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1962/03/22 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第22号
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1962/03/22 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第22号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第22号
昭和三十八年三月二十二日(金曜日)
   午前十時二十二分開会
  委員の異動
 三月二十日
  辞任      補欠選任
   北條 雋八君  白木義一郎君
三月二十二日
  辞任      補欠選任
   白木義一郎君  北條 雋八君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           青田源太郎君
           仲原 善一君
           北條 雋八君
           森 八三一君
   委員
           井川 伊平君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           梶原 茂嘉君
           木島 義夫君
           中野 文門君
           藤野 繁雄君
           山崎  斉君
           大河原一次君
           大森 創造君
           天田 勝正君
  政府委員
   農林政務次官  大谷 贇雄君
   農林大臣官房長 林田悠紀夫君
   農林省農林経済
   局長      松岡  亮君
   農林省農政局長 斎藤  誠君
   農林省農地局長 任田 新治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   農林省農林経済
   局金融課長   立川  基君
   農林省農地局管
   理部農地課長 大河原太一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○農林漁業金融公庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○農業近代化資金助成法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○農薬取締法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。
 委員の異動について御報告いたします。三月二十日付をもって、北條雋八君が辞任され、その補欠として、白木義一郎君が委員に選任されました。
 本日付をもって、白木義一郎君が、辞任され、その補欠として、北條雋八君が、選任されました。
#3
○委員長(櫻井志郎君) 右の異動により、理事一名が欠けることになりましたので、委員長は、前例に従い、理事に北條雋八君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
#5
○委員長(櫻井志郎君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案を一括議題とし、前回に引き続き、質疑を行なうことにいたします。質疑のある方は、順次御発言願います。
#6
○森八三一君 最初に、先般質疑をいたしましたし、同僚の諸君からも、相当詳細にわたっての質疑が、すでに行なわれておりますので、二、三の点につきまして、近代化資金の問題でお尋ねをし、引き続いて、公庫法の一部改正につきまして、数点のお尋ねをいたしたいと思います。
 最初に、農業近代化資金の問題で二、三お尋ねいたしたいと思いまするその一点は、各委員から、しばしばお尋ねがありまして、政府としても、さらに十分研究考慮を払って、統一した見解を表明するというお話でありますが、そのことは別として、もし、今度の改正の結果が、本筋でありまする農業協同組合系統機関の金融というものと、新たに登場をしてくる銀行その他の金融というものとが並列されるということになりますると、融資の場合に、個々の農家が、ときによりますると、その持っておる信用力を二重に評価せられるという結果が考えられるのではないかという心配を持つのでありますが、そういうことについて、どういうようにお考えになるのか。これは、そういう点からも考えますると、やはり、農業金融については、指導金融の立場から、できる限り一元的な取り扱いをするのが好ましいという、私は考えの前提に立っておるから、そういうお尋ねをいたすわけでありますが、その点、どういうふうにお考えになるか。
#7
○政府委員(松岡亮君) ただいまのお尋ねの点につきましては、先般来、各委員から非常に詳細に、かつ強い御意見のありました点でございますが、今お話のありましたように、系列的な、あるいはできるだけ一元的と申しますか、農協系統以外の金融機関は、系統を補うものとして考えるという御趣旨の御質問かと思いますが、そういう点につきましては、いわば補完的なものとして考えて参りたいと、かように考える次第でございます。
#8
○森八三一君 今結論的な見解の表明がありましたから、この問題については、これ以上お尋ねする必要はございませんが、局長のお話しの今度の制度の改正につきましては、どこまでも現行法と申しまするか、農業協同組合の系統金融というものが優先をして、その農業協同組合が十分機能を発揚し得ないという場合もしくは、てんつけの組合員でないという農家があって、農業協同組合の機能が及び得ないという存在、これはあたりまえなことですけれども、そういう場合に限って、今度の改正がものを言うというように、実際の運用上は考えていくというお話しでありますので、一応私は了解をいたしましたが、そのことはもう一つ極端に申しますと、そこまではっきり表現することはいかがかとは思いまするけれども、端的に申しますると、一応組合員たる農家が、農業経営近代化のために要する資金については、農業改良普及員なりその他の指導者の意見も聞きまして、その事業が適切であるという認定に立って使用される資金というものを、農業協同組合へ申し込んだところが、農業協同組合が、自己資金の不足であるとか、あるいは系統機関からの転貸もできなかった、その他の感情問題で、それを拒否した、その事業そのものは正しいことをやらなければならぬというように認定されるのに、他の理由によってそれを拒んだという場合に、初めて今回の拡大金融機関に融資の申し込みが行なわれるというようになっていくのだ、実質的にはそういうことになるのだと、こう理解してよろしいかどうか。
#9
○政府委員(松岡亮君) ただいまお話がありましたように、最も典型的な場合は、組合員でない場合、またいろいろな関係で拒否されるというような事態におきまして、他の金融機関がそれを補うつまり農協系統が足らざる場合、十分に機能を発揮し得ない場合、足らざるところを補うという趣旨で運営して参りたい、かように考えている次第でございます。
#10
○森八三一君 その次に一つお尋ねいたしたい点は、これは信用基金協会のことでありますが、保証に対する依存率の問題ですが、実績はかなり低いところに出てきているようではありますが、予算的には三十六年度も三十七年度も九〇%まで考慮が払われてきていたと思います。ところが、昭和三十八年度の予算では、これが八〇%に切り下げられてきているというように、私は承知をいたしているのでありますが、もしそうだといたしますれば、これは非常に好ましからざる結果が生まれる危険を感ずるのであります。というのは、現にそれ以上に実施をしている都道府県もあるわけでありますので、八〇%で頭打ちにしてしまうと、その超過部分につきましては、県単位で考えるか、しからずんば関係をしている会員である農業協同組合等の白まかないで考えなければならないという問題が起きると思うのであります。この点は一体どういうことで措置ざれるのか、その点をお尋ねいたしたい。
#11
○政府委員(松岡亮君) ただいま御指摘がありましたように、来年度予算の面におきまして、従来九割まで積算しておりました保証依存度を、八割として積算した次第でございますが、これは実績が今お話しのありましたように六割程度であるということから予算の積算といたしましては八割程度を見込んだ、こういう次第でございまして、もちろん県によっては実績において八割以上の保証をしておるということもございまするので、まあそういう実績が低かったという理由には、実際に保証しないで済むような信用十分な人が予想以上に多かったということもあるかと思いまするが、それはともかくといたしまして、実際の運営におきましては、必ずしも八割にとどめるということのないように今後運営上十分検討して参りたい、かように考えるものでございます。
#12
○森八三一君 そうしますと、予算としては八割で一応組んである、それは、過去の実績等から勘案いたしまして、財務当局との折衝の過程において、そうせざるを得なかったということであったと思いますが、過去における融資はどっちかというと制度の発足早々であったために小型な動力耕転機を買うとか、きわめて個人的な融資が私は多かったと思うのです。少なくとも私の県なんかにおきましては、あるいは私が各地を回って聞いたところでは、そういうものが大部分だ。しかし、だんだんこの制度も軌道に乗って参りましたし、一面農業基本法に関連する諸施策というものも地についてくるというような傾向に向かってきておるわけでありますので、将来は協業等を中心とする相当大規模の徹底をした融資というものが出てくる。こうなりますと、過去の実績とは違った形態が出てくる。むしろ九〇%を近くまで上昇をしてくるのが私は姿であると思うのです。その場合に過去の実績からただ査定をしてしまったということでは、この近代化資金に関連する施策というものが十分に徹底をしないのではないか、そういううらみを持ってくるというように思うわけであります。そこでお話しのように、予算としては八〇%ということで一応昭和三十八年度は考えた。しかし運営については、その実態に即応して、これは実績ですから九〇%までいっておるところは九〇%まで考える、こういうことになるのだ、もしそれで、八〇%で各府政の実績というものを調べた結果が八〇%をオーバーするというような事態を招来した場合には、当然それは補正予算等において考慮されるのだ、こう了解してよろしいかどうか。
#13
○政府委員(松岡亮君) おおむね御指摘のとおりでございますが、これを八〇%でどの府県も抑えていこうというような考え方でなくて、八〇%以上にも依存度が高まっておる、今御指摘のありましたように、確かに大きな機械等が現に入るようになって参りますれば、保証依存度は高まると考えられますので、そういうことのないように運営して参りたい。で、今後の予算編成の面におきましても、この八〇%ということに必ずしもとらわれないで折衝をするようにいたしたいと思います。
#14
○森八三一君 今のお答えで私も十分了解いたしました。もちろん九〇%以上は、これはまたお持ちになると思いますけれども、必ずしも八〇%という予算の策定の数字にこだわって運営するのではない、今後の事態の進展、実態に即応いたしまして、九〇%までのところはその実績に応じて考慮が払われるんだ、そういう運営をして、そのために要する予算が不足を生するというような場合には、財政措置は別個に考えるんだというように了解をいたしまして、それでもし私の了解が間違っておれば、あとで御修正をいただきたいと思います。
 近代化資金のことにつきましては、先般もお尋ねいたしましたしいたしますので、その程度にいたしまして、その次に公庫資金の、公庫法の改正の問題でお伺いをいたしたいと思うのであります。先日も渡辺委員から多少このことについての御質問があったわけでありますが、構造改称の仕事は、これは農業基本法に端を発するきわめて重要なことでありまして、その成果を上げるために最善を尽くさなければならぬと思いまするし、政府も画期的な補助をされるというように重点的に取り上げられておることでもあるわけでありますので、この仕事が、この事業が関係する農民諸君なり、農業を地域としておる地方の関係者からは非常に歓迎されなければならぬはずなんですね。ところが各地を回ってみますると、どちらかというと、忌避される、そこまで言っては少し極端かもしれませんけれども、あまり喜ばれないというような事実がいたるところにあるわけですね、これは実際問題として。こういうような関係にあることを、一体何に起因するとお考えになるのか。農業構造改善事業というものは非常に大切なことで、やらなきゃならぬことだ。農家としても所得の増進をはかりまするためには当然のことであるし、貿易自由化等を考えましてもやらなきゃならぬことだ。必要性というものは十分考えられて、政府も思い切って補助予算等を組んで施策をしておるにもかかわらず、実際にそれにぶつかっておる農家諸君から忍ばれておらぬということが各地で考えられておるんですね。そういうことが言われておるんですね。そのことを、一体どう理解されておるのか。それはどこに起因するとお考えになっておるのかという点、これは経済局長にお尋ねしてはいかぬ、振興局長農政局長いらっしゃいませんけれども、どうお考えになっておるのか。委員長、金融関係だけを最初にということで、農政局長が後刻いらっしゃるとすれば私は農政局長の関連する質問も相当ございますので、一応ここで私の質問は中止しまして、近代化資金に関して御質問のある方がまだあるはずでありますので、それを先にやってもらって、また午後でも、私は農政局長の御出席をいただいた上でやってもけっこうですからその辺の運びをどうするか。今の質問は経済局長に一応の答え……。
#15
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#16
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。
#17
○森八三一君 政府委員の御出席がどういう理由でありますか、そろっておりませんので、私の公庫法の改正に関する質問は、後刻にさしていただきまして、近代化資金のほうだけ、これで私の質問を終わります。
#18
○北條雋八君 それでは、私近代化資金につきまして一点だけ伺っておきます。このいろいろ近代化資金については問題は出尽くしましたが、一点だけ伺いたいことは、農業近代化資金助成法と、それから農業信用基金協会法のこの目的規定であります。第一条なんでありますけれども、これを比較してみますと表現が違っておるわけです。で、近代化資金法の第一条では「農業関係の融資をその業務とするもの」となっておりますし、信用基金協会法の第一条では「農業協同組合その他の融資を行なう機関」、こうなって、その表現が違うのです。その表現の違う理由を伺いたいと思います。これは同じときにできた法律でございます。どういう意味なのか、その点を伺いたいと思います。
#19
○政府委員(松岡亮君) 農業近代化資金助成法のほうは、いわゆる農業近代化資金、つまり長期かつ低利の資金でありまして、農業経営の近代化に役立つ資金を融資することを目的とするということが法律の目的でございます。これに対しまして農業信用基金協会法は、これは従来から財団法人あるいは社団法人の形で各県にそれぞれできておりました債務保証協会、あるいは信用保証協会というようなものを引き継ぎまして、これを一本の制度化した関係がございまして、法律の第二章の「業務」にも書いてございまするが、農業近代化賞金助成法以外の、たとえば生活資金等の融資につきましても保証をするという建前になっておりますので、その辺、法律の目的が近代化資金助成法よりもやや広いというように考えておるのでございます。
#20
○北條雋八君 近代化資金助成法のほうには、今度新しく銀行が加わってくるわけでありまして、今までは地方銀行が入ってなかった関係から、この表現が違うんだろう、こういうふうに想像したのでありますけれども、そういう意味はないわけでございますか。
#21
○政府委員(松岡亮君) 信用基金協会法におきましては、「農業協同組合その他の融資を行なう機関」という規定の仕方になっておるわけでございますが、これはまあそのことの字句の一々の意味よりも、先ほど申し上げましたように、近代化資金に該当するという以外の農業経営に必要な事業資金、それから生活資金というようなものも業務といたしますので、規定の仕方は必ずしも同じ形ではなくなった、こういうふうに御理解いただければよろしいかと思います。
#22
○北條雋八君 そうしますと、まあ今度かりに近代化資金のほうに政令で定められた銀行が参加してくるということになりますと、この目的規定の第一条は変えないでもよろしいのでございましょうか、このままで。
#23
○政府委員(松岡亮君) その点は近代化資金助成法の第一条におきましては、「農業関係の融資をその業務とするもの」ということでございまして農業関係の融資をその主たる業務というようには書いてないわけでございます。これで十分解釈上差しつかえないということで法制局とも打ち合わせまして、この点の改正は考えなかったのでございます。
#24
○北條雋八君 次に、第二条でございますが、近代化資金助成法と信用基金協会法と、この「農業者等」の定義が違っているようであります。近代化資金のほうは、一の一として、「農業(畜産業及び養蚕業を含む)」としてあるわけであります。信用基金協会のほうは、農業の定義が、「(畜産業及び養蚕業を含む。以下同じ。)」と、そういうもの「を営む者及び農業に従事する者」と、特に「及び農業に従事する者」というものがよけい加わっているわけです。片方のほうは「及び農業に従事する者」というものは入ってないわけでありますが、これはどういう差があるのですか。第二条です、両方とも。
#25
○政府委員(松岡亮君) 信用基金協会法の第二条の「農業者等」の定義におきましては、「営む者及び農業に従事する着」というふうになっておりますが、これは生産費金以外の資金等も保証をいたしますので、農業経営主の家族とか、あるいはそこに常に雇われている常雇いの人などにつきましても保証をする、こういうために広げたのでございます。
#26
○北條雋八君 近代化資金につきましては、私は以上であります。
#27
○天田勝正君 まず第一に伺いたい点は、一般の公定歩合のほうが最近の引き下げによりまして、三十一年度並みに下がってきた。この趨勢というものは、貿易の自由化に伴って国際金融との対比からもだんだんに下がっていくものだと、私どもはそう理解するわけであります。そういたしますと、元来他産業との格差が開きつつある農業は、融資の面においてもそれらと比べていつでも有利ということでなければ、格差解消の方向ではないと思います。そういう点から見ますと、この近代化資金制度は、地方公共団体が一部補給して、国が一部を補給する、こういう仕組みでございまして、これはなかなか、恩恵のごとくでありますけれども、他産業と比べた場合には、まだまだなかなか農業者がこれを借りて近代化をするということについては困難が予想されます。このことは各委員が指摘したところありますが、そうだとすれば新しい、後刻質問いたします農林漁業金融公庫法に基づく新しい資金、こういうようなものができて参りますから、実際には全面的にこれに包括せしめまして、この近代化資金制度のほうは徐々に、あるいは今すぐでもいいかと思いますが、やめていかれる方向なのか、あるいはこのままずっと存続する方向なのか、まずこの点を伺いたいと存じます。
#28
○政府委員(松岡亮君) 農林公庫のほうにおきましても、新しい制度を考えたわけでございますが、しかし依然として農業近代化資金に対する需要は活発でございますし、また今後大いに拡充していく必要のある制度でもございますので、新しく公庫の資金を設けましたからといって、何らこちらのほうを廃止するとか、あるいは縮小するというような考え方は持っておらないのでございます。
#29
○天田勝正君 確かに利子補給があるのでありますから、従前よりも有利でありますし、また新しい農林漁業経営構造改善資金の融通制度というものができない前でありますからして、その実績をもって今日議論しておるのでありますから、そういうことからすれば、ほかに方法がないからこれに頼る、一般金融を受けて高い金利を払うよりか、少しでも安い、こういうところから需要が私は活発なんだろうと思う。ところが一方、後刻質問しまするこの構造改善資金融通制度ができて、これのほうもこれでとどめるという答えではなかろうと思う。ますますもって、この制度を拡充して参ると、おそらくそういう答えになると思う。そうだとすれば、ほかに有利な制度がないときには一つに頼るほかないけれども、もっと有利な制度が他にできるとなれば、それはそちらへ需要が向いてくるということは自然の勢いだと思う。でありますから、この農業近代化資金、利子補給のほうの分は徐々に減ってくる、また減らして有利なほうに切りかえていくということのほうが、農村を近代化する道でもある、こうなってくると思います。それですから、結局この制度を存続するならば、全体としてもっと利子補給をふやすとか、有利にしていく、あるいはさもなければ有利のほうに統合する、こういうことになろうと思いますが、どうなんですか、くどいようですが。
#30
○政府委員(松岡亮君) 農業近代化資金に限らず、農林公庫の資金にいたしましても、漸次条件を有利にと、まあ努力して参ったわけでございます。今後もこれは引き続きそういう改善の努力を続けなければならないものであろうと考えておるのでございますが、新しくできようとしております農林漁業金融公庫改善資金は、ごらんのとおります漁業や林業の関係がございます。近代化資金では全然対象となっておりません土地取得資金、これが三百億のワクのうち百五十億ぐらいを占めておるわけでございます。それから果樹振興資金、これは従来から農林公庫で行なっております果樹振興特別措置法に基づく一種の政策的色彩の強い融資でございます。そのほかにさらに政策的な色彩の強い構造改善の推進資金あるいは畜産経営拡大資金等、農業近代化資金よりは一そう政策的なあるいは計画的に基準を定めまして、それに該当するようなものだけに融資していく制度でございます。近代化資金のほうは一般に農家が自主的に、もちろんそこには農協なりあるいは県の改良普及の指導がございますけれども、より自主的な判断に基づいてもっと自由な形で経営の近代化を進めようとする場合に必要な資金、しかもこれは対象はきわてめ広範でございますが、そういうものとして近代化資金助成法があるわけでございます。そういうことでこの経営構造改善資金が、その間量的にふえて参りましても、近代化資金とはおのずからそこに区別がある、こういうことでございまして、近代化資金をそのために縮小とか廃止とかということは考えられないのでございます。
#31
○天田勝正君 なるほど若干融資対象に違いなきにしもあらずでございますけれども、この構造改善資金疎通制度のほうが全体を比較するならば種類も多い、こういうふうに思うのです。種類の多いほうが統合することはやさしいのであります。そうだとすれば、こちらはすべて二十五年償還であるとか、二十年償還であるとか、かなり長期なもの、これはけっこうなことであります。でありますから、この金融公庫法によって審議するほうは長期の資金である、こちらは主として短期のだんだんに整理していくのだ、こういうふうに理解してよろしいのですか。
#32
○政府委員(松岡亮君) その区別は今御指摘のありました長期性の問題は確かにあると思うのでございます。と申しますのは、系統資金のほうは、運用は平均いたしまして、十年以下でございます。七、八年だったと思いますが、その程度に現在運用されているのでございます。一方財政資金のほうはその辺無制限とは申しませんが、あまり制限がないということで二十年、二十五年というような性格の資金はそちらによらざるを得ない、こういう状況でごさいますので、今の資金の運用の長期性の問題も確かに一つの区分される問題であろうと思います。しかし償却年数、耐用年数等から考えまして、そんな長期でないものが大部分でございますから、本来的には近代化資金の対象となるのが最も多い、こういうことがいえると存ずるのであります。
#33
○天田勝正君 商業団体における融資と違って農業でありますから、短期といってみたところで、商業などと比べものにならない長期、こういうことになると思います。そういう認識が出てきたことはけっこうな話であって、ですから、系統資金のほうは今局長が言われたように十年以下だと、片方は政策金融であるからしてなるべく長期のものを融通する、こういうふうに私はだんだん整理されてしかるべきものだと思います。これは私の意見でありますから、質問は先に進みますが、まだこの制度ができて一年有余でありますから、今ここでその結果をあまりに急追するということは避けなければなりません。さればといって、この資料では融資を何に幾ら借したということは出ておりますが、効果の面のほうは一向資料にも出ないし、説明もされない、そこでその効果の面をお調べになったことはありますか、いかがですか。
#34
○政府委員(松岡亮君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、私から申し上げるまでもなく、工業のように、農業に資金を投下すれば直ちにそこで増大な効果が出る、あるいは生産性の向上がすぐ目に見えて非常にふえる、伸びる、こういうことはなかなか困難でございますし、制度が発足いたしまして、まだ一年有余で、貸し付けて同もない段階でございます。いずれも据置期間中のようなものでございますので、直ちにその効果の発現を的確につかむということは、なかなか現在のところ困難でございます。
#35
○天田勝正君 これの答えはそれで満足いたします。ただいつも国民の税金によってまかなわれるものでありますから、ひとつ多少粗雑の面がありましょうとも、やはり一年有半くらいでは困難でありましても、なるべく早い機会に、常に粗雑ながらその効果の面も調べていかれるようにこの際希望いたしておきます。
 次に質問いたしますのは、この資料に出ておりますのは、すべて三十六年度しか出ないわけで、無理からぬことでありますが、そこでさっき申しましたように、この資金は一般金融より二分引きとなっておるのが普通であります。ところが場所によりますと、地方公共団体におきまして二分補給する、あるいは県で一分を補給し、市町村で一分を補給するとか、いろいろなやり方をしておるようであります。この資料は機械に何がし、果樹に何がし、家畜導入に何がし、こういう種月別でございますが、今私が指摘しておるように、農家末端におけるこの支払い利子別ということで整理したものはございますか。
#36
○政府委員(松岡亮君) 農家の段階で整理したものはございませんが、県でどのくらい何に対して利子補給し、市町村でどのくらいしたという調査はございます。大体県の段階で五厘、町村で五厘ないし一分でございますか、これは近代化資金の全体については利子補給していないで、特定の種目についてやっておるというのが実情でございます。
#37
○天田勝正君 これもまだ制度発足後大して間がないのでありますから、そう私は急追するつもりはありませんが、やはりそれらの微細にわたっても農林省においてはつかんでおられて、次の審議のときにはひとつ提出していただくか、あるいはまた一般農業行政調査の際にひとつ適当な機会に提出していただきたいと思います。
 それから次は、個人、協業、共同それぞれ別の資料が出ております。政府が農業基本法を作りました際に最も力を入れた点は、協業であったと思います。ところが、この協業と共同を比較しましても、五十一億円、個人のほうは二百二十二億円、こういうことで私はこの際個人に貸したからいかぬという議論をしておるわけではありません。ただ、政府が力を入れた協業は十六億円というので最も少ないが、その事情はどういうことでございますか。
#38
○政府委員(松岡亮君) これはまあ協業は数戸の協業、つまり農業の共同利用施設までには至らない協業でございますが、農業基本法が発足いたしましてから全国的に協業組織というものは増加の趨勢をたどっております。したがいまして、今後協業のための資金需要というものは、増加することは非常に予想されるのでございますが、しかし何といいましても経営体としましては、経営体の数としましては個人が圧倒的に大多数でございますので、どうしても比重としましては個人が借りる場合が多い、こういう結果にならざるを得ないと存じます。
#39
○天田勝正君 ここに区分しました共同と協業の区分は、何によって定めましたか。
#40
○政府委員(松岡亮君) 共同というのは農業協同組合の共同利用施設でございます。協業のほうは数戸の、いわゆる基本法でいいます協業組織でございます。
#41
○天田勝正君 そういたしますと、政府がいう協業というものが案外今後は伸びるかもしらぬけれども、それは未知数で、不振である、今のところは。それは結局、協業は一つの法人組織でもないから、まあ、それに至る以前である、といって個人でもない。そこでその責任の所在が明らかでなくて、うっかりするというと、農村の一つの悪い面でありますが、何とはなしに工合が悪くなると抜けてしまう。残った者だけが責任をかぶる。うっかりすると一人になってしまう。こういうような危険があって、責任のどうも持ちようがない。そこで共同で借りるほうはどうしても少ないということになっていることはございませんか。
#42
○政府委員(松岡亮君) 協業組織は相当なテンポで増加いたしております。御承知の先般の国会で農業協同組合法が改正されまして農事組合制度が発足したわけでございます。これは協業組織の法人化されたものということでございます。これはまだ昨年の七月でございましたか施行されたばかりでございまして、まだ数としてはあまりないのでございますが、漸次方針としては農事組合の形をとった協業組織、これはまあちょうど相当な設備を持つような場合には、農事組合の組織が適格であろうかと思いますが、そういう形が漸次増加して参るのではないか、かように考えております。
#43
○天田勝正君 いや、それはここにいう協業、この協同組合法による共同施設というもの以外のものはこの協業の分には融資としては片づかぬだろうと思う、さっきの問題で。ですから農事組合はたしか法律に基づいて法人ですけれども、この融資の場合は必ずしもそうでないでしょう。ここに区分した協業に対する融資というのは、そういう今あなたの御指摘になった農事組合ということじゃないでしょう。
#44
○政府委員(松岡亮君) 三十六年度におきましては、まだ農事組合の制度ができておりませんので、これはそういう組織のものは含まれていないのでございます。
#45
○天田勝正君 そうだろうと思いますから、そうすると、そうした農事組合に至らないものの、共同で何かをなさる、こういう場合に、共同と認めてこれに融資をする、その償還はどういうことで完璧を期していますか。
#46
○政府委員(松岡亮君) 法人化されてない場合には、その組織の代表者の名義で借りるということが多いのでございます。あるいは共同の、全体が連帯責任で借りるという場合もあり得ると思いますが、まあそういう形で、いずれにしてもだれかか責任者ははっきりするわけでございます。
#47
○天田勝正君 それはなるべく個々の農家に対しては有利なる条件で貸してあげなければ、近代化ができないわけでありますから、適宜の措置をとられるのはけっこうなんでありますが、しかし償還のほうは、今度はまた国民の税金から成り立っているという立場から、これは完全に償還してもらわなければならない。償還してもらわなければ、今度は同種の他の農家に資金を回すことができない、こういう因果関係になると思う。ですから償還のほうもきちんと保証されるように、今の借り受け名義人のほうは連帯責任かあるいは代表者か、こういうことになるでしょうが、それを保証するためには農業協同組合か何かの認証のようなものを得たものに貸すこういうことにしているのですか、どうですか。そういうことをしないのですか。
#48
○政府委員(松岡亮君) そういう場合は、貸し付ける主体が農業協同組合でございますから、農業協同組合が保証するとか、認証するというのはちょっと二重人格になるわけでございます。やはりその代表者あるいは連帯積任を負ってやる人が、何らかの形で保証を受けるなり、あるいは担保を提供するなりということにならざるを得ないと思うのでございます。
#49
○天田勝正君 その借り入れ申し込みの適格を判断する機関はどこですか。
#50
○政府委員(松岡亮君) まず第一義的には農業協同組合です。
#51
○天田勝正君 やはり農業協同組合の間接の認証的なものがそこへ作用する、こういうふうに理解していいですね。
#52
○政府委員(松岡亮君) 認証といいますのは、まあ農業協同組合が審査いたしまして、これは融資する適格があるとして利子補給を県に申請する場合をさすといたしますれば、そういう意味では確かに、認証という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、そういう性質のものと思います。
#53
○天田勝正君 私もほかに適当な言葉を発見できないから、認証という言葉を使ったわけです。
 次には、先般来議論されておりまして今度銀行等の金融機関を加えていく、融資機関を加えていく、こういうことでございますが、これは金融機関はなかなか秘密を保持して明らかにしないんですが、この資料3にあります預貯金、借入金の残高等は、これはそうあっさり銀行、相互銀行、信用金庫等で明示してくれましたか。
#54
○政府委員(松岡亮君) これは農林省の調査であります農家経済調査に出ておる数字でございます。
#55
○天田勝正君 出ておる数字かもしらぬけれども、的確なる数字として御自信がありますか。なかなか銀行というものは、この種のものは明示してくれないのを普通としますけれども、どうなんですか。
#56
○政府委員(松岡亮君) これは農家の側から農家の記帳に基づいて農家に提出してもらった資料でございます。銀行側から調査したんではなくて、農家がどの金融機関にどれだけ預け入れているか、預け入れている農家の側から記帳してもらって調査したものでございます。
#57
○天田勝正君 今度新しく銀行等を融資機関として加える、その中に、もちろん農村において都市における信用組合に対応するものは協同組合、これは明らかでありますけれども、都市近郊においては同時にその信用組合にも入っておる、こういう人もかなり多いのでございますが、信用組合等を今度新しく融資機関として加えるのですか、加えないのですか。そうして加えないとすれば、どうして加えないのか、その理由をお示し願いたいと思います。
#58
○政府委員(松岡亮君) 信用組合はほとんどが市街地にあるので、まあその中に農家が、兼業農家のような人が信用組合に入っている場合もあるかとは思いますけれども、店舗も市街地に限られておる。ほかの融資機関に比べますと、農家としては借るのにも不便でありますし、ほとんどつながりはない、ほかの金融機関に比べるとそうであるというように考えますので、信用組合は目下のところ加えることを考えていないのでございます。
#59
○天田勝正君 それは局長はね、過日の林業関係について議論を聞いておらないからであって、確かに信用組合というのは市街地信用組合というくらいですから、そうなっておる。これに対応する農村の組合は協同組合である、それは私も承知の上で質問しておるわけなんです。で林業の関係でいえば、林業者と、こう言うけれども、その林業者とは製材とかをやっておる者はまあ市街地の川辺におって、これはほとんど重複しているですね。市街地信用組合にも入っておる、むしろ入ってないほうか珍しいくらいです。そうすると自分たちで作っている組合をなぜ融資機関にしないか、これは議論になってくると思う。数においては農村のほうはそれほど多くはないことは、これは確かですよ。確かでありますけれども、組合というものは相互間で融資する、一番本来的には信用してしかるべきものなんです。ですからどうもそれを入れないというのは、数のことでなくて、ロジックからして不思議な気がするんですね。協同組合連合会等をこの融資機関とするならば、やはり幾ら少なくても市街地信用組合にも入っているということが明らかならば、これも入れて何ら差しつかえないじゃないか、差しつかえる点が一体あるのだろうかと考えると、ないと私はそう思うのですが、どうなんですか。
#60
○政府委員(松岡亮君) 確かにそうおっしゃられれば、そういう点もあると存じますけれども、これは一面におきまして、銀行あるいは信用金庫のようなものにつきましても、その全部を融資機関にするということではなくて、むしろごくその一部をする。先ほど申し上げましたように、一方において農業協同組合の活動の状態も考えまして、そうせなきゃちょっと困るじゃないかというような状態においてやるのでございますから、そういうことから考えますと、最も関連が比較的に稀薄である信用組合まで今のところ考えなくてもよいのではないか、まあ、こういうように考えておるのでございます。
#61
○天田勝正君 まあ、これにはこだわりません。
 次にどうも近代化資金だけでという注文があるものですから、なかなかこちらもやりにくいのですが……。
#62
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#63
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。
#64
○天田勝正君 それにしても他のことにはなる、べく触れぬようにやりますが、小土地改良という融資項目がありますね、近代化資金に。この項目はこちらの新しい制度のほうからいえば土地取得資金も加わったりなどして、これは農業構造改善全般について融資をする。そうすると、その土地改良などもその一部である、常識的にそう理解されるのですが、ここにいう土地改良というのは、これは個人の場合でもやろうとすれば貸す、こういうことですか。
#65
○政府委員(松岡亮君) 個人の場合も含まれておりまして、これはもともと農業改良資金に含まれておったものを近代化資金に承継したのでございますが、融資金額が十万円以下の非常に小規模な土地改良でございます。
#66
○天田勝正君 それではお許しを得て、ついでに午前中私の質問を終わるように農林漁業金融公庫法の問題にも触れますが、まずお伺いしたいのは、ここに新しい制度として七つの項目にわたって融資制度が作られるわけであります。これは必要に応じて二ないし三という工合に複数で融資を申請しましても、その複数を認める、こういうことでありますか。たとえば、一の農業構造改善事業推進資金、こういうものと、三の畜産経営拡大資金、四の農地及び未墾地取得資金、こういうものを三つ同時に必要なるがゆえに申請した、こういう場合にお認めになるんですか。複数ではいかぬ、こういうことですか。
#67
○政府委員(松岡亮君) 一番最初の農業構造改善事業推進資金は、これは構造改善事業にかかるものでございまして、構造改善地区で構造改善の計画に乗ったものに貸すのでございます。これはちょっと性格が違いますが、畜産とか果樹のごときは、両方望むならば両方とも融資が受けられる、こういうことでございます。
#68
○天田勝正君 まあ、答えはそれでいいんですが、さればといって、この一の農業構造改善資金というのは、それはワクに乗ったものでなければならないにしても、ここに書かれているように、個人ならば二百五十万、協業ならば一千万、こういうあれがあるのです。そうすると複数をどのくらいまで認めるかによって、やはり償還力というものがすぐ問題になってくると思う、ワクに乗ろうと乗るまいと。ですから伺ったのです。しかし複数でよろしいというのですから、答えはそれでけっこうです。
 それから、これも今の質問と似て参りますけれども、ここの構造改善事業批准資金に該当する資金も、これはまあどうせ個人と書いてあるけれども、ほとんど個人でなくて、そのワクの中ですから、事業それ自体はその地域一体にやる、共同ではないけれども同種目といいますか、そういうことにもなると思います。それと今度は果樹園経営改善資金、こういうことになりますと、その構造改善地域になればそのほうでも果樹の及び永年性の植物の植栽資金こういうものが借りられる。そうして一方におきましてはそれとは別であるけれども、果樹の経常の改善資金がまた条件は違うがやっぱり借りられる。こういうことで、これは重複して、同じ目的にそれほど金は要らないんだが、融資条件が有利だから借りようとすれば借りられる、こういうことになりますか。
#69
○政府委員(松岡亮君) 農業構造改善地区では、たとえば果樹の計画を立ててそれを実行するといたします場合に、構造改善事業推進資金でも果樹は借りられるわけでございます。しかも、その場合も三分五厘で借りられるのでございます。したがいまして、別に独立しておる果樹園改善資金で五分五厘、六分の金で借りるのはむしろ不利でございまするから、農業構造改善推進資金で三分五厘の金でやるのがこれはまあ当然になってきますので、そこで重複は原則として起きないと考えるのでございます。
#70
○天田勝正君 次に、農地及び未墾地の取得資金でございますが、この取得面積の限界というものは、当然融資の場合に定められると思うのですが、その取得の限界はどのくらいで線を引きますか。
#71
○政府委員(松岡亮君) 土地取得面積は別に制限がございません。
#72
○天田勝正君 制限がない、そういたしますと、一般にこれは行政指導でありましょうが、自作地を三反くらい持っておれば、他の農地が取得できる。同様に自分が現在耕作しておる面積については三反というような制限があったとしても、新しく取得するほうは制限がないのだ、こういうふうに理解してよろしいのですか。
#73
○政府委員(松岡亮君) さようでございます。
#74
○天田勝正君 その土地取得に関連いたしまして、林業経営改善資金でございますが、ここには森林の取得にかかるものとこういたしております。この森林という場合は、概念的にここにはえておる木も土地も、こういうことですが、そういう理解していいんですね。
#75
○政府委員(松岡亮君) これは幼齢のものに限っておるのでございます。
#76
○天田勝正君 そういたしますと、その樹齢というのは十五年以下とか、そういう区分ですか、幼齢とは。
#77
○政府委員(松岡亮君) これは樹種によって違っておりますが、利用伐期齢級以下……。
#78
○説明員(立川基君) ただいま局長から御説明申し上げましたように、伐期齢級でございまして、杉とか松とか、それぞれによって二十年とか三十年というふうに辻っておりますが、現実の運用といたしましては、このような若い、幼齢木を対象としたものに重点を置くべきと考えておりますので、実際の運用といたしましては、先ほど局長か申し上げました五年ないし十年程度のものを考えて参りたいというふうに考えております。
#79
○天田勝正君 でありますから、昔でいえば、あまり土木工事等にくいなどを使うような大きな工事はなかった。最近はくいなどを非常に使うから、そこのところは行政指導によって、たくさん使うようになればまあ十五年であってもこれはもうすでに幼齢ではないと、こういうことで指導するわけですね。行政指事でやるわけですね。それは政令とか、そういうのでやるんですか、そうじゃないんでしょう。行政指導だけでしょう。
#80
○説明員(立川基君) これは政省令ということじゃございませんので、業務方法書なり、あるいは融資要綱その他の運用ということでやって参りたいと思っておりますが、大体、本来の目的としておりますのが、要するにさら地に植林するということを第一目標に考えまして、そのときに幼齢林につきまして、今のような点を法律上の可能性として設けたわけでございますので、御趣旨の点もございますので、必ず従来きめております伐期齢級そのものを固定して考えるというふうには考えておりませんが、重点といたしましては、やはり幼齢の度合いの高いものほどが重点的に考えて参りたいというふうに考えております。
#81
○天田勝正君 次に、この新たなる制度ができますが、さて、こうした制度ができる以前に、この今度の制度と内容は似た構造改善にすでに着手していた、同種の改善事業といってもいいと思うんですが、そういうものとの開きがここにどうしても出て参ると思うんです。その開きが出て参りますと、他産業との格差だけでなしに、農村内部の今度は格差がある。そして、しかも隣り合わせで、前は行政指導で農業改善をやらなきやならぬと、こういうことで言われたから一生懸命、早いところやったと、ところがあと回しになったほうが、えらく今度は有利になってしまった、必ずこういうことが出てくるんです。それに対しては切りかえさせるとか何かの措置を講じなけりゃならぬと思いますが、そのことはどう処置されるんでしょうか。
#82
○政府委員(松岡亮君) これはごもっともな御指摘だと思うのでございますが、三十七年度に指定された構造改善地区では、近代化資金で六分五厘でやる建前になっておったわけでございますから、三十八年度で構造改善事業を始める地区は三分五厘の金が借りられるというのは、そこに不公平が生じて参ります。特に、初めから指定を受けて熱意を持ってやっておるというところでかえって不利な条件になるということは避けなければなりませんので、その間の不公平はなくいたしたいと考えておりますが、事実は、先般も申し上げましたが、指定がどうもおくれてしまいましたので、そのために融資の事業はまだ着手してないという状況でございます。したがって、実際はそういう問題はほとんど起きないと考えております。しかし、万一にもそういうことがありましたならば、不公平がないように、その地区が納得できるような措置をとりたいと考えております。
#83
○天田勝正君 これは一々指摘しませんでしたし、局長のほうでもわかっていることだと思いますからあれですが、単に金利だけでなくて、償還期間、据置期間、一切がっさいですね。そこに相違ができるわけなんです。ですから、もし制度はあったが、今日までこの行政指導ですでにやっておられる分、これについていまだ融資していない、そういうものであるならば、納得できるということを、どういう意味でおっしゃっているのか知らぬけれども、自動的にこの制度に切りかえさしてそうしてより有利な条件で貸してやる、これがしかるべき措置だと思いますが、そういうふうにするんだと理解してよろしゅうございますか。
#84
○政府委員(松岡亮君) その点は金利、償還期限等含めて突貫的に不利のないように、貸付条件全体を通じまして不利のないように措置して参りたいと考えております。
#85
○天田勝正君 問題は今後の成長部門である畜産と果樹、こういうことになりますが、場所々々によって非常に違いますが、過日も山形県のほうで非常な勢いで種なしブドウの栽培に着手した。山梨県のほうから代表がわざわざ山形へ行って話をされて、もっとその面を押えてくれなければ有利性が失われる、こういうようなことで話をされたけれども、片方の意欲はなかなか高くて、とてもこれをストップをかけるなどということは不可能で話し合いがつかない。よって山梨県側におきましてはこれを増すことを停止した、こういうような新聞が一昨日ですか出ておりました。そういたしますと、今帆布あるものでさえそういう何らか自主調整か何かしなければ、有利だ有利だと思っておったのが、さっぱり有利でなかった。そういうことになるのでありますから、果樹の植栽資金等を貸す場合も、単に金融機関としての目で見るというだけでは、どうしても不十分になってくると思うんです。さっそくその実がなる時分、まあ五年か八年ですけれども、そこらへいくとたいへんなことになる。これはこの近来におけるナシなんかでも同じ運命になるんだろうと私は思っているんですが、そういうこの一方においては果樹増植の指導をするのと、片方においてはこれに対応する金融機関の結びつきはどう調整されるお考えですか。
#86
○政府委員(松岡亮君) これはなかなかむずかしい問題でございますが、金融面のみでのその辺の調整だけでは不十分ではないかと思うのでございます。というのは、自己資金でやる人もかなりいます。特に果樹農家などにおきましては、自己資金を持っている人もおりますので、そういうことでやはりまあ農林省としましては、基本法に基づくあるいは果樹農業振興特別措置法に基づく長期見通しを立ててそれを発表しておりますが、そういうものに基づいて十分県などを指導しながら、その辺の過剰生産とか、そういう事態の起きないように指導して参るということは必要であろうと思います。
#87
○天田勝正君 これは指導を誤りますと、実際たいへんなことになるのでありまして、仰せのとおり自己資金でやる者もあるのですから、金融機関だけでとやかく言ってみたところで、とても追いつかないですから、その融資分によって植栽していく者と、しかし全体等と、こういう両方にらみをきかせませんと、成長部門がさっぱり成長部門でなくなる。さればといって貸す段階において、現にやっているものが、有利である。それを見て自分のところでその有利性に追いつくために自己資金はないから、せめて政府資金に頼ろうとするのに、これにとやかくのことを言って融資してくれないとは何事だ、こういう問題に発展してくるのです。それですから、これは私は農林省内部でもよろしいのだけれども、これを何か調整機関といいますか、機関というようなのは言葉が過ぎます、常時やらなければならないことなんですから。そういう専門家の協議体みないなものを作らなければ誤るのじゃないかと思っていますが、何かそういう措置をおやりになりますか、どうですか。ないとすれば、やってほしいと私のほうで希望しておきたい。いかがですか。
#88
○政府委員(松岡亮君) これは畜産、園芸その他各局それぞれ非常に真剣に考えておるところでございますが、まあ金融機関といたしましても、たとえば農林公庫におきましてはそういう情勢は常に研究しておるわけでございます。たとえば天災の関係の資金を貸すにいたしましても、政府として今後どういう見通しであるかというようなことは、絶えず連絡をとって研究いたしておりますので、それらを含めまして、まあ全体としてできるだけそういう機関を設けるかどうかは今後検討さしていただきたいと思いまするが、調整がとれまして、全然この需給がぴったりといつでも一致するような指導は、実際神わざでございますのでなかなかできませんが、そういう方向で今後も努力して参りたいと考えておるのでございます。
#89
○天田勝正君 同様に畜産は、これは自然商品は加工しない限りは当初なまでありますから、これはなおさら農村は下手をすればたくさん増殖しながら窮乏だ、こういう面がどうしても現われて参ります。で、最近主産地に処理場を作って、大都市には生体輸送する、こういうことになれば、運賃がきわめて何でも安くつくそうでありまして、その面から消費者にも安価に肉類が供給できる、こういうことが伝えられております。そういう流通面をこれもよく調整しておきませんと、需要は伸びながら、なお実は農村は困難に陥る、こういうことが非常に出てくるわけです。他の商品とちょっと比較はできないのでありますけれども、たとえば工業面で言えば、石炭は需要が低下しつつある不況である。銅のほうで言えば銅の需要は伸びつつある不況である、こういうことがすぐ他の産業でも考えられますが、ちょうど農村の関係で言えば、主食と今指摘した畜産物と果樹と、こういうものは明瞭に需要が低下するのでなくて伸びる。伸びながらもテンポを合わせていくということは、さっき指摘した一つであります。同町に流通という面を整備いたしませんければ、生産者も消費者もともに不利をこうむる。こういうことも起きてくるわけです。そこで、これは全体として畜産物取引については、私いつもここで指摘するのでありますが、とりあえずこの融資制度ができるについては、やはりそうした検討を、常時テンポに合うような検討の仕方をして対策を立てませんければならない。それは今までだけでは私は足らぬと思うのですが、今後どういうことで処置されますか。
#90
○政府委員(松岡亮君) ただいまお話がありましたように、生産面の経営の改善、あるいは主産地形成というような農業全体の構造改善事業も重要でございますが、それと並行して流通面の改善対策を進めて参らなければならないということは、全く御指摘のとおりであろうと思います。農林省といたしましては、従来流通面の対策がやや足りなかったといううらみがあったことを自覚いたしておるのでございますが、そういうことから来年度の予算におきましては野菜、果物、あるいは畜産物、魚等につきまして、特に生鮮食料品の物価の高騰が目立っておりますので、そういう面からも流通の改善対策にかなり力点を置いておる次第でございます。さっきお話がありました肉の産地における処理施設等も実現しようと考えているわけでございますが、今後ともこの流通面における改善合理化の施策は、相当力点を置いて進めなきゃならぬと考えておる次第でございます。
#91
○天田勝正君 次に、おそらく他の委員がもう指摘されたと思いますが、今回の制度によりまして農地担保の制度でありますが、これはまあ今後は担保評価額を引き上げることはよろしいのですが、その競落人になるでしょう。競落をした場合の農地は、耕作権は依然として担保に入れた借受人がずっと存続すると、こういうことなんでしょうね。
#92
○政府委員(松岡亮君) さようでございます。
#93
○天田勝正君 そうすると、この土地の所有権自体は、競落されますから当該農家から離れるけれども、農業経営それ自体には別段の影響はない。そこに新しい契約に基づいて小作関係が生ずる。こういうことであって、経営には影響かないと理解していいのですね。
#94
○政府委員(松岡亮君) 今お話しの場合は小作地であると存じますが、小作人の地位には変わりはないわけでございます。
#95
○天田勝正君 いや、それは質問に対する理解が足らない。つまり自作地であってもそれを担保にするでしょう。そして今度はその担保に取ったのは、今までは単に競売して機関のほうは競落人にはならなかった。今度はその競落人になる。そうすると、この農林漁業金融公庫がその土地の取得者になります。所有権者になります。所有権者になったが、今のお答えで、しかし当該農家の経営というものには、その土地を持っているのじゃないのだから、所有権は公庫に変わったけれども、その農地の経営自体はそのまんま耕作権ありとして耕作せしむる、こういうのでしょう。そうなんだからそれはそれでけっこうなんです。けっこうで、そこで新しくそれじゃ競落人になった公庫と当該農家との間に新しく小作契約を結んで、その条件はどうなるか知らぬけれども、結んで、そうして従前どおり耕作する、こういうことになるのでしょうとこう聞いておるのです。
#96
○政府委員(松岡亮君) 必ずしもそうではないのでございます。と申しますのは、現在までの所有者である農家は、所有権を農林公庫へ移転するわけでございます。農林公庫はさらにそれを転売するということになりまして、原則としてはむしろ耕作は続けない、これは普通の売買の場合と同じでございます。
#97
○天田勝正君 耕作を続けない、これはまた一大事なことになるのだが、そうすると担保にするということ自体が、離作の危険を冒しながらでなければ担保はできない、こういうことですね、そういうことでしょう。
#98
○政府委員(松岡亮君) それは農林公庫が競落人になるとならぬとにかかわらず、現行の農地法においてもすべてそういうことでございます。現存でも農地は担保に付せられるわけでありますが、債務を完済しなければ、抵当権が実行されて、他の農家が取得する。でその場合には、原則としては現在立毛がある場合にはその期間はあるいは別になるかもしれまませんが、それが終われば、所有権が移転した効果として、耕作権は取得した農家に移るわけでございます。これはもう公庫が競落人になろうとなるまいと、現行法の場合においてすべて農地を担保にする場合にはそういうことになるわけでございます。
#99
○天田勝正君 それでこういうふうにならぬのですか。具体的に聞きますが、私がこの土地を借りておる、借りておるのですから、所有権を持っておるのであります。所有権を持っておる者が公庫に担保に入れる、この場合には、その所有権の移動がどこにいこうと耕作権は変わりありませんね。さっきそういうふうにお答えになったので、私もそういうふうに理解します。ところが、この土地に自分の所有権があり、耕作権もともにある。そうすればその場合に所有権だけを担保にするのだから、耕作権は自作農に残るという解釈になりませんか。小作人の場合は耕作権が自分にある、所有権は地主さんにある。その地主さんがあれをした場合には、どこに所有権が移ろうとも、耕作権のほうには影響はないのでしょう。それと同じように揖保として入れるのだけれども、その小身を耕作権と所有権、こう割って、所有権だけを担保にする、そういうことになりませんか。
#100
○政府委員(松岡亮君) 耕作権が所有権から独立してあるという言い方は、法律上正確かどうかちょっと問題でございますが、耕作権として保護される、現在の農地法で小作人の地位が保護を受けておるというのは小作契約に基づいて小作地となった場合、自作地の場合は所有権と分離した耕作権というものがないわけで、所有権の効果として自分が耕作する、それを自由に耕作するということであり幸して、独立した耕作権というものはないわけでございますから、所有権を他の農家なりあるいは農林公庫でもそうでございますが、へ移転すれば、耕作権はその承継した農家に移るということになるものでございます。
#101
○天田勝正君 これ以上は議論になりますからやめますが、そこで、それはなるほど法律論として厳密に耕作権と所有権を分離し得るものなりやいなや。こういうことになれば、昔の制度からいえば、少なくとも分離し得るかし得ないかは別として、耕作権というものはきわめて軽く見た。しかし戦後の農地法にすれば、これはおそろしく重く見た、このことは事実です。そうして可分か不可分かは別として、今日耕作権は非常に重くなっておるのでありますから、将来ひとつ農林省ではこの分離説の方向で検討する必要ありと、私はこう思うのです。その点についての見解はいかがですか。局長に質問するのは無理かな。
#102
○政府委員(松岡亮君) ただいまの御指摘の点は、これは法律論としてばかりではなくて、実体論といたしましても、土地の所有権から独立した耕作権ということは、通常の土地の譲渡等の場合においては独立して耕作権だけ別な動きをするということは、これは実体的にも考えられないと思います。というのは、その土地が小作地であれば例でございますけれども、農家としましても土地を譲渡するという場合は、その耕作を放棄して譲渡するという考えに立つ場合が普通でございます。実体的にも分かれ分かれにやるということは考えられませんし、それを分けるという必要は、小作地の場合を除きまして考える必要はないと、私どもはさように思っております。
#103
○委員長(櫻井志郎君) 午前中はこの程度にして休憩し、午後一時半再開いたします。
   午前十一片五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十二分開会
#104
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 農薬取締法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明及び補足説明を聴取することにいたします。大谷農林政務次官
#105
○政府委員(大谷贇雄君) 農薬取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 近年における農薬の進歩発達とその急速な普及は顕著なものがあり、これが農業の近代化に果たした役側には高く評価されるべきものがあると存じます。しかし、このめざましい進歩と普及により、農薬取締法が制定されました当時には予想し得なかった新しい農薬が出現し、それに伴い本法律の対象の拡大が必要となり、他方最近における農薬使用による水産動植物についての被害の実情にかんがみ、これに対する適切な被害防止措置を必要とするに至ったのであります。このような農薬事情の推移から、これらの新事態に対処するため農薬取締法の一部を改正することといたしたのであります。
 次に、本法律案の内容の主要な点につきまして御説明いたします。
 第一に、農作物等の生理機能の増進または抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤等の薬剤及び防除剤を原料または材料として使用する防虫袋等の資材を新たに本法の取り締まりの対象といたしたことであります。
 第二には、水産動植物に対して有毒な農薬は登録申請書にその旨を記載し、かつこれを表示させるものとし、その毒性が強く、かつ持続性が長いため、その一般的な使用に伴い、水産動植物に著しい被害が生ずるおそれのある農薬は、その登録申請を却下し得ることとする等その登録要件を整備したことであります。
 第三には、一定の自然的条件のもとで、農薬を広範にわたる水田にまとめて使用した場合、水面動植物に著しい被害が生ずるおそれのある農薬を指定農薬として指定するとともに、都道府県知事は、その被害防止のため有効適切と認められる農業者の自主的措置の指導援助を行ない、自主的措置が期待できない場合には、都道府県知事は、農業及び漁業に関する団体並びに学識経験者の意見を徴して使用時期及び区域を限り、規則をもって使用規制の措置を講ずることができるようにしたことであります。
 以上のほか農林大臣及び都道府県知事の農薬の使用に伴う被害の防止に関する指導等の規定及び新たに農薬取締法の対象となる農薬について必要な経過規定等を設けることといたしております。
 以上が、本法案の提案理由及び主要な内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
#106
○委員長(櫻井志郎君) 斎藤農政局長。
#107
○政府委員(斎藤誠君) 農薬取締法の一部を政正する法律案の内容につきまして補足して御説明いたします。
 改正の内容の概略につきましては、すでに提案理由で御説明いたしたとおりでありますが、詳細につきまして御説明を申し上げますと、その改正の第一点は、農薬の範囲を拡大したことでございます。
 すなわち農薬の進歩に伴いまして、近年野菜、果樹等の成長促進剤、玉ネギ等の発芽抑制剤等、農作物等の生理機能の増進または抑制に用いられる薬剤が相当普及して参りましたが、これらの薬剤につきましても、従来から本法の対象となっていた防除薬剤と同様に、不良品の出回りを防止し、その品質を維持しまして、農業者が安心して購入できるようにするため、これらの薬剤も農薬として本取締法の対象とすることにいたしました。
 また、近年普及し始めました果樹等の生産に用いられる農薬を塗りまたは含ませた防虫袋につきましても、政令で定めるものにつきましては、同様に農薬として本取締法の対象とすることにいたしますほか、製作物等を害するヴィールスを新たに防除薬剤の使用対象となる病害虫に加えることといたしました。
 改正点の第二といたしましては、水産動植物に有毒な農業についての登録要件を整備したことであります。すなわち、従来農薬の登録にあたっては、その農薬の水産動植物に対する毒性の程度等は、特別の考慮を必要としないこととなっていたのでありますが、今後は、第二条第二項にございますように、登録申請書に水産動植物に有毒な農薬については、その旨を記載せしめることといたしますとともに、第三条第一項第四号及び第三条第二項にありますように、登録申請があった農薬について、農林大臣が農業資材審議会の意見を聞いて定める基準に照らし、その種類の農薬が、相当の普及状態のもとに一般的に使用されるとした場合に、水産動植物に対する毒性の強さ、及びその毒性の持続性からみて、多くの場合、水産動植物の被害が発生し、かつ、その被害が著しいものとなるおそれがあるときは、その農薬の品質を改良すべきことを指示し、一カ月以内に品質の改良をしないときは、登録申請を却下し得ることとしたのであります。
 改正点の第三といたしましては、登録票の記載事項及び農薬の表示事項を整備いたし、特に適用病害虫及び使用方法については、登録票の記載事項を表示せしめるようにいたしたことであります。
 すなわち、農薬に表示される適用病害虫及び使用方法は、その農薬の適正な使用を確保し、使用に伴う被害等を防止する上に重要な役割を果たすものでありますが、従来、その変更は届出をすれば足りることになっておりましたのを、第二条第三項第三号の改正によりまして、申請にかかる適用病害虫及び使用方法を登録票の記載事項とし、第七条で表示も、これと一致したものでなければならないことといたすとともに、水産動植物に有害な農薬についてはその旨を表示せしめることといたしました。
 改正点の第四は、指定農薬につき都道府県知事が使用規制の措置をとり得ることといたした点であります。
 すなわち、先に申し上げた第三条第一項第四号によって、水産動植物に対して毒性が非常に強い農薬については、登録が受けられないことになったのでありますが、一定の気象条件、地理的条件その他の自然的条件のもとで相当広範な地域にわたる水田において、まとまって使用されることにより、水産動植物に著しい被害を生ずるおそれのある種類の農薬、たとえばP・C・Pの如き農薬については、これを登録するも、その使用の区域なり時期について適切な規制を加える必要があると考えますので、政府は第十二条の二第一項によりこのような種類の農薬を指定農薬として政令で指定することとし、この指定農薬につきまして、その使用に伴って水産動植物に著しい被害が生じ、また免ずるおそれのあるときは、第二項にありますように、都道府県知事は、その指定農薬の使用にかかる利害の調整その他その使用の規制に関し必要とする方策について、農業及び漁業に関する団体並びに学識経験者の意見を徴しなければならないものとしました。
 この結果、農業者の自主的措置が期待できる場合は、第三項にありますように、その実施等について必要な指導その他の援助を行ない、その自主的措置が期待できない等の場合には、及び漁業に関する団体並びに学識経験者の意見を聞き、都道府県知事の定める規則をもって、区域及び期間を限り、その指定農薬の使用について農林省令で定める許可基準に基づいた知事の許可を受けるべき旨を命ずることができるものといたしました。
 以上のほか、農林大臣及び都道府県知事の農薬の使用に伴う被害の防止に関する指導等を第十二条の三に規定し、農薬販売業者等に対する報告徴収、立ち入り検査等に関する農林大臣の権限を都道府県知事へ委任する規定を第十三条第三項として設け、また指定農薬を定める政令の制定改廃の立案等について、農業資材審議会の意見を聞くべきことを第十六条として、それぞれ付加または改正し、以上の政正に伴う罰則その他所要の規定を整備いたしました。
 最後に、本法の改正及び第一条第一項の政令、すなわち防虫袋等を定める政令でございますが、政令の制定等により、新たに農薬取締法の対象となる農薬につき所要の経過措置等を講ずることといたしております。
 以上が農薬取締法の一部を改正する法律案の補足説明でございます。
 なお、お手元に農楽取締法の一部を改正する法律案参考資料といたしまして、今回の改正に関連する資料をそろえております。御参考までに申し上げておきます。
#108
○委員長(櫻井志郎君) 以上をもちまして提案理由の説明及び補足説明を終わりました。
    ―――――――――――――
#109
○委員長(櫻井志郎君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案を一括議題とし、午前に引き続き質疑を行なうことにいたします。
 質疑のある方は、御発言を願います。
#110
○北條雋八君 私は、まず第一に伺いたいのは、この資料で見ますと、四ページの資料でございますが、この林業の欄のところに、伐採の調整資金というものがないようなんでございますが、この伐採調整資金というものが、この法案では貸し出さないという予定でありますかどうか、伺いたいのでございます。
#111
○政府委員(松岡亮君) 伐調資金は従来どおり貸し出すのでございますが、新制度のワクからではなくて、それ以外に林業経営維持資金というのがありますが、この中に伐調資金というのがあります。
#112
○北條雋八君 経営維持資金のほうでもって扱うわけでありますね。この維持資金といいますと、前の伐調の資金は非常に利子も安く、また用途も非常に広範囲になっておりますけれども、これで見ますと、経営資金でありますと、利子も高くなりますし、また償還期間も五年と短かくなっておるように思います。これはどういうわけで、こういうふうに改正されたのですか。
#113
○政府委員(松岡亮君) 私の説明が不十分でございましたが、従来の伐調資金は、保安林に関するものは従来の伐調資金と同様に引き続き融資いたすわけでございます。
#114
○北條雋八君 そうしますと、保安林に限られて、あとの個人の森林に対しては、これは使えないわけになりますか。
#115
○説明員(立川基君) 今の点でございますが、先ほど御説明いたしましたように、従来、伐調資金につきましては、これは経営規模のいかんはかかわりませず、一応貸し出されておったわけでございますが、やはり林業経営の実態から考えまして、そこに保有面積二十町歩というような、ことに小規模の林業家に特段な措置を考える必要があるということで、単なる伐調だけでなしに、林業経営の維持の目的のためにも、そういう資金を貸し出す必要があるということで、一昨年度から林業経営維持資金が作られたわけでございます。しかし、そのうちの、先ほど局長が御説明いたしましたように、保安林にかかりますものにつきましては、特別な例外規定を設ける必要があるのじゃないかということで、例外的に保安林にかかります伐調について、従来どおりの取り扱いをしておるわけでございます。
#116
○北條雋八君 重ねてお尋ねしますけれども、保安林以外のものは今度狭められて、そういうものは使えなくなったわけですか。
#117
○説明員(立川基君) お説のとおりでございまして、それ以外の造林資金なりその他の資金をお使いになることになります。
#118
○北條雋八君 それはどういう理由によるのでありますか。おそらく伐採制限というものがなくなりましたために、一般の森林については、そういうものが使えなくなった。若い林を自由に切れるのだというふうに法律が変わったために、保安林だけになった、しぼられたわけですか。
#119
○政府委員(松岡亮君) そのとおりでございまして、保安林以外については、伐採制限をやらなくてもいいというような状態に変わって参りましたので、一方、林業の経営安定につきましては、伐採調整をしないとかするとかいうことよりも、林業経営の安定維持ということで特に小規模の林業家に対して資金を貸し出す必要があるということから、林業経営維持資金というものを設けたわけでございます。
#120
○北條雋八君 しかし、私が考えるには、やはり小規模の林業経営者でも、やむを得ず若い林を切らなければならないという場合に、やはり今切るのは惜しい、もうしばらく置いておきたいということは、たとえ伐採の制限を解かれても、そういう希望はあるわけです。ですから、特にそういう人は、これがないために、それを延ばすために、今度高い利子を払わなければならない。しかも償還期限が五年も短かくなるという、非常に不利をこうむるわけでございますが、そういうことについて、これをやはり一般に当てはめて、伐調資金は前どおりにするということについて、当局でも議論があったわけでございますが、漫然と、ただそれをはずしてしまったということだと、非常に私は不合理だと思うのですが、その点について、さらに御答弁を願います。
#121
○政府委員(松岡亮君) 従来の伐採調整資金は、御承知のように、森林法によりまして、強制的に森林の自由な処分権を制限していたわけでございます。それに対して、そういう強制的な制限が行なわれて、そういう人々の経営なり生活なりに不安が出ては困るということから、まあ一種の補償的意味を加えまして、特に低利の資金を貸し出したわけでございますが、最近におきましては非常に山林の状態も改善されて参りまして、その強制的な制限ということは必要を見なくなって参ったわけでございます。しかし、今御指摘のありましたような、まあたとえば家族に病人が出たとか、あるいは何らかのことで物入りがあったために、幼齢林でも切らなければならぬというようなことがあり得るわけでございます。そういう場合は、やはり伐調資金とは同じではなくて、別にそのときの、いわば何といいますか、当座を何とかやりくりするという性格に変わってきている。そのために、これは漁業や農業の場合でも同じでございますが、維持資金的な性格の、いわばそのときの必要を満たすための資金という形で、新しい林業経営維持資金、そのために幼齢林を切らないで沈むようにするということで、維持資金というものを貸し出すことにいたしたわけでございます。
#122
○北條雋八君 それはよくわかりました。しかし、維持資金の場合は五分五厘で償還期限が二十年、伐調の場合は四分で二十五年と、非常にそこに差があります。できるなら、これも一緒に含めて中へ入れたほうがいいんじゃないかと、こういうふうに思ったわけですが、わかりました。まあ、そういうことのあることを御承知おき願って、将来ひとつ考えていただきたい。
 それから次に、農業にも漁業にも構造改善のために、このたび三分五厘の低利長期の資金が融通できるようになったんですが、林業だけがない。まだないわけです。これはこの間からお話がありました、まだ基本法ができないから、林業の構造改善推進資金というものが、まだ設定されないということでありますけれども、この林業構造改善事業が本格的に実施される段階になったとすれば、当然、やはりこういう融資ができるんだと思うんですが、その点はいかがでございますか。
#123
○政府委員(松岡亮君) 林業構造改善と申しますと、農業、漁業の場合と同様に、今後構造改善事業を進めなければならぬというふうなことにつきましては、一般的にわれわれも検討しているわけでございますが、ただ林業の場合に、構造改善とは、こういうものであるか、つまりいわゆる農業でいいますように、農業経営のものと、その地域の、農業全体の構造改善というような形で考えられるのか、漁業の場合でもそうでございますが、山村経済の改善であるか、あるいはいわゆる林家経営のものであるか、いろいろ問題があるかと思うのでありまして、こういうことから、来年度からそれに必要な基礎調査をやりまして、三十九年度から取り組むかということで、林野庁も、そういう方向で進めておりますので、それらがどういう結論が出るか、まだわかりませんが、そういうことが実現になります場合は、農業や漁業と同様の性格の融資を考える必要が出てくるのではないか、そういうように考えております。
#124
○北條雋八君 もしそうだとするならば、この際、予算のワクは設けることはできませんかもしれませんけれども、今度の改正で、ただ制度化だけは、今からしておくことがいいのではないかと思うのです。その点について伺います。
#125
○政府委員(松岡亮君) ただいまも申し上げましたように、林業構造改善というものが、どういう内容になるかということは、相当調査もし、また研究すべき問題点が少なくないと思うのでございまして、また、かりに農業や漁業と同じようなものが想定されますにいたしましても、融資条件等が、はたして同じようになるかどうか、むしろ林業は、一そう長期のものが必要になるかもしれない。そういういろいろな具体的な問題も出て参ると思うのでございます。
 それは制度化への目安がつきますならば、もちろん法律案等は必要でございますけれども、まだその辺模糊といたしておりまするので、現在法律として制度化するというのは尚早ではないか、かように考えた次第でございます。
#126
○北條雋八君 次に、金融公庫の資金コストが、どういう状態になっておりますか。運用の利回りの状況が、どうなっているか、そのことを伺いたいと思います。
#127
○政府委員(松岡亮君) これは運用利回を申し上げますと、三十七年度は平均いたしまして、五分四厘七毛でございます。ところが三十八年度は新制度ができまして、運用の利回りは一そう引き下げられていまして、五分三厘六毛ということになります。
#128
○北條雋八君 その内訳といいますか、借り入れの利息とか経費とか、また政府の出資が三十八年度はどのくらいになるか、そういうことをお伺いいたします。
#129
○政府委員(松岡亮君) 今申し上げました運用利回りは、そのまま資金のコストとなるのでございますが、そのコストの中で、まず借り入れの利息でございます。これは政府の出資以外に、資金運用部等から借り入れますので、その借入金の利息が平均三十七年度が三分九厘三毛、それから三十八年度が三分九厘二毛でございます。そのほかにいろいろな経費がございますが、その経費が、三十七年度が一分五厘四毛、三十八年度は一分四厘四毛、こういうことになります。
 これに対しましては、今度は原資の構成でございますが、三十七年度から申しますと、出資金か百三十三億円であります。これに対して三十八年度の出資は二百二十億、約九十億円の増加でございます。借入金が、三十七年度が、三百二十三億円、三十八年度が三百六十六億円、自己資金、この中には回収金等がございますが、三十七年度が二百十億円、三十八年度が二百二十億円、こういう状況でございます。
#130
○北條雋八君 この構造改善事業は、いずれも長期にわたることでありますし、また、この金融も長期低利の政策をとっておりますので、そこでお尋ねしたいのは、やはりこの政府の出資が多くならなければコストは低くならない。どうしてもこの政府出資ということについて、将来非常に計画的に考えていかないと先へいって行き詰まってしまうというようなことが心配されるわけでありますが、政府はこれに対して、将来の公庫に対する出資計画、そういうものは少なくとも、今後三年とか五年とかいったことを想定いたしまして、そういう計画をお立てになっていらっしゃるかどうか伺いたい。
#131
○政府委員(松岡亮君) まことに重大な点でございますが、御指摘のとおりでございまして、公庫のこれからの新制度を含めまして公庫全体の運用コストを引き下げて参りますには、出資を確保して参る必要かあるわけでございます。
 そのために、三十八年度におきましては、出資におきましては、実に六五%の前年度に対する増加でございます。一般の財政投融資の伸びは二二・五%でございますが、約三倍になることになっているのであります。政府といたしましては、将来もこういった出資を確保いたす必要があるということはもちろん考えておりまして、それをなお考えて、今回の法律の改正におきましては、貸付条件、特に金利につきましては、従来の公庫の貸付金利は、別表に定める率の範四内で農林公庫が定めるということになっておったのでございますが、今回の新制度につきましては、新たに別表の第二を設けまして、一義的に貸付金利をきめるという考え方をとりました。そこに公庫が自由に金利を定める範囲を認めていないのでございます。そのとおり今度は制度で一義的に金利をきめていく、こういうことにいたした次第でございます。
#132
○北條雋八君 構造改善事業は、いずれにしても三千百カ町村にわたりまして十カ年間ということが、一応目標になっておりますのですが、この十カ年間の見通しということは、なかなかいろいろな因子がありますから無理だと思いますが、少なくとも来年ぐらいは、どのぐらいの出資をしようとするかというようなことは検討されているのかどうか、伺いたいと思います。
#133
○政府委員(松岡亮君) これは農林公庫の個々の貸付の項目ごとに考えることは非常に困難でございまして、公庫全体の収支を考えあわせまして、出資を定めて参らなければならないのでございます。そのために、来年度のそれぞれのワクをどのくらいにするかということを定めなければ、再来年度のワクをきめることは困難でございますが、私どもといたしましては、新制度はもちろんでございますが、その他のワクも、少なくとも本年以下になることはない、ふえることはあってもない。新制度については、これはもちろん来年度よりも増額しなければならぬという考え方に立っておりますので、出資も、当然本年度以上のものを確保いたしたい。かように考えている次第でございます。
#134
○北條雋八君 いずれにしましても、この出資は逐年ふやしていかなければならないことは事実であります。また一方、この構造改善を完全に遂行するには、やはり長期低利の資金の融通をますます拡充していかなければならぬと思うので、将来出資過剰になって、そうして行き詰まりをきたして、また、利率を下げたり、額を減らしたりするようなことの心配があるのでありますが、そういう点に対しては、とくと検討をされて、そういうことのないようにお願いしたいと思う次第でございます。
 次に伺いたいのは、今度自作農創設維持資金というのが、公庫のほうに創設資金が移されまして、創設と維持と二つに分かれたわけです。それでその意味は、どういう意味なのか、二つに分けられた理由を伺いたいと思います。
#135
○政府委員(松岡亮君) これは自作農維持創設資金制度は、農地改革の成果維持という、主としてそういった理由から設けられまして、また、そういうことで自作農の転落防止ということを主眼として運用されて参ったのでございます。その結果といたしまして、維持資金に従来の運用の重点がございました。融資のワクにいたしましても、そうであったのでございますが、最近この一、二年でございますが、それが土地取得資金に漸次比重が加わって参りました。
 と申しますのは、農業基本法が定められたこともございますし、と同時に、最近就業人口が減って参りますにつれて、土地の権利の移動がふえて参り、売りに出される土地が増加して、これがみごとに就業人口の減小と逆の相関関係をもって、土地の売買が増加して参っておるのでございます。
 で、農業基本法の制定の一つの重要な眼目に、自立経営を育成するために経営規模の拡大をはかるということがございますので、それをも考えまして、今回の新制度の重大な一つの狙いが経営の構造改善と拡大でございますので、その拡大の基本的要件であります土地の取得の増加を促進するということで、自作農維持創設資金融通制度の土地取得資金を新制度に移管いたしまして、もっと有利な前向きの資金として貸し出すことにいたしたい、こう考えた次第でございます。
#136
○北條雋八君 私が考えるには、この別ワクにすることも、場合によってはけっこうだと思うのですけれども、しかし、それだけ、災害があったり、あるいは景気の変動があったりの場合には、弾力的に運用するということができないと、融通がきかなくなるという点があるのじゃないかと思います。また、一面において、これで見ますと、この創設といいますか、取得資金といいますか、創設のほうの利子が安い。維持のほうが利子が高くなっておる。どっちかというと、転落農家のことを考え、あるいは災害が起こったような場合を考えるときに、むしろこれは維持資金のほうの利子を安くして……、逆じゃないかというふうに思うのです。その点につきまして、どうお考えになっておるか伺いたい。
#137
○政府委員(松岡亮君) 御指摘のように、問題の点でございます第一点から申し上げますと、従来維持資金と創設資金とを流用することができた。それで大災害でも起きました場合に維持資金の予定額が不足いたしまして、創設資金のほうから回して切り抜けて参ったという事情がございます。しかし、今年度におきましても、農林公庫全体としては、そういう融通性があったのでございます。また、来年度におきましては、予備費として三十億用意してございます。これは農林公庫全体の予測し得ない不足をまかなうために三十億のワクを設けたわけでございます。維持資金自体のワクも、前年度の六十億から七十億に増加いたしております。そういう余裕を持っておりますので、今後において災害等で不足を生じた場合には、十分対処し得るものと考えております。
 第二点の、維持資金のほうが、金利が安かるべきではないかという点につきましては、これは考え方によりましては、そういうこともあると思うのでございますが、しかし、維持資金そのものは、その他のいろいろな制度金融に比較いたしまして、条件は比較的有利にできておるのでございます。
 で、私どもといたしましては、今後における土地取得資金の重要性、基本法の目的に沿って前向きな経営規模の拡大を強力に推進するという角度からいきまして、維持資金についても、より有利な条件を設定することも、今後においては検討を要すると思いますが、さしあたり、特に土地取得資金の条件を緩和いたしまして、それに重点をおいて来年度は考えたわけでございます。
#138
○北條雋八君 今の点は一応わかりました。
 なお、前にさかのぼってちょっと伺いたいのですが、自作農の創設資金が公庫に作られたというのに関連しまして、今後、国が未墾地を買収するというような御予定があるかないか、一応伺いたいと思います。
#139
○政府委員(松岡亮君) 目下、そういうことは予定してないと思います。これはまあ農地局のほうの問題でございますが、むしろ今回の新制度におきましては、土地取得資金に新しく未墾地の取得資金も含めまして、農家が自主的に未墾地を取得できるようにいたしたいということが変わった点でございます。
#140
○北條雋八君 今の点、農地局のほうから……。
#141
○説明員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。農林省が現在新しい開拓の方法として、とり上げております開拓パイロット方式のように、当事者の相対により、土地開発のための用地取得が可能な場合においては、農地法の四十四条にありますが、それを発動いたしまして、国が未墾地買収を行なう必要はないと考えておるわけでございます。で、ただいま暫定的ではございますけれども、開拓パイロット方式によりまして、農地は相対しておるということを原則として参りたいというふうに考えております。
#142
○北條雋八君 次に、農地担保の金融の場合に、農地の評価額というもの、これはどういうふうにされるのか、また、どのくらいの引き上げになるのか、そういったことをお調べ、あるいは研究されたか、その点伺いたいと思います。
#143
○政府委員(松岡亮君) 現在、農林公庫におきまして、すでに自作農維持創設資金等につきまして、農地を担保といたして貸し付けておるのでございます。全部ではございません、一部でございますが、これにつきましては、従来固定資産税の評価額を基準といたしまして、農地を評価して参ったのでございます。大体時価に対しまして、この評価によりますと、時価の二、三割というところでございます。これでは農家としては、もっと開拓についても、低く評価されまして、十分に融資は受けられない、また提案理由の説明の際にも申し上げましたけれども、今回の新制度におきましては、従来の貸付限度額を相当思い切って引き上げて、一農家に対して、相当の額の融資をいたします。そういたしますと、保証人を立てるというようなことでは間に合わなくなって参りまするので、やはり物的担保を出したほうが農家としては十分金が借りやすいということになりまするので、そういうことを目的といたしまして、今後は、この農地の評価を引き上げてもらうということにいたしまして、大体、現在一般に行なわれておる土地担保の評価は、時価の五割ないし六割程度でございます。戦前に勧業銀行等が評価しておりましたのも、大体そういうことでございまするので、そういった程度で引き上げて評価するように指導して参りたい。そういうふうに考えておる次第でございます。
#144
○北條雋八君 金融の点からいいますと、できるだけこれは引き上げたいわけでありますが、来年度は固定資産税の評価がえになっておりまするのですが、上げることが、今度固定資産税の面の引き上げになりまして、そうしてその心配があるのじゃないかと思うのですが、その点はどうお考えになりましょうか。
#145
○政府委員(松岡亮君) 農地担保の場合における土地の評価額が時価を引き上げたり、あるいは固定資産税、相続税等について評価を引き上げる原因になるということは全然予想いたしておりませんが、今予想されております固定資産税の評価がえは、どの程度になりますか、現在よりは、かなり上がる見込みでございますが、その場合に逆に、改定された固定資産税の評価額が、農地担保の場合における農地の評価の客観的な基準となり縛るということも逆に考えておる次第でございます。
#146
○北條雋八君 構造改善資金の三十八年度の融資額が示されております。しかし、その根拠が詳しくわかりませんが、特にそのうちで大きい土地取得等による経営拡大資金百八十四億、これの内訳といいますか、これは何か、いただいた表でわかればいいんですが、これの資金ワクの根拠を伺いたいと思います。
#147
○政府委員(松岡亮君) これは従来から、自作農創設維持資金当時におきましても、土地の売買件数、売買面積の増加率、あるいはそのうち融資に依存いたしまして土地を買う場合の推定の率等を使って、翌年度の農地の売り渡し量というような推定をしまして、それからさらに、必要な融資額というようなものを想定して参っておるのでございますが、大体、そういう方式で想定して出したものでございます。これは最近、就業人口が減小するにつれまして、逆に土地の移動が増加しております。その増加が、来年度において融資額をふやしていく大きな原因でございます。ただ、未墾地の取得資金を新しく加えましたので、その分は純粋の別な増加でございます。
#148
○北條雋八君 この未墾地の百六十億ですか――十六億……。林業の拡大資金というのがありますね、これは二十四億でしょう。
#149
○政府委員(松岡亮君) 林業経営改善資金は二十四億であります。
#150
○北條雋八君 これの根拠はどういう……。
#151
○政府委員(松岡亮君) 内訳は、林業の取得資金、これは森林の取得資金でございますが、十四億と、管理資金が十億でございます。
#152
○北條雋八君 林業の取得資金といいますと、それはどういうものでございますか。
#153
○政府委員(松岡亮君) これは、林地の土地取得資金でございますが、さっき申し上げましたように、幼齢林等でございます。
#154
○北條雋八君 次に伺いますが、この貸付条件の改善に伴いまして、公庫の金融の体系が一そう複雑になってきましたことは、この間も同僚委員から話かありましたけれども、この複雑してわかりにくいこの体系を、何とか簡素化する必要が絶対にあると思うのですが、このことにつきまして、当局はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#155
○政府委員(松岡亮君) 確かに条件の改善、緩和に急なあまりに、やや制度を複雑化したというそしりを免れないと考えておるのでございまして、今後は一そう、まあ条件を有利にすることもさることながら、簡素化していく、それによって農家もわかりやすく、借りやすくし、取り扱い金融機関も能率的に仕事が運べるように、そういうことに重点を置いて改善して参りたい、かように考えておるのでございます。
#156
○北條雋八君 それはぜひ必要だと思いますんですが、一体いつごろまでに、そういうことがやり得るか、お見込みを伺いたいと思います。
#157
○政府委員(松岡亮君) さしあたりは制度金融全体につきまして、わかりやすい手引のようなものをまず作りたいと考えております。これによって、とにかく借りる人も貸すほうの人も、すぐにわかるようにして参りたい。それから先は、今までこれは、それぞれの制度が長い歴史と経緯を経てきておりますので、また、それぞれの理由を一もって貸付条件がきまってきておりまするので、それを一挙にきれいに簡素化し、交通整理していくということは非常にむずかしい作業でございますが、相当、みっちりと勉強いたしまして、相当な期間をかけて、また、これは農林岩内の各局の協力も得なければならないわけでございますが、その他関係団体とも十分協力を得て、十分時間をかけてやって参りたいと考えております。
#158
○北條雋八君 利子にいたしましても、また償還期間にいたしましても、種々雑多なものがございまして、一覧表にこのまましたのでは、まだ複雑だと思いますが、そういう利子あるいは償還期間、据置期間などの統一も、その際一緒にやられることと思いますが、ただ、この手引きだけで、このままの手引きだけでは借りるほうの者が一目してわからないと思うのですが、そういう点まで含めての簡素化をされるわけですね、その点伺いたい。
#159
○政府委員(松岡亮君) もちろん貸し付け条件の全体について簡素化をはからなければならないものと考えております。
#160
○北條雋八君 大体、私は以上で終わりますけれども、最後に、ついでにちょっと伺いたいのですが、この法律案の別表でもって、別表の二で、森林の保育と、その他の育林に必要な資金、この字句のことなんでありますが、森林の保育とその他の育林に必要な資金、どこが違うのか、ちょっとわからないのですが、保育の中に含まれるのじゃないかと思うのですが、その他の育林というのは、別表の五ページですが、「森林の保育その他の育林に係るもの」、この保育と育林と、どう違うのですか。
#161
○説明員(立川基君) 保育と書いてございますのは、例示的に書いてございますが、あと保護なり保全という項目が入りまして、具体的に申し上げますと、枝打ちその他の問題は保全のほうに入ると思います。
#162
○北條雋八君 育林のほうですか。
#163
○説明員(立川基君) 保育には下刈り除伐、枝刈り、病害虫及び災害の防止等が入りまして、保護には管理小屋等、保全には林地の侵食防止めための施設なり、あるいは病害の復旧等が含まれております。
#164
○北條雋八君 ついでにもう一点伺いますが、これは法案の十八条の一の四ですが、「指定永年性植物」とございますが、これはどういうものを指しておられますか。
#165
○説明員(立川基君) たとえて言えば、茶とかオリーブとかホップとか、そういうものであります。
#166
○北條雋八君 クルミみたいなものは。
#167
○説明員(立川基君) この制度といたしましては、現在まで近代化資金で取り扱っておりました永年性植物といたしまして、先ほど例示申し上げました種目を考えておるわけでございますが、その他の項目につきましては、今後検討いたしたいと思います。
#168
○北條雋八君 桑なんか入るのですか。
#169
○政府委員(松岡亮君) 桑は入っておりません。これは近代化資金の当時から入れていないものでございます。と申しますのは、桑は、非常に短かいということもございます。養蚕に必要な資金のほうは、農業構造改善推進資金で融資するということで考えております。
#170
○北條雋八君 そうすると、これは主としてお茶が大きいのですか、お茶ですか。
#171
○政府委員(松岡亮君) 茶は入っております。
#172
○森八三一君 公庫法の改正の点で若干お尋ねいたしますが、直接その問題に触れる前に、その基本となるべき問題について、まずお伺いをいたしたい。そのことは提案理由の説明にも、経済の高度成長に伴って農林水産業の生産性を上げて国際競争力にたえるようにしながら、その所得を確保するということのために、構造改善の仕事が農林水産を通して非常に大切だということが言われております。そこで林業のほうや水産のほうは、また具体的に、そのことを目途として主力を置いて、これは未制定でありますけれども、農業のほうは、すでに農業基本法が制定発足しておるということであります。ところが、その大切な農業構造の改善という仕事が、当然これは農家の諸君から考えますれば、双手をあげて歓迎されなければならぬはずなんであります。ところが、他の委員諸君からもお尋ねがありましたように、実施すでに三年目を迎えるというときにありますにかかわらず、今なお、農業構造改善の事業というものが、あまりに喜ばれないというような事実を至るところに見るというわけでありますが、一体、なぜこの当然喜ばれなければならぬはずの農業構造改善事業が直接する農民諸君に心から歓迎されないという事態を見るに至っているのか、その理由をどこに考えたらいいかという点を、これは金融の面じゃなしに、全般に総合的に見て、どう考えられておるかということを実は午前中にお伺いいたしましたが、農政局長不在でございましたので、質問をあと回しにしていただいて、おそらく所管は農政局だろうと思いますが、どうお考えになっておるか、その問題がきわめられませんと、金融の問題やその他の問題を、どういうように考えていったらいいかということが出てきませんと思いますので、まず基本的にそのことをお伺いいたします。
#173
○政府委員(斎藤誠君) 構造改善事業が、必ずしも村において十分な受け入れ態勢ができていない、その基本の理由は何だろうか、こういう御質問だと思いますが、十分御承知のように、この事業を進めていきます場合におきまして、基本法にもありますように広い意味の構造改善対策と、それからその一環として行ないまする地域的な特定の地域条件を整備していくような構造改善事業と二つあるわけでございまして、御質問は、後者の点であろうと考えるわけでございます。いろいろのこれについての経過につきましては、いまだ十分なる趣旨の徹底なりあるいは農民における十分なる理解というものがまだ進んでいないという点も私はあろうかと思うわけでございますが、大きく分けまして、今までこれらにつきましての御議論は、要約すると次のような点になるのではなかろうかと考えるわけでございます。
  〔委員長退席、理事青田源太郎君着席〕
 その一つは、農民の負担に関する問題が一つであると思います。つまり、この事業が相当土地基盤の整備、しかも、その基盤の整備の内容が、ある場合においては農地の集団化、ある場合においては区画の整理、ある場合においては補助の大規模化といったようなことがあるわけでございますが、これが地域社会におきましては、いろいろの農家の階層がその中に入っております。あるいは専業農家もあり、兼業農家も入っておる。また場合によりましては、区画整理をいたしました所へ、もう一度区画整理を行なうというようなこともございまして、つまり農民の土地基盤整備に伴う負担の問題が一つあると思います。いま一つは、これらの事業に伴いまして、さらに土地基盤整備を行なうと相関連いたしまして、この基盤整備が十分な効果を発揮するように、その上にいわゆる資本装備といいますか、各種の経営近代化施設等を付加して事業を進めるというようなことになっているのでございますが、この面につきましては、従来のこの棟の補助率に比べれば、相当の補助率であると思いますけれども、一戸当たりの負担額という絶対額で見ますると、これはまた、補助率は高くても絶対額としては、事業量が大きい関係上大きくなる。新農村の場合は一千万だったのが一億円と十倍になりますので、一戸当たりの負担額が大きくなる。したがって、つまり農民から、この事業に伴いましての負担額あるいは負担感−負担の重いという感じが、この事業に伴って、農民から見れば、将来どのようなことになるのかということに対する点が一つあるというように思うわけでございます。
 それから第二の点は、この事業につきまして、一応われわれといたしましては構造改善事業の性格として、このようなものが一応考えられる。その考えられるもめに対しまする助成でありまするから、一応の助成の基準というものを考えたわけでございますけれども、御承知のように日本の農村は、北から南まて非常に広がっておりまするので、村におきまする適用の面におきまして、非常な画一さといいますか、窮屈感といいますか、そういうようなものが必ずしも村の理解が不十分であるか、あるいは趣旨が不十分であるか、あるいは指導が不十分であるかというようなことと相関迎いたしまして、もう少しこの面における弾力的な運営というものについての配意が必要であるということでございます。それからあとは手続が非常に厄介である、あるいは指導なりが不十分であるというようなことが主要な内容になっておるかと思います。
 いま一つは、この事業そのものに伴ってではございませんけれども、いわばこの事業、かつの内容といたしまして適地適作法をとりておる。これに伴って主産地形成をはかる方向に事業を進めていこうということを一つの考え方といたしておりますが、地域的な農産物の主産地化に伴って、将来における需給の見通しなり、あるいはそれからくる価格についての見通しなり、これらに対する、いわば条件的な措置といたしまして、必ずしも将来に対する安定感、安心感がないということが批判としては言われておるわけでございます。
 今までの、これらにつきましての大体の議論は、今申し上げたようなことに相なっておるかと存じますので、われわれも、そういうようなことに配意して改善に努力をいたしておる次第でございます。
#174
○森八三一君 今の局長のお答えは、私のお尋ねしたのは、農林省としては、どういうふうに受け取っていらっしゃいますかという質問に対して、世間はこういうふうに言っておるという、何かよそのほうで言っておる話をそのままお伝えになっておるわけです。まあしかし、結論的にはやはり農林省でも、今おあげになったようなことが、その理由とお認めになっておると理解してよろしいかどうか。世間でこう言っておるよというのではなく、主管省である農林省は、一体どう受け取っておるかということをお尋ねしたんですが、裏返しにして、世間で言っておることは、農林省もそのとおりと思っておりますと、こういうように了解していいんですか。
#175
○政府委員(斎藤誠君) 今申しあげたような点が、確かにこの事業の遂行上の一つの問題点であるという観点に立ちまして、三十八年度の予算あるいは金融その他の措置におきまして、改善に努力をいたしたい次第でございます。
#176
○森八三一君 そういたしますと、第の理由としておあげになりましたのが、農民負担が問題だということなんですれ、このことを解決しなければ、いかに宣伝をいたしましても、不可能な負担を強制するわけにはいかぬことですから、何としても解決しなければならぬと、そこで農民諸君が負担か非常に重いと言って、文句を言っておる、そのことが妥当とお考えになるのか、PRが足らぬために、いたずらに負担感という感じの上で文句を言っておるのにすぎないのか、その辺はどうお感じになっていますか。現在の施策では、確かに農民負担は重い、これは改善しなければならぬというようにお考えになるのか、それは無理解に基づく負担感という感じだけの問題だというように見ていらっしゃいますか、そこはどうなんですか。
#177
○政府委員(斎藤誠君) 実質的な負担と、それから負担に伴う負担感と、私は特に分けて申し上げたのでございますが、土地基盤整備のような事業につきましては、ある場合におきましては、この事業自身が合理化投資の要素を含むものがあるわけでございますので、それによって労働の生産性が非常に高まるというようなことによって、そこから利益を受ける者もあれば、比較的面積の小さいような農家については、そういうふうな、利便、恩典といいますか、受益をそれほど強く感じないというふうなこともあろうと思います。
 しかし、このような専業につきましては、どうしても関係農家の同窓を得て、地域的に共同でやって参るという必要もございますので、そういうことが、かりにネックになって、この事業が進行しないということではまずなかろうという考え方に立ちまして、第一の土地基盤の整備事業につきましては、従来、国の補助率五割に加えまして、新しく県がかさ上げの補助率二判をいたすものについては、特別の措置を講ずるということにいたしたわけでございまして、その点は御了承を願えることと存じます。
 しかし負担感の面は、経済的な経済計算をやってみました場合に、村のいろいろのこの事業についての計画を立て、あるいはそれに伴う経済効果を算定いたしておりますが、これは計画でございますので、そのままだというふうには必ずしも言い切れませんけれども、効果としては十分ペイするものであろう、しかし、これが農民でありますので、十万円の三割補助で七万円を負担するよりも、百万円でかりに五割補助で五十万を負担するということであれば、やはり絶対額の負担額というものについては、将来における経済効果が、かりに算定されましても、やはり負担感というものについてはぬぐい得られないものがあるわけでございます。こういう面については、これは一方PRも必要であろうと存じますけれども、同時に負担に伴う融資措置について、できるだけこのような軽減措置ははかる必要もあろう、こういうことで農民の直接融資を受ける部分については、金利負担を軽減する、あるいは償還期間を延ばすというような措置も必要があろう、こう考えるわけであります。
#178
○森八三一君 私のお尋ねいたしておりますのは、それは生きておる経済のことですから、どういうように動いていくかということをはっきりすることは非常にむずかしいとは思いまするけれども、今局長のお話のように、その事業を遂行する結果の経済見通しというものは、一応お立てになって、それをお話になる、そのことは間違いがあれば別ですけれども、間違いなければ、農民諸君として私は理解すると思うんです。その理解に立って仕事が進んでいく場合に、なおかつ負担が重いということで忌避しておるとすれば、その負担の重いという部分だけは直してやらなければ、その経済効果にはそぐわない、見通しには合わないということになるわけですがね。
 そこで農民諸君が、負担が重いからといって文向を言っておるというのを、今ここに提案されておるような補助率にして、融資の面につきましては、この程度にすれば、それでもう、農民諸君の言う負担が重いということは解消されるんだというようにお考えなのか、財政その他の都合で、ことしはこの点まで進歩したけれども、まだこれでは十分じゃないから、ここまでいかなくては、ほんとうに濃化が不満を解消するわけには理論的にはいかぬ、不満を言っておるなら別ですよ。それは安ければ安いほどいいし、補助金は多ければ多いほどいいんですから、できれば一括まるがかえがいいという欲の深い話は別ですよ。私の言っているのは、理論的には、この程度であればよろしいというふうにお考えになっておるのか、その辺はどうなんですか。
#179
○政府委員(斎藤誠君) 今のお話にありましたように、それは、ただであれば一番いいわけでございますが、団体からも何も、そういう要望も出ておりません。補助率についても七割ぐらいの補助率が望ましい、あるいは金利についても、できるだけ低利で長期であることか望ましい、こういう要望がありまして、今回の予算措置並びに金融措置によって、従来この面についての負担軽減の要望は私としては十分満たしておるものであろうと、こう考えております。
#180
○森八三一君 私がそのことをお伺いしますのは、一つは、負担が非常に重いということのために問題がある、そのことをお調べになって、現に昨年とことしと比べると、相当負担軽減の措置は進展をしておるんですね。ですから、まだこの程度では十分ではないということになるというと、世論はそれを指摘して、また要求しますね。そうすると、三十九年度には、また政府の施策が前進するんではないかという期待を持つとすれば、なるべくあと回しにしたほうがいい、うっかり手を早く差し伸べるとばかにされてしまう、こういう感じが起きると思うんです。その辺が、本年の措置で、経済事情が急変すれば別ですよ。そうでない限りは、これで、もう十分だということでございますれば、その点がはっきりしてこなければ、これは仕事は、どうしても欲の深いほうへいきやすいんですから、進まぬと思うんです。
 だから、私は現在の補助、助成の限度というものは、農民諸君が不満を感じておることに十分こたえるという内容のものだと理解されるかどうかということをお伺いしておるんですが、その点はどうなんですか。これでまだ、十分だとは青い切れない、十分と言い切れないのに、不十分なことをなぜやっているという理屈になるんですから、なかなか不十分という言葉は出てこないと思いますが、ほんとうにまじめに考えて、まあこの程度で十分やっていけるんだという確信にお立ちになりますか。
#181
○政府委員(斎藤誠君) ただいまお答えいたしましたように、少なくとも農政局におきましては、現在の措置で、十分その負担の問題については改善できたと、こう確信いたしておる次第でございます。
#182
○森八三一君 そこで、地方の自治体が二割のかさ上げ補助をする、このことはよくわかりましたけれども、これは財政需要額に、そういう措置をした場合には、それを算定の基礎に用いるということは私は理解するのです。といたしますと、県の財政の都合によっては、必ずしも交付税の中に算入をしていただくことにならなくて、全部白まかないになってしまう県も私はあると思うのです。そういう県になりますると、これを必ずしも二割のかさ上げをするという結果になりますかどうか。政府としては強制はできないのですから、赤字県でございましたら、当然基準財政需要額に盛り込まれてくるのですから、収入額との差で補給されますけれども、そうでない場合には、お話の結果が出てこない県もあると思いますが、そういう場合にはどうされますか。
#183
○政府委員(斎藤誠君) 実は、このかさ上げ措置をとりました一つの理由といたしまして、つまり府県を通じてかさ上げ補助をしよう、こういう方法をとりましたのも、実は東京であるとかあるいは大阪であるとか、こういう富裕県におきまして、いち早く二割程度のかさ上げ補助を実行いたしたわけでございます。そこで、たまたま富裕県であれば、そのような措置ができ、富裕県にあらざるところであると、かさ上げ補助の道がないということでは、この事業の遂行上まずかろう、少なくとも制度的には全部が行き渡るようにすべきであろう、こういうことで、実は方法としては、交付税の交付という方法でやることにしたわけでございますが、三十八年度から普通交付税で処理することにいたし、三十七年度におきましては、三十七年度の事業の実積を見まして、そうしてその、績に応ずる土地当基整備に見合う補助額を特別交付税という形で各府県に配分いたしたわけでございますので、その当該県におきましては、そういう趣旨のことを十分自治省からも、また農林省からも通達いたしております。したがって、当然三十七年度は特別交付税で、そのような方法をとりますけれども、三十八年度以降におきましては、方法としては、一般交付税でございますけれども、三十七年度の趣旨と相関連して、三十八年度も、さような方法がとられるであろうと、またそのように指導して参りたいと、こう思っておるわけでございます。現在のところ、大体、この三月の県会における様子を聞いてみますと、大多数の府県――まだ県会が終わっていない県もございますが、二割かさ上げの予算の計上をいたしているのでございます。
 ただ、御指摘になりました東京なりあるいは大阪なりの富裕県は、交付税がいかないではないか、これは確かに、そのとおりでございますけれども、もともと、そういうところで一番初めにかさ上げをいたしたことでもございますし、われわれといたしましては、当該県につきましても、同様にほかの県の事業と同じような措置をとってもらうようにという勧奨をいたしておるところでございます。
#184
○森八三一君 そういたしますと、幸いに昭和三十八年度は、一般交付税の交付されないような都道府県が率先して措置をしたということですから、不公平は起きないと思いますが、もし将来、そういうような富裕府県が一般交付税を受けるあれはないという場合に、措置をしなかったという場合には、不公平になりませんように、特別交付税でやるということの確約ができるかどうか。そうでございませんと、ことしはいいとします。来年はどうしてもやるという場合には、これはその府県は非常なアンバランスになってしまうという結果になるわけですね。ですから、そういう場合には、特別交付税でやるということの確約がなされませんと、これは非常に私は問題になると思うのですが、それはどうでしょうか。
#185
○政府委員(斎藤誠君) 特別交付税は、大体において今までの運用から見ますると、年度末において特別交付税が交付されるという形をとっておるものでございまして、これはまあ自治省の所管でありますから、私から御希望のような御説明はできませんけれども、年度当初に、初めからこれだけを特別交付税で見るというような形で、特別交付税の運用というものは行なわれていない。むしろ災害があるとか、あるいは当初予定せざるいろいろな事情によって経費の支出をするようなものに対して、特別交付税が与えられるというようなことが通常の運営になっておるように思われるわけであります。
 したがって、交付税が普通交付税にいこうといくまいと、とにかく富裕県におきましては、当然それをまかない得る基準財政需要額というものについては十分まかない得るだけの余裕があるからこそ、富裕県におそらくなっているのじゃないかと私は思うのでございます。詳細は、まあ私から十分申し上げかねますけれども、したがって私は、やはりこの事業につきましては、一たんは県と――県も、当然協力してやってもらう。基本法にもありますように、国の基本施策については、自治団体も国に準じて協力的な措置を講ずることということになっておるわけでございますので、今後におきましても、そういう府県に対しては、強力な指導勧奨をいたしてもらいたい。しかし、今御質問になりました、しからば特別交付税であらかじめ、そういうことを見るのだ、こういうことは、ちょっと制度の上からいき得ない性質のものではないかと考えますが、私としては、ここで確言するだけの勇気はございません。
#186
○森八三一君 私も理屈を言っているのですけれども、おそらくそういうような結果には、中央政府と地方庁との関係ですからならぬとは思いますけれども、思いますが、もし富裕府県で、そういうものは計上いたしませんという事態が発生しないとは理論的に保証し得ないのですね、これは命令事項じゃないのですから。そうすると、その府県は非常な問題が起こると、こう思うのです。その場合には、結果的には政府がその部分を補完することによって何らかアンバランスにならぬような措置をいたしますということの確約がございませんと、ただ二割のかさ上げをやりますよと宣伝してみたところで、あとで、できなかったじゃないかと言われたときに何とも弁解の余地がないのですね。
 それは大丈夫だと、こう言い切れるだけの政府部内における話し合いというものがなければならぬはずなんですがね。指導はする、指導はしても、相手がやらなければならぬという義務を負担しているのじゃないのですから、もしやらなかった場合には、どうするということだけは措置をしておいていただきませんと、われわれとしても、二割のかさ上げということが大丈夫だということを責任を持って言うわけにはいかぬのですね。その辺はどうなんですか。ほんとうに大丈夫だと言い切れますか。
#187
○政府委員(斎藤誠君) たびたび先生からお話になりますように、法律論としては、これは義務的なものではないから、県に当然そうやれというわけには参りません。しかし、それに必要な財源は、少なくとも国が特別交付税なりあるいは普通交付税なりについて交付しておるわけでございますから、したがって、当該県に対して、その分については二割かさ上げするように指導しよう、あるいは勧奨しようという考えでおりまして、まあその措置を今回取りましたのも、そういう関係省の了解のもとに実施をいたしたいものでございます。
#188
○森八三一君 この問題は、これ以上言いませんが、措置を講じておるという関連のある府県は問題ないのですよ。措置に関係のない府県は、これは問題なんですよ。そのことは農林省としては、自治省との間にはっきりおとりきめ願っておかぬと、まさかそんなことはなかろうとは思うという程度では、これは責任ある回答にはならぬですよ、法律的に責任が持てるという程度でございませんと。その点を私は申し上げている。実態はそうならぬと思う、思うけれども、万が一の場合に困っちゃうのですから、そのことを農林自治両省の間で、はっきりしておいていただかなければいかぬということを御注意申し上げいるのです。
 そこで、いろいろ農林水産の金融につきましては努力をされてきていることは多といたしますが、ただこの問題は、いいかげんにつかんでやっておっちゃいかぬと思うのですね。で、基本的にお伺いしたいことは、現在の農林水産の――まあ幅が広くなりますから、農業だけにいたしましょう。農業の中には養蚕も畜産も含むという広い意味の農業ですね。ということにいたしまして、一体資金の需要額というものは、どれほどあるのかということの押さえがつきませんと、それに対して、自己資金で幾ら充足ができる、それから組合系統金融で、どのくらいは渡してやれる、その不足分は、一般市中の商業銀行から充足される、さらにその不足分を制度金融で補完する、農業金融というものは、それで充足されるのだというような見通しがなければならぬはずですね。それは一体どういうふうに策定されているのか。これは三十八年度一年度だけでもいい。本来ならば私は農業基本法の進行に伴って、少なくなとも五年なり何年なりの長期を見通して、どうなっていくという計画があるべきはずだと思うのですよ。昭和三十八年度だけでもいい。どのように策定されているのか。その基礎がございませんと、今ここに公庫の金をどれだけふやした、どうする、こうすると言っても、それだけじゃ問題にならぬということじゃありませんが、あるいは余るということかもしれませんが、その辺は、どういう見通しになっておりますか。
#189
○政府委員(松岡亮君) これは非常にむずかしい問題でございまして、もちろん所得倍増計画などを作成いたしました際に、将来十年間の投資需要というようなものを試算いたした例がございますけれども、これはいろいろな前提を置いた計算でございます。成長率を幾らにし、また物価は安定したものと想定する。いろいろな前提を置いて、国際収支も、こういう程度、貿易はこの程度で行くというような各種の前提を置いた投資需要の算定でございますし、そのうちの農業のほうの伸びはどのくらいである、また農家の資金需要はどのくらいであるというような計算も、いろいろなファクターを仮定して計算したものでございますから、長期にわたる需要の一応の参考とはいたしますけれども、それでもって計画を立てるというようなことは、なかなか困難なのでございます。来年度の計算をいたしますときは、大体におきまして従来の実績を勘案いたしまして、公庫の資金にいたしましても、ことしの貸し出しの状況はどうであるとか、たとえばあるものは非常に需要が多くて、年度なかばで他から、たとえば予備費から流用しなければならなかった、あるいはものによっては、なかなか消化は進まないというようなものもございますので、それらを勘案して来年度の需要額を見て参るのでございます。
 それから近代化資金にいたしますと、この前申し上げましたように県からの大体の希望額というものを徴しまして、来年度どのくらいの希望があるだろうかということを調査いたしまして五百六十億という数字を申し上げましたが、そういう基礎に立って、これも従来の実績なども勘案して策定するわけでございますが、農家の資金需要というものは、潜在的に言えばもっともっと多いのかもしれませんが、現実に調査し得る、実際的に調査し得るというものは、そういったデータを基礎にしてやっておる次第でございます。
#190
○森八三一君 私はあとのほうでおっしゃいました前年の近代化資金にしても、公庫資金にしても、融資の実績というものを考えて、今後の趨勢をそれに織り込んでやっていらっしゃるという程度と思うのです。それではほんとうの農林金融として抜本的な対策というわけにはならぬのではないか。もちろんお話のようにいろいろな前提条件を設けて試算をする以外に手はございませんよ、過去をいうのではありませんから。そういうことでけっこうだと思うのです。それが、いろんな国際的関係とか経済事情の変遷によって変更を要するという場合には、何も責任を追及される性格のものでなくて、どんどん私は修正したらいいと思うのです。
 しかし、少なくとも一つのことを計画していくのには、その時点において見通される条件のもとに、かくなければならぬはずだということの基礎に立って考えなければいかぬのだ。公庫の前年の実績から申しましても、公庫のほうは予算がきまっておるでしょう。だから、申し込んでもむだだといえば、初めから数字に乗ってこないのです、実績には。そういうものを前提に考えたのでは、これは農業金融にこたえておるとはいえない。需要にこたえておるというわけではないのです。だから、実績というものが、これは事実ですけれども、それが需要の実態を物語っておるかというと、必ずしもそうでないということが多いと思う。ですから農林省としては非常にむずかしいことではあるにいたしましても、いろいろな前提条件があって狂いが生じやすいことではあるにいたしましても、可能な知恵をしぼって、その時点における、まずまず確信の持てるという基礎に立って、かくあるべきだという数字が出てこないことには、これはおかしいという感じがするのですが、そういうそろばんには、どうもこの計画は立っておらぬ、こう思うのです。そのことは非常に遺憾だと思うのですが、そういうことで将来を処理するということになりませんか。それは、君の言うことはむちゃなんで、そんなこと言ったってだめだ、こういうことなのか、どうですか。私は、そういうことでなければいかぬような気がするが……。
  〔理事青田源太郎君退席、委員長着席〕
#191
○政府委員(松岡亮君) それは先生のおっしゃることはごもっともなのでございます。私もそう思うのでございますが、技術的な手段がなかなか整わない、こう申し上げたらいいかと思うのであります。
 と申しますのは、通産省は、産業設備資金の利用というようなものをいろいろな会社から、会社のほうは計画がはっきりいたしておりますので、毎年度の産業設備資金需要というものを推定いたしております。しかしこれも、大体大企業に偏したものでございますが、ところが農業の場合は、たとえば土地改良資金需要というようなものは、むしろ政府の土地改良事業計画、来年度どれだけやるかという事業計画から、われわれとしては算定せざるを得なくなっておるわけです。それから、そのほかのものについても、農林公庫の場合には、いろいろな事業計画から推算している。それに前年の実績等を加味して出しておる。農家自身の需要というものは、これはちょっと把握が非常に困難である。会社に報告用紙を配って報告してもらうというようなわけにはなかなか参りませんので、そういった方法による需要の把握ということはなかなかむずかしいのでございます。近代化資金のほうは、結局県の組織を通じまして、大体その県においては、どのくらいの来年度の需要があるかということを一応の算定をしてもらって、それを積み上げていく、こういう方式にならざるを符ないわけでございます。非常にごもっともなことでございますが、現在の段階においては、なかなか困難である。やっているのは積み上げ方式で実績を参酌し、事業計画を見て積算していく、こういうことでございます。
#192
○森八三一君 その政府の事業計画というのは、これは生産者の希望に基づく事業計画でなくて、国家財政の都合から、全体の割り振りの関係で、まず土地改良なら土地改良は、このくらいにしろということでちょん切られているのです。それを基礎にしてやったのでは、ほんとうの生産者の要する資金にこたえるという計画は出てこないと思うのです。そのことがひとつ策定されませんと、基礎の事業計画を立てるにも、私はこれは十分でない感じがします。財政だけの考えから、それも大体、国家予算の一割なら一割ということを目安にして、とれるだろう範囲で、それを計画していくということではいかんので、農業基本法から、何年先にどうするということから出発して考えていく。そのうち国の財政の許す範囲は、これだけだから、こうならざるを得ないという結論が出てくるのはいいと思うのです、やむを得ないと思うのです。けれども、計画としてはなければならんと思うのです。そういうことをやっていかなければ、農業金融全体のまかないというものは、理解し得ない姿でずっと進んでいってしまうのじゃないか。そういうことが、今までの財政投融資を見ましても出てきているように思うのです。財政投融資の中に占める農林水産業関係の投融資額は、ここ十年ぐらいずっと調べてしみますと、多少の年によって増減はありますけれども、おおむね七%前後です。ところが、中小企業関係は一四%前後という数字になっているのです。その原資は一体どうだということになれば、むしろ私は農林関係の諸君というか、農村関係から年金制度なり、郵便貯金なり集められてくる金が、相当の部分を占めていると思うのです。必ずしも私は他の業種が何パーセントになっているから、その振り合いで、これだけ分取るというような分取り的な考え方ではありませんけれども、基礎的な数字がありませんと、そういうことを押していくということにもならんと思うのです。
 基礎的な数字があれば、そういうアンバランスを一つの題材にして、財政投融資にしてもワクを拡大していくという道は存在するのじゃないか、こういうような感じがするのですが、ですから、どうしても私は、基本的には、そういうことをひとつ考えて、農林水産金融というものの基礎的な数字の策定をやっていただきたい。それなくしては、私はただ、その場限りの弥縫的なことになってしまうし、予算の裏づけということは、これは一方的なもので、ほんとうの農村の実情には、ほど遠いものであるというふうに言わざるを得ない、こう思うのです。非常にむずかしいですから、ここで結論を出そうとは思いませんけれども、少なくとも、そういう感覚で処置していただきたいということを希望しておきます。
 その点は、そういうことで、策定された用途別に金利がいろいろありますね、どういう根拠から、こういう金利が出てくるのですか。
#193
○政府委員(松岡亮君) これは、大体におきまして、一応いろいろな試算をやって、生産費なりあるいは耐用命数その他、いろいろな調査の結果に基づいて試算をいたして出しているわけでございますが、ただ、同じ畜産なら畜産にしても、非常に経営の態様が複雑であります。ほかの作目との組み合わせもいろいろあるわけでございますし、畜産の部門だけ取り上げましても、養鶏、養豚、それから乳牛、肉牛、それぞれさまざまな経営でございます。それぞれに、どれが適切な経営であって、それに見合う金利というのは、どれであるかということを一義的にきめることは、実際問題としてなかなか困難でございます。いろいろな試算の結果として、まあこの辺かということや、あるいは従来の経緯から見ましても、従来六分であったから、この際、もう少しふんばって五分五厘まで下げてもらう、それから似たようなものについて、できるだけバランスをとる、いろいろな事情を総合勘案して、それぞれできているわけでございます。それには歴史的な経緯もございますけれども。でございますから、すべてこれで、がっちり共通の基準に立ってできているということは、なかなか申し上げにくいと思います。
#194
○森八三一君 非常にわかりやすいような御説明であったと思うのです。そうじゃなくて、これは、あれじゃないですか、公庫の原資全体の金利が五分三厘六毛というお話がございましたね、そういうものから逆算してきて、こいつはひとつ三分五厘程度にしようとか、これはどのくらいにしようということじゃないでしょうか。ほんとうに、土地整備資金のほうは補助率を含めて、これはもちろん千態万様ですから、きちんと計算はできません。できませんけれども、おおむね中庸のものとして、これだけの助成金がいいと、そうすれば自まかないの負担金の部分については何分の金利のものにいたしましても、何カ年間には償却が済んで、それでその事業は成功するというような試算からきたものではなくて、公庫の原資をまず押えておいて、回りを、それから逆に、まず観念的に土地改良のようなものについては、一番安いところへ持っていく。多少流動的な性格を持つ畜産とか果樹については少し高いところへ持って行くというあたりの、腰だめであって、何か基礎があって、試算から出てきたということじゃないのじゃないですか。もし、そういう試算があれば、これも責任をどうこういうものじゃございませんけれども、非常に参考になる資料ですから、これはこの法律が通過してからでいいですが、通過前では目ざわりになりましょうから、もしあれば、一ぺん教えてもらえば、私非常に勉強になるのですが、そんなものはなさそうに思うのですが、どうでしょうか。率直に聞いているのですがね。
#195
○政府委員(松岡亮君) お許しをいただきたいと思うのですが、その前に、公庫の原資のコストから逆算して、土地改良幾ら、あれが幾ら、こういうことはいたしていないわけでございます。というのは、すでにきまったものは、やはりずっとそれを維持していく、あるいはそれをできるだけ引き下げるという努力をしておるのでございますが、たとえば構造改善推進資金の今回設けました三分五厘という金利につきましては、これが適用になるものは種々様々なものがあるわけでございますから、これはもう、全体として三分五厘というものは、農業の最低金利という頭で、思い切って六分五厘から三分五厘に引き下げたと申し上げるのが、むしろほんとうの話でございます。もちろんその場合、今まで六分五厘で借りた場合、事業量を千八百万円の金を借りた場合に、どれだけ毎年償還しなければならぬか、元利償還しなければならぬか。それを三分五厘にすると、農家はどれだけ負担が軽減されるというような試算はいたしております。こういうものについて御必要ならば、あまりお役には立たないと思いまするけれども、大蔵省を説得する上には多少役に立ったわけでございますが、差し上げることは別にやぶさかではございません。あまりお役に立つものとも考えませんので、できれば差し控えさしていただきたいと思います。
#196
○森八三一君 そこで、基盤整備資金のほうが三分五厘になったのですが、先刻農政局長は、昭和三十八年度の政府の施策が、経済的に考えてまず妥当な線である、この時点においては。こういう確信のお話があったのです。そういたしますと、前年度までは、補助にいたしましても、二割のかさ上げはなかったのです。それから金利も高かったのです。そうするというと、前年度までにすでに進行しておる部分というものは、無理を押しつけておる、こういうことに邪論的にはなるはずですね。それはどう補完されますか。もう済んだことは関係ないのだということでは、これはおかしいと思うのです。もっと端的に申しますれば、今までの融資についても、新制度の金利条件というものが、現時点において正しいという認識に立てば、正しいことをやるべきである、こう思いますが、それはどう措置したらいいのか。もう済んだことば不合理であっても、正しくなくても仕方がないよということで、ほっかぶりしてしまうのですか。その点どうなるか。これは近代化資金についても言えると思うのです。金利補助が違いますから、十年、八年借りても、違ってきますね、そういうことが非常に不満だし、下げたということは、理由があって下げるのですから、その辺どう措置されますか。
#197
○政府委員(松岡亮君) 補助のほうは、先ほど農政局長から、本人あての分につきましても、特別交付税を回してやるというお話があったと思いますが、金融のほうにつきましては、実は三十七年度において融資事業として始めておるのは、構造改善事業に関しては、ほとんどないのでございます。これはほとんど三十八年度にずれ込んで行なわれる見込みでございます。したがって実際問題としては、新制度の三分五厘の融資ということになろうと考えております。万一今年度中に始まって、これも年度末まぎわになって始まるものと思いますが、そういう場合がかりにあるとすれば、そういうものにつきましては、実際上不均衡のないように措置いたしたいと、かように考えております。
#198
○森八三一君 そうしますと、基盤整備からずっとありますが、それぞれ相当大幅なものから、年に五厘程度の引き下げのものもありますね。すでにこの事業で、前年度に君干して、何年かの年賦償還の契約が成立しているというのは、済んだ過去は別にして、これからの利払いについては新金利を適用するようにその契約を更改するという措置をおとりになると、こう理解していいのですか。
#199
○政府委員(松岡亮君) ほとんど全部が新しい資金でまかなわれると思われます。万一そうでない場合がありましたならば、これは何らかの方法によって、そういう差等を生じないようにいたしたいと考えております。
#200
○森八三一君 その次にお伺いしたいのは、果樹以外の永年作物と果樹の関係ですが、果樹については、植栽資金と、それからそのあとの維持管理から経営に要する資金をひっくるめて、果樹園経営改善資金ということで出るわけですね。ところが、その他の永年作物については、植栽資金だけで、その経営資金というものがこの字句の上で出ておりませんが、やはりこれは永年作物になりますると、植栽をしてすぐその年に収益が上がってくるという性格のものではなくて、果樹と大体似たり寄ったりの姿をたどっていくと思うのです。その経営資金というか、維持管理資金というか、林業のほうには維持管理資金が入っている、それを永年作物だけ入っておらぬということは、どういうことですか。
#201
○政府委員(松岡亮君) 果樹園経営改善資金は長期を要するものだけでございますので、そういうものについては、成熟して結果するまでの期間が長い関係で、その期間の育成資金を新しく見るということにいたしたわけでございます。
#202
○森八三一君 そうしますと、果樹でも、よくわかりませんけれども、何年以上たたなければ収益を見ることができないというようなものについては、経営資金まで含めて出す、それ以下の無数で収益が上がってくるという性格の果樹については、植栽資金だけやって、貸さないと、そういうことなのですか。
#203
○政府委員(松岡亮君) そういうことでございます。名前を具体的にあげますと、柑橘類、リンゴこれは十年ぐらいの据置期間が必要であります。それから桜桃、ビワ、カキなど、大体八年ぐらいの据置期間のものでございます。そういうのもについて、育成資金を考えておるということでございます。
#204
○森八三一君 そうしますと、果樹園の経営資金というのは、七年以上たたなければ収益が見られないという果樹については、経営資金まで貸す。それ以下のものは植栽資金だけであって、経営資金は入らないと、こういうことになると思うんです。それでよろしゅうございますか。
#205
○政府委員(松岡亮君) 据え置き八年という大体の目安はそこに置いております。
#206
○森八三一君 いや、私の聞いてるのは、植栽するでしょう、そうして収益が上がってくるのは、ミカンなら十年かかる。十年間植えっぱなし、ほうりっぱなしじゃいかぬのですね。その間の維持管理が必要ですね。そういう資金は、収益が上がってこないんですから、この経営資金という中には、そういうものも入って貸すということじゃないんですか。私はそう理解している。そうじゃないんですか。
#207
○説明員(立川基君) 御説のとおりでございまして、先ほど局長が申し上げまたしように、柑橘、リンゴ、黄桃、ビワ、柿そういうようなものにつきましては、たとえば肥料なり、あるいは農薬の代金になると思うのでございますが、結果いたしまするまでに、先ほどお説のとおりに、八年なりあるいは十年以上の期間を要しますので、事実上長期に資金が寝ることになるわけでありますから、したがいまして、公庫ではございましても、育成資金といたしまして、今の経営資金に当たるべきそういう性格の資金を貸すことにしたわけでございます。これが短期のもので二、三年程度のもの、あるいは四、五年程度のものにつきましても考える必要があるじゃないかというお説かとも思いますけれども、現在の段階といたしまして、そういうようにきわめて長期なものということで考えておるわけでございます。
#208
○森八三一君 そこなんですね。長期なものについては据資期間もありまするし、その間における肥培管理に要する分も貸してあげましょうと、ところが、五年、六年程度のものについては、植栽資金だけは出るけれども、その間の肥培管理に要する費用というものは、どこでもめんどう見てくれないということになると、これはどういう結果になるんですかね。これがよく地方に行くと聞かれるんです。政府のほうでは制度金融を通して植栽まではめんどう見るが、あと収益が上がってこない。むしろ金をつぎ込まなきゃならないのですが、その金が出てこない。この仕事というものは、ある一地域に限って行なわれているんですから、広く全町村とか全市にわたって行なう仕事ではございませんから、そういう肥培管理に要する資金はどうしても供給しなくちゃならぬ。その需要が農協に出てくるんですよね。農協は、その一地区のために特別な資金を何年かつぎ込んでいかなきゃならないということに、いろいろ問題が起きてくるんですね。構造改憲の仕事を、あるいは主産地形成の仕事を、一市町村のある一部落に実施をした。それは組合員も町村民も理解しておるんですよ。ところが、その仕事を始めて成功するに至るまでの何年間かは、また新しい資金を相当額つぎ込んでやらなくちゃいかぬ。そのつぎ込むために、またその部落のために農協の資金を偏してつぎ込んでやらなきゃ、にっちもさっちも動かなくなっちゃうということで、その問題が起きてくるんです。やはり元の植栽資金を貸した限りは、その収益の上がってくるまでのめんどうは、制度金融で見てやるというふうにしなきゃいかぬのじゃないですか。
#209
○政府委員(松岡亮君) ただいまお話しのありましたような要望がございますので、新しく育成資金として、据置期間というわけで、つまり成熟して結果するまでの期間の肥培管理の資金を貸し出すことにいたしたわけでございますが、ただ、これはまあそんなら二年、三年のものでも全部貸すかということになりますと、なるほどそういうものでも肥培管理の金は要するわけですが、回転が非常に早い種類の金でございますし、それは短期資金を借りてまかなうということもできると思われまするので、今回は八年以上程度のものについて、しかも、果樹の重要な部門はほとんど入っておると思われまするので、その辺で御了承をいただきたいと思うのでございます。
#210
○森八三一君 本年はそういう措置でございますから、今これを変えるということは、非常に困難とは思いまするけれども、少なくとも永年作物という感覚に入ってその植栽を奨励していくというものについては、その収益が上がってきて元利金を返済していけるようになるまでは、据置期間を見ることは当然でありまするし、その間に肥培管理に要する資金を追加して供給してやるということをやらなければ、これは何といいますか、子供を生みっぱなしで知らぬ顔をしておるのと同じことで、非常に無慈悲なことだと思うんですね。それをお前たちが自まかないでしろというのは、農家の経済にゆとりがあるならこれはけっこうなんです。しかし、そういうゆとりのある状況ではないはずですから、結局そのしわ寄せは農業協同組合にいくんですよ。これは農業協同組合がめんどうを見なければならないと思うんです。そのことがあまねく組合員に公平に資金を供給するという立場に置かれている農協から見ると、ある程度のアンバランスということがあってもこれはしのげます。しかし、極端なアンバランスになってくると、実際問題としてむずかしいということは、これはおわかり願えると思うのです。ですから、後年度においては永年作物と称するものについては、それぞれ収穫時期までの据置期間と、その間に要する肥培管理の資金というものはめんどうを見るという制度にしていただきたい。そうでなくちゃ、これは非常に制度としておかしいんじゃないかという感じを持ちますので、そのことを希望しておきます。
 それから、先刻北条委員から御質問いたしましたように、本年は固定資産税の評価基準を変えるということで、自治省のほうでは作業が進行しておるんですね。私どもほのかに聞きまするところでは、今まで収益というものを基礎にして評価額を税率から逆算をして考えてきておった。今度はなんとはなしに、その付近における売買時価というものを基準にして考えていくというような意向があるように伺うのであります。これは税から見れば全く私は問題にならぬと思うのです。所得のあるところに税を課けるのが税の本質ですから、所得のないところに税を課けるというのは、税の本質から見たってこれは私別に論議しなければならぬと思うんです。局長先刻もお話しのように、ここで農地担保の制度に関連して担保価格を相当引き上げるということは、農林省自体もそういうように見積もりすることが収益から見て妥当であるという感覚に立ったものだということになりますると、これはたいへんな問題にひっかかってくると思うんですがね。その間は全然無関係だということが、自治省と農林省との間に話し合いがついているのかついてないのか。もし何らの交渉なしに担保価格を引き上げるという措置をしてしまいますと、これは必ず固定資産税のほうにひっかかってくると思うんです。固定資産税を上げてきた場合は、当然税の本質から論議をいたします。いたしますけれども、むずかしいことになってしまうんです。農地が売れて収益があったら、当然所得の増加ですから所得税のかかるのはいいんですが、農作物を作っている限りは、農作物の収益というものから換算する税を負担しなければならないのは、当然の話なんです。どうもそうでないという方向が指向されている。そのときにこっちのほうのこれをやるとそれに便乗するという危険を非常に強く感ずるんです。その辺はどういうように措置されますか。
#211
○政府委員(松岡亮君) 御承知のように、今農地価格については、統制価格とか公定価格という制度はないわけでございます。しかしながら、農林省としましては、特価が妥当な価格であるとか、あるいは農地担保の際に今度の評価の引き上げを行なうにしましても、その価格が農地の真の価値を現わすものである、そういう立場に立って考えるわけではございません。むしろ農家の側に立ちまして、それで売れるのだから、売れる価値、つまり農家としては財産はそれだけのものを持っていて担保としてそれを使い得るのだという立場で、評価は高く評価してもらったほうがよけい安い金を借りられるという便宜があるわけでございますから、そういう意味で評価を高く評価してもらう、金融機関として評価してもらうということでございまして、農林省がその評価を農地の価格として妥当なものだと考えるということではございません。したがって、自治省等についてはそういう意味でなら何の意思表示もいたしておりませんし、固定資産税の評価額とは全然また別な問題として考えておるのでございます。
#212
○森八三一君 私も理論的には全然別問題で、担保取るのですから、そのものが担保がわりになった場合、処分する価格を想定して金融機関としてマイナスにならぬというふうにしておけばそれでいいと思うんです。しかし税の関係では、そのものを利用することによって生ずる収益からその生産に必要な必要経費というものを引いた残りが純粋の所得ですわね。その所得の何%というものを課税するということが、税の本質から当然なんです。ところが、そいつがこんがらがっちまって、どうも幾らの価値があるということのほうが先にいっちまって、収益ということを度外視するという危険が、今自治省のほうで行なっておる再評価について指向されておるように思うんです。だから、何らの交渉もしておりませんというのじゃなしに、農林省としてはその固定資産税の評価については、十分収益換算の角度において評価をすべきであるということを強くひとつ申し入れしてやっといてもらわぬと、今度評価のほうでかえることが、便乗される危険を強く感ずる、こういうことなんですね。やっておりませんというのじゃ非常に残念です。やりなさいと言っておるのですよ。そこはどうなんですか。
#213
○政府委員(松岡亮君) 固定資産税の評価がえの問題については、あるいは農政局長から答えていただいたほうがよろしいかと思いますが、私から少なくとも言えますことは、課税標準となります価格は、収益還元価格と、それから別に時価というもの、これは妥当であるかどうかということは別問題ですが、時価、技術的にはその二つしかないと思うんです。農地担保にされました場合の評価額というものは、これは課税標準としては採用できないものだ、こういうふうに考えておりまするし、万一自治省がそういうようなことを言い、これを使うような態度が見られるならば、それはもちろん、農林省としては全面的に反対することになると、かように考えております。
#214
○森八三一君 その点は経済局長の担当でなくって農政局長の担当でありますれば、局長もいらっしゃいますので、よくお聞きですから、自治省が案を作ってしまってからそれに小言を言うというのは、これは手おくれで、何でもそうですよ。法律でも、できちまうと、それに文句を言ったって直らぬと同じことなんで、できる前に問題を解決していくということが、やっぱり親切なやり方だと思うんですよ。できますと、だれでもげたはいちゃって、そいつを直すということは容易なことじゃないので、できる前に主張というものは出しておくということでなければいかぬと思うんですが、その点は如才なくひとつ解決していただけたらと思います。
 それから従来近代化資金のほうでは農協等の共同利用施設の資金というものを出しておりましたですね。現在も出す制度になっております。ところが、最近における近代化資金の需要が非常に多いということで、府県の査定というものは、まず個人の借り入れ希望を優先的に充足する。それからその次には部落の協業、農事組合なんかの希望を優先する。それ以上の大きい組織の共同利用設備資金というものはもうあと回し、ところが五百二十億というワクに縛られてくるのですから、どうしてもはみ出しちまって回らない。そこで公庫のほうの共同設備資金ですね、そっちのほうにくるというと、そういうものの予算のワクとしてはきわめて少ないので、むしろ、どっちかというと、そういうものは忌避されるという傾向があるということで、農村全体の生産性を上げていくためには、あるいは近代化するためには、非常な足踏みをしているという話を聞くのですが、そういう問題の解決対策は資金的にどうお考えになるかということです。これは資金量絶対が少ないということの結果であろうと思いますけれどもね。実際の動きはそうなっておる、こういうことなんです。
#215
○政府委員(松岡亮君) これは森先生御承知かと存じますが、近代化資金制度を作ります際に、個人施設と共同利用施設は、従来公庫で行なっておりましたもの、あるいは改良資金で行なっておりましたもの等をこの近代化資金にまとめるということで整理をいたしたわけでございます。公庫のほうは、共同利用施設資金は、農協病院とか特殊なものに限って今後は貸し出すということで、交通整理をいたしたわけでございまして、したがって、近代化資金で共同利用施設は今後見て参りたい、そういうように考えておるのでございますが、実際にはこれは間々あるいは信連と借りようとする農協との意見が合わないというようなことで、公庫から借りたいというような希望がございますが、できるだけ近代化資金で、系統資金で、共同利用施設はこれは本来の農協系統金融の仕事でございますから、まかなうようにいたしたいと考えて、現在はそういうように進めておる次第でございます。
#216
○森八三一君 そういう意図でおやりになっておりましても、実際問題としては資金ワクが小さいために、どっちかというと、府県の関係も、あるいは基金協会の関係も個人のものをまず優先する、その次には部落の協業的なものが優先する、それ以上の段階の共同利用施設はもうあと回しということになっちまうというのが、どうも地方の実例だと思うのですね。そのことがいいというならそれでいいのですよ。ところが、そのことは結局その地域における全体の生産性を上げていくためには、必ずしも好ましい姿ではないということになる。まあこれは資金量五百二十億が少ないということからだと思うのです。だからそういう点からも、やはり農業の資金需要額というものは、非常にむずかしいことではあるにしても、どういう姿であるかということをひとつきめて、そうして予算折衝なりその他をやらぬことには、十分な成果を上げるというわけにはいかぬということを私は強く考える。まあ非常にむずかしいことですけれども、御勉強をひとつ願いたいと思います。きょうはたいへんおそくなりましたので、この程度にいたします。
#217
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#218
○委員長(櫻井志郎君) 速記つけて。
 本日はこの程度とし、これをもって散会いたします。
   午後四時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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