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1963/12/12 第45回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第045回国会 地方行政委員会 第2号
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1963/12/12 第45回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第045回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第045回国会 地方行政委員会 第2号
昭和三十八年十二月十二日(木曜日)
   午前十一時二分開議
 出席委員
   委員長 森田重次郎君
   理事 田川 誠一君 理事 渡海元三郎君
   理事 中島 茂喜君 理事 永田 亮一君
   理事 藤田 義光君 理事 阪上安太郎君
   理事 二宮 武夫君 理事 松井  誠君
      大石 八治君    大西 正男君
      亀山 孝一君    久保田円次君
      登坂重次郎君    村山 達雄君
      山崎  巖君    和爾俊二郎君
      井谷 正吉君    伊藤よし子君
      栗山 礼行君    門司  亮君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 早川  崇君
 出席政府委員
        自治政務次官  金子 岩三君
        自治事務官
        (大臣官房長) 松島 五郎君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
        自治事務官
        (財政局長)  柴田  護君
 委員外の出席者
        文部事務官
        (初等中等教育
        局財務課長)  岩間英太郎君
        自治事務官
        (財政局交付税
        課長)     山本  悟君
        専  門  員 越村安太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十八年度分の地方交付税の単位費用の特
 例に関する法律案(内閣提出第六号)
     ――――◇―――――
#2
○森田委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十八年度分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律案を議題とし、質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。二宮武夫君。
#3
○二宮委員 今回の特例法は、去る八月十日に人事院が行ないました勧告が基礎になっておるわけでございますから、当然問題は、人事院の性格並びに人事院の勧告の内容尊重という基本的な問題から始めなければならぬと私は考えておるわけです。そこで、大臣がおりませんので政務次官にお尋ねいたしますが、政府は常に、人事院の勧告を尊重する、こういうことばを使っておりますけれども、実際の問題としてはなかなか尊重ができておらないというように私は考える。それは、民間給与との間にバランスをとっていくというのが基本的な態度であるにもかかわらず、その実施の時期が常に勧告の時期とはずれておる。こういうところに、国家公務員並びに地方公務員の労働基本権を奪った後の人事院あるいは地方の人事委員会、こういうものの性格というもののとらえ方が、非常に政治的配慮があって公正でないのじゃないかという考え方があるわけです。したがって、人事院の性格、あるいは人事委員会の性格、あるいは給与の問題で、国家公務員に準ずるという地方公務員の給与のあり方、こういう問題についてまず第一にその基本的な考え方をひとつ次官にお尋ねをいたしておきたいと思います。
#4
○金子政府委員 二宮さんの御意見ごもっともので、同感でございます。毎年ずれてきておる、さような結果になっておりますので、いつかはひとつ御意見のとおり、人事院の勧告を尊重するという意味で、勧告どおりの実行を政府の方でとるべきではないか、かように存じております。努力を続けてひとつさよう跡取り計らいたいと思います。
#5
○二宮委員 これは人事院の勧告そのものの内容が、はたして民間給与とバランスがとれているかどうかという問題にも、基本的に問題はあるわけでございます。しかしこの尊重するということばでごまして、五月でやるべきであるという勧告にもかかわらず、十月に延ばしてやる。そうすれば、当然民間給与とのバランスを最低限とったところでも、そこに五カ月のズレがありますと、民間給与とのバランスはとれなくなる。そういうことで、国家公務員の給与がきまりますと、これに準じて行なわれる地方公務員の給与というものは、当然また民間の給与とバランスがとれなくなってくる。私はここに政府の非常な怠慢があると思うのです。
 いままで一度だって、十分な勧告でないにもかかわらず、勧告どおりにやったためしがない。これはいまからやろうと言われましても、――私はここでお聞きしておきたいのは、自治省は、一体閣議の中で大臣はどのような発言をして、どのようにこの実施に努力をしたのかということを、この際ひとつはっきり聞いておきたい。ことばの上だけで今後完全に実施をしようと思うのだと言われても、実は自治省としてはこういう態度が閣議の中では完全に実施をするためにこういう発言をしたので、そういう実績がなくて言われましても、これは人をばかにした話であって、私どもとしてはそれをなかなか尊重するわけにはまいりません。したがって、今回の人事院の勧告に対して、閣議の中で自治省としては一体どのような発言をして、どのように実施に努力をしたのか、この点をひとつはっきりお聞きしておきたいと思います。
#6
○金子政府委員 私は不幸にして大臣から、閣議においてどういう発言を自治省の立場でされておるかお聞きしておりませんので、いま二宮委員がおっしゃっておるとおり、そういった担当大臣である自治大臣が、閣議の中で強い態度で臨んでおるかどうかということも存じておりません。ひとつその点は御了承願いたいと思います。
#7
○二宮委員 その点はほかの点ではいろいろかわっての答弁ができると思いますけれども、閣議に臨んでおらない次官にお尋ねしても無理があろうかと思います。しかし新聞やそのほかが報ずるところによると、給与担当大臣であるところの労働大臣だけが、せめて九月にさかのぼって実施すべきであるという主張をしたということが報ぜられておる。そのほかの人は、実施時期というものについてあまり強い積極的な発言をしたような報道というのは見受けられておらないのです。したがって、私はいま政務次官の言うように、今後は完全に人事院の勧告についてこれを実施するように努力をしたいというような御答弁をいただきましても、これは非常にその場のがれのことばであって、金子さん自身は信頼申し上げますけれども、自治省の態度としてどうもその態度は弱い、こういうような印象を私は受ける。この態度については大臣直接にお尋ねしなければならぬ問題でございますから、その点についてはひとつ大臣にお聞きすることにいたしたいと思います。
 ただ、財政局長がいらっしゃいますけれども、完全実施をしなかったというこの給与の勧告の問題でございますけれども、人事院は大体民間の六千四百事業所を調査しておる。そうして昨年度の給与の実態と比較をいたしまして、本年度の勧告の資料というものができておる。そうして平均六・七%、一千九百六十五円を上げるべきであるという勧告をしておるわけです。しかもそれは五月一日から給与すべきであるということが問題になっておるわけでございます。ところが今度の特例法を見ましても、やはり十月一日の支給ということになっておるわけでございまして、いま私が指摘しましたように、基本的な民間給与とのバランスをとるという面で、すでに実施当初において民間給与とのバランスがとれなくなると思うのです。これについてどのようにお考えになっておられるか、財政当局のほうから伺いたい。数字的に詳しいはずですから……。
#8
○柴田政府委員 二宮先生御承知のとおり、現行法のたてまえは、国家公務員その他の給与の状態を勘案して地方公務員の給与をきめるということになっておりますし、教育職員なり警察職員につきましては、もっともきびしいと申しますか、国家公務員の給与に近い線で、これに即し、あるいはこの例によってきめるということになっておるわけでございます。財政的には国家公務員につきまして人事院の勧告が出ましたあときまってまいりますと、その線に即応して地方公務員につきましても必要な給与改定ができるような指置を従来からとってまいったわけでございます。先ほど来いろいろお話になっておりました勧告の実施の時期等につきましては、財政的な勘点から申し上げますならば、年度途中にそういう勧告が出まして、この実施をどうこうするという問題になってまいりますと、財政的には実は非常にむずかしい問題が起こってまいりまして、特に地方公務員の場合におきましては、通常この措置は地方交付税の増額措置といったかっこうでなされるのが通例でございますので、地方交付税のまいりません団体におきましては、すでに予算が決定した後におきまして、非常に大きな財政需要が起こってまいりまして、財政運営上いろいろな混乱が起こるわけでございます。勧告の趣旨を尊重して実施するという問題に関連いたしましては、勧告の時期の問題もあろうかと思うのでございまして、現に地方公共団体側からは年度途中で勧告を出され、また年度途中から実施するということにつきましては、財政上また行政上非常に困るから、勧告の時期等につきましては、将来十分考えてほしいというような意見も非常に強く出ておる。私どもといたしましても、地方財政の運営を円滑にするという立場から考えますならば、その辺につきましては相互にもっと慎重な配慮が必要ではないかというように考えておる次第でございます。
#9
○二宮委員 私がお尋ねしておるのは、そういう総体的な財政問題ではなくて、五カ月ずれるということによって民間給与とバランスがとれなくなるというこの問題を、今後どのようにして解決をしようとする考え方を持っておるのか、これをお聞きしておるわけです。そうしなければいつまでたってもアンバランスがそのまま残っていくということは、当然だれが考えてもわかるはずなんです。今度の特別法によって地方公務員に財源を交付いたしますと、地方公務員もやはりそういうかっこうに給与体系ではなるのじゃないかと私は思うのです。そういう問題については一体どのようにお考えになっておられるか、その点をお尋ねしておるわけなんです。
#10
○柴田政府委員 それに対するお答えのつもりで申し上げたのでございますが、お答えになっておらなかったかもしれません。年度途中にそういう問題が起こりまして、勧告が出されまして、年度途中から実施ということになってまいりますと、おっしゃるような問題が起こってくるかと思います。したがって、その辺のところは調査の時期の問題もございますし、勧告の時期の問題もございますし、実施の時期の問題もございます。三者を総合的に勘案して時期を合わしていくというような配慮を将来すべきじゃないか、私どもはそういうふうに考えておるわけでございます。
#11
○二宮委員 人事院の勧告は、予算を計上する当初に間に合うように勧告をすることが、一番行政措置としていいだろうと思うのです。しかし、そういうことはなかなかむずかしい問題で、それはそういう方向に今後とも考えていく必要はあるだろうと思います。ただ私の聞いておるのは、そういうことではなくて、あなた方が交付税を地方に回していくと、やはり国家公務員と同じように、実施時期がずれるのでしょう。ずれることを前提にしてこの交付税の特例法というのは出てきているのでしょう。そこで財政措置全般に対する問題ではなくて、柴田さん個人のことを考えて、あなたが地方公務員である場合には、あなたは民間給与よりもだいぶおくれてきたという結果になるのですから、そうなったら一体それはどうなるのですか。それをどのようにして救済をし、どのようにして今後措置していくという考え方を持っているのかということが聞きたいことなんです。これは人事院がはっきり勧告をして、勧告を尊重するなどといって実際には尊重しない態度で受けておる。それを交付税としてあなた方は財政を地方に回そうとしているのですから、結果として当然そういう問題が起こってくる。管轄がどこにあるのかわかりませんから、給与担当の大臣に聞くべき筋合いのものかもしれませんけれども、それはあなた方にも一半の責任はあろうかと思います。そういう受け方をして、財政を回していったら個人の給与についてはそれだけのズレが出てくる、そのズレに対してどのように今後の措置を考えていくかということがここの重点なんです。先ほどからの二、三の質問のやり取りでは、私の考えておる質問とは違った答弁になっておるのです。その点をもう少しはっきり……。
#12
○柴田政府委員 お話の問題は、私どもは地方公務員だけについて起こる問題ではないと思うのでありまして、国家公務員、地方公務員を通じてお話のような問題が起こってくる。したがって、今日のたてまえでは国家公務員につきましてとられましたのと同じような措置が、地方公務員につきましてとられることを期待をして、必要な措置をしておるわけでございます。したがって、国家公務員につきましてお話のような問題が起こりますれば、全くお話のように地方公務員につきましても同じような問題が起こる、それは当然のことだと思います。それを直すということになってまいりますと、今日のたてまえでは、やはり国家公務員につきましてこの問題をどう処理するかということが先行すべきじゃないか、かように考えておるわでございます。
#13
○二宮委員 それは自治省の考え方としてはおかしい。自治省というものが、地方自治体に自主性を持たして、そこで地方の自治行政というものを確立するという裏づけをしてやることがあなた方のやっておる仕事だと思う。国家公務員ができたらそれで地方公務員はできるんだという、そういう国家公務員を優先するものの考え方というのではいけない。
 それでは行政手続としてお尋ねをしますけれども、国家公務員に準じて地方公務員の給与をきめるいうことに法律はなっておりますけども、地方の人事委員会というものが存在をするわけです。したがって、地方の人事委員会はやはり地方の県知事並びに議会に対して、給与の改定に対する一つの勧告をするという形をとることになると思うのです。私は準ずるということは、イコールではない、上もあれば下もあっていいと思う。そういう姿は、当然地方自治体においてそれぞれの姿で変わったものが出てきてかまわぬと思う。それを国家公務員がまずできれば、国家公務員に続いて地方公務員ができるんだという考え方を自治省自体が持っておるということは少しおかしいと思う。行政的な今後の手続としましては、もし国家公務員の今後の予算が決定して給与が支給をされる、地方の公務員については財政が決定して地方に回る、それから後の手続というのは、地方自主性において人事委員会がそれの首長あるいは長に対して勧告をして、それに即して地方自治体の給与が決定をしていく、そういう姿でなければならない。あなたのおっしゃることは全く中央集権じゃないですか。そういう姿であってはならぬと思う。これは憲法の精神にも反するし、地方自治というもののあり方にも反してくると思う。ですから、行政措置としては一体どのようにお考えになっておるか。今後の地方公務員給与改定に至るまでの措置を、行政指導としてどのようにお考えになっておられるか。
#14
○柴田政府委員 給与制度の基本に関します問題でございますので、私の所管ではございませんが……。私どもと申しましても、財政的な立場でございますけれども、ものを考えます場合には、地方公務員の給与制度というものが国家公務員の給与制度に準ずるということは、何もお話のように国家公務員の給与制度即地方公務員の給与制度だと考えてはいないわけであります。これはもちろん二宮先生のお話のとおりであります。ただしかしながら、準ずるというものは、そんなに大きな幅があるべき筋合いのものではないのでありまして、その間に弾力は多少あるけれども、しかしながらその弾力の幅というものは、そう大きなものではないというようにわれわれは考えております。事実そういうたてまえで、従来年度途中に何回も給与改定が行なわれましたが、そのときどきの措置は、今回と全く同じような措置が従来からもとられてきたわけであります。今回の措置も、従来と全く同じ筋に乗った措置をとっておるわけでございます。ただその間行政問題として、地方の人事委員会というものの立場が、ああいうあり方でいいかどうかという問題については、御指摘のようにいろいろ問題があろうかとも実は私個人は考えるわけでございます。しかしながら、財政的な措置といたしまして、われわれがとってまいりました措置が、地方自治制度というものの今日のあり方から非常に大きくはずれたものだといったようなことは言えない、むしろ自治法なり地方公務員制度の筋に乗ったものだというように考えておる次第でございます。
#15
○二宮委員 ちょっと次の質問が出てこないような、どうもいまの答弁は不明確で、私も理解ができない点があるのですが、それでは財政局長、聞きますけれども、準ずるということばはイコールでないということを肯定をされた。しかし弾力性があって、多少の幅はあるけれども、あまり飛び上がったり、飛び下がったりしているようなかっこうではないのだ、こういうことですが、それではひとつある等級の例をとって、国家公務員の給与の例と地方公務員の給与の実態とを比較して数を出してみなさい。それで一体どのようにあなた方が把握しているのか、その実態はどうですか。諸手当の問題までは触れませんが、俸給の支給実態というものについて、国家公務員とほぼ相当するところの地方公務員というものの給与の例が何かありますか。あなたのおっしゃるような準ずる幅というのは一体どれくらいに把握をされているのか。私のほうは、これは自分で研究しておりませんからお尋ねしますけれども、その辺の資料はありますか。
#16
○柴田政府委員 いまお話のような資料は持っておりません。しかし地方団体の場合はいろいろございます。おっしゃるとおり、国家公掛員の俸給そのままにぴしゃっといっているものもございますし、そうでないものもある、それはいろいろございます。
     ――――◇―――――
#17
○森田委員長 この際、早川国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。早川国務大臣。
#18
○早川国務大臣 一言ごあいさつを申し述べさせていただきます。
 私は今回の内閣改造に際し、再び自治大臣兼国家公安委員会委員長に就任いたしたのでありますが、地方自治と治安の問題について日ごろ御尽瘁をいただいております委員各位に対しまして、今後一そうの御指導と御協力とを賜わりますよう心からお願いいたすものでございます。
 地方自治と治安行政の分野には幾多の問題が山積しておりますが、この機会に当面する問題について所懐の一端を申し述べたいと存じます。
 その第一は、広域行政の推進についてであります。
 最近における社会経済の発展に伴い、広域的処理を必要とする行政事務がますます増大してきておりますことは御承知のとおりであります。私は、この問題につきましてはどこまでも地方自治尊重という立場で対処してまいりたいと考えております。
 これがため、府県の独立性は保持しつつ、広域にわたる行政事務を共同処理する方式として府県のいわばEEC方式とでもいうべき府県連合を検討いたしているのであります。府県連合は、府県統合の機運のあります地域につきましては、その地ならしともなり、また統合の必ずしも適当でない地域につきましては、広域行政の最も有効な処理方式となることを期待しているのであります。この連合の考え方は、市町村についても活用が可能でありますので、広く地方公共団体の連合方式として採用いたしたく、目下地方制度調査会に御検討をお願いしている次第であります。
 なお、地方行政連絡会議法案についても、来たるべき通常国会において御審議をお願いいたしたいと考えておりますが、これらの諸方式の活用によって、地方公共団体の広域行政運営に万全を期してまいりたい所存であります。
 その第二は、地方公共団体の住宅対策であります。
 経済の発展に伴い、国民生活も衣食の面においては著しい改善が見られたのでありますが、住宅については、いまなお解決すべき多くの問題があると考えるのであります。
 私は、住宅の建設は健全な地域共同社会建設のための基礎的事業であると考えます。したがって、地方公共団体としては、国の住宅施策に積極的に協力するとともに、各地域の実情に即して地方公共団体独自の施策としても住宅建設を積極的に推進することを強く期待いたすものであります。自治省としてもこれがため所要の地方債資金の確保、住宅対策費の地方交付税の基準財政需要額への算入、地方税制上の措置等についても検討を進めてまいりたい所存であります。
 第三は、地域格差の是正についてであります。
 委員各位の御尽力により、さきに後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律及び、辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律が制定され、後進地域及び辺地の行政水準の引き上げに大きな効果をあげてまいっているところであります。
 また、政府は、新産業都市の建設を積極的に推進することといたしておりますが、これまた地域格差の是正に寄与するところ大なるものがあると考えるのであります。自治省としては、関係地方公共団体における事業が円滑に進められるようその財源措置について適切な対策を講じたい考えであります。
 なお、地方交付税制度につきましても基準財政収入額の算定方法の改善等により、財政力の貧弱な地方公共団体に対する財源付与の強化について一段の努力をいたしたい所存であります。
 また、距離の短縮が地域開発を促進する上に大きな効果を持つものであることにかんがみ、地方公共団体の行なう空港及びヘリポートの建設についても積極的な援助を講じてまいりたいと考えております。
 第四は、地方税制についてであります。
 地方税制につきましては、地方財政の状況ともにらみ合わせながら、逐年その合理化に努めてまいりましたが、今日まで未解決の問題として残されておりますものに市町村民税負担の地域的不均衡の問題があります。明年度以降二カ年を目途として、市町村民税の課税方式の統一、税率の調整等市町村税負担の合理化をはかり、多年の懸案を解決いたしたいと考え、目下その具体案について、税制調査会の御検討をお願いいたしている次第であります。
 なお、固定資産税につきましては、来年度の改正評価制度の実施をひかえ、税負担が急増するのではないかとの危惧が持たれているようでありますが、しばしば、言明いたしておりますとおり、評価制度の改正は、評価の不均衡を是正しようとするものであって、これによって税収の増加をはかろうとする意図に出づるものではありません。したがいまして、改正評価制度の実施に対応し、適切な負担調整の措置を講ずべく、その具体案について税制調査会に検討をお願いいたしているところであります。
 第五は、選挙の公明化についてであります。
 選挙の公明化は民主政治の確立発展の根源であることにかんがみ、民間団体と協力してこの運動を強力に推進してまいる考えであります。
 この運動が真に効果をあげるためには、国民一般の広汎な参加が望まれるのであり、かねて公明選挙に参加する運動を中心とした公明選挙推進重点措置要領を定めて推進しておりますが、この運動が幅広い国民運動として展開され選挙公明化の実効があがることを期待している次第であります。
 なお、選挙制度の改正については、さきの衆議院議員の総選挙の結果にもかんがみまして、臨時特例法の恒久化、衆議院議員の選挙区別定数の不均衡是正等に関する選挙制度審議会の答申の法制化などの検討をいたしておりますが、成案を得次第、逐次、おはかりをいたしたいと存じておりますので、よろしくお願いをいたします。
 第六は、消防団員の処遇改善についてであります。
 消防団員の処遇改善については、かねてから努力をいたして来たところでありますが、来年度は、消防団員の退職報償金制度を創設し、多年勤続した団員に対し、その退職にあたり報償金を贈ることにより、その労に謝するの道を開き、団員の士気の高揚にも資することといたしたいと考えておる次第であります。
 次に、国家公安委員会委員長としましての私の所信を申し述べたいと思います。
 私は、かねてから、国民が平和で幸福な生活を送るためには、何よりも治安の確保が基本であると考えているのでありまして、新しい任務についての責任の重大なことを痛感いたしておるのであります。私は、国家公安委員会委員長といたしまして、わが国の警察が真に国民の期待にこたえ得るようその育成に全力を注ぎ、もって平和な住みよい社会の建設に寄与いたしたいと念願いたしておりますので、皆さま方の格別の御指導と御鞭撻をお願いいたしたいのであります。
 私は、まず、警察官の職務執行の態度につきましては、特に次のことを強く申しているのであります。すなわち、警察官は善人に対してはやさしく、悪人に対してはあくまでも強くあってほしいと思うのでありまして、このような警察官によって構成される警察こそ、真に国民の支持と信頼とを受け得るものと確信いたすものであります。このように私は、警察官個人個人の職務執行の基本的態度を正し、この基盤の上に立って真に民主的な警察の確立をはかる所存であります。
 一方、わが国の犯罪発生状況、道路交通の事情等から見まして、わが国の警察官の負担は過重であると認められますので、相当程度の増員をはかるべきであり、また、警察官の待遇を改善しなければならないと考えております。とりあえず、来年度におきましては、刑事警察強化等のための増員を行なうこととし、その質の向上と相まって、国民の御期待にこたえ得る警察力の確立をはかりたいと考えております。
 また、恵まれない諸条件のもとに困難な任務の遂行に当たる警察官の労苦を思いますとき、ぜひともその諸給与を改善し、良好な勤務環境を整え、安んじてその職務の遂行に当たれるようにいたしたいと存ずるのであります。来年度予算におきましては、特にこの点に配意をいたし、待機宿舎の増設その他の住宅対策及び超過勤務手当の増額等に重点を置きたいと考えております。
 次に私は、暴力排除につきましてかたい決意を抱くものであります。
 先般、一部の右翼分子等によるテロ行為が相次いで発生しましたことはまことに遺憾なことであります。暴力によっておのれの主張を貫こうとするような行為は、人間として最も卑劣なことであり、民主主義を破壊するものであると存ずるのであります。幸い、最近においては、暴力排除の機運が社会一般に盛り上がってまいりました。私は、この市民の期待が失望に変わることのないよう不断の努力をいたす所存であります。
 近時、刑法犯の増加の趨勢が頭打ちとなり、昨年度においては多少でも減少しましたことは御同慶に存ずるのでありますが、ただ、青少年による犯罪が増加の傾向を続け、昨年度におきましては、凶悪犯罪の約四割が青少年によって行なわれております事実は、わが国の将来に思いをいたしますとき、まことに憂慮にたえないのであります。非行青少年対策は、警察のほか、関係行政機関、学校、家庭等が一体となって当たることによって初めてその成果を期待することができるものと考えられますので、関係機関等との連絡を緊密に保ち、総合的な施策を実施いたしたいと考えております。また、都会地におきます深夜喫茶の存在などは、青少年対策上害あって益のないものであると思われますので、環境浄化のための具体策としまして、深夜営業の規制の措置をとることとし、このため必要な関係法律の改正案を来たるべき通常国会に提案いたすこととしているのであります。私は、青少年愛護の精神を基調とし、理解ある補導と適切な取り締まりを通じて青少年の健全な育成をはかりたいと念願いたしております。
 次に、交通問題についてでありますが、交通事故による痛ましい犠牲者があとを断たず、まさに交通戦争の様相を呈しております。交通事故による死者の数は、一年に一万人をこえているのでありまして、いまや交通問題は、国家的な問題として真剣に取り組まなければならぬものとなっているのであります。さらに交通事故の原因の約八割五分が規則違反であることに思いをいたしますとき、わたくしは、法治国民の一人一人が、定められたルールは必ずこれを守っていくという観念に徹し、痛ましい交通事故の犠牲者の絶滅をはかっていかなければならないと思うのであります。警察といたしましても、このような交通事情に対処いたしますため、必要な警察官の増員をはかるとともに、さらに関係諸機関と緊密に連携し、交通安全に関する各般の施策を強力に推進してまいる所存であります。
 以上所管行政の当面の問題について、所懐を申し述べたのでありますが、これらの問題は、いずれも各位の特段の御協力なくしてはその実効をおさめることができないと考えておるのであります。どうか格別の御協力をお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
#19
○森田委員長 阪上君。
#20
○阪上委員 ただいま大臣から、地方行政に対する大臣の所信を伺ったわけであります。こういう例はいままでかつて私の記憶ではなかったと思っております。日ごろ本会議等において自治大臣の所信表明があってしかるべきだとわれわれは考えておるのでありますが、そういう機会がなかったのでありますけれども、今回この委員会においてこのやり方が持たれたということにつきまして、私非常に敬意を表します。したがって、この所信の中には、いろいろとまたわれわれとしてはさらに大臣の所信をただしたい面があるのでありますが、ひとつ後日に譲りたいと思いますので、そのように委員長、お取り計らいをお願いいたします。
#21
○森田委員長 了承いたしました。いずれ適当な機会に質疑を許します。
     ――――◇―――――
#22
○森田委員長 引き続き質疑を続行いたします。二宮武夫君。
#23
○二宮委員 もう一ぺん問題の整理をいたさないと次の質問がむずかしいのですが、いま私が質問をしております要点は、多少ずれてまいっておるわけです。というのは、柴田財政局長が地方公務員と国家公務員との関連について、国家公務員の給与を是正しなければ地方公務員の給与の是正はできないというような発言、そういうような意味に受け取れる発言がございましたからその点についてただしましたので、初めの問題に返りますけれども、五カ月のズレを、民間給与とのアンバランスというものを、どのようにして今後これを回復をし、どのようにしてこれを措置するか、こういう問題についての私の質問がまだ終わっておらないわけなんです。あなたは、それは国家公務員が直さないと地方公務員は直せないのだ、こういう考え方のようでございますけれども、そうではなくて、やはり地方公務員の給与の財源を地方に渡す以上、自治省として地方公務員に対する給与の考え方というものが明確になっておらないとおかしいと思う。そこでやはり地方公務員の給与のズレといいますか、アンバランスの是正というものは一体どのように考えておるのか。どういうような行政指導をされるおつもりであるのか、その点をひとつ、どちらの局長でもいいですから……。
#24
○佐久間政府委員 お尋ねの点につきましては、自治省といたしましては、従来から、先生御指摘のとおりに、地方公務員の給与につきましては、国家公務員の給与に準じて措置をするように、財政上もそういう措置をいたしますし、行政上もそういう指導をいたしております。そういう指導方針が地方公務員法の趣旨から申しても適切であろうという考え方を現在も持っておるわけでございます。
#25
○二宮委員 そこで、行政的な指導あるいは措置についての答弁を先ほど財政局長がやりましたので、少しこんがらがってまいったのですけれども、多少国家公務員と地方公務員との間に給与の弾力性がある、バランスのとれない面があってもやむを得ないというのが実態だというように考えておるわけですけれども、たとえば地方の人事委員会が、人事院が国家公務員にやった勧告を正直に受け入れて、五月一日から実施すべきであるということを地方の首長並びに議長に対して勧告をした、こういう問題が起こりました際には、行政局長としてどのような指導をなさいますか。
#26
○佐久間政府委員 人事委員会におかれましては、先ほど私が申し上げました自治省の従来の考え方はよく御了解いただいておるわけでございますから、ただいま御指摘のような勧告が出ますことは私どもといたしましては予想をいたしておりません。
#27
○二宮委員 佐久間さんが見える前に、政務次官としては、人事院の勧告というものは国としてもやはり正直に勧告どおりに完全に今後実施をしたいという気持ちを持っているのだ、こういうことを言われたわけなんです。今度五カ月ずれたという問題については、これは尊重するという意味からいっても、あるいは人事院を設置した経過からいっても、地方に人事委員会を設置した経過から申しましても、やはりちょっとおかしいのじゃないか。そこで、地方の自主性に応じて、いまのような、人事院が勧告したということは正しい、民間給与とのバランスをとる意味からこのような実施時期で、このような給与のあり方が正しいのだ、こういう解釈をされる地方自治体の人事委員会があるかもしれない。全然ないということは私は言えないと思うのです。ないとすれば、財政的にこんなものはあげませんよというあなた方中央からの一つの圧力によるしかないのですが、実際問題として、地方の人事委員会がそういう民間とのバランスを考えて、正直に人事院の勧告した考え方が正しいと考えて、地方自治体がやろうという場合が万々ないとは言えない。あり得る。あっていいと思う。それが全然ないという考え方は、行政局長の考え方として私はおかしいと思う。それをあなた方がいわゆる中央から抑制をして、こういうことをやってはならないのだ、やったらおまえは財政的にめんどうを見てやらぬぞという言い方をするから、地方自治体がやむを得ずするので、地方自治体の自主性を尊重して、ほんとうに地方自治体の行政の妙味を発揮するということからすると、あるいはそういうことをやる人事委員会が全国に一つや二つあってもしかるべきであるというふうに私は考える。そういう場合がもしあったとすると、行政局として行政指導の面からそういうことをやっちゃいかぬのだというような押え方をするかせぬかということを私は聞いておる。その点はどうですか。
#28
○佐久間政府委員 人事委員会におきまして、そのような場合にいろいろお考えはあろうかとは存じますが、それにもかかわりませず、やはり地方公務員法の精神なり自治省の従来の指導の方針からいたしまして、国家公務員に準じて給与を支給すべきであるという考え方で、私どもといたしましては指導をしてまいりたいと思っております。
#29
○二宮委員 何回も繰り返すようですが、準ずるということはイコールでないということを先ほど財政局長も認めたのです。したがって、自主性を持った地方自治体は、自治省のほうで中央から抑制したりあるいは中央で統制しなければ、そういうことがあり得ると思う。私はあることのほうが正直だと思う。国のほうがずるいのであって、地方自治体がそういうことをやっても差しつかえないものだと私は考えておる。したがって、そういうことがあった場合、それに対してそれはいけないのだという指導をやったり、あるいはそれは準ずるということばに違反するのだというようなしゃくし定木的な解釈をしたり――あなた方が地方公務員の給与は国家公務員に準ずるという立場で解釈するというなら、人事院の勧告を尊重するというこの問題の国のとり方というものは私は間違ってないと思う。したがって、いずれにも法的な根拠があるわけですから、そういうことがあった場合に、やはり中央集権的にそういうものに対して押えてかかるというようなことはしないような方向でやるべきであると私は思うのですが、その点について、何回も繰り返すようですけれども、もう一ぺんお尋ねします。
#30
○佐久間政府委員 先生のおっしゃいます御趣旨も、私ども理解できないわけではございませんけれども、地方公務員の給与が、国家公務員に準じて改定がなされるべきであるという考え方は、私ども正しいものであるというふうに考えております。そこで、準ずるということは、もちろん一分一厘そのとおりだというわけではございませんけれども、その実施の時期をいつにするかということは、国家公務員と同様に考えてまいるべきであるというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。そのことは、国の財源措置にいたしましても、国の給与法の改正にいたしましても、法律ではっきりいたしておるわけでございますから、そのほかのいろいろな事情がありましても、実施の時期につきましては、その時点をもって地方公務員におきましても実施することが、準ずるというたてまえであろう、かように考えておるわけでございます。
#31
○二宮委員 その問題は堂々めぐりになりますので、この程度でとめますけれども、文部省の岩間財務課長さんにちょっとお尋ねしますが、いつもこの問題で問題になるのは、その他の教育費というのがございます。その他の教育費というはの、図書館の運営であるとか、公民館の運営であるとか、あるいは幼稚園の運営等に必要な経費をこれで見ていこう。ところが今度の増額分を見てまいりますと、これの増額というのはまことに微々たるものだ。実際の地方自治体をあなたのほうは御存じかどうかわかりませんが、幼稚園の教育というものは非常に大事なものだと考えておる。ところが、その大事な幼稚園の教育というものに対して、中央から財政的に見てやる見方が足りない面が非常に多いと思う。今度わずか三円五十銭増でございますけれども、ほかのに比較いたしますと、まことに微細なるものだと思う。そこでこのその他の教育費というものが一体どのように使われておるのか、その実態というものを文部省でおとらえになっておるかどうか、あるいはこの三円五十銭増によって幼稚園の先生方に対するベースアップの問題あるいは期末手当の問題を一体どのように処理しようとお考えになっておるのか、これで一体できるのかどうか、私は、これを非常にしゃくし定木的な上げ方で、実態とはそぐわないというように考えるのですが、その辺についてちょっと御説明を願いたい。
#32
○岩間説明員 ただいま御指摘いただきましたように、幼稚園の問題は非常に大事な問題でございますが、ただいままでに私どものほうからいろいろ自治省のほうにお願いして財源措置をいたしておりますのは、実態に比べますと、むしろ財源措置のほうはよくできておるのじゃないかというふうなことを考えておる次第でございます。と申しますのは、御承知のように、幼稚園の教員の給与は市町村の支弁でございまして、現在交付税のほうで財源措置をしていますのは、都道府県の教員並みの給与で財源措置をしていただいております。市町村のほうで支弁いたしております経費は、市町村のその他の職員との均衡から、どうしても一般の小中学校の先生よりも低いというふうな扱いを従来受けてきておるような状態でございます。その意味でございますと、財源措置のほうがむしろよくできておるということでございます。その点が、私どものほうも従来からたいへん責任を感じておるわけでございますが財源措置は十分できているにもかかわらず、実際には幼稚園の先生の給与は低いということは、私どもの非常に不満なことでございまして、これを引き上げるためにいろいろおしかりもいただいておりますし、私どもも常に努力をしてまいったような次第でございます。このたびの交付税法の一部改正でございますが、私どものほうからお願いしております給与改定分については十分財源措置ができておるというふうに考えております。
#33
○二宮委員 それは実態とあまりよく合っておらないのじゃないかと思うのですが、その他の教育費というのは、交付税の中で九十九・四円従来見ておる。それに今度の交付税の特別の措置で、わずかに三・五円ですが増額して、百二円九十銭という額にしておるわけですね。これで幼稚園の一般の先生方の給与というものが思うように上がっていくというふうにあなたはおっしゃるのですか。
#34
○山本説明員 ちょっと御説明申し上げますが、幼稚園の経費は、市町村分のその他の教育費で計算をいたしておりますので、改定前の単位費用は二百二十七円、改定後は二百三十六円、九円のアップでございます。これは人口を算定単位にして計算いたしておりますので、人口一人当たりにしました改定の額でございます。内容といたしましては、幼稚園につきましては、園長、それから先生につきまして、それぞれ月額の俸給表に当てはめました単価をきめておりますので、これが今回の人事院勧告によります新しい俸給表によりまして改定をされます分及び期末手当の増額等の分を、そのままの新しい単価にしたがいまして計算をいたしまして、その結果人口一人当たりにしますと九円という数字になっておるわけでございますので、今度のこの給与改定に伴います俸給表の切りかえによる増加額は、これによって算入されている、かように存じておるわけでございます。
#35
○二宮委員 市町村のその他の教育費二百三十六円に増額されたもの、これによって学校教育法による設置基準を持った幼稚園教育というものが十分にできておる、そういう答弁ですか。一人当たりになんぼいくというくらいのことは、これは交付税だからだれだって知っておる。幼稚園の教育の実態と、幼稚園の教員の一人の給与費の単価をあなたのほうでは十分把握しておりますか。なかなかむずかしい問題です。私立を除いて、公立の場合だけでもとって、そういうものがあるならひとつ示してください。私は、そういう問題は、地方の実態をよく見てきておるんだけれども、小学校をやめた先生が、給与をうんと下げられて幼稚園にいくとか、非常に低い給与でもって雇われていって幼稚園の教育をやっておる。しかも文部省では、幼稚園の設置基準というものをはっきり示しておる。しかしそれらが実際のところ、なかなか行なわれておらないというのが実情ではないかと私は考えております。交付税課長、その他の教育費というのがそっくりそのまま幼稚園にいくのではないでしょう。それは公民館や図書館運営その他の社会教育法の中で示された単価もこの中に入っておるはずです。あなたのほうでそれで十分だということであれば、私は答弁をそのまま了承するわけにまいりませんから、はっきり私のほうで資料をとって、もう一ぺん質問いたしますけれども、これが不十分なものだと私は考える。従来の幼稚園教育というものを見て、実態を知っておる考え方からしますと不十分だと思います。それでなお十分であるというなら、どれくらいの給与単価になって、どれくらい上げて、どれくらいになるという実例を示しなさい。そうすれば了承する。
#36
○柴田政府委員 幼稚園費につきましては、単位費用の積算基礎におきましては、人口十万の都市で大体四つの幼稚園、そしてその中ではそれぞれ必要な教員の配置をいたしておりまして、その教員の俸給につきましては、交付税の計算上は、先生御指摘のとおり、国家公務員による俸給表を使って計算しておるわけでございます。したがって、交付税の計算の基礎におきましては、一応人口十万くらいの都市で四つくらいの幼稚園を置いて、スムーズに運営していける程度のことはしてある。それが十分かどうかという問題は、御指摘のように実際問題としてはいろいろ問題はございます。現に十万以下の都市につきましてはやはり補正係数がかかってまいりますから、それ以下の幼稚園しか置けないといったような問題が起こってくるかもしれません。またそれを越す場合におきましても、保育所の関係において幼稚園をどう見るかといったような問題もあるわけでございまして、実際問題につきましてはいろいろ問題があろうかと思います。私どもといたしまして現在幼稚園の関係を、その他の教育費で見ておりますこの見方というものが、実態にぴしゃっと合ったものだというふうには、われわれといたしましては必ずしも考えてはおりません。おりませんけれども、大体人口十万の都市を中心にして考えました場合におきましては、この程度の単位費用の組み方はそう無理なものではない、なお研究する余地はございますけれども、現在においてはさように考えておる次第でございます。
#37
○二宮委員 これで終わりますけれども、岩間さんにも申し上げておきますが、人口十万に四つの幼稚園などという考え方自体が実態にそぐわない。同時にこれは、私立の幼稚園が非常にたくさんできておる状態の場合には、そういうことでいいかもしれない。東京などはそれでいいかもしれません。しかし地方の都市で、幼稚園の教育が大事であって、十万の人口に四つの幼稚園などということを考えたら笑われますよ。そういうことでは非常に高い費用のかかる私立のものにやらなければならぬ状態になってきて、一般の人の負担が非常にふえてくる。私は、文部省は幼稚園教育に対する考え方を変えなければいかぬ、もう少し重要に考えていくべきだと思うのですけれども、文部省自体がそれで事足りるなどという弱腰ではだめです。自治省もひとつ――十万人に四ヶ所という文部省の設置基準は実態にそぐわない。地方の都市に行ってみなさい。そういうものじゃない。そういうことをよく考えて、もう少し幼稚園教育をしっかり考えるような立場で財政措置なり規模なり基準なりをきめていかなければ、私は問題があると思うのです。
 これ以上質問する時間がありませんから質問いたしませんが、そういう点を要望いたしておきます。
#38
○森田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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