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1962/02/05 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第3号
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1962/02/05 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第3号
昭和三十八年二月五日(火曜日)
  午後一時十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 二月五月
  辞任      補欠選任
   亀田 得治君  山口 重彦君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           青田源太郎君
           北條 雋八君
   委員
           井川 伊平君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           梶原 茂嘉君
           木島 義夫君
           中野 文門君
           藤野 繁雄君
           堀本 宜実君
           大森 創造君
           北村  暢君
           渡辺 勘吉君
           牛田  寛君
           天田 勝正君
  政府委員
   農林政務次官  大谷 贇雄君
   農林大臣官房長 林田悠紀夫君
   農林省農林経済
   局長      松岡  亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   農林大臣官房総
   務課長     八塚 陽介君
   水産庁参事官  橘  武夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林漁業金融公庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○農業近代化資金助成法の一部を改正
 する法律案(内閣送付、予備審査)
○漁港法の一部を改正する法律案(内
 閣送付、予備審査)
○沿岸漁業等振興法案(内閣送付、予
 備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。
 まず、委員の異動について報告いたします。亀田得治君が辞任され、その補欠として山口重彦君が指名されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(櫻井志郎君) 次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案、農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案、漁港法の一部を改正する法律案、沿岸漁業等振興法案、以上を一括議題とし、順次提案理由の説明を聴取することにいたします。大谷政務次官。
#4
○政府委員(大谷贇雄君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 近年におきまする国民経済の成長発展に伴いまして、農林漁業の構造改善をはかることがますます強く要請されておりますが、これにこたえるためには、その資金的裏づけとして、農林漁業に対する長期かつ低利な資金の融通を拡充円滑化することが特に重要となっております。このような農林漁業の体質改善をはかるための資金需要にこたえるべく、政府は従来から農林漁業金融公庫の融資ワクの拡大等に努め、特に昭和三十六年度におきましては、農業近代化資金制度を創設して農業関係施設資金の供給の円滑化をはかって参ったのであります。
 しかしながら、農業及び沿岸漁業の構造改善事業の実施の状況、農林漁業経営の現状等を見ますに、現行の制度金融のうちには、その貸付金利、償還期限、貸付限度額等について条件緩和を緊要とするものがあり、特に、農業構造改善事業促進対策に基づく事業の実施に必要な経営近代化施設の融資については、各種の事業を総合的計画的に、かつ短期間に実施いたします関係上、民間資金を原資とする農業近代化資金ではなく、長期低利の財政資金によるべきことが要請される等、なお大幅な改善の必要が痛感されるのであります。このため、昭和二十八年度から、新たな構想のもとに、農業及び沿岸漁業の構造改善の計画的推進をはかり、農業経営及び林業経営の規模の拡大、改善と農業生産の選択的拡大を特に促進するため、これに必要な長期資金を特別に有利な貸付条件で農林漁業金融公庫から融通することを目的とする農林漁業経営構造改善資金融通制度を創設することといたしたのであります。
 本制度によって融通されます資金は、農業及び沿岸漁業の構造改善事業の実施に必要な施設資金等の構造改善事業推進資金を初めとし、農業の経営規模拡大のための農地及び未墾地取得資金、農業生産の選択的拡大の方向に即応する果樹園経営改善のための果樹の植栽育成資金、乳牛または肉用牛の飼養規模を拡大して畜産経営の改善をはかるための畜産経営拡大資金、林業につきましては林業経営の改善のための森林の取得、育林に必要な資金、さらに沿岸漁業経営の近代化をはかるのに必要な沿岸漁船の整備及び沿岸漁業の協業化促進のために必要な資金が含まれておりまして、昭和三十八年度におきましては総額三百億円の融資ワクを確保することといたしております。これら資金のうちには、従来農業近代化資金制度によって貸し付けられていたものも含まれておりますが、今後は、いずれも農林漁業の構造改善の促進に特に必要なものとして、系統融資機関の資金事情等に左右されない財政資金によりまして、あとう限りの長期かつ低利の条件をもって融通することといたしたのであります。この新制度を実施するため、農林漁業金融公庫の業務の範囲を拡充し、同公庫が貸し付けます農林漁業経営構造改善資金について特別に有利な貸付条件を定めるとともに、同公庫に対する政府からの出資金を増額する等の必要がありますので、本法案を提案した次第であります。
 以下、改正のおもな内容について御説明申し上げます。
 第一点は、資本金の増額であります。昭和三十八年度におきまして、農林漁業金融公庫は、ただいま申し上げました農林漁業経営構造改善資金三百億円を特に低利に貸し付けることとしておりますほか、その他の農林漁業の生産基盤の強化等に必要な資金についても、農林漁業施策に即応して融通の拡充円滑化をはかることとし、総額では前年度に比較して百六十億円増の八百七十億円の貸付決定を行なう予定であります。新制度の実施によります低利資金の融通とこの貸付ワクの増加とに伴いまして、政府は、昭和三十八年度におきまして、一般会計及び産業投資特別会計から二百二十億円を出資することとしておりますので、現行の資本金に関する規定を改正することといたしたのであります。
 第二点は、公庫の業務の範囲を拡充することであります。農林漁業経営構造改善資金の融通を行ないますには、公庫の貸し付け得る資金の範囲を拡大する必要がありますので、公庫の業務の範囲に関する規定を改正することといたしたのであります。すなわち、従来農業近代化資金によることとされておりました農業構造改善事業推進資金を、新たに公庫が特別の貸付条件で融通すること及び畜産経営の拡大のために必要な資金の貸付けの道を開くことに伴いまして、果樹以外の永年性植物の植栽資金および家畜の購入資金を公庫が貸し付け得るようにすることとし、果樹園経営の改善のための資金として新たに果樹の育成に必要な資金の貸付けを公庫の業務に加えますとともに、従来自作農維持創設資金融通法によって農地または採草放牧地に限って特に公庫が貸し付け得るものとされておりました土地取得資金を、今回新たに農地または採草放牧地として利用するために必要な未墾地の取得資金をも含めて、公庫の本来の貸付業務に加えることとしております。
 第三点は、農林漁業経営構造改善資金につきまして特別の貸付条件を定めることであります。従来公庫の貸付金の利率、償還期限及び据置期間は、特別な資金を除いては、法律で定められた限度の範囲内で公庫が定めることとされておりましたが、今回、この貸付条件に関する規定を改正いたしまして、公庫の貸付金のうち新制度に基づいて融通される資金を特に他の一般の資金と区分し、これにつきまして一般の資金とは異なる特別の貸付条件を定めることといたしたのであります。これを具体的に申しますと、まず、農業構造改善事業推進資金は、従来年六分五厘の農業近代化資金によってまかなわれていた施設資金、家畜購入資金、果樹その他永年性植物の植栽資金について、年三分五厘という画期的な低利率を定めるとともに、その貸付期間も農業近代化資金では果樹の植栽資金については十五年以内、その他の資金については最長十二年でありましたものを、果樹植栽資金の場合は二十五年以内、その他の資金の場合は二十年以内といたしております。沿岸漁業構造改善事業推進資金につきましても、漁船その他の施設の改良、造成、取得等に必要な資金については、農業の場合と同様、利率を年三分五厘といたしております。この貸付条件によりまして、構造改善事業の計画的推進と関係農漁民の負担の軽減に資することができるものと考えております。
 次に、農地及び未墾地の取得資金並びに森林の取得資金は、農林業経営の規模の拡大を促進するため、年四分五厘とするとともに、貸付期間を二十五年以内とし、さらに農業構造改善事業と関連する農地等の取得の場合には、利率を特に年四分とし、この面からも農業構造改善事業の円滑な推進をはかることといたしました。
 また、農業経営の改善合理化にあわせて農業生産の選択的拡大の促進をはかるため、新制度資金として取り扱うことといたしました果樹園経営改善資金及び畜産経営拡大資金につきましては、従来の公庫資金または農業近代化資金よりも利率を年一分ないし五厘引き下げるとともに、畜産経営拡大資金については、家畜購入資金と施設資金とのセット融資により、従来農業近代化資金では十二年以内であった貸付期間を十五年以内に延長し、さらに沿岸漁船の整備、沿岸漁業の協業化の促進のための資金につきましても、従来の公庫融資より利率を年一分引き下げることといたしております。
 なお、本制度の実施にあたりましては、貸付限度額の引上げ、行政庁による指導の強化等によりその効果の発現に万全を期することとしておりますほか、これと関連いたしまして、公庫の資金融通の円滑化に資するため、公庫が農地等を担保に徴する場合に、その担保評価額を引き上げるとともに、別途農地法に基づく農林省令を改正いたしまして、その担保権実行の際、公庫がみずから競落人となって担保に徴した農地等を取得し得る道を開くようにし、農地等の担保力の活用をはかって参りたいと考えております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
 次に農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 農業近代化資金制度は、農家の預貯金等を長期低利の農業関係施設資金として還元することをねらいとし、このため農業協同組合系統機関の資金を活用することとして創設されたものでありまして、農業近代化資金助成法が昭和三十六年十一月に公布施行されましてからすでに一年余を経過し、昭和三十六年度におきましては約二百七十三億円が貸し出され、昭和三十七年度におきましても、その利子補給承認額は融資ワク五百億円のほぼ満額に達する見込みであります。この法律に基づく政府の助成によりまして、農業者等の資本装備の高度化、農業経営の近代化をはかるために必要な資金の融通が円滑となり、農業協同組合系統融資機関に蓄積されていた農家資金の農業への還元が促進されて参りまして、おおむね所期の成果を達成しつつあるものと考えております。
 しかしながら、農家の預貯金の状況を見ますに、地方銀行等の一般の金融機関にも相当な額の預金が預け入れられておりまして、一般金融機関と取引をしている農家も少なくないと考えられるのであります。したがいまして、農家資金の農業への還元という制度本来の趣旨からいたしまして、また近年ますます旺盛になっている農家の資金需要を充足させますために、このような地方銀行等の保有しております農家資金を農業に還元し、また、農協系統融資機関から資金を借りがたい農業者等に農業近代化資金を借り入れる道を開く必要がありますので、この際政府の助成にかかわる農業近代化資金の融資機関の範囲を拡大し、銀行その他の金融機関で政令で定めるものをこの融資機関として加えることといたしたのであります。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
  ―――――――――――――
 次に、ただいま、上程せられました漁港法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
 漁港法は、御承知のとおり、水産業の基盤である漁港に関する基本的法律といたしまして、昭和二十五年に制定、公布を見ましたが、それ以来本法の規定により漁港の維持管理の適正化をはかるとともに、漁港整備計画については、第十回及び第二十二回の両国会の御承認を得て、これに従い、漁港修築事業の施行を推進し、着々漁港整備の実を上げ、わが国水産業の発展に寄与しているものであります。
 しかしながら、最近におけるわが国水産業の発展と漁船の大型化、漁業情勢その他経済事情の著しい変化に伴い、現行の漁港整備計画を実情に即するように改める必要が生じてきているのであります。このため今次国会の御承認を得て漁港整備計画を変更することといたしておりますが、その変更整備計画におきましては、緊急に整備を要する重要な漁港につきまして重点的に整備をはかることといたしておるのでありまして、そのうち特定第三種漁港につきましては、今後事業の規模も大きくなり、地元地方公共団体の負担も増大して参りますので、この法律に基づく国の負担割合を引き上げる措置を講ずる必要が出て参ったのであります。このほか、本法の施行後における漁港審議会の運営の実情にかんがみ、その組織についての規定を整理することが一そうその運営の実情に即するゆえんと存じまして、この際漁港法の一部を改正することとし、本法律案を提案いたしました次第であります。
 以下、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 まずその第一は、漁港審議会の組織についての改正規定でありますが、従来漁港審議会の委員九人のうち、一人は、水産庁長官をもって充てることとされておりますが、本法施行後十二年間における運営の実態は、行政機関の長としての水産庁長官が委員として本審議会において意見を述べ、意思決定に参加するようにしておく必要はなく、また、委員として審議に参加するよりも行政機関の長として審議会に臨む方がより適切と考えられるに至りましたので、この規定を削除するとともに、関係条項を整理することといたしました。
 第二は、国庫負担率の引き上げに関する改正規定でありますが、国以外の者が特定第三種漁港について漁港修築事業を施行する場合における基本施設の修築に要する費用についての国の負担割合は、従来百分の五十であったものを、百分の六十に改めることといたしました。
 以上が、この法律案を提案する理由とその内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  ―――――――――――――
 次に、沿岸漁業等振興法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 わが国の漁業は、その漁獲高において世界最大であり、動物蛋白質食糧の重要な補給源として、国民経済上重要な役割を果たして参りましたが、その生産の態様は多様であり、大きく分けますと、大規模漁業、中小漁業及び零細な沿岸漁業の三つの類型になると考えられるのであります。このうち、漁業経営体の九割以上を占めている沿岸漁業は、一部の養殖業を除き、他産業と比較してその生産性及び従事者の生活水準がかなり低い状態にあり、また、漁業生産の中核をなしている中小漁業は、漁業種類、経営規模等により種々格差がございますが、不安定なものが多い現状でありまして、ことに最近における国民経済の成長発展に伴いこのような沿岸漁業等の傾向は、いよいよ顕著となってきているのであります。
 また、一方、国民経済の成長発展は、わが国の就業構造に著しい変化をもたらし、漁業の就業人口も減少しており、能率的な漁法、漁具の導入等によって生産性の高い漁業を育成してゆく契機が生じてきております。
 このような沿岸漁業等及びこれを取り巻く条件の変化等を背景といたしまして、沿岸漁業等の従事者の自由な意思と創意工夫を尊重しつつ、沿岸漁業等の近代化と合理化をはかるとともに、あわせて、沿岸漁業等の従事者が他産業従事者と均衡する健康で文化的な生活を営むことができるようにするため、沿岸漁業等に関する国の基本的施策の方向を示し、その重点的施策を明らかにすることが緊要とされるに至ったわけであります。政府といたしましては、これらの事情を勘案検討いたしまして沿岸漁業等振興法案を第四十国会に提出いたしましたが、この法律案は前国会において審議未了となりましたので、今回これと同一の内容のこの法律案を提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の内容について、概略御説明申し上げます。
 第一点といたしまして、この法律は、さきに述べましたとおり、沿岸漁業等の生産性の向上、その従事者の福祉の増進その他沿岸漁業等の近代化と合理化に関し必要な施策を講ずることにより、その発展を促進し、あわせて、沿岸漁業等の従事者が他産業の従事者と均衡する生活を営むことを期することができることを目途として、従業者の地位の向上をはかることを目的としているのであります。そしてこの目的を達成するための国の基本的施策の方向といたしまして、(1)水産資源の維持増大 (2)生産性の向上 (3)経営の近代化 (4)水産物の流通の合理化、加工及び需要の増進並びに価格の安定(5)災害による損失の合理的補てん等による経営の安定 (6)近代的な沿岸漁業等の従事者としてふさわしい者の養成及び確保 (7)沿岸漁業等の従事者及びその家族の転職並びに沿岸漁業等の経営にかかわる家計の安定 (8)漁村の環境の整備等による沿岸漁業等の従事者の福祉の増進の八項目を明らかにし、国は、その政策全般にわたりこれらの事項に関し、必要な施策を総合的に講じなければならないこととするとともに、これらの施策が画一的でなく、地域的に自然的、経済的、社会的諸条件を十分考慮して行なわれるべき旨を定めたのであります。
 さらにこのような国の基本的施策を実施するため政府は財政上の措置等を講じなければならないこととするほか、これを受ける沿岸漁業従事者等の自主的な努力を助長する旨の規定、沿岸漁業等について政府が講じた施策に関する年次報告等についての規定等を定めているのであります。
 次に、第二点といたしまして、これらの基本的施策にかかわる重点的な国の具体的施策といたしまして、以下の四つの施策を明らかにしております。
 第一は、沿岸漁業についての構造改善事業であります。この事業は、沿岸漁業の構造改善をはかるため生産、流通等広範にわたる事業を考えておりますが、沿岸漁業は、その規模が零細であり、したがってまた、生産性も生活水準も低い現状にかんがみ、特に、国は、都道府県が沿岸漁業の構造改善事業に関する総合的な計画を立て、これに基づいて構造改善事業が実施される場合に助言及び助成等の強力な援助を行なう等沿岸漁業の構造改善事業が総合的、かつ効率的に行なわれるよう必要な措置を講ずることとしております。
 第二は、中小漁業の振興のための措置であります。中小漁業の不安定要因としましては、水産資源の利用の問題、漁船及び漁具、漁撈装置の問題等種々考えられるところでありますが、国がその業種に特有の改善すべき基本的事項を定めて公表するとともに、その改善を行なう中小漁業等に助言、指導、資金の融通のあっせんを行なう等、中小漁業の振興に関し必要な措置を講ずることとしております。
 第三は、沿岸漁業等を対象とする試験研究機関の行なう調査及び試験研究の充実等に関する措置であります。
 沿岸漁業の構造改善事業及び中小漁業の振興のための施策の実施にあたってはもちろんのこと、およそ沿岸漁業等の発展をはかるためには、その前提といたしまして十分な水産資源の調査及び試験研究が必要であります。
 そこで、国の試験研究機関の行なう沿岸漁業等に関する調査及び試験研究の事業の充実をはかるとともに、他の試験研究機関と協力して効率的に実施する等の必要な措置を講ずることとしております。
 第四は、沿岸漁業等の改良普及の事業に関する措置であります。現在、都道府県には、沿岸漁業等の技術及び知識の普及または従事者の生活改善の指導を行なう改良普及員と、この改良普及員を指導し専門的事項に関する調査研究を行なう専門技術員が置かれていますが、国は、これらの都道府県の職員の設置及び養成につき助言及び助成を行なう等必要な措置を講ずるものとしております。
 最後に、この法律の施行に関する重要事項につきましては、中央漁業調整審議会の意見を聞くことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#5
○委員長(櫻井志郎君) 以上をもって提案理由の説明を終わります。
 次いで、四件についての補足説明及び提出資料の説明を順次聴取いたします。
#6
○政府委員(松岡亮君) ただいま提案理由の説明のありました農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明いたしたいと思います。
 まず第一に、公庫の資本金に関する第四条の規定の改正でございます。公庫の三十八年度における貸付契約計画額は新制度金三百億円を含め総額八百七十億円で、前年度に比べまして百六十億円の増加でございます。この貸付金の原資といたしましては、まず政府からの出資金でございますが、一般会計からの出資十四億円、産業投資特別会計からの出資二百六億円合計二百二十億円がございますほか、借入金といたしまして、資金運用部資金等の借り入れが合計三百六十六億円、貸付回収金等が二百二十億円でございます。以上のとおり、一般会計より産業投資特別会計からの出資が二百二十億円ございますので、公庫法第四条第一項の公庫の資本金をそれだけ増額しようとするのが改正の第一点でございます。
 次に、今回の改正の眼目である農林漁業経営構造改善資金融通制度の創設に関連する改正でございます。この新制度の創設の目的、趣旨につきましては、ただいま御説明のありましたとおりでございます。法律の上では新しく第十八条に追加いたしました第三項に、農業もしくは沿岸漁業の構造改善の計画的推進をはかり、または農業経営の規模の拡大、農業生産の選択的拡大、もしくは林業経営の改善を促進するために必要な一定の資金につきましては、別表第二に定める特別に有利な利率その他の貸付条件で貸し付け得る旨を規定し、新制度の趣旨を表明しているのでございます。
 これに関連いたしまして若干御説明申し上げますと、まず、新制度の大きなねらいは、構造改善事業の計画的推進をはかるため、これに必要な長期低利の資金を公庫から円滑に融通することにあるのであります。御承知のとおり、農業構造改善事業は、全国約二千百市町村を対象とし、一定の年次計画により本年度から具体的な事業の実施段階に入ったのでございます。この事業の円滑な実施を確保いたしますため、その中核をなします補助事業につきましては、特に高率の補助率を適用しているのでございますが、融資の面におきましても必要な原資を確保いたしますとともに、関係農民の負担軽減のため、特に長期低利の条件をもって融通することとする必要があるのでございます。このような事情を考慮いたしました結果、従来農業近代化資金の融資対象とされておりました個人施設と、共同施設である経営近代化施設のうち、農業者の協業組織の設置するものに限って、これを公庫からの融資に切りかえることとし、その貸付条件を、個人施設の分を中心に大幅に緩和することとしたのであります。
 沿岸漁業の構造改善事業は、全国おおむね四十二区域を対象として、農業の場合と同様、一定の年次計画に基づいて実施しているのでございますが、別途今国会に提案されております沿岸漁業等振興法案に基づく国の施策といたしまして、この事業の円滑な実施を確保いたしますため、従来から公庫が融通をしておりました漁船の建造、海面養殖施設等の沿岸近代化資金の金利を大幅に引き下げて、沿岸漁業者の負担軽減をはかったのであります。このほか沿岸漁業については、構造改善事業の先行的な実施という意味合いで実施しております沿岸漁船の整備促進事業がございますが、この事業における漁船建造等の資金並びに沿岸漁業等、振興法案にも規定しております生産行程の協業化促進のために、必要な漁船の建造等の資金、海面養殖施設等の造成資金等は、いずれも従来から公庫が融通をして参ったのでありますが、これらの漁業は、広い意味において沿岸漁業の構造改善のための事業でありますから、構造改善事業推進資金とともに、新制度資金といたしまして金利引き下げを行なっているのであります。
 次に、新制度の重要なねらいといたしまして、農業経営の規模拡大をうたっているのであります。これは農業基本法において国は自立経営の育成のために必要な施策を講ずべきことを規定されておりますが、今日この方向に沿って農業経営の改善をはかって参りますには、何と申しましても、経営の基幹的施設である経営耕地の拡大が必要であると存じます。これにつきましては、御承知のとおりかねて自作農維持創設資金融通法に基づきまして、公庫より農地及び採草放牧地の取得資金を、年五分、償還期限二十年以内の貸付条件で融通して参っておるのであります。この資金の融通は、もともと農地改革によって創設されました自作農の経営の維持安定が主眼となっていたものでありますが、最近においては、その運用面におきまして積極的に経営の拡大改善をはかるための前向きの金融という性格を強めて参りました。今後の農業動向を考えますとき、このような方向における農地等の取得金融を一そう円滑にする必要があり、またこのことは、農業構造の改善をはかるためにも肝要なことと存じまして、今回の新制度に、農地及び採草放牧地の取得資金に加え、金利の引き下げと、償還期限の延長を行なおうとしているのであります。なお従来の農地等の取得資金には、いわゆる未墾地の取得資金が含まれておらず、公庫資金としては、開拓パイロット事業の場合に農地の造成資金も含めて融資が行なわれる場合があったのであります。ところが最近においては、農業構造改善事業等におきまして未墾地を取得して共用地を造成するとか、家畜飼養のための草地として利用するというような事例が増加して参っておりますが、また果樹園経管の拡大のため、未墾地を購入して、自立開墾によりこれを果樹園とするというような農家もかなり見受けられるのでありまして、これらの場合の取得資金が相当の額に達するということを見ているのでございます。このような事情がございますので、新制度におきましては、農地、採草放牧地の取得金融に未墾地の取得関係をもあわせまして、農業経営の改善のための土地取得資金の融通を行なうということといたしたのであります。
 次に、農業生産の選択的拡大を促進することが新制度の趣旨の一つに掲げてあるのでございますが、畜産及び果樹農業に関する施策の強化が要請されておることについては異論のないところかと存じます。果樹園につきましてはすでに果樹農業振興特別措置法が制定されまして、将来における需要の伸長が見込まれる主要果樹について果樹園経営計画を作成し、都道府県知事がこの計画を適当であると認定いたしました場合には、計画達成のために必要な果樹の植栽資金を公庫から年七分以内の条件で貸し付ける旨を規定していることは御承知のとおりであります。しかしながら、果樹は植栽後成木になって収益が得られるようになるまでに相当の年月を要するのであります。その間の肥培管理等の育成に要する費用につきましても、長期低利の資金の融通を要望する声がかねて強かったのであります。また畜産につきましては、今後の畜産物需要の動向に照らして特に酪農及び肉用牛経営の育成強化が緊急に要請されておりますが、これらの経営の改善合理化をはかり、生産性の高い経営を確立するためには、現状の平均一、二頭程度の零細な飼養規模ではなかなか困難なものがあります。これをある程度多頭飼育にまで持って参りまして、同時に飼料の自給率を高め畜舎、サイロ等の施設の整備をはかる等の総合的な施策が計画的に行なわれる必要があるのでありますが、これには相当の多額の資本投下を要します。また飼養規模拡大のための乳牛あるいは肉用牛の購入資金と施設の整備に要する資金とをセットにして貸し付け、これらを一括して長期低利の条件とする必要があるのであります。
 以上申し述べました諸点にかんがみまして、果樹農業振興特別措置法に基づく果樹園経営計画の達成に必要な資金のうち、果樹の植栽資金と育成資金並びに牛乳または肉用牛の飼養規模を拡大しつつ、生産性の高い合理的な経営を確立するのに必要なこれらの家畜の購入資金及び畜舎等の施設の整備に要する資金を新制度資金として公庫から融通することにいたしたのであります。
 最後に、林業の経営改善に必要な資金につきましては、従来から公庫が森林の取得に必要な資金及び森林の管理に要する資金を貸し付けて参ったのでございますが、今回農業及び沿岸漁業の経営の拡大改善をはかるものと同趣旨におきまして、これを新制度資金とし、金利、償還期限等の貸付条件等を緩和することとしたのでございます。
 以上、今回の新制度創設の趣旨をそれぞれの資金に応じて御説明申し上げたのでございます。
 次に、本法律案におきましては、新制度によって新たに貸し付けることとなる資金につきまして、公庫に貸付の業務能力を与えるため、公庫の業務の範囲を拡大することといたしております。第十八条第一項の改正がそれでありまして、第一に、新しい第一号の二として、「農地又は採草放牧地」、これには農地または採草放牧地とするための土地、いわゆる未墾地を含むのでありますが、これの取得に必要な資金を加えております。このように「農地又は採草放牧地の取得」資金の貸付を公庫が本来の業務として行なうことと改めたことに関連いたしまして、現行の公庫法第一条第二項に、これらの資金を自作農維持創設資金融通法に基づいて貸し付けることを公庫の目的とする旨を規定しているのでございますが、この取得資金の部分を削除するとともに、法案の附則第三項におきまして、自作農維持創設資金融通法の一部改正を行ないまして、法律の題名を「自作農維持資金融通法」に改め、同法第一条の(目的)及び第二条第一項の資金の(貸付)を規定しております条文から、農地及び採草放牧地の取得にかかる部分を削ることとしております。
 なお、改正後の第一号の二の資金には取得しようとする「土地の農業上の利用を増進するため」に「利用する必要がある土地」、いわゆる付帯地をあわせて取得する場合の付帯地の取得資金を含むこととされております。
 第二に、改正後の第一号の三の果樹の関係の資金として、果樹の育成に必要な資金を加えることとしております。この資金は果樹農業振興特別措置法に基づき果樹園経営計画に記載されたものに限って貸し付けることとなります。
 第三に、果樹以外の永年性植物の「植栽に必要な資金」を第一号の四として加えることとしております。これは農業構造改善事業の実施のために必要なものに限ることとしております。その範囲については、今後の構造改善事業の実施の状況等を勘案して、主務大臣が具体的に指定することになるのであります。
 第四に家畜の購入に必要な資金を第一号の五として加えることにいたしております。この資金は乳牛または肉用牛につき、飼養規模を拡大して、合理的な、生産性の高い多頭飼育経営を確立するために、乳牛または肉用牛の購入資金を畜舎その他の施設の設置等々に要する資金とセットにして貸し付ける場合と、農業構造改善事業の実施のために必要な家畜の購入の場合に限られるのであります。
 なお、新たに第四号の三として、「林業経営の改善のためにする森林の取得又は森林の保育その他の育林に必要な資金であって主務大臣の指定するもの」を規定しております。これは現在の第四号の二「林業経営の維持又は改善に必要な資金であって主務大臣の指定するもの」と内容といたしましては変わらないということでありまして、この資金を新制度資金として取り扱う関係から、やや内容を具体的にいたしまして、特記したものであります。
 次に、新制度資金の貸付条件でございますが、これは別表の二に掲げてございますが、あらためて資料の御説明の際に現行と比較して申し上げていくことにいたしまして、ここでは省略いたします。
 以上、新制度資金につきまして、法律上定めております貸付条件の概要を御説明いたしました。
 その他の貸付条件につきましては、公庫の業務方法書等で定めることになるのでありますが、そのうち貸付限度額につきましては、新制度の要綱に定めておりますように、従来の公庫資金または農業近代化資金の限度額よりも所要の引き上げを行なうことといたしまして、新制度の目的の達成に遺憾のないようにいたしているのでございます。
 新制度は昭和三十八年度から発足されることといたしております。
 また附則第四項におきましては、果樹園経営改善資金の利率を公定いたしましたことに伴いまして、果樹農業振興特別措置法中の果樹の植栽資金の利率を規定いたしましたので、同法第五条第二項の規定が不要となりますので、これを附則第四項において削除をいたしております。
 次に、本制度の創設の目的を達成いたしますためには、新制度資金の貸付によって真に経営構造が改善され、生産性の向上と、所得の増大が確保されるよう、政府はもちろんのこと、都道府県、市町村等による適切な行政指導、なかんずく農業改良普及員等による能率的な経営指導が必要でございまして、別にお配りしてあります制度要綱の第三には、特にこの行政庁による指導によって、制度の効率的な運営をはかるべきことを定めているのであります。
 これに関連いたしまして特に申し上げたいことは、従来自作農維持創設資金融通法におきましては、農業者が農地または採草放牧地の取得資金を借り受ける場合には、農業経営安定計画を作成し、都道府県知事が適当と認定した場合に限り貸し付けるものとされておりますが、今日の新制度の創設に伴ない、農地または採草放牧地の取得について同法の計画の作成、都道府県知事の認定が法律上の制度としてはなくなるのであります。しかし本制度による資金を貸し付けて、農業経営の拡大改善をはかりますためには、やはり農業者が農業経営の改善のための計画を作成し、都道府県知事の計画認定を受けることが適当であると考えられますので、今後は行政措置によりまして従前とほぼ同様の制度を設けて運営したい所存でございます。
 最後に、制度要項の第四に定めております農地担保の活用の点でございます。今回の新制度におきましては一農業者当りの貸付金額が従来よりも相当引き上げられ、また償還期限も一そう長期となっておりますので、これに関連をいたしまして資金融通の円滑化をはかるためには、農業者の有する最大の資産である農地等を担保に活用することが適当であると思うのであります。そのためには公庫が担保に徴しました農地等の評価額を現在よりも引き上げるとともに、その農地等が万一競落されるような事態に立ち至りました場合に、不当に低い価格で競落されることを避けるため、公庫が競落人となって農地等を取得し得る道を農地法に基づく省令の改正によって開く必要があるのであります。もちろん、公庫は従来から貸付債権の保全のために物的担保のほか、人的保証でも差しつかえないこととしております。今回の措置によって全面的に人的保証を農地等の物的担保に切りかえるわけではございません。人的保証と並んで農地等の担保力が十分に活用されるならば、一そう資金融通が円滑になるわけでありまして、この措置によりまして公庫資金の貸付を受ける農業者の利益が増進されることになると思うのであります。
 以上本法律案、及びこれに関連する主要な問題についての補足説明を終わります。
 次に、引き続きまして農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案につきまして補足説明をいたします。
 今回の改正の趣旨は、ただいま提案理由の説明に尽きておりまするので、繰り返し申し上げませんが、今回新たに追加いたします融資機関として、政令で定めるものとしては目下検討中でございますが、地方銀行等、農家の預貯金が相当の額に達し、農業向け設備資金の貸し出しもかなり見られる金融機関を指定する所存でございます。
 以上簡単でございますが補足説明を終わります。
 それでは次にお配りしてございます……
#7
○委員長(櫻井志郎君) 簡潔に言って下さい。
#8
○政府委員(松岡亮君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案関係資料につきまして簡単に御説明いたします。
 最初の表は農林漁業経営構造改善資金融通制度一覧となっておりまして、これが新しく農林公庫に設けられます長期資金の概括の表でございます。
 ここでごらんいただきたいのは、まず資金の種類としまして、左の欄にあげてありますように、農業構造改善事業推進資金以下各種資金がございます。これをその三十八年度におきましては、三十八年度貸付契約計画額の欄にございます数字、合計三百億といたしまして、それぞれ三十六億円、三十億円等のワクを予定してございます。
 それから、右のほうの金利その他の条件につきましては次の表で今度の新制度と現行の条件とを対比してございますので、これで申し上げます。
 まず、農業構造改善事業推進資金でございますが、現行制度は農業近代化資金で融資いたしておりまして、金利は六分五厘、それから、貸付期間は十二年以内で、それぞれの融資対象によって異っておりまするが、これを新制度におきましては金利を三分五厘にし、貸付期間は、これも物によって違うわけでありますが、二十年以内に延長いたしたのであります。なお果樹に関しましては二十五年以内でございます。この構造改善事業推進資金の中の果樹も二十五年以内でございます。それから、一件当たりの貸付限度額は、現在の農業近代化資金におきましては、個人が二百万円、協業組織の場合が一千万円となっております。個人の場合は一般に百万円ございまして、特に知事の承認を受けた場合二百万円となっておるのでございます。それを新制度におきましては、個人の場合は最高二百五十万円、協業の場合は現状と同じで一千万円まで借りられる。こういうことにいたしております。
 次に、果樹園経営改善資金でございますが、これは現在公庫にございまして果樹農業振興特別措置法に基づいて貸し出されておるのであります。この資金につきましては据え置きの期間中は六分、償還期間中は七分という金利でございますが、新制度におきましては据置期間中五分五厘、償還期間中六分、こういうことにいたしました。それから、貸付期間は同じ二十五年でございますが、貸付限度額につきましては、現状は一応定めていないのでありますが、反当たり大体三万七千円まで貸すということで、一件当たり多くても五、六十万円まで貸しておったのが現在の実情でございますが、これを明確に限度を定めまして、一件当たり二百五十万円まで貸し付ける、こういうことにいたしました。
 それから、次に畜産経営拡大資金でございますが、これは現在近代化資金で、これに相当するものが家畜とか、畜舎とか、サイロとか、それぞれ貸し付けられておるわけでありますが、その金利は六分五厘で、これを据置期間中五分五厘、償還期間中六分といたしまして、貸付期間も現状において十二年以内のものを十五年以内に延長いたしました。限度額も先ほどの構造改善事業推進資金と同じ二百万円を、乳牛の場合は二百五十万円、和牛の場合は二百万円と、こういうことにいたしました。
 その次の農地及び未墾地取得資金は、先ほども申し上げましたが、自創資金から、この資金に移管いたしまして未墾地を含めまして新しく貸し付けることにいたしました。現行の自創資金では金利が年五分、貸付期間は二十年以内と、限度額は四十万円となっておりますが、これを新制度におきましては、構造改善事業に関連するものは四分、一般は四分五厘、貸付期間は二十五年、五年延長いたしました。それから限度額は現行の倍の八十万円、こういうようにいたします。
 なお申しおくれましたが、果樹園経営改善資金は、現在は植栽資金のみを貸しておりまするが、新制度におきましては、これに育成資金をも加えたことは、先ほども申し上げたとおりでございます。
 その次の林業経営改善資金、これはその貸し付けの内容につきましては現行の公庫資金と同じでございますが、条件を緩和いたしました。取得資金につきましては、現在五分五厘のものを構造改善地区は四分、一般は四分五厘、これは前の農地と同じでございます。それから、貸付期間は二十年を二十五年に、限度額は五十万円を八十万円に引き上げた、こういうことにいたしております。
 管理資金のほうは、金利五分五厘を五分に、貸付期間は同じく二十年でございますが、限度額を、八十万円にいたしました。
 沿岸漁業は、農業構造改善事業と同じく、構造改善事業推進資金につきましては、六分五厘を三分五厘にいたしました。
 それから一番最後の沿岸漁船整備及び沿岸漁業協業化促進資金は、金利は、それぞれ一分ずつ下げまして、協業化促進資金の限度額を八百万円から一千万円に引き上げました。
 新制度の貸付条件を現行制度に比較して申し上げますと、大体以上のとおりであります。
 その次の表は、簡単に申し上げますと、公庫の出資金の資本と借り入れの推移でございますが、一番右のほうに三十八年度の出資額がございます。一般会計の出資と、産投会計からの出資とを合わせまして、計の欄に二百二十億円というのがございます。これが今回改正される資本金の額でございます。三十七年度は百三十三億円、約七割の増額でございます。三十六年度は八十九億、まあ大幅な増額をいたしております。この表はこのくらいにいたします。
 その次の表は、農林公庫全体の貸付契約の計画額、簡単に言いますと、貸付決定額の予定でございます。三十七年度が合計で七百十億円でございます。来年度は八百七十億円、百六十億円の増加でございまして、これも一般の財政投融資計画に比べますと、ずっと伸びは大きくなっておるのでございます。このうち三十八年度は新しく三百億円の新制度を設けております。こういうことでございます。
 それからその次の表は、年度別業種別の貸付契約実績でございます。これは参考のため添付してございます。
 その次が回収金でございます。来年度の原資としましては、この回収金のうち二百二十億円を予定いたしておりますが、過去の実績から見まして大体妥当なところではないかと考えられます。
 これが農林公庫関係の資料でございます。
 その次に、近代化資金助成法の一部を改正する法律案関係資料、これについて申し上げます。
 まず最初の表は、三十六年度農業近代化資金の利子補給承認額でございますが、これを施設別にごらんいただきまして、全体が大体二百八十一億円でございますが、そのうちの八七%、二百四十六億円が個人施設に貸し出されております。残りが共同利用施設でございます。
 その次の表に移りまして、今度は業種別と経営組織別に融資の状況を見ますると、少し右のほうに寄ったところに「金額比率」というのがございますが、これでごらんいただきますように、融資された中で、一般農業関係が四五・九%、約四六%でございます。一般農事関係以外では畜産関係がきわめて大きくて四三・四%、果樹関係は、近代化資金の貸付条件の関係でございましょうが、非常に少ない、こういうことになっております。一般農事関係では耕耘機が非常に多い、こういう結果になっております。
 その次の表でございますが、これは農家が預貯金をどういうところにしているか、それから借入金はどういうことろから借りているかということを表にしたものでございますが、預貯金のほうにおきましては、農協が約五六%でございます。銀行に二四・八%、それから相互銀行、信用金庫等はそれほど大きくはございませんが、若干の預貯金がある、こういうことでございます。借り入れのほうは、これに反しまして農協が圧倒的に多くて八六%ぐらいになっている、こういう状況でございます。
 その次の表は、農協の系統機関におきまする貯金、貸出金の推移でございますが、これは六月現在の数字でございまして、これでごらんいただきまするように、一番三十七年六月の預貯金の伸びが、各段階とも順調でございますが、そのうちで定期的な貯金の伸びが農協の段階におきましてはかなり順調でる。それから貸出金におきましては、長期の貸し出しが非常にふえている、これは信連の段階においてもそうでございますが、三十七年に入りますと近代化資金の貸し出しが相当伸びておりますので、それらもこの結果に表われているのだと思うのであります。
 その次の表に移りまして、その次の表は、近代化資金制度と並行して作りました農業信用基金協会、各県にございます信用基金協会の事業の状況でございますが、三十七年度はまだ全部がわかっておりませんので、三十六年度で申し上げますと、全体の会員数が一万一千六百五十七でございますが、そのうち単協が圧倒的に多く一万四百四十二、出資額は全体で四十四億三千五百万円でございます。これは近代化資金に見合うものが二十七億、一般資金に見合うものが十六億円でございます。で、それの出資者を会員別に見ますと、都道府県が多くて、近代化資金に関しましては十六億円出資している、都道府県以外のものは十一億円出資している、こういう状況でございます。それから実際に保証されましたものが、その下に保証額という欄がございますが、この信用基金協会の保証した額は三百二十八億円、そのうち近代化資金にかかわるものが百十四億三千二百万円でございます。で、結局近代化資金がこの信用基金協会の保証に依存した割合というものは貸し出しのうち五二・三%に相当するということになるのでございます。
 大体、近代化資金関係の資料の御説明をいたしました。
#9
○委員長(櫻井志郎君) 松岡局長に言いますが、今の補足説明に対して印刷物を至急委員会に提出して下さい。
 次に、水産庁参事官橘武夫君。
#10
○説明員(橘武夫君) 水産庁関係の法案といたしましては、漁港法の一部を改正する法律案、それから沿岸漁業等振興法案、二件を御審議いただくわけでございますが、そのうち漁港法の一部を改正する法律案のほうは、先ほど提案理由の御説明にもありましたように、内容は簡潔なものでございまして、中心は、特定第三種の漁港につきましての漁港修築事業を行ないます場合の負担率を、従来の五割から六割に上げるということを中心とするものでございます。この特定第三種と申しますのは、御承知かと思いますが、漁港法で、漁港を第一種、第二種、第三種、第四種というように、漁港の種類を機能によって分けております。その第三種と申しますのは、漁港の中では比較的大きな、全国的に利用される漁港でございます。その全国的に利用される漁港のうち、さらに水産業の振興という立場から、特に重要なものを政令で指定することになっておりまして、その指定されましたものを特定第三種漁港と申しております。現在政令で指定されております港というのは八つでございます。青森県の八戸、宮城県の塩釜、千葉県の銚子、神奈川県の三崎、静岡県の焼津、山口県の下関、福岡県の博多、長崎県の長崎、この八つでございますが、こういう港につきましての国の修築事業につきましての負担率を、従来の五割から六割に引き上げようというのが改正の趣旨でございます。
 なお、この改正を行ないますに加えまして、もう一ヵ所、漁港審議会につきましての規定に改正を加えまして、従来審議会委員九人のうちの一人として水産庁長官が委員として入っておりました。諮問をいたす側の、行政当局側の水産庁長官が、委員会のメンバーとしてこの審議に参加し、その決定の表決に参加するという形が、従来の審議会の運営から申しまして、必ずしも適切ではないというふうに考えられますので、この際、水産庁長官というものを漁港審議会の委員からはずそうというのが、もう一つの改正の趣旨でございます。
 漁港法の改正の内容はそういうことでございまして、ここで特に事務的に詳しく補足して御説明申し上げることも、今の段階ではないと思いますので、御質疑の段階で逐次詳細に御説明を申し上げたいと思います。
 もう一つ、沿岸漁業等振興法案でございますが、これにつきましては、お配りいたしました沿岸漁業等振興法案関係資料という資料の終わりのほう、ページ数にいたしますと、三十七ページ以下でございます。これに事務的な補足の説明の趣旨を印刷してございますので、これによりまして、事務的な補足説明を申し上げたいというふうに思います。
 法案の全体の構成でございますが、第一条から第七条までというのが、沿岸漁業等に関する国の基本的な施策の方向づけの基本的なことを書いてございます。それの方向に従いましてどういう具体的な施策を講ずるかということが、第八条以下に書いてございます。大きく言えば、その二つからなっていると言えるわけでございます。
 以下、各条文について御説明申し上げますと、第一条は、法律の目的を明らかにしているわけでございまして、最近における国民経済の成長の中で、漁業の経営体の大部分を占める沿岸漁業は、ほかの産業と比較しまして、生産性もまた従事者の生活水準もかなり低い位置にあるということです。特に中小漁業は経営の面から申しましても非常に不振なあるいはまた不安定なものが多いのが現状でございます。なお、そういう傾向がさらに拡大されるというふうな憂いもございますので、その解決を進めますため、この法律においては、国民経済の成長発展と社会生活の進歩向上に即応いたしまして、沿岸漁業等の生産性の向上、その従事者の福祉の増進、その他、沿岸漁業等の近代化と合理化に関しまして必要な施策を講ずることによりまして、沿岸漁業等の発展を促進し、あわせてその従事者が他産業従事者と均衡する生活を営むことを期することができることを目途としまして、それによりまして沿岸漁業等の従事者の地位の向上をはかることを、この法律案の目的としているわけでございます。
 第二条は、この法律の対象となるべき「沿岸漁業等」というものを定義しているわけでございます。ここに「等」と書きましたのは、本来、沿岸漁業のほか、中小漁業というものも含めて考えておりますので、特に「等」という字をつけたわけでございます。その二つを引っくるめまして、「沿岸漁業等」ということで、国がこれに特に総合的な対策を講じようという建前で、この法律案を作成しているわけでございます。この場合、「沿岸漁業」というものの定義として、政令で定める小型の漁船を使用して行なう水産動植物の採捕あるいは漁船を使用しないで行なうコンブあるいはノリの採取のようなものもございますが、この場合、政令で定める小型の漁船というのは、現在おおむね十トン程度の漁船というものを、沿岸漁業の漁船の範囲として考えております。また中小漁業者というものの範囲として考えておりますものといたしましては、同じく政令で、常時使用する漁船の合計総トン数が千トン以下であって、しかも常時使用する従事者の数が三百人に達しない程度の漁業者を中小漁業者として、この法律の対象に考えて参りたいというふうに予定しております。
 第三条におきまして、第一条の目的を達成いたしますために、国が沿岸漁業等につきまして必要な施策を講ずべきことと、その施策の方向づけを八つの項目をあげて規定しているわけでございます。
 各項目について御説明を申し上げますと、第一号は、沿岸漁業等の対象とする水産資源の維持増大について規定しております。沿岸漁業などにおきましても、他の漁業の場合と同じく資源の問題というものはきわめて重要な問題でございます。その資源に見合った適正な資源の利用というものを進めて参り、さらにふ化放流を行なって、この資源の積極的な増殖をはかって参るということによりまして、沿岸漁業等の対象となるべき水産資源の維持増大をはかるべきであるということを規定いたしましたのが、第一号でございます。
 第二号は、沿岸漁業等の生産性の向上ということを着眼した規定でございまして、この従事者の生活水準の低さの基本、要因の一つは、生産性の低さにあるということは、皆さん御存じのとおりでございますので、こういうような現状にかんがみまして、特に生産基盤であります漁港及び漁場の整備を進め、また漁撈技術、養殖技術などの生産技術等につきまして、その向上をはかって参るための必要な施策を講ずべきであるということを明らかにしたものでございます。
 第三号は、経営の近代化ということに着眼した規定でございまして、沿岸漁業の生産性の向上をはかって参りますためには、やはり経営規模が非常に零細であったり、その経営が非常に非近代的なやり方で行なられているようなものにつきましては、この生産性の向上をはかって参るということの困難もございますので、漁場の利用方法の合理化をはかりながら、所有漁船の大型化を逐次進めて参るというような形で、経営規模を拡大し、また集団操業など、そういうふうな生産行程につきましての協業化というようなものも逐次促進して参る。また一本釣のようなかなり零細な、非常に技術として古いおくれた段階の技術から、逐次網漁業あるいは養殖漁業というような生産性の高い漁業に転換をはかって参る。また漁撈装備の近代化を進めて参るというようなことによりまして、経営の近代化をはかるべきことを定めておるわけであります。
 第四号は、以上の生産段階に対しまして、流通加工の段階についての規定でございまして、流通の合理化、加工、需要の増進、価格の安定ということを主眼にして規定しているものでございます。その重要な手段といたしましては、協同組合の行ないます共販事業を進めて参る、また冷蔵庫のような水産物の保蔵施設あるいは冷蔵自動車のような運搬施設を整備いたします。また市場その他水産物の取引を近代化し、またカン詰業その他の水産加工業の振興をはかること、さらに魚価安定基金でありますとか、漁業生産調整組合制度でありますとか、そういうような制度を活用することによりまして水産物の生産流通の調整をはかること等によりまして、必要な施策を講ずべきことを規定しているものでございます。
 それから第五号は、こういう漁業と切り離せない災害との関連におきまして、漁業の災害に対する抵抗力の増加と申しますか、災害の場合の経営の安定ということについてきめたものでございまして、そういう自然的条件によって非常に漁業経営が不安になるということを防止する手段として、災害による損失の合理的な補てんなど必要な施策を講ずべきことを定めたものでございます。
 次の第六号は、以上のような経済的、物的の面からの経営の合理化、近代化というものと、そういう条件を進めることと並行いたしまして、むしろ漁業を行なう人の面から、その主体的側面としての人の問題について規定したものでございます。こういうふうな漁業の合理化、近代化を進めて参るのも、要はそれを推進して参る人間の問題だというふうに考えられますので、沿岸漁業等についていたします教育でございますとか、あるいは試験研究、さらに改良普及事業でありますとか、そういうものを充実することによりまして、漁業従事者の資質を向上させ、近代的な沿岸漁業等の従事者としてふさわしい者を養成して参る。さらには進んで沿岸漁業等をもっと漁村の青年に魅力のある産業として形成していくということによりまして、りっぱな人材が確保できるようにするというのがこの趣旨でございます。
 それから第七号は、そういうふうな漁業の合理化、近代化ということに密接に関連いたします従事者の家計の安定の問題、さらにその従事者及び子弟の転職の問題について定めたものでございまして、漁業所得によってほかの産業の従事者と均衡する生活を営むことができるようにすることがもちろん第一義として望ましく、そのために上に上げましたような各般の施策を講じて参るわけでございますが、漁業の経営の具体的内容によりまして、あるいはその置かれた条件によりまして、それを期待することの非常に困難なものにつきましては、職業訓練あるいは職業紹介の事業を充実いたしますとか、あるいは漁村地方における農業、工業等、産業を振興いたしますとか、必要な施策を講ずることによりまして、その従事者が他の産業に転換する機会というものを十分に与えまして、その所得を増大して、一方では兼業、副業という形での家計の安定に資するとともに、さらに進んでは他の産業に転ずることの機会をも増して参るようにしたいというのがこの趣旨でございます。
 そのような形で各般の総合的な施策を講ずることによりまして、沿岸漁業等の発展と従事者の地位の向上を期しているわけでございますけれども、従事者の福祉を増進いたしますためには、単にそういう企業の中の施策だけでは尽くされない面がありますので、なお八号で残された事項といたしまして、その漁業なり漁村を取りまく環境としての道路、医療、電気などの文化施設の整備、また家庭生活の改善でございますとか、労働関係の近代化等、福祉の増進をはかって参りたいということを規定したわけでございます。
 以上申し述べましたような国の施策は、沿岸漁業等の特殊性から申しまして、その行なわれます地域の自然的、経済的、社会的な諸条件を考慮して、具体的に適合する形で進めて参ることが必要でありますことは申すまでもないことでありまして、その趣旨を第三条の第二項で規定しているわけでございます。
 そういうふうな国の施策と相応じまして、第四条におきまして、地方公共団体がこれに準じて施策を講ずるように努めなければならないということで、地方公共団体にも大いにこの方向での促進を期待しているわけでございます。
 それから第五条におきまして、政府はそのような方針を実施するために必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならないという旨を規定しているわけでございます。
 さらに第六条におきましては、そういうふうに国なり地方公共団体が施策を進めて参ることはもちろんでございます。こういう施策を講ずるにあたって、沿岸漁業の従事者自身、またその組織する団体が自主的に大いに努力して参ることを大いに期待する必要がございますので、そういう自主的な努力を助長することを旨として、ただいまのような施策をむしろそれに即応する形で、それを促進する形で国なり地方公共団体が施策を講ずべきであるということを第六条で規定しているわけでございます。
 それから第七条におきまして、沿岸漁業等につきまして国が講じました施策につきまして、毎年国会に年次報告を提出する、またさらに今後講じようとする施策につきましても、その報告において明らかにするということを定めております。
 これがこの法案の前半の国の基本的政策について規定したものでございます。
 以下その後半、第八条以下で、そういうふうな基本的方針に基づきまして、国が講ずべき具体的な施策を重点的に列挙しているわけでございます。
 お配りしてございます資料の四十六ページの一番うしろの行に「以下第九条から第十一条まで」と印刷してございますが、これは「第八条から」というのの誤りでございまして、恐縮でございますが、御訂正を願いたいと思います。その八条以下で具体的な施策について規定しているわけでございますが、そのまず第八条は、こういう零細な経営規模の沿岸漁業に対しまして、その漁業の構造を改善するための構造改善事業というものについて規定しているわけでございます。これはこの第八条の第二項で規定しておりますように、生産性の高い漁業に転換すること、漁場の利用関係を改善して参ることあるいは漁礁を設置したり養殖漁場を造成したり、そういう方法によりまして生産基盤を整備し開発する。また、集団操業のための先達漁船の建造でありますとか、あるいは能率的な漁具、漁撈装置の設置でございますとか、そういう経営を近代化するための施設を導入いたしまして、また水産物の冷凍なり冷蔵のための共同利用施設でございますとか、あるいは水産物の共同加工場でございますとか、そういう流通加工施設を強化して参るというような手段によりまして、沿岸漁業の生産、流通等、広範にわたる事業を起こしまして、沿岸漁業の生産性を高めるように、構造的に改善することを目的として考えられたのが構造改善事業であります。
 これにつきましてはすでに御承知のとおりに、昭和三十七年度から一部の府県におきましては事業にすでに着手しております。その他の府県につきましても逐次計画的に実施することといたしております。第八条におきましての都道府県の樹立する構造改善事業計画あるいはこれに基づきまして実施する事業につきまして国が必要な助言を行なうとともに、経費の補助あるいは資金の融通のあっせんなどその事業が総合的かつ効率的に行なわれるような援助をしなければならないということを規定しているわけであります。
 次に九条につきましては、沿岸漁業と並びまして中小漁業の振興について規定しておるわけでございます。中小漁業は経営規模なり漁業種類によりましてさまざまな経営状態になっておるわけであります。概して申し上げますと、かなり経営の不安定なものが多いのであります。その要因としましてはいろいろな業種ごとに固有な条件もいろいろ考えられるけれども、概括いたしますと、漁場が不安定であるとか、また漁船、漁具漁ろう装置の能率の、比較的大きな漁業に対しまして能率が落ちるということ、それから水産物の取引関係が整備されていないということ、また労働環境がかなり劣っているということなどが、その不安定を来たしている主要な原因と考えられるわけでございます。したがってこのような不安定要因を除去いたしまして、その振興をはかる必要があると認められるものを取り上げまして、種々検討を行ない、その中小漁業者の経営改善の指針ともいうべき事項を定めて公表いたしますとともに、その中小漁業者またはその団体に対しまして必要な助言、指導、資金のあっせんを行なうなど、必要な措置を講ずべきことを規定いたしたわけでございます。
 それから第十条は、そのような漁業を進めていきますためには必要な調査なり、試験研究というもののの充実について規定したわけでございます。そういう調査なり、試験研究の重要性というのは当然のことでございますが、特に沿岸漁業の構造改善事業でありますとか、中小漁業の振興のための事業を進めていくためには、その前提として、従来以上にそういう施策を効果的に実施して参りますための資源調査、あるいは試験研究の推進などの必要性が非常に痛感さてますので、そういうものにつきまして国が他の試験研究機関と協力してその実を上げ、さらにその施策を充実して参りたいということを規定したものであります。
 それから、第十一条は、水産業につきましての改良普及事業について規定したものでございます。従来から沿岸漁業等につきまして、その生産性の向上なり経営の近代化並びに従事者の生活の改善をはかるために改良普及事業が実施されているわけでございますが、今の調査なり試験研究と相待ちまして、その改良普及事業をさらに強化し、活用いたしていくべきことを十一条で規定いたしているわけでございます。
 最後に、こういうような施策を進めて参りますためにいろいろな重要事項を定めていく上につきましては、農林大臣は中央漁業調整審議会の意見を聞かなければならないということを規定いたしたのが第十二条でございます。そのために審議会の委員の数をこの法律案の実施に伴いまして十名増員いたすということで、附則でそのため漁業法の改正を定めているわけでございます。
 これが、法律案の各逐条的な内容についての御説明でございますが、なお、これに伴いますいろいろな数字的な資料その他につきましては、現在取りまとめ中でございますので、近くまとまり次第、できるだけ早く御提出申し上げたいというふうに考えております。
#11
○委員長(櫻井志郎君) 以上をもって補足説明の聴取を終わりました。
 なお、この際、資料その他について御要求、御質疑等ございましたら御発言願います。
#12
○天田勝正君 資料の要求ですが、今回提案された四つの法律案のうちで、審議会というのは中央漁業調整審議会というのと、漁港審議会の二つ出て参りましたが、そこで私、資料を必要としますのは、農林省関係の各種のこれらの審議会のそれぞれの待遇、それから開催数、昨年度でもいいです。それから出席状況、こういうものを表にしてひとつ出していただきたい。
 それから、なおつけ加えますと、議運でしょっちゅう問題になるのでありますが、各種審議会の委員の国会の承認を求める際に、どれもこれもきわめて重要なりとして説明をするわけでありますけれども、さて、その待遇になりますと、総理大臣をはるかにこえる年間三百六十万円なんというものがあるかと思えば、一方においては日当だけで千二百円というのがある。私の記憶では漁港審議会なんかしょっちゅうそれに該当して、たしか二千四百円じゃないかと思います。この節出てきて夜おそくなろうものなら、それは夕めしも食えない。そうすると多少の重要度といいますか、差等があるのはやむを得ないとしても、とにかく三百六十万円から千二百円では、あまりにとんでもない話なんで、この際、審議する際に比較してみたいので、農林省関係だけでいいですからお出し願います。
#13
○委員長(櫻井志郎君) わかりました。委員長においてできるだけ善処をいたします。総務課長、大体状況おわかりになったと思いますので、ただいまの資料は早急に整えることができますね。
#14
○説明員(八塚陽介君) すぐできます。
#15
○委員長(櫻井志郎君) わかりました。
 他に御発言もなければ、本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時四十七分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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