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1962/03/26 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 内閣委員会 第13号
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1962/03/26 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 内閣委員会 第13号

#1
第043回国会 内閣委員会 第13号
昭和三十八年三月二十六日(火曜日)
   午前十一時十八分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 三月二十三日
  辞任       補欠選任
   江藤  智君  小西 英雄君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     村山 道雄君
   理事
           石原幹市郎君
           下村  定君
           鶴園 哲夫君
   委員
           大谷藤之助君
           栗原 祐幸君
           源田  実君
           小西 英雄君
           小柳 牧衞君
           林田 正治君
           鬼木 勝利君
  国務大臣
   通商産業大臣  福田  一君
  政府委員
   外務大臣官房長 湯川 盛夫君
   外務大臣官房会
   計課長     佐藤 正二君
   文部政務次官  田中 啓一君
   文部大臣官房長 蒲生 芳郎君
   文部省社会教育
   局長      斎藤  正君
   通商産業政務次
   官       上林 忠次君
   通商産業大臣官
   房長      渡邊彌榮司君
   通商産業省鉱山
   保安局長    八谷 芳裕君
   特許庁長官   今井 善衞君
   中小企業庁長官 樋詰 誠明君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   外務大臣官房外
   務参事官    新関 欽哉君
   文部省大学学術
   局大学病院課長 板谷 健吾君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○通商産業省設置法及び中小企業庁設
 置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○外務省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○文部省設置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。
 初めに委員の異動について報告いたします。
 去る二十三日江藤智君が辞任され、その補欠として小西英雄君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(村山道雄君) 通商産業省設置法及び中小企業庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 政府側よりただいま上林通商産業政務次官、渡邊官房長、八谷鉱山保安局長、今井特許庁長官、樋詰中小企業庁長官が出席しております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○鶴園哲夫君 前回特許庁の問題について伺ったのですが、重ねましていろいろな点について少しばかり伺っておきたいと思います。それは、この間も申し上げましたように、また、答弁がございましたように、特許、新案、意匠、商標、こういう出願が毎年ふえておりまして、そして、人員が足りないせいがあって、これが一番大きな原因だと思いますが、毎年処理できない件数が累積している。そして、その滞貨といいますか、それが今日、三十七年度の見込みでは三十六万件、大体実績からいいますと、一年間に処理される件数というのが十五万件、そうしますと、未処理の件数、滞貨といいますか、それが二年半分くらい滞貨している、こういう実情であります。それから、審判請求、これは毎年増加して審判官の人員不足のためが一番大きいと思いますが、やはり処理し切れないで、未処理件数が毎年増加してきている。滞貨がふえている。これも一万五千件が三十七年度未処理滞貨の件数。一年間に審判は、大体実績でいいますと、三千件というのが一年間の処理件数ということでありますと、この滞貨も実に五年分、こういう実情になっております。さらに、先般も伺いましたけれども、この際、審判の職種のほかに、その他の職種、これが足りないということになって、公報関係でいいますと、この間も伺いましたが、印刷関係を半分ほど外注に出しても職員が月に四十時間超過勤務をしなければならない。この四十時間超過勤務というのは非常に珍しい例でありまして、一カ月、二カ月、三カ月の間だけ四十時間ということはありますけれども、こういうふうに一年を通じて四十時間超過勤務するというところは、おそらく日本の機関の中ではなかろうと思いますが、それはやはり人員が足りないということから外注にも出すが、それでもなお四十時間ほど月に超過勤務しなければならないという実情にあるのであります。
 それから、先般はお伺いしなかったのでありますが、万国工業所有権資料館というのがございますね。ここの実情を見ますと、これも人員が足りないんじゃないかというふうに見られるわけですが、ここは保管の書類が非常にふえておりますね。特許庁年報によりますと非常なふえ方ですし、それから、公報なども閲覧、特に近年外国の公報の閲覧、こういうものが激増しておりますし、それから内外国公報の複写件数、これなんかも非常に激増しております。しかし、この関係も、人員は三十六年度とほとんど変わっていない。ですから閲覧だけで手一ぱいじゃないかと思われるほどの人員にすぎないのです。ですから総体として見まして、やはり審査官、審判官その他職員が非常に足りない、これなんか明確に言えるわけですから、業務の進行状態、しかも、滞貨が出てくるという実情ですし、明確に指摘できるわけです。しかも、こういう工業所有権という非常に大切な、今の日本の工業の発展その他について非常に大切な問題をこういうふうに滞貨々々ということで山積みにしているということは、非常に私どもとして遺憾だと思うのです。確かに定員をできるだけ押えたい。ふやさないという政府の方針は理解できないことはないです。しかし、一律にどこの行政機関も非常な厳重な措置をされるということについては、どうも理解つかない。こういうところは毎年問題になるわけでして、去年も非常に問題になっているわけでして、通産大臣としましても、また、通産省当局としてもいろいろ努力されたようでありますが、なかなかこういうような少ない人員では前進しない。滞貨は解消していかないというふうに思うわけです。この問題につきましては、石原理事等ともいろいろ打ち合わせをいたしておりますが、石原理事のほうでもいろいろ御検討いただいているわけですけれども、私としまして申し上げたい点は、過去五、六年の間、過去七、八年の間、特に三十年代以降特許庁当局並びに通産省当局がこのような事態の中で人員の増加について、人員の確保についてどういう方針なり御計画をもって進めてこられたのかという点について伺いたいわけですが、しかし、過去七、八年の問題ですから、どうというわけにいきますまいが、私の資料の検討によりますと、どうも人員の確保についての計画性がないように思うのです。たとえていいますと、三十年代から非常に大きな問題になってきているわけですが、三十二年に百四十名の審査官の要求をしておられます。ところが、翌年の三十三年には一人も要求しないのです。三十四年には今度は六十五人要求され、三十五年には七十人要求されている。ところが、三十六年には一人も要求されない。三十七年も一人も要求されない。しかし、滞貨は明らかに毎年増加していくわけです。目についてはっきり増加していく。しかも、出願件数というのも毎年増加している。にもかかわらず、こういう人員の増加についてどうも計画性がないという点を私非常に残念に思うわけですが、これは大蔵省の査定との関係でこういうふうになるのかといいますと、どうもそうでもない。何か特許庁の長官がかわる、あるいはそういう幹部がかわるようなことによって、ことしは何か検討してみようということで人員の要求をされるのか、どうもそこら辺がはっきりしないわけです。出願件数なりあるいは審判請求の件数ということが特許庁の年報によって明らかなように、毎年増加しているわけです。減るという見通しはないわけです。戦前の例で申しますと、減ったのは戦争になってから、昭和十六年ごろから減っている。しかし、戦後一貫して増加している。戦前も戦争中を除いては一貫して増加している。だから減るという見通しもないし、出願件数にしろ審判請求件数にしろ、減るという見通しは全然ないのです。ふえていく一方。しからば人員確保についてもっと計画的に処理されたらよかろうというふうな気がするわけです。そこら辺が私はどうしても不可解なんですけれども、これは審判官についても同じようなことがいえます。ですからこれはどういうふうな今後処理をされるのか。この間は人員確保の問題についてどうだと、あるいは工業所有権制度改正審議会というものを作っていると、そこでいろいろやり方についても検討したいという話ですが、こういう歴然としたものは、普通の行政機関でははっきりこういうふうに出ないわけですけれども、特許庁のような場合においては非常に特殊な例であって、非常に歴然とするわけですね、人員というものと仕事というものですね。その問題についてはどういうふうに考えておられるのか、ひとつ御見解を伺いたい。
#5
○政府委員(今井善衞君) ただいま先生から御指摘がありましたように、滞貨が一向減らない。減らないどころか、残念ながら三十八年度におきましては若干ふえたということ、私ども非常に遺憾に思っております。で、やはり解決といたしましては、人員をふやし、かつ待遇を改善いたしまして、働きやすい環境を作り上げていくということが一番効果があると思います。さような次第で、過去何年間か毎年々々増員をお願いしておるわけでございますが、大体実績から申しますと、三十三年から三十七年までの五カ年間で約二百三十名ほど増員しております。全体の二割程度、二割二、三分になると思いますが、その程度増員しております。それから、それからさかのぼります二十九年から三十二年におきましても、約二百名、毎年五十人程度増員しておるのでございますが、その増員の仕方におきまして、ただいま先生から御指摘のありました、年によりましてあるいは審査、審判官を増員し、あるいは審査、審判官は増員しないで事務系職員を増員しておる。要求自体もさような状況になっておるように私も思います。私が理解しておりますところによりますと、ただいま先生からお話がありましたように、特許行政を円滑に進めていきますためには、直接審査、審判に当たるその審査、審判官だけを増員するということでは必ずしも能率が上がらないという場合があるわけでございまして、たとえば、ときによりまして、審査、審判官が非常にネックになっておる。したがいまして、そこに重点を置いて補充しておる年もございます。大体二十九年から三十二年までは大体におきまして審査、審判官を中心にして増員しておったのでございます。ところが、ある程度審査、審判官のほうは増員はできたけれども、出願なりあるいは登録なりあるいは資料整備なり、他の事務系職員が足りないために、かえって全体の能率が上がらないということがはっきり表面に出て参りましたのが三十二年、三十四年当時でございまして、したがいまして、この辺におきましては、むしろ技官の充員よりも事務系の充員、増員に力を入れた次第でございます。三十五年におきましては、またこの審査、審判官を増員しておりますが、実はまあ三十五年増員いたしまして、はなはだ遺憾なことでございましたが、なかなか経済界が好況というような意味合いもあったと思いますが、増員はしましたけれどもなかなか補充ができないというような問題もございまして、三十六年、三十七年におきまして、審査、審判官のほうは補充しないで、事務系職員のほうを補充しておる、こういう状態でございまして、現状から申しますと、昨年の半ばにおきましては相当の欠員が審査、審判官についてはあったのでございます。これは非常に遺憾なことでございましたので、まず増員よりも欠員補充に力を入れようということで非常に充員に努めまして、ことしの一月におきましても技官系を二十名ふやしておりますし、それからこの四月におきましては技官系を五十名補充して、むしろ、欠員はもちろん一人もおりませんで、四月一日から増員にお願いしております定員増加の分を相当数使わなければならぬというふうな形になっておるわけでございます。先生から御指摘がありましたように、どうも一貫性がないじゃないかという御指摘につきましては、ただいま申しましたように、そのときの経済事情あるいは役所の中の事務のバランス、そういうものを考えましていろいろ行政能率が最も上がるように充員なり増員をしておる次第でございまして、今後審査、審判官のみならず、事務系職員につきましてもバランスのとれた状態においてふやして参りたい、かように考えておる次第でございます。
#6
○鶴園哲夫君 その他職員の中の印刷関係についてちょっとひど過ぎると思うんですがね、それについていかがですか。それと万国工業所有権資料館ですか、これの運営ですね、たいへんな事務量になっていますね、その場合にこの方面の人員というのは旧態依然として前よりふえない、これまたたいへんじゃないでしょうか。
#7
○政府委員(今井善衞君) 御指摘のように、印刷関係につきましては大部分の者が相当の居残りをしておるというふうな状態でございまして、したがいして、人員を充実するということは非常に大事なことなのでございます。ところで、予算折衝その他におきましてはいろいろ見方があるわけでございまして、印刷につきましては繁忙と申しますか、非常に忙しいときと、ふだんのときとあるような状態でございますので、忙しいときにはある程度外注に出して、そうしてそこを調節したらどうかというふうな意見もございます。したがいまして、私どもはもう少し充員したいというふうに希望いたしましても、なかなかそれが実現していないというふうな事情があることを遺憾に考えておる次第でございます。
 それから資料館の問題につきましても、現在約五十人ほどおりますけれども、いろいろ資料を見にくる方々がふえておるという関係で手不足をかこっておるわけでございまして、これにつきましても私ども増員を希望したのでございますが、結果において増員ができなかった、かような状況になっておる次第でございます。
#8
○鶴園哲夫君 この印刷関係は半分程度外注に出しておるようですね、外注に出しておられてなおその超過勤務時間というのは月に四十時間というのはひどいではないかという話をしておるわけなんです。それで先ほど申し上げましたように、行政機関の中で予算のときだけ、たとえば大蔵省でいいますと、主計局の予算関係のときに三十時間、四十時間という超過勤務をやる、あるいは役所によっては夏季に四十時間程度の超勤をとるということがある、こういうように毎月四十時間という超勤をとっておるところは、こういうふうなところはないように思いますが、これはよっぽど考えていただかないと、えらいことじゃないかというふうに思うわけです。ですから一部を外注に出しておるというんじゃなくて、すでに半分程度外注に出しておるわけですね。しかし、特許法によりますと、国家公務員法よりもさらに一そう機密の義務というものを課しておるわけでしょう、強い機密の義務を課しておる。そしてそれについては公務員法よりきつい刑事罰その他を義務として課しておるわけですね。しかし、外注にどんどん出しておるということも、やはりいろいろ配慮をして出さなければならないこともありましょうし、どうも印刷関係についてもっと積極的に考えるべきじゃないかと思いますね。
 それから今の資料館、これは三十何人じゃないですか、今五十名というお話でしたが、三十何名……。
#9
○政府委員(今井善衞君) 資料館の点につきましてはただいま資料を持ち合わせておりませんので、あるいは御指摘のとおりかもしれません。これにつきましてはいずれ正確に調べましてお知らせいたしたいと思います。
 それから印刷関係につきましては、御指摘のことは非常にごもっともだと思うのでございまして、御承知のように、印刷関係につきましては、普通の行政職と違いまして、行政職の(二)ということになっておりまして、実は人員の構成等からいいまして非常に古くからおる人が多いのでございまして、まあ大体よく働くと申しますか、自発的に居残りを希望しておる方も実は相当おられるような次第でございまして、五時半に定時退庁になりますと、一時間半なりあるいは二時間なり居残りしてやっていただくという方が年配者に非常に多いのでございます。四十時間の超勤というのは非常におかしいように考えられますけれども、実は自発的に働きたいという希望もかたがたあるのでございます。私ども決してそういう状態がいいということを申し上げているのじゃなくて、もっとやはり人員をふやしまして労働を軽くしてあげたいという気持は十分持っておるのでございますが、さような事情もあるということもひとつお含みおき願いたいと思います。
#10
○鶴園哲夫君 今公報関係の印刷ですね、お話のように、行(二)の人が多い。行(二)というのは行(一)に比べまして非常に給与が低いわけですね。そういう意味で給与の低い関係もあって、それを埋め合わすには一時間か一時間半程度超勤したい、これが月に平均して四十時間になるということですが、やはりこういうことは行(二)の給与が低いという点が問題だと思うのですけれども、いずれにしても月に四十時間という超勤というのは、これは異常であるというふうに思うわけです。したがって、これについてはできるだけやはり助成をする。それにはやはり人員をふやすという問題だと思います。
 それから資料館ですね、これはちょっと軽視されているような発言に見えてしようがないのですが、この資料によりますと、定員は三十六名ですね。そうしてこの資料に出ております資料館で扱っているところの仕事のふえ方、非常なふえ方ですね。ですからこういうふうにふえて参りますとどこも閲覧だけで手一ぱいというようなことになるのじゃないですか。閲覧者の接待並びに貸し出し、それだけの仕事で手一ばいということになってしまう。ですから、この点についてももっとひとつ十分な配意をしてもらいたいと思いますがね。配意しなければならないというように思いますね。私はもっと詳細に、一体この資料館はどの程度の仕事をしているのか。三十年ごろからどの程度仕事がふえているのかというお話を聞いて、それで人間が足りないのじゃないかという質問をしているのですよ。私は自分で調べているので、そういうよけいな質問を省略しますが、ふえているじゃないですか。非常なふえ方じゃないですか。しかし、人員は旧態依然たるものがあるじゃありませんか。というのは、定員の数が五十名だというお話ですが、ここに出ているのは三十六名、それは三十七年度で幾らかふえたでしょうが、三十六名。仕事がこれだけふえているのに、三十八年度の要求としてどれだけ出されたのですか。資料館について。
#11
○政府委員(今井善衞君) 資料館の問題、決して軽視しているわけじゃございません。私も常日ごろ非常に頭に置いている部門でございます。この定員につきましてただいま資料を持っておりませんので先ほどお断わりしたのでございますが、たぶん先生の御指摘のとおりだと思います。そこで資料館につきましてはここ毎年々々閲覧者がふえて参っておりまして、四、五年前に比べますと、閲覧者がほぼ二倍近くに達している。毎日二百数十名が閲覧を求めてきているような状態でございまして、したがいまして、私どもも定員をふやしたいということで、三十八年度におきましては四名増員を要求したのでざいますが、結果は一名もふえておりません。さような状態になっておりまして、今後もできるだけこの資料館といわず、あるいは印刷等の事務部門につきましても増員に努力したい、かように考えている次第でございます。
#12
○鶴園哲夫君 今長官は資料館については閲覧者の数だけお話しになりましたけれども、その他たいへんな仕事をやると僕は思うのですよ。それらの仕事がすべてふえているのですから。倍増しているわけですね。ですから四名とかなんとかいう問題じゃないのじゃないかと私は思うのです。何か特許庁全体として私は非常に必要な人員確保について何かおざなりなような気がしてしようがないのですね。ですから特許法ができるときに附帯決議までつけておりまして、それから昨年通産省の設置法が出ましたときに同じような問題について指摘をしたわけですよ。ですが、依然としてそれが思わしく善処しないという実情ですね。事がこういうすっきりした問題ですからね。仕事の量というものと人員というものとのすっきりした問題ですから、これは論議の余地がないわけです。人員が足りないということは明白なわけですね。
 その次に、審査官と審判官の待遇の問題につきまして昨年の通産省設置法の場合にも論議したのですが、この審査官補あるいは審査官等について調整手当がついておりますね、調整手当がついているのはいいんだが、しかし、その調整手当がついているということが原因なのかどうか知りませんが、それが通産省のそれ以外の技術官との関係でいいますと、昇格その他がおくらされておりますね。ですから調整手当というものはつけたんだが、しかし、特許庁以外の上級職公務員の職員の試験を通って入ってきておる技術官と、特許庁の審査官あるいは審判官といってもいい、その人たちの関係については、昇格についてはっきり差が出ていますね。そういう措置をされたんでは調整手当がついた意味が全くない。ついたけれども昇格を一年も半年もおくらせてしまったというのでは、これまた意味ない。何のためにつけたかわからない、そういう認識を持っておられますかどうか、伺っておきたいと思います。
#13
○政府委員(今井善衞君) ただいま昇格をおくらせておるというお話が出ましたが、もちろん意識的にやっておることは全然ないのでございます。今御指摘の問題は、三十二年に大学を卒業しました技術者でございますが、本省の関係と特許庁と若干ずれておるわけでございます。私どもといたしまして、同じ入省者につきましては、同時に上げたいということで、いろいろ関係当局とも折衝しておるのでございますが、十分解決がついていないという状態でございまして、決して意識的に特別調整額がついておるから、待遇がいいから昇格をおくらせてよろしいという認識からやっておるわけじゃございません。ともに同じに入った者については、同じ昇格をすべきであるという前提に立ちまして、いろいろ折衝しておるのでございます。
#14
○鶴園哲夫君 今長官は、三十二年のお話をなさいましたが、昭和二十五年卒業以来全部そうです。ですから三十二年の卒業生だけではなくて、昭和二十五年以来ずっと半年ずつずっとおくれておる。あるいはものによりますと、それ以上おくれておりますね。ですからこれではせっかく四%なり、八%の調整手当がつきましてもつかないと同じです。何でついているか。しかも、昨年もこの問題については石原理事ももっと待遇をよくすべきじゃないかというお話をしておりましたが、そのとおりだと思うのです。ところが、こういうふうに昇格をおくらせたのでは何にもならない。ですから、そういう感じがやはり職場に行くとぴったりと感ずるわけですよ。今この審判官なり、審査官という人はやめたいと申し出てもなかなかやめられないそうですね。やめたいやめたいと申し出て、まず一年以内にやめられたらいいほうだそうですね。これは一般の役所にはそういうところないでしょう。ここはどうもそういうことになっていて、なかなかやめられない。それはやめられては困るのです。人員が足りないところへ持ってきて入りたがらないところですから、非常にじみな仕事ですから、行政官と違って非常にじみな、縁の下の力持ちといいましょうか、非常にじみな仕事だ、だけれど非常に重要な仕事なんです。だからなかなか入りっこない。先ほど長官おっしゃったように、入ってこない。過去において審査官、審判官の定員をその他職員に回してその職務をやっておられたという経緯もある。来る人がいない、その来る人がいないという点について昨年あたりから少しよくなったようですが、その前の三、四年の間を見てみますと、私どもの常識としては、試験研究機関にはなかなか入り手がない、少ないといわれておる。ところが、試験研究機関より以上に、試験研究機関と比較にならないほどに入り手がないのですね、特許庁には。そういう関係もあって調整手当をつけているのだが、しかし、調整手当がついているけれども昇格をおくらすというのでは意味ない。しかも、今私が申し上げたように、過去、その前のほうはわかりませんが、少なくとも昭和二十五年以来ずっと昇格をおくらせておる、それでは全く意味がない、どういう考えなのか伺います。
#15
○政府委員(今井善衞君) 本省との比較でございますが、本省のほうは、実は定員が増加しておりません。したがいまして、何等級何等級という定員が固定化しておるのでございますが、特許庁は毎年々々増員をしていただいておるわけでございまして、その場合に、上のほうにいきますと、たとえば五等級にいたしましても、四等級にいたしましても、過去の人数の少ない場合の級別定数というふうなことになっておりますために、非常にたくさん採用しました場合におきましては、それだけその級別定数をふやさなければならぬということになるわけでございまして、先ほどちょっとお話し申しました三十二年におきましては、この定員の増加は、特実の審査官で七十三名の定員増加というふうなことになっております。したがいまして、それに見合うだけの級別定数がこの過去の状態では用意されておらないという関係で、どうしてもそれだけ五等級にしろあるいは四等級にしろふやさなければいかぬ状態になっているのでございますが、それにつきまして、なかなか関係方面の了解が得られないということを私遺憾に存じている次第でございまして、客観的に、さような結果半年ほど昇格がずれているのでございまして、決して特別調整で片や待遇をよくしているから、昇格はおくれてもいいのだというふうな認識でやっているわけじゃ毛頭ございません。今後やはり昇格につきまして、ほかと歩調が合うように努力して参りたいと思います。
#16
○鶴園哲夫君 昭和二十五年の卒業の人から三十三年の卒業の人まで、その間八年みな全部軒並み半年おくれている。それで調整手当をつけてもだめですよ。ですから、考えとしては、そういう考えで進められる。しかし、結果的にはもう八年の間全然昇格されていないといろ結果になるんです。それではどうにもならない、昇格がおくれたんじゃ話にならない。これは御承知のとおりに、昇格というのは公務員にとっては非常に重要な問題です。それを半年もおくらせるんじゃ処置なしです。それとこの執務の体制が違うんじゃないですか。特許庁でいうと審査官と審判官の執務制度、それから通産本省の同じ学歴の技官、これの執務体制が違うんじゃないですか。通産省の本省の場合においては、ラインということでいく、審査官の場合にはラインじゃないんですよ。スタッフというんです。スタッフ的な考え方をしている。ですから等級別定数についてもそういう考え方で処理しなければいけないんじゃないですか。スタッフというか、プールというか。ラインじゃないでしょう。そういう考え方が通産省にないんじゃないかと私は思う、あるいは特許庁に。だから等級別定数のとり方について、一般のライン的な考え方をとっている。あるいは人事院もそういう認識が少ないと思う。執務体制としてはそうでしょう。ラインではない、ある意味では検事みたいな存在です。検事といいますか、まあ行政官、いわゆる検事みたいな、ラインじゃない、ある意味ではスタッフ的な、一人々々独立して仕事をしているのです、ある意味では。そういう執務体制でしょう。それが等級別定数のとり方についてどうもそうじゃなくて、一般的なライン的な上下秩序関係が等級別定数の考え方になっているでしょう。この点についてはっきり私はしてもらわないことには――これはだれが確認すればいいのですか。大臣がはっきり確認すればいいのですか、これらの問題については。これは外局だから特許庁長官が確認すればいいのですか。どうしても解決しない以上はだめだと私は思うのですね。来る人がいないですよ。
#17
○政府委員(今井善衞君) 先ほども申しましたように、私どもとして、とにかく同じ年度に入った者については同じ昇格をしたいということでいろいろ努力をしておるのでございますが、なかなか人事院と折衝いたしましてもそこのところが解決できなかったのが過去の実情でございまして、今度三十八年におきまして四十一名の増員を願うにつきましては、むしろそういうことの一助にもしたいということで、五等級あるいは四等級、そういうふうなところに相当定員をふやしていただいておるということになっておる次第でございまして、ただいま御指摘の点につきましては、人事院当局ともなお今後一そう十分打ち合わせをしまして、私どもかような昇格の差別がないように努力をしたい、かように考えている次第でございます。
#18
○鶴園哲夫君 私は、確かになかなか来る人が少ないわけだし、来ても、やめたいけれどもやめられないと、だからカン詰にされたようなものだというような意見まで出てくる。そして昇格はおくらす、半年も――過去八年の間おくれている。こういうような処遇をされたのではこれはどうにもならぬ。ですからぜひ私は三十八年度の、ことしの十月から十一月にかけて等級別定数の改訂があるわけですから、その場合にはっきり解決してもらいたいですね、こういう問題は。その中について、あと通産大臣が見えましたときにもその点はひとつ要望したいと思います。ですが、いずれにしても執務のやり方が一般の行政官庁と違うわけです。そうでしょう。私もよくは知らないのですが、少なくとも審判官、審査官の仕事の仕方というのは、これはやはりある意味で独立して仕事をしているのでしょう。ラインという面もあるけれども、重点はやはりスタッフ的なといいますか、プール的なあるいは独任官的な仕事をしておるわけですよ。そうしたらそれに相応した等級別定数というものを考えなければならない。その考え方がないんじゃないか。したがって、やむを得ずこういうような事態に陥っているんじゃないかという気もするのですが、その点はいかがですか。執務のやり方が違うじゃないですか。
#19
○政府委員(今井善衞君) ラインとかスタッフとかいうことは別にいたしまして、一般の行政官と違いまして各審査官、審判官は独立の権限を法律で与えられておりまして、したがいまして、個々の案件について自分で判断をし、自分の名前でもって審決なり何なりを下すという形になっておるのはお説のとおりでございます。私ども等級別定数につきましてもちろんさようなことは頭に置いてやっておるわけでございまして、したがいまして、特許庁全体の構成といたしましては、審判官にいたしましても、審査官にいたしましても、ほかの一般の行政職よりははるかに頭でっかちの構成になっておるのであります。
 ところで、御指摘のような事態が起きておりますのは、過去におきまして採用いたしました者が、五年たち、六年たちますと審査官になる、その審査官の等級別定数につきまして、もちろん先ほど申し上げましたように、一般的には頭でっかちになっておるのでありますが、非常にたくさん採用しました場合におきまして、なかなかそれに見合う等級別定数が足りないというところに問題があるのでございまして、御指摘のとおりだと思います。先ほど来申し上げておりますように、私どももその解決について今後一段の努力をいたして参りたい、かように存じておる次第でございます。
#20
○鶴園哲夫君 ともかく昇格について同じ上級職公務員の試験を通った本省の技術官、これとの間に差がないようにする、しないことにはおかしい、するということのほかに、調整手当について考える余地はないか、今官補が四%、官が八%という調整手当、これなども少ないという気がするのですが、これはどういうふうに考えておられますか。
#21
○政府委員(今井善衞君) 私どもといたしまして特許庁の審査、審判官の仕事の性質が独立しておりまして、半ば裁判官的な仕事であるというふうな認識に立ちまして、むしろ特別の俸給表と申しますか、そういうものが妥当であるという点から出発しまして、人事院当局といろいろ相談したのでございまして、三十五年ですか、現在の四%、八%の調整額手当というものが、そのかわりと申しますか、特別の俸給表ではなくて、行政職の上に四%、八%を乗せるという形になったのでございまして、私ども何とか、これを八%、一六%にしたいということでいろいろ努力したのでございますが、これはなかなか特別調整額という制度は、ほかに適用されております例としまして、たとえば癩病院の先生とか、人命に危険をもたらすような仕事が大体そういう制度の考えられたゆえんであるというふうなことでもって、現在の四%、八%を、それを一般に引き上げる例はないからということで、交渉は実現しなかったのでございます。私ども基本的にはさように一般の行政職とは違う仕事でありますので、したがって、もっと違えて考えるべきである、こういった認識を持っておる次第でございます。
#22
○鶴園哲夫君 裁判所の書記官、これは裁判官じゃなく、て裁判官の書記官については八%、一六%という高い調整手当がついているのですね。そのほか航空管制官あるいはそういう者にも手当としては相当高いものがついていますね。ですからもっとこれは努力をしなければいけないのですね。それから審判官、審査官というのは、一カ月うちの土曜日――土曜日は一カ月のうちに四回ほど大体あるのですが、そのうちの二回は四時間ずつ超過勤務をしなければならぬようになっておるようですね。一般として十五時間超過勤務をするのだが、それ以外に土曜日−一月のうちの二回の土曜日は四時間ずつ、したがって、八時間よけいに働かなければならない実情のようですね。ですから、そういう意味では非常に勤務の条件もきついようですね。勤務の条件も一般よりも非常にきつい。これは人員が足りないというところに一番大きな問題があるのでしょう。その勤務条件が非常にきついようですね、これで見るとね。いかがですか。
#23
○政府委員(今井善衞君) 審査官、審判官につきましては、やはり滞貨が非常にたくさんたまっておりますので、したがいまして、いろいろ外部からの要望にこたえまして滞貨をできるだけ掃きたいというふうなことから、一般の超過勤務制度のほかに特別超過勤務制度を実施しておるのでございまして、月二回の土曜日につきまして居残りをした者につきましては特別居残り手当を支給するということにしておるのでございます。これは一般の行政官よりはよく働いてもらっておるというふうに言えると思います。人員が足りないから、結局さような便法を講ぜざるを得ないというような実情になっておる次第でございます。
#24
○鶴園哲夫君 人員が足りないから、非常に八時間の勤務でもなかなか詰まった勤務をしなければならぬということも想定されますし、また、独任官といいますか、独立して判断をしなければならないという点から言ってもそうだと思うのです。しかし、その割りには手当が非常に悪い。そして土曜日も二回は四時間ぐらいずつ特別超過勤務というようなものをしなければならない。おまけに昇格はおくれるというのでは、これはどうも通産省は一体この特許というものをどう見ているのか。今外国の特許がどんどん入ってきているでしょう。外国人の特許申請というのは非常な数をもってふえている。これはまあいろいろな理由にもよるのでしょうけれども、特に近年非常にふえておりますね。もっと何かこういう点をはっきりしてもういたいのですね。今のお話のように、調整手当についてもう少し努力をされてふやす。それから昇格が半年おくれているというような、過去のこういうような昇格がおくれてしまったら、公務員いやでいやでしょうがないと思うのですね。何だか軽べつされたような形になっちゃうのですね。ですから、昇格についてもすみやかにこれは是正され、人員もふやされて、こんなきつい仕事で、しかもやめたいという者があったらいつでもやめられるような職場に私はしなければいけないと思う。やめたいと言ってもなかなかやめられないというような実情では困りますから、ですからやめたいという人がないように待遇もよくし、人員も手当もふやして、仕事もきつくないように、そういうような努力をひとつお願いしておきたいと思います。
 次に、この間長官がお話しになりました工業所有権制度改正審議会、これは昨年から動いているようですね。そして四、五回やっておられるようですが、これは法律によってできているのですか。
#25
○政府委員(今井善衞君) 改正審議会のほうは通産省設置法に基づいてできているわけでございまして、これにつきましては昨年の十二月に第一回を開きまして、現在まで五回やっております。
#26
○鶴園哲夫君 省令でできているのですか。
#27
○政府委員(今井善衞君) 設置法でございます。
#28
○鶴園哲夫君 法律でできているのですか。
#29
○政府委員(今井善衞君) 法律でできております。
#30
○鶴園哲夫君 去年審議したような記憶はないのだがなあ。その点はっきりさしてもらえませんか。法律なのか、政令なのか。
#31
○政府委員(今井善衞君) 通産省設置法の四十七条に特許庁の附属機関として設置されている次第でございます。
#32
○鶴園哲夫君 これは委員はどういう構成になっておりますか。
#33
○政府委員(今井善衞君) 委員は三十名ほどおりまして、会長は委員の互選という形で任命しております。委員の顔ぶれにつきましては、この工業所有権自体につきまして学識経験のある、特許庁長官をかつてやった人とか、あるいは弁理士、弁護士、あるいは出願の立場に当たるところの業界、それらの方々合わせまして約三十名でございます。
#34
○鶴園哲夫君 以上で終わります。
#35
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#36
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。
 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十五分開会
#37
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を再開いたします。
 外務省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。政府側よりただいま湯川官房長、佐藤会計課長、新関参事官が出席しております。質疑のある方は、順次発言を願います。
#38
○鶴園哲夫君 今回新しく設置されます国際資料部、定員は三十四名ですが、振りかえで設置のための人員増はないということでありますが、この資料部を作るにあたりまして、従来外務省に設けられておりました国際資料委員会、これを改組といいますか、これを主体にしてお作りになるようですけれども、この国際資料委員会というのはどういう組織になっているのですか。
#39
○説明員(新関欽哉君) 国際資料委員会と申しますのは、約三年前でございますが、外務省限りの部内の措置といたしまして委員会を作った次第でございます。
 その目的といたしましては、当初の発端といたしまして、あのころから中ソの問題が非常に微妙な発展を示すようになりました。中共とソ連、この二つの共産国家の関係でございますが、御承知のように、現在、外務省におきまして機構上、中共の問題はアジア局、それからソ連の問題は欧亜局が担当しておるわけでございます。ところが、中ソ関係というような問題を見ます場合には、ただに中共の側から見るばかりでなく、また、ソ連の側から見るばかりでなく、これを総合的に両方の面から見る必要がある。しかも歴史的、沿革的な、あるいは理論的な問題もこれに関連して究明する必要がある、こういう観点からいたしまして、主としてアジア局の中国課の人員と、欧亜局の東欧課の人員を供出してもらいまして一つの部屋を作りまして、そこを中心に実質的に委員会ということで仕事を三年間続けて参ったような次第でございます。で、当初はそういうわけで中ソ関係が中心でございましたが、これに関連するいろいろな問題が出て参りまして、東西関係その他の国際問題につきましても、いろいろと総合的な分析をこれまでも行なってきた次第でございます。
#40
○鶴園哲夫君 その国際資料委員会では、今お話のように、中心になったのは中ソの関係、それに逐次東西関係も入ってくる。内部でそういう運営をしておられたというわけですが、それを今度は資料部になさる、そういう運営ではだめで、今回新しく部にされるというその理由はどうなんですか。
#41
○説明員(新関欽哉君) 最近の国際情勢を見て参りますと、単に一つの国、一つの地域、あるいは一つの方面に限定される問題ではなくて相互に非常なつながりと申しますか、かかわり合いを持った問題が多く生じてきておるわけでございます。一例をあげますれば、昨年の秋のキューバの紛争でございます。それからまた、ほとんど同時に起こりました中印国境の紛争の問題もございます。キューバの問題は、キューバを中心にいたしまして米ソの間の問題でございましたけれども、これが東西関係に及ぼす影響というものも非常に大きな問題でございます。その間にまた中ソ関係というものも微妙な影響を示しておるようでございます。それからまた、中立諸国に対する影響、こういったような問題が相関連して起こって参りますので、最近に至りましてますます国際情勢というものが微妙な、複雑な動きをとってくるようになりました。これまでのように、地域的に限定された政務局におきまして、かたわらに調査研究をやるというようなことで、国際情勢の総合判断をやることでは不十分であるというふうに考えられましたので、この際、国際資料委員会を母体といたしましてこれを拡充発展するという形で国際資料部をお認めいただくということになった次第でございます。
#42
○鶴園哲夫君 三十四名で資料部ができるわけでありまするが、この場合に中心をなしますのは、官房調査課から二十名ほど振りかえになるのですね。で、先ほどのお話を承っていますと、国際資料委員会の三カ年の運営を伺っておりますと、これは官房の調査課はこの運営には、中には入っていないような印象を受けたのですが、これは従来から資料委員会の場合におきましても、官房の調査課の二十名程度のものは入って運営しておったのですか。
#43
○政府委員(湯川盛夫君) 今回、設置をお認め願いたいと思っております国際資料部は、国際情勢の総合的な分析ということを急務といたすわけでございますが、そういう任務を効果的に遂行するためには現在の官房にあります調査課も一緒にやったらいい、こういう考えで、つまり外務省全体の基礎的調査、それから現実的な国際情勢の分析、そういうものをせっかくこういう部を作るならば一緒にして、協力して、まあ調査課とそれから資料課、この二つで協力して進めることがいい、こういう見地で両方を一緒にいたしたわけでございます。
#44
○鶴園哲夫君 そういたしますと、官房の調査課というのはなくなるわけでございますか。
#45
○政府委員(湯川盛夫君) 官房の調査課はなくなりまして、国際資料部の調査課ということになります。
#46
○鶴園哲夫君 そういたしますと、新しく設置されます、まあ、新しくといいますか、従来、委員会として運営されていたものが、今度は部として、さらに拡充発展した形で部として設置をきれる。そしてこれは各部門別あるいは各地域別というのではなくて、国際関係の情報、そういうものを総合的に判断する、あるいは全般的にといいますか、あるいは一元的にといいますか、そういうような判断なりをするために部が設けられる。そういたしますと、アジア局なりあるいはアメリカ局なり各局の情報関係というものも、あるいは資料関係というものはここに集まるということになるわけですか。
#47
○政府委員(湯川盛夫君) 各地域局が行なっております情報収集ないし調査は、これはそれぞれの局の政務の処理に必要な情報の収集及び調査研究でございます。そういったものをさらに総合的な基礎的な調査研究というものと、それから国際情勢の総合的分析ということを行ならために国際資料部を設けたいと考えております。
#48
○鶴園哲夫君 この情報文化局とはどういう関係になるですか。
#49
○政府委員(湯川盛夫君) 情報文化局の行なう仕事は、これは内外の報道あるいは広報に必要な情報の収集ということでございます。多少国際資料部の扱う調査とは違ったものを扱っております。
#50
○鶴園哲夫君 そうですか。情報文化局というところは今、資料部の設置にあたっての説明のありましたようなものはやってないわけですね。別個になるわけですね。情報文化局とそれから新しくできるとの国際資料部とは仕事の面としては別なことになるわけですね。
#51
○政府委員(湯川盛夫君) 情報文化局でやっておりますのは、いろいろな内外の一般情報を集めたり、また、広報に必要な情報を集めるということで、国際資料部の情報の収集とは違った視角から集めておるということになります。
#52
○鶴園哲夫君 では今お話のような資料委員会、それから発展した部、これを設けることについてはいささかおそきに失したという感がありますですね。そういう意味ではですね。何か、国際資料部と、こういいますと、先ほど基礎的なという説明が少し入ったんですが、そういう意味で資料部というような形になるわけですか。国際資料部というと、何か資料を集めるだけのような感じがしますですね。そういう印象があるわけですね。基礎的なとおっしゃると、資料関係というようなものもやはり問題になるでしょうが、何か先ほどの御説明のような話ですと、もう少し適当な名前があるというような感じがするわけですが、国際資料部というと資料集めみたいですね。判断をされたり、総合的な、一元的な検討を加えられるという印象が何か希薄になるような気がいたしますですがね。
#53
○政府委員(湯川盛夫君) 確かにお説のように、これがはたしてぴったりした名前かどうかというのは私ども必ずしもこれで非常にぴったりした名前とは考えておりませんですけれども、いろいろ研究したものでありますが、どうも適当な名前がありませんので、こういう名前にいたしました。しかし、やります仕事は外務省全体の基礎的調査、そういった面と、それから現実的な国際情勢の分析、そういう面と両方扱う、こういうことにいたしたいと存じております。
#54
○鶴園哲夫君 それからこの大臣官房の調査課というのは、従来どういう仕事やっておったわけですか。
#55
○政府委員(湯川盛夫君) 外務省の官房調査課と申しますのは、外務省では、各局でそれぞれいろいろな調査をやっておりますが、そういうものの総合調整といったようなこととか、あるいはどこの局でもやらない基礎的な調査、そういったような面を中心にやっております。
#56
○鶴園哲夫君 国際資料部――資料委員会からそれが主体になって資料部ができる。先ほどからの御説明を承っておりますと、どうも中ソ問題が中心のような印象を受けるのですが、中ソ問題、これを中心にして社会的な、まあ中ソ問題も非常にかつてと違ってでかいですからね。世界的な規模になっておりますから、その意味で簡単に言えば中ソ問題となりましょうが、中ソ関係を中心にしてこの調査班をそっちのほうへ持っていって、というような、そういうものが基本になる。これは部になるわけですか。
#57
○政府委員(湯川盛夫君) 先ほど新関参事官から御説明申し上げましたように、国際資料委員会の発祥からいいますと、中ソ関係を主として研究しておったのでございますが、しかし、最近の国際情勢は、もっともっとお互いに一国意識にとどまらないで関連が多くなりました。たとえばキューバ問題とか、ベルリン問題とか、あるいは中立諸国の動向とか、あるいは低開発国の動向とか、東西南北の問題といったようないろいろな面にまたがりますので、単に中ソ問題だけでなくて、あらゆるそういう国際情勢の総合的な分析ということを行ならためにこの部を作ったように御理解願いたいと思っております。
#58
○鶴園哲夫君 何か低開発国の問題にしろ、あるいはいろいろの中立諸国の問題にいたしましても、やはり共産圏との問題がたいへんな問題でしょう。ですから、やはり部としては何か国際資料委員会を主体にしてこの部ができるわけですけれども、流れとしてはやはりそれが中心になるような感じですね。そういうわけですね。
#59
○説明員(新関欽哉君) ただいま仰せのとおり、中共にいたしましてもソ連にいたしましても、非常に大きな国でございまして、また、わが国に隣接しておる国でございます。その人口を合わせますと大体十億になんなんとするような国であります。したがいまして、中ソの動向というものを的確に把握するということは、わが国にとりまして非常に今後とも重要なことではないかと思います。それから、また、官房長から説明がございましたように、最近の国際情勢が非常に複雑微妙になって参りまして、単なる一つの国、一つの地域に限られない、こういう点も出て参りまして、また、軍縮問題、核実験停止の問題、いろいろ東西関係の面でも新しい発展があるわけでございます。また、そういった東西関係というものを見て参ります場合に、どちらかと申しますと、西側の事情というものは政府当局者の言説、あるいは新聞その他の資料によりましてある程度正確に把握し得るわけでございますけれども、共産圏の事情になりますとなかなかそのようには参りません。唯一の有効な方法といたしましては、じみちにまた系統的に資料を集めて、それを分析して総合的に判断するということが必要になって参りますので、勢い相当に重点が共産圏の動向に置かれるということになるのではないかと考えております。
#60
○鶴園哲夫君 ただいま承っておりますと、これはどうも新しいといいますか、まあいうならば発展的といいますか、外交の方向を示唆するような感じもしますのですが、将来これは局になるというようなことになるのでございましょうか、どうでしょうか。
#61
○政府委員(湯川盛夫君) 目下のところは、この国際資料部ということで考えております。その今後の運営によってまた局にすることが必要であるということになれば別ですが、さしあたりは国際資料部ということで間に合うと思っております。
#62
○鶴園哲夫君 若干あるいは誤解かもしれませんが、国際資料部という名称がわかったような気がするのですね。なるほど、何かあいまいな感じの国際資料部というやつだけれども、実際はなかなかすっきりしたような気がするのですね。まあそれは一つ別にしまして、次に伺いたいのは別の問題ですが、一般職の職員六十六名増加する、そのうち在外公館五十八名にする、こうなっておりまして、そしてそのうちに他省から派遣される職員十六名、こういうのがありますが、今各省から派遣されておる職員というのはどの程度いるのですか。
#63
○政府委員(湯川盛夫君) 現在各省から外務省に出向しております職員は百四十二名でございまして、そのうち本省に勤務中の二十二名を除く百十九名が在外公館に配置されております。これは在外公館に勤務するいわゆるキャリア職員の約四〇%を占めております。
#64
○鶴園哲夫君 今お話の在外公館に出向しておる者が百四十五名、その百四十五名のうち本省に二十三名勤務しておる。あとは在外公館だと、その四十名というとの在外公館におる者はキャリアの四〇%だというお話ですが、率が非常に高いのじゃないでしょうか。この各省から派遣して在外公館に行っておる者、百二十三名ですか、そのほぼキャリアに該当する、該当するといいますか、各省ではそれに該当する人のようですが、あるいはそれに類似しているといいますかね、それが四〇%も占めるというと、非常に高い率ですね、これは非常に高過ぎやしないかという印象を受けるのですが、どうでしょう。
#65
○政府委員(湯川盛夫君) お説のとおり、これは非常に高いパーセンテージを占めております。しかし、最近は外交もいろんな部面とのこともございますので、こういったエキスパートがある程度必要である、また、各省もぜひ出したいということで非常に要望が強いのでこういうことになったんでございます。これが非常に大きなパーセンテージを占める割合に一般職員のほらが少ない。ことに庶務要員といったようなものが非常に少ないので、そういうところに負担が多くなると、比率としてはもう少し一般職員を将来ふやしていきたいと考えております。
#66
○鶴園哲夫君 この効果がどうかということですが、四〇%というと在外公館としまして大きな数字になるのです。しかも各省から行っている人は大体三年前後で引き揚げるわけですね。三年前後で交代するわけですね。一ぺん行った者がまた来るということはほとんどないわけです。始終人間がかわるということになるわけですね。そういう場合どの程度の効果があるものか、特に各省から多いようですが、引き続いておるといいんですけれども、引き続いておるというわけにもいきますまいから、結局三年くらいの間に次から次へかわってくるということなんですけれども、どうも四〇%も占めると、効果いかんということを伺いたくなりますですね。いかがでございましようか。
#67
○政府委員(湯川盛夫君) 確かにお説のように、相当これは大きな比率を占めております。しかし、最近の外交問題も経済とか科学とかいろんな技術的なものもございますから、ある程度の専門家というものは必要でございます。ただそれをまた十分に効果を発揮するようにするためにはそれに見合う一般職員のほうももっと多くならなければいかぬ。それが多くなればパーセンテージは減るわけでございますが、今のところは一般職員のほうの増強が必ずしも専門家の増強に伴っていないといううらみがないわけでもありません。理想の形としてはもう少し一般職員が多くなる必要がある。たとえば専門家が多くなれば、それだけ電報もふえるし、いろいろ文書とか会計の手間もふえる。理事官とか、そういうのが非常に要るわけです。そういう方面が現在はどうも手不足に考えられますので、少なくともそういう方面だけでも急速に増強する必要があるのじゃないかと考えます。
#68
○鶴園哲夫君 各省から派遣されて在外公館に行く人たち、一等書記官とか二等書記官とかいう形ですね。ですから外交官と同じ資格を持っているわけですね。それでその人たちが三年なり前後行くという場合に、まず語学から勉強する。行く前に半年くらい語学を勉強していかなければならぬということで行っていますね。さて行って一年くらいは使いものにならない、語学がよくできない。そのうちにそろそろ帰らなければならぬというようなことになってくるということを繰り返しているような気がするわけでございますね。それは国全体として見ました場合に、これはプラスになってくるでしょうが、なっていかなければならぬと思います。おそらくなるでしょうと思いますが、どうも各省から行っている人を見た場合に、あまり感じがよくないですね、あまりに多いものですからね。非常にふえている。これは最近でしょう。四、五年の間のことでしょう、こんなふえましたのは。百十九名の中で多いところを二、三あげていただけませんですか。大蔵省が一番多いでしょうが。
#69
○政府委員(湯川盛夫君) 現在は百十九名の中で一番多いのは通産省でありまして、三十七名、その次が大蔵省二十二名、その次が農林省が十六名、こらいったところが大きな職員を出向させております。
#70
○鶴園哲夫君 どうもこの問題は、これは外務省としてもやはり一つの大きな問題じゃないでしょうかね。このほうがいいのか、あるいは何か別にやるほうがいいのか、この問題については御検討なさっていらっしゃらないでしょうか。何か、私ども見まして、感じとしてはあまりどうもすっきりしないように思うのですけれどもね。今後ともこれはふえていくという傾向にあるのでしょうか。
#71
○政府委員(湯川盛夫君) これは最近はいろいろな国内の情勢も国際的つながりが多いので、やはりいろいろな官庁も海外に出先をできれば持ちたいという気持を持たれるのが自然かと思います。そこでそういった各省から出られる方がなるべく一本になってそうして外交を一元的に推進していくことができることが望ましいという見地で、外国に出られるときはみな外務省のサービスに入っていただくということで今やっているわけでございます。したがって、ある程度各省の御要望をよく考えて、そうして必要であるというところには置いていくということになります。在外公館もだんだんふえますので、こういった各省からの方も漸次ふえていくということも将来あるだろうと思います。
#72
○鶴園哲夫君 私はきようはこれで終わります。
#73
○石原幹市郎君 私も一、二点ちょっと伺っておきたいと思いますが、先ほど鶴園委員からも質疑されておったようですが、今度できるのは国際資料部でしたか、この国際資料部のいろいろやる仕事と、情報局と、たとえば「国際情勢の総合的な分析及びこれに必要な情報の収集」というようなことが所掌事務になっておりますね。これは情報局とちょっとなぞるような、同じよう分野を掘り下げていくというようなことになるような気がするのですが、これは何かやはり截然と区別があるのですか。
#74
○説明員(新関欽哉君) 情報文化局の所管事務といたしましては、先ほど官房長から説明がございましたように、報道関係との接触、それからまた、内外に対する啓発、宣伝ということが非常に大きな仕事でございます。刻々のたとえばUPIだとかAPとかいうニュースは情報文化局に入ってくる。これは報道関係との関係で入ってきます。速報的なニュースは入ってきますけれども、それの分析ということは情報文化局では行なっておらないのでございます。でございますから、国際情勢の総合的な分析ということになりますと、情報文化局では今までも所管しておらなかったわけでございまして、刻々入ってくるニュースの処理と、それから一面においては日本の事情に関して内外に啓発、宣伝するというととも一つの大きな情報文化局の仕事になっているわけでございます。ただ、名前の面でやや混同があるようなことは私どもも認めております。
#75
○石原幹市郎君 そうすると、今言われたそういう刻々入ってくるいろいろの情報の分析ですね。これは相当重要な仕事だと僕は思うのですが、そうすると、現在まではこういう分析、こういう仕事はどこでやっておったわけですか。
#76
○説明員(新関欽哉君) 現在まで外務省におきましては、地域局が三つございまして、アジア局、アメリカ局、欧亜局でございまして、それの地域局の事務といたしまして、外交政策の立案、実施のための情報の収集ということが入っているわけでございます。したがいまして、ソ連のことに関しましては欧亜局の東欧課で情報を集めている。中共のことにつきましてはアジア局の中国課で集めておる。フランスのことにつきましては欧亜局の西欧課で集めている。あるいはアフリカということになりますと、中近東アフリカ部のアフリカ課に集まる、こういうことでございまして、今までも集めておったわけでございます。ただ問題になりますのは、このごろのように、世界情勢が非常に複雑になって参りまして、また、相互の連関性というものが非常に微妙になって参りました。したがいまして、これを総合的に見るという必要が出て参りました。そういう関係でございますので、これまでのとおりに地域局との密接な協力のもとにおきまして総合的に判断をするというのが今度の新しい資料部の――非常に限られた人員で仕事を行ならわけでございますけれども、新しい部の任務でございます。
#77
○石原幹市郎君 そうすると、情報文化局に情報がいろいろ入ってくる。それから地域局ではそれぞれ情報をもちろん地域局として収集せなければならぬでしょうし、一般情報を収集するだけでなくて、やはり掘り下げなければならぬ。それを今度の国際資料部は、総合的に資料としてまとめるばかりじゃない。これはやはり掘り下げて、一つの大きな外交政策の立案の中心になっていくんじゃないかと思うんですけれども、そこの何かなわ張り争いみたいな、役所のこういうようなことから、情報局、各地域局、そこで今度は国際資料部ですかを考えておられるととは私は非常に賛成で、けっこうなことだと思うんだけれども、一方は局でしょう。地域局、情報局、これは官房の部でしょう。官房の部でむしろ一番大きな総合政策の総合立案の基礎になるようなことをここでやっていくということになりますと、これはできますかね。
#78
○政府委員(湯川盛夫君) まあ官房が全体の省内の行政の総合調整をやるということになっておりますので、それについておりますから、また、官房についておりますので、そういった点は十分円滑にいくと信じております。
#79
○石原幹市郎君 まあ実効を上げるようにひとつ御努力を願いたいと思います。
 それから今度の特別職の二人の増員は、象牙海岸共和国とアルジェリアの大使ですか。
#80
○政府委員(湯川盛夫君) そうでございます。
#81
○石原幹市郎君 だんだん最近アフリカにも大使館等ができてきましたが、こういうところの大使の下におる人は大体どのくらいの人数ですか。
#82
○政府委員(湯川盛夫君) アルジェリアは大使外三人、象牙海岸は大使外二人ということになっております。
#83
○石原幹市郎君 ほかにもすでにだいぶ大使館ができておりますが、ソ連やアメリカですね、こういうところは大体どのくらいの陣容をもって臨んでおるんですか。大よそのところでよろしいですけれども、大よそというか、概数でいいんですが、日本のように、ここの定員は二人だとか、ここは三人だとかいうようなことじゃないでしょうね。どんな状況でしょう。
#84
○政府委員(湯川盛夫君) まあアメリカとかソ連というのは非常に大きな大使館もあるようでございますが、全部が全部そう大きいわけでもないと思います。まあ日本はおそく外交を開きましたので、まだ必ずしも概して充実するよりも、とにかく手広くたくさん作らなければなりませんので、一般的にそういう国々に比べるとまだ手不足であります。
#85
○石原幹市郎君 これは外務省の責任というより大蔵省の予算の査定の仕方も私非常にいかぬと思うのですがね。たとえば新しいところへ大使館を開くとかいろいろな場合に、そこは日本人がいるとかいないとか、貿易があるとかないとかいうようなことを非常に重点に見て、関係のないところは必要ないじゃないかという考え方でやっておるように思うのだけれども、しかし、今国連外交の場などで、こういうところも一票は一票であって、やはり日本の外交的立場を強化していく上においては、貿易があろうとなかろうと、日本人がおろうがおるまいが、こういう新興国にどんどん積極的に出ていって、それを拠点にいろいろなことを始めるし、あるいはまた、国連外交のうしろだてになるようないわゆるグループの中に抱き込んでいくというようなこと、いろいろなことをやはりやっていかなければ、日本の世界外交は伸びていかないでしょう。そういう面からいうと、ちょっと非常に消極的というか、非常に立ちおくれている感じがするのですがね。これは大臣に言うべきことかもしれないが、もう少しこういう面、積極的に、査定でかりに落ちてももっと積極的に、もっと大きなものを要求してどんどんやっていくべきじゃないかと思うのですがね。われわれも働きが足りないかもしれませんが、そういう点もう少し活発にやってもらいたいような気がする。
#86
○政府委員(湯川盛夫君) 全く先生の御意見のとおりに私どもも考えております。せいぜいそういった御趣旨に沿って今後努力したいと考えます。
#87
○下村定君 ただいまからお伺いする問題は、実は昨日予算委員会の第二分科会で大臣にお伺いしたかったのですけれども、時間切れになりまして私には時間がもらえませんでした。やむを得ず官房長と新関参事官に伺いするわけです。せんだって予算の総括質問のときに佐藤尚武委員がこういうことを言われた。現在は国際会議そのほか国際間の交渉において、軍事問題のウエートが非常に多くなっておる。それで佐藤さんの御意見によると、国際連盟の時代には東京にも、それからまた、出先の日本の代表部にも専門家が行っておって、現在もそれは必要じゃないかという質問が外務大臣に対してされたのです。外務大臣は、それに対して、検討中であるというお答えがあったようであります。その検討中ということが、具体的にどういうことでありますか、ただいまこの国際資料部の説明を見ますというと、このほうにも軍事ということがある。そういう意味から申しましても、たとえその外務省の身分にならなくても、この国際資料部の兼任をするとかなんとかいう形式でやはり専門家が現在としては必要じゃないか、こういう感じが私はしてならない。その点について大臣はおられませんが、ひとつお二人から御意見を伺いたい。
#88
○政府委員(湯川盛夫君) そういったお話が先日ございましたことは私も承知しておりますが、まあどういうふうにしてそういった研究をもっと深めていこうかということで、目下検討中でございます。国際資料部に直接置くということは必ずしも考えておりませんが、何かそういった研究の機関を作りたいと思って研究中でございます。
#89
○下村定君 これは十分ひとつ積極的にお考え願いたいと思う。まあ現在のところ、防衛庁が軍事情報をやっておるわけでありますけれども、ほかとの連携も十分ではございません。また、情報網を統一する組織もないわけです。いわば各庁ばらばらにやっておる。それじゃ統一する組織を作るということは、これはまた相当問題になる。その過渡期におきまして、やはりできるだけ現在の制度を活用して、そうして連携をよくする、また、情報勤務の能率を上げるということがぜひ必要ではないか。佐藤さんのお言葉を待つまでもなく、もういかなる会議だって軍事問題が出ないことはないのですから、その点はどうか外務省としてもよくお考えを願いたい。
 それからもう一つ伺いますが、今、外務省の身分で防衞駐在官というものがあるわけですが、まああの人数とか配置は私は承知しておりませんが、これらの人たちの、外務省側からごらんになった活動状況がおわかりでしたら簡単にお教え願いたい。
#90
○政府委員(湯川盛夫君) これはほかの国からも武官の方が大使館におられますが、そういったような仕事をなさっておりますが、非常に皆さんよく働いていただいて、たいへんいい成績を上げていられるようでございます。
#91
○下村定君 実は、私も今の防衛駐在官に相当する職務をやったことがございます。また、国際連盟の出先機関で働いたこともございます。その経験によりますと、どうも全くたった一人で、事務的にもまた外部との連絡がかなり多いにもかかわらず、いわばからだが幾つあっても足りないというような状態に置かれておったわけであります。そういう意味におきまして、可能な範囲において防衞駐在官の職務は十分に達成せられるように御尽力を願いたい。それだけ、私、申し上げておきます。
#92
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか。――他に発言がなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#93
○委員長(村山道雄君) じゃ速記をつけて下さい。
    ―――――――――――――
#94
○委員長(村山道雄君) 文部省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。政府側より、ただいま田中文部政務次官、蒲生官房長、斎藤社会教育局長が出席しております。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#95
○鶴園哲夫君 きょうは概括的に伺うことにいたしたいと思いますが、まず初めに、国立青年の家、これが従来は文部省設置法の中で設置個所と名称も規定されておったのですが、今回設置だけにして、あとは所在地その他名称等は、これは文部省令にゆだねるということになっておる。そうして今回新しく熊本の阿蘇に青年の家ができる、こういうわけでありますが、そこで、まず初めに伺いますのは、この設置法の二十五条にあります国立中央青年の家、これは静岡県に置く、御殿場にあるわけですね。その二十五条にこういう規定をいたしましたのは、つまり、中央青年の家というものを設ける、それは静岡だ、これはその前提として、各自治体が、各県がそれぞれ青年の家みたいなものを作る、そういうものの中央のものとして考えておられたものかどうか。あるいは各県に国が作って、それの中央における青年の家というのが静岡にあるんだというような意味合であったのか、その辺のことをちょっと伺いたい。
#96
○政府委員(斎藤正君) 現在ございます国立中央青年の家――当時といたしましては、国立一カ所だけでございました。設置法上の機能といたしましては、それ一つが青年の団体訓練をするということでございましたが、まあ名称のニュアンスと申しますか、それにはやはり各府県あるいは市あるいは町村の組合等で設置しておりますいわゆる地方青年の家の模範的なものになるという気持がありまして、中央青年の家という呼称にしたのでございます。
#97
○鶴園哲夫君 静岡の焼津に青年の家というのがございますですが、非常に大きなりっぱなコンクリート建のああいうものがやはり各県にできる、そうして、その模範的なといいますか、そういうものとして静岡に中央国立の青年の家ができるんだ、こういうことだったわけですね。
#98
○政府委員(斎藤正君) 地方青年の家は現在まで全国六十八館できております。内訳といたしましては、都道府県立のものが四十一館、一般のものが十九館、市町村の組合で設置いたしたものが八館ございます。そこで、先ほど申し上げましたように、名称としてはその模範となるという意味がございましたけれども、いわゆる設置法上の意味としては、これは全国の青年の家を指導いたします権限といたしましては、むしろ本省の社会教育局の任務でございまするので、現行の設置法にも、その連絡機関を果たすのだというような権限は青年の家にはないのでございます。ただ、事実上、そういう青年の家の運営の模範になったり、あるいは地方の青年の家の所長がいろいろ来て実際を見たりというようなことをしておったのでございます。
#99
○鶴園哲夫君 そうしますと、今、ことし熊本にお作りになるというわけでずが、そうして、これからできてくるのだろうと思います。その名称とそれから位置、そういうものを設置法から除くということが、ちょっと理解がつきにくいのです。やはり何せ、でっかいものですから、出張所みたいなものじゃなくて、何せ、今度できるやつも二億という金を使って、人員としても四十名という職員がいる。ですから、事業効果とかいろいろな面からいいましてもやはりこれは法律で規定をしておくべきではないか。今回あらためてそれを切り離して文部省令でやるという考え方は問題がある。といいますのは、これと似たようなものが各省にあるわけですね。それとの均衡面をいいましてもどうもまずいですね。少なくともこういうようなでっかい、二億という金を使って、職員も四十名、しかもその利用率はたいへんなものだろうと思います。そういうものの予算の面はどうだということは別として、設置法の中でこれは規定をすべきものだと思いますが、これはそういうふうな善処方を望みたいですね。ところが、文部省令で規定をするというのは合点がいかない。
#100
○政府委員(斎藤正君) 設置の個所、名称等を法律自体で規定をいたしますか、あるいは目的を、幾つかあります目的、性格を法律に掲げて、他を省令に委任いたしますものにつきましては現行の各省設置法の考え方も区々でございますが、私ども考えましたのは、今回中央青年の家を、いわゆる今までの中央青年の家に加えまして九州地区に作る。おそらく今後予算措置を講じますればさらにふえていくのではないかと思うのでありますが、その際に、そういうふうにふえて参りますと、たとえば厚生省の国立病院のように相当大きなものでございましても、一括した目的を掲げておきまして、位置、名称等につきましては省令に譲る、まあ普通だったらそのほうがいいんではないか。予算措置の御審議をわずらわしてあとは省令にゆだねられていいんじゃないかと思うのでありまして、全般につきまして各省設置法であります法律に一々の位置名称等を書く大きな傾向といたしましては、これは正確には申せませんけれども、やや鶴園先生のおっしゃった管轄的なような意味を持ったもの、そういうようなものが私ども全般を見ました場合には多いような気がいたします。しかし、必ずしもこれは理論上分かれているわけではございませんで、沿革等いろいろございますから、そう割り切るわけには参りませんけれども、私どもといたしましては、複数になりますので、厚生省の国立病院でありますとか、国立療養所あるいは保養所、あるいは郵政省等のいろいろな職員訓練所等、必ずしも管轄区域ということにはこだわらないものがございますので、そういうふうにしたらどうかという考え方でございます。
#101
○鶴園哲夫君 そういう点がありますね、管轄区域を持ったところでは小さなところでも法律できめている。管轄区域というふうでないような国立病院あるいは療養所、そういうものを省令で名称並びに位置をきめている。そういう意味では今の青年の家も管轄区域というわけではないわけですね。しかし、どうもやはり何ですね、全体の問題としてそういう問題について考えなければならぬと思いますけれども、今お話のような点ですと確かにそういう点はありますですね。
 そこで次に静岡の富士山ろくに設けられております――これは昭和三十四年から設けられているわけですが、これは今、職員あるいは建坪等、それから利用等どういう形になっているわけでしょうか。
#102
○政府委員(斎藤正君) 今静岡県にございます国立中央青年の家は、昭和三十四年九月開所いたしまして、三十七年の十二月までに大体利用といたしまして延べ三十五万人の青少年及び青少年指導者によって利用されておりまして、この利用率というものは月平均にいたしまして一万二千八百余に及びますので、かなり利用としては成果を上げているかと思います。人員の点につきましては六十三人が現在国立青年の家の人数でございます。今回九州地区に設けられます青年の家の当初の予算として四十名をあげましたのは、これは私どもの考えといたしましては、大体初年度三カ月分につきまして全定員の三分の二程度を入れるという考え方でございまして、全体計画としてはやはり国立中央青年の家と同様の六十名前後になるのではないかと思います。これはなお建物を建てまして、運営の状況、場所等を見ませんと、特に監視的な職員等につきましてはもう少しこまかく計算いたしたいと思います。
 なお、建物でございまするが、富士の青年の家は五千二百九十七坪でございます。これは今回は約二千坪を予定しております。かなり坪数に開きがあるようでございますが、実は富士の青年の家につきましては、既設の廠舎を利用したということでございまして、今回は新たに作るのでございますのと、それから青年の家は宿泊定員が五百十八名でございますが、今回は四百名以下になるだろうと思います。したがいまして、建物の効用その他から考えまして、まあ実質的に同じような事業目的を達成いたしますにしても、物的なものといたしましては富士に作りますもののほうが機能的によく準備をされるということを前提にいたしますれば少なくて済むのではないか、かように考えております。
#103
○石原幹市郎君 ちょっと関連して。政務次官にひとつ今の青年の家に関連して伺いたいのですが、これは提案理由にもうたってあるのですが、健全な青年の育成をはかる団体訓練の施設として設けられているわけですが、今青年の育成とか、指導とかいうことがいろいろ非常にやかましい問題になっているわけでありますが、何だかこれはちょっと僕の記憶は違ったかもしれないが、最初に富士山ろくにできた場合、これは総理が最後に、何か予算のときに総理のほうについた何かの中から出てきたというような発端だったように僕は記憶しているのです。今度第二陣として九州にもできようとしているのですが、これはやはり文部省としても相当力を入れて、各ブロックに一カ所ぐらいずつ作るとか、何かひとつ構想計画を持って推進してもらいたいような気が私はするのですが、今文部省に何かそういう構想というか、計画というか、そういうものがあるのかどうか、伺って、おきたい。
#104
○政府委員(田中啓一君) この国立中央青年の家ができました経過は、今石原委員のお話のとおりに私も承知をいたしております。また、今回のにつきましても総理の裁断ということではなかったでありましょうが、やはりこれは内閣の青少年問題協議会、この事務局と文部省の社会教育局というようなものとが協力をして生み出しているというふうに私は承知をいたしておるわけであります。したがって、今石原委員のおっしゃったように、文部省に将来計画があるかないかといわれますると、実はそれほど的確な、どのようにしていくか、どういうものがあるということは、あるいは社会教育局長あたりはもちろん何らかの腹案、構想というものもあると思いますけれども、まだ大臣まで持ち上げてこれでいこうというものがあるようには承知いたしておりません。がしかし、お話のとおり、この青少年問題というのは非常に私は今日大事であり、ことにこれは大体社会教育局の所管になるような、いわゆる社会教育の施設として非常に重要性を持つものだと実は考えておりまして、当然文部省が考えなければならない。したがって、だんだん中央青年の家あるいは地方青年の家というようなものも世間の理解も深まり、かつまた、進んでそういうところへ行って訓練を受けようといいますか、そういった修養をしたいというような熱もなかなか盛んであります。これはまことにいいことだと思うのでありますから、ひとつ文部省といたしましても、この事態に処しまして十分研究をいたし、今後中央青年の家並びに地方青年の家をいかように拡充をいたしてその必要を満たしていくかというような計画を立てたいと思う次第でございます。
#105
○石原幹市郎君 今田中次官が言われたように、なるほど内閣にある中央青少年問題協議会が総括的中心というか、で推進されておるというようなことで、ちょっと文部省だけということにいかないのかもしれませんが、今次官が言われたように、局長のほうで何か練っておるものがもしあるとすれば、考え方を聞かしてもらいたい。
#106
○政府委員(斎藤正君) ただいま政務次官からお答えしましたように、青年の家はもちろん文部省の所管しております社会教育の施設であることは間違いございませんが、その運営の実態から見ますと、単に文部省が関係いたしております団体だけでなくて、これは各省が、たとえば農林省で4Hクラブでありますとか、あるいはその他の農村の青少年を指導いたします団体、あるいは建設省の産業開発青年隊でありますとか、その利用の実態というものはそういうものを全部かかえ込んで、しかもその行なわれます内容は社会教育の内容であるというものでございまするので、私どもの責任ではございますけれども、私どもは中青協の一員といたしまして政府全体としてこの青年の家、ことに青年の家と類似の他省所管のいろいろな施設というものもございます。利用の仕方によっては同じように使われます。ユース・ホステルその他の問題もございまするので、そういうものの配置計画というものとにらみ合わせながら私どもの計画を作っていきたいと思うのでございます。ただ九州地区と静岡にあればこれで全国の青年のためにいいということでは毛頭ございませんので、私どもといたしましては、さらに先ほどおっしゃいましたブロック程度のものに一つというようなことも必要かもしれません。ただ、明年度の問題としてこの整備につきましては、あるいは富士にあります青年の家にいたしましても、何年かかかって逐次完全なものにいたしておるのでございますから、それをどういう順序でやっていくかということについては、私どもまだ省全体の考えをきめてもうっておりませんので、ここで申し上げることを差し控えたいと思います。
#107
○石原幹市郎君 これはこうなるとむしろ総理府の方に聞かなければならぬことかもしれないが、中央青少年問題協議会の幹事役というか、推進役のようになっている省はどこですか。
#108
○政府委員(斎藤正君) 中央青少年問題協議会には事務局がございまして、事務局長が事務の調整をやっております。
#109
○石原幹市郎君 それは各省を離れた青少年問題協議会が行政委員会みたいな形でやっているのですね。
#110
○政府委員(田中啓一君) 今社会教育局長が申しましたとおりでございますが、実はこの問題は相当青少年問題あるいは対策というものはもっと推進しなければならぬ、こういう趣旨で実は政務次官会議に推進役を勤めろ、こういうことでございまして、政務次官会議の中に小委員会を作りまして、むろん今社会教育局長が申したような関係省、あるいは内閣の官房というようなところからも出まして、そうしてこれだけではない、全般の対策推進をやれ、こういうことでいろいろ今後企画立案をしなければならないということで実はやっておりますので、そういうところからも大いに青年の家というものの評価あるいは今後のあり方、進め方というようなものが出てくるであろうと思います。しかし、それをやるにしましても、それの実質的の幹事役は文部省がやらなければならぬだろう、したがって、文部省がいろいろ案を練ることは必要だろう、そういうふうに考えまして、私も委員の一人として進んでやるつもりでございますが、今回のこの措置は、中央青年の家というものを単数でなく複数にするということが決定されたもの、こう思っておりまして、まあその複数を、幾つ作っていくかということが今後の問題でありますが、結局法律で作るよりは、一々それはもう青年の家は複数制ということを法律で明らかにしておいて、そうしてあとは流動的、弾力的に進めていったらいいじゃないかというのが、いささか今度は逆に法律で今まできめてあったものを省令に移しては物足らぬじゃないかというような感じもないわけではない、ごもっともだと私思うのでありますが、実は私としてはそんな心持で、具体的には省令に移してやるとともに、省中心でやっていったらよかろうというくらいのつもりで実はおるのでございます。大体そのようなことで今後進みたいと存ずるわけでございます。
#111
○石原幹市郎君 最後にもう一つ。今政務次官会議で取り上げられて大いにやっておられること、非常に私けっこうだと思うのでありますけれども、先ほど局長からもお話があったように、農林省の4H運動だとか、建設省の建設青年隊ですか、中小企業や何かにもこういうものがあるじゃないかと思うが、厚生省がユース・ホステルとかいろいろやっておりますから、そういうものが連携というか、効用をさらに大きく生かす意味でむずかしいことだと思いますけれども、何かこれはやはりもち少しぐっと推進して、もっとブロックに一つくらいできるような態勢に持っていって、青年にもやはり希望なりを与えるというような方向にぜひ田中政務次官、あなた政務次官やっている間にひとつ大きな仕事として残してもらいたいと思う。大いに激励して終ります。
#112
○林田正治君 ちょっと関連して。阿蘇山ろくの青年の家ができましたことは私としては非常に喜んでおりますが、先ほど斎藤社会教育局長の説明によると、二億円ではまだ完成しないようなお話でございましたが、その点は大よそ今後どのくらいの見通しかということを一応承っておきたいと思います。
#113
○政府委員(斎藤正君) 実は内々の準備をいたしておりまして、実は阿蘇山ろくの地質、土質、そういう問題を今技術的に検討さしておりまして、それが一応四百人程度の規模ということで予算はできておりますけれども、実際土地の状況等にあわせますと、構造の問題、どの部分をどうするかというような問題をなお技術的に検討いたしませんと、全体の金額、規模というものは最終的にははっきりいたしません。で、ただそうかと申して、部分的に作っておいて、来年度また大きくつぎたすというような予算ではございません。これは一応骨格につきましては二億円で完成をいたしまして、そうして部分的にあるいは設備の充実でありますとか、そういうような点で明年度以降年々積んでいくほうがむしろ運営の実態に合うことでもございますので、今それが最終年度に幾らかということを私どもははじいてない段階であります。
 これは富士にあります青年の家につきましても同様でありまして、若干ずつではございまするけれども、既設のものを改修し、改善し、常に新しい設備を整えるというふうなことをいたしているわけでございます。
#114
○林田正治君 この二億円の国の負担以外に、地元の負担というものは多少は見ておられませんか。どういうふうにやっておられますか。
#115
○政府委員(斎藤正君) これにつきましては、まあお話が出ましたときに、観光道路との関係、その年次を繰り上げるとかあるいはそこは山の中でございまするので、職員の宿舎につきまして、この宿舎を建てるべき土地等をあっせん願うとか、あるいはその周辺の問題として、いろいろ地元として整理をされるというようなことにつきましては地元が進んで御協力するということを申しておりまして、これが直接建設費の中に、経費にどういうふうに入るかということは私どもまだわかっていないのであります。
#116
○林田正治君 そうしますと、いわゆる建設費、建物の建設とかあるいは何といいますか、この内部のいろいろな施設、そういうものに対するところの地元の負担というものはお見込みにならぬわけですね。
#117
○政府委員(斎藤正君) 施設設備、それから直接の運営費、人件費等は予算をもってまかなっているわけでございます。
#118
○林田正治君 それでよくわかりました。地元ではだいぶんこの地元の負担が相当大きなものとなりはしないかというところの懸念があったようですけれども、今の御説明でよくわかりましたので、当然この道路の問題とか、あるいは敷地の問題あたりについてあっせんいたしたり、あるいはまた工事の繰り上げをするというようなことはこれはまあ当然のことでして、私が今まで聞いたところでは、相当それ以外に、建物に関する問題とか、あるいは設備の問題とか、そういうことに対してだいぶ地元の負担がかかるようなことを聞いておったものですから、それがなければけっこうでございます。ありがとうございました。
#119
○鶴園哲夫君 今運営の問題についていろいろ出たのですが、きょうは運営の問題は、私は論議しないつもりなんです。実際いろいろ問題はあるようでございますが、先ほどお話のように、社会教育という立場から見れば確かに文部省の所管のようですけれども、運営を見てみますと、お話のように、非常に種々雑多な者が入ってきて利用しておるわけですね。それでまたいいんじゃないかという気もします、広い意味の社会教育という意味で。実際中へ入ってみると、そういう意味の社会教育の立場からの教育というものは相当徹底してやられておりますね。しかし、絶対の運営として見た場合にはどうかという点は、これはあるかと思います。ですから、御殿場にできて、それが五年くらいになりますし、さらにまた、阿蘇にできるということになりますれば、当然運営の問題としてもいろいろ考えなければならぬ問題が出てくる。この場合に、青少年問題協議会ですか、いろいろありましょうが、それはひとつ別にいたしまして、次に定員がふえますね。今回定員がふえますが、その中で非常にこまかく多方面に分かれておりますが、きょうお伺いいたしたいのは、国立学校関係ですね、国立学校関係につきまして、今回国立学校で二千六百八十六名、それから大学附属病院が二百六名、それから大学の附置研究所、これが三百四十七名という定員が今回ふえるわけでありますが、計いたしまして三千二百三十九名。それでこの間といいますか、前の国会で文部省設置法が出ましたときに、あるいはその前からも国立学校並びに国立大学の附属病院、附属研究所、こういうところに国費でまかなわない職員、しかもそれは国費でまかなっておる職員と同じ仕事をしておる、そういう職員の人たちがおられるのではないかという問題提起をいたしまして、その例といたしまして、東京都内にあります国立大学の学校を二つか三つほどあげて、その大学に、文部省で把握していらっしゃらない、国費支弁でないつまり校友会であるとかあるいは学校後援会であるとかあるいは教授等の一口で言えばポケット・マネー等で経費を持っておられる人たちがおられるんじゃないかという問題が出て、それについて文部省のほうで、さっそくその取り上げた二つか三つの大学についてお調べになったところが、確かにそういう人たちがおられるということになって、文部省としては独自で調査をして、それらの問題について善処したいということだったわけですがね。これはなかなか、できれば一挙に解決したほうがいいわけですけれども、そういうわけにもいかないような実情もいろいろあろうと思います。今回、今申し上げました国立学校関係で三千二百三十九名の定員がふえるわけでありますが、今私が申し上げたような、善処するというふうに言われたそれが、どの程度入っておるのか、それを伺いたいと思います。
#120
○政府委員(蒲生芳郎君) お尋ねの点でございますが、まず定員化、いわゆる常勤的に勤務いたしておりまして、その給料が、物件費とか賃金支弁とかいう人につきましてこれを定員化するということにつきましては、御承知のとおり、三十三年度から、三十七年度までに国立学校について見ますと、一万八百名ばかり定員化して参ったのであります。三十七年度におきましては特に多くございまして、五千四百五十二人という数になっております。で、これによりましてこの常勤的な職員で、しかも今申しましたような賃金支弁のような職員は一応定員化したというふうに私ども存じておるわけでございますが、今回の国立学校の三千二百三十九名の増員につきましては、従来作りました学部学科あるいは高等専門学校等の学年進行によります増員分と、それから新しく三十八年度に作ります学部とか、あるいは高等専門学校でありますとか、そういう新規にできますものの要員、それから大学病院について見ますと、診療所を新設いたしましたり、あるいは病床の増加等によりましてそれに要する人員を計上いたしておるのでございます。
#121
○鶴園哲夫君 それじゃ三千二百三十九名今回新規に定員がふえるので、それが今お話のような内容になっている。しかし、これを雇うについては、それだけの人員がふえるについては、私は先ほど申し上げた、あるいは文部省当局官房長がこの委員会で御答弁なさった、職員の人たちが雇われるということになるのか、それは依然としてそのままの今後存在として置かれていくのかという点ですね。それは今の国立大学その他附属病院あるいは附置研究所、それを運営する必要上それだけの人員が要った。今回新しくいろいろな施設を拡充ざれる、あるいは附置研究所ができるという場合に新しく人が要る。そうすると、前のものはこの中にはどうも吸収されそうにないという印象を私は受けるのですが、入るわけですか。この中に吸収されるのでしょうか。
#122
○政府委員(蒲生芳郎君) 先ほど申し述べましたように、恒久的な業務に従事いたしまして、常勤的な勤務をしている者につきましては、昭和三十七年度で定員化したということで考えておりますが、先ほど先生の御指摘もございましたように、なおその短期間の仕事に従事する者とか、あるいは季節的な仕事に従事する者とか、あるいは産業界から派遣されましてその大学で研究しております者、そういう者がやはりある程度残っておりますが、今三千二百二十九名の新規増員をいたします場合に、今申しましたその定員に入っていない方で、資格もあり、また、能力もあるという方々につきましては、その大学当局におきまして採用されるのではないかというふうに考えております。
#123
○鶴園哲夫君 その数は、文部省としてはどういうふうに見ておられますか。分けてありますが、国立学校と附属病院と附置研究所と三つに分けて考えた場合に、それぞれどの程度の数字をお考えになっていらっしゃるのか。
#124
○政府委員(蒲生芳郎君) 何と申しますか、それぞれの学問分野によりましてどの程度の先ほど申しました定員外にある者が採用されるかということにつきましては調べておりませんけれども、たとえば一番問題になります国立の大学病院の診療に従事するいわゆる無給副手の問題がございますが、この無給副手につきましては、昨年の三十七年の二月一日現在におきまして調べました数字では、国立大学で約五千五百名おるわけでございます。で、この無給副手の中には、御承知のように、自分の研究のために大学に行って教室で研究し、また、診療にもある程度携わるという者と、それから純粋に医療に従事している職員があるわけでございますが、それを合わせまして今申しました約五千五百三十名という数になっております。そこで、現在の大学病院、国立の大学病院の診療に従事する職員の必要数を、現在の患者数でありますとかへあるいは外来の診療等から考えますと、約四千三百名程度あれば、まあ最小限ではございましょうが、足りる。ところが、現実に診療を担当いたしております者の数が約二千六百人ございまして、そうしますと、差引いたしますと、約千七百二十名くらいの数が足らないという数字が出るわけでございます。この約千七百人の足りないものをどうするかということでございますが、これはいわゆる診療に従事する職員の新規増員、診療助手の増員ということで一面考えていきたいということで年々予算も要求いたしまして、わずかずつではございますが、ふえて参っております。それからその千七百人を全部フル・タイムのそういう職員で増員するという考え方でなしに、現在持っております構想といたしましては、千七百人のうちの三分の一を今の専任の職員として増員していく。残りの三分の二につきましては、これは週に二日程度のいわゆる非常勤の職員として手当を支給して参りたい。こういうことで現在考えております。なお、その専任の診療従事者の増員につきましては、三十六年度からわずかずつではございますが、ふやして参りまして、三十六年度、三十七年度までで百二人増員になっております。なお、三十八年度の予算案におきましては三十人の増員を要求しております。
#125
○鶴園哲夫君 そうしますと、今例として国立大学の附属病院をお話しになったが、それ以外に附置研究所、病院ではなくて附置研究所、それから国立大学自身、それぞれ先ほど官房長のお話しになったような問題がある。それらについて文部省としては、独自の調査をして努力をしておるという答弁になっておるわけです。ところが、今のお話を承っておりますと、例として附属病院を出されたわけですが、どうも独自の調査はされたようですけれども、それについて努力されたあとが全く見られない。見られないというと恐縮ですけれども、しかし、まあ三十人程度の増加ではどうにもならない。それ以外はどうなんですか、国立学校、国立大学は。
#126
○政府委員(蒲生芳郎君) 今おっしゃいました調査につきましては、三十七年度の予算ですでに始めておりまして、その集計もある程度まとまっております。なお、これは引き続いて三十八年度も行ないまして、二カ年で完成をいたしたいと考えております。この調査につきましては、個々の大学へ参りまして、そうして大学の人事課の帳簿等を調べまして、そうして個々にその職務の内容でありますとか、あるいはその勤務の状態でありますとか、そういうものを個々に調べていかないと的確なものがつかめませんので、現在サンプル調査をいたしまして、北海道大学とか東北大学、その他の数大学について調査をいたしまして、ある程度集計は出て参っております。
 先ほどお尋ねの点でございますが、定員外にある職員が今回新規増員の中にどのくらい吸収されるかということにつきましては、なおそれぞれの大学の事情なり、先ほど申しましたように、本人の学歴、経歴、能力等もにらみ合わせて大学において決定をいたしますので、どの分野にどれだけの定員外の職員が採用されるかという数字についてはまだ持ち合わせておりません。
#127
○鶴園哲夫君 私は、これはうんと本格的にやらなければならぬのに、そういう話では困ったのですね。ここで説明を承っておりますと、国立学校にしても、あるいは附属病院にしても、あるいは附置研究所にしても、それぞれ新しい施設ができてそして人員が増になると、その中に従来ありました、従来ここで問題になっておった者がどの程度入るのかということは、それは各大学の実情に応じて、あるいは資格その他いろんな条件に応じてきまるということなんですが、察するに、今おきめになった三千二百三十九名の人員でも新しい施設にとってはまだ足りない人員ではなかろうかというふうに思っているわけです。そこへもってきて、それ以外の者をまた吸収するということになりますと、また一つ大きなしわがこれらのところに寄るということにしかならぬのです。ですからやはり昨年問題にいたしました点を解決するというそういう姿勢が出てこない以上、どうも私は前進しないと思いますね。
#128
○政府委員(蒲生芳郎君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、ただ臨時的な職種でございますとか、あるいは農夫のような季節な職務でございますとか、これらについては短期賃金でまかなうとかいう方法しかございませんけれども、恒常的な職務に従事している者につきましては、一応は三十七年度までの定員化で吸収されたはずでございますが、なお、この三十七年度、三十八年度の調査によりまして的確な数字が出ましたならば、なお前向きの姿勢で人員の増員につきましても努力して参りたいと、かように考えます。
#129
○鶴園哲夫君 先ほども申し上げましたように、東京都内にある大学を二つか三つ取り上げて定員化は終わったとおっしゃるけれども、この三つの大学を例にとるならばこれだけの人員がまだおりますので、文部省としてはそういう者がいないと思っているけれども、それじゃ調査いたしましょうということで調査なさってこの委員会に報告があったのです。そうしましたら、私が申し上げたとおりの大体数字の人たちがいると、そうなると、全国の十幾つの国立大学を見た場合には、これは相当数のそういう人たちがおられるのではないかという推定が成り立つ。それは大学のみならず、附属病院あるいは附置研究所、いずれもそういう事態である。私は当時二万名ほどいるのではないかという説を出した。二万名はいないだろう、五、六千名はいるのじゃないかという文部省の話でもあったのです。がしかし、それについては文部省としては三十七年度予算を組んで独自で文部省として調査をする、そうしてそれについては努力したいということだったわけですね。ところが、今のを承っておりますと、何か三十七年度、三十八年度の二年のサンプル調査みたいなもので数字を計算されるということも、これはどうも私の期待感と、はなはだしくかけ離れているわけですよ。一応この問題についてはきょうはこの程度にとどめますけれども、ぜひひとつその点についてはもう一回この次の木曜日ですね、この問題についてはひとつやりたいと思います。
 なお、私、先般東大の病院の看護婦さんの集まりがありまして行ったわけですよ。そうしましたら非常に問題がいろいろあるのですね。あれは文部省としては、国立大学の附属病院の看護婦の問題については種々検討なさっていらっしゃるのでしょうが、ここには関係者いらっしゃいませんですか。非常な不合理な状態がたくさん残っておりますね。
#130
○説明員(板谷健吾君) 国立大学、市立大学あるいは公立大学の大学病院につきましては、文部省大学学術局の大学病院課でいろいろとその事務をとっております。したがいまして、看護業務等につきましても私のほうの課で所掌しております。現在まあ看護婦につきましては、一番問題になっているのは、定員が足りないというようなことを言われておりまして、これは御承知のとおり、保険診療におきましては、病床四つに一人というような看護でやっておりますが、御承知のとおり、大学病院では重症患者を取り扱っている。あるいは教育研究のこともやっておりますので、そのために非常にまあ看護の手もかかるというようなことがございまして、そういういろいろの問題もございますので、昨年の七月十八日から一週間にわたりまして、看護要員ばかりじゃなくて、診療要員といたしましては教授以下研究生、大学院の学生及び看護要員の看護婦以下つき添い婦まで、実態はどういうふうであるかというようなことを調査いたしまして、大体現在集計の段階になったのでございます。この結果から、さかのぼっては看護教育をどうするかという問題に始まりまして、現在のこの基準看護ではつき添い婦なくては病院ではできないというような数字も出ておりますので、これが改善をはかりたいと思っております。
#131
○鶴園哲夫君 それじゃ今の問題についてはその資料の整ったころにもう一ぺんこの委員会でひとつ、医療職の(三)ですね、医療職の日の問題についての論議をやりたいと思います。国立大学とか、東大であるということで、責任をあまり過重に看護婦さんに押しつける、古い形のものがそのまま残っている、もっとああいうものは合理的に処理すべき問題だと思うのですがね。どうも合理的じゃない。これは人事院も悪いですね。人事院も呼ばねばいけませんが、電話をかげてみたところが、人事院のほうも、厚生省の医療職の(三)――看護婦さん。厚生省関係は国立病院、これについては人事院も相当知ってはおるようです。文部省所管の国立大学の附属病院の看護婦さんの問題についてはやみくもだ、ほとんど知られていない。これは人事院も悪いのです。文部省はいろいろ仕事も多いでしょうが、しかし、係官というものもあるわけですし、もっと合理的に処理しなければいかぬですね。それはいずれその資料が整えられる、それはいつごろ整いますか。
#132
○説明員(板谷健吾君) 大体、現在集計を終わりまして、ガリ版程度ならば一週間もすればできる程度になっております。
#133
○鶴園哲夫君 それじゃ、この文部省設置法はいろいろたくさんの問題がありますから、ひとつ設置法はこれはあげないことにして、五月になってからそれらの問題も含めて――どうもいけないですよ文部省は、私はそういう印象を受けていますね。それは非常に広いという点もあると思います。病院の関係から、大学から、あるいは研究所からいろいろな広範な所管になっているという点もあると思いますが、あまりにも何かもたもたしているという印象を受けるから、別途その問題は質問しまして、きょうはこの程度にいたします。
#134
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#135
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。
 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 速記をちょっとやめて。
  〔速記中止〕
#136
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて下さい。
    ―――――――――――――
#137
○委員長(村山道雄君) 通商産業省設置法及び中小企業庁設置法の一部を改正する法律案を再び議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
#138
○鶴園哲夫君 ちょっと速記をとめて下さい。
#139
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#140
○委員長(村山道雄君) 速記つけて。
#141
○鶴園哲夫君 先ほど大臣いらっしゃらなかったのですが、特許の出願件数、それから審判官の請求件数の増加の割合、それから滞貨の累積状況、その点から審査官、審判官その他職員が不足しているという点の論議をいたしまして、この点につきましては、特許法が三十四年に改正になりましたときに、そういう職員の増加についての附帯決議がついておったのです。昨年この内閣委員会におきましても、全く同じ論議をいたしたのです。そうして今度の委員会になったわけですが、今度の委員会におきましては、さらに昨年より一そうの深刻さをもって、それの人員増加について要求したのです。もっと根掘り葉掘りというふうな審議もしなければならぬ点もありますけれども、この点について、附帯決議ということで、石原理事から話もございまして、したがいまして、この程度で終わりますけれども、どうも私の感じとしまして、政府機関としてあるいは人員をふやさないというような原則をおきめになりますが、しかし、私は全体としてはその原則はけっこうでありますけれども、実際それぞれの行政の実情からしまして、ふやさなければならぬところはふやしていかぬと、一番いい例は特許庁の場合には、具体的な例が出てきます。滞貨数が出てきます。一年間の処理能力ははっきりいたしているわけですから、今日種々特許庁で御答弁になりました、あるいは通産大臣がこれらの人員増加について、御努力をなさいました点についてはわかりますけれども、なお原則として人員をふやさないという壁もあったと思いますが、非常に不足しているというふうに思いますし、さらに、審判官それから審査官の待遇につきまして、昨年も種々論議があったのですけれども、思うようにいかない。で、調整手当はついておりますけれども、しかし、先ほど問題にいたしましたけれども、昇格がおくれる、同じ上級職の公務員試験を通って、一方は特許庁に来る。一方は通産省の技官となった場合に、その通産省の技官よりも、昇格が半年おくれる。これが過去七、八年の経過であった。そういう意味で、これはぜひひとつ、審判官並びに審判官の調整額の増加についても努力してもらいたいと思いますし、それから等級別定数、これも普通の行政官庁と違うわけでありまして、審判官あるいは審査官というのは、独自の判断と独自の見識をもってやるわけで、普通の行政機関とは違うわけですね。ある意味では裁判官的な判断、行政官とは違う地位にあるわけですね。その意味で等級別定数についても、本省と同じような考え方ではまずい、ラインによる特別定数ではなくて、プール制といいますか、スタッフ制といいますか、そういう意味の等級別定数としてぜひひとつ努力していただきたい。そういう点を一つ申し上げて、それからその他職員では、出版関係とそれから資料館の問題を取り上げて論議いたしましたけれども、いかにもこれも足りないという論議をいたしました。それについては、それぞれ長官の答弁もありました。ですが、大臣として、さらに一そうこういうものについて御努力をいただくように要望いたしたいわけですが、大臣のひとつ見解を承っておきたいと思います。
#142
○国務大臣(福田一君) 特許庁の人員の問題につきましていろいろ御配慮をいただいておって、まことに恐縮でございます。お説のとおり、定員の問題にいたしましても、昇給の問題その他御指摘の諸点につきましては、これはわれわれといたしまして、今後、人事院と十分ひとつ連絡とりまして、御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思います。
#143
○石原幹市郎君 先ほど来の鶴園委員の質疑と重複することがあるかもしれませんが、一、二点ちょっと私も最後にただしておきたいと思います。
 特許庁の出願の未処理の件数が、三十七年で三十六万四千件くらいになっておるかと承っておるのですが、これは、今の陣容態勢でこれを処理していくのに大体どのくらいの年月がかかるのですか。
#144
○政府委員(今井善衞君) 三十七年末で滞貨件数は三十六万四千件でございますが、大体それは、今の陣容で、今の能率でもって換算いたしますと、約二年六カ月ということに相なります。
#145
○石原幹市郎君 三十七年末で三十六万件残るのですかね。三十八年はまあこれから進行しておるわけでありますけれども、三十八年になると、三十八年末の未処理件数の予測ですね。これは、常識的に考えれば、もっとふえ、累増するのじゃないかと思うのですが、それは、長官としてどういう感想を持っておられますか。
#146
○政府委員(今井善衞君) 昨年の七月ぐらいから、やはり貿易自由化の空気を反映いたしまして、出願が非常にふえて参っておりまして、昨年の上半期におきましては、出願の増加は、一割、前年同期に比べまして一割程度であったのでございますが、昨年の下期は、ただいま申しましたように、激増いたしまして、三五%程度前年同期に比べましてふえております。でことしになりましてからも、一月、二月と、同じような傾向を示しております。審査のほうは、なかなかスピード・アップが簡単に参りませんので、できるだけ努力はいたしておりますけれども、なかなか思うようにいかないという関係で、現在の出願率がそのまま続きますと、非常に残念なことでございますけれども、滞貨件数はあるいはもう少しふえるのではないかというふうにわれわれ懸念しておる次第でございまして、したがいまして、短期的に人員をふやすとかなんとかのほかに、特許制度自体、根本的に、ほかに何かいい方法はないかということを審議会にかけて検討しておるような次第でございます。
#147
○石原幹市郎君 そうすると、審判のほうも未処理件数が一万五千件ですか残っているとかいうお話だが、これは大体どのくらいかかるわけですか。
#148
○政府委員(今井善衞君) 審判のほうは人員もふやしまして、幸いにして能率が昨年、一昨年に比べまして三割強上がっております。さような関係からいたしますと、一万五千件の滞貨を処理いたしますのに三年半かかるということになっておりますが、これにつきましては、審査と違いまして漸次滞貨の山をなしくずしにできるのじゃないかというふうに考えておる次第であります。
#149
○石原幹市郎君 これはまあ日本の裁判も、民事なんか十年裁判といったり、刑事でもそれぐらいかかると、やはりこういうことが国家に対する信頼を失うというか、法無視の根源になったり、まあ司法制度のほうじゃ暴力をめばえさす一つのもとじゃないかとまでいわれておる。この特許関係のほうでは、裁判とは違いますけれども、しかし、特許ということは、去年の国会でも論じたように、まあ産業発展の、あるいは科学発展の基礎になるものであって、これをこういう状態にしておくということは、これは私もなかなか由々しいものである。で、昨年の国会で佐藤榮作氏が通産大臣だったが、そのときにも附帯決議をしようかという話があったんですけれども、最後に大臣に質問するということで、佐藤通産大臣も事柄の重要性にかんがみて一そう努力するということを、ある程度まあ努力の跡もありまするけれども、今聞きまするように、特許のほうは約三年、今の未処理を処理するだけでも三年かかる。さらに三十八年にはもっと累増するであろう。それから審判のほらも、三年半もやはりもっとかかるというようなことでは、これはどうも待っておるほうの身になればたいへんだと思うのですが、大蔵省に要求する前に、省内でいろいろ予算の省議でもあるのだが、こういうところでも査定して削られたりするというようなことはおそらくないと思うのですけれども、しかもこの特許のほうは何か三億ばかり特許料で生み出していると、オーバーしているというような話も聞くので、裁判官であるとか、特許関係のこういう人であるとか、こういうものは人員の、単なる増加しちゃいかぬとかどうとかという抽象的のワクで片づけるべき問題ではないと私は思うのです。以上のような諸点について、通産大臣からもう一回見解を聞かしていただきたいと思います。
#150
○国務大臣(福田一君) 全く御趣旨のとおりと考えるのでございまして、実はこの前、私が閣僚に任命せられました直後の閣議においても、特許庁の人員問題について、前大臣の引き継ぎの問題も考えまして特に要求をいたした、閣議ではまあ特別に扱うということになっておったわけであります。その後まあいろいろの事情もございまして、十分とまでいかなかったわけでありますが、何といっても、何かこの今のような形で人数だけふやしてやれるのかということは非常にわれわれ考えさせられるわけでありまして、今長官からも申し上げておりましたとおり、何らかの特許の制度自体を考えていくというような方向でひとつそのほうにも重点を置いて研究をさしていただきたいと、かように考えておるわけであります。
#151
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#152
○石原幹市郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本法律案につきまして、附帯決議を付して賛成をいたしたいと思います。
 この附帯決議は、自民党、社会党、公明会、三派の共同提案ということで提案をいたしたいと思うのでありまするが、この際、便宜私から、その案文を朗読さしていただきます。
   通商産業省設置法及び中小企業  庁設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  特許庁における工業所有権に関する事務の迅速適確なる処理を図るため、審査官、審判官その他の職員の増員及び待遇の改善等については、本委員会においても従来より強く要望してきたところであり、政府もまた順次その措置を講じつつあるが、最近、特に貿易の自由化、技術革新等の影響により、特許等の出願件数は急激に増加し、その審査未処理件数は三十六万件を超え、また、審判の未処理件数も一万五千件に及ぶ実情にある。
  政府は、この事態に対処するため、産業発展の根幹をなすこれらの事務処理について、万全の措置を講ぜられたい。
  右決議する。
 以上であります。
#153
○委員長(村山道雄君) 他に御発言はあませんか。――他に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#154
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました附帯決議案について採決をいたします。
 本附帯決議案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#155
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。
 よって、石原幹市郎君提出にかかる三派共同の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、委員長に御一任願います。
 ただいまの決議に対し、福田通商産業大臣から発言を求められましたので、この際、これを許します。
#156
○国務大臣(福田一君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、御趣旨を体しまして、今後善処をいたして参りたいと存じます。
#157
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#158
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後四時十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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