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1962/03/19 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 文教委員会 第11号
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1962/03/19 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 文教委員会 第11号

#1
第043回国会 文教委員会 第11号
昭和三十八年三月十九日(火曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     北畠 教真君
   理事
           二木 謙吾君
           吉江 勝保君
   委員
           久保 勘一君
           笹森 順造君
           中山 福藏君
           森田 タマ君
           小林  武君
           成瀬 幡治君
           米田  勲君
           高山 恒雄君
   発  議  者 小林  武君
   発  議  者 成瀬 幡治君
   発  議  者 米田  勲君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   文部政務次官  田中 啓一君
   文部大臣官房長 蒲生 芳郎君
   文部省大学学術
   局長      小林 行雄君
   文部省管理局長 杉江  清君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   文部省大学学術
   局教職員養成課
   長       安養寺重夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育職員免許法の一部を改正する法
 律案(小林武君外四名発議)
○私立学校振興会法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○高等学校の定時制教育及び通信教育
 振興法の一部を改正する法律案
 (成瀬幡治君外四名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
 これより教育職員免許法の一部を改正する法律案(参第一三号)を議題といたします。
 本法律案についてはすでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は御発言願います。
#3
○二木謙吾君 教職員の免許法は一般的には非常に複雑で難解なものと聞いているのでありますが、現在の免許法の全体についてどのようにお考えになっておられるか、提案所並びに文部省でもよろしゅうございますが、ひとつお尋ねをいたします。
#4
○小林武君 確かに今御質問のように難解であって整理を要するようにも思うのです。ただ、提案の趣旨は、現行の免許法を認めた上に立って、その中に改正をしないというと教職員に非常な不利を与える点だけを指摘しているのであります。ただ私の提案いたしました問題からいえば、この点はどうも改正しないほうがいいと思うのは、特殊盲聾の場合、養護の場合にはやはり免許状は二つあったほうがいい。二つというのは基礎の免許状――普通免許状と特殊免許状との二本立てのほうが、やはり特殊教育の場合には必要ではないかということは感じております。
#5
○二木謙吾君 免許で小学校の臨時の免許状がありますね。それから盲学校の臨時の免許状がある。そうして年数さえたてば小学校の二級の免許状が得られるし、また盲学校の二級の免許状が得られるという段階についてひとつ説明をしてもらいたいと思うのです。それからまた小学校の一級免許状を得る。それから盲唖学校の一級免許状を得る。その過程がどういうふうになっているか、それを説明していただきたい。
#6
○小林武君 これは詳細については文部省からでもひとつ御答弁いただきたいのですが、私の今出している法案のあれは、第六条の教育職員検定に関する問題で、それでこれは別表三の問題です。この別表三のところに、臨時免許状から小学校の教諭の二級免許状をもらうためには、六年の経験年数と四十五単位を持っていればいい、こうなっているわけです。教職員検定は、二級から一級になる場合は、そこに第三欄のところに、「第二欄に掲げる各免許状を収得したのち、第一欄に掲げる学校の教員として良好な成績で勤務した旨の所轄庁の証明を有することを必要とする最低在職年数」の中にカッコ書きがあって、「(二級普通免許状の授与を受けようとする場合にあっては、これらに相当する盲学校、聾学校及び養護学校の各部の教員を含む。)」と書いてあるものですから、音聾の場合には、二級をとる場合はいいけれども、二級から一級をとる場合には、盲聾学校にいたのではとれないということになる。これはどうも少しほかの、ある場合はいいのに盲聾学校だけにそういう不便を与えて、もし二級から一級をもらうという場合には、よそへ転出して――よそというのは、小学校とか、中学校とか、高校の場合には両校に移ってやらなければならぬということになりますから、これはやはり非常に苦労している教員に対して、逆に片手落ちの処置であると思う。だからこれを削ってもらいたいわけです。
#7
○二木謙吾君 盲学校、聾学校及び養誕学校の教員はその資格の要件として、今これらの学校の教員としてそれぞれいわゆる特殊免許状のほかに、幼稚部から高等部までの各部に相当する学校教員としてのいわゆる基礎免許状を有しなければならない。今のお詰みたいに。二重免許状の制度とは今言われたそれを指すのですか。
#8
○小林武君 そうです。そして、それは先ほど申し上げましたように必要だと思うのですよ。元来、盲でも聾でも子供自身から言えば小学校、中学校、高校等が受けられるわけですから、それを教えるのです。ただしかし、盲とか、聾とか、養護のそういう特殊な児童生徒をやるものですから、それに対する専門的な知識を特っている免許状も必要だということから、普通の小学校や中学校に勤める。これはやはり現行法の行き方というのは、私は正しいと思っているんですよ。それをかれこれ言うのではなくて、差別的なあれがないほうがよろしい。二級から一級へいく場合だけがある程度。
#9
○二木謙吾君 現在これらの盲学校、聾学校あるいは養護学校の教員の養成は、大体どういうふうになっているのですか。
#10
○小林武君 これは養成の大学があるわけですが、たしか大学の数は東京教育大学とか。それで盲学校の場合は東北大学、東京教育大学、それから広島大学、聾は東北大学、東京学芸大学、東京教育大学、それから金沢大学、大阪学芸大学、広島大学、愛媛大学、福岡大学。養護の場合は、北海道大学、北海道学芸大学、東京学芸大学、東京教育大学、京都学芸大学、大阪学芸大学、神戸大学、岡山大学、広島大学、熊本大学、日本社会事業大学と、こうあるんです。
 ちょっとここでつけ加えて申し上げますと、はっきりした数は文部省から聞いていただけばいいのですが、いわゆる半分くらいは基礎になる免許状ではなくて、特殊免許状、盲学校教員免許状、聾学校教員免許状、いわゆる免許法第四条の五、六、七に当たる免許状については、持たないものが半分くらいいるのじゃないかと言われるのですよ。というのは、養成期間がこういうふうに延びましたけれども、それに十分当たるだけのものがないためか、普通の学芸大学を出た者がその免許状を持たないでなっている者がやはり相当あるらしい。だからそれらの人も早くいわゆる特殊免許状をとっていただかなければならぬのもありますし、それから今法律を改正するためのような、二級の者は一級になりたい。そういう場合も必要だ。
#11
○二木謙吾君 今お話のあった学校の修業年限はどのくらいですか。
#12
○説明員(安養寺重夫君) ただいまのお話の各特殊学校の教員養成の課程でございますが、盲学校の教員養成の課程は東北大学、広島大学、東京教育大学でやっておるわけでして、いずれも修業年限四年の正規のコースでございます。ただ、東京教育大学は一年もしくは二年の特定の教科担当の教員のための別個のコースも持っております。次に、聾学校の教員養成の課程でございますが、これは東京学芸大学、広島大学、東京教育大学で行なっておりまして、いずれも四年の正規のコースがございます。このほかに、東京教育大学では、盲学校と同じように、一年または二年の特殊のコースも併置しておるような状態でございます。そのほか、聾学校の教員養成の全体の需給関係を勘案いたしまして、現在、臨時に東北大学、金沢大学、大阪学芸大学、愛媛大学、福岡学芸大学に二年のコースの特別の教員養成の授業を委嘱をしておるような状態でございます。最後に、養穫学校の教員養成の点につきましては、現在、北海道学芸大学、東京学芸大学、静岡大学、広島大学、京都学芸大学、大阪学芸大学、熊本大学、東京教育大学というところで授業をいたしております。ただ京都、大阪、熊本にございます三大学は、三十八年度において設置をする予定になっておるわけでございますが、いずれもこれらは四年の正規のコースとして設けておるわけでございます。と同時に、現在、養護学校の普及の程度とにらみ合わせまして、やはり臨時の養成の制度をあわせ行なう必要があるというような考えから、北海道学芸大学、東京学芸大学、京都学芸大学、広島大学、熊木大学の関係におきまして、一年もしくは半年のコースでやはり臨時の養成というようなことをやっていただいておるというような事情でございます。
#13
○二木謙吾君 今お話しのとおりに、修業年限が四年のと二年のと一年あるいは短期間は半カ年の養成期間があるようですが、これらの卒業生の免許はどういうふうになっておるんですか。
#14
○説明員(安養寺重夫君) 四年の正規の課程はこれは普通の学部、学科の入学者と全く同じような条件でございまして、特別のコースに入りましたものは、それぞれの当該学校の教員の免許状を収得するというような教育をするわけでございます。したがいまして、これは先ほど小林委員から御説明ございましたように、二枚の免許状を持つというようなことの養成をやっておるわけでございます。そのほかに短期の養成のコースあるいは臨時に短期の期間において養成をするコースがございますが、これらは大別いたしまして、大学に入学資格を持つものを入れまして、二年なら二年のうちで下位の教員の普通免許状取得のための教育をする。一級でなしに二級の免許状収得をさせるというような教育をするということでございますし、今一つは、現職教員のために盲学校なりそれぞれの関係の学校の教員の免許状収得のための門を開放するというような制度でございます。
#15
○二木謙吾君 これらの学校の教職員の需給関係の状況はどういうふうになっておりますか。
#16
○小林武君 それは文部省で答えて下さい。
#17
○説明員(安養寺重夫君) 全体的に現在の盲学校、聾学校、養護学校の設置及び将来のその設置の見通しの問題と関連いたすわけでございますが、現在やっておりますところは盲学校、聾学校においては、一応臨時のコースを併置するというようなことをもってまかなえるのではないかというように考えております。問題は養護学校でございまして、今後、特殊教育の振興ということで、この方面にずいぶんと関係者力を入れておるわけでございますが、そのためにどうしてもこの関係の正規の資格を持った教員を養成する必要があるということでございます。文部省といたしましては、先ほど北海道学芸大学と、さらに現在ございますほかに、来年度は三大学に正規のコースを置くような予算を御審議いただいておるわけでございます。こういうことも含めまして、さらに将来こういった正規のコースを各大学に増設をしたいという工合に考えておるわけでございます。特に養護学校の教員の免許状を取得いたします教育は、特殊学級をふやします場合の教員の養成ということにも関連をいたすわけでございまして、できれば国立大学の可能な範囲にたくさんの大学に養護学校教員養成の課程というものを置きたいという終極な目標を立てておるわけでございます。
#18
○二木謙吾君 今お話がありましたのですが、文部省としては、これらの特殊教育に携わる教員の養成について年次的な計画があればひとつ承りたいと思います。
#19
○説明員(安養寺重夫君) 盲学校、聾学校につきましては、現状で一応足りておるのではないかという工合に考えております。養護学校及び普通学校に設けられます特殊学級の教員の養成のためにできればここ数年間のうちに、国立大学にはそういった関係のコースを、しかるべき定員を設定いたすことによって経営をしたいというような考え方をしております。
#20
○二木謙吾君 この提案理由の説明書の中に、盲あるいは聾、あるいは養護学校の教職員に対して、その身分、待遇について格別の考慮が払われておる、こういうことが書いてございますが、格別の考慮とはどういうことですか。
#21
○小林武君 給与額の調整額が八%ついておるというような、待遇としてはよくなっております。
#22
○二木謙吾君 八%何がついておるという、それ以外に何かありますか。
#23
○小林武君 特にそれ以外にはないです。
#24
○二木謙吾君 現在、盲、それから聾、養護の各学校で、それぞれの特殊免状を持たないで、基礎免状だけで教職についておる者の数がどれくらいあるか、またそれが有資格老との比率はどのくらいになっていますか。
#25
○小林武君 先ほどちょっと申し上げましたが、その正確な数字はつかんでおりません。ただあの特殊免許状を持っていないのは半分くらいではないか、持っていない者ですね。それからなおその有資格行その他のあれについては、文部省からお答えいただいたほうが正確ではないかと思います。
#26
○説明員(安養寺重夫君) 正確な数字が……三十七年六月一日現在でございますが、盲学校の本教諭の数は一千九百五十二名でございます。養学校では三千二百三十万名、養護学校では八百三十四名でございます。このほかに助教諭あるいは常勤講師、養護教諭等を含めますと、盲学校では二千百七十六名、聾学校では三千六百二十七名、養護学校では九百八十名となっております。これは本務教員の総数でございまして、そのうち免許状を持ちませんでこれらの学校の授業を担当する教諭になっておるというものの数は、実は今のところここに持ち合わせておりませんので、正確な数字は申し上げられません。
#27
○二木謙吾君 現在、盲それから聾、養護学校の教員で二級免許状を持っておる老の数はどのくらいですか。
#28
○小林武君 これについて養護学校のほうは、私としては詳細な調査ができておらないわけです。それから聾学校のほうでは、まあ先ほど文部省から数字が発表になりましたが、若干違いますけれども、三千三百四十八名、教諭、助教諭ですね。そのうちすでに一級免許状を取得しておる者が九%、二百九十五名、それから小学校二級免を持っておる者が一千四百五十九久、中学校二級免が一千三百八十五久、高校二級免が一千二名、幼稚園の二級が百九十二名、これは重複分も含めているわけです。それから二級免を持っておるものが九一%ぐらいいるのではないか、聾の場合ですね。だからこの法案でやはり一級をもらうような手当を講じたらどうか、こういうわけです。それから盲のほうは、これは全校の調査ではなくて、抽出調査で七十三校中五十校、一千九百十名中どういうことになっているかというと、小学校の二級免を持っておる者が三百三十八、中学校二級免が三百六十二、高等学校の二級免が二百七十六、幼稚園が三十七、こういう状況です。だから大体重複面を含めて一級免が十一、重複分を含めて二級免が六五%ぐらいあるのではないか、これは全部でなくて抽出して大体調査したものです。そういうあれで御理解いただきたいと思います。
#29
○説明員(安養寺重夫君) 現在、盲学校では、先ほど申し上げました三十七年六月一日現在の実員に対しての内訳となりますが、一級免許状を持っておる者が四百九十三名、二級免許状を有する者五百九十三名、臨時の免許状――助教諭の免許状を持つ者が四十名、このほかに特殊教科の免許状を持っておる者、要するに理療、音楽、この者が五百八十五名ございます。聾学校では一級免を持ちます者が八百四十五名、二級免を持ちます者が千二百八十六名、臨時免許を有する助教諭が八十五名、そのほか特殊教科といたしまして理容と特殊技芸の免許状を持ちます者の数が百四十一名ということになっております。養護学校におきましては、一級免許状を持ちます者が四十五久、二級免許状を持ちます者が百七十九名、臨時免許状を持ちます者が二十一名、かような実態のようでございます。
#30
○小林武君 それは小中高分けないで全部ですか。
#31
○説明員(安養寺重夫君) 全部です。
#32
○二木謙吾君 二級免許状を持っておる者と一級免許状を持っておる者とで、待遇上あるいは身分上でどのような差がありますか。
#33
○小林武君 特段ないです。二級と一級ですか。
#34
○二木謙吾君 いや、私がたとえば二級免許状を持っておるとする場合ですね、それからあなたが一級免許状を持っておる、こういうことについては、待避上、給料とかあるいは身分上の差がありますかと、こういうことなんです。
#35
○小林武君 別段ないようです。
#36
○二木謙吾君 別段ない。――年数さえたてば大体同一の給料でいくと、こういうことで理解していいですか。
#37
○小林武君 そうです。
#38
○二木謙吾君 法案にある「別表第三の所要資格の項第三欄中」の「二級普通免許状の授与を受けようとする場合にあっては、」、ここを削ることによってどういう結果になるか、ひとつ具体的に……。
#39
○小林武君 これを削れば盲学校にいようが、聾学校にいようが、二級免許状から一級免許状をやるのには五年の在職外敵でもって、それから四十五単位があれば一級になれるということになっております。ところがこれが削られないと、どこか小学校か中学校へ移っていって、盲や聾や、養護から移っていかないというと二級から一級になれないということになるのです。盲学校に勤めておったのでは、それはこれに該当しないことになるわけです。だからここのカッコの中を取ってくれると――全部取ったらだめですけれども、盲聾、養護という学校のあれを取ってくれると、養護学校にいても盲学校にいても、ほかの学校のあれのように五年と四十五単位さえあれば一級になれる、こういうわけです。
#40
○二木謙吾君 次にお尋ねいたしますが、免許法別表第三に規定する単位の収得方法についてお話しを順いたいと思います。
#41
○小林武君 単位は、大学とか、あるいは文部省の主催したそういう講習とか、あるいは通信教育でもいいでしょう、そういうもので単位を取ることになる。それは別表第一のあとについている備考のあれによって、一単位については時間数の差異があるんです。イロハに分かれておりまして、十五時間の場合、三十時間の場合、四十五時間の場合、それぞれありますけれども、それはそういう単位を取って――この単位を取らないと、年数だけあってもどうにもならぬということになるわけです。
#42
○二木謙吾君 現行の二級普通免許状の授与を受ける場合と同様に、一級免許状の授与を受ける場合にも、盲聾学校等の在職年数の通算を認める必要があるというのが改正理由になっているのでありますが、このように改正することによって免許法の目的に掲げられておるところの教職旦の資質の保持、あるいはその向上をはかることということについて矛盾はないでしょうか。
#43
○小林武君 矛盾がなくなると思うのです、逆に。小学校とか中学校の場合にはそれが許されているんですから。それを盲学校の経験年数だけが計算のうちに入らないということですね、在職年数が計算のうちに入らないということは、これは矛盾だと思うんですよ。だからこれをとることによってかえってすっきり――かえってすっきりするんではなくて合理的になる。このことについて文部省の異見も、多少この前の改正のときにあるようですけれども、これはやはり二本立ての場合には特にこの改正がやはり合理的に運用されるようになると思うのです。でありますから、これについてはやはり各県においていろいろな意見があるらしいですけれども、大体その態度としては、法はともかくとして、認めなければならないと思うような県のほうが多いんですね。認めるのがほんとうじゃないかと言っているのが多いんです。この法があるからなかなか認められないのですけれどもね。ちょっと私が見ましたところでは、十県ぐらいはやっぱり認めるのが妥当じゃないかという意見を持っておるようです。それから法どおりでやるというようなことを言っているのが二県ぐらい、あとその他のところは研究してみたいというようなところで、そういうところを見ると大体これには無理があるんじゃないかというふうに見ているように思うんです。
#44
○二木謙吾君 大体のあなたのほうでは各県の状況というのを調査されだ……。
#45
○小林武君 ちょっと当たってみたんです。
#46
○二木謙吾君 小学校の教諭で、二級普通免許状から一級普通免許状にいく場合に必要な在職年数及び履修科目が小学校教員の資質向上に直接役立つ、その小学校教員としての在職年数及びその小学校関係の科目を定められておるのは、教員の専門性を確立すると、こういうことに私はあるかのように思うが、今あなたが説明になったようにすると、小学校教員としての専門性の確立を期するという点において一つ矛盾がありゃせぬかと思う。その点をひとつ。
#47
○小林武君 先ほども私が申し上げましたように、専門性の問題になると、やはり免許状の二本立てが私は妥当だと言った。妥当だと言ったのは、やはり盲学校、聾学校、養護学校の専門性を重んずる意味で言ったわけですが、ただしかし、盲学校、聾学校とはいいながら、小学校、中学校、高校、こうなっているんですからね、その中で教育するのですけれども、ただ盲学校、聾学校というのは特殊な教育対象、児童生徒を持ってやるものですから、そういうもののあれがあって、それには専門性をもって、二重免許状で二本立てにするのであります。やはり小学校教育の中には、免許状を取る場合には臨免から二級になる、二級から一級になるというふうに、普通免許状が二級と一級とある場合においては、これはやはりその道は盲学校におっても小学校におっても同じだと思います。盲学校の小学部の中にいたって、それから普通の目の児える子供の何も異常のない小学校にいたって、この点は教える教師は同じだと思います。中学校に行っても同様だと思います。耳の聞こえないという条件だけで、中学校の教育をやっておるということには間違いないわけです。ですから当然中学校の免許状が要求されます、中学校の教師としての。そのほかに、耳が聞こえない子供をやるためにはどういう点、それは免許状に書いてありますから、そういう専用的な知識を持っているために特殊な免許状がいる。だからこの二本立てでいく限りは、この制約を解いてやったほうが妥当だと思いますがね。つまりよそに行かなければ、盲学校にいたのでは、二級から一級になれぬというのでは、同じ小学校教育、中学校教育、同等学校教育の教育をやっていたって不合理だと思います。その点では、御質問で御心配になっておったようなところを逆に解消の意味で、しかも専門性を傷つけるということは逆にないように思います。逆の専門性が生きてくるように思います、がね。
#48
○二木謙吾君 現行の通算規定は、昭和三十六年六月の免許法の改正で設けられたのでありますが、これは今私が申し上げましたように、これは教員の専門性を確立しよう、こういう意図のもとに出たと私は考えております。また現に教員養成の機関は、年々文部省においても整備充実をされ、また地方もそういう趣旨に沿ってやっておるので、先に申し上げました、盲聾、養護学校等の教員養成機関も着々地に着いて充実しつつある矢先に、こういう改正をするということについて、まあ私もちょっと懸念を持つのでありますが。
#49
○小林武君 やっぱり文部省の側として、その改正について専門性が失われるのではないかという心配を持っているのは、先ほど私が言ったように、逆にそうではなくて、小学校教育、中学校教育、高等学校教育というのは同じじゃないか。盲でも聾でも、目が見えまいが、耳が聞こえまいが、結局これは同じではないか。小学校教育、中学校教育には間違いない。そうすれば、これに対する小学校の免許状の取得は、目が見えない子供を教えているからといって差別を受けるのは妥当じゃないのじゃないか。そのかわりそういう特殊の子供を扱っているというところから、免許状は二重性のほうがいいのじゃないかということになりますがね。だから御心配の点は、やはりかえって逆に解消される。それからもう一つは、やはり実際これは扱っていて、先ほども申し上げましたが、各県においてやはり教育委員全等が実際扱ってみると、盲学校に行ったら、盲学校にいる小学校の先生は、特殊な、何か二級から一級になるときに障害があるのだというようなことになりますと工合が悪い。というのは、やはりこれはどこの県でも数多くの県がそうなっていますから、これはもう逆にここらで踏み切っていただくほうがよくはないか。文部省がその当時、三十五年か六年、三十六年ですか、改訂のときに、その点についていろいろ議論があって、多少検討してみるというような御意向もあったように速記録等で何か見たような気がするのですがね。だから、ここらでやはり特に苦しい盲学校、聾学校というような教育に携わっている教師に、まあたくさんの教師の中から、数をいえばわずかだけれども、やはり安心を与えてやるというような、励みを与えてやるというような角度から、これについてはひとつこの制限を解除していただきたいというのが、この法律の念願なんですけれどもね。
#50
○二木謙吾君 今あなたの提案されているように、この改正をやると、現在どのくらい恩典を受けるか、将来は改正の年数がたてばだんだんたくさんふえるが、今、現在において、どのくらいの数の教員が恩典にあずかるのですか。
#51
○小林武君 それはさっきちょっと申し上げましたが、文部省とわれわれとの間にちょっと数字が違うのですし、文部省のほうは広範な調査機関でもってやったのだと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、私の調べたところではダブっいているのですよ。これは一人の教員が中学校と高校の免許状を持っているというのがありますからね。小学校で二級免を持っているのが聾学校では千四百五十九名あるとすれば、小学校の二級免を持っている者が皆一級になりたいとすれば千四百五十九名あるわけですよ。それから中学校で二級免を持っているのが千三百八十五名、それから高等学校が千二名、それから幼稚園の二級免が百九十二名、聾の場合においては。少なくとも重複分を含めているけれども、全体の数の九一%くらいは二級免を持った名ではないか。だからこれだけの者がたいへん思恵を受ける。それから盲、先ほどは聾でしたが、今度は盲のほうは抽出調査でありますけれども、これも半数以上の六五%くらいは二級免を持っているのじゃないか。だから六五%くらいの者がやはりこれによって非常に、何というか、一級免をとるということについて非常に希望を持てるということになると思いますね。それから養護のほうは、さっき言ったように、実は調査ができなかったわけであります。
#52
○二木謙吾君 私は、何といっても教育は教員の資質の向上ということ、これが一番大きな問題だ。もとより教職員の人格も非常に大事でございますが、それについてはさきに申したように、やはりおのおのの専門があるわけですね。これをやったために専門性の確立ということに支障を来たしはせぬか、いわば学力が低下するようなことはありはしないか、それは資質の向上に支障を来たしはせぬかということを懸念するわけですよ。
#53
○小林武君 資質のことで、逆に上級免許を収得するということのためには、先ほど言ったように通信教育を受けるとか、大学で勉強するとか、文部省の設けられたいろいろな研修機関でやるとかいうことになるというと、四十五単位要るわけです。一単位の時間というのは、先ほども申し上げたような教科によって、いろいろな科外の時間を見ますと、そうすると、これは非常に勉強しなければならぬわけですね、四十五単位とるということになると。だから、私は資質の向上という面からいうと大体御賛成いただける、勉強しなければならぬということになりますからね。ただ、その場合に、経験年数が邪魔しているという問題になるわけですが、この在職年数のことだけで、ただ年限が来たらどうなるという問題じゃないのですよ。だけれども、やらなければどうにもならぬのですから、それで資質の向上の問題は御理解いただける。それから専門の問題は、やはり先ほどから言っているように、そのために二重免許状になっているわけですから、小学校はもう目が見えなくても耳が聞こえなくても小学校は小学校なんですから、だから、この点は、やはりはっきり一つの免許状が必要だ、専門性は片方でやっぱり別に免許状で専門性をやっている、こういうふうに安定させると、逆にあとは何と言いますか、ここで献身的にやるという人が逆にふえるのじゃないかと思うのですがね。逆に免許状を上級のやつをとるためによそへ移っていくということになりますと、そうすると、盲学校から行かなきゃとれないのですから、よそへ行くということになると、逆にそこに落ち着いてやるということから離れてしまうのじゃないかという心配があるのです。
#54
○二木謙吾君 私の質疑はきょうはこれで終わることにいたしておきます。
#55
○吉江勝保君 関連して一つ、二つお聞きしたいと思います。
 最初この提案理由の説明がありました。この提案理由の説明ですね。今、二木君からも質問がありましたが、この提案理由の一ページのしまいのほうですね、一ページの終りのところに先ほど質問があったようですが、この特殊教育に従事しておる教職員に対しては、さればこそ、身分待遇について格別の考慮が云々と、こういうように説明されておったので、先ほども質問があったのですが、ここでこの説明理由でお書きになっているのは、こういうようなことが行なわれておるのは当然だという意味ではなかったのですか。
#56
○小林武君 当然というのは待遇を受けていることが……。
#57
○吉江勝保君 そういうことを身分、待遇等について格別の考慮が払われることもまた当然であると信ずるのであります。」、こういうように書いてあるのは、現在行なわれておるのは当然だという悪味だったのですか、そうじゃなかったのですか。
#58
○小林武君 どういうことですか。
#59
○吉江勝保君 というのは、もう少し言うと、現在、「さればこそ、これらの学校の教職員に対して、その身分、待遇等について格別の考慮が払われることもまた当然であると信ずるのであります。」と、これは、現在払われておるのは、これは当然だというように説明されたんじゃなかったのですか。
#60
○小林武君 まあしかし、もう少し待遇をよくしてもらえばというようなこともそれはあると思いますね。
#61
○吉江勝保君 もう一ぺん聞きますが、この説明されたときに、この二つの大きな使命をになっているので、それでこれらの学校で特別な、格別な考慮が払われて現在おるということは、これは当然なことだという現状を言われたのか。そうでなくて、将来こうあるべきだということをおっしゃっておるのかということを聞いておるのです。
#62
○小林武君 現在あることもこれはまあ当然で、だれも当然に認めてくれているということでありますね。さらに将来もっとやはり盲や聾に勤めている者について、それは具体的に何といってありませんけれども、何らかのまたいろいろ考慮を払われるということも含まれていると思います。
#63
○吉江勝保君 そこで、ここで言われたのは、現状を認められたのか、その将来のことについて言われたのかということを先に聞きたかったが、それは両方だというように今お答えがあったのです。もし現状を認めておられるなら、この「身分、待遇等」というのは、どういう点に特別な考慮を慰めておるという具体的な説明がお聞きしたがったのですが。
#64
○小林武君 給与調整額八%ということで、特殊な教育に携わっているということから、やはりほかの学校の教員よりかも、何というのですか、責任の度合いとかいろいろなそういう問題で、まあ容易じゃないだろうからというわけで特別の待遇が払われている。しかし、私は将来こうしてもらいたいということじゃないのですけれども、こういう教育に携わって非常に苦労している教員に対しては、やはり将来何らかのあれがあっていいのではないかというような気持は文章の中に多少入っているといたしましても、それもないとは言われないようですよ。これで満足したという気持ではありませんけれども、だからそういうことを言ったのです。
#65
○吉江勝保君 現状ではこの調整額の問題、この調整額だと大体待遇というのに当たるのじゃないかと思うのですが、まあそれじゃ将来の期待ということであれば、今少しお話があったようですが、身分とか待遇、待遇は調整額あるいは引き上げというような問題が起こるかもしれませんが、「身分」とか「待遇等」と好いておられるものについて何らか考えておられるか、希望があるかということですね。それを実はお聞きしたがったのですが。
#66
○小林武君 今具体的にはちょっとありません。
#67
○吉江勝保君 ああそうですか。それじゃその次、この法律提案理由の二枚目のまん中ごろですが、「従来制限を受けていなかった一級普通免許状の収得のための在職年数には、盲、聾、養護の各学校における在職年数を通算しないことになりました。」、これは事実を言うておられるのですが、こういう通算しないことになった理由というものはどういう理由でなったのか、その点御説明を願いたいのです。
#68
○小林武君 この制限を受けるようになった理由ですか。
#69
○吉江勝保君 そうです。
#70
○小林武君 制限を受けるようになった理由ですね。
#71
○吉江勝保君 ええ。
#72
○小林武君 これは私の立場から言えばやっぱり手違いではないかと、こういうふうに判断しているのです。これは当然制限を受けるべき筋合でないものを、まあこういうことになった。これは何か見落しのようなものがあるのじゃないか。しかしまあ文部省の説明を聞いてみると、専門性ということを非常に強調されておるようでありますが、まあそういう点については若干こっちは理解がいかない。むしろこの点は初め専用性のことを非常に考慮に入れられてやられたにしても、運営してみると、これはやはりいろいろ手違いのほうが多いのじゃないかと、こういうふうに判断しております。
#73
○吉江勝保君 それじゃこの点、改正のときに説明をしました、提案しました文部当局のほうから、どういう理由で通算しないことにしたのか、その説明をお聞きします。
#74
○説明員(安養寺重夫君) 教育職員の免許制度におきましては、大学を卒業して所要の資格を付与するというのが原則でございます。ただそれと同時に、一たん教職に従事いたしましても、さらに上級の資格を収得するというような機会を大いに設けまして、それぞれ所定の条件を満たした上は上級の資格を付与いたそうというような制度も同時に行なっているわけでございます。在来、ただいま問題の点につきましては、小学校を例にとりました場合、小学校の助教諭とか教諭の二級の免許状を収得する。さらにまた二級の教諭が一級の教諭の資格を取付するといういずれの場合におきましても、盲学校、聾学校、養護学校の各相当の部、小学部の教諭の経験年数というものを通算することを認めて参ったわけでございます。しかしながら、次第に教員養成の計画も進捗をいたしまして、教員の貸費向上というものの全般に対する要求の程度が高まってきたというような状態を合わせ考えまして、助教諭から二級の教諭の免許状を収得するという場合には、在職年を在来どおり通算することを認めることといたしまして、二級の教諭から一級の資格上進の場合には在職年数は通算をしないというようにいたしました。この理由は二つございます。一つは、お話に出ておりますように、それぞれの学校種別の免許制度というものを原則としてとります限りは、小学校の教員として在職し、必要な収得単位を収得をするという考え方自体は、むしろ在職年というものをもって必要な収行単位数というものの一部を置きかえる、経験を高く評価しようというような要素からいたしておりますわけでございまして、したがって、一級という最高の資格を取得する場合には、専門性というものを主張します限りでは、他の異種の学校教職経験というものは通算しないほうがいいのではなかろうかという点であります。いま一つは、この逆の場合がございまして、特殊学校の教員の一級の免許状を取得するという場合にも、在来から一級の免許状を収得する場合には、小学校なり中学校なり高等学校、幼稚園の経験年数というものは通算をいたさないという制度で参っておったわけでございまして、それとの権衡と申しますか、考え方というものをやはり調和をとるというような考え方から、やはりこの際二級の場合にのみに限定をすべきではないかというようなことにいたしたわけでございます。以上が大体三十六年の法律改正の場合のわれわれの考え方でございました。
#75
○吉江勝保君 ただいま二つ理由をあげておられるのですが、その第一のほうは今論議されておったのですが、第二の特殊学校の一級免許状のときの在学年数の通算ということについては、幅広く発議者のほうでは考えておられるのですか、この点は。
#76
○小林武君 第三のほうはそれでよろしいのですがね、現状でよろしいのです。
#77
○吉江勝保君 これは触れなくって、一の点だけを改正しようというわけですね。
#78
○小林武君 そうです。
#79
○吉江勝保君 その点については一応承っておきます。それからいま一点、三ページですね。提案理由の三ページの中ごろ、この特殊教育を普通教育よりも教育経験を「さらに高く評価されてこそ至当でありまして、これをむしろ低いものとしてみなした差別的取り扱いは根本から」云々と、こういうように書かれておりますが、これも見方でありましょうが、こういう扱いをしてきた文部省に対してこれはお聞きしますが、文部省は特殊教育に従事しておる教員の教育経験というものを低いというように何か見て、そして両者の差別的な扱いをするというような考え方がそういう結果をもたらすようになっておることをお認めなんですか。これは文部省のほうから言えば、こういうような低い見方をしており、あるいはその両者に差別的な扱いをするというようなそういう考え方があるのか、あるいは考え方はなくってもそういう結果になっておるということをお認めになるだろうか、こういう点です。
#80
○説明員(安養寺重夫君) きわめて抽象的でございますが、小学校の教員としての資格、中学校の教員としての資略、それぞれ専用的な勉強をした者に与えられる。また一たん現職につきました上の必要な在職年と同時に、単位をとるということによる上進の方途におきましても、全く考え方は同じでございます。したがいまして、それぞれの職種別の専一性というものを考えておるわけでございまして、小学校、中学校、他種との関係については、特にそれがどうこうというようなことは考えていないわけでございます。
#81
○吉江勝保君 私の質問は終わります。
#82
○成瀬幡治君 関連して。御両人の質疑に関連して、一、二ただしておきたいのですが、一級、二級と待遇上また身分上の差別がないのなら、それでは二級でもけっこうじゃないかということにも逆に聞こえるのですが、そうすると、一級と二級の何で差をつけたかということなんですが、それは指導主事や何かになる場合は、これは二級ではなれない、一級の免許状を有しなければなれないというふうに考えておるのかどうか、これは違いはないか、これは文部省のほうに伺います。
#83
○説明員(安養寺重夫君) それぞれ学校ごとに一級、二級の教員の免許状の区別がございます。それを得ますための必要な条件というのは、一級のほうがより厳重である、二級のほうが一級よりも容易にとりやすいという差はございます。したがって、その視点でのみ議論いたしました場合には、たとえて申しますと、短大を出ますれば小学校の二級の普通免許状、大学を出た者は一級の免許状が取得できる。そこで取得しましたその節に、新規にそれぞれの学校の教員に採用されるという場合には、当然スクーリングが迷いますので、初任給というものの基準は、高、低というものはおのずからの差はございます。ただ在来からの免許法施行前からの教職におられた方々の切りかえ措置というものがございまして、それらの人については俸給制度の上の問題はともかくといたしまして、一級、二級の別によって特に特別の差異というものはそこにはないわけでございます。ただ、今、成瀬先生御指摘のように、校長などにつきましては、一級の教員の免許状を持っておりまして、必要在職経験年数何年ということに一応本則はなっておりますが、経過措置といたしまして、その場合二級でもよろしいというようなことがございますので、結局さしたる相違はないというふうな格好に現実はなっているわけでございます。
#84
○成瀬幡治君 だから二級でもけっこうなんだと、こういう結論ですか。
#85
○説明員(安養寺重夫君) たとえば今申しました校長の資格とか、そういうふうな場合に、別に一級と二級との差によって、なれるなれないという差は出てこない現状であるということでございます。
#86
○成瀬幡治君 もう一点お尋ねしておきますが、二級の免許状を持っておって一級になりたい、先生の一つにはプライドになると思う、精神的な意味で。差別上は今申されたことでいい。しかし一級になろうとしてもなれない、在職年数等でも、学校におっても一級免許状はとれないわけです。このためには先生は少なくとも四十五なら四十五単位の勉強をしなければならぬということで、これでは資質の向上をしちゃいかぬと、なぜそういうふうに制限を加えておかなければならないのか、必要性がない、逆に言えばですね。逆に言えばそういうことをせんでもいいのだ、お前はあくまでも二級でけっこうなんだ、そういうふうに据え置かなければならぬ逆の理由はどういうところにあるか、これを承っておきたい。
#87
○説明員(安養寺重夫君) 先ほど来議論になっております免許法の別表第三というのは、あくまで原則の問題でございまして、免許制度を施行いたします場合に、小学校、中学校、高等学校、幼稚園それぞれの職種ごとに上級の資格を収得いたします場合に必要な在職年数と単位数というものを規定しておるわけでございます。したがって、原則的な考え方に立つ限りは、小学校の経験年数こそ上級資格収得のために必要な在職年であって、異種の学校の経験年数というものはこの際ここへ通算すべきでないというような考え方があるわけでございます。ただし、御承知のように、二級免許状というものは、高等学校を別といたしまして、大学の二年のコースを経ました者に授与するものでございます。したがって、一たん教諭となりまして一級になります場合には、そういうような前提の仕方からやはり専門性を強く要求したほうがよかろう。これに引きかえますと、臨時免許状というものは高等学校を出ました者に与えるものでございます。したがって、臨時免許状から二級の免許状を取得するには一応異種の学校の経験年数をも含めて考えたほうが、原則と同時に実際的でもあるというような配慮が加味されておると私は考えておるわけでございます。
#88
○成瀬幡治君 私は積極的にこうあらねばならぬという理由にはどうしても承服しかねるわけですよ、今お聞きしましても。やはり文部省も教員の資質向上については積極的に教員自身が、先生自身がこういうふうに勉強できるような機会を与えてやる。なるほど待遇的には差はないかもしれないししかし身分的には若干の差が出てくることは将来の問題もありますし、現に指導主事等の問題であるわけなんですから、ですからそういう道を積極的に閉ざすということがちょっと納得しかねるわけなんです。これは重ねて、なぜこうやっておるのか、なるほど特殊なものだとおっしゃるなら、特殊な専門教育の単位を特に盲聾については二十時間なりあるいは十時間やっておいでになるわけですから、こういうふうに差を設けておられるということがどうもわかりかねるのですよ。
#89
○説明員(安養寺重夫君) 繰り返すようになって恐縮でございますが、これはあくまで小学校の教師としてふさわしい教育を受けた者が小学校の先生になり、中学校はまた中学校としてそのようなことに努力をするということで免許状が授与されておる。現職の先生方が上級の資格を取得する場合にも原則は同じではないであろうか。したがって、ただいま議論になっておりますような盲学校、聾学校、養護学校の経験年数というものが小学校の経験年数と同じであるという工合に通算することは、やはりこれは多少筋が違うのじゃないか。それぞれ小学校は小学校の教育を受けた先生、その在職年数を高く評価する。聾学校におきましては、また現行制度にございますように、聾学校の教員として必要な教育を受けた者に教師の資格を与え、また現職教員としては聾学校の先生としての、むろんその範囲内において評価するというようなことで、それぞれ格別の専門制というものを主張する必要があるという原則に立っておるわけでございますしただ、先ほど申しましたように、それは二級から一級に上がる場合について、特にそのことを強く要求するわけでございまして、助教諭から二級の教諭の免許状に至ります場合には相互に通算も可能である、かようになって参るわけでございます。
#90
○成瀬幡治君 重ねてお尋ねしておきますが、かりに私が盲学校に二級で入りますね、私は盲学校に三年、五年もおります。単位も四十五単位とります。盲学校にいれば永久に一級になれないですよ。
#91
○説明員(安養寺重夫君) そのまま二級の盲学校の教諭の免許状をお持ちで、三年間たってそれぞれ六単位の特殊教育に必要な単位を取得すれば一級の盲学校の教諭の資格が得られるという格好になります。
#92
○成瀬幡治君 私の言うのはそうでなくして、聾学校の小学部におって単位は取った、しかし、在職年数は三年ないし五年たった、成績も優秀だった、こういう条件がついております。そうだとすると、小学校の一級免許状がもらえるかどうかということです。
#93
○説明員(安養寺重夫君) 年数等はともかくといたしまして、そのままでは一級の免許状は取れないというふうなことになっております。
#94
○成瀬幡治君 その満たされない理由は、四十五単位ですよ、六単位でなくて。特殊でなくて四十五単位といって……。
#95
○説明員(安養寺重夫君) 小学校の一級の免許状を取られるためには、小学校の二級の教諭の免許状を取得されておりまして、五年間小学校の教員をされ、四十五単位の必要な単位数を取られるということが必要なわけでございまして、それ以外の場合はできないということでございます。
#96
○成瀬幡治君 わかりました。
#97
○委員長(北畠教真君) 本法案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、午後は一時より再開することにいたし、これにて休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十八分開会
#98
○委員長(北畠教真君) ただいまより委員会を再開いたします。
 まず、私立学校振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#99
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま上程になりました私立学校振興会法の一部を改正する法律案について、提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 私立学校振興会は、私立学校の施設及び経営に関し、必要な資金の貸付、私立学校教育の助成その他私立学校教育に対する援助に必要な業務を行なう特殊法人であり、私学振興に多大の寄与をいたしておりますことは御承知のとおりであります。この振興会は、従来、主として国の一般会計からの出資金をもって下半を行なって参りましたが、振興会の資金に対する私立学校側の需要は、最近著しく増大しており、高等学校生徒急増対策、科学技術者養成計画を達成するための国の財源措置という観点から見ても、国の出資に依存する従来の方式では不十分であります。よって、この際、私立学校振興会法の一部を改正し、振興会の財務会計算に関する規定を整備し、振興会の貸付資金の充実をはかろうとするものであります。すなわち、一般介計からの出資のほかに、振興会が私学振興債券を発行することができる旨の規定を設け、振興会が資金の公募を行なうとともに、政府から資金運用部資金の貸付を受けて、私立学校に対する貸付資金の原資に充てることができるようにしたい考えであります。このことに伴い、この改正法案には、債権の債権者の先取特権や債券の発行事務の委任等について規定しております。また、振興会は、毎事業年度、債権及び長期借入金について償還計画を立てなければならないこととするとともに、その他所要の規定の整備をしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願いいたします。
#100
○委員長(北畠教真君) 以上で提案理由の説明聴取を終わりました。
    ―――――――――――――
#101
○委員長(北畠教真君) 次に、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案(参第二〇号)を議題といたします。
 まず、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。成瀬君。
#102
○成瀬幡治君 ただいま議題となりました高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案について、提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 今日、わが国は、世界的な技術革新の波を受けて第二の産業改命ともいうべき時期に直面いたしております。国をあげてこの課題に対処すべきことは当処でありますが、わけても、これからの青少年教育をどう発展せしめるかは課題解決の重要な鍵であり、人づくりや高校進学希望者の全員入学の問題が真剣に取り上げられているゆえんもここにあると思うのであります。かような教育重視の風潮は、世界すべての国々に共通したものであり、多くの国々で教育に関する長期計画が立案実行されていることも当然のことと申せましょう。さて、わが国の教育における重要問題の一つは、政府も指摘しているように、復期中等教育を拡充して、新しい時代の生産発展の基礎をつちかうことで、ありますが、その現状は、なるほど量の上では高校進学率も上昇して一流国に伍しているとはいうものの、質の上ではまだまだ改善を要する点が多いことは御承知のとおりであります。入試地獄に伴う過度な受験準備教育、多数のすし詰め教室、産業教育設備の不備等々、解決を迫られている課題が多い中で、わけても重要な事柄は勤労青年に対する教育の問題であります。西欧の国々のように、全日制高等学校に学ばなくとも、国や地方公共団体の力で、働きながら職業教育、技術教育を受けることができ、将来は、りっぱな労働者として、いわゆる学校出の人たちと同様に生活を保障される世の中の仕組みになるならば、彼らは何を争って有名校の狭き門の前にひしめき合う必要がありましょうか。彼ら若人の志と夢にこたえ、彼らの勉学心、努力心を満足させるような魅力ある職業教育、技術教育をすべての若人に施す制度をい急に実施する必要があると痛感する次第であります。しかし、かような勤労古年教育の充実、拡大の施策の中心となるべきものは、何と申しましても牧後発足し、育成された高等教育の定時制教育及び通信教育であり、本教育をまず振興することが先決であると思うのであります。
 ところで、この定時制教育及び通信教育の現状はどのようであるかと申しますに、ここ数年間伸び悩みの状態にありまことに遺憾でございます。その理由は、いろいろとあげられましょうが、その大きなものとしては、第一には、勤労青年の使用者たちの多くが、まだまだ本教育について理解をしていないこと、第二には、施設、設備が不十分であること、特に真の職業教育を与えるにふさわしい設備がないために生徒に対する魅力を欠くこと、第三には、本教育に従与する教職員の待遇が低いために、優秀な教職員を確保できないこと、第四には、雇用者側にまだ、定時制教育、通信教育の卒業生を採用の際敬遠する風潮があること等であります。このような障害の中でも、特に第一の問題は、使用者が定時制教育もしくは通信教育を受けることを許さないとか、妨害したりするために教育を受けたくとも受けられない事例が相当にあること、また、通学に便利なように終業時間を三十分繰り上げてやるとか、残業をさせないとかのあたたかい配慮がなされていないために、遅刻、欠席が非常に多く、その率は高学年になるに従って高まり、中途退学者の数も増加しているというのが実態であります。
 次に重要な問題としては、この勤労青年教育振興の一環として、この教育に従下する教員に対しては、現存、定時制通信教育手当を支給するという適切な制度がありますことは御承知のとおりでありますが、その支給対象は、国公立の定時制教育または通信教育を行なうものの校長、教員と特に政令で定める実否助手に限られております。したがって、実習助手の約半数がこの手当を受けておりません。また一部の都道府県においては、夜間の定時制課程の場合には、事務職員等にまでこの手当が夜間勤務手当等の名称で支給されておりますが、大部分の県では、校長、教員、一部の実習助手に限られており、事務職員等には支給されていないというのが現状であります。職業教育、技術教育重視の立場からすべての実習助手に支給範囲を拡大すること、また、夜間定時制教育に勤務するものの苦労と困難を考慮して、この場合に限っては教育職員のみならず、事務職員等にまで支給範囲を拡大することは、時宜に適した措置であると信ずるのであります。この際、私どもは、以上に述べました使用者の問題と、定時制通信教育手当の支給範囲の問題とが当面早急に解決されねばならない点であるとして、本法律案を提出いたした次第であります。
 本法律案の内容と致しましては、第一に、勤労行年を使用する者の義務として、彼らの就学を妨害することを禁止するとともに、さらに使用者は、勤労青年が教育を受けるのに支障がないように磁極的に配慮しなければならないことを規定いたしております。第二には、定時制通信教育手当の支給範囲をすべての実習助手に行き渡るよう改めるとともに、新たに夜間の定時制過程の事務職員、その他の職員にも及ぼすことを規定いたしました。第三には、附則において本法の施行期日を昭和三十八年四月一日としたこと、また、現在すでに定時制通信教育手当に類する手当を事務職員等に支給している地方公共団体が本法施行に伴う条例を制定するにあたっては、既得権を十分に尊重した経過措置を定めることを義務づけております。
 何とず慎重御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#103
○委員長(北畠教真君) 以上で提案理由の説明聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#104
○委員長(北畠教真君) それでは、先ほど提案理由説明を聴取いたしました私立学校振興会法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のおありの方は御発言願います。
#105
○二木謙吾君 私学振興会はどういうものにどのくらいお金を貸し付けておりますか。最近の実態と、それに対する資金の需要状況を承りたいと思います。
#106
○政府委員(杉江清君) 三十七年度について見ますと、貸付のほうは、まず一般施設費貸付金は十二億円に達しております。これは幼稚園から大学までの私立学校の施設を一定の基準まで高めようとするために必要な施設費に対する貸付でございます。それに十二億円でございます。次に、理工系学生増募施設費貸付金、これに十七億円出しております。次に、高校生徒急増対策施設費貸付金として十六億円を当初計画いたしましたが、その後これをふやしまして二十二億円に増額しております。次に、災害復旧費貸付金としまして八千四百万円、その他高利債務の借りかえまたは特別な施設に対して約二位を貸しております。その他経常費に対する貸付がやはり二億五千万円でございます。以上が貸付の大要でございますが、この貸付のほか助成を行なっております。そのまず第一は、私立学校教職員共済組合に対して、三十七年度におきまして一億一千三百万円、それから私学研修福祉会に対しまして二千九百万円を助成いたしております。以上が私学振興会の業務の内容でありますし、また三十七年度の貸付及び助成の実態でございます。
#107
○二木謙吾君 高利債務の今この借りかえにお金が出ておりますが、それは荷利債務の借りかえだけからいくとどのくらいの額になっておりますか、それはよくわかりませんか。
#108
○政府委員(杉江清君) その分だけの資料をただいま持ち合わせておりませんので、あとで調べて御連絡いたします。
#109
○二木謙吾君 研修福祉会ですか、それはどういう仕事をやっておるのですか。
#110
○政府委員(杉江清君) 私立学校の教職員の研修と、それから福利事業と二つの事業を行なっております。研修につきましては、これはやはり大学から幼稚園までの教官及び事務職員に対して各種のいわゆる講習会、研修会等をもちまして、その資質の向上をはかっております。そのほか福祉事業の最たるものとしては、私学会館を経営いたしまして、各種の福利事業を行なっております。
#111
○二木謙吾君 今の貸付をなさった三十七年度の状態はよくわかりましたが、これは地方のあるいは高等学校から、あるいはまた大学、大学は都内にもたくさんありますが、そういう方面から施設費に対して、あるいは経営費に対して、災害復旧費に対して、あるいは今私が申し上げました高利債等につきまして、私立学校、大学から高等学校、中学校、その他申し込みの額は、今のお貸しになった金額について、それぞれ申し込みの額はわかると思いますが、それはわかりますか。
#112
○政府委員(杉江清君) 三十七年度について見ますと、貸付総額は五十三億でございますが、これに対しまして申し込み総額は二百四十一億円でございます。ついでに三十六年度を申し上げますと、貸付総額は三十億でございますが、申し込み総額は百四十三億円でございます。このように、借り入れ申し込み額は貸付金額をはるかに上回っている現状にございます。
#113
○二木謙吾君 ただいま研修福祉会等の事業が行なわれていることはちょっとわかりましたが、そのほか、貸付のほかに私学振興会はどういう事業を行なっておりますか。
#114
○政府委員(杉江清君) 貸付のほかに、先ほど申し上げましたいわゆる助成、貸すのではなくして、金をやりっぱなしにするわけでございますが、そのほうの助成をいたしておりますその代表的なものが、私立学校教職員共済組合と私学研修福祉会、この二つでございますが、詳しく申し上げますと、そのほか特殊教育諸学校に対しても二百万円の助成をいたしております。大体事業といたしましては、その貸付と助成と二つでございます。
#115
○二木謙吾君 それから三十八年度貸付総額は六十三億七千八百万円となっておりますが、これはまだ今あなた方のほうできまって、内容はわかっておりませんね。
#116
○政府委員(杉江清君) 大体、計画を振興会と協議いたしまして、おおむねきめております。それを申し上げますと、一般施設費に対しては十四億、これは先ほど申し上げましたように三十七年度と比較いたしますと、三十七年度においては十二億でありましたのを十四億にふやす計画でございます。それから理工系学生増募に対しましては十七億、ほぼ同額でございます。高校生徒急増対策に対しましては、三十七年度は当初十六億のところ、内部操作によりまして二十二億にふやしましたが、それに対しまして二十七億の計画をいたしております。その他災害復旧等に対しておおむね五億でございます。これは三十七年度とほぼ同額でございます。高利債等はまだ三十八年度については内訳を固めておりません。一括しましておおむね五億という計算をいたしております。それから助成につきましては、三十七年度は合計いたしますと二倍三千を出すことにいたしたのでありますが、三十八年度の計画では、これを二億六千にふやす計画を持っております。以上でございます。
#117
○二木謙吾君 振興会は、従来は出資一本で資金をまかなっておったのですが、今年度財投に変えたのでありますが、そのわけはどういう理由でございますか。
#118
○政府委員(杉江清君) 先ほども申し上げましたように、私学振興会の最大の業務は資金の貸付でございます。で、これはもっとも戻ってくる金でございます。そういうような性格の金でございますから、これの原資を一般会計から得るということは必ずしも必須の要件ではないと考えます。もちろんその一般会評からその原資を得すことは、利子を払う必要がない、そうして今後とも私学振興会のいわゆる資本金としてそれが運用される、こういう点において、一般会計からの出資に待つことが最もいいのであります。しかし一般会計の総額というものは、国の財政力の関係において制限があるわけでございまして、これのみに頼ることはおのずから原資に制限を生ずる、私立学校の必要とする資金を十分に入手できない、こういうような結果になるのも、またやむを得ない事情があるわけでございます。で、そういう点を考えまして、とにかく現在私立学校に最も必要なのは長期、低利の資金を豊富に提供することであります。これが私立学校の現状を救う最も重要な点かと考えます。そういうような観点から、とにかくこの貸付資金を大幅にふやすということは当面の課題であると考えますならば、その原資を一般会計からのみ期待せずに、資金運用部資金その他の資金を入れても、その貸付金総額をふやすことをしなければならぬ、こういうように考えまして、一般会計からの出資のほかに財政投融資の道を開く必要があると考えて、今回の改正をお願いしたわけでございます。
#119
○二木謙吾君 改正法案には、資金運用部資金を借り入れるための規定がないように思いますが、それでもいいのですか。
#120
○政府委員(杉江清君) これは資金運用部資金法に、一般的にこういった債券発行能力を持つ特殊法人にだけ貸すことができるという規定があるわけでございます。その規定によって借り入れることになるわけでありますが、なおその法律によって、今申し上げましたように、その特殊法人が債券発行能力を持っているということが必要になっておりますから、そのために今回の改正をいたしておるというのが、今回の改正の最大の趣旨でございます。
#121
○二木謙吾君 私学振興債券は実際に発行になりますのでございますか、どうですか。
#122
○政府委員(杉江清君) 当分の間、私学振興債券を発行する意図はございません。で、私学振興債券を現実に発行いたしますには、実は政府保証の規定が必要でございますが、この政府保証の規定を設けるには、実際にそれを発行するときに設けるというのが最近の例になっております。それで、当面債券を発行する計画を持たないものですからその規定を設けませんでした。ただ、先ほど申し上げましたように、財政投融資から資金を受け入れるには、債券発行能力を持つことが必要だと、こういうことになっておりますので、それに応じてこのような改正をお願いしておるわけでございます。
#123
○二木謙吾君 そうしますと、まず三十八年度には発行しない。それから将来も当分の間は発行せぬと、こういうお考えですか。
#124
○政府委員(杉江清君) そのとおりでございます。
#125
○二木謙吾君 もし将来債券を発行するといたしまするというと、どのようにして発行をなさるお考えですか。
#126
○政府委員(杉江清君) これは債券発行の一般の例によるわけでありますが、ある銀行に引き受けてもらうという方法が一般にとられるわけです。たとえば日本勧業銀行に引き受けてもらう、日本勧業銀行は数社を誘いまして、そうして引き受けの一つの組織を作るわけなんです。普通シンジケート団と言っておりますが、そういった引き受けの組織を作りまして、この債券を引き受けるという形になります。
#127
○二木謙吾君 そうしますと、一般公募はやらない、こういうことですか。
#128
○政府委員(杉江清君) 一般公募もやる、形式は公募でやるわけなんですが、実際はこうした銀行引き受けの形をとるわけです。
#129
○二木謙吾君 その際はやはり政府の保証を求められるのか、政府の保証はとらないわけですか。
#130
○政府委員(杉江清君) 政府の保証が必要になって参ります。
#131
○二木謙吾君 政府の保証が必要になった場合には、政府の保証をとって発行される、こういうことなんですか。
#132
○政府委員(杉江清君) それには法律を改正いたしまして、政府保証をすることができるという規定を設けて、その上で債券を発行する。そういうことをいたしませんと、銀行なども引き受けをきらうわけなんです。実際上公募もむずかしくなる、銀行も引き受けない、こういうことになりますので、その際はぜひ法律を改正して、政府保証をする必要が生じて参ります。
#133
○二木謙吾君 三十八年度において債券を発行しないということであれば、今国会において、この改正法が成立せぬでもいいと思うのですが、どうですか、この点は。
#134
○政府委員(杉江清君) この債券発行能力を持つということが、資金運用部資金から資金を借り入れる条件になっておるわけでございます。それは資金運用部資金法にその明文があるわけなんです。だから、債券発行の計画は当分の間ないのでありますけれども、資金運用部資金からはどうしても借りなければならぬ。三十八年度は二十億円予定しているわけですが、それを借り入れるためには、この振興会が債券発行能力を待つことが必要である、そのための改正でございます。
#135
○二木謙吾君 財投二十億は、振興会は何分で借りられて、これを振興会は何分で学校に貸しつけられるということでございますか。
#136
○政府委員(杉江清君) 六分五厘で借りまして、そうして五分五厘で貸すことにいたしたいと考えております。
#137
○二木謙吾君 第三十九条の二の大蔵大臣との協議条項は、財投受け入れの必要条件でありますか。
#138
○政府委員(杉江清君) 立法論的に、この種の規定がなければこの財投資金を受け入れることはできないと思いますが、一般に財政投融資を受けるという場合には、すべてこのような事項について大蔵大臣と協議することになっております。で、それは資金運用については大蔵省が責任を持っているわけでございまして、そういうことからこの種のことについては大蔵大臣と協議することになっております。で、そういう現実の事態からは、これはやはり財投資金受け入れの前提と考えてよろしいと思います。
#139
○二木謙吾君 財投二十億は大学あるいは高等学校あるいは高等学校急増対策、どれに一番ウエートを置いておられますか。
#140
○政府委員(杉江清君) 三十八年度予算におきましては、先ほど申し上げましたように、高校生徒急増対策の施設費に最も多くの資金を投ずるということにいたしております。だから最大の重点が高校生徒急増対策に向けられておるということが言えると思いますが、しかし、その貸付の重点をどこに置くかはその年次によって異って参る。高校化徒急増対策のことは大体三十九年度でほぼ終るわけでありますから、その他に重点を移して参りたいと考えております。
#141
○二木謙吾君 そういたしますと、この改正法案がどうしても年度内に成立と、こういうことが非常に大事なわけでございますね。
#142
○政府委員(杉江清君) おっしゃるとおりでございます。高校生徒急増対策の事業は、これは早急に実施いたさなければならない性質のものであります。一方、資金運用部資金から借り入れるにつきましては、いろいろな手続が必要なわけなんです。たとえば資金計画、償還計画等を立てて、これを大蔵大臣に協議する、こういうふうな事務手続があるわけでありまして、どうしてもこの三月一ぱいに成立さしていただかないと、あとこの事務の処理に難渋を来たす。ひいて高等学校生徒急増対策の事業がおくれる、こういう事態になることを心配いたしております。
#143
○二木謙吾君 国立大学でありますが、あるいは東京にある国立大学とあるいは地方にある国立大学、まあ幾らか生徒一人に対して国費を使う差額はあるかもしれませんが、大体、国立大学生徒一人に対しましてどのくらいな国費を使っておるのですか。
#144
○政府委員(杉江清君) まず大学について見ますと、国立大学の国で措置いたしております全経費をその生徒数で割りますと、一人当たりの経費は二十万七千円になります。これに対しまして私立大学につきましては一人当たりの経費は九万七千円でございます。このように相当の開きを見ております。対等学校につきましてはその差はそれほどひどくはございません。県立高等学校につきましては一人当たり経費は四万二千円、私立学校については三万五千円でございます。これはおそらく私立学校につきましても両校生徒急増対策等のために相当の施設を整備しておる。こういった臨時費が相当多いといったようなことがこのような結果をもたらしているのではないかと思います。
#145
○二木謙吾君 今御説明がございました私立大学は九万七千円、これは助成がそうなっておるのじゃありませんね。私立大学の生徒一人に対して私立大学が払っている金がそれと、こういうことですか。
#146
○政府委員(杉江清君) 私立大学が投じております全経費をその生徒数で割った一人当たりの経費でございます。
#147
○二木謙吾君 そういたしますと、私立大学の生徒九万七千円、私立の高等学校は大体三万五千円かかる。それには幾分か国なり県なりの助成が入っていると、こういうことですか。
#148
○政府委員(杉江清君) そのとおりでございます。
#149
○二木謙吾君 私立大学の、概算でよろしゅうございますが、大体どのくらいおるようですか。
#150
○政府委員(杉江清君) 生徒数でございますか。
#151
○二木謙吾君 はあ。ついでに高等学校の生徒もお尋ねします。
#152
○政府委員(杉江清君) 大学について申し上げますと、短大を含めて申し上げましょう、大学については学生数は五十七万でございます。それから高等学校については学生数は九十四万、中学校、小学校、幼稚園はずっと少なくなって参ります。ただ幼稚園は私立のほうが相当多いので六十万でございます。
#153
○二木謙吾君 今年二月から三月にかけまして私立学校の高等学校でも大学でも、ことに高等学校でありますが、受験料が高い。あるいは入学料を二万も三万もとる。そのほかいろいろな父兄からの寄付金がある。一人の父兄が十五万も二十万も負担しなければならぬというようなことが新聞に出ておりますし、また一般社会からも非常な非難と申しまするか、いろいろな批評を受けているわけですね。しかし私立学校は、今お話がございましたように、大学においては九万七千円、また県立の高等学校においては三万五千円生徒当たりかけておる。この金がほとんど全部が父兄の負担になっておる、こういうことなんです。それから国立の大学においては二十万七千円も使っておる。また県立の高等学校においても四万二千円も使っておるが、その大部分というものは国費であり公共団体が支弁しておる。私立学校も公立学校と校舎においてもその施設においてもやはり非常な格段の差があってはいけない。それは教育能率にも影響いたしますから、やはりできるならば公立と変わらないところの校合の捕え、あるいは施設を備えにやならぬ。学校の先生にいたしましても、私立学校の先生はかすみを食うて生きてはおれぬのです。やはり生活をしていかにやならぬ。そういうことになりますると、勢いその金はどこから出るか、こういうことはやはり父兄がこれを負担をしておるわけです。そうすれば、やはり今非難のありましたような入学金というものも公立学校より高くなるし、また授業料というものも高くなるのでありますが、私が最もいろいろな面を総合いたしまして、私立学校で一番よけい金を食いますものは校舎を建てるということです。それから設備を整える、それに非常な多額の金がいるのだ、その多額の金の出場がない、であるから入学金を高くする、こういうことになる。先輩のおかげで私学振興会というものができまして、そうしてあの振興会を通じて校合の施設費あるいはまた経営費の一部であるとか、あるいはまた災害復旧費であるとか、あるいはまた高利債の書きかえとかいう金が流れていきますことが私学振興上非常に助かっておるわけです。しかし、その金がまことに僅少である。今前にお話がありましたとおりに、三十六年度は百四十三億の申し込みに対して三十億しかない。それから三十七年度は二百四十一億の申し込みに対して五十三億しかない。すなわち申し込みの四分の一か五分の一しかない、こういうことなんです。それで非常に困っているわけですけれども、私はやはり私学の生徒もこれは国民である、将来の日本を背負うて立つ優秀な青少年である、これにはやはり私学に対して何らかの形において助成をしてやると、こういうことが私は必要であると思う。また今施設をする上につきまして、振興会に金を流して、そして振興会から安い利子の金で校合を建てる。たとえばどうしても振興会からくる金が足りませんから、日歩三銭の利子を出して地方銀行から借りにゃならぬ。そういうことになりますというと、学校の経世にもそれが直接影響してくるわけでございます。政府におかれても、大学の生徒が五十七万おる、それから高等学校の生徒にしても九十四万もおる、これをみな国立で、国費でまかなえ、あるいは地方公共団体、県費でまかなえということになったら実に莫大な費用が要るわけです。国費にしても県費にしても要るわけでございますから、それでせめて私学振興会にもっとひとつ金を出していただく、そうして、もう少し安い利子の金でもって施設ができるということが私学が非常に仕合わせになることにもなりますし、また生徒父兄から高い入学金を取ったり、あるいは高い授業料を取らぬで済むようなことになると思うのでありますけれども、その点について、これは私学はただでいただくのではない、助成を受けるのじゃない。利子をつけてお払いをするのでありますから、ただその間のあっせんを文部省にしてもらって、今まで、今年度は十二億出ておりますが、あの十二億出ている金が三十億あるいは五十億と、こういうふうになると、非常に私学の経営について明るい面が出て、私学の動きが非常に見やすくなる。入学金も研く取らぬで済むようになる、授業料もふっかけんで済むようになる。一番経費を食いますことは、校舎なり施設をするということにたいへんな金を食いますから、そういう面につきまして私学振興の意味において、まあ財投も、ワクを拡げる意味において財投も私はふえたらいいと思うが、一般会計からひとつ私学振興に貸付をしてやらなければならぬ。これはただで出されるものじゃないのですから、利子を払うのですから、これは政府もあまり苦にはならぬと思いますが、その点どうですか。
#154
○政府委員(田中啓一君) 私学振興資金を増加していくことは今日の私学対策の急務だと存じております。したがって、年々文部省はこれに努力して参りました。本年は一般会計からの資金だけでは足りませんので、新しく財投から投資を受けるという新例も開きました。そこで、これはもう一般会計からの資金を財投でもってかえるという趣旨ではないのでありまして、ふやしたいところを財投にも持ち込んだということでございまして、両面、一般会計からの資金も、また財投からの投資も来年度予算編成に当たりましては最大の努力をいたして増加をいたしたいと考える次第でございます。
#155
○二木謙吾君 今、次官から私学振興に対して、一般会計からの繰り入れ、または財投からの資金を増していくという御答弁があって私も非常に喜んでおるのでありますが、どうか私学振興の意味をもちまして、ひとつ私学振興会へ政府資金を潤沢に流していただくことを要望いたしまして私の質問を終わります。
#156
○成瀬幡治君 私ちょっと聞き漏らしたかもしれませんが、資金計画ですね、いわゆる原資のほうの資金計画、三十八年度はどうなるのですか。
#157
○政府委員(杉江清君) まず借入金といたしましては一般会計から十二億、財政投融資から二十億、私学共済組合から十三億五千万、こういたしておりますが、そのほかに少しこまかくなりますけれども、全貌を申し上げますと、三十七年度末の預け金が十一億ございます。それから貸付回収金が十八億円ございます。それから事業収入、これは貸付金の利息とか、預け金の利息その他ございますが、これが七億五千万でございます。合わせまして七十二億九千万の資金があるわけでございます。これを各種の事業に分けるわけでありますが、貸付と助成等に充当するわけでございます。まあ助成その他事務費等も含まれますので、三十八年度の貸付総額は六十三億七千万円になる予定でございます。
 ちょっと数字を読み間違えましたので訂正いたまます。前期末預け金は一位一千万円でございます。先ほど十一億と申し上げたのは間違いでございます。
#158
○成瀬幡治君 今まで政府の出資総額は幾らですか。
#159
○政府委員(杉江清君) 三十七年度末で九十四億でございます。これに今年度――今年度といいましても三十八年度加わりますものが十二億でございます。そのほかに二十億の政府資金が入るわけでございます。十二億の一般会計からの出資と財政投融資から二十億がこれに加わって参ります。
#160
○成瀬幡治君 私の質問したいのは、無利子の金が幾ら今政府から出ておるかということです。
#161
○政府委員(杉江清君) 九十四億円、それに三十八年度十二億が加わるわけです。
#162
○成瀬幡治君 そうすると百六億。今度債券を発行されるわけですが、それはどれだけ予定しておるのですか。
#163
○政府委員(杉江清君) 先ほども申し上げましたとおり、債券を発行する計画は当分の間考えておりません。今回、債券発行能力を持たせることにいたしますのは、いわゆる資金運用部資金から借り入れるのには、債券発行能力を持っていることが必要だという規定が資金運用部資金法にあるわけです。そのために、このような改正をいたすわけでございます。
#164
○中山福藏君 関連してちょっとお尋ねしますが、その私学に費し付けた、その回収を今までどういう率に――回収は効果を発生しておるのですか、ちょっとその点承っておきたい、回収率ですね。
#165
○政府委員(杉江清君) これは先ほど申し上げました貸付対象によって多少違っておりますけれども、一般施設費につきましては、二年据置、五年償還、利率六分というものと、それから二年据置、十年償還、利率六分のものと二種類ございます。それから理工系学生増募と高校生急増対策の施設に対しましては、これは二年据置、十五年償還、利率五分五厘でございます。その他多少これと異なったものもございますけれども、大きいものは以上のとおりでございます。
#166
○中山福藏君 その回収ですね、できたのとできぬのとありますか、それをひとつ聞いておきたい。
#167
○政府委員(杉江清君) ほとんど計画どおりにいっております。
#168
○成瀬幡治君 そうしますと、今度、益金逆用締から二十億借りるわけですね。その借りるためには債券が発行ができるという、そういう法人でないと貸し付けないのだから、それでやるのであって、債券は将来とも発行はせないのだ、こういうことなんですか。
#169
○政府委員(杉江清君) 当分の間、債券発行のことは考えておりません。ただ将来において非常に膨大な資金が必要だとなります場合には、そういうことば全くないとは言えませんけれども、しかし、横歩を引火に発行するには、その専務手続もなかなか煩瑣なものがございますし、利率も高くなりますから、債券発行によって原資を得るということはなるべく避けていきたい。やはり一般会計からの出資と資金運用部資金を借り入れる、この二つを主にして考えていきたい、かように思っております。
#170
○成瀬幡治君 私学振興会の設立趣旨には、私学にいい先生を得るために共済組合等をしっかりして、たとえば義務制の問題もあれば、あるいは公立であるなら年金、恩給等の問題がある、片一方にはそういうものがない。だから給与等も大体一号俸ぐらい上でなければ、私学にはいい先生が集まらぬだろうというようなこともあって、私は私学振興会というものはその意味も一つの理由になって設立されたと記憶しております。先ほどお聞きしておりますと、このようなものに出ておる助成額は大体二億、来年度も大体これと同額のように予算を計上しておいでになるようですが、実態はどんなふうに把握しておられますか、普通の公立の学校の先生と私学の先生と待遇面における問題。
#171
○政府委員(杉江清君) 大半におきまして、国立大学、私立大学の教員給与を比較いたしますと、平均で国立大学の教員給与は四万八千円になっております、それに対して私立において四万六千円になっております。高等学校以降については、ただいま資料を持ち合わしておりません。
#172
○成瀬幡治君 僕が一瞬問題にするのは高等学校なんで、資料もひとつ調べていただきまして、もう少し助成のほうに力を入れてもらうということは、資料をひとつあなたのほうで調べていただいて、私は善処をしていただきたいと思う。
 次にお尋ねしたい点は、私学の中で大学に貸し付けられておる額が一番多いと聞いておるわけですが、今一番たくさん貸付残の残っておる学校を二つ三つおっしゃっていただけませんか。
#173
○政府委員(杉江清君) 貸付残といいますとどういうことでしょうか。
#174
○成瀬幡治君 回収ができなくて残っておるところ。
#175
○政府委員(杉江清君) ちょっとその状況は私学振興会で詳細に経理をいたしておりますので、私どもちょっとどうも今お答えできません。
#176
○成瀬幡治君 それでは私、資料として要求したいと思いますが、私が聞いておるのは、たとえば私学の六大学は何億という実は私学振興会から貸付を受けておるやに聞いておる、施設に対してそれが今十一億とか、年間ですからね。一般施設に対するところの貸付残は相当の額になっておると思いますが、少なくとも二、三億も持っておられたんじゃたまったものじゃないと思いますので、貸付残の一覧を出していただきたい。それは大学と高等学校に分けて、それから幼稚園に案外多いわけですが、それから高等学校は産業教育に関連した学校と普通高校と二つに分ける、そういうふうに分けていただいて、大学のうち、あるいは同等学校のうち、幼稚園のうち、高いほうのランクだな、残の多いところを二つ三つ校名をあげて、総額はどのくらいになっているという明細の一覧表をもらいたいと思います。
#177
○政府委員(杉江清君) 調査いたしてみます。
#178
○成瀬幡治君 話はまた戻るわけですけれども、僕ら実際の、そういう債券の発行の資格を備えておらなければ財投から金が出ないんだから、そこで法律改正をするというんですが、他にそうやっておるそういう法人組織がありますか。
#179
○政府委員(杉江清君) これはずいぶんたくさんあります。たとえば住宅公団、年金福祉事業団、雇用促進事業団、それから特定船舶整備公団、帝都高速度交通営団、愛知用水公団、道路公団、まあこういうふうにたくさんあります。
#180
○成瀬幡治君 わかりました。六分五厘で借りて、大体幾らで貸して――この中で六十三億七千万を三十八年度貸されるわけですが、幾ら私学振興会自身は純利益というとおかしいけれども、そういうものが出ることになるのですか。
#181
○政府委員(杉江清君) 資金運用部から借り入れますのは六分五厘で、それを貸すのは五分五厘にいたすのでありますが、この貸付金の利点は三十八年度においては七億四千ございます。財投につきましては、まあ五分五厘で貸すのですけれども、ただその原資については六分五厘の利息を払わなければなりませんから、その収益はせいぜい一般会計からの出資によるものに比べれば少なくなるわけでございますが、それらの差し引き計算をいたしましても、三十八年度においては七億四千の利息が入ることになります。
#182
○成瀬幡治君 財投二十億は六分五厘で政府から借りて、そして私学振興会は五分五厘で貸すわけでしょう。一分損するわけだね。だから財投の金をふやすということは、なるほど私学のほうは、借りるほうはいいけれども、私学振興会としてはつらいということです。だから純益といっちゃおかしいけれども、そこの利子の差額というものが大体いろいろなことをして穴埋めをしても七億四千万出る、七億四千万が人件費に回り、あるいは助成費に回っていくんですね。私が主張したいのは、先ほど要請したように、助成額をある程度ふやしていただかなければ、私学振興会法を作った趣旨に反するじゃないかということが言いたいわけですよ。財投の金をふやしていけば逆に減ってくるわけですから、だからこれをたとえば六分五厘じゃなくて六分になぜ交渉ができないのか。それはまあ大蔵省の貸しておる基準に合わないじゃないかという形になるかもしれぬけれども、何かそこらあたりに私は配慮がしてもらっていいような気がするんですが、どうなんですかな、それは。
#183
○政府委員(杉江清君) それはやはり資金運用部資金の金は一般の例にならわなければならないわけでございまして、まあここに逆ざやになりますけれども、しかしやはり五分五厘で貸しますから、やはりその利息は入る。振興会自体としては政府資金がそれだけ入ったことと比べれば、収益は多少少なくなりますけれども、しかし全体としての貸付総額はふえますし、そうしてその利子の差というものはごくわずかな金なんです。その反面、振興会の立場にいたしましても、五分五厘の利息が入ってくるわけなんです。だからわずか一分を損するということなんですけれども、そのかわり貸付金総額をふやすことができるのですから、振興会の当面の財政困難を救うのには資金をふやすということが最大の要件ですから、その要請に、まあ一般会計と財政投融資と両方の原資をもってこたえるということが、今の施策としては適当だと考えております。
#184
○成瀬幡治君 僕も古い話だからしっかり記憶はありませんけれども、大体出資金が七、八十億、九十億ですか、ちょっと記憶ないのだけれども、そのくらいあれば、出資金で。そうして五分五厘で貸していけばそこに幅が出てくる。だから政府出資をもらわなくても大体いろいろなことがやっていけるであろうといろ、私は最初の法律案ができたときの計画のように聞いておった。ところが出資金が年々ふえて参りまして、百億、貨幣価値の問題があるから、そこまできてもまだ足らぬと、しかし問題は先ほど指摘しておるように助成の額が多くなければならぬわけです。財投が多くなれば多くなるほど助成金は減っていくということなんです。一分ということは六百億も借りておるなら六億になるのですからね。そんなに借りておったら損しちゃうのですよ。商売にならぬということ、財投が多くなっても私学振興会それ自身は助からぬということです。しかし一般の私学は助かるということはわかるのですから、五分五厘で借りるのですから非常にありがたいわけですから、そこら辺のところはわかりますが、そこら辺のそれぞれの利子補給なり何なりは、何とか一般会計のほうで穴埋めするとか、何とか一般の出資金が多くなるように努力をしないと、あとが大へんになるのじゃないかということを私は指摘したいのですよ。
#185
○政府委員(田中啓一君) ただいまの御意見はごもっともなところがあるわけでございまして、助成事業も大いにやりたいということは当然のことだと私も思っております。またこれは発足当時からそういうようなことを計画されておったものと思います。一方また何でもかでも低利資金の需要というのが非常に窮迫をしておる、こういうことで今回二十億財政投融資の金を入れて、結局、振興会の事業としては一分損してもやるということになる。そこで、この両面のことをやはり勘案しつつ、一般会計からの繰り入れと、財政投融資からの借り入れというものを進めていかなければなるまい、でありますから、今ここでもう財政投融資の金はこれで終わりにして、あとは一般会計だけでいきますとかいうことはちょっと申し上げかねるので、両方の要求があるわけでありますから、それを合わせ勘案しつつ進めていきたい、両方とも進めていきたい、かように考えておる次第でございます。
#186
○成瀬幡治君 実際僕もどうも記憶があまりはっきりしていないので、あの当時はたしか東京都公債とか、そういうようなものを買えば、大体九分ちょっとに回るわけなんですよ。ですから、そこらあたりのお金で片一方は五分五厘で貸しているから、それで五分五厘で借りて、九分の公債を買ったり何かして、そこで金を生み出して、そうして助成やあるいは貸付などをやっていくのだという格好が大体私学振興会の運営方式であるやに伺っておったんですがね。いろいろな関係上、私は内応が当初の計画から変わってきたことはやむを得ないことだと思います。
 そこで、委員長にお願いなんですが、今度の審議のとき私学振興会のお方に来てもらって、実情を、たとえば商利債等の問題の実情なんというのは、これはどんなふうに基準を設けられておるかというようなことを、ちょっと管理局長のほうでは無理かもしれないから、一応、私学振興会の方をだれか来ていただきまして、そしてそれに関連して文部省のほうに御質問も進めていくというふうにおはかりいただければ非常に幸いだと思います。私の質問はきょうはこれで終わるという形にしておきたいと思います。
#187
○委員長(北畠教真君) 成瀬委員の御意見ごもっともでございますので、次回には私学振興会の役員を招致しまして審議を進めたいと思います。
#188
○政府委員(杉江清君) 一言補足説明をさしていただきますが、ただいま御質問の中に含まれました高利債を買うとかいうことは、私学共済組合の資金運用の問題ではございませんか。
#189
○成瀬幡治君 そうかもしれません。
#190
○政府委員(杉江清君) そのほうでは相当有利な公債等を買って運用すると、こういう問題があるわけなんですが振興会のほうはそれとちょっと違います。そこで、まあ今御心配の、こういった財政投融資から資金を受けると、それが逆ざやになって利息が少なくなると、そのことが助成金を減らしたり、それからまた振興会の事務費を圧迫したりするおそれはないか、こういう御心配ですが、それに対しては、先ほど申し上げましたように、事業収入が七億五千万もあるのである。事務費はこれはせいぜい数千万円のものでございます。三十八年度計画においてもこれは三千万でございます。それから助成は、今申し上げましたように、三十七年度は二億三千万でありましたのを三億六千万にふやす、こういう計画をいたしましてもなお余裕があるわけです。この余裕をどうしておるかといいますと、これは再び貸付資金に充当しているわけです。だから、その貸付資金に充当するということは貸付総額をふやすということであって、そのことは、財政投融資二十億を受け入れればそれだけ貸付金額はぐっとふえるわけなんですから、その利息を再び貸付金に回すことよりも、はるかに大きな金額を貸付金の原資にするということになって非常に大きな意味を持ってくるわけなんです。だから現実にそういった専務費を、経費を圧迫したり、助成を圧迫したりするということは、この資金が、まあ先ほどのお話のように、七、八百億も財政投融資から受けるということになれば、そういう心配も現実問題にありますけれども、二十億、三十億、それから百億、二百億見当の融資を受けた程度では、そういった御心配のようなことは起こって参らないのです。そういう意味におきまして、まあ御心配の点は将来の問題として考える必要はありますけれども、当面のところその心配はないということを申し上げておきたいと思います。
#191
○成瀬幡治君 議論するわけにはいかぬと思いますけれども、あなたのそういう意見なら、私は財投の金はどんなことがあっても逆ざやですから、逆ざやの商売なんということはあり得ないわけですよ。それは施すことなんだ、それで利潤が上がったり、それがためによくなるということは、私学振興会自身にはないということ、しかし今言ったように、貸付を受けるほうは非常にありがたい、その点は私どもも認めるわけですよ。私学振興会の会計自身は何といっても圧迫を受ける、それを圧迫受けません、有利になるということはあり得ない。貸付材料が多くなって、五分五厘で貸しても六分五厘で借りておるのですから、そういうことは、絶対にあなたがありませんと言おうと、それは事務費やいろいろなものを圧迫するということは事実です。それをどうやってごまかそうとしたってだめです。
#192
○政府委員(田中啓一君) 計算をいたしますと、まさに成瀬さんのおっしゃるとおりであります。二十億財政投融資の資金を入れれば、その利子約二千万円損をする、これは明らかなことです。ただ、このくらいの程度では助成計画のほうに支障を来たすほどのことにはなりませんのでやっております、もう少し、まだ当分続けてもいいと思いますということを申し上げたと思うのであります。だから、私は両方勘案して進めていかなければならない、このつもりで説明した次第であります。
#193
○二木謙吾君 今、成瀬さんがおっしゃられるとおり、同じ二十億の金を出すには、一般会計から出したほうがそれだけ私学振興会もし仕合せ、学校も仕合わせなわけですよ。だからできるだけ、どうしても足りなければ財投もふやしてもらわなければいかぬが、金が、今の一般会計から出れば一般会計のほうがいいわけです。
#194
○委員長(北畠教真君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#195
○委員長(北畠教真君) 速記を起こして。
 本法案に対する本日の質疑は、この程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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