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1947/11/12 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第19号
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1947/11/12 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第19号

#1
第001回国会 商業委員会 第19号
昭和二十二年十一月十二日(水曜日)
    午前十一時二分開議
 出席委員
   委員長 喜多楢治郎君
   理事 石神 啓吾君 理事 笹口  晃君
   理事 佃  良一君 理事 細川八十八君
   理事 片岡伊三郎君 理事 福永 一臣君
   理事 中村元治郎君
      佐竹 新市君    林  大作君
      師岡 榮一君    山口 靜江君
      井村 徳二君    岡野 繁藏君
      櫻内 義雄君    坪川 信三君
      松井 豊吉君   唐木田藤五郎君
 出席政府委員
        物價廳次長   大原總一郎君
        商工政務次官  冨吉 榮二君
 委員外の出席者
        大藏事務官   原  純夫君
        農林事務官   堀内 茂彦君
        商工事務官   式田  敬君
    ―――――――――――――
十一月十日
 商業者道徳高揚に關する陳情書(千葉縣野田町
 高木虎尾)(第五六六號)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
  請願
 一 中古衣類の公定價格制度撤廢の請願(仲内
   憲治君外四名紹介)(第九四四號)
 二 同(笹口晃君紹介)(第九四五號)
 三 同(細川八十八君紹介)(第九八二號)
  陳情書
 一 東京大衆酒場商業組合員の共同販賣所開設
   に關する陳情書(東京大衆酒場商業協同組
   合對策委員會提出)(第二三號)
 二 中小商工業再建に關する陳情書(東京實聯
   協會中野金次郎)(第一四二號)
 三 中古衣類の公價制度廢止に關する陳情書(
   東京都千代田區神田東松下町新谷西藏)(
   第一六〇號)
 四 板硝子の配給機構及び取扱に關する陳情書
   (山口縣山口市荒高町西日本板硝子配給組
   合聯盟委員長金子耕作)(第二一〇號)
 五 開らん炭輸入促進に關する陳情書(啓明交
   易株式會社)(第二五〇實)
 六 農業用指定配給物資新統制方式實施適正化
   に關する陳情書(東京都港區芝田村町商工
   協同組合中央會)(第二七二號)
 七 商工協同組合法の改正に關する陳情書(四
   國商工協同組合大會)(第三二七號)
 八 大阪市に輸出品例外價格査定委員會設置の
   陳情書(大阪市東區北濱大阪雑貨貿易會理
   事岩井雄二郎)(第三四〇號)
 九 商業道徳高揚に關する陳情書(千葉縣野田
   町高木虎尾)(第五六六號)
    ―――――――――――――
#2
○喜多委員長 これより会議を開きます。
 前会に引続き請願の審査をいたします。日程第一、第二及び第三の各請願は、同一趣旨の請願でありますので、一括審査をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○喜多委員長 それでは第一、第二及び第三を一括議題といたします。文書表番号第九四四号、第九四五号及び第九八二号、中古衣類の公定価格制度撤廃の請願、まず紹介議員の説明を求めます。紹介議員細川八十八君。
#4
○細川(八)委員 中古衣類のマル公撤廃の請願の趣旨は、各委員諸君が述べられたので、私はこの際深くこれに対して申し上げることはないと思うのであります。私のこの請願のマル公撤廃をさせなければならないという趣旨はいずこにあるか、それは申すまでもなく、戦時中に低物価政策の見地から、わが國の経済をほとんど水と空気以外のものは全部マル公で縛つた。ところが戦後もう二箇年有余になりますのに、依然としてそういう實際に行われないむだなことが、未だに残されておるということは、まことに遺憾に思うのであります。殊に衣料を売らなければならない階級はどこにあるかと申しますると、すなわち今日インフレによつてまつたくたけのこ生活をしておる階級層が、一枚はぎ二枚はぎをして食糧にかえて、ようやくに食べておるというのが現在の世情であります。しかるにこれを買上げる業者は、やはりマル公があるという見地から、足もとを見るということはないが、やはりそこには安く買わんとし、かつまた買つたものは商人でありますために、當然儲けるということを考えております。そこでその儲けるものがどういう階級にいくかと申しますると、そのあるものはさらに持つ階級に流れていくのでありまして、私はこういう点を考えますと、まつたく持たざる階級に、せめて売り渡すときは、相當の今日の世情価格で買上げてもらえるようにしてやることが當然であると思います。またこういう価格を置いておりますことは、實際にこれをどうして扱うか。たとえば着物のごときにいたしましても、年寄りの着物はいかなる節約もつきます。しかしながら若い者、たとえば娘に嫁入りをさすために、娘に晴着を一枚こしらえてやる。やるいは孫に正月着を一枚こしらえてやるにいたしましても、はでなものはごく少數であります。從つてこれらの値段が柄のこまかいおばあさんの着るようなもの、老人の着るようなものが、一緒の価格に縛られておることは、實際問題としてこれは行えないことであります。これはわが國の衣料というものは、世界一たくさん日本人はもつておるということを、あらゆる報道機関が証明しておると思うのであります。そこでマル公というものがありますために、これが自由に店舗にかざられないで裏から裏へ流れる。そのために、服一着が一萬円あるいは一萬二千円という高価で売買されておる。しかしながらこれがほんとうに自由になりますならば、店舗に売る際高く売らんとしていずれ古着業者は飾りましよう。飾りましようが、いずれにしても買えるということになり、かつまた品物が相當高値であるとなれば、相當物が寄つてまいります。從つていきおいその値段が安くなるということは、最近にマル公を外されたものを見ましても、殊に最近たくさん出てくるみかん、あるいはかきのような果物ごときも、ほとんど半額に近い価格になつてまいりました。自由販売といつても物がないのはいたし方ありませんが、しかしわが國には衣料というものは必要以上あるのであります。殊に日本人の島國根性で、日本人は服と着物の二重生活をしておりました関係上、物は十二分にあるのであるから、この際マル公は徹底的にはずしてしまつて、そうして店舗に飾つて、思うものを自由に売つたり買つたりする途を開いてやらなければならぬ。今日はままつたく繊維の配給というものは皆無の状態でありまして、ほとんどここにおられる方々でも、おそらく服一着といえども配給品で買えるものとしてはありません。しかしながらやみならばいくらでもあるという状態であります。そこでわが國には繊維に退蔵品というものは潤沢なほどあるから、これこそ統制する必要はないと考える次第でありますので、速やかにこの統制を撤廃されんことを私は政府に申し上げて、これを速やかに採択されんことを願う次第であります。
#5
○喜多委員長 本請願に対する當局の所見を質します。
#6
○大原政府委員 ただいまの御請願の御趣旨につきましては、かねて承つたこともございますし、その御趣旨については多くの点でごもつともな理由が多々あることを、政府側としても認識しておる次第であります。今日申し上げたいと存じますことは、現在の日本の統制経済の段階が、貿易再開を控えまして、國内産業の復興と相まちまして、漸次マル公がはずされるような経済に向つて進んでまいらなければならないことは、申すまでもないのでありますけれども、遺憾ながら今日の状況は輸出入貿易の占める部分と、國内経済の占める部分とを比較いたしますれば、國内産業の方が圧倒的に大部分を占めておりまして、國内産業は依然として不足状態を続けておりますので、経済の實體は依然として統制経済を強力に推し進めなければならない段階にあるということを御承知願いたいのでありまして、その前提におきまして、すべての価格政策を考え、またマル公撤廃の場合にも、これから一せいにマル公をはずしていく第一歩だという意味で、先般のマル公の撤廃をいたしましたわけではないのが現状であります。今日マル公を撤廃いたしましたものは、生産が相當増してまいりまして、市場の価格がむしろマル公撤廃によつて下るような情勢を示したもの、あるいは生活に直接の必需的な関係がなくして、マル公をはずしても國民生活に大きな影響のないものといつたようなものにつきまして、まず消極的な意味でマル公をはずしましたのが現状であります。今日の中古衣のマル公撤廃の問題も、政府が今日とつておりますそういう一般的な統制価格の政策であることを御了解願つて、ご判断をお願いいたしたいと存ずる次第であります。それにもかかわらずすべてのマル公政策、また統制経済が、何と申しましても人間のつけるマル公であり、人間の統制する経済でありますので、全幅的に國民の期待される通りの統制が行われておるとは断言できないのでありまするし、さらに統制経済そのものが人情に反する点の多々あることはいかんともしがたい現状であります。そういう点から見まして、中古衣のマル公が存在しておるということは、いろいろな点で人情に反する点もありますし、また敏活な商業をもつて生命とする商業者の實感にも副わない点があることは、統制経済全般の問題としてこれを認容せざるを得ないのでありますけれども、それにもかかわらず、中古衣に関する御希望の御趣旨は、物価庁あるいは商工省その他関係担當者が種々この問題について協議研究いたしました結果、先般のマル公廃止の時期までになおマル公をはずした方がいいのだ、はずすべきだという結論に到達し得なかつたために、今回のマル公撤廃項目から落ちた次第であります。この問題について消費者、また売る側の人、買う側の人、またその中間に立つ人、いろいろな角度から問題があるということは、ただいまの御説明中にも十分お聴きいたしました。それぞれの点でごもつともな点が多々あるのでありますが、何と申しましても、今日新しい生産が続行されておる状態であります。繊維製品については厖大なストツクがあるという御説明でありましたが、それもまた事實であると存じますが、一般の購買者にとつてはなおはなはだ不足の状態でありまして、一人當り二ポンドばかりの配給しかない現状でありますので、この新製品に厳重なマル公をつけておる反面、中古衣が自由にされることについても、多々困難な点が生じてくると存じますし、また新製品のマル公もやはり四倍ばかりに上りますので、これに應じて中古衣のマル公も、これに應じた引上も豫定されております。また各地域間のアン・バランスの問題につきましても、今後一層慎重にその監督を励行していきたいと思つておりますので、これを売却しなければならない立場に立たれる人も、今日よりは相當有利に売却できることになる次第であります。またたけのこ生活をしておる方々には、一般の市場価格を前に見ながら、マル公を守つて乏しい生活を続けていかなければならぬという点につきましては、気持としてはまことに御同情にたえない次第でありますけれども、これも全體の経済とインフレ激化を防ぐ一つの國民の御協力だとお考えいただき、また非戦災家屋について新しく課税されるというような實情でもありますから、衣類その他を持残された方々も、ある程度そういうふうな気持を御しんしやくいただき、御協力をお願いいたしたいと存じます。さらに統制その他の手続上におきまして、種々不備のありました点については、今後新しいマル公のもとに、また新品も切符制によつて新しい配給機構が確立されるわけでありますので、もう一段と御協力をお願いいたしまして、その結果再びこの問題をし細に検討したいと考えて、今回はいろいろ理由もある御要望にもかかわらず、ただちに今日そのマル公をはずすことは、種々全般の統制に関係して、価格並びに配給の面から困難の存することを御了承いただき、今回のマル公撤廃の際の措置につきまして、御了解をお願い申し上げたいのであります。次に来ります新マル公による衣類の配給全般の問題にわたつて、引続いて政府側としても御趣旨のあるところを一層研究して、將来に備えたいと存じておる次第であります。
#7
○師岡委員 大體今政府の説明を伺いまして、私はもつと具體的な事象についての御説明を願いたいと考えるのでありますが、その第一点は不均一な、各個ばらばらの中古衣類に対しまして政府は責任をもつて妥當公正な公定価格を決定することが可能であるかどうかということをお考えになつておるかどうか、その点をお伺いしたいと思うのであります。
 第二点は流通秩序の確定が公定価格維持の絶對的な要件であると思つたのでありまするが、政府はこの点についてどういう具體的な方途をおもちになつておるか。また講ぜんとするか。その二点についてまずお伺いしたいと思うのであります。
#8
○大原政府委員 中古衣類について公正なマル公をつけることが非常にむずかしい問題であるという点につきましては、政府といたしましても、實情はその通りだと思うのでございますが、先ほど申しましたようなマル公政策全體の観点から申しまして、少々の困難はありましても今日マル公をはずさない方が、全體の統制経済を一段と推し進めていく上に必要であるという観点によりまして、公正なマル公が必ずしもつけにくいという欠点はあるにいたしましても、今日なおマル公をはずすことができなかつた事情を、その方面から御理解いただきまして、マル公設定の不備につきましては、そういうふうな観点から御協力をお願い申し上げたいと考えておる次第であります。
 また流通秩序の確立の問題につきましても、これは今日政府がすべての政策の根幹として取上げておる問題でありますので、現状におきまして百パーセントの配給統制が確立しておるとは決して申し上げられないのでありますが、あくまで流通秩序の確立を基本的な生命として計画のすべての施策が實行されております以上、今後のマル公の相當の引上げによりまして、この流通秩序の確立の問題にも好影響を及ぼすものと考えておりますし、さらに切符制度によります配給の適正が新品について考えられますれば、中古品につきましても何らかの好影響がもたらされはしないかと考えておる次第でありますが、この点につきましては、問題は根本問題に遡りまして、もう一度マル公を持続する事態を続けなければならないと存じます。政府の方針に御協力願えるかどうかということにも関連すると存じますので、今日のところマル公取止めをいたし得なかつた政府の立場を御同情いただきまして、流通秩序の問題につきましても一段の御協力をお願い申し上げ、さらにその後はマル公の問題につきましては、引続き検討いたしてまいりたいと考えておる次第であります。
#9
○師岡委員 今の御説明によりますと、中古品の公定価を決定することはかなり困難な事態があるということをお認めになつておるようでありますし、この事態は實際の価格決定にあたりまするやり方を見てみますと、はたしてあんな程度のあり方でいいかどうかということを私たちはよく考えてみなければならんと思うのであります。たとえば売りまする報合に公定価を決定してもらう、その場合においてかなり査定する方の側の情實が強く取入れられておるような事態も多少見受けられるのであります。それと同時に一體いくらで売つてもらえるのか、売る方の側の標準を出ないような状態において価格が決定され、しかもそれが公然たる取引の中に需要者に販売せられるというようなことは、これはきわめて危険な事態であると私は思うのであります。從つて政府が責任をもつて公正なる価格の決定ができないというような認識の上に立つている以上は、すべからく私は公定価格を撤廃して、もつと経済の實情に合つたような取扱のできるような事態にこれを直してやることは政府の良心的な行動でなければならん。こう私は考えているのであります。
#10
○大原政府委員 政府の良心的な方法というものにつきまして、全然できないものをなお続行するということは良心的でないという御質問でありますが、政府が今日良心的にやつていこうというのは、今申し上げました統制の線に沿いまして、ただいまのやうな情實をできるだけ排除いたしまして、今日都道府県の査定委員会でやつておりますが、これらの基準の与え方、また不行届な点は是正する、また査定委員会の情實は刷新するということをもつて、この問題を處理してまいりたいと思つているのでありまして、困難であるからここで一切撤廃してしまうという前に、もう一度この問題につきまして、統制の建前から、できるだけ適正で完璧に近いものをやつてみようという努力をいしたいと考えている現状であります。
#11
○細川(八)委員 今大原さんの言われた中に、國民一人あたりわずか二ポンドしかし配給がないということでありますが、私は今日國民に必要なる繊維が正規のルートによつて配給されないものが實に市場に充満しているほどある。それを自由に販売さしてやつてこそ、円滑に必要なものが必要なところにいき、不必要なものが不必要とされるであろうと私は考える。そこで衣類に限つては私はどの角度から考えましてもマル公というようなものがきめられる形のものでない、千差萬別で一枚のものでもできた年限が違う、できた時代が違う、洗い張りを何遍した、あるいは柄が違う、ゆきが違う、すべてがわく内において一つのマル公というものによつて決定されないものを市場に置いておくということは、要するに違反者が多くできてくる、その違反者を取締るのに非常に業者も困つている。できないものをせんとするところに私は大いに無理があると思う。わが國の物資がきわめて少いと言われるのならば、これは各議員そろつてマル公を廃すべし、相當市場には衣料はあるからはずしてみようということで一應おはずしになつて、そうしてわが國の物資でないと思つたものがどれだけあるかということをまず私は見てみる必要がある。現政府はわが國の實體を知らずして政治をやるから、すべてのことがマル公がありながら何一つそれが行われないということが今日の現状なんです。よろしくこういうものはひとつはずされてみる、そうしてほんとうのわが國の現状を見てみる一つのよい手本であろうと私は考えております。どうかぜひひとつマル公撤廃をしてもらいたいと思います。
#12
○笹口委員 ただいま大原政府委員からいろいろお話がございましたが、きわめて原則的に、すべての流通秩序の確立ないし統制という大きな問題から、これはひとつ我慢をしてくれ、こういうような御趣旨に伺いましたが、それならば一體政府の考えている物資の流通秩序の確立というものと中古衣類がどういう関係にあるか。また過去において中古衣類は繊維製品の統制等に対していかような関係をもつておつたか、政府は何らか計画的に中古衣類を物資流通面に乗せられたことがあるかどうか、あつたならば具體的な數字をお示し願いたいのであります。
#13
○大原政府委員 流通秩序の問題は適正な価格で適正な割當通りにはいるという意味でありまして、中古衣類については今日まで配給統制をしたことはないのでありますけれども、マル公をもつて買えるということが流通秩序の一環であると私は考えているわけであります。特に作業衣その他の生活必需品、また勤労者のためにぜひ必要なものについては、できるだけ適正な安い価格で勤労者あるいは農民等に入手できることが願わしいわけであります。また消費者の側に立つても、単に余力のある人ばかりが買つておるとも言えない現状でありますので、そういう意味から購買者に対してもマル公で購入し得るような秩序を樹立したいと考えて、マル公を設立しているわけであります。ただそれについては割當があるというわけではありませんので、そういうような割當方法について政府が強力に進めたとは申し上げがたいのでありますが、せめて買い得る人には比較的安い値段で手にはいるようにというのが政府の希望する趣旨であつたわけであります。
#14
○笹口委員 今の御説によると、こういうものは統制の上に乗せたことはないと言われるのですが、大原政府委員の考え方は、失體でありますが、戦争中の統制思想そのままのお考えであると思います。私どもも物資流通秩序の確立ということは大賛成でありますし、またこれは強力に推進しなければ現在の日本の経済を再建するという大きな使命も成功するものではないと思つております。しかしながら少くとも今後統制を持続していくものについては、ごく重要な物資、日常生活の重要物資にのみ限り統制を確立していくべきで、何でもかんでも統制価格のわくの中に入れて、これで流通秩序が確立したとお考えになることははなはだ甘い考え方であろうと思います。今お示しになつた作業衣とか、学生服とか、ゆかたというような一般の人のきわめて欲しがるようなものが、統制価格でもつて一體流通されていると思つていらつしやるかどうか、かりにゆかたに例をとりますと、ゆかたの統制価格が最高の特級品が二百六十円くらい、今日の實売価格は千円から千二、三百円もしている。一體これが二百六十円で古着屋さんの店先に出ているとお考えになつているかどうか。学生服、作業服にしても同じであります。今日政府は繊維製品の流通秩序の確立として作業衣なりお百姓さんたちの着る野良着なり、また学生服なりというものが必要であるからということで重点的に配給計画を樹立して、一般の配給とは別にまた重点的に配給されるというような途を講じていらつしやることはわれわれも承知しておるところでありますが、ゆかたや作業服、あるいは学生服というような實用向の品物がこんなばかばかしい値段で古着として出るとお考えになつておれば、きわめて實情にうといものではないかと考えるのであります。
 そこで一つお伺いしておきたいことは、一體物価庁が価格を形成いたしますその基礎はなんであるか、先般向井政府委員からのお話によりますと、大體新製品を基礎としておると言われましたが、新製品を基礎としておる公定価格が地域で値段が違うというようなことがあり得るはずがない。それは厳密に計算すれば多少の違いは出てくるかもしれませんけれども、一例をとりますれば、関東信越ではモーニング・コートの最高が三千百二十円、大阪方面にいきますと、八千四百円、これが最高価格である。新製品を基礎とした物価形成だと言われておるのにもかかわらず、東京と大阪で約二倍半以上の開きがある価格というものは一體どうなるのか。私どもにはさつぱりわからない。この前大原政府委員は御出席がなかつたが、私はこういうことを申し上げた。とにかく戦争中の統制価格であるならば頭抑えでやつていつてもよろしいが、今後の統制価格というものは科学的に厳密な原価計算の上に立つたものでなければ、これを人民の上に押しつけることはできない。私はかような考え方をもつている。そこで政府が今後これをやつていくのには、一體いかなる価格形式の基礎の上に立たれて中古衣類の統制を行つていくのか、その点のお見透しを伺いたいのであります。
#15
○大原政府委員 現在の状態におきまして、配給の面から申しますと、新製品の配給はただいま御指摘のように作業衣、学生服その他につきまして重点的な配給をいたしておるわけであります。この配給を適正に確實にいたすためにも、中古品について何らかのマル公があるということが、新製品の流通秩序を確立する上に有利であるということも考えられるのであります。また価格の点につきまして、先般向井部長から御答弁がございました通り、原価計算主義によつて新品はマル公をきめておりますので、新品のマル公は各地域によつて異なることはないわけであります。中古品の公定価格の設定についてはこれを生産費計算によることは困難な事情にありますので、新品の流通秩序の問題とも関連いたしまして、新品の価格からそれに相當する中古品の価格の基準を出して、これによつて各地方で決定しておるわけであります。今日御指摘のような地域的な矛盾があることは非常に遺憾なことでありまして、今後はそういう矛盾のないように、できる限りの努力をいたすつもりでございます。
#16
○笹口委員 ただいまのやはり新製品を基礎として価格をおきめになる、この一点張りであられるのでありますが、どうもそうなるとまた納得のいかない問題が起つてまいります。またこれはものをひとつ例にお話申し上げますが、新製品を基礎として、たとえばさつきゆかたの例をお話申の上げたのですが、ゆかたがたしか二百六十円が最高だと思つておりますが、これではとうてい品物が出まわらぬ。それに反しまして一つの対照的な例として絽の羽織がある。絽の羽織は特級品最高六百四十円である、しかし現在どのくらいで實売されているかというと、百円から百五、六十円で売買されておる。これは政府の考えている新製品を基礎とすると、今申したような實際の市場価格と非常な食い違いを生ずる結果が出てくるのであります。でありますから、もしもこのままのやり方をしておるならば、政府が期待いたしておりますような實用品は市場へ絶對に出てきません。今でも全然出てこない。それから非實用品、今例にいたしました絽の羽織というような、古着としては實用価値のないもの、こういうものがいくらか出まわるという程度に過ぎないのではないかと考える。こういう矛盾についてはどういうお取扱いをされる豫定であるか、これをお伺いいたします。
#17
○大原政府委員 その矛盾と申しますか、現状におきまして作業衣その他のものが非常に出にくいという点につきましては、今後新マル公も決定されますので、今日のマル公通りではないのでありますから、そのマル公の改変の後におきまして御趣旨の点をよく斟酌の上研究いたしてみたいと思います。
#18
○笹口委員 それではこれは將来の問題だということでございますからあえて追求はいたしませんが、次いでもう一つお伺いしたい。これは大體先日一部のものにつきましてマル公を撤廃いたしましたが、これは民生上重要でない、あるいは統制の實益のない、この二つが原則になつておる。これを伺つておるのでございますが、大體古着の統制価格をはずすことについて重要な問題は二つあると思うのであります。一つは、これもこの前各委員会からこもごも申されましたから私は繰返しませんけれども、統制価格というものは大體において消費者のために利益になるというのが普通の場合であります。ところが一般勤労者にとつて中古衣類の統制価格はきわめて不利益である。これは先ほど細川委員からも言われたので繰返しませんが、要するに売る人がこの統制価格によつて非常な不利をこうむつておる。その売る人は今日の社会下において私どもが最も手を貸してあげなければならない人たちである。こういう大きな社会正義の観点から考えての一つの矛盾。そこで私もその点につきまして、後ほど委員長に参考資料として提出いたしたいのでありますが、消費者からもこの問題についての陳情がきております。ただいまそのごく一部を持つてまいりましたけれども、ここにございますだけで一萬數千名の陳情書がきておる。それから次に、新しいものが古いものに化けるであろう、この点を非常に御心配になつておられるけれども、先ほどお話を聴きますと、新しい繊維製品は大體從来の価格の四倍になる、こういうお見透しのようであります。四倍になるとして、はたしてこれが現在の古着の価格とどういうことになるか。なるほどさつき例にあげましたような實用品、これについては多少の問題が残るかもしれませんが、その他のものにつきましては、今後四倍に上りました新品において古着に化けさせるというようなことは實際上きわめて不可能なことに属するのであります。それからもう一つ申し上げたいことは、新品がはたしてどういうような品物が今後多く流れてくるかというに、古着にならないような品物が多いのではなかろうか。これは商工省の方の生産計画を見ればよくわかるのであります。商工省の生産計画を見ましても、決して私どもが日常必要といたしまする衣類というものがわれわれ一般に配給になるような計画にはなつておりません。ようやく補修の布とか、あるいは糸類とか、靴下とか、手ぬぐいとかいうような、きわめて限られた小範囲のものしか配給にならぬ。これが今後われわれを対象とするところの計画生産品である。こういうことになりますと、こういうものが古着に化けるということをあなた方がお考えになるのは一體どこに根拠を置かれておるのであるか。単なる抽象的の理論であつて、商工省の昭和二十二年次のこの計画配給のことを御研究になつておるのであるかどうか、かような点もはなはだ私どもは疑うのであります。私は、この古着の統制価格を撤廃しなかつたところで、今後のいわゆる重要繊維品の横流れが防止されるというようなことは、てんで考えておりません。またその横流れをするような品物が今後の計画生産の上にはのつてこない、計画生産、計画配給の上においてはそういう品目があげられておらないのでありますから、あるべきはずがない、かように考えておるのでありますが、そのような状態でございましても、なおかつ物価庁としてはきわめて非科学的な根拠の乏しいこの統制価格を御継続なさるつもりであるかどうか。もう一遍念のためにお伺い申し上げておきます。
#19
○大原政府委員 二点の御質問のうち、最初の御質問、すなわち、売る方はマル公で縛られておるので、たけのこ生活者が非常に苦しむ、またそれを需要する側の人たちも、それが實際はマル公で手に入らないから非常に苦しむという点につきましては、そういう事態は實に遺憾な事態であると考える次第でありますが、もし最初の、たけのこ生活者がマル公で賣渡して、しかも消費者が今度はマル公で買えないというような場合には一體どういうことになつておるのだろうか、もしお話のようであれば、やはりその間の流通秩序の問題があるのではないかと思いますので、その問題は今後いろいろ検討して改善してまいりたいと存ずるのであります。
 第二の点につきましては、物価庁のみの判断でいたしておるわけではないのでありますが、新品の出廻りが非常に少くて、これが切符制によつてやられる限りにおきましては横流れはないということが事實であれば、これはお話しの御主張に裏付けができるわけであります。その点につきましても、今後の問題として慎重に研究いたしまして最後の結論に到達したいと存じております。
#20
○笹口委員 繊維局長が今日お見えになつておりませんが、冨吉政務次官から今の私の後段の質問に対する見透しを伺いたいと思います。
#21
○冨吉政府委員 私はこの前のお尋ねに対しましても新製品に化けるというようなことは實は申上げなかつたし、またそうとは考えておらない。私は価格政策の面において申上げたのでございまして、中古衣類の公定価格の撤廃によつて新しい製品との間に、なるほど理論的にいえば価格體系の立て方が全然違うのですから、これは別物ということは理論的には一應成立つのです、しかし實際問題として、古着でもこれだけするんだから新しいものをもう少し上げろ上げろという一つの運動がくるのじやないかということを率直に私の考えを申上げて、それらの点がやはり商工當局といたしましても、これは物価庁の御所管でございますけれども、にわかに賛成しがたい理由があるのではなかろうか、ただしかし御議論等もありますから、商工當局としてもいろいろ研究をいたしまして、できることならば御希望に副うように善處したい、こういうことを申上げたのでございますが、そういう考えに今日変りはありません。
#22
○笹口委員 今、冨吉政務次官から大體前回伺つたと同様な御答弁でございますが、その点は一應政務次官の御意見に対してこれ以上申上げると討論になりますから私は省略いたしますが、大原政府委員に最後に一言念のためにお伺いしておきます。大體前会からの委員会で各委員の御発言は挙つてこれを撤廃すべしという意見であります。また各党におききしてもそういうような大體最後的な決定をいたしております。すなわち國会においては、これを撤廃すべしというような意向がほとんど決定的であると思うのであります。こういうような場合、政府の方ではやはり國会の意思を無視してもこのまま強行される御所存であるかどうか、この点を最後に承つておきます。
#23
○大原政府委員 この問題につきましては関係方面とも連絡いたしまして、先般一應最後的な結論に到達した直後でありますし、かつこの問題につきましては政府の統制方針の根本問題にも関連があることであります。また商工省その他とも密接に連絡すべき事項でありますので、全體の御趣旨がその点にあるということになりますれば、もちろんわれわれといたしましても、國会の御意見に対しまして慎重に検討いたさなければならないことは申すまでもないことであります。今後その点物価庁といたしましても愼重に研究しまして、双方ともに納得できる結論に到達いたしたいと存じております。
#24
○櫻内委員 ただいまの政府委員の御答弁にありましたけれども、新憲法下における國会は國権の最高機関ということになつておるのであります。立法府ではありますけれども、同時に國権の最高機関であります。その國会の一致した意見に対して慎重検討するとか、あるいは研究をするとか、すでに結論があつたからなお考慮しなければならんということは私は少しくおかしいと思うのであります。この際政府委員のとるべき道は、この國会の総意を反映されまして、速やかにこの趣旨に副うべき方途を講ぜられるのがすなわち行政府の真面目であると私は考えるのであります。特に物価庁のお考えはどうも前回と今回の御説を聞いておりますと、価格問題について終始マル公制でいかなければならないというような建前のように聞えるのであります。この中古品のマル公の撤廃につきましては業者の各位も現在の時局を認識されまして、マル公の撤廃後においては業者の間において協定価格を設けるということも言われておるのであります。またその間に暴利等が行われるとするならば、それはまたその面から取締ることができるのではないかと思うのであります。こういう点につきましても物価庁は實情を把握せられて、行政處置をされることをぜひお願いしたいと思うのであります。すでにいろいろの議論は尽きておると思うのでありますが、特に私が不可解に思いますことは、中古品と新品の関係であります。現在つくられておるところの各種の繊維製品というものは、中古品とは決してまぎれのないものであるということを私は常に考えておるのであります。おそらくこれは専門家が見るならば、一見して中古品であるか新品であるかということがわかつてくると思うのであります。それを中古品と新品とをからみ合わして価格の問題を考えることがすでに間違つておると考えます。この中古品と新品との区別については、これこそやはり取締上の問題である。価格の上において考えらるべき問題ではないと思うのであります。先ほども商工次官のお話がありました通り、中古品と新品というものは、おのずからその価格の計算の基礎が違うのです。これははつきりしておるのであります。そういたしますれば新しいものをつくつておるものは中古品の値段がこうだといつてきても、これははつきりと物価庁がそういう理屈は成立たぬということが言い得るのでないかと思います。そういうことを考えれば、何も中古品と新品とをこんがらかせて考える必要はないと私はかく考えるのであります。特に私は今後の政治のあり方につきまして、正しい政治が行われていかなければならない、國民が正しい道を歩むことを夙に要望しておるのであります。このマル公があるために、常に中古品が価格違反で取扱われ、あるいは消費者にいたしましても、またたけのこ生活者の売る者にいたしましても、たとえばやみ取引でいくとか、あるいは物々交換でいくとか、個人的な間において適當な値段で取引されるとか、すべてが政府の意図される方向に行つていないのであります。そういう点を實態を把握されまして、速やかに國会の総意を皆さん方がおくみとりくださいまして善處されんことを切にお願いする次第であります。
#25
○冨吉政府委員 ただいまお説の國会の総意に行政部が順應いたしますことにつきましては何う異議のないところでございます。しかしながらいろいろ政治的なわが國の現在おかれておる地位におきましては、すでに賢明な皆さんが御存じでございまるすし、今年の一月に撤廃いたしました鮮魚野菜類の価格がさらにマル公制度に復帰したというような實情も、また先般のマル公撤廃の品目の問題についても、政府當局がいかなる態度をとつたか、その間における事情等についてもほぼ皆さんのご了察を得ておるものと思うのでありまして、それらの点もございますから、研究調査ということを申しているのでございまして、決して他意のないことを御了承願いたいと思うのであります。ただ価格という問題につきましては、先般来繰返されておりますることでございますが、単に価格形式の問題だけのみならず、やはり消費規正、通貨の問題といつたようなことともいろいろ物価政策なりがからみついている点に、いろいろなもやもやがあつたということ等おも御勘案くだされたいと思うのであります。從いまして櫻内さんの御説の点につきましては、重重國会の総意を聴取し、しかしてでき得る限りそのことが双方納得のいく一つの見解に努力するという程度で御了承を願いたい。われわれ政府當局の意のあるところを決して誤解なさらんようにひとつお願いいたします。
#26
○中村(元)委員 私はこの前自分の意見だけは申し上げておいたわけでありますが、この中古品のマル公を定めておられるという、そのものが一體基準をどこにおいておられるかということについてもう一度お尋ねしてみたいのでありますが、今日統制されておりまするすべてのものは、政府自體が生産面においてあらゆるものを把握して、そうして出発点から計算をしたところの価格を基準においてマル公を定めておられる。しかるにこの中古品は生産者というものが一人々々の家庭の中にあるわけでありまして、政府の支配を受けて生産し、政府から資材をもらつて生産しているものではないのである。しかもその生産者は現在の生活に窮して一枚を脱いでその日の食に充てているという實際状態にある。この生産品がマル公を定められるということは、各地の査定員がこれを定める。各地の査定委員は先ほど笹口委員からお話のあつたごとく、既に東京と大阪では大なる相違があつたり、あるいは地方においては格段の相違のある価格が生れてくる。こうした不可思議な価格の統制ができ得るということ自體が、すこぶる大きな矛盾でありまして、これは先ほどからまた前回から統制について価格を定めるということに対しては、大なる困難のあることは政府の方でもよく御承知のはずであります。また委員全體の上から眺めましても困難であるということを申し上げているのであります。これが一つ。政府の方の考え方が、業者のみがこの撤廃を要求いたしまするから、あるいはお考え方が多少変つてくるのではないかと思うのでありますが、中古品のマル公の撤廃は消費者面から出てきました声でありまして、業者の声ではおそらくないのであります。消費者面から出て来たところの総意が結集してきたのでありまして、そのためには笹口委員も一部消費者面からの陳情書、私は奈良県でありますが、奈良県は全県下の消費者面からの陳情書をとりまとめて、もはや提出いたしております。おそらくそういう観点から考えましても、かような矛盾だらけの、戦時に行われた統制を今なお継続なさらなければならないという考え方は、時代に逆行しているのではないかと私は考えるのでありまして、一日も速やかに、かような問題はあるとか、こうとかいう余裕のない問題でありまして、即決解決なし得るものだと私は断定したいのであります。ゆえにマル公の撤廃は一日も速やかになされんことを希望する次第であります。
#27
○林(大)委員 大勢は廃止ということになると思いまするが、無條件に廃止するということもいろいろむつかしい事情があると思います。條件などについてわれわれとしても將来研究する必要がありますので、廃止に伴う實害を現在どういうふうに具體的に考えておられるか、もしお述べ願つたら願いたい。もしそれができないならば、一應文書なら文書で御発表願いたい。將来のためにお願いします。
#28
○喜多委員長 最後に皆様にお諮りいたしたいと思うのですが、本請願に対する審査は、前回並びに今回長時間にわたつて審議を続けてまいつたわけであります。もはや最後の採決の段階にはいつておるのではなかろうかと考えさせられるわけであります。しかしながら何分重要な案件でもございますので、今回は前回同様一應保留協議研究いたし、次回に繊維局長との意見の交換によつて採決をいたしたいと存じます。皆さん御異議ございませんでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○喜多委員長 御異議ございませんので、以上をもつて請願の審査を終りまして、陳情書の審査にはいりたいと思います。
    ―――――――――――――
#30
○喜多委員長 日程第一、東京大衆酒場商業組合員の共同販売所開設に関する陳情書、
 先般實施の食糧緊急対策に基き、料理飲食店は休業の措置を受けたが、東京大衆酒場商業協同組合は、飲酒者、殊に勤労者のために、この対策として、本組合組織を活用し、共同計算による公的販売所を設置し、統制方式による酒類販売の方法を決定した、ついては右實施方採択されたい。
 右の趣旨の陳情に対して政府當局の所見を質します。原説明員。
#31
○原説明員 ただいまお読上げになりました共同大衆酒場の開設の件でございますが、七月五日に御存じのような事情で料飲ストツプに相なりまして以来、すでに半年に近いのでありますが、その間業者の経済的な面から申しましても非常にお気の毒な状態になつておることももちろんであります。また國家財政の面におきましても、このために豫算に豫定してありますところの税がはいつてまいらないというようなことで、その他諸般の点も考えまして、ただいまの陳情書にありましたような健全な慰安を与えるという意味の酒場をなるべく早い時期に開きたいという気持は一方で重々もつておるわけでありますが、本件はそういう見地からだけで結論を見出しかねる。つまり食糧事情をめぐる微妙な國際的なる背景をもつておる問題でありますし、從いましてそういう関係につきましての関係方面の意向もございますので、ただいまのところ即急にこれを具體化するということは、なお相當の困難があるという實情でございます。われわれの気持並びにこの問題についての現在の情勢を率直に申し上げると、ただいま申し上げました通りであります。
#32
○喜多委員長 それでは質疑に入ります。櫻内君。
#33
○櫻内委員 今説明員の方が言われましたように、七・五政令に伴うその間の微妙な空気は、われわれよく存じておりますが、ただ説明員の言われた点につきまして、私は大きな疑念をもつものであります。それはポツダム宣言受諾に伴う政令として料飲業に対する停止令が出た。これは説明員の言われるような微妙な関係ということを私はもちろん私は承認でできるのでありますが、しかしながらこの七・五政令に伴うところの國内に対する関係の措置というものは、著しく政府はその當を得ていないと思うのであります、當時この七・五政令が出ましたときに、御承知のごとく、これは國会を無視しているのではないか。國会開会中にこういう政令が出るのはどうか、こう言われたのでありますが、しかしながら不幸にして、それがポツダム宣言受諾に伴う政令であるというので、われわれは本日まで沈黙を守つたのであります。しかしながらこの政令を出す以上は、私の聞き及んでおるところでは、業者が三十五萬人、これに関係するところの從業員は家族を含めて七百萬人、これらの人々に対する対策をいかにするかということが、當然並行して取上げられなければならぬ問題だと思うのであります。ところが単に政府におきましては、ポツダム宣言受諾に伴う政令だけを出しまして、それに対する國内的な対策という点は非常に欠けておると思います。それでこの際まず第一に商工次官よりこの政令に伴うところの失業者、あるいは營業を中止したそれらの業者に対する減免措置とか、あるいは補償とか、そういう具體的な措置はいかがであつたかということをお尋ねしたいと思います。
#34
○冨吉政府委員 この問題に関しましては私の立場といたしましてあまり多くを申し上げることはいかがかと思うのでございまするが、せつかくのお尋ねもございまするので私見の一端を申し上げたいと思うのであります。なるほど私どもは實にお気の毒と言いますか、測り知れない断腸の思いがいたすのでございます。三十數萬の業者はもちろんのこと、これに從事いたしておられる從業者の中には、あるいは戦災に遭い、あるいはまた引揚者であり、あるいはまた未亡人であり、こういう方々が多くおられる点、まことにお気の毒千萬で御同情にたえないのであります。しかしながらすでに御承知の通りわが國の経済がかくのごとき悲惨な状態におきまして、もはや連合軍の援助なくしてはどうにもならないという建前におきまして、あるいは公然陰然いろいろな注意がありましたので、やむをえず政府はこの挙に出たことかと私ども考えておるのでございまして、できるだけ早く旧に復していきたい。御承知の通りわれわれの生活は最も自由にして、なんら拘束を受けないことで進むのが理想でございまするので、かくのごとき統制もしくは禁止ということは聞くだにあまり快いことではないのでございますけれども、日本の現状でやむをえないのじやなかろうか。かようにまず前提として考えるのであります。そこでこれに対する対策は厚生省なり労働省なりが所管いたすことではございまするけれども、私どもといたしましても非常な関心をもつておるのでございまして、私どもの関係いたしまする限りにおきましては、できる限り生産面への転換をお勧めいたして、それらについていろいろな御相談等がございますれば、できるだけの援助をいたしておるのでございますが、これは厚生省、労働省の所管に大體属しまするので、あまり多く突入つたことはここで申し上げかねる次第でございまして、ただ気持を申し上げるよりほかにしようがないことをお許し願いたいと思うのであります。
#35
○櫻内委員 この七・五政令の最も大きな理由は、食糧事情の逼迫に伴つた政令であるということを聞いておるのであります。しかしてその後のいろいろな経過を眺めてまいりますうちに、本日ここに出ております陳情書のごとき業務酒共販による施設を設けるというようなこの考え方は、私はまことに建設的な意見であつて、國内の措置としては當然取上げてみなければならない問題であるというふうに考えるのであります。當時御承知のごとく八・一貸席開業というものがありまして、食糧事情と貸席というものは違うじやないかということから貸席に対する陳情請願等が容れられまして、その開業となつたのであります。そういうことをまず頭においてみますと、この大衆酒場を設置するということは、今度政府が酒類の自由販売を計画されまして、財政収入の一助となされるというこの際におきまして、他面におきましては民主安定のために、この大衆酒場の開設はぜひともやらなければならない問題であると考えるのであります。酒類の自由販売をなされるといたしますれば、まず第一に考えられることは、酒類の販売方法として陳情にあるがごとく大衆酒場を設けて一ぱい酒を売るということは當然考えられることだと思うのでありますが、こういう点について政府御當局はどういうふうにお考えになつておりますか。
#36
○原説明員 お答えいたします。特価販売をいたす場合、大衆酒場をどう考えていくかという問題に対してのお尋ねでありますが、特価販売はいろいろ弊害の出てくる点も考えて、極力ビン詰品でさばくという考えをいたしております。しかし何分ビン詰能力、ビンの數が少いために、相當の數量をさばくために非常に困難があります一方、先ほど申し上げました健全な大衆酒場を開き、大衆酒場でさばくということになると、技術上からも商品の性質という方面からも望ましいことなのでありますが、先ほど申し上げたような事情で、ただいまでは特価販売はビン詰として店頭で売るという計画で事を進めなければならぬ状態になつている次第であります。
#37
○櫻内委員 私質問したいことがたくさんあるのですが、同僚議員からも御質疑があるようでありますから一点だけをお聴きいたします。
 大衆酒場の問題についての説明員のお答えは、何か御答弁に苦しいところが見受けられますが、私の得ている情報によりますと、その苦しい方面については相當に御理解があつて、こういう方法でいくのはまことに健全でよいということであつたのにかかわらず、安定本部と最高関係方面との折衝において欠けるところがあつたと聞いておるのでありますが、そういう事實はありませんか。
#38
○喜多委員長 ちよつと速記をやめて……
    〔速記中止〕
#39
○喜多委員長 速記を始めて……
#40
○松井委員 冨吉政務次官にお伺いいたします。料理屋は政令の頻発によつて休止状態になりましたが、この業者関係についてただいま櫻内君より申されましたことについて、冨吉政務次官は転換を希望するものには適當な斡旋をすると言われたが、どの程度の人が現在転換されておりますか。
 第二には料理屋を中心とする營業収益税に対して、當局は當初豫算に計上されたと聞いておるのでありますが、もし計上されたと仮定して、現在の休止状態のために起る歳入欠陥はどの程度になりますか。その点お伺いいたいします。
#41
○冨吉政府委員 前段のお尋ねは私數字をもつてお答えできないのでございまして、はなはだ遺憾でございますが、別に統計をとつておりません。
 なお後段の歳入関係の欠陥に関する問題は私存じておりませんが、私からお答えできる立場でもないことを御了承願いたいと思います。
#42
○松井委員 現在の政府の健全財政は新聞などできわめて不健全財政だと言われていますが、われわれ國政に参与する者は歳出歳入の各般にわたつて遺憾なく運營せしむる責任があります。いやしくも経済関係は重大であります。ゆえにもしも料理屋の營業休止によつて莫大なる歳入欠陥を生ずる場合には単に業者の中止のみでなく、経済方面においても相當責任を問う必要がある。これらの関係については各省大臣あるいは政務次官の方々は協力して勉強する必要がある。本日議案が出まして、大體次会に採決という問題も、前回の問題も、関係のあらゆる人人に質問してもはなはだ薄弱である。本日の御答弁を聴いても薄弱である。私たちは一年生で何も勉強しておりませんけれども、いやしくもその位置を担當されている人々は各般にわたつて勉強され、われわれを指導されることは當然だと考えておる。どうか今後におきましては計画的なものとか、あらゆる関係について御勉強くださいまして、われわれの質問に対する明確なる御答弁を願いたいと思います。
#43
○細川(八)委員 七・五政令の過去を振り返つて考えてみて、はたしてそれで政府が満足しておるか、はたしてその政令の効果があつたかということを私は第一番に政府として考えなければならないと思います。今日本を再建するためには何と言つても勤労大衆の勤労意欲の向上をはからなければならない。しかるにタバコは値が上つた、酒はどこでも飲めない、なんぼ働いても一杯の酒も飲めない。かような勤労大衆の叫びであります。私は単に関係方面にこの料飲組合を再開させてくれということよりか、むしろポツダム宣言を忠實に履行し得るには、今これを實施したその後にくる國民の思想がどこにありやということを考えることが政府として最も大切なものであると私は考えるのであります。働けどもタバコはのめない、酒も飲めない、そこに何を考えるか、また一般料理、飲食店の料理屋にいたしましても現在全國では七、八割、ところによれば全部やつております。今日の現状がすでにこの取締りにあたつておる政府がそれを守れない。役人が守れない。酒と人間とはどうしても断ち切ることのできない問題であります。これはいかにしても断ち切れない。そこに裏口から頼まれるままに悪いとは知りつつも売る。こうした實際に取締ることのできないものこそ速やかに政府はその實情を話され、熱意をもつてその交渉にあたられるべきであろうと私は考えるのであります。政府は十分にこの点について関係方面に交渉され、一日も速やかにまず大衆酒場は第一條件として速急再開され、かつ全國の料飲組合の再開されることに努力されんことを願うのであります。多くお話したいこともありますが、時間もありませんのでこの程度に打切ります。
#44
○笹口委員 この問題の必要性と重要性、これは各委員もお述べになりましたし、説明員からも御答弁がありましたが、これは委員長にお願いいたしておきたい。これは非常に重大な政治問題、殊にただい説明員からもお話がありましたような関係筋と微妙な関係をもつ問題であります。ただいま細川委員からも政府の善處方を要望された御意見、まつたく御同感でございまして、その点についての政府の今後のお見透しないしは御努力の決意いかんということを私どもは一遍伺つてみたかつたのでありますが、本日御出席の政府委員ではそれを伺うことは無理だと考えますので、近い機会にこの問題について安本長官なり、大蔵大臣なり、最高の責任ある方からその点についての政府の見解及び決定を披瀝していただきたい、そういう機会を与えていただくことをお願いいたします。
 なお私は大蔵省の説明員に三点ほどお伺いしたいのであります、私ども承知いたしておりましたのは、大體大衆酒場、ワン・コツプ、こういうようなものが七・五政令の一應わくの外にあつた、かように考えておりましたが、事實はこれまでも含んでおやりになつてしまつた。それが今日まで解けない、そういうような経過を辿つておりますが、一應わくの外にあると新聞紙も報道し、また私どもも承知しておりましたものがこれもわく内に含まれました事情、これを御存じであつたらお聴かせ願いたい。次には酒類が相當豊富になつて、自由販売になる、さつきびん詰でこれを売るというようなお話がございましたが、その數量は大體この年度内にどのくらいの見透しであるか。これも新聞に傳えられるところによりますと、相當厖大な數量で、年度内には消化しきれないのではないかというようなことが出ておつた。この点についてお伺いいたします。第三点はそういうような自由販売をいたします際の弊害をお考えになつておられるかどうか、たとえて申し上げれば同じ大蔵省所管のタバコでありますが、自由販売の高級タバコというものは、今日ほとんど欲しい人の手に渡らないで、やみ屋さんの専門的な取扱物資になつてしまつている。酒類についても同じような弊害が起るのではなかろうかと思うのであります。私どもは高いやみで買うというような人にこういう品物をまわしたくない。實際にまわしたいのはその日その日を額に汗して働く勤労者の方々に、たとえコツプ一杯ずつでもおわけしたいというのがわれわれの本意であります。びん詰で売るときには勤労者を潤おすということは必ずできなくなると思いますが、その点においていかなる御見解をもたれておるか。以上三点だけをお伺いいたします。
#45
○原説明員 第一の大衆酒場が政令のわくの中にはいつた事情については、實は私申し上げられるほどの知識をもつておりません。私は税の方面からこれにタツチしておるという関係できようお呼び出しいただいたのですが、政令の扱いに深くタツチしておりませんので、残念でありますが、今の点は申し上げるだけの知識をもつておりませんので、御了承願います。
 第二の自由販売酒の數量がどのくらいかというお尋ねでありますが、これは本年度におきまして三十萬石、これはいろいろな酒類があるのをアルコール分その他によつて日本酒に直して、たとえばビールだつたら約半分に直すというようなことをいたしますが、そういうふうに直して約三十萬石をこれに充てるということで計画しております。
 第三点の自由販売いたします場合に、これが望ましくない階層にまわつていつて、せつかくの勤労者に対する慰安の糧になり得ないという点についての御指摘でありますが、何分こういうはでなきわどいことをいたしまするので、御指摘のような弊害が起きて来るということを非常におそれもし、またこれと戦いながらやつてもある程度は出てまいるということは、御指摘の通りはなはだ残念なことでありますが、考えておるわけであります。もちろんそういう弊害が極力少くて済むように、またこれを健全なる勤労者の手にまわしたいということにつきましては、先ほどお話のありました大衆酒場というような線に乗せて解決してまいつたらどうかというようなつもりで、ただいま考えておるような次第であります。
#46
○喜多委員長 ほかに質疑ありませんか。
 ではこの程度で休憩いたしまして、一時半から再開いたします。
    午後零時四十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三分開議
#47
○喜多委員長 これより会議を再開いたします。
 休憩前に引続き、陳情書の審査をいたします。日程第二中小商工業再建に関する陳情書
 中小商工業の健全なる復興を図ることが、日本経済再建の基である、ついては中小商工業の維持育成のため、商工省の外局として中小商工業振興局(仮称)を設置して、施策の綜合一元化を図ること並びに原資材の輸入を連合國に懇請して産業復興の障害打開と再建を図ることを要望する。
 それでは政府當局の御所見を質します。冨吉政務次官。
#48
○冨吉政府委員 中小商工業の振興局の設置についてお答えいたします。中小企業はわが國の産業構成上にきわめて大きな比重を占めておりまして、今後中小企業によらなければならない。人口はますます増大する情勢にございますが、中小企業を援護育成することは、経済の再建、國民生活の安定のために、強く要請される重大な問題でございまするので、政府部内に中小企業に関する総合的責任を有する特別の機構を設けまして、中小企業に関する各分野の専門家を包含いたしまして、中小企業一般に関する施策の案画推進に任じて、その公正なる利益を代表するとともに、中小企業形態を主とする適當なる業種を、直接所管せしむる方針のもとに、目下関係方面と折衝いたしておる次第でございますが、現在の経済危局突破の根本方策といたしまして、原材料の輸入について一言いたしますならば、現在の経済危機克服のために、また産業復興のために、わが國の多くの物資を海外に仰がざるを得ないことはもちろんでありまして、これらの貿易上の諸問題とも関連してまいるのでございますが、政府はこの各種の物資の輸入を極力懇請している次第でございます。資金の不足、その他の事情によりまして、おおむね國民の最低生活維持のために、不可欠とみなされるもの以外の物資につきましては、輸入の實現がなかなか困難な状態にあるのでございます。しかしながらこのたび連合國の好意によりまして、民間貿易再開の機会が与えられましたので、主として輸出原材料の輸入のための回転金の制度をも設けたりして、ようやく中小輸出企業再建の一つの途が開かれるに至つたのでございます。政府といたしましては、當面の危機突破のために、右の機会を大いに活用して、前述のごとき中小企業の対策を立てて、これを推進してまいりたいと考えておるのでございます。その建前によりまして商工省においては、つとにこの中小企業対策なるものについていろいろ研究してまいりましたが、また同時に関係方面と種々折衝を重ねて、ようやく一つの成案を得ましたので、これによりまして閣議に諮り、十一月七日に閣議決定を見たいわゆる中小企業対策要網なるものを得たのでございます。これはすでに新聞その他で御了承のことと思いますが、この資金の問題、あるいは資材の問題、あるいは経營の合理化に関する方策、あるいはこの製品の検査、並びにこれを統括いたしまする機構の問題といたしましては、商工省に中小企業総局を設けまして、その総局の長官は次官級の者をおきまして、これを議会その他に対する代弁者とする等の措置を講じ、並びにこれに関しましては、豫算的なあるいはまた法律的な措置をとることも決定されまして、逐次具體的な方策を現在進めつつあるわけであります。その一つの私見を申し上げたいと思うのでありますが、わが國の中小商工業というものは、從来とても非常に大きな貢献をわが國経済発展のためになしてきたのでございますが、不幸にいたしましてわが國の経済が、いわゆる後進資本主義國なるがゆえに、これらの中小企業は往々にして大財閥、大産業のもとに、隷属的な地位に立たされてまいつたのでございます。從いまして、この経營及び製品におきましても、必ずしも十分なる発達を遂げておらなかつた点等もございますが、終戦後の新しい情勢はすなわち財閥の解體、独占禁止法の制定、あるいは目下御審議を願つております経済力集中排除等の問題ともからみ合わせまして、この中小企業というものが、独立の形において、強力な基礎をもたなければならないという方針が、當然日本の経済の上に大きな一つの問題となつたと思うのであります。從いましてこれに関しましては政府といたしましても、極力さきに申し上げましたような措置を講じたのでございますが、その考え方の点においても著しく経済の民生化という線に沿うて、從来の考え方すなわち大工業、大産業、大資本といつたものから、この中小商工業者の擁護あるいは促進というような方向に、その大體の方針がかえられなければならないと考えておるのであります。私ども目下その線について努力をいたして、この御陳情の目的に副うべく努力中であるということを、御了承願いたいと思います。
#49
○喜多委員長 質疑はございませんか。――片岡君。
#50
○片岡委員 ただいまの御説明で大體その要点は了承いたしましたが、その中で中小商工業者の從来のあり方と今後のあり方は、おのずとそのいき方が異なつてくる。具體的に言えば、今までは大資本家の下請工場のような存在であつたが、今後の行政化においては、中小工業は独自の建前において独立性をもつていかなければならぬ。それからその対策としては中小企業総局のようなものをつくつて、指導をなしていくというお説のように拝聴いたしましたが、はたしてわが國の今後の中小商工業者が、今のようなお考えで、世界の経済にタツチして進んでいくことができるや否やということが疑われるわけであります。現在の状況下においては独禁法やら、経済力集中排除法案等によりまして一應制約を受けて、大企業というものが不可能な場合でもあります。だからと言つてそのままにわが國の産業のあり方を、ごく小さい部面に縮小してしまつて、そうして今後の日本の再建がなり得るやということは、われわれは非常に疑問をもつ次第であります。さもなくても各種の部面において、非常に時間的に遅れておるわが工業界の指導にあたりまして、今お説のような方針だけでわが國の再建にこれが役立つのであるか、われわれは大いにこれに関心を払わなければならぬ。もしもそうだとしたならば、今後のわが國は常に世界の列強のもとに互して、永遠に從属制をもつ國家として終始しなければならぬことになるのでなかろうかと思われます。國の発展は商工業の発達にまつよりほかないのであつて、わが國の今後のあり方は商工業の充實にまたざるを得ない状況下にあるわけで、今お説のような小さい理想のもとに立つていつてそれでよろしいか、政府としてそれだけの方針で進むものか、何らかの大きな対策のもとにしばしの間のそれは暫定的な處置か、その辺を明らかにしておく必要があると思いますので、所信をお伺いしたいと思います。
#51
○冨吉政府委員 ただいま御議論の点は一應ごもつともに存じます。しかし現在の段階において、私どもはあまり遠き將来についてかれこれ申上げる自由をもたないのでありますが、第一私はこの際私の考えを申しますならば、一體日本の國民性というものは科学的に申して決して特にすぐれた國民とは申上げませんけれども、決して列國の水準に劣らない科学的要素をもつているという一つのうぬぼれをもつておるのでございます。それはなぜそういうことを申上げるかと申しますと、いわゆる脳細胞の緻密度におきましても、決して日本國民は欧米文明諸國の國民に努つていない。數学における微分積分の高等數学をやらしてみても、その成績があまり努つておらないということを私どもも文献で読んで意を強ういたしておるのでございますが、殊に指先の器用なことは世界中でも屈指の民族としてこれを尊重せられておるのでございます。なお、奈良朝、平安朝時代の工芸美術品等を見ましても、決して日本人が科学的技術の能力をもたない國民でないということが私は實証できるのじやないかと思うのでございます。またあの封建制度のきわめて悪條件下におけるところの、わが國の古刀の鍛えは實に軽くて切味がよくて、刃こぼれがせずに曲がらないという、實に鍛鉄法では理想的な度合を示していると思うのでございますが、かくのごとく日本人は科学技術の上でそれ自體本質は優秀なるものをもつておると私は考えます。從いまして、わが國の將来ある程度経済力の復活が許される機会におきましては、日本の工業生産は相當高い程度のものができ得るということを確信している一人でございます。ただ、いわゆる大産業の下で発達をしてきた世界の重工業の独占的な支配の下にあつた経済情勢の中では、今お説のようなことが言えると思いますが、日本が世界に戦争を放棄し、平和國家として科学の基礎の上に立つ文化を打立ててまいる際におきまする生産様式は、私は必ずしも大企業を必要としないのではなかろかと考えております、コストの関係等もありますので、会社とか経營企業體に根本的な検討が加えられなければならない。たとえて申すならば、十億円の資本金をもつ会社も一千萬円の会社も同じように社長、専務、常務あるいはその他の重役がある。そうした生産に直接使わない方面に注がれておつたものをあらためて有機的、合理的な一つの経營形態を考えてまいります場合においては、生産費にできるだけ費用をかけて、不生産的な方向に支払われた部分を払拭していくという方法によつて、小規模経營というものは必ず成立ち得るのじやなかろうかと考えておるのでございます。おのずからそうした工夫と創意がその條件の下において私は相當発達してくるものと考えるのであります。たとえばスイスにおける時計のごとき、指先をもつてする生産がわが國の國民性には最も適合している一つの方法ですから、その方式を最も近代的合理的な一つの経營形態をもつてしますならば、私は日本の生産、経済は必ずしも悲観するにあたらないのではなかろうかと思うのでございます。なおまた、わが國が完全なる國際場理に独立國たる名誉ある地位を占むるにおきましては、中國あるいは中部アジア、あるいは南方地域等の間にも相當の貿易が再開せられることは間違いないところであろうかと思います。こうした問題等を考えますときに、わが國の科学技術、指先の器用さというものは、將来相當の光明あるものだというように私は考えておるのでございます。なお遠き將来における企業形態については今ここでどうこう言う場合ではないかと考えますが、いすれにしても日本國民は戦争という形によつて世界各國から一つの疑惑をもつてみられ、信用を失いましたが、日本の指導精神が明らかに平和的に文化國家として民主國家たり得る世界の信用を獲得いたしました暁においては、日本経済は必ずしも悲観するに及ばないのではないかと、私見を申上げますと、こういうように考えている次第でございけす。
#52
○片岡委員 お説はよくわかりましたが、現在の日本の立場としては中小商工業によるよりほかないことは異論はありません。この陳情書は東京實連協会から要望が出ておるのでありますが、先頃もこの会に商業委員会で参画したのでありますが、おそらく今わが國の企業體全般を通じて要望しておることは、金融の梗塞打開でありましてこの間もこの声が各方面から起つたのであります。貿易の再開に直面し、産業の復興にあたつて、各業界はあげてその復興に努力しておるのでありますが、これが根本をなすところの資金が不円滑なために非常にこれが阻害されておる。一例をあげますと、こんどの繊維製品の配給機構の上において、もとの問屋制が復活いたしまして、それぞれの代行を許可されて近く業界がスタートすることに相なつたのでありますが、今まで長い間業界が休業しておつた関係上、今相當の資本の枯渇に直面しております。ただ過去の實績があつて、過去の扱つた實績によつて許可されて登録を得た。そしてふたを開けてみると資本がない。あまつさえ物価の高騰によつて価格が相當に上つておる。そういう関係から莫大な資本を要するのすであります。政府の代行をするところの問屋業者が、代行権だけは得たが、これを円滑に運營する資本に非常に窮しておる。こういう声が方々に上つております。これは實際にわれわれもそう観察しております。ひとり問屋業者ばかりではありません。小売業者も同様、物価の騰貴に関連して資本の枯渇に直面しておるのであります。こういうふうに観測しますと、ひとり商業部面、配給部面ばかりではありません。生産部面はなおさらのことであつて、生産側にしますと、直接生産されつつあるものと、それが準備に要する資材少くも三倍以上の資本を要するわけであります。これは配給業者より以上の資本を要するのでありまして、そういう点から見ましても中小工業各般にわたつて資本の枯渇に直面して、隠忍しておる次第であります。これらの対策なくして中小工業の再建は、その實績をあげ得ないのであります。政府當局においてはいろいろの施策をお考えと存ぜられますが、これは急務中の急務であつて、一日も早くこの資本の潤沢なる融資が整わない限りにおいては、せつかく機構ができましても、開店休業のような窮乏に追いこまれる。こういう實情でありますから、政府當局においてはこれが対策に何らかの方法が決定されておりますか。それを伺いたいと存じます。
#53
○冨吉政府委員 まつたく御議論の通りでございます。その通り私どもも認めざるを得ないのでございまして、それがすなわちわが國における中小企業というものが非常に重要な役割を果しておりながら、やはり大資本、大金融のもとに圧迫され来つたと申し上げた、私の先ほどの議論の根拠になるのでございまして、およそ中小企業という問題は、学者の間でもあるいはまた各方面でも相當呼ばれておりますけれども、具體的にはさてどうかということになりますと、なかなか案が立たず、あるいは内容をもつておらなかつたのが今までの状態でございます。そこで私どもといたしまして考えましたのは、それらのいわゆる具體的な措置、殊に今御指摘の資金という面はまつたくその通りでございますと同時に資材の面におきましてもやはり大手筋、大産業にもつていかれるというような傾向が、從来とてもございましたので、これとても行政上の運營については、私ども極力その弊害の除去に努めたのでございますが、今回のいわゆる中小企業対策要網の中にも、政府は特にこの急速なる實行を期するために法律的、豫算的措置を講ずるということをうたつておるのでございますが、商工當局といたしましては大蔵省との間にこれを相談いたしまして、ただいまお話のような点を解決すべく努力をいたしておるのでございます。すなわち復興金庫の中の中小事業部というものをうんと活用する。從来一應は中小事業部というものがございますけれども、これははなはだしく不十分であつたと思うので、これを全面的に活用してまいるということと、さらに商工組合中央金庫を改組して、これを強化していくという点でございます。さらにまた中小企業のためのわくを拡大してまいる。これらの点につきまして目下大蔵省、安本ともいろいろ交渉研究いたしておるのでございますが、御承知の通り中小企業といたしましても、非常に広汎な地域になつておりますものが、これを商工省の機構の上から申しますと、あるいは生活物資局あるいは科学局の中にも中小企業があり、あるいはまた繊維局の中にもあるというように、各局各課にまたがつておりまして、その行政が一元的ならざるものがございましたために、ややもいたしますと一應抽象的、理念的には中小企業ということも考えても、具體的な政策となりますと、きわめてばらばらになつていた傾向を矯めまして、ここに先ほど申し上げましたような中小企業総局といつたような、かなり充實した組織をつくりまして、ここで今お述べの資金の面等につきましても極力対策を講じていく方針でございます。さように御了承願います。
#54
○喜多委員長 本陳情書の目的は大體達せられたことでありますから、日程第三に移ります。日程第三はすでに審査を終えました請願と同一趣旨でありますので省略いたします。
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#55
○喜多委員長 日程第四、板ガラスの配給機構及び取扱いに関する陳情、
 板ガラス業界は從来財閥事業である関係上、配給機構及びその取扱い等は一部上層部業者に専断され、先般實施の臨時物資調整法に基く板ガラスの取扱措置も中間卸機関の特権的存在により、現場流通面に幾多の食違いを生じている。ついては業界における特殊情實関係を精算し、調整法に基く諸種の不合理の改正と、配給機構の改革實現を要望する。
 政府當局の所見を質します。
#56
○冨吉政府委員 陳情の内容は板ガラス工業が財閥の独占事業であつて、これをめぐる卸売業者が從来特殊の因縁情實関係によつて結びつけられており、小売業者の介在を許さないばかりか、小売業者を排撃する結果が配給面に現れておるが、政府はこれらの悪弊のきずなを断ち切つて、封建的支配勢力から脱却したいわゆる、民主的にして需要者本意の配給機構を打立てようというのが陳情の御趣旨でありまして、この点至極ごもつともなる御陳情と思料される次第であります。商工省といたしましてはこれらの問題を早急に調査いたしまして、一部の卸売業者によつて配給市場を独占する行動は独占禁止法にも抵触することなりますので、極力避けるような指導をとり、卸売業と小売業間の配給上においての正しい意味の自由競争によつて、需要家に奉仕することを大いに奨励していく考えでございます。以上の通りでございますから、さよう御了承お願いいたします。
#57
○喜多委員長 質疑はございませんか。
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#58
○喜多委員長 では日程第五、開らん炭輸入促進に関する陳情、
 傾斜生産方式實施に関して、華北産強粘結性開らん炭は製銑用として、二十八萬トンの輸入が豫定せられ、本年七月以降實現の運びであつたが、中國國情の変動により、目下これが輸入は前途なお困難な現状である、ついては生産計画實施上この輸入は欠くことができないから連合軍総司令部に対して輸入懇請の方途を講ぜられたい。
 政府當局の御意見を伺います、式田説明員。
#59
○式田説明員 私から説明いたします、北支強粘結炭、つまり開らん炭の輸入の重要性は申すまでもなくわが國製鉄工業のまさに死命を制すべき性質のものでございまして、戦時中は最高二百萬トン以上の輸入を見ておりました次第でありますが、終戦後は現地の治安の問題等に鑑みまして全然今まで輸入は杜絶しておりましたが、貿易庁設置以来この輸入の懇請は數回となく行つておりまして、幸いに連合軍最高司令部においてもこの重要性を十分認識の上輸入の促進にあたつていただいておるのでありますが、不幸にしてまだ實現を見ておりません。しかし中國側としても開らん炭の最も大きな消費地であります日本に対する輸出は、將来のためにも早急に實現したいというふうな意思もございまして、いろいろバーターの話などもございましたけれども、不幸にしてまだその實現を見ておりませんが、そう遠くないうちにこれの實現も見ることになるのじやないかと思われます。現在北支の強粘結炭に代りますものとして華太から強度の粘結度を有する粘結炭の輸入がすでに實現しておりますし、来年度も數萬トンの輸入が見込まれております。さらに政府としてはアメリカその他の國からの輸入も懇請いたしておりますので、萬一来年度開らん炭の輸入が實現しなくても、その他の國々からの若干の輸入によつて、わが國の鉄鉱業は終戦後昨年、今年の沈静よりいくらかでも向上の道をたどることになるかと思われます。大體懇請の現状を申し上げますと以上の通りであります。
#60
○喜多委員長 御質問ありませんですか。
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#61
○喜多委員長 では日程第六、農業用指定配給物資新統制方式實施適正化に関する陳情
 指定物資の配給方式は、現在着々確定實施されつつあるが、特に農村用指定配給物資の統制方式に関して從来の商業者の技術、経験を充分活用するの方途を講ぜられたい。
 堀内説明員答弁を願います。
#62
○堀内説明員 御説明いたします、農業資材の配給についてはこの陳情の趣旨と同一のことをわれわれ考えておりまして、さる九月に農業資材配給規則が制定されましたが、この規則によりますと農機具、農薬等の農業資材の販売を希望するものは各府県に登録を申請しまして、小売業者については申請したものは商業者であろうと農業團體であろうとすべて登録して取扱うことになり、卸売業者については販売の資格と能力に應じて審査して登録を決定いたします。その審査の場合には各府県において配給諮問委員会を設けまして、この配給諮問委員会には生産業者、販売業者、その他関係者を公平に網羅しました委員をもつて構成するわけでありますが、その委員会に諮つて決定されます。もちろん農業團體であろうと、商業者であろうと、その審査上区別することはまつたくしないような方針になつております。なおこの規則によつて切符を発行するのは来る十二月一日からの豫定でありまして、目下準備中であります。それまでは從来通り、從来は農業会が一手にやつておりましたので、そういう統制を暫定的に継続しておるわけであります。
#63
○喜多委員長 御質問ありませんですか。
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#64
○喜多委員長 では日程第七、商工協同組合法の改正に関する陳情、
 政府は商工協同組合法の改正を行わんとしているが、中小企業者の再建振興に重大なる関係がある、よつて個人業者と同様の地位にある小規模会社の組合加入を認めること、金融事業を存続し認めること、都道府県を超える連合会組織を認めること、商工協同組合中央会に法人格を存続し認めること等について特に考慮されたい。
 政府當局の御意見を伺いたいと思います。
#65
○冨吉政府委員 この商工協同組合法については組合制度の民主化、独占禁止法の精神との調整の見地から、先般来政策におきましてこれを改正して立案中でございます。なお関係方面と折衝いたしておりますが、はなはだ遺憾ながらまだ発表の時期に至つておりません。成案を得次第國会に提出して御審議を願うこととなつておるのでありますが、御要望の点等は十分考慮いたしたいと考えます。
#66
○笹口委員 この問題は大分長い間懸案になつておりますし、また委員会としても特に從来慎重に考えましてしばしば政府の所見を質しておるのでありますから、改めて御質問することはないのでありますが、ただ今後のお見透し――見透しと言いましても内容的な見透しはまだ発表される時期じやないと思いますが、今議会中に何か結論を得るようなお見透しであるか、あるいはさらに延期さるるものであろうか、この点だけお伺いいたします。
#67
○冨吉政府委員 できるだけ本議会に提案いたすべく努力いたしてまいつたのでございますが、あるいは今議会に間に合わないではなかろうかというような懸念も最近いたすのであります。今のところどちらと決定的に申し上げ兼ねる次第でございます。
#68
○笹口委員 なおその改正に際しまして、商工協同組合法が今回國会を通りました農業協同組合法といろいろな意味で非常に差別的なものがあるので、この間を調整しなければならないと思うような点が多々あると思います。たとえば免税の問題その他についていろいろあると思いますが、この点についても商工省の方では改正をお考えになつておるかどうか。その点もお伺いしたいと思います。
#69
○冨吉政府委員 この協同組合法につきましては、御承知の通り農業協同組合等との関係、またさらに目下いろいろ問題になつております生活協同組合等の問題とも関連がございまするので、これはいずれか一本に一つの方針をはつきりと確定してやることが必要でないかというような議も相當起つておるようでありまして、今お述べになりましたことに関して、できるだけこれらの間に不公平や磨擦の起らないように、調整していくことを必要とするというふうに私たちは考え、努力しております。
    ―――――――――――――
#70
○喜多委員長 それでは日程第八、大阪市に輸出品例外価格査定委員会設置の陳情、
 雑貨品の輸出品としての重要性及び、これが生産並びに輸出上の近畿地方、特に大阪市の地位に鑑みて、標記委員会を本市に設置し、雑貨品について、海外市場相場の変動に呼應し得るよう措置されたい。
 政府委員の所信を質します。冨吉政府委員。
#71
○冨吉政府委員 最近関西地方におきましても、民間貿易に関する輸出準備申請及び売買契約書承認を行い得るよう處置して、輸出用の資材につきましても同地法で配給し得ることとなるのでございますが、価格査定について東京と関西地方の両建にするときは、両地方において同一商品につきまして異なる価格が決定されるおそれがあります。現段階の状況ではただちに関西地方に価格決定機関を設置することは、少しく不適當ではないかと考えておるところでございます。関東、関西両地区の速やかなる連絡施設を十分整備した上で、將来かかる委員会を設置するごとく研究いたしたいと考えるのでございます。現在まだ御承知の通り為替レートもきまつていない今日といたしましては、この御不便も大してないのではなかろうかと考えておるのでございまするが、將来は必ずこうしたことが問題になつてきますので、適當に善處したい。こういうふうに考えております。
#72
○喜多委員長 質疑はありませんね。
    ―――――――――――――
#73
○喜多委員長 次は日程第九商業者道徳高揚に関する陳情、
 國際貿易における利益本位の売買は商道徳に反し、國家の対面を傷つけるものであるから、今後の商取引は道義を尊重するように図ること、並びに一般商人の不親切暴慢なる態度を改善するように善處されたい。
#74
○冨吉政府委員 このことはきわめて重大なる問題でございまして、實は民間貿易が許されるその前から、私どもといたしましてはこれに臨む方針を立てまして、特にわが國のかつての貿易界における汚名をそそいで、今度こそ直に道義の國民だという實際的な表現をいたすために、メーカーも貿易業者もともに真實と権威をもつて、貿易業にあたられたいというようなことをしばしば機会あるごとに懇請してまいりますし、また私どもといたしましても、現在できるだけその点を重大に考えて努力中でございます。殊に貿易がかりに現在の管理貿易から、さらに自由貿易に相なるといたしましても、少い資材を貿易品にあてるという関係もございますし、今これに述べられてある通り、外國における信用度の問題もございますので、從来のメイド・イン・ジヤパンといつたような蔑視的な考えを諸外國に与えないように、極力製品においても貿易業者においても、襟度を持せられたいと考えておるのであります。商工當局といたしましては、機会あるごとにこの問題に力を注いで、國民の、特にまた從業者の自発的な自覚と御努力によりまして、かつての汚名を再び繰返すことのないようにして、將来國際場裡における名誉ある地位の回復に一段と努力をいたしていただきたい。あるいはさらに学校教育を通じ、社会教育を通じて努力いたしたい。こう考えておる次第であります。
#75
○喜多委員長 以上をもちまして日程全部を終了いたしました。
 本日はこれをもつて散会いたします次会は十五日土曜日午前十時より開会いたします。
    午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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