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1962/03/28 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 文教委員会 第14号
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1962/03/28 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 文教委員会 第14号

#1
第043回国会 文教委員会 第14号
昭和三十八年三月二十八日(木曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
三月二十七日
  辞任      補欠選任
   近藤 鶴代君  青柳 秀夫君
三月二十八日
  辞任      補欠選任
   辻  武寿君  浅井  亨君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     北畠 教真君
   理事
           二木 謙吾君
           吉江 勝保君
           豊瀬 禎一君
   委員
           木村篤太郎君
           久保 勘一君
           笹森 順造君
           斎藤  昇君
           野本 品吉君
           森田 タマ君
           米田  勲君
           辻  武寿君
           浅井  亨君
           高山 恒雄君
   発  議  者 豊瀬 禎一君
   発  議  者 米田  勲君
  国務大臣
   文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
  政府委員
   文部政務次官  田中 啓一君
   文部大臣官房長 蒲生 芳郎君
   文部省初等中等
   教育局長    福田  繁君
   文部省大学学術
   局長      小林 行雄君
   文部省体育局長 前田 充明君
   文部省管理局長 杉江  清君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○学校図書館法の一部を改正する法律
 案(豊瀬禎一君外四名発議)
○日本学校給食会法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国立学校設置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○私立学校振興会法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
 委員の変更について御報告いたします。昨二十七日、近藤鶴代君が辞任され、その補欠として青柳秀夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(北畠教真君) 本日の委員長理事打合会について御報告いたします。
 本日の委員会は、まず、学校図書館法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を聴取した後、日本学校給食会法の一部を改正する法律案、国立学校設置法の一部を改正する法律案及び私立学校振興会法の一部を改正する法律案の審議を行なうことに決定いたしました。なお、本日の適当の機会に再び理事会を開き、法案の取り扱い等を協議することにいたしました。
 以上御報告いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(北畠教真君) それでは、学校図書館法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。豊瀬君。
#5
○豊瀬禎一君 ただいま議題となりました学校図書館法の一部を改正する法律案について、提案の理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 学校図書館は、今日の日本の教育をささえ、推し進めるために重要な使命をになっているものでありますが、これが健全な発達を期して法律が制定されてから早くも十年になります。この間、関係者のなみなみならぬ努力によって逐年その充実がはかられて参りましたが、現実にはまだ解決すべき問題が多々あるのであります。申すまでもなく、学校図書館は、学校図書館法第一条に明記されているとおり、学校教育に欠くことのできない基礎的設備であります。すなわち学校図書館は、第一には、教材資料センターとして、第二には、読書活動の基地としての役目を持つことにより、将来の日本を背負う青少年の人格形成と、さらには、科学技術の進歩に伴う高度複雑な人間社会に適応する能力を彼らに与えることを目標としておるのであります。したがって、これが設備と機能の一そうの充実は、わが国社会の進展の上から喫緊の要事と申さなければなりません。しかしながら、現状は、先にも申し上げたとおり多々問題がありますが、わけても大きな障害は、その運営維持に当たる人の配置に隘路があり、一部の関係者の熱意や努力だけでは十分な機能が発揮できない状態になっていることであります。このままでは、せっかく年間約六十億円の巨費を投じてきた学校図書館も全く画餅にひとしい存在で、その高邁な理想もかけ声だけに終わる懸念が感じられるのであります。現行の学校図書館法には、高等学校以下のすべての学校には、学校図書館を置き、専門的な司書教諭を置かなければならないとされております。ただし、附則において司書教諭の必置制を当分の間延期しておりますが、これは法制定当時において、その養成が緊急には間に合わないところからやむを得ずとられた措置であり、当時の提案者は、この「当分の間」を一応十年間ぐらいと説明されております。では、その十年目を迎えた今日、司書教諭の配置状況はどうかと申しますに、有資格者は約二万二千名に達しているにかかわらず、専任の司書教諭として発令されているものは、わずかに百八十六名というありさまで、百四十名の東京都のほかは、愛知、高知、徳島の三県にそれぞれ十名前後の例を見るのみであります。この数字は、全国の小・中・高等学校の九〇%以上に当たる約四万の学校図書館から見ればまさに九牛の一毛にひとしいものであります。したがって、事実上学校図書館の維持運営に当たっている人々は、第一には、学校図書館主任等の名で呼ばれている一般教科担当の教員であり、第二には、学校司書その他各種の名称で呼ばれている学校図書館事務従事者であります。これでは満足な運営を期すべくもありません。そこで、第一には、専任の司書教諭を相当数増員すること、第二には、学校図書館事務従事者に法的根拠を与え、その職務、身分を明らかにし、もって待遇等を安定化するとともに、一定規模以上の学校には、これらの職員の設置を義務づけることが急務と信ずるのであります。特に公立学校の学校図書館事務従事者は現在九千名に上っておりますが、その七〇%はPTA負担に依存している現状で、それらの人々の賃金は安く、何の社会保障もないというありさまで、地方財政法第二十七条の三の規定に照らしても、早急に、地方公務員として採用されるとともに、その身分、待遇の確立がはかられねばなりません。以上の措置が、学校図書館の機能充実のために当面ぜひとも必要であると考え、本法律案を提出した次第であります。
 本法律案の内容といたしましては、第一には、学校図書館の維持運営に当たる人的要素を特に重視して「第二章 学校図書館の専門的職員」の章を新たに起こし、従来からの司書教諭制度のほかに、司書教諭の職務を助けるものとしての学校司書の制度並びに学校司書の職務を助けるものとしての学校司書補の制度を新しく設け、それぞれの資格を定めるとともに、司書教諭を義務設置とすること、また、政令で定める一定以上の学校規模及び学校図書館規模を有する学校には、その区分に応じて、それぞれ専任の司書教諭、学校司書、学校司書補等を置くべきことを規定いたしました。したがって、今後は、政令で定める規模の別によって、兼任の司書教諭のみを置く学校、次には専任の司書教諭を置く学校、その次には専任の司書教諭と学校司書を置く学校、さらには専任の司書教諭と学校司書のほかに学校司書補をも置く学校という区分けが、標準的には予想されるわけであります。しかして、この政令にゆだねている学校規模並びに学校図書館規模(図書の冊数)の区分については、生徒児童数、学級数の増減、図書の冊数の増加の度合い等、動態的要素を多分に含んでいるために、慎重な取り扱いを希望するものでありますが、現段階においては、文部省が「学校図書館運営の手引」において示しております学校図書館基準の生徒児童数四百五十人以上の学校には専任の司書教諭一名を置き、九百人未満の学校には学校司書一名を、さらに千八百人未満の学校には学校司書または学校司書補二名を、千八百人以上の学校には三人を置くという線が一応の目安かと考えるものであります。
 第二は、司書教諭の資格付与に関してであります。現行法は、文部大臣の委嘱を受けて行なう大学において、司書教諭の講習を受け、それを修了した者に資格が与えられることとなっておりますが、本案では、この講習のほかに、直接、文部大臣の認める大学において前述の講習相当の単位を修得した者については資格を付与されることといたしました。このことは、実は今日でも事実上行われていることで、五十以上の各大学において、講習相当の単位を修得した者は、文部大臣が講習を委嘱した大学を通じて資格を付与される仕組みになっているのであります。それゆえ、かような煩瑣な手続を省くとともに、大学における学生たちにさらに意慾的に単位を修得せしめ、司書教諭資格者の養成確保に万全を期することを目ざしたのであります。
 第三には、従来の司書教諭設置義務の延期を規定した附則を削除するとともに、新たに附則において、本法の施行期日を、準備等の都合上、公布の日から三カ月以内の政令で定める日といたしました。また同じく附則二項以下において、経過規定を設け、一、従前の司書教諭有資格者は新法上の有資格者とみなすこと、二、本法施行の際、現にPTA雇用等の形で事実上学校図書館事務に従事している者は、法施行後五年間は、新法にいう学校司書、学校司書補となる資格を有するものとすること、三、本法施行の際、現に学校図書館事務に従事している新法の学校司書または学校司書補相当職員は、別に辞令を発せられない限り、それぞれ新法の学校司書または学校司書補となったものとすること、四、この法律施行前における学校図書館事務従事期間並びにこの法律施行後における学校司書とみなされて勤務した期間等は、新法上の学校司書講習受講の際、新法上の学校司書補として勤務したものとみなし、経験年数に算入する、五、司書教諭の設置義務の規定については昭和四十年三月三十一日まで、学校司書、学校司書補等の設置義務規定については昭和四十二年三月三十一日まで、政令の定めるところにより一部を適用しないことができるとして、具体的には学校規模及び学校図書館規模の大きな学校から順次整備充実してゆくことを企図しております。したがいまして、この猶余期間は非常に重要であり、政府はこの間において公立小中学校の教諭の余剰人員を専任の司書教諭に振りかえてゆくよう都道府県とともに努力するとともに、地方財政法の趣旨にのっとり、地方交付税法上の措置の手直しを行なってまずPTA雇用の該当者を市町村支弁の学校司書、学校司書補に任用すること、またさらには、所要の学校司書・学校司書補を順次増員してゆくことの努力を重ね、本法が円滑に実施されることを期待するものであります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(北畠教真君) 以上で本案についての提案理由説明聴取を終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(北畠教真君) 次に、日本学校給食会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑を行ないます。御質疑のおありの方は御発言願います。
#8
○豊瀬禎一君 昨日審議の際に、担当局長のほうに、諸外国における給食実施の状況並びに特に無償化をたどっておる例の調査を依頼しておりましたが、できておりましたならば説明願いたいと思います。
#9
○政府委員(前田充明君) 外国の調査につきましては、昨日一応お答えいたしましたのでございますが、なお詳しいことについての調査につきましては、実は現在私のほうで調査表を各国へ出しまして、その回答を得つつある時期でございまして、まだ最終的な結論が出ておりませんので、明確にお答えをするまでには至っておりませんのでございますが、従来調査いたしましたものにつきましては、無償はアイルランド、それから原則的に無償といたしましておるのがスエーデンそれからエジプト、それからデンマークにおきましては全体の五一%程度が無償給食を行なわれております。
#10
○豊瀬禎一君 諸外国に照会して調査中というのは、本改正案を提案すべく準備されたときに調査を着手されたのですか、それとも本委員会あるいは他院の委員会等の質疑を通じて、必要性を感じて調査に移られたのですか、
#11
○政府委員(前田充明君) 昨年の夏あたりであったと思います。したがって、本法案を提出しようということになりますさらに以前でございました。
#12
○豊瀬禎一君 昨年の夏から調査を依頼し、大体主要諸国には大公使等の外交機関があるにもかかわらず、今日までわずか数国だけしか調査がないというのはどういう事情によるものですか。
#13
○政府委員(前田充明君) すでに数年前から何回もやりまして、また最近においてもちょいちょいやっておりましたのですが、もうなかなか向こうから実は返事がこないのでございまして、それで最後に私考えましたのは、ユネスコの本部へまた頼みまして、また個人的にも知り合いがございますものですから、そういう関係でやっと実は回答が来だしておる状況でございまして、外国調査につきまして、はなはだ遺憾なことでございますが、調査をいたすのに相当時間がかかるのが今までの実情でございます。
#14
○豊瀬禎一君 私どもが調査をしている少なくとも諸外国の例については、もっとたくさんの資料がもっと短時日に集まるし、図書館の立法考査局にも、あなたが説明された以上の資料が、全国のPTA諸団体に昨年配付された資料についても、二十数カ国の例が詳細に載っておりますが、それは全く文部省としては信用しないという態度をとっておられるわけですか。
#15
○政府委員(前田充明君) 信用しないという態度をとっておるわけではございません。
#16
○豊瀬禎一君 立法考査局あるいは国会図書館という中の資料のあるものについての調査が手元にありますか。
#17
○政府委員(前田充明君) 学校給食課でとっておりますが、七、八年の古いのはあるそうでございますが、新しいのはございません。
#18
○豊瀬禎一君 七、八年前の資料でも、あなたが説明したよりももっと詳しいものがありゃせぬですか。局長がそういう資料を見ていないから、先ほどのようなアイルランド、スエーデン、デンマークというごく少数の国しか例示できないのじゃないですか。
#19
○政府委員(前田充明君) 私どもの調査は、昨年、給食制度調査会をやりましたときに調査いたしたものでございまして、そのうちおもな国を拾い上げた資料によったものであります。
#20
○豊瀬禎一君 大臣にお尋ねしますが、昨年の八月ごろから国交途絶の諸外国ならいざ知らず、海外公館を持っておる諸国に対して文部省が正式に調査を依頼して、今日までわずかアイルランド、スエーデン、エジプト、デンマーク、この例しか集まらないというのは、若干、当局として、何といいますか、遺憾なことではないでしょうか。
#21
○政府委員(前田充明君) 今私が申し上げたのは無償給食の傾向があるのではないか、したがって、その無償給食というのはどういうふうかという、こういうことで私お答えしたのでございます。
#22
○豊瀬禎一君 そのとおりに理解しておるから大臣に聞いておるのです。
#23
○国務大臣(荒木萬壽夫君) あまりほめた姿じゃないように思います。頼み方が悪いのか、頼まれたほうが怠慢なのか、その辺までむろんわかりませんけれども、通常、常識的に考え得る期間内にそのくらいのことはわかってしかるべきものと思います。今後、もっとてきぱきやるように努力したいと思います。
#24
○豊瀬禎一君 ぜひそうしていただきたいと思います。別に怠慢であるとか、頼み方が悪いとか、そういう誹謗はいたしませんが、私の手元にある資料では、オーストリア、ボリビア、スエーデン、デンマーク、ベルギー、クエート、アメリカ、中華民国、コスタリカ、エクアドル、西ドイツ、ホンジュラス、ポルトガル、ペルー、ニュージーランド、ノルウェー、 パラグァイ、スイス、英領ガンビア、カリブ海諸国、イスラエル、パキスタン、セイロン、スペイン、大体これらについては、ミルク、パンその他スープとか、あるいは日本でやっておるような脱脂粉乳的なものとか、いろいろそれぞれその国の独自な形において強壮剤を与えてみたり、肝油を飲ませてみたり、形態は違いますけれども、昨年の七月ごろ出された資料の中には、それぞれの諸国の傾向、現在どうしておるかということだけでなくて、過去にどうであり、現在、無償化がどう進められておるかということが調査されておるのが全国のPTAの資料にも配られておるから、文部省もそれをお持ちのはずだと思って聞いたのですが、そういう資料がどれだけ確実かは私も責任は負いかねますけれども、少なくとも私がきのう大臣並びに局長に聞いたように、学校給食というものは、きのうも指摘しましたように、憲法二十五条、二十六条並びに教育基本法及び児童福祉法にも、国は父兄とともに児童の心身の健全な発達に対して責任を負わなければならない、この角度から社会福祉国家を目ざしておる以上は、問題を学校教育という時点にしぼっても、給食の完全実施無償化の方向というのは、一つには、国が児童の心身の健全な発達に対して責任を負うという課題からも、一つには、義務教育の無償の原則からしても、昨日、大臣の答弁のように、単に授業料をとらないということだけでなく、教科書あるいは教材、学用品、諸外国においては衣服も支給しているところもありますし、特にそれらの品物の中で、私は給食というのは、日本のような割りとまだ貧富の懸隔が残っていを国においては重要な課題であると考えているわけです。その証拠には、インドとか、その他の諸外国においても――諸外国といいますのは貧富の差の非常に激しいところについては、国の財政規模というか、あるいは国力というか、それが池田総理の言うように三大国の一つに日本がなっておるかどうか知りませんが、日本よりも一応まだ後進国と見なされている、あるいは国力がまだ日本ほど経済成長の度合いなり経済力が伸びていない国々においても、国の将来の発展を考えた際に、青少年の心身の健全な発達という角度から、何とかして強壮剤あるいは給食に近い、少なくともその方向を目ざした努力が行なわれて、これが無償化の傾向をたどっていることはこれまた何人も肯定するところです。で、文部省の体育局が逐年給食の実施状況、特に無償化なりその内容、方法等について諸外国の動向を、少なくとも予算要求をする際には整備をして、たとえばエクアドルについては朝食給食まで支給しているところがあるとか、あるいはコスタリカについてはミルクの配当が、もちろんPTAも若干の負担を行なっているが、行なわれているとか、そうした諸外国の傾向を、完全というか、ある程度把握した上に完全給食の方向に努力し、給食無償化の方向に努力すべきではなかろうか、このような考え方を私は持っているのです。本法で脱脂ミルクを全国的にやる、これも決して恐いことではなく、歓迎さるべき一つの前進した措置だと思うのですが、たびたび私が本委員会で指摘しますように、ただアメリカが、ここ二、三年の間に脱脂ミルクがかなりアメリカに余剰になってきた、だから日本はまだ給食が十分実施されていないからこれを買いなさい、それはありがたいという形で、一つのアメリカの余剰物資のはけ口的な方向でこれが実施されるということでなくして、少なくとも義務教育の無償化に努力したいと池田総理の考え方に対して、文部省が積極的に努力する意図があるとすれば、少なくとも一応の大まかな展望のもとに諸外国の例を把握し、日本の給食の完全実施、さらには義務教育無償化、あるいは高等学校までどう適用するか、夜間の定時制に通っておる、工場に出るときに二個の弁当を持って行って、真冬でも冷えた弁当を学校で食べているような勤労青少年に対しては、いつごろまでにこれを実施していきたいと、こういった構想を持つべきだと思うのです。一応私の見解を述べましたが、大臣にお尋ねしたいのは、給食の完全実施、さらに進んで無償化についてもあるいはその第一段階として国の補助率の引き上げ、補助ワクの拡充について努力される意向があるのかどうか、見解をお聞きしたいと思います。
#25
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 努力する意向はもちろんあります。すでに御案内のとおり、一昨年、学校給食制度調査会を設けまして、小、中学校それぞれ五年、十年の年次計画を定めて完全給食の方向づけをすべきであるという答申も得ておりまして、そういう方向に向かって努力する考えでおるわけであります。
#26
○豊瀬禎一君 あの答申案については、文部省としては具体的に実施計画の検討の段階に入っておりますか。
#27
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 検討の段階に入っております。ただ問題は、相当基本的な問題も含んでおりまして、たとえば今大体の方向はパン食の方向をたどっておりますが、答申にもありますように、米を食べるということもあわせ考えるべきであるという答申内容もございます。このことは必然的に日本の農業政策と申しましょうか、食糧政策の今後のあり方、見通し、そういうことがまずもって確立されることにも関連を持ってくるわけであります。日本の農業をどう持っていくか、さらには現在給食会が輸入物資を中心に共同購入をいたしまして、一括購入をいたしまして、都道府県段階にこれを売り渡し、都道府県の給食会が各市町村の現地にこれを配給し売り渡すという物資配給面だけはどうやらルートがございますけれども、完全給食をやるとならば、農村地帯あるいは市街地で現実の生活様式、態様が異なっておることは当然でございますので、そのことの前提に立ってどんなふうに具体的にやっていくか、給食を実施しますのに学校の先生方、それにはむろん調理士やら栄養士等を配置するといたしましても、学校ごとの責任においてすべてをやるべきかいなか、市町村、自治体みずからが共同購入をし、もしくは共同作業場を持ち、そうして一括処理することが能率的であり、経済的であり、衛生的であることも考えられないことはない。さようなことから、すべて現実の具体的な仕事量なり、経済条件をことごとく究明し尽くしました上に立って、これを完全実施することになれば概算経費が幾ら要る、それを一挙に無償にするか、段階的にいくかというような基本的な事柄に取っ組むにつきましては、もっと正確なる資料を集め、計画を密にして、年次計画を定める必要があるわけでございます。そういうもろもろの課題の調査に今着手しておる状態であります。具体的に年次計画の一々の内容をお示しするにはむろん至っておりません。今申しましたような諸課題と取っ組みながら、現実性のある年次計画を定めたいものだ、かように思って努力中でございます。
#28
○豊瀬禎一君 詳細な年次計画を今示してもらうということも若干無理なことだと思います。大体の意欲についてはよくわかったのですが、たとえば教科書については、池田総理の答弁によりますと、四、五年間で義務教育諸学校については無償制度をやりたい、こういう見解を披瀝しておるようです。学校給食の完全実施、さらには無償化は、あなたの大まかな構想といってもよければ、文部省のそれに対する構想がないとすれば、現在の状況の中で教科用図書無償の政策が実施されて後に給食問題に抜本的に着手したいと考えておられるのか、それともある程度並行的に進めていきながら、教科用図書の無償化が終った数年おくれた後、少くとも十年間程度のうちには完全実施、無償化の制度が確立するように努力していきたいという決意は持っておられるのかどうか。
#29
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっき申し上げましたように、小学校五年、中学校五年をめどに実施したいものだという意欲は持っております。ただ、現実問題といたしますと、それは相当程度ずれることはやむを得ないのであろう、あきらめているわけではありませんが、今御指摘のように、教科書の無償実施に相当まとまった国費を必要といたします。年々の財政規模が向上していくにいたしましても、おのずからこれも限度がございます。したがって、教科書無償のまず完全実施を、総理の申しましたような年次内に完成する、その直後に続いて学校給食が前進できるような見当になろうかと思います。それにしましても、おそらく数百億、一千億になんなんとする経費を必要とするかと思いますが、したがって、これが実施も部分的な積み重ね方式で推進しながら、並行的に、さっきお答え申した具体性を持った、現地の仕事量も念頭に置いた年次計画の見通しを立てながら、積み重ね方式で、その後に続く何年かをもって完成に近づけていきたい、こういう形になろうかと思いますが、それはそういうことをお答え申してそのままにしようという意図ではむろんございません。率直に申し上げまして、以上のようなことになるだろうと考えるわけであります。
#30
○豊瀬禎一君 まあ、大体の決意はわかりましたが、教科用図書あるいは学用品、就学旅行費、PTA負担、教材費、給食、いろいろ義務教育無償の精神を完全に実施するためには膨大な経費とまた異常な熱意が要ると思いますが、特に私は、理屈を申し上げるまでもなく、現在の日本の国民の所得の格差の激しい地帯においては、給食を完全に実施していくというまず第一段階の措置、それがやがては第二段階としては無償化されていくということは、きわめて重要な課題であると思います。もっと大臣のこの問題に対する理解と努力を要望しておきたいと思います。
 次に、大臣はあるいは御承知ないかと思いますが、中学校において、これは法令上は問題がありますが、現に昼間、学校に就学しないで、夜間、学校にきている生徒が全国で幾つかあります。私も昭和三十年から三十二年まで福岡市の中学校において夜間中学生を担当したことがあります。大体適齢をほとんど過ぎている、年長者になると二十近い者もおりますが、先ほど定時制の場合にも触れましたように、夏分は若干いいと思う。冬、暖房設備のない校舎に六時過ぎごろからやってきて、かじかんだ手で冷え切った弁当を食べているのですが、市に私自身話をしてみましたが、市独自ではこれらの人々に給食を実施するに至らなかったのでありますが、昼間に学校に行けなかった人を昼間に行かせるということが第一段階の措置であるし、それが完全に実施されることが望ましいのですが、現在においても、全国数校こういったところがあるのですが、こういう生徒並びに先ほど指摘しました高校の定時制等についても、できるだけ早い時期に、補助をしながら夜間給食を行なうという点について大臣はどういう見解を持っておられますか。
#31
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 夜間の定時制高校につきましての、給食とは申せませんが、ミルクなりパンなり程度の軽い食事を、夜食を与えるということは全面的にはまだ参りませんけれども、実施し始めておることは御案内のごとくであります。この線に完全に充実するように努力をしたいと思います。夜間中学の問題は、すでに豊瀬さんみずから触れられましたように、やみの中学でございますから、これを絶滅するということに全力を注ぐべきだ、しかし誤ってでも現にあるから、それに対して夜食その他をやったらどうかという御意向のようですが、それはやるべきでないと思います。これこそは憲法二十五条の線に立って、国全体として当たって、根本的にそういうことのないようにすることを急ぐということでやるべきであろうと思います。
#32
○豊瀬禎一君 久し振りで明快な理論を聞きましたが、初中局で全国の夜間中学をどの程度に把握し、今、大臣答弁のようにどういう措置でこれを解消しようと努力しているか、担当者から答弁願います。――来ておりませんか。それじゃ後ほどでいいです。
 次に、基本的な問題は済みましたので、若干、本法案の内容について触れていきたいと思います。
#33
○高山恒雄君 ちょっと関連質問。給食設備の問題ですが、前回私が質問したときに、大体中学校で六五%ぐらいだ、小学校で一五%ぐらいだという説明があったと思いますが、この小学校の給食設備がないということから、今度の予算に盛られたこの給食ミルクを給食として完全実施しようという構想ですがね。これは完全にできるかどうかですね。見解をちょっと聞かしていただきたい。
#34
○政府委員(前田充明君) ただいまお話のございましたのは、中学校と小学校が逆なわけでございまして、小学校のほうはすでに相当やっておりますが、中学校のほうが非常に少ないわけでございまして、ミルクがいく学校は、ミルクだけの給食ということが非常に多いわけでございます。その学校に実施させるために本年のミルク給食の予算総額が四十億でございまして、そのうち三十四億がミルクの供給費でございます。残りの六億がその設備費でございます。建物を新しく建てて、そしてやるということについては、これはなかなか急速に間に合わないんじゃないかと思います。一応設備の費用をやる、そういう考え方を持っております。なおそれでもなかなかそう簡単にいかない、学校によってはいろんな問題もございますので、そういう点のいかない学校については、あるいはむしろ外の、何と申しますか、牛乳を還元する仕事を外の業者に頼みまして、そして一括して外で還元牛乳にしまして、そして学校へ持ち込んでやるというようなことについて、これも検討中でございますが、ただいま検討いたしておりまして、できるだけスムーズにいくようなことを考えたいと思っております。
#35
○高山恒雄君 それから準要保護の児童生徒に対するミルクの給食ですね。これは実施されることになってないと思うのですが、この点どうお考えですか。
#36
○政府委員(前田充明君) その点は、予算の積算の中にはお話のとおり入っておりませんが、四月からこれを現在の準要保護の経費の中から実行いたしまして、どうしても足りないというような問題が起きた場合には、これについては適当な措置を講じて、ともかく実施するという方向で進みたいと思っております。
#37
○高山恒雄君 これは大臣にお聞きしたいのですが、完全給食が非常に進んでおる地域と、経済的に、やろうと思ってもやれない地域の格差が大へん出ていますが、むしろ経済面でそのやれない地域こそ重要視して力を入れて予算面も見てやるべきじゃないかと、こういうふうに考えるのですが、その点を、単にやってないところは地方に依存していくという形で、特別の処置をどうしてとらなかったのか、この点ひとつ大臣にお聞きしたいのですが。
#38
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。正直のところ実施しておりませんところは、地域的な事情、あるいは経済的な条件もございましょうけれども、希望しないところが大部分でございます。どうやら間に合っておる、学校給食それ自体についての教育的な価値判断が必ずしもPRが足りていない、いろんな理由がございましょうけれども、希望してないところがあるわけでございます。そこで、何らの準備もなしにいきなり実施させるということも事実問題としては容易ならざることでございます。したがって、先刻、豊瀬さんにお答え申し上げましたように、全面実施の線に立ちまして、たとえば都会地といなかとのモデル完全学校給食学校的なものを考えまして、それからだんだんと習熟さしていく、PRをしていくということも一つの方法かとも思いますが、いずれにいたしましても相当の準備、PRから始まりまして、施設設備等、経費の面ももちろんでございますが、具体的準備をいたしながらでないとやれないものでございますから、踏み切りがつかないままでおるというのが正直なところでございます。でございますから、もっと、単に原料を購入して配給してやる、あとは地元でしかるべくおやりなさいというやり方でなしに、現場で具体的にやれるやり方をもっと突っ込んで考えまして、計画を立てながら漸進主義で、御指摘のような地域にも、もっとスピード・アップして普及できるようにということを考えたいと思います。
#39
○高山恒雄君 それじゃもう一つお聞きしたいのですが、今、大臣もやりたいということなんですが、現実にはどういうことをやっておるのですか。そういう私は政策の、大臣がお考えになった、やらなくちゃいかぬというような実際の行政指導といいますか、それがやってないと私は思っているのですがね。やらないということよりも、その指導をしてないということのほうがウエートが大きいと思います。その点をどうお考えになりますか。
#40
○政府委員(前田充明君) 文部省といたしましては、いろいろなパンフレット、新聞等を出しておりますことはもう御承知のとおりで、今回の「ミルク給食の手びき」というのは、実はまだ予算を御審議中でございましたのですが、一応こういうようなものを作りまして、やってない地方にももちろんお送りをいたしておるわけでございますが、県に対しましては、ミルク給食よりも完全給食をできるだけ早くしたいと従来考えておりましたので、昨年度以来、各県で完全給食の実施計画、そういうものを各県ごとに作ってもらって、そしてそれによってやっていくという指導、すなわち各県を通して町村に対して指導をするというようなやり方でございますが、やっております。それから給食をやってない県へのPRという点につきましては、日本学校給食会におきましても、そういう地方で講習会――講習会というと失礼ですが、何というのですか、給食普及講演会とか、研究会とか、そういうようなものをできるだけやる、そういうようなことを私のほうとしてはやっておるわけでございます。
#41
○高山恒雄君 突っ込んでお聞きしますがね。今やらない地域というのは、この前もちょっと聞いたのですが、やらない地域というのは地方における財政力がないからやれないというのか、それともまた個々の自弁のほうがいいという希望なのか、その点の掌握は統計的にでも何かとったことあるのですか。
#42
○政府委員(前田充明君) やらない、弁当のほうがいいというような学校は、これは非常に少ないのでございます。大部分はまあ地方が多いのでございます。ただ学校給食を貧乏だからやれないということだけということではなくて、従来の各県等を通じてのいろいろな調査をいたしました結果によりますと、小学校を手初めにこの学校給食というものは戦後やったわけでございます。したがいまして、小学校からまず全部に及ぼそうというようなお考えの町村がたいへん多く、したがって、中学校のほうはあと回しというようなことになっている場合が私のほうの調査では多いんでございます。しかし、中学校がだんだんからだの発育が盛んでございますので、中学校あと回しというのはいかがかと思って、いわゆる行政指導といたしましては、結局そういう小学校をまず全部いってしまわなければ中学校に手がつけられないというようなことではいけないんじゃないかというようなふうな行政指導はいたしておりますが、大体町村の立場で申しますと、同じ小学校でありながら、片方をやって片方をやっていないということをまず解消をするというような考え方が強いように承っております。
#43
○高山恒雄君 もう一つ大臣に聞きたいのですけれども、今年の新制中学卒業生の高等学校希望者ですね。まだ統計的に調査されたことはないと思うのですけれども、大体概算して何十万人くらいの者が高等学校にいけないのか。したがって、就職を別に求めていくのか、これは概算でもいいですがひとつ。
#44
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 正確にちょっとお答えいたしかねますが、大体六、七万人見当と承知いたしております。
#45
○高山恒雄君 十八才未満の青少年の教育ですが、これが就職をするわけですが、高等学校に進もうと思ってもいけなかった。それが六、七万、概算でしょうが、そういうような答弁をしておられるのですが、十八才までの者には、何か経営者に文部省として、その義務教育的な、いわゆる週に一回ぐらいの組織的な教育を施すというようなことは考えていないのかどうか、先進国においては、たとえば英国にしてもドイツにしても、十八才まではそれだけの責任があるものとして、一週間に一回ぐらいあらゆる講習をやるとか、こういうことが行なわれておるのですが、日本ではそういうことをお考えになっていないのかどうか、これは大臣にひとつお伺いしたい。
#46
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先日新聞に出ました定時制高校を中心とする、働きながら勉強する青少年諸君に対して、もっとあたたかく考えたらどうだという課題が出ましたときに、たまたま私も、二両年来、外国視察をされた方の話あるいは事務当局からも聞かされまして、今御指摘のような課題は念頭にございまして、閣議でもそのことを発言してみましたが、たとえば通産省その他雇用者側の気持を一応考える立場の閣僚がにわかに賛成しがたいという顔つきでございました。そのことは別に反対だというわけじゃむろんございませんけれども、たとえば西ドイイツの例にならって、週二日なら二日というものを有給休暇を与えてスクーリングに通わせるということを雇用主に義務づけるというがごとき考えに踏み切るためには、もっといろいろな条件が国全体の立場から考え合わされる必要があるのではないかという懸念からのことと察せられるのであります。しかし文部省自体としましては、具体案を持っているわけじゃむろんございませんけれども、もっとたとえば定時制高校の学習条件、内容等を魅力あるものにする、また実力もつくものにする。そのことが社会的にも評価されまして、雇用主側は定時制と全日制を区別する必要を認めないというふうに持っていくことがまず第一であろう。それとあわせまして、雇用主側のその理解と並行しながらにらみまして、御指摘のような制度づけをする時期をねらいたいものだという意欲はございますが、今直ちに具体案は持ちません。
#47
○高山恒雄君 まあ大臣の意欲があれば実現も可能だと私は思うのです。この問題は。ということは、本人らは高等学校に進学したいというのにもかかわらず、急増対策は非常に日本の場合おくれたと思うのです。このおくれた中で、思ったように学校に行けない、そして就職をし、結果的には十八才までの何ら恩恵を浴することができない。片や、あらゆる面で政府にもこの援助を受けておる。一方は自分の労働で自分でかせいだ金でやっていくということになろうと思うのです。そういう満十八才まではそういう面の是正の意味から、これは雇用主に対して、逆に政府のほうから、これらの不均衡な、いわゆる助成の金をもっと週に一回ぐらい何かの講習を受ける費用を捻出してやって、そして十八才までのこの教育をやっていくと、こういうことは当然の政治の行政として私はやるべきだと、こういうふうに考えるのです。そういう希望は、これは大臣も持っておられるようですから、近い将来にやっぱり実現させていくということは非常に大事なことでないかと、私はこう思うのです。まあ希望意見だけ申し上げまして終わります。
#48
○豊瀬禎一君 予算委員会でもそれぞれの大臣に、社会保障制度のあり方という角度から聞いたのですが、たとえばイギリスが社会保障制度を進めていくにあたって、かなり前から各省関係者を集めると同時に、その会議の委員長、議長を別個の人に選ばせて、非常にいわゆる各省の権力争いという形でなくして、国家目的から立った、大所高所に立った運営を行なっていって、いい結論を出し、それを政府に実施させていることは御承知のとおりだと思うのです。たとえば児童福祉法の実施にいたしましても、前回もこれまた予算委員会で聞いた三才児童の診断治療、早期発見による身体的な異常、あるいは精神的な異常、これを発見して、診断と同時に治療を加えていきながら、義務教育に完全に適応する素地を作るということが義務教育完全実施の角度からも必要な措置だと思うのですが、まず第一に、いろいろの問題で学校教育の場だけで解決できない問題が、青少年問題にいたしましても、今、高山さんからも出た、全体的な厚生福祉の青少年に対する施設設備等についてもあると思うのです。これは私は新たに別個の人から委員長を出しなさいという意味ではなくて、こうした問題についてはやはりある意味では厚生労働という関係よりも、あるいは何か別個のものを作るということはうべなわれることですが、やはり何といっても中核は文部省ではなかろうかと思うのです。幼児から義務教育、高等学校に至るまでの心身のうちの特に体位の向上という問題について、学校給食も含めた、何といいますか、もう少し幅広い審議機関等を作って、単に給食だけでなくして、一歩外に出れば青年の家、青少年の家、あるいは青少年に適した環境の手ごろな山とか公園とか、遊園地等が設備されておる。こういった全体の健康増進というか、身体の健全な発達という角度が、もう少し総括的、統合的に運営されていくと、同じ予算でもその効率が大になるのではないかと、こういう気がするのですが、大臣の所見を承りたい。
#49
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 基本的な受け取り方につきまして、私も同感でございます。ただ、現実問題となりますと、なかなかにじの色の分界線みたいになってきて、むずかしい問題がたくさんあると思うのです。たとえば幼稚園と保育園の境界線は、いわば重なり合っていてなかなかむずかしい問題が現実にあります。悪く言えば縄張り争い的なことになって現われるわけですが、各環境ごとにいいますれば、縄張り争いもいい意味ではけっこうだとも言えないこともないので、それぞれの分を守ってきっちりとやっていくことをまず心がければ、解決する問題がたくさんあろうと思います。それにしましても、この幼稚園教育が重要視される、むしろ幼稚園へ行く以前の幼児教育すらも非常に大事なことだと専門家が指摘しておることを聞かされます。赤ん坊時代から家庭における特に母親の教育の面、あるいは厚生補導の面、両面ございましょうけれども、それがもっと親切に意欲を持って積極的に行なわれるならば、学齢児童に達したときの条件がずいぶんと整備されるであろうということを期待される。家庭教育も社会教育の一環なりと受け取って文部省も努力をしておるつもりではございますが、なかなか透徹している状況だとは申し上げかねる実情であります。そういうことで、抽象的な総括的な立場での御指摘は私も同感でございますが、それをすっきりした仕分けをして、現実に御期待にこたえることは容易なことではない。だからといって放任すべきものでもむろんないのですけれども、何とかそういう立場からも、もっとよりよく成果が上がるような努力は政府として考えねばならない問題がそこにある、こう思います。
#50
○豊瀬禎一君 立場はよくわかるのですが、今申し上げましたイギリスの社会保障制度審議会におきましても、イギリスの社会保障制度というのは非常に進歩していることは御承知のとおりですが関係各省の合同審議会の中で教育関係の人が果たした役割は、単にウェルフェアという問題だけでなくて、労働その他の関係にわたっても、教育を学校という範囲に限定せず、社会環境まで及ぼしていった角度から、ずっと社会環境、家庭環境まで及ぼしていってその中ではっきりととらえたことがイギリスの社会保障制度の進歩に大きな貢献をしたことは御承知のとおりであると思います。また日本では、御承知のように、たびたび私が、大臣の言葉を借ると執念深くやって参りました基地の防音に対しましても、やはり関係各省懇談会ができて若干の前進を示したことも御承知のとおりであると思うのです。まあ大臣はまれに見る初一念を貫くことに非常に強固な意思を持っておられる人ですから、こうした各省の分担をした努力ということもある面ではいいと思うのですが、こうした問題についてはやはり幼稚園と託児所の問題だけとっても、私は予算はあるかもしれないけれども、縄張り争い的な傾向が幼稚園並びに託児所の問題に対してやはりマイナスになっている面も看過できないと思うのです。こういう点から考えて、文部省がもっと、審議会を作ることができなければ次官、局長等で構成するような文部省が積極的にそうした話し合いを持っていって努力しておれば、たとえば今度の場合のような準要保護に対する問題が、全く厚生省も自治省も予算の中に積算しないという手落ちがなくて済んでいくと思うのです。この問題は大臣も今すぐ答弁できないと思いますけれども、青少年の健康管理、進んでは体位増進という問題については、予算編成期に各省ともう少し緊密な連絡をとると同時に、努力していただきたいと思うのです。
 次に進みますが、局長に尋ねますが、中小別にして、各県別の完全給食、ミルク給食、あるいは全然やっていない等、校数の一覧表ありますか。
#51
○政府委員(前田充明君) きょうは総括的のものだけ持って参っておりますので、各県別が必要でございますればすぐ取り寄せます。
#52
○豊瀬禎一君 いや、総括でよろしいです。
#53
○政府委員(前田充明君) 総括でございますが、総括で申しますと、小学校が学校数におきまして二万六千八百八十四に対しまして給食実施校が一万五千百十一、五六%でございます。児童数にいたしましては一千百七万四千四百五十三に対して八百十万八千五百七十六でありまして、七三%であります。中学校は校数にいたしまして一万二千九百十六校に対して二千三百五十四校で一八・二%でありまして、生徒数にいたしまして七百三十三万九千八百九十に対しまして九十三万三千六十六、一二・七%でございます。
#54
○豊瀬禎一君 その中で小中学校でいわゆる完全給食をやっておるところ、あるいはミルクだけやっておるところ、それ、それの学校の概数がわかりますか。
#55
○政府委員(前田充明君) わかっております。完全給食、そのうちで小学校につきまして学校数だけ一応申し上げますが、五六・二%中完全給食が四八・一%、それから補食給食、いわゆるミルク給食でございますが、これが八・一%であります。中学校につきましては完全給食が二八・六%で補食が二・二%、合計いたしまして三〇・八%、こういうことになります。
#56
○豊瀬禎一君 四八ないし二八の完全給食は問題ないと思いますが、小学校において約四十数パーセント、中学校において約八〇%ですか、この給食を実施していない学校に対して今回の新たな措置に対して完全に、もっと厳密に言えば、この法律施行実施と同時に新法の脱脂粉乳が給食できていくという判断ですか。
#57
○政府委員(前田充明君) さようでございます。
#58
○豊瀬禎一君 設備もなにもないところにできていくというあなたの見通しはどこから出てくるのですか。
#59
○政府委員(前田充明君) 何か私の申し上げたことに誤解があったかと思いますが、このミルク給食をやっている学校が、すぐこの法律によって補助金によるミルクを始めるということでございまして、従来やっておるのでございますから、すぐやるという考え方でございます。なお、現在全然やっていない学校については、私どもとしては一応平均六月から開始する、そういう計算を立てております。その前に設備をいたすわけでございますので、四、五、二カ月間において設備をする、こういうような考え方でございます。
#60
○豊瀬禎一君 現に施設があるところがやれることは質問する必要がないことで、施設がないところに六月からやれるというのは、施設、設備補助も文部省が完全に見るという回答ですね。
#61
○政府委員(前田充明君) 文部省が見ますのは設備でございます。施設のほうは、これは一般的な完全給食の施設、設備並びに僻地学校の二百校分の施設、設備は、これは見るのでございますが、そのミルク給食だけの関係においては設備だけでございます。
#62
○豊瀬禎一君 一校当たりどの程度の補助ですか。
#63
○政府委員(前田充明君) 一校当たり八万七千六百円の計算をいたしております。
#64
○豊瀬禎一君 主として八万七千円でどういう設備をさせる予定ですか。
#65
○政府委員(前田充明君) かま、流し、作業台、ミルク攪拌器、自動ばかり、そのほかミルク・ポットでございます。
#66
○豊瀬禎一君 小学校で四四%、中学校で八二ですか、やっていない学校で、あなたが言ったかま、流し、作業台、これが設置できるような余剰施設があるところはよろしいですね。それがないのが四四%の中に、また、八二%の中にどの程度ありますか。
#67
○政府委員(前田充明君) 余剰施設のない学校が幾つあるかということについてはまだ調査ができておりません。
#68
○豊瀬禎一君 六月ごろまでにはその調査はでき上がってきますか。
#69
○政府委員(前田充明君) 大体できるであろうと思っております。六月と先ほど申しましたのは、平均六月でございますので、たとえば、非常に早くできる学校もありますが、少しぐらいはおくれる学校もありまして、一応全体を平均六月と言っておるのであります。
#70
○豊瀬禎一君 イデオロギーの問題じゃないから、別にいじわるする気持はありませんけれども、六月が七月になってもたいしたことには、あなた方の計画には支障を来たさんでしょうが、私が心配するのは、先ほど高山さんも質問したように、私の県並びに四カ年国会からの視察に参って給食状況等を見た範囲内で、実施していないのは、大臣答弁のように、給食の必要性の不徹底というのも若干あります。しかし、かなり大きなウエートを占めておるのは、やはり地方においては、町村においては、施設、設備等を作り得ないところですね。また、たびたびの国会でも問題にしましたから局長も十分御承知と思いますが、後ほど触れますが、産炭地においては、文部省から三十四年に文部省の予算の中から特別の補助金も出してもらったにもかかわらず、その翌年にはむしろそれを返上して給食を中止するという状況が続出していますね。だから、市町村財政の貧困ということが、給食不実施にかなりの大きなウエートを占めていると思います。その中で脱脂粉乳をやります。だから、余剰施設がないところに、八万七千六百円程度をもらって施設も作り、設備も作るという、そういう期待が私は持てないのではないか、かなりむずかしい問題と思うのです。で、どうせ国会も六月までは行なわれるでしょうから、その際、あらためてどの程度施設がないところに設備ができたか、その状況をお尋ねいたしますが、早急に余剰施設もないところにどうするかという対策が考えられないことには、五六%プラス・アルファ、一八・二%プラス・アルファという状況になうて、あなた方が意図せられるように、全国的に未実施のところにも適用していく、ある意味では未実施のところにやらせるということも、別の意味では意味があると思うのですよ。これは期待できないと思うのですよ。私が言わんとするのは、余剰施設がないところ、あるいは余剰施設があっても、八万七千円の設備費というのは、これはかまが半分になりそうな気がするのですがね。そのことは別にして、それを早急に把握して、その結果が出た際には、施設に対しても、町村財政の状況では何らかの措置をする考えが大臣にありますか。
#71
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまのところございません。
#72
○豊瀬禎一君 最悪の事態を考えて五六が六〇になり、一八が二〇になっても、施設が伴わないで設備費の補助金が返却されて、結局、今回の措置が三〇%ないしは中学においては五、六〇%程度未実施になっても、現段階では町村が貧乏だから、不熱心だからやむを得ないと突き放されるつもりですね。
#73
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現段階では一応そうでございます。
#74
○豊瀬禎一君 産炭地に対して特別の配慮をする考えはありませんか。
#75
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今のところ、そういう考えのもとに立たないで案画をいたしております。
#76
○豊瀬禎一君 給食未実施のところ、産炭地を問わず、給食未実施のところほど、今回のこの措置の恩恵を受けるようにする必要があるのではないですか。
#77
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう意味はあろうかと思います。
#78
○豊瀬禎一君 そういう意味があって努力はなさらない……。
#79
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ一般的な計画といたしまして、ミルク給食をともかく全部に実施したいという意図に出ておるわけでございますが、御指摘のような課題が現実に出て参ることはあり得ると私も推察するのでございますが、そのことを一々調査しながら精密に案画をする意図もなかったというのが率直なことでございまして、その実情を把握するに伴いまして、応急措置ができるものならばして参りたいという気持はございます。そのことまで関係各省と相談します資料も具体的に把握できませんままにスタートするわけでございますが、極力、都道府県市町村等にも十分のPRをいたしまして、応急的な考慮もできる限りは現地でしてもらう。そして実施率を百パーセントに近づける努力をまずいたしたい。その間にありまして、実情に応じて新たな問題が出て参ることも想像にかたくないものでございますので、その問題はそのつど考え合わせまして、現予算でできる範囲のことは善処したい、かように思います。
#80
○豊瀬禎一君 今回の措置については、きのうも大臣から準要保護の問題については手落ちがあって、今後努力をされる旨の答弁を聞いたのですが、厚生省の社会局に尋ねてみますと、きのうやっと文部省がミルク給食実施をすることがわかった、したがって、予算には積算していない、こういう言い方をしておるのですが、まあこの手落ちについては大臣が両委員会ともで認めておられますので、この際追及しようと思いませんが、どうせ手直しをせねばならぬ、またその努力をするとおっしゃっているわけですね。それと同時に、四十四ないし八十二に近い未実施の学校に対して、六月ごろまでに、局長の答弁では、余剰施設のないところの調査が終わるようですから、その事態に立って、裕福な市町村でありながら考え方の違いによって施設を施していないのか、ほんとうに赤字自治体であって、どうしてもこの制度ができても設備費はもちろんのこと、ミルク給食の今回の措置も実施できないと、こういう事態が判明した際には、準要保護に対する再努力と同時に、別途検討を加えてもらって、施設の補助等に対してもそれぞれ関係省に努力させるのが今回の措置の趣旨に合う方法じゃないかと思いますが、やらないで、市町村が施設を持たなければ当然やれないのは当たり前だという考え方で放置されるのか。それとも事態によっては施設補助まで検討を加え努力される考え方があるのか、もう一度御答弁願いたい。
#81
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 努力する考えはございます。ただ施設につきましては努力いたしましても年度内には困難かと思います。ちょうど学級編制定数法の審議と並行しまして施設の関係の基準につきましても再検討を迫られておる。本来、学校施設、特に義務教育施設につきまして、給食のための施設を、もっと計画的に基準そのものの検討の中に入れるべき課題だと思うわけでございます。したがって、そのことが一応三十九年度を目ざして行なわれるわけでございますので、したがって、施設そのものに対する補助ということを今三十八年度内に善処するということを確約申し上げることは不可能だと思います。努力すべき課題だとはむろん思いますけれども、設備等につきましは、先刻申し上げましたように、事態の推移に応じまして、できる限りの努力をせねばならぬ、かように思います。
#82
○豊瀬禎一君 大臣も現在の五六%、一八・二%が飛躍的に今回の設備補助等によって施設まで充実して百パーセントに近いところまで給食の施設が充実するだろう、また実施されるだろう、こういう甘い見通しは持っておられないんでしょう。
#83
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現実には相当むつかしい問題が出てくると推察をいたしておりますが、そのむつかしさも乗り越えて、極力百パーセントに近づける努力はわれわれはなさねばならないであろう、かように思ってあります。
#84
○豊瀬禎一君 局長に尋ねますが、三十四年十月でしたか、当時の自民党の剱木委員と私と福岡の産炭地方を視察して、現状のひどいことは本委員会で報告したとおりですが、その際にも文部省の係の人は非常に積極的に考えてくれまして、たとえば施設のないところは、近くに給食を実施している学校等がある際には、ミルクの場合ですから、割に簡単というか、にできるという見通しで、施設のあるところで給食にできるように施して、それを運搬して、隣の学校に運ぶ、こういったようなことも考えられるじゃないかと、そういった点に対する経費等についてもいろいろ話し合いをしたことを記憶しておるんですが、せっかく全体に予算をとっておきながら、設備費はもちろんのこと、脱脂乳そのものも余剰を生ずるということでは、せっかくの意図が生きてこないと思うんですね。それで、たとえば今度産炭地だけをとってみましょう、産炭地についてもいろいろ政府としても産炭地の振興については努力をしてもらっていますが、教育状況は私からいろいろ申し上げるまでもなく、大臣も同じ県ですから十分御承知のように、不良化、学力低下、不就学、いろいろな好ましくない事件が起こっていることは御承知のとおりです。そうして三十四年のあの給食の補助によってかなり就学率が上ったことも、過去の実績で教育委員会から報告があっているはずです。こういった点も考えられまして予算に組んだのが、今の大臣の見通しのように、何パーセントになるかは予断を許しませんが、完全に消化し切れないであろうということは、何人もうなずくことができるだろうと思います。で、この事態を解決するために、産炭地等の特別な貧困な町村に対しては、文部省だけの問題ではないと思いますので、関係各省と相談して、もう一歩の努力をしていただきたいと思っておりますが、いかがですか。
#85
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 産炭地対策の内容の一部として、取り上げ得ます限りにおいては、できる限りの努力をすべきであろう、こういうふうに思います。
#86
○豊瀬禎一君 昨日尋ねた準要保護に対する手当について、責任をもって措置できるように努力する考えである、このように理解してよろしいですか。
#87
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 準要保護児童に対しましては、責任をもって善処できると考えております。産炭地の関係は、文部省だけで独断で結論も出しかねますので、努力をしたいと思います。
#88
○豊瀬禎一君 これは他院のほうでも論議があったことですが、脱脂粉乳よりもなま牛乳のほうが、はるかに栄養に適しているということは御承知のことと思いますが、今回、脱脂粉乳を取り上げられたのは、どういう健康増進上の理由ですか。
#89
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 全面給食の積み重ねの方式の一番積みやすい課題でありますことがミルク給食であります。なま牛乳が国産で現実に期待できますれば望ましいことでございますが、それの準備、条件の整備は簡単に参らないと判断をいたしました。学校給食の教育的効果を高く評価します意味において、できるならば早く実施したいということからいたしまして、要保護児童、準要保護児童の育成を中心にミルク給食をしておりまして、その体験で脱脂粉乳によってやっておりまするし、脂肪分が欠除しておるという欠陥がある、なま牛乳に比べれば欠陥があるわけですけれども、しかしそれにしましても、栄養学的には多大の効果が期待できる、こう承知しておりまして、そのことのゆえに、脱脂粉乳を使いましてミルク給食をまず全面実施することに踏み切りたいという考えに立つわけでございます。もちろん今触れられましたように、衆参両院で他の委員会等においての御質問にもお答えしたとおり、できることならば、国産なま牛乳、脱脂粉乳にいたしましても、国産のものが期待できればそれに依存したいということは、文部省の立場におきましても当然の結論だと心得ております。ただ現実には、今申し上げましたように早く実施したい。そこで早く実施するために期待できる原料は脱脂粉乳輸入に依存せざるを得ない。当面依存しましても、態勢を整えるのに従ってスライドしながら輸入原料の減少に努めていって国産に切りかえるというふうに、これまた政府全体の課題として取っ組んでいくべきものである、かように考えまして脱脂粉に依存しながらミルク給食の全面実施に踏み切ったわけでございます。
#90
○豊瀬禎一君 文部省の直接的な所管ではありませんけれども、池田内閣としては、六百万農家の生活ということを考えておられるし、また、農業近代化ということもいずれの内閣を問わず当面の重要な課題であるわけですね。農業近代化が鶏を飼うのと乳牛を飼うのとでははなはだお粗末と思うのですが、やはり現在のなま牛乳が確保できない、また高価であるから、ひとまず脱脂粉乳という考え方も現実問題としてはわからないではありません。しかし、池田内閣としては農業近代化という観点の中で、たとえば乳牛をどの程度普及させていくか、これは一つの課題であると思うのです。これを文部省のほうから見てみますと、全国の生徒になま牛乳一合飲ませるとすれば年間どれだけ要るか。そのためには乳牛はどれだけ必要で、これを確保できる地帯はどういう地帯であるか。その地帯に、そういう酪農地域というか、それが普及するような造成措置を、補助を出しながら行なっている。どうもいつの問題でも、何といいますか、強く感じますのは、所管が違うと向こうがそれだけしてくれないから、この幅の中で文部省は仕事をします。こういう考え方が常に基点になっておるような気がするわけです。やはり文部省としては青少年の健康増進という観点から考えると、一日も早くなま牛乳に切りかえる、そのためには、関係各省と連絡してその増産措置に対しても一応のそうした努力をすべきものである、であると思うのですが、ある程度将来を見通して、文部省としても自然発生的じゃなくて、みずからの立場においてなま牛乳が、しかも他国から買い入れたものでなくして、日本の農業近代化と関連した生産計画の中で給食実施ができるような措置も努力する考えはありますか。
#91
○高山恒雄君 ちょっと今のに関連して。非常にこれはむずかしいところだと思うのですが、たとえば日本の徳島みたいに、非常に畜産が奨励されて現実に給食もできるほどの奨励がされておる。したがって、政府としてはこの脱脂粉乳を配給する、もしその地域において牛乳が相当余るというときにおいては乳でやる場合もある、こういうお考えがあるが。統一をとらない、地域によって考慮する、こういう考えがあるか。今のに関連して。
#92
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 農業政策、食糧政策と文教政策とが、少なくとも学校給食に関してはちぐはぐじゃないかという点は私も御指摘のとおりと理解します。ただ問題は、その学校給食を全面的に実施する方向へ歩みを進めるということは、農業政策いかんにかかわらず国民的な立場で必要なことである、そういう課題と受け取ってよろしいと私は理解いたします。そこで、今度の脱脂粉乳によりますミルク給食ということにつきましては、むろん具体的に所管省たる農林省との相談の上に立って実施されることがむろん望ましゅうございますが、それはあえて相談するまでもなく、小中学校全員に実施することが必要なりとする立場に立ちますので、現実には実施が不可能でございます。国内産のなま牛乳ないしは脱脂粉乳に依存しますことが不可能でありますことは、数量的にも価格の上からも明らかでありますので、ことさら相談もいたしておらなかったわけでありますが、国会の審議途中において、農業振興政策、酪農振興政策との関連において、あるいは食糧政策との関連において、大体ごもっともであるというお話が出るに従いましまして、農林大臣からも私に具体的に話があって、今後に向かって密着しながら年次計画を定めるがごとき方向づけを検討しなければならないというお話もありました。むろん文部省として異存のあろうはずがありません。そこで、国会でもその気持でお答え申し上げておるつもりであります。単なる答弁にとどまらず、現実にそういう課題に取っ組んでいくべきだと思います。私の記憶に誤りがないならば、かりに国内産脱脂粉乳を使って小中学のミルク給食を全面的にやるとしますれば、国内産脱脂粉乳全部を学校給食用に投入してもらうとしましても、わずかに一、二カ月をささえ得るにすぎない。なま牛乳といたしましても、小中学校全員になま牛乳を飲ませるとすれば、国内産なま牛乳の五割は、少なくとも年間を通じて確実に学校に注いでもらわないことにはやれない。そのことは家庭的な牛乳の普及、その他のなま牛乳の需要等に根本的な影響を与える、不可能であることは先刻申し上げました。さりとて、日本に今後酪農振興の必要なしという態度を政府はとっておるわけではありませんで、酪農はもっと振興すべき余地がある、また農業基本法の趣旨から申し上げましても、また世界的な情勢から見ても、日本の農業のおもむく方向の一つに酪農振興があることは私も伝え聞いております。現に酪農を経営しておる農民の立場におきましても、学校給食をやるならば国内で生産されるものを使うべきであるという強い要望のあることも承知いたしております。それらの条件は観念的には整っておりますけれども、これを現実化しますためには、いろいろな準備が要ることも当然でございますので、そういう具体的な準備を念頭におきながら、政府全体として学校給食用の乳製品を国内産に切りかえるという年次的な努力をひとつやろうじゃないかという心がまえをしておるわけでございます。それからなお、現になま牛乳を農林省の、一合三円七十銭でございましたのを、酪農振興の立場からする助成金が引き当てになりまして、比較的安く提供されますので、その制度の限度内におきましては、従来と同じように、地域的にはなま牛乳をとっていくということとは矛盾いたさないようにいたしたいと思います。ただ、これが御案内のごとく、季節的な変動がございまするし、数量的にも変動がございまするために、制度の上で表面切って必ずそうするべしだと申し上げることもいかがかと。それぞれの学校ごとの、地域ごとの実情に即して、現になま牛乳が季節的一時的ではあろうけれども、飲めるのに飲まさないという態度はとりたくないと思っております。
#93
○豊瀬禎一君 局長にお尋ねしますが、なま牛乳の場合、たとえば家庭用、さらに内訳して病院用とか、いろいろの利用度があると思うのです。その中で、それもある程度充足していきながら、千八百万の義務教育諸学校の生徒に全員ミルクを飲ませる方式で、なま牛乳を飲ませる方式でいった際に、たとえば乳牛をどの程度ふやさねばならないか、そのことに対して農林省としてはどういう計画を持っておるか等について、農林省等と話し合いされたことがありますか。
#94
○政府委員(前田充明君) ただいまの牛乳を飲む問題につきましては、本国会中に二回農林省と打合会をいたしたのでございます。農林省及び厚生省の問題で。ただいま大臣からもお話いたしましたように、日本のなま牛乳、飲用乳千百万石のうち、おおむね六百万石以上、六百三十万石程度と言われますが、六百万石程度あれば学校給食が全部なま牛乳でいく……。
#95
○豊瀬禎一君 六百万石……。
#96
○政府委員(前田充明君) 六百万石でございます。――いくという大体の目安はあるんでございます。しかし、現在から倍にするとかりにいたしまして、現在の倍の畜産になるわけですが、そこまでするためにはどれだけ一体乳牛を飼えばいいか、そういう問題についてはまだ話し合いをいたしておりませんが、しかし、農林省との雑談の中でいろいろお話を伺っているところでは、その前にすぐ飼料の問題がぶつかってくる、飼料をという問題になれば直ちに土質の問題がからむ、そこで、そう簡単に農林省としてもはっきりした御返事はできないようでございますし、私どものほうとしてもそれをはっきりいたすことは、そう簡単にできないんじゃないかと思って、まだそこまでのお話はしておりません。
#97
○豊瀬禎一君 農林省自体として土壌開発、飼料確保、それに伴って乳牛増産の一応の計画がありますか、お聞きになったことがありますか。
#98
○政府委員(前田充明君) ただいままでの会合では、まだそこまでいっておりません。
#99
○豊瀬禎一君 先ほど初中局関係の質問をしておりましたから、ちょうど局長が来ておりますから答弁を願います。質問はお聞きになったでしょう。
#100
○政府委員(福田繁君) 夜間中学校の問題……。
#101
○豊瀬禎一君 そうです。
#102
○政府委員(福田繁君) 夜間中学は、御承知のように昭和二十七、八年ごろ、主として五大市を中心とした都市にかなりできまして、私どもその推移をいろいろ見ておったわけでございますが、根本的には夜間中学の解消と申しますか、家庭の事情その他によって昼間の学校に行けない者につきましては、できる限り就学援助の道を広げて参りまして、できる限りやはり昼間の中学校に通わせる建前をとっていきたいということで、就学奨励につきましては、文部省並びに都道府県の教育委員会関係の方々の努力は少しずつ積み重なって参りまして、昭和二十七、八年ころでは、校数にいたしましても約七十校以上、生徒数にいたしますと三千人以上あったかと思いますけれども、最近では約四十校程度に減っております。校数も生徒数も大体三分の一以下、千人程度でございます。逐年減って参ってきております。そういうことでございますので、いろいろな困難な事情はあると思いますけれども、やはり建前としては義務教育でございますので、就学援助の拡大その他の方法によりまして、父兄の理解ももちろん請わなければなりませんが、そういういろいろな対策を講じまして、できる限り昼間の中学校に通えるような方法を講じて参りたい、こういうことを念願いたしておるわけでございます。
#103
○豊瀬禎一君 ほとんど千人程度は、生活保護ないしは準要保護の家庭ですか。
#104
○政府委員(福田繁君) 必ずしも生活保護なり、あるいは準要保護の対象になり得る者だけではないと思いますけれども、今まで私どもの聞いております範囲では、やはり準要保護児童のいわゆる援助率というものは従来低うございまして、そういう観点から申しますと、やはりそのボーダー・ラインにひっかかってこない者がかなりいたと思います。そういうことでございますので、逐年援助率も引き上げて参りまして、三十八年では七%まで引き上、げたわけでございます。したがって、千人のそういう夜間の中学に通っております者がそういう援助率の拡大によってどれくらい減るか、今後の問題でございますけれども、援助率を広げることによって私どもはある程度解決できる面もあろうかと考えております。
#105
○委員長(北畠教真君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
 〇委員長(北畠教真君) 速記を始めて。
 午前の質疑はこの程度にして、午後一時半より再開することとし、これにて休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時四分開会
#106
○委員長(北畠教真君) ただいまより委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、日本学校給食会法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。
 御質疑のおありの方は御発言願います。
#107
○豊瀬禎一君 今回脱脂粉乳についてアメリカから輸入されるもののみを配給されるようですが、午前中の大臣の答弁にもありましたように、十分ではないけれども国内生産のものがあるわけですが、今度の措置は国内製品は一切使用しないで、アメリカ入荷のものだけを使用するという方針ですか。
#108
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 建前としてはそういうことになります。ただし、午前中もお答えしましたように、酪農振興の立場からする国からのなま牛乳に対する一合三円七十銭の補助金がございまして、比較的安価になま牛乳の給食ができるということで、年間を通じてではもちろんございませず、量的にも確定することが困難な条件下ではありますが、現実になま牛乳の給食をしているところはありますので、それを排除するという意味はございません。そういう趣旨でございます。
#109
○豊瀬禎一君 なま牛乳だけじゃなくて、脱脂粉乳はどう考えられますか、局長でいいです。
#110
○政府委員(前田充明君) 脱脂粉乳につきましては、やはりなま牛乳と同じように価格差が相当ございますので、それについて現在農林省と話し合いをしておりまして、価格が話し合いがつけば買うつもりでおります。
#111
○豊瀬禎一君 国内製品は現在幾らくらいですか。
#112
○政府委員(前田充明君) 輸入脱脂粉乳は一キロ当たり五十六円七十銭で日本学校給食会が地方に売ります。それに対して国産の脱脂粉乳は畜産振興事業団が売る場合に、同じ一キロについて約三百円でございます。したがって、二百四十三円の価格差が現在ございます。
#113
○豊瀬禎一君 貿易自由化の際にも議論されたところで、品物によっては外国製品は日本製品と問題にならないほど格安なものがあるわけですね。今回の脱脂粉乳についても答弁のようにずいぶんの価格差があるわけですが、価格差のみに基準を置いて考えていくと、輸入物資によって国内産業というものは、酪農振興どころではなくて、むしろそのことによって圧迫を受けるわけですね。やはりその価格差については農林省のほうにも問題がありましょうけれども、何らかの政府の措置によって、児童に渡るときには負担は同じにするというを措置を講じて、国内製品も同時に採用していくという方針をとらないと、さなきだに斜陽産業と言われているところの日本農業というものは困った状態に陥っていくと思いますが、この点について価格差の負担という問題等について農林省等と折衝されたことがありますか。
#114
○政府委員(前田充明君) これは三十三年ごろには一度農林省で脱脂粉乳に対する補助金を出したことがございます。その後、脱脂粉乳が余らなくなったものですからとだえているわけでございますが、今のように、お話のように計画的に輸入するということになりますれば、農林省とお話しし、農林省として補助金を出してもらわなければならないと思うのでございますが、その内容については現在まだ話は始めたところでございまして、御報告するような点まで参っておりません。
#115
○豊瀬禎一君 脱脂粉乳の国産総量は。
#116
○政府委員(前田充明君) 脱脂粉乳の国産は年間一万一千トンというふうに承っております。
#117
○豊瀬禎一君 配付された資料によりますと、八万五千三百七十二トン今度入荷されるわけですか。
#118
○政府委員(前田充明君) 私のほうから八万五千トンと申しますのは、来年度子供が実際飲む数でございます。
#119
○豊瀬禎一君 大臣の答弁のように、一万一千トンに対して八万五千トンの必要量ですから、とても国産ではまかなえないことはよくわかりますが、なま牛乳にしても、脱脂粉乳にしても、もっと現に生産されておるものについては、農林省が出そうが、文部省が負担しようが、それは国の予算という意味において同じことですから、これを助成していくという観点からしても何らかの措置を講ずべきだと思うのですが、文部省としては、農林省が今一万一千トン程度は他に購入されておるから、別に価格差補給金を出してまで学校に飲んでもらわぬでもよろしいと、こういう考え方を持っておるのでしょうか。
#120
○政府委員(前田充明君) その一万一千トンのうち学校給食に使ってほしい分量があるかないか、どれだけあるかということについては、農林省ではまだ最終的な結論には到達していないようであります。
#121
○豊瀬禎一君 文部省としては安いほうを買って、一万一千トンから別に、何パーセント国内産業育成のために購入したいというような、使用したいというような、具体的な話はなされなかったのですか。
#122
○政府委員(前田充明君) 私のほうで幾ら使いたいということを申したことはございません。もちろん国内乳製品産業の振興とか助成とか、そういうことは農林省の役目でございますので、私のほうとしては、これくらい使ってもらうのが適切であるという問題が出たときに、はっきりそこで価格という問題をやるというように基本的には考えておりまして、なおそういうこの問題並びになま牛乳の問題一般論として現在話し合いをしつつある現状でございます。
#123
○豊瀬禎一君 大臣答弁のように、なまミルクにいたしましても、脱脂粉乳にいたしましても、もよりの地域において生産地がある場合に、それを使用することは別にかたく禁じていないというか、柔軟性があるというようなあれですが、実際に局長に尋ねますが、日本の脱脂粉乳が今回の措置と相待って給食会等で購入される見込みはないと思いますが、どうですか。
#124
○政府委員(前田充明君) 現在のところではどうも何ともはっきり申し上げかねるのが現状でございます。脱脂粉乳につきましも、農林省としてはできるだけ安く何とかならないかということについて検討をしておられますので、私のほうはその検討を待って、大蔵省と農林省とで検討しておりますから、その検討を待って話し合いをしようと思います。
#125
○豊瀬禎一君 これまた午前中の質問を再度明確にしておきたいと思いますが、準要保護については、昨日から大臣の答弁で誠意をもって努力されることがわかりましたし、ある程度見通しもあるように私は見受けたんですが、生活保護家庭についても、厚生省のほうでは、昨日、大臣が生活保護の要保護家庭はもとよりのこと、準要保護についてもこういう答弁をされて、生活保護のほうもやってもらわなければいかぬということで、厚生省のほうに初めて御連絡いただきまして、何とかしなければならぬと考えていますと、こう言っておるようですが、実際に自治省においても地方負担の十分の二のものですね、生活保護の場合には。これについては今のところ見ていないと言っておるのですが、どうしてこういうものが事前に、準要護の問題もさることながら、生活保護の分についても自治省、関係各省ときちんと話し合いがされて、地方負担のものについては財政計画の中にきちんと算入できるような措置を講ずることができなかったのですか。
#126
○政府委員(前田充明君) こまかく自治省との話し合いをしていなかったという理由と申しますか、私どもでそういう措置をとらなかったのは、午前中以来、大臣からお答えになったとおりでございますが、ただ、弁解を申すわけではございませんが、私どものほうのもともとの考え方として、完全給食を何とかして早くやりたいというところに基本線がございましたことが、そういうような結果になったのでございます。
#127
○豊瀬禎一君 完全給食をやりたいという基本線があったから準要保護も生活保護も忘れましたというのは、大臣答弁のように率直にいって、そちらに頭がいっておりましたから手落ちをいたしました、努力しますということならよくわかるのですが、大臣はそこまで気がつかなくともやむを得ぬと思うのですが、あなた方としては、学校におる生活保護児童、準要保護児童の問題については、当面の教育問題として、かなりの数に上っておりますから重要な問題ですね。それを、そちらに頭があったから、考えておったから、ついそちらに一生懸命になり過ぎて、こちらを忘れていましたということですか。
#128
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 午前中お答えしたとおりでございますが、そういうふうにそごを来たしましたことは、事務的の範囲に属しますが、従来ミルク給食だけというようないわゆる補食――完全給食でない補食につきましては、準要保護児童に対する特別の措置を講じないで従来参っておったのでございます。そういうことの習慣性のゆえに小中学校を全面的にミルク給食をやるにつきましては、おのずから考えが変わってしかるべき課題であるのに、にわかにその切りかえができないままに、連絡不十分のまま、積算不十分のまま提案するに至った。経過を申し上げればそういうことのようでありますが、ただ、幸いにしてと申しますか、金額も大した金額じゃございませんので、実行上の問題として大蔵省ともよく相談をしまして、準要保護児童に対する措置は支障なからしめたい、かように申し上げておるような次第でございます。
#129
○豊瀬禎一君 率直な御答弁でこれ以上追及しませんが、準要保護児童だけではなくて、生活保護の十分の二地元負担の問題についても当然措置されるわけですね。
#130
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは準要保護児童家庭よりも、もっと制度的には先順位に国としての立場から考慮さるべき課題でございますから、そのことはもちろんだと考えましてお答えをいたしております。この面につきましても、準要保護と同じような意味において厚生省とも十分に連絡をとりまして支障なからしめたいと思います。
#131
○豊瀬禎一君 わかりました。局長にお尋ねしますが、生活保護の分と準要保護の分と、財政計画で積算するとすれば、それぞれどのくらいになる予定ですか、該当児童数と金額を。
#132
○政府委員(前田充明君) 今、要保をちょっと調べておりますが、準要保護につきましては、実施人員の七%でございまして、小学校五十二万三千六百七十二人、中学校五万三千七百八十四人、そういう計算でございまして、準要保護の文部省の総額十一億五千四百十一万三千円、そういうことになります。それから要保護のほうは三%でございますので、準要保護の人員の七分の三ということになりますが、ちょっと今計算をいたしますが、金額といたしましては、単価は私のほうで計算をしたものを使って、実際は実額全部補助する、そういうことになっております。今の点は、要保護とおっしゃったのでございますか。
#133
○豊瀬禎一君 生活保護家庭。
#134
○政府委員(前田充明君) 生活保護家庭の学校給食費でございますか。
#135
○豊瀬禎一君 そうです。
#136
○政府委員(前田充明君) 今申し上げたような数字でございます。
#137
○豊瀬禎一君 昨日の大臣の答弁によりまして、準要はもちろん要保護のほうも措置しなければならないということは、あなたのほうは、おわかりになったのですから、そのくらいの数字はきちんとはじいておいて、翌日になってもそういう簡単な計算ができないというところに、あなたが、完全給食を基本にして考えて手落ちがありましたと率直な答弁をなさったのですけれども、やはり問題は、完全給食のほうにウエートがあるということは何人も異論がありませんけれども、特に生活保護を受けている者あるいはボーダーラインの者というものは、常に教育の問題としても看過できない問題ですから、勢頭に学校給食の教育上の意義なり憲法上の位置づけなりについていろいろ論議を尽くしました観点を十分考えてもらって、今後ともこういう手落ちのないように、十分の注意をしていただきたいことを要望いたしますとともに、最終的に大臣に希望するのは、たびたび力説いたしましたように、学校給食というものが、ある意味においては教科書の無償配布よりも基本的な要素を持っておる問題ですので、こうした一段階々々々の充実発展もさることながら、完全給食が五六%、一八%程度という半数に満たない状況ですので、これを早急に小中ともに百パーセントに及ぼしていただくように適切な行政指導、国の補則を考えていただきたいと思います。さらに給食が、義務教育無償の原則にのっとって一口も早く無償化の第一段階を踏み、やがて近い将来にはその努力が実って、全国千八百万の青少年が、まず第一段階の措置として義務教育諸学校に就学する者が無償で完全給食の恩恵を受けて、児童福祉法にいうところの身心の健全な発達という国の責任が完遂され、義務教育無償の精神が実態として生きてくるような努力をお願いいたしたいと思います。
 以上、要望いたしまして、本法案に対する私の質問を終わります。
#138
○高山恒雄君 私は局長にお聞きしたいのですが、先ほど質問したときに、大体給食はしてあるところも、ないところもできるという前提に立っておられるわけです。ところが今までの質問でもいろいろ大臣もお答えになったように非常に困難な状態があると思うのです。それで、この生活保護児童の問題にしても、また準要保護児童の問題にしても、今まで受けてないということから、今後それも考慮してもらうという希望は大体お答え願ったように私は思うのです。ところが、小学校なんかのこういう給食を基本的に考える場合に一体、国民生活の基本的な調査をして対処されるのかどうか。たとえば農家を中心とする児童が集中しておる所、都会の場合、ものすごい格差があるわけですね。また、同じ農村の中でも年収四十五万もとる所、あるいは二十四万くらいしかとらない所、そういうふうに非常に格差が出ておるわけですね。そういう格差を調べたことがあるのかどうか、一ぺんお聞きしたいのですがね。
#139
○政府委員(前田充明君) 郡部と申しますか、農山村とそれから都市との栄養状態の格差のことにつきましては、私どもとして一応調べてございます。
#140
○高山恒雄君 最高と最低を言って下さい。
#141
○政府委員(前田充明君) 私の今申し上げましたのは、厚生省の資料をそのまま利用したのだそうでございますが、それから現在、本年度、三十七年度におきまして、朝昼晩三食の都市と農村とを十五カ所にわたりまして調査をいたしました。その結果を今集計中ございまして、恐縮でございますが、ちょっと今細部の集計を申し上げかねますのでございますが。
#142
○高山恒雄君 まだ出ていない。
#143
○政府委員(前田充明君) 本年度、三十七年度におきまして行ないます。
#144
○高山恒雄君 出ていなければ、これはやむを得ないと思いますけれども、私は根本的な資料と申しますか、根本的な資料というならば、先ほど私が質問したように、小中学校の給食設備ができていない。小中でも格差があるごとく、さらにまた特に小は施設ができていない。できていないところに今後そうした粉乳を全額負担でやろう、こういうことになるわけですね。できていないところにやって、平均に八万何ぼですか、あなたのおっしゃったのは。
#145
○政府委員(前田充明君) 八万五千トンでございます。
#146
○高山恒雄君 八万五千トン、そういうふうに一律にやっていくということですが、それはつまり粉乳だけを配給をするということになりますね。ところが、根本的にやはり給食を奨励するということが私は基本だろうと思うのです。その給食を奨励する基本になるものの調査として、前回もお尋ねしたように、その地域によって児童の父兄が不賛成のところもある。あるいはまたその町村においてそれだけの経費がないためにやれないところもある。そういう理由で基本的な調査が私はなされていないと思うのです。一体町村における経費上やれないものが何万あるのか、やれるのにやらないのが何ぼあるのか、こういう資料に基づいて出されたのではないと私は思うのですが、その点はそうですが、そう考えてもいいですか。
#147
○政府委員(前田充明君) そういう資料に基づいて出したのではございません。
#148
○高山恒雄君 出したのじゃないのですね。そうなってくると、完全給食が粉乳としてできるかという私たちの質問に対してもあいまいな私は答弁だと思うのです。私がさっきから聞きたいのは、一体、年収四十五万五千から取る農村と、少なくともその半分しかない、二十四万しか収入がないという農村、こういうものを根本的に調査しなければ私は一律の粉乳だけの支給をされてもこれは実施できない、こう見ても過言じゃないと私は思うのです。したがって、これは大臣にお聞きしたいのですが、農村の収入にしても、半分しかない農村が数多くあるということだけは大臣も認めておられると思いますが、どうですか、大臣。
#149
○国務大臣(荒木萬壽夫君) はっきり数字をつかんで申し上げる能力は今ございませんけれども、大体はそういうことであろうと推察いたします。
#150
○高山恒雄君 そうなりますと、これは実際に実施も困難、と同時に、大臣に私はお尋ねしたいのですが、こういう事態の将来への均衡といいますか、をとるためにも、子供の発育の均衡をとるために特別のそうした貧乏市町村と申しますか、特別の措置を考えるその考え方はないのか、大臣にお聞きしたい。
#151
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 午前中のお尋ねに対しまして一般論の立場からお答えしましたわけですが、今まで完全給食を小学校で五割、中学校で二割見当やっておりますのも、自発的に給食をやりたいという意欲を持ち、能力を持ったところが年々歳々積み重ねられて、そのパーセンテージになっているというのが実情だと存じます。それ以外はやはり同じようにPRもし、その公共団体の能力、あるいは地域社会の能力、あるいは関心の高まり、そういうものを高めていくことによって順次普及率が高まるのを期待するという状態で今日参ったわけであります。したがって、完全給食を年次計画で実施しようとならば、御指摘のように、基本的な調査をもろもろの調査に基づいて合理的な案画がなされなければならないと存じます。早い話が、午前中も申し上げましたように、農山漁村と市街地、大分けにしましてもそれだけの社会的な相違が必然的にあるわけであります。食習慣もおのずから違うというときに、農山漁村向けには、普通、学校給食のモデル・スクール的に考えて、こんなふうな献立内容であれば、最小限度共通的に考えてカロリーその他からいって是認できる、市街地については、この程度のことを考えておればよろしいというがごときものが、少なくとも構想として具体性を持って文部省自体にあらねばならないと思います。そのことだけを自信を持って案画するにつきましても、容易ならざる困難を伴う基本的な資料その他が必要であろうと思うわけであります。そういうことと合わせまして、全面給食、完全給食を全面的にやるとならば、財政措置もむろんその基礎の上に立って考えられなければならない。しかも普及しようとならば、どうしても理屈抜きに、いやだと言わないまでも、積極的でないところは相当時間をかけてPRしながら漸進せしめるというのが相当であると思います。それらのことも考え合わせまして、着実に漸進していくという態勢でなければならない。さようなことを、もろもろのことを考え合わせましての五カ年計画、十カ年計画というがごときものを具体的に策定したい。その線に沿って一挙にはできませんでも、着々漸進していきたい、その準備も整えなければならない、そういうふうに考えるわけであります。今度の脱脂粉乳によりますミルク給食は、今申し上げたような意味合いにおいては、むろん御指摘のとおり、基本的な調査は疎漏な点がありますけれども、比較的部分給食としては実施しやすい課題ではございます。副食物その他の調理につきましては、調理人から栄養士までも備えませんければ、集団中毒等起こってはたいへんでございますから、根本的に問題がありますが、ミルク給食であれば、そういう点は比較的懸念も少ないし、画一的にやろうと思えばやれないことはありません。問題は、各市町村等の財政力とのにらみ合いにおいて、困難でありますけれども、比校的容易であり、また全面的給食にたどりつくまでの一礎石となる効果は絶大なるものがあろうと思うわけでありまして、小中学校全部に、建前としましてはミルク給食が行なわれるということを契機としまして、完全給食の方向へ具体的な一歩を踏み出すような自信のある案画をひとついたしたいものだと、かように思っております。
#152
○高山恒雄君 考え方はごもっともな御答弁をしてもらったのですが、大臣の言葉をかえて言えば、ほんとう言えばやはり施設を先にやるべきだということにもつながると私は思うのです。しかる後に完全給食を実施する。これが実際の実施面からいくならば、私も建前だと思うのです。そうなってくると、これは文部省が最初提案したのじゃなくて、賀屋構想によって実施をしたらどうかということが流布されておったのですが、文部省としてはあまりそれは賛成でもなかったのだけれども、全部出してくれるというならば一ぺんやってもいいじゃないか、こういうことで、私は安易にやられたのじゃないかという考え方を持つものです。しかし、やることについて私も反対はいたしません。反対はしないけれども、実際現実に実施されるかどうかということになってくると非常に困難性のある問題だ、困難性のあるものをやるからには、私は早急にやっぱり全地域にわたる、農村あるいは都市、さらにまた漁村におけるところの収入ですね、したがって、非常に財政力の弱い町村、こういうような問題を根本的に調査の結果、物別助成法というものを考えていかなければ、私は将来その格差の是正なんというようなことは、およそこれは望めないんじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、大臣はそういうふうな構想もないことはない、やるからにはそういういき方をしなければいかぬと、こうおっしゃるから、私はその意見に反対するわけじゃありませんけれども、少なくとも今度の案は、にわか作りの、やはり世上で言われている、文部省は考えていなかったけれども、賀屋構想でやったんだという評判が出ているようなケースで、安易な気持で私は実施されておるんじゃないか、それをやるまでに、まず特別の処置として、給食の奨励、完全実施を、政府として設備資金も出してやる、こういういき方が建前ではないか、私はこう思うのです。まあしかし、今日完全ミルクの給食をやろう、こうおっしゃるのですから、私は根本的に反対しませんけれども、これらの実施については相当の注意をしていただいて、完全実施の成功をひとつやってもらいたい、こういうふうにお願いします。これは意見ですが。
#153
○委員長(北畠教真君) 本法案に対する質疑は一応この程度にとどめます。
#154
○委員長(北畠教真君) 次に、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
#155
○米田勲君 前回のこの議題に対する質疑応答をいろいろ検討をしてみたのですが、特に国立高専校十七校の設置問題に関係する質疑応答の中には、納得のできないところがだいぶあるので、そのことをあらためてお聞きをいたします。
 第一に問題なのは、どうも文部省が提案をしてくる法案の出し方並びにそのことを審査する際に答える答弁、これが支離滅裂になっておるということを指摘したい。例を具体的にあげると、去年、この法案と内容は、違うが、国立学校の設置法の一部改正の法案を出してきたときに、その内容に、旧制大学が全部廃止になるという内容のものがあった。そのときに、海務学院だけは、失念をしたのじゃなくて意識的に残してあったのかもしれないが、とにかくそれを一つぽつんと残して、おかしいではないかという私の質問に対しても、いろいろ弁明これ努めておったが、その海務学院の始末の将来の計画、具体性はほとんどないままこれだけを残しておった、こういう提案の仕方を一つしている。それから次にあげるのでは、京都大学の原子炉の研究所の問題、これを提案するときには、どういうことを言ったかというと、予算だけ提案をしてきて、これを審議してくれ、これじゃけしからんではないか、大体、設置法も改正案を出して並行して審査を求めるのが当然じゃないか。国会はこれに必要な予算だけを審議しろ、設置法はそれから具体的に動き出したときに提案しますという、こういう答弁をしておる。この法案の提案の仕方、今度はまたそれとはまるで違う。十七校の高専校を設置するという案を出しながら、三十八年度には十二校だ、三十九年度には五校だ。よく聞いてみると、三十九年度設置の五校も、実はその五校にとどまるのではない、プラス・アルファがある。そうすると、十校になるか十五校になるのかわからぬが、とにかく五校だけではない。しかもこれの質問をすると、五校を三十九年度に回したのは政治的な配慮ではなくて、いろいろの条件を整備するための準備期間が必要だから、それで五校を来年度分、三十九年度分にかかるものであるが、同時に提案をしておると、こういう答弁です。諸条件の整備を必要とする準備期間が要るから三十九年度設置の分も合わせて提案するのだという、そういう答弁の立場から言えば、何で五校プラス・アルファ全部を、三十九年度に設置すると予定される全部を、なぜ同時に提案しなかったのか、ここに大きな疑問がある。何で五校だけを明らかにしてプラス・アルゥファを伏せたのか、こういう伏せ方をしている限り、諸条件の整備のための準備期間が必要だということは非常に答弁が矛盾している。もっと別な答弁があってしかるべきだ、この答弁には納得ができない。今具体的にあげられた三つの法案の提出態度、それの答弁のやり方、いずれも四分五裂で、そのときの都合のいいようなことを言っている。一体、国立高専の十七校設置案を出しているのに、何で三十八年度分と三十九年度分と二つに分けて提案したのか、これに対してひとつ答えてもらいたい、もう一度。そうして先ほど具体的に指摘した三つの法案の提出の態度、その答弁の仕方、そのときそのときに出してきたものに対して言いのがれをするような答弁をしておる、この三つの答弁の仕方、提案の仕方に矛盾はないか、この二点をまずはっきりして下さい、局長。
#156
○政府委員(小林行雄君) お尋ねの第一点の旧制大学の廃止に関する点でございますが、確かに海務学院だけは残って、今回御提案申し上げておる法案でこれを廃止しようということにいたしております。これは御承知のように、海務学院と申しますのは、旧制、要するに戦前、高等商船学校時代からありますものでございまして、高等商船学校卒業後、実際に海上の勤務に服した者に対する再教育機関としてあるものでございますが、確かに前年度におきまして、これをどうするかということの取り扱いについても議論がございましたけれども、当時、海務学院の御当局のほうでは、やはりさらに慎重に検討する必要があるということで、前年度の改正のときには間に合わなかったのでございますが、その後いろいろ検討せられました結果、いわゆる大学の専攻科で間に合うのじゃないかということに意見がきまりましたので、今回御提案申し上げておる法律改正でこれを廃することにいたしたわけであます。それから京都大学に設置いたしますところの原子炉実験所でございますが、これも実は経費といたしましては、三十六年度以来、施設費等を計上いたして参っております。ただ三十六年、三十七年、これは施設並びに原子炉の設計、発注等の準備に費されまして、三十八年度において初めてこの原子炉の輸入組み立てができるわけでございまして、三十八年度末には、実際に運転可能になるということでございますので、この時期をとらえて、共同利用の研究所として三十八年度中に原子炉実験所というものを発足させたいというふうに考えたわけでございます。
 それから第三の国立高等専門学校でございますが、確かに十七校のうち五校だけを三十九年度発足、こういうことにいたしております。これは予算折衝等の経過から申しますと、御承知のように十七校全部を実は三十八年度に設置をいたしたいということで財政当局と折衝いたしたわけでありますが、そのうち十二校だけが三十八年度発足ということが認められたわけでありまして、ただし残りの五校については三十八年度中に施設の整備をするということが経費的に認められたわけでございますので、この五校についても建物の整備、それから土地の造成等も三十八年度中に行なう、またこの法案を認めていただければ多少教官陣容等の準備もいたしまして、三十九年度には四月早々発足させたい、私たちも責任をもって発足させたいという意味から、この五校を三十九年度に発足するということにいたしたのであります。もちろんお尋ねの中にございましたように、三十九年度発足のものはこの五校だけに限るかというと、私ども必ずしもそういうようには考えておりません。できればこの五校以外にも何校か、設置条件にかない、また設置の要望のある地域のものにつきましては、これを取り上げたいと思っておりますが、ただいま御説明申し上げましたように、予算要求の十七校のうち五校が三十九年度に回った、そういう経過から、この五校だけを今回の改正案で御審議を願っている次第でございます。
#157
○米田勲君 局長、そういう答弁が筋が通ると思って自信を持って言っておりますか。あなたたちの答弁は、そのときそのとき都合のいい答弁をしているということを指摘している。今ごろ国立高専でそういう話をするならば、何で去年の原子炉研究所のときにああいう答弁をしたのか。ああいう答弁をされて、慣行だと大臣は突っぱっている。予算だけをやって、いよいよ動き出すまで設置法の改正案を出す必要はないのだ、それが慣行だ、そういうことを言って突っぱっている、すなおでない。そうしておいて、今度は全くそれと逆でしょう。実際に動き出しもしないものを提案をしてきている。そういう答弁の態度が議院の審査を混乱させる。どの法案を出してきたときでも一貫して提案の態度をきちっと整えるべきですよ。提案をして、それで答弁するときも去年の答弁と今年の答弁に筋が通るようにしなければならぬ。去年逃れるときには、予算だけ審議してもらえばいいのです。具体的に運転していく段階になれば設置法の改正案を出します。それが慣行だと言い切っているのだ、あのとき。僕は不届きだと思ったが、それが慣行だと突っぱるから、その責任はもちろん負うつもりで答えているのだと私は判断をしている。これは局長の答弁じゃない大臣の答弁だ。慣行だと突っぱった限りは、この国立高専にもなぜ慣行を適用しないのか、三十九年度にならなければ具体的に動かないものを今提案をしているというのは矛盾をしている、こういう指摘の仕方をしているのだ。
#158
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の点は、ある程度矛盾がないとは申せない面もあるかと思います。原子炉の実験所が、第一、敷地の物色にたいへん手間取ったわけでございますが、昨年申し上げましたように、現実に整備されまして動き出すめどがついたときに設置法の関係で御審議願う。こういうのが少なくともそれまでの慣例であったことは事実でございます。たとえば教育会館につきましも同じ御質問が衆参いずれかであったと記憶いたしますが、これも年次が二カ年、三カ年にわたるのでございますので、初年度は予算だけで設備すらも完成しないことがはっきりいたしておりましたので、設置法といいましょうか、その運営の方法についての御提案を申し上げないできているのであります。その意味で、従来の慣行は昨年申し上げたとおりのものであります。幾分それと違うと私今度考えますのは、先日もお答えしたと思いますが、すでにこの国立工業高等専門学校の基本法は御審議を願って定まっております。三十七年度には現に十二が発足いたしております。その同種類の学校を設置するわけでございますから、高等学校の急増対策の例にならいますれば、できることならば前向き姿勢で整備するということが望ましいことだと考えます。同時に、御批判はございましょうとも、地元の敷地に対する非常な御協力を願って、その上に立ってこの学校ができ上がるわけでございまして、そういう建前からいたしましても、具体的な場所に学校が開かれるということは、なるべくすみやかに確定をしておいていただく意味があるであろう。さらに予算なり法律案なりを御審議願っている年度の翌年に発足するにつきましては、実際問題としては相当困難が伴うわけでございます。そこで一番最初に発足いたしましたときの現実の情勢は、御承知のとおり、年度内から準備をしなければ翌年度初頭の開校ができないという関係もございまして、それは便宜政令の定めるところによって実施してよろしい、法律委任に基づいて年度内準備をして翌年度初頭に開校を実施して参ってきたわけであります。したがって、三十八年度開校分につきましては、同じようなやり方でやらざるを得ませんが、もしできることならば前向きの姿勢が望ましいことはたしかでありまして、したがって、教育会館ないしは原子炉実験所等と幾分質を異にする、また具体的な事情も異にするという意味合いにおいて、従来先例がそうであると申し上げましたことに対しましては例外をなすような形でございますが、実質的には以上申し上げたような相違があり得る課題でもございますから、御賛同いただけやしないか、かように思うのであります。
#159
○米田勲君 今の大臣答弁でも私は納得できないのだ。何が慣行だか知らぬが、研究所にしても教育会館にしても学校にしても同じことが言えるのだが、予算だけを提案して、そのものがどんなに運営されるのかわからないような予算の提案をしてくる、そうして審査を求めるという態度は、僕は基本的には間違っているのじゃないかと思う。どのような運営が行なわれるのだ、こういう構想なんだ、それに対してこれだけの予算が必要なんだというふうにして審査を求めて、初めてわれわれのほうとしては、それがいいか悪いかという判定ができる。大体運転をし始めなければ設置法の改正案を出さなくてもいいのだ、それが慣行だということには無理があるし間違いじゃないか。議会に予算を出してくる限りは、その予算がどんなふうに使われて、そのものがどういうふうに運営されるかということを当然合わせて答えなければならない。だからあのときにそのことを指摘したのを強引に押し切って、われわれの意見に納得したような顔をしない、そうしてその場は切り抜けて、切り抜けた限りは、相当筋を通して次の年も出てくる、今度は別なことを言う。だから私らは審査が十分できない。疑問があちこち起こってくる、こういうやり方をすると。その場限りでうまく切り抜けようなんということでは納得できない。それから、この国立高専校の十七校設置案に対して、実際は二十二県、二十九カ所の設置希望が出ているのでしょう。文部省に強く、地元から設置をしてほしいとう、いろいろな条件を付して要望が足しげく行なわれていたはずです。そういう設置希望がたくさんある中から、十七校を選定したというのには理由があると思う。その理由は後ほど聞くにしても、三十九年度分に五校だけ回して、プラス・アルファは伏せたというところが納得できない。こういうやり方は、文部大臣に言わすと、地元の協力が云々と言うけれども、三十七年度に提案をしたときの、あの設置個所のきめ方には大いに疑義がある。自分のことに関連するから誤解を受けちゃ困るんだが、私は北海道の空知というところに住居を持っておるのだが、この空知というのは、御承知のように工業地帯であり、観光地帯として、農村と都市があり、本州の一県に相当するくらいの人口を持っておる。そこの中心地に、空知の全町村の議長から、議会議員から市長が合同して、文部省に、ぜひ滝川に設置をしてほしいということを陳情に来ておったことは御承知のとおり。私も、機会があって、一緒に行ったことがある。そのときには、場所といい、条件といい、きわめてよろしいと、局長の言葉を聞いていたり、当時の次官の答えだと、まず大体条件は整っておるものというふうに判断をされるような答弁をしておる。しかし決定は函館と旭川になった。何で函館と旭川になって滝川や苫小牧が排除されたか理由がわからない。これはいろいろな活動をした人の動きの結果、いろいろなものがいろいろな活動をするのは当然だと、大臣はあのときに答弁した。しかし私は、こういう国立学校を設置するからには、そういう政治的な配慮や活動が相当なウエートを持ってくるということは正しくないと思っておる。純粋な教育上の立場を配慮し、日本の文教政策の将来を見通した、そういう立場から設置個所を選定すべきなんです。それが政治家の暗躍で、いろいろネコの目のように設置個所が途中で変わっていくというような事態が三十七年度にあった。そのことと今度の、二十二県二十九カ所から設置を希望しているのに、その中から十七校を選定した。そうして三十八年度には十二校、残りは三十九年度、三十九年度は五校じゃなくてプラス・アルファがある、こういうえたいのしれない法律案、大体私に言わせると、この法案の提案の仕方は間違っている。三十八年度に新設をする国立高専校の設置案を提案すべきだ。三十九年度には、五校じゃないのだから、五校プラス・アルファの全体を整備した上で、あらためて法案を提案するというのが建前である。こういう提案の仕方には何としても政治的なにおいがぷんぷんとしている、そう疑わざるを得ない。純粋な文教政策上のそういう立場から設置個所をきめたのだということを答弁するかもしれないが、われわれは納得できない。自分の意見ばかり言っておってもしようがないから質問をするが、十七校設置案を提案しながら、十二校と五校と分離した、その二つの群の中にはどういう条件の違いがあるか、一つ一つについて明確に説明をしてもらいたい。
#160
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一応私から総括的な立場で申し上げたいと思います。三十七年度開校の分につきましては、御指摘のように、ある程度の混乱があったと思います。望ましいことではございませんでしたが、現実にある程度そういうことがあったと思います。その原因は、初め私ども考えましたのは、予算折衝が済んで、何カ所分というのが政府案として一応内定した後に、どこどこという場所を具体的に推定することが適切であろう、ひょっとしたならば、予算折衝が不成功に終わるかもしれませんものを、具体的な場所を掲げてやることは適切でないという判断があったのであります。とこが現実はなかなか、熱意があればこそとは思いますものの、やかましくなって取捨に迷った、弱ったという場面がないではございませんでした。そこで三十八年度の予算要求につきましては、初めから、いつも申し上げる四つの原則を念頭に置いて、先順位に考えられるものを予算要求のときに具体的に掲げて要求すべきである、それが誠実な態度じゃないかということで、十七を具体的に示して、むろん新聞発表等は極力控えるつもりでやっておりましたが、要求したのであります。したがって、以上申し上げたような事務的なものさしによって、純粋に選定しましたものが十七でございます。その十七は、具体的な設置個所も、文部省としては予定しましたものを要求いたしました。予算折衝の結果が、十二校分に三十八年初頭に開校できるという内容の予算が、相談がまとまったのでございますが、その残りの五つにつきましては、どうしても財政当局との間に、同時に発足するだけの予算折衝が成り立ちませんで、施設費だけが相談がまとまったわけでございます。そういうことのために十二校と五校が分離された形になったわけでございまして、十二と五つの分離の仕方は、地域的な配分あるいは敷地の入手関係等の問題の厚薄がございますことを念頭に置いて仕分けをいたしたつもりであります。なお、もっと具体的に申し上げる必要があれば政府委員からお答え申し上げます。
#161
○委員長(北畠教真君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#162
○委員員(北畠教真君) 速記を起こし
 て。
#163
○米田勲君 この十七校設置案の内容が三十八年度分として、三十九年度分と条件が分離されておる。この二群の間に条件上どんな違いがあるのかという私の質問は、さらにこれは三群になっておるわけです。考え方を変えると。二十二県二十九カ所の中から、一つは十二校です。三十八年度。五校は三十九年度、しかもこの五校はプラス・アルファがあるわけです。残余の二十二県二十九カ所の中から十七校を引いただけがまだある。こういう三群になっておるのですがね。今、文部大臣の答弁だと、予算がとれなかったという一本建ての理屈ならその理由はわからぬわけではない。しかし敷地の問題だとか、地元の協力なんというようなことをつけ加えるとなると、これは答弁が納得できない。なぜかというと、この二十二県二十九カ所は、私のところはぜひ設置してほしいが敷地については協力しませんなんといっているところはない。みんな大体ほかのところと同じぐらい協力態勢を、条件を整備してきている。だから敷地の問題で云々とか、地元の協力に度合いがあったとか、そういうことをいってこの三群を区別したという答弁はこれは納得できない。それで具体的なことをまず局長に聞いてみて、それで納得できればいいし、できなければ大臣にもう一ぺん質問をあらためてします。
#164
○高山恒雄君 関連して、ちょっと局長でも大臣でもいいから質問したい。米子と松江というのはほんの近くなんです。どうしてそういう分け方をしたのか、それもひとつ答弁の中に入れてもらいたい。
#165
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 高山さんのお尋ねにお答えしたいと思いますが、毎度申し上げておりますように、できれば各都道府県に少なくとも一カ所ということは、この国立高専を考えるにつきまして必要であろう、こういう前提でスタートをいたしております。各県で、県庁所在地に置きたいと思うか、あるいはその他の市街地に置きたいと思うか、あるいは教育的に見ましてもどこに置くかという見解はそれぞれございますが、たまたま今御指摘の県は、県庁の所在地とそうでないところに当該県としても希望いたしておるようでございまして、そういうことがたまたま距離的には近所になるという例は四国にもございますが、県民たる青少年が遠くの学校に通わなくても県内の学校に通うことによって、あるいは次三男対策にもなり、あるいは農業基本法の面からするその新たな職場を追及するよすがにもなるであろう、こういうことから各都府道県一カ所くらいはということになっておりますことがたまたま御指摘のようなケースが出てくる、こういうことに御理解をいただきたいと思うのであります。
 それからなお米田さんのお尋ねでございますが、なるほどお話のとおり三群に分かれることになるのは、これは算術的に必至なわけでありますが、これは先刻もお答え申し上げましたように、何にしましても地元における敷地提供ということが、よかれあしかれ認定条件たらざるを得ない一つの要素でございまして、なるほどお話のどおり、一応登場しております設置希望個所については、熱意についてはほとんど甲乙がないものだとむろん思います。ただ、熱意は同じでございましょうとも、敷地造成についてのその具体的な度合いはおのずから違っておるのでございまして、今度の場合は予算要求をいたしますまでに、極力その具体性を御説明を願って取捨の一つの目安にもいたしておるようなことで、それがいわば十七の序列から第三群がはみ出したという結果になったわけであります。そういうことでございまして、特別に従来申し上げております以外の理由で取捨したという考え方はございません。
#166
○米田勲君 私は、この個所づけが純粋に文教政策上の立場から考えられていったのであれば納得できるし、そういうものであればまたそういう形をとるはずなんです。なぜかというと、これは予算の折衝上こんな結果になったのだという答弁は矛盾しておる。それはどういうことかというと、十二校プラス一校ないし二校の予算であればあるはずです。それを五校に延ばしたから、三十九年度に設置を予定する五校の予算といたしましては、それは一校をぴしっと独立して建てるだけの予算折衝はできない、そういうことが考えられる。しかし十二校を十三校に三十八年度するということであれば、これは数字の上からいうと少し違いはあるかも知らぬですよ、私の言い方は。しかし、概算で考えれば、十二校にもう一校くらいプラスできる総体の予算要求なら成立したんじゃないか。それを十二校は三十八年度やり、五校は薄く延ばして、とりあえず費用を薄く延ばしてこれは三十九年度だ、三十九年度は薄く延ばした五校だけならまだ話がわかるのに、そのほかまだプラスアルファがあるのだ。そのほかにもう一群あるやつは、熱意については十分にそのどこも同じくらいのレベルにある、しかし敷地の条件が違うというが、文部大臣はそういうことを断言できますか。この第二群になった秋田以下の五校、五カ所と、残された個所との間にほんとうに敷地の条件の上でこれをふるい捨てた客観的な理由が立証できますか。私はそういううまい言い方では納得ができない。提案の仕方に無理があるのだ、大体。何かしらこの五校に薄く延ばして三十九年度に設置するものを今ごろ提案したのには別な意味がある、そういうふうな解釈をしなければつじつまが合わぬのだ、あなたの出してきている出し方は。どうですか。
#167
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 結論から先に申し上げれば、まあいろいろと深い御省察があるようですが、そんな深い考えはございません。当初から、先刻、政府委員も申し上げましたが、私も申しましたとおり、本来ならば、極端なことを申し上げれば都道府県全部に一挙に置きたいというのが文部省の立場でございます。ところが、実際問題としますと、一カ所に敷地をかりに現地で心配していただきましても、何億円かかるという程度のものですから、予算要求の事務的常識からいきまして、一応、文部省に振り当てらるべき予算規模というものは限界があるということを総括的には念頭において要求をするのが実際でございます。三十七年度開校分十二校につきましての概算要求のときも、既設のものを切りかえるものと、それ以外のものとを合わせまして要求したわけですが、成立しましたのが十二にとどまりました。したがって、三十年八度開校を意図しまして二十も三十も要求したいのは山々ですけれども、おのずからそこに、ただ山をかけて吹っかけたんだと思われるのもしゃくですから、常識的な線で数を限定せざるを得ない。そこで十七を選んで要求したわけでございます。十七選ぶにつきましては、その他の、あなたが言われる第三群に結果的になりましたものと合わせて総合的に判断しながら、十七をいわば四つの条件に照らし合わせましての濃淡の順序に応じて十七を選んだということでございます。十七のうちに十二と五つに分かれたのも考え方は同じことでございまして、主として敷地の問題についての具体性が主眼点ではございましたけれども、地域的な配分その他もむろんあわせ考えまして十二と五を振り合けた、こういうことでございまして、全然初めから十七を、先刻お答えしましたように、具体的な場所までも予定して、その内容を添えて財政当局には要求をいたしておりまして、いささかの作為もございません。
#168
○米田勲君 それでは局長にお聞きをいたします。まず第一に、十七校のうち十二校と五校の二群に分けた条件の違い、これを明確にしていただければ納得します。
#169
○政府委員(小林行雄君) 先ほど大臣がお答え申し上げましたように、一つは地域的な配分関係を考慮いたしました。それから、一つは敷地の取得の準備の進捗状況といったようなものを考えたわけでございます。で、具体的に申しますと、たとえば三十九年度に回りました秋田の高専につきましては、御承知のように、名取、それから鶴岡、八戸というものをとりました。八戸との地域的な近接関係というようなものを考えて秋田は三十九年度に回ってもやむを得なかろうというふうに考えたわけでございます。それから、広島につきましては、御承知のように対岸にすでに新居浜の高専、高松の高専もございますことと、それから広島は実は一昨年から要望をされておったわけでございますが、その割に土地取得の準備が必ずしも確実と見られない点がございましたので、これは三十九年度、後年度のほうに回したわけでございます。それから鳥取、米子、富山、これももちろん土地の提供の準備は一応されておりましたけれども、ほかと比較をいたしますと、かなり具体性と申しますか、進捗の状況は総体的には劣っておるのじゃないかと……。
#170
○米田勲君 土地のことですか。
#171
○政府委員(小林行雄君) 土地取得の準備の状況が具体的には劣っておるのじゃないか、こういうふうに私ども判、断をいたしました結果、これらの五件については三十九年度にかけてその辺の準備を十分してもらおうということにして、後年度に回したわけでございます。
#172
○米田勲君 今この十二校と五校の分との間の違いを具体的に説明をしてほしいということで局長が答えたんだが、あなたの答えていることは抽象的で、何もこの二群に分けた決定的な理由を理解させる答弁にはなっていないでしょう。どれもこれもあいまいでないですか。地域的に考慮したとか、土地の問題で云々と言っているが、それほど明確に二群を分けるということができるほど違いがありますか。しかも、そうなってくると、第三群との差がますますわからなくなってくる、五校と三群との関係が。だから私はこれは政治的な配慮だという正直な答弁なら、それはそれで批判があろうとも話はわかる。しかし、何かこじつけて、秋田の場合は八戸との関係で地域的考慮だ、広島の呉は新居浜があるからとのいって、海の向こうにあるものと地域的な関係を考えるのは少しどうかしていますよ。だから地域的な配置を考慮をしたということは、あとからくっつけて何でも理屈つけられるつけ方なんです。そういう物の言い方は、そして土地の取得状況の問題については、私はもうこのことし要望してきている二十二県、二十九カ所はそんなに差がないのです。しかも文部省が文教政策上年次計画を腹案として持っておって、それぞれこういう個所にまず順次に建てていくという確固たる方針があれば、その地元に対して土地の買収費も見積らぬで寄付させるという態度はけしからんけれどもいずれにしても条件整備の話を持ちかければ幾らでも地元は協力する態勢がある。あるのに何か区別をつけなければならぬからといって、この二群、三群の差なんというのはほとんどないにもかかわらず差をつけて説明している。もっと納得させるためには明確に話しなさいよ。子供でも納得できるようなきわめて明瞭な物の言い方をなさいよ。ここをお役ではだめですよ、もう一度答弁しなさい。
#173
○政府委員(小林行雄君) まあ今お尋ねの中にございました三群と申しますのは、要するに三十八年度に設置の希望がありましたけれども、要するに十七校に取り上げなかった、そのものでございますが、具体的に申しますと、たとえば東北の一関というのは非常に実は立ちおくれて整備の状況も不十分でございます。それから滋賀県にたとえば県内のどこかにということだけであって具体的にまだ場所はきまっておりません。それから、熊本県は熊本市と八代、両方とも希望されておりまして、全然場所の決定が一カ所にしぼられておりません。それから宮崎県もこれから場所をきめるので、三十九年度以降にぜひ希望したいというようなお話がございました。それから福岡県におきましては、小倉と久留米両方からいずれも出ております。久留米は御承知のように、現在、工業短期大学がございまして、これをできれば高専に切りかえてもらいたいという御要望が、その市とそれから大学側にございますが、小倉の関係もにらみ合わせまして、三十八年度の十七校には取り上げなかった次第でございます。
#174
○米田勲君 局長にお尋ねをいたしますが、あなたはここのところは準備が整っておらぬ、土地の問題についてまだ確定していないというふうに区分けした条件を無理に引き出してきておるが、文教政策上どこの場所に建てたいという積極的な文部省にきちっとした方針があるなら、そのことを提示して相談をすれば、その地元はとにかく建ててほしいという全市あげて、県をあげての話だから条件整備するんですよ。する態勢のあるのに、ここは整備していない、そういうことができないのかということを積極的にほとんどやりもしないで差別をつけておる。私に言わすと、それを幸いにして差別をつけている、三群に分けて。私はどうもこういう国立学校を建てていく場合の文部省に純粋な意味の教育政策上の信念がないんじゃないか、それが先行しておらなければならないものがはっきりしていないんじゃないか、だからいろいろな条件のために災いされて計画的にものがいかない。言葉をかえると政治的な配慮だとか影響力に相当左右されて、こういう国立学校が設置されていっているという傾向を私は指摘するんです。だからこういう法案の提案の仕方にならざるを得なくなってくる。これをもしほんとうにこういう個所に年次的に、計画的に建てていかなければならぬというのなら、三十九年度の分には五校プラス・アルファをきちっときめて、そのかわり予算がとれないから三十八年度は十二校にならないかもしれない、それは八校くらいになるかもしれない。しかしきちっと三十八年度分に建てる計画もあわせて、答弁のように準備期間を必要とするんだ、そのために三十九年度分も提案したんだということ首尾一貫させるためには、そういう配慮がきちっとあれば筋が通っていると私は言える、ところがそうでなくて提案をしてきておるところに、これはどうも純粋にあなた方の言っておることを、まっ正直にああそうですかと言っては納得できないような幾多の疑問がつきまとっているわけです。だから私はこの法案は三十九年度分については削除をして、すっきり三十八年度だけ審議をして、早急に今から、もう確保した分はあるんだから、それと三十九年度にどうしても建てなければならぬ学校の総数を確定して、そうして地元に対しても、いいことではないか、条件整備について御協力を願う、大学に対しても御協力を願う、こういうふうにしてすっきり三十九年度の分はまとめてまた提案をする、こういうふうになるべきではないかという、そういう提案の仕方であれば、すっきりあなた方の答弁と合うんですよ。私らのほうも余分なことを考えてせんさくをしなくてもいいことになる。それがこういう奇妙きてれつな提案の仕方をしてきているから、どうも純粋に出てきておるものではないんじゃないか。その地元の出身の国会議員などが、大いに政治力を発揮したために、文部省としては心ならずもの形をとらざるを得なかったという、そういうことを言わないでおいて、へ理屈をつけるから、どうもすきっり納得ができない。私は何もしつこく言っておるのではなくて、もっとほんとうのことを言って理解さしてくれればいいんだよ、審査を受けるからにはそのくらいのはっきりしたあなた方も出方をすべきですよ。そうすれば僕らもぼんぼん聞かなくていいようなことまで聞く必要ないんですよ。どうだね局長、あなたのほうが具体的にやったんだが。
#175
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私から一応お答えいたしますが、おっしゃるような意味での政治的配慮はございません。それは先刻お話したとおりでございます。十七をそもそも選びましたときに、そういう配慮をしないで選んでおります。予算折衝の結果がやむを得ず十二対五と分かれざるを得ないから、十二対五に分けたということでございます。第三群との差別についても、先刻申し上げましたような考え方
 でやっておることも確かでございます。ところが第一群の十二番目に位するものと、第二群のトップに位するものとのその境界線は、必ずしも入学試験の点数でぴしゃっときめるというようなわけにはもちろん申し上げられません。それから土地の造成の具体的な準備状況の比較、あるいは地域的配分の比較、あるいは既設大学の比較、これらが総合されまして事務当局の判断において二群に分けたのでございまして、そのこと自体に地元の政治家の圧力の強弱が影響している痕跡はございません。府県につきましても、私も代議士の端くれのわけでございますが、事務当局一任でございまして、自分自身でああだこうだと言った覚えはございません。そういう経過でございます。むしろ地元の政治家の御意向をひけらかしながら、わんわん熱意を表明されるということで、案外勢いにまかせて十七の中に入り得る、あるいは十二の中に入り得る、これこそいわゆる政治的を色彩が濃厚なものもなきにしもあらず、そういうことは厳密に事務当局で現地調査等もいたしまして、その判断に立って取捨したことは事実でございます。なお、三十九年度開校分についていろいろお話がございますが、先ほどもお答え申し上げましたように、昨年の他の案件との比較において答弁に矛盾ありという御指摘でございますが、形式的には矛盾とおぼしき部分もないと私は申し上げませんけれども、これとそれとは、おのずから性質の相違からくるやむを得ざる意味合いも御理解いただけようかと思います。当然の形式論としての理由になりましょうけれども、結局、地元の熱意に依存して敷地を提供していただくという、その具体的な進行状況の熱意にこたえる意味におきましても、予算がついていなければ別でございますが、施設の予算はついておる、しかも一方前向き姿勢でやったほうがベターであることも理屈抜きに事実でもございますから、そういうことに重点を置きまして十二と五つに分け、そうして開校する時期も一年ずれるという格好になっておることは、形の上では御指摘のとおりでございますが、実質的にごらんいただけば御理解いただけそうな気がするわけでございます。そういう点で御理解をお願い申したいと思います。
#176
○米田勲君 一番さきからそういう答弁をもっと具体的にやれば時間が倹約されたんだ、答弁の中には私の納得できない言葉もありますよ。しかしきょうの場合は、この質問に対しては大体納得のできないままひとつ次に進みます。
 ところで、三十九年度にはプラス・アルファするということを答弁しているんだが、三十九年度、四十年度と二カ年にわたって、来年度、この次の提案のとき三十九年度の残りプラス・アルファ分として三十九年度と、こういう提案の仕方をする考えですか。
#177
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうことを予定した予算要求はしょうとは思いません。ただ、もうちょっと申し添えますと、先刻のお答えを繰り返しますが、十七につきましては、できれば十七全部を一年でも早く実施したいという考え方が文部省の立場でございます。ですけれども、財務当局との予算折衝の途中におきまして、十二は完全に開校できる予算はつけるけれども、あとはだめだという場面に際会しまして、それをさらに蒸し返して、折衝の結論が、それならば三十九年度開校というのなら、施設費だけをつけることによって、まあいわば妥協しようというふうなことで終着駅に到着するものでございますから、結果的に、以上申し上げたような理由のもとに御審議を願わなければならない事態が出てくるわけでございます。しかし、それは何もごまかしじゃなしに、大まじめで申し上げておることは、以上お聞きいただいたとおりでございます。そういうことでございますので、三十九年度において今御審議願っておる五校プラス・アルファ、それと今度四十年度開校の分とを何か仕分けして初めから出す予定であるかどうかというふうなお書ねだと思ってお答えしておるのでありますが、以上申し上げた理由によりまして、そういう仕分けをして御審議願うつもりはございません。
#178
○米田勲君 これは、この前の質疑応答で明らかになったのは、原則的には四十六都道府県に一校、地域によっては、何校かにふえる個所もあるが、とにかく原則的には、一校、それから、農業高専校という配慮も検討いたしたいということを言っていることであるのだから、三十九年度分のプラス・アルファから以降の残余の五カ年計画については、あらかじめ私はこれはもう案を立てるべきだと思う。そうして、土地の買収費も予算上見積もるという建前で努力をして、なおその他の地元、あるいは付近の大学、協力大学の関係などの条件を着々積極的に文部省が働きかけて整備をしていく、そこには何らの妙な政治的な動きがなくても積極的にどんどんできていく。全体、五カ年計画の最後までのコースはこれなんだということを明らかにする必要がある。その計画に乗せてこの五カ年計画を完成することであれば、去年、今年と、こういう妙な法案の審議をしなくても、すっきりしたものになっていくのではないか。だから、来年度は三十九年度分の残余だけを提案する。もちろん予算が取れなければ、それだけしか提案しないということになるかと思うけれども、文部省としては、少なくも全都道府県に一校以上建てるという計画なんだから、そのほかに農業高専もという検討も進めるのだから、それでその計画は立つはずですよ。それの計画と合わせて、協力を願う分には年次的に計画を完成してもらう、協力の計画を完成してもらう、こういうやり方で成案を得ておいて、その上に立って大蔵省との予算折衝をやる。そして予定どおり五カ年計画を完成させて、中堅技術者の計画的な養成を行なう、こういうふうにいくべきだと思うが、どうも来年度のことについては、ちょっと聞いてもどうなるのかあいまいだが、来年度以降のことについて、この五カ年計画をどう始末つける気だか、私の言うような構想でやれることが、明朗に純粋な教育的な立場、文教政策の立場からこの計画を完遂できることになると思うが、そういう考え方にならないかどうか。別な考え方があるかどうか。
#179
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体仰せのとおりの心がまえで今まできたわけでございます。ただ、現実問題になりますと、土地に関して悩みを持つわけでございまして、これがあらかじめ机上計画的にやりましても、そのとおりにならない要素を含んでおります。したがって、年次的にどこだときちんときめることが困難な事情もございます。しかし、そもそもが都道府県に一カ所ぐらいはというような考え方に立っておりますので、おっしゃるような意味での年次計画というものを第一義的に考えなかったということはございません。三十九年度以降の計画につきましては、できることならば、もっときちっと年次計画が、具体的な場所までも予定してできるように検討をしてみたいと思うのです。農業高専につきましては、制度の改正、法律の改正をお願いしなければならない課題としてまず登場せざるを得ぬ。これにつきましては農林省等とも関連をもって検討を要しますので、具体的に三十九年度課題として必ず御審議願うことになり、間に合いますかどうか、ちょっとさだかでない面もございますが、しかし方向として、考えらるべき課題という気がまえのもとに、間に合うことならば準備したい、かように思っております。
#180
○米田勲君 今の大臣の答弁から、われわれはこういうふうに理解していいですね。残余の県に対しては、あと三カ年の計画、これをまず成案を得る、その上に立って、いろいろ条件整備のために、積極的に文部省のほうからも働きかけ、そうして計画的にいよいよ準備態勢を整えていくというふうにした上で、大蔵省との予算折衝に入っていく、こういうふうに行なわれると理解していいですね。
#181
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 心がまえとしては、そういうふうにやりたいと思います。
#182
○米田勲君 それでは次の質問に移ります。前回の質問が途中で切れておったのですが、この新制大学に大学院を設置するという問題、これは現在のところ、研究の実情だとか人材等の条件から、博士課程は置かない、今のところは修士課程でいきたい。しかし将来、条件が整備していけば博士課程を置かないという考え方ではないのだ。将来、前向きの条件が整うなら博士課程も置いていく、こういうふうな説明だったと思いますが、それでいいですか。
#183
○政府委員(小林行雄君) 大体今のお尋ねのように考えております。もちろんすべての大学のすべての学部に全部置かなければならぬというほどまでには思っておりませんが、やはり修士課程を置いて、その修士課程が成長いたしまして、教員組織等も充実され、さらに研究活動等も十分活発に行なわれるというような状況になりました際には、大学の御希望等も十分承りまして、博士課程を置くようにも努めたいと思います。
#184
○米田勲君 今回提案されている法案の内容には、新制大学中幾つかの大学院を置くことを提案してきているのであるが、このことも、全部の大学に大学院を置く、そういうことは言わないまでも、相当この数年間に大学院を設置していく新制大学がふえていくという解釈に立っておってもいいですか。
#185
○政府委員(小林行雄君) 実はここに御提案申し上げておるところ以外にも、私どもはある程度、これらの大学に近い充実度を持っておるところがあると思います。こういうものにつきましては、できるだけ早い機会にやはり修士課程の研究課を置くべきものであると思っております。
#186
○米田勲君 私は、この学制改革で、六三三四の学制改革が行なわれた直後のことであれば別であるが、相当年数を経てきておるのに、旧制大学と新制大学の間に常に幾つかの条件について差がある、差をつけて考えておるということでは私は学制改革の意味がないのではないか、改革が行われて数年間の間なら、まだ条件が整わないからということで多少の差別は考えられてもいいが、もう相当期間を経過してきているのだから、旧制大学と新制大学の間について差別的な扱いをしたり、考え方をするということは、そろそろやめにすべきではないかと思うのですが、どうですか。
#187
○政府委員(小林行雄君) 考え方としては、今のお尋ねの点もごもっともの点もございますけれども、ただ、現実の姿から申しますと、いわゆる旧制の大学院を置いておる大学と新制大学とは、まだ、先ほど申しましたような研究活動なり教員組織なり、いろいろの点で非常な開きがございます。これをなるべく、やはりそれぞれの目的に応じて整備することは必要でございますが、教育の面から申せば、なるべく差等をなくしていくということがもちろん妥当でございますので、将来教育の面から言えば、できるだけそういう方向に持っていきたいと思います。
#188
○米田勲君 あなたは、新制大学と旧制大学とは、いまだに条件に相当の格差があるということを平気で答弁しておるのですが、私は少くとも国の文教政策をあずかる者の立場としては、その条件に差等があるということを一日も早く解消するために新制大学に力を入れるべきだ、いつまでも差等があることはやむを得ないことだという立場の答弁では、納得することはできません。これは、こういうことじゃないですか。旧制大学から出てきておる官僚の人たちが非常に多いために、いっても旧制大学を優位に保とう、新制大学はだめだ、こういうことがあるということが耳に入るのですが、まさかそうですとは言えないでしょうから、私はそんな答弁は求めたくないが、しかし、これはどうですか、あなたの考えで、ひとつ、これから人材を集中するということも、研究を高めるということも、文部省が本格的に国立大学の充実を考えるならば、これはやっていけるはずなんです。怠け者ばかり集めているのではない。研究費が足らないとか、設備が十分でないとか、そういうことが大きく影響しておる。待遇が悪いとか、これは自分たちのほうに条件整備の責任があるのです。施設も設備もどんどんしてやって、研究費も大幅にふやして、しかし、それでも怠けておってだめだ、新制大学ではだめだ、これなら話はわかるが、何か、いつまでたっても新制大学と旧制大学の間には、大きな格差があって、どうにもならないという局長の物の言い方については、私はあなたの立場から、そういうことを言うことはおかしいのじゃないか。われわれの立場から言うならば、そういうことも客観的に言えるかもしれないが、あなたは、そういうことを言う資格はないでしょう、どうですか。
#189
○政府委員(小林行雄君) 最初に申しましたように、理念として大学を考える場合には、当然御指摘のように今はすべての大学が新制でございますから、旧制のものは、もうないという状況でございますから、それに対する教育制度としては、当然現在ある差等を縮めていくべきものであると思っております。
 ただ、現在の時点におきましては、まだ相当な格差が現実の問題としてあるということを申し上げたのでございます。地方の新制大学の充実には、今後できるだけ努力をして参りたいと思っております。
#190
○米田勲君 どうも局長は……。それでは聞くが、これからどのくらいの年数を経たら、旧制大学と新制大学の間の研究の深まり方、人材の集まり方とか、そういうものの間に差がなくなって肩が並ぶ、それはいつごろを目指しておりますか。永久に差があるように考えているじゃないですか。
#191
○政府委員(小林行雄君) これは一がいに、何年たったらというようなことは簡単には申し上げられないと思います。と申しますのは、新制の大学の中でも、いろいろな条件の整備がされて、旧制の大学に比較的近くなってきておるものもございます。新制の大学の中にも、実はいろいろ差等のあるような状況でございまして、すべてのものが、この差等が縮まって旧制の大学と全く同じレベルのものになるというのに何年かかるというふうには、私は今ここで申し上げられませんけれども、しかし、新制大学の中で整備されているものは、かなり先ほど申しましたように、旧制大学の領域といいますか、クラスにまで近づいてきているものがあるわけであります。
#192
○米田勲君 この旧制大学と新制大学の格差の問題ですが、条件がそこまで整っていないというのは、何も学長や教授や助教授の責任でないですよ。私に言わすと、国の文教政策をあずかっているもののやり方にかかっているのじゃないかという感じがするのです。これはどこの大学も、特色のある大学として発展していくだろうから、どれもこれも同じだろうという型にはまったことにならぬだろうと思う。しかし口を開けば、新制大学と旧制大学との間には、ものすごい格差があるということを何年経っても、まだ口に出てくる。あなた方の口から出ることは納得できない。
 特に私は文部大臣あたりのものの考え方を早急に改めてもらいたい。文部大臣の頭に旧制の頭が、旧制の帝大が、きわめて優位だという考え方が頑としてこびりついている。だから、認証官を持ち出してきておる。何のための学制改革。大学として同じレベルにしようというのが学制改革のねらいでしょう。いつまでも旧制、新制の区別をするというのが文教政策の責任者、なんというのはおかしい。差があるということは認めても、それをなくするためには設備、研究費については、どんどん充足していって、そして研究活動のしやすいように整えてやって、その差をちぢめていくことが大事だ。それを逆に認証官。まだ認証官の法律を審議しているのじゃないから、そんなところまで走る気はないけれども、あの問題だって、その格差を明らかに認めて、場合によってはその格差を広げようという方向に逆行しようという考え方でしょう。そういうことも出てきている法案の中に見られるから、私はどれくらいたてば、新制、旧制大学には、まだまだ格差があります。とてもだめですという言葉が、あなた方の口から言われなくなるということを聞きたいのですが、いつだか言えないということでは困る、あなた方に計画がなければ困る。およそこれから何年後には、大体旧制も新制も同じようなレベルになり得るのだ、しなければならぬのだという答弁があってしかるべきだ、行き当たりばったりでは困るのじゃないですか、責任が果たせない、大臣どうですか、私の言うのは無理ですか。
#193
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻政府委員が申し上げましたように、何年経ったらどうなるかということは、ちょっと申し上げられないと思います。私はかりに言わしていただけば、たとえば東大だ京都大学あるいは早稲田だ慶応だという、われ人ともに整備された大学と、国民一般も思っているだろう大学、七十年だ八十年だの歴史を経て、その歴史の中に歴代の学長を初め教授を初め学者、諸先生が懸命の努力をして積み重ねた上に立って、次々に優秀な人材があと継ぎとなり、そのことが世界的にも認められて、第一流の大学だということになっておるのであります。
 新制大学が十七年を迎えておりますが、その歴史的な歩みが短かいことは事実でありまして、何としても大学みずからの努力の積み重ねということが、学問的には第一であろうと思うのであります条件としましては。むろん、それに相呼応しまして、国の立場で国立ならば、施設、設備その他給与等につきましても、協力し努力していくことも、また必要なことではございましょうけれども、当然なさねばならぬと思います。か、本質的な中心課題は、やはり人材そのものだと思います。その人材はやはり歴史的な過程の中において、初めて育っていくべきものだと、これはどうも否定できないことじゃなかろうかと思うわけでありまして、そういう意味から申せば、やはりそこに何十年かの歴史がものを言うんじゃないかと、それを五十年とあえて申し上げるわけじゃございません。国の立場での協力によって五十年が二十五年で済むように、あらゆる努力をむろん注がねばならぬと、こう思います。
 したがって、それを早めるためには、大学がそれぞれの個別な立場に閉じこもらないで、人材の交流、外部からりっぱな人を迎え入れるというがごとき、おおらかさも内部でございませんと、その年限の経過を縮めるということは、本質的には不可能じゃなかろうか、そういう考慮もあわせ考えられながら、国の立場での協力をしていくというところに、七十二の大学が、国立だけで申し上げれば、肩を並べる時期が早まる要素があるんだと、こう思います。
#194
○米田勲君 旧制大学と新制大学の間の格差があるのは、歴史のしからしむるところだという答弁については、それが真実かもしれないが政策上納得ができない。文教政策上納得ができない。そういう歴史的な事実を幾ら承認しても、そんなことが納得できるものでない。
 これは、僕はわからぬのだが、局長にお聞きします。私立大学は別に考えていいですよ。国立大学の教授や助教授の新制大学と旧制大学の交流については、文部省の指導助言は全然できないものなんですか、どうなんですか。
#195
○政府委員(小林行雄君) 大学の教官の選考は、御承知のように、その大学でやる一番重要な自治の内容の一つでございまして、一般的な抽象的なことで、そういう交流は望ましいというようなことは言えても、具体的に何大学の先生が欠けた場合に、これをどうしろというようなことは、従来から文部省は言っておりませんし、そういうことはすべきでないと思っております。
#196
○米田勲君 そうすると、歴史のある大学の人材は新制大学には回すことはできない、自発的でない限りは。こういうことですか。
#197
○政府委員(小林行雄君) 大体、そういうことでございますし、また、実際問題といたしまして新制大学は、地方にあるものが多うございますので、大都市の大学から、新制の地方の大学へ行くという例はあまり多くはないように聞いております。ただ、地方大学を育成する、あるいは整備する意味からは、できるだけそういうことがあってほしいというふうに私どもは考えております。
#198
○米田勲君 そういうことであれば、この新制大学と旧制大学を同じような水準に持っていくために、人材を交流させるということは、ほとんどそういう方法からは不可能だね。まず不可能ですね。そこへ文部省の権限は、あまり働かすことはできない。
#199
○政府委員(小林行雄君) 抽象的な、先ほど申しましたような抽象的な議論としては、私どもは地方大学を育てる意味で、できるだけ大都市の大学から送り出して教員の組織を充実してもらいたいということは言っております。ただ、現実の問題となりますと、たとえば若手の非常に優秀な教官が地方へ行くというようなことの場合におきましては、たとえば一格上がるような場合は別でございますけれども、そうでない場合は、なかなか困難であろうと思います。
#200
○米田勲君 私は、この法案の中にある新制大学にも、大学院を設けるという行き方は、この旧制大学と新制大学の間に、いつまでも差等をつけておくと考えておるものの考え方をぶちこわした考え方としては賛成なんです。この考え方を、もう少し拡大をしていって、近い将来には、条件整備に特段に力を入れて、この両大学の間の格差をなくしていくという仕事が、文教政策上非常に大事なことだ、それを忘れないでやってもらわなきゃ困る。大臣は先ほどの答弁によると、五十年くらいたたぬと、大体同じにならぬような話だが、そういうものの考え方はやめてもらわなきゃいかぬ。そんな五十年といったらたいへんなことでしょう。もっと差を縮めるための努力が必要だ、その努力の一つとして考えられるのは、大学院の置いてある大学に対する研究費と、大学院を置いていない大学に対する研究費と、あまりに差があり過ぎないですか。それともう一つは、大学院を置きながら修士課程だけのところと、博士課程のところとも、これは差をつけるのですか、どうですか。
#201
○政府委員(小林行雄君) 大学院のあります大学の教官の研究費と、それから大学院のない大学の教官の研究費とは、確かに御指摘のように差等がございます。これは大体、この教官研究費の立て方が、いわゆる講座制という研究的な面にウエートを置いた教官組織をとっており、片方は教育的な面に重点を置いた学科目制ということをとっていることにも由来しております。もちろんこの両者の差が次第になくなってくるということは望ましいことでございますので、教官研究費の将来の問題としては、これらのことも検討しなければならぬと思いますが、なお、それ以外にも、ただいまお話のございました大学院の中でも、博士課程の大学院を持つ大学の教官研究費と、修士だけの――今回御提案申し上げておりますところの修士だけの大学院の教官研究費には、その学生の数におきましても、また、学生の卒業年限にいたしましても差等があることでございますので、ある程度の格差ができることは私は当然のことと思っております。
#202
○米田勲君 今度、初めてこの旧制大学でない新制大学に大学院を設けることに法案は提案されているのだが、今までは、そういうことはなかった。
 そうすると、大学院を置いてある大学と新制大学とは、研究費に差がついている、ものすごい。このこと自体は、あなた方が将来――近い将来に、新制大学と旧制大学の格差をなくしたいという気持とは矛盾があるのですよ。今私はその人事の交流ができないかといったら、それはできがたい、そうなれば、これは何らかの方法によって新制大学に教鞭をとっている人材に対して、てこ入れをしなければならない。私に言わすと、長い歴史を持ったその旧制大学の研究費よりは、もっと新制大学の側に研究費を大幅にぶち込んで、できるだけ深い研究ができるように配慮することが、文教政策上大事だ。格差があるのだから、旧制大学のほうが人材がそろっている、なかなかこの差があるというのに、この差を縮める努力をしないで、研究費はものすごい差をつけて、ますます開くようなことにしている。これはあなた方のほうで講座制と学科目制があるので、その建前から差をつけるのが当然なんだと言っているが、僕は文教政策上誤りだと思う。そういうものは改革すべきだ。同じにするか、学生の数が多いとか少ないとかで差をつけるというのは、研究費の建前からいっておかしいですよ。その学校の研究をより深くさせるためには、私は少なくも大学院であろうと、新制大学であろうと、同じ研究費にするか、一歩譲って、むしろ逆に、この格差を早急に縮めるためには、逆に研究費を余計支出して、そうして力をつけるというふうな政策を採用すべきでないか、今度、この新制大学にも大学院を置く学校を作った、作ったのに、また修士課程と博士課程――修士課程しか置かないでおいて、そうして研究費に差をつける、こういう一貫した文部省の行き方は、やはり僕は旧帝大意識が依然として濃厚だと思う。学制改革の本来的な立場を忘れている、こういう批判を僕は持っている。
 だから、この研究費のあり方についても、ほんとうに文部省が新制大学と旧制大学、大学院のある学校と大学院の置いてない学校との格差を縮めて、人材養成のための日本の大学制度を大学そのものを充実していくという考えがあるなら、何らかのことで考慮がされなければならぬし、特に今話題に出した研究費などについては、設備の充実も並行して必要であるが、考え直す必要がないか、どうですか考え方は。
#203
○政府委員(小林行雄君) 米田先生の御指摘の点は、私の大学の教官研究費全体が非常に低いということにも理由があると思います。これはもちろん全般的に、現在の教官研究費を大幅に増額しなければならぬという点では、全く私も同感でございます。
 ただ、私の申し上げようが悪かったのかも存じませんが、今度の新制大学の大学院を置く大学には、従来の教官研究費よりも、もちろん高い教官研究費を積算するつもりでおります。ただし、博士課程を持っておる大学の教官研究費と同じようにするというところまではいかないだろう、かように申し上げたのでございまして、従来のままでおく・あるいは逆に研究費が足りなくなるというようなことは、もちろん全然、そういうことは考えられないわけでございます。
#204
○米田勲君 局長、あなたの答弁は、従来の方針を踏襲するということを答えているんですよ。新制大学と大学院のある学校との研究費は差をつけてきたのが、従来の例でしょう。だから、今大学院を置く学校に研究費を今までよりもよけいつけるというのは、従来のあなた方の方針を踏襲するということです。何も改善でも何でもない、あたりまえのことです。その考え方が間違ってないかということです。
 国の政策上、何十年たっても新制大学と旧制大学との差を縮める方法を考えない。大学院のある学校と大学院のない学校の間の差を縮める具体的な方策を欠いている。あることは当然だぐらいに考えている。温存したほうがいいと思っているんじゃないですか、文部省は。大学院との間に差がいつまでもあることを温存しようとしているんじゃないですか。そういう悪口をいわれるのがいやなら改革をしなさい、改革を。少なくとも待遇の、研究費の総体が少ないから差をつけなければならぬという考え方は言いわけにはなりませんよ。差等をつけたのは、研究費総額が少ないからだという、そういうものは理屈になりませんよ。研究費総額は、もちろん増額してもらわなければならぬ。認証官制度にして学長の給与だけ十六万や十八万にしたって、何になりますか。そんなことよりも、大学の研究費を大幅にふやして、大いに人材を養成する。研究も深める。設備も充実していく。何十年も前の機械を理工の大学に今でも置いて、後生大事に使わせている。そんなばかなことをやめてやるべきで、いろいろな問題があるが、特に私は、この研究費問題については改革をしてもらいたい。文部大臣、それだけの英断がありませんか、どうですか。
#205
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど政府委員がお答え申し上げましたように、新制大学であろうと旧制大学であろうと、研究費をもっと上げなければならぬという課題が一つあると思います。それから四年制大学そのままのものと修士課程の研究費、博士課程の研究費というものに差等があるのは、これは詳しいことはわかりませんが、常識上当然じゃなかろうかと思っております。したがって、四年制大学としての研究費を引き上げると同時に、修士課程、博士課程の研究費も、さらに引き上げるというふうなことが当然の私は道じゃなかろうかと思うのであります。
 そのことは、先ほど来御指摘のように、別に旧制大学と新制大学を差別するということでなしに、研究のためには、それだけのある程度の差のついた研究費が支給されるのがやむを得ない必然性を持っておるという前提に立つわけでございます。それがのっぺらぼうでよろしいということであるならば、これは何をかいわんやであります。私の認識に従えば、別個に考えらるべき内容を持っておる、そういう前提で以上のことを申し上げるわけであります。
 なお、ついでながらちょっと申し上げさしていただけば、新制、旧制の差をなくする努力をしなければならぬことは当然でございますけれども、テンポを早めてやらんとするならば、中教審の答申がありましたように、大学の管理運営ももちろんですけれども、大学院というものは、四年制大学というものは全然別個に大学院というものを置く。極端に申せば、現在ある修士課程、博士課程の大学院は、四年制大学と切り離して別個のものとして特に定めて置く。そうして四年制大学卒業の、研究的能力、意欲旺盛な人を修士課程、博士課程で、さらに研究させるためには、どこの大学からでも、その大学院に行くというふうな制度にでもしますれば、私は格差是正のテンポを早める非常に有効な措置になるのじゃなかろうか。その趣旨も含めて、中教審は答申しているようでございますが、ただ、経過的には新制大学にも、むろん修士課程を置き、また、さらには博士課程を置く――、しかるべき、実質的に何人が見ましても、当然そうあるべき時期に至りますれば、内容になりますれば、むろん博士課程も置くということを併用していくということが答申の内容だと理解しておりますけれども、そういうことに、抜本的な考慮を払うべき意味合いは多分にあろうかと思いますけれども、研究費そのものは、新制、旧制などという差別なしに、四年制大学に関する限りの研究費は同じように、また現状よりは引き上げて、修士課程、博士課程については、さらによけい要るのであろうから、それもまた引き上げて、研究成果をあげてもらうようにする、そんなような考え方が実際的であり効果的でなかろうか、こういうふうに私は思います。
#206
○米田勲君 今の学制をまた変えて、大学院を独立して設けていくというような、そういう考えを述べられたようだが、大いに問題があるが、今はそういうことに触れません。しかし、いずれにしても、文部大臣でも旧制大学と新制大学の格差は縮めたいということは間違いない考え方でしょう。それが間違いないとすればだね、具体的には、どうすれば格差が縮まるのですか。そこにおる教授や助教授の自発的な精神的な働きに期待して格差を縮めるということでは、あまりに無策ではありませんか。国として、国の文教政策として、その格差を縮めるために、精神的なその人たちの努力に期待するほかに、もっと充実してやる必要があるんじゃないですか。その充実してやるために、いろいろな配慮が必要なうちの今の研究費の問題に触れているのに、研究費総体が少なければ少ないほど、格差をつけないで研究費を流してやって、研究を深めてもらって、そうしてこの新制大学と旧制大学の格差を縮めていくという意図的な政策を進めなければだめなんじゃないか。いつまでたっても、同じ大学院でも、今度は修士課程と博士課程にまた、研究費の差をつけるという従来のやり方を踏襲するのでは、僕は文教政策上正しい行き方だとは思われないわけです。
 そういう行き方を長く踏襲する限りは、その格差をほんとうに縮めようとしているのかどうかわからないし、もし、その研究費の格差を、そのままにしていこうというのであれば、どういうそれでは他の条件で、この格差をいつの年にか同じ水準に持っていくという方法があるのか。そのほかにあるとすれば、何があるんですよ。文教政策上、何がありますか。
#207
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今御指摘の研究費の増額その他も、むろん必要なことであることは、一点の疑いを入れませんが、一番根本的なスピード・アップの要素は、先刻も申し上げましたが、個々の大学が、一つ一つがモンロー主義を唱えているような格好で、断じて、よそからの移入は好まないというところに、格差を縮め得ない原因の多くが私はあると思います。
 したがって、大学みずから自発的に人材をどしどし外部から移入して、若返り刷新を企て、妙なこのつぼに閉じこもったような狭い見解を捨ててやるようになることが、私は根本的なことだと思うのでございます。それにプラス、おっしゃるような諸条件の整備があわせ行なわれて、スピード・アップが期待できる。そうすれば私は何も五十年かからなくてもやっていけるのじゃないか、こういうふうに思うのであります。
#208
○米田勲君 文部大臣のその言い方はおかしいのだ。今度は、自分の権限をふやそうとしている。そんなことをするから、また大学の運営がおかしくなる。人材の交流が自発的に行なわれることが大事だといっても、また、文部省が命令してやるのだというようなことを考えているのでは困りますよ。私は大学の教授だとか助教授だとか、そういう水準の人であれば、現在は共同研究の施設もあるだろうし、著書だって相当出ているし、外国のすぐれた図書も交換して取ることができるのだし、それだけの水準にあるのであれば、生活が安定する。自分の生活が安定しておってそうして国からは、相当に施設も充実してもらえるし、研究費も多額にぶち込んでもらえるという条件を整備してやれば、私はぐんぐん深まっていくと思う。むりやりに向うとこっちを入れまぜて、ごちゃごちゃにしなくたってやっていけるのじゃないか。モンロー主義をぶちこわすのは、文部大臣のぶちこわす方法というのは、文部省に人事権を握るというようなことではだめですよ。そんなのは、私はやはり局長がさっき言ったように、人事の交流はなかなかできない。それはそれで仕方がないと私は思う。それをむりやりやれば、旧制大学と新制大学の格差を五十年もかからんで縮められるのだ一あまりにも考え方か違うのだ、われわれと文部大臣は。どうなんですかこれは、また権限を握りたいのですか。
#209
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 権限を握りたいとはひとつも思いません。かりに文部大臣の権限に関連することが、今申し上げるような意味で、効果的な方法がかりにあるとしましても、その権限の拡大というか、そういうものは、あくまでも七十二の国立大学がよりよくなるために行使する角度以上の権限という観念は必要でないと思います。
 戦前ならば別ですけれども、今、民主政治の建前に立ってやっております文部大臣というのは、単に自分の権限を広めたから、それで広まったことだけを、いい気になっておるというものでなしに、広まったと仮定しますれば、それ自体は、大学の研究と大学の自治を融和的に、実質的によりょくするためにならないやつならば、権限を広げる資格はない。国会が許されるはずはない、そういう筋合いのものと思いますので、あえて何も権限を広げるということを第一義に申し上げたわけでは毛頭ございません。自発的に交流が行なわれるようになれば、それで何ら文部省の立場では、かれこれ申し上げる必要がない。そんなふうに国立大学の学長、教育界も、ひとつ考え直されたらどうだろうかということをまあ第一に申し上げたいと思う。できないとならば、何か国会において御承認をいただいた方法によって、それを促進するという有効な手があるならば、考えねばなるまいという以外に何もないのであります。
#210
○米田勲君 その人事の交流が行なわれなければ、格差は縮まらないという一本槍では困りますよ。私の言うようなことも、一つの施策ではありませんか。それに対して、そういう考え方も確かに検討してみる必要があるというような考え方になれないのですか。大学院のある大学とない大学とでは、研究費の差ができるのは当然だ、修士課程と博士課程のあれによって、研究費に差があるのは当然だ、こういう当然だというものの考え方からは、建設的なものは生まれてこないですよ。
 だから私は、ここでこれ以上、もうこの問題を堂々めぐりしてもしょうがないから、こういうことに努力して下さい。大学の研究費を総体を徹底的に引き上げるように努力してもらいたい。政府としても、そういう理解や協力を持つ態勢をとってもらいたい。これが一つ。それから研究費の支給に差をつけない。従来の例があったり、幾分の理由があるとすれば、格差を縮めるために、努力をしてもらいたい。一ぺんに同じようにできないとしても、今の格差をできるだけ縮めていくという方式と総額をふやすという、この二本を採用して、今後、やはり充実した研究ができるように政策上進めてもらいたい、譲歩して、こういうふうに言ったのですが、あなたは、うんと言いますか。
#211
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大学の新制、旧制などという言葉も要らなくなるように努力するということは、これは当然のことだと思います。当面研究費をもっと増額すべきだ、これも、私も同感でございます。ただ修士課程、博士課程というものと、一般の大学との研究費に差等を設けたほうがほんとうじゃないか、こう思いますが、ほんとうでないという大学の現場において、現実に容認される理由があるかないか、そういうことは、私には申し上げるあれがございませんが、そんなことも、ひとつ各大学の権威者等にも御意見を承っても、もちろんけっこうでございますが、今としましては、たとえば新制大学に、今度この法律によって修士課程を置いていただく、その置かれた大学の四年制大学の場における研究費その他の研究のために、必要な諸経費が、大学院の段階におけるものと同じであるべきだ、それが当然だと思われるかどうかは、私も疑問がございます。さような議論を、今かれこれ申し上げても始まりませんが、今としましては、大学院、大学と、そうでないところの研究費の差はやむを得ないのではなかろうか。修士課程ももちろんそうでありますが、繰り返して申し上げれば、差別をなくする、格差をなくする努力は、当然のこととして努力すべきだ。研究費を引き上げる努力も、もちろん私どもの課せられた重要な課題の一つだ、こう思います。
#212
○米田勲君 今、大臣がそういうふうに答えておるので、局長も積極的に、ますます根本的に研究をしてもらいたい。私の言うようなことが、文教政策上当然考えられてしかるべきだ。ほんとうに格差を縮めていくという努力をするならば、いろいろな条件整備が必要だが、特に従来の問題をそのまま踏襲していくのではなく、新たな角度から、それぞれの人たちの意見をできるだけ求めて、改革すべきものは大胆に改革していくというふうにしてもらいたい。これは水かけ論になりますから、要望だけをしておきます。
 次に、さっき話に出ておった海務学院の問題ですが、この海務学院の問題を、去年法案の改正の際に、私は指摘をして、海務学院には、現在旧制の高等商船を卒業した者などで、海上の実務経歴を有する者が、さらに高度の学術を修得するために、教育期間、修業年限二年、総定員四十人、これについては、近い将来新しい制度のもとで、必要な教育を施させよう、たとえば専攻科に切りかえる等必要な措置を講じたいということで、今回これだけ残ることになったのですという答弁を行なっている。さて、このときに明らかに、この問題については、確定的に私には聞こえたのですが、説明員だった西田さんが、こういうふうに言っている。「現在、東京商船大学に包設される制度であって、旧高等商船の卒業者で海上実務経験を有する者が、さらに学問研究のため、これを利用するという機関としてあるわけですから、この商船大学等に将来専攻科等のものを設置して、それにかわるべきものができるような切りかえが可能になったならば、それらの海務学院を利用するような研修の目的を滞りなく果たせるように措置することによって関係者に迷惑をかけないように、これを転換したいということなんです。その専攻科の設置等につきましては、まだ現在の段階では、いつまでに、これをということを具体的にはきめていない状態です。こういうことを文部大臣が、説明員にかわって答えさせますと言って、こういう答弁をしているわけです。ところで、この答弁のとおり今回の法の改正案が出されておるんだが、この国立の学校に包括される旧制の学校は、すべてこれで廃止になるんですね。
 で、海務学院が今まで果たしてきた役割は、先の答弁と合わせると、今後、どういう形で具体的に指摘をしても、専攻科の問題などについては、どういう成案を得て、この法案を提案しておるのか、その間のいきさつを去年の質疑応答と関連をつけて、わかるように説明して下さい。
#213
○政府委員(小林行雄君) 商船大学の包括学校であります海務学院につきましては、ただいま御指摘のございましたように、海上の実務経験を有する者についての再教育機関ということで、今まで学生の募集を続けてきたわけでございますれけども、お話の中にございましたように、今後大学の専攻科を設置すれば、これによって、従来海務学院が旧制の学校として果たしてきたような仕事は、この大学の専攻科で達成することができるだろう。
 ここにいきますについては、いろいろと大学側に議論もございましたけれども、大学側の結論も、そういうふうになりまして、今回、三十八年度から大学に専攻科を設置することにいたしました。商船大学に専攻科を設置いたしまして、従来の海務学院は三十八年度限りこれを廃止すると、こういうことにいたしたわけでございます。
#214
○米田勲君 この専攻科の設置が計画されることになったんだが、内容だとか運営について、海務学院をなくしていく立場から考えられたものだから、その辺に関連をしてちょっと説明してくれませんか。
#215
○政府委員(小林行雄君) 海務学院が従来やっておりましたこの実務経験者に対する再教育訓練という趣旨のものは、今回設置されます大学の専攻科でも十分取り上げて、その趣旨が生きるようにされておることと思います。
#216
○米田勲君 今度は、第六条の二について御質問いたします。
 大学の学部に学科や課程を設けることにしているが、学部に学科を置くことは今日まで法制化されずにきたはずです。その法制化されないできたということは、これはいろいろな考え方があるとしても、それ自体、学問の自由や大学の自治という点からいって、相当の理由があったと私は思うわけです。それは今回法制化する。特に省令で定めるということは、新たな考え方ではないのか。これは一体、どういう意図によって、この省令で定めるというふうに新たな段階をとろうとするのか疑問に思っているわけです。今日は学科制はその必要がなく、講座制で十分だという意見さえも相当有力にあるんです。たとえば機械科の学生も、電気の講義を聞く必要があるし、物理科や化学科については、特にその必要が唱えられて、学科制は学問の自由に対するセクショナリズムの悪い面の表現であるという考え方があるけれども、この点は、文部省の今度考えて出してきているのは、どうも今までの経過から見ると、時代逆行ではないかという疑問が起こるわけです。その点、私の判断が間違いであるなら、丁寧にひとつ理解さしてもらいたい。その点どうですか。
#217
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、国立大学では、従来講座制のものについては、省令で具体的に個々の大学ごとに講座をはっきりさせておるのでございますが、学科につきましては、やはり学部の組織の一つでございますけれども、法律上の根拠規定が欠けておったわけでございます。で、法制上の講座と比較いたしましてアンバランスである、均衡がとれていないということは、かねてからいわれておりましたので、いつかはやはり整理しなければならぬものと私どもは思っておったのでございますが、いろいろ研究いたしました結果、やはり均衡を考えて、文部省令で規定することとしたわけでございます。
 で、御承知のように、学部の学科は、当然従来からの慣例もございますとおり、それぞれの学問分野の領域ごとに、専門領域ごとに立てられている一つの組織でございまして、これは必ずしも、ただいまお話のございましたようなセクショナリズムというようなことはないと思っております。教育と学問研究の領域ごとに組織ができることと私どもは思っております。したがって、これによって大学で行なわれる学問研究の自由を拘束しょうというような考えは全然ございません。
#218
○米田勲君 これは省令で定めても、そういう憂いはありませんか。省令で定めることになるでしょう、今度、それを定めるということは学問の自由を侵すことになりませんか、どうですか。その点の配慮はどうですか。
#219
○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、講座につきましては、これは全部現在省令で定めております。したがって、それとバランスを失しないように、やはり学科について、大学と十分御相談しながら省令で定めるということにしておりますので、学問の自由に阻害するというようなことは、私は全くないと思っております。
#220
○米田勲君 省令で定めるという場合に、今の答弁にありましたが、大学協議会だとか、あるいは大学側と十分にお話し合いをしてという言葉がありましたが、それはほんとうにとられるのですか。省令が出るまで。
#221
○政府委員(小林行雄君) もちろん、それをとるつもりでおりますし、あるいは将来の問題といたしまして、今までの学科の名称はこうだけれども、これを変えてくれというような場合も、これは出てくるかもわかりません。単に名称ばかりでなく、あるいは多少統配合したいというようなものもあるかもしれません。そういうものにつきましては、十分大学の御意見を聞いて間違いのないようにしていきたいと思います。
#222
○米田勲君 この点については、今の答弁のように、独善的に、一方的に文部省が省令を出してしまうというようなことでなく、今の局長が答えられておるように、慎重な配慮をしていってもらわないと、これはこのことから問題が起こってくるのじゃないかという感じがしますので、よろしく御検討願いたい。
 それから大学の講義は、各大学において多少自由に設けられておるのが実情だと思っているわけですが、省令によって学科目を制定するということになると、これは一つの固定したものにはならないやり方がとられますか。そういう自信がありますか。一々きめていってしまうでしょう、省令で。そうすると、省令で一度きめられたものは、その範囲でしか採択できなくなりませんか。そういうことでないように配慮されますか。
#223
○政府委員(小林行雄君) 私、ちょっと聞き漏らしたのでございますが、大学の講義ですか、講座でございますか。
#224
○米田勲君 講義です。
#225
○政府委員(小林行雄君) 講義と承ったのでございますが、学科を専攻分野ごとに分割して定めて参りますけれども、大学での講義の内容等について、一々私どもが省令上規定するものではございません。したがって、講義の中身まで省令で立ち入るということは考えておりません。
#226
○米田勲君 そうすると、講義の内容を規定するということは、省令ではしないわけですね。
#227
○政府委員(小林行雄君) 省令で、そういうことをしようということは全然考えておりません。
#228
○米田勲君 次に、第三条ですが、「省令で定める数個の学部を置く国立大に、各学部に共通する一般教養に関する教育を一括して行なうための組織として、教養部を置く。」こういうふうになっているわけですね。この教養部の具体的な内容といいますか、そういうものは、どういうふうに考えているのですか。
#229
○政府委員(小林行雄君) 従来、戦後国立大学で一般教養を実施する形態は、いろいろ実は各大学によって違うわけでございますが、その中で、たとえば従来、大学限りにおいて、教養部とか、あるいは分校というような形で、それぞれの学部に属する学生の一般教養を一括して行なう組織を作っておるものがございます。こういうものから、できるだけこの教養のための組織を法制化してもらいたいという御要望がございます。と申しますのは、現在、大学は学部からだけできていて、こういう形になっておりまして、教養部というものは認められておりません。したがって、教養部長というような者を置いておりましても、それが法制上、部局長にならぬというようなこともございます。そういうことから、ぜひ法制化をしてもらいたいという御要望がございまして、その線に乗って、文部省で適当と認めるかなり大規模の大学、学部の数の多い、学生数の多い大学でしかも希望する大学については、この教養部を置くことを認めよう、こういうことでございます。
#230
○米田勲君 これは法制化の手続としては、この案では省令で定めるようになっておりますが、法律で定めておくほうがいいんじゃないですか。どうですか。
#231
○政府委員(小林行雄君) この三条の第二項は、教養部を設置する根拠を一応書いたものでございまして、この国立学校設置法は、申すまでもなくそれぞれの一つ一つの国立大学に、どういう学部を置く、どういう教養部を置くということの集大成の形をとっておりますので、したがって、設置根拠だけをここにおきまして、省令で、たとえばここに、現在考えておりますのは四つの大規模な大学だけでございますが、その大学の名称を文部省令で書けば、それで適当であろうというふうに考えたわけでございます。
#232
○米田勲君 これは今度は、今も説明のあったように、名古屋を初め四大学に限って教養部を置く。ところが省令でこれをやっておくと、文部省の考え方によって、教養部を置く大学を、どのようにでもできるわけですね、法律の改正に待たないで。そういうことでは、ルーズになるおそれがあるから、やはりこれは法律で、その教養部を置くということをきちんと定めておくほうが、将来のために慎重を期することができるんじゃないかという考え方がありますが、どうですか。
#233
○政府委員(小林行雄君) 現在、一般教育の実施の形態は、必ずしも先ほど申しましたように、国立大学だけをとりましても一様ではございません。いろいろの形がとられておりまして、その中で、特にこの教養部というような形で行ないたいものだけをこれは取り上げたわけでございまして、こういつた教養部の制度を一々認めましても、希望しない大学にまで、これを強要するつもりはございませんので、この一般教養部を置く大学だけにしぼって、この設置をしていくつもりでございますので、全般を通ずるものではないものでございますから、一応文部省令に、その名称は移したわけでございます。もちろんただいま御指摘のございましたように、この教養部を設置しました際の運営については、当然慎重に扱わなければならぬと思っています。
#234
○米田勲君 今の答弁から言うと、大学側で希望しない場合には、教養部が置かれるということはあり得ないんですね。絶対の条件ですか。
#235
○政府委員(小林行雄君) 現在の段階においては、私どもはそういうふうに考えております。
#236
○米田勲君 それは将来とも、そういう方針でいくという考えですね。
#237
○政府委員(小林行雄君) 特に私どもから、大学のほうに強制するというようなことは全然考えておりません。
#238
○米田勲君 したがって、教養部を置いていくということに対する将来の構想というものは、当然なことになりますね。
#239
○政府委員(小林行雄君) たとえば単科大学等につきましては、これは教養部などを置かぬでも――私は置かないほうがいいんじゃないかというふうに考えております。したがって、全部の大学に教養部を置きなさいというようなことを勧めるつもりもございませんし、また数個の学部を持つところでも、希望しないものに教養部を置かせるというようなことは考えておりません。
#240
○米田勲君 この機会に局長に聞いておきますが、これは宮城県のことなんですが、宮城県には学芸大学はないんですね。東北大学の教育学部が宮城県における唯一の教員養成のための、他の県でいえば学芸大学の役割を果たしているんです。これはその当時の考えと、今の考えは一貫して変わらないのかどうか。私の考えでは、こういうふうにしておくことは教員養成の計画的な見通しといいますか、計画性がなくなる。宮城県においては、よその県のやっておるように、やはりこれは学芸大学を置くべきものではないのかなという感じがするんですが、いつまでも東北大学の教育学部に依存をしているという教員養成のあり方は、ここだけの変則的なような感じがするんですが、これは、こういうふうに移行した当時の考えは、一つの考え方があったんだろうと思うけれども、今日もそれを踏襲して差しつかえないのか、宮城県における教員養成の計画というものは、これで十分果たしていかれるか、計画的なものが。どうですか、その点。
#241
○政府委員(小林行雄君) ただいま御指摘の点でございますが、お話にございましたように、宮城県以外の都道府県におきましては、それぞれ教員養成大学なり、教員養成学部というものが別にございますが、宮城県だけにおきましては、東北大学の教育学部ということで、ここでは教員養成の面と、それからそうでなしに、いわゆる教育学の研究というもの、高度の研究というものが一緒に行なわれておる形でございます。これについては従来からも、いろいろ意見がございまして、分離したほうがいいではないかという意見もございますが、しかしこれについては、大学の当事者の中にも賛否両論があるようでございます。
 確かに御指摘の教員の計画的養成という点から、問題にすべき点があると思いますけれども、今ここで、これをどうしようという意見を申し上げるほど、私は確たる方針を持っておりません。将来、やはり慎重に検討していくべき問題だと思っております。
#242
○米田勲君 もう一点、このことでお聞きしますが、宮城県だけが教育学部で教員養成の目的を果たしているというのだが、弊害の面についてはお聞きしませんが、こういう形をとっていることがプラスなんだという面が、端的に言ってありますか。
#243
○政府委員(小林行雄君) これは私も、詳細に研究をしたわけではございませんけれども、要するに総合大学の中の一学部として、やられているわけでございます。そういう意味で、各学部のいろいろないい影響等も受けられるというようなことを言われる方もございます。それからまた、いわば学生が、そういった大学に入るということで、プライドを持っているのだというようなことを言われる方もございます。はたしてそれがそのままほんとうのいい意味での長所であるかどうかという点については疑問もありますが、そういうことを言われております。
#244
○米田勲君 教員養成のための学芸大学の任務といいますか、そういうものと、東北大学の教育学部というものとは、本来やはり研究の目的というか、そういうものが違うのじゃないか、それをごっちゃにして、その当時発足し、移行した、それが何とはなしに現状を改革することが、いろいろな障害がありますために、ずるずると今日まできているのではないか。どこかで根本的に長短を十分研究して、改革すべきであれば、これは他の県のように持っていくのがいいか、そういうことを近い将来に結論を出すべきではないかと思いますが、どうですか。
#245
○政府委員(小林行雄君) この点ばかりでなしに、いろいろ学部の組織編成等について検討すべき問題点がございますので、あわせて十分慎重に検討いたしたいと思っております。
#246
○米田勲君 局長にお尋ねしますが、大学で専門教育と一般教育をあわせて行なう場合に、前期を一般教育、後期を専門教育というふうに分離するのが正しいと考えているのかどうか、その点の見解はどうです。
#247
○政府委員(小林行雄君) 一般教育の実施の形態についてのお尋ねでございますが、これはやはり各大学によって、多少違っております。要するに、いわゆる縦割り方式をとるか、あるいはここに御提案されておりますような横割り方式というものをとるか、あるいはこの関係者の申しますくさび形の方式をとるかというようなことが、いろいろと従来言われておりますし、また研究もされております。
 文部省としては、一般教育のあり方が、これでなければならぬという結論は出しておりません。それぞれ専門的な立場で研究されておりますので、最もいい方法をとるべきだと、しかし先ほど申しましたように横割り方式でいきたい、しかも各学部の学生に対して、一括して一般教育を行ないたい、そういう組織がほしいのだというところには、教養部を認めようということできておりますので、たとえば縦割りのもの、あるいはくさび形のものについて、いわゆる横割り方式を強要するというようなことは考えておりません。
#248
○米田勲君 横割り方式というのは、前期を一般教育をやって、後期を専門教育をやる。これが横割り方式というのです。文部省としては、それが正しいと思うのですか。
#249
○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、一般教育と専門教育とのやり方の関連については、いろいろの形が考えられると思います。アメリカ等におきましても、州立、市立の大学で、いろいろの形態があるようでございまして、私、国立大学の一般教育のあり方は、これでなければならないというふうには考えてないわけであります。したがって、横割りでなければならぬというふうには考えておりません。
#250
○米田勲君 この点については、それでは文部省は、一応見解としては横割り方式がいいというふうに考えても、大学の自主的な行き方に対しては、何ら制肘を加えない、希望を述べたり、行政的な働きは一切しない、こういうことですか。
#251
○政府委員(小林行雄君) 従来、御承知だと思いますが、大学設置基準等で、一般教育で履修すべき科目の数、単位の数等についてはきめております。しかしそれを具体的に、どういうふうにやるか、たとえば入学後一年半ないし二年でやれということまで、はっきりきめているわけではございません。
 したがって、一般教育で履修すべき科目、単位を、場合によっては、大学で四年間に分けてやるということも考えられるわけでございます。
#252
○米田勲君 結局、あなたの答弁をいろいろ聞いていると、やはり横割り方式を押していってることになりませんか。
#253
○政府委員(小林行雄君) 横割りでやりたいというもので、しかも先ほどの、大学のほうで教養部を作って一括してやりたいというものには、教養部を認めるからと、こういうことでいっているのでございまして、横割りがいいのだ、横、割りでやれというふうに、横割り方式を強要するということはいたしておりません。
#254
○米田勲君 これは新制大学が発足した当時の国の考え方としては、大学四年間を通じて一般教育を行なうという建前をとってきているわけですね。ところが今ここに横割り方式がいいのだという大学があれば、そこをどんどん許していくということであると、これはやはり新制大学が発足した当時の考え方、四年間を通じて一般教育をやっていくという考え方は、どうなるのですか。くずれたことになるのじゃないですか。くずしていくことにならぬですか。
#255
○政府委員(小林行雄君) 私は現在でも、四年間を通じて一般教育をやるという行き方は、非常にりっぱな考え方だと思っております。しかし大学で、実際に運営をされた結果、新制大学発足後十数年たって、現在までのところ、一年半あるいは二年というようなことでやるのが、教育上も便宜であるということで、横割り方式をとってきているところもございます。
 しかし、だからといって、この前期方式と申しますか、横割り方式を、文部省として、一般教育の実施形態として決定して、これを大学に強要するというところまでいっておりません。私は四年間を通じてやるという行き方、しかも最初の一、二年間に多くして、三、四年間に少なくするくさび形というものも、十分考えらるべきものだと思っております。
#256
○米田勲君 まだ、少し確かめたいことがあるのですが、先ほど豊瀬君から話があったし、皆さんも、しびれを切らして、吉江さんのごときは、もうじろじろにらんでおります。そろそろこの辺で、質問は打ち切りたいと思っております。
#257
○委員長(北畠教真君) ちょっと速記をとめて。
  〔午後四時五十九分速記中止〕
  〔午後五時四十四分速記開始〕
#258
○委員長(北畠教真君) 速記をつけて下さい。
 それでは、本案に対する本日の質疑は、この程度で終わります。
    ―――――――――――――
#259
○委員長(北畠教真君) この際、委員の変更について御報告いたします。
 本日、辻武寿君が辞任され、その補欠として浅井亨君が選任されました。
    ―――――――――――――
#260
○委員長(北畠教真君) 先ほどの委員長、理事打合会について御報告いたします。
 本日は、このあと、日本学校給食会法の一部を改正する法律案及び私立学校振興会法の一部を改正する法律を順次採決いたします。なお、明日は、午前十一時より委員会を開き、国立学校設置法の一部を改正する法律案の審議を行ないます。
 以上、御報告いたします。
 それでは、日本学校給食会法の一部を改正する法律案を議題といたします。――別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#261
○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより、討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#262
○豊瀬禎一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本法案に賛成をいたします。
 なお、この際、質疑においてもただしましたような諸点について、若干の意見を申し上げたいと思います。
 まず、質疑の過程を通じまして明らかになりましたのは、学校給食の位置づけの問題であります。大臣並びに関係政府委員の答弁でも明らかになったように、学校給食が、児童の心身の発達に対して重要なものであるという認識において、若干、文部省全体として欠けておる点を指摘せざるを得ません、御承知のように、憲法第二十五条には、健康で文化的な生活を営む権利を国民に保障すると同時に、その裏づけとして、国は、すべての生活面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生等の向上の増進に努力する旨の責任を負わしておるわけでございます。さらに、二十六条には、教育の機会均等を義務づけると同時に、教育を受ける権利を明確化すると同時に、義務教育無償の原則をうたい、教育基本法第三条にも、教育の機会均等を高く主張いたしておるわけでございます。さらに児童福祉法第二条には、国民の責任として、児童の心身の健全な発達について責任を負うべき旨を規定いたしております。
 これらの諸法規に照らして、国は児童の身体の健全な発達に対して、十二分の責任を負うべきであり、単に学校給食によりよい食事を与えていくという観点でなくして、児童、青少年が未来をになう者として、これに対して十分な責任を果たすべきことを規定いたしているのであります。
 しかるに、学校給食が実施されまして、今日に至るまで、小学校におきましては約五八%、中学校におきましては一八%程度の実施状況であります。このことは施設設備等が、地方公共団体の責任であるとはいえ、現在の地方自治体の実態から、地方にのみ責任を転嫁することによって、学校給食法の精神はもちろんのこと、ただいま主張いたしました憲法、教育基本法あるいは児童福祉法の精神で、国が果たすべき役割は大きいものがあると思います。したがって、私は本脱脂ミルクの給食の一歩前進の措置については、文部省当局の努力、政府の施策につきましては、賛意を表するものでありますが、さらに文部当局としては、就学以前の幼児についても、あるいは勤労青少年の健康管理の問題についても、単に学校教育というワク内の施策のみでなくして、青少年の健全な心身の発達を育成してくという角度に立って、まず第一に考えられるべきことは、一日も早く国の責任において、学校給食の完全実施の完成をはかるべきことを強く要望いたしたいと存じます。
 第二に、文部省に努力を願いたいことは冒頭にも申し上げましたように、諸外国におきましても、しかも日本よりも、一応民度が低いと指摘されておる諸国におきましても、その民度を高め、経済力の進展のためには、まず何よりも児童、青少年の身体の発達に大きく期待し、乏しい国力の中から国の責任において無償給食の方向をたどっておるのは注目すべき事態であると思います。したがって教科用図書が、まず第一段階として無償化に踏み切られましたことは喜ぶべきことでありますが、同時に、心身の両輪的な発達を考えます際に、この際、完全に給食と同時に、これが無償化につきましても、一般の努力をすべき課題であると思います。
 これらの点につきまして、単に先ほどから指摘いたしましたように、学校給食は学校教育の範囲内に限定するという狭い学校給食観を、この際、文部当局には改めていただいて、幼児、義務教育諸学校に在学する者、さらには高等学校等まで全体を見通した社会福祉国家の施策の一環として、学校給食の無償化について格段の努力をしていただきたいことを希望いたしまして、賛成意見といたしたいと思います。
#263
○吉江勝保君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本法案に賛成をいたすものであります。
 一言意見を申し上げますが、本法案は、ミルクの給食に関しまして、まことに画期的な施策でありまして、これを実施いたしまするのには、相当困難な面があろうかと存じますが、そういう点につきまして、十分な措置を講じられまして、遺漏のないように実施をしていた、だきたいのであります。従来、学校給食を普及しておりまする府県と、おくれておりまする府県との間に、相当著しい差がありまして、おくれておりまする府県の学校給食が、ますますおくれがちになるようにも見受けておるのでありまして、こういう際に、ミルク給食が全面的に実施を見ますことは、非常に学校給食の普及の上に、大きな効果があろうと存じますので、この実施につきましては、十分なひとつ配慮を払っていただきまして、学校給食をさらに完全に実施されまするように持っていっていただきたい、こういう希望を申し上げて賛成をいたします。
#264
○高山恒雄君 私も賛成いたしたいと思いますが、希望意見として、ミルクの問題については、御承知のように非常に進歩的な考え方で賛成したいと思います。
 ただ問題は、給食設備が完全でないという点を、もっと根本的なものを文部省としても考える必要があるんではないか、と申しますのは、先ほど申しましたように、この農村と都市との格差、さらにまた、農村自体における収入の格差ということが非常に大きく開いておる。この実態から見ても、給食の設備というものができない町村が大部分ではないかと私は考えるわけであります。
 こういう問題について文部省としてももう少し慎重に、また資料に基づいて完全に実施されるような方向に努力してもらいたいと希望意見を申し上げて賛成いたします。
#265
○浅井亨君 公明会を代表いたしまして、われわれ公明会といたしまして、学校給食に対しましては、義務教育においては、全部完全給食をするというのがわれわれの本来の願いでありまして、このたびミルクの問題でありますけれども、一歩前進した姿になってきたということは、まことに喜びにたえないと思います。今後ますます完全給食に対しまして、一段の前進を進めていただきたい、こう念願いたしまして賛成いたしたいと思います。
#266
○委員長(北畠教真君) ほかに御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#267
○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。日本学校給食会法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#268
○委員長(北畠教真君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#269
○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
#270
○委員長(北畠教真君) 次に、私立学校振興会法の一部を改正する法律案を議題といたします。――別に御発言もござせいまんようですから、質疑は尽きたものと認めて、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#271
○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#272
○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。私立学校振興会法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#273
○委員長(北畠教真君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#274
○委員長(北畠教真君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五年五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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