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1962/01/29 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第2号
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1962/01/29 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第2号
昭和三十八年一月二十九日(火曜日)
   午前十一時三十六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 十二月二十四日
  辞任      補欠選任
   阿具根 登君  北村  暢君
 一月二十二日
  辞任      補欠選任
   戸叶  武君  大河原一次君
   野上  元君  亀田 得治君
 一月二十八日
  辞任      補欠選任
   北條 雋八君  浅井  亨君
 一月二十九日
  辞任      補欠選任
   浅井  亨君  北條 雋八君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           青田源太郎君
           仲原 善一君
           北條 雋八君
           森 八三一君
   委員
           井川 伊平君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           梶原 茂嘉君
           重政 庸徳君
           中野 文門君
           温水 三郎君
           藤野 繁雄君
           堀本 宜実君
           大河原一次君
           大森 創造君
           北村  暢君
           矢山 有作君
           渡辺 勘吉君
  国務大臣
   農 林 大 臣 重政 誠之君
  政府委員
   農林政務次官  津島 文治君
   農林大臣官房長 林田悠紀夫君
   農林大臣官房予
   算課長     太田 康二君
   農林省農林経済
   局長      松岡  亮君
   農林省農地局長 任田 新治君
   農林省農政局長 斎藤  誠君
   農林省園芸局長 富谷 彰介君
   農林省畜産局長 村田 豊三君
   農林省蚕糸局長 昌谷  孝君
   農林水産技術会
   議事務局長   坂村 吉正君
   食糧庁長官   大沢  融君
   林野庁長官   吉村 清英君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○農林水産政策に関する調査
 (農林水産基本政策に関する件)
 (昭和三十八年度農林省関係予算に
 関する件)
 (農林省関係提出予定法律案に関す
 る件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 一月二十八日付をもって委員北條雋八君が辞任され、その補欠として浅井亨君が委員に選任されました。一月二十九日付をもって委員浅井亨君が辞任され、その補欠として北條雋八君が委員に選任されました。
 右の異動により理事が一名欠けることになりましたので、この際、委員長はその補欠として理事に北條雋八君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(櫻井志郎君) これより農林水産基本政策に関する件を議題といたします。
 まず農林大臣から、農林水産基本政策について説明していただくことにいたします。
#5
○国務大臣(重政誠之君) 今国会に提出いたします農林省関係の予算案及び法律案につき、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、農林水産施策の方針と概要につき申し上げたいと存じます。
 まず、最近における農業の動向を振り返りますと、さきに本国会に提出した昭和三十七年度農業の動向に関する年次報告において明らかにしましたように、三十六年一度においては、農業生産の増加、農産物価格の上昇、交易条件の有利な推移等を反映して、農業所得は相当な伸長を示し、また、農外所得も引き続き著しく増大したため、農家所得の伸びは目ざましいものがあり、農業従卒者の生活水準は、大きく上昇いたしました。
 しかし、他産業と比較した場合には、その急速な成長に農業が歩調を合わせられなかった点も見受けられます。また、農業自体について検討いたしますと、農産物の需給と価格の不安定、農家人口の移動に伴う労働力の質的劣弱化と兼業化の進行、土地、資本、経営担当者等に関する経営条件がなお十分整わないなど、問題と思われる諸現象が見られるのであります。
 このような動向に対処して農業の一そうの発展をはかるためには、生産性の向上と経営の近代化の条件の整備とを指向して、農業構造の改善を推進することが最も必要であると考えられるのであります。
 以上の点は、若干の事情の差こそあれ、林業及び漁業につきましてもほぼ同様であると思われます。
 次に、農林水産業を取り巻く国際的条件を考えますと、農林水産物に対する貿易の自由化の要請がきわめて強いのであります。政府は、これに対処して、農林水産物についても、これまで段階的に自由化を進めて参りました。
 現在自由化されずに残されている物資は、自由化の困難なものが多く、なかんずく、米麦、酪農製品、牛豚肉等については、農家所得形成上の重要性、零細農耕に基づく生産性の低さ等を考慮すれば、現段階においては、早急に自由化することは適当でなく、可及的に輸入制限を存続する方針であります。また加工品についても同様の配慮を必要とするものもあると存じます。このことは、さきにアメリカで開催された日米貿易経済合同委員会においても、また先般わが国で行なわれた日加閣僚委員会においても、私が特に強調したところであります。
 しかしながら、今後、農林水産物の貿易促進に関する国際的要請がますます強くなることを考慮するならば、いつまでもこのような体制に安住するわけにはもちろん参らないわけでありまして、関税率の調整その他所要の措置を講ずることにより、自由化が可能なものから逐次実施して参りますほか、基本的には、農林水産物の生産、流通、加工の各部面を通じる合理化により早急に生産性を向上し、国際競争力を強化することが必要であります。この意味においても、農林水産業の構造改善をはかることがきわめて重要であると思われるのであります。
 申すまでもなく、構造改善に関する施策は、多岐にわたる関連諸施策が脈絡ある組み合わせをもって根強く展開されることにより、真の効果が期せられるものでありまして、この場合政府として特に留意すべきことは、農林漁業者が安心して構造の改善を進めることができるような基本的諸条件を着々整備して参ることであると存じます。
 このような考え方に基づきまして、昭和三十八年度においては、生産の選択的拡大、生産基盤の整備、技術の高度化、経営の近代化等、農林漁業の構造改善をはかるしにおいて重要と思われる諸施策を推進する所存でありますが、特に構造改善を進めるについて不可欠な長期低利資金の確保を第一義として取り上げ、同心に価格安定と流通面の合理化に関する施策を一段と拡充強化する等、構造改善を安定的に進めるための体制を整備することを基本方針としているのであります。
 以下、農林水産施策の重点につき、その概要を申し上げます。
 初めに、農林水産業にわたる施策として、まず、農林漁業金融制度の大幅な改善をはかることといたしました。すなわち、農林漁業の構造改善を強力に促進するのに必要な長期かつ低利の資金を円滑に供給することをねらいとする農林漁業経営構造改善資金融通制度を創設する所存であります。
 本制度は、資金の種類としては、農業及び沿岸漁業の構造改善事業推進資金、果樹園経営改善のための果樹の植栽育成資金、畜産経営拡大のための資金、農地未墾地及び林地の取得資金等であり、利率は構造改善事業推進資金は三分五厘、土地取得資金は農業構造改善事業に関連するものは四分、その他のものは四分五厘、果樹園経営改善及び畜産経営拡大の資金は据置期間中五分五厘、償還期間中六分とし、また、償還期限は、農業構造改善専業推進資金は二十年以内、土地取得資金は二十五年以内にそれぞれ延長し、貸付限度額は、農業構造改善事業推進資金につき個人の場合二百五十万円、また果樹植栽育成及び畜産経営拡大の資金につき二百五十万円、土地取得資金につき八十万円とする等、貸付条件の大幅な緩和をすることとし、また、この制度の融資ワクとして三百億円を予定いたし、農林漁業金融公庫をしてこれを運用せしめることといたしております。
 なおこのほか、農業近代化資金につき融資機関の範囲の拡大等によりその整備をはかるとともに、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金を初め各種制度金融の貸付ワクの拡大をはかることとしております。
 次に、構造改善を安定的に進めるための体制整備の一環として、価格安定と流通の合理化に関する施策を整備強化することといたしております。
 まず、畜産物については、畜産振興事業団の業務に必要な資金を充実するとともに、その需給の調整をはかり、産地における処理販売の合理化施設を拡充し、また、小売段階における流通経費の節減をはかるため、牛乳及び食肉につき共同保管ないし共同処理保管の施設の設置に対し、新たに助成する考えであります。
 また、青果物については、青果物生産安定事業を引き続き促進するほか、野菜の大都市への供給確保をはかる等出荷調整措置を充実し、また、果実の安定的供給のための措置を整備する所存であります。
 次に、水産物については、引き続き産地における貯蔵、運搬施設の整備を進め、産地の加工施設等の設置についても新規に助成するほか、新たに消費地における大衆魚の貯蔵のための冷蔵庫の新設をはかる考えであります。
 そのほか、中央卸売市場についてもその施設整備を強力に推進することとしております。
 以上の流通の合理化に関する諸施策は、消費者物価の安定対策としても政府が特に意を用いているところであります。
 さらに、構造改善事業につきましては、農業関係では、引き続き実施している農業構造改善事業促進対策の円滑な推進をはかることとし、これがため、前に述べた事業推進に必要な長期低利資金を融通するほか、地方交付金あるいは起債に関し、特に必要な財源措置を講じ、政府の補助のほかに、地方公共団体が補助する道を開き、農家負担の軽減をはかるとともに、計画の樹立と事業実施について、指導体制を強化して計画的に推進する所存であります。また、圃場整備事業の推進、開拓パイロット卒業の拡充、農業機械化の促進等、農業構造改善関連施策を整備することとしております。なお、以上の構造改善諸施策の実施にあたっては、近く設置する地方農政局において具体的に実情に即し推進するように配慮して参りたいと存じます。
 次に、沿岸漁業については、金融措置および指導体制を強化しつつ、沿岸漁業構造改善事業を引き続き計画的に推進するとともに、大型魚礁設置事業を公共事業として実施することといたしております。
 なお、林業については、林業経営基盤の整備と林業経営改善のために必要な林業構造改善対策調査を新たに実施することといたしております。
 この際、特に強調いたしたいことは、次代の農林漁業をになうべき青少年の問題であります。
 近時、農林漁家の人口が相当な勢いで流出しておりますが、その中で次代をになうべき優秀なにない手が離村しつつあることは、きわめて重視しなければならない問題であると思います。
 このような事態に対処するには、農山漁民の所得を増大し、その生活を豊かにすることが根本でありますが、同時に青少年に対し実地に近代的経営を担当するに必要な教育研修を行ない、新しい農林漁業の経営について魅力と自信と希望を持つようにすることが必要であると存じます。全国農村青少年教育振興会に対する活動の助成、経営伝習農場の充実等、各種の措置を講ずることとしておりますのも、このような配慮に基づくものであります。
 以上施策の基本方針につき申し述べたのでありますが、以下、農業、林業および水産業の施策内容につきその概略を御説明申し上げます。
 まず、農業についてでありますが、第一に、農業生産の選択的拡大に関する事項として、畜産については、自給飼料基盤の整備および飼養規模の拡大を目途として家畜の導入、施設等の整備を推進するとともに、国、都道府県および民間の密接な連携のもとに、家畜改良増殖を推進する体制を確立することとしております。
 また、果樹については、その生産の安定的発展をはかるため、計画的かつ集団的な果樹園経営を育成するための措置を強化し、野菜についても生産の安定化に資する措置を講ずることとしております。
 さらに、テンサイ等の甘味資源作物について、貿易自由化の方向に即応し、生産性の向上に努めつつ、生産の振興をはかることとし、従来に引き続き養蚕、菜種及び大豆の省力技術の導入と、その普及を推進して生産の合理化を進めることといたしております。
 なお、麦類については、他の農産物の生産の伸長により、作付の合理化をはかることとし、稲作については、労働生産性の向上及び水田利用の高度化を推進し、農業生産の選択的拡大を円滑に進めるよう配慮する所存であります。
 第二に、農業の生産性の向上に関する事項として、まず、農業基盤整備事業につき、国、県営の各事業を通じ事業進度の調整に留意しつつ既着工地区の早期完成に重点を置き、事業の計画的かつ効率的な実施をはかり、また既着工事業の完了状況を勘案し、新規事業の採択に努めたいと考えております。また、土地改良事業の種類及び範囲の拡充、計画樹立の方式及び事業実施の仕組みの改善等をはかるため、土地改良制度につき整備改善を行なうことといたしております。
 次に、試験研究については、その重点を水田作を初めとする機械化作業体系の確立並びに畜産、園芸及び利用加工の分野に置き、また基礎的研究を充実することとし、その一環として植物ウイルス研究所を新設することとしております。
 さらに農業技術の普及については、特に農業改良普及員等の任用資格の引き上げ、研修の強化、農業改良普及員等への手当の支給等により、農業改良普及事業の刷新強化をはかる所存であります。
 第三に、農産物の価格の安定及び農業所得の確保に関する事項でありますが、米、麦、カンショ及びバレイショ、畜産物、繭系、大豆、菜種等については、引き続き現行制度により価格の安定と所得の確保の措置を講ずることとしておりますが、最近における食糧需給事情その他経済事情の推移にかんがみ、食糧管理制度について検討を進める所存であります。
 また、甘味資源に関連する農産物については、その生産振興の諸施策と合わせて、価格支持等のための措置を講ずる考えであります。
 以上申し述べた施策のほか、農業従事者の福祉向上その他従来から継続実施しております各種の施策についても、その充実と円滑な推進をはかりたいと存じます。
 林業についての施策といたしましては、第一に、今後における木材需要の増大に対処し、森林資源の開発を促進するため、林道の開設改良事業を拡充実施し、長期的に森林資源の保続培養をはかるため、造林卒業を計画的に推進することとしております。特に林道事業については、利用区域が広く、道路網構成のかなめとなる林道を、基幹林道として新たに助成の道を開くことといたしました。
 第二に、災害の発生に備える国土保全対策としましては、治山事業を効率的に実施するとともに、保安施設制度の適格な運用をはかり、災害の防除に万全を期する脅えであります。
 第二に林業金融の円滑化をはかるため、農林漁業金融公庫による融資を拡充するほか、新たに林業信用基金(仮称)を設置して素材及び種苗等の生産流通に必要な運転資金につき債務保証を行なうこととし、政府がこの基金の一部を出資することといたしております。
 また、林業経営の合理化をはかるため、林業改良普及事業の強化、林業機械導入の促進、森林組合の合併の促進等に努めたいと存じます。
 水産業についての施策といたしましては、すでに述べたとおり、沿岸漁業振興と流通改善のための施策を推進して参りますが、このほか、まず遠洋漁業については、関係諸国との協調をとりつつ、資源の保持に努め、また、資源の科学的な調査研究を推進し、漁場の維持開発を行なうことといたしております。
 次に、水産資源対策としては、前に述べた海洋漁場調査の実施並びに内水面主要資源の維持培養、サケマスの人工孵化放流事業等を拡充するとともに、前年度瀬戸内海に設置した栽培漁業センターを増設し、漁民の実践活動を通じて沿岸重要魚種の保護培養をはかるほか、新たに水産資源保護に関する啓蒙普及活動、調査研究等の促進をはかる措置を講ずる考えであります。
 さらに、漁港の整備については、漁港整備計画を改定し、新計画に基づいて漁港の重点的整備をはかり、また新たに漁港改修中業を計画的に実施することとし、局部改良事業と合わせて漁港施設の整備拡充をはかり、この際特定第三種漁港については、その重要性にかんがみ、補助率の引き上げを行なうこととしております。
 以上、三十八年度の農林水産業施策の重点について申し述べたのでありますが、以上の重点施策を初め、農業基本法を具体化する諸施策の的確な推進をはかるため、農林関係予算の充実をはかるとともに、必要な法制上の措置を講じたいと存じます。
 以上、農林水産業施策の概要を申し上げたのでありますが、各位の御協力を得まして、農林関係予算案並びに法律案の御審議が円滑に行なわれ、すみやかに御賛同を得られますようお願いをいたす次第であります。
#6
○委員長(櫻井志郎君) 以上をもって重政農林大臣の説明は終わりました。
 次に、昭和三十八年度農林省関係予算案の大要について、政務次官から説明を聴取することにいたします。
#7
○政府委員(津島文治君) 昭和三十八年度農林関係予算についてその概要を御説明申し上げます。
 まず一般会計における農林関係予算の総体について申し上げます。
 農林省所管合計といたしましては、二千二百五十七億円となっておりますが、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は二千五百三十一億円となり、これを昭和三十七年度補正後の予算二千四百九十三億円に比較いたしますと三十八億円の増加、また昭和三十七年度当初予算二千四百五十九億円に比較すると七十二億円の増加となっております。なお、対前年増加額につきましては、ただいま申し上げました三十八億円のほか、前年度の経費で減額となりますものが、食糧管理特別会計繰り入れで百七十五億円、伊勢湾高潮対策及び災害復旧事業等で七十三億円、農山漁村建設総合対策で十六億円、大豆、菜種交付金で十億円等、合計二百八十五億円ありますので、これらを加えて三百二十三億円が実質的な増加額となっているわけであります。
 この予算の編成にあたりましては、農業につきましては農業基本法を基軸といたしまして、同法に定める諸施策の具体化を強力にはかることとし、林業、水産業につきましても同様にそれぞれの施策の充実をはかることとしたのであります。
 以下本予算編成の重点事項について申し上げます。まず最初に農業関係の予算について申し上げます。
 第一に農業生産の選択的拡大を推進し、食糧需要の動向に対応して成長農産物の伸長と生産の合理化をはかるための予算について申し上げます。
 一、最初に畜産の生産振興につきましては、畜産経営の基盤となる飼料自給度の向上に必要な草地改良事業を計画的に推進するため、前年度に引き続き、事業量を拡大するほか、補助対象の拡充、事業単価の引き上げ等、補助内容の充実をはかることといたしており、これに要する経費十二億一千五百万円を計上しております。なお、農業構造改善手業の一部として行なうもの二億一千三百万円を含めますと、草地改良事業に要する経費は総額十四億二千八百万円となっております。
 このほか既耕地における飼料作物の生産性の向上に資するため新たに乾草ミールの生産促進をはかるモデル施設及び北海道酪農経営における飼料の効率的利用促進のためのモデル施設の設置について助成するほか、飼料作物生産改善施設の設置補助等各種の自給飼料対策を実施することとし、これらに要する経路六億五百万円を計上しております。なお、このうちには、新たに草地の造成、管理の指導を担当する補助職員の設置費が含まれております。
 また、家畜導入、家畜衛生対策、家畜改良増殖等の事業につきましては、寒冷地等特殊地帯に対する県有家畜貸付事業、肉用素畜導入事業、乳用雌仔牛共同育成事業等を継続実施するほか、肉牛の積極的な改良増殖を行なうための肉牛改良増殖基地、優良な乳用種雄牛を確保するための保証乳用種雄牛制度等を新たに実施いたすこととしております。さらに、各県の家畜保健衛生所の整備、家畜集団衛生の普及指導体制の強化、国立種畜牧場の施設整備等所要の措置を講ずることとして二十億四千四百万円を計上しております。なお、畜産農家の振興と生産性の向上に積極的に寄与するため、新たに農林漁業金融公庫において長期、低利の畜産経営拡大資金三十億円の融通を予定いたしております。
 二、次に園芸の振興につきましては、生産、流通を通ずる行政の円滑かつ強力な実施を期し、去る一月二十日園芸局を設置してその推進をはかることとしておりますが、果樹農業の生産振興につきましては、果樹農業振興特別措置法に基づき果樹園経営の集団化を促進し、果樹農業の牛魔性の向上をはかるため、農林漁業金融公庫資金を農林漁業経営構造改善資金の一環として三十億円に拡大するとともに融資条件についても改善をいたしております。このほか果樹園経営計画の樹立実施、果樹栽培適地調査、果樹苗対策、果樹病害虫発生予察事業、果樹栽培研修施設設置等を継続実施、することとし、これらに必要な経典として三千九百万円を計上いたしております。
 三、甘味資源作物の生産振興につきましては貿易の自由化に対処し、甘味資源総合対策の一環として、テンサイのみならず、カンシャ及び澱粉原料用カンショ、バレイショにつきましても、積極的にその生産振興に力を注ぐことといたしております。
 まず、テンサイにつきましては、日本てん菜振興会に対する政府出資、北海道におけるテンサイ採種事業に対する助成、内地におけるテンサイ栽培機械施設の設置、適地調査検定圃、テンサイ生産技術研修、テンサイ集団化栽培対策等の諸事業に対する助成を継続実施するほか、新たに北海道テンサイについて、ペーパーポットによる共同育苗圃の助成、深耕用土層改良機械の導入助成等の振興措置を講ずることとし、これらに要する経費として四億七千六百万円を計上いたしております。なお以上のほか、北海道につきましては、テンサイ生産振興のために行なう土地改良事業を大幅に拡充することとし、十億八千五百万円を予定しております。
 次に、種子ケ島、屋久島等西南諸島におけるカンシャにつきましては、従来農業基盤整備卒業を除き特に国の助成措置は講じていなかったのでありますが、甘味資源総合対策の一環として、新たに優良種苗の原苗圃の設置、土壌改良のためのトラクターの導入、栽培技術の向上等についての助成措置を講ずることとし、これがため一千六百万円を計上いたしております。なお、別に土地改良事業として三千万円を予定しております。
 以上のほか、澱粉原料用カンショ、バレイショにつきましても積極的に生産振興をはかるため、カンショ、バレイショ原種事業、バレイショ原麦種農場等を強化するとともに、新たに高澱粉品種の種イモを急速に普及するための事業に助成を行なうこととし、これらに要する経費として三億六千九百万円を計上いたしております。
 以上甘味資源作物生産振興対策として、合計八億六千万円、別に土地改良事業として十一億一千五百万円を計上いたしております。
 四、このほか、農業生産の選択的拡大を促進するためのおもな予算措置といたしましては、特用作物の振興について優良種苗の確保、耕種基準圃の設置等に要する経費として二千四百万円、養蚕生産の合理化について農業構造改善事業において実施される桑園集団化事業のほか、一段厚飼による飼育技術の普及、軟化病の防除調査等に対して八百万円、菜種の生産改善対策について前年度に引き続き菜種生産改善施設を設置する等のため二千八百万円をそれぞれ計上いたしております。また、急激に増加している飼料の需要に対処するためトウモロコシの晩播・密植・多肥による多収省力技術の普及、ビール等の消費の増大に応ずるための醸造用原料麦の作付促進等につきそれぞれ新たに助成を行なうこととし、これらに要する経費一千八百万円を計上しております。
 第二に農業の生産性の向上と総生産の増大に関する経費について申し上げます。
  一 農業基盤整備事業につきましては、生産の選択的拡大の方向を考慮しつつその計画的推進をはかるため総額六百五十六億五千六百万円を計上いたしております。
  (1) まず土地改良事業につきましては、総額三百九十六億七千八百万円となっております。その重点について申し上げますと、特定土地改良工事特別会計で行なう事業についてはその計画期間内完了を目途として一般会計から四十九億五千四百万円の繰り入れを行ない、これに借入金等を加え八十億六千万円の事業を実施することとし、また、一般会計国営事業及び県営事業については事業効果の早期発現と経済的施行を配慮し、特に国営付帯県営事業については、国営事業の進展との調整を考慮して三十八年度から一般都道市県営事業とは別に事業の着工採択を行なうとともに、一般都道府県営事業については、残事業の早期完成を目途として事業の推進をはかることとしております。団体営事業につきましては、農地の集団化と末端の圃場条件の整備との有機的連繋をとりつつ事業の拡充をはかるとともに、農道について補助率の引き上げを行なうことといたしております。また、非補助の小団地等土地改良事業につきましては農林漁業金融公庫の三分五厘資金の融資ワクを百五十四億円に増額いたしております。
  なお、すでに申し上げましたとおり、北海道におけるテンサイ、西南諸島におけるカンショ生産等と関連いたしまして、その生産基盤の整備をはかるため、灌漑排水事業、耕地整備事業を促進することとしております。
  さらに、三十八年度におきましては、区画整理事業を基軸とし、各種土地改良事業を総合的に実施するため、団体営土地改良事業とは別に圃場整備事業を設け、自然的条件の良好な地帯につき極力大区画圃場の形成をはかるとともに、このうち受益面積の大規模なものにつきましては、都道府県営事業として施行することといたしました。
  また、愛知用水公団事業につきましては愛知用水の管理と合わせて、豊川用水事業の一貫施行とその早期完成をはかることにいたしており、篠津泥炭地開発中業につきましても、その事業を促進いたすこととしております。
 以上のほか、水資源開発公団が行なう群馬用水事業及び印旛沼事業について補助することといたしております。
  (2) 次に干拓事業につきましては、農家の経営規模の拡大をはかるとともに国土の造成及び保全に資するため事業の計画的推進をはかることとし、特定土地改良工事特別会計においては一般会計からの繰り入れ九十七億七千五百万円に、借入金等を加え百四十三億二千九百万円の事業を行なうこととしておりますが、特に八郎潟干拓事業については、年度内干陸を目途に五十四億五千万円の事業を行なう予定であります。また、一般会計事業については九億七千七百万円を計上いたしております。
  (3) 農用地開発事業につきましては、草地改良事業を含め、総額百四十八億九千六百万円を計上いたしておりますが、振興地区の建設工事と開墾作業の促進、入植施設の拡充に重点を置いて事業を実施するとともに、一般農家の経営規模の拡大をはかる見地に立って開拓パイロット事業の推進に努めることにいたしております。なお、新規入植戸数は、前述の事情を考慮して既着工地区で営農の安定が確実と認められる地区に限定して六百戸といたしております。
  (4) また農地開発機械公団に対しましては、建設機械の購入、更新等の経費に充てるため一億円の出資を予定いたしております。
  二、次に、農業の生産性を向上し農業の高度化を達成するために必要な技術的基盤を確立するための試験研究事業及び技術の普及指導事業等に関する予算について申し上げます。
  (1) 試験研究事業につきましては、農業関係において六十一億円を計上し、研究の重点を水稲作を初めとする機械化作業体系の確立、畜産、園芸、利用加工等の成長部門における技術の高度化等、農業構造改善の推進に置くこととし、他方技術革新のための基礎的研究を充実し、その一環として植物ウイルス研究所を設置することといたしております。また、試験研究機関の施設、機械等の整備拡充をはかる所存であります。
  一方、都道府県の農業関係試験研究機関に対する助成につきましては、普及の技術センターとしての機能を十全ならしめるために総合助成方式の継続実施を行なうほか、新たに総合実験農場の設置等につき助成を行ない、普及に直結した実用研究の強化をはかることといたしております。
  (2) 技術の改良普及に関する経費のうち農業改良普及事業につきましては、生活改善事業も含め三十四億五千五百万円を計上いたしておりますが、普及指導主事の振替増、機動力の充実、特技研修終了者に対する大学留学研修の新規実施を含む研修事業の拡充等、普及事業効率化の措置を講ずるほか、新たに農業改良普及職員に対する手当を支給することといたしております。また、生活改善事業については、専門技術員及び普及員の増員と農山漁家の生活改善の実習施設としての生活近代化センターの増設を行なうことといたしております。
  また畜産技術の指導事業といたしましては、国、都道府県を通ずる畜産技術の講習研修事業の整備をはかるとともに、畜産会の行なう畜産技術経営診断事業のほか、牛乳品質改善事業を継続実施することとし、これらに対し一億八百万円を計上しております。
  一方、蚕糸技術改良事業についても、蚕業技術指導所職員及び蚕業普及員の活動の強化と資質の向上により、蚕業技術及び経営の高度化とその普及の推進をはかるほか、新たに養蚕依存度の高い低位生産地域につき濃密指導を実施することとし、これらに要する経費として四億八千六百万円を計上しております。
  (3) 以上のほか、主要農作物の優良種子の確保、地力保全、農業改良資金、植物防疫事業等の諸事業につきましては、十一億五千六百万円を計上してその充実をはかったのでありますが、三十八年度におきましては、米の買入価格の時期別格差の合理化に伴って影響を受ける北陸等諸県に対して、大規模の米穀乾燥調製施設の設置を助成して産米の改良と米作経営の合理化をはかることといたしております。
 第三に、農業構造を改善し農業の近代化をはかるための予算措置について申し上げます。
  一、農業構造改善事業につきましては、その計画に従い強力な指導助成を行なうこととし、総額七十八億九千六百万円の予算を計上いたしました。
  まず、農業構造改善事業推進の拠点となるパイロット地区につきましては、前年度に引き続き第二年度としての助成を行ない、一般地域につきましては前年度に事業を開始した二百市町村における事業に対しても引き続き助成を行なうとともに、新たに三百市町村の事業に対して第一年度としての助成を行なうほか、別に全国四百市町村において農業構造改善事業計画の樹立を促進することといたしております。また、三十八年度においては、地元負担軽減のため農業基盤整備事業費の二割に見合う額を普通交付税の交付に際し都道府県の基準財政需要額に算入することとしており、三十七年度実施分についてもこれに準ずる配慮を行なうことにいたしております。さらに、本事業の推進体制を強化するための都道府県補助職員の増員、全国農業構造改善事業協会の活動助成等を新たに行ない、指導体制の強化と相待って事業の強力な推進をはかることといたしております。
 なお、本事業に対する融資措置を強化し、ただいま申し上げました補助と一体をなしてその効果を高めるため、新たに、長期、低利の農林漁業経営構造改善資金融通制度を設けることとしてその融資額は三十六億円とし、これに土地基盤整備事業に対する資金十七億円を加え本事業に関する公庫の融資総額は五十三億円といたしております。
  二、農業機械化関係の経費として、農業近代化の根幹となる農業の機械化を強力に推進するため、深耕用、土層改良用、重粘土土層改良用等の大型トラクター等の導入をはかるとともに、機械化栽培実験集落による実験調査、農業研修室の充実及びヘリコプターの農林水産業への利用促進事業等を含め五億四千六百万円を、また農業機械化研究所に対する政府出資二億五千万円と事業費の補助五千八百万円を計上いたしております。
  三、次に農業近代化資金融通制度の拡充強化について申し上げます。
  本制度につきましては、農業者の資金需要の実情にかんがみ地方銀行等を融資機関に加えることといたし、貸付資金ワクを五百二十億円に拡大することといたしました。このため農業近代化助成資金に百六億七千二百万円の追加繰り入れを行ない、運用益十一億四千一百万円をもって利子補給の財源に充てるとともに債務保証を行なう都道府県信用基金協会に対し七億五千六百万円の出資補助を行なうこととし、これらに要する経費として合計百二十六億四千五百万円を計上いたしております。
 第四に農産物の流通合理化、加工および需要の増進並びに輸出振興に必要な予算について申し上げます。
  一、農産物の流通改善対策といたしましては、まず家畜および畜産物のうち、食肉について、新たに産地において食肉センター、消費地において食肉処理保管施設の設置を助成して食肉取引の近代化、食肉小売業者の経営合理化等をはかることといたしました。このほか、家畜市場の再編整備、食鶏出荷合理化施設の助成等を継続実施することといたしております。生乳については、取引改善と生産出荷の調整をはかるため、前年度に設置した酪農会議等の機能の充実、クーラーステーション及び生乳検査施設の整備に対する助成等を行なうほか、新たに消費地における牛乳共同保管施設の設置補助を行なうこととしております。また、ハチみつの共同出荷施設の設置を助成すること等、以上に要する経費として二億五千万円を計上いたしておりますが、畜産物の流通改善関係の事業として畜産振興事業団の行なう助成事業を充実するため、同事業団に十五億円の交付金を交付することとしております。
  また、青果物の流通改善については、自主的な出荷調整を促進するための出荷調整対策協議会等に対する助成のほか、前年度からタマネギについて実験的に開始した青果物生産安定資金にかかる事業を継続強化いたすこととしており、さらに、青果物の品質、包装の統一規格の普及促進のための助成、大都市への蔬菜の安定供給確保のための助成、リンゴのガス貯蔵モデル施設設置のための助成等の新たに行ない、流通改善に万全を期することといたしており、一億五百万円を計上いたしました。
  なお、生鮮食料品の適正かつ円滑な流通を確保するための中央卸売市場の新増設及び改設を行なう都市に対する施設費の助成として二億五千万円を計上いたしております。
  二、農産物の加工及び需要を増進するための予算としては、総額で十五億八千一百万円を計上いたしておりますが、関係企業の経営技術の高度化を促進するため、前年度に引き続き中小企業業種別振興臨時措置法に基づく実態調査及び改善指導を行なうほか、米穀配給制度合理化の一環として新たに米穀搗精モデル工場の設置につき助成を行なうことといたしております。また、日本農林規格の普及推進のため社団法人日本農林規格協会に対して新たに助成するほか、パンの学校給食を継続実施することとしております。
  三、農産物の輸出振興のための予算としては、総額で十億一百万円を計上いたしております。これは、輸出品検査所、生糸検査所の運営費のほか生糸の海外需要増進をはかるため日本絹業協会に対する助成、輸出ミカン・カン詰の原料確保に資するため、新たに設立予定の債務保証基金に対する助成等であります。
 第五に農産物の価格安定と農業所得の確保に必要な予算について申し上げます。
 食糧管理特別会計における食糧管理及び農産物価格安定事業につきましては、国内米麦および輸入食糧の管理を現行方式により実施することとし、食糧管理特別会計の調整勘定に対して一般会計から四百十億円の繰り入れを行なうことといたしております。
 また、澱粉、カンショ、なま切干、テンサイ糖、飼料等の価格安定事業につきましては、これらの事業によって見込まれる損失補てん額として四十五億円を食糧管理特別会計の農産物等安定勘定に繰り入れることとしております。
 なお、大豆輸入の自由化に伴う国内産大豆及び菜種の保護措置としては、前年度に引き続き、生産者団体等に対する交付金十五億円を計上いたしております。また畜産振興事業団に対しては、その価格安定事業を拡大するため五億円の追加出資をするほか、糸価安定特別会計においても前年同様に繭糸価格の安定をはかるための措置を講ずることといたしております。
 第六に農業資材の生産流通の合理化及び価格の安定に必要な措置といたしましては、肥料および飼料の品質を保全しその公正な取引を確保するため、肥飼料検査所において肥料及び指定飼料の検査を拡充実施するとともに農薬検査事業、動物医薬品検査事業等を継続実施することとし、また、流通飼料につきましては、飼料需給安定法に基づく輸入飼料の買い入れ売り渡し措置に伴う差損額として前述の食糧管理特別会計農産物等安定勘定への繰り入れ額中に三十五億円が見込まれておりまして、これを含め以上の諸事業に必要な予算額として三十七億四千二百万円が計上されております。
 第七に農業経営担当者の養成確保と農業従事者の就業促進および福祉の向上に関する予算について申し上げます。
  一、農業近代化推進のにない手となる農業経営者の養成につきましては、農業講習所、農村青年研修館の整備を促進するとともに、経営伝習農場における近代的経営の研修施設の充実をはかるほか、新たに大型トラクターの運転技術者養成のため都道府県の研修施設の設置につき助成することといたしております。また、農村青年建設班等の農村青年対策と農村青壮年海外派遣事業を継続実施するほか、新たに全国農村青少年教育振興会の行なう先進地農家留学研修等の事業を助成することとし、これらについて三億五千七百万円を計上いたしております。
  二、農業従事者の就業促進につきましては、前年度に引き続き農業委員会組織による農業労働力調整協議会の開催に対して一億二百万円の助成を行なうことといたしておりますが、新たに同協議会に農業近代化省力部会を設け、省力技術の総合的な普及浸透をはかるほか、日本海外協会連合会等の行なう農業移住促進事業に対して補助するため一億四千百万円を計上しております。
  三、農業従事者の福祉向上に関する農林省関係の予算といたしましては、すでに述べました生活改善事業のほか、開拓地の振興対策、離島振興対策、僻地農山漁村電気導入、農山漁村同和対策等の経費があります。
  1 開拓地の振興対策としては、既入植者の営農安定と生活環境の整備に重点を置き、開拓者資金融通特別会計による融資ワクを三十五億五千三百万円に増額いたしております。また開拓営農指導員等による営農指導事業の充実、過剰入植地対策として入植者の移転整理のための奨励金の交付を継続実施することとし、これらに要する経費として十五億二千三百万円を計上しております。
  2 離島の後進性を除去し島民の経済力の培養と生活安定、福祉の向上をはかるための農林関係予算としては、三十三億五千百万円を計上いたしておりますが、これはすでに述べました農業基盤整備費に含まれる農業基盤整備事業のほか、治山、造林、林道、漁港修築、海岸等の事業及び離島電気導入等の公共事業でありまして、離島振興法に基づき計画的に事業の推進をはかることといたしております。
  3 僻地農山漁村における未点灯集落の解消のための僻地農山漁村電気導入事業につきましては、三十八年度は八千三百五十二戸を対象とし、また、自家用共同受電方式の一般供給への切りかえに対して引き続き助成を行なうほか、北海道における老朽化した共同自家用発電施設に対して、新たにその改修についても助成を行なうこととし、以上に要する経費として三億六百万円を計上いたしております。
  4 最後に農山漁村の同和対策といたしましては、前年度に引き続き、政府の同和対策の一環として、同和地区内の農山漁家四千五百戸を対象として営農の振興と生活環境の改善に必要な土地整備事業及び共同利用施設の設置に対し六千九百万円の助成を行なうこととしております。
 次に、林業関係の予算について申し上げます。
  一、まず林道事業につきましては、森林資源の開発と林業生産性の向上に重点を置いて、特に三十八年度からは利用区域が広く道路網構成のかなめとなる基幹林道の制度を設けて助成を強化するとともに、一般林道及び山村振興林道の拡充、改良工事の対象の拡大をはかるほか、森林開発公団林道事業への助成を引き続き実施することとし、これらに要する経費として、四十二億七千万円を計上いたしております。
  二、治山聖業につきましては、治山治水緊急措置法に基づく治山事業前期五カ年計画を着実に実施することとし、国有林野事業特別会計治山勘定において、民有林の治山事業を計画的に実施するための一般会計から同勘定に九十九億一千百万円を繰り入れることとしております。また、水源林造成事業につきましては、前年度に引き続き森林開発公団によりその事業を実施するため、必要経費二十億円を一般会計から同公団に出資することといたしており、合わせて百十九億一千百万円となっております。
  三、造林事業につきましては、五十八億六千九百万円を計上しておりますが、前年度に引き続き拡大造林に重点を置き人工造林計画を推進することとし、この実施にあたっては、事業単価の引き上げ、カラマツ先枯病被災跡地造林を行なうほか、融資造林の拡充をはかるため、農林漁業金融公庫に対する一般会計からの出資を十四億円とし、融資ワクを四十一億六千万円に増額いたしております。
  四、以上は公共事業によるものでありますが、これ以外の林業振興及び林業構造改善対策に関する予算について申し上げます。
 まず、林業が地域経済上重要な地位を占めている。いわゆる林業地域におきまして生産性の向上等をはかるため、林業の構造改善を積極的に推進する所存でありますが、三十八年度は六ブロックについて必要な調査を行なうための経費七百万円を計上いたしております。
  また、素材、種苗等の生産、流通の合理化、円滑化に資するため林業者等が必要とする運転資金の債務保証を行なう林業信用基金(仮称)を設立することとし、これに対し三億五千万円の出資をいたしますほか、近代的機械の導入等により林業経営の改善をはかるため、林業経営協業化促進及び製炭事業合理化に必要な経費一億四千二百万円を計上いたしております。このほか、森林組合の合併促進のための経費を含め、森林組合の育成対策費として四千一百万円を計上いたしております。
  五、次に、森林資源の維持増強に関する予算でありますが、森林計画制度につきましては、林産物の弾力的供給と森林資源の積極的維持培養をはかるためその合理的な運用をはかることとし、三億四千三百万円を計上いたしております。また、保安林の国土保全機能を特に強化するため、保安林管理体制の整備充実をはかることとし、七千七百万円を計上いたしておりますほか、森林病害虫等防除に必要な経費二億二千六百万円、優良種苗の確保に必要な経費七千一百万円、野生有益鳥獣の保護等に必要な経費五百万円をそれぞれ計上いたしております。
  六、林業試験研究及び普及事業の強化に関する予算について申し上げます。林業経営の合理化を推進するため林業普及指導職員の活動の強化、国及び都道府県の試験指導機関による試験研究の拡充をはかるほか、林業普及指導職員等の資質の向上に資するため、三十八年度から二カ年計画で中央に研修施設を設けることとし、これ等に要する経費十二億六千万円を計上いたしております。次に、水産業関係の予算について申し上げます。
  一、まず、沿岸漁業の構造改善対策といたしましては、前年度に引き続き沿岸漁業の生産基盤の整備開発、沿岸漁業の近代化のための施設導入等の構造改善専業を地域の特性を生かして計画的、総合的に実施することとし、前年度からの継続地域のほか新規に七地域について調査指導を、また八地域について近代化促進事業を助成するとともに、全国四十二地域において行なう並型魚礁、築磯、ノリ漁場の造成等に対しても助成することといたしております。また、漁業基本対策の推進をはかるため必要な普及滲透事業について都道府県に対し助成するほか、新たに沿岸漁業構造改善対策事業を担当する都道府県の職員二十八人の設置について補助することとし、以上に必要な経費として合計十億三千六百万円を計上いたしております。
  なお、沿岸漁業構造改善事業を推進するため、農林漁業金融公庫が融資を行なう農林漁業経営構造改善資金として十億円を予定いたしております。
  二、次に、大型魚礁設置事業について申し上げます。前年度までは沿岸漁業構造改善対策事業の中で実施しておりましたが、三十八年度からは漁場の整備開発を積極的に推進するため、公共事業として実施することとし、内地二十一地区、北海道十地区を対象に予定いたしており、三億六千二百万円を計上いたしております。
  三、次に、水産資漁の対策といたしましては、全体で五億八千二百万円を計上いたしておりますが、まず、瀬戸内海における漁業資源の維持培養と漁民に対する漁業の栽培化教育を推進するため、稚魚の初期飼育および漁民研修のための栽培漁業センター施設一カ所の増設、前年度に設置した施設の運営のための委託職員十二人の設置、都道府県の行なう稚魚の後期飼育及び放流事業に対し助成することとし、これに要する経費一億八百万円を計上いたしております。さらに水産資源保護に関する啓蒙普及、調査研究等を行なう公益法人を設立し、その事業実施についても二千万円の補助を行なうことといたしております。
  また、前年度に引き続き、アユ、サケ、マスの放流等により、内水面重要資源の維持増殖をはかるとともに、内水面漁業の振興に資するため主要内水面漁業地域四地区について調査を行なうこととし、これらの助成に要する経費三千五百万円を計上いたしております。このほか北海道サケ、マス孵化場における人工孵化放流事業の規模を拡大することとし、二億六千四百万円を計上いたしております。
  一方、海洋漁場の開発を促進するため、中型底びき網漁業の新漁場の開発調査、日本海北方冷水域開発調査及び国際漁業生物調査の実施、国際印度洋調査への参加等に必要な経費一億五千四百万円を計上いたしております。
  四、水産物の流通対策といたしましては、多獲性大衆魚の価格安定をはかるため、前年度に引き続き生産者団体に対し、主要生産地における冷蔵庫及び冷蔵自動車の設置、盛漁期における冷蔵運搬船の用船料を助成するほか、新たに、魚かす製造施設、魚油貯蔵施設の設置を助成するとともに、東京、大阪に設置する冷蔵庫各一カ所についても助成を行ない、生産者価格、消費者価格の安定をはかることとし、これらに要する経費三億六千九百万円を計上いたしております。
  五、次に、水産研究の強化につきましては、国立水産研究所における増殖研究、加工利用研究の強化等を行なうほか、都道府県水産試験場が行なう漁況海況予報、指定試験及び幼稚魚調査に対し、引き続き助成を行なうこととして、六億二千八百万円を計上いたしております。このほか沿岸漁業改良普及事業の拡充のため、七千五百万円、漁村青壮年実践活動促進のため一千九百万円及び水産大学校の運営のために二億五千四百万円を計上いたしております。
  六、漁業の生産拠点である漁港の整備につきましては、三十八年度からおおむね八カ年間にわたって実施する第三次漁港整備計画を三百八十港について樹立し、これに基づいて漁港の重点的整備をはかるほか、三十八年度は改修事業の新設、第三種特定漁港の補助率引き上げ等を行なうこととし、これに要する経費は六十八億九千九百万円となっております。
 次に、農林漁業経営構造改善資金融通制度の創設と農林漁業金融公庫資金の拡充について申し上げます。
 三十八年度からは、農業及び沿岸漁業の構造改善事業を計画的に推進して農林漁業経営の拡大発展と、農業生産の選択的拡大を促進するため、新たに長期低利の農林漁業経営構造改善資金融通制度を設けることといたしました。その資金ワクは三百億円でありまして、内訳は農業構造改善事業の推進に要する資金三十六億円、果樹園経営改善資金三十億円、畜産経営拡大資金三十億円、土地取得等による経営拡大資金百八十四億円、沿岸漁業経営構造改善の推進に要する資金二十億円となっております。
 三十八年度における公庫資金の融資ワクは、さきに申しあげました三百億円のほか、土地基盤整備事業に必要な資金十七億円、土地改良事業資金二百六十一億二千万円、造林資金四十一億六千万円、漁船建造資金五十一億円等、従来からの分五百七十億円を加えますと八百七十億円となり、公庫資金全体では前年度に比し百六十億円の増となっております。
 この八百七十億円の融資ワクを設けましたことに伴い、三十八年度の資金交付額は、新規融資ワク八百七十億円に対応する五百二十二億と、前年度分の資金で三十八年度に交付予定となっております二百八十四億円とを合計いたしますと八百六億円となるわけであります。この八百六億円の原資は、産業投資特別会計及び一般会計からの出資金二百二十億円、資金運用部資金特別会計等からの借入金三百六十六億円、自己資金二百二十億円となっております。
 次に、その他の重要施策について申し上げます。
 まず、農業団体の整備強化に関する予算といたしましては、農業委員会、農業協同組合等関係団体の活動を促進するための指導援助を行なうとともに、前年度に引き続き農業協同組合の合併を積極的に推進するほか、農業協同組合の整備特別措置等を継続実施することといたしております。
 また、開拓農協の事務処理を補強するとともに財務整理事業を進める一方、前年度に引き続き土地改良区のうち借入金の返済に困難を来たしているもの等の再建をはかるため、実態調査及び再建方策の指導を行なうこととし、これら団体関係の予算として十九億七百万円を計上いたしております。
 次に、農業災害補償制度につきましては、三十九年度から農作物共済を中心に組合段階における責任の拡充、画一的強制方式の緩和等の改正を行なうことを目途とし、三十八年度は農作物共済について単位当たり共済金額の引き上げを実施するほか、蚕繭共済について料率の改定及び単位当たり共済金額の引き上げ、家畜共済について料率の改定、家畜加入推進奨励金の交付を行なう等所要の改善を加えることとし、また果樹共済について試験調査を実施することといたしております。なお農業共済団体等の事務費につきましては、新たに団体職員の期末手当一・二カ月分を国庫負担の対象とする等により農家負担の軽減をはかることといたしております。以上により総額百四十四億八千五百万円の農業保険費を計上いたしております。
 三、災害対策公共事業の推進のための経費百九十三億八千万円について御説明申し上げます。
 災害による国土の荒廃を防止するため、海岸事業につきましては、二十一億三千七百万円を、伊勢湾高潮対策事業につきましては、十八億八千六百万円をそれぞれ計上して、前年度に引き続き事業の推進をはかることといたしております。なお、伊勢湾高潮対策事業は三十八年度で予定どおり完了させることにいたしております。また、三十七年以前の台風、豪雨等による農地、農業用施設、林野、漁港等の災害復旧事業につきましては、その復旧進度を確保して、事業の促進をはかることとし、災害関連事業を含め、災害復旧等に要する経費百四十四億三千万円を計上いたしております。
 次に、三十八年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。
 第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。
 まず、国内産米の管理につきましては、現行方式を継続することとして、三十八年産米の集荷目標は六百九十万トン(四千六百万石)、売却数量は現行の配給限度数量を維持して六百七十九万九千トン(四千五百三十三万石)とするとともに、三十八年産米の政府買入価格(予算単価)は百五十キログラム当たり一万二千百七十七円(三十七年産米についての決定価格と同額)、消費者価格は現行どおりといたしております。
 国内産麦の管理につきましては、現行方式を前提として、三十八年度の買入予定数量は、大麦、裸麦、小麦の三麦を合わせて百四十七万トン、売却数量は、飼料用として売却される大麦、裸麦を含めて百六十八万四千トンとするとともに、三十八年産麦の政府買い入れ価格(予算単価)は、前年産麦の買い入れ決定価格と同額といたしております。
 輸入食糧の管理につきましては、国内における米麦の需要及び国内産米麦の供給事情を勘案して必要限度の数量(外米十一万五千トン、外小麦百七十六万三千トン)を輸入することとし、輸入食糧の買い入れ価格は最近の実績及び今後の見通しにより算定しました。
 なお、卸、小売業者の販売手数料及び保管料については、三十八年二月から、集荷手数料については、三十八年産米麦から、それぞれ諸経費の増加等を考慮し、必要な改定を行なうこととしております。
 また、澱粉、カンショ、なま切りぼし等の農産物につきましては、従来の方針を継続して、その価格の安定をはかることといたしております。飼料につきましても、畜産の進展に対応する所要量の買い入れ、売却を行ない、その需給安定をはかることといたしております。
 なお、この会計の三十八年度における当初損益見込みにつきましては、食糧管理勘定、すなわち国内米、国内麦、輸入食糧の三勘定の損失額は、合計六百四十三億円と見込まれ、前年度の損失見込み額七百一億円に比べ五十八億円の減となっておりますが、この損失額の処理に充てるべき調整資金といたしましては、百六十八億円が三十八年度に持ち越されますので、三十八年度予算としましては、一般会計から四百九十億円を新たに繰り入れることとした次第であります。
 また、農産物等安定勘定につきましては、三十八年度において四十五億円の損失が見込まれますので、その補てんのため、一般会計から同勘定へ四十五億円を繰り入れることといたしております。
 第二に、農業共済再保険特別会計については、農業勘定といたしましては、歳入、歳出ともに、百二十五億七千万円でありまして、うち一般会計よりの繰り入れは、八十四億八百万円となっております。また、家畜勘定につきましては、歳入、歳出ともに、三十四億二千四百万円で、うち一般会計からの繰り入れは、家畜加入推進奨励金二億二千万円を含め、九億三千一百万円であります。
 第三に、開拓者資金融通特別会計につきましては、現行の開拓営農振興対策に改善を加え、既入植者の営農の安定と生活環境の整備促進をはかるため、この特別会計による三十八年度の融資ワクを三十五億五千三百万円、一般会計からの繰り入れ八億六千三百万円を予定して、この会計の歳入、歳出は、ともに五十八億五千一百万円といたしております。
 第四に、国有林野事業特別会計について申し上げます。
 国有林野事業勘定につきましては、三十六年度に策定した国有林における木材増産計画に基づき、歳入状況の見通しを考慮して、三十八年度予算を編成いたしており、総収獲量は、二千三百五万三千立方メートルを予定いたしております。
 なお、この会計の資金を活用いたしまして、引き続き民有林行政への協力をいたすこととし、特別積立金の取りくずしにより、融資造林の拡大のための農林漁業金融公庫への出資十四億円、水源林造成事業を森林開発公団に実施せしめるため同公団への出資二十億円、及び近く設立予定の林業信用基金(仮称)への出資三億円、その他の林業振興費財源を含めて四十二億円を、一般会計を通じて、支出することといたしております。このため、国有林野事業勘定の歳入、歳出は九百三十三億七千二百万円となっております。
 次に、治山勘定につきましては、その歳入歳出額は、一般会計からの繰り入れ額九十九億一千一百万円のほか、地方公共団体の負担金収入等を含めまして、一百八億三千二百万円を計上いたしております。
 以上のほか、特定土地改良工事特別会計につきましては、さきに御説明申し上げましたが、森林保険、自作農創設特別措置、漁船再保険、系価安定、中小漁業融資保証保険等の各特別会計につきましては、それぞれ前年度に引き続き、ほぼ同様の方針で予算を計上いたしております。
 最後に、財政投融資計画について御説明申し上げます。
 三十八年度における農林関係財政投融資計画は、農林漁業経営構造改善資金融通制度の新設に伴い、農林漁業金融公庫への出資を一般会計から十四億円、産業投資特別会計から二百六億円、計二百二十億円に増額いたしますほか、資金運用部資金等からの借入金は、農林漁業金融公庫三百六十六億円、愛知用水公団十八億円、開拓者資金特別会計三十八億円、特定土地改良工事特別会計七十五億円で、財政投融資総額は七百十七億円となり、前年度に比し百五十四億円の増となっております。
 以上をもちまして、農林関係の一般会計予算及び特別会計予算並びに財政投融資計画の概要の御説明を終わります。
#8
○委員長(櫻井志郎君) 以上をもって農林政務次官の説明は終わりました。
 午後二時三十分まで休憩にいたします。
   午後一時十分休憩
   ――――・――――
   午後二時四十二分開会
#9
○委員長(櫻井志郎君) 委員会を再開いたします。
 昭和三十八年度農林省関係予算案の内容についての補足説明及び本国会提出予定の農林省関係法律案の大要について、農林省官房長から説明を聴取することにいたします。
#10
○政府委員(林田悠紀夫君) 昭和三十八年度農林関係予算につきまして、先ほど政務次官から詳しく説明を申し上げましたので、私からは数字的に若干の補足をさしていただきたいと存じます。
 お手元に資料をお配りしておりまするが、この横書きの資料をごらんいただきたいと思います。
 先ほども御説明がありましたように、農林関係の一般会計予算の総額といたしましては二千五百三十一億円ということになっておりまして、昭和三十七年の補正後の予算の二千四百九十三億円に比較しますると三十八億円の増加でありまして、前年との対比は一〇二%であります。三十七年度におきましては、三十六年と対比したものは一一一%になっております。これを三十七年度の当初予算の二千四百五十九億円に比較しますると、七十二億円の増加でありまして、一〇三%ということになります。なお、三十七年度の当初予算の三十六年当初予算に対しまする比較は一三一%ということであります。それで、国の総予算に占める農林関係予算の比率は、大体九%近いものであります。八・九%であります。前年度は補正後の予算で一〇%ということになっております。
 それで、この数字だけからは、いかにも伸び率が低いように見えるのでありますが、その次にございまするように、食管会計の繰り入れが三十八年度は非常に減っておりまして、百七十五億円減っておるわけであります。それから災害復旧が少ないものですから伊勢湾高潮対策と災害復旧事業で七十二億円減っておる。それから農山漁村建設総合対策が終了いたしましたのでそれで十六億円、それから大豆・菜種交付金を、三十八年産の大豆につきましては、三十八年度の予算でやらずして三十九年度の予算で支出していいというような今までの実情から、そういうふうに予算の取るのを一年延ばすということでよくなりましたので十億円減というようなことで、二百八十五億円ほどの当然減と言ってもいいような経費があるわけであります。
 そういうふうなほかにことしふえておりまする三十八億円を加えますると、三百二十三億円というものが三十八年度の新しい施策とか、あるいは既定施策の増額の財源として充当されるという経費でございます。
 それで新規または増額のおもな経費について申し上げますると、一般公共事業費が百五十億円の増になっております。それから農業近代化資金の融通促進費、これが六十億円の増、それから農業構造改善の促進対策費が三十六億円の増、それから農林水産試験研究費が七億円の増、農業共済保険の実施費が六億円の増、それから農業改良普及事業費が四億円ぐらいの増であります。それから畜産振興事業団の交付金五億円の増、それから林業信用基金の出資が三億五千万円、沿岸漁業構造改善事業費が三億四千万円ぐらいの増になっております。そういうふうなほかに、農林漁業金融公庫の融資ワクを前年度七百十億円でありましたのを八百七十億円にふやしております。そうしてこれに必要な政府出資を前年度百三十三億円でありましたのを二百二十億円に増額をしております。
 それで三ページにいっていただきまして、「一般会計農林予算の主要経費別分類行」というのがありまするが、これで文教及び科学振興費、これがおもに試験研究関係の予算でありまするが、七十三億八千百万円、それから公共事業関係費、これの計というところがありますが、災害復旧も含めました計というところで千百四十二億七千八百万円という数字になっております。公共事業は御承知のように治山治水とか、あるいは港湾漁港空港、それから林道、農業基盤整備、鉱害復旧、災害復旧というように分かれております。それから貿易振興及び経済協力費が八億六千二百万、農業保険費が百四十四億八千五百万、農業近代化資金の融通促進費が百二十六億四千四百万、農業構造改善対策費が七十九億七千九百万、食管特別会計への繰り入れが五百三十五億、そういうもので三千五百三十一億二千七百万円ということになるわけであります。
 それで、この農林関係予算が農林省の所管と四ページへいっていただきまして総理府の所管、総理府の所管と申しまするのは、北海道開発庁の公共事業の予算と経済企画庁の離島関係の公共事業の予算、それから科学技術庁の原子力関係の予算であります。それから五ページへいっていただきまして労働省の所管は特別失対事業の公共事業費であります。それから建設省の所管が官庁営繕費であります。それから大蔵省の所管が農林漁業金融公庫出資、造林の資金としての十四億円と、森林開発公団へ水源林の造成として出資いたします二十億円とで、ここで三十四億円、それから文部省所管と申しまするのは、学校給食費の食管の輸入食糧勘定へ繰り入れる経費でありまして、十五億五千六百万円食管会計へ繰り入れるということになっております。
 それから六ページへいっていただきまして、特別会計歳入歳出予算額表というのがございまするが、特別会計としましては、食糧管理特別会計、農業共済再保険特別会計、森林保険特別会計、漁船再保険特別会計、自作農創設特別措置特別会計、開拓者資金融通特別会計、国有林野事業特別会計、糸価安定特別会計、中小漁業融資保証保険特別会計、特定土地改良工事特別会計、この十の特別会計の予算を含んであります。
 それからその次の財政投融資資金計画表、これが財政投融資関係としましては、農林漁業金融公庫、愛知用水公団、開拓者資金融通特別会計、特定土地改良工事特別会計とあるわけですが、農林漁業金融公庫は一般会計から十四億、これは先ほど申しました造林の資金関係、それから産業投資特別会計から二百六億円、合計して二百二十億円ということになるわけです。それから資金運用部の繰り入れが三百六十六億、合計で五百八十六億円、それから愛知用水公団は一般会計から補助金として五十億三千六百万円、これは財政投融資とは別でありまするが、資金運用部から十八億円借りる、それから開拓者資金融通特別会計は八億六千三百万円一般会計から繰り入れまして、三十八億円を資金運用部から借りてやっていく。特定土地改良工事特別会計は百四十七億二千九百万円を一般会計から繰り入れまして、資金運用部から七十五億円を借りてやっていくということになっております。それで財政融資といたしましては七百十七億円ということになりまして、これは国の財政投融資計画に占める比率としましては六・七%ということになります。前年は六・四%であります。
 以上のとおりでありますが、七ページから主要施策別に説明がしてあるわけでございます。
 農業関係は農業基本法に基づきまして施策を総合的に推進していくということにいたしておりまして、そのために、第一に農業生産の選択的拡大をやる、そして農業成産の選択的拡大としましては、畜産の生産振興対策、それから八ページへいっていただきまして園芸生産振興、畜産とともに園芸の生産振興をやるということにいたしております。園芸の生産振興としましては、果樹農業とか甘味資源作物の生産振興、それから十ページへいっていただきまして、特用作物の振興、それから園芸の次には養蚕生産の合理化、それからその他としましては、トウモロコシ及び醸造用原料麦の増産確保、菜種の生産改善対策を進めていくということにいたしております。
 それからその次に十ページの大きな二で、農業の生産性の向上と総生産の増大をやる。選択的拡大と同時に国際的な農業に対抗いたしまして生産性を向上していくということが必要でございますから、農業基盤の整備をまずやっていく。農業基盤の整備としましては、土地改良とか、十二ページへいっていただきまして干拓、それから農用地開発事業、それから十三ページへいっていただきまして機械開墾事業、農地開発機械公団の強化というようなことをやるわけであります。それから同時に十三ページに、試験研究体制の整備強化ということが載っておりまするが、試験研究体制の整備強化をいたします。それから十四ページで、技術改良普及、つまり改良普及制度でありますが、改良普及、特にここでは新たな事項としては、改良普及手当を出すというふうなことが出ております。
 それからその次に、耕種農業の生産性の向上をはかる。たとえば、土壌水分確保事業なんというのはこの新しい事業であります。あるいは農業改良資金にいろいろ新しいものを出しております。
 それから十五ページへいっていただきまして、第三として、農業構造の改善をはかって参る。それでそのために農業構造改善事業を推進していく。ことしは二百地域のほかに新たに三百地域の事業化をやっていくということをいたしております。それから農業機械化の促進をはかって参る。十六ページへいっていただきまして、農業近代化資金融通制度の拡充強化をはかって参る。五百億のワクを五百二十億にふやして参る。そのほかに、従来農業関係の金融機関を利子補給の対象にしておりましたが、今回は銀行をもこれに入れていくということにいたしております。
 それから大きな四で、農産物の流通合理化、加工及び需要の増進、これは本年度は特に農産物の流通改善につきまして、農産物のみならず、水産物あたりも入れまして、この流通改善を大きく取り上げております。したがって、農産物の流通改善としましては、昨年十四億が二十一億円になっております。十七ページへいっていただきまして、家畜及び畜産物の流通改善とともに、青果物の流通改善をはかって参る。あるいは中央卸売市場を整備していく。それから農産物の加工及び需要の増進をはかっていく。それから十八ページで、農産物の輸出振興をはかる。
 それから大きな五としまして、農産物価格安定と農業所得の確保、これにつきましては、第一に米麦の管理制度を従来どおり運営して参る。それから十九ページで、重要農産物等の価格安定、カンショ、バレイショの澱粉、なま切りぼし、そのほか飼料とかあるいはビート糖とか、そういうものをこの重要農産物等の価格安定の中で考えておりまして、四十五億円の一般会計からの繰り入れを行なうということにしているわけです。それから畜産振興事業団への出資が五億、繭糸価格の安定、これは糸価安定特別会計で百六十二億一千八百万円の特別会計で生糸及び繭の買い入れ保管等を行なう。それから国産大豆、菜種保護対策を行なう。
 それから大きな六で、農業資材の生産及び流通の合理化並びに価格の安定。それから大きな七で農業経営担当者の養成確保と農業従事者の就業促進。これは農業経営者の養成としまして、農業講習所、伝習農場とかそういうものを充実して参る、あるいは二十ページへ行っていただきまして、就業機会の増大をはかって参る。それから大きな八で農業従事者の福祉の向上をはかっていく。そのうちでは開拓地の営農振興とか、あるいは離島振興僻地農山漁村電気導入事業、特に新たに北海道におきましては共同自家用電気施設のうち老朽化の著しいものに対しましては、その改修について助成を行なうということにいたしております。それから農山漁村同和対策。それから二十一ページにいっていただきまして大きな九で農業団体の整備強化をはかって参る、農協の合併を促進して参るとか、あるいは土地改良区のうちで、金融機関に対する借入金の返済に困難を来たしておるというようなものにつきまして、実態調査とか再建方策の指導を行なうことにいたしております。
 それから林業の振興といたしましては、林道の開設、改良の積極化をはかって参る。一般林道につきまして総延長をふやして参りますほかに、特別に基幹林道を取り上げまして、補助率六割五分で基幹林道事業の推進をはかるということにいたしております。それから山村振興林道、これも総延長をふやします。それから林道改良事業については橋の改良とか、新たに勾配の修正を補助対象とするということをやっております。それから治山事業の拡充実施、これも百十九億になっておりまするが、そのうちで森林開発公団への出資を二億、先ほど申しました大蔵省所管の一般会計から開発公団への出資二十億であります。それから二十二ページへいっていただきまして、造林事業の充実をはかって参る。そのうちで農林漁業金融公庫への造林資金として十四億円出資をいたします。それから造林事業では人夫賃とか、苗木代を増額しまして単価を改定する、そのほかカラマツの先枯病被災跡地造林をやっていくということをいたしております。新たに林業構造改善対策調査、それから林業金融制度の拡充といたしまして、林業信用基金に新たに三億五千万円政府が出資していくとにいたしております。それから林業経営改善としまして、機械化とか協業を進めて参る。それから森林組合の育成対策といたしまして、森林組合の合併促進をやって参る。そして森林資源の維持増強対策、林業試験研究及び普及事業を強化していくというような策を行ないます。
 それから二十三ページへいっていただきまして水産業の振興といたしましては、沿岸漁業構造改善対策を推進して参る。それから従来五地域について事業をやっておったのですが、新たに八地域について事業を加えるということにいたしております。それから三十八年から大型魚礁設置事業を公共事業といたしまして、補助率六割で北海道十地区、内地二十一地区につきまして大型魚礁の設置事業を行なう。それから水産資源対策の推進といたしまして、三十七年度に瀬戸内海栽培漁業センターの設置に乗り出したわけですが、三十八年度におきましてはなお一カ所ふやしまして、合計三カ所でこれをやっていくということにしております。それから水産資源の保護対策事業の実施、二十四ページにいっていただきまして、内水面の重要資源の維持培養、これはアユとか、サケ、マス、特に新らしく主要内水面漁業地域につきましては、内水面漁業振興をはかることを目的にして調査をするということでございます。それから北海道サケ、マス孵化放流事業とか、海洋漁場の調査をやって参ります。
 それから水産物の流通対策といたしましては、従来のように主要生産地に冷蔵庫を設けましたり、冷蔵自動車を設置する、あるいは冷蔵運搬船につきまして用船料の助成を行なうということをやりますほかに、新たに魚かすの製造施設とか、魚油の貯蔵施設に助成を行ないます。そのほかに東京、大阪にそれぞれ消費地冷蔵庫を一カ所ずつ設けることにいたしまして、消費者価格の安定をはかろうということにいたしております。
 それから水産技術の高度化を行ないまするために試験研究の強化とか、沿岸漁業改良普及事業の拡充を行なって参りまして、沿岸漁業改良普及員につきましては六十人増員をします。それから漁村青壮年実践活動推進をやるそれから水産大学校を拡充して参る。それから魚港整備の重点的実施、特に特定第三種漁港につきましては従来五割補助でありましたのを、基幹施設につきまして六割補助を行なうということにしております。また漁港整備計画を、三十八年度から新たにおおむね八カ年にわたって第三次漁港整備計画として三百八十港について樹立するということにいたしております。
 二十五ページの第四で農林漁業経営構造改善資金融通制度の創設と農林漁業金融公庫資金の拡充。それで農林漁業金融公庫は七百十億円を八百七十億円の新規の貸付契約額にするということを先ほど申したとおりでありまするが、その中で三百億円の融資ワクをとりまして、農林漁業経営構造改善資金融通制度というのを新たに設けまして、低利長期の金融を構造改善のために行なっていきたいということにいたしております。
 それから二十六ページでその他の重要施策といたしまして、災害対策の推進をいたしまするために、農業災害補償制度の改善を行なって参りたい。この農業災害補償制度につきまして特に本年度変わりました点は蚕繭共済について料率の改定及び単位当たり共済金額の最高限度の引き上げを行ない、家畜共済について料率の改定及び加入を促進しまするために、家畜加入推進奨励金の交付を行ない、それから果樹共済について新たに試験調査を行なう。それから農業共済団体の事務費につきましては、新たに団体職員の期末手当一・三カ月分を国庫負担の対象にするというようなことをいたしております。それから農林統計調査の充実強化をはかって参る。
 以上が大体農林関係の主要な施策別の項目でございます。
 それでは引き続きまして、この国会に提出を予定しておりまする法案につきまして御説明申し上げます。今資料をお配り申し上げておりまするこの長い資料でありますが、現在のところ十八件を予定いたしておりまして、特になお検討をいたしておりまするのがそのうち三件でございます。
 まず第一に、農林省設置法の一部を改正する法律案、これは内閣委員会に提出する法案でありまするが、ウィルスに関しまする基礎研究を推進しますために植物ウィルスの研究所を設ける。それから水産土木研究を行ないまするために、農業土木試験場に新たに水産土木の研究も行ない得るようにする。それから食糧庁の一部と二部の仕事を、一部はもっぱら米麦等の主要食糧関係を行なうことにいたしまして、二部は食糧品とか油脂の仕事を行なう、したがって従来輸入業務は二部で行なっておりましたが、それを一部と二部に分けるということにいたします。それから三十一人定員を増員するというようなことがおもなものでございます。
 それからその次の農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案につきましては、公庫の政府出資金を二百二十億円増額いたしまして、千二百二十二億七百万円にいたします。それから農林漁業経営構造改善資金を融通することができますように、新たに資金の種類とか貸付条件等に関しまして所要の改正を行なうということであります。それから林業信用基金協会法案、これは政府から三億五千万円出資いたしまして、都道府県とかあるいは林業者からも出資してもらいまして、大体七億円くらいの基金を初年度考えておりまするが、林業信用基金というものを設けまして、林業生産並びに木材の流通に要する運転資金の債務保証を行ないたい。
 それから漁港法の一部を改正する法律案でありまするが、これは審議会の委員に水産庁長官が従来なっておりましたが、それをはずしたいということが一つと、特定第三種漁港につきまして、国以外の者が行なう漁港修築事業を施行する場合に、国は基本施設の修築費につきまして六割の負担を行なう。従来、五割であったのを六割にするという特例であります。
 それから開拓者資金融通法の一部を改正する法律案、これは一定の要件に該当しまする開拓者につきまして目標営農計画を樹立させまして、それについて長期で低利の、五分五厘の融資でありましたのを五分にいたしておる、ということであります。それから、従来十年であった資金がありまするが、それを二十一年にいたしていくということにいたしております。二十一年、五分ということにしております。
 それから森林組合合併助成法案でありまするが、これは農業協同組合と漁業協同組合にはすでに合併助成の法案がありまするので、森林組合につきましても、合併を助成していきたいということでございます。特に合併計画ができましたものにつきましては、税法上にも優遇措置を別途租税特別措置法によりまして行ないたいということを検討いたしております。
 それから農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案は、農業近代化資金の融資機関に農業系統のほかに銀行等を加えるということであります。
 それから農業災害補償法の一部を改正する法律案、これは大いに現在検討をしておりまして、国会方面におきましても大いに検討してもらっておりまするが、なお検討中というところでございます。
 それから土地改良法の一部を改正する法律案、これも相当大きな法案でありまして、土地改良事業の内容を充実しますために、草地改良等もこの土地改良の中へ入れて参るとか、土地改良団体の運営の健全化をはかるとか、そういうふうなことを中心にしまして改正を行ないたいということでございます。
 それから農業改良助長法の一部改正につきましては、予算関係で農業改良普及手当を出すということになりまして、専門技術員、指導主事につきましては八%、改良普及員につきましては一二%の普及手当を出すということになっておりまするので、それを制度化したいということであります。
 それから農薬取締法の一部改正につきましては、PCPが水産魚族に及ぼす影響は非常に大きいということから問題化されておりまして、魚介類の被害の実情等にかんがみまして、それらの被害を防止するために農薬の使用制限等の措置を講じたいということであります。
 それから甘味資源の生産の振興及び糖業の合理化等に関する法律案、これにつきましても、現在大いに検討をしておるわけでありますが、テンサイとかカンショにつきまして生産振興地域を指定しまして、その地域について集約的な生産振興措置を講ずる。そうしてテンサイ、カンショを最低生産者価格で買った工場につきましては、最低生産者価格を下らない価格で買い入れた原料から製造しましたテンサイ糖及びカンショ糖につきまして政府買い入れの措置を講ずる、あるいはまたこういう工場について許可制度を設けるというようなことも検討をいたしております。それからブドウ糖についても政府買い入れの措置を講じまして、カンショとかバレイショ農民に損害を与えないようにしたいということを考えております。
 それから狩猟法の一部改正でありますが、狩猟法の一部改正につきましては、狩猟の制度を整備する、それから狩猟免許制度を改正するということを中心に考えておりまして、特に従来と変わりますことは、狩猟免許を今までは住所地で免許を受けておりましたが、今度は狩猟するどの県でも免許を受けなければいけないということにいたしております。それから狩猟者税を各県が取りまして、一部を目的税にして目的税として考えておるというようなことが別にございます。
 それから中小漁業融資保証法の一部を改正する法律でありますが、これは目下大蔵省と折衝中でありまして、まだ最終的にきまっておりません。考えておりますことは、信用事業を行なう漁業協同組合を本制度上の金融機関に追加するとか、あるいは漁業信用基金協同の保証を受ける者は、みずから出資してその協会の会員となっている者に限られているのでありますが、漁業協同組合が協会の会員となっている場合には、その組合の組合員はみずから出資して協会の会員とならなくても、協会の直接保証を受け得ることとする、あるいは水産加工業協同組合に対して債務の保証を行なうというようなことを考えております。
 それから沿岸漁業等振興法案は、この前の国会で衆議院で審議未了になったのでありますが、沿岸漁業振興の重要性にかんがみましてこれを再提出いたすということにいたしております。
 それから検討中の法案といたしまして臨時食糧管理制度調査会設置法案、これは目下慎重に検討いたしております。それから林業振興法案、これも農業基本法とか沿岸漁業振興法と同じように林業についての基本的な施策の方向づけを行ないたいということでありまするが、なかなか林業についてはむずかしい問題が多いわけでございまするから、検討をいたしております。それから森林法の一部を改正する法律案につきましては、特に森林法の中の森林組合の刷新、強化をはかりたいというようなことから、その行なう事業につきまして必須、選択の別を廃止するとともに、剰余金の出資割配当の限度を引き上げる等、所要の改善措置を講じたいということであります。
 以上のとおりであります。
#11
○委員長(櫻井志郎君) ただいまの説明に対してこの際御質疑のおありの方は、御発言願います。
#12
○青田源太郎君 この農薬取締法の法案というものは、大体まとまっておりますか。
#13
○政府委員(林田悠紀夫君) これは農薬取締法の改正法案につきましては、まだまとまっておりません。今、農林省の内部でいろいろ検討しております。
#14
○青田源太郎君 この国会に出すつもりですか。
#15
○政府委員(林田悠紀夫君) この国会に出したいと思っております。
#16
○森八三一君 水産動植物に対して被害があるので、それでそれを調整していくというために同趣旨のものがほかにもたくさんあるのですね。農薬だけに限定して議論してはいけませんがね。これは相当慎重にやってもらわぬと、ただ馬車馬的にそれだけについてやるということでは、今までこの委員会で審議したいろいろな問題があるのですよ。ねらいはその水産動植物の増殖ということにあるのでしょう、被害を与えないということにあるのでしょう。そうするというと、そのほかにも同趣旨の事件がたくさんあるのですよ。そういうものを含めて考えなければ、片手落ちになるという問題がありますから、その辺を十分、検討中であれば、検討なさるということにいたしまして、未熟なものはお出しにならぬことが一番いいと思うのですよ、私は。これは意見ですから今議論はいたしませんけれども、検討中ということですから、検討は慎重であるべきであるという希望を申し上げておきます。
#17
○井川伊平君 今のに関連しておりますが、これは農薬の種類を取りかえようというような構想ですか。そうじゃなくて、今まで使っている農薬ではあるが、その使用方法について考えていこうという考え方ですか、どちらですか。
#18
○政府委員(林田悠紀夫君) 農薬につきましては、農業のためになりましてほかのものに害を与えないという農薬ができることが最も望ましいわけでございます。それでそういうふうな新しい農薬を作ることにつきましては十分研究いたしましたり、またそれを援助していくということをやるわけでございますが、非常にほかのものに有害な作用を与えるという農薬につきまして、それをできるだけ軽減していくということで、その使用の地域なり、あるいは時期なりについて、できましたならば制限をいたしまして、農薬を一方においてうまく使いながら、他方において他のものに損害を与えないというような調整の措置をとりたいということを考えておるわけであります。
#19
○井川伊平君 ただいまの前段のお答えの、新しい農薬の研究、これについては見通しが大体明るい見通しですか。あるいはそんなことも考えるべきであるといったような調子ですか。
#20
○政府委員(林田悠紀夫君) 特定の農薬を例にとりまして申し上げますと、特に今問題になっておりまするのは、PCPという除草剤でございます。これにつきましては、新しい害を与えないPCPを代用する農薬ができつつあります。現在三種類ほど聞いております。
#21
○委員長(櫻井志郎君) 他に御発言もなければ、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時二十一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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