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1962/07/05 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 本会議 第32号
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1962/07/05 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 本会議 第32号

#1
第043回国会 本会議 第32号
昭和三十八年七月五日(金曜日)
   午後六時九分開議
  ―――――――――――――
 議事日程 第三十四号
  昭和三十八年七月五日
   午前十時開議
 第一 千九百六十二年の国際小麦
  協定の締結について承認を求め
  るの件
 第二 日本国とアメリカ合衆国と
  の間の領事条約の締結について
  承認を求めるの件
 第三 海外移住事業団法案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第四 近畿圏整備法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第五 金融緊急措置令を廃止する
  法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第六 公衆電気通信法及び有線電
  気通信法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 法務省設置法等の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議
  院送付)
 第八 中小企業基本法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第九 中小企業指導法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第一〇 中小企業信用保険法の一
  部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第一一 中小企業等協同組合法等
  の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第一二 下請代金支払遅延等防止
  法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一三 港則法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第一四 刑事事件における第三者
  所有物の没収手続に関する応急
  措置法案(内閣提出、衆議院送
  付)
  ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、積雪寒冷単作地帯振興対策審議
  会委員の選挙
 一、日程第一 千九百六十二年の国
  際小麦協定の締結について承認を
  求めるの件
 一、日程第二 日本国とアメリカ合
  衆国との間の領事条約の締結につ
  いて承認を求めるの件
 一、日程第三 海外移住事業団法案
 一、日程第四 近畿圏整備法案
 一、日程第五 金融緊急措置令を廃
  止する法律案
 一、日程第六 公衆電気通信法及び
  有線電気通信法の一部を改正する
  法律案
 一、日程第七 法務省設置法等の一
  部を改正する法律案
 一、日程第八 中小企業基本法案
 一、日程第九 中小企業指導法案
 一、日程第十 中小企業信用保険法
  の一部を改正する法律案
 一、日程第十一 中小企業等協同組
  合法等の一部を改正する法律案
 一、日程第十二 下請代金支払遅延
  等防止法の一部を改正する法律案
 一、日程第十三 港則法の一部を改
  正する法律案
 一、日程第十四 刑事事件における
  第三者所有物の没収手続に関する
  応急措置法案
 一、千九百六十二年の国際コーヒー
  協定の締結について承認を求める
  の件
  ―――――――――――――
#2
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
   ――――・――――
#3
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 内閣から、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員小林篤一君の辞任に伴う後任者の指名を求めて参りました。
 つきましては、この際、日程に追加して、その選挙を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
#5
○加賀山之雄君 本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#6
○村上春藏君 ただいまの加賀山君の動議に賛成いたします。
#7
○議長(重宗雄三君) 加賀山君の動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、積雲寒冷単作地帯振興対策審議会委員に森八三一君を指名いたします。
   ――――・――――
#9
○議長(重宗雄三君) 日程第一、千九百六十二年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件、
 日程第二、日本国とアメリカ合衆国との間の領事条約の締結について承認を求めるの件、
 日程第三、海外移住事業団法案(内閣提出、衆議院送付)
 以上三件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長岡崎真一君。
  〔岡崎真一君登壇、拍手〕
#11
○岡崎真一君 ただいま議題となりました条約二件及び法案一件につき、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 まず、国際小麦協定は、一九五九年の協定にかわるもので、最高及び最低価格の引き上げ、輸入国の買い入れ割合の増加等の改正が加えられております。
 次に、日米領事条約は、領事に関する事項を、通商航海条約とは別個の条約をもって規律したものでありまするが、領事官の職務及び特権免除等を具体的に取りきめております。
 委員会は、両件を慎重審議の結果、六月二十五日、いずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
  ―――――――――――――
 次に、海外移住事業団法案は、海外移住審議会の答申に基づき、移住機構の抜本的刷新をはかる見地から、海外協会連合会及び海外移住振興会社の業務を統合し、単一の公的実務機関として海外移住事業団を設けるため提案せられたものであります。事業団に対しては、政府は、海外移住に関する基本方針を指示するにとどめ、移住業務は、もっぱら事業団をして、地方、中央、海外を通じ、一貫して、自主的、能率的に運営せしめることとなるのであります。
 委員会は、慎重審議の結果、六月二十七日、全会一致をもって本案を原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、討論の際、岡田委員より、自民、社会、公明、二院クラブ、民社五派共同提案にかかわりまする附帯決議案が提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
 この決議は、政府に対し、移住基本法を次期通常国会に提出すること、事業団の報告資料を毎年国会に提出することなどを要望する四項目からなっておりまして、大平外務大臣より、決議の趣旨を体して努力する旨の発言がありました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#12
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、千九百六十二年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件及び日本国とアメリカ合衆国との間の領事条約の締結について承認を求めるの件全部を問題に供します。
 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#13
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって両件は承認することに決しました。
   ――――・――――
#14
○議長(重宗雄三君) 次に、海外移住事業団法案全部を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#15
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
   ――――・――――
#16
○議長(重宗雄三君) 日程第四、近畿圏整備法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長北村暢君。
  〔北村暢君登壇、拍手〕
#17
○北村暢君 ただいま議題となりました近畿圏整備法案につきまして、建設委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法案は、近畿圏の整備開発に関する総合的な計画を策定し、その実施を推進することにより、首都圏と並ぶわが国の経済、文化の中心としてふさわしい近畿圏の建設と、その秩序ある発展をはかろうとするものであります。本法案における近畿圏とは、福井県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県及び和歌山県の区域にわたる広域をいうものであり、以下、本法案の内容についておもなる点を御説明いたします。
 第一は、近畿圏整備の事務を所掌するため、総理府の機関として近畿圏整備本部を設置し、その長は近畿圏整備長官とし、国務大臣をもって充てることとしております。また、これとともに、総理府に近畿圏整備審議会を設け、内閣総理大臣の諮問に応じ、計画の策定実施に関する重要事項について調査審議することとしております。
 第二に、近畿圏整備計画の策定については、基本整備計画と事業計画に分けることとしております。基本整備計画は総合的な整備開発に関する計画を定めるものでありまして、内閣総理大臣が、関係府県、関係指定都市及び審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議して決定することといたしております。なお、この計画においては、内閣総理大臣は、各地区の規模、特性に応じて、近郊整備区域、都市開発区域及び保全区域を指定することができることとしております。
 第三に、近畿圏整備計画に基づく事業の実施についてでありますが、これは当該事業に関する法律に従い、国、地方公共団体または関係事業者が施行することとし、内閣総理大臣は必要な勧告をなし得ることとしております。
 その他、産業、人口の集中防止のため、別に法律で定めるところにより、工場学校等制限区域を指定し得ること、政府は計画実施に必要な資金の確保に努めるべきこと等を規定し、近畿圏整備計画に基づく事業の円滑な実施をはかっております。
 本委員会の審議におましては、首都圏整備法との相違について、近畿圏の範囲について、国土総合開発計画及び各地域開発計画の調整についてなど、慎重な質疑が重ねられたのでありますが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して瀬谷委員より、本法案に賛成の旨の発言があり、なお、次の附帯決議案が提出されました。その内容は、
 一、近畿圏区域の決定に際して、政令で区域を除く場合には福井県など当該地方自治体の意見を尊重すること。
 一、本法による計画策定に当っては、国土総合開発および地域開発計画との調整を十分はかること。
 一、計画策定並びに実施にあたっては、広範囲にわたる地域格差の是正に努めること。というものであります。
 かくて討論を終わり、採決の結果、本法案は全会一致をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、附帯決議案を採決いたしましたところ、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#18
○議長(重宗雄三君) 本案に対し、藤田進君外一名から、成規の賛成者を得て、修正案が提出されております。
 この際、修正案の趣旨説明を求めます。藤田進君。
  〔藤田進君登壇、拍手〕
#19
○藤田進君 ただいま議題となりました近畿圏整備法案に対する修正案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、修正案を朗読いたします。
  近畿圏整備法案の一部を次のように修正する。
  附則第一項中「昭和三十八年七月一日」を「公布の日」に改める。
 以上であります。
 次に、修正の理由を申し上げます。
 原案におきましては、この法律は昭和三十八年七月一日から施行することといたしております。しかしながら、去る六月二十七日、委員会の審査を終了してから、本日、本会議に上程される間において、すでに期日を経過するに至りましたので、この際、これを公布の日から施行することに改める必要が生じたのであります。
 以上が本修正案の内容及び提出の理由であります。各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#20
○議長(重宗雄三君) 別に、御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、藤田進君外一名提出の修正案を問題に供します。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#21
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本修正案は可決せられました。
   ─────・─────
○議長(重宗雄三君)次に、ただいま可決せられました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。
 修正部分を除いた原案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#22
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。修正部分を除いた原案は可決せられました。
 よって本案は修正議決せられました。
   ─────・─────
#23
○議長(重宗雄三君) 日程第五、金融緊急措置令を廃止する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長佐野廣君。
   〔佐野廣君登壇、拍手〕
#24
○佐野廣君 ただいま議題となりました金融緊急措置令を廃止する法律案について、その内容、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 金融緊急措置令は、主として終戦後におけるインフレの急進に対処するため、預金等の封鎖、融資の制限及び禁止等について規定した緊急勅令でございますが、封鎖預金については、すでにその使命を終え、また金融機関に対する融資の制限及び禁止については、経済情勢が著しく改善された今日、勅令の形をもって資金統制の道を残すことは、適当ではございませんので、今回これを廃止しようとするものでございます。
 委員会におきましては、今回、金融緊急措置令を廃止することに踏み切った経緯、同措置令が戦後における緊急金融対策として果たしてきた役割、経済関係罰則の整備に関する法律違反事件の処理状況、罰則の適用については従前の例によるとした理由、その他、金融機関資金融通準則の運用状況等について、熱心なる質疑が重ねられましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 かくて質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#25
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#26
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。
   ─────・─────
#27
○議長(重宗雄三君) 日程第六、公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長光村甚助君。
 〔光村甚助君登壇、拍手〕
#28
○光村甚助君 ただいま議題となりました公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案について、逓信委員会における審議の経過並びに結果を報告申し上げます。
 本改正案の趣旨は、農山漁村における公衆電気通信の現状にかんがみまして、有線放送電話と日本電信電話公社の電話との間の通話を可能にするなどして、これら農山漁村地帯における電気通信の利便の増大をはかろうというのであります。
 改正のおもな内容について申し上げますと、
 公衆電気通信法においては、新たに公衆電気通信役務の一種として、有線放送電話接続通話制度を設けることでありまして、その接続通話には第一種と第二種とがあり、第一種は市内通話のみとし、第二種は市内及び市外通話でありまして、市外の通話区域は同一都道府県内を原則としております。
 有線電気通信法においては、同一市町村内に二つ以上の有線放送電話施設がある場合には、共同設置の方法により、その施設相互間の通話ができるようにしようとするものであります。
 逓信委員会におきましては、郵政省及び日本電信電話公社各当局につき、有線放送電話に対する根本方針、公社電話と有線放送電話との相関関係、有線放送電話設置の許可基準を緩和することの可否、市外通話範囲を限定した理由等、詳細にわたり質疑を行ない、参考人より意見を聴取する等、慎重審議をいたしました。
 かくて質疑を終え、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して野上委員より、次の附帯決議を付して本案に賛成、
   附帯決議案
  日本電信電話公社の農山漁村地帯における電話の普及は、今なお十分でないため、有線放送電話との接続を認めざるを得なかったのである。よって、政府及び公社当局は、更に一層、これら農山漁村における公社の電話設備を拡充し、サービスを改善してその本来の使命達成に努めるとともに、有線放送電話のこれら地帯の向上発展に果している役割の大なるにかんがみ、適切な措置を行なうべきである。
  右決議する。
 自由民主党を代表して新谷委員より、本案及び野上委員提案の附帯決議に賛成する旨の発言があり、討論を終え、採決の結果、全会一致をもって、附帯決議を付して、原案どおり可決すべきものと決定した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#29
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#30
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
   ――――・――――
#31
○議長(重宗雄三君) 日程第七、法務省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長村山道雄君。
  〔村山道雄君登壇、拍手〕
#32
○村山道雄君 ただいま議題となりました法務省設置法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院において一部修正の上、本院に送付されたものでありまして、その改正点は、第一に法務省の職員の定員を改正し、本省において三百九人、公安調査庁において一人、計三百十人を増加すること、第二に、和歌山県海草郡下津町等四カ所に入国管理事務所の出張所を設置すること、第三に、市町村の廃置分合に伴い、設置法別表に所要の整理を行なうことでございます。
 本委員会におきましては、法務局の職員の増員、処遇並びに事務の改善に関する政府の所見、登記所の税務署に対する事務協力の可否、登記簿、台帳一元化のための要員の定員化の問題、少年院並びに少年鑑別所における業務の現状と職員の配置並びに処遇、人権擁護委員の任務とその待遇、内勤司法保護司の性格、刑法改正問題、麻薬、少年犯罪、交通事犯等の対策、行刑の改善、川崎入国者収容所の移転の経緯等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#33
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#34
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
   ――――・――――
#35
○議長(重宗雄三君) 日程第八、中小企業基本法案、
 日程第九、中小企業指導法案、
 日程第十、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、
 日程第十一、中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案、
 日程第十二、下請代命支払遅延等防止法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上五案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長赤間文三君。
  〔赤間文三君登壇、拍手〕
#37
○赤間文三君 ただいま議題となりました中小企業基本法案外四件について、商工委員会における審査の経過及び結果について御報告を申し上げます。
 御承知のとおり、中小企業は、わが国経済にきわめて重要な地位を占めており、中小企業対策も幾多今日まで講ぜられて参ったのでございまするが、その政策の基本を示すべき中小企業基本法を制定する必要ありとの論議が、ここ数年来とみに盛んになりまして、昨年の通常国会にも、三党からそれぞれの基本法案が提出せられたのであります。今国会においては、議員提出案二件と政府提出案一件とが、いずれも多くの関連法案とともに提出をせられ、うち政府案が衆議院で修正の上送付せられて参ったのであります。
  ―――――――――――――
 五法案の内容をごく簡単に申し上げますると、
 中小企業基本法案は、中小企業の進むべき新たな道を明らかにし、中小企業政策の目標を示すための法律として立案をせられたものでありまして、前文のほか、本文三十三条と附則二項からなっております。
 施策の対象とする中小企業者の範囲は、おおむね、鉱工業等においては、資本の額が五千万円以下の会社並びに従業員三百人以下の会社及び個人、商業及びサービス業においては、資本の額が一千万円以下の会社並びに従業員五十人以下の会社及び個人といたしておるのでございまするが、その範囲は、それぞれの施策ごとに定めることとしております。
 中小企業政策の目標といたしましては、中小企業が経済的、社会的制約によって受ける不利を補正し、中小企業者の自主的努力を助長し、企業間に存在する生産性等のもろもろの格差が是正せられるように、中小企業の成長発展と、その従事者の地位の向上をはかることに置きまして、施策の内容といたしましては、国は、中小企業の設備の近代化、経営の合理化、構造の高度化を努め、温度の競争の防止、下請取引の適正化、需要の増進、事業活動の機会確保、労働関係の適正化、従業員の福祉向上等、諸般の事項につき、金融、税制その他、国の施策全般にわたりまして必要な施策を総合的に講じようとする規定でございます。
 なお、小規模企業、商業、サービス業につきましては、以上の施策に加えまして、特にそれぞれの章を設けて考慮すべき点を明記いたしておるのであります。
 また、施策の実効を確認するために、政府に対し年次報告の義務を負わせ、さらに、広く知能を集め、重要事項を調査審議する機関として、総理府に中小企業政策審議会を置くことにいたしております。
 なお、衆議院における修正は、前文及び第一条中にある「補正」の文字を「是正」に改め、第十九条において、中小企業以外の者の事業活動により、中小企業者との間に生ずる「紛争処理のための機構の整備」を加え、第二十条で、中小企業の官公需受注の「増大を図る」という趣旨に改める等のほか、数点でございます。
  ―――――――――――――
 第二の中小企業指導法案は、中小企業においては、経営診断、技術指導がきわめて重要であるということにかんがみまして、この診断指導等を計画的かつ効率的に推進をし、もって、経営の合理化、技術の向上をはかろうとするものでありまして、通産大臣は、国、地方官公庁及び日本中小企業指導センターの行なう指導事業の実施に関する計画を定め、三者相協力してこれが実施をはかることとしておりまして、必要に応じまして、通産大臣は都道府県等に助言を行ない、国はその事業費を補助することができることになっております。また、この法案で、日本中小企業指導センターを特殊法人として設立し、このセンターをして中小企業指導担当者の養成研修を行なわせ、都道府県の指導事業に協力をさせ、診断、指導に関する調査研究、資料収集等を行なわせることといたしまして、その組織、業務、会計、監督等につき、所要の規定をいたしておるのであります。
 本法案につきましては、衆議院において、施行期日を公布の日とするよう修正されております。
  ―――――――――――――
 第三の中小企業信用保険法の一部を改正する法律案は、中小企業信用保険公庫が行なう保険業務の対象となる中小企業者の範囲を基本法に準じて改めること、保険公庫は、設備の近代化等につきまして必要な資金の借り入れに伴う信用保証協会の保証に関し、一人につき三千万円(団体にあっては五千万円)を限度とする保険契約を保証協会と締結できるように改めること、以上がおもな内容でございまして、本法案についても、衆議院で、施行期日を公布の日と修正して参ったのであります。
  ―――――――――――――
 第四の中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案は、基本法が成立をいたしました暁に、これに準じ中小企業者の定義を改める必要のある中小企業等協同組合法、中小企業団体の組織に関する法律、商工組合中央金庫法及び中小企業金融公庫法の四つの法につきまして、定義の個所を改正しようとするものであります。
  ―――――――――――――
 第五の下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案は、基本法案に準拠し、定義にあります親事業者、下請事業者の範囲を改正しようとするものでございまして、現行法では、資本金一千万円で区切っておりますのを、改正案では親事業者は資本金一千万円をこえる事業といたしております。これに対応する下請事業者は、五千万円以下の事業者としておるのであります。したがいまして、一千万円をこえ五千万円以下の事業者は、五千万円をこえる大企業に対しては下請、一千万円以下の中小企業に対しては親事業者にもなることがあるわけでございます。
  ―――――――――――――
 以上が五法案の要旨でございまするが、委員会におきましては、五法案はいずれも相関連しておりまするので、便宜これを一括して審査をいたし、法案の重要性にかんがみまして、特に池田総理大臣の出席を求め、また参考人として各地から関係有識者を東京に呼びまして意見を十二分に聴取するなど、慎重にこれを審査いたしました。
 質疑におきましては、中小企業者の範囲の問題、中小企業の将来性、流通革命、消費物価への影響、零細企業対策、官公需の受注増大、事業分野の確保、金融税制の施策、行政機構の強化拡充等、重要問題のすべてにわたり、あらゆる角度からきわめて活発なる論議が展開をせられたのでございまするが、ここには遺憾ながら時間の都合上省略することをお許し願い、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 質疑を終わり、五法案を一括して討論に入りましたところ、自由民主党を代表して川上委員から、基本法案に対し、各派共同提案による修正案が提出をせられまして、修正部分を除く原案に賛成するとともに、他の四法案については原案に賛成する旨の発言がありました。
 修正案は、すでに配付をいたしておりまするので、朗読を省略させていただきまするが、前文で三カ所、本文で第三条第二項を削除するなど、八カ条に修正を加え、主として中小企業の実情に合うように修正をして、趣旨を明確にするように、誤解のおそれをなくするようにと考えております。
 次いで近藤委員より、日本社会党を代表して、基本法案については修正案並びに修正部分を除く原案に賛成し、各派共同提案による附帯決議案を提出されるとともに、他の四法案については原案に賛成する旨の発言がございました。
 決議案の要旨は、
 法の効果のすみやかなる実現、
 組織関係諸法規の再検討と組織の強化、
 中小企業行政の強力な推進、
 小規模企業者及び消費者代表の政策審議会への参加、
 強力な紛争処理機構の設置、
 この五項目を政府は実現すべきであるとするものであります。
 次いで公明会の二宮委員、第二院クラブの奥委員、民主社会党の向井委員より、それぞれの立場から、基本法案については、修正案並びに修正部分を除く原案に賛成するとともに、附帯決議案に賛成し、他の四法案についても原案に賛成する旨の意見開陳がございました。
 討論を終わり、採決に入りましたところ、まず、中小企業基本法案については、さきに申し上げましたとおりの内容で、全会一致をもって、修正議決すべきものと決定をいたし、次いで同法案に対する附帯決議案について採決し、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 他の四法案については一括してこれを採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、福田通産大臣から、決議の趣旨を十分に尊重する旨の発言がございました。
 以上で五法案に関する報告を終わります。(拍手)
#38
○議長(重宗雄三君) 中小企業基本法案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。川上為治君。
  〔川上為治君登壇、拍手〕
#39
○川上為治君 ただいま議題となりました中小企業基本法案の修正部分を除く原案並びに委員長報告にありました修正案につきまして、私は、自由民主党を代表して賛成の意見を述べようとするものであります。
 わが国の中小企業は、あらためて申し上げるまでもなく、生産、流通あるいは輸出といった経済のあらゆる領域にわたり、わが国経済の発展に貢献して参るとともに、千七百万人に上る労働者に雇用の機会を与え、近代自由経済社会における中堅階層として、社会生活の安定に大きく寄与して参りました。しかも、このような中小企業の持つ経済的社会的役割は、今後ともその重要性を増していくものと考える次第であります。
 しかるに、このような重要な使命をになう中小企業の現状を見ますると、私は、ひとり中小企業のためのみならず、わが国経済の発展のために、また国民生活の向上のために、ゆゆしき問題が生じつつあると憂慮いたしておるものであります。すなわち、従来からも存在した大企業と中小企業との間における著しい生産性、企業所得、あるいは労働賃金等々の企業間格差は、最近に至りまして、大きく中小企業の経営の安定を脅かし、また、その従事者の所得水準、生活水準の向上を大きく制約するに至りつつあるのであります。しかも、他方におきましては、久しきにわたり、わが田中小企業の存立をささえてきたもろもろの経済的、社会的基盤が、あるいは貿易の自由化を一因とし、あるいは技術革新の進展、生活様式の変化を原因として生じつつある需給構造の変化と、若年労働者を中心とする労働力需給の逼迫とによって、大きく変容ぜんといたしておるのであります。言うなれば、わが国の中小企業はきわめて重大な岐路に直面しておる現状にあるわけでありまして、われわれ国政に携わる者にとりましては、日夜努力しつつある中小企業の従事者に報いるためにも、また、わが国経済の成長発展を達成するためにも、かかる事態を放置いたすことは全く許されないものと考える次第であります。しこうして、このような事態に対処すべく、中小企業の体質改善を積極的に推進し、これを取り巻く諸環境を整備し、もって中小企業の生産性と取引条件の向上をはかり、中小企業の事業の成長発展と従事者の経済的社会的地位の向上を実現していくためには、何よりも中小企業に関する基本政策を確立し、その方向に沿って諸施策を整備拡充し、これを総合的に推進して参ることが必要であると思うのであります。かかるときにあたり、中小企業の進むべき道を明らかにし、中小企業政策の方向を示すべく、政府より中小企業基本法案が提案されましたことは、まことに時宜を得たものと思うのであります。
 以下、中小企業基本法案並びに修正案の主要点につきまして、概略私がこれに賛成する理由を申し述べたいと思うのであります。
 第一に、中小企業政策の目標についてであります。すなわち、第一条におきましては、専門分化された中小企業諸施策につきまして、統一的な目標を樹立いたすとともに、中小企業の成長発展と中小企業従事者の経済的社会的地位の向上とを、国民経済の成長発展に即応しつつ、企業間諸格差の是正を目途として、これをはかっていくことを定めているわけであります。これは、わが国中小企業の重要性から、国民経済の健全な発展は中小企業の成長発展なくしては達し程ないものであると同時に、中小企業の成長発展もまた国民経済全体の成長発展の過程においてのみ可能となるものであるという点から、中小企業政策の目標として適切なものと考えられるものであると同時に、中小企業の成長発展という抽象的な目標に加うるに、企業間格差が是正されるように、生産性及び取引条件の向上することをその尺度として、具体化、明確化いたしたことは、これまた適切なことと賛意を表する次第であります。
 第二に、第三条の国の施策についてであります。すなわち、第三条におきまして、国が中小企業に関し講ずべき施策を体系的に明らかにし、産業政策はもとより金融、財政、労働、社会等、国の政策全般にわたり、これを総合的に実施すべきこととし、これを裏づけるに、政府に対し、法制上、財政上の措置を講ずべきことの義務を課し、また国会に対する年次報告を行なうべきこととしまして、中小企業諸施策の積極的総合的な推進のための体制を整備することといたしている点につき、これまた賛成するものであります。
 なお、同条に関しまして、その第二項を削除するとの修正案につきましては、第二項は、中小企業諸施策が、経済的社会的諸事情の変化に即応して講ずべきこと、及び国民経済の均衡ある成長発展に資するよう講ずべきことの当然の事理を規定したものでありますけれども、この規定は、かえって中小企業諸施策の拡充を制約するとの無用の誤解を招くおそれなしとしないところから、これを削除することにいたしたことは、適切なものと考える次第であります。
 このほか、基本法のその他の諸条項につきましても、今後の中小企業諸施策の実施の方針を宣明し、中小企業政策の方向を確立いたしているところから、これに賛意を表するとともに、これが諸規定の趣旨をより明確化し具体化せんとする修正案につきましても、これに賛成をするものであります。
 以上が私の賛成理由でございますが、最後に、政府に対しまして、中小企業基本法案の定める方向に従って、早急に関連法規の整備をはかるとともに、これが実施に必要な予算を確保し、あるいは税制の改善、財政投融資の拡充等に一段の努力をいたし、特に小規模事業対策を中心とした中小企業諸施策の画期的な拡充と強力な推進を要望して、私の賛成討論を結ぶものであります。(拍手)
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#40
○議長(重宗雄三君) 近藤信一君。
  〔近藤信一君登壇、拍手〕
#41
○近藤信一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました中小企業基本法案について、委員長報告どおり修正議決することに賛成の意を表するものであります。
 申し上げるまでもなく、今日、中小企業は、わが国経済の中で、その事業所数においても、従業員数においても、また生産実績においても、きわめて大きな割合を示しているのであります。しかるに、中小企業と大企業との間には大きな格差が存在し、中小企業の経営は常に不安定な困窮した状態に追い込まれ、社会問題とさえなっているのであります。
 この中小企業の窮状を打開するには、従来の個々ばらばらの中小企業政策を、この際、抜本的に集大成して、基本方針を確立する必要があります。そして中小企業の将来に明るい展望を与えることが何よりも重要なのであります。そこでわが社会党は、いち早く中小企業基本法の制定を提唱し、独自の中小企業基本法案を作成して国会に提案して参ったのであります。このわが社会党の動き、さらにまた中小企業諸団体の熱望に押されて、政府みずから中小企業基本法案を今国会に提出するに至ったことは、曲がりなりにも中小企業対策の前進を意味するものと考えるものであります。
 さきに本院において提案の説明をいたしましたように、社会党案におきましては、中小企業政策の基本となるべき目標として、いわゆる国民経済の二重構造の解消と経済の民主化をあげ、これを実現するための政策を、きわめて具体的に述べているのであります。しかるに、当初の政府案におきましては、産業構造の高度化、産業の国際競争力の強化に資する観点から、中小企業政策が論ぜられ、しかもその内容たるや、きわめて抽象的に過ぎるきらいがあったのであります。これでは、真に今日の中小企業問題を解決することはできず、大企業の立場からする中小企業政策だと批判されても、いたしかたのないものであったのであります。このため、社会党といたしましては、とうていこの当初の政府案にそのまま賛成するわけには参らなかったのであります。
 そこで社会党といたしましては、せっかく提出されました中小企業基本法案を、何とかよりよいものに仕上げ、真に中小企業者のための中小企業基本法たらしめるべく、鋭意その修正に努力をして参ったのであります。その結果、ただいま上程されましたような中小企業基本法案に修正されることになったのであります。しかしながら、この修正された中小企業基本法案も、当初社会党が考えていたものから比較すれば、まだまだ不満な点が多々あるのであります。
 そこで、この法案がよりよく実施され得るためには、特に附帯決議まで行なって、法の遺憾なき運用を期待している次第であります。特に、社会党としてこの際強調しておきたいことは、
 まず第一に、従来中小企業対策があれこれと宣伝されながら、一向にその実をあげ得なかった大きな責任は政府にあるという点であります。すなわち、政策の裏づけとなるべき予算を見れば、このことは歴然としております。今日の膨大な予算の中で中小企業予算の占める割合は、いまだに一%にはるかに遠く、わずかに〇・三%という貧弱さであります。いかにりっぱな政策、中小企業の憲法というべき中小企業基本法が制定されましても、その実施の裏づけとなるべき国の予算が伴わなければ、これは画にかいたもちにすぎません。今日、こうして各派の一致によって中小企業基本法の成立を見るからには、まず、来年度予算におきまして大幅な中小企業予算を編成するよう、ここに政府に対して強く要望するものであります。
 第二に、本法案の施行にあたって特に留意すべき問題として、小規模事業に触れないわけには参りません。これまで、小規模事業は、いつも政策のらち外に置かれ、およそ国からのあたたかい政策の恩恵というものを、いまだに、はだ身に感じとっていないのであります。このたびの基本法案におきましては、小規模事業について一応触れられてはおりますが、他方では、中小企業者の定義が拡大され、上のほうに広がっているのでありますから、もしその政策の運用を誤りますならば、従来以上に小規模事業に対する政策は軽視されるおそれなしとしないのであります。すでにその一つの現われが関連法案にあり、十指に余る関連法の多くは中小企業対策であり、小規模事業を放置しているのであります。したがって、これを補う意味においても、小規模事業に対し、税制の面、金融の面、あるいはまた社会保障、労働福祉の面等において、社会政策的見地を加味した、行き届いた、きめのこまかい政策を、この中小企業基本法制定を機に徹底的に実施されるよう、政府に要望してやまないものであります。
 さらに、今日の中小企業の困難の大部分が大企業からの圧迫にあることを考えるとき、これが対策のすみやかな確立を望まずにはおられません。本法案において、特にこうした大企業の圧迫から中小企業を守り、あるいはその間に生ずるもろもろの紛争を中小企業の利益擁護の立場から処理する機構の整備を強調しておりますが、けだしこれは当然のことであります。要は、その完全な、そしてすみやかな実行にかかっているのであります。この点についても、政府の善処を期待するものであります。
 この中小企業基本法案は、さきにも触れましたように、いわば中小企業の憲法たるべきものであります。したがって、具体的な個々の政策については、本法案に十分に述べられておらず、関連する法律や政令にゆだねられているのであります。いうならば、本法案が生きるか死ぬか、その成否は、一にかかって、政府のこれに取り組む今後の態度、熱意いかんにあるのであります。予算をどれだけ来年度から増額するか、これもその一つの現われであります。また、どれだけ実のある関連法案を引き続き出してくるかも、その証左となるでありましょう。このことについては、特に附帯決議においても、うたわれているのであります。抽象的な基本法だけで、あとは何ら具体的な関連法が出されないようでは、何のために基本法を制定したか、全く意味がありません。中小企業者をあざむくものとして、今後政府は、中小企業者の糾弾の矢面に立たされることに相なるでありましょう。したがいまして、この際、政府は、今回の中小企業基本法の制定をもって中小企業対策は終われりとするのではなく、これをもって中小企業対策が始まるのだということを肝に銘じて置いてもらいたいのであります。
 この中小企業基本法案の精神が生きるか死ぬかは、もっぱら今後の法の運用いかんにかかっているのであります。法の運用いかんによっては、かりに、今、その内容に若干の不備な点が残されていようとも、将来十分これを補い、完成されていくのであります。社会党はこのことを切に念願するものであります。そして同時に、本法案がその運用実施の上で、今後中小企業者のためによりよき成果をあげるよう、そうして、名実ともに中小企業の憲法たらしめるよう、政府施策に対し厳重な監視を続けて参る所存であります。
 以上をもって、私の本法案に対する賛成の討論を終わります。(拍手)
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#42
○議長(重宗雄三君) 二宮文造君。
  〔二宮文造君登壇、拍手〕
#43
○二宮文造君 私は公明会を代表して、ただいま議題となっております中小企業基本法案につきまして、委員長の報告のとおり修正議決することに賛成の討論をするものであります。
 中小企業対策は、激しい経済変動の中に営々辛苦を重ねている業界にとって、待望久しいものでありました。そのことは、言いかえますならば、中小企業が政治の暗い谷間に落とされていたということであります。雇用対策にしても、金融の面を見ましても、また税制の点を考えても、政府が大企業に対してとってきた措置と比べて、あまりにも恩恵から忘れられているのが実情であります。しかもわが国は、中小企業の国そのものであります。御承知のように、規模別に見れば、事業所の九九・六%、従業員の七八・七%が中小企業であり、まさに日本経済の中核をなすものとして、経済的、社会的に占める位置は実に多大であります。にもかかわらず、現状は、驚異的とまで言われます経済の高度成長に伴って、大企業は、その近代的な設備と高い生産性を、政府の産業保護政策のもとに保障されて参りました。一方、中小企業においては、今なお、設備の弱小と低生産、低賃金の中に苦しみ、景気のいいときは大企業よりおくれて景気を回復し、景気後退のときには、大企業からの値下げ要求、買いたたき、支払い代金の遅延等、実に中小企業こそが景気調整の緩衝地帯となっておった感がきわめて深いことを、まず何よりも政府は反省しなければならないと思うのであります。
 このような背景をもって審議されましたこの中小企業基本法案に対する業界の期待は大きかったのでありますが、参議院における公聴会の経過を見ましても、業界代表の方々の意見は、必ずしも満足したものではなかったのであります。むしろ不十分ながらも、本法を足がかりとして、さらに一歩も二歩も、政府の施策が前進し具体化することを期待した上での賛成論であったのであります。したがって、政府は、本法案の施行にあたりましては、その持つところの欠陥に留意しながら、もって名実ともに中小企業対策の基本法たらしめるべく努力しなければならないと確信するものであります。
 すなわち、その第一点は、小規模企業に対する施策の弱いことであります。政府は本法案の要旨として、小規模企業の従事者に対し適切な配慮を加えていくといいながら、わずか第二十三条のただ一カ条にその定義を掲げて、対策は抽象的な字句に終わっているだけであります。わが国においては、従業員を規模別に概観しますときに、製造業では、その従業員九人以下というのが七三・二%を占めるのであります。九十九人以下を含めると実に九八・三%になります。そして、このことは、いかに零細企業者が多く、その過度の競争に苦しんでいるかを如実に示すものであります。このような零細企業者は、本法案をもって、企業の近代化という名に隠れて業者に一定のワクを置き、ふるいにかけようとするものであるという悲観論をもって見ておりますことも、ここに原因するものであるのであります。特に零細企業の構成から考えて、工業においては従業員十人以下、商業、サービス業においては二人以下という零細企業が特に苦しい状態にあることを洞察して、その政策審議にあたり、政府は、附帯決議の第四項にありますその問題に格段の努力を払わなければならないと思うのであります。
 その第二点は、分野調整の確保であります。今日の中小企業の経営難の一つに大企業の進出に伴う圧迫があります。特に最近目立っているのは、東芝、東京ガス、日立など大企業が、石油器具を作って市場から中小企業を駆逐したり、百貨店、スーパーマーケットの進出によります小売商、卸売業者の倒産を招いていること等がそれであります。このほか大企業が、持ち株一〇〇%の子会社を中小企業の中に作って業界を圧迫しておりますことを勘案しますとき、業種別の分野調整は何としても考慮しなければならないときであると思うのであります。
 第三点は、金融及び税制の問題であります。中小企業の資金確保については、現行の財政投融資からの出資は、その財政投融資総額の一割前後であり、今後この増大は基本法の精神からも当然考慮されなければならないと思うものであります。また、政府関係金融機関からの貸出利率等も、中小企業の脆弱性から考えて、年六分を目途に引き下げの方向にあらねばなりません。
 また、歩積み、両建ての問題は、中小企業者に深刻な問題を投げかけているのでありまして、政府のたびたびの歩積み、両建ての廃止についての言明を責任を持って実現すべきであると思うのであります。
 さらに税負担の問題について一言しますと、税制調査会の報告によりますと、大企業の所得に対する実効税負担率は一三・三%、中小企業のそれは三八・三%となっております。これら税負担の過重は、経営は黒字でありながら、そのために倒産を余儀なくされるという悲劇もまた多いのであります。租税特別措置においても大企業との差異は大きいものがあります。税制の明確な恩恵なしに本法の精神をうかがい知ることはできないと思うのであります。
 以上、見のがすことのできない三点につきまして政府の配慮を強く要請し、もって中小企業基本法に渇仰するその企業者及び従業員に対し生活の希望を与え得るよう提案をいたしまして、本法に対する賛成の討論といたします。(拍手)
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#44
○議長(重宗雄三君) 奥むめお君。
  〔奥むめお君登壇、拍手〕
#45
○奥むめお君 このたび中小企業のために画期的な基本法ができたことは同慶にたえません。国民各層の立場から見ましても、買うものの七割以上は中小企業者に負うものでありますから、これら中小企業が社会的制約による不利が是正されて、その自主的な企業努力を活発にして、金詰まりが解消され、高能率の技術者を雇うことができて、生産性及び取引条件を向上することができますならば、国民全体のしあわせこれに過ぎないのでありますから、私は、本法案がすみやかに公平に一切の中小企業を潤おすように念願して、この法案に賛成するものであります。
 しかし、若干の問題点をここで指摘しておきたいと思うのでございます。
 第一章第三条「国の施策」の項には、立案者として考えられる限りのものを網羅した感じである点にかえって不安を感じます。何らヴィジョンを与えません。三条に、「次に掲げる事項につき、必要な施策を総合的に講じなければならない。」として八項目ありますが、何もかもよいことずくめであるから、中小企業者はだれよりも先に自分の企業にこの恩典がほしいと願うに違いないと思います。ところが、わずかに八億五千万先ほど近藤委員も指摘されましたけれども、通産省の予算だけを見ましてもわずかに三%、この限りある予算、人員で、起こり得べき過当競争をどう処理するというのでしょうか。何としても公平にこれを生かして助けていかなければならぬ。政治ボスの介在、政治的ひもつき企業の暗躍、それに各官庁間のなわ張り争いもからんで、さぞ入り乱れることでありましょう。これらをどう処置したらよろしいか。
 次に、中小企業の扱う品ほど大衆に身近いものはありません。その価格は大衆の生計費に直接響くことはなはだ大であるのですから、大衆の生活安定すなわち中小企業者の安定だとも言うべきでありまして、この法案が、消費者つまり大衆の購買者に向かった面を少しも持たなかった、これを考えなかったのは、重大なミスだったと言わねばなりません。中でも、明確な価格政策を加えて、今後の中小企業の行くべき方向づけをすべきでありました。価格政策には、配分関係、原価計算、中間経費その他こまかい点まで分析して公表し、不当な価格や、暴利や、便乗値上げは、びしびし警告して、また厳罰をもって臨む姿勢が必要でございます。立案者は、既存の法律で取り締まっていくなどと、なまぬるいことを言っていますが、非常の際の暴利取り締まり以外に何もしていないではありませんか。中小企業基本法ができて、またまた物価値上がりムードを作るのであるまいかと大衆のおそれていることが、杞憂であってくれと願うのは、私ばかりではないと思うのであります。
 実例で私の知っている限りでも、とうふ屋が、自己資金で機械を買い入れて、短い時間でおいしい「とうふ」を作っていますが、一般の店では四百グラム二十円で売るのに反して、機械化とうふは三百グラム十円で売ってなお十分もうけが出る。しかし、組合の干渉がきびしくて、三年前にはなぐり込みを受けて血の雨を降らした事件がありました。クリーニング屋さんも、新式の機械を入れてから能率が上がるので安くしたところが、組合幹部がじゃまをしています。八幡市のことはテレビにも出ていましたが、もっと大がかりの機械を共同資金で買い入れて、約半額でクリーニングを迅速に丁寧に安くしてくれると大好評を受けています。ここでは、婦人会員やたばこ屋など市内八十カ所に注文品の集散所を置いて、協力者には五分のマージンを分けております。しかし、全国のクリーニング組合はカンパをして人を出して、やめろ、やめないと、今大騒ぎをしているのですが、機械化による生産性の向上によってコスト・ダウンしても、企業努力をほめるのでなくて、組合できめた値段や料金を守れと強要するのが、組合ボスの多くの姿でございます。機械化とうふ屋が組合幹部との会見を申し込まれたときに、お客さんも一緒の席で会いたいと申したということですが、これだけの勇気と自信が一般にはないから、なすべき企業努力を怠り、合理化に踏み切れないのです。中小企業とは、えてしてこういうものであることについても、この法案の立案者が十分考える必要があると思うし、中小企業のコンサルタントさえも、値上げさえすればいい気で、意欲を持たないのが困ると言っていられます。どんなにいい法律でも、解釈や運用を誤ってはたいへんであることを私は強調したいと思います。たとえば、中小企業団体組織法、小売商業特別措置法、環境衛生関係営業法、及びこれらがたびたび改正されたいきさつを見ても明らかでありますように、過度競争防止という名のもとに、結局、カルテル行為を増大させるか、まじめに安く消費者にサービスして自分の暮らしを立てていくのを誇りとしているアウトサイダーを規制することに、組合幹部が不当に働いた事実は幾らもあるのですから、この際十分にこれらを調査資料にまとめて、本法運用の参考にしてほしいと思うのであります。
 次に、本法に盛られている業種は多種多様で、一口に中小企業といいましても、鉱業あり、工業あり、商業あり、大企業に近いものもあり、いわゆる中小企業もあり零細企業もあり、また、高齢者や未亡人のしているささやかな業種があり、生活保護を受けるのを恥じて、働ける限りは自分で働きたいとがんばっている、なりわいとしての小売商もあるのですから、対策は、産業別、業種別、企業別、階層別に、きめのこまかいものが要求されます。ことに零細企業や、なりわいとしての業を営んでいる着たちが、この際、整理、切り捨てられて廃業させられるのではないか、生きていく道を失うのではないかと、沈痛な表情でいますが、この不安を解消する道は、社会政策また社会保障の拡充を急ぐよりほかないのであります。第十九条で、「中小企業者以外の者の事業活動による中小企業者の利益の不当な侵害を防止し、」云々とありますのは、往年の反産運動を思わせる刺激を、立案者である政府みずから取り上げたものと言わざるを得ません。生協、農協、漁協などは、営利を離れて自衛的に持つ消費者組織でありまして、これを敵に回すことではなく、むしろ適正価格の表示場としてこの消費者教育のモデルケースに学んで、互いに刺激し合って、商業者も消費者とともに生活を向上して正しく伸びていく道を講ずるように指導すべきでございます。
 人、だれか平和と文化的で福祉国家の実現を望まない者があるでしょうか。他人の福祉を侵害せず、私の福祉を高めて、社会連帯的の福祉と人格の尊重などが、中小企業面でも確かに実現されることを熱望するものであります。カン詰めの中に石を詰めて大もうけをした話は古い日本の語り草になっていましても、今、合理化してコストが下がったから安く売ろうとしても、じゃまだてをして一律のやみ協定価格で売らせるか、アウトサイダーとしての規制の手を差し伸ばしてくるのは、独占禁止法があってもなきがごとくに扱う今日の日本の状態が第一の問題点でございます。国民の血税が基本法によって各種の道を通してばらまかれるのですが、公の金と自分が汗して作った金と、この二つのものに対する心がまえに格段の差がある現在の世の中では、私は不安が大きいのであります。各般にわたって高度資本主義からくる矛盾と困難を経済的に調和させる権能を発揮するものでなかったならば、経済法の本質を持つものとは言えないと思うのであります。
 以上、私の意見を申し述べまして、いろいろ注文をつけた討論にしたいと思うのでございます。(拍手)
  ―――――――――――――
#46
○議長(重宗雄三君) 向井長年君。
  〔向井長年君登壇、拍手〕
#47
○向井長年君 私は民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました中小企業基本法案に委員長報告のとおり賛成の意を表するものであります。
 本案に関してあえて私が賛成討論を行なうゆえんのものは、この法案が今国会において、重要法案として、政府、社会党、そうしてわが民主社会党案の三案が提出されたのでありますが、わが民社党が独自の中小企業基本法案の立案に着手したのが一昨年の春、その後、民社党案を発表し、自民、社会両党並びに政府に対して基本法の一日も早く成立さすためのお互いの協力を申し入れたのが、同じ一昨年の九月の初旬でございました。いわば基本法成立については、草分け、パイオニアとしての役割を果たして参ったつもりであります。わが民社党案が、すでに国会に上程されている独自案をおろして、あえて政府案修正に協力し、これに同調したこのわけは、まず第一に、政府案、社会党案、そうして民社党案の三案を通じて、経済上、社会上、中小企業に与えられてきた諸格差を一日も早く解消していかなければならないという基本認識について、共通していたからであります。したがって、自民、社会、民社の三党の協力によって三案を通ずる共通修正案を作成することは可能であります。事実、この観点に立って、衆議院におきまして、並びに本院商工委員会におきましても、自民、社会、わが党との間に共同修正の話し合いがすでに進行し、したがって、政府案修正の方向は三党共通の意向であったのであります。
 第二に、わが党は、率直に申しまして、今回の政府案修正の程度で基本法の成立をはかることはまことに不十分であり、きわめて不満足であるのであります。政府案の各条項ごとにばく然とした宣言的な立法を、もっと明確な政策、方向を指向するように再編成をし、あるいは十分な手直しをすべきであると考えるのであります。また、政府案は、中小企業者の自主的な努力を要求しながら、その自主的努力の基盤となるべき中小企業者の組織はいかにあるべきかについての規定は、はなはだ不十分であります。さらに、政府案第十六条(労働に関する施策)もきわめて抽象的であるのでございまして、このような不十分な個所がいまだ多く残されていることを十分われわれは承知の上で、基本条項の修正によって政府案の成立に協力するゆえんは、基本法の成立をどうしても今国会の会期中に実現したいからであります。
 政府は、右手に基本法案を提出しながら、左手には中小企業をますます大企業の支配下に置く方向を目ざすところの特定産業振興臨時措置法案を提出しているのであります。自由化政策の名目のもとに、逆に中小企業と大企業との諸格差の拡大をはかる政策をとりつつあることが、政府の政策方向なのでありますが、わが党は、中小企業、とりわけ小規模事業の育成強化のため、今後の大企業攻勢を予防し、抑制し、中小企業の近代化と、そこに生活する四千万余の中小企業労働者、その家族の人々の生活と雇用を保障するために、政府案の主要点修正が実現し得るならば、これを促進することが現在は緊急事と考えたからであります。
 この意味におきまして、政府案修正の各項はいずれも政府案の基本的な修正であり、一例をあげれば、第一条目的にいう「不利の補正」という表現を「不利の是正」と修正したことは、今まではお気の毒であったから悪い点を部分的に手直ししていくという意味の補正ではなく、現在のような諸格差の断層は長年にわたる大企業本位政策の偏向の現われであるから、その偏向そのものの修正という、全面的、構造的、根本的な修正、これを「是正」という表現に集約した点に大きな意義を持っているのであります。したがって、「不利の是正」という表現に修正されたことによって、政府案の精神は質的に大きく前進することになったのであります。
 わが党は、今後本法施行にあたって、政府に対し個々の中小企業政策の具体化を要請し、督励し、そうして監視していく決意であるのであります。このようにわが党案の骨子が取り入れられていると了解し、賛成するものであります。
 最後に、政府は、本法施行にあたっては、委員長の報告のとおり、附帯決議等を十分翫味せられ、早急に関連法規の整備充実をはかり、予算の確保、税制の改善、その他中小企業諸政策の拡充に努め、とりわけ、小規模事業に格別の考慮を払われんことを強く要望をいたしまして、私の討論を終わる次第であります。(拍手)
#48
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 まず、中小企業基本法案全部を問題に供します。
 委員長の報告は、修正議決報告でございます。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#49
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は、委員会修正どおり議決せられました。
   ――――・――――
#50
○議長(重宗雄三君) 次に、中小企業指導法案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案及び下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 四案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#51
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって四案は可決せられました。
   ――――・――――
#52
○議長(重宗雄三君) 日程第十三、港則法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長金丸冨夫君。
  〔金丸冨夫君登壇、拍手〕
#53
○金丸冨夫君 ただいま議題となりました港則法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 改正法案は、最近の港内における船舶交通の輻湊に対処し、油送船の火災事故等の海難を防止するため、進航すべき船舶の範囲の拡大、油送船の付近等における喫煙及び火気取り扱いの制限、並びに船舶交通の規制に関する港長の権限強化等について、所要の改正を行なうとともに、港湾事情の変化に対応して、新たに姫路及び松山両港を特定港に加えようとするものであります。
 委員会におきましては、特に、法案審議の参考に資するため、京浜港における船舶交通の実情等について視察を行なうとともに、審議にあたっては、港内における船舶交通の安全の確保に関する各般の問題について、熱心な質疑が行なわれたのでありますが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、天埜委員より、「政府は、輻湊する船舶航行の安全確保のため、港湾施設の整備を促進し、かつ、港湾における信号所、通信設備、標識、巡視艇及び消防艇の整備を促進するとともに、これが要員の確保を図るべきである」との趣旨の附帯決議案を提出されて、本法案に賛成の意見を述べられました。
 以上で討論を終わり、採決の結果、本法案は全会一致をもって可決すべきものと決定し、また附帯決議案についても、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#54
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#55
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
   ――――・――――
#56
○議長(重宗雄三君) 日程第十四、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長鳥畠徳次郎君。
  〔鳥畠徳次郎君登壇、拍手〕
#57
○鳥畠徳次郎君 ただいま議題となりました刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法案について、法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法案は、昭和三十七年十一月二十八日、最高裁判所において言い渡された第三者の所有物の没収に関する違憲判決に対応して、没収手続を整備するための応急的措置を定めたものでありまして、その内容は、没収の目的物の所有者である第三者を被告事件の手続に参加させて、弁解、防御の機会を与えること、及び、万一法律上没収することのできない物について没収の裁決が確定した場合は、その物の所有者である第三者に対し、一定の要件及び手続のもとに、確定裁判の没収部分の取り消しを請求する権利を認めること等を骨子とするものであります。
 委員会は、四月二十三日に提案理由の説明を聴取した後、各委員から熱心な質疑がなされましたが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 六月二十七日質疑を終了し、討論採決の結果、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#58
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#59
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
   ――――・――――
#60
○議長(重宗雄三君) 参事に報告させます。
  〔参事朗読〕本日委員長から左の報告書が提出された。
 千九百六十二年の国際コーヒー協定
 の締結について承認を求めるの件議
 決報告書
   ――――・――――
#61
○議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、
 千九百六十二年の国際コーヒー協定の締結について承認を求めるの件を議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長の報告を求めます。外務委員長岡崎真一君。
  ―――――――――――――
  〔岡崎真一君登壇、拍手〕
#63
○岡崎真一君 ただいま議題となりました国際コーヒー協定につき、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 この協定は、コーヒーの世界的生産過剰に基づく価格下落の実情にかんがみ、輸出割当制度によって価格の安定をはかるとともに、これにより、発展途上にあるコーヒー生産国の経済成長に資することを目的としたものであります。
 本件に対する質疑の詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 本日の委員会において採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#64
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本件を問題に供します。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#65
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本件は全会一致をもって承認することに決しました。
 次会は、明日午後一時より開会いたします。
 議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時四十六分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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