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1963/12/10 第45回国会 参議院 参議院会議録情報 第045回国会 本会議 第3号
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1963/12/10 第45回国会 参議院

参議院会議録情報 第045回国会 本会議 第3号

#1
第045回国会 本会議 第3号
昭和三十八年十二月十日(火曜日)
  〇開 会 式
 午前十時五十八分 参議院議長、衆議院参議院の副議長、常任委員長及び議員、内閣総理大臣その他の国務大臣及び最高裁判所長官は、式場に入り、所定の位置に着いた。
 午前十一時 天皇陛下は衆議院議長の前行で式場に入られ、お席に着かれた。
  〔一同敬礼〕
 午前十一時一分 衆議院議長船田中君は式場の中央に進み、次の式辞を述べた。
   式 辞
  天皇陛下の御臨席をいただき、第四十五回国会の開会式をあげるにあたり、衆議院及び参議院を代表して、式辞を申し述べます。
  去る十一月二十一日衆議院議員の総選挙が行なわれ、十二月四日をもって特別国会が召集されたのでありますが、われわれは、新たなる決意のもとに、すみやかに諸般の態勢を整え、現下内外の情勢に対処して、当面の諸問題を解決し、国運の繁栄に一段の努力を払わなければなりません。
  ここに、国会は過般の総選挙による新議員を迎え、われわれに負荷された重大な使命にかんがみ、日本国憲法の精神を体し、おのおの最善をつくしてその任務を遂行し、もって国民の委託にこたえようとするものであります。
 次いで、天皇陛下から次のおことばを賜わった。
   おことば
  本日、第四十五回国会の開会式に臨み、全国民を代表する諸君と親しく一堂に会することは、わたくしの喜びとするところであります。
  国会が、衆議院議員総選挙による新議員を迎え、新たな決意をもつて、内外の諸情勢に対処して、わが国の国際的地位の向上を期し、経済の発展と民生の安定とを図るため、当面する諸問題の審議に努めることは、わたくしの深く多とするところであります。
  ここに、国会が、国権の最高機関として、その使命を遺憾なく果たし、また全国民が、遵法の精神を重んじ、互いに協和し、国運の隆盛のため、各自の最善を尽くすことを切に望みます。
  〔一同敬礼〕
 衆議院議長はおことば書をお受けした。
 天皇陛下は参議院議長の前行で式場を出られた。
 次いで一同は式場を出た。
  午前十一時六分式終わる
   ─────・─────
昭和三十八年十二月十日(火曜日)
   午後二時九分開議
  ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第五号
  昭和三十八年十二月十日
   午後二時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
  ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 国務大臣の演説に関
  する件
  ━━━━━━━━━━━━━
#2
○副議長(重政庸徳君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
   ――――・――――
#3
○副議長(重政庸徳君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、国務大臣の演説に関する件。
 内閣総理大臣から所信について、大蔵大臣から昭和三十八年度補正予算について、それぞれ発言を求められております。これより順次発言を許します。池田内閣総理大臣。
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(池田勇人君) このたびの総選挙において、与党たる自由民主党は、国民大多数の根強い支持を得て、私は、三たび内閣首班の重責をになうこととなりました。政策論議に終始した選挙と国民の厳粛な審判を通じ、私は、われわれの政策が国民各位の信任を得たことを喜ぶとともに、今後とも国民の声に耳を傾けつつ、勇気をもって国政に当たる決心であります。
 総選挙において公約した重要政策は、明年度予算の編成を中核として、すみやかに具体的方策を決定し、国会の審議をお願いするよう鋭意準備を急いでおります。今国会では、当面急を要する災害対策、公務員給与の引き上げ等に必要な補正予算と、これに関連する諸案件を提出し、御審議を願うことといたしました。したがって、この際は、当面の問題について所信を述べるにとどめたいと存じます。
 私は、先般外務大臣を伴い、故ケネディ大統領の葬儀に参列し、国民を代表して、心から哀悼の意をささげてまいりました。
 過去十数年の長きにわたり、冷戦の不安のうちに動揺を続けた世界情勢がようやく落ちつきのきざしを示し、平和への希望の光がさし始めたやさきだけに、米大統領の不慮の死は全世界に強い驚きと不安を与えました。大統領個人の勇気と指導力を惜しむ心は、瞬時にして、全世界の平和と将来への憂慮に変わり、この時ほど、東西問の平和への願いが身近に感じられたことはなかったのであります。しかるに、米国民は、すでに新大統領の指導を中心に雄々しく立ち上がりつつあります。中南米の盟友も、ヨーロッパの友邦も、アジアの指導者も、そして共産圏の首脳も、故人が理想とした平和の新天地に向かって、歩調をそろえて前進することを、ひとしく故大統領のひつぎの前に誓ったことと私は確信いたしております。
 世界が平和に対する期待を強めていることは疑いをいれぬ事実であります。しかし、それは一国や二国のすぐれた着想や熱意によってのみ確保されるものではなく、世界全体の体制によってささえられ、守られなければならないものであります。これを真に実りあるものとするために、われわれは、何よりもまず米国をはじめとする自由諸国との団結を強固なものとしなければなりません。滞米中、ジョンソン新大統領と会談し、日米両国の協力関係は、前大統領の死によって何ら変更するものでないことはもとより、今後ますます緊密の度を加えるべきことを相互に確認いたしました。したがって、両国閣僚間の合同委員会も、できるだけ早い機会に開催することに意見の一致をみたのであります。
 アジアにおいては、いまなお不安と動揺の様相があとを断つに至っておりません。情勢は依然流動的であります。わが国としては、アジアの安定と繁栄に寄与するため、独自の方策を力強く積極的に進めていくつもりであります。特に、民主政治への第一歩を踏み出した隣邦韓国については、その前途を祝福し、多年の懸案である国交正常化を実現するよう、さらに交渉を促進する決意であります。
 所得倍増計画を通じて完全雇用と国民生活の向上を目ざす高度福祉国家の建設は、国民各位の変わらぬ支持を得ました。したがって私は、引き続き、経済の健全な成長を基調とし、過去の実績と将来の動向を十分考慮しつつ、消費者物価の安定、社会資本の充実、社会保障の強化、減税等、一連の施策を公約に従って一そう強力に実行していく考えであります。とりわけ、立ちおくれの目立つ農業、中小企業、サービス業の近代化については、革新的な方策を講ずるため、財政金融の総力をあげてこれに立ち向かう決意であります。(拍手)
 消費者物価については、今後とも財政金融政策の適切な運用をはかり、低生産性部門の生産性の向上、労働力流動化の促進等、各般の措置を強力に講じ、成長過程の中で基本的な解決をはかってまいります。その間、公共料金その他政府の規制し得る範囲のものは、極力その引き上げを抑止する等、果敢な応急措置を講ずる決意であります。また、開放経済体制に移行するわが国経済が、新しい国際環境に適応しつつ着実に発展していくため、政府は、民間の協力を得て、輸出の安定的拡大、海運その他貿易外収支の改善等、長期にわたる国際収支の均衡維持に最善の努力を傾注するつもりであります。
 先般、三池炭鉱と東海道本線において重大事故が相次いで起こり、多数の犠牲者を出しましたことは、まことに遺憾なことであります。政府は、死没者に対し弔意を表するとともに、傷病者の医療、遺家族の援護、その他当面の対策に万全を期しております。私は、このような惨事が再び起こらぬよう、その原因を徹底的に探求し、何ものにもまして人命を尊重する心がまえで、労使双方の努力と相まって、適切にして細心な施策を強力に推進する覚悟であります。
 人命の尊重と自由の原則は、暴力の否定の上にこそ築かれねばなりません。一部分子によるテロ行為がいまなおあとを断たぬことは、きわめて残念であります。私は、国民の間に芽ばえている「小さな親切運動」などを助長するとともに、暴力否定の気風をさらに強く喚起し、法を無視するものに対しては断固たる態度で臨むなど必要な措置をとる決意であります。
 以上の風潮から見て、心の再建が、ますます重大な問題となってまいりました。英和と愛情と意思の三つが均衡を保って完成された人格こそ、人つくりの窮極の目標であります。このためには、宗教的な情操とこれにささえられた敬虔な人生観が特に重要であります。(拍手)偉大なあるものに近づこうとする願い、天職を遂行する使命感、利害得失をこえて働き抜く真摯な心、これこそ世界の中で将来日本民族がより高く評価されるゆえんであります。政府は、この目標を達成するため、環境の整備には一段の努力をいたす覚悟であります。
 私が初めて内閣を組織して以来、すでに三年有余、その間紆余曲折はありましたが、国づくりの諸施策とその根幹をなす人つくりに努力を重ねてまいりました。この努力は、国民各位の協力によって相当の成果をあげつつあると確信いたしております。しかし、歴史は常に進歩と発展を求めてやみません。われわれの幸福は、手をこまねいて得られるものではなく、不断の創意とたゆみなき努力、多数の人々の強い協力によってのみ得られるものであります。いたずらに目前の利益を追い、安易に流れる気風は、厳に戒むべきであります。
 三たび国政をゆだねられた私は、責任の重大さに身の引き締まる思いであります。私はいま、おのれをむなしうして、国家のため、民族のためにすべてをささげることを願うものであります。私は、自由と平和を守る人々にとっては、信頼に値する友となり、敵意と陰謀をもって自由と平和を脅かす力に対しては、信念と勇気をもってこれを排除する決意であります。疾病や貧困、犯罪や暴力に対しても、仮借なき戦いを進めねばなりません。
 いかなる政党に属しておろうとも、われわれ政治家は、国家と民族に対して、その幸福と進歩のために奉仕する共通の義務を負うものであります。(拍手)国会は、そのための神聖な場所であります。ここからは、憎悪や確執、分裂や闘争ではなく、公正なる討議、勇気ある決断、いさぎよい協力が生み出されねばならないと存じます。かくてこそ、われわれは、議会政治の真価を発揮し、内外のいかなる事態にも対処する力を持ち得ると信じます。
 私は国民各位の御支援を切望してやまない次第でございます。(拍手)
  ―――――――――――――
#5
○副議長(重政庸徳君) 田中大蔵大臣。
  〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(田中角榮君) ここに昭和三十八年度補正予算を提出するにあたり、その概要を御説明いたします。
 まず、一般会計予算の補正におきましては、国家公務員等の給与改善、食糧管理特別会計への繰り入れ等、当初予算作成後に生じた事由に基づき緊要となった経費を追加することとし、これに応じまして、法人税等経済の拡大に伴う租税及び印紙収入の自然増収を見込むことといたしておるのであります。その総額は千二百四十二億円でありまして、これにより、昭和三十八年度一般会計予算総額は、歳入歳出とも二兆九千七百四十二億円と相なるわけであります。
 歳出追加の第一は、国家公務員等の給与改善に関する経費であります。国家公務員等の給与水準につきましては、民間給与との格差を是正するため、前年度におきましても、その引き上げをいたしましたにもかかわらず、その後の民間給与の上昇に伴い、再びこれとの間に相当の格差を生じておるのであります。このため、先般の人事院勧告の内容を尊重いたしまして、本年十月一日から所要の改定を行なうこととし、これに要する経費として総額二百六十二億円を計上いたしております。
 第二は、食糧管理特別会計への繰り入れでありますが、昭和三十八年産米の買い入れ価格が当初予算における見込みを上回って決定されたこと等によりまして、同会計の食糧管理勘定における損失が大幅に増加する見込みとなりましたので、同会計の経理運営の改善をはかるため、同会計の調整勘定へ二百五十億円を追加繰り入れすることといたしておるのであります。
 第三は、農業共済再保険特別会計への繰り入れでありますが、本年春以来の長雨による、昭和三十八年産麦の著しい減収に伴う農業共済再保険特別会計の支出する再保険金支払い財源の不足に対処する等のため、百六億円を計上いたしておるのであります。
 第四は、災害復旧等事業に要する経費でありますが、昭和三十八年の発生にかかる災害の復旧につきましては、すでに既定の予備費をもって応急の処置を講じてまいったのでございますが、さらに今後の復旧等事業に必要な額百五十七億円を追加計上し、また、昭和三十七年以前の発生にかかる災害の復旧等事業費につきましても、極力その進捗をはかるために百五十八億円を追加計上いたしておるのであります。財政投融資計画においても、これらの追加計上に伴う地方公共団体の資金需要の増加に充てるため、所要の追加を行なうこととし、その復旧に遺憾なきを期しておるのであります。
 最後に、地方交付税交付金でございますが、所得税、法人税及び酒税を歳入に追加計上することに伴い、三百九億円を計上いたしておるのであります。
 また、特別会計予算におきましては、一般会計予算の補正及び公務員の給与改善に関連して、食糧管理特別会計等につき、所要の補正を行なうことといたしておりますとともに、政府関係機関の予算におきましても、日本国有鉄道につき、東海道幹線増設費に不足を生ずる見込みとなりましたので、四百四十三億円を追加し、予定どおり明年十月の開業を期することといたしております。そのほか、日本電信電話公社に九十億円の予算を追加計上して、工事の円滑な進捗に資することといたしております。
 なお、予算の補正に伴い、財政投融資計画におきましても、すでに述べました地方公共団体に対する追加のほか、政府関係機関予算の補正に関連して、日本国有鉄道、日本電信電話公社について所要の資金措置を講ずることといたしたわけであります。
 以上、昭和三十八年度補正予算の大綱を御説明いたしました。何とぞ政府の方針を了とせられ、本補正予算に対し、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)
#7
○副議長(重政庸徳君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。
 次会は、明日午前十時より開会いたします。
 議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十六分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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