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1962/02/27 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 内閣委員会 第6号
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1962/02/27 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 内閣委員会 第6号

#1
第043回国会 内閣委員会 第6号
昭和三十八年二月二十七日(水曜日)
   午前十時二十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 二月二十七日
  辞任      補欠選任
   塩見 俊二君  丸茂 重貞君
   宮澤 喜一君  日高 広為君
   鬼木 勝利君  中尾 辰義君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     村山 道雄君
   理事
           石原幹市郎君
           下村  定君
           鶴園 哲夫君
           山本伊三郎君
   委員
           大谷藤之助君
           栗原 祐幸君
           源田  実君
           小西 英雄君
           小柳 牧衞君
           林田 正治君
           日高 広為君
           丸茂 重貞君
           千葉  信君
           中村 順造君
           中尾 辰義君
           小林 篤一君
           田畑 金光君
  国務大臣
   国 務 大 臣 大橋 武夫君
   国 務 大 臣 志賀健次郎君
  政府委員
   内閣官房長官  黒金 泰美君
   人事院総裁   佐藤 達夫君
   人事院事務総局
   給与局長    瀧本 忠男君
   総理府総務長官 徳安 實藏君
   内閣総理大臣官
   房公務員制度調
   査室長     増子 正宏君
   宮内庁次長   瓜生 順良君
   皇室経済主管  小畑  忠君
   行政管理庁行政
   監察局長    山口  酉君
   防衛庁人事局長 小野  裕君
   大蔵政務次官  池田 清志君
   大蔵省主計局給
   与課長     平井 廸郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   自治省財政局財
   政課長     茨木  広君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○一般職の職員の給与に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○防衛庁職員給与法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○国家行政組織及び国家公務員制度等
 に関する調査(行政監察に関する
 件)
○皇室経済法施行法の一部を改正する
 法律案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動がありましたので報告いたします。
 本日、鬼木勝利君、塩見俊二君及び宮澤喜一君が辞任され、その補欠として中尾辰義君、丸茂重貞君及び日高広為君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(村山道雄君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、質疑を行ないます。
 政府側から佐藤人事院総裁、瀧本人事院給与局長、小野防衛庁人事局長、増子公務員制度調査室長及び平井大蔵省給与課長が出席しております。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○田畑金光君 人事院総裁にお尋ねいたしますが、人事院の勧告と、今度政府の出しました一般職の職員給与に関する法律の一部改正法案、その他の法律改正を比べてみたときに、人事院勧告の内容どおり実施したところと実施していない点があると思いますが、どういう点が実施されていないのか、これをひとつ伺いたいと思います。
#5
○政府委員(佐藤達夫君) 政府の原案におきましては、大体実体的にはわれわれの勧告がそのまま採用されていると思います。ただ最も遺憾な点は、施行の時期、これが私どもの勧告では五月からということになっておりますのに対して十月からということで、大幅に繰り下げられた、これが大きな違いであると考えております。
#6
○田畑金光君 五カ月間要するに人事院勧告がずれておるわけでございますが、この五カ月間のズレによって幾ら経費の面において公務員の諸君が損失を受けることになるのか。
#7
○政府委員(瀧本忠男君) 人事院の勧告どおりに実施された場合とそうでない場合とどれくらい違うかということでございますが、概算いたしてみますると、おおむね平均一人当たり一万二千円前後になると思います。
#8
○田畑金光君 予算総額にして幾らになるのですか、総額。
#9
○政府委員(瀧本忠男君) 今私が申し上げましたのは一人当たり平均の額でございますが、予算のことでありますれば、大蔵省のほうへお尋ね願いたいと思います。
#10
○政府委員(平井廸郎君) 五月実施の場合と十月実施の場合を比べまして、一般会計で二百十二億円程度の差を生じております。
#11
○田畑金光君 期末手当、勤勉手当についてはどういうことになりますか。
#12
○政府委員(平井廸郎君) ただいまの数字は期末手当も含めた数字であります。
#13
○田畑金光君 総裁にお尋ねいたしますが、人事院の勧告が総裁の先ほどの答弁のとおりに、いつも政府の実施は数カ月ずれて実施をされておるわけです。これに対して人事院としてはどういうようにお考えですか。
#14
○政府委員(佐藤達夫君) これはお尋ねを待つまでもないと存じますが、私どもは四月現在で民間との較差を調べまして、その較差を埋めようという建前で勧告をいたしておりますわけでありますから、したがって、その勧告の意思は、当然少なくとも五月にさかのぼりませんとつじつまが合わないことになり、それがそういうふうに参らないということになりますと、これはたいへん私どもの立場としては困ったことであり、まことに残念だというふうなことに当然結論は相なると思います。
#15
○田畑金光君 人事院の立場としては、まことに遺憾であるということだけですか、それともそういう政府の態度に対して毎年とにかく報告なり勧告をされなければならぬ人事院の使命からみまして、当然そういうような際に、こういう常に人事院の勧告がおくらされておる点については政府に強く警告を発する、あるいは人事院として何らかとるべき措置があるやにわれわれは考えるわけですが、こういう点については総裁としてどのようにお考えになりますか。
#16
○政府委員(佐藤達夫君) 人事院の立場として意思表明をいたしますについては、当然限界と申しますか、節度があると思います。そうはでな圧力をかけるというような形の主張をするということは、これはいかがなことかと思いますが、それに至らない範囲においてできるだけ説得というか、御納得を求めるという方向の努力は従来もして参っておりますし、また、今後も一そうそういう方面の努力をいたさなければならないというように考えております。
#17
○田畑金光君 具体的にどういうような努力を従来やってこられたわけですか。今のお話によると、説得その他いろんな方法を通じ政府に百パーセント実施を努力なされてこられたというわけですが、具体的にどういうようなことをなさってこられたわけですか。
#18
○政府委員(佐藤達夫君) 私の知っております限りにおきましては、まず第一に、勧告というものは、従来もさようになっておりますけれども、できるだけ説明その他において、あるいは資料その他において、政府あるいは国会のみならず、一般の国民諸君にもできるだけ納得していただけるようにという努力は勧告そのものには盛り込まれておるわけだと思うのです。したがって、その勧告に盛り込まれておりますところを敷衍し、あるいは説明して、さらに御了解を確実にかち得るというわけで、政党方面なりあるいはまた、政府当局者の側に対して御説明を申し上げておるが、一方国民に対する関係においては、世論、ジャーナリズムに待つほかはございませんが、別にそういう方面で取り立ててはでな行動をしているわけじゃございません。にじみ出すような気持で努力をいたしてきたつもりでございます。
#19
○田畑金光君 まあその点はその程度にとどめておきまして、毎年繰り返されることでもありましょうし、今私の申し上げた点については、今後人事院当局はさらに強い態度で政府に要請されることを、お話の筋だけでは納得いきませんけれども、希望いたします。
 それから関連してお尋ねしておきたいのですが、昨年十月実施ということで、御承知のように、昨年の十二月臨時国会が開かれて、予算並びに法律が提案されたが、予算は通ったが法律が成立しないまま今日に至った。そこでこれは一般職国家公務員、その他公務員の迷惑は非常に大きなものがあるわけです。同時に、ことに地方公務員の場合等においても、非常に混乱を招いたわけですね。多くの地方団体では条例はもう十二月にそれぞれの議会で成立をし、予算も成立をした。そしてまた、ある地方団体では現に条例に基づいて給与をしたところもあるわけですね。ところが、またある団体は、自治省からの行政指導によって、これを実施しないままに今日に至っておるところもあるわけですね。こういう点については、まことにこれはいろいろ地方公務員にも地方自治体にも混乱を招いたわけですが、総裁としてはどういうふうにお考えになっておられますか。
#20
○政府委員(佐藤達夫君) ちょっとお答えがしにくいのでありまして、これは昨年の臨時国会で成立しておれば起こらなかったであろうような事態が、今日まで未だこれが遷延したために起こった、それについてどう考えるかということになりますと、これは私ども公務員の身分を考えておるものとしては、これはもう目の前に公務員諸君が困っておる状況を見ておるわけでありますから、これは非常に私は遺憾なことであったと、また気の毒なことであったと思います。それ以上そのことに対して批判がましいことを申し上げるわけにはいきません。ただ公務員が非常に困ったということだけ申し上げておきたいと思います。
#21
○田畑金光君 困ったということは、まことに残念であったし、そういうような姿になってもらいたくなかったという意味だと私は思いますが、そこで私はこれは総裁にお尋ねしたほうが適切かどうかはわかりませんが、地方公務員の場合は、ちゃんとその団体――府県なら府県の予算が成立をし、府県の条例がきまったならば、それに基づいて支給措置をやっても一向地方団体としては差しつかえないと私は思うのですが、総裁はどのようにお考えになりましようか、あるいはまた、自治省関係の件ならば、自治省の人からお答え願いたいと思うのですが、総裁どのようにお考えですか。
#22
○政府委員(佐藤達夫君) これはちょっと私の立場としては御遠慮申し上げたほうがいいと思うのですが、田畑委員も御承知のとおりに、地方公務員の関係は私どもの管轄外でもございますし、それに対する自治省のやり方を批判するということは、これは差し控えるべきだと思いますから、自治省のほうにひとつお尋ねをいただければ幸いと思います。
#23
○田畑金光君 総裁は何しろ法律の大家だし、法律的の解釈として私はお聞きしているわけで、人事院総裁としてお答えにならなくてもけっこうです。私は地方自治体の場合はほとんど予算がきまり、条例で支給するということがきまった以上は支給したって一向差しつかえないと思う、法律的に。そういう解釈の面をお尋ねしておるわけです。何しろ法律の大家ですから、教えていただきたい。
#24
○政府委員(佐藤達夫君) 絶対に大家ではございませんので、法律のことはすっかり忘れてしまいましたので、ひとつごかんべん願いたいと思います。
#25
○田畑金光君 それはいずれまた自治省にひとつお尋ねすることにしまして、もう一つ私は、これは数字的にお伺いいたしますが、衆議院の内閣委員会でこの法律の取り扱いについていろいろ話し合いがなされていた。第一点は、十月実施を五月実施に人事院勧告どおり実施してもらいたいという交渉、話し合いがなされたようです。これは私先ほどこの五カ月間の失う額は幾らかということで、二百十二億という、こういうことでわかりましたが、もう一つは、勤勉手当の〇・一カ月分増額の話し合いがなされたと、こう聞いております。〇・一カ月分というと幾らぐらいになりますか。
#26
○政府委員(平井廸郎君) 〇・二カ月分の話し合いがなされたということ、ちょっと私詳しくは聞いておりませんのでございますが、〇・一カ月が大体一般会計におきましては二十七、八億になるということでございます。
#27
○田畑金光君 話し合いの結果、初任給の五百円の引き上げ措置がなされているわけでありますが、これによって幾らの予算がふえるわけですか。
#28
○政府委員(平井廸郎君) 一般会計において三十七年度分といたしましては、三億四千四百万円の増加になろうかと思います。
#29
○田畑金光君 三点の話し合いがいろいろ難航した結果、最終的には初任給の手直しで話し合いがついたということ、それぞれの金額についても、お答えを通じ大体理解されましたが、とにかく公務員の給与の実施が、人事院勧告の実施が今日この段階まで延びてきたということは諸般の情勢上やむを得なかったものあるにいたしましても、まことに遺憾なことだと、こう思うわけでありますが、まあしかし、国会の使命として一日も早くこの法律の成立を通じ、国家公務員あるいは地方公務員等の今日まで受けた迷惑を償いをつけるということは最も大事な問題だと、私はこう考えておるわけです。その他いろいろお尋ねしたいこともありますが、一応この程度でやめておきます。
#30
○鶴園哲夫君 きのう種々お伺いしたのですが、きのうの私の結論はいろいろありますけれども、その一つは、人事院の従来の勧告様式に対しまして政府は明らかに不信の意思を表明したということだと思うのです。それは七大学の学長をああいう形で引き上げる、私ども引き上げることについては賛成でありますけれども、少なくとも一般職について従来の人事院の勧告の根本的な考え方であった官民比較に基づいたという点を完全に否定したものというふうに言わなきゃならない。さらに公務員の一等級、二等級、三等級というところ、こういうところは人事院の官民比較様式に対して非常な不信を持っている。これは今日の七大学の学長問題が出た根本的な理由です。さらに四等以下八等までの公務員全体は、長年にわたって人事院の勧告様式に対して非常な不満を表明しておる。そういう意味からいうならば、人事院のこの勧告様式というものは一体どこが支持しておるのか。公務員の中のどこが一体支持しておるのかというふうに私どもは考えておる。よもや人事院はそういう意味では全く孤立無援、そういう段階に追い込まれているんじゃないかというふうに私ども思います。したがって、ここで人事院は従来の勧告様式に対して根本的に反省をする必要があるというふうに私は思います。すでに総裁は七大学長を上げるならば、さらに国立大学の学長を上げなければならない。それに伴って一般の大学教授も上げなければならないという意見を表明されている。これは明らかに人事院自身が、自分の勧告様式を否定したものというふうに言わなければならない。そういうことに発展をする。したがって、私はこの際人事院は、従来の非常に不満があった、だれしも支持しない、奇妙な官民比較論というものを、ここではっきり重大な反省をする必要が私はあると思います。ここで二、三申し上げて、ひとつ反省を促したいわけですが、私は人事院は公務員の給与を上げるために、一挙に上げるというわけにはいかないから、逐次計画的に上げるということをやっていかないというと、なかなか一ぺんに上げますと、金も要りますし、たいへんです。しかし、人事院が十年にわたって、ああいう奇妙な官民比較をしたこの悪弊がつのって、今やどうにもならぬ形になっている。それが今日の事態に至ったのではないのでしょうか。私はすでに人事院が公務員の地位というものを、どういうふうに考えておられるのか、非常に常々不満に思っております。もっと人事院は公務員の地位というものについて、正しい誇りを持ってもらいたいと思う。たとえば本省の課長と比較するのに五百人以下の事業場、これは五十人の事業場もありますし、百人の小ちゃな事業場もありますが、そういうところの部長の次の次長、これと比較をしなければならぬ。あるいは四等級の者を、五百人以上の企業の係長と比較しなければならぬ、あるいは五百人以下の、いろいろありますが、たとえば五等級の問題にいたしましても、五百人以上の係長と比較できない。一体どういうことですか。そして五百人以下の、五十人や百人や、二百人や三百人という小さな企業の係長と比較する。一体公務員というものをどういうふうに見ておられるのか。私どもはかねがねから不満を持っている。こういう官民比較をやられるから、人事院の奇妙な比較については、公務員の中に信用がない、支持がない、こういうことになっているのではないでしょうか。私はこの機会に人事院の従来の根本的な給与の考え方である官民比較、さらに公務員の地位というものをどういうふうに考えられているのか、もっと正しい誇りを持って、公務員の地位というものを位置づけてもらいたいと思う。そういう点について総裁の見解をお伺いしたい。
#31
○政府委員(佐藤達夫君) 正しい方向において、また正しい姿において公務員の地位を見つめていくということは、もうまさにおっしゃるとおりで、私もその心がまえでいるわけでございます。ただこの給与の関係において、どういう結論を導き出すかという点につきましては、これまた申し上げるまでもないことでございますが、私どもの立場としては、きわめてこれはじみちにいかざるを得ない。じみちにいくということになると、これはおのずからやはり官民の比較というような資料に基づかなければならない。これは人つくりの政策を人事院としては大いに推進してやろう、そのために勧告のほうで大いに手心を加えるというようなことは、これはどうも避ける。やはりじみちにいかなければならぬということになれば、やはり従来の官民の比較ということに基礎を置くことは、これはやむを得ないことだろうし、当然のことだろうと思います。ただその場合に、今お示しのように、どこをつかまえて、どういう比較をするかというような問題は、見方の問題もあり、いろいろ議論もあろうかと思います。私は幸いにしてと申しますか、不幸にして今度この新しい仕事に携わることになりましたので、いろいろお言葉を十分拝聴いたしまして、あらゆる点から遺憾のないように、ひとつこの次の場合善処して参りたいという心がまえでおります。
#32
○鶴園哲夫君 非常に時間が少ないために、詳細にわたって、意を尽くして、総裁に対して意見を伺うというわけにいきませんですが、ただこの問題につきまして、私常日ごろから不満を表明している。どこにも支持者がないでしょう、こういう考え方については。私は、今三等級なり四等級、五等級の例をとりましたが、どこをとってもそれは言える。五等級というものをとりましても、五百人以上の係長となぜ比較できないか。本省の係長をなぜできないか。五百人以下の三百人、二百人、五十人という企業の係長とどうして比較するのか。公務員の地位というものをはっきり正しく自信を持って評価してもらいたいと思う。それが今日の官民比較のやり方について非常な不満があって、だれも支持しない事態に陥っているということだと思うんです。それを一つつけ加えておきます。
 次に、同じように官民比較で、もう一つ次に指摘をいたしたいのは、これは従来から、私、今の官民比較のやり方はたくさんの問題点があるということを指摘してきておるわけですが、今十五の俸給表ができました。十五の俸給表をそれぞれある意味で均衡をとっておられるんですね。ここに大きな問題がある。公安職俸給表(一)とか、あるいは公安職俸給表(二)とか、あるいは税務職俸給表、それぞれ民間に該当するものがないので、これは除く。あるいは教育職の(三)、これは義務教育だから省く、民間の調査をしない。あるいは今度新しくできましたところの教育職の(四)、これも民間にありませんから民間の調査をしない。比較をしない。これはいいと思います。そのほか教育職の(一)とか、(二)とか、こういうものを官民比較から除くべきだと強く主張しておる。海事職の(一)についても同じです。こういうものを比較から除くべきだと思う。そういうためにここで私は若干の例をあげたいんですが、時間がありませんから、二つだけ例をあげて申し上げておきます。
 一番大きな欠陥は、どういうところに現われるかといいますと、医療職俸給表の(一)、国立病院あるいは国立大学の附属病院の医者、この俸給表は極端に参っちまっておるですね。これは過去三十五年、三十六年、三十七年に例をとって申し上げてもよろしいですが、時間がかかりますから、三十七年度から例をとってみまして、この医療職のお医者さんは民間のお医者さんよりも一万七千円低いと出ているんですね、人事院の調査で。率で言いますと三七%低いというのです。ところが、今回どれだけ引き上げるか。七%引き上げるんですよ、七%。なお三〇%低いんですよ。金額にいたしまして実に一万二千六百円低いんです、民間よりは。同じ医者が民間とこれだけの大きな差があるということ。しかも、これは五、六年の歴史です。そのため、今日国立病院の医者あるいは国立大学の附属病院の医者がどういう勤務条件にあるかということは、人事院は御承知のとおりだと思う。こういう事態を見て見ぬふりをするというのは、不届きだと私は思う。研究職についても同じです。極端に出ているのは、この医療職と研究職です。このような事態に放置して国立大学の附属病院なりあるいは国立病院というものの医療というものが希薄にならないかどうか。御承知だと思うんですよ。常勤のりっぱな医者が病院に三日しか、四日しか出ない。出ないですよ、こんな安い給料では。あと大学の研究所に行っている。こういう実情になりつつあるじゃないですか。それを承知して、今度もこういうようなことをやられる。これはひとえに、先ほど申し上げたように、俸給表には妙なバランスをとられているというところに大きな欠陥がある。もっと大きな視野からこういう問題について配慮しなければくずれますよ。いろいろ御意見もあるだろうと思うんです。実態はそのとおりです。こういう問題についてどういうふうに考えておられるか、簡単に伺っておきます。
#33
○政府委員(佐藤達夫君) 今の医者その他のお話は、私も十分当面の代表の方々にもお会いしまして、実情はわかっております。また、確かにそういう事実があるように思います。したがって、先ほど申しましたような面と含めまして、そういう問題を全面的にひとつ見直して、検討してみようというつもりで、それがまた合理的な理由があるということになれば、これは別でありますが、あるかないか、もっと精密に検討を要すだろうと考えております。
#34
○鶴園哲夫君 いや、そういうことでまたうやむやの中にこういう千二、三百円、毎年三〇%民間より低いという事態が四年くらい続いているんですよ。いつまでたってもこれは改められない。私は毎国会この点を指摘している。こんな三〇%も低くて、それが四年間も続いてどうなりますか。ですから、そういうことにならないように、総裁のひとつ善処を切に望みまして、次に移りますと、次は期末手当、この期末手当の根本的な問題は、私はこの委員会で指摘し続けているのでありますが、人事院は、公務員の俸給表につきましては、よく民間の職員と比較されるんです。ところが、その期末手当についても、職員を百万名とりますと工員も百万名とられる。そうしてそれを二百万名で割って平均で出される。むしろこれは工員のほうがちょっと多いんです。これは俸給表については職員と比較する、しかし、期末手当については、職員と工員とのこみで比較をするということ、これは矛盾だ、前後撞着だということを主張しているんです。だれが見ても矛盾です。すみやかに是正されるべきだと思う。ところが、だんだんこう執拗に迫りますと、人事院の答弁では、しまいにはこういうことになるんです。民間におきましては、重役というものと係長という下の者とは期末手当が違う、重役は六カ月だ、係長は三カ月、四カ月だ、そういう差が出てくる、しかし、公務員の場合は、三・七月で次官初め下のほうまで出しております、こういう言い方をされる。これは問題をすりかえるのもはなはだしい。矛盾だという点を、矛盾であるかどうかはっきりしなければならぬ。すりかえてそういうような論議をされることは私は許せないと思う。のみならず、これは民間の場合においては利潤の追求を唯一の目的とする営業事業体です。一方は公務員なんです。そのために三・七月分という一率の支給がされているという、そういう点をネグレクトして、問題をすりかえたような考え方は私はやめてもらいたい。しかし、一挙にこれをやるということになりますと、私もお察しがつきます。したがって、逐次これはやはり変えるという方向にひとつ努力していただきたいと思いますが、私としましては一挙にやってもらいたいと思うんですが、これはしかしなかなか一挙にやるということはたいへんなことです。たいへんなとは言いませんが、相当な配慮が要ると思います。したがって、この点について十分努力してもらいたいという点を申し上げておきますが、総裁のひとつ御見解を承ります。
#35
○政府委員(佐藤達夫君) 人事院の答弁までにわたってお教えを受けたわけでありまして、その答弁がはたして当たっているか、おらないか、御疑問をお持ちのようでもございますので、私ただいまのお教えを貴重なお教えと拝承いたしまして、しっかり勉強して参りたいと思います。
#36
○鶴園哲夫君 次に、これは修正案につきまして、もうあと二つ、三つ残っておりますが、修正案につきまして、今ここでどうこうというわけにはいかないわけでありますが、ただ、実際問題といたしまして、これは人事院に配慮を願わなければならないところじゃないかというふうに私思うわけです。今日すみやかにこれは通して一刻も早く、一日も早く公務員の手に支払いたいという気持を私どもも持っているわけですし、それでどうこう言うわけにはなかなかいくまいと思います。そこで私人事院に配慮を願って、次の勧告で処理してもらう以外にはないのじゃないかというふうに思うわけですが、それは行政職俸給表の(二)ですね、この行政職俸給表の(二)は、御承知のとおりに、前は行政職俸給表の(一)と行政職俸給表の(二)が一本になっておったんですが、三十二年のときにこれを二つに割りまして、非常に大きな問題があったのでありますが、二つに割って、その後七年にわたって行(二)の人たちが行(一)と比較いたしまして職務上非常にまずいという論議が積み重なってきておるわけですね。これは人事院も御承知のとおりなんです。これらについて人事院が漸次いろいろな配意をしておられるということをわれわれも見受けられるわけですが、今度の勧告にあたりまして、人事院といたしまして配意を若干せられて、行(一)と行(二)の対応号俸を比較いたしまして、行(二)の場合に百円から三百円ほど上積みしておられるんですね、のように見受けておるんです。三等、四等、五等については大体百円ほど上積みをしておられる。それから二等については二百円から三百円上積みをされて配意をしておられる。それから一等については二百円から三百円ほど上積みして配意をしておられる。今回修正によりまして、下の者が千五百円足らないものをそこまで引き上げるということで、百円から二百円程度のものが若干引き上がったわけですが、ただ先ほど申し上げたような人事院の配慮がありましたために、行政職俸給表の(二)の場合には適用者がうんと少ないと、こうならざるを得なかったのじゃないかと思うのです。したがって、実際修正してみますと、行(二)の場合におきましては今度の修正に適用される人の最高号俸が大体一万一千円になっております。ところが行(一)の場合は、いずれの場合におきましても大体二万一千円になっております。ですから二万一千円の号俸のところまで百円積み重ねたわけです。ですから行政職俸給表(二)の場合は、先ほど申し上げたような配慮がありましたために、一万一千円の号俸のところまでしか積み上がらない、修正されないと、こういうことになったわけですね。これは公安職の俸給表の(一)、あるいは税務職の俸給表の(一)の俸給表をとりましても、大体二万円というところまで百円上がったわけですね。ところが、この行政職俸給表の(二)のところが先ほど申し上げたような経緯で一万一千円のところまでしか上がらない。したがって、結論として言いますと、人事院のほうがこの行(二)について非常な不満があるために若干の配意を払われた。百円から三百円の配意を払われた。それが今度の修正によって帳消しになったというような形が――帳消しになったというところまでいきませんが、帳消しになったような形のものが相当に出てきた。したがって、この一万一千円という非常に低い号俸のところしか百円積み重ならないと、こういうことになったんですね。したがって、これについて人事院として次の勧告でこれは配意をひとつ払ってもらいたいというのが私の希望なんです。いかがでしょう。
#37
○政府委員(佐藤達夫君) 確かにおっしゃるような面が若干ございます。で、私どももその点は内々で話し合ったこともあるのでありますが、その点をめぐってやはり今後それでいいのか、やはりそのままではいけないのかという点を含めて十分検討して参りたいと思います。
#38
○鶴園哲夫君 それからもう一つ、この法案の中に期末手当につきまして、「支給日前一カ月以内に退職し、または死亡した職員で人事院規則で定めるものについて」支給ができるということになりましたですね。これは非常に喜ばしい措置であるわけですが、「支給日前一カ月以内に退職し、または死亡した職員」といいますが、これをやはり休職とか休暇とかそういうものがここに考慮さるべきじゃないかと思うのですがね。ちょうど支給日の一カ月以内に死んだ者については支給すると、あるいは退職したものについては支給すると、しかし、ちょうど病気になって療養生活に入った、あるいは休職になった、休暇になった、こういう場合にやはり同じような措置がとられるほうが均衡上いいのではないかという私は考えを持っておるわけです。これを見ますというと「人事院規則で定めるものについて」と書いてありますが、しかし、前に限定がありますから、どうもやはり法律を改正しないとできにくいようにも思うのですけれども、せっかくこういういい配慮が払われたのですから――非常に今まで不満があったのですね。十何年勤めて、手当支給日の十日前にやめた、十五日前にやめた、ところが、せっかく勤めておったけれども期末手当が支給にならない、あるいは退職したけれども、死んだけれども支給にならないと、こういう不満があったのですね。こういう点について、こまかい配慮が払われたことについては敬意を表するものですが、同時に先ほど申し上げたような点についてもやはり配慮をする必要があるのじゃないかというふうに思いますけれども、どうですか。
#39
○政府委員(佐藤達夫君) 適切なことをお伺いいただいて私個人は非常にうれしいのですが、勧告のあといよいよ今度法律になる過程においてこれを検討してみまして、せっかくここまでいくのならば休職のほうまでもう一足広げられぬものかと、勧告には休職は入っておりませんから、ちょっとあとの祭になりましたけれども、そういうことを申していろいろ検討したことがございます。しかし、いろいろ聞いてみますと、休職者に対する給与関係の根本的な問題がいろいろまだあるらしい。どうも末節だけをつかまえて解決はちょっとむずかしいということを聞きましたものですから、なるほどそういうことがあればこれは将来の宿題としてひとつ休職者についての給与関係というものを根本的に洗ってみてからのことにしたいということで、私自身は納得いたしまして、またそれでいいと思いますが、これは宿題として将来先生方のいろいろお教えも受けたいと思いますし、私どもも検討していかなければ、検討ばかり申し上げて非常に心苦しいのでありますけれども、これは大きな宿題と私は思っております。
#40
○鶴園哲夫君 それからもう一つ、これも人事院に対して文句をつけなければならぬわけですが、これは一昨年三十六年の二月ですが、この委員会で主張しまして、その点について当時の人事院総裁が検討したいということで民間の調査をやられたのです。私はこれは民間の調査を特にする必要もないものだと思うのでありますけれども、人事院としては民間の調査をやられたわけなんですね。ところが結論は、五百人以上の事業場では二〇・七%支給している。で五百人以下の企業では一〇・二%支給している。したがって、これは新しく設ける必要はない、こういうような結論を出されたわけなんです。これは私としましてここで再度一つ問題として取り上げなければならない、こういうふうに思っておるわけなんです。その理由を以下若干申し上げますが、一つはこの人事院の調査のやり方がきわめて形式的、やる意思がない、こういうことであります。それはこの間の調査を詳細に検討いたしますと、その住宅手当というものについては調査をされた。しかし、それに類似するものは全然調査されていない。民間の場合によりますと、日経連が出しております賃金体系の実例という、非常に豊富にたくさん出ておりますが、これを詳細に検討してみますというと、非常に多岐にわたった名称になっております。ところが、人事院の場合においては、住宅手当だけ調査された、きわめて形式的な調査、いわゆるやる気がない、最初から。そこでこの中に出てくる名称に該当するようなものを拾ったらどの程度あるか、人事院の推測では当時最大限一〇%はあるであろう、こういっておるのですね。私は詳細にこれを検討さしてみますともっとある。この中には集約も載っております。もちろん日経連でありますから大体五百人以上が中心になります。ですが、詳細見てみますと、非常に多岐にわたっているということですね。
 それから三十六年――三十七年にかけまして特に中小企業が若い人たちを吸収する必要上、寮あるいは独身寮を作るというのが一つのブームになりましたのですが、そういう経緯、それからもう一つの問題は民間のやつを詳細に検討しますと、あるところでは非常に扶養手当をよく出している、ところが住宅手当についてはオミットして考えている。しかし、食事費の問題については重点を置いている。その諸手当の総合勘案の中できめられている、こういう傾向が非常に顕著に出ておるように思います。特に四万円ベースとか、三万八千円ベースとかいう高いベースになりますと、そういう問題についての考慮がないという実情にもあるようであります。ですが、そういう問題をやはり総合的に考えた場合、個々にもう一ぺん検討してみる必要があるのじゃないかという点を私は考えておるわけなんです。さらに民間の場合におきまして検討してみますというと、異動を前提にした職員――少なくとも異動を前提にした職員についてはこれは宿舎等については相当完備している。そしてその地域における近傍の労働力を使ってというような形の場合が多いのですが、そういう場合における住宅手当については変わった配慮をしているのですね。ですからそういう親切な調査を行なわれていないのですね。全く形式的な、とにかく言われたから仕方がないから調査はやるわ、しかし、これだけであとは知らぬというような調査のやり方ですな。非常に冷淡な調査のやり方をやられたものだと思うのです。わかりますがね、気持は。わかりますけれども、私は重ねて、公務とそれから民間と差がありますから、やはり公務の場合においては異動がどうしても前提になっている。その意味で再度重ねて検討していただきたい。もう一度申し上げておきますと、最近――近年ですが、公務員の異動が相当顕著になって参りました。従来は本省と地方といいますか、ブロックにある機関、その間の異動がおもだったわけです。あるいは三等級というような管理職、管理者に当たるような人たち、その人たちが全国を異動したという傾向だったのですね、異動といいますと。ところが近年はそうではなくて、五等級とか四等級とかこういうところですね。あるいは六等級というあるいは長のつくところですね。そういう長のつくところが多いのですが、そういうところが相当数動くようになった。これは一つは労働対策からです。同じところに置いておくと組合等の関係もある。そういう何といいますか、労務対策上そういう長と名のつく者を県内を異動させる。こういう傾向が非常に出てきています。それからもう一つは公務で長くそこにいるというと妙ないわく因縁がついても困るという御配慮もあると思うのです。そこで、上の者だけじゃなくて、四等なり五等なり六等というところも異動になっていますね。
 それから最近盛んに言われている事務刷新あるいは人事刷新というような見方、長くそこに五年も十年もおるということではまずいというような関係から従来なかったような異動が相当行なわれている。そういう人たちは従来県で言いますと、三等の所長、あるいは四等の部長あたりは官舎を持っている。二、三人か四人くらいの人たち、一般の職員はどう見ておったかというと、あの人たちは一年か二年か三年で全国をかけ回るから、これは官舎を作ってあってしかるべきだ、こう思っているのですよ。ところが、自分たちが今度異動され始めた、そこでこれは非常に困るという意見が強くなった。これは両方から意見として、管理者のほうは管理者として行ってもらいたい、異動したいけれども、行くとなると単身赴任をしなければならない、通勤できないという事態、頼むから行ってくれという。あるいは一年半たったら帰す、あるいは独自の人事上の配慮を払うからということになってしまう。行く者にとっては別居をしなければならない、行くというとどうしても下宿をしなければならない、家族を連れて行くとすると今よりもうんと生活が下がらなければならないというようなことで、管理者の側からもあるいは一般の職員の側からも非常にこの住宅の問題について真剣な論議が行なわれている。そういうような点を総合的に勘案してみた場合に、再度人事院はこの問題について配慮を払い検討すべきではないかと私は思うわけなんです。総裁のひとつ御見解を承りたいと思います。
#41
○政府委員(佐藤達夫君) 主として住宅手当のお話のように拝聴いたしますが、将来これをまだ設けておらない、踏み切っておらないということについては、いろいろまた私どもが考えましても、民間の場合との比較においても、ただいま御指摘がありましたように、本俸との振り合い関係がどうなっておるか、場合によっては本俸の中にこの分が入っておるということも見られるというような、なかなか複雑な面がありますことと、それからこれもただいま御指摘のありましたように、会社のほうで宿舎を作って現物を給付しておる。国の場合においても国設宿舎というものがあるわけです。そういう点等いろいろ勘案してみますというと、なかなかそこにむずかしい問題があるということから今日のような事態になっておるのではないかと思います。私は当面の問題としては、まず何よりも国設の宿舎というものを、特にただいま御指摘のような異動の激しい職種につきましては当然国設の宿舎が完備していなければならぬのじゃないか、幸い私の両側に関係の政府の最も有力な方がおられますから、ちょうどこの席上を借りてお願いしておきたいと思うのでありますが、私はそういう面は忘るべかるざる面であると思います。しかし、といって給与の面は全然ネグレクトして、無視してもいいかといいますと、これも今のお言葉のように、やはりそれには関心をもって注目しながら検討を進めていかなければならない、そういう心がまえを持っております。
#42
○鶴園哲夫君 国設宿舎につきましては、昨年が五千戸ちょっとです。ことしが六千戸ちょっとになっております。これではまことに待ったら百年河清を待たなければならぬわけです。そういうまだるっこしい話ではどうにもならない。私が申し上げているのは、ここ数年の顕著な事態としてそういう事態に陥っているからして、国の住宅政策の一環である国設宿舎あるいは公務員宿舎、これについて政府は積極的に配慮を払われるということもぜひ要望したいわけですが、それは今申し上げましたように、五千戸、六千戸というのじゃ百年河清を待つにひとしい。ですから当面している問題を私は申し上げているわけです。ですから、さしあたってこの八月八日の勧告の問題、その際にこれはぜひとも検討をしてもらいたい。それについての見解を承っておるわけです。
#43
○政府委員(佐藤達夫君) もちろん十分心にかけて参りたいという所存でおります。
#44
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#45
○委員長(村山道雄君) 速記を始めて。
#46
○鶴園哲夫君 残念、遺憾千万でありますが、種々問題もありますけれども、時間の都合もございますし、総裁は本会議に呼ばれておるということでございますので、この辺で今の問題は、人事院に対する問題はこれで終わります。
 きのう宿題になっておりました官房長官に対します問題、これについて官房長官はどういうような御答弁をなさるのか、まずそれを承ります。
#47
○政府委員(黒金泰美君) 昨日来問題になっております国立大学の学長の認証官、また、給与の改善の問題でございますが、われわれといたしましては、大学の学長を初め大学の教授方の待遇を改善いたしたい、りっぱな大学を作って参りたい。このような考えに出ましたので、一般職であります学長の給与の改定につきましては、私は私から人事院総裁に文書でお願いをいたしまして御了解を得たような次第でございます。ただ根本の問題といたしまして、国家公務員の給与の改定につきましては、もちろん人事院の勧告を尊重して行なう。今までわれわれ何回も申し上げてきたところでありまするし、今後ともその方針を変える気持はございません。
#48
○鶴園哲夫君 私は、今官房長官はそういう御説明をなさいましたが、これはよって来たるところが深いわけなんです。今官房長官がおっしゃったような理由ではないわけですね。もっと深い理由からこの問題が発生をしている。したがって、これは単に官房長官がおっしゃるように七大学長の問題だけにおさまらない。すでに人事院総裁もきのうこの論議の中では、きわめて遺憾であるという発言をされている。人事院は当然これらの諸問題について八月八日については配慮を払う。そして五月一日という勧告を出すに違いない。一般職の七大学長、あるいはその他の学長、今おっしゃいました教授、そういう方々の一般職の人たちについて、何がゆえに特殊な、従来の政府の考え方、従来の国の公務員の給与に関する考え方を否定するがごとき措置をされるのか。今官房長官は七大学長その他教授等は別だ、それ以外については従来の方針であるという言い方になりますよ。言いかえますと、それではこれは法の前に不平等です。承知できないです。そういうことは。もしそういうことをおやりになるなら、これは一般職全体を解きほぐしてもらいたい。勧告形態から解きほぐしてもらいたい、解放してもらいたい。特殊なものを認めるわけにはいかないです。これは私は政府の公務員の給与に関する考え方がきわめて浅薄だと思うのですね。これは私は承知できないです。もしぜひやるというなら、しからば一般職全体について勧告から解放してもらう。そういう態度をとらるべきだと思う。また、事実上そうなると思う。私は思うのです。ちょっとの問題ですから、この点についての配意がなっておらないですね。ちょびっとの問題ですから。この問題は時間の関係もありますから、私は七大学長の特例法案については内閣委員会へ付託してもらって論議をする。それがもし不可能な場合においては、文教委員会と合同審査会で徹底して政府を追及します。そういうやり方は従来の政府の根本方針を否定するものですよ。別と言ってもだめです。再度検討願います。
#49
○政府委員(黒金泰美君) ただいま申し上げましたように、今回の措置は勧告後に起こりました問題で、これにつきましては人事院に文書でもって御照会して、やむを得ないだろうというお答えもありましたので今回の立案をした次第でございますが、先ほども申し上げておりますように、給与の改定については人事院の勧告を尊重して行なうという従来の方針を変える気持はございません。今後ともに勧告を尊重してやるつもりでございます。
#50
○鶴園哲夫君 やっぱり私はそれは口をすっぱくしてそんなことにならないと言っておるのです。どういう理屈でそうなりますか、ならないですよ。人事院は去年の八月八日に大学学長を含め全体で教育職俸給表の(一)について今年の八月八日までの一年間の見通しを立てて勧告をした、その勧告の中には七大学長、今の十万、十一万を十六万、十八万に引き上げるというようなことは一かけらもない、それを示唆するようなものが一つもない、それが尊重になりますかということです。しかし、これを引き上げる必要があるということは、これは人事院総裁もきのうお話のとおりそれじゃ八月八日に入る、どうしてそこまで曲げてやらなければならないか、これは私としては納得できない、大体官房長官自身も非常に明敏な頭でその点の矛盾がわからないはずはない、それを平気で言うのは人をばかにしておる。これはおかしいですね。しかし、これはひとつまた別にやりましょう、徹底してこれはやらなければとてもこんなものでおさまっちゃ話にならぬ。これでやめます。
#51
○千葉信君 関連して、ちょっと官房官長にお伺いしておきますが、国家公務員のどの職が一般職に適合するか、どの職が特別職に該当するかという決定はこれは公務員法のたしか第二条で人事院の特殊な権限になっておるし、そしてまた、それが国家公務員法の大きな原則になっておるわけです。そういう分類が責任を持って人事院に付託されていて、人事院が権限を持っておる事項について政府のほうからその点についてはどういう態度で、今照会という言葉を使いましたが、人事院のほうへ問い合わせてみたらやむを得ぬだろうという話があったというのですが、具体的な、たとえば学長の問題です、その学長の場合にも第二条にいう一般職、特別職の分類はそのままにして、政府のほうで給与の改定だけを認証官とかなんとかいう格好で処理されようとしておるのかどうか、その点明らかにしてもらいたい。
#52
○政府委員(黒金泰美君) 七大学長を認証官にするということになりましたのも、その認証官になります七大学長の給与はこういうふうにしてみたいと思うけれども、いかがなものでございましょうかと、こういう問い合わせなんです。
#53
○千葉信君 その七人の学長ですね、現在は公務員法の建前からいって一般職になっていますが、そうすると、その一般職の学長を認証官にするとか、給与を上げるとか、給与を上げる話はあと回しでもよろしいが、認証官にするという政府の考え方は、これは将来は特別職に持っていこうというお考えから認証官ということにしておられるのですか。
#54
○政府委員(黒金泰美君) これは本来ならば文部大臣がお答えすることかと思いますが、私どものお聞きしております範囲では、格別そういう意図はございませんで認証官にした、しかし、一般職のままにして置いておきます、身分はそのままでございますと、こういう前提の上で給与の点を人事院と御相談申したわけでございます。
#55
○千葉信君 そうすると、わかりました、これはどうせあとでその法律案を審議するときに詳しくやらなければならぬと思いますが、ただいまの政府の答弁は、態度が変わらぬのですね、つまり一般職のままで、したがってこれは人事院の所管ということになりますか、一般職のままで認証官にするのだが、認証官にしたからというて、将来これを特別職とかなんとかということは政府としては考えない、こうはっきり了解していていいのですか。
#56
○政府委員(黒金泰美君) 認証官にしましたことと、特別職にするということとは全然関係なしで、今のままで、その身分で認証官にしよう、こういう考えでございます。
#57
○千葉信君 重ねてお尋ねしますが、私はどうもその伏線としては、いずれそのうちには、こういう認証官という格好になれば、人事院のほうでは、人事院の権限に基づいて特別職にしてくれるのだろうという期待を持ちながら進めていることじゃないのですか。
#58
○政府委員(黒金泰美君) 回答の中にも、その身分を従前どおり一般職とすることは当然のことと考えると、人事院もそのように了承しております。
#59
○鶴園哲夫君 もう一つ。きのうも問題にしたのですが、この政府が設けました認証官制度等調査連絡会議ですね、この中に特別職の基準、給与、こういうものを調査、審議するということになっておりますね。ところで、この特別職の基準というのは、私は、これは人事院の権限だと思っているのですよ。総裁は、きのうあいまいな答弁をされたのですが、これはひとつ検討願いたいと思うのですがね。
 それで、特別職の基準、それから特別職の給与等を政府が審議されるということになると、これは当然一般職に直ちにはね返ってくる面が多いわけですね。そうすると、人事院の勧告権に対して非常な影響を与えることになる。従来は、一般職の勧告があって、それに見合って、それと均衡をとって特別職の給与というのを大蔵省でお考えになった。そして、政府がそれをおきめになった。ですから、これは非常に妙な形に出てくる可能性があるから、この点については、もっと慎重に再度ひとつ検討してもらいたいと思うのです。その点をひとつ要望しておきます。
#60
○山本伊三郎君 自治省にちょっと聞いておきますが、これに関連して、今度の給与法が、御存じのように、衆議院で修正され、おそらくこの修正されたものが成立すると思うのですが、それに対して、地方公務員の場合、政府原案については、さきの臨時国会で、補正予算で一応単位費用が上げられたのですが、修正された部分の財源措置を、自治省は、地方公務員に対してどうするのですか。それを聞いておきたい。
#61
○説明員(茨木広君) 今度国会において修正されるようになっております問題点につきましては、ただいま質問がありましたように、現在の基準財政需要額等には見積もっておりませんが、また、時間的にはその余裕がないわけでございますが、幸い今回配付いたしております交付税の中には、一応調整圧縮をいたしておりました四十一億ばかりを今度解除いたしまして、その配付を含めて配分いたすようにいたしております。それから財政規約上、当初見積もられておりませんでした地方税の増収も、これが相当ございますので、したがって、今、論議になっております程度のものでございますれば、地方財政の弾力性の中で十分配慮できるというふうに考えております。
#62
○山本伊三郎君 この配慮するということと、基準財政需要額の単位費用を引き上げるということとは、別問題だと思うのですが、配慮するということは、自治省では何らかの方法で、そういう措置をとれという通牒か何かによって処置されるかどうか。この点。
#63
○説明員(茨木広君) 国会のほうにおいて法案が通りますれば、地方団体におきましても、やはり国家公務員に準じまして給与改定をやるようにという指導を例年どおりやるということに相なると思っております。
#64
○山本伊三郎君 それはわかっておるのです。わかっておるのだが、財政措置として、そういう若干の余裕財源があるからそれでいいじゃないかということではなしに、自治省としてははっきりしたものを出さなければ、財政の相当余裕のあるところはいいとして、ないところではできない。したがって、自治省の態度を聞いておるのです。それでそうやるべきであるという、直ちに基準財政需要額の単位費用を上げられないけれども、そういう措置をとっても一応いいのじゃないかというような何らかの通牒を出すのかどうか、この点を聞いておるわけです。
#65
○説明員(茨木広君) 財政上の問題といたしましては、ただいま申し上げましたように、それぞれの団体の今年度、三十七年度分といたしましては、やはり運営の中においてでき得るものというように考えておりますので、その範囲内においてやっていただくということに相なると思います。三十八年度のほうの問題になりますというと、今後の問題でございますから、現在、財政計画上の中にも、あるいは交付税法の中においても、その他の諸費等の中に、相当包括的な作業をやっておりますから、その中において支出するようにということは、はっきり言明できると思います。国のほうの措置といたしましても、三十七年度において財源措置を講ずるからという格好はとり得ないので、今のやはり税収等の伸びにおいてやれという程度のことに相なると思います。
#66
○山本伊三郎君 財政局長に来ていただきたいと思っておったのですが、三十八年度の予算はまだ成立してないのです。これは、予算委員会でも、あるいはまた、これについて質問をし、措置もとれると思うのですが、問題は、三十七年の分として、すでに地方交付税の改正案は通ってしまっておるのですね、さきの臨時国会において。したがって、三十七年度は、十月から出すということになれば、地方交付税法に関係してくるのです。その措置をどうするのかということをはっきり聞いておかなければ、国家公務員の場合は、一応ここで論議してやれると思いますが、地方公務員の場合は、財政上の措置においては、それがそのままほったらかされてしまうということが非常に苦痛な地方団体があるから、自治省としての態度をはっきりしてもらいたいということがあるのです。余裕財源があるから勝手にやったらいいということではおさまらぬ。余裕財源のあるところとないところとあるから、その点をどうするかということをはっきり聞いておきたい、こう思うのです。
#67
○説明員(茨木広君) 三十七年度の、特に交付団体分が問題になると思いますが、県のほうにおいて一億ばかり、それから市町村のほうにおいて一億ばかりになりますが、これが各団体、三千の団体に分かれて参りますというと、ごくわずかになって参ります。したがって、現在、今、特交の配分をやっておりますけれども、大体、各団体にいたしましても、小さなところでも百万単位以上配分されますから、したがって、その点でも、十分切りかえに支障がないようにでき得るものという考えでございます。
#68
○山本伊三郎君 もう一ぺん聞いておきますが、自治省は、でき得るものだという判断だが、できない団体も相当ある、あると思うのです。そのあった場合には、そういう財源は、自治省として何らかの形で見る、特交かなんかで見る、そういうことは考えられるということで了解していいですか。
#69
○説明員(茨木広君) 私のほうでは、毎々申し上げましたように見得ると思っておりますけれども、もし万一そういうことがありますれば、個別的な団体の問題としていろいろ相談をしてみなければいかぬじゃないかと思っております。
#70
○山本伊三郎君 それじゃあ最後にもう一つだけ念を押しておきますが、今度の修正による財源措置は、自治省としても余裕財源があるところはそれでやるべきである。もしもそれがないところについては自治省としては考慮する余地がある、こういうことですね。
#71
○説明員(茨木広君) 前半のほうについては、それぞれまあ一応やり得るというように考えておるわけでございますが、個別的にどうしてもやり得ない団体がありますれば、その団体ごとにいろいろ相談をして参らなければならぬ、こういうふうに考えております。
#72
○山本伊三郎君 相談をして、それでやるということですね。どうも語尾がはっきりしない。
#73
○説明員(茨木広君) それはちょうど年度にまたがりますから、非常にむずかしい問題があるわけです。
#74
○山本伊三郎君 三十七年度でいいです。
#75
○説明員(茨木広君) 三十七年度中に処理し得ないものについては、三十八年度になりましてから財源措置を遡及してその分を考慮するというようなことにいたすかどうかというようなことも考えてみなければならぬじゃないか。でありますから、三十七年度分において直ちにこれを措置ができ得ない場合においては、四月になりましてからその分を遡及支払うことになろうかと思います。
#76
○山本伊三郎君 なろうじゃない、である。
#77
○説明員(茨木広君) ですから、これらについては個別的にその辺のところは相談して参りたいと思います。
#78
○山本伊三郎君 課長ではそう言いにくいかもしらぬが、これは法律でも準じてやることになっているのだから、当然通れば国会の意思を尊重して地方公務員の財源措置をしなければならぬ自治省としても義務がある。課長は非常に、省に帰ってから要らぬことを言ったといって怒られるかもしらぬが、われわれとしては、どうしても三十七年度で考えられなければ三十八年度で考えるという自治省の方針であるということを了解して私の質問をこれで終わります。異議がなければ、あれば答弁してもらう、異議がなければこれでいい。
#79
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#80
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。
 他に御質疑はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(村山道雄君) 他に御発言がなければ三案の質疑は終局したものと認めます。
 これより三案を一括して討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#82
○山本伊三郎君 日本社会党を代表しまして、本三案に対しまして若干の意見を述べたいと思います。
 政府原案については、われわれとしては全く反対の態度を今日まで堅持して参りました。また、人事院勧告につきましても昨日来同僚鶴園委員からも質問のあったように、きわめてわれわれとしては不合理の点が多々あります。しかし、自民党のいろいろ熱意もあったと思いますが、衆議院で両党で修正が成立をいたしました。われわれの主張もある程度ここに勘案されまして、ここに参議院に回されてきたのでございまするが、われわれとしてはまだ討論の余地はたくさんあります。質疑の余地はありますけれども、一応昨年の臨時国会ですでに成立にならなくちゃならぬ本法律案が、年を越してすでに三月に入らんとしております。公務員の諸君も首を長くしてこの法律案の行方を見守っておられると思うのですが、そういう大乗的な立場から、わが党といたしましては本案に対しましては賛成の態度を明らかにいたすものであります。
 しかし、昨日来の問題がたくさんありましたので、担当である大橋国務大臣におかれましては、今後公務員の給与についてはもっと真剣に、そうして今日の生活実態を十分把握されまして、今後これに対して善処されんことを強く希望いたしまして、賛成の意見にかえたいと存じます。
#83
○田畑金光君 私は民主社会党を代表いたしまして、ただいまの三案に反対の意見を申し述べます。
 反対の第一の理由は、申すまでもなく、われわれ年来人事院勧告の完全実施を主張して参りましたが、今回もまた五月実施が十月実施、約五カ月間実施がずれておるわけでございます。先ほどの質問によりますと、これによって公務員の失う金額が二百十二億に上るというわけでございます。なるほど衆議院段階において話し合いの結果、初任給の手当が増額措置されて四億一千万前後これによってプラスになるわけでございますが、四億一千万のプラスのために五カ月の完全実施をわれわれはそのまま見のがすわけには参りません。二百十二億の損失を見のがすわけには参りません。われわれといたしましては、あくまでも人事院勧告の完全実施ということを今後政府は強く肝に銘じて善処されることは強く要望したいと思っております。ことに、今回のこの法律が昨年の十二月の臨時国会において当然成立することによって国家公務員あるいは地方公務員の期待にこたえるべきであったにかかわらず、まさに二月の末に至る今日まで延びて参りましたということは、まことに遺憾なことであり、人事院の勧告実施がずれておること、ことにまた、ことしは、この法律の成立がこのようにおくれたことと二重にわれわれは残念に考えておるわけでございます。ことに、公務員の給与は申すまでもなく、民間給与を追っかけておるわけで、民間の給与が公務員の給与を追っかけておるわけではないわけでございます。人事院勧告の説明の中にも、三十七年四月現在、民間給与と比べると公務員の給与は九・三%下回っておる、こういう結論でございますが、にもかかわらず、今回の勧告の内容は最終的に七・九%の引き上げに終わっておるということは、勧告の内容自体についてもわれわれは不満があるわけでございます。ことに、私政府に特に考えていただきたいことは、現在行なわれておる三公社五現業とこれらの組合との団体交渉の経緯を見ますならば、交渉の中からほとんど実質的な結論を出すことができず、従来の例に反し、当局がことしは調停段階に移しておるわけでございます。おそらく調停に移しても調停は無意味で、結局仲裁機関に、かけなければ、この仲裁機関の第三者の公正な結論を待たなければ、三公社五現業の給与改定の問題の最終結論を見出すことはできないと思っておりまするが、私はやはり、三公社五現業当局と労働組合との話し合いによってもっと自主的な交渉が煮詰まって、そして仲裁段階に移していくということが、今日の労働情勢全般を見まして、社会の安定という点から申しましても、当然政府はその方向に指導し、協力されるのが建前であろうと考えますが、むしろ政府が公社当局に強く圧力をかけておるような印象もあるわけでございまして、私はそういうことを考えたとき、ことしの人事院勧告等に政府の政治的な配慮が加わることをおそれるわけでございます。そういう立場から、私は、人事院の今後の自主独立性をあくまでも強く要望するとともに、当面、今回の三案については、人事院勧告完全実施という立場から反対の意見を強く表明するわけであります。もちろん初任給の手直しあるいは高校教諭の昇給期間の短縮、部分的には改善を加えられておるのでありまするが、法律の本体そのものにわが党としては賛成するわけに参りません。
 以上反対の意見といたします。
#84
○委員長(村山道雄君) 他に御発言ありませんか。――他に御発言がなければ、三案の討論は終局したものと認めます。
 これより順次採決をいたします。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#85
○委員長(村山道雄君) 挙手多数。よって本案は多数をもって可決すべきものと決しました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(村山道雄君) 挙手多数。よって本案は多数をもって可決すべきものと決しました。
 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#87
○委員長(村山道雄君) 挙手多数。よって本案は多数をもって可決すべきものと決しました。
 なお、三案について、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任願います。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 暫時休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
   ――――・――――
   午後三時十二分開会
#88
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を再開いたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、これを許します。
 なお、政府側から山口行政監察局長が出席しております。山本君。
#89
○山本伊三郎君 皇室経済法の審議に入る前に、行政管理庁監察局長にちょっと尋ねておきたいのですが、行政管理庁として、一般国家行政機関に対しての監査権があるのですが、地方自治体に対しては、どの程度監査権があるのか。それと、今日までやられた経過があるかどうか。この点ちょっと聞かしていただきたい。
#90
○政府委員(山口酉君) 行政管理庁の監察権は国の行政機関に対して行ないますので、普通の行政機関の監察に関連して、国の事務を委任されておりますもの、国から補助を受けておりますものにつきましては、調査する権限がございます。
#91
○山本伊三郎君 今までやられたことがあるか、それちょっと。
#92
○政府委員(山口酉君) 地方自治体に対しても調査を実施いたしております。
#93
○山本伊三郎君 具体的にどこということは、まだ記録ないですか。
#94
○政府委員(山口酉君) 都道府県につきましてはすでにほとんど全部やっておりますが、市町村等につきましても相当広範にやっております。ただその業務全部ではございませんので、中央の行政機関の監察に関連した部分についてだけやっておりますから、その自治体の総合的な調査というものはいたしておりませんけれども、部分的には非常に広範に実施いたしております。
#95
○山本伊三郎君 それじゃ具体的にちょっと聞きますが、問題はやはり自治省関係ですから、本院としても地方行政でやるのが当然かもしれませんが、実は、長年にわたった問題が、やはり自治省なりその他では何かまあやはり一つの情実があるという観点から、特に当委員会で行政管理庁に対してお聞きするのですが、実は姫路市の問題です。
 でこの問題については、もう地元の新聞にたびたび載っておるのですが、公共事業関係でも非常に問題があるのです。二月の十七日だったと思いますが、それがために二人ほど検察庁であげられておるような事例があるのです。それは単に下部の職員――課長級であったと思いますが、それだけではなくして、きわめて財政運用上紊乱しておるようにいわれておるのです。この点について、行政管理庁として、そういうことを聞いておるかどうか。この点まず聞いておきたい。
#96
○政府委員(山口酉君) ただいまの具体的な事件については、実は承知いたしておりませんでした。最近風評がございましたので、一応現地の機関に、監察局の出先に連絡をいたしましたところ、実態は十分つかんでおりませんけれども、そういう何か問題が最近論議されておるということを報告いたして参っております。
#97
○山本伊三郎君 実はまあ大所高所からやってもらいたい意味において先ほど申しましたようなことを行政管理庁に言っておるのですが、地方自治法によっても、二百四十三条によって、市の監査委員会があるのです。しかし、それらではもうとても手に負えないまでに長い間の宿弊があるようです。外には出ておりませんが、もしそういうものを出してくると、姫路市には、相当この親分衆が対立した市でございまして、非常に問題があるので、新聞社でさえも、その論説に対して、率直に言えないというような市であるようです。具体的に申しましても、神戸新聞の主筆が若干批判的なものを載せたということで、直ちに市長から申し入れがあって、それを取り消すがごとき会談の記事を次に載せる、こういう事実があるのです。したがって、非常に問題があると思うのですが、私も実ははっきりしたそういう資料はまだ入手しておらない。監査委員会のメンバーですら入らないくらいですから、相当問題があると思う。ただこれはあなたのほうに言っていいかどうか知りませんが、昭和三十五年度だと思いますが、市の事務消耗品の中から、五十万円で市会議員に対してそういうその記念品を出しておる、年末に。しかもその消耗品は、それだけあるならば、ペンやインクなんか買ってやればいいのに、そういうものは職員の負担でまかなっておる。そういうものを追及されても、うやむやのうちにこれは終わってしまっておる。また、市長の三期目の、三十五年五月のことでありますが、退職金として、六百五十万円は退職金として市会で議決されておる。私はこれにとやかく言っておるのじゃないのですが、それをその年度に出さずにその翌年度の予算から出しておるというのは、財政が非常に乱れておるのですから、市会で議決しても、その年に出すだけの余裕はない。こういうこともまあ聞いておる。これはもうはっきりした事実であるようです。そのほかいろいろあるのですが、こういう点について、まあ知らないと言われると思いますが、行政管理庁としては今の権限上そういうものについてタッチはできないのかどうか。そういう風評があっても行政管理庁はそこまでいけないのだと、こういうことであるかどうか。それをちょっと聞いておきたい。
#98
○政府委員(山口酉君) ただいま具体的におあげになりましたことにつきましては、内容もう少し承知いたしませんと、早急には申し上げられませんけれども、まあ多くの場合、この国の行政の委任事務でもなし、また補助にかかわる事務でもないのがまあ通例かと思いますので、お掲げになりました点につきましては一般的に調査権はないように思います。
#99
○山本伊三郎君 まあ、山口さんは自治体のそういう経理面については御存じないかもしれませんが、各種補助金で仕事をしておる部門が多いんです。したがって、この金というものは、一般のいわゆる財源でなくて補助財源をもったもので事業をしているものが多いんです。したがって、すべて関連しておると思うんですが、そういうものをないということだけの考え方でなくして、そういう国庫補助金の問題とからんでおるということからそういう調査ができないものかどうか、この点、ちょっと聞いておきたい。
#100
○政府委員(山口酉君) それが国の補助財源にかかわるものであればできると思います。
#101
○山本伊三郎君 それはやってみなければわからないのです。調査しなければですね。したがって、私の望みたいところは、これは捨てておくと重大な問題に発展しつつあるんです。したがって、検察庁から手を入れて犯罪人を出すということは目的で私はないと思うので、一般行政指導という立場に立っておる行政管理庁がそういう事前に指導していくということが私は行政管理庁の役目でないかと思う。ほうっておけば、やがてはこれはもう検察庁の、司法の手も入っていくと思うのです。したがって、こういうことがもう明らかにわかっておるのであるから、行政管理庁としても何らかの立場で調査をしていく義務があるのではないか、こう思うんです。その点はどうですか。
#102
○政府委員(山口酉君) 自治体の運営についての指導ということになりますと、これは一般的には自治省の所管でございますが、しかし、その中の個々の業務につきまして国の業務と関係のございます面について調査して、それがひいて全般的に副次的効果として全体の運営が改善されるというようなことをねらって調査をするということは可能であると思います。
#103
○山本伊三郎君 そこで、地方自治体にも各種の補助金がついておることは御存じのとおりなんです。したがって、私は今現在どういうことをやっておるかとかいうことはこれ以上言わないのです。しかし、やがてもう一年足らずの間に問題が露呈してくると思うのです。その際に行政管理庁がいつも言っているように、国家の行政の運営をうまく指導していくんだという立場にあって、検察庁、司法の手の入ることがわかっておるのに黙って見ておるという私は手はないと思う。先ほど申しましたように、これに手を入れるためには相当の決断が要ると思うのです。簡単にはいけないと思うのです。これは自治省にも尋ねてもらったらいいと思いますが、なかなか問題もある市ですから。それで私は最も関係の高い――高いといいますか、第三者的な指導の立場にある行政管理庁あたりが一度調査する必要があるのではないか。これは摘発するとかという意味ではないのです。本来の行政管理庁の職務にのっとって国の補助財源が正確に使われておるかどうか、そういう点を参考までに、あるいは研究するという立場で私はやっていただいてもいいのじゃないかと思うんですが、もう一度その点どうですか。
#104
○政府委員(山口酉君) 自治体と申しましても、ほんとうの固有の事務というものよりも、実は補助にかかわるもの、あるいは国の委任にかかわるものというものが非常に広範でございますので、実際問題としては、そういう面の調査をしてそういう面を改善するということによって全般的な運営が改善されてくるということは十分考えられます。特にこの姫路市についていろいろ特別の問題があるということは、実はまだ私ども十分認識いたしておりませんけれども、お話のような事態が深刻であるということでございますれば、特別にこういうところにつきましては国に関係ある業務をとらえて、そういう面から十分の調査をいたしても差しつかえないと考えております。
#105
○山本伊三郎君 大体わかりました。それで、僕ら非常に善意な立場で話をしておるのです。したがって、一応今まで、先ほど聞けばやったことが例がたくさんあると言われておるんですから、この機会にひとつきわめて善意の立場で一応調査を至急にしていただきたい。これはまあ、いろいろと関係各省と打ち合わされてもよろしいです。私は、抜き打ち的にどうこうということは希望しておりません。また、そうしなくてももうすでに明らかになりつつあるのですから、行政管理庁が、今まで長官その他が言われておるように、行政管理庁の職務というものをはっきりさすためにも、この際にひとつ至急にその調査をやられるのがいいと思うのですが、時期についてはおまかせしておきますが、至急にひとつ私は手をつけていただきたいと思うのですが、その点どうですか。
#106
○政府委員(山口酉君) ただいまそういうお話のような状況につきまして、監査をするに適当かどうかということを直ちには判断しかねますけれども、そういう御論議のありますところにはかなり問題があるかと思いますので、一応その概況につきましては早速調査をいたし、さらにそれによって深く調査をする必要があるようでございますれば、ほかの業務の関係もございますけれども、できるだけ早い機会に関係省とも打ち合わせしまして調査をいたしたいと存じております。
#107
○山本伊三郎君 それでは、国会もこれからずっと開かれますから、また、その結果をお聞きするとして、今の山口局長の御答弁を十分信頼して、よろしくひとつ自治体の行政の非常に暗い、陰影を与えておるものを一日も早く取り除かれるように行政管理庁で善処をされんことを希望して、一応この問題についての質問を終わります。
#108
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、本件の調査は本日はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#109
○委員長(村山道雄君) 皇室経済法施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。これより質疑を行ないます。政府側より徳安総務長官、瓜生宮内庁次長、小畑皇室経済主管が出席しております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#110
○山本伊三郎君 それじゃ、松本委員もきょうはおられませんので、私からこの前出された資料にのっとって若干質問をしたいと存じます。実は、資料の問題はあとにいたしまして、数日前、私、那須高原に実は参りまして、那須御用邸のことについて若干聞いたんですが、いつかの災害で相当破壊された。それに対していわゆる宮廷費なり、あるいはその他の宮内庁の費用がなかったか知らないのですが、建設省の費用でそれが修復されておるように聞いておるんです。この点について御存じになっておるかどうか。
#111
○政府委員(瓜生順良君) 具体的に今ちょっと存じませんですが、皇室用財産の部分でございますると、宮廷費によってやっております。多分あそこはその他の土地と入り込んでおりまするから、皇室の財産じゃない部分じゃないかと想定いたします。
#112
○山本伊三郎君 まあ、そういうことは言われますが、現実に御用邸の内部の、いわゆる石がけが相当破壊されている。これは私はあまり追及はしないんですが、やはり多くのそういうものを持っておられるから、そういうこともあり得ると私は思っておるんですが、知らないということでなくして、そういうことが事実あったらどういうことになるか、ちょっと御意見を聞いておきたい。あることが違法であるか、そういうことも考えておられるかどうか、これは総務長官でもいいですが……。
#113
○政府委員(瓜生順良君) 想像しますと、那須の場合につきましては、知っておるのを知らないという返事をしておるのでは全然ないので、知らないからなので、これは何かの間違いではないかと思いますが、たとえば皇室用財産の部分で道路拡張なんかしますと、それをずっと引っ込める、そういう場合、道路のほうの予算でやっていただくというようなことはございまするけれども、そうでないのに宮廷費外でやる場合はないように思っております。
#114
○山本伊三郎君 私は、かりにあっても、それはとがめておるわけじゃないんです。そういう場合も私はあり得ると思うんです。しかし、そういうものはないと言われるなら私はそれでいいんですが、そういうものが私は事実あるとすればはっきりとやはり宮廷費で出してやられるべきであるということを言いたかったんであって、なければそれでけっこうです。私もそこまで調べてどうこうという、これについて追及するわけじゃないんですが、そういうことを私は直接聞いたものですから、しかも実際それに当たりつつある県庁の方々の御意見も聞いたんですから、一ぺんあなたのほうでも調べておかれたらいいと思います。なければそれでけっこうですが、そういうことをちょっと聞いたものですから、ちょっと伺っておきます。
 そこで、新宮殿の問題ですが、この案では大体一応八十億から九十億の見込みでやるということで、本設計中であるということですが、新聞にも載ったんですが、その進捗状態はどういうことですか。
#115
○政府委員(瓜生順良君) 昨年の年暮れにあらましの基本設計に基づく模型図ができましたので、それをいろいろの方に見ていただき、新聞にも発表いたしました。その基本設計がほんとにでき上がりますのは、この年度内、三月までには基本設計ができまして、それから三十八年に入りますと実施設計、今度はこまかい実施設計に移ります。ほんとうの土台の工事が始まりますのは三十九年度からでございます。三十九年度、四十年度、四十一年度と三年度で工事を完了する予定で進めております。なお、三十八年度はその実施設計のほかに、あそこの、今宮殿を建てようとする場所に他の建物がございます。そういうものを取りこわしたり、あるいはそこへ入りまする二重橋が非常に古くなっておりますので、これを取りかえたり、そういうことがございます。
#116
○山本伊三郎君 これはまたよけいなことか知りませんが、この前の皇太子の御殿のときにいろいろ工事請負者がきわめて、非常にいい気持で言われたことがありますが、今度の宮殿の場合に九十億という、最高九十億ぐらいだろうということですが、今の設計の進行状態からしてこれでできますか、その点どうですか。
#117
○政府委員(瓜生順良君) これは正確な金額は実施設計をやってみませんと出て参らないわけでありますが、おおむねこういうところ。ただ、心配しますのは、建築のほうの物価も上がって参りますと、これはまたその点がまたふえるかと思いますが、今のところでは、これくらいの見込みということで進めております。
#118
○山本伊三郎君 私はいつも見ているのですが、大体遠慮しがちな費用を先に出しておいて、物価が上がったらそのまま自然に上がるということは了解するのですが、いよいよ本設計にかかってやるときには、一応一割、二割くらいは別としても、膨大な費用の差が出てくるということになるとまた問題になるのではないかと、これは私はあんたらの立場に立って考えているのですが、それで今のところというのはどういうことですか、物価が、材料費が上がらなければこれでいける、こういうことですか。
#119
○政府委員(瓜生順良君) おおむねさように考えております。ただ、その実施設計をやってみないと正確には出ませんが、しかしながら、実施設計をする場合も、おおむねこういうワク内で考えて進めていくつもりでございまして、基本設計の際にごくラフな金額が出てくる。基本設計はラフなものですから、それを一応合計してみるとこういうことになるということで、これは実際の場合に何か大蔵省のほうにも相当高く見られましていくわけですし、そう違った金額にふくれ上がるということはないと私は思っております。
#120
○山本伊三郎君 この場合、坪当たり幾らになっておるのですか。
#121
○政府委員(瓜生順良君) その建物の部分によって違いますけれども、基本設計の場合の建物は平均してみますと、坪で基本設計の際のラフな計算では六十七万くらいになっております。
#122
○山本伊三郎君 われわれの常識では、坪当たり六十七万円というと、普通の建築から見ると想像できないのですが、その特殊な宮殿としての特殊な要素があると思うのですが、それは宮殿としての特殊な建築上要る要素はどういうものが要るのですか。
#123
○政府委員(瓜生順良君) 第一の点は普通の銀行ですとか、ああいう建物――銀行もたいがいそうですが、事務所に比較しますと、天井がずっと高い。それで一階といいましても、普通のビルなんかのものに比較しますと、二階以上のぐっとこうなりますものですから、それで坪は平地で言いますから、そういう場合、普通のビルなんかから見れば高くなります。そのほか、この宮殿の性質上、いろいろ外国からのお客とか、そういう方が見えますから、その際の部屋内の装飾等も相当吟味するといったようなことがありまして、そういう点も普通のビルなんかから見れば高く上がるという点があると思います。
#124
○山本伊三郎君 これはそうすると、調度品は入っていないのですね。建築だけですね。
#125
○政府委員(瓜生順良君) 普通の調度品は入っておりませんが、ずっと壁紙を張るとかそういうものはみな入っております。
#126
○山本伊三郎君 そうすると、八十億――九十億とまあ見まして、この坪数に六十七万円をかけたのが九十億、こういう計算で考えていいのですか。
#127
○政府委員(瓜生順良君) これは宮殿の建物の部分を申し上げましたのですが、そのところに庭園を作りましたり、ずっと周囲の整理をするとかあるいは地下に駐車場を作るとかいうようなものもございます。宮殿としては七千四百坪ですが、そういう付帯の工事がございまして、合わせたものが八十億ないし九十億。
#128
○山本伊三郎君 僕の言っているのは、付属費は入っていると思いますが、宮殿です。相当調度品もそろえなきゃならぬが、その調度品はどうなってるかということをちょっとお伺いしたい。
#129
○政府委員(瓜生順良君) その点は現在いろいろ調査検討してもらっておりますので、そのほうのまだ見積もりというものは出ていないわけでございます。どういうふうな調度をするかというのも現在研究中――専門家にも頼んでおりますけれども、研究中なものですから、それがまだ出ておらない。
#130
○山本伊三郎君 その費用はどのくらい見積もっておられるんですか。
#131
○政府委員(瓜生順良君) これは現在のところ、見積もりとしてはまだ出ていないわけでございます。
#132
○山本伊三郎君 私も一回、今の仮宮殿に入れていただきましたのですが、建築よりも――今の建築は問題にならぬと思うんですが、調度品は相当金がかかるんじゃないかと思うんですが、それらはやはり新宮殿の予算額として考えておかなくちゃならぬじゃないかと思うんですが、この点どうなんですか。別にまたそういうものを出すとなると……。
#133
○政府委員(瓜生順良君) その点は今申しましたように、実施設計ができますと、ここへこういうふうな色のこういうふうにして、こういうのを使うとかいうのがきまって参ります。それに合わせて、じゃ、それに合わせたのにはこういうふうのがいいというふうに調度がきまって参るわけでございまして、そういう関係で調度に関する見積もりが出ますのはもうちょっとあとになるものですから、そういうことで、今のところは金額が出ておりませんけれども、そういうことでございます。
#134
○山本伊三郎君 私がこれを質問するのは、幾ら要るとかどうこうということよりも、ああいう宮殿になると、献上品ということですね、いろいろ調度をそろえては、私見ましてもそういう献上されたものも相当あるようです。私個人の意見で言いますと、そういうものは避けるべきであるというふうに考えておるんです。で、そういう費用は見積もっておらないということは、あるいはそういうものを期待して見積もっておらないんじゃないかという、これは私の推測ですが思っておるんです。したがって、その点が本設計ができるまでできない、その費用は概算できないと言いますが、大体、一応そういう予算を見積もるときには調度品は幾ら要るという、これはいずれの建築物を見ましてもそういうものは見積もらなくちゃならぬのですが、これが全然入っていないということになると、またあとでいろいろと意見も言わなくちゃならぬ。それで私は質問しておるんです。
#135
○政府委員(瓜生順良君) この、調度品は献上があるだろうから、それで見積もりがまだ出ていないという意味ではございません。宮殿の造営については、誠意に基づく自発的な寄付は受けてよろしいという閣議決定もありまして、現在まで寄付として三千万円程度、まあ金額としてはそう多いものじゃございません。これは、積極的に集めるようなことをいたさないで、ほんとうに自発的なもの。この調度についても、そういうことを期待もいたしておりませんし、集まりました金額について、それが大きな予算のどこへ入ったかわからないというのではなんだから、それでこういうものができましたというようなふうにしてもらいたいという声もございますから、皆さんの寄付がこれだけあった、その分でここができたというふうなことはこれはやるかと思いますけれども……。
 なお、次の調度品の見積もりの関係は、まだそこまで作業が進行していないものですから、それで申し上げかねているわけでございまして、もう少し作業が進行いたしますれば申し上げることができると思います。あまりいいかげんなことも申し上げられないものですから。そういうことでございます。
#136
○山本伊三郎君 瓜生次長さんね、これは常識上の問題として、宮殿というこれは特殊な建築物だと思うんですね。したがってそれに対する調度は一応あとでやるんだと。しかし、やはりそれはまたいずれのときにか国の予算でやるということになるんでしょうが、その点どうですか。
#137
○政府委員(瓜生順良君) そのとおりでございます。
#138
○山本伊三郎君 そうであれば正確な私は費用というものが出なかっても、この八十億、九十億、先ほど質問しましたように、これはこれぴたりの数字じゃないと思うんですね。そうであれば調度品としてはこの程度要るんだということをやはりこの機会に出しておかれたほうが、私は宮内庁当局としても、総理府としても妥当でないかと思うんです。われわれ一見して九十億で全部できるんだという考えを起こすので、そういう点がどうも予算の出し方、議案の出し方についてちょっと異議があると思うんですが、これは一つの参考資料としての資料ですが、そういう方法をとってもらいたいと思うんです。なお、皆さん方直接関係している技術者といいますか、専門家がいるのですから、大体この程度の調度品は必要だということぐらいは私はいつも持っておらなくちゃ、宮殿を建てる責任者が調度品は今後考えるのだ、こういうことじゃ、ちょっと私は権威がなさ過ぎると思うんですがね。その点どうですか。
#139
○政府委員(瓜生順良君) この宮殿の造営のほんとうの予算というのはまだ出ていないわけで、これは三十九年度にいくわけです。それまでにはそういうものも概算の見積もりぐらいを出すべきだと思っております。私も、これは一応昨年の暮れにある程度できて、今もなお作業中なものですから、それでもうちょっとお待ち願いたい、こういうことでございまして、全部造営予算の一部が、三十九年度に出る前にはこれはこういうものもやはりなくてはいかない、私も考えております。
#140
○山本伊三郎君 これは総理府総務長官に私聞いておきたいと思うんです。一つの新宮殿を建てるということは、国家的事業だと思うんです。その場合に、そういうきわめてあいまいな、概算というものじゃなくして、そのときばったりでまたこれはふえていくのじゃないか、これはまた別だという予算の取り方は、私は間違いだと思うんです。また、国民も承服しないと思うんです。大体それはできるまでははっきり言えないけれども、この程度は要るんだというのが、国の事業としてやる場合はみなそうだと思うんです。そこでいろいろその年度々々の予算だけ審議してあとは自由にやるんだということでは、私はちょっと了解できない点があるのですが、やはり多い目に言う必要はないが、あとで事情が変更になって、諸物価が上がり、材料が上がるというような事情はこれはわかるのですが、それがなければこの程度で完成をして天皇が入られるようになる、こういうものがやはり政府として持っておらなくちゃならぬと思うんですが、その点どうです。
#141
○政府委員(徳安實藏君) お説ごもっともだと思います。これが普通の役所でございましたら、もちろん最初からそういう予算等もあらかじめ立てて年度計画に組み入れておくべきだと思いますが、宮内庁の関係で皇室関係でもございますので、とりあえず大蔵省と宮内庁との関係で取り急いで三十八年度の予算に対して計上いたしまして、その他の問題につきましてはあげて三十九年度に具体的なものをお示しして御協議を得たい、御賛成を得たいという考え方のようでございますが、お説もございますから、さっそくひとつよく相談いたしまして、将来にそういう懸念の起こらぬように処置するように努力いたします。
#142
○山本伊三郎君 どんな事業でも継続事業であればその年度々々の予算、それはいいのですよ。しかし、やはり一応継続事業であっても最初のときにはこれだけ要る、さしあたり三十八年度はこうだというきめ方が国家予算の大体建前ですね。で、皇室の場合は特殊な扱いをされるという事情もわかるけれども、それが逆にまた国民にある程度の疑惑を持つ。幾ら言っても手がわからない。そのとき、そのときにまた多くなっていくかわからないということでは、かえって私は皇室に対して国民からいろいろ批判を受けることになると思います。そういうことのないように私はお願いしておきたいと思っておる。したがって、きょうはこれ以上追及しませんが、最後完成するまでには調度品全部含めてこれだけ要るんだ、これはまあ一応概算になると思う。予算できめてもやっぱり物価が上がれば追加しなくちゃいかぬ、その事情はわかっておる。この場合には、どうも私はその点がいかないと思いますので、この点はひとつ至急にやはり出してもらいたい。なお調度品の問題ですが、瓜生次長はいろいろ言われますが、私は象徴天皇として憲法で認めておる以上は、やはり国民がすべて宮殿をやるんだ、こういうものでなけりゃならぬと思う。自発的にやるからそれは受けるんだということは、これは個人的な関係ですから、個人的に贈りものがあれば、そんなものいやだというわけにいかぬが、事宮殿に関しての問題についてはそういう方向にやるのは私はいい方向でなかろうかと思う。どうせ献納する人は相当裕福な人じゃないと出さぬと思うのですね。そういうことが今の象徴天皇としての立場からいっていいかどうか、この判断を私ははっきりとしておかなくちゃならぬと思う。そういう意味において、瓜生次長なり総務長官はどう考えておられるか、その点をひとつ。
#143
○政府委員(瓜生順良君) 宮殿に対する誠意に基づく寄付の問題でございますが、これは宣伝にわたるとか、広告に何か利用されるとか、そういうようなことでない、ほんとの誠意に基づくもので、それが自発的になされる場合は受けるという閣議の決定もございまするので、その精神に基づいてやっておることでございます。しかし、まあ宮殿は国民全体の方のお力でできるということが建前、つまり国の予算というのは、結局国の全体の力でできるわけでございますから、それを建前として、なおそのほかにぜひこういうものをということがあれば、弊害のない場合には、その方の精神を重んじてそれがほんとうに必要なものであれば、十分利用できるものであればこれも受けるというようにしたらどうかということで考えております。
#144
○山本伊三郎君 総務長官は……。
#145
○政府委員(徳安實藏君) ただいま次長から御説明申し上げたとおりでございまして、これはもちろん閣議の決定もございますが、事柄が事柄でございますから、できるだけ疑いや、あるいはまた利用されることのあるようなものは、これはどんなことがあっても避けなくちゃなりませんが、心から国民の一人として清い気持で献納されますものには、もちろんこれをお受けされてもいいと思いますが、しかしまあ、これが大きな一つのはやりものみたいになりまして、先ほど御指示がございましたように、東宮御所の建設にあたって一万円で入札するというようなものも出ないとも限りません。でありますから、こうしたことにつきましては、そういうことのないように厳に戒めていきたいという気持を持っております。
#146
○山本伊三郎君 将来の仮定の上に立って私言っておるので、これは全然そういうものない場合もあります。しかし、私はやはり相当そういうものが出されるんじゃないかという気持を持っております。で、これはこの前の皇太子殿下の入札の一万円というのは、これはまた問題起こしたのですが、そういうことは別として、やはり事天皇の宮殿、これは天皇の宮殿というよりも、いわゆる国民の宮殿に私は考えるべきでなかろうかと思う。外国使臣なり、あるいは国民が尊敬する、いわゆる象徴天皇の住んでおられるところだということになると思う。そこに一部のそういう人のものだけ受けるということは、私は考え方としては反対です。これがほんとうに清い贈りものであるかどうかという判断は一体どうするのです。その品物に書いてない。ただ持ってくる場合には何かの一つの考えがあって出すのか、それともほんとうにあなた方が言うように、純真な気持で出してくるのかという判断ができないと思う。それは零細というか、贈りたいけれどもない、そこらに落ちている紙を持って行っても受け取らぬ、また、そんなもの持って行くわけがない。そういう私は国民に対する不公平な措置の感情はそこから沸いてくると思う。そういう意味において私は言っている。非常に純真な人で持ってくるものは受けるけれども、それ以外のものは受けない、そんな判断はできません。あなたは言うけれども、ここで答弁するだけでそんなことわかりませんよ。だからそういう点を十分配慮すべき問題だと思うけれども、閣議決定と言われますけれども、閣議でどう決定しようとも、それだけで判断しておってはいけない。大体側近の方々の考え方というものを相当はっきりしておかなければいかぬと思うのですけれども、もう一ぺんちょっと聞いておきたい。
#147
○政府委員(瓜生順良君) この献上の関係ですが、これは献上というふうな言葉を今お使いになりましたけれども、建物も、そこに入る調度品もこれは国のものでございまして、陛下に差し上げるというより国に寄付をするという形になるわけで、現在の寄付金というのもこれは国への寄付でありまして、これは大蔵省のほうの一応収入の中へ入れて、入っておるわけです。それが記録してある。何か物の場合についても宮殿で、もちろん公の国の行事をされる宮殿のものは、家具調度もこれは国のものになる。寄付があれば国への寄付、そういうこともあるのでございまするが、しかし、実際問題として今先生のおっしゃるように、それじゃほんとうに誠意に基づくものかどうか、なかなかむずかしい点があるんじゃないかという御意見、その点もごもっともでございまして、また実際問題とすると、受ける例はそうたくさんないと思います。現在でもいろいろ献上品のこともございますけれども、これも原則としてお断わりするほうが多うございます。
#148
○山本伊三郎君 瓜生次長が要らぬこと言うから、また言いたくなるのですが、一体国に寄付するという考え方で寄付というものはほかのところにはないのですよ。やはり宮殿だというので寄付するのであって、たとえそれが帳面づら国の財産になるにしても、宮殿以外のところにそんなものやるということはないので、あなたの言うのは形式的なことであって、もちろん国の財産であることに間違いはないが、私はそれを言っているのではない。ただ宮殿に対して一般の国民の平等な感情の何といいますか、扱いといいますか、そういうものを無視した、そういうものはやらないほうがいい、こういう私の意見なんですが、この点について総務長官どうですか。
#149
○政府委員(徳安實藏君) 従来とても私どもが聞いておりますところでは、宮内庁では非常に慎重に取り扱っておられるようでありまするし、今お説のように、皇室のことであり、日本の象徴である天皇陛下の日常これに御使用になるものといたしましても、一部の人で献上してそれが愛用せられていく、ものによりましてはこれはやむを得ぬものもあるかもしれませんが、なるべく国民の全部の気持があすこに集まる行き方をしたほうがいいと思いますから、それにつきましてはおそらく宮内庁のほうでも慎重な態度で臨まれると思いますので、今のお話のような点は十分慎重に考えまして、いやしくも国民から批判することのないような、こうしたものに対する処置はとりたいものと、かように考えております。
#150
○山本伊三郎君 最後に、旧皇族方の今の状態ですね、一ぺんわかる程度にひとつ聞いておきたいと思います。
#151
○政府委員(瓜生順良君) この元皇族の方の関係は、現在の宮内庁の事務としては、そういうお方のことのお世話をするということが職務の内容にないわけでございまするが、しかし、陛下の御親戚というような関係でいろいろわれわれも関心は深く持っておるわけであります。毎月一回そういうようなおとりなしのお世話をしておられる元の事務官――今は事務官の権利がない人ですけれども、そういうような人が宮内庁の宗親係――宗と親しむという宗親係があります。そういうところへ集められて、で、いろいろお打ち合わせもされ、相談もされておるので、われわれのほうとしては、そういうことに関して、まあわれわれのほうでも相談相手になって、いい面につきましては相談相手になるというようなことをいたしている。元宮家――その宮家によっていろいろ事情が違いまして、非常に順調に行っておられる方もありますし、そうでない方もございまして、その点は先生も御承知のとおりかと思いますが、そういうような状態でございます。
#152
○山本伊三郎君 私も二、三、元宮家の邸宅といいますか、家も見さしていただきましたが、きわめて困窮しておられる方もあることを見ています。品川のほうの土地の問題なんかごたごたやっているということも聞いておりますが、終戦後ああいうことになって、全然宮内庁から離れてしまった。それがために経済的な能力というと、えらい失礼でございますが、ああいう社会で育った方ですから、きわめて安い地価で全部売り払ってしまった、こういうことで非常に、私らも調べておるのですが、これはこういうことを言うとまた名前が出ますから言いませんけれども、非常に安い地価で、しかもりっぱな場所を元宮家が取られておる。これはもう宮内庁は全然関係ないからほったらかしてあるようです、いろいろ聞いてみますと。ここでそんなことは言いたくないのですけれども、私は元宮家はどうかということは言いませんけれども、そういうむごいということはどうか知りませんが、そういうことに対して、やはり今言われましたが、全然私のほうは関係はないけれどもお世話しているということですが、やはりそういう点については、これはもう人間としてやはり考えてあげる必要がないのか。それは、私はその人を擁護するという意味じゃなしに、あまりに私はむごいやり方で土地を取っておるということを聞いておりますが、そういうことはありませんか。
#153
○政府委員(瓜生順良君) 先生お聞きのようなうわさもわれわれ聞いておりますけれども、まあ実態は、特別に調査するという権限はありませんから正確なことはわかりませんが、いろいろなことがあっているようです。元宮さんのほうは、まあ非常に善意な人が多いわけでございます。そこでまあ相当狡猾な方が入ってこられますと、ついいい言葉に乗せられていろいろそれがおもしろくない結果になっておられるというようなこともありますので、その点はわれわれとしてもお気の毒だと思う方がございます。で、そういうことが大体まあ陛下の御親戚の方でもありますものですから、われわれが相談相手になれるような場合には相談相手になり、やはりそういうような、ときによると世話をする事務官なんかでもいい人はないかという場合にそういうものを考えまして推薦したり、そういうことをやっておりますけれども、そう立ち入ったことは今の役所の性質でできませんですから、精神的には努めておるつもりでございます。
#154
○山本伊三郎君 それから、天皇が旅をされるときに、終戦直後は非常になごやかな接触があったのですが、年を経るたびにだんだんと厳格な警備になって、一般国民と遊離するような警備がやられておる。この前ここで質問すると、あのとき宇佐美長官の御答弁だったと思いますが、宮内当局としてはなるべくそういうことは避けたい。しかし、地方で警備の関係でやられるので、そこまではとやかく言えぬというような答弁があったように思っておりますが、しかし、これは相当考えておかなくちゃならぬと思う。そういうことがだんだんとなれてくると、やはり昔のような形に、一見尊敬しているようですけれども、実際は腹の中ではそうでないという、そういうものが私は出てくる公算もあるのじゃないかと思うのです。この点は側近におられる方々の非常に気がまえが必要だと思うのですが、その点はどうですか。
#155
○政府委員(瓜生順良君) 陛下が特に地方の行幸にお出かけの際の警備の問題だと思いますが、このことにつきましては、われわれのほうは、警察のほうでやられることでありまするけれども、地方にお出かけの際にその地方の国民の皆さんと親しまれることが大事なんで、かきをし、みぞを作るような、そういうような警備はしないでほしいということは申しております。警察庁長官もそういうつもりでやっている。ただ非常に多数の方が奉迎の意味でお出になるのですから、やはりある程度警察官が出ていて、そしてしっかり整理していませんと、陛下がお出ましになった、お顔が見えたらわあっと押しかけて、陛下に対する関係だけでなくて、押しかけた人が倒れてけがするとか、そういうことがあってはいけない。事実警察のほうでここはこのくらいでよかろうと思っておられて、そのために非常にたくさんの人が出られて混乱した例も最近あるのですが、そこらあたり警察としても非常に苦しんでおられるところと思うのです。この点は同情もしているのです。情神的には警察でもわれわれと同じ気持でやっていただいていると思いますが、また、警察本来の事故が起きないようにという配慮、その点である程度のことがあるという、その点はまた御理解いただきたいと思います。
#156
○山本伊三郎君 ちょうど英国なんかの王室と比較すると、もう英国あたりは、これは釈迦に説法で御存じでしょうが、全く無警戒のような形でやられていると思うのですね。私はそのわあっと行くというのは、人間の心理状態で、警戒をしてずっとなわを張ってやっているから行くというようなものであって、それがなれてしまえば私はそうしないと思うのです。そういう点も、これは十分御存じだと思いますが、考えておかなければ、そういうことが自然積もってきて、全くもうそれじゃ人道からこっちに出たらいかぬとか、ここは狭いから家の向こう側に行ってしまえとか、極端な警戒ぶりがあるのですよ、実際問題。天皇が通られる車道なんかもあいているのだから、ここは狭いから、ここはだめだからお前ら行け、それからもうすでに窓のほうはだめだ、――終戦当時は上のほうから手を振って歓迎の意を現わしたが、現在ビルの上ではそういうことはやらさぬ。こういうことをやる地方もあるのですよ。だからだんだんとあなたが言っているよりも昔のような形に変わりつつある。あなたが言われるように、わあっとやってくるからと言って、上におる人は何もおりてこないですよ。そういうことがやられつつあるのですよ。総務長官、そのようなことはないですか。なければけっこうです。
#157
○政府委員(徳安實藏君) 私も最近の行幸の状態はよく知りませんが、お説のとおりに皇室と国民とが密着することは非常に大切なことでありまして、今の取り締まりの関係で離れていくような姿というものはいいことじゃありませんから、こういう点につきましてはよくまた宮内庁関係とも、警察関係とも相談いたしまして、なるべくそういうことのないように努力いたしたいと思います。
#158
○下村定君 関連質問。ただいま宮内庁瓜生次長から、元の皇族の御身上について元の事務官もときどきお集めになって事情を御聴取になり、御配慮になっているということを聞きまして、非常に私はうれしく感じたのです。往々にして今の臣籍降下になりました御皇族で、非常に、言葉は悪いかもしれませんが、窮乏の域におありになる、窮乏の境遇におありになるということを聞いております。それにつきまして、もう時間がありませんから、一つ、二つ簡単にお答え願いたいと思います。
 今の元の李王殿下、あの方が非常にお困りになっておるということですが、その状況をひとつ。
 もう一つは、これは私は何も責任あるところから聞いたわけではございませんけれども、一昨年おなくなりになりました元の成子内親王殿下、あの方が御病気で国立第一病院に御入院になっておりましたときに、いろいろ都合もあったのでしょうが、大部屋の追い込みの部屋においでになった。お母様の皇后陛下がお見舞いにお出ましになろうと思っても、それではちょっと困るというようなことでお控えになったというようなことを聞いたことがある。これは真実かどうかはわかりません。私は、まさかそういうことはないと思うのですが、これもひとつ念のためにお伺いしたいと思います。
#159
○政府委員(瓜生順良君) 李王さんのことでございまするが、最近ずっと御病気でお休みでございますが、いろいろ経済的にもお困りになっておることがございまして、われわれとしても陰ながら実は相談相手になったこともございます。で、昨年の十二月に、韓国側で韓国籍をとられることを認めたわけでありまして、結局、日本籍におられたのですけれども、昨年の、たしか十二月十五日に韓国籍に移られました。で、これは、李王家の元の財産というのは韓国にあるわけであります。これを韓国政府としてはやはり取り上げるということをしないで、管理をしておる。でその李王さんのお兄さんの未亡人になられる方がやはり京城におられますけれども、そういう方のいろいろな費用はそういうところから上がったもので韓国政府が出しておる。で、李王さんについても、韓国政府は、韓国籍をとってくれれば、そういうところからも出せるということで、実は韓国籍を、十二月十五日だったと思いますが、おとりになって、そういうために、李王さんがおいでになれないものですから、李方子様が韓国においでになったことは新聞にもちょっと出ておったと思います。手続をされまして、そうしましてある程度のものが、この財産から上がった分から韓国政府のほうで、季王さんにおあ上するということになりましたから、今後は安定されるかと思います。
 それから東久通成子様の国立病院においでになったときのことですが、大部屋ではなかったと思います。普通の個室でありますけれども、ずっと並んだ普通の部屋ですから、特別室というわけではございません。その後そこではどうも御養生しにくいというので、宮内庁の病院のほうへその後入っていただきまして、宮内庁病院で療養いたされまして、あそこでおなくなりになったわけでありますけれども、そういう事情でございます。
#160
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ます。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#161
○委員長(村山道雄君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出する報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任願います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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