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1962/02/22 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 本会議 第10号
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1962/02/22 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 本会議 第10号

#1
第043回国会 本会議 第10号
昭和三十八年二月二十二日(金曜日)
   午前十時九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十号
  昭和三十八年二月二十二日
   午前十時開議
 第一 緊急質問の件
 第二 中小企業基本法案(閣法第
  六五号)、中小企業基本法案(衆
  第一〇号)、中小企業組織法案、
  中小企業省設置法案及び中小企
  業基本法案(参第四号)(趣旨説
  明)
 第三 警察法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、故議員湯澤三千男君に対する追
  悼の辞
 一、故議員湯澤三千男君に対し弔詞
  贈呈の件
 一、日程第一 緊急質問の件
 一、日程第二 中小企業基本法案
  (閣法第六五号)、中小企業基本
  法案(衆第一〇号)、中小企業組
  織法案、中小企業省設置法案及び
  中小企業基本法案(参第四号)
  (趣旨説明)
 一、日程第三 警察法の一部を改正
  する法律案
 一、請暇の件
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 議員湯澤三千男君は、昨二十一日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 石谷憲男君から発言を求められております。この際、発言を許します。石谷憲男君。
  〔石谷憲男君登壇、拍手〕
#4
○石谷憲男君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、議員湯澤三千男君は、昨二月二十一日、病気のため急逝せられました。同僚議員としてまことに痛惜にたえません。ここに、同君の御生前をしのび、つつしんで哀悼の意を表する次第であります。
 湯澤君は、明治二十一年栃木県鹿沼市に生まれ、明治四十五年東京大学を卒業し、直ちに内務省に入り、その後累進して、内務省土木局長、宮城・広島・兵庫各県知事、内務次官を歴任の上、昭和十七年内務大臣の重職につかれ、また、翌十八年貴族院議員に勅選せられました。その間、国政の中枢に参画せられるとともに、都制、市町村制、地方総監府等、地方制度の改革を断行せられ、地方行政の発展に尽瘁せられました。戦後は、中央社会保険医療協議会会長、明治神宮復興奉賛会理事長として、わが国厚生・社会事業の発展に活躍せられ、さらに昭和三十一年には新市町村建設促進中央審議会会長として、新市町村の建設育成に多大の功績を残されました。
 昭和三十四年、第五回参議院議員通常選挙にあたり、栃木県地方区より本院議員に当選せられ、自来、自由民主党に属して、参議院予算委員長、自由民主党総務等の重責に任じ、国政の審議と党務に精励せられるかたわら、地方制度調査会委員、憲法調査会委員として活躍せられ、その卓越した識見と、円転濶達にして正義感強く、重厚なる人柄は、関係友人の信頼と尊敬とを一身に集められたのであります。
 われわれは、かねて地方制度改革の権威者としての君の抱負識見に期待するところ多大なるものがあったのでありますが、このときにあたりこつ然として幽明境を異にいたしました。今、静かに君の生前の面影をしのび、再び永遠に帰り来たらずと思えば、悲痛の情こもごも胸に迫るを禁じ得ないのであります。君のごとき豊かな経験と高邁な識見を兼ねた人材を失いましたことは、国家のため、本院のため、まことに惜しみても余りある次第であります。
 ここに、湯澤君の御逝去に対し、つつしんで哀悼の誠をささげまするとともに、衷心より御冥福をお祈りする次第であります。(拍手)
     ―――――・―――――
#5
○議長(重宗雄三君) お諮りいたします。
 湯澤三千男君に対し、院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞は議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。議長において起草いたしました弔詞を朗読いたします。
    ―――――――――――――
 弔詞の贈呈方は、議長において取り計らいます。
     ―――――・―――――
#7
○議長(重宗雄三君) 日程第一、緊急質問の件。
 近藤信一君、渋谷邦彦君から、米国の日本綿製品輸入削減に関する緊急質問が提出されております。両君の緊急質問を行なうことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。順次発言を許します。近藤信一君。
  〔近藤信一君登壇、拍手〕
#9
○近藤信一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、先日来新聞の紙面をにぎわしているアメリカの日本綿製品輸入制限問題に関し、関係大臣に若干の質問をいたしたいと思います。
 御承知のとおり、綿製品を初めとする繊維製品は、長年にわたってわが国の最大輸出商品であって、総輸出の二七%を占めて重要な地位を保持しているのであります。ところが、最近において注目すべき現象は、わが国の輸出をめぐる国際環境の著しい変化であります。すなわち、輸出の主要市場である東南アジアにおいて繊維製品の国産化が進行し、市場の狭隘化が予想されていること、それに加えて、今問題となっているように、わが国繊維製品輸出の三分の一に近い大きな割合を占める主要市場である米国において、わが国の輸出にいろいろの制約が加えられつつあることであります。
 顧みまするに、さきに米国では綿製品輸入賦課金問題が発生し、その重大性にかんがみ、本院においては、去る第四十回国会において、各派共同提案をもって米国の綿製品輸入賦課金問題に関する決議が全会一致をもって議決せられました。この賦課金問題も、昨年九月、一応の落着を見たのでありました。ところが、この賦課金問題に引き続いて、ブラウス、ズボンについて日米間で対立が生じ、輸出の一時停止まで見られましたが、これも不満足ながら一応の妥結を見たのであります。
 さて、問題の国際綿製品貿易の長期取りきめが行なわれたのは、世界の綿製品貿易を秩序ある発展の軌道に乗せようとするもので、わが国とアメリカでは今年の一月からこの協定によって貿易が行なわれるはずになっておりまして、今後対米輸出は少しずつでも確実に順調に伸びていくものと期待していたのであります。ところが、アメリカは、この取りきめの第三条により、市場撹乱のおそれありとして交渉を申し込んできました。この条項はごく控え目に行使されるのが建前であり、今回のように具体的な説明もなく全面的な輸出規制とも受け取られる要求を持ち出してきていることは、明らかに規定の乱用であると思うのであります。
 また、われわれの判断では、別珍、ギンガム等、二、三の商品は別として、米側の規制要求の大部分の商品については、わが国の輸出量が米国の生産量に対し三%にも足らず、およそ米国の市場撹乱という事実も、そのおそれもないものでありますが、それをあえて市場撹乱として制限しようとするのは、米国の保護主義が何らかの形でその主張を実現せんとしている事実を示すもので、相当根深いものがあると想像されるのであります。わが国の立場から見ますれば、綿製品が輸出品の大宗であるのみならず、その輸出品の大半は中小企業の製品であり、直接これに従事する人員だけでも実に四十万人をこしております。その上、日本は輸出貿易の繁栄なくして生活水準の向上を期待し得ない国でありまして、各国の輸入制限がわが国経済の発展に非常な障害となっておりますがゆえに、わが国としては、多大の犠牲を忍んでも貿易の自由化を進め、各国にガット第三十五条の援用を撤回するように要請しているのであります。それにもかかわらず、自由化をみずから提唱しているアメリカが、みずからかかる貿易制限の挙に出ることは、わが国の貿易の前途に暗影を投ずるものといわなければなりません。わが国としては実に重大な問題であります。
 そこで、まず第一にお伺いしたいことは、政府は、日ごろ経済外交に努力することをしばしば言明しているのでありますが、私どもの見るところでは、どうも現実は政府の意図するようなことには運んでいない。米国の輸入制限問題は、さきにも申し上げましたとおり、幾たびか問題は繰り返されているのであります。したがいまして、政府は過去二回にわたり、日米貿易経済合同委員会において、米国の輸入制限問題についても話し合ったはずであります。当時の報道によれば、日本側では、アメリカが輸入制限などしないようにと要請した。しかし、遺憾ながら米国側からは何らの約束も取りつけ得なかったとも言われております。せっかく日米の閣僚会談がありながら、日本の死命を制するともいうべき輸入制限の問題について所期の効果を得られなかったということは、先年の池田渡米の誇るべき手みやげの日米会談についても、その効能のほどが疑われる次第でありますが、外務、通産両大臣は、この会談においてどのようにアメリカと折衝したのであるか、また、当時の反応はどうであったか、まずこの点をお伺いいたします。
 第二にお尋ねしたいことは、政府は今回の米国政府の規制申し入れに関して、もっと早く米政府の意向なりアメリカ業界の動きというものについて、情報をつかむことはできなかったかどうか。今回のアメリカの申し入れば唐突だとも言われております。もし情報が早くわかれば、何とか交渉を有利に展開することも可能ではなかったかと思うのであります。さきの日米会談もさることながら、在外公館や出先機関の活動に不十分な点はなかったかどうか。一例として、これは単なる新聞報道かもしれませんが、池田総理は過日の財界人との懇談会で、ジェトロと在外公館との間がしっくり協調していない面があって支障を来たしている旨指摘され、さっそく外務大臣に問題の調査と協調の措置をとるように指示した由であります。これらのことからも、うかがえるように、とにかくわが国の官僚にはセクショナリズムが強く、それが経済外交においても協調を欠くきらいがあるのではないかと思うのであります。この点について、外務、通産両大臣から御見解を伺いたいのであります。
 第三に、周知のとおり、わが国の対米貿易は毎年大幅な赤字を続け、平均約六億ドルの輸入超過であります。一昨一九六一年のごときは、実に十億をこえる輸入超過でありました。その主要な原因の一つに米綿の輸入があります。すなわち米綿の輸入は二億六千万ドルであったが、綿製品の対米輸出は約七千万ドルに過ぎなかった。米綿のおかげでわが国の綿業は発展してきたともいえるが、また日本は実に米綿の最もよい得意先でもあります。しかるにアメリカは、昨年各種の日本品に対して輸入規制を行ない、今回また綿製品を規制しようとし、かくてますます日米貿易における片貿易を増大させようとしているかに見えるのであります。政治的、経済的に日米の緊密化を要望しているかのごときアメリカが、こうした一連の対日輸入制限を強化しつつあることは、まことに理解に苦しむところであり、対米感情にも決してよい影響を及ぼさないと思います。今こそ国をあげてアメリカの猛反省を促す必要があります。この点に関し、外務、通産両大臣はいかように考えるか、その基本的な態度をお尋ねいたします。
 第四に、当面の綿製品につきましては、アメリカは長期取りきめの基本精神である輸出の漸増ということを無視してかかっているのであります。また、日本に対して自主規制を交渉してきている四十品目は、対米綿製品輸出の九割に相当し、要求のワクによると昨年度の自主規制よりも一〇%以上の減少になるともいわれます。日本の綿製品工業は、過去七年間にわたって正直に自主規制を実行してきたのでありますが、このような日本側の自主規制の努力を全く無視し、かつ、長期取りきめの原則に反するような交渉の態度は、とうていわが国の忍ぶべからざるものであり、政府は、関係諸国に呼びかけて、国際的な世論としてその方針を改めさせる必要があると思うのであります。この点に関し、政府においても、この際ガット綿製品委員会へ提訴することも考えていると聞いておりますが、はたしてその決意があるかどうか。国際世論には訴えたようであるが、おそらく日本の主張は多大の支持を得られると思いますので、わが国は断固たる信念をもって米国に交渉し、その反省を促すべきであります。この点、外務大臣のお考えを伺いたいのであります。
 第五に、もし不幸にしてこの交渉が円満なる妥結を見ないような場合、アメリカ側の一方的な規制を甘受しなければならないと聞いておりますが、はたしてさようでありましょうか。私どもはそういう事態に立ち至らぬよう希望するものでありますが、不幸にしてそういうことになりましたとき、日本の経済はどうなるか、私どもは深くこれを憂うるものであります。当面の輸出商品は綿製品でありますが、必ずや制限は毛製品にも及び、雑貨にも及ぶ危険があります。また、アメリカでかかる規制を行なうことがやがて他国にも波及して、一波は万波を呼び、日本の対外貿易、ひいては世界の貿易すら縮小の傾向に向かうことになりかねないのであります。わが国では昨年十月、八八%の自由化を実施し、今またIMF八条国移行を承諾しようとしております。それは日本にとって決して容易なことではなく、多大の犠牲を要したのであります。また、今後も犠牲をしいられるのでありまして、私どもは今回のアメリカの態度を見て、すなわち、日本は自由化しようとしているが、アメリカはこれを制限しようとしている。はたして日本は多大の犠牲を忍んでまでも自由化するほうがよいのかどうか、疑いを持たざるを得ないのであります。日本はやはり既定の方針どおり自由化を進めていくのかどうか。さらにまた、不幸にしてアメリカの輸入制限が実施されるようなことがあった場合、日本の綿業はどうなるか。このような事態が他の国々にも波及した場合、世界一を誇った日本の綿業の危機とも申すべく、大多数の中小企業者の前途はまことに暗たんたるものになりましょうが、通産大臣はいかに対処されようとするのか。あわせてお答えを願います。
 第六に、私どもは前々からアメリカ一辺倒の危険を指摘してきたものでありますが、綿製品についてもそのことを考えさせられるのであります。綿製品は比較的広く全世界に市場を持っており、対米輸出は約その三分の一で、必ずしも対米一辺倒とは申しがたいのでありますが、それでもこの日本綿製品について重大な圧迫が加えられようとしていることを思いますると、輸出相手国はできるだけ多く持っていることがよいと申さざるを得ないのであります。ヨーロッパや中南米その他にも輸出先を拡大しておくことの必要を痛感するのであります。政府は、口にはいつも輸出振興を叫びながら、それはかけ声だけで、実績はなかなか伴わないうらみがある。輸出振興費は、予算を見てもすこぶる少ない。その少ない振興費ですら、出先機関の協調が得られず実効があがらないというのでは、池田総理の高度成長はいたずらに過剰生産を招くのみであります。この際、輸出市場の拡大について思い切った施策を講ずる考えはないか。外務大臣並びに通産大臣の所信を伺いたいのであります。
 最後に、繰り返すようでありますが、今回のアメリカの綿製品輸入制限交渉はまことに理不尽きわまるものであり、アメリカが一日も早くわが国の主張をいれて円満に妥結することを切望するものでありますが、政府としても問題の重要性と影響の甚大なることを思い、断固たる決意をもって強くアメリカの反省を求めるよう要求いたしまして、私の質問を終わるのであります。(拍手)
  〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(大平正芳君) お答え申し上げます。
 第一の御質問、日米貿易経済委員会の問題でございますが、この委員会は、近藤議員も御承知のとおり、貿易経済の分野における日米間の相互の理解の増進が目的でございまして、個々の問題の交渉を目的とするものではございません。したがいまして、この委員会の成果に対する評価は、日米経済の改善拡大、全体との関連において見ていただきたいと思うのでございます。しかしながら、御指摘のように、この委員会におきまして、重要な議題の一つとして輸入規制一般の問題が討議されておるわけでございまして、日本側の立場はこの機会に十分先方に伝達いたしてございます。
 それから、情報の収集をもっと正確かつ迅速にやらなければならないという御指摘でございましたが、仰せのとおりでございます。政府におきましても、関係業界におきましても、米国内の動きをしじゅうフォローいたしております。正確迅速に情報の収集に努力いたしております。
 在外公館とジェトロとの連絡でございますが、今お尋ねのような事実はないと私は考えております。
 それから、この問題のガット提訴の問題でございますが、私は、事柄の性質上、あくまでも二カ国間の交渉を通じて妥結に持っていかなければならないと心がけております。そこに力点を置いて努力いたしておる次第でございます。ガットに提訴すべきかどうかということは、今後の日米間の交渉経過を見た上で、慎重に検討いたしたいと思います。ただ、万一の場合を考慮いたしまして、一応二十日のガット理事会には、本件のおもなる問題点をガット理事会におきまして提議いたしまして、将来これを綿業委員会に付議することあるべしという通報はいたしてございます。
 それから、輸出市場の拡大の問題でございますが、私どもはアメリカ一辺倒という考えはございません。グローバルなベースで、輸出市場の多角化、輸出商品の多様化を、てこといたしまして、輸出の機会をできるだけ広く求めなければならない。そのためには、今推進いたしておりまする自由化への歩武を進めて参らなければならないと考えておるわけでございます。ただ、アメリカかわが国最大の顧客であるということは客観的な事実でございます。また、今近藤議員が御指摘になりましたように、綿業が、わが国の経済構造、わが国の雇用構造の上において占める重要性、またその輸出環境が容易なものでないということは、私も全く同感でございまして、そういう認識に立ちまして、これからの交渉を鋭意努力して参るつもりでございます。
 御案内のように、アメリカの綿業というのは、ちょうど日本における石炭産業のように、非常に問題の多い産業でございまして、アメリカ政府自体も、綿業の救済計画を立てざるを得ないような状況にある産業でございます。したがいまして、本件の交渉は、私は必ずしも容易でないと存じておるわけでございまして、御指摘にもありましたような認識を持ちまして、まずこの二カ国間で問題の解決をできるだけはかりたいということで、今努力いたしておる次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣編田一君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 ただいま外務大臣から御答弁を申し上げておるところでございますが、御承知のように、日本の輸出は年々増加をいたしておるのでありまして、輸出が増加をしておるということは、必ず向こうの相手国の産業にある程度の影響もなしに輸出を増加するということはむずかしいことになります。そういう観点から見て、私は、日本に対して各国からいろいろの問題が提議されてきたといたしましても、これを直ちに悲観的にものを見ていく必要はないのである。それは日本の経済が伸びていく場合に、必然的に受けるところの一つの抵抗であると思うのであります。私はこういう観点から、やはりこの問題も見ていかなければならないと考えておるのでございますが、確かに今回の問題について、米国側がわれわれのほうに申し入れてきております点については、数字の問題において相互の理解がまだ足りない面が私はあると思いますので、その数字的な面を今十分に調査をさせて、向こうと突き合わせをさせるということがまず第一であると考えておるわけでございまして、そのように操作を進めておる次第であります。
 なお、米綿を輸入をしておって、そうして日本は大きくいわゆる輸入超過である、アメリカからよけい物を買っておるのに、アメリカがこういうことをするのはけしからぬというお話であります。しかしながら、また、私はお互いに、これは商売でございますから、相手方がどういうことを考えておるか、相手の考え方を理解しないで、ものを言うわけにはいかないと思います。その意味で考えなければならないことは、日本は確かに米綿を輸入しておりますけれどもが、しかし、綿をよそから簡単にそうたくさん輸入するわけにもいかないという事情があることだけは、私は国民的に知っておく必要があると思うのであります。もし高い綿を輸入すれば一体どういうことになるかということも考えておく必要があると思うのであります。また、いわゆる協定の内容について、輸出を漸増する方針である、それが無視されておるということもありますが、この点は確かにそういうことは言えるのでありますけれども、協定の条文は、初年度の分、二年度の分、三年度の分と、だんだん分けて規定がしてありまして、そういうような面において、いわゆる協定の内容自身もよく理解する必要があると考えております。いずれにいたしましても、しかし、今度アメリカが言ってきた内容は、私たちは承知いたしかねるのでありまして、その申し出の内容が、われわれのいわゆる協定の認識と非常に相違しておる。したがって、この点は、われわれとしては、あくまで強く要望はいたしますけれども、また、要求はいたしますけれども、しかし、そういうような実情もあるということを認識しないで、私はこの問題の処理当たるということは、無理が起きるということを考えておるのであります。なお、欧州、中南米への輸出の振興をはかるということについては、私たちとしても極力努力をいたして参りたい。また、努力を続けておるわけであります。
 最後に、重ねて申し上げますが、われわれは決して弱腰でやっておるのではありません。私たちは、今やガット八条国に移行するということになりまして、そうしてようやく未成年から成年になった。成年になったならば成年らしくふるまうことも必要だ。主張することは主張する。アメリカに理屈なしに頭を下げてこいねがうような態度でやっていくのでは、私は、日本のほんとうの独立というものは維持できない、こういう考え方に立っておるのでありまして、あくまでも強く主張するところは主張するということを申し上げることにいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(重宗雄三君) 渋谷邦彦君。
  〔渋谷邦彦君登壇、拍手〕
#13
○渋谷邦彦君 私は、公明会を代表し、日米間の綿製品問題交渉について関係大臣に質問いたすものであります。
 今国会における総理の施政方針演説の中に、わが国の発展は米国及び欧州諸国との相互協力によって、自由な貿易の拡大を通じ、経済的繁栄の上に立って進められるべきであるという意味のことを強調されました。しかるに、今回綿製品交渉をめぐって、今後の経済外交にまことに憂慮すべき事態を招いたことは、はなはだ遺憾とするところであります。
 まず質問の第一点は、今回の米国の不当なる措置は、わが国綿業者、なかんずく二百万人からあるといわれる中小企業者に対し、深刻なる打撃を与えたばかりでなく、生活上の死活問題に直面している現状でありますが、これらの業者に対する保障的な対策を講ずる用意を持っているのかどうか、通産大臣の確固たる所見を伺いたいものであります。
 次に、交渉は非常に難航を続けており、全く予断を許さぬ状況でありますが、現在だれがこの交渉に責任を持って推進しているのかという点でございます。一方、北方漁業問題の交渉においては、毎年のように政府においては特使を派遣して交渉に当たらせ、事態の収拾に全力を注いできたはずであります。わが国経済発展の上に大きな位置を占める繊維関係、特に今日世論の焦点である綿製品問題交渉についても、すみやかなる妥結を見るために特使を派遣すべきであると思うが、外務大臣の所見を伺いたいと思うものであります。
 先ほど近藤議員からも質問がございました点でございまするが、外務大臣の答弁に、はなはだ不満を感ずる点がありますので、あえて質問する第三点は、昨年十二月ワシントンで開かれた日米貿易経済合同会議に、わが国よりも代表として六人の閣僚が出席されたはずでありますが、たまたま綿製品賦課金問題が惹起されたころでもございます。さらに、ブラウスやズボン等の船積み停止問題解決直後の事情もあり、長期協定の規制申し入れが、ようやく十二月二十八日に初めてワシントンの大使館にあったと伝えられておりますが、かようにこれら綿製品に対する一連の米国の措置は、長期間にわたって考慮された相当に根強いものを感ずるのでございます。当時の事情から見て、経済閣僚会議においては米国といかなる交渉が持たれたのか。当時の状況から判断して、当然意向の打診がなされたと思うが、そのときの実情について外務大臣より御回答いただきたいと思います。
 質問の第四点は、わが国は昨年十月、八八%の貿易自由化を行ない、近くは八条国に移行して、残る一二%についても自由化を推進していかなければならないという情勢下にございます。かかるときに、自由貿易を唱え、自由陣営の指導的立場にあると目される米国が、自国の国内産業保護のために輸入制限を規制しようとする態度は、まことに理解に苦しむところであり、今後のわが国の経済外交に破綻を来たす危険も十分考えられると思うが、さらに通産大臣として、今後の見通しと方針をお聞かせいただきたいと思うものでございます。
 次に、質問の第五点として伺いたいことは、綿製品国際貿易に関する長期取りきめの協定があります。これは、秩序ある輸出によって、加盟十八カ国間の貿易量を漸増させることを趣旨としてできたことは、周知の事実でございます。しかも、同協定の設定には、米国が率先して指導的な役割を演じてきたことでもあり、長期協定締結以後、初めての国に輸入制限の措置をとろうとする動きは、長期協定の根本理念にまっこうから反すると思うが、あわせて通産大臣より意見を伺いたいと思います。
 さらに質問の第六点は、米国が今回の輸入規制の主たる理由に、市場撹乱のおそれがあるとしております。少なくともわが国は、昭和三十一年以来今日に至るまで、対米輸出にあたっては自主規制を行なってきたはずでございます。むしろ、この間、香港などの第三国業者が進出しているのをしんぼう強く耐えながら、市場撹乱防止に協力してきたにもかかわらず、あえてこのような言葉を許さなければならないということは、政府はいかなる判断と見解の上に立って、この点是正しようとするのか、通産大臣より明確な答弁をお願いしたいと思います。
 次は、長期協定第三条第一項には、「市場撹乱を起こし、または起こすおそれがあると判断する産品を輸出している参加国に対し、そのような撹乱を除去し、または回避するために、協議を要請することができる」とあり、さらに、「前記の要請には、その要請の理由及び正当性に関する詳細な事実に関する陳述書を付さなければならず、要請国は、同様の情報を同時に綿製品委員会に通報しなければならない」と規定しております。この陳述書が日本に届いているのか。届いているとすれば、いつ届いているのか。同時に、ジュネーブの綿製品委員会に通報されているのか。あわせて伺いたいと思います。
 質問の第八点は、長期協定書第三条第三項に、「六十日以内に協議が合意に達しない場合は、付属書Bに定めるところにより規制できる」とあるが、最近に至って米国務省筋は、協議期間延長を考慮していると伝えられるが、今日までの米国の強い態度にかんがみ、政府はいかなる対策を持っているのか、また協定期間延長中は輸入制限をしないと伝えられているが、事実かどうか、御回答いただきたいと思います。
 最後に、このような最悪の事態に立ち至ったことは、政府としても重大な責任があると思うのであります。すみやかにかかる障害の除去に努力されるとともに、強力な自主外交の確立に邁進せられんことを強く要望して、質問を終わるものでございます。(拍手)
  〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(福田一君) お答えいたします。
 米国がこのようなわれわれとしては納得のいきかねる案を突如として出してこられたことについては、われわれは非常に遺憾に思っておるのでございまして、この点については、今後十分にわれわれの主張を強く主張をいたすつもりでございます。
 特使派遣の問題は、外務大臣からお答えを願うことといたしまして、自由化をしているのに、こういうような自主規制というような輸入制限あるいはその他の輸入制限を加えられたのでは、自由化ということができなくなるのではないか、また、われわれとしても考えねばならぬではないかという御質問でございますが、お説のとおり、こういうような制限をむやみに加えられておったのでは、日本は自分だけが裸になって、外国の品物をどんどん買いますというようなことは、なかなかできない。しかし、大きく考えてみて、日本の貿易を伸ばすという場合には、何といっても自由化はしたほうがいいのでありますが、欧州においても非常に多くのいわゆる差別待遇をしております。また、アメリカやカナダにおきましても、自主規制を要望されております。私はこの前の、昨年の暮れの委員会に出席いたしましたときには、甘木が何らかの形において旧主規制をされたり制限をされている品物は、このようにたくさんありますよということを、言葉で言っただけではわからないと思って、リストを作りまして、そしてアメリカの閣僚に全部渡して、詳しく説明をいたしてきておるのであります。それは四〇%前後にもなっているのでありまして、こういうことでは日米間の将来の友好関係にも大きくやはり影響するおそれもあるというような意味のことも述べて、アメリカに対して事情を説明し、将来の日米経済を友好裏にやっていくについては、この点を特に考慮してもらいたいということを言うているのでございますが、しかし、そういう日本の場合におきましても、たとえば自動車産業のごときは、アメリカからいえば、もっと早く自由化をしてもらいたいということを強く要望している。ところが日本は、日本の事情で、これは自由化をしておらないのであります。いずれの国でも、それぞれの経済というものをやっておりますというと、その国の特殊事情というものがあるわけで、私はアメリカが今度のやったことがいいとは言いません。何もこれに賛成しておるわけじゃありませんが、それぞれの国にこの考え方があり、その考え方をお互いに相互に隠しておかないで、はっきり出し合って交渉することが、これがある意味において経済外交であり、また経済であると思うのであります。私は政治の理念とは、これは商売のこととはいささかそこに相違があるということをひとつ考えなければならないと考えておるのであります。
 なお、これをやることによって日本の市場に大きな混乱が起きやしないかということでありますが、われわれはそういうことのないようにアメリカに対して強く要望を続けていくつもりでございます。
 また、いわゆるジュネーブの綿製品委員会に通報があったかということでございますが、これは通報があったように聞いております。
 なお、この協定中は制限をするのかしないのか、この話し合いが進んでいるときに、一方的に制限をするのかしないのかという点でございますが、これは向こうのほうで、しないということを明瞭に言って来ておりますので、そういうことは私はあり得ないと考えているわけであります。
 なお、日本として自主外交を積極的にやれというお言葉でございます。まことにありがたいことであります。自主外交をやるということは、私たちが一歩も相手に対してひけ目を感じない態度をもってやっていくのが自主外交でありまして、物をもらうような、こいねがうような態度でやるのを自主外交とは私はいわないと思う。私は、日本はすでに今日、八条国に移行して国際的に一人前になったのでありますから、主張すべきところはあくまでも主張する、こういう建前でやると同時に、相手の立場もやはり一応尊重する考え方を持つというのが、これがほんとうの国際的な自主外交であると感じているものであります。(拍手)
  〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(大平正芳君) お答えいたします。
 特使を派遣する意思があるかどうかということでございますが、目下のところそういう考えは持っておりません。しかしながら御指摘のように、業界の実態にかんがみまして、なるべく早く妥結をはかるつもりで努力いたしたいと思います。
 それから第二点の、日米経済貿易委員会のことは、近藤議員に対しましてもお答えいたしたのでありますが、これはあくまでも交渉機関ではないという性格を持っているのでございまして、ざっくばらんに話し合う、そうして理解の増進をはかるということが、日米経済を改善して、そうしてそれを拡大に持っていく素地であるということで、過去二回にわたって行なわれたわけでありまして、日米経済は御承知のように、われわれの予期以上の拡大を今見ているわけであります。全体の改善拡大の実績から評価をしていただきたいと思います。
 それからガットに対して市場撹乱の通報がアメリカから行っているかどうかということでございますが、ただいまの段階では、まだ通報されているとは思っておりません。いずれにいたしましても、本問題は、綿製品協定の第一年度の問題でございまして、協定自体の解釈、それから規制数量等のはじき出し方、これは日米間に相当見解の相違がございますので、目下その煮詰めにかかっている段階でございます。したがいまして、現在の段階で決定的な評価はまだ早いと私ども思っておるのであります。問題は、そういう基礎的な客観的なことについて両者が理解し合わなければ交渉は進まぬと思うので、今その土台を作っておるときでございまして、この問題の決定的な白黒の判断評価は、まだ今早いと私は考えております。(拍手)
     ―――――・―――――
#16
○議長(重宗雄三君) 日程第二、中小企業基本法案(閣法第六五号)、中小企業基本法案(衆第一〇号)、中小企業組織法案、中小企業省設置法案及び中小企業基本法案(参第四号)(趣旨説明)、
 五案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者から順次趣旨説明を求めます。福田通商産業大臣。
  〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(福田一君) 中小企業基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国の中小企業が鉱工業生産の拡大、商品流通の円滑化、海外市場の開拓、雇用機会の増大等国民経済のあらゆる領域にわたってその発展に寄与するとともに、国民生活の安定に貢献して参りましたことは、すでに国民の一人々々が高くこれを評価しているところであります。
 しかるに、最近に至りまして、生産性等の著しい企業間格差は、中小企業の経営の安定と、その従事者の生活水準の向上にとって大きな制約要因となりつつあります上に、技術革新の進展、生活様式の変化等による需給構造の変化と労働力の供給の不足とは、中小企業の存立基盤を大きく変化させようとしているのであります。
 わが国の中小企業をこのような状態に放置いたしますときは、その事業経営の安定をそこない、ひいては国民経済の健全な成長発展をも達成し得なくなるものと深く憂慮いたしておる次第であります。
 このような事態に対処して、特に小規模企業の従事者に対し適切な配慮を加えつつ、中小企業の成長発展をはかるため、その経済的社会的制約による不利を補正し、中小企業者の自主的努力を助長して、生産性を向上し、取引条件を改善するよう格段の努力をいたさねばならないと考える次第でありますが、このことは中小企業の経済的社会的使命にこたえるゆえんのものであるとともに、わが国経済の均衡ある成長を達成しようとする国民のすべてに課された責務でもあるとかたく信ずるものであります。
 このような考えのもとに、ここに中小企業の進むべき新たな道を明らかにし、中小企業に関する政策の目標を示すため、本法案を提出いたした次第であります。
 次に、本法案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、前文におきましては、以上に申し述べましたような趣旨を明らかにいたし、次いで第一章総則におきまして、
 第一に、中小企業に関する国の政策の目標は、国民経済の成長発展に即応し、中小企業の経済的社会的制約による不利を補正するとともに、中小企業者の自主的な努力を助長して、中小企業の成長発展をはかり、あわせてその従事者の地位の向上に資することと規定しております。
 これは、中小企業の成長発展を国民経済と遊離して考えることは非現実的であり、国民経済もまた均衡成長を果たすことなく高度成長を達成することはできないとの観点に立って、国民経済の成長発展の方向に即しつつ、生産性等の企業間格差が是正されるように中小企業の生産性と取引条件が向上することを目途として、中小企業の成長発展をはかって参ることが必要と考えたがためであります。
 第二に、本法案の対象とする中小企業者の範囲を、製造業等にあってはおおむね資本金五千万円以下または従業員数三百人以下、商業、サービス業にあっては同じく一千万円以下または五十人以下とし、具体的には諸般の施策が最も効率的に運用されるよう施策ごとに弾力的に定めるべきであるといたしております。
 第三に、第一に述べました目標を達成するため、国は、ひとり産業政策の分野のみならず、その政策全般にわたり必要な施策を総合的に講じなければならないこととしておりますが、その際重点的に取り上ぐべき方向づけとして設備の近代化以下八項目を明らかにいたすとともに、地方公共団体もこれに準じて施策を講ずるように、また、中小企業者以外の者もこれらの施策の実施について協力するよう要請しております。
 これは、中小企業の成長発展をはかることが全国民経済的課題であることにかんがみ、国は、その産業経済、財政金融、科学技術、社会労働等諸般の政策を通じ、また、国民は一致協力して問題の解決に当たるべきであると考えたがためであります。
 第四に、政府に対しまして、施策の実施に必要な法制上、財政上の措置をとるべきこと、中小企業の実態を明らかにするための調査を実施すべきこと並びに中小企業の動向及び施策に関し、国会に年次報告を提出すべきことを義務づけております。
 以上が第一章の主たる内容でありますが、第二章から第六章までにおきましては、第一章で方向づけられました必要な施策につきまして、その方針をそれぞれ明らかにいたすこととしております。
 第二章におきましては、主として中小企業の体質改善に関する施策につきまして、その方針を明らかにすることといたしており、
 第一に、中小企業の設備の近代化、技術の向上、経常管理の合理化のため、積極的に施策を推進することといたしております。
 第二に、中小企業の諸問題は、根本的には企業規模が過小であることから生じていることにかんがみ、これを抜本的に改善いたし、生産性と取引条件が最も向上するように基盤を整備するため、中小企業構造の高度化の方策として、企業規模の適正化、事業の共同化、事業転換の円滑化及び小売商業における経営形態の近代化のための施策の方針を宣明いたしております。
 すなわち、その一といたしまして、企業規模の適正化をはかるため、事業経営の規模の拡大、企業の合併、共同出資会社の設立等を円滑化するよう必要な施策を講ずるとともに、政府に対しこれに関する指標を作成すべきことを義務づけ、その二として、事業共同化のための組織の整備、工場店舗等の集団化その他の助成を行ない、中小企業者が体質改善するにあたり、協同してこれを効率的に推進できるように必要な施策を講ずべきことといたしております。このほか、特に流通機構の合理化の趨勢に中小商業者が対処し得るように必要な配慮をなすべきこと及び中小小売商の経営形態の近代化のため必要な施策を講ずべきことといたしております。なお、需給構造の変化等に即応して中小企業者が自己の発意により他の業種に転換しようとする場合には、これを助成するため必要な施策を講ずべきことといたしております。
 第三に、中小企業における労働関係の適正化、従業員の福祉の向上をはかるため必要な施策を講ずるとともに、最近における求人難に対処すべく、職業訓練、職業紹介の事業の充実等により労働力確保のために必要な施策を講ずべきことを規定いたしております。
 第三章事業活動の不利の補正におきましては、中小企業の事業活動面における環境の整備をはかって、その不利を補正し、もって体質改善の推進に資するという趣旨に出で、そのための施策の方針を明らかにいたしております。
 第一に、中小企業の過度の競争を防止するとともに、下請取引を適正化するため、下請代金の支払い遅延の防止等及び下請関係の近代化の施策を講ずることとしております。
 第二に、中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、中小企業の事業活動の機会を適正に確保するため、必要な施策を講ずるよう規定いたしております。
 これは、最近における需給構造等の変化に伴う大企業等の進出に対し、これに起因する社会的経済的摩擦を回避し、中小企業の経営の安定が阻害されることのないよう措置することが必要であると考えたがためであります。
 また、これと関連いたしまして、中小企業製品と競合する物品の輸入により中小企業に重大な影響を与えるおそれがある場合には、緊急に輸入調整等の措置も講じ得るよう規定いたしております。
 第三に、中小企業製品の輸出の振興、国等からの受注機会の確保その他需要の増進をはかるため、必要な施策を講ずべきこととしておるのであります。
 第四章におきましては、小規模企業者について、特にその経営の改善発達とその従事者の生活の安定につき必要な考慮を払うよう規定いたしております。これは、数多くの小規模企業者に対しては、一般の中小企業政策に加えて、諸般の施策が円滑に実施されるように特に手厚い施策を講ずる必要があるからであります。
 第五章におきましては、中小企業の体質を改善し、経営の安定をはかるため、中小企業に対し、資金の融通を適正、円滑化し、企業資本の充実を促進することがきわめて重要な政策手段であることにかんがみ、このための必要な施策を講ずるよう規定いたしております。
 次に、第六章におきましては、行政機関の整備と行政運営の改善に努めるよう規定いたすとともに、中小企業者が事業の共同化、事業活動の自主的調整等によりその成長発展と地位の向上をはかるため組織化を推進することが特に必要であることにかんがみ、中小企業者の組織化の推進その他中小企業に関する団体の整備につき必要な施策を講ずることといたしております。
 最後に、第七章におきましては、中小企業政策に関する重要事項を調査審議せしめるため、総理府に、中小企業政策審議会を設置することといたし、その組織等について必要な規定を定めております。
 中小企業基本法案の概要は以上のとおりでありますが、ここに示された施策の方向に従い、今後にわたって施策の拡充に努め、これを積極的に推進して参る所存であります。
 なお、三十八年度につきましては、予算案に本法案の主旨をすでに取り入れてありますが、また関係法律案につきましては、当面措置すべきものについてすみやかに提案いたすこととしております。
 以上をもちまして、中小企業基本法案の趣旨説明といたす次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(重宗雄三君) 衆議院議員永井勝次郎君。
  〔衆議院議員永井勝次郎君登壇、
  (拍手)
#19
○衆議院議員(永井勝次郎君) ただいま議題となりました日本社会党提出の中小企業基本法案外二件について、提出者を代表し、わが党案と政府案とを対比しながら、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 今さら申し上げるまでもなく、今日、中小企業は、わが国経済の中で圧倒的多数を占めており、生産、流通等の面においてもきわめて重要な役割を果たしているのであります。にもかかわらず、中小企業と大企業との間に大きな格差が存在し、中小企業の経営は常に不安定な、困窮した状態にあります。
 このような現状の中で、政府は依然として大企業本位の財政金融政策を推進し、またせっかくの独禁法も有名無実のものとし、不当な独占支配を容認しているのであります。さらに最近は、貿易の自由化を理由に、大企業の合理化、吸収合併並びに縦の系列支配を促進し、その目的に沿わない中小企業は政策のらち外に放置し、弱肉強食の冷酷な競争の中で、その整理、淘汰を考えており、政府の中小企業政策は、農業基本法と同様、零細企業首切り政策と断ぜざるを得ません。
 今回政府が提出した中小企業基本法案も、この意図に沿ったもので、中小企業のためのものではなく、大企業のための中小企業基本法案と言うべきでありましょう。
 このため、中小企業者は、明日の経営に、将来の生活設計に大きな不安を抱き、全く希望を失っているのであります。
 そこで、中小企業を今日の窮状から救い出し、大企業との間の格差を是正して、安定した将来に希望の持てる近代的な経営に引き上げるには、どうしてもこの際抜本的な基本政策を打ち立てる必要があるのであります。そして、一元化された強力な行政機関のもとで、かかる基本政策を推進されることが、今日ほど緊急を要することはないのであります。
 これが本法律案を提出する理由であります。
 次に、そのおもなる内容を御説明いたします。まず初めに、本案は中小企業政策の基本となるべき目標として、いわゆる国民経済の二軍構造の解消と経済の民主化、自主的な協同化、個々の中小企業者に対する積極的な助成、中小企業労働者の所得増大、さらには中小企業者、労働者、農民相互間の調和の五つの柱を明確に提示し、以下具体的な政策、機構に及んでいるのでありまして、この点、産業構造の高度化、産業の国際競争力の強化を強調するだけで、肝心の大企業の不当独占の排除、経済の民主化を忘れた政府の基本法案と根本的に異なるのであります。
 次に、具体的な内容について申し上げますと、
 第一は、本案に規定される抜本的な総合政策を実施するには、大企業の代弁機関と化しつつある通産省の一部局としての中小企業庁ではとうてい不可能であります。そこで、新たに中小企業省を設置し、通産省と対等の立場において、強力に中小企業者の利益を擁護せんとするものであります。政府案がこの当然の問題を故意に回避しているのは、きわめて遺憾であります。
 第二は、中小企業者の範囲でありますが、上は従業員三百人、資本金三千万円に押え、下に特に従業員十人、資本金百万円を勤労事業者として分離し、政策の恩恵が中小企業の中でも比較的大きなもののみに偏せず、小企業、零細企業にも十分に浸透するよう考慮しているのであります。
 第三は、中小企業の組織についてであります。
 中小企業の経営を近代化し発展させて、大企業と対等の地位に引き上げるには、協同化が必要であります。本案は特に一章を設けて、従来の多種多様な組織を協同組合に統一し、強制や統制を排し、あくまで自主的協同を組織原則としているのであります。そして、その設立を簡易にし、これに国が積極的な助成措置を講ずることによって、協同組合に入ったほうが、中小企業にとって有利になるような条件を作り上げ、もって組織化を促進していくべきだとしているのであります。政府案が、この組織の問題に一言も触れていないのはまことに奇異の感を抱かせるものであります。
 第四は、大企業との関係についてであります。
 今日の中小企業の困窮は、大企業の不当な進出、これに伴う圧迫によるところが大きいのであります。そこで本案は、中小企業に適切な事業分野に、大企業がむやみに進出することを規制し、官公需の発注についても大企業のひとり占めを排除して、中小企業に一定割合を確保することにいたしておるのであります。また、下請企業に対する大企業の不公正な取引行為を厳に取り締まり、さらに、中小企業の協同組織による団体交渉権を確立し、大企業と対等の地位を確保するよう努めているのであります。さらに、中小企業者の地位を補強するため、特に中小企業調整委員会を設立し、大企業との間の一切の紛争を中小企業者に有利に処理し、一方的な泣き寝入りの現状を是正することにいたしております。政府案が、対大企業との関係是正について配慮していないのは、今日の中小企業問題がいずこにあるかという根本を忘れた論議だと断言せざるを得ないのであります。
 第五は、零細な勤労事業者に対する政策についてであります。
 本案は特にこれを別ワクのものとして、組織、税制、金融、労働福祉、社会保障の全般にわたり、社会政策的な立場をあわせ考慮しつつ、特別の優遇、保護助成策を提起しているのであります。政府案が最終段階になって中小企業者の強い反対にあい、やっと小規模事業者の定義を付加しただけで、具体的な政策、なかんずく、税制、社会保障についてさえ、触れるところがないのは、零細業者無視もはなはだしいと言わざるを得ません。ここに政府案の零細企業切り捨ての意図が如実に示されているのであります。
 第六は、商業政策についてであります。
 従来、政府の施策は工業に偏し、商業政策はきわめて欠除しているのであります。このため、流通秩序は混乱し、百貨店、スーパー・マーケットの不当進出、メーカー、問屋の乱売、小売市場の乱立など、それでなくとも相互の過当競争に悩む一般小売商業者が、より一そう苦境に追い込まれているのであります。そこで、本案は、特に商業政策の確立を強調し、商品の流通秩序の維持のため、メーカー、卸売業者による直接小売行為の制限、百貨店、スーパー・マーケットの不当進出の規制をはからんとするものであります。同時に、他方では、消費者に対するサービスとしての商業本来の立場から、一般小売商業者みずからの経営改善、近代化を促進助成することによって、大資本商業と十分に対抗し得るまでに、その地位の安定向上を期しているのであります。政府案が商業についてきわめておざなりの一項だけを設けているのは、依然として従来の工業政策偏重のそしりを免かれ符ないのであります。
 最後に、実態に即し、適切な中小企業政策を実施するために、政府に対し総合的な調査を行なわしめ、さらに、中小企業政策に関する基本計画や実施計画並びにその実施状況について、国会に年次報告する義務を課しているのであります。また、総理府に中小企業審議会を設け、本法運用に万遺憾なきを期しているのであります。
 私は今、中小企業基本法案を中心に申し述べましたが、すでに御説明いたしました観点より、中小企業の組織の設立、運営等を具体的に定めるため、中小企業組織法案、さらに中小企業者設置法案を同時に提出しておるのであります。
 以上が、本法律案提出の理由並びにその内容の概要であります。
 何とぞ、ご審議の上、政府案にかわり、わが党案をすみやかに成立さすため御賛同あらんことをお願い申し上げ、提案の説明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(重宗雄三君) 向井長年君。
  〔向井長年君登壇、拍手〕
#21
○向井長年君 私は、民主社会党を代表して、ただいま議題となりました中小企業基本法案のわが党案の提案理由とその概要を説明いたしたいと存じます。
 中小企業基本法の成立が何ゆえに必要であるかは、それは今さら申し上げるまでもありません。わが党は、いち早くこれを取り上げ、一昨年より立案し、昨年は、各党とともに国会提出の運びとなったのでありますが、遺憾ながら、これは見送られたのであります。今回、わが党を初めとして、与野党三党とともに、それぞれの中小企業基本法案を提出し、とりわけ今回は政府案が提出された事実こそ、本案の重要性と緊急性を立証しているのであります。私は、中小企業者のため、心から喜びにたえないところであります。したがって、この法案を一日も早く成立せしめ、中小企業の振興と保護育成をはかるべきであると存じます。
 わが国の中小企業は、雇用面では全労働者の約七割を占め、生産においては全生産額の約六割を生産し、輸出面では輸出総額の五割強を受け持っておるのであります。わが国経済において、中小企業が実際に果たしている役割の大きさは、何人といえども認めざるを得ないのであります。しかるに、中小企業のおかれている実態を見ますと、資本、労働、技術、経営のそれぞれの面で、まだまだ近代化が進んでおりません。大企業に比較して競争条件が著しく劣っているばかりか、企業の規模も、零細企業を底辺といたしまして、あまりにも格差が多いわけであります。現在の中小企業は、大企業対中小企業といういわゆる経済の二重構造の桎梏に縛られているばかりか、お互いの間で激しい過当競争を繰り返しているという二重、三軍の不利な条件のもとにおかれております。このような条件にある中小企業をいかに振興育成し、その生産性を高め、近代化を進めていくか、その基本方策を定め、それに基づいて具体策の体系的計画的推進をはからない限り、わが国経済から、二つの経済構造、二つの労働条件が存在するという根本欠陥を取り除くことはできないのであります。
 中小企業基本法こそは、中小企業者が自分の正しい創意を生かして企業の発展と従業員の労働条件の向上をはからんとする努力を、高く評価し、この努力が生かされるよう保障していく中小企業の進むべき大道を示すものでなければなりません。わが党は、このような観点に立って本法案を立法し提案しているのであります。
 次に、法案の要旨について説明をいたします。
 本案は、前文及び十二章二十八条よりなる本文によって構成いたしたのであります。
 まず前文におきましては、ただいま述べましたような本案の本質を明らかにいたしておるのであります。特に前文の最後にありますように、「国の将来の理想像は、全国民の中産階級化と福祉国家の実現にあり、この目標に向かって、中小企業の安定と振興をはかるため、ここに新たなる中小企業政策の基本原則を指向し、この法律を制定する」という点に、私どもの理想が集約されておるのであります。
 本文の第一章総則におきましては、本法が目的としている中小企業政策の基本目標をまず明らかにし、この政策を実現する国、地方公共団体の責任を明らかにいたしておるのであります。特に私どもは、国の政策実施機関として中小企業省を設置すべきである旨を規定いたしました。なお、中小企業の定義につきましては、最近の経済発展の実態にかんがみまして、資本額は最高五千万円とし、また中小企業のうち、特に小規模事業の定義を明らかにして、小規模事業対策の確立をはかったのであります。
 第二章調査及び計画は、国が政策実施するにあたり、調査、基本計画と実施計画の三案と、国会に対する報告義務について規定いたしたのであります。
 第三章中小企業者の協力組織におきまして、今後の中小企業者の基本組織は、業種別地域別に自主的に組織され民主的に運営される同業組合である旨を規定いたしたのであります。従来の協同組合はもちろん活発に活動しなければなりませんが、さまざまな産業分野を担当していく社会的責任体制を確立し、大企業に対抗していく実力を備え、かつ、お互いの過当競争を自主的に調整していくためには、同業組合の設立こそが、中小企業発展の土台となるべきであります。なお、協同組合組織として商店街組合を新たに加えることにいたしました。
 第四章中小企業者の産業分野の確保におきましては、今後のわが国の産業構造の中にあって、中小企業者による経営が経済的社会的に適切であると認められる業種を確保し、大企業がここに不当侵入せしめないような方向を明らかにいたしておるのであります。
 第五章中小企業者の事業活動の保護におきましては、現在並びに将来にわたって中小企業と大企業との間の紛争を処理し、中小企業の事業活動をこの面から保護する基本規定であります。
 第六章中小企業者に対する官公需の確保におきましては、政府並びに政府関係機関としての公共企業体、公団、公庫及び地方公共団体などが、わが国における最も大きな購買力を持つ団体である事実にかんがみまして、これらの諸団体が、できるだけ中小企業者より物資サービスを購入するよう、その基本方針を規定いたしたのであります。これによって、中小企業者に対する安定した発注先を確保せんとするものであります。
 第七章から第十一章までは、設備、技術及び経営の近代化施策、貿易上の施策、財政金融上の施策、税制上の施策、労務上の施策の五つの面の基本施策を規定いたしたのであります。
 第十二章中小企業政策審議会におきましては、中小企業行政の民主化をはかる当然の措置として、国が中小企業政策の立案、実施にあたりましては、民間から選ばれた総理府付属の本機関に諮問すべき旨を規定いたしたのであります。
 私どもは、政府案が、中小企業者の自主的努力を大きくうたいながら、その努力の基盤となるべき中小企業の自主的な協業組織の強化について、何らの規定を持たない点を深く遺憾といたしております。また政府案は、小規模事業について一条を当てておりますが、その位置づけは基本法案のきわめて僅少なる部分としての扱いであります。これでは中小企業のほとんど大半を小規模事業が占めている実情を無視したものと言わざるを得ません。
 このほか政府案について、私どもはきわめて不満とし、不十分と判断せざるを得ない箇所が多数あるのであります。
 今や、貿易自由化という世界的潮流に、中小企業も裸でさらされようとしているときにあたりまして、中小企業者のため、特に小規模事業者のための基本法の確立は緊急の要務であります。したがって、政府案及び各党案について、中小企業者のための中小企業基本法確立のために、お互いに率直に審議し合うことが非常に大切であるかと存じます。この意味におきまして、本案につきまして、慎重審議の上、何とぞ御賛同あらんことをお願いいたしまして、私の提案理由の説明を終わります。(拍手)
#22
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。川上為治君。
  〔川上為治君登壇、拍手〕
#23
○川上為治君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました政府提案の中小企業基本法案並びに社会党提案の中小企業基本法案に対しまして、若干の質問をいたしたいと思います。
 まず、政府提案につきまして、総理大臣、通産大臣及び大蔵大臣に質問をいたします。
 わが国の中小企業は、私の申し上げるまでもなく、社会的、経済的に見まして、きわめて重要な階層をなしておりますことは御承知のとおりであります。たとえば、人口構成の上から見ましても、最近におきましては農業人口とほとんど変わりありません。すなわち、中小企業に依存して生活しておる人たちの数は、農業に依存して生活しておる人たちの数と同様、約三千六百万人を占めております。これは、わが国におきまして中小企業が、社会的、政治的に見ていかに重要な地位を占めておるかということを証明するものであります。
 また、わが国はその地理的、自然的条件から、その経済成長と国民生活の安定向上とは、その大部分を外国貿易に依存しなければなりません。したがって、今日、日本の経済成長と国民生活の向上とは、一にかかって外国貿易の伸展によるものと断言しましても差しつかえないところでありますが、その貿易、すなわち輸出貿易の中で、中小企業者の製品が五五%ないし六〇%を占めておるという厳然たる事実は、一億国民が深く認識しなければならぬところと思います。日本国民の生活の安定と向上とは、中小企業者の営々たる努力によるものと断言しても差しつかえございません。しかるに、今日までの政府の中小企業対策は決して十分とは言えません。もちろん、最近におきましては、政府の努力も相当見るべきものがありますが、たとえば、昭和三十八年度の一般予算二兆八千五百億の中で、中小企業対策費はわずか百二十億円に過ぎず、また、政府が最も力を入れておるといわれております財政投融資も、一兆一千億の中で年度当初千二百五十億円となっております。農業者に対する予算や施策と比較いたしまして大きな差のありますことは、私が今さら申し上げるまでもなく政府自身がよく御承知のことと思います。税金の問題におきましても、たとえば、事業税のごとき、商工業者のみな対象とした不均衡な税金がかかっております。昨年成立を見ました零細商業者を対象とした商店街振興組合法の施行には、ほとんど予算もついていないという状況であります。最近の持に零細企業者の中には、政府もあまり頼りにならぬ、それかといって、社会党や民社党は強力な経済統制をやるから、これも絶対に困るということで、何の御利益のない神様や仏様の団体に入る者が多くなっております。政府はこうした中小企業の現状にかんがみまして、特に零細企業者の安定と振興をはかるために中小企業基本法を制定せんとするものと思いますが、政府は今までのような中小企業対策ではなく、中小企業基本法制定を契機として、またこれを土台として、今後飛躍的中小企業振興対策を講ずる意図であるのか、総理大臣の基本的なお考えを第一にお伺いしたいと思います。
 第二に、総理大臣にお伺いしたいことは、中小企業省の設置の問題であります。中小企業関係の専門の国務大臣を置くことは、全国中小企業者の強い要望であり、また、わが自由民主党の中にも強く要望しておる者が多いのであります。産業行政につきましては、縦の一貫した行政を行なうこともきわめて重要でありますが、中小企業につきましては、金融、税制及び組織強化の点などから見まして、横の共通した問題を強力に解決する必要がございます。現在でも、たとえば農林省と中小企業庁との関係は、農林物資につきましては農林省が縦の一貫した行政を行ないながら、農林物資であっても中小企業に共通した問題は、通産省の中小企業庁が一括して取り扱っております。日本ほど中小企業問題のやかましくない米国におきましても、中小企業庁の長官は大統領の直接の管轄下にありまして、閣議に列席して発言し得るようの制度になっております。総理大臣は衆議院の本会議でこの問題について消極的発言をされておりますが、たとえば中小企業省を設置するなど、強力な行政機構を作る必要があると思いますが、いかがなものでございましょうか。
 次に、通産大臣にお伺いいたします。中小企業問題の中で一番重要な問題の一つは、中小企業と他のもの、すなわち大企業、農業協同組合、消費生活協同組合などとの調整の問題であります。たとえば住友商事が外国資本と結託してスーパー・マーケットに進出しようとしている問題、あるいはまた、マーガリン製造について、豊年製油という大企業が、世界の大資本と結託して、わが国の中小企業界を脅かそうとしている事実、さらにまた、農業協同組合がプロパンガスや電気器具等に大量に進出している事実、並びに消費生活協同組合の大々的員外者販売など、中小企業者のこれらのものから受けている打撃と脅威は、実に深刻なものがあります。政府案を見ますというと、この調整問題につきましては、やや微温かつ消極的に書いてあるようであります。現在の小売商業調整特別措置法や中小企業団体組織法では、かかる深刻な問題を解決することは不可能と思いますが、通産大臣は、このような問題をいかに考えておりますか。私は積極的な解決方法を講ずべきと思いますが、通産大臣の具体的解決策を明示してもらいたいと思います。
 次に、大蔵大臣に質問をいたします、中小企業問題につきましては、大蔵省の事務当局が最も消極的だといわれております。たとえば中小企業に対する官公需の発注問題につきましても、本法律案の中に「中小企業者に一定の割合を発注する」文句を何ゆえに挿入することができないのでありますか。私はこの法律案の作成過程におきまして、この問題につきまして幾たびか中小企業庁や大蔵省の係官から説明を聞いたのでありますが、ただ技術的、法制的にできないというだけで、十分満足できるような説明を聞いておりません。目下、澱粉価格の高騰問題で、零細業者である、たとえば水あめ業者のごときは、たいへんに困っております。私どもは自民党の農林部会の人たちとともに、これが対策について農林省の意見を聞いたのでありますけれども、農林省もこの問題解決のために澱粉の払い下げをやっておりますが、払い下げの結果は、一部の大企業への落札がその大部分を占めておりまして、かえって市場を混乱させているような状況でございます。アメリカにおきましては、連邦政府におきましても州政府におきましても、「中小企業者に一定の割合を発注すること」を法制的に実行しております。わが国において、何ゆえかかることが実施できないのでありますか。かかることこそ中小企業者の要望をかなえてやるべきではありますまいか。大企業と価格が同じで、品質が変わりなければ、当然中小企業に対する発注を優先してやるべきではありますまいか。大蔵大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
 なお通産大臣にお伺いしますが、「発注」の中には、先ほど申し上げました澱粉の払い下げや国有林の払い下げなど、払い下げのほらも入っておりますか。もし入っておりませんでしたら、発注と同様に考えるべきものと思います。
 最後に、社会党の提案者に質問をいたします。政府案につきましては若干の注文を申し上げましたが、さすがに多年の研究を行なっただけあって、中小企業基本法としては基本法らしく、基本的問題についての方向を示しており、よくまとまっておりますが、社会党案は、基本法であるのか、また実体法であるのか、全く盛りだくさんな、雑多なものを羅列した法案と思いまして、何を質問してよいやらわからぬ法案でありますが、次の三点をお伺いします。
 第一点は、社会党は中小企業の将来をいかに把握しているのでありますか。中小企業の自主独立性を認めて、その上に立っての中小企業の発展振興策を考えているのでありますか。それとも、将来におきましてはソ連や中共と同じように、国の生産、配給の機関としての方式に持っていくための過渡的な安定策として考えているのでありますか。社会党案の前文と申しますか、目的のところでは、その辺が明確でありませんが、この点を明確にお答え願いたいと思います。
 第二は、事業分野の確保の問題でありますが、これは多数の業種を指定して、大企業と中小企業との分野を明確に分けるということと思いますが、私も、きわめて限定された特別の業種であって、大企業と中小企業との事業分野を分けたほらが、かえって憲法第二十二条にいう「公共の福祉」を守ることになるのであるならば、その必要性を認めるにやぶさかではないものでありますが、社会党案のごとき、きわめて広い意味の事業分野を分けるということでありますと、明らかに憲法違反ということとなると思います。現行憲法改正に強く反対しておらるる社会党の諸君が、この問題については堂々と憲法違反的法案をお作りになろうとすることは、あまりにも中小企業の一部の人たちの意見に迎合し過ぎた考え方ではありますまいか。もし現行憲法の範囲内で実行されるということであるならば、具体的には私どもの考えとほとんど変わらないこととなるのではありますまいか。看板だけは大きく掲げて、狗肉を売るのたぐいであって、中小企業者を全く欺瞞した条文と思いますが、いかがでありますか、御答弁を願います。
 第三の点は、社会党の法案は、その内容の随所に見られるごとく、たとえば強力な金融統制を考えており、また組合組織を通じて強力な統制経済を考えておられるようであります。先ほど述べました幅広い事業分野の確定もまた強力なる統制経済と考えられます。わが国の国民のほとんど全部が、あの戦争中の統制経済をきらっております。またソ連や中共のような権力による極端な統制は、まっぴらごめんだといっておりますが、社会党は、この法案によって、強力な経済統制のもとに中小企業者を縛ろうとする考えでありますか、この点をお伺いします。
 以上をもって私の質問を終わりますが、要するに、社会党の中小企業基本法案の精神は、中小企業の自主独立性を取り上げて、国家権力による強力な経済統制を実施せんとするもののように断ぜざるを得ません。(拍手)
  〔国務大直池田勇人君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 わが国産業経済における中小企業の地位の重要きにつきましては、お説のとおりでございます。したがいまして、政府は、従来中小企業に対しましてあらゆる施策を推進して参ったのでございますが、現在の日本の経済、また今後の国際経済に処して、日本の産業の発展と国民生活の向上のために、この際、お話のごとく、中小企業に対しまして総合的かつ積極的な施策を早急に行なう必要がございますので、今回中小企業基本法案を提案し、御審議を願っておるのでございます。私は、これによりまして、今後の中小企業の向かうべきところ、しかも、日本の産業経済の中枢でありまするこの産業をもっともっと体質改善し、環境を整備いたしまして、日本の国民生活の向上の根幹といたしたいと考えておるのであります。
 次に、中小企業省設置についての御意見がございました。従来からよくあるのであります。私も、前に通産大臣を二回やりましたとき、いろいろ考えてみましたが、新たに省を置くということはなかなかむずかしいのでございます。それは、なぜかと申しますと、この中小企業というものは、いわゆる特定の産業の業種ではないのであります。あらゆる産業の一定規模以下のものでございます。あらゆる産業の一定規模以下のものは、やはり大産業と続いておるのであります。これを、社会党の方がよく言われるように、階級的に分けようということは、これは無理であります。やはり産業行政を一体的に運用する建前で、ただ、その間における行政運営の改善とか、あるいは行政機関の整備ということは常に考えなければなりません。しかし私は、お話のように、中小企業省設置絶対反対ということではございません。やはり今後の産業行政のあり方、また国民の考え方等を十分参酌いたしまして、今後検討いたしたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 中小企業の重要な問題であることについては、ただいま総理から御答弁がございましたが、一言補足をさしていただきますと、日本の中小企業というのは、歴史的に見て、こういう小さい島国にたくさんの人口を擁しておったことに一つの基因がございます。それが、今日のようなこの世界的経済の進展に応じて、そうしていろいろの科学技術の進歩等が出てきたところに問題があるのでありますが、しかし、同じく中小企業といいましても、それは特定の一つの層でございまして、どこからどこまでをとるというのは、時代によって順次変わっていきます。またその必要性も変わっていくものであると、そういう認識の上に立って、そうして適切な措置をとっていくことが必要である、こういう観点から中小企業基本法を制定いたしておるということを、まずもって御理解を賜わりたいと思うのであります。
 そこで、スーパー・マーケットの問題でございますが、お説のとおり、このスーパー・マーケットが小売業者をおびやかしておることは事実でございます。しかしながら、スーパー・マーケットというものをどのような定義にするかということにつきまして、まだ研究をいたすべき面がございます。そこで、さしあたりの問題といたしましては、海外からの資本などが入ってきて、大きく日本の小売商業に影響を及ぼすようなことがあってはたいへんでございますので、この問も大阪へ人を派しまして、二社五綿を集めて、いろいろその実情を聞いてみましたが、ただいまのところは、住友商事がそういう一つのアイデアを持っておるということであります。ただし、住友商事の考えておりますセーフウェイとの協力のやり方も、各地における小売業者にスーパー・マーケットを作るについて融資をいたしまして、そしてその融資をした小売業者、そのスーパー・マーケットが住友から物を仕入れるというような仕組みでやっていきたい、直接に自分が進出してやる考えはないというような意図でございました。その他については、今のところそういうことはございませんが、しかし、海外から出てこないでも、日本自体においてスーパー・マーケットの数は順次増加をいたしてきております。したがって、われわれといたしましては、これに対する恒久的な対策も立てなければいけませんが、さしあたりは、小売商業調整特別措置法とか百貨店法等を通じて調整いたすと同時に、地方公共団体等で十分連絡をとりまして、そうして小売業者を擁護するようにひとつ行政指導をして参りたいと考えておるところでございます。なお、ほかの各組合関係との、いわゆる農業協同組合とか消費生活協同組合との関係をどういうふうに考えておるのかというお話でございますが、御承知のように、農業協同組合というものは、農家という比較的弱い性格を持ったものを、これを保護するために作った法律でございます。消費生活協同組合もまた、月給取り、一つのそういうものを一応対象にした――月給といいますか、労働関係に従事しておられる人あるいは月給関係の人たちを対象にしておるものであります。そこで、まあそういう意味での消費者擁護、いわゆる弱い層の人を対象にいたしておるということになります。中小企業も、日本においては今のところ弱い立場であるから、これを擁護しなければならないということでございます。そこで、その間の調整は、農業協同組合法あるいは消費生活協同組合法ができました法律の精神を十分くみ取りながら、調整をして参るということにいたしたいと存ずるのであります。なお、中小企業向けに対する払い下げの問題でございますが、これは中小企業にまた影響もございます。ございますので、実情に応じてひとつ十分検討をして参りたいと考えております。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(田中角榮君) 川上さんにお答えいたします。
 中小企業問題につきまして、大蔵省が消極的であるというような意見の御発言がございましたが、そのようなことは絶対にございません。予算編成その他につきまして、特に中小企業の育成強化に十分意を用いておりますことは、三十八年度予算の状況を見ていただけばおわかりのとおりでございます。特に専門家である川上さんなどの予算編成に対しての十分意見を聞きまして、調整しながら予算を組んでおるのでありまして、中小企業に対しては積極的な態度をとっておるわけでございます。
 それから、今度の中小企業基本法の制定にあたりまして、アメリカの中小企業基本法にある官公需の問題に対して、ある一定の割合以上を中小企業向けに発注しなければならないという制限規定を置いたほうがよかったにもかかわらず、今度提案をいたしておりますものに対しては、機会を確保するという趣旨の条文しかないではないかという問題でございますが、これは、立法当初において十分議論もいたしました問題でございます。まあこれは、アメリカでもこういう規定がございますけれども、官公需の発注において、中小企業のものであれば、規格に合わなくても、また高くてもいいというのではなく、合理的な観点に立って中小企業の納入に重点を置いてやるようにという規定でございます。自由民主党及び政府のほうでも、官公需の適正ということに対して、調達庁法の制定が必要とか、機構その他の整備が必要であるとかいうような議論を十分あわせて検討したのでございますが、中小企業の物品、役務の調達に関しての機会を与えるということは、現在でも御承知のとおり、国の公需を発注する場合等、ランクをつけて、おおむねのものは中小企業に機会が与えられるような制度をとり、実際予算執行にあたっては、そのような措置が行なわれております。現在は、中小企業基本法を初めて提出をするのでございますから――しかし、これから中小企業基本法が制定をされた後、いろいろな実情に対処しまして、あなたが言われたような、アメリカ式より以上な条文が将来挿入されるであろうということは、私もそのとおり考えますが、現在死文になるようなものであっても困るし、実情に合わざるものでは困る。理屈だけで考えておるのではありません。要は、中小企業というものが育成強化をせられるように、国も、地方公共団体も、特に官公需において重点を置いて考えるという姿勢でございます。(拍手)
  〔衆議院議員永井勝次郎君登壇、
  拍手〕
#27
○衆議院議員(永井勝次郎君) 川上議員のお尋ねに対してお答えをいたします。
 御質問の趣旨は、社会党案は、中小企業の自主性、独立性を認めないのではないか、将来はソ連、中共のような形にもっていくのではないかという御懸念のように了承したのであります。そういう誤解なり、そういう心配が、一体、社会党の法案のどの部分からつかみ上げられたのか、私は不審にたえないのでありまして、もし川上さんから、具体的に、どの章のどの条にそういうものがあるとお示しいただけば幸いであると思っております。わが党案は、提案説明にも申し上げましたとおり、また条文にも明らかなように、大企業に対決しております。そうして二重構造を解消するというのを目標にしております。さらに言わせていただくならば、政府案は、通産省の一部局である中小企業庁の中小企業対策という、非常に視野の狭い立案であると思うのであります。わが党案は、日本の全産業の中に占める中小企業の位置づけを確立し、その安定と発展とをはかって、大企業は大企業、中小企業は中小企業、それぞれの機能を発揮して、ともども国民経済の中における任務と責任とを果たしていく、こういう大所高所からの高い次元に立った立案であると確信しております。
 具体的に案の内容を御検討いただけばわかるのでありますが、たとえば工業の面におきましては、従来は資本系列の中に中小企業は隷属させられておったのであります。わが党案では、単に資本系列ではなくて、技術系列、たとえばベアリングならベアリングが、単にトヨタ一社の系列工場というのではなくて、ベアリングという、この技術の段階における中小企業として、トヨタの注文も受ければ日産の注文も受ける。あらゆるベアリングの注文を受けるという独立した地位を与えていく。政府案のような資本系列の中にこう押えこまれて、隷属させるという形ではない。その意味において、わが党案は、企業の独立、自主性を確立する方向をねらっておるということは、この事実において明らかである。さらに商業の関係におきましても、これは大企業のメーカーの下請けのような、あるいは多角経営と称して大企業がどんどん商業分野に入ってくる、こういう形における隷属化が非常に強まっておりますことは、川上議員も御承知だろうと思うのであります。そういうような点を調整いたしまして、これは小売商業としての独立した任務を与えていこう、こういうふうに考えてこの案を作っているのであります。でありますから、この案に、たとえば中小企業に団体交渉権を持たせる。団体交渉権を持たせて、大企業と対等の立場でいろいろ団体交渉をする。たとえば取引の面において、あるいは下請け関係の価格の面において、あるいは支払代金の面において、あるいは小売商業におけるマージンの面において、協同組合を作り、団体を組織して、大企業と対等の立場において団体交渉をさせる。こういうふうなことをわが党はうたっているのでありますが、これほど明らかに自主性と独立性を確立しようという努力が心にくいまでに行きわたっている案はないだろうと考えるわけであります。また、将来どうなるかというような事柄は、われわれは触れておらないのでありまして、これは歴史の必然が決定してくれるだろうというふうに思うわけであります。
 第二は、事業分野の区分でありますが、これは憲法違反ではないかというのでありますが、私は、憲法違反ではなくて、公共の福祉を守るためのいろいろな措置というものは、決して経済や何かの自由を侵すものではない、かように考えております。われわれのこの事業分野の確立に関する憲法違反の疑いというものは、これは自衛隊が第九条の違反でないと言って堂々とやっているよりは明確な憲法違反でないことは、明らかであると思うのであります。現実の問題として、現在逸雄省が、三井省、三菱省と言われ、中小企業庁が系列庁と言われるような、こういうような状態――そうして大企業の系列化にどんどん工業分野では押し込められている。あるいは商業の分野における小売商が百三十万、卸売商が二十万、合わせて百五十万、そうして全人口が九千万でありますから、一軒の小売店に対して六十人の消費人口、一軒の家庭が四人といたしますならば、十五軒の消費者に対して一軒の割合の商店、そこで、こういうふうな過度の競争の状態――そこにもってきて、年間百万円以下の売り上げが実に五〇%に及び、年間売り上げ一千万円以上というのはわずかに五%、こういうふうな零細な経営の中に、さらに大企業が多角経営と称し、あるいは系列化と称し、企業合同と称して、どんどんと入ってくる。さらに外国資本までが、セーフ・ウエイは住友と組んで入ってこようとする、あるいはA&Pは三井物産と提携して日本に上陸しようとする。こういう状態を放任するならば、これは羊の群にオオカミを放すようなもので、だれが見ても廃業の秩序あるいは経済の秩序保持の上から、何らかの措置をしなければいけないということはお考えだろうと思いますが、そういうような現実の上に立って、憲法との関係もよく研究した上で、われわれは、事業分野の確保を、この法律を出し、そうして、その中において中小企業の安定と振興とを具体的にはかっていく、こういう考えでありますので、誤解のないように御了承をいただきたいと思います。
 第三は、この金融に対する集中融資に対する問題と、統制経済ではないか、こういうのでありますが、統制経済というのは資本主義経済の中におけるやり方でありまして、もし、しいて言うならば、われわれの考えは計画経済でありまして、官僚の統制を強化するというようなやり方とは異質のもの、質の違うものであります。その点誤解のないようにお願いいたしますとともに、われわれは、先ほど申しましたように、日本の現在の全産業の中に占むる中小企業の位置づけというものを明確にしていこう、こういうのでありまして、決して皆さんがきらうところの統制経済をやろうとしておるのではありません。それが証拠には、関西方面あるいは先般日比谷において全国小売商業の大会がありました。わが党は、スーパー・マーケットその他に対する大企業進出の阻止を明確にいたしましたわが党の政策というものを明確にしましたら、皆さんは、社会党もこういう具体的な政策をもってやっていたのかと、見直さなければいけないというので、たいへんな拍手でありました。これに対して、自民党の中小企業対策の委員長の首藤さんが出まして政策を述べましたところが、そういう関係が明確ではないので、何をとぼけたことを言っているかといって、非常なヤジがあって、演説ができませんでしたことは、これは大衆がいかに両党の政策を受け入れているかということの具体的な実例であろう、こう思うわけであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#28
○議長(重宗雄三君) 松澤兼人君。
  〔松澤兼人君登壇、拍手〕
#29
○松澤兼人君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております政府、社会党、民社党提出にかかる中小企業基本法案について、若干の質問をいたしたいと存じます。
 まず、法案の質問に入る前に、前提として政府にお尋ねいたしたいことがあります。それは、御承知のように、第四十回国会において自民党は、議員立法として、ほとんど今回の政府案と同工異曲の基本法を出したのであります。当時社会党が完璧に近い基本法を出したために、参議院選挙を控えて自民党も、政府提案ができなければ党案でも出して選挙を有利にしようと、場当たりの政策から、拙速主義、間に合わせ主義の法案提出となったのであります。そのとき政府は、中小企業庁に中小企業基本政策審議室を設置し、中小余業振興審議会の中に総合部会を設け、廃業構造調査会に中小企業部会を設けて検討しているので、政府提案はできなかったと言っておったのであります。しかし、今回の政府提案を見ましても、その内容は、当時の党案と比較してたいして変化も進歩も見られないのでありますが、
  〔議長退席、副議長着席〕
各種調査会等で検討された結果はどのような結論を得られたのであるか、その結論をどのように法案に採用したのであるか、党案を政府案とすりかえた経緯並びに党案と政府案の異同、進歩した点等を、詳細に御説明願いたいのであります。
 質問の策一点は、総括的な問題として、政府の中小企業政策の根本的理念について総理にお伺いいたしたいのであります。
 今日、中小企業の振興育成について異論のあるものはないのでありまして、総理の施政方針演説の中でも、中小企業の近代化の必要性と可能性が取り上げられているのでありますが、われわれの知らんとしていることはその理念であります。すなわち、総理の力説されている所得較差の解消と関連して、中小企業、特に零細企業が、独占資本、大資本に伍して対等の立場から伸長発展するためには、政府の大資本尊重の考え方を是正して、真に中小企業の立場を守り、その生産性の向上をはかることが何より肝要のことと考えるのでありますが、この基本法案によっては経済の二軍構造は是正されず、その較差は解消できないばかりでなく、いよいよ増大していくのであります。したがって、中小企業は旧態依然たる状態に放置されるのではないかと憂慮されるのであります。二布構造の是正と較差の解消についての総理の所信を伺いたい。
 次は、この法案は訓示的、宣言的条項の羅列でありまして、何らの新味と深みがないことであります。したがって、この法案は全くの抽象的条文の集成でありまして、具体性を欠き、いわゆる画にかいた餅にすぎないのであります。中小企業者が血の出る思いをもってパンを求めているのに、政府はこれに対して石を与えてその場を糊塗しているのでありまして、中小企業者の死活の問題を打開するには何ら実効をあげ得ないことは今日より明らかであります。総理は、この空文にひとしい宣言的法案を、行政の面で、中小企業者に対していかに対処される所存であるか、明確に抱負を示していただきたいのであります。
 次に、この法案に一貫して流れている精神は、自由化に備えて、国際競争力強化のためには、設備経営の近代化、高度化が至上の命令であって、非能率、非近代、非合理、非適正な中小企業は、自由競争の結果、倒産整理されることもやむを得ないというものであります。中小企業の中でも比較的資本規模も大きく、従業員も多い、大企業に近いもののみが政府の手厚い保護を受け、新設の中小企業投資育成株式会社の資金的援助を受けてさらに大きくなることを期待し、他の小規模零細企業を、近代化、生産性の立場から整理を促進しようという池田精神がにじみ出ているものでありまして、いわゆる貧農切り捨て論の中小企業版というべきものであります。もしこの法案が、今いう零細、非能率、中小企業の切り捨てをその内容に包蔵していることを知るならば、おそらくはどのような事態が発生するか想像に余りのあるところであります。中小企業のすべての人々が所を得て、わが国経済のにない手として発展するために、総理としてはいかなる対策をお持ちになっているか、この法案が、中小企業、零細企業の切り捨てになるおそれはないか、御所見を伺いたいのであります。
 内容について、通産大臣にお伺いいたします。
 第一点は、中小企業者の範囲の点であります。法案では、商業、サービス業以外の業種にあっては、資本または出資の額が五千万円以下のもの及び従業員数三百人以下の企業となっているのでありますが、これによって見ると、従業員が三百人以下であれば、資本額は一億円でも五億円でも差しつかえないというふうに考えられるのでありますか。最近オートメーション化が進み、従業員数が減少する傾向があるのでありますが、この条文によれば、どのような巨大な企業でも、従業員を三百人以下に押えれば、この法案の対象となるのでありまして、まことに了解に苦しむ問題が生ずるのであります。通産大臣としては、この点をいかにお考えになっているか。従来の法律の建前としては、資本額は一千万円以下ということであったものが、過般四十回国会に提出の際には、五千万円に引き上げられているのであります。五千万円という基準をとった理由をお示し願いたいのであります。
 第二点は、大企業に対する中小企業の立場が明確化されていない点であります。今日、中小企業は、好むと好まざるとにかかわらず、大企業、独占へ系列化され、下請化されているのでありまして、中小企業の弱い立場は、大企業の横暴によって、いよいよその事態が窮迫しているのであります。代金支払期間の長期化、コスト・ダウン、事業、の縮小等、不況のしわ寄せは一切中小企業が負わなければならない状態でありまして、これら大企業から中小企業を守る道は、中小企業者が団結して大企業と対等の立場で交渉できる道を開くことが喫緊の要事であると思うのでありますが、政府案によりますと、単に抽象的な規定があるだけでありまして、これでは中小企業者が大企業に対して自己を守ることは不可能でありまして、いよいよ増大する独占、大企業の圧力は、中小企業をブルドーザーにかけて押しつぶし、切り捨てていくことは必至であります。通産大臣は、大企業と中小企業の立場について、この法案がいかなるきめ手を持っているか、お示し願いたいのであります。
 第三点でありますが、最近、流通革命といわれているように、中小企業と百貨店、百貨店とスーパー・マーケット、スーパー・マーケットと小売業者、さらにはスーパー・マーケット相互間の競争、外国スーパー・マーケットの日本進出等、非常な急激な変革を見せているのでありまして、特にスーパー・マーケットの問題は、ここ数年来の新しい要素として、中小企業問題に関して重大な意味を持ってきているのであります。調査によりますと、現在わが国のスーパー・マーケットは約四百店前後といわれ、セルフ・サービス店は二千店以上ということであります。最近、アメリカ第二のスーパー・マーケットといわれているセーフ・ウェーと住友商事の提携による日本進出は、小売商に異常な衝撃を与え、これが阻止のために全国大会まで開催されているのであります。特にセーフ・ウエーの日本進出について、通産大臣はいかに対処されていくお考えであるか。先ほども川上君の質問にお答えがありましたが、特に今後増大するところのスーパー・マーケットの動向に対してわれわれは何らかの調整措置を必要とするのではないかと考えておりますが、中小企業擁護の立場から、いかなるお考えをお持ちでありますか、お尋ねいたしたいのであります。
 政府案に対する最後の質問は、この法案は単なる訓示的条文の羅列であって、従来の法律に屋上屋を重ねる程度にすぎません。中小企業者が真に政府に向かって強力な措置を要望するのは、このような宣言的条文ではなく、現在の不況と過当競争を脱却して、明日からは、中小企業が日本経済において正当に占めている分野において自己の職責を果たし、これに寄与することの条件であります。
 三十八年度予算を検討してみますと、予算総額二兆八千五百億円のうち、中小企業対策予算は百十八億四千万円、前年度に比較すれば二十六億円の増額でありますが、中小企業対策費が全体の予算の中で占めている割合は実に〇・四%にすぎないのであります。防衛関係費の額に比べてみるならば、二十分の一にも足りない状態であります。新たに中小企業投資育成株式会社への出資六億円が計上されておりますが、中小企業向け財政投融資は、総額一兆一千九十七億円のうち千三百十四億円で、全体の一一・五%でありまして、財政投融資の中で中小企業分だけ取り出して伸び率を調べてみますと、三十六年−二十七年は三〇・八%、三十七年−三十八年は一五%と、前年伸び率に比較すれば約半分になっているのであります。これでは法案に財政上の裏づけがあると申されないのでありまして、中小企業者に対しては全く期待を裏切るものであります。この程度の裏づけ措置では、旱天に慈雨を待ち望んでいる中小企業者の切なる願いを無視したものでありまして、羊頭狗肉のそしりを免れるわけにいきません。大蔵大臣、通産大臣にお伺いしたいことは、中小企業者に対する財政上、税制上の措置について、具体的にその所見を伺いたいのであります。
 次に、社会党案について提案者にお尋ねいたします。
 社会党は基本法案のほかに、中小企業組織法案、中小企業省設置法案を提出されておりまして、この御苦労はまことにわれわれの敬意を表するところであります。先ほど川上君からおほめをいただいたように、非常に膨大な三法案を提出しているのでありますが、私は、主として基本法案についてお尋ねをいたします。
 第一点は、党案では、二重構造の解消の点に重点を置いているといわれるのでありますが、党案によって、現在問題となっているわが国経済の二重構造の解消と較差の是正はいかように対処されることになりますか、御所見を伺いたいと存じます。
 第二点は、先ほども触れました点でありますが、政府案と社会党案の大きな相違の一つは、中小企業の定義であります。すなわち、社会党案によれば、商業、サービス業を除く企業にあっては、資本金三千万円以下で、かつ従業員三百名以下となっており、両建の方式をとり、政府案は、御承知のように、資本額では五千万円以下、従業員数では三百名以下と、いずれか一方の基準によることになっており、大きな相違があるのでありまして、党案の骨子とする理念についてお伺いをいたしたいのであります。
 第三点は、零細企業は常に国家の恩恵から見放され、政府案でも、中小企業の範疇が漸次引き上げられて、小企業、零細企業は滅びゆくにまかせる方針でありますが、党案は、これらの零細な企業に対して、はたしていかなる対策によってその所を得させ、日本経済の進展に寄与させようとしているのでありますか、御説明をいただきたいのであります。
 第四点は、大企業と中小企業の企業分野の問題であります。中小企業に適当と考えられる企業分野はどこまでも守っていくべきであり、巨大な繊維会社がシャツやエプロンのようなものまで加工販売するようなことは、明らかに中小企業の分野に対する不当な進出でありまして、中小企業の生命を圧殺するものと考えるのでありますが、社会党はこれに対していかなる対策をお持ちでありますか、お伺いいたしたいのであります。
 第五点は、さきにも申しました大企業と中小企業の間における紛争の処理に関する点であります。社会党案のごとくであるとして、それで代金支払いの問題、コスト・ダウンの問題、近代化要請等の諸問題がはたして解決できるかどうか、その見通しについてお伺いをいたしたいのであります。
 なお、これに関連して特に提案者に確かめておきたいことがあります。それは、党案第八章の「中小企業者と大規模事業者等との間の紛争の調整」中にあります第六十三条第四号の「小売業を営む中小企業者以外の者が行なう一般消費者に対する販売事業に関しその者と小売業を営む中小企業者との間に生じた紛争」とは、いわゆる農協、漁協、生協等の事業活動に関するものではないかと思われるのでありますが、この条文の趣旨は、農協、漁協、生協が行なう事業活動が、正常なものであり、組合員の経済的な利益のために行なうものには適用がないと考えるのでありますが、この点を明確にしていただきたいのであります。
 民社党案について、提案者に質問いたします。
 民社党案前文の中に、中産階級化を目標として中小企業政策の基本原則とすると言っておりますが、中産階級とは、階級論的にいかなる国民の階層を考えているのでありましょうか。中小企業の場合、一定の資産を有し、一定規模の経済活動を営み、一定の所得を得ている国民の階層を意味するのであるとするならば、この言葉の意味はきわめてあいまいであって、法律の用語としては未熟であり、適当ではないと思われるのでありますが、これを明確にいたしていただきたいのであります。
 第二は、事業分野の問題について、特定の業種については大企業が事業を経営することができないようにすることになっておりますが、これらの指定業種については国が大企業者について損失補償をすることになっておりますが、損失補償とはどういう法律的な意味を持っているのか、これを伺いたい。さらに、指定後には現在大企業者が行なっている指定業種に属する事業を絶対的に廃止するということは、既得権の侵害とも見られ、いろいろそこに問題があると思うのでありますが、御説明を願いたいのであります。
 以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。
 さきにわが自由民主党より提案いたしました中小企業基本法案と今回の法案とは、大体において同じでございます。ただ、われわれは、さきには中小企業振興審議会あるいは産業構造調査会の中小部会に研究を諮問しておりました関係と、また、これに伴う関係法令の準備ができなかったので、さきの国会には出さなかったのであります。その準備並びに方針がきまりましたので、御審議を願っておるのでございます。
 次に、二重構造の是正と較差の解消、こういう御質問でございますが、二軍構造の是正は、やはり中小企業の生産性の向上をはかることによってであります。しこうして、生産性の向上をはかることは、設備の近代化、規模の適正化、また、経営管理の合理化をその基本といたしております。また、他面、環境の整備が必要でございます。したがいまして、環境の整備につきましては、過度の競争防止、あるいは事業活動の機会の均等、こういうことを行ないまして、生産性の向上を伴い、したがって、中小企業の体質を改善することによって、二軍構造を解消しようとしておるのであります。また、較差の解消は、これはやっぱり全体の国民経済の高度成長によって得られるのであります。生産性の向上ができましたからといっても、経済全体が萎縮しては、中小企業の振興はありません。私が経済の高度成長を唱えるゆえんも、この較差の解消を招来するための措置であるのであります。私は、こういう関係から、二軍構造の防止と較差の解消がこの基本法によって実現し得ると考えておるのであります。しかも、この基本法におきまして抽象的に書いてあると、こういう非難でございますが、およそ基本法というものは、その向かうべき方向を示すのでけっこうでございます。しこうして、その方向によって、具体的な施策は、個々の関係法令の改正とか、あるいは必要に応じ適時適当な立法措置をすることによって完璧を期し得るものと、われわれは考えておるのであります。そういう方向におきまして、私は、この基本法案とそしてわれわれの経済成長政策が具現して、中小企業の育成発展は期して待つべきものと確信いたしております。(拍手)
  〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 中小企業の範囲について、なぜ資本を五千万円にしたかというお話でございますが、現行の法律におきましても、中小企業と言った場合には、一千万円以下、あるいは従業員三百人以下ということになっておりますが、われわれが調査いたしましたところによりますというと、従業員が三百人以下ということにいたしますと、大体資本金は五千万円前後に皆なっておりますので、そこでその差を三百人の従業員数と合わせるようにしたほうがいいであろうという考え方で、五千万円といたしたわけでございます。
 それから大企業と中小企業の関係におきまして、大企業が中小企業を圧迫してしまうではないかというお話でございますが、御承知のように、中小企業には三種類また考え方があるのでありまして、一つは、大企業と関係なく存在するものがございます。それから一部分競合しておるものがあります。それから大企業と完全に結びついておるものがあります。これは、それぞれ違った立場において政策をやっていかなければなりません。そこで、大企業と直接関係をいたしておりますものにつきましても、私たちは、対立関係で持っていかないで、できるだけ協力関係で持っていきたい。しかし、その場合に、大企業が横暴を働くというような場合にあたっては、これを保護するような措置をとっていく、こういう考え方で臨んでおるわけでございます。
 スーパー・マーケットの問題でございますが、これは御承知のように、スーパー・マーケットというのができますと、セルフ・サービスによって、まあ主として食料品でありますが、これを売ります。安い品物が買えるということになります。消費君擁護という立場から見ますというと、これを禁止すべきものではないかもしれません。一方において百五十万の小売業者を擁護しなければならないという、ここに命題がございます。その二つをどういうふうにして調和さしていくかということが、今後の政策の目標でなければならないと思うのでありまして、私たちは、この小売業者擁護の面も十分に勘案して、将来、法的あるいは行政的措置をとっていきたいと思っているわけでございます。
 それから、この法案が訓示的法案でもって何ら実体的なものがない。特に財政資金をつける場合においても非常に割合が少ない。あるいはまた、その他予算の面においても少ないというお話でございます。確かにそういう面では少ないけれども、私たちは、大企業と中小企業というものは全然かけ離れたものとは思ってはおりません。大企業が栄えていくときには、それに伴って中小企業も栄え、また消費もふえますから、そういう面で商業面も助かるというように、関連性を持っていると思うのであります。もちろん、今回の予算で十分であるとは考えてはおりません。将来も大いにひとつこれは増加していきたいと思いますが、ただ、その数字だけの面で御批判を賜わらないようにお願いをいたしたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(田中角榮君) 松澤さんにお答えいたします。
 中小企業につきまして、政府は重点的な予算措置を考えているわけであります。一般会計において百十八億四千八百万円でありますから、対前年度比二十大億円で、一般会計の伸び率よりも二八・何%でありますから、相当伸びた、こういうことに数字的にはなりますが、私はこのような答弁をいたせば足るとは考えておりません。一般会計で百十八億というような額でありますが、一般会計に計上せられた額だけで中小企業に対する政府の態度が非常に弱いというふうにお考えになるものではないと思います。財政投融資におきましては、百五十八億円ふやしまして、千二百八十三億円ということでありますが、これも一五%であるからどうとか、二〇%であるからどうとかいう問題ではありません。中小企業の金融上の問題等を見ましても、一番大きな問題は、市中金融においてどのような体制がとられるか、また、中小企業の金融に対して補完的業務を持つところの政府関係機関が、どういうふうに民間金融にマッチしているか、その過程において金利がどのように下がっていき、中小企業の負担がどのように軽減され、合理化されていくかということに、ウエートをおいて考えていくべきだと考えます。私はその意味において、昨年七月から、中小企業に対しては、時々刻々変るテンポの速い経済状態に対処しまして、細心の注意を払いながら適切な措置をとって参ったつもりでございます。その意味において、国際収支改善の過程においても、中小企業が比較的金融に対しては円滑な情勢をたどり得たものと考えております。しかし、そのことは現状をよくするだけのものであって、より大きな立場に立って、中小企業の育成というものに対しては、政府も民間の中小企業の業態等を十分直視をしながら、遺憾なきを期していく態勢でございます。
 三十八年度の税制上どういう措置をしたか、また、将来税制上、中小企業に対してどう考えているかという御質問でございますが、これは中小企業の負担軽減のために、基礎控除の引き上げをやったり、それから、配偶者控除をやりましたり、法人である中小企業者の内部保留の充実に資するために、一〇%もしくは五十万円のいずれかというものを、一五%に上げ、また、百万円のいずれか大きいものの金額に引き上げたり、それから中小企業の設備の近代化の促進ということで、機械設備及び工場建物等につきまして、五年間償却の三分の一を増額をいたしましたり、それから中小企業の合併の際における清算所得課税及びその登記の登録税についての負担を軽減いたしましたり、地方税におきましても、中小企業者の集団化に伴う不動産の取得についての不動産取得税の免除等、各般のことをいたしてございますが、しかし、この中小企業基本法の判定を機にいたしまして、政府も姿勢を正しながら、今後において課税の公平を考慮をいたしますが、公平論にのみとらわれないで、経済情勢に応じての中小企業の税負担の軽減ということに対しては、重点的に考慮をいたして参る所存でございます(拍手)。
  〔衆議院議員永井勝次郎君登壇、
  拍手〕
#33
○衆議院議員(永井勝次郎君) 松澤さんのお尋ねにお答えをいたします。
 第一は、二重構造の解消についてでありますが、これはわが党の組織法に示しておりますように、従来、いろいろな組合がありましたのを、中小企業等協同組合に統一いたしまして、協同組合を結成し、そこに金融、税制、労務、技術、いろいろな施策を行ないまして、大企業と対等に事業を進めていくことができるような、また、おくれておりますいろいろな施設その他を近代化していく、こういう方向を通して二軍構造の解消をはかっていく。さらに、外の関係においては、従来大企業と中小企業との関係におけるいろいろな単価の問題、検収の問題、あるいは支払い代金の問題、こういった関係があったのでありますが、これらは団体交渉によって、当然受くべき報酬は受けるというようなことを通じて、企業の格差を解消しつつ二軍構造を解消していく、これがわが党における方向でありまして、関連の法律は迫って提出する予定にしているわけであります。
 第二は、資本金と従業員の割合でありますが、政府案は、中小企業を上へ上へと持っていっておるわけでありまして、たとえば金融の面においても一、従来は、上のほうは一口一千万円でありましたのを、一口五千万円まで貸すことができる、こういうふうに上へ持っていきます。資金量がうんとふえた場合、上へ持っていっても、それはいいでありましょうが、資金量がそうふえない場合、一口の上限を上へ持っていけばいくほど、下へ流れる資金量は相対的に減っていくわけでありまして、その意味におきまして、中小企業の上限を上へ持っていくということは、わが党のとらないところでありまして、大体三千万円くらいが適当であろう、こういうところで規定いたしましたわけでございます。
 第三点は、零細企業の関係でありますが、わが党は、中小企業における中以上のところは、これは経済べースでいろいろ措置する。しかし、零細関係は、これは社会政策的なベースで措置をしなければいけない、こういうふうに考えておるのでありまして、そういう面から、特にわが党案は内容的にいろいろな案を盛っております。今までありました中小企業の関係におきましても、子組合の関係が挿入されておりましたが、あれもわが党の強い要求によって挿入したものでありますけれども、単にあれは宣言的なもので、抽象的で内容がございません。もっと具体的な方法によって、内容によって零細企業の存立を社会政策的な立場でこれを育て上げ、そして経済ベースに乗せて自立発展をはからしめていく、こういうふうに考えておるわけであります。
 大企業との事業分野の関係でありますが、これは先ほども申し上げましたのでありますが、最近、貿易の自由化を控えまして、大企業が恥も外聞もなく、多角経営と称して、リスクを少なくしようというので、商業の分野に、あるいは中小企業の工業分野にどんどん入ってきておるわけであります。たとえば東洋紡、鐘紡等が、原糸、生地の生産分野でありましたにもかかわらず、ワイシャツでありますとか、男子、婦人服であるとか、くつ下であるとか、ふきんであるとか、こういう関係に入ってきておる。あるいは武田製薬が養鶏事業を始めてマヨネーズをやる、あるいは近江絹糸がインスタントお茶づけをやったり、インスタント・オムライスを始めたり、東芝が農薬をやる、えさをやる、レコードをやる、北炭がホテル経営やキャバレー経営まで入ってくる、不動産もやる、こういうふうにあらゆるところに入っていって、産業経済の秩序が今日ほど混乱している時はないと思います。弱肉強食、経済力乱用の無責任時代は、私は今日ほどはなはだしいものはないと、こう思うわけであります。そういう点からいたしまして、われわれは、事業分野の確保を明確にし、そうしてその中におけるそれぞれの機能を発揮できる条件を作って、ともどもに日本経済の発展へ寄与せしめていく、こういう考えに立っておるわけであります。
 それから、大企業と中小企業の間の紛争を公正にするという点につきましては、お話のとおり、第八章における「中小企業者と大規模事業者等との間の紛争の調整」に明らかでありますように、大企業、中小企業という立場ではなしに、ちょうど労働争議における調停のような中立的な立場において問題を公正に処理する、こういうことでその公正と妥当な運用を期していきたい、かように考えておる次第であります。
 また、農協、生協等と中小企業この関係についてでありますが、これは第六十三条の四号に「前号に掲げるもののほか、小売業を営む中小企業者以外の者が行なう一般消費者に対する販売事業」、こういうふうにしておるのでありまして、農協、生協は、これは組合員が主体でありますから、組合員はこの一般消費者というものからは対象外であります。また、一般消費者の中においても、員外利用二割というのが認められておるのでありますから、その領域においては合法的な運用でありますから、ここでいう対象にはならないのであります。また、農協及び生協等に対する関係におきましては、中小企業の対象は消費者でありますから、消費者にいかにサービスしていくか、いかに消費者の意向を正しく伸ばすかというところに重点が置かれなければならないので、もしそういう関係において小売業なり中小企業が押し負けてくるというならば、その分野においての自分の勉強が足りないのであります。
 衣食住と国民の生活が非常に大きな形で変わっておるときに、旧態依然としたやり方では、ついていけないのでありますから、工業の分野が技術革新で大きく変わりましたと同様に、小売業の分野におきましても、大きくこの時代の動きに即応して、大量生産、大量消費の時代に即応する態勢をみずから励むべきである、こういう考えにわれわれは立っておるのでありまして、前の第四条において「中小企業者に対する国の施策は、中小企業者、労働者及び農民が国民経済をささえており、かつ、その発展のため欠くべからざるものであることにかんがみ、これらの者を対立させるようなものであってはならず、これらの者をともに向上させるように指向するものでなければならない。」、こういうふうに明確にうたっておりまして、農協は農協の領域において、生協は生協の領域において、消費者自身の組織として伸びていくことを期待し、そうして一般消費者の中における中小企業の小売商の領域というものの中における流通の中における任務と責任とを果たさせるようにしていかなければならぬ。消費者の犠牲で小売商業その他をささえていくというような考えはないのであります。ともどもに、それぞれの分野において責任と機能を果たし、そうしてともどもに発展せしめていく、これがわが党案の趣旨でございます。したがって、農協、生協を目のかたきにするものではございませんので、この点、御了承をいただきたいと存ずる次第であります。(拍手)
  〔向井長年君登壇、拍手〕
#34
○向井長年君 松澤議員の質問にお答えいたします。
 まず、わが党が言うところの中産階級化、こういう問題についてでございますが、これは仰せのとおり法律用語ではないのでありまして、特にわが党が国の将来の理想像を描いておるのであります。したがって、まず何といってもわが国のこの経済の二重構造をなくしていく、そうして個人の所得の平均化をはかっていかなければならぬ、こういうことを目ざしておるのであります。低い所得者の所得を引き上げることと、これに伴って高い所得者の中で、正当な勤労によらない所得、いわゆる不当所得あるいはまた不労所得を今後なくしていかなければならぬ、そういう中から所得の平均化をはかろうということが眼目であるわけであります。したがって、これはただ単に中小企業等だけの問題ではなくて、すべての国民の所得という問題について、今申しましたような平均化をはかっていく、ここに大きな眼目があるわけでございます。したがって、たとえば最近におきましては、土地の暴騰によってむちゃくちゃな金もうけをするとか、あるいは金を貸して金利を不当に取っておるとか、あるいは財産譲渡とか、いろいろな諸問題がたくさんございます。いわゆる正当な勤労をやらずいたしまして、そうして所得をふやしている、こういう問題については今後大きな規制が必要である、こういうところに大きな眼目を持っておるのであります。それから特に、しからば基準はどうかということでございますが、中小企業という立場ではなくて、国民全般の基準といたしましては、将来エンゲル係数三五、こういう単位をもちまして、少なくとも四・五人家族においては五万円、これが物価の変動等でいろいろ問題になりましょうが、一応そういう点を今の目標としてのいわゆる中産階級化をしなければならぬ、こういう考え方を持っておるのが現在の実情でございます。
 次に、大企業に対してのその事業の廃止に伴う問題は、これは既得権の侵害にならないか、あるいはまた損失補償はどうするか、こういう質問かと思うのでございますが、これは特に国が、先ほど説明いたしましたように、製造業とか建設業とかあるいはサービス業の中で、中小企業者による経営がわが国の経済的にあるいはまた社会的に適切であると認めた、この業種を指定するわけでございます。したがって、あくまでも前提があるわけでございまして、何でもかんでもこうであるから中小企業に渡せというんではなくて、そういう業種の前提があるということと、それからもう一つは、これは基本法でございますので、基本的に、やはり産業分野というものは、これから将来中小企業を育成するためにはどういう業種を中心としてやるか、こういう問題もここにおいて明確にしなければならぬと思いますし、そういう中にあって、今申しました大企業に対しての、大企業がただいままでは不当に中小企業を脅かしておる。これに対する問題として、ここで既得権侵害というよりも、中小企業分野にまで現在は強く入りつつある。これを規制しようというのが大きな問題の一点でもあるわけであります。そう申しましても、大企業に対して、これを損害を及ぼすということであってはなりません。したがって、損失の補償というものは、これはあくまでもこれは補償しなければなりません。したがって、この補償というものは、今後有償補償である建前から、交付公債を発行して補償する等の考え方も持っておるわけであります。したがって、そういうように、今までの大企業が、あまりにも中小企業に対する不当な侵入なり、不当な圧迫というものが、まのあたりに生じておる。これをまず規制しなければならぬと同時に、今後産業分野を確立した場合においては、これに対するところの、大企業に対するこの廃止の場合は補償を確実に行なっていく、こういう形を明確にいたしているのであります。御了承をお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#35
○副議長(重政庸徳君) 鈴木一弘君。
  〔鈴木一弘君登壇、拍手〕
#36
○鈴木一弘君 私は、公明会を代表して、先ほど趣旨説明のありました政府提出の中小企業基本法案に対して、総理大臣、大蔵大臣、通産大臣に質問いたすものであります。
 質問の第一点は、貿易自由化と中小企業についてであります。わが国企業のうちで、全事業所数の九九%を占めている中小企業の立場は実に重要であります。一方、近づいているIMF八条国への移行に伴なって、日本経済は海外景気の波及を強く受けることになって参ります。そこで、国際競争に打ち勝つために、大企業のコスト・ダウン等の圧迫や、海外有名メーカーの進出、企業支配という資本攻勢を、中小企業はまともに受けて苦境に陥るということが考えられるのでありますけれども、総理の見解と、中小企業基本法並びにそれに関連して出てくる法案で十分対処できる御決意がおありかどうか、お伺いいたしたいのであります。
 第二点は、中小企業者の努力についてであります。中小企業者の努力を自主協力を強くこの法案にはうたってありますが、これがあまり強調されますと、政府の政治的責任が薄くなってくると思うのであります。その点のかみ合いは一体どのようにお考えになっておられるか。近代化、合理化の責任は、あげて政府にあると考えるべきであると思うのでありますが、総理の御所見を承りたいと思います。
 次に、関係大臣にお伺いいたしたいのでありますが、質問の第三点は、中小企業者の範囲についてであります。中小企業対策は、対策の種類によっては、いろいろと具体的に業種別に範囲を変化させていくようにならざるを得ないはずであります。したがって、本法案に示されている資本の額あるいはまた出資の総額が五千万円以下の会社とか一千万円以下の会社と定めたり、また、従業員数を三百人以下または五十人以下と限定して、画一的に中小企業者を決定するということは、憲法的な性格を有している本基本法には必要がないのではないかと思うのであります。先ほどの趣旨説明においても、施策別に規模を考えるとしてあると強調されたのであれば、なおのこと明文化の必要がないように思うのであります。むしろ業種別に規模を考え、種々の施策の目的に従って中小企業者を把握し、定義づけるべきであると思うのでありますが、政府の所見をお伺いいたします。
 また、小規模企業者については、政府原案には従業員二十人以下とありますが、資本額の限度はございません。階層別の施策を考えるとするならば、資本額の限度を置くべきであると思うのでありますが、置かない理由について、あわせてお伺いいたします。
 第四点は、事業活動の分野調整についてであります。法案には、中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止する必要な施策を講ずると、このようにありますが、今、例を百貨店にとってみましても、売り上げの伸びは、三十四年一六・五%、三十五年二二・三%、三十六年二四%と、いずれも二〇%台ないしそれに近い状態にあるに対しまして、小売店の伸びは年間一二・五%というのであります。しかも、百貨店の売場面積も、三十三年に比べて、現在二割も拡張している状態であります。こういう一つの例でありますが、この例からも、大企業の圧迫は強力に防止するというような明記が必要であると思うのでありますが、どう思われるか。
 次に、中小企業者間の事業分野の確保でありますが、その確保は、中小企業の組織化によって防止調整しなければ、再び中小企業者間の過当競争を招くおそれが出て参ります。そこで、組織化について「整備」云々の言葉しか原案には見られないのでありますが、具体的にどう方向づけるのか、お伺いいたしたいと思います。また、「中小企業者以外」という者について、農業協同組合、生活協同組合というのは含むお考えか、含まないと解釈できるのか。含まないとするならば、現在、肥料、農薬の八割を扱っている農協と中小企業者の関係のごときは、一体どのように調整するお考えか、明らかにしていただきたいと思います。
 さらに、中小企業への進出をとめられた大企業が、系列化による身がわりの中小企業を進出させることによる分野の混乱も考えられるのでありますが、どのように規制もしくは調整するかをお伺いいたします。
 第五点は、下請代金についてであります。政府案には、下請代金の支払い遅延の防止策を講ずるとありますが、現在、高度成長政策の過熱で、手形比率はふえ、手形の支払い期限は延長されております。この点について、すでに下請代金支払遅延等防止法がありますが、この法の運用によって下請代金の支払い期日がきめられ、また、その支払い期日以後は、公正取引委員会のきめた率による利子を払うとされておりますが、現状は、下請企業が大企業に対してこの法律による交渉は思いもよらないことでありますし、公正取引委員会に報告すれば、あとあとの企業間の信用を失うおそれなきにしもあらずとして、ほとんど法の活用がなされておりません。そこで、この法の強力な実施をはかるため、地方団体へ大幅な権限を持たせるとか、独立した強力な実施機関を作るようにしなければならないと思うのでありますが、この際、下請代金支払遅延等防止法を改正する意図はないか。そうして、この基本法にいわれている、原案に盛られておりますところの防止策を講ずるという策を強化するお考えがないか、お伺いいたします。
 質問の第六点は、金融問題についてであります。法案には、政府関係金融機関の機能の強化とうたってありますが、現在、金融機関の貸出状況を見てみますと、全国銀行が約五〇%であるのに対して、政府関係の中小企業専門金融機関は九%を占めているにすぎないのであります。政府としては、さらに力を入れるべきであると思うけれども、今後、政府関係金融機関の貸出比率を増加させる意図をお持ちかどうか、お伺いいたします。また、中小公庫は、大半が代理貸しであり、そのために不便を生じているという声が多々あるのでありますが、直接貸しを増加すべきであると思うが、その御意見をお伺いしたく思います。さらに、法案には信用補完事業の充実を明記してあります。その信用補完事業の一翼をになっている信用保証協会の性格についてでありますが、本来、社会政策的に危険負担まで考えるべきものと思うのでありますが、現状は、保証性の高いもののみ保証するという金融機関的な性格が強く、中小企業の金融保証の立場から性格を改めるべきであると思うのでありますが、大蔵大臣と通産大臣、両大臣のお考えを承りたく思う次第であります。
 第七点は、小規模企業についてであります。小規模企業についての対策は、政府案にわずか一条しかありませんが、むしろ、社会政策的措置を加味して、金融、税制、組織化、最低価格制等を織り込んだ小規模企業のための特別立法を考えるべきであると思うが、どのようにお考えか、御所見を伺いたいと思います。また、特に小規模企業の従業員の確保対策は、社会保険制度のごときものにとどまらないで、従業員住宅建設等、環境整備に補助を考えるような対策が必要であると思われるのでありますが、具体的な考えをお伺いする次第であります。
 以上をもって私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#37
○国務大臣(池田勇人君) お答え申します。
 私に対する御質問の第一点は、貿易自由化によって中小企業が非常な悪影響を受け、その存立が危うくなるのではないかという御質問でございます。御承知のとおり、昭和三十四年から貿易自由化の方針を打ち立てまして、昨年の十月までに八八%の自由化をいたしました。その結果として、中小企業にどういう影響を与えたか、私は総括的に申しまして、大した影響を与えておりません。それは、片一方において、影響のないように随時適切な方策を講じながらやっておるからであります。今後におきましても、そういう方針で、中小企業に悪影響を及ぼさないように、また及ぶ場合には、これが対策を講じつつ、徐々にやっていく考えであるのであります。
 第二の御質問は、中小企業に対して、政府、地方団体もやるが、中小企業みずからもやれということをいっている、これは政府の熱意が足らぬのじゃないかと、こういうお話でございますが、これはあくまで自由主義経済のもとでございまするから、中小企業の方々がみずから近代化、合理化をおやりいただくのであります。政府は、第五条で規定しておりますごとく、中小企業の体質改善と環境の整備につきまして、法制上、財政上の措置をとる、そうしてみずからおやりになる体質改善、環境整備に極力御援助申し上げる、ともにともにやっていこうと、こういうことが今回の基本法の趣旨でございます。私は、政府の務めは中小企業者とともに手をつないでいくことにあると考えております。(拍手)
  〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 中小企業の範囲については、先ほど申し上げたような事情で、一千万円を五千万円といたしたのでございます。なお、これは基準を示したのでございまして、業種別によっては、必ずしもこの規定によらないでいいということをちゃんと明定しておりますので、あなたの御趣旨に十分沿い得ると考えておるものでございます。
 小規模事業について二十人以下といたし、そして資本金を入れなかったのは、実は小規模事業はほとんど個人企業が多いのでございまして、これを入れても、それほど実益がないと考えたからでございます。
 大企業の圧迫を防止しなければいけないと、こういうお話でございますが、もちろん、大企業の圧迫は防止しなければいけませんが、しかし、中小企業と大企業の関係を対立関係のみから見ていくというような考え方は、われわれとしてはとりたくないわけでございます。もちろん、そういう意味においても措置を考えております。
 組織化について条文がないというお話でございますが、組織の問題については、商工組合、協同組合等のそれぞれの法律がございまして、そうしてその目的なり、またその実績をあげておるわけでございますが、今後これをどういうふうに改善していくかということについては、十分研究を積んでいきたいと思います。
 農協や消費者協同組合との関係いかんということは、先ほどお答え申し上げたことで御了承を願いたいと思います。
 下請代金の問題でございますが、この下請代金の支払いの問題についていろいろ紛争等もあります。これはしかし政府がやれる、政府がちゃんと自分の手でやれるようになっておりますが、何しろ業態が多いし、業種が多いので、手が回りかねている面もあるわけであります。政府もやれると同時に、また申告があればすぐ調査もできるようになっておりますので、今後ともこの法律をうまく運用するように努力をいたしたいと思います。
 金融の問題につきまして、中小企業金融公庫等の代理貸しが多いではないかというお話、ごもっともでございます。これは漸次減らして直貸しにするように努力をいたしております。
 また、信用保証協会運営の問題でございますが、もとよりこれは金が借りにくい人のために作ったものではありますけれども、もっとこれは保証をして、取れなくてもいいからどんどん保証をして、そして原資がなくなってしまうというようなことでも困るのでございますので、その間の調和をはかりながら運営をいたして参りたいと思っております。
 それから小規模企業について非常に薄いではないかということでございますが、これはすでに法案の中に一章を起こして、特にこれを重視しておりまして、われわれは決してこれを軽視はいたしておりません。
 従業員の福祉施設についてのお話がございましたが、これについては、共同宿舎その他の厚生施設の拡充等を通じ、われわれとして今後十分に努力を続けていきたい、また拡充していきたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(田中角榮君) 鈴木さんにお答えいたします。
 第一問は、政府関係機関の貸し出し比率をふやす気はないかということでございますが、今日中小企業金融の大宗は、銀行、相互銀行、信用組合等、民間金融機関を主とするものであることは御承知のとおりでございまして、政府関係機関はこれが補完的な立場でその任務を行なっておるのでございます。しかし、民間金融の補完だけということを考えておるのではありませんで、融資規模の拡大をはかったり、中小企業の要請に応じて政府も対処して参っておるわけでございます。なお、将来につきましても、民間金融の中小企業に対する積極的な貸し出しワクの拡大、その他金利の引き下げ等も指導して参りますとともに、政府関係機関の資金量の拡大等もはかって参るつもりでございます。
 それから第二点は、政府関係機関、なかんずく中小企業金融公庫の問題についての直接貸しの問題、今、福田通産大臣からお答えを申し上げましたが、この問題に対しては、福田通産大臣が申されたとおり、順次直接貸しにしていかなけりゃならないという考えでございます。ちょっと例をあげて申し上げますと、商工中金は、代理貸しの比は、三十六年度でありますが、一・一%、国民金融公庫の代理貸しの比率は一九・七%で、さして問題はないわけでございますが、中小企業金融公庫が三十五年度において七六・二%、三十六年度において七一・五%、三十七年度において、十二月末でありますが、六六・〇%と、順次下がってはおります。おりますが、非常に代理貸しの比率が高いという事実は御指摘のとおりでございますし今後の方針としては直接貸しの方向で参りますと申し上げましたが、一体三十八年度の考え方はどうかというものについて申し上げますと、今年度の貸付規模千百三十五億円のうち三六%に相当する四百億ないし四百十億は、直接貸しに充てることに予定いたしております。これが支店等の設置に対しても、在来のものに加えて四カ所の新設支店を設けており、また人員等も、百五十余名の人員増をはかっておりまして、御説のように、中小企業金融公庫においては、できるだけ早い機会に直接貸しということの実現に政府も努力をいたしておるわけでございます。
 それから第三点目の、信用保証協会の業務及び信用保証の問題については、通産大臣がお答えをしたとおりでございまして、一部においては、通産省と大蔵省が意見が違うじゃないか、大蔵省は、かた過ぎるじゃないかというような御意見もあるようでございますが、中小企業育成という立場に対しては、通産大臣と同じ考えでございまして、政府部内に意見の相違はございません。ただ、これが将来より事業量を拡大していくためには、事業内容の健全性を要請していくことは当然のことでございます。しかし、健全性を要請することにウエートを置いて、信用保証の業務を縮小していくような気持は全然持っておりませんし、この協会制度が作られておるという事実に徴しましても、より実情に即して拡大をしていく予定であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#40
○副議長(重政庸徳君) 田畑金光君。
  〔田畑金光君登壇、拍手〕
#41
○田畑金光君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました中小企業基本法案について、時間の関係もありますので、政府案について、総理並びに通産大臣に二、三お尋ねいたします。
 今回の中小企業基本法案が、かつての農業基本法案のときと同じように、各党それぞれの立場において提案されるに至ったことは、内容の差異はともあれ、中小企業者や多くの国民の待望久しかりし法案であっただけに、喜ぶべきことであり、私たちは、実質審議を通じ、よりよき内容の実現をはかり、これが成立をはかることが、との国会の重大な任務であると考えております。
 わが国経済の欠陥は、いわゆる二軍構造の問題であります。都市と農村、大企業と中小企業、零細企業、先進地域と後進地域、その間に見られる著しい所得や富の不均衡、生産性や賃金の格差は経済の二軍構造、いな、ときには三重構造の様相をすら示しております。したがって、中小企業基本法案も、この問題の解決の方途を明示するものでなければなりません。なるほど政府案も各党案も、共通にこのことを強く指摘しております。政府案によれば、中小企業政策の目標は、「企業間における生産性等の諸格差を是正する」と規定し、また前文においては、「企業間に存在する生産性等の著しい格差は、中小企業の経営の安定とその従事者の生活水準の向上にとって大きな制約となりつつある。」といっております。まさにそのとおりだと思います。しからば、何が中小企業をこのような不利な立場に追い込んだのか、いかなる政策結果であるのか、このことの反省なしには、机上の作文にすぎないと思います。率直に申しまして、わが国経済における企業格差を深め、二重構造をより深めて参りましたのは、池田総理のいわゆる所得倍増政策そのものであったと考えます。倍増政策が必要以上に経済をあおり、産業活動を刺激し、大企業の過剰投資となり、企業間格差をますます拡大してきております。池田内閣の大企業本位の経済政策を是正することなしには、企業間格差の是正、中小企業の安定は不可能であると考えますが、池田総理の御所見を承ります。
 次に、中小企業が国民経済の成長発展と国民生活の安定向上に今後も変わることない重要性を保持していくためには、自由かつ公正な競争の原理によって保護されることが、政府案も指摘するとおり、最も大事なことだと思います。しかるに、最近の政府の進めておりまする施策は、財政、経済、金融、すべてにわたり、これと相反する方向に進んでおります。わが国は、二月初めのIMF理事会において、八条国移行への勧告を契機とし、去る二十日のガットの理事会における十一条国移行への表明となり、貿易・為替自由化の既定コースはさらに前進し、いよいよ激しい国際的経済競争のあらしに、じかに取り組まんとしております。これがため産業界は、各分野において、企業の合併、集中化を急ぎ、経済は巨大企業を中心に構造的荷編成に乗り出しております。ことに、政府は近く特定産業の国際競争力強化法案を提案し、独禁法の大幅な除外措置を講じようとしております。また、独禁法の解釈に弾力性を持たせることにより、これが骨抜きをさらに進めようといたしております。私は、今日の国内、国際経済の推移を見ますときに、経済憲法としての独禁法の精神を正しく生かすことが、中小企業に対し、自由にして公正な競争を保障する唯一のよりどころであると考えます。政府の施策はまさに逆行であると考えますが、総理の御見解を承ります。
 政府案は、大企業の横暴を押え、中小企業の産業分野の確保をはかり、あるいは官公需発注の一定割合を中小企業に保障したり、集中融資の排除措置等、最も大事な点において、全く微温的であるか、ないし何らの考慮を加えておりません。少なくとも、わが党案の精神に立ち返るべきだと思います。政府案を、その関連法案との関係で見ますと、高度化政策の名において、中小企業の中の一部上位企業の育成強化に重点を置き、圧倒的多数の中小企業、ことに零細企業は、ほとんど顧みられておりません。経済合理主義に偏重し過ぎて、中小企業基本法案のよって立つ精神を発足当初から失う危険があると私は見るのでございまするが、総理の御所見を承っておきます。
 次に、通産大臣にお尋ねいたします。
 私が政府案を逐条検討いたしまして、最も不可解にたえない点は、政府案の全文を通じ、大企業という文字が一切見当たりません。全国四百万の中小企業者並びに千七百万の中小企業従業員の置かれておる現在の経済環境の最大の特徴は、中小企業経営は、直接、間接、常に大企業との対抗関係に置かれております。税制は、大企業本位の特別措置減免税が大幅に過ぎるために、中小企業減税は常に小幅に抑えられております。金融は、大企業に対する優先的融資が常に先行し、中小企業は慢性的金詰まり状態にあります。ことに、金利、歩積み、両建等の問題において、中小企業は不当な待遇を受けております。また、親企業対下請関係、百貨店問題等、現在の中小企業政策の中心は、大企業の圧迫排除に尽きると私は思います。
 そこで、通産大臣にお尋ねいたしますが、政府案の法文に見られる「中小企業者以外の者」とは何をさされるのであるか。「中小企業者以外の者であって、その事業に関し中小企業と関係があるものは、施策の実施について協力するようにしなければならない。」と規定しておりますが、大企業をして国及び地方公共団体の中小企業政策に協力せしめる具体的な方策はどういうことを考えておられるのか、お尋ねいたします。
 次にお尋ねしたい点は、政府案には、中小企業者の協業組織について、何らの方針も考えられず、規定もないことは、理解に苦しみます。政府は、現行の協同組合もしくは商工組合で十分と考えておられるのかどうか。現在の事業協同組合は、商工組合との二重機能を果たすものが多くなりましたが、これは明らかに、協同組合では中小企業の協業組織として大きな限界に突き当たっておることを意味しております。さりとて、協同組合自身が商工組合と同じ調整事業を行なうことは、協同組合の本質をみずから否定するものであります。今や、基本法制定を機会に、中小企業の協業組織について根本的に検討し、新たな構想を生み出すべき時期だと考えます。わが党は、業種別に全国単一の同業組合を組織することこそ中小企業の新しい進路であることを規定いたしておりますが、この点、総理に政府の見解を承ります。
 第三にお尋ねしたい点は、中小企業の中でも特に問題の多い零細企業に対する政府の施策は何かということでございます。先刻も申し上げましたように、政府提出の基本法案を初め、中小企業投資育成株式会社法案等、関連法案を見ますると、政府の施策は、いずれも、中小企業といっても、企業として経済ベースに乗るもののみを対象とし、企業というよりは生業ともいうべき小規模企業対策並びに中小企業に働く従業員の労働条件の向上、福祉厚生に関する具体的な施策を示されておりません。これはいかなる理由によるものか、この際、特に零細企業対策に関するもっと具体的な政府の今後とらんとする方針を、通産大臣から承ります。
 最後に伺いたい点は、現在厚生省所管になっておりまする環境衛生関係営業の同業組合についてであります。理容、美容、クリーニング等、環境衛生関係業種の経営体の大半は中小企業であります。しかし、これらの業種に関する組織法は、環衛法という衛生取り締まり法に包含されていて、中小企業組織法としては非常に不備でありますが、この点について、政府は今後どのような処理をはかられようとするのであるか、あわせてお伺いをいたしまして、私の質問を終わることにいたします。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 所得倍増計画、したがって高度の経済成長が所得格差を増進したというお説でございますが、これは誤まれるもはなはだしいことだと思います。まず第一に基本法を出しまして、いわゆる産業の二重構造を是正し、所得格差をなくしようとするための設備の近代化、合理化、規模の適正化あるいは過当競争防止の環境を作るということは、所得倍増があってこそできるのであります。また、所得倍増過程においてのみ、所得の均衡と低所得者の所得の増加があるのであります。したがいまして、これは今まで問題にしておりました中小企業に働いておられる方々のあの賃金がどうなりましたか――所得倍増計画のおかげで、格差が減ってきているということは、統計で明らかになっている。所得倍増、経済の高度成長が、いわゆる中小企業の拡大と産業格差をなくするもとであり、結果であるのであります。これをお考え願いたいと思います。
 次にまた、これは言葉がどうかと思いますが、国際競争力強化に関する法律案といって新聞に出ておりますが、これは実は本体は、日本の産業基盤を強化しまして、国際競争に負けないための、産業基盤強化法ともいうべきものであります。しこうして、日本の独占禁止法は、占領下において、また鎖国経済における独占禁止法であったのであります。今や世界各国を相手として、その販路あるいは経済活動が世界的になっってきた場合に、鎖国経済のときの独占禁止法を墨守するやり方では、日本は発展できない。もちろん、正当な、自由かつ公正なことは、経済の基本でございます。産業秩序を守るということは当然のことでございますが、しかし、鎖国時代――あの占領下の独禁法を金科玉条として、この世界の競争場裏に出ていこうという考え方は、少しお変えになる必要があると思います。したがって、法律を改正するか、あるいは時代に合ったような解釈でいくかということは、これは考えなければなりません。経済というものは生きものです。しこうして、拡大するものです。進歩するものです。だからやはり、取引秩序の公正を守りつつ、日本の経済の発展をはかっていくことが、われわれ政府の任務だと心得ております。(拍手)
  〔国務大臣福田一君登壇、拍手〕
#43
○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。
 中小企業に対してその他のものが協力をしなければならないという条文があるが、その他のものというのは、どういうものをさしているのか、またなぜ大企業を入れなかったかという御質問と思いますが、これは、その他のものというのは、大企業あるいは民間金融機関等をさしているのでありまして、私たちは、特にそれを入れないでも、これで明らかであると考えておったからでございます。
 それから、組織の問題につきまして御質問がございましたが、たびたび申し上げましたように、商工組合法とか協同組合法によりまして組織ができております。これが十分でない面は今後補完をいたして参るつもりでありますが、私たちの考えでは、対立関係でものを考えないものでありますから、そこにいささかニュアンスの違いが出たかと存ずるのでございます。
 なお、美容あるいは理容、あるいはクリーニング等の環境衛生関係が同業組合を作っております。で、これを協同組合になぜしないのか、こういうようなお話でございますが、私たちといたしましては、こういう組合は、同時に協同組合の目的も達しているものでございますから、金融面その他の面において協同組合に与えると同様の利益を均霑させるようにいたしているわけでございますので、特にここで協同組合を作らせる必要はないかと考えているのでございます。
 零細企業についても、しばしば申し上げておりますが、われわれはちゃんと一章を起こして、そうしてこれは非常に重要視しつつ施策を進めていく所存でございますので、御了承を賜わりたいと思います。(拍手)
#44
○副議長(重政庸徳君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
     ―――――・―――――
#45
○副議長(重政庸徳君) 日程第三、警察法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長石谷憲男君。
  〔石谷憲男君登壇、拍手〕
#46
○石谷憲男君 ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 本法案は、最近の全国的な幹線道路における交通の実情に対処するため、その交通規制に関する事務を管区警察局に分掌させることとするとともに、観光道路等の道路運送法に規定される自動車道が二以上の都道府県の区域にわたる場合における警察官の交通に関する管轄区域外の職権行使を認めることとし、また、警察庁における麻薬関係の事務の増高に対処するため、警察庁の職員の定員を改めて、警察官十名を増員すること等で、警察事務の能率的な運営をはかろうとするものであります。
 本委員会におきましては、二月五日篠田自治大臣より提案理由の説明を聞いた後、当局との間に、交通、麻薬等の問題について熱心に質疑応答を重ね、慎重審査を行ないました。その詳細については、会議録によってごらん願いたいと存じます。
 かくて、二月二十一日質疑を終局し、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本法案は、全会一致をもって、政府原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#47
○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#48
○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#49
○副議長(重政庸徳君) この際、お諮りいたします。
 手島栄君から、病気のため、二十日間請暇の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。
 次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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