くにさくロゴ
1963/12/17 第45回国会 参議院 参議院会議録情報 第045回国会 運輸委員会 第3号
姉妹サイト
 
1963/12/17 第45回国会 参議院

参議院会議録情報 第045回国会 運輸委員会 第3号

#1
第045回国会 運輸委員会 第3号
昭和三十八年十二月十七日(火曜日)
   午前十時二十九分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十六日
  辞任      補欠選任
   大倉 精一君  加瀬  完君
  ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長     米田 正文君
   理事
           金丸 冨夫君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           江藤  智君
           河野 謙三君
           木暮武太夫君
           野上  進君
           平島 敏夫君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           加瀬  完君
           中村 順造君
           吉田忠三郎君
           浅井  亨君
           加賀山之雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
   国 務 大 臣 宮澤 喜一君
  政府委員
   厚生省環境衛生
   局長      舘林 宣夫君
   運輸政務次官  田邉 國男君
   運輸大臣官房長 今井 栄文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   防衛施設庁施設
   部施設対策課長 河野  武君
   運輸省自動車局
   長       木村 睦男君
   運輸省航空局長 栃内 一彦君
   建設省計画局長 町田  充君
   自治省財政局交
   付税課長    山本  悟君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (自動車行政に関する件)
 (航空に関する件)
○バナナボート(バナナ輸送専用船)
 の建造を政府の計画造船に繰入れ促
 進に関する請願(第六七号)(第六
 八号)(第九二号)
○三陸沿岸縦貫鉄道の早期完遂に関す
 る請願(第一〇〇号)
○漁業に関する海難救助改善の請願
 (第一三〇号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(米田正文君) ただいまから委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨十六日付をもって委員大倉精一君が辞任され、その補欠として加瀬完君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(米田正文君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
#4
○岡三郎君 運輸大臣はたいへん忙しいようですから、冒頭に、最近において東京のタクシーの値上げがいろいろとうわさされておりますが、この点について運輸大臣のほうから経緯を御説明願いたいと思います。
#5
○国務大臣(綾部健太郎君) 従来の経緯等、私ははっきりいま何月何日どうしてということをよく記憶いたしておりませんから、当局に説明させます。
#6
○岡三郎君 いや、まず大臣から、詳しいことではなく、大体の概略をお話し願いたいと思います。
#7
○国務大臣(綾部健太郎君) ハイヤー、タクシーの料金の問題につきましては、いまから二、三年前から申請が、やっていけないから、タクシー、ハイヤーの値上げの要因たるべき諸物価が非常に騰貴し、ことに人件費等が騰貴してまいりまして、経営をやるのにはどうしても現状の運賃ではやれない、日本全国かように申してまいって、要求は正当なものがありました。そこで、運輸大臣の権限においてやれるところは随時やってまいりました。ところが、昭和三十六年の物価に関する内閣の申し合わせによりまして、東京都周辺のタクシーにつきましては、周辺と申しますのは東京都内です。都内のタクシー、ハイヤーの値上げについては閣議の了承を得なければいけないという閣議の申し合わせが、私の就任以前、すなわち昭和三十六年のたしか四月だったと思いますが、ありますので、それに従って、私どもは閣議の了解を求むべく、経済企画庁と折衝中でございます。運輸省といたしましては、諸種の資料から勘案いたしまして、この程度が適当であるという案を、約八カ月前だったと思いますが、もう少し前かもしれませんが、とにかく一年くらい前に経済企画庁に申し出をしまして、そうして経済企画庁で目下審議しておる段階であると思います。私どものほうとしては、すべての角度から、この程度の値上げが必要だ、結論的に申しますというと、ハイヤー、タクシーの約二割、約二割一分というような数字、大体一割九分という数字も出ると思いますが、二割前後上げることが適当である、かように考えて、経済企画庁と合議中でございます。経済企画庁の御同意を得られれば、閣議に出しまして、それで閣議の昭和三十六年の申し合わせに従ってやりたい、またやらねばならぬと私どもは考えております。
#8
○岡三郎君 宮澤大臣に伺いますが、いまの運輸大臣の答弁で、目下企画庁で東京のハイヤー、タクシーの値上げを検討中である。この問題については、従前からいろいろ経緯があるわけでございますが、企画庁のお考えを伺わしてもらいたいと思う。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、従前からいろいろの経緯がありまして、そこで実は非常に私の役所でももてあましておるわけでございます。そうしておりますうちに、他方で、三カ月ばかり各方面の知識人に集まってもらって検討してもらいました物価問題懇談会の答申と申しますか、報告が出てまいりました。この報告は、その中で、公共性のある料金はともかく一年間値上げをとめろということを言っておるわけでございます。私どもは、その答申のその部分につきましては、東京のタクシー、ハイヤーというものは、実はそれよりずっと前に、ことしの夏ごろから経済閣僚懇談会でしばしば議論をされておる問題であるから、この扱いだけは、少なくともこの問題は切り離して考える必要がある、答申にもかかわらずこれだけは別扱いをする必要があるというところまでは、運輸大臣も私も同じに考えておるわけであります。さてしかし、それならばその前提に立って、どういう改定を認めるかということで、なかなか共通の決断に至りませんで、その結果、ただいまの現状は、物価問題懇談会の答申そのものを検討すると同時に、この問題をもあわせ検討するということで、閣僚懇談会の下部機構であります各省の次官が内閣官房を中心にして集まりまして、そうしてすでに二回会合を開いているわけでございますが、これについて具体的にどういう処置をすべきかという結論を得ようとしておるわけでありますが、しかし見通しとしては、なかなかその結論すらやはり出ませんで、おそらく出ないままの状態で、今月の二十日の金曜日に経済閣僚懇談会にもう一ぺん事案を出してみる、そこで結論を出すようにつとめる、そういうふうに大体運ぶことになっております。
#10
○岡三郎君 経済企画庁で物価問題全体をいろいろと御苦労なされておることはわかるんですが、この物価値上がりについて、これを物価引き下げするよりも、物価を現状においては安定しなければならぬ。これは終始一貫池田総理が言われてきたとおりだと思うのですが、部分的に値上げをするということが一体どの程度にとどまるのか。いま一つ、タクシーの例を出しておるわけですが、そのほかいろいろと、新聞情報その他においては、他の問題にもいろいろと検討を加えておる、こういうことなんですが、一体経済企画庁としては、従前は断固として値上げ相ならぬという形でだいぶがんばっておられたが、最近においては、ぐずぐずという形で、何か押し切られておる。そうすると、ほかの面についても波及するところが出てくるんではないか。総合的にいって物価対策というものについて、いわゆる物価問題懇談会の大来試案について経済企画庁が意見書めいたものを懇談会に出された。一体経済企画庁の真意はどこなんです。物価をある程度値上げしなければならぬと思っているようですが、もうちょっと端的に言ってもらいたいと思う。
#11
○国務大臣(宮澤喜一君) 端的に申し上げますと、いま何かぐずぐずしておるのではないかとおっしゃいましたのは、そういうところがございますので、そのぐずぐずしておりますのが大体作戦としてはいい場合もあるわけなんでございます。何となくそうやって時間が現状のままでたっていくのが、私のほうから申しますと、ある効果をあげる場合も実はあるわけなんでございますが、ただ私どもの考え方は、いまタクシーの問題についてだけ申し上げますと、これは東京の周辺が全部新しい水準になっておるわけでございます。それから東京とやや比較すべきと思われる大阪などもそうなっておるということで、現在の状態で東京を放置しておいてよろしいという、均衡論から申しますと、そういうことは実際非常に言いにくいというのが現状だと思います。で、どの程度にしたがって権衡を回復したらよろしいかという問題だけが残っておりますので、この問題についてだけはどうも私も現状のままでいいんだと言い切る自信がないわけでございます。で、その他の問題につきましては、できればその物価問題懇談会がいっておるような趣旨で進みたいという気持を私どもの役所は持っておるわけでございますが、それについても、懇談会の答申そのものが、一年間ともかく据え置けと、そしてその後の処置は一年たってから考えろという答申でございますが、私企業でございますから、一年待ち切れずに場合によっては倒産をする、収支が合いませんで企業の経営が不可能になるというものがあり得るわけでありますが、そういうものはその一年たって処置のしようが実はないということになりますので、ただ一年たって処置すればいいんだということだけで言い抜けられない問題もあるかもしれない、そういうことをいろいろ考えてまいりますと、画一的にあれで全部やるんだということも、そう一方的にも言い切れぬようなところもありまして、そこで実は閣議でもとの問題は議論になりまして、関係次官会議に戻し、もう一ぺん経済閣僚懇談会でやる、その上で要すれば閣議に持っていく、そろいうことをただいまやりつつあるわけであります。
#12
○岡三郎君 画一的にやれない面がいまあるというふうなお話ですが、いまの物価全体を見て、画一的にやれないからといってぼつぼつと値上げを認めるということになるというと、これをどうしてくれるんだ、あれをどうしてくれるんだという問題が、私どもが考えてもかなりあると思うんです。それは何年も据え置かれているということになれば、港湾の荷役運送の問題なんかについても、内陸関係の問題なんかについても、ずいぶん山積している問題があると思う。実態として、ハイヤー、タクシー問題だけじゃなくて、バス料金の値上げ、まあ関連してくる要素というものを非常に多く考えてみると、物価に対して政府が国民に公約した点が守り切れないのではないか、こういうふうな心配をするわけです。したがって、部分的に物価を上げるのもやをむ得ない、こういうふうな印象が国民にいま強いと思うんです。政府は何か時間をずらしつつも押し切られたという形で値上げをしていく。そうなるというと、必然的になおいまの物価に対して値上げに拍車をかけるというふうな心配がある、こういうところで、いろんな経緯はあるけれども、やはりしっかりした措置を政府に望んでいるというのが国民の真意だと思うんですが、そのかね合いなんですがね。運輸大臣は上げねばならぬとこう思っているのは職掌柄わかるとしても、経済全般の企画をしている経済企画庁が慎重な態度はわかるにしても、やがては抵抗の一角が一つくずれると次々と発展してくるということについて、守り切れるのかどうかですね、問題は、そう思うんです。バス料金なんかどう考えています。これも公共と私企業と両方ありますがね。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かに経済企画庁がんばれとおっしゃることはわかりますしいたしますのですが、他方で私としてはこういう実感を持っておるわけであります。この問題については、あまり私一人でがんばっておりますと、ほかの政府部内は、あれはもうあそこにまかしておけばいいんだという感触が生じやすいわけです。私としては、物価の問題というのは大事な問題ですから、皆さんにこの荷物をしょっていただきたい、そういう戦術的な考え方があるわけです。あまり一人で張り切っていると、あそこに背負わせておけばいいというのが、人間同士でありますから、なりかねないので、それでぐずぐずしたようなことを言っている点もございます。気持ちはしかし岡さんのおっしゃるような気持ちでむしろ表現をいたしているわけでありますが、バス料金につきましては、公営のものと民営のものとございます。そこで、公営につきましては、民営に比べて給与は相当高いといわれるいきさつもございますが、そういう点を中心にして、これも夏ごろから公営バスの問題を討議するための協議体を設け、つい今月の上旬までの長い間研究をいたしました。その協議体の報告も最近出てまいりました。それによりますと、給与水準もほぼ七割方高い、今後にわたって独立採算制を公営バスがとる限りはやはり公営事業法の精神に基づいて給与なども従前のような考え方ではいかぬのじゃないかというような報告も出ているわけでございますが、そういうことともからめて今後のことを問題にしていかなければならない。ただ、現実に給与を下げるということは、これはとても問題にならぬことでありますから、今後の給与改定についてやはり公営事業法に申しますような同種の民間企業とのバランスも考えろという考慮も必要であろう、その程度の認識は大体公共団体にも徹底してきたように思うわけでございます。
 そこで、累積の赤字をこの際どうするか、また今後発生するであろうものをどうするかということ、これは一つの方法は、それを値上げによってカバーしていくということもございましょうし、その他考えられることは、ある程度公共団体の一般会計との間で負担の持ち分をきめたらどうかというような考え方もあることと思いますし、またそれでもなおいけないときには、国がある程度これをカバーするために出るか出ないかといったような問題もあると思います。それらの問題を、先ほど申し上げましたような関係の次官の間で検討しているわけであります。民営につきましては、私ども従来は、公営に赤字が出るのはそういう給与等に問題があるためと思っておった。その証拠に民営は何とかやってきているではないかという議論をしておったのです。ところが、今年春ごろになりまして、民営のほうも実は相当つらいのだという声も出始めてまいりました。場合によっては、これはある意味ではアベック闘争ではないかというような疑いを持ったこともございました。しかし、相当民営もつらいということは確かでございます。民営だけならすぐ料金を上げなければならぬほどのつらさはないと思いますが、公営のほうがそういう状態でありますから、処置するとすれば、もし公営を上げると、民営もほっておくわけにはいかない。しかし、公営も料金を上げる必要がないということになれば、民営はそのままにしておきましても、なおしばらくは何とかやっていける状態でなかろうか。いろいろなことを申し上げておりますけれども、そういうことを今週末の経済閣僚懇談会で基本的にもう一度検討してみたいと思うわけでございます。
#14
○岡三郎君 先ほど運輸大臣からもお話があったのですが、いまのハイヤー、タクシー会社が非常に経営が苦しい、それで東京近郊なりあるいは大阪なりとのかね合いから上がる、上げざるを得ないのだというふうな御答弁ですが、それぞれの会社については、それぞれの経営規模がありまして、それはなかなか千差万別だろうと思うのですが、タクシー会社の持っている財産、端的にいって、台数の問題、ナンバー・プレートが値を呼んでいるというようなことは前からずいぶんいわれてきておると思いますが、それは一体どういうことを意味するのか。営業用のプレートというのは、それだけで値はあるのです。これは大臣どうです。
#15
○国務大臣(綾部健太郎君) 私どもよく聞きますが、それはナンバー・プレートそのものが価格があるとかないとかということを抜きにして、もうとても経営がやっていけないから、この際ある財産を全部ある会社へ売却するという場合に、その耐用年数がたとえば新車なら大体三年なら三年でかえなければいかぬというのが営業の方針のようですが、それを四年もたって、走れぬことはないが、すこぶる非能率で走っている、そういうようなものを一括してもうある会社へ譲渡する、その場合に、実際の車そのものの値打ちより少し高く売ってもうやめたい、こういうふうな売買があって、それが逆算されて、そんなぼろ車を、たとえば時価でいえば二十万か三十万するやつを五十万で買うとか七十万で買うとかという場合に、その差がナンバー・プレートの代金だ、こう世上で言っているようでございます。実際に一つの何を持って、これを幾らの値段で売るというようなことは私どもは聞いておりません。それはあるかもしれません。実際の個々の業者が、何千といろ持主があるのですから、そういう場合は希有であって、絶無とは申しませんが、あるかもしれません。大体のナンバー・プレートの値段が五十万円であるとか、百万円であるとかいうようなことは、私どもが申しましたような事由による逆算した価格であろうと考えております。
#16
○説明員(木村睦男君) ただいまの大臣の答弁を若干補足させていただきます。ナンバー・プレートの代金につきましては、いろいろ誤解がございまして、ほんとうに車一両買うのに幾らというのがナンバー・プレート代のように言われておりますが、実はそうではございません。タクシー事業のみならず、いろいろの事業を譲り受けます場合に、その事業全体を幾らで譲るか、一千万円なら一千万円で買うという場合に、タクシー事業の場合には、車両、それからいろいろな車庫、諸施設すべてを一千万円と評価するわけであります。そうしますと、その会社がかりに二十両車を持っておりますというと、非常にわかりやすく、一千万を二十で割りまして、そうして五十万円ということで、お前のタクシー会社を買うのに一両五十万円で買おうというのがナンバー・プレート代であるというふうにいわれておるわけであります。つまり、しにせ権と申しますか、そういうものを車一両分に換算した値段で、取引のとき使いやすいものですから、それでいっておるようでございます。それじゃナンバー・プレート代というものは、これが一両百万円、あるいは百五十万円、五十万円と、いろいろ値段がついている、非常に高い値段がついていると、車そのものは耐用年数が相当来て短くなっているのに、高い値段がついているのは、その会社が、タクシー事業が非常にもうかっているではないかという反論になるわけでございます。これはある程度そういうことも反映いたしております。したがって、会社の景気、不景気によって会社全体の売買の値段の高低があるのは当然でございまして、それが一両分に換算されてやはり価格が出るのは当然でございます。ただ、タクシー事業は免許事業でございまして、そう簡単に自由営業のようにふやせないというところにも、やはり一つの価格がつくわけでございます。したがって、金額の多寡によって、もうかっている、もうかっていないの区別はできますが、赤字が出ているときに、全然じゃあナンバー・プレート代はそういうものがないか、つまり事業体としての売買価格がないかといえば、そうじゃございませんので、やはりその辺は、免許事業であって簡単にできない。それから外国の例によりましても、やはり譲渡の場合にそういう価格がつくというふうなことになっております。これがナンバー・プレート代の実態であると思います。
#17
○岡三郎君 それで結局、まあ個々の問題についていろいろと質疑もここへ用意してあるわけですけれども、根本的にいって、二十日の経済閣僚懇談会でいろいろと討議をされるということですが、経済を安定させる、物価を安定させる、これはもう最近における唯一無二のこれは政治的課題だと思う。で、年末に向かって、いまますます物価は上がっておるような印象があるのですがね。まあこれは個々の問題で、最近においては、砂糖なんかについては、独特の方法で何とか引き下げてもらいたい、まあ消費税の問題もあるけれども、関税の問題についても考えてもらいたいとか、いろいろな話がありますがね。まあいろいろと議論されておるけれども、端的にいって、個々の問題を均衡がとれないとかなんとかいって上げると、やはりそれが具体的に物価騰貴の呼び水になるというのは、これは論を待たぬと思うのですがね。だから、これはやはりフランス等でやった例がよくいわれておるのですが、政府全体として決断がこれはもうすでになされておると思うのだが、その決断がどこの程度まで断を下しておるのか信用が相ならぬというのが国民の声だろうと思うのです。だから、選挙が済んでしまうというと、ぼつぼつやるのじゃないかと、こういう不信感情がまた一面にあると思うのですが、そういう点で、経済企画庁のみに責任を持たせるというのは酷であるということもわかるけれども、やはり根本的なところはきちっと締めておかぬというと、各大臣はそれぞれの陳情に押されて、それぞれにやっぱりいろいろと話がようわかるという人が先に行っちゃうというと、あのやろうだけが話がわからないのでけしからぬということになって、これがまあ経済企画庁のつらいところになるという点もよくわかるのですがね。しかし、だれか元締めがないというと締め切れないのじゃないか。そういうふうな点で、現在のタクシーの値上げの方法自体も、やや矛盾撞着がはなはだしいと思うのですがね。あるところは――あるところじゃない、東京は、経済閣僚懇談会にはからなければいけないというふうに三十六年のあれがあるが、ほかのほうは、一県全体でなければ、部分的ならいいのだとか、一体これは何を行政上考えておるのだかね。しかし、これはなされたからしかたがないのだというふうに済まされぬと考えるのですが、そういうあらゆる矛盾を内蔵していながらも、とにかく、タクシーだけじゃなくして、その他の問題全般にこれは関連していると思うのですね。タクシーが苦しいから上げる、じゃ内航船舶の運賃から何から全部が苦しいから、これは別問題。それからいまいったように、バスのほうの問題についても、これは見たところそれほど苦しくない、苦しい、いろいろな論があるけれども、じゃあハイヤー・タクシーと公共バスとか、それから私営のバスと、そういうものの経済的な苦しさというもの、経営的な苦しさというものが一体どれだけ違うのかですね。
  〔委員長退席、理事谷口慶吉君着席〕
 そういうものを詳細に比べて、そのほかの一般的な製造工業とか、いろいろな荷扱いとか、輸送量とか、いろいろな関係の問題についても、なお苦しい問題が私はかなりあるのじゃないか。そういうものを全般的に考えていくと、タクシーだけ上げるとか、バスだけ上げるとかいうことは、これは不公平のそしりを免れないのじゃないかと思うのです。――ということになるならば、やはり大きな命題としての物価を押えるというところに焦点を置いて、非常に矛盾は含んでおるとしても、大目的の前には、やはりある程度それに従ってもらう。それでつぶれちゃうという話ですが、つぶれちゃうのもあれば、つぶれないのもあるということになれば、これは資本主義、自由主義経済の中において、ずいぶん親心があると思って私は感心しているのですがね、その点は。一般的に資本主義経済の中において、あるものが成り立ち、あるものがつぶれるというのは、今の時代にあたりまえの姿じゃないかと思う。それをこの業界に限って、全部生かしていかなければならぬ、こういう議論は、資本主義経済の中で、宮澤さん、どういうふうにお考えになりますか。
#18
○国務大臣(宮澤喜一君) 御質問の御趣旨は、実は非常に私多といたします。ただ、所管大臣が陳情に押されてというような御指摘がありましたが、私は必ずしもそうだとは思っておりませんので、計数的に見ると、確かに赤字であるという場合が相当にあるわけでございます。ですから、問題は、業界からいえば、赤字であっては困るではないかということは、そのとおりになりますので、私どもは、それもそうではあろうけれども、公共性の高いものについてはやはり、それから心理的な波及をするとかということ、そのほうを心配いたしまして、多少無理でもひとつそこは現状でやってもらえないかと――これは勇気というよりは、多少蛮勇に属するかと思われますが、あまり合理的な態度では説明し切れない面が実はございまして、そういうことまでしてしばらくの間そういうムードを消すことがいいのじゃないかということを私などは考えるわけでございます。
 それから、大阪の場合もおかしかったではないかとおっしゃいますのは、御指摘のとおりでありまして、この経緯は、運輸省関係には通運の料金その他許認可の料金になっておりますものは数万件ございまして、そこでそれを一々経済企画庁と協議をしておったのではとうてい煩にたえない。したがって、国の経済全体にほとんど影響のないようなローカルなものは、運輸大臣限りで処置をしていただこうという両省の行政上の協定が、昭和三十六年でございますか――になされております。それによりますと、全県的なものでない限りは、東京以外は運輸省限りで処置をなすってけっこうだということになっておりますので、運輸大臣がなされましたことは、そういう意味では、その協定に従っておやりになったわけであります。ですが、その結果こういうことになりましたので、経済閣僚懇談会の席上で、この協定は今後改めようということで、今後こういうことがないようにだけは、実はそのときにいたしました。
 それから、最後のお尋ねでございますが、物価問題懇談会で一年後に処理をするという答申が出ます段階で、私が、その間に倒産をするというものがあった場合には、懇談会としてはどういうふうに考えておられるのかという質問をいたしましたときに、二、三の懇談会の委員からは、それはやむを得ないと、こういうお答えがあったわけです。皆さんの御意見ではございませんでした。ただしかし、私どもとしては、倒産をしたものは、それでやむを得ぬじゃないかということは、言い切れないわけでございます。経営の態度が非常に不健全であったとか、あるいは投機的な行為があったとか、みずから招いた災いであれば、これはやむを得ぬということも申せますけれども、政府としては、明らかに経営が赤字であるのを知りながら、一年間は何でもかでも押えていくのだというようなことの結果、倒産をいたすというようなことになれば、これは政府もその倒産に対して責任なしとは申せないわけでございますから、いかに資本主義、自由主義の経済であるとはいえ、それはどうもしかたがないじゃないかということは、私は申してはならぬ仕儀のことであるというふうに考えるわけであります。
#19
○岡三郎君 非常に親心があって、私はある意味では同意をしますが、しかしそんなに苦しいものであるかという問題ですがね。もっと社会には苦しい経営をしているものがうんとあるのではないか、実際問題として。で、アフターケアで中小企業と農業はこれからやるのだと言ったって、もうその間に倒れていっているものが一ぱいあるということはわかるのです。ですから、この免許事業だけは、政府が保護していくのだ、こういうお考えですか。
#20
○国務大臣(宮澤喜一君) そうではございませんで、価格形成について政府が介入をすることを義務づけられておるという限りにおいては、その義務は、良心的に行なわれなければならない、そうしてその義務を遂行した責任というものはやはり一半は政府にあると考えなければならぬのではなかろうかという意味でございます。
#21
○岡三郎君 その点はよくわかりますがね。そう考えるというと、いまの物価騰貴の状態は、そんな個々の問題だけではなくて、もっと総体的にそれならば検討してもらわなければ困ると思うのです。
  〔理事谷口慶吉君退席、委員長着席〕
ということは、いまの経済事情を見れば、中小企業、農業に対してこれから大いに援助をしていかなければならぬということを経済企画庁が言われて、これも同感ですが、政府のほうとして極力倒産しないようにやっていかれることも、これは当然だと思うのですが、しかしそれには、部分的な均衡を保つ、こういうふうな考え方と、もうちょっと総合的に、全体的に均衡を保つという考え方がここにあると思うのです。たとえば、タクシー業界の均衡という問題を論ずる前に、先ほど言ったように、公営企業の中において、これは政府もどういうふうにお考えになるか知らぬけれども、まあ待遇の問題についても触れられましたけれども、そういう待遇の問題ではない、やはり基本的な問題があると思うのです。たとえば水道事業にしても、あるいは都電とか市電の問題にしても、バスの問題にしても、赤字が累積している。放漫経済であるといえばそれまでですが、それはそう言っては尽きない物価の問題もここにあると思うのです。そういうふうなことを考えていくというと、総合的にそれらの問題について具体的にどういうふうに政府がするのかということの中で一つの問題を考えてもらわないと、個々の問題を一つずつ切り離して、これはやむを得ない、これはしかたがない、こういう形だけでは、私は国民としては納得できないし、そこまでいけば、とてもそういうふうな総体的な物価の調整などということはいま現状においてなかなかできないということになれば、やはり一つのものさしをもって英断でこれはくぎづけにするということもやむを得ないのではないかというふうに、また論旨が返ってくると思うのです。で、この点は、経済企画庁もなかなか慎重で、先ほどからの御答弁で、タクシー料金だけはしかたがないのじゃないかということ自体の論旨が、他のものも上がっているから東京を放置しておくというわけにはいかぬ、それだけの理由ではなくして、もう一つは、経営が苦しい、こういう理由がついていますが、それだけで納得できるのですか。逆に言うと、政府の公約違反ではないのかね、こういうものを上げようというのは。政府が安定させるということは、物価を上げることによって安定させるということになるのか。それではやっぱり国民としては、政府が公約に違反しているのじゃないかということに私はなると思う。ですから、タクシーなりハイヤーなりの値上げが、それにとどまるのか。いまのところは一体どこまで宮澤さんはお考えなんですか。やむを得ない、均衡をとる、いろいろな理屈があるにしても、大体いままでわれわれが聞いているところでは、ハイヤー、タクシーなり、それからバス料金、それから水道料金、そのほかの問題についていろいろと考えていられるように承っておりますが、予算編成方針においては、政府機関その他一年間やらぬ、こういうふうな報道がきょうなされておりますがね。真意はどこなんですね、ほんとうのところ。といって、おれも実はどこまで行くのだかわからないんだということかもわからぬけれども、それではやっぱり経済の台所である経済企画庁としては困ると思う。で、いままでは、累次にわたって内閣があって、経済企画庁というところは一体何をしているところだというふうにみんな思っておったが、最近においては、経済企画庁はなかなか有能で、物価問題、それに対してはかなり頑強に抵抗しているし、経済企画庁というものの存在が非常に明確になってきたと思うのですがね。日本の経済全体を安定さして成長さしていくという一つのポイントになっているということになれば、個々の問題にわずらわされることなく、やっぱり総合的にやられていることをわれわれは認めているわけですがね。ただそれが、その部分的なそういう値上げが、全体的にやはり依然として、物価上昇ムードに拍車をかけるまでもなく、いろいろな影響を持ってくるということを考えたときに、政府全体としてはやはりさらに慎重に御検討願いたいというのがわれわれの考え方ですがね。
#22
○河野謙三君 関連してちょっと。
 ちょうど企画庁の長官もおられますから、まず運輸省を通じて、企画庁の長官の御意見も伺いたいと思います。
 いま企画庁の長官から、運輸省関係でも認許可料金というものは数万ある――数万か数千か知らぬが、とにかくたくさんあるが、これは最低価格でもなければ最高価格でもないのですね。これは一本価格でしょう、まずそれをちょっと伺っておきたい。
#23
○説明員(木村睦男君) 自動車運送事業関係の運賃料金は、確定額でございまして、一本価格。ただトラック運賃等については最低最高の若干の幅を持っております。おおむね一本でございます。
#24
○河野謙三君 陸上、海上とも大体運輸省関係の認許可料金というのは一本ですよ、大体がね。ところが、現実には、その一本価格であるはずの、確定価格と申しますか、はずのものが、その下をはっているわけですよ。ですから、先ほど岡さんが、運輸省は保護するのかと、保護という言葉はおかしいけれども、確定価格である限りは、これを実施できるように厳密なコスト計算をして認可・許可料率をきめたのだから、これはやはり実施できるように運輸省はもっと積極的で私はあるべきだと思う。ところが現実は、やはり商売というのは弱いもので、それからひどいのは一割、二割、三割も下を回って、下をはっているというのが現実ですよね。でありますから、私は、この際認可料率を上げるということ、その前にまず認可料率は絶対に実施させるというように、もう少し積極的であるべきである。それがこの料率を上げる前にもう一ぺん十分検討してなさるべきである、こういうふうに私は思うのですよ。それと、計算上からいけば、たしかいまの運輸省関係の認可・許可料率というのは、大体昨年の九月ころに大部分変えたわけですよ。その当時と労賃はもう雲泥の差がありますよ。でありますから、現行料率のコスト計算からいけば、当然これは一般の業者から引き下げをしてくれというような理屈はあります。これは理屈はありますけれども、しかし上げなくても食っているのじゃないかと――それは食っているというのは、みんな人件費にしわ寄せしているわけですよ。そこで私は宮澤長官に伺いたいのだが、最近私のようにいなかから通っておりますと、最近のいなかの問題は、ボーナス時期であって、自治体が――私は大体神奈川県ですが、神奈川県の場合を申し上げますと、各市が最低ボーナスを三カ月出しますよ、三カ月から三カ月七分。これは多いとか少ないとかというのじゃない、けっこうです。
  〔岡三郎君「いや、それは多過ぎるよ、違うよ」と述ぶ〕
 それはうそじゃない。そうしますと、町の声は、どこへ行きましてもいま、話題の中心は、中小企業というのは、三カ月どころか、二カ月も出せない。一カ月も出せない。町の一流の大会社であっても、三カ月以上なんていうのは、これは特殊な会社以外にはないんですよ。やはり給与の問題は、バランスの問題だと思うのですよ。調和の問題だと思う。だから私は、一般の自治体の職員の給料が多過ぎるというわけじゃないけれども、一方において認可料率はちっとも上げてくれない、それは全部人件費のほうにしわ寄せしなければ経営をやっていけない、しかも認可料率は運輸省が認可しておきながら、その厳密な実施はできない、そこらのところに問題があるのですよ。そこらに問題がある。だから、長官何でも御存じでしょうけれども、私は認可料率を上げることを何でもかんでも反対とは言いませんけれども、認可料率をいじる前に、認可料率がはたして厳密に実施されているかどうか、これは私は、十分各業種ごとに、運輸省はもちろんのこと、企画庁も、もう一ぺん検討されてみたらいいだろうと思う。それで、実施されていないのは、どこに原因があるか、なぜ実施しないかということをおやりになることによって、相当これは緩和すると思う。そうすると、一面中小企業が経営の苦しいのは、みんな人件費にやむを得ずしわ寄せされている。一方においては地方の役人さんのボーナスが非常にこの機会にはでに出されるという、そこらにも問題がある。これは私は、神奈川県だけじゃない、日本全国の問題だと思う。そういうことを御承知の上でいろいろやっておいでになるならいいけれども、もし御承知なければ、そういう問題もあるということをひとつお含みの上、何かこの機会に御意見が伺えれば私は伺っておきたいと思うのです。
#25
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの認可料率の下をはっているという問題につきましては、私もうっかりしておりまして、そういう実情をしっかり知っておりませんでしたので、至急にどういう状況であるか調べてみたいと思います。
 それから、中小企業についてのお話は、そのとおりであると思います。私どもが所得倍増計画をつくりましたときには、小企業に雇われております人の賃金、小企業の労銀というものが、大企業の労銀に対して、昭和四十五年には一〇〇対五五くらいのところへ格差を縮めていきたいと考えておりましたが、すでに本年の上半期で一〇〇対六〇をこえるところまで行ってしまっております。そういうことは相当顕著でございますから、これは経営にも必ず相当な影響を与えていることは確かだと思います。それで私どもは、物価問題懇談会の答申にも実はございますが、また将来はやはり国民経済の生産性の向上というものを、労銀と、それから企業における留保なり配当と、それから消費者物価の引き下げと、消費者に対するサービス、そういう三つのものに分けていくようないわゆる所得政策というものが将来はぜひ国全体で考えられることが望ましいということを答申でも申しておりますが、これは労使間のもう一つ信頼感というものが確立することが実は前提でございますけれども、そういうことは絶えず機会があるごとに申しておりますし、その方向に向かって進むべきだと思っております。
#26
○河野謙三君 ちょっともう一つ。宮澤長官にさっき私は地方の自治体の年末の賞与の問題を申しましたが、これは岡さんや何か違うと言うけれども、違いませんからね。こういう点については、三カ月以上ということは御承知ですか。
  〔岡三郎君「三カ月以上やっておらぬよ」と述ぶ〕
 三カ月以上――私は多いというのじゃないんですよ。これは要するにバランスがとれない、そういうことを御存じですか。
#27
○国務大臣(宮澤喜一君) 非常に具体的には実は存じませんでした。
#28
○河野謙三君 しかし、そういう傾向は御存じですか。
#29
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう傾向があるということは、全く非常に困ったことだと思っております。
#30
○岡三郎君 いま河野さんの言った年末手当がどうという問題は、これはまた別問題だから、あとでひとつ十分お話し合いを河野さんとすればいいことで、話の筋が変わってくると困るから。
 いままでの話で、経済企画庁が非常に慎重にやられていることについて、国民も夏以来非常に双手をあげてこれを支援しておると思う。それで、今回の選挙においてもいろいろと論争点がありましたが、特に物価の問題が非常に関心を呼んできておることも事実だと思う。そうして、政府の言明のとおりに、少なくとも、引き下げまでは政府はいかぬけれども、安定をさしていきたい、こういうふうな主張がなされてきたと思うのです。こういうことになるならば、やはり部分的な料率の改定についても、それぞれ理由があると思う。また、総合的に見て物価のアンバランスというものは非常に目についている時代ですから、低いところにおるところの人は何とかこれを改定してもらいたいという、その言うところもよくわかります。わかるけれども、それが全体的に国民経済に与える影響というものを考えたときに、やはり物価問題懇談会の答申というものはそこに集約されてきたのではないか。そういうふうに考えてまいるというと、一つの例としてハイヤー、タクシーの例をここにあげたわけですが、やはり苦しい、倒産しては困る、こういうことに対して、何とか対策を練っていかなければならぬし、また改定に踏み切らなければならぬというふうな運輸大臣の考え方についても、われわれもいままで聞いておるわけですが、一体政府自体はどこまで値上げを認め、以後は認めないのかという、いろいろなことの疑問を最初言ったように国民が持っているということになれば、これは物価値上げというものはとまらぬと思うのです。だから、慎重にかまえて政府の方向に従おうという連中、端的にいうと正直者がばかを見るというふうなことが一面には考えられるわけです。ものによって政治力が弱いとそれはあとに残されていくという、こういう傾向もなきにしもあらずというふうなことも聞くわけですが、いまわれわれが言ったように、運輸省関係自体の料金の問題にしても複雑多岐で、いろいろな問題がここにあると思う。だから、そういうふうな点で、やはり上げるならば国民が納得するようにやってもらわなければいかぬし、いまの国民感情は、かなり理由が明確にあっても、それでも上げてもらっては困るというのが、いまの国民感情ではないかと思う。そういうふうな点で、やはり政府自体としては、大所高所から見て、ひとつ物価の安定に積極的な手を打つということの前提に立って、私はいままで質問してきたわけですが、一体、二年間時間をかせということから、一年半、一年ということになってきたわけですがね。政府自体としては、期間というものは、はっきりどれだけあれば安定するかということは、なかなか言い切れないかもわかりませんけれども、当面は一カ年を目標にしてとにかくやっていこうという物価問題懇談会のこの答申というものが極力確実に実施されていくことを願っているという点じゃないかと思うのですがね。ただ、これをどの程度までくずしていくかということになって、そういうふうなことについて非常に関心を持っているわけですが、なかなか、先ほどからの答弁でいうと、含蓄のある答弁で、明確ではないと思うのですがね。もう一ぺんその点は、ひとつ政府の方針というものを、経済企画庁として出されていることをお守り願いたいというのが、私たちの方針、考え方ですがね。
#31
○国務大臣(宮澤喜一君) 率直に申し上げまして、ただいま岡さんの御指摘になりましたような認識と考え方、そこまで政府部内全部が気持をそろえてそれでいこうというところまで、いまの段階でなってきておらないわけでございます。これは私自身の努力が足りない点もあると思います。
 物価問題懇談会の答申が出ましたこの機会に、ただいまいたしつつありますことは、何とかそういう認識を徹底させて、そうしてみんながそういう共通な考えを持つようにしたいというのが、私のただいま努力をいたしておるところでございます。
 私が心配しておりますのは、年間に六%とか七%とかいう消費者物価の上げがございますと、国でも、企業会計でも、あるいは家庭でも、おそらく今度は、そういうことがもうこれから毎年毎年あるのだということをいろんな計算に組み入れてくるであろう。つまり、国民経済全体にそういうものが、そういう観念がビルト・インされてまいりますと、まあ給与というものが年間に七、八%なり一割なり上がるということは、これは皆さんが当然のこととして計算の中にお入れになりますから、これはよろしいのですが、そうでなくて、資材その他もそうなるというふうなことが国民経済全体に組み込まれてまいりますと、これはほんとうに一種のインフレになるわけでございます。それを私は心配しておりますので、さしずめ私どもの持っております政策目標としては、来年の、つまり昭和三十九年度を通じまして、大体消費者物価の上がりを三%程度にしたい。それで、三%と申しますのは多少説明を要するわけでございまして、三十九年の三月と四十年の三月とを比較いたしましたときに、年間でつまりその程度にとどめられないものだろうか。と申しますことは、実はその前に前からの上がりの増勢がございますから、三十八対三十九ということになりますと、それは四・五というような数字になるわけでございます。で、四・五%程度の三十九年度対三十八年度の対比、三十九年度年間だけをとってみれば三%ぐらいの上がり、そういうところで、まず一両年中に云々と総理大臣の申しました、初年度をまずその程度にしていきたいというのが政策目標でございます。これは経済見通しその他まだ閣議決定いたしておりませんので、最終的にとまで申し上げかねますが、まずそういうことぐらいはやらなければいかぬのじゃなかろうか。そのためにも、先刻岡委員の御指摘になりましたような共通認識を政府部内が全部一緒に持つことが必要である。そういう努力をいたしたいと思っておるわけでございます。
#32
○岡三郎君 時間がありませんので、ぼつぼつ終わりますが、横浜なり大阪が上がって、東京が上がらぬということ自体、この問題だけ限れば酷ですね。この問題だけに限って言えば、これは行政上のえらい失敗ですよ。いわゆる先に頭を出させておいて、あとに頭が出てくるやつを押えておくのでは、これは押え切れないのも当然だと思う。これは現状について、先ほど言ったように、均衡の問題で考えれば、そういう状態になると思うのですが、繰り返しますが、総合的にいって非常に不均衡な状態がまだある。そういう点で、どこまででけじめをつけるかというふうな問題も非常に深刻な問題だと思うのです。やはり感情として、ある業種が上がってくるのに他の業種はだめだというふうなことで押えていく場合には、やはりそれ相当の理由がなければ押し切られて食い破られていくという心配がある。だから、こういう点で、経済閣僚懇談会を問わず、閣議自体として、やはり公約に基づくところの物価安定という問題を政治の第一義としておやりになることは、私がここであらためて言うまでもないけれども、しかし、先刻から申し上げているように、非常に国民も心配しておる。そのいま突破口というか、第一弾としてタクシー、ハイヤーが値上げをするのじゃないか。しかも、それは切り離された問題ではなくて、横浜、大阪と関連で値上げせざるを得ない羽目におちいってきておる。こういうふうに考えていった場合に、よほどふんどしを締めてもらわぬというと物価というものは押えられないものじゃないかという感を深くするのです。ですから、私は、ここで少々むちゃでもこれを押えれば、あとそれに対して、倒産しそうなところには、中小企業の近代化とか、いろいろな面で融資をする方法はないのですかね。いわゆるつなぎ資金として一年間程度、これから大がかりに中小企業に対しての対策を練るという面から考えて、少なくとも大きな会社あたりは私はやっていけるのじゃないか。やはり苦しいのは中小企業の小の部分だろうと思う。これに対する別途の対策をもってその人たちの営業が成り立つようにしてもらうことも必要ですから、そういうお考えがないのかどうか。それで私はやり得るのではないかという気がするのですがね。
#33
○国務大臣(宮澤喜一君) 東京のタクシー問題は行政上のこれは失敗だと仰せになりましたが、まさしくそのとおりだと思います。それは、何省のミスということではなくて、政府全体が責任を負うべきやはり行政上の失敗であったと思います。したがって、そういう仕組みは失敗にかんがみまして改めましたけれども、しかし、その失敗のしりぬぐいは同じく政府がしなければならないような現状になってきておるわけでありまして、現実に東京近県と東京都の間の橋でタクシーの乗り継ぎが行なわれておるというような事態があるわけでございますから、これはやはり失敗のあと始末をしなければならないということはどうもやむを得ないというふうに考えております。
 ただ、その次に倒産の問題でございますが、東京のタクシー会社の経理をずいぶんいろいろ調査をいたしてみましたが、調査にたえ得るような経理をやっておるところは実は非常に少ないわけでございます。小さいところになりますと、ほんとうに経理らしい経理になっておりませんで、苦しいという実感はあるようでございますが、なかなかそれが数字上証明ができない。したがって、このままほうっておけば倒産をするとも言えませんが、ある意味で突然そういうことが起こってくるような経理をやっておるわけでございます。でございますから、御指摘になりましたように、タクシー事業が現在でも免許事業でございますから、合併をあっせんするとか、勧奨するとかいうことも考えられますし、また企業として成り立つものならば、中小企業の共同化とか、あるいは高度化とかいうことで、融資で救っていく方法もございますしいたしますから、極力そういうことはやっていかなければならない、またやるつもりでございます。
#34
○岡三郎君 いろいろお忙がしいところをお伺いしたわけですが、全般的にいって、経済企画庁の意のあるところはよくわかりました。で、タクシー事業その他の点においても、行政上の問題として、横浜が上がっているのに東京が上がらぬのはけしからぬじゃないかという業界の言うこともわかるし、国民全体としては、総合的に物価の値上がりを阻止するために、やはり真摯な態度を政府に求めているのは当然だと思う。そういうふうな点で、今後とも極力物価全般について、ひとつ閣僚全部に、共同してこの問題に対処できるように、まあ宮澤さんはとにかく池田さんとよく話をできる方ですから、ですから閣議全体の意向としてやはりこの問題について異常な御努力を要請したいと思うのです。
 以上で終わりますが、自動車局長にちょっとお伺いしておきます。改定の内容は二〇%というふうに、前後するというふうに話が運輸大臣からあったわけですがね。この点について、先般の委員会においての話は、独特の方式をとるなどという発言があったのですがね。やはり一律料金値上げなんですか、いまの運輸大臣の考え方は。
#35
○説明員(木村睦男君) 独特の方式をとると申し上げましたかどうか私ちょっと記憶しておりませんが、もしそういうことを申し上げたとすれば、バスの料金じゃないかと思います。と申しますのは、バスは今度は運賃の制度を変えるつもりでございます。タクシーはやはり従前どおりの運賃をそれぞれのあれに応じて値上げをしていくということでございます。つまり、最初の二キロとそれ以後のキロについて、現在単価幾らということになっておりますが、その単価を何割か上げていくというやり方であります。具体的に申し上げますと、普通型でいいますと、現在では二キロまでが八十円、二キロ以上五百メートルごとに二十円というのを、申請はずっと高いのでございますが、私のほうで査定いたしました値上げの率は、二キロまでのいまの八十円を百円、それから自後五百メートルごとに二十円というのを、四百三十メートルごとに二十円というような改定案を持っております。
#36
○岡三郎君 そのあれは、横浜の現在実施されておるものと同じですか。
#37
○説明員(木村睦男君) さようでございます。
#38
○岡三郎君 そこまで話がいくと、なかなかよりを戻すということも非常にむずかしいけれども、もう繰り返しませんが、ひとつ企画庁長官の奮励努力というか、御健闘を祈って、私の質問を終わります。
#39
○天坊裕彦君 めったにない機会でございますので、一つ二つお聞きしておきたいと思うのですが、長官のほうで物価の安定について非常に御苦労なさっているところ、大いに敬意を表する次第であります。交通機関の運賃料金が、公共的だというようなこともあって、非常に一方では苦しくなっているんだが、それをどうするのだということが一番問題である。われわれとしては、この委員会で関心の多いところであります。ところで、最近新道路五カ年計画の財源として揮発油税その他の増徴問題が論議されている。これはどうきまったかどうかは存じませんが、ここでそれの議論をしようとは思っておりませんが、ただこの問題がやはり燃料として使っておる自動車関係の仕事に影響することは確かです。その影響のしかたが、ガソリンの増徴は二割とか一割五分とかいわれておりますが、それの上がり方によっては相当大きく影響するということもいえるわけであります。これはいままでというか、ある程度会社の内容が非常に成績がいいときならたえられるという場合もあったかもしれませんが、非常にせっぱ詰まって苦しくなってくれば、それだけ影響がかかるというふうに考えざるを得ないわけです。さらに、一方で公定料金というような、認可料金というようなかっこうで押えられている分は別といたしましても、その他の中小企業というようなもの――これはもう八百屋さんにしろ、何にしろ、このごろ非常に自動車、軽四輪車というようなものを使っておるわけです。その辺でも非常に影響があるわけで、そこいら辺から物価の安定がどうなるか、押されてくるというおそれがあるかないかという点について私ども非常に心配するのですが、長官どういうふうにお考えになっておるか。たいして影響なしにやれるというお考えなのかどうか、御意見をお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(宮澤喜一君) ガソリン税等を増徴するかどうかということについては、まだ政府として最終的な決定をいたしておりません。燃料がバスなどに占めるコストはたしか一割七分ぐらいであったと記憶いたしております。そういたしますと、二〇%上げますと三・四、一〇%なら一・七という影響があるはずでございます。経営そのものが安定しておればその程度のものは吸収できるという議論がすぐできるわけでございますが、先刻から岡委員に申し上げておりますように、相当経営そのものが苦しいというときに、いわばその限界のところへそれがかぶさってくるということでございますから、影響なしとはどうもよう断言できない。経営がむずかしいところへ限界的にそういう負担があるということで、やはり何がしかの影響があると言わざるを得ないのじゃないかと思います。
#41
○天坊裕彦君 いまのお話のとおり、非常に会社経営自体が苦しいときですから、上がり方の率によってはやはり相当影響があるというふうに考えざるを得ないと思うのです。そこで、私ども、道路がよくなるということは非常に望ましいことで、ぜひやってもらいたいと、こう思うわけでございますが、その増徴のワクが、率がどれだけになるかということは、非常に大事なことではないかと思います。まあ私どもの意見としては、ガソリン税も相当、現在でも二千三百億というか、相当な額になっておるのです。これが世界と比較しても安いといわれているのですけれども、これは私は、安いから世界共通並みにするんだということは、簡単な理論ではできないと思うのです。ことに、最近物価を押えるということで、フランス、イタリアではガソリン税はごくわずかですけれども下がっているということを聞いております。これがやはり影響するところは、ムードの問題として、物価を上げないということのほうにムードとして大きく貢献させることがねらいだと聞いておりますが、逆な方向に行くということは、その点でやはり危険が非常に多いと思います。したがって、今度のガソリン税増徴の問題をきめるときには、できるだけ影響が少ないような方向で、しかし道路もできるだけやっていただきたいという意味において、必要ならば一般の借り入れ、これもなかなかむずかしいと思いますが、あれだけりっぱな道路ができるのですから、やはり将来国民が負担するというようなことで、公債というようなこともお考え願いたいと思うわけでございますが、これはひとつよろしく御善処願いたいと思います。
 それから、もう一つからんでお聞きしておきたいのですが、先ほどタクシーの料金の問題で、地域的なアンバランスがあって、それを直すのだというお話、これはまた同じようなことで業種間に問題がある。これは岡さんから先ほどお話があって、どこまで行くだろうということを言って、抽象的にはお答えになっているわけですが、その問題にからんで、先ほど東京以外の地域の問題は、非常にローカルとしての話は、必要性なり、実際上の問題とにらんで処理してもよろしいという話があったんだが、大阪の話でそういうことはないようにしたいとおっしゃっておりましたが、それはどういう問題でしょうか。
#42
○国務大臣(宮澤喜一君) 前段のお尋ねでございますが、明年度そういうことは考えておりませんけれども、将来の問題として、道路のために一種の建設公債のようなものを出すということは、これは長い計画を立てますときには考えてもいいことではないかというふうに考えます。で、私、明年度いたすという意味ではございませんが、将来はやはりそういうことをあわせ考えるべきであろうというふうに考えております。
 それから、後段のお尋ねでございますが、これは何も非常にローカルなバスとか何とかというものを一々やれという意味ではございませんで、先だって行ないましたのは、たしか六大都市については従来の方式を改める、こういうことにいたしたわけでございます。
#43
○天坊裕彦君 くどいようですが、そういたしますと、六大都市以外の地域で、公共料金で経営上非常に苦しいという問題が起こってくれば、影響を考えて、適当に地方で手直しをすることがあり得るというふうに考えてよろしゅうございますか。
#44
○国務大臣(宮澤喜一君) さようでございます。また、現にそういたしております。
#45
○吉田忠三郎君 木村自動車局長にちょっと伺っておくのですが、二割前後の料金を改定をしていくという考え方だ、こういうことですが、そこは考え方ですから、まだ確定的ではないように私は思うのです。この点ひとつどうですか。
#46
○説明員(木村睦男君) 運輸省といたしましては、値上げの案としては一応確定いたしております。
#47
○吉田忠三郎君 そこへ確定をいたしましたとなりますと、私は、この自動車のことについては、他の、たとえば大阪であるとか、あるいは各地方ですでに料金改定は過去においてしておるのに、東京のみがしていない、こういうことの理由が、私は今度の値上げの最たる理由のように新聞紙上でながめているわけです。で、私は、東京での、つまりこの運行率であるとか、あるいは空車キロであるとか、あるいはまた稼働率、あるいはまた利益率、こういうものがこれに相関連して出てくるのだけれども、およそ質的には、たとえば、大阪はまあ別としても、福岡であるとか、あるいは札幌であるとか、仙台であるというものとは異なっていると思うのです。で、具体的にあなたに伺っておきますけれども、一体東京のタクシーあるいはハイヤーの運行率というのはどんな程度になっているか、具体的な数字、それから空車キロがどんな程度になって、しかもたとえば地方との比較でどういうことになっているのか、あるいはまた稼働率においてもそうだ。それから当然利益率というものが出てくるのだけれども、一体東京の利益率というのは半キロ当たりどのくらいになっているかということをこの際聞かしていただきたいと思います。
#48
○説明員(木村睦男君) 東京のタクシーの運賃改定は、大阪等をやったから、東京を残しておくのはいけないからやるのだというのではございません。それは最終的にはそういうふうな意見も出ておりますが、東京につきましても、大阪同様、実は昨年の二月にすでに申請が出ております。もう二年近くになろうとしておりますが、その間、いまいろいろお話のありましたような原価につきまして精密に検討いたしまして、そして原価の各費目ごとに査定をいたしまして、改定率というものを出しておりますので、他との比較でこうするというのは、結果的にはそういうことですけれども、いま御指摘のようないろいろな、実車率、あるいはキロ当たりの収入、その他全部わかっておりますが、時間が相当かかりますが、よろしゅうございますか。
#49
○吉田忠三郎君 ええ、いいですよ。まあ要領よく答弁してください。
#50
○説明員(木村睦男君) それでは一つ一つおっしゃっていただきたいと思いますが、まず何でございましょうか。
#51
○吉田忠三郎君 たとえばこの運行率ですよ。これは簡単に、どんな程度になっているか、その程度が出ているでしょう。それから空車率がどうなっているか。たとえば仙台と東京では空車キロというのは質的に根本的に違っている。東京の場合はほとんど空車キロはないですよ。だから、そういうものとの比較ですね、稼働率。
#52
○説明員(木村睦男君) 運行率というのはどういう意味かわかりません。
#53
○吉田忠三郎君 運行率というのは、実車キロですよ。実車キロというのは、つまりお客さんを乗っけて……。
#54
○説明員(木村睦男君) 実車キロならわかります。運行率というのがわからぬものですから……。実車キロから申しますと、大体東京では六三%くらいになっております。
#55
○吉田忠三郎君 あとでそれじゃ再質問するから……。
  ―――――――――――――
#56
○相澤重明君 私は、経済企画庁長官に、アメリカの経済活動委員会が同盟運賃の問題でまた何か調査に乗り出すというような話を聞いておるのだが、盟外船の問題は一応片がついたようだけれども、日本の経済界には非常に大きな問題なんで、来月この日米経済委員会が持たれるのですが、こういう問題は、やはり根本的に日本はどうするのだということを一度聞いておかなければならぬと思うのです。昨年からことしの春にかけて海運の集約問題をやったけれども、一つ間違うと私はたいへんだと思うのですよ。だから、いまのアメリカの経済活動調査というものが日本にどういう影響を与えるのか。あなたやはり、外務省なり、運輸省なり、そういう関係省との、こういう海運の運賃の問題については、非常に大きな問題であるから、政府の方針というものがあると思うのです。ひとつ聞かしてもらいたいと思います。
#57
○国務大臣(宮澤喜一君) アメリカの、ただいま御指摘の問題は、ボーナー法によりまして、アメリカに支店を持っておるその他の国の会社に対して、経理等々の資料の提出を命ずるという種類のことが報道されておるわけでございます。私は正式にそういう意思表示をアメリカ側から受け取ってはおりませんので、それは単なる報道であるのか、あるいはそうでないのか、私としては存じませんが、もし事実であるとすれば、私ははなはだしく不当なことであるというふうに考えます。したがって、もし事実であるとすれば、日米経済合同委員会で当然問題にいたすべきことだというふうに考えております。
#58
○相澤重明君 すでに大手に対して資料の提出をせよということが伝えられておるわけですね。これはあなたはまだ正式に聞いておらないというけれども、私としては、もしそういうことを日本の経済界に対して発動されるような状況になったらたいへんだろうと思うのですよ。だから、事前に、そういうことが事実であるのかないのか、政府がやっぱり調べて、先手を打つようにしなければ、私は非常に問題だと思うのです。後手を打ったら、やはり何といっても、いまのところは、日本の経済がアメリカ経済に非常に左右されることは事実だと思うのです。しかもドル防衛の上から非常にきびしい点が私は出てくるんじゃないか。そういう点で、先日のアメリカ側から伝えられる、資料という意味での提出というような話で伝えられておるけれども、それがそういう点でとどまるのか、あるいはさらに積極的にそういう方向に彼らが出てくるのか、これは私は、やはりアメリカのドル防衛の問題と関連しておることだから、きわめて大きい問題じゃないかと思うのです。これをやったら、せっかくの海運の集約等の問題をやっても、また日本は経済的に行き詰まると思うのです。私は、そういう点でひとつ、あなたのほうで事実上参考資料として提出を求められておるのか、そういうアメリカが積極的にそれに介入してくるという考えなのか、さっそく手を打ってもらいたい。でき得れば私は日米経済合同委員会にそういう問題を日本側から提案すべきだと思うのです。そういうことじゃ困る、こう言うぐらいのことでなければ、日本の経済界というものはますます混乱をするのじゃないかと思うのです。どうですか。
#59
○国務大臣(宮澤喜一君) ドル防衛に協力するということは、政府の基本的な態度でありますけれども、協力というのは自発的になさるべきことであって、それが何か法律的な権限で、強制されもいたしませんけれども、強制されようとする意図があるとすれば、これは仮定の問題でございますが、もちろん拒否すべきものだと思います。日米合同委員会の問題にもなるでありましょうし、また、わが国のみならず、ほかにも関係国があるかと思います。共同で抗議をするということも起こり得ることであります。これは私事実を存じませんので、仮定について申し上げましたが、さっそく事実を調査いたします。
#60
○委員長(米田正文君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#61
○委員長(米田正文君) 速記をつけて。
  ―――――――――――――
#62
○吉田忠三郎君 そこで局長、あなたは最後に二〇%前後に確定したのだということですが、確定ということなら、ぼくは二〇%なら一九・七%かあるいは一八%ということだと思うのですが、この点どうなんですか。
#63
○説明員(木村睦男君) 運輸省といたしまして、東京のタクシーの賃率の改定につきましては、先ほど申したような査定をいたしておりますが、これは値上げ率が幾らになるかということになりますと、こういう計算をいたしております。ただいま申し上げましたように、普通車が二キロまでの八十円を百円、自後五百メートルごとに二十円を、四百三十メートルごとに二十円ということになるわけであります。そこで、そういうふうな賃率の改正になりますと、一体どの程度の増収になるかということは、今度は事業全体の収入、こういうふうな運賃改定をした場合と現状との収入の想定を出しまして、その割合を見るわけです。三十七年度の東京都内のタクシーの収入に対しまして、いまの改定案として運輸省がきめております率をそれぞれ適用いたしまして計算いたしますと、このように改定すれば三十七年の収入に対して大体一九%増収になるというふうな数字になります。これは基礎賃率が、いま申し上げましたように、二キロ、あるいは二キロごとにうまく刻んでおりますので、増収率として見る場合には、いま申し上げましたような全体の事業収入の想定の比較で見るわけでありまして、これが一九%、こういうふうになるわけであります。
#64
○吉田忠三郎君 そうしますと、賃率の改定というものは、そのスタートキロの二キロの面では二〇%なら二〇%、あるいはいまあなたがおっしゃったようなそれ以下になるかもしれませんが、自後キロ数を改定して、自動的にメーターの中でつまり料金が改定されるというような従来にない方向をとったと思うのですよ、東京の場合。大阪などありますけれども。だから、問題はやはり、あなたが最初におっしゃった画一的に二割なら二割ということじゃなくして、自後キロ改定をしておるわけですから、私はかなりの料金値上げになるようなかっこうになる気がする。結果的には、あなたが言ったように、実収入は一九%くらいだと、こういうようになるかもしらぬが、この点は、いま冒頭に私が言ったように、たとえば運行率というのは、あなた方のところで省令で指導している一日三百キロ運行の中で、どの程度の運行率が出ておるかということを聞いたのだけれども、その話は別として、たとえばその間明らかになった点は、三割七分程度のものが空車キロになる、実質的にあなたの答えからいいますと。そういう点で、さらに今日運転士が実際に運転稼働しておる率はどの程度になってくるかということを総合的にあなた方が料金を査定する場合に調査検討を加えぬと私は出てこない問題だと思うんですよ。東京の場合は――東京の場合のみならず、どこでもそうですが、そういう点をあなた方具体的にやって、岡委員も質問したように、今日の物価を押えていくというふうな――これはまあ実際押えておりませんけれども、政府の方針も勘案してやったかどうかということなんです。これが一つですね、あなたに具体的にお答えを願いたい一つ。
 それから二つには、あなたはさっきそらぞらしく、他の都市の料金改定に全く関係なく、二年前からそういう料金改定の申請が来ておるので、種々検討してやったと、こう言っておる。けしからぬと思う。なぜかならば、この間のテレビでも池田総理大臣がこういうことを申しているし、今国会でも堂々とそういう点言っている。委員会でも言っている。つまり、他の都市がすでに料金改定しているので、東京のみこのままにしておくわけにはまいらぬというように、抽象的な言葉だけれども、言っている。だから、今度の値上げというのは、明らかに政府の方針として、他の都市が料金改定されたあとだから、それに準じてやったんだということが一番最たる原因だと言っているし、そのことはすでに池田総理大臣も言っている。こういう点はどうなんです。
#65
○説明員(木村睦男君) もちろん、賃率の査定につきましては、いまお話しのように、費目ごとにこまかく査定をいたしております。一例だけ申し上げますと、いま御指摘の一日の稼働率といいますか、走行キロ、これらにつきましても、三十五年度、それから三十六年度、三十七年度――三十五年度が一車平均三百四十八・九キロが、三十六年度が三百三十六キロと減り、さらに三十七年度は三百三十四・八キロと、こういうふうに減っておるわけでございます。この減っております理由は、都内の混雑が大きな原因でございます。この混雑の状況等から勘案いたしまして、標準にいたしましてどの程度走行キロがあるかということを査定いたしまして、そしてこの走行キロの上に立ってキロ当たりの経費等を査定いたしております。これは走行キロについての一例でございますが、そのほか人件費、あるいは燃料費、あるいは車両償却費、すべてそういうふうに査定をいたしております。
 それから、他とは無関係だと申しましたのは、東京につきましても二年ほど前から申請が出ておりまして、そしてこういうふうに、いま申し上げた原価のこまかい査定の結果、値上げが必要であるということをわれわれ事務当局は出しておりましたので、ただ大阪、神戸等を認可いたしましたときにすでにこういう調査はできておったのでございますが、したがって、運輸省といたしましては、東京も同じ理由でございますので、同じころに作業もできておりましたので、同時にできたものはやるべきだと、かように考えておったわけでございます。ただ、先ほど企画庁長官の申されましたように、東京二十三区の場合には企画庁に協議をするということになっておりまして、それで現在までおくれておるという実情でございますので、現状におきまして総理等がおっしゃいますのは、そういう点をお話しになっておるというふうに思うのでございます。
#66
○吉田忠三郎君 そうしますと、局長、あとで査定をしたできるだけの資料を私はこの際提示を求めておきたいというふうに思う、で、もとより、その査定したときには、いま各自動車業界がいろいろなことをやっている。これはまあ僕は池田内閣の開放経済がそういうことをさせているんだというふうに思うんだが、とにかくどんな自動車会社でもおおむね多角経営――たとえばガソリン・スタンドを経営したり、はなはだしきは土地会社をやってみたり、あるいは観光業をやってみたり、あるいは商事会社をつくってみたり、一面また今度はトラックをやってみたりなんかしている面が非常に多い。私も多少これはこういう点で関係いたしておるからよく承知しているんですけれども、今日の自動車の――ぼくは東京だけに限って言うことだが、原価計算してみますと、必ずペイになっていると思うんです。最近、いまあなたもおっしゃったように、交通難による、交通混雑による稼働率というのは多少下がっているけれども、岡委員も言ったように、このままの料金でも私はやっていけないことはないと思う。まだまだ自動車会社の経営者は、こういう多角経営をやって、むだな経営をしているところのものを合理化することによって経営が成り立っていく、そう簡単に倒産するような状況でない。もしあるとするならば、なぜ一体今日の既存業者が増車をどんどん申請してくるか、まずここに一つ疑問を感ずるし、さらにまた、東京でどんどん自動車会社をやりたいということで、陸運局長はこれを認可するのにどえらい苦労をしているという実態が今日実在している。こういう面から見たって、ペイにならない事業をやるばかはいない。だから、まずあなた方が査定する場合に、指導の面としてこういう面をやったかどうかということで一つ私はあなたに伺っておきたいことがある。
 二つ目には、そうした中で、東京で料金改定をいまあなたのおっしゃったようにやった場合に、地方にこれが一体影響しないかどうか、あらためてまたそれぞれの地方で料金改定をしていくというような動きに波及しないかどうか、悪影響を及ぼさないかどうかということをこの際伺っておきたいというふうに思う。私ども地方をずいぶん歩きますけれども、東京の料金改定をやった暁には、それぞれの地方で原価計算した結果やはり料金改定していただかなければならぬという動きがすでにタクシーなりあるいはハイヤーの業界の動きになっていることは顕著なんです。こういうことを私事実として知っているので、この際局長に伺っておきたいというふうに思う。実際、東京の料金改定をやった暁には、ここ当分そうしたことは一切全国的にやらないのかどうか、こういうことです。
#67
○説明員(木村睦男君) 全国的なタクシーの運賃問題でございますが、タクシーにつきましては、各陸運局長で真にその必要のある場合には運賃改定を行なうということで実はやってきております。すでに、全国的に申し上げますと、全国に相当たくさんの事業者がございますが、その事業者の中ですでに運賃改定をいたしたものが四割くらいにはなろうかと思います。これは今後とも、東京がやったからどうこうということでなしに、その地方地方の実情に照らしまして、運賃改定が必要であるという場合には運賃改定をやる、こういうふうにやっていきたいと思います。
#68
○吉田忠三郎君 そうしますと、これからも運賃改定をやっていくということですか、地方の場合も。
#69
○説明員(木村睦男君) 地方の場合に、真に必要があれば運賃改定はやむを得ない、かように考えております。
#70
○吉田忠三郎君 運賃改定はやむを得ない。まあここで自動車局長と議論しておっても、物価の問題との関係で、私がどうこう言ったって始まらないと思いますから。とにかく運輸省としては、地方の料金も改定していくことについては、はっきりいま申されたわけだが、この点はこう確認をしておいて終わりたいというふうに思いますけれども、立ったついでですからもう一つ伺っておきますが、本日あなた方が認可査定した料金のほかに、深夜割り増しというような料金をとっているところ、冬季でやります割り増し運賃をとっているところ、こういう面はこれからどうあなた方は考えていくつもりですか。
#71
○説明員(木村睦男君) 東京の場合にはそういったものはないと思いますが、地方的にはそういった割り増しもとっているをころはあると思います。これらは収支全体から見まして、その割り増し料も収入の中に考慮いたしまして、収支のバランスを考えて、そして基本の賃率に割り増しの賃率というものを加えてやっていきます。
#72
○吉田忠三郎君 そのものの収入のバランスを見てあなた方認めているということなんだけれども、ぼくは、運賃という本質から見ますと、これは誤りだと思う。そのバランスを見て経営をやり、企業を成立せしめるということであるならば、当然それは地方のそれぞれの料金をきちんと基準賃率というものをきめるべきじゃないか。これがいわゆる自動車業界の今日とやかく批判されている最たるものなんです。しかも、北海道の場合など、十月から四月ごろまで冬季料金をとっている、二割だ。しかも、深夜料金などは――深夜といったらぼくは大体十二時過ぎだと思っている。それが十時になったらもう深夜料金を二割とっているわけでしょう。それをとらなければ、いまあなたの言うように、企業が成り立たない、原価計算をした結果経営が成り立たないというなら、あなた方が行政指導で当然その地方の実態に合う料金を認可してやるのがたてまえじゃないか、この点をあなたはどうお考えになりますか。
#73
○説明員(木村睦男君) たとえば、深夜の割り増しを十二時からとるのはわかるが、十時からとっているというふうなお話でございますが、もしそういうふうな割り増しの趣旨に合わないような時間帯等で割り増しをとっているということならば、改めさせたいと思いますが、運賃といたしましては、割り増しを認めるから基礎の賃率はいいかげんにしているということではございませんので、基礎の賃率は基礎の賃率としてはっきりきめてございまして、そして冬季間なら冬季間、あるいは坂路なら坂路割り増しというような制度をつくっておりますが、ただ坂道につきましても、あるいは冬季間の、あるいは深夜間の割り増しということにつきましても、その適用法に適切でない点があれば、これは十分注意して改めさせたい、かように考えます。
#74
○委員長(米田正文君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#75
○委員長(米田正文君) 速記を始めて。
  ―――――――――――――
#76
○加瀬完君 私は、航空審議会からすでに答申もございますし、近く閣議で決定されるということでもございますので、東京第二空港の問題で伺います。
 東京第二空港の位置は、八街・富里地区と確定したわけでございますか。
#77
○説明員(栃内一彦君) 新東京国際空港の候補地につきましては、先般十二月十一日に航空審議会のほうから綾部運輸大臣に対しまして答申が出ておりますが、現在のところ、答申をちょうだいいたしました段階でございまして、政府として、どこの場所に新東京国際空港をつくるかという点につきまして、まだ場所については決定いたしておりません。
#78
○加瀬完君 閣議の決定が近くあるというときに、航空局あるいは運輸省で空港の候補地が決定しておらないということはあり得ないんです。いままで出ておりますのは、千葉県の浦安地先、木更津地先、それから茨城県の霞ケ浦地先が出ているわけです。で、航空審議会では、第一候補として八街・富里地区、第二候補として霞ケ浦、こういうふうな答申のように新聞の上では承知いたしております。それで、八街・富里地区においては相当作業が進んでいるんじゃないですか。まだ確定いたしておらないにしても、第一候補としては八街・富里地区ということを考えているということではないんですか。
#79
○説明員(栃内一彦君) 答申におきましても、二つの候補地、すなわち富里村付近というものと霞ケ浦周辺というものが出ております。このうち霞ケ浦周辺につきましては、防衛庁の百里飛行場との調整の問題があるということを指摘しております。いずれにしても、この二つの候補地が適当ではないかという答申になっております。したがいまして、私どもとしまして、この答申の御趣旨によりまして、この二候補地というものは適当なところであろうというふうに考えておりますが、まだ関係各省との調整その他の問題がございますので、なるべく早く御決定をいただくということは希望しておりますけれども、現時点におきましては、どこということはまだ全然きまっておらない、こういう段階でございます。
#80
○加瀬完君 富里村付近というのは、運輸省から県に依頼をしたわけですか、それとも県から運輸省のほうに候補地として推薦があったわけですか。
#81
○説明員(栃内一彦君) 私のほうでこの付近その他を調べまして、一応の腹案として、この辺は適当ではないかというふうに考えておりましたけれども、県当局のほうも、こういうところはどうだろうか、航空技術上の見地でどうだろうか、こういう御相談がありましたので、それがまあいわば一致したということで、候補地としてひとつこれを調査しよう、またこれを検討しようと、こういうことになったわけでございます。
#82
○加瀬完君 空港敷地になる大字はどこですか。
#83
○説明員(栃内一彦君) 現在のところ私どものほうで、富里・八街付近――まあ主として富里村のほうが大きい部分と思いますけれども、その付近が一つの候補地として適当ではないかということでございまして、まだそのどこの区域をどうするというところまでは全く手をつけておりません。
#84
○加瀬完君 航空写真はおとりになっておりますし、ある程度、昨年か一昨年、測量もいたしておりますね。
#85
○説明員(栃内一彦君) 航空写真は、関東一帯にわたりまして適当と思われるところについて写真を作製いたしました。測量等は全然やっておりません。
#86
○加瀬完君 しかし、閣議決定の直前という段階において、空港の敷地が大字番地どこどこということまではっきりしておりませんで、反対なのか、賛成なのか、一体地元との調整も不明なままで、閣議決定に持ち込めるということになりますか。想定をしております富里村付近ということではなくて、一体大字はどことどこですか。
#87
○説明員(栃内一彦君) 閣議決定にいつなるか、この点は私どもとしてはまだいつということは予測できないわけでございます。それから、何度も申し上げますように、場所としましても、たとえば富里村付近、霞ケ浦周辺――霞ケ浦周辺については二つのところを候補地として考える。そのほか浦安沖というような点を候補地として考えておりましたが、浦安沖につきましては、主として航空管制上の見地から適当でないという答申をいただいておりますが、いままでの段階におきましては、具体的に何町何番地ということではなく、どの付近がいろいろな条件を勘案して適当であろうかというような程度の検討を加えた、こういうことでございます。
#88
○加瀬完君 千葉県知事は、県会で、地元に多数反対があれば返上すると言っておりますが、地元に多数反対がある場合はおやりにならない、運輸省もそうお考えになっていらっしゃいますか。
#89
○説明員(栃内一彦君) 各候補地につきましては、賛成、反対、いろいろ私のところに陳情がございます。また、賛成にしましても、反対にしましても、時間の経過とともにいろいろ変わっておるというのが事実でございます。某候補地につきましては、一昨年新聞に――これはどこから取材したのか私は存じませんが、出ましたときに、非常な反対運動がございましたが、その後その反対運動をされた方もむしろ賛成の御意見を出されるというような事例もございますし、そのほかの候補地につきましても、いろいろ反対・賛成にいたしましても変わるという点もございますので、私どもとしましては、反対の方にはできるだけ誠意を持って御説明申し上げ、ぜひ御賛成いただくように努力をいたしたいというふうに考えております。
#90
○委員長(米田正文君) 加瀬君に申し上げますが、運輸大臣は予算委員会に出ておりますから、かわって政務次官が出席されております。
#91
○加瀬完君 局長の経緯の御報告なりお立場はわかりますが、結論において、大多数の反対のあるところはおやりにならないということですか。結論だけ伺いましょう。
#92
○説明員(栃内一彦君) 非常に大多数の方がいかなる条件でももう絶対に受け入れないということでは、これはなかなか困難な問題であろうと、かように考えます。
#93
○加瀬完君 強制収用等をしないとおたくの課長さんは現地でお答えになっておりますが、次官、強制収用はいたしませんか、土地について。
#94
○政府委員(田邉國男君) 非常に大事な国際空港の問題でございますから、できるだけかようなことは避けたいと考えております。
#95
○加瀬完君 できるだけということと、絶対にしないということとは、だいぶ違います。強制収用はできるだけしないけれども、場合によってはそれはなさざるを得ない、こういうことですか。
#96
○政府委員(田邉國男君) いくら申し上げても、私の考え方としましては、できるだけそういう措置を講ぜずに、円満な解決の上で決定をしたい、かように考えております。
#97
○加瀬完君 この点はそれではおりを見てまた大臣から伺うといたしまして、なお千葉県知事は、受け入れるかどうかは政府の出す補償条件を見た上できめるという新聞発表をいたしております。それで、補償条件でございますが、富里地区の場合は移転戸数は何戸と推定しておりますか。
#98
○説明員(栃内一彦君) ただいま申し上げましたように、具体的にまだ富里ということも決定したわけではございません。それから、いわんや具体的に何番地ということは全然きめておりませんので、具体的にどの部分を想定するという段階まで行っておりませんので、戸数の点は私としてははっきりわからないわけでございます。おそらくあの付近はそれほど人家が稠密ではないというふうに考えております。
#99
○加瀬完君 候補地として航空審議会が答申をして、これから調査をするという段階ではないわけですね。航空局のほうでも事前にすでに八街、富里地区についてはある程度調査も行なわれておるわけですね。それで、有力な候補地としてあなた方自身もお認めになっている。そうであるならば、つぶれ地が何町歩で、移転しなければならない農家戸数あるいは住宅戸数が何戸ということで、これが調査がなければおかしいじゃないですか。
#100
○説明員(栃内一彦君) もちろん、私どもとしましては、航空写真をとるというような点の調査はしておりますが、具体的に何番地というところまで、空港をかりに富里につくるといたしましても、候補地として考える場合にも、具体的にどこの部分ということはまだ考えておりませんし、またかりに富里にきめるといたしました場合でも、先ほど申し上げましたように、できるだけ円満な買収交渉をしたいという観点から、むしろ買収に――もちろん条件もございましょうけれども、買収に比較的応じていただけるというような方々の持っておられる土地というものをまず考えてというような、いわば空港の技術的に、こういう滑走路をつくるのがいいんだという技術的な要求も、もちろんこれはおろそかにできませんが、用地問題を容易にするために、地元の方の御要望によって、この部分ならば利用をしてくれというような場所があれば、その部分をできるだけ利用するというような方向で考えたいと思っておりますので、天下り的に図面の上で、これが一番いいからこうやるんだ、こうやればここはかかる、かかるから売ってくれというような行き方よりも、むしろ技術的な問題と地元の受け入れ態勢というものを相互に勘案しまして、できるだけ摩擦のないような買収をやりたいということでございますので、現段階においてきちんとしたものはむしろつくっておらない、またつくらないで、地元の受け入れ態勢を勘案しつつそういう具体的なものを今後十分御協力申し上げてやっていきたい、そういう方法のほうがこの問題を円滑に進め得るんじゃないか、かように思っております。
#101
○岡三郎君 大臣がおらぬので、田邉政務次官にお伺いしますが、第二空港の建設は非常に急がれていると思うのです。特に最近における羽田の状況から考えてみて、非常に急がれておると思う。大体第二空港建設への政府当局のスケジュール、どういうふうな考えを持っておるのか。つまり、いつごろまでに建設するのか、大体の手順を御説明できたらお願いしたいと思います。
#102
○政府委員(田邉國男君) 昭和四十五年に完成を目途として進めております。
#103
○岡三郎君 もうすでに、そうするというと、具体的にいまの日程からいって、大体候補地をいままでさがしておられたようですが、それに伴うところの、途中変更されてもけっこうですが、大体どのような手順で考えておられるのか。
#104
○説明員(栃内一彦君) 手順は、ただいま政務次官が答弁いたしましたように、昭和四十五年を……。
#105
○岡三郎君 四十五年のいつ。
#106
○説明員(栃内一彦君) 四十五年一ぱいにできればと思っております。もちろんこれより早くつくれという議論もございますが、実際問題として私は四十五年を目標にするということが一番現実味がある方法じゃないかと思います。したがいまして、いまから数えましてもう数年後に迫っておりますので、非常に急ぐわけでございますが、ただ急ぐということで非常な無理をおかしてやるということ、このこともかえって結果的には時期が延びるという点もございますので、もちろん急ぐつもりではございますけれども、無理をしてかえっておそくなるということもぐあいの悪いことでございます。したがって、この点は、候補地をできるだけ早くきめていただきたいとは希望しておりますけれども、いろいろな関係各省との調整の問題もございますので、いままだそこまで行っていないという段階でございます。今後はできるだけ早くこれを進めるということで、この間の審議会におきましても、この仕事を能率的にやるためには公団方式によってこれをやっていくのが一番いいんではないかという建議をいただいてもおります。私どもとしましては、ぜひ公団を明年度つくっていただきまして、この公団が実際上の仕事の中心になってこれを推進していく、こういう方法によってやっていきたいと、かように考えております。
#107
○岡三郎君 ずいぶんぼけた話だと思うのです。四十五年のゴールはわかっているとして、工事の前提はいつごろまでに終わりたいのですか。それは変更があってもいいのですよ。いまの大体の政府当局の手順です。手順をあかすというとぐあいが悪いということなんですか。
#108
○説明員(栃内一彦君) 別に、手順と申しましても、一方的にきめましても、なかなかそのとおりにいかないという面もございますが、できましたらば来年度には、具体的な調査をすると同時に、地元との話し合いがつけば補償なり買収なりということにも取りかかりたい、かように考えております。
#109
○岡三郎君 そうするというと、たとえば用地買収その他が終わって工事に着手して完成まで大体どれくらいの日時を見ているのですか。
#110
○説明員(栃内一彦君) まず四十五年度までに第一期工事をやるということで考えておりますが、そのためには、建設だけでしたらば……。
#111
○岡三郎君 完成して飛行機が離着できるまで。
#112
○説明員(栃内一彦君) 四十五年度に完成させたい、かように考えております。
#113
○岡三郎君 そうするというと、それはどれくらいかかるのか、着手してから。
#114
○説明員(栃内一彦君) これはまず工事としては二年ないし三年は必要かと思います。
#115
○加瀬完君 本日の閣議で運輸大臣はこの第二空港の問題を報告をいたしておりますね。そこまで話が進んでおりますのに、一体閣議の報告に青写真もない形で報告をされたということなのか。大体富里村付近ということで、航空局長の話によると、地元の受けのいいところからというけれども、飛び地では飛行場はできないわけです。風向きその他、これは航空条件というものがあるわけです。しろうとのわれわれが申すまでもない。ですから、富里村付近といったら、どちらの方向に離着陸ということをきめて、どういう方向に幅何キロ、長さ何キロという形で土地買収をしなければならないということは当然でしょう。これは航空局の意見ですか、県の意見ですか。立ちのきの戸数は千五百戸だ、十六・五キロ平方のかえ地を求めてそこに移転をさせる、こういう話が地元には伝えられております。これは運輸省の御意見ですか。
#116
○説明員(栃内一彦君) 本日閣議に運輸大臣がお話しになりましたのは、おそらくこの間審議会の答申があったということを御披露になった、かように私は了承しております。
 それから、いまのかえ地の問題その他のそういう具体的な数字をお示しの上御質問でございましたが、私ども先ほどから申しますように、候補地自体がまだきまっていないという点、それから用地の具体的な場所がきまっていないというような点から申しましても、とてもかえ地の問題をどうするというようなことまでは具体的には考えておらないわけで、ただ、かえ地というようなことによって買収を円滑にやり得るというためには、そういう方法もぜひ考えなくてはならない、かようには考えておりますが、具体的な数字にわたるような点までは全然考えておりません。
#117
○加瀬完君 いずれにしても、敷地の予定地がきまれば買収に入ると思います。買収価格はどういう基準によりますか。
#118
○説明員(栃内一彦君) これは具体的にはまだ私のほうできめておりませんですが、やはりいままでの買収実例なり、あるいは今後の問題なり、あるいはその他地元における特殊の事情なり、あるいは特別のいろいろな問題があると思いますので、一がいに……、いまはまだ金額は全然きめておりません。また場所によってもいろいろな点があると思いますので、まあ地元に御納得のいけるような値段でこれを進めていきたい、かように考えております。
#119
○加瀬完君 建設省の計画局長に伺いますが、いま航空局長は地元に御納得のいただける価格というお話でございました。そうすると、地元がかりに百万要求すれば百万、百五十万円で話がつけば百五十万円、こういう相対の団交の相場で土地価格というものがきまると考えてよろしゅうございますか。
#120
○説明員(町田充君) 航空の用地ということになりますと、もちろん公共用地でございますが、公共用地の取得のために必要な補償の問題につきましては、昨年閣議決定がなされまして、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱というものが閣議決定になりました。これに基づきまして、各事業主体が損失補償を適正にやっていく、こういうたてまえになっております。そこで、さしあたり土地の取得に対しまする補償の問題でございますが、これは言うまでもないことでございますが、取得する土地に対しては正常な取引価格をもって補償するものは補償するという大原則がうたわれておるわけでございまして、事業主体のほうの言い分、提供者のほうの言い分と、いろいろ差がある場合があろうかと思いますが、その場合に十分協議をして、お互いに納得のいく線で近傍類地の正常取引価格というものを勘案しながらきめていく、こういうたてまえになっているわけでございます。
#121
○加瀬完君 正常価格といいますと、いま問題になっている固定資産税の評価の問題でも、近傍類地の最高価格、最低価格といいますか、日常取引のその中間、中値というものをもって正常価格とするという一応の方針が出されておりますね。正常価格というのは、結局、その近傍類地の普通売買の価格というものがやはり標準として押えられると解釈してよろしゅうございますね。
#122
○説明員(町田充君) 何が適正な価格であるかという標準がなかなかむずかしい問題でございます。したがいまして、私どもも、前々国会に不動産の鑑定評価に関する法律というものを提案いたしまして、御審議をいただいたわけでございますが、将来は不動産鑑定士というふうな特別な職業的な専門家を養成いたしまして、こういう人たちの適正な判断によって土地のあるべき時価というものを適正にきめてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、この鑑定評価の基準の問題で、一体どういうアプローチのしかたがあるかということでございますが、いま御指摘の近傍類地における取引価格というものが一つのアプローチの方法であることは言うまでもないのでございますが、そのほかに、収益から還元する方式であるとか、あるいは複成価格を求める方式であるとか、いろいろなアプローチのしかたがございますので、そういうものを適切に使いまして、そのときの適正な時価というものをきめてまいりたい、こういうつもりでおるわけでございます。
#123
○加瀬完君 ここは大事なことですね。局長さんにはっきり閣議決定の線を御説明をいただかなければなりませんが、運輸省がそういう御見解とは申しません。中間の二百万なり百五十万なりで売れるのだ、だから賛成しろ、百万で売れるのなら賛成しようか、あるいは百五十万なら大賛成だといったような空気も、そういう意味の値段につられた賛成という声もあるわけであります。逆に言うと、二十万か三十万ならば、とてもそれじゃあやっていけないから反対だ、売らないという声にもこれは変わっていく。そこで、政府としてのこれは取引でございますから、少なくも現状の取引価格がだんだん、十万とか二十万というところに、どういう補償料とかあるいはいろいろの条件もつけたところで、百万の、百五十万のという価格を査定しようとしたって、それは査定のしかたがないものだと考えてよろしいでしょうか、政府の方針としては。これは政府としても、茨城県のいわゆる学園都市で、もう結局配分の価格と実際の価格というものが非常に違ってきて、賛成同盟が反対同盟に変わっている現実ももう御経験でございますから、ここではっきりと、現在農地あるいは農地が転用されて売買されている価格の何倍の価格の買収というのは、政府機関としての買収としてはあり得ないということを明言していただきたいのですよ、あり得ますか。いま航空局長の言うように、相対で百万でなら売るというなら百万で買うことになりますと、閣議決定はどうなりますか。
#124
○説明員(栃内一彦君) 私の申し上げましたのは、いわゆる相対という言葉の意味でございますが、御納得のいくということは、もろもろの基準、政府が買う場合の基準ということは、もちろんその範囲内での問題でございまして、閣議できめられた御方針に反対してまでやるという意味ではございません。ただ、閣議で示された御方針でも、具体的の場合に、非常にやはり場合場合によっていろいろな弾力的な運用もできるし、また時間の経過とともにいろいろな弾力的な運用もできるというような点で、要するにきめられた基準をはみ出さない範囲内におきまして御納得のいけるようにやっていくという意味でございますので、基本原則を著しく違反してやるというような意味で申し上げたのではございません。
#125
○加瀬完君 最高価格が近傍類地において反二十万をこえないという条件だとかりに考えますと、それが百万とか百五十万とかいう価格をつけられますか、計画局長。
#126
○説明員(町田充君) 仮定のお話でございますので、その点でお答えをしたいと思いますが、近傍類地の適正価格は、客観的にしかるべき専門家の鑑定に従った客観的な価値というものがかりに二十万と評価されますと、具体のその近傍で取得をしようとする土地も大体そういう方向で評価がなされることになろうかと思いますので、あくまで仮定の問題でございますが、それに対して百万、百五十万という要求でありますと、なかなかこれはむずかしいと、こう言わざるを得ないと思います。
#127
○加瀬完君 自治省いらしていらっしゃいますか、自治省に伺いますが、千葉県は空港誘地の宣伝に、東京第二空港ができると、大体空港で働く者が十万人生ずる、したがって家族三名と推定すれば三十万と合計人口が推定される、ここに三十万都市ができるんだから、したがって経済上も生活上も現在とは違ってもろもろの就職条件が生まれるから、地元のためには非常に有益だ、こういう説明をいたしておるわけです。三十万都市ということはちょっと標準がないでしょう。十万都市の標準はあるはずですが、十万都市というものをつくるとすれば、社会資本として投資しなければならない金額は総計幾らになりますか。
#128
○説明員(山本悟君) 十万都市を全く新しいかっこうで新規に建設するという場合に幾ら社会資本がかかるかという御質問にお答えいたしますと、自治省といたしましても、さようなことの計算をいたしたことはございませんので、的確にお答え申し上げるわけにはいかないと思います。ただ地方交付税の配分にあたりまして、十万都市を基準にして毎年の交付税の配分の基礎をつくっておるわけでありますが、この場合の政府の基準財政需要額の計算というものはやっておるわけであります。その計算では、毎年新規に学校をつくる、役場をつくる、庁舎をつくるというかっこうで計算をしておるわけではございませんので、毎年々々の地方団体で通常投資するであろうというような経費の計算をいたしておるわけであります。そういう意味で、ただいまの御質問と内容的には違っているのじゃないかと思いますが、御参考のために、基準財政需要額としての計算上の数字の規模を申し上げますと、大体人口十万程度の都市におきまして、基準財政需要額の金額は四億から四億五千万くらいであろうと思います。このうち投資的経費として計算しております金額は、団体の種類によって違うわけでございますが、ほぼその程度のところで、二割強が投資的経費としての基準財政需要額の算入額となっていると思います。もちろん新規に施設をつくる場合には起債とかいろいろあるわけでありまして、交付税上の一般財源の計算もそういうことになっているというだけの数字でございますが、御参考のために申し上げておきます。
#129
○加瀬完君 二つ伺いますがね。それはすでに都市ができたときの経常費ですね。たとえば十万都市でありますれば、中学校が九とか、小学校が十三とか、あるいは道路延長が幾らとか、あるいは消防自動車が五台とか、救急車が一台とか、こういう明細があるわけですね。一体それを社会資本の金額として換算すると幾らになるか、こういう質問であります。それは、計算がなければ、あとでまたお教えをいただきます。
 もう一つ、運輸省は、空港ができると非常に付近の経済が発展するという見解を出しておるようです。運輸省の見解だと言って、千葉県知事の県会における説明によりますと、そう言われております。そこで、羽田なり、あるいは伊丹なり、千歳なり、現在飛行場があるわけですね。そこで空港ができたために一体所在地の地域経済がどう発展をいたしておりますか。これは自治省でおわかりでございましょう。そのために非常に税収がふえたということがございますか。
#130
○説明員(山本悟君) ただいまの御質問のような調査を直接したことが自治省としてございませんので、ちょっとお答え申し上げかねるのであります。
#131
○加瀬完君 それでは先を急ぎますが、補償条件の中で一番問題は騒音対策だと思うのです。で、この富里地先にできる空港の飛行機の飛行方向はどっちの方向なのか、それから騒音防止は一体可能なのか、その対策、こういったものも、いままでの御説明ですと、かいもくまだ見当がつかないということになろうかと思いますが、地元にとりましては、飛行場の滑走路の方向がどっちについて、どう飛行機が来るのか、どう出るのか、こういうことがはっきりしませんと、賛成にも反対にも騒音に関しては受け取り方がないわけです。それすらもきまっておらないのですか。
#132
○説明員(栃内一彦君) 富里村付近につきましては、気象庁のほうの調査によりますと、恒風につきまして、特別の恒風がないと、こういうことになっております。したがって、滑走路の方向というものについては、技術的にそれほど制約を受けないで滑走路の方向が決定できる、こういうふうに私ども考えております。したがいまして、滑走路の方向を考える場合には、先ほども申しましたように、用地買収が比較的容易であるというような点、あるいは付近の騒音問題が比較的容易に解決できるというような点を勘案できるということで、これにつきましても、先ほど申しましたように、どの地域にどの方向に滑走路をつくる、そういうところまではまだ作業をやっておりません。やはりこれは地元の受け入れ側の御要望なりというものを十分考えなくちゃならない。それには、特別の恒風がないということで、かなり弾力的にこれを処理できるのじゃないか、かように考えております。
#133
○加瀬完君 この運輸省の想定図によりますと、大体空港の規模は、縦十キロないし十二キロということになりますね。幅が五キロ。そうなってくると、騒音防止の最小区域は一体幾らになりますか。
#134
○説明員(栃内一彦君) 私どもは、騒音の最も起こる、被害を受けるのは離発着の方向の滑走路の延長部分であるというふうに考えておりますので、その付近には適当な方法によって緩衝地帯を設けるというようなことを考えなければならない、かように考えております。
#135
○加瀬完君 これは防衛庁の基準だと思いますけれども、滑走路の延長上五キロ、それから滑走路の中心から幅二キロ、この楕円形といいますか――の中が、一応騒音を防止しなければならない区域として現在法律上取り扱われているのじゃないですか。そういう地図を引きますと、一体面積について幾らになりますか。
#136
○説明員(栃内一彦君) 現在防衛庁のほうでその法律――私は法律ではないと思います。何か防衛庁の関係の規則であると思います。あるいは内規であるかもしれませんが、その点は、今後具体的なレーアウトがきまります場合に、そういうものを十分、防衛庁の例等を考えて、騒音対策ということを真剣に取り上げなければならない、かように考えておりますが、繰り返して申しますように、現在のところ候補地自体がきまっておらない。いわんや、場所のここからここまでというようなところまでまいっていないような段階でございますので、具体的に何キロどうするというところまでまだ詰めておりません。
#137
○加瀬完君 一応おたくのほうで示された想定図で計算しますと、百平方キロくらいになりますね。騒音防止をしなければならない面積を一応防衛庁の基準に従って求めてみますと、どっちの方向になるかということはわかりませんけれども、いずれにしても、人口十万のものがその中に入りますね、八街、富里地区の場合は。厳格にひとつこれは御計算をいただきたいと思います。そこで問題は、防止をするといいますけれども、そこの騒音ですよ。四十五年度は二十二万機という想定ですね。それで換算しますと、一日六百機、深夜を除けば、二分間弱に一機ということになりますね。こういう離着陸の回数でマッハ次元の飛行機が飛んで、防音が可能でございますか。防衛庁の方がいらっしゃっていると思いますが、伺いたいと思いますが、二分間弱に一機ですよ。二分間弱に一機の飛行機が離着陸して、しかも、マッハ次元の飛行機ですね、防音が可能ですか、現在のジェット機の状況から見て。
#138
○説明員(河野武君) この場合、駐留軍の場合はそういった関係ではかっておりませんです。たとえば駐留軍の場合の一例をあげますと……。
#139
○加瀬完君 質問に答えてください。
#140
○説明員(河野武君) 具体的にそういうのははかっておりませんが。
#141
○加瀬完君 じゃ、質問を直します。二分間弱に一機の飛行機が離着陸して、騒音の断続はどうなります。
#142
○説明員(河野武君) 飛行機が二分間で飛び立つことなのですか。
#143
○加瀬完君 二分間弱に一機の割りで、着陸するか、あるいは離陸するか、いずれにしても二分間に一機ずつ飛行機の大きな音がするわけです。そういう状況の中で、騒音の断続関係はどうなりますか。もっと率直に言うならば、整備している飛行機もありましょうし、なにかいたしますので、ほとんど騒音の絶える間がないと判定してよろしいのではないかと考えますが、いかがですか。
#144
○説明員(河野武君) その場合には、防音の対象になります。
#145
○加瀬完君 防音の対象になることはわかっていますよ、年がら年じゅう雷みたいに鳴っているのだから。そういうことを聞いておるのではない。断続はどうなるかということは、あなたは専門家だから、研究しているのですから。
#146
○説明員(河野武君) ちょっと私専門家ではありませんので、まことに申しわけありませんけれども、よく知っておりません。
#147
○加瀬完君 そういう状況というものを御勘案の上で、人口十万ありましても、飛行場には適地だという御認定を航空局はなさるのでしょうか。
#148
○説明員(栃内一彦君) この新空港は、もちろん超音速旅客機が昭和四十六年には就航するであろうという想定のもとにこの建設を急いでおるわけであります。もちろん超音速旅客機が出現するというだけの理由ではございませんので、羽田が飽和状態に達するというような点もございます。両方の意味から急いでおるわけでございますが、完成してすぐ超音速旅客機が全部飛ぶわけではもちろんございません。それから、超音速旅客機と申しましても、これは現在開発中でございますので、どの程度の騒音かということは実験のしようがないわけでございますが、私どもの考え方としまして、超音速旅客機の最も高速を出すというのは、いわば日本とアメリカとの飛行を考えてみますと、上空に達しまして燃料消費が非常に経済になるというような高度まで上がり、かつ具体的には太平洋上に出てからいわゆる音速あるいは二・二というような本来のスピードが出るわけでございまして、離発着のときにそういう速い速度が出るということではないと、かように考えております。もしそういう速い速度で離発着するということになりますと、運航の面でも問題がございますし、騒音の問題ももちろんございますし、したがって飛び立つなりマッハになるというように飛ばない。これが軍用機でありますれば、私は専門外でわかりませんが、離陸後非常なスピードを出すということも必要であり、あるいはそうなっておるのかもしれませんけれども、旅客機の場合には、離発着の場合早くスピードを求めるということよりも、高空にのぼりまして、それから、ジェット燃料の非常に経済なというような高空におきまして本来のスピードが出るということでございますから、いわば軍用機の騒音問題とこの問題とは直接比較はできないのではないか。もちろん、飛行機そのものが騒音でやかましいということは、羽田付近の事例に徴しても明らかでございます。したがって、騒音の対策ということはもちろん真剣に考えなければならないわけでございますが、これが直ちに軍用ジェット機と同じような騒音を出すかどうか、この点につきましては、まだできてはおりませんし、どういうふうに運航するかという点も今後の問題でございますが、私の想像といたしましては、離陸なり着陸なりのときにマッハ幾ら幾らということは絶対にあり得ない、かように考えております。
#149
○加瀬完君 私はマッハを問題にしておるのじゃないのですよ。そのマッハ次元のそういったような航空機でございますから、現在の軍用ジェット機でも相当の騒音なわけですから、これは騒音を過小評価するわけにはいかないであろう。しかも頻度が非常に激しいということからいえば、騒音を防止しようといったって、防止の処置なしという形になるのじゃないかということを言っておるのです。速さをどこで出すとか、離着陸のときに速さが出ないとかいったようなことではなくて、将来開発される飛行機だからといって騒音がゼロになるということは考えられない。で、現状において、プロペラ機だって騒音が非常に問題になっておる。しかも二分間弱に一機というような計算になりますれば、騒音の対策がないじゃないか。その下のほうに人口十万がいるのだ。この場合、一体そういう位置を選定することに無理がないかということをお尋ねしておるわけでございます。
 次に、騒音対策は、相当区域を買収し、移転させる、こういう県は発表をしておりますが、これは運輸省のお考えですか。
#150
○説明員(栃内一彦君) 緩衝地帯の問題につきましては、理想的に申しますれば、なるべく広くとりまして、そこの移転をするということが、騒音だけで考えますと、一番理想的な方法でございますが、場合によりまして、必ずしも立ちのかなくてもいいんだというような場合、一定の補償をするというようなことでいいんだというような場合もあると思います。したがって、いま先生のおっしゃるように、騒音問題は非常に大きな社会問題でございますし、したがって、かりに富里にきまる――どこにきまるかは今後の問題でございますが、きまった場合に、いわば滑走路の延長上の最も騒音の被害を受けやすいところ、この点については、移転をしていただくなり、あるいは場合によっては補償をするなり、これは実際の問題になりますので、いま一定の方向なり基準ということは申し上げかねますが、その辺は十分誠意を持ってこの問題を――富里にきまりましても、あるいはほかの場所にきまりましても、これは同じ問題でございます。一般的な問題としてこれは考えていかなければならない、かように考えております。
#151
○加瀬完君 そこで、航空局案によると、防音林で防ぐということをいっておりますね。しかし、上空の爆音、それから衝撃波、こういうものを単に防音林をつくったところで防げるはずのものじゃないでしょう。この点どうお考えですか。
#152
○説明員(栃内一彦君) 騒音を絶対に防ぐ、全く音がわずらわしくないということを空港付近で求めることは、私は実際問題として不可能であると思います。ただ、これをできるだけ緩和するということに全力を尽くす。これは、飛行機自体を改造して、できるだけ音が出ないようには現在でも努力しておりますが、これはもちろん限度がございます。そのほか、たとえばいまおっしゃいましたように、防音林をつくるということも一つの努力の現われである。したがって、これはそれをつくったからすべて解決するという問題ではもちろんございません。しかし、とにかく何らかのいろいろな方法を組み合わせて、この問題をできるだけ解決する。もちろん、あらゆる努力をやりましても、飛行機そのものから音を全く消すわけにもまいりませんと思います。
 それから衝撃波の問題でございますが、これは、先ほど申し上げましたように、飛行場付近で音速を突破するということはおそらくないのではないか、かように考えております。
#153
○加瀬完君 厚生省に伺いますがね。お医者さんのほうでこのごろ騒音病ということが問題にされておりまして、この高音、騒音を出されますと、医療診断の場合、心臓第一音が聞けない、高血圧の診断ができない、それから麻酔不能の状態で治療上重大な影響をもたらす、こういうことが言われております。さらに食慾減退、頭痛、放心状態、生理不順、それから特に妊婦、それから幼児は、栄養失調的な症状を精神不安等のために起こして、そのために精神病、異常妊娠、発育障害といったようなことが生じてくるということが、学会の医師の報告の中にございます。この点は厚生省どうお考えになりますか。
#154
○政府委員(舘林宣夫君) 仰せのとおり、高音のために身体にある種の障害を与えられると学問的に言われておるわけでございまして、食慾不振、疲労、頭痛、あるいは消化不良というような障害があるように言われておるわけであります。それらの障害と騒音との関係は、ただ単に騒音の音の大きさが大きいというだけでなくて、ある程度音の周波数にも関連するわけでございますので、これらの関係はフォーンとの関連で申すわけにはまいらぬわけでございますので、そういう詳細な点はなお今後の研究に待つという状況でございます。
#155
○加瀬完君 厚生省はけっこうでございます。
 重ねて運輸省に伺いますが、学校、病院等は当然防音施設を必要といたしますね。しかし、民間空港の場合は、学校などにいたしましても、法律上の軍事基地付近のような騒音防止のほうの国からの補助というのはございませんね。この点どうですか。
#156
○説明員(栃内一彦君) 現在空港周辺の騒音対策として、民間につきましては、法律上の措置は講ぜられておりません。
#157
○加瀬完君 この対象になる学校あるいは病院は、どのくらいの推定をされますか、御計算がありますか。
#158
○説明員(栃内一彦君) 先ほどから申し上げますように、まだその点まで具体的に詰めておりませんし、これは場所の決定ということと関連しまた防音等を考えるというようなことで、できるだけそういう問題の起こらないように、かように処置したいと思います。
#159
○加瀬完君 これは地方負担ということになるわけですね。私の計算では、概算七十億かかります。当然これは防衛庁のR3A等の方法をとらなければならないので、場所にもよりますけれども、一応高音速ということになりますれば、木造ではいけませんから、鉄筋に改築をする、そうして防音方法としてはR3Aを用いる。それで計算いたしますと、どう考えたって七十億を下るわけにはまいりません。これが全部地方の負担になるということで、地方で空港受け入れということがやすやすとできると思いますか。
#160
○説明員(栃内一彦君) 先ほどから申し上げますように、超音速と申しましても、軍用機の超音速機と民間機の超音速機では、飛び方も違いますし、またこれの出す音につきましても、現在まだ開発中の飛行機でございますので、わからないわけでございますが、しかし、実際問題としまして、大きな音を出して御迷惑をかけるというようなことがございましたならば、やはりこの点は国として十分考えていかなければならない、かように考えております。
#161
○加瀬完君 音が出ないわけがないでしょう。グライダーじゃないのですから、エンジンがあるのだから、音がするでしょう。あなたのほうはどうも、空港をつくることにはもちろん御担当ですから、御熱心ですけれども、その被害というものをもう少し御責任を持って研究をしていただかないと困ると思うのです。大阪府の螢池小学校での騒音による学習阻害時間というものを計算いたしたのがございます。一日に三十分ないし四十分阻害している。離着陸飛行機の回数は八十一回、東京第二空港の場合羽田と同じくらいの時間的な配分で飛行機が離着陸をいたしますと二百九十回、大体八時から三時まで阻害時間は百分ないし百二十分。そうなると、大ざっぱに言うと、一年に百日ないし百二十日学習ができないことになります。六年学校に行っても、実際三年しか先生のお話は聞けないということに大ざっぱに言えばなるわけです。こういう状態を、法律的な授業日数は二百四十日でありますから、それをうっちゃっておいて地元で賛成しろと言っても、御無理ではありませんか。こういう御研究はございますか。
#162
○説明員(栃内一彦君) 現在具体的にどこの学校、どこの病院というところまではもちろん調査しているわけではございませんで、騒音問題につきましては、重要な問題でございますので、もちろん軍用機と違いますけれども、防衛庁なりあるいは防衛施設庁なりのいままでの経験というものを十分考え、新空港ができるということについて、地元で安心させるような方途を考えなければならない、かように考えております。
#163
○加瀬完君 雇用問題とか税収問題とかでも、自治省なり東京都なりの調査というものと、航空局の発表だと、千葉県当局が出されている数字とはだいぶ違います。雇用問題でも、羽田から類推すると、第二空港では十万人の収容ができると言っておりますが、十万人という計算がどうして出てまいりますか。そういう地元の人たちが第二空港に入っていろいろ仕事ができるといいますけれども、羽田では百二十社でございましょう。このうち、掃除とか、運送とか、食堂の女の役割とか、そういった雑役的単純労務がほとんど地元でしょう。具体的に言うならば、地元から幾ら入ろうといっても、新聞社とか、航空会社の代理店とか、あるいは銀行とか、石油会社とか、不動産会社とか、こういうものに地元が入るわけにいかぬでしょう。どうして十万人も就職できると、しかもその就職が現在の収入より上だという保証が立つのですか。航空局で御発表ですか、県ですか。
#164
○説明員(栃内一彦君) 十万ぐらいの収容人口があるであろうということは、私のほうで計算したわけでございますが、その計算の根拠といたしまして、昨年三十七年度末で羽田で大体一万人ぐらいの従業員がおったわけでございます。これはまたその後もふえておると思います。昨年の羽田のフライトの数は、大体定期便で五万回ぐらいを想定しております。それから見まして、今度の新空港はその十倍ぐらいの能力がもちろんあるわけでございますので、就業人口等につきましても、十万ぐらいというものは当然就職できる、かように考えて、まあ大体十万ぐらいと申し上げたわけでございます。
#165
○委員長(米田正文君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#166
○委員長(米田正文君) 速記をつけて。
#167
○加瀬完君 そういうことを概算で計算されては困ると思う。十万人収容できますよといって空港ができた、収容された者が一万五千人ということでは、土地を放した者は路頭に迷うわけです。しかも、その収容の職種の内容にもよりますけれども、たとえば高級な技術を要するものは、いままで落花生をつくっていた者が横すべりしてすぐイモをつくるようなわけにいかない。技術がなければ就職できないために、十万、十五万必要だろうと、地元で収容するわけにいかない。現在羽田では一万人でしょう、地元は。単純労務が大体四千人でしょう。だから、単純労務しかできませんよ、農家の人たちは。単純労務者が現在の収入よりはるかに所得が保障される形にはなりませんよ。問題は所得の問題。御存じのように、千葉は海岸がだいぶ埋め立てられまして、漁師が失職して、職業指導も十分でないので、補償金をもらってもほとんどみな路頭に迷うという現状が目の前で行なわれております。農民は非常に不安であります。こういう職種に責任を持たせるという具体的なものをお出しいただきたいと思うわけであります。
 この航空審議会の答申の末尾に、「騒音問題解決のため、空港建設に当っては当初から十分な配慮をすべきだ。」とある。十分な配慮ができないところには空港はつくれないという解釈ができる。理想的にいえば、つくってはならないという解釈ができる。一番問題は、騒音の対策と、土地をとられた者の生活保障は一体どうなるかということが地元では一番問題だ。それが具体的に何もございませんので、もう一度私も運輸委員会に出していただいて、具体的に富里地先の就職対策はどうするのか、農地の補償はどうするのか、それから騒音対策はどうするのかということを重ねて伺いたいと思います。
 で、政務次官に最後に伺いますけれども、一方は富里地区と言いながら、河野建設大臣は浦安地帯がいいと言っておる。そうかと思うと、ある大臣の使いは、木更津に行って――これは前大蔵大臣の水田三喜男氏もその一人でございますが、千葉県における空港は木更津につくるのだと大々宣伝をしておる。一体どこへつくるのですか。ぐるぐる千葉県だけ回さないで、よそへ行ってくれるなら、千葉県としては関係ないからいいかもしれませんが、地元としては、千葉県をぐるぐる回られて、こっちで反対すれば向こう、向こうと思うとこっち、こっちで反対されるとまたもとのところに帰ってくるということで、これは奔命に疲れておりますよ。もう少し責任ある態度を政府としては出していただきたいと思いますが、もう再び運輸省の言っておるように浦安や木更津に逆戻りするということはございませんか。
#168
○政府委員(田邉國男君) 非常にむずかしい御質問で、航空審議会の答申に基づきまして閣議決定が近くされると思います。その以前におきまして、どこになるか、どこに戻るかということについては、私ども何とも申し上げられません。
#169
○加瀬完君 何とも申し上げられないということだけはっきりわかりましたので、これだけは何とかしていただかなければならぬので、最後にお願いを申し上げます。地元にとりましては、賛成、反対のいずれにしても、非常に重要な問題でございますから、十分地元の意見を聞いた上で閣議で慎重に検討をしていただきたい。閣議で地元のいまのような調整のないままに結論を出されて、地元に持ってこられると、これはなかなか、いかに国策だといったって、簡単に、生活、生命に関係する問題ですから、受け入れられないことにもなりかねませんので、地元の意見を十分聴取の上慎重に御検討をしていただきたい、お願いをいたしますが、この点はいかがでしょう。
#170
○政府委員(田邉國男君) 加瀬委員のお話のように、十分地元の意見を徴しまして、慎重に決定をすべきだと考えております。
  ―――――――――――――
#171
○委員長(米田正文君) 次に、請願の審査に入ります。
 付託請願について便宜専門員から説明を聴取いたします。
#172
○専門員(吉田善次郎君) 今回付託されました請願案件は、お手元に配付しております件名表に掲げてございますように、全部で五件でございます。そのうち最初に掲げております三件は、全く同一の内容でございます。
 順を追いまして簡単にその内容を御披露申し上げたいと思います。
 第一のものは、バナナボートの建造を政府の計画造船に繰り入れ促進に関する請願でございます。バナナの輸入の自由化以来、中南米その他各地からのバナナの輸入が増加しておりますが、この輸送は大部分外国船によっておりますので、外貨節約の見地から、日本におきまして、そのバナナボートを、しかも計画造船の中に繰り入れまして建造してほしいということでございます。なお、その計画造船のための融資先といたしましては、バナナボート建造に熱心な船会社、あるいはバナナ輸入専門業者であります柴田産業株式会社に、長期低利の資金を融資してほしいという内容のものでございます。
 御参考までに申し上げますが、現在の戦時標準型船舶の代替建造方式によります船舶建造の中で、ある船会社はすでに一隻バナナボートの建造の計画を持っておるようでございますし、また他の会社におきましても、その建造について検討しておるというように私ども聞いておる次第でございます。
 それから第二のものは、三陸沿岸縦貫鉄道の早期完遂に関しまする請願でございますが、三陸地方の産業開発を促進しますために、三陸沿岸を縦断します鉄道を早期につくってほしいということでございますが、その内容といたしまして、お手元に御説明の便宜のために請願書についております図面を配付してございますが、それを順次申し上げますと、まず青森県の大畑町から大間町に至ります線、これは現在予定線になっているのでございますが、もっとも戦時中特殊な事情で一部工事をやったようでございまするが、これを建設線の中に入れまして、早急に着工敷設してほしいという点がその一点でございます。
 それから第二の点は、岩手県の久慈から宮古の間に至ります線、それから釜石から盛という地区に至ります線、これはいずれも建設線になっているのでございますが、これを早期に着工してほしい、こういうものでございます。
 それから第三点は、ずっと下のほうになるのでございますが、宮城県の石巻市を起点といたしまして、津山町柳津と申します地区に、これは現在まだ予定線の中にも編入されておりませんが、これを予定線に編入しまして、早急に敷設してほしい、こういうのでございます。
 それで、ただいまの南部のほうの線につきましては、現在、この地図にもありますように、気仙沼から本吉町というところまですでに営業されておりますが、本吉町から石巻線の前谷地に至ります線が、これが現在建設線になっておりまして、すでに三十六年からその工事が進められておるのでございますが、この建設線の中の、先ほど申し上げました津山町柳津というところから石巻に結ぶ線を新しく予定線に編入してほしい、こういう趣旨のものでございます。
 それから最後の、漁業に関しまする、海難救助改善に関しまする請願でございますが、これは請願者は、高知県の室戸市を中心とします漁業関係の方々の要望でございますが、遠洋漁業に従事します当地区の方々としましては、非常に気象変化等による海難事故があとを断たない。しかも、それらは、優秀な巡視船、あるいは航空機というようなものがありますれば、助け得たものもかなりあるのではないかというような点からいたしまして、この海難救助体制を早急にひとつ改善してほしい、こういう内容のものでございます。
 その第一は、南方洋上にも出動できますような大型の巡視船の建造、それから大型の航空機、ヘリコプターを各管区の海上保安部へ配置してほしいということが第一点でございます。
 第二点は、気象救助関係予算を国庫負担としてほしいということであります。これは実は字句が非常に簡潔に書いてございますので、その言っている意味が的確にはわかりかねるのでございますが、そういうことを申しております。
 それから第三には、関係官庁、民間団体による救助機関を常設いたしまして、陳情の有無にかかわらず、救助活動を迅速にやってほしいということがその内容でございます。
#173
○委員長(米田正文君) 政府側から御意見ございますか、別にありませんか。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#174
○委員長(米田正文君) 速記を始めて。
 これより請願について採決を行ないます。請願第六七号外四件の請願は、議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 なお、報告書につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十八分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト