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1962/02/19 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第9号
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1962/02/19 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第9号
昭和三十八年二月十九日(火曜日)
   午前十時二十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           仲原 善一君
           渡辺 勘吉君
           北條 雋八君
           森 八三一君
   委員
           井川 伊平君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           梶原 茂嘉君
           木島 義夫君
           重政 庸徳君
           中野 文門君
           温水 三郎君
           藤野 繁雄君
           堀本 宜実君
           大河原一次君
           大森 創造君
           亀田 得治君
           北村  暢君
           矢山 有作君
           牛田  寛君
           天田 勝正君
  衆議院議員
   発  議  者 石田 宥全君
  国務大臣
   農 林 大 臣 重政 誠之君
  政府委員
   農林政務次官  大谷 贇雄君
   農林省農政局長 斎藤  誠君
   農林省農地局長 任田 新治君
   林野庁長官   吉村 清英君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   農林省農政局普
   及部長     原  政司君
   農林省農地局管
   理部長     桧垣徳太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○土地改良区の財政の再建に関する特
 別措置法案(衆議院送付、予備審
 査)
○農業改良助長法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○狩猟法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○開拓者資金融通法の一部を改正する
 法律案(内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開会いたします土地改良区の財政の再建に関する特別措置法案を議題とし、提案理由の説明を聴取することにいたします。衆議院議員石田宥全君。
#3
○衆議院議員(石田宥全君) 土地改良区の財政の再建に関する特別措置法案の提案理由の御説明を申し上げます。
 ただいま議題となりました土地改良区の財政の再建に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由を説明申し上げます戦後の土地改良事業は、農地制度の大改革と相並ぶ国の最も重要な施策の一環として、自作農を中心とする農業経営の合理化と農業生産力の発展をはかり、食糧その他の農作物の増産によって、農業の国民扶養力を引き上げ、ひいては国民経済の成長と発展に寄与することを目的として強力に推進されましたが、一方では、これが法的体系の整備のために、昭和二十四年土地改良法が制定されたのであります。
 自来今日まで数次の改正を見、現在さらにその改正の気運が高まっており、本法を根拠に土地改良事業の実施、土地改良区等の設立運営が行なわれ、農民諸君の努力と相俟って、わが国食糧農業問題の前進のため多くの成果を上げて参たことは御承知のとおりであります。
 最近の実績を徴しまするに、昭和三十七年度(三十七年度だけは推定)までに事業費で約二千二百九十三億千六百六十三万円余(このほかに干拓事業費五百四十二億四千四百八十七万円余、開拓事業費千五十三億六千二百八十八万円余)完成受益面積約二百三十七万二千百ヘクタール(このほか干拓一万五千五百九十九ヘクタール・開拓五十二万四千八百三十九ヘクタール)に達し、栽培技術の進歩向上に助けられつつ、農地なかんずく水田の生産力は飛躍的な増大と安定を見ることとなったのであります。昭和三十年以降、六年続き七年続きの豊作がうたわれておりますが、水稲におきましてはすでに千二百万トン台の生産水準をもって平年作とすることが今日の常識となるに至っているのであります。
 このように土地改良事業は土地生産力の発展に役立っておりますると同時に、一面においては、農業労働の軽減による労働の生産性の向上に裨益して参った事実を否定することはできないと思うのであります。
 戦後の土地改良事業はかような効果を上げてまいりましたが、同時にまた、今なお全国には数百万ヘクタールに達する要土地改良面積が残されており、さらに、新時代に即応し、富産農業、果樹農業等の振興のため強力なる畑地対策の推進が要請せられておるのであります。
 われわれといたしましては、新規土地改良事業の着工はもちろん必要と存じますけれども、現在の土地改良事業がその内部に持つもろもろの欠陥、すなわち、事業進度の遅延による経済効果の減殺、事業の一貫施行体制の不徹底、営農技術指導の不十分、事業完了後の施設の維持管理方式の不備、農民負担の過重等各種の問題点に真正面から取り組み一つ一つこれを解決すると同時に、他産業との所得格差が漸次拡大しつつある今日の情勢下におきましては、さらに高い次元に立って、農業共同化、近代化を推進する必要のあることを認めており、これがためには、農業生産基盤の整備拡充とその制度の確立、なかんずく土地改良事業の完全実施こそが絶対的要件であると信ずるものであります。
 われわれは去る三十六年二月十七日、国の責任において積極的かつ計画的に農用地の大規模な拡張、土地条件の整備及び共同化による経営の拡大と近代化を促進すること、さらに農業基本計画に基づく農業年度計画の実施に必要な予算を確保し、全額国庫負担による農用地の造成、土地改良及び集団化による農業生産基盤の整備をしなければならないことを明示したところの農業基本法案を国会に提案したのでありますが、廃案のやむなきに至りましたことは、はなはだ遺憾とせざるを得ません。
 しかしながら、われわれは以上の趣旨により土地改良法の抜本改良を主張するものでありますが、ここに至るまでの間におきましても、いたずらに手をこまぬいて待っているわけには参らぬ緊急の課題が生じているのであります。すなわち、それは、土地改良区の財政を再建して、その体質改善をはからねばならぬということであります。御承知のごとく、土地改良区は、団体営土地改良の主たる事業主体として、または、国営あるいは県営により施行せられた農業施設の管理主体として、土地改良法に基づいて設立される公共団体でありますが、あたかも全国の多数の市町村や農業協同組合が財政上の危機や経営面の困難に見舞われ再建整備に苦慮いたしておりますが、それと同様の運命に陥りつつあるのであります。
 土地改良区の設立状況は、昭和三十七年度現在において一万三千三百二地区、その関係面積は三百二十二万九千二百十七ヘクタールでありますが、農林省の調査によりましても、大なり小なり経営の不振に悩む土地改良区の数は一万、専任職員の設置すらできないものはその八割にも達するものと目され、これらのうち著しい事業の不振団体は二百七地区、延滞額は九億六千五百五十四万九千円であると報告せられておりまするが、さらに詳細な調査をいたしましたならば、不振団体はおびただしい数に上るであろうと想像されるのであります。しかして、そのよってきたる原因はさまざまでありますが、その主たるものは、国営、県営及び団体営の各級事業が一貫施行せられず、多くのものが、経済効果の発生しないうちに借入金の償還に入ること、あるいは事業進度の遅延により金利が増大すること等、結局は農民の負担力の限界をこえて過重な金銭が賦課され、多額の延滞を生じて業績不振に陥っているものと認められるのでありまして、国または都道府県の側における指導や施策に適切を欠き、そのしわ寄せを受けているところに根本原因があると断ぜざるを得ないのであります。土地改良区が健全な運営を行なわない限り、農業生産基盤整備の画期的な前進を望むべくもないのでありまして、かくては農業基本施策の確立そのものも画餅に帰することは明らかであります。
 ここにおいて、われわれは、かかる不振土地改良区に対し、国、都道府県及び農林漁業金融公庫等が一体となって、その借入金について、利子補給、貸付条件の緩和等の措置を行ない、もってその業務の円滑な遂行を期することが必要であると認め、本案を提出した次第であります。
 以下その内容について申し上げます。
 第一に、債務の弁済が著しく困難な土地改良区につき、その財政の再建のため必要な援助措置を行なうことにより、その業務の円滑な遂行をはかることをこの法律の目的といたしております。
 第二は、債務の弁済が著しく困難な土地改良区は、財政運営の現況及び債務の償還計画、農林漁業金融公庫または農林中央金庫から受けることを必要とする援助の内容、事業の実施に必要な資金の調達方法、業務執行の体制を改善するための措置、事業の実施に関する事項等を内容とする再建整備計画を作成し、これを都道府県知事に提出して、その計画が適当であるかどうかの認定を求めることができることとし、その申請は昭和四十年三月二十一日までにすることにいたしておりますまた、土地改良区が再建整備計画を作成する場合には、その組合員の三分の二以上が出席する総会において、その議決権の三分の二以上の多数による議決を必要といたしております
 なお都道府県知事が、この計画を認定する場合には、農林省令で定める基準に従って行ない、かつ、認定するときには農林漁業金融公庫または農林中央金庫の意見を聞かなければならないこととしております。
 第三に、農林漁業金融公庫は、再建整備計画が適当である旨の認定を受けた土地改良区に対し、その計画達成のため必要な資金の貸付または貸付金にかかる償還期限の延長、利子の減免その他の貸付条件の変更をするものとし、その場合の償還期限の延長は、農林漁業金融公庫法の定める償還期限をこえて十年を限り行なうことができることといたしております。
 第四は、都道府県知事は、土地改良区に対し、再建整備計画の作成及び実施につき必要な指導を行なうものといたしております。
 第五に、国は、毎年度予算の範囲内において、都道府県に対し、再建整備計画が適当である旨の認定を受けた土地改良区に対して、その計画の達成のため債権の利息を減免した農林中央金庫に対し、その減免した利息の額の全部または一部に相出する金額を、都道府県が補助した場合の経費については三分の二を、土地改良区に対し、その計画の達成に必要な事務費の全部または一部に相当する金額を都道府県が補助した場合の経費についてはその全部を、それぞれ補助することといたしております。
 以上が本案の提案理由とその内容であります。何とぞ御審議の上すみやかに御可決賜わらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(櫻井志郎君) 以上をもちまして説明は終わりました。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(櫻井志郎君) 次に、農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします大谷農林政務次官。
#6
○政府委員(大谷贇雄君) 農業改良助長法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 申すまでもなく、国及び地方公共団体におきましては、農業基本法に基づき、農業構造の改善や農業生産の選択的拡大等の諸施策を推進しつつあるのでありますが、これに対応し、農業経営の近代化、生産の選択的拡大及び農民生活の改善をはかるための技術指導に加え、次代の農業経営を担当するにふさわしい農村青少年を育成するため、農業に関する普及事業を充実いたしますことは、最近における農業及び農民生活をめぐる諸事情の推移とも関連して、特に配慮いたすべき重要な問題となっていると考える次第であります。農業に関する普及事業は、農業改良助長法に基づき戦後制度化されて、十数年を経、その間種々改善強化されて参ったのでありますが、農業改良普及職員の活動範囲は、逐年著しく拡大しつつあるばかりでなく、その普及内容におきましても、生産性の向上、の選択的拡大の方向に即するものであることが要請されているとともに、急速な技術革新にも即応し、また農業経営という広い観点から行なわれる総合的かつ高度な指導が必要となっているのでありますこうした事態に対処し、活発な普及指導活動を展開いたしますためには、普及事業に従事する専門技術負及び改良普及員にりき、その資質の向上をはかるため研修の強化、人材の採用等に努めることはもちろん、普及指導活動の体制を整備し、試験研究機関とも連絡を緊密にする等の措置を講じ、指導力の強化をはかることが必要と考えるのであります。
 また、さらに専門技術員及び改良普及員の職務は、教育職に近似する高度の職務内容を有し、また巡回指導を主体とする不規則かつ強度の勤務を伴い、しかもその職務の複雑困難の度は、最近の農業事情を反映してますます加重しつつある実情であります
 これらの事情にかんがみまして、農業改良助長法の一部を改正し、都道府県は、条例で定めるところにより、専門技術員及び改良普及員に対して、農業改良普及手当を支給することができるものとし、その支給法及び支給割合について所要の規定を設けることといたしますほか、専門技術員の事務を明確化し、特に普及事業と試験研究との連係の強化に関する規定を設けますとともに、専門技術員及び改良普及員の研修につき、都道府県知事が、その計画的実施に努めるよう規定することといたしまして、右の要請にこたえることといたしたいのでございます。
 以上が、この法律案の提案理由及びその主要な内容でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(櫻井志郎君) 次に、本法律案について、補足説明及び提出資料の説明を求めます。斎藤農政局長。
#8
○政府委員(斎藤誠君) 私から、農業改良助長法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明をいたしたいと存じます。
 お手元に、ガリ版で二枚つづりの資料が御配付申し上げてございます、
 農業に関する普及事業は、昭和二十三年に制定されました農業改良助長法に基づく国と都道府県とによる協同事業として、専門技術員及び改良普及員の設置とこれらの者による教示及び実地展示を行なうことを基幹として実施して参ってきたのであります。昭和三十七年度における専門技術員の定数は八百八名でございまして、うち、生活改善関係百八十四名でございます。改良普及員の定数は一万二千八百十七名でございまして、うち、生活改善関係が一千八百八十名となっております。昭和三十三年に法制化されました農業改良普及所は、全国で一千五百八十六カ所でありまして、これに改良普及員が所属して活動いたしておるわけでございます。発足後十余年を経過いたしまして、普及事業の基礎もようやく固まって参ったのでありますが、提案理由の説明にもございましたように、新しい時代の要請にこたえ、この際普及事業を積極的に刷新強化する必要が生じているのでありまして、これがため政府におきましては各般の施策を強力に推進する考えでございます。
 すなわち、専門技術員及び改良普及員の資質の向上をはかるため、改良普及員の資格を四年制大学卒業、またはこれと同程度まで引き上げる方針を明らかにし、またこれと関連して、研修につきましては、昭和三十八年度におきまして、農業改良普及員の国立大学農学系学部への留学研修の制度を設けることにいたしますとともに、畜産、園芸等成長部門に関する特技を付与することを目的として昭和三十三年度から実施して参りました農業改良普及員特技研修、生活改善の普及職員の研修等についても、その拡充を行なうことといたしております。
 また、生活改善普及組織を整備することといたしまして、昭和三十八年度におきましては、生活改良普及員百七十名、生活改善専門技術員四十六名の増員を行なうことといたしております。
 以上申し述べました措置とあわせて普及事業の分野に優秀な人材を確保するため、その勤務の実態に即し農業改良普及手当を支給することといたしましたことは、提案理由において御説明申し上げましたところでございます。
 以下条文に即しましてその内容を御説明申し上げます。
 改正案の第一点は、第十四条の二第二項及び第三項に書いてありますように、専門技術員の事務に関する規定を整備しようとするものでございます、第二項では、専門技術員の現行の事務のほかに、新たに、市町村等と密接な連絡を保ち、専門の事項の総合並びに普及指導活動の技術及び方法について改良普及員を指導することを新たに加えることといたしました.第三項は、普及事業と試験研究との連係を強化するための規定でありまして、都道府県が専門技術員を関係試験研究機関に駐在させ、普及事業に必要な試験研究に参加させること等必要な措置を講ずるものとする旨を規定しようとするものでございます。
 改正の第二点は、第十四条の四でございまして、専門技術員及び改良普及員の研修に関する規定でございます。農業改良普及手当の支給とも関連して、今後専門技術員及び改良普及員の研修を大いに強化する方針でありますが、任命権者たる都道府県知事において、この研修を計画的に実施するよう努めなければならない旨を規定することといたしたわけでございます。
 改正の第三点は、第十四条の五でございますが、専門技術員及び改良普及員に対して支給する農業改良普及手当に関する規定でございます。都道府県は、農業改良普及手当を月額をもって定率で支給することができるものとし、その支給割合は、専門技術員にあっては百分の八、改良普及員にあっては百分の十二以内において条例で定める割合とする旨を規定することといたしております。
 なお、附則につきましては、第一項で、この法律の施行期日を昭和三十八年四月一日とすることといたしております。附則の第二項は、地方自治法が地方公共団体の常勤の職員に対して支給することができる手当を列挙しておりますので、これに農業改良普及手当を加えようとするものであります。
 以上が、農業改良助長法の一部を改正する法律案の補足説明でございます。
#9
○説明員(原政司君) それでは、私から、お手元に御配付申し上げました関係資料について御説明をいたしたいと存じます。横書きの「農業改良普及事業の現況」という資料がございますので、これにつきまして御説明を申したいと存じます。
 お開きいただきますと、目次がございまして、載せました内容といたしましては、第一が普及職員の設置の状況でございます。第二番目が普及事業関係の予算でございまして、第三番目が普及職員の現況それから資格試験の状況でございます。次に載せました資料といたしましては、めくっていただきまして、普及職員の研修に関する資料でございます。五番目といたしまして普及職員の活動状況に関係する資料でございます、六番目は農村青少年教育及び婦人の活動に関する資料でございまして、たいへんどうも印刷が不鮮明なできでございまして、恐縮しておりますが、どうぞあしからずお許しをいただきたいと存じます。
 内容につきまして要点を若干御説明さしていただきたいと存じます。
 ただいま申し上げましたように、一番目は普及職員の設置の現況でございますが、先ほど農政局長から御説明を申し上げましたとおりのことを、そこで表といたしまして三十七年と三十八年を掲示をいたしたのでございます。専門技術員の欄がございますが、専門技術員の欄に(一)と(二)とございますが、これは今回一部改正につきまして御提案を申し上げておりまする専門技術員の職員の職能が一号と二号というふうになっておりますので、御提案の内容に即しまして専門技術員の定数をそこに掲げたのでございます、ごらんのように、特に生活改善につきましては、諸先生方の御援助をいただきまして、若干ではございますけれども、着着と増員をさしていただいておる次第でございます。なお農業改良普及職員、上欄のほうでございますが、農業改良普及員につきましては、三十八年が若干名減少した格好になっておりますが、これは普及員のほうから専門技術員、特に(二)号でございますが、(二)号に移しかえをいたしておりまするので、さような関係で、全体といたしましては変わりはございませんが、内容の組みかえということでございます。それが全体の定数関係でございまして、めくっていただきますると、そこに専門技術員、それがどういう分野で設置されておるかということが、全部農業と生活につきまして書いてございます。
 五ページに参りまして、普及事業関係の予算の一覧表がございますが、普及事業全体の総締めといたしましては、おそれ入りますが八ページをごらんいただきますると、八ページの一番最後の総計といたしまして、普及事業関係の全体の予算の総計をそこで載してございます、一番右のほうに三十八年度がございまして、前年度に比べましてかなり大幅の引き上げをしてもらっておりますが、この内容は先ほど提案理由の御説明にもございましたように、改良普及職員の手当でございまするとか、研修その他の関係の整備に要する経費でございます。なおその内容を、それぞれ若干内容の分類をいたしまして予算を説明申し上げたのが五ページないし六ページ、七ページということになっております。五ページは、いわゆる普及事業プロパーの経費でございまして、七ページの(二)は講習関係の費用でございますし、七ページの下段の(三)は青少年関係の研修あるいは活動促進に関係をいたしました予算の一覧でございます。
 なお九ページに参りますると、普及職員の現況と資格試験の状況に関しまする資料を掲載しております、九ページの上のほうをごらんいただきますと、今日農業改良普及事業に関係しておりまする職員は、専門技術員につきましては大体四十代、四十四才から五十才ぐらいの何といいますか、経験も豊富で円熟いたしました方々が中心となっておりますが、改良普及員につきましては、現場で非常に活動がきびしいという点等もございまして、平均年齢ははるかに若くなっております、生活改善は、下の欄にございますが、専門技術員のほうがより経験豊富な方々だという点には変わりはございませんが、総体といたしまして生活関係の職員のほうが若干若くなっております。なお下のほうには学校卒業別の今日の職員の構成を掲げております。先ほど提案理由の説明にあたりまして、農村で今日新しく学校を出て農業をやられる方々に非常に高等学校卒業者等がふえて参りまして、また技術も非常に高度化して参りましたので、普及職員の資質、学歴の向上ということが非常に問題になっておりますが、その学歴に関しまする表を掲上いたしたのでございます。大学、短大、それから高校というふうになっておりますが、まだ遺憾ながら、学歴も非常に高い方々の割合は、専門技術負は別といたしましても、普及員につきましてはさほど高い割合ではございません。
 次は、十ページは同じようなことが生活改善普及事業関係職員について記載しております。
 それから十一ページにつきましては、新規採用をいたしておりまする職員の学歴別の構成がいかようになっているかという表でございますが、この表と前の表をごらんいただきますると、近年とみに、とみにと申しますか、だんだんに大学出あるいは短大出、そういった方々の比重がわずかではございますけれども、だんだんに下って参っておるということがごらんいただけるかと存じます。
 十二ページは、これは同様に生活改善に関連いたしまする分野でございます。
 それから十三ページは農業改良あるいは生活改善に関しまして、専門技術員あるいは改良普及員につきましては、一定の資格要件を備える必要がございまするので、資格試験を実施しておりまするが、その受験者あるいは合格者の状況を一覧にしたものでございます。
 それから次に参りまして、十四ページは普及職員の研修でございます。先ほど提案理由の御説明でも申されましたように、普及職員の資質の向上ということが非常に重要な問題になっておりまするので、明年度は一段と力をいたしまして研修を充実して参りたいということで考えておりますが、その計画の内容を一表にいたしたのでございます。
 十四ページの農業改良普及員に関しましては、特にa、b、c、dのdのところでございますが、大学留学研修というのを文部省にお願いを申し上げまして、三十八年度から新たに実施をすることになったのでございます。これは国立大学の農学系大学に一カ年間留学を普及員さんにやっていただく、さようにいたしまして基礎学科並びに専門学科を勉強していただくというねらいでございます、さような新しい試みも加わっておりますことを申し添えておきます。
 十五ページは、同様な生活改善関係のことでございまして、十六ページから今一覧表になっておりまする研修計画を、それぞれにつきまして研修機関でございますとか、研修の場所でございますとか、あるいは対象その他、一覧表の内容を掲載したものでございます。
 さようにいたしまして、三十一ページに参りますると、三十一ページには、普及職員の活動の状況がございます。活動状況につきましては三十一ページには専門投術員の年間、どういう時間の配分で仕事をさしていただいておるか、それの現況をそこに掲げたのでございます。何と申しましても専門技術員の主たる任務は、改良普及員に対しまする指導でございまするので、普及員の指導がそれぞれ約半数に達しておりますが、ごらんのように試験研究機関との連絡、あるいはみずからの実験研究、あるいは農林行政その他との連絡調整ということも重要な仕事の中身となっております。
 次にめくっていただきますと、三十二ページにございます表は、これは現場で働いております普及員の年間活動状況でございまして、これは一番上の欄にございますように、直接農民に接触いたしまして、農家の御相談相手になるというのが任務でございますので、過半の時間を農民の指導に費しておりますが、みずから検修し、あるいは市町村、農業団体、学校等との連絡、あるいは打ち合わせというような事務も相当の量でございます。
 次にございまする表は、農業改良普及員の仕事が、非常にたいへんだというように現場職員も申しますし、また、諸先生方にもいろいろ御注意をいただいておりますが、今日の普及員の一人当たりの担当と申しましょうか、負担する農家の戸数はどういうふうになるかということを示しました表が、三十三ページの上の(3)表でございまして、農業改良普及員につきましては五百五十四尺生活改善につきましては三千二百二十二戸というふうに、非常に生活改善のほうの仕事がたいへんだということになっております。
 次に、下のほうの(4)は、普及所というのが農業改良助長法によりまして、研究の機関として設置されておりますが、それがどういう大きさで設置されているか、それを一覧表にいたしたものでございます。ごらんいただきまするように六名−十名、あるいは十一名−十五名というそういう中規模のものが一番多いのでございまして、長い間の経験その他からいたしまして、やはりその辺が、一般的には適当な規模ではないかというふうになっております。しかし、山間地あるいはその他の地形等によりまして、小さな地区、あるいはより大きな地区等がもちろんございます。
 次の三十四ページは、農村青少年の教育に関する表でございますが、御承知のように、各県に経営伝習農場というのがございまして、中学を卒業いたされました農家の子弟で、特に新しい技術を身につけたいという方々に入っていただきまして、一年間勉強していただいておりますが、そういう経営伝習農場が、各県で今日五十三農場ございまして、入っておられます生徒の数は、三千七百二名ということになっております。なお経営伝習農場に、先年来農村青年の研修を目的といたしまして、青年研修館というのを敷設して参っておりますが、その数が今日二十六カ所ございます。その備考欄に、どういう県に設置されているかということが書いてございます。
 その次の表は、農村青少年クラブの活動状況でございます。農村青少年の教育の一つの特徴といたしまして、青少年のグループによる自己練磨並びにグループを対象といたしました一種の課外教育ということに、いろいろ心をいたしておりますが、そのグループ活動の状況を示したものが、三十五ページの(2)の表でございます。ごらんいただきまするように、最近、農村に残ります子弟が非常に急速に減って参りました関係もございまして、グループの数と申せ、またそれに参加しておりまする青少年の数につきましても、急激に減少をしております。これは農村に残る青年の減少と相関連しておることだろうと存じます。下のほうの生活改善につきましても、同様に、生活改善をいたしまするにつきまして、グループを形成いたしまして、相互に研さんをし、相携えて改善をやって参る、そういうグループがございますが、改善グループは、ごらんのように、一万三千、それから員数といたしまして、二十七万三千ございます。
 それから次の三十六ページは、ただいまちょっと申し上げましたように、最近、学校を卒業いたしまして、農業に従事いたされる農家の子弟が漸次減少をしております。それを文部省の学校基本調査によりまして、二十六年以降、三十七年までを表にいたしたのでございます。二十六年当時でございますと、下のほうの計欄の三行目にございますように、「農業就職者数(c)」とございますが、計といたしまして、四十三万一千五百三十六名が農業に残っておりますが、もちろん、その大半は中学校卒業者でございます。一口に申し上げまして、約四十万前後の新しい農業に残る者があったといわれておりますが、それがごらんのように、昭和三十七年になりますというと、八万一千三百八十二名ということになっております。なお、前年が七万六千で、若干増加したことになりますが、これは、戦後の学童が急に増加するという、そういう学童数全体の関係等が重なっておりまして、三十七年は三十六年よりも若干名増加しております。しかし中身についてみますというと、次のページの下の欄に、新規農業就業者の学歴別比率という表を計上しておりますが、これは(4)にいろいろこまかく書いておりまするのを、全体を一〇〇といたしまして、学校の制度別の割合にいたしたのでございます。それでごらんいただきますというと、近年農業高等学校あるいはその他の高等学校、そういう高等学校卒業者の占める割合がかなり高くなっているということがごらんいただけるかと存じます。なお、農業高等学校とその他の高等学校との内訳は、内訳として計上しておりますが、ごらんのように残る数は非常に少なくなっておりますけれども、残りました質といたしましては、急速に高くなっているというふうに見受けられるのであります。
 以上たいへん端折りましたが、お手元に御配付申し上げました資料の大要を御説明さしていただいた次第でございます。
#10
○委員長(櫻井志郎君) 以上をもちまして説明は終わりましたが、この際何か御発言のおありの方は御発言願います。
#11
○渡辺勘吉君 資料を一つお願いしたいのですがね。それは今説明があった資料の五ページにある事業経費ですが、これの三十八年度の予算案の内容の一部をなしている三十八年度の普及職員の本俸、諸手当別の国庫補助の単価ですね、この一覧表と、それからごく新しい時点のこれらの普及員の現員現給表、対照になる資料として提出してもらいたいと思います。わかりましたか。
#12
○説明員(原政司君) はい、わかりました。
#13
○渡辺勘吉君 一番新しい時点は、いつを押えておりますか。
#14
○説明員(原政司君) 三十七年の四月一日現在でただいま提出いたしました。
#15
○渡辺勘吉君 じゃ四月一日現在の現員現給表、対照できるように内訳で、予算単価のほうと一緒に御提出を願います。
#16
○委員長(櫻井志郎君) 次に、先に説明を聞きました狩猟法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行なうことにいたします。
 質疑のおありの方は、御発言を願います。
#17
○亀田得治君 いずれ、本法律案につきまして、各本条につきましてお尋ねをしたいと思うのですが、本日は、総括的に基本的な問題について若干お尋ねするわけです。
 で、私かねがね考えておることでありますが、この現在の狩猟法の体系というものは、原則としては狩猟家が全国どこで狩猟をしてもよろしい、一定の場所に対してだけ、例外的に、できない、あるいは制限した場所というものを作っている、こういうことになっておるわけですが、実はこの点を逆にすべきではないか。原則として狩猟は勝手にできないのだ、狩猟をする場合には特定な場所を、これはまあ法律に基づいていろいろ規定を作ったり、行政上の措置も必要になろうと思いますが、そういうふうなやり方で、特定な場所を作ってそうしてそこでやらすと。まあやり方についてもいろいろこまかい点はたくさん問題になるわけですが、基本的にはそういうふうに改めるべきではないかというふうに考えておるわけでして、しこうして、これは決して私などの個人的な考えでもないわけでして、たとえば先だってお願いして御提出を願いましたこの審議会の答申から見ましても、やはりそういう考え方が新しく生まれて参っておるわけですね。で、今度の狩猟法が改正されるということで、実は私たちそういう点に大きな一つの期待を持っていたわけなんですが、その点が採用されないで、そうして体系そのものは従来と大同小異、まあ改正案を出された立場からすれば、相当手をつけたつもりだとおっしゃるでしょうし、またそういう苦心の跡もこれは一応はわかるわけですが、もっといろいろな情勢等を考えますと、抜本的にこの際踏み切って立案をすべきではなかったかというふうに考えておるわけですが、この辺の事情についてまずお考えを承りたいわけです。
#18
○政府委員(吉村清英君) 亀田先生の御指摘でございますが、私ども、先生の御指摘のように、鳥獣審議会からもそういった答申を受けておるわけでございますが、で、それに基づきまして私どももいろいろと検討をいたしましたのでございます。非常に貴重な御意見としていろいろな観点から検討をいたしました。その結果今回の改正におきましては、やはり長年のいきさつ等もございまして、この答申のままの改正ということはいたさなかったのでございますが、しかしながら、この鳥獣の保護という面につきましては、法律の趣旨から、目的から申し上げましても、かなり積極的な方途を講じられるようにいたしましたわけでございまして、そういう点からいたしましても、私どもとしては、その線に沿って一歩を踏み出したということを考えておるのでございます。御指摘のように、この法律におきましては、鳥獣保護区あるいは休猟区等を指定をいたしまして、猟のできないところ、保護をするところを指定をいたしておるわけでございますが、また一面には猟区の制度もさらに検討をいたしまして、そういった猟区におきまして十分にまあ目的が達せられますように、今後さらに努力をいたしまして、御意見のような方向に進めるように努力をいたしたいというように考えておる次第でございます。
#19
○亀田得治君 この御配付いただきました資料を見ましても、この審議会の構成メンバーは、各界の人がそろっておるわけなんですね。決して鳥獣を保護するという関係の人だけではない。猟友会の関係なり、狩猟区画の責任者なり、そういう諸君も参加され、あるいはこの取り締まりの関係にある法務省なり警察の関係等も参加されて、そうしてでき上がったこれは答申であります。で、鳥獣が非常に減ってきておると、しかも今後の情勢から見ても、猟をする人が多くなって減る面もあるが、しかし、日本の国土のいろいろな面からの改造、そういう面からもとかく減る要素が多いわけなんです。いろいろな点から見てもですね、それからこの答申を出されたこの諸君のメンバーから見ても、なぜ、その筋の通った私はこの考え方だと思うのですが、採用されなかったのか。どうもその辺に納得いかないものあがるわけなんです、この答申というものが、野鳥などを保護する立場の人だけであったというのであれば、また別でしょうがそうではない。いろいろな人が参加していろいろな角度からの討議の結果こう出ておる結論でもあるし、ただいま長官のお答えを聞きましても、まあ猟区等のこの運用よろしきを、得るようにして、私が申し上げたような方向に持っていくようなつもりだというふうに言われておるわけなんですが、そういうことであれば、原則というものを私が申し上げたように、あるいは答申の結論のようにきちっと法律で作って、ただしこれは相当大きな改革になりますから、そこへいくまでの経過期間として何か適当な措置を考えるというくらいにして、もっと大胆にやってほしいというふうに考えるわけなんです、そういうことはう一体相当論議になったのですか、どうですか。この審議会では議論になってこういうことになっているわけですが、その法制化の過程がどういうことであったのか、もう少し明らかにしてほしいわけです。政府委員(吉村清英君) この問題は、御指摘のように非常に議論の多いところでございまして、審議会におきましても賛否両論ございまして、なかなか十分な結論というものが出にくいような状態でもあったわけでございます。で、最終的にあのような結論が出たわけでございますが、その後この問題を受けまして、私ども検討をいたしましたのでございますが、この猟のできる場所を指定をいたしますということも、また猟のできない場所を指定をいたしますということも、これはまあうらはらにもなるかと存ずるわけでございますが、この場合、現在のわが国の狩猟の今までの実情から考えてみますと、狩猟のできる場所のみを指定をするということは、技術的にもなかなかむずかしい点もあるわけでございます。鳥獣保護地区あるいは休猟区等を指定をし、また同時に猟区を作って参るということを考えて参りますと、まあこの法律できめております方法でも、その目的は達せられるのではないかということからこの結論を出したわけでございます。
#20
○亀田得治君 審議会のこの点に関する結論は、まあいろいろ経過的には議論はあったでしょうが、満場一致なんでしょう。ちょっと答えて下さい、
#21
○政府委員(吉村清英君) さようでございます。
#22
○亀田得治君 今、長官は、猟のできる場所を指定するというやり方は、技術的にもむずかしい点があるというふうなことも一つの理由として言われたようでありますが、これは私はむずかしいのがあたりまえだと思うのです。今までの観念ですと、どこででも猟をする。例外的にしないところ、そこだけを気をつければよい、どこでもやるのだ、そういう間違った惰性がありますからね。原則と例外を逆にしますと、はたと困るような感じが私は一応すると思うのですが、しかしまあ、専門家が寄って出した結論ですから、不可能なことを私は結論づけているとも思わない。慎重にやればこれはできるものだと思うわけでして、これはひとつ今後猟区をうまく運用して、みなが猟区でやるようになれば、あるいは大した摩擦もなしに、今度は法改正をやって原則と例外を逆にできるという下地もできるかもしれないと私も思うのですが、まあこれは一つの重要な問題として今後運用面では考えてほしいと思う。
 そこでさらに聞くわけですが、現在の猟のできないというところは、日本全体の面積の何パーセントに当たるのですか。
#23
○政府委員(吉村清英君) お答え申し上げます。日本の森林面積の約三%でございます。九十三万ヘクタールが鳥獣保護区あるいは禁猟区になっております。
#24
○亀田得治君 今度の法改正になりましても、この点はきほど変わらないのと違いますか。どういう考え方でしょう。
#25
○政府委員(吉村清英君) 今度この法が改正になりますと、鳥獣保護区は将来大体目標といたしましては百五十万ヘクタール程度までにふやしたいという考え方を持っております。そのほかに休猟区がまあ五分の一程度と考えまして、四百五十万ヘクタールぐらいがこれはローテートされて出てくるというように考えております。
#26
○亀田得治君 私は現状に比較してうんと飛躍的にふやしてほしいと思っている立場からお聞きしたわけですが、先ほど、現在では三%となっているわけですすが、現状と比較すると、どういうことになりますか。
#27
○政府委員(吉村清英君) 鳥獣保護区それから休猟区を加えますと、ざっと六倍以上になるかと思います。
#28
○亀田得治君 大体の予定地などは資料がそろっているわけでしょうね。
#29
○政府委員(吉村清英君) この鳥獣保護区のほうでございますが、鳥獣保護区のほうは、基準で定めましてそれぞれ都道府県知事が指定をするようになると考えておりますが、休猟区のほうは大体二割くらいずつ三年間、その地域ぐらいずつを一期といたしまして逐次ローテーションをしていくということになるわけでございます。
#30
○亀田得治君 農林省のほうとして、どこそこの府県ではどことどこと、どの程度というふうな研究といいますか、御検討はできておるわけでしょうか。まあこれはおおまかなところのことででしょうが。
#31
○政府委員(吉村清英君) 私どもの考え方といたしましては、森林一万二千五百ヘクタールに対して大体三百ヘクタール程度のものを考えているわけでございます。どこどこというような具体的な場所については、まだ十分に検討をいたしておりません。
#32
○亀田得治君 そうすると、相当広くしたい、そういうことですね。で、たとえば、これも資料をいただいたわけですが、西ドイツあたりも日本と狩猟人口が大体同じくらいのようですが、猟のできる場所、これを特に特定して、そこだけでさせる。猟のできるところを特定してこういう制度をとっているようですね。で、この鳥獣の数などが日本のほうがうんと少なくなっているのでしょう、西ドイツ等に比較して。欧米全体では十分の一だといったような書き方がされておりますが、西ドイツなら西ドイツ一国と比較するとどういうことになるのですか。鳥獣のたくさんいる西ドイツのほうでは、そういうふうにしても、もう原則は禁止だ、猟をする人はこことここなんだ、こういうふうにやっているわけですがその点日本のほうが鳥獣が非常に少なくなった。大勢としては、むしろ逆という感じを受けるわけですが、どうでしょう。
#33
○政府委員(吉村清英君) 西ドイツと日本との狩猟鳥獣密度の比較というのは、ちょっと私ども手元にも資料がございませんし、おそらく十分なことはわからない、と思うのでございますが、大体一般に専門家から言われているところでは、そういった欧米諸国の一割程度じゃないかということを言われている程度でございます。御指摘のように、西ドイツあたりでは私有あるいは公有の猟区のみで狩猟はする。日本は非常に鳥獣密度も少ないのに、どこででも狩猟ができると申しますか、いわゆる乱場というようなものがありまして、そういうところはどこでも狩猟ができるというような制度は、まことにおかしいじゃないかという御指摘はごもっともでございますが、遺憾ながら、まあ私ども従来の経過から見ましても、ドイツのところをごらんいただきまして、ひとつの行政費だけを取り上げてみましても、十倍に近いような経費を投じ、また従来この方面の狩猟の発達の仕方と申しますか、こういう猟区を主体にいたしまして、その猟区の中で、鳥獣を増殖をいたしまして、この中で十分に狩猟が楽しめるというような形で進んで参っているわけでございます。こういう点は私ども遺憾ではございますが、今後こういう方向へさらに進めて参りたいという考えを持ちまして努力をいたしているわけでございますが、こういうことでございまして、今、現状にきまして、西ドイツと日本の実情を比較いたしますと、まことに残念でございますが、将来、こういうことは大いに地方税等の改正もございまして、かなり現状よりは、こういった方面へその財源もできてくるというようになって参りますので、ひとつ改善は積極的にして参りたいという意気込みでおるわけでございます。
#34
○亀田得治君 どうも私、そこら辺がすっきりしないと思うわけですが、先ほど長官のお答えによりましても、今度は保護区なり休猟区というものが相当広がる。こういうことになるわけですね。一方には猟区を育成したい。こういう考え方があるようです。そうすると、この保護区とか休猟区というものについては、そこで鳥獣をふやすいろいろな行政措置等も今度は考えたいとこういうわけなんでしょう。ところが、その猟区のほうもやはりそういうことに私はなるんだろうと思うのです。一体そこの区別がどうなるのか。猟をするほうもたくさんおるとこでなきゃ行ったってしょうがないわけです。だからこの猟区についてうんとふやす措置をとることになるのか。保護区とかそういうところの関係がどうもすっきりしない。それでそれほど、ともかく禁猟区とかに当たるようなものを広めていくんなら、いっそのことなぜ日本全国全部そうしてしまえということができないのだ。猟区は別にそこで作るというなら、それを育成するというなら、私はそこで人工的に鳥なりけだものがふえるように、大いにやはり施設したらいいと思うのですよ。だからどうもそこに矛盾があるような感じがするんですがね。どういう関係になりますか。
#35
○政府委員(吉村清英君) この鳥獣保護区は、鳥獣の保護のセンターということになりますか、ここで大いに増殖と申しますか保護をいたしまして、その他施設も行ないましてさらに増殖をして参る。それから休猟区におきましては、これは休猟区は年数を切りまして、たとえば三年程度猟をとめますと、そこでかなり鳥獣も安定をしてふえて参るというようなところをねらいまして、次々にそのふえたところで猟をしていけるように措置をするということでございまして、鳥獣を保護をして参る。その方法につきましては同じようなことでございますが、この鳥獣保護区につきましては、かなり長期間にわたりまして、中にはほとんど変わらないで半永久的に鳥獣の保護増殖をはかっていくということが目的になる場合もあるわけでございます。
 また猟区におきましては、この狩猟鳥獣を増殖をいたしまして、それで獲物をふやして猟を楽しむということが目的になるわけでございます。
#36
○亀田得治君 大体保護区の対象になるところは、鳥獣のおるところでしよう。自然的な条件からいっても、そうすると日本全国を上から見渡すと、鳥獣の集まっておるところは保護区と猟区とこういうことになるわけです。それ以外のところはこれは大しておらんわけなんです。おればそれは保護区か猟区にしていくわけだ。それ以外はあまりおらんはずです。ただし、もちろんそういうところで非常な人畜に対する有害な獣などがおるという場合には、これは特殊な措置をとったらいい、いいが、それ以外のところはこれはもうともかくおらぬのだから、おらぬところで自由に空気銃を打たしたり、そういうことを認めておくことが大体意味がないじゃないかというふうにも考えられる。だからそんなおらぬところを、多少はおるだろうが、多少おるのを対象にしてやるものだから、いろんな被害が起きているわけでして、もうちょっとこれは踏み切って立法していいわけじゃないですかね。その第三の空白地帯も全部これは禁止してしまう、猟区だけ。今の御説明からいってもそこまで踏み切っても別にさしつかえないような感じがするのですがね。どうでしょうかね。
#37
○政府委員(吉村清英君) この狩猟鳥獣の密度でございますが、確かにおらぬとおっしゃられると、私ども数字でこれだけいるということは申し上げることができませんで、まことにどうも申しわけないのでございますが、しかしながら、必ずしも猟区でなくてもまた保護区でなくてもいるわけでございまして、そういうところから狩猟の獲物と申しますか、統計にも差し上げてございますが、一日当たり幾らというようなもの、これは全国的のむしろ乱場等で取られたものもかなり多いわけでございまして、そういう点では必ずしもいないところとは申せないと思うのでございます。で、この猟区は増殖をしてふやすところでございます。それから保護区は鳥獣が多いから、保護区ということでも、そればかりでもないわけでございまして、まあ非常に鳥獣の保護と申しますか、住、住みつきを安定させてさらに増殖をして、増殖と申しますか、ふやして参るという考え方で設定をして参るものでございまして、先ほど申し上げましたように、まあこういった面でもかなりふやして参りたいというように考えておる次第でございます。で、その鳥獣保護区でふえました鳥は、また逐次いわゆる乱場と申しますか、猟のできる個所のほうへふえて参るというよにも考えてう参らなければならないと考えておる次第でございます。
#38
○亀田得治君 人に対する被害が相当あるわけですね。近ろごは特にハイキングだとか登山とか、こういうことで山地に出かける人も年々ふえているわけなんです。だからそういうこと等とも関係しているんだろうと思いますが、これは何かそういう猟銃による人間に対する被害ですね、相当数に上っておると思いますが、数字でもありますが数字でもありますか。政府委員(吉村清英君) まことに古い資料で恐縮でございますが、三十二年に八十八件あったという、まことにどうも突拍子もないようなあれで恐縮でございますが、そういう資料だけ今手元にございます。
#39
○亀田得治君 その八十八件の内訳は、たとえばけがしただけとか死亡とか、そういう点がわかりましたらおっしゃって下さい。
#40
○政府委員(吉村清英君) 死者が四件でございまして、あとはけがでございます。
#41
○亀田得治君 まあこのごろは非常な山へ行く人数等も毎年ふえているわけで、三十二年というともう五、六年古いわけでして私はもっと多くなっていると思います、狩猟人口もぐっとふえているわけです。もう一つお聞きしたいのは、この狩猟従事者は約二十万、その年令の内訳等も資料でいただきましたが、いわゆるまあスポーツ的に趣味でやっているのと、生業としてやっているのと、私はこれほど鳥獣が少なくなれば、生業でやっているのはもうどんどん少なくなってきていると思うのです。ほとんど最近ふえているのは、スポーツ的なものじゃないかと思うのですが、その内訳は大まかにどんなものでしょう。
#42
○政府委員(吉村清英君) 御承知のように狩猟というのはもうごく一時期を降られて許されるものでございまして、まあそういうことから申しますと、狩猟業者と申しますか、生業にして専業というようなものはほとんど私はないと考えております。で、まあ一部の地方に若干農閑期等を利用して山へ入ると、まあマタギというようなものでございましょうか、そういうものがあるかと存じますが、その程度のことでございまして、現在ではほとんど生業にしていると申し上げられるようなものはないのではないかというように考えております。したがいまして、統計上にもそういうものを私どもとしては今持ち合わせておりません。
#43
○亀田得治君 私まあ大体そうだろうと思うのです。実態は多少まあ生業的なものがあっても、その猟だけで自分の生計がまかなわれておる、そんなものは私はなかろうと思うのです。であっても、これは副業的な生業的なものである。そうなると、大部分がこれはスポーツなんです。自分がスポーツをやって、いやしくも人に生命の危険まで感じさせる、これは私はもう絶対許されぬと思うのですよ、こういうことは。そういう角度からも、最初申し上げたような。原則と例外を逆にして、そうして猟区だけでやるのだと、猟区では大いに増殖しなければいかぬのです、それはやはり人工的に、まあこれからは人間はふえるし鳥獣は減るのだから、そんな自然のやつだけねらうなんという、そんな虫のいいことは許されぬのですよ。なぜ私がそういう点を特に言うかといいますと、取り締まりの面ですね、これは僕らは警察官にもちょっと聞いたことがあるのですよ、あそこで空気銃やっているのは、ああいうのは君どうするのだ、いやそんなことまで手が届かぬというわけだね。実態がそうなんだろうと思うのです、これは。だからどこででも猟をやれるという原則ですから、禁止された例外、現在ですと全国の三%ですね、そこはいけないと、ほかは原則としてはできるのだということになれば、免許証があろうがなかろうが、とにかくやっておったって免許証持っているかと一々調べてみなければ、これが違反かどうかわからぬわけなんだ。だから全部を禁止して、ここではやれるのだ、こういうところをあっちこっちに作っていけば、そこをちゃんと柵をしておいて、その門に一人立てておいたらいい。入ってくる者に、お前免許証持っているか、取り締まりの面だって、これはきちっといくわけでして、それは、これもきょういただきました資料私拝見して感じたわけですが、犯罪統計がありましたね。これちょっと見て下さい。きょう配付されたものの十三ページですね。これで拝見しますと、狩猟法違反であげられたものの一番多いのは第三条違反の四百三十二件ですね。これが一番多いわけです。これは無免許ですね。それはどこででもやれるということになっているから、ちょっと道具買うてきてやるわけなんです。これは警察官から調べられて初めてお前無免許だとわかったやつだと思うのです。調べられないのは、これはもう数多くあるわけです。警察官はそんなもの一々調べておれぬと、こう言うています。しかも、それがそういうのに限って家の窓こわしたり、人に当てたり、そういうことをするわけです。だから取締まりの面から見ても、一体やっぱり猟区というものをこの際きちっときめていくということのほうが、はるかに私は進んだ立法だと思うわけなんですがね。そこまで踏み切ったらどうですかね。
#44
○政府委員(吉村清英君) 先生の御心配になられるような、御指摘のような違反その他がかなりあるということは、私どももかねて遺憾に思っておるところでございます。今回の改正におきましては、特に鳥獣保護員、これは鳥獣の保護の指導その他をいたしますと同時に、これは非常勤ではございますが、こういった違反事実の監視、監督もするようにいたしておるのでございますが、そういうものを置きますことにいたしておるのでございまして、大体その人数も全国で三千五百人程度、これがどういう配置になりますかと申しますと、平均的に申しまして、大体一府県ごとに七十五人ぐらいの割合になるかと考えております。そういたしますと、現状では狩猟に入っておる者十人当たりに一人ぐらい程度の配置になるかと思うのでございますが、そういうようなことにいたしまして、こういった違反を十分に監視をして参りたいというように考えておる次第でございます。
 また、さらに重ねての御意見の猟区のみにおける狩猟ということでございますが、そういった危険防止の意味からも、確かにそういう御心配の面はあるかと思うのでございますが、そういう点につきましては、今後狩猟の免許を出します前提となります講習会等で十分その他狩猟の知識等に関する普及等も、さらに強化をして参るつもりでございますが、そういった面で極力未然に防止をできるような措置を、講じて参りたいということを考えている次第でございます。今さらに踏み切って狩区のみで狩猟をできるようにしたらどうかという御意見につきましては、そういった面でもやはり議論はあるかと思うのでございますが現状におきまして、これを裏返しにいたしまして、狩猟をできる場所を非常に狭くするというような、極端に、急激に狭くするというようなことは、従来のいきさつ、あるいは現状の狩猟者の人口、またふえ方等から見ましても、なかなか困難なことではないかというように考えている次第でございます、さらに私どももそういう点につきましては技術的に、そういう問題の技術的に、また別に増殖技術の問題、狩区を経営して参ります上の増殖技術の問題につきましても、さらにこれは研究が必要なのではないかというように考えている次第でございます。
#45
○亀田得治君 先ほど三十二年の、人に対する被害、八十八件とお聞きいたしましたが、その後の調べなど、これは次回でけっこうですが、できましたら参考にひとつ出してほしいと思います
#46
○政府委員(吉村清英君) 承知いたしました。
#47
○亀田得治君 それからもう一つ。違反関係で数の多いのは、第一条第一項違反、二百五十七件、これは狩猟鳥獣でないもの、取ってはならない小鳥などを取ったやつですね。ともかくどこででも猟ができなくなるわけなんですから、二百五十七件も違反としてあがっているということは、私はずいぶんたくさんの者が知らないうちに取られている。取ってはならない狩猟鳥獣以外のものという感じを持つわけなんです。二百五十七件のこの違反によって、被害を受けた鳥獣の名前ですね。ひとつ参考に資料を出してほしいと思う。どういうものが一番取られているのか……。
#48
○政府委員(吉村清英君) あるいはわからないものも出てくるかと思いますが、できるだけ調べまして、御報告いたします。
#49
○亀田得治君 それからこの鳥獣関係で、管轄は違うわけですが、文化財保護関係ですか、そういうものの指定を受けているものは相当あるわけですね、そういう関係の資料も、保護委員会のほうと連絡をとって、ひとつ出してほしいです。
#50
○政府委員(吉村清英君) 承知いたしました。
#51
○亀田得治君 その資料などいただきまして、また、なにしたいと思うのですが、これは委員長にひとつお願いしたいわけですが、また理事の方にも、実はけさのことでありましたのでお願いしてないわけですが、この法案は、現行法よりは何といっても前進していることは、私たち十分理解しておるわけです。ただまあ今も若干質疑の中で問題点が出ておるわけでして、これは非常に基本的な問題なんです。そこで、できましたら参考人を二、三名呼んで、いろいろな事情等をひとつ明らかにしてほしいという希望を持つおるわけです。一方的に呼ぶわけにもいきませんので、たとえば日本野鳥の会会長の中西悟堂さん、非常にその道の有名な方であるわけですが、それから今度は取るほうは、猟友会の会長の徳川さんとか、あるいは狩猟クラブの会長の赤尾さんとか、こういう方がいらっしゃるわけですから、どちらかお一人、それともう一つは、取り締まりの関係が何といっても非常に関係があるわけでして警察庁の方、そういう関係、最小限この三人ぐらいひとつ来ていただきまして、ざっくばらんな御意見を聞きたいという希望を持つわけなんです。これはひとつお願いしておきます。御相談願いたいと思います。
#52
○委員長(櫻井志郎君) ここでしばらく休憩して、午後一時半再開いたします。
  午後零時三分休憩
  午後一時五十三分開会
#53
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 狩猟法の一部を改正する法律案を議題とし、午前に引き続き、質疑を続行いたします。
#54
○温水三郎君 この狩猟法なるものの目的は、愛鳥家とか国民の要望とかいうこともあるでしょう。あるいはハンターのためということもあるでしょうけれども、しかしそのほかに産業、ことに農業の育成ということが目的になっていなきゃならないと思うんです。しかるに鳥獣審議会の委員を見るというと、農林省の農政局長というにたった一人その方面から出ておる。そのことが別にけしからぬというわけではありませんが、問題は法案の全体をながめてみると、農作物の保護ということに対しては、非常にむずかしい制約を受けるようになっているように思う。開拓農政とも関連するんですが、既存農家もそうですが、ことに開拓農家のごときは、イノシシの害によってほとんど作物を全部持っていかれるというような事例等もままある。これに対してこれが防除の方法ということが常に問題なんだ。末端においてはなかなかこれをどうするというきめ手が出てこない。共同防除というようなとこで、結局あれはハンターの組合等に相談をしなきゃならぬ。そうするとハンターの組合は、そういうことについては熱意がないのでかかわり合わないというのが末端の事実なんです。そこで野放しの場合、これは人間の場合は警察に持っていけばつかまえて処罰するんだが、イノシシの場合は、どうも手をつけかねて見ているよりほかないということでははなはだ困る。だから、そういうことが何とか簡単に防衛できる道を講じていただきたいと思っているが、その点についてはどうなっているか御説明願いたい。
#55
○政府委員(吉村清英君) お説の農林水産業に関係をする問題でございますが、従来の狩猟法には目的の規定がございませんでしたが、この際そういうことをはっきりいたしますために、まず第一条に目的規定をあげたわけでございます。そこに農林水産業の振興に資するということも、目的の一つに掲げてあるわけでございます。ただいまお尋ねの有害鳥獣の駆除でございますが、これにつきましては、有害鳥獣の駆除の許可を受けますと、これは鳥獣保護区でありましても、また狩猟期間外でございましても、またその害を及ぼします鳥獣がたとえば保護鳥でありましても、駆除はできるとこういうことになっておるわけでございまして、ただいま、このハンターに依頼をしてもなかなか目的が達せられないということでございますが、この点につきましては、有害鳥獣の駆除につきましては、狩猟の免許も要らないということになっておるわけでございます。そういたしますと、今度はまたこの便乗という問題が起きてくるかと思うのでございます。そういう点も十分慎重に調整をいたしまして、この農林水産業に対する有害鳥獣の駆除ということには十分何と申しますか、目的が達することができるように処置をいたして参るようになっておるわけでございますし、また今後もさように努力をいたして参りたいと考えております。
#56
○温水三郎君 もう少し詳しく。そういう場合には、知事の許可があればできるのですか。
#57
○政府委員(吉村清英君) はい。
#58
○温水三郎君 もう少し詳しく。何か制限があるはずなんです。
#59
○政府委員(吉村清英君) 従来は知事に一部の許可の権限を委譲いたしておったわけでございますが、今後は全部知事の許可にまかせたいと考えております。
#60
○温水三郎君 まだあるけれども…。知事の許可を簡単に……、別に制限はないのでしょう、共同防除とか……。
#61
○政府委員(吉村清英君) その制限という意味が……。
#62
○温水三郎君 単独駆除ができないとか……。
#63
○政府委員(吉村清英君) そういうことはございません。
#64
○温水三郎君 よろしゅうございます。
#65
○委員長(櫻井志郎君) 他に御質疑の方は、ございませんか。
#66
○堀本宜実君 私はこの狩猟法について、先ほど亀田さんから御質問があったのを伺っておりまして、結局二つ問題があると思うのですが、違反事件の問題です。これは古い狩猟法によりますと、銃器を携えて山野を跋渉する者は狩猟違反と認めるという条文があったのです。それは古いのにあったのです。間違いなく。ずっと古いものです。この前改正しましたから……。ですから、その前には、銃器を持ってそしてたまを装填して、そうして山野を跋渉したら、狩猟法違反であるということで、警察官がさっそく拘留してやったものなんですよ。ところが最近は現行犯でしょう。だからそこがたいへんむずかしい問題になってきていることが一点。それからこの中には理由の説明、つまり理由を説明している中に、器具が発達したということが書いてない。ございませんが、私は器具が相当発達してきていると思う。つまり、国土の開発であるとか、あるいは技術の改良であるとか、その他いろいろ例があげてあるが、狩猟器具が発達してきた、こういうことは当然考えられることではないかと思う。たとえばその違反にもう一つ発達した器具にカスミ網といいますか、網で取るやつがあるんですよ。これは網なら銃砲でないから、火薬法の制限を受けないでしょうから、それを持って歩いていて現場でつかまえれば、さっそくそれは狩猟違反だということになるでしょうが、そうでなければなかなかこれの狩猟違反をどうするかということがもっと正確にならなければ私はいけないと思うんです。
 そこで、先ほどの御説明によりますと、保護員というのが一県あたり七十五名ぐらい出る。それでつまり自衛的といいますか、あるいは自主的といいますか、違反を防止することもできる、こういうふうに言われておるんですが、違反防止にという、つまりもう少しひどい意味で検挙といいますかね、そういう意味で警察官との連絡、そういうものはどういうふうに具体的にお考えになっているか、それからまず伺いたい。
#67
○政府委員(吉村清英君) お話の中に出ました鳥獣保護員でございますが、これは県の非常勤職員でございまして、自主的にということでなくて、県の職員として設置をいたしまして鳥獣の保護あるは監視に当たらせるわけでございます。それで、この鳥獣保護員が特別司法警察員であります県の職員あるいは警察官のまあ手足になると申しますか、活動をいたしまして、違反行為の防止、検挙に努めるということになるというように私どもは計画と申しますか、考えておる次第ございます。
#68
○堀本宜実君 この保護員には手当があるのか、あるいは検挙するというが、検挙する権能が保護員にどういう角度から与えられておるのか、それをひとつ御説明願いたい。
#69
○政府委員(吉村清英君) 警察員としての権限は与えないことになっております。したがいまして、司法警察員の手伝いをする補助員になるということでございます。手当は年額四万ないし五万程度考えております。これは主として猟期間でございますから……。
#70
○堀本宜実君 〇そうすると、これは県庁の職員にということですが、手当というのは普通の給料にその上に加算をするという意味でございますか。
#71
○政府委員(吉村清英君) これは非常勤職員でございまして、県庁の常勤の職員にこの保護員の役目を果たさせるということではございませんで、それぞれ地元にいる適格者を保護員として採用するということになりす。いずれも非常勤でございます。
#72
○堀本宜実君 それじゃ、具体的にどういう人が保護員になって、四万何千金という猟期間に手当を出すようになるんですか。
#73
○政府委員(吉村清英君) 今後選考をする問題でございますが、こういう面につきまして特に熱意と、また熱意だけでもいけません、経験もあるような人、地元に駐在をして十分巡視もできるという人、そういう人を考えております。
#74
○堀本宜実君 これはまことにばく然としているんですがね。熱意があるだの。それは熱意のない者なんかやる必要はないのですが、何か木炭検査員だとかあるいは山の森林組合の職員さんに頼むとか、何かでなければ、ただそういう四万何千円、見方によれば多いと思いますよ、見方によればたいへん少ないとも言えると思うんですが、その相手を選ぶその相手方によって、それが多いか少ないかが判明するのであって、私はそれをきめておらぬというのは、おかしいと思うんですが、法案を提出する段階に至って熱意のある人を選んでやるんだということでは、しかもそれが常勤でないのですから、ですからおおむねどの範囲でというか、直接そのものずばりの現在こういうことをやっている人の中から選びたい、こういうことでなければおかしいのじゃないですか。
#75
○政府委員(吉村清英君) 具体的に申し上げますと、たとえば鳥獣保護団体の会員でありますとか、あるいは狩猟団体の会員でありますとか、また特にそういった面で経験もあるような人でありますとか、そういう者が選ばれることになると思っております。
#76
○堀本宜実君 なうるほどわかったようなわからぬようなあれですが、そこで猟銃の件なんですよね。これは警察のほうで銃砲の届け出をして携帯するというか所有する。そこで取り締まりの中へ入っていくわけですが、かりに鉄砲だけを持って山へ行っておっても、これは決して狩猟違反者であるとは認定ができぬと思うんですね。それからたまを持っておっていつでもぶつ放せるような用意をしておっても、現実に違反の狩猟をしておらなければ違反者とはならないというように私は思うんですが、その点はどうなんですか。
#77
○政府委員(吉村清英君) それは鉄砲を発射をいたしますと、たとえ当たらなくても違反になる。
#78
○堀本宜実君 それはそうだろう、それは当たる当たらぬは別として、技術の問題でそれはあなた……。
#79
○政府委員(吉村清英君) 持っているほうは所持の許可が要るわけでございまして……。
#80
○堀本宜実君 その所持の許可は知っているんです。押し込みに入れておこうがどこへ置こうが、所持をしている許可を与えられているのは当然なことなんで、これは昔からよくわかっているんですが、それが違反をする目的で持っているかどうかはわからぬが、山を鉄砲を持ち銃弾を持って歩いていたら、われわれは常識的には違反者、違反をする意思であろうと、こう思うのですが、あなたのほうはどう思われるかということです。
#81
○政府委員(吉村清英君) 判例でございますが、先生のお尋ねには必らずしも当たらないのでございますが、ただいま私が最初に申し上げましたように「狩猟法第一条にいわゆる狩猟とは、広く銃器その他、同条所定の手段を用いて鳥獣捕獲の方法を行なうと言い、実際鳥獣を獲たると否とを問わざるものとす。」という要旨がございますが、したがいまして、こういうところを見ますと、銃を持っているだけでは違反にはならぬというようにまあ判断をいたすわけでございます。
#82
○堀本宜実君 銃とたまとのことですよ。
#83
○政府委員(吉村清英君) 後ほどもう少し調べましてお答え申し上げます。
#84
○堀本宜実君 私は先ほど前段に申しましたように、取る意思があろうがなかろうが、鉄砲とたまとを持って山野を跋渉する者は狩猟違反と認めるという条項があったと申し上げたのですが、ですから鉄砲を山へ隠す場合に、これは鉄砲のほうは露が落ちるとさびちゃうから、たまだけを別な人に持たして鉄砲は自分が持って、鉄砲だけ持って歩いたんだ、こういう言いわけをするために鉄砲とたまを分離して、そして山野を跋渉した違反者がたくさん過去にはあったが、このごろはそんなことまでいかないで違反云々されるけれども、私はここらを詰めておかなければこの法律は全くかご抜けだと思うのですがね。そこらが大切だと思うのですよ。幾ら保護区を設け、禁猟区を設ける、あるいはそれぞれの獲物の保護をして繁殖するように努めますと言っても、鑑札を受けないでやるやつは、禁猟区も保護区もないんですよね。自由な、天下泰平で随所で、至るところでそれをやるわけだ。ですからそういう器具を、なかなか特別な人でなきゃ、それは飛ぶ鳥を射るわけにはいかない。やっぱり鉄砲とか、かすみ網だとかいう器具を使わなければいけない。その器具を使っている現場を押えなきゃ猟違反でないという考え方だと、私はこのものの見方というものにたいへんな過ちがあるんではないか。こういうふうに思います。
#85
○政府委員(吉村清英君) その点でございますが、狩猟者は免許証を携帯の義務があるわけでございます。それと同時にバッチをつけさせることになっております。したがいまして、バッチをつけていない者は、やはり免許証の呈示をさせることができますので、狩猟違反者かどうか、無免許の者かどうかということはわかるわけでございます。
#86
○堀本宜実君 それはそうです.それは呈示させるが、持っておらぬのだから呈示させることはできぬので、要するにバッチをつけておる者は、昔はあるいは免状を持っていますか、あるいは鑑札を持っていますかということを誰何して調べておる。そして持っておりますとか、持っておりませんとか、忘れましたとか、いろいろな表現があったのですが、今は、今度はバッチをつけて、バッチを忘れておったら持っておっても持っておらないものとみなす。こういうことで取り締まりをするんだが、バッチを持っておらなければ鉄砲を持っておっちゃいけない、たまを持っておっちゃいけないというならすぐわかるのですよ。しかし猟をやらないんだ、鉄砲とたまとだけを持って山を歩いてるんだということになったら、取り締まりできぬじゃないですか。バッチがあってもなくても。犬を仕込むために犬の運動のために山を歩いている。犬をつれ、たまも持ち、銃も持ち、しかし現場では抑えられぬ、こういう結果が生まれてくることはないか、こういう質問なんです。今度はまあお調べになって下さい。今お答えができぬようですから、お調べでけっこうです。
 もう一つ私が不可解に思うのは、私も鉄砲を持って猟をしたことの経験が若干あるのですがね。県の行政.区域内だけで免許を下付するということになっておりますと、県境の者には鑑札受ける音なくなると思うんだが、そういうことはどうなりますか。たとえば甲の県でキジが飛んだ、それが乙の県へ飛んで行って入り込んだ、つい見えるところだが、それは県境を越えてはならぬということなら、別にまたその県に行って鑑札を受け直して撃ちに行かなければならぬが、そういうような行政区域の違った区域の人たちは両県にまたがって鑑札を受けなければならぬというようなことのためにたいへん迷惑を受けるのではないかと思われるのですが、そこらはどういうような取り扱いにされるのでございますか。
#87
○政府委員(吉村清英君) その県境、確かに山の稜線あたりが県境になっておりますと、御指摘のような事態が起きるかと思うのでございます。まあ御指摘のように常に県境付近で猟をされるという方は、やはり両方の県で免許を受けていただかなければならないということになると思います。
#88
○堀本宜実君 いやよくわかりました。それはそうお答えになると思うんだが、理屈はそうだが、それはそんなことはなかなかできませんよ。だから両県の近くの市町村においては、ハンターはおそらくもうそれじゃやめようというようなことになってしまうであろう、こういうふうに私は思うのですがね。そうでないと、たとえば甲の県からウサギを追い出して、イノシシを追い出して行った、ところがたちまち乙の県へ入り込んだ、みすみすどうにもならぬじゃないか。その寝ているところが甲の県であったならば、たといそれが乙の県に走り込んでもそれは取れるのだということなら別だが、それは県を境にして走り込んだやつは取れないんだということになれば不便でしょうがない。それじゃ二つないし三つの県に行って受けなさいということになる。これは何かしてやらなければまことに、これ羽根が生えて飛ぶやつだし、戸籍を持って定住をしない野鳥獣のことですから、これを追っかけるレクリエーションか職業か知らぬが、そういうものに行政区域内でなければいけないん、だというような免許、鑑札をきれるということはちょっとおかしいです、少し高くてもいい、共通になるようなことならもっと興味があるのじゃないか、もう、少しさえた頭の鳥獣は、おそらく県境で住まいをするということになるのではなかろうかと思うが、一体どう思われますか。
#89
○政府委員(吉村清英君) これは先生の御指摘は免許の繁雑さのお考えのようでございますが、これは必ずしも県へ直接参りませんでも、たとえば東京にいる人が数県へ行って狩猟の免許を受けたいというような場合には、やはり今後は団体がそのめんどうを見られるようにして参らなければならないと考えております。そういうようにいたしたいと思っておるわけでございます。で、そのそれぞれの県へ税金なり手数料なりを納めれば、免許が得られるというようになりますので、たとえば今御指摘のような両県にまたがるような個所で狩猟をされるような場合には、両方の免許をそうめんどうでなく受けて、常に狩猟ができるようにというふうにいたしたいと思っております。
#90
○堀本宜実君 もしそうであるのならば、つまりどこを主体にして狩猟をしようというところ、それを甲地とする。乙地になったら、あるいは丙地になったら逓減率でいく、たとえば甲の土地だけで、一カ所でやる場合には千円だ、あるいは乙のところへ行くんなら八百円で済むとか、七百円で済むとか、六百円で済むとか、何か複数になるような逓減でもしていくなら受けよいと思いますが、お世話いたしますというだけでは、やはり料金の問題は解決しないんですよね。
#91
○政府委員(吉村清英君) 今度かような制度にいたしまして、各都道府県別に免許をいたすようにいたしましたいきさつには、いろいろあるわけでございますが、それぞれの県で鳥獣の保護事業等を行なって参るわけでざざいまして、この主要な県、それから副次的と申しますか、たまに行く県というものを分けて参りますと、制度上からも、それから税制上からも非常にむずかしい問題があるわけでございます。いろいろ検討をいたしました結果、まあかようなことになったわけでございます。したがいまして、従来からみますと、資料でお示し申し上げましたように、一県だけで狩猟をされる場合にはかなりの減税になる。それから二県になりますと、それが倍になるわけでございますから、かなり高くなるわけでございますが、二県、数県と行かれるような方は、やはりひとつレクリェーションの意味も大いにあれしていただきましてがまんをしていただくというような考え方で、特に逓減をするという措置をいたさなかったわけでございます。
#92
○堀本宜実君 もう一ぺん最後に伺いたいと思いますが、講習会を行なってやって、もう十年も二十年も鉄砲を持って猟を毎年かかさずに続けておる人に講習会なんというものは要らないような気がいたしますが、そういうことで年限で講習会の免除をする、そのかわりにむしろ精神鑑定というか、健康検査証というか、そういうものをつけて提出するということのほうが適当な方法じゃなかろうかと私は思うが、その点はどうですか。
#93
○政府委員(吉村清英君) 仰せのとおり、非常な経験者まで初心者と同じような講習を受けていただくということは、これはやはり考えなければならぬ問題だと思いまして、今回の改正によりましてはコースを二つに分けまして、初心者のコースの講習と、それからすでに経験者の熟練者の講習とは分けます。それで熟練者の方は、時間も少なくいたしますし、特に内容等も制度その他の変わりました程度をお知らせをする、講習をするという程度の簡単なものにいたしたい、かように考えておる次第でございます。大体まあただいま考えておりますのは、三年間連続して狩猟をしておられる、免許を受けておられるという程度の人は、もう熟練者と申しますか、経験者のほうのコースで受けていただくというようにいたしたいと思っております。
#94
○堀本宜実君 その健康診断はどうですか。
#95
○政府委員(吉村清英君) 健康診断の問題でございますが、これは狩猟法では白痴瘋癲者は免許を与えないということははっきりいたしておりますが、その他今度免許を出します場合には、必要に応じて各知事が、都道府県知事が適性の審査をすることができるように改正をいたしたわけでございますが、まあこれではたとえて申しますと、非常に極度の近眼で十分に物の識別がつかぬとか、まあそういったものが主体でございますが、そういう適性の検査もできるようにいたしておりますが、先生の御指摘の精神鑑定その他兇暴性の問題なんかあると思いますが、それはむしろ狩猟法よりも、銃砲等の所持のほうでやっていただくのがいいのじゃないかというふうに考えております。
#96
○井川伊平君 たが一点お伺いしますが、免許をする場合には、その免許を受ける狩猟者が使用する銃砲の種類、銃砲の所持をし得る数、こういうものは制限されるのですか、いかがですか。
#97
○政府委員(吉村清英君) お答え申し上げます。銃砲の数は制限はされません。それから種類は空気銃と装薬銃とは別でございます。乙種が装薬銃でございまして、丙種が空気銃になっております。
#98
○井川伊平君 そうしますと、その免許を受ければどういうような銃砲を用いようが、あるいは何丁そういうものを持っていようが、それは別の関係であって、狩猟法には関係ないわけですね。
#99
○政府委員(吉村清英君) さようでございます。
#100
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて
  〔速記中止〕
#101
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。
 ここでお諮りいたします。本法審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、参考人の人選及び日時等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
   速記をとめて。
  〔午後二時二十八分速記中止〕
  〔午後二時五十分速記開始〕
#104
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。
 ここで、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行なうことにいたします。
#105
○北村暢君 私はまず第一にお伺いいたしたいのは、開拓営農振興臨時措置法が昭和三十二年に制定せられておるわけでございますが、この臨時措置法によりまして実施をいたしました振興の計画が、大体三十四年までに計画案を提出することになっておりますから、それ以降はないだろうと思うのですが、その振興計画が一体今日までに終わっておるのかどうか。それからまた、今度の資金融通法の改正による融資の条件緩和の措置がとられておりますけれども、問題は、第二次計画というものが私は基本的に問題にならなければならないこのように思うのでありますが、この第二次の開拓営農振興計画と、この臨時措置法の関係でございますが、今お尋ねしましたように、第一次の計画が終了して第二次に移る、その場合に、この臨時措置法は、融資その他において今後まだ続くわけでありますから、この法案そのものは続いていくと思うのでありますが、この臨時措置法は、開拓営農振興組合というものが振興計画の対象になっておる。計画を立てるのもこの振興組合が立てる、こういうことになっている。ところが、第二次計画を見ますというと、これは個別の農家が計画を立てる。そして、地区の計画は市町村長が立てるということで、第一次の振興計画と第二次の振興計画では、その対象なり性格というものが、私は非常に違っておるこのように思うのでありますが、第一次の振興計画の延長として第二次計画、これの残ったものをやる、こういうことであるならば、この臨時措置法の改正なり何なりしなければならないのではないか。また、第二次振興計画の内容を見ますというと、今申したように、対象が非常に第一次のときと違っておるのですから、そうであるならば、新たに法律を設けるか何かしなければならないんじゃないかと思うのですが、それとも、農業構造改善事業のように、法律改正によらずに、行政措置でやっていこう、こういうことなのか。ここら辺の臨時措置法と第二次の振興計画との関連について、どのような方針でいかれるのか。この点についてまずお伺いいたしたい。
#106
○政府委員(任田新治君) 御承知のとおり、臨時措置法ができましたときに、これを機会に全国的にその開拓地の基盤の状況また、入植者の状況を勘案しまして、いわゆる不振地区の農家において、その開拓地の中の不振の開拓者に対しまして、それぞれ臨時措置法に基づきましての措置をいたして参ったわけでありますが、一方におきまして、基本的な工事は、三十二年から今日に至るまで、必ずしも、振興地区全般にわたりまして、大きな進度を示しておるとは言えない。大体各種の事業を通じまして五割程度の進捗を示しておるわけであります。このようなことでは、もちろん開拓者の皆さん方に非常に御迷惑でありますので、新たに第二次の振興計画をはかるわけでありますが、臨時措置法は、御承知のとおり時限立法ではなくて、引き続いてこの法が適用になっていくわけでありまして、第二次の振興におきましては、その内容につきましては、検討を加えているわけでありますけれども、この法律を変更してどうするということには考えておらないわけであります。もちろん当時の不振の開拓者の中には、その後十分立ち直られまして、当初の振興計画の線に沿いまして立ち直っておられる方もありますし、またその後まだ開拓をいたしてないという方もございますわけでありますので、この点は前の関係の不振農家も含めまして、新しく昭和三十二年度以前の入植者に対しまして、この新しい考え方でやっていきたいと、かように考えているわけでございます。
#107
○北村暢君 そうしますと、前の第一次の振興計画では、計画の進度が大体先ほど五割とかいいましたね、そうすると五割のものは臨時措置法による振興計画というものが今後続いていくと、このように理解していいのかどうか。それからまた、今三十二年以前のもので、既入植者で、不振のものについて対象として、今度の第二次計画で振興計画を立てる、こういうことでございましたが、第一次の振興計画の中には、三十二年度以前のものももちろんあったと思うし、それから三十二年以降の人もあったと思う。それで今度の第二次計画は、三十二年度以前の人だ、そうすれば、やはり一次のものが完了してないということになれば、五〇%のものは残って、しかも三十二年のものは今度の第二次計画で切りかえると、こういうことになるだろうと思う。そうすると、臨時措置法の適用をやって参りました振興計画が完了しないうちに、第二次計画に乗り移ると、こういうものが出てくるだろうと思う。その場合に、法律的に一体どういう関係になるのか。私はどうも臨時措置法の法律改正をせずに、単に第二次計画に乗り移っていくということではちょっと問題があるのではないかと、このように思うです。それからまた三十二年度以前のものでなく、以降のものについて、第一次計画で振興計画を実施中のものはそのまま残っていく、このように理解されるのですが、そういう私の理解でいいのかどうなのか、この点をひとつお答え願いたい。
#108
○政府委員(任田新治君) 終戦直後の開拓地の適地調査その他につきましては、当時の状況からいきまして相当不十分なものもあったと思うわけでありますが、昭和三十二年あたりからの計画となりますと、相当内容が固まって参りまして、いわゆる営農類型方式によりまして、その開拓地開拓地の経営形態を考えそこに不振になさらないようなことを事前に十分考えながら措置をとったと思うわけであります。また一方、三十三年度を境にしまして、三十三年度からこちらというものは、いわゆる基本営農資金の貸付限度額というものが、従来は、それ以前は一戸当たり十七万七千円を限度にしておったわけでありますが、三十三年度以降におきましては、四十五万円を限度にいたしまして基本営農資金を貸し出しておったわけであります。もちろんそういうようなことからいきまして、今日、約五年前までの方々については、まず特別の事情がない限り不振開拓者となるということは、まずあり得ないという考え方をもちまして、三十三年度以降の方々には適用いたさないということに考えておるわけであります。もちろん、この振興法そのものは現在までも続いておりますし、この第二次の振興計画におきましては、先ほど申しました基本的な建設工事のおくれというものは、そのまま継続して残事業を仕上げていくという考え方に進んでおるわけでございます。したがって、法律の改正まではいかなくとも、十分第二次のこの考え方でもって進んでいけるというふうに解釈をいたしております。
#109
○北村暢君 そうしますと、第二次の振興計画を三十八年度から、この提案理由の説明によりましても、計画を樹立してやっていく、こういうふうに提案されておりますが、まあ来年度から新しい計画によって実施されるわけなんですが、その場合、先ほど質問いたしましたように、第二次計画のものは法律によらないで行政措置でやっていくのか、新たに法律を設けてやっていくのか、臨時措置法は改正しないというのですから、新たな法的な措置でいくか、または行政措置でいくのか、こういう点になるだろうと思います。しかももう三十八年度からやっていくということですから、一体これはどういう措置をとられるおつもりなのか、これをお伺いします、開拓農民とすれば、この際やはり抜本的な開拓の振興ということで法律に基づいた措置をとるべきである、とってもらいたいという要望が非常に強くあるわけなんです。したがって、この点はひとつ大臣に開拓営農振興のための抜本的な新しい法律を制定する意思があるのかどうなのか、この点お伺いいたします。
#110
○国務大臣(重政誠之君) 今のところは、第二次振興計画は必ずしも法律を用いずして行政措置でやっていけるだろう、そうしてこの資金の利率等法律を要する点、どうしても法律でなければならぬ点だけを改正その他をやりましてやっていく、こういう方針でおるわけであります。
#111
○北村暢君 そういたしますと、第二次の振興計画は、計画自体としては法律によらない行政措置でやって、その中で出てくる側々の問題については、法律的な改正なりの措置が必要であるものについては改正していく、こういうお考え、そういうことですね。これは私はやはり農業構造改善事業等についても私どもは法律でやはり実施しなければ責任の所在が明確にならない。したがってこれについて私どもは法律で実施すべきだということで主張して参りましたが、これと同じような形に私はなるんじゃないかと思う。したがって個々の法律という大臣の意思でございますから、これをやるということになれば、私どものほうから開拓の基本法でも出さない限りは、これは解決しない問題だと思いますから、この問題はその点では打ち切ります。
 次にお伺いいたしたいのは、この前も触れておられましたが、所得の目標でございますが、近傍における中庸程度の専業農家の生活水準というものを目標にしてやるというのでありますが、近傍における中庸程度の専業農家という、まことにばく然たる目標を置いておる。これについては、私はやはりはっきりすべきじゃないか、特に今構造改善事業等も行なわれて、他産業との所得格差をなくしていこうという、農家所得を飛躍的に引き上げようという段階でありますから、この目標が近傍における中庸程度の専業農家を目標に置くという目標の立て方自体に、私は問題があるんじゃないかというふうに思われます。したがって、この目標を立てる場合に、個別の計画において、そういう所得よりも上回った、計画を出たものについてはこれは上のほうを切ってしまうのかどうかという問題ですね。これは個別計画でありますから、こういう近傍の中庸程度の目標の農家の生活水準の所得よりも高い計画というものが、これは個別ですから出てくる可能性は十分あると思うのです。その場合に、この中庸程度というのはそれまでということで、その上のものは切ってしまうのかどうか、それ以上のものがあってもそれは認めてやっていくのかどうか。この点をひとつはっきりしていただきたい。そしてまたこの目標というものを上げる意思があるかどうか、この点をひとつお伺いいたしたい。
#112
○国務大臣(重政誠之君) これは委員会の考え方も、そういうような同じような目標を置いて考えておられたように私も思うのでありますが、要するにこれは一般農家の水準に開拓農家が達するまで、特別の政府は助成その他の施策を行ない、そして一般農家の水準に達したならば、これは一般農政のワクで振興をはかっていくのだ、こういうおそらく考え方だろうと思うのであります。そこで、ただいまお話しになりましたような、具体的に計画を立てていくというような場合には、そういう場合があろうかと思うのでありますが、それはやはり一般の農家水準に達しておるかどうかということを考え、六百町村を調査するか、あれによって調査いたしました際に、それが中庸農家の水準に達しておるかどうかということを調査いたして、そしてすでに達したものは一般の農政の対象としてこれを見ていく、それに達しないものは、ここでいま一息腰を入れて助成をすれば、一般の農家の水準に達するというようなふうに、これを調査の際にやって考えていく、こういう考えになっておるわけであります。
#113
○北村暢君 そこで具体的にお伺いしますと、第一類農家というのは振興計画の対象にならない、一般の農家と同じように、これの振興は構造改善事業でやっていくんだ、こういうふうになっているわけですね。そうすると、同じ開拓農家でも、一類農家は、今後構造改善事業が実施されるんですから、全部とは言いませんけれども実施されるものが出てくるわけですから、これは所得がもっと上がるわけです。したがって、私のお伺いしているのは、今振興計画で立てる所得の目標というものが、現在の一類農家の所得じゃなくして、構造改善をやろうという、上がっていくわけですから、そういうものまで目標を置いて振興計画を立てていいんじゃないか、今大臣の話では、現在の農家に引き上げることをまずやるんだ、こういう御趣旨のようですね、しかしながら、そうじゃなしに、もっと高いところへ目標を置いてやるべきじゃないか、こういう私の意見です。
 それと、もう一つ先ほどお伺いしたのは、地区計画に基づいて個別計画を立てるわけでありますから、不振農家といえども、今後第三類農家は離農していく者が出てくるわけですよね。そうするとそういうものを地域的に、各個別的に立てるために、その離農した者の経営というものをプラスしてやっていく場合に、現在の開拓農家、一類農家の所得よりも高い経営規模のものが個別的に出てくるんじゃないかと思っているんです。そういうものもあり得るんじゃないか、一律でないんですから。したがって、そういうものは、どうしても現在の農家に持っていくんだということが、現在の農家の所得よりも上回る計画が出てくるものについては、頭のほうを切ってしまうのかどうか、そういうことはやる必要がないじゃないか。その個別計画というものは弾力性を持たせて、高いものであってもやはりそれは認めていくべきじゃないか、こういうことをお伺いしている。そういうものまでも一律的に切ってしまうのかどうか、そういう点をお伺いしておるわけです。
#114
○国務大臣(重政誠之君) 先ほど申しましたのは一応のめどでありまして、具体的の問題としては、ただいまお述べになりましたように、あるいは共同経営をやっていくというような場合もありましょうし、いろいろの場合がございまして、一応の目標以上になる場合も私は絶無ではないと思うのでありますが、そういう場合に、それはちょん切るというような考え方は持っておらないわけであります。一応の目標は、先ほど申し上げましたような、まず第一段階としましては、一類農家に二類の農家をする、そうして一類の農家になったものは一般農政の対象として構造改善なら構造改善の事業でやっていく、こういうのが一応の目標であります。個々の場合に、それは一類農家よりもよくなるというような場合が絶無ではないと思うのであります、それをちょん切るというような、具体的にそういう考え方は持っておらないわけであります。
#115
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、地区計画と個別計画とはどういうふうな形でやられるのか、地区計画というものが一応できて、それを勘案しながら個別計画を作るのか、個別計画で出てきたものを集約をして地区計画というものを作るのか、どっちなんですか。
#116
○政府委員(任田新治君) まず、その地域々々、これは市町村単位で一応計画を立てることにいたしておるわけであります。市町村によっては、開拓地を一地区持っておるものもおります、また、数地区を持っておるという場合もあるわけでありますが、それらの開拓地と、いわゆるその市町村の中心となります、たとえば市場であるとか、その間の事情を勘案し、またその地域の関係から隣村との関係も考えながら、そこに市町村計画を樹立していくわけであります。これに伴っていきますところのいろいの仕事は、たとえば道路であるとか、そういうようなものが重点にもなるし、また関係の共同施設というようなものも出てくると思うわけでありますが、これらのものをまず基本にいたしまして、市町村計画を樹立して参るわけであります。これに従いまして、それぞれの開拓地としての地区計画が固まっていくわけでありまして、この開拓地の立地条件としてはかくあるべしということになって参るわけでありまして、そのように計画を立て、この全体市町村単位のもの、さらには低く入ったところの開拓地のあり方というものを計画を立てました上におきまして、その構想でもって個個の農家の個別計画を立てていくということに相なるわけでございます。このような取り扱いで進んでいきたいと存じております。
#117
○北村暢君 そうすると、地区計画の計画の内容はどういうものを計画されるのか。これは要領かなんかもうすでに示されておると思うのでありますけれども、内容はどういうことを計画として立てる考え方ですか。
#118
○説明員(桧垣徳太郎君) 地区計画について、大体の考え方は検討を進めておりますが、まだ地区計画の内容について、われわれ事務当局で確定した案を得るに至っておりません。地区計画の大体の考え方としては、個別の開拓農、家がその地区の生産の方向を見定めるに足るような耕種、作目の方向をどういうふうに考えるか、あるいは生産及び生活の環境の整備に関する点をどういうふうに考えるか、あるいは既存の農家との関係においてただいまのような問題をどういうふうに考えて参るか、開拓者及び既存農家の団体組織の問題に関する関連をどういうふうに考えるか、それらの問題、なお、地区内におきます各種公共施設、共同施設――ただいまお話し申し上げた問題に関連いたしますが、それらの整備に関する計画等を含めて地区計画等を含めて地区計画といたしたいということで、今後さらに検討を進めて参りたいと思います。
#119
○北村暢君 私は今の檜垣部長の説明では、もう三十八年度から振興計画を実施するというのに、まだ地区の計画どんなふうに作るのか農林省ではっきりしておらない。これは早急にひとつやってもらわなければならないですね、これは。と同時に、今言ったようなことでは、私はほんとうの意味での開拓の振興計画にならないと思うんです。で、土地整理の問題、まあ開拓の進度の問題、もちろんこれは当然やらなければならない。と同時に、第三類農家をどういうふうに処理するかという問題が、これはたいへんな問題なんです。
 それで、計画を立てる上において、現在までの開拓というものは完全じゃないのですから、したがってまあ従来も過密、過度の入植しているものについては間引きをやるとかいう措置をとってきた。それでなおかつ、第一次の振興計画を実施して、そして第二次をやらなければならないというのは、もう農林当局はいざ知らず、大蔵省は、今までこれだけ金をかけてどうにもこうにもならないものを。まだこれから金をかけるのかということは、だれしもそう思うんです。しかしながら、今日この開拓の実態も、第二次の振興計画を立てなければならないという場合に、私は第三類農家という二万何ぼの、もうはしにも棒にもかからない、どんなに指導したって生産意欲もない、こういう農家が二万戸ある、こういうふうに実態調査の結果出ておる。しかしも、これは調査したものだけなんです。調査したのが十二万ぐらいで、現在開拓農家が十五、六万おるのですから、調査漏れのものがある。そうすれば、まだ第三類農家というものがあるんじゃないかと思うんですね。そうすると、約三分の一ぐらいのものは、これは何とかしなければならないものである。この第三類農家をどういうふうに処理するかということによって、地区の開拓計画というものはもう根本的に変わってしまうのです。それを指示しないというと、市町村長は開拓計画を立てようとしても立てられない、こういう問題が出てくるのです。
 で、今檜垣部長の説明ではその問題には何ら触れて、いないのです。一体そういう重要なことを抜きにして振興計画というものはあり得るのかどうなのか、部長の頭にそういうものが入っていないのかどうなのか、こういう点については私はどうもちょっと今の説明を聞いただけでは納得しかねると思うんです。したがって、この第三類農家に対する根本的な考え方というものを明らかにしていただきたい。
#120
○政府委員(任田新治君) この前の委員会でも御説明を申し上げた次第でございますが、実は三十七年度におきまして所要の予算を計上いたしまして、七年の春から全国的に約十一万八千戸の農家の実態調査をやりまして――予備調査と称しておりますが、いわゆる開拓者の実態調査でございます。あわせて開拓地の近傍の既存農家の中庸程度というものはどの程度であろうかということも調査したんであります。どうにかこれらの実態がわかって参りましたのが、昨年の十一月でございます。したがって、その内容については、今後の第二次計画につきましては、いろいろ今後具体的にのり込んでやっていかなければならぬ問題が多いわけであります。ただいま北村先生のお話のように、三類農家が二万も三万もあるというお話につきましては、これはわれわれのほうといたしましては一応の類推の問題でありまして、もちろん御指摘のように、開拓地のうちでも、干拓地に入値しておられますところの不振農家については対象にはなっておりません、もちろん先ほども申しましたように、三十三年度以降の方はこの中には入っておりません。もちろん今後も三類といたしましてはそのつもりで、三十三年度以降については適用はいたさないつもりではおりますけれども、今後第一年度といたしましての振興計画の樹立、地区計画の樹立、あるいは個別計画の樹立をやっていままして、その結果に基づきまして、さらに具体的な方策も考えていかなければならぬというふうに思っておるわけであります。
 三十八年度におきましては、とにかくいわゆるわれわれの考えておりますところの第二類の方々のうちでも第一類に近い方々に対して、あともう一歩という方々に対して三十億の融資を考えていくということにしておるわけでありまして、三十八年度に初年目の地区計画個別計画を樹立したいと、かように考えておるわけであります。
#121
○北村暢君 今後の改正案による振興資金は、個別計画を出して認定を受けたものに融資をする、こういうことになるのじゃないですか。
#122
○政府委員(任田新治君) もちろん、そのように計らうわけでありますが、三十八年度の場合におきましては、これはその農家の事情、経済状況その他におきまして、明らかにこまかい、一類まではいかなくても一類にきわめて近い農家を対象にして融資をしたい、このように考えておるわけでありまして、もちろん将来の全体といたしましての全国二千四百市町村の中の話ではございます。
#123
○北村暢君 私は実は、まあ三十八毎度からこれを実施するというから、しつこく聞いているわけなんですけれども、大体この地区計画というものが大よそのものができて、そうして各農家の個別計画を立てる、こういうことになると思うのですが、その場合に、まあ第二類農家でもう少し手を入れれば一人前の農家になる、こういうものを対象にしているわけですから、したがって、その二類農家と称するものの個別計画が、今言った第三類農家の処理をどうするかということがきまらないというと、個別計画を作りたくてもできないわけなんですよね、それを私は伺っているのです。したがって、今度の三十八年度の今法律改正をしてやるのは、振興資金の条件緩和の法律なんですから、金だけは貸してやろう、こういうことなんですね。そういった場合に、その個別計画を出すことがまずできない、こういう問題が出てくるわけです、その振興資金を貸すのは、個別計画を出してきたものを認定しなければならぬ、そうしたら貸すと、こう言っているのですね。ところが、その個別計画が地区計画ができないというとできない。その地区計画の中に第三類農家をどうするかということによって個別計画も非常に変わってくるし、隣の人が離農していく、それを一体どう配分するか、またその取得資金はどういうふうにすると、金の、その資金の需要額も変わってくるし、個別計画そのものが実は現在の段階ではできるような形になっておらぬ。それは第三類農家に対する政府の離農措置なり何なりというものがはっきりされないから、出ていくのか出ていかないのかわからないのです、これはね、そういう中で個別計画を立てろうといっても、できないのです。そういう問題があるから、この振興計画を指示する際には、やはり金融の条件緩和だけで処置すればいいのじゃなくて、第三類農家の離農対策をどうするかということをはっきりしなければいけない。
 これは今日石炭の問題が、今問題になっておる石炭の離職対策というものについて、これだけ臨時国会から今日の国会まで騒いでおる、そういうことをやっておる。したがって、私はこの開拓の第三類農家の処置という問題は、これは農業における、開拓における石炭問題だと、こういうふうに理解をしている。でありますから、この第三類農家に対する対策というものははっきり示すべきだと思うのですね。それが示されていないために振興計画が立たないというのが現実じゃないか、このように思うのです。したがって、今お伺いしているように、その第三類農家では、どのような措置をされようとしているのかということを、私はくどいようですがお伺いしておるわけなんです。どうなんでしょうか。今までの間引きでやったように、これは離農支度金みたいな三十万円程度でもって、何らの処置もせずに、何となく消えてなくなっていくことを期待しているのかどうなのか、ここら辺のことをひとつ大臣に根本的にお伺いしておきたい。
#124
○国務大臣(重政誠之君) 今の三類開拓者の処置につきましては、現状では離農をする場合に三十万円を出す、こういうことになっておりまして、せられたあとの土地の買却等を予定しておるわけでありましてりそういうものは、残留する二類の農家がこれを買い取る場合の融資は、例の低利長期の四分五厘の利子で、この融資を公庫からしよう、こういうふうに考えておるわけであります。ただ、その全部の三類農家の処理がつかなければ、二類の農家の計画は立たぬのではないかという御質問でありますが、これはそう言われてみればそういうような面もあろうかと思いますが、できるだけこれは、はしにも棒にもかからぬものでありますから、それはそれとして、ひとつ二類の農家の計画を立てていくよりほかにないのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。
#125
○北村暢君 今の大臣の答弁では、全くこれは了解しかねるのですが、この計画を見ますというと、どういうものか知りませんけれども、無能力者については債権管理の法に基づく履行延期の特約をするとか、あるいは生活保護法適用のあっせんをやるとかの処置を講ずる。それから、労働の能力のある者については、職業訓練をやるとか、職業紹介をやる、生業資金の融通をするとかいうことを書いているのですが、それを市町村段階の協議会で積極的に協力を求めるように処置をするのだ、こういうふうに言っている。そしてこれだけの処置では、私はそう簡単に第三類農家の処置というものはできないじゃないかと思っているのです。というのは、石炭の場合であってもいろいろな処置が講ぜられている。退職金に対しては、最高十万円までの間、中小の場合、現行の平均賃金の三十日分にプラスして、雇用の期間に応じて最高十万円まで退職金をふやしてやるとか、あるいは離職してから三年間、失業保険六百円か四百五十円か知らぬが、まだきまりませんが、三年間一日四百五十円か六百円ずつ就職するまでみてやる、そういう積極的な措置が講ぜられているわけなんですね。開拓農家の場合は、はしにも棒にもかからぬ。いわゆる個人の問題にも関連しているものもあるが、しかし絶対的な立地条件が悪くて、個人の責めに帰さないものも実はある。そしてまた、非常に過大な借金をしょっている。こういう人に限って借金、負債というものをしょっているわけですね。したがって、土地を処理していくんだから、負債は帳消しになるというような考え方も若干あるわけですけれども、それでもなおかつ生業資金三十万というものが妥当であったかどうなのか。今までの間引きをして出ていった、離農をしていった人が、三十万のこの離農資金でもってほんとうに満足していったのかどうなのか。この実態をはたの人は見ているわけですね。したがって、それでは私は十分でなかったがために、今日こういう悲惨な第三類に属する農家が二万も三万も1実態調査の中でも二万戸あるというんですから、そういうものは離農したくてもできないで、もうとにかく何となくおるより方法ない、出ていくに出ていかれない、こういう形でおるわけですね。これにはやはり積極的な施策がなければ、私は物事は解決しないと思うんです。そのことによって残った人のためにもなるわけなんです。三類は三類として処理するだけの問題じゃないんです。二類農家が一類農家になっていく場合に、三類農家に何とかなってもらわなければならないという問題がある。したがって、これは別個に解決すればいいんだという今の大臣の考え方はいけないですよ。総合的なやはり開拓の根本的な振興対策として考えられないければならない問題である。
 そこで、私はこの開拓の、この前の、三十七年ですか、融資保証法ですね、保証法の改正のときの衆議院並びに本院の附帯決議、これによりますというと、「緊急入植に起因する債務であって償還困難なものは、これを減免又は棚上げする措置を講ずること。」と、こうなっているんです。この負債というものは焦げつきで、営農にも何も役立たない重荷なんです。しょっていればしょているだけ利子がかさんでくる重荷の負債なんですね、営農のための負債じゃないわけです。したがって、これは減免の措置または棚上げする措置を講じろ、こういう附帯決議をつけてある。それでも社会党は遠慮して、減免の「免」というのはちょっとあれだから、「減」だけでいいんじゃないかと言ったところが、重政農林大臣のにいさんの重政さんが、いや、それは断じて「免」を入れなくちゃいけないというので「免」が入ったんです。あなたは兄貴の言うのに対して、これを実施しないというのは、全くけしからぬ弟なんで、減免というのは「免」をわざわざ入れたのです。そういう処置をしろ、それでなければ開拓農は浮き上がらないんだという処置をしたわけです。ですから、ここで旧負債に対する私は特別立法を制定をしてそうしてこの処置をすべきだろう、このように思うんです。
 でありますから、これは私はここではっきり、先ほど最初にお伺いしたように、これは総合立法でやってもらいたかったのでありますけれども、そうはしない、行政措置でやって、関係のあるものについては法律その他考えると、こうおっしゃるんだから、この点についてはぜひひとつ特別の立法を制定をして、この負債のたな上げなり減免でもって、「免」でひとついくような抜本的な法律を制定することが本院の意思を尊重することになるのである。どうでしょうか、この点は。
#126
○政府委員(任田新治君) 御承知のとおり、開拓地にはそれぞれの条件がございまして、それによって今日の結果になっておるわけでありまして、家族構成が変わったり、あるいはその他のいろいろ個々の事情があってでき上がることでございますので、必ずしも一律にどうということは非常に困難だと思いますし、また反面、開拓者の皆様方同士におきましても、その中での不一均衡を生ずる、国あるいは県の助成におきましての不均衡が生ずるというようなことがございますので、直ちにこれにつきまして割り切ったというものにはなかなか参らぬわけであります。ただ、債権管理法のああいうふうな処置もございますし、この点も考えながら、今後まずさしあたり三十八年度におきまして、六百市町村の開拓地につきまして、個別計画を立てるための調査がなされ、また協議がなされていくわけでありますので、その段階においておのずからその三類の方々に対する共通の場と申しますか。共通の面が出てきまして、少なくともここまではというものが出て参りますれば、その点について十分今後検討いたしまして、その処置をしなきゃならぬ、かように考える次第でございます。
#127
○国務大臣(重政誠之君) 今の負債の問題につきましては、第二類の開拓農につきましては、振興計画を実施いたします際に、その償還のことも中に重要な要素として取り入れて振興計画を立てるわけでありますから、問題は第三類の問題になるのであります。ところが、ただいま局長が申しましたとおりに、第三類と一口に申しましても、いろいろの原因によって第三類になってこられる方があると思うのであります。各人によっていろいろ違ってくると思うのであります。そこで、一律になかなかこれは申しかねることであると思うのでありますが、これはまあ十分ひとつ調査をいたしまして、そうして第二類に加えられるものはできるだけ第二類に加えてこの振興をはかっていって、いよいよどうにもならぬというものを第三類に残していくような方法を考えるほかないと思うのでありますが、その点十分ひとつ検討いたします。
#128
○北村暢君 今の負債整理につきましては、まあしばしば論議になっているところで、本院の附帯決議の趣旨も、何から何まで全部たな上げもしくは減免せいということを言っているのではない。緊急開拓当時の国の施策として、食糧増産のために、また戦後の処理としてやったものに対して、その負債そのものが重荷になって営農振興の妨害になっている、こういうものです。したがって、今大臣のおっしゃる二類農家は全部問題ないのだ、こうおっしゃるのですけれども、私はしさいに検討すれば、二類農家のものでも問題が出てくると思うのです。したがって、そういうものも含めて、ひとつ、せっかく検討せられるというのでありますから、ぜひひとついい結果が出るように十分検討をしていただきたい。これは要望しておきます。
 それから次に、今度の法案に出ております五分五厘を五分にするという金利の問題でございますけれども、これについては与党でもだいぶ検討を加えているようでございます。私どももこの五分というのでは、五厘の条件緩和はいたしましたけれども、決して開拓照農の振興には実情に沿うような利子ではない。これはもう各委員が指摘したところでございますから、与野党含めての質問でも明らかになっているところです、したがって、その質問は繰り返しません、でありますから、今後ひとつこの法案の修正その他の問題が出てくるだろうと思いますが、これについて私はどうこうするということは申し上げません。ただ、一類農家が構造改善事業の指定地域になって、振興していくという段階で、構造改善事業の利子というものが、設備資金等について三分五厘というものも出てきている。さらに基盤整備については五割の補助、それが七割の補助をしよう、こういう段階である。したがって、この第二次振興計画をずっと、こう見ましても、従来の土地改良開拓その他についての補助制度の問題は、これは実施するのだろうと思いますけれども、出てくるのは大体この融資関係で出てきているわけなんです。したがって、構造改善事業と、今度の開拓営農振興の計画というものとの比較において、私はやはり補助政策を強化するということともっと金利は、構造改善事業と比較して、金利がこれより高いものになるということについては、全然理屈が成り立たない。このことはもう指摘したとおりでございますから申し上げませんけれども、これをひとつぜひ再考慮願いたい。提案の五分五厘を五分にするというだけでは、私はいかぬと思いますから修正等については、もうあっさりひとつ受けていただきたい、こういうことを要望しておきます。
 それから、もう一つは、開拓資金というのが、何回かの金融措置がなされているわけです。それで、開拓者自身、一体自分の借金が何と何との借金をしているのか、わからない。複雑怪奇なんですね。そのくらい開拓の農業金融全体的にそういうことを言い得るのですけれども、特に開拓の資金が実際複雑なわけなんです。政府資金あり、公庫資金あり、系統資金あり、こういうことでそれもその内容が、条件がまちまちである。まことに複雑なんです。したがって、これはぜひひとつ金融の交通整理をする意味においても単純化して、長期の低利資金は公庫資金、それから営農資金は系統資金ということに単純化して、ひとつ抜本的な金融の制度について、制度といいますか、貸付条件を含めてのそういう意味の改正をしていただきたいと思いますが、そういう意思がおありになるかどうか、また今直ちにはということであるならば、今後検討していただけるかどうか、この点についてお伺いいたします。
#129
○国務大臣(重政誠之君) この農業金融制度と申しますか、この問題につきましては、いろいろの意味におきまして、検討の必要があると考えております、ことにこの金利水準の問題等につきまして十分に検討をいたさなければならないと考えておるのでありますが、今の金融機関と申しますか、あるいは政府、あるいは公庫、あるいは系統機関、この機関の三つが多過ぎると言われるけれども、これはそのくらいのことはあまり複雑なことはないと私は思うのでありますが、むろんこれが単一化できればそれにこしたことはございませんが、これはそれぞれ任務を持っておる金融の一つの機関になっておるわけでありますから、この三つを二つにしたらどうということに私はならぬのではないか、こう考えるのでありますが、とにかくこの金融問題、金融制度につきましては、金利の問題を中心にいたしまして、これは十分に検討をいたす考えであります。
#130
○天田勝正君 大臣退席の時間がもう来てしまったようでありますから、簡単に二点だけ伺います。
 一つは、過日来論議されました類別農家の問題ですが、議論されたことは別にいたしまして、第二類農家を援助するのに、じゃあその目標をどこに定めるかということにつきましては、過日局長からは近隣中庸の農家、こういうことが答えられております、これはまあ局長としては無理からぬお答えだと思います。ところが、過日、私本会議でも質問しましたけれども、その近隣中庸農家というのがどんどん変動しつつある。すなわち、従前は一町歩を境として、一町歩以上は余裕ができて保有地をふやす、一町以下はどんどん減らしていく、こういう形が、今度はその分岐点が一町五反になってきた、自然所得の増加のかげんもそこらになってきた。これは非常に大切なんです。近隣中庸農家といったところで、その近隣中庸のほうがそういうふうに変化をするのでありまするから、農林大臣としてはそちらのほうを、一体どの程度のところならば、まあ時代とともに多少の変化はあるでありましょうけれども、まあまあこれで安心だという、農家の保有をどの程度と思っておられるか、これが一点であります、
 二点は、これまたずっと議論されました金利の問題でありますが、私はこう考えます。補助とかその、種のものは、これは他の納税者の立場をも考えなければならない。でありますから、補助のごときものはある一つの仕事をする場合に、その仕事が完成するまでのということで、一種の時限的なものでございます。一種の時限的なもの。これを無限にやるというわけには参らない。ただ、個々の農家で違うから、ある農家はことし補助を受ける、来年は別の農家が補助を受けるという具合で、人が変わっていく。しかし、個々の農家からすれば時限的なものである。これは他の納税者のことを考えれば、当然のことだと考えます。ところが、融資の場合は私は思い切ったことができるのだ、というのは、結局国家の財産としてやがて返ってくるものでありますから、国として蓄積したのと同じであります。こういうふうに見ます、したがいまして、この融資条件はかなり緩和してもよろしいのじゃないか。そこで、過日の質問の場合も、融資金利の点を除いて前年度の施策の踏襲である、こういう批判を申し上げたのであって、その意味で融資条件の緩和等は一歩前進であるというので、実は喜んでいるわけであります。しかしいずれにしても、金利が今までとしては、われわれのほうから考えれば高い。そうして、ことに財政資金として貸し出される場合に、開銀だとか、輸出入銀行であるとか、こういうものを幾たびか私は引例しましたけれども、いわゆる日のあたる産業の部面のほうが四分だとか、四分五厘だとか、こういうことでまかなわれる融資というものが非常に多い。これを考えますと、立ちおくれている農村のほうは、従来から申し上げているように、全部三分五厘、これくらいのことができるはずだ、それは国民が蓄積している郵便貯金なり、簡易保険、みなその程度の金利なんですから、そこを計算をして、政府のほうで事務費をもって下さるならば、幾ら融資条件を緩和しても、それは国の財産として蓄積されているので、やがては返ってくる、こういう論議が成り立つと思います。
 その論議を根本的にやると長くなりますからやめますが、ことに開拓農家の場合、この農業の困難さが全部集中している。ですから、どっかから始めて、一斉にやれないとするならば、開拓農家から始めなければならぬというふうに私は考えるので、今年の出された案は案といたしまして、将来この部面については三分五厘くらいのところへ一斉に引き下げるという御用意があられるか、検討するつもりがあられるか、その二点だけ伺っておきます。
#131
○国務大臣(重政誠之君) 第一の、中庸の農家を標準として振興計画を実施推進をいたします、こう申し上げておりますのは、これは一つの標準でございまして、もちろん、ただいま仰せになりますとおりに、農家の所得も年々に倍増計画の線に浴って上昇をいたしているのでありますから、中庸の農家の標準というものも年々に高くなっていることはもちろんでございます。そういうことを含めまして、中庸の農家と、こう申しているわけでありまして、ただ、それだけではっきりしないから、何か具体的の標準を打ち出す必要があるのではないかという御意見だろうと思うのであります。それはいずれ検討いたしつつありますから、ある時期にはこれを具体的に表明をしなければならない時期が来ることと考えているのであります。
 第二の、金利の問題でございますが、これは非常にむずかしい問題でありまして、ただいま仰せのとおりであります、預金部の金は安いと申しましても、私の聞いているところでは、やはり平均六分くらいの利回りで計算をしているようでありますから、それより以下にするということになれば、やはり政府が利子補給をせざるを得ぬということになるわけであります。したがって、今回の構造改善の場合の三分五厘の金利の制度を創設をいたすにつきましても、これは政府部内においても相当の議論もあり、困難な問題があったのでありますが、一応ああいうことにいたしましたわけでありまして、私自身の意見といたしましては、仰せになりましたとおり、農業資金の金利といのものはできるだけ安い金利でなければならぬ。これは農業が他産業に比べまして、自然的及び社会的、経済的の条件が他産業と違うと、こういうところから、できるだけその投下資本の金利というものは安くなければならぬというふうに考えておるわけであります。直ちに今の開拓営農振興についての資金が私どもの希望どおりにいくかどうかということは、なかなかこれはむずかしいことでありまして、これはもう申し上げるまでもないことでありますが、今回五分に五厘低下をいたしましたのも、一応今回の構造改善の資金であっても、あるいは畜産の経営拡大の資金でありますとか、あるいは果樹園の造成、植栽、育成の資金でありますとか、こういうものに比べますと、やっぱり五分といえば安い金利になっておるわけであります。果樹園とかあるいは畜産というような構造改善の資金も、これはたしか六分ぐらいになっておるはずであります。そういうようなものの均衡からみて、まあ一応五分程度でがまんをしなければならぬのではないか、こういうふうに考えて、一応五分ということにいたしたような次第であります。
#132
○委員長(櫻井志郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#133
○委翼長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認めます。よって、本案に対する質疑はこれにて終局することに決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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