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1962/03/07 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第16号
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1962/03/07 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第16号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第16号
昭和三十八年三月七日(木曜日)
   午前十一時二十五分開会
  ―――――――――――――
 三月六日
  辞任      補欠選任
   重政 庸徳君  野知 浩之君
 三月七日
  辞任      補欠選任
   亀田 得治君  山口 重彦君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           青田源太郎君
           仲原 善一君
           渡辺 勘吉君
           森 八三一君
   委員
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           梶原 茂嘉君
           木島 義夫君
           中野 文門君
           野知 浩之君
           藤野 繁雄君
           堀本 宜実君
           山崎  斉君
           大河原一次君
           北村  暢君
           安田 敏雄君
           矢山 有作君
           牛田  寛君
           天田 勝正君
  政府委員
   農林政務次官  大谷 贇雄君
   農林省農政局長 齋藤  誠君
   林野庁長官   吉村 清英君
  事務局側
   常任委員専門員 安楽城敏男君
  説明員
   林野庁林政部長 厚味荘之助君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業改良助長法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○森林組合合併助成法案(内閣提出)
○林業信用基金法案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。
 委員の異動について御報告いたします。三月六日付をもって委員重政庸徳君が辞任され、その補欠として野知浩之君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(櫻井志郎君) 農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 ただちに討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#4
○仲原善一君 私はただいま議題となっております農業改良助長法の一部を改正する法律案について自由民主党を代表して、この法律案は妥当なものと認めて賛成するものであります。
 なお、本法律案について先般委員長及び理事の打ち合わせによりまして各会派の共同提案をもって便宜私が代表して次の附帯決議案を提案いたします。附帯決議案の案文は次のとおりであります。
  「農業改良助長法の一部を改正する法律案」附帯決議(案)
第一、政府は法の施行に当り、特に次の事項に遺憾なきを期すべきである。
 (一) 当面農業改良普及手当として専門技術員及び改良普及員等普及職員一率に給料の月額の百分の十六を支給するように努力し、差当って、専門技術員にあってはその給料の月額の百分の八を、また改良普及員にあっては百分の十二を支給すること。
 (二) 今後においては専門技術員及び改良普及職員の資質の向上を図り、その活動の促進に努めるとともに、これが給与についてその根本的改善をはかること。
 (三) 普及職員の給与の実態に即応して国の補助単価を引き上げ地方財政に対する負担の圧迫を除くこと。
 (四) 生活改善普及職員の増員に努めること。
第二、政府は林業・水産業・蚕糸業及び開拓営農等の都道府県普及指導職員について、勤務実態・勤務内容及び資格要件等を昭和三十八年度中に調査検討を了し、可及的速かに第一の措置に準じ所要の措置を実施すること。
   右決議する。
以上であります。
#5
○渡辺勘吉君 私は日本社会党を代表して、この農業改良助長法の一部を改正する法律案について二、三の問題点を指摘し、大局的見地から大乗的に賛成の討論をこれから述べるものであります。
 この法案を審議した過程で明らかになったことでありますが、第一は、政府は三十六年度に百十万の調査委託費を計上して、弥富賃金管理研究所をして農業改良普及員の態様の実態を調査したのでありますが、この点はなぜ同一職種にある他のたとえば、産業、林業、水産業、開拓営農指導員まで含めたより広範なしかも同一職種を対象として調査をしなかったか。このことにまず遺憾の意を表するのでありますが、それはさておきまして、この出された法案の非常に大事な柱ともいうべき特別手当の内容につきましては、この弥富賃金管理研究所の答申にも明確に出ておりますように、他の職種と比較してきわめて低位に甘んじておる現況にかんがみて、一律二八%を調整給として支給すべきである。相当の国費を使って実態を調査をしたその答申が、法案の中には、きわめてその点については訂正されて、専門技術員については百分の八、普及員については百分の十一ということが法案の原案になっておるわけでありまして、この点につきましては質疑の際にもしばしば大臣あるいは政府委員に対して質疑の中で問題点を明らかにしたにもかかわらず、これがついに原案でまかり通るということについてはきわめて遺憾でありまして、したがって、ただいまの附帯決議の第一の第一項に掲げられましたことについては、政府は積極的にこの附帯決議を実行する責任ある措置をとって、この答申と本日のこの法案との開きというものの具体的な解消措置を早急にはかるような努力を強く要請せざるを得ないわけであります。
 第二点としては、この弥富賃金管理研究所の実態報告にもありますように、現行農業改良普及員の給与あるいは勤務の条件というものは、非常に劣悪な条件に置かれてあって、ほとんどこの普及職員の犠牲においてまかなわれておる実態でありますから、この点については抜本的な改善の措置を講じて、少なくとも研究職相当以上の措置をすみやかに実現するような努力を政府としては講じてほしいということでございます。
 第三点としては、これもわが党の矢山委員から出された問題でありますが、この普及職員と市町村あるいは農協、それぞれの営農指導担当者等の、より一そう総合的な機能が発揮されるその中核になるような機能の発揮に努力してほしいということでございます。
 第四点は、法律では三分の二の補助をうたってありますが、実際は補助単価がきわめて現実と遊離した計数の中に計上されますために、実態はきわめて地方財政を極度に圧迫する結果、地方の実態としては、この財政圧迫を理由とする兼務その他の遺憾なる傾向も、漸次現地では出ておる事態にかんがみまして、すみやかにこの補助単価を現実に即してやはり引き上げて、三分の二に相当する補助率を予算の上でも施行がするような配慮をとってほしいということでございます。
 第五点は、この普及職員の中で特に生活改善の普及職員は、農業改良のそれと比較いたしますと、その任務はまさるとも劣らない重要な職任を持っておるにかかわらず、その配置されている員数は、改良普及員の二割程度にしかすぎない。今度の三十八年度の予算では、そういう実態の中で、どれだけ増員がはかられたとかいうことを検討いたしたのでありますが、わずか二百十六名の増員にすぎない。こういうことでは、生活改善の指導的な機能を全国的な視野において期待することはきわめて困難でありますので、この点についてもすみやかに一そうの増員態勢をとるような措置をはかってほしいということであります。最後は、農林大ににお尋ねをしたことでございますが、改良普及員だけが今度の法律の改正によって特別手当の支給が出るわけでございますが、その他の同じ職種に属するところの産業普及員あるいは林業改良指導員、水産業の普及職員、あるいは改良普及員の有資格者七割五分を占めておる開拓営農指導員等々に対しては、何ら同一的な措置を同時に取り上げなかったことの問題点が非常に現地としては不当な波乱を惹起することが予想されるわけでありますので、本委員会において大臣が明確に答弁をされましたように、三十九年度には一年おくれますけれども、産業、林業、水産、開拓営農指導員に対しても、農業改良普及員に対すると同一の手当を支給して統一ある待遇をはかっていただきたいということであります。これらがすべて非常に不十分な時点の中でこの法律が審議をされたことでありますので、幾多の問題点に対して遺憾の意を表するものでございますが、大局的な見地に立って、この法案に対して賛成をするものでございます。
#6
○天田勝正君 私も一言意見を述べて賛成いたしたいと存じます。
 それは日本の官庁機構の通弊と申しますか、とくに一般民衆に接する役所の処遇は一般的に悪いのでありまして、それは単に給与の面だけではございませんので、特に今議題となっております改良普及員の事柄を申しますと、その職場は本来的に事務所ではなくて農村であります。その事務所は事務をとる場所であるとともに、その農村をかけめぐった後における休憩の場所でもあるわけでございますけれども、その事務所たるや、ほとんど他の団体の間借りあるいは独立して借り家をしておるところにおきましても、一体これが今日の公務員の勤める場所かと思われるほどであります。ことに間借りをする場合には、ほとんどその相手方の団体に電話料に至るまで実はおんぶをする。事務費においても、こまかいことを申しまするならば紙、インクに至るまで実はそちらに利用させてもらう。こういうような実態でございます。こうした困難の中に努力されておるにもかかわらず、先ほど来渡辺委員からも指摘されたように、他の一般職などと比べますならば、まことにその処遇は悪いのであります。これは本委員会の審議を通じまして幾多指摘されたのでありますが、今回のところは、その第一歩の改善でありまして、本来的には、こうした調整的な手当を支給するということでなくして、その職務の困難性は、一般職と比べても、技術職と比べても、また研究職と比べましても悪いのでありますから、根本的にこれが改善をはからなければなりません。そのことについては、直ちに実行ができないといたしましても、ただいまの仲原君から提出されました附帯決議にこの趣旨が盛られておるのでありますから、政府におきましても忠実にこれを実現するよう努力されたい。
 以上申し上げまして賛成いたします。
#7
○森八三一君 私はただいま議題になっております農業改良助長法の一部を改正する法律案に対しまして、原案に賛成いたしますとともに、仲原委員から提案せられました附帯決議にも賛成の意を表するのであります。
 すでに他の委員諸君からも討論を通じて御開陳があったのでありますが、この附帯決議の内容に包蔵しておる趣旨を、政府当局におきましては十分御理解をいただきまして、すみやかにその実現をはかられたいということを強く私は期待をし、要望をいたします。
 特に、暫定的に手当等の措置によって非常に気の損な状態にありまする普及員諸君に対する給与の改善に一歩の前進は示されておりますが、このことは決して根本的な改善ということにはならんのであります。どこまでも附帯決議に盛られておりまする抜本的な改善措置を講ずる、そのことは研究職相当以上にするという意味でありますが、研究職というものと並びをとります場合に、いろいろ技術的な問題を伴うと思うのです。さような場合は普及職という新しい一つの柱を立てるということも、対策としては必要かと思います。いずれにいたしましても実質、内容的にそういうような実の上がるようにしていただきたい。
 このことはすみやかにおはかりいただきまして、三十九年度には実現するように強く希望いたしますと同時に、現在は一定の基準で都道府県に三分の二の補助をされておりますが、さようなことでございますると、地方財政を非常に圧迫しておるのであります。私は少なくともこの重要な普及事業に対する国の施策といたしましては、現給に対する三分の二を補助するということでなければならぬと思うのであります。地方財政を圧迫しておるということから、都道府県の財政の都合によりましては、非常なアンバランスが起きるという事態にも相なっておると思いまするので、現給に対する三分の二ということの実施をしていただきたいということを強く希望いたしますと同時に、さらにもう一つの問題は、中地区制をとられておるという関係上、機動力を十分持たせませんと、普及員本来の完全な任務を遂行することが、非常に困難になろうと思う。このことにつきましては、すでに先年来御配慮いただきまして、それぞれ措置が講ぜられてはおりますが、いまだ十分ではないということのために、あるいは市町村、あるいは農業関係の協同組合等各種の団体に対しまして、そういうような不足する部分を補うために寄付を求めたりという行為がしばしば行なわれておる。このことは非常に残念なことでございまして、国の施策として行なわれておる普及事業の重要性にかんがみまして、その任務の完全な遂行をはかりますために必要な経費というものは、当然これは国がめんどうを見る建前でなければならぬと思う。換言いたしますれば、普及事業に要する各種の諸経費につきまして十分な補助をするということについても、格別の御配慮をいただきたいという希望を申し述べまして、賛意を表する次第でございます。
#8
○委員長(櫻井志郎君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認めます。これより採決に入ります。
 農業改良助長法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました仲原君提出の附帯決議案を議題といたします。仲原料提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって仲原君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたします。農林政務次官。
#12
○政府委員(大谷贇雄君) ただいま御可決いただきました附帯決議につきましては、地方公務員の給与に関する事項も含まれておりまするので、十分慎重に研究をいたしまして、実現可能なものにつきましては、御趣旨に沿って努力をいたしたいと存どます。
#13
○委員長(櫻井志郎君) なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#15
○委員長(櫻井志郎君) 森林組合合併助成法案及び林業信用基金法案を一括議題とし、前回に引き続き質疑を行なうことにいたします。質疑のある力は、御発言を願います。
#16
○藤野繁雄君 この前の質問に引き続いて質問いたしたいと思うのでありますが、まず第一は、税制上の特例であります。提案理由の説明によっても、租税特別措置法の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案が出て、税制上の優遇措置を講ずることになっておるのでありますが、まだこの二つの法律案について詳しく勉強していないのでありますが、どういうふうな優遇措置を講じておられるのか、その内容の大体を承りたいと思うのであります。
#17
○政府委員(吉村清英君) それでは森林組合合併助成法案関係の税制の特例について概要を御説明申し上げたいと存じます。本法と関連いたしまして、別途に租税特別措置法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案が提案をされることになっておるわけでございますが、法人税、登録税及び事業税について、おおむね次のような特例の措置を考えておるのでございます。
 まず第一は、欠損金の引き継ぎに関する特例でございまして、現在の法人税及び地方税法では、合併後の組合が被合併組合から欠損金を引き継いだ場合におきましても、損金算入を認めておらないのでございますが、特に本法案による合併の場合には、合併後の組合が被合併組合から引き継ぎました合併前五年以内の繰越損金、これは青色申告をしたものに限るわけでございますが、それについて法人税及び事業税の所得の計算上、損金算入を認めることにいたしたいというふうに考えておるのでございます。
 また第二番目には、資産の評価益からなる清算所得に関する特例でございますが、これは合併参加組合が合併に際しまして、持ち分の調整の必要上資産の再評価を行ないまして、その評価益を出資に組み入れました場合におきまして、その評価益からなります清算所得につきましては、特例のない一般の場合におきましては、法人税では三八%、事業税では八%の税率によりまして課税をされることになっておるのでありますが、この法案によります合併の場合には、合併後の組合がその評価益に相当いたします金額以外の金額を特別勘定といたしまして計上いたしました場合には、その部分につきましては、法人税及び事業税を課さないことといたしまして、将来合併後の組合が解散またはさらに合併をするまで課税を繰り延べるということにいたしたいというふうに考えておるのでございます。
 第三番目には、不動産の権利取得にかかります登記に関する登記税の特例でございますが、特例のない一般の場合には、合併後の組合には、合併参加組合から引き継ぎました不動滝の権利の取得の登記につきまして、不動産価額の千分の四の登録税が課されることになっておるのでございますが、この法案によります合併につきましては、合併及び事業経営計画の認定を受けました日から一年以内に登記をいたしますものにつきましては、登録税を免除する、こういうことにいたしたいという考えでございます。
#18
○藤野繁雄君 農業協同組合、漁業協同組合というようなものと比較検討してみるというと、今回の森林組合の合併には、法人税のうちで、今免税措置があるのもありますが、今回の森林組合に限って特例が除外されている、それは被合併組合の私立金からなっているところの清算所得に対する課税の特例なのであります。私などはできるだけ合併を奨励するのでありますから、農業協同組合及び漁業協同組合が合併の際に特例を設けたと同じように、森林組合についても特例を設くべきであると固く信ずるのであります。しかるに、今回これが除外されたということは、まことに遺憾にたえないのであります。除外されたところの理由は大蔵省でなくてはわからぬかしれないのでありますが、林野庁長官はこれに対してどういうふうな立法的に参画されてこれに同意されたかということをお伺いしたいのであります。
#19
○政府委員(吉村清英君) 御指摘のように、この積立金からなります清算所得の特例が、今回の場合には認められておらないのでございます。仰せのように、まことに私どもも遺憾に存ずるのでございますが、私どもかねてからこの税制上の優遇措置につきましては、他の農業協同組合その他との均衡を得べく関係方面とも極力折衝をいたしたわけでございますが、結果といたしまして、かようになっておるのでございます。その理由でございますが、この私立かるらなります清算所得についての非課税は、絶対的に非課税となるというようなことから、税制調査会の意見等もございまして、また税務当局といたしましては、今後はこの特例はまあ認めないという方針かのように考えられるのでございます。ほかのことを申して恐縮でございますが、今回別に提出をされております中小企業近代化促准法案によります合併につきましても、この点は特例がないようでございます。かように農協、漁協の合併についてのこの特例が認められました時期と、まあ三十六年当時でございますが、現在とにおきまして関係方面の意見等も多少変わったというような事情もあるかに察せられるのでございますが、遺憾ながらこの点につきましては特例が認められなかったわけでございます。
#20
○藤野繁雄君 これ以上は議論になりますからここではいたしませんが、次は合併によって取得した不動産について、これは不動産取得税はかけていないものと思うのでありますが事実そうであるかどうか、法律上の根拠を明らかにしていただきたいと思います。
#21
○説明員(厚味荘之助君) 今の御質問の点でございまするが、不動産収得税につきましては、これは地方税法の七十三条の七の第二号の規定によりまして非課税となっております。
#22
○藤野繁雄君 次は、合併組合の評価益の持ち分御定の方法であります。合併組合の場合においては、おのおの組合の持っている財産について再評価がされると思うのであります。それはさっきも説明があったように、再評価をやって、その評価益から出たものを免税にする、こういうふうなことになっておるのでありますが、再評価の結果出たところの利益金の持ち分算定は、どんな方法で持ち分算定の基準を定められるのであるか。それは特別の経理を、特別勘定を設けてやられるのであるから、これは持ち分には算定せられないのであるかどうか。この再評価については、三つの組合が合併したならば、おのおの三つの組合に差があると思っているのであります。そういうふうな差があるところのものを、一つの特別の勘定の中に入れておいて、そしてその特別勘定のものを持ち分に算定しないということ、だったら、持ち分外の財産があるということになってくるのであります。であるから、再評価の利益金は特別勘定にはするが、それに対する持ち分はどうされるか、お尋ねしたいと思うのであります。
#23
○説明員(厚味荘之助君) まことに恐縮でございますが、多少不勉強でございまして、あるいは御質問のお答えにならぬかと思いまするが、御質問の評価の点につきましては、いろいろ合併前の組合におきましては、収益の存する組合もございましょうし、また逆の組合もございましょう。そこで評価の問題が重大になるわけでございまするが、そこで、その点の評価について同一の合併関係組合につきましては不公平があっては、これはうまくないのでございまするが、この評価の点については、公平にいきまするように、要すれば第三者の意見なりを参酌いたしまして、また県当局の指導によりまして、この評価についての基準的なものも指導といたしまして作成して、それでその点の公平を期して、合併後の事業面についてそごの来たさない、円滑にいくように期したい、かように思っておるわけでございます。
#24
○藤野繁雄君 今の答弁は、資産の再評価については不公平がないようにするという答弁なんです。私の質問はそれじゃないのです。それは不公平のないように資産の評価をやって、各組合ごとに評価益が出た。たいがいの組合は、新しい建物であったならば時価と差はありません。古い建物であっていいものであれば、これは帳簿面の価格と時価とはずいぶん差がある。そういうふうな場合において、再評価の利益金が出てくる。そうすると、甲、乙、丙の組合ごとに再評価の利益金が差がある組合員が一緒になった。その差があるところのものを一つの特別勘定にするということであれば、そう特別勘定に含まれているところの財産については、甲の組合、乙の組合、丙の組合おのおのその勘定に繰り入れた財産が違ってくる。その財産が違ってくるとしたならば、その違ったところのものを平等に配分するというわけにはいかない。そういうふうなことであったならば、合併に賛成だ反対だという意見が出てくる。であるから、そういう部分に財産に差があった場合において、特別勘定を設けるか、その特別勘定に対する各組合員の権利は何によって算定されるかということなんです。
#25
○説明員(厚味荘之助君) また恐縮でございまするけれども、確たる自信を持ってのお答えにはちょっと自信ないのでごげいまするが、多くの場合は出資額を基準にいたしまして、その持ち分の算定をいたすのが通例妥当ではなかろうかと、ただいまのところ考えております。
#26
○藤野繁雄君 そうするというと、そこに出ているところの特別勘定のものは、元の出資額に応ずるというようなことであれば、それは定款に明記しておかなくちゃいけない。合併契約のあるいは契約書に明記しておかなくちゃいけない。その合併契約書を作る際と、そういうふうな場合の定款の規定は、今後十分に注意しなくてはできないと思うのでありますから、今どういうふうなことでやるというような答弁は求めませんが、これが合併組合の合併の支障のもとであるから、そういうふうなことについては支障のないように、定款の規定及び合併契約書に明記して、他日に累を及ぼさないようにすべきであるという私の意見を述べてこの問題はこれで打ち切ります。
 次は、森林組合の再建整備と森林組合連合会の整備促進の問題であります。森林組合の再建整備の状況はどうであるか。当時の森林組合数、再建整備指定の組合数、目的達成の組合数、目的が達せられていない組合数、目的を達成していない組合があったならば、その達成することができなかったところの埋由及びこれに対する対策、こういうふうなことを承りたいと思うのであります。
#27
○説明員(厚味荘之助君) 再建整備でございまするが、森林組合の再建整備につきましては、指定日が二十六年三月三十一日でございまするが、その際に五千八百二十二組のうちで、指定されましたのは三十九連合会と、六百四単位組合がございます。その後再建整備の目標に鋭意努力いたしました結果、達成期限でございまする三十三年三月三十一日現在におきましては、連合会では三十九のうちの三十六連合会が達成いたしました。したがって、不達成は三連合会になります。また単位組合におきましては、指定日のあとにおきまして合併等の事例もございまして、対象組合数が五百八十になりましたが、その五百八十の中で達成いたしましたのは五百二十、未達成が六十という状況になっております。
 それから連合会の整備促進の点でございまするが、最初に指定を受けましたのは岩手でございまして、これは三十一年の一月三十一日でございます。その後、それも含めまして八連合会が指定いたされました。そうしてその現在の状況につきましては、目標達成いたしましたのは岩手、京都、大分の三連合会でございます。他の五連合会については、目下目標達成に鋭意努力をいたしているという状況でございます。
#28
○藤野繁雄君 これに対する今後の対策。
#29
○説明員(厚味荘之助君) これらの未達成の組合に対しましては、特に重点的に定例の検査のほかに、この目標達成のために新組合対策の一環といたしまして、指導を行ないまして、早期に目標の予定期限内におのおの整備の計画達成できるように、努力しつつあるところであります。
#30
○藤野繁雄君 開拓方面の法律案の審議をしている際の問題でありますが、開拓組合では第一類、第二類、第三数というように区別して進んでおられて、第三類には、今回はまだ手をつけていられないような状況であるのでありますが、森林組合の場合においては、今お話しの再建整備の目的達成ができなかったようなものは、今後特にどういうふうな方法で、これを指導していこうという特別の措置があるかないかということなんです。それをお伺いしておきます。
#31
○説明員(厚味荘之助君) これらの組合につきましては、先般も御説明いたしましたように、三十三年から新組合対策といたしまして、特別指導なり特定の事業についての駐在指導というような事業も行なってきたわけでございまするが、その後、三十五年から合併の推進のこともあわせて講じていく、それから今回御提案申し上げておりまする今回の合併助成というようなこともあわせ講じまして、今後事業量を増大し、職員、役員等の人的な資質も向上させて、各般の施策を集中的に実施いたしまして、この不振な現況を脱却いたしまして、目標を達成いたしたい、かように考えているわけでございます。
#32
○藤野繁雄君 政府から出された「森林組合の事業と損益」という表を見観してでも、森林組合は割合に仕事の分量が少なく、利益も大でないかわりに、損失、すなわち赤字もあまり大きくないように見受けられるのであります。そして森林組合の最近の状況から考えてみまするというと、林木等の値上がり等のために森林組合は経営が順調に進み、赤字組合が少なくなり、再建整備の未達成組合も少なくなりつつあるのではなかろうかと思うのでありますが、これは概数でいいから承りたいと思うのであります。森林組合及び連合会の積立金が出資金の四分の一以上のものと、以下のものと区別したらば、どういうふうな割合になるか、見当を承りたいと思うのであります。
#33
○政府委員(吉村清英君) 三十六年度末の一ぜい調査の結果から申し上げますと、三千五百九十四組合の中で、出資金の四分の一をこえる積立金があります組合数は、四百七十一組合となっております。
#34
○藤野繁雄君 連合会。
#35
○政府委員(吉村清英君) 連合会はちょっと資料ございませんので、後ほど調べましてすぐ御報告いたします。
#36
○藤野繁雄君 私などは、林業協同組合も、農業協同組合も、これは非課税の団体にすべきであるということを主張して参っておるのであります。しかるに現在は課税をされている。こういうふうな状況で、今森林組合の例をとってみまするというと、長官からは、四百七十一組合が四分の一以上に達しているというようなことだったらば、これが連合会が整備促進中のものであって、その整備促進の連合会に所属しているところの組合は、積立金が四分の一に達しようが達しまいが免税される。しかるにその他の県であったならば免税されない、同じ森林組合でありながら、森林組合連合会の悪い県には恩典を与え、いい県には恩典を与えないという結果になってくるのであります。でありますから、私から申し上げたならば、そういうふうな連合会の整備促進中にある組合連合会に所属しているところの組合とその他の組合とが、税制上において相違ある取り扱いをさるべきものではない。であるから、私などは、森林組合に対しても、連合会に対しても、法人税は課すべきものではない、しかしこれが直ちに実行することができないというようなことであったならば、少なくとも、出資金の二分の一くらいまでの森林組合及び森林組合連合会は免税すべきであると考えるのでありますが、長官の御意見よりも、これは政務次官のお話しを聞かなくちゃできないことだろうと思うから、政務次官の御意見を拝聴いたします。
#37
○政府委員(大谷贇雄君) ごもっともな仰せでございまして、十分ひとつ検討させていただきたいと、かように存じております。
#38
○藤野繁雄君 それで、私は最後に、今まで私の質疑応答によって得た結果について、次のような要望をまずしてみたいと思うのであります。
 それは、農業協同組合が合併する場合においては、合併参加の一組合当たり十万円であるのであります。しかるに森林組合は合併後の一組合当たり十万円であるのであります。であるから、これは農村においては農業協同組合、山村においては林業協同組合が唯一の協同団体である、これを強化していかなくちゃできない。しかるに一方のほうは合併参加の組合数に、一方のほうは合併後の組合数にというような片手落ちのことは、同じ農林省所管であるからすべきものじゃない。であるから、森林組合においても、農業協同組合同様に合併参加の組合にやるべきであると、こういうふうにするように政府は努力してもらいたいというのが希望の第一点。
 第二点は、農業協同組合は継続事業費の二分の一、月額からすれば七千五百円限度として駐在指導員に補助していく、そうして合併後の育成強化に努めている、しかるに森林組合にはこういうふうな指導補助金がない。しかるに、今日の場合においては、森林組合というものは非常に木材が不足しておる今日では、よりよくして指導していかなくちゃいけない。それには合併していい組合を作っていかなくちゃできない。その事業計画を達成するためには、ただ事業計画ができたというだけではできない、これを徹底的に指導していくところの態勢を整えていかなくちゃできない。そのためには専門の者が駐在していってあやまちのないように計画を遂行させるように進めていかなくちゃできない。こう考えてみるというと、私はこの森林組合に対しても、農業協同組合において指導員が置いておられると同様に、森林組合においても指導員は置くべきであると考えて、置いてもらうようにしてもらいたいという希望を申し上げるのであります。
 第三点は、被合併組合の私立金からなる清算所得の課税の特例、さっき申し上げた、これは農業協同組合も漁業協同組合もこの特例がある。大蔵省の方針が最近変わったというような話も聞くのでありますが、同じく農林省の管轄の組合であるのでありますから、森林組合の合併の場合においても、農業協同組合及び漁業協同組合と同一に取り扱うようにしてもらいたいと、この三つの希望を申し上げて、私、質問を終わるのでありますが、私の希望に対して政務次官はどういうふうにお考えかお伺いしたいと思うのであります。
#39
○政府委員(大谷贇雄君) 今、藤野委員から御要望の第一点の問題でございますが、この問題につきましては、従来二万五千円であったのが十万円ということにいたしたわけでありまして、仰せのように当局といたしましては、大蔵省に対しまして仰せのような見地から実は努力をいたしましたのでありますが、現在の段階におきましてそういうようになっておりませんが、今後ともひとつ努力を継続して参りたい、かように存じております。
 第二点の駐在指導員の問題でございますが、これは今度の予算の中にはございませんが、これも大事な問題でありますので努力をいたしたいと存じます。
 第三点は、清算所得の課税の問題は現在のところ非常に実は事務当局におきましても折衝いたしましたが、非常に実はむずかしい段階でありますが、一そうひとつ努力をいたしたいと、かように存じております。
#40
○委員長(櫻井志郎君) ここでしばらく休憩し、午後一時半再開いたします。
   午後零時二十五分休憩
   ――――・――――
   午後一時四十七分開会
#41
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 森林組合合併助成法案、林業信用基金法案を一括議題とし、休憩前に引き続き質疑を行なうことにいたします。質疑のある方は御発言を願います。
#42
○森八三一君 林野庁関係の二法案につきましては、相当質疑も行なわれましたので、重板を避けまして二、三の点をまずお伺いしてみたいと思います。
 その一つは、資料によりますると、施設組合の総数が出資組合と非出資組合を合わせて三千七百十三組合ある。そのうち三千五百九十四の組合について、組合員とかその組合い運営に努力を救っている役員の関係の調査が出ております。それによりますと、正組合員数が百七十五万人というのが出ております。この百七十五万人というのを、その実態を分析いたしました場合に、真にその林業というものによって生計を維持しておる者、林業と農業とを兼ね行なっておることによって、曲がりなりにも生計を維持しておるものというような専業、兼業の内容的にはあれがあろうと思うのです、おおむね。この百七十五万名という組合員の置かれておる今申し上げまするようなことは、調査したほうがよかろうと思いまするけれども、客観的に見て、どういうような情勢になっておるか。
#43
○政府委員(吉村清英君) この組合員につきまして、林業専門あるいは農業との兼業というようなことを調べたものはないのでございますが、ここに、あるいは御参考になるかと存じますので申し上げますと、全国の林家数、森林の所有者と申しますか、林家数が二百七十万戸ございます。そのうちで農家がどのくらいあるかと申しますと、農家が二百五十四万戸になっております。大体九〇%余りが農家であるということになるかと思います。したがいまして、大体そんな比率じゃないかと思います。
#44
○森八三一君 その次にお伺いいたしたいのは、今度の計画と申しますか、方針によりますると、五千ヘクタール以上の組合員が林業経営しておるというような地域を対象として合併の促進をしようと、こういうことに相なっておるのであります。その場合に、新しく合併後の森林組合は、その組合員を林業経営上の経済的効果を上げていくということが目的になろうと思うんですね。また、そうでなきゃならぬと思うんです。
 そこで、お伺いいたしたいことは、この種の組合は、理念的には明確でありまするけれども、実際問題としては、市町村の行政と密接不可分な関係を私は持たなければならぬと思うんですよ。そういう場合に、五千ヘクタールというものが一つのワクになる。その組合の目的は、あくまでも組合員の経済的効果を達成するためにあるんだ。が、しかし、実際問題としては、市町村の行政と密接不可分な関係に置かなきゃならぬということと総合して考えますると、五千ヘクタールというもので縛っていくと、今資料によりまして、五千ヘクタール以上の地域を持っておる組合が六百二十九組合ですね。それから新市町村を区域とするものが千九十二組合ですね。きわめて平面的な計算ではありまするけれども、今申し上げましたことからいくと、五千ヘクタール以上にしようと思えば、新市町村の区域をこえた組合を相当合併して作らなければいけないということに私はなると思うんです。そのことと、組合の運営の実態が、市町村の行政と密接不可分な関係に置かれなきゃならぬのではないかという関係を、どういうように調整をなさるか。市町村との関係は全然その縁を切って、純粋の共同体として経済効果をねらうためにやればよろしいんだと、そう割り切っていかれるのか。その辺はどうなんですか。
#45
○政府委員(吉村清英君) その点でございますが、確かに仰せのように、森林組合の経営も行政区画との中に入るということが一番望ましいことかも存じませんが、しかしながら、この行政区画と経済事業をやっております団体とは、また目的にも違いがございませすわけでございます。
 したがいまして、私どもこの五千ヘクタールというものを考えますにつきましては、まずどの程度のものが新市町村の区域内に包含されるかということを具体的に検討をいたしたのでございますが、私ども、ただいまこの五年計画で合併を予想をしております組合数が五百七十六組合でございますが、そのうちの約八割は一行政区画のと申しますか、新市町村の区画の中に入り得るということでございます。で、その他のものにつきましては、やはりある軽度の規模というものは、この健全な森林組合の発展の上からは必要であるというような考え方をもちまして、また従来も、町村の区域をまたがりまして、一組合があるということもあるわけでございますので、その点につきましは、数カ町村にまたがった組合もあり得る。また、必要に応じては、そういう努力をいたしまして、健全な組合を作って参るということを考えなければならないというように考えまして、おおむね五千ヘクタールという基準を考えておる次第でございます。
#46
○森八三一君 そういうように一つの目安ですから、必ずしも新市町村の区域によらなければならぬと規定する必要もありませんし、五千ヘクタール以上でなければ絶対いかぬという筋のものでないことを私も了承いたします。いたしまするが、合併を促進し推進しようとすれば、そこにおのずから一つの目標というものがなければならぬと思うんです。その目標が一応事業的には五千ヘクタール以上という目安が掲げられたわけですね。しかし、私が申し上げるように、森林組合のほんとうの発展をはかっていこうといたします場合に、純粋な生産共同体としてだけを見ておってはいかぬので、市町村の行政との関係が密接不可分にあるんだということを考えますると、どちらを重く見るかということについて、どうお考えになるか。新市町村の区域というものを重点的に考えて整備をなさろうと、その場合に、必ずしも五千ヘクタールでなくても三千五百でもよろしいということもあり得ると思うんです。そういうふうに考えるのか。どうしても五千ヘクタールというものに近いものでなければならぬか。だから、その場合には、ある新市町村の全体と他の市町村の一部分とを加えても、そっちのほうを重点になさっていこうとするのか。一体役所が御指導なさる場合に、どっちに重点を置いてなさろうとするのか。こういうことなんですよ。
#47
○政府委員(吉村清英君) 大体、先ほども申し上げましたように、八割程度のものというのは、一市町村の中に入るわけでございまして、そういった点でも、私どもといたしましては面積について主点を置いておるわけでございますが、しかしながら、どうしても五千ヘクタール以上なければ、これは認められないということではない。このおおむねというところ、問題につきましては、今後政令をきめて参ります段階におきまして、かなり検討をいたさなければならないかと存じますが、従来すでに三千ヘクタールを目標にいたしました合併を進めて参りまして、すでに平均的な規模は三千余ヘクタール、面積の平均になっておるわけでございますので、やはり五千ヘクタールに近いところでなければならないのではないかというように考えております。
#48
○森八三一君 そこで考えられますることは、組合の健全な発達をはかるためには一定の規模を持たなければ、役員を選任して職員を雇用してやっていくわけには参りかねると言って、市町村との関係を絶縁していくということにも、実際問題としては困難が伴う。さらにその内容を見ますると、八〇%以上のものが兼業の状態に置かれておるという実態を考えますと、森林組合というものだけを見つめて考えていくことが必ずしも妥当な策ではない。むしろ、その地域の総合的な発達という意味において考えていくべきではないかという感じを私は持つ。もっと端的に申しますると、八〇%以上の人が農家との兼業であるということでございますれば、その兼業しておる人が行なっておる部分的な林業の発展をはかる場合に、その部分だけを横に集めて、一つの組合を作ることよりは、市町村との行政の関係が円満に持たれる姿における地域組合として農林協同組合といったような姿を考えるほうが、合併を助長していこうとする目的にぴったり沿う結果が生まれてくるのではないか、という感じを持つのです。そういうことについての御研究をなさったのかどうか。ただ林野庁は林野庁、経済局長は経済局、水産庁は水産庁という、今までのしきたりにこだわってしまって、ただ馬車馬的にものを見た、その場合には、こうせざるを得ないという結果であるのか、そういう組合員が一つの業に専念しておるという姿のものではないということと、市町村との関係を今申し上げましたような、いかなる組合も緊密に持っていなきゃならぬというようなことを考えますると、むしろこの際は、森林組合という姿から、もっと高度な立場に抜け出て考えるべきではないか、そのことのほうが個々の零細な企業者にとっては非常に幸福な結果が生まれるのではないかという感じを持つのですが、そういう問題を御研究になったのか、研究の結果が、なおかつ、こういう姿でなきゃならぬ、そういう結果になったのか、その辺どうなのですか。
#49
○政府委員(吉村清英君) 先ほど申し上げましたように、森林の経営者と申しますか、所有者の九割までが農家であります。で、そういうことから考えてみましても、林業というものを考えますときに、林業独自と申しますか、林業だけの狭い考えで物事を進めて参るということは、適当でないということはお話のとおりだと存じておる次第でございます。で、また同時に、この公共団体等との連携、その他から考えますと、最も容易に、また望ましい姿というのは、そういった一つの公共団体との関連で、すべてのことが進めていかれるということも、これも望ましいことかと存ずるのでございます。また同時にその農林その他の総合的な観点から見まして、それでは林業の弱体なところにおいては――森林組合の弱体なところにおいては、農業協同組合と合併をして経営をしていけるような方向へ進んだらどうかというような御意見も決して少なくないわけでございます。したがいまして、私どもも、いろいろとそういう点にわたりましても検討をして参っておるのでございますが、しかしながら、一面考えてみますと、この問題は森林組合だけの問題にとどまりませず、他のまた、協同組合等との関連も出て参るわけでございます。
 で、ここで私どもが森林組合を主体にしてと申しますか、森林組合について、考えてみますときに、まあにわかに、この農業協同組合と合体をして、農林協同組合にしたほうがいいのだという結論にまだなっておらないのでございますが、これは先日も申し上げましたように、十分に検討に値する問題だと存じておりますので、私どもも将来にわたりまして検討をいたしたいと存じておるのでございます。ただ、そこでまあ総合的な観点から進めて参らなければならないと申し上げたわけでございますが、その中で活動をいたして参ります場合におきまして、同時に、林業自体も高度化をされて、また、基盤がしっかりして参らなければならないわけでございます。で、林業を高度化いたしますために、あるいは機械化が進められ、協業が進められ、基盤を整備いたしますために、経営規模の増大ということも考えてやらなければならぬようになると思うのでございます。
 そういうことを考えてみますと、一つ機械化の問題を考えてみましても、機械化を進めます以上は、やはり一定の事業分量というものが見込まれて参りませんと、十分に機械の効率的な使用ということが計画的に行なわれて参らないというふうな情勢になりかねないわけでございます。したがいまして、仰せのように、もちろん農、漁、林、その他の産業もそうでございますが、総合的に進めて参らなければならないわけでございますが、その総合的に進められる中で、少なくとも林業自体と申しますか、それぞれの産業自体を十分に近代化され、高度化されていくという必要があるかと思うのでございます。そこで、それにはやはり、この程度のものが必要ではないかというような考え方を持っておるわけでございます。
#50
○森八三一君 どうも御説明を聞いておりますと、非常に初めのほうはすっきりしているが、しまいにいくというと、林業の高度化のために、この程度のものと言って、また戻っていくような御説明なんですが、そのためにこそ連合会の制度というものがあるのですから、地域的な組合では、林業の部分を眺めた場合に、その部分の経営の近代化をはかり得ないという場合があろうと思うのです。その場合の補完的な行為をするものとして連合会の制度があるのですから、連合会制度というものを、うまく活用する気持からいけば、必ずしも後段のほうでおっしゃったようなことにはならない。
 そこで私は、必ずしも農業協同組合を吸収せいと言っているのじゃないのです。その地域々々によって、林業の非常に進んでいる地域は、むしろ農業が吸収されていく格好になりましょうし、そういうことはかれこれわれわれが規定すべきものでなくて、民主的に各地域の住民諸君が判断をして、どうしたらいいかということを考えればよろしいので、そこまで、どっちのほうがどうだということを規定する必要はないと思うのです。
 要するに森林組合を合併していこうとする目的は、個々の零細な森林経営者を経済的にも、社会的にも発展せしめていこうというねらいに出発しているわけですね。その目的を達成するために、実際問題としては、市町村の区域を区域にして、市町村の行政と密接不離な姿に置くほうが実際問題だと私は思うのです。山村を歩いても、農村を歩いてみましても、そう思うのですよ。そういうことを考えますると、むしろ総合的なものに考えていったほうが、よりベターだ。そこで、今度のように五千ヘクタールということでずっと、やって参りますと、一つの歴史ができてしまうのですね。今度は戻そうとしても、それは一つの既成事実ができてしまうのですから、できたものをこわすということは、これは容易ならぬことで、むしろこの発足のときに大乗的に考えていくということに踏み切るべきではないか。お話のようにほかにもたくさん同種のものがございますから、全部を一ぺんにやらなければ、林業の関係だけが先走るということは、なかなか林業のほうがいじめられているというような感じをお持ちになるかもしれませんが、これはむしろ林業界にとっては不親切な措置であって、零細林業のほうから考えたら、ここで一歩踏み切るという方向に行くべきだ。むしろこの姿でいっちまうと、今度は、それをばらして正常な姿に戻そうといったって、これは役員もできますし、施設もできますし、それは容易ならぬことですよ、実際問題として。そういうことを今ここであなたに迫っても、なかなかむずかしいとは思うが、実際問題としては、もっと親切に、セクト的でなしに――これはひとつ、林野庁だけに言うのではありません――考えていきませんと、私は非常に困った問題が起きてくると思うんです。そういうことを将来、御研究になりますか。
#51
○政府委員(吉村清英君) お説のように、森林組合の末端の組合員というものは、大体九〇%内外が農協にも入っておるというような、先ほど所有者の関係でも申し上げましたが、また農協の組合員としても、森林組合の末端の組合員というのは九〇%程度が農協に加入しておるというような状態でございまして、地域的にも、また構成的にも、山村の農協と競合をいたしておりまして、また、優良な森林組合の事業活動は、山村農協を凌駕しておるというようなこともあります反面、平場地帯では、先生の御指摘のように、森林組合の多くが不振化をしているというような事実もあるのでございます。
 で、お説まことにごもっともでございまして、そういう点につきましては、ほかにもまた、こういった農林協同組合というものへの門戸を開くというようなお考えをお持ちの方も、かなり多いのでございます。で、農山村におきます農林団体のあり方の一つとして、私どもも、将来検討に十分値する問題だと思っておるのでございます。で、その検討の段階におきましては、やはりこの農業それから漁業、その他の産業団体組織全般にわたって検討をして参らなければならないと存ずるわけでございまして、林業だけの立場から、なかなかむずかしいことだとは存じますが、そういう方面の勉強も、と申しますか、検討もいたしまして、さらにこういった問題につきまして検討を進めて参りたいというように考えておる次第でございます。
#52
○森八三一君 まあこの問題は、今ここで結論を出そうと思うんじゃありませんから、この程度にいたしますが、これは真剣にひとつ、政務次官もお考えいただきたいと思うんです。
 これは海岸の地帯へいけば、水産協同組合と農業協同組合ということでダブって組合員になる、しかもそれが、その地方だけで一つの経済単位を持とうとすると、新市町村の区域から離れて大きなものにしなければ、その組合としては成り立たないという問題がある。しかし実際の姿は、市町村との関係を断ち切ってはなかなかいけないんですわ。そうすると、どうしても新市町村の区域というものと、第一次産業の区域というものは、できる限り符合せしめていくということが私はいいと思うんです。そのためには踏み切っていく、そうしてその部分々々の仕事がいじめられちゃあいけませんから、その仕事を伸ばしていくためには、今長官のお話のように、林業の高度化という問題を取り上げた場合、そういうふうにいたしますと、できない。しかしそのために、連合会という制度があるのですから、これは各単位組合が連合会へ加入して、その部分を補完する行為というものができる仕組みになっているのですからね。そういうことをひとつ活用するということを、これは農業協同組合の合併をやる、森林組合の合併をやる、そうしておのおのが一つの基盤を作っちゃうと、その上でこれをまとめようということは、理論的にはいえましょうとも、実際問題としてできないと思う。それは組合長さんもできちゃって、理事長さんもできちゃうから、今度一つにせいというと、名刺に書くことができなくなっちゃうから、できなくなってしまう。組合の利害というものを離れて、そこに別の行動ができてくる。これは、農山村のために将来非常に大きな問題だと思いますので、これは政府は真剣に早急に取り組んでもらいたいと思います。
 次に、基金法の問題でお尋ねいたしますが、基金制度ができたあと、この制度の運営のためには、幾ばくぐらいの経費を予定されておるのか、これは新しい機構ができるのですから、この機構の運営のためには、法律にも理事長その他出ておりますね。そういうことで経費が必要だと思うのです。この経費は、一体幾ばくぐらいを予定されておるのか。
#53
○政府委員(吉村清英君) お答えを申し上げますが基金の資本金と申しますか、せんだって御説明を申し上げましたように、出資は七億と予定をいたしておるわけでございます。で運用益によって管理費をまかなうことを原則といたしたいと考えておるわけでございます。今かりに、ここで利子収入を六分といたしますと、約四千万というものが出てくるわけでございます。したがいまして、そういった考えで、利子収入によって管埋費はまかなって参るというように考えておる次第でございます。
#54
○森八三一君 先日お答えになりましたところで、今お話のように、基金は政府が三億五千万円、その他の団体、個人から三億五千万、七億になる。そうして十倍程度の債務保証のことを実行したい、その保証に対して、万が一の場合の保証は八割程度を考えておるということでございましたね、この保証が実行されるということはないようにしなければならぬことは当然でありますが、少なくともこういう制度をとる場合には、最悪の場合、保証の実行勅に出なければならぬ、起きる場合を考えておかなければならぬと思いますね。その場合に、その基金の果実を運営費に使っちゃうと、万が一の場合には、直ちに基金のほうを食い渋さなければならぬということに発展していくと思いますがね、そういうことをお考えなのかどうなんですか。
#55
○政府委員(吉村清英君) 万が一の場合の保証の問題でございますが、これは手数料の収入からいたす考えでおるわけでございます。で、その手数料のただいまの予測でございますが、約四千万程度と考えております。
#56
○森八三一君 その手数料は、いわゆる通例行なわれておる保証手数料というものであろうと思いますが、それは日歩にして、どのくらいおとりになる、あるいは年にでもけっこうです。
#57
○政府委員(吉村清英君) これは業務方法書を組みますときに決定をいたすつもりでございまするので、決定はいたしておりませんが、今考えておりますのは二厘というように考えております。
#58
○森八三一君 そうしますとね、基金の七億円の果実は、おおむねこの制度施行の運営のために引き当てになってしまう。そこで万が一の発生するであろう損失に対応いたしましては、別途に日歩二厘程度の保証手数料を取る。それが年額四千万円程度は予定されるので、それで充足をしていこうということになりますると、この制度を作ったことによって、すでに千数百億の調査によると融資が行なわれておる上に、積み重て新しい融資拡大を求めていくということは、きわめてその範囲が狭くなるし、また日歩二厘程度の保証手数料を納めるということになるというと、債務者にとっても、必ずしも有利な金融にはならなくなってしまうということも考えられますか、その辺、基金の果実というものを万が一の場合の備えに持っていくということを考えるべきじゃないか。ことにその民間から集めた金が運営のために、その果実が消えてしまう。これは、そうおっしゃっておりましても、万が一の場合、私は元金に手をつけたければならぬという事態も発生すると思うのですよ。そういうことがあっちゃたいへんですから、少なくともそれを排除していくためには、基金の運用果実というものを、できる限り万が一の場合の備えにするということを考えていくという態度をとるべきじゃないか。
 そういたしますると、もう、端的にお伺いいたしますが、この制度を作ることはけっこうでありますけれども、その制度の運営の機構というものを考えなくても、既存の金融機関に、そういうことを委託するとか、代行せしめるとかいうことによって、必ずしもその新機構を作らなくてもやれるのじゃないか。この程度のことであればですよ。そこに、専門的な技能を持つ人がなければならぬということになれば、そういうところに、すでにもう僕は、農林公庫にいたしましても、あるいは農林中金にいたしましても、過去の体験から、かなり専門家はおると思うのですよ。それを地方庁なり林野庁なりが、ある程度助言をなさるという程度で、これくらいの仕事は運営できるというように考えますが、そういうお考え、どうしても持てぬのですか。
#59
○政府委員(吉村清英君) お説のような考え方もございまして、これは中央に一つだけ機関を設けまして、地方におきましては、すべて融資機関に業務を委託するという制度にいたしておる次第でございます。――失礼しました。地方に、委託をすることにいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この管理費の面につきましては、極力圧縮をした形というように考えておるわけでございます。
 お説のように、もうすべてを委託したらどうかというような御意見もおありかと存ずるのでございますが、その点につきましては、やはり林業自体の専門的な問題も非常にあるわけでございまして、そういう点につきましては、やはり中央に、中央の機関だけは置いておくという必要があるように考えるのでございます。
#60
○森八三一君 いよいよ話がおかしくなってくるので、この業務の代行については、それぞれ経験を持つ地方の金融機関に実体的には委託をしてやらせる。それを取りまとめる中央に一つの機構を持っていなければならぬとおっしゃいましても、地力のほうで済んだのを中央で何をやるのですか。やることが私はないのじゃないかと思う。それは八割の保証をするのですから、最後の認定をするというところは、これは行為はあろうと思うのです。思いますが、一切のことは、全部地方でやってしまうのですから、少なくとも金融機関は、八割の保証がもらえるといったって二割は自分の危険、リスクがあるわけですね。ですから、そんな簡単に金融をしようとは思いませんよ。ですから、もう地方の代行機関が決定をしてきたものは、大体まあ間違はない。ことに地方には、都道府県に林務課というようなものがあるのですから、そういうところで、ある程度のアドバイスをするように考えていけば、わざわざ四千万円も手数料と相当額の経費を使うようなものを作らぬでも、極端に言えば、二厘の手数料は免除してやっても、この機構を排除するということによって私はできると思う。こういうことになるのですよ。
 これはもっと極端に考えますと、何か、こうものを作ることによって、あらかじめ人を予定してはめ込まなければならぬというようなことも想像したくなってしまう。これは先日の質問で、そんなことはちっとも考えておりません、予定もいたしておりませんと、こういうことでした。そういう答弁だと思うけれども、お話のように、地方の金融機関に一切を委任してしまって、そこで融資をするかせぬかを決定する。それを中央のほうで、何を一体やるのかということになりますると、査定をすると言ったって、私は否定の実力はないと思うのですよ。ただ、損失が発生したときに、その損失が、適正な損失になるのかならぬのかという軽度は、これは、まかせっきりじゃいけませんから、ある程度見きわめなければならぬと思います。その場合には、地方に林野庁の出先機関もあるのですし、都道府県にも、それぞれ機構はあるのですから、そういうところを活用することによって、事の始末はできるのじゃないかという感じを持つのですが、もう少し簡素にお考えになったほうが実効が上がるのじゃないのですか。
#61
○政府委員(吉村清英君) この融資機関に委託いたします業務の範囲でございますが、私どもも、一応保証関係の書類の受理、作成、交付、それから保証料及び違約金等の徴集並びに求償権の行使などを考えておるのでございまして、決定は中央でいたすことにいたしておるのでございます
 まあ御指摘の、いろいろな御意見がございますわけでございますが、私どもといたしましは、最小限やはりこの程度の機関というものを持って責任体制をはっきりいたしまして、この運営をいたして参らなければならないかと考えておるのでございまして、他の同種の、これはまあ他にならう必要もないかもしれませんが、保証機関等も、大体これに似たようなものもあるわけでございまして、御指摘のこの将来の危険負担等を考えますときには、十分に切りつめて、できる限りの簡素な形でやって参らなければならないということは御説のとおりでございまして、私どもも、さように心がけて実施をいたしたいと考えておる次第でございます。
#62
○森八三一君 まあ、今その点をお尋ねいたしましても、そういうことで頭を整埋してしまっていらっしゃるのですから、変えていただこうとすることは無理なことであって、おそらく御答弁はいただけぬと思いますが、この金融は、長期な固定をするような施設の資金というものは考えておらない。主として流動資金を考えておるのだ。その流動資金を考えておる場合に、地方の金融機関が査定をして、それを東京一カ所の基金の本部のほうへ具申をして、そこで、私に言わしめますれば、ほんとうに地域の問題については精通していらっしゃいません、あるいは金融的には相当の権威者かもしれませんけれども、複雑多岐にわたる林業の実態、その地域における経済事情なり、そうしてまた、金融の状況なり、取り引きの実態というものについては、これは御存じない方、そういう方が査定をしようとすれば、これはまあたいへんなひまがかかる。このひまがかかっているうちに、生きている経済行為はぐんぐん進んでいっちまって、実際難儀をしておって、今山を買おう、金に困った。ここで金融機関へ行っても、すぐ融資はしてくれない。幸いこういう制度があるから、この制度におすがりをしようということで向かってきたときに、ひとつ東京のほうへお伺いをして、それからでなければ決裁はできませんということになると、行為はどんどん進んでいっちまって、何をやったかわからぬというようなことになってしまいます。だから、そういうことは金融の面からいっても、私は避くべきである。もっとスピーディに物の処理のできるような機構にすべきである。ただ、八割を保証をするということが、一つ問題ですから、それについては、政治的に計画されたり、あるいは政府のほうへ、しりつぼをそのままま繰ってくるということを、初めから考えて一不正な融資をすることを防いでいかなければならぬことはわかります。わかりますが、そのために、私が申し上げますように林野庁自体の出先機関も、おおむねの森林地帯が、あるのですし、都道府県には、それぞれ林務課というような厳たる存在もあるのですから、そういうところで、そういうような点についての審査をするということにいたしますれば、私は非常になめらかに早く運んで、しかも経費は、一切必要でないということになると思うのですがね、実際問題として。
 これは今までにも、この種の協会的なものができてやった事例はたくさんあります。ありますが、おおむねただ、めくら判をおしているという程度、だんだん進んでくると、めくら判では済まなくなっちまう。そうするというと、自然自己の業務範囲を拡大しようということで、また人をふやし、あれこれあれこれで、だんだん事務が複雑になってしまうということが、今までの多くの計画ですね。そういうような間違った計画を。もう一ぺんここで繰り返す必要はないんじゃないか。この際に、画期的なひとつ思い切った、実態に即する機構をお考えになるべきじゃないか。まあこれも申し上げましても、研究するというお答えはあるかもしれませんが、そういたしますというお答えはいただけぬと思いますので、これ以上は申し上げません。
 これはほんとうに、真剣にお考えにならぬと、なけなしの連中から、そういう物を借りる、この出資をするということは、端的には、一種の歩積みですよ。そうでしょう。そうしてしかも仕事がちっともはかどらぬということは残念ですから、こういう問題は、もう少し真剣に取り組んでいたきたいと思うんです。
 そこで、その次にお伺いするのは、万が一の問題が発生した場合に、八割保証するというのですね。設例いたしますと、一千万円貸して五百万円回収不能になったという場合ですね、その場合、業務方法書でおきめになると思いますが、政府、この機関が八割保証するというなら、金融機関は無責任ですわね。一千万円融資をして五百万円は回収になった。五百万円損失が発生したということになりますると、八割の範囲内にとどまるのですから、地方の金融機関は責任は存在しないということになる。その八割というものは、生じた五百万円の損失に、また二対八の割合で分担をして、金融機関にも何がしかの損失の負担というものがあるのだということになさろうとする考えもあろうと思うのです。もし、あとで申し上げたようなことでありといたしますれば、この制度を作ることによって新しい、困難な融資の道は開けていかない。金融機関がかぶらなければならぬということになれば、保証の制度はなくっても、貸し得る範囲よりも出てこない。前段のようであれば、これは相当の思い切った金融が行なわれますから、これは進むと思うのです。その関係はどうなんですか。
#63
○政府委員(吉村清英君) 私ども今のところの考え方におきましては、二対八の比例で求償権の行使をいたしたいというふうな予定をいたしておるわけでございます。
#64
○森八三一君 そうしますと、今の設例によると、五百万円損した場合には、百万円は金融機関がかぶる。この機関のほうには四百万円だけしっぽがくるということになりますと、今の金融機関の実態から見て、百万円でも、かぶりがそこでくるということになれば、制度を信頼して特別な融資をやるという考えにはならない、今までの否定と同じ査定で終ってしまう、そういうことになる危険を私は感ずるんですが、政府のほうでかぶってやるというような業務方法書にはできないでしょうか、そういうふうにしなければ進まぬと思う、そのために否定するんでしょう。
#65
○政府委員(吉村清英君) まあ、そこに、その問題に至りますと、やはり地方へ支所を設ける、設けないというところにも、問題が起きてくるわけでございますが、やはりそういった点で、金融機関自体にも、十分慎重にやっていただくというような点においても、ある程度、やはり危険の負担をしてもらうことが必要なのではないかというように、ただいまの私どもは考え方を持っておるわけでございます。
#66
○森八三一君 よくわかります。わかりますが、慎重な融資をするためには、融資機関に万が一の場合には責任を持たさなければならぬ――わかります。それを持たせるなら、何も査定だの何だのといってめんどうなことをしなくても、金融機関は金融機関の感覚において事を運ぶんですから、ただ予算等のワクで融資金韻のトータルは、どこまでということになるとは思いますけれども、そんなに機構を充実して、かれこれおっしゃらなくてもいいんじゃないかという感じを持つんです。話が元へ戻りますから、それ以上は申しませんが、これはほんとうに考えてもらわぬと、ただ、人のために、こういうような機構を作って格好をつけたということに終わってしまう危険がないとは蓄えませんので、その点はひとつ十分、実施にあたっては一考をいたしていただきたいと思います。
 私の黄門は、一応これで終わります。
#67
○青田源太郎君 ちょっと関連して。今、森先生から尋ねられておる基金の取りくずしの問題が出たが、これはなんですか、順位か何かきめて、あるんですか。かりに、その保証料は代位弁済のなににあてがうとか、あるいは基金の運用益は一般の経費に使うとかいうふうなお話でしたね。そうすると、万が一、その保証料だけで代位弁済があればいいけれども、なかったら、おそらく基金を取りくずさなければしょうがないでしょう。それは、どういうふうな方針にしてあるんですか。
#68
○説明員(厚味荘之助君) 基金を運営して参りまして、それに、その結果、保証料、これを積み立てまして、そうして今の順位のほうを申しますと、そうした事態が起きた場合には、その積立金から、まずその財源に充てる。それが万が一なくなれば、そうすれば今度基金という、そのものということになって参ります。順序と申しますれば、そういうことになります。
#69
○青田源太郎君 そういうふうな基金の取りくずしが、やはりいれは国と県と業者と出しておるのですね、そういう中で、かりに全部、そういうふうな危険負担があった場合に、業者に迷惑がかかるというふには……。やはり、まず国なら国が、先に国の基金を取りくずして、そうして、その次に県とか、その次に民間の出しておるものというふうに、大体きめておいてもらわぬと、全部そういう放漫な貸付をしてしまって、取りくずしは業者にも、その被害がかかるというのじゃ、ちょっと政府が任命したりなんかする実は機関、これは民間の役職員が出てやるなら、これは得心がいくけれども、民間の者は、ただ拠出するだけであって、管理というものは何ら責任がない。だから、そういうふうに政府で理事者を任命したりなんかするなら、政府がまず責任を負う、そうして基金を取りくずすということなら、まず政府とか県とか、そういう公共的な出資から先に取りくずしていただくというふうでなければいかぬと思うのが一点。
 それから、こういうふうに法律によって、政府とかあるいは県が、そういう歩合いをもってやるというようなものなら、僕は、この保証料の二厘というものは、あまりに負担がきついんじゃなしか。これは今は、どういうようなことか。こういうものは、先でひとつ無料というのか、ほとんど保証料は無料でやっている民間の近代化資金等も相当ある。そういうことでなければ、むしろ金融機関に手数料を勉強せいとかなんとかということだけで、保証料はがっちりとって、金融機関には手数料も何もやらぬというのでは、普通の金融機関と不均衡じゃないか、こういうふうに思うのです。これはどうですか。
#70
○説明員(厚味荘之助君) 第一点のさっき御質問のありましたような取りくずし的な事態が生じた場合に、出資をした国ないし民間、その際に、国の出資した分から取りくずしたらどうか、こういう御質問の筋であろうかと思いますが、一応制度上の問題といたしましては、そういうような代位弁済をするというような事態が起こって、今の積立金で整埋をして、なお不足を生じたというときには、経理上の問題といたしましては、繰り越しの欠損金という形でいくわけであります。それともう一つ、他面、出資になりました分については、この分は、国の出資分である、これは民間の出資分であるということで、特別経理ということもちょっと考えられませんので、さっき申し上げたような、そういう欠損金の整理で進んで、あとの運営によって、そういうような事態をなからしめて、積立金の額を増強するような運営をして参るということであろうかと思います。
 それから第二点は、あるいはちょっと質問の筋を取り違えているかもしれませんですが、保証料について、ただいま考えておりますのは、二厘でございまするが、これによって融資を受ける人が、それだけ負担になるということは事実でございます。それの半面に、融資する機関の銀行側等にとりましては、債務保証を基金が一〇〇%ではないにしても、八割はいたす。それによって金融機関としての危険負担は減ずるわけですね。さような点も勘案して、今後この基金発足に伴っての、こういう運営の際には、金融機関のほうと、そういう点を加味して融資する場合のなお条件等については、なるべく緩和する方向でやってもらいたいという方向で私どもも指導して参りたい、さように考えております。
#71
○青田源太郎君 それじゃ、僕は、そういう金融機関が危険負担が少なくなるのだからということなら、これはやはり県、国、業者と同様に、金融機関に拠出出資さすような意思があるのかないのか、そういう点をひとつ……。
#72
○説明員(厚味荘之助君) 今のところ、そういう考えは持っておりません。
#73
○青田源太郎君 そういうふうに金融機関に何ら出資も何もせぬと、ただ金融機関が、その危険が助かるのだからという意味なら、金融機関に業務を委託された手数料とか、そういう扱い料、こういうものは、どういうふうに業務方法雷では考えられるのですか。
#74
○説明員(厚味荘之助君) 最後は、業務方法書の段階でございますが、一般的に考えておりまするのは、実費相当額ということで処理いたしたらいかが基と、かように考えております。
#75
○青田源太郎君 その実費というのは、何ですか、いわゆる基金の一般の運用益によってやる経費と、そういうものとあわせて考えるのですか。その一実費の費用を払うということでしょう。金融機関に委託して扱った経費はどこから出る、実費を払う経費は、その経費は、初め森先生がお尋ねになられたように、その運用益の中の一般経費の中に含まれるのですか、どうですか。
#76
○説明員(厚味荘之助君) さようでございます。
#77
○青田源太郎君 私は、そういうふうな運用益によって、その経費を払うとか、あるいは金融機関に、その債務保証をすることによって、金融機関が危険負担が非常に薄くなるというなら、保証料というのを、むしろ無手数料にしてやるというのがほんとうじゃないか。というのは、この基金で、そういうような危険負担を順位によって取りくずしするということなら、そういうふうな保証料までとって、そういうような一般の代位弁済にあてがうというのじゃ、この基金制度を作った意味がないと思うので、あくまでもやはり国とか県とかいうような公共の基金によって、そういうような代位弁済の資金にあてがうというならいいけれども、この保証料二厘というのは、金利負担からいうたら、大かた年一分近くなるのじゃないですか。
#78
○説明員(厚味荘之助君) 年利に直しまして七厘三毛でございます。
#79
○青田源太郎君 それだけ結局、債務者の負担が過重になるわけだから、できたら、こういうような保証料というのは、国の基金でやるとか、あるいは基金の運用益によって経費に使うというなら、僕は保証料を全免してやるというようなことがほんとうじゃないかと思う。
 それで、今一応こういうことになれば、業務方法書で、そういうような基金の取りくずし順位をきめてやってもろうて、まず国あるいは県、こういうような公共団体が出した基金から先に取りくずしをして、そうして組合員とか森林業者の直接華金というようなものは、その次の順位にするような業務方法書をぜひ、ひとつ作成してもらいたいということを申し上げておきます。
#80
○委員長(櫻井志郎君) 先般、安田委員その他から御要求がありました資料に対して、当局から説明したいとの申し出がありますので、この際、発言を許します。林野庁長官。
#81
○政府委員(吉村清英君) それでは御提出を申し上げました資料について、御説明を申し上げたいと存じますが、まず最初に、林業施策に関する説明資料というのを御提出を申し上げておるわけでございますが、これは、先般御要求がございまして、私どものメモでございますので、私から御説明を申し上げるので、ひとつお許し願いたいということを申し上げたわけでございますが、その後検討をいたしまして、かようなものを御提出を申し上げたわけでございます。で、これだけではおわかりになりにくいと思いますので、この現状から説明を申し上げまして、やや時間を拝借をいたしまして、これの御説明を申し上げたいと存じておる次第でございます。
 まず、基本的な問題といたしまして、わが国の林業は、御案内のとおり森林蓄積約十九億立方メートルを有しております。で、その森林の面積は二千五百万ヘクタールに及ぶ林野を基礎として存立をしておるわけでございますが、大きな発展的な潜在的な可能性を秘めておるにもかかわりませず、一方においては木材の経済的な供給という国民経済的な要請に十分に即応し得ていない。また同時に他方におきましては、多くの林業従事者の生活水準の向上ないしは所得の均衡的増大ということに十分に寄与をしておるとは言えない実情であるかと存ずるのでございます。なおかつ、最近におきますわが国の経済の急速な成長発展とともに、この現象はますます顕著となってきておりまして、さらに将来におきましては、一そうこれが激化してくることが予想されるのでございます。
 まず、木材の経済的な供給の確保という観点から見ますと、わが国の経済の高度成長とともに、大材に対する需要は逐年増大をして参りまして、昭和二十七年度の三千五百万立方メートルから三十六年度の六千一百万立方メートルヘと、九年間に約七三%の増加を見ております。三十七年度には六千二百万立方メートルの需要に増加する見込みでありますが、他方におきまして木材の国内生産は、わが国の林業が内包いたしますいろいろな問題の上に、昭和二十七年の三千四百万立方メートルの生産から三十六年度の五千三百万立方メートルの生産へと、廃材チップを加えまして同期間に五六%程度の伸びを示したのでございます。このようにいたしまして、わが国の木材自給率は逐次低下をいたしまして、輸入が増加をして参ったのでございます。で、一般卸売物価がほぼ横ばいを続けておるのに対しまして、木材の平均価格は、昭和二十七年度を一〇〇といたしますと三十六年度には二〇二という独歩高の傾向を強く示しておるのでございます。このような価格の高騰は消費者の負担を増すばかりでなく、代替資材の促進々促しまして、長期的に見ますと、林業の健全な発展を阻害することにもなりかねない状態でございます。しかもこのような現象は、今後、なおわが国の経済が高度成長を続けるという見通しのもとに立ちますと、さらに強くなることは予想されるのでございます。で、したがいまして、わが国の林業が内包いたします基本的な問題を改善をいたしますために必要な施策を強力に批准をいたしまして、木材の経済的な供給の確保をはかることは、きわめて肝要なことになるかと考えるのでございます。
 そこで林業従事者の生活水準の向上ないし所得の均衡的増大という観点から眺めました場合に、実情は、まず保有形態別に見ますと、先般来御説明もいたしましたが、わが国の総森林面積の三〇・七%は国有林によって占められております。さらに一一・三%は公有林に属しております。で、その残りの、五八%というものが私有林になっているのでございます。この私有林は二百九十九万の事業体によって経営をされておりまして、このうち林家が約二百七十一万戸を占めているのでございます。その経営をいたします面積は、全森林面恥の約四六%余となっているのでございます。で、さらにこれらの林家の九四・一%というものは、耕地を保有しております農家であるということでございます。で、このことはわが国の林業の少なからぬ部分が農業との密接な結びつきを持っているということを示していると申し上げられるかと思うのでございますが、そこで一町歩以下の零細な林地を保有する林家数は、全林家の五八%を占めているのに対しまして、その保有面積は、わずかに九・六%にしかすぎません。五町歩未満の層をとってみますと全林家の九〇%余に達するものでございますが、その保有面積の比率は三九%にとどまっております。しかも、零細な林家の保有をいたします耕地の規模は概して小さいのでございまして、したがってわずかの農林業所得しか上げ得ない林家が非常に多いという実情があるのでございます。また林家以外の林業事業体も、小規模な経営が圧倒的に多いのでございまして、これらの事業体の多くと林家のうちの大規模のもの及び国有林に雇用をされている林業労働者の数は、三十四年度で六十七万五千人に及んでおります。そうして、その賃金水準を類似の職種に従事いたします他産業労働者のそれと比較いたしますと、たとえば三十六年度のまあ伐木、造材、これは林業関係では、まず一番高いものでございますが、一日当たりの賃金を一〇〇といたしまして比較をいたしてみますと、鉱業が一三四それから製造業が一一一、建設業が一〇三となっておりまして、他産業の労働者のそれに比べまして一般に低い状態でございます。さらにわが国の林業の実情におきましては、通年雇用形態は非常に少ないのでございまして、雇用形態におきましては、もとよりでございますが、社会保障の実態から見ましても、林業労働者は、他産業労働者と比較して不要労働条件下に置かれておるのでございます。したがいまして零細な林業経営者や林業労働者の生活水準の向上ないし所得の均衡的増大をはかることが必要であるのでございます。そして、このことは何よりも福祉国家の観点から要請をされることであるのでございますが、同時に、近年の急速な経済成長に伴います山村からの労働力の著しい流出にかんがみまして、今後の林業の健全な維持発展にとりましても不可欠のことであるかと考えておるのでございます。以上のような現状にかんがみまして、従来の資源政策を基調といたしました林業政策を発展をさせまして、新たな観点から、林業の発展と林業従事者の地位の向上をはかります林業政策を展開をするということが必要でございまして、これが私ども林業本本対策を必要とする理由であるというように考えておるのでございます。
 まず、林業基本対策の考え方でございますが、林業基本対策は、以上私が申し上げましたような理由から林業の健全な発展と林業者の地位の向上をはかろうとするものでございますが、そのためには林業の生産の増大、林業の生産性の向上、また林業従事者の所得の均衡的な増大が必要になってくるかと思うのでございます。わが国の林業は、経営形態及び経営規模が著しく異なるさまざまな階層によって営まれておるのでございますために、これを一律に取り扱うということは問題が多いかと思うのでございます。そこで経営の形態及び規模の差異によります異質性を考えまして施策を講ずることが何よりも必要ではないかと考えるのでございますが、私どもは将来の林業の経営のにない手といたしまして、三つの形態を考えまして、できるだけ多くの経営が、このにない手になるにふさわしくなるような育成指導をすることを目的といたしておるのでございます。
 その一つといたしましては、合理的な経営規模を保持した家族労働力による経営でございます。小径木の需要の増大でありますとか、早期育成、林業技術の進歩でありますとか、農山村におきます就業動向、農業構造改善の必要性及びその進展等から見ますと、家族労働力による経営は、林業経営のにない手として、従来よりもさらに高く評価をされてくるのではないかと思うのでございます。しかしながら、一般に家族労働力による林業経営を合理的に行ないますためには、その経営が営みます農林業から得られる所得で自立できます者ばかりでなく、ほぼ連年的に林業生産活動が行なわれることが必要になるかと思うのでございますが、そのためには、林地の保有の基準は、地方によってそれぞれ異なりますが、おおむね五町歩程度の林地を保有するということが必要なのではないかというようなことも考えているのでございます。こういったものでない限り、林業の所得の少額なこと、及びあまりにも間断性のために経営意欲に乏しいとともに、経営能力、技術等の面に問題が出てくるのではないかと思うのでございます。そういうことでございまして、わが国の林家の九〇%余りが五町歩未満の零細な林地しか持っておりませず、また、一町歩未満のものをとってみましても百五十七万、全林家数の半分以上を占めているわけでございます。こういった意味からも、規模を拡大していくというようなことが必要になるかと思うのでございます。
 また二番目には、比較的大規模な雇用労働力による経営の問題でございますが、この雇用労働力による林業の経営が、林業のにない手になりますためには、企業的な、そうして近代的な経営を行なうことが必要であるかと思うのでございます。
 三番目には、やはり国有林の経営の近代化、また企業的な経営ということが必要になるかと思うのでございます。
 そういった前提をお含みいただきまして、この林業、まことに長い御説明をいたしまして恐縮でございますが、これを御理解をいただきますために、この説明資料をごらんいただきたいと思うのでございます。
 この林業施策に関します説明資料でございますが、まず第一番に林業の経営をどの方向へ持っていくか。それをまず規定をいたしますためには、林業経営の基盤の整備ということが必要であるかと思うのでございますが、その林業経営の基盤の整備をいたしますためには、まず林道が大切であるということでございます。一の(一)が、「林道の開設、改良を計画的に推進するとともに、林道の維持管理の適正化について検討する。」こういうように書いてございますが、現在、現状におきまして、わが国の森林の三分の一というものは、まだ未開発に残されているのでございます。そういったところへ、さらに積極的に計画的に林道を開設いたしますとともに、この林道の性格というものも、従来の搬出路という狭い考えを脱却いたしまして、このような山村の環境整備というものにも資して参らなければならないというような考え方をもちまして、林道の開設をして参る。また、運搬機関、施設等の進歩によりまして、林道の構造等にも改善を加えて参らなければならないということでございます。
 二番目は、この林道を保全、改良をいたしまして、また、災害の復旧をはかりますために、治山事業を強化して参らなければならない。
 それから三番目には、先ほど申し上げました非常に多数にわたります家族労働力による林業経営を近代化して、健全な発展を進めて参りますためには、やはり経営規模の増大をして参りますためにも、分収造林の推進をはかりますとか、あるいは林地を取得いたしますための融資を拡充して参りますとか、こういう問題について推進をして参らなければならんということでございます。また、百六十万町歩に及びます入会林野の整理の問題でございます。この入会林野が非常に粗放におかれているという点を改善をいたしますために、この入学権というものの近代化をはかって参らなければならないということでございますが、これは三十八年度にこの具体的な検討をいたすべく予算を計上もいたしておる次第でございます。それからこの基盤を整備をいたしまして、その次には林業の経営の高度化というものをはかって参らなければならないと考えておるのでございます。この経営の高度化のためには、まず大切なことは、経営の計画化を推進をすることであるということでございます。
 それから二番目には、生産の増大をはかって参りますためには、人工造林をさらに強力に進めなければならないということでございます。現在の人工造林の面積は約七百万ヘクタールでございますが、これを将来民有林におきまして一千万ヘクタール、それから国有林におきまして三百三十万ヘクタール、でございますから千三百三十万ヘクタールに増大をして参るということでございますが、現在の森林面積は、先ほど申し上げましたように約二百五十万ヘクタールになりますので、そのうちの五〇%近くが人工林に変わって参ります。これは生産増大をはかりますためには、どうしてもこの人工林を増大をして参らなければならないというように考えておる次第でございます。
 それから林業の生産性の向上をはかりますために、林業の機械の導入をはかって参らなければならないわけでございますが、この機械の導入と同時にその技術の訓練、これが必要なことであるかと考えておるのでございます。私どもただいま進めておりますのは、先ほど来御審議をいただいておりますこの森林組合に対しまして、この機械の導入の助成をいたしておるわけでございます。ことしから助成をいたしまして、さらにこれを強化をいたしまして、これを中心にいたしましてこの林業全般性の向上をはかって参りたいというふうに考えておる次第でございます。
 また次に、主として家族労働力によります林業経営の発展、林業の生産性の向上に資しますために、森林組合が行ないます共同利用施設の設置、作業の共同化等によりまして協業を助長をして参りたい。この森林の零細な経営がただばらばらに経営をいたしておりましては、十分な高度化ができないわけでございまして、これを事業の共同化等を通じましてこの協業を助長をしていく。その一助といたしまして、先ほどの機械導入等も考えておりますし、また共同利用施設等の設置の融資等も進めて参っておるわけでございます。また、林業技術の高度化及び企業経営の近代化を促進をいたしますために必要な試験研究、また普及体制を整備充実をして参らなければならないという考えでおりますが、今回特に県の普及職員の能力を向上させますために、三十八、九年にわたりまして二カ年計画で林業の研修所を建設をいたすことにいたしております。
 またこの六番目は、林業労働者の問題でございますが、林業に従事する労働者の福祉を増進をいたしますために、いろいろな労働条件の改善、もちろん社会保障制度等にわたっても改善をはかって参らなければならないというように考えておるわけでございます。
 また最近各方面に虫害、病害等を出て参っておるのでございますが、そういった防除を強化いたしますために、発生の予察、なかなか森林の病害の発生の予察ということは非常にむずかしいのでございますが、林業の経営を安定をいたしますためにも、この病虫害の防除を強化をしなければならぬのでございます。なかんづくその発生の予察ということについても、大いに努力をして参らなければならない。同時に、現在あります森林保険制度につきまして、その制度の改善を検討をして参らなければならないということを考えております。
 また最近とみに減って参りました木炭の需要の問題でございます。しかしながら、木炭の需要がかように一時三十年ころまで二百万トン程度の需要がありましたのが、最近はすでに百三十万トン程度に落ちております。将来は七十万トン程度になるのではないかということでございますが、かような状況にはありますが、やはり木炭の供給ということは、決して不必要ではないのでございます。これは木炭の生産を合理化いたしますといいますか、共同化をはかりまして、機械の導入をはかって、木炭の生産者の所得の向上にも資して参らなければならないというように考えておる次第でございます。
 次に、林産物の価格流通等でございますが、林産物の価格の安定及び流通の合理化並びに木材の加工の事業の発達改善をはかりますために、外材の輸入の円滑化、国有林材の弾力的な供給、また木炭の出荷調整、それから林産物の共同取引でありますとか、さらには木材の加工技術の向上等推進をしなければならないわけでございます。この外材の輸入の円滑化のためには、やはり一番問題になりますのは、港湾の問題も非常に重要になるかと思うのでございます。幸いこの港湾の問題につきましては、運輸省のほうで制度の改正もしてもらうことになっておりまして、これによりまして木材の貯木場が起債の対象になるということにもなる模様でございますし、また、木材の輸入港の設備の改善も進められることになっております。また、国有林材の供給につきましても、従来とかく機械的に流れました供給の方法等も、十分に市場の情勢に応じまして短期的な価格の調整に資しられるように供給を進めて参りたいというように考えておる次第でございます。また、森林組合その他いろいろございますが、林業に関する団体の整備強化をはからなければならないのでございます。林業の発展及び林業従事者の地位の向上をはかりますためには、やはり森林組合その他林業に関する団体の整備をはかって参らなければならないというように考えておるところでございます。また、国土の保全及び水資源の涵養の機能の確保の問題でございますが、森林の有します国土の保全、水資源の涵養の機能の確保をはかりますために、治山事業を計画的に推進をいたしまして、保安林の配備の適正化、また重要保安林の国による買入れの将来の継続等につきましても、検討をする必要があるのではないかと思うのでございます。
 第六番目には、国有林の経営の合理化でございます。国有林につきましては、国有林に負わされた大きな使命はもちろんでございますが、先ほど来申し上げました施策の一環として、その経営を合理化して参らなければならないと考えておるのでございます。
 最後に、行財政投融資の問題でございますが、行財政投融資を拡充をいたしますとともに、林業に関する金融制度及び税制の改善をはかって参らなければならないというように考えておるのでございます。
 まことに冗長に失しまして恐縮でございましたが、少しつけ加えまして御説明を申し上げました次第でございます。以上が林業施策に対する御説明でございます。
 その次に、参考資料でございます。三十八年三月七日林野庁とありますそれを簡単にこの裏を御説明をして参りますと、これは第一ページの所有形態別森林資源現況は御説明するまでもないかと思いますが、国有林が七百七十八万三千ヘクタール、それから民有林が公有林と私有林に分かれておりまして、この民有林の総計が千六百九十四万二千ヘクタールでございまして、合計が二千四百九十万、約二千五百万ヘクタール、大体国土の七割に当たるということでございます。蓄積から申しますと、約十九億立方メーターでございます。国有林は七百七十万で約面積三割でございますが、蓄積にいたしますと九億と、民有林の九億六千で大体半々、蓄積は半々になるということでございます。
 それから二ページの伐採面積及び伐採立木材積の推移でございますが、これは昭和二十七年度から三十六年度までの伐採材積の推移を表わしたものでございます。まあこれはこれをごらんいただくだけで、総数のところだけ御説明申し上げますと、伐採面積では六十七万八千ヘクタールが昭和二十七年でございまして、三十六年度は若干減りまして、六十六万八千ヘクタールになっております。それから伐採材積におきましては、この総数のところで用材、薪炭の経緯をごらんいただきますと、二十七年には六千八百万立方メーター、三十六年度には七千九百万立方メーターの伐採量になっているわけでございます。
 それから三ページの用途別の消費実績でございますが、これは建築用材、パルプ用材をごらんいただきますと特色が出ているわけでございますが、二十七年には建築用材が千三百万立方メーターが三十六年度には二千二百万と、非常に飛躍的にふえておるわけでございます。パルプ材に至りましては、二十七年が五百十二万に対しまして千四百万にふえておるのでございます。逆に坑木等につきましては減っております。昭和二十七年が三百三十万立方メーターが三十六年には二百四十万立方メーターでございます。
 それから四ページの外材の材種別輸入量の推移でございます。これはこのように区分けをして書いただけでございますが、三十二年度には合計で外材は二百八十九万立方メーター入っておったのでございますが、先ほども御説明申し上げましたように、三十六年度には約一千万立方メーター近くの輸入量が出ておるのでございます。
 それから五ページは林業所得の推移でございますが、これは農業、林業、水産業、こういう一次産業の比較をしてございますが、これをごらんいただきますと、昭和二十七年を一〇〇といたしまして林業におきましては三十五年が一九二になっております。農業は一三〇、水産業に二〇〇になっております。二次産業におきましては二七三、三次産業におきましては二五一ということになっております。
 それから六ページ、第六でございますが、分配林業所得の推移をごらんいただきますと、個人業主所得は、林業におきましては二十七年を一〇〇といたしますと三十五年は一八七でございまして、全経済が一四三でございまして、この伸びというものは、まずまずというところではないかと思う林でございます。勤労所得の面では、全経済におきまして二五八が林業では二〇二ということになっております。
 それから林道の現況でございますが、七番目の表は林道はこれはごらんいただくとおりでございまして、国有林、民有林を合わせまして七万四千九百キロメーターということでございます。内訳はごらんのとおりで、ごらんいただきたいと思います。
 それから次の八ページの林道の開設実績でございますが、これは二十七年から三十六年にわたりまして補助林道、民有林の補助林道、融資、県単その他林道、それから国有林の林道それぞれ掲上をしておるのでございます。
  〔委員長退席、理事青田源太郎君着席〕
 大体三千から四千、三千三百から三千五百キロメーター程度を年々開設をいたしておるわけでございます。
 それから九ページは保安林の現況でございます。これも特に御説明を申し上げるほどのところはございません。約三百八十七万ヘクタールが保安林に指定をされておるわけでございます。
 それから保有形態別の林業事業体数と森林面積ですが、これは国有林、民有林でございまして、事業体数の種類のところをごらんいただきますと、二百九十九万事業体がございます。で、その森林面積は、私有の森林面積が千四百万ヘクタールになっておるということでございます。
 それから十一ページの林家の山林保有広狭別方数および面相でございますが、これは林家の規模別の戸数と面積になっておるわけでございますが、ここでごらんいただきます林家数は総数で二百七十万戸でございまして、下の二段の比率をごらんいただきますと、五町歩未満が一町歩以下と合わせますと約九〇・五%であるということになっております。それから面積にいたしますと三九%が五町歩未満になっておるということでございます。百町歩以上になりますと、もうきわめて少な
 い数字になるわけでございます。
 それから耕地と山林の規模別の関連の表をここへ十二ページにあげてあるのでございますが、左のほうに耕地の面積、右のほうに山林の規模別の面積をあげてございます。やはりこの表から見ましても、小さい耕地の保有者は比較的山林の保有面積も小さい、大きい耕地の保有者は比較的山林面積の保有量も大きいというような傾向が現われておるかと思うのでございます。
 それから十三ページ目でございますが、これはただここへ御説明にあげてあるのでございますが、林家以外の事業体の持っております森林でございますが、これも思ったよりこの規模の小さいものが非常に多い、会社、共同、団体、社寺その他にいたしましても、圧倒的に多いのはやはり規模の小さいものが多いということでございます。
 それから十四ページ目は、これは保有山林の面積別の人工林化の比率でございますが、大体この人工林化と申しますか、人工林になっております比率というものは、どの階層でもほぼ似たようなものでございます。左から二行目の樹林地に対する人工林率でございます。これは大体平均で三五・五%でございますが、これを上からずっとながめていただきましても、おおむねその程度のところでございます。ただ、規模の非常に小さいものになりますと、たとえば人工林が全くないというのが半分もあるというような階層もあるわけでございます。また、八〇%以上も人工林になっているものが一番低い層では三割以上もあるというような、この辺は非常に不ぞろいでございますが、大体全体を通じまして三五%程度は人工林化されているということを申し上げられるかと思うのでございます。
 それから、その次の十五ページでございますが、これは入会関係、慣行共有山林の所有面積広狭別事業体数および面積でございます。これは入会関係の山林の規模を御説明を申し上げたものでございまして、事業体数が総数で十万あるわけでございます。それで零細なものもかなり多いわけです。四万五千も零細な、一町歩未満のものがあるということでございます。これは、これで御説明になるかと思います。
 それから十六ページのこれも入会関係の御説明でございますが、これは権利者の数と面積でございます。事業体数と、それからその次に権利者がどのくらいいるかということでございますが、総数にいたしますと、七百万程度の権利者がいるわけでございまして、一事業体当たりの平均で申し上げますと、権利者は六十六人、面積は一事業体当たり十四町余り、権利者一戸当たりの平均面積は二反二畝ということになるわけでございます。
 それから、その次も入会関係の慣行共有山林の名儀がどんなふうになっているかということでございます。この名儀はいろいろな名儀になっておりまして、個人名儀、会社名儀、共有、団体、社寺、組合、字名、旧市町村、財産区、いろいろなまちまちなものになっておりまして、それがかような分数になっておりますが、共有が一番多いということはもちろんでございますが、かような複雑なものになっているわけでございます。
 それから、その次は、人工造林の実積でございますが、人工造林は補助の造林、それから融資の造林、それから全く自力の造林、それから水源林造林、こういういろいろな方法で造林が進められているのでございますが、大体三十六年度におきまして、総数で、人工林だけでございますが、三十三万七千ヘクタール、国有林が七万五千ヘクタール、平均いたしまして、最近十年余りで三十万ヘクタール前後の造林が行なわれているということでございます。
 それから林業人口の推移でございますが、これは大正九年から拾いまして、三十五年までの推移をとびとびに出しているのでございますが、これは国勢調査の結果を申し上げるわけでございまして、林業及び狩猟業、こういうものが大正九年には十八万九千だったのが、三十五年には四十五万、倍以上にふえてきているわけでございます。男女別に見ますと、かようなことになっております。
 それから二十ページは、木材市売市場の規模別の数字をここにあげているのでございますが、単式、複式市場を資本金別にあげまして、単式が三百七十五、複式が二十九という企業体数が出ております。市場数は単式が四百六十九、複式が五十五ということになっております。
 それから次の二十一ページをごらんをいただきますと、製材工場の規模別の数字でございますが、これは最近は馬力でなくて、キロ・ワットであれしてございますが、この七・五キロ・ワットというのが従来の十馬力でございます。七・五から二二・五が十から三十、その次が三十から五十、五十から百、こうごらんいただきますといいかと思いますが、そういう規模別の配列をここでやっておるのでございますが、馬力別に見ますと、大型のものがふえてきている。普通は、工場数は減ってきているというような傾向が出ておるわけでございます。以上がこの資料の御説明でございます。
 それから次は、森林組合併助成法案参考資料をごらんいただきたいと思います。
 まず一番目の都道府県別施設組合の現況でございます。一番下の欄をごらんいただきますと、組合の総数が府県別にあげてございますが、三千七百十三で、その右が調査表提出組合数というので総計で三千五百九十四というのがございます。これは注のところをごらんいただきますと、昭和三十六年度森林組合一斉調査の結果によると書いてございますが、その調査の調査表を提出した組合数がこの右の欄でございます。で、それによってこの次からの資料ができておるわけでございます。一組合の総面積が一千百二十九万二千ヘクタール、それから一組合の平均面積が三千百四十二ヘクタール、それから常勤役職員数が、常勤役員が千三百八十四、職員が六千八百二十で、平均一組合当たり二・三人こういうことになっております。
 それから御要求の活動組合、中間組合、不振組合というのは、まことにどうもちょっとおかしな表現でございますが、一応下に書いてございますような経済事業、販売、林産、加工、購買、養苗、こういったような事業の取り扱い高が五百万以上の組合を活動組合、それから中間組合と申しますのは、それ以下で百万以上、不振組合というのは百万未満の組合、こういうふうに考えて分けてみますと、大体活動組合が三〇%、中間組合が三〇%、不振組合が四〇%、こういうような形になるかと考えます。
 それから農林漁業金融公庫の林業関係の資金の貸付残高でございますが、これは三十六年度末のものをあげてございますが、造林、林道、伐採調整及び林業経営維持改善、それから共同利用施設、合わせまして二百六十三億三千五百万ということになっております。
 それから施設森林組合の借入金の借入先別の金額でございますが、これはただし、政府資金を除いております。借入組合数が短期借入金に関するものが千六百七十七組合で、農中からの借入額が十六億八千余万円、連合会からの借入金が二億三千八百余万円、市中銀行からの借入金が六億五千三百万、農協からの借入金が八億二千九百万余、それからその他から、これは正規の金融機関以外からの借入額でございますが、五億二千九百万、こういうことになっております。
  〔理事青田源太郎君退席、委員長着席〕
 長期借入金は、農中から四億四千四百万、連合会からが三千七百万、市中銀行から一千六百万、農協から二千七百万、その他から七千六百万というふうになっております。
 農協の合併におきます合併後の組合に対します駐在指導の実績でございますが、農協の調べでございまして、農協中央会によりますものと、都道府県によりますものと分けて掲上いたしておりますが、総事業費をごらんいただきますと、総計で三百四十八万五千円、対象組合が総計で五十二、派遣月数でございますが、総計でちょっと意味がないのですが、二百三十五カ月ということでございます。都道府県によりますものは、五県ほどございますが、これに対しまして総事業費が七十七万でございまして、対象組合数が十二、月数は三十三カ月というふうになっております。
 そのほかに、林産物の需給等に関する長期見通しと全国計画があるのでございますが、これはこのとおりでございますので、ちょっと続ませていただきたいと思いますが……、それではごらんいただくことにいたします。
#82
○梶原茂嘉君 ごく簡単に林業信用保証に関連してお伺いしたいと思います。各委員の御質問に関連する点が多いかと思いますが、当初出発のファンドが大体七億円、三億五千万円が政府出資でありますが、大体、いつごろに、残りの政府以外の三億五千万円の出資が集まって、業務が開始できるか、見当はいつごろになっておるか。御承知のように、酪農の信用保証制度が、四、五年前ですか、できまして、当時五億円のファンドで出発し、そのうち二億五千万円が政府で他は民間出資ということでございましたが、最近は、私、よく模様は知りませんけれども、政府以外の民間出資のほうはなかなか集まってこないので、当初の五億の計画は、まだ完成してないのじゃないかと思うのですが、このほうは一応、話がついて、準備が遊んでいるのですか。それとも、法律ができてから手配をして、募集といいますか、集める段取りに入るのですか。その間の消息をひとつ、お聞かせ願いたいと思います。
#83
○政府委員(吉村清英君) これは一応五億になりますと、業務の開始ができるようになっております。それで、私どもといたしましては、七億は三十八年度末と、こういうことに予想をいたしております。それでは、五億はいつごろの見込みかということになりますが、いろいろ政令その他の準備もございまして、さらに、基金自体の設立の準備もございますので、大体十月ごろというように予想をいたしております。したがいまして、この基金の募集等につきましては、まだ着手をいたしておりません。この法案の御審議を終えていただきまして、それからかかりたいと考えております。念のために申し上げますが、附則の第七条で、「基金の成立当初における資本金は、五億円を下るものであってはならない。」と、こういうふうになっております。
#84
○梶原茂嘉君 次は、危険の見込み、リスクをどういうふうに見ておられるかであります。もちろん、これは、実際にやってみないと、なかなか固まりませんけれども、初めに、保証料の算定であるとかいうときには、一応見込みを立てられたかと思います。それで、先ほどのお話しで、森委員の御質問に対して、保証料は二厘ということで、この種の信用保証制度で、保証料二厘というのは、比較いたしますと、非常にむしろ、二厘という例は珍しいのではないかと思うのでありますが、長官の説明では、この保証料からくる面が、補てんに回ることになる。一般経費のほうは、基金の運用益でまかなう、こういうお話しですから、相当リスクは低く見ているのじゃなかろうかと思うのでありますが、その点は、どうでしょうか。
#85
○説明員(厚味荘之助君) ただいま、危険率について、私たち考えておりまするのは、保証額の〇・五%程度と、かように考えておる次第でございます。
#86
○梶原茂嘉君 〇・五%、そうしますると、かりに五億で出発ですから、五億の十倍は五十億、五十億の〇・五%ですか。そうなりますか。そうすると二千五百万ですか。そういう計算なんですか。
#87
○説明員(厚味荘之助君) 保証額の残高が五十億になった場合には、さような計算に相なります。
#88
○梶原茂嘉君 これは何かそういう実績的な調査を基礎にしての数字でしょうか。それとも一応の目分量からきた〇・五%でありましょうか。
#89
○説明員(厚味荘之助君) ちょうど中小企業者に対しまする既存のかような信用保証制度がございます。それの実株とか、商工中金とか、さような既存の機関の貸し出しの実績等を勘案いたしまして、おおむねかような率で適当であろうかと、かように考えたわけであります。
#90
○梶原茂嘉君 農林関係のこの種の制度、酪農、中小漁業ですか、それから開拓融資等があるわけです。いずれも高いのですね。二厘というところはほかにないと思うのです。中小企業でも御承知のように、四、五厘から、高いのは八厘ぐらいかと思います。したがいまして、その中小漁業関係は、相当あれで基金も食っていると聞いております。その程度で済むのかどうか、これはやってみなければわかりませんが、そこで、私たち伺いたいのは、これは天田委員の質問に関連するのですけれども、長官のお話しではこの保証の対象になる面は正常の金融機関の正常なる金融に乗らない分、これはかれこれ三百億ぐらいある。これが主として対象になるというふうに説明されたかと思うのであります。あるいは聞き間違いであるかもわかりませんが、そうしますと、これは非常にリスクを多く見なければ通常の正常なる金融に乗らないものですから、信用力も非常に薄い。したがって、非常にリスクを多く見なければならぬと、こう思うのであります。私はそういう従来の正常な金融に乗らないようなものを対象にするということが、はたして可能なのかどうか。技術的にそういうものをより分けて、それを対象にして、信用力が相当あるものは除外するというようなことは、どういう技術でそういうことができるのか、実際はそういう区別はできないのじゃないか。気持はそこにあっても、結局はおそらく、これは二割の金融機関自体の危険負担があるのですから、実際上は正常な金融機関に乗るものが出てくるので、長官の言われましたことが、実行上不可能じゃないかと、こう思う。もしそれを何らかの工夫で、あるいはその技術上可能であって、それを対象にしていくのだということになりますと、私は二厘、〇・五%の率で大丈夫だということは、これは非常に危険じゃなかろうか、こういう感じがいたします。その点をひとつ。
#91
○政府委員(吉村清英君) 一昨日でございましたか、御説明の中で、あの表の中に載っているようなものは、すでに正常な金融のベースに乗っているのだから、そのままでいいじゃないかと、ほかに何か特別なものはないかということに対しまして、こういう中のものも救えるという御説明をしたのでございまして、林業関係では、他の中小企業に比べますと、正規の金融機関で借りないで、他の方面から借りているものの比率が、比較的多いのでございます。そういったものも救われてくるということを実は申し上げたつもりだったのでございまして、特に振り分けてそういうものを対象とするという意味ではないのでございまして、極力利用のできる限り広く利用をしていただきたいという考え方でございます。それと同時に、御懸念の二厘の問題でございますが、これもやはり業務方法書のきまる段階できまるのでございまして、お言葉のように確かに非常に安いのでございます。今後関係方面との折衝でまだ決定をいたしました段階ではないのでございますが、極力安くしたいという考えを持っております。
#92
○梶原茂嘉君 先ほど青田委員も言われたのですけれども、私は保証料はできるだけ安いほうがいいと思うのです。今の各種の信用保証制度の保証料は非常に高いと思うのです。もちろん、業態によってはそれだけ取らないというとまかないがつかないという面もありましょうけれども、本来の金利と合わせますと非常に高くなるのでありまして、この種の保証料はできる限り安くすべきであろう、したがって私は二厘は非常にけっこうだと思うのです。しかし、反面リスクというものがあるのですから、それに対する見合いは十分しなくてはならない。
 最後に、保証限度の問題ですが、保証総額の十倍、これは大体そういうところであろうと思います。したがって、五億の場合は五十億、六億の場合は六十億という限度になりましょう。ただ一人当たりといいますか、保証されるものの限度ですね、それが二十倍ということになっている。これもおそらくは具体的な実施に入りますときは、いろいろ検討されることと思いますけれども、二十倍といいますと、これまた一般の例と違いまして、何といいますか、この種の制度からいいますると、ちょっと他に例のないほどこれは借りる、保証を受けるものが有利でありまして、大体普通の観念でいきますと、十倍ぐらいが普通かと思います。二十倍ですと、五万円で百万円借りられるということになります。保証を受けるほうの立場から言えば、これは好都合でしょうけれども、全体的に考えますと、いかがかという気がするのでありますが、二十倍というものを想定された基礎といいますか、これに何か基礎があるでしょうか、その点を一つお伺いしたいと思います。
#93
○説明員(厚味荘之助君) ご指摘になりました二十倍の算出の的確なる基礎と申しますか、さようなものはあまりございませんけれども、ただ、かような類似の既存の機関におきまして行なっておる実例等を見まして、たとえば畜産振興事業団におきましては、仰せのとおり十倍になっております。それから開拓融資保証協会においては十五倍、それから中小の信用保証協会等におきましては、これは金額で個人、法人について七百万円だと、まあいろいろでございまするが、あれこれいろいろ勘案いたしまして、林業の融資を受けるものの信用力等をあわせ考えて、二十倍見当ではいかがかとただいまさように考えております。長官がさっき御答弁申し上げましたとおり、業務方法書の際等においてさらによく検討した上でお答えいたしたいと思います。
#94
○梶原茂嘉君 よく御検討願いたいと思います。総額を十倍に抑えられるのですから、各人というか、利用する場合に、二十倍になると、いろいろ人数に制約がくるという結果に、これは理屈ですけれどもなって参るのであります。私は二十倍がいかぬというわけでは毛頭ございませんけれども、そういう点を十分御検討置き願いたと思います。いずれにいたしましても、七億でございます。七億を将来非常に拡充するということは、これはおそらくそう簡単ではあるまいと思うのですね。そうすると、林業金融全体の中でせいぜいこの七、八億が、この制度によってその信用が補完されるということで、何と申しますか、効果というところからいくとやや心細いといいますか、大きな期待が持てないような感じがするのであります、やはりこれと同時に、林業金融全体についての検討が行なわれて、そうしてこの制度が全体の中でよく機能を発揮するように持っていかないというと、何といいますかせっかく作りましても、さしたる効果がないということも残念に思うのであります。そういう点の検討を今後お願いいたしたいと思います。これで私の質問を終わります。
#95
○安田敏雄君 先ほど資料説明につきましては、説明を受けただけですから、資料に対する質問はきょうは一応保留いたしまして、どうも私から始終資料を要求するのはおかしいけれども、この前は私は合併法についての資料要求をしたが、実は理事のほから私のほうに連絡が悪くて一括審議ということを知らなかったわけです。
 そこで林業信用基金法についての資料を二、三お願いいたしたいと思いますが、まず第一に、本法では、資本金一千万円、従業員三百人以下というのは、この保証の対象になるわけですけれども、それ以上の資本金一千万円以上あるいは三百人以上の林業者というのは、大体どのくらい数量があるか、それからその以下の、その境の以下のところを、ひとつ、わかりますか。わからなければ上だけでもいいですよ。
#96
○政府委員(吉村清英君) はい、わかりました。
#97
○安田敏雄君 そうしてその中で一番上から、大きな林業者から大体十傑くらいをひとつ、どういうところが大きいかわからないから、一番大きな林業者です。それは資本金で大きいのですか、それとも人数で大きいのですか。
#98
○政府委員(吉村清英君) 資本金でしょうね。
#99
○安田敏雄君 それから次に、実は私どもこの林業のことはよくわからないのですが、この際知っておきたいわけですが、国有林の売却を受けた林業者でもって、大体年間一番売却を受ける業者は、どのくらいの額を受けるのか。十番目ぐらいのところまでわかりますか。
#100
○政府委員(吉村清英君) 拾えばわかりますが、これはちょっと手間がかかります。
#101
○安田敏雄君 じゃ、これはいつでもいいです。この際知っておきたい。
 それからその次に、ついでにその前の表の中に、一千万円以上、三百人以上の林業者への融資総額、これはわかりますか。
#102
○政府委員(吉村清英君) ちょっとわからないです。
#103
○安田敏雄君 じゃ、わからなければいいです。
 その次に、本法の逆用の根幹となるべきものは、業務方法書が一番問題だろうと思うのですよ。したがって、業務方法書についての何か最終決定でなくても、現在きめられておる、あなた方が考えておる、これは設立委員が考えなければならぬものですけれども、大体腹案があるわけですから、ありましたら、ひとつ参考までに見していただきたい。
 それから最後に、実は中央森林審議会で林業振興に関する基本的施策についての答申、これと、それから森林組合に対する第三次中間答申、これをひとつお願いしたいと思いますが、ありましたら……。
#104
○政府委員(吉村清英君) あります。
#105
○安田敏雄君 以上です。
#106
○委員長(櫻井志郎君) 本日は、この程度とし、これをもって散会いたします。
   午後四時十二分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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