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1963/12/13 第45回国会 参議院 参議院会議録情報 第045回国会 決算委員会 第2号
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1963/12/13 第45回国会 参議院

参議院会議録情報 第045回国会 決算委員会 第2号

#1
第045回国会 決算委員会 第2号
昭和三十八年十二月十三日(金曜日)
   午前十時三十分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 十二月十二日
  辞任      補欠選任
   杉山善太郎君  鶴園 哲夫君
  ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
  委員長      横川 正市君
  理事
           岡村文四郎君
           佐藤 芳男君
           山崎  斉君
           相澤 重明君
           大森 創造君
  委員
           北口 龍徳君
           沢田 一精君
           鈴木 恭一君
           田中 清一君
           仲原 善一君
           谷村 貞治君
           鈴木  壽君
           奥 むめお君
           林   塩君
           鈴木 市藏君
  国務大臣
   農 林 大 臣 赤城 宗徳君
  政府委員
   農林政務次官  松野 孝一君
   農林大臣官房長 中西 一郎君
   農林省農林経済
   局長      松岡  亮君
   農林省農地局長 丹羽雅次郎君
   林野庁長官   田中 重五君
   水産庁長官   庄野五一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       池田 修蔵君
  説明員
   法務省民事局第
   一課長事務代理 上田 明信君
   農林省農政局参
   事官      玉置 康雄君
   農林省農地局管
   理部長     小林 誠一君
   食糧庁業務第一
   部長      田中  勉君
   水産庁漁政部
   漁船保険課長  中村  健君
   運輸省船舶局検
   査制度課長   佐藤美津雄君
   運輸省船員局長 亀山 信郎君
   会計検査院事務
   総局第四局長  宇ノ沢智雄君
   会計検査院事務
   総局第五局長  白木 康進君
  参考人
   農林漁業金融公
   庫総裁     清井  正君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和三十六年度一般会計歳入歳出決
 算(第四十三回国会内閣提出)
○昭和三十六年度特別会計歳入歳出決
 算(第四十三回国会内閣提出)
○昭和三十六年度国税収納金整理資金
 受払計算書(第四十三回国会内閣提
 出)
○昭和三十六年度政府関係機関決算書
 (第四十三回国会内閣提出)
○昭和三十六年度物品増減及び現在額
 総計算書(第四十三回国会内閣提
 出)
○昭和三十六年度国有財産増減及び現
 在額総計算書(第四十三回国会内閣
 提出)
○昭和三十六年度国有財産無償貸付状
 況総計算書(第四十三回国会内閣提
 出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(横川正市君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動につき御報告をいたします。
 昨十二日杉山善太郎君が委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が委員に選任されました。
 以上でございます。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(横川正市君) この際、参考人の出席要求につきましておはかりいたします。
 昭和三十六年度決算審査に資するため、自後、政府関係機関等の役職員を必要に応じ随時参考人として出席いただき、御意見を聴取いたすことといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(横川正市君) 異議ないと認めます。
 なお、参考人出席の日時、人選等諸般の手続につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(横川正市君) 異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(横川正市君) それでは、昭和三十六年度決算外三件を議題とし、審査を進めます。本日は農林省の部及び農林漁業金融公庫の部でございます。
 まず、農林省関係の決算につきまして説明を求めます。
#7
○政府委員(松野孝一君) 農林省所管の昭和三十六年度歳入歳出決算について概略を御説明申し上げます。
 まず、歳入につきましては、収納済み歳入額は、一般会計において百三十九億六千四百余万円、食糧管理特別会計各勘定合計において一兆七千五百七十一億四千三百余万円、国有林野事業特別会計各勘定合計において八百八十三億七千六百余万円、農業共済再保険特別会計各勘定合計外七特別会計の総合計において五百四億一千百余万円となっております。
 次に、歳出についてでありますが、支出済み歳出額は、一般会計において二千百九十七億四百余万円、食糧管理特別会計各勘定合計において一兆七千五百十三億八千百余万円、国有林野事業特別会計各勘定合計において七百三十八億四千七百余万円、農業共済再保険特別会計各勘定外七特別会計の総合計において三百五十四億六千八百余万円となっております。
 これらの経費は、農業生産の選択的拡大、農業の生産性の向上と総生産の増大、農業構造改善熊作の推進、農産物の価格流通対策の強化、農協系統資金の活用による農業近代化資金融通制度の創設、林業振興対策の推進、水産業振興対策の推進、その他農業災害補償制度の実施、後進地域振興対策、農林漁業団体の活動促進、災害対策事業、並びに食糧管理、国有林野事業、農業共済再保険等の諸事業の実施に使用したものであります。
 次に、これらの事業のおもなものについて御説明申し上げます。
 まず第一に、農業生産の選択的拡大につきましては、支出済み歳出額は三十億四千二百余万円であります。畜産物の生産増大対策としましては、畜産の生産基盤を強化するため草地改良事業を、また家畜の改良増殖及び寒冷地等の農家の自立経営の確立並びに肉用家畜の共同購入、共同出荷をはかる等のため家畜導入を実施するとともに、新たに家畜畜産物の主産地形成にそれぞれ助成を行ないました。
 果樹につきましては、果樹園経営改善促進実験集落、果樹園経営技術研修施設をそれぞれ増設する等の施策を行ないました。
 また、てん菜振興のため日本てん菜振興会に出資し、大豆、なたねの生産改善のための施策を講じました。
 養蚕につきましては、養蚕経営の合理化を推進するため、年間条桑育指導施設の継続実施と壮蚕共同飼育施設の増設を行なうとともに、新たに軟化病の検出調査に助成いたしました。
 第二に、農業の生産性の向上と総生産の増大につきましては、支出済み歳出額は五百三十三億八千八百余万円であります。農業基盤の整備強化につきましては、土地改良事業について国営事業、都道府県営事業及び団体営事業として実施し、また干拓及び開拓事業につきましては、国営の直轄、代行事業、都道府県営その他の補助事業として実施いたしました。
 このほか、特定土地改良工事特別会計(支出済み歳出額百六十六億一千九百余万円)によりまして、国営土地改良事業、国営干拓事業、代行干拓事業を行ないました。
 次に、農業の生産性の向上をはかるため、農業の機械化を促進することとし、大型トラクターの導入に助成するほか、農業機械化実験集落を増設しました。
 また、地方の維持増進をはかるため、地力保全事業を行なうとともに、土壌線虫対策として検診とパイロット防除について助成いたしました。
 次に、試験研究及び普及事業につきましては、試験研究対策といたしまして研究用機械施設など諸設備を整備強化するとともに、畑作、畜産、果樹の振興対策、稲作機械化のための農機具試作及び沿岸漁業振興のための水産増養殖等の試験研究の拡充強化をはかりました。普及事業の強化につきましては、生活改善関係の普及職員、蚕業普及員、林業改良指導員、沿岸漁業改良普及員、畜産技術経営診断指導員の増員等を行なうとともに、現地指導のための機動力の強化のため助成を行ないました。
 第三に、農業構造改善対策の推進につきましては、支出済み歳出額は三十二億八千五百余万円であります。農業構造の改善に資するため、耕地整備、農地の集団化、開拓パイロット事業の実施をはかったほか、農業構造改善促進対策事業につきましては、パイロット地区の事業計画の樹立を指導助成し、一般地域の予備調査を行ないました。
 また、農業委員会系統組織による農業労働力調整協議会の開催について助成をいたしますとともに、桑園の集団化による桑園の共同管理と全令共同飼育を奨励するため、壮蚕共同飼育施設を増設いたしました。
 第四に、農産物の価格流通対策の強化につきましては、支出済み歳出額は七百六億五千五百余万円であります。食糧管理制度につきましては、農家経済と消費者家計の安定とを目的としてその制度を運営いたしておる関係から、その運営の健全化をはかるために、一般会計より食糧管理特別会計に対し調整資金として六百六十億円を繰り入れ、この調整資金のとりくずしによって食糧管理勘定に生ずる損失額を処理することといたしました。
 さらに、農産物等安定勘定に対し、三十億円の繰り入れを行ないまして、重要農産物及び輸入飼料の取り扱いにより生ずる損失を処理することにいたしました。
 また、昭和三十六年七月一日より実施された大豆の輸入自由化に伴い、これによる大豆及びなたねの生産農家の所得の減少を避け、農家所得の維持安定をはかるために交付金を交付する等の措置を講ずることにいたしましたが、本年度は三十五年産大豆四万四千トンにつき交付金を交付いたしました。
 価格流通対策といたしましては、まず牛乳乳製品及び食肉の価格安定対策としまして、畜産振興事業団を設立して五億円の出資を行ない、また、牛乳乳製品の需給調整につきましては、学校給食に四億百余万円を助成いたしました。
 青果物につきましては、都道府県の出荷調整対策事業に助成を行なうほか、青果物出荷事情の調査を行ないました。
 なお、中央卸売市場の施設整備につきまして助成をいたしましたほか、海外における生糸の消費宣伝及び調査活動の強化をはかるため、日本綿業協会に対し助成を増額いたしました。
 第五に、農協系統資金の活用による農業近代化資金融通制度の創設につきましては、支出済み歳出額は三十二億七千七百余万円であります。一般会計に設けられた農業近代化助成資金に三十億円を繰り入れ、この資金の運用益を財源として近代化資金の貸し付けに伴って必要となる利子補給に助成をいたしますとともに、当該貸し付け金に対する債務保証を行なう農業信用基金協会に対しても出資補助を行ないました。
 第六に、林業振興対策の推進につきましては、支出済み歳出額は百四十四億五千六百余万円であります。治山事業につきましては、治山事業長期計画の実施に伴い、国有林野事業特別会計の治山勘定に七十二億八千余万円を繰り入れて実施しましたほか、森林開発公団による水源林造成事業のため十億円の政府出資を行ないました。また、造林事業、林道事業、木炭保管調整対策事業並びに森林計画樹立事業等についても、それぞれ助成しました。なお、国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定につきましては、木竹および素材の売払いのほか、造林事業、治山事業および官行造林地の新値を実施するとともに、民有保安林の買い入れを行ないました。
 第七に、水産業の振興対策の推進につきましては、支出済み歳出額は六十八億二千六百余万円であります。漁業生産基盤の強化対策としての漁港整備事業におきましては、修築事業及び局部改良事業の助成並びに北海道の直轄修築事業を行ないますとともに、沿岸漁業振興対策、水産物流通対策及び漁業の調査取り締まりを実施いたしました。
 第八に、農業災害補償制度の実施につきましては、支出済み歳出額は百三十九億千七百余万円であります。当初予算額は百二十九億四千百余万円でありましたが、昭和三十五年度の農作物共済及び蚕繭共済の引き受け実績の増加によりまして共済掛金国庫負担額に不足を生じましたので十四億六千余万円の追加補正を行ない、また農業災害補償制度改正関係法案の審議未了等のため四億八千百余万円の修正減少補正をいたしました。
 第九に、後進地域振興対策につきましては、支出済み歳出額は九十三億千三百余万円であります。不振開拓地の営業振興事業、土壌政良、開墾作業、入植施設等への助成、過剰入植整理の推進等を行ない、また小団地開発整備、僻地農山漁村電気導入、農山漁村同和対策、南九州防災営農の各事業を実施しました。
 第十に、農林漁業団体の活動促進につきましては、支出済み歳出額は十六億二千四百余万円であります。農業委員会、農業協同組合、森林組合、同連合会及び漁業協同組合連合会等の組織を整備強化し活動の促進をはかるための助成を行なうほか、不振組合に対する指導及び助成を行ない、また合併を推進するため合併組合に対し助成をいたしました。
 第十一に、災害対策事業につきましては、支出済み歳出額は三百二十五億四千余万円であります。防災事業といたしまして、農地関係におきましては、海岸事業、伊勢湾高潮対策事業、地盤変動対策事業、その他防災ダム、地すべり対策及び農地保全事業等の防災事業をそれぞれ実施いたしました。林業関係におきましては、民有林治山事業について、山地治山、防災林造成、保安林整備、特殊緊急治山及び地すべり防止事業等を実施いたしました。
 漁港関係におきましては、海岸保全事業、伊勢湾高潮対策事業、チリ地震津波対策事業をそれぞれ実施いたしました。災害復旧事業及び災害関連事業といたしましては、農業、林業、漁港関係を含め、三十三年災は九八%ないし一〇〇%、三十四年災は八一%ないし一〇〇%、三十五年災は五五%ないし一〇〇%、三十六年災については補正予算及び予備費をもって一八%ないし四五・八%の事業進度を達成いたしました。
 なお、農業共済再保険特別会計の農業勘定の農作物、蚕繭共済におきまして、昭和三十五年産農作物蚕繭共済掛金国庫負担金の繰り入れ不足額を受け入れたことなどのため、二十一億六千四百余万円の剰余を生じたのでありますが、過去に再保険金支払い不足補てん金としまして一般会計から繰り入れられたものの残額が百億四千九百余万円ありますので、本年度未経過再保険料等を差し引き七億五千余万円を一般会計に返還いたしました。
 最後に、食糧管理特別会計の事業につきましては、まず国内米について、集荷目標六百三十万トンに対し買い入れ実績は六百二十三万トン、売り渡し予定六百万トンに対し実績は六百五十九万トン、国内麦につきましては、買い入れ予定百五十四万トンに対し実績は百五十四万トン、売り渡し予定百七十八万トンに対し実績は百六十一万トン、輸入食糧につきましては、輸入計画外米六万トン、外麦二百万トンに対し実績は外米八万トン、外麦百八十七万トン、売り渡し予定外米十七万トン、外麦百七十七万トン、小麦粉十七万トンに対し実績外米十八万トン、外麦百五十九万トン、小麦粉十六万トン、農産物等については、カンショでん粉及びバレイショでん粉買い入れ予定七万六千トンに対し実績は二万四千トン、売り渡し予定十一万八千トンに対し実績は八万二千トン、てん菜糖は売り渡し予定五千トンに対し実績は五千トン、飼料は輸入計画百七万六千トンに対し実績は九十二万九千トン、売り渡し予定百十万六千トンに対し実績は八十八万五千トンとなっております。
 以上、昭和三十六年度のおもな事業の概要について御説明申し上げましたが、これら事業の執行につきましては、いやしくも不当な支出や批難さるべきことのないよう常に経理の適正なる運営について極力意を用いてまいりましたが、昭和三十六年度決算検査報告においてなお不当事項として相当件数の指摘を受けておりますことは、災害関係が多かったこととは申しながら、まことに遺憾に存じます。今後とも指導監督を徹底して、事業実施の適正化につとめる所存であります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#8
○委員長(横川正市君) 次に、会計検査院当局より検査報告を聴取いたします。宇ノ沢第四局長。
#9
○説明員(宇ノ沢智雄君) 三十六年度の決算検査報告の概要につきまして、検査報告に記載してございます順序に従いまして簡単に御説明申し上げます。
 まず、工事の点でございますが、一八五号の案件は、水路隧道工事の施行にあたりまして、必要以上に工事の準備期間を見込み過ぎたために、ひいて予定価格の積算において、請負業者の持ち込みます機械器具の損料、それから坑内水かえその他保安管理費等諸経費におきまして、余分の工事費を計上する結果となったという事案でございます。
 それから、一八六号も、同じく隧道工事の予定価格を積算する際に、工事に使用いたしますドリフターの性能を過小に見込みましたことなどによりまして、一日当たりの掘進速度を低目に見込みましたために、工事費が高価となっていると認められるものでございます。
 次の一八七号は、村有の林道と官行造林地を結びます林道の新設にあたりまして、この種の林道につきましては、地元公共団体に工事費の三分の一相当額を負担させる取り扱いになっておりますのに、国が全額負担で工事を施行したという事案でございます。
 次は物件でございますが、一八八号から一九〇号までの事案は、いずれも、該当の食糧事務所におきまして、一定の条件をつけて売り渡しました原麦について、売り渡し後の条件の履行確認の処置が適切でなかったために、違約金を徴収する要があると認められる案件でございます。
 それから、一九一号は、自作農創設特別措置特別会計の所属の財産の管理が適切を欠いているという指摘でございまして、これにつきましては、三十七年六月農林大臣に対しまして、本検査報告の一〇八ページ以降に掲記してございますような是正改善の処置を要求いたしましたが、本件に掲記されておりますのは、その後の検査の結果によるものでございます。
 それから一九二号から一九九号までは、国有林野事業の特別会計で、その所属の土地を有償で貸し付けておりますもののうち、貸し付け料の算定が妥当を欠いているために貸し付け料が著しく低額となっていると認められるものであります。
 それから二〇〇号は、輸入ふすまの保管料の支払いにあたりまして、すでに当該ふすまが内国貨物となっているのを、誤って外国貨物として保税倉庫蔵置貨物としての割り増しを含めたために、過払いとなったものであります。
 それから二〇一号から二一七号までの、農業共済保険事業の運営が適切でない事態でございまするが、これにつきましては、毎年これを指摘いたしてまいりましたが、さきの国会におきまして農業災害補償法の一部改正が行なわれ、本制度の運営につきましても、農林省当局も今後この適正を期するように一そう強力な指導監督をするということでございますので、このような不当な事態も逐次改善されるものと期待いたしております。
 それから二一八号から二二三号までは、漁船再保険金の支払いにあたりまして、損害調査が十分でなかったために過大な支払いをいたしましたり、あるいは保険事故でないものに対してまで再保険金を支払った事態でございます。
 次は、二二四号から三九七号でございますが、補助金でございますが、まず公共事業関係の補助金について申し上げますと、検査の結果、工事の結果が粗漏となっているもの、工事の出来高が不足しているもの、あるいは事業主体が正当な自己負担をしていないものなど、不当と認められる事項は、前年に比べまして件数、金額ともかなり増加いたしております。三十六年度について申し上げますと、三十六年度は、御承知のような相次ぐ大災害などのために工事量が増加してまいりましたのにつれ、補助事業の事業主体、特に市町村、組合などにおきまして、関係職員が総体的に不足いたしまして、工事の実施体制が不十分なため、工事の施行にあたりまして、監督、検査等が十分行なわれなかったり、あるいは請負人の選定が当を得なかったり、または工事の着手が遅延して年度内完成を急ぐあまり、適正な工事を実施することができなかったことなどが、こうした事態のおもなる原因になっているものと思います。
 次に、災害復旧事業費の査定を要したものに対しまする検査の結果は、農林、建設両省で重複査定しているもの、被災していないもの、または被害が軽微であったりしているのに災害復旧の査定を受けて改良工事を施行しようとしているものなどがございまして、この本院の指摘に基づきまして当局が査定額の減額是正をいたしましたものが前年に比べて増加いたしておりますが、これも、三十六年度災害は二十八年度災害に次ぐ大規模な災害でございました関係で、関係者の現地調査が不十分でありましたこと、特に被災施設の原形及び被害の原因等についての調査が不十分なままに改良的な設計により復旧されることとしていたこと等によるものと認められます。
 次に、一般補助の検査の結果について申し上げますが、これにつきましては、補助の対象とは認められない事業に対して補助金を交付しているもの、補助の目的を達していないもの、または事業量が不足しているものなどを指摘いたしておりまするが、これも前年に比べて増加の傾向にあります。
 以上申し上げましたように、公共事業を含めまして補助金の全般の経理につきましては、関係当局の指導監督をなお一そう強化する要があるものと認められます。
 それから次に、三十六年度におきましては、改善処置要求したものと改善の意見を表示したものとございまして、その全文を本検査報告の一〇二ページ以下に掲記してございます。改善意見のほうから申し上げますと、その一つは、土地改良事業によりまして造成いたしました埋め立て地を転用する場合における造成費の回収について改善意見を表示したものが一つございますが、その概要を簡単に申し上げますと、土地改良事業によって造成いたしました埋め立て地等を国から農地に使う目的で買い受けた者が農地以外に転用する場合、当初国が農業の用に供する目的で費用を投下して造成いたしました土地が相当の期間その目的に供されていないにもかかわらず、当該造成費相当額の大部分が回収されないという不合理な結果を来たすこともございますので、法令改正など適切な処置を講ずる必要があると認められるものの回収について改善の意見の表示であります。
 いま一つは、国営農業水利事業とこれに付帯いたします都道府県営及び団体営補助事業の施行計画について改善を要するものとしたものでございますが、国営農業水利事業とこれに付帯いたしまする都道府県営及び団体営補助事業の施行にあたりましては、基幹施設工事と付帯施設工事とが、その進捗が跛行しておりますために、すでに完成をしている基幹施設が十分な効果を発揮できないで不経済な結果を来たしているものがありますので、事業の間で施工上跛行を来たさないような方途を講ずることが緊要である旨の改善意見を表示してございます。
 それから改善処置要求のほうは、先ほどちょっと申し上げましたが、自作農創設特別措置特別会計に所属する財産の管理について、管理を適正にするように改善の処置を要求したものでございます。
 簡単でございますが、以上を申し上げました。
#10
○委員長(横川正市君) 次に、農林漁業金融公庫の決算について説明を求めます。農林漁業金融公庫清井総裁。
#11
○参考人(清井正君) ただいま議題になりました農林漁業金融公庫の昭和三十六年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和三十六年度の収入支出決算について御説明いたします。昭和三十六年度における収入済み額は百二十三億円余、支出済み額は百十二億二千万円余でありまして、収入が支出を超過すること十億七千九百万円余となっております。
 以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたしますと、まず収入の部におきましては、本年度の収入済み額は百二十三億円余でありまして、これを収入予算額百二十四億八百万円余に比較いたしますと一億八百万円余の減少となっております。この減少いたしましたおもな理由は、貸付金利息の収入が少なかったためであります。
 次に、支出の部におきましては本年度の支出予算現額百十九億五千五百万円余に対し、支出済み額は百十二億二千万円余でありまして、差し引き七億三千四百万円余の差額を生じまし、たが、この差額は全額不用となったものであります。
 この不用額を生じましたおもな理由は、借り入れ金利息及び委託金融機関に対する手数料の支払いが予定より減少したためであります。
 次に、昭和三十六年度における損益について申し述べますと、本年度の総益金百二十七億四千八百万円余に対し、総損失は百二十一億九千五百万円余でありまして、差し引き五億五千三百万円余の償却引き当て金繰り入れ前利益をあげたのでございますが、これを全額滞貸償却引き当て金及び固定資産減価償却引き当て金に繰り入れましたため国庫に納付すべき利益はございませんでした。
 次に、昭和三十六年度の業務概要について御説明いたします。
 まず、昭和三十六年度末における貸し付け金残高は二千三百四十一億一千六百万円余で、これを業種別に申し上げますと、土地改良八百五十一億二千二百万円余、林業二百六十一億六千三百万円余、漁業百八十三億六千五百万円余、塩業八十三億六百万円余、共同利用施設二百五十五億五千万円余、自作農資金五百十四億八千二百万円余、その他百八十六億七千八百万円余となっておるのでございます。
 昭和三十六年度中における貸し付け決定総額は六百億七千九百万円余で、これを業種別に申し上げますと、土地改良は貸し付け決定額二百二十五億七千九百万円余、前年度より四十一億四千万円余の増加となっておりますが、これは耕地災害及び非補助小団地土地改良事業助成基金制度による非補助一般事業に対する三分五厘の貸し付けが増加したことによるものであります。
 林業につきましては、貸し付け決定額五十三億八千九百万円余で、前年度に比し九億八千八百万円余の増加となっておりますが、これは造林資金の旺盛な資金需要のため貸し付け決定が増加したためであります。
 漁業につきましては、貸し付け決定額は四十七億三千七百万円余の決定をいたしております。
 共同利用施設につきましては、貸し付け決定額は三十一億二千四百万円余で前年度に比し十五億三千二百万円余の減少となっておりますが、これは本年度より農業関係の共同利用施設資金の大部分が農業近代化資金の融資対象に移行したためであります。自作農資金につきましては、貸し付け決定額百六十九億三千四百万円余でありますが、このうちには第二室戸台風等による災害関係資金五十一億九千八百万円余を含んでおります。
 右のほか、本年度より貸し付けを始めた果樹資金は十億三百万円余、乳業資金は七億三千万円余でありまして、計画どおり順調な貸し付け決定を行なっております。
 以上貸し付け決定状況につきまして説明申し上げましたが、これに対しまして、三十六年度の貸し付け回収実績は二百十六億四千万円余でございまして、前年度の回収実績に比較いたしますと十五億一千万円余の増加となっております。
 以上が昭和三十六年度農林漁業金融公庫の決算概要であります。
 昭和三十六年度の当公庫の決算検査において、会計検査院から不当事項として指摘を受けた事例はございませんでしたが、同院による三十六年度の当公庫貸し付け先会計の実施検査の結果、貸し付け後の管理が不十分と認められ注意を受けましたものが二百六十三件、一億三千六百余万円ございましたが、その後当公庫で鋭意是正に努力いたしました結果、三十八年七月一日までに全案件について繰り上げ償還等の措置により是正済みでございます。
 次に、会計検査院において昭和三十七年十月二十二日に当公庫の貸し付けの適正化について改善の意見を表示されましたので、これについて所見を申し上げます。
 同改善意見において指摘を受けました事項中、受領済み補助金の繰り上げ償還については相当改善の効果をあげてまいりましたが、貸し付け限度超過につきましては、なおその事例があとを絶たないことは、まことに遺憾に存じます。公庫といたしましては、従来とも監査なり貸し付け後の実査を励行させまして、努力してまいったのでございますが、今後はかかる不適正事例をなくすため、貸し付けの審査及び貸し付け実行後の実査を励行することによりかかる不適正事例の発生を未然に防止いたしますとともに、貸し付け実行後においては不適正なものの繰り上げ償還の励行を厳にするようつとめる所存でございます。これがため、昭和三十八年度から監査機構を整備拡充いたしまして、新たに検査部を設置し、その人員の増員もはかりまして、すでに貸し付け先の実査を中心といたしまして監査を実施いたしておる次第でございます。
 また、借用証書特約条項の改正につきましてただいま立案中でございまして、なるべくすみやかにこれが実施をはかる所存であり、また限度超過の場合において貸し付け利率と一般市中金利との差額を徴求するという問題についても目下鋭意研究中であります。
 以上の諸方策によりまして、改善意見の趣旨に沿い、貸し付けの適正化のため努力いたす所存でございます。
 何とぞ御審議をお願いする次第でございます。
#12
○委員長(横川正市君) 次に、会計検査院当局より検査報告を聴取いたします。
#13
○説明員(白木康進君) 昭和三十六年度の農林漁業金融公庫の決算につきまして、簡単に御説明申し上げます。
 公庫の融資につきましては、従来から主として貸し付け金の貸し付け後の管理を中心に検査をいたしておりますが、三十六年度も大体従来どおりのやり方で検査をいたしました。その結果、やはりこの席でたびたび申し上げておりますとおり、補助金の交付を受けた場合に、補助金相当額が当然繰り上げ償還の措置が講ぜられなければならぬのでありますが、それがそのままになっておる。あるいは、計画事業費が当初の予定よりも下回ったという場合の差額の繰り上げ償還が行なわれていない。こういった事例は、従来からたびたびここで指摘しておりますけれども、三十六年度の分につきましても、遺憾ながらほとんど改善のあとは見受けられておりません。まあ公庫融資が補助金と違いまして貸し付け金でありますこと、それから公庫の融資の機構その他の関係から、こういった事態を急速に改善することは相当むずかしいであろうと思いますけれども、資金の性質上当然これは公庫においても特段の御配慮を願う必要があるという考えのもとに、先ほど総裁からお話しのように、昨年の十月改善の意見を表示いたしまして、是正の措置を期待したわけでございます。その結果につきましては、先ほど総裁からこれまた詳細に御説明になりましたように、直ちに三十八年度、予算の措置その他を講ぜられまして、検査部を設置して監査の機構を最小限度に整備する措置をとられましたし、また従来繰り上げ償還等につきまして不備でありました特約条項の検討についても種々御検討になっておるようでありまして、若干具体的な御報告も受けております。私どもとしましては、そういった事態が、本年におきます公庫の積極的な改善のいろいろな措置によりまして、今後すみやかに改善されることを期待しておるわけでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。
#14
○委員長(横川正市君) これより直ちに質疑に入ります。質疑のある方は順次発言を願います。
#15
○大森創造君 私の持ち時間はあまりございませんから、ごく概括的にひとつ質問をいたします。あとで大臣のおられるときにさらに突っ込んだ質問をいたしますが、まず一、二基本的な問題についてお尋ねいたします。
 昭和三十一年から三十六年度まで新農村建設事業ということをやって、これを主眼として農業施策を進められてこられた。今度昭和三十六年度から開始された農業改善事業、これが何といっても中心だろうと思うのでございます。はなはだ漠とした質問で恐縮でございますが、いままでやってきてみて、農業構造改善事業というもの、これについてどういう成果を上げつつあるか、上げておるか、それから当初の見込みとどういう点がずれているか、当初の見込みどおりに行なわれているかどうか、そういう点についてお答えをいただきたいと思います。
#16
○説明員(玉置康雄君) ただいまお話がございました、構造改善事業がどのくらい成果が上がったか、また当初の見込みとどうであるかという御質問でございますが、実際事業に入りましたのが三十七年度からでございまして、しかも一つの地区が三ヵ年計画になっておりますので、現在まだ三十七年度に着手いたしましたものも全部事業途中でございまして、いま直ちに成果がどのくらいであったかということは申し上げかねるわけでございます。ただ、指定されました地区につきましては、現在ほぼ予定どおりの事業は行なわれておりまして、特に近代化施設につきましては、すでに施設のでき上がったものもございまして、それらにつきましては一応の成果が上がっておると思っております。ただ土地基盤整備のほうにつきましては、土地基盤の整備をいたしましても、それに伴う農業機械が入りませんとほんとうの成果は上がらないわけでございますが、先ほど申しましたように、それが大体三十九年度になりますので、いま成果が上がったということを現在ではまだ申しがたいと考えております。
#17
○大森創造君 土地基盤整備というものと、それから選択的拡大というものが農業構造改善事業の中心的な要素だと考えておるわけですが、そこで、その当初政府が、昭和三十五年の選挙のころに池田総理初め農林大臣が盛んに言うていた経営規模の拡大ですね、言うところをもってすると、二町五反歩というものを自立経営農家にするということであります。それまでの間には農地の相当に大規模な移動が行なわれるであろうというようなことを言った。農業人口がだんだん減ってくることは、これは近代化するに従っていたしかたないと思う。必然的な現象だろうと思うけれども、しかし自民党政府の考えておられたことは、とにかく経営規模が零細だから、これをひとつ集団化しようというところに大きなねらいがあったのだろうと思います。そういう点は、私は見通しが非常に農業の実態からしてはずれてきているのではないかと思うのです。それから協業化ということも、いまとなってみると、当初ねらったものとだいぶ事情が違う。それでどうですか、政府が鳴り物入りで経営規模の拡大ということを言っておりましたけれども、そういうものを基本にして立案計画せられた構造改善事業というものについてそごはないかどうか。当初のねらいとはずれていると私は思う。兼業農家が圧倒的にふえてきている、農村の人口は減ったけれども農家の戸数は減らない、こういう状態についていかがですか。
#18
○説明員(玉置康雄君) 経営規模の拡大につきましては、これは農業のほうで指導権を持つことでございませんので、工業の発展に伴ってそうなることでございましょうが、非常にその当初の考えどおりいかなかったということもございませんので、本日統計表を持ってまいりませんでしたが、昔は大体経営規模一町中心の農家がふえておりましたが、最近は一町五反以上くらいの農家戸数がふえております。また、ただいまお話のございましたように、五反以下の兼業農家の数もふえております。ただ、ごく短い期間の統計でございますので、これでどうということもございませんけれども、経営規模の拡大につきましても、見当はずれではございませんので、そういう傾向にはなっていると考えております。
 それから協業の点でございますが、経営規模の拡大が一挙にいきません場合には、やはり小さい経営の農家が集まりまして協業をやらざるを得ません。その組織は、農業構造改善事業におきましてかなりの協業体ができてきておりまして、かなり進んでおると思っております。
#19
○大森創造君 それで、過般の国会でもって農地法の一部改正と農基法の一部改正をやって農地の信託制度なるものを設けた。わざわざ法律をつくって、そうして法律の上では経営規模を大きくしようと、上限をなくして――主体的な労力が自家労働であるならば、ひとつ上限をなくしようということで、ああいう法律の改正を行なったのでありますけれども、いわゆる農地の信託制度というものはどの程度の利用度がいままでありましたか。
#20
○政府委員(丹羽雅次郎君) 経営規模の拡大につきましてだんだんの御質問でございますが、農地法を改正いたしました際には、この法律制度が経営規模の拡大を阻害するようなことになってはならない、したがって法律でそれを抑えているような部面につきまして改善をはかっていく、そういう立場で――拡大をしたいという方々の阻害を取り除こう、こういう立場で改正をはかった次第でございます。そこで、その後における変化は、法律改正は三十七年でございまして、一年間の変化は、先ほど農政局の参事官が申したように、若干の徴候があらわれておりますが、まだ特段の徴候を見きわめるという段階に至ってございません。
 それから信託制度につきましては、三十七年の八月に法律改正が行なわれまして、信託制度は農協が行なうために、農協の組合の定款の変更が農閑期に行なわれます関係上幾分おくれまして、組合の定款上におきましてこの仕事をやろうというふうにきめました。組合の数は相当あるわけでございますが、実際に信託に出ましたのは数件と承知いたしております。今後農家の移動の状態等のいかんによりましてこの制度がある程度の効果は持つ、かようには存じておりますが、それによってすべてが、日本の農地信託制度によりまして経営の規模の拡大が完全にそれだけで期せられる、かようには考えておりません。
#21
○大森創造君 私は、農地法の一部改正と農協法の改正による農地の信託というものは、単に経営規模の拡大ということについての阻害条件をなくするというためにこういう法律の改正を行なったということは、いま初めて聞きましたけれども、これは全国で数件しかないのですか、今までそのいわゆる農地の信託は何件くらいあったのですか。
#22
○政府委員(丹羽雅次郎君) 八件程度と記憶をいたしております。八ケースでございます。
#23
○大森創造君 私は、農家の実態からして、この法律改正の当初からまあ法律改正をして農協を仲介にして農地の移動を行なわせるというふうなことは、おそらく不可能じゃないか、よくよく特殊なものでなければこういうものは利用しないのじゃないかということを何かの席で申し上げたことがあって、そのとおりだと思う。これはほとんど皆無に等しいですね、八件ということになると。これはもう農業をやめてつとめに出ていく。しかし、農協というものを仲介にして、信託制度を利用して、そうして第三者に耕作させるという制度は、法律改正の必要もないだろう、別な形で農地の移動が行なわれるであろうというふうに私は考えておった。これはほとんど実効は上がっていないし、あってもなくてもいいような法律だというふうに思いますが、将来の利用度は相当盛んになるだろうというふうにお考えですか。
#24
○政府委員(丹羽雅次郎君) 農家が、一部農外に農業人口が出ます過程におきまして、その土地を取得利用いたしまして拡大する道は、実は農地の個人間の売買、賃貸借の形で動いていくのが本流であろうと私どもは存じております。その意味におきます数字は、全国で七万町歩以上農地が売買されております。その売買の姿が、先ほど申しましたとおり、一町五反を中心にして、より大きな形のほうに指向するような形において動きつつある、これが農地移動の本体のほうの動きでございます。それで、ただ売買だけでは、その農地の流動化に対しまして、一般個人間の売買による流動化、経営拡大以外に、賃貸借を通じますところの経営拡大の道に何か改善の余地はないかという角度から考え出されましたものが、賃貸借信託であります。で、賃貸借、つまり出ていく方が信託契約を農協と結びまして、農協が残っている方に賃貸借をやって、そうして出ていく方が、信託契約が終わりました際に、自分のところに戻り得るような形における賃貸借の形をひとつつくってみたらどうか、そういうのが信託制度でございまして、これは御指摘のとおり、非常にいろいろ制約がございまして、なかなか伸びておりません。御指摘のとおり、皆無に等しいという御批判は、現段階におきましては、そういう御批判も当然であろうかと存じますが、売買を通じます経営拡大、この面におきまして、それを補完するものとして、賃貸借信託につきましては、今後改善を加えてでもできるだけ用地を拡大いたしてまいりたい、かように考えます。
#25
○大森創造君 法務省の方がおいででございますから、別なことをお尋ねいたしますが、これは全国的な現象だと思いますけれども、法務局の出張所、いわゆる登記所が廃止されあるいは統合されるという基本的な理由、そういうことを必要とする理由、原因、それはどういうところにございますか。
#26
○説明員(上田明信君) 登記所の統廃合の目的といたしますところは、登記事務につきまして事務の合理化と能率化をはかるためでありますが、そして登記事務の適正、迅速な処理を目的とするわけでありまして、その結果といいますか、同時に住民の期待に沿いたいというのが目的であります。
#27
○大森創造君 率直に申し上げますが、事務の適正、能率化になると思いますか、そういうことをして。
#28
○説明員(上田明信君) 私たちはそう考えております。
#29
○大森創造君 法務省のあなたはそうお考えだろうけれども、これは私は実情を知っておりますが、まるっきり住民側からすると、これは事務の能率化どころか非能率化になるし、これは基本的な理由はそこにないでしょう、予算の問題でしょう、そうじゃありませんか。いままでとにかく、幾つか例を持っておりますが、登記所があって一人の職員がいたということのために非常に地元は助かっておる。この際そういうものを統合するということは、法務省の観点からするとそれは能率化になるでしょう。しかし、住民の側からすると、これは非常な非能率ですよ。ここに例を持っておりますけれども、それはたいへんな迷惑になるのです。さっき申し上げましたように、農業構造改善事業の基幹をなすところの土地改良、したがって交換分合も起こる。それから年間にいま言われましたように七万町歩からの農地の移動が行なわれるというこの時期において、法務省のほうで予算節約のためにこういうものを統廃合するということが私は真意だろうと思う。これは私は事務の能率化、適正化には絶対ならぬと思いますけれども、事務の適正化、能率化ということは法務省の観点からであって、住民の側からではないと思います。ほんとうに事務の能率化、適正化になりますか。
#30
○説明員(上田明信君) お答えいたします、法務省といたしましては、現段階における職員数、庁舎の状況、そういうものを考慮すれば、国民のためにということからすれば、この統廃合はやむを得ないものだというふうに考えております。
#31
○大森創造君 いやそうでなくて、私はこうだと思うのです。いままである出張所というものを廃止するということは、住民に明らかに迷惑をかける。ここにも書いてございますが、「印鑑証明、戸籍謄本などを必要としますので、場合によっては日に二〜三回役場と出張所間を往復することもまれではありません。幸い現在の出島出張所は、村のほぼ中央で役場とも極めて近距離にあり何等不便を感ぜずにいますが、万一出張所が閉鎖され土浦へ統合されるようなことになりましたら往復のバス代と時間の浪費は著しくかさみ一筆の土地台帳謄抄本下付申請にも一日を労し諸証明謄抄本が欠けていて役場まで往復しなければならないようなことが生じた場合は一件の登記完了までに五日〜七日を要することは必然であります。また、村においても農地基盤整備事業による交換分合や区画整理、或は道路の拡張新設や河川改修のための農地の転用移転、企業誘致関係など、毎日三〜六名の職員を派遣して登記事務を進めているわけです。現在は、約八時間を登記事務に専念していますが、土浦になりますと、午前十時頃から午後四時位で帰村することになり、従って取扱いの数も甚しく減少することは明瞭であります。」、私は、法務省がサービス行政に、こういう面について、しかも事務量がむしろふえてくるというこのときに、法務省の都合で整理統廃合されるというこの傾向は、やめてもらわねばならぬ。いまあなたのお答えを聞くと、事務の適正化、能率化ということが基本であるというけれども、私は実情はそうでないと思う。これは農家のほうは、あなたのところへ、あるいは民事局長のところへ、関係大臣のところへ、農林省のほうにも参っておりまするけれども、農林省のほうあとで見解伺いますけれども、ほんとうにこれは不便ですよ。こういう面は、おそらく根本的には予算の面にあるだろうと思うんです。住民はほんとうに不便なんですから。どうですか、ひとつ民事局長なり法務大臣なり相談をして、あとで農林省の側の見解もお尋ねいたしますけれども、これひとつ廃止したものを復活するように、むしろ決して今後統廃合するようなことがないように、そういうふうに方向を切りかえていただけませんか。
#32
○説明員(上田明信君) 現段階におきまして、法務省といたしましても、廃止する場合には、その地理的状況とか、件数、つまり利用者数でございます、そういうものを十分考慮し、かつ地元の方々の御理解を十分得るように努力いたしまして、廃止すべきところは現段階においてはやむを得ないとお答えするよりしかたがないような状態だと思います。
#33
○岡村文四郎君 いまの御質問の登記所の問題でございますが、実は払いまやっておりますところは、法務局長もなかなかりっぱな返事をしてくれませんが、移転の問題はやむを得ないようでございます。北海道の網走の小清水町の登記所でございます。網走を離れておりますが、隣の町に持っていこうとしております。東京で考えてもわかりません。管轄が広いんでございます。それをなぜしなければならないかと聞いてみますると、別に本省は何でしなければならないかと考えていません。局のほうからそういうことを言ってきておるので、あなたがそういうお考えなら、単に局からきたものをまるのみしませんと、こうおっしゃっておられる。そこで、小清水と斜里町のように大きな町は本土の県に相当する町でございます。それが持っていかれたら、どうなります。町長も何回も来ました。議長も来ました。話をしておりますが、あなたに聞いてもしかたがないと思うから、今度大臣を呼んで、あんなことだめだからやめてもらいたいと思っていますが、伝えてもらえますか。
#34
○大森創造君 いま岡村さんのおっしゃられたとおり、あとで大臣なり責任のある方にひとつあらためてこの点はお伺いしたいと思いますが、農林省のほうにも再三陳情に行っているので、農林省の方あるいはおわかりかと思いますが、農民は非常に困っている。農林省と法務省のほうと連絡をして、これは予算的に見ると私はわずかだろうと思うんですが、たった一人の事務員がいて、そして庁舎なんかについても、村や町でもって寄付をしたり、いろんなサービースをして、そして仕事の量が多くなった場合には、役場の吏員が、わざわざ費用を出してその仕事をカバーしているんです。その際、統廃合する。法務省の立場からすると、能率は確かに上がるでしょう。だけれども、農民の立場からすると、いま岡村さんのおっしゃるとおり、これは茨城ばかりでなく、だんだん全国的に非常に持ち上がっている。法務省は、選挙違反の取り締まりもやるし、その他ありがたい行政もやっておられることはわかっておりますが、これは住民から見ますと、法務省の存在は登記所ぐらいしかないですよ、農家の立場からすると、存在価値は。そういうとちょっと言葉は悪いが。とにかく法務省というものは、取り締まり当局であるけれども、サービス行政なんといったらこのくらいしかないんですよ。しかも、いま申し上げましたとおり、法務省はよく実情をおわかりにならないけれども、農地の交換分合やその他農地の集団化ということがこれから農林省の基本方針として一方に出てくるんですね。そういう場合に、わずかな予算の削減というものが基本になっていて、そして法務省のほうが、あなたのほうは事務的にそれを進めていく、こういうことになって、町村にしわ寄せされることになっているんですから、これは私の想像では、おそらくこの問題はわずかな予算だから、法務大臣と、それから農林当局、農林大臣なり政務次官のほうでとっくり話し合ったら、解決できるんじゃないかと思うんです。天下の趨勢を知りませんよ、茨城の農村の実態を。だから、法務省のほうは何年度の計画でこういたしましょうということで一方事務を進めているということになりますが、今度農家の側からすれば、それは非常に迷惑ですよ。時代逆行だと思う。これは法務省のもので喜ばれているものの筆頭です。これをどうしても廃止してもらっては困る。これはいままでのいわく因縁があり、土地を提供したり事務の応援をするなどしている。そういう立場からするというと、政務次官おいでになっておりますが、これは農林大臣と法務大臣と話し合われて、わずかな予算だろうと思う、こういう廃止してしまったものを復活させるように、なお廃止予定のものを取りやめるように、むしろ私は拡充してほしいと思う。こういうことについて、政務次官のお考えをお伺いしておきたいと思う。
#35
○政府委員(松野孝一君) 農林省のほうといたしましては、ただいま御指摘のように、これから農業構造改善等を進めていくにつきましては、いわゆる交換分合とかあるいは土地改良をやれば、そのために区画整理のあとにおける登記など非常に多くなるのであります。それでありますから、登記所の登記件数もそれだけふえてくると考えられるのでありまして、このことにつきましては、法務省のほうにも申し上げているはずでございます。ただ、法務省といたしましては、こういう点もあろうと思います。交通の便、不便ということもだんだんと昔と変わってきていると思いますので、そういう諸点もあり、また登記の機械化というような問題をやる場合においては、あまり登記件数が少ないと、能率がそのためにあがらないというような諸点もあるというふうに思いますが、どこまでも住民の声、実情などを十分考慮せられて、ケース・バイ・ケースで処理していただくよう、私は特にお願いしたいというふうに思うのであります。
#36
○委員長(横川正市君) いまの大森委員の質問の要点は、あなたから農林大臣に質問の要旨を伝えてもらいたいということなのです。きょうは法務省からは責任ある当局の方は来ておりませんので、法務当局と農林省で打ち合わせの上、具体的の要望として出ている、廃止したところの復活、また廃止しようとするところの今後の処置、さらに必要に応じて増加をはかる等の相談をしていただきたい、そういうことなのでありまして、政務次官のほうからそういう取り扱いをしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#37
○政府委員(松野孝一君) いま委員長のお話のように、農林大臣にもお話を申し上げ、農林省の立場から法務省のほうにいろいろ意見を述べ相談するというふうにいたしたいと思います。
#38
○大森創造君 申し上げておきます。法務省側からすると、取扱い件数が少ない、交通の便ということも昔と変わってきているということもありますが、取り扱い件数が少ないということは統廃合するという結論にならぬと思う。住民の側からすると、取り扱い件数が少なくてもある程度あるところはよけい不便なのです。取り扱い件数が多いところのほうが交通も便利であるし、件数が少ないところは非常に不便なんですから、そういう点を、単に事務的に処理されないようにお願いしたいと思います。
 それから、いま委員長のおっしゃるとおりのことでございますが、ひとつこの問題を、意外に全国的に農民が不便を感じておりますから、農林大臣とそれから法務大臣のほうで正式なルートに乗せて話をしていただきまして、そうしていま私が要望したような線でひとつやっていただきたいと思います。法務省だけにまかせておきますと、いまお答えになったような方向で進んでいきますから、そういう点でひとつ当局間でお話を進めて、次回の委員会あたりにひとつ文書なりによって御回答をいただきたいと思います。
 それではこれでやめます。
#39
○鶴園哲夫君 農林省の問題につきましてお伺いする前に、会計検査院当局に若干伺いたいのですが、私は、会計検査院のこの機構ですね、それから仕事の量、それから定数、それから職員の処遇問題、これにつきまして実は根本的にお尋ねをしたいと思っておるわけなんです。歴史的にいろいろ調べさせました結論は、どうもこれはおかしいと私は思っております。ですから、この三十七年度の決算をやりますときに、冒頭にひとつこの問題をやらしてもらいたいと思う。簡単にお尋ねをいたして見解を聞きたいと思うのですが、それは、御承知のように、行政機構はだんだん複雑になってまいりました、非常に広範になっております。会計検査院は昭和二十三年に今日のような組織になったんでありますが、それから定員がさっぱりふえてない、ほとんど停滞状態。しかも、公庫、公団、事業団というようなものが昭和二十五、六年から雨後のタケノコのように出まして、今日百数十――百を越すという事態なんです。そういう中で、その事業量は膨大にふえるわ、機構は全然ふえない、一定です。これでは、会計検査院の年報を見てみますと、ますます九牛の一毛を検査する、こういう事態に陥っているのではないかと私は思います。
 さらに、会計検査院は支所を設けることができることになっている。その支所を何がゆえに設けないのか。行政管理庁も、管区ごとに局を設けて、さらに県ごとに局をまた設けている。今日行政機関は、農林省は地方農政局という膨大なものを設けている。どこをとったって、みなその機関を持っているにもかかわらず、検査院は、支所ができることになっておるにかかわらず、その支所をつくらない。そういうわけで、私は検査を非常に心配するわけです。その点を私は詳細にわたって一ぺん伺いたいと思うのです。きょうは検査官見えておりませんか。
#40
○説明員(宇ノ沢智雄君) 見えてません。
#41
○鶴園哲夫君 これはなぜ支所を設けないのか。それから人員が昭和二十三年から変わらないというのはどういうわけか。それから内部の約千三百名の職員、これは昭和二十三年まで三百名程度であったものが今日の定数になったわけなんです。そのとき入った者が、大多数すでに十五、六年たって、四十才前後にみんななってきておるのですね。それが五等級、四等級のところにみんな集まっておる。それらに対する配慮が足りない。行政管理庁はそれぞれこれについては配慮いたしております。会計検査院はそれに対する配慮が足りないと私は分析しております。そういう点について伺いたいと思っているのですけれども、きょうはまあ簡単にそれだけ申し上げて、次の機会にひとつ御意見を承りたいと思うのです。
 ただ、定数をふやすということを聞いておりますが、三十九年度にどれだけの定数を考えておられるのか、その点承ります。
#42
○説明員(宇ノ沢智雄君) ただいまの鶴園先生からの御質問でございまするが、何分事柄が会計検査院全体の根本的な機構とか、その他職員の待遇の問題、あるいは支所設置の問題とかいうような点で、局長の所存、資格で申し上げる事態ではないと思いますので、このことを一応院に帰りまして、最高首脳部から次の機会にでも詳細に貴意に沿いますような御答弁をするのが適当ではないかと、こういうふうに考えております。
 三十九年度予算で大蔵省に増員要求をいたしましたものは、正確ではございませんが、私の記憶しておりますところでは、八十名程度だと存じております。
#43
○鶴園哲夫君 この問題、私から三十七年度決算をやりますときに根本的にお伺いをしたいと思います。何か支所を設けないことについていろいろ理由を言っておられますが、私はその理由当たらないと思いますので、ですからその点について御検討の上御出席を願いたいと思います。
 水産庁の問題に入りたいと思いますが、この水産庁の決算検査報告に基づきまして若干伺いたいのですが、漁船再保険の問題でありますが、このこういう事項数としては二万八千件余り、金額としましては十八億余りでありますが、その中で今回検査されたのは二%に当たる約五百六十九件、この五百六十九の事項を検査されましたところが、六・一%が悪いと、こういうことになっておるわけですね。不当に払ったもの、過大に払ったもの、それから全然損傷を受けてないにかかわらずだまし取ったもの、こういうものが出ておるわけですが、私は、この五百六十九の事項を検査されて六%余りのものが悪いと、これは少しひどいのじゃないかというふうに思います。少しひどいじゃなくて、こういうことでは困ると思うのですが、どこに一体その理由があるのか、それをお尋ねします。
#44
○政府委員(庄野五一郎君) 漁船保険につきまして、ただいま御指摘のような不当事項がございますことにつきまして、行政の責任者としましてまことに遺憾に存じております。漁船保険の仕組みにつきましては、御承知のように、県ごとに元請保険がございまして、それを国が再保険している、こういうかっこうになっております。それで、事故が起こりました場合におきまする損害調査の点に問題があろうかと存じます。それで、損害調査につきましては、事故が全損か、分損か、あるいは全損か分損かの境目にあるものはどういうふうになるか、こういうような事案が多々あると思います。明らかに分損の場合は、これは元請の漁船保険組合で事故調査、それから第三者の評価委員を入れました第三者評価というものをいたしまして、さらに漁船保険の中央会からも実情をただす、こういうふうにいたしております。なお、全損の場合は、これは直接国が調査する、こういうことでございますし、損害によりまして、全損になるか、あるいは修理不能か、こういった境目のものをおもに国が実施調査する、こういうことになっております。それで、分損の場合の不当事項の御指摘を受けました分につきましても、分析をいたしてみますと、修理の場合におきまする、便乗して修理をしたとか、あるいはその支払い等におきまして、十分な証憑がない、そういったことで修理が過大でなかったか、こういったものが多いのでございまして、そういう点につきまして、われわれといたしましても、元請保険なり、あるいは県の指導によりまする損害調査の徹底といった点を十分徹底さしたい、こういうことで心がけております。そういう点につきましては、この保険組合なりあるいは中央会に、損害調査に要する費用、いわゆる調査料というものを、分損保険について二%程度を保険金を支払います分に上積みしてこれを配賦いたしまして、そういう費用で調査の徹底を期する、こういうことにいたしておりますが、ただいまのところにおきましては、調査報告を十分精密にやらせるということと、それにつきましての損害状況等を早く写真にとって、そういう点の実情を明らかにする、そういった点、それから第三者評価の公正な評価というものをつけさせる、そういうような点で十分徹底をしていきたい、こういうふうに指導いたしております。なお、所管の海運局の海難事故の証明書、そういったものを必ずつけさせる、こういうことで、ただいま御指摘のような、まるで損害のないのに詐欺的に保険金の支払いを受けるということのないように徹底を期したい、こういうふうに考えております。
#45
○鶴園哲夫君 過大に受け取ったもの、ですから支払わぬでいいものを支払っている、それから全然事故のないものに対して金を支払っている、この割合を見ますと、膨大なものですよ――二%調査してこれたけの数字が出ているのですから。だから、何も事故がないのにだまし取ったというのが十一近くあるのですね。これは二%ですよ。たいへんなものがだまし取られている。だから、いまお話しになったようなことで一体防げるのか。これはいつまでも続くのじゃないかと思うのですけれども、いまいろいろ長官お話しになりましたが、それはいままでもやっておられるのでしょう。だから、そういうことでは防げないのじゃないかと思うのです、これは。
 そこで私は伺いますが、この中央会、これはどういう機構になっているのか。それから定員はどの程度あるのか。それと、この五十三の漁船組合がありますね。これとの関係はどうなっているのか。ですから、この中央会の機構、人員、それから予算、それと五十三の漁船組合との関係、これを承ります。
#46
○政府委員(庄野五一郎君) 先ほど御説明申し上げましたように、漁船保険制度は、元請の漁船保険組合、これは御承知のように県単位にございます。それが漁民の漁船につきまして、漁船保険の引き受けをやるというので、元請組合になっております。その元請組合の保険を国の特別会計で再保険する、こういう形になりまして、いわゆる漁船保険事業というものは、元請の県ごとにあります元請保険組合と国の再保険特別会計で事業を実施いたしております。それで、事業関係におきましては、漁船保険中央会はこの保険の責任は持ってないわけでございます。それで、漁船保険中央会は、元請漁船保険組合を会員として組織されている中央会でございまして、中央会におきましては、事故の防止、あるいは事故防止のための保険組合に対しまする、あるいは漁民に対しまする指導なり、あるいはPR、そういったようなこと、それから事故が起こりましたときにおきまして、先ほど私が説明いたしましたように、保険の損害調査を実施する、そういった形になっております。それで、中央会におきまする全体の職員は、私はちょっと記憶がございませんが、この損害調査員というものは、二十名程度おります。そのほか事務等の関係で二十名で、大体四十名、こういうふうに聞いておりますが、大体四十名で、県の保険組合の損害の実地調査を指導しあるいはその実地調査を引き受けるといったような者が二十名程度で、こういう不当な事故の起こらないように指導いたしております。
 なお、そのほかに、保険組合につきましては、この損害の多寡によりまして、元請保険漁船組合を管轄する県の漁船保険担当職員が、やはりそういう不当事項の起こらないように、実地調査を監査する、指導する、こういうことになっております。
#47
○鶴園哲夫君 先ほど私が申しましたように、検査してみたところが六%あまりが悪い、これは非常に大きな数字ですね。で、どういうわけで、こういうような大きな数字になるのかという点について、私はいま二、三の角度から水産庁長官に伺ったわけですが、これは、この会計検査院の報告と、それから実際担当した会計検査官の意見を聞きますと――僕は聞いたわけじゃないのですが、聞かしてみて、ここに出てきておるわけです。それを見ますと、問題は、損害の状況と修理の設計書を添えて保険の支払いを依頼する損害申告、これを組合に出す。その保険組合が実地に調査してないのではないかというところに、根本的な原因があるのじゃないか。それを指導監督するという中央会――これは、損害申告を組合に提出すると、組合はその損害の調査を漁船保険中央会に依頼するのじゃありませんか。そうじゃありませんか。さっきの話と少し違うように思うのですがね。ですから、漁船保険中央会がやはり調査をする、実地調査をする、そういうことになるのじゃありませんか。そうすると、二十名のこの人員で全国の二万八千件を調査するということになるのか。あるいは、五十三の漁船保険組合、それの人員がまことにお粗末じゃないかと思うのですがね。いずれにいたしましても、私のここへ来ているものと、長官の言うのと、違う。その点をはっきりさせてもらいたい。
#48
○政府委員(庄野五一郎君) 先ほど指摘事項件数が、六%というような御指摘のようでございますが、私が報告を受けておりますのは、五十三組合につきまして――これら全部の元請の保険組合でございますが、五十三組合につきまして、三十七年度におきまして、三十六年事業の会計検査院の実地検査を受けました分が十九組合、それで大体引き受け件数はただいま御指摘のように二万八千件くらい、約三万件近かった、こういうふうに存じますが、十九組合につきまして約一万件が会計検査院の実地検査の対象になったように聞いております。それで、会計検査院の御指摘を受けました分が八十七件というふうに伺っておりますが、御指摘によりまして、水産庁でさらにそういう御指摘の点を調査いたしまして返還するものとか、あるいは理由を聞いて実情を調査いたしましてまた御了解をいただいている、そういうもの等を措置いたしましたが、今回御指摘受けましたのが六件、こういうふうに聞いております。大体〇・六%程度の事項率というふうに……。
#49
○委員長(横川正市君) 庄野さん、答弁の途中ですが、本件審査の年度は三十六年度決算ですから。
#50
○政府委員(庄野五一郎君) はい。三十六年度の事業を三十七年度に会計検査院が検査されたわけでございますから、三十六年度事業を今御説明しているわけです。三十六年度事業を三十七年に御検査になった。
#51
○鶴園哲夫君 どうもいいかげんな答弁をしている。ここにちゃんと書いてあるじゃないですか。会計検査院どうですか、私が指摘しているのは。
#52
○説明員(宇ノ沢智雄君) ただいまの水産庁長官の御答弁にありました数字、金額なんでございまするが、三十六年度中の再保険金の支出で私のほうで調査いたしましたのは、検査報告の六二ページに掲記してあるような事項、金額でございます。ちょっと数字が、長官がお述べになりましたのと違うようでございます。あるいは三十七年度分じゃないかと思うのですが。
#53
○鶴園哲夫君 こういうようなでたらめな答弁をするようでは、水産庁の審議しませんよ、何たることですか。ちゃんと書いてあるのを、間違えたことを言う。とんでもないですよ。(「取り次ぎが悪いよ」と呼ぶ者あり)取り次ぎが悪いなんて、ちゃんと書いてある。いいかげんな答弁をしてばかないませんよ。
#54
○政府委員(庄野五一郎君) 私あるいは取り違えたかと存じますけれども、その点十分調査いたしまして再答弁いたしたいと思います。
 なお、御指摘のような事項につきましては、組合のやはり実地調査の点につきまして、調査を担当いたしまする職員の素質、そういった点にも問題があろうかと存じますし、また分損の場合におきまする損害の査定とそれの復旧ということにつきましての指導等においても遺憾な点があろうかと存じます。そういう点につきましては、先ほどから申しますように、間違えましたけれども、保険組合の調査員がそういう点で非常に弱体であるという点もございまして、中央会におきまする二十名の者に保険組合から実地調査を依頼するという形で、第三者調査といったような形で中央会が指導しながらみずから損害の実情を調査する、こういうふうに相なっております。そういう点でさらに改善を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#55
○鶴園哲夫君 私は、先ほど数字をあげて、五百六十九事項、その中で不適当というふうに指摘されたものが六・一%という数字をあげたのにかかわらず、〇・六%なんという話をされるのじゃ、大体読んでもきていない。いかなる理由ですか。水産庁あと回し、そんな話じゃ話にならない。事件数から根本的に。どこに数字が出ていますか、一体そんな数字が。
#56
○説明員(中村健君) ただいま長官の答弁いたしましたのは、〇・六%と申します数字は、会計検査で御指摘になった全体の件数八十七件に対しまして、水産庁で実際に会計検査院と協議の結果返還いたしました金額、ここに出ております十万円以上のは百六万五千円ございますが、これではなしに、全部入れました場合が〇・六%となっておるわけでございます。
#57
○委員長(横川正市君) いまの鶴園君の質問の点ですが、水産庁とそれから会計検査院との質問の趣旨に行き違いのあった点、ひとつ調べていただきまして、なお質問者の意向を休憩中でも十分聞いて、午後また質問していただくようにしていきたいと存じますので、鶴園君他の質問に移っていただきたいと思います。
#58
○鶴園哲夫君 食糧庁の問題につきましてお尋ねいたしたいわけですが、食糧庁の会計検査院の指摘事項を見ますというと、このほとんどは特別麦の払い下げ問題であります。これにつきまして違約金を問題にしておられるのですが、調査は、四百六十二工場の中で、検査をされましたのは八十九工場であります。八十九工場を検査をいたしまして、違反のあった工場が二十五工場、条件をこえて精麦した工場、これが二十一工場、転売をした工場、これが四工場、合わせまして二十五工場、であります。でありますから、検査をいたした八十九の工場の中で約三割以上の工場が、違約をしたり、転売をしている、こういうことに相なるわけであります。したがいまして、量としては、はなはだしく多いということに相なるわけであります。そこで、これについて違約金等を約五千万近く納付させるようなことになっておるわけです。
 で、まずお尋ねいたしたいのは、どういうわけで三割以上もこういうことになるのか、その点をまずお尋ねをいたします。
#59
○説明員(田中勉君) ただいま鶴園先生から御指摘のございました点でございますが、何ぶんにも余剰麦の処理制度といいますのは、三十六年度に初めてこれを実施した制度でございます。御案内のように、この背景といたしましては、それ以前から逐年大裸麦の需要が非常に減少してまいりました。かたがた政府の大裸麦の買い入れ量が増大をしてまいりまして、三十六年度のこの制度を実施いたします当初の政府の持ち越しというものが七十二万トンにのぼりまして、これは年間の大体需要量のおおむね一年分をまかなうような在庫量になってまいったわけでございます。その後におきまして、その年の政府買い入れ量、または需要の低下傾向というようなことを見ますると、おそらく三十六会計年度の末においては在庫量が百万トンに達するだろう、こういうような見通しが立てられましたので、この際政府の手持ちの麦の処理の一環といたしまして、大裸麦を全部、この余剰のものにつきましては、精麦用の需要には頭打ちがございまするので、全量麦ぬか生産という方式をとった次第でございます。何ぶんにもその年度当初にこの制度を実施したのでございまするので、このやり方につきましては、いろいろ食糧庁の中でもどういう方法でやるかということを検討いたしたわけでございます。それはやはり精麦業者を通じましてこの麦ぬか増産、余剰麦の処理を実施することが適当であるというような結論に達しまして、精麦業者を利用いたしましてこの麦ぬかの増産をいたしたわけでございます。御指摘もございましたが、精麦業者は、一面において、本来の業務といたしましては、精麦をつくるというのが本来の業務でございます。その工場に、この特別の麦を一定の価格で一定量を払い下げをいたしまして、そしてその払い下げたものにつきまして麦ぬかを生産してもらう、こういうたてまえをとったのでございます。したがいまして、その払い下げの価格は、精麦用の価格とは安い価格で払い下げることになるわけでございます。麦ぬかの価格に見合う原麦の払い下げ価格ということになるわけでございますので、私どもといたしましては、これが適正に履行でき得るように、いろいろ、この実際の履行状況が適正に行なわれるように、監督なり、指導なり、そういうことを考えたわけでございます。まず精麦工場におきまして諸帳簿の整備等を十分義務づけまして、それに基づきまして、たとえば麦ぬかの生産が確実に行なわれるように、政府から精麦用として払い下げました原麦につきまして、それが超過生産を行なわれるような精麦方式はとらないというようなことで、精麦の生産についてその検定をする、こういうことをやってまいったわけでございますが、何ぶんにもこの事務処理、それから現実に一応精麦も生産していく、同時に安く払い下げた原麦について麦ぬかの生産をするということが、同一工場のやはり作業過程の中において行なわれるわけでありますが、その作業と現実の事務処理というようなことについて食い違いができまして、会計検査院の報告のとおり御指摘がございまして、違反事実が発覚いたしたわけでございます。それにつきましては、私どもは当初万全の監督体制ということを一応考えて、事務処理においては一つの工場の諸帳簿の整備または報告事項あるいは検定を受ける事項ということを指示したわけでございますが、先生が御指摘になったような結果に、最初の年の検査の結果、そういうことに相なりました。
#60
○鶴園哲夫君 私、先ほど会計検査院の検査の結果、三割程度と申し上げましたが、二八%くらいですね。これが悪いということになるわけですが、非常に件数としては多いわけですが、食糧庁として、この問題については、ちょうど農林水産委員会で、この原麦の払い下げについて、特別麦の払い下げについて、相当当時論議されたわけですね。その会議録によると、いろいろ突っ込んだ質疑が行なわれている。したがって、注目を浴びたわけですが、この問題について、いま会計検査院の指摘のように、二八%も工場が違約をした、あるいは転売をしているということでは、問題があるのではないかと私ども思います。なお、食糧庁として、この四百六十二の工場に特別麦を払い下げたわけですが、それについて食糧庁としての契約がそのとおりに行なわれているかどうかという点についての監査が行なわれたのではないかと思うのでありますが、実情を聞いてみますというと、わりあいに簡単にこれはわかるのではないか、こういう意見であります。これは私が調べたのではないのですが、ここに報告書が出ている。その報告書によりますと、これは食糧事務所あるいは食糧庁が事後の確認処置が不適切ではなかったか、条件どおり生産されていたかどうかということは、原料の受け払い台帳、加工台帳、生産品の受け払い台帳、これを見ればわかるのではないか、こういうことであります。この程度の台帳がないというわけではないわけで、この台帳があれば、これを確認すれば、履行されておるかどうかということはわかるのではないかというのが、調べた結論であります。そうしますと、どうも食糧庁が監督しておったのでは、全く出なかったのかどうか、そうして会計検査院が検査をしてみたところが、二八%もの工場が違約をしている、あるいは転売をしているということになったのか、そこら辺のところをひとつお尋ねをいたします。
#61
○説明員(田中勉君) 先生の御指摘がございました、この監督なり、そういう事前にわかることになっておるというような一つの調べ方の基準といたしまして、原麦の受け払い台帳あるいは生産物の受け払い台帳というようなことを十分書類面によって突合すればわかる、こういうお話でございますが、私どもも、諸帳簿の問題につきましては、十分ある程度職員も目を通しておるわけでございますが、何ぶんにもこういう所定帳簿と、実際の現場の作業日報という――御案内のように、精麦工場は毎日動いているわけであります。どの程度の原料を切り込んでどうであるという作業日報というものと必ずしもマッチしていない面がございまして、検査なり監査を受けるということになりますと、台帳面なり、そういう面は比較的に一応書類上は整っておるというようなことになりますが、どうも現場の作業日報等と食い違う面等がございまして、やはりその辺にどうも、私どものほうも、これは絶えず私どもの職員が工場に出張っておりましてこれを見て回るということもできませんわけでございましたので、そういう点整っておる帳簿だけでやって参りますると、やはり工場の現実の物の流れ、作業日報等による物の流れというものとの食い違いが出てきた。そういうような点等について、検査院におかれましては、いろいろそこを掘り下げて御調査いただいたというようなことになっております。
 そこで、私どもといたしましては、その検査院の検査がございましたので、従来のような私のほうの監督なり、そういう点検ということでは、なお私ども反省をいたしまして、ちょうど検査院の検査がございまして、翌年の五月から七月にかけまして検査院のいろいろなお調べをいただいた、そのやり方等も参考にいたしまして、翌年の五月から七月に検査院の検査を受けない工場が三百十三工場あったわけでありますが、そのものにつきまして、私ども一斉に職員をして検査をいたした、こういうことでございます。
#62
○鶴園哲夫君 違約した場合にはキロ当たり三十三円の違約金を取るということになっておるわけですが、この三十三円の違約金では、違約したほうが得だというような情勢であったのではないかというふうな結論になっているわけです。違約したほうが得だ、違約金を払っても得だ、こういうことにそのときの情勢ではなっておったのではないかというのが一つの結論です。したがって、二八%も違約をするということに相なったのではないか。中には、四工場は転売してしまった。これは違約どころの騒ぎではなくて、転売してしまったということになったのではないか、こういう結論に対しまする食糧庁の見解を承りたいと思います。
#63
○説明員(田中勉君) この違約金は、麦ぬかをつくるのにもかかわらず、麦ぬかをつくらないで精麦にしたということが、これは検査院で御指摘があったわけでございますが、その違約につきましては、一キロ当たり三十三円ということで、違約条項の中に織り込んでおるわけでございます。この三十三円の算出の基礎につきましてちょっと御説明を申し上げまして、先生のおっしゃられたこと、あるいはその辺御理解いただきたいと思うのでございますが、まず、その三十三円の基礎につきましては、その大・裸麦を精麦にいたします場合に、その精麦の値段を国が想定をいたしまして、そうして原麦の売り渡し価格をきめているわけでございます。毎年米価審議会でこれをきめているわけでございます。したがいまして、三十六会計年度からこれは発足したわけでございますので、三十五年のときの政府の原麦の売り渡し価格、これがトン当たり四万七千八百五十円になっておりますが、これは精麦を織り込んでこう見ているわけでございます。そのときの精麦の織り込み価格は、一キロ当たり四十七円八十五銭ということで見ておりまして、一キロ当たり四十七円八十五銭の精麦ができるという前提に立って政府の原麦売り渡し価格を四万七千八百五十円ときめておるわけでございます。そこで、一方におきましては、その四万七千八百五十円の原麦の売り渡し価格を算定する場合におきまして、精麦をそのように見ておりますが、同時に副産物としてぬかが出るわけでございます。ぬかの織り込み価格をどのように見ておりましたかということを申し上げますと、ぬかのほうにおきましては、これは大・裸麦平均でございますが、一キロ当たり十八円九銭という麦ぬかの評価をいたしまして、先ほど申し上げました原麦トン当たり大・裸麦、これは平均でございますが、四万七千八百五十円ということで政府の売り渡し価格を決定しておったわけでございます。そこで、この両者の差し引き――四十七円八十五銭の精麦をつくった場合には、一キロ当たりそれで売れると政府は見ているわけでございます。それから麦ぬかにした場合には、一キロ当たり十八円九銭だ、こういうふうに見ているわけでございますので、この両者の差し引きをいたしますと、二十九円七十六銭ということになりまして、これが大体三十円、この差額を一キロ当たり三十円ということに見たわけでございます。したがって、これはそのままの計算でございますので、違約金としての措置を講ずるわけでございますので、それの一割アップということで三十三円ということにきめているわけでございます。
 そういうことでございますので、特にこういうことをやったほうがかえって得だというようなことには、私どもの想定いたしましたこういう考え方の数字的な計算からいたしますと、そういうことに相なっておらないというふうに考える次第でございます。
#64
○委員長(横川正市君) 午前の審査はこの程度にとどめ、午後は十三時二十分より委員会を再開し、審査を続行いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
   ――――・――――
   午後一時二十五分開会
#65
○委員長(横川正市君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、昭和三十六年度農林省関係の決算を議題とし、審査を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言願います。
#66
○鶴園哲夫君 林野庁と農地局の今度の決算で指摘をしてあります点に中心を置きましてお尋ねをいたしたいわけですが、この決算で指摘をいたしておりますのは、農林省で所管をいたしております国有林野、それから約五十万町歩の農地、それからその管理について種々指摘をしておるわけです。特に私は、林野開放の問題もいま出ておりますし、したがって、管理の問題についてお尋ねをいたしたいわけです。
 この国有林野の点についての指摘は、国有林野の貸し付け件数、これが約四万六千件であります。四万六千件貸し付けておる。その面積が約四万八千町歩。で、それの収入が一億一千万ぐらい。この四万六千件の中の二百八十五件、これを会計検査院が検査した。そうしましたら、その中の七十三、これが低廉である、低過ぎると、こういう指摘であります。で、それぞれ指摘されました内容につきましては、私のほうも調査をさせまして、会計検査院に出向かせました。それぞれ内容について詳細に検討させまして、それをくるめて伺いたいわけですが、この二百八十五件の中で七十三件悪い。この率は二六%であります。
 私は、この二六%悪いという中に入る前に、これをほぼこの全体に引き直した場合に、四万六千何がしという件数に引き直した場合に、どの程度のものなのか。そうしますと、これは膨大な約十億前後のものが、当然貸し付け料として取らなければならぬものが取られてない、こういうことに相なるのではないかと思っております。林野庁は、いま赤字だ赤字だということを盛んにおっしゃるのでありますけれども、年間に十億近い当然に徴収しなければならぬものを徴収しないというようなことに相なりますと、これは十年たつと百億ですか、そういうような管理について大臣はどういうふうにお考えになっておられますか、それを先に承ります。
#67
○国務大臣(赤城宗徳君) 国有林野の貸し付け料が非常に低いのじゃないか、こういう指摘を会計検査院からも受けております。また、いまお話しのように、そればかりでなく、管理に万全を期していないじゃないか、こういう御指摘でございますが、貸し付け料金につきましては、非常に安いままでずっときたのでございますけれども、会計検査院の指摘もあり、また情勢の変化に対応いたしまして、三十七年、三十八年の両年度にわたりまして貸し付け料の改定をいたした次第でございます。たいへん長く安いまま捨てておきましたので、改定をいたしましたところ、これはまた急激な改定でないかというようなことを言われる向きもありますけれども、あるいは一般の貸し付け料とか、その他しんしゃくいたしまして、適当なところにみな改定を済んでいるというふうに私は聞いているのでございますが、もしもそういう改定ができておらないということでありますならば、さらに調査をいたしまして、不適当なものは改める。こういうふうにいたしたいと考えております。
#68
○鶴園哲夫君 重ねて申し上げておきますが、会計検査院がきわめて――これは九牛の一毛に相当するのですが、四万六千件の中の二百八十五件検査をして、この二百八十五件の中の二六%が悪い、低過ぎる、こういう指摘であります。それに、この二百八十五事項というのは、全体の四万六千のわずかに〇・六%ですね。これで計算しますと、年間に約十億くらい国は損をしているということになるのです。十年たてば百億ですよ。いいかげんな管理では困ると私は思う。ですから、えらい膨大なことになるのですが、こういう管理のしかたというものは、こういうべらぼうに安い値段で――時価の五十分の一、百分の一というのがあるのですよね。こういうべらぼうな値段で貸すものだから、国有林野というものはただみたいなものだという考え方を周辺に植えつけると私は思うのです。たまたまこの検査の中に、栃木の日光を中心にして検査がたまたま行なわれているわけですが、この内容を見ますと、金谷ホテルというホテルがあるのです。このホテルに対して非常に大きな土地を貸し付けているのですが、さらにこの日光に、レーキサイドホテルというのがあります、これに貸し付けている。それから東洋観光興業というのがあります。すぐ近くにあります。これに五十万坪貸し付けている。それから社会福祉法人慈生会、これに六十万坪貸し付けている。それから財団法人林野共済会、これもこの近くにあります。非常に大きな土地をこういうところに貸し付けているわけですが、これは日光という、一種の観光といいますか、あるいは日光を中心としたあの辺の避暑地帯といいますか、ここがたまたま一つの調査になっているわけですけれども、これを見ますというと、相当多くのこういう地帯におきまして乱暴な貸し付けが行なわれているのじゃないかという懸念があるわけですが、そういう点について、林野庁としては資料はおありだろうと思うのです。
 で、先般、御承知のように、行政管理庁が、観光あるいはホテル関係あるいはゴルフ場、こういうものに相当、まあ言うならば問題があるのではないかということで、ことし監察をされております。ですが、出ました報告を見ますと、そういうものは抜けております。当初の監察のときの宣伝は、その点も監察するということだったのですけれども、このまとめたものには抜けております。しかしながら、いま会計検査院が検査した中にちょうど日光地帯が入った、そのために、この周辺のホテルとか、あるいは観光興業とか、こういうものに五十万坪、六十万坪安い値段で貸し付けている。これは、全国的にいって、こういう事例が相当あるのではないかと思うのですけれども、これはひとつ林野庁長官に御答弁をいただきたいと思います。
#69
○政府委員(田中重五君) 御答弁いたします。
 まず初めに、会計検査院の指摘事項として二百八十五事項に対して七十三事項の指摘がなされたが、これは二五%に当たっているので、それから推計をすると、予想の国損額は十億円にものぼるのではないかという御指摘のようでございます。で、この点につきましては、この二百八十五事項に対する七十三事項の比率は二五%ではございますけれども、貸付件数全般にわたりましてこの比率で不当に安く貸付をされているということにはならないかと存じますので、したがって、国損額が全般にわたってこの額になるかどうかは、必ずしもそういうふうには考えられなのでございますが、いずれにいたしましても、従来の貸付の額につきまして必ずしも妥当でなかったという点は、まことに御指摘のとおりでございまして、遺憾に存ずる次第でございます。で、その点につきましては、またあとで申し上げる機会があるかと思いますが、それぞれでき得る限りの改定、是正を加えまして、この指摘を受けました七十三事項につきましては、いまも大臣の御答弁にございましたように、それぞれ三十七年度あるいは三十八年度に適正な価格に改定がえをいたしましたということが申し上げられると存ずるのでございます。
 それからそのあとで御指摘のございました、日光を中心にいたしました金谷ホテルあるいはレーキサイドホテル、その他東洋観光興業株式会社、それぞれ戦争の直後から始まって、戦後もございますが、貸付が始められておるのは事実でございます。これは、それぞれ根拠となるべき法規によりまして、手続といたしましては適法に貸付が進んでおると考えられますが、なおこのような規模における貸付が全国的にあるのかどうかという点につきましては、おおむねこのような事例は全国的とは考えられないというふうに申し上げることができるかと存じます。
#70
○鶴園哲夫君 行監月報というのがあるのですが、これは行政管理庁が毎月出しておる月報であります。この行監月報のナンバー四三、これによりますと、レジャーブームによって、国有林野が、観光道路、ホテル、ゴルフ場、スキー場等の諸施設の建設に貸し付けられたり、売り払われたりする例が多い。そのほかにも二項目あげまして、したがって、今回行政管理庁としては行政監察を行なう、こういう言い方であります。ですから、私は大田原市には大きなゴルフ場が、四十万、六十万坪ぐらいのゴルフ場が置かれておるのは承知しております。これは会計検査院の今度の指摘の中に出ております。ですから、私は、先ほども申し上げますように、日光を中心としたところが、たまたま大田原営林署が監察の対象になって、その管轄の中へ日光が入っておるものですから、軒並みに、ほとんどこれはもう国有林にならぬのじゃないかと思うぐらい貸し付けておる。金谷ホテルから何から、東洋観光興業というのは五十万坪貸しておりますね。これは当初は非常に狭かったというのですが、放牧なんかやっておるようですね。それから社会福祉法人の慈生会六十万坪、これは何に使っておるのか。六十万坪と思うんですけれども。ですから、全体として、そういうような観光地なりあるいは避暑地に近いところ、そういうところにおける国有林野の管理というもの、貸し付けというもの、これが、いま日光にあるような事例になっておるのではないかというふうに考えたわけなんです。ところが、長官のお話では、全国的にはそういうことでもないようなお話であります。しかし私は、いま行政管理庁が行監月報に載せておるように、これは問題だというので監察をした、そういう意図で監察をしたという点をひとつ申し上げておきたいと思います。こういう六十万坪、五十万坪というものをべらぼうに低い値段で貸すということ自体に問題があると思うのです。おそらく、この観光ホテル、東洋観光興業というのは五十万坪借りておりますが、これは放牧に使っておるという話ですけれども、おそらく周辺の農家にとってもこれは垂涎の的になるような所ではないかと思うのです。しかしながら、それがこういう一業者によって占められるということは、これは問題があるのではないかと私は思うわけです。いまこの国有林野の開放の問題が盛んに出ておりますが、こういうことをするからいけないのじゃないかと思うのです。
 もう一つ、先般問題になりました西宮の甲山事件、これは今度の行政管理庁の監察の中でも出ておりますけれども、この甲山事件についての経緯をひとつ伺いたいと思うのです。
#71
○政府委員(田中重五君) 甲山の問題についてどういう経緯であるのかという御質問のように承りましたが、この大阪営林局と申しますああいう地域における営林局の国有林野の配置を見ますと、これはまあそれなりの沿革と歴史的な経過を経て国有地が成立をしたということになると思いますが、他の営林局骨内に比べまして、比較的都市周辺に孤立小団地の国有林野を持っておりまして、そうして全体としてのまとまりが比較的薄い。現在でこれを見ますと、場所によりましては、むしろこれを民営に移すことが国有林野の管理経営上適当ではないかというふうに考えられる一方、また場所によりましては、現在民有林ではあるけれども、その所在が相当奥地僻遠の地に所在するために、必ずしもその開発が十分にいっていない。で、国の組織なり、あるいは経費でそこの開発を進めることがその目的を促進し得ることになるのではないか、と思われるような地帯がございます。
 そこで、大阪営林局といたしましては、すでに前から、そのような国有林野の配置がえと申しますか、そういう考え方で、漸次大都市周辺の小面積の孤立団地を整理をいたしまして、そうして奥地に国有林野を配置するというような考え方でまいったわけでございます。たとえば、保安林の整備等にいたしましても、そういう考え方で進めてまいっておったのでございますが、たまたま甲山と申しますのは、大阪にやや近い、神戸との間に存在する国有林野であったのでございますが、いま申し上げましたような方針に基づきまして、これを民有に移しまして、そうして奥地のほうでの国有林を取得する、手段としてそういうことを考えてまいったのでございます。
 しかしながら、現在の経緯を申し上げますと、あの甲山が、あの地帯周辺の相当昔からなじみの深い山でもあるし、またいろいろな理由で国有として残してほしいという地元からの要望もございますので、現在といたしましては、そういうような要望もございますし、その分の配置分合につきましては、現在そのままにいたしておるというのが現状でございます。
#72
○鶴園哲夫君 この甲山事件というのは一つの例として申し上げるわけです。つまり、有力な不動産屋が入って、時価の六分の一くらいに買うというようなことになって、新聞にたたかれた。さんざんたたかれて、これは取りやめになった事件でありますが、そしていまは長官のおっしゃるとおり。そういう開放ブームというようなことに乗っかってそういう問題が出てくるわけですけれども、今後やはり、日光に示されておるようなホテル業者なり、あるいは一部のもうけ主義の者が独占をする、しかもべらぼうに安い値段で、ただみたいな値段で独占をするというようなやり方が目につき始めておる。ですから、そういう点について、どうも林野庁というのは関心が薄いというのか、何か欠陥があるように私は思うのです。
 私は、いま会計検査院が指摘しておりますこの問題について、会計検会院の担当した者、実際調査を担当した者、検査を担当した者についていろいろ聞かしてもらって、その結論は、林野庁は、木材のことについては御承知のようであるけれども、土地については御承知ないのではないかという結論である。それがいま、有力な不動産屋に六分の一くらいの値段であわや買われようとするような事態になっておる、あるいは、ここに指摘してあるような、ただみたいな値段で貸しておる、そのために国に大きな損失を与えた、こういう事態になったのではないかと私は思っております。その点について、大臣どういうふうに感じておられるか、お尋ねしたいと思います。
#73
○国務大臣(赤城宗徳君) 土地の問題を粗末にして、木材の問題だけに重点を置いておるのじゃないか、こういうまず御観察でございますけれども、そういうことであるとすれば、私間違っておると思います。しかし、林野庁といたしましても、いま国有林のあり方ということにつきまして、鋭意検討いたしております。国土保全のためとか、その他森林、ことに国有林としてのあり方を、再検討といいますか、再検討をさしておるような事情でございまして、私も、林野の国において持つ意義ということについては、高く考えておるわけでございます。しかし、一つの経理にもいたしておりますので、林の資源といいますか、森林の資源の育成あるいはその伐採、販売等につきましても、相当苦心をいたしております。しかし、いま御指摘のように、日光の金谷ホテルとか、あるいはその他甲山の問題もありましたが、会計検査院の指摘しておるような価格で貸し付けておるというようなことは、やはり国の、国民の財産というものを粗末にする結果でございますから、指摘がなくても、これは改めるべきものだと私は思っておりましたが、指摘がありました関係もありまして、急速にこれは解決いたしまして、そのほかの貸し付け等につきましても、まあ簡単に言えば、ただで貸すようなことは、これはよくないと思います。これから貸し付けにつきましても、あるいは貸し付ける場合の貸し付け料等につきましても、十分慎重に検討いたしまして、国有林存在の目的というものをはずれないように十分私も注意いたしまするし、林野当局にも厳重にそういう点は注意して運営をはかっていく、こういうふうにいたしたいと考えております。
#74
○鶴園哲夫君 行政管理庁が、先ほど申し上げましたように、十一月に監察報告を出しております概要であります。非常に字を大きくしまして、この概要でありますが、国有地の中の九〇%というのは国有林野であります。七百五十一万ヘクタール、その管理状況について行政管理庁が監察をいたしたわけです。貸し付け並びに管理の調査をしたわけであります。これは、八管区、ブロックにあります管区、さらに地方局を動員いたしまして、十二の営林局、営林署として五十七の営林署がありますが、これを監察いたしております。
 この結論でありますが、この結論を見ますというと、貸し付け料及び売り払い、こういうものが、国土保全、国土利用、そういう立場に立った長期的な展望に基づいていない、こういう指摘であります。したがって、中央、地方に官界各界の衆知を集めたしかるべき機関が必要ではないか。これについては、大臣は御承知のように、おつくりになっておられるわけですが、大体、国有地を管理するのに境界の整備がきわめて不備だ、こういう指摘です。大体、てめえの土地を管理するのに境界がわからぬようではこれは困る。どこまでおれの土地だかよくわからぬ、あの尾根からこの谷というような調子の前近代的な、大まかといいますか、おおらかといいますか、徳川時代の殿様がいうような話では、これは通用しない。で、そのために、林野庁としては、昭和二十九年から十ヵ年計画で測定事業を始めた。ところが、これが九年たった今日五五%しか終わっていないというのです。まだよくわからぬわけです。それで、九州営林局、これは熊本営林局ですが、これはこれからまだ三十年かかるという、測定をはっきりさせるのに。どうも私は不可解な気がするわけです。二十九年から十ヵ年計画で測定事業を始めた。ところが平均で五五%。局によっては非常にアンバランスがあるわけです。九州熊本営林局では、これから三十年かかるというような話では、七百五十一万町歩という国有林を林野庁が責任を持って管理をしておるわけですけれども、いささか私は問題があるのではないかというふうに思います。ひとつ林野庁長官の答弁を求めます。
#75
○政府委員(田中重五君) ただいまお話のございました境界の確定なり、あるいは境界の測量なり検測、これが必ずしも計画どおりに進捗していないという点につきましては、遺憾ながらその事実を認めないわけにはいかないのでございますが、この境界の事業につきましては、やはり他の事業に比較いたしますと、相当に技術的な訓練を経る必要があることと、事業自体が山奥の僻地でもあるということで、相当に困難な事業でもございます。で、まあそういうような理由が、この測定あるいは検測の事業の進捗を必ずしも活発にいたしていない原因だと考えられますが、しかしながら、いまもお話がございましたように、こういう最も基礎的な仕事こそが国有林野事業の合理的な経営の基礎になるという点につきましては十分に反省をいたしまして、さらに三十九年度以降十ヵ年計画によりまして早急にこの未確定の分について完了をいたしたいという方針で、予算のほうもそういう趣旨を含めて決定をいたし、要求をしておるのでございますが、いずれにいたしましても、最も基礎的で、しかも重要な事業であるということを十分に自覚をいたしておることを申し上げたいと思います。
#76
○鶴園哲夫君 大臣の時間が短うございますので、次に……。
 ところが、今度は大切な台帳ですね。これは、国有林野に関する台帳があるのです。その台帳は、各種法令が出ておりまして、三十種類もあるというのですね。根本法規がそれぞれ違っておって、これは複雑で、もう一種の怪奇ですよ。台帳が三十もある。それぞれ目的が違っているようですが、矛盾している面もあるようだし、すみやかにこれは、管理事業の近代化とともに、簡素化をする必要があるという指摘をされている。国有林を管理していく上に、七百五十一万町歩というものを管理している台帳が三十幾つもあって、それぞれそれが矛盾しておると。それで、管理事務近代化のために簡素化する必要があるという指摘を受けているわけですね。ですからこれは、そこでまあ測量いたしまして、たくさんの境界の石がぶち込まれるわけですが、ほんとうに正しいところに打ち込まれているのかどうか。それから、それがくずれたりなんかして、なくなっていはせぬかという、その巡視があるのです。それがはなはだ不十分なようです。国有地を善良に管理しているということに欠けると、こういうふうに見なければならぬのではないかと思うのですね。そういうようなことで指摘してありますのは、民間とのいろいろな争い、境界線の争いから、あるいは侵墾、黙って開墾してしまう、あるいは黙って使用しているというような事例が非常に多いと。紛争事例――侵墾、慢墾、慢用、というのは無断使用ですね。こういうような事例がたくさん見受けられる。そのために行なっている裁判も相当あるのではないか、費用、日子もこれは非常なものではないかという指摘です。
 そこで、この問題について、私はもっと掘り下げてこまかく伺いたい気がするんですけれども、これはいずれ三十七年度の決算がございますから、その際にひとつ突っ込んでお尋ねいたしますが、結論として、会計検査院の指摘、それから行政管理庁のこの概要、これを見てみますというと、七百五十一万町歩というものについての管理について関心が少な過ぎると。それから、土地の貸し付け、売却等について、土地というものについて、木はともかく、土地についての関心がなさ過ぎると、こういうことに相なるのではないかと私は思います。もっと詳細に具体例をあげて申し上げるといいんですが、私はそういう考え方を持っておるのです。いずれ、次の機会にこの問題についてはひとつ詳細にまたお尋ねいたしたいと思います。
 したがいまして、時間の関係がありますから、林野庁の問題はここでおきまして、今度は、同じ農林省の管理いたしております農地――既墾地、未墾地、この問題について伺いたいのですが、この既墾地は一万一千町歩農林省が持っておられるわけです。未墾地は四十四万町歩持っておられるわけですが、これがはなはだしくでたらめだ。これは、会計検査院でも処置なしというところではないかと思いますが、こまかくは申し上げませんですが、特に既墾地の場合におきまして、国が持っておりますいまの既墾地について、この検査によりますと、無断使用されているものが一割三分ある。無断使用が。でたらめに使っておられるというのがこれは約四割――三割くらいになるのですか。これでは、どうも既墾地を管理しているということにならないのではないかと私は思うわけです。これは、農地局長いらっしゃいましたら伺いたいのですが、一体これはどこに責任があるのか。どうも責任がないように思いますね、どこにも。農業委員会のようですが、農業委員会はどうもそういう責任がないようですし、大臣が責任を持っているか。大臣は県知事にまかせている。県知事は農業委員会にまかせている、ということで――ところで、農業委員会は、どうもそういう権限はないようですね。そうしますと、どこが一体具体的にこの農地の既墾地の管理については責任を持っておられるのか。
#77
○政府委員(丹羽雅次郎君) 既墾地につきまして、管理の実態が非常に悪いという御指摘でございまして、実は私どもも数年来、会計検査院から御指摘を受けまして、非常に苦慮している問題でございます。
 で、自創特別会計で既墾地を買います場合には、自創法で、持ってならない土地とか、農地改革の際に買った農地が多いわけでございます。そうして未墾地のほうは、御承知のとおり、開拓のために買うというわけでございます。既墾地はそういう形になっており、したがって、本来でございますれば、そこで小作している方にどんどん売るたてまえで買ってあるわけでございます。ところが、問題がございまして、実は農地法の世界におきましては、三反未満のこまかい農家に対しては売らないたてまえをとります。それから農地改革で買収いたしました際に、明らかに将来市街地になるというところにつきましては売らないたてまえをとりまして、そういう形におきまして発生をいたしました未墾地でございますので、問題を根本的に解決いたそうと思いますと、三反未満にも売るかあるいは明らかに市街地化するようなところでございますれば、成規の転用の手続を織り込みまして処理をするか、こういう処理の方法で解決しなければならないものと、かように考えまして、そういう面から努力をいたしておるつもりでございます。
 だれに責任があるかという御質問でございますが、法律的には国の管理でございますから、特別会計に責任のある国でございます。ただ、実務の実態といたしましては、都道府県に、既墾地関係補助職員、未墾地関係補助職員を置きまして、県にこの監督処理をお願いいたしてあるわけでございます。
 なお、そういう状態ではやはり非常にうまくございませんので、本年度から市町村に国有農地の管理人を委嘱いたすことにいたしまして、この見回りその他を強化いたしまして、問題を事前にできるだけ防止いたしたい、かように考えて処理を講じました。
#78
○鶴園哲夫君 この点も、行政管理庁が林野庁と一緒に行政監察をして指摘しているのですが、これは、行政管理庁の監察結果に基づくと、いまお話しのような形ではできないのではないかと私は思います。いまお話しのように、いま国、県、農業委員会、こうなっているわけですね。その農業委員会がだめになっているのですよ。さっぱり。東京都でも問題が起きたり、どこでも問題が起きているように、俗称土地売買委員会などというふうに悪口を言われる。実情、現実を知っているのはこの農業委員会ですよ。あと、県は知らないのです。そうして大臣が管理しているわけです。はなはだお粗末だと思うのです。ですから、いまお話のようなことで処理できるのかどうか。行政監察の報告からいうと、監察結果からいうと、とてもそういうことでは処理できないと私は思います。
 次いで、未墾地の問題を申し上げてみますと、未墾地も四十四万町歩管理しておられるわけですが、この未墾地は、土地台帳で買収されたようですね。だから、実際台帳を握っているものは現場はわからぬわけですよ。それが管理をしているわけですよ。大体県庁の女の人が管理しているそうですね。台帳を見ても、これはわかりっこないのですよ、台帳で買ったわけですから、どこでどうやっているのやら。しかも売り払ったわけですから、開墾不適地として残っている四十四万町歩、女の人が一人腰かけてやっている。台帳を見て実はわからぬわけですよ。わかっているのは、いわゆる県庁でそれを売り払った人、現場に行って売り払った人、ここを売り払って、ここは開墾不適地だから売り払っていない、除いてある、というのが集まって四十四万町歩あるわけですよ。それを知っているのですよ。それとの関係は全然切れているのです。土地台帳とにらめっこしているわけですよ。そんなことで未墾地の四十四万町歩が管理できるというふうには思われない。それ、ひとつ答弁をいただきます。
#79
○政府委員(丹羽雅次郎君) 未墾地の買収につきましては、いま先生御指摘のとおり、当初土地台帳で行なっておりました。やはり非常に問題がございますので、正確な時期は忘れましたが、二十八、九年ごろから、実測をして買うようなたてまえに切りかえてまいりましたが、いま持っております未墾地の中に、当初大々的に、開拓はなやかなりしころに買いましたものが相当のウエートを占めておりますので、御指摘のとおりの実態であることは否定できないと思います。ただ、この問題につきましては、現在、都道府県に千三百人の、未墾地関係の事務をやっておる人間がございます。これを重点的に未墾地の管理のほうに回すような積極的な指導をいたしますと同時に、先ほども申し上げましたとおり、開拓財産の管理人につきましても、市町村に特定の人を委託しまして、見回りその他の仕事をお願いしたいという処置を今年度から考えて実行に移しておるわけでございます。ただ、先生先ほど来御指摘のとおり、非常にじみな仕事でございまして、かつ、なかなかむずかしい仕事でございますので、私どものほうで相当叱咤激励をいたしまして、この仕事の推進には努力をいたしておるわけでございますが、実情はそういうことでございます。
#80
○鶴園哲夫君 この既墾地の農地改革における一万一千町歩の処理の問題、それから緊急開拓をやられて、その残りの四十四万町歩の管理の問題、これはいずれも、農地改革あるいは開墾というものが今日の状態になってみて、残りの事後処理の問題について興味がないということに相なっていると思いますというのが、大体この会計検査を担当しておられた方々の見解だと思うんです。それで、土地台帳で買うわけですから、開墾地、山あるいは原野、それを土地台帳で買うんですから、これは相当なものですよ。荒っぽいものですよ。その関係者に売ったあとの四十四万町歩というものの所在なんというのは、第一に管理している人はわからないというのですよ。よほど適切な措置をとられないと、せっかく売ったが、四十四万町歩どこにあるかわからぬというような、土地台帳、この辺にあるというのですけれども、実際に行ったこともないという管理をされては、これはどうも私どもとしては不可解千万だ、こう言わざるを得ないのですね。ですから、これは大臣、やはり農地改革あるいは緊急開拓の事後処理問題開拓の場合は四十四万という大きな町歩ですから、こういう問題についての管理を――行政官庁としては魅力がないかもしれない、残りかすみたいなものになりまして。しかし、四十四万町歩というのはでっかいですから、これは国が責任を持って管理している以上、やはり適切な管理が行なわれないと、会計検査院から指摘され、行政管理庁はわざわざこれを監察して、なっちょらんと言う。これでは、どうにも私どもとしては言う言葉がない、こうならざるを得ないのですね。
 それで、会計検査院のこの検査の結果、未墾地、既墾地で八千一百六十八万円徴収せいということになっている、弁償金を。会計検査院は、ごく一部しか、ほんとうに九牛の一毛しか調査いたしておりませんから、これを全体に引き直してみますと、二十三億円ぐらい徴収しなければならぬのではないかと私は推定する。無断に使用されている、無断に転用されている、盗用されている、あるいは農地という貸し付けだけれども宅地になっている。コンクリートのりっぱな家が建っている、しかもそれは農地として貸し付けている、というのを、不適当全部まとめまして計算してみますと、いうと、二十三億ぐらい国が損をしているということになるのじゃないか。これはでたらめしごくだと言わざるを得ない。大臣のひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#81
○国務大臣(赤城宗徳君) 買い上げた国有財産の管理の適正化とか、売り払いの促進、そういうものにまあ怠慢であるといいますか、十分な措置をとっていないというようなお話でございますが、確かにそういう面があるように私も考えます。御承知のように、昭和三十七年に農地法が改正せられまして、未墾地の売り払いの促進をはかっておりまして、五ヵ年計画で三十九年度から約十七万町歩にわたるところの開拓財産の売り払いを行なうということはいたしております。こういう点につきましても、地方の農政局あるいは都道府県、市町村の各段階におきまして、売り払いの促進、また売り払いをしないものにつきまして、いま御指摘、のような管理の不十分な点がありますので、管理の適正化のための体制等も整備いたしまして、改善の実をあげたい、こう考えております。
#82
○鶴園哲夫君 念のために、もう一ぺん申し上げておきますと、いま私が最後に申し上げましたのは、未墾地、既墾地で会計検査院が検査をした、これは九牛の一毛くらいなものです。それで八千一百万円という金を、弁償金を取り得たというわけですね。先ほど申し上げましたように、それを全体のものに直して計算してみると、大体二十三億という金を取り得たということになると思うのですね。大体これは一年間ということ、十年間だと二、三百億になるということ、そういう膨大な損失を国に与えているということ、これをお考えおきをいただきたいと思うのです。大臣の時間もちょうど一時間終わりましたので、お引き取りを願ってよろしゅうございます。
#83
○相澤重明君 大臣に、いま鶴園君が質問をいたしました、この国有林野、あるいは農地の管理、こういう問題について、本院でも農林省に対して適切な措置をとるように、実は決算の締めくくりの際に農林省に警告を発しているところなんです。会計検査院でも改善の措置をとれということを指摘をしておるのでありますが、今日まで――ただいままあ法律改正に基づいて売り払いの手続を進めるという答弁はあったけれども、私どもは、昭和三十二年以来、実はこれは農林省のほうをいつも決算する場合に、そういう問題が指摘をされておって、特に昨年もそういう警告を行なっているわけです。どういう改善措置をとったか、これはひとつ当委員会に文書をもって報告してもらいたい、このことをひとつお約束を願いたいと思うのですが、いかがですか、大臣。
#84
○国務大臣(赤城宗徳君) いまのお話でございますので、よく詳細調査の上、文書をもって報告させます。
#85
○相澤重明君 次に、私はきょうはひとつ緊急問題として、あなたのおるうちにどうしても聞いてもらわなければいかぬし、御意見をただしておかなければいかぬと思ったのがある。それは、最近非常に漁船の海難が多いわけです。この漁船のこういう海難問題については、どこが責任の衝に当たるのですか。これをひとつお尋ねしておきたいと思うのです。水産資源の確保とか、漁獲物の問題とか、あるいは船腹とか、船員とか、いろいろあるでしょうが、国がこういう問題についてメスを入れる、行政指導をする、こういうところは一体どこがその責任を持つのですか。これはひとつ農林大臣に、あなたは国務大臣でもあるのですから、お答えをいただきたいと思うのです。
#86
○国務大臣(赤城宗徳君) 漁船の遭難等につきましては、水産関係を担当しておりまする私のほうに大きな責任があります。同時にまた、運輸省のほうにおきましても、航行、船を動かす、そういう面につきまして、これも十分責任を持たなければならぬ立場にあると思います。
#87
○相澤重明君 そこで、いま大臣の御答弁になったとおりだと思うのですが、実は、最近三十九トン漁船ということを大臣もよく御承知だと思うのです。これについて、なるほど船腹の問題とか、許容量の問題等については、これは運輸省の関係になるかもしれませんね、あなたのおっしゃったように。けれども、この船を使っていわゆる漁獲をする漁民の立場、あるいは漁獲をするということについては、これはやはり農林省、水産庁の関係だと私は思うのです。こういう点について、特に、私は大臣も新聞をごらんになったと思うのでありますが、十二日の、昨日の新聞でも、「なくならぬ荷くずれ海難」、こういうことで、業界に対しても、経済性、安全性という問題について強い各界の意見が出ているわけです。これは、三池の炭鉱の問題や国電の鶴見の事故の問題で、人命尊重、安全性ということはいまや日本の世論だと私は思うのです。ところが、そういう安全性の問題が叫ばれておる中に、実は比較的陸上のことははなやかに伝えられるけれども、外に出て海の中で作業しておる人たちのことは、比較的なおざりにされておるんじゃないか。多くの生命を失い、あるいは資産をなくしておるわけですね。そこで、この十二日の新聞にも、十二月八日には加明丸というのが北海道で沈没し、多くの遭難者が出ております。あるいはその前には、同じ北海道で、これは千葉県から出ておる孝盛丸というのもなくなっております。こういうのを私ずっと調べてみると、この安全性というものに実は足りない点が多いのではなかろうかという疑問を持つわけですね。特に、この船のトン数の問題というものが、どうも漁獲高に対する指導性というものが不十分の関係で、つまり、端的にわかりやすくいえば、小さい船にたくさんの量を入れる、そのために無理をして、船を、実際は大きい船を小さく削って届け出をしておる、こういうようなことが行なわれておる結果が、こういう海難というものを実は起こしておるのではないかというのが、ここ最近になって出されておる海難事故のように私は思える。
 試みに、三十七年度の海難の状況を見ますというと、海難隻数が千百七十四隻も海難に会っておるというんですね。そのうち、百三十隻がカツオ、マグロの漁船である。こういう点を調べてみても、これは非常にばく大な人命をなくしたり、財産もなくしておるということになる。このことについて、安全性の問題をどうしたならばこれが確保できるのか、そして、そういう水産資源を日本に持ち帰り、国民の経済のためにプラスになるのか、こういう点を、水産庁の監督官庁は農林大臣であるということであったらば、農林大臣がやはり責任を持って指導しなければいかぬと思う。特に私は、この一つの問題を見てみますと、北海道で三十八年十月二十四日の午前八時に青森県の八戸港を出発した孝盛丸は、マグロ漁船で十九・九トンと、こうなっておるわけですね。届け出は。十九・九トンの届け出の船に対して、水揚げが十ミトンあったという。その十ミトンを積んだために、あまりたいしたしけはなかったにもかかわらず、船が傾いて、そのうちに転覆、沈没したという。そうして、十八人の乗り組み員のうち、十一人が死亡、行くえ不明、つまり二人が死亡、九人が行くえ不明、生存者はわずか七名、しかもこの遺族の人たちは、一体これからどうするかということを非常に悩んでおる。船主もなかなか補償金もたくさん払えないというようなことを言っておるというような話なんですね。何か話に聞くというと、一人七万円くらいの見舞い金で突っ放そうという話だ。こんなことをやっていたら、日本の漁船員というものはたまらぬと私は思う。そういうことで、一体こういう事故に対して、どういうふうにしたならばこれを直すことができるだろうか。まあ加明丸の人たちなんかも非常な無理をして、十七名が行くえ不明だなんということでだいぶ出されておるのでありますが、私は、こういう点について調べてみると、いまの船舶の建造について、やはり問題点があるんじゃないか。つまり、二十トン以下ならば登録しなくてもいいんだけれども、二十トン以上から四十トンまではいままでは登録しなければいかぬ、四十トン以上はさらにきびしい条件があると、こういうことですね。いわゆる、四十トン以上になると、いろいろ安全性の問題に対する登録条件があったんですね。それだから、苦しいから三十九トンにわざわざ減らしたわけなんです。ここに、三十九トンの船が一千海里も外洋に出て遠洋漁業を行なっておって、たくさんの海難が起こっておる。こういうことが、この海難の数字の中に明らかになっているわけです。
 こういうことを私ども考えた場合に、毎日毎日新聞で報道されることが、あまり大きく出ないものだから、水産問題についてはあまり国民の間にアッピールされていない。これはまことに私は遺憾だと思うのです。そういうことで、あなたは担当の大臣ということであるならば、一体運輸省に対してどういう働きかけをするのか、あるいは運輸大臣とどういう御相談をされて、この船の安全性というものについてお考えを持っているのか、承っておきたいと思う。
#88
○国務大臣(赤城宗徳君) 人命の尊重を十分考えなければなりませんし、特に私どもの管轄の漁船の遭難等がしばしば起きておりまして、まことに遺憾でございます。安全性につきましては、前よりはよほど改めてきてはおりますけれども、なお、そういうふうに少し船のトン数など減らして、十分な安全性の装備等が欠けておるような点もあろうかと思います。こういう点につきましては、一そう運輸当局とも協議いたしまして、安全性の確保につとめたいと思いますが、なお、水産庁長官から答弁することがありますので申し上げます。
#89
○相澤重明君 いま一つ、大臣帰らぬうちに言っておいたほうがいいと思うんです。
 漁業法第五十二条第一項の指定漁業を定める政令の一部を改正する政令案要綱、これあなたのほうでやっているでしょう。これを見ると――いま私が申し上げた三十九トンの漁船がいかに事故が多いかということを、こまかく申し上げておりませんが、概括的に申し上げたわけです。ところが、それを今度は、四十トン以上こまかい規制があるというのをさらに解除をして、総トン数二十トン以上五十トン未満の動力漁船というふうに五十トンまで伸ばしていこうとしているわけです。なおこれはそういう事故を大きく出させる結果になると思うんですよ、このままの形でいけば。ですから、五十二条第一項の指定漁業をきめるこういう政令を改正をする際には、もっと船の安全性というものを考えていかなければ、私は、せっかくいま大臣が答弁されたようなお答えがあっても、実際にはもっと、漁民を殺したり、財産をなくしたりする方向に進むのじゃないか。五十トンまでいいということはどういうことかというと、いわゆる漁業労働者に長時間働かせるんですよ。十八時間労働なんというのがある。船倉の中にいわゆる居住区といいまして、休むところをつくるわけですね。ところが、もう船がいっぱい漁獲物を積み込むために、五十トンにするために船室はむしろ狭くしちゃう。だから、航海に出て行くときには、一千海里も遠くのほうまで遠洋漁業に行くのだから、たくさんの食糧なり燃料を積み込んでいかなければならない。満載をしていかなければならぬ。今度帰りには、その漁獲をいっぱい持ってくるから、やはり休むところがない。超過労働もさせなければならぬ。こういうことに実はなっていくのです。この状態をやっていけば。だから私は、まあきょう運輸省の船舶関係の船員局長、船舶局長も呼んでおったのですが、むしろこれは、もっと高度の政治性のところの問題ですね。だから、大臣が衆議院の予算委員会にせっかくおいでになるのだから、そのおいでになる前に私から指摘しておくほうがいいと思うのですよ。だから、こういう漁業法に基づいて政府が進める場合においても、もっとこの実態を把握してやらなければいけないのではないか、こういうふうに思ったのです。
 そこで、中央に漁業調整審議会が総理大臣の任命であるわけですね。こういうところに、もっと、漁業を行なっている人たちの、実際のそういう人たちの意見というものが十分反映するように私はお考えをいただきたいと思うのです。地方の場合は、海区調整委員会等がそういう問題についてはいろいろ審議しておりますけれども、私は、中央と地方という問題ばかりでなくて、中央自体においてもこれは不十分である、こういう点を特に――まあ時間がないから、いずれあとでもっとこまかい点はやりたいと思うけれども、私は指摘しておきたいと思う。いずれ、政府が具体的にこれをやる場合に、せっかくの案をつくってあるようですが、こういうものについては、もっとひとつ安全性というもので、そうして漁船員が人命を損しないように、なくさないように、ひとつおつとめいただきたい。
 それからいま一つは、なくなった漁船員に対する遺族補償、これはやはり、日本のために非常に御苦労願ったのですから、一会社がどうこうというべき性格のものではなかろうとまで私は考える。これは非常にむずかしい点ですね。いわゆる船を持っているのは、船主が個人でありますから、あるいは会社でありますから、そういう点についてはむずかしい問題があるが、これは国の政策の中でお考え願えば、かなり私はやはり前進をすることじゃないかと思う。こういう点については、具体的には、三池炭鉱のものについては政府も力を入れているわけでしょう。だから、何も漁業のものに対しては力を入れることができないということは私はないはずだと思う。そういう点で、関係各省と十分御相談をいただいて、積極的なひとつ取り組み方を希望したいわけです。
 以上が、私のまあ緊急質問の問題ですが、いま一点だけ、ひとつ言いっぱなしのようになりますが、大臣がさきにアメリカから申し入れられておった、在日米軍が使ういわゆる物件ですね。調達資材、あるいは役務の代金、こういうものについて、アメリカ側では余剰農産物で支払いをしたいというような話があって、大臣も御相談されたように聞いておるが、実際はどういうことだったのか。どうまたあなたがこの問題についてお話をされたのか。でき得れば、簡単でけっこうですから、いずれこまかい点はあとでひとつ何か文書にでも書いてもらって、読めばわかるようにしておいてもらうと、これはありがたいのですが、ひとつ大臣から御答市を願っておきたい。
#90
○国務大臣(赤城宗徳君) 新聞等にちょっと出ておりましたけれども、私のほうにそういう話は、実はまだ正式に来ておりません。まだ事務当局からも私聞いておりませんので、いずれ調査の上お答えいたしたいと思います。
#91
○相澤重明君 それでは、大臣かお帰りになったけれども、いまの点で、いま少しく水産庁関係と運輸省関係にひとつお尋ねをしておきたいと思う。
 そこで、先ほど申し上げたように、三十七年度においてもこの海難隻数というものは千百七十四隻もある。そのうちの一一%余の百三十隻からがカツオ、マグロ漁船の海難である。こういうことを考えてみると、この三十九トン船問題については非常に重要な私は問題になると思う。私ども決算委員会も、来年の一月、私は高知にこの現地調査に行く予定なんです。そういう問題をやはり調査をするつもりなんです。
 そこで、なぜ今回のこの漁業法五十二条第一項の指定漁業を定める政令の改正を行なおうとするのに、四十トンのものを五十トンに引き上げなければならなかったか、これは水産庁と運輸省にひとつそれぞれ御答弁をいただきたいと思います。
#92
○政府委員(庄野五一郎君) 漁船の海難事故の多いことにつきまして御指摘に相なりましたが、われわれ水産行政を担当いたしておりますものといたしましてまことに遺憾に存じております。その中でもカツオ、マグロ関係の漁船が多いわけでございますが、ただいま先生から御指摘がありましたカツオ、マグロ漁船の三十九トン型、こういうのが非常にまた事故があるわけでございます。漁業法の関係で、従来は四十トン以上の遠洋カツオ、マグロが大臣指定漁業になりまして、四十トン未満は自由漁業、こういうことに相なっておりまして、自由漁業者が大臣の許可なり県知事の許可なしに船をつくって自由に操業できる、こういう形になって、いわば放任の形に相なっておったわけでございます。それで、初めは大体三十九トン九九というのがマキシマムになって、そういう船は大体沿岸沿いにカツオ、マグロをとる、こういう考えでわれわれもおったわけでございますが、最近の資源状況なり、また、漁船性能が非常に向上をしてまいって、三十九トンと申しましても、最近における漁船の建造技術で減トン工事、こういった技術が進んでおりまして、実質五、六十トンもあるようなのが三十九トン型というようなものもできてくる。こういった状態で、資源の状況あるいは漁船性能の向上といったような点から、この三十九トン型のマグロ漁船が相当遠距離に、たとえば南太平洋の赤道の以北なり以南なり、そういった点にもときどき出漁する、こういった事態が発生してまいりまして、そういう面から、航海距離が延びるというようなことで、積み荷が非常に多くなる、燃料その他の関係で多くなるということでトップ・ヘビーの形になりやすいということで遭難原因等になっているように承知いたしております。そういう点で、この三十九トン型マグロ漁船の安全確保のためにはどうしたらいいかということで、これは先般も国会で御指摘に相なったわけでございまして、これについては、この春から中央漁業調整審議会の中に研究会を設けていただきまして、そこで、どういうふうにしたらいいかということで、われわれも入り、研究を重ねてまいったわけでございますが、そういう点で、この安全性を増すという造船上の問題と、それからやはり操業区域が非常にいまのところは限定してございませんので、どこでも行けるというようなことで、やはり操業区域が遠くなれば、行き帰りについて、積み荷の関係で非常に重くなって遭難も多い、こういうようなこともございまして、やはり研究会の意見、中央漁業調整審議会の御意見等を聞いて、この三十九トン型マグロ漁船についても、やはり操業区域を日本近海に限定すべきじゃないか、こういう意見が出まして、それをわれわれも妥当だと考えまして、今般大臣許可漁業として、これを野放しにしないで許可漁業にしまして、そのかわりに、四十トン未満というのに、いま先生が御指摘になりましたような、居住区改善等の工事をするものは、五十トンまでいけるということで、二十トンないし五十トンということを近海漁業の指定カツオ、マグロということにして、それについては操業区域を日本近海に限定する、こういうことで安全性も確保する、そういうことで指定漁業にいたしたわけでございます。
#93
○説明員(佐藤美津雄君) ただいま局長が予算委員会に出ておりますので、お許しを得ましてお答えさせていただきます。漁船の安全性につきましては、構造、設備につきましては、船舶安全法の規則として規定してあります。それで、その規則は農林省と運輸省の共同掌理になっておりまして、常時水産庁とは協議を行ないつつこの規則の運営に当たっております。
 ただいま先生のおっしゃられました三十九トン型につきましては非常に問題のあるところでございますけれども、われわれの安全基準というものの内容が、大体船の大きさ、それからその用途という程度できめてございますので、この趣旨に沿ってやっていただければ、いまの造船技術の面からいいまして、相当によくなるのではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。したがって、ただ問題は、それではその操業区域とその技術基準とが相応しているかどうかというところに問題がありますので、この点は、さらにわれわれのほうで十分に水産庁とも協議の上、全般的に向上すべく検討を進めている次第でございます。
#94
○相澤重明君 いまの水産庁と運輸省の答弁というものは、私は、国会の意思をはたして尊重しているかどうかという点に疑問を持つわけです。私は、衆議院と本院との国会の附帯決議を読んでみたいと思う。
 漁業法の一部を改正する法律案に対する国会の附帯決議、これは衆議院です。
  政府は、この法律の施行にあたっ
 ては、次の各項の実現に遺憾なきを
 期すべきである。
 一 沿岸漁場の保護と沿岸漁民の操
  業の場の確保を図るため、漁礁の
  設置その他沿岸漁場の造成、改
  良、開発については一層強力な施
  策を講ずるとともに、沿岸漁民の
  操業に重大な影響をあたえる沖合
  漁業の違反操業の防止に関する措
  置を強化すること。
 二 漁業関係法令又は労働関係法令
  を遵守する精神を欠くものに対し
  ては漁業の許可を取り消すことが
  できる旨の規定があるにもかかわ
  らず、従来、本規定を実際に適用
  した例が殆んどないことは極めて
  いかんとするところである。
   よって今後は、水産資源の保
  護、漁業秩序の維持及び漁業従事
  者の労働条件の改善に資するた
  め、関係法令の厳格な運用を期す
  ること。
 三 指定漁業の許認可にあたって
  は、国際人命安全条約い国際満載
  吃水線条約等を考慮し、現行の船
  舶総トン数制による許可基準につ
  いて検討を加え、もって、人命及
  び船体の安全を確保すること。
 四 海区漁業調整委員会の機能を充
  実強化するため、委員会の運営に
  必要な予算の増額を図るものと
  し、これがため特に書記及び補助
  員の増員の措置を講じ、併せて事
  務局の設置を法制化するよう検討
  すること。
 五 中央漁業調整審議会の委員の任
  命については、漁業の実態を考慮
  し、適当な数の漁業従事者代表を
  加えること。
 六 改正法第十一条第一項にいう公
  益の範囲については、これを明確
  にする措置を講じ、極力これが拡
  大解釈を防止するとともに、従
  来、漁業権が設定されていた漁場
  の区域については、漁業権に切れ
  目を生じないよう適切な運用を図
  り、もって、関係漁業者に不安な
  からしめること。
  右決議する。
 これが衆議院です。
 本院の場合は、
  政府は、この法律の施行にあたっ
 て、次の事項に関して遺憾なきを期
 すべきである。
 一、指定漁業の許可又は起業の認可
  にあたって、漁業及び労働に関す
  る法令の悪質な違反者に対しては
  原則として許認可しないことと
  し、また許認可後において悪質な
  違反をおかした場合は許認可を取
  消し、もって水産資源の保護、漁
  業秩序の維持及び漁業従事者の労
  働条件の改善に資すること。
 一、指定漁業の許可又は起業の認可
  の場合、船舶の総トン数が基準と
  されているが、これがため漁業調
  整上問題があるばかりでなく、海
  難の因をなし、人命及び船体の安
  全等の辻からも問題があるので、
  速かに、合理的な方法について検
  討すること。
 一、中央漁業調整審議会の委員の任
  命については、漁業の実態を考慮
  し適当な数の漁業従事者代表を加
  えること。
  右決議する。
 これが本院の決議であります。
 こういう、衆議院、参議院がそれぞれのいわゆる漁業法の改正の際に附帯決議を行なっておるわけです。これは、いま御説明をいただいたような、現行の船舶総トン数制による許可基準というのではないのです。これは考え方が違うのです。私どもがこの法律を審査をしたときに、そういう点で、人命の問題や安全性に欠けるところがあってはいけないから、国際条約を十分守ると同時に国内法も整備をせよ。そして、その整備をすると同時に、今度やってもらいたいということは、そういう現行の船舶総トン数制による許可基準に検討を加えて、漁獲量による許可を行なうように進めていくというのが、このときの審議の過程にあったわけだ。それがこの附帯決議になっているわけです。そういうことが、いまの説明によると進められておらない。ですから、いま、五十トン以下は近海、五十トン以上は遠洋に適するということで説明をされましたけれども、一般の漁民の人たちはどういうことを言っておるか、こういうと、今回のこの政令を改正するにあたっての政府のこういうところとすることに対しては、これを称して、ボーナストン数と言っているのです。わかるかね。ボーナストン数というのは、労働者を搾取をして、そしていわゆる船主にだけもうけさせようという、ボーナスを船主にやろうという、こういうことなんだ。こういうことを、いま一般的には漁業従事員は言っているわけなんです。それは先ほど申し上げたように、この五十トン以下のものももちろん出漁をしておりますけれども、五十トンでいわゆる遠洋もできるということは、むしろその実際の漁獲量というものは目一ばい積むことができるようにしてあるわけですね。この内容というものを私どもが聞いた場合には、全く労働者の労働条件とか安全性というものが、大型化することに政府が中心を置くだけで、実際に人命尊重ということの考慮が払われておらないというところに問題点があるし、いま、たくさん私の手元に各方面から来ているところの海難に対する投書あるいは事故の事実、こういうものを私が調べてみると、そういう点が一番大きな問題になっておるわけです。ですから、私はいまこの政令をそういうふうに改正しようとする案が、せっかくまとまったようで、できると私は思うのですが、この点については、私はむしろいわゆる漁獲高を多くし、あるいはまた、その資源を確保する重要な役割りは水産庁――農林省だと思うのです。しかし、そういう船腹の許可基準というものが、いま課長が説明をしたようなことでは、やはりこれは船主だけにボーナスを与えることになって、実際の働く労働者にはいわゆる重労働であり、過酷な労働である、人命が押えられる、こういうことになっておるように思うのだが、長官なりまた担当者のほうでどう考えておるのか。そういうボーナストン数であるということを聞いておるので、ひとつお答えいただきたい。
#95
○政府委員(庄野五一郎君) ただいまボーナストン数という御指摘がございました。これはそういうふうに世間で呼ばれておるのは聞いております。実は昨年から、漁船の生活環境が非常に劣悪だ、これは特は小型漁船についてそういう点が指摘されております。私もそう思っております。航海日数が比較的延びて、そして居住区あるいは体養をとる容積が少ない、あるいはほとんどないような場合もある。こういった点が指摘されまして、漁業従事者の方の生活環境の改善の一方策といたしまして、漁業法で漁船の船型、トン数がきまっておりますけれども、それを、居住区を改善する場合には、一定の割合で増トンができる、こういうふうにいたしまして、居住区改善のためならば一定の割合で大型化して、そうして船員の休養室なりあるいは生活する場所をつくっていく、こういう条件でいたしました措置でございまして、そういうことで、居住区改善の方策を進めております。そういう意味でボーナストン数と、こう申しておりますが、このボーナスはむしろ船員のための施設をつくるための増トン工事、こういうふうにお考えになったならけっこうだと存じます。
#96
○相澤重明君 運輸省のほうも。
#97
○説明員(佐藤美津雄君) お答えいたします。漁業法に関しましては、運輸省は関知いたしませんが、これに伴いまして船の柄が大きくなるということに対しましては、船員設備の改善をはかりまして、先ほど申しました居室、これは居住性と防火の見地もございますが、その両面から居室の改善をはかる改正をいたしております。さらに、いま先生から御指摘あったように、今後ますますこの漁船に対する安全性というものに対しましては、注意を払う意味をもちまして、水産庁とそれから船員局と船舶局と共同通牒で、行政指導というふうな形で、これも改善につとめておるような次第でございます。
#98
○相澤重明君 ですから、いまの両者のお話を聞いておっても、むしろ船員の労働条件がよくなり、安全性が強化をされるというような説明なんですね。これは、その実態を私はやっぱりあなた方がつかんでもらわなければいかぬと思うのです。私は現に高知県のカツオ、マグロの人たちの話を聞き、あるいは近県の、私のほうは神奈川県ですから、三崎の人たちの意見もいろいろ聞いてみた。そうすると、政府が思っておるような、居住区を改善をすれば遠洋にも耐えられるし、むしろ労働条件もよくなるのだというようなことにはならぬと思うのです、実際問題として。それは、もう積めるだけ行くときに燃料なり物資を積み込んでしまって、実際に乗っておる人たちの労働条件というものは決して緩和されない。帰ってくるときには目一ぱい持ってくるから、むしろ内容は、先ほど申し上げた船舶の許可基準量というものが問題になってくるわけなんですよ。その内容が伴わないで、漁民、従事者が考えておるような漁獲量による基準ができておるのなら、そういう心配はないというのです。ところが、そうじゃなくて、船舶のトン数の、いまの五十トン以上、こういうふうなことに重きを置いておるから、どうしても労働条件というものは圧縮されてしまう。ですから、先ほど申し上げたように、私は、きょう鶴園君が主体として質問するので、そう長くやりませんけれども、私の申し上げたいのは、せっかく中央に漁業調整審議会というものが持たれておるようでありますが、もっと全国の中でそういう漁業に関係しておる人たちが、そういう人たちの中の実際に働く人たちですね、漁業労働組合といいますか、あるいは漁船員組合といいますか、そういう働く人たちの代表を多く入れたらどうなんですか。そうすれば、そういう意見というものは率直に私は政府の中にも反映すると思うのですよ。また、あなた方も実態をつかむのに、何もボーナストン数なんて言われるようなことがなくて、私は済むと思う。事実政府の言うようなことなんですよ。そうじゃないから結局いわゆる漁業に従事する多くの人たちか――三十九トン問題というものは実に全国的な問題になっているわけです。特に災害補償については非常に意見が出ているわけです。ですから、私はこういう点について、特に中央の漁業調整審議会の構成問題、委員の委嘱問題、こういう問題についても、ひとつ水産庁長官に努力を願いたいと思うわけです。
 それからいま一つは、こういう漁船の問題についても、これは特に運輸省の海運局等の問題になると思うのですが、機関科の試験官というものが非常に少ないと、こう言う。ですから実際問題として、これは四国の高知県でももっと海技試験官というものをふやして、そうして適切な指導ができないかと、こういうことを言っているわけですね。わずか一名か二名ふやせばもっとサービスができるものを、実際につまらぬところで予算を使っておいて、肝心なところでは人をふやしておらぬ。こういうことであっては、私は、事航海に従事する者にとっての人命安全や、そういうことからくると、政府としては力の入れ方が違うんじゃないか。いまそういうところに、たとえば高知県の人たちの言うように、海技試験官を一名か二名ふやして、もっとサービスのできるようにしてやったらどうだ。一たん航海に出ればなかなかそう簡単に帰ってこられるものじゃないわけなんです。しかも、それは日本のいわゆるたん白資源にしろ、国民の経済上非常に大きな役割りを果たす漁民の諸君なわけですから、そういう点についても、私はこの運輸省の、たとえばそういう海技試験官等の定員の問題についてもやっぱり努力を願いたいと、こう思うのです。そういう点についても、どうなってやるかというようなことについて、ひとつ御説明をいただいて、いずれこまかい点についてはあとで、三十七年度の中でゆっくり御説明を願おうと思いますから、関係の資料をあとで出してもらいたい。つまりいまの四国の、運輸省のこういう検査を行なうような人たち、海運局あるいは船舶局等の、そういう人たちの定員というものは、現在どうなっているのか。それから三十九年度はどういうふうにふやしていこうとするのか、それでこの三十九トンと言われるいまの船は減っておるのか、ふえておるのか、非常に危険性が多いと言われるのであるけれども、その船が現実に少なくなっていって改善をされていい船ができていくのか、それとも、同じようなことで船がいまつくられつつあるのかどうか、こういう点についてもひとつ御説明をいただきたい。
#99
○政府委員(庄野五一郎君) 三十九トン型のカツオ、マグロの漁船でございますが、これは先ほど御説明申し上げたように、造船技術が非常に進んできて、容積トン数でいまやっておりますが、船型五十トンくらいの大きさのものまでできるというふうに聞いておりますが、そういう関係で自由漁業として増加の傾向にございます。自由漁業としてこれを放置しておきますと、船はどんどんふえるし、また、操業区域も、近海の資源の状況からできるだけ遠方に出ていく、こういうことになりますから、先ほど御説明申し上げましたように、これを許可漁業として、隻数を許可にかけてこれを制限するということと、許可漁業、指定漁業になりますと、これについては操業区域を設定することができますので、操業区域も先ほど運輸省からも御説明がありましたように、運輸省とよく相談しながら、近海の操業区域に限ると、こういう措置をとったわけでございまして、今後は隻数許可によって、そういう趨勢はとどまると、こういうふうに考えております。
#100
○説明員(亀山信郎君) ただいま御指摘のございました海技試験官の員数でございますが、各地域別の配置人員につきましては、詳細な資料を後ほど提出さしていただきます。現在、概略でございますが、試験官は四十名全国でございますけれども、仰せのごとく、受験者の比率から見ますと、航海科と機関科を比べてみますと、機関科の受験者数に比して試験官の割合が、最小限度約三名は不足しておるということでございますので、明年度以降の受験者の増加等の傾向を考えまして、現在三十九年度の要求としては、四名の増員をいたしておる次第であります。なお、受験者のためには、なるべく漁期等の関係もございますので、随時試験が行ない得るように、昨年度も、今年度も大体百数十回の臨時試験――主として漁船関係の海抜試験のために臨時試験を行なっております。また、受験者のための講習につきましては、水産庁のほうから、各都道府県に補助金が出ておるような次第でございますので、その講習にあわせて試験を行なうというふうなやり方をとっております。来年度も、この方面は水産庁の御協力も得まして拡充をしてまいりたい。
 資料はただいま申し上げましたように、後ほど詳細な資料を提出いたします。
#101
○相澤重明君 それから、水産庁長官には、いわゆる三十九トンと言われる船が、いま、さらに多くできようとしておるという答弁があったですね。そこで、五十トン未満のそういう近海指定漁業に従事する船というものは、現在どのくらいの隻数か、これからいまつくろうとしておるのはどのくらいか、そういう点をひとつ、船員法の適用のない二十トン以下と五十トン未満と区分けをして資料を提出願いたい。
 それから、これは運輸省とやはり水産庁両方にお尋ねしておきたいのですが、先ほど申し上げた北海道で海難にあった千葉県の孝盛丸という、これはサバをとっておったらしいですが、この船は十九トン、それこそ二十トン以下の、法律の適用のない、この十九トンという船でありますが、これにはブイ、いわゆるウキが二つしかなかった、十八人も乗っておってこういうことで一体いいのかどうか。で、先ほどもお話ししましたように、四国の場合、高知県等については、非常に遠洋漁業に従事する関係で県も力を入れておって、単に飛び込むときに着るいわゆるブイでなくて、ふだんから着ておって海の中へ落ちたときにはすぐひもを引けばふくらむと、こういういわゆる膨張具というのですか、それを高知県では採用しておるようですね。ところが、全国の漁港関係を見ると、そういうのはないのですよ。比較的少ないのです。これは、非常にそういう点は高知県なり四国のほうは、私は先駆者といえると思うのです。この点は、そういう府県が一生懸命やっているところはほめてやっていいと思うのです。そういう点ではむしろ助成をしてやるぐらいの政府は力を尽くすのがこれは当然ではないかと思う。また同時に、そういう船に救命具かないというような、そういうことを許可するのは一体だれなのか。これはもう安全性をうたっておりながら、一体、一たん非常の場合に危険であるということがふだんからそのまま野放しになっておっていいのかどうか。こういう点については、これは運輸省と水産庁両方から、どういうふうにいわゆる検査をやって、また、そういうものを装備させるのか、ひとつお聞きをしておきたい。
#102
○政府委員(庄野五一郎君) 人命安全対策といたしまして救命具の備えつけ義務は船舶安全法に基づいて設けられておるわけであります。そういう関係でございましたが、船舶安全法に基づきます漁船特殊規程、これは運輸、農林両省の省令になっております。それで漁船については、漁業のいろいろな事情もありまして特例が認められる、こういうことに従来なっております。そういう点で救命具の備えつけ義務がある程度緩和されている面もあったわけでございますが、そういう点において人命の安全対策としては非常に趣旨に反するわけでございますので、ことしの四月から、この特例を運輸省ともよく相談いたしまして、特例扱いはしないということで、全部漁船についても救命具の備えつけ義務を課したわけでございまして、その線に沿ってただいま指導をいたしております。御指摘のような遺憾な点が、まだ指導の足らない点もありまして出たわけでございますが、今後一そう運輸省とも相談いたしまして、そういう備えつけ義務に違反するようなことのないように指導してまいりたい、こういうように考えております。
#103
○説明員(佐藤美津雄君) お答えいたします。ただいま御質問ありました十九トン型につきましては、実は船舶安全法の適用がない船舶でございまして、これにつきましては技術基準がございません。したがって、われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、極力行政指導で一〇〇%救命設備の増備という線を出したわけでございます。直接には海難防止協会というのが外郭団体としてございまして、ここが声を大きくしてこの設備強化についてやっております。なお、法律的には、安全法の二十九条に、船舶安全法の適用がない船舶に対する安全性につきましては、都道府県知事にまかされるというふうになっております。したがいまして、実は前国会におきまして船舶法の一部改正をいただきましたときに、その点が問題になりまして、早急にその点について手を打ちなさいということでございまして、私のほうでは、さっそく大臣名をもちまして都道府県知事に対し、地方の規制の状況、また規制をしていないところはその規制の方針と申しますか、意向の有無とか、そういう点を出しまして、大体いままで十六の都道府県から返事が参っております。
 なお、その内容を簡単に御披露いたしますと、結局政府で標準の技術基準をつくってもらいたいというもの、あるいは政府が直接検査、そういうものをやっていたたきたいというようなもの、いろいろございますが、いずれにしましても、まあ大いに地方の注意を喚起し、これから実は用意にかかるようなところでございます。
#104
○相澤重明君 これは、いまの法律に触れないで野放しであるというような問題については、検査のしようがないのだという考え方は、私は誤りだと思う。これは旅客船の場合の法律改正の際にも、十トン、十二トンの船の問題をどうするのだ、つまり物見遊山に向こうの島に渡るのに、定員というものはきめられているが、それが検査がないから、幾ら乗ってもいいのだ、それで乗っていったけれども、それが転覆して、いわゆる水死人が出た、こういうようなことは、本院でももう何回議論されたかわからない。それでもまた漁船の問題についても、二十トン以下については、そういう船員法の適用はなくても、いわゆる随時検査ができるということになる。これは必ずしもいまの三十九トン以下の、法律でいう四十トン未満と以上の大型小型の違いを法律的に規制するところは、こういう条件をつけなければいけない、こういうことはいま言った法律上の問題ですよ。けれども、そうでなくとも、これは安全性の問題については、先ほども本院も衆議院も、ともに附帯決議を行なっているように、国際条約そのものも、私どもとしてはこれをできるだけわが国でも取り入れるように、こういう指摘をしているわけなんです。ですから、そういう点については、もっと政府が航海の安公性という問題について、あるいは操業の安全性という問題について、積極的な力を私は尽くしてもらいたい、こう思うのです。
 そこで、その次に私はこれだけ質問して終わりたいと思うのですが、今度こうしてなくなった漁船員の人たちの遺族補償というものはどういうふうにして解決しますか。これはすべて船を持っている人たちにまかせるよりしかたがない。だから死んだ者がばかを見る、こういうことになりますか。こういう点について、どうしたならば改善されるかという改善意見があるならば改善意見もあわせて述べていただきたい。
#105
○説明員(亀山信郎君) 現在では船員法の適用のございます漁船の乗り組み員につきましては、船員保険法によりまして、職務上の死亡等につきましては、それぞれ給付がなされることになっております。もちろん船員法では労働基準法同様、災害補償の規定がございまして、たとえば職務上の死亡の場合には、遺族に対して標準報酬の三、十六ヵ月分、及び二ヵ月分の葬祭料を船舶所有者と申しますか、雇い主が支払うということになっております。船員保険法はこの船主の責任を全部カバーするたてまえでできております。そして船員法の適用のある船員はすべて必ず船員保険に加入しなければならぬ。これも強制加入の法律でございまして、現在のところは、船員保険は、これは厚生省の所管でございますけれども、船員保険で遺族の救済、あるいはけがをなすった方の療養、あるいは、そのためにかたわになられた方の年金等のものは保険法でカバーするということにいたしております。保険法の内容につきましては、これは厚生省の御所管でございますけれども、常に緊密に私どものほうと連絡をいたしまして、標準報酬を逐次上げてまいるというふうなことで、遺族給付の内容も充実するという方向で努力をしている次第でございます。
#106
○相澤重明君 先ほど申し上げた千葉県の孝盛丸の事故については調べて、それでどういうふうになるか、あとで報告してもらいたい。私が聞いた範囲では、千葉県では、大体三百円くらい考えておるようです。三百円なら千日分もらっても三十万円でしょう。高知の場合は、たしか七百円ですね。ですから、その点は関係方面と一緒にいまのような話をすると、よくなっている。そういう点で私は地域によってでこぼこがあるし、実際に漁船員の労働条件も悪いし、また遺族の補償も悪いというところもあるわけです。北海道における事故については、具体的な事例なんですから、どうなっているのか、あとで水産庁も運輸省も、ともに調べて、そしてまた遺族補償というものはどうなのか、どのくらい一体出し得るのか、こういうことも行政指導ということもあると思いますから、あとで報告してもらいたい。でき得れば今の時代に三十万や三十五万出して、これで遺族の補償ができますなんということは、私はこれだけの多くの仕事に従事しておる、重要な仕事に従事しておる人たちに対しては、申しわけないと思うのですよ。そういう点でそういうことのないようにひとつお取り計らいをいただきたいと思う。積極的に海外に出る人たちも含んでのことでありますから、この漁船員をもっと大事にするように、また遺族の人たちにも、働き手の御主人がなくなった場合に、あまりみじめな思いをさせないように、私はあたたかい手続をとられるようにしてやってもらいたい、こういうことを申し上げて私の質問を終わります。この点は特に希望いたしておきます。
#107
○政府委員(庄野五一郎君) 漁船に乗り組んでおりまする漁業従事者の遭難の場合の事後措置の問題でございますが、御指摘のように、ただいま船員法の適用を受け、船員保険法の適用を受けますものは二十トン以上になっております。これは従来三十トンだったのを二十トンまで下げていただいて、適用範囲を広げていただいた。今後もそういった問題につきまして、十分運輸省のほうとも御相談して、こういう法律に均てんできるようにしたいと、こう考えております。
 なお、御指摘の千葉県の孝盛丸は十九トンでございまして、船員法の適用がない船かと存じます。それに適用されまするものは一般の労働災害補償法関係のものと思いますが、それがどういうふうになっていますかは、御指摘、御要望がありましたので、いずれ調査いたしまして、これは水産庁と労働省に相なるかと思いますが、御報告申し上げたいと思います。
#108
○説明員(亀山信郎君) ただいま水産庁長官の御答弁ではっきりいたしたと思いますが、船員保険の適用がない部面につきまして、これは労働省の所管です。そちらのほうで御調査に相なるものと思います。
 なお、漁船の災害につきましては、海難以外の災害も相当数ございます。これは汽船と相当違う事情でございますので、つまり船は安全であるけれども、本人が転落した、あるいはけがをしたというふうな事例は、ほかの海上労働者と違った特色もございますので、昨年船員法の改正によりまして、船員法に基づく規則で労働安全衛生規則というようなものができることになりましたが、船舶安全法とは別個に船内におけるけがを防ぎ、あるいは転落事故を防ぐというふうな点につきまして、現在安全のための規則の制定を進めております。近くできる予定でございます。こういうふうに漁船の船員の安全についても、今後一そう努力をいたしたいと思っております。
#109
○鶴園哲夫君 農地局の問題につきまして先ほど局長の答弁をいただいたわけですが、私はそういうような簡単なことでは処理できないのではないかというふうに思っております。特に既墾地の場合におきましては、先ほど申し上げましたが、貸し付けていないのに無断で使用している、こういうものは一割三分に及ぶ、それから会計検査院が指摘しておりますように、それを含めて約四割近いものが不当な管理になっている。こうなりますと、これは既墾地については、めちゃくちゃだといって何ら差しつかえないのじゃないかと思うのです。そういう管理を、先ほど局長の答弁したようなことで処理できるのかどうか私は伺いたいわけです。そうでない限りにおいては――この一万一千町歩という既墾地を管理しておられるわけですが、これはおそらく数十万筆に及ぶだろうと思うのです。そういうものの管理がまた来年も同じようなことになるということになるんじゃないでしょうか。
  〔委員長退席、理事相澤重明君着席〕
二つくらいの例を申し上げまして答弁を承わりたいと思いますけれども、この徴収すべき弁償金というのがありますね。既墾地の場合に五千四百十六万円、こういう指摘をしておるわけですね。徴収すべき弁償金、これはおそらく弁償金がとられるんじゃないかと思うのです、とり得ることは可能ではないか。しかしながら、会計検査院が指摘していない、以外のもの、ですから、全体の四割近いものは不当であるというふうに私どもは見なければならない、そのものはほったらかしのままにおかれるのじゃないかというふうに思うのです。
 もう一つ申し上げますと、農地局で所管しておられるこういう国有地、これは六割は北海道にある。北海道には地方農政局もない。本省がその事務を取り扱っているということでありますが、本省の農地局におきますところの実務、陣容からいってできるはずがないと私は思うのです。ですから会計検査院が指摘し、それから行政管理庁が行政監察をやって指摘したこと、そのことについての善後措置をどういう形でやられるのか、それをお尋ねしたい。
#110
○説明員(小林誠一君) お答え申し上げます。先ほど農地局長からも御説明申し上げたところでございますけれども、既墾地の約一万一千町歩の半数は北海道の採草牧地というのが多いのでございまして、したがいまして、半数が内地の農地だということになるわけです。その農地につきましては、先ほども局長から申し上げましたが、現にいま貸し付けて農耕をやっておる、しかし相手に売り渡せないというようなものもございますし、そういう意味におきまして、これをなるべく早く処分するということはなかなか困難な事情もあるわけでございます。先ほどお話のように、会計検査院からの徴収すべき弁償金の件でございますが、これにつきましては、当然無断使用しておるものから弁償金を徴収するということで、それぞれ指摘のものはもちろんのこと、その他の土地につきましても、現地の確認を励行いたしまして、指摘を受けるまでもなく、その不当な事案につきましては、これをなるべく早急に解決をしていきたいということで努力いたしておるわけでございます。
 なお、北海道でございますが、農地なり、あるいは未墾地の管理事務は、これは都道府県に法律に基づきまして大部分が委任してございます。したがいまして、現実に農地の管理というものは、北海道におきましては北海道、それから内地におきましては各府県がそれぞれ管理の責任をとっておるわけでございまして、その職員は、未墾地におきましては千名をこえる職員が買収売り渡し事務の仕事をやっておるわけでございます。したがって、そういう人を使いまして、なるべく現地につきまして現地の確認等によって非違が起こらないように、また、起こっておるものは是正するようにつとめていきたい、かように存じておる次第でございます。
#111
○鶴園哲夫君 くどくど申し上げませんですが、私は気持ちはわかります。また、そういう努力をしたいというお考えもわかるのですけれども、しかしながら、これは容易ではないのです。私もこの農地の問題についてはいささか承知をしております。ですから、そういう観点からいっても、この会計検査院の指摘は、これは、今後改めていくということになりますと容易ではない。どうもこういうものについて農地局はあまり関心を示さなくなったというか、非常に冷淡になってしまったというふうに思うのですけれども、そういう中でこの問題を処理されるには、いまお話のような気持とか、お考えというようなものではできないのではないか。たとえば、私先ほども申し上げましたが、既墾地について五千万円近い徴収弁償金をとれ、こうなっておる。これはとり得るかもしれない。一体どれだけとりましたが。とれておりますか。それと、それ以外に、会計検査院が検査しましたのは、全部の中の二%から三%ぐらいしか検査していないのですから、そうすると、全国的にいいますと、これは膨大なるものがある。それは全然農地局はわかっていないはずなんですよ。わかっていないものをどうするかと聞くのですよ。どうされますか。私は二十三億ぐらいあるのじゃないかと推定をしている。それをどうされるのか。それだけの事務体制があるのかと、それを伺いたいのです。
#112
○説明員(小林誠一君) お答え申し上げます。農地なり未墾地の所在する個所あるいはその筆数というものは非常に多いものでございますので、したがいまして、全体を中央において把握するということはなかなか困難な実情があるのでございますけれども、先ほど申し上げました県の買収売り渡し事務という一般の事務はだんだん減ってきておるわけでございますので、その不用地となりました土地、あるいは管理事務ということにつきましては、これはその職員を、そちらのほうに主力を注ぐということから、私たちのほうとしましては、約十七万町歩くらいの土地を来年から五年の間に売り払いをするという計画を立てまして、都道府県を督励してやっておるわけでございまして、明年度はそれに必要な予算等も要求しておるわけでございます。いまもやっておるわけでございますが、来年はさらに予算を増額いたしまして、その促進に当たりたいというふうに考えておるわけでございます。非常にまあむずかしい仕事でございますが、私たちの農地局の農地関係の仕事といたしましては、管理、売り渡しの促進ということを最重点の仕事としていきたい、かように考えております。
  〔理事相澤重明君退席、委員長着席〕
#113
○鶴園哲夫君 私はそんなものでいますぐできるものではないと思っているのですが、行政管理庁が指摘しているところによると、農地の買収売り渡しに伴う登記すらできていない。登記すら半分しかできていない。登記もできていないからこれは容易ならぬことですよ。それじゃ先ほど申し上げましたが、徴収すべき弁償金二十三億円かりにあるとしますと、それはどういうふうにして調査されますか。いまの機構でできるというのか、これはできないですよ。臨時的に何らかの対策をとられませんとできないと私は思うのです。
#114
○説明員(小林誠一君) 私たちは、鶴園先生のおっしゃった非常にむずかしい仕事であるということと、それからもう一つ、局長からも申し上げましたじみな仕事であるということであります。なかなか行政的には興味が持てないということはあるわけでございますが、われわれといたしましては、この農地の仕事と申しますか、あと始末の仕事を十分やらなければ、これはせっかくの農地改革の有終の美を飾れないという考え方に立ちまして、一生懸命にやる所存でございます。市町村におきましては、現実に貸し付けております農家というものをそれぞれその貸し付けの台帳によりまして、呼びましていろいろ話をする。その場合に、どうもここは無断転用されておるというような場合には、現地に出向いていってやりますと同時に、それぞれ現地におきまして個別的にどうも解決していくほかには、なかなかこれは解決の方法がないのだと思いますので、今後ともその点につきましては、さらに鶴園先生のお話のとおりでございますので、この際さらにもう一段とその事務の促進をはかる決意を新たにしたいと考えておるわけであります。
#115
○鶴園哲夫君 なかなか容易でない話です。ですから私は、大臣がいらっしゃればこの点ははっきりしておかないと、いつまでたっても解決しない。それで管理はこれじゃめちゃめちゃですね。ですから、そういうものをほっておくわけにいかないと思うのです。ですから臨時的に何らかの抜本的なことをしないというとこれはできないと思うのですね、台帳面でやっているのですから。台帳面ではこういうものは出てこないのですよ。収支がぴしゃっと合っているのですから、農林省の帳簿では。だから、それが農林省ではわからぬわけでしょう。会計検査院に指摘されて知っちゃおられるでしょうけれども、めちゃめちゃになっているということは。しかし、具体的にどういうところがそうなっているかということはわからぬのですよ。台帳面を見たってわからないですよ。だから、これはせっかく会計検査院の指摘もありましたし、行政管理庁の指摘もあるわけでございますから、この機会にやはり農林省が本腰を入れたこの問題についての善処方を要望しておきます。いずれ三十七年度決算報告がありますが、その際また出るのじゃないかと思いますけれども、ぜひひとつ努力方を要望いたしておきます。
 農地局の問題はこれで終わりたいと思います。
 次に、水産庁の問題に移りたいと思いますが、水産庁の問題は、先ほど冒頭にやりかかりまして、私は、会計検査院が出しました決算報告の検査報告に基づいて申し上げましたところが、長官の答弁が若干食い違った面がありましてあと回しになったわけですが、その食い違った理由をはっきりさしておいていただきたいと思うのです。
#116
○政府委員(庄野五一郎君) 先ほど鶴園先生の御指摘になりました点につきまして、私誤解がございまして答弁が食い違いましたことを遺憾に存じます。御指摘のように、昭和三十六年度事業について会計検査が実施されました組合は二十三組合で、そのうち検査を受けました保険事故数が五百六十九件になりますので、指摘事項が三十五件ございますので、六%、検査されました事項に対しまして指摘されましたものが三十五件ということで六%、御指摘になりましたこと、ごもっともと存じます。私が申し上げましたのは、検査を受けました組合、二十三組合にほぼ該当いたしますが、二十三組合につきまして、三十六年度起こりました保険事故件数が一万件ございますので、それにつきまして、この会計検査院の御報告の中に、十万円以上のものが六件ありますので、〇・六%と、こういうふうに申し上げたわけで、その点ひとつ私誤解いたしておりましたので御了承願いたいと存じます。
#117
○鶴園哲夫君 この保険の問題につきまして、こういう事件が起こる問題点は、結局実地検査が行なわれていない、十分に行なわれていないというところにあるのではないか、こういうふうに私は思うわけなんですが、その実施検査が行なわれていないのは何がゆえに行なわれないのかという点が伺いたいわけです。その点を、私は特に中央会の機構というものがきわめて弱い、こういうふうに思うわけです。私が調査させました結論によりますと、この中央会は三十六年は三千万円という予算になっておるようでありますが、実地検査に使った金というのは六十万円というふうに調査いたしております。それではどうにもならぬ。取りほうだい、もうかりほうだいという空気が出ておる、こういうふうに言われがちなんですが、どうもその実地検査が行なわれてないという点ですね、どういうふうに考えておられますか。
#118
○政府委員(庄野五一郎君) 保険事故が起こりますと、事故を受けました漁船所有者が元請保険組合に申請するわけでございます。その申請に基づきまして、漁船保険組合におきまして、事故の大きいもの、それから国が直接検査する、この全損と分損の境目のはっきりしないような大きな事故、そういったものは国が直接実地検査をいたしますが、その他の分損ということが明らかな事故につきましては、の漁船保険組合が検査をする、こういうことに相なっております。それで漁船保険組合が実地検査いたします分につきまして、分損事故百万円前後、こういうものにつきまして、中央会に委託して中央会が実地検査をする、こういうことになります。で、問題は、元請の漁船保険組合が検査する場合に、実地に検査するかどうかという点でございますが、水産庁といたしましては、やはり額の多寡にかかわらず実地検査をするように指導いたしておりますが、明らかな事故につきましては、写真を必ず添付して、それに第三者のはっきりした評価をつけて出すといった面で机上審査をする面もあろうかと存じますが、そういう点について今後、検査、実地調査能力といったものを、中央会なり元請の共済保険組合なりに、できるだけ指導によりまして充実していく、こういった指導をいたしたい、こういうふうに考えております。
#119
○鶴園哲夫君 私のほうで調査をしますと、実際簡単なことじゃないか。修理をした造船所から領収書をとればはっきりするじゃないか、こういうのです。それをやっていないじゃないか。だから、会計検査院のこの指摘をしているのは、造船所から領収書をとっている、その修理の領収書ですね。ところが、あなたのおっしゃる元請の組合のほうは、そう川いうことをやっておらぬじゃないか。だから非常に過大になったり、全然にせのものをつくって、にせのものがこんなに出るようじゃかなわないですよ。だから、いまや結論は、現在の漁船保険のやり方では作文申請が大手を伸ばしてまかり通ることができるとなっている、今のやり方では。実際にやっていないじゃないですか。いま長官は、中央会は、私は、先ほど相当これは検査をしなければならぬ。実地検査しなければならぬようになっているけれども、しかし、実地検査のために使った金は六十万円ですよ、という指摘をしている。そういうように調査をしてきている。これじゃもうしないのと同じ。ちょこちょこあっちこっち行った程度のことです、年間六十万円では。そうして元請のほうはどうも領収書もとらないというような話では、これはでたらめじゃないですか、と私は思うのですがね、いかがでしょう。
#120
○政府委員(庄野五一郎君) 中央会で実地検査をいたします分は、大体百万円以上のものでございます。元請の保険組合で実地検査をいたしますのは、大体県によりまして違いますが、五万円以上の事故を元請では実地検査をやっている、こういう状況でございます。元請の実地検査をいたします分については、御指摘のような点はなかろうかと思いますが、なお、元請保険組合の中で、五万円未満等について机上審査をする、こういったときには、御指摘のように、領収書、そういったものをさらに今後は整備したもの、さらに海難の損傷個所等の直後の写真、そういうものを添付させる。そういうことを励行いたしまして、こういう不当事項のないように今後は措置していきたい、こういうふうに考えております。
#121
○鶴園哲夫君 その中央会が百万円以上のものについては実地検査することになっているのですけれども、これをやっていないんでしょう。私は、その点もやっていないのではないか、きわめて不十分にしかやっていないのではないかということを伺っております。その点はいかがですか。
#122
○政府委員(庄野五一郎君) 御指摘の点はよく調べて御報告申し上げたいと存じますが、中央会には、保険事故が起こりまして全損保険金を支払う場合には、調査料として二%、これは中央会に二%分の――一・八%、それから元請保険には〇・二%、こういうものを保険料のほかに支払っておりますので、その範囲で実地検査、及び机上において評価委員が評価したものを技術者が見てチェックする、こういったことで不当事項の防止に当たっておりますが、御指摘の点がございますので、十分調査いたしまして、そういう実地検査が少ないというような点については、さらに拡充してまいるように指導したいと思います。
#123
○鶴園哲夫君 いま長官お話のように、検査にあたって手数料を取られる。それを含めて予算編成できておると思うのですよ。そしてそれが三十六年度は三千万円。しかしながら、そのうちで実地調査のために使った金は六十万というように調査いたしておりますが、そういう点から私は、書類審査になったのではないか、書類調査になったのではないか。それから先ほど申し上げた、現地における五十二の漁船保険組合の実地調査というものがきわめて不十分だ。それで会計検査院が造船所の領収書をとってみればこういうような形になっちまうというようなことではないかと思いますが、次に、この漁港の修築、これについて伺いたいのですが、これまた、でたらめで、困ったものですね。これで二点伺いますけれども、年度内に完了しなければならない、しかしながら、年度内に実際完了しない。であるけれども、年度内に完了したようにしてそして書類を出して補助金もらおう。これが多過ぎますですね。これが千七百七十三ヵ所の中で百二十七ヵ所。これじゃまるで奨励しているようなものです。一割近いものがこういうようなことをするようでは困りますが、これは実際上検査の手抜きになるのじゃないですか、こういう措置をしますと。実際は年度内に完了しないのに完了したような報告書を出して、それによって補助金を受けるということになりますと、これはあと処置のしようがないじゃないですか。これはどう処理されますか。これは補助金の手直しが行なわれない、こうなっているのですよ。しかし、これはもうやったほうが得になりますね。これはどうなりますか。で、会計検査院としては、この工事は未完成であるため出来高不足であるなどという指摘はできないと思う。会計検査院もこれは指摘はできない。それから今度は、補助金は出してみたが、手直しは命令できない、こういうことになりますと、工事の中で一割近いこういうようなものが出てくるということになりますと、これはどうも、どういうふうになるのですか。この金は九億五千六百万円、これは業者に支払うことはできないから、県あるいは市町村が保惜している。どうするのですか、これはどうなるのですか。これをひとつお尋ねします。
#124
○政府委員(庄野五一郎君) 御指摘のように、年度内に完成しないで、年度を越して工事が延びているという点、御指摘を受けまして、遺憾に存じております。これは予算配賦の時期、あるいは工事が海中の工事等がございますので、そういう点でやむなく延びた部分が相当あろうかと存じております。水産庁といたしましては、大体二月には、その年に完了するかしないかということをよく地元と調査いたしまして、完了でききないものは繰り越し明許をつける、こういうことで十分指導してまいったわけでございますが、こういった御指摘の点が出たのは遺憾に存じております。こういう三月一ぱいに完了したということで報告がなされて、事実上は完了してないというようなものがありますので、これは事情を聞きますと、やはり三月末にきて、予定したけれども三月一ぱいにできなかったので、何とか四月まで工事を待ってくれ、こういったような事情で、当局といたしましても繰り越し明許をつけるというわけにも手続上できない、こういった羽目にあっておりまして、それについては、四月中に必ず完了できるように、こういうことでやむなくそういった工事が出た面もあろうかと存じますが、そういう面については、工事に粗漏のないように、そういった面に注意を払って検査等も厳密にやって、年度を越して四月一ぱいに完了、こういうような措置をやっておりますけれども、今後はそういうことのないように、最善の努力をいたしていきたい、こう思っております。
#125
○鶴園哲夫君 だから、繰り越しの手続をとればいいわけですね、とらないわけですよ。そうして、できたようにして補助金が出ている。それは会計検査院では、まだ工事が完成してないから検査のしようがないのです。おたくのほうは、あとへいってこれをどうせい、こうせいということは言えないでしょう。やりほうだいじゃないですか。そうでもないんですか、間違いなんですか、やりほうだいではないんですか。これは悪いからこうせいということがおたくでは言えないでしょう。会計検査院は指摘できないと言うのですよ。未完成だから会計検査院は指摘できない。おたくのほうでは補助金出しているから、あとにいってこうだああだということは言えないんでしょう。
#126
○政府委員(庄野五一郎君) 先ほど御説明申し上げましたように、繰り越し明許の手続がとれない時期になって、そういった実情を訴えてくる面があったわけでございます。そういう点について、会計検査院で検査のしようがない、これは言われるとおりでございますが、そういう面については、水産庁として検査官を派遣して、そういう補助金の適正なる使用による工事になるように指導をしたい、こういうふうに考えております。
#127
○鶴園哲夫君 それができないと、私は言っているのですよ。会計検査院はできないと言っているのですよ、未完成だから。おたくのほうはできたということで補助金を出しているのだから、あとで手直しできるはずがないじゃないですか。その件数が一割近くもあったのじゃかなわない。全体の件数の中で一割近くもあったのじゃどうにもなりませんじゃないか。指摘できないんじゃないですか。もう補助金出してしまっているのですよ。だから、これは合法的な検査上の手抜きだとしてありますよ。そうじゃないのですか。検査の手抜き、こういうものがこの事業の中に、千七百七十三ヵ所の中の一割近い百二十七ヵ所もあったのでは、これは水産庁の指導というのは一体どういうものだということになるのじゃないか。もしそれができるというなら、またあと答弁いただいてもいいんですよ。私のところのによると、検査できないということになっている。検査の手抜きであると。
#128
○説明員(宇ノ沢智雄君) ちょっとただいま鶴園先生の御質問について、検査院として申し上げておきたいのですが、検査院が工事が完成しておらないから検査ができないのだというお話なんですが、検査院といたしましては、翌年その工事が完成して清算報告が正式なものが出て、それで農林省がそれについて確定をすれば、翌年度でその工事を見て、もしその工事について不良なり、あるいは出来形が悪いものがございますれば、それを指摘いたしますので、たまたま年度末に工事が未完成になるために、農林省としても補助金をやりっぱなしになって、それから検査院としても、そういうようなものをほうりぱなしだということではございませんで、その点、ひとつ御了承願いたいと思います。
#129
○鶴園哲夫君 これは検査院で聞いたことなのですよ、今のは。私が検査院に行って聞いた、調べたことなのだ。ですから、それは検査院は行って検査はできるでしょうが、出来高不足などは指摘できない。これはできないでしょう。
#130
○説明員(宇ノ沢智雄君) 私どものほうの補助の検査は、通常の額の確定をしないものは、翌年度で額の確定が済んでから検査をするという建前になっておりますので、本件のようなものにつきましては、まだ額の確定が済んでいないから翌年に検査をするということで、工事が年度末にできていないから、もう検査はしないのだ、将来も検査はしないのだ、ほうりぱなしにしておくのだという趣旨で、検査院の者が御説明申し上げたのではなかろうと思うのです。
#131
○鶴園哲夫君 これは、だましてもうできてしまっているのです。三十六年度分なんですよ。繰り越しの手続もしていないのですよ。だから、三十六年度は終わったことになっている。それで補助金も出ている。だから、三十七年度というわけにはなかなかいきにくいのではないですか。
#132
○説明員(宇ノ沢智雄君) 形式的な点は、先生のおっしゃるとおりでございますが、私どもはその実態を見ておりますから、形式的には手続できないようになっておりますけれども、翌年度で実際工事ができた後において、そういうものは特に検査をいたしますから、その点は御心配ないものを存じます。
#133
○鶴園哲夫君 だいぶ会計検査院にお手数をかけることになるわけですね。行ってみたけれどもできなかった、また来年やらなければならない、ということになるわけでしょうね。しかし、いずれにしましても、この件数が多過ぎる。百二十七ヵ所もあるというのは、これはまさに奨励しているのではないかと思うのです。事務指導をしているのではないかとすら思われる。だから、この点はひとつ注意のほどをお願いしておきたいということです。
 それから、もう一つは漁港です。これはめちゃくちゃですね。水産庁の第一次五ヵ年計画、この漁港第一次五ヵ年計画というのですか、昭和二十八年に始まったやつ。その五ヵ年計画が九年たった今日でも、工事進捗は三〇%か四〇%だというのです。今度のこの検査の中には十一ヵ所入っている。七百五十九検査をして、その中に昭和二十八年度のやつが十一ヵ所入っていますが、これは一体どういうことなんでしょうか。そこで、その中の事例を一つか二つ申し上げておきますと、北海道の落部漁港、これは二億一千五百万円で昭和二十七年に着工したが、三十六年度までに六千五百万円使った。ようやく予定工事の三五%、これが終わるにはさらに二十年かかる、昭和五十六年にこれはできる、こういうのです。ところが、その間に、この港は、だんだん漁獲が変わってきまして、そのうちに漁獲高は少なくなっちゃって、もう漁港としてだんだん使用できなくなってきた。おまけに遠洋漁業が出てきちゃって、計画の二メートルの水深じゃだめだ、三メートルなければならない、こういうような指摘をしております。こういうのは、これは一体どういうことになるんですかね。北海道の部落という漁港、たまげたものですね。これは一体どういうことですか。これはまだ漁港として使えていないんですよ。防波堤をつくるときに泊地を掘ったが、九年もたってまた埋まっていくというのです。これは第一次五ヵ年計画の内容は、先ほど申し上げた、全体として今日九年たったけれども、三割から四割しか工事は進捗していないとおっしゃる、水産庁としての考え方は。会計検査院がその中の七ヵ所は検査をしているのですが、それを見ると、昭和五十六年にできるというのですよ。これはそのうちに漁港構造は変わっちゃって、使えないというのですよ。どういうのですか。それから北海道の八雲漁港、これは二十八年着工、これは着工後九年たっているけれども、いまだに利用できない。そうしてあと二十年くらいかかる。これは一体どういうことですか。これが水産庁の漁港ですか。これは漁港部というものをつくったはずですよ。部長も置いたはずですよ。漁港部長というのは何を一体やっているのか、長官。第一回の部長はやめましたけれども、これはひど過ぎますね。これはどういうことですか。
#134
○政府委員(庄野五一郎君) 漁港の工事につきましては、御承知のように、漁港法よりまして、修築計画を立てまして、それに基づいて実施いたしております。現在までは、二十八年度から三十年度までの第一次の漁港計画、それから三十年度から三十七年度までの第二次漁港計画、それから三十八年度から現在施工いたしております分は第三次の漁港整備計画、こういうものを立てて、われわれといたしましても、その修築計画の中に入りました主要工事につきまして、計画的にその計画内完了ということを目途に進めてまいったわけでございますが、ただいま御指摘になりましたように非常に長くかかっているという点について、まことに遺憾に思っております。これにつきましては、地元の工事の難易とか、あるいはその地元の負担の問題とか、いろいろ事情もあろうかと存じますが、今後やはり第三次修築計画の計画実施によりまして、そういった点の計画年度内の完了に最善の努力をいたしたい、こういうふうに考えております。
#135
○鶴園哲夫君 だがね、二十八年に始まった第一次漁港五ヵ年計画というのは、これはその五ヵ年で終わるということじゃないのですか。五ヵ年で終わるという意味でしょう。それが私のところの調査によると、三十六年の現在で三割、四割しか全体として事業は進捗していない。三十六年までもう九年もたっている。そうしてその中で検査されたものの二つを選び出して、中を詳細に調べてみると、先ほど言った落部というのは――たまたまこの二つを調べたのですが、落部というのはあと昭和五十六年までかかる、それから八雲という漁港はあと二十年かかる、こういうのでしょう。漁港としてはもう使えないというのです。これはどういうことなんですか。もうさきにつくったのは、九年たってこわれつつあるというのですよ、逆に。さいの川原の石のようなもんです。漁港というのはこういう形で行なわれているんでしょうか、どうなんですか。
#136
○政府委員(庄野五一郎君) 第一次の漁港計画を立てますときは、五ヵ年ということでございましたが、これは年度内五ヵ年で全部完了する、こういった意味じゃなしに、前期五ヵ年の工事ということで、さらに後期五ヵ年というものを予定しておったように伺っております。それで当初に着工いたしました分につきましても、五年度内に完了ができなかった部分が、その後の事情でちびちびとこう工事をやったということで延びてきていると思います。それから第二次に入りまして、八年計画と、こういうふうにいたしましてからは、大体工事の難易がございましょうが、第二次計画、それから第三次計画につきましては、この年度内に完了目途というふうにわれわれも考えまして、第三次計画につきましては、その漁港の対象も、そういうような御指摘もございましたので、あるいは第二次で六百四港というようなものを指定したわけでございますが、さらに漁場の関係なり、漁業事情の変化その他を考えまして、三百八十港にしぼる、こういうふうにして第三次は三百八十港を一千億の事業費で計画年度内に完了をする、こういう目途で進めております。御指摘になりました漁港について非常に延びている点については、今後一つは改修計画等にもこれは取り上げられていると思いますが、事情を調査いたしまして、できるだけ早く完了するように、あるいはまた漁業事情等の変化によります計画変更等もその中にはあったかと思いますが、そういう点も加味いたしまして、さらに新しい漁業事情に合う設計を立てつつございますので、そういう設計に基づきまして漁港利用ができますように、予算の配賦なり工事の促進につとめたい、こういうふうに考えております。
#137
○鶴園哲夫君 これは、私は先ほどから繰り返し、第一次五ヵ年計画の中で十一ヵ所が今度検査されて、その検査に関連して調査させたところが、第一次五ヵ年計画が昭和二十八年に始まって以来九年たった今日まで、工事は三〇%から四〇%しか行なわれていない、こういうことです。その中で二つの部落を調べてみたら、まだ二十年も三十年もかかる、こういうような話です。ですから一体漁港の修築というのは、これは一体どういうふうに考えているのか、私は理解に苦しむのです。
 予算の総花的といわれる典型的なものですね。ひどいもだと思います。しかもこの間、一昨年でしたか、漁港部というものをつくったばかりです。部長もしっかりしてもらわなければ困りますね。話にならないです。文句の言いようがないです。また、答弁のしようがないでしょう。これは困ったものです。
#138
○政府委員(庄野五一郎君) 漁港の修築でございますが、やはり防波堤を延ばしたり、あるいは泊地の新設をやったり、船引場をつくる、こういう基礎工事に相なっております。それでこれが計画完了すれば、そういった面が総合的に全部でき上がって、漁港の完全な機能が発揮できるとわれわれは考えておりますが、やはり防波堤を延ばしていきます面につきましても、総花式だというおしかりを受けたわけでございますが、やはり部分的な効果も上がりますので、予算の全体の規模等から見まして、部分的効果の上がる面については修築工事を進めていく、こういうことに相なるわけでございまして、そういう面で工事が総花式になるようなきらいが出てくるということは遺憾に存じますが、そういう点は避けたいと思います。
 なお、今後二十年、三十年、こういう御指摘でございますが、ただいままでの予算の配賦の年度の計画によりますと、そういう進捗状況に相なろうかと思いますが、そういう点は今後改めて、そういう非常に長くかかったところの迅速な完成、こういうふうに進めたいと思います。
#139
○委員長(横川正市君) 他に御質疑のおありの方はございませんか。――他に御質疑もなければ、農林省及び農林漁業金融公庫に対する審査は、本日のところこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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