 政府の説明によりますと、今回の消費者米価の値上げは、四・二人の平均世帯で一カ月三百八円であって、消費支出は〇・七%にしかならない、したがって家計にはほとんど響かないとしておりますが、これは五等米、等外米、外米等、安いが、質の悪い徳用米を一割程度食べることを前提といたしております。普通米だけ食べるとすれば、値上がりが一六・二%、政府の資料によって計算いたしましても、一カ月で四百六十円余りの値上げになります。消費支出は一%以上ふえることになります。値上がりムードの中で、物価の中心になる米代が上がれば、他の食料品はじめ諸物価が上がることは、経済企画庁長官も認めておられるとおりであります。理論的に、エンゲル係数を四〇と見れば、四百六十円の米価の値上がりは、それだけで家計に千百五十円以上の圧迫となります。そうして、そのしわ寄せを最も大きく受けるのは家庭の主婦であります。
 佐藤総理は、初の記者会見において、台所が脅かされてはほんとうの政治ではない、消費者物価は上げないようにする必要がある、ここに人間尊重の精神の大切さがあると言っておられます。まことにりっぱなおことばであります。その佐藤総理は、今回の米価の値上げが台所を脅かすことは絶対にないとお考えになっておられるかどうか、率直な御答弁をいただきたいのであります。(拍手)
 徳用米と申しますのは、平たく言えばくず米と外米であります。国が配給する国民の主食にこのような差別をつけることは、総理の人間尊重の精神とは相いれないことではないでしょうか。池田前総理の、貧乏人は麦をというような政策はぜひ受け継がないようにしていただきたいのであります。(拍手)
 この徳用米について特に指摘しておきたいことは、現在の生活保護費は、一部徳用米を食べなければならないように計算されております。生活保護だからといって、悪い米を食べるのが当然だ、こういうようなやり方がはたしてほんとうの社会保障でございましょうか。今回の補正予算では、これがどうなっておるか、厚生大臣から御答弁をいただきたいのであります。総理からは、この徳用米廃止についてのお考えと、同時にこの際、人間尊重の社会保障はいかにあるべきかについて明らかにしていただきたいのであります。
 そもそも、今回の消費者米価引き上げの最大の理由は、食管会計千九百億円余の赤字、生産者米価と消費者米価の逆ざやでありました。しかし、一体この赤字なり逆ざやなりが生じたのはだれの責任でございましょう。食管法の精神に基づいて、生産者米価は生産費と所得を補償する方式によって計算されております。そのうちの生産費は生産に要した元手でありますから、農民の手元には残らず、ほとんどが右から左に支払われる金であります。この生産費が少なくなれば、農家の家計に影響を与えないで生産者米価は自然に下がる仕組みになっております。わが党がかねてから申しておりますように、土地改良その他基盤整備に要する費用は国が持つ、自立農家の育成が政府の方針であれば、その農家の固定資産税を免除する、肥料、農薬等の値下げをする等々、その他生産費を引き下げる方法はいろいろあるはずであります。そのような努力をしないでおいて、安易に生産者米価の上がった分を消費者に転嫁してつじつまを合わせるというのでは、あまりにも無為無策であります。一体、農政はどこにありやと申したいのであります。(拍手)
 食管の赤字、逆ざやの現象は、明らかに政治の責任であり、政府の責任であります。このような農政の貧困から、農業基本法が制定されてすでに四年になりますが、総理が御所信で述べられた近代化も構造改善も遅々として進んでおりません。他産業との格差はますます拡大し、農業と農村の危機はますます深刻になっております。この現実に対処する佐藤総理の、佐藤農政の具体的な構想をこの際お示しを願いたいのであります。
 なお、農林大臣は、生産者米価と消費者米価とのスライド制ということをしばしば発表しておられますが、本来、食管法によって、生産者米価は再生産を確保することを旨とし、消費者米価は家計の安定を旨としてきめることになっておりまして、全くこれは別のたてまえになっております。この両者を関連させてスライドさせるということは、食管法の精神に反することになりますし、かりにスライド制をとったとしても、いまの農政のあり方では、ただ逆ざやになる時期がどれだけか先に延びるだけのことであって、決して根本的な解決にはなりません。のみならず、今回のように生産者米価の引き上げが直ちに消費者にはね返るような措置をとったのでは、消費者が生産者米価を牽制するようになり、やがて国内で生産者と消費者の対立を招くようなことになれば、ただに食糧の問題にとどまらず、国民の大きな不幸ともなりかねないのであります。この点から農林大臣にスライド制についての御見解を伺いたいのであります。
 政権交代のどさくさにまぎれて値上げは決定されましたが、まだ実施の告示はなされていないということであります。いまからでも決しておそくはありません。この際、佐藤総理は、池田内閣最後の最大のひずみを是正し、米価値上げの暗いお年玉を新総理の明るいお年玉にかえるために、勇断をもってこの値上げを中止する御意思はないかどうか。少なくとも新内閣によって再検討する御意思があるかどうか。総理の、国民とともにある立場からの御答弁を願いたいのであります。(拍手)
 次に、災害対策についてお尋ねいたします。
 最初に、総理のお考えになっておられる社会開発という構想の中で、災害対策がどのように位置づけられ、どのように進められるか、その原則論的な御説明をお願いいたしたいのであります。
 本年は特に、長雨、地震、豪雨、台風、冷害と、災害が相次いで起こりました。わが党は早くから、災害対策をすみやかに実施するために臨時国会を要求していたのでありますが、災害からニカ月以上経過した今日、ようやく補正予算が提出され、本格的な対策が講ぜられるということになったのであります。対策がおくれたために被害を一そう深刻にした事例もありますし、北日本ではすでに雪の季節になっております。災害対策がはたしてこれで効果的に行なわれるかどうか、はなはだ疑問でありまして、われわれのきわめて遺憾とするところであります。災害対策は時期を失せずすみやかに実施することが大切でありますが、九月の北海道の冷害に天災融資法、激甚災法の適用されたのは十一月九日であります。台風二十号に適用されたのは十一月十九日であります。八月の東北地方の災害についてはまだ適用が決定いたしておりません。政府は早くから、これらの災害については天災、激甚、両法が適用される見込みであるということを言明しておりましたにもかかわらず、被害額集計の万全を期するという口実のもとにこれを遅延させてきたのであります。一体、適期に適切な対策を実施することと、被害額集計の万全を期することとは、いずれが大切であるとお考えになっておられるのでしょうか。ことに北海道の冷害については、事務当局、政務次官、さらに松浦国務大臣、増原長官、赤城農林大臣の三大臣も現地に調査に行っておられるのであります。責任の持てる大臣が三人も行かれたのでありますから、現地で即刻必要な措置がとられてしかるべきであります。にもかかわらず、事務的な集計を待ってでなければ方針が決定しないということでは、せっかくの現地視察の意義も失われ、みずからの職責を果たしたことにもならないと思うのであります。政府の説明によりますと、先進国では末端の職員が自分の責任で処理し、農業災害等では被災者にすぐ小切手を支払っている例もあるということであります。災害対策はここまで進まなければなりません。そのためには、政府の災害に取り組む心がまえと、その体制を根本的に再検討する必要があると思います。総理にその御決意があるかどうか、お伺いいたしたいのであります。(拍手)
 なお、被害調査についてでありますが、地元からの被害報告は、いずれの場合でも非常に早く行なわれておるにもかかわらず、国はそれとは別に、長い期間をかけてこれを調査することになっております。これでは調査が重複し、時間、労力、費用のむだも決して少なくありません。つなぎ融資ということも本格的な対策にはならず、やはり手数が二度かかることになるのであります。政府が自治体の調査に信がおけないということであれば、自治体側もまた政府の言うとおりにしていてはほんとうの復旧ができない、こう申すでありましょう。相互に信頼し合わなければ、対策の万全を期することはできません。自治体は適切な調査方法を十分指導するなり、効果的な共同調査をくふうするなり、何らかの方法によって、いまの非能率的な調査を改めなければならないと考えますが、関係の深い建設、農林、自治大臣のお考えを伺いたいのであります。
 災害対策がおくれるいま一つの原因は、予算のあり方にあります。災害の多い国でありながら、少し大きい災害があれば補正予算を組まなければどうにもならないということは、予算が弾力性を欠いておるからであります。余ればいかようにも使えるのでありますから、予算編成にあたって、予備費を大幅に増額し、災害に備えるベきであると思いますが、大蔵大臣の御所見を伺いたいと存じます。
 災害について特に申し上げたい点は、災害の陳情であります。みずからの災害を顧みるいとまもなく、写真や資料を携えて全国各地から次々陳情団が上京してくることは、総理もよく御存じのとおりであります。その労力、時間、費用はばく大なものになると思われます。しかし、いまのように災害対策がおくれる上に、その対策が不備で、災害のつど特例法をつくらなければならない状態では、陳情のために上京せざるを得ないのでありまして、陳情が多いということは、裏返せば災害対策に欠陥が多いということになるのであります。
 その中でも特におくれておるのは農業災害であります。現行の天災融資法は年利六分五厘、自創資金も五分の利息で貸し付けられることになっております。普通の農家でも三分五厘の長期融資がなされておる今日、災害農家に六分五厘とか五分とかの資金を貸し付けて、それで災害から立ち上がれといっても、どうにもならないのがいまの実情でございます。(拍手)それどころか、逆にその借り入れ金が手かせ足かせになって罹災農家を苦しませておる例も決して少なくございません。
 北海道では稲作の被害が多かったことから、寒い北海道で無理に稲をつくったことは誤りであったとか、その他無責任な放言が政府の一部においても行なわれておるようでございます。一体いまの乳価で酪農がやっていけるでしょうか。奨励したビートは一体どうなっておりましょう。大豆、バレイショ等々、一つとして安心のできるものはありません。その中にあって、比較的安心のできる稲作に万難を排し、苦心をして今日までの開発をしてきたのであります。この点から見れば、北海道の冷害は気象の冷害であるとともに、農民に冷たい政治の冷害とも言えるのであります。(拍手)
 農林大臣は、これらの実情にかんがみ、災害の融資制度その他につき、法改正の御用意がおありになれば、それを明らかにしていただきたいと存じます。
 なお、懸案の畑作共済制度、果樹共済制度についても、今後の見通しを伺いたいのであります。
 次に、国の公共事業に対する予算措置はなされておりますが、県、市町村等の単独災については独自の財源もなく、地方債のワクのゆとりもないために復旧が進捗せず、国の復旧とのアンバランスを生じ、それがまた次の災害の誘因となりかねないという状態でございます。また、国の直轄工事に対する地方の分担金が負担できないため、工事に支障を来たしている例もあるということでありますが、これらの財源措置は十分できているかどうか、建設、自治両大臣からお答えをいただきたいのであります。
 なお、個人の災害で、現行法では救援できないため、生業を失い、財産を失い、負債に苦しみ、ついに落後していく、そういう例も決して少なくないのであります。わが党が提唱しているような総合的な被災者援護法のような法律をつくる必要があると思いますが、厚生大臣、農林大臣、大蔵大臣からお考えを承りたいと存じます。
 以上の観点から、佐藤総理に、一日も早く陳情をしなくてもよいような災害対策の樹立を切に望みたいのでございますが、総理の御所信を伺いたいと思うのであります。(拍手)
 次に、公務員給与についてお尋ねいたします。
 八月十二日、人事院は、特にすみやかに適切な措置をとるよう切望して、給与の勧告をいたしました。大蔵大臣は、さきの財政演説において、人事院勧告を尊重するたてまえから、例年よりも一カ月繰り上げて、本年は九月から実施することにしたと述べておりますが、これは過去四年間連続して五月実施の勧告を機械的に十月から実施してきた政府が、いかに人事院勧告を尊重しなかったかの証言になっておるのであります。本年の場合は、過去の不誠意なやり方に対する公務員の不満の累積と物価政策の破綻から、やむを得ずやらざるを得なくなったのでありまして、決してより尊重したことにはなっていないのであります。九月から実施されましても、勧告に比べますと五、六、七、八の四カ月が切り捨てになっております。毎年給与の勧告がなされなければならない現状にあっては、勧告どおりの給与が支給されるのは一年十二カ月のうちの八カ月であって、三分の二だけ実施されたことになります。その上に消費者米価が約四百六十円値上がりすれば、月二千七百九十八円の引き上げ額は二千三百三十円程度に下がります。総理が記者会見のとき、君たちの税金が一番重いとおっしゃったその所得税が仮借なく源泉徴収されておりますし、その所得税に伴ってふえる地方税、こう見てまいりますと、結局給与の実質引き上げ額は人事院勧告の半分程度になってしまいます。公務員の労働者としての権利を制限した代償が人事院の勧告制度であります。その勧告が半分程度しか実施されないとあれば、公務員の労働者としての権利を制限しておるその制限が不当であるといわなければならないと思います。
 総理は政治の調和ということを申しておられますが、これで調和がとれているとお考えかどうか、人間尊重もことばだけになるのではないでしょうか。さきに公労協に対して、池田総理みずから乗り出して総評の太田議長に会い、緊迫した事態を解消し、仲裁裁定を完全に実施したことは総理も御存じのとおりであります。特に近くILO調査団も来ることになっております。勧告の完全実施は、財政やあるいは勧告の時期の問題ではありません、政府の誠意の問題であります。この際政府は、将来によき慣例をつくり、国際信用を高める意味から、勧告のとおり五月にさかのぼって実施すべきであると思いますが、その御意思はございませんか。(拍手)これがあたりまえだとはお考えになっておられないと思いますが、将来はどのような方針で臨まれるか、お伺いいたしたいのであります。
 次に、地方公務員についてでございますが、国家公務員に準じて行なわれることになっている給与改定の財源が、今回は地方財源が特に弾力性を失っているため、きわめて欠乏いたしております。今回の補正予算でも地方公務員の給与改善の財源措置が行なわれておりますが、その額の決定にあたって大蔵省と自治省の意見が対立し、最後まで難航したことは周知の事実であります。自治省の見解ではなお三十億円ばかり不足するということでありますが、自治大臣はこの不足額をどうするお考えでしょうか。これで地方公務員全員の給与改定が責任をもって行なわれるとお考えかどうか、お伺いいたしたいのであります。
 なお、今回補正の財源約百五十億円は、地方交付税及び譲与税特別会計に一括借り入れをするという異例の措置がとられております。その償還はどのようにしてなされるのか。また、この借り入れ措置は、交付税の先食いともとれるのでありますが、来年度交付税率を引き上げるつもりかどうか。さらに、財源が不十分なために、そのしわ寄せで自治体の公共事業や福祉行政が圧迫されるおそれはないか。大蔵大臣、自治大臣から御答弁を願いたいのであります。
 最後に、教育と青年の問題についてお尋ねいたします。
 今回の補正予算に義務教育費国庫負担の精算分が計上されておりますが、さきの特別国会においていわゆる定数法が成立いたします際に、教職員の給与に対する国の負担の限度をきめるいわゆる限度政令は当分定めないということを、政府も加わって、各党間で申し合わせをいたしておりました。ところが、政府は、この公約を無視して、先般閉会中に独断で限度政令をきめてしまったのであります。これは明らかに公約違反であり、議会軽視であり、背信行為であります。文部大臣はさきの経緯を知っておられたのでしょうか。定数法は、五年間で一学級の編制を四十五名以下にする等、教育の定数をふやすことを内容とするものでありまして、もし限度政令を上回っているところがあるとすれば、これは、さきの公約を信頼し、法律の基準に少しでも早く到達しようと努力している府県でありまして、むしろ文部大臣からは感謝されてしかるべきものであります。にもかかわらず、これを財政的に苦しめるようなやり方は、決してよいやり方ではございません。教育を尊重する道でもないと思うのであります。すみやかに文部大臣の御善処を求めるものでありますが、大臣の御所存を伺いたいのであります。
 佐藤総理に申し上げたいことは、今日、日本のまじめな有為な青年たちが、政府によって大きな不幸に追い込まれているという事実であります。昨日成田書記長からこれについて御質問がありましたから、私は全然別の観点からこの問題を取り上げたいと思います。
 原子力潜水艦寄港に反対のデモをやっているのも日本の青年であり、命令されて警棒をふるってこれに向かっているのもまた同じ日本の青年であります。専門の学者も不安がっており、国民にはもちろん十分な納得を得ないまま、一方的に政府が原子力潜水艦の寄港を認めさえしなかったならば、この青年たちが互いに対立し敵視し合って、流血の惨事を繰り返すようなことはなかったはずであります。(拍手)昨日総理はルールということを言われましたが、デモについてそれを言われるならば、同じように警棒を振りかぶって襲いかかることにもルールを言わなければなりますまい。問題はそういう問題ではなくて、もっと根本的なものであります。青少年に呼びかける総理が、青年たちにどれだけ愛情を持ち、どれだけほんとうに青年を理解しているかであります。総理は、さきに記者会見において、郷土の毛利元就の故事をお引きになりましたが、総理に申し上げたいことは、同じ郷土の先覚で明治維新の創業に、さらにその後のわが国の発展に偉大な貢献をした幾多の人材を育て上げた吉田松陰のことを、この際特に思い起こしていただきたいのであります。(拍手)時代は移り、社会は大きく変化いたしておりますけれども、愛国心を言われる総理が思いをここにいたされたならば、対立を越えた青年への理解と愛情がそこから生まれてくるはずでありまして、青年たちのために総理のとるべき道もおのずから明らかになってくることと信じて疑いません。総理の御所信をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
#5
○国務大臣(佐藤榮作君) 消費者米価について、これだけの重大なものの決定のしかたがルーズではなかったかということですが、池田内閣時代からこの問題と真剣に取り組んでおりました。そうして、消費者米価を決定するということはまことに重大な意義のあるものである、そこで、すでに御指摘になりましたように、米価審議会にもこれをかけて、この取り扱い方を十分検討したわけであります。ときたまたま総辞職の際でありまして、その手続上まことに遺憾であったように見受けるのであります。もちろん、この種の問題はできるだけ早期にきめたいという気持ちもあろうと思いますが、怱々の間にきめたというような印象を国民に与えたことは、まことに残念でなりません。そういう意味で、この内容等につきましても十分に調査いたしまして、少なくともモチ米はお正月においても在来同様にその価格を一定すべきではないだろうか、とどめるべきではないだろうか、こういうことで緊急措置もとったような次第であります。公共料金のストップを解除する、その時期をねらったのではないか、こういうことを御指摘でございますが、さようなつもりは毛頭ございません。御承知のように、生産者米価は、三十八年、また本年度と、次々に上がっております。今回上げましたものは、必ずしも生産者米価の引き上げに相応するというような大きな金額ではございません。私ども政府といたしましては、生産者米価も引き上げるが、同時に、消費者の家庭の安定、生活の安定をそこなうことのないように十分の留意を払ったわけであります。そうして、先ほど来御指摘のように、生計費としてはまず一%程度のものになるだろうというようなことで、あまり影響はない、かような見方をしたのであります。ただ、皆さまも御承知のように、日本国民は米食の民族であります。したがいまして、米の値段が上がったということは、他の方面にもいろいろの影響を与えるだろう。これは御指摘のとおりであります。私は、そういう意味合いにおいて、この点はなかなかむずかしい問題だと思いますが、ただいま申し上げるように、生計費そのものに及ぼす影響は比較的少ないのでありますから、どうかそういう意味でこの問題の御理解をいただきたいと思います。
 次に、台所の対策について、この徳用米という制度は、人格尊重の点から、はたして適当なりやいなやというお話がございますが、徳用米は、一部においてはこれが喜ばれておる向きもありますので、この制度は続けてまいるつもりでございます。
 生鮮食料品対策等については、過去におきまして生鮮食料品流通改善対策要綱なるものができておりまして、すでに政府の方針はきまっております。その方向において強力に推進してまいって家庭を守る、この政府の態度をはっきりさせたいと思っております。
 徳用米の制度が、人間尊重の意味から社会保障との関係にどういうように考えるのだ、こういうおしかりでございますが、私は、この徳用米制度は制度として残しておきますが、人間尊重は私どもの政治の基本でありますので、あらゆる機会におきまして、人間尊重の社会保障の制度を内容を充実してまいるつもりでございます。これは現在の若い者に対しても、また老後の安定した生活につきましても、中高年齢層の人たちに対しましても、また身体障害者の方々に対しても、この近代国家の社会保障が十分その恩恵を発揮するようにいたしたいものだ、かように考えておりますが、財源とのにらみ合わせによりまして、その緊急あるいは速度の問題はそれぞれあろうかと思います。これまた御理解をいただきたいのであります。
 次に、消費者米価の問題。消費者米価を上げざるを得なくなったことは農政の失敗ではないか、かように言われるのであります。確かに、農業問題といたしましては、農業基本法をつくっておりますように、まだまだいろいろの問題が残っております。これからが大事な段階だと思います。ことに、経済が非常な成長を来たした今日、これに対応するような仕組みになっておらない、この点はまことに残念であります。したがいまして、一そう農政について力を入れますことは当然でありますが、この生産費の引き下げにつきましても、大いに私どもはこれを努力してまいるつもりであります。また、農家収入を確保する、こういう意味におきまして、いわゆる社会計画事業も進めてまいりたいと思います。専業農家をつくると同時に、片一方において農家収支の確保、増大をはかっていく、かような考え方でございます。
 消費者米価の引き上げはこの際勇断をもってやめないかということでございますが、これはやめる考えはございません。
 次に、災害対策でございますが、災害対策は、国土保全の意味合いにおきまして、これは大事な仕事であります。私どもは、積極的に国土を整備する、そうして社会開発をまじめに取り上げていくと申しておりますが、その前に、やはり災害に対しましては、これはできるだけ財政上の予算もつけて、そうして協力を得てりっぱな復旧工事をしなければならないと思います。今日まで、御指摘になりましたように、災害はいかにもその対策がおそい、あるいは時期を失するとか、また予算に弾力性がないとか、かような非難もございますが、ことに今回のような冷害あるいは霜害、この種のものは、その害が発生しました後に相当の変化も来たしやすいのでありますので、一がいに水害の処置のような迅速な処置はなかなかできないのであります。こういう意味で、あるいは一部の御理解を得なかったかと思いますが、今後は一そう災害の復旧、また、それの対策、これにつきましては早期に決断をもってやっていきたい、かように考えております。したがって、今後は、災害の陳情などはあまりなさらなくて、そうして政府の機関がそれぞれ地方にもあることでありますので、全部を動員してりっぱにやっていくようにしたいのであります。
 次に、人事院勧告の問題でありますが、この五月からというのが九月になったからといってあまりいばるなということですが、しかし、今回、今日の経済状態、また今日の財政事情等からして、よく九月に上げた、かような御理解もいただきたいのであります。(拍手)私は、そういう意味で人事院勧告をよく忠実に守りつつある、かように思います。
 その次に、原潜問題に関連しまして、教育についての所信を聞かれました。私は、今回の事態でトラブルのありましたことはまことに遺憾に思います。ただいま仰せのごとく、流血の惨事を見たこと、しかもそれは双方においてよくルールを守れとおっしゃること、これもよくわかることでございます。どうか双方においてルールを守って、そうしてこの種の事態が起こらないようにしたいものだと思います。今回のこの事故は、特定の学生諸君の行き過ぎでありまして、世論の支持を得ておるものではないと私は確信をいたしております。(拍手)
 青少年対策につきまして最後にお尋ねがありました。吉田松陰先生を見習え、吉田松陰先生を見習ってそうしてさらに力をいたせ、まことに私もありがたいお気持ち、同時にまた、そういう考えがあってほしい、かように思っていたところであります。私の所信表明でこの点は明らかにいたしておりますとおり、どうか青少年諸君、正しい理解を持って、その運命を開拓させることは、青少年各自のもとよりやることでございますが、国家社会のためにもこれは必要なことだ、かように思います。希望と夢を与えてやりたいものだと思います。(拍手)
  〔国務大臣赤城宗徳君登壇〕
#6
○国務大臣(赤城宗徳君) 生産者米価と消費者米価と価格をスライドして決定するということはけしからぬではないかというような意味の質問だったと思います。私は、生産者米価と消費者米価の価格決定につきまして、その関連性というものはあってしかるべきだ、もちろん、自由価格におきましては、コストを勘案することは当然でございますが、統制価格におきましても、需給価格で決定するということは、これは不当だと思います。しかしながら、生産者の米も消費者の米も同じ米でございますから、生産者の米価と消費者の米価との間に関連がなくて、これを遮断するという考え方は間違っておると思います。もっとも、消費者米価は家計の安定をそこなわないという一つのワクがありますから、そのワク内におきまして生産者米価と消費者米価との間に関連を持たせる、これは当然のことだと思います。しかし、このことをいまだ決定しているわけではございませんが、考え方としては当然の考え方だと思います。そのために、生産者と消費者との対立抗争を来たすじゃないかというところまではまだ申し上げる段階ではございませんが、当然のことは当然としてこれは考えていきたいと思います。
 それから災害の問題でございますが、災害の調査が非常におくれるので、地方自治体等に調査を委任するか、あるいは共同調査をしたらどうかということでございます。災害の調査につきましては、作柄の事前の調査もありますし、また、災害時における損傷の程度あるいは災害の後の調査等もありまして、相当専門的技術と経験を必要とするものでございますので、やはりこれは統一された調査が必要であり、また、時期も同じ時期に全国的にやる必要があると思います。そういう意味で、地方自治体に委任するとか、あるいは共同調査をするということは適当でないと思います。
 第二に、いろいろ災害についての法律、ことに天災融資法あるいは自作農維持法等の法律を改正する段階に来ているじゃないか、こういう質問でございます。確かに、三十年に制定された天災融資法でありますから、その貸し付けの限度等につきましては、これを改正する必要があると思います。特に、北海道の災害等につきましてその感を深くいたしておりますので、この貸し付け限度額等を中心とした法律の改正を提案いたしたい、こう考えております。自作農維持法は、これは災害ばかりでなく、相続とか疾病とかをも含んで対象としておりますので、その方面との関係もありますので、いまにわかにこれを改正するということには考えておりません。
 それから、果樹あるいは畑作の共済についてどう考えるか。果樹につきましては、三十八年度以降この実施可能性を調査いたしまして、果樹生産地域に試験調査をいたしております。着々その試験の調査がまとまりつつありますので、果樹につきましては共済制度を近くしいていきたい、こう考えております。
 畑作全体に対してはどうかということでございますが、これは資料がまだ不十分でございます。それから価格の変動等にも相当影響されるところがありますので、なかなか共済制度をしくというのは困難でありますけれども、ただいま、これを検討いたして、その方向へ持っていきたい、こういうふうに考えております。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇〕
#7
○国務大臣(田中角榮君) 私からお答えをする二、三点に対して申し上げます。
 第一点は、災害予算の予備費の弾力性が欠けておるということでございます。すなわち、公共土木施設及び農林水産業施設災害復旧事業等につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等に基づきまして、各省の査定を待ちまして、予備費の支出という段取りになるわけでございます。今年度の例を申し上げますと、十月の末で百五十四億円の予備費支出を行なっておるわけでございます。また、これから予備費を支出しようとするものが二十六億ばかりございますので、予備費としてまかなうものおおむね百八十億でございます。こういうふうにやっておりますし、なお、応急工事に対してはつなぎ融資の制度を活用いたしておりますので、弾力性を特に欠いておるというふうには考えられないわけでございます。
 第二点の、災害に備えて予算編成のときに予備費を大幅に増額せよという御注意でございます。御承知のとおり、三十八年までは災害に対する費用を含めた予備費二百億でございましたが、三十九年度には、それに加えて災害予備費百億、計三百億円ということにいたしたわけでございます。そういたしましたので、本年度は大きな災害がございましたが、予備費を弾力的に運用することによってまかない得たということでございます。
 第三点は、災害対策の非能率の原因を探求して、非能率を解消せよということでございます。本件につきましては、常に御説があるわけでございますし、なお、政府も能率的な方法に対して十分検討いたしております。先ほども申し上げましたように、災害復旧には各省の査定があります。同時に、査定を待って予備費を支出するということになっており、特に激甚災につきましては、直ちに内閣に災害対策本部をつくりまして、適切なる措置を行なっておりますので、現行の制度が非能率であるというふうには考えませんが、しかし、御指摘の北海道の問題、新潟地震の問題等々に徴しましても、より合理的な方法を十分今後検討してまいりたい、このように考えます。
 第四点は、個人災害についてでございます。個人災害につきましては、いつでも災害のつど御質問があるわけでございますが、御承知のとおり、私有財産制度のもとでは、やはり災害に対しても自主的な回復ということが原則であります。しかし、これだけで足れりとするものではありませんので、災害救助法による援護を行なったり、生活保護法による救護をいたしましたり、天災を受けた農業や中小企業者に対して資金融通の法的措置等を行なっておるわけでございます。かかる問題に対しても、これからいろいろお知恵をかりながら検討が必要だとは思います。
 それから第五点には、今度の地方財政に必要とした特別会計に借り入れる百五十億円は、どうして一体返すのかということでございますが、毎年度三十億円ずつ五年間で返そう、こういう考え方を持っておるわけでございます。
 これに対しては、二八・九の交付税率を上げるのかということでありますが、交付税率を上げる考えはございません。交付税率の変更は、申すまでもなく、普通交付税の総額が引き続いて交付税計算による一般財源不足額と著しく異なるとなった場合において、地方行財政制度の改正とあわせて検討するという原則がございますので、一回限りの地方の人事院勧告の財源補てんというようなことをもって交付税率引き上げを行なうべきではないという考え方に立っておるのであります。(拍手)
  〔国務大臣神田博君登壇〕
#8
○国務大臣(神田博君) お答えいたします。
 消費者米価の改定に伴いまして、保護基準について必要な改定をする予定でございます。現在、保護基準の設定にあたりましては、主食費の算定については、国民生活の実態に対応して、普通内地米と徳用米とをあわせて使用するものとして算定しておるのでございまして、徳用米のみをもって食べていく、こういうことにはなっておりません。
 それからその次の災害の問題でございますが、陳情や何かなくてもすぐひとつ手当てをするようにということでございます。その点はよくわかるのでございますが、私のほうといたしましては、御承知のように、災害対策基本法によりまして、市町村長にこれを当たらせるとか、あるいは、相当規模になりますれば、災害救助法によりまして、都道府県知事に救助を実施させる。すぐ現地に参りまして督励をいたしております。そういうわけでございまして、できるだけすみやかに災害の救助をするということがたてまえになっておりますので、今後も十分意を尽くしてやってまいりたい、こう思っております。
  〔国務大臣小山長規君登壇〕
#9
○国務大臣(小山長規君) 災害復旧事業について非能率な点があるじゃないか、こういうお話でございますが、御承知のように、河川や橋梁などの公共災害の場合は、国の責任においてこれを負担するのでありますから、査定や調査を省略するというわけにはまいらぬのであります。ただ、特に緊急を要する場合には、お説のとおりに、建設省と地方公共団体とが一体となりまして、お説のような査定の仕方と調査をしていることは御承知のとおりであります。しかし、さればと申しまして、災害の個所は、一災害について何千カ所にも及ぶ場合があるのでありますから、それを全部同じようにやっておりますとかえって非能率になりますので、現在のように地方団体があらかじめ調査をし設計をしたものをもとにいたしまして査定を行なうほうが、かえって能率的であると考えるものであります。
 それから、中小河川の災害で自治体単独の復旧事業があって自治体は困っていはせぬかという仰せでありますが、災害復旧工事については、御承知のように、十五万円以下の小災害については国庫負担は行なわないというたてまえになっておりますが、隣接して発生した小規模災害があります場合は、一括して一連の工事として国庫負担の対象としておりますことも御承知のとおりでございます。(拍手)
  〔国務大臣吉武恵市君登壇〕
#10
○国務大臣(吉武恵市君) 湯山さんの御質問の第一点は、災害復旧に対する地方公共団体の単独債のワクが少ないが、どうしているかということでございます。単独災害復旧事業につきましては査定事業費の全額を認め、農業用施設あるいは林道につきましては六五%を認めることにいたしまして、本年度では百一億、来年度三十七億、合計百三十八億円を予定しております。
 なお、補助災害復旧事業費につきましては、公共土木施設費の地方負担額は一〇〇%これを認めることにいたしまして、農業関係の地方負担分は七〇%を認めることにいたしまして、本年度の補正予算予備費で五十五億円を予定しておるのであります。
 なお、原形復旧は原則としてとっておりまするが、必要に応じましては改良事業費も認めることにしておるわけであります。
 次に、地方公務員の給与改定に伴う財源措置についてでございます。百八十二億を要求して、大蔵大臣との折衝の結果百五十億にした差額三十億はどうするかということでございますが、実は地方公共団体の公務員給与の交付団体分は四百五十億でございます。そのうち地方交付税の自然増収分が百五十九億でございます。なお、地方税の分といたしまして大蔵当局は六十億を見ておりましたが、私どもは、法人税が非常に減収であるということでございましたので、二十九億見ておったのでございます。その差が三十億でございます。なお、節約の分につきましては、国の公共事業費の節約五十億と、なお旅費あるいは物件費の節約三十億、八十億を見ておりますから、それを差し引きますと、私のほうの計算では百八十二億要る。大蔵省のほうの地方税の増収分六十億との差額でございますが、大臣折衝の結果、地方税の増収は六十億十分見込める見込みがつきましたので、これを差し引きまして百五十億を特別会計に繰り入れることにしたのでございます。
 なお、この百五十億の分につきましてはどうするか、こういうことでございますが、これは先ほど大蔵大臣が申しましたように、五年間にこれを特別会計の中で返すことにしております。なお、その利子は国が負担することにしております。そうしますると、年に三十億くらいでございまするから、何とかくめんができると思います。
 これによって直ちに地方交付税率を引き上げるかどうかというお尋ねでございますが、これは先ほど大蔵大臣が申しましたように、これだけによって地方交付税率を引き上げるというわけにはいかないかと思います。しかしながら、今日の地方財政は非常に窮屈になりつつございまするから、地方財政全般の問題として将来これに対する何らかの処置は講じていかなければならない、かように存じておるわけでございます。(拍手)
  〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#11
○国務大臣(愛知揆一君) 限度政令のお尋ねにお答えいたします。
 この限度政令の改正につきましては、昨年十二月、いわゆる標準法を改正いたしましたときからの方針でございまして、各府県の実情を十分に勘案いたしまして実施することといたしたのであります。したがいまして、各府県の教員の人事行政等に混乱を起こすような事態は起きないのであります。しかしながら、この政令の円滑な運営につきましては十分意を用いてまいりたいと思っております。教育上支障のないように努力することは当然のことと存じます。
 なお、この問題につきまして与野党間の話し合いが行なわれましたことは承知いたしておりますが、限度政令の改正を行なわないという約束が政府との間にできていたということにつきましては、私といたしましては了解しておりませんので、御了解願いたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(船田中君) 今澄勇君。
  〔今澄勇君登壇〕
#13
○今澄勇君 私は、民主社会党を代表して、佐藤総理の所信表明に対し、内政、外交にわたって質問いたしたいと存じます。すでに多くの質問も出たことでありますから、まず私は、問題を現在の最も重要課題である経済政策、特に財政金融、証券市場対策、物価対策にしぼり、掘り下げて政府の見解をただしたいと思うのであります。(拍手)
 佐藤総理は、その所信表明において、高度成長経済の行き過ぎからくる経済構造上のひずみを是正し、農業、中小企業の近代化と格差是正など、安定成長路線を明らかにいたしました。国民が総理の所信表明にまず期待したものは、昭和三年以来の経済危機といわれる今日の経済情勢に対して、いかなる認識を持ち、どのような具体的政策によって打開するかという点にかかっております。
 そこで、私がまず伺いたい点は、総理がわが国経済の体質改善について重点的に実施せんとするものは何か、すなわち、深刻な不況と物価高解決の具体的方策はいかんということであります。
 いわゆる池田内閣の所得倍増計画、いうところの高度成長経済政策は、日本経済の総合的バランスを無視したもので、そこには非常な矛盾がひそみ、重大な誤りがあったということを指摘しなければなりません。その最も大なるものは、民間設備投資が無制限に伸びて、生産過剰、すなわち供給力過剰の経済になったということであります。現に産業界は、各業種にわたって操短を余儀なくされております。特に昭和三十七年以来、総需要の伸びは急激に落ち、実質で五%から七%であって、かつての設備投資の二〇%をこえる急激な伸びに比べれば、供給力過剰は歴然たる形となってあらわれてきたのであります。需要喚起のため景気刺激策をとれば、国内需要は向上するが、輸入水準が高まり、国際収支が悪化する。それではというので昨今のごとく、国際収支向上のため金融引き締め政策をとれば、需要度が落ち、操業度も悪くなり、かつて花形であった石油、セメント、合繊、家庭電器などの大企業に至るまで、深刻な不況が浸透してきたのであります。その結果、租税収入も計画の半分以下に落ち、多数の中小企業が破産、倒壊する苦境にありますことは御承知のとおりであります。それは経済の総合的行き詰まりを示しておるものでありまして、成長政策というものは、端的に申せば自転車操業を続けてきたのではなかったかということを証明するものであります。(拍手)投資が投資を呼び続けておる間、需要が需要をつくり出していく間は経済の矛盾が表面に出てこなかったけれども、いつの日か、結局は国際収支の天井にぶつかって行き詰まり、大きな反動に見舞われることとなったのは当然の成り行きであります。すなわち、これは景気循環の一断面にあらわれた単なる摩擦現象ではなくて、成長政策そのものに内包された致命的欠陥であることを銘記しなければなりません。(拍手)
 さらに問題は、それだけの設備投資を強行したが、裏づけとなる資金、すなわち金融政策が一貫していないということであります。その結果、オーバーローンはますます激化し、企業は市中銀行から金を借り、銀行は日本銀行にめんどうを見てもらうという諸外国にはほとんど見られない信用膨張の姿となり、資本蓄積が経済規模の拡大についていけないありさまとなったのであります。自由民主党の看板である自由経済の本質は、自由金利でなければなりません。すなわち、設備資金の需要が増加すれば金利は上がる。金利が上がれば設備投資にブレーキをかける。かくのごとくして金利の動きが設備投資を調整するところに、自由経済の自主的調整のポイントがあるのであります。しかるに、政府はこの金利の自律調整作用を放棄して、中途はんぱな金利統制政策をとってまいったところが大きな問題ではないかと指摘いたしたいのであります。(拍手)
 私は、産業成長のためには、わが国の金利を低水準に指導することには賛成であります。しかしながら、ただ圧力をかけただけで成功するものではありません。まず大企業間の過当競争を調整するため、投資計画会議などの強力な機関を設置して、産業計画に見合う資金の適正配分が必要であります。しかるに、これを野放しにしておいて、そうした計画はやらないで、金利だけを統制したところに今日の大きな経済的矛盾が出たものと見るのであります。(拍手)その結果、押えております銀行の表面金利は日歩二銭見当だが、短期市場でありますコール金利は、ほぼ二倍の高値を呼び、三銭五厘から四銭五厘と実勢金利を示しておるのであります。しかも、その金額たるや驚くべし、一兆五千億の巨額に達し、恒久的な資金源となっておりまする姿は、低金利政策はどこ吹く風といったありさまであることは皆さんが御承知のとおりであります。
 さらにこれに輪をかけておるのが、やみ金融と高利貸しの繁盛であります。総額一兆二千億と推定される大量の金が、町のやみ金融業者によって扱われておりまして、これが法律で許された表向きの金利は日歩三十銭という高利で放置されております。何のことはない。表街道と裏街道は別天地ということになっておるのであります。大企業は表金利で中小企業は裏金利でということが、今日中小企業を破産に追い込んだ最大の理由であると私どもは見ておるのであります。(拍手)
 この矛盾は、あまりに経済の成長が早いから資本蓄積が追いつかなくて、なまはんかな統制では金利が下がらないことを証明しているのでありまして、参考までに私の調べた数字を申し上げてみますと、現在、全国銀行の貸し出し総額は十六兆円、企業間信用は、融通手形などという見返り物資のない架空信用を含めて、驚くべし二十兆円をこえておると推定されます。日銀のオーバーローン一兆四千億という膨大な信用膨張でありまして、これまた十分警戒すべき事態となっております。一歩間違えば、どこの一角がくずれても金融恐慌に突入するおそれがあるというような危険な状態であることは、田中大蔵大臣が一番よく知っておられるとおりであります。私は、その場しのぎの応急策も必要だが、根本的対策にここらあたりにおいて政府は取り組む時期にきたと思うておるのであります。
 そこで総理に伺いたいことは、金融の正常化をはかり、金利が果たしてきた自律作用を生かして運営する仕組み、すなわち金融市場の自由化を目ざして金融政策を転換するか、それとも本格的統制措置を講じて、コール市場も町の金融業者も徹底した管理政策をとって、強い統制金融で切り抜けるか、この二つのうちいずれの道を政府はとろうとしておるのであるか承りたい。(拍手)私は、自民党政府としては自由経済をたてまえとする金融市場の自由化がその本筋だと考えておりますが、総理の見解を伺いたいのであります。
 いま一つは、金融の元締め機関である日本銀行について伺いたいのであります。日銀の中立性を保障し、財政、金融の健全性を確保すると同時に、無制限に増発の要素を含んでおります通貨の発行を押えるため、この際根本的改革を考えるべきではないかと私は思います。すなわち、現在は管理通貨制度でありますから、政府は国際収支、物価水準、生産水準、雇用水準、金融情勢など各指標によって割り出し、閣議にはかって通貨の発行高をきめておりまするけれども、実際にはどうしても無制限に通貨が発行されやすいうらみがあります。この際、通貨価値維持のため、金融の根本を正す意味において、保有外貨、所有の金などの間にゆるやかな結びつきを持たせる比例準備制度に切り変えてはどうかということであります。比例準備制度について総理の御所見を伺いたいと考えておるのであります。
 時たまたまイギリスは二%、 アメリカは〇・五%、さらにカナダを含めて公定歩合の引き上げが断行され、わが国の国際収支は一段と深刻な打撃を受けるとともに、金融政策にも重大な影響を及ぼす次第となってきたのであります。わが国の外貨準備高は十一月末十九億六百万ドルでありますが、いまや十九億台を割る情勢はほとんど確実になってまいりましたので、米国の金利平衡税、ユーロダラー規制金利など、国際収支にいかなる方策をもって取り組まんとするか。さらにまた、政府は金融を緩和するため年内にもやると予想されておりました公定歩合の引き下げであるとか、あるいは預金準備率の引き下げは、この情勢のもとにおいても断行するつもりであるか、それともまたさらに引き締め政策を継続していくつもりであるか、伺いたいのであります。
 もう一つ問題なのは、かかる国際経済情勢の激動に対して、この際、長く学者の間にいわれておりまする日本のデノミネーションなるものは、これを断行してインフレ現象を一掃するような気がまえが政府にあるかどうか、大蔵大臣の明確な答弁を承っておきたいと思うのであります。(拍手)
 中小企業対策について、この際特に要望いたしておきたいのは、自己の責任でなしに、金融の引き締めからくる関連倒産であります。これらの関連倒産事業者には何らかの緊急特別救済が必要ではないかということであります。すなわち、中小企業倒産救援法のごときものを制定して、取引の相手方である事業者の倒産あるいは事業転換に関連して倒産した場合、政府はこれが緊急救済の道を講ずることが今日最も大事であると思うが、政府の所見を伺いたいのであります。(拍手)
 第二の問題は、資本市場の代表的な存在である株式市場の再建と株式投資信託をはじめとする大衆投資家をいかにしてこの際擁護するかということであります。
 いまや株式市場は、日本共同証券の買い上げで過剰株式を凍結し、また増資は全面ストップのありさまで、半死半生の姿であります。これによってかろうじてダウ千二百円の株価を維持いたしております。いまや共同証券の買い上げ資金は当初の一千五百億円をほとんど使い尽くして、今回は本格的な日銀信用で一千億円の追加資金を調達しようとしておるのであります。しかしながら、もともと自由であるべき株式市場に、人為的な力が介入しておるのでありますから、同じ業種の銘柄でありながら、政策的てこ入れ対象銘柄と、対象をはずされた銘柄との間には大きな値の開きが生じ、あるいはまた東京、大阪の両市場の間において、百円近くも株式平均価が開くなどというような、不自然な珍現象が続出いたしておりますことも御承知のとおりであります。証券会社の廃業相次ぎ、大証券の中にも経営が行き詰まり、銀行派遣の経営者と交代しておるところもございます。かくて、証券市場は資金吸収の力も信用もがた落ちとなり、いまや全く資本市場としてはその機能をストップいたしたと申しても過言ではありません。(拍手)上場株式の時価総額七兆円に対して、一兆三千億に及ぶ株式投資信託が軒並み額面を割っておりまして、中には元本の六割に暴落する投資信託など、大衆投資家はかたずをのんで政府の対策いかんを見守っておるのであります。企業の設備投資を増資でまかなえば、投信は組み入れておる株式の払い込みをしなければなりません。その過剰設備をした企業がもうからなくなれば、投信が行き詰まってくるのは当然の結果であります。だからこそ共同証券も、そのバックにある日銀も、この金融引き締めのまっ最中にもかかわらず、二千億円の資金をつぎ込んでダウ千二百円を防衛せんとしておるのが、いまの偽らざる実態であります。
 なぜそうなったのかというと、金融市場が統制市場で、株式市場が自由市場であったからであります。さきに申し上げましたように、三十一年からだんだん激化したオーバーローンは、三十五年までは何とかつじつまを合わせたが、三十六年秋の池田内閣における強烈な金融引き締めのため、資金需要は金融市場から締め出されて、証券市場になだれ込んでいったのであります。それが金繰り増資となりあるいは手持ち株の売却となって市場を圧迫してまいりました。しかしながら、高度成長の先行きに不安を感ぜられるということと、資本の蓄積が足らないということから買い手がなかなかないのであります。かくて証券市場が麻痺する事態に追い込まれてきたのであります。
 これを直す根本策は、株式市場を統制するのではなしに、いま統制されておる金融市場を自由市場にしなければならないということは理の当然であります。さすれば、当初の行き過ぎはこれは起こらなかったはずであります。しかるに政府は、応急策に追われて、ついに株式市場まで統制して現在の結果を招いたのであります。これを要するに、現下の株式市場不振の根本原因は、所得倍増計画の失敗であって、帰するところ政府の全責任であると申さなければならぬのであります。(拍手)
 それであるから、田中大蔵大臣は、昨年の夏株価の暴落に際して、ダウ指数は千四百円から千四百五十円が妥当であって、国民大衆は政府を信頼して持ち株を売らないでもらいたいと、新聞、テレビ、ラジオを通じて全国民に公約をいたしたのであります。しかるに、かかる異例の公約も、政策の失敗からささえ切れず、ついに形式ダウはいま千二百円、実質株価千円台へと暴落をいたしておるのであります。大蔵大臣がかかる公約をするということはよくよくのことであったとは思われるが、一度公約したからには、その責任をとってもらわなければならないと思います。(拍手)
 佐藤総理大臣、資本市場を代表する株式市場の情勢はまことに深刻であります。しかも、大衆投資家は、下落した株式を売却しないでいまなお持ち続けておるのであります。しかるに、法人筋すなわち大企業は、そのころからどんどん持ち株を売却し、最近においては、皮肉な見方をすれば、共同証券の買い上げは金融引き締め時代における一部大企業の便宜的な運転資金調達の場となっておるとさえいわれておるのであります。(拍手)いうなれば、かかる大衆零細株主の犠牲において大企業が高度成長してきたというところに、私はぜひ政府に考えてもらわなければならない必要があると思うのであります。(拍手)しかも、企業の資本構成は、現在自己資本比率が年々低下して、昭和三十年四〇%であったものが、いまでは比率が二七%に落ち、実際には企業の借り入れ金依存度は八割に達しておりますから、経営者は株主の利益よりも銀行筋の思惑を重視し、いわゆる大衆零細株主が無視される度合いはますます激しくなってきたのであります。これでは企業の体質を大衆化すること、資本を民主化、近代化する道とは全くの逆行であります。私は、福祉国家を目ざす将来の経済体制というものは、独占的利潤を保障せられる限られた一部の特殊企業は、公営その他の手段で社会化するとともに、一般企業においては株主の大衆化をはかり、国民の貯蓄増強の手段にするとともに、経営者も労働者も自己の利潤を確保するのみならず、日本経済の発展に尽くし、株主たる国民大衆に報いるという方向に行くべきだと、かように考えておるのであります。そのためには、一日も早く株式市場を再建すべきであります。特に自由経済を党是とする自由民主党政府が、株式流通市場の息の根をとめておいて、高度成長経済が成功であったなどとはどこを押せばそんな音が出るのか、まさに笑止千万といわなければならないのであります。(拍手)
 この際、総理に伺いたいのは、資本市場の再建、証券市場の立て直し、大衆株主擁護のため、いかなる具体策を持って臨まれんとするか、産業民主化のため、企業資本の体質の改善についていかなる対策があるか。特に投資信託は、大蔵省が責任を持って認可した政府の監督下にある金融機関であります。償還期限を延ばすというが、この措置には政府がその元本を保証するという気がまえがあるのかどうか、あるいは共同証券が買い上げるという措置をとるか、いかなる対策を持つものであるか、はっきりした答弁を願いたいのであります。(拍手)
 さらに、田中大蔵大臣は、この間の大蔵行政の担当者として、自己の責任を国民に対しいかにしてとるべきであるか、この際とくとこの議場において承っておきたい次第でございます。(拍手)
 第三に、高度成長政策は必然的に物価高を招来したということであります。
 現在の物価高は政府の経済政策の矛盾が集中的にあらわれているというのが特徴であります。すなわち、設備投資の行き過ぎ成長についていけなかった手おくれからくる労働力の不足が第一であります。農業、漁業、中小企業、流通部門の合理化をあと回しにしたということが問題であります。社会資本の立ちおくれによる国民生活に及ぼした悪影響もまた重大な影響を及ぼしております。これらが金融の不正常な姿とからみ合ってあらわれたサブレスト・インフレーションであるといわれております。サブレストというのは、押えているけれども、事実はインフレだというわけであります。年に六%以上も消費者物価が値上がりして、これがインフレでなくて何でありましょう。すでに早くから心配すべきものを、高度成長に物価騰貴はつきものであるとか、卸売り物価が上がらなければいいとか、誤った見方をしてきたのが政府であります。なるほど、卸売り物価は、供給力過剰の現在、少々のことでは上昇しがたい。加えて全面的国際競争にさらされるという新しい条件も、卸売り物価を上げない強い力であります。そういう特別な力が作用しておるからこそ表向きの卸売り物価は上がらないが、通貨の異常な流通量を背景として、末端流通市場においては想像以上の物価高となってまいりましたことは、国民の皆さんのほうがよく御存じのとおりであります。
 消費者米価は言うに及ばず、国鉄運賃、地方公営バス料金、公共料金の値上げを控えて、異常な値上げムードが国内のすみずみにいま浸透しようといたしております。これを海外諸国と比較いたしますると、昭和三十三年を一〇〇と基準すれば、現在、わが国が一三二・七、アメリカが一〇七・二、イギリスは二五・八、西ドイツは一一四・九となっております。よって、わが国消費者物価がいかに諸外国に比べても比較にならず高くなってきておるかということを知ると同時に、国民にもその危険性を訴えて協力を求めるということが、佐藤総理の新しい政治の第一歩でなければならぬ、かように考えるのであります。もし佐藤総理が政治権力による統制力を発揮されたいというのであるならば、それはまず第一に物価抑制をなさるということでなければなりません。従来の経済政策をこの際総合的に転換するとともに、消費者保護の基本法を制定されることが必要である。そうして、この消費者保護基本法に基づいて物価の抑制に取り組む必要があります。その具体策として、第一に、管理価格の引き下げ、第二は、公共料金の据え置き、第三は、流通機構の改革をするということが大事でありまして、この三点は、私は、総理にぜひとも本臨時国会において解決をなさることをお願いをいたしたいのであります。
 なるほど、公共料金については、値上げを要求する側からいいますると、多少の理由はありましょう。しかし、第一に、物価高は心理的な要素が非常に多い。いわゆるムードに支配されるものでありますから、ここに佐藤内閣が断固として物価抑制に取り組むという決意と姿勢を示すことが必要であると思うのであります。さらに、公共料金の値上げについては、公共企業体の経営の中に親方日の丸という安易にして放漫な経営もなきにしもあらずであります。これを放置して次から次へ値上げを承認することは、許されないのであります。私は、公共料金の値上げをさらに一年ストップし、経営内容の改革にメスを入れ、値上げムードを抑制すべきであると考えるが、総理の御決意のほどを承っておきたいのであります。(拍手)
 さて、時間の関係上、私は、経済問題をこの程度におき、以下外交問題について主要な点を二、三伺っておきたいのであります。
 仏領インドシナを中心とする東南アジアの動乱、フルシチョフ解任後の複雑な中ソ両国の関係、早晩日程にのぼるであろう日韓会談の再開、台湾と中国との関係、マレーシア対インドネシアの問題など、かく考えてまいりますると、アジア一連の政治情勢はきわめて多事多難といわざるを得ません。従来の米ソの対立は、現在米国対中共の対立と変わり、代理戦争の形をとって激しくアジア各地において紛糾を巻き起こしております。かかるアジアの混乱期において、中共政府は、去る十月十六日、核実験を打ち上げたのであります。これは、全世界に対して大いなる不安と不信感を与えるとともに、中国に隣接するアジアの諸国に大きな脅威を与えておるのであります。しかしながら、半面、それは中共の国際政局に対する発言力を増大する結果となったこともまた見のがすことができないのであります。
 この際、日本の外交は重大なる転機を迎えたと思うのでありましで、アジアの緊張緩和のため、わが国の安全確保のため、日本外交がいかなる方策をもってこれに対処するかということは、佐藤総理の重大な課題であります。総理の決意とその基本方針を、昨日も伺いましたけれども明確でありません、この際、私は、国民に対して所信をひとつ具体的に明示願いたいと思うのであります。(拍手)
 次に、問題は中共の核実験であります。私たちは、いかなる場合も、核兵器によって人類の地獄図絵を招くようなことは断固反対しなければなりません。そのために、当面の緊急課題としては、核兵器の拡散を防止し、続いて全面禁止の順序として、核実験はいかなる場合も行なわない、部分的な核協定を結ぶ、その製造を禁止する、そして世界のいかなる国といえども核兵器の所有を禁止するという、順を追うた方法をとることが妥当だと思います。
 しかるに、この世界人類の悲願を裏切って、中共は自国の利益と威信のため核実験を行なったのでありまして、私は、世界の正義と人道のためにも断じて許すべからざるものだと思うのであります。(拍手)そこで、世界唯一の原爆被害国であるわが日本は、中国に対して厳重抗議するとともに、かつ、誠意を込めて今後の核実験を中止するよう、全力を傾けて要請すべきものであると考えておるのであります。
 そこで、政府は、この際一歩を進めて、まず第一に、民族の悲願たる核兵器禁止の政治方針を中共政府に訴え、核兵器の部分的核停条約への加盟を説得すべきだと思います。
 第二に、インド、インドネシアなどの、今後核実験を考えておるアジアの諸国にもこれを説得し、撤回せしめ、アジアを核非武装地帯にするため、日本が積極的に行動すべきだと思います。
 第三に、かかる観点から、この際中共の国連加盟に賛成をいたし、国連という土俵の中で解決する必要があると思うが、佐藤総理の所見をお伺いいたしておきたいのであります。(拍手)
 したがって、現在国民の注目を集めております原子力潜水艦については、政府は、従来の対米追随の態度を一てきして、アジア諸国の理解を得るためにも、米国との間に核兵器持ち込み禁止の国際協定を結ぶことをアメリカに対して堂々と主張すべきであります。アメリカに対する日本の自己主張が弱いところに、せっかくの中共原爆実験に対する総理の所信も迫力を欠いたうらみがあります。(拍手)わが党は、本国会に核兵器持ち込み禁止の超党派的決議案を提出いたしまして、国民の要望に沿う考えであります。総理の明確な御見解を承りたいと思うのでございます。(拍手)
 いま一つは、当面する日韓会談でございます。平和憲法下の日本において、ここ十数年来、朝鮮水域に向かう漁船員を波止場に見送る家族たちが、一緒に水杯をあげて涙とともにその無事を祈ってきた姿は、いかに一部の限られた人々のことであるとは申せ、政治家として断じてこれを黙視することはできないのであります。(拍手)これこそ政治不在、外交不在の悲劇でなくて何でありましょう。なおまた、幾千、幾百の平和論が論ぜられておりますが、これみな観念論であって、これらの漁船員を守ることができなかったというきびしい現実を忘れてはならぬのであります。(拍手)憲法の保障する日本国民の生命、財産を踏みにじられておりながら、これらの人たちだけにその犠牲をしいて、何らの解決手段もなく今日に至ったことは、歴代政府の無気力と事なかれ主義の見本であると私は考えておるのであります。(拍手)国民もまた、この民族の悲劇に対して真剣に連帯感を持って考え直してみる必要があるのではないでしょうか。この際、抑留漁船員の即時釈放、漁業協定の締結及び李承晩ライン、資源保護ラインなどについて、日韓会談に対する佐藤総理の基本的構想をお示し願いたいと思うのであります。(拍手)
 残っておりまするのは、沖縄でありますが、昨日も沖縄問題について総理から答弁がありました。しかしながら、まことに抽象的で、明確を欠いております。われわれは、今日、沖縄の自治権の拡大、沖縄施政権の返還、将来の本土復帰に対する日本国総理大臣の見解というものは、この議場を通じて、もっと真剣に、もっと具体性を帯びて、国民の納得するものがなければならぬと思います。重ねて私は、佐藤総理大臣の沖縄問題に対する見解をお聞きいたしておきたいのであります。(拍手)
 最後に、佐藤首相にお伺いしたいことが一つあります。
 あなたは、過ぐる総裁選挙に際し、経済政策において、あるいは外交政策において、はたまた政治の姿勢において、池田政治をまっこうから批判し、その相違点を明らかにされたのであります。特に池田政治を経済万能の政治にして人間不在の政治として批判するとともに、政治の根本義たるその政治姿勢においても、相違点を明らかにいたされたのであります。いま池田政治を踏襲せんといたされても、それは経済、外交、国民生活の部面において、私がるる申し上げましたように、これを踏襲することを不可能にいたしておるのであります。また、国民世論もそれを望んではいないのであります。すなわち、勇断をもって、この際、政策を転換し、大胆率直に所信に邁進しなければ切り抜け得られない、日本はいまや重大な難局でございます。(拍手)この際、新総裁の信任を国民に問い、新政策を掲げて再出発することが、民主政治の常道なりと私は確信いたして疑いません。したがって、政府は当面緊急の事務処理を終えて、すみやかに議会を解散し、民意に問うべきであると考えるが、佐藤総理の見解をお聞きして、私の質問を終わる次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
#14
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 高度経済成長に対する真正面からの御批判をいただいたのでありますが、しかし、高度経済成長政策、これは今日まで幾多の経済発展への効果を示しております。私はこの点は高く評価してしかるべきではないかと思います。(拍手)雇用の増大といい、あるいは産業の拡大といい、また貿易の伸長といい、国民生活の向上といい、各面に格段の進歩を来たした。しかし、同時に一面、ただいま御指摘になりましたように、立ちおくれた、この高度成長についていけない部門も幾多あるのであります。それが農業であったり、あるいは中小企業であったり、その他社会事象におきましてもこういうひずみが至るところに生じてきております。今日最も大事なことは、経済の安定基調へ導くことであり、そうしてこれらのひずみを是正して、いわゆる社会開発、そのもとに今日の悩みを解消していく、それこそ前向きの政治ではないかと私は思うのであります。(拍手)
 しかして、この社会開発というものは、言うはやすくして、御指摘のとおり、まことに困難なものであります。その一つが、あるいは金融の問題にしても、あるいはまた財政の問題にしても、あるいは科学技術の進歩にしても、あるいは社会保障にいたしましても、全部が相関関係を持ちまして、総合的な機能を発揮して初めてこれができるのであります。したがいまして、先ほど来いろいろ御議論のありましたたとえば株価対策、あるいは中小企業対策、これらの対策等も、すべてが相関性を持ち、総合的な対策の後において初めてでき上がることであります。そのことは何か、これは一に経済を安定成長に持っていく以外には方法はないのであります。しこうして、この安定成長はまことに困難な問題であります。長期にわたって国民の協力を得て初めて実現するものでありまして、政府の対策一つではこれはできるものではないように思います。こういう意味で、私は、所信表明において、国民各界の御協力を強く要望した次第でございます。
 そこで、ただいまのお話をさらに具体的に申し上げますが、基本的にはただいま申し上げるような点にあることを十分御理解をいただきたいのであります。今日破産、倒産幾多の不幸な事態が起きている。これに対しましては、とりあえず年末金融の措置を講じて、そうしてきめこまかい処置をとりたいということを申しております。
 また、金利のあり方につきまして御批判がございましたが、私のとっておりますことは、御指摘にありましたように、自由民主党はどこまでも自由経済のもとにおいてこれが立て直りをするのであります。いわゆる統制的な方向には向かいたくないものだと考えております。だから、金利等につきましても、あるいは物価等につきましても、統制をすることがいかにもやさしいことであるかのごとく、また、それをすることによって弊害が除去されるような、一部には聞き取りのしかたもあるようなお説を述べられましたが、私どもは統制の方向にはいくつもりはございません。(拍手)今日の自由経済のもとにおいて、社会開発、社会計画のもとにおいて、そうしてただいまの問題と取り組んでいくという考え方でございます。もちろん、これが時期的にはまた適切な処置をとらなければならないことは当然であります。いわゆる野放しではございません。政府がそこにおいて責任を持ち、適時適切な指導をするわけでございます。
 日銀のあり方等につきましても、その中立性はどこまでもこれを維持してまいるつもりでございます。ことにただいまのお話で強く胸を打ちましたものに株価対策がございました。確かに資本市場を育成強化すること、これが経済安定への道の当然のことであります。これには特に力をいたさなければならないのであります。かくして資本市場が育成強化され、初めて安定への道も開けるのではないかと思います。
 かような意味合いにおきまして、幾多問題を投げかけられたお話であったと思います。その中には今澄さんの個人の御意見も多分にあったと思いますが、私はその個人の御意見でも大いに参考にし、今後ただいまの方向、いわゆる総合的施策の一つとしてそれらのものが有用に使えるようにくふうしてまいりたいと思います。
 最後に、国際情勢の分析についてお述べになりました。私は今澄さんと同じような感覚を持っております。ことに、日本が、国際社会におきましていろいろの事態が起こりましたが、基調そのものには、たびたび申し上げますように変わりはないと思います。どこまでも平和共存のもとにおいて各民族が繁栄をもたらすように、これはその基調においては変わりはない。しかし、われわれの身近なところ、いわゆるアジアの特質として考えました際に、いかにもアジアには世界の緊張の場が集約されておるような感がいたします。この地域に国する日本といたしましては、長期にわたっての安定と繁栄のために、一そう努力すべきではないかと思います。かような意味から、中共が核兵器を持ったことにつきましては、まことに遺憾の意を表し、中共自身が、世界の趨勢、その動向をも十分見きわめ、そうして核部分的禁止条約に参加することを心から願っておるわけであります。われわれはこれをとめる方法はございません。この世論に冷静に考えてその方向でいくことを望んでおります。もちろん、この核部分的禁止協定に入るには、国連に加盟するのが当然ではないかというような御疑問もあろうかと思いますが、国連の非加盟国でも核部分禁止協定には参加しております。したがいまして、中共自身がただいまのような処置をみずから取り得るという状態にあることは、私が申し上げるまでもありません。
 核兵器の持ち込みにつきましては、日米安保条約のもとにおきまして、これは重要なる事項として相互に事前通告の問題でございます。したがいまして、日本のはっきりした考え方にアメリカも従うというような申し合わせもあるようでございまして、すでに日本政府がしばしば申し上げておりますように、核兵器の持ち込みは絶対にしない、また、それには賛成しない、かような態度をとっておりますので、国民の皆さまも政府のこの声明を十分信頼をおいていただきたいと思います。
 また、日韓交渉につきましていろいろお尋ねがございました。日韓交渉は、私ども早期妥結を心から願っておりますが、ただいま御指摘になりましたように、これから親交を重ねていこうという、そういう国柄といたしまして、漁民の逮捕があるとか、あるいは漁船の拿捕があるとか、かようなことはまことに遺憾に思います。そういう点につきましても、韓国政府において善処されるよう、しばしば要望してまいっております。両国民がお互いに信頼することが、また理解することが、この日韓交渉を妥結さす基本である、かように私は考えますので、そういう意味から、国民の御協力を願いたいと思います。
 沖縄問題は、これこそまことにわが国にとりまして重大な問題であります。ただいま民族が二つに分かれておる、それは本土であり、沖縄である、かような状態にありますことは、私どものまことに遺憾とするところであります。これをできるだけ早く返還されることを心から願っておるものであります。御承知のように、沖縄につきましての潜在主権はアメリカも認めておるところであります。また、沖縄の住民も、できるだけ早く、一日も早く祖国に復帰したい、かような念願を持っておられます。ただ、私は、ただいまの段階におきまして、あるいは経済的、社会的、あるいはその自治権の拡大等におきましてまず努力することが、将来日本への復帰を容易ならしめるものではないか、かように考えまして、予算的措置なども講じておるような次第でございます。
 次に、私の、池田内閣から佐藤内閣へ移り変わったことについて、いろいろ御心配がおありのようでございましたが、先ほど来申し上げますように、高度経済成長についてのその得失あるいはその利益、国を利したことについては、十分よく私どももその功績を認めるべきである。ただ、七月に私は、高度経済成長が行き過ぎると、いかにもわれわれが予期しないような事態が起こるぞと、かようなことを指摘したことは、お話のとおりであります。しかし、これはわが自由民主党が民主主義の政党でありますので、その批判は自由である。また、池田前総理におきましても、そのとるべきものはそれを採用しております。人間尊重であるとか、あるいは社会開発であるとか、あるいはまた引き締め方法であるとか政策であるとか、これはすでに昨年来高度経済成長に対して引き締め政策をとっておる、その経過からもよくおわかりだと思います。かような状態でございますので、私が池田政策を今日正しく踏襲いたしましても、そこに問題はない、かように私は考えております。(拍手)
 解散をして民意を問うたらどうかという御意見でございますが、私は、解散につきましては、この前も申しましたように、これは議員の身分に関する重大な問題でございます。したがいまして、お互いにこの問題は慎重に取り扱うべき問題ではないか、かように考えます。(拍手)
  〔国務大臣椎名悦三郎君登壇〕
#15
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま今澄さんからの外交に関する質問の各項目につきましては、大体総理から答弁をされたようでございますので、私は、重複を避けまして、御答弁は差し控えたいと存じます。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇〕
#16
○国務大臣(田中角榮君) まず第一点は、英米の公定歩合引き上げに伴いまして外債政策はどうなるのか、それから、公定歩合の引き下げ等を含めた金融調整はどうなるのかという問題でございます。
 外債政策につきましては、御承知のとおり、現在ポンド債等を発行いたしておりませんので、イギリスが公定歩合を引き上げても、直ちに影響があるということはないわけでございます。しかし、ヨーロッパで利子平衡税が起きまして後約一年間にわたって、国債及び政府保証債の発行をいたしておりますので、現在日本の公定歩合が日歩一銭八厘、すなわち六分五厘七毛でございますので、それを上回るイギリスの公定歩合が七%になったという事実から見まして、外債問題については慎重に考慮してまいらなければならないと思います。なお、アメリカ市場におきましては、利子平衡税問題以後オールストップになっておるわけでございますが、本件につきましても慎重に検討してまいりたいと存じます。
 第二の、公定歩合引き下げを含めた金融緩和の問題についてでございますが、きのうも申し上げておりますとおり、まだ生産も高いし、輸入も高原横ばいの状態でございますし、現在ただちに金融緩和に踏み切るというような考えには立っておりません。しかし、年末等につきましてこの調整過程においてお困りになっておるような部面、すなわち、中小企業、農業その他につきましては、遺憾なき措置を行なうということでございます。
 第三点は、デノミネーションを断行するかどうかという御質問でございましたが、御承知のとおり、デノミネーションは貨幣の呼称を変えるだけにすぎないのでありまして、いわゆるデバリュエーションを含まない、同時に行なわないでは、この価値がないとされておるのであります。私は、こういうことばを出すこと自体さえも避けてまいったわけでありますので、デノミネーションを行なうという考えは全然ないということをここで明らかにいたしておきます。
 それから第四点は、証券市場の不振の問題でございます。本件につきましては、二つ三つ分けて御指摘がございました。確かに、高度成長を行なっておりながら、産業資金調達に対して具体的な計画を持たなかったということは、指摘をされても、そのとおりでございます。少なくとも一〇%の経済成長率を続けるならば、その産業資金をどうして得るのかということをあらかじめ当然予想せらるべきであります。今度中期経済計画を立てておるわけでありまして、この数字を仮定にいたしますと年率八・一%ということになります。五カ年後、すなわち四十三年度には国民総生産が幾らになり、国民所得が幾らになる、そのときにその間に必要な産業資金の総額は幾らであって、年次別幾らであるということは、数字で明らかに出るわけであります。そういうような問題に対して、ただ間接金融、いわゆる金融資本のみに重点を置いてきたところに今日の問題があることは、まさに御指摘のとおりであります。でありますから、戦前におきましては六一%の自己資本比率でございましたのが、現在御指摘のように二三%であります。二三%の低位に下がっておりながら、やがては資本の自由化に踏み切らざるを得ないというような国際環境にさらされておりながらも、なおかつ証券市場においては余剰株が存在するという珍妙な現象を持っておるということは、これはほんとうにこの問題と真正面から取り組まなければならぬことは、言うをまたないのであります。私は、その意味において、間接金融重点でありましたから、御指摘になったように、オーバーローン、いわゆる日銀信用によって今日までささえてまいったわけでございます。そのことがオーバーローンということであり、すなわち金融の不正常な状態をあらわしておるわけであります。でありますので、これらを解消するためには、抜本的な施策をとらなければならない。その意味で、直接市場の拡大強化のためには、来年度税制、その他現在日銀が共同証券等を通じて行なっておる措置も具体的処置の一つであることは、御承知のとおりであります。少なくとも間接資本、直接資本のバランスをどうとるかという具体的な問題には、四十年度予算編成を契機にして取り組み、これらの問題を解決いたしたい、こう考えるわけでございます。
 それから、資本市場が非常によくなくなったので責任をとれ、こういうことでございますが、これは私がいま申し上げたとおり、私は、大蔵大臣就任後から二年数九月にわたりまして、間接資本重点主義だけではなく、間接、直接のバランスをとって証券市場及び公社債市場育成に対して大いなる努力を必要とすると、声を大にして言ってきたわけでございます。しかし、戦後十八年間のしわがこうした証券市場に寄っておるのでございますから、どうぞひとつ皆さんも十分政府の証券市場対策に御協力を切に願います。(拍手)
  〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕
#17
○国務大臣(櫻内義雄君) 関連倒産について、立法措置によって救済せよということでございました。このことにつきましては、すでに民社党のほうから資料とともにお話を聞いておりますので、ただいま中小企業庁のほうで慎重に検討さしていただいております。しかし、法律の有無にかかわらず、関連倒産の問題は非常に重大な問題でございまして、総理、また大蔵大臣からしばしば申し上げましたとおりに、政府の三金融機関の融資のワクの増大や買いオペレーション、あるいは信用保証制度の拡充、こういうような施策とともに、民間金融機関の協力を求めておるわけでございますが、しかし、この倒産につきましては、それぞれの地方の実情がございますので、通産省といたしましては、地方通産局を中心といたしまして、政府の三金融機関や地方自治体あるいは日銀の出先、また財務局あるいは信用保証協会等とともに金融懇談会を設けまして、適切なる措置を講じつつある次第でございます。
 もう一点、消費者保護基本法をつくれとのお話がございました。当省におきましては、生産及び流通行政に十分消費者の立場を取り入れるべく努力をしておるのでございますが、現在産業構造審議会における流通部会あるいは消費経済部会等におきまして、御趣旨の点は十分検討をいたしておるつもりでございます。(拍手)
  〔国務大臣高橋衛君登壇〕
#18
○国務大臣(高橋衛君) 物価対策に関しましては、昨日もお答え申し上げましたとおり、今年の春、公共料金の一年据え置きを含むところの、非常に強い決意を持ってこれが安定化に努力いたしておりますことを申し上げておきます。
 なお、ただいま通産大臣からも御答弁がございましたが、消費者保護基本法のお考え方につきましては、国民生活行政の中の一環といたしまして十分検討いたしていきたいと考えております。
 ただ、その中で、御指摘のございました公共料金の据え置きをさらに延ばせというお考え方に対しては、これに同調することはできない次第でございます。ただし、これが解除後におきましても、ケース・バイ・ケースに、経済閣僚懇談会に付議いたしまして、慎重にこれを取り運びたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
#19
○議長(船田中君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#20
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 高橋  等君
        外 務 大 臣 椎名悦三郎君
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
        文 部 大 臣 愛知 揆一君
        厚 生 大 臣 神田  博君
        農 林 大 臣 赤城 宗徳君
        通商産業大臣  櫻内 義雄君
        運 輸 大 臣 松浦周太郎君
        郵 政 大 臣 徳安 實藏君
        労 働 大 臣 石田 博英君
        建 設 大 臣 小山 長規君
        自 治 大 臣 吉武 恵市君
        国 務 大 臣 小泉 純也君
        国 務 大 臣 河野 一郎君
        国 務 大 臣 高橋  衛君
        国 務 大 臣 増原 恵吉君
 出席政府委員
        内閣官房長官 橋本登美三郎君
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        総理府総務長官 臼井 莊一君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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