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1963/12/13 第45回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第045回国会 大蔵委員会 第2号
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1963/12/13 第45回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第045回国会 大蔵委員会 第2号

#1
第045回国会 大蔵委員会 第2号
昭和三十八年十二月十三日(金曜日)
   午前十時四十分開議
 出席委員
   委員長 山中 貞則君
   理事 臼井 莊一君 理事 原田  憲君
   理事 藤井 勝志君 理事 坊  秀男君
   理事 吉田 重延君 理事 有馬 輝武君
   理事 平岡忠次郎君 理事 堀  昌雄君
      天野 公義君    伊東 正義君
      岩動 道行君    大泉 寛三君
      奥野 誠亮君    押谷 富三君
      木村 剛輔君    小山 省二君
      砂田 重民君    渡辺美智雄君
      落合 寛勝君    金丸 徳重君
      田原 春次君    芳賀  貢君
      横山 利秋君    春日 一幸君
      竹本 孫一君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  纐纈 彌三君
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      相沢 英之君
        大蔵事務官
        (主税局長)  泉 美之松君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  高橋 俊英君
        農林政務次官  丹羽 兵助君
        農林事務官
        (園芸局長)  酒折 武弘君
        食糧庁長官   斎藤  誠君
 委員外の出席者
        議    員  有馬 輝武君
        大蔵事務官
        (大臣官房財務
        調査官)    森鼻 武芳君
        大蔵事務官
        (主税局税制第
        二課長)    川村博太郎君
        大蔵事務官
        (銀行局特別金
        融課長)    新保 実生君
        国税局次長  喜多村健三君
        農林事務官
        (食糧庁業務第
        二部長)    中島 清明君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
十二月十三日
 砂糖消費税法を廃止する法律案(有
 馬輝武君外八名提出、衆法第三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農業共済再保険特別会計の歳入不足
 をうめるための一般会計からの繰入
 金に関する法律案(内閣提出第七
 号)
 砂糖消費税法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第八号)
 砂糖消費税法を廃止する法律案(有
 馬輝武君外八名提出、衆法第三号)
 税制に関する件
 金融に関する件
     ――――◇―――――
#2
○山中委員長 これより会議を開きます。
 今般大蔵政務次官に就任されました纐纈彌三君より発言を求められております。この際、これを許します。纐纈彌三君。
#3
○纐纈政府委員 第三次池田内閣の成立に伴いまして、私重ねて大蔵政務次官を拝命いたしました。まことに不敏な者でございますが、将来よろしくお願いいたします。
     ――――◇―――――
#4
○山中委員長 農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案及び砂糖消費税法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
#5
○山中委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。大蔵政務次官纐纈彌三君。
#6
○纐纈政府委員 ただいま議題となりました農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案外一法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 まず農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案につきまして御説明申し上げます。
 昭和三十八年度におきましては、長雨等により麦の被害が異常に発生したことにより、農業共済再保険特別会計の農業勘定における再保険金の支払いが増加し、多額の財源不足を生ずることが予想されますので、その不足を埋めるため、昭和三十八年度において、八十八億一千万円を限り、一般会計からこの会計の農業勘定に繰り入れることができることとしようとするものであります。
 なお、この繰り入れ金につきましては、将来、この会計の農業勘定において決算上の剰余を生じた場合には、再保険金支払基金勘定に繰り入れるべき金額を除き、残額を一般会計に繰り戻さなければならないことといたしておるのであります。
 次に、砂糖消費税法の一部を改正する法律案につきまして、御説明いたします。
 この法律案は、最近の国際糖価の高騰に伴い、国内糖価も相当な値上りを示しておりますので、これが消費者の家計に及ぼす影響をできるだけ少なくするため、砂糖消費税の税率を精製糖について一キログラム当たり五円、再製糖及び黒糖についてそれぞれ四円引き下げ、その他の砂糖類についてもこれに準じて税率の引き下げを行なわんとするものであります。
 以上が農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案外一法律案提案の理由であります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願いいたします。
     ――――◇―――――
#7
○山中委員長 おはかりいたします。
 この際、本日付託になりました有馬輝武君外八名提出の砂糖消費税法を廃止する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○山中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 有馬輝武君外八名提出の砂糖消費税法を廃止する法律案を議題といたします。
#9
○山中委員長 提出者より提案理由の説明を聴取いたします。有馬輝武君。
#10
○有馬委員 ただいま議題となりました砂糖消費税法を廃止する法律案について、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 最近の原糖の国際価格の騰貴と相まって、砂糖消費者価格の上昇は著しいものがあり、白糖袋詰めキロ当たり百九十円程度にもはね上がり、国民生活を圧迫いたしております現状は無視できないものがあります。そこで政府としては当然すみやかに砂糖消費者価格を値下げし、消費者の負担を軽減するための適切な措置を講ずべきであります。
 申すまでもなく、国際的に見ましても異常に高い砂糖消費価格をもたらしているものは、わが国における砂糖に対する課税が高率に過ぎる点に大きな原因があることは明らかであります。
 そこで、この際、特に大衆生活必需物資に対しましては課税しない、という原則に立って、当面の砂糖小売り価格の上昇に苦しむ大衆生活の安定のため、砂糖消費税は撤廃すべきであると存ずるものであります。これが本法律案を提出する理由であります。
 次に、その内容の概要を御説明いたします。
 本法律案は、砂糖消費税法、昭和三十年法律第三十八号を廃止することを骨子といたしております。また、この法律は、公布の日から施行いたすことといたしております。したがって、砂糖消費税法の廃止に伴いまして、所要の経過措置を講ずる等の改正を行なうことといたしております。
 以上が本法律案の提案理由並びに内容の概要であります。何とぞ御審議の上すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#11
○山中委員長 これにて提案理由の説明は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#12
○山中委員長 次に、税制及び金融に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
#13
○堀委員 少し専門的な問題でありますからお答えは銀行局長でけっこうです。
 最初にお伺いをいたしますけれども、最近の手形交換における不渡りの実情をちょっとお伺いいたしたいと思います。
#14
○高橋政府委員 いま手元にちょっとその資料を持っておりませんので、すぐ調べてお答えいたします。――十月の数字までしかございませんが、率で申しまして〇・九二ということになっておりますが、これは最近の趨勢から見ますと、本年の四月ごろにも〇・九三というふうな数字がございまして、その後の推移を見ますと、〇・八三、〇・六四、〇・九〇、〇・八三、〇・九一、〇・九二というようなことでございますから、ここにきて特に非常に高くなったという率ではございません。
#15
○堀委員 きょうは十二月の十三日ですから、十一月の資料は当然ありますね。
#16
○高橋政府委員 大体この統計というものは少しおくれがございます。われわれのほうで毎月つくっておるわけでありますけれども、そういう資料の中でいまあるのは十月ですが、おそらくもう十一月のもわかっているだろうと思います。まだちょっと手元にございません。
#17
○堀委員 そうすると、十月のこの〇・九二というのは全国ですか、東京ですか。
#18
○高橋政府委員 東京手形交換所調べであります。
#19
○堀委員 この〇・九二というのは件数ではどういうことで、大体資本金別に見るとどの程度のところに集中しておるか。
#20
○高橋政府委員 交換の枚数を申しますと、十月の場合には八百八十四万二千枚、それに対しまして八万一千十七件というのが不渡りの枚数でございますが、その中で不渡りがどういう構成になっておるかという点は調査されておりません。
#21
○堀委員 手形交換が不渡りになるということが、現在の企業の全体の動きに非常にはっきり私はあらわれていると思うので、件数さえわかっていたらいいというのでは、それは何となく手形交換が不渡りになっておるということがわかるだけで、不渡りがどういうところにどういう形で出ておるか、私に言わせるならば、単にそれが資本金別ということではなくて、少なくとも業種別な分析がされておるくらいでなければ――あなた方金融の責任者として、一体金がどこでどういうかっこうで不十分になってその不渡りが起こっておるか、それは一体何によっておるかというようなことは、一応分析される必要はないんでしょうかね。どうでしょうか。
#22
○高橋政府委員 まことに必要という点からいいますと、そういう調査をしておくことが適当かと思いますが、われわれとかく率が著しく変化いたしますとなんですが、去年のたとえば十月でも、この割合は件数において今年の〇・九二を上回った〇・九九だったわけです。ですから特に率において大きな変化がない。金額のほうからの比率で見ましても、昨年が〇・二〇%、今年が〇・二一%、大して大きな変化も認められませんので、そこまで突っ込んだ調査をしておりません。しかしお説のようにどういう産業、どういう企業か、業種別にでも調査しておいたほうが、われわれとしてもいいかと思いますので、今後そういうふうに調査いたします。
#23
○堀委員 何か変化があったら調査をするということでは、私はやはり行政担当者として不十分だと思うんですね。われわれは日本経済というものの現状が、常にどういう形であるかということを十分知っておらなければ、政策の立案にもならないしするわけですから。今後銀行局長はやろうとおっしゃることですから、これ以上申し上げませんけれども、それを毎月とっていただくと、同じ〇・九でずっといっておりましても、その中には業種別な変化があらわれる場合もあるであろうし、規模別の変化が起きる場合もあるであろうし、なぜこういうことが起きておるかということは、日本経済の一つのしわの寄った一番弱い環がここであらわれておるわけですから、その点はひとつ十分――今後手形交換不渡りの問題というものは、金融政策上については大きな比重があると思いますので、ひとつあわせて、もし調査が可能ならばこれらの不渡りを出したものの中から――これは八万からあるものを全部調べるわけにいきませんから、ひとつサンプル抽出でもして、適時その不渡りが起こってきた原因等についても調査をされるならば、それが税金の過重な取り立てによるものであるのか、あるいは資金繰りが悪いのか、経営のまずさがあるのか、あるいは親企業のほうがしわを寄せてきたために起きたのか、中小企業問題の中のいろいろな問題が私はこの中から拾い出すことができるのではないかという感じがしますから、そういう意味で、これは単に銀行局にとどまらず……。
#24
○春日委員 関連。その不渡りの理由について調査されておりませんか、調査されておりますか、これを明確に願います。
#25
○高橋政府委員 厳格な意味での調査はしておりません。しかし不渡りが漸次件数をしては若干ずつふえておりますが、率としてそう変化していない。そこでこういう傾向につきましては、金融機関その他の方面からよく話は承っております。それによりますと、きわめて最近の事情によるのではないのだ、三年、四年、非常な高度成長の間に一般に背伸びをした、これは販売業といわず、製造業といわず、少し業容を広げ過ぎたとか、そういうことで資金繰りに無理をしながらもやってきたというのが、ここに来て破綻を来たしたのだ。急に金詰まりになって倒産するという性質のものはあまりないという、ここへ来て特に金融全般がこれから先について引き締めの態勢に入りますけれども、むしろ本年中はどちらかといえば銀行は貸し過ぎをしておるといわれるくらいで、全体は金融緩和の基調にあったとさえいえるわけですから、いわゆる引き締めのしわ寄せでこういう倒産といいますか、不渡りがふえるというものじゃない、もっと原因はさかのぼって考えてみなければいかぬ、そういうケースが多いということであります。
#26
○春日委員 いまの問題は非常に重要な問題だと思うのです。というのは、この間本会議における総理の答弁は、これはあなたお聞きになっておったと思うのだが、それらの不渡りについて重大問題と考えて、その一件々々について詳しく精査した結果、その不渡りの理由というものはそれら当事者の悪い思惑によるものである、こういうことを本会議で明確に答弁されておる。しかしながら不渡りの原因というものは、日本経済のさまざまな構造あるいは大企業から来たる支払いの遅延とか、あるいは全般的な金融梗塞のしわ寄せとか、いろいろな問題があると思う。しかし総理の本会議の答弁は、当事者たちの悪い思惑によるものである、こういうぐあいに断定的に答弁されておる。その総理の答弁は、そこにある速記録によって御調査になれば明確だと思うのですが、そうするといま銀行局長の答弁と違うのですね。あなたは総括的にこれは調査してないと言っている、業種もわかっていない、ただ銀行から聞いたところによると、これは三年前からいろいろな無理な資金繰りをしてきたということであって、無理な資金繰りということがその悪い思惑の中の一つに入るかどうか、これは別問題としまして、そのものずばりとは違うのですね。悪い思惑というのは一つのスペキュレーションということになるんですよ。結局資金が潤沢でないので、いろいろと無理算段をしてきたというのが無理な資金繰りであって、思惑ということとは全然違うのですね。投機的な見込みの商売をやったことによって破綻を招いておる、そういうことであって、総理の答弁と銀行局長の答弁と全然違うが、これは一体どちらがほんとうなのか、当事者から明確な御答弁を願いたい。
#27
○高橋政府委員 総理が思惑によるものだと言われたのは、そういう全部がいわゆるスペキュレーションだ、こういった意味ではなく、それは単純に思惑ということばからいえばそういうことになりますけれども、私はやはり自分の実力不相応な設備をしたとか、不相応な業容の拡大をした、そういう点に計画性がないといいますか、そういった企業がここに来て無理がたたって結局不渡りを出す始末になった、こういう趣旨であろうと私は思います。ことばの使い方の問題ですから、その点非常に広い意味での思惑、計画性のない、やや欲ばった考え方とか、そういったことを言っておられるのだろうと私は思います。大した食い違いはないんじゃないかと思います。
#28
○春日委員 それは全然了解できません、あとで質問します。
#29
○堀委員 要するに、いまの行政が、銀行から聞いたらと、こういういま銀行局長の話なんですが、私は銀行から聞いて真実はわからぬと思うのです。あなたの言い方をするなら、銀行は金を貸しているんでしょう、いいですか。金を貸すときに、あなたこの計画は無理がありますよというのなら、貸さなければいい。ところが、貸すときには無責任に、銀行のほうは借りるなら担保さえあればいいだろうということでどんどん貸しておいて、そして全体のいろんなしわが寄ってきたときにはもうだめだ。逆にいえば、引き揚げぎみになってくる。そこで手詰まりが起きて、不渡りが出る。不渡りなんというものは、金を借りてないところに起きっこないですから、金を借りているという一つの証拠なんですから、裏返して言うならば、銀行側がしくじった結果不渡りが起きたということ。そのしくじりを本人があなた方に、要するに、企業のほうをよく言って、自分たちのほうを悪く言ったりするはずはないですから、やはり公正な状態は企業の側も調べてみなければならぬ。なぜあなたのところは不渡りになったんですかという原因をはっきり出さない限りは、銀行から聞いたらこうですなんということは、これはちょっと銀行局長としてはいかがかと私は思う。だから銀行局は、何も銀行の味方をするためにあるのじゃなくて、正常な金融について預金者保護及び貸し出しその他の適正な指導を行なうためにあるのだから、そういう意味でより客観的な調査を行なうということを、ひとつ約束してもらいたい。どうでしょうか。
#30
○高橋政府委員 その不渡りの原因等に関する調査を、金融機関を通じない別の方法でとおっしゃるのでしょうけれども、非常に困難なことがあると思います。というのは、非常に件数が多い、このうちから私どもがサンプル的な調査をしようといたしましても、相手は何しろ不渡りを出してしまっているところで、そういうものに対して私どもが、これは銀行に関しては監督権はございますけれども、民間の一般企業に対して調査することはきわめて困難なことでございます。困難なことでございますが、何か手段を考えまして、企業の側の言い分による理由ですね、いま堀先生がおっしゃったのは、銀行は貸すときにはちゃんと見込みがあると思って貸したんだろう、そしてそれが実際の結果は、逆になると業者のほうに責任を押しつけるのはけしからぬというお話なんですが、しかし経済、金融の動きは、当事者間でも予測できないことがまま生ずる。つまり非常に信用しておって大丈夫だと思っていた問屋がつぶれてしまうこともあるわけなんです。それのとばっちりを受けて被害をこうむって自分も不渡りになる。こういうような連鎖反応的なことはしばしばございますし、それから製造業その他でも、非常に有利な事業だろうと思って始めたところが、その後同業者が似たようなものが非常にふえたために、製品価格が思わざる下落をして、あるいは過剰在庫をかかえて、それがさばけないうちに不渡りを出してしまう、こういうケースもあろうかと思います。当事者たちでさえもなかなか予測できないことがありまして、銀行やその他金融機関は全部まるがかえにしている場合はわりと少ないわけです。そういう例もございますけれども、自分のところで金を貸しているのじゃない、他からも融資を受けているケースも非常に多いんじゃないかと思います。そういう点から申しまして、毎日毎日追いかけていればいいのですが、そこまで業態の調査を徹底することは困難が伴ないますので、やはり先見の明がないといえばそれまでですけれども、不渡りを出さなければならないような結果も生ずるんだと思います。
#31
○堀委員 いや、私は銀行が悪いと言っているのじゃないのですよ。ただあなた方が不渡りの原因を銀行からだけ聞いたのでは一方的だということを言っているわけですよ。だからそうではなくて、より客観的に調べるためには、私がさっき言ったように、サンプルでいいから、 一つ不渡りを出したから、その会社はもうつぶれて永久にないかというと、これは何らかの形で復活するものが多いのですから、そうすればそういうところに対して、何が不渡りを出すような原因になったかということを調査をすることは、私はそんなに困難ではないと思います。私は、かつて都民銀行の工藤さんに話を聞いたときに、先生もっとそういう点はしっかりやってもらいたい。実は企業の側は銀行からいろいろな形で無理難題をやられる。工藤さんの話は、都民銀行だから大きな銀行の話でしょうが、大企業のほうからひどいしわ寄せを受ける。しかし、それに対して何かの反対の問題を提起したならば、企業の側としては今後シャットアウトされる。銀行の側もシャットアウトされるということになるから、企業側としては、そういういろいろな大きなほうからのしわ寄せを泣き泣き黙ってやっているのが非常に多いのですという話を工藤さんから聞いたことがあるが、私も全くもっともだろうと思う。そういう意味で、支払い代金遅延防止法というようなものがあっても、依然として百五十日とか二百日という手形が出たりするわけです。だからそういう事実をやはり考えて、中小企業をそういう角度で守ってやるという姿勢がないから私はこれまでこういう調査がされていないんだと思う。だから、私はこれから年末金融の問題に触れるための序論として、一体中小企業に対する銀行局の関心はどの程度か最初に伺ってみたら、この程度だということがきわめて明らかになったのです。だから、この程度ではよろしくないというふうに私は思いますけれども、政務次官どうですか。こんな認識程度でいいでしょうか。
#32
○纐纈政府委員 私といたしましても、堀委員のおっしゃることにも理由はあると思いますが、役所といたしましても先生のおっしゃるようなふうにまでは十分にいかぬと思いますが、しかし、今後できるだけの調査をして先生の御意見に沿うようにすべきであろうというふうに考えております。
#33
○堀委員 要するに私が申し上げたいのは、やはり日本の場合には、すべての問題が、ややもすれば大企業向けには非常に簡単に話が処理されるものですから、その一番しやすい方向では処理をされやすい。ところが、非常に多い中小企業、というより小零細企業の問題だろうと思いますけれども、そのほうは手間もかかるし複雑だし、いろいろあるために、ややもすればこれが忘れられがちになっておる。大企業のほうはほうっておいても何とかいけるので、もう少し本来の目を中小企業のこまかい実情の分析の調査に置かなければ、日本の全体の経済の発展というものは日本の零細中小企業を除いてはないわけですから、やはりこれが下でささえておるから大企業といえども大幅に発展ができる、ところが、大企業のほうもいろいろな下請代金その他を値切って、つまり日本の場合には、これらの小さな企業がときによっては金融機関を代行し、ときによっては逆に緩衝地帯として利用されて、ここらが不渡りを出すことによって大きなところが守られていくというような場合がきわめて多いわけですから、ここらは十分配慮していただきたいと思います。
 時間がありませんから本論に入りますけれども、そこでお伺いをいたしたいのは、最近の銀行の中小企業向け貸し出しです。全体の貸し出しの中に占める中小企業向けの貸し出しの率の変化を第ニクォーター、第三クォーターの半分くらいまでわかるでしょうから、それを伺いたいと思います。
#34
○高橋政府委員 中小企業の貸し出しの割合は、従来の資本金一千万円というのが今度五千万円に変わってまいりました。第二・四半期の数字を申しますと、旧来の方式による分は二六・八%、新しい分類によったものが三二・四%、これは全国銀行の中小企業向け貸し出しでございます。中小企業専門機関の分はほとんどが中小企業向けでございますから別で、銀行の分がそうなっております。
#35
○堀委員 それじゃ昨年の第ニクォーターはどうでしょうか。
#36
○高橋政府委員 三十七年の第ニクォーターの場合には、旧分類による分が二九・一%でございます。ただしこれは御承知でございましょうが、一千万円以下の資本金、使用人三百人というワクもあるわけですけれども、資本金のほうから申しますと、このところ割合に中小企業においても資本金を増加するものがかなり多いのでございます。ですから資本金だけの分類で言えば、従来は一千万円以下のものに入っていたのがその上の段階に移行する、そういうことによって年々中小企業向け貸し出しの比率としては下がってきたような形をとる分もあるというふうに御理解願いたい。これは法人統計を見ましても、資本金の大きいほうの欄の企業数が毎年相当ふえております。そういう事情から、比較的大型の中小企業が、つまり大企業の分類に移行していくのだという事情もありますので、従来の分類方式によりましても、新しいものによりましても、ただこの数字の上の変化だけで実質を判断するのにはちょっと早計だというような感じがいたします。
#37
○堀委員 それでは伺いますが、昭和三十七年の第ニクォーターにおいて、目本の全企業数の中における資本金一千万円以下、従業員三百人以下の企業のウエート、それから、ことしの第ニクォーターの企業のウエートをちょっと言ってください。あなたのいまの、それがはっきりしなければ、あるかもしれないというだけでは根拠にならない。言ってください。
#38
○高橋政府委員 いまこの統計に伴って企業数を同時に調査することはとても不可能でございます。これは法人統計のほうを見なければいけないわけですが、その数字をたまたま私いま持っておりません。しかし確かに一千万円以上の企業数がふえておるという事実はございます。これは私実はつい二、三日前まで自分で持っておったのでありますが、法人統計にあらわれる一千万円以下あるいは五百万円以下の企業数は四十何万だったと思います。その上のほうは非常に少ないのですが、各段階別に見まして、いずれも一千万円以上のところはふえているというふうに記憶しております。
#39
○堀委員 法人企業統計速報は本年度いつまで出ておりますか。
#40
○高橋政府委員 速報じゃありません。季報は三月まで……。
#41
○堀委員 ことしの三月までしか出ていない、本年度のはどうやってわかるのですか。ことしの第ニクォーターの、いまのはどうやってわかるのですか。ふえているとか減っているとか言っていますが、統計がないじゃないですか。どうしてわかりますか。
#42
○高橋政府委員 ですから昨年の九月の数字はわかるわけであります。それから本年の三月の数字もわかります。ですから半年でございますので、それ以前からの毎期の傾向は季報をずっとうしろにたどれば出ているわけです。
#43
○堀委員 ちょっと議論がこまかくて申しわけないのですけれども、これだけで見れば要するに一千万円以下のものが二九・四%、昨年融資を受けていたのが二六・八%と、現在すでに二・六%下がっておる、これは間違いないわけです。それからいま銀行局長は一千万円くらいのところが二千万円になったとおっしゃいましたが、そういう場合もあるでしょう。しかし同時に五百万円のところが一千万円になり、三百万円が五百万円になり、全体としていまの日本の経済成長がある以上、これはトレンドとして発展の方向にいくのはあたりまえのことです。そうするといまの問題は上がずれたら残っておるほうは減らしていいということには私はならないと思うのです。だから待っていますから、ひとつ法人企業統計季報で、昨年の九月とことしの三月でいいから、企業数だけでも一千万円以下三百人以下の企業数は幾らなのか、企業数のウエートだけ調べてください。それでなければ全体がずれているなんということはあたりまえです。経済が発展しているときに逆になったらおかしい、当然のことなんだけれども、ここで二・六%下がってきておるというのは問題がある。私、これはパーセントで聞きましたから、金額で一ぺん言ってもらいましょう。昨年の二九・四%というものは貸し出し金額で幾らだったか、二六・八%というものは金額で幾らなのか、実額で言って下さい。
#44
○高橋政府委員 昨年九月の全国銀行の中小企業向け貸し出し額は、月末残高で申しまして三兆一千百二十二億円でございます。本年の九月末のそれは、三兆六千三百四十一億、こういうふうになります。
#45
○堀委員 ただ月末の残高を並べてみただけではちょっとはっきりしないのですが、純増分か何かで見ないと、これだけでは比較のしようがない。それでは第一クォーターと第ニクォーターの純増分でいきましょう。
#46
○高橋政府委員 四―六の場合は、中小企業向け貸し出しの総貸し出しに対する増加額の比率は一七・六%、第二四半期、これは二四・六%でございます。
#47
○堀委員 これは三十八年ですか。
#48
○高橋政府委員 そうです。
#49
○堀委員 三十七年は。
#50
○高橋政府委員 三十七年の第一四半期の増加額の比率は二二・一%で、第二四半期は二五・四%でございます。
#51
○堀委員 それでは、三十七年のニクォーターが二九・四%だったのですが、一クォーターは何パーセントですか。
#52
○高橋政府委員 ちょっと、たいへん失礼を申しました。第一クォーターと第ニクォーターを一つずれて申し上げまして失礼いたしました。昨年の四―六、つまり第一四半期でございますが、そのときの増加額の比率はわずかに〇・五%、それから第二四半期が二二・一%で、先ほど申しました二五・四%というものは第三四半期でございます。
#53
○堀委員 私もおかしいと思ったのです。だからいまもう一ぺんちょっと聞き直したんだが、昨年の傾向から見れば、第ニクォーターに対して非常な伸びがあるわけです。中小企業向けは非常に伸びておる。第三クォーターのところではあまり伸びなかったが、ここで非常に伸びておる。ところが今年度の場合に比べたらあまり全体として伸びていない。これは本年度は非常に貸し出しが増加をしておるけれども、その中身の中小企業向け貸し出しというものが、全体として非常にウエートが下がりつつあるということは、これらの資料を見れば明らかだと思いますが、どうですか銀行局長。そういう精密なことは私ももうちょっと調べてからでなければ言えないが、大体の傾向として、これだけ見ればややことしのほうが不十分だという感じはしませんか。
#54
○高橋政府委員 数字のことだけで申しますと、昨年の四―六月の〇・五に対しまして、今年は一七・六であり、それから第二四半期の二二・一に対しまして二四・六でございますから、同期で比較いたしますれば、今年のほうが中小企業によけい出ておると考えてよろしいんじゃないかと思いますし、また、一般に銀行筋から聞くところによりましても、最近では中小企業向けの貸し出しがかなり忙しいといいますか、需要も強い。そういうことで全体の貸し出しが伸びている一因にもなっているというふうに見ておるわけであります。
#55
○堀委員 おかしいですね。伸びていると言ったって、昨年の第三クォーターの二九・四%のウエートが、ことしは二六・八%で、下がっている。ふえているというのはどういうことですか。さっき私が伸び方の純増分のことを言ったのは、要するにうしろへくるほど、大体実際は金が要るという傾向になりますよ。だからその伸び方が〇・五というのはどういう原因であったか、もうちょっとこまかい事情を聞かなければわかりませんけれども、その前が伸びているのかもしれない。非常にその前が伸びていたから、そこで横ばいになって不足になったからまた上がった、こういうことかもしれません。しれないけれども、ともかくも全体のウエートが下がっておるということは、企業の中身の問題はあとに残すにしても、資金量として出ているのは減ったということは間違いないのですからね。出ているのは減っている。貸し出し額は減っているのに、去年よりいいのですということになるのには、何か特別な理由があるでしょう。それを説明するに足る理由は、いまの話じゃ私は納得できないのです。
#56
○高橋政府委員 率で申しますと、なるほど昨年の九月が残高では二九であった。それが減っておるのだから、増加しておるというのはおかしいじゃないかというお話ですが、毎期の増加率は残高の率よりは大体低い数字になってきているわけです。二九%が、たとえばその期間において二二くらいの増加率を続ければ、だんだんに残高の比率は下がってくるわけでございますね。私が、昨年に比べてことしのほうが幾分よけい出ているのじゃないかと言いますのは、この増加額の中に占める中小企業向けの増加額は、その比率としては前年同期と今年とを比べた場合に、上期においては確かに率は上がってきております、こういうことを申し上げたのであります。
#57
○堀委員 もう一ぺん聞きますけれども、さっきの一七・六とか二四・六というのは一千万円以下ですか、五千万円以下ですか、どっちですか。
#58
○高橋政府委員  一千万円以下です。
#59
○堀委員 もうちょっと論議しなければなりませんが、時間がありませんから先へ進みますけれども、私は、最近の貸し出しの実情というものは、実際はやはりそんなに中小企業に十分いっているとは思わないのです。もしほんとうに十分にいっているのなら、裏返していえば、不渡りがもっと減ってきてもいいと思うのですが、ちっとも減っていないのです。少しふえぎみです。だから私はそれほど十分にいっているとは思わない。これから年末になると、いろいろなもののしわがここに一ぺんに寄ってきますから――年末というものは、日本の場合は特殊事情があって、決済の切れ目のようなかっこうになっておりますから、そこでこれについてはわれわれは非常に重大な関心があるわけです。いま国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金が年末を控えて資金のための増額要求が出ていると思いますが、これは一体幾ら出ていますか。各公庫別に……。
#60
○高橋政府委員 国民公庫、中小公庫、商工中金につきましては、十月に年末のための追加要求が出まして、それにこれは十二月になってきまったんじゃおそうございますから、すでに追加を決定しているわけでございます。貸し付けのワクといたしましては、全体の需要の伸び等から見れば、大体前年同期比で一五%程度であろうと思いますが、それに対しまして貸し出しのワクをこの三機関だけで四百億広げたわけでございます。その結果、前年の実績に比べますと、大体二〇%あるいは普通貸し付けだけについて言いますならば、それを上回る程度の貸し出しワクになっているというふうに思います。最近のところは、あらためてこの段階において増額を言ってきておるわけではございません。
#61
○堀委員 十月の段階でいいですが、ワクの増加要求は幾らだったですか。そしてあなたのほうの決定したのは幾らですか。各行別にちょっと言ってください。
#62
○高橋政府委員 要求はいつも決定を上回っておるわけでございます。予算で要求の場合もそうですが、全体ではこの三機関で財投の貸し付けを五百五十億から六百億ふやしてもらいたいというふうなものであったと記憶いたしますが、機関別に幾らであったか――調べればわかりますけれども、ちょっと手元に数字がありませんが、大体いつもそのようなことになるわけでございます。要求というものをそのまままるのみにするということはほとんどないわけです。五、六百億の財投追加というのに対しまして、貸し付けワク四百億を追加して、別に中小企業向けの買いオペレーションを二百五十億を実施した、これが今回の政府関係の年末対策と申しますか、下期の分としてこれだけを追加しようということになったわけでございます。
#63
○堀委員 政府関係三公庫が十月に要求したワクはわかつているでしょう。いまちょっとわからないというのはちょっとひど過ぎないですか。言いたくないのですか。言いたくないのなら言いたくないと言ったらいいんですよ。わかっているはずだ。
#64
○高橋政府委員 当然わかっておるわけでございまして、別に言いたくないのではないのでございますが、いまそのときの書類を探しておりますので、どうしても御必要というのであれば、数字は申し上げてさしつかえありません。
#65
○新保説明員 実は年末追加のワクはできるだけ早く決定したほうが、三機関それぞれ全国に何百という代理所を持っておりますので、例年に比べまして手早く決定しようじゃないか、こういうことで、通産省あるいは三機関と話し合いを始めたわけでございます。要求というのも、これは財投の要求でございますので、予算で要求のような正式の書類が出ておるわけではございません。しかしこれにございますような、こういう形の――非常に形式としては普通の予算手続をふまないわけでございます。そういう資料は出ておりますし、また数字もここに書いてあるわけでございます。ただその話し合いの過程におきまして、金融情勢というものはいろいろ変わってまいりますし、それからなるべく新しい時点でのデータを基礎にして、たとえば申し込みの状況とか、そういうものも変わってまいりますので、そういうもので話し合いを進めていくわけでございまして、したがって当初たしか三機関合わせて五百七十五億ぐらいの数字だったと思うのでございますけれども、だんだん話し合いをしておる過程で、いやこの辺はちょっとダブリがあるようだとかいうようなことで、その数字自体が変わってまいるわけでございまして、そういう意味で三機関がどういうふうに変わっていったか、ちょっといま手元に資料がございませんので、必要があればまた後刻申し上げたいと思います。
#66
○堀委員 それではあしたも委員会がありますから、あしたきょうお答えできなかった問題を少し詳しくお聞きしたいと思いま,す。何月何日のときには幾らの要求だった。何月何日にはそれが幾らになって、最終的には要求が幾らになつたか。おそらく要求はあなた方の決定した額と同じものにはならなかったと思う、要求とあなた方の決定した額との間には差があると思います。その問題は最終的に残っておると思います。
 そこでこれは明日の委員会になってでは間に合いませんから、ちょっと委員長にお願いをしたいのですが、ここまできますと、私はこの問題については決議をする前に三公庫から現在における事情を聞かないことには、問題が残っているという感じがしますので、きょうは無理ですから、あしたひとつ三公庫から簡単にこの年末金融の現段階における情勢をちょっと聞けるようなお取り計らいを願いたいということだけをちょっと申し添えておいて……。
#67
○山中委員長 あとで理事会で相談します。
#68
○堀委員 そこで、いまあなた方の判断としては、最初そういうことでいろいろ詰めてきて、財投で四百億、オペレーションで二百五十億ということで、一応これは年末以前は予想しなかったものをプラス・アルファしてこの際に足したということに理解をします。そういうことで現状はこれで十分だと判断をしておるか、これがどうなるかは、今度は十二月の手形交換の実績で、またどうせ通常国会でやりますから、今度はあなたのほうの言うように十二月の手形交換の実績はこまかく分析して出してもらいます。それが一点。
 それから国税庁のほうには、十二月における各種のそういう税金の取り立ての関係によっていろいろ滞納その他がいろいろな関係で起こってくる問題もありましょうから、それはどういうことで起きたかということを含めて、今度は通常国会で、年末金融はこれまではやりっぱなしで済んでおりましたが、私が取り上げた以上はきちんと縮めくくりをつけさしてもらいますからね。そこで、こまかい十二月の手形交換の実績と各種の税の関係の実績を土台にして、この年末金融は、中小企業向けはこれでよかったのかどうかということを私は点検をします。そこで現状においてあなたは十分であるかどうかということをまずここで伺っておきたい。
#69
○高橋政府委員 この年末の金融につきましては、政府関係機関もむろんこういう増額をいたしましたが、民間の金融機関におきましても昨年に比べればかなりの増額をはかり、中小企業向けの年末金融といたしまして、全国銀行は三千億円、相互銀行が千六百八億円、信用金庫二千億円、合計六千六百八億円というものを貸し出し増のめどとする、こういうことでございまして、むろんこの中の全国銀行はたいへんな増加率になります。昨年の実績千八百四十二億に対しまして非常に大きな増加率になっておりますのは、むろん中小企業の範囲が五千万円になったということもからんでおると思いますが、実に昨年の実績に対しては六〇%以上のワクの拡大になっており、これを全部合わせました六千六百億というのは、咋年の実績四千三百億に対しまして五割以上のワクの拡大ということになっております。やはり資金量全体として申しますれば民間の金融機関に依存するところのほうが多いわけであります。政府の金融機関の分はこれを補完するといいますか、そういう性質のものでございますので、本年の年末金融の問題としては昨年よりもそう非常に重く考えてやっているということでございますので、十分であるかないかということは、これは全体の客観情勢、金融情勢、経済、こういうものを考えた上ででございますけれども、少なくとも昨年の実績に対しては相当の増額がはかられる見込みでありますので、私どもとしては一応これで満足していただくほかないんじゃなかろうかというふうに思っております。全体としては、私ども、これはこの間預金準備率の引き上げを行ないましたように、経済の先行きに対して警戒をいたさなければなりません。特に金融機関全体の貸し出し増加は多過ぎたというふうに判断しております。
#70
○堀委員 いま金額をあげられましたが、これは五千万円ベースになっておる。ですから、私は率直に言うとこれだけで議論をしても実際はちょっとわかりません。一千万円から五千万円の間のほうは、どちらかというと、これはまさに中小企業の中企業でしょう。力がある。やはり一番問題になるのは一千万円以下である。この一千万円以下というところは市中金融機関からなかなか金は借りにくい。歩積み、両建て問題については、過般からわが党なり春日さんその他が触れて、公取委員会等もかなり強硬な態度を示しておられるようですが、私どもは事実はあまり改善をされてないということを一般的に企業の側から聞いておるわけです。依然としてこれまでどおり行なわれているようです。結局歩積み、両建てがないのは政府関係金融機関だけですよ。そうなってくれば私どもはやはり政府関係金融機関が中零細企業に対して果たしている役割というものは、きわめて重大だと思ラ、こういう判断をしておりますから、これで十分であったかどうかということについては、時間がありませんからきょうはここらにしますけれども、ひとつ今年十二月の資料の分析を十分して、さらにほんとうを言えば民間ベースの、いまあなたの言われたふえた部分、ことしは特にこれだけだと言われておるけれども、これを一千万円ベースで比較をしてみたいわけです。さっきの企業統計の中からくるところの企業なりその他の実態から比べて、はたしてほんとうにふえているのかどうか。全般としてはふえているでしょう。企業は非常に貸し出しがふえているでしょうから全般はふえているけれども、今度の年末の金融に対する一千万円以下の分というのはあまり十分でないということを考えますと、必ずしも十分だとは私は判断をしないし、ことに三公庫はおそらく年末ここまできてしまって、大蔵省が決定をしたワクではかなり窮屈ではないか。私は昨年一つの企業の問題について国民金融公庫に行って話をしてみましたけれども、やはり年末は非常にやりにくくて困っている、資金量が非常に不足して困るということをはっきり聞いた記憶もありますから、これらについては実際の出先のそういう関係者から意見を伺って締めくくりにしたいと思います。
 本日はこの程度として、税関係だけ一言触れておきます。
 例年のことではありますけれども、日本の場合は何か十二月三十一日というところをいろいろな締めくくりの節のように考えて、税金その他においても滞納処分がずっと継続しておるというような場合には、ひとつ年内に処理をしてもらいたいということが、全般としてしばしば行なわれておるわけですね。さっきちょっと通達を拝見すると、二十日以後はそういうことは強行しないようにしろという通達が出されておるので、その点は私もけっこうだと思います。われわれは実は十五日以後はやらないようにしょうというような決議で考えていたけれども、きょうがすでに十三日ですから、そういう決議をして下へおりたら二十日になったということならたいしたことがないわけでありますが、特に申し上げておきたいことは、二十日以後はあそこの通達にあるような新たな案件の処理はないかもしれませんけれども、継続中の諸案件の問題についても一応二十日以後は手を触れないということになるのかどうか、ちょっと伺っておきます。
#71
○喜多村説明員 お答え申し上げます。
 ただいまお触れになりました通達では、単に新しく発生した滞納という問題だけではなくして、すでに着手しております滞納についての整理も、二十日からあとは原則として行なわない、こういう趣旨でございます。
#72
○堀委員 原則として行なわないというのは、行なうこともあるというわけですか。
#73
○喜多村説明員 たとえば、あまりそういう場合は想像できないかもしれませんが、特に悪質なもので財産隠匿を至急にはかっている、そういうものがもし見つかった場合には、その場合でもやることがあるのじゃないか。原則と申しますか、そういう例外的な場合を残しまして、滞納処分は行なわない、そういう趣旨でございます。
#74
○堀委員 それ非常に抽象的だと思うのですね。いいですか。財産隠匿をしておるかどうかわからないとなると、あなたの言い方で財産隠匿をするおそれがあったらやるということになれば、恣意的にあなた方のほうで、あれはどうも財産隠匿をやりそうだ。さっとやるということになって、それじゃ原則も何もあったものじゃないような気がしますがね。どうでしょう、それは。
#75
○喜多村説明員 財産隠匿をやっているという、単に推定だけじゃなくて、明らかにはっきりいま財産の隠匿を始めた、いますぐ手を打たなければならないという、きわめてはっきりした場合だけでございまして、ほとんどそういう例はこの期間に起こることはないだろうと考えておりますし、現実にこの期闘にそれほど緊急を.要して滞納処分をやったという例はほとんど聞いておりません。
#76
○堀委員 ないのならいいのですよ。実は、あなたの表現が何かあるような、幾らか残るような話だったからちょっと申し上げただけなのですが、その滞納、財産隠匿をやっておるのが現実にわかるというのは具体的にどういうことなんでしょうね。やっておると推定するならできるけれども、現実に隠匿しておるか、それがわかったということは、そういう例がそういう時期にあるかどうか、それからどうやってそれがわかるかだけを、ちょっとしつこいようですけれども……。
#77
○喜多村説明員 単に推定したというだけじゃなくて、いまのようにはっきりわかった……。
#78
○堀委員 だからどういうふうにわかるのですか。それはわかるといったって……。
#79
○喜多村説明員 たとえば税務の査察をやっていました、そのときに財産が発見された、突然その預金がどこかへ移されている、それでいますぐ保税差し押えをしなければ逃げてしまう、そういうようなきわめて例外的な場合に差し押え、滞納処分をやる。そういったようなきわめて特殊な場合だけでございます。
#80
○堀委員 そういう非常に特殊なことはあまり起こらないでしょうから、まああなたのおっしゃるようにそういうことはほとんどない。だから二十日以降は滞納処分その他をすることはないと私は理解をいたしますから、そういう点で、いまさつき通達をちょっと拝見しましてその通達の趣旨はけっこうですから、しかしそれが末端が確実に行なえるような指導もしていただきたいと思うのです。国税庁である方針が出されましても、末端ではいろいろな関係で行き過ぎておる場面が徴税問題では実際は多いのです。案外あなた方が思ってないことが下部のほうでは起きておるという事件がありますから、本年についてはもう一ぺん、こういう通達が出ておる、これについては下部はやはり考えるようにしろ、これは通達を出す必要はないから各国税局を通じて末端税務署に遺憾のないような処置をとっていただきたいということを要望しまして、それでは、ちょっと念のために、あなたのほうで出された通達を読み上げてもらいましょうか。
#81
○喜多村説明員 三十八年十一月三十日付で各国税局に出しました国税庁長官からの通達でございます。「年末年始における所得調査等および滞納処分の実施について」こういう表題で、「年末年始における所得税・法人税等の所等調査等酒類業者に対する全部検査、消費税の検査および滞納処分(財産差押・引揚公売)の実施については、一般的に、この時期が納税者の最繁忙期であることを考慮し、例年局署の実情に即した適切な措置を講じていることと思われるが、本年度においても下記の事項に留意して、特に慎重を期せられたい。記1、年末年始における各十日間程度は、特に必要と認められる場合を除き、臨戸して行う所得調査等酒類業者に対する全部検査、消費税の検査および滞納処分の事務は行わないこと。2、特に必要があって、臨戸して所得調査等または滞納処分を行う場合であっても、納税者および来客等の第三者から無用の非難を受けるような言動のないよう特に留意すること。」以上であります。
#82
○堀委員 通達の趣旨はたいへんけっこうです。われわれもそういう線に沿って納税考のいろいろな年末における困難な状態に対して配慮していただきたいということを特に要望いたしまして、私の質問を終わります。
#83
○山中委員長 関連質問を許します。春日一幸君。
#84
○春日委員 まず第一番に、年末における中小企業に対する金融の特別施策についてお伺いをいたしたいのであります。
 何というても、政府関係の金融機関に対する資金源の増強ということも一個の効果的措置ではあろうと思うのでありますが、しかし資金の絶対量から判断をいたしまして、しょせんは市中金融機関をして中小企業に対して意欲的に金融をなさしめることが、最もその効果が期待でき得るの措置であろうと思うのでございます。したがいまして、このことがただ単に、年末時における中小企業金融梗塞打開の特別施策としてのみならず、特にわが国における金融の実態が大企業に偏向的であり集中的であることにかんがみまして、これらの市中金融機関が中小企業のために貸し出すその貸し出しシェアをできるだけ改善することのためにしかるべき行政措置を講ずべき旨を、本委員会は激しく論じ続けてまいっておるところでございます。したがいまして、その行政指導の効果が現在どの程度のものになっておるのであるか。このことは、都市銀行におきまする大企業、中小企業における貸し出し対比率、それから地方銀行における貸し出し対比率、こういうものについてその後改善のあとが見らるべきものがあるかどうか、この際その経過についてお示しを願いたいと思います。あわせてどのような積極的指導を行なってまいっておるのであるか、銀行当局がそれら市中関係金融機関に対して行なった行政指導、これの実態について、この際御説明を願いたいと思います。
#85
○高橋政府委員 都市銀行、地方銀行別とおっしゃられますとちょっといま困難なのでございますが、全国銀行貸し出しの中に占める中小企業向けのシェアがどうなっているかということは先ほど数字で御説明申し上げたわけでございます。この、たとえば一千万以下の資本金とかいうふうな分類――三百人以下は変わっておりませんが、そういった既往の分類に従います限りにおいては、はっきり申し上げて総貸し出しに占める割合は低下しております。ですから、その姿で見る限り中小企業向けのシェアは改善されていないのではないかというお話が当然起こってくると思いますけれども、私どもは実質的にはこの表面数字にあらわれたような経過はしておらない、ただ企業の内部、企業の構成が、たとえば十億円以上の企業数などは、この二、三年の間にかなり企業数としてふえております。そういうことで、次第に資本金がふえて上位に移行するという傾向もございますので、実質的な意味において特に銀行が中小企業金融を冷遇しておるというふうなことはないものと思っております。特にこの二、三年の趨勢を見ますと、貸し出しの行き過ぎが全体として見られるわけです。その貸し出しの行き過ぎが現在の国際収支の先行きに対する不安、そういうもののひとつの原因になっている。それは確かにお説のとおり大企業向けの貸し出しが多過ぎるというところにあることは私どもも否定いたしません。しかしながら、この多過ぎるものをこれから抑制して適度な規模におさめていくことがねらいでございまして、この割合だけで判断いたしますと確かにおかしなことになりますが、これからの方針として、大企業向けの貸し出しを私どもとしてはどうしても押えざるを得ない。そうしなければいまのいろいろな経済に現われたるひずみを直すことができないものと考えております。
 それからもう一つ申し上げておきたいことは、大企業がいろいろとたくさん借りておるものが、すべて大企業自身の設備なり、何なりに使われてしまっておるのかという点でございますが、かなり下請、その他に対する信用の供与という形で中小企業にもその金が流れておるという事実があることは御承知であろうと思います。大企業を通じてこれらの、たとえば下請あるいは末端に至る小売店に至るまでの信用供与をしているという現在のわが国の仕組みにつきまして、いろいろと批判はあろうかと思いますけれども、大企業貸し出しがすなわち中小企業と無関係であるというふうにはとうてい認められませず、それらの間の資金の行くえというものについては相当複雑なものがあり、単純に直接の貸し出し先の分類によってのみでは全体の資金繰りというものはつかめない要素もあるというふうに考えておるわけでございます。確かに最近のいろいろ企業間信用の膨脹ということも言われますが、調べてみますと、大企業間における企業間信用の増大が特に目立つように思います。それらの金がいま生産を非常に上昇させておりますが、その裏にかなり資金的にも無理をしながら、販売の競争のために信用で品物を売るということに大企業が力を注いでおるのではないかというふうな見方も有力でございます。そういう点からいいまして、中小企業が実質的にこのところ金融機関に非常に冷遇されているというふうには必ずしも私ども受け取っておりません。
#86
○春日委員 私は中小企業基本法が制定されました後においては、当然この中小企業基本法の条章に基づいてこの金融の問題については画期的な、かつ、この貸し出しシェアそのものを目して適切な指導が行なわなければならぬし、すでにかれこれ半年もたっておるのであるから、それぞれ改善の徴候があらわれてまいらなければならぬと思うのでございます。ただいま局長の御答弁によりますると、その実態においてはむしろ低下しておる。改善の実があがっていないということは、まことに異様なことに思うのでございます。と申しまするのは、なるほど中小企業基本法の中におきましては、中小企業の貸し出しというものが円滑に行なわれるように政府が指導せよ。何かなめらかな言葉を使っておりますけれども、大体当初の政策というものはそんな金魚酒みたいなものではございませんでした。これは当然銀行局長においてもそれら政策の推移については御検討になっておると思うのであります。自民党が当時御提出になりました中小企業基本法の金融に関する条章の中では、中小企業に対する金融が、大企業に比べてこれが不利にならざるよう措置をしなければならないとか、あるいは中小企業に対する貸し出しが大企業に先んじて行なわれねばならないとか、これが議員立法の形で現に法律案として国会に上程された経緯も御承知のとおりでございます。これに対する社会党の提案も、われら民社党の提案も、それら自民党の提案とその軌を一にするものでございましたが、しかしそのような断定的な条文の明示がわが国の金融に対して混乱を起こしては相ならぬであろうというようないろいろなおもんぱかりから、しかし精神はそこに置いて急速に中小企業に対する金融というものが改善されるであろうし、政府はその国家責任に基づいてその行政指導をなすべきである、このような理解の上に立って中小企業基本法が制定されておるのでございます。したがって、本質においては相当の実績、効果があらわれてまいらなければならない。法律が制定される前もその率において何ら改善が示されていない。一体政府は中小企業基本法の成立というものをこれが国家宣言として政府にこれを義務づけ、国民にこのことを誓約いたしておる。何もやっていないということはどういうことですか。いま質問を申し上げましたのは実行効果のあがるようにいかなる行政指導を行なったか、行政措置を行なったか。このことを御質問申し上げておるのでありますから、どういうことをやったのであるか。やったにもかかわらず実行効果があがらないとするならば、その原因は一体何であるか。われわれ立法の府にあります者が責任的にその問題を今後において処理なし得るように、資料的な答弁を願わなければならぬのでございます。あなたが大蔵大臣として政策論議を述べられるならば、これは別でありますけれども、とにかくそのような法律に基づいて行政官としてどのような執行をなしたのであるか、その実績についてこの際お述べを願いたいと思うのであります。
#87
○高橋政府委員 いま、銀行関係の中小企業向けの表面的なシェアについて、若干低下の傾向が見られると申しましたが、私ども、中小企業金融につきましては、相互銀行、信用金庫がいわば中小企業向け専門機関でございまして、これらの中小金融専門金融機関の動向を見ておりますと、この両三年、その伸び率は他の銀行等に比べて非常に高いのでございます。資金量の伸びが非常に顕著である。大体三割前後の伸び率を示しております。都市銀行の資金の伸びなんかに比べますと、そういった中小企業金融を専門とする金融機関の資金量の伸びは非常に高い。そしてそれらの金はほとんど大部分中小金融に回っておる。もちろん全部ではございませんけれども、一定の預貸率を保ちながら貸し出しに回っておるわけでございます。そういうことから見まして、金融機関全体として見ますと、中小金融の融資に使われた金は、かなり豊富だとは申しませんが、順調に伸びているものと判断しております。
 それから、本年に入りまして、特に金融の引き締めが昨年に解除されて以来、銀行筋におきましても、中小金融の大事であること、それが非常にいいお得意さんであること、引き締めのときにそういうものを虐待いたしますと、お客さんがみな相互銀行、信用金庫のほうに行ってしまう、したがって預金の伸びもにぶる、こういうことを十分反省いたしまして、それらのほうに力を注いだという実績がございます。なお、私ども、日ごろから、銀行の融資のあり方といたしましても、大企業向け融資を抑制するように、大企業に少し貸し出しが行き過ぎているんじゃないか、そういう注意を与えておりまして、これは金融機関のほうでもその事実は認めておるわけでございます。したがいまして、中小金融に対してもう少し誠意を示すようにということを繰り返し申し述べております。年末金融につきましても、ですから、ことしの場合、銀行は相当ワクを思い切って拡充いたしましたし、相互銀行、信用金庫もそれぞれ前年の実績に比べて三三%とか、あるいは五八%というようなワクの増加をはかっております。全体として見る限り、中小金融につきましては改善はされているものと私どもも見ております。
#88
○春日委員 いま連絡によりますと、十二時までに銀行局長、参議院ということでございますので、これでは全然審議を進めることはできませんが、ただ、いまの御答弁によってわれわれが印象を得ますことは、あのような画期的な中小企業基本法が制定されて、わが国の金融のあり方について、過去の実績が大企業に偏向集中していたことにかんがみて、商売は元手次第なんだから、したがって中小企業に対する金融という問題は適切な措置をしなければならぬ。改善、改革をしなければならぬ。しかもその要諦は、きめ手となるものは、三公庫に対する政府の財政資金の増強なんというものは、わが国の全資金量の絶対額から比ぶればわずかなものでしかない。実行効果はあがり得ないものである。田中大蔵大臣も、かつて明確に、中小企業金融難緩和の問題は、貸し出しシェアの改善のことに尽きる。このことなくしては問題の処理ができない。こういうことから、自民党の議員立法がなされ、しかもその実態をさまざまおもんぱかって、えんきょくなる表現ではありますけれども、中小企業に対するその資金源を、市中金融機関をも含めて、これを大幅に確保することのために、政府にこの義務を課しておるのでございます。その大いな義務を受けております銀行当局が、いまの御答弁によりますと、中小企業関係金融機関の資金量が、ほかっておいてもどんどん伸びておるので、これは好ましい傾向だと思って、楽しんでその推移をながめておるとか、大企業に対する貸し出しをあまり大きくやるなといって、できるだけ自重を求めておるとか、そのような程度のものは、中小企業基本法、すなわちわが国の中小企業の基本憲章として、経済の基本憲章として、あそこに定められた国家宣言に沿うものでは断じてございません。いま高橋銀行局長は、大企業に対する金融が、なかんずく一部のものが、中小企業に対する信用供与にも振り向けられておることにかんがみて云々と言っておられますけれども、ならばあなた、この際御調査を願っておきたい。ということは、本日、大企業のその下請に対する下請代金支払いの遅延というものがどんなにすさまじい傾向のものであるのか。百二十日、百五十日、百八十日というような形で、どんどんと、下請に対する代金の支払い遅延というものは、いまや大きな社会的非難にまで高まりつつあるのでございます。こういうふうで、大企業は中小企業に対して勘定を払っていない。そのことはどういうことかというと、結局あなたのほうにおいて、大企業に対する貸し出しをできるだけ自重、自重と言うものだから、したがって彼らは自己建設のほう、あるいは直接資金のほうにそれを流すことによって、下請に対するそのような支払い遅延を来たしておるのであって、あなたは、わずかばかり大企業が下請に対して前渡し金を出したり、信用供与を行なったからといって、その面だけを取り上げて、大企業の支払い遅延の現実について何ら触れるところがない。あなたは公正なる行政官として、一方においてそのような信用供与が行なわれておるならば、一方においてこのような膨大なる支払い遅延がなされておるということを、あわせて資料によって提出しながら、あるいはまた、あなたがその両方の資料を見比べながら、公正なる判断を行なって発言なさることがしかるべきである。片一方のわずかばかりのいい点を述べて、片一方の限りなき大きな悪徳行為について何ら触れるところがないということは、公正なる銀行局長としてまことに適当ではない。これは十分警告をいたしておきます。次の委員会までに、支払い遅延の額がどの程度のものであるのか、中小企業に対する信用供与がどの程度のものであるのか、できるだけ調査の上、われわれが公正な判断ができますように、ひとつ資料の提出を求ある。
 それから最後に、時間がないのでちょっと伺っておきますが、あなた御承知のとおり、歩積み、両建て問題については、本委員会において長い時間をかけて論じました。しこうして山村行政管理庁長官も、この問題について、行政管理庁としての討議に付しました。選挙中には池田内閣総理大臣が、歩積み、両建てについては、これは不公正な取引としての特殊指定を行なう必要があると断定的に言明をされておるのでございます。銀行当局においては、その後この問題はどういうぐあいに公取との間で話を進めておるのであるか。御承知になっておるであろうと思いますが、本日、総理大臣の言明にかんがみ、この特殊指定に関する問題はどのように取り運びがされておるのでありますか、本日の状態をひとつここに御説明を願っておきたいと思います。
#89
○高橋政府委員 歩積み、両建て問題につきましては、大蔵省といたしましては、特殊指定というふうな形で征伐するのもいいでしょうけれども、そうではなくて、銀行行政という立場から、全体としての行き過ぎを是正するということがいいのじゃないか。これはずっと前でございますが、自主規制の申し合わせがなされました。しかしながら、なるほど御指摘のごとく長年の慣行でございますから、一挙にすべての不合理なことがなくなるというわけには参りません。私どもの考えといたしましては、できるだけ全体の拘束預金の割合を引き下げ、それからまた極端な事例にわたるものは個別にもこれを是正する、そういう両面のやり方で各金融機関を指導してまいりたいと思います。特殊指定にするということは、なるほど銀行その他の一種の非常な脅威にはなりますけれども、実際に特殊指定をした結果、これを個別に是正する、全体としてではなく、個別に不当な歩積み、両建てをたたいていくということになりますと、これはたいへんな仕事になります。こちらをたたけばあちらがまた出てくるということでは、効果があがりません。私どもは極端な事例を排除すると同時に、全体としての拘束預金を逓減していくという方法をとりたいと考えております。こういうことにつきまして、すでに相互銀行はそういう方式で申し合わせをいたしました。それから、信用金庫につきましては、これは中身に非常に差異がございます。五百何十も信用金庫はございますために、非常なバラエティがございますが、何らか統一的な方法によってこれもやっていきたい。それから、全国銀行につきましてもそういう方針を示しまして、申し合わせをしてくれるように言つておりますが、今日までのところでは、きまったと申し上げるわけには参りませんが、大体そのような方向になっていくめどがついたような感じであります。そうした暁におきまして、私どもとしては特殊指定という問題はいましばらく先に見送って、いわば伝家の宝刀のごとくしまっておいて、われわれと銀行との改善の実施状況をいましばらく見ておっていただきたいというふうに考えております。
#90
○春日委員 これはまことに重ねて異様なことを承るのでありますが、少なくとも行政府の最高責任をになわれております池田内閣総理大臣が、この総選挙のさなかにおいて、この歩積み、両建て預金のあり方については、これは特殊指定を行なう必要があると断定されております。断定的に言明をされておるのでございますが、あなたの御答弁によりますと、このことは、ただ単に選挙中に中小企業の非難にこたえて、すなわち中小企業の諸君の票数を瞞着することのためにでたらめを言ったのである、こういうふうにしか受け取れない。大蔵省の銀行局長が、特殊指定なんかやる気はないのだ、こういうことを言っておられる。総理大臣は、やるのだ、やらせなければならぬと言明し、全国の中小企業者は、さすがは自由民主党の総裁だけあるといって、選挙のときにあのような信任を誤って行なわれたのでありますが、いずれにしても、この問題は重大でございます。
 私はあなたに申し上げますが、とにかく五月にこのことがここで深く論じられまして、その後において公取委員長からの警告が発せられまして、その後信用金庫の側においても、相互銀行の側においても、全国銀行の側においても、それぞれの自粛通達が発せられておりますこと、われわれかねがね承知いたしております。そのような自粛通達が行なわれたに,もかかわらず、全然効果があがってはいないので、したがって、全国の中小企業者の非難は、この歩積み、両建てのことに集中をいたしております。自分の金を銀行に拘束されて、安い金利で預けさせられて、高い金利で借り受けなければならないというこのことについて、はなはだ彼らは非難をいたしておる。のみならず、わが国がこの開放経済に対処して金利負担を軽減するといって、公定歩合を上げたり下げたりしてみたところで、ここにこのような歩積み、両建てを行なうことによって、中小企業の負担を年間千数百億もこの金融機関が膏血をしぼっておるようでは、全然政策の連絡がとり得ていないのだ。全然だめなんだ。だから、公定歩合の問題は何といってもこの歩積み、両建てのことに関係を持つのであるから、これに直結して問題の処理をしなければと、山際日銀総裁もかねがねこの点を指摘して論及いたしておりますさなかにおいて、その衝に当たる当事者たる銀行局長が、いまのようなあいまいな答弁をしておることは許しがたいことである。国民の名においてこれは断じて糾弾しなければ相ならぬけれども、ここにいま述べられておりますように、参議院から銀行局長に来てくれと言っておるから、これはしようがない、解放するしかないが、私はこの問題については、重大な問題でありますから、総理大臣に御出席を願い、大蔵大臣に御出席を願い、あわせて当事者であるあなたもそこに陪席傍聴を許し、そうしてこの問題について徹底的な国政調査を行なわなければならぬと思っておる。したがって、以降の質問は後日に留保して、あなたを解放します。
#91
○高橋政府委員 春日先生から大へんおしかりを受けましたが、ただこの歩積み、両建て問題につきましては、金融機関が非常に私をきらっているという状態、非常に強く私はこの問題を推進いたしておりますので、ただ強く出るだけではなくて、銀行自身の協力が必要であって、歩積み、両建てをほんとうに姿をよくして、実質的にも改善していくということであれば、金融機関がその気になってくれないと困るので、その点も考え合わせまして、いろいろな指導をやっておりますことを御了承願います。
     ――――◇―――――
#92
○山中委員長 次に、提案されております農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案及び砂糖消費税法を廃止する法律案の三案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。通告がありますので、これを許します。春日一幸君。
#93
○春日委員 私は伺いますが、四十三通常国会において提案をされました糖価を低めるための税改正法案、これは関税において五円、それから砂糖消費税において五円、合わせて十円ということに相なっておりました。今回ここにこれをあらためて、ことさらに砂糖消費税だけに限ってこの値下げを軒なっておりますその理由は何でありますか。この積極的理由をひとつお示し願いたい。
#94
○泉政府委員 関税局のほうからお答え願うのが妥当かと存じますが、一応私からお答え申し上げますと、お話のように四十三国会におきましては、勲糖消費税につきまして精製糖の税を五円、それから関税におきまして粗糖の関税を五円引き下げる案が提案されておったわけでございますが、御承知のような事情によりましてその法案が不成立になりました。その後特別国会に際しまして、砂糖消費税につきまして五円引き下げの法案を提出いたしましたが、これも解散の結果成立いたさなかったわけでございます。そのような経過を経まして今日に至ったのでございますが、砂糖消費税につきましては、やはりその後も国内糖価がかなり高目でありますので、それを引き下げることが適当であるという考え方のもとに、少ないとおしかりがあるかもしれませんけれども、五円引き下げる法案を提出いたしておるわけでございます。ただ関税につきましては、その後の国際糖価の変動が上下はなはだ急激でございまして、将来の見通しを立てることもなかなか困難なような事情にございますので、関税につきましては、いましばらく引き下げを見合わすということで提案にならなかったのでございます。
#95
○春日委員 われわれが仄聞しておりますところによりますと、粗糖については八月この自由化措置がとられたので、したがってこの自由化に伴うておそらくは粗糖の糖価が下がるであろう、したがって関税においてはその値下げの措置をとらなくても実質効果があらわれてまいるであろうからというような推測の上に立って、去る臨時国会においてはそのことを前提条件のごとくに判断されてか、関税の方においてはこの減税案の成立等差し控えられた、こういうように仄聞いたしておりますが、事実はそうではなくて、五円下げてよろしいのやら、あるいは二十円下げてよろしいのやらわからない。したがって、粗糖の国際相場というものの推移を見きわめたる後においてあらためて提案をする、したがって今回は、とりあえずこれを差し控える、こういうぐあいに泉さんは述べられておりますが、事実そのとおりでありますか。
#96
○泉政府委員 おことばでございますが、私が申し上げましたのは、八月三十一日に粗糖の輸入の自由化が行われまして、その際におきましては粗糖の国際価格は将来値下がりするであろうということが期待されておったわけでございます。したがって、臨時国会の際におきましては、砂糖消費税法の一部改正法案だけ提案いたしまして、関税につきましては提案をいたしておらなかったわけでございます。しかるにその後生産地でありますキューバにおきまして、台風の被害等によりましてまたまた減産する、去年に引き続いて減産するというような事情が起きまして、国際糖価が最近上がっておるようでありますが、その後また先行き値下がりも見込まれる、こういったような情勢にございます。そこで今回は取りあえず砂糖消費税につきましては、糖価をある程度引き下げるために減税を行なうということで、一部改正法案を提案いたしておるのでございます。関税につきましては、現在のところ提案をいたさない、将来の検討を待つという段階でございます。
#97
○春日委員 この糖価の値下げをはかることのだめに本年度にとられましたところの行政措置は、砂糖消費税において五円、関税において五円減税を行なう、そうして予算においてもそのとおり予算にこれを計上して、その予算案は成立をいたしておるのであります。――してないのですか、どういうことですか、じゃ法案を提出して予算はどうなっておるのですか。
#98
○泉政府委員 四十三国会の際におきましては、法案を提出いたしましたが、自然増収もあることですから予算の修正は行なわないということになっておったわけでございます。今回砂糖消費税法の一部を改正する法律案を提出すると同時に、御承知のように国家公務員の給与の改善、災害対策費等に充てますために補正第二号の予算が提出されております。そこにおきまして、砂糖消費税に十一億の減収を見込んでおる次第でございます。
#99
○春日委員 私は、要するに減税法案を提出されたその時点においては、この法律案は成立がなさるべきものという意欲と確信の上に立った法案を提出しておると思う。したがって、一方においては自然増収があるではあろうけれども、もしそれこの法律が成立しても、その予算の絶対額の中で大きな影響がないであろうということで、格別の予算の明示がなかったと思うのですね。けれども、当時その法律を提案されたときには、それだけの減収があるということを、その自然増収の中にそのことを十分理解しながら、この法律案の提出がされておると思う。したがって、この関税のほうに今回全く触れられておりませんこのことは、あなたのほうがいま述べられたところによると、その重点は一体どこにあるの.か。たとえば粗糖が自由化に踏み切られたことによって値段が下がってくるであろうという見通しの上に立って、臨時国会の中には出さなかったのですね。それが実際の理由なんでございましょう。臨時国会のときにおいて御提出にならなかった理由はそれなんでございましょう。臨時国会のときに御提出にならなかったその理由をひとつ述べてもらいたい。
#100
○森鼻説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。
 この自由化をいたしましたときには、いろいろたとえば開放経済への移行とか自由化率を九二%に上げるとか、あるいは自由化によりまして精糖価格をあるべき水準に落ちつかせるというようなねらいもありまして一応自由化したわけでございます。その後世界の砂糖の需給状況が変わりまして、いわば国際的な供給不足――この原因といたしましては、たとえばキューバにおけるハリケーンの現象によりますキューバ糖の減産、あるいはヨーロッパにおきますビート糖の見込みがやはり減産見込みというような事情がございまして、世界的な供給不足という面があらわれまして、自由化当時もう少し下がるであろうと予想しておりましたものが、自由化当時の国際相場は大体六セントないし七セントくらいでございましたが、最近に至りましては八セントから十セントというところを動いております。したがいまして、一応その面からいいますと国際糖価が上がっているわけでございます。したがって、おことばのように関税になぜ手をつけないかという御質問は当然出てくると思います。一方、日本国内の事情といたしましては、国内のてん菜糖の問題もございまして、これも昨年の買い付け価格よりもことしは上がる。たとえば昨年は六千百円程度で買えたものが六千五百円程度に農林大臣のほうからもてん菜糖の買い入れ価格についていわば一応指導的な相場が出ているというようなことがございまして、先行き国際糖価のフラクチュエーションと申しますか浮動性、それから国内糖におきますそういった買い付け価格の上昇、こういうような面でもう少し検討してみないと、この際関税にすぐ手をつけるということは妥当であるかどうかという点にまだ結論が出ておりませんので、さしあたっては関税のほうは出さなかったわけでございます。
#101
○春日委員 この前の臨時国会のときにそういうような理由に基づいて関税に対する減税法案は御提出にならなかったのですか。現在の時点のところで問うておるのじゃございません。現在の時点になりますると、いろいろと問題がこんがらがってまいりますので、私は問題を明らかにいたしまするために、前臨時国会において御提出にならなかったその積極的理由を端的に述べられたい。前国会のときには何がゆえにこの減税法案には手をつけなかったのであるか。前国会のときのその時点においてその理由、これを端的に述べていただきたい。
#102
○森鼻説明員 前国会におきまして、先ほど申し上げましたように、自由化した当時は大体六セントないし七セント台で推移するであろう、これが自由化したときのねらいといたしまして、その程度であれば国内糖価にもそう影響はなかろうということで、そういう見込みに立ちまして、さしあたり関税についてその当時でも手をつける必要はあるまいという判断に立っておりました。
#103
○春日委員 もう少し何でもいいから問題をありのままに述べて、そうして事実に基づいてお互いに判断をしないと、そんな言いくるめるような、あるいはごまかすようなものの言い方でなくして、この場合は自由化に踏み切れば当然の推移として粗糖の相場が下がるであろうから、砂糖の価格を下げるという政策目的は、自由化に踏み切ることによってその効果があらわれてくるから、関税において値下げ必要なしという断定のもとに、そのような見通しのもとに前臨時国会においては片方の消費税だけの減税法案を出し、片方においてはその期待感の上に立ってあえてそのことをなさざりしもの、こういうふうに理解してよろしいか。事実に基づいて言わなければそれはだめだ。結果はどうでもいいじゃないか。結果がよかろうと悪かろうと、お互いが努力して得た結果なんだから、しようがないじゃないか。
#104
○泉政府委員 前回、関税につきまして法案を提出いたさなかったのは、先ほど春日委員のおっしゃるような理由と、もう一つ、先ほど森鼻調査官から申し上げましたように、国内のビートの生産費が値上がりの傾向にあるというようなこととの両方を勘案いたしまして、様子を見ようということで提出いたさなかったものでございます。
#105
○春日委員 そういうような、要するにビートの生産コストが高まってくるであろうからそれでやらないということも、まさしく臨時国会の時点においての一個の大きな要因なんですか。だとすれば、それに対しては何も特別措置をとらないのですか。要するに砂糖に関する税の問題は、砂糖の値段というものはやはり消費者の立場において安くする必要があると認めて、そうしてこういう特別の法律が出たのでしょう。輸入の砂糖と国内産の砂糖との均衡ということだけが政策目的の念頭にあったわけではない。とにかく砂糖がべらぼうに高くなっておるのであるから、やはり消費者の生活を保護する政策目的から、とにかく税が占める割合が重いので、とりあえず税の軽減によってその糖価をひとつ低めていこう、こういう政策目的によってこの減税法案が出たのでございましょう。単なるバランスをはかるだけということならば、これは全然別個の問題である。その点、いかがです。
#106
○泉政府委員 それはお話しのとおり、糖価をできるだけ引き下げたいということがあってこそ消費税の引き下げを行なうという法案を出したわけでございます。
#107
○春日委員 それならば、ビートが値上がりしてくるのだったら、ビートの値上がりを阻止するための助成措置を講じたらいいじゃないか。それも講じ、それから、砂糖の値段を下げるというのなら、これが純粋の第一義的目的であるならば、それを下げるために関税と消費税と両方下げて、片方が上がってくるという傾向にあるならばそこに助成措置を講じて、そうして両々相待って糖価の値下げの実行効果があがる総合的施策を講じなければ何にもならぬではないか。片方においてピートの生産コストが高まってくるから、これは不可抗力であるというなら、当初目的であるところの糖価を低めなければならぬというこの政策目的は全然目的を達することができないじゃありませんか。一体それはどういうことです。
#108
○泉政府委員 この点につきましては、すでに四十三国会に法案が提出されましたときに諭議がありましたことは春日委員御承知のとおりでございます。糖価を引き下げるという点からいたしますと砂糖消費税を下げるほうが効果が早いということで、当初は砂糖の自由化という問題を控えて関税のほうを引き下げるという話が先に起きたのでございますが、糖価を下げるためには消費税のほうが効果が早いではないかということから、関税と消費税と双方を引き下げるという法案をお出ししたわけでございます。ところが八月三十一日粗糖の自由化を行ないまして情勢がやや変わってまいったわけでございます。そこで、なるほどおっしゃるように、国内のビート糖の生産費が上がるのはそれは助成金なり何なりを出してやればいいじゃないかというような御意見もあろうかと思いますが、それにつきましては農林省と主計局のほうでいろいろ御相談が行なわれておると私存じております。詳しいことは私存じませんけれども、そういうことになっておるわけでございます。ただ、関税を引き下げるということにつきましては、先ほど申し上げましたように、国際糖価が変動はなはだしいものがございまして、ビート糖の生産農民あるいはビート糖から精製糖に精製しております製造業者の不安がいろいろございますので、そういった点を十分見きわめた上でないと、関税引き下げの措置をとることは軽率にできないということからいたしまして、目下のところ砂糖消費税の引き下げのみを提案いたしておる次第でございます。
#109
○春日委員 農林省が一体どう考えておるのかわからぬという答弁だから、それではとてもとても審議ができない。農林省の所管の方出ておりますか。
#110
○山中委員長 食糧庁の業務第二部長が来ております。
#111
○春日委員 それじゃ、農林省のほうからビートに対する助成策というものがこの春出て、それが審議未了、廃案になった。それから臨時国会にも出していない。特別国会にも出していない。それはもはや改善されてしまったから出さないのか。一体どういうわけで出さないのか。四十三国会においては出しておったのでございましょう。それが臨時国会においても特別国会にも出さないという積極的理由は何か。御答弁願います。
#112
○中島説明員 甘味資源特別措置法につきましては、臨時国会には提出をいたしましたけれども、御審議をいただかないままで廃案になりました。今特別国会におきましては、提出すべく努力をいたしておりますが、現在の段階ではまだ提案をするに至っておりません。
#113
○春日委員 伺いますと、こういうような助成措置はヨーロッパ諸国においてもなしておるところであるし、わが国の現状に徴してもこれはなさなければならない。しかし糖価を引き下げていくことのためには国内産砂糖の生産コストを引き下げなければ関税軽滅に手を触れることができないという、この絶対要件のもとにおいてそれはなさなければならない事柄である。にもかかわらず、今日その国会においてお出しになっていないというのはなぜか、ということは、事新しくこれをやるならば政府間において協議あるいは研究のために時間をかすということもあり得てしかるべきである、ところがこの政策理論については通常国会、臨時国会においてすでに政府の結論を得、得たがゆえにその法案が提出されておるのであります。にもかかわらず、いま砂糖の値段を下げなければならぬという全国民の強い要望にこたえてのこのことが、関税にも触れて値下げをしなければ実行効果があがらない。関税を下げるためには、そのような国内産砂糖の生産コストを引き下げるためのそれぞれの行政措置というもの、財政措置というものが必要不可欠の条件である。このことがわかっておりながら、今特別国会において何らそのことをなしていないという理由は一体どうなんですか、御答弁を願いたい。
#114
○中島説明員 実は、農林省といたしましては今特別国会に提案をすべく準備万端整えておるわけでございますが、ただ今特別国会の性格からいたしまして、今特別国会におきましては補正予算並びにそれに関連する法律案につきましてのみ提案するという内閣のほうの方針がございまして、にもかかわらず、私どもの甘味資源特別措置法案は、これは緊急に、なるべく早く御審議を願いまして御可決を願わなければならぬという意味で、農林省といたしましては精一ぱいの努力をいたしておるのでございますが、農林水産委員会のほうの御審議の日程の見込み等につきまして、いろいろ農林水産委員会にもお願いをいたしまして、これが御審議の見通しがつけば提案をいたしたいということで、準備をして待っておる段階でございます。
#115
○春日委員 もう少しわかるように答弁をしてもらうか、あるいは答弁できる人が出てもらわないと、これは何のことかわけがわからない。法案というものは四十三国会にも出ておる、四十四臨時国会にも出ておるのだ。しかもこの特別国会においては同時並行的に各委員会が開かれておる。農林水産委員会にどういう法律が出ておるかどうか知らぬが、私は国会対策委員長も兼ねておるが、いま農林委員会は法案が山積しておってこのような法案は審議できないという状態にもない。これは法律が出てくるならば、適当な法律であるならば、朝に上程されて夕べに可決することも事実上不可能ではない。それで私は、こういうような不明確な答弁では実際問題として審議ができない。少なくともこの政策というものは事実上合わせて一本の性格である。コンビネーションのものである。現にその経過をながめてみましても、四十三国会においては三本がコンビネーションの政策として出てきておる、三つ合わせて一本の政策として糖価を下げろ、そめためにはビートの生産コストを低める、必要なら助成措置をかくかく講ずる、こういうことをやってきたのです。途中でここに新しい事態が起きたのであるが、そのことがすなわち、あの粗糖の自由化に踏み切ったものであるから、粗糖の相場というものは下がるであろうという見通しの上に立って、そうして関税のほうにおいてはあえてそのことをなさなかった、ところが依然として上がっておるのでしょう。あなた方の見通しなんて一ぺんも合ったことはないけれども、はたしてこの問題についても逆現象を生じてまいってきておる。だとすれば、五円下げるべかりしものを、値上がりの実態にかんがみてさらに十円下げるような法律を出した。しこうして、片一方においては、国内産の生産コストを低めることのための助成措置も、いままでの予算規模、財政規模では、それが足らないとするならば、それに応じてこれをふやして、とにもかくにも消費生活者の立場に立って、砂糖の値段を切り下げる、実行効果を確保するための必要なる措置を総合的に、効果的に講じなければならぬのでないでしょうか。このようなときに、百九十円もする砂糖を、いまここに五円くらい下げて、一体それがどうなるのですか。これが百八十五円になるかならぬかわかりはしないが、そのことが、いまここに大きな問題として論議するほど、そんなものは消費生活に寄与するものではございません。わかりますか。少なくとも国は、こういうような問題を取り上げて論議いたしまするときには、ただ単に彼らに対して、あなた方が口先でその責任を糊塗するというような、そんなまやかしや、でたらめならば、なさざるにしかずですよ。下げるというならば、下げた形があらわれるような下げ方をしなければならぬ。百九十円の中で五円というたら何%になるか。実際問題として、そういうでたらめな法律というものは、国会を愚弄する、国民をもてあそぶ、実にこれは許しがたいことだと私は思う。こういうような問題について、社会党の有馬君の御見解はいかがでありますか。提案者として、全廃の提案をなされておるのでありますが、あわせて御所見をお伺いいたしたいのであります。
#116
○有馬委員 いま、春日委員から御発言がありましたように、私どもといたしましては、減税効果が消費者価格の面にじかにあらわれてくるようにということで、先ほど御提案申し上げました消費税の撤廃に関する法律案を提案いたしておる次第であります、
 なお、先ほどから御論議のあります国内甘味資源に対する措置も、同時にあわせ行なうということが望ましい形でありますので、その方向での努力を続けておる次第でございます。
#117
○春日委員 要するに、国内甘味資源の特別助成措置というものを講ずるにあらざれば、関税の値下げを行なうことができない。関税の値下を行なうにあらざれば、糖価を低くすることはでき得ない、こういうことになっておるのでございましょう。政務次官どうです。この問題は、いま申し上げましたように、有馬君からの御答弁もございましたが、いずれにしても砂糖の値段を低くしようということが、この法律のねらいなんです。低くすることのためには、結局砂糖消費税と関税と両方で下げる。下げることのためには、やはり国内産の砂糖の生産コストを低めるために、ヨーロッパ諸国がやっておるような助成措置、これも積極的に講じなければならぬ。この三つのものを一つに合わせてやるのでなければ、砂糖の値段を低くすることは、これはしょせんはできないではありませんか。政務次官の御所見いかがです。
#118
○纐纈政府委員 春日君の御質問にお答えいたしたいと思うのですが、もちろん、砂糖の値段の高くなることにつきましては、一般消費者に非常な影響を及ぼすので、これを安くしなければならぬということは、もちろん、政府としても考えておるわけでございますけれども、私も、いままでの事情は十分存じませんが、これの提案のいきさつから申しましても、相当論議もありましたし、今回の特別国会は、きわめて会期も短いのでございまして、そうしたいろいろの情勢から考えまして、短い会期の間にこの法案を成立せしめていただくということが、相当困難であるというようなことから、とりあえず消費税の引き下げということだけで、この問題を今国会にかけたということでございまして、あなたのおっしゃいますような、砂糖の値段を下げよという問題につきましては、これは政府としても十分考えている問題でございますが、今国会の会期が短いというような関係からいたしまして、いまの甘味問題等につきましては、これを見合わせたような状態であろうというふうに考えております。
#119
○春日委員 そんな纐纈さんのような高潔な人格者が、答弁はまるで弥蔵をきめ込んだようなことでは困ると思う。よろしいか、われわれがここで法案を審議するときに、何でもかんでも法律をあしらっておけばいいというものじゃございませんよ。政策効果を確保するにあらざれば、全然意味をなさぬのであります。百九十円の中で五円ぐらい下げたって何もならない。問題の実態は、とにかく粗糖の自由化によって、粗糖が値下がりがするであろうという見通しは、現に誤っている。ずっと高まっているのです。この実態の上に立って対処しなければならぬじゃありませんか。下がっているならばそれでよろしい。けれども、現実は、自由化に踏み切ったその後といえども、これは季節に逆行する形でどんどん上がってきている。こういう事態に対処して適切な措置を講ずるというのが、これが政府並びに国会に課せられている国民への責任である。その使命を果たすことになる。にもかかわらず、こういう中途はんぱな法案を出して国会の承認を求めようなどというような、しかも農林省あたりにおいては、四十三国会に出しておいて、四十四国会においても提案をした。その問題は審議終了なんだ。政策の必要なることは、論議の余地を残していない。にもかかわらず、値段を下げなければならぬというこの至上目的を果たすことのために必要なる法律の提案、そのことをなしてはいない。支離滅裂まさに乱離こっぱいではありませんか。こういうような法案は、大体審議に値しないものである。堀君どうだ。それで私は、いまここに委員長から、だいぶ時間が経過しているので、残余の質問はあとにせよというような要請がございます。したがいまして、私はあとの質問は、もうお昼の時間でありますから次に残します。明日継続して質問いたしますが、どうか纐纈政務次官におかれましては、大臣とも、内閣総理大臣とも、農林大臣ともすみやかに合議されて、冒頭申しましたように、必要であるならば、ほんとうに提案なさって即日通過もできるのですよ。そのような実態にかんがみて、国民は砂糖の値段を低めてもらわなければ困ると言っている。砂糖関連業者というものも、ことごとく商売が立ち行かないと言っている。そういうような立場から、幾つかの要請があります。物価値下げのためにも、中小関連業者の事業安定のためにも、すみやかに砂糖の値段を切り下げなければならぬ。切り下げるのは、百九十円のものを五円切り下げる、そんなばかなことは、実際子供の冗談みたいなものだ。人をばかにするような法律を出さないで、もう一ぺんこれを引っ込めて、それからあらためて合議の上、明日午前十時、実行効果のあがるような総合的な改正案を強く要請いたしまして、私の質問は明日に譲ります。
#120
○山中委員長 この際、午後三時まで休憩いたします。
   午後零時四十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時二十五分開議
#121
○山中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前中に引き続き質疑を続行いたします。堀昌雄君。
#122
○堀委員 午前中の質疑の経過を聞いておりましても、現在の政府提案については非常に問題があると思いますが、農林省側にちょっとお伺いをいたしたいのは、海外の原糖の価格の今後の見通しです。各種の資料を見てみると、ここ二、三年の間はほとんど原糖の価格が下がる見通しはないのではないかというような様子もあるようですが、農林省としてはこの原糖の価格の見通しをどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#123
○齋藤(誠)政府委員 先生御承知のように、本年度後半期にかけまして非常な粗糖の暴騰を見たわけでございます。一時は十ニセントをこえまして、現在におきましては九セントないし十セントを上下しておるというふうな状況でございますが、本年度当初には御承知のように二セントないし三セントというふうなこともあったわけでございます。本年度の糖価が今後どのように引き続き来年度に向かって推移するかということにつきましては、いろいろの観測がございまして、結局これは一つには本年度の需給、来年度の需給がどのように見通されるかということでございます.先般国際砂糖理事会で一応の発表をいたしました需給の見通しもございますけれども、それによりますと、非常に需給は窮屈であるというような数字も出ておりますけれども、しかしそれには欧州のビートが今後どのようになってくるであろうか、さらにソ連の買い付けの見込みがどのようになるであろうかというようなことがまだ未確定であるというようなこともありまして、また一方、これらの糖価高に応じて生産増というふうな気配もございまして、非常に緩和されるというようなことにはならないだろうというふうには一応見ておりますけれども、しかしすでに先物等の動きを見ますると、若干低目低目と出ているというようなことでございまして、どうも砂糖ばかりはどうだというふうに食糧庁としても申し上げかねるわけでございます。そう年度当初みたいなところまではいかないだろうと思いますけれども、非常に変動の激しいものでありますので、いまどのような推移になるであろうかということを断定的に申し上げるまだ段階に至っていないというのが率直な考え方であります。
#124
○堀委員 こんなようなことはないだろうけれども、あまり下がらないだろうというようなことだろうと思うのですが、そこでちょっと、私はあまり砂糖のことは詳しくないから、少しお伺いしておきたいのですけれども、イギリスの砂糖の小売り価格と日本の砂糖の小売り価格はどのくらい違うのですか。
#125
○齋藤(誠)政府委員 一九六一年十月のリヒト社の調査によるものでありますが、当時の日本の小売り価格がキロ百四十五円、その当時のイギリスが九十円、イタリアが百二十円というような数字になっております。
#126
○堀委員 イー・デー・アンド・エフマンというイギリスの糖業の会社の人が目本へ来て報告しているのですが、それによると最近のことだと思うのですが、英国の現在の国内小売り価格はちょうど日本の半分だと言っています。一九六一年なんて糖価が二セントか一セント五十ぐらいのころの話では、これはちょっと通用しない話なんで、これでいくと原糖のコストを百ポンドとした場合に六十二ポンド半の税金を加えて、砂糖のマージンを加えて、百九十ポソド前後の糖価だ、これを比べてみると、日本の場合半分だと言っているのですが、これはどうでしょう、このとおりでしょうか。
#127
○齋藤(誠)政府委員 その資料はどういうふうなことになっているのかいますぐちょっどお答えかねるのですが、あとからでも資料をいただきましてまた御返事いたしたいと思います。
#128
○堀委員 実は原糖が非常に上がっておるということは、私はイギリスはあまりビートのようなものをつくっている国じゃないだろうと思いますから、ほとんど原糖輸入国だろうと思うのですが、その点はどうでしょうか。イギリスというのは国内産ビートというようなものがかなりあるのか、その原糖というのは輸入に依存しているのではないか、これは私そう思うだけですから、そこらはどうか、最初に伺っておきたいと思います。
#129
○齋藤(誠)政府委員 数字的なことはちょっと調べまして申し上げますが、日本ほど輸入しているところはございませんので、欧州におきましてもフランスは自給し、イタリアも自給し、ドイツも八割くらい自給しています。英国も伝統的に砂糖の国内増産をやっておりましたので、英国も自給率が三四%、日本より高いのです。
#130
○堀委員 日本のいまの自給率は幾らですか。
#131
○齋藤(誠)政府委員 約二割程度であります。
#132
○堀委員 二〇%と三四%の自給率というならこれはそうたいして自給率に差がないから、これまで価格が半分だということになれば、どこかに大きな問題があるのだろうという感じがするのですが、これは古い資料で、一九六一年でも百四十五円と九十円、五十五円も差があったわけですけれども、別に私イギリスのことばかりをどうこう聞くわけじゃありませんが、イギリスはたしか砂糖の買い入れ公団のようなものかなんかがあって、比較的そういう点ではこの問題は整備をされた条件の国のように聞いておるのですけれども、こういう差が出ておるもとが何に基因するのかちょっとひとつお伺いしたい。
#133
○齋藤(誠)政府委員 これはやはり一番大きな価格の構成上輸入の高いものはもちろん生産費が高い面もありますけれども、いずれも輸入価格ということになりますればほとんど国際価格は同じということになりますので、結局大きな価格差はやはり消費税と関税の差ということになると思います。そういう意味からいいますと.日本の関税率なり消費税の率は英国に比べればはるかに高いということになります。
#134
○堀委員 そうすると、その関税、消費税の高いだけが、ここに差となってあらわれておるということでしょうか。
#135
○齋藤(誠)政府委員 いま申し上げた消費税並びに関税の関係で申し上げますと、日本の場合は六十二円五十銭が関税並びに内国付加税の額でございます。つまり関税において四十一円五十銭、消費税において二十一円、結局六十二円五十銭、こういうのが内国税並びに関税の付加額でございます。それに対しまして英国の場合におきましては、関税が三円九十一銭、国内付加税が二十五円五十五銭、合計いたしまして二十九円四十六銭ということでございますから、大体この面におきましては付加額が半分だということになります。
#136
○堀委員 実はいまちょっと計算が合わないのですけれども、要するにイギリスはシュガー・ボードというのが、消費者に対してリペイメントしているという事実がございますね。御存じでしょう。現在リペイメントというのはどのくらい行なわれていますか。
#137
○齋藤(誠)政府委員 いま計算した詳細な数字を持ち合わせておりませんので、後刻御返事いたします。
#138
○堀委員 大体本年の五月には輸入原糖が百一ポンドあった場合には、五十六ポンド消費者にリペイメントしている。だからいまあなたのおっしゃったような、単に消費税、関税だけの問題ではなくて、さっき私が触れたところのシュガー・ボード自体が、砂糖行政として国民に安い砂糖をどうして食べさせるかということの操作を行なっておることが、現在の輸入原糖高であっても、イギリスの国内価格が半分になっておる、こういう理由になっておるわけですね。それでいまあなたのほうでは、何か三四%自給率があるとおっしゃっておるけれども、この人は英運邦からの輸入は八五%だといっていますよ。イギリスの糖業の専門家が言うているのですが、あなたのほうの自給率三四%というのはどういうところから出ているのですか。英連邦からの輸入八五%ということにもなっているのですけれどもね。
#139
○齋藤(誠)政府委員 これは私のほうの国際砂糖理事会の資料によるわけでございますが、それによりますと、英国で一九六一年に消費量が二百九十五万九千トン、国内の生産量が百一万五千トン、したがって自給度としては三四%、こういう数字が出ておるわけでございます。
#140
○堀委員 まあこの人の言っているほうがどうか知りませんけれども、それはけっこうですけれども、要するに、私はいまの砂糖問題という中には、やはり各国ともに国内産糖を保護するという問題、これは欧州でもはっきり行なわれておるわけですね。国内産糖を保護するというやり方と、しかし同時に安い砂糖を国民に食わせるという政策も、これは各国とも率直に言ってとっておるわけですね。ところがこれまでの日本の砂糖政策というものは、国内産糖保護のほうに比重がかかり過ぎて、国民に安い砂糖を食わせようという誠意がなかったと私は思うのです。そこで現在のように原糖価格が上がってきたときに、当面やはり問題になってくるのは、どうして安い砂糖を国民に食わせるかということが非常に大きな問題になってきている。しかし、そうだからといって、国内産糖を保護していくということも非常に重要なテーマだとするならば、どうしてもやはりシュガー・ボードのような制度ができて、ここで国民に安い砂糖を食わせるたあのリペイメントというものが考えられてこない限り、依然としてその関税を下げることもできないし、あるいは今度のこの問題で、まあこれも主税局に伺いますけれども、全体の消費量の中のわずか三万トン程度の黒糖の精製に関して、砂糖消費税が二十一円下げられなくて五円しか下げられないというような問題が出ておるわけです。しかし私に言わせるならば、やはり企業も大事であるし、あるいは生産者も大事であるけれども、一番大事なのはやはり国民ではないかという気が私はするわけです。そうすると、国民の立場に立って、なおかつ企業と生産者が損失を招かないような政策を考えることが政府の任務ではないか、こう私は考えるわけです。そこでお伺いをしたいのは、私はまず主税局のほうにお伺いをしたいのですが、砂糖消費税を二十一円下げるということにするためにはどうしたら二十一円下げられるようになるのか、一ぺんあなた方の考え方を伺いたい。あなた方は五円しか下げられないと言っていますね。しかし五円しか下げられないならそれなりの理由があるでしょうから、それを二十一円まで下げようとすればどうしたら下げられるか、これは政府が当然これらの非常に高い砂糖を食っておる国民に対してくふうをし、提案をしていかなければならぬ道筋だと私は思うのです。さっき言った、国民に安い砂糖を食わせるという大きな前提の前には当然責任を持って考えなければならぬことだと思うので、主税当局としてあなた方が考えておられることをひとつ伺っておきたいと思います。
#141
○泉政府委員 堀委員の御承知のとおり、四十三国会の際にも申し上げたのでございますが、砂糖消費税は現在の精製糖に対してまして二十一円、それから黒糖、再精赤糖、その他氷砂糖、角糖といったような砂糖の種類に応じまして消費税の税率違えております。そこで、私どもが現在の砂糖消費税の考え方からいたしますと、一キログラム当たり精製糖を五円以上減税しにくいという理由としましては、もちろん減税による減収の税収全体に及ぼす影響の問題もございますが、そのほかにも現在黒糖につきましては五円課税しておるわけでございます。それを原料といたしまして精製糖をつくった場合に、これはまあ日本の特殊な形態でございますけれども、原料である黒糖に課税いたしまして、それからできてきたところの精製糖には課税しないということで、二十一円と五円との税差の十六円をもとにいたしまして、そういう黒糖を原料とした精糖業というものが成り立っておるわけでございます。そこでもし五円以上減税するということになりますと、黒糖に対する課税を廃止しなければならないということに相なるわけでございます。なるほど先生のおっしゃるように黒糖の生産量は五万トン程度でございまして、それからさらに精製糖に使われますものは二万ないし三万トンという程度の数字ではございますけれども、現在のように原料に課税するから製品に対する課税を行なわないという消費税の課税のやり方から、原料に課税しないということになりますと、勢い製品に課税せざるを得ない。ところが製品は輸入糖からつくりましたものも、黒糖からできました製品も品質において変わりはございません。そこで輸入糖に対する課税と同じ課税を行なわざるを得ないことになるわけです。そういたしますと、黒糖を原料にしていままで税差でやっと成り立っておった企業が成り立たなくなる。そういたしますと黒糖の購入をやめるということになるわけでありまして、そうなれば黒糖の生産農民が非常な打撃を受ける、こういった関係に相なりますので、現段階におきましては五円以上の値下げは困難であるという状況に相なっております。お話のように砂糖消費税を全廃してしまえばなるほど精製糖に対する課税二十一円がなくなってしまいます。そうなれば国内消費税はゼロになってしまうわけですから、黒糖に対する課税もなくなるということにはなろうかと思いますが、そうした場合にはたして黒糖生産農民がやっていけるかどうかということを考えますと、なかなかそういうふうに踏み切ることができないという事情にあるわけです。わが国の砂糖等に対する関税と消費税を合計いたしましたものは、先ほど食糧庁長官から申し上げましたように、合計いたしまして六十四円余りになっておるわけでございます。両者を合わせた姿は確かに諸外国のうちでもイタリアと並んで高い税率になっております。ほかの国、たとえばイギリスでは消費税はございません。そういったような点はございます。したがって消費税と関税と両方について軽減をはかって、砂糖をできるだけ安くするということは望ましい政策の方向であろうとは存じますけれども、先ほど来お話がありましたように、国内産の砂糖の生産をふやして自給度を高めていくという政策、それから黒糖農民を保護していくという政策、こういったいろいろな政策がからみ合ってまいりますので、単純に糖価を安くするというだけの政策がなかなかとりにくいという事情にあるわけでございます。
#142
○堀委員 ちょっと食糧庁に伺いますが、今度の暴騰をする前ですね、大体二、三セント程度の原糖でつくられておった当時の日本の小売り糖価はどのくらいだったのでしょうか。
#143
○齋藤(誠)政府委員 当時の、三セント程度で推移しておった国際価格の場合におきまして、わが国の小売り価格は百三十五円から百三十八円くらいのところで推移いたしております。
#144
○堀委員 そうすると、主税局長、いいですか、二、三セントの原糖が入っておって、それを精製しておったときに百三十五円で精製糖が売られておったわけですね。そのときも日本の黒糖はいまの消費税体系の中で、十六円の差額だけでやっていけたわけですね。いいですか、そうすると十六円の差額というのを引いてみれば約百二十円というのが当時の国内の黒糖を使った場合における精製糖の原価ということになるのでございますか、要するに十六円差額があるのですからね。いま百六十円くらいですか、ちょっとそれを確認しましょう。
#145
○齋藤(誠)政府委員 いま卸で百五十円ないし百五十五円、小売りで百八十円くらいです。
#146
○堀委員 要するに百三十五円のときでも国内の黒糖を使ってペイをしておった。それがいま精製糖が小売り価格で片一方が百八十二円に売れているなら、黒糖を原料にした精製糖も百八十円で売れているわけです。そうすると、この間価格差というのはキロ当たり四十五円あるのです。四十五円上がっているのが、それじゃ黒糖の生産者に全部いっているのかというとそうじゃないと思うのです。四十五円の値幅も上がっておる中で、十六円のそれが処理できないわけがない。二、三万トンの黒糖精製業者が不当利得を得ているのじゃないですか、違いますか。
#147
○泉政府委員 精製糖の値段でございますが、輸入糖を原料にいたしました上白につきましては……。
#148
○堀委員 小売りで言ってください。
#149
○泉政府委員 卸売り価格は百六十円五十銭になっております。ところが黒糖を原料にいたしました――これは同じ精製糖でございますが名前が違いまして三温と申します。このほうが、糖度は変わりませんけれども品質が少し落ちるということで、それより八円五十銭ほど安い百五十二円で売られておるわけでございます。したがって八円五十銭の差が値段においてあるわけでございます。それから原料のほうにおきましては、約十八円ばかり黒糖のほうが原価高に相なっておるわけでございます。そういう関係からいたしまして、消費税が黒糖のほうの原料に課税されました後、精製糖になったときに消費税の二十一円が輪入糖のほうにはかかります。黒糖を原料とした三温のほうは課税になりませんという差がありましても、精製糖業者の利潤といたしましては、輸入糖に比べて黒糖を原料としました三温の場合の利潤は、その約八割程度に低くなっておるのが実情でございます。お話のように国内糖価が上がっているのだから、黒糖を原料にしたのは税差のあれを利用してうまく利潤が出ているはずじゃないかというお話もあろうかと思いますが、やはり両方が上がっている関係からいたしまして――もちろんそれによって黒糖の生産農民もある程度潤っているわけでございますけれども、やはりその間消費税を課税しないという形において、やっとバランスがはかられておるという形でございます。
#150
○堀委員 どうも出ている姿からだけ見ますと、ちょっと納得できないのです。同じ価格でずっときているということなら、私はいまの話そのまま理解できるのですが、要するに精製糖のほうは、これで見れば百三十五円の小売り価格から百八十円になったもとは、おそらくこれは原料の増加額になっているわけですね。この部分というのは四十五円原料が増加した。国内糖のほうは原料が物価高という問題はありましょうけれども、こういう国外的な要素によって上がらなければならぬわけじゃないでしょう。ところがちょっとお伺いをしたいのは、百三十五円の精製糖のときに、その三温というのは小売り価格幾らだったのですか。
#151
○泉政府委員 上白が百三十五円のときに、三温のほうは百二十二円ないし百二十三円の値段を出しております。
#152
○堀委員 そうすると、三温は百二十二円から百五十二円まで三十円上がっていますね。あなたのいまのお話では、精製糖に対してのマージン率は八割ということになっておるようですけれども、幾ら八割であったって、原料が幾ら上がって生産者が一体幾らとっておるのですか。三十三円の中身は……。
#153
○泉政府委員 先ほどちょっと失礼いたしました。珥州在われわれの見るところによりますと、輸入糖を原料といたしました場合の精糖業者の利潤は、キログラム当たり二円二十七銭、それに対しまして三温の場合の精糖業者の利潤は、一円三十銭でございまして、その差額は九十七銭でございます。したがいまして九七%と申しましたのはもっと低いのでございまして、五〇%近い利潤が低い状態でございます。
#154
○堀委員 ちょっとよくわからないのですが、一円三十銭というのは何ですか。原価構成で聞きたいのですが、主税局でわからなければ食糧庁でもけっこうです。いまの三温一キロ百五十二円、これは小売り価格か卸売り価格かわからないが、それの原価構成はどうなんですか。要するに原価が幾らで、精製のコストが幾らで、生産者から卸に出す間のマージンが幾らか、これを聞かなければ話は前に進まない。
#155
○泉政府委員 二円二十七銭とか一円三十銭と申しますのは、精糖業者のキログラム当たり利潤額、これはわれわれのほうで推計いたした数字でございます。それから、結局黒糖のほうも国内の糖価高につれて、三温の値段が上がっておるから、利潤が相当多いんじゃないかということでございますが、結局輸入糖と黒糖との総体的な問題でありまして、絶対額としては、なるほど従来に比べてよくなっておりますけれども、総体的な利潤の額からいたしまして、やはり黒糖を原料にいたしました場合は、輸入糖を原料にした場合よりも利潤が少ないという形になっておるのでございます。原価の内容につきましては、少しこまかくなりますので税制二課長からお答え申し上げたいと思います。
#156
○川村説明員 私のところで一応試算、推計を行なっておりますので、企業の実際のコストとは違うと思います。ただ上白と、黒糖を原料といたしました再製三温、それの対比と申しますか、総体的な利潤関係を明らかにするために、試算を行なったわけであります。それを申し上げますと、現在溶糖原価は各社によって違うと思いますが、大体七セント台と押えました。そういたしますと粗糖の原価が百十六円七十九銭。歩どまりを見まして百二十二円九十四銭、精糖費七円十九銭を見まして、一般管理費七円十銭を加えまして、消費税二十一円で販売原価は百五十八円二十三銭、そこで市場価格が百六十円五十銭、これはいま若干下がっておりますが、これを試算した当時は百六十円五十銭でありましたので、そのとおりになっております。それによりますと二円二十七銭の輸入糖を原料とする精糖業者の利潤が生まれるわけであります。それから再製三温の場合は、これは黒糖を全部原料とするわけではございませんので、黒糖を大体八割程度それに輸入糖二割使うのが大体通常でございます。そういたしますと、先ほどの百十六円七十九銭の二割と、黒糖はその当時百二十五円でありますしたので、それを八割使いますと原料費の計が百二十七円五十五銭であります。歩どまりが九割と見まして百四十一円七十銭、精糖費五円、一般管理費四円、消費税は製品にはかかりませんので販売原価が百五十円七十銭、市場価格が当時百五十二円でございますので、利潤が一円三十銭、こういうことに相なっておる次第であります。したがいまして、原料費で十円六十六銭割高になっております。それから精糖費及び一般管理販売費ではこれは小回りがきくといいますか、そういうことで両方合わせて五円十九銭コストが安くなっておる。しかしながら市場価格では八円五十銭割り負けておる。結局そういった不利、有利の要素を合わせまして、消費税の二十一円でカバーした結果が一円三十銭の利潤を生んでおる。これが大体現在想定されまする精糖業者とそれから三温業者とのコストの違いということになると思います。
#157
○堀委員 さっきのお話では九セントから十セントという話ですが、七セントのところでいくと、上白の原料は百十六円七十九銭で黒糖が百二十七円五十五銭だ、輸入原糖よりも黒糖のほうが十円高いのですね。それでその十円高いのはいいですが、これは百十六円七十九銭の時代ですが、もっとさっきの安い時代、これより三十円ほど安い時代があったわけですね。その時点ではその原価と原価はどうだったのですか。
#158
○川村説明員 これは外糖価格とそれから黒糖とを必ずしも比例してつくってございません。現在外糖価格は十セント八〇程度までなっておりますが、現実に精糖会社が溶糖しておりますのは、過去に輪入した分がありますので、精糖原価は実は七セント台と見ておるわけでございます。
#159
○堀委員 その点はいいのですが、私が聞きたいことはおそらく百二十七円五十五銭という黒糖の価格は、これは輸入原糖の価格が上がってきたから上がってきたのだと思うのですよ。それでなければさっきの黒糖が百五十二円、前には百二十二円のときがあったわけで、三十円下のときがあったわけでしょう。そうするとこの中で三十円出てくるというのは精製費が五円で管理費が四円では、ここでは三十円出ないのだから、要するに黒糖が三十円上がってきたということじゃないのですか。率直に言えばそうでしょう。そうするならこれは、いまのようなかっこうでもし消費税が撤廃をされたらどういうことが起こるかというと、これは精製業者の問題じゃないのじゃないですか。これは黒糖業者のほうが輸入原糖につれてそんなに上げなくてもいいのだということになって、そっちの価格が下がってくればこれはペイする問題が出てくるのだ、この問題はこういうことになるのじゃないのですかね。
#160
○泉政府委員 お話のように、もし消費税を撤廃いたしました場合は、現在黒糖を原料にしまして、再製三温をつくっている砂糖業者が黒糖を原料として買うときに、非常に安い値で買わないといけないということになろうかと思います。そこでその結果は黒糖の生産農民に対して非常に値を落とされるという、黒糖生産農民の問題が大きい問題になるわけであります。
#161
○堀委員 黒糖の生産農民はそれでいいのです。私は何も黒糖の生産農民をいじめようというのじゃないのですよ。しかし輸入価格が上がったら、これは上がりますよね。何も私は黒糖の生産者の直接の関係じゃないということですよ。裏返していえば要するに国際市場価格が上がったために上がったので、コストが上がったのでも何でもないでしょう。逆にこれがまた二セントまで落ちてきたらどうなるのですか。三十円下がるのでしょう。そのときには、これは消費税で操作することはできないはずですよ。粗糖が、輸入原糖が三十円下がる場合が将来あり得るでしょう。さっき聞いたら、急には下がらないだろうけれども、わからないということだから下がるかもしれない。そうした場合にそれなら下がるんだ、輸入原糖が動いたら下げられるけれども、国内の者に安い砂糖を食わせるためには下げられないということにはならないのじゃないですかね。これは考え方ですよ、その点どうですか。だから黒糖に対して、黒糖原料の中で五円税金を取っていますよね。この五円の税金を取っ払ってしまえば、百二十二円になりますね。この黒糖原価というのは安くなりますね。そうでしょう。百二十七円五十五銭の黒糖は五円取っ払ってしまったら、この中へ入っているはずだから、百二十二円になりましょう。百二十二円になったら、ここで最終コストは五円下がりますね。原価が下がったんだからもう五円下げられるはずですよね。消費税のほうでもう五円下げてもこっちを五円下げられる、そういうことになりますね。
#162
○川村説明員 現在黒糖の生産農民が黒糖をどれだけのコストでつくっておるか。それを百二十五円で売ったら、コストを販売価格との差がどのくらいあるかという問題に帰するかと思います。おそらく現在は輸入糖価絡の値段がかなり上がっておりますので、五円程度さらに下がってもコストを埋めるということについては問題はないと思います。ただ問題は、現在百二十五円という価格で売られているものが、税制改正の結果、さらに黒糖農民の利潤だけが落ちるということが一つ心配されるということ、それをどう考えるかは別の問題でございます。それからもう一つはまあ輸入糖の価格が今後どのようにフラクチュエートするかによるわけでございますが、つい三ヵ月前、九月の末には五セント台まで落ちたわけでございますから、現在たまたま十セントしておりましても、今後半年のうちにどういうふうな動き方をするかわからない。そういうことを考えますと、やはり現在の絶対額が残っておるから、直ちにさらに五円下げてもいいのではないかということに踏み切れるかどうか。その辺がかなり問題ではないかと思います。
#163
○堀委員 私が五円といったのは、百二十七円五十五銭というこの黒糖の原価の中に砂糖消費税の黒糖の五円が入っているでしょうと言うのですよ。だから黒糖に対する砂糖消費税、いまこれが五円ですね。これをゼロにしないで一銭にすれば、この原価が四円九十九銭これは下がってくるのじゃないですか。それで四円九十九銭原価が下がれば、砂糖消費税を、いまあなた方はここをさわらないで五円下げるといっているんだから、要するにその黒糖の消費税を一銭にして十円下げることは可能ではないか、こう聞いておるのですよ。
#164
○泉政府委員 提案いたしておりますのは、精製糖について、砂糖消費税の二十一円を五円引き下げて十六円にしますと同様に、黒糖につきましても、五円を一円に、四円引き下げる案を練っておるわけでございます。したがいまして、一円ということにすることがいいがどうか非常に問題があると思います。まあ一キログラムのことでございますから一円に下げる、そうして税差をある程度保つ――いままでは二十一円と五円と十六円の税差であったわけですが、今度は十六円と一円と十五円め税差を保つという考え方でやっておるわけでございます。したがいまして先生のおっしゃるようにはならないわけでございます。
#165
○堀委員 私その五円を引くというのをちょっと気がつかなかった。精製糖で五円を引くだけで、黒糖のほうも五円を引いておるのが気がつかなかった。その点は私のロジックのあやまりです。
 そこで、もう一つ伺っておきたいことは、これは食糧庁のほうに伺いたいのですが、さっき私はシュガー・ボードの話をしましたね。要するに、いまの話でいくと、これはもう五円、一円なんというのを残さないで、泓は当然とっていいと思うのだ。一円下がるからいいということですからね。そんなことはどうでもいい。それではどうしてもいけないというので、わずか二万トンか三万トンの黒糖精製業のために十五円まだ下がり得るものが下がらないというのは、われわれとしてはおもしろくないのですよ。今度食糧庁の方でシュガー・ボードがやっておるような形でリペイメントをその部分に出す方法はないですか。いまの十五円の黒糖生産者との差額を国の側でリペイメントしてやる。
#166
○齋藤(誠)政府委員 英国のようなリペイメントの方式というものは、砂糖に限らず、農産物価格全体の支持価格の一つの手段として、英国でやっておるわけであります。日本でも、大豆のような、いわば、基準価格を下回った場合にその差額を出すというような方法もありますけれども、甘味の問題につきましては、英国は、先生御承知のように五十五キロとっている。日本はまだわずか十七キロだ。おのずから砂糖の消費者に対する影響度も違う。にもかかわらず、われわれといたしましては、まだ国内におきまして黒糖ばかりでなしに、これと競争関係にありますブドウ糖であるとか、あるいは水あめであるとか、いわば砂糖に属する甘味資源があるわけでございますが、これらをすべて、いまお話しになりましたようにシュガー・ボード方式で全部買い上げてしまう。そしてあとはリペイメントでやるというふうな方法をとることにつきましては、いろいろ財政的な問題もありましょうし、またやり方自身につきましても日本の実情では、多数の企業に対してそういう方法ができるかできないかという点もございます。そういうようなことで、国内の生産面における奨励施策、それに買い上げの道をも含めてやっていくというようなことで考えておりますので、やはり全体の砂糖の価格につきましては、一面、関税における保護というようなことも必要ではないか、こういうように思っておるわけであります。
#167
○堀委員 いまの話だけ聞いていますと、砂糖消費税というものは永久に十六円残っちゃってどうにもならぬということになるようなあなた方の答弁のようですね。どうにもならぬということですか。これはひとつ農林政務次官及び大蔵政務次官から政治的にお答えいただきたいのですけれども、日本は永久に砂糖消費税は十六円とらざるを得ません、わずか二万トンの黒糖の精製業者のために国民を犠牲にいたしますということなのかどうか、はっきり答えてもらいたい。これは政治的な問題だから、両政務次官にひとつお答えを願いたい。大臣に聞くところだけれども、政務次官に責任のある御答弁をお願いします。
#168
○丹羽(兵)政府委員 ただいま御意見聞いておりまして、もっともだと思います。しかし現在、国内糖の育成のためにやむを得ませんが、今後ひとつ国内糖の育成合理化をはかって、そういう方向に持っていくことが望ましい、こう考えております。
#169
○纐纈政府委員 私もよくわかりませんが、ただいま農林政務次官からお話のありましたように、これにつきましては、黒糖の生産等につきまして合理的な方法をとることによって、要するに砂糖の値段を安くするという方法を講ずべきではないかというふうに考えます。
#170
○堀委員 実は黒糖のほうを合理化してコストを下げれば何かできるようなふうに受け取れるのですがね。
 食糧庁長官にちょっと技術的に聞きますが、この黒糖を合理化できるのですか。いまの黒糖生産業者の実態から見て、黒糖というものを大々的に発展させるような条件はないと思うのです。だから、そういう条件のないのに、あるようなことを政務次官御両所は答えておられるけれども、それはひとつ客観的にどうなのか、ちょっと答えておいてもらいたい。
#171
○齋藤(誠)政府委員 必ずしも私の所管ではございませんが、甘蔗あるいはビート、こういった国内甘味資源の生産部面につきましては、黒糖ももちろんでございますが、まだまだ黒糖などにつきましては今後品種の面におきまして改良部面がございます。現在の反収等もまだまだ引き上げる可能性があるわけであります。したがいまして、生産部面におきましては優良品種の導入であるとかあるいは採種圃の設置であるとかあるいは甘蔗生産に必要な土壌条件の改良であるとかいうようなことを今後一生懸命進めていこうということで、農林省はいろいろな施策を講じておるわけでございます。そういう面で、どうしても一面生産もふやすと同時に、コストもどんどん上がるということでなしに、下げていくようにするし、また必要に応じて工場などでつくります場合における歩どまりとかあるいはロスとか、こういう面におきましてもどんどん合理化をはかっていく必要があろう、こういうことで価格がどんどん上がるということではないようにしていきたいということを国内甘味資源の生産の基本的な考え方として持っておるわけでございます。
#172
○堀委員 ビートについては生産量が大きくなってきましたし、合理化の問題でも残されておる問題がたくさんあると思うのです。しかし黒糖というのは、生産できる地域が限られているし、その地域の条件というものもきわめて特殊的な条件になっているわけですね。これは委員長なり有馬委員がよく知っておられることで、私はむしろ第三者的でよくわからないが、しかし私が大体感じておるところは、黒糖というものの生産は、そう今後飛躍的にふえることもないだろうし、また黒糖を原料として精製糖をそうつくらなければならぬということも、私は率直に言うとないと思うのです。だからそこらには非常に問題があるので、そうではなくて、私はやはり何か価格差補給的なことをしない限りはこれは解決がつかないのではないかという考えなんです。だからいまの農林政務次官及び大蔵政務次官が合理化でやろうなんて言われたことは、百年河清を待つようなもので、いつになったら国民に対してそういう消費税が撤廃できるかわからないと思うのですが、そういうことをやったら何年たったら砂糖消費税を撤廃できるようになるのか、ちょっとそのめどを聞きたいのです。農林政務次官及び大蔵政務次官そのめどを教えてください。合理化によって砂糖消費税を全廃できるのが何年後であるか、それに対しては本年度はどういう予算措置をしておられるのか、農林省側としてはどうか、大蔵省としてはどういう配慮をしたか、ちょっと明らかにしてもらいたい。政務次官御答弁願います。
#173
○丹羽(兵)政府委員 ただいま私が申し上げましたように、また御意見にありましたように、そういう方向に持っていくことが望ましいので、できるだけ合理化をはかって実現したいということを御答弁申し上げたのであります。そこでまたそれについてめどをとおっしゃいますが、なかなかきょうここで三年先にやるとか、二年先にやるとかいうような確実なめどはつきませんが、誠意をもって努力させていただきますから御了承願いたいと思います。
#174
○纐纈政府委員 私も実はあまりよくわかりませんですけれども、一応合理化という問題につきましては、要するに黒糖をつくるということと、黒糖を材料として精製糖をつくるという二つの階段があるようですから、黒糖をつくるものは、いわゆるその消費量だけをつくらせて、それ以外のものにつきましては、甘蔗をもって直接精製糖をつくる方面に移行さしていくということが行なわれれば、いま黒糖をつくっている農民の方がある程度救われていくようになるのじゃないかというような考え方を持っております。
#175
○齋藤(誠)政府委員 黒糖の主要な生産県は、御承知のように鹿児島の熊毛郡でありますが、そのほかに奄美大島があります。農林省で所管いたしておりますのは熊毛郡だけでありまして、大島のほうは例の奄美大島の復興計画の一環として甘蔗の奨励施設をつくっております。この地帯は先生御承知のように、甘蔗がほとんど唯一の農作物でありますので、農林省としても今後奨励していこうということで、三十八年度、今年度の予算におきましては約五千万円を補助金として出しております。この内容は、主たるものは土壌改良に対する助成でございます。なおそのほかに採種圃というような補助金も一部入っております。
#176
○堀委員 三十九年度農林省として要求はどのくらいしておりますか。
#177
○齋藤(誠)政府委員 実はこれは園芸局の所管でありまして、私は三十九年度の要求額は直接承知しておりません。
#178
○堀委員 いま大蔵政務次官も、合理化によって一日も早くこの砂糖消費税が撤廃されることを国民のために約束をしてもらいましたから、そうすると、ことしの黒糖の補助に対しては一銭もまけないといってここで約束してもらいたいのです。全部認める。認めないというならば、あなた方は国民に、今後砂糖消費税をたくさんとって、高い砂糖を食わせるという政策をやるということになるのですよ。どうですか、政務次官、ここでひとつ約束してください。黒糖については、あなた方合理化によって一日も早くやると言ったのだから、それなら予算をつけなければ合理化できないのだから、ひとつ約束してください。
#179
○纐纈政府委員 大蔵省としてはまだ主管省のほうから要求もないのでございますが、要求がある場合にはできるだけ努力させていただきたいと思います。
#180
○堀委員 ちょっと園芸局長を呼んでください。園芸局がこの予算要求をしてないということだと、これは重大な問題ですよ。砂糖消費税どころの問題じゃない。委員長、園芸局長が来るまでちょっと休憩を願います。
#181
○齋藤(誠)政府委員 もちろん三十九年度に甘味資源の総合対策として予算を要求いたしております。ただ私いま金額を……。
#182
○堀委員 あなたはいいのですよ。ただ政務次官は要求をしてないと言うから……。
#183
○山中委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#184
○山中委員長 速記を始めて。
#185
○堀委員 わかりました。それではいま話のあったように、どうしても何か価格差補給のような補助をして――現実の問題の中で補助をしない限り、いま五千万円また六千万円出ていても、これはちょっとそう簡単にいかないと思うのですが、園芸局長が来ないと、園芸局長のほうから出すのだから何とも言えないけれども、これが出たとしたら、大蔵省はどうしますか。国民に安い砂糖を食わせることには反対ですか。
#186
○纐纈政府委員 われわれはいま先生のおっしゃいますように、国民が安い砂糖を食べられるようにしたいということは先生と同感でございますが、やはり国際収支等考えてみながら、もう少し検討させていただかなければ、ここで絶対にとらないということの言明は私といたしましてはいたしかねる次第でございます。
#187
○堀委員 ちょっと話が何か変なほうにきた。国際収支といまの黒糖の部分に何か輸送料の補助を出すということとでは、ちょっと飛躍し過ぎておるようですが、御説明いただきたい。
#188
○纐纈政府委員 いまの話が国際収支と言ったのは間違いでございまして、財政収支でございます。
#189
○堀委員 税源としての問題ということは、別の角度の問題だと思いますから、それは私はまた別の機会に論じます。財源がどうかということについては、きょうはこんなまさに重箱のすみのすみのほんとうのすみのをほじくっておるわけですから、それについては論議を別にしますけれども、しかし世界で一番高い砂糖を食っておる国民に対して安い砂糖を食わせるということは、私は、国の政策として当然だと思うのです。だからその中で財源の配分の問題等が出てくると思いますけれども、もし消費税を撤廃しようというときに、撤廃されるような条件ができていなければ撤廃できないということがいま明らかになってきたわけですから、その基礎的条件を満たしておいて、その上でどうするということを考えるというなら話がわかるけれども、そのほうは全然やらずにおけば、いつまでたってもこの消費税を引き下げることができないということがコンクリートになる、そういうところにきておるのだから、私はその点に触れておるのだ。だからその問題はその問題として一応処理して、あとは全体の税収、財政収支の関係で考えるというなら話はわかるけれども、だめなことにしておいたら財政収支に余裕ができてもどうにもならぬということになるのだから、順序としては、その方向を先に考える必要があるのではないか、こういうことを申し上げておるわけです。だから、それをやったらすぐ砂糖消費税をゼロにしなければならぬかどうかは、その時点でまた考えられる問題として考えればいいのじゃないかと私は思うのですが、そういうものの考え方の上に立って、前段的な処置としてのこの補助の問題が出たときに、大蔵省側はそれではどうされるのかということをちょっと伺っておきたい。
#190
○纐纈政府委員 ただいまの御質問の趣旨に沿って処理するようにいたしたいと思います。
#191
○堀委員 終わります。
#192
○春日委員 私は、農林当局にお伺いをしたいと思うのでありますが、私はこの夏の国会閉会中たまたま南洋諸島を視察に平岡君と行ってきたのです。そのときに、私はフィジー島、サモア島、それからタヒチ島というようなところに行ってまいったのでありますが、非常に異様に思ったことは、フィジー島あたりで、ある部分には非常に砂糖の木がおい茂っておるが、すぐその隣接するところに全然砂糖の木がつくられていないわけです。だから私は、日本国内において砂糖が何かしら貴重品のように扱われておるのに、つくれば幾らでもできる肥沃な土地が、全然作付されないで空地になって捨てられておる。しかも空地のほうが作付されております土地よりも多いのです。それで私は、土地の人になぜつくらないのかと言って聞いたら、何か三、四年前に砂糖がものすごく需要供給のバランスを欠いて、買い手がなかったときがある。したがって、原糖が波止場に野積みにされて雨にたたかれておったような時代があるのだ、それにこりて砂糖の原産諸国において何か国際協定を結んで生産抑制をやっておって、あたかもわが国におきますタバコの作付反別割り当てみたいなことで、国際的な割り当てが非常にきびしくて、つくろうにもつくれないのだ、こういうことを言っておりましたが、この辺の関係は一体どういうことになっておるのでございますか。
#193
○齋藤(誠)政府委員 いまお話しになりましたのは、おそらく砂糖協定の中におきます割り当ての問題だと思いますが、砂糖協定は、実は二年前キューバ砂糖輸出割り当ての問題に関連いたしまして、事実上その後におきましては最高価格の問題あるいは輸出割り当ての問題、あるいは割り当て国以外のところから輸入するというふうな問題等につきましては、事実上適用がないような状態になっておりまして、ただ破棄されるのはまずいということで二年間延長しておりますが、これは主として手続的な規定だけが残っておるというふうな状態で、現在においてはいま先生のお話しになりましたような割り当てがあって生産ができないというような事態には現在はなっていないはずだと承知いたしております。
#194
○春日委員 それは私は、実は国内において砂糖が非常に品薄である。わが国のごとき世界における代表的な輸入国が、このような世界協定のあり方について何か発言をしてしかるべきであると印象を受けて帰ってまいった次第でありますが、現実にはこのフィジー島なんか、とにかく――また私はハワイ島も見てまいっているのでありますが、同じような土地がらに隣接して、砂糖の木が繁っておるのと、それに何倍かの空閑地があるということ、はなはだ異様に思ったので私は質問をしたら、つくろうにもつくれないのである、なぜつくれないか、それは結局量が多く産出されればそれだけ原糖の価格を暴落せしめる。数年前のその経験にこりて、その世界協定なるものはきびしく作付反別の割当てを行なっておるので、したがって、つくろうにもつくれないのだということを私はこの八月に聞いたばかりなんですが、いま食糧庁長官のお話によると、そういうことはないのだということだが、ほんとにないならばないでいいんだけれども、しかし事実関係はどうなんですか。
#195
○齋藤(誠)政府委員 私がいま申しあげたような事情で、生産割り当てはないというふうに承知いたしております。事実、日本の商社も南方におきまして進出して粗糖生産事業に着手しておる向きもありますので、いまお話しになりましたようなことは現在においてはないと私は承知いたしております。
#196
○春日委員 いつ変わったのですか。それはよく調べてもらいたいと思うのです。私は現場を見て現場の外務省の人にそういう説明を受けてきたんだが、そんなものかと思ってきたんだが、それを調べながらひとつお聞き取りを願いたいと思うのですけれども、現実に将来原子科学の発達によりまして、戦争がないとすると、現に行なわれておるがごとく、後進国の開発だとか経済援助とかいうような形でそれぞれの国々におきます過剰生産物が、例の小麦のような放出の形をとったり、無償供与の形をとったりして後進国に与えられていく、こういうものをいろいろと判断をいたしますれば、国際経済のターミナルは国際分業になってくると思うのですね。やっぱり適地適作主義と申しまするか、たとえばわが国において綿花の需要が大きいけれどもほとんど輪入にまっておる、羊毛またしかり。塩だって、わが国の塩業政策も、国際的規模において再検討の段階にあるということだと思うのですよ。そういうような段階で、私はいまここに原則的なことについて意見を述べておるのでありますが、それらの国々がもしそれ私がこの八月に見聞してきたような形で、自分の生産した原糖の価格維持のための生産抑制措置を講じておるということになりますと、それぞれの消費国、輸入国が、結局は別途ビート糖の自国生産ということに政策的な努力を重ねていって、そうしてそのような国々において砂糖をつくろうと思っても、つくっても買い手がなくなるというような自縄自縛の結果になってくる。国際経済の将来の展開をいろいろ推測判断するならば、やはり国際協定なんかで日本もどんどん発言をして、そういうような生産抑制措置なんかはとらないように、どんどん生産して、そうして安いものを世界全人類の立場において供給がなし得るような主張をなすべきだと思うのだが、しかしそういう抑制措置が協定の中に全然なされていないとするならばそんな必要はないということになるのだが、やはりそういう砂糖の世界協定の中には、そのような生産に関する制限措置というものは全然ないのでございますか。
#197
○齋藤(誠)政府委員 砂糖協定が五八年に成立したものが、いまお話しになりましたような生産の価格の最高限であるとか輸出割り当て、あるいは非加盟国からの輸入制限あるいはいまお話がありましたような輸出国における過剰の場合における生産割り当てというような規定が協定の中にあるわけでございますが、これが六一年の秋以降、キューバの輸出割り当ての増ワク問題が非常にもめまして、それ以来事実上これらの規定は発動してない、適用を中止しておる、こういう状態になっておるわけでございます。したがって、特に生産割り当てをどうこうするというようなことはないというふうに私は承知いたします。
#198
○山中委員長 では、先ほどの堀委員の質問中、残されておりました園芸局所管の来年度予算要求もしくは今後の黒糖が生産者並びに業界のあり方によって砂糖消費税減税の支障とならない方策をいかに考えておるかという点についての御説明をお願いします。
#199
○酒折政府委員 サトウキビの生産対策につきましては、来年度予算におきまして、特に関税の問題、消費税の問題等もございますので、生産対策の強化ということを考えております。内容といたしましては、まず採種等の種苗関係の経費、それから土地改良のための機械の経費、特別指導地の設置、そういったもので、大体合計で三千三百万円程度の予算を組んでおります。
#200
○山中委員長 質問の重点は、そういうのももちろんお答えになってよろしいが、現在の消費税五円下げのネックは黒糖を五円以上下げられないのだ、ゼロにできないのだというところにある。したがって、将来消費税を政策によっては全廃できるような方向に予算上、行政上、持っていくような、一例をあげるならば価格差補給金とか輸送費を見るとかというようなことを考えているかどうかという質問です。
#201
○酒折政府委員 現段階では、五円の引き下げでもってそれに対応する対策としましては、いま申しましたような生産対策を強化していくということでございまして、それ以上の価格差補給金を出すとかあるいは輸送費を出すということは特に考慮してございません。
#202
○堀委員 あなた、生産を強化するといま言われましたね。黒糖の生産を強化する。間違いないですか。
#203
○酒折政府委員 これはサトゥキビの生産の強化でございまして、黒糖につきましてはなるべくこれを分蜜糖にする方向で考えていきたいと考えております。
#204
○堀委員 そうすると、さっき食糧庁のほうから、昭和三十八年度にあなた方五千万円予算をもらっておるのです。それが、ことし三千百万円か幾らか出して強化するというのは、どういうことですか。それは弱化じゃないのですか。
#205
○酒折政府委員 先ほど食糧庁長官が申しましたのは、おそらく土地改良などの経費も入っているのではないかと思います。私のほうの直接の生産対策といたしましては、昨年度がたしか千六百万円でございました。それをいま申しましたように三千三百万円にふやすということでございます。
#206
○堀委員 土地改良に幾ら出していますか。
#207
○酒折政府委員 確かでありませんけれども、昨年が三千万円でございましたから、それを若干ふやしておりますから、おそらく五千万円程度出ておると思います。
#208
○堀委員 わかりました。それでは強化だと理解します。
 そこで、ちょっと園芸局長に申し上げておきますが、あなたは日本の砂糖は安いと思いますか、高いと思いますか。
#209
○酒折政府委員 私は、これはむしろ生産者側の立場でものを言うような立場でございますので、そういった観点から申しますと、日本のてん菜にいたしましてもあるいはサトウキビにいたしましても、生産性はまだ外国に比べてやや低いということから、やはり価格の面である程度操作しての生産奨励策も考えなければならない、そう考えておるわけでございます。一方、関税等もございますので、消費者の面から見れば、いろいろな面から見て相当高いものになっているのではないかというふうに感じております。
#210
○堀委員 農林省も生産者の立場を守ることは必要ですよ。確かに必要ですけれども、しかし消費者の立場は国民全体ですから無視できない。そうすると、関税の問題というのはちょっと複雑ですから、いま議題になっておるのは消費税ですから消費税に限つて申し上げると、いままで長時間にわたって前国会以来やってきた問題は、要するに砂糖消費税が二十一円はかかっておるわけです。私どもはその二十一円全部取っ払ってしまえという考えです。政府が物価政策の中でとり得る最も的確に最も大衆に直接に価格を下げることができるのは砂糖消費税の撤廃だと考えております。それを撤廃したくても、わずか二万トンとか三万とか程度の黒糖からくる三温という精製糖業者及びその生産者を保護するために五円しか下げられないというところにいまきておる。そこでさっきいろいろ議論した結果、二十一円を取っ払うかどうかは、その時点における財政収支の関係で、これは別個の問題として考えなければなりませんけれども、しかし前提条件として、その生産者及び精製業者が取っ払われてもやっていけるような条件がつくってなければそういう議論に入るわけにもいかないという段階にきておるから、そこで園芸局がそういう予算を要求するならば――大蔵政務次官もここではっきりと善処を約束しておるわけです。せっかく大蔵政務次官が善処を約束しておるのに園芸局が予算を要求していないということになれば、園芸局というところは、国民に高い砂糖を食わせるために専心努力をしておる、こういう理解をされてもやむを得ないと私は考えるが、どうですか。それでさっきから合理化によって安くするということを政務次官もお答えになったが、私もそれは筋道としてはわかるけれども、それじゃ何年たったらこれは撤廃できるようになるかといって伺いましたら、政務次官は、それは三年とか五年とかいうわけにはいかないと答えられておる。物価高というのはきょうあすの問題で、三年先、五年先に物価が十五円下がるかどうかとかいうことをいまここで論ずるために法案を提出されてないと思うのですよ。五円でもいいから安くするということも一つの方法ですけれども、百九十円や百八十円の中で、きょう午前中に春日さんが言ったように、五円下がりますなんて、実際恥ずかしくて政府がそんなことを言えるのはどうかしておるのじゃないかという気がするくらいですよ。そこで私どもは、それじゃせめて十円下げられないかと思ってもいまのがネックになって下げられないというのが現状であるならば、この問題についてはいまからでもおそくないのですから、園芸局長、予算査定はまだ正式には始まってないわけだから、これから要求しますか。いまの分計算して輸送費に見合う補助金でもいいですよ。それをひとつ国民の名において要求してもらいたい。酒と違いまして全国民必ず砂糖を食うのですよ。砂糖を食わないのは糖尿病の患者だけなんであとは食っているから、ひとつその点を考えてください。
#211
○酒折政府委員 消費税の引き下げの五円ということは総合的観点からきめられまして、五円の引き下げであるならば、園芸局といたしましても特に価格差補給金は特別に考慮する必要はないということで生産対策だけをやっております。したがいまして、もしも十円も下がるあるいは十五円下がるということになると、一体黒糖の問題はどうなるかどいうことが出てきますので、その場合は、私どもは当然価格差補給金の問題を考えなければならぬ。予算をわれわれのほうで出さなかったから五円しか下がらなかったのであるというふうには必ずしも考えておりません。五円引き下げがきまったから予算もそれに即応して考えていくということが実態ではないかと思っております。
#212
○堀委員 卵が先か鶏が先かということになると時間がかかりますから、これは委員長にお願いをしたいのですが、やはり大蔵大臣と農林大臣とに一ぺんちょっと出てもらわないことには、こんなことになってきたら、これはちょっと園芸局長では無理だと思うししますから、私きょうここでやめますが、ひとつ明日は、この問題については、大蔵大臣及び農林大臣の出席をお願いをして、これは非常に政治的ですからやはり予算要求をここへ出してもらうところまで私はやっておかないことには、それは財政収入をどうするかは別ですよ。しかしそれは考えておく必要があるという判断ですから、ひとつそういうことを含めて、本日の質疑はこの程度にいたしておきます。
#213
○山中委員長 堀君の提案は、明日の理事会で相談をいたします。
 次会は、明十四日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十分散会

ソース: 国立国会図書館
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