くにさくロゴ
1962/02/26 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第12号
姉妹サイト
 
1962/02/26 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第12号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第12号
昭和三十八年二月二十六日(火曜日)
   午後零時三十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           青田源太郎君
           仲原 善一君
           渡辺 勘吉君
           森 八三一君
   委員
           井川 伊平君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           梶原 茂嘉君
           木島 義夫君
           重政 庸徳君
           温水 三郎君
           藤野 繁雄君
           堀本 宜実君
           山崎  斉君
           大森 創造君
           北村  暢君
           安田 敏雄君
           矢山 有作君
           牛田  寛君
           天田 勝正君
  政府委員
   農林政務次官  大谷 贇雄君
   農林大臣官房長 林田悠紀夫君
   農林省農政局長 斎藤  誠君
   林野庁長官   吉村 清英君
   水産庁長官   庄野五一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   農林省農政局普
   及部長     原  政司君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○狩猟法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
○漁港法第十七条第三項の規定に基づ
 き、漁港整備計画の変更について承
 認を求めるの件(内閣送付、予備審
 査)
○農業改良助長法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
   ――――・――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。
 狩猟法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#4
○仲原善一君 私はただいま議題になっております狩猟法の一部を改正する法律案につきまして、審議の経過にかんがみ、附帯決議を付して賛成するものであります。
 実は、先刻行なわれました委員長及び理事の打合会に基づきまして、各会派を代表して、本法律案に対して次のような附帯決議を提案いたします。附帯決議案を朗読いたします。
  「狩猟法の一部を改正する法律案」附帯決議(案)
  政府は、鳥獣審議会の答申を尊重して、野生鳥獣の保護事業を一層強化し、狩猟に関する態勢及び制度にさらに検討を加え、所要の法制的財政的措置の整備に努め、なお、本法の運用の適正を期し、狩猟者以外の第三者の権利の尊重及び危害の排除ならびに狩猟の違反を防止するため、これが啓蒙及び取締に万全を期すべきである。
 右決議する。
 以上であります。
#5
○天田勝正君 私は、本法律案並びにただいま各派共同で提案されました附帯決議案に賛成いたします。
 もともとこの法律は、現行法並びに改正法案ともまことに不備でありまして、これは根本的に改正を要する点も多にあるのであります。しかし、もしこれを根本的な大修正を行なうという場合に、とかく反対論が出やすいのでありまして、さようになって現行法に逆戻りをするということになりますれば、われわれの意図と反するのでありまして、それらを勘案いたしましたので、本法律案に賛成いたすわけでありす。特に、ただいま仲原君から提案されました附帯決議にも盛られておりますように、また、審議の経過から見ましても、この法律は第三者の権利等に対しては全く配慮されておらない。これはきわめて重要な事柄でありまして、たとえば自分の邸宅内でありましても、それが欄柵囲障等がございませんければ、これに自由勝手に出入りして狩猟もできるという解釈が成り立つのでありまして、こうした第三者に対して囲障を設けるとか柵を設けるとか金銭的な支出も伴う義務を課するということになるのみならず、保護区もしくは特別保護区を設定いたしました場合、それが自身の所有にかかわる山林あるいは原野であっても、そこにはいろいろな制限を設けられる。つまり、狩猟者以外の第三者になりますと、義務だけは課せられるけれども、それの補償の方法等は一切考慮されていない。この点は、何といたしましても法の不備であろうと存じます。もともと本来的には、すべてが勝手に狩猟ができないということを原則として、例外的に狩猟区を設ける、こういう体系になりますならば望ましいのが、今現在及び改正法ともに、これはあべこべでありまして、一般的にはすべていずれの地域においても狩猟が自由にできる。ただし、例外的に保護区を設けたり、休猟区を設けたり、特別保護区を設けたり、こういうことになっている。ここにすべてのこの法律の欠陥が発生いたしているのでありますから、そこでただいまの附帯決議によって、特に附帯決議が無視されないように、この趣旨に沿うて当局において十分今後の問題として検討され、あらためて整備された法律を提出せられるよう要望いたしまして、賛成をいたします。
#6
○委員長(櫻井志郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決に入ります。狩猟法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#8
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました仲原君提出の附帯決議案を議題といたします。仲原君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって、仲原君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたします。
#10
○政府委員(大谷贇雄君) 狩猟法の一部を改正する法律案を可決御決定をいただきましてまことにありがとうございます。
 この法律案に関しまして、附帯決議を御決議に相なったのでございますが、この御決議の条項は、一々まことにごもっともな条項でございまして、政府といたしましては、この御決議の御趣旨を十二分に尊重をいたしまして、これが善処方につきまして、今後十分に検討いたし、善処いたす覚悟でございます。
#11
○委員長(櫻井志郎君) なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 午後二時再開として、これをもって休憩いたします。
  午後零時三十八分休憩
   ――――・――――
  午後二時十五分開会
#13
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開会いたします。
 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を議題とし、提案理由の説明、補足説明及び関係資料の説明を聴取することにいたします。大谷農林政務次官。
#14
○政府委員(大谷贇雄君) ただいま上程されました漁港整備計画の変更について承認を求めるの件につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 申すまでもなくわが国の水産業は、国民食糧の確保、輸出の増進等わが国経済の一翼をになう重要な産業部門の一つでありまして、その積極的振興をはかりますことは、わが国の地理的条件から見ましても、きわめて適切、かつ、必要であります。また、さらに水産業の振興をはかる上におきましては、まず、漁業の根拠地である漁港を全国にわたり計画的に整備拡充し、その機能を増進させることがきわめて必要であることは、言うまでもないところでありまして、漁業の能率化と経営の合理化をはかり、漁業の生産性の向上と漁民の生活の安定向上に資するために、最も基本的な施策の一つと存ずるのであります。この趣旨から昭和二十五年この施策の基本法たる漁港法が制定せられ、その後、この法律によりまして政府は漁港整備計画を立て、国会の御承認を受けて参ったのであります。
 現行の漁港整備計画は、昭和三十年第二十二回国会において御承認を受けたのであります。この計画は、当時の漁業情勢を基礎とし、これは将来漁業の推移を勘案して定められたものでありますが、最近におけるわが国水産業の発展と漁船の大型化、漁業情勢その他経済事情の著しい変化に伴い、この計画を実情に即するようにするとともに、漁港の整備を重点的に行ない得るよう改める必要が生じてきているのであります。このため、漁港の整備が水産業の振興にとって、根本的な施策の一つであるという見地に立ち、このたび漁港整備計画を変更することといたしたのであります。
 以下、この漁港整備計画の変更の内容について御説明申し上げます。
 今回の漁港整備計画の変更は、現行の整備計画についてこれを全面的な改定を施そうとする趣旨のものでありますが、その策定にあたりましては、漁業と漁港施設の現状を基礎とし、将来における漁業の推移、漁船の大型化及びその隻数の増加、漁業生産の増大、流通機構の改善等を勘案いたしますとともに、各地域開発法に基づく開発計画とも関連させて、漁港の整備を効果的に行なうことといたしております。まずその第一に、遠洋漁業および沖合い漁業につきましては、その根拠地として重要な漁港を整備することとし、第二に、沿岸漁業につきましては、構造改善対策に沿って周辺漁港の中核となる重要な漁港を整備することとし、第三に、漁場の開発あるいは漁船の避難上特に必要な漁港については、その整備をはかることといたしております。
 整備漁港を選定するにあたりましては、漁港法に基づく漁港のうち、漁港施設の不足度の高いもの、及び経済効果の多いもので、緊急整備の必要があるものを採択することといたしております。このような計画方針に基づき、三百八十港の漁港について昭和三十八年度以降に整備することとし、各漁港においては、それぞれの漁港においては、それぞれの漁港に適応した外郭施設、係留施設、水域施設、輸送施設及び漁港施設用地を整備することといたしました。
 以上申し上げました漁港整備計画の変更につきましては、漁港法の規定に基づき漁港審議会の意見を徴しましたところ、去る一月三十日原案どおり議決した旨その答申がありましたので、二月十五日閣議に付し、その決定を得たものでありまして、漁港法第十七条第三項の規定に基づいて国会の承認を求めるため、本件を提案しました次第であります。
 以上が本件を提案する理由とその内容並びに提案に至るまでの経過であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことをお願いする次第であります。
#15
○政府委員(庄野五一郎君) 漁港整備計画の変更について承認を求める件についての提案理由はただいま御説明申し上げたのでありますが、若干補足して説明を申し上げます。
 まず、現行の漁港整備計画の実状況から申しますと、整備漁港六百四港のうち、昭和三十年度から現在までの間に完了した漁港の数は、二百四十三港、工事完了の漁港数は三百六十一港となっておりまして、その総事費約五百五十一億円のうち実施済みが約三百九十三億円で、したがいましてその進捗率は、約七二パーセントとなっております。
 次に、今次の漁港整備計画に基づきまして緊急に整備を必要とする漁港三百八十港の漁港の種類別内訳を申し上げますと、第一種類港が八十四港、第二種港が百五十七港、第三種漁港が七十一港、特定第三種漁港が八港、第四種漁港が六十港となりまして、これらの漁港を昭和三十八年度以降総事業費一千億円をもって整備することといたしております。
 また、現行整備計画の整備漁港と変更整備計画の整備漁港との関連を申し上げますと、現行整備計画から引き続き変更計画に取り入れようとするものは、二百六十四港でありまして、今次の変更整備計画におきまして新規に採択しようとするものは、百十六港となっております。
 なお、現行整備計画の整備漁港のうち、今次の変更整備計画の整備漁港に入れていない三百四十港につきましては、このうち現在整備を必要としない七十八港を除いた二百六十二港には、別途昭和三十八年度から新たに設けられる改修事業または従来から実施しております局部改良事業により整備することとしております。
 また、現行の漁港整備計画の整備漁港以外のもので、今回の漁港整備計画の変更に際して新たに加えるよう要望のあったもののうち、この整備計画に採択されなかったものについても、整備を必要とする漁港は、同様に改修事業または局部改良事業により整備することといたしております。
 以上が補足説明でございます。
 お手元に配付申し上げました資料につきまして、若干説明申し上げたいと存じます。
 まず第一に「漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求める件」という一冊がございますが、それから御説明申し上げます。これは今次変更をいたしました漁港整備計画の内容をなすものでございまして、都道府県別に漁港名をあげまして、その漁港名につきまして、今後三十八年度から実施いたしまする主要なる施設を掲げたものでございます。第三ページをおあけ願いたいと思います。漁港整備計画の趣旨をうたってございます。これは水産業の積極的振興をはかるためには、まず漁業の根拠地である漁港を全国にわたり計画的に整備拡充し、その機能を増進させることによって漁業の能率化と経営の合理化をはかり、もって漁業の生産性の向上と漁民生活の安定向上に資する必要があるということで、漁港整備計画の趣旨がうたってございます。その中で今次の漁港整備計画の計画方針を掲げてございます。
 (イ)としまして、漁業と漁港施設の現状を基礎といたしまして、将来における漁業の推移、漁船の増大、漁業生産の増加、流通機構の改善等を勘案して、遠洋漁業の根拠地として重要な漁港、沖合漁業の根拠地として重要な漁港、沿岸漁業につきまして周辺漁港の中核となる漁港及び漁業の前進根拠地または漁船の避難上特に必要な漁港というものを整備するという、今次の整備計画方針の第一項でございます。
 (ロ)といたしまして、整備漁港の選定にあたりましては、指定漁港のうち、指定漁港というのは、漁港法に基づきまして指定することになっておりますが、全国で二千七百五十一港ございますが、その指定漁港のうち、施設の不足度の高いもの、経済効果の多いもので、緊急整備の必要のあるものを採用するということで、先ほど御説明申し上げました三百八十港を今次の整備計画で採択することに計画を立てた次第でございます。
 なお、計画の内容でございますが、前項の計画方針に基づきまして三百八十港の漁港について昭和三十八年度以降これを整備することで、おおむね三十八年度から八年間三百八十港を整備する。こういう方針でございます。
 (ロ)として、各漁港においては、それぞれの漁港に適応した外かく施設、これは防波堤とか、水路とかあるいは泊地、そういうものをいいます。それからけい留施設、これも岸壁とか、そういったものを言うわけです。水域施設、これは今申しました水路あるいは泊地、漁船が停泊する泊地、それから輸送施設、これは陸上施設でございまして、おおむね道路とかあるいは鉄道を敷くとか、あるいは荷揚場の問題あるいは荷揚施設、そういったものでございます。及び漁港施設の用地整備、これは陸上に大体わたるわけでございますが、そういった輸送施設及びけい留施設等を必要とします場合の漁港施設用地を整備するということに相なるかと存じます。
 それから(ハ)といたしまして、そういう整備いたします漁港でございます。これが三百八十港あるわけでございますが、第一種漁港が次に、県別に港名をあげまして、その港名の下に整備を必要とする施設として外かく施設、けい留施設あるいは水域施設、漁港施設用地、輸送施設、そういうふうに書いてございます。第一種漁港法に定めてございますように、局地的な漁業の中心となる漁港でございます。それが北海道からずっと東北に参りまして、九州にわたりまして、十ページにございますが、第一種漁港が八十四港に相なっております。それから第二種漁港でございますが、これは第一種漁港と第三種漁港、第三種港と申しますのは、広範囲にわたって利用される漁港でございまして、大体数府県あるいは全国各府県に利用される、そういったものでございますが、第一種漁港が地域的な小範囲の利用範囲ということに相なりまして、その中間にありまする漁港を第二種漁港と称しておりまして、その第二種漁港につきましても、第一種漁港と同じような府県別、港名別、それから主要施設が掲げてございます。北海道から九州にわたりまして、二十一ページにございますが、第二種漁港としまして、百五十七港の整備をいたすわけでございまして、その整備工事は、各県別に下に書いてあるとおりでございます。
 次は、第三種漁港でございます。第三種漁港は、数府県あるいは全国規模において利用される重要漁港でございますが、第三種漁港は北海道から九州にわたりまして、二十六ページ、全国的に七十一港を整備する、こういうことに相なっております。
 それから、次は特定第三種漁港でございますが、これは第三種漁港のうち、特に重要な漁港で、遠洋漁業の根拠地等、あるいは水揚げの非常に多い、そういった国際的な関係もあるような漁港でございますが、それが特定第三種漁港と、こう称しておりますが、これが八港ございます。青森の八戸と塩釜、銚子、三崎、焼津、下関、博多、長崎のこの特定第三種漁港八港を整備することにいたしております。
 それから第四種漁港でございますが、これは先ほど申しましたように、前進根拠地として新漁場の開発に役立つような漁港、あるいは漁船の避難港としての使命を果たす漁港、こういったものが第四種漁港に指定してございますが、第四種漁港といたしまして、三十二ページに六十港を全国にわたりまして整備する、こういうことに相なっております。
 これが今回御承認をお願いいたしております第三次の漁港整備計画の変更でございます。
 それから、配付いたしました資料の参照条文でございますが、漁港法の第十七条を抜き出してございます。一枚の別の級でございます。漁港法十七条。これが先ほど提案理由並びに補足説明で申し上げました漁港整備計画につきましての計画を農林大臣が立てまして、それを漁港審議会の意見を徴しまして、そしてその意見を聞いたところで漁港の整備計画を農林大臣が決定いたします。そして閣議の決定を経まして、これを国会に提出して承認を求める、こういう手続が書いてあるわけでございます。
 それから第三の資料といたしまして、「漁港整備計画説明資料」というのがございます。これについて御説明申し上げます。
 これの二枚目に、「漁港整備計画の意義」ということが書いてございます。これは提案理由なり補足説明で申し上げたとおりでございます。
 それから第二番目が、「漁港整備計画の計画方針」でございます。ごく基本的なことは、先ほどの承認を求むる件の計画方針で申し上げた次第でございますが、さらにここで詳しく申し上げておきます。それで第一といたしまして、変更後の整備計画においては、全国指定漁港二千七百五十一港、これは昭和三十七年十二月末現在でございますが、ただいま漁港指定いたしましたものが二千七百五十一港ございますが、これを対象として選定する、この中から選ぶ、こういうことと、第二点は、「整備計画に採択する漁港はわが国水産業の根幹となる漁港であって、施設の不足度および経済効果の大きい漁港で、事業費が八千万円以上のもので、地方財政上その負担が確実なもの」であるということで、大体この国会の御承認を得まして、整備計画を定めて、工事を施します漁港は、非常に緊急度の高い、そして今後整備の必要度の非常に高いものということで、事業費が八千万円以上、こういう規模でございます。そして、これは都道府県並びに市町村その他関係漁業団体等が負担するわけでございますが、特に都道府県並びに市町村の地方財政上その負担分の負担が確実であるというものから採択していこう、こういう方針でございます。
 で、ついでに申し上げますが、先ほど補足説明でも申し上げましたように、漁港の整備につきましては漁港整備計画によって整備いたしまする漁港と、それから三十八年度から新しく予算上の措置といたしまして改修事業を行ないますが、改修事業が大体二千万円以上で八千万円未満の事業規模のもの、それから一部改良事業ということを先ほど申しましたが、一部改良事業は、従来から引き続いてやっておりますが、漁港のごく一部の改良なり、あるいは補修といったもので、事業費がおおむね二千万円未満のもの、こういうふうに考えておる次第でございます。
 それから、計画方針の第三点でございますが、「各漁港においてはそれぞれの漁港に適応した外かく施設、水域施設、けい留施設、輸送施設および漁港施設用地を整備する。」ということで、これが整備計画の実質的内容になるわけでございます。
 それから第四点といたしまして、「整備計画には、国庫負担金及び補助金交付の対象となっている施設のみを計上する。」ということで、先ほど資料で御説明いたしました。各漁港ごとに整備を要する施設の内容を書いてございますが、これは国の負担あるいは補助の対象となる、その漁港としての中核的な工事でございますがそれを対象として計上する、こういうことに相なっております。
 次に、「既定整備計画から引き変更後の整備計画に入る漁港」の数が書いてございます。現行の整備計画、これは三十年から三十七年までの整備計画でございまして、これを今回変更いたしまして御承認を求めておるわけでございますが、従来の整備計画の六百四港と申しましたが、そのうち二百六十四港を今回の第三次の整備計画に取り入れて、さらに整備を続けていく、こういうことに相なります。その二百六十四港の内訳が、第一種漁港では、その次の四ページにございますが三十七漁、第二種漁港では、六ページにございますが、百六港、それから第三種漁港では六十二港、これは七ページにございます。それから特定第三種漁港では八港、これは全部引き続いて変更後の整備計画に取り入れた、こういうことであります。第四種漁港では、七ページの一番あとにございますが、五十一港、その港名は、ここに掲げておきました。
 それから次の八ページの「変更後の整備計画に新たに追加する漁港」ということで、現行の整備計画に載っていなくて、今次の変更整備計画に新しく取り入れて、今後整備の対象にするというのが百十六港ございますが、それは第一種漁港で四十七港、その港名はここに書いてあるとおりでございます。第二種漁港は、九ページに以上五十一港とございます。第三種漁港で九港、第四種漁港で九港、合計いたしまして百十六港を新しく整備計画に取り入れて今後整備する、こういうことに相なります。
 それから、「変更後の整備計画所要経費」でございますが、第五のところに書いておきました整備漁港数三百八十港を完成させるためには、昭和三十八年度以降総事業費が一千億ということを必要といたしております。大体一千億の事業で、そのうち国が負担し、あるいは補助する国費部分が、おおむね六百七十億に相なっております。これを今後の八年計画で、おおむね八年間一千億の事業費で三百八十港を整備する、こういうことに相なります。
 それから、この整備計画の経済効果でございますが、この経済効果の測定は、非常に困難な仕事でございますが、一応ここに試算いたした次第でございます。それで、漁船トン数の増加がもたらす漁獲高の増に集約してこれを推定して、概数的にこれをお示ししたわけでございます。先ほどから御説明申しておりますように、最近、水産業におきまする漁業のあり方の非常な変更、これは、沿岸から沖合いへ、沖合いからさらに遠洋へと、非常に操業区域が広がっておりまして、海外に非常に雄飛している、そういった国際漁業の基地といった点で、非常に船が大きくなっている。それから沿岸におきまする漁業にしましても、無動力から動力化へ、動力化したものも大型化していくと、そういった点で、漁船トン数もふえ、漁船数もふえ、また設備も近代的施設を荷揚げ等に要するようになったと、こういう点もございますが、これを漁船トン数の増加で試算いたしますと、大体、こういうふうになると、こういうことでございます。これで、漁船トン数の増加によりまして、大体、六十三万七千トン、こういうふうに、四十五年においてはなろうかと存じます。そのために、漁獲高の増は、二百九十九億四千万円、こういうふうに、一応試算推定をいたした次第でございますが、右のうちから、漁業操業に必要な経費、燃科代、えさ代、それから鮮魚輸送に使います氷代、それから漁船乗組員の食糧及び賃金、そういう生産に要しまする経費が百四十三億七千万円、それから漁船等の漁港の耐用年数を五十年といたしまして、均等償還をするという条件で、償却費を考えますと、一年間に二十億と、こういうことに相なりまして、その漁業経費、償却費、合計いたしまして、百六十三億七千万円、これを総事業費の一千億から差し引きまして、毎年百三十五億円の増収効果が期待せられる、こういうことに相なっております。大体、これを進めますと、一千億の資本投下をやって、年々の増収効果が百三十五億円、こういうことに相なると、こういう資料でございます。
 それから横とじの資料が御配布いたしてあります。そのうち、「漁港整備計画の変更について承認を求めるの件関係資料」ということで、「第四十三国会提出」ということで、日付の入ってない分と、それからもう一つ、「水産庁」という下に、「昭和三十八年二月二十五日」という関係資料、二冊御配布申し上げてありますが、まず、日付の入ってないほうから御説明申し上げます。
 一ページをお開き願いますと、「漁港修築事業に対する国の負担率および補助率調」現行のものでございます。それで、これは、本土と北海道と離島と、それぞれ異なっておりますので、それぞれ区分いたしまして、本土におきまする第一種漁港、第二種漁港、第三種漁港、第四種漁港、それぞれ違っております。それぞれ、負担率または補助率、それから根拠法規というものを、本土それから北海道とも、第一種第二種、第三種、第四種で、国の直轄事業としては、北海道では第三種、第四種をやるわけでございますが、それぞれ負担率、補助率が違います。その数字を掲げております。それから離島は、離島振興法によりまして、漁港法と異なる補助率アップをいたしております。その関係で、離島関係は、第一種第二種、第三種、第四種、それぞれの国の負担率と根拠法を掲げた次第でございます。
 それから二枚目に、漁港種類別、都道府県別の漁港数がございます。これは、三十七年十二月三十一日現在で、先ほど申しました指定漁港が二千七百五十一港ございますが、そのうちの府県別に北海道では、第一種漁港が百七十二、それから第二種が二十七、第三種が十五、第四種が十四、合計しまして、二百二十八と、こういうふうに、順次、都道府県別に、漁港種類別の数字を掲げた次第でございます。
 それから三枚目をお開き願いたいと思います。「漁港整備計画の事業費と、昭和三十七年度までの漁港修築事業費の支出額および同年度末残事業費」というのがございます。現行整備計画といたしまして、昭和三十年に御承認を得まして、三十年から三十七年まで事業を進めて参ったわけでございますが、その八年間の事業費といたしまして、五百五十億六千四百万、まあ五百五十一億と称しておりますが、五百五十億六千四百八十九万八千円、その国費部分が三百七十億四千二百五十七万三千円、それを三十年から三十七年度までに国費を支出いたしまして、先ほどから申しておりますように、地方公共団体並びに関係漁業団体で負担して事業を進めた、その事業費の総額が、三百九十二億五千三百五十一万三千円、そのうち国費として負担あるいは補助いたします分が、二百六十六億四千三百十二万七千円、こういうことになっておりまして、大体国費でみますと、達成率、進捗率が、先ほど申しましたように七二%、こういうふうになっております。三十七年度現在の計画の残というものが、事業費で百五十八億、国費で百三億、こういうふうに相なっております。
 それから四ページが、変更漁業整備計画の種類別漁港数ということで、ただいま御承認をいただきたいと提案いたしておりまする漁港計画三百八十港のうちの漁港の一種から四種まで、それから本土と離島と北海道、こういうふうに仕分けいたしまして、本土が四種が二十三、特定三種が八、三種が五十二、二種九十四、一種が二十六、計二百三、離島がそういうふうにいたしまして計百五港、北海道が七十二港、総計三百八十港が、今次の変更整備計画の対象漁港といたしている数字でございます。
 それから五ページの現行整備計画の
 整備漁港と変更整備計画との関連について、これは現行の整備計画、現在やっている整備計画でございますが、その対象漁港は六百四港でございます。このうち三十七年度までに計画工事が完了いたしたものは、二百四十三港でございまして、未完成のものが三百六十一港、こういうことでございます。それで、このうち補足説明でも申し上げましたように、変更整備計画に引き継ぐものが二百六十四港、それからこの二百六十四港のうちには、現行整備計画では一応完成しましたが、その後の漁業事情の変更によりまして、さらに計画を変更して引き続き整備を要するものというものを、八十四港加えております。それから第三点といたしまして、変更整備計画は、この現行整備計画に引き続き採択されるものが二百六十四港ございますが、追加が百十六港、こういうことで、三百八十港になる、こういうことでございます。それで、「註」といたしまして、六百四港の現行整備計画のうち、二百六十四港が引き継がれ、新たに百十六港が採択されるわけでございますが、六百四港の対象になっております分で、今次の変更整備計画に入っていない三百四十港につきましては、改修事業、三十八年から新しくやります二千万円以上八千万円未満の事業費の分でございますが、三百四十港のうち、二百六港が改修計画の対象になる。そのうち三十七年度までに、現行の整備計画で完成したものは六十一港で、なお引き続いて整備を要するというものが六十一港である。それから局部改良事業、これは二千万円未満の局部改良補修をやるものでございますが、それに取り上げるものが五十六港、なお一部完成すべきものがそのうちで四十九港計画の必要がなくなったもので、これで工事の必要がないというものが七十八港でございます。
 それから六ページの漁港関係事業予算内訳書でございますが、これは漁港関係予算は、漁港施設費とそれから海岸事業費とそれから伊勢湾高潮対策事業、それから災害関連事業、災害復旧事業、それから北海道開発事業の工事事務費、これは直轄でやっておりますので、工事事務費が必要でございますが、それと付帯事務費、これは府県等に配賦するものでございます。そういうもの、それから労働省に計上しております特別失業対策事業の中で事業をやるもの、そういうものに分かれておりますが、全部で三十七年度が百七億四千九百一万四千円、これが三十八年度は百十五億六千九百二十八万八千円ということに相なっております。純粋の漁港施設費というものが第一でございます。これが三十七年度は五十六億九千二百万円、それが三十八年度は六十八億三千四百四十万ということになっております。前年対照表でございます。海岸事業では、漁港区域に指定された中におきます海岸事業でございまして、海洋事業は御承知のように建設省の担当の分と運輸省の港湾の、むしろ運輸省の担当の分、それから農林省が担当する分、それから農林省の中でも農業等で担当する分、漁港区域の中の海岸保全の改善事業でございます。以上でございます。
 それから第七ページが漁船総勢力の推移ということで、昭和二十五年から三十六年までの資料を、大体隻数、トン数それからそれを海水の漁船それから内水の漁船そういうふうに分けまして書いておるわけでございます。この中で昭和三十年と昭和三十六年を比較していただきますと、昭和三十年から三十七年までが現行の整備計画をいたした次第でございますが、三十年は海水の漁船のうちでもその隻数が大体三十年は総隻数が三十八万五千七百二十二ということになっておりますが、三十六年は三十七万五千百八十七隻ということになっております。隻数は多少減っておりますが、総トン数については昭和三十年は百三十一万四千七百二十一トンでございますが、これは隻数は減ったのに反比例いたしまして総トン数といたしましては百九十三万一千三百八十七トンということで非常に大型化しておるということが言われるわけでございます。特にそれが動力漁船についてそういう傾向が強く目立っておるということの資料でございます。
 それからその次がさらにその前表を詳細にいたしまして、海水の中の動力漁船の推移でございます。これは五トン未満、五トンから二十トン、二十トンから五十トン、五十トンから百トン、百トン以上、こういうふうに漁船のトン数別の一応漁船の動力化及び大型化の傾向を現わす表として表示した次第でございます。特に百トン以上の分については、昭和三十年は七百七十隻が千百六十八隻というふうに隻数もふえておりますし、トン数にいたしましても、昭和三十年は三十二万一千三十八トンというのが九十万四千百トンというふうに三倍近くもふえておるといったように、非常に漁船の大型化ということとそれから各船のトン数もふえておる。それから大型漁船が中小漁船に比べて非常に隻数がふえておるというように、漁船の非常に大型化と大型漁船の隻数がふえておるということ、こういう事情でその漁港の整備もそれに即応する整備をしなければならないということで、今回の整備計画の変更ということに相なった次第でございます。
 それから九ページは沿岸、沖合い、遠洋漁業別漁獲量の推移ということで、昭和二十八年から三十六年度まで、沿岸漁業の分とそれから沖合い漁業というものと遠洋漁業、こういったものの種類分けで掲げたわけでございます。この傾向も沿岸漁業は停滞ぎみで、沖合い、遠洋が非常に伸びておるという次第でございます。漁業事情も非常に大きな変化がなされつつある、こういう資料を提出いたした次第でございます。それから沿岸漁業、沖合い漁業、遠洋漁業、種類別は注のところに掲げてございます。
 次に、その資料の第二の日付の入ったほうでございますが、これをお開き願いたいと存じます。第二ページ第一点が昭和三十年度から三十七年度までの漁港修築事業の進捗状況及びその他事業の実施状況でございます。修築事業これは国費部分でこれは国費部分が全事業で先ほど申しましたように三百七十億四千二百五十七万三千円、こういう計画でございますが、そのうち三十年から三十七年度まで予算がつきましたが、二百六十六億四千三百十二万七千円、全事業の国費率が七二%の達成率になっているという資料でございます。なお局部改良事業は、昭和三十年から三十七年までの実施額が二十四億三千四百万六千円、それから災害復旧事業、災害関連、それから災害助成等でいたしました分がこれこれで、全体の三十年から三十七年までに国費として投下いたしましたものの総計が漁港施設関係で四百八十六億三千六百五万一千円ということに相なっております。
 それから次が昭和三十年度から三十七年度までの投資額でございますが、これは漁港修築事業と漁港局部改良事業別にそれぞれ内訳を示したわけでございまして、漁港修築事業といたしまして二百六十六億四千三百十二万七千円、これは上の表の全事業の次に位置するのでございます。それの年度別の予算でございます。それから局部改良事業につきましては二十四億三千四百六万六千円の三十年から三十七年までの年度別の比になっております。
 それから次の三ページ第三点現行漁港整備計画の整備漁港の昭和一十七年度までの完成、工事中、未着工調ということで六百四港の計画対象漁港が現行漁港計画でございますが、六百四港のうち完成いたしましたものが二百四十三、工事中の現在継続いたしておりますものが三百十六、夫君工で着手に至らなかったものが四十五港ということになっております。
 第四点が現行漁港整備計画の整備漁港と変更漁港整備計画との関連で、これは私が補足説明で申し上げたことを表にいたした次第でございますが、総数が六百四港のうち、上の表に変更整備計画に採択するもの二百六十四のうちの内訳が、すでに現行の整備計画で
 一応計画工事の完了したものが八十四、それから工事中で第三に入るものが百七十二、未着工が四十五と申しましたが、そのうちで変更整備計画に取り入れるものが八港というふうにしております。なお改修事業の対象とするも二百六、現行整備計画の完成工事、未着工の内訳はこういうふうに書いてございます。局部五十六、そのうち現行整備計画で完成したもの四十九、現行の局部改良によって事業をするものが五港、未着工のうち局部改良で工事するものが二港、こういうふうなことで、右以外のものはこれは七十八港、これはもう整備の必要がない、こういうふうなところでございます。
 それから、次の変更漁港整備計画の港数内訳、三百八十港のうち、先ほど説明したとおりで、引き続いてやるものは二百六十四、追加、新しく取り入れるものが百十六、こういう表でございます。
 以上が御配付いたしました参考資料の説明でございます。どうぞよろしく御審議を願いたいと思います。
#16
○委員長(櫻井志郎君) 以上をもって本件に関する説明は終わりました。
  ―――――――――――――
#17
○委員長(櫻井志郎君) 次に、農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行なうことにいたします。
 質疑のある方は御発言を願います。
#18
○渡辺勘吉君 この前政府側からこの法案の説明がありました際に、資料要求をいたしたわけです。きょうその資料を配付をいただきましたが、これは要求した資料とは、非常に内容が簡略で、期待した資料ではないわけです。で、そのことは、具体的に委員部のほうにも、その資料の内容を口頭で申し上げたほかに、委員部にも詳細にその資料の内容を、区分けをつけて出したはずです。もっと具体的に申しますと、この出された半ぺらの「普及職員職穂別給料月額予算単価一覧」、これについては、要求した内容は、基本給月額、本給と、詳しく言えば扶養手当、暫定手当、あるいは期末勤勉手当、通勤手当、旅費、そういうものの内訳があるはずでありますが、そういう内訳を伴った予算単価を要求したはずであります。それは委員長も確認をして、提出を確約を受けておるのですが、大体慎重に十分審議をするにあたって、要求した最初の資料すらこういうことでは、容易に審議ができかねるのですが、どうしてそういう点を、要求どおりのものを出さなかったのですか。
#19
○政府委員(斎藤誠君) 私のほうで基本給についての予算の単価とそれから各都道府県の実際の支給単価がどうなっているかと、こういうふうな御要求と存じまして、さような数字を出したわけでございますが、今お話しになりました各手当につきまして、国の対象といたしておりまする予算単価は出ると思いますが、府県のほうが各手当別にどのように資料がまとまっておるのか、県別の詳細な、どのような手当をどういうふうに出しているかという内訳でなしに、手当総額というものは予算総額で決算書が出ておりますものですから、このような資料にいたしたわけでございます。
#20
○渡辺勘吉君 その県の場合の前にですね、国としてその予算単価を出すときに内訳があるわけですね。それをまず出して、県のほうでなければないでいいですが、なぜ最初に要求した、それは単に口頭だけでは不確かなので、事務局からも照会を受けて、その資料の内訳を書いて出しておる。それを、政府みずからが予算で立てた資料があるのに、そういうものも出さないで、この大事な法案の審議に入れないですよ。そこを言っているのです。
#21
○政府委員(斎藤誠君) 国のほうの予算単価につきましては、これはわかるわけでございます。ただいま即刻出したいと思います。なお、今口頭でよければわかる範囲で御説明したいと思います。
#22
○渡辺勘吉君 これは計数にわたることですから、やはり目で見ながらいろいろ説明を聞かぬと、具体的な問題検討にはなりかねますので、これは資料の提出の後にひとつその問題に触れて審議をさしていただきたいと思います。
 それから、きょう審議に入るわけでありますが、その前に、やはりこの提案された内容を検討するために、さらにまた資料を提出をお願いしたいのですが、これをよく聞き取って、出せなければ出せない、出せるならばすみやかに出して審議の資料に出していただきたい。
 というのは、まあ勘ぐるわけではありませんけれども、われわれ社会党としては、ここでやはり十分審議に値いする資料が、要求しなくても政府側から出されませんと、いわゆる公正な審議にはなかなか入りかねる。与党にはかなり詳細な資料は出ていると思うのですが、同じく国会で審議をするためには、要求しなくてももっと資料を出してしかるべきだと思うのですが、これは単にあなたの所管だけじゃないが、大体共通してですね、その資料の提出が非常に不十分である。不徹底である。要求したものも、今言ったように、逐次これが出される。そのうちに日程等で審議が促進されるということでは、真に審議の内容について十分に意見がまあできかねるわけです。それは共通的な問題ですから、委員長もひとつこの点は、やはり政府から説明をする前には、十分審議に必要な資料はあらかじめ提出をして審議に当たるようにですね。これからひとつ委員長からも注意をしてもらいたいと思うのです。で、差しあたりこの法案の審議に必要な資料として次の資料を提出をお願いいたします。それは、この普及事業費の国庫補助額と地方の負担額、その割合についての各県別の内訳をまず一表提出を願いたい。
 それから第二の資料としては、この普及職員の各県別の初任給の基準の一覧表を御提出を願いたい。普及職員の各県別の初任給の基準の一覧表をひとつ御提出を願いたい。
 それから第三点としては普及職員の、これも県別になりますが、給料表の、格付けですね。基準とその実態の一覧表。これもひとつ御提出を願いたいですが、この提出はできますかどうですか。
#23
○説明員(原政司君) ただいま御要求がございました資料につきましては、俸給関係につきましては、暫定、扶養手当までは計算ができるかと存じますが、その他の点につきましては、ちょっとただいま私のほうで計算ができかねるかと思います。その他御要求いただきました資料につきましては、調整をいたしまして御提出を申し上げたいと思います。
#24
○渡辺勘吉君 それはいつまでに提出願えますか。
#25
○説明員(原政司君) 早急に作りまして御提出申し上げたいと思います。
#26
○渡辺勘吉君 非常に政治的な答弁ですが、私は事務的に聞いているのでが、というのは、だいぶこの審議案件がたまっている早く審議してくれというふうに、まあ委員長からは督促を受けるわけですよ。で、こちらは一生懸命やるつもりだけれども、可及的すみやかに提出するなんて、あなたの政治的答弁では、それまで審議はストップしていいですね、委員長。
#27
○委員長(櫻井志郎君) 委員長から政府に申し上げますが、資料はできるだけ早く整備して出していただく。そのためには、今渡辺委員から要求のありました中で、できると答弁のあった資料については明後日、木曜の朝整備して出してほしいと思いますがいかがですか。
#28
○説明員(原政司君) ただいま委員長の御指示のとおり調製をして提出いたします。
#29
○渡辺勘吉君 木曜の朝出してもらえるとなれば、私は資料を見てすぐそこで資料を判断して、すぐそれについての意見は出しにくいので、その場合は翌日、その資料が出された翌日審議して、これはまじめに審議をしている態度だと認めてもらいたいのですが、その点はどうですか。これは委員長に伺います。
#30
○委員長(櫻井志郎君) 木曜の朝出せば午後には少なくとも審議はできます。(「そうはいかぬぜ」と呼ぶ者あり)渡辺委員の明快な頭でしたらば……。
#31
○渡辺勘吉君 ほんとうはやっぱり一日くらい資料で勉強して、審議をするという余裕は……。
#32
○委員長(櫻井志郎君) なお委員長からつけ加えますけれども、可能である場合には明日に届けるように努力はさせます。
#33
○渡辺勘吉君 それでは基本的には今の資料がやはりそろえて提出されたところで私は審議に入らなければ、客観的な審議の姿勢にはならないわけでありますので、きょうはその審議の前提となる点についてお尋ねをいたしたいと思います。この改良普及員の普及手当をつける内容の法律でございますがこの手当をつける法律改正をするに至った根拠は、一体どこにあるかをまずお尋ねをいたします。
#34
○政府委員(斎藤誠君) 改良普及員の手当を出す趣旨いかんという御質問だと思いますが、提案理由におきましても、また補足説明におきましても申し上げた次第でございますが、改良普及員の職務がきわめて他の職種と性格を異にした特色のあるものでございまして、特に農業基本法の制定以来、農業改良普及員の職務につきましては、従来の技術指導に加えまして、生産の選択的拡大であるとか、そのための果樹、畜産の技術指導であるとか、あるいは構造改善事業の推進に伴って、機械化であるとか、あるいは農業経営の近代化であるとかいったような業務、さらに最近の技術革新に対応して、いろいろの技術指導に対する任務が付加されておると思うのでありますが、その職務たるや、おおむね各改良普及員が直接農民に接触して、今申し上げたような広範な技術指導にあたって、自分が判断し、自分の責任において指導していくというような内容でありますし、また勤務内容自身におきましても、必ずしもテーブル、ワークと同じように定時々々で仕事を終えるというわけにもいかない。また担当する農家につきまして広く指導に行き渡るというような性質のものでございます。そこでこれらの職務の内容につきまして、昨年以来普及員としての一体職務というものについてはどのようなものであろうかということにつきまして実は調査検討を進めて参ったわけでございます。ところが大体改良普及員の職務内容の性格としましては、研究職あるいは教育職というようなものに非常に近い性格のものがある。また職務の実態におきましても、今申し上げたような事務的な仕事でない、つまり職務においては複雑困難なものがあるというようなことを考えまして、普及員に対する職務の手当として何らかの措置をとる必要があろうということになりまして、今回農業改良普及手当を創設するということにいたしたわけでございます。
#35
○渡辺勘吉君 非常に抽象的な答弁ですけれども、少なくとも計数的に改良普及員にあっては百分の十二、専門技術員にあっては百分の八というものを、毎日手当を支給する法律を改正するには、もっと客観的な計数の上に立って提案されたと思うのですが、その点をもう少し具体的に御説明願いたい。
#36
○政府委員(斎藤誠君) そこで先ほど申し上げました勤務の実態、あるいはその待遇まで含めまして、実は昨年度、賃金管理研究というのがございまして、これに調査の委託をいたしまして十七県につきまして、約一千七百名の改良普及員につきまして調査をお願いし、あわせてこれと関連する研究職等につきましての調査をお願いいたしたわけでございます。その結果、その委託調査の答申によりますと、その職務の、実態が、性格とすれば研究職、教育職に非常に近い、それから待遇の面から見ると、おおむね現在の普及員に対しまして一六%程度の研究職との格差があるという調査結果が出ておるわけでございます。そこでこの一六%というものにつきまして、われわれのほうでいろいろさらに検討いたしたのでありますが、これは改良普及員全体と研究職全体との格差について一六%程度あるということでございますので、これを学歴によっての差が当然ありますので、この学歴を消去いたしました結果、約一二%という数字が出たわけでございます。そこで改良普及員につきましては一二%とし、それから専門技術員と研究職については大体資格条件が同じであるわけでございますが、その資格条件の同じ専門技術員と研究職につきまして約八%の格差があるということで八%という計算をいたしたわけでございます。以上でございます。
#37
○渡辺勘吉君 ただいまの御答弁の中にありました政府では賃金管理研究所に調査を委託したと、これは弥富賃金調査研究所ですね。この弥富賃金調査研究所に委託をしてその実態把握の上にこれらの手当を支給する法律案を出したとなれば、要求しなくても、しかも国費を使って調査をしたその具体的データは、審議に最も重要なそういう基礎的なデータをなぜ要求しなければ出さないか、私は冒頭に言ったその姿勢が、はなはだどうも国会の審議を軽視しておるという、具体的にそういうことについて、遺憾の意を表さざるを得ないわけです。これはすみやかに、この法案提出の根拠となった実態と、しかも百十万も調査委託費を農林省が取って、その貴重な国費の中で弥富賃金調査研究所に調査を依頼して、その実態の中に今の法案が出ているんですから、これは報告書をわれわれに示して、その実態の中からこういうものが出たという、もっと検討に値する資料を、要求されなくても出すのが当然じゃないかと思うのですよ。事が万事、そういうようなことでは、まじめに審議に当たろうと思っても、審議する意欲が出てこない。まじめにこの問題について取っ組もうとする場合に、これは再三言いますけれども、非常に態度はふまじめである。国会に対してほんとうに審議を依頼する気があるのかどうか。これは政務次官どうですか一体。これは基本的な態度の問題ですよ、政府の。
#38
○政府委員(斎藤誠君) 法案、審議に必要な資料といたしまして、一応、改良普及事業の現況についての資料をお配りいたしたわけでございますが、法案審議にあたりましていろいろの御要求の資料につきましては、そのつどわれわれも積極的に出して参りたいということで従来とも処して参りましたので、今回におきましても、特に資料を出さないというふうな考えは毛頭ございません。
#39
○渡辺勘吉君 それでは重ねて資料提出を要求します。弥富賃金調査研究所に百十万を使って委託調査をした、その調査の報告書を資料として提出を要求します。これはいつ出ますか。
#40
○説明員(原政司君) ただいま御要求がございました賃金管理研究所の報告につきまましては、さっそく取り寄せまして御配付を申し上げたいと思います。
#41
○北村暢君 私は資料をひとつお願いしたいと思うのですが、研究職、教育職に似ておると、こう言うのですから、弥富研究所の資料ができれば、その研究職というものの給与のほうがどういうふうになっているかということがわかるようになっておれば要りませんけれども、研究職、教育職の給与の内容がどういうようになっておるか、それのわかる資料をお願いしておきます。
 それから、農林省には普及関係の水産、林業、その他たくさんあるわけですが、こういうものの比較が、一体どのように検討されておるか、それをひとつ、ほかのものを、わかるように出していただきたい。
#42
○政府委員(斎藤誠君) 今の研究職の関係は、今の報告書の中にあると思います。
 それから林業、漁業との関係の普及員との比較でありますが、これは私どもが改良普及員だけを対象に調査いたしましたので、他のほうはどうなっているかということについての比較検討をいたしたわけでは必ずしもございません。
#43
○北村暢君 これは不公平になってしまいますから、やっぱりほかのものを出しておかなければ……。私のほうは反対でないのですよ。賛成なんです。賛成なんだけれども、もらうものともらわないものが出ると不公平になってしまいますからそれがやはり、私どもとしては知りたい。それからこういう給与というものは、こういう改良助長法という法律の中で特定の給与というものをきめるということは、これは給与法上のどういう関係になるのか勝手に実体法の中で給与をどんどんきめていった日には、給与の行政の混乱が起きるんじゃないかと思うんですよ。したがって、国家公務員の給与法の中においてこれが準用されて、地方公務員は実施されているわけですから、そういう面で、給与法との関係が一体どうなっているのかこの普及員手当と称するものが、公務員給与法の中の何に該当するのか、ひとつそういう点もわかるような資料を出していただきたいと思うのです。いかがでしょうか。
#44
○政府委員(斎藤誠君) 前の林業、漁業のほうの関係はどのような単価になっているかということの比較をすることにつきましては、ひとつ関係局のほうにそういう資料が出せるかどうか、連絡してお答えいたしたいと思います。それから今のあとのほうの給与上の関係につきましては、これは国家公務員でなくて、地方公務員の給与になるわけでございます。したがって、根拠としてはやはり条例で制定することになりますが、この種の手当につきましては、少なくとも法律的に措置するということになっておりますので、特にこの法律によって手当を出すということをきめたわけでございますが、今先生の御指摘のとおり、通常の場合でありますと、国家公務員についての給与法がありますから、それに準じて地方はやれということになるわけでございます。これは国家公務員についてのこういう手当というものがないわけであります。地方公務員だけについてこのような手当を出す他の例といたしまして、たとえば産業教育手当の支給といったような、法律に基づいて地方が手当を出しているというようなものもございますので、そういうものにならいまして、今回この法案を出したわけでございます。したがいまして、国の給与上の取り扱いとは異なるものであろうと、こう考えております。
#45
○渡辺勘吉君 今の北村委員の資料要求に関連いたして、明確にひとつ資料の提出を要求いたします。というのは、森の場合でも、水の場合でも、それぞれやはり林業普及指導員あり、あるいは水産普及指導員あり、あるいは養蚕の普及指導員あり、これは地域の農山漁村民にとっては、同一の職種、同一のやはり役割をそれぞれの業種によって担当する普及員と受け取っている。したがって、改良普及員のこの手当を取り上ざる場合には水産庁が一体所啓する普及員に対する現状がどういうふうな状態になっているのか、給与関係ですね、また林野庁が、その林業普及指導職に対しては、これは森林法によって設置をしているわけですが、それの法律的な根拠なり、法律がなければ行政措置なりそういうものに基づいて、どういう国の補助をし、実態がどうであるかという、そのやはり現状についの資料が提出されまして、やはり関連してこれは検討をする必要があるわけですから、これは農政局長に資料を要求するのでなくて、政務次官に、これは取り上げて、この養蚕と森林と水産と同一業種の普及員に対する、農業改良普及員に資料提出をお願いしたと同じ基礎に立つデータを提出を願いまして、それぞれの政府委員からその資料の説明をできるだけ早い委員会の機会に、これは資料提出しっぱなしじゃなくて、それぞれその資料に基づく具体的な説明を資料提出とともに合わせてお願いをしたいと思うんですが、それ政務次官引き受けてやってもらえますか。
#46
○政府委員(大谷贇雄君) ただいまの資料並びにそれについての説明の点につきましては、さっそくそれぞれの局に連絡をとりまして提出をいたしたいと、かように考えております。
#47
○渡辺勘吉君 提出と説明ですね。
#48
○政府委員(大谷贇雄君) はい。
#49
○委員長(櫻井志郎君) ほかに御質疑はいかがですか。ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#50
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。
#51
○天田勝正君 すでに社会党の各委員から本案審議に必要なる資料の要求がございました。私の質問も、実はその資料が整ったときのほうがよろしいんでありますが、とりあえず質問いたします。
 農業改良普及手当というものを今後改正されれば支給されるようになる。私はまあ過去にこの例がないとは申しません。ただ不思議に感ずることは、手当というものは、本来自分に属せしめられた職務そのものに対しての手当というものは、私はあまり聞いたことがないんです。産業教育手当なども、他の事業も行なうが、しかし、助手などという名目で、実際には非常に重要な役割を果たしている。しかし、身分的に、どうも給与体系的に特別な処遇ができない。こういう場合に、やむなく産業教育手当などという名前を無理につけて処遇するということなんですね。一般の常識からすれば、事務員ならばその事務そのものに手当というものはあり得ないはずで、通うために通勤手当とか、普通そういういう場合なんです。ところが、これは名称からしても農業改良普及手当というんで、この農業改良普及員というのは、農業改良普及することが本職なんです。その本職に対して手当をしたらば、事務員は事務手当と、すべてそういう式になりゃせぬかと思うんです。これは不思議なことだと思うんです。むしろそう言うと、それじゃ天田の所論は手当をやらないという所論かと、こういうふうに感違いされるとまことに迷惑なんですが、やる上で、ほんとうは本給が足らな過ぎるので、本給のほうを直してしまうというと、今度はその本給が基礎になって、すべてのものが、期末手当から、いってみれば年金に至るまでずっと引き上げなきゃならない。その引き上げのほうを押えるためにここにごまかしを、他に例があると称して理屈に合わないものを持ち込んだ。どうもこういうような気がするんですが、この点はいかがですか。
#52
○政府委員(斎藤誠君) 御承知のように、現在の俸給の場合におきまして、本俸があり、そうしてそれに必要なそれ以外の手当として、あるいは超過勤務手当、あるいは通勤手当、あるいは特殊勤務手当と称されておりますが、特殊勤務手当があるわけでございますが、これらの手当につきましては、従来の内容はほとんど特殊勤務手当に該当するものが手当というものでなかろうかと思いますが、たとえば、危険作業に従事するために特別の危険手当であるとか、あるいは不快な作業に従事するための特別の手当であるとか、それから実費弁償的な通勤手当とかいうようなものがあるわけでございます。今回設けました手当は、いわばそういう実費弁償的な手当ではなくして、いわばその勤務自身について、いわば俸給表を別の俸給表で一つ立てるという考え方もあり得ると思うのでございますけれども、現状におきまして、別の普及職についての俸給表を作るということもむずかしい問題がありまして、むしろ普及負の職務を実態に応じて恒常的にその複雑な困難な職務の内容において支給する、こういう考え方で普及員の手当というものを設けたわけでございます。
#53
○天田勝正君 それは局長もまことに苦しいんで、こっちも苦しいのがわかっておりながら質問するんですが、事実その与えられた職務に対しての手当というものは、これは理論的にもあり得べからざるものなんですよ。常時危険を伴うとかなんとかいうならば、それは何号俸なり初めからその職務に対して引き上げる、こういう処置をとるべきなんです、どう考えたって。その何かの危険があるとするならば、極端な例を申し上げてあれですが、鉱山なんかに働くとけい肺になる。こういうものはその職務に携わっているときだけの危険にとどまるのじゃなくて、危険になれば必ずそういうものがあとあとまで残ってくる。だから、本来本給を高くしていくことによって年金に至るまで高くしてやる。たとえば自動車の運転手、これは統計でも明らかなように、明瞭に寿命が短いですね、ほかの職務より。こういうのがわかっていて、それに対しての手当なら、与えられた勤務についてその人間は、勤めたときだけの手当はもらえるかもしれないけれども、寿命が短くなったという分については、本給が基準だから何もそれは処遇されてない、こういうことになる。ですから、危険ならどうしても本来の職務に対して手当を与えなければならないということは、それができないとするならば、俸給表自体のほうが誤りである。どうしても号俸なんかを引き上げる、そういうことは私はできると思う。たとえば現に行政職(一)と(二)の関係におきましてだってこれを事実やっていますね。いろいろなそれは理屈はつけるのですけれども、その行政(二)と認められるべきものを行政(一)にしたり、これは、私らの身近かなところでもやっておるし、われわれも気の毒だからそういう処遇をすべしという主張をしておる。今現在だってやろうとすれば、できないはずはないのですよ。だからこれがおかしいということになる。それは今明確なお答えがなければ、また資料をいただいてから質問します。それでそれを答えてくれなくてもいいと言っておるのじゃないのですよ。答えてもらって先へまた行きます。私は実にこういう技術的なものに、常に不思議に感じておることなんですが、どうもいつでも学歴だけを問題にするのです。それで、日本はどうも経験というものをさっぱり重きを置かない。これは私は技術士のときも大いに議論したのです。とうとう提出を取りやめたりなどしたことがあるのです。事前に議論を大いにふっかけたことがある。学問というものをあまり大切にするのじゃなくて、免状を大切にする。三けたのかけ算ができなくたって、大学出は大学出なんです。不可思議しごくなんです。われみたいに学歴のない者にとっては、そういう制度は被害甚大でございまして、了解はとてもできない。それで今度もやっぱり補足説明や提案理由を聞くというと、四年制大学またはこれと同程度、これは一体どういうことなんですかね。どういうことだって大ざっぱに聞いちゃわからぬと思いますけれどもね。たとえばこういう制度の一番サンプルになるのは、やはりデンマークだと思うのですね、農業関係では。例の国民高等学校へ行って初めの二年くらい専門的な技術を教えないで、哲学とか何とかそういうことばかり教えておって、容易に専門技術に入らない。いわゆる池田さんの大好きな人づくりなんです。これをやって、今度は帰ってきて農家へ見翌いにいくのですね。これが一年半くらいです、大体。また帰ってくる、国民高等学校というのは、これを大体四回くらいやりませんと、いわゆる普及員にはなれない。これを四回もやるのですから、もうその人自体にどだい農民は信用することになる。何でも相談することなる。ところが、日本ではそういう実地のほうをあまりたっとばないで、免状を持っていなけりゃだめなんだ。大学の免状を持っていれば、オールマイティみたいな格好で、こういうことをまたこういう一番実地に即して一番毎日その仕事をやっておる人に接する職員に似たようなことをやるというのはどういうのだ。処遇を改善するのなら、これは処遇を改善する別の道もあるわけだし、現実にその地方にまたりっぱな農業改良普及が行きわたっている。そういうことで学校を出てなくても、その処遇を改善してもいいのだし、むしろこういう実態に即した職務にこそそういうことが必要だと私は思うが、どういうお考えですか。
#54
○政府委員(斎藤誠君) 前の手当についての性格が明確でないという御質問につきまして、まずお答えしたいと思いますが、お話のように、その職務自体につきまして、今の俸給表自身を適用することについて必ずしも適当でないというような見地からであるならば、手当でなしにむしろ俸給表を改正すべきではないか、こういうふうな一つの御質問かと思います。確かにそういう面から見れば、御承知のように一般行政職のほかに、研究職あるいは教育職というのは別の俸給表になっておるわけでございます。そこで普及員にも、そのような性格があるとするならば、これをむしろ手当ということでなしに、俸給表として号俸を上げるとかいうような方法によって改正したらどうであるか、こういうふうな御意見かと存じます。確かにそういう御意見も一つの御意見だと思いますが、先ほど申し上げましたように二つこれについては難点があるわけでございまして、一つには今、全体として俸給表に新しく特殊な職種を設けるという方向をだんだん整理していこう、減らさないまでも、さらに増加をしないという考え方が関係省の間に強いわけであります。それからいま一つ普及職自身につきまして俸給表を改正するということになりますことは、いわば待遇全体を一つの格づけをすることになるわけでございますが、先ほど来普及職手当を設けました理由として申し上げましたように、むしろその職務に着目して待遇上の措置を考えていきたい、こういう考え方でございますので、普及職員というものにつきましても、もっぱらその事業に従事しておる間について支給しよう、こういう考えでございます。したがって、もしそうでありますならば、むしろ他の例もありますように、職務の性格から見まして恒常的に支給するという考えのもとに、職務に着目いたしまして手当という方法で出したわけでございます。しからば、特別手当ではどうかという御質問になろうかと思いますが、それは先ほど申し上げましたように、現在の特殊勤務手当というのは、たとえば危険であるとか、あるいは不健康な作業であるとか、あるいは不快あるいは困難な業務に従事しておるというようなその作業に従事している期間について手当をいわば実費的にむしろ出していく、こういう性質のものでありまして、たとえば放射線の作業に従事している場合においては、その作業期間中に手当を出す、しかし、その作業から離れれば手当は出さないというように現在はなっているわけでございます。そういうものとは普及職員の手当とは性格が異るという意味で、特別な手当にいたしたわけであります。
 それから第二の御質問の、どうも日本は学力だけを中心に考えておるということについては、必ずしも普及員の指導の面から見ると不適当ではないか、こういう御質問だと存じます。農業の指導に当たりまして経験的な要素というものが必要であることは、全く御指摘のとおりであろうと考えます。ただ今後の技術指導にあたりまして、だんだん技術が高度化して参ります際に、試験場の新しい技術あるいはそれを農家に十分理解させ、普及していくという場合におきまして、一般的なやはり学力の素養というものをやっぱり考えてやらなければならない。現在におきましても資格といたしまして学力というものにある程度着目して現在もやっているわけでございますが、各国の普及員に対する資格、特に一般的な資格の社会的な評価の面からいいまして、大学卒あるいは大学程度の学力を必要とするというふうな状況になろうという意味におきまして、特に任用資格の引き上げをはかろう、こういう考えをいたしたわけでございます。しかし、それならしゃくし定木的にすべてを律しようという考え方ではないのでございまして、いわば十分高度の技術あるいは試験研究の成果を理解して、これを普及し得るような学力、能力があるということを基本に考えておりますので、必ずしも大学を出なくても、同等の学力がある者については、当然普及員としての資格を与える道を残しておるわけでございます。決して大学だけですべてを律する、こういうわけではございません。
#55
○天田勝正君 別のほうで迎えに来ましたから、これで退却してこの次に回しますが、どうもまことに御指摘ごもっともで、あとはしかしながらというような、しかしながらが先であとで別のことを言っちゃ困るので、しからばその資格を認定するのはどういう人で、たとえばかつての高等試験のごとき制度を設けて、手当を与えるということは地方の条例にまかせなければならないから、それでやむを得ないという前提に立ったとしても、地方々々でばらばらになっては困るわけなんです。その資格を与えるなら与えるで、ですから、昔でいうならば専検ならば専検、私はああいう制度があっていいと思うのです。ああいうものがなければ、まあこの議員の中にもおりますけれども、私自身だってちょっと資格が取れなくなる。ああいうものがあったから、みんな図画みたいなものを取らなくてもいい、枢要のものを片っ端からおれも取ってやるのだ、こう言えば、これは天田がばかでも何でも向こうはそう認める。きのうの天田ときょうの天田とちっとも変わらないが、専検を取ったというので人は認める、こういうわけなんです。実際日本の実情は実力なんかどうでもいい。そのときに免状があればいいということです。その免状の基準も、さっきから言うように、鹿児島と北海道で違う、こういうのじゃ困る。だからやはり試験するならするで相当権威ある機関を持たなければならぬ。かつての高等試験の、これは最上の権威かどうか、ここでは議論しませんけれども、どういうところから認めるのですか、いかがです。これだけ聞いておきます。
#56
○説明員(原政司君) ただいま先生の御質問がございました普及員の資格試験につきましては、現行制度におきましては、何と申しましても、全国多数の方々が受験いただきますので、国におきまして一括試験をいたすことはまことに非常に困難がございますので、現行制度におきましては、各都道府県知事がこれを行なうということになっております。しかしながら、御指摘のように、試験の方法がいろいろ区々になりましては、御指摘のような欠点が生じまするので、国といたしまして、試験科目、あるいは方法等につきまして規定をいたしております。なお、試験の審査委員につきましても、関係官庁の職員とか、あるいは学識経験者等から試験審査委員というのを知事が任命いたしまして、所定の方式で厳重に審査をして参る、こういうことでやらしていただいておりますが、今後もこれまでにいたしました試験の方法をほぼ準用いたしまして、改めるべき点はさらに改め、厳正を期したいと、こう思っております。
#57
○天田勝正君 これは困りますね。厳重に審査するといっても、ルーズに審査するなんという人はないのです。これは厳重に審査すると言うにきまっていると思うのですけれども、しかしそれはやはり地方々々でどうしてもばらばらになるでしょう。ですからおそらく昔の専検、高検という制度も一つあった。これは改められた専検じゃなくて、専検も高検もともにあれだったのですよ。一番むずかしい数学とかいうようなものは正直にやった。それでもうそれができないやつは、翌日から他の試験を受ける資格なし、こういうことでむずかしかったのです。しまいに文部省で統一いたしまして、それで全国一斉にやったんです。そうすると、数学はできても図画はできない、私はそのとき取ったからよかったんですが、図画みたいなものは、これは技術家に怒られるかもしれませんけれども、たいして用はない。そういうものは試験を通らなくても、数学なら数学を通る、国語を通る、そういうことで一つ一つが認められたんですよ、専検なんか全国あれだけの数が一斉に受けて、そうして百分の一くらいがうかるんですけれども、それでも全国一斉にできたんですよ。一つ一つ科目ごとに資格を保持できる、全部をとればそれは要するに専門技術員になれる、こんなくらいのことはできないはずはないんですよ、今だって。今途中ですけれども、今から御準備なさってできるんですから、改めるつもりはありませんか。とてもできないという理論は成り立ちませんよ。いかがですか。
#58
○政府委員(斎藤誠君) お話しのようなことも、検討はいたしたことがあるわけでございます。しかし、やはり二千名も受けるということでございますので、また、同時にこれは地力の公務員として採用されるべきものになるわけでございますので、そういう意味で地方の公務員試験の採用と、それからまた改良普及員としての資格、その両々によってやるということにいたしております関係も考慮いたしまして、一応今のところは現状においててやっていきたい。なお引き続き検討はいたしてみたいと思います。
#59
○天田勝正君 あとに回しますけれども、薬種商なんかも地方地方でやるんですよ。やったってちゃんと国の法律で定めている、それで試験ができるんですよ。そういう実力がばらばらにならないように。だから一歩譲って、全国一斉のものができなくても、今からやってもやれるはずなんです。できている現実を知っているんですから。委員長、指摘しておきます。
#60
○堀本宜実君 時間があるようでございますので、一、二御質問をいたしたいと思いますが、この町村合併等をいたしまするために、耕作農民が行政庁とたいへん遠くなるという意見がございます。それと同様に、農業改良普及員が、かつては各村々に配置をされている、それが町村合併とともに、集合事務所を持つようになる、それが現在では普及所ということになってくる。そうすると、現実の耕作に従事する農民との間に非常な距離ができすぎるという意見が、農民の間からあるのでありますが、そういう点について何か御意見がございますか。
#61
○政府委員(斎藤誠君) 改良普及員の任務といたしましては、直接農民に接触して技術の指導に当たるということでございますが、御指摘のように、非常に農民から離れたようなところにあるということになっては、十分の目的が果たされないことは、御指摘のとおりでございます。現在におきましては、御指摘のように、いわゆる駐地区制というものをとりまして、普及所単位に大体、七名がそこにたまりになって、いわば集団指導という形をとっているわけでございます。各村に普及員が配してあるというのも一つの方法でありますが、同時にこれに伴っての一利一害もございまして、最近のように非常に農家から高度な技術指導を求めるという要望の強い地方におきましては、さらにまた畜産だとか果樹だとかといったような特技を非常に求められる状況のもとにおきましては、むしろ一人がすべてをやるということは、ほとんど不可能のことに近いわけでございますので、むしろそれぞその特技を持った人が集団的に駐地区に絶えず駐在いたしまして、そこから各村に出向いて参るというようなことで現在は推移いたしておるわけでございます。しかし、今お話になりましたようなこともありますので、その普及所は普及所単位に駐在はいたしておりますけれども、それぞれの市町村の担当地区は一応担当者は現在もきめてやっておるわけでございまして、これらの普及担当者が村におきまする農協の技術指導員なり、あるいは町村の勧業職員なりと相協力して農民の指導にあたるというようなことで、今お話になりました点をカバーして参りたいという考えでございます。
#62
○堀本宜実君 そういうことでございますと、一般普及職員を特技普及員というような方向へ再教育をしていくことがよろしいかとも思いますが、そういう御計画はございますか。
#63
○政府委員(斎藤誠君) 御指摘のとおり、今後改良普及員をできるだけ特技普及化することが何よりも必要である。それによって指導力の強化もはかって参りたいという考え方に立っておりまして、今回の手当の支給と相関連しまして、全改良普及員を特技研修の対象にいたしていきたいということで、今後、お手元に資料も配布いたしておりますが、三十三年から三十六年までに特技普及員として研修を実施いたした者が三千九十一名ございますが、これを残りの普及員につきまして、三十七、三十八、三十九、四十、四十一年と五カ年で七千十名を対象に全部改良特技普及の研修をさせるということにいたしたい。今回三十八年度からは、特にその意味におきまして特技研修の内容も強化する意味で、従来特技研修期間を六カ月ときめておりましたが、それを十カ月に引き上げるという措置もとることにいたした次第でございます。
#64
○堀本宜実君 農業経営の内容は、きわめて急激な変化、転換を余儀なくされております。これは何人も認めるところでございますが、そういうことにおいて普及員の資質の向上といいますか、あるいは従来学校教育の立場から考えても、きわめて最近は変化を余儀なくされておる時代に向かっておりますが、それについてどういう措置を講じて教育をされる御意思があるか。
#65
○説明員(原政司君) ただいま御質問の点につきましてはかように考えております。研修につきましては、ただいま農政局長から御説明申し上げましたように、だんだん農業経営が技術的に専門化して参りますことを考慮いたしまして、特技研修の充実をやって参りたいというのが第一点でございますが、先ほど天田先生の御指摘にもございましたように、今日りっぱな腕を持っておられる普及員もございまして、旧制の中等学校あるいは新制の高校を御卒業になった方も現に御活躍を願っておりますが、それらの方々につきましては、通信教育等によりまして、一般学科あるいはその他の知識のあるいは技術の向上をはかって参りたい、なお、さようにいたしましてでき得べくんば何と申しますか、短大卒業といいますか、そういった方向に向けてだんだん資質の向上をやって参りたい。なお、さようにいたします一方で短大卒業程度の方々に対しましては特技研修をいたしますと同時に、今回新しく国立四年制大学に約年間三百名の方に留学をしていただきまして、一カ年間大子で専門学科並に一般の基礎学科につきまして勉強をしていただくという計画を持っておりまして、今日御活躍をいただいております普及員の方々に対しましても、ただいま申し上げましたような方向によりまして、基礎学力、一般定力の向上をはかりまして、提案理由等で御説明申し上げましたように、大学卒業程度に匹敵すると申しますか、そういう方向へ向かってだんだん資質の向上をはかって参りたいということで、研修費におきまして大幅な増額をお願い申し上げておる次第でございます。
#66
○堀本宜実君 通信教育は鯉渕学園から行なっておるようでございますが、通信教育によって資質の向上をはかるというか、通信教育は義務的なものか、任意でやっておるのか。
#67
○説明員(原政司君) ただいまお尋ねでございました鯉渕学園の通信教育につきましては、制度といたしましては任意でございますが、年間三百名を予定いたしまして通信教育が十カ月、それから集合研修と申しますか、集合研修を一カ月、かようにいたしまして所要の予定を終えることになっております。
#68
○堀本宜実君 これは任意というのでは、通信教育をいたしておりますという外題には少しはずれるような気がいたしますが、私は何か助成措置を講じて義務的に、巡回的に、画一といいますか、あまねくそれが全部の人に及ぼされるような教育にしてほしいと、こういう意見を持ちますが、お考えございますか。
#69
○説明員(原政司君) ただいま御指摘ございましたように、任意と申しましても、私らといたしましては、先ほども申しましたように、年間三百名という物理的なスペースの関係もございますので三百名ということで着々計画的にやって参りたい、かように思っております。
#70
○堀本宜実君 再教育をしてこの曲がり角に立ち、また転換を余儀なくされておる近代化、合理化の研修をし、再教育をするということは、お説は承ったのでございますが、補足説明の中に、また、ただいま御説明をいただいた中にも、再教育の場として大学留学研修というものを計画されておるようだが、その計画が国立大学と指定しておる理由は一体どういうことなんですか。必ずしも国立大学でなければならぬという理由は僕はないと思うのだが、最近における教育の大部分は、六〇%以上私立大学がこれを受け持っておる日本の現状からして、国立大学という特に銘を打っておる理由は一体どういうことなんですか。
#71
○説明員(原政司君) 堀本先生御指摘のように、国立大学でなければならないということにはならないかと存じますが、何と申しますか、本年初めて制度として着手をいたしますようなわけでございまして、経費の点等につきまして国立大学のほうにお願い申し上げるほうが比較的安いといいますか、そういう扇情も一方にはございますが、実は国立大学の方々とは、かなりこういう制度を創設するにつきましていろいろ時間がかかりますので約一年間にわたっていろいろ御相談申し上げまして、やっと本年開始をするというような段階になったようなわけでございます。御指摘のような国立大学以外の学校への研修等につきましても、今後十分研究をして検討を加えて参りたい、こう思っております。
#72
○堀本宜実君 どうも最近世上国立大学でなければならぬというか、何か官尊民卑というか、そういう気風が私はいろいろな角度で横溢しているような気がするのでございますが、私立大学というような大学にもそれぞれ特有な性格を持ち、この授業ならばこの大学がナンバー・ワンだといわれるようなものがございます。それが私立大学の特有なものであろうかと私は思う。それが国立大学にという特に前書きをして大学を指定しようという考え方自体に、何かとらわれておるような気がしてなりません。これについても少し将来考えるというのじゃなしに、相手の学校と協議をしたことが、国立大学であったから国立大学に今回はしたというのならば、私立大学ともあらかじめ相談すべきじゃなかったかと私は思う。その点はきわめて遺憾に思います。
#73
○政府委員(斎藤誠君) これはむしろ経緯を卒直に申し上げたほうが明らかだと存じますが、実は御承知のように、全国に約四十余の農業大学があるわけでございます。これらの大学におきましても、いろいろと農業の情勢の推移に応じまして、いかような形であるべきであろうか、農林省はもっとこういうものに対する何らかの注文があるんではなかろうかというふうな御意見もありまして、たまたま改良普及員の研修についていろいろ検討いたしておりました際でもございますので、そこでそういう御要望もあり、われわれとしてもそういうことによって大いに普及事業についての関心なりあるいは研修事業についての一端をそこでやっていただけるということであれば、非常に望ましいことではないかということで、実は昨年から関係の大半で、特に幹事になられる人もきめていただきまして、文部省も間に入り、そうして一応来年度から希望の学校について一年間の留学研修をやろうということになったわけでございます。決して初めから国立大学のみを対象に考えたというようも、むしろ卒直に申し上げますと、今いったような経緯からこういう期せずして国立大学になったと、こういうことでございます。今後におきまして、私立大学におきましても農業のいろいろ特色があり、また積極的に普及員の研修の措置をも講じたいということでございますならば、これはわれわれとしても十分検討いたしてみたいと思いますが、何しろ大学自身に対する、研修を受け入れるにつきましては、これは文部省がすべて所管いたしておりまして、今回の留学の方法も、われわれとしては各県に留学に必要な助成をする。そうして児と大学と契約して、そうして必要な人員を受け入れ、その受け入れた措置に対しましては文部省がこれを指導監督する、こういうことに仕組みとしては相なっておるわけでございます。したがって、農林省から直接国立あるいは私立大学に研修の委託をするような措置をやることは、所管上あるいは無理かと思いますが、十分文部省ともそういう面につきましての今後話し合いをしてみたい、こう思っております。
#74
○堀本宜実君 このことについては重ねて要望をいたしておきますが、もともとそういう経緯を作ったということは、そういう下心があるから、あるいはそういう計画を遂行しようということに基づいてそういう経緯が生まれてきた。自然に生まれた経緯ではなくして計画的経緯である。そういう立場に立ってものを考えると、いかにもやり方が私はよくないと思う。これは常に私学官学の差別については世論ごうごうたるそれぞれの意見があるときに、官学、国立大学ということを指定されたということは、農林省自体にその際思慮がなかったということと、農林省自体に自主性がないということを明白に物語るものだと思って、はなはだ遺憾に思う。将来はこれに対して十分に御注意を願いたいと存ずる次第でございます。
 もう一つ申し上げたいと存じますが、「普及事業の分野に優秀な人材を確保するため、その勤務の実態に即し農業改良普及手当を支給する」計画である、こう言われるのでございますが、なるほど優秀な人材を確保するために、その勤務の実態に即してそれぞれ手当を増額いたしますることは、まことに時宜に適したことであると思うのだが、「実態に即し」というここが問題になろうかと思う。どういう実態に即していかなる方法で上げていくのか。いわゆる勤務評定なるものを作ってやるのか、あるいは腰だめでやるのか。その「実態に即し」という解説をひとつお願いを申し上げたい。
#75
○政府委員(斎藤誠君) この「実態に即し」という意味は、ちょっと言葉が不十分かと思いますが、手当を出す趣旨を言ったわけでございまして、的に出す場合に勤務評定をやるとか、あるいはどのような選考をするかとかいうような意味をここで「即し」という言葉で言ったわけではないわけでございます。むしろ、改良普及員としての職務の内容が、普及員手当を出すに即するものであろうという意味を「即し」という言葉で言ったわけでございます。対象になる者は全員がこの改良普及員手当の対象になるわけでございます。
#76
○堀本宜実君 それではおかしいと思うのですがね。それならば前書きに「優秀な人材を確保するため」何々に「即し」と、こう書いたのでは、これは書いてあることを言っているのです私が発明しているのじゃない。ちゃんと趣旨説明にそういうふうに言われておる。その言葉自体について解説を願っておるのであって、御説明を願っておるのであって、優秀な人材を確保するというのだが、それは全部にいとしくやるのだというならば、ちょっと筋がおかしいようにも思うのですが、そうはお考えになりませんか。
#77
○政府委員(斎藤誠君) 普及員手当を出す直接的な理由といたしましては、今申し上げましたような普及員としての特殊な職務の実態に着目して出すということにいたしておるわけでございますが、まあ、その職務の実態についてある程度の評価が行なわれ、また他のほうについていない特別の手当がつけられるということになりますならば、そのひいて影響するところは、やはり普及員としての社会的評価が高まったということにもなりましょうし、いろいろ人材もそれによって普及員になろうということで集まることにもなるだろう、こういう効果を期待した意味でございます。
#78
○堀本宜実君 わかりました。そういうことならもう重ねて必要はないのでありますが、どうも感じ取ることは、何かこれを平等な形でやるというふうには考えられないように受け取るのですよ、これをすなおに読んでみ、解釈をしてみますと。優秀な人物を確保するために、その分野に応じて実態に即したような手当を支給しよう、たとえば部落協議会に出る回数が非常に多い、そういう業務を担当している人たち、そういう人たちには余分に手当を出す。あるいは所長級で、現実にすわって事務をとっていて、夜分にあるいは遠路わざわざ出ていって指導をすることのないような人たちには、これを薄くするというようなふうに考えるのですが、そういうこともあり得ますか。
#79
○政府委員(斎藤誠君) そういう御意見も、支給の方法として考えたらどうかという意見は聞いておりますけれども、現在は一律に出そうむしろ普及員そのものの職務が先ほど申し上げましたようにテーブル・ワークと、違って、夜中にも行かなければならないし、夜にもかかるような勤務の実態であるし、あるいは雨風問わず遠路をかけずり回らなければならぬということでもありますので、そういう普及員の職務に着目して出したいという考えでございます。
#80
○堀本宜実君 これをもって私の質問はやめますが、一応今後また御質問申し上げる機会があるかと思いますが、それならば「勤務の実態に即し」ということは要らないのじゃなかろうか、勤務というものの実態に即するがゆえに、そこに厚薄がなければならなぬという必然的な解釈をするわけでございます。勤務の実態にというものがなく、勤務はどうであっても、平等に手当を支給するのだというならば、勤務がどうであろうと、実態がどうであろと、私はこういう必要はなかろうと思うのですが、どうも、補足説明でお述べになったことと、ただいまの御説明は、少し違うように思いますが、どうか、もし実態に即しておやりになるのならば、曲がった実態を基礎にされないように、公正に実態をつかみ得る方法を御研究になって、おやりにならないと、物議をかもすおそれがないではないと、こういうふうに思いますので、申し上げた次第でございます。
#81
○委員長(櫻井志郎君) 本日は、この程度とし、これをもって散会いたします。
  午後四時二十三分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト