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1962/06/20 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 内閣委員会 第26号
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1962/06/20 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 内閣委員会 第26号

#1
第043回国会 内閣委員会 第26号
昭和三十八年六月二十日(木曜日)
   午前十時五十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 六月二十日
  辞任      補欠選任
   鬼木 勝利君  白木義一郎君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     村山 道雄君
   理事
           石原幹市郎君
           下村  定君
           鶴園 哲夫君
           山本伊三郎君
   委員
           大谷藤之助君
           栗原 祐幸君
           源田  実君
           小柳 牧衞君
           林田 正治君
           伊藤 顕道君
           白木義一郎君
           小林 篤一君
           田畑 金光君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 田中 角榮君
   郵 政 大 臣 小沢久太郎君
  政府委員
   総理府総務長官 徳安 實藏君
   総理府恩給局長 八巻淳之輔君
   公正取引委員会
   委員長     渡邉喜久造君
   公正取引委員会
   事務局長    小沼  亨君
   大蔵省主計局次
   長       澄田  智君
   大蔵省主計局給
   与課長     平井 廸郎君
   厚生省援護局長 山本浅太郎君
   電気通信監理官 岩元  巌君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  説明員
   人事院事務総局
   給与局次長   尾崎 朝夷君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特別職の職員の給与に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○恩給法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○旧令による共済組合等からの年金受
 給者のための特別措置法等の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○公共企業体職員等共済組合法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を開会いたします。
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。政府側より小沼公正取引委員会事務局長、澄田主計局次長、平井給与課長が出席いたしております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#3
○山本伊三郎君 それじゃ公正取引委員会の事務局長にお尋ねいたします。
 この委員長の報酬を引き上げる案が出ておるのですが、すでにこの種の特別職の給与の引き上げは、昨年十月一日に遡及をして国家公務員の給与の引き上げと同時に実現しておるのですが、公正取引委員長の分だけあとに残されたという事情について、公正取引委員会のほうとしては、どういう考えを持っておられますか。
#4
○政府委員(小沼亨君) 昨年の十月の際には一般的な――これは大蔵省の所管でございますけれども、一般的なベース・アップでございまして、その際には特別職も同じベース・アップがあったわけでございます。
#5
○山本伊三郎君 それじゃ、それまでは幾らであったのですか。
#6
○政府委員(小沼亨君) 十三万五千円でございます。
#7
○山本伊三郎君 この点については後ほど大蔵大臣が見えたら聞きますが、幸い給与課長見えておりますから、今度の十四万円を十八万円にですか、する案でありますが、これはどういういきさつですか。
#8
○政府委員(平井廸郎君) 今回の公取委員長の給与を十四万から十八万に引き上げた趣旨につきましては、前回の委員会で御説明申し上げたわけでございますが、一つには最近における公正取引委員会の委員長の職務というのは貿易・為替の自由化に伴いましてきわめて重要なものとなって参りました。その職務と責任とに比較いたしまして給与が低きに失するのではないかという考え方が第一点でございます。たまたまこれにあわせまして本年の三月に、公正取引委員会の委員長の更迭を見たわけでございますが、この場合にこのような重要なポストにふさわしい方を委員長に迎えるには今の給与のままではあまりに低きに失するのではないかという考え方もございまして、今回の引き上げを行なったわけでございます。
#9
○山本伊三郎君 この問題、また後ほど大臣見えたときにお尋ねするとして、公取の事務局長、当局にひとつ聞いておきたいのですが、今給与の引き上げについて公取委員会の重要性を政府も認識しておるということですが、私もこの点についていろいろ調べてきたんですが、昭和三十七年度のいろいろ法第十条、十一条、十三条、十五条等によって会社の株式の保有、金融機関の株式の保有、競争会社間の役員の兼任の問題、合併・営業譲り受け等の問題、これらについていろいろ認可をされておるのですが、三十七年度の認可件数はどういう状態になっておりますか。
#10
○政府委員(小沼亨君) 非常に件数が多いわけでございますが、三十七年度で株式所有の報告が三千八百三十二件でございます。役員の兼任届出が七百三十件、それから会社の合併・営業譲り受けの届出が八百七十件、株式所有認可申請二十四件、こういうことで、いわゆる株式、役員、合併等の件数はふえております。
#11
○山本伊三郎君 今ちょっと聞き漏らしたのですが、役員兼任の報告件数はどの程度ですか。
#12
○政府委員(小沼亨君) 八百七十件でございます。
#13
○山本伊三郎君 合併・営業の譲り受けの八百七十件と同じ件数ですか。
#14
○政府委員(小沼亨君) 訂正させていただきます。役員兼任関係の届出は七百三十件でございます。
#15
○山本伊三郎君 この報告を受けられて、それについてこの公取確保に関する法律に該当するかどうかによって認可するように聞いておるのですが、どういう基準になっておるのですか。法律だけ見てもちょっとわからないのですが、ひとつ一、二の例を示してちょっと説明願えませんですか。
#16
○政府委員(小沼亨君) 一番問題になりますのは、会社の合併・営業譲り受けの問題ではないかと思いますが、昨年の八百七十件の中には独禁法でいっております会社の合併をしてはならないケースとして、一定の取引分野の競争を実質的に制限をする場合と不公正な取引方法による場合、これは合併できないわけでございますが、そういうケースはこの八百七十件の中にはございませんでした。従来この制限に、禁止に触れるか触れないかというようなことで取り上げました問題に、まあ具体的な例としましては繊維の会社、中央繊維と帝国繊維の合併がございましたけれども、この場合には麻そのものが非常に斜陽化して繊維の部面におきまして麻だけを取り上げるのはおかしい、合繊その他非常に競合する商品があるということで、それらを合わせますと非常に比率が低くなっているということで、合併差しつかえないというふうに扱った例もございます。それからかなり大きい企業の例としましては、第一物産と三井物産の合併のケースがございましたが、これも会社としては非常に大規模な合併でございますが、貿易、国内商品の取り扱い等の比率を見ますと、全国比一〇%内外ということでございまして、これも独禁法上の問題はない。そういうことで、必ずしも取引の比率では機械的に申せませんが、一定の取引比率のようなものを検討して、合併上の判断の基準にしておるというわけでございます。
#17
○山本伊三郎君 それから法第二十四条の三の「〔不況に対処するための共同行為〕」、これは三十七年度にはこういったケースはありましたですか。
#18
○政府委員(小沼亨君) 鉄鋼の中型形鋼がございますが、これは例の建築用等に使われます中型形鋼につきまして第二十四条の三の不況カルテルを認可しております。
#19
○山本伊三郎君 それはどういう理由ですか。
#20
○政府委員(小沼亨君) この二十四条の三に書いてございますように、商品の需給が著しく均衡を失しまして、その商品を生産する事業者が共同行為によってその商品の価格を維持する必要があるということを認めたわけでございます。独禁法におきましては「商品の価格がその平均生産費を下り、且つ、当該事業者の相当部分の事業の継続が困難となるに至るおそれがある」という場合に不況カルテルを認めるわけでございますから、鉄鋼全体は一昨年あたりから非常に不況に立ち至りまして、例の通産大臣の行政指導もいろいろ行なわれておるわけでございます。特に中型形鋼が著しく下がったということで、この部面についてのカルテルの申請がありまして検討いたしました結果、認可する必要があるということで認可したわけでございます。
#21
○山本伊三郎君 不況に対処するための共同行為についてはまあいろいろそういう点もあると思うのですが、次の「〔企業合理化のための共同行為〕」の問題ですが、これは三十七年度、どういうふうになっておりますか。
#22
○政府委員(小沼亨君) これはスフ糸だとか綿糸、それからベアリング、マーガリン、ショートニング、そういったものにつきまして認可いたしております。約六件――はっきりした数字は――六件か七件認可しております。
#23
○山本伊三郎君 この企業合理化の共同行為については、これは合併・営業の譲り受けというものとはもう別個に扱っておる問題ですね。
#24
○政府委員(小沼亨君) これは別個でございます。
#25
○山本伊三郎君 まあ近来、最近、この独禁法を骨抜きとは私ら言いませんけれども、独禁法の立法精神をだんだんと骨抜きにするような印象を受けるような、特別立法によって共同行為を認めるような法律が相当できてきておるのでありますが、これは一々私が言うまでもなく、皆さんのほうがよく御存じですが、ますますこういう特別立法によって共同行為を認めようという法律が出てくるのですが、公取の委員会ではとれに対してどういう考え方を持っておられるか。非常に抽象的な質問ですが、そういう考え方について事務局長から……これは公取の委員長に聞きたいと思いますが……。
#26
○政府委員(小沼亨君) 適用除外の法律でございますが、一般的な法律では輸出入取引法、中小企業団体法、それから特殊なものとしましては繊維設備に関するもの、石炭、機械、そういったものにございますが、これらの個々のものはそれぞれ輸出であるとか、あるいは中小企業に関するものであるとか、それから個々の産業につきましてはそれぞれいろいろ通産省のほう、あるいは主務官庁のほうで他のいろいろな政策目的・産業目的を持って処理されるとともに、そのほかにどうしても共同行為を認めざるを得ないようなケースがありまして、これに対してはそういう場合に主務大臣が指示をしてカルテルをさせるという建前になっております。そういうことで個々の産業についてどうしても独禁法の自由競争の原理のみで処理できないものにつきましては、公正取引委員会はその立法を準備されます段階で十分主務省と協議し合いまして、これはやむを得ないものであるということで、適用除外の法律の立案に同意と申しますか、賛成申し上げておるということで、これはやはり個々のケースに当たりましてどうしてもやむを得ないものに限って認めるというような方針で折衝しております。
#27
○山本伊三郎君 こういう立法に際して立法権を制約するという公取の権限があるかないか別といたしまして、今言われましたが、賛成する、同意をすると言われますが、その経過から見ると、公取委員会でこれを拒否した場合には、政府はこれに対して立法化するという措置は今までやっておらないわけですか。
#28
○政府委員(小沼亨君) 従来拒否したという例はございません。かつて中小企業団体法の改正の際に、員外者を強制加入させるというのが入っておりましたので、この際には閣議段階まで公正取引委員会はその点には賛成しかねるという意見をつけたままで国会に出されたケースがございましたが、これもその後国会審議の際に必要な調整が加えられまして、現在の立法になっておるわけでございまして、従来拒否したという例はございません。ただ非常に、何と申しますか、事務段階で考えられて、非公式な折衝をされたような段階で、この点は御無理でしょうというようなことで、かなり条文を直していただくというようなケースはございます。そういうことで十分調整して、この程度のものは最小限やむを得ないのじゃないかということで調整し合ったもので閣議を通していただく、そういうことになっております。
#29
○山本伊三郎君 質問は元に返りますが、公正取引委員会の委員は、今何人ですか。
#30
○政府委員(小沼亨君) 委員長外四名でございます。結局、委員長、委員で計五名ということになります。
#31
○山本伊三郎君 この公正取引委員会、これは非常に注目をされて戦後立法化されて、今までのその役目、役割というものは相当評価されてきたことは事実なんですが、時間があればもっと具体的にいろいろ質問したいのですが、これは一つの印象ということになるかもしれませんが、非常に政府の制肘を受けて、公正取引の独禁法の精神そのものが非常に弱められてきておるということをわれわれ感じておるのです。今回の重要な職務にかんがみて俸給を上げるということについてはわれわれは賛成であります。この重要な職務をするのにきわめて低い報酬でやっておったということは、報酬が安いからその重要な職務を認識しない、自覚しないとは私は言わないのですが、やはりこの特別職の給与の欄を見ましても、きわめて下位にあります。そういうことで、非常に公正取引委員会の価値というものはわれわれには見忘れられたような感じがしておるので十が、この際にひとつ公正取引委員会も本来の独禁法の精神に基づいて十分考えて、独禁法の除外立法になるような立法の際には、相当私は一般に内部的な構想でなくして、その意思を十分反映するように国会にもそういう意見というものを述べてもらいたいと思うのですが、こういう点についてはあなたからそういうことの答弁を求めるのは無理かもしれませんが、委員長はまだ来ていないのですか。
#32
○委員長(村山道雄君) 大臣と一緒にすぐ参ります。
#33
○山本伊三郎君 そういう感じを払拭するような気持があるかどうかということですね。事務局長にはこの質問は無理ですね。
#34
○政府委員(小沼亨君) 後ほど委員長も参ると思いますが、われわれのほうとしましては、独禁法の精神を守っていき、今後自由化された後もますます重要性をもってこれを担当していくという決意を、委員はもちろん、事務局の職員も持っております。実は昨年におきましても違反事件の処理というものは、かなり従来になく多く行なってきておるわけであります。
#35
○山本伊三郎君 今たまたま言われましたが、次に質問しようと思っておったのですが、三十七年度の事案審理件数はどれぐらいございましたか。
#36
○政府委員(小沼亨君) 百五十四件でございます。
#37
○山本伊三郎君 そのうちはっきりした違反として手続をとられた件数はどれぐらいありましたか。
#38
○政府委員(小沼亨君) 審判を開始いたしましたものが十二件でございます。勧告の審決をしましたものが七件、そういうことになっております。
#39
○山本伊三郎君 この審判の十二件のケースは、十二件全部言ってもらう必要ないのですが、そのうちおもなるものはどういう違反事件ですか。
#40
○政府委員(小沼亨君) 審判開始の十二件では、関西方面に行なわれました教科書の販売、売り込みにあたりまして不公正な方法を用いたということで六件の審判開始がございました。残りの六件につきましては、いろいろな団体等におきまして価格を決定して、これ以下には売らせないという価格制限をやったというようなことで、それを違反として審判開始したものでございます。
#41
○山本伊三郎君 価格協定されたその品物のそれは、どういうものであったんですか。
#42
○政府委員(小沼亨君) 建築用の塩化ビニールの波板とか、それから小中学生のはきますズックぐつ、それから製菓原材料になりますジャム、そういったようなものがあったようでございます。
#43
○山本伊三郎君 そういう協定価格を作ろうという、これは違反だとは言いますが、やはり中小企業が多いと私は見るんですがね。そういう、そこに、違反をするようなところに押し込めるような事情というのが、審判の過程でどういう事情があったんですか。
#44
○政府委員(小沼亨君) 実際に審判を担当しておりませんので、そういう一々の審判の過程のことにつきましてはつまびらかでございませんが、やはり場合によりましては、原材料の値上げがあったとか、人件費の値上げがあったというようなことで、やむを得ずこういう決定をしたというような事情は述べられておるわけでございますが、公正取引委員会としましては、やはり中小企業関係の違反もありまして、その苦衷はわかるわけでございますが、協定でもって制限するということになりますと、やはりことに中小企業の関係が消費者にすぐに触れ合う問題でございまして、消費者のほうからの申告というようなことがきっかけになっている場合が多いわけでございますから、十分協定によるものは排除していくという形でやっております。そういうわけで、中小企業だから、特に協定してもやむを得ないと扱うわけにはいかないと思います。
#45
○山本伊三郎君 法の建前は、私はそのとおりでいいんですが、実は中小企業の場合には、ことに競争者が多い産業になると、私の聞くところでは、相当そういう価格協定をやらなければ会社がたっていけない。これは公取委員会の役目じゃないんですが、通産省の役目になると思いますが、結局一つの矛盾というものがそういうところにも出てきておるように私は聞いておるんです。で、特に大産業については、私は十分実情を知らないけれども、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法等に、先ほど申しましたように、特別立法を見ると、大産業についてはそういう価格協定とは言わないけれども、非常に取引委員会では大目に見ておるというよりも、政府の圧力に屈して大産業にそういうものを認めるような傾向があるのじゃないか。中小企業はもうそれによって立つか立たぬかというような追い込められた中で法律違反だといってやられるのですが、私はそれ自体は悪いとは言っておらない。やはりそこに一つの法の矛盾があると思うのですが、当事者としてそういう感じはありませんか。
#46
○政府委員(小沼亨君) 御指摘のような問題は確かにあるわけでございます。したがいまして、中小企業でどうしても不況で価格協定をしなくてはならぬというようなときには、せっかく中小企業団体法があるわけでございまして、これで認可をとっておやりになるというようなことで、できるだけわれわれのほうとしてはそういうような中小企業の方には申し上げておるわけでございます。大企業につきましても、ほんとうのカルテルによる価格協定というものが確かに確証が上がって参れば処理できるわけでございますが、今のところ法律によって認められたもの、あるいはいろいろ行政指導によってカルテルでなく行なわれているというものについてはなかなか公正取引委員会でも処理できないという事情がございます。
#47
○山本伊三郎君 その事情はよくわかります。カルテルによるようなそういうばかなことをやる大産業はないんですが、電気器具産業にいたしましても、協定価格ではないけれども、市場の価格を見るとほとんど同一のような価格で売られておる。それを競争で下げようとしても下げられないような内部の事情があるということを聞いておるんですが、ここに私は、独禁法を運用される皆さん方の悩みがあると思うんですが、この点はわれわれの政治上の問題にもなりますけれども、公正にひとつ、取引委員会の審理事件については善処をされたいと思うんです。力の強いものには屈して弱いものにはきつくいくというようなことでは、私は公正取引委員会の存在自体が意味がなくなると思うんです。この点についてはあとで委員長が来たら聞きますけれども、この点ひとつ事務当局としても十分補佐の役目を果たしていただきたいと思います。この点につきまして、ひとつ、質問といいますか、何か意見があれば言ってもらいたいと思います。
#48
○政府委員(小沼亨君) 十分そういう御趣旨をもって処理していきたいと思います。
  ―――――――――――――
#49
○委員長(村山道雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま鬼木勝利君が委員を辞任され、その補欠として白木義一郎君が委員に選任されました。
  ―――――――――――――
#50
○委員長(村山道雄君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#51
○委員長(村山道雄君) 速記をつけ
 て。
#52
○山本伊三郎君 それじゃ大蔵省に一つ聞いておきましょう。
 今度委員長の報酬を四万円引き上げたんですが、公正取引委員会の委員の報酬はどうなっているんですか。
#53
○政府委員(平井廸郎君) 委員の報酬につきましては、今回の改正においては引き上げを行なっておりません。
#54
○山本伊三郎君 今幾らですか。
#55
○政府委員(平井廸郎君) 十万八千円でございます。
#56
○山本伊三郎君 国家公安委員が出ておるんですが、国家公安委員は、あれは幾らになっておるんですか。
#57
○政府委員(平井廸郎君) 国家公安委員会の委員の俸給月額は十四万円でございます。
#58
○山本伊三郎君 もちろん、この特別職の給与の決定には、おのおのポストに応じて差があると思うのですが、国家公安委員会は日本の警察の最高指導者としての価値もありますが、公正取引委員会は、産業全体に対するいろいろの公正な問題を取り扱うところでございますが、少し差があり過ぎるのじゃないかと思うのですが、特別職の給与を管理する大蔵省の給与課長として、どう思いますか。
#59
○政府委員(平井廸郎君) 先ほども申し上げましたように、公正取引委員会自体の職務と責任が、次第に重要の度を高めておることは御承知のとおりでございまして、そういった点を勘案いたしますならば、現在のままの公正取引委員会委員の俸給月額でいいかどうか、かなり議論のあるところだろうと思います。ただ、今回の公正取引委員会の委員長の給与引き上げ自体は、たまたま、更迭に際して、しかるべき人を得るというような考え方で行なわれましたこと、並びに、もし公正取引委員会委員というところまで改定を行ないますといたしますと、特別職全般について、ある程度、問題を考えなければならぬということでございまして、現在までのところ、全般的な検討を行なうだけの時間的余裕もなかったわけでございます。とりあえず、公正取引委員会委員長のみに限ったわけでございます。したがいまして、今後の問題といたしまして、先生御指摘の点については、十分検討いたしまして、しかるべき方法を考えたいと思います。
#60
○山本伊三郎君 早くから特別職の給与については、われわれ、疑問と申しますか、問題があるように思っておったわけですが、今までこういう、特に一つの委員会の問題を取り上げて、こういう法律案を出された機会がないので、私どもも、今まではベース・アップというような考え方で見ておったのですが、今度の公正取引委員会の委員長の重責ということを認識して、政府がこういう措置をせられるということは、冒頭に申し上げましたように、私はいいと思う。しかし、全般を見ると、非常に問題があるようなものがあると、どこが高くてどこが低いということは、私は言いません。職務内容から見ると、いろいろ問題があると思うのですが、この特別職の給与の立て方について、大蔵省としては、一つの基準とか、そういうものはあるのですか。
#61
○政府委員(平井廸郎君) 一つの基準があるかというお尋ねでございますが、率直に申しまして、こういった給与について、総体的にバランスをどの程度に置くべきかということは非常にむずかしい問題でございまして、率直に申しますならば、過去の沿革というものが、ある程度基礎になっておるということは事実でございまして、今後、このままでいくのかどうかという点については、私どもも、確かに問題があると考えておりまして、今後、全般的な検討を行ないたいというふうに存じておる次第でございます。
#62
○山本伊三郎君 そうすると、今言われたように、今度の場合は、公正取引委員会の委員長だけを閣議決定したかどうかということでやるだけであって、あとは、引き続いて検討するというかまえは、大蔵省持っておるのですね。
#63
○政府委員(平井廸郎君) 公正取引委員会の委員長の問題から、そういう問題を考えるということだけではなく、御承知のように、先般の国会におきまして、国会議員の歳費を十八万円に引き上げるという問題も起こって参りましたし、またいろいろ、認証官等の問題も論議されておるようでございます。さらにまた、政府関係機関の役員給与とのバランスから見ても、特別職の給与は現在のままでいいのかどうかという御議論もあるようであります。こういった点を総合勘案いたしまして、われわれといたしましても、今後特別職の給与について、全般的に検討をいたしたいということで、作業を始めているわけでございます。
#64
○山本伊三郎君 大臣なり公正取引委員長が来ないので、若干わきに入った質問になっているのを御承知願いたいと思うのですが、この各種の委員会の委員長、それから委員は、行政組織法から見まして、これはなんですか、一般の公務員のような兼職についての制限が、許されている、制限が非常にないように見ているのですが、その点、どうですか。
#65
○政府委員(平井廸郎君) 委員会にもよりまして兼職禁止のものもございますし、そうでないものもあるわけでございます。ただ、こういった常勤の委員でない非常勤の委員等につきまして、兼職禁止の例はほとんどない状況でございます。
#66
○山本伊三郎君 常勤の委員でも、兼職禁止というものは少ないように思うのですが、この点、どうですか。
#67
○政府委員(平井廸郎君) お説のとおりでございます。
#68
○山本伊三郎君 今後そういう兼職制限の度合いというものを考えて、特別職の給与というものを考えなければ、そこにもちょっと若干矛盾が生じてくると思うのですが、その点、どう思われますか。
#69
○政府委員(平井廸郎君) 確かに、そういった点も一つの問題点でございますので、そういう点も十分頭に置いて検討いたしたいと思います。
#70
○山本伊三郎君 公正取引担当局に聞きますが、公正取引委員会の委員長並びに委員は、もちろん常勤だと思うのですが、兼職の――今の実情ですよ、兼職の度合いはどういうことになっているのですか。
#71
○政府委員(小沼亨君) 委員の方は兼職ございませんが、委員長は、任命をされました際に現在やっておられました兼職のうち、無報酬のものにつきまして、残り期間若干ということで、兼職しておられる面がございます。
#72
○山本伊三郎君 それじゃ、大臣なり公取の委員長が見えられないから、事務当局だいぶつらい立場で答弁しておったのですが、来られてさっそくですが、あの公取の委員長の給与を引き上げるということは、私はいいということの前提で質問しているのですがね。今度は、今の質問のは、公正取引委員長が無報酬の場合は兼職を認めるというのですが、こういう重要な職責ですから、報酬があろうとなかろうと、この職務に専念するという建前が私はいいと思うのですが、大蔵大臣はどう思われますか。
#73
○国務大臣(田中角榮君) 原則はお説のとおり、公取委員長という職責の重大性から考えまして、兼職をしないということであるべきだと思いますし、なお将来も、この職責の重大性を考えますと、より高い地位と高い身分、高い給与を給することによって、あらゆるものに関係をしないほうがいいというふうに、原則的に考えます。しかし、現実的に兼職でやっておりますものは、税制調査会の委員とか、交通基本問題調査会の委員とか、いわゆる公取で出てもらって、話を聞いておってもらったり、また、当然公取の仕事の中から生まれてくるものを、そういうところでもって活発に意見を出してもらって、社会のために、政治のためにもプラスになる、こういうものに限って兼職ということになるかどうかわかりませんが、そういう意味での兼職を認めておるわけでありまして、議論があれば、社会公共のためこれこれ以外のものは無報酬といえども兼職をしないというふうに明らかにすることがより合理的かもしれません。その問題については検討いたします。
#74
○山本伊三郎君 冒頭に言っておきますが、質問が込み入っておるので私すわったまま質問してまことに失礼でございますが、そこで、今大臣言われました、そういういろいろ委員会の委員とか、そういうものを兼職するというものはいいという判断ですが、私の考えを申しますと、公正取引委員会の委員長というのは、一つの裁判官のような形の仕事を持っておられます。これはもう特に裁判関係と申しますか、審判関係の役職を持っておる人は厳格な兼職禁止の規定があるのでございますが、私は報酬はうんと出していただいてもいいと思う。公正にものを裁くためには、それがどういう兼職であろうとも避けるべきが妥当だと私は思うのですが、大蔵大臣は大体原則的に承認されましたからこれ以上言いませんが、特にそういう配慮をひとつしていただきたいと思います。
#75
○国務大臣(田中角榮君) 独禁法三十七条に書いてございますように、「内閣総理大臣の許可のある場合を除く外、」ということになっておりますが、これは国務大臣は私企業禁止は原則でありますが、いずれにしても、これと同じような法制上の建前になっておるわけであります。でありますから、これは法制を再検討するときには当然問題になるものであって、公取委員長という職務が非常に重大である、中立性が必要でありますから、最高裁判所の判事のように全く禁止ということが必要であるという御議論はよく理解できます。ただし、現状は他の法制上のつり合い上でこういうふうになっておるのだというふうに理解をいたしておるわけであります。国務大臣等も、当然公取委員長がそういうことになれば、これは政治常識上の問題というよりも、法制上何らかの必要があるという問題も過去にいろいろ議論せられておるわけでありますから、これらとの関連もありますので、検討いたしたいと思います。
#76
○山本伊三郎君 それじゃ時間も急ぐわけでありますし、集約をしていきたいと思います。先ほど大臣がお見えになる前に事務当局に聞いておったのですが、大蔵省として、この独禁法の規定を除外するというような意味で、相当この特別立法によって共同行為を認めておるのです。たとえば一例を申しますと、輸出入取引法に基づく協定もありますし、あるいは輸出水産業の振興に関する法律に基づく共同行為もあるし、その他ずいぶんありますが、時間の関係で省略いたします。そういう法律によって共同行為は認めておるのです。これは今の急激に発展する日本の経済産業から見ればやむを得ないという政府の施策に基づくものだと思いますが、これと一方、中小企業では、先ほど事務当局に数字を聞きましたけれども、三十七年度でも相当価格協定による違反事件がある。そういうことから大企業に対しては比較的この特別立法によって共同行為を認めながら、中小企業にはある程度過酷とは言いません、法の建前上当然でありますけれども、違反事件としていろいろ制約を受けておる実情ですが、今後この特別立法に基づく共同行為というものは年々ふえていくのですから、こういうことについて政府はどう考えるか。
#77
○国務大臣(田中角榮君) 御承知のとおり、独禁法は消費者の立場で、国民の立場でその利益を確保し、権利を守っていくわけでありますから、全くこの法律と背反するというような法律は立法せられないという立場に立っておるわけであります。しかし、輸出入取引法の改正は、昭和三十一年か三十二年と思いますが、これは国民の権利を守るという大きなワクの中で、そのためには輸出をどうしても振興しなければならないのだ、輸出の振興をし、外貨を獲得せざれば、われわれが考えておるように、文教の拡充強化も、公共投資の増大も、社会保障の拡充もできないのである、いわゆる優先度というものを十分慎重に国会で検討をしていただいた結果、いわゆる公正取引委員会の仕事を一部制肘し一部除外例を作るようなものであるが、それは国家目的として、また、国民の立場から見て、当然そうすることによってわれわれの利益が守られるのだ、こういう観点に立っての除外例的な立法が行なわれておるわけでありますので、これらの問題に対しては、慎重にその事態に対処して、永久的なものではなく、ある時期だけ時限立法的なものとしてやられたものもあるのでありますから、これは既得権としてこの法律が永久に施行せられておるために、独禁法そのものが骨抜きになったり、精神が阻害されたりということに対しては十分注意を払っていくべきだというふうに考えておるわけであります。
#78
○山本伊三郎君 それじゃ大蔵大臣ひとつ、先ほどあなたのところの給与課長に聞いたのですが、今度特に公正取引委員会の委員長のみを摘出して四万円のベース・アップをするこの意味は聞きました。ところが、全体、特別職の給与を見ますと、最高二十六万円の総理大臣を初めずっとランクがあるのですが、見てみますると、非常に矛盾の点もある。しかし、それを取り出すと、そこの委員長怒るから私は言いませんが、高いという意味ではないのです。割合に委員会のこの職務を見ましても、また、委員会の取り扱っておる件数から見ましても、公正取引委員会のような、そうたくさん件数のないところでも相当高い手当、給与を出しておるところもあるのですが、これについて特別職に対する給与の何か算定基準というものを大蔵省あたり持っておるのかどうか、この点どうです。
#79
○国務大臣(田中角榮君) 具体的な問題として、なぜ一体、公取委員長だけを抽出して上げるのか、これは公取委員長の給与が低過ぎたということであります。人事院総裁とか、会計検査院長とか、国会議員の給与とかいうものと比較してみる場合に、今まで低過ぎたということを単純に考えていただければ最も幸いと考えておるのであります。確かに政府関係機関、また、法律に基づく諸機関の給与がばらばらであるというのは、同一の時期に立法されたものではないのであって、昭和二十二、三年から四年ぐらいまでには、物価の変動も非常に多いときでありましたし、そういうときに作られたもの、それから二十六、七年ごろに作られたもの、三十年になってから作られたもの、そうして、そういうもので相当アンバランスがあることはお認めいただけると思うのであります。ですから、ある時期にこういうものの内容を検討してやめるものもありますし、きっとあると思うのであります。今、内閣でも調査会やいろいろ政府の関係の機関の整理統合を考えておりますから、こういうものと軌を一にしまして、やはり適正にひとつ内容を検討し、その職務の重要性、特に私企業というようなものに関係してはならないとか、また、精神的には、その職を離れた後でも直ちにやってはならぬというような高度の要求もあるのでありますから、こういうものを十分勘案をしながら、やはり一定の、納得すべき給与体系が作られることこそ望ましいと考えております。大蔵省自体でもそういう考えのもとで今検討いたしておるのであります。
#80
○山本伊三郎君 公取委員長が来ないので、もう一問だけで私終わりたいと思うのです。
 今度の公取委員会の委員長のこの十八万円にされたということについては、今言われたとおりに、今まで低過ぎた。私は、これはわれわれの立場からこれを邪推して推論するのじゃないのですが、公正取引委員会というものは、政府としてはあまり好ましくない機関である。したがって、それがために給料を押えておったということは言いませんが、きわめて軽視をしておった感じが私はあるのじゃないかと思う。大蔵大臣、こう言ったら、そんなことは決してないという答弁をすることはさまっているのですが、やはりそういう点は、われわれとしてはそういう見方をしておるのです。公正取引委員会があまり勝手に動かれると、大産業の企業経営者はあまりおもしろくないということは、これは私は常識上判断できると思うのです。そういう点について今後公正取引委員会を政府は、政府の干渉する機関じゃないのですからね、独立した機関ですから、しかし、給与はこれは政府がきめてしまう。そこにある程度の制肘権を持っておる。しかも委員会の委員長を任命するにしても、閣議決定して総理大臣が任命するという機関ですから、大蔵大臣は非常にそういう点では公正な取り扱いをする人だと思うのですが、十分その点をひとつ考えてもらいたいと思います。
#81
○国務大臣(田中角榮君) 公正取引委員会というものは、また、独禁法というものは、これからの複雑な社会状態に対処しましては私はより強化をしていかなければならない、これは観念論的で、これは絶対動くべからざるものであって、ほかにどんな重要性があってもこれは動かすものではないというような考え方で私は言っているわけじゃありませんが、いずれにしてもこれから非常に複雑化してきますと、公正取引委員会というものの機能、機構の拡大、また、権能の拡充という問題は時代の要請として当然のことだと私は考えておるのです。でありますから、ここのところ十八万円ということが出ましたときも、これは仮定の議論でありますが、公取委員会の委員長は三十万円くらいにして少なくとも五年間くらいは、やめても私企業に関与してはならぬというくらいな地位、身分というもののいわゆる終身的なそういう待遇まではっきりと確保しないと、公正な法の運用はこれはやっぱりできるものじゃないのだ、こういうことを私は相当強く言った立場にあります。私はその意味で、公取委員会がこれからますます重要になるであろうということはそのとおり考えております。今までその十四万円に据え置いたのは、どうも大蔵省も政府もこういうものはあまり大きくなっちゃ困るから、だれでも優秀な人材が来ないようにというニュアンスは、それはそういうことではありません。それは誤解でありますから、この機会に明らかにいたしておきますが、政府関係機関やいろいろな機関は法律でもって今度新しく作ったものが二十五万円である。ある機関の平理事でも二十三万円である。われわれは認証官でも一体どうしてこんなに低いのですかというようなことも絶えず言われるのですが、ちょうどこの公取の委員長は三代続いて大蔵省出身者が出ている。渡辺現委員長もそうですし、この前の佐藤基氏も大蔵省の出身者でありますし、その前の長沼弘毅氏もそうです。これは三人とも私はよく知っておりますので、どうだ、上げようかと言ったのですが、大蔵省の人が委員長になっておるときは、これはどうもお手盛りだという非難があるので、われわれにかわって、より優秀な人材が来たときに考えていただきたい。これは私どもこの三人とも非常にりっぱである、こういうふうに考えておりますし、渡辺君も、公正取引委員長になるときに、大蔵省出身者でありますから、私の代に上げてもらいたくないということさえも明確に言われておったのでありますから、政府がこれを押えるために安い月給でということは誤解でありますから、ひとつ御理解賜わりたいと思います。
#82
○山本伊三郎君 今の大蔵大臣の発言は十分了解をいたしました。そういうつもりで、あなただけではなくして、池田総理初め政府全部がそういう気持でやってもらいたい。
 次に、公取委員長に伺いますが、実はあなたの留守中にいろいろ事務当局に聞いたのですが、大蔵大臣も今大所高所から政府の考え方を述べられましたので、あれで大体尽きていると思うのですが、今度公正取引委員会の委員長として非常につらいと申しますか、重要な職務を扱っていただくのですが、今までのずっと件数なんかも全部聞きましたが、相当問題のある私は機関だと思うのですが、委員長としてひとつ名前のとおりに公正取引委員会の委員長として、大企業でも中小企業でも、その企業の実態、あるいはかりに共同行為の立法行為をされる場合でも政府に対してきぜんたるひとつ意見を持って公正取引の仕事をしていただきたいと思うのですが、その点どういうお考えを持っておられますか。
#83
○政府委員(渡邉喜久造君) 私まだ着任きわめて日が浅うございますが、公正取引委員会の仕事が、きわめて日本経済の現在あるいは将来にわたっての発展において重要なる役割を持つものであるということにつきましては、認識を持っているつもりでございます。したがいまして、その対象が中小企業であるとか、大企業であるとかといったような意味の点についてだけでなくて、やはりあらゆる企業が独禁法にきめられておりますように、いろいろなカルテル行為をやったり、あるいは不公正な行為をやったということによりまして経済のあり方というものをゆがめるということのないように、公正取引委員会としてはどこまでもその所信に基づきまして行動して参りたい。かように考えております。
#84
○山本伊三郎君 それでけっこうなんです。私の言ったことが少し足らなかったのですが、独禁法の規定にのっとってやるということは、これはもうもちろんそうであるべきなんですが、先ほどちょっと大臣も言ったのですが、独禁法を少しは除外するような特別立法が盛んにされてきている。御存じだと思いますが、私が調べただけでも大体九つほどあるのです。しかし、そのおのおのはやはり調べてみますと、そのときの経済事情、日本の輸出入の状態、その他から見て必要であるということもわかるのですが、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律に基づく共同行為、こういうものについては、われわれも理解する点もあるのですが、そのほか大企業に関係するやつが相当ありますので、その際、これはまあ将来の問題ですが、ひとつ公正取引委員会としては、政府がそういろ立法をする際にも相談を受けるということを聞いたのですが、政府を制約するだけの権限があるないは別として、公正取引委員長としてきぜんたる態度でひとつ進言をしてもらいたい。こういうことを私はちょっと言っておきたい。
#85
○政府委員(渡邉喜久造君) 御趣旨の点はよくわかりました。私どもとしましては、御趣旨の線に沿いまして今後行動して参りたいと考えております。
#86
○鶴園哲夫君 大臣に二問ほどお尋ねしたいのです。これはいずれも前回事務当局並びに公取委員長にお尋ねをしまして、若干了解しにくい点があるものですから、大臣にお尋ねをしておきたい。先ほど山本委員が、十四万円から十八万円にどういうわけで引き上げたかという質問をしたわけです。私も同じような質問をいたしましたが、それに対します事務当局の答弁は、近年非常に公取委員会の仕事というものは重要性を増してきたということですね。これが一点。このままではどうもふさわしい人が来ない――あまりいいうまい答弁ではないのですが、こういう二つです。これはどうもあらゆる角度から文句を言いたいのですよ、こういうことでありますとね。私はそれは省略して、どうもこの十四万円から十八万円に上げたその理由がすっきりしないわけなんです。で、前の方も大蔵省出身だと、今度の渡辺さんも大蔵省出身だとおっしゃる。前の方は、これは官房長官と同じところの給与だったのですが、任期中に官房長官と同じ数字だったのが落ちたのです。さらにまた、任期中に政務次官に落ちた。二段階落ちたわけです。ほっといたわけじゃないと言うけれども、実際上ほっとかれたことになるわけです。それを今回大臣と官房長官の中間に置くわけですね、四万円上げて。どうも私は、今度なられた渡辺さんは住宅公団の副総裁でしたね、それでこの十四万より高かったということも考えてしたのじゃないかという気がするのですけれどもね。前の佐藤さんもおやめになるときに、これは十四万じゃまずいから上げてもらいたいということを盛んに言っておられた。しかし、そのとき実現しなかったということが新聞に出たわけです。今度こういうことで上がるということは、なおすっきりしないのです、どういうことなのか。
#87
○国務大臣(田中角榮君) これは先ほどもすなおな気持で申し上げたのでありますが、いわゆる人事院総裁とか、今の公取委員会の重要性から考えまして、当然平仄を合わせるべきであったと。私はそれよりもより公正取引委員会というものが将来重要であり、しかもその身分や、そういうものを確保するということから考えますと、先ほどざっくばらんに申し上げましたが、ほんとうに給与も、当然身分や職務の重要性についていくものでありますから、もっと制度の上で、こういうものはほかのものとのつり合いということよりもより高い立場で、一体この独占禁止法というものの法律のウエート、それから公正取引委員会とういものの重要性、こういうものを考えて、思い切って上げたいという考えを持っておったわけでございます。私は閣内でもそういう非常に強い発言をした。大蔵大臣が金をよけい出そうと、こういう考え方は初めてだねと言われたぐらいに私は強くこの問題をあれしたわけであります。
 私は、当時商工委員長として、先ほど申し上げた輸出入取引法の改正案をみずから審議をしたことがございます。まあそのときからのいろいろの問題を熟知しておりますので、特に三十八年度の予算編成から、このころから物価問題等もございましたし、公正取引委員会というものは非常に安定的なものであり、相当長く優秀な方々についてもらわなければならないという、こういう重要性から考えて、もう官房長官とかその他の給与とかとバランスをとるということよりも、より高い立場で考えていったほうがいいという議論も言ったのですが、言ってもしかし、当時国会議員の歳費引き上げという問題もありましたし、そのときに特別職だけ、国会議員が上がれば当然官房長官、政務次官というものも引き上げなければならないという議論があったのですが、御承知のとおり、国会議員の給与よりも官房長官は低いという状態になっておるわけでありまして、そういうようないろいろな問題がからんできておるときに、一挙にそれを引き上げるということを考えても、なかなか合理的な結論も出ないので、私は先ほど申し上げましたとおり、これらの問題に対しては将来、非常に時期が違って作られておりますし、これは理事の数などもそうです。戦後作られた小さな規模のものが十五人もおって、その何十倍の仕事をやっているものが十何人しかおらぬ。そういう問題を今あわせて検討をいたしておるのでありますから、さしあたり平仄を合わせるという程度までの引き上げを考えようということで引き上げを考えただけでありまして、渡辺新公取委員長が前に受けておった住宅公団副総裁よりも給与がうんと開いておったので、これを幾ばく穴埋めをしようというようなことは絶対考えておりません。またこれはそういう問題が起きても困りますので、私の代でも現行のまま据え置いてほしいとさえ現委員長は自分の意思を表示したのでありますから、私はそういうことに対して、何とか穴埋めしてやろうというような気持はございません。しかも事務当局は給与を上げなければいい人は得られない、これは少しく俗論でありまして、そういう考え方よりもより別な立場に立って最小限の引き上げをお願いしておる、こういう格好でございます。
#88
○鶴園哲夫君 これは御承知のとおり、昭和二十三年にできたわけですが、その当時は大臣と同じ給与であって、それがまあ年々据え置かれまして、据え置かれたといっても上がったのですけれども、相対的にだんだん地位が落ちまして、政務次官のところまで落ちたわけです。今回私に言わせると、その地位を政府がここに持ってきたという努力がなされたと思うのです。ところが、これは公取委員長にも伺ったし、事務当局にも伺ったのですけれども、これは単に公取委員長の給与の問題だけではない。組織の問題にいたしましても、それから人員の問題にいたしましても、同じようなことが言えるわけですね。詳細に申し上げませんですがね、組織の問題については、地方に地方事務所を設けることができるということになっているのです。この公取委員会ができたときに、大阪と名古屋と福岡にできたわけです。翌年あたりまた作ろうということだったのでしょう。ところが、それ以降切られてしまって、今日まで札幌にもない、仙台にもないということです。ことに、大体地方ブロックごとに作るぐらいの配慮がなければ公取委員会の事務というものはできないじゃないか。近年非常にこの公取委員会の仕事ふえて参りまして、公取委員長とされてもこの点については十分努力をしたいというお話なんです。それから人員の問題にしましても、これは十人しか動いていない。ここ三、四年は非常に仕事ふえておりますけれども、詳細には申し上げませんけれども、そういう面について公取委員長がいろいろと努力される、同時にやっぱり予算の関係がありますので、大蔵省としても努力してもらいたいという要望を申し上げたいのですがね。
#89
○国務大臣(田中角榮君) 先ほどから申し上げたとおり、これからますます、社会的要請からいたしましても、公取委員会の重要性は増すのであります。でありますから、大蔵省といたしましても、公取委員会の機能の拡充、機構整備という問題に対しては、格段の配意をして参りたい、かように考えます。
#90
○田畑金光君 私二、三大臣にお尋ねしたいと思うのですが、先ほど山本委員の質問に答えられて、公正取引委員長の俸給の問題についてお答えありましたが、前委員長も、現委員長も、さらにその前の委員長も、大蔵出身でした。大蔵省出身なるがゆえに自分たちの在任中の給与引き上げは遠慮してもらいたい、まあこういう非常にりっぱな心がまえを聞かされまして、われわれもりっぱな人柄だと大臣と同じように敬意を表するわけです。
 同様に、私、今国民が非常に関心を持っておるのは、大臣もすでに御承知のように、この間、行政管理庁設置法の一部改正の際にも、この委員会でいろいろ取り上げられた問題ですが、いわゆる政府機関である公社、公団、公庫、事業団等々の最近の乱立を見たときに、それはもちろん国の行政機能を遂行する点から見ますと、必要な機関であることは認められまするが、しかし、それらの機関にいわゆる横すべり、天下りという形で入っておる理事、総裁、副総裁という人方がほとんど多く大蔵省出の人方である。花の十二年組などと言われて、ほとんどの局長が、公庫、公団の理事、総裁、副総裁、理事長になって、しかも総裁ともなれば三十三万の俸祿を取るわけです。副総裁でも二十七万円、あるいは理事でも二十五万円、それはいずれも大蔵省出身が多いわけです。公正取引委員会においでになる委員長たちは先ほどのようにりっぱな心がけを持っておられるわけで敬服いたしますが、ところが、やっぱり同じ大蔵省出身の人方がああいうところでほとんど独占的な地位を確保しておる。これはどうも大臣のさっきのお話からすると、大蔵省出身であるだけに、われわれとしてはすっきりせぬ感じがするわけです。首尾一貫せぬような印象を受けるわけです。この点については、一体どのように大臣は考えておられるのか。
#91
○国務大臣(田中角榮君) 私は御承知のとおり、野人でありますし、民間人でありますから、大蔵省の中に入りましても、官僚の代表、利益代表というような考えは絶対ありません。私は今ちょうど民間と大蔵省官僚との中間にあって、公正なる立場でものを見ておる、みずからそのようなものさしを持っておるわけであります。この天下りというような問題に対していろいろ議論がありますが、私も自分で人事をやりますときに、前にもやったことがあります。郵政省に参りましたときに地方局長入れて四十人のうち二十七、八名民間に転出した、こういうこともあります。私はそのとき言われたのですが、これはただ観念的な問題、また、将来の理想的な問題、現実的な問題、公務員制度の法の問題、こういうものを分けてやはり考えて正鵠を得た議論をしてもらわなきゃいかぬということを私自身がそう考えておるのであります。私も民間出身でありますから、その民間、マスコミ、特に議院等におきまして、高級官僚の天下りということに対しては本能的には、本質的には反対という考え方をとっておるのでありますが、これは外部におりまして何も知らないで言っているときと、事実こうずっといろいろ法制、組織の上を考えてみるときに、官僚出身者が政府関係機関等に出てはならないというなら、そのほかに法制上こういうところはこう直さなきゃならぬというような問題がたくさんあるのであります。まず原則的な議論を申し上げますと、私は国会で議決をせられ、附帯条件をつけられたそういう本質的な議論に対しては賛成でありますし、その意見は尊重していくつもりでありますが、ただやみくもに高級官僚というものは政府関係機関に行っちゃいかぬのだという考え方には同調しておらぬのであります。なぜかといいますと、法律の建前上今まで一般会計所管であったものが少し企業性を加味したほうがよろしい、もう少し何か弾力的な経営の方針ができないか。これはまた一般会計でもって官業としてやるよりも何か民間的なアイディアを幾分でも入れられないか。ただし、これは純民間として民間に移管できる事業ではない。国会の制約があります、当然法律の制約がありますし、特に政府関係機関の予算そのもの、予算の執行、また、そこに勤めておる方は公務員法の準用を受ける、こういうことでありますので、これは民間とは違うのであります。現在民間のような、できるだけ官業のロスというものは排除しなければならないし、一般会計という税金でもってどこまでもまかなっていけるわけではないのでありますから、できるだけ財政投融資の資金でまず原資は返してもらう。われわれも民間の金を入れて利息も払えるように合理的運営をしてもらえないか、こういうわれわれの考え方、国民の考え方が、官業から離して公社、公団、政府関係機関にしたほうがいい、そういうのでありますから、民間のものとは違って、政府のプラス・ダッシュこういうような性格で、これは国会の制約も法律上の制約も予算上の制約もあるのは当然であります。でありますから、おのずから活動範囲は限定をせられるのであります。でありますから、そういう意味では、これは政府の分身でありますので、それとまた下部機構というのは政府の実体が全部動いた。電気通信そうでしょう。逓信省が電気通信省に分離し、電気通信省は全部電電公社に分離しているわけであります。国際電信電話会社もそのとおりであります。こういう事実を、このとおりにやっていきますと、これは私は政府関係機関からほかへいくことは天下りであって、これは観念的にすべて排除すべきものだということにはなかなかならないのであります。でありますから、これはそれであるならば政府自体にしておけばいいじゃないかという議論もありますが、こういう問題なんかもきらんと考えていただきまして、今よりもより合理的に、全く官僚の延長であって、政府の延長であって、少しも合理化ができないではないか、こういうことでは困るので、民間の人をどういうような状態で入れるか。御承知のとおり、三公社五現業等に対しても経営委員会等ができまして、民間の経営に対する、より高い考え方を事業面に反映しようという制度上の問題もあります。そういう意味で、私はどうもこういうことが一つあります。もう一つは、これは民間に行けという……これは重要な問題ですから私のほうからも聞いていただきたい。民間に行けないのであります。ですから五十才くらいであります。花の十二年組といわれますが、四十九才か、五十才くらいでほうり出されて、一体どこへ行くか。民間にしか行けない。自分の業務に直接関係のあったところは行っちゃいかぬ、こういう法律がある。人事院の許可を得なければいかぬ。そうすればいなかへ帰って百姓でもしなければいかぬ。これもそううまくはいかぬのであります。でありますから、いろんな法律で縛っておいて、走れということは、これは私はそんなことでは、より優秀な人材を行政府に集めることはできない。そういう問題。私はだから事実をさらけ出して、より高い立場で、公平に、やはり検討をして、合理的な結論を出さなければいかぬ。私も今そういう問題に対して、焦点に立っておりますので、いい勉強をいたしております。反撃とか反論するような立場ではない。私はやはり甘んじて公務員が国の任務につけるようにしなければいかぬ。だからどこへも出ていかぬというならば、六十才、六十五才まで、高給をもって終身的なものにするとか、そういう問題をやはり積極的に検討して、結論を出すべきものだ、このように考えています。
#92
○田畑金光君 大臣のお話はよく理解できますが、そこで私非常に不愉快に感ずることは、大臣のお話のような趣旨であるなら、この委員会でもこの間以来いろいろ質問しましたが、なぜ政府機関の公社、公団、金庫等の役員は、あのような高給を支給するのか、払わねばならないのか、こういう質問に対して、大蔵省関係の給与関係の責任者は、もう一貫して、それは民間から優秀な人材を持ってくるためですと、こう答えているのです。私はそこに不愉快きわまる態度がのぞかれるのです。うかがえるのです。もし大臣の言うように、なるほどああいう関係機関が政府、国会あるいは予算あるいは公務員法その他の制約を受けて、身分上の取り扱いも公務員としての規制を受ける、そういうようなことであり、しかも国家行政機能の一つの機関として、あれが必要であり、また、仕事の内容上、どうしても民間人の登用がむずかしくて、むしろ公務員の横すべり、あるいは天下り等によってやらざるを得ぬという面があるならば、やはり公務員との均衡を考えながら、あるいはその他特別職の公務員との均衡を考えながら、政府機関の役員の給与なりというものも当然私は再検討されるべき問題だと思うのです。でなくして、常に大蔵省の答えを聞いていると、民間人を、りっぱな人を迎えなくちゃならぬから上げているのだ。自分たちがやがて行くのだから上げているとは言いませんが、そういう言い方自体が、これはわれわれとしては納得いかぬわけです。そういう点について、大臣はどのように考えておりますか。
#93
○国務大臣(田中角榮君) 私も大蔵省で、あなたに今御答弁を申し上げたような事務当局のレクチャーを聞いたことがあります。非常に知恵のない、また、実際の実情を考えないことであります。確かに民間人を入れなければならないということで、これは占領軍当時から相当検討しまして、今の、きのうあたり電電公社の経営委員長に中山氏がなりましたが、こういう人に対しては制度上のきまりもあり、権利もありますが、しかし、給与というものはごく微々たるもの、また、兼職というような状態でやっているのです。でありますから公社、公団というような政府関係機関ならば民間人を入れることは好ましいことでありますが、民間人を取るために給与をうんと上げなければいかぬ、こういう理論にはなりません。私はこのように考えている。これは生々発展の状態から言いましても、その一般会計のものじゃないが、民営ではない。中間のものがあるのです。中間のものですから、一般の公務員よりも給与は高い。それはもちろん功なり名遂げて相当な人材がいるのでありますから。が、しかし、民間に出るよりも、確かに低いベースで押えられておる。このバランスをどこでとるか、こういうことがこれから新しく考えなければならぬ、公社、公団や政府関係機関の給与算定の基準にならなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。でも、中には有能な人材が、月給が高いから、高いほうだから来るということではなくて、渡辺公取委員長のように高いところから低いところに勇んで来てくれる人もあるのでありますから、これは高いから、必ずしも人を得るためにどこまでも給与を上げなければならぬという考えではなくて、おのずから際限があるわけであります。でありますから、今確かに――まあ二十八万円と言われましたが、私たちが記憶するところでは、日本の官庁、政府関係機関といわれるようなものの最高は、日銀総裁の給与が最高だというふうに私たちは教わっておったのです。その日銀総裁の給与というものは、相当長いこと据え置きでありますから、これは新しく作られた重要度の高い公社、公団というものの役員の給与には、高いものもありますが、中には非常に低いものもあるわけであります。十二万円、十三万円という低いものもあります。でありますから、こういうものに対しては、できるだけ早い機会に特別の水準を作って、国民各位が納得をするような、また、国会でも十分審議をいただいて、その機関の中における人たちも、安んじて業務に精励することができる、また、国家目的に沿うことができるような、また、合理的な給与体系をきめなければいかぬだろうということは、私自身も考え、検討しております。でありますから、一、二議論があります、私たちそれを承知しておりますが、民間の給与よりも高くして、それと同水準にして、民間から優秀な人材を抜いてくるのだという考え方は、どうも少し私も納得しておりません。公団、公社、それから政府機関とは、さようなものではないという基本的な考えに立っております。でありますから、民間と官庁との中間であって、しかるべく合理的な給与体系をきめる、こういう考えであります。
#94
○田畑金光君 先ほど、これまた大臣の御答弁に関連しまして、今後公取委の権限の強化、あるいは機構の拡充については、時代の要請に応じて、政府としては積極的に考えて参りたい、これはしごく賛成であり、もっともでありますが、ただ、最近の政府の施策が、公取という行政機関を強化する方向にいっておるのかどうか、こういう点について私は強い疑問を持っておるわけです。公正取引委員会の委員長の俸給月額を見ましても、昭和二十三年十一月から昭和二十六年九月までは、国務大臣と同額であり、昭和二十六年十月から昭和三十三年三月までは、内閣官房長官と同額、自後今日までは政務次官と同じになっておる。ところが、今度はまた、官房長官と大臣の中間に据え置く、こうなっておりますが、とにかく過去数年間の公取の委員長の俸給月額の動きというものは、ずっと下がってきたわけですが、これはちょうど公正取引委員会委員長の権限のあり方をそのまま俸給月額が示しておると私は言いたいのです。なぜかと申しますと、時間もありませんので詳しくは申し上げませんが、独禁法緩和のための立法というのは、先ほど来いろいろ指摘されましたけれども、おもなやつだけでも十二あるわけですね。輸出入取引法であるとか、あるいは硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法であるとか、あるいはまた、最近では、石炭鉱業合理化臨時措置法、機械工業振興臨時措置法、あるいは繊維工業設備臨時措置法、電子工業振興臨時措置法、中小企業団体の組織に関する法律、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律等十二あるわけです。この十二もある法律の中には、当然、中小企業、零細企業、サービス業等々、必要な立法措置であり、これはどうしてもやむを得ない内容も多々あること、特にまた、不況産業等に対する措置のために出てきた法律等、この必要性は率直に認めますが、しかし、公正取引の確保とか独占禁止をあくまでも守っていこうとする公取委の権限というものは、時代の経過とともに縮小されてきたというのが、私は事実だとこう思うのです。ことに、この国会においても、金属鉱業等安定臨時措置法案が出ておるわけです。これはもう成立したと思いますが、さらに大きな問題としては、特定産業振興臨時措置法案という法律案が出ておるわけです。この特振法等については、これは特にこの国会で、大きな法律案として取り上げられておるように、法案の内容をいろいろな面から検討をしてみますと、結局は公取委の権限というものが、大幅に独禁法の緩和を通じ後退しておるというのは、いなめない事実だと思うのです。そういう点から見たときに、私は、過去数年間の公取委の委員長の俸給の動き方というものから見るならば、どうも今、公取委員長の権限強化だという名のもとに俸給を引き上げなくちゃならぬということも、実態から遊離しているような印象を強く受けるわけです。もちろん下請代金支払遅延等防止法とか、不当景品類及び不当表示防止法とか、こういう公取委の事務的な仕事がふえたということは、私は認められますけれども、独禁法の番犬である――経済憲法である独禁法をあくまでも守っていくのだという、この大きな公取委の権限そのものは、後退しておる。自由化を控えてさらに後退する傾向にある、こういうときに、公取委の月額を引き上げるということが、その実態からいうと、私は遊離しておるような感じがするわけです。断わっておきますが、公取委員長の俸給引き上げに私は反対するのではなくして、実態からいいますと、私はそういう印象を免れないと思うのですが、この点大臣どうお考えになりますでしょうか。
#95
○国務大臣(田中角榮君) 原則としては賛成であると、こういうことでありますので、非常に喜んでおるわけでありますが、確かに今までいろいろなお説を聞いておりますと、公取委の権限を削除するような、拘束するような法律ばかり出ておったものだから、その間ずっと据え置きだったろう、こういうことでありますが、それは少しうがち過ぎた、あまり専門的に研究された結果の御議論でありまして、少なくともただいまは、消費物価の問題等もありますし、国民の側に立って、とにかく独禁法というものは、公正に運用しなければならぬ、こういうことは、国民的な私は世論だろうと思うのです。また、行政府としましても、これがいろいろな特殊な状態、先ほども申し上げましたようないろいろな局限された事態に対して、独禁法の除外例が、その法律によって認められておるとしても、それはあくまでも除外例でありまして、どうしても国民大衆の利益を守るという立場から、独禁法が必要である、また、百歩を譲って、今まであまり政府も熱心でなかった、どう強弁しても熱心でないと断定する、こういわれると仮定いたしましても、これから公取委員会というものの要請が、より強くなるということは、間違いないことだと思うわけであります。また、私自身、公取委員会というものが、独禁法の運用者として、公正な運用をしてもらいたい。また、活発な運用をしてもらいたい。それに対して、機構上、予算上いろいろの必要があれば、私どもも善処いたします、こう言っておるのでありますからこれは将来への期待は、十分ひとつ認めていただきたいと思うのです。もう一つ、私どもも十分、あなたが今議論されたことを引き上げの機会に検討いたしまして、これは大蔵省と両院の良識だと思うのですが、一般のベース・アップができましたときに、当然、特別職もスライドするというような立場で、幾らかずつ是正をしてきたのです。ところが、これは法制上の建前が別々なものでありますから、同じときに、全部さっと一律に改定ができないので、その国会でどさくさでもって流れてしまえば、そのまま次の国会まで延びてしまうというような、いろいろな格差の問題で、今まで例があります。また事情もあります。私はこまかく調べたのです。
 それからもう一つは、一般の公務員が三千円上がったと、国会議員も三千円に見合うだけ上げればよかったのですが、それは上げないのです。それは高い人を頭打ちにしたのです。だから、国会議員は五千円、こういうふうにしたのでありますから、三千円のベース・アップができたときには、特別公務員の国会議員も、二万円なら二万円、一万円だったら一万円引き上げると、こういうようなことが普通であったにもかかわらず、上になるほど押える、こういうことで、五千円頭打ちということをやっておった。それを、今度の一般公務員のベース・アップと国会議員との差が非常に開いてしまったというので、国会は、議員提出法律案で、議員の歳費の是正を行なったわけであります。でありますから、内閣官房長官か何かが五千だか高かったでしょう。いい悪いは別でありますが、いずれにしましても、これは議員の歳費よりも、官房長官、総務長官なるがゆえに少なくなって、官房長官として内閣からは給与をもらわないで、国会議員として給与をもらっておると、こういうような、いい悪いは別にして、過去のような姿とは逆転した事態になっておるわけであります。そういう頭打ちという思想から、そういう考え方が、今日相当、政府関係機関や公団、公社の役員給与にアンバランスを生じたという、一つの原因ではあるということも理解していただきたいと思います。
#96
○田畑金光君 大臣に最後にお尋ねしたいのですが、独占禁止法に対する政府の態度、取り扱い、方針ですが、御承知のように、昭和二十八年に相当な改正をやったわけです。さらに、昭和三十二年十月に、独占禁止法審議会を設けて、三たび改正作業に着手して、その答申に基づいて、独禁法の第三次改正案が出されたことも御承知のとおりであります。これは、当時の国会は警職法騒ぎで流れたといういきさつを持っておりますが、そこで、今後の日本経済を取り巻く諸般の情勢を見たときに、独禁法についての取り扱いということが、非常に大きな焦点となって動いていくだろうと見るわけです。国際競争力強化とか、あるいは貿易自由化とか、いろいろ、今後のわが国の経済を取り巻く環境の変化から見てくると、経団連その他等においては、独禁法の廃止というような意見も強く出ているわけです。あるいは事実上、骨抜きを進めていくということも出てくるわけです。あるいは特定産業振興法のような法律の形でもって、あるいは業種別特別立法をもって、いろいろな今後独禁法の後退化というものがはかられるのじゃないかと思いますが、政府のこういう動きに対して、今後の方針はどういうことか。第三次独禁法の改正を考えているのかどうか。あるいはまた、独禁法の廃止を考えているのかどうか。こういう点について、政府としての方針をお聞かせ願えるならば、ひとつお聞かせ願いたい、こう思います。
#97
○国務大臣(田中角榮君) 独禁法の廃止は考えておりません。それから大幅な骨抜きも考えておりません。それよりも私は現行法の独禁法を守っていかなければならぬという考え方であります。その点、特に、非常に複雑になっておりますので、現行独禁法でもって救済できないというような問題もあった場合には、これは強化の方向で進んでいくべきものだと考えております。やはり不公正取引というのは、これはなかなか日本の今の複雑な経済組織の中では、不公正取引というようなものが行なわれて、それから国民大衆の利益を侵害しているという事例は、たくさんあると思います。しかも、貿易・為替の自由化で、ある一定の限度のある産業に対しては、保護しなければいかぬということは、これはもうだれでも認めることでありますが、そういう法律やそういう恩恵に隠れて、もう一歩を進めて暴利をむさぼると、こういうことがあったら、これはもう許しがたいことであります。これはもう国民の側で、当然指摘しなければならぬ問題であります。これは例になるかならぬかわかりませんが、例にならなければ、私の引例が適当でなければ削除をしていただいてけっこうですが、今の特利預金問題とか、あるいは歩積み、両建ての問題とか、まあ例はありますが、こういう問題一つ取り上げましても、結局独占的企業というものがあぐらをかいて、また、今までの長い歴史の上に安座をしておって、国民の受くべき利益が制約を受けるというような場合、だれが一体やるか。これはわれわれも行政権を発動しますし、国会も国政調査権を発動しますし、また、立法によって制約を行なうという場合もありますが、やはり公正取引委員会の力で、これらのものは正してもらわなければならぬのでありますから、私は時代の要請として、独占禁止法は、公正に活用せらるべきだという考えをとっておりまして、これは政府全体で、特に議論をした問題ではございませんが、私の考え方は政府の考え方であると申し上げても、間違いはないと考えます。
#98
○田畑金光君 大臣の質問はこれで終わります。
 公取委員長に、一つだけお尋ねしますが、今政府のほうで、この物価問題に、いろいろな角度から取っ組んでいるわけであります。ことに生産性と賃金と物価問題が、当面の政治、経済の焦点のような形になってきたわけですが、私はこういう問題を広く取り上げようという意思じゃございません。ただお尋ねしたいことは、公取委としては、この物価、消費者物価というものが、政府の一番大きな問題になっているが、公取委はこの問題について、どういう角度から、どういう面で協力をされているのか。と申しますのは、いろいろこの価格協定等によって、いつぞや、みそ、しょうゆ等の問題について、協定があるとかなかったとかいうことで、公正取引委員会は関与をされたが、一例でありますが、そういうような公取の活動を通じ、この消費者物価の値上げの問題等、あるいは物価問題そのものについて、どのように公取委としては現在取り組んでおられるのか、どういう角度でこの問題に対処していかれようとするのか、公取委のひとつ、方針を承っておきたいと思います。
#99
○政府委員(渡邉喜久造君) 公正取引委員会の性格としましても、現在非常に問題になっております物価、特に消費者物価の引き上げにつきましては、非常に大きな関心をもって絶えずその事跡をトレースしております。お話にもありましたように、われわれのほうでもって与えられております職分には、一応の限度があるわけでございますから、したがいまして、物価の問題全体を、やはり私のほうでもって引き受けるとかなんとかいう口幅ったいものの言い方は、これはすべきものとは思っておりませんが、しかし、公正取引委員会の機能を通じて、同時に、われわれが与えられている法律を通じて、物価の抑制という面において働くべき余地は相当あるのじゃないか、かなりあると思っております。したがいまして、物価問題は、物価問題全体としてわれわれは勉強しておりますが、同時に、その間において、公正取引委員会の果たすべき役割、あるいはそれを通じての物価の抑制という問題につきましては、現在でも勉強しておりますが、今後もその方向において努力して参りたい、かように考えます。
#100
○田畑金光君 その原則的な公取委の態度とか心がまえは、私もよくわかっております。現在、何か具体的に作業をなされているものがあるのかどうか、承っておるわけです。
#101
○政府委員(渡邉喜久造君) 今、具体的な問題として、すぐにここでもって、こういう事件があるとか、あるいはこういう問題が問題になっているとかいうことを申し上げるのは、まだ、ちょっと差し控えたいと思っております。ただ、今申しましたような観点に基づきまして、幾つかの事案がわれわれのほうのやはり問題になって、そして検討されておるということは事実でございます。
#102
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はございませんか。――他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#103
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の作成等につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(村山道雄君) 御異議ないものと認めます。
 午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時四十三分休憩
   ――――・――――
   午後一時四十三分開会
#105
○委員長(村山道雄君) これより内閣委員会を再開いたします。
 恩給法等の一部を改正する法律案、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律案、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。
 政府側よりただいま徳安総務長官、八巻恩給局長、岩元電気通信監理官が出席しております。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#106
○伊藤顕道君 満鉄等の在外特殊法人の在職期間の通算問題を中心に、総務長官、それと八巻恩給局長を中心にして二、三お伺いしたいと思います。
 まずお伺いしたいのは、改正の理由について最初確認しておきたいと思うのです。今回の改正によりまして、私どもは当委員会で長い間要望し続けてきた、特に第三十八国会で附帯決議を付して、自来引き続いて要望し続けてきた満鉄等のいわゆる在外特殊法人の在職期間の通算問題が曲がりなりにも――不十分の点はまだまだございますけれども、一応まとまったということについては、関係政府当局の皆さんの誠意ある努力もあったということについて、その点については敬意を表します。しかしながら、提案理由の説明によっただけでは、この改正の理由について明確に把握しがたいので、この際長官からひとつこの点を明確にしていただきたい、まず、この点を確認していただきたいと思います。
#107
○政府委員(八巻淳之輔君) 技術的のとともございますので、私からお答えいたします。今回満鉄等の在外特殊機関の職員期間を通算いたすことにいたしたわけでありますが、これは昭和三十六年の法律第百三十九号によりまして、外国政府職員期間の通算につきまして、戦前に行なわれました通算措置よりも、さらに戦後の実情を考えまして、拡大した適用を行なったわけでございます。これがその後、満鉄等の在外特殊機関につきましても、同様の措置が講ぜらるべきであるというふうな本院の当委員会における附帯決議の趣旨の次第もございましたので、その後政府内において、大蔵当局等にも十分緊密に連絡をとって協議して参りましたが、やはり満鉄等も日本内地における国鉄、電電、専売というふうな従来恩給法あるいはそれに準じた公務員に関する年金法で処理せられておった、そうして三公社と全く同種の業務を行なっていた満鉄等の在外特殊機関につきましては、従来における人事交流の基礎というふうなものも考えまして、これらにつきましては、外国政府職員と同じような方式をもって通算するということが適当であろう、こういうことになりましたので、今回こういう措置をいたしたわけでございます。
#108
○伊藤顕道君 特に満鉄については、私は当内閣委員会においてしばしば申し上げたように、明治三十九年の勅令第百四十二号を見ていただくとはっきりするわけですが、もともと国家機関として設立すべき筋合いであったもの、当時の国際情勢を十分考慮勘案して名前は株式会社で、実際には国家機関として政府としても扱ってきた、こういうことが明確であるわけです。この点は今申し上げた明治三十九年の勅令第百四十二号、この点に明確にされているわけです。そこで満鉄はそういう形で名前は株式会社として発足いたしましたけれども、実際は政府の機関として、自来四十数年の長い間、軍事と警察以外のたとえば鉄道とかあるいは地方行政さらには教育あるいは病院等の経営、こういう多角的な、多方面な経営をやってきたわけです。こういう点からいたしますと、今回の改正によって通算を認めたということは、これら特殊法人という、そういう形式にとらわれないで、国家機関であるもしくは国家機関と同様である、こういうふうな確認の上に立って今回の改正の運びになった、こういうふうに私どもは解釈するわけでありますが、そのような解釈でよろしいかどうか、これは基本的な問題でありますので、この際確認しておきたいと思うわけです。
#109
○政府委員(徳安實藏君) 広義に解釈いたしますれば、お説のとおりになろうかと思います。
#110
○伊藤顕道君 次に、これも基本的な問題であるので、この際確認しておきたいんですが、満鉄の本質について明確にしていただきたいと思うんですが、この点については昨年の十月三十一日の当内閣委員会で、私が恩給局長に質問申し上げたのに対して、恩給局長から次のような御答弁があったわけです。その関係の点だけ要約して申し上げると、第三十八国会において外国政府職員期間を通算することを認めたのは、人事管理の必要上最小限度に認めたもので、人事管理の便宜主義ではなく、その背景には人事交流的な基礎あるいはその組織の解体、接収ということ、あるいは先生がおっしゃった実質的に日本政府と同じようなものであるということを比較考量して範囲をきめているという考え方であります、こういうふうに答弁されておるわけなんです。さらに引き続いて、関係の面だけ要約して申し上げると、満鉄等の特殊機関の職員期間を通算するかどうかについては、それらの人々も三十四年以前は恩給公務員であったわけですが、その前歴を恩給法上の公務員なりあるいは共済組合法上の長期給付の対象となる組合期間に通算するかどうかという点については、実質的に同じであったということを考えて通算するのがいいのじゃないかという結論に私どもとしては持っていきたい、こういうことで考えておるわけです、こういうふうに御答弁なさっておるわけです。こういう点を考えますと、明らかに満鉄等を実質的に国家機関である、あるいは国家機関と同様であると認めたことが根拠であると、こういうふうに確認してよろしいかどうか、この点やはり基本的なことであるので、ひとつ最初にお伺いしておきたいと思います。
#111
○政府委員(八巻淳之輔君) 満鉄株式会社というものが、国家機関であるかどうかということにつきましては、広い意味では国家的な業務を営む機関であるということはわかるわけです。しかしながら、狭い意味で行政機関であるかどうかということになりますると、これはあくまでも行政機関ではない。いわゆる官制に基づく行政機関ではないということがいえます。ただ、やはり国鉄にいたしましても、電電にいたしましても、これは国が本来行なうべき仕事をそういう形を変えてやっておるという意味におきまして、広い意味では国家的機関である、そういうことはいえると思います。そういう意味で満鉄も同種のものではなかろうか、こういうふうな考えで去年御答弁したわけです。
#112
○伊藤顕道君 そういう確認に立って、以下二、三の点についてお伺いしたいと思いますが、最初にお伺いしたいのは、実在職年の一部を本改正案では打ち切っているわけです。この点は不合理ではないか、こういう角度からお伺いしたいと思うのです。満鉄等について国家機関たる実質を認めるならば、その実在職期間も当然に通算されなければならない、そうしなければ筋が通らない、こういうふうに考えるわけです。こういう点から、たとえば日・満・日の場合、日本から満州、そしてまた日本へ帰ってきた、あるいは日本から満州へ、日・満の場合、こういう場合については在職期間をそのまままるまると認めておるわけです、この改正案では。ところが、逆に満州から日本へ、満・日の場合については非常に制限があるわけです。最低年金資格年限に満たない年数だけについて通算を認める、そういう制約があるわけなんです。こういう取り扱いではどうにも理解できないわけです。先ほどから申し上げておるように、満鉄等の在外特殊機関の在職期間を今度通算しようという建前に立ったならば、そしてその性格がいわゆる国の政府機関である、もしくは政府機関と同じである、こういうふうに前提が確立されておるということから考えれば、そういうところに差別をつけるのはどうにも理解しがたいところなんです。これはどなたでもかように感ずると思う。ただ単に私だけではないと思う。どうにも筋が通らない。せっかくこういう誠意ある努力をしていただいて、こういう通算を認められるようになったということであるならば、百尺竿頭一歩を進めて、そこにそういう不公平、不合理のないように、なぜいま一歩お進めにならなかったかという点についてお伺いしたいと思います。
#113
○政府委員(八巻淳之輔君) 御指摘の満鉄職員期間等の、これは外国政府職員の期間についても同じでございまするけれども、元来恩給法上の公務員の期間でございません。この元来恩給法上の公務員でない期間というものを恩給法上の公務員期間につなげて通算して考える、こういう場合におきましては、その恩給法上の公務員以外の在職期間というものは、まるまる通算することは原則としてやらないというのが今までのやり方でございます。日・満・日とか満・日、日・満の場合におきまして、満州国政府の官吏としての期間はまるまる通算した、こういうのはその当時の法律によって、立法によりまして、恩給年限に達しないままに満州国政府に出向させられる、そうしてまた再び本属庁に帰ってきた、こういう場合には、これは通算するという約束でまるまる見るという約束でそういう立法がされておる。また、日・満の場合は、そうした約束はいたしましたけれども、戦後の特殊事情によって再び本属庁に復帰できなかったというふうな事情のものでございます。したがいまして、そういうふうな特にまるまる認めるということをしない限りにおきましては、大体恩給法上の公務員でない期間の通算においては、まるまるは見ないというのが今までのやり方でございます。たとえば、これは性格が違うかもしれませんけれども、戦犯者の場合に、判決確定をいたしまするとともに身分が剥奪されるわけです。そうして身分はそこで切れまして、そうして拘禁期間になるわけでありますけれども、その方々につきまして、戦後の恩給法は、拘禁期間につきましては普通恩給年限に達するまでこれを通算する、こういうふうにして、元来恩給法上の公務員期間でない期間というものの扱いにつきましては、そういうふうにやっております。また、もう一つの例といたしましては、たとえば恩給法上の公務員期間でない特定郵便局長、こういう方々が制度の改正によりまして郵政事務官になられる、こういう場合におきましては、郵政事務官としての在職年数前に引き続く局長の在職年数、これは元来恩給法上の公務員としての在職年ではございません。これを通算する、こういうふうな措置を講じました場合におきましても、二分の一にして通算するというふうな措置をいたしております。こういうような関係で、恩給法上の公務員でない者の期間につきまして、まるまるこれを通算するということは今までやっておらないわけでございます。したがいまして、その満鉄の職員期間だけにつきましてまるまるこれを見るようにしようということにつきましては、他の制度あるいは方法等との関連もございまして慎重に検討しなければならない、こう思っております。
#114
○伊藤顕道君 この問題については、一昨日同僚の山本委員からも質問があったわけです。それに恩給局長はお答えになって、最小限度にとどめるという意味のお答えをしておるわけです。今のお答えも全く同様であると思うのです。そういたしますと、従来そういう扱いをしてきたので、従来の扱いに準じて今回も最小限度にとどめた、しかし、なお検討する、そういう意味なんですか。
#115
○政府委員(八巻淳之輔君) 恩給法上の取扱い方といたしまして、従来恩給法上の公務員以外の在職年限の扱いについては、こういうふうにやってきております、こういうことを申し上げたわけであります。
#116
○伊藤顕道君 ところが、基本的に、先ほど確認された問題を引き出さざるを得ないわけですが、満鉄等の在外特殊法人については、日本の機関であった。――まあ機関であったと言い得ないならば、機関と同様であった。そういう点については先ほど確認されたわけですね。そういう点で論議を進めるんならば、出発点の相違によってそういう差別をつけるのはどうも納得できないと、こういう点をお伺いしておるわけなんです。たとえば日・満・日の場合あるいは日・満の場合、これはまるまる認めるけれども、今度逆に満・日の場合は全部は認めがたい、その最小限度にとどめるんだと、そこにどうにも納得しがたい点があるわけです。この点について納得できるように御説明いただきたいんですが。ただ出発点の相違によってかような不合理な差別がつけられるものか。
#117
○政府委員(八巻淳之輔君) 先生の御趣旨は、満鉄の職員期間というものは日本国政府で勤務したと全く同じ勤務期間なんだということに立脚して、そして日本に勤務した、日本国政府の中で勤務したと同じだけの価値を与えるべきだ、こういうことに立脚されているだろうと思うんです。そこで、恩給法の運用の問題でございますが、恩給法というものは、元来日本国政府職員の退職給付をいろいろ考える制度でございます。日本国政府の職員が退職いたします場合に、その前歴をどう考えるかという場合に、元来日本国政府職員として恩給法の上で掛金をかけておりますし、そういう約束で入ってきておるわけです。したがって、その特殊の事情によりまして、その方の前歴というものにおきまして恩給法上の公務員でない期間を通算するというようなことになりまするというと、恩給的に全く同じような価値として見るということは技術的に考えられないということから、それをまるまる見ない、ある程度減らしてと申しましょうか、必要最小限度においてそういう措置を講ずる、こういうことをやっておるわけです。
#118
○伊藤顕道君 恩給局長のお話、うっかり聞いていると納得できるわけですが、よくさらに突っ込んで申し上げると、それは満・日の場合には当てはまると思う、今おっしゃったことは。ところが、日・満もしくは日・満・日の場合は、恩給法上同一の資格で云々とおっしゃいますけれども、まるまると見ておるんですね。そうでしょう。日・満・日の場合あるいは日・満の場合は、全く政府機関そのものではない、それ自体ではないということは私も認めますが、にもかかわらず、そういう論議に立つならば、日・満の場合もしくは日・満・日の場合は、満鉄等をまるまると認めておるわけですね。ところが、今度逆に満・日の場合だけは、これはまるまると認めるわけに相ならぬと、そこにどうにも納得できない差別があると、こういう点をお伺いしておるわけです。
#119
○政府委員(八巻淳之輔君) 先ほど申し上げましたように、日・満・日とかあるいは日・満という場合におきましては、満州国の官吏が非常に少ない、建国早々に非常に少ない、それを構成しよう、こういうときに日本国政府から優秀な役人を、恩給年限に達しないけれども、とにかく向こうへ出向して一働きしてもらわなければならない、全く日本国政府に勤めたと同じような立場で考えて行ってくれ、こういうことで送り出しているわけです。そうしてその方々が帰ってきたら、日本国政府で勤めたと同じように全面的にその期間を認め、退職後の手当はいたしますと、こう言って出したわけでございますし、また、それに必要な法律的な措置が昭和十八年当時講ぜられているわけです。でございまするから、そういうふうな事情のもとにおける外国政府職員期間の数え方と申しましょうか、その効果というものと、満・日というふうに日本政府がそういう約束に立たないで、とにかく満州国官吏あるいは満鉄職員として引き揚げてこられて、そういう方々を日本国政府側で引き取ったという場合には事情が違う、こう考えております。
#120
○伊藤顕道君 今、私がお伺いしておる点については、満鉄等の特殊法人だけではなく、いわゆる満州国の外国政府の場合にも同じような不均衡が見られるわけですね。関東州あるいは朝鮮、ここにおった日本政府機関の職員の皆さんは平時においてすら、いわゆる最低たしか五割だと思いますが、五割増しのいわゆる植民地加算というのがあったわけですね。非常に他と区別されて優遇を受けておったわけです。したがって、こういう点とも比較してみますると、ずいぶん不均衡な不公平な措置が講ぜられてきたわけです。したがって、明らかにこれは不公平である、不均衡であるという点については、従来の例のいかんにかかわらず是正するのが政府当事者の任務ではなかろうか、こういう点からもお伺いしておるわけなんです。したがって、この不合理については今後是正しようとするお考えがあるのかないのか。今この場ですぐそれでは同様に扱います、そういうことはなかなか言いがたいと思う。そういうまた無理は私のほうでもお伺いしていないわけです。十分この点につきましては検討の余地があるのではないか。明らかに不公平、明らかに不平等であるこういう扱いについては、この際十分検討してしかるべきだと思うのですが、この点についてはいかがですか。
#121
○政府委員(八巻淳之輔君) 満鉄の職員の方々あるいは満州国政府の職員の方々、こういう方々の御要望といたしましてはまことに無理からぬことだろうと思うのでございます。しかしながら、これを全面的に全く日本政府職員と同じような価値で認めるということによりましていろいろな問題に波及、関連して参るわけでございます。したがいまして、今日ただいまのところといたしましては、慎重に考慮を要する問題であろう、慎重でなければならない、こういうふうに考えております。
#122
○伊藤顕道君 それは、検討をするからにはあくまでも慎重に慎重を重ねてということについては異議を差しはさむものではないわけです。決して恩給局長にあるいは総務長官に軽率に、軽々にやってほしい、そういうことは一言も申し上げていないわけです。その点については十分慎重に検討していただきたいと思うんですが、ただ申し上げたように、満鉄々々とおっしゃいますけれども、私がお伺いしているのは、在外特殊法人である満鉄だけについて申し上げておるのではなくて、今も申し上げたように、満州国等の外国政府の場合についても全く同様なことが考えられるわけで、今その点をお伺いしたわけなんです。したがって、在外特殊法人である満鉄等並びに満州国政府のこの該当者については、今後十分誠意をもって、十分、今恩給局長の言われたように慎重にひとつ、しかも誠意をもって御検討いただきたいと思うのです。この点について、総務長官のお考えをお伺いしておきたいと思います。
#123
○政府委員(徳安實藏君) この恩給法の問題につきましては、残された問題がたくさんございますので、あわせて慎重に検討さしていただきたいと思います。
#124
○伊藤顕道君 やはり人事管理上最も大事なことは公平、厳正を期すということで、これは言うまでもないと思うのです。いやしくも不均衡があったり不公平があるということは、厳にこれを避けなければならない。これが人事管理上の最も大事な点であろうと思う。この点についてはもう言うまでもないわけでありますが、こういう観点に立たれたならば、ひとつ総務長官にいま一度確たるお考えをお伺いしたいわけですが、ひとつ早急に、ただ慎重々々といって長く時間をかけるのが慎重だとは考えられないわけですから、さっそくひとつ慎重を期して具体的に検討を始めていただくだけの誠意があるのかないのか、ひとつこの点についていま一度所信のほどをお伺いしておきたい。
#125
○政府委員(徳安實藏君) 恩給問題につきましては財政的処置が必要なものでありますから、いろいろの御注意があり、御注文がございましても、にわかにことごとく御意思に沿うことのできないのはまことに残念に思いながらも、一歩々々と前進しつつあるわけでございます。したがって、先ほども申し上げましたように、今後に残された課題も他にも相当ございますので、あわせて慎重に、しかもできるだけすみやかに検討をしてその結論を出すということで、できれば早く終結をつけたい、もう恩給はこれが最後でございますということで結びをつけたいという努力は払いたいと思っております。しかし、今申し上げたような財政的処置が伴いますために、各方面の意図せられる事柄をすみやかに実現することも容易でないために、多少延びておるようなものもあるわけであります。今お話の点につきましても、御意見十分わかりますから、誠意をもって検討していきたいと思います。
#126
○伊藤顕道君 次に、ソ連とか中共等の留用期間について、この点を中心に二、三お伺いしたいと思うのですが、今申し上げておる満鉄等の在外特殊法人の職員で、終戦後引き続いてあるいはソ連あるいは中共にあるいは国民政府に特殊技術の所有者であったがために、あるいはまた、現場の長い間の経験の持主、いわゆるエキスパートであったがために、そういう理由で長い間終戦後も引き続いて現地にあって留用された者が相当おったわけです。で、これらの方々の実情は、私がここで申し上げるまでもなく、本人の意思に基づいてということではなくて、戦勝国家であるソ連とかあるいは中共、国民政府という戦勝国の一方的な命令によって、心にもなく終戦後といえども引き続き留用せられてきた、こういうことが実情であるわけです。そうだとすると、この問題は、戦前の日本軍の軍属の徴用にも匹敵できるわけです。そういう点から考えると、この期間は当然に在職期間に通算してしかるべきだというふうに当然に考えられるわけですが、この点については、総務長官、どういうふうにお考えになっていますか。
#127
○政府委員(徳安實藏君) 局長から。
#128
○政府委員(八巻淳之輔君) 満鉄等の職員期間の在職期間につきまして通算をいたしますということにつきましては、あくまで在職身分が、職員としての身分がある期間であるというものに着目いたして通算しているわけでございます。したがいまして、その身分がなくなった期間、それが抑留された期間でありますかその他の期間でありますかわかりませんけれども、あくまでもその身分に着目して、その期間というものを押えておりますので、それ以外の期間を取り入れるということは恩給法の上ではと申しますか、年功恩給を考える上では考えられないわけでございます。もちろん援護法というような戦没者あるいは戦傷病者に対する一般的な援護の措置におきましては、その戦没したりあるいは戦傷を受けたということの原因を問うわけでございまするから、その原因が今次の戦争の戦時災害ということになりますれば、それに着目いたしまして必要な措置を講じているわけでございます。したがいまして、抑留期間にそういう事故が起こったという場合につきましても、これは援護法の幅の広い援護の対象にはいたしております。しかしながら、恩給がそういう年功恩給、勤務期間に立脚しての退職老齢年金と申しまするか、そういうものを考えるときには、あくまでその身分に基づいた勤務というものを土台にして考えておりますので、そうした身分を離れた期間につきましては、これを基礎にするということは考えられないわけでございます。
#129
○伊藤顕道君 今申し上げたように、この事実は戦前軍に徴用された問題と全く同じように解釈できるわけです。満鉄の業務に携わっておったところ、はからずも関東軍から徴用を受けた。これは満鉄自体の仕事をやっておるのでなく、軍属として、軍の命令に従ってやった。また、終戦後留用された者については、それまでは満鉄職員であった。ところが、一方的な命令で、戦勝国の命令で、そのまま引き続いて長い間現地にとどまって同じ仕事に携わってきた。そういうことがその間に差別がありとは考えられないわけですね。ただ、本人の意思によって自由に残って、勝手にソ連なり中共なりの仕事に携わった、こういうのであれば何をか言わんやで、これはまたおのずから話は別になりますけれども、満鉄の身分がそのままでおったところ、当然なら順序を待って内地に引き揚ぐべきところ、帰心矢のごとくあったところ、心にもなく戦勝国の命令でそのまま留用された、こういう問題ですから、この問題についても政府当局としては十分考えるべき問題であるし、また、そうしなければ筋が通らぬと思うのです。この点についてひとつほんとうのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#130
○政府委員(八巻淳之輔君) 先ほど来申し上げましたように、恩給法のワク内で処理するというところの限界にとにかくやってきているわけでございまして、それ以上外地抑留期間、そうした恩給法上の公務員にない人の外地抑留期間その他のものにつきましては、退職給付の上でだんだんと拡大していくということは非常にこれは戒めなければならないわけでございまして、先ほど来他に波及関連ということを申し上げましたけれども、結局そういうことをだんだんと拡大して参りまするというと、向こうだけで在職し、向こうだけで抑留されてそうして終わったという人、この場合は死んだ方とかあるいは傷ついた方というものにつきましては優先的と申しますか、戦後の処理といたしまして援護法等で処理をいたしておりまするので、そういう方々が生きて帰った、あるいは帰りそうしてまた公務員に就職しあるいは会社の職員となる、そういうふうな場合に、すべてそういう勤務期間についてあるいは抑留期間について認めるということになりまするというと、非常にいろいろな、一般の戦争犠牲者との関係のバランスからいって非常に問題があるわけでございまして、そういう意味で他の波及関連ということも十分考えなければならぬ、こういうわけでございます。
#131
○伊藤顕道君 これはちょっと理解しがたいのですがね、こういう問題を受け入れていると問題は際限なく広がっていって云々ということをおっしゃいましたが、この前のこの問題の審議からの過程で、私は満鉄とするかあるいは満鉄等とするかという問題について質問申し上げたことがあるのです。これはいい例ですから申し上げるのですが、満鉄と満鉄等とするのとは意味がだいぶ違ってくる。等とすると、これはもう際限なく問題が広がっていくと、そういう意味の表現を恩給局長はなさっておるわけですけれども、おのずからこれは限定があるわけですね。満鉄と満鉄等と入れても、ほんとうに満鉄と同じような業務内容の機関だけしか広がらないわけです。際限なくは広がらない。おのずから限定があるわけですね。それから今申し上げている留用期間とか、これからお尋ね申し上げようとするいわゆる徴用期間ですね、いわゆる抑留期間、留用でなく、今度抑留ですね。こういう問題を今お伺いするわけですが、たとえばこういうふうにおのずから限度があって、際限なく広がる、そういう心配はないと思う。だから問題を非常にむずかしく解釈されないで、ひとつ真剣にこの問題と取り組んでいただきたいと、そういう前提に立ってお伺いしたいと思うのですが、そこで関連があるからお伺いしますが、ソ連とかあるいは中共等のいわゆる抑留期間ですね、抑留期間についてたとえば満州国官吏であったがために、あるいは満鉄等の職員であったがために、ソ連あるいは中共に抑留せられた者が相当おるわけです。私の調査によると満州国で約七百名、満鉄関係で約六百五十名、こういうふうな数が出されておるわけです。こういう問題についてこの今の留用期間と抑留期間ですね、これを通算からはずすということはどうも受け取りがたいですね。たとえば樺太とか朝鮮等におって、そして在勤した官吏が抑留せられた場合は、この抑留期間はりっぱに通算されておるわけですね、この点については。ところが、満州国あるいは満鉄等もその本質を認めて、日本政府それ自身ではなかったけれども、日本政府と同じようなものであったと、こういうことを恩給局長自体も確認せられておる、そういう前提に立つならば、そういうことを認めておきながらなぜこの両者の間に差別をつけなければならないのか。先ほどのお話を承ると、そういうものを次々入れていくと際限なく問題が広がっていくので、これはそういう措置をしないと、そういう意見もあろうかと思うのですけれども、そういうのはおのずから限定があって、おそらく問題はおのずから究極に来ておるわけです、こういう問題については。で、こういう意味で先ほどお伺いした留用期間、そしてこの抑留期間、これはいずれも本人の意思にあらずして、ただ満州国官吏であったがために、あるいは満鉄等の職員であったがために、あるいはソ連に、あるいは中国に留用もしくは徴用された者であって、現に朝鮮、樺太の同じような運命にあった者は通算されるし、一方においては通算されない、こういう間の不公平、不平等、こういうことをなくすべきではないかという考え方に立ってお伺いしておるわけなんです。この点については、ひとつ総務長官としても責任の位置にあられるので、総務長官としては一体どういうふうにお考えになっているのか、この際明確にしていただきたいと思うのです。
#132
○政府委員(徳安實藏君) 大きな目から見ますというと、お説のとおりだと思います。ただ、従来のやり方は先ほどからるる申し上げるとおり、日本の政府の職員であります者は、これはもう当然議論の余地なくして日本政府が責任を持つわけであります。満州その他あるいはシナ等に関しまして、日本から向こうにやりました職員、これは法律によりまして通算するのだという、ちゃんと法律に基づいて向こうに行っている、帰ったときにもまた、これはいつでも帰れますよという親心のような国内法によってやりとりをしておったというところにこの権利義務もおのずから生じておりますから、これは当然めんどうを見なくちゃならないということの限界で従来は処置していると、そこで今お話のように、満州の日本の国策会社でありますとか、あるいはまた、日本とそういう関係の法律上の国内法でちゃんときまっておりますものは、それによって処置されておるわけでございますが、そうでなくて純然たる満州国の役人、これは満州国の国の法律によって採用せられ、その職員でおるわけでございますから、したがって、日本から満州国にあるいは法律によって行っておりますものは、日本のほうで日本政府が当然保護しなければならないし、それの義務を負わなければならないわけでございますけれども、満州国だけに職員として採用され、満州国政府に採用されているものは、日本のほうでそういう義務とかなんとかいうような法律上の処置は過去においてなかったために、向こうに抑留されたものまでもめんどうを見るということは、本筋ではないからできなかったと、できないのだという建前で今まで処置しておったようでございます。しかし、人数がどのくらいあるか、ただいまお話によりますと、わずかのようでございますが、そういうわずかなことによって生きた政治ができるとしますならば、これも一つの考え方だと思います。お話のように、だんだんこの問題を切り詰めて参りますと、最後の土壇場に、そういう点に参ると思いますが、先ほど申し上げましたような点も、これまでの行き方といたしましても、そういう問題をだんだんせんじ詰めて最後の終止符を打つときには、そういう問題を取り上げまして、一緒に真剣に考えて処置をする、あくまでもこの建前で――そういう今まで政府のやったことは正しいのだと、これ以上には広げるべきではないという結論が出ましたならば、もちろん国会にもお話を申し上げまして、御了承を得るようになりましょうし、あるいはお話のように、広義に解釈して、政治的にそういうものはわずかなものであるからこの際こうすべきではないか、という結論が出まして、国会方面でも、そういう意見が有力になりまして、処置をしようということになりますれば、これもやらなくちゃならないと思います。ですから、そういう最後の土壇場へ行きますまでに、いろいろな是正さるべきいろいろ取り残されたような問題は、ひとつよくお考え置き願っておきまして、そうしてまとめて研究させていただいて最後の処置をしたい、かように考えます。
#133
○伊藤顕道君 ここで特に考えておかなければならないのは、今総務長官のお考えの中にさらにこういうことをあわせて考えていただかなければならないと思うのです。それはあの満州国官吏なり満鉄等の職員があるいは留用され、あるいは抑留されたということは、結局ソ連なりないしは中国いわゆる戦勝国に軍人と同じような、もしくは軍人以上の刑罰を課されているわけですね、満鉄職員なり、満州国の官吏が軍人より重い処刑を受けたものが相当おるわけです。そういうことはここであわせて考えなければならないことだと思うのです。処罰は軍人もしくは軍人並み以上の処罰を受けておりながら、一方は純然たる日本の官吏であったがゆえに法で守られる。その当時の国策のいい悪いを今論議するわけではありませんで、その当時の国策に即応して満州に行き、また日本に帰ってきた、こういういろいろな特殊事情はあるが、その当時としては、国策のいい悪いは別として、当時の国策に即応してみな満州に行ったわけです。満鉄に行ったわけです。ところが、こういう敗戦という考えられない境遇に陥った。一方は純然たる日本官吏そのものであった、一方は日本官吏と全く同じような仕事をやり、同じ苦労をしたけれども、悲しいことには、日本官吏そのものではなかった。日本官吏と同じような仕事をやってきたけれども、それ自身ではなかった、そういうことで明らかにこういう差別をつけている。先ほども申し上げたように、人事管理の大事なことは公平を期する、厳正公平を期さなければならない、これが人事行政上の重要な点であろうと思うのであります。そういう点からあわせて考えるならば、こういうような留用期間、あるいは抑留期間等のこういう期間についても十分誠意をもって今後検討いただいて、そうして、なるべくそういう不公平、不均衡を是正していく、そういう立場に立ってしかるべきだと思うのです。したがって、やはり今後早急に具体的に誠意をもって検討すべき問題の一つであろうと思うのですが、この際、総務長官としての、これに対する御決意のほどを伺っておきたいと思うのです。
#134
○政府委員(徳安實藏君) お話しごもっともな点もございます。先ほど申し上げましなように、政府でも従来は一定のひとつ限界を定め、よるべき基本法に基づいて処理をして参ったわけでありますが、先ほど申し上げましたとおり、すでに限界にもだんだん達してきておりますから、内閣委員会で御論議いただきました点は、速記をよく調べまして、そうして次の機会には、そうした問題を慎重に研究をしながら早く結論を急いで、御意見を尊重しながら再検討をいたしたい、かように考えております。まあ私どももこういう答弁をする立場がいつまで続くかわかりませんが、私はたとえどういう立場になりましょうとも、ただいま御約束をいたしましたような点につきましては、速記によりまして後継者にもよく引き継ぎまして、そうして真剣に研究していただくように御答弁できるような処置だけは講じていくつもりでございます。
#135
○伊藤顕道君 次に、満州開拓指導員についてお伺いしたいと思います。この問題についても同僚の山本委員から一昨日質問があったわけですが、結局満州開拓団、あるいは満州開拓義勇隊、こういうものは私が申し上げるまでもなく、日満両国政府の国策として実施せられたいわゆる開拓移民政策に基づいて日本内地から送り出された、これが事実であるわけです。そして、しさいに検討してみると、こういう開拓団もしくは義勇隊の指導員の方々は、大部分が内地のその当時の小学校である国民学校、あるいは青年学校の教師であった者の中から、国の命令で各県の学務課が責任持たせられて選抜したという事実もあるわけです。そういう中で、その任命は日満両国政府から任命された、こういう非常に特異な存在であったわけです。任命は日満両国政府からなされたというだけでもなく、その俸給も日満両国政府が等分に担当したのであります。特殊な使命を持った存在であったわけです。この問題についても非常にこういうふうな特殊な存在であって、もちろんよかったとは考えられない。その当時の国策遂行上ほとんど強制的に、半ば強制的に県が選抜して満州に送った、こういう厳然たる事実があるわけです。ところが、こういう事情があったにもかかわらず、恩給法の適用外にいまだに置かれておるということはきわめて不合理ではなかろうかということについて、総務長官としてはどういうふうにお考えでございますか。
#136
○政府委員(徳安實藏君) 満州国開拓指導員または満州国協和会職員として在職した諸君の在職期間、恩給の関係でございますが、私はできれば今国会でこれも解決したいと思いまして努力をいたしましたが、とうとう解決いたしませんで、次に検討すべきものとして残されてしまいました。まことに残念でございますが、これは研究して誠意をもって研究しようという中の一つに加わっておりますから、次の機会には御審議願えるようになろうかと思います。
#137
○伊藤顕道君 この問題について、一昨日山本委員からの質問に対して恩給局長が答弁された中で、いまだ実態をきわめていないので、今後検討したい、こういう意味の御答弁をなさっておるわけですが、いまだ実態をつかんでいないのでと、そういう意味は一体どういうふうに受けとめたらいいか、この点だけについて。
#138
○政府委員(八巻淳之輔君) 非常に技術的なことになるわけでございますけれども、開拓指導員と申しましても、開拓団の指導員、つまり、こちらで申しますと、農業協同組合の指導員、ああいうような意味の畜産指導員とか、農地指導員とか、経営指導員とか、そういうような指導員、指導者という方々と、それから開拓青少年義勇隊の幹部、こちらでいえば実質的には青年学校の教諭、こういう立場に立たれて向こうへ渡られた方、二通りあるわけであります。これらの方々の実態は嘱託ということでございますが、嘱託ということでございますというと、恩給法は御承知のとおり、官吏でなければこれは適用にならないわけでございまして、嘱託ということになると、なかなかそれは適用がむずかしい。しかしながら、その実態を考えますと、一つには、小学校の教員をしておって向こうに派遣され、向こうの開拓義勇隊の指導員として青少年を訓育したというような立場から申しますと、いわば在外指定学校の職員であるというふうな考え方もできるわけであります。その辺が一体、全体としてどういう構成になっておるかということをきわめておらないということが一つ。それからもう一つは、この数の問題でございますけれども、大多数は小学校の先生方が多いのでございますから、地方の地方公務員、いわゆる地方公務員として戦後再就職されたというような方が多いわけでございます。そこで、恩給法上の負担になりますと、地方公共団体の負担になるものが多いのでございます。したがって、たとい恩給法で形式的に改正いたしましても、実質的には地方公共団体の負担になる、全部負担になるというようなことで、その負担がどのくらい地方財政に負担がかかるかということもきわめませんと、予算的に自治省とかけ合って手当することができないわけであります。そういうような意味で、この措置を講ずることによりましてどのくらいの人数が浮かび上がり、また、経費がかかるかということをきわめておらない、こういう意味でございます。
#139
○伊藤顕道君 先ほど来から申し上げておりますように、この指導員については、日満両国政府の国策に即応して国民学校あるいは青年学校から選ばれて送られたということ、それからその任命は先ほど申し上げましたように、日満両国政府によって行なわれたこと、政府から任命されたということ、その俸給は両国政府の折半であったということ、いわゆる両国政府の負担であったということ、したがって、その実質は日満両国政府の職員、こういうことが言い得るわけですね。任命が政府からなされて、そうして給与も国が担当した、しかも、特異な存在で、日満両国政府にわたっておる。こういうことはちょっと平時では考えられないですが、ああいう無謀な戦争をやったような政府だからこういうことも平気で行なったわけです。日満両国政府が任命して、日満両国政府が給与を出した、こういう変則的なことが事実として行なわれたわけですね。こういうことから推すと、この指導員については当然に、どなたが考えても当然に満州国政府職員ということが疑いもなくはっきりと言い得るわけなんですね。にもかかわらず、先ほど申し上げたように、恩給法のワク外にほうって、そのままにされておる。したがって、今この場で直ちにこの法を改正してという、そういう無理なことは申し上げませんけれども、十分ひとつこの問題についても誠意を持って、早急に結論を出すべく努力してしかるべきだと思うのですが、総務長官はどういうふうにお考えでしょうか。
#140
○政府委員(徳安實藏君) 先ほど御説明申し上げましたように、この問題は私どもとしましても当然お話のようなことも考えられまして、今国会で解決して御審議を願いたいという気持で努力いたしましたが、とうとうそれができませんで、まことに残念に思っております。しかし、今申し上げましたように、次に残された課題として、局長が説明いたしましたようなまあ疑問の点もあり、また、解明せられないような点も多少残っておりますから、そういうものをすみやかに解明いたしまして、そして次の国会には御審議願えるような段取りにいたしたいと、かように考えております。
#141
○伊藤顕道君 次に、満州国の協和会の職員についてお伺いしたいのですが、こう申し上げると、恩給局長の考えからは、先ほど来無限にこういう問題が出てくる、だからたいへんだというようにお考えになるかもしれませんけれども、この職員関係では協和会職員を最後としてお伺いしますから、そう無限には出て参りませんから御安心なさってひとつお聞きとりいただきたいと思います。
 そこで、満州国の協和会ですが、私が言うまでもなく、これは満州国の特殊事情に基づいて、国家統治機構としてその当時満州国の建国と同時に組織せられた存在であった、こういうことは御認識いただいておると思うのですが、この点については、総務長官はどういうふうにお考えになりますか、まずもってお伺いしておきたいと思いますが、この点を。
#142
○政府委員(徳安實藏君) 先ほど第一番目に御答弁申し上げましたように、開拓団と同様に協和会の職員につきましても今回解決して御審議を願う予定でおりましたところが、それができなかったのは残念に思っておるわけでありますけれども、私がじかに関係しておりませんから、その内容はつまびらかにしておりませんけれども、とにかくこの開拓団と協和会の職員だけは一緒の一つの項目にあげまして、ただいま研究をし、大蔵省ともしばしば折衝をしておる段階でございますので、あわせてこれは一体として私どものほうで解決したいと考えておりますから、御了承いただきたいと思います。
#143
○伊藤顕道君 私も前後通じて二十年ほど満州におりましたから、もちろん私は協和会職員ではございませんが、よく協和会職員の実態についても現地におっただけに実情を把握しておるつもりですが、そういう観点から申し上げるのですが、建国と同時にできたこの満州国協和会は、結局政府といわゆる表裏一体という関係に立って、あるいは思想、あるいは教化の面、あるいは政治の面、各面実践活動に従事してきたわけです。ほんとに政府と一体的な関係であったと思うのです。そういうような建前から、これはどうしても、よく混同されるのは、日本のそれに形だけは似た、いわゆる国民運動の組織であった大政翼賛会、こういうものと混同する人もないではないのですけれども、ここで申し上げたい点は、こういう国民運動組織であった日本の大政翼賛会、こういうものとは根本的にその性格なり性質が違っておったものであるということ、こういう点を確認していただかないとこの問題は進まないと思うのです。この点についてはいかがですか。
#144
○政府委員(八巻淳之輔君) 実は協和会の問題につきましても、ことしの春あたりから、満州国と全く表裏一体の行政機関的なものであるということでいろいろ御要望がございました。私ども実は協和会の実態につきましてつまびらかにしておりませんので、前々から大体大政翼賛会とかあるいは興亜同志会、新民会と一律の関係において同じ一国一党の党組織であると、こういうような考えでおったのです。しかし、だんだん説明を伺ってみますと、協和会というものは、満州国の行政機関の一部である、行政府におられた方たちがそのままの身分あるいは身分をかえて協和会に行って、大体同種の仕事をしておったというような実態を伺っておるわけでありますが、まだ十分その人事関係の、どういうふうな異動があったかというようなことをつかんでおりません。その点を十分きわめまして、総務長官おっしゃったように、今後善処して参りたいと思っております。
#145
○伊藤顕道君 この問題についても、一昨日の当内閣委員会で同僚の山本委員からお尋ねがあって、今恩給局長がお答えになったように、実態をまだ十分きわめていないのでさらに検討をする、そういう意味の答弁があった。今の答弁と同じですが、そこで、今も申し上げたように、満州国の建国と同時に生まれた満州国政府と全く表裏一体の関係にあったということ、さらにこれにつけ加えてお考えいただかなければならないのは、協和会の経費は満州国の国の予算として計上されておったということ、したがって、その給料も当然に政府から払われておったということ、こういう厳然たる事実があるわけですね。それと職員の人事については、いわゆる満州国政府職員の人事の問題と全く同一の資格でやられていたということ、さらには協和会職員だった者が、これは特に関連があると思うのですが、かつて協和会職員であった者が満州国政府の職員にかわった場合に、それを協和会職員であったその期間の在職期間が満州国職員の恩給法上通算されている、こういう厳然たる事実もあるわけです。これは現地に行って調査、視察するということのできない今日においては、やはりそういう記録あるいは文献による以外にないと思う。先ほど恩給局長が十分きわめたいとおっしゃっておりますけれども、やはり現地に行って、この過去の事実を調査することは不可能な現在、したがって、その当時の信頼すべき記録あるいは文献による以外にはないと思う。記録、文献ならば、幾らでもしっかりしたものは残っているので、こういうものについて、これはきわめるのにはあまり時間がかからないと思うので、そう時間をかけないでも十分検討できると思う。文献なり、記録はあるのですから、こういうことをあわせ考えていただき、さらには先ほど来から申し上げている満州国政府と表裏一体の存在であったということ、さらに人事についても、恩給職員として協和会との間の通算、それと予算の問題、こういう点をあわせ考えていただいて、ひとつ早急に先ほど来総務長官もおっしゃっておりますが、こういう問題をあわせてひとつぜひ満州国職員と同等に扱うのが至当である、そういう結論を早急にお出しいただきたい。そのためにいろいろ問題もございましょうが、人事の公平厳正を期するという大乗的な立場から、さらに一段と誠意をもって努力をしていただきたいということをお願いしたいと思うのですが、最終的にこういう問題を含めて、総務長官の所信をお伺いしておきたいと思います。
#146
○政府委員(徳安實藏君) 内容等がまだつまびらかでないというようなことは、もう今日になって申し上げるべき性格のものでないと本来から私も考えるわけです。しかし、だんだん内容について聞いてみますというと、そういう最初まだ見向きもされなかったような問題は置き去りにされまして、そうしてそうでない面に手をつけて一生懸命にやっておったという関係から、今懸案になっております問題については、ほんとうの実態を把握しかねてそのままになっておったという面もございますので、先ほど申し上げましたように、今春来から大蔵省とも私ども折衝はいたしておるのでございますが、まだ確としてこうだと言い切れるような資料等も乏しい関係から未解決のままで次に残されたという関係でございますから、先ほど申し上げましたように、できるだけ早く実情に即応する――また実態等も現地に参りましてわかるものでもありませんので、先方におられた方々もたくさんおられますから、そういう方々の御意見等も伺いまして、そうしてその実態等を把握して、すみやかに解決するように誠心誠意努力したいと存じます。
#147
○伊藤顕道君 最後に、人事院の給与局長おいでですか。人事院の給与局に対してはこういう点をお伺いしたいと思います。満鉄等の在外特殊法人のいわゆる経験年数の換算について、こういう問題についてひとつお伺いしたいと思います。問題をしぼります、時間の関係等もありますから。
 そこでまずお伺いしたいのは、満鉄等の在外特殊法人等の職員であった国家公務員あるいは地方公務員は人事院規則の九−八−二「初任給、昇格、昇給等の実施細則」第五条の別表第十六、これによって経験年数の換算表がここに出ておるわけです。これを見ますると、この特殊法人であった職員については、経験年数は五割ないし八割。実際には表には八割以下という表現が使ってありますけれども、十割以下とか八割以下とか、私の申し上げるのは実際についてお伺いしておるのですが、実際には五割とか八割とかいうきわめて低い低率に押えられておる。このことはきわめて不公平ではないか、こういう点をまずお伺いをしたい。
#148
○説明員(尾崎朝夷君) 先ほど来問題になっております満鉄等の関係につきましては、給与の立場としましては、初任給をきめます場合に部外の職員と均衡をとってきめますときに、職員の前歴があります場合にそれをどう評価するか、そういう問題として考えるわけでございます。その場合には、今度つこうとする仕事に対しまして従来の仕事が同様であるかどうかという点が評価のポイントになるわけでございまして、したがいまして、国家公務員の場合には職務が類似している場合には十割以下、それからその他のものについては八割以下というふうな大まかな区別をしております。それからその他の職員につきましては、直接関係があるものについては十割以下、その他のものについては八割以下という形になって大まかな区分を設けておりまして、これはほんとうは非常にこまかくやることが場合によっては考えられるわけでございますけれども、非常にあまりこまかい規則を出しましても実情に合わぬ面もございますし、したがいまして、かなり大まかな形にいたしまして、各省庁の人事取り扱い者の裁量にまかせている、こういう形になっておるわけでございます。で、問題の満鉄等の職員につきましては、この場合には民間における企業体等の在職期間という欄で評価するわけでございますけれども、昭和三十二年の給与法の改正に際しまして、従来の評価の仕方が民間における企業体等につきましては、従来の公務員の経歴に対する評価とそれから民間企業に対する評価というものを原則として同じにいたしまして、職務の関連する者については十割以下、それ以外の者については八割以下ということで、原則として同じ取り扱いで出しております。したがいまして、この運用につきましては各省庁で適当にそういう考え方でやってもらいたいというふうなことでやっております。
#149
○伊藤顕道君 そういう点をお伺いしておる理由は、相当の年令に達してもう退職も間近い、こういう方は相当おるわけですね、該当者は。そういう場合には、共済年金とか退職手当にもさっそく響いてくるわけです。そこで、一方において今回の恩給法の改正によって満鉄等が国家機関に準じたような取り扱いに改正された現実があるわけですね。この法案が通ればこうなるわけです。したがって、私がお伺いしたい点は、人事院規則もこの際改正して外国政府職員と同様、経験年数の換算については十割とすべきではなかろうか、ここを問題としてお伺いしておるわけです。この点いかがですか。
#150
○説明員(尾崎朝夷君) 先ほど申し上げたように、今御審議願っております観点と給与の関係におきまして、従来の考えとしましては、新しく採る職員についての評価をどうするかという問題とは別の観点になるのじゃないかというふうに考えられるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、原則としては同じ職務、仕事であるなら同じように扱う、そういう建前に一応なっておりますので、各省庁の取り扱いにおいてそういうわれわれの考え方に即してやってもらいたいという考え方でございます。
#151
○伊藤顕道君 この先ほど申し上げた別表第十六ですね、この左の一番上の欄に「経歴の種類」とありますが、ここに「国家公務員」、「地方公務員」、「公共企業体職員」、「政府関係機関職員」、その下に「外国政府職員」が一番下段にあるわけです。この外国政府職員は前回の満州国政府の職員との通算を認めたのに伴ってこの改正を入れたのだと思いますが、まずこの点を確認しておきたいと思いますが、この点いかがですか。
#152
○説明員(尾崎朝夷君) これは終戦直後からの規定のように承知しております。前からこういう規定で外国政府ということで取り扱ってきたというふうに考えております。
#153
○伊藤顕道君 今申し上げたうちの一番下段にある「外国政府職員」というのは前々からずっとあったのですか。
#154
○説明員(尾崎朝夷君) さようでございます。
#155
○伊藤顕道君 ただ本質的な問題として、二年ほど前に、満州国政府の職員が恩給法上年限を通算されたという厳然たる事実がある。したがって、そういう厳然たる事実があるならば、かつて満州国職員であった者が一年なら一年、いわゆる十割に通算されてしかるべきものだ。同じような観点から今回この法案が通れば、満鉄等の職員いわゆる在外特殊法人の経験年数についても十割とすべきではないかと、こういう点が現実に行なわれなければ不公平ではないかという角度からお伺いしておるわけです。ただここで問題なのは、ここには十割以下、八割以下という表現を使っておりますけれども、先ほどの御説明では十割以下、八割以下とあるけれども、満州国の職員等については、いわゆる公務員と同様、あるいは公共企業体職員と同じように十割に差別をおかないで平等に扱っておる。こういう御説明のように受け取ったのですが、もしそうだとすると、今回この法案が通れば、満鉄等の職員、いわゆる在外法人についてもその職員期間は、十割と当然に見られなければならぬと思うのですが、この点いかがですか。
#156
○説明員(尾崎朝夷君) 先ほども御説明いたしましたように、ちょっと観点が、やはり給与の立場としては、新しく一人の職員につきまして、どう前歴を評価するかという問題でございますので、今度つく職務につきまして、似ておれば十割、似てなければそれに相当する評価をするという建前でそれぞれあれしております。実態的には同じような取り扱いにし得るように考えておりますので、規定の上の実態的な問題はないのではないかという感じがございますけれども、なお先生の御指摘もございますので、各省庁でどういう措置をしておるかということを調査いたしまして、その実態をよく見てみたいというふうに考えております。
#157
○伊藤顕道君 最後に、その点いま一つだけ念を押して私の質問を終わりたいと思うのですが、現在ただいまでは、満鉄等のいわゆる在外特殊法人の在職期間については、八割以下と換算されておると思うのです。そこで私はお伺いしたいのは、この法案が通って満鉄等のいわゆる在外特殊法人職員期間が十割に換算されるようになるのか、それとも従来どおり八割と。もしそうだとすると、そこに非常に不公平があるが、当然にこの法案が通った暁には、元満鉄等職員期間は十割と換算するかしないか、こういう問題なんです。この点を最後にひとつお伺いしておきたいと思います。
#158
○説明員(尾崎朝夷君) 先ほどから申し上げておりますように、ちょっと観点が違っておるのでございますが、考え方としましては、先ほどから申し上げておりますように、同じような職務につきましては同じように取り扱うという建前で考えております。各省庁がその裁量によってやるということでございますので、各省庁のやり方がどのように、われわれの考え方のようにやっておるかどうかということを調査しまして適当な措置を講じたいというふうに考えております。
#159
○鶴園哲夫君 恩給局長にお尋ねをいたし、それから総務長官にもお尋ねしたい。
 まあ恩給の仕事というのは非常にじみな仕事でございまして、派手な仕事ではないわけです。局長初め非常に恩給局にお勤めの皆さん、たいへん御苦労さんだというふうにいつも思っておるのです。
 私は、設置法、あるいはこういう法案がかかりますと、勤務条件等についていつもお尋ねすることを例としておるわけです。終戦時には恩給局は小田原にあったわけですね。そして七、八年後、今の霞ケ関の庁舎に引っ越したわけです。そこにおりました農林省は近代的な建物に移ったわけですが、その後十年ぐらいたっているわけですよ。ことしになりましてから高速道路が通るというので、あっちのほうの東側のほう削られておりますね。庁舎もおそらくあれによって、だいぶ削ったり壊されたり移動しております。六月になりましたら今度はこっちのほうまでまた削られておりますね。あれでまた庁舎をぶっ壊してバラックを建てております。どうも私は恩給局のこの建物ですね、局長が今ちょうど満七年ちょっと在職しておられるわけですが、局長として、これはじみな仕事だけに若干それは、ほかの官庁がどんどんどんどん新しい近代的建物に入っていくとき、三年、四年はおくれてもいいですけれども、十何年にわたってこのまま放置されたりということは、いささか私は、同じ官庁であり、同じ公務員であるのにどうもふに落ちない。この間総理府にりっぱな建物ができた。その中にも恩給局はとうとう入らなかった。どういうわけで恩給局は総理府の新しい建物に入らないのか、それをまずお尋ねいたします。
#160
○政府委員(徳安實藏君) たいへん御同情のあるお言葉をいただきまして恐縮でございます。おそらく恩給局の諸君はみんな喜ぶだろうと思います。私も昨年任につきましてから御同様な考えでございまして、あの新しい総理府に入りますときには、恩給局も当然入るものと考えておりました。ところが、あの予算を決定いたしました数年前に、大蔵省と総理府、内閣と申しますか、あの当時の話し合いで、これとこれとこれが入るのだということで建ったのだそうでありまして、私が参りましたときにはもうちゃんと入る部屋割はもう済んでおりまして、とうとう恩給局ははみ出しまして、外局にひとしいものがみな入るという形になってしまった。これはまことに残念だと思いますし、また恩給局の仕事は、今御承知のように、非常にじみな仕事でありましてこつこつとして精励されねばならぬ職務でありますが、ああいう薄暗い昔そのままの建物であってはいけない。同時に統計局がそのとおりでございますが、この二つだけはできることならば、今入っておられる外局と申しますか、そういう方に出ていただいて、そういう本筋のものを入れたいという気持で折衝もしてみましたけれども、なかなか既得権のような形になっておりますものを出すわけに参りませんで、現在では一ぱいでありまして恩給局を入れる余地はありません。大蔵省に昨年予算編成のときに交渉いたしまして、かりにほかのを出しましても入れるわけに参りませんし、それから建て増しをする余地もございませんので、今の牛込にございます統計局も建てなくちゃなりませんから、そこに恩給局と統計局を一緒にいたしまして来年度から新建築をするということで、本年度初年度の予算をわずかでございますけれども、それに着手する手付金みたいのものを取りまして、来年から工事には着手することになると思いますので、恩給局と統計局を現在の統計局の跡に建てるといろ方針で進む考えでございます。まことに同情のあるお話でございまして、まあそういうことに力を得まして、できるだけ早くたくさん大蔵省から予算を取りまして、来年度から着手をするつもりでございますから、どうぞ御安心をいただきたいと思います。そのほかの経緯につきましては、局長がよく知っておりますから……。
#161
○鶴園哲夫君 局長、その経緯をちょっと……。
#162
○政府委員(八巻淳之輔君) 非常に御鞭撻をいただきましてありがたい次第でございます。実は終戦当時官庁疎開ということで小田原に参りましたのが、昭和二十八年に軍人恩給が再出発いたしまして、非常に事務量が増大いたしました。それで中央官庁との接触が非常に多くなったわけでございまして、そこで農林省の跡の霞ケ関の庁舎に移ることになったのでございます。かくいたしましたところで相当年数がたったわけでございますが、今総務長官がおっしゃいましたように、現在は第二号の総理府の庁舎ということで、若松町に建てるという計画で今年度調査費がついておる、こういう状況でございます。ところで、この霞ケ関の一帯の地帯でございますけれども、すでに都市計画で、霞ケ関、国会前の整備計画というのがございまして、高速度道路が走るあるいは街路ができる、公園ができるというふうな計画が早急に実現されなければならない、こういうことになったわけでございます。で、少なくともこの整備の大体の荒筋は、来年のオリンピックまでに問に合わせたい、こういうことでさしあたりの問題といたしましても恩給局の建物は市ヶ谷に、印刷局のほうに移転をする、大体九月の十五日を目標に移転をするということで内々大蔵省の管財局あるいは建設省の営繕局のほうでいろいろ事務的な話を進めております。この整備計画に対しましては、これはもうオリンピックまでにあれを仕上げるということにつきましては、私どもとしてはまあこれはどうしても協力しなければならないのでございまして、そうしてさしずめの問題として印刷局のほうに移転するという問題があるわけでございます。この移転をするということにつきましては、大蔵省の管財局なりあるいは建設省営繕局のほうと私どもといたしましても十分折衝をして、現在の勤務条件より悪くないようにということで折衝して参りましたが、大体向こうでの坪数というものも現状と同じ程度の二千三百坪程度の坪数を確保し、その現在の印刷局の建物の改修費につきましても相当程度の改修を加えて、そうして環境を整備する、居住条件をよくする、こういうことで二千百六十万円くらいの経費を建設省の営繕費に計上いたしまして、それでやるということで運んでおります。なお、まあ非常にわれわれのところが場所が枢要の地になっておりまして、地下鉄はもぐって走る、あるいは高速度道路はあそこの東側のほうを通るというふうなこと、また、国会議員の宿舎が高速度道路によって削られる。その移転先を恩給局構内に求めるというふうなことで、非常にまあ今てんやわんやというような状態になっておるわけでございます。しかしながら、今後移る先の、さしあたり移る印刷局のほうの整備を急ぎまして、職員の事務能率、職員の環境を十分整備し、事務能率を下げないように配慮して、せっかく各省と折衝をして努力している次第でございます。
#163
○鶴園哲夫君 その問題についてまあ戦争中は小田原に行った。それがまあ七、八年たって戦後ほかの官庁はみんな近代ビルディングに入るころにやっと東京へ来た。それも一種のほんとうの戦後のバラック建みたいなものですね、そこに十年近くおった。高速道路が通るのであっちを切られ、こっちを切られ、あげくの果ては、出て行けというわけですね。しかも、出て行く先は、市ヶ谷の今のお話では印刷局の移転したあとに入る。そういうことでは、これは同じ官庁であり、二、三年おくれる、四、五年おくれるのはやむを得ないかもしれない。そういう状態では、私はせっかく勤務している人も不満にたえないだろうと思うのですね。つぼのところは、総務長官が悪いのか、あるいは恩給局長がこういうことについて積極的でないのか、いかがですか、どうなんですか。
#164
○政府委員(徳安實藏君) 御説のとおりにあの建物に長くおったということにつきましては、責任者である総理府の総務長官に政治力が足らなかった、積極的というか、あるいほそういうことを大蔵省に認めさせて、そうして早く建てて上げることができなかったことは、その責任は私にある、かように考えます。ですから今後は先ほど申し上げましたように、手付金は今年つけましたから、来年度から工事にかかりまして、一、二年のうちに完成するような措置で進んで参りたい、かように考えるのであります。
#165
○鶴園哲夫君 恩給局長、どうですか。
#166
○政府委員(八巻淳之輔君) 私も非常にそういう方面におきまして微力でございまして、今まであのバラックに住まわしてきたということは、非常に反省しているわけです。幸いにして第二号庁舎ということで今年度調査費がつき、順調に予算がつきますれば、今度は本建築のあれに入るという非常に明るい希望を持っておりますので、私どもといたしましては、その整備計画に協力して、そうして市ケ谷のほうに至急移るということでございますので、その方面につきましてもできるだけ環境をよくして、そうして職員が不満なく働けるように、こういうことが念願でございますので、今後よろしく御協力をお願いいたします。
#167
○鶴園哲夫君 ことし恩給局と統計局を合わして新しいビルディングを建てる、その調査費がついたということですね。来年から始まるというのですけれども、本気にやる腹があるのかどうか、どの程度の調査費がついておりますか。
#168
○政府委員(徳安實藏君) 担当者が来ておりませんから、ここではっきりとした数字を私もちょっと記憶しておりませんが、来年度から工事に着手するという方針で今年度の調査費がついておるわけでございますから、来年度の予算に建設費がつく予定でありますので、少なくもできるなら二年ぐらいのうちには完成する予定で建てたいという考え方で大蔵省と折衝いたしております。
#169
○鶴園哲夫君 なんでしょう、オリンピックの道路が通るというのは、去年からわかっていたはずでしょう。あれは一昨年からわかっている話ですよ。恩給局の建物というのが非常にまずい。各官庁と比べてみて、総理府の恩給局というけれども、とにかく一番まずい建物になっていることはわかっている。さらにことしあたりは、はねのけられるかもしれないということはわかっている。それを来年から本建築にかかるのだというのでは、総理府長官にしても、それから当の責任者である局長の腹がすわっておらぬのじゃないかと思うのですがね。これは恩給のことで一生懸命御努力をなさることに敬意を表しております。しかしながら、こういう問題についてももっとはっきりしてもらわないと、また印刷の引っ越したあとに引っ越さなければならない、そういうようなまだるっこいことをどうしてやるのですか。今お話のように、二千百六十万円の金をかけて補修をされる。今あっちを削られ、こっちを削られ、そうなると一千万、二千万の金がかかっておるのですよ。どうして去年からわかっておるのにもっと計画的にこういう問題の処理ができないのか、局長答弁をひとつ頼みます。
#170
○政府委員(八巻淳之輔君) 実は昨年の予算編成におきまして、二カ年計画ぐらいでもって統計局と一緒に合同庁舎を建てるということで大蔵省に予算を要求いたしたのであります。しかしながら、大蔵省といたしましては、営繕費の全体のあれから見て、恩給局のあの建物のところはまだいいだろうということで予算がつかなかったわけであります。ところで、まあ昨年の暮れあたりから国会前の整備計画というものも至急にオリンピックまでに間に合わせなければならぬということになりまして、そしてまた一方、高速度道路が通るということによってあそこの議員会館が削られる、議員会館が削られるというその先は、議員会館の敷地の中でさばくということであったのでありますけれども、国会のほうの建設計画でどうしてもその中ではおさまらぬ、恩給局の敷地のほうに入り込まないとおさまらないということが最近になってわかりましたので、そういう事柄から暫定的な問題といたしましては庁舎の取りこわしとか、あるいは今後の市ケ谷移転というふうな問題になってきておるわけです。これもさしずめの問題といたしましては、やはりこのオリンピックまでに国会前の整備をやるということは、非常に国民としてはけっこうな話なんで、それに対してどうこうということは私どもとしてはできない。しかし、そのかわり、その先、行くところはちゃんとしたところに行かしてほしいということは申し上げておるわけです。で、かたがたその本建築のほうも並行して、来年、再来年の予算には盛るように今後とも努力するわけでございまして、そういう方向で総務長官のほうにも大いにひとつがんばっていただきたい、こうお願いしておるわけであります。
#171
○政府委員(徳安實藏君) いろいろ御不審、御不満はまことに当然だと思いますし、私どもも力のなかったことを恥ずるわけでありますが、私が就任いたしまして当時の経過は先ほどちょっと申し上げたとおりでございまして、特にこの恩給局となるべくならば手近なところに置きたいという気持も手伝いまして、一時は今建っております建物等も、外局のほうをほかのほうに回すことはできないかというようなことで、実は一応努力もしてみました。さらにまた、近辺に用地はなかろうかということで、これもずいぶん努力してみました、私が就任しましてから。さらにもう一つは、御承知のように、役所に近いという問題もございまして、統計局はむしろ辺隅の地であっても違った場所に移転すべきじゃないかという議論は私が参ります以前からあったそうでございます。で、これをあわせ勘案して、実は措置に多少迷いがあったようでございます。しかし、私が参りまして用地等も探しましたがうまく参りませんし、それからすでに決定しておりまする外局の、現在、総理府に入るものをほかのほうに出すことにつきましても、建設当時のいきさつがございまして、これも容易でない。こういうことがはっきりして参りましたし、さらに一部では統計局を他に移転するという意見も出ておりましたが、現実をよく聞きますというと、たいへんたくさんの婦女子が勤務しておりまして、あの附近を根城にしたあの附近の婦女子が相当多いという点から、無理に他に移しますことは、有能な職員を結局失業させることになる、とても統計局と一緒に住まいを移転することはできない方々だと、数字的にだんだん調べてみてわかったのでありますから、これだけはひとつほかの役所は別として、統計局だけは現状のままに置いてほしいということを部内で話をいたしまして、ようやく了解を得まして、あそこに建てるということが本ぎまりになったのであります。それまでには今申し上げたようないろいろ問題があって、他に移そうかということもありましたが、恩給局は遠い所でなく近くの所に置けないかということを局長も努力したが、私も就任いたしまして、早速その話を聞いていろいろ努力いたしましたが、思うようにまかせず、結論的には、近くには場所がないので、統計局には相当広い場所がございますので、あの統計局をほかに移さないという原則をまず先にきめて、その場所に恩給局も一緒に入ってもらう。現在も統計局は建物で困っているようでありますから、これは衛生上から見ましても、健康上から見ましても早く処置しなければならぬ問題でございますので、そこで来年から二カ年計画で建ててもらいたいということで、それで大蔵省もそれにようやく同意いたしまして調査費もついたのでありますが、これは単なる調査費でなくて、来年から着手するための調査費であります。これは営繕費についているのでありますから、これは万間違うことはなかろうと思います。
#172
○鶴園哲夫君 来年から着手をして、今の統計局のある所に本建築を建てて、そこに統計と恩給と一緒に入る、二年でできるということでありますか。
#173
○政府委員(徳安實藏君) 私どもの現在の大蔵省に対する要求といたしましては、二年でぜひ建ててくれということで予算の折衝をする考えでございます。
#174
○鶴園哲夫君 また恩給局だ統計局だということで取り残されるということがないように、恩給局長にもひとつがんばってもらわなければならない、総務長官にもひとつ大いにがんばってもらいたいということを申し上げまして、今の問題は終わりますが、恩給局は私も伺うことがあるわけですよ。夏に行きますと、たいへんな人がアルバイトで働いている。夏休みに学生の人がアルバイトということで雇われるのですね。たいへんな人数ですね。百名やそこらの人数じゃない、おそらく数百の人じゃないでしょうか。あの狭い悪い庁舎の中に三百も四百もアルバイトの学生が夏休みの期間仕事をしている。夏休みだけじゃなく、冬休みも春休みもやっているのだという話です。これはことしだけかと聞いてみるとそうじゃない、去年もおととしもそうだと言う。これはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#175
○政府委員(八巻淳之輔君) 御承知のとおり、こういう法律の改正によりまして年金額を改定しなければならぬわけです、昨年法律百十四号の改定におきましては約百万人ぐらいを対象にしてやりましたし、今年度、この法案が通過いたしますというと、また八十万人ぐらいの受給者を対象にして証書の書きかえをしなければならないということになる。こういうふうな仕事というものは、あくまでもそのときどきに応じた臨時的な仕事でございまして、経常的な業務ではございません。そこでこれに対応いたしまするためには、どうしてもそうした臨時の夏季あるいは冬季の学生アルバイトという方々の力を使って、そうしてさばかなければならないということでございまして、今年ももしこの法案が通過いたしますれば、さっそく準備に取りかかりまして、七月の中ごろから学校の夏季休暇に入ると同時に、百五十人から二百人近くの学生を入れて、そうして作業をしなければならない、こういうことでございます。幸い現在の庁舎の中ではこういうものを入れて作業するというゆとりを考えてスペースをとってございますので、よそで作業するという不合理なことをしないで済むことになっております。というようなわけでございまして、毎年こういう法律改正が行なわれないで、そういう臨時業務がなければそういうことをしないで済むということになるわけでございますけれども、毎年このところ、そういうふうな臨時業務が重なっておるということがそういうことになっておるわけでございます。
#176
○鶴園哲夫君 局長は恒常的というのはどういうふうに解釈しておられるのか知りませんけれども、少なくとも私が見ておりますところによりますと、三年も続いて膨大なアルバイトを夏も春も冬もやる。これからもやるのだ。少なくとも一年以上の場合においてはある程度やはり人員要求をしてもらわないと困るのですね。これは行政管理庁きょう呼ばなかったのはまずいですけれども、少なくとも三年続いてそのような作業が続いておるというような場合に、これからまた続くだろうと見通される場合に、恒常的というのは一年以上ということでしょう。そういう点についてはどういうふうに考えておられますか。
#177
○政府委員(八巻淳之輔君) 恩給の業務で恒常的と申しますというと、現在二百数十万の受給者をかかえて、台帳を持っておりますけれども、そういう方々の身分異動があればそれに伴って算定をし直さなければなりません。また逐次、大体現在は新しい新規退職者というのはございませんから、その分はございませんけれども、大体そういう経常的なその異動がございまして、それに対する仕事というものはこれはまあ経常的な業務になってくるわけでございます。それからもう一つ大きい仕事は、これは現在受給をしている人がはたして権利を有する者であるかどうかという調べを一年おきにやっております。この半数ずつを一年おきにやっておるわけでございますけれども、そうした受給権調査という仕事が恒常的な仕事として流れているわけでございます。そのほかに法律改正によるところの仕事というものがプラス・アルファになって重なっているわけでございます。これらの仕事というものは必ずしも予測がつかない、先を予想して予測がつくわけのものでございませんので、これらに対応するものとして、やはりそうした臨時的な業務としてそういうふうにその相当な職員というもので補充していかなければならぬ、こういうわけでございます。
#178
○鶴園哲夫君 私は、その今局長のおっしゃったようなことを伺っているのじゃなくて、国家行政組織法でいうところの恒常的というのは一年以上という意味じゃないですか。それを三年も春休み、夏休み、冬休み、二、三百の人をずっと雇っておって、これからもずっと雇わなければならないという状態において、定員の問題からいって考えるべきじゃないかということを伺っておるわけです。
#179
○政府委員(八巻淳之輔君) 今申し上げましたように、その事務量が浮動と申しますか、臨時に突発した仕事に対応して恒常的な定員というもののほかにどうしてもそれだけの人が要るという場合には、これは臨時の定員でまかなう、こういうことの建前で予算が組まれておるわけです。
#180
○鶴園哲夫君 いや、私は予算が組まれておるかどうかということを聞いておるのじゃないのです。私の伺っているのは、行政組織法からいって一年以上継続して仕事がある、あるいは人を雇わなければ仕事ができないという場合にあっては定員を考えなければならぬのじゃないか。そういう点については局長はあまり御関心がないようでありますね。しかし、何せ何年かにわたってそういうアルバイトを夏休み、冬休み、春休み、二、三百の人を雇ってきておる。これからも雇うとおっしゃる。その場合には定員というものを考えなければならぬのじゃないかと伺っているわけです。
#181
○政府委員(八巻淳之輔君) 御承知のとおり、昨年もそうでございますが、ことしの恩給法改正でも、年金額を増額改正して証書を交付するという、こういう仕事につきましては、できるだけ早く受給者の手元に届くと、こういうことを念願してやっておるわけです。たとえばことしの十月分から支給するということは、言いかえまするならば、一月に郵便局の窓口でもらえるようにする、こういうことでございます。その趣旨に従うならば、できるだけその時点に間に合うように大量のものをさばくということがどうしても必要になってくるわけでございます。こちらだけの人員管理の点からだけ申しますというと、作業が多少おくれてもだらだら年間通してやればいいということも言えますけれども、やはりそうして一月に支給する、あるいは三月に問に合うようにするというふうなことの要請からいたしまして、そういうピークをある一定の時点に作って仕事をさばくということがどうしても必要になってくるわけでございますので、それにマッチいたしまして、それに対応させるために夏季のたまたま学校の、学生のアルバイトを使う。それによって、非常にその一定の時点に作業量のピークを作ってさばける、そうしてまた受給者の要望にこたえ得る、こういうことになるわけでございまして、そうした、コンスタントに毎年毎年ふやしていく、コンスタントな状態において人員を管理するということができがたい状態にあるわけでございます。
#182
○鶴園哲夫君 なかなかくどいようですけれども、これは私はアルバイトを雇うのが必要がないと言っているんではないんです。アルバイトを雇ってなさる必要もあることは承知しております。しかしながら、毎年雇わなければならぬとするならば、しかも春休み、冬休み、夏休みもだと、二、三百の人を雇わなければならぬ、三年、四年継続してきたと、これからもやるんだというお話ならば、アルバイトを雇う必要もありましょうけれども、定員のことは考えられないのかと、こう言っておるわけです。恒常的にというのは一年以上引き続いて勤務する必要がある場合には恒常的ということで人員をふやしてもいいんじゃないかと思う。
#183
○政府委員(八巻淳之輔君) ただいま申し上げましたように、その一定の時点にピークを作って人を集中してやらせるということ、こういう人たちは大体長くて三十日、短い方は三週間ぐらいの期間でお勤めになる方です。ことに学生の方々は夏季全体を通じておやりになることは少ないので、二十日働いてあとは郷里へ帰って、その働いて得た金をもってリクリエーションを楽しむ、こういうような方が多いわけです。そこでそういう方々を定員として置くということは事実上できないわけでして、そういう意味ではやはりどうしても賃金という形で、定員化さないでやっておるわけです。
#184
○鶴園哲夫君 これは私がわからぬのか局長がわからぬのかわからぬが、それは今学生のお話をなさっておられるんでしょう。学生は安ければ来ませんよ。あるいは学生なら、働いてあとは休みをエンジョイする人もありましょう。それは学生の立場であって、当局の立場として恒常的じゃないのか、こう言っておるわけですよ。毎年雇わなければならぬ、しかも夏休み、冬休み、春休みだと、二、三百雇っておられる。私はこれは恩給局だけの問題じゃないと思っているわけです。定員化の問題は一応処置がされて、その後の状態として各省にあるかもしれません。したがって、全体の問題としていつか適当な機会にこの問題は取り上げてやらなければならぬと思っておるんですけれども、しかし、お宅としてはやっぱりこうした人に来てもらったほうがいいんでしょう。十日でやめてしまってまたあと新しいものがやってくる、それにやっぱり仕事を覚えさせるのはたいへんだ。それがまた冬休みで違った人が来る。それはどうしても行政としてやっつけ仕事になってしまうことは争い得ない。そういうような仕事でやられておるわけですけれども、ある程度の定員というものは確保しておられたほうがいいんじゃないか、こういうことを言っているんですよ。しかも、やはり四百五十円から四百七、八十円出さなければ来ないでしょう。そうすればそれは今勤めている人たちより給与は上になります。しかも仕事が、毎年十日や二十日でやめてしまいますから、また新しい者が入ってくるということでやっつけ仕事にならざるを得ない。それをまた一年に二、三回やっておられる。何かそこでもっと考えてよさそうに思うんですけれども、そういう問題、局長お考えになりませんか。
#185
○政府委員(八巻淳之輔君) 経常的にそういう人を、なれた人を経常的に使ったらどうかということについては、先ほども申し上げましたように、作業量の山が相当一定の時点に集まりますので、その期間にだけ使って、そうして定員を減少するというふうな芸当はなかなかできない。そういうような意味で、山が夏休みあるいは受給権調査のある冬休みとか、そういう入ってくる相手方のほうのあれも考えながら作業の単純化というものをはかりまして、できるだけそれでもって作業をさばこう、こういうことなのでございまして、これを全然そういう臨時の者をやめて、恒常的な要員だけでやれ、そういうようなことはむずかしいと思います。
#186
○鶴園哲夫君 局長よく聞いてもらいたい。私はアルバイトを使ってやることはけっこうだというんです。しかし、全部が全部アルバイトでやらぬでもいいでしょうと言っているんです。二、三百人の者を全部春休み、夏休み、冬休みと雇わぬでもいいだろうと、やってもいいが、その中である程度固定したものを作っておかないでいいですかというんです。しかも仕事量としては三年間あるでしょう。これからも引き続いてやるんですから、仕事の量としてはあるでしょう。だから、ある程度定員増というものを考えなくてもいいのかということを言っているんです。全部定員化せいというんじゃない。私は、どうもこれはある意味では、今の法律からいいましておかしい面があると見ているんですよ。これは恩給局だけではありませんよ。今端的に言って一番問題になっているのは恩給局です。それから農林省にもありますし、建設省にもあります。それはああいう閣議決定があったから、それで常勤化しないで待っておるものですから、こういう妙な使い方というものがあっちこっち出ている、三年くらいぶったまっていますからいろいろのところで問題になりつつありますよ。私は恩給局を見てみてどうもおかしいと思う。だから全部定員化せいとは言ってない、ある程度の定員というものは確保しておかれる必要があるのじゃないかということを言っておるわけです。仕事量はりっぱにあるのでしょう。どうです。
#187
○政府委員(八巻淳之輔君) 全然定員化しなくて臨時ばかりでやっておるわけじゃございませんので、七百何十人というのが恒常的な定員としてあるわけであります。そのほかに、私は一月じゃない、ずっと年間を通しても働いてよろしゅうございますという方もいらっしゃいます。これはまあ現在のところはそんなに多くございません。そのほかの、先ほど申し上げましたような、各毎年度の――ここのところは毎年でございまするけれども、こうした臨時業務に対しましては学生アルバイトを利用しておる、こういうことでございまして、経常的な定員というものがどうしても足りなくなるという事態になれば、これは定員増ということになるわけでございますが、さしあたりのところは、むしろ定員というものにも欠員が生じますので、漸次常勤的非常勤といいますか、そういう方々の長期のアルバイトの方々、これを定員に繰り入れている、こういうのが実情でございます。
#188
○鶴園哲夫君 その今の問題は、もう一ぺん私は定員外の問題を全部からめてやりますから、その際にもう一ぺん恩給局長に来てもらって論議したいと思います。しかし、どうも恩給局長は国家行政組織法の定員というものの理解が足りないように思いますね。
 それからもう一つ伺いますがね。これは先ほど局長もお話のように、昭和二十八年ですか、恩給局が非常に膨大になったわけですね。そのときもやはり局長は、同じようにたくさんの学生アルバイトを使われたのです。その人たちは御承知のとおり、これは臨時職になって、これを常勤にしてたくさんの人が定員化されたわけですよ。おそらく三百人や四百人の人は定員化されたのじゃないでしょうか。そういう過程を経てきた人が、どうも定員化の過程にあって、あるいはアルバイト的に雇った人たちを臨時職にするときに、給与を切りかえますね、給与を切りかえるというか、今の俸給表に切りかえる。今度その人たちを、常勤化したものを今度は定員化する、その際の配慮が足りなかったのじゃないかと私は見ているのですがね、いかがですか。そのために、この局内に非常にアンバランスが多い。私は給与の専門家だから言うのです。設置法が変わったら全部見る。それは法務局が変われば法務局、宮内庁が変われば宮内庁、統計局がこの間やりました。見ているというとアンバランスが非常に多い。それが二回にわたって適当な配慮が払われてないと私は思うのです。それらについて局長は、ほかの行政官庁と比較なさったかどうか。あるいは局外におけるところのアンバランスについて検討なさったことがあるのかどうか、その点お尋ねいたします。
#189
○政府委員(八巻淳之輔君) 御承知のとおり、初めの出発におきましては臨時職員ということで、その後常勤労務者、それから定員繰り入れというふうな幾段階を経ております。その間における給与の切りかえというようなものにつきましては、経過的には若干いろいろのズレがあったかと思いますけれども、その後努力によりまして、人事院当局の指導あるいは人事院の規則に基づくところの人事管理の適正化を期しまして、現在では給与における局内におけるアンバランスというものはもう今やないと私は思っております。他の役所との振り合いとかいうようなことになりますると、これはもっと全般的な見地から官房の人事課あたりで見なければならぬわけですが、これはいろいろな役所の成り立ちなり、また、出先なりが非常に多いとか、人事異動の関係等もございまして、必ずしも一律にいかぬだろうと思います。しかし、総理府部内においては大体そんなにアンバランスがあるというふうには考えておりません。
#190
○鶴園哲夫君 総理府内においてはアンバランスがないというお話ですが、内閣委員会に出てそういういいかげんな話では困ります。宮内庁はこの間までは高等学校を出て任官するまでに七年かかったと、同じ総理府ですよ。ここで取り上げて問題にしました。そうでないところはこれは三年だ。アンバランスがありますよ。それと、局内においてアンバランスがないとおっしゃる、これはほんとうにそう思っておられるんですか。これはどこでもあるんですよ、アンバランスというものはどこでもあるんです。そういうアンバランスがありますと、局内においては不平が絶えない、不満が絶えないということになるわけです。いろいろ各行政当局も努力されておる。だからアンバランスがないとおっしゃるが、各省との比較、各行政機関との比較、これは総理府のお話だ。そういうお話ではこれは済まない問題じゃないですか。私は庁舎の問題について局長はどうも積極的でないという見解を持っておった。今の問題についても、私はそういう印象を受けるわけですがね。退嬰的だという印象を受ける。もっとやはり局の長ですから、そういう面についての配慮が足りないということは、これはせっかく非常にじみな仕事です、不平が絶えない、不満が絶えないということで局内の人事体制というものがうまくいくはずがない。
 ちょっと伺いますがね、常勤から定員に繰り入れるときの操作をひとつ聞きたい、どういうふうな操作をやられたか。これは局長御存じないですな、こまかいですからね。それじゃ伺いますけれどもね、八等級の七号以上の人がいますか。
#191
○政府委員(八巻淳之輔君) 大体八等級の上のほうになりますというと、七等級に格づけをするというふうに昇格をやっているわけですが、何号からやっているか、その点詳しいことは知っておりません。
#192
○鶴園哲夫君 これは三十二年の給与法が通りますときに附帯決議がついて、七等級がちょうど八の七に該当するから、したがって、そこから上げるという附帯決議がついて以来、人事院はそういう取り扱いをしているわけですよ。したがって、大体八以上の人はいないと言って差しつかえないですよ。七等級はいかがですか。
#193
○政府委員(八巻淳之輔君) まあ六等級以上になりますと、それぞれの定数がございまして、七等級の上のほうの人を六等級に格上げをするかどうかということは、六等級に定数がございますのでそれに縛られる、必ずしも一定の基準になったからといって六等級になれるということにならないように聞いております。
#194
○鶴園哲夫君 そうじゃないですよ。七の七からは六にするのですよ。どうも私は、まあ局長、これはこまかいから御存じないかもしれません。しかし、それは働いている人たちにとっては非常に真剣な問題です、これは。それについてどうも私配慮が足りないように思いますがね。もっと数字をあげて説明をしてもいいですよ、アンバランスの問題について。局長、私は、すみやかに局長、人事院とも打ち合わせをされて、各行政機関のほうも比較をしてみられて、低いものについてはすみやかに善処されたいと思うのですがね、いかがですか。
#195
○政府委員(八巻淳之輔君) 昇給昇格の問題について人事院側としていろいろな制約をしてきているわけです。しかしながら、部内の職員の給与が、処遇が上昇するように、いろいろな障害ございましょうけれども、私どもとしては、そういうものをできるだけ排除していくということにおきましてはやぶさかでないのでございまして、その方向でまあ今後とも努力いたします。
#196
○鶴園哲夫君 ちょっとばかり言葉じりにとらわれるようですが、局長はお古い方ですから、やぶさかでないという言葉を使われる。義務ですよ、それは、局長の。やぶさかでないとはどういうことですか。訂正して下さい。やぶさかでないとはどういうことですか。努力するのはあたりまえですよ。
#197
○政府委員(八巻淳之輔君) やぶさかでないということを申しましたのは、そういうことに努力を惜しまない、努力する、こういうことでございまして、その点、訂正いたします。
#198
○鶴園哲夫君 これで終わります。
#199
○田畑金光君 二、三、ひとつお尋ねしたいと思いますが、総務長官にお尋ねいたしますが、先ほど伊藤委員の質問に対して総務長官からいろいろお答えがあったわけで、私の尋ねたいという点も大体尽くされたようですが、総務長官として、あるいは政府として今後恩給法全般の取り扱いについてどういうかまえでいかれるかということを承りたいと思うわけです。と申しますのは、先般の衆議院でも、関係法案の採決にあたり附帯決議がついておるわけです。後刻また本委員会においても各会派一致で附帯決議も出ると思うんですが、恩給法の復活とともに、ほとんど多くの問題は法律――立法措置を通じ実現を見たわけでありますけれども、なおかつその中にいろいろな矛盾や調整すべき問題点が残されておるということが一つ。それからまた、先ほど外国政府職員とか、あるいは外国の特殊法人に関する問題等については、議論してみると、まだまだ処理し、取り上げるべき問題点が残されておるわけです。こういう問題について先ほど総務長官としては、次の機会に、恩給法全般の最終的な処理というような気持でこれから研究し、検討を重ねて、次の機会に法律として出していきたいというような御答弁もあったわけです。この問題についてはまだまだ相当の問題が残されておるということは、先ほどの質疑応答の中で長官もお認めになったわけですが、今後これらの問題に関して、恩給法全般の問題として政府はどういう角度でこれらの残された問題を処理していこうとする御方針であるのか、これを最初に承りたいと思います。
#200
○政府委員(徳安實藏君) 先ほど御答弁申し上げましたが、恩給関係につきましてはだんだんにしぼられて参りまして、しばしば決議もございますので、その決議の次第によって話のつくものから今日まで順次解決して参ったわけでございます。しかし、お話のように、まだ未解決のものが相当ございまして、総理府ではこれは当然かくあるべしと考えて大蔵省に折衝いたしておりながら、まだ未解決のものもございます。また、すでに壁にぶつかって何とかこの壁を破らねばならぬと思われるものもございます。こういうのが従来とても附帯決議等によって残されておるわけでございまして、その詳細につきましては恩給局長から御説明申し上げるほうが適当だと思いますが、だいぶもうせんじ詰めて参りまして、もうそう長期にわたって調査しなくても結論が得られる時期に差し迫って参っておると思います。でありますから、いつまでもぐずぐずしておるのもいかがかと思いますので、次に来たるべき国会等におきましては、大よその破れる壁だけは破り、可能な部分だけは話をつけまして御審議を願うようにいたしたいものと考えるわけですが、しかし、どうしても破れないものは破れないものとして、これは将来に残すものも多少はあるかもしれませんが、しかし、政府の見解がそういつまでも結論を得ないままに放置もできませんから、できれば次の国会あたりには大よその見通しをつけて御審議を願うという段階に進みたいものと、かように考えておりまして、その作業を一生懸命で進めたいと思います。
 それからちょっと、先ほど鶴園先生からお話がございましたが、これは局長から御答弁申し上げて非常に不満足の御答弁であったかもしれません。給与関係に専門の先生ですから私どもはとうてい太刀打ちはできないわけですけれども、実は私も先般この給与の関係につきまして内容を見せられて、そうして各省がまちまちなのに驚きました。高等学校を卒業して、まあ昔の判任官と申しますか、それに任官するような形におきましても、役所によりましては六年も七年もかかるのもあり、あるいは翌年すぐなるのもあれば、三年のもあり、四年のもあるというようなことが研究していくに従って出て参りまして、これはいかぬじゃないかというのでただいま私ども研究いたしておりまして、特に総理府のごときも他に率先して範をたれるべき役所でございますから、従来のような惰性に流れずに、この際踏み切って、入ってくる諸君に希望を持たせるような処置をとるべきだということで、人事課長にも命じてただいま研究さしておりますから、こういう点につきましては私どもも不勉強ではないのですけれども、何しろ専門的なことでありまして、問題になれば掘り下げて聞くのですけれども、人事院規則なり、私どもの内部の規則等を始終研究しておればあるいは今ごろこんなことに気づくはずはないのですが、問題があるということで調べますというと、ただいまのようなお話もわかって参りまして、ただいま検討いたしまして、そうしてなるべく各役所がいろいろな特殊事情もあるようでございますから、にわかに一本にはならぬと思いますけれども、いいほうにしわ寄せするように努力いたしますから、この点ひとつ御了承いただきたいと思います。
#201
○田畑金光君 困難な壁があればまたそれはそれなりに方法を考えると、こういうわけですが、私たちの見るところ、もはやそれほど恩給法上の解決しなければならぬほどの固い壁はないと、こう判断するわけです。この国会において衆参両院の内閣委員会等で問題として取り上げられた問題点については、この際政府が真剣に取り組むという態度で臨まれるならば、私は恩給法上の問題というのは、そうこえがたい壁はもう先そんなにないと考えておるわけです。同時にまた、大事なことは、恩給局長が七年以上もこの問題に取り組んでおられるし、しかも歴史的な経過、従来の内容等については一番明るく、精通されておる恩給局長がいらっしゃるわけですから、私はこの際、この練達、熟練されておる恩給局長のもとで、恩給法上の諸般の問題はなるべく早い機会に最終的な処理をはかるべきだ、こういうふうに私は考えておるわけですが、政府部内といたしましても、そういう気持で長官としては急いでいただけるのかどうか。先ほど自分がこのポストに残るかどうかというようなお話もありましたが、われわれはひとつこれを長官にぜひ残っていただいて、この問題の解決だけはひとつ早く処理していただきたいと、こう思っておるのですが、その辺、どのように考えておられましょうか。
#202
○政府委員(徳安實藏君) 御好意のあるお言葉で恐縮でございますが、お話のように、恩給局長はこの問題につきましてはきわめて熟練もし、一を言えば十を悟る長い間の体験の持ち主でございます。だいぶん長くこの職におられますので、願わくはこうした問題はこういうよく前後の事情をわきまえて、生き字引のようになっておる人のもとで解決することが望ましいことだと考えておりますので、先ほども申し上げましたように、もう大体最終段階に入ったんではなかろうかと考えておりますから、極力努力いたしまして、次の機会には大幅にひとつ御審議が願えるような状態にまでもっていきたいという考え方で作業いたしたいと思います。
#203
○田畑金光君 そこで私、まああと一体どういう問題が一番取り上げて解決するのに困難な問題点であるかというと、やはり私は何と言っても先ほど伊藤委員から質問がありました外国政府職員の問題なり、あるいは外国の特殊法人の問題等がそれではなかろうかと、こう見ているわけであります。そこで、私は具体的な個々の問題について触れることはやめますが、基本的な考え方として、総務長官はどのようにお考えになっておられるか。これだけ承りたいと思うのですが、それは先ほど取り上げられておりました満州国を中心とする政府職員の問題、外国政府職員の問題、あるいは特殊法人の問題ですが、端的に申しますと、私は満州国というのは、あるいは満州国政府職員の問題というのは、日本国政府職員と大同小異だと、私は結論的にこう申し上げたいのです。同じに取り扱っても一向差しつかえないのじゃないか。こういう私は前提で見たいと思うのです。と申しますのは、満州国というといかにも独立国家であった、したがって、日本内地の公務員と満州国の公務員と同じに取り扱うわけには参らない。こういう前提で議論されておりますけれども、私は満州国というのは日本と一心同体であった。こういうことを前提として考えていかれるならば、この問題の解決というのは案外あっさりすらっと解決できるのではないかと思うのですけれども、私のこういう考えが間違っているかどうか。これをお聞かせ願いたいと思うのです。
#204
○政府委員(八巻淳之輔君) 過去のいきさつもございますので、私からちょっと申し上げさせていただきます。実は元の満州国における日本人官吏というものが、満州国政府そのものが日浦一体ということでありますから、満州国における日本人官吏の退職後の処遇というものにつきましても、満州国解体後においてはやはり日本政府の責任においてこれを処理すべきではなかろうか。その手法といたしまして恩給法を適用してはどうかというふうな御要望があったわけでございます。しかしながら、この問題につきまして田畑先生もすでに委員として御承知のように、臨時恩給制度調査会で問題とされましたときに、この問題は恩給法――これはもちろん恩給法の問題を取り上げるということでございますから、恩給法だけが問題になったわけでございますけれども、こういう問題は恩給法の対象外にあるので、戦争犠牲のゆえに恩給法のワク外のものを恩給法というワク内に取り入れて、そして処遇するということは非常に問題があるということで意見が出ております。その方々に対する何らかの処遇ということは、昨日も総務長官がおっしゃいましたように、高次な時点で問題があるかと存じますけれども、少なくとも恩給制度のレールの上で問題を解決するということはなかなかできにくいというのが現在までの考え方でございます。
#205
○田畑金光君 私は、今局長の御答弁のように、恩給法上の問題とか、恩給制度というワク内で議論してくると、いろいろ困難な問題が出てくると、こう思うのです。しかし、今お話がありましたように、もうより高次な時限というか、高次な角度においてこの問題を考えていくならば、おのずからそこに私は解決のめどが出てくると思うのです。と申しますのは、私は一体満州国というのが当時独立国家であったかどうかという問題から出発しなくちゃならぬと思うのです。行政、立法、司法、この三権について排他的、専管的な主権を行使している満州国であったかどうかということになってきますと、これは歴史的に見ても、日満議定書によって日満関係は規定されて、そういう意味の独立国家でもなんでもなかった。これは明らかな事実だろうと思うのです。ことに満州国の高級官吏というのは、それは全部関東軍司令官の許可がなければ、承認がなければ任命できないという関係でもあったわけです。また、関東軍司令官というのは、事実上、御承知のように、軍司令官であるとともに全権大使であった。いうならば天皇の名代という絶対的な権限を持っていたことも歴史的な事実であるわけです。したがって、満州国の日系の官吏というのは、究極的には関東軍司令官の命令によってあるいはまた、言葉をかえていうと、天皇の任命行為に基づいて間接的に任命をされた、これが私は事実であったろうとこう思うのです。そういう意味から見た場合、ここで私が、日本の恩給法とかあるいは日本の恩給制度の適用対象外であったということは、それは事実であったかもしれぬが、しかし、敗戦の結果、もし満州国というものが、かりに存続したとするならば、満州国の法律制度のもとで、救済されたであろうこれらの職員というものは、敗戦とともに一切そういう恩恵から見放されてしまった。放擲された。そういうことを考えたときに、やはり私は、日満の実態関係というものから、この問題は取り組んで解決を検討してみる。これが、私は大事な基本的な心がまえじゃなかろうかと、こう思うのですが、この点について、私はこれは高次の、という意味は政治的な問題でもあると考えておりますので、総務長官がいかようにお考えになっておられるか、承りたいと思うのです。
#206
○政府委員(徳安實藏君) ただいままでの政府の考え方、方針は今、局長が申し上げたとおりでございます。しかしながら、先ほども御答弁申し上げておりまするように、その事柄が、きわめてわずかのものであるとか、あるいはそれを行なうことによって、非常に民心に好影響をもたらすであろうというようなことでございますれば、そう、法の末節のみにこだわることもないかと思います。ただ、まあいろいろな関係で、筋目を正しくし、筋を通さねばならぬ関係から、従来はそうした方針等に基づいて、一つのワクの中で考えておったようでありますけれども、だんだん、この問題を終局に近づけて参りまして、そういうような問題に対して、最後の断を下さねばならぬような時期に差し迫ってくると思います。私どもも、こうした委員会に出て、このお話を聞きますのは今回が初めてでございますので、与野党ともに、そうした問題につきまして、一致した御意見であって、そうすることが、日本の政治を正しくするためにも必要であるということでございますならば、ただこれまでの法律のワク内のみに拘泥することもなかろうかと考えますので、よく御意見を承りまして、再検討をさせていただいて、そして、すみやかに結論を出すようにいたしたいと思います。
#207
○田畑金光君 私は、総務長官の御答弁を承って、まあ満足であり、非常にけっこうであると、こう思っておりますが、ひとつ、そういう角度で、この問題には取り組んでいただきたいとこう思うんです。
 ことに私は、もう少しく申し上げれば、やはり当時の日満の関係というのは、あたかも終戦直後の日本における連合軍と政府との関係みたいな問題であったと考えます。当時の日本を振り返ってみるならば、これは憲法もあり、議会もありあるいは司法、行政もあったかもしれんが、しかし、憲法のもとにおいても、なおかつ、憲法以上の権威というものをマッカーサーが持っていた。憲法以上の権威というものをポツダム政令が持っていた。こういう実は関係が、ちょうど日満の関係であったと思うのです。しかし、日本は、昭和二十七年に、講和条約の成立とともに、独立国家になったわけでございますが、当時の日満関係というのは、ますます戦争という事態に入っていって、関東軍司令官の権限が強大になってきた。その権威がますます強くなってきた。そういう関係であった当時の日満関係を振り返ってみた場合に、そこで働いていた公務員の諸君あるいは先ほど来議論になっていた特殊法人の職員の人方、こういう人方の取り扱いというのは、やはりそういう事実に即して検討されねばならぬと考えておるわけです。そこで、先ほどの総務長官の御答弁にありましたように、どうか新たな政治的な角度からこの問題をぜひ早急に最終的な処理をはかっていただきたい。私は同時に八巻局長もひとつ先ほど来練達の士であるといって私は大いに敬意を表し、ほめたたえましたが、この問題についてはどうか八巻局長も自分の財布から金を出すようなしぶい態度でなくして、もっと政治的な情勢の変化ということを顧慮されて、この問題には積極的な態度で取り組んでいただきたい。そういう意味から私は、先ほど伊藤委員の質問に対してたとえば協和会職員の問題とかあるいは開拓指導員の問題とか等について、総務長官は次の機会に解決できるように努力する。こういうお話がありました。ほかにまだ問題はたくさんあると思うのです。多々問題はあると思うのです。たとえば一例を申し上げますと、満州国政府職員で現地において公務のために死亡した人あるいはその遺族の問題等は何ら処理されていないという問題もあるわけです。あるいはまた、昭和十二年に満州国における治外法権の撤廃、満鉄付属地の行政権の移譲に伴って、当時の外務省や関東局の官吏が満州国政府に移譲された。そうして満州国政府職員になった。ところが、終戦と同時にこの人方は帰ってきたわけでありますが、満州国政府職員であったというその期間が通算されないという事態も残されておるようです。でありますから、今日こういういろいろな問題が多々現在残っておるわけですから、これらの問題の解決には私が先ほど申し上げたように、日満関係についてはもっと実体的に、本質的にこの際検討されて、その上に立って問題の最終的な処理をはかることが一番大事だと思いますので、この点をもう一つ総務長官から強い決意ないし今後の政府の固い善処の方針を伺っておけば、私は質問はこれで終わりたいと思いますが。
#208
○政府委員(徳安實藏君) たいへんな御鞭撻をいただきまして、私どももそういう御鞭撻をうしろだてにいたしまして、次の機会までにはできるだけ御満足のいくような努力をはかることをお誓いいたします。
#209
○大谷藤之助君 たいへん専門的なまたこまかい問題にわたって各委員からるる出ましたものですから、御質問は御遠慮申し上げようかと実は思ったんでございますが、関連した問題で多少新しい問題もあるようですから、二、三簡明率直に申し上げます。御答弁のほうも内容的にはいささか承知いたしておりますから、ひとつ右するか左するか、さようなことを願いたいと思います。
 今、特別扶助料で一年と三年のワクを二年、六年にワクを広げてもらったことは、これは多年の要望がここに一つ実現したわけでありまして、この点は局長初め関係者の努力を多とするものでありますが、せっかくここまで二年、六年に広げるという趣旨においては、この制限は撤廃するのが私は当然な今日の段階であろうと思うわけでありますが、一応本法律の施行によりまして、それによって潤う者、潤わない者が出てくると思いますから、さような点をひとつ十分胸において、この二年、六年という問題の実施の成果を見ていただきたいと思うわけでありますが、ただ現在の段階で、この該当者が二年、六年にもまだはずされて、取り残された未処遇者として、また何か問題が起こるというようなことについて見通しがあればお聞きしたいのですが、そこまでの資料お持ちでございませんか。
#210
○政府委員(八巻淳之輔君) 私のほうでは現在持っておりませんが、援護局のほうであるいは御承知かもしれません。援護局の衆議院の内閣委員会における答弁では、援護局長は、これはまあ六年以後に死亡した者は全国的に含めても三千人ぐらいであろうというふうな御答弁でございまして、しかし、現在病気でもってこれから先なくなるという方もあるわけでございまして、これをはずしますというと将来の問題にもなるわけでございますので、幾人でおさまるということではなかろうかと思うのであります。そういうこともございまして、そのほかいろいろそれに関連した問題もございますので、そういう方向での問題というのは、将来とも検討の問題であろうと思います。
#211
○大谷藤之助君 もう一つの問題は、これはこの委員会でも、話が出ましたから大体意向はわかっておりますけれども、例の特例法における営内居住の制限を付しておる問題ですね。これはなるべく実施にあたっては幅広く取り上げたいというお気持は十二分に了解するわけでありますけれども、今日、今まで未処遇者のこの取り扱いのずっと成果から検討してきております結果から言うと、もうこれは職務関連という立証条項があれば、営内居住というような制限は私は撤廃していい時期だと、こう見ておるわけでございます。これには諸般の問題から、いろいろ言うべき点はありますけれども、そういうことはおきまして、営内居住といいましても、これは海軍の艦艇に乗り組んでいれば、これは準士官以上と下士官兵との差別はないので、むろんこれは当たらぬわけでありますけれども、陸上における部隊といいましても――海軍を問わず、陸軍を問わず、士官、準士官以上であれば外泊ができる、あるいは外出ができる場合は、下士官兵も同じで、一たび教育とか訓練とか演習とか、そういう外出、外泊が認められないときは営内に泊るわけであって、この点から見て、こまかい点から言えばいろいろ反論が出ますけれども、職務関連の立証があればそこまでやる必要はないじゃないか。これは当たりませんけれども、援護法の上では、いわゆる徴用工なり、あるいは準軍属が工場において働いておった場合に、戦時災害という項目もつけ加えなければいかぬということで対してきておったわけでございますけれども、この戦時災害の項はやはり削除すべきであるということで、これは非常に理解ある措置が出てきたわけでありますけれども、ものは違いますけれども、これは返事はほとんど即答で右するか左するかはむずかしいと思いますけれども、まあ幅広い解釈をとることは賛成でありますけれども、もう一歩前進してもらう線において検討を進めていただきたいと思うわけでございます。局長どうですか。
#212
○政府委員(八巻淳之輔君) まあ御承知のとおり、特例扶助料の制定理由からいたしまして、大東亜戦争は第二国民兵というような虚弱な兵隊も応召になったわけでございまして、そういうようなことを考慮して、兵、下士官ということにしぼって、そうして戦病死の場合も公務扶助料に準じたものを適用しようというのがあの精神でございます。また、この根っ子になっております援護法における特別弔慰金というものの支給条件といたしましても、営内居住というようなことが条件になっているわけでございまして、運用の幅としては、援護局におきましても相当弾力的に運用しているわけでございまして、この点をはずさないというと実際にお気の毒な方にそうした支給ができないかどうかということも考えまして、将来の研究問題であろうと思っております。
#213
○大谷藤之助君 次は、多年これは言われておる海軍特務士官のこの恩給の問題でございます。恩給局側の主張なり、当局側の主張の点についても私は了解いたしておりますけれども、この問題につきましても、もう一歩前進、善処されるべき段階だと存じております。いろいろ理由は省略いたしますけれども、これは去る二十八国会と思いますけれども、衆議院の内閣委員会の場においても、具体的に九項目あげて、そしてそのうちの六項目はすでに今日解決しておると私は存じております。残る三項目のうちのこれは一つで今日まだ取り残されておると。いろいろ当局のほうの説明でいきますというと、むしろ学校出の若い少尉も、あるいはまた、特務少尉の方も、同じレベルに引き上げた線においてこれが決定されておるのであって、その辺でひとつというな御説明もあるようでありますけれども、引き上げた線で仮定俸給がきめられることはけっこうでありますけれども、従来のこのあり方から、給与の体系なり、あるいは恩給の過去のあり方からいえば、上げた線からしかるべきバランスを取ってのやはり一階級特別のものを設けるということが特務士官の場合にはされていると思います。これは海事特務士官ばかりでなく、陸軍にもおそらく一部当てはまる方々があると思っておりますけれども、そういう面についてもその点については、この衆議院の九項目なり、あるいは当委員会における附帯決議の精神というものは、単なる附帯決議でなくて、相当これは熱意をもって検討もし、また、すみやかな機会にひとつ善処してもらいたいということで、当時の総務長官の御返答もございますし、そういう点でこれももう少し前向きでなくて一歩前進した形でひとつ検討を進めていただきたいということを申し上げておきたいと思います。この点は御答弁どうですか。
#214
○政府委員(八巻淳之輔君) 特務士官仮定俸給の問題につきましては、すでに臨時恩給調査会でもいろいろ検討されて、これを要望どおりいたしまするというと、昔の旧陸海軍の恩給の基礎俸給である仮定俸給を全部御破算にしてしまうようなことにもなるわけでございまして、まあ若い将校と年寄りの特務将校とが同じ階級であるがゆえに同じ仮定俸給であるという御不満は戦前からあったそうでありますけれども、そうした気持はわからないではありませんけれども、そうした戦前の、そうした恩給の仮定俸給の体系をくずすことなしになかなか手直しはむずかしいものでございますので、技術的には非常に困難な問題があると思うのでございます。しかしながら、相当政治的な御発言で、いろいろ考慮しろというお言葉でございますので、われわれ事務当局といたしましても、その政治的な御発言に対しましては今後とも研究いたして参りたい、こう思っております。
#215
○大谷藤之助君 これは総務長官にも今度お聞き願いたいと思います。新しい問題として、しかもこれはすみやかな時期にひとつ取り上げていただきたいという問題でございます。
 その一点は、実は最近、いわゆる戦没者の妻の座を新たに認めた未亡人の特別給付金という新しい立法がされたわけでありまして、これは非常に適切だと存じておりますけれども、これが出るくらいならその以前に私はやられなければならぬ問題が一つ取り残されておる。これは直接恩給局の場には当たらないかもしれません。あるいは厚生省の場かもしれませんけれども、やはりそのもとは恩給法にも関連した問題であるわけでありますけれども、この恩給が一時停止されて昭和二十八年にこれが復活してきた。ところが、その間にありまして一番苦しい場に置かれておる者、いわゆる戦争未亡人は、二十一年に停止されてから二十八年までは国が何も処遇していないわけで、しかもその未亡人が再婚をするということになるというと、これは扶助料もあるいは援護法も一切の年金は渡らない。そういう手かせ足かせがここにあるわけでございます。ところが、この停止中に再婚をして、生活上余儀ない事情で再婚された。いわゆる今日いろいろ各位の手元にもそういうことで陳情が参っておるわけでありますけれども、さような再婚された未亡人が二十八年の恩給法の制定までに再婚を解消された人、これはひとつ恩給法なりあるいは援護法の対象として当然取り上げなければならぬ。なるほど再婚者には扶助料あるいは年金をやらないという明治のこの恩給法の精神はわかりますけれども、二十一年から二十八年まで国がなすべき処遇は何もしないでおいて、しかもお前は再婚しちゃならないぞ、あるいは生活してはならないぞ、扶助料は与えないぞということは国が処遇をしておったことなら言えることでありますけれども、この十何年問において過半数以上の年金は国は放置したままで、しかも恩給法の制定までに再婚が解消しておるというような人は、実態においては、今日のあの妻の座を認めた戦没未亡人と立場は変わらぬわけでありますけれども、再婚についても基本的人権なりあるいはそういう問題から見るというと、明治の憲法と違いまして、これにさえ云々する人もあるわけでありますけれども、それは一応今日はたな上げすることにいたしまして、少なくとも再婚を解消したこの未亡人に対しては、これは今日当然措置すべき段階だ、厚生省あたりも考えておられるところであると思いますけれども、関連の恩給局の場からも、総務長官の場からも強く推進してもらいたいと、さように考える問題でございますが、局長、その点は含んでおいていただきまして、善処を望みたいと思います。
 もう一つの問題は、これも新しい新らたな問題でありますけれども、今日戦後十八年を経てきておる。しかも空白の八年なりあるいは十年、八年という国が処遇しなかった期間がある。もう親父は戦死して残っておる子供は三人もおる。これももう今日十六かあるいは十八か二十を過ぎて扶助料、年金の受給者じゃない。不幸にして母親も死んでおる。たった二年か三年、これは遺族扶助料あるいは年金はもらったけれども、今日全然この扶助料なりその他の対象者ではない。これはその他の場についても言えるわけでございますが、かような実は子供の成年に達した者あるいは兄弟は残っておるけれども、あとの三人の兄弟は全部戦死しておる。何も国からはごあいさつ――年金、扶助料はないというようなこの方々については、少なくとも永年の盆暮れのお祭りをするとかそういう祭資料というかあるいは特別見舞金というか、何がしか国がそういう誠意の一端を示すべき措置をとるべきだ。これは恩給法にもありませんでしょう。また、今日の援護法でもない。新らたな特別措置を私は講ずべき段階にある。決してこれがまた未来永劫にわたってという問題でなくして、その具体的な幅についてはおのずから道も出てくると思いますから、さような点については、ひとつ総務長官は、今まで未処遇者の問題、取り残された方々の問題についても非常な努力をされてきておりまして関係者は非常に喜んでおるわけでありますけれども、もう一歩かような問題についてひとつ強い御推進をお願いしたいわけでありまして、内容おわかり願えたかと存じますけれども、お気持だけでもひとつ承っておきたいと思います。
#216
○政府委員(徳安實藏君) ただいま大谷委員のいろいろのお話、私どもも全く同感でございます。この点につきましては、今後に残された問題として私ども取り組みたいと思いますので、厚生、大蔵等の各省大臣とも相談いたしまして、できるだけ御希望に沿うように善処いたしたいと思います。
#217
○大谷藤之助君 もう一点。これも新しい問題で、実は各委員からいろいろ今日最終的な段階において、一括何とか政治的にもあるいは法的にも取り上げたい、取り上げなければならぬと、先ほど来いろいろ委員と総務長官との応酬がございましたけれども、私は先ほど、先般の委員会ですが、山本委員からこの未処遇者の問題で非常に切実な訴えの問題を取り上げていろいろ援護局長とやっておられました。今毎日々々私どものところにいろいろ手紙やはがきでるる未処遇者、取り残された方々のはがきがやってくるわけですが、それは何とかひとつ種物を探して、そうしてあるいは公務の関連あるいは戦死、戦病死の関連あるいは職務関連、何とかの関連の道を見出してひとつ理由づけをもってもう一ぺん却下された者も再審査を願って取り上げてもらいたいということで、関係の人は非常に苦労をし、努力をし、また、関係当局でもいろいろ配慮しておられるわけですが、今日の段階になって、戦後十八年ですね、しかも未処遇者があって、同じような戦死者と世間の人は思っているけれども、国からは何にも措置されていない。弔慰金もいっていない。いわんや年金も扶助料もいっていないのです。本人は遺族だということで何とかそのうちに明るい灯もつくだろうという間にはお墓のほうが先にきて、この世にはいないというような例もたくさん出ているわけでございまして、したがいまして、私どもはこの未処遇者の扱いについて、今までの職務関連だとか、公務死だとか、そういう関連を追求して立証することも大事でありますけれども、もう十八年もそういう陳情が来て、いろいろ整理されておる段階であるわけでございますから、私はこの段階においてはもうさような関連の立場を離れて、従来の恩給法なり従来の特例法なり従来の援護法なり、そういうものを離れて、特別立法をやりまして、赤紙で召集をされました人、あるいは先ほどからいろいろ話が出ておりましたが、満州国の関係におきましても、いろいろ内面を調べてみますと差等があるかもしれませんが、それに類したような人はひとつ特別立法をやって、臨時の特別措置をやって、ひとつ年金でもない、あるいは扶助料でもない、そういう措置を講じて、もう今日の段階では具体的にもさような方々を救い上げるという措置は、私は将来これを検討してというような段階でもないと今日考えておるわけでございます。この点もひとつ政治的な相当の配慮も要る問題でございます。限界点の問題もございますけれども、今日まで問題になっているような件数は大体そういう面で拾い得ると私どもは見ているわけでございまして、その点、総務長官のひとつ御所信を承りたいと思います。
#218
○政府委員(徳安實藏君) 私が就任いたしましてから未処理の問題につきましては、今お話のように、すでにもう戦争は済んで十八年、いろいろな手続を再々踏んで却下される、また来る、方々で証明を取ってくる、またそれが足らない、いろいろなことで非常にあっちゃこっちゃ走り回ってなおかつその書類が整わないという方々が相当あるようであります。私ども郷里に帰りますれば、そういう問題で十件も二十件も頼まれますが、これで済んだかと思えばまた次帰ればまたもらうわけなんで、一体いつになったらこの処理が全部済むのだろうと考えておった矢先にこの職についたものですから、厚生大臣と相談いたしまして、私どものほうでは恩給局長、また厚生省では援護局長、私と大臣と一緒に寄りまして、そうしてこうした未処理はすみやかにひとつ解決しようじゃないか。県によりましては係員がふなれのために書類等を山積みにしてしまいましたり、あるいは完全に整理がつかぬままにあるようでありますが、そういうところは注意を喚起いたしまして、そうして人手が足らなければ足らないように、あるいはわからない人には教育を施すようにしようじゃないか。なお、これを審議していただく委員等に対しましても、先般も数回お寄り願いまして、今お話のように、十八年間も苦しまれた問題ですから、一つや二つぐらい運営の面において欠けるところがありましても、皆さんの心眼で考えられて、これはもう正しい要望だとお考えになりましたらどうぞひとつ決裁をしてほしい。私は皆さんが判を押されたものを、これはどうもおかしいからもう一ぺんやり直して下さいというようなことは絶対いたしませんよ。今日になりましては、どんどんひとつ早く書類を回していただきたいという話をいたしまして、その委員の方々もそういう方針でやろうということでただいまどんどん運んでおります。そういう関係でございますから、厚生省とも先般も相談いたしまして、両方話し合って地方にも出まして、各県を集めて、そういう未処理の問題もひとつ早く処理ができるように政府みずから督促しようじゃないかということで、おそらく近いうちに厚生省が私と相談の上でかけるようになろうかと思います。いろいろ残された未処理の問題もございますが、政府の手でできますものは、もうそんなにやかましいことを言わなくても、運営の面で解決つくものはどんどんしたいと思っておりますから、しばらくひとつ実績をお認めいただきまして、できればことしの秋ぐらいにはああこれでよかったと言ってもらえるくらいな実績を上げたいものだ。これは厚生大臣と相談の上でやっております。どうぞひとつ御了承いただきたいと思います。
#219
○大谷藤之助君 これで終わりたいと思いますが、ちょっと食い違いがあるようでございますけれども、今までの未処遇の問題を何とか公務死の観点から、あるいは戦死戦病死の観点から、内地死亡の職務関連の観点からこじつけてもっていこうとするところに問題があるわけですし、最後は最終的には、そういう問題は取り上げられぬということが見えすいておっても、その間に縁が絶ち切れぬ問題が私情においてあるわけです。そういう問題をそれで救おうとするのは無理な話であって、今日の援護法とかあるいは特例法とか、そういう立場でなく、いわゆる政治的に赤紙召集された、かような立場の方々の問題なり、あるいは満州国の関係者の問題なり、あるいほ民防空の関係者の問題なりというような問題は、そういう援護法ではなく特別立法をやってこれは救うべきだと私は思う。それでないと、あと十年かかって今日の問題を取り上げてもなかなか解決できないし、ほうっておくのは気の毒だという問題がある、限界点であるわけでございますから、その点を申し上げたわけでございます。
#220
○政府委員(徳安實藏君) ぜひ研究いたしてみます。
#221
○大谷藤之助君 基本的な問題につきましては、時間もございませんから省略いたしまして、これで質問を終わりたいと思います。
#222
○下村定君 過日来本委員会におきましての審議を通じて明らかになりましたとおり、現行の恩給法及び援護法にはなお改正を要する点がたくさん残存していると思います。これにつきましては、前の各質問者からいろいろ例をあげて指摘されましたので、私はこれを繰り返して申し上げることはいたしません。ただ、私が前々から政府の御注意を喚起すべく機会あるごとに申し述べて参りました事項を、なるべく簡単に要約して、質問と申すよりもむしろ主として総務長官に対して総括的なお願いをいたしたいと思います。
 その第一点は、これは過日来の席上で論議されましたが、現行の恩給法、援護法のワクをもってしましては、太平洋戦争間、公の職務について被害を受けた人たちをあまねく援護することはできないということでございます。太平洋戦争では、その前の各戦争と違いまして、軍人軍属以外の公務員または一般国民で、政府の命令によって軍人軍属とほとんど差別しがたい公務に服し、また、当時の国策に基づいて外国政府または在外特殊法人組織の職員となっておられた、あるいはまた、旧敵国側の一方的な措置によりまして不当に職を罷免せられ、または長期の抑留を受けた者等が多種多様にございます。これらの人たちの中には従来の改正及び今回の改正案によりまして拾い上げられる者もありますが、まだいろいろの落ちこぼれが相当あると思います。ことに同じケースの人が数が少ないために陳情も請願もできないで泣き寝入りになっている者も私どもは見のがすことができないと思います。今日、日本の財政経済は目ざましい復興を見せました。終戦処理の一環として、あるいは農地被買収者の問題、あるいは在外私有財産の調査等につきまして仕事が進められておるのでございます。かような段階にありましては、これと並行しまして、前に申しましたようなさびしく不遇を感じておる零細な戦争犠牲者にあたたかい手を差し伸べることは、政府として当然、なすべき責務であると私は考えます。これにつきましては、先般来徳安長官のお気持を十分了承いたしましたが、このお気持が一日も早く実現されるようにお願いいたします。
 第二点は、現行恩給法または援護法のワク内で一応の処遇は受けておりますが、その処遇になお幾多不合理、不均衡の点があることであります。これにつきましては、前の各質問者からいろいろ実例をあげられまして質問もしくは要望がありましたから、――それ以外のもので、なお、残っておりますが、省略いたします。これらの案件を一挙に是正することはもとより望むことはできませんが、ただいま大谷委員から法制処置についてお話もありましたとおり、私は従来行なわれました恩給法等の修正には、遺族、傷病者、高齢者優先というような方針は一応ありますけれども、それ以外には全般を見渡した基本的な計画がありません。いわばそのときどきの都合によって小刻みに行なわれておる。また、ときとしては改正の緩急順序が必ずしも当を得ない点もあったように感ずるのであります。そこで、私が当局にお伺いいたしたいのは、法制の問題はもちろんございますが、政府におかれましても現行法に残存しております不合理、不均衡を漏れなく網羅した、いわゆる、いわば台帳のようなものをお作りになって各案件の緩急、軽重を考慮して、何カ年間かにわたる継続的な計画をお立てになり、これに基づいて毎年秩序ある法律の改正、予算の組み立て等を行なわれることが適当ではないかと存ずるのであります。かくすることによりまして、毎年々々個々の案件について、煩雑な折衝や陳情が繰り返される手数が緩和されることと存ずるのであります。
 第三点は、国民生活水準の向上、現職公務員の給与改善等に伴って恩給及び各種年金受給者を置いてきぼりにしてはならないということであります。本件につきましては、すでに第三十八通常国会におきまして、本委員会から政府が常時これらの件を調査して適時適切の処置を講ぜられるように附帯決議がつけられております。また、昨年の四月二十六日、本委員会において私の質問に対して小平前総務長官から御理解のある答弁をいただいております。本件につきましては、徳安長官は深い御理解、御熱意をお持ちになっておりますことはこれまでの御答弁によって十分拝察することができます。私どもは、長官のこの御熱意が一日も早く制度の上に実現することを強くお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#223
○政府委員(徳安實藏君) ただいまの御要望なり御意見拝聴いたしました。総理ともよく相談いたしまして、できるだけ御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
#224
○石原幹市郎君 最後に私ちょっとただしておきたいと思うのでありまするが、恩給や年金関係の不均衡がだんだん是正されて問題点が解決されていっていることは非常に私けっこうだと思っています。ただ、私どもはまことに非常に気の毒に思い、それからいろいろ訴えられても、どうしてもちょっと僕らが相手を納得さす説明のできない問題が一つ二つあります。それは、たまたま退職したときの時期が違ったために、かつては自分より給与の低かった人の恩給というか、年金のようなものが、だんだん自分より高くなっていっている、こういう事実なんですね。これはわれわれそういうことを訴えられたときに、それはまことに無理ないことで気の毒に思う、しかし、法律があるので、これは何ともできないのだという説明しかわれわれはできない。しかし、私どもはやはりこの法律を作る立法機関の立場におるので、そういう矛盾のある法律ならそれを直してやらなければいかぬと思う。どうも完全に相手を理解さすような説明ができない。問題はこれはしばしばここでも論議されて、この恩給関係の附帯決議などもついている問題なんですが、つまり昨年の第四十国会において恩給法あるいは共済組合法などの改正がありまして、恩給取得者あるいは旧法による共済組合年金受給者の年金額が、いわゆる二万円ベースまでに増額されてきた。しかしながら、一方現在三公社の職員については昭和三十一年七月から、一般公務員については昭和三十四年一月または十月から、それぞれ新しい共済組合法の適用を受けておるのでありまして、これらの者が退職した場合の年金は、退職時の俸給額で計算されることになっておりまするので、現在のところ、新しい共済組合に切りかわってから三十四年九月までに退職した公務員及び三公社職員の年金額は二万円ベースに達しておらないという、こういう事実があるのです。この結果、新共済組合に切りかわる前に退職した者の年金額が、切りかわった後に退職した者の年金額より多くなるという不均衡が生ずる。それで、やめるときに、たまたま君は非常に有能なんだからもう少しやっとってくれとかいろいろなことを言われて、退職がおくれた。その人がかつて係長であり班長であった人が、その前にやめた連中が、自分の部下というか、給与の低かった人がその後の恩給法の改正やいろいろで上がって、自分のほうが低くなった。これは何としても僕は相手を納得さす説明ができないんですがね。ぜひこれは是正する必要があると思うんですが、どういうふうに説明したらいいか。恩給局長か給与課長かちょっとわからないんですがね。
#225
○政府委員(八巻淳之輔君) 二つの問題があるわけです。つまり、一般的に古い官吏俸給令時代におやめになったいわゆる勅任官とか、判任官とか、奏任官といった時代におやめになった方、この方々が新しい俸給体系になりまして、われわれ現在何等級何号、その前は通し号俸で何級何号という俸給をいただいたんですが、そういうふうに切りかわる後の人と比べて、昔の局長が現在の局長に比べて恩給額が少ないという一般的な不満がございます。これは、一つはベースが、御承知のとおり、古い局長の恩給でもベースは二万円ベースまで持ってきたということであります。ですから、二万円ベース以後にやめている局長とは太刀打ちができない。それは高いにきまっているのです。それから最近やめた局長とお比べになってもその差がある。と申しますのは、昔の勅任官の一番下のところで新しい給与体系に切りかわったときは、十三級の一号というところで切りかわったわけです、昭和二十三年の十二月。その後だんだん時間がたつに従って、局長でも十四級の局長でもよろしい、十五級の局長でもよろしいということで、待遇がだんだん改善されまして、二十三年に十五級の局長も出てくるということで、同じベースであっても、あとでやめた局長が割がいいというふうなことになります。そういうふうなことで、そういうような点の、何といいますか、昔のほうが割が悪いといういわくがあると思います。
 それからもう一つは、今、後段におっしゃった問題は共済組合の問題でございまして、共済組合のほうで、三公社関係は三十一年の七月一日に恩給から共済に切りかわっておるわけです。そこで、それ以後の三十一年の七月一日から昭和三十四年の十月一日までの間にやめた人については、これは共済としてベース・アップをしなければならないわけなんですが、その問題の根本的な解決ができないためにベース・アップされないでいるわけです。ところで、それ以前のものにつきましては恩給と同じような形をとってやっておりまするから、二万円ベースになっておる。そこで、そのはざまの問題が解決しない限りはその間のアンバランスというものは続くわけでございまして、先ほどからも、給与課長の代弁するわけじゃございませんけれども、その問題が解決すればそれが解消すると、そういうことであろうと思います。
#226
○石原幹市郎君 だから、その問題が解決しなければ、だんだん開きが大きくなるんですね。ベース・アップがあったときに恩給関係のものはずっとそれに伴って上がる、ところが、共済関係になってからのものは上がらないということになれば、その開きはだんだん大きくなるんで、この問題はいつかは早く解決しておいてもらわぬと、ますますわれわれは説明ができないんですね、開きが一そう大きくなって。これは何か解決のめどがあるのか。どういうことが一番問題点になっているのか、すでに論議はされたかもしれないけれども。
#227
○政府委員(平井廸郎君) ただいまの御質問の点については、この委員会でも若干取り上げられた点でございますが、御承知のとおり、共済組合制度は、恩給の場合と異なりまして社会保険の一環をなしており、かつ保険数理に基づいて運用されるという建前をとっております。この場合に、わが国の社会保険の体系におきましては、既裁定の年金のベース・アップを処理する制度というものは現在のところできておりません。昨年の社会保障制度審議会の答申にもございましたように、たとえば厚生年金につきましても定額分については少なくともスライド制を考えるべきであるというような御議論もございますし、私どもも社会保険の一環として共済組合のあり方を考えながらこのスライド制の問題を考えて参りたい。もちろんその時点はできるだけすみやかであることが望ましいわけでございますが、一方ではそういった厚生年金についての検討も進められておりますので、これとあわせ考え検討いたしたいと考えておるわけでございます。
 もう一点は、先ほど恩給局長からも御答弁がありましたように、新制度と旧制度のギャップと別に、さらに同じ新制度の適用者間においても既裁定の年金のベース・アップを行なう場合においてはアンバランスが生ずる、こういう問題でございますが、これもまた今の問題を解決することによって同じように解決ができるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
 なお、解決の時期等については、私どももできるだけすみやかであることが望ましいと考えておるわけでございますが、全体の社会保険についての検討というものを無視して解決することもできないわけでございますので、これらを総合的に勘案いたしまして、できるだけすみやかに解決することも期待しておるわけでございます。
#228
○石原幹市郎君 これは何回も論議され、いろいろ問題に今までもされておるのですけれども、これ、だんだんと開きが大きくなりますから、これはひとつ総務長官も――あなたの問題か大蔵省の問題かよくわかりませんが、中心になってなるべく早く解決をしてもらわぬと、私ども、年老いて公務員やめた人がこの問題について訴えてくるのですが、説明できないのですね。法律が悪いといって、法律が悪ければわれわれが法律を直さなければならぬのだから、これも何回か言い古された問題ですが、恩給のスライドといいますか、いろいろな改定をしていかなければならぬときに、だんだんずれてはいても直っていっておりますけれども、このズレを同時に提案できないものですかね。どうしても一方がおれなければならないのかどうか。これもひとつ僕らが納得いくような御説明がしてもらいたいと思う。どうして一緒に出せないのですか、ベース・アップしたときに恩給を直していくという……。
#229
○政府委員(八巻淳之輔君) かつて公務員の給与が一万円ベースになりました際に、たしかそれと同時に恩給の増額、年額改定もやったと思っております。しかしながら、その後軍人恩給が出発いたしまして財政負担が相当膨大なものになって参りました。そこで公務員の給与改定と同時に行なうということがなかなかできぬ、財政の圧迫からいいましてもなかなかできにくいというわけでございます。それから、同時にまた、昭和三十四年十月一日以降は共済年金に入ったわけでございます。それ以後における問題というものは、恩給部門におけるベースのアンバランスというものがなくなっておるわけでございまして、その後における問題ということになりますると、これはやはり物価水準なり生活水準なり、どういうところに目安を置いて引き上げるか、昔の年額を見直すかというふうな目安をこれから確定しなければならないわけでございます。私ども従来の手法をもってすれば、増額改定を公務員の給与改定に見合って改定するというのが理想でございまして、そういう方向で努力しているわけでございます。財政等の関係上ズレがどうしても生じている、こういうことでございます。
#230
○石原幹市郎君 見合ってやってもらえばいいので、ずれてずれてわれわれは、方々からいろいろの陳情や何かがどんどん、どんどん来て、それから立ち上がったというようないつも形になるのですね。これはやはり先やってくれということを言っているのじゃない。見合って同時にこれはやはり提案してもらうような措置をやってもらえば非常に満足もし、一般の受給者も安心をするのじゃないかと思うのです。終わり。
#231
○山本伊三郎君 ずいぶんきょうは質問者が多かって、僕は、あと大体の見積もりでは二時間くらい質問するやつが残っておるのですが、まあいろいろやられましたので、一つだけ最後にひとつ恩給局長に……。
 先ほど伊藤君の答弁に際しまして、恩給の場合ですね、納付金を納めておるという条件で減算するとか、あるいはその通算措置を実在年限を見ないとかいうような意味の答弁をされたやに聞いておるのですが、そういうことはないのですか。
#232
○政府委員(八巻淳之輔君) 先ほど、元来の恩給公務員期間でない期間を通算いたします場合には、全く恩給公務員期間と同じようにまるまるその期間を通算することはいたしておらないという、一つのファクターといたしまして、その期間に対しては納付金をしておらないというようなことはたしか申し上げました。
#233
○山本伊三郎君 これは今後、きょういろいろと附帯決議をつけますが、今いろいろ委員が申されました問題の解決の一つの問題点になると思うのですが、年金制度について、私一昨日二時間ほどやりましたから繰り返しませんが、この恩給方式と保険方式ということで、旧官吏、旧公務員についてはいわゆるこの恩給方式で年金を出されておる。国家公務員の共済組合あるいは三公社、地方公務員の共済組合ができてこれが保険方式になされた。この根本的な一つの年金制度の本質として、恩給についてはなるほど納付金を納めるという法律はありますけれども、それは恩給受給権の要件ではないのですね。納付金を納めておらないから出さないということはあの法律上言えない。したがって、逆に保険方式の共済組合になると、やはり掛金を掛けておらなければその期間の通算ということはできないという一つの年金制度の性格を持っているのですね。ここに一つの問題がありますので、この点はひとつ十分お考え願いたいと思います。それがおわかりであれば答弁はいただきません。
 そこで問題は、先ほど石原委員から言われましたが、その問題はすでに国家公務員の共済組合法、特に非現業に適用する場合の昭和三十四年の国会でこれは相当問題になっております。また、地方公務員共済組合法が昨年の八月の臨時国会で成立するときにもこれはひとつ問題になったのです。したがって、一昨日から大蔵当局なりあるいは三公社の共済組合の関係者からいろいろ言われておるのですが、できるだけ早くこれを解決したい、こう言われたのです。私はそれを実は押えたかったのです。先ほど大蔵省の給与課長が言われたが、一般社会保険としての均衡上これを考えるということはなかなか実現いたしません。厚生年金あるいはその他の民間のいわゆる保険方式の年金制からこれをあわせ考えるということになれば、それは問題にならないのですよ。あれは御存じのように、純然たる社会保険方式をとっておりますから、その財源は、別に掛金にこれを見積もってこなければ財源は出てこない。私はそういう考え方ではこれはだめなんだから、これは恩給方式でやるべきものを特に共済方式をとったのですから、一般社会保険方式のような考え方と一歩やはり変わった考え方をしてもらわなければ、これのスライド・アップ、ベース・アップというものは非常に政府部内で問題になると思う。きょうは郵政大臣も見えておりますが、この点はひとつ十分検討してもらいたいと思います。私はここでどうせいということは言いません。問題がある問題です。したがって、年金制の社会保険制度としての中にも、国家公務員や地方公務員、あるいは三公社の共済組合のような若干この概念からはみ出るようなものがあるということを、この認識をひとつしていただけるかどうかということをちょっと、これは恩給局長でないと思いますが、この共済関係の人の御答弁を願いたい。
#234
○政府委員(平井廸郎君) 郵政大臣から御答弁いただきます前に、一応事務的に御答弁いたします。
 国家公務員共済組合に限らず、公企体共済組合を含めまして、一方において社会保険の一環であることはもちろんでございます。一方において公務員制度の一環をなしていることも事実でございます。したがいまして、この問題を考える場合に、単に社会保険の論理なり数理を基礎として考えるべきかどうかということは私どもも疑問に思っておるところでございます。ただ、同時にまた、この国家公務員共済組合法なりあるいは公企体共済組合法の法の改正にあたりましては、社会保障制度審議会の議を経るという関係もございますので、一応公務員としての特殊性を主張するといたしましても、全体的な立場において容認される限度というものもございますので、そういった点をも頭において検討しなければならないというふうに考えておる次第でございます。
#235
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま山本委員のおっしゃった点につきましては、われわれのほうといたしましても十分検討いたします。
#236
○大谷藤之助君 先ほど石原委員なり山本委員から指摘されました問題で、なお先日はここで野本委員から指摘をされまして、総務長官から御答弁もあった問題でございますけれども、まあ今この委員会で各委員からいろいろな問題が出ました。その中でやっぱり中心の一番範囲の大きく影響する大きな問題は、現地のやはり恩給のあり方が、いわゆる共済年金は別としましても、共済年金なりあるいはまた、今日の公務員の給与のベース・アップ、そういうものに関連した問題が一番波及する点、また影響力が大きいわけですが、その問題の一つはむろんベース・アップのいかにバランスをとるか、いかに、スライドという言葉が当たるか当たらぬか、スライドしなければ、スライドにかわるいかなる方法が、ほかに検討される方法もあると思いますが、その給与ベース・アップのバランスの問題。もう一つはやはり軍人恩給でいうなら仮定俸給のきめ方の問題、同時にすなおにきめた仮定俸給に対していろいろな制限を加えておるわけです。年令制限を加えたりいろいろな制限が上下にわたってある。これは恩給の場合においてもその他の場合においてもさような制限を加えておる。もう仮定俸給のあり方についても再検討しなければ、なかなかこれはいつまでたってもこの問題は繰り返すばかりのわけでございまして、その問題は残念ながら人事院でも所掌しない。先般御答弁がありましたように、当然これは人事管理をあずかるひとつ人事局というようなものが将来できればやってもらいたい。総務長官もそういう線でということで、私どもは非常に賛成の答弁をちょうだいしたわけでありますけれども、しかし、問題はそれの結論を待ってというもう今日の段階ではなくて、明年の予算編成を控えておる今日では、やはりそういう問題についてこれは前からの経緯もございまして、当然ある程度のバランスを持つべきだ。遺族扶助料にしても、当時きめた場合には一階級の差がありましたが、現状においては二ベースの差がある。いわゆる一般の恩給で言いますならば、今日二万円ベースにしてもはしご段でいえばまん中から四段階か五段階目にある。こういう実は一両年の間に差があるわけでございまして、この点はひとつどうしても是正してもらいませんと、一例を言いますというと、遺族扶助料というものが非常に世間でも誤解を受けておりますけれども、これが生活保護をもらうとすれば、そんな遺族扶助料なんかもらう必要はない。未亡人で子供を持って、子供はもらえないというようなものは生活保護をもらうほうがはるかに得が多い。都会でもらうなら十五万前後の生活保護をもらっておりますが、それが一片の赤紙で召集された兵長なり何なりの若いところにおいては七万円か八万円のもの、内地死亡ならその六割ですから五万円か六万円しかもらえない。生活保護をもらうほうがはるかに気がきいておる。しかし、生活保護がもらえないとしますと何とかしのがなければならぬ。いわゆる都会の十五万円、地方なら十二万円の生活保護基準額は、およそこれは中佐か大佐ぐらいの遺族扶助料に匹敵させるようなものでなければならぬ。現職の文官の恩給もここで指摘されましたように、これが検事正の一体今日の恩給かといわれるような、わずか十五万に毛のはえたようなものが出ておる。また、一般の退職文官の恩給にいたしましても、かかるアンバランスで、いわゆる国勢なり国力の増進の面におけるしわ寄せばどこへいっておるかというと、恩給受給者がひがむわけではないけれども、このしわ寄せはわれわれの一手販売だというような声も出るわけでございまして、そういう点はひとつ人事局の、そういう時期到来もけっこうでございましょうけれども、ひとつ、来年度の問題もございます。予算編成を前にして善処していただきたいと思うわけでございます。
#237
○政府委員(徳安實藏君) 先般来しばしば御答弁申し上げましたように、たびたびの御要請もございますので、法的措置をとって調査もするとか、あるいは何か別な機関を持つということは、現段階では困難だと思いますから、各省関係者の寄り合いによりまして研究機関を設ける等の措置をとる。で、幸いにしてILOが通りまして人事局等がすみやかに設置されましたならば、その中でそうした問題を取り扱いまして、そして検討をしながらこのスライドの問題は善処していきたいと、かように考えております。
#238
○委員長(村山道雄君) 他に御質疑はありませんか。――他に御発言がなければ、三案の質疑は終局したものと認め、これより三案を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#239
○下村定君 今回の恩給法等の改正外二件の内容は、いずれも従来からその改正を強く要望された点の一点でありまして、私は自由民主党を代表いたしましてこの三法律案に賛成をいたします。以下、恩給法の修正に関しまして若干の所見を述べます。
 本法案につきましては、委員会における審議を通じ明らかとなりましたごとく、戦時中政府の命令により、または、当時の国策に基づいて軍人軍属と同じような公務に従事して被害を受けた民間人等に対する援護措置については、不徹底の点があります。また、恩給受給者の処遇につきましても、旧軍人、文官を通じ、なお多くの改善すべき問題が残されております。たとえば、沖繩等における戦地加算の指定、あるいは、戦後ソ連等外地に抑留され、不健康な地において戦務に従事したと同様の状態におかれた者に対する抑留加算の制定等、当然恩給法をもって処遇し、救済すべきであると思われる問題がまだ解決せられていない点があります。また、現在一応恩給法で処遇は受けておりますが、その処遇について恩給受給者の間に幾多の不均衡も残されておるのであります。
 さらに、最近における国民生活の水準の上昇等に伴い、現職公務員の給与水準が漸次上昇しつつあるのに反し、恩給及び各種年金についてはその引き上げがこれに伴わず、恩給及び各種年金受給者は、現職公務員に比しまして常に不利、不安定な立場におかれております。この問題は、現職公務員の給与ベースに対する恩給等のスライド制確立の問題として重大な懸案となっているのであります。私はこれらの点について政府がさらに検討を加え、すみやかにその解決をはかることが急務と存ずるのでありまして、この趣旨において私は恩給法等の一部を改正する法律案に対し、次の附帯決議を付することにいたしたいと存じます。
 なお、この附帯決議案は、自由民主、社会、民社、第二院クラブ、公明会の各党並びに会派の共同提案にかかるものでありますが、便宜私から朗読させていただきます。
  恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
  昭和二十八年の恩給法の改正により、旧軍人等に恩給が支給されることになってから、幾度か恩給、扶助料の改善が行なわれ今日に至っているが、なお、沖繩等に対する戦地加算の指定及び抑留加算の制定、元満州開拓指導員及び元満州国協和会職員に対する恩給法の適用、特例扶助料の支給範囲の拡大、昭和二十年十月四日付占領軍命令による一せい罷免者の救済等の未処遇問題の解決並びに恩給受給者間における不均衡の是正、引き下げられた旧軍人の仮定俸給号俸の是正、旧海国特務士官の仮定俸給基準の是正、傷病恩給における間差・裁定基準の是正、傷病年金における家族加給の支給、外国政府及び外国特殊法人職員の恩給最短年限を超える在職年並びに抑留期間及び留用期間の通算等さらに検討すべき問題が残されている。
  さらに物価並びに国民生活水準の上昇に伴ない、現職公務員の給与水準は漸次上昇しつつあるが、恩給及び各種年金の引き上げはこれに伴なわず、恩給及び各種年金受給者は常に不利不安定な立場におかれ、現職公務員の給与ベースに対する恩給等のスライド制確立の問題として重大な懸案となっている。この恩給及び各種年金の合理的調整の問題については、第三十八国会においても、当委員会において、政府は常時調査研究の上、適切な措置を講ずべきであるとの附帯決議を行なっている。
  政府はこれらの問題について速やかに検討の上善処するよう要望する。
  右決議する。
 以上でございます。
#240
○山本伊三郎君 簡単に、ただいま議題になりました恩給法の改正並びにこのほか二法案について、日本社会党を代表いたしまして、賛成の立場から若干意見を申し述べたいと思います。
 恩給法の問題について、すでに下村委員から詳細に言われましたので、私はこの旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部改正案並びに公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について申し上げたいと思いますが、三日間にわたる当委員会においての審議の中で、私も明らかにしておりますから、詳しくは申し述べません。本日も相当この問題の論議をされました。いろいろと問題は残されております。しかし、昨年の国会でつけられた附帯決議によって今回若干でも認められて改正案を出された点につきましては、政府の努力に敬意を表したいと思います。したがって、今後の問題点はひとつ十分御検討の上、善処されたいと思います。
 なお、説明を申し上げたいのですが、私はあとの附帯決議の案文がきわめて具体的に出しておりますので、附帯決議の案文を読みまして、私の意見もまぜてひとつ御了承願いたいと思います。
 で、この附帯決議は、自由民主党、日本社会党、公明会、民主社会党、第二院クラブ、これらの共同提案として御了解を得ておりますので、さようひとつお聞き願いたいと思います。
まず、
  旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
 一、現行国家公務員共済組合法施行前の退職者と施行後の退職者との間に、支給原因発生時期により共済年金間又は恩給、共済年金間の均衡が失なわれている実情にあるので、政府は速かに検討の上是正の措置を講ずべきである。
 二、今日経済、物価情勢及び国民所得水準等の変化に伴い、現職職員給与水準ないし国民所得水準と年金受給者の年金額との間に大きな不均衡を生じつつあるにかんがみ、年金額の実質価値を保全し得るよう適切合理的な方策を講ずべきである。
   右決議する。
 次に、
   公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
 一、公共企業体職員等共済組合法施行前の退職者と施行後の退職者との間に、支給原因発生時期により共済年金間又は恩給、共済年金間の均衡が失われている実情にあるので、政府は速かに検討の上是正の措置を講ずべきである。
 二、恩給法等の改正と同一問題でありながら、本法の改正が遅延することにより、組合員の不利益をまねくおそれがあるので、今後は同時改正を行なうよう留意すべきである。
 三、数次にわたる法律改正が掛金の増徴等をまねくことのないよう、追加費用の繰入れについて充分配慮すべきである。
 四、今日経済、物価情勢及び国民所得水準等の変化に伴ない、現職職員給与水準ないし国民所得水準と年金受給者の年金額との間に大きな不均衡を生じつつあるにかんがみ、年金額の実質価値を保全し得るよう適切合理的を方策を講ずべきである。
   右決議する。
 以上であります。
#241
○委員長(村山道雄君) 他に御発言がなければ、三案の討論は終局したものと認め、これより三案の採決に入ります。
 三案全部を問題に供します。三案に賛成の方は、挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#242
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって三案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました附帯決議案について採決いたします。下村君提出の恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案、山本君提出の旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案、以上三案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#243
○委員長(村山道雄君) 総員挙手と認めます。よって三案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決しました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出する報告書の作成等につきましては、先例により委員長に御一任を願います。
 ただいまの決議に対し、小沢郵政大臣及び徳安総務長官から発言を求められましたので、これを許します。
#244
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいまは公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について、慎重御審議の上、御可決ありまして、まことにありがとうございました。本法の施行にあたりましては、御審議の経過を十分考慮いたしまして運用するようにいたす所存でございます。
 なお、附帯決議事項につきましては、御趣旨に沿うよう今後慎重に検討いたす所存でございます。
#245
○政府委員(徳安實藏君) 恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議に対しましては、御決議の次第をよく尊重いたしまして、慎重検討をいたしまして、それぞれ処置いたしますことを申し上げたいと思います。
 なお、大蔵大臣が御欠席でございますので、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、検討して処置いたしたいと思います。
#246
○委員長(村山道雄君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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