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1947/09/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第11号
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1947/09/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第11号

#1
第001回国会 商業委員会 第11号
昭和二十二年九月三十日(火曜日)
    午前十一時四十三分開議
 出席委員
   委員長 喜多楢治郎君
   理事 笹口  晃君 理事 細川八十八君
   理事 福永 一臣君
      金子益太郎君    師岡 榮一君
      山口 靜江君    井村 徳二君
      岡野 繁藏君    櫻内 義雄君
      松井 豊吉君    山本 猛夫君
      鈴木 仙八君    關内 正一君
      辻  寛一君    前田  郁君
      小枝 一雄君
 出席政府委員
        商工事務官   松田 太郎君
        商工事務官   和田 太郎君
    ―――――――――――――
九月二十三日
 委員木下榮君辭任につき、その補闕として九月
 二十六日小枝一雄君が議長の指名で委員に選任
 された。
九月二十七日
 商工協同組合法の改正に關する陳情書(四國商
 工協同組合大會)(第三二七號)
 大阪市に輸出品例外價格査定委員會設置の陳情
 書(大阪市東區北濱大阪雜貨貿易會理事長岩井
 雄二郎)(第三四〇號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 百貨店法を廃止する法律案(内閣提出)(第六
 二號)
 財團法人理化學研究所に關する措置に關する法
 律案(内閣送付)(豫第一六號)
    ―――――――――――――
#2
○喜多委員長 これより会議を開きます。
 前回に引続いて百貨店法を廃止する法律案、及び財團法人理化學研究所關する措置に關する法律案の両案について質疑を続けます。笹口君。
#3
○笹口委員 前会に質問いたしました事柄でありますが、前会では時間が非常に短くて、答弁も満足いたしませんでしたので、改めて質問いたしたいのであります。百貨店法が廃止になるとその結果としまして、百貨店が手足を伸ばして活動ができ得るようになる。これはひいては中小商業者に非常な影響を与える、かように推測いたしておるのであります。前会政府委員の御答弁によれば、その他の諸権の法律があつて、それによつて、制約を加えられておるから、その心配はないのじやなかろうかという御答弁であつたように記憶いたしておりますが、私どもが考えるところによれば、現在の金の所在は、大蔵省で発表されておるところを見ても、商業者に存在する現金は非常に多いように見受けられます。殊に百貨店はその厖大な資本力を擁しまして、ここに莫大な現金が集中いたして、この現金を駆使することによつて、相當伸び伸びした活動ができ得るのではなかろうか、かような推測をもつておるのであります。先般参考資料として提出に相なりました百貨店の營業の内容等も、私一、二についてその實際を當つてみまするならば、あそこに出ておりまする年間売上額は、ほとんど課税の対象となるべき年間売上額であつて、この實質は二倍ないし三倍に上るような厖大な売上を出しておるのであります。こういうような業者が、今後自由に手足を伸ばしてやる。これは結構なことでありますが、一方中小商業者が、これがために非常な圧迫を受けるということも、見逃せないことであろうと思いますし、また私はおそらくそうなるであろうという観測をもつておるのでありますが、これに対してわれわれとしましては、しからば百貨店のそういう手足を縛るということは、今後独占禁止法その他の建前によつてできなくなりますと、その代りには中小商業者もこれらの巨大な資本と対抗でき得るような仕組みに指導をしなければなりませんし、また政府としましても、そういう方面の助成をしなければならないものである。自由競争をいたしますには、等しき條件をもつて自由競争場裡に打つて出られるようにする。力及ばないものに対しては、これに手を貸すというくらいの気持ちがなくてはならないものだと考えておるのであります。その点についての商工肖の御用意を伺つたのでございましたが、答弁はなはだ不満足でございましたので、なお一應そういうことに対する商工省の今後の対策をひとつこの際伺いたいと思います。
#4
○和田政府委員 われわれ商業に關する問題を取扱つておるものといたしましては、大體商業の問題は、これをいかにすれば最も円滑に、しかも公正に配給を完遂いたすことができるか、言いかえれば適當な時期に適當な場所に、適當な品物を、最も低廉にサーヴイスよく消費者の手を渡すことができるかというところに、商業者の存立の使命があると思うのでございます。從いまして百貨店と中小商業者の問題に關しましても、ただ百貨店の進出あるいは拡大というものを抑えるという消極的な手段だけを講ずべきではないと考えておるのでございます。從いまして、百貨店そのものの今後の活動につきましては、さいわい独占禁止法の規定もございまして、著しくその規模等において他の業者と格差のありますものは、これに対する格差を減らすようにいたしますとか、あるいは不公正なる販売方法をとりますような場合には、この販売方法を制限をするというような大きな手が、独占禁止法によつて打たれることに相なつておりますので、そういう問題は、独占禁止法の円滑な施行によりまして、今後抑えることができると考えておるのでございます。從いまして、私どもといたしましては今後百貨店の進出そのものに対しまして、どうしても中小商業者の経營そのものを合理化しまして、百貨店と堂々と輸贏を決しまして、進展をさせるようにしなければならないというぐあいに考えておりますことは、ただいまの御質問とまつたく同様に考えておる次第でございます。しかしてこれが方法といたしましては、とりあえず商業の問題といたしましては、何といいましても、今日のようないろいろな配給統制、あるいはマル公が設定せられております以上は、できるだけこの配給統制をその計画通りに實施いたし、価格の面におきましても、マル公を遵守するということを、まずいたさねばならないと考えまして、いわゆる流通秩序の確立ということに向つて努力をいたしておる次第でございます。これによりまして、まじめな中小商業者というものが、やはり商業者がある方が便利であるというぐあいに、一般消費大衆に認めてもらうということが、まず第一番に打たれなければならない手であると考えます。これと同時に、中小商業者の経營そのものを合理化するという点につきましては、從来からございます、協同組合の結成によりますとか、あるいはヴオランタリー・チエーンというようなもので、中小商業者が任意的に結合いたしまして、その結合の力によつて、大資本の商業者と同様な大規模経營による経營の合理化を實施する。あるいはさらにチエシ、ストアを結成するというような方法をとりますとか、あるいは品物によりましては、できるだけ専門店化しまして、店としての特徴をはつきりさせることによりまして顧客の信用を得るというような方法をとることが適當であろうと思いまして、そういう方法につきまして、目下いろいろ案を考えておる次第でございます。
 なお今日の中小商業者の問題といたしましては、金融の問題もあるのでございますが、これにつきましては、中小工業にただいま特別な機関として商工組合中央金庫というものがあるのでございますが、これも目下のところ、現在の経済事情からいたしますと、資本金その他の点において、相當小規模になつた感もございますし、かたがたその形態自體につきましても、いろいろ疑問の点もございますので、これに代ります金融機関について、目下研究をいたしておりまして、どうしても中小商業者、あるいは中小工業者が、一般の市中銀行からは資金の融通を受けられない、しかしその資金の融通を受けます事業そのものは、必ずしも無謀なあるいは危険な仕事でないというような面に対しましては、そういう特別の機関によりまして、金融の途を開いていくというような方法も講じて、今後積極的な中小商業者の経營の合理化に向つて努力をいたしたいと考えておる次第であります。
#5
○笹口委員 ただいまの御答弁は、大體この間の御答弁とほぼ同じでございますが、そういう御方針は結構でありまするが、私どもが伺いたいところは、それが具體的にどのようなことになつて現われてくるか。ただいま御説のうちの独占禁止法との関係が百貨店に及ぼしまする影響、これを具體的にお述べを願いたいのであります。
 それから次には協同組合、あるいはチエーン・ストア等を御管掌なさるとのこと、まことに結構なことでございますが、しかしながら、この商工協同組合というものが、共同施設をいたすとしましても、これに対して何らの助成も与えていないのであります。過去におきまする商業組合あるいは工業組合當時には、共同施設に対しましては、政府は相當の助成をいたしたように記憶いたしておるのでありますが、それが統制組合と改組をせられまして、この型というものは、単なる掛け声だけでございまして、事實問題として、さような施設に対しての助成というようなことが、全然行われておらない。協同組合の利用ということは、これは各商人がみな存じておるのでありまするけれども、しかしながら、その共同施設というものを、具體的に進めてまいります場合におきまして、非常な障害のあることは、御存じだろうと思うのであります。こういうようなことに対して、もう少し具體的な方法をお考えになつて、少くとも過去における商業組合時代の共同施設に対する助成、そのくらいのことをお考え願えないかどうか。
 次には金融の問題でございますが、御説の中央金庫の金融状況は、きわめて微々たるものでありまして、私ども調べたところによりますれば、全國でわずかに四億五千萬くらいの金融しかいたしておらないのであります。かような状況でございますれば、地方の小銀行の貸出状況にも足らないというような始末でございまして、ほとんど有名無實の機関である。しかもこれに金の借入れを申し込みます場合に、非常な手數を要しまして、厳重な調査の結果ということで、あなら今日のような変転激しいところの商機を逸するおそれがあるのでございまして、かような機構は速やかに改革をしていただかなければならないと思うのであります。しかしその金融の面一つとりましても、仄聞するところによりますると、今回の商工協同組合法の改正案の中には、商工協同組合は金融事業を行うことはができない旨の規定もあるやに承つておるのでありまするが、そうなりますると、一層中小商業者は金融の面において逼迫するという状況が出てまいります。新しく金庫をおつくりになるということは、これはいろいろな方面で伺つておるのでありますが、もつぱら中小企業者、殊に中小工業者の方に重点が注がれまして、中小商業者の方は、これは後回しになるのではないかというようなことも伺つておるのでありまするが、その点についての具體的なお見透しはいかがであるか、御答弁を願いたいと思うのであります。
#6
○和田政府委員 独占禁止法の百貨店に対する適用の問題につきましては、独占禁止法に関する公正取引委員会がその衝にあたることに相なることでございますが、こと商工省の関係でございますので、私どもといたしましては、公正取引委員会と常時緊密なる連絡をとりまして、百貨店に対しましても、独占禁止法の十分な適用をみるように努力をいたしていきたいと考えておるのであります。協同組合に対します助成の問題でございますが、近く提案いたされます本年度の追加豫算におきまして、まだ具體的な數字は申し上げかねるかと思いますが、大體二千萬円あまりのものが、中小商工業の共同施設に対する補助金として計上せられる豫定に相なつております。なおこの共同設備の助成につきましては、補助金のほかに、産業復興公團等をしてその設備をいたさせまして、これを協同組合に貸し与えるというような方法も、今後とつていきたいと思いまして、産業復興公團の計画にも、漸次計上してもらつておるような次第でございます。
 なお協同組合法の改正につきましては、まだ最終的な案は決定いたしませんが、ただいまの見透しといたしましては、商工協同組合がほかのいろいろな経済事業とともに金融事業を行いますことは、金融事業そのものの健全性のためによろしくないというぐあいに考えられておるのでございますが、商工協同組合が金融だけをいたすというものについては、これを認められるようなことに相なるのではないかと考えております。それらの点につきましては、追つて法案が提出に相なりました際、十分御審議をいただきたいと思います。
#7
○喜多委員長 ほかに発言者ございませんか――では本日は発言者もこれでないようですから、この程度で打切りまして、次会は公報をもつて御通知申し上げたいと存じます。ではこれをもつて散会いたします。
    午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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