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1963/12/12 第45回国会 参議院 参議院会議録情報 第045回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
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1963/12/12 第45回国会 参議院

参議院会議録情報 第045回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

#1
第045回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
昭和三十八年十二月十二日(木曜日)
   午後一時十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長     小柳 牧衞君
   理事
           後藤 義隆君
           館  哲二君
           成瀬 幡治君
           中尾 辰義君
  委員
           郡  祐一君
           増原 恵吉君
           林  虎雄君
           市川 房枝君
           基  政七君
  国務大臣
   自 治 大 臣 早川  崇君
  政府委員
   警察庁刑事局長 日原 正雄君
   自治政務次官  金子 岩三君
   自治省選挙局長 長野 士郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法改正に関する調査
 (衆議院議員総選挙の実施状況等に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小柳牧衞君) それでは、これより委員会を開会いたします。
 早川自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#3
○国務大臣(早川崇君) 一言ごあいさつを申し上げます。
 このたびの第三次池田内閣にあたりまして、再度自治大臣といたしまして選挙の行政を所管することになりました。はなはだ微力ではございますが、選挙の公正ということは、民主政治発展の根幹をなすものでございますので、私といたしましては、全力を尽くしまして、りっぱな公正な選挙の実視に努力いたしたいと思います。
 なお、先般の選挙制度審議会におきまして、定数是正をはじめとして一応の結論が出されました。定数是正につきましては、前の国会にこれを提案いたしまして、次の通常国会におきましても、その後の情勢をも十分検討しながら、定数是正の実現に努めたいと思っております。
 なおまた、議員提案によります選挙の特例法の成立を見まして、このたびの選挙において実施をいたしました。これが成果につきましては、目下自治省におきまして検討をいたしております。いい面も非常に多いのであります。同時に、改むべき点も若干ございまするので、こういった点を検討いたしまして、特例法の恒久立法化ということにつきましても、目下検討中でございます。いずれ結論を得ましたならば、皆様方の御審議をわずらわしたい、かように考えている次第でございます。
 なおまた、今次の選挙における選挙違反件数は、残念ながら前回の選挙を今日の時点におきましては上回っているわけでございます。しかしながら、選挙の公明化こそ議会政治の根本をなすものでありまして、われわれは、国民の協力を得て、選挙法を守る公明選挙の友の会一千万人会員獲得運動を始めたばかりでございます。国民すべてがルールを守る、選挙法を守るというのでなければ、選挙の害というものは防げません。幸い、今度の選挙には間に合わない面もありましたが、各地で公明選挙推進協議会を中心といたしまして、逐次選挙法を守る友の会の運動が実りつつある次第でございまして、私は、そういったじみちな運動を通じ三して、選挙の公明化の実現をねばり強く努力をしてまいりたい、かように思っている次第でございます。どうか、微力ではありますが、皆様方の絶大なる御協力によりまして、職責を全ういたしたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いをいたしたいと思います。
 はなはだ簡単でございますが、ごあいさつにかえさせていただきます。
#4
○委員長(小柳牧衞君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#5
○委員長(小柳牧衞君) 速記をつけて。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(小柳牧衞君) 公職選挙法改正に関する調査を議題といたします。
 前回の委員会におきまして、自治省及び警察庁当局に対し、今次総選挙の実施状況等に関する資料要求を行なっておきましたが、本日の委員会に提出されておりますので、資料の説明を求めます。
#7
○政府委員(長野士郎君) お手元に配付いたしました資料の中で、十二月四日付というのがございます。便宜そちらから御説明申し上げます。
 一つは四枚つづりの紙でございますが、投票所開閉時刻の繰り上げ、繰り下げに関する資料でございます。こまかく書きまして、見ずらくして恐縮でございますが、たとえば、北海道の例を見ていただきますと、「開始時刻を繰り上げ、閉鎖時刻も繰り上げる投票所数」という欄の中に二ヵ所とございます。それからその次、一つ飛びまして、開始時刻を繰り下げ、閉鎖時刻を繰り上げる、要するに投票時間を短くするわけです。そういう所が三十八ヵ所、閉鎖時刻の繰り上げのみを行なう投票所数、これは一般に、この前でございますと、八時までのものを二時間以内繰り上げましたものが六百六十八、こういうふうに相なっております。それから、今申し上げたような例が一番多いわけでございますが、途中のところに、兵庫県に、開始時刻の繰り上げのみを行なう投票所数が五ヵ所ございます。したがって、これは投票時間が延びるわけです。主としては、開始時刻を繰り上げて閉鎖時刻も繰り上げるものが、全体といたしましては二百四投票所についてございます。それから、開始時刻を繰り下げ閉鎖時刻を繰り上げて時間を短くいたしますものが七十四投票所がございます。閉鎖時刻の繰り上げのみを行なう投票所が六千八十四投票所ございます。合計、そういう投票所が六千三百六十七投票所に相なっておるという資料でございます。
 それから二枚目は、選挙区別の公営ポスターの掲示場の数の調べでございます。これを見ていただきますと、北一海道の場合で、一区、二区、三区、四区、五区ございます。北海道の一区の欄で申しますと、掲示場の数がこの前千五百二ヵ所でございまして、投票区が四百七十三でございましたので、平均いたしますと、一区の場合には、一投票区当たり三・一八ヵ所になっております。二区の場合には三・二五ヵ所になっております。三区の場合も三・二五ヵ所になっております。四区の場合が三・三一ヵ所になっております。五区の場合が三・二五ヵ所になっております。これは、市町村単位で掲示場を設置をいたしますので、選挙区全体にいたしますと、こういう端数が出てくるような結果になってくるわけでございます。この中で、たとえば、四番目にございます宮城県を見ていただきますと、宮城県一区におきましては、掲示場の数が千九百八ございます。投票区が四百六十六ございます。掲示場の数が四・〇九ということになっております。二区では、同じようなかっこうで三・八三ということになっておりまして、宮城県におきましては、掲示場の数を非常に努力をいたしまして、多くいたしておるということがわかります。
 その下の秋田県も同じでございまして、一区におきましては四・〇二ヵ所、二区におきましても四・〇二ヵ所でございます。そういう所は、場所によってそういうふうな違いはございます。
 東京は、もうすべて三ヵ所でございますので、東京の欄を見ていただきますと、全部三に相なっております。山梨県では、欄を見ていただきますと三・九三ヵ所、これなども多いほうでございます。岐阜県におきまして、山梨県の欄の一つ飛んだ下の欄にございますが、岐阜県の一区は三・九七ヵ所、二区では四・〇二ヵ所というふうに、岐阜県もつとめて掲示場の数をふやすために努力をいたした県であるということがうかがわれるわけでございます。こういうふうにいたしまして、一番下の欄を見ていただきますと、掲示場の総数が十四万六千二百四十ヵ所でございます。投票区が四万五千でございますので、全国総平均いたしますと、三・二四三ヵ所、こういうことに相なっております。そういう資料でございます。
 その次のページでは、それを県ごとにまとめました合計数、平均数を御参考までにお出ししておるのでございます。
 それから、一番おしまいの第三番目の資料は、法定選挙費用に関する資料でございます。北海道の場合、一区、二区、三区、四区、五区、区によって二百七十六万五千円から二百四十万九千四百円まで相なっておりまして、一番高いのは、たしか兵庫の一区ではないかと思っておりますが、四百十三万八千四百円、こういうことに相なっております。一番下の欄を見ていただきますと、全国平均で二百五十三万七千五百円、最高が四百十三万八千四百円、最低が、同じく兵庫の五区でございますが、二百二万六千四百円、こういうことに相なっております。この算出方法は、そこに簡単な数式をお示ししておりますように、その選挙区内の議員定数をもちまして公示日現在のその選挙区内の選挙人名簿登録者数を割りました数に十円五十銭を掛けます。それと百二十万円を足したもので法定選挙費用が出るというのが現行法の規定でございます。詳しいことは存じませんが、立法の際に、大体平均二百四十万円なので、半分の百二十万円は平等配分、その半分を、そういう考え方で、有権者の数というものと比例において平均値を出して、それを掛け合わせるということにいたしたように聞いておるのでございます。
 それからその次の紙、一枚紙でございます。これはこの前、市川先生のほうからの御要求がございまして、お出ししておるわけでございますが、これは、公明選挙の推進事業にどういう金をどういうふうに使ったかという大まかな内訳でございます。合計で六億円。この前申し上げましたとおり六億円でございまして、国の選挙でございますので、これが国費で六億円でございます。で、自治省として選挙の公明化に用いましたもの、それから公明選挙連盟に用いましたもの、「都道府県」と書いてありますのは、都道府県の選挙管理委員会や都道府県の公明選挙推進協議会等で用いましたもの、それから、「市区町村」としてありますのは、そういう市区町村の段階のそれぞれのところで用いましたものでございます。自治省で用いましたもので一番多いのは、上にございますように、テレビやラジオの中に、選挙の期日でございますとか、そういうものを入れました短い時間のスポット放送を一万八千回全国にいたしております。それが一番費用がかかっておる。これは、NHKというより、むしろ民放といいますか、民間のテレビ、ラジオ局に対して出したわけでございます。
 それからその次に、「ポスター」は、これは大型のポスター、バラのつきました赤と宵の大きなポスター、見ていただいたと思いますが、それが大体三十万枚ばかり全国に配付をいたしました。
 それから、「交通広告」と申しますのは、全国の電車やバスに、たしか十一月十五日ころから、いわゆる中づりと申すんだそうでございますが、ポスターを刷りまして、これを延べ六万車両についてつっておることに相なっております。
 それから、駅等にもそういうポスターを掲げました。東京とか大阪のような大きな都市におきましては、相当な個所にあのバラのポスターを立てたのでございます。そういうのが「その他」であります。
 それから、公明選挙連盟におきましては、映画、スライド、映画を民放関係に提供いたしまして、それから主要な映画飢三百五十館でスライドの上映をしてもらっております。
 それから有線放送、これは主として農村でございますが、有線放送の施設が非常に整備しておりますので、それにお願いをいたしまして、四万五千回有線放送をしております。
 それからパンフレットは、これは、簡単な特例法などを含めました公職選挙法の解説など、公明選挙連盟として四十万部ばかり全国に配付をしております。
 それから都道府県や市町村におきましては、いまのポスターでありますとか幕でありますとか、また地方の放送局を用いましての放送でございますとか、あるいはチラシや広報車で選挙の啓発をいたしました。そういうことに用いましたものが大体の内訳になっておるわけでございます。市区町村では、特に全戸に対しますところの広報活動、特に、これは投票の日が近くなりましてからのそういうやり方を中心にいたしておると思います。府県のほうは、もう少し前からの関係もございますので、リーフレットとか、あるいは広告幕等を作りまして、市町村にそれぞれ送付をして掲げてもらう。こういうようなことをやって、まあ全体として公明化の推進のための仕事を進めて参ったわけでございます。参議院議員の総選挙ということで、総選挙だけの関係でございますので、何と申しましても投票日の問題、それから特例法による関係の周知徹底と申しますか、そういうものが大体中心になっているわけでございます。
 以上でございます。
#8
○政府委員(日原正雄君) お手元に資料を差し上げてあると思いますが、選挙違反の現在の検挙状況をお話しいたしたいと思います。
 十二月十日現在の検挙状況でございますが、総数では、一番右のほうの数字になっておりますが、一万一千九百六十九件、人員で二万五千二百六十二名検挙いたしております。
 罪種別に申しますと、やはり買収が一番多くて、九千五百二十八件、二万二千六百六名を検挙いたしております。それから、文書違反が千百五十一件、千三百六十九名、戸別訪問が八百七十八件、九百四十名、自由妨害が五十九件、六十八名、その他が、三百五十三件、二百七十九名ということになっております。これが十二月十日現在の数字でございます。
 この数字を前回、昭和三十五年のときの検挙件数の同時期と比較いたしますと、三十五年のときが八千七百十七件、一万九千四百十六名の検挙でございますので、今回は、この昭和三十五年のときに比べまして、件数は三七%の増加、人員では三〇%の増加ということになっております。
 簡単でございますが、以上御報告いたします。
#9
○委員長(小柳牧衞君) これより質疑に入ります。質疑の通告がございますので、これを許します。
#10
○市川房枝君 まず、自治省の当局にお伺いしたいと思います。
 けさ午前に、今度の総選挙に対しての表彰式というものがございまして、ちょっと傍聴したのです。あれはどういう理由ですか。はっきりした理由がついていなかったのですけれども、全体にどういう理由ですか。まずお伺いをいたします。
#11
○政府委員(長野士郎君) 衆議院総選挙につきましての慣例がございまして、非常に選挙の事務についてよく事務を処理しているところ、そういう、まあ選挙管理機関、それから個人といたしましてそういう職責についておられる方でございましても、他より非常にぬきんでて、そういうことを率先してやっていただいているというような方、それから公明選挙運動につきまして、青年団とか婦人会のお方、そういう団体で非常に熱心にやっていただいている方、それからまた、民間の有志の方で、そういう推進委員とか、それ以外の方でも非常に熱心に公明選挙運動をやっていただいたという、こういう四つに分けておりますが、それにつきまして、府県の選挙管理委員会が、あるいは府県の公明選挙推進協議会等で選考されましたもので、そういう扱いを希望されますものにつきまして、その中からそういう方をお選びをいたしているわけでございます。それから、府県の選挙管理委員会につきましては、これは、平生の選挙の事務が非常によく、平素から研究もよくできておりまして、非常によくやっていらしっているところ。それから、そういう意味で、挙県一致でございますから、選挙管理委員会だけの問題じゃございませんが、いつもそういう選挙の執行の事務が非常にいいというところと、非常に正確である。同時にまた、投票率も一つの要素にいたしておりますが、常々そういうことが熱心で、棄権も非常に少ないというようなところ、それを一つの要件として考えまして、そうして選挙管理委員会を、これは自治省のほうでお選びをする。こういう形でございます。
#12
○市川房枝君 表彰された人たちに、そういう理由がそれぞれ書いてないですね。みんな同じですね。あれをもらった人は、自分は何でもらっているかということはわかっているのですか。何か、はたで見ていて、そんな感じをちょっと持つのですが、それはもっとはっきり書いたらどんなものですか。
#13
○政府委員(長野士郎君) それはもっともでございまして、ただ、まあ大体わかっております。よくわかっております。あの人、あの団体ということが非常によくわかっているわけでございますが、これは作文上の問題もございまして、同じようなことになっておるわけで、まことに申しわけないのでありますが、できれば、それは個々の具体の問題としてあらわすことのほうが親切だということになると思います。いまの、名簿をつくっておりますので、あの名簿に、実は私どもも同じような気がいたしたのでありますが、そこに、表彰の理由を名簿のほうにでも書いておくことが、人々に知っていただくためにはいいのじゃないかと思っております。表彰状のほうはなかなかむずかしいとすれば、そういうことでも今度は考えてみたいと思います。
#14
○市川房枝君 その名簿をいただいたのですけれども、何も書いてないですね。たいてい想像はしておるのですけれども、やはり表彰ということは、個人その人という意味でなく、それを外側に知らせるということでしょう。そうしてなお選挙の際に努力をしてほしいという御趣旨でなすっていらっしゃるんじゃないかと思うのですが、あれは、みんなお金がついていたみたいですけれども、全体でどのくらいのお金をこのためにお使いになっているか。また、来ている方たちの旅費といいますか、それはどこで出されるのか。そうすると、あの行事一つだけでも相当の金がかかっているように思うのですけれども、それはいかがでしょうか。
#15
○政府委員(長野士郎君) 経費は大体七十万ぐらいでございます。表彰を受けられる方の旅費を私どものほうでは実は直接持っておりません。これは、おおむね府県の公明推進協議会あるいは府県の選挙管理委員会のほうで、そういうことについては御援助をいたしてもらうようにしております。
#16
○市川房枝君 相当たくさんの方を表彰なすっていること、並びに、いま御説明を受けました公明選挙、公明化推進のために六億円のお金がいろいろなことに使われていることを伺ったんですが、今度の選挙の結果は、御承知のとおりに、投票率はいつもより低いし、あるいは、刑布局から御報告いただいた選挙違反の件数並びに人員は前回よりもはるかに多いし、選挙は決してよかったとは言えないというか、むしろ悪くなっていると思われるのですけれども、自治省の選挙当局はどうお考えになりますか。それをちょっと伺いたい。
#17
○政府委員(長野士郎君) 私どもといたしましては、今回の選挙におきまして、最初に非常に盛り上がりが足りないという新聞などでの御意見が非常にあったわけです。たいへんに心配をいたしました。そして選挙という空気が非常に感じられないというのは、特例法なんかの関係もありまして、ポスター等の数が非常に少なくなった一面、しかし、それはそういう空気がさびしくなりましたかもしれませんが、違反者というものも、そのかわり表面上は非常に少なくなったわけであります。そういうことの変化が非常に大きくあらわれたわけでございまして、そういう面からいいますと、選挙のPRと申しますか、広報関係の活動というものについて、もっともっと考えていくことが今後とも必要ではないか、もっと選挙というものについてのあらわれ方を、私どもも今後はそういう広報の活動で選挙というものについての関心を引きつける方法をもう少し考えていく必要があるというふうには痛感をしております。これは、もう少し改善を加えてまいりたいと考えます。しかし、確かに選挙違反の数、いま検挙されております者が非常に多いということから、直ちにこの選挙が悪いほうへ悪いほうへ行っているというふうに考えなければならないかどうかということになりますと、これはいろんな要因があるわけでございますから、一がいには申し上げられないと思いますが、私どものほうの見方からいたしますと、やはり違反というものが非常に摘発しやすくなったと言っては語弊がございますが、そういうものに対する情報の提供なり、世間の批判なりというものがやはり相当強くなってきて、そういう追及というものが、材料がふえてきているということもこの数を多くしておる問題じゃないか。そうとすれば、やはりそれは、不正というものに対する、それは許せないという考え方が強く出ておるので、公明選挙一千万人参加運動というものを選挙の前からやっておったわけですが、そういうものに対する受け入れ方というものは、従来に増して非常にというか、受け入れてやろうという考え方が非常に出てきておるように思ったんです。その中に受け入れていただく形が非常に無理がない。非常にすなおに受け入れていただけるような空気というものが出てきておるわけであります。この違反の数が非常に多いことは遺憾でございますが、それだけをもって選挙が非常に悪くなっているというふうにだけ考えることもどうであろうかと、では、これをどうしたらいいのだろうかということになりますと、やはり選挙の公明化といいますか、選挙の正しい意義というものが国民に、下に浸透していきまして、そして正しい選挙ができる制度面での改革とか、いろんなこともあると思いますが、そういうものの、選挙の公明化という問題だけから考えますと、まだまだ努力をしていかなければならぬのじゃないかというふうに考えます。
#18
○市川房枝君 いま、一千万人参加運動とおっしゃった、それは何ですか。私ここに持っておるのですが、私は公明選挙運動の参加者ですというチラシ、これはどこでおつくりになったんですか。
#19
○政府委員(長野士郎君) 公明選挙連盟と自治省とで共同いたしまして、一千万人参加運動と申しますか、その公明選挙の推進、選挙の公明化の推進のために、そういう強調月間というのを、毎年十月から十一月ごろに設けておるわけでございますが、本年度の事業といたしましては、そういう一千万人参加運動というものを重点として取り上げていこうということに相なりまして、そして、そういうビラというか、それを私どもは門標と申しておりますが、その門標をたしか五百万枚作製をいたしまして、そして地方の公明選挙推進協議会、選挙管理委員会等に御配付をいたしまして、その趣旨を説明をいたしまして、その趣旨でそういう配付方をお願いをして、ただ配付するというだけでなくして、公明選挙に参加するということで、はっきりとした気持で選挙の公明化に役立たせるようにしていただきたいということで行ないましたのでございます。それで最初五百万枚刷りましたのですが、それが足りませんで、追加をいたしまして、たしか八百万枚までは刷ったと思います。そういう状況でございます。
#20
○市川房枝君 これと似たようなポスター、さっき御報告のありました公明選挙のポスターは、だいぶ方々に出ておりましたが、この門標は、これは東京で申してみますと、あまり出てないのです。地方はどうですか。どの程度張られたか、それでこれはどういうふうに扱われたかということを、東京の幾つかの区の婦人団体で、ちょっと私の友人が調べてみたのですが、おもに選管に積んであって、そしてあまり配られていないというか、これを配るのが選挙最中ですね。これはほとんど選挙になってからこれは来たと思うのですが、それで、これを配ることは一種の戸別訪問なんだということで、選管のほうで押さえて、むしろ配付させなかったという実例もあるし、それから、これを今度は候補者、運動員のほうで これはいいものが来た これで戸別訪問をやればいいというようなことで、多少これを利用した向きもあるのじゃないか。それである区の婦人団体は、積んでおいては困る、これはぜひ趣旨に従って各戸に張ってほしいので、それじゃ自分たちが張る。ただしそれは戸別訪問と間違えられては困るので、たすきをちゃんとかけて、そして自分たちでテープを持っていって、自分たちで門に趣旨を言って張ってきたという実例もあるのですが、自治省のほうは、これがどの程度に利用されたかということをお調べになったでしょうか。
#21
○政府委員(長野士郎君) 現在調べておりますが、その正確なものはまだ十分つかんでおりません。ただ東京の場合は、先生のいまお話しのようなことが、そういうところであったということでございますので、あったのかもしれませんが、私どもの調査いたしておりますところでは、気をつけてございますので、相当の場所にやはり張ってはございます。これは地方のほうがむしろもっと熱心で、そういうことを言うとどうかと思いますが、東京の場合は、これが各戸まで行きますときは、同じのような時期に入っておりますが、地方のほうでは、もう少し前にやっております。そういうところは、あまり大きな都会でございますと、なかなか仕事がはかどらないのかもしれません。しかしまた、東京の中でも張ってあるところはそういう意味でございますので、全然それが東京とかそういう大都市で効果をもたらさなかったというふうには思っておりません。なお詳細には、後日資料がまとまりましたならば、そういうものの効用につきましても検討してまいりたいと思っております。
#22
○市川房枝君 非常に意図はよくて、それから裏に書いてあることなんかたいへんけっこうだと思うのですが、裏に書いてあるから、張ってあっては見えないし、だから、表になぜこれをお書きにならなかったかと思うのですが、そういう意匠なり、そういうくふうですね。だから、これは戸別訪問と間違えられるのもほんとうにまずかったと思うのですが、今後の運動でひとつお考えいただいて、これはみな国民の税金なんで、それが生きるようにお考えを願いたいと思います。
 これはおわかりにならないかと思いますが、さっきの表彰の中に、香川県の坂出市の選挙管理委員会の書記の方が表彰をされておいでになるのですが、これは私のところに来た一つの情報なんですが、香川県の坂出市で、香川県もある候補者――ある候補者と申し上げておいていいと思うのですが、候補者の後援会の問題で、そこの坂出市の一つの町、八百十五名の婦人会の会員が全部あげられているそうです。それは後援会の名目で結局供応になった。そのときに婦人会の幹部の人が、これは違反じゃないかと気がついて、後援会の幹部の人にちょっと聞いたのだそうですが、これは後援会がするのだからかまいませんと言われて、ごちそうになったらしいのですが、あとで全部拘引されているという具体的な事実を聞いたのですが、そういう同じ坂出市の選挙管理委員会の方が表彰を、これは選挙事務に非常に練達な方か、あるいは投票率がよかったということならいいのですが、公明選挙という点からいって、そういう選挙違反がたくさん出ているところの方が表彰になって、ちょっとおかしいと思うのですが、いかがでしょう。
#23
○政府委員(長野士郎君) なるべくそういう違反のないところがけっこうだと思いますが、ただ、選挙管理委員会の書記がそういう買収とか供応違反事実とどれだけの関係があるかということになってまいりますと、そこはやはりだからそうだということは、それも大いに考えなければならない要素かもしれませんが、そういう違反と全く関係のないところで、非常に選挙の執行の事務に忠実であったという人を、それに値しないものと考えますということになるのも、場合によっては非常に酷じゃないかという気もいたします。婦人会に何か関係をいたしておりましたり、あるいはそういうことを相談に来たときに間違って指示をしたというようなことでもございましたら、これはやはり問題になると思いますが、むしろ、そういうことと関係がないと私ども考えております。表彰に値するということとは切り離して考えていいのではないかと考えております。
#24
○市川房枝君 実は局長のおっしゃるとおりと私思うのですが、ただ、表彰に私はこだわっているわけでもないのですが、公明選挙の表彰となると、私はやはり関係がある。選挙事格ならこれは別個の問題ですが、しかし、選管といえば、結局選挙の事務の執行と公明選挙と両方を担当しているわけです。だから、個人の場合、この人は何か特殊なことがあって表彰されたのでしょうから多少違いましょうが、私はやはり、選管を表彰なさる場合は、総合的に、そこから違反者を多く出したりなにかしたら、それは表彰の資格はない。たとい投票率がよくったって、そういうふうなひとつ標準をもう一ぺん再検討していただいて、そうしてその表彰なるものが相当な権威がなければ、まあ毎年ずっとやっているのだから、一つのルーティンなあれとして、ただやるということなら、私は非常にもったいないという気がいたしますので、この機会にそれをお願いしておきたいのですが。
 ついでに、私は政務次官にお伺いしたいのですが、これもさっき局長が、選挙違反が多いということは必ずしも選挙が悪くなったのじゃない。摘発といいますか、一般の有権者が違反に対する関心が強くなった。そのために多くなったといえば、むしろ有権者の自覚が高まったということにもなるのじゃないか。まことにごもっともな御意見ですけれども、しかし、一般の常識からいえば、やはり選挙違反が多いとなれば選挙が悪いのだという感じを与えることはいなめないのでして、今度の選挙あたりで一般の常識からいって非常に選挙がよくなったとはどうも言えない。やはり悪くなったのだ。いや、公明選挙費用は三十五年のときには一億円だけしか使ってなかったはずだ。今度は六億円になって、いわば六倍にもなっている。それで投票率も下がり、投票率が下がったということだって、ちょっとこれは理由もありましょうけれども、一応そういう感じがするのですが、これは政府として私はやはり考えていただきたいと思うのですが、次官のお考えを伺いたい。
#25
○政府委員(金子岩三君) 先ほどから選挙局長と市川先生とのやりとりを私は聞いておりまして、どうも役人というのは自分が起案、企画、推進、監督指導したことは、これが非常にすぐれたことでいいことだというような先入意識を持って、いまだにこういった国会の議場でも答弁をしていることに、まことに役人というものはひどいものだと私はつくづく考えております。しかし、私は政務次官ですから、政治的にものを考え、今の問答を聞いているのでございますが、この公明選挙、企画推進が、来年春総選挙があると思ってぼちぼち準備をしておったのが、十一月選挙になりました。そこで、十月にあわてて、そして解散の直前、一日前くらいに予算措置をしてもらって、そして、公明選挙推進の具体的な運動に入ったわけです。いわば選挙が終わるころにいわゆる選挙民に浸透するというように、時間的なズレがあった。これはもうどなたといえども、私らはその中に入って実行した立場になっておりますので、これは自治省の中では認めているのでございます。これは率直に私は選挙局長といえども認めなければいかんと思う。しかし、まことに不徹底な公明選挙推進運動をしている。この六億はもったいない。前の総選挙は一億だったのが六倍の金を使っておりますけれども、その実効は前の一億の実効もあがってないかもしれません、経済効果を申しますならば。そういった考え方で、私らもごく小範囲の九州のさいはてで感じたことは、あわててやったので、門標を送ってくるのも選挙の末期、これは配ってないところがたくさんあるはずです。やはり東京都だけではなくて、全地域にわたって徹底してない。せっかく配ったけれども、一戸々々門標となって張られてないという事実がございます。これは私は自治省で当然局長認めていただかなければならんと思います。しかし、これは時間的に意外に早く解散になったので間に合わなかった、かようにひとつ御了解いただきたいと思うのでございますが。それで選挙をやってみまして、選挙違反件数は非常に多くなっているが、選挙は非常に公正化されているのだというような見方も、私らはそうは見てない。やはり選挙は年年歳々悪くなっている。こういうふうな見方をしております。これから、いろいろ選挙法の改正についても諸先生方の御意見によって、より以上いい法律をひとつ作っていかなければならないと思いますが、選挙をやっていくたびにいろいろ反省もし、そしてまた改正もしなければならぬ。これは選挙のたんびに、選挙のあげくに必ずいろいろやはり検討して選挙制度は改正していくべきだと私はつくづく考えております。今度行なわれました特列法に基づく連呼の問題、ポスターのいわゆる規制の問題、はがきをそのまま二万五千枚使ったこと、こういったあらゆることにつきましても、これはやはり是非の議論が相当大きくあるのじゃないかと思っております。そういったことを一つ二つ、私の所感を申し上げることはどうかと思いますので御遠慮申し上げますが、選挙は年々まだ悪くなっておる、私はこういう判断をしております。今度の公明選挙推進に六億の金を使いましたけれども、あまり実効があがっていないということを、自治省の立場から全体を代表して皆さんに率直におわびを申し上げておきます。
#26
○市川房枝君 いや、そう次官がおっしゃってしまうと、自治省の方々に、少しお気の毒なんですが、実は選挙前、選挙中というか、ずいぶんお骨折りになりましたので、その労は十分私どもは認めておるのですけれども、公明選挙運動のいい具体案というか、なかなかないということも言えるわけでございまして、それには私どもそれに共同の責任を感ずるわけでございますから、お責めするわけでなくして、ひとつなお今後お考えをいただきたい。次官がそういうふうなお考えを持っていただけば、ちょうど私と同じ考え方なんですが、ひとつこの問題ととっくり取っ組んでいただきたいと思います。
 刑事局長のほうにお伺いしたいのですが、選挙違反の種類別の数字を伺ったのですが、これ、男女別なんというのはありませんか。
#27
○政府委員(日原正雄君) 存じません。
#28
○市川房枝君 男女別を私どもはほんとうは知りたいといいますか、初めころは婦人の有権者が、選挙には新しいだけに、公明選挙のにない手と言われてきて、選挙違反も少なかったわけですけれども、さっき私一例を申し上げましたように、これは選挙法を知らないところから来ているわけですけれども、しかし、だんだん婦人の選挙違反が多くなってきているように私ども思うのですが、これはちょっとごめんどうかもしれませんし、すぐでなくてもいいのですけれども、一ぺん男女別の数字を知らせていただければ、私どもが婦人有権者に働きかけるときに、このとおりと言えますから、ひとつお願いをしたいと思うのですが。
 それからもう一つ、これは私は前にも伺って、それはだめだという話だったのですが、政党別の選挙違反数というものも私は出していただくと、それぞれの政党での反省の私は材料にしていただけるのじゃないか、そして国民一般にも、つまりどの政党の候補者が違反をよけいやっておるかといいますか、違反が少ないかということになって、やはり公明選挙にいく一つの具体的な手段になるかと思うのですが、ただ、それはやったことがない、それはできないのだということなんですけれども、いかがでしょうか。
#29
○政府委員(日原正雄君) 男女別のものですが、これは従来もとっておりませんけれども、それは一人々々について調べなければならないので、ちょっと不可能に近いと思います。
 それから政党別のものは、これはひとつお断わりしたいのです。いろいろな弊害も伴います。
#30
○市川房枝君 まあ政党別というのは、それこそ各党からの圧力といいましょうか、政府の圧力というか、おできにならないのかもしれません。男女別はお出しになったって一向差しつかえないのですが、それぞれの警察ではおわかりになっているわけですけれども、これはそういう統計が出てないということだと思うのですが、ですから、これは急ぎませんけれども、一ぺんひとつ、たいしてごめんどうじゃないと思いますけれども、これはやっぱり公明選挙を進めていく場合の、特に女の人たちの自粛を要望する場合に、ただ婦人がどうもだんだん多くなってくるというだけではきき目が少ないから、今度はこれだけ――何人だというようなことをむしろほしいと思います。
 それからちょっと伺いたいのですが、昨年の選挙法の改正で運動員に対しての日当が払えるようになりましたね。そしてまた一定の人数の制限があり、それは交代することができるようになっておるのですが、この規定については、実は最初の選挙制度審議会で問題になりまして、私そのときの特別委員の一人として参加をしておったのですが、運動員に日当を払うということについては法務省が、それは買収と非常に区別がつきにくいのだということで実は反対をしたわけなんです。ところが、これは各党派の委員の方々といいますか、あるいはその他の委員の方々の大多数の賛成で選挙制度審議会の答申の中に入りました。しかし、最後の総会でもう一ぺんこの問題をひっくり返しの動議が出たりしたのですけれども、結局は多数で答申の中に入り、したがって選挙法の改正ができたわけなんですが、今度の選挙に関連してその問題が相当問題になっているというか、結局届け出をしなきゃならぬのだけれども、非常に期間が短いし、めんどうだしということで、あまり届け出をしないで、そして来る人、来る人には日当だと言って千円ずつ渡して、そしてやっている。だから一種のこれが買収に使われているのだということを実は聞いたわけです。それで、これが今度の一つの選挙の新しい選挙戦術といいますか、ということだと言われたのですけれども、そういう意味のいわゆる買収というのは違反の中にあがっておりますかどうですか、伺っておきたい。
#31
○政府委員(日原正雄君) 事実お話しのようなことがございます。買収のほうにあがっておるかと申されますと、買収じゃないと言われておるのであがってきてない。この数字には入ってないということでございます。実際問題として、取り締まりいたしまして、たとえば、これはたとえばの話でございますが、文書違反の現行犯でつかまえて、千円の日当をもらっておる。日当か、とにかく金をもらっておるといった場合に、それが実は買収の金額なのかどうか、この候補者に問い合わせると、いや法定費用に入っておりますと言われれば、これはちょっと買収としてむずかしい部面がある。そういう意味で、この前の改正から、そういう意味での検挙は非常にむずかしくなってきておるということは事実だろうと思います。
#32
○委員長(小柳牧衞君) 政務次官がちょっとほかに何かあるそうですが、いかがでしょうか。
#33
○林虎雄君 関連質問を政務次官にしたいのですけれども……。
#34
○委員長(小柳牧衞君) そうですか、まだちょっと時間が……、政務次官どうですか。
#35
○林虎雄君 政務次官にちょっと二、三、簡単でございますから……。ただいま市川さんのほうから御質問で大体よくわかりましたが、次官の御答弁によりますと、選挙のやり方といいますか、選挙の弊というものがだんだん多くなってきておる、遺憾ながら。これは事実この数字の上を見ても、刑事局の発表しております今度の違反の数から見ましても、前回よりも悪くなっておるということが言えると思います。先ほど大臣のあいさつの中にもありましたように、選挙は民主政治の基盤をつちかう大事な仕事である。それが悪くなったのでは日本の政治の将来が非常に憂慮されるということになるわけですが、そこで、いま選挙制度審議会等においてもいろいろ検討をされておるようでありますが、第一に今の制度そのものに内在しておるといいますか、そこに欠陥があるということが一つと、それから一般大衆――選挙民の啓蒙運動、これは幾らやってもやり切れるわけでもないけれども、しかし、やらなければならない仕事でありますけれども、そういうものが並行していかなければならないので、今月の選挙の弊に対する要因というものはいろいろあると思いますが、そこでこれを改めていくということについても一朝一夕にはとてもできかねることだと思いますが、私ども考えてみますると、今の中選挙区の制度の中にも検討しなければならない点がないか。つまり、広範な地域でありますだけに選挙費用も多くかかるし、そうして複数でありますだけに、そこに派閥的な、同じ政党内における派閥的な対立抗争というものがある。したがって、金もかかるし、悪い金も使われるということになるおそれがあると思います。そうして、今問題になっております小選挙区制度あるいは比例代表制を加味した選挙区の制度というようなことが考えられておるようでありますが、次官とされましては、この今の制度を改めて小選挙区にすべきだというような御意見をお持ちでありましょうか、承りたいと思います。
#36
○政府委員(金子岩三君) 私は個人としてひとつ少し率直に申し上げてみたいと思います。
 小選挙区であるべきだという主張を、私はよく、まあ国会に出まして三年ばかり盛んにあらゆる機会に主張しておりました。ところが、最近になりまして、事実小選挙区の形をとっている奄美大島のような例を、今度の選挙でもつくづくあの結果から見まして、いろいろお話を承ってみますというと、まあ落選した人が四六時中、二年でも三年でも毎日歩いて、そして今度は現職が落ちて返り咲きするというように、選挙のたびに交代するわけですね。この姿を一例にとるならば、小選挙区というのはそんなに激しい対立と申しますか、そういった激しい姿があらわれる。これは絶対小選挙区はよくないのだというようなことを最近とみに申される方もおりますし、われわれもそれに傾いていっておるのでございますが、それかといって、いまの中選挙区は全く政党の選挙でなくして、これは派閥選挙、いわゆる派閥が解体しますと、いずれは派閥選挙はなくなるかもしれませんけれども、それでも政党対政党の選挙ではなくして、個人の選挙に相違はないわけですね。自民党、社会党というような党意識によって選挙をやり投票をいただいておるのは、むしろ革新のほうはその傾向が強いような感じをわれわれ受けますけれども、われわれ保守党においては、政党による得票ではなくして、ほとんど個人の信頼感か、あるいは金で取るか権力で取るか、そういったそれぞれの力によって票をいただいておるような感じがするのでございます。
 以上申し上げますと、どっちをとったほうがいいのか、どういう方向をとったほうが先進諸国にならって理想選挙ができるようになるのか、これはこの理想に到達することは、これこそ営々として毎選挙ひとつわれわれが少しずつでも進歩を遂げていって二十年、三十年たって初めてイギリスの選挙みたいになるのではないか、こういう考え方で少し気長に取り組まなければいけないというように、私は、つくづく今度の選挙の結果から見ても考えているのでございます。いわゆる有権者の方を啓蒙するということも、公明選挙推進連盟等で、近来十年ばかり続けてまいっておりますけれども、この公明選挙推進も、ことし非常に強く打ち出して、私も選挙期間中、個人演説でも立ち会い演説でもそればかり叫んで、五分くらいは公明選挙の啓蒙をやってきたのでありますが、公明選挙というと、何か選挙が窮屈になって、重苦しくなって、選挙の自由がなくなって、公明選挙というのは非常に物騒なあれで、選挙では人さまの前ではものも言えないといったような、萎縮するような傾向も見られました。いわゆる理想選挙を啓蒙するためには、名前のつけ方もまず根本的に考えなければならないのじゃないか。もっとやわらかく、選挙は自由であって、ただ、いま法律によって禁止されておることさえしなければ、あとは解放されて、自由に自分の意思を表明していいんだというようなことを、もっと啓蒙すべきじゃないかということをつくづく感じてまいりました。そういうことで、私らがこの検挙件数を見て直感したのは、検挙件数でいくと、これは率直に言って、悪くなったとしか言えないのでございまして、よくなったと言う理由は別に持ち合わせていないのでございまして、この検挙件数を見ますと、ますます悪くなっているなあと、こうしか言えないのでございます。それでございますから、どういう方向をとるか、中選挙区か小選挙区かということについては、ただいま申し上げましたようなことしか申し上げられないのでございますが、とにかく選挙をよくするためには、これは民主政治の根本でございますから、われわれ政治に志す者は気を長くして、ひとつたゆむことなく努力を続けて、年々、みみっちいと言われても、私はほんの小さいことでも改正して、そうしてやらして、悪かったらまた改正するということで、ひとつ毎年選挙法の改正を重ねていくべきだと、かように考えておる次第でございます。
#37
○林虎雄君 お忙しいと思いますから、もう一点だけ。選挙が悪くなったということは、検挙件数などでは、そう思います。また、三当二落とかいいまして、ばく大な金を使わなければ当選しないということは、確かに悪いほうのあらわれだと思いますけれども、私ども選挙を通じて見まして、一般の選挙民の政治に対する意識といいますか、選挙を判断して、だれに入れよう、どの政党のだれに入れようというようなことに対する判断力というものが、選挙のたびごとに高まってきている。これは事実であろうと思います、お説のように。でありますから、不断の努力というものは、これはやられなければならないし、中には悪質のものもあって、このような数が出ますけれども、一般としては、良識というものが、選挙、政治的の判断力というものが高まっていることは事実であろうと思います。そこで、いま小選挙区の問題につきましては、私ども社会党としても、小選挙区にいま反対といいますか、小選挙区については反対の立場に立っておりますが、私どもやはり政党政治を確立していくという上には、やはり奄美大島の例もありますけれども、小選挙区制度がいいではないか。そうなりますと、いま東京で問題になっております背番号候補というむちゃなことはすっかり影をひそめてしまうと思います。奄美大島の例は、確かに小選挙区の一つの例として見られるわけですけれども、過渡的な現象もあろうと思いますし、しかし、確かに政党と政党を通じての個人の争いというものは熾烈にはなると思いますね。それだけにまた、選挙民に対してその人物をよく知ってもらう、あるいは政党の政策がよく浸透するということには効果があると思いますし、これは諸外国にも例があるようでありますから、そういう点についてはそう心配はないと思いますが、ただ私どもも、これから社会党の方針も、まだ小選挙区に対しては反対の立場をとっておりますししますので、私自身勝手なことを申し上げるわけにもいきませんし、十分勉強したいと思っておりますが、ひとつ政府側におかれましても、真剣に、民主政治は一歩々々よくなっている、よくなっていくためには、さらによくなっていくような方向に、改正すべき制度は改正していくという方向に御努力願いたいと思っております。
#38
○市川房枝君 刑事局の方に伺いたいのですが、この前のこの委員会で背番号のはがきの問題についてちょっと伺ったのですが、その後背番号の肥後亨氏がラジオに出まして、そうしてはがきは全部返したと、こうはっきり言っていたそうですが、一体はがきはどの程度取ったのか、返したのか。取って返さないのもあれば、そのはがきの行くえが結局問題になるわけですが、それおわかりになったらひとつ。
#39
○政府委員(日原正雄君) その後の調査といたしまして、警視庁がはがきの交付場所である東京中央郵便局で調査いたしましたところ、肥後亨事務所から立候補した二十六名の分につきましては、受領に来ないために一枚も交付されていないということをはっきり確認いたしました。したがって、前回のような横流しは考えられないのであります。
#40
○委員長(小柳牧衞君) ほかに御質疑ございませんか。
#41
○中尾辰義君 局長にちょっとお伺いしますけれども、選挙運動員というのは、正式にどういう定義になっておりますか。
#42
○政府委員(長野士郎君) 選挙運動員といいますのは、法律では選挙運動に従事する者ということに表現をされているわけであります。選挙運動というのは特定の候補者を当選ならしむるための運動、そういうものに従事する者ということになりまして、その中で単純な労務を提供するといいますか、そういうものでない者、大体そういうことになります。
#43
○中尾辰義君 そうすると、労務を提供する以外の運動員もやはり選挙運動員に入るということになりますね。
#44
○政府委員(長野士郎君) 単純な労務を提供するものでない者で、たとえば単純労務といいますと、ただ物を運んだり、ポスターを張ったりするようなのが単純労務だということになりますが、そういう単純労務者でないもので、結局選挙運動に従事する者を運動員と、非常にむずかしい言い方になりますが、そういうことになろうと思います。
#45
○中尾辰義君 先ほど次官から、選挙がだんだん民主的になって運動員の数はふえる、こういうふうに私は感じたのですが、そこでなるべく選挙は自由にしなければならぬ。そこで私がお伺いしたいのは、かりに局長が、あなたならあなたが、ある候補者の運動員である。その場合、あなたが運動員として、あなたはいかなる行動、行為ができるか。現在の選挙法の範囲におきましてあまりできないでしょう、考えてみますと。その点についてちょっとお伺いしたいんです、あなたを運動員と仮定した場合に。
#46
○政府委員(長野士郎君) もちろんその選挙運動にしましても、一定のルールがあるわけでございますから、その選挙運動に従算する者が、全く選挙運動として自由に行動するということはできないわけでございまして、それはもうやはり方法としましては、演説会とか、街頭演説でありますとか、個人演説会でありますとか、それに至りますためのいろいろな選挙の計画なり候補者のいろいろな行動の打ち合わせなり、準備をするというようなことが可能になるというよりほかに方法がないと思うのであります。
#47
○中尾辰義君 私は、選挙演説をしたり、街頭演説をしたり、車に乗ったりというような者は限られている人だと思うんですよ、何名くらいかの。そうすると、あとの支持者、運動員というものはどういうことができるか。ふろ尾で話をしたり、電話をかけるのもいいだろう。あまりないんですよ。自由自由とか民主化とか何だかんだ言っておりますけれどもね。実際そうでしょう、演説なんか別にして。あなたを運動員として何ができるかと私は聞きたいんです。できはしないんですよ。
#48
○政府委員(長野士郎君) どうもお話の趣旨がわかるようでもあり、なかなかむずかしいようでもあるんでございますが、まあ結局、いまの公職選挙法が、非常に選挙運動の方法をある面ではきびしく規定をしております。その許された範囲のことしかできないということにならざるを得ないのでございまして、これは制度の立て方全体の問題にも関連すると思うのでございますが、それにしても候補者とか運動員というものは、そういう意味での運動をすることはもちろん可能であるということになるわけでございます。その制限というものには運動員といえども従わざるを得ない。これはたてまえでございますから、やむを得ないんじゃないかと思いますが、その制限が多過ぎるとか少な過ぎるとかということになって参りますと、これは確かにいろろいな議論は出てまいるのだろうと思います。
#49
○中尾辰義君 結局、あまりできないということに結倫をつけられるわけですね。選挙意識を高揚させなければいかぬ、いろいろなことを言われておりますけれども、あるいはまた小選挙区にして政党代表を出さなければならぬ、政策の普及、いろいろこれは広範になってくるわけであります。そういった場合に、四、五人か十人程度の運動員で、あとの支持者、運動員というものは、結局電話くらいしかできない。そうすると、どっか友だちのところへ行けば、警察から何をやっていたと、こういうふうにくるのですからね。そこら辺のところを、よく、いつも問題になるのですけれども、検討してくださいよ。選挙制度審議会もあるわけですからね。まあそれでけっこうです。
#50
○委員長(小柳牧衞君) ほかに御発言がなければ、本日の質議はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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