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1963/12/12 第45回国会 参議院 参議院会議録情報 第045回国会 運輸委員会 第2号
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1963/12/12 第45回国会 参議院

参議院会議録情報 第045回国会 運輸委員会 第2号

#1
第045回国会 運輸委員会 第2号
昭和三十八年十二月十二日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 十二月十日
  辞任      補欠選任
   小酒井義男君  中村 順造君
  ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長     米田 正文君
   理事
           金丸 冨夫君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           江藤  智君
           野上  進君
           平島 敏夫君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           中村 順造君
           吉田忠三郎君
           浅井  亨君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸政務次官  田邉 國男君
   運輸省鉄道監督
   局長      廣瀬 眞一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   運輸省自動車局
   整備部長    宮田 康久君
   日本国有鉄道総
   裁       石田 礼助君
   日本国有鉄道常
   務理事     山田 明吉君
   日本国有鉄道常
   務理事     宮地健次郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (日本国有鉄道の運営に関する件)
 (自動車行政に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。
 初め委員の異動について報告いたします。
 十二月十日付をもって小酒井義男君が辞任し、その補欠として中村順造君が選任せられました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(米田正文君) この際、新たに就任をせられた綾部運輸大臣及び田辺政務次官から発言を求められましたので、これを許可いたします。
#4
○国務大臣(綾部健太郎君) 御承知のように、去る九日、第二欠池田内閣に不肖私また運輸大臣に任命せられました。時節柄もう実に責任の重かつ大を痛感いたしておりまして、ほんとうに私は、形容詞でなくて、心から痛心いたしております。しかし、一たん就任いたしましたる以上は、国鉄総裁とともに力を合わしまして、国民の期待に沿い、また名誉ある日本国鉄をもとの事故なかりしところのようにするため、献身の努力をいたしたい所存でございます。
 当委員会は、国鉄出身のお方々が与野党を問わず多数おいでになりまして、いろいろいい暗示を与えられまして、大いに運輸行政の上に資すること多大であると、一年半の経験で感じております。どうかこの上とも格別の御支援あらんことを委員会開会にあたりましてまずお願い申し上げまして、ごあいさつといたしたいと存じます。(拍手)
#5
○政府委員(田邉國男君) 私は国会再任されました運輸政務次官の田邉國男でございます。
 実は、前回は臨時国会の際に委員会が開かれませんでしたので、前臨時国会では本委員会に一回も出席する機会がなかったのでございます。まことに学非才でございますが、何ぶんよろしく御指導御支援お願いいたします。(拍手)
  ―――――――――――――
#6
○委員長(米田正文君) 前回に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
#7
○中村順造君 先般、東海道線の鶴見で事故がございまして、ちょうど選挙のまっただ中でありましたが、本委員会は、間髪を入れず、その事故の真相究明だとか、対策だとか、こういうものをきめまして、委員会が開かれまして、内容的にも充実した議論がかわされております。私は、本日、特に先ほど御承認をいただきまして、もとの古巣の運輸委員会に帰りまして、事故の原因だとか、対策だとか、そういう点につきましては、もうすでに論議をされておると思いますから、別の角度から二、三の点について、大臣なりあるいは国鉄総裁がお見えになっておりますから、その点をひとつお尋ねを申し上げたいと思います。
 特に私は、本日の時点におきまして、まず冒頭、大臣なりあるいは国鉄総裁から承りたいと思いますが、なるほど鶴見の事故は、昨年のあの三河島事故を上回る大きな事故でございました。内容的にとやかく申しませんけれども、その後におきまして、私どもも国鉄にもとおりまして、多少専門的な技術あるいは見解を持っておりますけれども、私どもの考え方からいたしましても、その頻発する事故というものが、きわめていわゆる前時代的と申しますか、あり得べからざる原因によって起こっておる。それがしかも一件や二件にとどまらない。こういうふうな状況の中でございまして、ちょうど一昨日でしたか、総武線でもまた大きな事故がございまして、幸いにして人命につきましては、これは一人でも二人でも同じことでありますけれども、いわゆる重大な事故だというほどのことには発展しませんでしたけれども、一たんこれが間違えば、高崎線にしても、あるいは総武線にいたしましても――総武線では犠牲者も出ておりますけれども、そういうことからいたしまして、いうならば、非常に悪質だ、こういうことでございます。私は、したがいまして、その原因がどこにあったか、こういうことを本日お尋ねする用意はございません。非常に高いところの見地から、大臣なり総裁は、今日の時点において、鶴見事故の時点と多少――多少ではない、大きく考え方が変わっておらなきゃならぬと思いますが、まず今日の時点で、大臣なり、総裁は、今日の頻発する国鉄の事故をどういうふうにとらえておられるのか、この点をお尋ねしたい。
#8
○説明員(石田礼助君) 鶴見事故のごとき重大な事故のあとに、しかも一昨日起こった小岩事件で五回目、しかも約一ヵ月の間にこういう事故が起こった。しかも、その事故の性質は、いま中村さんのおっしゃるとおり、質からいえば、むしろ鶴見事故より悪い。こういうことが頻発するということは、これは実に国鉄として何とも弁解の余地なしです。これは、鶴見事故以後の五回の事故というものは、人に関するものである。国鉄としては、三河島の事故が起こりまして以来、その人に関する指導、訓練及び適正検査の面、そしてさらに事故を防ぐいろいろ設備の問題というようなことについては、最大の努力をしてきたのでありまするが、今回のような事故が起こったということは、実にこれはもう意外のことでありまして、実は鶴見事故が起こるまでは、三河島事故以来ああいう事故の数というものは減っておったのです。われわれは多少安心しておったのですが、鶴見事故以後における五回の事故というものを見ると、何かわれわれの指導、訓練あるいは適性検査というようなことについて根本的な間違いがあるのじゃないかということを徹底的に調べなきゃならぬということで、できるだけの努力をしておるのでありまして、これに対してどうということの具体策はありませんが、近いうちにひとつそれを研究いたしまして、今後こういう事故のないようにいたしたい。とりあえず、どうせこれは今日のごとき非常な過密ダイヤのもとにおいては、人の力だけにたよるわけにいかぬ。人を助けるような安全装置をやらなければならぬ。そうしてまた、踏切というようなものの危険もできるだけ少なくするようにしなければならなぬ。こういうように、人に関する問題、設備に関する問題というようなことについて、万全の努力をいたしたいと考えておる次第であります。
#9
○中村順造君 大臣はあとでいいです。大臣は最後にまたお答えを願いたいと思いますが、いま国鉄総裁から、一応現状の把握という点では、まさに悪質だ、しかも一ヵ月以内に五件もあった、こういうことはお認めいただいておるわけなんですが、ちょうど私は、昨年の三河島事故のときにおきまして、わが党を代表して、本会議でも、その点につきましては、政府の所信をただし、その後、委員会におきましても、何回となく指摘をいたした点もあるわけです。特に、石田総裁は、あの三河島事故直後における監査委員会の委員長として、本委員会にも出席を願いまして、私ども長い時間をかけましていろいろ論議をいたしました。当時は石田総裁は、いうならば第三者的な立場にあられた方であります。今日、十河総裁とおかわりになりまして、直接国鉄の最高の責任の立場に立っておられるわけであります。いまのお答えを伺いまして、三河島以来、指導、訓練、検査、あるいは設備の点、こういう点にも十分配慮した、こういうお話がございました。私は、当時されたその議論を思い出してみますと、この指導、訓練、検査、あるいは労使の力がどうあったとか、いろいろ監査委員長としては意見も出されております。特に、いうならば、期末手当が一律に支給されるというようなことも事故の原因である、あるいは職員の士気の弛緩である、こういうことが指摘されました。しかし、私は、ちょうど一年前の議論のときにおきましては、そういうことを言っておったのでは百年たっても事故はなくならない、こういう指摘をいたしたのであります。いま総裁も、何か以外の原因が究明されなければならない、これは指導、訓練、検査、もちろんそのことも必要でありましょうけれども、それ以外の大きな問題が国鉄の中にあると思う。その問題を解明せずして私は事故はなくならないと思う。これは、ちょうど運賃値上げのときにも、いろいろ与野党の中でも議論いたしました。いうならば、国鉄の経営というものがどうなければならないかという根本的な問題が私はあると思う。これはすなわち、今日公共企業体として、一方では公共性をしいられ、一方では企業性をしいられる、どうしてもそこに無理が出てくる。本来政府がめんどうをみるべきものを十分みておらない。そこにやはり根本的な原因があり、そのためにこそ、国鉄としても、何とか独立採算の名のもとにおきまして、そうして収益をあげ、企業性をその中で伸ばすということにあまりにとらわれ過ぎる。そのために、きわめて無理な合理化もしいられる、こういう欠陥がある、こういう点を私は指摘をしたのであります。この点につきましては、総裁は、現状、ただ、私が本日冒頭申し上げましたように、車輪が浮き上がったから汽車が脱線したんだとか、あるいは乗務員が不注意であって信号を見落としたから汽車が転覆したとか、衝突したとか、そういう議論をしておってもしかたがないのです。こういう根本的な問題につきまして、大臣からひとつお答え願いたいと思いますが、いまの公共企業体、公共性と企業性の調和をどうするのか。きのう、ちょうど本会議でわが党の岡君が質問をした際におきましても、大臣の答弁の中では、予算の許される範囲と、こういうような御答弁もあったわけでありますけれども、もう一回、こういう点につきまして、特に申し上げました、企業性をあくまで伸ばしていかなければならぬ、あるいは公共性を主体に置く――調和ということばは非常にどちらでもとれるようなことばでありますけれども、そういう抽象的なことでなく、これからにおける国鉄は、一体、公共性を中心にしてやるのか、あるいは企業性を主体に置くのか、この点を明確にお答えいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(綾部健太郎君) 申すまでもなく、公共性が国鉄に対する最大の要求をされておるものと私は思います。しかし、それかといって、国の財政の許す範囲全部を国鉄につぎ込むというわけにはなかなか参りません。そこで、まあ採算制という観念が起こってくるのであろうと思います。しかし、ただいま申し上げましたように、現状におきましては、財政の許す範囲内におきましてという以外に私は答えようがないと思っております。と申しますのは、相矛盾する二つの観念を何とか調和させようというところに、国鉄総裁として、また国鉄として、経営の苦しいところがあると思います。これがまあ非常に財政が豊かであって、要るだけの金は全部国でまかなうのだ。昔の国鉄に、いわゆる国家の直営事業、国鉄というものを名のごとく国鉄にして、昔の鉄道省のように変えるということも一つの考え方ではありましょうが、今日の情勢はこれを許しません。ゆえに、公共性を――ことに人命を尊重しながら公共性を重んじて、そうしてその足らぬ分は国の財政の許す範囲内において財政面から補給していく、これ以外に私は方法はないと思いますが、それじゃそれをどうするか、どうしてやるかといえば、何べん申し上げても同じことですが、財政の許す範囲内において、国鉄が要求する最大と申しますか、最低と申しますか、その確保する線までの予算は何としてでも獲得いたしまして、非常に十分ではありませんが、四十八万の国鉄の従業員の人々が、まあまあこの程度なら一生懸命やっていけるというようなことに私はしていくのでなければならぬと思っております。
 従来、国鉄の総裁は国鉄の中から出していただいておったのでございますが、私は考えるところがありまして、やはり違った面から国鉄の経営の真髄を見るという意味で、財界で過去豊かな経験を持っておる現総裁をお願いいたしまして、現総裁また非常な熱意をもってその事に当たられるということは、自他ともに認めておるところでありますから、私は国鉄総裁を信頼いたしまして、そうして財政の許す範囲内における最善を尽くしていただくよう希望しておる次第でございます。
#11
○中村順造君 これは、たまたま昨日、財政の許す範囲でという本会議の運輸大臣の答弁で、しかも総理大臣も、近く国鉄総裁と会う、こういう言明をきのうの本会議でされておるわけでありますから、いやしくも運輸大臣、あるいは総理大臣、国鉄総裁、こういうふうないろいろ折衝を重ねる中では、これは何人も、いま申し上げました公共性と企業性との調和をどこに求めるかという根本的なものを解決しなければ国鉄の経営はスムーズにいかない、それが基本原則だということは、否定できないと思います。これは話がそれぞれ進められていくものと思います。ことに、財政の許す範囲だとおっしゃいますけれども、具体的なものをもうここ何年か前から私どもは提案しておるわけです。一つの例を引きますと、公共負担、国の政策からくるところの運賃割引き、こういうものは、少なくとも赤字線区を次から次に建設するということは、これもまた大きな問題があります。しかし、国の開発ということで、後進地域の開発ということも、これまたやむを得ない政策なんです。あるいはまた学生の割引きにしても、あるいは物資の割引きにいたしましても、ことごとくこれは国の政策からくる割引きなんです。こういうものを総称して私どもは公共負担と言っておりますけれども、公共性なるがゆえに政策の上から割引きしなければならない、そういう面については国がめんどうを見るべきだ、これは私はそういう主張を、党としてもここ数年来いたしておりますから、財政の許す範囲だということは、具体的にそういうものを実現するというならば、それらの少なくとも赤字線区の建設に対する負担だとか、あるいはいま申しました公共負担、こういうものはやはり国がめんどうを見る、こういう考え方に立って私は折衝されると思う。その点では、大臣なり、あるいは総裁に、お願いになるかもしれませんけれども――お願いというよりか、むしろ私は、国鉄の健全な経営をし、国民の負託にこたえるというためには、少なくともいま申しましたような努力は、当然今後も、総理大臣なり、あるいは運輸大臣、あるいは国鉄総裁の中で、続けていかなければならない問題だと思う。
 そこで、委員長、簡単にちょっとお尋ねいたしますが、きょう国鉄の出席者の中で、常務理事はどなたがおいでになっておりますか、担当部門別。
#12
○委員長(米田正文君) 労務担当の山田理事と合理化担当の川上理事が見えておられます。宮地理事もそのほかに参っております。
#13
○中村順造君 国鉄総裁まあ就任をされまして、非常に国鉄の現状からいろいろ、腐心されていると思いますが、先ほど私が申しましたこの企業性をしいられるあまりに、非常に合理化を強行している。これは、官民を問わず、一般にそういう風潮があるのですが、特に国鉄の合理化につきましては、これは何回も私は個人的にもその点につきましては問題があるということを指摘しておりましたが、その点につきまして若干お尋ねをいたします。
 まず、今日の時点における情勢でありますが、けさの新聞を見ますと、国鉄のこの合理化の矢表に立たされて、何年か先では自分たちの職場が三分の一になる、こういうことに問題を起こしまして、すでに乗務員の奪い合いというふうなことがされて、十三日の日には汽車が二時間とまる、こういうことがけさの新聞にも出ておるわけです。
 そこで、まず労務担当の山田理事にお尋ねいたしますが、一体こういう現実はどういうところに争いがあるのか、その点をひとつ明確にここでお示しを願いたい。一体そういうことが、この年末を控えて、今日国鉄のこの頻発する事故の中で、あり得ていいことか――もちろん悪いことだと思いますけれども、問題は非常に深刻だと思います。どういうところにその原因があるのか、これをひとつ、労務担当の理事が来ておられるならば、山田理事から、長い説明は要りませんから、争点はどこだということをひとつお示し願いたい。
#14
○説明員(山田明吉君) いまの御質問は、動力車労組の闘争の問題であると存じますが、動力車労組は十月のころから当局に対して要求を提出いたしております。
 その第一が、年末手当の問題でございます。これは大体実質的には話し合いが了承されているものと私ども了解いたしております。
 それから第二の点は、国鉄の動力の近代化に伴いまして、従来蒸気機関車が全国的に配置されておりましたものが、電気機関車なりディーゼル・カーに変わります、あるいは電車に変わりまして、したがって、蒸気機関車当時に配置しておりましたいわゆる動力車の基地、よく機関区と申しますが、その配置を将来合理的にする必要が出てまいったわけでございますが、それに伴いまして、あるところは大きくなり、あるところは廃止するという具体的な問題が出てまいっておりますが、それが困るというのが第二の争点でございます。
 それから第三の争点といたしましては、いわゆるそういう機関車だとか――電気機関車、蒸気機関車、あるいはディーゼル機関直、ディーゼル・カーというような検査を毎日やっておるわけでございます。毎日の検査、あるいは相当期間を置いての大々的な修繕検査というような、いろいろ検査に種類がございますが、そのうち、そのいわゆる機関区でやる検査と、それから別に大々的な修繕検査をする組織として工場というものがございますが、その工場でやる検査との分野をもっとはっきりさせて、できるだけその機関区でやる検査を多くしてもらいたいという点が第三の争点でございまして、いずれも第二、第三の争点でいろいろいままで話し合いをしてまいっております。昨日もいたしまして、本日もいたす予定にいたしております。それの争点をとらえまして、明日大々的な闘争を行なうということになっておる次第でございます。
#15
○中村順造君 昭和三十六年の十二月十二日ですから、ちょうどまる二年前です。この委員会で、この合理化の点につきましては、長い時間をかけまして、当時の関理事ですか、それからいま来ておられる、当時工作局長をしておられた宮地さん、いま問題になっておる合理化の問題、いわゆる基地の合理化、あるいは動力車近代化に伴う合理化、こういう問題について非常に詳しい内容的な論議をしたわけです。私はここに議事録を持ってきておるわけです。言うならば、非常に合理化を、企業性の発展あるいは強化という意味から合理化をしいられる。その合理化のねらいというものは一体何か。これはやはり企業性をあくまで強調すればそこになるわけですが、そこまでは理解できる。ところが、この合理化というのが、きのう大臣は、議事録にも載っておりますが、大臣の発言の中で、ちょうど岡理事の質問に対しましては、人員は減らさない、こういう答弁をしておられますけれども、二年前の三十六年の十二月十二日に本委員会でいたしました議論は、この動力車の近代化に伴う基地の合理化あるいは検修方式の改革、こういうものは、一つは人員の削減、これは大きな、一つというよりか、これがその柱である。具体的には、その当時述べられたのは、検修関係の要員、機関区、工機部を含めて一万二千人の削減をするという前提のもとに説明がされているわけです。すなわち、一人当たりの生産性をふやさなきゃならない、そういう議論の中で、一万二千人の人員を削減する、これはどういうことかというと、この削減をするためには、まず基地の統合廃止をしなきゃならない、あるいは検査修繕の方式を変えなきゃならない、こういう議論から、答えが一万二千削減ができるという議論に車検委の答申が出された、こういう説明がされておるわけです。ところが、これは十四、五年先の、いわゆるビジョンですね、昭和五十年にはこうなるであろうという想定のもとに、また具体的にそういうふうな検修方式が変えられるならば、科学的にそこに立証されるものがあるはずだが、お示しをいただきたいと言ったけれども、当時――宮地さんもおられますけれども、何ら示されておらない。たとえば電気の絶縁体にしても、そういうものができるであろうという想定のもとにこの検修合理化というものが立てられるということが、議事録の中に載っておるわけです。しかも、実現というのは十四、五年先なんです。当時の、ちょうど二年前のこの議論としては、若干私もその点は承認をしなきゃならぬということが議論の中にあったわけです。ところが、頻発する事故から見ますと、やはりこれは山陽線の事故にしても、あるいはいろんな事故を総合してみまして、この合理化のしわ寄せ、特に人減らしを目的とするところの合理化のしわ寄せだというのがここで成り立つわけです。一つの例を言いますと、これは若干専門的な言葉になって恐縮ですけれども、宮地さんはよくおわかりだと思いますが、いわゆる回帰キロの延長ということが非常に強調されておる。これはどういうことかと申しますと、大きな修繕をして次の修繕に入る、いわゆる自動車でいうならばオーバー・ホールですが、その間のキロを、従来八万キロであったものを、これを十六万キロに延ばすあるいは三十二万キロに延ばすから修繕をする個所が必要でなくなるんだ。ところが、どうです、いろいろ車両の検査、修繕、保守、あるいは人員の先ほど総裁が言われましたところの指導訓練、私は指導訓練の面からとらえましてもまだ問題があるわけですけれども、それはあとにいたしまして、これだけ事故が頻発すれば、車両の検査あるいは修繕というものは、むしろ逆に、従来八万キロであった回帰キロは縮めなきゃならない。あるいは、動力車が近代化されて、若干の修繕が省略ができると判断をしても、これを倍にし、さらにそれを倍にするという議論は、二年前ならばできたけれども、今日の時点では私は無理だと思う。こういうふうに事故が頻発すれば、少なくとも現状より慎重にやらなきゃならぬという議論が生まれてこなきゃならない。しかも、十四、五年先一万二千人という人員の削減を目的に立てられたこの車検委の答申というものは、内容的にもきわめて多くの矛盾があるわけです。総裁はそういう技術的な面はおわかりにならないと思いますから、ひとつ二年前を思い起こして、宮地理事からお答えを願いたいと思います。
#16
○説明員(宮地健次郎君) ただいま車両検修委員会の中間答申がおととし出されましたことにつきましていろいろ御指摘がございました。確かに、人員削減ということは、これは大きな一つの合理化の目標でございまして、したがいまして一人当たりの生産性が高まることをねらっておるわけでございますが、これは、いわゆる労働強化を意味しないでこういうことを行なおうとすれば、作業の機械化、自動化ということが必要でありまして、作業の機械化、自動化をいたしますためには作業を集中化する必要がある、これによりまして決して職員に対する労働強化をしないで一人当たりの生産性が向上できる、こういう趣旨から始まったのでありまして、当時の計画におきましても、幸いにいたしまして蒸気機関軍が減り、近代化されました電車、ディーゼル動車というふうなものが非常にふえまして、その運用ということがきわめて自由自在になりましたために、いわゆる局地的にいままで制約されておりました蒸気機関車の配置というものを、大幅に集約いたしまして、そういった近代化された車両を、多数の両数を一ヵ所に車両基地として集約できるというふうな観点に立ったのでございます。
 なお、この回帰の延長のお話もございました。回帰の延長ということは、これは車両が近代化されまして材質、構造その他が進歩いたしましたために起こる面と、それから従来の車両につきましては、種々の部品その他の車両の材料を、いろいろ最近出てまいりました新しい部品、材料等に置きかえることによりまして、これを実証的に修繕回帰が延長できるということを十二分に確かめました上で行なわれておる延長でございまして、その見通しを委員会では論議した次第でございます。おっしゃいますとおり、これは昭和五十年の、申されますとおりの理想図でございます。したがいまして、あの答申に盛られました内容は、昭和五十年の時点におきまして予想されます車両の非常に自由な運用ということが大きな前提になっております。現在逐次行なわれております車両基地の新たな集約設定につきましては、これは理想図でございますので、これを一つの教科書と考えまして、支社においていろいろと支社の実情に徴した計画をいたしておる、こういうのが現状でございます。
 なお、こういった方向でわれわれは進んでおりますが、しからば車両故障はどうなっておるか、車両故障によります事故はどうなっておるかと申しますと、実は私ここに数字は持っておりませんけれども、決して当時と比べまして、現在特に顕著にふえておるような事態はございません。
#17
○中村順造君 いま車両故障の話をされたのですが、これはもうこの前の、私が本委員会にまだ所属をしておる当時から議論をしまして、あなたのほうの資料と私の資料はうんと現実的に食い違っておることが証明をされておるのですから、数字の論争はやめましょう。数字でここでとやかくなるわけじゃないのですから。私は基本的なものを言っているわけです。そこで私は、いまお答えになった作業の合理化をして集中をする、そういう合理化は私は一つも否定していないわけです。ただ、その回帰キロを延長すれば、いわゆるそれは車両の修繕というものを省略すれは――これは省略なんですから、延長ということは、八万キロを十六万キロまで走らしていいという議論ですから、省略するわけですから、それをなくすれば、これは修繕する場所の減ることはあたりまえの話です。ただ問題は、こういうふうな頻発する事故の中で、そういう二年前の考え方が依然として正しいかどうかということを私は議論しておるわけです。この昭和一千六年の十二月十二日に当時の関理事と話をしたときにも、こういう答弁をしておる。回帰キロの問題でも、これはやはり現実に扱っておる工作局、運転局では、回帰キロの延長にはなかなか決心の要ることです。あなたは当時工作局長としては、回帰キロの延長には慎重な態度をとられたはずです。運転局長も、いわゆる列車の牽引をするという動力車につきましては、回帰キロの延長は慎重にしなければならぬという、工作局長なり運転局長が慎重な態度をとっておられる。しかし、関理事の答弁でいうならば、私はこれはどうしてもこれくらい才では延ばさなければ成り立っていくだけの資格がないという判断のもとに回帰キロの延長というものを認めました、こういう答弁をしておる。あなたいまそこで言われたけれども、当時は工作局長の立場から回帰キロの延長というものには慎重論をとられたはずなんです。回帰キロを延長すれば修繕の個所が減る、省略すれば修繕の場所がなくなり、整理統合するということが、ここに出てくる。そこで初めて人員の削減だということになる。私はそのことはまだいまここで議論するつもりはありません。しかし、いま国鉄のこういう事故の頻発する中で、いうならば、人心の不安ということが非常に大きなウエートを占めておるのである。これは十四、五年先の話です。理想図とあなたは言われたけれども、そのいまから十四、五年先にはどうなるかわからない。わからないと言えば語弊があるかもしれませんけれども、いうならば理想図である、ビジョンである、こういうものを掲げて、今日重大な時期におきまして、労使の間で汽車のとまることは、一体どういうことなんですか。あくまで労使の間でそれを固執をする、十五年先こうしなければならぬということを固執する、十五年の歴史の中で世の中がどう変わるかわからないというものを掲げて一歩もひかない。片方は現実にそうおっしゃるけれども、そういう作業を進めるという中には、支社長が云々と言われますけれども、当局のとっておられる態度というものは支離滅裂じゃないですか。たとえば広島の例をとりますと、いわゆる今度運転所というのができ、あるいは工機部というのができて、現実にその問題を移そうとされておるけれども、ここにも大きなトラブルが起きておる。仙台のごときは、局長の主張と支社長の主張が全く違うじゃないですか。こういう現実があって、しかもこれが労使の問題に矢表に立たされた場合に、どうなるのですか。まず私が言いたいのは、十四、五年先にできるかできないかわからぬこの理想図を掲げて、そうして一歩もひかないということから、汽車がとまるということは、どういうことなんですか。これは総裁にひとつ――まだ総裁の御答弁の段階でないと思いますが、最後には総裁に答弁を願わなければならぬ。山田理事はどうですか、この点は。
#18
○説明員(山田明吉君) 従来のいきさつの詳細を私は実は申し上げておりませんで、中村先生は十分御承知だろうというつもりで私先ほど申し上げたのでございますが、若干時間をいただきますと、従来の争点は、将来の先生がおっしゃいましたビジョン、これの姿がはっきりしないから、この姿をはっきりさせろというのも組合側の要求でございました。ところが、それに対しまして、現実の姿は、かりに、きょうお手元に資料をお配りしたのでごらんいただいてもおわかりになりますように、こちらでたとえば三千億の予算要求をしまして、ここの区間はいつまでに電化をやりたい、この区間はいつまでに複線化をやりたいという計画をいたしましても、こちらの思うようになっておらなかったのが実情でございまして、したがって、私どもいたずらに昭和五十年度、いまから十数年先のビジョンを確固不動のものとして考えるのがむしろあまりにも飛躍した議論ではないかということも反省いたしまして、それで組合の諸君とは、先のことは、一応そういうビジョンは考えているけれども、現実にどこが電化され、あるいはどこがディーゼル化され、それに応じて新しい機関車が入ってくるわけであります――これは毎年の予算の制約の範囲内のものでございますが、それが投入されるときに、その地区の動力車基地をどうするか、それに伴う検修をどうするか、ひとつケース・バイ・ケースで十分相談しよう、それにつきましては、本社で抽象的な議論をしていてもなかなからちがあかないので、支社あるいは鉄道管理局の段階で地方的に十分ひとつ話し合いをしていこうじゃないかということで、その話し合いを従来続けてまいっておりたわけでございます。それで、さしあたりいま問題になっておりますものは、そういうケース・バイ・ケースの例が具体的に出ておるところろがございまして、私どもの推測では、そういうところがまあ一応ケース・バイ・ケースとしてどういうふうにきまるかわからぬが、それが固定化されては困るという危惧を組合の諸君が持っておるようでございますけれども、その点は私どもは決してそれを固定化して考えてはおらない。将来といえども、われわれが希望する年度に予算がいただけて、そしてわれわれが予定して希望するときに電化なりディーゼル化ができれば、こちらの予定どおりのビジョンは現実化するわけでございますが、これは残念ながら、そういう努力はもちろんいたしますけれども、しかし現実に予想どおりの予算もなかなか至難ではないか。そうすれば、将来やはりケース・バイ・ケースで処理していくことが一番いいのではないか、こういう段階で、きのう、きょうもまた話し合いをいたすつもりでおるわけでございます。
#19
○中村順造君 そのいまあなたがおっしゃる議論も、前にしたことがあるのですがね。いま十五年先はこういうものができ上がるという理想図を持っておられる、それを少しずつ進めていくわけですね。それはこの前関さんも言っておったのでありますが、支社長権限とか、あるいはケース・バイ・ケースという言葉も、そのとき非常に使った言葉です。現実は、支社長のところへ行けば、本社から指示がないからわからない。本社へ行けば、ケース・バイ・ケースと言う。地方の実情ということで、そういうことを言っておる。現実に現場で働いている人は一体どうなる。私は、ここから人心の不安が出てくる。自分たちの職場がなくなる、やがてはなくなる、あるいはいつになったらなくなる。総体的なことは車両のぐあいによって見なければわからないとおっしゃるけれども、いままでの経過を私は委員会を通じて全部知っております。しかし、知っておりますけれども、そういうことでは人心の不安というものはなくならない。ちょうど二年前の本委員会の議論でも、最終的にはそういう現地の実情というので私は了解をいたしました。しかし、了解をいたしましたけれども、あなた方の考え方は、現場の末端の従業員まで、労働組合を通じてなり、あるいは直接業務機関を通じてなり、十分理解をされなければ、人心の不安というものはなくならない。あなたは本社で理事の机の前にすわっておられるから、それで済むかもしれませんけれども、現実に輸送の大任を果たしておる現地の職員というものは、おれたちの職場はなくなるのだ、生活の基盤はやがてはどこかに移さなければならぬという不安が常につきまとっている、そういうことを私が話をいたしましたら、よくわかりました、それでは現実に現場の職員に不安のないように努力いたしましょうと、こういう約束をされておりますけれども、全然その努力をされておらない。あなたがされておると言うならば、具体的にどういう努力をされておるのか、いわゆる理事者側としてどういう努力をされておるのか。国会の答弁としてはいろいろ適切な答弁をされておるけれども、現実には何ら手を打っておらない、こういうことになるが、これはどうなんです。
#20
○説明員(山田明吉君) いまの問題につきましては、ただいまも申しましたように、個々の具体的ないろいろな客観条件あるいは主観条件を知っておるのは、鉄道管理局長が私どもよりも知っておるわけでございます。これは、先生のおっしゃいますように、私どももつとめてこの実情を把握するのにつとめてはおりますが、一番よく知っておりますのは管理局長でございますので、新しいそういう動力が転換すると、蒸気機関車が電気機関車なりディーゼルに置きかわるときに、その管理局の仕事をどういうふうにしたらいいかということを、鉄道管理局長が対応の組合とよく相談しなさいという指導をしておるわけでございまして、過去におきましても、その線で現地で話し合いをし、解決をして、個々の問題としてケース・バイ・ケースで解決しておったわけでございまして、したがいまして、本社で考えております大きな意味の合理化計画、つまりどこを電化し、どこをディーゼル化し、それに伴ってどういう動力車基地がどういうかっこうになっていくかということは、これは経営上の問題でございますので、当然本社が考えなければいけないわけでございます。それが具体的に現地の人に響いてくることによって、労働条件の問題になってまいりまして、そこで初めて組合との団体交渉の内容に入ってくるわけでございますが、その際には、いままで出ておりますのは、宿舎の問題とか、あるいは配転手当の問題とかが現実に出ておりまして、これは本社として一定のルールで地方へ指示してございますので地方で、やはり個々の人につきまして、それぞれその家庭的な条件等もいろいろ相談して、いわゆる労働条件に関する団体交渉をして、従来はケース・バイ・ケースで解決をしてまいったわけでございまして、私ども将来もそういうかっこうで解決したいということで、そういう考え方について従来本社間で話し合いをしておるわけでございます。
#21
○中村順造君 私は組合との折衝の経過を聞いているわけじゃないのですからね。ただ、当局としてどういう努力をされているのか、これは国会で明らかに、ここに議事録がありますけれども、その点につきましては十分今後PRにつとめます、懇切丁寧に現場の職員が納得するように努力いたしますと約束しておるが、その努力をどういう努力をしたのか、団体交渉をしたなんていうことでなしに、現実に職場でこの輸送の業務に携わっておる職員が、今次職場がなくなるとか、何年先にはなくなるとかということで、どういう職員に納得させる努力をしたのかということを聞いておるの、だけれども、これはおそらくしてないと思う。この国会の答弁では、いまも管理局長が一番現地の実情を知っているなどということは、責任回避もはなはだしいじゃないですか。二十何人もの管理局長を全部国会に呼んで、どういう努力をしたということが聞けますか。この面につきましてはどういうことをやらせました――団体交渉をやるのはあたりまえじゃないですか、労働条件が変わってくれば、そういうことを私は聞いておるのではない。だから、あなたが管理局長という言葉を使われるならば、私は先ほど申しましたように、それでは現地の仙台の実情はどうですか、管理局長と支社長の言うことが違うじゃないですか。これは問題の本質を判断するについても、意見が相違する、そういう中で組合員が理解できますか――組合員なりあるいは職員というものが。管理局長がこうだ、ああだということは、国会で言ってもらっても仕方がないことです。国鉄当局として人心の不安一掃のためにはどういう努力をしたか、これを聞いているわけです。これはどうなんです。
#22
○説明員(山田明吉君) 本社といたしましては、現在進行しております第二次五ヵ年計画の一環として、やはり動力の近代化、それに伴う基地の統合整理という問題もございますし、あらゆる機会を通じまして――もちろん団体交渉の場も一つと考えておりますが、部内の職員に周知させる努力をいたしておるつもりでございますが、なお足りない点は、御指摘のように、今後さらに努力をいたしまして、職員に十分納得させるようにつとめたいと思っております。
#23
○中村順造君 私だけの時間というわけにまいりませんので、結論に持っていきたいと思います。そこで、いろいろ努力をされたとかされないとか言ってみたところでしょうがないことなんで、これは将来やろうと思えばできることなんで、ただ問題は、今日の事態であくまで車両検修委員会の結論を固執する、私から言うならば。それは一つの理想図だとあなた自身も言っているから、その理想図は、その図面は、どうしても守らなければならぬ、こういう考え方に立って、この事態の回避だとか、そういうことは考えていないのですか、その点は労務担当者としてどうですか。車検委の答申というものは、あとで聞きますけれども、総体的に高い見地から見て、車両検修委員会の答申というものは、何が何でも、身を挺しても守り抜く、そのためには汽車がとまっても仕方がない、国民に迷惑をかけてもやむを得ないという考え方を持っているのかどうか、これはどうなんです。
#24
○説明員(山田明吉君) 一応車検委の答申は、現段階における技術――技術という言葉は語弊がございますけれども、そういう技術的に見て最もいいと考えられる考えでまとめた案でございますので、これは相当長期の、五十年、あるいはそれよりさらにあとのいわゆるビジョンを描いた、いわゆる理想に過ぎるという御指摘があるかもしれませんが、それが一つの方向であろうと私は確信いたしております。
 それから、現実にただいま起こっております基地に関する具体的ないわゆる闘争につきましては、これは国鉄の合理化の問題であります。その合理化というものは、蒸気機関車が漸次近代化するに伴って出てくる問題でございますので、その合理化計画をやめにするという考えはございません。こういう考えを私どもあるいはいままで努力が足りなくて職員に周知させ得なかった点につきましては、残されている今明日最後の努力をいたしまして、明日汽車が二時間もとまるというような事態が起こらないように、さらに努力を続けてまいるつもりでございます。
#25
○中村順造君 あなたの言っておられるのは、私は、車検委の方針というのは、それは皆さんにはわからぬと思うけれども、この十二月――二年前の十二月十二日にこの委員会に出ておられた皆さんはわかると思いますが、車検委の方針というのは一体何かというと、私が先ほど申し上げましたように、まず動力車の修繕を省略するということですよ。そしてその上に立って、一万二千人人を減らすということですよ。そのためにはやはり動力車の基地を整理統合するということですよ。これは車検委の方針でしょう、中身は。今日のこの事態の中で動力車の検査修繕を省略するという議論は、二年前は私できたと思うのですが、今日でもできるかどうかということなんです。その一点だけとらえても、しかもきのう大臣は、人は減らさない、合理化のための人は減らさないということを岡理事の質問に対して本会議で答弁されている。そうすると、あなた方の考え方と大臣の考え方は違うのですよ。車検委の方針というのは、動力車の検査修繕を省略して、そして一万二千人の人を減らし、一人当たりの生産性を高める、しかも基地の整理統合をするという、こういうことなんですよ。今日人減らしの合理化はしないということを大臣は本会議で答弁している。車検委の方針は適切なものであり、将来そういう方向に持っていかなければならないから、方針は曲げられないというなら、それは大臣の答弁と違うじゃないですか。総裁どうですか。
#26
○説明員(石田礼助君) 中村さんに申し上げる。二年前に、昭和五十年までに一万二千人の人を減らすという結論を出したそうですが、この減らすということは、要するに、合理化によってその仕事に当たっておる人を減らすということで、国鉄から人間を減らすということでは私はないと思う。ということは、御承知のとおり、今日の国鉄は独立採算制である。そうして、年々歳々人件費というものが非常な勢いでふえる。このつまり独立採算制のもとに立っておる国鉄というものは、どうして一体人件費の増というものをカバーしていくか、こういうことになれば、できるだけの合理化をして、できるだけ人手を減らすということで、しかも一方に業務量というものは年々歳々ふえておるのですから、このために人をふやさなければならぬ、そのふやさなければならぬ人間を、合理化によってできた人を配置転換をして、これによってやっていく、こういうことで、決して、一万二千人の人間を五十年に減らすといったって、首を切るということは絶対しない。これは、私は大臣が昨日どういう答弁を議会で言ったか知りませんが、私はそういう意味なんです。現に国鉄は人間を減らしてないのです。どうかその点はひとつ御了承願わなければならぬ。これがために人心の不安を来たすということは、やるべきことではない。ただ、配置転換ということはやらなければならぬ。これは問題がある。それは、配置転換をされる人の中には、配置転換ということで非常に迷惑をする人があるかもしらぬ。これはできるだけ国鉄の財政の許す範囲においてそういう迷惑がないようにするということが、われわれのつとめだと考えておるのでありまして、どうか、一万二千人の人を減らすということは、首を切るということじゃないのだ、こういうことだけは御了承願いたいと思う。
#27
○中村順造君 それは総裁、あなたは力を込めて言われるけれども、それはわかりますよ。理由なしに、国鉄がこれだけの仕事をしておって、その中から、たとえば要員対策委員会ですか、昭和四十年から満四十才以上の者を一万五千人首を切る、こういう案も出ているのです。私はそんな幼稚な議論はしません。国鉄が理由なしに、一人当たりの生産性を高めるために、一万人なり二万人の人間の首を切る、そんなことをいまの社会で考えている者は一人もないと思います。また、そういうことはできるはずもないと思うのです。ただ、私が主張しているのは、車検委の話が出ているから、それがあした汽車がとまる対立点だと理事が言っておるから、そうすれば、間引きで何人か首を切るというなら問題がないかもしらぬが、具体的に検修要員を一万二千人減らすということは、これは回帰キロの延長というのは、総裁御存じないかもしらぬけれども、八万キロ走ったら検修しますというのを、十六万キロ走るまで当然省略なんです。中身の機械が多少新しくなったとか、構造が変わったとかいうことはありますが、ものの考え方は、あくまでも検査修繕を省略して人間を浮かす、職場を減らす、その上に立って一万二千人減らす。それは総裁の言葉で言えば合理化でしょう。その合理化によって来たるものは、企業性を強調され、独立採算制を強調されれば、合理化しなければならぬ、ここに問題はあるけれども、その問題は、さっき大臣のおられるときに、無理な合理化をしなくて済むような国鉄の姿にしなければならぬという前提の上に立ってこの議論をしているわけです。その議論を具体的に進めていくと、車検委の方針はあくまでも守らなければならぬという、こういう主張をするということは、車検委の方針自体にも問題がある。十五年先のでき上がる姿、図面を守るかどうかという問題です。内容的にも、合理化による人減らしは考えない、事故がこれだけあるから、大臣がそういう答弁をしているのです。二年前の議論なら、それは認めます。それじゃよろしゅうございます、それじゃ、今度は職場がなくなって、職場が移動する場合には、住宅をどれだけ建てるとか、それは親切なPRをしなさいと言ったっても、していない。現実に何もしていない。二年前の時点と今日の時点とは違うのです。それは、あくまで車検委の方針は正しいから、あした汽車がとまってもやむを得ない、一歩もひけないという態度が正しいかどうか、これは若干時間をかけて議論をしなければ総裁は理解できないと思いますが、いままで議論した中で理解できるならば、ひとつ答弁してください。
#28
○説明員(石田礼助君) もしも、今度の合理化によって人手を省く、そういうとりあえず職場というもので現在やっている人を失うということだけだと、中村さんのおっしゃることはまことにごもっとも千万です。同時に、この職場は減るが、しかしそういう人たちというものは決して国鉄から首になるのじゃないのだ、別に配置転換をせられるのだということであって、私は決して、現在忠実に働いている現場の者をそういうような酷な取り扱いをするということは、国鉄として絶対にやらない。その点はひとつ御安心願いたい。
#29
○中村順造君 私の言っているのは、要員の問題にしても問題はある。この要員の計画を立てるにしても、かつて井上職員局長というのがいた。私は当時、率直に申しまして、労働組合の責任者でしたが、こういう要員の計画では、国鉄は、特に私は運転の経験から申しまして、こういう要員計画ではいずれ行き詰まってしまう。いま現実に働いている人に失礼に当たるから、あえて言葉は非常に考えなければなりませんが、産業の景気がよくなると、高等学校を出た人を採用しても、労働条件や賃金が低いので、どうしても賃金の高いところに高等学校を出た人は就職をして、国鉄には就職者がなくなります、希望する人が少なくなります。しかも、そういう採用した人を長い間臨時で使う。山陽本線の特急追突の問題も、臨時人夫じゃないですか、線路の関係の人は。そういうことはやめなさい、特に運転に携わる人は十分な要員の需給計画を立てなければならぬ、こういうことを主張しました。しかし、その当時は残念ながら十年先を見通した要員の計画というものは立てられておりませんでした。総武線の電車の運転士の待遇はどうとか、その経歴はどうだとか、こういう点を私は十年前にいみじくも言ったことが、一つずつ当たっていく。そういう要員の計画とか、人員配置、あるいは車検委の方針とか、いま立てられているいろいろな計画を、これだけ重大なピンチに立った国鉄としては、一切の計画を一時中止して、再検討して出直すという決意がなければ、この国鉄から事故はなくなりませんよ。少なくとも、その意味において、私は先ほどから主張しておるように、十五年先のビジョンを掲げて一歩もひけないのだ、そうしてその間の努力はしていないで、問題が起きれば、管理局長、支社長だ、こういうことで国鉄の立ち直りというものができますか。これは重大な問題ですよ。労使の関係で団体交渉がどうだこうだという問題以前の問題です。どうです、総裁、その点は。
#30
○説明員(石田礼助君) いまの国鉄の人事行政というものに対しては、私は決してこれは完璧なものじゃない。これは、今度の事故にかんがみましても、大いに反省して、徹底的にひとつ究明する必要があると思います。
#31
○相澤重明君 関連。石田総裁のいまの中村君の質疑に対する答弁を聞いておると、事故がたくさん頻発をしておるけれども、そのよってきたる原因が、労使の中でいろいろ議論をされておる問題の一つとして、検査とか修繕というものがなおざりにされはしないか、人減らしをやって、そういうことで実際に安全性というものが欠けるような方向にいま国鉄は進んでいないか、こういう質問をしていると思うのです。それに対して、一万二千人という具体的な当時のいわゆる削減、人員減らしというものに対しては、総裁の答弁は、決して国鉄から減らすのじゃなくて、職場の転換はあるかもしれないけれども、配置転換はあるかもしれぬけれども、とにかく合理化を推し進めるのだ、こういう企業性をあなたは強調しておった。ところが、こちらの中村委員の言っているのは、そういう企業性の問題を言っているのでなくて、現実に起きている、この事故の頻発している、国民が不安を持っているものについて、一体どうするのだ、人を減らして、そうして検査をしなくて、できるだけ検査を延ばしてしまって、それで安全性が持てるかと、こういうことを聞いているわけなんです。そこで私は、まず最初に、そういういまの議論を聞いておって、けさの新聞ですか、本社の今度は課長補佐が何かを三人一組にして全国に何か調査に出すとか、現地に行くとかいうことを言っておりましたね。あれどういうことなんです。総裁からひとつ御答弁いただきたい。
#32
○説明員(石田礼助君) 回帰キロを延ばすとか、そのほかそれによってできるだけ人手を減らして合理化をやるとかいうようなことは、これはもう蒸気機関車は電気機関車になる、その電気機関車もだんだん発達してくるということになれば、これは私は当然やって差しつかえない問題じゃないか。決してその点について危険を犯してまでやろうということは思っていない。ほんとうにこれはだいじょうぶだということでもってやることですから、それがために輸送上の危険を増すということは私は考えられない。この点は、私は、国鉄にいる者は、わりあいに、中村さんも御指摘のとおり、非常に保守的な頭でやっておるので、心配ない。
 それから、最後に御質問の、運転局からして三人くらいの勤務で全国に行くということは、これは要するに、現在やっておる指導、訓練、そうしてまたこの適性の検査というものに対して、何かやはり非常な欠陥があるのじゃないか。そうしてまたさらに、御承知のとおり、運転士さんというものは、行くというと必ずあの場所に休息する、そういう休息所というものがほんとうに休息ができるような状態になっているかどうかというようなことを調べるのでありまして、今度のつまり五回も続いたあの質の悪い失態なんというものは、今後繰り返さないように、現地のほんとうに、報告を聞くのでなくて、現地について調べてやろう、こういうことが出ておるのでありまして、そのほかに意はないのであります。
#33
○相澤重明君 いまの総裁の答弁を附いておると、結局は、頻発する事故に対して、国民の不安に対して、これではいけない、どっかに欠陥があるのだろう、こういうことで本社も今度はそういうことを踏み切ったということなんでしょう、あなたの言うのは。それはいいことじゃないですか。だとするならば、なぜいわゆる修繕の問題とかあるいは検査の問題ということについてそういうふうに踏み切らざるを得なかったというのは、国民世論の動向が、国鉄だっていままでのことをただ言っているだけではおさまりつかぬでしょう。あなたが総裁になってみて、なるほどこれは何か欠陥があるのじゃないか、どっかに欠けているのじゃないか、これを直そうというところがいまのあなたのそういう意向になっているのじゃないですか。だとするならば、先ほどからの議論を聞いておれば、昭和五十年か何かの話を団体交渉でやっている、それでのっぴきならないというばかな話はないじゃないですか。ばかげた話です。私に言わせれば、そんなことをしているから国鉄は信頼性が持てないのです。ですから、私はそういうことは、いまの総裁が言うようなことであれば、国民にこと安全性の問題については信頼をしてほしい、私どもはこうするのだという、そういう立場をはっきりしてそうして労使の中でそういう問題については十分時間をかけてやりなさいよ。それで、そういうことについては従業員にも絶対に心配がないのだということを与えなければ、あなたの言っていることは何にも役に立たない。総裁が一人やりますと言ったって、できるものじゃない。そういうことで、十三日――あす実力行使とか何とかいう話がいま出ておるけれども、そんなことは即座にやめたらいいですよ。私どもの考えはそうじゃない、決して従業員の皆さんの言うことについては私どもは違った考えを持っていないのだ、これはいまの安全性の問題についてはわれわれは徹底的に国民に信頼される立場をとるんだ、こういう考え方で話をしたら、お互いに話ができるでしょう。何ですか、いままでの乗務体制は、一体何をやっているのか、私はいまの二人の議論を聞いておって、そういうことを思うわけですよ。ですから、総裁が、特に今回、こういう昨年の三河島事故や今年の鶴見事故から発足して、どうしても本社がこのままではいけないといり態度に出たということには、私は非常に敬意を表しますよ。それでいいと思うのですよ。とにかく、いままでの行きがかりとか、あるいはお互いに感情論とかいうものはなくして、そうして信頼される国鉄を私はつくってもらいたいと思う。そういうことでなければ、予算をこれは通すといったって、なかなか予算だって通りません。国鉄は予算が通ればかってなことをやっているのだということなら、だれも賛成する者はない。国民もまた安心して国鉄を信頼することはできない。だから、みんなが、この際事故をなくして、そうして信頼の持てる国鉄、安心して乗れる国鉄ということに努力したらどうですか。三人一組で課長補佐かなんかを全国に派遣して、どっか欠けているところを直そう、信頼を取り戻そうという、その熱意には敬意を表します。いいことだ。しかし、いままでの二人の議論を聞いておれば、中村さんが、昭和三十六年の十二月――奇しぐも同じ三十六年十二月十二日に議論をしたこの議事録を、いまお互いに質疑をしているけれども、そんなことを、当時の二年前のことをいまさら議論してみたってしようがないのです。それよりは、いまの段階で、これまで不信を受けた国鉄を取り返す、こういうことに議論を発展させてくださいよ。そうすべきじゃないですか。私ども運輸委員会が、たびたび国鉄に対して、もっと重大性を認識して乗り切ってもらいたいと言うことは、あなたに対する鞭撻だと思うのですよ。それからまた、あなたも輿望をになって総裁になられたと思うのです。だから、私は、十一月の九日の鶴見事故があったときに、直ちに運輸委員会を開いたときにも、これはあなたが単に総裁をやめるとかやめない、そんなことじゃない、総裁がやめたってそういう事故というものは直らない、こういう話をしている。だから、あなたの独断をもって今回そういう措置をとったのなら、いまのような乗務体制にすべきじゃない、もっと発展した方向に私は進んでいくべきだ、こう思うのです。あとで、いろいろな予算の問題が出ておりますけれども、私も同僚の皆さんと一緒に聞くときもあると思うのですが、いまの時点における議論は少しく話がどうも進展をしておらぬ。こういう言葉から、常勝と中村委員の質疑の過程を見て、私はあなたにそういう考えをただした。どうぞ自信を持って、国鉄というものを、国民の信頼にこたえるということで、ひとつやってくださいよ。そういうことでやるように、いままでの議論というものは発展した方向に持っていくように、あすもそういうことはやめてもらう。乗務体制がもっとしっかりしておればやれるのだ、私はそういうことで総裁の意見を聞いておる、いかがですか。
#34
○説明員(石田礼助君) 三十六年にいろいろ検討の結果一万二千人を減らすという決意をしたゆえんだな。その後情勢が日に日に変わっておるにかかわらず、ばかの一つ覚えで、すべてこれをやらなければならぬということは、どうかと思う。これは情勢の変化に応じて弾力性をもってやるということが最も大事だと思う。そうして、今度の争議なんかにしても、私は、労働組合に対しても、お互いにお互いの立場を考えてやれば、平和的に問題は解決つくのじゃないか。けんかだけはやめろ、家庭争議はやめろ、私はその点で、何とかして平和的に解決したいということは始終念願しておることであります。今度の問題や何かにつきましても、何とかひとつこの問題を、国民一般に迷惑をかけない、そうさっき中村君がおっしゃったが、人心に不安を与えることのないようにしたいということは、これはひとつ断をもって実行したいと思います。
#35
○岡三郎君 そうするというと、先ほ、ど総裁がいわゆる企業の合理性といいますか、近代化に伴うところのいろいろな計画、こういう点については、当局側として、いろいろと動力車と折衝しておる中において話がつかぬということを一応知っているわけですね、現状において。先ほどの山田理事の答弁を聞いても、争点が二つも三つもある。そういうことである。そうすると、そういうものを十分ここの段階にきて、先ほど中村君が言ったように、十分検討する余地をもっていかなければならないということを今総裁が言われたと思うのです。現状においてですよ。ですから抽象論議でなくして、あしたに差し迫ったこのトラブルですね、この交渉がうまくいっていないという問題、これを具体的に今明白にトラブルがないようにおさめる、そのための手だてを講ずるということを総裁が言われたと思うのですが、その点どうなんですか。
#36
○説明員(石田礼助君) 私は実は、はなはだ申しわけないのだが、動力車組合のほうの主張の詳細は承知しておりません。
#37
○岡三郎君 困るじゃないか。
#38
○説明員(石田礼助君) ですが、岡さんに申し上げるが、動力車労組の主張必ずしも是ではないし、われわれの主張も必ずしも是ではない、これはお互いに妥協して、まあいく、平和に解決する精神でできるだけやっていくということだけのことはしますけれども、動力車組合のほうの主張が、あまりにどうも線をはずれているようならば、私は、国鉄は、いかんながらこれは妥協するわけにはいかないということもあるかもしれません。
#39
○岡三郎君 総裁らしくない答弁がようやくこの委員会で行なわれていると思う。らしいというのは、総裁ははっきり言う人だから――最終的にはわけのわからない答弁になったのだが、本委員会における、いままでに数多く答弁をしておる中では、まことに歯切れの悪い、わけのわからない答弁だ。いいですか。言わんとしているところはよくわかるわけです。ただ根本問題として、今いろいろと紛争が起こっているが、その内容はよく知らぬ、ここに欠陥があるわけです。今総裁がそれをこれから勉強してもおそくはない。精神的に言って、気持としては非常にいいと思う。かたくなではなくして、なかなか理解ある態度だと思う、ただそういう抽象論議ではないわけですから、先ほど言われていることもわかるけれども、この段階においては、一ぺんひとつ双方の言うことを総裁としてですよ、いままで交渉してきた常務理事、それから今言った動力車、こういったようなこの両者の意見を十分聞いて、あしたの晩までに調整点というものを出す、具体的に双方が満足、当局側も動力車のほうも満足しないかわからぬけれども、とにかくそういうトラブルが起こって、国民に迷惑をかけないように、この段階としてはやる、こういうことを言われたと思うのですが、私は、だんだん社会が進化してくると、いろいろな問題が起こってくると思う。ただその中において一番重要なことは、先ほど総裁が言ったように、配置転換をしなければならぬけれども、最近の国鉄の心境は、安全というものをやはり主眼していかなければならないというところにあると思う。それだけの余地があるならば、採算というものを十分考えなければならぬけれども、ひとつ新しい心境で、動力車の言うことも聞いてみよう、その中でどうしても配置転換しなければならぬという、こういう不安が乗務員にあるとするならば、一体それをどういうふうに配置転換をするのか、具体的にですね。そうしてその乗務員を含めた家族、その組合、こういうものが時勢の推移とにらみあわせて納得のできるように、納得できない部面についても何とかこれをうまく処置していこう、こういう点については、住宅の問題とか、職場転換をするにしても、機関士をやった人がにわかに荷物のほうにいくとか、いろいろな問題について考えれらるということは、これはなかなかたいへんなことだと思うのです。自分が専門の仕事からはずされるわけですから、ここまでいくというと、これは総裁も実際の仕事をせられてきたからわかると思うのですけれども、おれは将来一体どうなるんだということが頭の中に、こびりついている限り、すかっとした、すっきりした業務というものはなかなかできませんよ。だからそういう点において修繕の問題とか、あるいは故障の検査の問題とか、そういう問題について、直接担当しているところの乗務員、その他が声を大にして要求しているわけです。だからこういう点については、国鉄のほうとしても、安全が第一であるということに徹するならば、ある程度聞く余地があるんではないかというふうに考えるわけです。ですから、ビジョンの問題もあったけれども、そういう点も含めて、ひとつ今明日に総裁のほうで事情をさらに聴取して、しばらくそういう問題については総裁にまかせよと、全体的にひとつ検討をしてみようと、こういうふうに具体的に言ってもらいたいと思う。つまりそれぞれの言い分はあるけれども、その言い分を調整して、仲よくひとつ話がわかるようにしていきたいというふうに総裁は言っておるわけですから、それをもう一歩進めて、両者の言うことについて、自分はまだ十分知っておらぬけれども、事国民に迷惑をかける大きな問題だから、こういう事故の頻発するときだから、新しく安全というものを中心にもう一ぺん練り直して考えていってみよう。それはすぐ国鉄の今計画しておるものを放棄するということじゃないと思うのです。これはここにある一つのプラン、動力車労組の持っておるいろいろな考え方、こういうものをここでもう一ぺん安全ということを中心に再検討して、そうしていこうじゃないか。だからしばらくこの問題については、労使双方は協議をしていくという姿勢を持ってもらいたい。端的に言うと、労働組合の言うことに耳を傾けて、ひとつ国鉄側も真剣に考えてみよう、こういうことですよ。これは即安全を一番使命としている直接の担当者、乗務員が安心して走れるようにしてやろうと、こういうことになると思う。それが即国民がありがたいことだと、安心してとにかくやっていけることだということになると思う。この点について、広瀬鉄道監督局長は、鉄道を監督しているのだから、あなたの考え方をひとつはっきり伺いたい。それだけの余地を国鉄に与えなければならぬ、国鉄監督局は。
#40
○政府委員(廣瀬眞一君) 労使双方の問題でございますので、まず第一次的には労使双方が十分話し合いをされるということが必要かと思います。
#41
○岡三郎君 それじゃ意味ない、そんなばかなことを聞いていやしない。この際、具体的に今言ったように現実の問題として、あしたトラブルが起こるということがわかってきた。そうすると、総裁はこれに対して苦慮して、それぞれのひとつ十分なる話し合いをさせて解決をしていきたいということを言われたわけです。しかし、それぞれの言っておる分については、いい点もあるし悪い点もあるように思われる、つまり新しく十分検討する余地があるのじゃないか、それは少なくともいままでの国鉄の案を放棄して、全部組合側の言うことに沿うということでもなければ、組合側の言っておることが全面的にこれはいけないということで、国鉄のやること自体が正しい合理化計画なんだということでもないようで、新しい視野に立ってやられると、こういうふうに私は承ったわけです。それならば、そういう視野に立って鉄道を監督するほうとしても、運輸省としても、やっぱりそういう立場を堅持しておいてもらわなければいけないと思うのです。余地がないと監督局長は言っておるようで、何とか話をしてなんていうそういうことじゃなくして、もう少し何とかはっきり返事してもらいたい、責任をもってやりますと、こう言ってくださいよ。
#42
○政府委員(廣瀬眞一君) これは先ほど私が申し上げたことをもう一回ふえんいたしますと、現在両者間において話が継続中でございますので、お互いに高い視野に立って相手のことも頭に置きながら、いま先生のおっしゃったことを、やはり公共性あるいは国民に与える影響等も考えながら、やはり真剣に話を継続していただいて、常識的な妥当な結論のほうにいかれるということを私どもは希望しております。
#43
○岡三郎君 もう私やめますが、総裁、結局国鉄に従事している人に対して、総裁は日ごろ親心を持ってやる、きびしくやるところはきびしくやらなければいかぬ。しかし現実にはとにかく安全を第一にしていくということになれば、従業員の言うことに耳を傾けて、その中で総裁は新しい判断をするということになると思う。それからいままでやられておる当局側として、これはそれぞれの考え方があるということは言われておるわけなんですから、全面的に否定しておるわけじゃない。いま言ったことはおわかりですか。従業員の言うことについても、今回ひとつ、いままで十分報告を聞いていないから、新しい視野に立って、これを検討してみよう。だから、しばらく労使の紛争はおいて、ひとつ検討する余地を持とうじゃないか、こういうことであした起きるトラブルは回避していく、こういうことになると思うのですが、これはどうなんですか。
#44
○説明員(石田礼助君) 岡さんの言うことは、私はごもっともだと思う。私は虚心たんかい、ほんとうに彼らの立場に立って、また国鉄の立場を考えて、今明日のうちにできるだけ平和裏に解決して、できるだけ円満な解決にいきたいと思います。ただ一つお断わりしておきまするが、彼らの主張にしてあまりに無理な要求であって、国鉄として受け入れることのできないことがあるかもしれぬ。この点はひとつ御了承願わなければならぬ。何でもかでも妥結するということの保証は、私としてはできない。
#45
○岡三郎君 いま総裁が最後に言ったことは、言わなくても、これは一つの合理的な考え方です。ただし、無理があっても、子供のことはひとつこの際よく聞いていく余地を持とうというのでなくては、これは親心ではない。だから、是は是、非は非としていくという考え方については、いいと思うのですよ。ただ、いま総裁が前段に言ったように、とにかく何とか平和裏にこの問題をまとめていくために、即座に双方を納得させる考え方はないとしても、しばらくひとつ新しい視野に立ってこれを検討する。こういうことで進行していく、脱線しないようにしていく、こういうことになると思うのです。だから、動力車の言っていることすべてこれ妥当であるかどうかについては、総裁これから検討せられるわけだから、ひとつ親心として、少々無理があってもこの際は聞くとして、ひとつ余地を持っていこうじゃないか、こういうことで当面の問題に対処して、そうして十分に相談する余地をここにつくっていこう、話し合いをしていこう。それでもなおわからないときには、総裁は総裁として、自分も経営の中にあるわけだから、断を下せばいいわけだ。そのときに動力車がどういうふうに出るかは、これまた国民が批判すると思う。ただ現状は、あまりにも無理だと思う。というのは、総裁は聞いてないのですよ、全然今まで報告を。それをあしたどうかなるかということなんだから、ここのところしばらく時間をかせということは当然じゃないですか、総裁に対して。だから私自身としても、総裁が時間の余裕を少し持ちたい、検討する時間を持ちたい、こう言われるのは、合理的だと思うのですが、それはひとつあとの蛇足は省いてやってもらいたいと思うのです。
#46
○説明員(石田礼助君) 岡さんのただいま申されたことは、よく了承して、善処したい、ぜひとも解決したいと思います。
#47
○中村順造君 時間も長くなりましたから、私もそう無責任に長くやるつもりはないのですが、非常に重要な問題が残っているから、その点をひとつ総裁にお尋ねいたしますが、まず、いま岡理事の言った、あなたは中身は知らないとこうおっしゃるのだが、いま労働組合との折衝がどうあろうかは、あなたは一々中身を知られる必要はないと思うけれども、しかしそれは大勢をやはり結果として見なければいけないのじゃないですか。少なくとも、労働組合がどういう性格だというようなことは私は言いませんけれども、やはり多数の代表であるということにおいては、間違いはないのですが、かれらの主張をことごとく知っての話なら別ですけれども、中身はよく理事からは聞いていないが、ものの考え方は、いわゆる感じだけでやられておった。それはそれでいいです、総裁ですから。しかし、不都合な計画をしておるようだから処分するぞという警告は出されてもいいと思う。警告は出されておる。何か不都合なことをするということだけを耳に入れられた理事も理事だと思う。どういうことでこういう警告を――総裁の名前でけしからぬことをしたら処分するぞという姿勢を全国に出しておるわけです。新聞にも出ておるわけです。それを中身の主張がどうあって、いきさつがどうあってということを知らなくても、これこれの問題が、こうあって、ここに問題点があるのだということを知って、この解決に努力を総裁がされたけれども、あまりにも子供らしくて警告を聞き入れそうにもない、そこで初めて警告になると思うわけです。そこで、そういうことで、私いま言ったってしかたがないと思うのですが、そういう国鉄の機構でも何でもないのですけれども、私の経験からいえば、十河さんの時代から総裁が労働組合と接触しなくなった。その前の総裁は、全部労働組合と団体交渉の席にみずから出ておられる。副総裁も……。最近、非常にこれは私悪い例だと思うが、石田総裁は何回出られたか知りませんけれども、おそらく出ておられないと思う。個別の問題では出られたかもしれませんけれども……。そういうことはいいといたしましても、問題になっておるのは、いまいろいろ、同僚議員からこもごも言いましたが、その精神に立って、若干具体的に私は中身を言ったわけです。そこで、今の情勢は、国鉄は非常に悪質な事故を頻発しておる。国民には申しわけないが、われわれは労働組合の代表じゃないのですから、国民の代表としてここでいま議論をしておるわけですから、そういう情勢の中で、しかも、労働組合と当局との争点は何かと私は聞きましたところ、車検委の問題が中心だと――車検委の問題が中心だというのならけしからぬじゃないか、十五年先のビジョンを掲げて、理想像を掲げて、十五年先にはこうしたい、その内容は、検査修繕を省略して、現場の数を少なくして、一万二千人ほどの人を浮かすというのが問題だと――労働組合の主張が無理な主張かどうかということは、これは私は無理じゃないと思うけれども、たとえば月給を十万円にしてくれというのなら、これは無理でしょう。しかし、現に人よこせの問題じゃない。高いところから見れば、一方では総裁がいみじくも言われた、十五年先の計画を掲げて一歩も譲れないというばかなものがおるか、そのことなんですよ、私が言ったのは。そのことを進めるについても、やはり支社長だ、監理局長だと言われるけれども、そこにも問題があるし、職員に対する理解も努力もしておられない。あるいは総体的な計画にも問題がある。これだけの国鉄のピンチの場合には、こういう情勢の中ですべての計画をひとつ練り直すつもりで、人員計画を含めて一切ストップして練り直すとおっしゃるのなら、国民は、国鉄というのは、現に最高首脳部である総裁が、そういう気持を持たれておるか、こういう気持を持つでしょう。逆に、十五年先の、できるかできないか、世の中がどうなるかわからないという問題を掲げて、一歩もひけない、こういうような、国民に迷惑をかけて、何百人という人が死んでおるけれども、一歩もひけないために、あしたから全国で七ヵ所汽車がとまります、やむを得ません、そういうことで済みますか。やはり私は、いま総裁が言われたように、十五年先の計画を一時中止をする――これはやっちゃいかぬということじゃないですよ、ほんとうにこのことが正しいかどうかという、いままでたった二年前の議論といまの議論とでは違うと私は申し上げたのですから、その見地に立たれたら、この車検委の方針というものが、必ず正しいという、将来あくまで強行しなければならぬという考え方から、ここに争いが出てきておる。一時中止をして十分練り直しても……。私は十分検査と修繕の手抜きについては自信を持っておる、こうおっしゃった、おれは保守的なものの考え方の一人だと、こうおっしゃったけれども、現実に二年前には、当時工作局長は宮地さんでしょうか、音田運転局長だと思いますが、関理事が言っておるじゃないですか。局長はなかなか決心の要ることだと、自信がないから決心が要るのですよ。修繕の手抜きをするのですよ。この問題は、そうして一万二千人の人を浮かすということですから、いま事故を頻発する、いまから修繕の手抜きをいたしますと、一番運転部門の大事な人間一万二千人を減らさなければなりませんから、ここで労働組合とけんかをいたしました、汽車がとりました、それで済みますか、総裁。私は無理なことを言っておるとは思わぬ。とにかくこの際従来の行きがかりを、今も言ったように一時ストップをして、そしてここで慎重な配慮のもとにこの国鉄の現状の中から新しいものを生み出そうという努力をされることは当然のことじゃないかと思うのですが、その点はどうです。
#48
○説明員(石田礼助君) 中村さんに申し上げるのは、私は、国民に対しても、労働組合の代表に対しても申し上げることは、戦うときには堂々と戦え、ただし行儀の悪いことはよしてくれ、法を犯すことは――この問題だってああいうようなもう法に触れるようなことにまでいかないでも、何かもう少し平和的に解決する方法はないか、こういうことを私は深甚に願っておるのであります。よくひとつ事情を調べまして、何とか平和裏に解決するというふうに努力をしてみたいと思っています。
#49
○中村順造君 その法を犯すとか、悪法だとか、順法だとか、そんな議論は私はしませんよ。たとえばお行儀の悪いということなら、なぜお行儀の悪いことをしなければならなかったかということなんですよ。それを知らずしてただおまえはお行儀が悪いんだ、悪いんだ、これじゃあ通りませんよ、総裁。やはりおまえたちは非常にお行儀が最近悪いんだということなら、親のしつけが悪いこともあるでしょう、やはり。子供の行儀が悪いという表現を使われるならば、当然そこになぜ子供の行儀が悪くなったかという前提がある。ばかの一つおぼえ――総裁の言われたように、ばかの一つおぼえで、十五年先の夢を持って強行しなければならぬ、そういういまの時代は、国鉄の状態ではないじゃないですかということを私は申し上げる。その点はどうです。
#50
○説明員(石田礼助君) たびたびもう申し上げたことですからして、繰り返す必要はないと思いますが、よくひとつ今明日のうちに先方の主張も聞き、国鉄の主張も聞いて、できるだけひとつ平和裏に解決したい、そのように努力したいと思います。
#51
○中村順造君 これは総裁がみずから出られる必要があるかどうかということは、私は言いませんけれども、少なくとも労務担当の理事もおりますが、山田さんにもう一つ私はお答えを願いたいんですが、総裁の気持はおわかりになったと思うんです。どういう理解をされたかしりませんけれども、三人がここでこもごも申し上げて、総裁も一応そういうお行儀の悪いことをさせないと、そのためには努力すると、こう言っておられるんですが、これは中身は専門的になりますから、総裁の気持をそのまま具体的にあなた方が技術的に反映をされるなら、いま言いました今日まで立てられた、昭和三十六年の十月に立てられた計画というものは一応再検討するということでなければ、この行儀はとまりませんから、この点はどうなんです。
#52
○説明員(山田明吉君) 先ほども申しましたように、内容の詳細を御説明申しませんで御答弁申し上げまして、言葉が足りない点がいろいろあったかと思いますが、実は車検委で立てました昭和五十年を目標とするビジョンというものは、私どもはあまりいままで固執した前提としては議論しておらなかったわけでございます。むしろ組合側として将来の計画をはっきり示せと、そういうような、むしろいま先生がおっしゃいましたような議論の気持で私どもは主張して参っておったわけでございます。ところがまあそういう抽象論になりますので、そういう点で若干時間がかかっておりますが、現実に来年早々できて参ります電気機関車なりジーゼル機関車が入って参ります。それを一体どうするかという問題が当面の問題でございまして、その問題については管理局の実情に応じた議論をしようじゃないか、ビジョンは一応ビジョンとして、合理化はこれはやらなきゃいかぬ。蒸気機関車が近代化するんだから、基地の整理というものはこれは必然である。これは組合の諸君も、ある程度先生も御指摘になりましたように理解してくれていると思うわけでございます。現実にいま発注してできてくる機関車をどこへどういうふうに置くかと、そういう問題でひっかかっておるわけでございまして、これは先生も御指摘になりますし、また総裁も申し上げましたように、ケース・バイ・ケースとして処理しようじゃないかということを先日来話しておるわけでございまして、それがちょうどただいままだ話し合いの途中でございますので、お気持の点も十分わきまえまして、さらに今明日に最後の努力をしてみたいと思います。
#53
○中村順造君 労働組合の代表でないということは、団体交渉やるわけでも何でもないんだから、私は申し上げておきますが、ただものごとをあなたはよく知っておられるわけだから、私も知っておるわけですから、だからここは場所柄そういうことは言わないけれども、いま言ったようなことはケース・バイ・ケースであろうが何であろうが、これは現地で解決できることです。ただ基本となるものが、そういうものがあなた方主張されることが後に一本ビジョンがあるのです。そのビジョンを一応おろさなければ話が進まないのじゃないか。それをあなたはおろさないといっているが、先ほど宮地理事もそういうことで固執しているが、かつて何年か前には反対したけれども、でき上がったものには賛成しているわけです。そういうことは総裁は御存じないかもしれないけれども、総裁は非常に高いところの見地からするならば、今日国鉄の現状、しかもいまの社会的な背景のもとに、明日から全国七ヵ所で汽車がとまるというお行儀の悪いことをさせないためには、とにかく夢だから夢を一応消しなさい。私はそれをやめろといっているのではない。夢だから消して、一応別の夢を立てればいいじゃないか、そういうことをやめなければ、そのお行儀はよくならないぞということを申し上げているのです。その交渉をされる用意があるかどうか、あなたは直接折衝される担当者だからそれを聞いているわけなんです。
#54
○説明員(山田明吉君) そのビジョンの問題は私ども実はいま当面の問題収拾のきめ手にはならないと考えておりまして、むしろそういうビジョンを、五十年先の姿をどうするか、こうするかという抽象論の時期ではないじゃないか。現実に来春早々入ってくる機関車をどこにどういうかっこうで置こうじゃないかということを相談することが、今、明日の問題でございます。先生の大体お気持に通う考え方でできるかと考えます。
#55
○中村順造君 それじゃ最後に申し上げます。私は労働組合の先輩だから、私の言っているほうが、あなたのほうが解決策としては見やすいかもしれない。夢を消す。かりに夢を消すという約束を当局がするならば、おまえたちお行儀の悪いことをやめるか、こういうことで組合が納得するということなら、その夢を消すことにはやぶさかでない、そういうことですね。
#56
○説明員(山田明吉君) 労働組合との団体交渉の内容に、どうも私入りがちな議論を申し上げますが、私は今明日の交渉において五十年後の姿をどうするかという抽象論はあまり益がない、そういう考えで問題の解決に当たりたい、こう考えております。
#57
○中村順造君 だからいよいよ大詰めになったけれども、五十年の先の議論をしたところで、総裁もばかげたことだといっておられるが、全く私もばかげたことだと、その前提で話をしているのだが、それを主張している。そのことはほんとうに意味がない。私もあなたもその点は同感なんだ。五十年先のことをどうだ、こうだということは意味がないけれども、ややもすればその衝に当たっている人はやはりその五十年先の理想図を守り抜く、こういう決意に立っているから子供のけんかになっちゃうのです。だから私はとにかく総裁も努力をされるといっておるのだから、私も私なりに努力をいたします。国民の一人として、特に国鉄出身の議員として努力いたします。この情勢の中であしたから汽車がとまってみなさい。どういうことになるか。そういうことを私は極力回避するために今から残された時間努力するが、その努力することについては、全くばかげたことだと見られることでも、案外子供はそういうものに固執をしているかもしれない。だからこれを五十年先はどうなる、こうなるという議論は一応撤回して、そうして新しくここに構想を求める、こういうことで了解をすれば、これは私はとまると思うのです。だから、その点の努力については、私も努力をする、こう言っているのだから、もちろん総裁を含めて、あるいは国鉄の理事、幹部でも、そういう面については大いに話し合う余地もあるし、努力もする、こういうことは言えるわけですね。そのとおりですか、それが了承されれば……、総裁どうです、最後にこれでやめますが、これでいいかどうかひとつ。私は決して無理なことを言ってないと思うのです。
#58
○説明員(石田礼助君) 中村さんが繰り返しお尋ねになるのでお答えしますが、決して無理なことはしません。できるだけそれはもうフェアにやるということだけは確言いたしておきます。
#59
○中村順造君 非常に政治的な発言だけれども、単刀直入に私は私の今申し上げたことで理解をいたしますから。これでやめます。
#60
○江藤智君 先ほどから長く私らお話を聞いておったのですが、その中で事故の問題に非常に関係のあることだからひとつ確かめておきたい。それは相澤委員が言われたように、われわれとしても絶対に事故が起こらぬように、今後もひとつ検討をやっていきたいと思っておるやさきなのでございますが、その事故を防止するためには、いろいろの原因を探求せにゃいかぬ。その事故の原因の一つとして、修繕の日数が延びたということも一つの原因であるように私は聞いておったのでございますけれども、われわれは技術が革新していった場合には――修繕というものと修繕を受けるものとの間には関係があるのであって、国鉄としても責任がある以上、それだけのものができなければ修繕の度合いを減らすということは、これは絶対にやるべきでもないし、そういうことはやってないと思うのですね。たとえば線路にいたしましても、今の線路のままで保守を減らすということは絶対に私らは反対でございますげれども、非常に軌道構造を強化した場合には、それに応じた保守のやり方というものが起こってくるわけです。そこで車両もすでにいろいろと変わってきておりますから、修繕日数が現に延びておるはずだ、それが延びたために事故が、はたして車両事故がふえておるかどうか、この問題について、はっきりひとつ説明していただきたい、その点非常に不安です。もしもそういうことで車両事故がふえるようなことがあったら、これは大問題です。その点まずお伺いしておきたい。
#61
○説明員(宮地健次郎君) 車両故障につきまして、百万キロ当たりの事故発生件数の趨勢を見ますと、昭和三十二年ないし三十六年度の平均が、一例をとりますと、どれでもよろしいのでございますが、かりに気動車をとってみますと、百万キロ当たり一・四四件という数字でございます。これが、昭和三十七年度の数字がここにございますが、一・〇〇件と変わってきております。それから電気機関車について申し上げますと、最近の購入機関車は三十二年から三十六年度の平均では三三・五〇件と、これは開発の時期でもありましたので、きわめて不安定な時期でもございますので多かったのでございます。三十七年度に至りまして、八・一四件というふうに落ちてきております。そういった傾向はディーゼル機関車についても同様に見られるのでございます。なお、電車につきましては大体技術が安定しておりますのでほとんど横ばい。それから客車につきましては若干の減少。貨車につきましても若干の減少。ただ一つふえているのがございまして、それは蒸気機関車でございます。昭和三十二年から三十六年度の平均は〇上二七件でございますが、三十七年度に至りまして〇・四〇件というふうに若干の上昇がみられます。
#62
○江藤智君 私あまり詳しく知らないのですが、検修方式をたしか変えられてだいぶん工場に入る日数なんか延ばされたのですが、それはいつですか。それの前とあととをひとつわかったらば知らしてもらいたい。
#63
○説明員(宮地健次郎君) その数字はただいまここに持っておりませんので、あらためて資料として提出さしていただきます。
#64
○江藤智君 要するにその回帰日数というか、修繕日数をふやすということがやはり非常に問題のように聞いたので、そういうような新しい検修方式でやった前と後とのひとつそういう事故の状態、これがはっきりするように資料で出してもらいたい、資料でいいですから……。
 それからもう一つお聞きしておきたいのは、、ここに資料をきょう配っていただいたのですが、その中の修繕費の問題で、工事経費のほうは三十年からのものが出ております。これは第一回の運賃改正の前からの状態が出ておりますけれども、その前の修繕費については三十二年からしが載っておりませんね。私は三十年からのやはり修繕費の資料がほしいので、これひとり追加要求を委員長お願いいたします。
#65
○委員長(米田正文君) よろしゅうございますね。
#66
○相澤重明君 委員長。
#67
○委員長(米田正文君) もう時間が少ないですからできるだけ簡単にお願いいたします。
#68
○相澤重明君 できるだけはしょってやります。
 政務次官と、それから自動車局に整備関係について質問しますから、担当者に御説明をいただきたいのですが、まず
 第一に、最近自動車の事故というものが非常に多くなっておるわけです。特に「ドライバー」という自動車交通関係のこの雑誌も、交通事故の原因を科学的にどうしたら一体直せるだろうかということで各界の方も集まり、また運輸省の自動車局の関係者もいろい説明をしておるわけです。そこで、私はひとつこの際、整備部長にお尋ねしておきたいのですが、現状において自動車による交通事故というものはどのくらい起きているか、これはもちろん警察庁等と一緒の審議のほうがいいんですが、きょうは警察庁呼んでおりませんから、運輸省として現状を把握しておることをひとつ御説明いただきたい。
#69
○説明員(宮田康久君) 警察庁の調べによりますと、昭和三十八年で全国で交通事故が四十八万件起こっておりますが、その約七割は運転操作の問題に関連した事故でございまして、整備関係の事故は二%という程度になっております。
#70
○相澤重明君 そこで、私は最近の情報として聞いているのは、たとえば名神国道では毎日五十両以上の自動車が実はえんこをしておる。つまり整備が不備なのか、運転操作が未熟なのか、それはわからぬが、いずれにしてもあすこは六十キロ以上の速度の個所だと思うのです。ところがそういうところで何台も、五十も六十もの自動車が事故でとまっておるということは非常に私はやはり交通上問題だと思うのです。ここでそういうよらな問題についてどうしたら一体そういうものが直るかということは、これは警察庁もさりながら運輸省としても私は重大な問題だと思うのです。したがって、昨年法律改正をして指定整備事業を委託をするようになったんだけれども、一体そういうような点について、現状をどう行政指導を行なわれておるのか。事故をなくするためにどうしておるのか、こういうことについてひとつ運輸省のほうから御説明を願っておきたい。
#71
○説明員(宮田康久君) いま先生のお話のように、名神国道の毎日の事故は約五十件ほど起きております。その内容は、タイヤのパンク、これが約二割五分程度だと思います。それからさらに一番多いのはエンジンのオーバー・ヒートでございます。これは車の実は能力以上に快適にスピードが出せるものでありますから、つい運転していられる方が速度を出し過ぎる、そういうようなことでオーバー・ヒートをするというようなのが三割近くあります。さらに、この故障の中の件数としまして、一割五分か二割程度だと思いましたが、燃料が途中でなくなってしまう、これは高速で運転いたしますと、低速の場合の、大ざっぱに申しまして約二倍近くの燃料を食います。そういう意味で、運転される方の当初の予想以上に燃料を食ってとまってしまうというようなことがその原因の大部分でございます。その点につきまして私どもといたしましては、外国のハイウェーの例でありますとか、ほぼ実情は結果的には似ておるのでありますが、当初そういう実例によりまして、あるいは事業者関係につきましては、運行関係者の研修でありますとか、整備管理者の研修でありますとか、いろいろな機会をつかまえましてそういう教育はして参りましたけれども、そういう実情でございますので、先生いまおっしゃいましたように、私どもといたしましては、先般通常国会で定期点検制度についての規定を車両改正に追加していただきましたし、定期点検整備制度をぜひ徹底させて、車の状態をよくするということとともに、やはり運転される方々への、運転操作が車の性能相応に運転するということに対しての今後の啓蒙を積極的にやっていきたいと考えております。
#72
○相澤重明君 私は、これはきょうはもちろん結論めいたことを聞き得るとは考えておりません。したがって、単に整備の問題でいま質問しているのですから、これは委員長にお願いしておきますが、いずれかの機会を持って、もうとにかく走る凶器といわれておるんですから、この自動車事故をなくするということは、国民の生活の上にも非常に大きな問題ですから、これは警察庁、あるいは運輸省と関係者がそろってひとつお互いに意見交換をする必要があるのではないか、また私どもも聞いてみたいと思います。できれば、委員長にお願いしたいのは、この特別国会ではおそらく日がないからできませんけれども、やはりこの交通事故問題についての委員会を私は持つべきだと思うのです。そういう点も積極的に推進をする必要があるんではないかと思うのです。特に来年のオリンピックをめがけて、こんなことで外国のお客さんを多く迎えては、私はやはり日本の恥辱だと思うのです。ですから、そういう点をぜひ私どもは整備もしてもらいたいし、事故もなくしてもらいたい、こういうことで、できれば衆参両院の運輸委員会の中にやはり交通対策の特別小委員会といいますか、そういうものを持って、積極的に推進をするということも一つの方法ではないか、しかしこれはきょう私が申し上げて、この特別国会で云々ではなくて、通常国会に入ったら、これは与野党でひとつそういう面を推進するように、これは委員長のほうからひとつ委員長理事会でもけっこうですから相談をして、委員会におはかりいただきたいと思う。
 そこで時間の関係で、私はいま整備部長の答弁をされておることについて、法律改正を昨年行なってもう定期検査も行なうようにきめられておるけれども、これでもまだ若干整備の点では問題があるのではないかということで、いまの自動車は速度制限というものがはたして機械の思うようになっておるかどうかというと、私はそのようになっていないと思う。やはり人間の操作ですから、その人の能力によって、その人の操作によってものを言わない自動車というものは自由に動かされているわけです。そこにやはり問題点があると思うのです。だからできるだけこの機械の整備ということは必要ではないか、したがって、高速道路については低速のものはあまり走らせない、高速のものと低速のものとを走らせれば、この間の国電鶴見事故ではないけれども、貨物といわゆる高速の電車、列車とが競合するような場合に、一つ事故が起これば、それは大きい事故になってくるということが立証されるわけです。ですから高速道路においても、そのスピードが非常に出るところの乗用車と、あまりスピードの出ない貨車等と競合して、しかもそれが名神のように五十台も事故が連続をしておるなんということは、私はやはりこれは考えなければいかぬことじゃないか、こういうふうに思うのですが、もちろんこれはそれぞれの担当者のほうでよく研究をしてもらって、そうしてこの事故をなくするにはどうするかということで、ひとつ議論を進めてもらいたい、これが一つ希望です。
 そこで、そういう場合に、いまの大体乗用車の場合は、特に学業車の場合はタコ・メーターといいますか、速度をはかるメーター器が取りつけられておるようですね。しかしダンプとかあるいは大型の長距離輸送貨物というのには比較的そういうものが少ないと思うのです。ところが事故を見ると――時間がないのでこまかい点を御答弁いただきたかったのですが、省略して、いずれ後刻ひとつ説明をしてもらいたいのですが、ダンプカーと言われる砂利とかセメントとか積んでおる車の事故件数、それから長距離貨物、定期便といわれますが、そういうものの事故の件数、それから一般の貨物、それをひとつ区分けをして、できればあとで資料で御提出いただきたい。それから一般の営業車と自家用車の区別も行なっていただきたい、乗用車の場合も自家用車と営業車との区別をして、やはり資料を出してもらいたい、こう思うのです。
 そこで、私はこの整備の問題について、そういう点をあとで御説明をいただきたいわけですが、いま政府が委託をするところの整備工場に対してはどういう国家的ないわゆる援助といいますか、あるいは行政指導の中ででき得る範囲というものはどんなものがあるのかということだけは説明を願っておきたいと思います。
#73
○説明員(宮田康久君) いまの最後のお話でございますが、いま全国で整備事業を行なっております工場が約二万四千近くございます。その大部分が中小企業でございまして、その中小企業の一般の助成策がいろいろいま政府としてとられておりますが、その線に沿いまして、あるいは金融の問題でありますとか、融資の問題でありますとか、あるいは協同組合の促進でありますとか、近代化促進法の一連の業種指定を受けておりますので、その辺の線で目下進めております。
 それから一言追加させていただきますが、先ほどの名神でのは故障でございまして、途中でエンコしているやつでございまして、事故はまだ非常に少ないということだけつけ加えさせていただきたいと思います。
#74
○相澤重明君 これは今の整備部長のお話ですが、これは自動車の事故というものと今の故障ということは、これは言葉の区分けの仕方ですが、これはひとつの表現の方法だと思います。故障車のあるところやはり事故は重なるということです。これは特に京浜第一国道、第二国道等をみますと、ひとつの車が故障しているときに、二重、三重の衝突事故が起きるということは枚挙にいとまがないわけです。そのために、単に車同士の事故だけではなく、それをよけようと急ブレーキをかけたために、今度は道の端にある住宅、商店街に大きな事故をもたらしたということも非常に多いわけです。だからエンコしているもの必ずしも事故件数に影響がないというのではなく、お話の事故件数というものをあげた場合に、お話が出たと思うのですが、私は、そういう点はやはり整備上の問題として十分検討する必要があるのではないか。
 それから、もちろんこれは操作する運転者の技術の問題にもなるであろうし、知識の問題にもなるであろうという点については、きょうは自動車局長がおりませんが、政務次官がおりますから、きょうの私のそういう質問の趣意を関係者によく御相談いただいて、次にはひとつ御答弁か、あるいは資料を出していただきたいと思うのです。
 そこでひとつだけ、これは政務次官にひとつ聞いて、さっそく対処してもらいたい点があります。
 それは昭和三十八年二月十八日午後三時五十五分、神奈川県の足柄上郡山北町山北千八百三十五帯地の二級国道、ここで山北町千八百番地の一の西島操さんの次男で西島茂夫という小学校の六年生、十二才がなくなっているわけです。このなくなったのは佐々木勉という二十八才の運転手が、いわゆるその子供をよく見ることができなくて、つっかけて、そうして死亡した。その佐々木といろ運転手の所属している会社は上野興産株式会社、本社は東京都中央区日本橋蛎殻町二の一四代表は社長の上野才一、この会社は、この二月十八日の西島茂夫さんという十二才の子供を殺したばかりではなく、その一ヵ月前にもやはり同じような所で、国道で子供を一人殺しておる。このことをみると、この事故の、これは警察の調べですよ。警察の調べの概況を読んでみると、昭和三十八年二月十八日、午後三時五十五分ごろ、山北町山北千八百三十五番地二級国道上において、故西島茂夫、当時十二才は、学用品を買って自転車にて帰宅の途中、上記上野興産株式会社所属のトラックにスクリッパーを連結、牽引した車、車体の幅三メートル、全長が十一メートル、ナンバーは神奈川県の一す九五一八、スクリッパーはブレーキ装置なし、ブレーキの装置ない車を相模原市より大阪市内に向かって運転中、この者が右側に接触、約六、七メートルはね飛ばして後頭部に脳水腫を受け、県立足柄病院に収容、手当てのかいなく、同日午後五時三十五分ついに死亡したいというのです。これを見ると、これは私は今の整備の問題ではないけれども、一体こういう大きい車にスクリッパー、ブレーキがないなんということが許されるのかどうか、こういうことを私は一体運輸省としては、タクシーの認可の問題は比較的大きく世論にアッピールしているけれども、貨物等の問題について、そういうような点にどういう一体具体的なそういう検査というようなものを行なっているのだろうかという点に疑問を持つわけです。この調書によりますと、そこで当時の運転者のいっていることを、供述を見ると、時速二十五キロぐらいで走っておった、こういつているわけです。ところがブレーキをかけてから十五メートルも走っているというのです。十五メートルもつつ走っている。そうして二十五キロぐらいで十五メートルも走らなければとまらないか、こういうところにも性能の問題やブレーキの問題が出てくると思うのです。当時の推定でいくというと、四十キロ以上走っているのじゃないかということがいえるわけです。しかも、その十五メートル以上もブレーキをかけて走っておって、路上にあるところの電柱まで折っているわけです。こういうようなことを考えてみると、これはかなり自動車の性能、運転者の操作、こういうものに私は問題があるのではないかというふうに思うわけです。そこで、それをひとつよく会社の――大きい車をたくさん持っているようです。ところがそういうふうにして、しかも事故を起こして子供がなくなっているにもかかわらず、いまだにこの会社は、このなくなった人に、遺族に対して弔慰金といいますか、補償料といいますか、それを払ってない。ことしの二月十八日ですよ。全くもってけしからぬと思う。当時の話を聞いてみると、十八日の日に、今申し上げた子供をはね飛ばして、たいへんだということで、まわりに人が寄ってきたから、そこで車に積んで足柄病院まで運んだ。運んだけれども、ほかの者が行った車代とか入院費とかその他は一切被害者に払わしている。会社は一切払ってない。二月二十日の日にお葬式があって、そのときに香典を五千円と、何かお供えものを一折持っていった。そのときには運転手さんと三人が、会社側の者もお葬式に出席をした。しかし、その後を見ると、ずっといろいろなことが書いてありますけれども、そのことを見ると、いや、とても会社ではそういう金を払うことはできないのだ。あるいはもう子供が死んじゃっているので、運転手の一方的な自供だけでもって問題を処理をしようとするというようなことをいわれておって、会社側として、たとえば最大限譲歩して死んだ人に対して補償金を出すにしても四十万そこそこだ、こういうようなことをいっているようです。それで、先ほど申し上げたように、その前の日の、二月の前の一月に同じように人を一人ひき殺して、そのときに支払ったのは、四十八万円か払ったそうです。払ったのだそうですけれども、それは五才の子供なんです。こういうふうにして、四の五のいっておって、いまだに解決しない。それでたまたま被害者のお父さんが会社に行ったところが、おれのところではそんな君らがきたって話にならぬというようなことをいっているのだというのです。これは私はやはり認可事業という、営業事業ですね。こういうものに対する今の車の整備、あるいは運転者の状況というものは、やはり会社側にあると思うのです。したがって、会社側ということになれば、それを認可している運輸省にその監督上の問題が私はあると思うのです。そこで私は、きょうはそういう実情をどうであったかということを調べるのが一つと、それから少なくとも人の子供を殺しておいて、それで遺族に補償金も出せないというような一体会社の経理なのかどうか、経理状況を洗ってもらいたいと思うのです。会社が出せないというなら出せないのはどういう理由か。それでそういうことで、たとえば私の会社は出せないと言われても、たとえば赤字である会社であっても、人命を損傷しておいて、そうして払わなくていいという理屈にはならんと思う、そうですね。今日国電の鶴見事故にしろ、あるいは三池炭鉱の事故にしろ、これだけ大きな国民的な関心を持たれておるときに、しかもまた走る凶器といわれる自動車の事故においても、とにかく事故があったならば、誠心誠意解決するという私は誠意がなくちゃいけないと思うのです。ましてや国が認可をした事業を行なっておる会社においておやだと思うのです。そういう面で、私はきょうは時間がないからこまかい点をたくさん申し上げることができません、これはあとで整備部長のほうに届けておきます。ひとつ政務次官責任をもって自動車局長と関係部長とも相談をして、会社の内容について、整備状況あるいは経理状況、そうして早急にこれは解決してもらいたい。少なくとも人の子供を殺しておいて、そうして六十万、七十万の金が払えないはずはない、百万払ったところで子供が返ってくるわけではないのですから、親の身からすれば、金よりか子供を返してくれというのが人情じゃないですか。それをふざけたことを言って、二月の事故をいまだに車賃も払わない、入院費も払わない、そしてまた遺族に補償もしないということは、まことにけしからぬ。私は年内に解決するように、政府の責任でもってやってもらいたい、こういうことを整備の条件も出ておるようですから、私申し上げたのですが、自動車事故の問題については実にたくさんの問題がありますので、どうかそういう点を政府としてもお考えを願って、事故をできるだけ少なくし、そしてまた事故が起きた場合には、関係者がほんとうに誠意をもって話し合って解決のできるようにしていく。もしそれが言うことを聞かないような会社なら、免許を取り消したらいいのですよ。なんでそういう死傷事故を起こすような、続いて二件も人を殺すような営業会社に営業をさせますか。これは政府の責任だと思う。人殺しだ。
 こういうことで、私はきょうは質問を終わりますけれども、ひとつ政務次官にこれはお答えを願っておきたい。
#75
○政府委員(田邉國男君) 相澤委員の御質問にお答えいたします。
 まことに遺憾な事故でございますが、私、運輸省といたしまして、確かに上野興産の会社の措置、また自動車自体の整備の問題、また運転手の非常な不注意、かような問題につきまして十分調査をいたしまして、すみやかに善処をいたしたい、かように考えております。
#76
○委員長(米田正文君) 他に御発言がなければ、本日はこの程度にいたします。
 次回は十七日午前十時に開会とし、本日はこれにて散会といたします。
   午後零時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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