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1947/11/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第18号
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1947/11/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第18号

#1
第001回国会 商業委員会 第18号
昭和二十二年十一月八日(土曜日)
    午前十一時十分開議
 出席委員
   委員長 喜多楢治郎君
   理事 笹口  晃君 理事 佃  良一君
   理事 片岡伊三郎君 理事 中村元治郎君
      佐竹 新市君    林  大作君
      松原喜之次君    師岡 榮一君
      山口 靜江君    岡野 繁藏君
      櫻内 義雄君    坪川 信三君
      松井 豊吉君    鈴木 仙八君
      小枝 一雄君
 出席政府委員
        總理廳事務官  向井 鹿松君
        商工事務官   冨吉 榮二君
 委員外の出席者
        議     員 小川 半次君
    ―――――――――――――
十一月七日
 石油配給公團法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出)(第八四號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
  請願
 一、中古衣類の公定價格制度撤廢の請願(笹口
   晃君外一名紹介)(第四七四號)
 二、引揚者團體直營の全衣料品店許可の請願(
   中村元治郎君紹介)(第七三五號)
 三、石綿輸入促進の請願(細野三千雄君外一名
   紹介)(第七四九號)
 四、中古衣類の公定價格制度撤廢の請願(中村
   元治郎君紹介)(第七七七號)
 五、石油配給公團法等の一部を改正する法律案
   審査のための連合審査會開會の件
    ―――――――――――――
#2
○喜多委員長 これより会議を開きます。
 本日は請願を議題といたしまして審査にはいります。審査にはいるに先立ちましてお諮りをいたします。請願は盛り上る民の声としてその審査は特に慎重を期する要があると考えますので、採決は一時保留いたし、十分なる研究協議の上決したいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○喜多委員長 御異議なしと認め、さよう決定をいたします、なおお諮りいたしますことは、日程第一、日程第四の請願は同一趣旨の請願でありますので、併合審査することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○喜多委員長 ではさよう決定をいたします。日程第一、文書表第四七四号、中古衣類の公定価格制度撤廃の請願、並びに日程第四、文書表第七七七号、中古衣類の公定価格制度撤廃の請願を一括議題といたします。まず紹介議員の説明を願います。紹介議員笹口晃君。
#5
○笹口委員 中古衣類の公定価格撤廃に関する請願につきまして、その紹介議員を代表して趣旨の弁明をいたしたいと思います。まず第一番に申し上げたいことは、中古衣類の公定価格を撤廃するということは、常に他の品種においては大體において業者の利便ということは一番重く考え、さらに消費者の面を十分考えてこれを撤廃するかどうかを考えなければならないと思います。しかしながら中古衣類に関しては、決して業者あるいは消費者の面から考えて私どもはこの撤廃の主張をいたすのではないのであります。私どもは結論を申し上げますならば、今日いわゆるたけのこ生活者と言われております生活に窮しました人々が、その日その日の生活を何とか凌いでいこうというために一品、二品と自分のもつているわずかばかりの衣類を剥いで、その日の糧に代える、かような立場の人がきわめて多いということをわれわれは承知いたしておるのであります。その數を申し上げますならば、大體において現在失業者あるいは引揚者または戦災未亡人等々を合わせまして約一千萬人と概算されるのでございますが、この一千萬人と言われる厖大な人達の生活の實相はほとんどたけのこ生活なのであります。ところがこのたけのこ生活をいたします生活の唯一の糧であります品物を売るときにあたりまして、この公定価格というものがいかに邪魔しておるかということは、私どもは實例をあげませんでも非常に身近にいろいろな實例を承知いたしておるのであります。私の所属しております社会党においては、本部には毎日のようにこの非を訴えるところの消費者が詰めかけてまいりまして、わが党においてもこれも消費者の面から考えて重大な問題として取扱つておるような始末であります。言うまでもなくたけのこ生活者はもたざる階級であります。しこうしてもたざる階級が生きていかんがために今日においては貴重品とも言われております衣類等を売却する、そして業者が扱いましてこれを売捌くのでありますが、これを買う人はどうかと言いますと、今日の価格相場等を考えます場合においては買う人はむしろもてる階級に属する人、この頃言われておる言葉で申しますならば新聞階級に属なる人々がこれを買う。こういうような傾向がきわめて強いのであります。でありますからここに公定価格のわくがありますることは、もたざる階級の人がこれによつて非常な不便をこうむる。そうしてもてる階級の人がこの公定価格の恩恵を受けまして、比較的安い品物を買い得る。こういう社会正義にまるで矛盾した結果を生じて来るのであります。私はこの観点から申しまして、まずかかる現象の起つておりますところの公定価格、統制額というものは、この際無用のものであるという結論を下さざるを得ないのであります。しかも中古衣類というものの本質を考えて見ますならば、生産者が各家庭のたんすであり、つずらである。出てまいりまする品物は一品々々といえど同じものではございません。かような場合に現在の政府、物価庁等で考えておられまするところの厳密なる原価計算というものが、どこから出てくるのであるか、私どもはその判定に苦しむのであります。統制価格というものも、戦時中の統制価格でございますならば、科学的の計數上の根拠がなくいたしましても、一應それで抑えつけることはできたのでございましようけれども、今日物価庁できめております統制額というものは、他の品目につきましては相當厳密なる原価計算をいたしておると私どもは承知しておるのであります。厳密な原価計算の上に立つ統制額なればこそ、かような時代に生産者におきましても、配給業者におきましても、この統制額に從いこれを遵守するという気持に相なります。しかるにこの中古衣類の統制額というものはきわめて漠たるものであります。そればかりではございません。この統制額の決定を大體各地方にお委せになつておりますがために、地域的に非常な大きな差が現れている。この差の現れておりますことは私の方から一々具體的な數字を申し上げませんで、後ほどこれは政府委員の方へ逆にお尋ねをいたしたいと思うのでありまするが、われわれの承知いたしておりまする範囲においては、たとえば関東信越の管内と、近畿の管内とでは厖大なる差のあるというように承知をいたしておるのでありますが、統制額というものが、一つのやはり厳密なる科学的な計數上の基礎に立ちまするものが、地方においてかような差のつくべきはずは私はないと思う。ところが品物の方は今申しました通りに生産をすべき各たけのこ生活者のたんすあるいはつずらというようなもの、それから生れてまいりまするものは一品々々その原価が違うわけであります。また古くからの慣習といたしまして、また需要供給の原則に從いまして、季節々々におきましても価格が違うものであります。かようなものを一つのわくの中へはめこんでおく。そうしてその価格の具體的な決定はわく内において査定をさせる。こういうようなやり方をいたしておりまするが、今申し上げました統制のわく自體が無理でございまするのに、このわく内の査定を行わしめるといつてこれが完全に履行できておるかどうか。こういうことについて非常に疑いをもつものであります。私どもはかような考えでまいりますれば、その一点だけつかまえましても、物価庁はこの統制額については何ら計數的の基礎をもつておらないということを考えまして、そう考えてまいりますならばかような計數的の基礎をもつておらない統制額の今日施行をいたしておるということは、きわめて間違つたことでもありまするし、また危険なことでもあると考えるのであります。種々申し上げることはございまするけれども、かかる統制価格撤廃ということが、從来は消費者ないし配給業者の立場から主張せられておつたのでございまするが、中古衣類に限りましてはそうでなく、生産者であるたけのこ生活者の立場から、私どもはこの撤廃を強く主張いたしたいと思います。こまかい点は後ほどまた申し上げたいと思いまするが、われわれがこの請願を紹介いたしました趣旨を一應弁明いたしておきまして、あとは政府委員のお考えを承り、納得まいりません点は質疑をいたすことによりまして、だんだんとこの趣旨を明らかにしてまいりたいと考え、一應趣旨弁明はこれで終ることにいたします。
#6
○喜多委員長 本請願に対する當局の所見をただします。
#7
○向井政府委員 ただいま中古衣類の統制価格の撤廃について請願の趣旨のお話がございました。これに対してお答えいたします。新物価體系、価格體系をつくるにあたりまして、統制価格撤廃という問題があつたのであります。そうして一部につきましては統制価格撤廃をいたしましたが、その大體の方針は、産業上あるいは民主上重要でないもの、また統制いたしましても統制の實益の大してないものについては、統制価格を廃止しようということになりまして、さきにこれらに概當するものを選定して統制価格を撤廃をいたしたような次第であります。その中に本日問題になつておりまする中古衣類ははいつておりません。政府で何故これを統制しなかつたかという理由は、一つは衣類がただいまのところ日本の経済においては民生の上に非常な重要性をもつておることであります。殊に供給が非常に不足しておるために、繊維製品は非常に公定価格を上回つているというような状態でありまして、これにつきましては、何とかして極力衣料を一般民家に与えることは、非常に必要なことだと考えておるのであります。そういう事情のあるものにつきましては、新製品に統制価格があるならば、こういう中古品の統制を撤廃いたしますと、新しい品物がこういう方面に流れまして、繊維製品を統制しなければならぬという目的を達し得ないという危険があると考えておるのであります。また先ほど、中古衣類を供給するものはいわゆるたけのこ生活者であつて、非常に苦境にいる方々であるから、これらの方々のためにはむしろ統制価格を撤廃した方がよろしくないかという御意見があつたのでありますが、この点は私たちも非常にもつともに思うことでありまして、おそらく統制価格撤廃の主張の一つの最も大きな理由をなすものと考えるのであります。にもかかわらず、政府がこの度中古衣類を統制価格撤廃の中に入れないのは、ただいま申しましたように、新製品が流れるということ、並びに中古衣類でも店頭に出ておるような非常にいいものは、なるほど先ほどのお説のようにいわゆる新圓實階級に買われていくものが多いと思うのでありますけれども、作業衣とか学生服その他購買力のない一般大衆の使う中古衣類も相當あるのであります。こういうものにとつては、今日統制価格を撤廃することは妥當でないと考えまして、この度の統制価格撤廃の改正の中には中古衣類は入れなかつたという次第であります。
#8
○笹口委員 ただいま向井部長から今度の統制価格撤廃の中に入れなかつた理由及びその基準を示されたわけでありますけれども、民生上重要でないもの、統制の實益のないものといわれますが、しからば統制の實益ということは何をもつて尺度とされておるか。またこの中古衣類を統制していかなる實益があるか、まずこの点をお伺いいたしたいのであります。
#9
○向井政府委員 いかなるものが統制の實益があり、また統制の實益がないかという基準は何か、こういう御質問と考えますが、統制品目にはいつておつたかどうか私は記憶しておりませんが、たとえば、さしみのつまとか、からしというようなものは、価格を統制してもそう大衆の生活には大きな影響があるものでもなし、これに対する家計費の支出はほとんど無視し得るようなものであります。正確な基準を言うことは困難でありますけれども、そういうように國民の支出費目の中に重要性をもつていない、あるいはそれが特に衞生上どうだというようなことのないようなもの、というように考えていいと思います。中古衣類の統制する實益はしからば何だという御質問でありますが、それは先ほど統制額としなかつた趣旨で申上げましたように、それによりまして新製品の横流れを防ぎ、またでき得る限り安い値段で大衆の使う中古衣類を供給していく、こういうことができるようにという趣旨であります。
#10
○笹口委員 今御答弁をいただいたのでありますが、今の御答弁では私どもはちよつと納得できませんので、さらに御質問いたしますが、大體政府の方でこの撤廃を躊躇されておりますのは、新らしいものが古着に化けて横流れをするであろう、それから安い衣類を供給する、殊に例として作業服、学生服等をお示しになつたようでありますが、これについてもう少しお伺いしてみたいのであります。新らしいものが横流れをするといいますが、一體政府は新らしいものの統制額をどの程度におきめになるのであるか、いたずらに安いものを一般に供給するという建前からいたしまして、從来においても繊維製品はまつたく生産の實情に合わないような安価な統制額で押さえておつたのであります。その不當に安価な統制額で押さえておりました関係上、政府がいかに安い値のものを供給しようと考えておられましても、實情といたしましては安くない。なぜならば、その都度例外価格等の規定を利用いたしまして、私どもの手に入つてまいりますものはやはり相當高価なものになる。例外価格の規定を使いませんことには品物の供給をなし得ないというような安い公定価格を定めておつたものであるとわれわれは解釈しているのであります。そこで政府の方といたしましては、はたして今後の繊維製品の統制額をどの程度におきめになるものか、これは新らしいものでありますが、どの程度におきめになるものであるか。他の統制額はいろいろ決定をされてきておりますが、繊維製品の統制額の決定が一番遅れております。現在使われております統制額というものは、たいてい昨年の春ないし夏頃にきめられた統制額がまだ通用しているというような實情に副わない状況でございますが、いつ頃どの程度の統制額をきめるものであるか。それから新らしいものが横流れをするといたしまして、はたして古着に化けて横流れをするか、横流れをするような品物でございましたならば今日反物のままでも十分横流れをいたすのであります。古着の価格を統制して横流れを防ぐということと、新しい物の横流物の横流れを防ぐということ、これはおのずから別個のものであろうと思いまするけれども、かりに政府のようなお考えであるならば、政府がただいま行つておりまするところの衣類の流通についての考え方というものが、きわめて自信のないものであろと私ども伺わざるを得ない。この点につきましてのお考えを一つ聞かしていただきたいと思うのであります。
#11
○向井政府委員 新しいものの統制額とされたものは不當に安くないか、またどういう基準によつてこういうものを定めるのか、こういう第一の御質問であつたと思いますが、新しい繊維製品の統制額は原価を基準にしてきめておりまして、私どもはこれは原価計算上不當に安いとは考えておりません。価格には申すまでもなく原価による価格、また需給関係からの価格がありますけれども、統制価格についてはこの種の品物はすべて原価計算によつて統制価格をはじき出す。從つてこの統制額によれば生産はできる、これによつて大衆もこの品物を統制額で買える、こういうように考えております。例外価格があるじやないか、というお話もありましたけれども、繊維製品につきまして、例外価格が非常に多いということは事實であります。しかしその多數は先ほどもお話があつたかと思いますが、非常に種類が多い、規格の多いものであります。統制額にきめられました規格に合致しない品物が非常にたくさんありますので、こういう統制額の規格によらない品物につきましては例外許可を与える。これが非常に實績が多いかと思つております。なお今日新しい統制額で出ていないものがある、いわゆる新価格體系によるものの統制額のつかないものが多數ある。いつ終るのか、こういうお話でありましたが、繊維製品の新価格體系が遅れていたのは事實でありますが、今日では大多數につきましては、もう統制額ができて、あるいはすでに査定が終りまして、発表の一歩前にあるものが、大多數でありまして、多數残つておるとは考えておりません。
#12
○櫻内委員 私は三点當局にお尋ねしたいのでありますが、第一には國民がひとしく繊維製品の不足に困窮しておる際に、中古衣類の流通を円滑にせしむる必要があると認めるのであります。しかるにこの中古衣類の公定価格の存置されておるということは、流通を著しく不円滑にせしめるものでないか、こう考えておるのであります。先ほど御説明の中に、供給が不足しておるからマル公を撤廃することはできない、こう申されておるのでありますが、供給不足ということはいわゆるマル公があるため起つているのではないと存じておるのであります。この点につきましてまず第一に御説明願いたい。
#13
○向井政府委員 この点はお話の通りであろうと思いますが、しかし価格を統制しようとする目的はなるべくこういう物の値段を上げないという点に主眼があるのであります。しかもそれによつて生産を止めるようでは、これは何もならない。つまり生産は経済上可能である。そうしてその基礎の上で品物が生産されて、一般消費者に渡るというのが建前であります。從来のように、価格上を上げさえすれば生産がいくらでもできる。こういうことに考えてはおらないのであります。生産もできる。しかもその合理的な値段によつて、その程度の値段で一般に渡したい。こういうことを主にしておるのであります。生産さえすればよろしい。從つて価格を上げよう、こういう方針をもつて統制額を行つているのではないということだけを申し上げておきます。
#14
○櫻内委員 現内閣は正しい、明るい政治を主張しておるのでありますが、ただいままでの政府委員の御答弁でまいりますと、次のような点につきまして特にお伺いしたいのであります。それはこの請願の趣旨を御紹介になつた笹口委員の趣旨の内容にもあつたのでありますが、中古衣類の公定価格はそれではいかなる方法をもつて今までおきめになつたか、多種多様にして、おそらく實際には正しくマル公をきめることはできないのではないかと思うのであります。その中古の程度にいたしましても、あるいは種類の多い点におきましても、おそらくこれは、實際はできないのではないか。それをただ一つの机上理論的な方法をもつてきめていくという点に、私はそこに正しい政治性は認められない。こう思うのであります。それからもしかりにきめられたといたしましても、それではそのマル公をどうやつて維持せしめるのか、政府委員の御説明にあつたように、實情に即さない、またそれを維持できないようなマル公は、つくつても益はないと私は考えるのであります。この点につきまして御説明を求めたいと思います。
#15
○向井政府委員 これは前に御質問があつたかと思いますが、中古衣の統制額は何を甚準として定めるかという質問であります。もちろんこの基準は新しい製品を頭においておく。その基準によりまして中古衣の価格を考えていきたい。こういうようなことでありまして、現行統制額を定めます際には新製品の価格を頭に置きますが、その場合に、戦時の規格でありますので、中古衣は規格がこれよりもよろしいというようなことで、最高額をこれよりもやや高めに定めてあるのであります。しかし今後は、まだできておりませんが、新しい改訂額を定める場合には、やはり新統制額を頭におきまして価格を定めたい。こういうふうに考えております。なお中古衣はいろいろな品物が外へ出るのでありますが、これらにつきましては、この統制額の範囲内におきまして、価格査定委員会という制度がありますので、この査定委員会により、その基準に基いて、個々の品物につきましてエキスパートの見る差をつけまして、これをその特定の品物の統制額としてきめておる。こういうようなわけであります。
#16
○櫻内委員 最後は、商工次官がお見えになつておりますのでお尋ねしたい。ただいままでの中古衣類のマル公を引続き維持せられるというお立場にある政府委員の御説明には、納得がいかないのであります。この点につきまして、商工次官としての御見解をまず承りたいと思います。
 それから次に戦後におきまするわが國の経済の状況を見ておりますと、商業部門に対して相當圧迫が激しいのではないか。これでは商業部門をして瀕死に陥らしめるのではないか。かく私は考えるのであります。たとえば公團方式であるとか、あるいは商工協同組合法の改正が傳えられたり、生活協同組合法が言われたりするという話、または全般的に配給制度であるとか、マル公方式あるいは商業部門に対する營業税、所得税等、あらゆる角度から見てまいりまして、商業部門に対しては非常な圧迫があるように感ぜられるのであります。この点につきまして、商工次官は今後わが國の商業部門に対してはどういうふうに考えられておるか。特に先ほど来笹口委員、また私の質疑に対しましての政府委員の御説明からいくならば、この中古衣類のマル公のごときはまつたく實情に即してないということを、おそらく委員の方々はひとしく認められるところであろうと思います。こういうような實情に即さないマル公をもつて、中古衣類の商業部門を圧迫する、あるいはそれがために中古衣類の流通を不円滑にするというようなことは、私はよろしくないと思う。この点につきまして、商工次官の御見解を求めます。
#17
○冨吉政府委員 中古衣類のマル公が維持されました経緯につきましては、物価庁より御説明がありましたので私は触れませんが、委員の方々から御要求になります中古衣類のマル公撤廃の御趣旨も、私は一應ごもつともな点があるとは思うのであります。ただ問題は、この中古衣類それ自體の一つの問題として考えまする際には、まつたく御希望の通りでありまして、異論はないのでありますが、ちよつと第四部長もお触れになりましたように、新しいものとの関係――そういたしますると、新しいものを生産いたしておりまする生産業者の間においても、現在の価格に必ずしも満足いたしておらないので、常に引上の要求が熾烈であると思うのであります。これらの問題によつて、この中古衣類が上つたというために、新しいものの価格をさらに引上げるということになりますと、価格全體の一つの問題に大きな影響が来るのではなかろうかと考えるのであります。從つてこのことは、政府の総合的な物価體系の上に重大な影響を来すのではなかろうか。もちろん國民生活の上にもその面が反映してくるのではなかろうか。こういうことをおそらく政府では考えられておるものだと了承いたします。しかしこれは、私は別にこの問題についてまだ大臣並びに各局長などとも打合わせいたしておりませんので、これは決して断定的なことを申し上げておるのではありません。だから物価庁の方の御主張の中にもきわめて重要なる面がありまするし、またそれを撤廃せよと御主張になりまする方にも、非常にごもつともな点が介在すると思いまするので、私どもも十分にその利害得失及び影響等をも考慮いたしましてしばらく研究したいと考えている次第でございます。その点御了承をお願いいたします。
 なお商業部門に対する圧迫度が強くなるからこれをどう考えるかという第二の質問でございますが、これまたきわめてごもつともな御質問であります。理想的な考えといたしましては、國民が最も自由に、しかも何らの障害なき活動をし得ることが好ましき形態であることは申し上げるまでもございません。しかしながらわが國の現状は、すでに私が申し上げるまでもなく諸君よく御存じの通り、生産部面におきましては戦前の三分の一に打ちのめされまして、その線が官民協力の努力にもかかわらず、なかなか急激なる上昇をいたさないのであります。生産の實績が三分の一に打ちのめされたということは、これはわが國経済のおかれている最も危険な面である。この面から悪性インフレーシヨンも起り、國際場理におけるわが國の経済的信用にも及んでおるのであります。お互いはこれを回復すべく努力しておるのでございますけれども、今申し上げます通りなかなか實績が上がらない。これにはいろいろな理由がございますが、それらのことはさておきまして、しかもわが國の人口は御承知の通り一五%の増加をいたしております。生産品の少いところに人口は増加いたしておるというこのアンバランスが、わが國國民経済に重大なる脅威を与えていることは言うまでもございません。しかもわが國の現在の生産品はすべて國内において消費しないで、できるだけ消費節約することによつて海外貿易に向けなければならぬ。そうして食糧及び資材の輸入にこれを充てなければならぬ。國内消費はきわめて圧縮されておるのであります。從いまして國内消費のきわめて窮屈であるということ厳粛なる事實は、これをいかんともすべからざる日本経済の本質の制約があると思うのでございます。この点に関しまして、從来いろいろな方法等が考えられてまいりましたし、大體公團方式あるいは生活協同組合等のことも、さらに政治的に商業部面を圧迫する一つのものだという御指摘でありまするが、これも一應ごもつともだと思います。しかしこれらとても決してただ単に消費の一面だけでなくして、経済の中における生産の種々なる問題との中にこの方式が考えられてきたものだと私は了解いたしておるのであります。しかしながら関係方面の注意もあり、また次第に國内の与論も反映いたしましてこれらの公團方式についても補當な批判といいますか、相當な反省がなされつつあることは事實であります。よつて先般繊維製品その他に関しまする處置等もいたしましたように、適當な商業者の保護という問題につきまして、施策が加えられつつありますことはすでに御承知の通りであります。しかしながら何を申しましても先ほど来申しますように、商業人口がわが國の二〇%を占めておるということは、今後はたして國民経済の平衡を保つ上から許さるべきかどうかという点については、お互い真剣にまじめに考えなければならぬので、大體の傾向としてはこの商業人口をきわめて健全な姿にして、そうして生産を増大するという方向に大勢として向わなければならぬことは、これはやむを得ざることではなかろうかと考えておるのでございます。この大前提の上に立つてできるだけ商業者をして配置転換の上に不便なからしむると同時に、これらの更正の途をはかつていくのがお互いの任務でなかろうか、こういうように考えて努力をいたしておるところでございます。さよう大體御了承を願います。
#18
○林(大)委員 中古衣類の価格が今政府委員からのお話のように、政府としては守らなければならないということを考えておられるようでありますが、一體この法律が一つの社会意識として普遍性をもつということが必要であるのでありまして、その意味においてこの中古衣類の公定価格というものが、私どもが見るところでは守られざる法律だ、こう思つておりますが、守られておる、守られなければならないと御主張になる政府委員としては、一體どの程度にこの法律が守られておるという自信をもつておられるか、その点をお伺いしたいのであります。大體において守られない法律をつくつておいて、それを扱う人々全部を罪人にしてなければならない、厳密にこれを詮索すれば、すべての人が罪人にならなければならないというような法律をむりに押していくことが非常に悪いことであり、業界のみならず國民一般に非常に悪い彰響を与えると私は思うのであります。第一点としてその点をまずお伺いしたいのであります。
#19
○向井政府委員 現在の中古衣類の統制価格が守られないのではないかというようにお聴きしたのでございますが、どうも質問の御趣旨が私聴きとれなかつたのでありますが……。
#20
○喜多委員長 高声に願います。
#21
○向井政府委員 この価格が現在守られておるかという御質問であれば、私は遺憾ながら十分守られていないと考えます。これは非常に私は残念なことだと存じます。この点につきましては、私どもは一旦統制が出ました以上は、これを守り得るように努力しなければならぬ。たぞその點について政府としても考えなければならないのは、現在の査定制度また証紙の貼り方等におきまして、相當考慮すべき点があるのではないかと考えておりますが、この方面はただいま研究を進めております。しかし守られないということが、事實上守ろうとしても守られないのだ、こういう御質問でありますならば、私は守ろうと思えば守り得るのだ、何もやむを得ず違反をやつているのだというような事情はないと考えております。
#22
○林(大)委員 今の御答弁ではちよつと納得できない。その守るの問題でありますが、一體どの程度に守られており、何パーセントくらいは實行されておるか、私どもの感じではまずほとんど九十五パーセントくらい實行されておらないと思うのであります。では一體どの程度實行されておるとお思いになるのか。
 それから第二、守ると思えば守られると申されまするが、法律というものは、やはりつくる法も守る方も納得ずくでなければならないのであります。そうしてなるほどこれは守らなければいけないという気持にさすことがまず大前提でなければ意味をなさないのであります。そこでどうしても守らすという御決心ならば、どうしたら守らせ得るかという方策をそこにもたなければむりであります。それはよく善慮いたしまして、考慮いたしましてと言つて、また半年も放つておかれるならば、どうしたらば守らせ得るかということは非常にむずかしいことであつて、あるいは不可能ではないかという見解を私はもつております。私の見解はそうでありまするが、政府委員の見解として、それではどうしたらば守らせ得るかという自信のあるところを第二点としてお伺いしたいのであります。
#23
○向井政府委員 現實にどの程度、何パーセントくらい守られているかということに対しましては、私は確たる數字をもつて御説明できないことを遺憾に思います。ただ、今申しましたように私どもは統制額の方式、方法に不備の点があるということにつきましては、われわれも研究し、また御意見も伺いまして、この方面は改善していきたいと考えております。
 第二点の納得ずくでなければいけない、どうしたら守らせ得るかということは、これは中古衣だけの問題ではない。価格統制一般の問題なのでありまして、特に中古衣だけに関する事柄ではないのじやないかと思います。
#24
○林(大)委員 今のお言葉ですが、中古衣において最もそういうはなはだしい現象を来しておるから、まず中古衣から適當にこれを處理すべきであるという問題になつておるのでありまして、そういうふうに画一的にお考えにならなくて、具體的に政策としてはお考えにならなければいけないと私は思います。
 それから最後に申し上げておきたいことは、本委員会の考えとしては、これは廃止すべきものであると思います。但しその廃止する場合に次の條件が必要であろうと思うのであります。それは先ほど来お話がございましたように、第一は、たけのこ生活者を苦しめるようなことにならないこと、これが第一点であります。第二点は、新製品を中古品として高値に取扱うことによつて横流れを防止する最良の方策を立てること。それから第三点は、作業服、学生服のごとく経済の再生産並びに再建に絶對に必要なものだけを特別にお扱いになる方法をお考えになること。最後に、ここには今傍聴者として中古衣類の業者だけがおられまするが、私どもとしても消費者すなわち需要者の声、並びにたけのこ生活者つまり供給者の方の声も併せてよく聴いた上で、今申し上げるような諸点を勘案して、どうしても今の政府の政策は、この点については大きく出直さなければ、少くとも中古衣については問題は解決しないと思うのであります。その点を希望いたしまして私の質問を終ります。
#25
○喜多委員長 答弁はよろしいのですね――では片岡君。
#26
○片岡委員 提案理由には私は當初から賛意を表するものであります。そういう前提のもとに二、三お伺いをしたいと思います。政務次官の今の御答弁の中にあつたのですが、問題が問題であるから、よく調査して、その上で決定したいとこういうお考であります。もちろんこれは相當に大きな問題に発展するのでありまして、われわれもそうなければならぬと考えております。政府委員の御説明の撤廃せざる理由、これも御説明によつて大體了承し得られます。しかし繊維製品の需給関係は今非常に窮屈である、これは國民全體がわかることであつて、そういう観点から中古品の公定価格を撤廃することは困る、新製品の横流れ、あるいは新製品の価格を吊上げる一つの動機をつくる、こういうことも肯かれるのでありますが、この中古品ばかりではありませず、すべてのマル公、物品の公定価格というものはどうしてできたかということをまず考えた場合において、これは戦争のためにできたものであります。戦争前にはこういうものはなかつた。そこからよくひとつ問題を考究しなければならぬ。この一つのマル公をつくるのには、たくさんな時間と、たくさんな人員と、たくさんな資材と、莫大な経費とを要することは、私が申し上げるまでもないことであります。一つのマル公という公定価格を決定するには、おそらく六箇月くらいの時間を要する。そこで一つの公定価格をつくつたとして、これが實際に施行されるときには、現在のようなインフレ時代には、一切の価格というものはどんどんこれに先行してしまう。そこでせつかくの骨を折つてつくつた公定価格というものは實情に副わない価格がここに生まれてくる。それを強要するから先ほど来お話があつたような違反が出る。せつかく需給関係を整へようとしたために価格をつくるとおつしやられても、かえつてこれが防遏をする目的に副わないというような結果が価格の面において現われてくるのであります。これは戦争中から今日に至るまで全部が全部そうだと言つても私は差支えないと思います。そこでこの撤廃せざる一つの理由が非常に薄弱になるのではなかろうかと考えられます。それから大衆的の中古品は、ぜひともこれは需給関係で、安い価格で配給したい。これはごもつともでありますが、大體この古着というものは千差萬別で、それは都道府県の価格検査委員会でエキスパートがそれぞれ担任している。それは御説の通りであります。しかしながら種類が非常に多く、わくの定め方もなかなかそうこまかく定められない。そこで適正なる価格を見出すことは、どなたがおやりになつてもでき得ないのであります。われわれは戦時中から今日に至るまでその方面に實際に関係してきた一人であります。私の甥は千葉県の委員長を今日までやつているし、われわれも関係して見ておりますが、實際のところはできません。まあいい加減なところできめていくということになる。そのきめた価格は、先ほど申し上げた通り時代遅れの価格が生まれてくる。そこに価格の上において大きな狂いが出てくる。その狂いがどこへ発展しているかというと、不正なやみ行為となつて現われてくる。これは中古品ばかりでありません。すべての公定価格というものの欠落はそこに破綻があるわけでありますが、別してこの中古衣類に対してはそれがはなはだしく行われると思うのであります。それから繊維品の需給関係を幾分でもこれで補うという御意思は背かれるのでありますが、そういう価格そのものが矛盾する関係上、たとえば私が一つたけのこ生活をするという場合において、ゆかたの古を売りに行つて、その価格が今申した實際に即せない時代遅れの価格であつた場合においてこれを五百円に売りたいと思つたが公定価格の示すところにおいては百五十円、そこに三百五十円の距りがある。その低い価格でそれを売つて物に換える場合においては、生活上にまた非常な破綻を来す。こういう悪い面も起つてくる。從つてこれを古着屋に売らないで、直接自分の欲しいところの米なり、その他の必需物資の物交の手段に出なければならぬ。こういう手段が選ばれるわけであります。そうしますと政府委員のおつしやられた繊維品の需給を、中古品によつて補うということも非常に阻害される結果に相なろうと思われます。どだい中古品というようなものは、これは政府にもいろいろ理由がありましようが、一々御干渉くださつて、手ひまをかけて、實情に合わない公定価格までおつくりになつて、統制のわくの中に入れてやる性質のものではないと思う。消費者國民は好んで衣類を売るのではないのであります。およそ戦前におきましては、日本人は自分の衣類は嗜好品であり、貯蔵品であつた。それが古来からの長年のしきたりでまた各家庭、別して日本婦人にはこれが身だしなみであつたのであります。その着物を人に手離すということは容易ならざる場合でなければいたさなかつたのであります。それが今日のような實情に追詰められて、食うに食なく、働くに職がないというような苦境に追詰められたから、余儀なくその着物を手離さなければならなくなつたので、それを手離す場合は自分がそれらを何かに換えようという目的のためにやむなく離す、言い換えれば自分の欲する物と換えたいという、やむにやまれぬ結果、それを手離すことに相なるのであります。そこで婦人の實情に即さないところの価格によつて一方的に決定づけられてしもう。婦人にしては命よりある場合には大事だと思われるその實が、その価格に限定される。かような悪結果を招来するのであります。そこで戦前までは古着屋さんという商人があつて中間に立つて、それぞれ適切な価格ができ上つておつた。そこに需給関係等が自然的に何の矛盾もなくでき上つてたのであります。それを戦争が終つた今日も、いろいろの理由も多少はありましようが、あくまでもこれを統制のわく内に入れて、手ひまをかけて不合理な公定価格で律して、これを押し進めようということは、私ははなはだ國民の意思に副わない政策ではなかろうかと考える一人であります。
 きようはここに業者の方がたくさん見えますが、先ほども委員の中かな御意見が出たのでありますが、おそらく以上述べたような観点から見まして、せつかく定められたこの公定価格が事實に行われるか否やということは、多分の疑問がもたれるのであります。そこで弊害として公定価格が制定されていることを條件として、この商品が公定価格で買取られた。それがはたして販売公定価格で需要者にいくかということは、なかなか私は行われないと思います。行われないばかりでなく、ここに一つの悪い結果が起り得ると思う。公定価格という指金があるばかりに、消費者がたけのこ生活をしてまでもこれを手離す場合において安く買取られてしまう。自分の欲する価格以下、實際の価格より以下に買取られまして、不當の利得を与えるというような場合も起り得る。先ほど来お話があつた通り、そこにむりに犯罪を構成するというような場合も起り得る、こういうことは相當に考慮されなけれければならんと思うのであります。こういう点を考えてみましても、まだその他理由はたくさんあります、先ほど来御説明がありましたが、中古品の公定価格をつくらなければ新製繊維品が横流れするというような御説明がありまして、それが中古品の公定価格をつくる一つの基礎のごとく御説明がありましたが、私はこれはあたらないと思います。繊維製品の新制品を横流れさすとかさせないとかということは、これは當局において取締まればいいのであつて、横流れをするから、その危険を防止するために中古品の公定価格をつくるということは、私は大変的をはずれているではなかろうかと思う。重ねて政府委員の御所見をただしてみたいと思います。私も繊維製品を長年扱つております。統制を今日やつております。この方の取締りはまたおのずと別な意味合いにおいて取締ればいいのであつて、新製品が中古品の蔭に隠れて横流れするから、かるが故に中古品の公定価格をつくるということは私はあたらぬと思います。政府當局としても御検討をお願いしたいと思う。もしそういう場合があつたならば、それは別途の方法において取締ればよい。かるが故に、中古品の公定価格をつくるということはあたつていないと思う。なおまだたくさんお聞きしたいことがありますが、以上に止めておきまして、そういう観点から見ましてもよくこの問題を研究して、そうしてわれわれはそういう考えの下に中古品の丸公は撤廃する方が妥當と考えているのでありますが、政府のお考えがそれでもなおあくまでもこの価格を存続するかということをお伺いして、私の質問をやめます。
#27
○冨吉政府委員 ただいまだんだんお話しになりましたが、先ほど来中古品の公定価格をやめろという御意見に関連いたしまして、すべての公定価格についての御議論がありまして、きわめてごもつともな点もあると思うのであります。いわめる戦争経済に入りますために、物についての非常な不公平なる處置をいたすことを戦争は余儀なくせしめるのでございましたが、今日におきまするこの公定価格の維持というものは、その後半の戦争により破壊された経済状態の上に立脚して、すべての公定価格というものが存続されているものだと私どもは理解しているのでございます。御承知のごとく、動力源でございます石炭の増産をはかりますこと、電力の培養をいたしますること、あるいは鉄をつくるということが日本産業回復の上に最も重大なる問題だ、そのために繊維生産のごときも著しく圧縮を承けておりますことは既に御承知の通りでございます。こういう経済萬般に対する一種の不公平を強いなければならないというところに無理な施策がなされなければなりませんので、先ほど来私申しました通り、自由なる形において何らの干渉を受けないで任意にすべての生産が行われることが最も理想的な形であつて、その点において私ども決して賛成しておらないのではございません。そこでどうしてもこの状態を回復して、自由なる形態にもつてまいりまする前提としては、日本経済が自立し得るところにまでもつていかなければならないのでなかろうか、こういう見地からの私どもは公定価格に関する考え方をもつておるのでございます。從いましてそれらの点から見て、しからば公定価格その他のものをば一應やむを得ないとして、中古品の問題となつてまいりまるが、この中古品の衣類のうちお説の通り非常に千差萬別でございます。また先ほど委員の御指摘になりましたいわゆるたけのこ生活者を救うという御議論、きわめてごもつともでございますが、もた一方には生育盛りの子供をもちまして、どうしても必要でございますために、必ずしも新圓階級でない者が、その需要を充たさなければならぬ、それと同時に売る人も、要するに今までの所有欲、嗜好欲といつたものに多少の変遷もありまして、これを売らなければならぬ者もあるが、またそうでない、売らなくてもよいけれども、とにかく相當の値段で売れるのだから売ろうというような者もございまするし、その間千差萬別で一定した議論の型にはめられない、需給関係が私存在するものと存ずるのでございます。そこで公定価格を中古衣類に撤廃できないという側の主張にいたしますれば、その売る方もさることながら、買う方の立場も考えてやらなければならぬという議論が一つ生れてまいります。私は特に生産者たる商工省に籍をおきまする関係上、商工省の方面から立場から申しますると、新しい繊維製品に影響がくるのみならず、重点生産を行つて當分これを続けなければならぬという方面からいたしまする価格體系とか、インフレの進行の問題とのにらみ合いでこの土題が非常に重要であるということを申しておるのであります。物価庁の方では新製品が横流れをするおそれがあるというお話でございますが、私はそれよりも新らしい製品の価格に影響を及ぼす、くどいようでありますが、中古衣類が上つてまいりますと、古着でもこれだけするのだから、新しいものがこれだけではけしからんからもつと上げろという御要求は相當織物業者その他の間から起つてまいりますことは火を見るよりも明かでございます。この点をよほど勘案いたしませんと、ただちに中古衣類がどういうふうになりますか、そこのところは見ようであります。あるいは世間が考えていたとは逆に、自由販売になつたために価格が下つてしもうかも知れません。下れば結構でございますが、また今お述べになつたたけのこ生活者は、下れば大変な影響でございまして、この点どうも非常にデリケートな問題なのであります。まず上るということを前提として考えるならば、これは相當新しい製品の価格の上に影響がくるのではなかろうか。そういう場合において、一體新しい繊維製品の価格を引き上げた際における國民生活に及ぼす影響及び外國貿易に及ぼす影響もさることながら、重点生産たる鐵、石炭、電力等の生産費とも絡みあつてまいりまして、その点が一つの重大なる根本政策になつてくるのではなかろうかというように考えておつたわけでございますが、しかしこれとても先ほど来議論は萬々ごもつともな点があると拝聴いたしましたから、研究いたしまして、できるだけ早い機会に合理的な何らかのことをいたしたい、こう申し上げておるのであります。
#28
○佐竹(新)委員 私は簡単に冨吉政府次官に質問いたしたいと思います。私は中古品の統制は撤廃すべしという意見をもつておるものであります。さいぜん中古品の価格を撤廃されると新しい製品が値上がりし、また織物業者から値上げを要求してくるということを冨吉政務次官が申されましたが、新しい製品は御承知のように、物資の配給であるとか、あるいは生産者に対してすべて配給をもつて新しいものを生産する。これにはどうしても統制のわくをはずすことはできない。しかし先ほど笹口君が言われましたように、中古はたけのこ業者でありまして、そのものをあくまでも統制を維持するということは、これは新しい製品とは別に考えなければならぬということが一つ。
 もう一つの点は、さつき政府委員は統制のわくをはずすものは、さしみのつまであるとか、とんがらしであるとか、あまり實益に影響のないものであるというお説を申されました。しからばその点をお尋ねしたい。先般価格統制の撤廃された中に果物を撤廃されておるのであります。この果物は國内におきましてもビタミンCを補給し、貿易の上から考えてみましても、カン詰などあらゆる加工品をつくつて貿易品として海外に出しまするとき、外貨獲得の上にこれだけ大きなものはないのであります。かように大きな國の経済力の消長に関係するものの価格は平気で解いておいて、この中古品のごときものをそのままにしておる。これではまつたくたけのこ業者は困るのでありまして、こういう大衆的な要求があるのに、これにこだわつてやらないということは、いわゆる大を生かして小を殺すという考え方ではないか、もう少し政府は實情から価格の問題を考える必要はないか、この点冨吉政務次官に御答弁を承りたいと思います。
#29
○冨吉政府委員 ただいまの御説恭々しく拝聴いたしておきますが、非常に今後研究したいという態度をとつていきたいと思つております。私は絶對に解くべからずというコンクリートされた見方になつておるのではないのでありますから、そういうふうにおとりにならないようにお願いしたい。今まで政府が堅持してまいりました建前を一應御参考に供するために申上げたのでありまして、今日にわかに私がここで私見を述べて、おれは解くのだと言つてみたところで始まらないことはよく御承知でございましよう。私はそういう大それた口をききたくない。私見を申し上げておるのではないのですから、その点御了承ください。しかし果物の点は私の経験ではどうもあれで下つておるようであります。私にはあまり果物など買つて食う余裕がありませんで、實ははなはだ果物を買わない組でありますが、なるほど佐竹君のおつしやるように、ビタミンが含有されておりまして、必要なことは萬々承知しております。食後の果物も結構でありますけれども、一向果物などには縁がございませんので、あまり価格については、實はよく存じません。この前ちよつと果物が欲しいという人があつて、それでは買つてこいというわけで買つてきたところが、大分下つたと言つておりましたから、下つたかと、これくらいしか聴いておりません。まだ市場の統計等全般をよく見ておりませんが、いろいろな関係が存在すると思います。私は果物など撤廃された経緯についてはよくわかりませんが、個人的意見を申しますと、鮮魚額、野菜額というものを撤廃すべしという見解をもつて私も實は進んできたのであります。けれどもなかなか私ごときものの考えではどうにもなりませんので、その点は御了承願いたい。
 それともう一つは、やはりいろいろの関係もございまして、なかなか日本の政府というか、われわれだけの方ばかりで簡単に考えられない点等もよく御了承の議院各位におかれてはひとつご勘案を願いまして、できるだけそういう御意見等は、一つ大臣、各省の次官、われわれ政務次官等をひとつとつちめて、できるだけそういう方向にもつていくように御努力をさらにお続けくだされば結構かと思いますと、こういうふうにお答えするよりほかないのであります。
#30
○中村(元)委員 同僚委員から先ほど来相當強い意見がありますので、私より申上げる必要はないと思いますが、至極簡単に要旨だけ申し上げてみたいと思います。その前提において、先ほど来の同僚委員の意見と一緒でありまして、全然この中古品の価格に対しましては全體的に撤廃を要求することを前提といたしまして、今富吉政務次官からお話がありましたので申し上げないでおこうと思うのですが、順序ですからちよつとお聞き願いたい。新製品の問題でありますが、新しいものは今日國家が材料から統制をされておりまして、生産に対して提供をいたしまする材料はもちろんマル公をもつて渡されておるのであります。それゆえに生産道程におきまする価格を一々計算いたしまして、マル公というものがそこに生れ出るのであつて、生れ出たものをもつて取締るということははつきりいたしておるのでありますけれども、中古品に限りましてはそれとは全然異つておるのであります。中古品はすでに今日の生産者であります面の人が、みずからの独占において所有いたしておる品物でありまして、決して政府がこれを担當しており、またこれを監督しておる品物ではないのであります。それゆえにこれを生産いたしまする者は、みずからの品物をみずからが處分するのでありまして、この處分をなしますときにおいては、すでにマル公がないのであります。業者の手に渡つて初めてマル公が生れてくる。このマル公を定めるものは何人なりやということでありますが、これははなはだ失禮でございますが、各地に査定員というものが設けられまして、その査定員の手によつてこれができる。査定員は新品を生産する場合においてはおそらくつかないのでありまして、中古に限つてその査定をなす経験者として網羅されておるのでありますが、しかしここに一番困る問題は、先ほど笹口委員から申されたように、全國において必ずしも一定しておらない。地区々々においてまちまちであります。政府が考えておるように、甲なら甲の品物をいくらのマル公で定めるということによつて全國のマル公が定まるのではなく、地区々々においてマル公を定めるというところに大なる弊害があることをお認めを願いたいのであります。政府が統制をなす上において、その統制のなし得られない価格のマル公のあるということは、はなはだ私は矛盾だと思うのであります。どうしてもこのマル公を定めて民生の生活の上にこれをなさなければならないというほどの重要性があるかと言いますると、私はそれほどでないと申し上げたいのでありまして、要は先ほどから政府委員のおつしやるのには、下級の労働者あるいは学生、また生育期の児童等にぜひ欠くべからざる必要のあるこの面においても、公債で買い得られる者と買い得られない者と対照したときの、買い得られない者の立場から言うと、マル公というものがなければならないようなお話でありますが、それはすでに國家はこういう面に向つてはつきりと特別配給をなされておるのではないかと思うのであります。國家はこれらの面にこれだけのものを配給なせばそれでいいものなりという観点から、今日配給を定められて、すでに配給をなされておるのであります。それ以上のことに至ります場合においては、買い得られるふところの者にして買い得られるのであつて、買い得られない者はたといこれがいかほどでありましても買い得られないわけであります。かような事態から申し上げましても、価格の統制は全然私らから考えて必要のない価格統制だと痛感するのでありまして、ここで先ほど佐竹委員から申されたように、政府が何事も一旦なしたことは徹頭徹尾みずからの面子にかけてもこれを保持しなければならないというところが、私は官僚的だと言うのであります。次官の仰せられたように、お言葉の中では相當含みのある御意見も承り、われわれはやや一つの証拠を見出すわけでありまするが、戦時中になさなければならないとして、軍部の支配によつて、また指示によつてなされたところの悪統制が、終戦の今日に至りましてもなおこれを保持しなければならないという考え方自體が、われわれ民衆としてははなはだ遺憾にたえないのであります。もちろんこれは戦時中の統制でありまして、今日敗戦の日本の統制ではないと私は確信するのでありまして、一日も速やかに統制の撤廃を要求するものであります。
#31
○鈴木(仙)委員 日本自由党といたしましては、先ほど片岡先輩がるるこの問題に対して、いわゆる請願の提案に対して賛意を表しまして、私が蛇足を加えるようでありますけれども一言申し上げたい。各委員が申しました通り、中古衣類というものは非常に千差萬別、その數を統制する、公債をきめるということに対しても、私はなかなかこれは至難な問題で到底言うべくして行い得ない問題であろう。どんな専門家がどんなふうに検討いたしましても、これを一定の価格にきめるということは難しいと考えているのであります。申すまでもなく繊維というものには種類が多くあると同時に、裏も表もあり、その古さもあり、新しさもあり、また人によつては保存がうまくいつてるものがあり、保存のまずくいつてるものがある。これがなかなか尋常一様ではこの価格をきめることはできないわけであります。この複雑きわまりない価格を統制することが、まず統制の矛盾の第一点であります。それから今國民は、各委員も申しました通り、耐乏生活の究極に至つておりまして、まだまだ今後どういうふうに進展するか豫想がつかないほどの實情であります。こうしたさ中において、一枚の着物を脱ぎ、これを売る人の身になれば、生やさしいことじやないと私は考えております。これは戦前でもあの大不況時代におきまして、かりに貧しい人が一枚の着物を脱いでこれを質屋へもつていく。この質屋で二円、三円貸すか貸さないか。向うの家は五十銭よけい貸してくれるというふうな考え方から、またよその質屋へもつていく。一銭でも五銭、十銭でも、よけい貸してくれるところへ入質をする。これが人情であります。いわんや食うために、一枚の着物、一枚のジユバンまで売るに至つては、一銭でも余計買取つてもらいたいというのが人情であります。またこれを扱つております業者の人々も、日本人である以上は、その人が売らんとするものは、許される範囲内において、一銭でも高く買つてやりたいと思う。しかして今次官殿が言われましたけれども、品物が出まわればこういう問題は起らぬと私は思います。産業の實情がいわゆる生産が過剰になつてくればというふうなお話でありましたけれども、繊維製品がどんどん出まわつてくれば、中古品の必要はないと思う。品物が不足しているから、いわゆる中古品が、どんなに戦後の衣類に対して役割を果しておるかがよくおわかりだろうと思う。品物があれば、何も今さらここで論議する必要もなく、公債を立てる必要もない。お互いに焼け出された者、あるいは復員者、引揚者が一枚の着物にも困つておる人がある。しかし中には食うためには、二枚あるものを一枚売るという人もある。そこで中古業者が一體どのくらい現在のお互いの衣の上において問題がある程度まで解決されていくかということを想像していただきたいと思う。先ほど櫻内委員が言つたように、いわゆる衣類の交流という點に對しても、早急にこの公債は撤廃すべきが穏營であろうと考えます。とうていなし遂げられない公定価格はどしどしこの統制を解除してもらいたいと思います。
 もう一つは、先ほども片岡さんが言つたように、公定価格で百五十円か百六十円のゆかたが、實際には千円台を往来しておる。これを売つて食おうという者が中古衣類業者へ持つて行つたら、公定でこれを抑えられる。近所のかみさんに売れば、八百円か千円で買つてくれる。これではどうしてもそこへ持つて行く。すなわち業者を通じてでなく、お互いのやみ取引が行われておるというのが實情でありまして、いかに業者が公定を守ろうとしても、社会の情勢、現在の状態は守り得ない。こんなくだらない公定は早く撤廃した方がいいと考えております。
 それからもう一つは、もし業者が良心的に公定で買つたといたします。そういうふうな場合に、現状のあまりうまく連絡のつかないいろいろな役所、いわゆる警視庁あたりの警視とか、署員とかいうものが、場合によつてこれを故買とみなした場合、お前たちはどろぼう物でも買つたんじやないかというふうなことは必ず起り得るじやないかと思います。そういうことも現在のこの制度の欠落じやないかと私は思う。
 もう一つ、政府委員は、守ろうと思えば、規則は守れると言われる。それはそれに違いない。しかし、現在の状態においては、守ろうとしても守れない。守ろうとすればきつと守れるというのは、机上の空論であります。法律を守ろうという人、この法律を守つていかなければならない人が、この法律を守ろうとすれば、死んでしまう。この間のような事件です。また法を守ろうとするその人が人にばかり法を守らせようとすれば、大宮のような事件で、子供をひつぱたいて、子供の持つている荷物をひつたくつて、自分の担いでおる荷物の大きいことを酔つぱらつて忘れていたというような矛盾が出てくる。私はこうしたことを、政府委員の方にほんとうに反省していただきまして、いわゆる中古衣類というようなものはどしどし統制を撤廃いただきたい。
 私はこの請願の趣旨に対して、自由党を代表して、大賛成をいたします。
#32
○喜多委員長 委員外小川半次君より発言を求められておりますので、この際これを許します。小川半次君。
#33
○小川半次君 私は商業委員ではないのでありますが、ただいま喜多委員長からお許しがありましたので、少しく申し述べたいと存じます。
 民主党の政務調査会におきましては、ただいま議題となつております中古衣類の公定制度につきまして過日討議いたしましたところ、結論として、この問題はマル公を撤廃すべきであるということに帰着したのであります。先ほど笹口委員から詳細にわたつてその理由を御説明になり、かつまた各委員からも非常に熱心なるマル公撤廃の意見を拝聴したのであります。われわれはまつたくこれに同感であります。しかして各般にわたつての意見がございましたので、あるいは多少ダブルかもしれませんが、ごく要点だけを申し上げて、本統制撤回の説に賛成したいと思います。中古衣類の生産は一般國民であり、その発生は全般を通じて不規則にして、同一のものは絶對になく、しかもきわめて複雑多岐であつて、一定の企画性をもたざる自然発生的のものなれば、營利を目的として生産する商品とはおのずから性質を異にし、価格の変動に應じ生産を操作し得るものでなく、多くは生活の危機に臨み、やむを得ず全員に換えんとするいわゆる財産處分であつて、最初より商品を目的として生産されたものではない。殊に中古衣類の公定価格は昭和十七年制定されたるものであつて、當時戦時統制の圧力は古着類の特殊的存在に対し検討する余地を与えず、むりやりに統制のわく内に入れたものと考えられるの感あり、しかして現在は価格統制當時とまつたく社会情勢一変し、物価の暴騰、食生活の窮迫の今日、なお公定価格撤廃に至らざるは、實に遺憾とするところであります。私は以下數項に分けて、公定価格撤廃の必要性を述べたいと思います。
 第一、古着は根本的に需給の平衡を調整するに至難にして、現に政府もこの集荷配給に責任をもち、公定価格の裏ずけ行為ができぬこと。
 第二、古着は発生において營利を目的とせず、從つて公定価格にも生産価格が明示できず、単に最終小売価格のみに統制するをもつて、新製品のそれに比し、當初より矛盾のあつたこと。
 第三、古着は品質、柄行、仕立、製作年度等きわめて複雑多岐、しかも配給ルートなく、生産なきものに対し同一規格のわく式公定価格にあてはめることは、技術的に絶對適正を期しがたきこと。
 第四、物価高騰の時流に乗つて、古着の価格が公定価格と實販価格との間に相當の懸隔があるため、各地に価格違反の事實が頻発し、これが取締り強化の結果価格違反者続出し、ために取締りの裏をいく業者が増加する傾向にあり、善良業者は休業のやむなきに至り、たけのこ生活者を一層困窮に陥れつつある状況である。
 第五、この際不適當なる公定価格の引上げは労働賃金や主食価格の引上げの例のごとく、かえつてより以上の価格高騰を招来する懸念なしとしないのであります。
 第六は中古衣類業者は終戦後、繊維業の転向したる者多く価格に十分の自信のあるもの多く現今の實際販売価格は他の物価に比し決して高価ではないのであります。
 第七中古衣類は製作年月、色柄、地質、名称等同一物絶對なきため査定はいかに価格低きものといえども一点ずつ査定を行う煩雑と、査定員の勘により著しく差異あり、全國統一不可能なること。
 以上の諸點より考察するとき今や中古衣類の公定価格は全然時流に適せず、これを撤廃しましても、急激なる需給に変化を来すことなく、むしろ業者の自主的統制に移す結果、消費者階級の負担力を勘案するとともに、生産階級の援助を加味する大幅わくの弾力性のある価格操作となり、從つて業者もこの範囲内において、商業の自由性と競争心を刺激し、いきおい業者の利潤はみずから縮小され、當時の経済情勢に即應する適正価格の安定を得られるものと思うのであります。先ほど来政府委員から公定価格存置の考えに近いような意見を拝聴しましたが、それらは非常に薄弱であり、むしろ各委員から述べられたところの撤廃の意見が實際的であつて、かつまた肯づける点が多いのであります。この際政府においてはこの中古衣類の公定価格撤廃に善處されるように望む次第であります。私は委員外の者でありまするから、御答弁は要りません。ともあれマル公撤廃に善處さるることを望んで私の質問を打切ります。
#34
○松井委員 各位の御質疑によりまして大體本案に対する公債の撤廃の御意見が多數であります。私も公債撤廃の方々の御意見に賛意を表するものであります。時間がありませんから簡単に政府委員に一、二の點をお尋ねして結論といたします。この中古品に対して査定委員はどの程度の資格であるか、あるいは各地とも業者の數から言い、何人くらいを委託しておりますか。また違反行為に対してはどの程度取締りますか、もちろん司法関係の方でありませんから、その具體的なことはどうかと思いますけれども、その点をお伺いいたします。私が最近群馬県桐生市に起りましたことを簡単に申し上げますが、主人の使いでわずか三、四里のところへ品物を運搬にまいりまして、その間土地の経済巡査がそれを検挙いたしまして、金額にいたしましては二萬内外のものでございますけれども、それを遂に警察が没収してしまつた。公債の査定がしてないというので違反に問われ、今日まで解決がついておりません。これらの点については政府委員の方はいかにお考えになりますかお尋ねいたします。
#35
○向井政府委員 ただいま公定価格査定員はどのくらいいるかというお話でありましたが、御承知のように各府県に査定委員会がありまして、これは非常に多數の物資を査定いたしておりますので、業種と申しますか、物品別にいたしまして、それぞれ小委員会ができております。私ただいま中古品について各府県に何人ぐらい委員がいるかということを記憶しておりませんが、大體各業種について十人前後だと思います。これもやはり地方と東京、大阪のように非常に分量の多いところではまた違いますが、大體その程度だと思います。
#36
○松井委員 ただいまの司法関係の品物を没収された事件については御答弁がありませんが、それは常識上御研究願いたいと思います。査定委員についてはその査定委員がはたして資格があるかどうか、また中古品について各般にわたつて勉強しておるかどうか、この点も非常に疑わしいと思います。たとえばたけのこ生活をする人々が、その業者に頭を下げて、適當の時価で売却したいと言つた場合、適當の値段でそれを買受けて公債で査定をして、適當なる公債の表示をするかどうかというと、これをやつておりません。警察ではまたこの経済が単なる違反としてその品物を没収いたしました関係については、勢力のある業者と連絡して適當なる値段で払下げておる。こういう関係から實情を調査いたしまして、公定価格の必要のないものは――いかにいかなる人が御研究なされましても、この古着はいろいろ種類がございましてむつかしい。私だちの希望するところはたちどころにこの公債を撤廃することを希望するのであります。
#37
○笹口委員 各委員から非常に御熱心な御質疑ないし御意見がございましたが、どうも政府委員の答弁は私どもに満足できないのであります。それにまた各委員、あるいは各党の意向も大體今日の会議で御了承がつくと存じますが、政府の考えとはまつこう正反対の立場にありまして、事きわめて重大だと思うのであります。この意味におきまして、本日は非常に熱心で時間も経過しておりまするのでこの程度にして、次会は物価庁長官もしくは次長の御主席を願い、なお質疑を続行させていただきたいと思うのであります。
 それから委員長にお願いしたいことは、先ほど林委員からの消費者の声も聴いてもらいたいということ、これも結構でございますが、本日は業者の方も大分お見えになつておりまするから、一應懇談会で業者の意見を聴くようなお取計らいを願いたいと思うのであります。
#38
○喜多委員長 ではこの程度で休憩をいたしまして、二時より本委員会を再開して議事日程を終えて、その後せつかくお見えになつている業者と懇談会を開く、かような豫定にいたしたいと存じます。
 ではさように決しまして、これで休憩いたします。
    午後一時六分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後二時四十七分開議
#39
○喜多委員長 これより再開いたします。
 日程第二、引揚者團體直營の全衣料品店許可の請願は、紹介議員中村元治郎君より取下げの申出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○喜多委員長 ではさよう決定いたします。
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#41
○喜多委員長 日程第三を議題といたします。文書表第七四九号、石綿輸入促進の請願、紹介議員松原喜之次君の説明を求めます。
#42
○松原(喜)委員 石綿輸入促進の請願につきまして、紹介議員の一人として簡単にその趣旨の弁明をいたしたいと存じます。御承知のように、石綿は、硫安製造の場合に電解をいたしますが、その電解の絶縁隔膜として用いられます副資材の最も主要原料となつておりますのみならず、自動車のブレーキ、その他あらゆる電気の絶縁體に用いられ、あるいはまた保温とか保冷とかいうような用途に部分品として広く用いられております。さらにまた鉄管の代用といたしまして、御承知の石綿高圧管として用いられますし、また石綿スレートや石綿煙突等、今日復興建築に重要な資材として広くその用途をもつておるものでございます。さらにまた、この石綿製品は戦前におきましては南洋、印度、中華民國等の方面にも相當輸出せられたものであります。しかるに現状を見ますと、もはや國内にありますところの石綿原料の状態は、ここ數箇月を出でずして底をつくという有様になつておるのであります。先ほども申します通り、非常に重要な産業の副資材として用いられる部面、及び製品として広くその用途をもつており、かつその製品は日本再建の上に最も不可欠な品種であると私は考えるのでありますが、しかもこの石綿の価額たるや大したものではない。すなはち他の産業におきましてもよくわれわれの経験するところでありますが、主たる原料資材等がいかに豊富に供給いたされましても、ごくわずかな副資材の不足のために、その製品の生産に重大な支障を来すというがごときことはまま見るところであります。硫安製造のためにするところの電解隔膜のごときは最も重要な部面と思うのでありますが、こういうふうな大した金高でもなく、しかも重要な使命をもつておる資材は進んでひとつ輸入をするというふうに、政府の方でお取計らいをお願いいたしたいと思うのであります。さらに附加えておきたいことは、現在石綿製品の生産にあたつておりまするところの工場は全國で百二十工場あります。それからそれに從事しておりまする者は七千人になつております。きわめて微微たる工業でありますけれども、しかしながらわずかの輸入が行われないために、これらの工場がその業を続けることができず、從つてこれらの從業員が失業するということは、これらの人人にとつては重大な問題であるということもお考え願いたいのであります。なお、石綿は御承知のように戦前におきましてはアメリカから主として輸入されておつたものであります。從つてこれは貿易面からいたしましても、ポンド地域、ドル地域と分けますと、もとよりドル地域でありますから、その輸入は貿易全體として考えて比較的容易な方面であると考えるのであります。以上の理由を持ちまして、この際ぜひこの石綿の輸入について特段の御考慮をお願いいたしたい。これが請願の趣旨でございます。
#43
○喜多委員長 本請願に対する當局の意見を伺います。
#44
○冨吉政府委員 石綿の輸入につきましては、関係各物資局の策定に基きまして、貿易庁におきましては、輸入要請書を作成してこれを総司令部に提出するとともに、申請の理由並びに國内におきまする石綿事情等を詳細に説明して輸入實現について関係各庁協力のものとにその促進に努力いたしておるのであります。それによりますと、一九四八年度といたしましては、一萬二百五十二トン、一九四九年度といたしましては一萬三百九十トンという數字を申請いたしておるのであります。総司令部におきましては大いに理解ある態度をもつて、本物資が日本経済再建のための重要物資であることを認められ現在米國より石綿隔膜の輸入はすでに二十二年八月一日現在で約三萬キロの輸入をなしておるのであります。これを硫安製造とソーダ製造のために配分しておるのでありますが、さらに石綿の原鉱輸入の實現方も考えておるのでございます。しかしながら、これが供給地でありますところの米國及びカナダにおきましてさえも供給量が決して十分に意のごとくならない事情でございます。加えまして御承知のごとく船腹事情の逼迫等によりまして、わが國への輸入が相當制約されることはまことにやむを得ないことであろうかと考えるのであります。貿易庁といたしましてはさらに総司令部に対しまして重ねて石綿の輸入實現方を一層努力しまして、その促進に努力いたしておることを申し上げて御答弁といたします。
#45
○喜多委員長 これについては御質疑はございませんか。
    〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○喜多委員長 ではこれをもつて日程全部を終了いたしました。
 最後にお諮りいたします。昨七日石油配給公團法等の一部を改正する法律案が本委員会に付託されました。これは農林委員会並びに鉄工業委員会にも関係のある法案でございますので、農林委員会及び鉄工業委員会との連合審査会を開きたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○喜多委員長 ではさよう決定いたします。日時は各委員会と協議の上、公報をもつてお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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