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1963/12/12 第45回国会 参議院 参議院会議録情報 第045回国会 逓信委員会 第2号
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1963/12/12 第45回国会 参議院

参議院会議録情報 第045回国会 逓信委員会 第2号

#1
第045回国会 逓信委員会 第2号
昭和三十八年十二月十二日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長     光村 甚助君
   理事
           鈴木 恭一君
           寺尾  豊君
           松平 勇雄君
           野上  元君
   委員
           小林 篤一君
           郡  祐一君
           白井  勇君
           野田 俊作君
           最上 英子君
           谷村 貞治君
           安井  謙君
           久保  等君
           永岡 光治君
           横川 正市君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 古池 信三君
  政府委員
   郵政政務次官  金丸  信君
   郵政大臣官房長 武田  功君
   郵政省人事局長 増森  孝君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       倉沢 岩雄君
  説明員
   郵政大臣官房建
   築部長     薬師寺 厚君
   郵政省簡易保険
   局長      田中 鎮雄君
   日本電信電話公
   社総裁     大橋 八郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並
 びに電波に関する調査
 (郵政省の所管事項に関する件)
 (日本電信電話公社事業概況に関す
 る件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠互選を行ないます。
 ただいま、本委員会の理事が一名欠員となっております。互選の方法は、慣例により、成規の手続を省略し、その指名を委員長に第一任願うことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に寺尾豊君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(光村甚助君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 まず、古池郵政大臣より発言を求められております。これを許します。郵政大臣。
#5
○国務大臣(古池信三君) このたび、第三次池田内閣の成立にあたりまして、不肖私、引き続き郵政大臣を拝命いたしました。今日まで格別皆さま方の御高配を賜わっておりまするが、今後さらにいろいろとお世話になると存じます。何とぞ今後一そうの御支援御協力を賜わりまするよう、この機会にお願い申し上げまして、私のごあいさつといたしたいと存じます。
  ―――――――――――――
#6
○国務大臣(古池信三君) さらに、この機会に、郵政省所管行政の現況などにつきまして概略の御説明を申し上げたいと存じます。
 まず、郵便事業並びに労働問題について申し上げます。
 郵便事業の運行状況はおおむね正常でありますが、逐年郵便物の激増する状況にかんがみ、今後業務量の増加に対応した要員対策、局舎施設の改善等を進めるとともに事業の近代化をはかってまいりたいと存じます。
 目下年末の繁忙期を迎えておりますので、省といたしましては、郵便物の処理に全力をあげております。
 しかしながら、全逓組合は、現在、秋期年末闘争と称し、年末手当の増額、賃金の大幅引き上げ等三十数項目の要求を実現するための手段として、十二月一日以降時間外労働拒否の戦術をとっております。このような組合の態度は、昨年末における、少なくとも団体交渉継続中は超過勤務拒否戦術は避ける、というよい前例を無視したものでありまして、まことに遺憾に思う次第であります。
 私といたしましては、組合側に強く反省を促しつつ、極力早急に問題の解決をはかる所存でありますが、業務の処理に支障を来たすことのないよう、臨時雇い職員の雇用の増大等により運行確保の努力を重ねておりますが、このまま事態が好転しない限り、小包郵便物の引き受け制限を実施いたしまして、重要通信の確保をはかりたいと考えております。
 次に、郵便貯金、簡易保険及び郵便年金事業について申し上げます。
 三事業は、いずれも関係各位の深い御理解と御協力によりまして、現在まことに順調に推移しております。
 まず、本年度における郵便貯金の増勢は、昨年度に引き続いて好調な伸びを示しております。すなわち、年度初頭以来十一月末日までの増加額は、一千五百八十四億円で、本年度の郵便貯金増加目標額一千九百億円に対し八三%、また、前年度同期の実績に比べ一三〇%という成績をあげているのであります。なお、同日の貯金現在高は一兆六千七百七十三億円にのぼっております。
 今後も、この好調に気を許すことなく、さらに郵便貯金の増強に拍車をかけまして、所期の目標達成に努める所存であります。
 次に、簡易保険につきましては、十一月末日現在で十七億五千万円に達し、好調であった前年同期より、実績額で二億四千五百万円上回っております。このような好成績を反映いたしまして、十月末で、契約高は二兆八千六百億円、資金総額は一兆四百億円と増加しております。
 ただ、戦後大量に募集した契約が昭和四十年までに集中的に満期となり、巨額の保険金、分配金の支払いによって運用資金の枯渇が予想されますので、今後の事業推進にあたりましては、従業員の協力を得ましてこの事態を克服いたしますとともに、さらに新契約の増強、機械化を中心とする近代化によって事業の発展向上をはかり、一方、福祉施設の拡充整備に力をいたしまして、国民の経済生活の安定と福祉の増進に努め、事業の使命達成に努力いたしたい所存であります。
 次に、事故犯罪について申し上げます。
 本年度上半期において発覚いたしました犯罪は、件数一千九百四十八件、金額一億三千三百九十六億円で、これを前年度同期に比較いたしますと、件数では一〇%の増加を示しておりますが、金額では五一%の減少となっております。
 なお、最近相次いで郵便犯罪が発生いたしておりますことはまことに遺憾にたえません。省といたしましても、業務の正常運行に伴い、ようやく立ち直りをみせてまいりました郵便事業の信用を失墜させないために、郵便犯罪の根絶にあらゆる努力を傾注しております。
 この際、さらに事業全般についての事故犯罪の防止につきまして、従来にも増して職場規律を厳正にし、かつ、正規取扱を励行するよう厳重に通達した次第であります。
 次に、電波関係について申し上げます。
 さる十月、ジュネーブにおいて臨時無線通信主管庁会議が開催され、宇宙通信業務及び電波天文業務のために必要な周波数帯の分配等についての無線通信規則の改正が行なわれたのであります。宇宙通信業務は、通信衛星等を利用して世界的規模で行なわれる通信業務であり、人類全体の福祉に寄与すべきものであることにかんがみ、わが国といたしましては、その健全な発展に資するよう、積極的にその審議に参加いたした次第であります。
 次に、テレビの難視聴対策について申し上げます。
 わが国のテレビジョン放送の普及発達はまことに目ざましく、その受信世帯数は一千四百万をこえ、全国世帯数の六九・五%をこえており、さらに増加の傾向にあります。
 しかしながら、地勢等の関係から、いまだテレビの難視聴地域がありますので、これを解消するため、去る五月テレビジョン放送用周波数の第二次割り当て計画表の修正を行ない、新たに世帯数約三千以上の地区二百二十九ヵ所に対し、チャンネルの追加割り当てをいたしました。この結果、現行のチャンネルプランによるカバレッジは九三%に達しております。
 また、標準放送における外国電波の混信は、年々増大してきておりますが、特に最近再び近隣国からの外国電波による混信が著しくなってまいりましたので、去る九月、被害状況が著しく、混信の早期解消が必要と認められる十八局について周波数変更の措置を講じた次第であります。
 FM放送の実施につきましては、わが国放送の将来の発展に重大な関連がありますので、ただいま免許方針等について鋭意検討中であります。しかしながら、その本格的実施に先立ちまして、超短波放送の受信機の普及、番組面の工夫改善並びに技術開発の促進をはかるため、去る十一月日本放送協会に対し、全国二十六の主要都市に置局できるようFM放送の実用化試験局の予備免許を与えた次第であります。
 宇宙通信につきましては、国際電信電話株式会社の茨城県宇宙通信実験施設が完成いたしましたので、アメリカの航空宇宙局との協力により、通信衛星リレー一号を利用して受信実験を実施しております。この実験の冒頭におきまして、十一月二十三日に初めての太平洋横断テレビジョン中継実験を公開実験として実施いたしましたところ、非常な成功をおさめることができました。この公開実験は、国内のテレビ放送局から全国の家庭に送られたものであります。この受信実験の成功によりまして、宇宙通信の将来に明るい見通しを得ることができました。
 次に、電気通信行政について申し上げます。
 太平洋海底ケーブルの開設につきましては、来年七月完成を目途といたしまして、目下のところ、これが建設は順調に進展いたしております。
 また、有線放送電話に関しましては、さきの国会におきまして、公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律が制定されましたので、来年一月上旬に施行いたしたいと考えまして準備を急いでおりますが、国会審議の際の御意見を十分尊重いたしまして、法の円滑な施行をはかるよう努力いたしております。
 次に、日本電信電話公社の補正予算について申し上げます。
 この補正予算は、公社の三十八年度予算成立後に生じた事態、すなわち、道路整備事業の急速な進展に伴う電信電話線路の支障移転工事の急増等に応ずるため、建設勘定予算におきまして、九十億一千七百万円の追加支出を可能ならしめようとするものでありまして、これに要する財源は、自己資金十五億一千七百万円、外部資金七十五億円を予定いたしております。
 以上をもちまして、一応私の説明を終わりますが、よろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(光村甚助君) 次に、日本電信電話公社総裁より事業概況について発言を求められております。これを許します。日本電信電話公社総裁大橋八郎君。
#8
○説明員(大橋八郎君) 日本電信電話公社の最近の事業の概況につき、御説明申し上げたいと存じます。
 まず、本年度の経営状況でありますが、三十八年度予算におきましては、事業収入を三千六百六十億円と見込んでおりますが、十月末現在におきます実績は二千六十三億円、五六・四%の達成率でありまして、前年度の五五・八%をわずかながら上回っております。前年度は、年度後半において料金合理化に伴う減収が予想外に大きかったためもありまして、百三十一億円の減収を生じましたが、本年度に入りましてからは若干好転し、回復の傾向にありますので、今後ともさらに一段の努力を払い、予算収入の確保に努めてまいりたいと考えております。
 建設勘定につきましては、成立予算額は二千四百二十八億円でありまして、これに前年度からの繰り越し額百五十一億円を加え、建設工事総額は二千五百七十九億円になっておりますが、十月末におきます支出額は一千四百十七億円でありまして、総額に対し、五四・九%の進捗率となっており、順調な歩みを見せております。
 また、十月末現在におきます加入電話の増設数は四十万六千、公衆電話の増設数は一万六千でありまして、年間予定のそれぞれ五八・〇%及び五七・一%を消化しており、その結果、十月末における加入電話の総数は約五百十八万六千加入、公衆電話の数は約十八万四千個となりました。
 次に、昭和三十八年度の補正予算について申し上げます。
 御承知のとおり、最近における道路工事の著しい進捗に伴いまして、電話線路を移設したり、道路の舗装に先立って電話の管路等を埋設するなど、捨て置くことのできない工事が予想以上大量に発生してまいりました。この種の工事は、道路整備工事に随伴して必ず実施しなければならない工事でありますし、その所要工事費額も膨大な額に上りますので、これを既定予算内でまかなうといたしますと、三十八年度の建設計画、ひいては第三次五ヵ年計画の遂行にも支障をきたすことになりますので、これらの経費に充てるため九十億円の補正予算をお願いしているものであります。
 なお、この財源は、電信電話債券の発行によるもの七十五億円、資産充当によるもの十五億円であります。
 以上で事業概況の説明を終わりますが、この機会に、あらためて日ごろの御指導と御鞭撻に対しましてお礼申し上げますとともに、今後ともよろしく御援助を賜わりますようお願い申し上げます。
#9
○委員長(光村甚助君) 以上で大臣と総裁の説明は終わりました。
 次いで、質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言願います。
#10
○横川正市君 まず最初に、この所管の説明をいただきました中に、全逓労働組合と郵政省との間で団体交渉が継続されておるようでありますけれども、その団体交渉の継続中の案件について、大きな項目でいいのでありますから、それをひとつ御説明いただきたいと思います。
 それから第二は、現在、郵政省の中に職員団体を構成する労働組合が幾つかあるわけでありますが、その労働組合の名称と組織人員、これを報告していただきたいと思います。
#11
○政府委員(増森孝君) 第一の点からお答え申し上げます。
 全逓の年末闘争目標と申しますか、団体交渉事項と申しますか、申し入れの要点をかいつまんで申し上げます。まず、大きく分けますと、年末手当の支給ということ、それから繁忙手当の支給ということ、そういったような経済問題がございます。それからそのほかに三十三ほどの項目がございますが、最も大きな柱となっておりますのは、特定局舎改善のために簡保資金を運用する、転貸する、転貸債とする、という問題がひっからまっておりまして難航している次第でございます。
 それから第二の御質問でございますが、全逓のほかの組合員の数でございますが、概数を申し上げますと、全特定組合、これが一万八千ほどございます。それからそのほかに、郵政労組、これが二千名ほどございます。
#12
○横川正市君 この所管説明の中の、少なくとも団体交渉中は超勤拒否戦術は避けるという前例があるようでありますけれども、こういう前例は、どういう経過を経てつくり上げられたものですか。
#13
○政府委員(増森孝君) 昨年は、全逓のほうといたしましては、十二月十六日まで三六協定を結んで、そして平和裏の間に団交事項を進めていこうというふうなことになっておりまして、私どもといたしましても、そういう、少なくとも三六を結んだ形において団体交渉をやるということは非常に好ましいと、こういうふうに存じておった次第であります。
#14
○横川正市君 交渉をやる当事者間の中に紛争がなくて、きわめて平穏裏に交渉が継続されるということは望ましいことだということになるわけですが、しかし、労使間の問題というものは、そういう望ましい形だけで推移されるものでは私はないと思うのです。憲法問題を出すまでもなく、労働三権の保護を受けて、その保護のもとで労働問題を処理しようとすることも、これも私は決して、望ましくない、あるいは正常ではない、そういう形だとは実は思わない。そういう状態の中でやるよりか、正常な形の中で、しかも両者和気あいあいとはいかないまでも、お互いの立場を理解して交渉ができるということは、確かにこれは、紛争があって、それが土台になってものを解決するよりかは、あなたのほうとすればきわめて交渉にはよい条件だと、こういうふうになろうと思うのでありますが、ただ、私のいまお聞きしたいと思うのは、十二月一日以降に紛争が起こって、その紛争が何回か繰り返された中で、私どもは、少なくとも労使間に一つの慣行というものがっくり上げられている、その慣行というものは、お互いの立場というものを尊重し、そんたくし合うということでつくられてくる慣行であると思うのでありまして、そういう慣行の一つが、団交継続中は超勤拒否は避ける、こういう組合側の良識がつくり上げられたのだと思うのであります。単に理屈だけを言ってつくり上げられたものではないと私は思うのでありますが、こういう慣行がつくられた郵政当局のいままでの経緯はどうだったのですか。私どもの知る限りは、こういう慣行ができるまでに相当大きな問題をかかえておる、こういうふうに理解するわけですが。
#15
○政府委員(増森孝君) 私どもといたしましては、少なくとも団体交渉をする、いろいろな話をやっていくという点では、やはりお互いに平和裏でもってやるべきである。それからまた現実に、昨年もそういうふうなことでやってまいったのでありますけれども、もういきなり十二月一日から三六を結ばないのだというような、いわゆる平和裏ではない場でもって団交するのは、非常に去年の慣行を無視しておるのではないか、このように申し上げておる次第でございます。
#16
○横川正市君 私は、いまの当面の問題で起こった事態の説明を求めているんじゃないんです。こういう一つのよい慣行がつくられたその過去のいろいろな戦いの実績が慣行をつくっていくわけなんであって、過去はどうであったかと、こう聞いている。
#17
○政府委員(増森孝君) 慣行とわれわれ申し上げると、ちょっと行き過ぎかと思いますので、少なくとも昨年の前例というふうに御訂正、願いたいと思います。
#18
○横川正市君 郵政大臣に、まああなたは就任されてから間もないわけですが、所管説明をされる中で、少なくとも団体交渉中は超勤拒否戦術は避けると、こういうよい前例が無視されたことはきわめて遺憾だと、こういうふうに所管の説明をされているわけであります。で、私はもう、この前例をつくられるまでには非常に大きな問題があったと理解しているんです。そこで、端的に私の気持を申し上げますと、たとえば団交再開闘争を一年八ヵ月という長い期間続けられたという経験を労使間に郵政の場合は持っております。その長い労使間の戦いの結果というものを、あなたが大臣になられてから現実を認識されたときに、一体その郵政省の団交拒否ということと、いまあなたが団交されているという、そういう姿との間に、少し、何といいますか、郵政省のとってきた行為にいささか大きな変革があったとお気づきになっておらないかどうかですね。私は、三十何人かの首を切って、それから一年八ヵ月間紛争が続いて、そして去年の十二月にはこういうよい前例が生まれてきた。その前例が生まれてきた結果というものを見ますと、一体、郵政省が意地を張って団交を拒否しておったことが、その趣旨を貫いたことによって、あなたたちの立場というものが十分に第三者に理解されるような結果になったのか、それとも、労働組合のほうが団交をしなさいと一年八ヵ月戦った結果が、いまあなたと労働者を代表する全逓の間で行なわれている団体交渉の場で全く組合側の言うなりの姿になったのか。まあいろいろな認識の違いはあろうと思いますけれども、私は少なくとも、団交拒否一年八ヵ月というのは、郵政当局の事業その他についてきわめて大きなマイナスがあった、しかし組合側は、その主張が大半通った結果として、いまあなたと全逓労働者の代表との間に話し合いが行なわれ、そして去年の十二月の一日にはよき前例となるような、いわゆる交渉中には超勤拒否の戦術をとらないというような、そういう前例が生まれてきた、こういうふうに私は思うのでありますけれども、郵政大臣は就任間もないわけでありますけれども、どうお考えですか。
#19
○国務大臣(古池信三君) 私の承知しておりますことを申し上げますが、ここで御説明申し上げましたように、昨年は、団体交渉を継続しておる間は超過勤務を拒否しないと、こういう例ができたということを聞きまして、これは非常にけっこうなことじゃないかと思っておった次第であります。ことしの実情を申し上げますと、十月の上旬から団体交渉を始めました。しかるに、十月の下旬になって、組合側のほうから、組合の都合によってしばらくの間団体交渉を休止したいがどうかということでありました。さような申し出でありますから、こちらも組合の意思を尊重いたしまして、それじゃしばらく休止をしましょうということで、中休みをしたわけであります。それから十一月になりまして、選挙も済んで、二十六日に、当方から組合側に、中休みをしているこの団体交渉を再開しようじゃないか、年末もだんだん迫ってくるから、いろいろ年末手当その他の問題も処理せねばならない、したがって、もうすみやかに団体交渉をいたしましょう、こういう申し入れをしたのであります。ところが、一応それでは団体交渉を再開しましょうといって交渉に当たられた方が一たん帰られたそうでありますが、翌二十七日に、組合側としては指令を出されまして、十二月一日からの時間外労働の協約は結ばないようにしよう、それからその他指令があったようであります。
 そこで、私どもとしましては非常に意外に感じまして、せっかく団体交渉を再開しましょうというのに、それに一応交渉に当られた方が同意をしておきながら、翌日突如そういう指令を組合の内部に出されたということは、はなはだ遺憾であると考えましたが、しかし、なお、その翌日二十八日からは、事務的なすべての事柄について団体交渉が始まったということを聞いて、それならけっこうである、こう思っておったわけでございます。しかし、それにしましても、交渉がまだ妥結しない、いわゆる交渉中と申すべきときに、十二月一日からの超勤拒否ということをそこで打ち出されたということについては、私としてははなはだ遺憾なことと、こう考えている次第でございます。
#20
○横川正市君 私の聞きたいと思う点について、故意かあまり触れないようですけれども、私がお聞きしたいのは、労使慣行というようなものは、これはそう簡単につくれるものじゃないと思うのです。非常に長い年月と、それからお互いの立場というものを認め合うという、そういうことでなければ、労使慣行というものはなかなかつくり上げられてくるものじゃないと思うのです。それが、あなたのほうでも認めているように、よい前例ができたわけですね、去年。そのよい前例ができるまでの経過というものを見ていただくと、私は、これは郵政当局にも十分考えてもらいたいと思うのは、そういうよい前例をつくるまでには非常な苦労をされているはずなんですよ。そういう苦労の結果できた慣行が破られる、こういうことは、私は一体、大臣のほうだけに一〇〇%の理由があって、組合側には全く理由のない、いわゆる慣行無視だときめつけられるような、そういうものなのかどうか。これは公になった文書なんですから、その点を両者間で考えてみないと、せっかく苦労してつくった慣行というようなものは、これは決して、守られるような、そういう状態にはならないのじゃないかと、私はそう思うのです。これはさらに論議しても時間の空費でありますから、十分これは考えていただきたい。
 そこで、いま人事局長から説明がありました組織人員から見ますと、全特定が一万八千、全郵政が二千、それから全逓が二十三万ですか、こういう組織構成になっております。きのうの新聞であったと思うのでありますけれども、いまの人事局長の説明でありますと、全逓との間では、年末手当、繁忙手当、特定局舎の三億円の問題で難航し、それからこの組織の人員からいきますと、きわめて小さい全特定と全郵政との間では問題が解決をした、こういうふうに報道されているわけでありますけれども、この報道は報道どおりですか。
#21
○政府委員(増森孝君) 報道どおりでございます。
#22
○横川正市君 経済問題は解決をしたと思うのでありますけれども、この組織の全体からいきますと、何分の一になりますか、こういう小さな組合と先に妥結をして、その妥結をした内容というのは、今度は、残された二十三万なり二十四万の職員にはどういう影響力を持つのですか。
#23
○政府委員(増森孝君) 私のほうの郵政省としましては、いまのところ、組合としては、全逓と、先ほど申しました全特定、それから全郵政、三つございますので、それぞれから諸要求がおのおの出ております。そうしておのおの同時に、できるならば同時解決をしたいというのが私どもの念願でございますけれども、やむを得ず、今年度は時期等の関係もございまして、全特定と、それから郵政労組と妥結したのであります。したがいまして、どうなるかと申しますれば、全特定と郵政労組は妥結どおりでございまして、全逓とはまだ妥結しておりませんので、その関係ではまだペンディングであるということになろうかと思います。
#24
○横川正市君 そうすると、郵政当局は、交渉の妥結の姿としては、同時解決、大小にかかわらず同時解決をしたい、これはよき前例ですか、それとも慣行ですか、あなたのほうの単なる腹つもりですか。
#25
○政府委員(増森孝君) 慣行というわけではございませんが、従来、やはり何といいますか、実情によりますと、従来からの実情から申しますと、結果的に大体同一時期に解決しておりまして、それからまたいろいろ事務方面から申しましても、三組合が同時に解決してくれるのが最も望ましい姿だと存じております。
#26
○横川正市君 この団体交渉というのは、あなたのほうが絶対的な立場に立っておって、組合が追随的な立場に立つものではないですね。対等な立場で話し合いをする場所ですね。ですから、あなたのほうで金を幾らか用意しておって、そうしてこれだけのむものにはこれだけの金をやる、そのほかのものには、それをのむまで待たせる、こういうものじゃないわけですね。経済問題であっても。
 それからその交渉をやる場合には、法律の問題はあとで言いますけれども、大体あなたのほうの腹づもりとしては、少なくとも九割を占める組合が未解決のうちに、あとの一割しか占めていない組合と話し合いをし妥結をしてしまって、あとの九割のものについてはペンディングでございますと、そういうことが一体交渉としてあり得るのですか、これは。もっとも、あり得る場合はありますね。それは、きわめて大きな組合はあなたの意に満たないから、組合の分裂やら崩壊を来たすのを待つ、そういうような悪意な意味でもって、先に小さな組合と団交をやって、あなたの持っているものをのませてしまう、そうすると、職場の中には経済要求でふんまんが起こってくる、それを期待してやる場合には、そういうことはあると思いますけれども、それはよき前例でも、よき慣行でも私はないんじゃないかと思うんです。そうすると、団交というものは対等の立場で話し合いをするんですから、のむ、のまないというものは、これはやはり力関係ですね。その最も大きな力を持った組合と未解決にしておいて、一割に満たない小組合と妥結をして、これは一体結果的に郵政としては始末がつくとお考えになっているんですか、その内容は。私は、少なくとも、組合との間において超勤拒否闘争を避ける、団体交渉中は避けるという、そういうよき前例を破ったのはけしからぬ、こういうふうに組合に言っていますけれども、その舌の根のかわかないうちから、あなたのほうではとんでもない間違いを起こしているんではないですか。これは、実際上、いままでのよき慣行になりますか、前例になりますか。うんと紛争があった場合は別問題として、少なくとも組合が良識をもって話し合いができるという場合には、私はこういう妥結のしかたというのはないんじゃないかと思うんですがね。もっと理解のできるような説明をしていただきたい。ただ、技術といいますか、何といいますか、法律論というか、そういったことにとらわれて返事をするんではなしに、もっと生きた組合、しかも九割を占める組織労働者を未解決に置いておいてこういう結果になるということは、一体これはどういうのですか。これはよき前例として残されるつもりですか。こういう前例はつくりたくないとお考えですか。そういう将来の問題も含めて返事をしていただきたいと思う。
#27
○政府委員(増森孝君) 私どもといたしましては、先ほど先生が申されましたように、私どもやはり、交渉というものはお互いに交渉を詰めていくのでございますから、私どもの考えをのませる、のませないというような問題ではないと思っております。で、今度なぜそういうことになったかということを率直にお答えいたしますと、省のほうといたしましては、十二月に入ってまいりますと、年末繁忙という事態になりますので、できるならば早く団体交渉項目を煮詰めたい、全逓のほうに対しましては、十二月の七日をめどにして、できる、だけ詰めようというような提案をしておりまして、そうしてその団体交渉を続けておったのでございますけれども、全逓といたしましては、特定局舎改善のための簡保資金の転貸債、その問題が解決しなければ、よその問題については妥結しないんだという態度を持しておったのであります。したがいまして、私どものほうといたしましては、できるだけその転貸債の問題は切り離して、年末差し迫った問題をひとつ重要項目として取り上げて、そうしてその点で団体交渉をしようではないかという申し入れをたびたびしておったのでございますけれども、転貸債の問題が同時解決だというような状態で今日まで団交が妥結しないのであります。
 一方、省側の仕事といたしましては、十二月十日あたりからいよいよ業務のほうも年末の繁忙期に入ってまいりますし、それから第二の問題といたしましては、十四日に公務員にいわゆる年末手当が出るというようなわけ合いがございまして、どうしても時期としてはこの三組合とも同時解決できないという状態に立ち至ったために、やむを得ず、私どもとしましては、全特定と郵政労組と妥結せざるを得なかった。したがいまして、全逓とはまだいまのところ妥結を見ないという状況でございます。
#28
○横川正市君 私は、事情の説明はあまり要らぬのですよ。ですから、一体この効果として、あなたの頭の中にすぐ出てくるのは、たとえば二四協定、三六協定を結ばれた場合の事業所単位の拘束力については、四分の三と四分の一、大小の組合のある場合、事業所としてどういう結果になるかという問題は、すでにこれは検討済みだと思うのですよ。さらにこの給与準則から少なくともこういう事態が起こって、全逓が九割を占める大組合だから、年末手当その他についてペンディングだから、これから解決するわけですね。あなたの持っているものを押しつけるわけでなければ。その場合に、全逓の組合が有利に解決した場合には、この協約は無効になるわけですね。この全特定、全郵政との協約は。効果からすればそういう効果があるものを、なぜ先に結ばなければいけないのですか。いま言ったような実情からいくと、少なくともあなたのほうでは、この十二月の十四日に一般公務員が支給されるから支給しなければいけないと、こう言っておるけれども、これは団交事項できめられるものであって、そういう、その他の一般公務員や、国鉄や電通等のそういう妥結に支配されないで、郵政の職場の中における労働問題として解決すべきたてまえのものだと思うのです。それがこういう結果になってきたのですね。今度の場合のいわゆる年末手当とか繁忙手当というものは、二四協定や三六協定のようないわゆる事業所単位ではなくて、全逓という組織された労働者と、全郵政、全特定、未組織職員、こういったようなものを含めて、一体いずれの協約が全体に及ぼすかという問題を考えて、そうしてこの団交を処理していかないとこの矛盾が起こってくるのじゃないですか。ことに、いま未組織の者が大体二万名くらいいるようでありますから、未組織者に対する効果というのはどういうふうにするつもりですか。この全郵政と全特定の妥結によって、未組織の者にもいわゆる拘束力を持たせるのか、それとも、これはしばらくおいでおいで、全逓との間の妥結を見てから、あなたのほうでは未組織者に対する年末手当、繁忙手当の支払いをするのですか、どちらですか。
#29
○政府委員(増森孝君) ただいまの御質問、一つは妥結の効果の問題でございますが、妥結の効果については、非常にむずかしい、ケース・バイ・ケースになろうかと思っております。で、全逓に入っている、全逓だけの事業所でございますれば、全逓の組織に入っている者につきましては、これは妥結しない間はそのいわゆる妥結内容というものは効果が及びませんので、当然これは期末手当等はもらえないかと思います。それからそのほかの全郵労あるいは、全特定、それから未組織者というものは、全逓との妥結を待たないでもすでに解決しておりますので、効果は及ぶと考えております。ただ、事業所等におきまして、四分の三といったような条件がありまして、そして三六協定が結べないというようなところでは、ある部分につきましては全逓との妥結がなければ効果が及ばない、こういうふうに考えております。
#30
○横川正市君 そうすると、あなたのほうの支給の内容は、第一段階では、一つの事業所の単位で四分の三を占める全逓の組合の場合には、四分の一の全郵労、全特定の職員であっても、年末手当、繁忙手当の妥結の資金はもらえない、こういうことですか。
  〔委員長退席、理事寺尾豊君着席〕
#31
○政府委員(増森孝君) お答えいたします。
 年末手当、それからその他の手当と分けてお答えいたしたほうがわかりいいかと思いますので、年末手当だけとってお答えいたしますが、年末手当につきましては、全特定、全郵労は協定でもってこれは支給できると思います。それから未組織者に対しましては、給与準則でもって同一内容のものを支給したい、それから全逓とは今後の妥結を待って年末手当を支給したい、こういうふうに考えております。
#32
○横川正市君 しかし、私はちょっと変だと思うのですよ。経済問題は妥結したわけでしょう。次に聞きたいと思っておったのは、たとえば、繁忙手当なんというようなものは、これは少なくとも一事業所におけるところの全体の職員の協力がなくては繁忙対策というのは立たないのですよ。また、個人差というものがあるわけですよ。そういった経済問題も今度は妥結したわけでしょう。調印したわけですね。おかしいと思わぬですか、郵政当局は。だからいまの年末手当だけをとってみましても、年末手当だって、何も事業所単位でものごとを考えるというのは、これは法律の抜け穴をどう見つけたか知らぬけれども、おかしいじゃないですか。郵政という全職員の問題ならば、代表者と郵政当局との間で団体交渉して年末手当というものは解決すべきなんだが、たまたま小さな労働組合が二つばかりつくられているから、それのほうには先に解決をして、支給については事業所の単位をとって支給をする、こういう言い方というのは、これは少しおかしいと思うのですよ。あなたのほうは、どういうふうに抜け穴を見つけておるか知らぬけれども。それで、かりに支給して、結果は何を望むのですか。全逓が早く経済闘争をしてくれということを望んでやったのですか。
#33
○政府委員(増森孝君) 私どもといたしましては、全然他意はございませんで、十二月十日前後を境といたしまして三組合と交渉をしておったのでありますから、やはり十日前後をめどにしまして――だからといって、全逓が妥結をしないうちは全特定と郵政労組の妥結を含めますというわけにも参りません。したがいまして、私どもとしましては他意はございませんけれども、やむを得ずとった措置でございます。
#34
○横川正市君 未組織者への支給については、給与準則で支給するわけですね。全逓との間に妥結をした金額が、すでに支給済みの金額と金額が違った場合、どういう措置をとりますか。
#35
○政府委員(増森孝君) ただいま全逓とは、交渉が途絶したというわけではありませんで、鋭意私どもとしましても妥結したいと思っておりますので、そういう事態が起きるかどうかということにつきましては、ちょっとまだここで御説明する段階ではないので、控えさしていただきたいと思っております。
#36
○横川正市君 そうすると、結果的には、全郵政、全特定と妥結した金額が、あるいはそれよりか下回った金額で全逓とは妥結したいと、こういう御意思ですか、あなたのほうは。
#37
○政府委員(増森孝君) ただいま交渉中でございますので、それらにつきましては、ちょっとここで申し上げるのはどうかと思いますので、ごかんべんを願います。
#38
○横川正市君 郵政大臣に。
 いま、私と人事局長との間にやりとりをしたような事態をあなたもお認めになったわけですか。妥当だとお考えになっていますか。
#39
○国務大臣(古池信三君) 私といたしましては、もちろん現在郵政事業に三つの組合がある、この三つの組合が歩調をそろえていただいて、そして条件その他についてうまく妥結ができれば
 一番それが望ましいことであるということを考えております。先ほどお話しのように、組合と管理者側、これは全く対等のものであるということもお説のとおりだと思います。それから、組合側が自主性を持っておると同時に、管理者側も自主性を持っておる、対等であるということもお説のとおりであると思います。そういう場合に、私のほうは、この三つの組合に対して同時に並行して交渉を今日まで進めて参りました。その間にいろいろ時間もかけて意見の調整をはかったわけでございますが、さような場合に、早く意見の調整ができて、労使の間の意見が一致すれば、当然その協約というものは結んで差しつかえないんじゃないか。意見が一致しておるにもかかわらず妥結をしない、協約を結ばないということは、これは少し私は筋が違うんじゃあるまいかと、こんなふうに思っております。したがって、二つの組合と意見が一致したわけでありまするから、その協約を結んだ。何も、管理者側がこちらの思っておることを相手の組合側に押しつけたというような性質のものでもありませんし、また組合側としても、それぞれ自主性がありますから、何も管理者側の言うことをそのとおり押しつけられてのむというようなはずはないわけでございますから、そんなふうに私は考えております。全逓の組合のほうも、経済問題、あるいは勤務条件と、そういうふうな問題については、ひとつすみやかに妥結をするように御努力を願いたい、そういうことを私は念願しておる次第でございます。
#40
○横川正市君 まあ、国会は団体交渉の場所じゃありませんけれども、問題は、私ども逓信委員が願うのはやっぱり逓信事業が円滑に運営されるかどうかで、あなたたち有能な人ばかりだから、私どもが心配しなくてもけっこうやっていってくれるかもわかりませんけれども、しかし、私どもは私どもなりに心配をするわけですよ。郵政大臣はいま非常に筋の通った話をいたしました。全郵政、全特定ともども団交権を持った対等の立場の労働組合であって、それと協約を結ぶことはあたりまえの話――まああたりまえの話だ。しかし、全体の職員の九割を占める全逓との間に紛争があって、郵政事業が円滑に運営ができるか、こういう点を私どもは心配をしているのであって、ここで事務当局の答弁のような答弁を実は私どもは聞こうとは思っていない。郵政大臣の所管する郵政事業を円滑に運営するために、筋の通った話だけれども、こういうことよりかもっといい方法はないかということを私どものほうではお聞きしているわけなんです。
 同時に、あなたのほうでは、団交継続中には超勤拒否闘争のようなものはやらない、これはよき前例だとおっしゃって、それはぜひ守ってほしいとおっしゃっておられる。しかし、労働組合との間で話し合いをしていく過程には、いろいろなものがあるわけですよ。こういうよい前例が生まれるまでにも、全逓と郵政省との間にたいへんな紛争があったわけですね。その結果としてこういう前例も生まれてきたわけです。唐突として生まれてきたわけでない。それからまた、人事局長が言ったように、少なくとも団交解決の道は、全逓との間が解決をしたら全特定と調印をする、全郵労とも調印をするというかっこうでいって初めて私は円満に労使間の紛争というものは解決されていくと思う。それが逆に、これは全く微々たる組合が大きな組合に影響力のあるようなふうに先にやっておいて、あとから大組合とは自主的に話し合いをします、その継続中だからその結果については答弁はできません、遠慮します、こういう言い方をするのは少し無理だとは思いませんか。やり方に。そういう点を一体大臣としてはどうお考えか。
 同時に、もう一つは、来年もまた十二月が来ますから、よい慣行とか、よい前例ということについて、一体あなたのような考えを持っておったらできるのですか。それとも、それはそういう結果から破壊されていくのですか。私どもは、ある人に、また郵政省は三百六十五日闘争に入るのではないか、損をするのは国民だけじゃないか、こういうふうに言われるのです。そうではなしに、十二月なら十二月に解決をして、来年の十二月までによい前例をつくるにはどうしたらいいか、こういう点が全然心配なしに私はきょうの質問をしているわけじゃないのです。先ほどと同じ答弁なら必要はありませんが、もう一度お聞きしておきたいと思います。
#41
○国務大臣(古池信三君) よき前例をつくり、将来においてもよい結果になるように努力をするということは、これはもう御説のとおりで、全く私も御同感に存じます。今回の交渉の問題は、先ほど申し上げましたが、私といたしましては、全逓の諸君が本来団体交渉とすべき事柄については、私ども誠意をもってその話し合いに応じまして、でき得る限り皆さんの要求の貫き得るように、私どもとしては、でき得る限り譲るべきことは譲っていきたい、こういう気持を持っておることは、いまさら申し上げるまでもないのでございます。
 ただ問題は、私どもとしましても、譲り得る問題と譲り得ない問題とがある。これが非常に私は大事なことだと思うのでございます。したがって、管理者としての立場から、あるいは法律その他慣例にかんがみまして、どうしてもこの点は譲れないということにつきましては、これはあるいはせっかく組合が熱心にお話しになりましても、わがほうとしては、そういう点はどうも組合側に御同意申し上げるわけにはいかない。しかしながら、団体交渉によって、お互いが対等の立場から交渉をして、妥結をすべき問題については極力組合の御意見のなるべく通りますように、熱意をもって私はやってまいりたい、こういうことは、いままでもそういうつもりでおりましたが、今後も同様にさような考えで組合の方々に対してまいりたい、こう考えております。
#42
○横川正市君 今の問題については、実はここでやっておっても、おそらく平行線でしょう。というのは、あなたの腹の中には、年末闘争について、どうもやはり譲り得ないということが頭にあって、譲り得る問題も譲り得ないということで、あるいはその問題を解決するために少しくらいな無理をしても、この際だからひとつ自分の主張だけを通しておきたい、こういうようなものが非常に強くあるような気がするから、ここで私が幾ら質問をいたしましても、おそらく現在の線を出ないのじゃないかと思うので、ただ老婆心ながら……。いまの郵政当局の行なったこういう方法というものは、これは最善のものじゃなかったと私は思います。しかも、そこの裏には、きわめて悪らつな作為があって行なわれたものだと、私どもはそういうふうに理解をいたします。もう少し常識がありましたら、私どもも経験がありますけれども、全逓と妥結をしない問題で、先に小組合と問題を妥結させた例というのは、一回か二回過去にあり円ました。そのときば非常に大きな闘争が組まれておったときであって、そのほかのときには、大体全逓と妥結をしたものが小さな組合とあとで妥結をする、調印をするという、そういう取り運びが行なわれておったと思うのです。そういう大きな闘争のときには、あなたのほうには非常に頭のいい人たちがたくさんおりまして、いろいろな次善の策を講じて事を運んでくるわけですから、ここで常識で私どもが話をしても通らないわけですね、残念ですけれども。そういうふうに現在の事態も私は理解をいたしますので、これ以上の質問は、私はこの問題ではいたしません。
 そこで、先ほどの説明によりますと、経済問題で話し合いのできない焦点に、特定局舎に対する三億円の貸し付け問題が難航していると、こういうのでありますけれども、まず第一点は、次官通牒が出されるに至りた経緯、それから全く事務的な処理、それから関係法令、こういう三段階に分けてひとつ説明をしていただきたいと思います。
#43
○説明員(田中鎮雄君) まず、通達の出された経緯につきまして申し上げますが、特定局舎の中には、いわゆる老朽、狭隘といったようなものが多数あるわけでありまして、これを改善していこうということで、それには国費による改善予定、さらには局舎所有者の負担による、いわゆる私費の改善というものがあるわけでありますが、両者とも逐年改善を見ておりまするが、なかなか進捗が予定どおりまいらない。何か簡保の資金を活用する道はないかということになりまして、関係の向きといろいろ折衝検討をしてまいったわけでございます。この方法といたしましては、いろいろあると思いまするが、今回の措置は、現在の法体系をいじらないという立場から、緊急暫定の措置であるという考え方に立っているわけでありまして、今回考えました方法は、地方公共団体、今回は府県に限定いたしましたが、府県を通じて特定局舎の所有者に資金を融通するという方法をとったわけでございます。
 で、この具体的な貸し付けの方法でございまするが、これは、融資の対象となる特定郵便局舎の要件といたしましては、現存の借り入れ特定局舎のうち、まあ老朽または狭隘、そのために新築あるいは増改築を要する、それから、住居その他局舎以外の用に供する部分と共同の建物として建築する場合には、局舎の用に供すべき部分に対してのみ貸し付けを認める、特定局長の更迭等にかかわらず長く郵便局舎として利用するものである、というような要件がございます。融資を受ける者の要件といたしましては、当該局舎の所有者である、それから、元利金の償還等について十分の能力があると認められるもの、それから、局舎完成後少なくとも木造は十五年、ブロック及び鉄筋の場合には二十年以上郵便局舎として提供するものであるということを賃貸借契約において定める、それから、局舎の借料はこの融資利率を勘案して別に算定基準を設ける、かようなことで、簡易保険局は、地方公共団体に対して普通の通常の貸し付け方法によりまして都道府県に融資する、当該都道府県は借り主に対してこれを転貸する、かような方法によっている次第でございます。
#44
○横川正市君 まず最初に、運用法の貸し付け事務の範囲ですが、これは私は、意見を言えば、運用法が制定をされてから何回か一部修正というものが行なわれてきましたけれども、その運用法の法律制定当時の精神の中には、こういう転貸債の問題というものはいままではなかったわけですね。緊急な問題として暫定措置で出されてきた、こういうふうになるわけですね。
#45
○説明員(田中鎮雄君) 今回の措置は初めての措置でございまして、従来転貸といったようなことはございません。ただ、その運用法の現行法のたてまえから、これは非常に形式的に申し上げますれば、第三条で積み立て金運用の範囲が限定されておりますが、これの地方公共団体に対する貸し付けということになるわけでありまして、その運用の目的、すなわち有利、確実、公共性ということには十分合致しているものと考えております。
#46
○横川正市君 ことしの財投計画の三十八年度予算に対する付属書の中で、私はこの項目を実はさがしたのでありますけれども、見当たらないわけですが、議会にはこれは説明をいつどこでどういう方法で行ないましたか。
#47
○説明員(田中鎮雄君) 財投計画は、予算の付属書類といたしまして、国会に提出されるわけでありまして、予算の成立と同時にこれも決定したということになろうかと思います。これの説明その他につきましては、実は大蔵省が所管いたすところでありまして、私のほうといたしましては、説明といったようなことは全然いたしておりません。
#48
○横川正市君 そうすると、計画は、一般地方債の中の簡易保険資金の運用金の中から出されたと、こういうことになるわけですね。
#49
○説明員(田中鎮雄君) さようでございます。
#50
○横川正市君 これは、一回も議会に報告をされておらなかったという理由は、きわめて小さな案件だから、別に報告する必要がないということで、この付属書の説明のときには報告をされておらなかったわけですか。それとも、議会のほうから質問がないので、質問のない項目については省略をした、こういうことなんですか。どっちなんですか。
#51
○説明員(田中鎮雄君) その辺の実情は、実は私もはっきり承知しておりませんですが、従来から、この一般地方債という大きなワクで、その中の一つ一つこまかい項目についてまで説明はされておらないように承知いたしております。
#52
○横川正市君 私は、少なくとも、八月の八日に次官通牒が出されるまでには相当長期にわたって郵政当局では検討をしてきたものと思うのです。しかも、その検討は、かつてその例を見ない新規な投資の方法として検討したのじゃないかと思うのです。そうすると、新しい方法でもって投資をする場合、ことに年次計画を立ててやる場合ですね、これは私は、少なくとも説明書というのがついて、各党の政調あるいは議会での説明というときには、付属されるものじゃないかと思うのですがね。どこでそういったことが落ちたのか、非常に私どもにはふに落ちかねると同時に、案件のとらえ方が、あなたのほうじゃ、どうですか、非常に怠慢ではないかと思うのですが、何か都合があって実際上報告をしなかったのですか。
#53
○説明員(田中鎮雄君) この一般地方債の中の一般単独事業、こういう項目に簡保から四億というワクが設けられております。この計画がきまった段階におきましては、ただ一応資金の準備をしたという段階でございまして、実際に具体的にどういう方法でやるかという点につきまして、省内各部局の調整はもとより、他省との関連が非常にございまして、それの折衝段階にありましたために、外に対して説明するということもできなかったというようなことで、最終的に具体案が煮詰まったのは、七月の末、省議決定の直前というようなことが実情でございます。
#54
○横川正市君 郵政大臣にお聞きしますけれども、いまの保険局長の説明で、私どもの承知しているのは、財投計画の二十三億は運用部資金から郵政省の局舎建築資金として借り入れをする、これはもう議会の審議中に十分承知しておった。それが今度転貸債のような金で局舎の資金として出されるということは、これは、ことしの十月ごろになってから、唐突として、現場の局舎建築の資金が、何か簡易保険から借りたということらしいというようなことから、一番末端のいわゆる局舎建築の現場を見たものからの報告で上がってきているということなんです。もう議会としては、これは遺憾の意を表する程度ではちょっと済まない問題なんですけれども、あなたのほうでこういう年次計画を立てるときには、議会に一つも報告なしに、しかも、その金が何に使われるかわからない一般地方債の財源だけをとって、おいて、そうして、その金があるから、年次計画を立てて、たとえば次官通牒で実施をするという、こういうケースは、一体いままでには私はなかったと思うのですけれども、いままでのもそういうことをやってきたの、それとも、これは決して違法じゃない、妥当だからこれからもやるということなんですか、議会はどういうふうにこれに参加すればいいのですか、実際審議に。あなたはどういうふうにお考えになりますか。
#55
○国務大臣(古池信三君) 私は、この簡易保険の積み立て金の額は、御承知のように一兆になっておるわけですが、これがこの法律の第一条の趣旨、すなわち確実、有利で公共性のものと、こういう方面に運用される、また、これは運用しなければならないわけでありまするが、その積み立て金の運用の一環として今日まで地方の公共団体に多額の貸し付けをしております。そうして、地方の公共団体が、その貸し付け金を利用して、まあ地方の利益のためにいろいろな仕事をやっておられる。その仕事のまた一つとして、地方の特定局の局舎改善のために使うというわけでありまするから、その運用の面からいって、確実、有利であり、また公共性があるということには少しも違反していないと思いまするし、また、地方の公共団体に貸し付けるということも、今日まで非常に多くやっておるわけでございます。ただ、この特定局舎の改善という項目があがったのは今度初めてでありまするけれども、これは、他の貸し付けの目的と比べましても決して不当な目的ではないと、かように私は考えて、これを実施に移したわけでございます。
 なお、かようなこまかいことまで、今日まで国会に報告をして承認を得たかという仰せでありまするが、私も前例の詳しいことは承知しませんけれども、私の今日まで寡聞にして承知しておる範囲では、この程度の金額、またこの程度の地方公共団体の仕事につきましては、そこまでこまかく国会は審議をしなかったように記憶しております。もし誤りであれば訂正いたしまするけれども、私の記憶ではそんなふうに考えております。
 また、これについては、仰のとおり、私の就任前から事務当局の間でいろいろと検討が加えられ、また、もちろん郵政省だけでできる問題ではありませんから、大蔵省当局とも十分話し合いをし、また、地方公共団体の仕事を扱っておられる自治省当局とも慎重に検討を加えて、大蔵省の立場からも、また自治省の立場からも、これはけっこうな案であると、こういう御同意を得て、私がこれを決定して、八月の八日に次官の名前をもって通達を出して、即時に実行に入ったと、こういうわけでございまして、地方の郵政局長なり、あるいは府県の知事さんは十分にその通牒によって御承知のはずでございます。したがって、現場のほうにおいても、もう八月ごろからは、みな関係のある方は御承知になっておる、こういうように私は承知しております。
#56
○横川正市君 手続、やり方を私は聞いておるのじゃないですよ。局舎の問題については、衆議院には局舎整備法が与野党から法案として出されて、たまたま前国会がああいう結果になりましたから、自然廃案という格好に・はなっておりますけれども、衆議院におけるところの郵便局舎の整備についての論議については、与野党とも非常に激しくその意欲を燃やして、それぞれの立場から法案を提出して論議をするという、そういうかまえになっております。それから、職員団体が賛成をしてつくられたいわゆる部内の財団法人でありまする郵政互助会も、その職員の金を集めた零細な金の中から、局舎の整備についてはできるだけ促進をするという努力をいたしております。さらに、運用部資金の大体三%程度のものを局舎資金に回すべきだということを、議会はこれまた論議をして、そうして八ヵ年計画の局舎整備の計画も進めておるわけであります。郵便局舎の整備については、議会は非常に関心とそれから熱意と、現状を何とかしたいという気持で、衆参両院とも真剣に論議をし、職員も心配をしているわけであります。あなたは、これは要らない心配だというようにお考えになりますか。それとも、どこに問題があってこういうふうに局舎の問題にみんなが一生懸命に頭を向けるのだと、こういうようにお考えになっておりますか。その点をお聞きしたいと思うのです。
#57
○国務大臣(古池信三君) 私から申し上げなくてもよく御承知のとおり、今日全国一万四千五百くらいありまする特定局の中で、ほとんど、三分の一程度の局舎は老朽化し、あるいは狭隘になって、これは一日も早く改善をしていかなければならないという段階に立ち至っておるわけでございます。そのために、国会方面においてもいろいろと御心配を下さいまして、何か緊急に局舎を改善する方法がないかということで御論議をいただいておるということは、私も非常にこれはありがたいことだ、郵政省のためにそれほど御心配を願っておることはまことにありがたいことだと感謝をしております。しかし、だいぶ前の国会でそういう案が出されたということを聞きましたけれども、これは今日廃案になっておる、その後その問題については国会の委員会に上程されたということを私は聞いておりません。
 そこで、当省としては、国会でいろいろいい案をお考え下さることは、それはまことにけっこうであるけれども、それと同時に、また行政当局としても、何とかこの緊急の措置を考えていかなくちゃならない、もちろん、国費をもって建築あるいは改築をするということも、いろいろと手を打っております。御承知のように、今日も国費で建てておる特定局も相当あるのでありまするが、なかなかそれだけではまだ十分でないというので、何とか緊急の措置を講じなくちゃならないというわけで、先ほど申したように、事務当局が検討しました結果、これは緊急暫定措置、こういうわけで、とりあえず五ヵ年ひとつやろうというわけで、まあ金額としましても五ヵ年で二十三億ですから、たいしたこれは金額ではない、いまお話しの積み立て金の三%というような金額に比較しますると、まだまだ及ばない金額でありますけれども、それにしても一刻もほっておけないというわけで、まあ考えました結果、ただいま御承知のような案ができたわけでございまして、これをもって、国会関係で皆さんが御心配願っておることに対しまして、いや申し上げる必要はないとか、そういうことを私どもは毛頭考えておるわけではございませんので、いい案をお立てくださいまして、強力に局舎の改善が促進されるということになれば、まことにこれはけっこうなことだ、ありがたいことだと私は考えております。
#58
○横川正市君 ちょっと、認識がだいぶ違うのでね。私は、それほど心配しておる議会に、なぜ一つも相談をしないでやったかということをお聞きしておるわけです。その、どういう方法があろうかといろいろ考えた結果、こうやらなければならないというように、しかも緊急だという、そういう緊急性の度合いなんかについても、私は、郵政当局としては別にそれほど緊急ではなかったのではないかと思うのですがね。実際に言うならば、いままで放任しておるわけですからね。ずいぶん職員もみんなが心配し議会が心配しておるときだって、郵政当局は、一言も、こういう方法ではどうでしょうかという意見も出しておらない。だから、そういう意味からいえば、緊急性というものはそれほど私は認めるわけにはいかぬ。ただ、年次計画、五ヵ年計画として局舎にこういう計画がありますということくらいは、これは議会に報告しておいてもよかったんじゃないですか。どうですか、大臣。
#59
○国務大臣(古池信三君) 機会がございますれば、そういうような点についても、郵政事業の関係問題として委員会に御報告をいたすということは、それはやっていいことであると、こう考えております。
#60
○横川正市君 そこで、いまの局舎の転貸債のやり方なんでありまするけれども、その中で、ちょっと局長の言う、そういう報告の中で、趣旨に従って簡易保険の経営を健全ならしめ、確実で有利な方法で運用する。確実で有利な方法で運用するというのは、関係からいいますと、これは保険局が貸して郵務局が支払うという結果になりますね。郵政当局のその関係からいいますと。これは、保険局は零細な金を預けてもらって、生命の保障をする。そのたてまえからすると、確実有利に運用するという仕事をしているわけですから、一般地方債ということで肩がわりをして貸すということですね。ところが、片一方で、その目的を達するためには、どこでその目的を達せられるかというと、郵務局のいわゆる郵便収入でまかなうということになりますね、実際には。どうですか。
#61
○説明員(田中鎮雄君) 保険局といたしましては、一般の公共団体に対する貸し付けということでありまするので、相手方は地方の府県からこの積み立て金に対する融資の償還を受ける、こういうことになるわけであります。
#62
○横川正市君 これは省議できまったわけでしょう。郵政大臣も立ち会っておるわけでしょう。だから、この有利に運用して保険の運用の実をあげるためにはどうするかということは、これは郵務局が担当するんじゃないですか。
#63
○国務大臣(古池信三君) お説のとおり、この問題は省議において決定いたしました。この積み立て金の運用は、御承知のように、地方公共団体に対する貸し付けでございまするから、その貸し付けに対する債務者は各府県でございます。府県からこの運用金に対して元利支払いをするということになっております。また、有利と申しましたが、有利と申しましても、かような公共的な資金でございまするから、むやみに高利で回すという性質のものではございません。これに対しましては一定の基準がございまして、それらは資金運用審議会等において決定されたその利率によって貸すわけでございまするから、有利という点はそれで十分おわかりと存じます。また、確実という点については、地方の公共団体、府県に貸すわけでございまするから、これは確実である。自治省も同意しておってくれるのでありますから、これは確実である、こういうふうに私は了解をしております。
#64
○横川正市君 それは保険局の立場ですよ。郵務局の局舎の借り上げ料の支払いが基準になって、有利、確実というやつが最終的に保証されたんじゃないですか。
#65
○国務大臣(古池信三君) ただいまの御質問の真意がわかりませんけれども、御承知のように、特定局舎の九四%は借り入れ局舎であります。この借り入れの局舎に対しましては、妥当なる正当なる借料を国が払っておる。その借料の出どころはといいますと、これは郵政特別会計のほうから出ることも申すまでもございません。したがって、今回この簡易保険の積み立て金を最終的に局舎の改善に充てるという場合に、その借料の計算はどうかといえば、もちろん、その利率を勘案しまして、利率が安ければ安いように、これは十分その点を加味して借料を決定するわけでございまして、不当にその局長にもうけさせるというような心配は毛頭ございません。
#66
○横川正市君 郵政互助会というのは、これは職員団体が任意に財団法人を構成してつくっている、いわば積み立て会みたいなものですね。その積み立て会であっても、二十年あるいは十五年ということで局舎に投資をして、これが完済された場合には、その局舎は国に帰属するというふうになっているのです、定款で。職員で構成されている互助会が建てた局舎で、いまの局舎料で乏しい中から十五年なり二十年なりで返済してもらいますと、その二十年後にはこの局舎は国に帰属をする。すなわち郵政省に寄付するということになっております。それから、いままで公共関係の資金で建てられた普通局であっても、あるいは市町村に貸し付けて建てられた場合でありましても、同じようにやはりこれは国に帰属するということになる。それから私は、いままでの例からいくと、こういうふうに個人に貸したもので支払いが満期した場合にはそれが個人の所有になると、こういうふうに考えてやられた融資というのはなかったんじゃないかと思うのでありますけれども、この点はどうですか、前例から見て。
#67
○国務大臣(古池信三君) この運用部の資金を貸し付けて元利が返済されれば、適用の考えからいえば、それで十分目的は達したわけでございまして、元利返済の上に、さらにまた局舎まで国によこせということは、それはちょっと無理だと思います。その元利を返済すれば、それで十分に積み立て金運用の目的は達したわけでございます。
 それから、郵政互助会が建てた局舎は、二十年後には国に帰属するということは私承知しておりません。これにつきましては、ただいまその係のほうからはっきりしたことを御説明申し上げます。
#68
○横川正市君 私は、これはまあいいか悪いかは別問題として、今までの運用はそういうふうにやってきたのじゃないかと思うのです。ですから、今度の場合だけが、返済したあと個人に帰属をすることになっているのだけれども、これはいいか悪いかといえば、借りた金を払ったのだから個人のもの、あたりまえじゃないかといえばそれまでです。しかし、前例はそうじゃなかったのじゃないですかと聞いているのです。
#69
○国務大臣(古池信三君) その前に郵政互助会のほうをひとつはっきりしておいたほうが便利だと思いまするから、私のほうから説明いたします。委員長お許しを願います。
#70
○説明員(薬師寺厚君) 郵政互助会で局舎を建設しました場合は、元利が返済されましても国には帰属いたしません。互助会の帰属になります。
#71
○横川正市君 それは、私どもは定款を論議したのですからね。論議をしたときに、返済したときにはそれを国に寄付をするというふうに定款に載せたはずであります。私も記憶だけですから、これは定款を調べて返事をしていただきたい。
 そこで、これは算術上の問題だと言われればそれまでなんですけれども、私も算術をしてみたのです。そうすると、大体坪単価にいたしますと六万三千円、これを一応六万五千円と私どものほうでは計算をしてみましたけれども、今度の場合には七割貸すことができますから四万五千円です。そのほかに自己資金で他の三割を借りなければなりませんから、これは大体二万円、こいつを十五ヵ年間で払わなければならない元利と、それから年月ごとに支払いが、だんだん少なくなっていきますやつを、これを計算していくと、私の計算では、大体十二年四ヵ月で局長の借りました金は全部返済されるということになるようです。この返済されたあとの帰属は局長でありますから、局長は非常に有利な金を借りて局舎を建てたと、こういうふうになるわけです。局舎料の計算でいくとそういうことになるわけですがね。
 もう一つ私どもふに落ちかねるのは、局長の任用規程というものがありますね。これは、いま自由任用制になっているわけです。自由任用をなぜするのかと私のほうから質問をすると、郵政省では、学識経験、素封家、地域におけるいわゆる影響力を持った著名人、そういうことで、事業の運営にそういう人たちから名実ともに事業に貢献をしてもらう、こういうことが局長任用の、自由任用の目的と、変えられない理由になっているようです。そうすると、一体、このいま言ったような有利な局舎料で、十五年で払えばいいものを、実際上局舎料で払っていきますと、十二年四ヵ月で払ってしまえるような、そういう有利な局舎料で金を回すということは、その意味からすると、どうも自由任用の趣旨とも違いますし、それからもう一つは、郵政省が国営局舎を建てるのに、年次計画を、たとえば十五年でなくて二十五年というふうに計画を立てた場合には、私はもっと局舎の建設計画というものは進捗するのではないか、こういうふうに思っております。その点は一体どういうふうに計算をされてこの緊急暫定処置というものをつくられたか、ちょっと計算づくでいきますと、ふに落ちかねるわけなんですがね。
#72
○国務大臣(古池信三君) ただいまの御試算なさった中で、郵政省からこの資金をもとにして七割借りて建てた局舎に対して国がどれだけの借料を払うかということが、どういう計算になっておるか私は存じませんけれども、その借料によりまして、いまのことは非常な変わりが結論としてくると思います。私どもとしましては、そういう場合の借料は、決して局長に不当な利益を与えるような意味においての借料はきめることはいたしません。必ず妥当な借料をきめまして、不当に局長が利益することはございません。
 なお、計算の詳細につきましては、事務当局から説明をさせます。
 それからもう一つ、任用問題についてのお尋ねがございました。私も、ちょっとそういう問題をやはり知っておきたいと思いましたので最近調べたのでございます、自由任用というものはどうなっているかと。これは、御承知のように、いろいろ歴史的な制度でもありまするし、ともかく地方の局長として十分に部下を統率し、公共事業を負担するにたえるような適任者から起用するというのが自由任用の趣旨であろうと存じます。そこで、とかく世襲ということがよく言われておるのでありますので、どんなふうな割合になっているかというようなことを調べてみました。三十五年、六年、七年と調べましたが、大体同じような傾向でありますけれども、最近の三十七年度の分をちょっとここで申し上げてみたいと思います。
 三十七年度に任用した局長数は六百六十二名でございます。その中で、要するに、部内におって部内の経験を積んだ経験者というのが五百八十九名でございます。そして全然今まで部内に関係がなかった、部内のいろいろな郵政の仕事は知らないかもしれぬけれども、局長として十分な人格、手腕があるという意味で任用したのが七十三名でございます。これをさらにもう少し詳しく調べまして、要するに、局長がなくなった場合のその配偶者、それからむすこ、孫、というような四親等内の血族及び姻族と、こういうふうな範囲のものを取り上げて調べてみましたら、六百六十二名の中で二百二十名、三三%がそうなっております。その二百二十名の中で、一体経験があるかないかという点から調べてみましたところが、部内におって部内の仕事の経験を持っておるというのが百九十八名でございます。全然経験のなかったというのが二十二名でございます。すなわち、全体の六百六十二名の中で、かような世襲的といわれる、経験のない人を採用したというのが二十二名でございまするから、きわめて数からいいまして少ないということをこの際御参考までに申し上げておきたいと思いす。
#73
○横川正市君 いまの大臣の資料で、私は何も説明を求めたわけじゃないのです。自由任用というのがなぜ必要かといえば、説明の中に、地方における素封家であるとか、著名人であるとかという、郵政事業に貢献をする人ということで残っているのだと、こういうふうに言われているが、その貢献という問題からいっても、局舎料の支払いというものの中には貢献というのがないじゃないかと、こういうふうに計算ずくでやったらこうなったと、計算の問題を話したわけです。資料をもらってあったから説明をしたのだろうと思いますけれども、いまの私のほうの資料では、局舎の借り上げについては地代は入っておりませんで、三十九年度の単価算出が郵政省予算の要求書によれば七百九円になっておりますから、それを根拠にして私のほうで計算をいたしました地代は二百五十一円、火災保険が二十六円月額、九百八十六円ということであなたのほうでは賃貸料を計算しているようです。これは予算書ですから間違いないのじゃないかと思いますが、その計算でいくと、事実上いわゆる個人資金を銀行から借りることにして、銀行利子を年一割と見て、なおかつ十二年四ヵ月で支払い完了と、こういういわば安全で有利な資金の回転を保証しているのじゃないかと、こういうことを運用資金で私は計算して出したわけですから、事実はどうか、それぞれ違いがあるかもわかりませんが。
#74
○国務大臣(古池信三君) ただいまの問題は、これは非常に計算の大事なことでございまするから、私もそこまでいまは計算しておりませんので、経理局長のほうから説明させていただきます。
#75
○説明員(薬師寺厚君) ただいまの先生の御質問でございますが、家賃で建築費だけを償還することにいたしますと、たしか計算どおり十二年何ヵ月くらいになるはずでございます。ただし、それは修繕費その他を含んでおりませんから、修繕費その他を考えますと、十二年その他で完全にただになるということにはならないかと思います。
 それから十二年ぐらいで元利が戻るというのは、一般の民間の借料の場合ですと、決して有利とは申せないで、大体妥当な線だと私ども存じております。
#76
○横川正市君 国でやって――私どもは何も、第三者の請負者にもうけさせたり、借家業をやっている者に金をもうけさすということで計算しているわけではない。あなたのところが局舎を建てたらどうなるかということを計算しておる。だから、そういうよけいな説明は必要ないと私は思う。少なくとも、年次計画で八ヵ年計画を遂行する計算は、あなたのほうでは、単価幾ら、金利幾らで計算して、ちゃんと出ているわけでしょう。どこかビル会社からビルを借りて、計算してみたらこれだけもうかっていますという計算をするわけではないでしょう。
 それから修繕費ですけれども、十二年四ヵ月しかたたないものに、どういう修繕があるわけですか。私は少なくとも、次の段階で質問したいと思っておったのは、いま特定局舎が坪単価幾らで建てられていると思いますか。特定局長の建てておるものは、私に聞いたのでは、坪単価三万二千円で建てている局舎がありますよ。それをあなたのほうでは、予算上の計算でいくと六万三千円だから、六万三千円に計算して局舎料を払っているんじゃないですか。そういう事実というのは、実際にはどうするのですか。
#77
○説明員(薬師寺厚君) 局舎料の局舎の単価につきましては、図面、仕様書によりまして、地方の建築部で審査して、それからきめておりますから、予算単価とは違いまして、実情に沿って家賃を算定しております。
#78
○横川正市君 それはあなたのほうの理屈を認めておきましょう。しかしあなた、特定局長会が金を貸しておるやつで、実際にあなたのいうような予算単価ないしは建てられた実情に従って局舎料が払われていると思ったら間違いです。私どもは全国を回って、その局舎について全部見て歩いているのですから、少なくとも私の場合には、東日本の場合には全局回っているのですから、そういう実情から、私もあなたの説明に反駁できる材料は幾らでも持っております。ただ私の言いたいのは、こういうふうに計算ずくでできるものがなぜ個人に貸しつけてやらなければいけないか、ここが問題なんですよ。これは国会でもしばしば論議をされたように、大臣は自由任用については事実上ないにひとしいパーセンテージだと言っておりますけれども、いままでの紛争の一番土台になっているのは任用の問題で、やはり自由任用の問題ですよ。これは長い年月をかけてやってきた、そうして自由任用が帰結するところでぶつかったのが、私有局舎か、公有局舎か、国有局舎か、というところにぶつかって、しかしいままで一応小康を保っておったのです。たまたまこの三億円の個人貸し付けの問題が出てきて、再びこれが再燃をしているわけです。いまあなたのほうでは、事実上それは時代のズレで、昔のような特定局はない、こう言っておるようでありますけれども、大臣、あなたはこの二万人の未組織の組合員はどこにいるか知っていますか。たとえば東京都内におけるところの未組織組合員、組合という恩恵に浴さない組合員、組合をつくることを押えられている組合員、自由に意思を表明できない郵便従業員、これは全部特定局ですよ。しかも無集配局です。あなたの職員の中に、未組織の二万人というのは、自由で組合に入っていない者はそのうちのおそらく五%か三%でしょう。あとは全部上からの影響力で、組合を結成することも、加盟することも、これを制限をされている職員ですよ。あなたのほうでは、組合が弱ければ弱いほど、事実上問題の解決に効果があるかもわかりませんけれども、私はそれは民主主義に逆行だと思うのです。やはり組合というのは、つくらすような環境の中から自主性を持たせていくものだと思うのです。しかし、もうすでに二十年たっても組合に一回も入らないという職員がいますよ。それはどこかといえば、全部それは特定局の、しかも末端局でしょう。だから、自由任用の問題でいまもって組合が二十年来スローガンがおろされないというのは、そこに原因があるのです。千人のうちに一人か二人だからよかろうといって捨てられないのが組合なんですよ。一万人の中で二人か三人でも、これは何とかしなきゃいかぬといって心配するのが組合なんですよ。そういった点をもう少し理解してもらわないと、私はこの問題の根本的な解決に情熱がわいてこない。
 そこで、大臣にこの問題で、一体計算ずくでいけば、国営局舎――私はもっと拡大して言いますと、局長の私有局舎でない意味における他の方法ならばいろいろあろうと思います。たとえば、市町村共有とか、あるいは何らかの団体の所有であるとか、そういう私有局舎でない、そういう方法での金の貸し付けについてならば、私はあえてまた別な考え方を持っておるわけなんですけれども、いま言ったようなこういう返済の方法その他からいってみて、あるいは局舎管理その他からいってみても、十分に郵政省建築部が目の届くような、そういう意味での局舎の建築については、ひとつ想を練って新たな発足をするという考え方はないですか、どうですか。
#79
○国務大臣(古池信三君) 私は、こういう問題についてそうこだわった考えを持っているわけじゃないんです。ただ、実際に即して最も妥当適切である。また、郵政事業もこれは事業の経営ですから、あまりに不経済なことがわかり切っているのにやるわけにはいきません。やはり経済的にもよろしいし、能率もあがり、また、地元の人にも喜ばれると、そういうふうないろいろな観点から見て、最も適切な最良の案があれば、どしどし私は採用してまいりたい。そして、一つの型にはめて、これは私有でなくちゃならないとか、あるいは全部国営でなくちゃならないとか、そういうことを極端に私は言うものではない。やはり地域によって、場合によれば、東京都内の繁華な所などはこれはとうてい私有で局長が局舎を建てるなんということはできませんから、これは大きなビルディングができれば、そのビルディングの持ち主に交渉して、その一角を貸してもらうというふうに、これは臨機応変で、その土地柄を選んで最も適切な方法を考えていかなくちゃならない、こういうふうに考えております。したがって、いま例におあげになりましたような、たとえば村当局が、ひとつ局舎は村のほうで建設して提供したい、どうかひとつ国はこれを買い上げて使わんかというような御意見があれば、それも私は決していなむものではございません。その点は御了承をいただきたいと思います。
#80
○横川正市君 まあこれは長い懸案の問題で、乏しい金を積み立てた中から互助会が局舎建築に乗り出したのも、そういう意味があるわけです。それを十分郵政省は知っておるのですから、今度の場合なんかももう少し慎重にやって、紛争が起きない方法というものは、事前に十分に協議すべきだったと私は思うのですよ。しかし、できてしまったことですからやむを得ませんけれども、ただ、今度のこの運用で、どうしても私がふに落ちかねるのは、なるほど運用法第三条三項によりまして、起債をする自治団体の一つの基礎というものはこの中にあるように思われるのです。それから実際上は運用の中で、三条の三号は、「地方公共団体その他政令で定める公共団体に対する貸付」、こういうふうになっていて、地方財政法の五条の二号に「出資金及び貸付金の財源とする場合」云々、こういうふうに起債の処置ができておりますから、郵政としてはこの運用法と地財法の関係で、地方団体に金を融資することは、起債を認めて、その起債に対する融資をすることはできると思うのでありますけれども、これを個人に貸し付けるという方法ですね、住宅公団のような場合とか、そのほか個人貸し付けの実例というものはないわけではないわけですね。公益質屋の資金の場合とか、医療公庫であるとかいうように、一つの融資はあるわけですけれども、どうなんですか、これは実際上は郵政省の機関の中ですね。特定局長というのは全然別個のものじゃない、公務員ですからね。その公務員に個人貸し付けをするというのは、これは運用法という法の立法のたてまえからすると、違法とは言えないかもしれないけれども、いささか解釈に無理があるのじゃないかと私は思うのですけれども、大臣はやったほうだから、おそらく無理ありませんと、こう答えるだろうと思いますが、私は法制局の見解を聞いてみたら、この法律の制定当時の趣旨、それからその後運用拡大等によって一部修正、そういう一連の議会で審議をした経過から見ると、この方法はいかにも無理があるようだ、違法だとは言えないけれども無理がある、こういうふうに法制局では言っておるようです。一体、個人貸し付けというかっこうからすると、たとえば今度は、特定局長でなくても、個人であっても、あなたのほうでは、いまのままでいけば起債することを認めることはできるわけですけれども、そういう貸し付けについては、いわゆる運用法の完全で有利な場合ならばやる、こういうことでやるのですか。それとも今回のやつは、これは異例なんですか、個人貸し付けという点では。どういうふうにお考えですか。
#81
○説明員(田中鎮雄君) 簡易保険の積み立て金を直接個人に貸し付けるという場合は、これは契約者貸し付け以外には許されておらないところであります。今回は地方公共団体を通じ、地方公共団体が個人に貸し付ける、こういうたてまえに立っておるわけでありまして、ただいま御指摘の特定局長と申しまするか、今回の貸し付けを受けるものは、特定局舎の所有者ということでございまして、特定局長に限定しておるわけではございません。特定局長が局舎の所有者であるという場合ももちろんございますが、その際は一私人の立場に立って融通を受ける、こういう解釈に立っておるわけでございます。
#82
○横川正市君 だから、それは個人でしょう、私人でしょう。だから、私人であっても、地方団体があれする場合は貸し付けるわけですね、これからも起債措置ができれば。
#83
○説明員(田中鎮雄君) 局舎の所有者であれば貸し付けを受けることができるわけです。
#84
○横川正市君 私は、局舎がよくなることについて反対しておるようにとられる質問になるから差し控えたいのですがね。その郵便局の機構の中の一端を占める者にどうしてこう回りくどい方法をとらなけりゃ実際上貸すことができないんですか、それがどうも私にとってはふに落ちかねる一つなんですよ。もっと端的に、局舎の改善については、別途郵政省では抜本的――といってもいろいろ資金の問題であろうから、年次計画の中で千局や五百局ぐらいのものを、ふやせるような予算というものを組み込めないということは私はないと思うのですよ。それを、運用法のたてまえからいえば、法律の制定当時の状況からいっても無理しているというふうに見られるような方法をとって、それを私人、いわゆる局舎を所有しておっても私の人に金を貸し付ける、こういう無理な方法をなぜとらなきゃいけなかったのかという点で非常に私は疑問なんです。これは大臣は通達を出してしまって、通達撤回なんということになればたいへんだからというので、盛んにまあ正当正当と、正当性を発揮しているけれども、私どもは、これは大臣御案内のように、運用権を郵政省に持ってくるときからの関係者なんです。私は、だから運用権がきて完全有利に運用されることについては、これはもう運用拡大を一生懸命やろうという、そういう立場の者なんですよ。しかし、この特定局舎になぜこういう無理をして貸すのかという疑問を、そういう立場であっても持つんです、実際にね。こういう無理な方法ではなしに、もっとすなおに局舎を建ててやれないか。――実はこれは、私が最初に大野勝三さんが次官のときに、この問題で話し合ったことがありました。そのときに大野勝三さんは、局舎の借用については郵政省が責任を持っているのであって、局長個人の意思によって貸す貸さないということについては、これは左右されませんと、非常に明確にこれは答弁をして人事院にその回答を出しているわけです、当時の状況でですね。だから私は、そういうふうに明確に、いわゆる国の仕事をしている特定局の末端業務という形からいくならば、こういうことはやれなかったのかと思うのです。たとえば土地は局長の所有だけれども、お前のところはずいぶんきたなくなったからひとつ建てかえてやると、しかし土地の借料はお前のところの土地だから払ってやろうと。そのうちに、局舎は十年も二十年も動かないんですから、だから土地はひとつ郵政省買ってくれということになれば、郵政省はそのときの相場で土地を買ってやると、こういうことででも、もっとあなたのほうの立場というものがはっきりしていれば、局舎を建てることについては一向かまわないのじゃないか。しかも、いま言ったように、局舎料で十五年かからない、十二年四ヵ月で払えるような、そういう仕組みを裏でつくっておいて、そうして今度は個人に金を貸してやって局舎を建てさせるなんという、そういうめんどくさいことをしなくてもいいんじゃないかと、私はそう思うのです。だから、その点はまあ法律、無理でないとおそらく返事をするでしょうが、一体これは実際問題として、私どもはこれを手がけた立場からすれば非常に無理な解釈だと思うのですけれども、その見解もあわせて御返事いただきたい。
#85
○国務大臣(古池信三君) 法律の解釈につきましては、これはまあいろいろ見解があると思います。私は無理ではないと、この法律を適用して差しつかえないと、こういう考えで各省とも協議をして実行に移したわけでございます。
 それからもう一つ、いま例にお引きになった、たとえば地方の局長が、土地も持っておる、局舎も持っておる、しかし局舎が古くなった、改築をせねばならない、そこで、まあ土地のほうはひとつ妥当な地代でそれじゃ国に貸すことにしましょう、建物も自分で建築するのもめんどうだから、国のほうでひとつやってもらえぬか、こういうような局長のほうからの御希望があれば、私のほうは予算の許す限りにおいてそれに応じて、そういう局舎をどんどん建てていくということには少しもやぶさかではございません。ただ、こういうことだけひとつお考えを願いたい。それは先ほども申しましたが、郵政事業も事業である限りにおいては、できる限り経済的ということを考えなければならない。それから郵便局の所在地というものは適地でなければならない。あまり村の中央からはずたような所に郵便局があっては、地元の人に非常に御迷惑なわけであります。その土地を国有で建てようとなれば、まず土地を物色しなければならない。その土地が幸い中心部にあればよろしいけれども、へんぴな所にあっては困る。また、新たに土地を買い入れようとすると、御承知のようになかなか地価が高い。まずそれから相当な経費を計算に入れてかからなければならない。国で建てる場合は十割全部国の予算でまかなわなければならないことも申すまでもありません。それに比べますと、現在の局長なり、あるいは現在の局舎の所有者が、この簡保の資金を借り出して建てるということになれば、まず土地については心配がない。現在適当な所に建っているわけでありますから、その土地を利用できる、こういう有利な点が一つありますし、また、そういう場合には、先ほど申しましたように、予算では七割だけ貸せばいい、あとの三割は局長のほうがくめんをしてつくるということでありますから、予算からいいましても、十割心配せねばならないのに比べまして、七割で済むといえば、それだけの金でよけい局がたくさん建つと、こういうことでございますから、そういう経済性ということもひとつお考え願いたいと思います。
#86
○横川正市君 まああなた、やったほうの立場からすれば、そういうことを言うかもわからないけれども、私どもいま年賀が吹っ飛ぶかどうかという紛争の問題を土台にして、その解決を一つの方途としてこの問題を考える立場とだいぶこれはかけ離れているようですね、実際には。ただしかし、私どもが少なくとも二十年来の問題として考えてきたものを、非常に安易に考えて実施に移されたことについてば、きわめて残念に思っておりますがね。そういう立場から話をしているのでありますけれども、経済性の問題とか、それから有利の問題とか、こういうことになれば、どちらが経済的でどちらが有利でどちらが実際効果があるかということについては、もう少し私は検討する余地があったのではないかと思っているわけであります。ことに実際上七割貸せばいいのだと、こう言っておりますけれども、局長はあと他から金を借りても有利に回るわけですからね。郵政省から借りてやってもけっこう有利に回るということです。だから、決して字づらの上で出てきたもので私どもはどうこう言うのじゃない。ことに局長の借りた金は、あとの三割については、一割の利子を払うことに計算しても十二年四ヵ月で返すということになるわけですから、その点では私はどちらが有利かどちらが損かということは、もう少しあなたのほうでも検討してみる余地があると思う。
 そこで、実際上の貸し付け事務の中で、これは事実はどういうふうにやられるわけですか。たとえば三条三号に該当するから地財法によって起債をしてもらう。その起債されたものは他の一般起債財源と同じように取り扱われる、こういうことになるのでありますけれども、その取り扱いを郵政当局では事実上これは検討されたと思うのですが、私はこの取り扱いについてはちょっと異議があるわけです。それはこの地方財政法の十二条に、「地方公共団体が処理する権限を有しない事務を行うために要する経費については、法律又は政令で定めるものを除く外、国は、地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてはならない。」、その2に、「前項の経費は、左に掲げるようなものとする。」「国の機関の設置、維持及び運営に要する経費」、こういうふうになっているわけですが、この実際上いま起債をされたものを局長に転貸債を認めるいわゆるこの経費、事務、まあ機関の設置というけれども既設の機関が行なうのでしょうが、維持及び運営については、これは行なわせてはならない、こういうふうに地方財政法の十二条に規定をされているのでありますけれども、それとこの貸し付け事務との関係はどうお考えになっておりますか。
#87
○説明員(田中鎮雄君) 私どもの考えといたしましては、今回の措置につきましては、十二条の適用はないという解釈に立っております。で、地方自治法の第二条に、地方公共団体のまあなすべき仕事、いわゆる公共事務というものが規定されておりまして、今回はいわゆる公共性のある郵便局舎というものを改善する、それによって地域住民の福祉の増進をはかる、こういう意味合いから第二条に規定された公共団体のまあなすべき仕事という中にこの今回の措置も入る、したがいまして、十二条の適用は受けない、こういう考えでおります。
#88
○横川正市君 受けないというのはあれですか、あなたのほうではそれぞれの機関で検討した結果ですか。
#89
○説明員(田中鎮雄君) これは関係省とも十分打ち合わせの結果でございます。
#90
○横川正市君 これは私は、法律というものはつくられるときの趣旨と運用にいってから――裁判所もそうですけれども、いろいろ解釈を変えてしまうことをかってにやられるので非常に問題だと思うのでありますけれども、その問題の第一は、一体この郵便局舎というものがそれほど公共性に富んでいるものならば、どうしてこの私有というかっこうで提供するというそういう措置をいつまでたっても直さないのですか。私はもうそろそろこれは直すべきだと思うのであります。と同時に、いま大臣が言われたように、実際上局舎が狭隘、老朽化して建てられなくなった所に建てても、もう坪数は不足しておりますよ、どこへ行っても。そういうところは窓口事務はできましても実際の郵便事務はできなくなります。だから、ほとんどの地方都市における局舎の改築というものは別に土地を求めて建てておりますね。これはもうおそらく例外ないと思うのです。これは建築部長から報告していただいてもいいんですけれども、単なる三人か五人の無集配局ならば実際上現地に建てられている場合もありますけれども、集配局以上である場合には、そのほとんどがかえ地で、他に土地を求めてそうして建てられておりますよ。だから、この郵便局舎は、私有財産であって土地を提供するということは非常に困難になってきておりますよ。北海道なんかの場合にはほとんどないですよ。全部公共有か国有化しておりますよ。もう例外というものはおそらくないと思うのですね、郵便局舎は、いわゆる集配局の場合なんかは。それは何かというと、もう旧局舎のあとに新局舎を建てても、狭隘で郵便事務がとれなくなっている所に現在の局舎が建っているからなんです。そういう意味からいってみても、これは現実に即したものだ、こういうふうには私は思わないのです。
 それから、それほど公共性の高い郵便局舎ということで地方自治体に対して経費の負担その他をさせてもそれはいいんだというそういう法律の解釈というものは、私は、郵便局は金を貸す立場からどうかと思いますけれども、少し独善じゃないかと思うのですね、十二条のあれからいけば。少なくとも二項の経費の負担というものを地方自治体にさせるわけでしょう。まあこれは法律論争ですから、きょうはここで違法だ、違法でないと言ってみても仕方がないから、さらに検討はいたしますけれども、こういう十二条の関係について私はやはり今回の個人貸し付け――ことに公共性のあるといっても私人に対する貸し付けですから、その点では大きく問題が残る、こういうふうに考えます。さらに私どもは、地方自治法の二条九項の中に「普通地方公共団体は、次に掲げるような国の事務を処理することができない。」、これはまあ郵便の受け渡し、配達等の事務と、こういうふうに私設郵便局のことをいっているんだと、こういう意味もあろうかと思いますけれども、同時に私は、公共性の強い――いわゆる今度は逆な意味で公共性の強い郵便局舎という問題について、あまり地方自治団体に負担をかけるということは好ましいことじゃないんじゃないか、こういうふうに思います。実際上はやはり法律をあなたのほうでは拡大して解釈し、狭義に解釈して、あっち抜け、こっち抜けして抜けていった実施ですから、説明は一応立つようにはできているとは思いますけれども、実際上の問題とすれば、いかにもこの法律は、さきに言ったように、立法の当時から勘案してみても少し無理があるではないか、こういうふうにいわれる点が随所に私は出てくるように思う。こういう点をいまの現実の労使間の紛争の問題とあわせて勘案してみて、一体この問題がこの紛争を起こして、これがメンツの問題だからどうしてもこれを認めなければ問題は解決をしない、こういうような重大な問題として郵政省で取り上げるにしては、いかにも内容としてはずさんじゃないか、私はそういうように考えております。ただ、いままでいろいろ申し上げた点についても、なおかつこれから論議をしなければならない点もありますし、できれば私どもは法律改正の手段も即刻手続をとりたいというように思っておりますけれども、いろいろな点で釈然としない多くの問題があり、しかも、その背景には郵便局が郵便の取り扱いをしないなんということが、これは世の中で通るなんということはないわけですから、どんな問題を処理しても、郵便は郵便局が取り扱って成規の約束どおりに配達をするというのが、これは私はあたりまえだと思うので、その方向に従って問題の解決に努力をされるように強く要望をいたしておきたいと思う。なお、問題は他に残りますが、私の質問はきょうはこの程度にとどめておきます。
#91
○野上元君 先ほどの大臣の所管事項の説明の中で、さらにまたふえんして説明があったのですが、その中で期末手当については、全特定労組及び全郵政労組と妥結したんだが、全逓とはまだ妥結しておらない、したがって、まだ紛争状態にあることはまことに遺憾であると、こう言っておられたんですが、原因は何ですか、交渉が進捗しない原因は。
#92
○国務大臣(古池信三君) 私が考えまするところでは、その原因は、組合側の団体交渉としての要求の中に、経済関係あるいは労働条件等の改善という問題以外に、特定局舎の改善問題というのがあげられておって、この問題について組合の主張を省側がいれなければ、いつまでも交渉は妥結をせぬということを宣言しておられる。そこに今日のこの事態のネックがあると私は承知をいたしておるのでございます。
#93
○野上元君 そうしますと、いま問題となっておる特定局長に融資する問題についても、話し合いはしておるけれども、全逓の要求を郵政省がいれることができないのでぶつかっておるのだ、こういうふうに解釈してよろしいですか。
#94
○国務大臣(古池信三君) そうではございません。私は、初めから特定郵便局舎改善の問題は、これは管理運営の事項であって、団体交渉の対象になるべきことではない、団体交渉の対象になるべきでないことを団体交渉に持ち込んでこられるから、それにはこちらは応ずることができない、ほかの経済問題あるいは労働条件に関するような問題については、すべて誠意を持って促進しましょう、こう言っておるわけです。
#95
○野上元君 そうしますと、特定局舎の改善の問題は、これは団体交渉事項ではない、管理運営事項である、したがって、交渉には応じられない、こういう考え方を持っておられるわけですね。そこで、聞きたいのですが、管理運営事項というのはどこできめたのですか。政府の統一見解ありますか。
#96
○政府委員(増森孝君) ただいまの大臣の御答弁をちょっと補足させていただきますが、組合、全逓の主張いたしますのは、この転貸債の次官通達を撤回しない限り、その他の経済問題は同時解決ということで解決しない、別な言葉で言いかえますならば、次官通達を撤回しない限り、その他の項目は妥結しない、こういうふうに申しておるわけです。
#97
○野上元君 そうしますと、大臣と事務当局とのいわゆるこの問題に対する認識は明らかに違っていますね。大臣は、この問題は管理運営事項であるので、その交渉の内容はいかなるものであってもそれはもう交渉に応じられない、こう言っておるが、増森人事局長のほうは、そうじゃなくて、通達を撤回しろ、こう言われるので交渉に応じられないのだと、こう言っておられるのですが、その点の意思の不統一があるように思うのですがその点はどうでしょう。
#98
○国務大臣(古池信三君) 人事局長と私とは表現の相違はありまするけれども、内容については何ら変わるところはございません。私が申しましたのは、管理運営の事項についてすでに決定をしたこの問題、すなわち、決定をしたということは、私が決裁をしまして通達を出した、それを取り消さないことにおいては、ほかの経済問題等が妥結しても長期闘争を解かないと、こういうふうな態度は困る、こういうことを言っておるのでありまして、ちっとも意見の相違はございません。
#99
○野上元君 どうも私は違うと思うのだが、言い方が……。管理運営事項であるから一切交渉に応じないというのと、管理運営事項であって、しかも、あなたがすでに決裁をしておる問題だから応じられないのだ、未決裁の問題であるならば、それじゃ管理運営事項でも交渉に応じられるのですか。その点はどういう見解ですか。
#100
○政府委員(増森孝君) 私どもといたしましては、全逓のほうでは、そういう管理運営事項のものをからませまして、そしてその他の交渉項目を同時に解決したいという条件づきにしているということを御説明したわけでございます。
#101
○野上元君 あなたのほうがはっきりしなければいかぬですよ。管理運営事項であるものは一切もう交渉に応じぬ、内容はどんなものであっても。また、あなたが決裁しておろうが、未決裁のものであろうと、管理運営事項は一切やらぬというのか。それともいま人事局長が言うように、一緒にからませてくるというようなやり方をやるから困るのだ、こういう表現を使っておるのだが、一体どちらがほんとうなんです。
#102
○国務大臣(古池信三君) 公労法にもありまするとおり、管理運営に関する事項は、団体交渉の対象にしてはならぬと、こうなっておりますから、そういう問題は団体交渉の対象にしてもらっては困る、こう言っておるわけであります。
#103
○野上元君 そうしますと、管理運営事項の解釈というのは、政府で統一した見解がありますか。どういうものが管理運営事項であるか。
#104
○国務大臣(古池信三君) 統一したということは私もなんですが、この郵便局舎を管理し運営する、これを経営するということは、これは当然経営者の管理運営に属する事項であることは明らかであると思います。
#105
○野上元君 そうしますと、ここ二、三日来の新聞をごらんいただけばわかるのだが、国鉄の中に動力車労働組合というのがありますがね、これがいま当局と交渉しているのですが、この内容を見ますと、機関区の統廃合について団体交渉が行なわれております。そうして、いま交渉がデッドロックに乗り上げておる。この機関区の統廃合については、これは管理運営事項ではないですか。はっきりしてもらいたいのだが、政府の見解を。
#106
○国務大臣(古池信三君) ただいま御指摘になりましたことは、私、事情を詳しくいたしませんから、特に他省の関係でありますから、私としてここで発言することは困ると思います。
#107
○野上元君 そういうふうにあなたは逃げられるけれども、国鉄は、機関区の統廃合という重大な問題について、これは明らかに管理運営事項ですよ、機関区をここに置くとか、ここのやつを廃止するとか、あるいはこれを統合するのだということは。これは明らかに運営権の一部に属するものです。それにもかかわらず、やはり年末のいわゆる交通ができるだけスムーズに行なわれるためには、当局は踏み切って交渉に応じておる。そういう努力が必要なんですよ、あなた方には。いまあなた方は、年賀郵便が吹っ飛んでも労働組合がこの問題をあくまでも固執するならそれは組合の責任である、年賀郵便は吹っ飛んでもよろしい、こういうふうに新聞で談話が報道されておりますが、それはむちゃくちゃですよ。あなた方は郵便事業を運営する責任者なんですから、その責任者が郵便事業を放棄するような談話を新聞に発表されるというのは、それはもうむちゃですよ。しかも、国鉄なんかそれをやっているじゃないですか。管理運営事項を、なぜ郵政のみがこの問題について話し合いができないのですか。話し合いをすればこの問題が解決できるかもしれない。それを全部初めからやらない。そして年賀郵便が飛んでもやむを得ぬ、こう言うのです。そういう考え方がはたして正しいかどうか反省してもらいたいですね。どうですか、その点は。国鉄のやっていることは誤りだ、あれはやめてもらいたいといって郵政大臣は総理大臣に言われますか。あれをやっておるうちはわれわれも管理運営事項としてがんばるわけにいかないのだ、したがって、国鉄のほうをやめさせてもらいたい、でなければ、郵政も管理運営事項であるけれども交渉をやりますぞと、これくらいのことは言ってもいいじゃないですか。どっちにしますか、あなたは。
#108
○国務大臣(古池信三君) ただいま申し上げましたとおり、国鉄のほうがどういうふうな関係でいま交渉をなさっておるか、その詳細を私は知悉しておりません。したがってここでとやかく申し上げることはできません。
#109
○野上元君 そうすると、あとであなたはこの事実を調査されて、明らかにその問題について団体交渉が行なわれておる、こういう現実をつかまれたら、いままでのあなたの考え方を変えますか。
#110
○国務大臣(古池信三君) はっきりと公労法におきまして、管理運営事項は団体交渉の対象にすることはできないと、こう規定されておりまするから、今日国鉄でやっておられることも、その法律に違反したようなことはやっておられないだろうと私は考えております。
#111
○野上元君 それでは、私がかつて全逓委員長をやっておるときに、この問題につきまして村上郵政大臣と徹夜で交渉をして妥結したことがあるのです。そして年末の問題を解決した経験を持っていますが、その村上大臣がとられた行為は明らかに違法であったと言われるのですよ。いまそういう解釈に立っておられるのですか。
#112
○国務大臣(古池信三君) その当時の交渉がどういう交渉であったか、徹夜でおやりになった内容について、私は詳細な正確なことを存じません。
#113
○野上元君 これまた私の全逓委員長時代の経験ですが、当時私は公労法に認められた組合でない、したがって、全逓の幹部と会ってはならぬという政府の統一見解が出されました。そして長い間そういう状態が続いたのですが、いよいよ年末の繁忙期を迎えて、当時の寺尾郵政大臣は私と会見された。そしてこの年末の問題を解決したのです。そういうやり方は今日ではやりたくないというわけですか。そういうことは誤りであったということですか。あくまでも管理運営事項はやるべきではないんだと、それは年賀が飛んでもやむを得ないんだと、こういう認識に立っておられるかどうか。
#114
○国務大臣(古池信三君) その当時の大臣がどういうことをやられたか、私も具体的に正確なことは存じませんが、それは、その当時の大臣としての責任において、その見識においてとられたことであろうと思います。私は、今日年賀郵便がおくれてもいいと、かまわないということはどこでも申したことはございません。ただ、こういう問題によって郵便がおくれるということははなはだ残念なことである。自分のほうも譲り得る点はもう極力譲るから、組合側のほうでもどうかひとつ良識ある態度をもってひとつ協力してもらいたい、そして、そのような不祥な事態の起きないように最後まで努力をしてもらいたいということを何度も呼びかけておるわけでございます。
#115
○野上元君 そこで、私もあなたにお願いしたいのですが、とにかく年賀郵便を配送するということは、郵政事業にとって最大の任務なんです、毎年のことなんですがね。かりにストップするというようなことになれば、大臣以下事務当局全部責任をとってもらわなければならぬです。それほど重大な問題です。かりに労働組合との間がこじれたとしても、そのことが現実に年賀郵便をおくらすということになれば、これは重大な責任です。これは今回だけに限ったことじゃないでしょう。毎年郵政省は経験されておるのです。そして、困った困ったで、最後にはしかし常に解決をしてきたんです。だから、われわれも非常にそれを期待しておるのです。まだ時間があります。どうかひとつ年賀郵便を配送するためには、あなた方総力をあげて解決に努力してもらいたいと思う。私たちもまた側面からあらゆる援助は惜しまないつもりでいる。しかし、あなた方のほうであまりにもかたくななことを言われておると、この問題の進展はないんですよ。しかも、あなたの腹一つによって、いまあなたみずからが言われたように、当時の大臣の決意によってやろうと思えばできる、こう言っておられるんですから、あなたが最高の責任者なんですから、ひとつあなたが決断を下してやってもらいたいと思う。と同時に、この特定局の制度の問題について、これは長年話し合いをしてきているのです。そうして、いつもトップ会談をやっておったのでは、なかなか微に入り細にわたって検討ができないから、両者から専門委員を出そうじゃないかといって専門委員会をつくったことを覚えている。これは今日まで生きていると思う。その専門委員会でこの問題について検討を続けてきておったのですから、それを突然、あなたのほうから全然この専門委員会には何らの相談もしないで、管理運営事項であるからといって、一方的に出されたところに問題のこじれた最大の原因があると思う。その点もやはりあなた方もひとつ反省してもらいたいと思うのですよ。全逓と話し合いをしても、頑強でなかなか受け付けないだろうといって、初めから食わずぎらいで交渉にも入らないというようじゃ話にならないですよ。努力すれば必ず私は道が開けると思う。労働組合といえどもやはり大衆に対して責任を負っているのですから、このことは常に指導者も考えているはずなんです。したがって、そこでいつも妥協ができたわけなんです。妥結点を必ず見出したのです。今回もぜひそういう点でかたくなにならないでやってもらいたいと思います。その点についての心がまえを大臣どうですか。
#116
○国務大臣(古池信三君) やり方についてはいろいろあると思いますけれども、要するに、この年末の混乱あるいは年賀状の遅配というようなことをできるだけなくするように、労使ともにこの問題の処理に努力をするというそのいまのあなたの御精神に対しては、私は全く同感でございます。
#117
○理事(寺尾豊君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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