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1962/02/12 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 文教委員会 第2号
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1962/02/12 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 文教委員会 第2号

#1
第043回国会 文教委員会 第2号
昭和三十八年二月十二日(火曜日)
   午前十時五十六分開会
  ―――――――――――――
 一月二十二日
  辞任      補欠選任
   岡田 宗司君  成瀬 幡治君
 一月二十五日
  辞任      補欠選任
   高山 恒雄君  向井 長年君
 一月二十六日
  辞任      補欠選任
   斎藤  昇君  手島  栄君
 一月二十九日
  辞任      補欠選任
   向井 長年君  高山 恒雄君
 二月八日
  辞任      補欠選任
   手島  栄君  鹿島守之助君
 二月九日
  辞任      補欠選任
   鹿島守之助君  斎藤  昇君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     北畠 教真君
   理事
           二木 謙吾君
           吉江 勝保君
           豊瀬 禎一君
   委員
           斎藤  昇君
           野本 品吉君
           小林  武君
           千葉千代世君
           米田  勲君
           辻  武寿君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   文部政務次官  田中 啓一君
   文部大臣官房長 蒲生 芳郎君
   文部大臣官房会
   計課長     安嶋  弥君
   文部省初等中等
   教育局上長   福田  繁君
   文部省調査局長 天城  勲君
   文部省管理局長 杉江  清君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   文部省初等中等
   教育局地方課長 今村 武俊君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (昭和三十八年度文部省関係予算に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
 委員の変更について御報告いたします。
 一月二十二日、岡田宗司君が辞任され、その補欠として成瀬幡治君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(北畠教真君) 本日の委員長理事打合会について御報告いたします。
 先般来問題となっております映画と青少年教育問題については、映倫の責任者と来たる十四日午後一時より懇談を行なうこととなりました。
 次に、本日の委員会については、まず、昭和三十八年度文部省所管予算の概要説明を文部大臣より聴取し、引き続き質疑を行なうことに決定いたしました。
 さよう取り進めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより昭和三十八年度文部省所管予算概要について大臣の説明を求めます。
#5
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 昭和三十八年度文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明いたします。
 昭和三十八年度文部省所管の予算額は、三千五百七億二千七百八十二万三千円でありまして、一般会計総予算の一二・三%を占めております。これを前年度当初予算に比較いたしますと、六百十二億六百七万五千円の増額でありまして、その増額分の内訳としては、義務教育費国庫負担金二百六十一億円、国立学校運営費百四十五億円、国立文教施設整備費五十五億円、義務教育諸学校ミルク給食助成費四十億円、義務教育教科書費二十億円等がおもなものであります。
 以下、明年度予算案において特に重点として取り上げた施策について御説明申し上げます。
 まず第一は、初等中等教育の改善充実でありますが、この点につきましては、前年度に引き続き義務教育諸学校における教職員の充足と学校施設の整備を推進することを重点といたしましたほか、小学校第一学年から第三学年までの児童に対する教科書を無償とするために必要な経費を計上いたしております。すなわち、義務教育費国庫負担金につきましては、標準法の完全実施をはかるため、学級編成の基準を、小、中学校いずれも五十人とし、また、所定の定数増をはかるほか、小規模学校教員の充実、充て指導主事の増員、給与改訂の実施、諸手当、旅費及び教材費の増額等を含め、負担金千八百四億円余を計上いたしております。次に、学校施設につきましては、引き続きその整備を推進することとし、小・中学校校舎の整備、危険校舎の改築、屋内運動場、学校統合に伴う校舎等の整備、工業高等学校の一般校舎の整備等のため公立文教施設整備費百二十九億八千万円余を計上いたしましたが、建築費単価の引き上げ、構造比率の改訂等は特に配意した点であります。次に、義務教育教科書の無償給与につきましては、調査会の答申に基づきまして、国公私立学校を通じ、義務教育児童・生徒の全員を対象として、年次的にその完全実施をはかることとし、三十八年度はとりあえず小学校及び特殊教育諸学校の小学部の第一学年から第三学年までの児童に全教科書を国の負担において無償給与することといたしたのであります。なお、教育内容の面につきましては、小学校及び中学校における道徳教育の充実強化をはかるため所要経費を新規に計上いたしたのであります。
 第二は、科学技術教育の振興であります。科学技術に関する教育研究の拡充強化をはかることは、わが国経済の発展の基礎をつちかうものであり、また国民所得倍増計画の達成を期する上においても緊要な事柄であります。このことにつきましては、かねて努力を続けて参ったのでありますが、三十八年度予算案におきましても、さらに力を注ぐこととし、初等中等教育、大学教育及び学術研究の各面にわたって所要経費を増額計上いたしております。まず、文教初等中等教育につきましては、産業教育関係の補助金を大幅に増額し、施設設備の改善充実をはかっておりますが、特に高等学校工業課程の拡充をはかるため、前に述べました一般校舎の整備のほか、実験実習の施設設備の整備についても国庫補助を増額し、中堅技術者の不足に対処することといたしたのであります。また、高等学校における農業教育の近代化促進にも配意し、所要経費の増額をはかったのであります、次に、国立大学につきましては東京大学等七国立大学の学長を認証官として、その処遇の改善をはかり、また、大学院研究科相当教官に対し俸給の調整額を支給することとしたほか、新たに横浜国立大学ほか五大学に大学院修士課程を設置することといたしました。また、専門技術者の養成につきましては、国立の大学及び短期大学において理工系学生を千三百三十人増募することとし、このために、必要な学部学科の新設、改組を行なうほか、新たに国立工業高等専門学校を昭和三十八年度において十二校、昭和三十九年度において五校を創設することとし、さらに農業近代化のため農学部の体質改善を進め、また、公立大学に対しましては、理工系学部学科整備のため補助金を新規計上し、その教育の振興をはかることとしたのであります。また、学術研究につきましては、原子力、基礎電子工学、防災科学、宇宙科学等に関する教育及び基礎的研究を促進するため、講座及び研究部門の増設を行ない、さらに数理解析研究所、原子炉実験所及び内分泌研究所を創設することといたしましたほか、国際的な学術研究の協力体制を推進するため、南極地域観測再開準備並びに日米科学協力研究事業に必要な経費を計上したのであります。以上のほか、国立文教施設整備費の大幅増額を行ない、所要額百八十七億円余を計上し、また、教育研究の充実向上をはかるため、国立学校における基準的諸経費並びに科学研究費交付金等の増額を行なっております。なお、消費者物価の動向、公私立学校における授業料等の額を考慮し、昭和三十八年度国立学校の入学者から授業料、入学金等の額を引き上げることといたしております。
 第三は、教育の機会均等の確保と人材の開発であります。優秀な学徒で経済的に困窮している者に対して国がこれを援助し、その向学の志を全うさせることは、きわめて重要なことであります。このため三十八年度予算案におきましては、特別奨学生を増員することによって育英奨学制度の拡充をはかることとし、さらに高等学校、大学を通じ一般奨学金の単価を引き上げることといたしましたほか、日本育英会の奨学金返還業務を推進することとし、合計八十億円余を計上いたしております。次に、要保護、準要保護児童・生徒対策、僻地教育、特殊教育等、恵まれない事情にある児童・生徒に対する援助並びに教育につきましては、教育の機会均等の趣旨にのっとり、従来からも特に留意して参ったのでありますが、明年度におきましては、一段とこれが充実をはかることといたしております。すなわち、要保護、準要保護児童対策につきましては、準要保護児童・生徒の対象比率の引き上げをはかり、僻地教育の振興につきましては、新たに飲料水給水設備について補助を行なうこととし、また、特殊教育については、養護学校及び特殊学級の普及並びに就学奨励費の拡充について、所要経費を増額計上いたしております。
 第四は、勤労青少年教育、社会教育及び体育の振興普及であります。国家社会の発展は健全な青少年の育成に待つところ多大であり、働きつつ学ぶ青少年の教育問題は、学校教育及び社会教育の両面にわたって深く考慮を払うべきところであります。明年度予算案におきましては、定時制高等学校の設備の整備、定時制及び通信教育手当の支給等に必要な経費を計上いたしますとともに、新たに一定範囲の通信教育受講生徒に対しましては教科書及び学習書を無償給与することといたしましたほか、夜間定時制高等学校につきましては、夜食費補助金を増額計上するとともに、新たに運動場照明施設整備に補助を行なうことといたしました。また、社会教育の面につきましては、青年学級、社会通信教育等の充実振興に要する経費を計上いたしております。次に、社会教育は、国民の教養の向上に大きな役割を果たすものであり、その普及振興は、学校教育の充実とともに、きわめて重要なものであります。このため成人教育及び婦人教育の振興、社会教育関係団体の助成等につきまして所要経費を計上いたしましたほか、国立青年の家の増設、公民館、図書館等の施設設備の整備について、所要経費を増額計上いたしております。次に、体育は、国民の健康を維持増進し、その生活を明るくする上に重要な意義を持つものでありますが、オリンピック東京大会を明年に控え、その意義を高めるためにも、これが普及振興に努めることは、きわめて至要であります。まず、オリンピック東京大会の準備につきましては、必要な施設の建設、整備等に一段と力を注ぐことといたしました。すなわち、国立競技場の整備、屋内総合競技場の建設、戸田漕艇場の改修、朝霞射撃場の整備並びにオリンピック組織委員会の運営、競技技術の向上等のため関係予算の大幅な増額を行なっております。また、国民一般に対する体育の普及奨励をはかるため、体育館、プール等の体育施設の整備並びにスポーツ活動の指導者養成等に必要な経費の増額計上をはかったのであります。
 なお、学校給食につきましては、小麦についての従来の補助を継続いたしますとともに、新たにミルク給食を義務教育諸学校について全面的に実施するため所要の補助金を計上いたしましたほか、施設設備の整備の促進に関し、所要の増額をはかっております。
 第五は、私立学校教育の振興助成であります。私立学校教育の重要性については、あらためて申すまでもないところでありますが、明年度予算案におきましては、合計三十六億三千万円余を計上いたしております。そのおもなものとしては、私立学校振興会に対して、さらに十二億円を出資いたしますとともに、財政投融資から二十億円の融資を受けることといたしましたほか、私立大学等理科特別助成費に十四億九千万円余、私立大学研究設備助成費に八億二千万円余を計上し、科学技術教育振興の趣旨にも沿うこととしたのであります。次に、文化財保存事業につきましては、保存修理及び防災施設の整備に努めるとともに、日本歴史上貴重な遺跡である平城宮跡の一部買い上げ、文楽の保護等、無形文化財の保存活用、国立劇場の建設の促進等に特に配意いたしております。以上のほか、教育研究団体の助成、国際文化の交流、ユネスコ事業等について、それぞれ所要経費を計上いたしたのであります。なお、沖繩教育協力援助費につきましては、本年度から総理府所管として計上いたしております。
 以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
#6
○委員長(北畠教真君) 引き続いて会計課長より補足説明を願います。
#7
○政府委員(安嶋弥君) お手元にお配りいたしました事項別表に即しまして概要の補足説明をいたします。
 ただいま大臣から御説明がございましたように、三十八年度の文部省所管の予算額の一般会計総予算に占める比率は一二・三%でございますが、昨年度のこれに該当する比率は一一・九%でございまして、〇・四%の増となっております。〇・四%の増でございますが、金額といたしましては約六百十二億円の増でございます。それから文部省予算の前年度に対する伸び率は二一・一%でございます。一般会計総予算の前年度に対する伸び率が一七・四%でございますから、これを約四%近く上回っておるわけでございます。これに対応する昨年度の数字でございますが、昨年度は、一般会計総予算が二四・三%増加いたしましたのに対しまして、文部省予算は一九・八%増加しておるのであります。以下、各事項について御説明を申し上げたいと思います。
 まず、第一ページの、義務教育費国庫負担金でございますが、この基本的な立て方は従来と同様でございまして、給与費、共済組合の負担金につきましては実績負担の建前をとっております。まず給与費につきましては、明年度小・中学校合わせまして九十三万人程度の児童・生徒数が減少いたします。これに伴いまして学級の自然減がございまして、その学級の自然減に伴いまして教員の自然減があるわけでございます。この数は約二万一千人と見込まれております。それから次に、明年度は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の完全実施をはかることとしております。御承知のとおり、この法律は昭和三十三年度から施行されたわけでございますが、明年度はその五年目になるわけでございまして、これが完全実施をはかることを予算に盛り込んでおります。まず、学級編制の基準につきましては、小学校五十四人、中学校五十二人の暫定基準を、いずれも五十人に引き下げることにいたしております。それから定数につきましても、標準法が定めますとおりの定数を完全に充足する、こういう建前をとっております。そのほか、小規模学校に対するいわば級外教員の配当基準でございますが、従来は三校に一人でございました級外教員の定数を、二校に一人ということにいたしております。その他特殊学級の増設、充て指導主事の増員を見込みまして、全体で約一万六千人の増を見込んでいるわけでございます。したがいまして、最初に申し上げました二万一千人の減と差引いたしますと、約五千人の定数の減ということに相なるわけでございます。ただ、五千人のこの定数の減の中の二千人は、これはかねて標準定数を上回っておった分でございます。したがいまして、実質的な定数の減は約三千ということでございます。しかしながら、明年度は高等学校の大幅な拡充がございまして、中学校等の教員で高等学校の免許状を持っている者の高等学校への配置転換、その他例年行なわれておりまする自然退職もあるわけでございますから、教職員につきまして無理な整理が行なわれることはないものと考えております。次は、給与費の内容でございますが、二ページにございます。給与費の内容といたしましては、昨年ございました人事院勧告の平年度化と、それから昇給の原資といたしまして百八十八億円余を計上いたしております。それから無級地及び一級地に対する暫定手当を、三カ年計画をもって二級地並みに引き上げるという経費といたしまして約十六億円を計上いたしております。それから次は旅費でございますが、一般県の単価四千八百円を六千円にいたしております。政令県の単価は四千円を四千八百円にいたしております。次は宿日直手当でございますが、宿直手当の二百十円を三百円にいたしております。日直手当は三百円のまま据え置かれております。次は特殊学校寮母の宿日直手当でございますが、従来はその扱いにつきまして多少統一を欠いたうらみがあったわけでございますが、本年度からは宿日直手当を新規に計上いたしまして、その取り扱いを明確にいたしております。次に、教材費でございますが、これは最初に申し上げました児童・生徒の自然減を見込みまして、その上で一〇%の金額の増加をはかっております。この一〇%の金額の増加は、主として小規模学校、盲聾学校等の教材の充実に充てられる予定でございます。それから共済年金でございますが、これは昨年十二月から発足いたしました共済組合に対する負担金の平年度化分を計上いたしております。
 次は、公立養護学校教育費の国庫負担金でございますが、給与費の積算につきましては、義務教育についてただいま申し上げたとおりと同じでございます。それから人員につきましては、既設七十六校のほか、新設十一校を見込みまして、全国で千百人の教員の定数を積算いたしております。
 それから次は、義務教育の教科書費でございますが、ただいま大臣説明にもございましたような趣旨で予算を計上いたしておりますが、教科書の単価につきましては、九六%掛けを計上いたしております。これは現在の教科書の定価中、供給手数料が約一六%含まれているわけでございますが、国で給与するということになりますと、業者の代金回収業務が軽減されるわけでございますが、その分として四%を割り引いているわけでございます。
 次は、市町村教育長給与費補助でございますが、この立て方は従来と特に変わっておりませんが、明年度からは二万五千円以下の給与につきましては補助をしない、それから八万円以上の給与に対しましても補助しないという建前をとっております。
 次は、教育研究団体に対する補助でございますが、五千万円を計上いたしております。中央の教育研究団体に対するもの及び都道府県の教育研究団体に対する助成のための補助金、この二つが内容でございます。
 それから次の公立高等学校普通課程の家庭科教育設備費補助につきましては、前年と同様でございます。
 四ページに参りまして、道徳教育の充実強化でございますが、内容は備考にございますような三本の柱でございます。金額的には、道徳教育資料の編集配布がほとんどになっておりますが、これは小・中学校の学級担任の教官等に対しまして、年一集、道徳教育のための資料を配布するというための予算でございます。
 次は、公立文教施設の整備費の補助でございますが、前年度に比べまして二十八億円余の増額になっております。差増額をごらんいただきますと、その三つ柱があるわけでございまして、学校統合に伴う校舎の整備で約八億五千八百万、危険校舎の改築で七億五千百万、それから次のページに参りまして、高等学校の建物、これは工業高等学校の一般校舎の建物でございますが、建物整備のために七億五千八百万、増額の主たる部分はただいま申し上げましたこの三つの事項でございます。その他につきましては、おおむね従来どおりの考え方で予算の積算をいたしておるのであります。ただいま申し上げました三つの事項につきましては、それぞれ事業量の大幅な増をはかっておるわけでありますが、その他、特に注目すべき点といたしましては、五ページの備考の表にございますように、構造比率及び単価を是正をいたしております。まず、単価につきましては、表でごらんのとおりでございますが、鉄筋につきましては約九・四%の引き上げになっております。鉄骨につきましては八・一%、木造につきましては一六・三%の引き上げになっております。それから構造比率といたしましては、大きい点だけを申し上げますと、中学校の屋体の鉄骨造が七〇%から八〇%に、一〇%引き上げになっております。六ページに参りまして、学校統合に伴う校舎の整備でございますが、これは鉄筋造が五〇%から六〇%に引き上げられております。それから工業高等学校の校舎につきましては、鉄筋が六五%でございますが、明年度からは、新設につきましては一〇%鉄筋という積算をいたしております。それから定時制の校舎の整備につきましては、鉄筋二〇%を三五%に引き上げております。
 次は、科学技術教育の振興でございまして、理科教育設備の補助、理科教育センターに対する補助は従前と変わっておりません。
 次は、産業教育関係の負担金、補助金でございますが、前年度に比べまして約十一億円余の増額になっております。その増額の主たる内容は、七ページのまん中あたりにございます工業高等学校の新設学科の施設設備費の増がその主たる内容でございます。その分といたしまして約十三億円近い予算が増額計上になっております。これは工業高等学校におきまして、三十六年、七年の学科新設の継続分のほか、三十八年度におきまして二百三十六学科の新設を行なうためのものであります。この予算によりまして、明年度は、全日制におきまして約三万八千人、定時制におきまして二千人、計約四万人の工業高等学校生徒の増募が行なわれることになっております。それから産振の設備費につきましては、物価の上昇等にかんがみまして、単価を一〇%引き上げております。産振関係の施設費につきましては、先ほど公立文教施設整備のところで申し上げたと同様の単価の改定を行なっております。それから八ページに参りまして、上から四行目に実習船の建造費の補助がございますが、明年度は百五十トンの大型三隻、六十トンの中型一隻を計上いたしております。次は高等学校の農業教育の近代化促進の補助金でございますが、従前の継続分のほか、体質改善及び従来の農業科の転換分といたしまして、それぞれ所要経費を計上いたしております。それから中学校の産業教育の設備の補助金でございますが、これは教育課程の改定に伴う技術家庭科の設備費でございます。これにつきましては三十五年度から三カ年計画でその整備を行なってきたわけでございます。その計画は三十七年度をもって終わったわけでございますが、明年度からはさらに第二次計画を始めることといたしまして、二億一千万余を計上しておるわけであります。
 次は、国立学校の理工系の学科の新設等でありますが、学部の創設といたしまして、埼玉大学に工学部を新設いたすことにいたしております。それから学科の新設及び拡充改組といたしましては、それぞれ備考にございますような内容の予算を計上いたしておりますが、本年度からは特に農学系学部の体質改善といたしまして農業工学科等の学科の拡充改組を行なうことといたしております。これによりまして大学関係では千三百三十人の理工系学生が増募になるわけでございます。
 それから高等専門学校の関係といたしましては、三十八年度十二校、入学定員千四百四十名の増募を行なうことといたしております。合計、国立学校におきましては二千七百七十人の理工系学生が三十八年度において増募されるわけであります。なお、ここに掲げております数字はいずれも国立学校の運営費でございまして、ほかに国立文教施設整備費として、それぞれこれらの学科の新設、それから高等専門学校の創設に伴う施設費を別途計上しておるわけであります。
 それから、公立の大学、短期大学の理科系の学部学科の整備といたしまして千九百万円余が、これは新規に計上されております。
 それから私立大学の研究設備の助成、それから十ページに参りまして、私立大学の理科特別助成につきましては、従来の考え方を踏襲いたしております。
 それから科学研究費でございますが、これは前年度の大体一割増しになっております。
 それから民間学術研究団体の補助でございますが、これは前年に比べて一億五千二百万の増額になっておりますが、その増額の主たる部分は十一ページの備考にございますように、日米科学協力研究事業費の補助一億五千万がそのほとんどでございます。これは日米科学合同委員会の勧告に基づく学術研究事業をやるために必要な補助金でございまして、日本学術振興会に交付され、そこでその事業の実施が行なわれることになっております。
 次は、南極地域の観測再開準備費でございますが、これが五千万円計上になっております。実施に当たりましては、それぞれ実施に当たる各省庁に移しかえるよう予算総則に規定がございます。
 それから国立学校の運営費でございますが、総額といたしまして九百二十一億円余が計上になっております。主たる内容といたしましては、備考にございますように、大学院の担当教官の待避改善といたしまして一億六千二百万円余が計上されております。これは大臣説明にもございましたように、従前、大学院の担当教官に対しましては特殊勤務手当が日額制によって支給されておったわけであります。明年度からは、これを俸給の普通調整額といたしております。で、修士課程の担当教官は調整率一、博士課程の担当教官は調整率二でございます。調整率の一は御承知のとおり四%でございますから、博士課程が八%、修士課程が四%調整額が支給されることになるわけであります。なお、これまた御承知のとおり、調整額は期末手当でございますとか、退職手当、退職年金等の積算の基礎にもなるわけでございますから、特殊勤務手当と異なりまして、かなり実質的に大きな改善になっているものと考えます。それから学生経費でございますが、学生当たり積算校費といたしまして前年度の二〇%増を計上いたしております。それから十二ページへ参りまして、教官当たり積算校費でございますが、これは教官研究費でございまして、これは前年度の一〇%増、百一億円を計上いたしております。それから設備費、営繕費につきましてもそれぞれ増額をはかっております。それからここに学部の創設その他が掲記してございますが、これは主として先ほど申し上げました理工系の学部、学科の新設等の再掲でございますが、人文系のものといたしましては、大阪外国語大学の朝鮮語学科であります。その他農学部の体質改善といたしましては、獣医、畜産、酪農等の理工系以外の学部もこちらに含めて計上してございます。それから十三ページへ参りましで、大学院の拡充強化でありますが、これは横浜国立大学ほか六つの新制大学に対しまして、修士課程を新たに新設したということがその内容でございます。それから教員養成学部の整備は、これは教員養成学部の教官組織が充実しておりませんので、これを充実するための経費であります。研究所の創設は、三研究所でございまして、京都大学の原子炉実験所、数理解析研究所はいずれも共同利用でございます。群馬大学の内分泌研究所は、これはすでにございました研究施設を正規の附置研究所として切りかえるものでございます。
 次は国立学校等の施設整備でございますが、百八十七億円余を計上いたしておりまして、前年度の四二%増であります。総体百八十七億円余でございますが、そのうち科学技術教育関係が約八十九億円でございまして、そのほとんど半ばに近いものがこれに充当されるわけであります。それから特定財源の施設整備といたしましては、これは大阪大学の理学部を中之島から石橋地区に移転する予算その他をきめております。学生会館の整備費は二億円を三億円に増額計上いたしております。なお、先ほど申しましたように、この百八十七億円の中に高等専門学校の創設に伴う施設費等が含まれているわけであります。なお、三十九年度五校の高等専門学校の創設を予定しておりますが、その五校分につきましても、前向きで、この予算で建物を本年度中に整備することにいたしております。
 在外研究員の派遣でございますが、これは前年度の約一割増しでございます。
 十四ページへ参りまして育英事業でございますが、まず補助金につきましては、事務の機械化、返還事務の強化を趣旨といたしまして、その関係の経費を計上いたしております。次は事業費の貸付金でございますが、まず、一般奨学生につきましては、高等学校の月額千円の貸与金額を千五百円に引き上げております。大学につきましては、従来三千円と二千円の二口でございましたが、二千円口を学年進行で二千五百円に引き上げております。それから十五ページへ参りまして、大学院の関係でありますが、修士課程、博士課程につきまして、従来二つまたは三つの単価があったわけでございますが、これをそれぞれその最高額まで引き上げて統一するという措置を講じております。十六ページに参りまして特別奨学生でありますが、高等学校の特奨、備考のカッコのところに一年一万三千八百人とございます。それからちょっと飛びまして、高等専門学校の特奨のところで一年二百人とございます。あわせて一万四千人になるわけでありまして、従来の一万二千人のワクを二千人以上増加いたしまして、一万四千人にいたしております。それから大学でございますが、備考に、カッコのところに一年一万一千人と書いてございますが、これは従来八千人であったわけでありますが、したがって、三千人の増ということになっております。それから貸与の月額でございますが、自宅外の七千五百円を新規につきまして八千円にいたしております。それから自宅の四千五百円を新規につきまして五千円にいたしております。
 それから次は、準要保護児童・生徒関係でありますが、準要保護児童・生徒の対象を五%から七%に引き上げております。このほかに要保護関係が三%あるわけでありますから、要保護、準要保護合わせて一〇%の児童生徒がこの就学援助の対象になることになったわけであります。それから単価につきましては、実情にあわせまして、こまかく改善をいたしております。
 それから十九ページに参りまして、僻地教育の関係であります。前年に比べまして、二千八百万円余の増額でありますが、金額的な増の内訳は、僻地の教員住宅の建築補助がその大部分であります。備考にありますように、戸数を四百九十戸から五百八十八戸に増加いたしておりますが、そのほか建築単価を一二%引き上げております。新規といたしましては、飲料水の給水施設の設備の補助を計上いたしております。これは僻地におきまして、天水を利用している学校に対するその天水の濾過装置の補助でございます。
 それから特殊教育の振興関係といたしましては、養護学校、特殊学級の設備費の増額を行なっております。それから二十ページに参りまして、就学奨励関係といたしまして、約三千二百万円余の増額をはかっておりますが、新規といたしましては、幼稚部の交通費、寄宿舎居住費を計上いたしました。その他教科書費等につきまして、先ほど申し上げました準要保護の生徒対策費と同じように単価の改訂を行なっております。
 それから学力調査につきましては、前年と同様の考え方でございます。
 それから能力開発研究所の補助約三百万円が新規といたしまして計上されております。これは客観的な全国統一テストを行ないまして、大学入試の改善に資したいという趣旨でこの研究所が発足したわけでございますが、その研究所に対する問題作成、謝金、その他研究費の補助でございます。
 それから勤労青少年教育関係といたしましては、二十二ページに参りまして、定時制通信教育手当の補助金が約二千六百万円増額になっております。これは対象人員がふえましたことのほか、給与単価が増加しているための増でございます。それから新規といたしまして、通信教育生徒に対しまする教科書と学習書の給与費が計上されております。これは第三学年以上で一定単位以上履習した者に対して、この給与が行なわれることになっております。次は、夜間の定時制高等学校の運動場の照明施設の補助でございます。四十二校分を新規に計上いたしております。次は、同じく夜間定時制高等学校の夜食費の補助でありますが、金額的に約一億円の増になっておりますが、考え方は従前と変わりません。これは普及の実績にかんがみまして、その実施率を高めるということに伴う増でございます。
 それから青年学級等の充実振興でありますが、千四百九十万円ふえております。青年学級につきましては学級数を約二百二十学級増加いたしております。それから二十四ページに参りまして、勤労青年学級運営費補助約八百万円、これは新規でございます。これは青年学級と異なりまして、十五才から十七才までの青少年に対して、青年学級以上に継続的な組織的な教育を与えようというものでございまして、モデル的にそういうものを助成してみたいという趣旨から計上されたものであります。
 次は社会教育の振興でございます。ほぼ従前の考え方に基づいて予算の計上が行なわれておりますが、大きく増額された分についてだけ申し上げますと、婦人教育の振興関係で千百万円ふえておりますが、このうち約七百五十万円は婦人学級の学級数の増に伴う増でございます。それから他の約三百万円は家庭教育の振興関係の増でありまして、これは資料の配布、研究集会の開催等がその内容になっております。
 それから二十六ページに参りまして、芸術文化の振興、視聴覚教育の振興につきましては、ほぼ従前と同様の考え方で予算の計上をいたしております。
 社会教育関係団体の補助につきましては、約一千万円ほどの増額を行なっております。社会教育施設の整備につきましては約三千百万円の増額でありますが、そのほとんどは公民館の関係の増でありまして、館数の増が増額の主たる原因でございます。
 二十八ページに参りまして、国立青年の家の増設といたしまして二億円を計上いたしております。これは九州の阿蘇地区に国立の第二の青年の家を新設するための経費でございまして、この青年の家は収容人員四百人、職員の初年度の定数が四十人、それから建物につきましては、備考に書いてございますような建物二千百五十坪を整備するために必要な予算でございます。
 それから体育の振興でございますが、まずオリンピック関係といたしまして二十四億円余を計上いたしております。国立競技場の関係は、従前の若干残っております工事の補足でございます。それから屋内総合競技場の建設といたしましては約十六億円余を計上いたしておりますが、このほかに国庫債務負担行為を四億五千万円予定しております。それから戸田の漕艇場の改修は艇庫及び本部事務室の改修でございます。それから組織委員会の補助は事業の拡充に伴う補助の増額を見込んでおります。競技技術の向上もほぼ従来と同じ考え方でございます。それから朝霞の射撃場の整備の一億九千百万円は、前年度の継続でございまして、防衛庁に移しかえて実施することにいたしております。それから大会参加選手の練習場整備は、東大の教養学部の運動場その他参加選手の運動場として整備するための予算であります。日本青年館の改修は、これはプレス・センターとしての使用を予定されております青年館に対する改修費の補助であります。
 それから体育施設の整備といたしましては、一億二千七百万円余の増額になっておりますが、このうち一億二百万円は水泳プールの整備費の補助でございます。前年度のちょうど倍額になっております。それから夜間の照明施設の補助につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。それから地方スポーツの振興関係もほぼ前年と同様の考え方で補助いたしております。三十ページに参りまして、国体の補助でありますが、これが前年度の倍額の一千万円増ということになっております。
 学校給食の関係でございますが、前年度に対しまして四十六億円余の増額になっておりますが、その増額のほとんどは三十一ページにございますミルク給食の助成費の四十億円でございます。四十億円のまたほとんどが脱脂粉乳の購入費の補助の三十四億円でありまして、他の六億円は、これはミルク給食の関係の設備費の補助であります。この脱脂粉乳の購入費の補助金は、これは学校給食会に対する補助金という形で支出されます。ちょうど小麦に対する補助金が食管繰り入れという形で支出されておるのと同様でございます。その他学校給食関係は施設、設備の整備と、それから事務費関係にかなりの増額を見込んでおります。
 それから安全会の関係でございますが、六千七百万円の増額でございますが、この大部分は安全会の地方支部の人件費の補助でありまして、従来は四人について三分の一の補助でございましたが、それを全額補助にしたという点がその主たる内容でございます。それから国立学校の交付金等が若干ふえておりますが、これは掛金の増額に伴う増であります。
 三十二ページに参りまして、私立学校関係でありますが、従前とほぼ同様の考え方で計上いたしておりますが、明年度特に注目すべき点といたしましては、私立学校振興会に財政投融資から二十億円の融資を受けることにした点がそれでございます。
 次は国際文化の交流関係でありますが、考え方は従前とほとんど変わっておりません。学年進行に伴う留学生の増がございます。それに伴う給与費の増額等がその主たる内容であります。
 それから最後に文化財保護関係でありますが、前年度に比べて約五億五千万円の増でありますが、その主たる内容は三十四ページにございまする平城宮跡の買上費の四億二千七百万円がその増額の主たる内容であります。このほかに文楽協会に対する補助の千五百万円、国宝重要文化財等買上費の二千万円の増額がおもな増額の内容でございます。
 以上、簡単でございますが、御説明を終わります。
#8
○千葉千代世君 今の説明についてちょっと聞きたいのでございますが、数字のところだけです。十四ページですけれども、大学のところで三千円と二千円の二口がございましたね。新規に二千五百円というのは、三千円と二千円の二口のほかに、新しく二千五百円を入れる。そうすると、三通りになると、こういうわけですか。
#9
○政府委員(安嶋弥君) そのとおりでございます。これは二千円口と申しますのは、実は一年生とそれから二年生以上とがまああるわけでございます。その一年生の二千円を二千五百円にするということでございます。したがいまして、経過的には三千円と二千五百円と二千円の三本になりますが、この二千五百円の口が学年進行でずっと上に上がって参りますと……。
#10
○千葉千代世君 そうすると、二千五百円と三千円の二口になるということでございますね、三年後か何かになりますと。
#11
○政府委員(安嶋弥君) そうでございます。
#12
○千葉千代世君 それからもう一つおそれいりますが、二十八ページでございますけれども、戸田でございますね、これは建設省のほうでどのくらい持っているか御存じでしょうか。全然進行していないそうですけれども。
#13
○政府委員(安嶋弥君) これは建設省のほうでは建設費は持っておりません。文部省予算に全額計上いたしております。
#14
○千葉千代世君 そうですか。公園の整備か何か、だいぶもめておったのではないですか。――それではけっこうでございます。どうもすみません。
#15
○委員長(北畠教真君) これより質疑に入ります。質疑の通告がございます。これを許します。
#16
○豊瀬禎一君 まず最初に調査局長にお尋ねしますが……。
#17
○委員長(北畠教真君) ちょっと速記を止めて。
  〔速記中止〕
#18
○委員長(北畠教真君) 速記を始めて。
#19
○豊瀬禎一君 最初に各局にわたると思いますが、昨年の臨時国会の際に、当委員会を通じて要求しておりました資料でまだかなり出ていないのですが、研究諸団体に対する交付金の金額、それから研究の内容の概要、これはいつごろ提出できる予定ですか。
#20
○政府委員(福田繁君) 御要求のございました研究団体の資料につきまして、中央団体を主体にしたものは一応差し上げてあるのですが、地方団体の分は非常に件数がたくさんございまして、その整理に意外な日数を要しております。したがって、現在の見込みでは、私どももできるだけ努力いたしておりますけれども、まだ一週間か十日ぐらいかかるのではないだろうか、こういうように考えております。その点は御猶予をいただきたいと思います。
#21
○豊瀬禎一君 大体四、五十日たっているはずですね。そして件数にして私が聞いたところでは、三百から四百団体程度、こういうことです。この資料が数十日たってもなおできないというのは、ちょっと私には解しかねるのですが、どういう理由ですか。
#22
○政府委員(福田繁君) 申しわけありませんが、都道府県から参りました資料の中には不備なものもございますし、そういうものについては再照会をするとか、そういうようなことに日数を要しまして、たまたま時期が予算編成の時期にぶつかりました等によりまして、事務的には非常に難渋をいたしたわけでございます。大体六百三十ぐらいの団体がございますので、それらについてできる限り御要求に沿えるような線に沿って調査をしているわけでございます。そういうことで日数を要したわけでございますので、できる限りすみやかに提出をいたしたいと考えております。
#23
○豊瀬禎一君 今の答弁によると、三十六年度の分について研究団体の資料が、文部省に調整というか、きちんと整理されていないということですね。少なくとも本委員会における審査の経過、あるいは答弁によりますと、研究諸団体に対しては、その研究の概要等を事前に調査し、実施した内容についてきちんと報告さして整理しています、これが前局長の内藤君が本委員会で、主として愛媛県の問題を取り扱った際に答弁したところです。三十六年度中の予算ですから、極端なものは三十六年三月ごろ実施したところもあると思います。私から指摘するまでもなく、三十六年度の予算というものは、大体三十六年度の年度末に、あわててそれを支出していくということは、予算の効率からいっても好ましいことではないと思います。そういう指導をしておるという答弁もあっております。それが四月以降今日に至るまで六百団体程度の資料が、事こまかなものは別として、交付した金額、研究テーマ、構成員等の概要が提出できないということは、都道府県からその報告がきていないというふうに理解してよろしいのですか。
#24
○政府委員(福田繁君) もちろん都道府県から報告が参りますのは、おくれる県もございますが、私どもといたしましては、この調整をいたしまして、その事業の結果については報告を詳細に取ることになっております。したがって、きております資料は非常に膨大なものもございますし、そういった関係から、これを整理いたしまして、このこちらのほうに提出するには相当なやはり時間をかけなきゃなりませんので、そういった意味で整理をいたしますと、その際にやはり不備なことも発見をいたしましたりいたして、再照会するとか、そういうようなことをやったわけでございます。そういうことで意外に日数を要しましたのでございます。
#25
○豊瀬禎一君 わかりましたので、早急に資料を作製して提出して下さい。
 それから文部省の初中局ではなかったかと思いますが、昨年三十七年度の、「三十七年七月日教組第二十四回定期大会一九六二年度運動方針案の趣旨、文部省初等中等教育局地方課」、資料番号として「三七日教組資料番号No1」、こういう資料を出した記憶がありますか。
#26
○政府委員(福田繁君) その内容を存じませんが……。
#27
○豊瀬禎一君 こういうものです。
#28
○政府委員(福田繁君) 初中局の名前が入っておれば、私のほうで作製した資料であろうと思います。
#29
○豊瀬禎一君 地方課長きておりますか。――こういう資料を出しましたか。
#30
○説明員(今村武俊君) 出しております。
#31
○豊瀬禎一君 それから三十七年八月「日教組と階級闘争」という同様の資料を文部省初中局、同じ地方課から出した資料がございますが、それも同様ですか。
#32
○説明員(今村武俊君) 出しております。
#33
○豊瀬禎一君 それから、三十七年九月初等中等教育同名だったと記憶しておりますが、「教育研究団体育成強化」という資料がありますが、これも同様、文部省で出しましたか。
#34
○説明員(今村武俊君) 内容を拝見しなきゃちょっとわかりませんが、教育研究団体の育成強化に関するPR資料を出したことがございます。
#35
○豊瀬禎一君 それからもう一つ、これはすでに局長の答弁済みですが、「高等学校生徒急増対策と高校全入運動」の可否、これはすでに出されたように答弁されておりますが、以上の資料を次期委員会に提出願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#36
○政府委員(福田繁君) ただいま聞きましたところ、教育委員会に配付した資料でございまして、もう余部がないそうでございます。御了承願いたいと思います。
#37
○豊瀬禎一君 教育委員会というのは、都道府県教育委員会という意味ですか、地方教育委員会ですか。
#38
○政府委員(福田繁君) これは都道府県教育委員会に配付した資料でございます。
#39
○豊瀬禎一君 都道府県に何部配付しましたか。
#40
○政府委員(福田繁君) 調査いたしましてお答えいたしたいと思います。
#41
○豊瀬禎一君 私の都道府県教育委員会から聞いたところでは、かなり部数を出しているようです。私も都道府県教育委員会から、こういうありがたい資料がきておりますが、文部省は非常に日教組の運動方針の説明まで触れて親切ですねと言ってもらったのですが、その資料が本委員会に一部も提出できないのは、手元にも残っていないということですか。
#42
○政府委員(福田繁君) 今残部がないそうでございます。
#43
○豊瀬禎一君 それではこの発行の責任は、今私が読み上げたものはすべて地方課と判断してよろしいですか。
#44
○政府委員(福田繁君) 私のほうで調査した資料は、すべてそうでございます。
#45
○豊瀬禎一君 それでは資料がないということですが、この内容について審査をするために、私の持っておる資料をお貸ししますので、その内容に間違いなければプリントして配布してくれませんか。
#46
○政府委員(福田繁君) 努力いたします。
#47
○豊瀬禎一君 資料について最後にもう一点だけ確認しておきます。都道府県教育委員会に日教組という職員団体の運動方針の詳細が、何々県がどういう修正案を出したとか、会場の案内図とか、いろいろなきわめて詳細なものが入っておるし、「日教組と階級闘争」という中にも、いろいろな資料があるのですが、一つだけ取り上げてみますと、運動方針の要旨というのは、どういう趣旨で都道府県教育委員会にこういう資料を配付したのですか。
#48
○政府委員(福田繁君) そういう資料を作ります趣旨は、もちろん日教組の事業の進め方あるいは日教組の考え方というものを都道府県教育委員会に知ってもらうことが必要でございますので、こういう見地から実体を知ってもらう意味において資料を作ったわけでございます。
#49
○豊瀬禎一君 先日来、東京都で、名前は忘れましたが、別個の職員団体が結成大会を開いたやの趣旨が載っておる。荒木大臣も当委員会に出席して言っておりますが、その運動方針あるいは性格等についても、同様、都道府県に配付しましたか。
#50
○政府委員(福田繁君) 先だって発足いたしましたものは、私の知っている限りにおきましては、職員団体ではないと思いますが、会の性格なり、今後の運動の進め方等につきましては、必要に応じまして都道府県教育委員会にこれから知らしたいと考えております。
#51
○豊瀬禎一君 その費用は予算のどこから出しましたか。
#52
○政府委員(福田繁君) 資料の作成費は庁費から従来出しております。
#53
○豊瀬禎一君 総額幾らですか。日教組関係の資料、高校全入は除きます。
#54
○政府委員(福田繁君) これはちょっと調べてみないとお答えできませんので、調査いたしましてお答えしたいと思います。
#55
○豊瀬禎一君 ほかに文部省として、団体の運動方針、性格等について資料作成して、地方教育委員会の資料としたことがありますか。
#56
○政府委員(福田繁君) 最近私の記憶しておりますのはそんなことと思いますが、従来いろいろ資料を作成して、都道府県教育委員会に必要な資料を配付するということをいたしております。過去においてもそういうことはあったと思います。
#57
○豊瀬禎一君 三十五年度以降について、他のあらゆる団体に対して文部省が国の予算を使って、資料として地方教育委員会等に配付した資料の名称、団体の運動、性格の概要、構成員、それからその資料の内容の大略、実物があれば実物を、なければ今申し上げたのを提出してもらいたいと思いますが、よろしいですか。
#58
○政府委員(福田繁君) 調査いたしまして、できる限り御要望に沿いたいと思います。
#59
○豊瀬禎一君 三十六年度の日教組に関しては、大会の情勢を大体三十七年度出した資料に近いような諸内容をもって出しておりますか。
#60
○政府委員(福田繁君) 記憶がございませんので、それも調査いたしたいと思います。
#61
○豊瀬禎一君 次に、学力テストの結果の問題ですが、白紙を出したものについて統計をする際に、実施した人数に入れて、白紙については零点として取り扱え、こういう画一的な指導を都道府県教育委員会にしましたか。
#62
○政府委員(天城勲君) いわゆる白紙答案でございます。これは零点として計算の中に含めるようにいたしました。
#63
○豊瀬禎一君 そういう指導を都道府県教育委員会にしましたか。
#64
○政府委員(天城勲君) これは結果の処理のいろいろこまかい取り扱いの中にそれを含めて教育委員会にはいたしました。
#65
○豊瀬禎一君 学力テストは全部記名でしたか、生徒の名前は。
#66
○政府委員(天城勲君) 記名でございます。
#67
○豊瀬禎一君 答案は書いてあるけれども、無記名なものについても同様零点として取り扱うように措置されましたか。
#68
○政府委員(天城勲君) 記名によって答案の利用を左右するという趣旨ではありませんので、無記名であっても同じ扱いをいたしております。
#69
○豊瀬禎一君 同じ扱いというのは、答案がかりに百点であっても無記名のものについてはゼロとして扱え、こういう指導をしたということですね。
#70
○政府委員(天城勲君) 全然その逆でございます。
#71
○豊瀬禎一君 口頭で東京都教育長に、今私が言ったように、採点はできても無記名のものはゼロとして取り扱えと口頭で指導要請を行ない、同様なことが東京都内の教育長に都の教育委員会から行なわれたと、私は教育委員に直接会って確かめたところ、その教育委員もそのことを認め、都の教育長に対して抗議を申し込んだという話を聞いているのですが、そういうことをやったことはありませんか。
#72
○政府委員(天城勲君) 今私の知っている範囲でも、そういうことを東京都に申したてたことはございませんので、所管の課長にそのことを確めたところですが、私のほうで東京都の教育委員会にそういうことを指導したことは覚えておりません。
#73
○豊瀬禎一君 単に東京都だけでなくて、福岡県にもそういう事態が起っていると私は承知しているのですが、国立の教育委員が私に話したところによりますと、国立の教育長に対して秘密の指示として出されたので、教育委員に諮らずしてそういう措置をしました。どこから来たかと調べたら都の教育長、都の教育長に会ってみると文部省からの秘密の指示である。この当該教育委員に十一月に自宅で会ってそのことを聞いたのですが、調査局はもとより、文部省としては一切そういう措置は行なっていない、こういうふうに理解してよろしいですか。
#74
○政府委員(天城勲君) 調査の結果の処理の扱いにつきましては、私たちも都道府県にいろいろの指導をいたしましたけれども、私たち今記憶している範囲では、そういうことをした記憶はございません。
#75
○豊瀬禎一君 調査局ではした覚えがないということですか。文部省として学力テストに関する限り、記名をしないものはゼロとして取り扱う。したがって、当該地域の平均点が悪くなる。だからお前のところの指導が悪いのだ、こういう意図を持った指導は一切文部省から指導要請は行なわれていない。その国立の教育委員がもしそういうことを私に言ったとすれば、それは虚言である。このように文部省として責任をもって御答弁できますか。
#76
○政府委員(天城勲君) 今、豊瀬先生おっしゃったような意図でございますね。私たちこの調査につきまして、今お話しになったような意図はそもそも全然ございませんものですから、それを意識して、無記名答案に対する特別な措置というようなことを初めから考えたことはございません。
#77
○豊瀬禎一君 次に、佐賀県農業高等学校の学力テストが、新聞記事に報道されましたが、かなり多くの生徒が実施に加わらなかったようですが、その結果について、文部省として調査をしたかどうか、したとすれば、それはいつごろ調査を始めたか。何月何日ときちんと言わなくてもいいです。
#78
○政府委員(天城勲君) 三十七年度の高等学校の一斉学力調査につきまして、実施後、各県から実施状況の報告を受けております。その中に、各県でいろいろその実施の状況が報告されておりますが、それに基づいて私どものほうで、特定の学校について特別の調査をいたしたことはございません。
#79
○豊瀬禎一君 次官にお尋ねいたしますが、文部省が支出する補助金が懲罰的な意味を含んで運用されるということは好ましいことだとお考えですか。
#80
○政府委員(田中啓一君) そもそも補助金というものは、罰金とは違うのでございますから、一体、懲罰の手段に使われるということは、あり得ないことで、また、もし使えば、それはもちろん不適当なことだと思います。
#81
○豊瀬禎一君 たとえば、何々県は学力テストの実施成績が悪い、したがって、補助金は申請してきても、教育長が、文部省のお役人の皆さんにいじめられる、あるいは一度きめておったものを出さないようにする、こういうことは望ましいことだとお考えですか。
#82
○政府委員(田中啓一君) そういうことを、私は文部省はいたしておらぬと承知をいたしておるのであります。どこまでも私は、研究そのものの、ぜひやってもらいたいような方向にあるかどうか、こういうようなところにもっぱら主眼を置いて補助金は出しておるものと、かように考えております。
#83
○豊瀬禎一君 それでは、学力テストを実施しなかったから、すでに補助金を交付することを決定しておったところに対して補助金を交付しないという措置が、文部省で行なわれたことはないという御回答ですか。
#84
○政府委員(田中啓一君) その点は、実は私一々承知をいたしておりませんので、調べてみなければわかりませんが、また決定というのが、どのような段階の決定かも、私よくお話の意味がわかりませんが、いずれにしましても、研究団体の性格でありますとか、あるいは研究テーマでありますとか、研究内容でありますとかというようなことを主眼にして補助金は決定しておるものと、かように私は考えておるわけであります。
#85
○政府委員(福田繁君) ただいま御質問のことから想像いたしますと、佐賀農業高等学校の補助の問題であろうかというように想像いたしたのでございますが、私も、佐賀農業高等学校の……。
#86
○豊瀬禎一君 想像して答弁してもらっては困る。
#87
○政府委員(福田繁君) 当時、学力調査について、いろいろ問題があったことは新聞で拝見をいたしておりました。今、佐賀農業高等学校というお話が出ましたので、その学校の問題としてお答えを申し上げたいと思います。この学校につきましては……。
#88
○豊瀬禎一君 一般的な問題として質問をしているのです。そういうことでしたら、答弁の必要はありません。
 次官に再度お尋ねいたしますが、一つ一つの、個々の現象は御存じないのは当然だと思います。だから、そういうことではなくして、学力テストにしろ、勤務評定にしろ、あるいは日教組組合員が多数脱退をしたための論功行賞として、その脱退者で構成されている諸団体に、その意味における奨励、報償として補助金が出される、こういったことは文部省としてはあり得ないことである、このように再確認してよろしいですか。
#89
○政府委員(田中啓一君) そのとおりでございます。
#90
○豊瀬禎一君 それじゃ質問を続けます。先ほど局長が答弁しかかったように、私はその一つの事例として、佐賀農高の畜舎の問題に関する経緯について質問したいと思っております。佐賀農高が、畜舎の建設に関して、文部省に対して補助金交付の要請を、調査書を出したのはいつごろですか。
#91
○政府委員(福田繁君) 時期は記憶いたしておりません。
#92
○豊瀬禎一君 文部省が、大体補助金が出せるようだという内報をしたのま……。
#93
○政府委員(福田繁君) 明確な時期を覚えておりませんけれども、大体、産振の補助等につきましては、例年、大体九月ごろ――八月ないし九月ころきまるのが例でございます。だから県側からの要望がありまして、大体補助として対象になり得る学校を仮決定するわけであります。そういう時期は大体九月ごろではなかったか、あるいは八月の末であったかもしれません。そういう時期だと考えております。
#94
○豊瀬禎一君 それじゃ逆に聞きましょう。佐賀農業高等学校を変更して、神埼農業高等学校に交付金を出すことを決定したのはいつですか。
#95
○政府委員(福田繁君) 私の記憶では、県側からのお話がありましたのは十一月ごろではなかったかと考えております。
#96
○豊瀬禎一君 すでに神埼農業高等学校は工事に移っていますか。
#97
○政府委員(福田繁君) 工専に移ってなかったはずでございます。
#98
○豊瀬禎一君 現在移っていますかという意味です。
#99
○政府委員(福田繁君) 現在の事情は、報告を得ておりませんので調査いたさないとわかりません。
#100
○豊瀬禎一君 佐賀農高から神埼へ変えたいという県教育委員会の申請書の理由はどういうことですか。
#101
○政府委員(福田繁君) 理由としては、私の承知しておりますのは、佐賀農業高校に一応申請をしたいということでございましたけれども、いろいろ単校の事情等について、これは一応見送って、ほかの学校にしたほうが今年は工合がいいというお話でございましたので、そういう理由に基づいて私どもも変更をすることを認めたわけでございます。
#102
○豊瀬禎一君 十一月一日、すでに稲富組によって起工式を行ない、工事を開始しておったもの、言いかえますと、県議会で予算を支出して文部省の予算もその意味においてはすでに執行されておった問題を、突然中止さして他校へ移すというのは、これは単に佐賀県だけでなく、全国的にも異例な問題だと思う。その理由はどういうことですか。学校の事情で、こうおっしゃったのですが、すでに予算の執行に移っているのですよ、十一月一日に。それを学校の事情で変更します、ああそうですか、それじゃお隣に移して下さい、文部省の補助金というのはそんな無責任なものですか。教育委員会が変更したいという理由は、単に学校の事情ということでしたが、もっと理由が明らかになっておれば、その理由を明らかにして下さい。
#103
○政府委員(福田繁君) 書面に何と書いてあったか記憶いたしませんけれども、私が県の方から伺った話では、今申したように、学校にいろいろ問題があり、今年度の補助金の交付については一応これは延ばして、そうして、他に非常に緊急な学校もあるので、これを対象にしてもらいたい、こういうような意見でございました。そういうようなことに基づいて、私どももその変更については了承したわけでございます。予算の執行に入っているということは県側から伺っておりません。まだ着手はしてないということでございまして、その点、われわれとしてもこれは慎重に考えて、再三県側に、この工事の執行にかかっているかどうか、あるいはその変更が非常に支障があるかどうかということについては十分慎重にやってもらいたいということを申し上げたわけでございます。
#104
○豊瀬禎一君 なかなかごりっぱな措置が行なわれたように答弁しておられますが、すでに正式に県議会においても、着工しておったことは本会議の席上で教育長も認めておるし、そのことが新聞に載ったことはあなた方御承知なはずです。したがって、十一月一日に着工を行ない、二十九日に正式に決定したのですが、十一月八日までの間に工事中止の措置があっておるようですが、その一週間の間に県の教育長は、文部省に対しては、着工をしておるけれども変更するということを話したと、こう言っているのですが、着工したという事実をあなたは全然御存じなかった。それは間違いないですか。
#105
○政府委員(福田繁君) 私は着工したというようには聞いておりませんでした。
#106
○豊瀬禎一君 何と聞きましたか。
#107
○政府委員(福田繁君) まだいろいろな準備はやっていると考えておったわけでございますけれども、工事に具体的に着手をしておるというようには県側から報告を受けておりません。
#108
○豊瀬禎一君 あなたが受けていないという意味で、職業課長ですか、直接担当の課長は受けておったのじゃないですか。
#109
○政府委員(福田繁君) 職業課長も同様でございます。したがって、私どもとしては、その点は非常に慎重に考えまして、職業課長からも向うの担当官に、その点を慎重にいたして支障のないようにやってもらいたいということは再三注意をいたしたはずでございます。
#110
○豊瀬禎一君 それでは県教育委員会が外部――新聞、県議会等で、十一月一日に起工式を行なって工事に着手したという旨は文部省にも報告しておるということは虚言である、こういう御答弁と解してよろしいですね。
#111
○政府委員(福田繁君) 虚言であると私は断定できませんけれども、工事に着工しておったということは一つも聞いたことはございません。
#112
○豊瀬禎一君 一度も聞いたことがないことを言っておれば虚言でしょう。虚言などとは申しませんとおっしゃるのですか。何言ですか、それでは。失言ですか、言葉じりじゃなくして、うそでしょう。それはうそであると、こうおっしゃっているのでしょう、どうですか。
#113
○政府委員(福田繁君) 佐賀県の教育長がどういう工合に議会でお答えしたかわかりませんが、私どものほうと佐賀県の教育委員会との折衝の過程におきましては、そういうことはなかったということを申し上げておるわけでございます。
#114
○豊瀬禎一君 学校の内部にごたごたが起こった、これが一つ。それからもう一つは、緊急に畜舎を作る事態が生じた、これが主たる理由である。このように理解してよろしいですか。
#115
○政府委員(福田繁君) 補助金の対象になる事業としては、各県で一つに限らず、幾つも方法を持つわけでございます。佐賀県の場合も、たまたま佐賀農業高校の近代化補助金ということを要望しておりましたけれども、他にもそういう学校で対象にしなきゃならぬものが予算の関係でできなかったわけでございます。したがって、まあ佐賀県としてはいろんな事情から、Aの学校よりBの学校のほうが今年は適当だと、こういうような判断で自主的におやりになったことだと思います。その点については、私どもとしては県の教育委員会の方針を尊重してやるということでございます。
#116
○豊瀬禎一君 他にも農業近代化資金というのは支出してある一わけでしょう。したがって、佐賀県教育委員会の報告によれば、十月二十三日には内定が、通知があり、十月二十四日には佐農と決定して、補助金がくるということが決定、正式に文部省から通達があった。したがって、十月二十九日には稲富組と契約して工事にかかることにして、十一月一日に工事にかかりましたと、こう言っておる。これが他に緊急に、たとえば神埼に畜舎を設備する理由が生じた。だから何かわからぬけれども、県の事情があろうということで、確たる理由も聞かないままに変更を認めたのですか。それとも佐農は佐農として畜舎の補助は出す、神農は神農に新たに出す、こういう措置をとったのですか。
#117
○政府委員(福田繁君) 佐賀農業高校に、将来にわたって補助金を出さないということではなくして、やはり産振の補助としては、補助の効果を高める意味においては、やはり学校が正常な運営が行なわれておるということが必要でございます。そういった意味で、私どもとしては、できる限り学校側の受け入れ態勢が整っておるところにこの補助を交付する、こういうような考え方でございます。したがって、県がそういう問題について、Aの学校よりもBの学校にことしはやってもらいたい、来年はAの学校のほうにやってもらいたいというような、こういう変更は佐賀農業高校だけじゃなく、今までいろいろあったわけでございます。そういう場合には県側の意向をできる限り尊重して補助金を支出する、こういうふうにやっておるわけでございます。
#118
○豊瀬禎一君 そういう答弁では了承できません。すでに起工式を始めて、県議会としても正式に着工したことを認めておるのを、理由がわからずに、ちょいちょいそういうことがありますから認めますと、補助金交付というのが、そんな何といいますか、無定見な方法ですべてやられておる、こういうふうに理解してよろしいのですか。県の事情が、お家の事情がそうしたすべて何か学校の正常な運営ができてないとか、受け入れ態勢が悪いとかいうあなた自身の判断を出しましたが、あなた自身の判断は後にまたお尋ねするとして、着工しておるものを変更するについて、それはよくある例だから変えます、ああそうですかと、この程度の判断をして、常に補助金の交付ももちろんのこと、対象の変更も行なっておる、今の答弁ではそのとおりですが、すべてそういう取り扱いをしておると理解してよろしいですか。
#119
○政府委員(福田繁君) 仮決定をいたしました後におきまして、補助金を正式に決定して交付に至るまでの間にいろいろ変更の生ずることは、これは佐賀県のみならず他の県でもあることでございます。たまたま佐賀県の問題につきましては、今おっしゃいましたような学力調査の問題等があったことでございますけれども、これは何も学力調査に限ったことでなく、受け入れ態勢が十分でなくて一年延ばしたいというところも相当あるわけでございます。そういうところで支障がなければ他の学校に振りかえていくということは従来ともやったわけでございます。
#120
○豊瀬禎一君 佐賀農業高等学校の場合は一般的な理由に基づいて変更をした、こういう御答弁ですか。
#121
○政府委員(福田繁君) 特別な理由というよりも、県の申請についての意見によって、先ほど申し上げましたように、本年は他の学校にしたいという、たっての御要望でございますから、そういうふうに変更したわけでございます。
#122
○豊瀬禎一君 そうすると、やはり変更の理由が問題になってきますが、あなたがおっしゃるように、学校が正常に運営されていない、受け入れ態勢が整っていない、これが佐賀農業の場合の理由であると、こういう御答弁ですか。
#123
○政府委員(福田繁君) 私、先ほど申し上げましたのは、そういう事情を新聞等で拝見したわけでございまして、そういうこともあろうかというふうに考えたわけでございます。
#124
○豊瀬禎一君 そうすると、佐農の場合は県教育委員会が変えたいという理由はどういうことですか。
#125
○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、ことしは神埼農業でございましたか、神埼農業のほうにやらしたい、そのほうが適当だ、こういうような意見でございました。
#126
○豊瀬禎一君 佐賀県議会において、十二月二十二日、米満議員の質問に答えて、これは速記録のそのままの抜粋ですが、西村教育委員長代理と原教育局長ですか、どちらも決定前に、文部省から工事中止の正式の意思があったのは八日だといって、中止決定は二十九日ですね、これまでに至るまでに文部省といろいろ事前に意見の交換を行なったということを認めると同時に、堤教育次長は、「文部省に指定を取り消さないように再三陳情したが、同省中等教育局職業課では、白紙答案問題を理由に、県教育委の願いを聞き入れなかった、こういう新聞発表を教組立ち会いの上で行なうと同時に、このことに対して西村教育委員長代理は、その新聞発表は、間違いと申しておるのではありません、経過的にはそういうことがあったでしょう。しかし、結果においては県教育委員会が自主的に決定をして文部省に申請の変更を行ないました。」、こう言っている。この堤教育次長が言ったこと、西村教育委員長代理が県議会で言ったこと、すなわち文部省の職業教育課長が、佐賀農業高等学校は学力テストで白紙を出したから、そういう不届きな学校には補助金を出せないから変更せよと強い要請があった、そのためにやむなく変更したと、こう言っておるのですが、事実は認めますか。
#127
○政府委員(福田繁君) その新聞は私見ておりませんけれども、そういうことがあるはずはないと思っております。私のほうの職業教育課長も、その問題について当時私に報告をいたしたわけでございますけれども、そういう白紙答案が出たから云々ということで補助金を交付しないということではございません。先ほど申し上げましたように、その問題は関連はないわけでございまして、県側の補助金交付についてのこの考え方について変更があった、計画を変更したい、こういうことに基づいてやったわけでございまして、いろいろ当時その学校自体が新聞の種になっておりましたので、そういう問題に関連したかのように誤解を生じたということは、これは遺憾でございますけれども、私はそういうことのないように、特に教育委員長にお会いしたときにも、教育長に最後にお会いしたときにもその点を注意をいたしまして、そういうことのためにこれをやめたというような感じを持たれることは困る、したがって、県側としては、今ほかの学校に変更して非常な支障は生じないかどうかということを念を押しまして私は認めたわけでございます。したがって、河上職業教育課長としても、それに対して県の教育次長でございましたか、当時一ぺん上ってきたという次長に対しまして、その点を念を押してお答えを申し上げたはずでございます。
#128
○豊瀬禎一君 そういうふうに言わないと問題が起こるから、そう言いなさいと、文部省が、学力テストの答案が白紙であったからやめさせたんだと言われては困ると、そういう意味においてはあなたの答弁は正しい、あなたは勝手に教育委員会の理由を今答弁しましたが、県議会において教育委員会の委員長並びに教育長は、学力テストを生徒が拒否したから、そういう学校は今年度は県の考え方として最終的には畜舎は建設してやらぬ、おとなしくなった場合にはやるのだ、こういう趣旨の答弁をしているのです。県教育委員会も、あとになって、あなたから今言われたように、文部省が言ったと言ってはたいへんだから、そんなことを言ってはいかぬぞと、今あなたが答弁をされたような口どめに対して、教育委員会は自主的に決定しましたと、こう県議会でも言っている、その意味においては正しい。しかし理由はですよ、県教育委員会が議会で答、えたのは、学力テストをやらなかったから、そんな学校は変えましたと言っておる。あなたが、全く県教育委員会の変更の理由を、うそを言っているのじゃありませんか。あなたのほうには、県教育委員会から変更の理由がわざわざ上ってきたんですから、その際に何かとお尋ねになった、大体お尋ねになったのでなくして、学力テストを実施しなかったから取り上げるぞとおっしゃったのですけれども、あなたそうおっしゃらないなら、それでもかまいません。県教育委員会としては、変更の理由を明らかに学力テスト不実施としておる、これあなた今日まで御存じなかった、こういう答弁ですか。
#129
○政府委員(福田繁君) 私はその速記録を、そういうものは読んでおりませんけれども、県側からの報告なり説明は、私が先ほどから申し上げたとおりでございます。私はそれについて、県側に対して口どめをしたとか、あるいは答弁の仕方を指導したというようなことはございません。それは断言しておきたいと思います。
#130
○豊瀬禎一君 職業課長は何といいましたか。
#131
○政府委員(福田繁君) 河上職業課長でございます。
#132
○豊瀬禎一君 河上課長出席しておりますか。
#133
○政府委員(福田繁君) 出席しておりません。
#134
○豊瀬禎一君 そうすると、米満議員の質問に答えて、森教育長並びに西村教育委員長代理が議会で答弁したのは、文部省の河上職業課長が白紙答案問題を理由に県教委の指定を取り消させるように再三陳情したけれども、これを聞き入れなかった、これは経過として正しいことであるが、最終的には教育委員会がきめたのです。これが議会における答弁ですが、そういうことは一切、職業課長も行なっていない、こういう答弁ですね。校長は職員会議において、十一月の何日でしたか、全体に対して、県教育委も学力テスト不実施で補助金を変更されるのは好ましくないという考え方で文部省に非常に努力をしてくれました。しかし、河上なる職業課長が非常に強硬に変更を要求して、うちの学校では取りやめになりました。皆さん、今後こういうこともあるから、信徒の指導については十分警戒して下さい、これは校長もはっきりと職員会議に、堤次長の話を聞いて報告いたしましたと、こう言うのです。あなたは県議会における森教育長、西村教育委員長の答弁の内容も、それから当該学校の校長が職員会議に正式に報告した事項もすべてうそである、こう断言できますか。文部省が計画変更を強制したという点について、すべてうそである、学校長の報告も県議会における答弁も虚言である、このように断言できますか。
#135
○政府委員(福田繁君) 当時その佐賀農業高校の学力調査問題が非常に話題をにぎわしておりましたことは承知しておりますので、そういう問題が、いろいろ県側の係官との間に話として出たということは、これは想像されますけれども、河上職業課長がそのためにこの補助金を出すなということを言ったはずはないと思っております。
#136
○豊瀬禎一君 言ったはずはないという想像ですね。私が質問しているのは、あなたに明確に答えてもらいたいのは、何度も言うように、十二月の県議会の速記録によるところの、特に西村教育委員長の答弁、あるいは森教育長の答弁の中で、文部省が学力テスト不実施を理由に補助金の変更を強く求めたということは虚言である、虚言でない、どちらですか。
#137
○政府委員(福田繁君) 私申し上げているのは、当時、河上課長から報告を聞き、当時の折衝の話を聞いたのでございますが、その際に、そういう指導を河上課長がしたということは私は報告を受けておりません。したがって、ないと思っております。それどころか、むしろ県側から、今年は延ばすけれども、来年はぜひ考えてもらいたいというような話がありました際に、それは十分ひとつ考慮しようというような話すらしたということを私は聞いております。そういう意味で、その学力テスト調査云々の問題は、河上課長の補助金交付の問題とは私は関係ないと考えております。
#138
○豊瀬禎一君 議会でうそを言っちゃいかぬですよ、私の個人的な話じゃないから。県教育委員会は、学力テストを実施しなかったから、県教育委員会の、最終的には自主的な責任において変更しましたと言っているんですよ、あなたが学力テストと関係ないということで、勝手なうそを言ったって、当該所管の県教育委員会が学力テストが理由だと、こういっているのですから、その理由まであなたがねじ曲けて答弁することはないでしょう。そのことだけ取り消しなさい。
#139
○政府委員(福田繁君) 県側がどういう答弁をなさったか、それは私は知りませんが、先ほど来申し上げましたように、県側から私のほうに話のありましたのは、県側の方針として、本年度は見送って、ほかの学校に変えたい、こういうことでございましたが、その学校も当然補助の対象になり得べき学校でございます。したがって、必要性のあるところでございますので、私としてはその変更を了承したということでございます。
#140
○豊瀬禎一君 そうすると、また先ほどの答弁と違ってくるのじゃないですか。学校運営が正常に通常されていないというあなたの答弁の内容は、学力テストでごたごたしたということじゃないですか。
#141
○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、その点については私も当時新聞等で拝見しておりますので、そういうこともあろうかというように考えたわけでございます。県側からそれを明確に私どものほうに申し出たということはございません。
#142
○豊瀬禎一君 そうすると、あなたの判断の中にあった学力テスト不実施という事態は、学校が正常に運営されていたいのだという判断になる、その判断は、やがて官側のほうが変更するという理由を正当化する判断と変わっていった、このように理解してよろしいですか。
#143
○政府委員(福田繁君) 学校側において受け入れるについて、いろいろ問題があれば、それは見送るもやむを得ないというふうに私は考えたのでございます。
#144
○豊瀬禎一君 田中次官にお尋ねしますがね、学力テストを生徒が拒否した、だから農業近代化資金の高校補助を行なわない、変更する、こういうことは補助金の性格から考えて望ましいことでしょうか、それとも望ましくないことでしょうか。
#145
○政府委員(田中啓一君) 私はそういうことは、学校の運営が正常でないというのが理由と実は思うのであります。しかし、何分にも文部省は多数の補助対象を持ってそれを決定していかなければならないのであります。したがって、まあ私の見ておるところでは、小学校、中学校、高等学校の施設に対する補助というような問題は大体県の申請に基づいてやっておる。まず適当であろうと判断ができれば、それに基づいてやるということでございますから、県の判断には今の学力調査の問題もございましただろうと、これは私が想像するのでございますが、まただれでも想像するであろうと思いますが、しかし、補助の対象を一応仮決定をしておったのを、その県の意思に基づいてより適切なところへ補助金を回したい、こういうことにしたのを、その県の意思に基づいて文部省も変更した、こういう私はことであろうと判断をするのであります。したがって、あなたのおっしゃるようなものの考え方でやっておるのではございませんから、あなたの御質問の右か左かということには直接あてはまらんでありましょうけれども、もともとあてはまらん話で、私どもは今のように考えてやるし、今後もそのつもりでおります。
#146
○豊瀬禎一君 もともとあてはまっておるのですけれども、お答えがあてはまっておらないのが残念ですが、昭和三十七年十二月定例県議会会議録、これによりますと、森教育長は米満議員の質問に答えて、そういう白紙を出すような学校は、これはあと回しにすべきであるという考え方に立ちまして、佐賀農業高等学校に予定しておりました分をただいま神崎の農業高等学校にこれを回すことにいたしましたと、はっきりお答えしておるのです、そこの議会で。だから変更の理由に明々白々、学力テストで白紙を出すような学校はあと回しにすべきである。この県議会の本会議における教育長の明確な答弁が、あなた方の勝手な恣意でねじ曲げられてはたいへんですよ。このことは県議会の議事録として明確に認めて答弁してもらわなければいけません。ただし、このことすらも否定しようとするなら別な話ですが、県議会で森教育長がうそを言ったのだと。そういう農業近代化資金を、ここで演説しようと思いませんが、たとえば学力が低いとか、あるいは文部省自体の考え方に立って、あの学校は好ましくないという校風、教育方針があろうとも、農業高等学校に対して近代化の資金を補助して学校の設備施設を充実していく、そのことによって教育効果が向上していく、これが文部省の考え方であるべきであり、教育基本法十条に言うところの教育行政は教育諸条件整備に努むるのが本務である。それが務めのはずですよ。明らかに県教委は白紙提出に対して懲罰として予定変更をいたしましたと、こう答えている。このことを県教委が言ったか言わないかという水かけ論や、新聞を見ましたか見ませんかということ、あるいは本会議の速記録を見ましたか見ませんか、見ていない、といったようなたわごとではなくして、補助金を支出し、それを着工までしておるものを変えようとする文部当局が、その県教委の考え方――本会議で答弁した考え方を全然知らなかったといえば、全くあほうな話じゃないですか、話としてですよ、福田さんがあほうという意味じゃないですよ、話としてはあほうな話じゃないですか。それほど文部省というのは都道府県教育委員会の申請あるいは予備費支出について無責任、無定見なやり方をしておると、こういう判断をせざるを得ぬですよ。角度を変えて、次官にお尋ねしますが、今私が速記録をそのまま読みます。速記録どおりですよ、「そういう白紙を出すような学校は、これはあと回しにすべきであるという(「そうだ」と呼ぶ者あり)考え方に立ちまして、佐賀農業高等学校に予定しておりました分を、ただいま神埼の農業高等学校にこれを施設、設備いたしたいという考え方に立ちまして申請をいたしておるところでございます。」、この県教委の森教育長が県教委の方針として議会の本会議で答弁をした。学力テスト白紙提出の懲罰として変更したということは明らかな事実です。この速記録を読み上げても、次官はさっきのような答弁をされますか。このことに対して次官としては、予備費の、すでに着工の変更という事態をどういう判断を下しますか。御答弁を願います。
#147
○政府委員(田中啓一君) 着工という事実は文部省は知らぬという初中局長の答弁であります。私も知らなんだであろうと思います。それから結局、県教委の申請の変更であります。それを認めた事項であります。そこで、その変更の理由というものを私は佐賀県の教育委員長代理なり、あるいは教育長は県議会で説明をしたということであろうと思うのでありますが、そのような説明も文部省はもちろん変更当時には承知はしておらなかったと思うのであります。で、どこまでも県教委の申請変更の動機、理由というものは、あるいはそういうことであったかもしれませんが、これまでも文部省は、仮決定後、申請変更に基づいて変更を認めた事実は一般的にあると初中局長は説明をしておるわけでございまして、やはり私はあくまでも県の教育委員会の申請というものに基づいて決定をするという根本的態度を変えなんだまでのことだ、私はまず申請の理由にしても、どの学校を優先して――どうせ学校ではいろいろ寄宿舎も補助金で建つということになれば、やりたいにきまっておることでありますし、その他の補助についても同じであろうと私は思うのであります。予算は限られた予算ということで、それの取捨選択というものを一応県にまかせてやっていくという態度は将来も、どうもそれぞれほかにたくさんあって仕方がないので、まず一般的に認められる申請の事情、理由というようなものであれば、それに基づいてやっていくということに私どもはなろうかと思います。まあいろいろその際に注意したことなども、初中局長や職業教育課長はあるように、今問答のうちで私も承知をいたしましたが、実際そのようなものであろうと、私としては一々判を押しておりませんので、一々のケースで念を押したこともありませんが、私はその人のやったことをうそと思うか、うそでないと思うかと言われても、こちらの知らぬことでありますから、これはどうも申し上げる限りではなかろうと、かように思うわけであります。
#148
○豊瀬禎一君 それでは問題をしぼってお尋ねしましょう。先ほど言いましたように、西村教育委員長代理は、堤教育次長が新聞で言ったことは間違いじゃありません、経過としてはそういうことがあったでしょうと、こういっている。間違いじゃありませんということ、堤教育次長がいったということは、変更しないように文部省に再三再四お願いいたしましたけれども、白紙問題を理由に、まかりならぬという文部省職業教育課長のお話でございましたということ。そして教育委員長代理が、経過としてそのことの否定はできませんと、こう議会で答弁した。少なくとも、県議会で議員が質問をし議事録に残る問題を、私は文部省を相手にしてそんなうそが言えるとは思いません。それは、あなたは自分の部下ですから、佐賀県の教育長よりも、初中局長初め職業課長を御信用なさるのは自由ですが、新聞記者に大ぜいの学校や教員組合の代表がついて行って、そのとおり間違いございませんよといって報道している。それを議会で認めたというこの事実は、客観的に見ると、本委員会の答弁がどうあろうとも、文部省が、まず第一に、学力テストの不実施の段階から、県教育委員会に対して計画変更を強く示唆してきたということはだれが考えても否定できない事実です。考えてもじゃない、そう答弁を議会でしておる。そのことをはっきり理解していただきたい。それから次には、新聞にも大きく載りまして、すでに着工しておる写真がが載っておったことも、補助金を変更してきたのだから、福田さんも、河上課長も見なかったとすれば、私もよほどこれはどうかしておると思うのですが、十月一日着工して、しかも土台工事にかかっておる、このことを田中次官、文部省がですよ、県教委から着工したかどうかを全然聞かないというととは理解できますか、こんなむちゃな話が。地方教育委員会というのはそんな無責任なものだという理解ができますか。私の手元には稲富組からもらってきた設計図も、それからちゃんと契約もありますが、それだけじゃない、すでに十月一日起工したということはちゃんと県議会でも答弁しておる。着工しておるものを全然着手していませんといってうそをいって計画変更をする。こんなことが考えられますか、行政機関同士に。どう福田さんが強弁しようとも、知らなかったとすれば、無責任もはなはだしい。予算の支出がすでに行なわれておるのですから、着工という事実によって。私は、ある意味ではね、知っておらなかったということが問題重大だと思うのです。すでに着工しておる事態を知らないで計画変更に応じたというととは。これは次官、この点だけしぼると、事実としては着工しておるが、それを県教育委員会がいわなかったか、いったかということは別問題として、事実着工しておるものを知らないで変更したというその責任は免れないでしょう。次官の御答弁をお願いします。
#149
○政府委員(田中啓一君) 私はこの補助金申請の決定にあたりまして、それほど私は事実調べを十分にやっておるとは思いませんし、またやれるとも思いません。実に多数ですよ。とにかくまあ小学校幾つありますか、老朽だ、統合だというようなこと、産振関係またたくさんにございます。私は中にはもう機械など買っておって、それで補助金当てにして買っておっていうてくるというようなこともあり得ると実際思っております。それからまた建築でもですよ。急ぐぞというようなことでやってくることも私はあり得ると思います。というのは、こっちは下から上までたいてい事実を知っておる人間なんです。でありますから、今私が、初中局長が、まあ佐賀県の県議会における教育委員会側の答弁はどうであれ、とにかく自分らは着工の事実というようなことは知らなかった、そういうことを聞いたことがないと、こう言っておるのでありますから、私はやっぱりそうであったろうと、かように信じております。
#150
○豊瀬禎一君 いや、お信じなさるのはけっこうです。私も信じるのはけしからぬと言っておるのじゃない。わざわざ上京して来て、着工しておるものを変更して、話し合いをした際にですね、文部省として着工の事実を知らないということは責任を免かれないじゃないですかと、こう言っているのです。たくさん補助金があるから、そういうの知らぬでもやむを得ぬことだと、こういうお考えですか。
#151
○政府委員(田中啓一君) 私はやむを得ぬことだと思っております。
#152
○豊瀬禎一君 そういうばかげたことがあってもやむを得ない……。
#153
○政府委員(田中啓一君) 私は非常に事が多いので、そう一々補助金支出に判は押しておりませんが、かりに私が引き受けてやると――局長もずいぶんやりました、ほかの役所でありますけれども――まずそのようなものであると私は思っております。だから、必ずしも知らなかったということはですね、責任とまでは思いません。
#154
○豊瀬禎一君 国の予算支出に対して、すでに着工しておるものを知らないということはやむを得ないことであるという次官のお考えだけはしかと肝に銘じておきます。次に、佐賀県教委が学力テスト問題で白紙を出したから変更した。この変更の理由について妥当だと思いますか。あなたの当初の答弁では、そういうことはあってならないという一般的な考えを私はただしたところでは、一般的な考え方はそれは間違いであるとおっしゃった。この具体的な佐賀県の問題としては正当であるか穏当を欠くか、どういうお考えですか。
#155
○政府委員(田中啓一君) 佐賀県の教育委員会の批評は私は差し控えたい、かように存じます。
#156
○豊瀬禎一君 補助費の支出変更が行なわれておる理由についてですよ、批評じゃなくて、支出のあり方としてあなたの判断を差し控えんならぬというのはそれはどういうことですか。
#157
○政府委員(田中啓一君) それはですね。その佐賀県教育委員会の意思というものを尊重してやることでありますから、その変更の理由というものを私は全部が全部追及をして、そうしてその理由ならばいいとか悪いとか、そう私は追及すべきものとも思っておりません。要は、いろいろの理由がありましょう。それ以外にも理由があったかもしれぬと私は思っております。でありますから、今その佐賀県の変更理由というものが妥当であったかどうかということを今私がここで批評をする立場にはない、かように思っております。
#158
○豊瀬禎一君 次官、勝手なことをおっしゃっては困りますよ。ほかにたくさん理由があっただろうと思うと、そういう勝手な解釈をしては、この問題に対する本質の理解ができませんよ。県の教育長は、はっきりと、これが理由ですと、こう言っているのです。あなたがほかに勝手に理由を捏造しては困りますよ。まずそれが一つ。何度言ってもおわかりにならぬですね。予備費の支出が十月一日には着工という形で行なわれておった。これが学力テストで変更された。一般的な補助費の支出のあり方としてはそれは好ましくない。佐賀県教委の問題は差し控えたい。一向にあなたのお考えが一貫しないような気がするのですが、差し控えたいということは普通で理解しますと、好ましくないけれども遠慮したい、こういう意味だと理解するのですが、それでよろしいですか。けっこうだというのだったら、だれもさしっかえるものはおらぬです。差し控えるということは、批判をしておるから、それは自主性をある程度傷つけるというか、そこなうことになるから差し控えたい、こういう意味だと私は理解するのですが、よろしいのですか、そういう理解をして。
#159
○政府委員(田中啓一君) 実は御質問の要点がはっきりつかめませんが、私が今まで答弁をしたとおりであるわけであります。それからなお明白に変更理由を県議会で教育委員会側が説明をしておるので、それ以外の理由の動機があろうということを勝手に想像を加えるのはよろしくないというお話でありますが、私はあると申したのではありません。あるかもしれぬということを申し上げたのでありまして、佐賀県教育委員会の説明に対する価値判断というものは差し控えますということを申し上げたのであります。
#160
○豊瀬禎一君 佐賀県教委の価値判断をしなさいという大げさなことを言っているのじゃない。補助費の支出が行なわれたのを変更された理由、学力テスト不実施をその理由で補助費の支出対象を変更するということが妥当かどうかと、こう聞いている。それに対して判断を、国の予算を使っていながら判断は持ちませんという言い方はきわめて不愉快ですね。
#161
○政府委員(田中啓一君) 私の申し上げておる真意はこういうことなんです。着工をしておったかどうかというようなことは実はわれわれ文部省は存じないことであります。したがって、それにもかかわらず変更したことのよしあしということについては私は批評は差し控えたい、こういうことであります。
#162
○豊瀬禎一君 理由はわかりました。十一月一日に着工しましたという教育委員会の正式の議会における意思表示は認めますか、現段階で。
#163
○政府委員(田中啓一君) 私は認めるも認めないも、佐賀県の教育委員会側が県議会で説明したという事実はそれはあるに違いないのでありますが、しかし着工ということは実は知らざることであったわけであります。そういうわけで、それらを含めての全般的の判断というものはできませんということを申し上げたのであります。
#164
○豊瀬禎一君 十一月一日に着工をしたという事実はお認めになった、それが一点。それから変更の理由が白紙提出であったということもお認めいただいた、これは間違いありませんね。
#165
○政府委員(田中啓一君) 認める認めないという私は立場にはありません、それは。とにかく今あなたが速記録を持ってきておっしゃっておるのですから、佐賀県の委員会側が県議会でそういう説明をしたということはそのとおりでありましょう、こう申したのです。その変更の理由であるとか、またその変更することの価値判断で一番大事なことは着工の事実というようなことでありますが、そういうようなことはこちら側はこれまで知らぬことでありますので、それらを含めての全般的な批評はできません、こういうことを申し上げたのであります。認めるも認めないも、そういうことは私の言う限りのことではないのであります。
#166
○豊瀬禎一君 今の私が申し上げた二点については次官は認識をされた、こういう用語と変えましょう。そこで知らなかったとあくまでおっしゃるので、これはぜひともお願いしたいのは、十一月一日着工をしたという事実を何がゆえに文部省に変更交渉の際にいわなかったのか。私がいわんとしておるところは、国の予算の支出がすでに行なわれたのに、変更をしたという事実を重大視しておるのです。これを当該県教委に文部省から調査してもらいたいと思いますが、よろしいですか。
#167
○政府委員(福田繁君) 調査はもちろんいたしますが、その間の事情について誤解があってもいけませんので申し上げておきたいと思いますが、その変更してもらいたいという問題で爼上に上ってきましたのは、日にちははっきり覚えておりませんけれども、一日じゃございませんで、その間に幅がございます。したがって、その間に着工があったかどうかわかりませんが、私どもが初めに伺いましたときには、工事の進行は未着手で、県側としてはこれを変更しても差しつかえないのだ、こういうような話に伺ったわけでございます。その点は誤解のないように申し上げておきます。それからこの補助金自体は、他の場合にも同様でございますけれども、一応、県のワクとして補助金のワクを設定するわけでございます。そうして具体的に県から申請してくる場合には個々の学校を当てはめて参りますけれども、その県のワク内においてAのワクをBに変更するということは、これは佐賀県に限っておりません。全国の都道府県の場合でもいろいろと最終決定までにワク内で変更することは、これは高等学校の産振関係でも、あるいは小中学校の施設の補助にいたしましても同様でございます。そういった意見で、私どもとしては県のワク内で操作する限りにつきましては、県が、教育委員会としてそういうことを、理由はともあれ、決定したという場合におきましては、県の意見を第一次的に尊重して変更を認めてやるというのが従来のやり方でございます。その点は誤解のないように申し上げておきたいと思います。
#168
○豊瀬禎一君 誤解はしていません。正解をして、あなたのそういう答弁はけしからぬと思っておるから聞いておる。私の要望のとおり調査して、できるだけ早く、その着工をした、善意か悪意か知りませんが、言わなかったという事実の理由について明らかにして下さい。それはよろしいですね。どのくらいかかりますか。
#169
○政府委員(福田繁君) 調査することをただいま申し上げたわけでございます。日数はわかりません。
#170
○豊瀬禎一君 従来の経緯からしてどのくらいかかりますか。
#171
○政府委員(福田繁君) 少なくとも一週間やそこらはかかると思います。
#172
○豊瀬禎一君 一週間かかるということは、電話じゃなくて文書でやられるという意味に解してよろしいですか。
#173
○政府委員(福田繁君) 私どもはできる限りすみやかに調査したいと思いますので、書面でなく、事実上の連絡によって調査してみたいと思います。
#174
○豊瀬禎一君 電話でやるのに一週間もかかりますか。
#175
○政府委員(福田繁君) 電話をかけるだけでございましたら一週間はかかりませんが、その事情をはっきり確認して申し上げるには時日をかしていただきたい。そういうことで一週間くらいということを申し上げたわけでございます。
#176
○豊瀬禎一君 承知しました。これで終わります。
#177
○委員長(北畠教真君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後一時十九分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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