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1962/03/29 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第25号
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1962/03/29 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第25号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第25号
昭和三十八年三月二十九日(金曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           青田源太郎君
           仲原 善一君
           渡辺 勘吉君
           北條 雋八君
           森 八三一君
   委員
           井川 伊平君
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           梶原 茂嘉君
           木島 義夫君
           中野 文門君
           温水 三郎君
           野知 浩之君
           藤野 繁雄君
           堀本 宜実君
           山崎  斉君
           矢山 有作君
           牛田  寛君
           天田 勝正君
  国務大臣
   農 林 大 臣 重政 誠之君
  政府委員
   農林政務次官  大谷 贇雄君
   農林大臣官房長 林田悠紀夫君
   農林省農政局長 齋藤  誠君
   水産庁長官   庄野五一郎君
  事務局側
   常任委員員会専
   門       安楽城敏男君
  説明員
   農林省農政局植物
   防疫課長    石倉 秀次君
   農林省畜産局参事
   官       丹羽雅次郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
○漁港法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○漁港法第十七条第三項の規定に基づ
 き、漁港整備計画の変更について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院
 送付)
○農林水産政策に関する調査(畜産物
 価格に関する件)
○農薬取締法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。
 漁港法の一部を改正する法律案及び漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を一括議題といたします。
 直ちに討議に入ります。両案件について御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、漁港法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#4
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって、本件は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めさよう決定いたしました。十一時まで休憩いたします。
   午前十時十二分休憩
    ―――――――――――――
   午前十一時十一分開会
#7
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 畜産物価格に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は、御発言願います。
#8
○矢山有作君 非常にお忙しいところを大臣に来ていただきまして、まず冒頭に感謝を申し上げておきます。
 二十二日から二十五日、六日と、畜産物の価格審議会が行なわれたわけですが、その中で、すでにもう大臣も御承知のように、答申が出されております。答申の内容についても、すでにもう御協議になったという話を聞いておりますので、十分御承知だと思いますから簡単にお伺いしたいと思います。
 まず第一点は、答申の中で原料乳の安定基準価格を決定することについて意見が分かれております。答申もそのとおりの二つの見解に分かれて答申がされております。さらに指定食肉の安定基準価格についても二様の意見が分かれまして、答申がなされております。この二つの答申について、その後いろいろと御検討なさった結果、どういうふうな御判断を持っておいでになるか、まずそのことをお伺いしたいと思います。
#9
○国務大臣(重政誠之君) これは意見が、たとえば原料乳の安定基準価格を決定するについては次の二様の意見があった、こういうので、その一つのほうは、需給の実勢にかんがみて現行価格を据え置くこと、このほうは、いわゆる生産者所得補償方式を建前としてやれ、こういう二つの意見でありますから、これはそのとおりに、私はこういう二つの意見がある、こういうふうに認識をいたしております。
#10
○矢山有作君 認識は二つ出ておるのだから、二つあるのだなということはわかるが、これは当たり前で、私がお聞きしたいのは、もう告示を二、三日に控えておるわけです。そうすると、この二様の意見の両方とも採用して、二通りの価格決定をやるわけにはいかぬ。農林省としては、いずれか一つにしぼらなければならない。その場合に、二様に分かれた見解のどちらを妥当と検討の結果お考えになっておるのか、もし考え方が出ておればお伺いしたい、こういうことなのです。
#11
○国務大臣(重政誠之君) まだ結論を出しておりません。
#12
○矢山有作君 それでは、結論が出ておらないということですので、それでは私のほうでいろいろお伺いしたいと思います。
 まず、大臣にお伺いしたいのは、乳価の値下げが昨年の十二月ごろから一斉に全国的に行なわれてきたわけです。それに対しては御承知のように、現在の酪農経営の実態からして、この乳価値下げをやられたんでは酪農家は成り立っていかぬ、こういうことで、全国各地でもって農民の値下げを阻止しようという運動が起こっている。その運動が積み上げられて、昨年の十二月には東京で値下げ阻止の大会が持たれ、さらに三月の中ごろにも同じような大会が持たれているわけですが、そういうような農民の全国的な動きというものを大臣はどういうふうにお考えになっておるのか、酪農民が好んでそういうことをやっておると御判断なすっておるのかどうなのか、そこのところをひとつお伺いしたいと思うのです。
#13
○国務大臣(重政誠之君) これは酪農民とすれば、偽下げがないほうがいいのでありますから、これは値下げ反対ということを主張せられることは私は無理はない、こう考えております。
#14
○矢山有作君 この反対をするのについて、酪農民の生産の実態というものを大臣はどういうふうに判断をされておるか。私も酪農の経験があり、私の家族も酪農をやっている。私の友人も酪農をやっている。そういう体験の中から通してみて、現在の酪農というものは、私どもはそろばんを持てないと判断している。こういう状態の中で、しかも、今後、物価の値上がり予想されてている中で、現在の乳価の引き下げが行なわれるということになれば、これは酪農はますます窮地に追い込まれていくだけです。ところが、こういう点について大臣は、的確な認識を持っておられるのかどうか、その点をひとつ、御判断をどういうふうに考えておられますか。
#15
○国務大臣(重政誠之君) 酪農につきましては私は、基本的に考えておりますことは、今のような酪農の経営では、おっしゃるとおりこれはものにならぬと私は思っておる。第一に、一頭、二頭というようなわずかな乳牛の飼育をやるということは、これは考える必要がある。それからそのえさがいけない。えさがみんな高い販売飼料を使っておる。これをどうしても草によって、少なくとも七割以上は草の飼料をもって飼育をする、そういう方向に微しなければいかぬ、こう私は基本的には考えておる。その他いろいろあるでありましょうが、しかし、一面におきましてそれは将来、ただいまからそういう方向に向かわなければ、経営の改善をやらなければならぬことでありますが、しかし、現状はやはり、今のように一頭、二頭、三頭というような飼育がほとんど大部分である。そうすればこの現状に立脚して、この畜安法の運営を現在の問題としてはやらなければならない、こういうふうに考えております。
#16
○矢山有作君 わかりました。それでは大臣、今あなた非常にいい御答弁をなすった。いろいろ現在の酪農の状態には問題があると、将来、その酪農の経営のためには改善しなければならぬ余地がたくさんある、その例として飼料の問題なり、あるいはまた飼育規標の問題をあげられたわけです。ところが、今の結論は現在の酪農の実態に合わして畜安法も解釈しなければならない、こういうありがたい御答弁をいただいたわけです。そうすると、現在の畜安法はあなたが御答弁になったような立場に立って解釈されるならば、たとえば原料乳の場合なら、その原料乳の安定基準価格というものは、当然これは再生産を確保する価格でなければならぬ、こういうことになって参りますが、その点はどうですか。
#17
○国務大臣(重政誠之君) それに畜安法にも書いてあるとおりに、法律で規定をいたしておりますとおりに、安定基準価格というものは再生産ができ石ような価格ということに、たしか法律になっていると思いますが、だから、そういうことだろうと思うのです。
#18
○矢山有作君 そうすると、あなたはそういうふうに畜安法というものを正しく解釈なさっている。ところが、あなたの部下である畜産局の方たちは、安定基準価格が再生産を確保するのだ、こういうふうに考えておいでになりませんよ。これは大臣の監督不行き届きもはなはだしいし、もう少し気をつけてもらわなければいけない。
#19
○国務大臣(重政誠之君) それはそうではありません。それはそうではないのであって、私がこの安定基準価格と申しますのは、これは最低価格と最高価格の一つの帯状のものを安定価格と、こういうふうに私は法律解釈上認識をしておるのです。でありますから、ちっとも畜産局長の答弁いたしておりますものと矛盾がないと私は思います。
#20
○矢山有作君 大臣、帯状のものを云云というのはおかしい。安定価格は、ここの法律を見ると、安定価格は再生産を確保する価格なのだと、こう出ているわけなのです。しかも、あなたは安定価格という場合は、先ほど来の答弁からしても、安定価格というのは、原料乳については安定基準価格だという意味の答弁をしたわけです。というのは、安定基準価格は再生産を確保するとおっしゃったのですから、そうすると、第三条の四項の解釈における安定価格というのは、あなたは安定基準価格になるということをおっしゃったのですね。
#21
○国務大臣(重政誠之君) 安定基準価格というものが最下位の価格なのです。
#22
○矢山有作君 と、そうおっしゃった。そうおっしゃって、しかも、それが最低の価格だとおっしゃった。それが再生産を確保しなければならないのです。再生産を確保しなければいけない。私はそのことを大臣が御答弁になったから、大臣は正しく法律を解釈をなさったと思うのだが……。
#23
○国務大臣(重政誠之君) それは誤解ですよ。基準価格と、それから原料乳については、上位価格は法律には明定をしておりませんが、豚肉について言えば、この上位と下位をいっておる。それから、もし上位と下位を……これは原料乳につきましては、その最下位価格を基準価格というふうにきめておると私は解釈をしておる。上位価格をきめておらぬのはどうか。これは上位価格は、乳製品において上位、下位の価格をきめることになっておりますから、これはきめる必要がない、上位価格は。そういう意味である、こう私は考えております。
#24
○矢山有作君 私は上位価格のことは聞いていないのです。それから原料乳については、あなたは原料乳については最下位価格が安定基準価格であるとおっしゃった。
#25
○国務大臣(重政誠之君) そんなことは言わない……。
#26
○矢山有作君 今そうおっしゃった。速記録を調べればわかる。そうおっしゃっておりながら、あなたの部下は、その安定基準価格を再生産を確保する価格、そういう意味においての最低の下位価格と、こういうふうには解釈しておりませんよ、あなたの部下は。
#27
○国務大臣(重政誠之君) それでは、丹羽参事官から答弁をさせます。
#28
○説明員(丹羽雅次郎君) 私、部下でございまして、審議会でも発言いたしましたが、原料乳の安定基準価格は、再生産を確保することを旨として定めなければならないということが、法律に書いてあるのでございますから、当然私どもは原料乳の安定基準価格は再生産を確保することを旨として定めなければならないという解釈は、在来ずっととっております。
#29
○渡辺勘吉君 ちょっと議事進行について。きょうは一時間を限って、約束を守って、大臣に質問するために貴重な質疑をしているのですから、あくまでも要求があったら大臣が答えて下さい。委員が大臣以外を要求したら別として。
#30
○国務大臣(重政誠之君) それはどうも話が、筋の通らぬ話だと思うのです。一々どんなこまかいことでも、法律の解釈でも、大臣が答えなければならないのだと、それでは政府委員を任命しておる意義、その意味がない、それでは。だから、それは、あなたもそうやかましいことは言わずに、私はわかることは言いますけれども、弱いところは、やはり専門家にやってもらわないと……。
#31
○矢山有作君 わかりました。それでは参事官に聞きますが、あなたは言葉の上ではそういう答弁を今なさった。安定基準価格は再生産を確保するとおっしゃった。ところが、あなたは審議会ではどう言っているのですか。審議会では原料乳について上位価格まで想定をして、安定価格というのは下と上との幅の中で動いているのだ。だから算定上その幅を修正してまん中の値段を出して、それに変動係数を掛けてまだ下のものを出して、それがあなたは安定基準価格であると言っておるのですよ。
#32
○説明員(丹羽雅次郎君) 法律の要請と、技術的に数字を告示いたしますために定める計算方法の問題とを、一応分けて申し上げたいのでございますが、法律上は、当然安定価格は原料乳につきましては基準価格というふうにきめられておるわけでありますから、四項で「安定価格は」という場合は、原料乳について原料乳。基準価格が再生産を確保することを旨としなければならないという法律の定めが働くわけでございます。その点はおっしゃるとおりでございます。そこで、ただそれは数字でございますから、その数字を定める方法といたしまして、豚肉について上と下があって、それぞれが再生産を確保するようにと法律がなっております考え方を、計算上の便法として使って上下の、上下のといいますか、一定の価格帯を考えて、その下を安定価格として告示をいたす。「定める」ということは技術論でございまして、その定めるものは、当然再生産を確保するもので旨として定めなければならないという考え方をとっております。
#33
○矢山有作君 ところが、そうなると審議会の議事録を取り寄せて、機会をあらためてもう一ぺんやらなければいけませんね。審議会では、あなたは、安定基準価格は再生産を確保する必要がありませんと言っているのですよ。しかもそれどころではない。日雇い労賃を確保しないでも再生産は確保できるのだという言葉まで吐いているのですよ、あなたは。そういうことを言っておいて、そういうふうな言い直しをするなら、私どもは、あなたの今おっしゃった安定基準価格は、再生両を確保する価格であるということに統一してもらいたい。
#34
○説明員(丹羽雅次郎君) 私は安定基準価格が再生産を確保しないでいいということは、私も畜産局長も全審議会を通じて申し上げたことはございません。
#35
○矢山有作君 議事録を調べましょう。
#36
○説明員(丹羽雅次郎君) どうぞ。ただ再生産を確保するという方法については、いろいろの角度からの見解はあると存じます。したがって、生産費調査で計算された値段を割ったらば直ちに再生産の確保が破綻するという考え方になるのか、あるいはそれ以外の考え方で再生産の確保をはかるという考え方が成り立つかどうかといういろいろ観点について、審議会にいろいろの御意見た伺った次第でございまして、審議会にもそういう趣旨で御答弁をいたしておるはずでございます。
#37
○矢山有作君 それではこれだけ確認させて下さい。安定基準価格は再生炭を確保する価格である。これが統一解釈であるということは、最終的にお認めになりますね。
#38
○説明員(丹羽雅次郎君) 再生産を確保することを旨として定める価格である。
#39
○矢山有作君 旨とするということは再生産を確保するのじゃないのですか。
#40
○説明員(丹羽雅次郎君) 再生産を確保することを旨とするためにはいろいろな方法がございますので、旨とする旨として定める価格である。
#41
○矢山有作君 だから、定めた価格は再生産を確保するのでしょう。計算方式を言っているのではないのですよ。法の精神を言っているのですよ。
#42
○説明員(丹羽雅次郎君) 旨として定められた価格は再生産を確保する価格でございます。
#43
○矢山有作君 それでは大臣に聞きますが、再生症を確保するというのは一体どういうふうなことだと解釈しておられますか。これは大臣から御答弁願いたい。
#44
○国務大臣(重政誠之君) これはいろいろの考え方があると思うわけであります。いろいろの考え方があろうと思うのでありますが、それは必ずしも生産費調査を丹念にやって、そしてそれを計算したものでなければ再生産を確保するものでないというわけのものでもあるまいと思いますね。
#45
○矢山有作君 再生産を確保すると言えば、これは常識的に考えて再生産を確保するという以上は、投下された資本なり、労働というものが適正に回収されてこないと、いわゆる経済学的に言う再生産を確保するということにはなりませんよ。それをあやふやな御答弁をなさると、次の話が出てこないのですがね、どうですか。私が言ったとおりに再生産を確保するという意味を解釈していいですか。
#46
○国務大臣(重政誠之君) これはそう厳格に言われると、一つ一つの酪農経営についてみなそういうことを言わなければならぬということになってきて、それもどうも常識に私は反すると思うのですが、ただ、要するに酪農経営が、末年も経営していけるという、その価格じゃないですかな。
#47
○矢山有作君 そういうふうに私は大臣にすなおに考えていただきたいのですね。私が言ったように、来年も無理なしに酪農経営が続けられるのだ、これが再生産だというふうに解釈していただければ、大臣は正常な感覚の持ち主だということになる。ところがそうでなしに、また手きびしい解釈をする人がある。どういう解釈をする人かといいますと、戦後日本の酪農を見ておると、酪農生産は上がってきた、だからこれは再生産は確保できておったのだ、こういうようなすこぶるづきの単純なといいますか、こういう解釈をなさる人がある。大臣はそういう解釈をどういうふうに思われますか。
#48
○国務大臣(重政誠之君) それは私は一つの見方であろうと思うのですね。一つの見方でごくラフに考えれば、そういうふうにも言われるだろうと思うのです。ただ問題は、極端なことを申しますと、昔はよくあった、つまり市乳販売について、都市のまん中にちっぽけな牧場を作って、そうしてやっておる。これは酪農経営といっていいかどうかわかりませんが、そういうようなものもあり、あるいはちゃんと牧場を持って、そこで合理的に飼育をしておったものもある、そういう極端な場合でありますが、そういうようないろいろの経営条件というか、前提条件があるから、その一つ一つについて考えれば、それは都市で、今のような非常に悪い条件で、高い土地で酪農経営をやっておるというものは、それは変わるかもしれぬ、しかし大局的に見れば、酪農経営というものは、だんだんにふえてきて、牛乳の生産も多くなってきておるというところから見れば、大体今までの過去においては酪農経営が拡大してきておるのであるから、大体再生産を確保した値段でやってきておるのだろうという、こういう見方も私は一つの見方であろうと思うのですね。
#49
○矢山有作君 そういうような、すこぶるづきに酪農というか、無責任な見方で酪農の再生産が確保されておるというのでは、これは為政者としての責任を全く回避しておると言わなければならぬ。私は特殊な例を取り上げて、それが再生産を確保しておるかしていないかということは問題じゃない。なるほどおっしゃったような、特異のケースというものはたくさんの中にあります。しかしながら、少なくと酪農全般をながめたときに、再生産が確保されているのかどうか、正常な形でなされているのかということは、これは為政者として判断しなければならぬ。そういうところからいうと、これは大臣もう一ぺんよく統計をいろいろ調べていただきたいのですがね。これは農民の場合は、正常な形で再生産が確保されなければならない。つまり戦後酪農の産出量が伸びてきたという見方じゃないですよ。酪農民は全く飢餓生産そのものなんですよ。とにかく自分の手間賃を償おうが償うまいが、自分のほうから持ち出してまでも酪農にしがみついていなければならなかったという農民の実態を知っていただかなければならぬ。しかし、それには政府は農業基本法を作って、その中でいわゆる主産地形成で大きく取り上げるのは酪農だ、構造改善事業の中でも、半数近いものは酪農だ、酪農をやれば農民は何とかなるという期待を持たされたわけですよ。それでまあ、ときには悪くても、出血覚悟で何とかして生産を持ちこたえてきたということも一つありましょう。それからそういう道でも探す以外に農民には仕事がない。ところが最近、ほかに酪農以外にいい仕事があるからそっちのほうに乗り出して酪農が停滞した。そういう現象です。今まではそういう仕事場もないから酪農に期待をしてやっている。さらにもつと追い詰めて考えてみますと、酪農をやっている人で、全く自己資金で牛を導入しているという人は四割いるのですよ。三割六、七分くらいですよ、私の調べたところでは。あとはみんな借金して牛を入れていますよ。だから牛の乳が下がったから、もう酪農をやめようとすれば、牛を売っちゃって借金を払わなければやめられぬのですよ。借金に追いまくられて、牛の乳を一生懸命にしぼっている、これが酪農です。だから正常な意味で再生産を確保したのだというふうな考え方で、私は今後の酪農政策をやっていただいたり、特に当面の安定基準価格なんかを定めていただいたのじゃ、これは私は口に酪農の振興を唱え、その実態は酪農民を押しつぶしてしまうということにしかならぬと私は思うのです。この点もう少し真剣に酪農の実態というものを私は検討していただきたいと思うのです。どうですか。
#50
○国務大臣(重政誠之君) いや、私も御同様に酪農につきましては、非常に真剣に検討もし、心配もしておるのです。いろいろの現在の酪農の形態というのは、一ないし二頭飼いの酪農の経堂といいますか、乳牛を飼っておるというのが、非常に御承知のように多いわけであります。で、私ははたしてこういうものを酪農経営と言えるかどうかということを、私はまず第一に疑問に考えておるわけであります。冒頭に私が申し上げましたように、相当数の乳牛を飼って牧場も持っておるというようないわゆる企業形態の酪農というものならば、これは今お話しのように再生産云々というようなことも、比較的これは明らかになるわけでありますが、一頭ないし三頭いわば、昔の副業的に飼っておるということはどういうことであるかというと、米も作っておる、果樹もやっておる、そうして労力の計算をしてみてなお労力が余る、そこで牛を一頭飼う、こういうような姿が私は非常に多いと思う。その場合に、その農家の農業経営の中心は何かといえば、果樹園の経営であり、米作である。乳牛の飼育は一つのっけたりみたいになって、その場合に、今のお話しの再生産云々の場合に、この酪農が乳牛一頭だけを飼っておるのを、これを計算をして、これを独立の一つの企業として、そうしてこれがりっぱにやっていけるようにということを一体考えていいのかどうかということも考えなければ私はならぬと思うのです。それが大局的に申しますと、私の心持を率直に申しますと、粉乳にしても、豪州やアメリカの五倍も日本で生産すればする。バター、チーズにしても倍以上する、そういう一体現状ですね。そういう現状であって、そうしてそういう一頭飼い二頭飼いというのが、それが独立の企業として成り立つように、これを何か政策をもって十分にそれが成り立つ、成り立つと言うと語弊がありますけれどもそれだけやっても十分にやっていける、こういうような考えで考えておるのでは、これはもう日本の酪農業というものの改善は非常におくれてしまう、こういうふうに私は思っておるのですがね。
#51
○矢山有作君 それは大臣今の一、二頭飼育しておることはどうとか、こうとかという問題とは別なんですよ。今おっしゃったような方向に酪農を実際に振興さしていこうという過程において、現実の酪農民がこうであるという実態に目をおおうて政策は出てこないわけです、政策というものは現実の酪農なり農家の経営実態がこうである、その上に立って将来は酪農はこう持っていかなければならぬということで、それに施策が伴ってきて、初めてあなたがおっしゃるような酪農家というものが日本に生まれてくるはずだ。ところがそれをやらずに、しかも酪農民が食えないままでおいて、食えないのはお前らの経営の仕方が悪いのだから勝手にせい、わしはこういう方向を目ざすのだという方向でやられては、酪農民はついていけないのです。だからそれには私は現在酪農がこういう実態にあるということは、これは日本の実態なんですから、その現実を見て価格政策その他を打ち出していく、そうしてあなたが意図する酪農のあり方というものは、その方向に進めるように政治的ないろいろなてこ入れを財政的にもやっていって進めていくということでないと、目標を追うがためにそのことだけを考えていくと、現実の農民は首つりますよ。それを私はあなたにみていただきたい。それからまた、先ほど例に引かれたチーズ、バターの例にいたしましても、これは高いのは農民の問題じゃないのです。これは農民の出しておる原乳の価格というのは、この間の審議会あたりを通じてわれわれみても、国際的にあまり違いはない、価格は。ところが製品になってあれだけ高くなる。それは農民の問題じゃないのです。これは加工の問題なり流通の問題、その他の問題になるわけです。それとごっちゃにして判断されては困ると思うのです。私はあなたに酪農民の現実から、その現実の生活を確保する、その価格政策を出していただいて、農民が死なないようにしてもらいたい。それからあなたの理想とする政策を打ち出してもらいたい。まず一番大切なのは、現実に即した価格政策を立てるということ。そこでもう時間がありませんので一つところやっていると困る、もう一つ進んで聞きたいのは、あなたは先ほど非常にありがたいことをおっしゃっていただいたので、私どもも今後そういうように解釈をして、ひとつ原料乳の安定基準価格を算定願いたいと思うのですが、その一つの参考として、昨年原料乳の安定基準価格が一升当たり五十二円にきめられたわけですね。ところがこの五十二円という安定価格が乳価の安定のためにはたしていかほどの役割を果たしたかということです。これは何の役割も果たしていないといいますのは、現実の乳価の動きというものが、全国平均にしてたしか六十円前後のところを動いていると思うのです。しかも、安定基準価格は五十二円だ。乳製品がだぶついたといって事業団買い上げをやった。価格は一つも動かないのですね、実勢価格もほとんど動かない。あなたは勧告すると言っておられるけれども、また勧告の言うことを聞いてくれぬ、動いていない。これを見ると、乳製品の買い価格というものと原料乳安定基準価格というものは全然関係がないのです。無関係なんです。一つも関係ない。一体これはどうしたことなんですか。私は畜安法を解釈するときに、畜安定法なるものは生乳を買い上げするということによって価格の安定をはかるという方法をとっていないのです。乳製品の買い上げによって間接的に乳価を安定させよう、生乳の価格を安定させよう、こういう方式をとっておるわけです。そうすると、今の原料乳の安定基準価格のきめ方というものは、畜安法に期待しておる役割を一つも果たしていない。わかりましたね、果たしていないのです。そのことはなぜかといいますと、原料乳の安定基準価格のきめ方がでたらめに低過ぎるか、あるいは乳製品の買い価格のきめ方がでたらめに高過ぎるかということになるわけです。これ一体どちらなんですか。
#52
○国務大臣(重政誠之君) 五十二円ときめた、この値段が役割を果たしておらぬと、こうおっしゃるけれども、法律で定められておるこの原料乳基準価格というものは、それ以下に下がった場合においては政府は責任を持っておるのです。
#53
○矢山有作君 どういう責任ですか。
#54
○国務大臣(重政誠之君) でありますから勧告をする、その五十二円以下で酪農会社が買うというような場合には、政府は金融もとめたり、勧告をしたりするという、相当政府が責任をもってある程度の手段を講ずることになっておるのです。だから、それ以下には決して下がりませんということなんです。それはそれで、いつでもそれ以下には下がらぬ値段で取引が実際に行なわれるということは、実は欲しない。これは正常な取引はその値段より高いところで取引がされることが望ましい。そこであなた方もすいぶんやかましいことを言われて、私のネジを大いに巻かれたわけです。私もそれにごもっともであると思って、乳製品の買い上げもやり、それから絶対に現状よりは下げないという約束もとり、それからさらに乳製品の買い上げをやって、その価格が乳製品価格に買い上げが反映する場合においては、さらにこの復元をすると、そういうことも強く要望を当初したわけなんです。それから後に大いに皆さんにネジ巻かれて、それでやったというわけでもないのだが、それも大いに働いて、私も代表者を呼んで強くそれを要望して今日に至っておるわけなんです。だから全然基準価格というものが意味をなさぬとおっしゃるのは少し言い過ぎじゃないかと思うのですがね。
#55
○矢山有作君 せっかく買い上げをやっていただいて、あなたが乳価をもとに戻せということを勧告をかなりやられても、なおかつ乳業者というのは言うことを聞いてくれませんね。まことに情けない次第です。大臣の権威はどこにあるのかと言いたくなる。ところが残念なることに、今おっしゃった原料乳の安定基準価格以下に下がった場合には、勧告によってそれ以下には下がらぬようにするのだから働きを持っておるのだとおっしゃったけれども、この勧告というのが全然だめですよ、これは。勧告を聞かなかった場合どうするのですか。勧告を聞かなかった場合、金融の問題や、その他を出されましたけれども、そんなことは勧告を聞くまいという気になったら業者には響きませんよ、全然。しかも、たとえば勧告をした、言うことを聞かない。言うことを聞かないから、じゃお前のところの会社の乳製品は買い上げをしてやらぬぞと言っても、痛くもかゆくもないのです。これはその会社の買い上げをやらぬでも、ほかの会社の乳製品の買い上げをやれば市況はもとに戻るのですから、乳製品の市況だけは。だからその安定基準価格を割った場合に、勧告をするという規定にたよって安定基準価格を極端に低いところにきめて、そうして作用させようとおっしゃっているのは、これはしり抜けです。
#56
○国務大臣(重政誠之君) その点は私もいよいよネジ巻かれてやってみて、さあその農林大臣のあれがどういうことになるかということで、それも私は承知しておるのです。そこでなかなかむずかしいことがある。むずかしいことがあるから、まあところが皆さん方のほうでは、そんなことはもうかまわずに農林大臣一人とっちめられるわけなんですが、今ほんとうのことを言っていただいて、私もわかっておられるのなら一つ大いに農林大臣を応援してうまくやるようにやってもらいたいと思うのですがね。これはしかし法律でそうなっておるのですから、私としては現在のところはその法律を順守して目的を達するように努力する、こういうことにあると思うのです。
#57
○矢山有作君 わかりました。まことに大臣の苦衷はお察しいたします。われわれもそういうような大臣の苦衷をお察ししたり、それ以上に酪農民の生活を心配しているから、わざわざ来ていただいてこういう質問をしておる。私はそのことの一つは、あなたの勧告すら無視される、これ以下に引き下げなくちゃいかぬといって勧告を出して、聞かせようとしても守ってくれない。そういうことを防いで効果があらしめるようにするというのには、法自体の問題もありますが、それと同時に現在きめられておる昨年の原料乳の安定基準価格というものが、べらぼうに低過ぎたということを実証しておるわけですね。これは乳製品を買い価格で買い上げられたら、それが影響を及ぼして原料乳の安定基準価格というものが動いていくということでなければ、この畜安法にいうておるような価格安定の精神は貫けないのです。ところが、畜安法にいう乳製品の買い上げによって乳価を安定させようということが全くしり抜けになった原因は、去年の安定基準価格のきめ方が低過ぎたということなんです。そうでしょう。それより違ってやって差が出てくるというのであれば、大臣は法律を順守しておられないということになるわけなんです。
#58
○国務大臣(重政誠之君) 私は五十二円という値段が低過ぎたとも思っておらないのです。これはいろいろ見方があるのでありましょうが、それからまた今のように、かりに勧告をした場合に、それに違反したら、五十二円以下で買って乳製品を作ったものは政府が買い上げしない、それは今のお言葉のように、痛くもかゆくもない、私は必ずしもそういうふうには思いません。そういうふうに、私は製造会社だって、農林省のいうことに全然反対してやっていけるものでもあるまいと思うのです。だが、これはまだやってみないことですからわからぬですけれども、法律的にいえばお話しのようにしり抜けだ。これはそこに何か罰則をつけるとかなんとかという強硬手段によらずして、経済的手段によって勧告を実行さすような方法をこの法律は考えられておると思うのです。だから、その効果があるかないかということはやってみないとわからない。やってみないとわからぬが、罰則をつけたりなんかしていないから、それが無意味だとは私は思わない。これはやはりそれだけの圧力には私はなると思う。それからまた乳業会社のほうだって、自分のそろばん勘定だけで政府の言うことは知らぬ存ぜぬの一点張りでやるものとも私は思っておらないのです。
#59
○矢山有作君 あのね、政府のいうことに反対はしなくても、聞き流しで、馬耳東風という手がありますね。今乳業者のとっておる手は馬耳東風です。それだからといって、私は罰則をつけて強行しなさいとは申し上げません。この法律がもしどうしてもいけなければ、罰則をつけることも考えなければなりませんが、それより以前に、罰則の議論をする前に、あなたがおっしゃったように、経済的に実効を得せしめる方法がありましょう。経済的にこの法律を生かして原料乳の価格安定の実効を得せしめるためには、安定基準価格というものが適正なものにきめられておらなければならぬと思う。そうしてその基準安定価格と乳製品の買い価格というものとが関連をもってこなければならぬ。それが全然ばらばらにきめられておる、関係なしにきめられておる。しかもそのきめ方において、原料乳の安定基準価格があまりにも低いところにきめられておる。だから、乳製品の買い上げをやられてもどうにもならない、そのことだけは認識してもらわなければいかぬ。
#60
○国務大臣(重政誠之君) それはなかなかむずかしい問題だと思うのでありますが、できるだけこれは私どもも努力をいたします。率直な私の感じを申しますと、御承知のように、肥料とか米とかというようなものにつきましては、もう多年調査もし、そうして実行の経験もあって、まずまずこの肥料のごときものでも、工場の生産コストというようなものが大体わかっておるのです。ところが、この牛乳とか、乳製品といったようなものになってきますと、これは最近やかましくいわれ出した問題であるために、率直に申し上げれば、まだ経験も足らないし、そうしてそういうものの製品コストが一体ほんとうにどうなんだということを的確につかむことが、実際問題としてはこれはなかなかむずかしいのです。そうして、業態もでかいものもあれば、小さいものもあったりして、大体同じようなスケールの製造工場であれば、比較的簡単にいきますが、そうでないようなことからして、おしかりを受けるかもしれませんが、なかなかそこのところはむずかしい点があるわけなんです。でありますから、今の製品と原料乳との関係をつけろと言われる、これはもうごもっともなことなんです。やらなければならぬことでありますが、右から左に、しからばそういうデータがたくさんあったり、また経験もあって、さっとこれをつかまえるという段階にまで実際はいっていないのですな。ここに非常にむずかしいところがあることをひとつ御了承を願って、御同情を願わぬといかぬと思いますね。
#61
○矢山有作君 今のお話で、まあ二つに分けてみたいと思うのですが、コストの調査が十分でないから、従来、買い価格と安定基準価格とを関連させてはじき出すということが、なかなかむずかしいとおっしゃったのですが、しかし法律の運用をやってみて、全然これは実効がないじゃないか、こういうことは大体わかられた。そうすると、その運用の面において生かす努力をするというだけではだめなんでしてね。この法律自体に欠陥が出てきたわけです。だからもうその法律を改正するというの、まず当面の問題、これはもう近い将来にぜひ法律を改正するということで、そして運用面において実効が確保できる形に持っていくということが一番大事な問題です。と同時に、それ以前の問題として、私が先ほど来強調している原料乳安定価格のきめ方が去年の実態を見てきめる。去年の実態は低過ぎたのだということがこれは出てきたわけです。経験から出てきたわけです。出てきたわけでしょう。出てきたのだから、ことしの原料乳安定基準価格のきめ方は、去年どおりの価格でやっておったら、この法律はますますしり抜けになりますよと、こういうことなんです。
#62
○国務大臣(重政誠之君) 私は、肥料の生産コストを把握するのと、乳製品の生産コストを把握するのと比較して言ったわけなんですが、肥料でも当初はやはり現在のようなことであったのです。あったのですが、多年の経験と、また肥料会社の協力によって今日のような、まあまずまず適正な生産コストを握ることができるようになったという事態になったわけでありますが、現在でも乳製品のコストというものが全然わからないかというと、それはそうでもないのです。そうでもないのですが、これは的確に把握することができない。大体のところで推察をするといいますか、把握していくよりほかしょうがない、こういうふうに考えておる。それから五十二円が低過ぎたということをしきりに矢山さんおっしゃるわけですけれども、これはこの委員会においても、審議会においても、ここに御答申をいただいておりますように、需給の実勢にかんがみ、現行価格を据え置くというようなことを御答申になっておるのですから、これは低過ぎるとも皆さんはお考えになっておらぬと私は思うのですがね。
#63
○矢山有作君 答弁も簡単にして下さい。時間に追いかけられておるので。私はこういう需給の実勢にかんがみ、現行価格を据え置くこと、こういうことだけ判断をあなたが重視されるというのでは、大きな失敗をされると思う。現実に昨年の例が、あれだけ需給予想というものを発表されて、そして農林省も、メーカー側も絶対間違いありません、十九万八千トンことしは供給が足らないのだということを強調されまして、そして緊急輸入の措置をとられたのでしょう。だから、この需給の実勢にかんがみ、現行価格を据え置くことなんというのは、これの基礎になっておる需給見通しなどというものは信頼できませんよ。去年の経験で出てきたのですから。だからそういう横っちょのほうに話をそらされますと、算定方式のほうにまで入っていかなければならんし、時間が足らないのです。だから単刀直入に言いましょう。だから私は法の運用を、昨年の安定基準価格のあれをやってみて、実際効果がなかったということは、大臣も勧告をしても乳価をもとに戻してくれないということが骨身にしみておるはずなんです。そうすれば、原料乳の安定基準価格を、今年はそういうぶざまなことにならんようにきめるということだけは、あなた方過去一年の行政経験の中からおっしゃる責任があると思う。これが一つ。
 それから、もう一つは、そういうような不細工なことを毎年繰り返さなければならんということは、法律は大体しり抜けだということなんです。だからこの法律を畜産物の価格の安定のために、実効のある形に改正をする。それが私は大臣としてのとるべき責任だと思うのですが、どうですか。
#64
○国務大臣(重政誠之君) 何と申しますか、御忠告をいただいたと申しますか、あるいは強い御要望をいただいたと申しますか、とにかく御趣旨のある点は十分に私承りましたから、私としてもこれは重要な問題でありますから、十分に検討もいたし、また各方面の御意見も承りまして善処いたします。
#65
○矢山有作君 しかし御趣旨を承った、だけじゃ、私もせっかく来ていただいて、酪農民の問題を真剣に討論しながら、これは意味がないと思うのです。やはり私は今までの経験から、しつこいようですが、過去の原料乳安定基準価格というものが失敗だったのじゃないかということはお認めを願う。それからさらに、先ほど言いました法に欠陥があるということをお認め願う、その上に立って改善をする努力をしましょう。こういうことにいかんと、わざわざ大臣も忙しいのにこうして出てこられて、僕とこの議論をやりとりしたというだけでは、まことにもったいないと思うのですが、どうです。
#66
○国務大臣(重政誠之君) 決して私が出てきてむだに一時間の応答をしたわけじゃございません。矢山さんの御意見というものは十分に拝承いたしました。これは非常に参考になることでありますから、今ここ両三日中にこの結論を出そうとしておる際でございますから、十分に参考にいたしまして善処をいたします。
#67
○矢山有作君 参考々々と言われると、どうもこちらも困るのでして、それだけじゃ――やはり大臣もこれだけはできましょう。原料乳の安定価格は、去年はちょっと低くきめ過ぎた。これはおわかりいただきたいと思うのです。それから法律の解釈がこの自体が非常に欠陥があるのだということも、今の私の説明でわかっていただいたはずなんです。そうすれば、それを改善する努力をするということははっきりしていただいたほうがいいと思うのですが、せっかく一時間やったのですから。
#68
○国務大臣(重政誠之君) これはしかし、法律の欠陥があると一概にも、先ほど申し上げましたとおり、罰則がないから欠陥があるというわけにもいかないと思うのでありまして、そこらの点は十分検討いたきなければならない問題だと思うのです。
 それから今の五十二円が低過ぎる、こういう御意見に対しては、審議会の御答申もあるし、私は必ずしもそれが低過ぎるとは思っておりませんが、矢山さんのような有力なる方の御意見として、今の二つの点は十分に承り、それでどうも努力すると、今私がここで言うわけにはいかないのですね。いろいろの皆さんの御意見も拝聴いたさなければならん次第でございますから。
#69
○矢山有作君 しかし大臣、あなたは正直じゃありませんね。今の議論をやる中で法の欠陥もあるということをお感じになったし、そういうようなことをうかがわせるような御発言もあった。それなのに、それを正直にそうだと言われない。それから原料乳安定基準価格にしても、私が説明したのに、よくわかったと思う。それを首肯されようともしない。そういう不正直なことではだめだと思う。やっぱり現実を見て、現実を正しく了解しなさって、その上に立って政治をやっていくというのでなければ、今の政府に国民がついてきませんよ、特に酪農民が。もし私は、今度の原料乳の安定基準価格のきめ方、あるいは乳製品のきめ方等について、きょう問答のあったことをくつがえされるようなきめ方をなさった場合には、私は今の政府の方に、酪乳民の人が非常に不信感を抱かれるということを申し上げておきたい。
 それから最後にもう一つ申し上げますが、私はこの答申の中で、需給の自主性にかんがみというのは、いかにも現実を無視したよりどころのないいいかげんなことであるかということを、一つだけ例をとって申し上げます。それは豚肉についても、豚についても答申が原料乳と同じように需給の実勢にかんがみ現行価格を据え置くこと、こうなっている。ところが需給の実勢は非常に供給不足です。これは私が持っております農林省から出された資料なり、またその他の専用の機関で調査した資料を見てみましても、供給は三十七年の一月から三十八年の一、二月までに統計があるわけですが、たとえば繁殖用の雌豚の頭数というのは、だんだん減っているわけです。現在は七七・四%しかない。こういうふうに現在は供給が非常に不足になる方向にいっているわけです。しかもそのことがわかっておって、そして算定方式の中にも政府は的確にこれだけ供給が減るのだという正しい見方をされたかどうかということは別問題として、供給が減るかもしれないというような幾らかの見方をされておりながら、なおかつ、需給の実勢にかんがみ現行価格を据え置くということは、これは不見識もはなはだしいと思う。現行価格を据え置いたら、これは現在の需給の実勢からいって供給不足の実態が起こりますよ、これは。
#70
○国務大臣(重政誠之君) これはどうも私にいろいろ向かってお教えをいただいておるわけだろうと思うわけなんですが、私はここに書いてあるとおりを、額面どおりにみんなごもっともでございますとは言っておらないのです。私はこの御答申をいただきまして、私は私なりに今のお話しの豚について需給の実勢にかんがみるといっても、今のお話しのようなことがあるやに私も承知はいたしております。検討いたしまして、ですからそういうふうにひとつ御了承をいただきたいと思うのですがね。何もここに書いてあるのを、据え置く据え置くと、こう書いてありますけれども、片方のほうは生産者所得補償方式と、こういっておられるけれども、それが両方ごもっともだ、何らの批判をせずにごもっともだというのじゃやりようがないですからね、これは。だから私は私なりにやはりこの答申をいただきまして、十分検討もいたし、諸般の情勢も考えて結論を出したい、こう考えておることをひとつ御了承願います。
#71
○委員長(櫻井志郎君) 矢山君約束の時間がきました。
#72
○矢山有作君 それじゃ終わりますから、簡潔にやってまとめるようにします。私は豚の例でことさら申し上げたり、あるいは去年の需給の見通しが誤ったということを特に強調して申し上げたというのは、需給の実勢にかんがみるというような答申が出ておるから、そのことがいかに根拠のない間違いであるかということを、あなたに御認識願いたいと思ったのです。その意味で申し上げたわけです。それで私は最終的に集約して申し上げたいと思いますのは、先ほど来のあなたとのやりとりの中で、私は、現在の酪農民の経営実態がどうであろうかということは、少しでも御認識いただけたと思うのです。そうすれば酪農民に飢餓生産による再生産を強要するのでなしに、いわゆる正常な形での再生産をやらせる。しかも農業基本法においても主産地形成を強く取り上げ、その中で酪農が特に重点を置かれておる。しかもその意図するところは、いわゆる所得の格差をなくしていこうという大目標があるわけです。そうしたら、そういう方向に沿って私は畜産物の価格等も決定を願いたい。それをみずから政府が破るような価格の決定をすべきじゃない、そのことが一つと、それからもう一つ、法律の面につきましては、先ほど来の質疑の中で、第三条の四項にあります「安定価格は、」云々という安定価格というのは、原料乳については再生産を確保する安定基準価格であるということははっきりしてきたわけです。ところがそれがはっきりいたしましても、なおかつ法律解釈をこじつけて、曲げて解釈しようという風潮がぬぐえないのです。それは法律のきめ方自体にずさんなところがあるからです。そのずさんなところはどういう点にあったかということは、一つの例を申し上げて私は申し上げた。そのことは御認識いただけたと思うのです。そうすれば私は根本的には法の改正をやっていただく、当面の問題としては不当に低過ぎた去年の原料乳価格の安定価格のきめ方というものを、この際大いに反省して、適正なところにしていただく、このことを強くひとつ申し上げて、時間の関係がありますので、終わりたいと思います。
#73
○国務大臣(重政誠之君) 御意見の点はよく拝承いたしましたから、十分に検討をいたしまして善処いたしたいと考えております。
#74
○委長長(櫻井志郎君) 以上をもって、農林大臣に対する質問は終了いたしました。
 ここでしばらく休憩して、午後一時半再開いたします。
   午後零時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十四分開会
#75
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 農薬取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は、順次御発着願います。
#76
○藤野繁雄君 私は最初に、政府の提出した資料について質問いたします。それは農薬の生産状況でありますが、農薬の生産状況は、農薬を、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、その他と、こういうふうに区別してみますると、時間がないので簡単にやりますが、農薬の生産は、最近の十カ年間に九十一億円から三百三十八億円に増加しておるのであります。そのうちの除草剤は、最近十カ年間に四億円から六十七億円に増加しておるのであります。全農薬に対する除草剤の割合は四・七%から二〇%に増加しておって、各農薬のうちで一番伸び率の多いのは除草剤であります。農薬の登録状況をみてみますると、除草剤のみについて考えてみますれば、三十六年度の登録件数は七十八件のうちにPCPは六十四件であって八二%に達しておるのであります。
 次にPCPの出荷状況を調べてみまするというと、三十四年には百四十八トン、三十五年には二千四百四十一トン、三十六年には、八千七百六十三トン、三十七年には二万五百トンというように非常に増加しておるのであります。ここでお尋ねしたいのはPCP生産のメーカー別の毎毎の生産数量は幾らであるかということをお尋ねしたいのであります。
#77
○説明員(石倉秀次君) 手元に資料を持ってきておりませんが、早急に取りそろえます。資料はございます。
#78
○藤野繁雄君 次は農薬の抜き取り検査状況を調べてみまするというと、三十六年度の検査件数がPCP除草剤は五件であって、全部不合格になっているのであります。全部不合格という理由はどこにあろか、どういうふうな方法でPCPを検査して全部不合格だったらば、これに対して、政府はいかなる対策をとったか、これをお尋ねしたいと思うのであります。
#79
○政府委員(齋藤誠君) 最近におきまする農薬に、いろいろの種類が出回りましたので……。
#80
○藤野繁雄君 いろんな種類じゃない、PCPだけに限っている。
#81
○政府委員(齋藤誠君) 特に検査につきましても進めて参っておるわけでございますが、抜き取り検査の結果、不合格になりましたその主要な内容は、大体は経時変化――時間がたつにつれまして成分が変わってくるというようなことで、つまり有効成分が表示当時の成分と異って参るというようなことが主要な原因になっておると承知いたしておりますが、また農薬取締法におきまして、表示と異なる場合においては、これは取り消すことができることになっておりますので、今後におきましても、いよいよいろいろの農薬が出回るに応じまして、この面における取り締まり検査につきましては、一そう努力をいたしたいと考えております。
#82
○藤野繁雄君 そうするというと、PCPというのは安全であるとして現在施用しておる、その安全であるとして施用しているところのPCPといえども、抜き取り検査の場合においては全部不合格、こういうふうなことだったらば、農薬の検査というものが信用ならないということになりますが、この点いかがです。
#83
○政府委員(齋藤誠君) 農薬自身につきましては、いろいろの各種の会社あるいはその他の銘柄によって違っておるわけでございまして、その会社別の銘柄に応じまして登録の申請が行われ、それに対して登録をするということをいたしておるわけでございます。したがいまして、登録の段階におきましては、法律に規定しておりますように、当該検査官、特に農林省におきましては、農薬検査所におきまして検査をいたし、申請事項についての有効成分、あるいは適用病害虫等につきましての効果を測定をいたして登録をするわけでございます。
 したがいまして、今お話になりましたのは、登録後におきまして、実際において施行してみたところが、その後の抜き取り検査の結果、当時の表示の申請に基づく有効成分が、その後において不足しておる、不十分である、こういうことが発見されまして、そして、その銘柄のものについての登録の取り消しをする。こういう措置をとってるわけでございます。したがって、登録されたものにつきましての農薬につきましては、これは農民が安じてその成分のもの、つまり表示された成分のものについては、安んじて購入できるようにというのが、本来の登録のねらいでございますので、登録の段階においては、一応今申し上げたような手続で審査をいたして登録するわけでございます。問題は、その後におきます有効成分が、時の経過に応じて、ねらったものについて十分効果があがるような措置をとる必要があろうということでございまして、この面におきましては、先ほど申し上げましたように、今後とも市販についての検査につきまして、十分指導を加えて参りたい。こう思ってるわけでございます。
#84
○藤野繁雄君 次には、昭和三十七年のPCP使用状況を見てみまするというと、全国の水稲面積は三百十五万ヘクタール、PCPを使っているのが百万八千六百八十ヘクタール、その普及率は三二%であります。今滋賀、福岡、佐賀、長崎、熊本の水稲面積を政府の資料によって調べてみまするというと三十二万六千二百ヘクタール、使用面積が十三万二千九百三十二ヘクタール、その普及率は四〇%であります。以上の政府提出の資料によって見ましてでも、PCPが農薬の効果として農業近代化、農業構造の改善、省力裁培に、いかに有効適切な除草剤であるかということを証明することができると思うのであります。昭和三十七年度の農薬関係漁業被害の状況を調べてみまするというと、これも政府提出の資料によれば、農薬の使用による漁業被害額の把握は困難であるが、農薬使用と関連のある被害推定額は、三十七年十一月一日現在においては、都道府県の報告によれば約二十六億円であるとしておるのであります。しこうして被害の推定額の中には、災害等による被害の推定も含んでおるということであります。そのうちの有明海及び琵琶湖の魚介類の被害額は約二十四億円であると、こういうふうになっておるのであります。
 それで、三十七年の十月十九日の西日本新聞によれば、「三十七年七月豪雨後二カ月後の魚介状況」という記事が書いてあるのでございますが、その記事を大体調べてみますれば、今年の七月三日から五日まで有明海をまっ黄色に染めた濁流が引いたあと、沿岸漁民五千人は絶望の谷間に突き落された。日本一を誇る海底の貝が全滅に近い状態になっていたのだ。被害後約二カ月にもなろうというころ、半ば投げやりに海底を掘った一漁民が厚さ五センチにも達するアサリの層を発見した。生き残ってすごい繁殖を遂げていたのだ。その面積は十ヘクタールに達しておる。貝は生きていたの朗報は沿岸の漁民に伝わったために、今五十隻に上る漁船がここに集まって、幾らとってもとっても貝の層は薄くならない。柳川市の県の有明水産試験場は、かえって繁殖している。それよりも、ここで生まれた無数の貝の卵は流れに運ばれて全海域にばらまかれて非常に繁殖を始めた、こういうふうに書いてあるのであります。政府は右の事実を何と考えるか。調査したことがあるか。被害推定額二十六億円の都道府県別の内訳を承りたいと思うのであります。
#85
○政府委員(庄野五一郎君) 有明海の貝の被害につきまして御指摘があったわけでございます。このPCPによりまする被害は、有明海におきましては、おおむね干潟になる浅いところに非常にひどく起こっている。そういう現象でございまして、これが深部、深いほうにいきますと、やはりPCPを含みました泥土等の堆積が薄い、そういうようなこともありまして、深部のほうは、そう被害が及ばなかったのじゃないかということが考えられるわけでございます。深いところの成員が生存し、そういうようなその後のPCPの泥土が除かれたあとにおきまして、これが産卵し、また繁殖をした、そういうような事実が考えられるのじゃないかと、こういうふうにわれわれは考えておる次第でございます。
 なお、福岡県の有海の水産試験場にも紹介いたしておりますが、まだ十分な資料が私のほうに届いておりませんので的確に申し上げることができないかと存じますが、そういった比較的深いほうの成員が繁殖をしておる、こういうふうに考えて、おります。
 それから、有明関係の被害でございますが、これは主として貝類でございますが、魚類も一部含んでおりますが、県から報告されておるものは、福岡県におきましては、被害額が五億六千二百七十万円、それから佐賀県におきましては六億五千四百四十万円、それから長崎県におきましては一億一千二百万円、それから熊本県は、これは有明海のみならず不知火海、それから内水面関係も含めまして七億四百万円、そういうふうに県から報告されております。
 これが大部分PCPによるというふうにわれわれは考えておりますが、その中にはやはり異常出水によりまする海水の汚濁、あるいは泥土、そういったものによる面も多少は含まれておるとわれわれは考えております。
#86
○藤野繁雄君 今のは、届けてある額が二十四億円になりますか。
#87
○政府委員(庄野五一郎君) それから大分県等は、内水面でございますが、七億円でございます。そういったもののほかに三十三県内水面その他を含めまして、PCPによると推定されまする被害報告がきております。そういうものを含めまして、二十六億、こういう数字の被害報告が県から参っております。
#88
○藤野繁雄君 政府の資料によれば二十六億のうちに、琵琶湖と有明海が二十四億となっておるが、今あなたのおっしゃったのは二十四億になりますかと尋ねておる、なると言えば、それでいいのです。
#89
○政府委員(庄野五一郎君) ただいま申し上げたとおり、二十六億は全国でございます。それで、このほかに滋賀県が約四億二千万円、そういうものがございますので、有明関係は二十億程度ということで二十四億ということに相なっております。
#90
○藤野繁雄君 その被害を受けたところの魚介類の種類別はわかりますね。どこの県が幾ら幾らということだから、どういうふうな種類のものが被害を受けたか、県別に被害を受けた魚介類の種別をひとつお示し願います。
#91
○政府委員(庄野五一郎君) 有明海におきましては、主としてアサリ、こういうふうに報告されております。
#92
○藤野繁雄君 次は衆議院の農林水産委員会では、昨年の八月二十九日に、有明海等におけるPCPによる漁業被害対策に関する件というものを決議しているのであります。それを見ますというと、こういうふうになっている。
  去る七月の豪雨に伴い、有明海、 琵琶湖等に発生した水田除草剤PC P等による漁業被害は極めて甚大で あって関係漁業者の窮状はまことに 深刻なものがある。よって政府は、 すみやかに左記の対策を講じ被害漁 業者の救済措置にいかんなきを期す べきである。
    記
 一、被害漁場の復旧事業について高  率の補助を行なうこと。
 二、漁業の再生産を確保するため、  稚魚、稚貝、種苗等の購入代につ  いて助成すること。
 三、被害漁民並びに関連企業に対す  る税の減免及びその補てんの措置  についていかんなきを期するこ
  と。
 こういうような決議をされておるのでありますが、政府は、右決議に対していかなる措置を講じたのであるか、県別に、各項別に具体的に承りたいと思うのであります。
#93
○政府委員(庄野五一郎君) 昨年の六、七月の豪雨に伴いまするPCPの被害が、御指摘のように非常に甚大でございましたので、政府といたしましては、漁場復旧事業といたしまして、国費総額六千三百十四万四千円、これは福岡県に対しまして千五百五十六万九千円、佐賀県に対しまして千八百二十五万六千円、長崎県に対しまして六百四十九万九千円、熊本県に対しまして二千六百九十一万円、こういう補助を交付いたしております。漁場復旧の国費は、三分の二負担でございまして、これにつきまして県費で三分の一を負担する、そういうことで、事業主体は市町村をしてこれを推し進める、この内容は、漁場を清掃耕転ずる、こういった内容に相なるわけでございます。これはおおむね昨年末程度で、事業が行なわれておる、こういうことに承知しております。
 それから第二点の貝類及び魚類の種苗の購入の補助でございますが、これにつきましては、まず、貝類の種苗購入の事業費の補助といたしまして総額一千五百四十五万三千円、これは有明海関係でございますが、福岡県は三百六十一万八千円、佐賀県に対しましては四百二万七千円、長崎県に対しまして二百五十万八千円、熊本県に対しまして五百三十万円、金額で千五百四十五万三千円、これが有明関係の魚類の種苗購入費の補助でございます。
 それから、滋賀県は御承知のように琵琶潮の魚類の被害が非常に甚大でございまして、それに対しまして、魚類の種苗購入事業といたしまして五百二十七万八千円、なお、熊本県は内水面等もございまして、百七十四万七千円、総額七百二万五千円、こういうものを魚類種苗購入補助といたして交付しておるのでございます。それから貝類につきましても国費二分の一――貝類のほうは、県費三分の一程度が負担されておると思いますが、魚類は、県費二分の一事業で県主体、それから貝類のほうは事業主体は協同組合主体、こういうことで事業をいたしております。なお、貝類につきまして国、県の負担の差は、市町村が負担する、こういうことにいたして、この分の事業も進めておるような次第でございます。
#94
○藤野繁雄君 それから融資は、
#95
○政府委員(庄野五一郎君) PCPによる被害につきまして、融資を天災法によっていたしたわけでございます。これにつきまして、滋賀県とそれから福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、こういうPCP関係につきまして二億四千六百二十五万円、こういうものを天災融資法によりまして融資いたした次第でございます。なお税金の点でございますが、所得税の問題と地方税の問題があろうと思うわけでございますが、所得税のほうは収入が皆無、こういうような状態でございまして、これに対して問題はなかったかと思います。で、むしろ地方税について負担が多いわけでございますが、この点につきましては、このPCP対策として、被害関係県の者を集めまして、再々打ち合わせ、対策の協議をやったわけでございますが、その際、県によく連絡をして、地方税の負担がかからないというような指示をいたしましたので、こういう点も、その後、問題はないように承知しております。
#96
○藤野繁雄君 次は、今度は法律に参りますが、法律の第三条第二項の農林大臣が定めて告示する基準、こういうようなことが書いてあるのでございますが、どういうような基準であるのか、その基準を承りたいと思うのであります。
#97
○政府委員(齋藤誠君) 今回の改正によりまして、従来農薬登録にあたりまして、人畜に害があるということについての考慮を払って登録に際しましては留意いたしたわけでございますが、今回の改正によりまして、農薬使用に伴いまして水産動植物に対しましても、毒性があるものにつきましては、登録に際しまして考慮をいたすということにいたしまして、今御指摘になりました第三条の第四号を新しくつけ加えまして、第四号におきまして特別の魚害の著しく認められるものにつきましては、これは登録の際に登録しないという一つの基準を設けたわけでございます。
 そこで、その具体的な基準――四号におきましては、一般的に「水産動植物に対する毒性の強き及びその毒性の相当日数にわたる持続性から見て、多くの場合、その使用に伴うと認められる水産動植物の被害が発生し、かつ、その被害が著しいものとなるおそれがあるとき。」と規定いたしておりますので、これを具体的に、どのような判断でいたすかということにつきまして、第二項で、その基準を書くということにいたしたわけでございます。
 そこで、この基準に現在書くことを想定いたしておりますのは、毎性の強さ、それから毒性が相当期間持続するということによりまして、被害の程度も違って参りますので、強さ並びにその持続性についての基準をきめたいと考えておるわけでございますが、これらにつきましては、農薬の種類によって、どのような程度にするか、農薬審議会に諮りまして、専門家の意見も聴取いたしまして、この基準をきめたい、こう考えているわけでございます。
#98
○藤野繁雄君 そうすると、まだ基準は明らかでないということになってきますですね。
 その次は、第十二条の二の第三項、これによれば都道府県知事は、有効適切であると認めるときは必要な指導その他の援助を行なうことができる、こう書いてあるのでありますが、「有効適切」とは、どういうふうなものであるか、これを具体的にお伺いいたしたいということが一つ。また「必要な指導その他の援助を行なう」ということになっているのであるが、これ声具体的に承りたいと思うのであります。
#99
○政府委員(齋藤誠君) 今回の使用規制の方法といたしまして、この農薬そのものに伴う水産動植物に対する害を最少限度にとどめるという方法といたしまして、農薬のものに即して規定するという考え方は、第一におきましては、登録の際に考慮するということにいたしておりますけれども、使用の状態におきましては、これは何と申しましても、地域的に農業者の利害、あるいはその使用に伴なって影響を受けるであろう他の産業との利害の調整というふうな観点における問題が非常に大きいわけでございます。
 そこで、この使用規制の問題も、この規定に新しく設けられましたように、できるだけ、本来ならば、PCPそのもの、あるいは魚毒のおそれのある農薬を使用しないことが一番望ましいわけでありますけれども、現在の使用状況から見ますと、なかなか一律にも、そう行きかねる。しかも、その使用の状態が、直接因果関係を持ってAの人間が使ったものがBの漁業者に被害を与えると、こういうような性質のものでなくて、むしろ一定の地域で、相当広範囲にまとまって使われたという結果によって、その量的な重なり合いに伴なって、しかも、それが災害だとか、あるいは地形の条件というようなことと相重なり合った場合において、相当な被害が出てくるというようなことが、今日まで、生じた主要な被害の態様をなしているわけでございます。
 そこでわれわれとしては、ものに即しての規制方法を登録の際に考えると同時に、その使用の実態においては、そのような、今申し上げた実態に即する規制方法をとることが一番望ましかろう、こういう考え方をとりまして、その地方に力きます関係のある農業者、あるいは漁業団体との間において、できるだけ自主的な解決方法をとることが適切であろう。ある農薬を使用する場合におきましても、年中使うというわけではなくて、一定の期間があり、また、これを予知して漁業の側におきます対策も考えられるわけでございます。そこで、使用の時期であるとか、あるいは使用の方法であるとかといったようなことにつきまして、両団体におきまして、いつからいつまで農薬を使用する、あるいは一定の地域については、新しい農薬を使うことによって、PCPはやめる、こういうようなことが両団体におきまして自主的に十分励行できる、こういうことが知事におきまして判断されました場合におきましては適切有効であろうと、こう知事が判断しました場合には、そういう方法をとったらどうだろう、こういうことを考えているわけでございます。
 で、そういう際におきましても、都道府県知事といたしましては、最終的にはPCP使用に伴う、あるいは魚毒性の強い農薬の使用に伴う被害の規制をするという必要がございますので、そういう措置をとる際に、たとえば県がその間に立って仲介の労をとる場合もありましょうし、あるいはそれを裏打ちするような行政指導をするような場合もありましょうし、さらにまた、場合によったら、府県はそれを奨励的な措置も加えて、励行をはかるという方法もあろうと考えるわけでございますが、ここはいかなる指導援助をするかという具体的な内容についての御指摘でございますが、法文としては、つまり自主的な規制については、まず第一段階において、府県が指導、援助をする建前で、ここに書いておる。こういうことでございまして、その自主的規制措置が行なわれない場合においては、府県みずからが規則を持って使用規制を行なう、こういう建前をここで明らかにした。こう御了解願いたいと思います。
#100
○藤野繁雄君 政府の出した資料によれば、農薬使用指導に伴う予算というものがあります。その総予算は三千三百八十万九千円です。それから魚毒対策モデル地区設置費補助百八十七万円、PCP使用規制地域設定調査費補助金が九十一万円、こういうふうに貧弱な予算なんです。さっきも局長が話したように、局長の話のようなことをやるとしたならば、このくらいの予算で何がやられるか、ほとんど大地に一滴の水を流したくらいの予算ではないか、一体これでどういうふうな農薬の被害の防止をすることができるとお考えであるか、これをお伺いしたいのであります。
#101
○政府委員(齋藤誠君) 農薬の問題は、ある意味におきまして、毒薬あるいは激薬の性質を持っておる農薬であります以上、当然、また毒性も持っているわけでございます。まあそういうことで、農薬の安全使用ということにつきましては、ここ最近、数カ年におきまして、農政局といたしましては、ずいぶんと実は留意して指導に努めて参ったわけでございます。予算措置は伴いませんけれども、農林省、厚生省一体となりまして、毎年農薬安全指導連動というものをいたしておるわけでございます。そういうことで、何よりも農民みずからがこの農薬の持つ性質、それから、それに伴って……。
#102
○藤野繁雄君 時間がないから、簡単に答弁しなさい。
#103
○政府委員(齋藤誠君) 知識を普及するということが大事でございますので、もう相当程度、農民自身としては農薬の安全使用ということについては、徹底していると、まあ考えられるわけでございますので、そこで今回新しくつけ加えたのが、農薬安全使用対策の全貌であると、こうむしろ御理解願わないで、これは、この法律の施行に伴いまして、特別に特に被害の発生のおそれのある地域につきましての対策費を計上いたしたわけでございますので、従来の行政指導とあわせて、このような措置をとることによりまして、われわれとしては十全を期することができるのではないか、こう思っておるわけでございます。
#104
○藤野繁雄君 次は同じ第三項の区域及び期間を限り、都道府県知事の許可を受けて使用の許可をやる、しかし昨年の豪雨も、これは予測しなかった天災なんです。それだから区域及び期間を都道府県知事が指定してでも、天災であったならば、いかんともすることができない。そういうふうな関係のところを、天災と、この期間との関係は、どういうふうに考えておられるのか。
#105
○政府委員(齋藤誠君) まさに御指摘のとおり、従来、きわめて強い行政指導でやって参ったわけでございますけれども、どうも天災その他災害に伴って被害が発生するというのが常態でございまして、いわば行政能力をこえるところから、被害の発生のおそれがある。そこで今回は、そのような事態に対しまして、そういう事態を予想いたしまして、期間、あるいは地域を限りましては、新しい農薬を使用させようということにいたしまして、つまりいかなる事態がこようとも、魚毒性のきわめて低い農薬を使用させることによりまして規制をはかって参りたい、かように考えておるわけでございます。
 つけ加えて申し上げますと、従来PCPにかわるべき農薬がなかったということも、使用規制ができなかった一つの理由であったわけでございますが、昨年来、われわれといたしましては、鋭意この面に努力いたしまして、PCP以上の効果のある除草剤を新しく登録いたしたわけでございまして、その農薬によりまして、今後は、このような事態においては普及をはかって参りますと同時に、それによって、魚害の発生を防止して参りたいと、こう考えておるわけでございます。
#106
○藤野繁雄君 時間がないから途中は飛ばしてしまいますが、政府はPCPにかわるべき新しい農薬を見つけ出した、こういうふうなことであるのでありますが、その新しいところの除草剤は、従来の実績からすれば、第一年度は基礎の試験をやり、第二年度は応用の試験をやり、第三年度は、ほんとうの農場に対する試験をやって、これで安全確実だと認めた場合においてのみ登録をやっているのじゃないかと思っておる。しかるに、さっき局長の答弁のように、PCPは抜き取り検査をした場合においては、全部が不合格であると一これは検査の当時はよかったのだけれども、あとで悪くなったのだというようなことであったらば、新しいところの薬も同様なんです。それであるから、従来の例を破って、今回実際の農場の応用試験、実用試験をやらずして、これを登録して、そしてそれに対する登害があるというようなことだったならば、政府が責任を持たなくちゃできないというようなことになってくるが、そういうふうな今回新しい農薬を除草剤の登録せられるところの理由、これをお伺いしたいと思うのであります。
#107
○政府委員(齋藤誠君) 今回PCPにかわって、魚毒性の除草剤といたしまして、四種の除草剤を登録し、これを普及するということにいたしたわけでございますが、御指摘のように、従来大体三カ年間の試験研究の結果に基づいて登録するかどうかというようなことにいたしておったことは、御指摘のとおりでございます。われわれといたしましても、その点については、十分なる留意を払ったわけでございますが、中には、すでに三年をたったものもあり、中には二年程度で終わったものもございますけれども、しかし問題が問題でございますので、この点につきましては、昨年以来数回にわたりまして、中央の試験場、それから各都道府県の試験場等の試験成績をもとにいたしまして、最終的に結論といたしましてだいじょうぶである、こういう結果、農林省といたしましては、これを省議で決定いたし、登録するということにいたしたわけでございます。
 したがいまして、今の御質問でございますが、われわれといたしましては、その結果に基づいて、この農薬自身については、試験の結果想定いたしておりまする適正な使用基準が守られる限りにおいては、十分な効果を発揮するものである、こう確信をいたしておるわけでございます。
#108
○藤野繁雄君 PCPと、それならば、新農薬との除草に対する効果の点、価格の点について御説明をお願いします。
#109
○政府委員(齋藤誠君) 詳しくは担当の防疫課長から申し上げることにいたしまして、私から価格の点につきまして申し上げておきますと、現在PCPの建値が大体三百七十五円ということになっておるようでございます。これは反当三キログラムで使用した場合のものでございますが、今後予想いたしております除草剤といたしましては、MCPCA粒剤、それから、DBN水和剤、それからFW九二五粒剤――これはニップといっておりますが、ニップ粒剤、それからDCPA乳剤という、この四種類の除草剤を一応登録の対象にいたしたわけでございます。一番今後普及を予定いたしておりますのは、冒頭に申し上げたMCPCAを予定いたしておりまして、この供給量といたしましては、十万ヘクタールぐらいが、このMCPCAでまかなうことになるように計画をいたしております。
 そこでMCPCAでございますが、これは一応使用の基準といたしましては、反当使用料二キロないし三キログラム、そうしますと、砂壌土であれば二キロぐらい、埴壌土であれば三キロぐらいが一応の基準になておるようでございます。そこでこの建値で申しますと、二キロの場合は二百六十円、三キロの場合は三百九十円というのが現在の建値になっておるわけでございます。
 しかし、われわれといたしましては、できるだけ当初の段階におきましては、奨励的の意味もありますので、業界におきましても、当初の段階においてMCPCAの普及に努力するようにということをたびたび申しておりまして、業界におきましても、さらに建値から十五円程度の値引きをして出したいというようなことを申しておるわけでございます。
 なお若干、弁解じみたようなことになりますけれども、MCPCAとPCPについては、単純にPCPに置きかわる除草剤というよりも、いわば新農薬という性格を持っておりまして、MCPCAについては、PCPによって駆除できなかった多年性の雑草、つまりPCPで駆除の対象になっておりまするヒエ以上に、それ以上の多年性のたとえばマツバイだとかいったような雑草等も駆除できるというような性能を持っておるようでございますが、そういうことを勘案いたしまして、大体これは、PCPとほぼ実質的には同値段で普及できるのではないか、こう考えております。
 それからその次のニップでございますが……。
#110
○藤野繁雄君 いや、それはもういい。
#111
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#112
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。
#113
○藤野繁雄君 それじゃいよいよ結論になりますが、今までの水産庁の報告によって見ますというと、昨年の豪雨によるPCPの被害に対しては、政府に五県に対して八千五百六十二万円以上の支出をやっているのであります。また五県のほかに、愛知、愛媛を含めてでありますが、融資が三億七百四十五万円を融資しているのであります。今、局長のお話によってみまするというと、新薬とPCPとの価格の差がないと、こういうふうなことであるのでありますが、私らの手元の知事からの電報その他によって見ますというと、価格差が百円以上ある、そして各県知事は、この価格の差を補給するために、県で予算を組んで補助金を出そうとしておるのであります。それで、もしも価格の差がないということだったらば幸いだけれもど、価格の差があるというようなことになったらば、一体、これをどうするか。一方のほうの漁業者に対しては、政府は厚い涙金を出し、農民に対しては出さない考えであるかどうか。また、さっきも申し上げたように、PCPであってでも、検査してみて不合格のものがある。新しいものは、ただ単に二カ年間試験しただけで、これで大丈夫だとお話になるが、大丈夫でなかった場合においては、どうするか、こういうふうな問題が起こってくるのであります。
 それで、一括して質問しますから、御答弁をお願いしたいのでありますが、もし価格差があり、しこうして各県が、これを補給するというようなことであったらば、一体、それはどうされる考えであるか、農業者と漁業者と区別して、差別待遇される考えであるかどうか、これをお伺いしたいのであります。
#114
○政府委員(齋藤誠君) 先ほど申し上げましたように、両農薬の建値だけ比較する限りにおきましては、大体同値で、そこに差額がないと考えております。
 ただ御承知のように、今お言葉の中にもありましたが、最近のPCP生産が、やや過剰ぎみだというような傾向もございまして、実は相当の乱売みたいな現象が一時起こっておるやに聞いておるわけでございます。したがって、業界の実際の乱売が行なわれた場合を対象にわれわれといたしましては、なかなか行政上の扱いとしてはむずかしいわけでございます。そこで建値としては、行政指導として差額がないようにということで、今日まで指導して参ったわけでございますが、なお、お話のような実際の面におきまするいろいろの食い違いが出てきました場合に備えまして、われわれといたしましては、各府県にも、そのようなことに対する援助をお願いするし、また業界に対し、あるいは流通段階の扱いにつきましても、できるだけその間の被害がないようにと、こういう考え方で指導に当たって参りたいと考えておる次第でございます。委員長の注意によって、これで打ち切ります。
#115
○井川伊平君 今の御質問に関連してでありますが、農薬の魚介海草類に毒になる部分を化学的に中和せしめる方法はあるかないか、その点についての研究はどうなっておるか。それから化学的にはあるとしても実際上それが行なわるるに至らないのは、こういう事情があるということがありますれば、そういうことを御説明願いたい。
#116
○説明員(石倉秀次君) お答えいたします。ただいまの毒性に対する中和の問題でございますが、これは農薬の種類によりまして、できそうなものもございます。PCPの場合には、魚介類に対する毒性を除去するように中和いたしますと、おそらく除草効果もなくなってしまうということでございますので、PCPについては適用できかねるという考え方かと存じます。
#117
○井川伊平君 そうしますと、農薬のうち、化学的操作によって中和ができるものがあるというのでありますが、そういうものは実施に持っていくという、そういうお考えがあるんですか、実施に持っていくという考え方はなくて、ただ化学的に、そういうことができるというだけのことですか。
#118
○説明員(石倉秀次君) 魚介類に対しては、これまでにやった事例はございませんし、今後も魚介類に対する毒性のある農薬については、むずかしい点が多かろうと存じます。ただ、人畜になりますると、たとえば有機燐剤に対するパムという解毒剤があります。これで中毒を救うという問題がございます。それから、また、農産物についております農薬が消費者の口から入って危害といいますか、健康上よろしくないというような場合に、農薬を分解したり、あるいは除去したりということは、海外ではすでに行なわれております。一部、日本の農薬についても行なわれているものがございます。
#119
○井川伊平君 私の考えからすれば、農薬を使いましたにしても、もう農薬が必要がなくなった段階にいたときに何かの装置をして、そこで、中和をせしめるということは可能なことであろうと存じますが、そういう点について、もう少し深く研究してみる必要があるんじゃないかと思いますが、そういう方面の御努力が足らんのじゃありませんか。たとえば魚介海草類については、かって研究したことがないようなお話でもありますがね、農薬として使う一定の段階を経れば、農薬として使う必要はなくなる、その段階におきまして、何かの適当な処置あるいは処理、そういう方法によりまして中和せしめるということは可能であるとすれば、そういう努力は、十分にしてみるべきだと思いますが、その御努力を、あまり入念にやっていないんじゃないですか。いかがですか。
#120
○説明員(石倉秀次君) 御指摘の点もございますが、大体、農薬は、自然界におきまして徐々に分解いたしまして毒性を失うものが多いのでございます。その分解して毒性を失う速度が、いろいろ化合物の種類によって違います。問題になっておりますPCPにつきましては、一日のうちに半分は分解してしまう。
 したがいまして、通常の状態でございますというと、四、五日たてば、まず毒性はなくなる。魚介類に対しまして、そういうようなことでございますので、PCPについて、しからばその毒性を一日か二日で解毒してしまうということになりまをと、今度は除草効果が出て参りません。PCPについてやります場合にはむずかしい。実用的でない場合があると思います。ただ、将来持続性の長い農薬が出て参りました場合には、そういう点について研究する必要があると思います。
#121
○井川伊平君 私しろうとですから、別に意見がましいことを申すのではありませんが、化学的に、そういう中和の状態が得られるなら、ほうっておいても二日なり四日なりで中和するのだ……。それをほうっておかないで、そこに何らかの措置をして中和をはかるということが可能であるとすれば、心配が一切なくなるのだから、そういう点について、十分今まで以上に研究してみる必要があるのじゃないかと考えたから申し上げたので、御参考にしていただきたいと、こう思うのです。
#122
○北條雋八君 今のに関連しましてちょっと伺いたいのですが、ただいま伺いますと、新薬ができたというお話でございますが、そうすると新薬を使わせるわけでございますか。PCPは禁止するわけですか。
#123
○政府委員(齋藤誠君) PCP以上の効果がある除草剤であると考えておりますので、できるだけそういう事態におきましては、新農薬を使わしていきたい、ただし、この使用方法によりまして、たとえばその土性が、非常な漏水田であるとかいったような使用条件に伴う制限のある地域もございますので、そういう地域につきましては新農薬を使わせるというわけにも参らないかと存じますが、その辺は、十分具体的な土地について、目下各県に使用の計画を立てさせております。それに基づいてやるようにいたしたいと、こう考えております。
#124
○北條雋八君 手持のPCPは、そうするとどういうことになりましようか。それん使わせないということになると、補償をしてやるというふうに……。
#125
○政府委員(齋藤誠君) これは現実問題でございますが、大体被害の発生するのは、田植時期におきまするPCPの使用でございますので、年間他の地域に、これを利用するという場合においては、何ら差しつかえない。特に畑にこれを利用する場合においては、何らの被害も起こらないわけでございますから、用途としては他の方法もあろう、現実に被害の発生のおそれのある田植時期を避ける方法をとれば、それでもいいんじゃなかろうか、こう思うわけでございます。
#126
○北條雋八君 そういうものを今度は規制をして、できるだけ新薬に切りかえていく、こういう方針をとられるわけですね。
#127
○政府委員(齋藤誠君) 適用地域に該当すればできるだけ、そういうふうに指導して参りたい、こう思っております。
#128
○北條雋八君 別に登録なんぞは取り消さないで、そのままにしておくわけですね。
#129
○政府委員(齋藤誠君) そのように考えております。
#130
○渡辺勘吉君 まず伺いたいのは、今度の法律改正で一番大事な点だけを、時間の制約がありますから、しぼって重複を避けて質問しす。
 第十二条の三項の「必要な指導その他の援助」このことですが、今まで質疑で明らかになったように、自主規制によって、一部農業者に代替薬品の使用を余儀なくされるという場合に、PCPからMCPCAというものに該当するわけですが、この場合、価格差があまりないようなお話があったのですが、これはもう少し、私も時間を持って伺いますが、一応、そういう価格差があった場合、そういう措置によって出た不利益を補償するという意味まで、この援助というものが、あるいは薬害が生ずると、試験がきわめて不十分であった、しかし認可をしているというような場合、いろいろあるわけですが、そういう価格差なり、あるいは薬害等の補償的措置まで、この援助というものが内容として含まれるものかどうか、この点のまず、解釈をお伺いいたしたいと思います。
#131
○政府委員(齋藤誠君) 結論から申し上げますと、この規定自身については、それを排除するものではございません。ただ、先ほど藤野委員にお答えいたしましたように、この文章といたしましては、自主規制については、府県知事が指導援助しなさいよという建前をいう、そして自主規制ができない場合は、いきなり規則で使用規制をやりますよという建前を、この法律規定に書いたわけでございます。
 したがいまして、この指導援助という建前の中には、いろいろの事態にではないかと考えていますか、その点についてお伺いたいと思います。
#132
○渡辺勘吉君 今お尋ねしたことの意味が含まれておりますか。補償措置というものが現実に含まれておる内容ですか、どうですか。
#133
○政府委員(齋藤誠君) これは今申し上げたことをもう一度申しますと、建前と言っておりますし、内容としては、一種の訓示規定に近い性質のものでございます。したがって、今お話しになりましたようなことを、この法律の規定として排除するものではございませんけれども、当然、それをやるべきものであるというふうに義務的なものを、ここで表わしたものではございません。
#134
○渡辺勘吉君 それでは具体的にお伺いして、その訓示が、どれだけの内容を行政責任で持つかということをひとつ質問します。
 先ほど、あなたはPCPの値段と新薬であるMPCPというものとの比較で、あまり差がないという御答弁ですけれども、これは現実の取引を無視する答弁であって、現に反当PCPは三百円を見通しとしては三十八年度価格では、小売価格を立てておる。しかし、さらにこの三百円というものが、オーバー・プロダクション等によって、さらに十円ないし二十円値下げして農家の手に入るということも、ほぼ最近の市況からいって想像される。
 〔委員長退席、理事仲原善一君着席〕
 したがってPCPは、反当二百八十円で農家がこれを使うということが明らかに予見されるわけです。それがまず前提。そして今度新薬として売り出されるMCPCAは三百九十円、これはもう反当価格です。そういう比較をいたしますと、明らかにこれは百十円の開きがあって、PCPを農家に使わせないために与える不当の反利益というものは百十円というものが出ておる。そこでメーカーは値引きをするのじゃなくして、何か条件――奨励金というようなことで十五円をことしに限って、価格差の補償をする、また、農協系統としては、今のところ十五円程度をやはり補償しよう、それから県では二十円を補償しよう、合わせて五十円を一応捻出するような、これはメーカーに対して、行政庁もかなり干渉した結果、こういう措置が出たことを仄聞しているのですが、それでもなおかつ、六十円の不当な価格差というものが生じることが明らかである。そういう場合に、この十二条の訓示が、どれだけ政府として行政的にその農民のはなはだしくこうむる不利益を除去する措置を講ぜられるのか、これは政府みずからの財政援助もあるでしょうし、あるいは業者に対する措置もあるでしょうし、あるいは都道府県に対する措置もあるでしょう、町村当局に対する措置もあるでしょう、ひっくるめて、末端の農家、がこれだけの不利益をこうむることを除去する法律の精神を貫く意思がおありなのか、その訓示から、もっと現実的にこの問題に、どう対処されるかをお伺いいたしたい。
#135
○政府委員(齋藤誠君) なかなか手きびしい御質問で、私も頭が痛いわけでございますが、まあ今の市況がどのくらいに実勢推移するであろうかということにつきましては、三百円という説もあり、三百二十円という説もあり、あるいは二百九十円という説もありますが、いずれにいたしましても、われわれの一応の見通しというものは、これは明らかに採算を無視した価格ではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。
 で、本来の建前といたしましては、やはり薬でありますから、いいものは高く、悪いものは安いというのは、これは仕方がないわけでございまして、そういう意味から見れば、今回の新除草剤につきましては、成分としてPCPにまさるものである。また、一部の専門家の意見によりますれば、PCPの場合におきましては、十分なる多年性の雑草が除去できないけれども、今回のMCPCAの場合は、その効果もある。したがって、これも若干強弁したようなことになりますが、PCPのあとに、かりに雑草をも駆除するとすれば、さらにそれに加えて二・四IDを併用するということにもなって参るわけでございますが、MCPCAの場合においては、大体今の成分から見ますと、二・四−Dを併用する必要はなかろうというようなことも言われておるわけでございます。それから先ほど申し上げましたように、三百九十円というのは、三キログラムの建値でございますけれども、実際は砂壌土であれば二キロでよろしい、平均して二・五キロとすれば三百二十五円ということになるわけでございます。それから業界の協力も得まして、また、農業団体の協力も得まして、さらにまた、各府県の指導も依頼いたしまして、なお、実勢にできるだけ近くなるように、その間、そう大きな開きはないようにという現実的な処理については、私のほうでも十分今後努力をいたして参りたいと、こう考えておるわけであります。
 したがいまして、いろいろの面から見まして、形式的な比較ということでなしに、現実的な考慮を払って計算いたしました場合におきましては、そう大きな差はなろかうと、こう考えておりますし、またそのような処理の方法をできるだけ進めて参りたい、こう考えておるわけでございます。
 〔理事仲原善一君退席、委員長着席〕
#136
○渡辺勘吉君 値段の点で、もう一回質問しますが、現実に私の調べたデータでは、百十円の差がある、それに対して県が二十円、もう一回言いますよ、メーカーが十五円、全購連が農協を代表して十五−五十円だけを、あまりに大きな幅であるから出すと、しかし、まだ六十円の差がある、そういう場合に、これは私のデータが違った場合には、それでけっこうなわけですが、現実に非常に過剰生産で、ことしの見通しは、PCPは反当三百金の小売価格が、二百九十円ないし二百八十円に下がるという見通しがあるわけです。そういう場合には、百十円の反当で負担がかかる、それに五十円くらいの今進行している助成措置では、農家の負担は、きわめて迷惑なことになるので、そういうときには、もっと具体的に、どうされるかということを、もう一回この点をお伺いしておきたい。
#137
○政府委員(齋藤誠君) 今、お話になりました二百八、九十円という数字は、私はどうも了承いたしておらないわけでございまして、実は今日も、農業団体とお話をしましたのですが、大体の相場として三百円をこえるということはないであろうというふうな話でございまして……。
#138
○渡辺勘吉君 差があったら、どうしますかということなんです。
#139
○政府委員(齋藤誠君) そこで、今お話になりました――三キロと三キロの差をお話になったわけでございますが、今お話になりました数字は、大体そのような数字になろうかと思います。しかし、それは三キロと三キロの差を形式的に示されたわけでございますが、農家としては、実質的な経済計算をやって効果を見て、指導して、理解をしていただけば、納得いただけるわけではなかろうかと思っております。
#140
○渡辺勘吉君 それは非常に晦渋きわまる答弁であって、あなたはMCPCAや使えば、二・四−Dの散布は要らないとお答えになっておる。これは私は非常に大きな御意見であると思いますから、その点について、私もしろうとでありますから、専門的に、そのことを納得のいくように、内容的にひとつお答えを願いたい。この新薬であるMCPCAは、これは局長も御承知のように、PCPとともに、これは早期の水田の雑草除草剤であります。そうして、このMCPCAは御承知のようにMCPとオルソクロルアニリンとを縮合させたものでありますから、当然成分としては、これらの化合物であって、MCPともアニリンとも違った一つのこれは化合物でございますね。
 そういう点からいいますと、このMCPCAとも、またPCPとも、これは共通して早期水田の雑草除草剤である。そこでMCPとか、あるいは二・四−Dは、これは御承知のように後期の水田の雑草除草剤である。
 そこでこのMCPを早期除草に使用すれば薬害があるし、二・四−Dを早期に使えば、さらに薬害が激しいということも御承知のとおりであります。
 したがって、MCPCAとPCPは、後期除草には効果がないということが、試験結果で発表されておる。特にMCPCAも、あるいはPCPも後期あるいは中耕作業に、これを施用いたしますと、これは薬剤処理層が変わって、あるいは中耕作業をしなくても、入水その他の原因で、雑草が出てくるというデータも出ておる。これはMCPCAについては、その年のうちの収量には関係があるかないかは、まだ明確にデータが出ていない。
 で、後期除草をしないと、翌年には、かなりのこれは雑草の種子がふえることが明らかであるので、翌年度のためにも、このMCPCAを前期水田雑草除草剤として使った場合には、後期除草に二・四−Dの使用は必要であると考えられるというふうに、私は試験のデータを受けておるのであります。
 これを、あなたは二・四IDは、もうMCPCAを使うことによって必要がない。だから、同じ反当三キロの比較で百十円の差があっても、それらの二・四−Dの不必要な点から、経済効果からいっても、その価格差といもうのを考慮する必要がないというふうに強弁されることは、この試験のデータを故意に曲解して、その価格差や行政的にも、実質的にも農民の負担とするものでないと、これは強弁するものである。その点で、もっと試験研究のデータに忠実にお答え願いたい。
  〔委員長退席、理事仲原善一君
  着席〕
#141
○政府委員(齋藤誠君) 技術的な点につきましては、防疫課長からお答えすることにいたしまして、私の先ほど申し上げげましたのは、行政の一つの目安といたしましては、やはり採算を無視したような現実の市況ということではなくして、一応の建値というものはやはりありまして、PCP業界におきましても、建値の維持につきましては、やっているわけでございますので、そういう建値につきまして、MCPCAの価格について差はないということは申し上げたわけでございます。ただ、現実に差があることが生ずることは、御指摘のとおりでございまして、その場合におきましては、また御指摘がありましたような、県、業界、あるいは農協等におきまして、いろいろの奨励的な施設、奨励的な資金の供与については、これまた、いろいろと御努力を願っているわけであります。そういうことによって、できるだけ現実的な措置はいたして参りたい、こういうことを申し上げたわけでございます。
 技術的な点につきましては、担当の課長から御説明申し上げます。
#142
○説明員(石倉秀次君) 先ほどMCPCAを使用した場合、後期に二・四IDを使う必要があるか、ないかという御質問でございますが、MCPCAは、御承知のように、また、ただいま御指摘のありましたように、MCPとそれからお手元に差し上げてあります資料の中にございますDCPAの一つの成分でありますクロルアニライドをくっつけまして、そうして広葉の雑草と単子葉の雑草と、効果のあるように作用範囲を広めた除草剤でございます。それで御指摘の点は、このMCPCA、水田初期除草に使うのであるから、おそらく後期に出てくる広葉の雑草の防除に対して効果がないのではなかろうか、効果がないという試験成績があるという御指摘でございますが、全般的に申しますというと、私もPCPを使いまして、それから二週間なり、三週間あとに、いわゆる止め草のときに二・四−Dを散布するほど、初期にMCPAを使ったものが効果があると私は考えておりません。しかし、MCPCAはPCPよりかなり安定的成分でございまして、御承知と思いますけれども、水田の雑草は、水を入れてしばらくは窒息死しているのでございますけれども、それからあと十日ないし、しばらくしますというと出てくるわけでございます。しかもその間に、広葉の雑草あるいはマツバイ、カヤツリグサのように広葉ではございませんけれども、多年性の雑草の中で浅根性のものは、その場合に、当然MCPCAに触れるのでございまして、MCPCAの試験成績ごらんになりますと、おわかりのように、カヤツリグサあるい任マツバイというものに対しましては、PCP単剤よりも、はるかに抑制力が強いのでございます。問題は、コナギ、アブノメというように、後になって出てくるものに対しては、確かに二・四−Dをあとで、PCPとは別個にかけたときほどの効果は私もないと思っております。しかしMCPCAは、PCPよりも作用範囲が広いということも事実でございまして、持続性もあるということでございますから、総合点をつければ、やはりPCP単位よりも、除草効果の総合点は高いというのが、私の見解でございます。
#143
○渡辺勘吉君 この点については、先ほども藤野委員が取り上げた問題でございますが、従来ならば、それぞれの段階を経て、三年は十分に試験をして、四年に認めていくような経過の中に、確かにPCPの薬害等からいって急ぐことはわかるのでありますが、その試験の結果が十分に納得のできるものであるかどうか、その点をもう少し具体的にお伺いいたしますが、私の承っておる範囲では、佐賀県の試験のデータが、はっきりとPCP以上の効果があるということが、各般のデータの中から出されておるのでありますけれども、他の試験研究の成果は不勉強で、それだけのはっきりしたものが示されていないように理解するのですが、これは時間がございませんから。十分これを指定して、今後補償措置等がここで問題になるようなことが起こらぬようなそういうデータがあれば、それを後ほど私たち委員に納得する意味で、そのデータを配付をお願いいたしておきます。これは私回答は要りません。
 時間がありませんから、次の質問に移りますが、何と申しましても、新薬の場合は、最初その生産は少量でございますし、
 〔理事仲原善一君退席、委員長着席〕
また、投下された研究費も膨大にかかる、また、いろいろな売り出し当初のことでもあるから、宣伝費もかさむわけであります。しかも売り出し量は限定されておる、同時に、いろいろなメーカーがスタートを切るわけでありますから、競争もあるでありましょう。そういう場合にあたって、私は先ほどの一例をもってMCPCAの例を参考にして申し上げたのでありますが、何らかのこれは措置をとっていただかないと、そういう農家の不利益が出てくるわけでありますので、たとえば土壌線虫に対して、これは根拠が違いましょうけれども、五カ年にわたって継続して、政府ではその消費者価格の三分の一、県は六分の一、合わせて二分の一の価格補償をして、それぞれの土壌線虫の駆除に積極的な政府の措置を講じておるわけでありますので、限定された五県の問題ということで、そこまでこれを期待することは比較すべくもないと思いますけれども、何としても不当に不利益をこうむるということだけは、政治的にも行政的にも、これは見のがすことのできない問題でありますから、この点については特段の措置をお願いいたしておきたいと思います。それから、この指定農薬で見本と現物が違って市販されてこうむる損害があります。また、登録当時の有効成分が、現実に使用する段階で不良化をしておるという場合が出て参りまして、そのために農家がこうむる不利益というものがかなり過去の事例においても出ておるわけでありますが、それに対しては、どういう措置をおとりになっておられるのか、それらの実例等をお聞かせを願いたいと思います。
#144
○政府委員(齋藤誠君) そういうような事態に対しましては、先ほど御答弁申し上げましたように登録のときの申請のものと、その後の販売されたものとに差が、つまり表示と実際とに差があるといったような場合におきましては、法律の何条でありますかに基づきまして取り消しをすることにいたしておりまして、したがって行政措置としては取り消し、または販売停止の措置をとることにいたしております。現実に、それによって農家が被害をこうむる、損害をこうむるということになりますれば、これは明らかに民法上の損害補償の対象にもなるわけであろうと、こう考えるわけでありますが、実際問題といたしましては、大体、従来はそのような際に、会社と農家との間におきまする話し合いで解決がついておるようでございますが、必要な場合におきましては、行政庁もこれに関与するというようなことによりまして解決いたしておるわけでございます。
#145
○渡辺勘吉君 そういう場合に、今御答弁があった前段のケースでありますが、民事上の損害補償ということもあると法的にはおっしゃいますけれども、そのことは、きわめて農家にとっては迷惑なコースでありまして、訴訟費用をかけてまで追及するということは、結局負担がさらに過重になるわけで、何とかそういう場合に、単に登録を取り消すとか、販売を停止するという消費的な措置だけではなしに、その登録を認可した、そういう行政的な責任の立場からも、一方的な不当な不利益をこうむらした場合の補償というものは、もっと前向きに解決できるような、それは行政としての措置を、これまたお願いをいたしておきたいわけであります。それは質問というよりもお願いであります。現実に、そういう問題があるわけでありますから。
 それで、この法律の中に政令で定めると、第十二条の二の四項でありますが、その予定事項というものは、どういうことでありますか。
#146
○政府委員(齋藤誠君) 四項の許可の基準でございますが、大体の考え方といたしましては、被害の発生のおそれのあるような、大体の漁場を対象にいたしまして、その背後の集水区域が想定されるわけでございます。そこで先ほど第三条四号で登録の際におきまする毒性の強さあるいは持続性といったようなものから、ある程度の基準が出て参るわけでございますが、その集水区域におきまする河川の流水量、あるいはその当時におきまする降水量等から見まして、どの程度の使用量の場合において、どの程度の使用範囲であれば、大体規制すべき対象地域であろうかと、こういう想定をいたしまして、そうして、それに基づきまして、たとえば適用地域、新除草剤の適用地域には該当しないような土壌条件にあるような地域、たとえば先ほど申し上げましたような、きわめて漏水田であるとかいうようなところであるとか、あるいは河口に最も近いか、あるいは非常に離れているか、そういう自然的な条件を参酌するとかいったような、つまり使用にあたっての具体的な許可の順位、これらをこの許可の基準として考えて参りたいと思っておりまして、これも専門家、特に農薬審議会に諮りまして、大体の基準を作って参りたい。こう考えております。
#147
○渡辺勘吉君 それであると、二つだけお伺いして私の質問は終わります。
 冒頭に藤野委員が取り上げた問題の中で、国内で使われる農薬のうち、輸入に依存している原料、あるいは製品等、国内、準国内で供与しておるその割合は、どういうふうになっておるのですか。
#148
○政府委員(齋藤誠君) 先ほどの新除草剤のうちの最も広範囲に使用対象になっております。
#149
○渡辺勘吉君 除草剤でなくて、農薬全体でお伺いします。
#150
○説明員(石倉秀次君) 先般差し上げました資料で御承知のように、三十七年度の農薬の総生産額が三百三十八億になっておりますが、そのうち農薬の原体を外国から輸入いたしまして、それを国内で加工したもの、それから農薬の製品そのものを輸入したものをあわせますと、約二十五億程度でございます。そのほか農薬にはたくさんの外国特許がございますが、この外国特許によりまして作りましたものが約百三十億、両方あわせますと、現在使っておりますわが国の農薬の半分は、多かれ少なかれ外国の技術に依存しておる状況でございます。なお、この特許料として払っております金額が年間約三億でございます。農薬に関しまして、直接間接附に支払っております金額は約三十億とお考えになっていただいてけっこうかと思います。
#151
○渡辺勘吉君 そうしますと、今後これらの国内における農薬の技術なり、あるいは製造の整備強化をはかって、国内で自給できる方法等、あらゆる点で努力を払う必要があると思うのですが、それらに対する政府の施策というものは、どういうふうに対応されておるか。その点をお伺いいたしたいわけです。
#152
○政府委員(齋藤誠君) 今防疫課長から申し上げましたように、特許等におきまして外国に依存しておるところが非常に多いわけでございます。そこでわが国といたしましては、何よりも農薬の研究体制を早く確立することが必要である。外国の特許に依存しないでやって参る必要があろう。現在すでにある程度輸出されているものもあるわけでございますが、いずれにいたしましても、今後、農業につきましての研究体制を確立することが必要であろうということでございまして、この点は、昭和三十六年に日本学術会議におきましても、政府に農薬研究所の設置について勧告いたしておるわけでございます。
 農薬につきましては、ひとり農林省ばかりでなしに、あるいは科学技術庁であるとか、あるいは民間の研究機関であるとかいうようなところにも依存いたさなければならないわけでございまして、御承知のようにこの勧告に基づきまして、三十七年度には理化学研究所に農薬の研究室を新しく設置するとか、さらに本年度においても、引き続いて薬品等の研究室の増設をはかっておるようでございます。農林省としましても、三十八年からウイルスの研究所を設置するということで、設置法の改正を今国会にお願いいたしておるような次第でございますが、そのほかに、各大学等におきましても、特にこの上におきましての研究の施設、整備について、文部省とも相談して進めておるというのが現状でございます。
#153
○渡辺勘吉君 最後に、第十六条農業資材審議会についてお尋ねをいたしますが、第十条は、この審議会の聞かなければならぬ意見について、かなり大幅な改正をしておるわけです。したがってこの審議会の構成が、この政府の諮問機関として非常に大きな役割をになうわけでありますので、お尋ねいたしますのは、この審議会の新たにこの法改正に基づいて構成される構成員は一体どういうものか。従来の構成員から、これにこたえるためには思いを新たにして人員を刷新する必要もあろうかと思うのでありますが、その辺の、この審議会に対する政府の運営の考え方と、あわせてただいまの問題点のお答えを伺いたいと思います。
#154
○政府委員(齋藤誠君) 今回の改正によりまして、農薬関係の諮問事項、審議事項を特に審議会としてふやしまして、御指摘のように一そうその機能の強化をはかって参りたいと考えておるわけでございます。現在までのところ、この審議会の構成メンバーは、大体国の試験場、それから大学の、教授関係の大学の研究者、それから農薬関係の製造関係の代表、それから流通段階の代表をもって構成いたしておりますが、そのほかに、役所といたしましては厚生省が文部省が参加いたしております。なお、今後水産の動植物についてのいろいろの審議が関係いたしますので、現在も水産関係の専門家が入っておりますので、なお、今後の運営につきましてはそういうことも十分考えまして、審議会の構成については、新たな角度から十分検討してみたいと、こう考えております。
#155
○北條雋八君 私は、伺いたいことは大体皆さんから出ましたので、二、三伺いたいと思いますが、PCPを使用しております農家の数と、現在まで被害をこうむった漁家の数は、一体どのくらいになっておるのですか伺いたいと思います。
#156
○政府委員(齋藤誠君) お手元に配ってございますように、PCP除草剤の使用面積は約百万ヘクタールでございますが、戸数として調査いたしたものはございませんが、おそらく百万以上の戸数になるのじゃなかろうかというふうに考えます。
 それから漁業のほうの被害戸数でございますが、これは水産庁のほうから御答弁いたします。
#157
○政府委員(庄野五一郎君) 昨年のPCPの被害によりまして、沿岸の被害をこうむった漁家の数でございますが、大体七千四百戸程度に及んでおる、こういうふうに承知いたしております。有明海関係でございますが、七千四百戸程度と、こういうふうに見ております。
#158
○北條雋八君 琵琶湖のほか全部。
#159
○政府委員(庄野五一郎君) 滋賀県につきましては、魚類その他真珠がおもでございますが、ただいまのところ約二千戸程度、こういうふうに承知いたしております。
#160
○北條雋八君 次に十二条の二項にあります被害が発生したときに知事が農業団体、漁業団体及び学識経験者の意見を徴するということになっておりますが、これは常設の審議会みたいなものを作るのでございますか。「政令で定めるところにより」と書いてありますけれども、この政令の内容となる事項は、どういうことなのでございますか。
#161
○政府委員(齋藤誠君) これは常設の審議会というものを予定いたしてはおりません。しかし行政措置といたしましては、現在関係県に、それぞれこのような漁業者あるいは農業者の団体で学識経験者も入れた協議会等もございます。しかしあらためて、これについての審議会なり、協議会を設けるという常設のものをここでは予定いたしておるわけではございません。
 それから政令の内容といたしましては、広く農薬使用に関連いたしまして、その代表のある農業者の団体あるいは漁業に関する団体の性格を明らかにしたい。それから学識経験者なんかについての参加の数を規定して参りたい、こう思っておるわけであります。
#162
○北條雋八君 次に伺いますが、この法案では、おもにPCPだけを対象としておるように考えられる、と申しますのは、その対象が水田の稲作及び水産動植物というふうにうたってございまして、陸地の動植物に対しては全然対象となっていないように思うのでありますが、だんだん農薬が発達してくれば、単に水産の動植物ばかりでなしに一般の動植物、たとえば陸地におきましてはミツバチであるとか、あるいは野鳥であるとか、そういうものも対象となってくるのではないかと考えますが、その点について御意見を伺いたいと思います。
#163
○政府委員(齋藤誠君) この法律におきましては、ねらいとするところは、農家が安心して購入できるような農薬の品質を保持するということが目的でございます。したがいまして、農薬を使用することによりまして、たとえば水田の除草剤、除草効果を上げる、その結果、その水田におきまする従来、そこで利用しておりました水田養鯉とか、あるいはそれに伴ってドジョウとかタニシ、これがある程度被害を受けるのは、これはもうやむを得ないことであります。特に、いろいろの媒体になります昆虫がそれでなくなる。これは農薬を使用する農家にとりましては、水稲の生産を上げるというために農薬を使うわけでございますから、したがいまして、当該農家にとってみれば、水稲の生産を犠牲にしても農薬を使わないか、あるいは水稲の生産を上げるために、該当水田においては昆虫類等がある程度犠牲になってもやむを得ないか、そういう判断に基づいて、これをやる以外にはなかろうかと思うわけでございます。
 ただ、御指摘になりました点につきまして、たとえば今後、農薬の空中散布というようなことによりまして、その農薬が、たまたま風によって他の近辺の草地に流れ込む、その結果、ミツバチが被害を受けるというような場合も予想されないわけではございません。そこで、この法律におきましては、そういう際におきまする方法といたしまして、一つには、かりに航空機による農薬散布というような場合におきましては、大体防除業者が、これを担当いたしておりますので、十分、防除業者に対しては防除方法について指導し、あるいは必要な命令をするということを考えておるわけでございます。
 第二には、一般的に今回の改正によって追加いたした条文でございますが、農薬の使用にあたりましては、あるいは使用の時期を一般的に告示するとか、あるいは使用の場所、使用の方法あるいは使用に伴ういろいろの考えられる被害、これらを広く周知きせるようなことを都道府県知事としてやるような訓示規定を挿入いたしたわけでございます。したがって、広く農薬使用にあたりまして、そのようなおそれがあるような場合におきましては、水産動植物に限らず、一般的にはこの趣旨を体して、都道府県知事が指導に当たるようなことをわれわれは期待いたしておるわけでございます。
#164
○北條雋八君 そうしますと、将来を予想しまして、しいてここで、水産という字は入れないでも、ただ、動植物だけでもいいのじゃないですか。この点を伺っておきたい。
#165
○政府委員(齋藤誠君) 今までの法律といたしましては、直接それに伴って被害が予想される人畜について、登録の際には、この被害を配慮する、こういうことにいたしておったわけでございます。しかし、現実問題といたしましては、昨年来から農薬使用に伴う水産の被害というものが現実に起こって、これに対する措置を要望されておることにかんがみまして、このような措置をとったわけでございますが、一般的な今の昆虫あるいはそれ以外の動物に対して、大体は、今私の申し上げたような方法によりまして、また、この法律の登録の際における配慮によりまして、大体は防げるものではなかろうかと考えますけれども、非常にそれによって、どのような影響が出てくるか、今後の具体的なケースによりまして、また研究なりしていきたい、かように考えております。
#166
○梶原茂嘉君 ちょっと関連して、先年、東京の青物市場で売っている野菜に毒性のある農薬がついておったということで、一般消費者の方がショックを受けたという問題があったと思います。そのあと、やはりそういう面での検査をやっているのかどうか。一体、どうなっているのかということと、それから最近、御承知のように新しい洗剤がどんどん現れておって、夜のテレビを見ますと、野菜に農薬がついているということを毎晩のように放送されるわけです。テレビに出るわけです。一般の家庭では、ある程度不安なんですね。これは農林省の関係ではありませんけども、洗剤についても用途を誤ると、これは人間の健康に害ありということになって、農業に直接関係ないけれども、相当一般消費者の家庭では農薬とか、そういうものに対して、やや不安の念を持っていることは事実なんです。一般の今お話の水産の動植物とか、それから昆虫その他家畜、それも非常に問題でしょうけれども、人間自体の健康に非常に不安の念を持っているということは、これは非常に大事なことだと思うのです。
 それらについて何か、そういう心配が事実あるのか。テレビでやっているけれども、それは、事実そうじゃないのであって、心配がないのか。そういう点について、どういうふうな考え方を持っておられるか、この際、伺いたいと思います。
#167
○政府委員(齋藤誠君) 今の市場における農産物についての取締まりにつきましては、これは市場あるいは一般の販売店における取り締まりにつきましては、食品衛生法で、これを取り締まって十分毒物があるかないかというようなことについての取り締まりが行なわれておるわけでございます、建前といたしましては。御指摘の点は、農薬が農家の段階において、いろいろ使用されて、それが市場に出回わっている場合についての、そういう配慮をいたしているかどうかという御質問かと存じます。物によりましては、確かにリンゴだとか、あるいは野菜だとかいった生鮮食料品について、農薬を付着したままで即刻販売され、あるいはそれが食用に供されるという場合におきましては、そういうおそれもあり得るわけでございます。
 そこで農林省といたしましては、こういう生鮮食料品についての農薬使用につきましては、収獲前一定期間を必ずおくとかいうような撒布時期についての制限を一応きめまして、そして各改良普及員を通じて指導いたしておるわけでございまして、確かにその点につきまして、いわば法の取り締まりの谷間といいますか、そういった面もなきにしもあらずという感があるわけでございますが、しかし農林省としては、今お話になりましたようなことについて、十分前々から注意をいたしておりまして、今後とも実施を通じまして、生鮮食料品に対する農薬の使用にあたりましては、収穫前あるいは販売前における使用については、十分徹底して参りたい、こう思っておるわけでございます。
#168
○天田勝正君 ちょっと、関連。議運の理事会が始まっておりますので、関連して二点だけお伺いしてやめます。
 その一つは、この法律で登録の際の届出必要事項、それから表示義務、この二つがございますが、その「貯蔵上文は使用上の注意事項これは表示義務事項の中にも入っているわけすが、そこで、使用上の注意の中には、きわめて広い意味が含まれると思うのですが、しかし、その注意事項に記載されておっても、なおかつ人畜に被害があった。ことに人間の場合ですが、そういう場合に、それでは罰則のほうを見てみますと、一向、それに対する注意事項を守ったにもかかわらず人間に被害があったという場合に、何も罰則規定もなければ、あるいはそれに対する補償規定もない。こういうことは、何か水室動植物、農林魔物に対する毒性持続性、こういうものだけを規定しているけれども、人間の面の場合は、まことに配慮が少ないと思うのですが、これはどういうことで、そういうことになっているのですか。
#169
○政府委員(齋藤誠君) 農薬の中におきましては、毒物劇物、特に毒性の強い指定農薬、特定毒物につきましては、人畜特に人間に対する被害が起こらないようにということで、実は厚生省も毒物激物取締法というような法律がございまして、これに基づいて厳重な使用規定措置が講ぜられておるわけであります。法律体系としては、そちらのほうに使用規制のほうは対象になっておるわけでございます。
#170
○天田勝正君 いつでも私は、この種のことには質問するのですが、それは使用規制のことは、いろいろ規制はあるけれども、そこから起きた被害、これに対して、さっき渡辺委員もちょっと触れられたと思いますけれども、他の法律で裁判をもって争うような、そういうようなことは、いつでも困るとかねがね言っておる。そんな争いを裁判所に持ち出すようなことは、農民の中では良民にあらずなんです。その良民で口の少ない者も、自動的に当人が訴えなくても守るという措置を講じてもらわなければ困る。私の知る限りでは、毒物劇物ですが、そういうものの取り締まりにも、その売ったりなんかする者も取り締まる。しかし、それによって害を受けた者の保護というものは、法律の体系からしても、そういうものを目的としておらないのですよ。そうでしょう。だから、それは困る。今まではそうであっても、今度新しく法律を変えるという場合には、そういう親切な適を講じなければならない。いいことなんでありますから、新しい道を開いて何ら差し支えない。これはどうですか。それをやるつもりであるかどうか。おかしいですよ。それは。
#171
○政府委員(齋藤誠君) ちょっと御質問の要点が、的確にあるいは掴まれておらないかもしれませんが、今の毒物劇物取締法に基づきまして、今の販売業者、取扱い業者についての制限のほか、使用する場合における使用規制の方法まで一応規定するようになっておるわけでございます。ただ、毒物劇物取締法におきましても、それからまた農薬取締法におきましても、実は法律自身としては、品質保持をはかるという法律でありまして、その結果に基づいて起こった被害についての補償措置というものはないという前提で取締法ができておるという関係で、御指摘のような起こったあとにおける補償措置というものは、法益外はすべてなっておるわけであります。今後そういう問題について因果関係が明らかになれば、民法上の救済措置が講ぜられるでありましようけれども、その一つの考え方といたしまして、今回は両者の自主的な一つの規制措置という道を開いたのも、多少そういうようなことを含みといたしておるわけでございまして、まあだんだんこういう問題が起こりました場合に、一般的な公害に伴う救済措置はどうするかという点につきましては、今後研究すべき課題だと、こう考えております。
#172
○天田勝正君 時間がありませんから、これは続けてはやるつもりはありません。いずれにしても、これは行政府全体の問題でございまして、この法律だけで内閣の方針や伺うというわけにはいかない。局長としても荷が重い。ともかく必ずこういうものは、取締法でありまするから、それに焦点が合わしてございます、賠償のほうは民法でございますと、こうくる。他の法律の場合も、これは私は政務次官にも申し上げたはずなんです。ですから内閣全体として、そういう民法で争いを起こさなければだめだというようなことは、農家の人などはようやりません、やらぬのであります。そのことをいつもやるような者は、農村においては事ごのみのたぐいに入るのであって、そういうものでなくて、良民を守るというところにいつでも焦点を合わせてもらわなければ困る。民法々々と言わず、当該法律ができたら、その法律によって、その使用方法、注意事項、そういうものは守ったにもかかわらず、実は人間に害を及ぼしたのがあり得るのですから、現にそういう場合に、これは注文するのが少し大き過ぎる問題ですが、内閣全体として考えてもらいたい。これは要望しておきます。
 第二点ですが、これは法律のまた建前上、農林水産物に対する毒性とか持続性とか、そういうものに焦点が合わしてありますから、あまり人間のほうが出てこないのですけれども、たとえば、今までの農薬、あるいはこれからどんどん進んで参ります農薬、それを使用した場合に、今度は水産動植物にそれが吸収され、今度はそれを人間が食べる、こういう場合に、さっき渡辺委員の質問を聞いておりますと、注意はするようにできているんだ、こうおっしゃるけれども、それ自体は、そのときは注意はするでしょう。しかし、私は別のことを考えておる。私もしろうとですから、詳しいことを知りませんが、たとえばオーラミンなどは悪いということははっきりわかっておっても、決して製造業者は、売るに急にして、色をつけて売る。今度はローダミンに至ってはもっとひどいのだということは、医者で証明されておるのですね。ローダミンはこれはずっと着色するのですから、わずかの量であるけれども、これをつけて食べることによって肝臓障害が起きるということは、はっきりしているんですよ。胃腸を悪くするということじゃなくて、肝臓障害を起こすのですから、あと起きた被害というのは、はるかに大きいのですから、そのときにはちっともどこにも影響がない、当人にも自覚症状が起きないし、他から見ても、医者から見てもちょっとわからない、長く食べていることによって、体内蓄積ではないでしょうけれども、その刺激がすっと続いていくことによってか、何かえらい害があることは、はっきりなっているんですね。それと同じように動植物が吸収して、それを人間が食べる。その食べたときには別段外見上何の害もないだろうけれども、続けて食べた場合にはどうするか、たとえば放射能のごとく体内に蓄積していくということが、他の場合にあるのだから、農薬の場合もあり得る、あり得たところで、これは用いないわけに農業の立場からすればできない。どこかでこれを押えなければならぬ。こういう理屈に私はなってくると思うのですが、そういう研究を今までされているのかされていないのか。されていないとすれば、今後そういう研究をしなければならぬと思いますがいかがですか。
#173
○説明員(石倉秀次君) ただいま御指摘の点は、農作物の病害虫を防除するためにその農作物に農薬を撒布いたしますそのごく微量のものが農作物に残り、それが家畜の中に入り、あるいは直接人体に入る。そしてわれわれの健康をむしばむのではないかという今御指摘かと存じます。この点につきましては、農薬はわが国ばかりでなく、海外でも非常に問題になっておりまして、そして新しい農薬の原体が合成されますと、実験動物としましてネズミを使いまして、御承知のようにネズミの平均寿命が約二カ年間でございますから、二カ年間の給与試験をいたしまして、給与試験をいたしております間の成育、そのほかの生理観察を行ない、かつ給与試験が終わりましてから解剖して、病理組織に変化がないかどうかを見まして、そして大体どのくらいのところまでは大丈夫だという一つの線を出すわけです。御承知かと思いますが、いわゆる慢性毒性値という数値が出て参ります。この慢性毒性値のさらに十分の一を恕限量として規定する考え方がだんだん国際的になりました。現在アメリカでは一九四七年と私は記憶しておりますが、ミラーという上院議員が議員立法してミラー法という法律ができております。わが国では、これに当たるものはございませんが、御承知のように、食品衛生法の第何条ですか、私今思い起こせませんが、食品には別表に書いてあるもの以外のものがあってはいけないという規定になっておりますので、現行の法体系でございますと、食品衛生法で取り締まられる形になろうかと思うのであります。ただ現実には、わが国の気象条件と、それからアメリカの気象条件ともかなり違いますし、また使っております農薬の種類も違いますので、アメリカあるいは欧州の資料をそのまま日本に適用してやることについては、いろいろ議論があるようであります。私の農林省としましては、農薬検査所の中に生物課というのがございまして、この生物課で残留毒性の検査をやっております。このような資料が蓄積されますと、先ほど申しました収穫前撒布期間等も、いろいろな農薬について設定することができるかと存じます。
#174
○天田勝正君 もうこれでよしますが、つまり私どもが食品衛生法だけでは取り締まれない部分があるのですよ。たとえば水俣病というのは、別に食品衛生法上どうということであれは問題になったのじゃない、急激に被害が大きいですから社会問題として報ぜられたから、人が買わなくなったというだけなんです。食品衛生法であすこの貝や魚が売れなくなったのじゃないのです。それで、現実にあの病気にかかったら医者になおしようがない、病気になってしまってから取り締まったってあるいはまた民法でどうのと言ってみたところで、じゃあすこの工場から流れてきたかというのを、確実があるとかないとかいろいろ言われてどうにもならない、それが急激にきたからいいけれども、急激にこないで、さっきのローダミンのごとくちっとも自覚症状もなければ、人が見ても、ちょっと医者が見たくらいでは、わけがわからない。しかし長くそれを微量であるけれども、使用した場合に肝臓障害を起こすのだ、これもまた徐々にくるけれども、なおり得るというようなあれがない。ですから他の取締法あるいはこの法律そういうものだけに不備であるということは、これは明瞭にわかっておるということなんですよ。私の指摘したいのは、それを何か役所のほうで答弁すると、製造業者のいろいろ肩持ちをしているような聞え方をするのであって、そうでなく、結果がここに明らかなんだから、社会問題にならないうちに、あるいはまた、これが今さっきから言うように、農民それ自体に被害がある。こういう場合には、民法に頼るなんというようなことを言わないで、こういう新しいことが起きたのだから、法体系全体としてひとつ検討してほしい、再びこういうことが起きないように……。
#175
○牛田寛君 先ほどからいろいろとお伺いしたわけでありますが、このPCPの問題につきましては、漁業関係者と農業関係者と両方から反対の立場の陳情がたくさん参りました。先ほどの農林省当局のお話ですと、MCPCAという新しい薬ができた。その薬の効果はPCP以上である。また資料を拝見しますと、毒性はPCPの十万分の一ぐらいになるというわけでございますから、しろうとの私が考えましても、これならば、すぐPCPは禁止して、MCPCAに切りかえたならばこの問題は解決するのではないか、こう考えるのでありますが、先ほどのお話を伺っておりますと、その辺の方針がすこぶるあいまいなような気がするのでありますが、もう少し農林省当局として責任をもって方針を明らかにせられる必要があるのではないか、こう考えますが、その点についてお尋ねをいたします。
#176
○政府委員(齋藤誠君) お話のとおりごもっともな御意見かと存じますが、一面PCPそのものにつきましては、一般的には先ほど来申し上げましたように、通常の使用の場合においては、大体三日か四日で分解してしまって、ほとんど溶解して薬害が生じないという状態にあるわけでございます。そこで、除草効果もあるということで、百万町歩現在計画いたしておるのであります。ところが、それがたまたま災害であるとか、集中豪雨であるとか、そういう一時的な条件とか、また一定の地域において相当広範囲に使用されるということと相待って一つの被害現象が出てきておる、こういうことでありますので、われわれといたしましては、そのために全国をこれで禁止するということには至らないであろう。しかし、地域的にはそういう自然的条件と使用の状態から見て、被害の発生のおそれがあろうという場合については、使用規制の方法をとりたい。使用規制の方法としては、時期なり、場所なりを限定いたしまして、そこで規制措置をとると同時に、新しい農薬を普及させて参りたい、こういう考え方を基本としておるわけであります。
#177
○牛田寛君 現実に滋賀県の琵琶湖でございますね、それから有明海、そういうところでかなり大きな被害が出ておるわけであります。その方面の方々の話ですと、やはり毎年毎年被害を受けておるということでございますから、そういう地域においては、これはPCPは明らかに被害を及ぼしておる、こう考えるわけです。ですから、今のようなばく然としたお話でなくて、現実に問題が起こっておるわけであります。先ほどから新薬のお話ございましたが、ただその新薬が非常に効力がある、PCPに取りかわり得るという話だけでは問題の解決にはならない。そういう被害が実際に起こっておる地域に対して、じゃPCPを新薬に切りかえるのか、あるいはもう全面的にこの法律の条項に示されたように、都道府県知事にもう一任してしまうのか、そういう点が問題になると思う。この問題は、農薬という全国的な一つの農業の技術的なやり方、しかもこれも農業構造改善という考え方から出発した省力農業ということから、こういうふうな農薬も奨励されておるわけでありますから、当然これは政府としても責任がある問題だと思うのです。ですから、そういう現在起こっている具体的な問題が、はたして新薬で解決されるのか。これは局地的に当然行なわなければならないと思うのですが、そういう点について、この際農林省当局がある程度こういう方向でこの際はいくべきだ、現在ではまだたんぼが遊んでおりますから、そういう事件は起こらないかもしれませんけれども、これから田植えが行なわれれば当然また今のままでいきますと起こってくるわけであります。ですから、これからそのような時期になるまでに、当局としては局地的に現在問題が起こっておるそれぞれの場所について、どういう方向に持っていくお考えかということを、もう少し具体的に示していただかないと、農民も不安でありましょうし、漁民も不安である。特に漁民の場合は農民以上に生活がおびやかされておる状態でありますから、その点はもう少し責任のある態度をお示し願う必要があるのではないか、そのように私は思っておるのでありますからお伺いをするわけであります。
#178
○政府委員(齋藤誠君) ごもっともな御意見でありまして、私どももこの五月の田植時期までに方針を明らかにして参りたい。そのためにこの法案の提案をいたしたわけであります。したがいまして、現在のところこの法案が通過いたしました暁におきましては、大体被害の予想される地域というものは御指摘のとおりわかっておるわけでございますから、そういう地域に対しまして新しい農薬の普及計画、それに伴うPCPの使用規制計画等につきましては、すでにある程度の事前の協議をいたしておるわけでございまして、この法案に基づきまして急速に田植前までに対策をとって参りたい、こう考えておる次第であります。
#179
○堀本宜実君 私は先ほどの天田委員の質問について関連で一言だけ伺いたいと思ったのですが、その時期が得られなかったので、あらためて申し上げたいと存じますが、いろいろ各委員からお話がございますこれが人畜に及ぼす影響、あるいは動植物に及ぼす影響等の後遺的な処置をどのような方法でするかということについての議論が盛んに行なわれるのでございますが、私が最近経験しておることで例を引いて申し上げたいと存じますが、これら古い薬にもございまするし、新しい薬にはなおさらございますが、その薬が、つまり薬理原論とでも申しまするか、細胞にどういう影響を及ぼし、神経にはどういう影響を及ぼすのかという薬理の原論というものを、使う方も、また現場で指導する人も知らないのですね。現に今月の二十日ごろだと思いますが、香川県と高知県で農薬に関する薬理原論について講義をしてほしいという要求がございまして、講師を派遣した団体がございます。そういうふうに、ただ売ろうとする人たちの焦点が、これは冷血動物にはこの程度しかききません、こういう薬効がございます、温体動物には無害でございますというような、そうして売らんかなの態勢の宣伝にまかせておるところに、私はこの問題が紛糾するのだ、そういうふうに思います。そこで今度の法律によって、訓示規定であるいわゆる周知徹底という意味が含まれておるといわれるのでありますが、それは全く皮相なことであって、指導者がたとえばこの薬は食わせてもよろしゅうございますか、こういう質問を指導者、いわゆる普及負とでもいいますか、技術者あるいは技術者以外の人にでも、そういう質問をしたときには、何とお答えになりますか、どういうことで答えられるのかという問題がございます。またあるいは草でもたとえばパラチオンを先般やったんだ。それでこういうような気象条件であったんだが、これは家畜に影響いたしませんかという質問を受けたときに、何の根拠によってこれは無害でございます、有害でございますという判定をされるのかということなんですね。そういう薬理原論自体が、つまりそういうむずかしい解釈をすると、たいへん困難があるように思いますけれども、少なくとも限られた指導者にこの薬理の原論というものが生体細胞に及ぼす影響というものをこまかく教えておる。それは本が出ておるじゃないか、言うてあるじゃないかということは、あるいはまたそれがやがて民法によって解決すべきだというようなことは、私は邪道だと思う。その前に起こるべき問題を周知徹底して、少なくとも農林省は、そういうことが聞きたいという人がおって、そうして講習会や要望しておるので、そういう講習会に対して講師を送っている団体があるんですが、そういうことについてもっと親切に、やはりこういう時期になって新しい薬ができ、しかも人畜に及ぼす影響というものがきわめて激甚な当今ですよ。周知徹底ということに対してどういうふうに考えられるのか。先ほど天田さんの質問に対してお答えがございましたが、品質保持の立場で激毒物というものの管理監督をするんだ、こういうことではやはりいけないんであって、これはこういう場所だとか、ところだとか、気象条件だとかいうことによって、薬のつまり効力というものは、相当の差異が私はあると思うのです。ことに最近における空中防除というようなものが起こりまして、空中防除なんというものは、上からたとえば水銀剤を流す、あるいはパラチオンを流す、それは葉面だけにつくのかというとそうじゃないんですね、あの上についているプロペラの関係かもしれませんが、裏側についているいろいろな昆虫類があるいは害虫が枯死をするという原論から見ましても、それは最近における防除器具というものがいかなる作用をしておるかということにも波及して、これを私は、検討をする必要がある。しかも単なる言いふらしでなしに、寄ってきたる原因というものを科学的に究明し、それを知らしめるというところに周知徹底というものがなければならないのではないか、私はこう思うんですが、それに対する具体的な方策をどういうふうに立てておいでになるのか。たとえばその講習会を開いてくれというところは、私は全国津々浦々にわたっておると思う。県庁にそういうことはまかしておるのだということでなしに、少なくとも認可、許可があり、法律によってそれを使用せしめようとする段階に立っては、私は農林省としてもその責任の一半を負うべきではないかと思うのでございますが、それに対する明解な御回答をいただきたいと思います。
#180
○説明員(石倉秀次君) ただいまの御質問につきましてお答えを申し上げます。まず最初に農薬の、堀本先生が薬理原論といわれましたが、私のほうでは薬理作用ということでそれぞれ研究所等とも分担いたしまして研究いたしております。はなはだ残念なことに、薬理原論がわかってから農薬ができるという事例が非常に少のうございまして、むしろ農薬ができてきてからその薬理を追うというような状況でございますので、現状におきましてすべての農薬についてその作用機構がどうであるということがわかってないものがございます。しかし、最近だいぶわかって参りました。たとえばパラチオンを初めといたしましてきょう問題になっておりますPCPにつきまして、その作用機構はわかっております。
 ただ問題は、実際に農薬を使いまして防除効果を出すということになりますと、この作用機構のほかに、いわゆる生体的に農薬の作用機構の差を生かして使う方法があるわけでございます。PCPで例をとりますというと、このPCPは、おそらくすべての動物は大体百万分の十くらいPCPが入りますというと、相当な影響を受けるのであります。しかし、人間にしましてもあるいは雑草にしましても、ごく初期のものほどこの抵抗力が弱いため、水田にPCPを使用いたしました際、稲には薬害がないが、これから発芽しようというヒエの種は、この影響を受けて発芽しないというような使い方もございます。薬理作用がわかったからそれですべてのものが解決するというのでなく、非常に複雑な因果関係があるのでございます。しかも、そこに先ほど御指摘のように気象条件というようなものが加わりますというと、この間におきまして農薬の効果が左右されるのでございます。
 で、私のほうといたしましては、そのような点につきまして研究の済んだものは、私のほうの組織でと申しますか、行政の仕方で申しますというと、いろいろな通達も出しますし、また特に私の植物防疫裸が農薬の行政を担当しておりますけれども、毎年一月、二月に全国を七ブロックに分けまして、一ブロック三日間、毎年の事業を打ち合わせいたします際、農薬のただいま御指摘の使い方、あるいは危害の防止対策、新農薬についての注意事項等を徹底しておるつもりでございます。しかし、何せ対象になります農家の段階まで六百万という対象になりますし、なかなかそこまで浸透しません。反面、この売らんかなと申しますか、農薬業者の攻勢なPRにひかれ、ただ効果のみの面から農薬を使っておる点があるのでございます。したがいまして数年前から、農薬によります人畜の危害ばかりでなく、水産動植物に対する被害の防止という点に留意いたしまして、ここにもございますが、農薬危害防止必携、これは普及負向けに作ったものでございます。これは現場技術者を対象とした教育に努めているのでございます。ただ、力が足りない点もございまして、事故のある点は、私も重々承知いたしております。幸い三十八年度からは農薬の安全使用指導費という予算が、わずかでございますけれども、各県段階にも認められましたので、私たちのやります普及教育にしましても、従来よりは徹底を期し得るというように考えております。
#181
○森八三一君 すでに各委員から相当広範にわたっての質問がありましたので、努めて重複を避けましてお尋ねをいたします。
 この改正法の提案理由の説明に、水産動植物に有毒な農薬の使用に伴う被害を防止するためその使用を規制するということが冒頭にうたわれておる。いろいろな国際情勢等からいたしまして、非常に漁場が、残念ではありますが、狭められてきておる。さらに漁業に従事する人間の数が終戦後相当ふえてきておるというようなことから、沿岸漁業の振興という問題が非常に重要なことであることは申すまでもございません。でありますので、沿岸漁業振興に関する法律の提案を見ておるということでありました。今回のこの改正は、そういうような趣旨に従って沿岸漁民の諸君を守っていくということが当面のねらいであるというように見ておるのであります。といたしますると、その目的に沿うためには、ただ単にここに農薬の問題だけを取り上げたのではおかしいじゃないか。まだまだ広範に考えなければならんことがある。むしろ農薬よりも優先して考えなければならんことがたくさんございますにかかわらず、この国会にはそういう目的を示しながら農薬の問題だけを取り上げられたという理由が一体どこにあるのか、基本的にはまずその問題をお伺いいたします。
#182
○政府委員(齋藤誠君) お話しのように、だんだん農薬、あるいは煤煙、あるいはその他の公害に伴う災害の被害の問題については、いろいろ今後において発生すると思うわけでございますが、ともかくも昨年度おもなところでは、有明海あるいは琵琶湖におきまして、豪雨等と相待ってPCPによる魚害が発生いたした次第でございます。この現実に即しまして、一方においてPCPが普及され、他方においてこのような使用に伴う被害が発生したことに対して、農薬の面からも何らかの措置を講ずる必要がある、ただこういう認識だけに基づきまして、今回この法律の改正をいたしたわけでございます。したがって、御指摘のように、沿岸漁業全般についてのいろいろの公害の問題、あるいは農業につきましても、他の一般公害から来る問題、これらの問題についで、これで全部解決しよう、こういうふうに考えているつもりは毛頭ございません。
#183
○森八三一君 将来起きるであろう問題ではなくて、今私が基本的に申し上げたことについては、これは農政局長にお伺いすることではないと思いますけれども、すでにこの委員会でしばしば取り上げておる、そうして政府に善処を求めておる、政府も努力しようと言っていらっしゃるのに、問題が取り上げられておるにもかかわらず、その問題を不問に付してしまって、農薬の問題だけを取り上げておるという気持が私にはわからないのです。もっと具体的に申しますると、私が昨年の委員会で取り上げました問題にいたしましても、松島湾のカキの斃死に伴う問題がある、その問題については、科学的な調査に基づいた原因がまだはっきりいたしませんから、その原因を究明した上においてと、こういうことで今日に及んでおるのです。そこで具体的に申しますると、今度の農薬取締法の改正によって、今ねらっておるものは、各委員からもお話がございましたように、PCPなんですね、とりあえずは。そのPCPが加害者であるということについての科学的根拠がどこにあるのか、これをはっきりしてもらいたい。松島湾のカキの斃死の問題にしても、東北電力の火力発電所から流れてくる液にカキをつければすぐ死ぬのですよ、PCPにつければすぐ死にます。これははっきりしている。けれども、火力発電所の場合にはそのものにつければぴたり死にまするけれども、松島湾全体にそれが流れ込んだ場合には、それが加害者であるとは判明できないという、科学的根拠がないということで今日に及んでおる。PCPの場合には科学的根拠がありということであるならば、その科学的根拠を明確にしていただきたい、こういうことなんです。ただ薬そのものが激薬でありますから、被害があるということは私も知っておりますよ。それが河川を通じて海水の中に混入した場合に、科学的にそれが立証されるというデーターがございますれば、それをお示しいただきたい、こう思うのです。松島湾の問題も合わせてお答えをいただきたいのです。その後どうなっておるのか。
#184
○政府委員(庄野五一郎君) 昨年発生いたしました有明海及び琵琶湖の被害の問題でございますが、これにつきましては、昨年佐賀県の試験所におきまして、これは有明海でございますが、そういう調査をいたしまして、PCPの被害ということを確認いたした次第でございます。有明海では大体被害のおもなるものが出されてございますので、このアサリのPCPの安全濃度というものが、大体〇・〇一のPPM、こういった程度でございますが、これを当時の被害が起こりました直後におきまして、海水、または被害が起こりました海底の泥土等を取りまして測定いたしましたところ、大体ただいま申しました安全濃度を上回る〇・〇五から〇・二PPM、こういうPCPが検出されております。また琵琶湖につきましては、滋賀の県水産試験所で、やはりこれは魚類がおもだと思いますが、魚類関係の安全濃度、これはフナでございますが、大体〇・〇一から〇・〇二PPM、こういった程度が安全濃度でございますが、当時の被害が起こりました水域における水の検査で、これを上回る〇・〇四から〇・〇七PPMのPCPが検出されております。これはPCPによる被害、こういうことがはっきりいたした次第でございます。
 なお松島湾のカキの被害につきましては、一昨年から問題が起こっておりまして、これは東北の水研及び東北大学の先生等、県の水産試験所の方、こういったところで十分調査していただいております。これは、あそこの火力発電所の冷却水が流れ込む影響が非常に大きいのではないか、こういうこと問査をいたしたわけでございますが、海水温度の上昇といった面もはっきりこれが明確でない。ただ気象上の問題として、非常に海水が高温になった点、それからカキの産卵時にカキの生体が非常に生活機能が低下する、そういった時期、あるいはあそこら辺の都市艇水の汚染にもよるのではないか、そういった複合作用によるものではないか、こういうふうに考えられるわけですが、確たるあれはまだ確認されておりません。これにつきましては、沿岸漁業の振興といった対策等を、宮城県につきましても三十七年度から実施いたしまして、カキの漁場の改良、あるいは養殖場の転換、そういったことを検討し、こういった被害の回避に努めておるわけでございます。
#185
○森八三一君 そうしますと、松島湾の場合には、まだ科学的な根拠が明確にならない。だからその措置はとりかねるという状況であって、鋭意その原因の追求中であるというふうに理解をいたします。ところが、PCPの場合には、濃度の関係から明らかにPCPが加害者であるということを確認せられたという科学的な根拠に基づいたから、今回の措置をした、こういうように御説明を理解いたしますが、私も沿岸漁業が非常に難儀をいたしておりますから、漁民諸君を救済し、それに対する対策を親切に立ててやりたいという気持に変わりございませんけれども、昨年琵琶湖でこの問題が発生いたしまして、その当時私は非常に大きな問題で、おそらく全国的にこういう問題が波及するであろうということを心配いたしましたので、現地に参ってその事情を調査いたしましたところが、濃度のことは私はわかりませんけれども、県の水産課によって調査をいたしましても、県の漁連の諸君にお伺いをいたしましても、むしろ昨年琵琶湖におけるフナとかそういう魚族の水揚げ量はふえているのです。これは統計上、今ここに持っておりませんけれども、その直後にはっきりしたのです。ただ琵琶湖の中心地に施設されておりまする日本真珠養殖株式会社ですか、そこの真珠が死んだということは、これは事実として私も確認してきました。そういたしますると、これは常識論でございまするけれども、河川を通じて流れてきて、一番濃度の高かろと思われる何といいますか、淵というか沿岸というか、その地域に生息し繁殖しておる魚族は、むしろ豊産であって、液の濃度が希釈されてあるであろうと思われる中心地のほうに被害が発生しておる、こういう事実を見ると、必ずしも今お話しになったようにPCPが加害の元凶であるというように化学的な根拠に立って説明することが私はできない。むしろ別な原因があるのではないかという感じを持つのでありますが、そういうことまで詳しくお調べになっておるのかどうか。私は現地に行って調べてきたのですから、今ここに資料を持っておりませんけれども、そういう事実を確認しておる。そのことを一体どう御理解なさいますか。
#186
○政府委員(庄野五一郎君) これはただいま申し上げました滋賀県水産試験場の調査によるものでございまして、これは被害が起こりました直後に、そういった水質、泥土の試験をやったわけでございます。これが主たる原因だということをわれわれは報告を受けておるわけであります。ただ、当時といたしまして、非常な豪雨でございまして、豪雨等によりまして土砂なりあるいは水流に異変があり、そういった面で泥土、濁った水が流れ込む、そういうことで魚体なりあるいは貝類なりの生活機能が衰えておる、そういうときにまたPCPをやった、そういうことも考えられますが、当時といたしまして、やはり琵琶湖におきましても、魚類がそれから貝類なり真珠なり、あるいは有明海におきましても貝が斃死いたしたことは事実でございます。主たる原因はPCPと、こういうふうにわれわれは考えております。
#187
○森八三一君 ただ液の濃度の関係からだけで結論をお出しになっておるようですけれども、有明海の問題は、私は調査に行っておりませんからわかりませんが、少なくとも琵琶湖におきましては、非常にこういうような薬液に対して弱かろうと、私どもがしろうとで見ております魚族は、統計上一昨年と比べて昨年のほうが水揚量がふえておるのですね。そこで私はもちろんPCPが無害なものだというような乱暴なことを申し上げる意思はございません。ございませんが、むしろ原因は別にある。集中豪雨等によって散布した薬剤が一時に流出するということによって被害が発生するということであると、私は理解しておるのであります。だとしますと、ここでお伺いしなければならぬことは、十二条の第何項かによりまして自然条件等を勘案して、そうしてその使用の規制をするという措置が行なわれることになるわけでございますね。ところが集中豪雨が来るのか来ないのかわからないのですね。ことしは来るであろうという想定に立って禁止をしたということによって、これは非常な問題が起きると思うのですね。そういう場合には一体どうなさるのか、私はPCPそのものが無害とは申しません。それは非常に激薬である。けれども使用の時期が適正であれば、それは魚族に対して被害を与えない。琵琶湖の例によれば、昨年は集中豪雨であったにもかかわらず、非常に弱いと思われる魚が非常に量産しているという事実を見れば、むしろ規制の実際のやり方がむずかしい。そのむずかしいことを見通してやらなければならぬということなんですから、どういうように一体おやりになるのか。農林省はそれは知らぬよ、知事にまかせるのだから、知事が勝手にやるのだろうというような無責任な態度じゃ困る。どういう方法でその見通しをおやりになるのか、正常な年であれば、私は加害者というように断定はできぬと思う。異常な年に初めて加害者の状態になる。こういうことですから、その見通しをどうお立てになるのか。
#188
○政府委員(齋藤誠君) 十二条の二で新しく創定いたしました第一項は、大体PCPを現在指定する予定になっているわけでございます。そこでPCPの指定いたします理由といたしましては、今、水産庁長官から答弁があったような関係にあろう、こういうことでPCPそのものを指定農薬として指定する、こういう考え方をとっております。そこでその指定農薬をPCPといたしました場合に、二項において、今度どのような地域について、どのような使用規制方法をとるかということに相なるわけでございます。二項、三項がその内容を規定いたしているわけでございます。
 そこで今、御質問になりました自然的条件、特に集中豪雨というようなものについて、被害の発生が行なわれるのではなかろうか、つまりPCPそのものではなくして、他の要因と相重なって初めて被害が起こるのではないか。ついてはその自然的条件というものを予測できるのかどうか、こういう御質問かと存じます。有明海等につきましては、他の地域と比べまして最近数缶におきましては、毎年集中豪雨の現象を見ているわけでございまして、大体降雨量あるいは降雨の時期を統計的にとりますれば、稲作時期において、どのような降雨量があるかということは、これは統計的に明らかになるわけでございます。そこで被害の発生する漁場というものが、大体従来の被害の発生の状態から見まして押えられまするならば、そのあとにおけるその区域については、今申し上げたような過去の統計によりまして、この地方におきましては、降雨量が田植時期においてどのような量になるか、あるいはそれに伴って河川の流水量はどのくらいの量になるか、それに先ほど水産庁からお話がありましたような、かりに安全濃度が〇・〇一PPMであるというようなことがわかれば、大体河川におきまする安全濃度に伴う総使用可能量というものが出て参るわけでございます。そういうことを基準にいたしまして、知事の結局判断になるかと思いますが、使用規制措置をとるかどうかをそこで判断するということになろうかと思います。そこで今回の場合に、もしそれが明らかでありますならば、当然に法律的な規制措置をいきなりやるということも考えられますけれども、先ほど来申し上げましたように、従来のいろいろの経過もありまして、やはりこういうおそれのあるものに対しまして、一たん、天候が順調でありとせば被害はなかろうということだけではなしに、現に発生した事実もございますので、そのような事態を想定して、いやしくもそのような措置が、そのような被害の発生の状態がないように、できるだけ自主的な話し合いによって利害の調整をはか石という措置をとりましたのも、今申し上げたような事情を考えましてとったわけでございまして、それによってなお十分な規制措置ができないということでありました場合には、知事が規則をもって定める、こういう二段がまえにとったわけでございます。その辺はひとつ御洞察願いたいと考えます。
#189
○森八三一君 その自然的条件の見通しというのが、過去の統計でとおっしゃいまするけれども、ことしも、今度豪雪被害なんということは長期予報にも出ておらぬのに、たいへんな問題がまき起こったわけなんですね。最近はどうしたせいか非常に思わざる気象条件というものがまき起こっておるのですから、それはなかなか判定はむずかしいと思うのです。そうすると、自主的な規制と申しましても、なかなか農民諸君の主張というものと漁民諸君の主張というものとは一致しがたい場合が多かろう。そういたしますると、知事がその権限において規制措置を講ずるということにならざるを得ないと思うのですね。それによって農民側から見れば、非常な犠牲をしょわされたということになる。しかも、それがあとで気象条件が予測どおりにいかなくて順調にいった場合、何をやったのだという、こういう議論が起きてくると思うのですね。ですからそういう場合を考えますると、当面農民諸君が負うであろう犠牲に対しましては、それを補完してやるという親切がなければならぬと思うのですね。漁民諸君のほうにかげんがあってはいけませんから、それも助けてやらなければならぬ。といって一方の農民諸君のほうが経済的に負担だけをしっぱなしということでも、これは片手落ちですから、そういう場合にそれに対する補完的な援助をしてやるということが必要であると思うのです。それに対して渡辺委員から、結論だけ聞かしてくれというお話がありましたけれども、非常に回りくどい答弁がありましたが、頭の悪い私はちっともわからない。ずばりひとつお答え願いたい。そういうような不測な損害を与えた、あるいは現実にあなたはその薬の価格は変わらぬと、こうおっしゃっているけれども、変わらぬのはけっこうですよ。けっこうですけれども、もし新薬を使う、MCPCAを使うことによって現実にその負担がふえたということでありますれば、その負担のふえた部分だけはめんどうを見てやりますということぐらいおっしゃらなければ、この話は合いませんよ。そういう態度があれば自主規制というやつは、これは円満になごやかに進んでいくのですから、その辺の配慮というものは、法律を作る以上は当然な私は措置だと思うのです。政府は、知りません、それは県知事としかるべくおやりなさい、これじゃとても私は納得ができない。それで、知事がもし法律によって規則を作ってやったという結果、県単で何がしかの負担をしたという場合は、あとでそれを補完してやるという道をお考えになっておれば、現実に認可したり、補助金やります、こうおっしゃらなくても問題の解決になると思うのです。その辺はどう考えているのか、あくまで政府は知らぬ存ぜぬと訓示規定だけで、やらなければ仕方がなかったということであるのか、どうなんですか、一体そこは。自主的規制はいいですよ。話を合わすには、そういう援護がなければ話は合いませんよ。私は農民諸君も漁民諸君も両方とも守ってあげたいという気持に変わりございません。ですからこの措置が悪いというのじゃなくて、その措置を全からしめるには、政府のそういう思いやりのある措置が伴うことによって効果が発生すると思うのです。そこはどうなんですか。回りくどい答弁はやめて下さいよ。
#190
○政府委員(齋藤誠君) どうしても前段に申し上げなければならないのでありまして、率直に申し上げまして、おしかりを受けるかもわかりませんけれども、基本的な、農薬使用にあたりましては、やはりいかに安くても、また自分だけよければ他に迷惑を及ぼしてもいいのだという農薬の使用のあり方については、私はやはり農家にも御理解願いたいと思うわけであります。今まで使用規制の方法をとり得なかったゆえんのものは、これにかわるべき農薬が必ずしもなかったわけでございますので、そういう際におきましては、これは明らかに従来のPCPの使用慣行をないものに置きかえるということは酷であろうと、こう私は思うわけでございますけれども、しかしPCPにかわるそれ以上の効果のあるものがあってしかもそれを使うことによって、自分も益し、他人にも全然迷惑をかけないという農薬がございますならば、これは農林省としては普及をしていきたいという考え方を持ち、また農家としても当然そういうことについては御理解願えると、これが基本的な考え方でございます。しかし、現実問題として今お話しにありました、結果においてPCPと新しい農薬とに価格差に伴う負担があるのではないか、これは酷ではないかということにつきましては、第一に申し上げましたような考え方で基本的には御理解願うし、現実の問題の処理としては、できるだけその価格差の負担が過重にならないような処理の方向に心がけて参りたい。実質的な面から申し上げますならば、先ほど来申し上げましたようにそう大きな負担の差はないとわれわれは考えるわけでございます。しかし現実に起こった場合どうするかという重ねての御質問に対しましては、先ほど来申し上げましたように、県あるいは業界あるいは農業団体、いずれも県内におきましては両方の利害に関係のある問題でございますので、県の知事がその間に立ちまして、できるだけ現実的な処理をはかるようにしていただく、また、われわれもそれをバックして参りたい、こう考えているわけでございます。
#191
○森八三一君 今のPCPの使用は主として水田であります。米作でありますと、そこまでおっしゃればひとつ申し上げてみたいと思うのですが、これは総理大臣も、農林大臣もしばしば米価の決定につきましては、生産費所得補償方式という算式を堅持いたしますということを言明されているのです。農家が勝手にやった生産費の問題は別といたしまして、法律によってこういう規制があり、そこで生産費が命令的に増高したという事実が発生した地点に対する米価は、生産費が高いのですから、政府の買い入れ米価をそれだけ上げるという措置をとれば、補助金を出さぬでも結論的には同じ結果が生まれるということになる。生産費所得補償方式を堅持するという限りにおいては、当然これは生産費の増高に入ってくると思うのですよ。これは農家のわがままじゃないのですよ、命令によって、規則によってそういう結果が生まれるのですから、政府の買い入れ米価について、規制措置を講じた地域の米価は考えられる増高費がありとすれば、その部分だけ高く買いますということはこれは筋が通ると思うのですがね、どうでしょうか。生産費所得補償方式をとりますということは、しばしば言明されている。その方式では、生産費というものは、基礎になるその生産費の中に、農家のわがままということじゃなしに、規則、命令で生産費がそれだけ上がるというのですから、それはその部分として見てやるということは、いかがなものでございますか。それもいかぬということになると、生産費所得補償方式は実行しませんということにどうもならざるを得ぬと、こうなる。当然なことじゃないですか、どうです。
#192
○温水三郎君 関連。このPが薬害があるということで非常に問題になっておったのですが、Aが発明されて、しかも薬価においてもあまり変わらない。作物に対する薬害も、水産動物に対する薬害も両方とも少ないということで安心しておったのですけれども、熊本の北口議員の詳細な説明を聞きますと、薬価においてはやはり相当な開きがある。それから作物に対する薬害、これが実験の結果かなりある。こういうことで非常に私としても困っているわけでありますが、私が質問をいたしたい点は、この都道府県の行なう指導と援助、その援助の中に二十円の補助を行なうと、こういうことが熊本県では行なわれんとしている。この二十円が、薬価が六十円であるのか、あるいは八十円であるのか、四十円であるのか、その京は別として、この二十円の援助を三十円、四十円にすることを、この法案では期待しているのか、あるいはそういうことはよけいなことだと考えているのか、もしくは期待していないならば望ましいと考えているのか、あるいは望ましくないよけいなことだと考えているのか、その点を伺いたいと思います。
#193
○政府委員(齋藤誠君) 森委員の御質問によります生産費所得補償方式の建前をとれば、薬価が上がればそれが反映するか、こういうことでございますが、私も生産費所得補償方式の計算の内容そのものをつまびらかにしておりませんから、当然薬価の変動によって生産費が動けば、それによって動くものであろうと考えます。ただ、先ほど来申し上げましたようにP・C・Pは三キロであっても、逆にこの場合は二キロでもいい場合もあったり、あるいはさらに2・4−Dをまかなくて済むような場合においては、逆に薬を使うことによって生産費が安くなるというような場合もありますので、どっちがどうなるかは、私も計算の内容が明らかでございませんので、建前といたしまして生産費に反映されることは、これはお説のとおりではないかと思います。
 第二の御質問につきましては、先ほど御答弁申し上げたわけでございますが、十二条の二の建前、援助の規定は、これは自主規制におきます都道府県知事の建前を申し上げたわけでありまして、一方において自主規制のある場合は援助をし、それが整わない場合においては、法律的な規則によって使用規制をする、こういうことを規定したわけでございます。援助の内容そのものにつきまして、どういうものでなければならないというところまで、この内容では明らかにいたしておりません。したがって知事といたしまして、その場合その場合におきまして必要と認められる指導援助をケースにおいていたす、こういう内容のものでございます。
#194
○森八三一君 そうしますと、特殊な地域において生産費が増高したという事実があれば、その地域の買い入れ価格には当然反映するであろう、こういうことを御答弁いただいたものと了承いたします。
 それから都道府県知事がいかなる措置を講ずるかということは、その都道府県知事にまかしてあります、これもわかります。そこで温水委員からお話がありましたように、県によりましては、二十円とか三十円とか援助しようというような措置が講ぜられるという県があるわけですね。そこでそういう措置が講じられた場合に、政府としては、それは県が好意をもってやったんだから、それでよろしいということで過ごされてしまうのか、そういう県の援助に対してさらに国として補完的な援助の措置を講じられるお気持があるのかないのかという点を明確にしていただきたい。
#195
○政府委員(齋藤誠君) 一番初めの御質問の御理解につきましては、若干聞き間違いと存じますが、地域的に格差をもって生産費が増高すれば、米価において格差があるということを申し上げたわけではございません。全国の生産費の中に薬価の変動が入るであろうということを申し上げたのでございます。特別の地域について特別の生産費が増高すれば、特別の価格になる、地域的な価格になるということを申し上げたわけではございませんことを御了承願いたいと存じます。
 それから第二の援助の中におきまして、補完的に何らかの措置を講ずるかということでございますが、お尋ねの内容が価格差補給金についての援助措置をするのかという御質問でありますれば、現在のところ私のほうは先ほど来御説明したとおり、実質的にはそう大きな差はなかろうということで、今のところ考えておりません。ただこの使用にあたりましての新農薬の普及につきましては、これは今後奨励をいたすべきものと考えておりますので、したがいまして、この法律の施行日まで含めまして、事業費として約九百万円の予算を計上いたしまして新農薬の指導の講習、研修会あるいはモデル地区を設けまして、新農薬使用についての普及をはかっていくというような措置は講じて参りたい、こう考えております。
#196
○森八三一君 私のところへ届いた電報ではございませんが、今同僚の委員諸君から回覧で回ってきた電報を見ますると、価格差がある。その差が約百円に及ぶ、そこでその百円の援助措置がなければ九州四県も普及困難である、裏を返せばP・C・Pを使うことになってしまったというような趣旨の手紙が来ておるんです。こういたしますと、せっかくこれは法律を作りましても、効果を発揮しない法律を作る、それでは強制的に意見を聞いて県知事が条例を設けて措置をしたということになりますと、罰則では一万円の罰金ということになりますと、全部縛ってしまうかというと、これはおそらく実際問題として私はできないと思うんです。そうしますとどうなるか。法律をわれわれがここで賛成をして上げるといたしましても、知事がそういう援助措置がなければできません、こういうことを表明してきておるんですね。そんなことをしながら、われわれはここで法律を可決するということは、いかにも知事に対して不親切でありますし、同時にまた、そのことは沿岸地帯では、大体農民漁民というものは、どっちが本業でどっちが兼業かわかりませんけれども、一体のものなんですね。しかしそれがおのおの立場を変えて地域内で同士相はむという結果をわざわざここに導き出すということ、摩擦をこの法律によって招来するという危険が一つあるんです。そんなことは国として考えるべきことではないんです。どこまでも円満に事が処理されていくように考えなければならぬ。今お話しのように援助することは考えておりませんということだけでは、問題の解決にはならぬと思うんです。そこで来年度予算、つまり三十八年度予算には八百五十万円ですかという予算だけでそこまで発展していく予算がないということですから、今局長としてはそういう措置までできませんということを答えざるを得ないと思いますが、構造改善の事業については、政府は地方庁に二割のかさ上げの相談をせられまして、それが措置した場合には交付税等においてめんどう見るという約束が成立しておりますね。それと同じように、そこでひとつそういう措置をした府県に対しては、特別交付税でその総額をめんどう見てやるというくらいのことは、おっしゃってもいい筋ではないかと思うし、この法律を作る限りにおいては、当然の政府の思いやりの措置であると私は思うんですがどうでしょうか。それもできませんということになると、子供を生みっぱなして、生きようが死のうが勝手だという実に無慈悲な態度で、われわれとしてはそう簡単に賛成するわけにいかぬということになってしまうんですね。私は農民のほうも助けたい、漁民のほうにも援助の手をのべていきたい、そうして国全体の生産力を上げていきたいという気持は、政府と同じなんです。それによっていたずらに摩擦を誘発するようなことは避けたい。そのためには私よくわかりませんけれども、今予定されている地域は、しばしば話が出ておりますように、有明沿岸それから琵琶湖の周辺というような地域であるとすれば、約十万ヘクタール前後らしいんですね。といたしますと、災害というものがあるかないかは別ですよ、局長はないようにおっしゃっておるけれども、私はあった場合という前提を置いているのですから、これがかりに三十円で済むというのかもしれません。しれませんが、そういう場合であるとすれば三千万円、百円全額でも一億円ということなんですから、金額としてはたいしたものではないんですね。そういう金額で円満にいくということであれば、しかもこの法律が効果を上げるということであれば、当然措置をするという態度を示すべきであると思うのですが、どうですか。
#197
○渡辺勘吉君 関連。ないと言うたということであれば、これは非常に私の質問に対する答えより硬化して、答えが逆行しているので、関連して質問しますが、明らかにあるから、県でも二十円を補助することをきめておる。あるから、農林省も行政庁の責任を持ってメーカーに折衝していろいろ苦労された結果、十五円をことしは出させることに一応話を取りつけておる。だからなお取り扱いの農協としても、犠牲を覚悟して十五円ないしできれば二十円をさらに補給して、農家のそういう新薬を使う犠牲を少しでも軽からしめるためにこれも協力している。だから、明らかにこれは三百九十円という小売価格は確定しているのですから、それに比較する従来のPCPは三十八年度の小売価格は三百円が予想されるけれども、ごく最近は先ほども言いましたように、十円から二十円さらに低い小売価格で売り渡されることがほぼ確実です、私のとったデータによると。そうしますと、百十円の幅があるのに、その幅に対しては、今までの積み上げた補てんする財源は、わずか五十円にしかならない。あとの六十円は依然として未解決のままに、このことを農林省は訓示と称して、ここでいろいろな各会派から共通して出ている意見に対して訓示的な答弁をしたのでは、非常にこれは将来問題が起こるのですよ。これはそういう点が、十分行政庁として処理する姿勢が示されませんと、この法律の処理というものは、あなたの考えているような結論にはいきかねると思いますよ。だからもっと納得のいく、今後積極的にその問題を是認した上で善処するという前向きの誠意ある答弁が得られませんと、私はそれなりについての新たな決意を持ってこの法案に臨まなければならないということを申し上げて、あなたの誠意ある答弁を重ねて伺いたい。
#198
○政府委員(齋藤誠君) まあこの問題につきましては、農業団体ばかりでなしに、漁業団体におきましても非常な関心のある問題でございまして、ここ二、三年来このような問題を繰り返すことによりまして、だんだん問題が激化して参ることをおそれておったわけでございますが、中央団体におきましても、その方向としてこの際このようなことで大体やることにつきまして意見の一致を見たというようなこともございまして、いろいろどちらかの立場におきましては、この法案自身といたしましても、必ずしも私も十全なものであるというふうには考えておりません。しかし、今お話しになりました農業者におけるこの問題の価格差いかんによっては、農業団体として十分これに協力できないというふうには、私まだ聞いておらないわけでございますが、今のお話しの中にいろいろ価格差の問題、負担の問題がございましたけれども、これもそうだというふうな形で必ずしもわれわれのほうで検討いたしました結果、理解できない面もございまして、先ほど森先生から、あるいは渡辺先生から、三百九十円と三百円との間に九十円ないし百円の開きがあるというお話でございますが、三百円という価格につきましても、これまた一つの見込みであるというふうに思いまして、われわれの計算では三百円にしても、相当採算を割ったような価格である。このような採算を割った一方の価格をにらみながら、他方におきまして、新農薬の価格差と比較するということについては、これはどうも理解納得できない部分も私のほうはあるのじゃないかと思うわけでございます。ただ現実の問題といたしまして、できるだけ農家が新農薬につきまして十分その効果を認識していただき、またそれに伴う負担関係がどのようなものであるかということを、だんだん理解していただきますならば、必ず納得していただけるんではないだろうか。われわれも今後農民、農家のほうに対しましては、新しい農薬につきましての普及を一そう要望して参りたいと考えております。つきましては、この問題は府県知事といたしましては、当然に一方において農業者の利害があり、他方において漁業者の利害があるわけでございますので、その間におきまして、当然いろいろの工夫なり努力をされていただくことと存じます。農林省といたしましても、これは府県の知事の責任であるということで、府県知事にすべてをまかせるというふうな考え方は毛頭ございません。業界の指導の面におきまして、あるいは農家の理解の面におきまして、あるいは農林省としてやれるような行政指導の面がございますならば、誠意をもって指導に当って参りたい、かように考えております。
#199
○渡辺勘吉君 抽象的な答弁でこれはどうしても納得できません。そこでこれは質問は繰り返しません。政務次官から、私並びに他の委員が質問したこの価格差に対する農林省の最高責任者から、この御答弁を明確にお伺いをいたします。抽象的にごちゃごちゃ言わないで、もう時間もないから、結論だけひとつ政務次官からお答えを願いたい。
#200
○矢山有作君 ちょっとそれにつけ加えて。今ずっと質疑の模様を聞いておりますとね、与党の方々の中にも、この問題をそのままにしておいて法案を通すということはもうすでにできないような情態にいっておるのじゃないかと思うのです。私どももそう思う。そうすれば頭のいい方ばかりだからややこしいことは言わないで、端的に問題の核心をついた答弁を願いたい。そうして善処され、そういう事態が起こった場合に、非常に農民の負担がふえた場合に、それを国として何らかの方法で善処しますという確約が得られますならば、この法律は通してもいいと思う。それがないのに通せないよ、われわれは。まして与党の方々の質問を聞いておっても、これがあいまいにされたままあれだけの質問をしておいて、これはきっと通すということもおそらく与党の方もできないと思う、どうですか。
#201
○政府委員(大谷贇雄君) ただいまの問題につきましては、十分に誠意をもって検討をいたしまして、最大の努力をいたしたいと存じます。
#202
○森八三一君 価格差がわれわれはあると主張する、局長は価格差はなしと答弁されております。これは今後やってみなければわからんことですから、私はそれでいいのです。幸いに政府の御高配によりまして、メーカーの方もずっと下げて新薬を売り出すということでございますれば、それで問題解決なんですよ。もしそうはいかなくて、現実の姿が価格差ありという結論が出た場合には、ただいま政務次官の御答弁によって、誠意をもって御趣旨の実現のために努力いたしたいと思いますということは、私は渡辺委員への善処をいたしますということに、私は了解さしていただきたいのですがね。そういうことに了解してよろしゅうございましょうか。もう五時も過ぎましたから、この辺で結論をつけたいと思うのです。そういう趣旨に了解してよろしいかどうかということだけお伺いいたします。そう了解してよろしゅうございますか。
#203
○政府委員(大谷贇雄君) 先ほど申し上げましたように、十分、誠意をもちまして検討をいたし、最大の努力をいたしたいと思います。
#204
○森八三一君 最後に、ただいまのお言葉では、どうも畜安法でもわれわれは法律を修正しましたけれども、どうも頭が鈍いので、ざる抜けの修正をしてしまったことがあります。なかなか答弁がうまいので、あとでどうなるかわからぬという心配はありますけれども、しかし政務次官の人格の高潔に信頼しまして、ただいまのお答えは都道府県が措置をして、それが経済的な負担であった場合には、政府としても知らぬ顔はいたしません、そのしりぬぐいは、何らかの方法によってやることに善処いたしますということに、私は理解をいたしまして、期待をいたします。
 最後にお伺いいたしたいのは、このことの効果を上げて参りますのに、新薬普及について最善の努力をしなければならないと思うのです。そのためには、いろいろ使用の時期だとか、使用方法についての指導の徹底をはからなければならぬと思うのです。その指導の徹底ということは、何と申しましても、町村の段階でやらなければならぬと思うのです。それには普及員の諸君の活動に期待することは大でございますが、同時に農薬を取り扱っておる協同組合の営農指導員とか、そういうものが十分これに取り組んでいかなければならぬと思うのです。そういうふうな活動の費用を、指導費というものが予算にあるのですから、それを回してやるということになるべきであると思いまするけれども、そういうお気持があるかないか、最後にお伺いしておきます。
#205
○政府委員(齋藤誠君) お手元にお配りいたしております予算の中におきましても、約三百万円の事業予算を含んでおります。これで各地の講習会、研修会で趣旨の普及、徹底をはかって参りたいと考えております。もうすでに新農薬につきましては、相当各府県に指示いたしまして、業界と一緒になりまして指導普及に当たっておるわけであります。今後とも努力いたします。
#206
○森八三一君 私の聞きましたのは、実際に農薬を取り扱う第一線の指導者に対して、その普及なり使用方法について個々の農民を指導していくための経費というものについて、三百万円の中から助成の方途を講じなければいかぬと思うがどうですかと聞いておる。やりますならやりますと、やらないならやりませんと、こう言ってもらえばいいのです。
#207
○政府委員(齋藤誠君) 当然これは運用でできると思います。
#208
○仲原善一君 時間もありませんので、ただ一点だけ要望を兼ねて質問をいたしたいのであります。それは、この法律を運用する場合に、ほかの法律とだいぶ違っておる点があるわけです。それは科学的な基礎をいわゆる試験データーといいますか、そういうものをよくもとにして運営しないと非常にむだな、法律と違う点が出てくると思うのでありまして、それは今度の提案理由の中にもありますが、成長促進剤であるとか、あるいは発芽抑制剤であるとか、防除剤であるとか、そういうものや取り締まりの対象にする場合におきましても、あるいは登録を申請する場合に毒性の強いものを却下することもあるわけでございますが、こういうものはすべて試験データーを中心にして行なわなければならぬという気がいたします。そういう場合に、どうも現在の試験研究機関では弱体ではなかろうかという気がいたしますが各委員からの御質問を通じての答弁を聞いておりましても、どうも試験データーというものが不定で、十分な答弁もできぬということになりはしないかと思います。そういう意味で、このいただいている資料を見ますと、約四千万円ばかりの予算で三十一人の定員で農薬検査所というのがございますが、これは今度の法律を新しく運用するために従来から何も、ふえていないという気がいたしまするけれども、こういうことで本法の運用の適正が期せられるかどうか。そういう点やお伺いいたしたいと同時に、私といたしましては、もっとこれが適切に運用をするために試験研究機関を拡充していただきたいという気がいたします。これは同時に国際収支の面から見ましても、農薬の生産が三百三十八億というお話でございまして、先ほどのお話しの中でも約半分が輸入だ、特に特許料であるとか、あるいは全体の、輸入を含めると半分くらいも輸入しているということでございます。それから輸出のほうを調べてみますと、これも七億円ばかりが沖繩なり韓国なり台湾、そちらのほうに出て、おりまして、国際収支の上に相当重要な役割を果たしております。こういう点から見ましても、やっぱり試験研究声充実して国際収支改善のための基礎調査をやる必要があろうかと考えます。したがって、国だけの試験研究の拡充だけでなしに、民間関係についてもこれは相当研究する必要があろうと思います。特に本法の第二条二項で薬効なり薬害の試験成績のデーターをつけて申請するような仕組みになっておりまして、そういう問題についても、事務的に非常にそごを来たしている、非常に支障を来たしているというお話も聞いておりますので、やはり民間関係の試験研究についても育成助長をやるという御意思があるかどうか。具体的に申しますと、試験研究所については融資の問題であるとか、あるいは税制の問題であるとか、特に固定資産税の問題を軽減するとか、過去においてもそういう実例があるように思いますので、そういう民間研究機関の育成保護という点についてどういうふうにお考えになっているのか、そういう点も質問を兼ねて要望いたしておく次第であります。
#209
○政府委員(齋藤誠君) ただいまのお話はごもっともでございまして、従来に引き続きまして研究所、研究機関、特に農薬検査所の予算増額について努力いたしますほか、民間に対しまして言農林省として企業合理化試験であるとかいうような項目から出した例もございますので、御趣旨に沿った方向で一そう努力をいたして参りたいと思います。
#210
○委員長(櫻井志郎君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#211
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もなければ、これにて討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#212
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないと認めます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔午後五時十九分速記中止〕
  〔午後五時三十一分速記開始〕
#213
○委員長(櫻井志郎君) 速記を起こして。
 これより採決に入ります。
 農薬取締法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#214
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。なお、この際お諮りいたします。ただいま可決すべきものと決定いたしました本案に対し、委員長及び理事で協議の結果、附帯決議を付することにいたしました。案文を朗読いたします。
  本附帯決議案を本委員会の決議と することに賛成の方の挙手を願いま す。
  〔賛成者挙手〕
#215
○委員長(櫻井志郎君) 全会一致でございます。よって本決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたします。
 農林政務次官。
#216
○政府委員(大谷贇雄君) ただいま御決議相なりました附帯決議につきまして、十分誠意をもちまして最大の努力をいたす覚悟でございます。
#217
○委員長(櫻井志郎君) なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#218
○委員長(櫻井志郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
 これをもって散会いたします。
   午後五時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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