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1962/05/28 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 文教委員会 第20号
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1962/05/28 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 文教委員会 第20号

#1
第043回国会 文教委員会 第20号
昭和三十八年五月二十八日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     北畠 教真君
   理事
           斎藤  昇君
           二木 謙吾君
           吉江 勝保君
   委員
           木村篤太郎君
           久保 勘一君
           佐藤 芳男君
           小林  武君
           千葉千代世君
           高山 恒雄君
   発  議  者 小林  武君
   発  議  者 千葉千代世君
  政府委員
   文部大臣官房長 蒲生 芳郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  説明員
   文部省初等中等
   教育局特殊教育
   課長      林部 一二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公立の盲学校、聾学校及び養護学校
 の幼稚部及び高等部の整備に関する
 特別措置法案(小林武君外四名発
 議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(北畠教真君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
 本日の委員長理事打合会について御報告いたします。本日の委員会は、公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の整備に関する特別措置法案について質疑を行なうことに決しました。以上、御報告いたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(北畠教真君) それでは、公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の整備に関する特別措置法案を議題といたします。
 本法律案につきましては、すでに提案理由の説明は聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑の通告がございます。これを許します。久保君。
#4
○久保勘一君 御提案の御趣旨が、特殊学校の幼稚部、高等部に勤務する教職員に二分の一の国庫補助をする。さらに教材についても同様二分の一の国庫負担をする、こういう御趣旨の御提案でございますので、そのことに関連いたしまして、現在の幼稚部あるいは高等部の設置状況につきまして概略御説明を願いたいと思います。
#5
○小林武君 お答えいたします。盲学校は七十二校あるうち、幼稚部を設置いたしておりますのは二校でございます。したがって、設置していないのは七十ということで、今、将来設置を特に希望しているというのは四十五校となっております。それから高等部を設置している学校は六十二校ございまして、したがって、していないのは十校、この十校は高等部を設置することを希望しているのであります。聾学校は百三校ございまして、幼稚部を設置いたしておりますのは三十七校、設置していないのが六十六校、この六十六校の残っている分は将来設置を希望しているわけであります。高等部を設置いたしておりますのが七十三でございまして、設置していないのが二十七、高等部を希望しているのが三校、それから養護学校は六十四校、幼稚部を設置しているのが二校でございまして、していないのが六十二校、将来設置したいという希望を持っておるものが三十校、それから高等部を設置いたしておりますのが十二校、設置していないのが五十二校、将来設置するものが二十、大体こういう数を把握しておるわけであります。
#6
○久保勘一君 ただいまの御説明で大体了解いたしましたが、特にお尋ねいたしたいと思いますことは、幼稚部の就学率、それから高等部の進学率、幼稚部でございますと、大体該当する子供がこれくらいあるだろう。それがどれくらいのパーセント就学しておるか、それから高等部ですと、どれくらいのものが進学しておるのか、そういうパーセントがもしおわかりでしたら御説明願いたい。
#7
○小林武君 それについては詳細に知っておりません。ただ、全体といたしまして、大体その学校に入る者が、盲学校、聾学校は六〇%前後ある。それから養護学校については四%くらいのものではないか、これくらいの概数をつかんでおるわけでございます。ただ、幼稚部はどれくらいのものであるか、高等部がどうであるかということについては的確な数をつかんでおりません。
#8
○久保勘一君 ただいまのことについて、文部省でもしわかっておりましたら御説明願いたい。
#9
○説明員(林部一二君) 幼稚部の就学率でございますが、まず盲について申しますと、〇・九九%という就学率と推定をいたしております。つまり〇・九九%が現在の就学率でございます。これの基礎には該当者の数の推計をいたしておるわけでございますが、これは小中学部の場合と同じように、出現率をとりまして、該当の幼児に対してその率をかけて就学すべき該当者の推計をし、それに対して現在幼稚部に入っておる者の数、その率をとってそのように推計をいたしておるわけでございます。聾につきましては、現在三二・二八%就学率を持っております。それから養護学校につきましては、私どものほうの調査によりますと、これは昨年の五月一日現在の学校基本調査の結果でございますが、幼稚部につきましては、公立において一校も幼稚部を持っておりません。したがって、就学率はゼロというふうに推定をいたしております。以上であります。
#10
○久保勘一君 特に幼稚部の設置の必要性と申しますか、幼児教育の必要性が叫ばれておるようでございますが、実際の普及率と申しますか、普及状態はあまり芳しいように私どもは承知しないのであります。そこで、これについて何か地域的な理由でもあるのか、その点がおわかりでございましたら御説明願いたい。
#11
○小林武君 地域的な……。
#12
○久保勘一君 特に地域的な事情でもあってそういうことであるのか、あるいは他にどういう事情があるのか。
#13
○小林武君 幼稚部に就学率が少ないということは、やはり幼稚部の設置がされていないということが一番大きな原因だと思います。しかし幼稚部に就学したいという者は私は相当希望者はあると思うのです。これは私はそういう子供を持った親たちにあたって調査をしたというそのあれは持っておりませんけれども、たとえば、そこの教育に当たっておる教師の意見とか、あるいはそういう子供を持っていらっしゃる方の御意見というものを聞く機会を得たときに感じましたことは、何といってもやはり幼稚部が少ないということ、これが問題の最も大きな点だと思うわけであります。同時にまた、私は幼稚部ばかりでなく、盲学校、聾学校、養護学校が、義務のほうも含めて、小中のほうも含めて、全体が、やはり先ほど申し上げたようなパーセントぐらいの者しか就学していないので、これらの子供たちが入れるような機会を、学校を設置することによって与えるということが一番僕は問題じゃないかと思うわけです。
#14
○久保勘一君 ただいまの点について、文部省はどういうふうにお考えでございますか。
#15
○説明員(林部一二君) 幼稚部の設置の全国的な状況を見ますると、確かに地域的に非常な格差がございます。たとえて申しますれば、東北地区、山陰、北陸、それから九州地区は比較的に幼稚部の設置が非常におそい状態でございます。しかし、幼稚部は、先ほどの就学の状況から考えてみましても、聾学校が一番多いわけでございますが、聾学校におきましては、早期の言語指導ということが絶対必要でございまして、この点は、いろいろな試験的な研究の結果からもそういうことが言えるわけでございますので、文部省といたしましても、三十七年度から聾学校の幼稚部の設置促進をはかる意味合いにおきまして、設備費の補助を計上いたしまして交付をいたして参っているわけでございます。三十七年度におきましては、合計十四校に対しまして百万円、三十八年度におきましては、十五校に対して百万円の補助をいたしている次第であります。
#16
○久保勘一君 幼稚部、高等部に対しまして国のほうからの財政的措置は、交付税でどういうふうになされておりますか、御説明願いたいと思います。
#17
○説明員(林部一二君) 幼稚部、高等部に対する交付税における財政的な措置でございますが、単位費用の積算の中に、幼稚部及び高等部の積算も加えまして、これを見積っているわけでございます。そこで、地方交付税におきまして、幼児、児童、生徒、高等部の生徒も含みますが、一人当たり九万一千五百九十四円、三十八年度におきまして単位費用を定めまして財源措置を行なっております。
#18
○久保勘一君 提案者にお尋ねいたしますが、この特殊学校における幼稚部、高等部の教員に、義務教育半額負担ですか、これと同じような気持で二分の一を国のほうから補助する、負担する、こういう御提案でございますが、御承知のとおり、義務制でないこの幼稚部、高等部に、義務制と同じような取り扱いをするということについては、半額負担の精神からいってもどうも均衡がとれぬのじゃないか。さらに一般の幼稚園、一般の普通の高等学校の教職員の給与の負担から考えましても、同様にやはり均衡がとれぬのじゃないか、こういうふうに考えますが、御提案の趣旨とその点についてどういうふうに御理解であるか、御説明をいただきたいと思います。
#19
○小林武君 現在の制度の上からいえば、確かにそういうようなことが言い得ると思うのです。ただしかし、今私が申し上げているのは、何といっても盲学校、聾学校、養護学校というところに入っている児童生徒というものが、これはもう非常な、普通の健康な児童とは違った援助を国家が与えることでなければ、これは学校教育を十分に受けられないばかりか、将来、社会生活を行なう上においてもこれは非常にたいへんなことになると思うのです。そういう意味で、そういう点を非常に考慮してこの特別掛買法案というものを提案しているわけです。でありますから、この点はやはりそういう身体的、精神的な障害児をどう国が扱うか、やっぱり特別の保護と申しますか、援助をした政策をとらなければならないのではないか、こういう角度から申し上げております。まあしかし、将来、幼稚園そのものが、義務制になるのかならないのか、あるいは高等学校そのものがどういう方向に発展していくかというようなことについて、一応の考えを持ちましても、現在の制度の中で現行法の中でどう扱うかという角度から申し上げているのです。
#20
○久保勘一君 もう一点お尋ねしたいのです。公立の特殊学校教職員給与は、御了承のとおり、義務制の小中、非義務制のただいま提案の幼稚部、高等部、そのいずれを問わず地方公共団体の負担においてなされておるわけですね。特に幼稚部、高等部に限って国が地方公共団体にかわって二分の一を助成しなければ振興がはかれないというようには考えにくいのではないか。ということは、公共団体の中には、申し上げるまでもなく非常に財政的に裕福な府県もかなり多数あるわけでありますから、ただいま申し上げるような感じを持つわけですが、その点について、特に国がこれを助成しなければならぬという積極的な理由はどの辺にあるのか、御説明いただきたい。
#21
○小林武君 地方公共団体で非常に負担の重くなるだろうというようなことは確かにこれはあり得ると思うのです。先ほどの地域的な幼稚園並びに高等部の設置の状況に傾斜があることをごらんになれば、これは何といってもやはり地方財政の状態によってそういうことが起きてくるということは、先ほどあげられた県別のあれを見ても明らかなのであります。その点は確かに私は負担になるということは考えられますけれども、このまま盲学校、聾学校、養護学校というところに進まなければ、義務教育さえ、あるいは将来、社会に出てのいろいろな生活を営む上においてのさまざまな技術あるいは教養を修得するという上において事欠くというので、国がこれに対して特別の措置を講じなければ、やはり私は放置されたという状態になると思うのです。そのことは皆さんも御存じのとおり、身体不自由児あるいは精神薄弱児を持った父兄が、どんなに深刻な悩みを持って要路の人たちに一体訴えておるか、あるいは教育関係者に訴えておるかということをよくごらんになればおわかりのとおりでございまして、これは何といっても国家の大きな力添えが必要だ。私がきょうここに提案いたしておりますのは、幼稚部、高等部ばかりでなくて、全面に関してもちろん今申し上げたようなことのあれがなければならないのでございますけれども、特に幼稚部と高等部を申し上げておるのですが、この幼稚部、高等部に国家が今特別措置法案の内容に盛られているようなことが許されれば、私は幼稚部、高等部というものの数はぐっとふえると思うのです。これがとりもなおさず子供たちのためには非常なしあわせになる。それがやがては私は盲学校、聾学校にまだ就学できない者がたくさんありますが、これらをまたさらに小中高というような部面にわたって拡大していくことができることになると思いますので、そういう意味で特段に御配慮いただきたい。なお、私立の問題なんかもありましょうけれども、これはまあ盲学校、聾学校というような種類のものをごらんになって御経験おありだと思いますが、初めはみんな一種の慈善事業みたいな形でやられておったのです。それがとにかく国がこれに対して力を入れてから、やはり急速な伸びをしているということをわれわれも経験しているわけです。そういう点では特段のやはり国の力添えが必要じゃないか、そういう意味で提案しているわけです。
#22
○久保勘一君 終わります。
#23
○委員長(北畠教真君) ほかにございませんか。
#24
○斎藤昇君 ちょっと関連。ひとつ参考のために伺いますが、ただいま問題になっておりまする盲聾等の教育費が一般の教育費とどのくらいの割高になっておりますか、これがわかっておれば、文部省のほうからでも、あるいは提案者のほうでもけっこうです。
#25
○小林武君 これは文部省のほうからひとつ答えていただきたい。
#26
○説明員(林部一二君) ただいま正確な数字を持っておりませんが、教材費等におきましても大体五倍から七倍程度の格高になっていると承知しております。
#27
○小林武君 今そういうお話でございましたが、確かにこれは金のかかる教育なのであります。実際これは私ども地方におりましたときに、この問題を取り上げていろいろ予算の増額を要求したことがあるのですけれども、非常に金がかかって、このためにほかのほうに実は影響を及ぼすという話が自治体のほうから出たほど金がかかるのです。だから、幼稚部と高等部というようなものを今のままの状態でやっていくということは、幼稚部、高等部がどうしても伸び切らないと思うのです。だから、この点については何といってもやはり措置法案の内容にあるような方法で、国家がこれはめんどうを見るというようなふうにしていただきたいと思うのです。
#28
○斎藤昇君 金のかかることはわれわれしろうとにもわかるわけなんですけれども、どの程度よけいに金がかかるのか、一人当たりの教育費は何倍くらいになっているか、教材費は今五倍くらい、あるいは七倍というようなお話もありましたが、全体としてあるいは学級数が少ないとか、一学級の生徒が少ないとかいうようなこともありましょうし、一人当たりの教師もよけい要るということにもなりましょうし、そういうようなことを大体あれをしてみると、これはいろいろの推定が加わりましょうけれども、そういう一人出たり何倍ぐらいかかるかという計算は出ておりませんか。
#29
○説明員(林部一二君) 今ちょっと資料を持っておりません。
#30
○斎藤昇君 今ないが、向こうへ、本省に帰ったらあるのですか。
#31
○説明員(林部一二君) いろいろな推定をいたしまして、仮定の上でそういった比較を、一般学級との比較をしなければならないと思いますが、その上で計算をいたしますれば、計算ができないことはないと思います。
#32
○吉江勝保君 今の関連ですが、費用は割高にかかるという内容ですね。内容をもう少し一緒に、資料を調べる際に、数字を出すだけでなしに、なぜ一般の教育の一人当たりの経費に比べて割高になるかという、その割高になる原因というのですか、内容もあわせて、数字だけでなしに、調べておいてもらったらけっこうじゃないかと思うのです。
#33
○斎藤昇君 ひとつその資料はそう困難でなければ御提出を願いたいと思います。
#34
○委員長(北畠教真君) できますね。
#35
○説明員(林部一二君) はあ、あとで出したいと思います。
#36
○委員長(北畠教真君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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