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1947/12/04 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第22号
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1947/12/04 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 商業委員会 第22号

#1
第001回国会 商業委員会 第22号
昭和二十二年十二月四日(木曜日)
    午後二時二十一分開議
 出席委員
   委員長 喜多楢治郎君
   理事 石神 啓吾君 理事 笹口  晃君
   理事 佃  良一君 理事 片岡伊三郎君
   理事 福永 一臣君
      赤松 明勅君    林  大作君
      山口 靜江君    岡野 繁藏君
      高橋 長治君    鈴木 仙八君
      關内 正一君    多田  勇君
      松崎 朝治君   唐木田藤五郎君
      小枝 一雄君
 出席政府委員
        食糧管理局長官 片柳 眞吉君
        商工政務次官  冨吉 榮二君
 委員外の出席者
       議     員 長野重右ヱ門君
        商工事務官   酒井  弘君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 百貨店法を廢止する法律案(内閣提出)(第六
 二號)
 石油配給公團法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出)(第八四號)
  請願
 一 復元綿スフ織物轉廢業者に復興資金補助の
   請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第一一一
   五號)
 二 中小商工業振興に關する請願(長野重右ヱ
   門君紹介)(第一一二〇號)
 三 中古衣類の公定價格制度撤廢の請願(林大
   作君紹介)(第一二五一號)
 四 中古衣類の公定價格制度撤廢の請願(中村
   元治郎君紹介)(第一二八六號)
 五 引揚者に専賣品並びに生活必需品優先販賣
   許可の請願(根本龍太郎君紹介)(第一二
   九九號)
 六 主食代替の砂糖配給に關する請願(岡野繁
   藏君紹介)(第一三二二號)
    ―――――――――――――
#2
○喜多委員長 これより會議を開きます。まず請願の審査をいたします。
    ―――――――――――――
#3
○喜多委員長 日程第一、文書表第一一一五号、復元綿スフ織物轉廢業者に復興資金補助の請願、紹介議員早稻田柳右エ門君が欠席でありますから、代つて趣旨を申し述べます。
 本請願の趣旨は、綿スフ織物轉廢業者復元の實情を考慮せられて、その所要資金十一億三千萬円の五割、すなわち五億六千五百円の國庫補助を交付されたい。なおその残額五億六千五百萬円の復興金融金庫より融資されたいというのであります。本請願に対する政府の所見を質します。
#4
○酒井説明員 綿スフの織機の復元につきましては、綿紡績を四百萬すいといたしましたときは、延台數といたしまして約二十四萬台の織機が必要となつてくるわけであります。ところが八月十一日の調査によりますと、約二十三萬台の延台數がございまして、あと約一萬數千台を今後といえども復興する。こういう計画を立てたわけでございます。それで結局前転廃業者に対しましては優先的にその約一萬三百何台を割り當てまして、これを復興させる豫定にしておるわけでございます。今の請願の理由といたしましては、補助金の問題が一点ございますが、補助金につきましては目下の事情としては、個人に対する補助金は許されないような状況にあります。ただ共同施設に対する補助につきましては、ある程度見られるのではないか、かように存じております。それから金融の問題でございますが、これにつきましては、できるだけ復金あるいはその他の金融機関の方面からあつせんをして、できるだけ復興に助力していきたい、かように存じておるわけでございます。
#5
○喜多委員長 質疑はありませんか――質疑もないようですから採決いたしたいと思います。本請願は採決して内閣に送付すべきものと決定して御異議ありませんか。
#6
○笹口委員 採択はちよつと待つていただきたい。補助金は非常に高額ですし、それから今それだけのものをその仕事に補助することがはたしてどうかということが非常に疑問なのです。今政府の説明者から言われたように、金融その他について便宜を与えるということは私は異議はないが、それだけの補助金を出すということになりますと、それよりさらに上の紡績その他についてやはり補助金を出さなければならぬ、こういう理論になつてきます。
#7
○喜多委員長 本案に対しては保留税がありますが、保留に御異議ありませんか――御発言もないようでありますから、保留に対する賛成と見て、さように決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○喜多委員長 日程第二、文書表第一一二〇号、中小商工業復興に関する請願、紹介議員長野重右ヱ門君の説明を願います。
#9
○長野重右ヱ門君 ただいま御審議を煩わしております中小商工業の振興に関する件につきまして、紹介者としてきわめて簡単に御説明を申し上げて各位の御賛同を得たいと思うのであります。中小商工業の問題につきましては、御承知のように本國会におきましても特に自由討議の課題としてこれが取上げられ、かつまた承つておりますところによりますと、本委員会におきましても特に小委員会をお設けになりまして、いろいろと御審議あるいは御協力を煩わしておるのであります。しかるに最近の情勢に鑑みましと、政府當局におきましてもいろいろとお考えに相なつてはおりまするが、御承知の商工協同組合法の改正であるとか、あるいはまた公團法の濫用、生活協同組合、資材、資金の問題等がありまして、この振興すべき中小商工業がややもいたしますといろいろの面から非常な阻害を与えられておりますような状態に立至つておるのであります。ここにおきまして去る十月二十日午後一時から明治大学の記念館におきまして、日本商工会議所、商工協同組合中央会、日本中小商工業総同盟会、日本商工政治協議会、東京都工業振興協議会、東京工場連盟、東京都商工協同組合協会、商業者同盟、全日本中小工業協議会等九つの團體が相はかりまして、全國の業者の大会を開催いたしたのであります。その大会におきましては各方面から御参集を煩わし、かつまた本國会からも御参会を煩わしたのでありますが、全國より参集いたしましたこれらの業者におきまして非常に熱烈にこの日本経済の再建が中小商工業の振興にあることを提唱いたしてまいつたのであります。それの決議に從いまして、ここにこの請願書を提出いたしますようなわけであります。詳細は請願書において御承知を願いたいと思うのであります。願わくは各位におかせられましては、さきに申し上げましたように、どうぞ滿場一致後採擇くださいまして、中小商工業の振興のために御協力くださらんことを切に懇願いたしまして、簡単ではございますが、説明にかえる次第であります。
#10
○喜多委員長 本請願に対する政府の所見を質します。冨吉政務次官。
#11
○冨吉政府委員 中小商工業がわが國経済発展に非常な貢献をなしましたことは、われわれこれを十分了承いたしておるのでございます。さうにまたわが國際経済再建の上から見まして、中小企業がもつ比重の重かつ大であることをよく了承いたしておるのでございます。そこで商工當局といたしましては、この中小商工業の振興に対して種種検討してまいつたのでございますが、御承知のごとくわが國の現在の経済情勢がきわめて困難な状況にございます。まずわが國の現在の生産實績が、御承知の通り戦前の三〇%ようやくしまつたという程度でございまして、資金の面からいたしまして、實材の面からいたしましても、きわめてこの中小の規模の企業が圧迫を受けておりますることも、また事實でございます。從いましてこれを何とか救済し、同時にまたこの健全なる発達をはかつて、もつて日本経済の復興をはかるということは、きわめて重大なわれわれの関心事でございまして、中小企業対策要網なるものを検討して、その筋ともいろいろ折衝いたしました結果、ようやく成案を得まして、十一月七日閣議の決定を見たわけであります。爾来この法制的かつ豫算的措置を講じてまいつたのでございまするが、御承知のごとく現在のわが國の政府がおかれたる立場もございまするので、今期議会に提案御審議を願うことができなかつたことは、まことに私どもの遺憾とするところでございますが、来る通常議会の開會劈頭にこれを提案いたしまして、御審議を願う見透しがついたのでございます。そこで一般的に中小企業と申しましても、先ほど来申しておりまするし、またすでに御案内のごとく、わが國の國民の経済力、わけても消費に対しましては、おのずからなる制約を受けておりまして、かつまた資材の関係、資金の関係等もございまするので、ただ中小企業なるがゆえにすべてを総花的に保護育成するということは、全然不可能問題でございまするが、そこには健全なる中小企業の発達ということが、その中心とならなければならぬ。從いまして具體的にこれを申しまするならば、つまりできるだけ生産財の生産に努力するということと、もう一つ消費財にいたしましても、輸出向けという方面に重点をおくことは、もう免れざるところであることを御了承願いたいのでございます。
 後請願の中にありまする御決議の点について、具體的にお答申し上げまするならば、生活協同組合の法制化に反対の御趣旨でございまするが、これは巷間いろいろな論議が闘わされておるのでございまするが、まだ正式に提案された案もございませんので、政府といたしましては、これに対しては公平な態度で臨んでいる次第でございまして、今確實なる案が出てまいらないときに、ただちに善悪いずれとも議論することは、少しく當を得ないのではなかろうかと考える次第でございます。
 次の商工協同組合法の改正の点についてでございますが、これは関係方面と目下引続き折衝中でございまして、私どもはあくまでわが國の経済の實情に副うて、これが具體化に向つて努力をいたしておる次第であります。
 次は中小商工業者に対する金融の問題であります。これも從来すでに御案内の通り、復金の中に中小企業部門を設けてやつておりましたが、實績必ずしも十分と言えない点もございますので、いろいろ検討を加えましたが、私どもの立場といたしましては、中小企業の問題につきましては、この金融は特別の金融機関を設置いたしたいという考え方をもちまして、大蔵當局と目下折衝中でございます。
 次に資材及び資金の割當についてでございますが、これは從来ややともいたしますと、大産業の大手筋に資金資材が流れこんでまいりまして、とかく中小企業は圧迫を受けておつたということは、私どもこれを認めるにやぶさかならぬのでございまして、積極的にこれを是正して、不公平な取扱いのないようにということは、常に心がけておりますし、中小企業庁というようなものの御審議を願いまして、御決定を願います案の中にも、こうした面を特に考えて、將来の行政をやつていきたいと考えておるのであります。
 次には中小商工業の振興対策についての決議文がございますが、これは以上申し上げましたことで大體尽きると思いますが、私どもは特に日本人のもつ細心なくふう力と、創造力と、さらに日本人のもつ特殊な指先の技術的な要素というものを按配いたしまして、これを將来日本の産業の基礎とし、ひいてはそれが世界の文化に貢献し得るものだと考えて、これらの問題についても極力官民一致して研究をし、具體的な結論を得て進みたい。こういうふうに考えておる次第であります。さよう御了承願います。
#12
○喜多委員長 質疑はございませんか。――では採決いたします。本請願は採択いたし、内閣に送付すべきものと決定いたすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○喜多委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#14
○喜多委員長 日程第三、第四は前回審査いたしました文書表第四七四号の請願と同一趣旨の請願でありますので、前回同様採択いたし、内閣に送付すべきものと決定いたすに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○喜多委員長 ではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#16
○喜多委員長 日程第五、第六は政府委員の都合で後回しにいたします。
 石油配給公團法等の一部を改正する法律案を議題といたします。本案は前会にて質疑を終了いたしております。討論にはいるのでありますが、本案は簡単かつ大體において異論もないようですから、討論は省略いたしたいと思いまするが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○喜多委員長 では討論は省略いたし、ただちに採決いたします。原案に賛成の諸君の起立を願います。
    〔総員起立〕
#18
○喜多委員長 総員起立、よつて本案は原案通り可決決定をいたします。――暫時休憩いたします。
    午後二時四十一分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後三時五十二分開議
#19
○喜多委員長 休憩前に引続きこれより再開いたします。日程第五は都合により次会に延期いたし、日程第六、文書表第一三二二号、主食代替の砂糖配給に関する請願、紹介議員岡野繁藏君の説明を求めます。
#20
○岡野委員 全國砂糖販売業者大会によつて、請願いたされました主食代替の砂糖配給に関する請願につきまして、紹介議員の一人といたしまして御説明申し上げ、各位の御賛同を得たいと存じます。
 本日は業者も數十名上京列席されており、かつこの砂糖業者は、國民の待望久しい砂糖が、聞くところによると食糧營團を通じて消費者に配給されるだろうということを仄聞いたしまして、全國に全國大会を開き、あるいは県の大会を開き、それでは困る、どうしても砂糖業者を通じての配給を實現していただきたいというので、すでに月余にわたる運動を続けており、昨日も党委員室に見えられまして、縷々その實情を申されたのでありまするが、ここに私は業者のこの大会によりまする請願の要旨を、簡単に説明申し上げて御賛同を得たいと思うのであります。
 砂糖業者の全國に散在いたしまする者は、卸業者にいたしまして三千五百、小売業者は實に十五萬の多きに達し、これに從業いたしまするものは、約百萬人の多きに達するのであります。もし萬一砂糖の取扱いが食糧營團に吸収せられるならば、この百萬に余る從業員、砂糖業者は實に容易ならざる結果を招来するのでありまして、砂糖業者は誠意と自己の責任において、この主食代替の砂糖の配給に當るべく、ここに砂糖業者の総意によりまして、左記六項の理由をあげて陳情する次第であります。
 まず第一に主食代替砂糖の性質でありまするが、主食代替なるがゆえに、配給せられるすべての物資を、その品種やあるいはその特異性を無視いたしまして、一律に食糧營團をして配給せしめるがごときは、配給實務ないし消費者の便宜等をも考慮せないところの、行過ぎた形式主義であると言わざるを得ません。主食の代替とは言つても、實質的に砂糖が主食の代替たり得ないことは言うまでもありません。要は甘味を熱望する消費者の微妙な心理をつかんで、不足いたしておりまする主食の配給面を調整せんとする趣旨に出たものと思われまするが、さすればこの代替は長期にわたるものとは考えられないのでありまして、主食の生産事情が好転すれば、いずれ解消するものでなければならない。主食の代替はあくまで一時的の便宜的なものであるから、その配給は常に平常時の配給體制であるべきはずであります。たとえば先般静岡県において魚類すなわち生かつお節を代替配給として食糧營團が扱つたのでありますが、完全にこれは失敗したのでありましてこの事實からいたしましても、特に今般の代替砂糖の配給についても、かかる形式的画一的主義はとるべきでないと信ずるのであります。
 第二は、國民の自由なる意思によつて配給さるべきものである。すなわち今日物の不足いたしておりまする實情から見ましても、物により程度によりまして統制はやむを得ないところでありまするが、しかしそれはあくまでも國民の自由なる意思を尊重すべきものであつて、独占禁止法によつて私的統制あるいは独占は禁止され、砂糖の配給部面についても、近く調整規則の制定によつて、消費者の自由意思によつて購入先を選定し、その購入先を通じて砂糖を配給することに豫定されております。從つて食糧營團のごとき独占企業の範囲が拡大されることは當然抑制さるべきことでありまして、少くとも業者に脅威を与えるごときことは絶對に排除しなければならないのであります。
 第三に、業者の配給機構とその實力でありまするが、現在砂糖の配給は、中央機関である日本砂糖株式会社から、都道府県の砂糖卸商業協同組合の所属組合員を通じまして、個々の小売業者を経由いたしまして消費者に配給されております。しかして卸売業者は自己の完全なる倉庫を使用して保管し、自己の資力と経験によつて小売業者に配給し、組合はこれが代金決済その他の業務を担當いたしまして、今日までいささかの欠配もなく、完全な配給を行つてきておるのであります。おそらく今日まで砂糖業者ほどその配給を円滑に行い得たものはございません。殊にその業者のうちから経済違反や業務違反というようなことをただの一回も出したことのないのは、おそらく砂糖業者だけであろうと誇りとしておる次第であります。
 第四に、砂糖販売業者の現況でありまするが、砂糖卸売業者は從者は從来の砂糖、小麦粉、肥料を取扱つた地方における有力なる業者でありまするが、小麦粉、肥料等はその他の公團に強制的に接収されまして、砂糖を唯一の商品として取扱つておる現況にあります。配給についてはその有する資力、信用、経験、施設を挙げて活用し、その萬全を期しておるのであります。小売業者もこれまた小麦粉、干麺、雑穀を統制的に營團の取扱いに移管されまして疲弊の極にありますけれども、砂糖については絶對的に期待をかけていた配給品でありまして、あらゆる点において決して他の追随を許さざる確信を有するがゆえに、他よりの蚕食は断固排除せんとするものであります。なお戦前戦後を通じまして何らの事故もなく、小口分割配給を担當してきているのでありまして、今日までの各種の物資の配給をみても、砂糖の配給ほど完全に行われているものはございません。これはあらゆる犠牲すなわちはなはだ微量の乳児砂糖配給についてもわれわれの使命なりという観念のもとに苦難にたえ、營々としてその職責を全うしてまたためであると自負しておるのであります。そして業者の忍苦がようやく報いられんとして、連合軍の好意により砂糖の配給が行われんとしておりますとき、主食代替なる理由のもとにわれわれの経験も能力も熱意も、また砂糖の特異性も無視せられて食糧營團がこれを取扱うがごときは、實情をおおうものというべく、またわれわれ業者の死活問題であつて、断じて容認し得ないところであります。
 第五には、消費者の立場からみた比較であります。砂糖の配給の食糧營團に取扱わせることが消費者にとつてどのように不便であり負担であるかは言をまたないのであります。すなわち消費者がわずかに一人當り八十匁内外の砂糖を購入するために營團の配給所に行列し、一日がかりで配給を受ける不便不快さに比較して消費者の自由な選択によつて指定されたもよりの販売業者から少しの不便もなく購入し得る方がはるかに優れているのであります。今日みらるるような米麦やいもの配給のために長時間にわたつて行列させられたり、また消費者に労力を提供させるがごとき独善的非民主的な營によつて砂糖が配給されることは、消費者の不満を買い、かえつて連合軍の日本國民に対する好意を無にする結果となるおそれがあるのであります。
 砂糖購入のための容器はおそらく營團においては消費者に持参せしむることになると思いますが、業者が扱う場合は消費者にかくのごとき不便は与えません。また消費者が購入上不平不満があつても、營團のごとき独占企業では購入先の選択の自由がございませんが、砂糖業者ならば、消費者は容易に購入先を変更し得る選択の自由があります。
 第六といたしましては取扱上の技術と経験でありますが、配給品の取扱いについては細心の注意と誠意を要することは言うまでもないことであるが、殊に砂糖のごとき貴重にして、しかもその性質からみて特に取扱いの面に特殊な技術と注意を要する商品は、從来の経験を有する業者をして取扱わせることが最も適切であります。すなわち一人八十匁内外の少量な分割をせねばならぬので、計量器も精密なるものが必要となり、欠斤損失を最も少くし、正確に配給するためには、計量の技術的面にも経験を必要とするのであります。砂糖は從来も、現在においても貴重品に取扱われ、從つて一、二匁の計算の差もひいては非常に大きな社会問題になるおそれがありまして、營團の今日のごとき配給とは非常な懸隔がございます。欠斤損失その他の事故発生の面を考えても、業者(卸小売)は自己の責任においてこれを負担しなくてはならず、また場合によつては營業も放棄しなければならぬという責任的立場におるので、營團のごとき大きな組織の中における責任の不適宜性と比較して、事故防止の面からも業者の配給によつてこそその安全性は確保されるのであります。配給の迅速及び確實の面からみても、経験のない營團が取扱うよりも、多年の経験のある業者の活用によつてのみその迅速さと堅實さが保証せられます。すなわち全國の卸売業者の倉庫を利用し、さらに割當てによつて小売業者に分割することによつてその施設と経験を十分に活用し得るのであります。
 砂糖の輸送保管はこれまた特別の注意と経験を要し、倉庫の設備にしても、從来砂糖の取扱いを行わなかつた倉庫を使うことは、砂糖の保管上不適當でございます。思うに貴重なる砂糖の配給に関しては、確實性に重点をおくことこそ要訣でありまして、すなわち季節によつて保管場所、保管の技術的處置を誤りまして、湿気を吸収し品質を低下しかえつて欠斤を増大し、ために豫期せざる支障を招来するおそれがあります。なお消費者の希望する店舗によつて購入せしむることこそ民意に合致するものというべく、われわれ砂糖販売業者が確固たる信念をもちまして、ここに全國大会を開きまして、以上の理由を縷々御當局に申し上げ、各位の御賛同を得たいと思うのであります。
 以上簡單でありましたが、請願の要旨を御説明申し上げまして、政府の御答弁お願いいたします。
#21
○喜多委員長 本請願に対する政府の所見を質します。片柳食糧管理局長官。
#22
○片柳政府委員 ただいまの御陳情の趣旨は詳細に拝聴いたしたわけでありますが、實はこの問題は食糧營團の側からもいろいろ意見が出ておりまするし、またかねて砂糖の取扱業者の方からもいろいろ陳情をお聴きしておりまして、實は行政措置といたしましては未だ最終の決定までは至つておりませんが、私考えておりますることをこの機会に申し上げてみたいと思うのであります。お話のように從来砂糖を取扱つておられました方々は戦争中ほとんど扱い數量が減つてしまつた。この御事情はよくわかるのでありますが、ただ私の方の主要食糧の配給の立場からみてまいりますると、實は本年度の世界的な食糧事情からまいりまして、穀類だけではなかなか日本の要求量に対して補填ができ得ない。供給ができ得ない。從つてその代りに主食として一定量の砂糖を日本に供給するがどうであろうか。こういうことから問題が起つておるのでありまして、はいつてくる先から主食として實ははいつてくるのであります。砂糖としてはいつてきましたものを國内事情によつて主食に振りかえるのではないのでありまして、最初から一部は主食としてはいつてまいる。この辺が食糧營團をして扱わしめたいという第一の考え方であります。
 第二は、われわれは食糧管理法の建前に從いまして、現實主食の配給をやつておるのであります。この点は私から御説明するまでもないことでありまして、食糧事情の急迫化に應じまして、米麦だけではとうてい配給量の確保ができませんので、米麦以外のいも、カン詰あるいは今回は砂糖というような、すべてのものを各家庭にちんばにならないような状況で、総合的にこれを配給いたすことが實は食糧管理法の精神でありますし、また食糧營團が法律上規定されました趣旨であるのでありまして、從いまして私ども食糧管理法が現存いたします以上は、やはり交際上支障のない限りは、食糧營團をして総合的に扱わせることが法律の命ずるところでありますから、全然それは配給の能力がないという場合におきましては、これは他の機関の協力等を得ることはもちろんでありますが、一應建前といたしましては、食糧營團をして配給せしむることが法の命ずるところであるというふうに實は理解をしておるのであります。現に過去におきまして、あるいは甘藷等につきましても、從来野菜の扱業者の方で扱つておつた甘藷を、現在ではほとんど全部食糧營團が扱つておる、あるいは小麦、カン詰等につきましても、從来の米屋さんが扱つておらなかつたのでありますが、これも主食として用途の特定しましたものは同じく食糧營團をして配給せしめておる。ただ昨食糧年度の食糧期の際に希望配給で、あるいはぶとう糖ですりますとか、あるいは酒類等の配給をしました場合におきましては、どうしても不都合なものは他の業者の方々の協力を得て酒類等は配給した例がありますが、今回砂糖は實は數量が非常にわずかなもので、ここ臨時のものでありますれば酒と同じような方法もとり得るかと存じまするが、現在までの情報によりますれば、相當多量のものが主食としてはいつてくるというような状況であります。從いましてこの扱いが食糧營團の配給から除外されますと、實は營團それ自身の経理にも相當な影響は當然出てくるのであります。ただ問題はいかに法律の精神がさようであり、また輸入食糧のはいつてくる前提からも、主食である以上は營團であると申しましても、實力がなければこれは何ともできないのでありまして、特に貴重なる砂糖であり、また報告その他につきまして特に厳重を要します砂糖の配給につきまして、その間に一点の齟齬がありましてもいけないわけでありますから、配給能力の点につきましては、實は十分な注意を払つて今後の配給をやつてまいりたいと思つております。ただ私の方でいろいろ調べますと、過去におきまして相當小口なものを營團は扱つておりまして、もちろん米それ自身でも何グラムという配給は端數として計量する場合も起りまするし、またたとえば正月の賃もちなり、あるいはお供えを配給するという場合におきましても、小さなものをやはり計量をして配給するという例もあるのでありまして、大體これは今日まで營團側につきまして調査しましたところによりますれば、もちろんどこの場所におきましても全部ということは断言できないかもしれませんが、原則といたしましては食糧營團側において配給能力がある、こういう認識をもつておるのでありまして、さようなことで原則として食糧營團をして配給せしめていくことが適當ではないかというふうに考えておるのであります。御指摘の食糧營團が独占禁止法にも抵触する、これはまさしくその通りであります。その意味で近くこれを食糧公團ということに全面的に切りかえることにいたしたのでありまして、ただ主食の関係は他の物資と違いまして登録制等をとつて、消費者の選択に任して配給するまでの實は状況になつておらないのでありまして、やはり公團組織で配給所の一本のパイプを通じて地域的な配給をすることが、現在の食糧情勢下においてはなおその必要がありはせぬだろうか、もちろん情勢がゆるんできますればできるだけその辺は自由競争の色彩を入れたいと思つておりますが、現状ではその期に至つておらないということで、實は非常に押迫つておりますが、今議会に食糧營團法を本日提案いたしたようなわけでありまして、その意味におきましては食糧營團は近く解體をいたし、そして公團ができました場合におきまして、要するに主食は公團をして一元的に配給せしめるというのが骨子でもあるのでありまして、さような点からも能力がある限度におきましては、これは現在の食糧營團あるいは議会の協賛を得ますればやがてできます公團組織を通じて配給をしていきたいと思つておるのであります。ただ先ほも原則としてということを申し上げたのであります。地方によつてあるいははかり等の設備が配給所で足りないとか、あるいは特に御指摘の倉庫等につきましては、なかなか穀類を入れておく倉庫に砂糖を入れることもできないでありましようから、砂糖を從来扱つておる倉庫等に入れていただくというような方面につきましては當然考えなければならぬと思うのでありますが、それはしかしあくまで食糧營團が扱う、その協力を願うということで、主食に向けるべき砂糖を砂糖としてこれを食糧營團を除外して、直接砂糖の業者に売却することは食糧管理法でできないのであります。協力を願う場合におきましても、名目上はやはり政府から主食の分は食糧營團に売却する計算になるのであります。ただその實務の分配の場合におきまして、地方の實情によつてどうしても營團でその能力がないという場合におきましては、これは協力を求めてやつていきたいと考えておるのであります。ただ行政的にはまだ最終の決定まで至つておりませんから、陳情の趣旨をなおよく研究なりしてみますが、大體現在考えております私どもの考え方は以上の点でありまして、御了承願いたいと思います。
#23
○喜多委員長 ほかに質問ございませんか。
#24
○岡野委員 今長官から御返答願つたのでありますが、まださいわいに最終決定に至つておらないそうでありますから、ぜひ長官にこれは砂糖業者に取扱わせることが最もよろしいというお考えを願いたいのであります。御承知のようにこれは連合國からの御好意によるのでありまして、從つて私は連合國の御好意に対しても政府は非常なる責任がある。責任があればこそこの配給をして一律に配給させるということがやはり責任を果すゆえんであろうと思うのであります。しかるに一方その取扱いの法文が食糧營團一本やりになつておるから、どうしても食糧營團をして扱わさねばならないというお話でありますが、砂糖という特殊なものであり、そうして今申しますように倉庫のごときものも米はなるべく風通しのいいところへ入れるのが常識でありまして、砂糖のごときは密閉した倉庫に入れなければならぬ、いわゆる米と砂糖とを同一倉庫に入れることはできない。しかるに營團の方は倉庫の設備もきわめて不完全である。業者の方は砂糖という特殊なものを入れるだけにつくつてある倉庫を皆々もつておる。こういう点一つ考えても、私はなるほど法文の筋合からは食糧營團をしてお扱わしめられても、事實は配給面におきまする實際の取扱いは業者に取扱わするということがよりよき結果を生むと思うのであります。どうぞひとつそういうふうに御責任があればあるほどこそは砂糖業者に取扱わせる。そうして法文の解釈が一應その責任は食糧營團にあらしめて、あるいはマージンというようなこともございましようから、營團にマージンをいくら払うとか、いろいろ取扱いの技術的な面はまたどうともできるのでありまするから、私は経験あり、設備をもち、そうして砂糖という特殊性からまいりまして業者にやらせることが責任を果す最もいいことだとこう思うのであります。そこでどんなに配給法文があろうとも、私は政府が誠意をもつてこのよりよき配給面に事を運んでいくことが大切であろうと思うのであります。この意味におきまして長官の、まだ最終決定に至らない今日におきまして、せひひとつ御高配を願いたいと思うのであります。
#25
○多田委員 ただいま紹介議員の質問に対しまして片柳長官からいろいろ御説明がありました。なお岡野委員から詳細にお話がございましたので、私は簡単に二、三の点について御意見を申し上げるとともに、長官の御意向をお伺したい。お話の通り食糧管理法の建前上、主食という建前で配給されるものであれば、これは食糧營團を通じて配給しなければならないという建前をとられることは當然であろうと思うのであります。しかしながらただいま長官が言われましたように、營團に實力がなければ他の業者を使つて配給することが必要であるという御意見もありましたし、現實の問題として先ほどお話がありましたように、酒にしましても人工甘味品にしましても業者の手を通じて配給しておりますし、さらに輸入食糧のカン詰の配給にいたしましても、一部では營團では業者にやりまして業者の手を通じて配給しておりますし、あるいはパンにしましても實際的には業者が配給しておるのが現實でございます。從つて砂糖の特殊的な性格から見て、現在の營團にはたして砂糖を配給するだけの能力があるかどうかという点については相當疑問があると思います。今お話のございました倉庫の場合にしましても、全國の營團に砂糖を収容する倉庫の設備がほとんどないと言つても過言ではないと思うのであります。これは砂糖業者の倉庫を借上げるというようなお話でございますが、砂糖業者の倉庫を借り上げなければ配給できないというようなことであるとすれば、むしろ砂糖の業者の設備、能力を活用して、完全な配給のできるような方途を講ずることが一番必要ではないかと思うのであります。問題は連合軍の好意による主食の代替で配給される砂糖を最もいい方法で取扱うということが根本だろうと思われますので、この意味におきまして今岡野委員からお話がありましたように、管理法の建前上營團をして配給せしめるという建前を崩すことができないとするならば、實際の配給部面について業者の機能を、業者の設備を十二分に活用されるように御希望申し上げるとともに、これに対する長官の御意見をお伺いたします。
#26
○片柳政府委員 御趣旨の点は私ども別段異存はありません。從つて同感でありまするが、ただ昨食糧年度、酒等を酒屋から配給いたした例もありまするが、これは實は數量もわずかでありまするし、それから今回の砂糖が消費者に対して上からもう構わずに差引いてしまいまするか、あるいは消費者の希望によりまするか、實はまだきまつておりません。酒類等の場合におきましては、消費者の希望によつて、實は米の代りに酒をもらうという関係になつておりまして、希望配給でもありますので、しかも營團といたしましても酒類まで扱うこともなかなか困難であるというような事情から希望配給であるということ、從来まつたくそういうような経験のないことから、酒等につきましては酒の取扱業者から配給をしたことがありますが、ただ砂糖の場合には、先ほども申し上げましたように、ともかくこれは營團の全體の収支にも相當の影響をもつてくるだけの數量になつておりまするし、これを全部業者の方へお任せすることになりますると、なかなかこれは營團の経理にも相當の影響を生じてまいる。ただ先ほど言いましたように、輸入食糧で、報告その他については厳重なる指令を受けておりまして、實はその責任は私がむしろ最終的にはもつておるような関係であります。從つて私といたしましても、そういうようなもし危険があるルートを通じてやることは、これは私自身の責任でございますから、その辺は私は慎重を期して判断しておるつもりであります。ただどうしても營團等である特定の地域において能力がないという場合に、これは十二分の協力を得ることにつきましては、まつたく同様に考えております。
#27
○多田委員 ただいま長官からお話でございますが、實際問題といたしますと、砂糖の實際の取扱いの部面につきましては、營團が何らの経験もなく、しかもほとんど少い設備をもつて配給するというような点につきましては、ただいま長官が申されました責任上相當な不安があるのではないかと私どもは考えておるのであります。報告にいたしましても、これは實際に砂糖の業者が昭和十五年来統制によつて完全に配給業務を執行した實績から見ましても、これらの報告の点についてもいささかも不安がないように私どもは考えるのであります。なお營團が相當赤字が生ずることも私ども承知しておりますが、これらの点についても實際の面で調節できるものではないかと考えておるのでありますが、實際の状況をなお一層御勘考願いまして、砂糖の配給が完全に行われるように御配慮を願いたいと思います。
#28
○赤松(明)委員 第一に主食として砂糖が輸入せられる永続性にいて関係當局から何らかの指示があつたかどうか。すなわち主食として何年も永続して来るのか、もちろん世界の食糧事情というものは本年度が悪いということによつて経過的な、あくまでも短期間のものと解釈していいかどうか。その數量はこの一回で打切られるのか、それともまだ来るのか。それに対しての関係當局よりの指示があつたかどうか。あるいはこれをお尋ねになつたかどうか。それからもう一つ食糧營團は解體いたして公團になる。これの前提基礎に立つて、この砂糖を砂糖業者に扱わせることによつて食糧營團そのものの経理に大きな関係を有する、すなわち経理が成り立たぬようになるのではないかという片柳長官の御意図のようであつたが、しからば戦争中企業整備を受けてほとんど三分の一ばかりに減つたというこの砂糖を取扱つている業者が食える食えないは二の次にして、悪戦苦闘を続けてきた何年間かのその経理部面に対して温情をもつて見てやることができるかどうか、食糧營團そのものがこの砂糖を取扱わないことによつて経理面にどの程度の大穴をあけることになるのか、これをひとつ承つておきたい、これが二つであります。
 第三番目に、この砂糖の配給は全面的に現在の主食の配給と同じように配給するのか、それとも一部分希望配給をもやろうというのか、これをひとつ明らかにしてもらいたい。今の米、麦を配給すると同じように各家庭に、あるいは労務加配米といつたものについても、この三十萬トンの砂糖を全部同じようにやろうとするのか、あるいは一部分区別をつけようとするのか承りたい。
 それから主食としてはいつたのだ、そこで法律の精神を活かさなければならない。しかしこの法律がつくられた當時において砂糖が主食とはきまつていない。主食だと言われただけであつてあくまでもこれは主食の代替品であると思うけれども、この点については法律問題になるが、主食は主食だと言つても代替品であることは間違いないと考えるが、これを伺いたい。それから實力すなわち配給能力の問題について、食糧營團にはこれを配給する能力がある、しからば砂糖取扱業者にはいかなる部面において能力がないと認定されたのか、この反語について承りたい。なお質問を継続します。
#29
○片柳政府委員 御質問の第一点の砂糖が主食としてはいりますのは今年だけであるか、なお次年度以降も続くかどうかにつきましては、まだはつきりしておりません。来年度はいるかどうかにつきましても、一應打診はしてみましたが、来年度の食糧事情のいかんで全然その辺は御返事を得ておりません。私の見方ではおそらくそう長く続くわけではない。またあまり続かれては困るという感じをもつております。
 第二点の營團の米なり小麦粉の代りに砂糖を配給する實數量が實はまだはつきりいたしておりませんので、どの程度の赤字になるかは具體的にお答ができないのであります。
 それから御質問の第三点の全國各消費者に一律にやりまするか、あるいは特定の地域に重点をおいて配給するかについては各方面と今折衝中であまして、確定的な御返事はできませんが、何分にも相當たくさんの數量になりますので、やはり全國大體一律に配給することになるのでないかと思いますが、一部に限定するということにはならないだろうと思います。
 第四点の主食の代替品、これは一つの観念のしかただと思いますが、常識的にはやはり主食の代替品というふうに見てよろしいと思います。これを永久的主食ということは理論上もおかしいと思いますから、むしろ常識的には代替品として、食糧營團管理の方では法律には明記されておりませんが、勅令をもつて指定する食糧の中にはいつてくるわけでありますから、さような恰好から見ましてもやはり代替品というふうに理解しておるのであります。
 それから最後の砂糖業者の方が砂糖の取扱い能力がないということは、私は全然考えておりません。もちはもち屋でありまするから、もちろんその能力については何ら疑念をもつておらないのであります。ただ法律の命ずるところで、營團に能力があるかないかという意味から申し上げたのでありまして、反面解釈として砂糖業者の方に能力がないという趣旨では全然申しておりません。
#30
○赤松(明)委員 ただいま私の質問しました五点のうち第五の能力の問題、これについては明確にわかつたわけであります。第四の主食代替品、この点についても明瞭にわかつたわけであるが、重大な見透し――砂糖がどれだけの間主食代替品としてわれわれに配給せられるか、輸入せられるかという点については明確でない。並びに食糧營團にどの程度の打撃を与えるかということもまだ具體的にわかつていない。またその配給の方法についても交渉はあるけれどもわかつていない。こういうように相當重大な問題が、當局でも行政措置の一環として最終決定までには相當期間があるのではないかと思う。これはわれわれは請願書によつてこの通り審議するわけであるが、また立法機関がみずから決定したところの立法そのものを、行政措置として行う行政権に干与すべきものでないことももとより知つておる。ただしこの問題については何としてもこれは消費者の意向を十分に聴く必要がありはしないか、消費者の意向を考うべきで、食糧營團や砂糖取扱業の方々の経理であるとか、そういつたものを中心にして論議すべきでない。しかし消費者の声がまだ聴かれていないのではないかと考える。そこで食糧管理局長官に十分お考えおきを願わなければならないのは、本赤松委員は愛媛県に選挙区をもつておるか、愛媛県の宇摩郡というところに別子五箇村と称せられる別子鋼山附近の別子山村、金砂村、こういつた山間部落には食糧營團がないのであります。金田村という平坦まで行き、別子山の方は新居浜の方面まで出るわけだから、二日がかりで出てこなければならん。新居郡に大保木という所があるが、これが主食である米、麦をとりに来るのか、すべて一村人を雇つてとりに来ておる。そこで一人當り八十匁として、そういつた砂糖を、此處一箇所の例をもつてしても、食糧營團までとりに来ることによつて、おそらく相當な混乱を呼びはしないか、一戸一人がとりに来るかつこうにすると、時間的な損失というものが相當重大になつてくるのではないか、その点につい先ほど片柳長官はこれは地域あるいは食糧營團の能力、すなわちはかりであるとか、はかりは買えばあると思うけれども、一遍に砂糖配給をしてもらうようなはかりをつくるわけにいくまいから、こういう問題も十分に検討してかかる必要がある。日本の人口の分布状態を見てもこれをもし山村に希望配給するということにすれば、おそらく保有米をもつておる農山村は大多數希望して、砂糖配給を申し込んでくるに違いない、一律一體の配給ならば、農山村には与えないというわけにはいくまい。保有米そのものから差引くにしても、これは要するに与えなくてはならない。この日本の現状、地域的分布の状態、こういう立地條件を十分に勘案しなければ、いわゆる世論の前に官僚統制の画一統制の悪弊をたたかれなければならないことにならないとも言えないこの点について十分なる御研究を願わなければならぬと思う。
 それからこれは本日いわゆる証人としてお呼びになつたのだろうと思うが、全國の砂糖業者の方々がもしここで行政措置として根本的なこの問題を解決をはかろうとするならば、農林省としては食糧營團が解體されて食糧公團になるという場合に、見透しがあまり長いようだ。来年もまたくるようなこの砂糖は、主食代替品としてあくまでも食糧公團を通じてやらなければならないということになるならば、この全國の砂糖業者のもつている権利、すなはち商権をこの公團の一環のうちにつつこむ意思はないかどうか。砂糖業者がもつておるところの権利をもつてして、いわゆる砂糖そのものは主食になるのだということによつて、食糧營團に扱はせるから穴があく、それよりも待てば海路の日よりで、今日砂糖業者というものは、今も提案理由の説明に當つたほかの委員より聴けば、未だかつて経済事犯を起したこともない完全なる配給をやつてきたという、この待つていた、忍苦を続けてきた業者の権利を、主食代替品でございますと言われたことによつて、せつかくきたこの好機会を逸しなければならぬ。今までも続けてきた企業整備によつて大きな苦心を味わわされてきたところのこの商権を、主食を取扱う食糧營團の中へ入れてやることはできないかどうか、これをもつてすれば一挙に解決する。これをお考えになつたことがあるか。あるいはまた今後これを考えようとするかどうか。あえて私は商人の方方に発言は求めないけれども、これを申し上げておく。抜本塞源的な解決をはかろうとするならば、みずからもつておる権利をもつて食糧營團に参加すべし、しかもその食糧營團に参加することは、断じて砂糖の部門のみに参加するのじやない。この点を十分に研究して行政措置部面に対する委員の皆さんのいわゆる強力なる進言なり陳弁なりに努められる必要はないか。これは特に片柳長官として御研究なさつていたことだろうと思うが、これについての御解答を願つておきたいと思う。
#31
○片柳政府委員 第一点の實例につきましては、山間僻地等で非常に遠い營團の配給所までとりにいつておるという實態につきましても、私どもさようなところのあることを承知しております。私の方でもできるだけ營團の配給所を殖やすような指示を今しておりまして、またわずかの數量のところに新しく配給所をつくることが困難なところにつきましては、あるいは農業会等の機関をして營團の業務を代行せしめることを今日までやつてきております。從いましてこの辺が畫一的にならぬように、これは今後公團に移行いたしても、十分意を尽していきたいと思つております。ただお話のうちの農村配給の問題でありまするが、現在の考え方では供米報奨用に實はある程度のものを出す豫定であります。近くこれは発表の段取りになると思いますが、これはもちろん營團扱い以外であります、ところがこの中の食糧を完全保有しております農家につきましては、要するに主要食糧の配給が必要ありませんから、この点につきましては現在のところは配給する考え方をもつておりません。主として供米報奨用なり、あるいは来年の麦等にも出るかもしれませんが、主として報奨用として砂糖を出してまいりたい。かように考えております。
 第二点の先ほど御質問の砂糖は今後永久的にと言いますか、相當続いてはいつてくるかどうかの見透しで判断すべきものと思うのでありまして、来年の見透しは今のところつきませんが、とにかく食糧の生産は逐次回復をしてくると思いますし、私の方でも栄養的に見てまいりましても、砂糖を主食の代りにすることは實は非常に權道であると了解しておりまして、本年度も實はやむを得ざる措置という程度くらいに考えているのでありまして、從つてこれにつきましては、砂糖の業者の方方の商権をここで奪つてしまうという理解は現在いたしておりません。さような考え方で現在進んでおります。
#32
○赤松(明)委員 これは片柳長官この農業協同組合法が實施せられて食糧公團になり、この場合の買付機関として、各農村にもいわゆる米屋が復活する時代であるということもお考え願いたい。一時措置であるならばなおかつ食糧營團にわずか一回これを配給さすことによつて、その利潤はわずかのものであつて、莫大なものにならないのじやないかと思う。しかもはいつてきたもの全部がそういうふうになると言うのではなくして、あくまでも乳児用であるとか、薬品であるとか、甘味料あるいは供米報奨用というものについては、その幾部分はやはり砂糖業者に扱わせるのだということになるならば、たつた一回の措置である、あるいは二回になるか、三回になるか知らないけれども、わずかな期間である。はいつてくるものはこれだけであとはもうはいつて来ないのかもしれない。こういうような場合であるとすれば、新たに商権を復活するところの米屋さんすらできるという折りに、十二萬何千の全國の砂糖業者の方々は、砂糖一本で立つことができないために、副業的にやつておられる方もあるということを十分に御理解を願つておかなければならない。しかしこれはこれとして、多年おそらく祖先累代これに携つてきて、これ一本でやつておられた問屋業者の方もたくさんおられる。こういう方に対して大きな精神的打撃を与えないで、民心の安定を策する意味において、この際このときにいわゆる農業協同組合法によつて、しかも食糧公團というようなものによつてどうやらお米屋さんが復活する。こういうような時期ならば、どうせ砂糖は砂糖屋、もちはもち屋だから言われるのは當然だと思う。百萬人ばかりの從業員、おそらく、これだけばかりじやないだろう、乾物も一緒にやつておられる方もあるだろうと思う。これに関連する百萬人ばかりが政府に対して温かい措置であつたかどうかということによつて起るところの民心の動揺というか、こういつたものについて十分ひとつ御研究をやつてもらいたい。これを私は希望して、なお他の委員の方々からも御意見があるでしようから、私はこれで一應打ち切ります。
#33
○高橋(長)委員 昨日次官と質問を戦わし、かつ意見を承り、また農林當局の意図するところも十分承つたのでありますが、ただいま局長からさすがに専門的なきわめて巧妙な御説明なり答弁を拝聴したのでありまするが、先ほどほかの委員より請願の趣旨において述べられました通り、おそらく全國に百萬近いところの業者、傳統と歴史を有し、かつまた營團の持ち得ざる量器ももち、長い間の経験と技術をもちろん保存の上においても特殊な技能を持つてる業者が、全國的に翕然と立つてわれらに扱わせろと言つておる。この欲求をしり目に見て、政府は責任上法の命ずるところによつて營團に任せようというその考え方であります。この考え方を逆に申しますならば、結局全國百萬に近い業者は安心が出来ないのだ、かるがゆえに責任において營團にやらせるのだということが言い得ると思うのであります。もしそうであるとするならば、多くの業者は忍べからざる恥辱であると私は思うのであります。今日の政治を扱う上において、政府が最初よりこの百萬の業者を、國民を信用せずして、疑いをもつて考えるということは――真の民主主義政治の確立は國民の深き理解と信頼と協力の上に立てなければならぬと思うのでありますが、しかるに初めから疑つてかかる、信用ができないとした考え方が、常に片山内閣総理大臣が機会のあるごとに民主主義政治の確立を叫んでおる今日、その行政を預つておる役人の立場において、そういう考え方がはたして民主主義政治確立の、しかも民主主義政治運行の局に當つておる方々の考え方として、これをどう考えるか、こういうことをまず伺いたいのであります。
 次にそれほど多くの業者が欲求するにもかかわらず、營團に扱わしむることは、責任感から出発しておることは申すまでもないのでありまして、それほど責任を痛感しておる農林當局がはたして食糧營團にこれを任して完全に責任を果し得るかどうかということを私は伺いたい。先ほどの御答弁にありました通り近く公團にする、はたして公團にしても、この配給を政府が責任を痛感しておる、その責任を果し得るように扱い得るかどうかについて、私は多くの疑念をもつのであります。政府は營團は自分の意のままになるように考えておるかもしれませんけれども、今日の議会に全國の食糧營團の從業員が大挙して陳情に来ておる、その實情を御承知かどうか、まずその決議を私はここに読んでみたい。これは全國の食糧營團の從業員大会の決議であります。
 われらは先の全國食糧營團從業員組合連合会の声明に対して全幅の賛意を表し、現在の社会情勢に逆行する政府の公團方式に対して、絶對反対を表明するものである。すなわち現在の食糧情勢よりして食糧配給機構の強化は痛感するも、現在の從業員を官吏として消費者大衆より食糧配給の統制機構を一層官僚化すると認識せられざるを得ない形式に対して、われら從業員は絶對に反対である。食糧配給業務の運營に一般消者を参加せしめ、われわれ從業員の勤労意欲を高揚せる組織こそ希望すれ、われわれ職責の完遂こそ國民生活安定のかぎであることを深く自覚するがゆえにわれらの身分を官吏とすることに絶對承服できないのである。
 この陳情書の内容を見てみますと、公團方式にいたしますれば大いに從業員の勤労意欲をなくする。すでに現在扱つておるものですら勤労意欲をなくして、とうてい責任を持ち得ない状況にある。しかるにただいま局長も申された通り主食代替のような重要なる砂糖の配給に対しては、政府が責任々々と言つて、昨日も次官の口から聴いたのでありますが、今日も責任一点張、それほど責任をおもちになるその対象とする營團は、現在こういう事情に相なつておるのであります。もしこれが本格的に公團團が進んでいきますときに、從業員はあげて反対しておつた場合には、どうしてこの重要なるものの完全配給ができるかといふことを私どもは疑わざるを得ないのであります。これについて局長はいかなる考えをもつか、お伺したいのであります。
#34
○片柳政府委員 第一点は先ほど赤松委員にも申上げた点と関連いたしますが、砂糖の業者の方が信用できないからやらせないといふことでは全然ないのでありまして、能力がある限りは營團をしてやらしめるのが法の建前でもある。砂糖の業者が信用できないからといふことではない点は先ほど赤松委員にもお答いたしたのでありまして、御了解願いたいのであります。
 それから第二点の食糧營團につきまして反対意見がありますることはいろいろ承知しております。從いましてこれが國会の審議でどうなりまするかは今後の問題でありまするが、ただ私の法に食糧公團の從業員の方からもこの問題につきまして實はお話があるのでありまして、砂糖を食糧營團で扱うことについてはもう陳情の余地はない、これは當り前だというような考え方を申しておるのでありまして、これがもしも營團の扱いからはずれ、やがて公團の扱いからはずれるというような考え方で公團法を出すのがむしろおかしいという逆襲まで實は受けておるような状況でありまして、公團法の推移につきましては今後の御審議に待つほかありますが、さようなことでどうしても公團の運營がうまくいかないという場合でありますれば、またそのときはそのときで適當の方法をとるほかはないと思います。
#35
○石神委員 時間も大変遅くなつておりますので、要点だけを簡単に片柳長官にお尋ねいたしたいと思います。實は昨日農林政務次官からも特に強調して申されましたことで、ただいま長官もそういうお言葉があつたのでありますが、地方長官たる知事が、地方の實情によつて營團で責任のもてないところがあるならば業者に配給を任せるということを特に昨日次官は強調しておられたのでありますが、知事が全県的に營團の能力軽しと見て業者の配給を具申してきた場合にはこれをお認めになるのでありますかどうか。その点をお伺いしてみたいと思います。
#36
○片柳政府委員 要するに私の方では全國各地の具體的の事情、先ほど赤松さんからお話がありましたような、どこでどういう状況があるということは實はわかつておりませんから、その辺の判断は府県知事に任せまして、それではかりならはかりの面でどこでどれだけ足りないとか、あるいは倉庫の点でどこの倉庫を使わなければならぬということは、今後の砂糖の放出計画に即應いたしまして具體的に判断をしていきたいと思います。本省まで協議せしめるかどうかは政務次官ともまだよく話をし合つておりませんが、特に観念的にある県は營團に全部やらせるとか、あるいは全部代行させるというふうに観念的にきめるのではなくして、あくまで各県の具體的の状況に應じてその方法は変つてくるのではないかと考えておるのであります。
#37
○石神委員 知事が地方の砂糖配給の實情を考慮いたします場合に、營團の技術的な点ばかりを考慮せずに、やはり消費者としての立場のことも行政的にいろいろ考えるだろうと思うのであります。長官の前でありますが、地方の營團の今までの配給の實情は消費者の側から申しますと非常に不満な点が多いのであります。また殊に農業会に対して配給をやらせるというようなお話もございましたが、殊に農業会の配給部面に対する農民層の不平も非常に高いのであります。そういう点をいろいろ考慮いたしました場合に、知事がこの消費者層の与論を勘案いたしまして、全県的なそういう希望を申し出てることもあり得ると思うのであります。その場合に、それが認められることになれば、業者の立場もはつきりしてくるのではないかと私は考えるわけでありますが、まだその点は御協議になつておらないということでありますが、しかしこれははつきりしたことをお聴きしたいと思います。
#38
○片柳政府委員 これは食品局長とも具體的にまだ結論づけるまでに至つておらないのでありまして、先ほども實は食品局長と話をしたのでありますが、これはまだ具體的にどうこうというところまでは、確定的なお答はできないということを御了承願つておきます。
#39
○片岡委員 當委員会の空気を察知しまするに、各委員の御意見は大體において主食代替品の砂糖を營團に扱わせることには、あらゆる角度から検討されて不賛成のようであります。そう申し上げる私も、不賛成の一人であります。局長の御意見を承つておりますと、これは理念の違いかもしれませんが、もちはもち屋で、農林畑はどうしても農林畑にもつていきたいというような気運が見えるのであります。物の配給面は、長い間の経験をもつた商人が一番確實であり、また速やかにやり得るのでありまして、いかに營團がすぐれた機構をもつているとはいいながら、これは経験において浅いのであります。そういう観点から見ましても、商人は長い間物の配給面に対しては経験に経験を重ねて、すぐれたる技能をもつておる。そういう観点からしましても、法の許す範囲内において商人層に配給をやろせるのが、これからのあり方でなければならぬ、こうわれわれは確信しておるのであります。なおまた營團の経理云々ということを、しきりに局長は心配されております。しからば、この商権に対する保証もその前に考えられねばならぬことと思いますがもしも百萬になんなんとすることの國民の権利に対して、どういう保証をなされるかということが、先決的に考えられなければならぬと思う。これに対する局長のお考えを伺いたい。もしこのままにして、ただ營團の経理面ということと、あなたの責任ということが主眼で、配給権を奪うならば、それは暴政であると断ぜざるを得ないと思うのでありますが、御意見を伺いたいと存じます。
#40
○片柳政府委員 その点はこういうふうに私どもは理解しておるのであります。先ほども申し上げましたように、私の方では、過般安本からも発表いたしましたように、どうしても現在の二合五勺の配給量を維持するためには、大體百九十三萬トンの主食を輸入していただきたいということで、實は懇請しておるわけであります。それに対して從来は大體穀類ではいつてきておりましたが、それが今年の情勢では穀類では全部日本の要求に應じきれないということで、要するに小麦粉なり、あるいはとうもろこし粉に代るに砂糖がはいつてくるという状態でありまして、本来砂糖としてはいつて、砂糖として配給すべかりしものを、主食の方でとつてしまつたという関係ではないのでありまして、そういう意味では、すぐさま商権に対して保証云々という問題は、ことしの輸入懇請なり、はいつてきております経過から見てみまして、そこまでの考えは實はもつておらないのであります。また今後の見透しも的確な見透しはわかりませんが、これが半恒久的に主食の代りに砂糖をとるということにも、私はならぬのではないかというような感じをもつておるのであります。さような趣旨で、特に砂糖として當然配給すべかりしものを、主食の側でこれを剥奪したということには考えておりませんから、そういうことで御了承願えるかと思います。
#41
○片岡委員 内容はいかようともあれ、せつかく砂糖がアメリカの好意によつて大量にわが國にはいつてくる。先ほどもほかの委員からお話があつた通り、あらゆる犠牲を忍んで、待ちに待つた業者がこの期に及んで、營團の経理云々ということも考えられることでありますが、その砂糖扱い業者になぜこれがやれないかと、われわれは考えるのであります。營團の経理という方は、ほかにまた立て方ができ得ると思います。現在配給される取扱い量の中において、相當の砂糖が着いて、赤字の補填もなし得るとわれわれは考えるのでありますが、そういうくふうが營團内においてつけ得れないか、得られるかということを御質問申し上げます。
#42
○片柳政府委員 實はこの点は食糧營團も、地方においてはある程度の黒字を出しておる營團もありますが、全國の情勢から見ますと、なかなか経理も苦しいような関係になつております。しかもこれはただちに消費者の主要食糧の配給価格に関連をもつてくるのでありまして、大體私の方では、二合五勺で計算をいたしました年間の營團の取扱い數量と、營團の人件費なり、事業費とをにらみ合わせまして、マージンを決定しておるのであります。從いまして、その年間の取扱い數量から相當量の主食代替の砂糖の収入が減つてまいりますと、それだけ消費者への転嫁率を高めなければならぬ関係になるのでありまして、これは御承知のような、この間の生産者米価に関連いたしまして、消費者米価をきめました際におきましても、千八百円ベースに、あれで影響がありやなしやで、非常なシリアスな議論をいたしたような関係になつておりまして、わずかな數量でありますれば、それは何とかやりくりもつくかと思いますが、現在われわれが見込んでおります數量からしますれば、これは相當の豫定外の欠損をそこに生ずる。もしこれを補填するとしますれば、現在國庫の負担能力はございませんから、その分だけは消費者に転嫁せざるを得ない状況になつておるのでありまして、問題は簡単には處理しにくいと考えております。
#43
○片岡委員 現物の保管の點についてお伺します。現物の砂糖の保管については、委員の方からいろいろお説がありましたが、私は主として盗難部面に対してお伺したいと思います。砂糖は今日非常に國民は要望しております。そういう観点に立ちまして、これが營團のような簡単な倉庫の中に保管された場合に、盗難の危険ないし総合的に雑品を入れる関係から、火災等の災害に対するおそれがないか。もしもありとしたならば、その責任はどうこれを處理するか、これをお伺します。
#44
○片柳政府委員 その点は先ほど他の委員の御質問にお答をいたしたときにも若干触れたつもりでありますが、砂糖の輸送、特に保管場につきまして、盗難その他の特別の注意を要しまする点は、私どもすよく承知をしております。穀類を入れておく倉庫に砂糖を入れるという点につきましても、いろいろな点から支障があると思うのでありまして、その点につきましては、從来の砂糖業者の倉庫も相當使うことになるのであろう、こういうふうに實は考えているのであります。食糧營團がやるから食糧營團の倉庫に全部入れるというわけには當然いかぬと思います。この点は盗難等につきましても、御指摘のような危険性が非常にありますから、これは完全な倉庫を選択するように十分注意していきたいと思います。
#45
○唐木田委員 先ほどから委員諸君より非常に適切な御意見、御議論がございまして、私ことごとく傾聴いたしまして、いまさら蛇足を加える必要はありませんけれども、長官の答弁と委員の質問を承つておりますと、實に微に入り細をうがつてその極を尽しております。私はいまさら法の枝葉末節について云々する必要は認めません。ただ法は法なきをもつて法の理想と申され、むしろ法三章をもつて治めるがよい政治だと申されるのでありますが、あまりにしちめんどう臭い法律がたくさんありますために、よい政治をやろう思つてもできない状況にあるということを先ほど来しみじみと感じておるのであります。文字というものを並べて法律をつくり、豫算ができて役人ができ、そういうことが原因と結果相含んで、ついに満州事変以来莫大もない法律をつくり上げ、數限りない役人をつくり上げ、國民六人で役人一人を養つているというようなべらぼう千萬な状況も現われております。私は今さらに過去つたことについては申し上げません。ただ現實の問題として、弱き者の声を聴き、天下の憂いに先んじて憂い、天下の楽しみに遅れて楽しむのを政治の本義とすればとらわれた法律にあくまでも固執して何でもかんでもその法律にとらわれるということは人間のなすべきことではない。いわんや政治家のなすべきことではないと思います。人間のためにつくつた法律に縛られて法律に人間が使われるということはまことに情ない話であります。この意味において、片柳長官はよろしく大所高所に立つて、法の枝葉末節にとらわれずにこの現實を直視して、現實に即して最善と信ずる方策を立てるように、私も委員につらなる一人として衷心から御注意を申し上げたいと思うのであります。
#46
○喜多委員長 本請願に対しましては、昨日緊急質問といたしまして、井上農林政務次官との間に意見の交換をし、なお本日食糧管理局長との間に質疑をたたかわされたわけであります。各委員の御意見を総合いたしまして委員長としての採決案を述べまして、これが皆様の方の御賛成を得るならば採決いたしたいと思う次第であります。
 主食代替としての輸入砂糖の國内における取扱いに関しては、その趣旨に鑑み原則的には食糧營團を通ずることに異議なきも、配給事務等の現況については、残存業者の長年にわたる豊富なる経験と絶大なる信用とを極力活用することにより、從来とかく渋滞しがちである経済の流通機能の欠陥を是正し得るものと確信いたす次第である。よつて本委員会は全員一致をもつて主食代替の輸入砂糖の配給業務を砂糖業者に取扱わしむることに採択いたし内閣に送付すべきものと議決いたしたいと思うのでありますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○喜多委員長 ではさよう決定をいたします。(拍手)
 以上をもちまして本日の議事日程は全部終了いたしました。これをもつて散会いたします。
    午後五時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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