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1947/10/22 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第15号
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1947/10/22 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第15号

#1
第001回国会 商業委員会 第15号
昭和二十二年十月二十二日(水曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 笹口  晃君
   理事 石神 啓吾君 理事 片岡伊三郎君
   理事 福永 一臣君
      林  大作君    師岡 榮一君
      山口 靜江君    岡野 繁藏君
      櫻内 義雄君    坪川 信三君
      松井 豊吉君    山本 猛夫君
      鈴木 仙八君    松崎 朝治君
     唐木田藤五郎君    小枝 一雄君
 出席國務大臣
        商 工 大 臣 水谷長三郎君
 出席政府委員
        総理廳事務官  黄田多喜夫君
        公正取引委員會
        委員長     中山喜久松君
        商工事務官   松田 太郎君
        商工事務官   和田 太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 百貨店法を廃止する法律案(内閣提出)(第六
 二號)
 昭和二十二年法律第五十四號私的独占の禁止及
 び公正取引の確保に關する法律の適用除外等に
 関する法律案(内閣提出)(第六七號)
 財團法人理化學研究所に關する措置に関する法
 律案(内閣提出、參議院送付)(第七四號)
    ―――――――――――――
#2
○笹口委員長代理 これより会議を開きます。本日は委員長事故のため私が代理をいたします。
 百貨店法を廃止する法律案、昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律案及び財團法人理化學研究所に関する措置に関する法律案を一括議題として、質疑を続行いたします。
 まず最初に昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律案につきまして、政府委員よりその案の内容を説明していただくことにいたします。
#3
○中山政府委員 私的独占禁止法の適用除外につきましては、提案理由の際に述べられました通りに、この法律自體の中で、適用除外をしておることもあるのでございます。すなわち鉄道業、電気事業、ガス事業のような自然独占をなすものにつきましては、その事業の固有の業務に属する行為は適用を除外されるということ、その二は著作権法、特許法、實用新案法、意匠法、または商標法による権利に基く正當な行為、それと第三は小規模事業者、または消費者の相互扶助を目的とした協同組合の行為、これは多少の制限はございますが、これだけの三点は明らかに法律それ自體でもつて適用を除外しております。今回提案いたしました適用除外は、そのほかに私的独占禁止法の第二十二條によります特定の事業について特別の法律がある場合、それについてある部分は適用しないということになつております。その條文に基きまして、その法律を指定いたしますのと、そのほかこの私的独占禁止法の趣旨に照しまして、これと同一の趣旨を定めてあるもの、またはこれと相反するようなものにつきまして、實情に應じて適用を除外することを求めておるのでありまして、同時にこの法律は適用除外と同時に、この私的独占禁止法の規定に反する法律の効力に関することを定めようといたしております。
 まず私的独占禁止法の適用を除外すべき法律について申上げたいと思いますが、この法律案に掲げてあるまする除外しようとする法律は、大體これを三代別することができると思います。第一は経済統制法令、第二は特別の事業法、第三は私的独占禁止法以外の経済民主化法令、この三つに分けることができると思うのでありすが、第一に経済統制法令について申し上げたいと思います。
 これは現在の状態に鑑みまして、臨時に必要と認めまする統制法規でございまして、その法令はこの法律案にございます第二條の六号、食糧管理法、それから第七号の臨時物資需給調整法、それから第八号に基きます物価統制令、この三つになるのでございます。食糧管理法は主要食糧の配給に関する統制法規でありますことは申し上げるまでもないことでございます。そして統制は多くの場合、政府が必要な事項を命ずるのでありまして、これは私的独占禁止法に抵触しないのでありますけれども、統制の手段といたしまして、地方食糧營團に一手買取、一手販売を行わせております。食糧營團と違いまして、政府機関ではございませんが、食糧管理法によりまして、これに主要食糧の配給統制を行わせておりまする点を適用除外する必要があるのでございます。すなわち一手買取、一手販売によつて配給統制を行うことが、私的独占禁止法の第五條に違反するわけでございます。それでこれを除外する必要がございます。しかしこれはいずれ公團になります豫定と認められますので、この法律によります適用除外は、それまでの過渡的措置ということになるだろうと考えております。
 次に臨時物資需給調整法について申し上げたいと思いますが、この法律は現在の事態に鑑みまして、重要物資を有効に活用することをはかるために、政府が生産配給等を統制するための法律でございます。その規定の大部分は私的独占禁止法に抵触しないのでございますが、この法律の附則に指定された産業團體に臨時の統制業務の権限を与えるという場合が認められておるのでございます。この場合を適用除外する必要があるのでございまして、これも食糧管理法と同様に、私的独占禁止法の第五條に関係するものでございます。しかしこの取扱いも一時的なものになるのじやないかと考えております。
 第三の物価統制令、これもまた現在の状態に鑑みまして、物価抑制のため政府が価格等を統制するための勅令でございます。規程の大部分は私的独占禁止法に抵触しないのでございますが、ただこの法令によりまして例外的の方式といたしまして、事業者に價差を協定させ、これを認可するという規定がございますが、この方式を存続させていきたいと思うのでございます。これには私的独占禁止法の第四條に関係するのでございます。以上申し上げましたように経済統制法令と、私的独占禁止法との関係につきましては、経済統制法令に從つて政府が直接に価格なり、生産なり、配給等に関しまして命令すること、並びに政府機関が一手買取及び一手販賈の方法による配給の統制を行うということは、私的独占禁止法に抵触はいたしません。私的独占禁止法に抵触いたしますのは経済統制法令に基く行為の中で、価格料金等に関する事業者間の協定を認め、またはこれを命ずる場合、及び政府機関でないものに、一手買取及び一手販売による配給の統制、または配給の割當を行わせるという場合があるのでございます。以上で経済統制法令に関する部分のことを申し上げました。
 次に特別事業法に関することにつきまして申し上げたいと思います。この特別の事業法の規定でございまして、私的独占禁止法には抵触いたしますが、その事業の性質上私的独占禁止法を適用せずに、その事業法の規程を適用する方が一層公共の利益に適合すると認められるものがここに除外されるのでございまして、その法律は以下申し上げるようなものでございます、これは法律の中にも出ておりますが、第一條の一項の地方鉄道法第二十五條第一項、それから第二号の自動車交通事業法第十條第一項の第三号、これは同法の第十六條第一項で準用する場合を含んでおります。それと同法の第十六條の六、第一項第二号、第三号といたしまして、小運送業法第四條、これは同法の第十三條で準用する場合も含めております。次の第四号といたしまして、陸上交通事業調整法第二條第一項、第六号及び第七号、及び同條第二項でございます。第五号といたしまして保険業法の第十一條これだけが除外されることになつております。この法律はいずれもがそれぞれの事業に関係する監督法規なのでございます。そしてこの規定はいずれもみな料金等に関する協定を認可し、あるいは命令する規定でございまして、私的独占禁止法の第四條の規定に抵触するのでありますが、地方鉄道等に対する監督方法の一部といたしまして、これを存続する必要があるために、除外いたしておるのでございます。ところがこのうち地方鉄道法に関する除外以外の第二号から第四号の法律の規定につきましては、その適用を除外いたしますのは今年の十月三十一日までということになつておりまして、十一月以後は適用除外は受けないことになつております。これらの法律の規定に基きまして、料金等を協定するという方法は、その事業に対する監督方法としてもあまり好ましいやり方ではありませんから、十月末まで暫定的に認めるということにいたしまして、その間にこれらにつきましては別に適當な対策をその筋において考えるという、ひとつ余裕を与えようという趣旨でこういうことが定められておるのでございます。
 以上で大體特別の事業法に関する説明を終りますが、次に他の経済民主化法令につきまして、御説明を申し上げたいと思います。他の経済民主化法令といたしましては以下申し上げるようなものを考えておるのでございますが、第一には昭和二十一年勅令第五百六十七号、この法令はいわゆる会社の證券保有制限等に関する勅令でございます。同令に規定いたしております指定会社、いわゆる制限会社等の株式社債などの取得、所有、株式の處分、役員の兼任、制限的支配的契約の取締等に関しましては、同令の規定は私的独占禁止法の規定と定め方が違つておるかまたは競合しておる場合があるのでございますが、この場合は勅令第五百六十七号のみを適用することを適當といたしますので、除外することになつております。第二は持株会社整理委員会であります。この持株会社整理委員会令は持株会社、財閥家族の財産の管理處分、これらに関しまする勅令でございます。同令の規定いたしまする被指定者、指定せられたるものの役員就任、株式の取得等に関する規定は、私的独占禁止法の規定と定め方が異つておりまするか、または競合する場合があるのでございますが、この場合はこの持株会社整理委員会令のみを適用することを適當とするという趣旨なのであります。このように他の経済民主化法令と私的独占禁止法との関係につきましては、両者が違つた定めをしておる場合、または両者の規定が競合しておる場合において、他の経済民主化法令が特別の指定会社等について特別の事項を規定しており、一般的な私的独占禁止法は適用しないで、當該民主化法令のみを適用するのが適當だというときには、これの適用を除外しようとするものでございます。
 以上はこのたび提案されました法案の適用除外に関する関係においての説明でございますが、以下第二條の私的独占禁止法に反する法律、またはその法律に基いて発せられた命令の効力を有しないという点についての御説明を申し上げたいと思います。
 私的独占禁止法と他の経済法令との関係につきましては、形式の上から見ては両者とも憲法のもとにおきまする対等の法律でございまして、この両者の関係は前法、後法、及び一般法、特別法、その相互関係に関する原理によつて定めていかなければならないと考えます。しかし實質的には私的独占禁止法なるものは、わが國の経済秩序に関する新しい原理を掲げたものといたしまして、既存の経済法令は、この私的独占禁止法の規定ないしはその諸原理に照らして、これに検討を加え、それぞれ必要な措置をとる必要があるということになるのであります。この必要な措置とはどういうふうに考えられるかというに、大體三通りにわかち得ると思います。第一番目には、私的独占禁止法の適用を除外することを必要とするものは、その取扱いをする。これは前に除外に関して申し上げたようなことを意味するのでございます。なおこの際問題となりますのは、特殊銀行、特殊会社等の特殊法人でございまして、特殊法人であつて法律上独占権を有しておる場合、または独占状態になつておる場合。それともう一つは、許認可制度の結果、事業者が独占的状態になつておるという場合があるのであります。これらにつきましては法律解釈上自分の意図で他の事業者の事業活動を排除し、または支配し独占しておるということには考えられないばかりでなく、事實上も公益上必要ありとして、それぞれの法律が制定せられ、またそれぞれの制度が設けられておるのでございますから、適用除外をまつまでもなく、概ね問題とならないと考えられるのであります。しかしながらこれらの法律並びに制度なるものを私的独占禁止法の原理から批判し、これに必要な改廃を加えるということは、實質的の問題といたしまして別途になすべきことであります。また特に許認可制度による場合、この場合につきましては前議会において私的独占禁止法制定の際の審議にあたりましても、衆議院において許認可による独占については所要の措置を講ずべしと附帯決議をせられておるような次第でございます。
 次の措置について申し上げますのは、私的独占禁止法の第四條にございます制限的共同行為を禁止するということ、第五條にございます私的配給統制團體を禁止するということ、また第四章に全般にわたりまして会社の諸活動に関するいろいろの制限、これらのものは私的独占禁止法で直接禁止または制限いたしておる事項なのでございますが、こういう事項を主なる内容とし、しかもそれがその制度の中心的な目的となつておるような法令がございます。すなわちある法令全體またはその中のある部分が狙つておりまするその趣旨が、逆に私的独占禁止法の直接禁止または制限いたしておりまするところでございまして、しかもこれが存置を主張しなければならぬという何らの公益性のないものがあるのでございますが、これらは立法の調整の見地から廃止または改正することといたさなければなりません。これらにつきましてはすでに今日國会を通過いたしました國民貯蓄組合法の改正、海運組合法の廃止、その他目下提出準備中の件が約十件ぐらいあるかと思いますが、これらのものが今申し上げたような部類に属するのでございます。
 そこで第三に申し上げたいのは、前に申し上げました適用を除外するもの、それから必要な改善を行つてしまうもの、これらの中間に属するものでございまして、これをいかに取扱うかということが、結局本法案の第二條に関係することになるのでございます。私的独占禁止法の規定に反する法令の規定、特に第二番目に申し上げました私的独占禁止法の趣旨そのものを中心として、しかも何ら公益性のないようなものの改廃を要する点におきましてなお整理漏れになつているものは、本法案の第二條で効力を有しないものとする必要があるのでございます。
 この三通りによつて整理されていかなければならぬと思うのでございますが、本本案の第二條で効力を有しないという意味はどういうことかと申しますに、これは公正取引委員会または裁判所がこの事件につきまして判断いたします場合に、その事件におきまして事業者の行為がいずれかの法令に基く行為でありましても、その法令は無効として判断するということでございまして、また實質的にはこの無効となると思われる法令は、おおむね統制を主たる事業とする組合制度に関するものでございまして、これらの組合につきましては、昨年十二月の私的配給統制團體の禁止のデイレクテイヴ以来、関係各省で解散なり統制事業の廃止なりを講じつつあるのでございます。また新たに統制事業を行う組合の設立、加入、統制事業執行等に関する命令、認可等はしないことにいたしておるのでありますから、効力を有しないというこの條文につきましても、業界に無用の摩擦を与えることはないと考えております。また本法律案の第二條のような規定を設けますことは、必ずしも罪刑法定主義に反しませず、また今申し上げましたような實情でございますから、民事関係につきましても、これによつて特に無用の混乱を招くというようなこともないと考えております。以上で大體提案理由を少しく詳細に御説明申し上げた次第であります。
#4
○笹口委員長代理 ただいまの中山政府委員からいろいろ御説明がありましたが、この場合何か御質問がありましたら、御質問を願います。
#5
○林(大)委員 今の一條の一号、二号、三号、四号と五号も八号もそうですが、内容がちよつとわかりませんから、資料をください。
#6
○笹口委員長代理 資料を配付してください。――それについて簡単に説明をお願いします。
#7
○中山政府委員 それでは第一号から大體第五号までとなると思いますが、前に私の申し上げました説明の少し不足なところを御説明申し上げたいと存じます。第一号の地方鉄道法はお手もとにありますように、資料がございます。第二十五條これは「主務大臣は公益上必要ありと認むるときは地方鉄道業者に他の陸上運送業者と連絡運輸、直通運輸、運賃協定其の他運輸に関する協定を為すべきことを命ずることを得。」ということになつておるのであります。この條項が軌道法の第二十六條で準用されております。軌道事業につきましても地方鉄道と同様に各種の協定、殊に運賃協定というようなことがあるのでありまして、これは監督上必要であるということから適用を除外することになるわけであります。
 第二号の自動車交通事業法は第十條の第一項第三号でありまして、第十條は「主務大臣は公益上必要ありと認むるときは旅客自動車運輸事業者に対し左に掲ぐる事項を命ずることを得。」という第三号には「他の運輸事業者と設備の共用、連絡運輸、運賃協定其の他運輸に関する協定又は共同経營を為さしむること。」ということでありまして、この第三号の協定ということに関して適用除外をしようとするものであります。
 同時にまた自動車交通事業法の第十六條には六の第一項第二号ですが、これにつきましても「他の運送事業者に設備の共用、連絡運輸、運賃協定、其の他運輸に関する協定又は共同経營を為さしむること。」と協定に関する命令事項がございますので、これも適用除外をはかろうとするのであります。
 小運送事業法は第四條でありまして、第四條には公益上必要ありと認めますときには、運賃協定、その他取扱い條件の変更、設備共同使用の協定、集配区域の協定その他事業の實施及び改善に関し必要なる命令をなすことを主務大臣ができると示してあります。この場合も各種の協定を命ずることができるのでございますが、殊に集配区域の協定ということにつきまして考えるべき点がある。この協定に関係しまして、適用除外ということになつております。
 それからこれも第十三條においてこれを準用しておりますので、この場合も適用除外になる。第十三條では「運送品の荷造、保管及仕分、保険契約の締結、代金の取立、立替其の他小運送業に通常附帯して為す業務に之の準用す」となつております。次の第四号は陸上交通事業調整法の一部でございまして、これは陸上交通事業の健全なる発達に資するために、その調整をいたしますためにいろいろな調整方法を決定しておりますが、その中に第二條の第一項第六号に「運賃又は料金の制定変更又は協定」ということ、この第七号に「連絡運輸、直通運輸其の他運輸上の協定」ということがございますので、これらに関して適用除外を行わんとするのでございます。
 第五の保健法は十一條が除外されるのでございまして、これは保険会社は命令の定むるところによつて、その事業に関し統制協定をなしたるときはこれを主務大臣に届け出ずることを要しまして、主務大臣は保険事業の健全なる発達をはかるため特に必要ある場合と認めるときは、保険会社に対しそういう統制協定をなすべきことを命じ、または同項の統制協定の加盟会社または非加盟会社に対して、その統制協定の全部もしくは一部によるべきことを命ずることができるとなつております。この協定に関して適用除外を行わんとするものであります。あとの六号、七号、八号につきましては先ほど申し上げました資料の中には、それに関する関係條文を掲げてございますが、大體先ほど申し上げましたような趣旨以外に、御説明を申し上げる点はないと思いますので省略いたします。
#8
○林(大)委員 銀行の金利協定などはこの間新聞で見ますと、委員会の方から注意をしておるようでありますが、日本の今の金融統制の状態から言うとやはり除外していく必要があるように私は感ずるのでございますが、その点はどうお考えになりますか。
#9
○中山政府委員 銀行の金利協定につきましてのただいまの御質問にお答えいたします。銀行間の預金及び貸出しの金利協定につきましては、實は銀行法の中にも、どの法律の中にもそういう協定に関するとか、あるいは協定を命ずるというような實は規定がないのでございます。それでその適用も除外すべき対象がないということになつておるのでございます。全然そういう法的根拠なしに自由に自主的にあれは協定をやつているものなんでございます。
#10
○櫻内委員 ちよつと資料の上から御質問申し上げたいのでありますが、いただいております資料の中には「私的独占禁止法施行に伴い改廃する法律」という一覧表がございまして、そのうちの最後の方に自動車交通事業法、小運送業、これらが廃止ということにその表ではなつておるのであります。そこで本日御答弁願つた中には自動車交通事業法あるいは小運送業法は除外するようになつておりますが、その点この資料が間違いなんでしようか、ちよつと伺います。
#11
○中山政府委員 自動車交通事業法は、ただいまごらんになりました資料の上から第四段目にも記載してございますように、結局道路運動事業法に移行することになるわけであります。で自動車交通事業法自體は廃止になりますが、それに代つて道路運送業法なるものができる豫定になつて、ただいま御審議中だと思います。小運送業法につきましては、運輸省では――やはり第四段目にございますが、通運事業法をもつてこれに代えるという考えでございまして、立案されておるのでございますが、まだその筋の承認を得ない状態になつておるわけでございます。
#12
○櫻内委員 そうしますと、この提案されております法律案の書き方は不十分でないかと思うが、そういう御見解はございませんですか。
#13
○黄田政府委員 これは小運送業法、自動車交通事業法ともに七月二十日に独占禁止法が施行になりまして以来、ずつとこういう協定を今までやつてきていたものをも除外しようという方針でございますので、將来小運送業法あるいは自動車交通事業法が廃止されるかどうかということには関係なく、本法においては小運送業法第四條、それから自動車交通事業法第十條第一項第三号というものは適用除外の対象としておく必要がございますために、こういうふうにしておるのでありまして、決して技術上の間違いとか何とかいうことではございません。
#14
○林(大)委員 先ほどの銀行の金利についてもう少しお伺いしたい。そうするとあれは業者間の自主的協定であつて、法律に準拠していないから、その法律を排除すべき理由がないとおつしやいますが、法律のあるなしは別として、あの協定がなければ、日本の金融業界というものは實際には非常な混乱を来すことは事實であると思うのであります。それに対してあれはどういうふうに處置をされておりますか。
#15
○黄田政府委員 金利協定を現在のままの形でやるということは、業界の協定でございまして、これはどうしても真つ正面から独占禁止法の規定に引つかかる。つまりいかに公益に適するとことを目的としておろうとも、業者間の協定というものはともすれば私利的になるということが独占禁止法の根本精神なのでございまして、從いまして現今の日本の状態では、金利協定がどうしても必要だというのならば、それを業者間の協定でないような方法にしてやれば、それは独占禁止法の対象とはならないのであります。從つて金利協定のようなものが必要であるということと、独占禁止法にそれが引つかかるから、ほかの方法でやるべきであるということは、決して相反発するものではないと考えております。
#16
○笹口委員長代理 他に何か御質疑はありませんか。他にないようでありましたら一應本日は昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する適用除外等に関する法律案の質疑はこの程度にいたしておきまして、次に百貨店法を廃止する法律案の質疑を続行いたしたいと思います。なお本件につきまして先ごろ御要求のありました商工大臣の出席を求められておるのでありますが、ただいま鉱工業委員会に出席されておりますので、その都合によつてこちらへ出席をしていただく、このような手筈になつておりますから御了承願います。それまで他の政府委員の方に何か御質疑がありましたらどうか御質疑を願います。それでは商工大臣が見えられますまで懇談に移りたいと思います。いかがでありましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○笹口委員長代理 それでは速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#18
○笹口委員長代理 再び委員会を開きます。ただいま商工大臣が御出席されましたので、商工大臣に対する御質問を願います。
#19
○片岡委員 今回提案された百貨店法案の廃止、これは現在の民主政治においては、もちろん趣旨において賛成するものであります。しかしながらこの百貨店法案が出た當初のことを考えてみた場合に、その時代はやはり自由に事業ができた時代でありまして、その結果として有力なる資本をもつた百貨店があらゆる企業面に対して進出し、端的に申し上げますと地方へ支店をたくさんつくり、あるいは出張所をつくり、ないしは最も購買力の旺盛な時期をねらつて適當な場所へ出張する。こういう状態化におかれて、中小業者は非常にその圧迫を受けたのであります。これが対策として業者あるいは専門店街というような変つた業種別の者が、一都市において一業一店というようなものを連鎖的につくつて、全國的にこの企てが行われたのであります。そして百貨店の進出に対應すべく起ち上がつたのでありますが、いかんせん有力な資力の前にはその効果が少なかつたのであります。そんなぐあいでこの大資本の前には中小の商業者は常に圧迫を受けた、その声が全國的に集まつてそれが議会に反映して、百貨店にある種の制圧を加うべく今日の百貨店法が制定されたのであります。爾来この法律によつて商工業者にそれぞれ安定を得ておつたのであります。しかるに今日突如としてこれが廃止されるという場合においては、その影響するところ實に重大であつて、今後の日本再建は主として中小の商工業者の発展に待たねばならぬという矢先に、一方中小商工業者は非常な統制価格の中に制限されて、その活動範囲というものはまつたく微々たる状態であるにもかかわらず、有力なる財力をもつ百貨店が、自由に進出できることになつたならば、まことにゆゆしい状態が惹起するのではなかろうかと思うのであります。
 そこでどうしてもこの法律を廃止しなければならぬというならば、これら中小商業者の救済の途をつけて、それを同時に施行さるべきものではなかろうかと考える次第であります。それに対しまして商工大臣の御意見を拝聴したいと存じます。
#20
○水谷國務大臣 百貨店法を何ゆえに廃止せねばならないかと申しますことは、さきに提案理由の御説明の際に申し上げた通りでございますが、このたび百貨店法の廃止によりまして、百貨店の新設拡張に対する許可制度がなくなるということになりますと、ただちに百貨店の濫設またはその相互競争の激化を招きましたり、また一般中小商業者に対して不當な圧迫を加えるものになるじやないかというようなお考えもございますが、私らの考えますところによりますれば、そういう心配はないと考えておる次第でございます。その理由はこれまで政府委員が御説明申し上げましたように、臨時資金調整法、臨時建築等制現規則のような既存法令によりまして、百貨店の新設拡張につきましては、依然相當の制限が加えられることでありますし、さらにこの種の制限を別といたしましても、百貨店の発展には、その性質上、おのずからある限度が存在することは、諸外國の實例に徴しても明らかな事實でをります。言うまでもなく、商業の社会的機能は、消費者が必要といたします物資を、適當な時、適當な量で、できるだけ容易にかつ廉価に配給することでございますが、百貨店、中小商業者、消費組合、購買会等は、いずれもかような商業的機能ないと配給機能を行うものでございまして、これらはそれぞれその存在の理由と長短をもつているものでございます。そうして國の経済によつて望ましいことは、これらのものが独占禁止法の保障のもとに、公正な自由競争を活発に行いまして、それぞれがもつている長所を延ばすことに努力し、その使命とする配給機能を、ますます合理化いたしまして、一般消費者の便宜と利益に奉仕することでございます。從いまして、百貨店の活動についてのみ現存の独占禁止法、臨時資金調整法、臨時建築等制限規則等の法令以上に、大きな拘束を加えるべき理由はないものと考えております。殊に從来の中小商業者窮迫の原因を考えてみまするに、百貨店の進出も、その一因ではございますが、このほかに消費組合、購買会等の直接配給運動があり、さらに根本的な原因といたしましては、中小商業自體が包蔵しております経營上の欠陥、資本力の弱小、金融難及び同業者の方等の重要問題があるのでございます。從いまして、今後の真の中小商業振興のための基本方針なるものは、ただ単に中小商業者に物質的な援助を与えることや、中小商業者の有力なる競争者の活動を抑圧したりすることではないのでありまして、むしろ進んで中小商業者を大規模小売業と対等に、公正な自由競争を行わせることを主眼といたしまして、中小商業の自助自營の精神によりまして、中小商業の有する内部的欠陥を除去し、その経營の合理化をはかり、その長所と強みを発揮させることであると考えております。
 政府は右の考え方によりまして、第一には商業協同組合の制度を活用いたしまして、共同仕入、共同運搬、共同保管、共同宣傳その他の共同経済事業を行うことによりまして経營の合理化をはかりたい。これが第一でございます。第二には、組合の營む金融事業によりまして、資金の獲得を容易にすること、第三には問屋または製造業者を中心にいたしまして中小小売業者が結合して連鎖店を組織し、経營の合理化をはかるように指導したいと思います。さらに第四には、専門店化の指導をはからうと思つております。さらに第五には、中小企業のための特別の金融機関を設置したいと考えております。右五つ等の理由に重点を置きまして、中小商業の改善につきまして、積極的な指導推進に努めるつもりでございます。しかしてこれが實施のためには、中小企業対策の一環といたしまして、近く政府部内に中小企業のための特別な機関を設置いたしまして、中小商工業に関する総合的責任をとらしめると同時に、中小商工業者の公正な利益を強力に代表せしめまして、中小商業の振興に関する方策、一般の案畫推進に當らしめることとし、その方針のもとに目下準備を急いでいる次第でございまして、こういう百貨店法の廃止に基きまして中小商業に与えるところの打撃をば抑制したい、このように考えている次第であります。
#21
○小枝委員 私はこの際水谷商工大臣に、百貨店法廃止に関連いたしまして一、二お尋ねいたしたいと思います。百貨店法廃止によりまして、中小商業が相當な打撃を受けるということは私は決して豫測するに難くないと思つているのであります。しかし商業の存在の意義は、ただ単に商業者を保護するに止まらずして、進んで商業者が社会的存立の意義とその存立の効果とを國家社会に対しまして十分発揮せしむるところにあると思うのでありまして、私は必ずしもそういう大きい意味から言いまして百貨店法廃止というものに対して決して反対の意見はもつていないのであります。ただこの機会において特に私がお尋ねしてみたいと思いますのは、百貨店は大資本を擁しているのでありますが、御承知の通りに中小商工業の資力はきわめて貧弱であります。殊に最近における金融面における中小商業の逼迫せる現状は言語に絶するものがあるのであります。殊に市中金融においてはほとんどやみ金融が大部分でありまして、銀行方面における融資はほとんどない。やみ金融の金利はおそらく月一割以上の高率な利率であろうということとは當局は御承知だろうと思います。かかる状態のもとにおいて商業者はただ没落の一途をたどるという以外にないのであります。從いまして私はこの百貨店法廃止に伴います中小商業の保護政策と申しますか、これは資金面における金融の緩和であろうと思います。そういう方面について商工大臣は所管大臣の立場といたしましてこれらの関係方面に適當な御交渉ないしは手段を講じておられるかどうかということをお尋ねしてみたい。
#22
○水谷國務大臣 中小企業の金融難を緩和することは、中小企業振興のために非常に重大なる問題であるということは。これは商工省といたしましても、當事者以上に心配し、かつまた熱意をもつておるものでございまして、われわれは一刻も早く中小企業のための特別の金融機関を設置したいという考えで種々努力し、また交渉しておるつもりでございます。なお第九十議会に復金ができるときにおいても、大體ああいう機関はえてして大企業中心になるので、中小企業のために特別の機関を復金設定と同時に置くべしという議論も、われわれも在野時代にいたしてきたのであります。その當時石橋大蔵大臣は、その復金の一部に中小企業の部門をつくるから、そういう心配はないという御答弁でありましたが、その後復金の金融がどういう方面に流れておるか、中小企業のためにどのくらいの割合に流れておるかということを検討してまいりまして、從来われわれが唱えておりましたように、中小企業のための特別金融機関の設置がぜひ必要である、絶對に必要であるという結論に達したのであります。ただいまの大蔵大臣も、大臣になられる前においてはまつたくわれわれと同じ意見をもつておられた関係上、こういう問題に関しましては大蔵當局その他関係方面と折衝いたしまして、一刻も早く中小企業のための特別金融機関を設置したいというぐあいに考えております。ただいまのところでは中小企業のための特別の金融機関というものはどういうものであるかということの内容を、具體的に申し上げるまでに至つておりませんが、政府といたしましてはできるだけ一刻を争うて、こういう特別な機関を設けたいというぐあいに考えておりますので、その点はひとつお含みを願つておきたいと考えております。
#23
○小枝委員 さらに重ねてお尋ねいたしたいことは、百貨店法廃止によつて中小商業が打撃を受けるという前提のもとに私はお尋ねをしておりますが、本会においてこれが提案されるかどうかということについては、私も聊か疑問をもつておるものでありますが、生活協同組合法案が政府もしくは議員から提案されるのではないかと考えております。この協同組合法案が實現の暁には、さらに中小商業に対する打撃というものは大きくなるのではないかと思われる。これに対する商工大臣の所見をお伺いしてみたい。
#24
○水谷國務大臣 この生活協同組合法というものが、はたして今議会に出るか、さらにまた出るとしても、いかなる内容のものであるかということは、ここで即座に判断することはいたしかねると思います。先だつても商工会議所の全國大会が丸の内の精養軒で催うされたときにも、商工大臣としてこの意見を聴かせということでしたが、われわれといたしまして大ざつぱに申し上げますと、いわゆる商業者はこの生活協同組合というものの中に溶け込んで、その配給の末端機構を担當するとか、あるいはまたお互いに助け合つてこれをやつていくというぐあいに、商業者の生きる道を考える方がいいではないかと、一應商工大臣としての考えを述べておきましたが、しかしそれらの問題、たとえば現在の経済事情のもとにおきましてどうしても生活協同組合法というようなものが成立する合理的な根拠がかりにあるといたしますならば、その内容を十分検討いたしまして、この組合と商業者の立場をいかに調整するかということは、十分に考えてみたいと思いまして、われわれといたしましてもこの法案の内容、さらにまたそれに関する商業者の利害関係というものに関しましては、法案の内容が固まるにつれまして十分な対策を講じなければならぬと考えておりますが、ただいまのところではその内容がいろいろに傳えられておりますので、この場合はつきりした商工省の対策を述べるのはまだ早いのではないかと考えております。
#25
○林(大)委員 この百貨店法を廃止という問題につきまして、私も責任もあることであり、ずいぶんいろいろな人に会うごとに聴いておるのであります。ところがたれ一人としてそれを廃止した方がいいと言う人に私は未だかつて、商工省の責任あるお方以外には会つたことがないのであります。この問題は、法律というものが一つの社会意識を表現しなければならないという意味からいつて、當局の方としても十分考え直していただかなければならないことではあるまいかと思うのであります。なおかつこの法案の審議にあたりまして、過去三、四回にわたつてずいぶん議論をいたしたのでありますが、實はどうしても私のみならず、ほかの委員の方々も納得のいかない方が多いような状況であります。それでまずその審議の内容といたしまして、百貨店法を廃止する。なるほど百貨店法の中には百貨店の組合法とも称すべき廃止した方がよろしい部分はもちろんございます。ところが百貨店法自體といたしますと、もし廃止したならば、その百貨店の資力の問題、建築制限の問題、総合的な宣傳力の問題、地方販売の問題等々、どちらの方面を見ましても、なかなか百貨店が將来暴れて、日本の中小企業者特に商業者を極度に圧迫することは事實であると思うのであります。それでたとえば資本の問題にしても建築制限の問題にしても、今まで同じような御説明を承つておるのであります。ところがこれは立場によつてそういう御説明をなさるのであつて、個人的にそれでは商工大臣と差合いでほんとうはどうですと言つたら、どうもこれは困るじやないかというようなお気持があられるものと私は自信するのであります。そこで資金の面においても、どうしたつて將来デパートが勝つにきまつているし、それから建築制限を云云すると申しても、建築制限を逃れ得る手は、金をうんともつている者が、いろいろな手を通じて売場を広め得ることは、小さい者がずいぶんやかましく言われて建築を許可されるよりも、いろいろそこに手があるであろうとも考えられますし、またこの商標をもつて地方販売などに出かけましたならば、田舎の人に対して非常なアトラクシヨンでございますから、非常な発展を来すことは事實である。すでに十日ほど前の新聞にも、デパートは非常な成績であるということが出ておるようなわけでありまして、どうしてもそれらの御説明では納得できないのであります。その上それじや究極においてどうするかというと、独禁法を適用する。こういう御説明でございますから、公正取引委員会のおいでを願つていろいろ説明を聴いたのでありますが、結局規模の較差の問題、つまり大きい小さいの比較をして、それは大き過ぎるからというので、抑えていくという較差の問題の抑圧と、もう一つは不當の競争、この二つの点からこれを抑える以外の手がない。それをどういうふうに抑えるのですかというつつこんだ質問になりますると、それは追い追い考えましてというわけでございます。考えておる間にデパートの方はどんどん伸びていつて、中小企業者の方は依然として足踏みをせざるを得ない。なおかつ先ほど大臣の御説明にもありましたように、中小企業は大いにこれから伸ばすのだ。こういう手でいくのだというお話でございますが、私の見解をもつていたしますれば、なるほど中小工業の方は輸出産業と結び合わせて伸ばす余地は十分あると思います。しかしながら國内における中小商業者をいかように金を使われましても、これが扱うべき商品のない時代において、これをいかように伸ばそうということをおつしやいましても、それは空論でございまして、實際に即した問題ではないと思うのであります。そういうふうないろいろの角度からこの法案を考えてみます場合に、どうしてもこれは無理押しにお通りになるということは、少し無理ではないかという点で、ほんとうの日本人としての気持からして、殊に中小企業者の気持も付度いたしまして、どうしても納得がいかないのであります。そういう意味で實は商工大臣においでを願つて御説明を聴きたい。こういう段取りに相なつたのでありますが、同じような御説明を承るのでは、ちよつと納得がいかない。こういうむつかしい場面にはいつておるわけであります。何とかひとつここで新しい法律を、つまり百貨店法の組合法をのけたような取締りの法律を考えるとか、またこの考え方を政府の方でおやりになるとか、またわれわれの方でやるとかいうような、何かここに適當に、なるほどもつともだというつまり社会意識に合致したものにこれをして通さなければいけないのじやないかということを考えまして、御所見を承りたい次第でございます。
#26
○水谷國務大臣 ただいま林委員の申されたお言葉でありますが、百貨店法を廃止する方がいいという議論が少しもないということと、何ゆえ百貨店法を廃止しなければならないかという理由とは、これは別であろうと思います。そういう御議論でございますと、この百貨店の問題ばかりでなしに、今議会における一番大きな問題である集中排除の問題というような点に関しましても、非常に大きな問題がございまして、われわれはまず現在の情勢のもとにおいて、百貨店法を廃止しなければならないということならば、それを廃しまして、そのいわゆる対策というものをどこにおくかということを考えねばならないような状態であろうかと思います。もちろん正直に申し上げますと、中小企業対策と申しましても、中小工業というものの対策はただいま林委員の御指摘のように、これはある程度立ちやすいと思います。あるいは輸出産業の振興と結びつけるとか、あるいは國内必需物資の生産と結びつけるとかいうぐあいに結びつきやすいのでありますが、仰せの通り中小商業ということになると、その扱う商品が絶對に少いという場合におきましては、ざつくばらんに申し上げますと、中小工業の対策のようにはつきりした対策を立てることができないということは皆様もお認めにならうと思います。そこで新しい國会におきましては、こういうような発案は原則として國会がやつていただくという建前になつておりますがゆえに、一應この百貨店法を何ゆえ廃止しなければならないかという理由をおくみとり願いまして、あなた方商業委員会と商工省とが協議してひとつ対策を練りたい。もし商業委員会においてこの廃止に伴う中小商業の保護育成に対して案を立ててくださるならば、政府としては十分それを尊重いたしまして、できるだけの協力、努力をしたいというのがわれわれの偽らない考え方であります。現在の情勢のもとにおいて、一番むつかしい中小商業の対策は独り商工省だけに任しておけばいいというようなお考えでなしに、ひとつ皆様方がりつぱになる案を立てていただくとか、あるいは商工省と協議して何とかこのむつかしい問題を解決するというぐあいにしていただくことがほんとうに望ましいのではないか。これはざつくばらんに私の意見を述べさせていただいた次第であります。
#27
○片岡委員 今大臣は建築法によつて百貨店の地方進出をある程度抑えることができるということを申されましたが、大臣も國内をずつとお歩きになつたと思いますが、大きな商業者という商業者はほとんど店を閉めておつて、地方々々で相當の商店が今空いております。それを借入るわけですね。新たに建築をせずとも、百貨店が支店その他を設けようとか、あるいは地方売出しをしようとか、あるいは勢力を地方的に進出させようという場合には、そういうものを買収もできる。ですから今仰せられた建築法でこれを弾圧するということは當たらないと思います。それで十分事足ります。
 もう一つは金融面でありますが、大きな見透しのよい成績のよい有力な業者には金融面では相當融資はできます。正面ではある程度の制約を受けましても、金融の内面において相當の融資ができるわけです。ところが中小商業者のごとき、今追込まれた業者の金融はいかなる方法をもつても安んじて金融業者が要求に應じないのが今日の實情であります。大臣はこの方面にも、あるいは独占禁止法によつて相當の制約はできると申されましたが、独占禁止法の適用いかんということは非常に大きな問題でありますので、現在の百貨店の力をどこまで独占禁止法で抑圧するかということをお伺いしたいのであります。もつとわかりやすく申し上げますと、今相當の出張所あるいは支店をもつております。これらをこの上認めるか認めないか、その点をお伺いしたい。
#28
○水谷國務大臣 この百貨店と独占禁止法との関係はこの前政府委員が申したかと思いますが、商工省だけの一存にまいりかねる点であります。商工省といたしましても、ただ単に傍観していることもできませんので、その点はひとつ運用でできるだけのことをしたいと思います。
 いま一つの問題は百貨店の地方進出というものを、その地方々々の大きな商売人で店舗が占められておる。そういうものと結合さすとか、タイアツプさすというような考えはないかという御趣旨ですか。
#29
○片岡委員 そうではない。大臣の先ほどの御答弁の中に、百貨店が地方で新しい支店を設置する場合には、建築法の制限によつて抑圧されるというふうに私は伺つた。ところが、逆に支店を設置するために、地方々々に空いているところの商店を買収する方法がある。ですから、大臣の言われたことは當たらないというのが、私の意見です。
#30
○水谷國務大臣 ただいまの御質問は、なるほど地方の店を買うということは、これは臨時建築等制現規則で抑えることはできませんが、その場合はその前に申し上げました臨時資金調整法で抑えることができる、かように考えております。
#31
○片岡委員 臨時資金調整法で支店の設置ができないというようなことは理念でありまして、百貨店くらいの厖大な資本をもつているものは、資本の運転の方法でいくらでも支店の一店や二店は出し得るわけです。その点についてお考えを伺いたいと思います。
#32
○和田政府委員 ただいまお話の、百貨店が既存の家屋を買収するという問題は、臨時資金調整法の建前から申しますと、そういう不動産を買収すること自體につきまして許可を受けなければならないことになつておりますので、その面から抑えることができると考えます。
#33
○片岡委員 臨時資金調整法によつて資金の面は一應抑える。しかしながら百貨店のあの厖大なる資本をもつてすれば、自己資本でそれらを買収することができると思います。
#34
○和田政府委員 固定設備を買収します場合、資金を他から借入れる場合はもちろんでございますが、自己資金をもちまして買収いたします場合も、臨時資金調整法の適用があるのであります。
#35
○片岡委員 もしその制約を受けた場合には、臨時に借入れをもつてしても支店設置の目的を達し得る場合もあります。これに対するお考えを願いたいと思います。
#36
○和田政府委員 ただいまのお話のような場合には、現在の法律によりましては、抑えることはできません。
#37
○片岡委員 そうしますと、先ほど大臣の説明の中にあつた御趣旨と反する場合が起つてくる。言いかえれば、一方においては中小商工業者を相當に弾圧する手段を得て、この場合に商工省は許すという方針で進むのではなかろうかと思いますが、いかがですか。
#38
○和田政府委員 ただいまお話のような借入れの場合は抑えることはできませんけれども、要するに現在の経済情勢におきまして、はたして百貨店が現状以上に一歩でも伸びることを抑える必要があるかどうかということが根本的な問題でございまして、他の各産業におきましても、その中の企業は大きくなりまして、他の企業と事業の較差が非常にできたというような場合にこれを抑えて、公正な競争をさせますために、独占禁止法という一般的の物指があるわけでございますので、商業の面におきましても、私どもといたしましては、独占禁止法の適用によりまして、はたして今後現状そのものが独占禁止法で抑えるべきものであるか、あるいは今後どの程度大きくなつた場合に独占禁止法で抑えるべきものであるかという点は、一般産業と同様に独占禁止法の規定の運用で十分であろうと考えておるのであります。
#39
○片岡委員 独占禁止法で先ほど私が大臣に質問したことは、現状の百貨店のあの機構をどう認めるかということでしたが、それに対する御答弁はなかつたのであります。現實でさえも独占禁止法によつて適用を受けるか、あるいはこの上機構を充實して地方へ進出しても、これを認めるかという範囲をこの際はつきり伺つておきたいのであります。
 もう一つは附加えておきます。大臣は現實の百貨店の機構を独占禁止法ではつきりと認めるや否や。この点をはつきり聴いておきますれば、独占禁止法運營云々ということはわれわれは肯けますが、もしただ運營という言葉でカヴアーされて、その場合にいつて、運營のいかんであつたというように逃げられたのでは、われわれは承知できないのであります。
#40
○松田政府委員 ただいま百貨店の問題につきましていろいろ御懸念をいただいたのでありますが、大體百貨店の問題につきましては、先ほど大臣から中小企業との関係につきまして、率直に御答弁があつたのであります。また一方百貨店につきましても、先ほど来る御説明申し上げておりますように、いろいろの現在ございます法令によりまして制約はできるのであります。しかしながらお話のように、それだけの法令によりまして全部が全部制約することはできない場合も確かにあると思うのであります。しかしながらその場合に百貨店をそこまで動きのとれないようにしてしまうことが、本来の公正な競争を認めなければならぬ今日において、いいかどうかということは、非常に疑問と思います。しかしながら百貨店が不必要な拡張をいたしまして、中小企業に非常な圧迫を加えるというような事態は、これは先ほど来お話のように、独占禁止法によりまして公正取引委員会が責任をもつて、その運用については當るのでありまして、從つてその点は私はそれほど御心配になる必要はないじやないか。むしろ百貨店の面をあくまで抑制することよりも、百貨店についての過當な拡大を抑えるべく、いろいろの法令ないしは独占禁止法の運用等についてその点は考えることにして、それよりはむしろ百貨店に相呼應し、相対抗して中小企業者がどういう工合に今後進出していけるかというところに重点をおくことが、最も大事なことと思うのであります。これらについては先ほど商工大臣らもお話がありましたように、われわれとしましても現在考えております。しかしながらこの中小商業の特に振興の問題については、國全體としてあらゆる面から知恵をしぼつていただかなければならぬ問題でありまして、特にこの商業委員会等におかれましても、その点についてはどうぞ腹蔵のない御検討を願つて、今後中小商業を――特に中小工業に比べて振興がなかなかむつかしい中小商業をどういう工合にして振興せしめるか。これは金融の問題もありましよう、いろいろな問題があると思いますが、それについてのお考えを聴かせていただきまして、今後の御協力を願いたいというのが先ほど来の大臣の忌憚のない御意見であります。どうぞそういう意味に御解釈をいただきまして御了承をいただきたいのであります。
#41
○片岡委員 今の御説明はよくわかりました、先ほど私が大臣に質問したときにお話し申し上げた通り、この百貨店法なるものの生まれた理由は、自由経済のときにこれが起つたのであります。重ねて申し上げますが、それら百貨店のひどい進出に対して自衞上やむなく連鎖店あるいは任意の組合ができてこれに対抗したのであります。にもかかわらず、そのときには商品が國内に充満していた、輸出もどんどん振興していた、そういう緩慢な時代にさえも百貨店の進出にたえ得られなくて、必然的の自衞の方法としていろいろの施策が生れたのであります。そういう場合にこれが制定されたのであります。このことをよく大臣もお考えになつていただき、関係の係りの方も認識を新たにしてもらう必要があると思います。今のような中小商業者が追い詰められた場合において、これを突如として解放するということは、私はどうしても考えられない。今の御説明では、業者は業者でこれの対策に當れというようなお話でありますが、それはもう試験ずみで、やむなく全國の声が集つてこの百貨店法というものが制定されたのであります。これを一つ考え直していただかなければならぬ。こう考える次第であります。
#42
○櫻内委員 この委員会の全般的な空気といたしましては、私はこういうふうに考えるのであります。この百貨店法があることが私的独占禁止法の精神にもとるかどうかというと、むしろそれは逆ではないか、こういうふうに考えるのであります。そこで私の特に聴きたいことは、これは速記を止めて御返事をいただきたい。
#43
○笹口委員長代理 ちよつと速記を止めていただきます。
    〔速記中止〕
#44
○笹口委員長代理 速記を始めてください。
#45
○片岡委員 経済集中排除法案に現在の百貨店が触れているかいないかということをつけ加えてお伺いしたいと思います。
#46
○笹口委員長代理 片岡さん御相談ですが、大臣の答弁はなくてよろしうございますか。
#47
○片岡委員 これだけは大臣にひとつ、お願いします。
#48
○水谷國務大臣 ただいまの経済力集中排除法と百貨店の関係いかんということでございますが、これは結局個々具體的な場合におきまして、持株会社整理委員会の判定をまつよりほかにしかたがない、このように思つております。
#49
○片岡委員 私の大臣に聴きたいことは本日はこれでよろしうございます。しかし確答が得られないとすれば、これ以上われわれはこの法案に対して審議しても目途がつかぬと思うのです。そういう場合は時期尚早と思います。
#50
○笹口委員長代理 ではまた後ほど御相談いたしましよう。
 なお政府委員がおられますが、百貨店法を廃止する法律案につきまして他に御質疑を続行されますか――なければこの程度にいたしまして、もう一つ財團法人理化學研究所に関する措置に関する法律案についての御質疑がありましたらお願いいたします。
#51
○片岡委員 理化学研究所は、私の理想としましては、科学的に立ち遅れたる日本は國の力が、ないしは有力なる財力をもつてその充實をはからなければならぬと、こう考えておるのでありますが、いろいろ内容等を検討してみますと、現状の場合においては、財團法人の形をもつて経營することは非常に困難だというところへ到着しておると思います。そういう観点からして、一應この場合は株式会社によらざるを得ない、こういうふうに考えておるのでありますが、その株式会社によつて設立されたときの國の補助あるいは株式会社の運營、これに対するお考えを拝聴したいと思います。
#52
○松田政府委員 ただいまの理化学研究所の今後の機構を株式会社にいたしました場合に、先般来各委員からそれぞれ御心配いただいておりまするいわゆる株式会社が營利会社という形であるがゆえに、どつちかというと營利に主力を注いで、本来の研究という点について從たる體位に立つ、言いかえれば、本来研究を本意とすべきものであるにかかわらず、營利的な色彩にとれわれがちではないかという御心配ごもつともと思うのでありまして、またただいまの御質問もその辺におありだと思うのでありまするが、今後の理化学研究所につきまして株式会社にいたしました場合に、あくまでも研究を中心とした会社に盛り上げなければ、いわゆる理化学研究所という名前にも恥ずかしいことになるのであります。それでその点におまましては衆議院、参議院両院を通じましてこのお考えは十分理化学研究所の今後の運營の方に移してまいりたいと思つておりまして、たとえばその定款等におきましても、あくまでその定款の内容のときには、この会社の主たる目的として研究本位にしていくということを明示いたしたいと思つております。それからまた實は参議院の方でも附帯決議としておつけいただいたのでありまするが、この会社の運營、言いかえれば人事の問題にいたしましても、あるいはこの会社の事業の進め方等につきましても、あくまでも研究に専心するという意味からいたしまして、研究の方を担當しておられるところの責任が、この運營についてできるだけ中心になつて考える。みだりに一般の役員の方が、必要な進言はしなければなりませんけれども、みだりがましいいろいろな要求はしないようにしてもらいたい、こういう附帯決議もありまして、その点も十分今後の運營につきましては、商工省といたしましても理化学研究所の主管官廳でありまする以上、その辺の点は十分盛りこみまして、監督なり指導をしてまいりたいと思つております。
 なおまた補助金等の問題につきましても同じく附帯決議等につきまして、非常に力強きお言葉をいただいておるのでありますが、要するに理化学研究所といたしまして、今後ある程度の利益は生んでまいるような大體の見透しはついております。しかしながら完全に自分から生むところの利益によつてこの研究をあくまでもなし遂げてまいりますためには、ある程度の時期が要りますことは、これまた實情として當然に思うのであります。從つてその間において研究に必要な費用が生み出せないというようなことでありましては、せつかく新発足する理化学研究所のスタートにあたりまして遺憾な点でありますので、その間におきましては今日まで続けております補助金等につきましても、できるだけ國会の御協賛も得るように、われわれといたしましても努力をいたしたいと考えております。その他金融の問題等につきましても、復興金融金庫その他からできるだけの援助をしていただきたい。かように考えている次第でありまして、理化学研究所の株式会社になりました暁におきましても、金融の面、あるいは資材の面、その他かんじんの運營の問題等につきましては、今申しましたような線に沿いまして、御心配の点がなくなりますように進めてまいりたいと考えておる次第であります。
#53
○笹口委員長代理 他に御質疑ございますか――なければ速記をやめてちよつと相談いたしたいと思います。
    〔速記中止〕
#54
○笹口委員長代理 それでは財團法人理化學研究所に関する措置に関する法律案はこれで質疑を終了いたしまして、次会において討論を行うことにいたします。なお百貨店法を廃止する法律案、昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律案は次会に質疑を続行いたします。
 本日はこの程度で散会をいたします。
    午後三時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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