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1962/06/04 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 内閣委員会 第21号
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1962/06/04 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 内閣委員会 第21号

#1
第043回国会 内閣委員会 第21号
昭和三十八年六月四日(火曜日)
   午前十一時二十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 五月三十一日
  辞任      補欠選任
   武藤 常介君  塩見 俊二君
   永末 英一君  田畑 金光君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     村山 道雄君
   理事
           石原幹市郎君
           下村  定君
           鶴園 哲夫君
           山本伊三郎君
   委員
           大谷藤之助君
           栗原 祐幸君
           源田  実君
           小柳 牧衞君
           林田 正治君
           鬼木 勝利君
           小林 篤一君
           田畑 金光君
  衆議院議員
   内閣委員長代理
   理事修正案提出
   者       内藤  隆君
  政府委員
   内閣総理大臣官
   房審議室長   松永  勇君
   総理府総務長官 徳安 實藏君
   宮内庁次長   瓜生 順良君
   皇室経済主管  小畑  忠君
   行政管理政務次
   官       宇田 國榮君
   行政管理庁行政
   管理局長    山口 一夫君
   行政管理庁行政
   監察局長    山口  酉君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   内閣総理大臣官
   房臨時在外財産
   問題調査室長  広長敬太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○総理府設置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員法の一部を改正する法律
 案(衆議院送付、予備審査)
○行政管理庁設置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。
 まず委員の異動について御報告いたします。去る五月三十一日、武藤常介君及び永末英一君が委員を辞任され、その補欠として塩見俊二君及び田畑金光君が委員に選任されました。
#3
○委員長(村山道雄君) 総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑に入ります。政府側より、ただいま徳安総務長官、瓜生宮内庁次長が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○田畑金光君 最初に、私総理府設置法等の改正に関連しながら、一部の問題をお尋ねしたいと思います。
 最初に総務長官にお尋ねしたいのは、農地被買収者問題調査会というのが、同設置法が昨年の六月三十日に失効して廃止になったわけです。この調査会については、たしか二カ年の期間、法に基づいて諸活動を進めて内閣に対する答申等も出してきた経緯を持っておりますが、今回同調査会が失効して、総理府令の改正も一部なされているわけです。率直にこの際お尋ねしたいことは、同調査会の設置目的というものは達成できたのかどうか、また同調査会の昨年六月政府に出した答申というものについて政府はどのように評価されておられるのか、これを端的に承わりたいと思います。
#5
○政府委員(徳安實藏君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、資料を実は十分持って参りませんので、もし必要でございましたら、あとからその資料等を整えて後刻御説明申し上げたいと思いますが、先般設けて、こざいました調査会は、御承知のように、全般にわたる調査でございませんで、抽象的に、抽出的な調査を行ないまして、はたしてこの農地被買収者の諸君の生活状態が現在どうなっておるか、困窮状態はどうなっておるかというような点を摘出して調査をさしたんでございまして、その結果によりますというと、しばしば本委員会においても御説明いたしておりますように、被買収者はそれほど困っていないとか、あるいはこれを救済するためには一応奨学資金みたいなものを、学資を貸してやったらどうかとかいうような事柄が数項出ておるわけでございまして、一応当時の調査といたしましては、その程度であの調査会は終わったわけでありますが、今回の調査は、私のほうの考えといたしましては、あの昭和二十一年から六年にかけまして、農地革命にもひとしいような大きな移動が行なわれておりますので、こうしたものをもう少し掘り下げて、実態を調査して、将来にも備えておきたい、記録に残したいと、こういうような形で最初出発をしておるわけでございます。それにつきまして政府のほうでも、総理も申しましたように、何とか処置をいたしたいという気持も総理もございまして、それにいたしましても、そうした調査を、ある程度の数字的にも全般にわたる調査をしませんというと、実態というものが明らかになりませんので、そういうものもこの際調査をし、また世論等も調査したらどうかという考え方で、先回調査いたしましたものと重複しないようにいたしまして、そして違った形で調査をしようということで、今部屋をこしらえて調査に着手いたしておるのでございます。
#6
○田畑金光君 そうしますと、同調査会がが廃止されると同時に、今度総理府組織令の改正によって、今お話しのように臨時農地等被買収者問題調査室というものが設けられたわけですが、この調査会と調査室というのはどういう関係に立つのか、実体的に調査会から調査室に継承するものがあるのかどうか、あるいは全然別のものとして、今度調査室は独自の立場で作業を始めていくのかどうか。その点ですね。もう一度明確にしていただきたいと思うのです。
#7
○政府委員(徳安實藏君) この調査会の報告書は一冊分ずつになりまして一冊のものになって出ておりますので、多分田畑委員もごらんをいただいておると思いますが、もし必要でございましたら、あとからお届けいたしますから、ひとつ見ていただきたいと思いますが、今度の調査は前の調査とは全く趣きを異にいたしておりまして、違った角度から調査をいたしたいということでございまして、先回のあの調査を決して無にするわけではございません。先回の調査は調査として十二分に政府は勘安もし尊重もしておるわけでございますが、今回の調査は実態を−ほんとうの実態を調査しようというわけでございますから、その調査には調査という言葉は違いはございませんが、内容は全く異なったものでございます。したがって、前回の調査も、政府といたしましてはしばしば申し上げておりますように、十分に参考とし尊重して考えておる建前でございます。
#8
○田畑金光君 政府としては、前回の調査会の答申については、今後とも尊重する建前ではあるが、しかし、今回の調査室の活動そのものについては、全然別個の立場において、見解において調査を進めていくのだという、こういうことでございますか。
#9
○政府委員(徳安實藏君) そのとおりでございまして、調査会の範囲、調査の仕方は全然異にいたしておりまして、今度の調査はほんとうの実態を個々についてするという考え方でございまして、それが完成いたしましたから、あの当時の大きな大改革が記録の上に残るように調査を完成したいと、こう考えておるわけでございます。
#10
○田畑金光君 現在そうしますと、調査室の調査を進めるにあたってのいろいろな基準等々があるかと思いますが、それはどういうような基準に基づいて具体的な調査を進めておられるのか、また、いつごろをめどに調査の結論を集約されようとなさっておられるのであるか、あるいはまたどういう手続を経てどういう国、地方の機関を通じ調査を進めていこうとしておるのか、そういう実情について説明願いたいと思います。
#11
○政府委員(徳安實藏君) ただいまこの当時買収いたしました状況でございますとか、場所によりましては被買収の実態も非常に異なっておるもの等もございまして、これを一つのワクの中に当てはめて調査をすることに非常な困難もございますが、しかし、実態を完全に調査したいということが目的でございますために、農林省や地方庁ともいろいろ折衝をいたして、ただいま案をこしらえつつあるわけでございまして、近く案ができると思います。で、それに基づきまして各地方庁を通じて調査をしていただきたい、かように考えておるわけでございまして、案が完成いたしましたら御報告をいたしたいと思います。
#12
○田畑金光君 そういたしますと、調査の基準についての案等、まだできていない、したがって、調査活動は始まっていない、こういうことにお聞きいたしますが、具体的にはいっごろから始めるのか、また、その調査をするにあたってはどういう手続、方法をとって進めていこうとするのか、その辺はどうでございましょうか。
#13
○政府委員(徳安實藏君) 大体今申し上げましたように準備中でございますので、といっても、あまりおくれても困りますから、大体十日、十一日ごろをめどにいたしまして、そのころまでには一応の様式というものをきめまして、そうして各地方のこの問題に関係される当務者を東京においで願いまして、そうして調査の記入等に対する説明と申しますか、それを開きまして、そうしてあるいはまたいろいろ御意見も出ましょうから、そういうものを参考にしまして、そうしてそういう要旨を印刷に付して、全国の市町村にお願いをするという形をとりたいと考えておりますが、大体今申し上げましたように、十日か十一日ごろをめどにして、地方の関係者を東京においでを願って説明をし、意見も聞きたいという程度までは進んでいるわけでございますが、その後、じゃあいつから、そういう印刷物が早くできて、いつからいつまでに調査を完了するというところまでにはまだめどがついていないわけでございまして、まあなるべくなら急いでやりたいという気持もございますが、非常に複雑ないろんな問題がありますので、私どもの考えているとおりに運ばないかもしれませんが、できるだけすみやかに実態をつかむことだけはいたしたいと考えております。
#14
○田畑金光君 この問題は三十八年度予算審議にあたっても大きな政治的な論議を呼んだ問題でもありますし、また、国民が非常に関心深く見ている問題でもあるし、また政府等、与党の中の意見も相当そごし、また対立した問題もあったわけですが、そういう調査の成果について、しからば今後具体的に政府の政策にどう反映するかという問題、また、来年度の予算についてどのようにこれを扱うという問題等については、この調査室としては、あるいは内閣としては、政府としては、三十九年度の予算措置等については十分間に合うような、そういうスケジュールのもとに事を進めていくのかどうか、その辺はどうでしょうか。
#15
○政府委員(徳安實藏君) 別に総理のほうから何日までというお指図も受けておりませんが、事務的にはなるべく早く実態をつかむような事務的な進め方をしているわけでございまして、それが完成いたしましてから、政府としましてはその実態に基づいて御相談の上、閣議で決定をし、もし何らかの処置をとるということになりますれば、国会に法律案なり、その他の方法によって御審議を願うことになろうかと思います。
#16
○田畑金光君 その点は、よしあしは、あるいは評価の問題は、今日は論議いたしませんが、この調査室の問題はそれにとどめて、次にもう一つ、今の調査室と同時に、政府は総理府組織・令の一部改正によって臨時在外財産問題調査室というのをば総理府本府の大臣官房に設置されたわけです。この設置というのが、たしか四月の上旬であったと思いますが、閣議決定に基づいて、臨時在外財産問題調査室が設けられた。われわれ新聞でこれを見たわけです。この調査室の設置された社会的、経済的と申しますか、ないし政治的な背景というものは一体何かという問題です。この点について、これが直接担当されているのは総務長官でありますが、そういう社会、経済的な事情等について、政府の見解というものをこの際明確にしておいてもらいたいと思うのです。
#17
○政府委員(徳安實藏君) この問題につきましても、私の手元限りにおきましては、その後における情勢等を、実態をつまびらかにするという意味で調査室を設けたわけでございまして、その処置等につきましては、その在外資産に対する問題をどうするかという政治的な問題につきましては、今後に残された問題として研究をされると思います。私のほうでは、閣議決定の基本的な考え方は、かつて調査会ができまして答申をいただいたのでありますけれども、その答申は、補償責任の有無については断定を下すに至らなかったというようなことでございまして、中国、朝鮮、これは南北を通じてでございますが、そういうような地域にあります財産が一体どうなるか、その権利、義務はどうかというようなな問題、その後の国際情勢の変化等もございまして、これは法律的にも非常に困難な問題があるようでございます。こうした問題は政府の考え方だけではもちろんいけませんので、国際関係の専門の諸君の御意見も聞かねばなりませんし、それから海外の情勢等も承知をし、あるいは今後における国際あるいは国と国との外交関係においていかに処理せらるべきか、しかも、その責任は政府が負うべきかというような問題も今後起きてくるような問題でございまして、こういう事柄が一切がっさい先回の調査会では不問に付せられて、今日の段階ではそこに断定を下すに至らなかったという報告を受けておるわけでございますので、そういう問題も実はほうっておくことはいけないという考え方から、ある程度結論づける一つの資料というものを整えることが必要ではなかろうか。御承知のように、日韓問題も今交渉の過程にございまするし、そうした問題につきましても、向こうに残された財産というものが条約によって放棄ぜられておる、一体それは、もう個人々々は、政府がそういうことをやった以上は全然取りつく島がないのかどうかというような問題もございまして、そうした問題についても、学者の間には意見が相当あるようでございます。そういうようなものを、先回はほんとうのわずかな期間でくくりをつけておられますので、そういうような問題も相当重要な問題でございますから、研究もし、また、海外における財産がその後どうなっておるかということも外務省を通じて調査もし、調べておこうという、そういう考え方で調査室をこしらえたわけでございまして、その後の変遷等に伴って海外における私ども同胞の財産がどういう形にあるか、しかも、その権利を今後どういうように主張すべきか、あるいはせざるべきかというような問題を掘り下げて研究してみたいということで、特にこの問題は外務省関係が主でございますから、外務省関係から資料をもらいまして、ただいまそちらを通じてそういうものを調査しようという形でございますが、これも何しろ専任者がございませんで、各役所の諸君を兼任者の形で来ていただいておりますから、そうどんどんはかどってはおりませんけれども、しかし、事務的には準備の段階でございますので、もう少し詳しいことが御必要でございましたら、当務者からひとつ御説明申し上げまして御理解を得たいと思います。
#18
○田畑金光君 今総務長官の答えられましたように、在外財産の問題というのは、いろんな角度から検討を、また追及されねばならぬ問題であるわけです。丁へについて申し上げることは控えますけれども、それなるがゆえにこそ、私の疑問とするところは、それだけ各般にわたる問題を取り扱う機関として、一調査室でできるのかどうか。しからばお尋ねいたしますが、その調査室というのは、どのような陣容と規模のもとに、また、それだけ広範な問題を扱うとした場合、たえ得るのかどうかということを強く疑問に思うわけです。この点についてひとつお答え願いたいと思います。
#19
○政府委員(徳安實藏君) ごもっともな御意見です。これは非常に大きな問題でございまして、事務的には解決のつかぬ問題でございまするし、また、国内的にも解決のつかぬ問題だと思います。したがって、一応の道筋は整えまして、このささやかな調査室で取り上げますが、いよいよ本問題になりましていろいろな困難な問題があり、大きな問題を解決しなければならないようになりましたならば、こんななまはんかなことはいけないのではないかと思いますが、これはもうしばらくひとつ推移を見た上で御相談なりいたしたいと、かように考えております。
 組織の内容につきましては、今、室長が参っておりますから、そちらのほうから御説明を申し上げたいと思います。
#20
○説明員(広長敬太郎君) 御説明いたします。政令で定められております調査室の仕事の内容は、第一にいわゆる在外財産に関します各省庁の事務の連絡でございます。第二は、他の行政機関の所掌に属しません事務のうち、在外財産問題に関する調査、企画、立案でございます。第一の点で申し上げますというと、ただいま田畑先生から御質問がございましたように、調査室だけではなかなか十分に陣容も整っておらないしするので、やっていけないじゃないかという御懸念があるかと思うのでありますが、在外財産問題に関します仕事は従来各省庁においてそれぞれの行政組織法上任務と権限を持ちましてやってきておるわけでございますので、それらの事務の総合調整をやるという意味におきまして、実は各省庁の事務の連絡調整を通じまして、各省庁の個有の権限と任務のもとにおいての事務を促進させようというねらいがあるのでございます。しかしながら、それだけではまだ漏れておるところも出るかと思われますので、第二の任務といたしまして、私どもの室でもって独自にやるべき問題があれば、この問題につきまして調査室独自に調査、企画、立案をするというような建前になっております。人につきましては、定員増が認められておりませんで、現在室長を含めまして各省から兼任を含めて全部でもって六名でございます。それから、その中で班を三つに分けておりまして、総務と調査と連絡というようにして、それぞれ二名ずつ充てております。以上です。
#21
○田畑金光君 調査室の所掌事務、これからやっていこうとする方向についてはわかりましたが、私がお尋ねしたことについて、先ほど総務長官は、これだけ大きな仕事を取り上げていくのに、なかなかこの貧弱な調査室では問題が背負い切れぬ、その場合にはあらためてその時点において考えると、こういうお話があったわけです。これも新聞でありましたが、私たちの承知しているところでは、政府としてはこの問題については問題の内容というものが非常に広範にわたり、法律的に、あるいはまた外交上の問題、あるいはまた財政上いろいろな問題にまたがってくるので、もう一度在外財産問題審議会を総理府の附属機関として設置しようじゃないかという意見が政府部内であったと聞いておるのです。しかし、それがいろいろな事情を経て調査室になったわけです。ところが、今の総務長官の答弁の、調査室で背負い切れなければまた別のことを考えるというようなことは、しからば、もう一度調査室から審議会設置の方向に将来いくことも予測されておるのかどうか。また、見方によっては、調査会を省いて調査室を中心に問題をもっと積極的に前向きで解決するという意味から、発展的に調査室というものを持たれたのかどうか。その辺の事情が先ほどの長官の答弁では混乱してきましたので、その辺の事情をもう一度しかと御説明を願いたいと思うのです。
#22
○政府委員(徳安實藏君) 在外資産の問題につきましては、先ほど来から申し上げますように、非常に複雑であり、また事内地だけではございません。むしろ外地のほうが重要な地域になっております。しかし、現在ではまだ外交上条約の結ばれていない地域も、御承知のとおりございまして、そういう事柄が解決しませんと、根本的な解決もつきがたいことも御承知のとおりでございます。そういうような点等にらみ合わせまして、第一回の調査会の答申をただそのまま受け取って、その後の推移をながめておったという形でございまして、一時五百億円の金は見舞金として出したのではございますが、その後の進展というものはなされていなかったわけであります。しかし、だんだん情勢も変化してきておりまするし、また、外交関係も正常な姿にもなりつつあることもありますので、ほうっておいてはいけぬという考え方は、わが自民党にも、あるいは社会党にも、そうした考え方がおありのようでもありますし、また私もそう考えております。そこで、この問題をほんとうに根本的な解決をしますためには、あるいは法に根拠を置く審議会等によって強力に推進する必要があるということも、将来は私は考える時期が来るのではなかろうかと考えております、ことによりましては。しかし、ことによれば、明瞭だ、もうそこまで仕事がなくて、要は政府の考え方一つだというようなことにもう進んで参りましたならば、そういうことの必要はないかもしれません。もうしばらく現実をながめながら、そうして外交関係のそうした問題をおろそかにしないようにしながら調査を進めていく。そうして適当な機会がございまして、もうこの際は踏み切ってこういう措置をとるべきだということが朝野に一致する意見になりましたならば、決して審議会を作ることもいなむわけではございませんし、また、これらの問題を処理する上において政府も決意することもあるいはあり得ると思うのであります。非常に事柄が大きい事柄でございますので、調査会が一応ケリをつけて、答申を受けた、そのままほうっておいたということでございますから、これはほうっておいてはいけない、引き続いてやはり連続してそうしたものの調査も継続する必要があろうということで、こそく的ではございますが、この手段をとっておるわけであります。今後の推移によりましては、もっと飛躍的な処置をとることも、あるいは現実の問題として考えられる事態が来るのではないかと思いますので、これも今しばらく、そういたしますと約束もできないわけでございまして、もうしばらく実情等を把握しながら推移を見守って、その上で御相談をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#23
○田畑金光君 いろいろお答えがありましたが、これを要するに、総務長官の答えられておることは、第一次答申以来、いろいろ情勢の変化があった、内外における情勢の変化もあった、またこの問題を中心とする国会におけるいろいろな審議、論議もあった、そういうようないろいろな情勢等を背景として政府はこの調査室設置に踏み切った、今後のこの運営については、在外財産問題の解決については、もっと積極的な気がまえで、前向きで取り組んでいこうとする態度で臨むのだと、このように解釈してよろしいのでしょうか。
#24
○政府委員(徳安實藏君) 対外的関係につきましては、もちろんそうあらねばならぬと考えております。
#25
○田畑金光君 室長から先ほどお答えがありましたが、現実に室長の答えられたような仕事をやっておるわけですか、始めておるわけですか、これからやろうというのですか。先ほどの被買収者問題調査室でもお聞きしたように、これから基準も作って、これから始めるというのかどうか。その見通しとか、めどとか、そういうことはどうなっておりますか。
#26
○説明員(広長敬太郎君) 御説明いたします。調査室が四月六日に発足したのでありますが、その後、ずっと従来の審議会における経緯と、それから各界からの陳情その他の資料をまず整理いたしまして、各省とも相談しつつ問題点の整理を従来やってきております。いわば、そういう在外財産問題が非常に複雑でございまして、たとえば平和条約の適用されている地域と適用されておらない地域、適用されておる地域におきましても、平和条約の四条の問題であるとか、十四条の問題であるとか、十六条の問題であるとか、それぞれその処理の状況が異なっております。そういうものでございますので、まずその問題の整理をいたしまして、そして現況がどうなっておるかということを明らかにする必要があると考えまして、現在はそれをやっております。この問題が整理されますというと今後はこの問題についてどういう工合な――どういう法律的な問題があるか、また、どういう社会的、経済的な問題があるかというような点について今後は調査を進めていきたいというように考えております。その基準調査の完了の目途等につきましては、目下、各省庁の事務能力とも関係もございますので、おりおり相談いたしまして決定しつつありますが、まだ結論に達しておりません。近く結論が出る見込みでございます。
#27
○田畑金光君 この問題については、お尋ねするといろいろ相当に問題がありますので、きょうは、直接この調査室の問題でもなさそうですから、まあ関連質問でありますので、この程度でとどめて、また別の機会にいろいろと条約問題その他については所管大臣等にお尋ねしたいと思うのです。
 そこで、私、今の点はこれでけっこうですが、総務長官にお尋ねしたいのは、今度のこの法律改正−設置法の改正によれば、総務長官を認証官にする、こういうこの問題ですが、これについて若干お尋ねしたいのは、官房長官についても同様でありますが、「総務長官は、国務大臣をもつて充てることができる。」こうなっております。それで、今度かりに総理府設置法の第十九条に二項を新たに挿入して、「総務長官の任免は、天皇が認証する。」、とこうなっておりますが、しかし、総務長官は従前どおり、「国務大臣をもつて充てることができる。」という従来の第二項、今度の改正による第三項はそのままになるわけです。そうしますと、今後総務長官で、ある人は国務大臣として取り扱われ、ある人はやはり国務大臣でなく総務長官という、そういうふうな仕事を担当する、こういうことになると思うのですが、そういうことになるわけですか。
#28
○政府委員(徳安實藏君) 「国務大臣をもつて充てることができる。」ということになっておりますから、総理が国務大臣にしようというお考えがございますれば、これはもう国務大臣になりますれば、別に総理府総務長官というものを認証することはございませんで、これは国務大臣として認証を受けてしまうことになりますからいいと思います。しかし、国務大臣でない総務長官という場合になりますと、総務長官としての認証を受けるということになるのではなかろうか。これは私あまり法律のことは詳しくございませんで、もし詳しいことがなんでしたら、法制局から御説明いたしますけれども、私どもはさように考えております。
#29
○田畑金光君 それで、これは失礼でrけれども、徳安総務長官は現在は国務大臣として総務長官に任命されておられるのですか。
#30
○政府委員(徳安實藏君) 御承知のとおり、まだそうではございません。
#31
○田畑金光君 国務大臣というわけじゃなくして、総務長官の地位にあられると、こういうわけですね。
#32
○政府委員(徳安實藏君) そうです。
#33
○田畑金光君 そうしますと、総務長官の任免というのは、これなんですか、官吏の任免、叙級、休職、復職その他の官吏の身分上の事項に関する手続に関する政令第一条によりますと、「法律又は他の政令に特別の定のある場合を除いては、一級官吏の任免、叙級、休職及び復職は、主任大臣の申出により、内閣において、これを行う。」そうしますと、これに基づいて総理府の主任大臣である総理大臣の申し出により、内閣が今の総務長官を任命したと、こういうことになるわけですか。
#34
○政府委員(徳安實藏君) 私と官房長官は、閣議におきまして決定して、辞令をいただいたと、こういうことになります。
#35
○田畑金光君 そうしますと、たとえば、閣議が今まで毎週開かれておりますが、そういう席に内閣官房長官と総務長官は出席されておりますが、あれは閣議を正式に構成し得るメンバーというわけじゃなくして、内閣官房長官なんか特に内閣法に基づいて重要な仕事がなされておるわけでございますけれども、そういう場合には、これは閣議の構成員じゃなくして、どういう立場で閣議に参加されることになるわけですか、法律的には。
#36
○政府委員(徳安實藏君) 今お話しのように、構成メンバーではございませんから、閣議がもし賛否を決せねばならぬような場合等がございますれば、おそらく私と官房長官はその数には入らぬと思います。まあ総理の介添役といいますか、あるいはオブザーバーといいますか、長い間の習慣によって、官房長官と総務長官は閣議に入って発言もできまするし、意見も言うことができるということは、長い間の習慣のようでございますから、その習慣に従ってやっているわけでございますが、国務大臣でございませんから、国務大臣としての立場においてやりますことは一切二人はのけておられるわけであります。
#37
○田畑金光君 そうすると、従来まではオブザーバーという立場でわかりやすい言葉で言うとオブザーバーということで閣議にもお二人は出席されていたと、こういうことで理解してよろしいわけですね。
#38
○政府委員(徳安實藏君) 私は法律家ではございませんので、はたしてその言葉が適当であるかどうかはわかりませんが、まあ常識的に言えば、あるいはそういうことじゃなかったかと思います。
#39
○田畑金光君 今度の改正の趣旨が、総務長官は国務大臣をもって充てるという重要な地位にかんがみて認証官にする、こうなっておりますが、しかし、将来とも国務大臣でない場合も、これは出てくる−わけです。また、ある場合は国務大臣をもってということになるでしょうが、しかし、国務大臣なるがゆえに認証官にするということになれば、この第十九条第三項の「国務大臣をもって充てることができる。」ということと、どうも認証官というこの関係を見ると、趣旨不徹底というか、一貫しないような感じを私は受けるわけですが、問題は、国務大臣をもって充てる地位だから認証官にするというのではなくて、総務長官あるいは官房長官の所管している事務というものが、非常に内閣全体にとって重要な事務であるので、そういう立場から認証官の地位がふさわしい、こういう理由ならば、これは納得できるのです。しかし、この提案理由の説明を見ますと、「国務大臣をもって充てることができる。」という地位だから認証官にするのだ、こうなっている。私はこれはおかしいじゃないかと思う。官房長官のお仕事、総務長官のお仕事は、非常に重要な仕事であり、内閣の運営からいっても、これはその他の各省事務を扱っている閣僚と同じくらいに重要な仕事を扱っている。その仕事の重要さにかんがみて認証官にする、こういうことならばこれは筋が通るのですけれども、どうも私がこの提案理由の説明を見ますと、おかしいのですけれども、これはどのように考えておりましょうか。
#40
○政府委員(徳安實藏君) 今田畑委員のお話しのとおりでございまして、そういう意味で認証官にしようという考えでございますが、しかし、説明の仕方が二つありまして、そういう重要な職であるから閣僚をもって充てることができるというようにも考えられてあの法律ができているのだというような工合に考えていただきましてお考え願えばいかがかと思いますが、今お話しのように、まさしく重要な職務をつかさどっておりまして、閣僚とそれほど相違ないような仕事をしているのだ、であるから認証官にしてやろう、こういうような考えでこの法案が出ていることに間違いはございません。
#41
○田畑金光君 そういうことならば、提案理由説明にも、そういうような角度から書いていただきたいと思う。私が読んでみると、国務大臣になれる地位にあるのだから認証官にするのだというように書いてあります。もし私の言うような気持から認証官にしようというならば、そのようにひとつ提案理由の説明を改めてもらいたいと私は思う。私の読み方が違っているのかどうか知りませんが、そういう感じを持つわけです。
 それから、総務長官にお尋ねしたいことは、この認証官というのは、法律的、政治的にどういう意義を持つか。私はよくわかりません。ただ、憲法第七条の天皇の国事行為の中で、その第五項に「国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。」、ここに認証という言葉が出てきているわけです。この憲法の第七条の天皇の国事行為に基づく高級官吏等の認証手続、これはいわゆる認証官ということになるかと思うのですが、認証官にするかしないかということが、国務大臣になれる、国務大臣をもって充てる重要な地位にある総務長官あるいは内閣官房長官、こういう人方の権威を高めるのだ、認証官にするとかしないとかということによって権威がつくとかつかぬとかいうようなことが、またひとつ私は疑問を持つわけです。と申しますのは、天皇の認証行為というのは、これは単なる手続的な行為であって、総務長官が内閣から任命されたとか、あるいは国務大臣をもって充てる、総務長官が内閣総理大臣から任命された、その任命行為そのものについての実体的にそれが有効か無効かということは別に認証とは関係ないことだと思うのでr。認証行為というのは、単なる形式的な、手続的な、私は天皇の国事行為だと思うのですが、それに非常に強い権威と威厳というものを感じておられるということ、これはある面からいってけっこうなことでもあるし、そういう国柄だというなら、それもけっこうですが、どうもその辺が私には理解できない面があるわけです。天皇の持つ伝統的な威厳と申しますか、あるいはまたひとつの権威と申しますか、そういう権威や威厳に裏づけられた官吏という意味で、認証官としての総務長官あるいは官房長官、これは今後仕事の上においても非常にそれでやりやすくなるのだというようなことになれば、これはまた別ですが、この点は、今度認証官になられる総務長官の御心境をひとつ承っておきたいと思うのです。
#42
○政府委員(徳安實藏君) いろいろと御高説を拝聴いたしまして、私ども野人なものでありますから、法律的な解釈につきましてはあまり深く知らないのでありますけれども、その法制局の見解として示されておりますものは、非常に法律的ないろんな文字が使われております。私どものみ込めないような点もあるわけでございますけれども、結局天皇の国事行為でありますと同時に、格上げをしてやる――すなおに言えば、格上げしてやるのだという形としか考えられないわけでありまして、認証官になりましたから仕事がふえるかと言えば、ふえるわけでもございませんし、ただ地位が高いと言えば語弊がありますが、国家の奉仕者としての立場からいって、一番高い者が、順次、ある程度の層だけが認証官になっておるという現実から見まして、ここには荘重性を加えると書いてあるけれども、荘重性を加えるというようなことも、私もどういう意味だかよくわからぬのですけれども、国民の象徴である天皇が認証されることが、国民に対する私ども仕事をする上において荘重さを加え、権威づけるのだというような意味において、現在この制度がある、総理以下各これに関係するような最高の責任者は、そういうことによって国全体から高く認められておるのだというような形、それから、外国に対しましてはやはり天皇の代理として、あるいは国の代理として認証を受けておることが信任状などを出す場合等を考えて必要なんだというような考え方、そういうようなことから認証が生まれてくると思いますから、私どもははたしてそういう地位の高いところに該当するものであるかどうかにつきましては、見る方によって考え方も異なると思います。私どもも不敏でありますから、私自身がそういう地位につけることが妥当であるかどうかはわかりませんが、一応内閣としましては二人、この際、そうした地位に置いてもいいのじゃなかろうか、格上げをしてやろうという気持等も加わってこの法案が出た、かように考えておるわけでございます。それ以外の問題につきましても、認証制度についてはいろいろ意見もあるし、また、今後に持ち越された問題もたくさんございます。現に私どもは現在の立場では国務大臣でもございませんし、認証官でもございません。しかし、私の直接に付属しております機関には認証官である方があり、いずれも給料等もずっと下回っておるというような、考え方が非常に不均衡がございます。これは、ただそのときそのときに思いつきのままでできたものもあるらしく考えますので、こうしたことは国の大きな立場から考えてもよろしくないことでありますので、一応こうしたものも取り調べをいたしまして、国民が理解するような、納得していただけるような制度にしなければいけぬということで、先般の閣議の申し合わせによりまして調査会をこしらえまして、官房長官が主宰者になりましてこの問題に取り組んでおるわけでございまして、まあ、その結論を待ってからでもおそくはないと考えましたが、とりあえず官房長官と総務長官だけは格上げしてもいいじゃないかという御意見で、こういう法律案が出たと私どもは理解して説明しておるわけでございます。
#43
○田畑金光君 私は徳安総務長官くらいのりっぱな方であれば、認証官に、あるいはそれ以上に格上げしても、十分それにたえ得られる人望の厚い方だと思っているので、徳安総務長官の認証官に私は大賛成ですが、ただ、認証官というと、私は先ほど申し上げたようないろいろな権威とか、威厳とか、そういう問題との関連を見ますと、いろいろな疑問も出てきますのでお尋ねをしたわけですが、そういうような点から見ますと、御趣旨の点から見ますと、たとえば内閣の法制局長官という地位ですね、これは内閣のあのたくさんの法律案とか、あるいは政令案、条約案の審議、立案、こういうような、あるいは内外法制の調査とか運用に関する問題これを見ますと、これまたたいへんな役職だなという感じがするわけですね。今の林法制局長官を見て、認証官にふさわしいかどうかということは別です。そうじゃなくして、内閣法制局長官という地位は、やはり内閣の官房長官や総務長官、あるいはこれに次ぐ法制局長官というようなことで、これもやはり、認証官というような、やるならばやってみたらどうかという見方も出るわけですが、どうしてこれは落とされたわけですか。
#44
○政府委員(徳安實藏君) その経緯等は、私はつまびらかにしておりませんが、伝えるところによりますれば、まさしく今お話しのような意見も出たようでございます。ただ、ほかの一般職というものと特別職との関係がございまして、法制局長官をそういう工合にすると、ほかにも関連するものが多少出そうな関係がありまして、そういうものを加える調査研究をしようということになって、一応とにかく留保みたいな形になって研究課題になっているようでございます。まさしくお話しのように、私どももそうあるべきではないかというふうに考えますが、これは次の機会に必ず皆様方にまた御審議を願うようなことになろうかと思います。
#45
○田畑金光君 終わります。
#46
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#47
○委員長(村山道雄君) 速記を起こして。
 午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
   ――――・――――
   午後一時四十七分開会
#48
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を再開いたします。
 総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き、これより質疑を行ないます。政府側よりただいま瓜生宮内庁次長寸小畑皇室経済主管が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#49
○鶴園哲夫君 昨年設置法がかかりましたときに、宮内庁の勤務状況を伺ったわけですが、その際に、各行政機関、各省と比べてみまして、一つの大きな問題として、なかなか任官がはなはだしくおくれているという点を伺いまして、それについて努力をしていただくということになっておったように記憶いたしておりますが、さらに勤務の状況についてのこまかい点がはっきりしませんでそのままになりまして、いずれ機会を見ましてまたお伺いいたしますということになっておりました。今回、総理府設置法等一部改正の中で宮内庁法の改正が出ましたので、この際、それらの点について重ねまして伺いたい、こういうふうに思っております。
 で、初めに出しました任官の問題は、その後どういうような形になっておりますか、その点をひとつお伺いいたしたいと思います。
#50
○政府委員(小畑忠君) 昨年鶴園先生からいろいろ御質問を伺ったのですが、その後、その点につきまして内部でいろいろ先生の御趣旨の点を研究いたしまして、最初の任官等がほかの省と比べまして非常におくれているというふうな点につきましても、関係各省のほうと十分先例なんかを調べました結果、非常におくれております点につきまして、新高卒あるいは国家公務員試験の初級合格者、あるいは中級合格者等につきまして、たとえば事務系統につきましても、新高卒につきましては二年とか、国家公務員試験の合格者については一年とか、あるいは中級合格者については直ちに任官をさせるというふうなことに相当改めておる次第でございます。
#51
○鶴園哲夫君 それでは次に、あの際残りました勤務の状況でございますね、これは平常な状態をまずお尋ねをいたしたいわけです。御陪食であるとかあるいは晩餐会とか、そういうときではなくて、平常な状態においての五時以降の勤務ですね、非常にたくさんの方々が当直という形で残られるというふうに見受けられるわけです。この平常な状態の場合、普通の状態の場合、そういう場合にどの程度の人員が五時以降の宿直という形で、当直といいますか、そういう形でお残りになるのか、それをまずお尋ねをいたしたいと思います。
#52
○政府委員(小畑忠君) 平常の状態でございますけれども、これは一般公務員と同様に、八時半から五時までの勤務というふうなことになっておる次第でございますけれども、その後宮内庁の特別な関係もございまして、内廷等におきまして御私生活等の色彩も多分に入っておりますような関係もございまして、大体全員で九十四名の人間を宿直員として泊めておるというようなことでございます。
#53
○鶴園哲夫君 九十四名程度の方々が午後五時以降の宿直あるいは当直ということでお残りになる。で、その場合に、残られた方々というのは火の見回り、あるいは盗難予防のために見回るとか、普通行政官庁でやっております当直とは違った職務をやっておられるのじゃないかというふうに思うわけでありますが、それは皇宮警察がございますからして、盗難とかあるいは火事とか、そういうようなものについてこちらのほうでおそらく担当されるのじゃないかと思います。そういたしますと、この残られる方々は就寝まで、休むまで、主としてどういう仕事をなさるのか。九十四名残られる中でいろいろの職種の方が残られるでしょうからして、違う面もあろうと思いますが、大体言いまして、寝るまでの間どういうようなことをなさっておられますか、それをお伺いいたします。
#54
○政府委員(小畑忠君) ただいま鶴園先生からお話がありましたように、宮内庁におきます宿直員の勤務関係、これは各部局にわたっておりまして、その中には、先生が今おっしゃいましたように、本来人事院規則で定めましたとおりの職務以外の用務をもちまして泊まっております者、たとえば官房当直員というふうな者、あるいは官房の秘書課におります当直員だとか、あるいは正倉院事務所あるいは京都事務所等におきます宿直員といいます者は、人事院規則に定めますような本来の職務以外の庁内取り締まり等の用務をもって泊まっておりますものでございますが、この侍従職あるいは東宮職等の配膳員その他のこと等に従事いたします者は、本来の職務を継続してやっているというような分野が大多数ではございますけれども、兼ねまして、要員も夜間等は少なくなるような実情でございますから、官房当直その他と同じような形態におきまして仕事に従事しておる、こういうふうな実情でございます。
#55
○鶴園哲夫君 長官官房その他の書陵部、そういうところの夜間宿直される方々は、人事院の規則できめる各行政機関の宿直その他とほぼ同じようなものである。しかし、侍従職あるいは東宮職、それから管理部の中の大膳官というようなところは、そういうことになるのではないかと思いますが、そういうところで宿直をされる人たちは、普通一般行政官庁で行なっている宿直に該当するもののほかに、日常の昼間の仕事といいますか、午前八時半から午後五時までの昼間の仕事を大体同種の仕事をやっているというようなことになるわけでございますか。
#56
○政府委員(小畑忠君) 大膳員あるいは侍従職等に勤務いたしておりまして当直をいたしております者は、先生のおっしゃるとおりでございますが、ただ、しからばなぜそういうふうな者に対して超過勤務の取り扱いをしないかというふうなことが非常に問題になるわけでございますけれども、そういう方々、この大膳の配膳員とか、あるいは厨房の料理人等でございますけれども、これはその一定の時間的な関係におきまして、本来の職務に従事する、こういうふうな関係が起こってくるわけでございます。しからば、その時間だけ特別に勤務−退庁時間後に、その時間に重ねて出勤を要求いたしまして勤務に従事させる、こういふうなことが非常にあるいは人事院規則の要請に合致するというようなことに相なるのかもわかりませんけれども、それはそういうふうな方々は、あるいは遠方から通っているとかいうふうな、いろいろ各人の情勢が違っております。でございますから、五時以降の当直勤務という取り扱いにおきまして、大体本来の職務に従事する、こうい形態に相なっているわけでございますが、これはあたかも秘書課その他官房等に勤務いたしております当直員の関係と実態的に非常に似た関係に相なってくるものでございますから、そういうような関係におきましても、宿直勤務というような取り扱いにおいて整理いたしておるというのが実情でございます。
#57
○鶴園哲夫君 平常の状態におきます午後五時以降の勤務状態について今お尋ねいたしたわけですが、これは土曜日の十二時半、あるいは日曜、祭日等におきます日中等におきましても、ほぼ同じような状態にあるわけでございますか。役所の場合におきましては、普通の行政官庁におきましては、土曜日の十二時半以降、それから日曜、祭日におきます日中、それから夜間、いずれも普通の宿日直と同じような状態になっているわけですね。ですから、今お話しのような平常の日の午後五時半以降の勤務、それはおそらく午後十時までであるか、九時までであるかよくわかりませんけれども、その状態の仕事というのは、土曜日半日それから日曜、祭日の宿直者とほぼ同じような勤務の状況と見ていいわけでございますか。
#58
○政府委員(小畑忠君) 土曜日の午後勤務いたすものとそれから日曜日等におきますそうした当直員の従事いたします仕事は、これは全く平常の勤務状況と同じであると、こういうことに相なります。
#59
○鶴園哲夫君 そしてその勤務の形は、宿日面という形になっておるわけですか。
#60
○政府委員(小畑忠君) そのとおりでございます。
#61
○鶴園哲夫君 そこで次にお伺いをいたしたいのですけれども、これは具体的に、この間五月の二十九日の日に、タイの国王御夫妻の皇居におきます歓迎の夜会が持たれておる、その状況が詳しく新聞に報道されておるわけです。夜の七時二十分から始まって大体十時過ぎまで会が持たれておるという報道ですね。こういうような場合と、あるいは御陪食であるとか、あるいは御晩餐会であるとか、あるいはタイの国王のおいでになったような状態ですね、こういう場合におきましては平常の状態、こういうものでないときに、宿直はそれ以外に相当の人が残られるのじゃないかと思いますが、今ここで具体的にこの二十九日に行なわれましたタイ国王御夫妻のこういう会食の場合におきましては、普通の宿直のほかにどの程度の人たちが残られるものか、それをちょっとお伺いしておきたいのです。大体の数字でよろしゅうございます。
#62
○政府委員(小畑忠君) これは、今までのは、大膳本来の職員が日曜あるいは土曜の午後の宿直勤務の場合でございますけれども、そのほかにお話しのように、天長節だとか、あるいはこの間の国賓の接伴というふうな場合には、一般の事務職員が大膳の配膳に相当お手伝いをするというようなことでございまして、この点につきましての超過勤務等の取り扱いにつきましては、昨年度の先生のいろいろな御指摘の点もございまして、本年以降、三十八年度の予算からそうしたものにつきましても何分の超過勤務を考えるというふうなことに相なりまして、本年四月からそうしたものにつきまして何がしかの超過勤務を出しておるというふうな状況に改善されました次第でございまして、大体そうした要員としまして二百四、五十名の者がそうした臨時要員としましてそうした仕事に従事いたしておる、こういうふうな状況でございます。
#63
○鶴園哲夫君 これは一つの例でございましたが、今のこの二十九日の状態で言いますと、今お話しのように、当日宿直をする者のほかに大体二百五十名前後の者が午後五時以降残ってこういう勤務をするということだと思いますが、その場合に、この当日宿直に当たる者と、それからこういうふうに臨時に残った者と大体同種の仕事をするのではないかというふうに見るわけです。当日で言いますと、大体夜の十時過ぎまで行なわれておるということでございますから、十時ころまでは、当直をしておる者もそれ以外に臨時に残った者もほぼ同じような仕事をしておるということになるのじゃございませんでしょうか。
#64
○政府委員(小畑忠君) 仰せのとおりでございます。
#65
○鶴園哲夫君 それでその場合におきまして、臨時的に残りました二百五十名程度の者は超過勤務の形になる、それ以外の、その日、宿直という形に当たっておる者は超過勤務という形ではなく、宿直という形に相なるわけでございますか。
#66
○政府委員(小畑忠君) そうした場合にはまさに先生のおっしゃるとおり、非常に権衡上おかしくなりはしないかというふうなことに相なるのでございますが、そうした場合につきましては、非常にまれな例でございますから、超過勤務の取り扱いといたしまして、諸宴の配膳に従います者につきましては、半日の場合はどうである、あるいは一日の場合はどういうふうな金額を支給する、あるいは午餐の場合はどういうふうに支給する、晩餐の場合にはどういうふうな金額を支給するというようなことで、超過勤務の支給の内規というふうなものを作りまして、各人につきましては時間数によってそれぞれ超過勤務の金額が違うわけでございますけれども、そうしたことを勘案いたしまして、内部におきまして晩餐の場合には五百円というふうな金額を支給するというように、取り扱いによりまして、ただいまの宿直員の三百六十円と五百円との差がございますけれども、これは残っております者は本来そうしたことを職務内容といたしておる者でございますし、一方諸宴の配膳等をいたします者は、本来の職務以外にそうしたことを内部職員に多少強制するようなことに相なる次第でございますので、その点について多少の差はございますけれども、一般の配膳職員には五百円、その他の本来の職務の者に対しては、宿直をいたした者に対しては三百六十円という、こういうふうな多少の開きがあるわけでございます。
#67
○鶴園哲夫君 ちょっと今の御説明で理解しにくかったわけでございますけれども、その日当直に当たっておる者、宿直にあたっておる者、それは超過勤務という形ではなくて宿直という形になっておるわけですね、そうですか。
#68
○政府委員(小畑忠君) そのとおりでございます。
#69
○鶴園哲夫君 そこで一つは今平常の場合におきます五時半以降の宿直、これは九十名くらいの方々が残られるということでありますが、その中の相当数の人たちといいますのは、長官官房とか、あるいは書陵部とか、こういうところの方々は、普通の行政官庁におきますところの宿直とその性質はきわめて類似しておる、しかし、それ以外の侍従職、東宮職あるいは管理部の中におきます方々、これは普通の行政官庁の宿直と違っておるのではないか、それは昼間におきますところの仕事ときわめて類似した形の仕事を五時半以降、午後九時になりますか、十時になりますかよくわかりませんが、その程度はやっているということになるわけでございますが、その場合に、それを当直あるいは宿直という処理の仕方は疑問があるのではないかというふうに思うわけであります。この委員会でも、宮内庁の問題とは別に、昼間と同じような、あるいは昼間の仕事と類似したような仕事を五時半以降にやった場合にはどういう取り扱いになるかという点等についての論議をいたしたことがございますが、そうした見地から申しますと、五時半以降午後九時になりますか、午後十時になりますか、その時間昼間と同種の仕事をしておるという場合におきまして、それを宿直の一部というふうに見るのは、今の人事院の人事院規則なりあるいは給与法なりという建前からいいますと、どうも疑問がある、こういうふうに考えられるわけであります。同じようなことは、土曜日の場合、あるいは日曜日の場合におきましても、ほぼ同じことが言えるのではないかと、こういうふうに思うわけでございますがね。それからさらに、これは同じようなことでございますが晩餐会の場合、あるいはそういう五時以降にそういうようなものが行なわれる場合に、当日宿直をしている者、当直をしている者、これはまたさらに平常の業務と似たような仕事を一そうしておるいうことになるわけでございますね。その場合に、それを宿直という形で取り扱うというのはどうも疑問があるのではないかというように思います。その点について、宮内庁とされましてどういうふうなお考えを持っていらっしゃるのか、あるいはそういう勤務条件等について人事院との問でお話し合いをなさったことがおありかどうか、その点をひとつお尋ねをいたしたいと思います。
#70
○政府委員(小畑忠君) ただいまの先生のお説は、人事院規則に定められております関係におきましては、まさにそのとおりのお説だというふうに拝聴するわけでございますが、でございますから、しからば、そうした勤務体系の者をどういうふうに整理するかというふうなことに相なるわけでございますが、そうした者につきましては、特別の勤務時間あるいは勤務体系というふうなものを定めまして、そしてその範囲におきまして、泊まれば翌日は代休を与える、あるいはまたそうした者の勤務については、八時半から五時までというふうな一般公務員に定められております勤務時間とは別の体系を立てまして、そしてそれによりまして今先生のおっしゃった人事院規則に全く沿うというふうな形をとったらどうかというふうなことに相なるかもわかりませんけれども、皇室の御私生活の面におきましては、一般人の私生活面といろいろ似ておる点がございまして、しからば、そう機械的に時間をきめまして、その範囲におきまして人事院規則と適合する取り扱いをするというふうなことに相なりますことにつきましては、もうすでに相当の実績があるわけでございますけれども、そうしたはっきりした体系がとり得るかどうかというふうなことが一つ問題になります点と、そうした場合におきまして、しからばそうした勤務時間あるいはそうした義務づけられた方々が、待遇その他におきまして宿直勤務を命ぜられあるいは日直勤務を命ぜられた場合といかなる待遇上の開きがあるかというふうな点につきまして、こまかく検討いたさなければならないわけでございますけれども、そういうふうな御趣旨は十分拝聴いたしまして、将来の問題といたしまして研究をしていくというふうな考え方にいたしたい、こう考えておる次第でございます。
#71
○鶴園哲夫君 確かに特殊な面が非常に多いわけでございまして、ですが、やはり公務員として四十四時間という勤務である。一週四十四時間、この勤務時間はやはり基本としてすわっていなければならぬと思いますし、ただ問題は、宿直の場合におきましても、宿直は非常に多いわけでございますが、特殊な条件として非常に多いわけでございまして、その場合に宿直の取り扱いが、たとえば五時半から午後九時まで昼間と同種な仕事をしておるというような場合におきましては、やはりその間の時間は四時間なり三時間なり、その間は超過勤務というようなやはり取り扱いをしなければならぬのではなかろうか。そういうふうにいたしますれば、翌日代休日というようなものもなくて済むわけでありますし、翌日代休というような組織をとりますと、これはどうしても相当の人員をさらに確保しなければやりにくいという点も出てくるのじゃなかろうかと思うのでございますがね。ですから、私はまあ今お伺いをいたしました範囲では、超過勤務の措置をとれば大体問題は解消するのではないかと、こういう気がいたします。しかし、先ほどお話しのありましたように、この二十九日の例で御説明ございましたように、二百五十名程度の人たちが残られる。これはまあ非常に大きな数字でございまして、その意味では一般の官庁と比べて超過勤務というものをもっとふやす必要があるのではないか。一般の行政官庁とそう似たような形の超過勤務というのでは、あるいは時間というのでは、これはやはりどうにもならぬのじゃなかろうか。一人当たり月にどの程度の超過勤務の時間があるのか存じませんですけれども、まあしかし、今お話を承った範囲では、どうも相当不足するのではないか、非常に不足するのではないかという感じを持ちますが、したがいまして、その超過勤務手当というものを各行政官庁と違った立場からもっとふやすということ、それから同時に、先ほど申し上げました宿直しておる者が五時半から九時なら九時まで、あるいは九時半まで昼間と同じような仕事をしている者があるとすれば、それは超過勤務として取り扱っていく必要があるのではないか、こういうような私は感じを持つわけでありますが、あるいはそういうことと違うのだという、今の勤務条件からいいましてですね、というお話があるかもしれませんですが、その点についてはどういうふうなお感じをお持ちになりますか。
#72
○政府委員(小畑忠君) 五時以後におきまして特殊な用務のために本来の仕事のために残る、八時半から九時までというふうな場合に、超過勤務を超過勤務として取り扱ったらどうかというふうなことにつきましては、あるいはそういうふうな措置をとれるかもわかりませんけれども、大膳職員等につきましては、一般の職員が八時半から執務につくというふうな場合に、翌日の仕事の場合に六時からこの仕事につかなければならない、大膳職だけは。そういたしました場合には、この早出のために一たん九時ごろその職員を帰しまして、お前は翌日六時に出てこいと、こういうふうな結果に相なるわけでございますが、そうした関係におきまして、夜延びる時間と翌日のまた朝早い時間というふうな関係からいたしまして、当直というふうな取り扱いに一応しておるわけでございますが、寝ている間は勤務がないわけでございますから、これは超過勤務というふうな問題は起こるまいと思いますけれども、そうした関係におきまして、その仕事の実情からいたしまして、ただいまは宿直というふうな勤務にいたしておるわけでございます。
#73
○鶴園哲夫君 今いろいろお伺いをいたしたわけでございますけれども、ぜひ勤務の状況、勤務の条件というものを今の給与法あるいは人事院規則、そういう建前からいってできるだけそれに相応したような形にひとつ御検討いただきたい、それには相当超過勤務手当というものも増加しなければならないということになろうと思いますけれども、できるだけすみやかにそういう面についてのひとつ御検討を御要望いたしておきたいと思います。
#74
○政府委員(瓜生順良君) 先生が昨年そういう意味の御意見をおっしゃいまして、われわれのほうでも検討いたしまして、超過勤務手当の関係では改善を要するというので、三十八年度の予算要求の際には、今までとは計算の基礎を少し変えまして、先ほどもちょっと説明をいたしましたように、特別の行事があってそれに携わる者についての超過勤務手当というものの予算をぜひほしいということで、大蔵省のほうに要求いたしました。われわれから申しますと、百二十何万か要求いたしまして、百四万という増額を認めてもらったわけでありますが、なお、今いろいろ先生のお説もありますように、これで十分とは言えないと思います。さらに検討いたしまして、疑問のある点は主張をいたしまして改善に努力いたしたいと思っております。
#75
○鶴園哲夫君 今度、皇居造営官、この皇居造営官というのは今何人ほどいらっしゃるわけでございますか。
#76
○政府委員(瓜生順良君) 皇居造営官と申しますのは、一人だけでございます。
#77
○鶴園哲夫君 その造営官の下に職員がいらっしゃるわけでしょう。
#78
○政府委員(瓜生順良君) 現在皇居造営のことを担当しておりまする人員は三十三名で、一番上が皇居造営主管、その次に皇居造営官、それからあとは課長補佐とか係長、係員というふうに三十三名現在おります。
#79
○鶴園哲夫君 これは、今度臨時皇居造営部という形になるわけでございますか。
#80
○政府委員(瓜生順良君) さようでございます。
#81
○鶴園哲夫君 そうして定員が十一名増加する。ですから、四十四名で臨時皇居造営部というものが新しく設置される。これは臨時でございますが、大体いつごろ元の状態に返えるというか、なくなるわけでございますか。
#82
○政府委員(瓜生順良君) この三十三名のほかに、今度の十一名の増員をお願いする。なお、そのほかにこの宮内庁内の各部局のほうの欠員補充などの関係で、それぞれそこに皇居造営のほうに力を注ぐ関係で十名ばかりの人員を捻出いたしまして、そうしてそれを加えた五十四名の人員でやっていこう。そのなかに謝金の予算でお願いする嘱託が三十六名、これを合わせますとちょうど九十名になりますが、そういう陣容で臨時皇居造営というのを進めていこうというわけでありまして、これはこの皇居造営のことが終わりますればその任務は終わりますが、その終わりますのは昭和四十一年度というふうに今一応見込みを立てておりますが、そうしますと、そこで一応終わり、あと残務処理があると思いますが、四十二年ぐらいまでに残務処理をいたす。そうしますと一応仕事が終わる、こういうことになるわけでございます。
#83
○鶴園哲夫君 昭和四十一年あるいは四十二年にこの仕事が終わりました場合に、五十四名程度で新しく部ができるわけですが、この中で新規増というのは十一名。ですから、いずれにいたしましても、それがなくなる場合におきまして、その五十四名の人たちの将来にはどういうふうなお考えを持っていらっしゃるわけですか。
#84
○政府委員(瓜生順良君) この新しい宮殿ができますると、その管理をするための要員というのも、これは今の場合よりも相当人が要ると思います。そういうような方面の定員に一部は回ります。なお、その場合、幾らか余ることがあるかもしれませんですが、どこの役所でもありまんように、新陳代謝の関係は毎年相当ございますから、その人のやり振りについては都合がつくのじゃないかと思っております。
#85
○鶴園哲夫君 これで終わります。
#86
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#87
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。
 他に御質疑はございませんか。御発言がなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
#88
○委員長(村山道雄君) 国家公務員法の一部を改正する法律案を議題といたし、提出者から提案理由の説明を聴取いたします。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#89
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。衆議院議員内藤隆君。
#90
○衆議院議員(内藤隆君) ただいま議題となりました国家公務員法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 申し上げるまでもなく、国家公務員法は第百三条において、特に「私企業からの隔離」の条項を設け、官職一般の公正性を確保すべく、国家公務員は、離職後二年間は、その離職前五年間に在職していた国の機関と密接な関係にあった営利企業の地位につくことは、特に人事院の承認があった場合のほか禁止されているのであります。
 しかるに、近時の状態を見ますと、高級公務員でその在職中に密接な関係があったと思わざるを得ないような営利企業に天下り的に就職するものが増加し、この第百三条の条項が設けられている根本精神が軽視される傾向にありますことは、まことに遺憾なことと存ずる次第であります。
 かかる状況にかんがみ、本法案は、営利企業への就職を制限している規定の運用の適正化に資するため、国家公務員法に所要の改正を行なおうとするものであります。
 その内容の要旨は、第百三条の条項に「人事院は、前年中に就職を承認したものについて、その承認の理由等を、毎年、遅滞なく、国会及び内閣に対し報名しなければならない」とする旨の一項を加え、人事院に報告の義務を課そうとするものであります。
 以上が本法案の提案理由及びその内容であります。
 本法案は、衆議院の内閣委員会において全会一致をもって成案を得たものであります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#91
○委員長(村山道雄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
#92
○委員長(村山道雄君) 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきまして、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますが、衆議院において修正が加えられておりますので、まず右修正点について説明を聴取いたします。衆議院議員内藤隆君。
#93
○衆議院議員(内藤隆君) 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案の衆議院におきます修正の内容を御説明申し上げます。
 御承知のように、今回提案されました行政管理庁設置法の一部改正案は、行政管理庁において公社、公団、公庫、事業団等のいわゆる特殊法人の新設等の審査を行なうこととしようとするものであります。近時急速にその数を増加し、重要さを増してきたこれら特殊法人の制度を、広義の行政組織の一環として適切に管理するために、政府組織全般の見地からその新設等の審査を行なうことは現段階においてきわめて必要な措置と考えるのであります。しかるに、政府案によりますると、審査の対象となるのは新設と目的の変更の二つの場合に限られ、新設及び目的の変更以外の重要な制度の改正、たとえば業務の範囲の変更、役員の増減、資本金の変動、政府の監督方式の変更等は審査の対象外となっておるのであります。しかしながら、これらの重要な事項の審査を行なわずして、行政組織の一環として特殊法人の制度を適切に管理し、行政の合理的かつ能率的な運営をはかろうとする本法案の意図は十分達成されることはとうてい期待できないものと考えるのであります。そこで目的の変更以外に、当該法律の定める制度の改正の場合及び廃止の場合にも行政管理庁が審査を行ない得ることといたしたのであります。よろしく御賛成をお願い申し上げます。
#94
○委員長(村山道雄君) それでは、これより質疑に入ります。政府側よりただいま山口行政管理局長、山口行政監察局長が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#95
○鶴園哲夫君 問題の本法案は次にいたします。きょう短かい時間でございますが、この間以来、新聞に報道されておりますこの行政上の苦情処理、苦情相談、この問題につきまして簡単にお尋ねをいたしたいと思いますが、この行政上の苦情相談が非常に激増しているというような新聞の報道でございまして、三十七年が三万一千件というような報道でございますが、この近年非常に激増しているというその状況を、簡単に件数で御説明をいただきたいと思います。
#96
○政府委員(山口酉君) 鶴園先生の御指摘のように、苦情相談を取り扱いました件数は逐年増加いたしておりますが、これは行政管理庁のほうで行政苦情のあっせんをいたすようになりまして、そのために、行政管理庁として活動いたします業務が年々進んで参りましたと申しますか、経費もふえて活動もできるようになりましたし、また、苦情相談につきまして協力をいたします民間の方を委嘱するようになりまして、その方々の活動がだんだん活発になりましたために件数がふえて参ったわけでございます。御指摘のように、三十七年は約三万件でございますが、その前年は一万九千件ということでございます。その増加いたしました理由は、苦情相談につきまして、行政管理庁が取り扱っているということの認識が一般国民の間にだんだん徹底して参ったためであろうと、かように考えております。
#97
○鶴園哲夫君 これは、苦情の相談というのは、いつから始められたのですか。それと、もう少し前の数字も御説明をいただきたいと思います。
#98
○政府委員(山口酉君) 苦情相談の仕事は、実は三十五年度に、設置法の中に所掌事務として苦情の仕事が加えられたのでございますが、事実上行政管理庁に苦情を申し出られました方は、その前から相当ございまして、政府機関といたしまして、特に行政の監察をいたします機関といたしましては放置できませんので、事実上これを取り上げまして、関係の行政機関に対していろいろと解決すべくあっせんいたしておりました。それは大体昭和三十年ごろからやっておりまして、それをだんだん一般の人たちが知るようになりましてから、また、行政管理庁で取り扱った結果、解決をするという事案が非常に多くなりましたために、自然に増加して参ったのでございます。三十年は千七百三十七件取り扱いをいたしております。三十一年は二千五百九十九件、三十二年は三千七十件、三十三年は四千四百九十三件、三十四年は六千六十二件、三十五年は九千百四十七件、三十六年は一万九千五百六十五件、三十七年は三万九百四十九件でございます。
#99
○鶴園哲夫君 いろいろ先ほど局長のほうからふえた理由につきまして御説明があったのでございますが、今の増加の割合を見ますというとたいへんな激増であるわけでありますが、八年間くらいの間に二十倍近い増加をしたわけですが、さらに先ほど局長のお話の、三十五年に設置法の改正によってというお話がございましたが、そのころから比べましても三倍以上の増加になっておる。昨年から比べましてもたいへんな激増であるわけでありますが、これは今後もこのような激増をするというようなお見通しでありますか。
#100
○政府委員(山口酉君) 私どもの見通しといたしましては、このような急速な割合ではふえないであろうと存じておりますが、しかし、まだ民間一般の方々で苦情を持っておって、行政管理庁がこういう仕事をやっておるということを御承知でない方々がかなりおると思われますので、盛んにただいまいろいろな方法を使いまして、行政管理庁の苦情相談についてのPRをいたしておりますから、そういう関係で幾らかはふえると思います。ただ私どもといたしましては、行政の苦情がふえるということが実質的に行政に対する不満がふえるということに通じますと、はなはだおもしろくない現象でございますので、そういうことの不平がないようにするということが本来の行き方であろうと思いますので、従来の苦情相談に参りましたものの内容をいろいろ分析いたしまして、同種の機関の同種の問題というようなものにつきましては、これは運営にそもそもまずい点があるのではないかということも考えられますので、そういう傾向のありますものにつきましては、監察業務の方面で計画的にこれを監察いたしまして、その業務の運営の仕方を改善するということに力を注いでおります。そういうこともございますので、これがその割合にふえていくということはなかろうかと考えております。
#101
○鶴園哲夫君 この苦情処理あるいは苦情相談のために八ブロックにありますところの管区行政監察局、ここに相談室を設けるということでありますが、しかし、その相談室には人員がふえるわけではないようであります。人員がふえないということであれば、今局長のおっしゃったように、苦情処理も激増するということもあるまいというお話でしょうが、そういうことにもなるかと思いますが、しかし、いずれにいたしましても三万件から四万件という数字になろうと思いますけれども、その処理をするために相談室を八ブロックの管区行政監察局に設けるということでありますが、それ以外に約二千六百名程度の委嘱をされた方々がいらっしゃるわけですね。ですが、これは組織的に県の局はどういうふうになるのでございますか。管区だけに置かれるわけですか、それからこの中央の場合はどうでございますか。
#102
○政府委員(山口酉君) 御指摘のように、今度管区監察局の総務課の中で従来一つの係を設けておりましたものを、対外的にいろいろあっせん業務をいたします関係上、何と申しますか、よそでは係長というよりは室長というほうが尊敬するというようなこともございまして、そういうような点から主として考えたわけでございます。相当の古い人がやっておりますので、いろいろ各省と折衝上そういう名前にしたほうがよろしいという程度の意味で室という名前にいたしました。しかし、これは課の中の組織でございます。
 それから地方のほうの組織といたしましては、従来御承知のように、監察官が三名おりますが、そのうちの一名は大体苦情相談の仕事に専念しているような状況になっております。これはときとして苦情相談以外のことにも使うことがございますけれども、原則として大体一人の人が特定されておる。それに部下の職員が常時ついておるわけでございます。
 それから中央のほうは、ただいま監察官が十三名おりますが、そのうちの一名が専任で苦情相談の仕事をいたしております。
#103
○鶴園哲夫君 中央におきましては監察官が一名、それに若干の人がついておるということだろうと思いますが、ブロックの場合におきましては、八管区行政監察局に監察官が一名、それでこの相談室が設けられた。県はどうですか。
#104
○政府委員(山口酉君) 中央は一監察官でございまして、それに部下が約七、八名大体常時おります。それから管区は先ほど申し上げましたように、ランクからいきますと、課長補佐クラスの人で、大体事実上四等級の職員を充てております。それから地方の各県にあります監察局では三名監察官がおります者のうち一人が、部下数名とともに苦情相談の業務に従事いたしております。
#105
○鶴園哲夫君 今お話を伺いますと、新聞にえらく出たものですから、中を見てみたら期待にはなはだしく反するという感じがしまして、それでお尋ねをいたしたわけですが、確かにどうも私どもが思っているものと、期待にはなはだしく反する。現状からいうならば、わずかに八ブロック管区行政監察局に室が設けられたというだけの話であって、人員がふえたわけでもないし、従来と変わったわけでもない、組織的にどうということはないことのように思いますね。せっかくいい資料を新聞等に発表されたのだから、もっともっと思い切っておやりになったらどうかと思いますですがね。私は最近会計検査院の仕事をずっと検討いたしておりますけれども、会計検査院の仕事というものを見ましても、はなはだしく不十分のようであります。予算は非常に膨大にふえてくるし、仕事の量も、あるいは工事量もたいへんふえてくる。あるいは公団、公社、事業団、公庫、こういうものが雨後のタケノコみたいに続々ふえちまって今や百に近くなっておる。こういう状態の中で会計検査院の人員というのは十三年の間全然動かない。ほとんど動かないといってもいいですね。したがって、検査の内容というのも年々幅が狭まっておる全体としてみますと二千五、六百の個所しか検査していないのですね。その意味からいいますと、この三万件という件数は貴重だというふうに私は感ずるわけなんでrよ。会計検査院が二千五、六百しか検査しないのですから。それからいいますと非常に行政管理庁としては貴重な仕事をしつつある、三万件といいますとですね。したがって、相談室を設ける、あるいは組織的にもこれらの問題を適当に処理する、あるいはもっと事情がわかりますればおそらく四万件、五万件、六万件とふえる可能性も十分あるのですから、そういう問題が行政管理庁が取り扱うことによって八割程度あるいはその程度のものは解決をしていくことになりますと、これは国民のためにもいいし、また、行政官庁にとりましても非常に大きな反省の材料になるというふうに期待をするわけですけれども、しかし、まあ実際どうも新聞に載ったほどのことでもないのであって、内容はどうも貧弱きわまりない、ほどほどにしておこうというのじゃないかという感じすら受けるのですね。これははなはだ遺憾なんですが、局長の御感想をお聞きしたいわけですけれども、しかし、感想を聞いてもしようがないので、おそらく同じような気持だろうと思うのです。これははなはだ遺憾ですね。これはうんとやってもらってやはり国民に対しても行政官庁としても非常なこれは反省の材料になり得るというように思いますけれども一、どうもほどほどのようでございますが、そこで、その点ははなはだ遺憾であるということだけを申し上げまして、次に、この三万一千件の問題について検討をなさったように、分析をなさったように新聞は報道しているわけですよ。分析をなさった結果、このうちの七〇%は政府のミステークである。政府の誤りである。三割程度が御主人の、苦情を申し込んだ方の、相談された方の誤解であったりするようでございますが、七〇%程度政府のミステークであるということ、これは行政監察をやっておられます局長としてどういうふうにお感じになられますか。そのまず感想をこれはひとつ、そう差しつかえのある問題ではありません。感想をひとつ……。
#106
○政府委員(山口酉君) はなはだ遺憾であると思います。
#107
○鶴園哲夫君 私は、三万件の中の七〇%程度が政府の責任であるとなりますとこれは行政アウト、国民にとっては行政アウトだという感じを持つわけです。もちろん苦情でありますから問題がないものは問題のないままにそれは国民の上を素通りしていくわけですが、しかし、国民が若干の不満を持ち、不平を持ち、苦情を持つ。そこで行政管理庁に対して相談を持ちかける。それが三万一千件あって、その中の七〇%が行政官庁のミスだということになりますと、これは一体行政はアウトじゃないかという感じを持つのですが、これは行政監察をやっておられます行政管理庁として重大な問題だと思うのですが、監察をするけれども一向内容は改まっておらないじゃないですか。ますますふえてくるのじゃないですか。どうですか、その点は。
#108
○政府委員(山口酉君) 行政監察との関係でございますが、行政監察の結果、行政運営の改善につきましては、これはまた別にその改善事項を調査いたしておりますけれども、非常に実現率は高いわけでございます。したがって、監察いたしました行政機関の運営につきましては、逐次改善をされておることは確かでございますが、しかし、ともかく現在の行政の業務は非常に複雑でありますし、かつ広範でございますので、それに従事いたします職員の数も御承知のとおり非常に膨大になって参っております。見方によりますと、三万件という数は非常に多いとも言えますけれども、しかし、これだけ広範囲な業務をしておりますれば、ある程度の誤りというものは、これはやむを得ない。したがって、その誤りを早く発見して補正をしていくという仕事は、これはどうしても必要であろうと思います。しかしお説のとおりに、やはりこういうことは行政運営を改善することによってなるべく少なくすべきでございますので、先ほども申し上げましたけれども、行政苦情相談に現われました問題を監察業務の計画を立てる際にこれを参考にしてやっております。特に今度は中央で大きな監察テーマを立てるもののほかに、地方の出先機関で、それぞれその地域に応じた監察計画を独自に立てて実施するようにいたしておりますので、そういうもののテーマといたしましては、苦情相談に現われました傾向をとらえて、そうして今後再び苦情が起こらないように運営を予防的に改善していく、こういう考え方でやっております。で、苦情相談の処理の業務は非常に業務量が多くなっておりまして、それに対する御同情あるお言葉をいただきましてまことに感謝にたえませんが、私どもは、むしろ今後実質的に監察の仕事を充実いたしまして、工夫をいたしまして、こういう苦情があまり多くならないような行政運営を期待しておるわけでございます。
#109
○鶴園哲夫君 あまり時間がありませんので、詳しくいろいろお伺いするわけにいかないわけですけれども、ただ私は、今局長のおっしゃったのは、非常に私の行政管理庁の監察局の見方が違うかもしれませんですが、ちょっとおかしいじゃないかという感じを持つわけです。それは、行政監察は一体何を監察しておられるのか、これですね。私は近年の監察というのは、行政の運営がうまくいっているか、うまくいっていないか、合理的にいっておるか、あるいは能率的にいっておるか、あるいは国民に迷惑をかけておらないか、その迷惑というのは苦情的な問題ではなくて、もっと端的なものですね、簡単に言えば、行政が合理的にあるいは能率的に行なわれておるか、あるいは二重になっていやしないか、こういうような監察をしておられるように思うんですよ。先般大蔵省設置法がかかりまして、その中で税関の問題がありまして、で、行政管理庁がやられました税関に対する行政監察、これを詳細に拝見いたしました。大体あのような形で監察が行なわれているというふうに見受けるわけであります。そういたしますと、この苦情処理的な問題は行政監察では処理されておらない。そのもうちょっと前、行政監察は国民の苦情的なものも処理されておった、監察しておられた。ところが、五、六年前から方向が転換してしまってそういうものはやらなくなった。そうしてこの苦情相談的なものはやらぬものだから苦情相談的なものがずっと出てきておるという感じを私は持つわけです。ですから何か今の局長のお話ですと、五、六年前の行政監察を頭に置いて御答弁なさっておるんじゃないかというような印象を受けるわけですが、そうではなくて、五、六年前から変わっているでしょう、行政監察というのが。その変わったものが、もうこういう国民に被害を与え、あるいは国民から不満があったり、あるいは官庁の中におけるくさいもの、そういうものは監察していないんですよ。それがこの苦情処理というような形で出てきておるのじゃないでしょうか。私はそういうふうに見ているわけですけれども、間違いですか。
#110
○政府委員(山口酉君) 私は、鶴園先生の御意見のとおりではないように思うのでございますが、実は中央で計画いたしますものは、本来中央政府が考えております重要政策が能率的に行なわれて、それの効果が十分上がるかどうか、上がるように監察をし業務運営を改善していくということが必要であるということで、そういうねらいでやっております。それはお説のとおりでございますが、国民に迷惑をかけるとか非常に不正があるとか、そういった個々の問題につきましては、これは大きな行政の運営にあまり関係なしに個々の行政の取り扱いとして起こるものが非常に多いわけです。それはそういう個々のケースを追っていくということになりますと、これは百年河清を待つに似たりでなかなか行政の運営は改善されない。しかし、そういうものが現実に起こった場合に、それを片づける必要はありますので、それは苦情相談で、起こればそれで解決しますが、しかし、そういうものも再び起こらないようにするということは必要でございます。で、鶴園先生おっしゃった点は、中央計画監察の行き方であろうと思いますが、最近は、地方で、出先機関が八管区、四十一の出先機関がやります監察におきましては、こういう苦情に現われましたような問題を中心にして、そこの裏にどういうふうな行政運営があるか、どういう欠陥があってこういうものが起こるか、こういうことを重要なねらいとしまして実施するようにいたしております。ですから、中央の行き方は、先生のおっしゃるような行き方でやっておりますが、それだけではやはりこういう苦情がたくさん出てくる実情から見ますと適当でありませんので、地方の計画監察というものを十分やり得るように、中央の計画を立てる場合に、地方の負担を軽くしまして、そうして、こういったものの解決をはかっておるわけでございます。まあ両面作戦といいますか、両方をやっておる、かように御了承願いたい。
#111
○鶴園哲夫君 その点は、これは局長も御存じのとおりに、中央が方針が変われば、下の管区なり、それから、県の局というものはこれは動きにくいですよ。それは御承知のとおり、三十一年に「不正者の天国」という本が出ましたね。これは行政管理庁における監察官だったと思いますが、「不正者の天国」という本が出て、そうして著わした本人が馘首になって、人事院との争いがあった。あれからどうも行政管理庁というのは、ああいうようなものについて非常に憶病になりまして、だんだん行政管理の運営、それも、しかも、合理的かあるいは能率的かあるいは二重になっていないかというような点に集中的に監察の点が置かれてきて、そうして「不正者の天国」に現われたようなものはどんどん陰が薄れてしまったと、やむを得ず、国民はどこに持ってくるかというと、苦情相談というような形で圧倒的にたいへんな数で激増してくる。しかし、その処理の取り扱いについても相談室というようなものを設けて細々とやろう、それには役所の機構をあまり大きくしないようにというようなやり方では、これはどうも私は解せないという感じがするわけです。ですから、やはりどうも会計検査院もだんだん小さくなって……、小さくはなりませんけれども、外が大きくなりますから、たんたん小さくならざるを得ないわけですが、思わしくないし、行政管理庁もだんだん後退してしまうというような印象を、ひどい後退だというような印象を受けるわけですが、今局長のおっしゃったのが事実であるかどうか、これは局長、そういうふうにならぬのじゃないですか、本部の方針がそうなれば、中央がそうなれば、管区なり、あるいは県のやつがおのずから大きな制約を受けるわけです。これは有名無実だと私は思うのです。ですから、私の言ったほうが正しいのじゃないかしら、先ほど言ったのが……、どうでしょう。
#112
○政府委員(山口酉君) 実は苦情相談などを中心といたしまして、そういうことが起こらないように末端行政を改善するという計画監察は、これは地方に立案をまかしておりますが、地方の実情がよくわかっているところに計画をまかせるほうが効果的であると思ってやっておるわけです。これは中央の方針なんです。実は自由にしておるわけでございませんので、こういうことはぜひやりなさいということを指示をしてやらしているわけです。それから苦情相談につきまして消極的なような御印象は、これはまあ非常に実は御承知いただきたいと思いますのは、行政管理庁は非常に苦情相談の仕事に力を入れております。今度の、本年度の予算におきましても、監察局では最重点として要求いたしましたし、また、予算を編成いたしました結果から見ましても、一番多く増加いたしております。後もなお行政苦情相談につきましては、まあ御趣旨のある点を十分に生かす趣旨で苦情相談の業務を一そう活発にいたしますように努力いたしたいと思います。
#113
○委員長(村山道雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#114
○委員長(村山道雄君) 速記をつけて。
 他に御質疑はございませんか。御発言がなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。
  午後三時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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