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1962/06/13 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第34号
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1962/06/13 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第34号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第34号
昭和三十八年六月十三日(木曜日)
   午前十時二十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 六月十一日
  辞任      補欠選任
   北村  暢君  椿  繁夫君
 六月十二日
  辞任      補欠選任
   椿  繁夫君  北村  暢君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻井 志郎君
   理事
           仲原 善一君
           堀本 宜実君
           森 八三一君
   委員
           植垣弥一郎君
           岡村文四郎君
           木島 義夫君
           中野 文門君
           野知 浩之君
           山崎  斉君
           大森 創造君
           亀田 得治君
           北村  暢君
           安田 敏雄君
   政府委員
   農林省農林経済
   局長      松岡  亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   農林省農林経済
   局農業保険課長 岡安  誠君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業災害補償法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を開きます。
 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行なうことにいたします。
 質疑のおありの方は御発言願います。
#3
○森八三一君 ただいままで主として必須事業に関する問題につきましてお尋ねをして参りましたが、いずれ、質疑を通じまして明らかになりましたことで、今後是正すべきと考えまする事項につきましては、あらためて再確認をする機会を得たいと思っておりますが、引き続きまして任意共済の問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。
 そこで、私は、去る六日に質疑をいたしまする当初に、総括的なこととしてお尋ねをいたしまして、御回答をいただきました中に、任意共済につきまして、関係団体間に申し合わせと申しまするか、覚書と申しまするか、成立をいたしておる。そのことは資料をもって承知をいたしておるわけではありませんが、仄聞しでおるところでは、任意共済事業は、原則として農業協同組合関係に取り扱わせることといたし、建物の短期共済については、農災関係の機関がこれを行なう。その場合、ただし書き的な覚書事項として、任意共済でありましても、必須事業のごとくに政府が給付金の一部を補助をするとかいうような関与をいたしておりまする任意共済については、農災が行なうというように両者間の意思が決定をされたというように伺うがどうかという質問に対しまして、さようであるというお答えがございました。
 そこでお伺いをいたしたいことは、任意共済事業の中で現に国が必須事業のごとき関係において行なわれておる任意共済の対象事業は、どういうものであるかということにつきまして、具体的にお伺いをいたしたい。たとえて申しますれば、農機具の共済事業だとか、あるいは肉類の関係における共済事業だとかというような種類のものがあろうと思いますが、そういうような事業別、対象別に国が関与をいたしておりますものは、どういうものであるかということであります。
#4
○政府委員(松岡亮君) 任意共済群業には、現在共済団体がやっておりますものとしては、今あげられました肉豚の共済、それから輸送共済、農機具共済、建物共済、それから一部の作物共済、こういうものがございますが、これにつきましては、国は、補助あるいは再保険というような形における関与は一切いたしておりません。
#5
○森八三一君 そうしますると、直接政府が指揮をしたわけではございませんが、助言なり指導なりをなさいまして成立をいたしておる両者間の覚書は、任意共済事業について必須事業のごとき姿における国が関与しておりますものは別でありますが、しからざるものについては、農業協同組合系統に一元化するということが成立をしておるということになりますると、今お答えをいただきましたような輸送共済であるとか、農機具共済であるとかあるいは肉豚の共済であるとか等、国が関与しておりません任意共済事業、現に進行しておるということでございますると、その整理をいかになされまするかということであります。
 私は別段その二つの農民を対象とする団体間に摩擦を起こし、どっちにひいきをして、どうしようというようなけちな考えでお尋ねをしておるものではありませんが、戦後農業協同組合が生産協同体というような性格のもとに新しく発足をしたという農協法制定の由来、あるいは農協の由来に基づく本質等から考えますれば、農業生産に関しまする直接的な共済事業というものは、当然農協の系統組織で行なうのが正しいようにも思うのであります。おそらくそういうことまで理解されたために、最初に申し上げましたように、きわめて円満に両者間の話し合いというものが成立をしておる、その覚書に対して政府もその当事者ではありませんけれども、それを肯定されておるというゆえんでもあろうと思うのです。ところがお話にもございましたように、現実の事態においては、いろいろな経過もございまするけれども、農災組合でもやっておれば、あるいは場合によっては農協でもやっておるというような任意事業ですから、そういうような姿になっておると思います。
 そこで、今覚書が成立いたしました限りにおいては、その方向で進まなければならぬと思う。現に契約の進行中のものを、どうするこうするなんということは、これは経済行為でありますから、私はやるべきじゃないと思いますが、新しく契約が締結されるという時点においては、そのことは忠実に守られていかなければならぬと思います。が、実際問題として私は、これはなかなかむずかしい問題じゃないかと思うのです。ほんとうに考えて参りますとむずかしい。そういうむずかしいことがございますから、そういうような原則ではありまするけれども、覚書の例外事項として、そういうふうにはなっておりましても、両者間で話し合いがついた場合には、必ずしも原則にはよらぬというような例外規定も置かれておるようにも思います。が、その例外の規定というものが優先をしてくるということになりますると、紛糾をすると思う。どこまでも原則が優先をしなければならぬと思うのであります。
 そういうことを考えますると、今後、どういうように御指導なさいますのか、これは非常にむずかしい問題ですが、政府としての態度をお伺いしておきたいと思います。
#6
○政府委員(松岡亮君) 今お話がございましたように、多年の懸案でありました、あるいは多年農業内部の団体の間で対立した意見のありました点について、今回最高のレベルの方々の紳士協定ができ上がりまして、原則として任意共済事業は農協において行なうという話し合いが成立したわけでございます。この内容につきましては、従来の経緯から考えまして、農林省といたしましては、いろいろ意見なり論議はあるかと存じますけれども、多年の問題が円満に解決したということからいたしまして、これを尊重して、その協定をそのとおり実行するように指導して参りたい、こういうように考えておるのでございます。
 その内容については、いろいろ議論をすればあることではございますが、たとえば農機具の共済あるいは国が再保険しないような任意に行ないます作物の共済というようなものにつきましては、農業の生産に密着した部分がございます。また、流通面におきまして農協の共販運動あるいは共同購買、購入という運動、あるいは事業と非常に密接に関連した面がございます。それらを考えますると、私どもとしては、いろいろ問題はございます。たとえば農家から見ればいろいろな団体がやってくれれば、サービスがよくなるかもしれないというようなこともあるかもしれませんけれども、農協の事業の性格からいいまして、そういうものにつきましては、原則として農協で行なわれるほうが望ましいのではないか。単に従来の紛争が解決したというだけでなくて、そういう考え方もございまして、農協に移譲するということについて積極的に援助もし、指導もいたしたいと考えておるのでございます。
#7
○森八三一君 局長のお答えは、私はよく理解ができます。まさにそういうことでお臨みはいただけると思いますが、法律的にやれるということになっておる。現に両団体、それぞれ思い思いにやっておるということを紳士的な話し合いによってとりまとめたということでございまするので、これが忠実に履行されますれば問題はございませんし、私もまた、忠実にその趣旨が守られて、将来同じ農民を対象とした団体間に、摩擦なり紛争が起きないということを期待いたし、希望をするものではございまするけれども、現に歴史的には、二つの姿があるということでございますので、これを覚書のとおりに整理をしていこうといたしますると、容易ならぬ問題が実はあると思うのです。
 そこで、容易ならぬということのために、それぞれまた、ずっと進められていくということになりますと、今日建物の短期共済について非常な紛争を来たしておると同様の結果が、また数年後には、これは持ち上がってきて大へんな問題になると思うのです。でございますので、そのことを排除して参りまするためには、覚書が成立をし、今局長もお話のとおり、私が申し上げましたように、農業災害問題を処理いたしまする機関、農業生産を助長発展せしめていこうとする機関、おのおのその機関には、本質的な性格というものがはっきりしておると思う。そういうことを考えますれば、その性格、本質に従って、事業が進められていくという姿をとるべきであろうと思う。そのためには法律改正あるいは法律の中において、どういうことを認めるというような行政措置というものが法律的に処理をされませんと、問題は、必ずしもすっきり解明をしないと思うのであります。おそらく紛争を来たす危険が多分に存在をしておるというふうにも思いますが、そういうような場合がもし起きたといたしますれば、幸いに紳士的な協約が守られて円満にいきますれば、これは願ったりかなったり、何も言うことはございませんけれども、しからざる結果が生まれるという危険が現実に起きる、あるいは起きる見込みが非常に濃厚であるというような場合には、いかなる措置をおやりになるのか、その辺がはっきりいたしておりますれば、これまた、この協約というものが守られていくということについては非常な私は言外の力を持つと思うのでありますので、その関係について、今後の態度をひとつ明確にしておいていただきたいと思うのです。
#8
○政府委員(松岡亮君) まず任意共済一般でございますが、これは建物共済を除きまして、その他の任意共済につきましては、先ほども申し上げましたとおり、内容的にも、私ども積極的にむしろ移すほうがいいという考えを持っておるのでございますが、それらの仕事の移譲につきましては、この法律が成立いたしまして、施行されて、来年度から実施されるわけでございまするし、それとともに移譲される、こういう了解ができたわけでございます。私どもとしましてもそれを尊重いたして、来年度から、はっきりとその線は引くようにして参りたい。これは従来の定款なりそういうものの改正をすることによってけじめをつけて参る、こう考えておるのであります。
 建物共済につきましても、分野が協定されたわけでございまして、その趣旨で定款なり業務規程等を改正するように指導いたすつもりでございます。ただ、建物共済につきましては、御指摘をまつまでもなく、任意共済事業の中で、最も尖鋭な対立が続いておったものでございまして、これについては協定を作られる際にも、割合に詳細な了解ができているわけであります。その遂行につきましては、両団体間それぞれ忠実に行なわれることをもちろん期待をし、信頼をしているのでございますが、協定でございますから、こまかい一々のケースケースまではっきりしているというわけでもございませんので、それらの点について、もしも了解において疑義が生ずるとか、あるいは紛争点が出るというような場合がありましたならば、もちろん両団体が良識をもって解決されるとは思いますけれども、必要あれば農林省として、その解決を積極的に行ないたい、かように考えております。
#9
○森八三一君 今のお答えで、任意共済についての原則的なことはよく理解いたしました。今後そういう方向で、同じ農民を対象といたします事業について、それぞれの系統組織がいがみ合いをして迷惑が農民に及びましたり、あるいは農村内部における意思の混乱をきたすというような、場合によっては、これが政治的に波及をしていくというような、残念な結果が生まれませんように、最善を期していただきたいと思うのです。
 そこで建物共済につきましては、別個にそういう詳細な覚書ができている。でありますから、その覚書の趣旨を尊重して指導し、両団体間におきましても、あくまでも覚書の忠実な履行が紳士的にはかられるように希望をする。私もそういうことでよろしいと思いますし、そうなりますことを、ほんとうにこれは心から念願をし、そういう方向に対しまして個人的に努力し得ることがありますれば、その労を惜しむものではございません。
 そこでお伺いいたしたいことは、原則的には、そうきまったのでありますが、きまったということでございましても、法律を乗りこえて違法な申し合わせというものは、これは効力を発しませんであろうと思うのであります。適法の範囲内において、両団体が自粛をして、その分野を守っていくということでなければならんと思います。これは当然なことと思う。
 そこで、建物共済と申しますか、この任意共済につきましては、本来の必須事業等が同じ形態で行なわれているのではなくして、好ましい姿は、あくまでも関係農民諸君の自主的な結合による共済組合制度によって進められることが理想であると思います。が、いろいろ今日まで十五カ年間の経緯から、この制度に対する農民諸君の不満等が累積をして、その理想であり好ましい姿をはずれて、市町村の公営に事業が移ってきている。今後も移ろうとする傾向が非常に濃厚である。そういう実態の中におきまして、市町村等の公共団体が、任意共済のようなあるいは不測の損害を受ける場合もないではない、しかもそれに対して、別段政府があと押ししようとしているわけでもないという専業を、強制加入のような形で行なわれている事業と混淆することは適当でないというような趣旨、あるいは市町村の財政関係等のこともございましょう。諸般のことが勘案せられまして、公営のような形における地域においては、任意共済は行なってはならないということが法律の規定として行なわれております。そこで建物任意共済については、両団体の覚書ができたので、その覚書の趣旨によって善処をしようという点については、よくわかりまするけれども、いかに善処をすると申しましても、法律ののりをこえて善処ということは存在をしない。これは申すまでもございません。当然なんです。
 ところが先刻も申し上げましたように、建物任意共済事業については、農災事業が市町村公営という姿になっている地域において、市町村がこれを行なうことができないということになっておるのであります。そういう地域については、覚書にかかわらず、当然これはやれないということに私は処置さるべきものであると思うのです。ところが法律の百三十二条には、連合会が直接にその事業を行なうことができるという規定がございますので、そこで当委員会で、この法律を審査する最初の日にも、藤野委員から、この点に関連して御質問があったのであります。局長からは、そういう時点においていろいろな任意的なものを作って、しかるべく処置をしておるというようなことは、権利義務等に関連することでありますから適当でない、そういうものについては厳重に指導もし、処置もする、あるいは市町村の公務員が、公務員たる立場においてやっておるというようなことは、これは身分の関係から申しましても妥当ではないので、そういうことについても処置をするというお話がございました。このことはよくわかりまするが、連合会が、直接農民諸君を対象にして任意共済の契約の締結、事業の振興をはかっておるという姿があるわけなんです。あるから、そういう質問も出るし、お答えもちょうだいしなければならぬという現実にあるわけであります。
 そこで私は一体、連合会というものは、これは農協の場合でも、農災の場合でも、その他の中小企業の場合でも同様であろうと思いますが、連合会というのは、一体どういう性格のものだということを明確にいたしませんと、この問題のすっきりした解決はできないと思うのですね。これも私、どっちに肩を持って、どっちをどうするというようなけちな考えじゃなくて、やっぱり一つの問題が紛争している場合には、その団体なり機関の性格というものを明確にして、その明確になった根拠の上に処理をしていくということにならなければ、これは解決しないと思うのですね。ですから、一般論として連合会の性格、本質というものは、一体どういうものだということをこの際、明確にしておきたいと思うのです。
 これは一体、局長にお伺いするのが適当なのか、これはひとり農災との関係だけではなくって、一般的な理念として、どう理解すべきかということですから、まあ局長の所管以外の連合会もあるのですから、そこまで触れて私は論及しているのでお答えが非常にむずかしいかと思いますけれども、もう少し狭くして、今この時点における私のお尋ねとしては、局長の関与されておりまする農協なり農災なりという範囲内における連合会の性格ということだけにしぼってもけっこうです。どう連合会の性格というものを法律上理解すべきかということについてお尋ねしたいと思います。
#10
○政府委員(松岡亮君) 共済団体に限りませず、農協の場合でもそうでございますが、連合会の組織というものは、あくまでも単位組合の上に立って事業を行なう組織であると私どもは理解しておるのであります。したがって、連合会が単位組合にかわって、直接農家を相手に仕事を行なうというのは、あくまでも例外的ではないか、こういうふうに解釈するのでございますが、今あげられました共済事業を行なっている市村町の地域におきまして、農業共済組合連合会が、直接任意共済事業を行なっているということは、組織並びに機構の上からいいまして、これは正常なことではない、かように考えるのでございます。
#11
○森八三一君 ここで一応、性格は明確になったと思うのです。私も確かに、お答えのとおりでございまして、農協の場合といえども、中小企業等組合連合会の場合でも、農災の場合でも、連合会の本質、性格というものは、その組織員である単位組合の事業を助長発展せしめて参りますために必要な仕事を行なうということでございまして、その単位組織がやれないことを直接やるということは、これはあくまでも原則ではなくて、きわめて例外的な存在であろうと思うのです。そういう場合を全部、それでは性格上いけないから締め出してしまうということであってよろしいかどうかというと、これ私、時によってそういうことでは、その法律の志向する目的を十分達成し得ない場合も存在すると思います。
 たとえて申しますれば、農協の組織員である単位組合は貯金業務は行なえるというふうになっておりましても、事業の不始末等によりまして時間的に事業を休止せざるを得ないというような場合もあろうと思う。そういう場合に、それじゃあその時点で金融関係の仕事がストップしていいかというと、これはたいへんなことになりますので、そういう場合にはやれるという立場に立っておる地域に、その上級機関が直接に、その地域のその組合の組合員を対象として臨機の措置をしてやるというがごときは、これは当然私はあってしかるべきと思う。現にそういう行為は行なわれておると思いますし、このことは法律上違法と断ずべきではないと思う。しかし、全然やれない地域に、直接連合会が指導するということは、お話のとおり正常ではないということであろうと思うのです。
 そこで、百三十二条の二によって、そういう行為が現に行なわれておる、そういうところには、連合会の手足は実質上ございませんので、そこで藤野委員もお尋ねになりましたように、推進協議会とか何とかというものを作ってやらせておる、あるいは局長通牒か次官通牒で、特別なものを委嘱してやりなさいというようなことにならざるを得ないと思うのです。それも私は何ら紛争がないという時点でございますれば、時によって、好ましい姿ではありませんけれども、それを容認してしかるべきであろうと思う。今日のように紛争しておるときには、そういうような便宜的な解釈でものを処置したりしてはならぬと思うのであります。でございまするから、連合会の性格、本質上、その事業が直接及ばぬという地域に、直接連合会が指導するということは正常でないということでございますれば、今後の方向としては、正常化していくということに、当然これは政府として措置をさるべきものであると思います。正常でないことを放任するということは適当でございませんので、正常化するというために全幅の努力が払われてしかるべきである。
 しかしそのことをあまり強く窮屈に言ってしまいますと、私もしばしば申し上げましたような思わざることも考えられますので、そういう意味において、正常化ということは当然であるけれども、正常化することが必ずしも農民諸君のために適当ではないというような場合がありとすれば、そのときに初めてこ覚書の、両者間の合意によって、どうするこうするという問題が存在をすると私は理解をいたすのでありますが、そういうふうにこの覚書を受け取るべきであり、政府も、そういう方向に従って指導をするということでなければならぬと思いますがいかがでございましょうか。
#12
○政府委員(松岡亮君) まず最初に、連合会が直接任意共済事業を行なうために、たとえばまあこの前、藤野委員が御指摘になりました、市町村がタッチするような形、あるいは町村吏員が、これに全面的に関与するというような形で、まあ無理をして行なわれるのではないかというような問題を指摘されましたけれども、そういうような無理をするということ、これは町村は絶対にやるべき性格のものではございません。町村吏員も、公務員法で許されている範囲内でなければ行なえないわけでございますが、そういうような無理をしなければならぬというような状態で行なわれることは、これはもう必ず是正しなければならないと考えるのでございます。
 それから、今御指摘がありましたが、連合会が直接任意共済事業を行なうということは、組織機構という点から見ますと、これは正常なものではないと考えられるのでございますから、つきましては両団体において交換された覚書を十分考慮の上、指導に万全を期して参りたいと考える次第でございます。
#13
○森八三一君 局長の気持は、私言外にそんたくすることができないわけではございませんけれども、やはりこういう際に、一応正常でないとすれば、正常化するという前提に立っての覚書の精神を汲んでの御指導ということでなければ、これは何といいますか、理論的には、理論というと少し言葉が窮屈になりますけれども、常識的にはおかしなことになっちまうと思うのですね。正常でない、けれども別に覚書があるから、不正常な姿でもそのままに尊重していくというようなことであってはならぬのだ。これはやはり組合としては正常化させるという前提に立っての覚書の忠実な履行。で、私申し上げまするように、そういうような時点において、両者の合意というものが成立すれば、そういう時点においては、必ずしも事を好むことではございませんので、そういうところは、ある時間を限って不正常な姿というものが残っておってもやむを得ないということになろうと思うのです。不正常が当然ということで話し合いができるものではなくて、正常化するということが前提で覚書が忠実に履行されるということで整理をしておきませんと、これはまた紛争がずっと続いていっちまうという結果が起きると思うのですね。ですからその辺を、これは非常にむずかしいことでございまして、明快にお答えを願うことはむずかしいかと思いまするけれども、やはり法律なり規定なりというものを忠実に実施をしていくという立場に立っておる公的な政府ということでございますれば、筋道だけははっきりしておいていただいて、その上に立って事を円満に処置をするということでなければならぬと思いますがね。その辺はどうでしょうか。
#14
○政府委員(松岡亮君) 現在、制度としまして連合会が直接行なうことが法律上認められておるのでございます。これは違法であるとか不当であるということではないと思います。そこで、しかし組織といたしましては、連合会というものは、あくまでも組合の上に立って事業を行なう組織でございますから、これが直接行なえるというのは例外的な、まともな姿ではない、こういう意味で申し上げておるのでございますが、今後市町村公営が増加するかというような問題、それらの事情もございます。これは御趣旨は十分体しまして、よく今後運営の上に十分参酌して参りたいと、こういうふうに考える次第でございます。
#15
○森八三一君 どうもその辺が明確になったようで明確にならぬようでありますがね、これはやはり法律にはできるという建前が文字の上からは出ておると思います。思いまするけれども、文字をそのまま直訳的に解釈をして法律は運営さるべきものではなくて、その機構なりというものの本質に立ってその文字をいかに実際に移していくかというところに、私は行政があると思うのですね。これはどの法律、憲法にいたしましても何にいたしましても、やはりそういうことであろうと思うのです。福祉に反しない限り個人の自由を制限するというようなことにいたしましても、それはやはり行政的に福祉を阻害するのかしないのかという判断があるべきでありまするし、連合会というものの機構上の性格というものから、法律の文字としては直訳的に解釈はできるといたしましても、行政上の措置としては、そのものの性格にあるいは本質に適合する運営というものがなされるということでなければならぬと思うのですね。
 そこで申し上げまするように、正常でないということのお答えをいただきました。私もそうであろうと思うのです。そうでなければならぬと思うのです。だとすれば、正常化ということを前提にしての覚書が参考になって指導の手が伸べられていくということが行政の衝に当たられる者の私は当然の行為でなければならぬと思うのですね。そう理解していいかどうか。これはイエスかノーかだけで、あまり説明していただくとわからなくなっちまいますから、そう理解していいかどうか。
#16
○政府委員(松岡亮君) これは非常に、最も微妙なところでございまして、覚書の成立の過程におきましても、いろいろと検討されたことでございますので、農林省がその考え方について両当事者がどう考えたかということについて、とやかく申すのは差し控えたいと思うのでございますが、今申し上げましたように、連合会が直接やるということは、これはもう任意共済に限らず必須の場合もそうであるわけでございまして、したがいまして、今後町村公営がふえていくというような状態になりますと、組織の上でも相当な問題が生じ得ると、こういうように考えておるのでございます。で、今正常化という言葉をお使いになりましたわけでございますが、この組織の形の問題としてどうするかということにつきましては、これは今後の推移を見なければならぬかと思うのでありますが、それはそれ以外に運営の面におきましては、そういうことがいろんな無理を生じさせないように、そういうようなふうの指導は今後万全を期する必要があると、こういうように考えるのでございます。
#17
○森八三一君 現にその解釈をめぐっていろんな紛争が起きておる。それにここで農林省のアドバイスをいただきまして、そういう紛争の跡を断とうというところに、法律改正直接の問題ではございませんけれども、多年の懸案がここで整理されるというところに私どもは期待を持っておるのです。ですから、今の問題につきましては今ここですぐ即答を願うことが非常にデリケートであってむずかしいということでございますれば、私は、私の申し上げましたようなふうにいかなければ、これは行政を担当しておる政府の責任を果たすというゆえんにはならないと思うのですね。法律上の解釈はどうあろうとも、文字の上からはどうあろうと、その運営をしていくための指導方針としてはどういうものでなければならぬかということについては確固たるものがなければならぬと思うのです。そういうでたらめなものであっちゃならぬと思うのです。そこで、これは十分ひとつ省内で意見をまとめていただきまして、他日またお答えをいただくことにいたしまして、この問題にこだわっておると大切な時間がから回りしていく、いつまでも進みませんから、整理をしてお答えを願うことにこれは留保しておきます。
 私は、どこまでも連合会の機構上からくる性格から考えまして、ひとり農済の問題に限らず、いかなる連合会の場合といえども、そこにははっきりした事業分野というものがあるんだ。しかし、それを厳格に押し通していくということは、ときにその法律の目的としておりますることを十分に達成し得ないという意見がある。そういう場合に、きわめて例外的に連合会の仕事が単位組合にかわって行なわれるという場合が存在するということであって、そのことが原則的に当然なものとして行なわれるという姿のものではない、こう私は理解をする。でありまするから、政府にいたしましても県にいたしましても、行政の担当者といたしましてはその方向に向かって忠実に指導が行なわるべきであるというように私は理解をいたします。その理解が、両者の覚書等の関連からいたしまして必ずしもいかがかというようなことであるといたしますれば、その点はもう少し明確にしておいていただきたい。これは他日に紛争を残してはいけませんので、今度の法律改正でこの問題だけはすっきりして、あとでとやかくの議論がないようにということは非常に大切だと思うんです。これは今まで抜本的な改正だとか何とか言ったということも、これに相当の私はウエートがあったと思うんです。ですから、そのことにつきましては、もう少しひとつ明確にお答えがいただけまするように整理をして、他日お答えをいただくことにいたしたいと思います。この点はひとつ留保いたしておきます。
 まだ質問がございますが、北村委員がいろいろの御都合で、ということは、おめでたの関係上かと思います。これは私のそんたくですけれども、いろいろな御都合でお尋ねを申し上げたいということだそうでございますので、ここで私一応質疑を中断いたしまして、北村委員に譲りたいと思います。
#18
○北村暢君 私は、この法案は、質問はやればやるほど幾らでも出てくるわけなんですが、まあ将来の問題とも関連しまして、私はもう少しやはり協議会において答申されたことが、政府の当初の原案、今度の案でなくて当初の原案でも載っておると。それからまた、今後まあその問題について問題があるだろうと思いますけれども、機構の問題についてお伺いいたしたいと思うのでありますが、今度の協議会の答申の中で一番重要な問題は、農家単位制の問題と機構の問題が入っていない、二段階制の問題、これが入っていないということでございますが、これについて私質問するわけでございますが、実はこれを質問するのには、この前要求しておりました連合会その他の資料が出ておれば非常に都合がいいのですけれども、これは間に合わないですから……。
#19
○政府委員(松岡亮君) きのう差し上げた資料には相当入っておると思うのですが。
#20
○北村暢君 衆議院の資料ですか……。衆議院の資料ではわからない。まあ連合会の内容を実は知りたいということで資料要求してあったわけですがね、職員、役職員の問題とか、そういう点が知りたかったんですが、資料がございませんのでどういうふうになるのかわかりませんが、その点についてまあ質問の中で明らかにしていきたいと思います。
 まず、協議会の案で、答申案で、二段階制に持っていくということの論議があって、そのような答申がなされておるわけで、連合会というものをなくしてしまう。いわゆる事業団というものを作って事業団に連合会を吸収する、それから全国農業共済協会の機能も吸収する、そういうことで事業団というものを作る。それに特別会計の基金を入れると、こういうことで中央機関に一本化してしまう、こういう協議会の答申がなされておるわけでありますが、それが全然いれられないで衆議院の修正がなされ、さらに今度は修正のままで現状どおり、こういうことになったのでありますけれども、これは、私はこの共済制度の問題を考える上においてきわめて重要な問題であると思うのであります。したがって、一体そういう答申がわざわざなされているのにいれられなかった。また政府が当初の原案をくずして衆議院の修正案どおりでいくということになった理由はいったいどこにあったのか、これをひとつお伺いいたしたいと思います。
#21
○政府委員(松岡亮君) 事業団の機構をやめましたのは、今回の政府提出法案におきましては、まあ衆議院で修正されましたことは一つの大きな理由でございますが、衆議院で修正されましたのは、三十八国会に提出されました政府原案が国の再保険特別会計のみを事業団に改組する。こういう原案であったのを修正されたわけでございます。それ以前の経緯におきましては、事業団を作りまして農家単位共済をやるということにはまあ実際上種々の困難がある。ことに農家単位共済につきましては、この前からも申し上げましたように、現段階においてなかなか行ないがたい。農家単位共済をやります場合に、連合会を吸収してこれを損害評価に機構としてその事業を吸収していくということは大いに意味があるわけでございますけれども、それがなくなったということと、連合会を残すといたしますると、連合会にやはり独自の責任を持ってもらって、それで協力してもらうという形にする必要があるということからいたしまして、事業団というものをやめたわけでございます。
#22
○北村暢君 政府の原案の特別会計だけを事業団にする、こういう提案だったから、不徹底な提案だったから、それなら事業団というものは要らないだろう、これはまあ当然出てくる理屈なんです。しかし、その以前の協議会の答申というものほ、そういうものでなかったわけです。これはやはり徹底した機構の合理化をやろう、そうして賦課金なり事務負担というものを軽減するというところに、非常に大きな目的があっただろうと思います。したがって、そういう政府原案そのものの出てくる過程において、連合会というものが残っちまったというところに事業団が要らないという問題が出てきたと思うのですね。したがってその以前の、なぜ答申案をすなおに、二段階制というものを取り入れて政府原案というものを出せなかったのか、そこら辺の理由をお伺いしたい。
 これはまあ非常に複雑怪奇な折衝があったであろうと思うのですよ。あったであろうと思うのですが、そこら辺のところが私はやはり妥協の産物としご、特別会計だけを事業団にするということで、苦しまぎれに、そういうふうな形で政府原案というものが出てきただろうと、こう思うのです。したがって、その連合会をどうしても置かなければならない、制度運営上、置かなければならない、こういうことについて、私はちょっと理解できないわけです。したがってその件の説明をもう少し、まあ危険分散の問題もあるのでしょうけれども、ただ、それだけではないと思うのですね。率直なところをひとつ、お伺いしたいと思います。
#23
○政府委員(松岡亮君) 当初の政府原案で、特別会計のみを改組して事業団にするという考え方をとりましたのは、現業と監督の機構を区分するという理由で行なったのでございますが、しかしこれは一面、御指摘のように不徹底のところが確かにあると思います。そういうことから、われわれとしましても、今回の改正法律案ではとらなかったわけでございますが、その以前に協議会案で共済、基金、連合会等一切を吸収して事業団の組織にかえる、こういう考え方を出しましたのは、やはり農家単位の共済をやる、その場合に現在の連合会の組織を事業団に吸収して、いわば下部組織として農家単位の実施に役立たせよう、こういう二面が非常に大きくあったと考えられるわけでございます。しかしながら、農家単位は、まあそういうような考え方をとっても、なかなか現状においては農家の意識から考えましても、またそういう大きな事業団になりましても、実際的になかなか的確に遂行することが、現段階においてはかなり問題がある。こういうことからいたしまして、農家単位をやめたということで、大きな事業団に組織がえすることの意味が半減してしまった、こういうように私どもは考えておるのでございます。
#24
○北村暢君 それは前の質問でもいたしましたように、農家単位の問題と二段階制の問題は、やはり切っても切れない関係がある、それは非常な変わり方でありますから。したがって現在のような微温的な改正にとどまっちまった、こういう結果になっているんだろうと思うんですけれどもね。しかし何回も言っているように、私どもはこれだけの改正では、将来この制度が農民にほんとうに親しまれる制度として長続きするかしないかということについては非常に疑問があるわけです。したがって将来、やっぱり抜本的な制度改正というものが、再度これは要請せられることが起こってくるだろう、そういうことを感じておるわけです。ですから今度の改正にあたっても、私どもは、これではお話にならない、こう見ておるわけですが、農単制度問題がくずれたので事業団もだめになってしまった、二段階制もだめになった、こういうことなんだろうと思うのです。この二段階制というのは、現状からいえば無理でしょう、もちろん――現状からいえば無理でしょう、今おっしゃるとおり。ところが、しかし将来この二段階制というものは考えられることなのかどうなのかですね。大体私は、ほかの民間の保険といいますか、こういうものの機構等を見ましても、本社と支社というような形で運営されているわけですね。ですから私どもは、この機構というものは、簡略であればあるほどいい。しかし、それは業務運営ができないのじゃどうにもならないですけれども、それが合理化されていくということについてはやはり考えるべきじゃないか。また、そうしなければ制度としてやりにくいのじゃないか。特に先ほど来、森委員からも出ているように、農業協同組合というこの膨大な組織の中で、保険事業としての一環として下部機構でやるならば、これならまだわかるのですけれども、これは共済事業単独でもって、ずっと下までいった機構なんです。したがってこの共済組合の、今、市町村へ移行していくというのも、保険事業としての単位として事業が成り立つか成り立たないかという問題が私はあると思うのです。そういうような点からいって非常にむずかしい問題になってきているんですから、機構はやはりなるべく簡略にして、事務費等――賦課金、こういうものが軽減されるような形でなければならない。今の形からいえば、何といったって、やはりこれは農災の機構を維持するための機構なんで、農民のためのほんとうの共済のものになっておらぬ。これはもうだれがいったって、農民は率直に、そういうふうに肌で感じておると思うのです。したがって、機構だけを維持するために農民が犠牲になるということは、これは許されないことだと思うのです。まず、やはり農民本位にものを考えていかなければならない、こういうことになるので、私どもが盛んに主張しているのは、第一段階、やはり公営化してやっていくべきである。市町村という大きな機構の中で農業共済というものを一旦やってもらう。これなら手っとり早いことができるのじゃないか。それは、任意共済というようなものは農業協同組合という大きな機構の中でひとつやっていく。こうなれば可能じゃないか。そういう整備というものはやはりどうしてもなされるべきじゃないかという感じがするんです。
 したがって、今の局長の答弁からいうと、現状からいってなくするわけにいかないからというふうな御答弁にしか聞こえないわけなんですけれども、私はやはりそれでは、この機構というものは将来持ち続けられないと、こう判断しているんですが、農林当局は今の改正程度でずっとやっていける、こういうふうに感じておるのかどうなのか。この点を、将来の見通しの問題なんですけれども、ひとつお伺いいたしておきたいと思います。そして、その答弁がありましてから、私はひとつこまかく組合、連合会、それから基金、協会等について質問をしていきたいと思います。
#25
○政府委員(松岡亮君) 機構は、簡素で合理化された形のものが望ましいということは御指摘のとおりでございます。また、協議会案で考えられました全体の保険の設計といいますか、機構、それからそれを運営する機構、これは一つのりっぱな考え方としてまとまったものであると私どもは思っておるのであります。しかし、これが現実において、なかなかそのとおりには実行できないから、若干の修正を加えて、今回の改正法律案としたわけでございますが、ただ現行の機構につきましても、これは全然そのよいところがない、こういうわけでもないと私どもは考えておるのであります。それは、御承知のように、損害評価とか、そういう問題は、科学的に、一義的にぴしゃりぴしゃりとなかなか――農作物の損害とかいうのは、科学的に迅速に的確に行なうということが非常に困難な性格のことでございまして、これは一例でごさいますが、それを納得してやってもらう。まだ掛金を集めるにつきましても、納得の上で集めるというには、相互の組合組織というものが非常にこれはいい面があるように思うのでございます。連合会の場合も同じように単位の組合の自主的な話し合いの結果として保険料の徴収が行なわれ、また損害評価が行なわれる、そういうところにいい点があるのじゃないか、こういうように考えておるのでございまして、ただ、それだからといいまして、協議会案が全然機構論としておかしなものであるというような私どもは考え方はいたしておりません。
#26
○北村暢君 どうもあまりはっきりしませんがね。将来のことではりっぱな案だけれども、現実的じゃないというような機構でございますが、しかも現在の機構についても、悪いところばかりじゃないということのようですが、しかし、それで将来、どういうようにするのか、どうもどこを聞いていいのだか、ちょっとわからないのですけれども、私はやはり今の機構、悪いところばかりでないとおっしゃるけれども、今の機構のままで行けば、早晩行き詰まるだろうと、こう思っておるわけです。だが、これは私どもの考え方ですから、これ以上申し上げませんけれども、どうも答弁は、将来どっちのほうにいくのか、今の手直し程度の現状の機構そのままで、将来ずっとやっていくと、こういうふうにしか受け取れないような答弁でございましたが、私はそれではいけないんじゃないかと思っております。したがって、この法案が通りましても、もう二、三年すれば、また問題が出てくる。これはもう確実に出てくるのじゃないかと思っておるのです。で、まあこれは歴史が証明しますから、二、三年たてば大体わかるのじゃないかと思います。
 そこでお伺いしたいのは、大体この共済組合の末端機構でありますが、これは一体、資料でいただきました六ページですが、共済組合の組合長の専任、兼任の表がございます。これに私は、共済組合の職員の数が、一体どういう分布になっているかという資料も要求してあったのでありますが、資料が出てきておりませんからでありますが、大体この末端の共済組合というのは、今後共済の責任も拡大されるわけでありますが、今の組合で、ほんとうに制度の目的が達成せられるような十分な形になっていると判断されておるのか、また、そういう能力が十分持ち合わされているというふうに判断されているのか、この点の見方、状況等について説明をしていただきたいと思うのです。
#27
○政府委員(松岡亮君) まず最初に、組合の役員でございますけれども、これは組合長の専任になっておるものが半分くらい、ほかは農協の組合長であるとか市町村であるとかが兼ねているとかいうような場合が多いわけでございますが、これにつきましては、必ずしも専任であることが常によろしいと、こういうことでもないと私どもは考えておるのであります。場合によっては、農協の組合長と兼務でやってもらったほうが、その村では円滑にいけるというような実情がありますならば、むしろ兼務でも差しつかえないのじゃないか。それから事務所も借りている場合が相当多いわけでございますが、事務所なども、しいて独立してりっぱな事務所をかまえてやる必要は必ずしもない。町村なり農協と仕事の上で緊密に連絡するためには、農協の事務所の一部を借りて一緒に住まうということも一向差しつかえないのではないか、こう考えておるわけでございますが、職員につきましては、組合には全国で約二万人おるわけでございますが、四千の組合ですから平均五人ということで、これはその組合の規模によって多少人員が違っておりますけれども、まあ忙しいときは臨時雇いを使って、集計などの手伝いをしてもらうということになっておりますし、また災害が起きたときには、部落長などを損害評価員として協力してもらっておりますので、現状におきましては、さして無理がない、こういうように考えておるのでございます。改正後におきましても、仕事の量としましては、一部選択の範囲が個別化するというような点がございますが、責任が拡大されたからといいまして、事務の量としてはふえないのでございます。そういうことからいたしまして、改正後におきましても無理があるとは考えていないのでございます。
#28
○北村暢君 ただいまの御説明を聞いているというと、組合長の専任は半分くらい、それも専任してもしなくても、やっていければいいんだと、それから事務所も単独の事務所でもいいし、農協の一部でも町村の一部借りてもよろしいと、まあそれでやっていけるものはやっていったらいいと、やっていけないことはないのだと、こういうことのようであります。したがって、今の説明を聞いていると、一組合平均が五人程度の職員をかかえて、そしてやっていくというわけでしょう。したがって、まあ平均が一五人ですから、二人いるところもあるし、三人のところもある、七、八人のところもあると、こういうことですね。一体どちらかといえば、この共済組合というのは、普通の保険会社から、何からいっても、支店に該当する実際の業務をやるところですね、保険金の徴収その他の事務をやるところです。そういうものが一事務所二人とか三人とか五人とかいう程度のもので、しかも、それの監督する者も組合長自身も専任もしなくてもよろしい。これはどちらかといえば、もう組合長というのは看板だけで、結局はこの事務職員がやっておる。しかもこの共済組合の仕事というのは、非常に難解でむずかしいわけですね。そういう点からいって、運営は職員にまかせきり、こういう結果になるのじゃないか、そういう末端の機構を持ったもので、私は独立機関として共済事業をやっていくのには、何か無方針なように考えられるのですよ。ということは、農民が信頼できないですわね。実際は農協とは別個な機関です。今どちらかといえば、先ほど来、非常に論議されているように、農業協同組合とは、任意共済の問題をめぐって非常に対立しているところなんです。ところで、末端にいっちまうというと、農協の組合長が共済組合の組合長をやっているのが半分ぐらいあるわけです。だから、これはどうも私ども、市町村長が組合長をやったり、農協の組合長がやっているのが半分以上、五五%くらいあるでしょう、この資料見ましても。そういう状態なんだから、独立機関として末端機関を構成するということの体裁そのものからいっても、非常に形式的になるかもしれませんけれども、私はどうもすっきりした形における権威のある保険行政が行なわれるというふうには考えられないのですよ。しかも農協の組織というのは、これは膨大な組織であるのですから、だから農協の片手間でやるような感じにしか農民は受け取らない。それで仕事できればいいのだというのでは、どうもおかしいじゃないかと思うのです。
 で、将来の方針として、この末端の共済組合というものを整備強化していく、事務所なんかもなるべく独立のものを持っていく、あるいは兼任の組合長は専任にしていったほうがいい、そういうような方針なのか、今言ったのは現状を説明されたに過ぎないと思うのですよ。それでやっていければどちらでもいいのだ、こういうようなことでいくのかどうなのか、私は非常に疑問があります。末端のその機構が、将来どういうふうに持っていかれるのかお伺いをいたしたい。
#29
○政府委員(松岡亮君) 先ほど申し上げましたのは、どちらでもいいという趣旨ではないわけでございます。組合長として人を得ることは、まず第一でございますが、それが農協の組合長と兼務してもらって、かえってその人を得て、また農協との連係もうまくいくというような場合には、兼務でやることも狭い町村でございますから、人材を得る上からいって、そういうことも必要ではないかというふうにも考えておるわけでありまして、特に資金を預かってもらうのは農協であるとか、仕事の上で、病虫害の防除につきましても、相当な関連を持っているわけですから、これを無理に専任でなければならぬという方針で指導することは、かえって実情に合わないおそれがある、こういう趣旨で申し上げておるのでございます。
 また、事務所にしましても、これはまありっぱな独立した事務所を持てば、気分の上からいっていい面も出るかとも思うのでございますが、しかし、かりに十人、これは職員が十人以上いるという組合がございますが、そういう組合でも、わざわざ独立の事務所を作って、これはいろいろ農家の負担も、その維持につきましてもふえるわけでございますし、そういうことを無理に考えないでも、仕事の上から連係の深い町村や農協と一緒におって、仕事の連絡を緊密にすることも、あえてこれは好ましい場合もあるのじゃないか、こういうふうに考えているわけでございます。
 しかし大体におきまして、われわれの考え方としましては、末端の共済組合のいろいろな事務費の充実は今後期して参りたい、それによって仕事が十分遺漏なく行なわれるように、費用等につきましては、できるだけその支弁について充実するようにはかって参りたい、こういうふうに考えておるのでございます。
#30
○北村暢君 どうなんでしょうか。専任の組合長というのは、傾向としてふえていっておるのか、前任のほうがふえておるのか、傾向としてはどうなんですか。どうも前の古い資料で、組合がどんどん合併していくものですから、ちょっとわからないんですが、傾向としてはどういう方向にあるのか。
 それから今おっしゃったことと関連して、市町村に移行をしておる状況です。これは資料にあるわけでありますが、最近急速に市町村移行がふえていっているようでございます。それはこの前の答弁でも組合員の自主的な判断によってやらしているんで決して奨励しているわけじゃない、こういう趣旨の答弁があったようでございますが、実際問題として町村移行というものがどんどん進んでいる、ふえていっているということだけは、傾向としてそういうふうに出ていると思うんですね。この資料を見ましても、町村へ移行になった際の状況をみますと、組合におったときよりも職員の給与も、はるかによくなってきている。職員の給与だけは端的によくなっているんですね。したがって、よくなっているということは、現在の共済組合の職員の給与というものは非常に悪いんだということだと思うんです。そういう点からいって、職員のこの制度に対する熱意という面からいっても、まことに不満な形で、私どもも実際に行ってみて、共済組合というのは村へ行っても、ほんとうに役場の片すみとか、農協の一部にひさしを借りたとか、単独の事務所を持っているなんといっても、それは一般の民家みたいなもので、全く体裁をなしておらないんですよ、そういうものが圧倒的に多いんです。そして職員も非常に低い給与でもって抑えられている、私はこれが実態だと思うんです。したがってこの職員自身が、二万何名かの職員がほんとうに情熱を傾けて仕事をやるような態勢になっていないんじゃないですか。私はそういうふうな感じを非常に受けるのであります。そういう点がやはり、そのほかにいろいろあるわけですけれども、それも一つの大きな市町村へ移行する理由にあるんじゃないか。実際に末端の組合員の諸君がそういうことを聞けば、それじゃあ市町村へいったほうがいいということになるのじゃないかと思うのです。連合会は別として、末端の組合は、そういう意欲になるのじゃないか、それを無理に押えているのじゃないかとすら感ずるのです。いろいろ市町村へ移行する場合の政令の規定、それから何か告示があるようであります。条件がある。その条件を満たせないといけないということになるようでありまして、ああいう理由は、私はつけようによっては幾らでもつくのじゃないかと思うのです。ただ、それは連合会が、やはりなるべく組合で押えていく、こういう指導にあるのか。何かそういうようなことで、そうでなければ急速に市町村へどんどん、どんどんいってしまうのではないか、こういう感じをしているのですけれども、そこら辺の事情は、一体どうなんでしょう。
#31
○政府委員(松岡亮君) 確かに市町村への移譲が最近多いわけでございますが、これは一つには制度に対する農家の不満があって、間接にどうも運営がうまくいかない。特に弱小組合については、町村への移行を政令で認めておるわけでございます。そういう場合において移行が進む、こういう事態になっておるかと思います。そういう場合においては、末端の組合における職員の待遇には若干の差がございますが、そういう組合では、どうも低いという傾向が相当ある。資料でお配りしてありますように、市町村に移行後と移行前とを比較しますと一年間にベース・アップの差が出ますけれども、それ以上に差が大きいということで、確かに御指摘のようなことがあります。ただ、最近におきましては、相当待遇改善に努力しております。この一、二年特にそうでございます。そういうことで町村との問題はともかくとしまして、農村における就業機会として、ほかの農業団体等に比べまして、ほとんど見劣りのしない状態になってきておるのでございます。そういうことでそういう措置はとっておるのでございますが、まあ今後もこれは改善に大いに努力する必要があると私どもは考えておるような次第でございます。
 それから最初の、最近の町村の合併が進んでいる結果として、組合長なり事務所のほうはどうなっているのだという点でございますが、組合長は組合の合併の結果として専任がふえる傾向にあります。それから事務所も区域が違って参りますので独立する傾向がございます。それは確かに御指摘のとおりでございます。
#32
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、町村へ移譲の状況の中で、五月一日現在で六百八、共済事業実施の市町村が六百八ですね。そしてその次に移譲を申し出ている組合数が七百五十ある。こういうことなのですが、これは七百五十というのは、近い将来これは実現する可能性があるのですか。
#33
○政府委員(松岡亮君) これは市町村公営に移行したのが六百八でございまして、それに移行しようとしたのが七百五十ばかりの数でございます。というのは一つの村の中に二つの組合があって、それが一ぺんに町村へ移る、こういう関係でございます。
#34
○北村暢君 そうしますと、この七百五十というのは、申請があって六百八実現したと、実施になったと、こういうことですね。
 そうしますと、私どもの聞いておるところによると、ことしじゅうに千をこすのではないかと、こういうふうに聞いておるのですがね。それはどうでしょうか。
#35
○政府委員(松岡亮君) まだふえるとは思いますが、千をこすということは、私ども必ずしもそうは見ていないのでございます。別に、そういう県の報告もまだございませんし、しかしふえる傾向は、まだ続いておるようでございます。
#36
○北村暢君 それで、私はこういう傾向からいっても、この政令なり告示の経済局長の通達で、実施をしているわけですけれども、非常に経営内容が小さいとか何とか規模が小さいとか何とかということですが、これはやはり災害常襲地帯と、そうでない無災害地帯とで、だいぶ違うだろうと思うのですが、それにしても大体規模からいって、先ほどもありましたように、平均五名ですから、職員の数が、大きいところで八名以上というのは、ごく少ないわけですね。ですから、まあ規模が小さいとか大きいとかいってみたところで、私はたいした差がないのではないかと思うのです。ですから、将来はやはり、これは一そう公営化していったほうがいい、そういう感じを強く持っているのですが、これはこの前の質問の中でも、あまりそういう方針はとらないのだということですから、将来の機構の問題と関連して私は問題が起こってくると、こう見ておりますから、これは見解の差だということにもなってくるかもしれませんけれども、私は、そういうふうに感じておるのであります。
 ただ、ここで申し上げておきたいのは、市町村へ移譲したことが直ちに公営化になる、こういうふうには私ども理解していないのです。市町村へいったならば、今の状態よりもはるかによくなるのだ、直ちによくなるのだ、こうも考えていない。これはやはり市町村というのは、官庁機構の中に入っていくわけですから、農民の自主性というものが失われていくということについては、これは私どもは傾向として、そういうふうになるのだろうと思いますが、決して望ましい方向ではないのです。望ましい方向ではないのですが、今のような運営では、私は独立してやっていくためには、要件として不備じゃないか、それよりも、やはり町村へいったらいいのじゃないか、こういう比較の問題なんですね、私どものいっているのは比較の問題です。したがって、町村へいくことが理想の形であるとか何とかいうのじゃない。そういう感じは持っていない。これだけは、私は市町村へ移すことを主張しているものですから、それが何でもかんでいいというふうに受け取られると、これは違うのでありまして、そうではない。しかし今の形で指導もされ何もされて改善はされているのだが、なかなか満足にいかないという段階で、やはり市町村へ移行して公営化へ一歩踏み出す、ほんとうの意味の公営化に一歩踏み出す、これの方向へやっぱり、将来傾向としていくべきではないか、こういう考え方を持っているわけであります。
 したがって、そういう公営化ということになれば、共済目的そのものについても、事業内容についても非常に局限されてくるのでありまして、民営でできるものは、これは当然民営に切りかえていくということで、その機構と同時に、共済のあり方そのものもやはり変わってくる、こういうふうに思うのですね。ですから、そういう問題が将来に私は必ず起こってくるだろうと、こういうふうに思っておりますが、どうもその点は意見がなかなか、原案を支持する立場からすれば、政府としても答弁しにくいことだろうと思います。それはあえて私は答弁を求めませんけれども、私はそういう考え方を持っているわけです。
 それから次にお伺いしたいのは、連合会の実態ですが、連合会はこれはどういうふうにして運営されているのか。ということは、いろいろ負担金、賦課金、それから国の事務の補助、国庫負担金ですね、これによって行なわれているだろうと思うんですが、連合会の人員の状況、役職員の状況、これも資料を要求してあったんでありますが、出てきておりませんので、どういう形で運営されているか。特にお伺いしたいのは、連合会というのは、政令では国が全額を負担すると、こういう建前になっているんじゃないかと思うんですがね。それでなおかつ賦課金も課することができるようになっている。そういうことになっているわけなんですが、一体その状況がどういうことになっているか、これをお伺いしたい。連合会のまあどちらかといえば事業運営のための事務費ですか、役職員の給料、旅費その他一切の経費のかかるのはどのくらいかかるかというのは、何か資料にあるようでありますけれども、それが国庫でどのくらいをみ、賦課金でどういうふうになっているか。この辺のところをひとつ知らしてもらいたい。
#37
○政府委員(松岡亮君) 連合会に対する国の負担は、これは御承知のように連合会独自の収入がございますので、その事務費に充てられる財源の全部を国が負担するということにはなっておらないわけであります。で、法律の第十四条で、国庫は、政令の定めるところにより、予算の範囲内において、連合会の事務費を負担すると、こういうことになっておりまして、政令の第一条では、役職員の給料、手当及び旅費、事務所費、会議費その他組合等及び連合会の行なう共済事業及び保険事業に関する事務の執行に必要な費用とする、こういう規定になっておるわけでございます。連合会としましては、まず任意共済関係の収入がございますし、賦課金収入があるわけであります。そのほかに事業の資金を運用した利益があるのでございます。したがいまして、全額について国が負担するということにはなっておらないわけであります。なお、数字につきましては保険課長から申し上げます。
#38
○説明員(岡安誠君) まず連合会の組織でございますが、大体連合会四十六県のうち役員は六百四十人ばかりでございまして、平均いたしますと十四人くらいになろうかと思っております。そのうち常勤の役員は大体平均一人ということになっております。それから職員でございますが、大体現在二千五百人くらいでございまして、平均五十人余りというのが職員の数でございます。
 それから負担関係でございますが、大体連合会の事務費の総額が三十七年度で約、全体でございますが二十一億ばかりかかっております。そのうち国庫の負担いたしておりますのが約五億五千万円程度でございまして、それ以外は賦課金とそれから先ほど申し上げましたとおりに県その他の補助金、それから利子収入その他の収入でまかなっておるということになっておるのでございます。
#39
○北村暢君 そのうち任意共済の収入というのはどのくらいあるのですか、連合会……。
#40
○説明員(岡安誠君) 収入のうち任意事業の収入というのは、大体任意事業から入ります賦課金の収入であるわけでございますが、大体全国、全体でございますが、約一億五千万円程度というふうに考えておるわけであります。
#41
○北村暢君 連合会の、今の説明によるというと、全体の賦課金と事務費の国庫補助ですね、国庫負担におけるもののうち連合会の国庫負担とそれから賦課金で処理するものが全体のどのくらいになっているのか。
#42
○説明員(岡安誠君) 連合会の使いました事務費のうち、国庫負担金でまかなわれます部分は、おおむね四分の一程度でございます。それから賦課金でございますが、賦課金でまかなわれますのはおおむね四〇%程度かと思います。
#43
○北村暢君 それは賦課金と国庫負担金の総額の何%くらいになっているのですか、それが。あれですか、国庫負担総額の四分の一が連合会に使用される、そういうことでございますか。
#44
○説明員(岡安誠君) ちょっと私の申しましたのはそれとは違いまして、私の申しましたのは、連合会が支出いたしました事務費の総額のうちの割合を申し上げたわけであります。今御質問の国庫負担金のうち、どれくらいが連合会に振り向けられているかという御質問でございますが、これは大体八分の一強になるわけでございます。ちょっとパーセンテージは、衆議院に提出いたしました資料の五十三ページになるわけでございます。一四%くらいになろうかと思います。
#45
○北村暢君 そうしますと、これはやはり相当な事務費が、連合会を廃止することによって軽減されると思うのですが、これと県に対してこの制度維持のために補助金が出ているのじゃないかと思いますが、この県に出しているものとの関係は一体どうなんですか。県の指導行政のために補助金を出しているんだと思うんですが、これとの関係ですね。県になぜこの連合会があって、県に指導するための経費を国が負担して出さなければならないのか、これの仕事のいきさつはどうなっているのか、私どもははっきりわかりませんので、ちょっと説明していただきたい。
#46
○政府委員(松岡亮君) 県に対しまして補助いたしておりますのは、県内の共済団体に対する指導監督のための人を設置するための人件費の補助、それから監督のための事務費でございます。そういう関係で特に農林省が直接監督が及びませんので、県に監督を委任しておるわけでございます。
#47
○説明員(岡安誠君) 補助金の額を申し上げますと、六千八百万円余りでございまして、これは県庁の職員の設置費とそれからその職員が県下の組合の検査をするために要する旅費、並びに不振組合等の指導のための旅費等でございます。
#48
○北村暢君 そうしますと、この行政指導の面は検査、不振組合の指導、そういうようなものは県でやる。で、連合会は事業面、こういうことに割り切っておるわけですか。
#49
○政府委員(松岡亮君) 指導監督は県、連合会が事業をやる、こういう形でございますが、連合会としましても事業を行なう上において組合を指導し、あるいは事業の趣旨、内容について理解してもらうための啓蒙宣伝をやる、そういうことはやっております。
#50
○北村暢君 連合会の役員というのは、一体どういう人が連合会の役員をやっておられるか。たとえば単位組合であるというと、農協の組合長か、幹部、理事とか、市町村長、それから専任の組合長、こういうことのようですが、まあ、連合会にいけばこれは相当やはり専任の人が多いんでないかと思います。しかも先ほどお伺いしたように、連合会というのは、やはり任意共済の収益なり何なりというのが、やはり相当重要な役割を果たしているようですね。したがって、まあ、農協の共済との競合の問題で非常に紛糾するのだろうと思うのですが、したがってそういうような点から役員の構成は一体どういう形になっているのか、これをひとつ御説明願いたい。
#51
○政府委員(松岡亮君) 役員のうち、大体一人は常勤でございます。それでその構成メンバー、どういう職業を持っているかとか、そういうことについての調査したものはございませんが、単位組合の役員等がなっておる場合が多いわけでございます。
#52
○北村暢君 単位組合の役員が連合会の役員になっておるということが多いということですが、私は、どうもこの農業共済というのは、政治的に動く面が多いのじゃないかと思うのですね。名誉職のような、たとえば国会議員だとか県会議員であるとか、こういう人が役員になっているというのが非常に多いのじゃないかと思うのですがね。そういうのは傾向としてありませんか。
#53
○政府委員(松岡亮君) 一部、国会議員及び県会議員の方が役員になっている事例はございます。
#54
○北村暢君 一部という程度でございますか。
#55
○政府委員(松岡亮君) 一部でございます。
#56
○北村暢君 そこで私は、この連合会が任意共済の問題なりなんなりやっていくということで、そのしかも連合会の維持をしていくということについては、やはり先ほど来言われている、正常な何といいますかあり方ということについて、不正常なこともあるようだというような点が、この任意共済の問題をめぐってあるわけですけれども、どうもやはりこの連合会はそういうことをやらなければやはりやっていけないような形にあるのじゃないかというふうに思うのです。したがって、これを組合を公営化していくということになれば、先ほど言ったように事業内容も非常に極限せられる。それで私は将来の運営としてすっきりしていくのじゃないか、こう思うのですね。したがって、まあこの連合会等のものについては、どうしてもこの連合会というものを置いていかなければ運営ができないか。先ほどの単位組合の共済組合の機構の整備がなされていけば、私は連合会というものは不必要になってくるのじゃないか。これは単位組合がその能力がないもんですから、再保険をやって危険分散等もやっていかなければならないと、こういうことのようですけれども、これを県の段階で一段階それをやらなくても、中央一本でやはり末端の組合がしっかりしてくればできるのじゃないか、こう思うのですね。したがって、この点については、連合会の問題については、まあ私は意見が先ほど来の質問で明らかですから、これ以上は申し上げませんけれども、連合会の実態からいってもどうもどうしても置かなければならないということについて理解がいかないわけです。
 それから次にお伺いいたしたいのは、共済協会ですか、共済協会というのは、一体どういう性格のものかですね。これは任意の形であるでしょうか。前の機構の協議会案の機構改革では、協会の機能をも吸収して事業団を作るということになっておったようでありますが、この協会というのは、一体どういう性格のものか。また、その経理の内容は一体どういうふうになっておるのか、これをひとつ説明願いたい。
#57
○政府委員(松岡亮君) 共済協会は、これは民法上の社団法人、つまり公益法人でございますが、その仕事としましては、会員相互間の連絡、それから制度に関する調査研究、普及等の専業、それから国会とか関係行政庁への要請、陳情、建議、それから団体職員の講習会等の開催、それから新聞雑誌等の発行その他による広報宣伝、それから職員の退職給与金、給与施設その他福利増進、こういうようなことを目的にして設立されておるのでございます。
 経理につきましては、これは一般会計と特別会計でございます。経理が別になった部門がございます。それから新聞雑誌の発行等、役職員の退職給与金、給与施設については別の会計になっております。一般会計において一般の事業の収支を扱う。収入は主として会員からの会費の徴収によってまかなわれる、こういう状況であります。
#58
○北村暢君 会員からの会費の徴収というのはどの程度になっておるのか。規模、機構はどういう、協会の役員、やはり役員はおるのだろうと思うのですが、役職員はどの程度におられるのか。そしてその会員の会費によってやっておるというのでありますけれども、その会費というのは、実際には賦課金というようなもので納められたものから、連合会から吸い上がってくる、こういうことになるのじゃないかと思うのです。ところが、この協会の性格は任意団体、社団法人ですから、法律によるものでも何でもないわけです。したがって農林省がどういうふうに指導するとか何とかいう問題でなく、自主的な団体である、民法上の法人である。こういうことですから、私はその収入が会員の会費という形であるならば、末端から連合会なり――連合会であると思うのですが、連合会に納まるものが、その事務費なり組合員の賦課金というものでもってまかなわれておるそのものからこの協会へ会費として入ってくるというようなことになれば、これはちょっとおかしいのじゃないかと思うのです。どうもそこら辺のところは、半官半民みたいなような形に、性格になっておるというふうに思われるのです。したがってこの経理の規模、どの程度のものが収入として入り、収支がどういうふうになっているのか。そしてその会費という形でまかなわれるというのは、賦課金と国庫負担金との関係で一体どういうふうになるのか。それから社団法人が建議をすると言われたのですが、陳情団体ならどうでもいいのですが、建議をするということになると、これは何かやはりなければならないと思うのです。建議という何か権限、そういうものがあるのかないのか。性格上、建議ということの法的な根拠を、建議をする権限というものがあるのかないのか、この点をひとつお伺いしたい。
#59
○政府委員(松岡亮君) 一般会計の収入が大体三千三百万円でございますが、そのうち二千六百万円が会員からの会費となっております。収入の約八〇%が会費ということになっておりますが、これは性格としては、農家が負担して、組合に出した賦課金、さらに組合が負担して連合会に出した賦課金の中から、会費というものは徴収されるもの、こう理解するわけであります。連合会が自主的に作った民法上の組織でございますから、そういうふうに理解され、また賦課金のワク内でのみ会費は徴収される、こういうふうに理解しているのでございます。
 それから建議の問題でございますが、これは建議というのは、国会で請願なり建議をすれば受理されるわけでありますけれども、行政府に対する建議もございますが、特に建議は、これは私ちょっと研究しないでの答弁でございますが、特に権限がなければ建議ができないという性格ではない、こう理解しているのであります。農協中央会とか、そういういろいろな団体の法律に関しまして、建議することができる、あるいは建議を事業の内容に入れてございますが、そういう明確な根拠のある場合がございますけれども、民法上の社団法人とかその他の団体は、国会法で許されている建議とか、そういうもののワク内で、建議というのは理解する、つまりこれは単なる陳情にすぎない、こう理解をすべきではないか。言葉は建議と、民間で使われるのは自由でございますから、そう理解する性質のものではないか。ちょっと研究不十分でございますけれども。
#60
○北村暢君 自主的な機関ですから、私は協会そのものには国が援助したり何なりするということは、今の説明でもないようでありますから、しかもこの法律との関係というものも何もないわけですね。しかし収入がやはり末端から上がってくるのだということになると、これは賦課金とか国庫負担金とかいうものが、明確に分けて経理されているかどうか、それはわからないわけですが、国から経費をもらうような団体が、しかもそれが上部へ、自主的な機関といえどもこういう経費を取ってやっていく。特別会計等で出版物その他でもってやっていく面は、これはなにも干渉する必要ないわけですけれども、しかしこれは今言ったように、会費制でいくということは、国庫の負担金がこちらへ来ないとは限らないと思う。特に賦課金の徴収なんていうのは非常に成績が悪いわけですね。したがって、とりあえず来るのは、国の負担金は確実に来るわけです。そういうものが協会へ会費として納められて、実質的な運営がなされていく。こういう結果になるのじゃないかと思うのです。そうすると、これはやはりそういうことがないのかどうか知らないけれども、国庫の負担の分は、そういう会費に納めていかないということになれば別だけれども、経理のほうは、そう簡単に区別されて経理されるのか、されないのか。そこらのところは問題があるのじゃないか。しかも共済協会というのは、先ほども言われているように、普及をやったり、政府に対する要請なり建議なりというふうなくらい、実はこれはやはり相当政治力を持った発言権のある協会なんです。今度の三者の協定等によりましても、堂々と声明を発表するという、非常に規模は小さいのかもしれないけれども、発言権を持ったものなんです。そういうものが経費として、国からの国庫負担したものが会費という形で出されている。しかも協会に対しては、政府としては何らの指導も監督も関係のない機関である。そこら辺のところが、私は若干割り切れない感じがするわけです。しかも、農業共済協会というのは、歴代会長というのですか何かは、農林次官をやった人がちゃんとなるようになっているわけです。でありますから、どうもそこら辺のところが、現役の役人のやめた人の救済機関でもあるようにも考えられる。間接的に国の経費がこの協会へいくというふうにも考えられる。どうもそこら辺はっきりしないのですが、どうなんでしょうか。そこら辺のところは明確になっているのですか、いないのですか。
#61
○政府委員(松岡亮君) これは収入の上での会費は、明瞭に賦課金の集められた金額の範囲内で会費が徴収されておる。これはまあ全体の徴収されている賦課金に比べれば、きわめて小さい額になるわけでございますが、したがって実質的に国庫がこの金をまかなっておるということは、私はないと考えるのでございます。
 政治活動をやっておるかやっていないか、私どもは、自主的な団体として統合された意見を発表したり、こういうことはあると思うのであります。それから連合会が個々にいろいろな調査なり普及の資料を作るというようなことはむしろむだであって、一つの団体にまとまってそこで十分な調査をやり、普及活動をやるというほうがむしろ効率的である。そういうことからいって、こういう事業をやること自体は、まあ妥当ではないかと考えておるのであります。どういうものを政治活動といい、いかなるものが非政治活動であるか、その辺につきましては、ちょっと私どもも明確なことは言えませんが、政治活動という性格のものではないと考えておるのであります。
#62
○亀田得治君 関連。協会の役員の数なり、職員数。それとこの役員の報酬ですね。これはどういうふうになっていますか、三点。
#63
○政府委員(松岡亮君) 役員は現在二十三名でございます。うち理事が十八名、監事が五名でございます。
 それから職員が五十八名で、そのうち一般会計に属する職員が十九名、その他は特別会計、こういう状況でございます。
 それから役員の待避でありますが、常勤の役員は月額十一万円でございます。そのほか副会長が年間三十万円、つまり月額二万五千円。それから職員の平均のベースが二万四千二百円、月額でございます。
#64
○亀田得治君 会長はどうなっておりますか。
#65
○政府委員(松岡亮君) 会長は無報酬になっています。
#66
○亀田得治君 会長はそんな無報酬でやれるわけですか。正規の報酬じゃなしに別途にあるわけでしょう。
#67
○政府委員(松岡亮君) 現在の会長は、日銀の政策委員でございますから、そちらの政策委員としての立場から、ほかの職業につくについては一定の制限がございます。したがって通常の報酬を受けていないと思うのでありますが、そのほかに何らかのあれを受けているか、私どもは聞いていないわけでございます。
#68
○亀田得治君 そのほかのほうが多い場合もあるわけだからね。それはちょっと調べて下さい。形式上報酬という項目になっておるおらぬは別として、会長に対する手当としてどういうふうに経理がされておるのか、この点を一つ。それから常勤役員というのは何名ですか。
#69
○政府委員(松岡亮君) 一名でございます。
#70
○亀田得治君 一名というと、どういうポストですか、具体的におっしゃって下さい。
#71
○政府委員(松岡亮君) 常務理事でございます。
#72
○亀田得治君 そうすると、常勤の常務理事が十二万円、それから副会長が二万五千円というのは、月にすると二万五千円、これは非常勤だからそういうことになるわけですか。
#73
○政府委員(松岡亮君) 非常勤でございます。
#74
○亀田得治君 この副会長はほかの仕事はやっていないわけですか。何かやっているわけでしょう。二万五千円だけで幾ら非常勤といったってぶらぶらしているわけにはいかない。
#75
○政府委員(松岡亮君) 県の連合会長であると思います。
#76
○亀田得治君 連合会長のこの給与というものは、大体どの程度になっているのですか、常勤の場合とそうでない場合と。
#77
○説明員(岡安誠君) 連合会長でございますが、常勤の場合、大体高いほうで月額約十万円でございますし、低いほうで一万三千円というところでございます。
#78
○亀田得治君 それで副会長はこれは一名ですね、協会の副会長は。
#79
○政府委員(松岡亮君) 一名でございます。
#80
○亀田得治君 これは常勤の連合会長をおやりになっているわけですか。
#81
○政府委員(松岡亮君) ちょっとその点は後ほど調べて申し上げます。
#82
○亀田得治君 それから先ほど北村君の質問の中であったわけですが、八〇%はこの会費、あとの二〇%はどういう収入面になっていますか。
#83
○政府委員(松岡亮君) 一つは事業委託収入これは二百万円ばかりでございますが、それから雑収入、これは預金の利子等約三百五十万円程度、そのほかに繰越金等ございます。
#84
○亀田得治君 さっき北村君から八〇%の会費は、負担金から出させておるという御説明で、国庫とは関係ないというお話であったわけですが、形式はそういうことになるかもしれぬが、結局連合会なり単位組合における全体の支出というものが、それだけ圧迫されるわけですね。それがなければもう少し農民に役に立つことを若干でもこれはできなければならぬわけですね、お金がある以上。だからそういう意味で規則だけを負担金の範囲内で会費を取るのだということを書いたから、国庫とは関係なくなるのだというのは、これはきわめて形式的な説明であって、やはり実質を見ればこれはやはりこの制度というものは、農民並びに国の金でささえられておることは、もう全体として見て明確なわけなんで、だからそういうふうに見れば、共済全体の事業量というものの中で占める国の負担金の割合、それだけの割合というものが、やはり共済の協会をささえておるものなんだというふうに見るのが、これは私は実質的じゃないかと思うのですが、もしそうだとすれば、協会というものは今のような格好でいいのかどうかということについて、しからばどうしようというふうなことを私申し上げるのじゃないのですが、やはり見方が変わってこなければならぬのじゃないか。おそらく例の審議会の中で、事業団の中にこういう仕事も吸収していくというふうな案であったわけですが、私が今指摘したような角度からこれはやっぱり見られておると思うのですね。だからその国庫とは関係ないというふうな見方をされることは、私はあとに問題を残すのじゃないか。何か協会で問題があった場合に、じゃ国は全然何も言えぬのかという問題にもなる。そういうことを何か言うた場合に、じゃお前は国会で関係ないと言うとるじゃないか、関係ない者は口ばし出すなと、逆に反撃をされる。そういう性格のものじゃこれはなかろうと思うのですね。それはなるほど国がきちんと協会に対してどういう監督権を持っているとか、そういうことは書いてないかもしれぬが、言うだけぐらいの、それこそ建議論じゃないけれど、根拠はあると思うのですね。実質的にそういうふうにつながっているわけですから、そこを北村君がやっぱり質疑をもってお聞きになったと思うし、私も答弁を聞いておりましても、ちょっと形式的過ぎるなという感じを受けたわけなんで、もう一度その辺打ち割った考えをお聞かせ願いたいと思います。
#85
○政府委員(松岡亮君) 協会案で専業団にこういう組織を吸収するという考え方を出されたのは、連合会をすべて解消してしまうという前提に立っておりますから、連合会の上に立ったこういう団体というものの存在理由がなくなってくる。ただ、しかしながら普及事業とか調査研究とか、そういう仕事はこれはどこかでやらなければならないから事業団において引き継いで行なう、こういう意味であったと思うのであります。ところで、今御指摘のありました国費、この制度には国費が相当使われているのだから、この団体の収入についてはそれだけ連合会の財源を食っておるのだから、国との関連において全然ないという言い方はおかしいではないかという御指摘でございますが、しかし、これはこういう民法上の法人の性格として、メンバーの統一的な意見を作る場所、あるいはメンバーの共通な問題の調査研究、それから普及活動というようなことは、これは本来メンバーのために行なわれる事業であって、メンバーとしてはそのための費用を負担するということは、メンバー自身のためのプラスになる仕事でありますから、賦課金からまかなわれている性格のものであるということは、賦課金以上の額を会費として取っておれば別でございますが、また賦課金の大きな部分を取って、そのために連合会の経理が、お言葉のように、圧迫されているという程度ならば別でございますが、連合会で集めている賦課金に比べましても、きわめて一部の額であります。したがって、そういうメンバー自身のプラスになる仕事というもののために、金が集められて仕事が行なわれるということは特に問題ではない、こういうように考えておるのであります。
#86
○亀田得治君 それではもう一つお聞きしますが、これは大体歴代の農林次官をやった人からとる、何かそういうふうな慣習にこれはなっているのですか。
#87
○政府委員(松岡亮君) そういう慣習も、慣例もございません。これは私が申し上げますのは、あるいは妥当でないかとも思いますが、現在の山添会長などは、非常に就任を固辞されたそうでありますが、協会の非常な、希望でようやく受諾された、こういうように聞いておるのであります。
#88
○委員長(櫻井志郎君) ここでしばらく休憩し、午後二時再開いたします。
   午後零時四十八分休憩
   ――――・――――
   午後二時十七分開会
#89
○委員長(櫻井志郎君) ただいまから委員会を再開いたします。
 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行なうことにいたします。
 質疑のおありの方は、御発言を願います。
#90
○安田敏雄君 まず、質疑の前に委員長にお願いしたいのは、実は資料関係ですが、衆議院に提出された資料は、こちらから要求しなくても、そのままこれから参議院に出していただきたいということを申し上げるわけでございまして、実は今度の農災法の法案にいたしましても、衆議院へ提出された資料が、この前の委員会へ提出されたというような状況です。したがって、私どもその法案を大体調べたところで、その質問をしようとする要旨の中には、もうすでにこの資料に説明してある分もかなり含まれておるわけです。したがいまして、大体大半もう審議が各党派で行なわれて、そうしてもうかなり大詰めにきているというような、状況の中で資料をいただいたのでは、これは非常に何といいますか、審議の上からいって手おくれのような感じがするわけですよ。そういう意味で、今後衆議院に提出したものは、そのまま参議院のほうへひとつ提出願いたい。こういうように委員長も特に政府側に対しまして要望しておいていただきたい、こういうように思うわけでございます。なお、政務次官がいないからちょっとあなたに申し上げます。
#91
○委員長(櫻井志郎君) 委員長からそれに対してお答えいたしますが、前回の委員会でも、北村委員から御発言がありまして、農林省の官房長からその御要望に対して、今後最善の努力をいたしますという回答をし、善処いたすことになっておりますから、御了承願います。委員長としても努力いたします。
#92
○安田敏雄君 では質問に入りますが、局長にお尋ねいたしますが、今回のこの改正案を提出するにあたりまして、前回の経緯もありますが、農業基本法との関係においてどういうようにこの農災法の改正を配慮されたかということでございます。そこで、農業基本法にはその総則において、農業が置かれている自然的社会的経済的の不利益を合理的に補てんする等、必要な施策を講ずる、こういうように書いているのでございますが、この改正案は農業基本法の精神に照らして、あなた方のほうでは、政府のほうでは、きわめて合理的な改正がなされておるものであるかどうか、こういう点について、基本的な考え方をひとつお聞かせを願いたいと思います。
#93
○政府委員(松岡亮君) 三十八回国会に農業災害補償法の一部改正法律案を提案いたしました際には、農業基本法の関連法律としまして提案いたしたわけでございますが、その内容は、今回の改正法律案で一部変わっておりますが、主要な部分はほとんど承継いたしておるのでございます。で、今御指摘のありました農業基本法の前文にあります自然的経済的社会的不利の補正ということは、農業災害補償制度が持っている一つの使命、あるいは性格である、こう考えておるものでございます。それは、農業の特に自然的経済的な不利としまして、災害に襲われる、天災を受ける、これはどうも農業としての避けられない不利である。それに対しましてこの制度は、農家相互の共済という制度を一面においてとりながら、同時に掛金については三分の二近くのものを国が負担し、またその運営の費用につきましても相当部分を国が負担して、災害に対する損失の補てんを行なうということにいたしておりまするので、これは農業の持つ自然的な不利、経済的な不利の補正ということになると思うのであります。さらに、今回の改正におきましては、その補正の仕方につきまして、従来のような県単位の大まかな保険方式をとらないで、組合ごとに料率をきめる。また、災害が起きた場合には、従来、米価の七〇%補てんされたものを、最高九〇%まで補てんできるようにするというような改正を行ないまして、さらにその不利の補正という点で充実をはかっておる、こういうように考えております。
#94
○安田敏雄君 ただいまの説明でもよくわかりますが、今度の改正はおもに農作物共済の責任の拡充にこれは主眼点を置いているわけです。したがいまして、それに関連してその他の共済掛金率の問題であるとか、あるいは強制加入の方式の緩和だとか、こういういろいろの点が具体的にあがっておるわけでございますが、この基本法が制定せられた精神からいきますと、当然農作物全般にわたって、いわゆる農業生産物全般にわたっての配慮に欠けておるのではないかと、こういう気がするわけです。そういう点からしますと、今回の災害補償法の改正は、従来の経緯からいきまして、第三十八国会以来の経緯からいきましても、もっと各般にわたる抜本的な改正が行なわれてしかるべきである、こういうふうにわれわれは期待しておったわけです。ところが、農作物についてのみ共済責任を拡充するという点に主眼点がしばられて提案されたわけでございますが、そういう点からいきますと、基本法の精神からは、多少、何といいますか、食い違いが出てきておって、その理想に近づいたものではない、こういうように考えられるわけですが、こういう点はいかがでございましょうか。
#95
○政府委員(松岡亮君) その点につきましては、確かに御指摘のような面があろうかと思います。農作物の共済につきまして、まだ改正が実現されませず、農業基本法に言っております選択的拡大の対象になっております果樹、あるいは畜産部門等に対する基本的な改正まで及んでいないということにつきましては、御指摘の面があろうかと思います。家畜につきましては、すでに現行の制度があるのでございますが、これは最近の多頭羽飼養などの傾向に即応して、やはり改正を加える必要がある、こういうように考えておるのであります。また、果樹共済につきましては、目下せっかく調査中でございますが、それで、本年は試験的な実施をやっている、現金の上では行なわないが、帳面の上で特定の町村において果樹共済の記帳をやって、幾つかの方式で試験を試みている、こういうことをやっておるわけでございます。それらの結果を得まして、次の改正の機会にでき得れば制度化するということをいたしたい、こう考えておるような次第でございます。
#96
○安田敏雄君 この基本法でうたうところの選択的拡大の対象農産物としての成長産業、成長農産物としての果樹、蔬菜、茶等に対する制度改正が、全然今度の案には出ておらない、そういうようなことで、いただいた資料を見ますというと、果樹につきましては三十六年調査費を設けてからこのかたそれを、何といいますか、何か、検討会ですか、調査した結果の検討をする会を、委員を任命して、設けられてある程度の、相当の優秀な結論が出ておるようでございます。どこかここにありましたね、そういう点からいって、今回その制度化を企図しなかったわけでございますけれども、そういうような準備段階が、調査の準備段階が進んでおるとするならば、おそらくその制度化というものは、かなり目前に迫っておるというようにも判断できるわけです。したがいまして、そういう見通しをつけて成長農産物としての果樹その他に対するところの共済制度の抜本的な改正と申しますか、そういうようなものが、大体いつごろの見通しになるのでしょうか。
#97
○政府委員(松岡亮君) できるだけ成長農産物について共済制度を拡充していく必要があると存じますが、これはものによりましては、どうしても保険にのらないような性格のものがあり得るわけでございます。たとえばその栽培されるのが非常に偏在しているというような問題、あるいは危険分散が不十分なもの、たとえばきわめて地方的な作物、こういうようなものがございます。また、収量や作付けの変動のはなはだしいもの、これは野菜などに多いわけでございますから、そういうものはなかなか保険の対象に、技術的にできないという面がございますが、果樹につきましては、今もお話がございましたように、相当に調査を進めておるのであります。本年からは、先ほど申し上げましたように試験調査に入りまして、実際にとにかく記帳で幾つかの共済方式を立てまして、やっていける段階まで来ているわけであります。それにどのくらい時間がかかりますか、本年一ぱいは少なくともかかるわけでございますが、ことしの結果いかんによって、来年もさらにもう少しやってみる必要があるかというようなことと、若干その結果を検討する時間が必要がございまするので、できるだけ私どもとしては早い機会に制度化したいと考えておるものでございますが、何分にも制度が非常にむずかしい制度でございますから、できても動かないような制度を作るという失敗をしないように、一面において慎重を要しまするので、なお若干の日子を要する、こういうように考えております。
#98
○安田敏雄君 果樹について、果樹共済制度が、準備検討会というのですか、これの検討した要項、要旨が資料としてありますけれども、その目的であるとか、あるいは対象、果樹の種類であるとか、あるいは調査方式の内容、これはA、B、C、Dに分かれており、ますが、こういうようなものについては、農林省としてはこの検討会の結論の要旨というものを、これを尊重する方向において実施の段階へ進めていこう、こういう考え方ですか。
#99
○政府委員(松岡亮君) この検討会の検討の結果をもちましてこの四つの方式を考えたわけでございます。それで、本年度その四つの方式を具体的にいろいろな地方の、いろいろな村で試験してみる、こういう段階に入っているわけでございます。
#100
○安田敏雄君 そこで、もう一つの問題としてお伺いしたいのは、ちょうど午前中この農業団体の問題が議題になりまして審議されたわけでございますが、農業基本法の第二十四条には、「国は、農業の発展及び農業従事者の地位の向上を図ることができるように農業に関する団体の整備につき必要な施策を講ずるものとする。」と、こういうようになっているわけですね。ところが、今度の改正にあたりまして、何か農業団体のほうは従来のままで置いておいて、それにかえって今後の災害の取り扱いを、従来そのままの農業団体を整備することもなくて、ただそのままの中に引きずり込まれていったという印象を受けるわけです。そうすると、これは全くその基本法の精神をじゅうりんする。たとえば、改正案が、従来のその共済の方式から一歩前進しているわけです。前進しているにかかわらず、それに即応した農業団体の整備をするということでなくて、従来のままの農業団体にそれを政治的な調整といいますか、そういうようなものにまかせておくというようなことになりますと、何かそこに基本法との食い違いがあるのではないかという私は感じを受けるわけですよ。そうすると、その農業基本法との関係においてどうも少し理解がいきかねるわけでございますけれども、そういう点についてはどういうように考えておりますか。
#101
○政府委員(松岡亮君) 基本法の第二十四条にきめられておることは、まあ農業の発展なり、農業従事者の地位の向上をはかるために、農業団体というものを健全な姿に整備強化しなければならぬと、こういう趣旨かと思うのでございますが、今回の改正につきましては、まあ御指摘のように、団体の機構そのものにはほとんど触れておりません。まあ関係があるとしますならば、従来問題になっておりました任意共済事業に関する調整を改正の一部に加えておるのでございますが、これは若干機構的な問題ということになる、こういうものでございますが、協議会案等で出て参りました事業団というような構想をとりますれば、そういうことになって参るわけでありますけれども、これはもうしばしば申し上げておりますように、農家単位の方式というものをやめたというような関係で事業団を設ける理由が半減しておりまするので、そういう機構的な問題に触れずに済んだと、こういうことでございます。今回の改正法律案では、そういう機構、組織の面における改正を必要とする保険設計上の改正がない、こういう御理解をいただいてはいかがかと思うのであります。
#102
○安田敏雄君 午前中に北村委員のほうから、事業団の問題については局長との間において質疑応答がありましたから、その点は重複するから避けますけれども、問題は、私はこの農業基本法を制定するときにおきましても、農林省原案というのは、相当その当時何か聞くところによると、農業団体の再編成をやっていかなければ、今後の農政の問題の完璧は、基本的に見て推進されないというようなことであったようでございますが、その後基本法が具体的に日程に上りますというと、与党側のほうで農業団体におきましてはこれは伏せておけというようなことで、今のような法律になったように承っておるわけです。ところが、やはり二十四条には、はっきりと「団体の整備につき必要な施策を講ずる」特に具体的な問題として農災法は前の経過からいってこれを相当今度の改正案で前進せしめたということになれば、たとえ任意共済の問題でも、団体に将来の方向をやはり指示を与えていく、なるほどその団体がああいうさっき問題になりましたような協会というものは、政府の監督指導を受けないにいたしましても、何かそこにそういう将来における共済を扱う団体についての何か理想像というようなものに一歩近づいていくような方向において、改組の指示を与えていかなければならぬ。今改組できなくても、そういうような示唆を与えていかなければならぬ、こういうふうに思われるわけです。ところが、現実には政治的な問題として、その団体の維持存続のために共済を任意共済に、建物共済の問題にしても、それをただ振り分けて扱っていくのだということだけでは、何か片っ方のほうでは共済の法案としては前進しておるが、取り扱い方のほうにおいては一つ後退しておるのではないか。このことは基本法の精神に反しているのではないか、こういうように考えられるわけです。この点いかがですか。
#103
○政府委員(松岡亮君) 農業団体の再編成の問題までのお話でございますが、これはいわば農業政策の基本のまた基本になるような重大な問題でございますので、私はここで具体的などうこうということは申し上げられないわけでありますが、基本法を制定する過程においての問題として私が承知いたしておりまするのは、むしろ基本法を制定する以前に、基本法を作るか作らないかということのきまる以前に、基本問題調査会においてどうするかという問題があったと思うのであります。これは取り上げるかどうかということが相当論議された、農林省の中でも論議されたわけでございますが、それは結局基本問題調査会においては、具体的な明確な姿で、農業団体はどういうふうに編成するかということはうたわなかったわけであります。基本法の制定に際しましても、農林省原案におきましても、現在現行の規定となっております程度の以上の内容のものはなかったかと記憶いたしております。そういうようなことで、今回の改正法律につきまして、これと関連、農業団体の再編成の構想と関連して、今後改正法律案を提出するということは、ちょっと現在の段階ではそこまでの構想を持ち出すということは、われわれとしては、若干無理があるんじゃないか、こういうように考えておる次第でございます。
#104
○安田敏雄君 この問題は、いずれ最終的に大臣が来たときにお聞きすることにいたしまして、あとはこの法案の条文に触れたり、あるいはそうでない項もありますけれども、前後するかもわかりませんけれども、あるいは前の質問と重複するところがあるかもわかりませんけれども、そういう点について聞きたいと思います。
 まず、お聞きしたいのは、この資料の五十七ページですかに、最近における共済組合の解散の状況が出ております。この解散の状況についてはここに数字があげてありますが、解散しなければならないというそういうおもな理由ですね、私よくわからぬですけれども、そういうような理由について、もちろんこれは総会の議決があれば、あるいは市町村会の議決があれば解散できるはずですが、経営が不振であるとか、あるいは共済金の支払いに非常に困難が伴うとか、何かいろいろ理由があるだろうと思います。ここに数字をあげて合計四十八あるわけですが、そのうち解散しなければならないという最も重要な理由についてお聞かせ願いたいと思います。
#105
○政府委員(松岡亮君) これは、具体的にはいろいろな理由があるわけでありますけれども、最も基本的でおもな理由としましては、低被害地といいますか、無事故の続いた地域におきまして掛捨てになるということが、大きなまた一般的な理由になっております。解散運動が起きているのは、大体において低被害地でございます。金を払うばかりで、さっぱりもらう機会がないというような不満が高じて、解散運動に発展する、こういうことのようでございます。
#106
○安田敏雄君 そうしますと、無事故で掛捨てばかりになるというところに解散のおもな理由があるという場合にですが、その場合、解散した組合の組合員の農災保険は、どのように処理されているかということが出てくるわけですね。この点はどうですか。
#107
○説明員(岡安誠君) 今まで解散決議をしました組合は、六十二でございますが、そのうち知事の認可を受けまして解散をいたした組合は二組合でございますが、いずれもこれらの組合は、一つはダムができまして耕地が全くなくなってしまうような組合でございますし、一つは離島でございまして、ほとんど耕地がないというような状況でございます。したがって、そこでは事実上共済保険の関係はないわけでございますから、あまり支障はないものというふうに考えております。
#108
○安田敏雄君 ここに解散議決組合等とあって、未解決組合が十四、四十八というのは解決したんですね。二組合ですか。十四とある。これはどうなっているんですか、未解決組合というのは。
#109
○政府委員(松岡亮君) これは解散の決議に対しまして、知事が、解散した場合に、いろいろの災害が起きた場合に支障が出る、それから解散の過程において、全員がよく了解してのことであるかどうかということで説得をまずやっておるのでございます、解散認可をする前に。それで大体し話合いがついて納得して解散をやめる、解散を中止するというようなのが解決組合でございますが、そこまでいかなかったのが未解決組合、この中には大部分事業を事実上停止している組合が多いわけであります。
#110
○安田敏雄君 そうしますと、従来その掛捨てがおもな理由で解散議決をした。結局知事、市町村長の政治的な善意な意味における介入等によって解散は免れてきた。しかしながら、そういうようなことで一応解散はしなかったが、問題は今後にあると思います。今後またそういう掛捨ての問題が出てきますとたいへんなんで、結局無事戻し制度の実質的強化をはかっていくということになってくるんですが、この新しい改正によりまして、大体従来の三年間の掛金額の六分の一を今度は三年間の三分の一ですか、掛金額の三分の一にするわけですから、大体従来は半年分、今度は一年分になるわけですね、改正案では。これは資料にあるように決定しているですか。
#111
○政府委員(松岡亮君) ここに書いてありますように実施いたしたいと考えております。
#112
○安田敏雄君 そうすると、その無事故の場合は結局二分の一農家に返る、こういうことになるわけですね。
#113
○政府委員(松岡亮君) 従来は三年間無事故であった場合に半年分返せる、こうなっていたのでありますが、実際は積立金等が少なくて返せなかった場合が多いので、返している場合もあったけれども、返さなかった場合が多いのであります。今度は末端の組合の責任が拡充される結果として積立金も相当積める、したがって財源ができますのと、もう一つは半年分というのを今回からは一年分返せる、こういうようにいたしますので、一年分、つまり倍額返すということと返す機会がふえる、こういうことになって参るわけでございます。
#114
○安田敏雄君 そうしますと、今後はその共済事業をやっている組合の解散が、この新しい改正の措置としてあり得ないというように考えてよろしいですか。
#115
○政府委員(松岡亮君) 従来の解散運動の推移をしさいに見て参りますと、大体ほとんどが低被害地でございます。したがいまして、そういうところでは、説得工作で解散を中止するというのが多うございますが、一面において解散議決をやっているところに災害が来て、そこで解散中止というようなことも多かったわけでございます。これはどうも幸か不幸か、災害が起きると解散運動というものが下火になるわけですが、そういうことと、今回の改正によりまして、支払われる共済金と支払う掛金及び賦課金との関係がこれは具体的に現実に相当改善されるはずであります。これは組合ごとに実態に即した料率をきめるようにいたすわけでありますから相当改善して参るわけであります。それから無事戻し制度が拡充されるということで、将来の解散運動の原因になっておりました要因というものは、よほど少なくなると、こういうように見ておるわけであります。
#116
○安田敏雄君 その次にお伺いしたいのは、農業共済事業の市町村移譲の状況についてでございますが、実は私がお聞きしようというのは、資料に出ちゃったので聞くこともないのですが、その市町村へ移譲した中で、表の職員の給与問題ですが、市町村へ移譲したほうが、職員の給与が地方公務員並みといいますか、そういうようなことになるのかどうかしりませんけれども、この表でいいますと相当上がっているわけですね。そうしますと、今度新しいこの制度改正が出てくると、相当この制度改正には、この共済金のいろいろの事務遂行の面からいって、農林省でも相当の指導方針を与えなければならぬというようなことからいきますというと、やはり人間というものはおかしなもので、給与が高いと張り合いをもって仕事をするわけです、給与が安いとなかなか張り合いをもって仕事をしないことがある、これは感情として出てくるわけです。したがいますというと、そういう共済制度の法の精神によって完璧を期していくと、こういう建前からいくならば、職員としては市町村に移譲したほうがいい、すなわち公営のほうがいいのだ、こういう形が出てくるのじゃないか、こういうように想定せられるわけでございますけれども、そういう点について全国的に見て市町村移譲の状況というものは、非常にそういう面から見ましても、相当高い位置において推進されていく見通しがあるのかどうか、そういう点をお聞きしたいと思います。
#117
○政府委員(松岡亮君) まず、市町村と組合との給与ベースの差から申し上げますと、確かに移譲された市町村についての調査で見ますると、市町村のほうが高くなっております。これは移譲前と移譲後との間に時間的な差が、そこにベース・アップ等の差もございますので、一般に移譲される組合というのはどうも弱小な組合、給与水準が低かったという場合が多いのでございます。そういうこともございますが、全般的には、今のところやはり市町村のほうがやや給与水準が高いという三十三ページの表にもございますが、これはしかし、必ずしも全国みなそうであるというわけではないのでございます。県によって逆の場合もある。また同じ県の中でも、村によって事情が違っております。だから給与水準一般だけで、必ずしもそうは言えないと思うのでありますが、今までのとにかく町村へ委譲された事例というのは、やはり規模が過小であるとか、どちらかというと経常面において非常に難点のあった組合でございますが、そういう組合の移譲はどんどん進んだ結果として、残っている組合は比較的経営のしっかりした組合が多いわけです。それで今回の改正が行なわれますと、農家の不満はいろいろな面で相当緩和できると思うのでありますが、こういったことから組合経営も従前よりは円滑に行なえる、また給与につきましても、最近一、二年特に改善に努力をしておるわけでありまして、本年なども新しく期末手当を補助に計上いたしまして、従来に比べますと、相当この一、二年の間に改善された、こういうように見ているわけであります。したがいまして、従来のような関係から、職員の身分とか待遇という点で、町村への移譲を要望するという声は、むしろ今後は下火になるのじゃないか、こういうふうに私どもは考えております。
#118
○安田敏雄君 この市町村は、新市町村合併促進法によって、みんな旧村から新市合併によって、比較的給与関係その他の労働条件においても優遇されてきておりますよ。ところが、農協の合併は行なわれておりますが、共済組合は行なわれておらないわけでしょう、必ずしも。そういうことになりますというと、村の何か公の建物の端のほうで、今事務をやっているというような形のところもあるわけですよ。そういうようなことでは、いつまでたっても、結局そういう経営面からいきましても、なかなか仕事がたいへんなんだから、掛金を取らなければならないであろうし、共済金も払わなければならないというようなことで、たいへんな業務をしなければならないのですよ。そういうような中で、従来のような形でいったのでは、いつまでたってもこれは仕事に熱意が入りませんね。そうすると、結局保険制度がそういう運用の面からくずれていくということも考えられるわけです。ですから共済金額を支払わないで掛金で充当してしまうというような場合も、そういう運用の面から出てくるかもしれません。そういうような危険をやっぱり防止するためにも、やはり弱小の組合はできるだけその市町村へ移譲さしたほうが、事務を取り扱う者にとっても、あるいは対象となる農民にとっても、そのほうが都合がいい、こういうふうに考えられるわけですが、そういう点についてはどういうようにお考えになっておりますか。
#119
○政府委員(松岡亮君) まず合併の状況でございますが、これはちょっと私から申し上げておく必要があるのは、農協の合併は目下進行中でございますが、共済組合はもう合併がほぼ完了いたしております。
#120
○安田敏雄君 そうですか。
#121
○政府委員(松岡亮君) したがって、今残っている組合は、大体において規模が大きくて、比較的経営もしっかりした組合でございます。しかしながら、今御指摘のあった弱小の組合は、町村に仕事を移譲したほうがいいんじゃないかということは、そのことについては、別段異議はないのでございますが、ただ市町村移譲をやりました後における運営が、組合でやっている場合のよさを失う場合があります。というのは、つまりだんだん農家の自主的な運営ができなくなり、いわばさっき北村先生が御指摘になりましたが、官僚的なものになるというような面がございますので、特に最近では、都市的になった市あるいは町等においては、市議会で論議されますことが、どうも農家の考え方を十分反映しないような場合が出て参ります。そういうようなことから、必ずしもすべて市町村へ移譲したほうがいい、こうはなかなか言いがたいのでございます。
#122
○安田敏雄君 わかりました。それから次にお聞きしたいのは、この新旧対照表ですがね、これの三ページの農業災害補償制度協議会案の中段のところで、農家単位収量建制には、二割足切りを原則とするという問題と、それから今度現行制度、改正案は現行制度ですが、一筆単位収量建制は三割足切りを妥当としている。この二つの問題についても、協議会でも相当これをやるには、このほうが至当だということでもって、農家単位収量建制をとったわけでありましょうけれども、この両者の利害得失といいますか、もし説明できたらお伺いしたいと思います。
#123
○政府委員(松岡亮君) 実効上の問題は別といたしまして、建前として、どちらがどういう利害得失があるかということを申し上げますと、農家単位にいたしますと、大きな深い被害を与えた災害では、これは農家単位のほうが農家は非常に損害を補てんされる深さが高いということで、農家単位のほうがすぐれておるわけであります。それから逆に、一筆収量建の場合はそれと逆でございます。程度は浅いけれども、もらう機会は多い、ちょっとした災害でも補てんされる、つまり機会がある、こういう農家の立場から見ますと利害得失がございます。
#124
○安田敏雄君 具体的にはこれはどちらが、過去の実績から照らしてどちらが理想だと思うわけですか。個人の考え方でいいですよ。
#125
○政府委員(松岡亮君) これは農家単位の実験を実は農林省はやっておるのです。しかし、これは不徹底な農家単位でありますから、したがって、これを基礎にして割り切ったことは言えないのでございますけれども、実際不徹底な農家単位でやりましたところでは、若干農家単位の利点というものは現われておるのであります。しかし、逆に欠点もそれだけ出ておる、こういうことでございますが、一般の意見としては、学者、理論家という方々には、農家単位を是なりとする御意見が多いのであります。私の個人的なことを申し上げるとおかしいのでございますが、私はむしろ一筆収量建のほうがすぐれておる、こういうことで、よけいなことでございますが、そう考えております。
#126
○安田敏雄君 学者経験者の方は、農家単位収量建のほうがよろしい、こういうことですか。
#127
○政府委員(松岡亮君) 理論家はですね。
#128
○安田敏雄君 理論家の方はね。だと、この問題は一応現行法にはとどめておくけれども、将来、今やっておる農業構造改善の問題であるとか、あるいはその他の新しく土地改良法等ができますけれども、そういうようなことによって、ある程度基盤整備その他の構造改善事業が進捗した場合においては、また災害の起きる要素も変わってくる。そういうときにはまた再びこれは考慮される場合がある、こういうように解釈してよろしうございますか。
#129
○政府委員(松岡亮君) これは前回農林大臣も申しておりましたように、構造改善等が進みました場合には、農家単位のよさというものは、ずっと現状よりはるかに発揮されるものと私ども考えております。
#130
○安田敏雄君 それから十六条の任意加入の問題がありますがね。任意加入の資格者の範囲ですがね。これはどういうように拡大されていくのですか。政令にゆだねてあるわけですかね。一般的に政令を見ますと、この政令と省令がどうも具体的につかめないのですけれどもね。みんなどの項見ても、たとえば一例をあげますと、この省令の項に具体的に出ておるのは、百二十三条第一項の省令事項ですがね。前段が書いてありまして、その次におおむね二割から五割までの範囲内になるように規定する見込み、こういうように規定する、これだけが数字上出ておるだけで、あとはほとんど抽象的に書いてあって、そのあとは、そのことを規定する見込みだ、まあこう出ておるわけですね。これなんかもっと政令が具体的にきちんときまった数字的なものがあるわけでしょう。われわれの手元にはそれしかきておらぬ。ですから、この本文を見てもどうもぴんとこないのですよ。本文がむずかしい上に、このあとの省令に書いたことがみんな見込みでしょう。ですから、具体的にどうなるかということが、本文見ても全然よくわからない。これはもう少し政令を何か現在きまっておるもの、大体法案が通ったらこれだけはきまっておるのだという、具体的にはないのですか。
#131
○政府委員(松岡亮君) お配りしてあります衆議院提出資料の六十一ページに具体的に政令事項、掲げてございます。
#132
○安田敏雄君 わかりました。これ、またあとで勉強さしていただきます。その次に、お聞きしたいのは……。
#133
○委員長(櫻井志郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#134
○委員長(櫻井志郎君) 速記をつけて。
#135
○政府委員(松岡亮君) 第十六条第一項の任意加入の範囲でございますが、これは従来水陸稲を合わせまして一反歩未満を任意加入にいたしておりましたのを、一反歩から三反歩水稲、陸稲それぞれ一反歩から三反歩の範囲内で知事が定めることにいたしたいと考えておるわけでございます。北海道は三反歩から一町歩の範囲でそういたしたい、こう考えております。
#136
○安田敏雄君 そこで百二十三条で末端組合の通常保険責任のうち、連合会の保険に付する部分の割合及びその割合を定める基準ということについてちょっと説明願いたいと思います。
#137
○政府委員(松岡亮君) これはただいまの資料の六十三ページにございますが、今回、通常責任の部分について単位組合に原則として責任をおろすわけでございますが、その場合に、その通常責任の共済金額の二割から五割の範囲内で連合会に保険に付する、こういうことにいたします。これが政令与項でございます。
#138
○安田敏雄君 そこで、これが政令にかなりゆだねてあって、具体的には出ておりますが、末端の今度組合の改正でいきますと、責任は非常に倍加されて重大になってくるだろうと思うわけですよ。そういうふうな場合に、組合やその事務を担当する職員に対する指導方針というようなものは、きわめてむずかしくなってくるのじゃないかと思うのですね。そういうような何か指導方針というようなものについての具体的なものは考えておられませんか。
#139
○政府委員(松岡亮君) これは責任の保有額が大きくなるわけでございますが、事務の量としてはそのためにほとんど変わらないのでございます。したがって、質的に制度が変わってこういうことになるのだということについて、十分徹底し理解してもらう必要があるわけでございます。そのためには研修会、講習会等十分やりまして、制度の運営面についての理解を深めたいと考えておるわけでございます。そのための予算も用意してございます。
#140
○安田敏雄君 予算はどのくらいありますか。
#141
○説明員(岡安誠君) 共済団体の役職員等の講習会といたしまして現在予定いたしておりますのは、大体二百八十万円でございます。
#142
○安田敏雄君 それは各県へ人頭割で配分するのですか。
#143
○説明員(岡安誠君) 人頭割というわけではございませんが、各県のほうへ補助金として配賦いたしまして、県でいろいろ講習会を開催していただきたい、かように考えでおります。
#144
○安田敏雄君 なお、よく「当分の間」というのがあるのですがね。附則の十条を見ますと、ここにも「当分の聞」ということがあるわけですよ。この補助金ということについては、これは政令の中でわかりますが、「当分の間」というのは大体どのくらいのことですか。附則の十条……。
#145
○政府委員(松岡亮君) これは特に期間を定めておりません。と申しますのは、今度の制度改正によりまして、一部の農家が負担が増額することになりまするので、その増額分は補助金を交付して、実質上増額しないということにするわけでございますが、それは今後の被害率の推移等を見まして、今後の推移を見て必要な期間続ける、こういうことでございまして、一年とか二年とか期限を切っておるのではございません。
#146
○安田敏雄君 もうぼつぼつ私も終わりますが、
  〔委員長退席、理事仲原善一君着席〕
そこでもう一つ、昭和三十六年度の会計検査院の報告書の問題に移りますが、会計検査院の報告を見ますと、北海道その他九府県の七十農業共済組合及び四町村の共済金三億六千余万円を調査した結果、共済金の全部または一部を支払わず、掛金、賦課金、組合諸経費に充当し、あるいは共済金を補償対象外の組合員を含め共済面積割等で配分しておる。こういうように指摘されておるわけですね。で、なぜこういうような指摘をしなければならないかという、その問題ですが、それ、どういうように思いますか。
#147
○政府委員(松岡亮君) これはそのケースごとにいろいろ差はございますが、基本的にはやはり制度が農家に十分理解されない、不満を持たれている。その結果として農家から掛金を徴収したり、あるいは賦課金を徴収したりすることが困難なために、それに苦しまぎれというと語弊がありますが、何とかつじつまを合わせるためにそういうようなことをやるということで、まことに遺憾なことでございますが、わかったものは直ちに是正させております。そういう事例が絶えないのは、今後一そう厳重に注意する必要があると思っております。なお、すみやかに制度の改正を実施いたしまして、農家の不満を緩和することが必要である、こう考えております。
#148
○安田敏雄君 私たちの一般的な常識からいきますと、保険というものはそういうものじゃないと思うのですよ。これは一般的に火災保険にしても、生命保険にしても簡易保険にしても、これは月割りの均等割とか年額とかという方法によって納めるわけですね。納めなければ、特に生命保険なんというものはすぐに没収なんです、没収されてしまう。そういうようなことを考えましたときに、災害があって共済金額をいただいて、そしてそれを事務費に充てたりあるいはその他の賦課金、掛金に充当するということは、どうも一般的にいうと非常に常識にはずれている。保険制度のあり方からしても間違っておる。これは森先生のほうから指摘したことでございますが、どうもそれが納得がいかないわけです。で、新しい改正になれば、そういうことがはたして可能かということになっても、今度は今まで災害があったところは、今度はないかもわかりません。これは気象の変化によっては常時災害地帯が逆に災害を受けないようになるかもわかりません。そうなりますと、少しぐらい前進した、そういう条件を考慮に入れましたときには、少しぐらい前進した改正が行なわれましても、問題が徴収する機構が完備しておらなければ、必ずそういうことが出てくる、こういうように思われるわけですが、この点はどうですか。
#149
○政府委員(松岡亮君) 今回の改正が実施されれば、先ほど来申し上げておりますように、解散運動の原因になったり、あるいは組合運営に対する不満となって現われた要因というものは、相当解消できると思うのでございます。したがって、組合の運営も従来に比べればずっと円滑にやれる、こういうように思うのでございますが、しかし、今回の改正の中におきましても、たとえば国庫の掛金、国が負担する掛金等は、徴収されるべき農家の掛金に比例というか、その割合に応じて交付せられるようにしたいというような工夫を加えまして、そういう事態を防止したい、これは御指摘のように通常の損害保険や生命保険では考えられないような事態が起きておるわけでございますから、何といいましても、これは理解してもらうことが第一でありまして、理解してもらって不満を解消してもらうということが根本でありますから、制度の改正とともに十分趣旨を徹底するように努力いたしたいと考えております。
#150
○安田敏雄君 おそらくこれは多少前進いたしましても、従来一つのこういう未納という、掛金を納入しないという一つの何といいますか悪弊といいますか、そういうようなものが現実においては生じてきたわけですよ。多少の前進があっても、これは従来のままでは、おそらくまた発生するだろうと思われるわけですね。そういうような場合には、この掛金の徴収制度については、こうなっておるわけでしょう、共済責任の開始の日から二カ月以内で定款等で定めた日までに納入するということが一つ、それから掛金を怠った場合は共済金の全部または一部を支払わないということがあるわけですね、従来の中には。そういうような措置はとられておったですか。
#151
○政府委員(松岡亮君) 契約上そういうことは明確になっておりまして、一部では実施されておったのでございますが、何しろ村の全体で不満があるというような場合は、なかなかそうは当事者としてはいかなかったのだろうと思います。そこで、そういう苦しまぎれなことをやったということでございます。したがって、今御指摘がありましたように、そういう惰性が今後も続くというような心配はなきにしもあらずでございまするので、この際は改正の趣旨を十分徹底させることと、従来の考え方を一掃してもらうということで、相当思い切った措置を必要とする。たとえば、今後そういう事態がはなはだしく起きるようなことを防止するためには、責任を明らかにするというようなことも今後徹底すべきではないか、こう考えております。
#152
○安田敏雄君 まあ、決して私どもは農民いじめをしようというわけじゃないのですがね。ただ問題は、しかもこういうことを書いてあるのですよ。さらに督促しても納金しないものは、知事の認可を受けて地方税の滞納処分と同じ方法で徴収することになっている、こういうように書いてある。しかも、これが掛金及び災害の状況からして農民に不満がある。そういうようなことでこれらのことができ得なかったわけですね。でき得なかったわけなんです。したがって、そのでき得ないことを、いつまでもそれを新しい改正の中できめておくということは、よしたほうがいいと思うのですよ。こんなことを定款できめるといったって、定款できめたことができ得ない。しかも、そのでき得ないから、さらには地方税の滞納処分と同じように強行手段がとれるのだ、こういうような言葉できめてあっても、現実には検査院の指摘するような結果が出てくるわけです。それは農民には農民の、被災農民にはその理由があって、農家経営が苦しい、そのことはよくわかります。だけれども、そうして掛金が納入できないというなら、こんなことをきめないほうがいい、もっと人情的に出て取る方法を考えたほうがいい、こういうふうに思うわけです。ですから、むしろこんなことを廃止しちゃったほうがいいのです。今後起こり得る事態なんですよ。むしろきょう、この間いただきました資料を見ますと、アメリカあたりの諸外国の例を見ますというと、カナダとソ連とアメリカが出ておるわけですが、その保険料の納入時期によって、割り引きもするしあるいは割り増しもする、こういうようなことを書いてある。で、延滞料の規定を設けておるというような状況である。こんな強権発動よりか、ずっと、このほうが民主的に緩和されているわけです、方法としては。あるいは手形の決済の方法を行なっておるとか、あるいは公の徴収機関でもって徴収方法を考えているとか、こういうことのほうが、はるかに民主的ですね。農民に対しても親切で、人情的であると思うのです。こっちで今までやってきたことは、何か強権発動的な方法が、実行されないできた。ですから、そんなことは、むしろ廃止しちゃって、もっと、納得して取り得る方法を考えたほうが、むしろ得策ではないか、こういうふうに思われるわけですが、こういう点についてのお考え方はどうですか。
#153
○政府委員(松岡亮君) これは、もちろん、納得づくで、民主的に徴収していくということは望ましいことであります。それが普通に行なわれるべきことでございます。したがって、改正を実施して、不満の種をできるだけ少なくして、できるだけ説得して出してもらうというやり方をさるべきことは、当然であると思います。しかし一面において、免責条項とか、あるいは強制執行の規定というものは、これはまた必要なものであります。アメリカにおいても任意加入制でございますから、租税滞納処分によるような強制執行はないと思いますが、しかし民事上の強制執行は、これは当然でき得るわけであります。契約の当然の結果として、そういうものはなければならぬ性格のものであります。そういうものは、できるだけ発動しないにこしたことはなくて、納得づくで出してもらう、これは、十分、そういうことでやらなければならぬと考えております。しかし、それだからといって、そういう規定を廃止するというわけには参らない、こう思います。
#154
○安田敏雄君 この点については問題があるわけですからね。強権発動的な一つの方法を考えて、過去の実績の中においては、それが発動されなかったし、また実行されなかったし、結果においては、共済金を掛金や賦課金や、あるいは組合の事務その他の諸経費に充当してきたということは、保険の趣旨からいって、これはきわめてまずいことなんです。趣旨に沿わないことなんです。したがって、今後の改正を機にいたしまして、そういうことが、再び、できるだけ起こらないようにするためには、もう少し合理的な徴収方法、そういうものが行使されてしかるべきだ、そのためには、やはり、まずもって組合の強化という問題もあるし、弱小組合においては、なかなかそういうような徴収の問題につきましても、骨の折れることでございますし、農民に対する組合の威信というとおかしいが、あり方等が理解されないから、よけい、そういう問題が発生するわけですから、そういうことのためにも、弱小組合を市町村移譲の方向に、大いに指導していくとか、いろいるあろうと思いますが、そういうような点について、やはり配慮していくべきであろう、こういうふうに考えるわけです。これは意見ですから、いいです。
 それからもう一つ、最後になりますが、実は、与党さん側のほうに聞きたいことでございますが、例の声明書、午前中にも質問がありましたが、「昭和三十八年三月二十三日」とあって、一番最初に名前が書いてあるのは、全国農業共済協会会長山添利作、全国農業協同組合中央会会長荷見安、全国共済農業協同組合連合会会長岡村文四郎、岡村文四郎さんが一番あとに名前が出ておる。こういうことで声明書が出ています。それも非常にわれわれとしてはおかしいのですがね。この三つの団体は、与党である自由民主党の付属機関じゃないのですな、これは。ところが『今回自由民主党で決定された「農業災害補償法の一部を改正する法律案の取扱いについて」は、多年の懸案であった任意共済専業の取扱いについての基本方針を明らかにし、農業共済団体と農協系統団体の事業を調整し」、云々と、こう書いてあます。「われわれは、このことを了承し、」と、こういうことになっているわけです。これは全然政府は介入してないということになるわけですな。政府は知らないということですね。政府では自由民主党という政党できめたことを、そのままうのみに了承するということになるわけですか、農林省は。この声明を見ると、そういうことになる。
#155
○政府委員(松岡亮君) との内容、自由民主党の御決定は、むしろ自由民主党のほうから御説明があるかもしれませんが、また覚書についても、私から申し上げるのは、どうかと思うのでありますが、おそらく団体の当事者としては、その前に自由民主党としては、法案を提出する以前に党内の御意見を調整された、こういうことだと思います。その御意見を調整されておきめになった方針を、団体側はそれはよろしいと、こういうことで了承されたわけであったと考えられるのであります。農林省としましては、党でおきめになったこと、及びその団体で了解されたことは、その内容によって尊重するかしないかをきめる筋合いでございますのと、もう一つは、長年の紛糾の問題でございましたから、それが解決されたということで、農林省としては、筋としてこれは尊重して参りたい、こう考えているのでございます。
#156
○安田敏雄君 そのことはよくわかります。しかしね、これは任意共済、建物共済の長い間の紛争でありますけれども、一応前の法案の審議の中におきましては、最終的にこれが大きな問題になっているわけですよ。全然これを政府も知らないということはないはずだ。経過もよく知ってるわけだ。そこでまだその自由民主党の決定というものは、政府の改正案の中に、したがってこういう取り扱いの問題が出てきているわけですよね。たとえば法案に関係する問題として、いわば病虫害の防除事業等についても、これは明らかに法案に関係しているわけなんだ。そういうようなことから見ますと、これはただ自由民主党の決定というようなことでもって、問題を済まされては困るのですよ。われわれも、こういうことについては、あるいは自由民主党のように社会党においても決定出すかもわからない。自由民主党及び日本社会党というならまだしも、そうじゃなくて、やはり法案について政府は関係するなら、自由民主党の決定はこうであるけれども、今後の三団体が協定していくという問題については、やはり政府が責任を負うという、こういうことでないとおかしいと思うのですよ。私は最初この声明を見ておかしいと思った。しかも、この三団体の筆頭にも書いてある全国農業共済協会というのね、これは農業災害補償に関係するところの、要するに農林省が正式に法律的に認めた団体じゃないでしょう。そうですか。
#157
○政府委員(松岡亮君) 認めたという意味でございますが、これは公益法人として設立するにつきましては、農林大臣の許可を受けるわけでございます。そうすると、農林省は、その団体が農林省の公認団体であるかどうかということとは別で、団体としては連合会の作っている組織でございますから、連合会全体の代表者としてそういう意見を出したものであると思うのでございます。その点では農協中央会も直接任意共済事業には関係がないわけでございます。
#158
○安田敏雄君 一般的に言って、たとえば電気に関係する事業者団体が作っておる電気連というようなもの、こういうものは実際の問題から言いますと、各電気ですね、そういう各産業がありますね、業界がたくさん。そうしてただ資料を取るだけで、あちこちの各社へ情報を提供したりするというような役割ですね。こういう政治的なものに、そういう団体が共済組合連合会ならよろしい、あるいは農業協同組合中央会ならいいですよ。これは法律的にもれっきとして作らなければならないことになって生れてきた組織です。ところがこれは足がないのです、大して足がないわけです。末端の農民までつながっておる、農業共済は足がない、だからそういうのがこの農業協同組合中央会に、あるいは農業共済組合連合会にサゼッションして、こうしたらいいとか、ああしたらいいとかいうかげの助言者ならいい、ところがこういう協会が一番筆頭に声明書の中に介入するということは、われわれとしてはちょっと一般的な常識からいって納得できないような気がするのです。こんなところまで発言権を認めていくというようなことでは、これは社団法人にしろ、これは農林省が相当もっと何といいますか、指導していかなければならぬと思うのです。そうでしょう。実際建設省でも農林省でも各省でも、住宅公団にしても、公団事業には批判があります。しかし、そういうところは国会の審議におきましても、直接農林省が、たとえば機械開発公団というようなものにいたしましても、愛知公団にいたしましてもこれは建設省ですが、各省のあれは国会の審議の場合に引き受けてやるわけです。責任を持っていないのです。そんな責任を持っていないようなものとは違いますけれども、そういうような例もあるわけです。それがこういうようなところの声明文の一番最初に堂々と、農民に実際的に、直接的に足を持っていない協会のようなものが乗り込んで、しかも自民党で先に決定されたというようなものに何か声明文の筆頭として出てくるということは、いかにも農業協同組合中央会、農業共済組合連合会の自主性を侵しておるように思われても仕方がない、こう思います。
#159
○政府委員(松岡亮君) それはむしろ特別法に基づいて作られた公団、事業団などは、そういう点については制限が強くかかるので、特に政治的な発言などはもちろん一切できないようなものでありますが、民法上の法人として作られた団体でございますから、発言はそう制約できないのではないか、特にそのメンバーとして構成員ははっきりしておるわけでありますから、構成員にかわってそれの統一的な意見を出すということについては、拘束を受けないのではないかと、私はそう考えております。
#160
○安田敏雄君 これは局長はそうおっしゃいますが、私の考えでは、中央会と共済組合連合会でもって、たとえば代表者といえば、その代表者の関係で二つの団体が自主的にこういう問題が解決がつくならこれはいい、任意共済のあり方として理想的であるかどうかは別として。ところが、こういう社団法人には農林大臣の認可を受けた社団法人には違いないが、実際の場合として最終的に農民の責任を負っていないのです、協会というのは。ところが建物共済に入る人はこれは建物の共済は何か三種類あるようでございますけれども、それに入る人は、農民自体が入ってくるわけです。農家は一軒なんです。農家数一軒に対して農業協同組合でもいくが、あるいは共済組合でもいくわけですよ。おれのほうへ短期で入るか、おれのほうへ長期で入るということでいくわけです。一軒の家で二つもかような農家にいずれにいたしましてもこの二つの団体は足を持っている。ところが、協会のほうは足を持っていないでしょう具体的にそういうところまで。こんなのはまわりから指導を受けて任意共済はかくあるべきだということをやっていればいい。こんなものがこの協会で足を持っていないところにいくのは、法律的に認められた団体にしても、私はよろしくないと思います。どうですか。
#161
○政府委員(松岡亮君) これはこの法人は共済の連合会を会員としているわけでございます。会員はさらに組合を会員とし、組合は農家を組合員としている、そういう組織ででき上がっているのでございますから、一連の協同組合法とかそういう形ででき上がってはおりませんけれども、それはやはり法律上はつながりのある組織でございます。それともう一つは共済協会会長の山添さんがこれに調印されているというのは、やはり連合会の代表者としてという資格で調印されていると思うのでございます。その統一的な見解を山添さんが代表して調印されている、こう理解すべきものと考えておるわけであります。
#162
○安田敏雄君 協会というのは、直接農民に責任を負わないわけでしょう。これから共済金額を支払うわけじゃないでしょう。ただ中央会から、あるいは共済組合連合会から、負担金か何かを取って中央会から取るかどうか知りませんけれども、負担金を取って運営しているでしょう。そうでしょう。直接農民には責任がないのだから、だからこういうような自民党の党議で決定したことを、あなた方二つの団体がそうしなさいという助言をするならいい、ところがその筆頭へ名前を出して、あたかも農民に責任を負うがごとき情景を呈しているわけです。私たちちょっと見てそう思う。
#163
○政府委員(松岡亮君) これは共済事業そのものの具体的な農家に対する支払いの責任とかそういうことではなして、見解を代表して山添会長は協会のメンバーである各連合会の会長会議を開いて同意を得ていると思うのでありますが、そういう形で代表する資格でそれに参加しているのだと思います。それから農協中央会もその点では直接農家に責任を負っているわけではないのでございます。やはり農業団体全体としての見解を代表して、そこで調印に参加した、こういうふうに理解できると思います。
#164
○安田敏雄君 しかし、私はこれはやはり中央会にいたしましても、共済の全国連合会にいたしましても、これはやはり民間団体なんです。私どもその一般の民間的な考え方からいきますと、やはり電気事業を行なうようなところにおきましても、九つ電気会社があります。あの電気協会というようなものは、これらに対して、いろいろのその経済界の動き、その他の動きについての情報を提供したり、それから各社のまあ方針を交互に伝達してやったりというようなことを、おもな仕事にしているわけですよ。決してこういう何か政府の方針とか、法案に関連して、法律に関連して一つの声明を発表するようなときにおきましては、そういう協会というのは入らないですよ。これがほんとうです。各九電力会社なり電力会社が共同でもって声明を発表するということになるわけです。これはみなそういうものですよ。新聞協会が安保のときに五つの、五大新聞が共同声明を発表しても、新聞協会というのは出てきません。銀行もそのとおりです。そういうことを考えたときに、農協に限って、任意共済の問題についてだけ、こういう協会が共同声明の発表に入るというのは、私どもの通念的な考え方からしては、はなはだ不可思議だ、こういうように考えているわけだ。ですからその点は、今後やはり私は、そういうようにお前の言うことのほうが妥当だと、こういうふうになると思うわけですがね。
#165
○政府委員(松岡亮君) 共済団体には、いわゆる農協組織のような中央団体、農協全国連合会というような形のものはないわけでございます。共通の意見を出す場としては、協会以外にない、いろいろな協会が声明を出さないというお話でございますが、必ずしもそうではない。これはそういう点は、協会の性格として、会員からそういうことをさせられるか、させられないかということによるのであって、一がいに言えないと思います。
#166
○安田敏雄君 これはあなたにはあなたの意見があるが、私はそう思いますがね。そこで、このあとの覚書のほうを見ますと、この三者でもって、自由民主党の党議決定がある。別紙「農業災害補償法の一部改正法律案の取り扱いについて」を了承すると、こういうように書いてありますが、この取り扱いについての自由民主党の党議決定というものは、そのまま農林省ではそのとおりに従うということに了解してよろしゅうございますか。
#167
○政府委員(松岡亮君) 農林省としては省議を開きまして、この内容を検討しました結果、最もこの段階において適切なものと考えて尊重いたしたい、こう考えております。
#168
○安田敏雄君 従来のとおりじゃないか、この決定は今までやってきたことだ、任意共済についても取り扱いは。ただ問題はね、病虫害の防除事業について、資材の購入、これは法律の十四条の二によってね、病虫害は除外しました。だからそういうことが新しく加わっただけで、従来の方針どおりじゃないですか。従来やはり何でしょう、短期は共済でやっておったし、末端では。それから長期のものは農協でやっておったし、少しも前進しておらん、そのままだ。
#169
○政府委員(松岡亮君) 従来建物につきましては、原則的には、短期は共済団体、長期は農協団体、こういうふうになっておりますが、これは県ごとに違っております。相当出入りがあったのでございます。それと、この自由民主党の御決定では、建物以外の任意共済事業は農協系統団体のみが行なう、こういう重要な決定を行なっております。それからその他かなり重要な点において、たとえば都道府県農業共済組合連合会は、全国共済農業協同組合連合会に再保するというようなことは、従来全然なかった重大な変更であると考えております。
#170
○理事(仲原善一君) 速記をとめて……。
  〔速記中止〕
#171
○理事(仲原善一君) 速記を始めて。
#172
○森八三一君 午前に続きましてお伺いいたしますが、農災組合の組合員は法律的に申しますると、どういうことになるのでしょうか、というのは、資格条件として法律では水稲の場合でございますれば、何反歩以上の耕作をしている者は、当然加入をしなければならない、それ以下のものは任意の加入でよろしいという規定があります。そういう場合に何反歩以下というところは参加の意思表示があって、掛金を、あるいは事務費負担を納めたときから組合員たる資格が発生するのか、義務がつくのか、権利が発生するのか、これは普通の組合でありますと、出資を定款の規定によって払い込んだというときから、初めて組合員の権利義務が発生すると思う。ところが組合員になりたいという意思表示をしただけでは、これはまだ組合員たる資格がないので、具体的な行為が必要になる。この場合は出資がございませんわね。ですからどこを時点として組合員たる資格が発生するのかという問題なんです。
#173
○政府委員(松岡亮君) 一定の規模以上の農家は、当然に加入ということで、その規模であることによって、組合員である資格を持っているわけでございます。それ以下の、それ未満の農家は加入手続をとって、初めてその意思表示をして、受理されて初めて組合員になる。共済関係は共済組合成立の手続をとらなければ、共済関係は資格が生じない、こういうことになります。
#174
○森八三一君 そうしますと、改正法でも、現行法でも、法律できめられ、知事なんかがその内容を決定するということもありますが、いずれにいたしましても、行政機関が決定をいたしますと、当然それによって直ちに組合員たる資格が発生する、そうして共済関係については払い込んだときに、掛金なり負担金を定款、規定によって納入したときから、その契約が成立する。しからざるものについては、加入の参加の申し込みをしたときに、組合員たる資格が発生する。
  〔理事仲原善一君退席、委員長着席〕
そうして定款規定なり、総会決定の掛金なり、負担金なりを納入したときから初めて保険契約が成立する、こういうふうに理解していいのですか。
#175
○政府委員(松岡亮君) これはきわめてややこしいのでございますが、当然加入の場合においては、一定規模というのが示されますとそれ以上の農家は当然組合に加入する。で、共済関係も当然に成立するということでございますが、現実にどのたんぼについて共済の引き受けをやらなければ支払いの責任が生じない、こういうことになると思います。それから任意加入の場合は、組合員になる意思を示して、それに申し出をすれば共済関係が成立する、こういうことになるわけです。なお詳細の点につきましては保険課長から、必要があれば……。
#176
○森八三一君 そうしますと、今の必須事業については、一応それで大体わかったような気がするのです。ただ、任意事業については、別に法律上の制限はありませんから、組合員たる資格というものはどこできめるのですか。この組合の事業というものは組合員だけに及ぶのであって、組合員たる資格を持たない者にまで組合の事業が及ぶことはないと思うのですね。農協等の場合でありますと、法律で、二割以内であれば員外利用とかいうことに事業は及ぶ。これは法律が規定しているから、必ずしも組合員だけに限られるということではございませんが、農災の場合には、そういうような例外規定はないと思いますので、組合員たる資格のない者には事業は及ばない、こう思うのです。そこでその必須事業につきましては、今、お話しによって、定められた一定の条件に適合する者は、当然組合員たる資格が発生する、保険の契約についてはまた別の手続をされて初めて契約が成立する、これはわかりました。それから任意事業については、いつ一体組合員たるの資格が発生するのか、それはどういうふうに理解すべきなのでしょうか。
#177
○政府委員(松岡亮君) 組合員たる資格は、当然加入の人についてはもうすでに発生しておるわけでございます。それから任意加入の、米や麦を作っている人で、任意加入の人も、任意加入の手続をとった場合に、組合員の資格を生ずるわけでございます。そのほかに米も麦も作ってない、蚕もやってない、家畜もやってない、こういう人で、ほかの農業をやっている人でも、農業を営んでいる人は組合員とたる資格を持っております。組合に加入することができるのでございます。
#178
○森八三一君 そうしますと、これは明確にしておかなければならんですが、法律なり規定なり、知事の告示なりによって定められた資格に適合する人は、本人の意思いかんにかかわらず組合員たる資格は発生する。それから任意関係の事業については、組合の行なう事業に参加したいということを申し入れたときから組合員たる資格が発生するのだ。それから任意事業でないものについても、つまり一定の規模に達しないという人でありましても、農業者であれば、この組合の事業に参加するために申し込みをすれば、組合員たる資格が発生する、こういう三つの場合が、組合員たる資格の発生するときである、こういうように理解していいんでしょうか。
#179
○政府委員(松岡亮君) おおむねそうでございますが、ただ任意共済事業に関する保険関係、共済関係が成立しますのは、契約をした場合に、これは当然加入の人も任意加入の人も、また別な範疇に属する任意加入の人も、契約をしたときに任意共済については保険関係が成立する、こういうことになるわけであります。
#180
○森八三一君 今の局長のおっしゃいましたのは、保険契約の成立ということと、組合員たるの資格の発生ということとを、最初は区別してお答えがございました。その点については、一応それなりに私は受け取ったんです。今あとの御説明では、任意関係のことについては、保険契約の成立と同時に、組合員たる資格が発生するようにも聞こえるお答えですわね。その辺をはっきりしてもらわぬと、農災組合の事業というものは、組合員に及ぶのであって、組合員以外に及ぶものではないと思うんです、私は。農協等の場合には、法律等で二割とか何とかの範囲内は、組合員以外の者にもその事業を及ぼしてよろしいという規定がございますから、これは問題ない、その範囲内であれば。ところが農災法の場合には、そういう例外規定とか緩和規定はないはずですね。ですから農災組合の事業の及ぶ範囲というものは、組合員だけに及ぶんだ、組合員以外には及ぶべきものではない、こう私は理解するんですがね。そのことからきわめておきませんとはっきりしませんが、それでいいんでしょうか。農災事業というものは組合員に及ぶのであって、組合員以外にはこの農災事業というものは及ぶべきものではない、こういうように法律上は解すべきである、というように考えていいかどうか。
#181
○政府委員(松岡亮君) それはそのとおりでございます。ただし特定の建物共済について、組合員でない団体についての建物も共済契約を結ぶことができる、これは法律で定められております。
#182
○森八三一君 そうしますると、確かにお話しのように、農災組合が所有しておる建物等については、これは法律にそういうことがうたってありますから、これは問題ないと思う。一般の組合員の場合ですね、そこで組合員でなければ組合の事業に参加するわけにはいかない。それではその組合員たる資格はいつ発生するかということになりますると、必須事業で一定条件を具備しておる者については、本人の意思いかんにかかわらず、現行法のもとにおいては、組合員たる資格がそこで発生してしまう。それから任意事業については、これは任意事業に参加することを申し込んだときに組合員たる資格が発生する、そうしていずれの場合にも保険の事業を、何といいますか、取り結ぶことによって契約が成立することによって、その事業の具体的な恩恵が受けられる。組合員たる資格の発生ということと、それから共済事業そのものに対する契約の締結ということは、別個の問題だ、そうなります解釈でよろしいかどうかということです。
#183
○政府委員(松岡亮君) そこはちょっと違うんで、組合員たる資格の発生は、必須事業につきましては、一定規模以上の農家は、当然に組合員である、こういうことでございます。それから共済関係も当然に成立する。で、今度は必須事業に関する任意加入の資格のある人は、加入の手続をとったときに組合員になる。それから共済の申し出をしたときに共済関係を生ずる、これは必須事業に関して。任意共済につきましては、当然加入資格者及び任意加入資格者は、すでに組合員となっている場合は、組合員でございますから、あとは、保険関係が成立するかどうかということは、契約をやるかどうか、こういう問題でございます。それから第三の範疇に属するのは、必須事業のどれの資格もない農家、米も麦も作っていない、蚕もやってない、家畜も飼養していない、こういう人で、たとえばミカン畑ばかり作っているというような人については、任意共済に参加しようと思えば、組合にまず加入する、そこで組合員資格をとって、それから契約をして任意共済事業の共済関係に入る、こういうことになります。
#184
○森八三一君 そこで、ややはっきりしてきましたがね、その組合の行なう準業というものは、定款の規定なり、総会の決議なりによって決定すると思うのであります。そうすると、組合が行なうことを決定しておらない事業を行なっておる人が、組合員たる資格を得るということになりますると、任意事業の、ことに建物のような場合、商工業者でも何でもそれに参加をしようとすれば参加ができるのかということも、一つ疑問として起きてくると思うのです。農民でなければならぬ、農民であれば、組合の事業に関係のない農民でも参加ができるということになりますると、その辺の解釈が、非常に私は混乱してくるような気がしますがね。どこか農災法の中に、本組合の行なう事業は農民に及ぶんだというような規定があるのかどうか。もしそういう規定があれば、農民とは一体どういうことを意味するのだということまで、また議論は発展してきますがね。その辺はどうなんでしょう。
#185
○説明員(岡安誠君) ちょっと言葉づかい多少誤解がある点もあろうかと思いますが、任意共済は、任意加入できる、意任共済事業の資格、多少問題があるようでございますので、詳しく申し上げますと、法律によりますと、任意共済事業につきまして、組合員たる資格を持っておる者につきましては、十五条に書いてあるわけでございます。で、概略申し上げますと、要するに今御質問の第一は、組合で任意共済事業、たとえば建物の共済事業を行なっていない場合に、ただ農業者であるということだけでもって組合員たる資格を持っているかという御質問でございますが、これはやはり法律がございますけれども、組合が行なっている共済事業たとえば任意につきましては建物共済事業、そういう共済目的の対象であるような建物なら建物、農機具なら農機具を所有しているような農業経営ということになるわけでございます。で、したがって組合としてその事業を行なっている、その地域内におりましてその事業の対象となるようなものを持っている農業経営というものが、まず組合員たる資格を持つわけでございます。で資格を持っている者が今度は共済関係を持ちたいと思う場合には、組合に今度は加入の申し込みをいたしまして、組合員になってから今度は金を払い込むわけでございます。金を払い込んで共済関係がその翌日から発生するという関係になるわけでございます。で、農業者たるものにつきましては、先ほど局長からも御説明申し上げましたとおり、これは何も水陸稲、麦とか、蚕繭というふうに限定されませんで、いわゆる農業を営むという客観的事実があれば、これは資格があるということになるわけでございます。
#186
○森八三一君 そこで、組合員たる資格は申し込みによって発生した。ところが、組合の行なう事業に参加をして保険契約を締結するかどうかということはその次の問題だ、任意共済の場合には。そうしますると、組合員たる資格をとった人々に対しましては、その任意共済事業に直接契約を結んで、参加するといなとにかかわらず、組合員たる待遇をすることになりますか、どうですか。
#187
○説明員(岡安誠君) それはやはり共済関係を成立させませんでも、やはり組合員たる申し込みをいたしまして、組合が承諾をいたした場合には、組合員たる資格を取得するということになるわけでございます。
#188
○森八三一君 そうしますと、今度の法律改正によって、三反歩以下の人は必ずしも当然組合員にならないということになりますると、その人々は参加をすることを申し込むことによって組合員たる資格を発生すると、しかしながら、必須事業の部分といえども契約を締結する必要はない、自由意思だということになりますね。組合員たる資格が発生すれば、総会に出て来て組合員たる立場において意見を述べるという権利は当然僕は発生すると思うのです。契約々結んでおるから、組合員たる待遇はする、契約を結ばないからどうだというようなその区別は、これは組合員たる資格の発生する限りにおいてはなすべきではないと思うのだ。その関係どうなりましょう。
#189
○説明員(岡安誠君) 今御意見のとおり、組合員たる資格を取得することと、それから共済関係を成立することとは別でございますから、共済関係を成立させなくても、組合員たる資格を取得いたしまして、いろいろ権利義務を負うということになるわけでございます。
#190
○森八三一君 それで、一応法律的なと申しまするか、解釈は明確になりましたが、そういうことでこの共済組合の運営というものが実際なめらかにいくのかどうか。ことに最近のようなこういう御時勢になりますると、事業の運営によって具体的に何ら利害を伴っておらぬと、無関係だという人が総会に出て来て、組合員たる資格があるからということで、一人前の発言をするというようなことで、一体組合の運営というものはなめらかにいくとお考えでしょうか、いかがでしょう。
 もう一つ続けてお伺いしましょう。組合員たる資格が発生するのだから、あるいはそういう人々には組合費というものを、保険の掛金はこれは契約がありませんから取りません。けれども組合費の負担というものは命ずると、賦課するということによって、そういうようなことを多少強制していくという道があるかとも思いますが、もしそれが納められないということになれば、それは強制徴収の道があるのですから、強制徴収の税金と同じような態度で取るということにまで発展していくのかどうか、その辺はどうなりますか。二つに分けてひとつお答えいただきたいと思います。
#191
○政府委員(松岡亮君) 単に組合員たる資格を取って組合の事業には関係なくて、それから利益を受けないで、総会で意見を言うだけであるという妙な農家というものも、まあこれは法律上発生し得るわけでございますけれども、しかし、実際問題として組合費を払って、組合から利益を受けないで、加入を義務づけられてないのに加入するということは、まずまあ考えられないのではないか。制度として法律にそれほど精緻な規定を必要とするかということについては疑問があるので、そういう制度を設けますと、また、複雑ないろいろな規定をまた設けていく、そういう組合との関係等について、特別のいろいろな規定が入り用になってくるわけでございます。また、組合はそういう人が入ろうとしても、必ずしも承諾する必要はないわけでございますから、まあ、実際問題として法律では起こり得ることでございますけれども、そういうことを配慮した規定というものは要らないのではないか、こう考えるわけでございます。
#192
○説明員(岡安誠君) 後段の強制執行云々の問題でございますが、先ほど局長御答弁申し上げましたとおり、非常にレア・ケースで、法律的にやろうと思えば、それは新しくでき得る形にはなっておりますが、ほとんどそういう事態はあり得ないと思います。
#193
○森八三一君 局長のお答えのように、私も実際問題としては、そういうばかげたことを、事をかまえてやるという人はなかろうとも思いまするし、ないことを期待したいと思いまするが、今度は相当資格条件が緩和されるのですから、都市近郊等におきましては、かなりこれはそういう事態を考えなければならぬと思うのです。そうすると、後段のほうでお答えになりましたように、事業に参加をしない人に対して組合費だけを賦課して、それを強制徴収するなんということは、今ままでもやっておらないし、今後もそういう事態はおそらく実際問題としては起きないであろう。こうなりますると、ただ資格を得て権利を主張するとか、自己の意思を発表するだけの一方的な立場に立ち得るということがはっきりして、くると、これはなかなかそうそう簡単に、そういう人はなかろうなんという安閑と考えておったら、たいへんな問題が起きると私は思いますが、それほど法律に無知な人ばかりではない。ことにそういう、何といいますか、飯米農家といっては失礼かもしれませんが、農業生産はどうでもいいというような立場に立つ方は存外詳しいですから、農林省でお考えになっているような甘いものではないということを考えなければならぬと思う、その点は一体どうなされますか。
#194
○政府委員(松岡亮君) 森委員はその点を憂慮されておるようでございますが、これは私はそういうことはほとんど考えられないと思います。単に組合員資格を得て、利益も受けないのに組合費を払うということは考えられない。それからもう一つは、組合費は強制執行しないということでございますけれども、これはなるべく望ましくないことをやらないわけでございますが、やっている例はあるのでございます、強制執行は。そういう組合員に対しては、むしろこれは場合によっては積極的に強制執行をすべきものかもしれないと思います。
#195
○森八三一君 この点は起きないことを期待するよりなかろうと思いますが、私は任意加入の範囲を拡大、強制を緩和するという措置が講ぜられるときには、それによって理論的には発生するであろうあらゆる問題に対処して、法律的にはその善後措置というものが講ぜられておらなければならぬのではないか。今回の改正法にはそれは出ておりませんから、指導方針としては何か明確に示達をなさる等の措置が入り用だと思うのです。今まではそういうことはなかったのですから、事業に参加をしておらない組合員に対する組合費の徴収はどうするというようなことは、別に決議があってもそれを知らぬと思うのです。反別割りでやるとか、何かでやった。参加しておらぬ人に対してはそういう賦課すると申しましても、基準をどこに設けるかというのが非常にむずかしいと思うのですね。人頭割りでまず一つ組合費をきめて、そのほかに事業の及ぶ反別割りとか、あるいは収量見込み割りとかいうもので基準を設けて組合費をかけるというようなことがあるかと思いまするけれども、おおむねの場合には後者のほうだけでやっておったと思いますね。そういう点についてこれは十分注意をしておかぬというとならぬのではないかという感じを持ちます。
 それから次に、組合等の行なう事業が、本来の組合の場合は必須事業と任意事業であり、公営の場合には必須事業だけである。後段のほうの必須事業だけを行なうという公営の場合は、これは事業の内容が一本ですから、経理も一本で私はいいと思うのです。前段のほうの任意事業と強制事業とを兼営しておるという本来の農災組合の場合には、その経理というものは、明確に区分せられて処理せられていきませんと、これは組合員に対して忠実な管理にはならないと考えます。そこで、そういうことのわかるような資料ということでお願いいたしましたのですが、その資料が十分に理解のできるようなものが、実は出ておらぬのです。これは、農林省で直接に検査をしておるのではないから、そういう資料が今手元にないということだそうでございますが、私が実際現地について聞いたり見たりしたところによりますというと、もちろんそれは直接の事業面については区分しなければ処理できませんので、これはなされております。けれども、その事業を行なうのに入り用な組合の諸経費と申しますか、人件費から、事務費から、事務所費から、そういうもの等については明確な区分というものはほとんどなされておらないというのが実態だと思うのです。そういうことであってよろしいのかどうか。ということは、これは任意共済事業をめぐっていろいろ今まで紛争があったんです。そういう中に立って考えますると、相当事務、人件費について国庫が負担をしておるという現状なんです。一方にはそういう負担はない。そういうような経済的に違う立場のものを同列に並べて考えて参りまする場合に、さようなことについては厳格な処理をなさしめるということでございませんと、これはまあ、貴重な国費を使うことですから、国民に対しても申し訳ないということも、極端にいえば言えるかと思うのでありますが、資料がないということでございますれば、今資料をどうこうと言ったってこれはだめですけれども、どうなっておるとお考えでしょうか。明確に区分されておると確信をお持ちになっておりますか。区分されておらないと想像されるのか。その辺の見当はどんなもんでしょう。私は区分されておらないということを現地については見ておりますが、農林省ではどうごらんになっておりますか。
#196
○政府委員(松岡亮君) これは御指摘のように、事業勘定の上では区分いたしておりますが、経費の面、つまり業務勘定の面で区分ができておりません。したがって、これは厳密にやれば経費の配賦を必要とするわけでございますが、実際問題として国が補助しているから任意共済まで補助が及んでいるかどうかといいますと、これはむしろ逆に任意共済のほうから足りないものを出しておるというような実情でございます。しかし、御指摘の点はごもっともな点でございますから、十分検討さしていただきたいと思います。
#197
○森八三一君 その内容は、どっちのほうに援助をしておるのかということは別にいたしまして、経理を明確に区分をして処理をさるべきことは当然だ、今まではそういうことがなかったように思われるので、今後はその点について十分ひとつ指導いたしたいということに承りましたので、これはひとつ今後に期待を申し上げたいと思うのであります。ところが、今のお話しで、むしろ任意共済事業のほうから逆に必須事業のほうの事務、人件費等に持ち出しておるようにも思われる。これはあるいはそうであるかもしれません。が、しかし、そういう結果が任意共済事業について非常な経理上の問題を起こしておるのではないかという感じを持つということは、ちょうだいいたしました資料によりますると、それのみということに断定はできませんけれども、任意共済によって掛け込まれた掛金というものは、その事業のための準備として積み立てられるのではなくて、他日に用意されるのではなくて、その年々の一般経費に有無相通じて使われていると、今局長のお話は私はそれを証明していると思うんです。そういうことであってはならぬことなんで、もし任意共済事業のほうで相当の赤字ができたということになりますると、ある時点においては、なるほどわずかな経費を必須事業のほうへ持ち込んだかもしれませんけれども、これはもうたいへんなことなんで、ずっと先に今度は一般必須事業のほうからこっちのほうを援助するというようなことにならなければ、たいへんな問題が起きると思う。ことに私の県のように伊勢湾台風の洗礼を受けたようなところにおきましては、そういうことで困っておる。今後全国にいつどこにどういう災害が発生しようとも、これは予測し得ないことであろうと思う。でございますので、そういうような有無相通ずるようなことは厳に慎むべきであると同時に、この任意共済事業について掛け込まれた掛金、これは全部他日に備えて積立金に積み立てさせる、それを一般経費に流用するがごときは、絶対にこれは認むべきでないという私は感覚に立つのでございますが、いかがでございましょう。
#198
○政府委員(松岡亮君) それは仰せのとおりでございまして、掛金として出された任意共済に関するものは、任意共済の準備金として積み立てる義務を負わせておりますので、そのようなことはないはずでございます。
#199
○森八三一君 掛金として拠出したものについては、その残額がある場合に、その全額を積立金として積み立てるように指導しておるので、そういうことはないと思いますと言うておられますが、これは私は必ずしも明確に断言はできないことではないかと思うのであります。が、しかし、幸いにきっぱりおっしゃるほど、この部分については検査をしておるということでございますれば、非常にありがたいことですけれども、検査はやったから、やったが資料はないと言いながら、この部分になるというと明確に大丈夫だと、こうおっしゃることは、どうも平仄が合わないように思うんで、ただそういうように命令をしておるというだけにすぎないのではないかと思うのでありますが、しかしまあ、局長の言明ですから、私はそれを信頼いたしますけれども、さようであることを私は期待をいたすのであります。
 そこで、そういうことになりますると、現在の掛金率とかというようなものでは、日本のように不測の天災というものが毎年々々襲ってくる国柄におきましては、たいへんなことになる危険を実は感ずるんです。私自身がそういうことを体験をし、政務次官も直接味わっておられることなんで、この始末をどうしようかということで、これはみんな別に団体が違うからということでなしに心配をしておるんです。この心配がいつどこにまた発生しようとも限らないと思うんです。そこでお伺いいたしたいことは、任意共済につきまして、火災保険の危険に対する掛金というものは、どういうような率で御指導になっておるのか、自然災害を任意共済の対象事業として取り上げている場合には、その掛金はいかに御指導なすっておるのか、そうしてまた、それらの事業を行なっております組合の経費として、幾ばくかの経費を徴収すべきであるか、もちろん自主的な組合のことでございますから、総会の決議が優先すると思いますけれども、役所の指導上の方針としては、どの程度をお示しになっておるのか、このことが十分でございませんと、たいへんな問題になるという危険を、非常に私は強く感ずるのです。そうして任意共済参加者の、事業によって損失が起きたその損失を、今度は必須事業だけに参加している組合員にまで、形式的には区分していくわけですけれども、実態的には何らか背負わされて始末をしているというような感じを持ちますと、この非常に大切な必須事業のほうにまで、農民の不満というものがずっとおいかぶさってくる、こういう危険を感じますので、そのことをお伺いをいたしたいと思います。
#200
○説明員(岡安誠君) まず掛金率でございますが、これは一種、二種とも同じでございます。その団体というか、その県におきます過去十カ年間の被害率、それを基礎にいたしまして、さらに相当な安全割増しを加えたもの、これを基礎の掛金率といたします。それからさらにそれの事務費部分を付加いたすわけでございますが、大体事務費部分は平均から申しますと、大体純粋の掛金率部分の三分の一程度、それを付加いたしまして現在実施いたしておるわけであります。
#201
○森八三一君 過去十カ年間の都道府県別の火災なり天災なり、すなわち一種、二種の災害の発生程度を勘案して、それから将来発生するであろうことを予測して、さらにそれに安全率を加えて、それから一種、二種とも共通の掛金率というものを導き出している、こういうお答えのように伺いました。そこで、一般的な火災危険というものと、第二種と申しまするか、天災危険というものとの間には、非常に私は実態としては相違があると思うのです。それを一律でやっているというようなことは、これは非常におかしいと思うのですね。そういうことで将来も御指導になりますか。
#202
○説明員(岡安誠君) 私の説明が足りなかったかと思いますが、これは一種、二種それぞれにという意味でございまして、これは一種、二種全然別の料率を適用しております。
#203
○森八三一君 その資料がございますれば、あとでけっこうですから、十カ年間の都道府県別の火災、天災といいますか、一種、二種の被害の発生実態、それからそれを基礎にして将来を予測した予測損害率を幾らに見たか、それぞれに安全率を何%か平均に加えましたのか。あるいは二種等につきましては、台風は年々くるであろうところは安全率のプラス・アルファが多いか少ないかということを加えたそれが一つ基礎になって、それから掛金率というものが出てきて一応の目安ができる、それが基準であって、そこでまたさらにそれを総会等においてどういうふうに具体的に実施をするかということを取りきめているのではないかと思いますが、それをうのみにしてやっているところもありましょうし、あるいはまた、それを総会でさらに修正して実態に当てはめて考えておるところもあろうと思う。しかし、その一応の想定される掛金率というものが幾らになっているのか、一種、二種で。そうしてその県々の発生の実態と、それを予測する予想被害といいますかそれをどう見込んでいるか。それにプラス・アルファはどう加えられているかという資料がございましたら、ひとついただきたいと思いますが、それはいただけますか。
#204
○政府委員(松岡亮君) 若干時間がかかると思いますが研究さしていただきます。
#205
○森八三一君 時間がかかるといっても、今課長はそこで見ていらっしゃいましたが、それをちょっと写してもらえば、そうたいしたむずかしいことではないと思いますが。
#206
○説明員(岡安誠君) 私の見ておりますのは、算定の仕方を申し上げたのと、それから現在どういう料率が適用されているか、その平均を見ているわけでございまして、おっしゃるような県別に過去の十カ年間の被害の態様、それからそれを計算いたしましてどういう率が出るのか。安全割り増しをどういうふうに計算をしたのか。この安全割り増しの計算方法はいろいろありまして、計算方法はそれに対してアッパーをきめて打ち切ったりいたしますから、いろいろ計算しなければならぬ。いろいろ御要望のそういう資料は、そろうかどうか検討いたしたいと思います。
#207
○森八三一君 これは別に今ここでこの法律の審査にこれが直接なければならぬかどうかということでなしに、私はそういうことを考えませんので、将来御指導なさいます場合に最善を期する意味において、こういうようなことを考えたらどうかということを申し上げたい気持で、その資料を求めたのです。今手元に整理したものはないということでありますれば、すぐプリントするわけにはいきませんので、多少の時間はかかると思いますから、あとでけっこうです。そう二年も三年もかかることでないと思います。(笑声)この新法が実施せられるまでには、やはり親切に間違いない資料を示して御指導をいただきたい。その際に私どもとして正規な委員会でなくても意見が申し上げられることであれば、実体的には変わらぬのですから、それでけっこうでございますから、あとでひとつ資料をいただきたいと思います。
 それから藤野さんから最初の日に御質問になったことにつきましては、そういうことはけしからぬことなんだから、そういうことのないように十分監督指導を徹底するということでございましたので、その点には触れないことにいたします。ただ、あの際にお話がございました、何か私ここにちょっとメモしたのですけれども、別にいただいた資料にはそのことが出ておりませんが、任意共済の場合は、三十六年度のものなんかで、もし私の聞き違いがあれば御修正願ってけっこうですけれども、四億三千万円の保険掛金の未収がある、それが四六・六%に達している、こういうような保険というものはないはずなんだが一体どういうことだという御質問がございまして、そこで、局長はそういうことは保険の通念上あり得べきことではございません、だから今後はそういうことのないように指導するという御答弁でしたから、過去をとがめることは、将来是正されればけっこうなことでございまして、別にかれこれ申し上げたくございませんけれども、これはなかなか必須事業のほうでも安田委員も先刻おっしゃいましたように、会計検査院なり、行管が指摘いたしておりますように、年々歳々そういうことを繰り返し、注意を喚起いたしましても、なくなっておらないという事実を見るときに、その任意共済のほうでこれをすっきりなくするというようなことは、実際問題として私は不可能ではないかという感じを持つのですが、だから組合員たる資格は発生しました。そうして契約はいたしましたけれども、払い込みはいたしません。ずっとほうっておく。で、この資料によると、掛金と給付金との間には相当な開きがありますね。全国をプールすれば一億幾らの赤字と数億円の黒字がありますから、黒字になっているような県では、結局掛金というものはある程度徴収しなくてもやっていけるということが言えますね、あるいは必須事業のほうで災害起きますと、そっちのほうでもらった共済金をそこで初めて任意事業のほうの掛金にも振り分けて、お金にしるしはございませんから、やったことにしておいて、そうしてもう一ぺん振り分けて徴収したことにすれば、あとの事後の始末はどうでもできるのですから、たいへんなことになってしまうのではないかということを感じますが、そういうことが将来起きて、権利義務の関係でやかましい問題を発生するという危険を感じます。もうこのことの処理というものは、ただ口先だけの問題ではなくて、実際問題として厳格にやらなければいかぬような気がしますが、どういうふうに始末されますか。
#208
○政府委員(松岡亮君) この間も御質問にお答えしたのでございますが、四億何千万円かという数字は、連合会の段階において年度末に未収に上った数字であるかと思うのであります。これは末端の組合で契約が成立して掛金が払い込まれているが、特に二、三月は契約が多いようでございますが、それが期末にまだ連合会に上がっていないというのではないかと申し上げたわけであります。しかし、これは未収があまり多いということは、いずれにしても好ましいことではございませんので、そういうことの少なくなるように指導いたしたいと考えております。
#209
○森八三一君 今の局長のお話も、検査をせずに望遠鏡で見ての話ですから、これははっきり信頼をするというわけにはいきません。検査の結果かくかくでありますということでありますればけっこうですが、二、三月に契約が成立して、三月末の締め切り数字だからそういうことになっていると思う。大部分のものはそうではなかろう。ただ決算の関係上、そういうことが数字的に現われているんだが、いずれにいたしましても、金額は多少、少といえども好ましいことではないので、将来そういうことのないように措置をするということでございまするが、実際問題私はなかなかこれは単位組合のほうで実はその契約が成立しておっても、掛金というものは納まっておらぬ。自然連合会のほうにも納まってきておらぬ。それでずっとそのまま経由していって、必須事業のほうで災害が発生する。そこで給付金がいただける、その年の。そうすると、そこで任意事業の掛金負担金ですね、一ぺん落としてしまって、そうして帳面上はきれいに整理がついたという格好になっているのが、全部とは申しませんけれども、そういう事例が相当あるというところに、こういうことが連合会の段階にくるというと、これが出てきてしまうということだろうと思うんです。これはほんとうに実態をお調べになりますと、ここでお互いに総論で議論しているようなものじゃないと思います。そういうところが、結局どこへどう起こるかというところに戻ってくるので、これは最初の日に議論したことですから、それからまたひっくり返って総論的なことを申し上げようとする気持はございませんけれども、その辺をほんとうにお考えになりませんと、ただ画一強制方式の緩和とかなんとかいうことだけで、この事業というものがなめらかにいくという甘い考えではたいへんなので、これは極端に申し上げますれば、そういうことによって農民の負担が相当軽減され、緩和されますから、将来はうまくいくと思いますとおっしゃるから、お手並み拝見、こういうことになりますが、私どもそんなけちな相手の失敗を高みから見物して拍手するというような卑怯な考えは持ちませんけれども、ただここで公式の場でやりとりをするということだけでは、問題の解決はできないと思うんです。
 それからその次にですね。今度の改正によって建物共済事業が、県の連合会から全共連に再保険せられる。法律には一部とか何とか書いてあると思いますが、これは藤野委員の御質問によって、一部ではなくて全額を再保険に提供するということに、これは厳格に指導するというお話でございましたから、その点は了解いたしましたが、もう一歩下へ下げていって、単位農災組合と県の連合会の関係、この間の関係はどうなさいますか。ここで単位農災組合が受けた一種、二種の保険にして危険を感じない。あとでちょうだいいたします資料等によって過去十年間の統計上ほとんど無被害である。天災も受けておらぬ。火災も、農村のことですから、ほとんど発生しておらぬというところは、掛金は普通並みになります。それを再保険で連合会へ持っていけば金出さなければなりませんわね。そこで自分でかかえ込んでしまう。これは保険上違法ではございませんから押え込んでしまう。そうすると、県の連合会はもう、平たい言葉で言えば一番リスクの高いものだけをかかえ込んでしまうということになると思うのです。そのものは今度は全共連にそれが及んではいかぬから、その全額は出しますというが元がリスクの高いものだけをかかえ込んで、それがころんところげ込んで来ては、これは保険という性格上変な姿のものになってしまうということを私考えますが、そこで藤野委員の質問にお答えになりました県の農災連合会と全共連との間に行なわれる再保険については、その全量を再保険に拠出させます。これはわかりました。もう一歩前の単位農災と県連との間がどうなるかということなんです。これをうまくいたしませんというと、この事業というものは私は成功しないと思うのです。これはお互い欲得で動きますから、善人ばかりじゃございませんから、それはもうほんとうに農山村で火災なんということは、おじいさんの代から一ぺんもございませんなんという部落はあるのですよ。私の部落は山に囲まれているから、台風が来てもちっとも心配ありません。B29も知らぬというような部落があるのですからね。そんなところでは保険の上ではさっとやるけれども、また善良だからみな入ってくれる。危険を感じないからちゃんと押えてしまう。こんなことが起きると思うのです。起きておると思うのだ。そういうことはどうなさいます。全部単位農災がかけたものは県連へ、県連は全共連へと、こういうふうに危険の分散を共存共栄の立場で一貫してやるというところまで御指導なさいますのか。これは法律上は強制の道はないと思うのです。どうでしょう。
#210
○政府委員(松岡亮君) 法律に上りまして、末端の組合で保険のかかったものは全部連合会にかかることになります。
#211
○森八三一君 そうしますと、私の不勉強で御無礼いたしましたが、末端の農災組合で受けた保険は留保することなく、その全額が県の連合会に保険される。その県の連合会の受けたものは、法律上は一部なんていう言葉があったと思いますが、そうではなくて全額を再保険せしめるという指導をする。こういうふうに理解してよろしいですね。
#212
○政府委員(松岡亮君) 契約の全部を再保する。
#213
○森八三一君 契約を全部ということは、単位農災組合と個々の組合員間に発生した契約の全部が、県の連合会へ再保せられる。これは法律上の規定がある。わかりました。留保は認めない、全額来る。その来たものを全額全共連に再保険せしめる。契約したものは全部というのと、全部契約させるというのは、契約の字が下につくか上につくかでずいぶん違いますが、どっちなんですか。全部を契約せしめる、契約したものは全部出すというのと……。
#214
○政府委員(松岡亮君) とにかく件数につきまして全部と申し上げております。火災と風水害とありまするが、風水害だけを上げるとか、あるいは風水害の一部を上げるとか、火災と風水害の一部を上げるということじゃなくて、えり好みをしないで、火災も風水害も契約の全部は再保される。こう申し上げているわけです。
#215
○森八三一君 わかりました。そうすると、しろうとにわかりやすいようにもう一ぺん申し上げますと、個人の農家と単位農災との間には契約が成立する。その契約の成立した全量、一種、二種とも、一つも自己留保はなくて県の連合に再保険する。これは法律上の規定なんです。これはわかりました。それから県の連合会から今度新制度によって岡村共済のほうに出てくる。そこの段階で選択の自由は認めない。一種も二種も全部これにくるのだということでございますれば、個人の農家が契約したものは全部これにつながっている。こういうことになると思うのですが、それでようございますか。
#216
○政府委員(松岡亮君) 契約としては、全部つながっているわけです。つまりその中に歩合があるわけでございます。農協の場合でも、これは歩合があるわけでございます。
#217
○森八三一君 わかりました。契約は全量の契約が上がる。ただ損害の分担について一番末端が何割を保険するか。県の連合会がそのうちの何割を責任持つかということによって、その責任の求め方によって保険の掛金が順次そこで抑えられて上がってくる。これは保険の性質上当然だろうと思うのです。そのことについては両団体間にお話があって、役所のほうで中に入って円満に双方とも、どうせ無理を言うと思いますが、そういう無理を言わせぬようにして、うまくまとめてやろう、こういうことですね。それはわかりました。全額来る。全額来たもののうち責任の負担区分については、その段階々々でやっていく。そこでですよ。わかりましたが、全部は来るけれども、非常に事故発生率の少ないところは自己保有が高率になって、県の連合会へ出るのが少なくなって、県の連合会でまたまとめた上で、そこまでは全部来るということですが、これはやっぱり違うのですね。そこで今度はまた県全部をながめてみて、リスクの少ないところは、ちょいと保留して、その他のものをよけい持ってくるというふうになる危険性があるのかどうか。今の全額持ってくる、それから、そうはならぬと思いますけれども、全額は持ってくるけれども、持ってくる中の責任の分担区分が平均でくるのか。個々のものによって全部責任分担が違ってくるのかということで、何か両団体間にこのことによって損したり得したりすることのないようにする。非常に明文は書いてありますが、私はそれはそれでいいと思う。こんなことでもうけてもらったり、損してもらったりしては困る、だから損得ないようにしてもらうのはけっこうだと思いますが、その区分の仕方によって、損したり得したりするということが起きる。それはどうなさいますか。
#218
○政府委員(松岡亮君) さらに念のために申し上げておきますが、法律で、末端でできました契約の全部、各件数全部が連合会に来るのです。法律では末端で成立しました契約の責任の百分の九十以上、つまり九割以上を連合会に付保することになっておりますが、実際は静岡でちょっと例外があるだけで百分の百連合会に上げられております。それから今の御質問の平均でやるか、危険率によって各県の歩合を変えて両方損得のないようにするかということでございますが、これはまあ覚書で、両団体の専門家が相寄って十分検討した上できめたい。これは非常に数学的な問題でございますから、私がここでどうするということを、なかなか申し上げられないと思います。両団体とも自分のほうで損をするようなことは考えないと思いまするので、その辺は団体で一応やることを見た上でやらしていただいたほうがいいのではないかと考えております。
#219
○森八三一君 口で言うとそういうことになりますが、これは欲の皮の突っぱった連中がやることですから、なかなかそう簡単に私はいかないと思います。その辺で話はこわれてだめになりましたということになると、せっかく苦労してやってみても何にもならぬ。覚書が忠実に履行されることを前提として、この法律改正は忠実になんて語るけれども、覚書が忠実に履行されぬという条件が生まれてくれば御破算だと、こういう危険がないとはいえないので、そうならぬことのためには、これは農林省でも御検討なさっておりますね、専門的な保険だけをやっておる共済連には何かそういうことの算定委員会ですか何か知りませんけれども、そういうものがございまして、農林省も入れば、学者も入れば、そういうところでひとつ大衆討議をして個人的なわがままを言わぬように、最後はどうしてもいかぬという人は、この委員会と同じように少数意見としてしんぼうしてもらうというようなところでおさめないとこれはきまりません。いつまでも円満々々では僕はいかぬと思います。そういう全共連にある掛金率算定委員会の決定に従うくらいのところでどうでしょう。
#220
○政府委員(松岡亮君) そういう場所で検討していただくのは、非常にけっこうだと思います。ただし、農林省も監督の立場にございますから、そういうようなところで少数意見、多数意見というよりも筋が通った解決ができ上がるのを期待しております。
#221
○森八三一君 それでけっこうと思いますが、少数意見、多数意見なんて言わずに、これは役所のほうが少数意見を支持する、役所が万能じゃないので、やはり大衆が議論してきまったことは、それを実行するそういうことにするほうが正しいのじゃないかと思います。そこで委員長五時になりましたから、きょうはこれでやめます。
#222
○委員長(櫻井志郎君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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