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1962/02/12 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第5号
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1962/02/12 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第5号

#1
第043回国会 逓信委員会 第5号
昭和三十八年二月十二日(火曜日)
  午前十時二十八分開会
    ―――――――――――――
出席者は左の通り。
  委員長      伊藤 顕道君
   理事
           鈴木 恭一君
           寺尾  豊君
           松平 勇雄君
           光村 甚助君
   委員
           植竹 春彦君
           郡  祐一君
           迫水 久常君
           新谷寅三郎君
           最上 英子君
           谷村 貞治君
           鈴木  強君
           横川 正市君
           白木義一郎君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 小沢久太郎君
  政府委員
   外務政務次官  飯塚 定輔君
   郵政大臣官房長 武田  功君
   電気通信監理官 浅野 賢澄君
   電気通信監理官 岩元  厳君
   郵政省郵務局長 佐方 信博君
   郷政省貯金局長 金澤 平蔵君
   郵政省電波管理
   局長      西崎 太郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       倉沢 岩雄君
  説明員
   外務省アジア局
   北東アジア課長 前田 利一君
   郵政事務次官  西村 尚治君
   日本電信電話公
   社総務理事   秋草 篤二君
   日本電信電話公
   社総務理事   佐々木卓夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並
 びに電波に関する調査
 (放送局の免許基準等に関する件)
 (日韓会談における郵便貯金関係の
 請求権に関する件)
 (北朝鮮等との郵便電信及び電話の
 送受交信に関する件)
 (日本電信電話公社の事業概況に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤顕道君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 前回に引き続き、郵政大臣の所管事項説明、日本電信電話公社総裁の事業概況説明に対する質疑を行ないます。
 本件について、質疑の通告がございますので、これを許します。光村甚助君。
#3
○光村甚助君 私は、今参議院の法務委員会で問題になっております四国放送のことについてお尋ねをしたいと思いますが、告訴したり告訴されたり、それが不起訴になったとかどうとかいう問題は、逓信委員会の問題ではございません。しかし、法務委員会で取り上げられている、一つの人間が、新聞社を経営し、ラジオを経営する、放送を経営するというようなことは、これは現行法では固く禁じられていると思っているのです。それが当逓信委員会で取り上げられなかったということは、私の勉強不足でもあるのですが、それが法務委員会そのもので、そこで問題になっているということは、私としても非常にここでやれなくて残念に思っているのですが、その経緯を一応承りたいと思います。
#4
○政府委員(西崎太郎君) 今お話しのように、四国の徳島県におきまする民間放送会社に、四国放送株式会社というのがございます。実は、昭和三十七年の三月に、四国放送株式会社の副社長の戒谷利平氏が、同社の社長の前川静夫、専務取締役の森田茂及び映画部長の岡田太郎、この三氏を業務上横領の被疑者として徳島の地方検察庁に告発いたしました。戎谷、前川、森田の三氏は、この告発事件の事態を収拾するために、徳島市の商工会議所会頭の柏原大五郎及び四国電力徳島支店長の小野研三の両氏を調停人といたしまして覚書を締結いたしております。この覚書に基づきまして、三月二十九日に戒谷氏は副社長、森田氏は専務を解任されまして、また、四月十六日には戒谷氏は徳島地検に対する告発を取り下げる等、事態の収拾に努めました。同六月一日に――ちょうど六月一日は、全国の放送局の再免許の期日に当たっておりましたので、この同社の再免許申請というものをいろいろ検討しました。その中に、今先生がおっしゃいましたマス・コミの独占排除という、これはまあ法律上規定されておるんじゃありませんで、根本基準の解釈通達という一つの行政方針になっておるわけであります。こういった点も審査いたしました。
 それから同時に、こういう内紛があるということは好ましくないということで、その申請書に付されました誓約書がございます。その内容は、先ほど申し上げました当事者間で交わされた覚書によりまして早急に事態の収拾をはかることとするが、前川社長も適切な後任者を得た上で代表取締役の辞任時期を五月末日よりも早めるようにさらに努力する、こういった誓約書も考慮しまして、同社に再免許を付与いたしました。そうして、徳島地検は、十月三十日、この告発事件のうち、外国為替管理法違反のほかは、不起訴または起訴猶予の処分の決定をした次第でございます。四国放送株式会社からのその後の報告によりますと、戒谷氏は、十一月十三日に、徳島県知事である同社の原取締役に辞表を提出し、また前川及び森田の両氏は、十一月十五日にそれぞれ原氏に辞表を寄託した由でございます。郵政省としましては、この誓約書の趣旨が早急に実施されるように目下努力いたしております。
#5
○光村甚助君 郵政当局でも会社の内紛は認められているようですが、副社長と社長と、告発したりされたりしているような、そういうふしだらな会社にどうして免許をおろさなければならないのですか。
#6
○政府委員(西崎太郎君) 確かに、今先生がおっしゃいましたように、公共的な事業を扱う放送会社として、内紛が起こるということは好ましくないわけでございますが、先ほども触れましたように、この事態の収拾がはかれるという見通しと同時に、特に放送の番組その他の面に、この内紛の影響が現われているというふうにも思いませんでしたので、電波監理審議会にも付議いたしまして、その答申によって再免許いたした次第でございます。
#7
○光村甚助君 あんたがおっしゃるように、番組とか、いろいろなものは、これは国民のやはり教育をする言論機関の一つなんです。そういう国民の教育をするような言論機関の一つが、これは不起訴になるとかならぬとかいうことは別にしてですよ、全くそうういう人たちが国民を教育するような資格を持っておりますか。この人自体は、この免許基準に私は反していると思うのは、新聞社も経営していた。新聞社の社長でありながら、ラジオの免許を受けているのです。それは、その後あなたのほうの勧告によって、一応社長をやめて取締役会長になっております。その社長をしているということ自体も、新聞社の社長をしていながらラジオ会社の社長になるということも、免許基準に反していると思うのです。一番初めに免許になったのは昭和二十七年の六月十六日なんですが、この時分には、前川という人は新聞社の社長をしておったはずなんですね。――だれか答弁して下さいよ。
#8
○政府委員(西崎太郎君) 放送事業と新聞社との関係で、いろいろマスコミの独占という面で問題になり出しましたのは、テレビの免許のときからでございまして、要するに、新聞とラジオとテレビを特定の人が支配するということは、マスコミの独占という立場から考えて好ましくないのじゃないかということで、こういった問題が取り上げられて参ったのは、先ほど申し上げましたように、三十二年以降のことでございます。確かにその当時は、民間放送としてラジオが相当多数免許されておりました。それらの会社には、土地の新聞社の社長と兼務のところが相当多かったわけでありますが、このテレビの問題を契機にしまして、分離する方向に向かって参ったわけでございまして、今御指摘の前川氏の件も、そういうわけで、当初は徳島新聞の社長と兼務でございましたが、三十三年の三月十五日に新聞社の社長を辞任いたしております。
#9
○光村甚助君 それまで、三十二年の十月ごろにも、郵政省は注意をしているんじゃないですか、この人に。それが、注意を聞きながら、三十三年の初めころまで、一つも郵政省の注意を聞かずに、社長もやめずに、その後郵政省の注意を受けて、今度は自分が社長をやめて取締役会長になっているのですね。取締役会長というのは、向こうの定款を見ますと、あすこの新聞社の理事会の決議というのは会長の承認を更けなければ効力がないという定款にもなっているようです。そうすると、社長をやめても実際上の新聞社の社長なんです。実権を握っているのですね。その人が、新聞社の実権も握っている、ラジオの社長でもある、テレビの社長でもある、ということは、法律じゃなくったって、あなた方の考えているような、一つの人間がマスコミを独占するというようなことに該当しておるのじゃないのですか、どうなんです。
#10
○政府委員(西崎太郎君) 御承知のように、徳島新聞は、これは社団法人でございまして、その代表権、意思の決定機関は理事会でございまして、そういう意味でも会長というのは、先ほど先生がおっしゃいましたような、内部的なそういう取りきめがあったかもしれませんけれども、対外的には理事会というものが代表権を持っている、こういうふうに考えております。それから、たしか、今先生がおっしゃったような、そういう内部的な取りきめもあったようでございますが、それも実は当方からめ注意で、そういう点はやめたように承知いたしております。
#11
○光村甚助君 これは、テレビの免許のときには、競願はなかったのですが。これ一つだけだったのですか。
#12
○政府委員(西崎太郎君) ちょっと当時の経緯につきましては記憶が薄いのでございますが、たしか競願はあったと思っております。
#13
○光村甚助君 私は、競願があればなお問題だと思うのです。速記録だけにたよって話をすれば、この会社は全くでたらめなんですね。この社長というのは、徳島で前田天皇といわれているそうです。一人の人間が、新聞社からラジオからテレビから、前川天皇といわれるくらい、そして何回も勧告を受けてもやめないし、そしてまた、前に勧告を。受けて理事を辞任しながら、また三十六年五月三十一日には理一事に就任しているのですね。全く、郵政省そのものをすっかりなめているのですよ。そして郵政省が注意をしても、この人はほとんど聞いてない。そして郵政省から調査に行っても、この人の薬籠中のものにされているような感じを受ける。どうして私は、郵政省がこの前川静夫という人をこんなに擁護しなければならないのか、それを非常に疑問に思っているのです。また、郵政省の人が調査に行ったいきさつは、あとで話をしますが、さっき私が言ったように、勧告を受けて辞任しながら、また理事に就任している、こういう事実がありました、私の調査では。三十六年五月三十一日に、また理事に就任しているのですね。
#14
○政府委員(西崎太郎君) 遺憾ながら、その事実は認めます。ただ、同年の十二月三十日に退任いたしております。
#15
○光村甚助君 私もそれは認めします。同年の十二月にやめているのです。このように、勧告を受けてやめる、そうすると、しばらくほとぼりがさめると、また定款を改正して自分が理事にたる、また郵政省にこれを見つけられるとやめる、こういうようなことで、郵政省の電波局は何をやっているのですか。あなた方はすっかりこれになめられているじゃないですか。それにまた、昨年の再免許のときにも会社内紛があり、告発されたり告発したりしている。そういうような会社にどうしてやってもらわなければならない郵政省は義務があるのですか。一体、大臣、どうなんです。このように電波というものが全く私物にされているのです。ほかに競願もたくさんあるはずなんです。そうして、あとで言いますが、郵政大臣に対して誓約書まで出しているのです。もっとりっぱな放送をやります。品位の高いものをやりますといっても、会社の中は内紛だらけ、一人の人間が、大臣、そういうことをしていいと思いますか。
#16
○国務大臣(小沢久太郎君) 放送の公共性にかんがみまして、内紛などの生じないように、われわれのほうも期待してはおります。それから今後ともそういうことについては十分注意していきたいと思います。
#17
○光村甚助君 いや、私の言っているのは、去年の再免許のときに、もっと厳重にどうしてやらないかということなんです。こういうふしだらな人に、どうして再免許を許可しなければならないか。もっと厳重に調査できるはずでしょう。
#18
○政府委員(西崎太郎君) 当時の責任といたしましては、その補佐をしておりました私しかおりませんので、私からお答えさしていただきたいと思います。先ほど申し上げましたように、確かに内紛ということは、公共事業のにない手としては好ましくないと思います。しかし、御承知のように、徳島には民放はただ一社でございます。それからそのときには競願者もございませんでした。それから特に、番組上問題になる点も発見し得なかった関係で、こちらの免許基準によりまして再免許いたしたわけでございます。
#19
○光村甚助君 大臣に、本人から出している誓約書、これはずっと読みませんがね、読んだら長くなるので、最後だけをちょっと読ましてもらいますとね、「今回は御当局の御心労をわずらわし、まことに申しわけなく、ここに深くおわびを申し上げるとともに、今後においてかかる事態の発生を見ざるよう、全社一丸となり社業の安定発展を期したく、ここに御誓約申し上げる次第であります。」、こういうような誓約書を入れて再免許を受けている。そうして今度は、この人事の面でも、「独断専行はいたしません。われわれも早い機会にやめて会社を立ち直らして、りっぱな放送をします。」こういうことを言っているのですね。ところがですよ、人事の面でも、今度自分の部下をまた局長にしている。自分の反対派を追い出しているというようなことをやって、今また問題が起こっているじゃないか。この辺はどうなんですか、最近の向こうの放送会社の内紛は。
#20
○政府委員(西崎太郎君) その点につきましては、われわれのほうとしましては、最近その事実を知ったわけでありますが、その人事の異動につきましては、先ほど申し上げました知事が四人の調停者の同意を得てある、こういうふうに聞いております。
#21
○光村甚助君 それは、あなたのほうは、同意を得ているといってお聞きになっているかしりませんけれども、私のほうは、知事は同意していない、こういっているのです。だから、結果的に考えますと、私とあなたと、これ、いつまでやっていても切りがたいですがね、結果的に見ますと、ああいう男に対して再免許を与えたということは、郵政省は反省していないのですか、今後こういう面について。これは当然だったとあなた方考えて、将来もこういう電波行政を続けようと考えているのですか、どうですか。
#22
○政府委員(西崎太郎君) まあ確かに、先生のおっしゃったように、結果的にはわれわれも反省しておる面もあるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、この覚書の早期履行によりまして、こういった問題が解決されるということを思っておりますし、期待いたしております。
#23
○光村甚助君 私は、郵政省がこの前川静夫に何か薬籠中のものにされているとしか思えないのです。私は、副社長の戒谷ですか、向こうの人は一人も知りませんが、私の調べたところでは、非常にけしからぬ話だと思う。それから東北放送の問題だってそうですよ。郵政省は何か片方だけの見方をしているようです。これはまたあとで言います。
 私はここに名前をあげませんが、前川静夫から郵政省の人たちに対して、金額はわずかだが、五月から、五月四日、六月二日、六月八日、七月四日、七月七日、七月十三日、七月十九日、わずか五月の四月から七月十九日までの間に三万七千八百円というような、物は知りません、こういうものが贈られているのです。これは、お盆とか、あるいは暮れに際して、何かお歳暮とかお礼のしるしということならわかります。わかりますが、わずか二カ月くらいの間に、何人かの人間が会社からこういうものをもらうということ自体が、私はこれは公務員としていいことじゃないと思うのです。大臣どうです。名前は言いません、私は。
#24
○国務大臣(小沢久太郎君) 公務員といたしまして金品を関係者からもらうというようなことは、決していいことではございません。ただ、問題といたしまして、社会的の慣行とか、それから風習とかというような点がありましてほんとうはもらっちゃいけないと思うのですけれども、その範囲内においては、やはり許容されているという点がありますけれども、それを逸脱することは、私は厳に慎まなければならないと思います。
#25
○光村甚助君 だから私は、社会的な風習を言っているのではない。これが、六月にもらって十二月にというなら言いたくもありません。五月四日から七月十九日といえば、二カ月とわずか十何日ですよ。この間に七回ですよ。事はわずか九千円、八千五百円、二万五百十一円、三千百円、二千八百十円、千四百八十円、二千四百円といったって、何かなければ、本人が郵政職員にこれだけのものをやるとは私は思えないのだ。あなたどう思いますか、この事実に対して。
#26
○国務大臣(小沢久太郎君) 監督官庁の職員といたしまして、世間の疑惑を招くようなことをいたしましたことはきわめて遺憾でありまして、私といたしましては、本人は当然でありますが、官庁全体に対しまして、今後そういうことのないように、厳重な注意をいたします。
#27
○光村甚助君 しかも、これが再免許を受けるときの前なんですよ。そうして会社が非常にごたごたしているときにこういうものをもらって、そうして電波監理審議会にかけたからこれは当然再免許をしてもいいのだということを、この速記録にも言っているのです。私は、こういうことでは、電波行政なんていうものは、うまくいっているか、国民が信用できるかということを非常に疑うのですよ、実際上。大臣は、写真を法務委員会で見られたそうですが、調査に行って、すぐに会社に行って調査をせずに、そこの重役が着流しで飛行場に迎えにきた、荒流しですよ、ゆかたで。そうしてすぐ自動車で高級料亭へ連れて行って、晩おそくまで一ぱい飲んで、そこで仕事をしているかどうか知らない。再免許の調査に行って、いろいろ株券の調査に行って、そういうことが許されますか。あなた、法務委員会でもこれを見て、非常に遺憾だと言ったそうですが、これに対し綱紀粛正をどうするつもりですか。それで再免許が当然だといったって、われわれはこれを当然だとは思いませんよ。
#28
○国務大臣(小沢久太郎君) 地方へ行きましたときに、簡単な昼飯を一緒に食うとかいうようなことは、これは慣行としてやむを得ないと思いますけれども、高級料亭で度はずれた供応を受けるというようなことは、これは不謹慎でありまして、今後そういうことのないように、私どもといたしましても注意する次第でございます。
#29
○光村甚助君 往復を飛行機で行って、そして泊まった旅館といったら徳島の一級旅館、こういう旅費が郵政省から出ざれるはずがない。本人は自分が払ったと言うが、これは証拠がないから、ああそうですかというほかないですよ。大体、常識では考えられないじゃないですか。そういう調査報告に基づいて再免許をするなんということもわれわれには考えられないことです。今後そういうことのないように、電波管理局長も反対して、参考にすると言っておられますが、厳重に大臣そういうことを……。これは当然守ってもらわなければ困ります。
#30
○国務大臣(小沢久太郎君) 今、光村委員からおっしゃった点に対しましては、十分注意いたす所存であります。
#31
○光村甚助君 それから電波監理局長にお尋ねしますが、この前川静夫という人は、今、徳島放送の株を幾ら持っておるのですか。
#32
○政府委員(西崎太郎君) 放送会社でございますか。
#33
○光村甚助君 そう。
#34
○政府委員(西崎太郎君) 再免許当時、一万二千五百十五株でございます。
#35
○光村甚助君 それは全株の何%に当たりますか。
#36
○政府委員(西崎太郎君) 〇・三%でございます。
#37
○光村甚助君 森田茂といって、前川静夫の腹心がおりますね。それは幾ら持っておって、それが何%になっておるのですか。
#38
○政府委員(西崎太郎君) 全体の四十万株のうち、六千二百九十七株でございます。
#39
○光村甚助君 そしたら大したことないというわけですか。表面はそうなっていますが、ほとんど、新聞社も、放送会社も、テレビ会社も、前川静夫が実際上うしろで実権をにぎっておるといわれておるのです。しかし、それは表面ではそういうことのないようになっています。しかし、今私が再三繰り返して言いましたように、非常に疑惑を持たれた再免許をしておる。そのあげくに、誓約書を入れておきながら、また会社の乗っ取りを講じてやめようともしない。このような実態がございますが、覚書のとおりに今度の五月三十一日までにやめるというのですが、私はこういう人が放送事業やテレビ事業をやっているということは、国民のためによくないと思います。やめろということはあなた方は言えませんけれども、しかし、郵政省がほんとうに電波行政をしっかりやれば、そういう人に免許をおろさなくてもいいのですから、今後、公平にやってもらいたいと私は思っております。大臣、どうですか。
#40
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま光村委員のおっしゃったとおり、今後、気をつけてやることにいたします。
#41
○横川正市君 関連。
 これは徳島放送だけの問題でなくて、一般問題としてちょっとお聞きしたいと思うのですが、大体テレビの認可申請というのは、一社だけでなしに何社かあって、それで、たとえば資本構成とか、それから各役員構成であるとか、人事の面等を検討した上で認可をするということになっておるのですね。そういう意味では、たとえば資本統合をして内容を充実して認可をするという方法もとられておったと思うのですが、徳島の場合に再認可というのは、これは自動的に認可をされる程度のもので、実際、最初の認可をされたときに、その内容については十分調べて認可をされたものかどうか。私の一番心配するのは、新聞業界というのは、実は非常に文化的な水準の高いものであって、それからまた公共的には非常に重要なものなんだけれども、往々にして、こういう放送とか新聞とかテレビとかを独占するその地方の形態というものには、非常に求められるものとは違った形の人たちが多く力を持っている場合があるわけですよ。だから、そういったことを十分調べた上で選考されたのかどうか。立候補しておったものがどのぐらいであったか、その点とあわせて、ひとつ当時からのやつをお聞きしたいと思います。それが一つ。
 それから第二は、たまたま三十二年は同僚の人が大臣をやっているわけなんで、その当時の商業新聞のニュースを見ますと、テレビの認可をめぐって相当いろいろいかがわしいうわさを立てられたという事実があるわけです。事務当局としては、そういう事実にまどわされないで私は認可をしたんだと思うのでありますが、そういった一般の世論と、それから世論を打ち消してあなたのほうで認可をした、その認可当時の状況といいますか、これが一番私は今の問題に関係して重要じゃないかと思う。
 三番目に私の聞きたいのは、実は認可をされる、されないというところには関係なしに、電波法に基づいて、会社にその素質があったかどうかということが審議をされて、事実上認可を受けるに値しない場合には、これは取り消すことができるはずですよ。それほどの権限を持って電波行政というのは動いているはずなんだけれども、一体、ただ単に商業上の、あるいは本人に認可を与えたことの損得の問題だけで公共の電波行政というものが私有化されている事実について、電波当局は、これを取り消すか取り消さないかという態度でもって審議をする、そういうことが必要なんじゃないかと思うのでありますけれども、その事実について論議をしたことがあるかどうか。その三つについてお答えいただきたい。
#42
○政府委員(西崎太郎君) 実は、当初のいろいろな事情、経緯等につきましては、私は当時その衝にありませんでしたので、十分お答えできないんではないかと思います。で、もしお許し得られれば、よく調べまして、資料として提出さしていただきたいと、こう思います。
 先ほど申し上げましたように、マスコミの独占排除の問題、これが起こりましたのは、例の三十二年の十月のテレビの大量免許のときでございまして、それ以前におきましてはラジオだけであったという関係もありまして、そういう関係はあまり問題になっておりませんでした。郵政省としましても、そこまで考えておらなかったわけでございます。それで、三十二年のテレビの免許のときには、先ほどもちょっと触れましたように、たしか徳島でもう一社申請があったと記憶いたしております。ただ、当時は、御承知のように、テレビのチャンネルが少ない、まあ徳島には、一波しか民放には割り当てられないというような事情もありまして、なるべくこういった公共的なものは結成基盤を広くしたほうがいいのじゃないかということで、両者申請を合併していただきまして、それでその合併した申請者に対して免許をおろした、こういうようなことでございます。それで、当時その徳島新聞との問題につきましては、先ほどお答えしたとおりでございます。
 それからもう一つ、これはまあ泣き言のようになって、はなはだ恐縮なんでございますが、郵政省としましては、現行法に基づいて放送局の免許、それから監督をやっておるわけでございますが、郵政省の放送事業に対する監督権というものは、何分、対象が言論報道的な要素の強い事業でもありますので、非常に制約されておりまして、まあ監督権というものは非常に微々たるむのである、こういうわけで、勢い郵政省としまして、その監督の限度があるということをひとつ御了承をお願いしたいと思います。
#43
○鈴木強君 ちょっと関連。
 今の四国放送の場合は、出発から非常に問題があったのですね。で、昨年の六月、再免許をする際に、そういうふうな複雑怪奇な経理内容であったために、もう少し私は慎重な、再免許にあたっての調査や研究というものがあってしかるべきだと思うのですが、一体皆さんは、当時電波審議会にこの再免許の可否について諮ったとき、どういうふうな報告をしておるか。その資料を、後ほどでけっこうですから、ひとつ出していただきたいと思います。
 それからもう一つ伺いたいのは、再免許に際して、前川という社長は、進退について善処するということを言っておるわけですね。そういう誓約書が入っておったのですから、昨年六月からもう約半年以上たっております。その間、郵政省はそういう誓約書の履行について、実際どうなっているかという調査はお済みになりましたか。先般の、今光村委員から問題になりました、視察の目的というのは一体どういう目的をもって行かれたのでございますか。
#44
○政府委員(西崎太郎君) 先ほど申し上げましたように、再免許の際に誓約書が出ておりまして、早急に覚書を履行する、その覚書の第一条に、前川静夫は次の総会――これはことしの五月の末日、はっきりした日は覚えておりませんが、それまでに代表取締役を辞任する、こういうことになっておるわけです。それから、さっきの誓約書には五月末日にはなっているけれども、できるだけそれよりも辞任の時期を早める、こういうことになっておるわけであります。それで、実はわれわれのほうとしましても、ごく最近も本人を呼びまして、その早期履行ということにつきまして強く要請いたしておるわけでございます。したがいまして、われわれとしましては、近いうちに履行されるのではないか、こういうふうに思っております。
#45
○鈴木強君 それは、前川さんを東京に呼んで、その誓約した事項についての早期履行を迫ったということなんですが、それはいつなんでございますか。それから、あなたのほうの部下が業務視察に行かれたわけでしょう。それはどういう目的で行ったのですか。
#46
○政府委員(西崎太郎君) 前川社長に来てもらいましたのは、先週の末でございます。先週の金曜日でございます。それから、先ほどおしかりを受けました当局からの調査に派遣した目的は、先ほどお話がありました前川静夫氏の四国放送株式会社の持ち株数を調査に参ったのでございます。それで、それは昨年の八月二十六日と二十七日でございます。
#47
○鈴木強君 私は、関連ですからこれだけにしますが、いずれ審議会に皆さんがお諮りした具体的内容等を拝見した上で、さらに私は意見を申し上げたいと思いますが、特にFM放送の免許基準の問題も今爼上に上っておる時期です。われわれは、あくまでマスコミの独占ということは排除していくべきだ、そういうことについては、当委員会において、昭和三十二年を契機として何回も言っておるわけで、そういう趣旨に沿って免許の基準の方針をお立てになっておると思います。そういう当面する問題があるだけに、これはきわめて重大な私は電波行政に対する問題だと思います。ですから、皆さんのほうも、従来のいきさつ等についても、これは一つの政策というものがあって、それに基づいて事務当局がやる場合もあると思うのです。私は、特に三十二年当時のチャンネル・プランをめぐっての裏における動きなんというものは、マスコミなんかが報道しているように、熾烈なものがあったと思うのです。そういう問題が、カラー・テレビの場合、あらゆる場合に、政策として出ておる、それに乗って事務当局は動かなければならないと思うのです。そういう点は、責任の持てる範囲と、そうでない場合とがあると思うのですが、私はやはり、監理局長はきぜんたる態度でそういう問題について、できることはできる、できないことはできないと、はっきり言うべきだと思う。少くとも、政治によって電波行政がひん曲げられるということは断じて許せないので、そういう点は肝に銘じておいていただきたいと思います。これで私は終わります。
#48
○光村甚助君 四国放送の問題は、いずれ前川静夫氏が進退を明らかにして、りっぱな会社ができるように私は、見守って、しばらくこれはおきましょう。そうして今鈴木委員から質問がありましたように、電波審議会のあの資料をもらってからにして、一応これでおきます。
 もう一つだけお聞きしたいのは、今の仙台放送も非常に問題が起こっております。これもあなたがさっき言われたように、ちょっと私書いておいたのですが、テレビとか放送というのは、独占ではなく、結成基盤を広くするという目的――これはいいわけです。それで、仙台放送ができたのは、東北放送が四九%の持ち株、仙台テレビが四一%、それで九〇%、あとの一〇%を県が持つ。そうすれば、一つのものが独占しないからというのでこれはできたという話を聞いておる。ところが、東北放送のほうは、仙台テレビのほうの持ち株といったらおかしいけれども、名前は忘れましたが、仙台テレビ側についている人の株を、時価より倍の値段で買い取っておる。そして実際上は五〇数%になっておる。そしてこれを独占しようという計画でやっているということが問題になっておる。衆議院の逓信委員会で、あすこの知事とか参考人を調べているいきさつがある。それはその後どうなっておるか。それから、これに対してどう善処しようとしているか。株の売買なんかおれのほうは知らぬ、東北放送のほうが独占しようとどうしようと勝手にしろというお考えか、きょうは、これだけを聞いておきたいと思う。
#49
○政府委員(西崎太郎君) 今御指摘のように、仙台放送におきましても内紛があるということは、電波当局としてまことに申しわけないと思っております。したがいまして、われわれとしましても、この内紛が一刻も早く解決するということを期待いたしておりまして、実は、昨年の暮に、当初、競願解消のために調停に立っていただきました愛知揆一先生、それから内ケ崎贇五郎先生、それから知事の三浦義男先生、この三者の調停をお願いいたしまして、現在その調停工作が進んでおるというふうに承知いたしておりまして、これも不日結論が出るというふうに思っております。
#50
○光村甚助君 この速記録を見てみると、仙台放送の早川という社長は、ずっと前の電波局長の長谷さんに手伝ってもらって申請書を出したのだから、これは全部おれの思うことをやってくれているはずだ、だから、おれのほうが五〇%株を持っていても不思議はないのだという思想を述べておられる。このことからも、何か郵政省というところは、一つの会社に片寄って味方をしているというような気配が、この一言でも濃厚なんです。これははっきり調査していませんが、そういう点で、さっきあなたの言われた三者の人が調停に入っているなら、これを円満に解決しなければ、あなたの言う広い結成基盤、いわゆる混合方式にならぬ。これも、あなたのほうから適切な注意をして、円満な解決をしていただくようにやってもらいたい。その結果によっては、次の委員会に質問したいと思います。放送のほうは私はこれで終わります。
 貯金局長を呼んだので一つお聞きしたいのですが、今、日韓会談、賠償問題で、朝鮮の人が戦前日本におったときの貯金がたくさんある、それが賠償の一部だ、こういう話なんです。その一点だけ、南鮮の人が日本におった期間の貯金は幾らあるのか、これだけを聞いておきたい。
#51
○政府委員(金澤平蔵君) この問題は、現在、外交交渉のことで、微妙な段階でございますので、そういう数字については、現在の段階におきましてはお答えを差し控えておきたいと思います。
#52
○光村甚助君 額はわかっているのですか、何人の人が何億円か何千万円かという……。言えないというが、あなたのほうには額はわかっているのですね。
#53
○政府委員(金澤平蔵君) その額についてはわかっておりますけれども、現在は、そういうような理由からいたしまして、発表を差し控えたいと思います。将来かりに日韓会談というものが妥結いたしますれば、そういうような数字を発表するという政府の統一の見解がございますので、そのときまで差し控えたいと思います。
#54
○横川正市君 予算委員会での外務大臣の答弁は、平和条約四条に基づく請求権によるところの交渉は、これは妥結しないので、そこで、両者間で日韓交渉の早期妥結が必要だという、そういう建前に立って三億・二億の有償無償の決定をしたのだ、こういっているのであってね、この朝鮮の方で日本に在留中の貯金が幾らあるかというようなこととは関係なしにこの会談というものを進められて、そうして金額というものはもうほぼ固まったと、こういうふうにいわれているわけでしょう。そうすれば、一体その貯金の額が幾らあったかは外交上の問題から言えませんということは、ちょっと筋違いじゃないですか。
#55
○政府委員(金澤平蔵君) これは、私たち事務のほうとしまして、やはり私たちの一つの態度といたしましては、今も申し上げましたようなことで、御答弁を差し控えたいということでございます。
#56
○横川正市君 これは、事務当局は大臣からの指図で発表しないということになっているのか、あなたのほうの独自のお考えですか。
#57
○政府委員(金澤平蔵君) こういうような微妙な段階になりますと、私たち、と申しますか何と申しますか、政府全体の問題になりますので、そういう意味において差し控えたいと、こういうことでございます。
#58
○鈴木強君 関連して。
 それは、金澤さんの言うのは、政府の立場で言われているのですからね、政府の統一解釈の立場として、日韓交渉が微妙な段階だからそういうようなものは発表しちゃいかぬといわれて、あなた方はそれを実行しているのだからね、私は大臣にそれを承りたいのですが、在韓の日本人の財産が幾らあったか、そういう問題と関連をしておるのだと思うのですけれども、少なくとも、すでに三億・二億というような額まで示されている段階ですから、向こうにおった日本人の貯金がどのくらいあったかということくらい、どうして発表できないのですか。
#59
○国務大臣(小沢久太郎君) その問題につきましては、実は、予算委員会でもいろいろ問題が起きまして、結局、政府の統一見解といたしまして、ただいまは外交交渉の微妙な段階にございますので、合意を見た後適当な時期に発表するから、ということで御了承を得たわけでございまして、どうぞ、この委員会においても、そういう意味でひとつ御了承いただきたいと思います。
#60
○鈴木強君 それは、了承したしというのは、だれが了承したのですか、要するに、外交権というのは政府にあるわけでね、ですから、そういう意味において、政府としては発表できないという態度を堅持したのであって、そてれは了承したわけじゃないでしょう。われわれは、そんなことは了承できないですよ。やっぱり、焦げつき債権が幾らあったのか、そういうことも全然考えないで、ただ三億・二億というような額をいわれて、しかもその額は――ここで論ずるべきじゃないと思いますけれども――総理大臣の説明を聞いておったんでは、明確な根拠がないのですよ。要するに、どんぶり勘定的なものになっているということですから、そこまであまり気がねしなくてもいいじゃないですか。郵便貯金くらいのことは、大臣の責任で、この委員会で質問があったら、答えたって、そんなものは交渉に影響するなんということはないと僕は思いますね。そういうことはちょっとおかしいですよ。
#61
○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほども申し上げましたように、この点につきましては、政府の統一見解といたしまして、発表の時期に至りましたら発表するけれども今は発表しないということになっておる次第でございます。
#62
○横川正市君 今の問題は、僕は、外交問題で、たとえばその他の二国間の公開すべからざる文書等に関連をして発表できないというものはたくさんあったと思うのですよ、今まで。ところが、郵便貯金が幾らありますかと聞かれたら、外交問題であるから発表できませんという統一見解というのは初めてです。これは。おそらく。だから、こういった点は了承できないことですから、まあ時間がないから、もう少しあとで論議をすることにしたいと思います。
 私は次に、北鮮との郵便、電信電話の交信問題について二、三お聞きをしたいと思うのです。
 まず第一に、北鮮は万国郵便連合に未加盟の田であり、さらにまあ、日本とは国交の未回復国であって、そういう意味での郵便の送受、それから電信電話の交信等については、この協定によらないで、いわゆるいろいろな慣例とか慣行とかによってやられているというふうに思うのでありますけれども、そういう中で、現在この北鮮との送受交信状態を見ますと、郵便については、香港それから北京経由で行なわれるのですね。その実情を調べてみますと、大体郵便の場合には航空便で三週間。ですから、約二十日ないし二十一日ということでしょう。それから、電信の場合は、北京を経由するために――もっともこれは日本と北京との交信で、北鮮は、北鮮それから天津間の交信になるわけでありましょうが、日本は北京との交信で、まあ経由という格好ではないと思うのでありますけれども、それであっても五日ないし一週間という状態だというのです。そこで、もっとですね、事実上この北鮮との送受交信ができないものかどうかと、こういう点が強くまあその関係から要望されております。
 そこで一点、一九六二年の十一月に貿易関係で認められておる点を見ますと、為替の場合には直接決済が認められまして、強制バーター制が撤廃になっております。ただ、その積荷についてそれぞれ事前に許可を必要とするというので、これは、国交未回復の社会主義国家に対しては、まあ一種の差別のような格好でいずれの国にもとられているようでありますが、それにしても、一応為替では直接決済制が認められ、それから強制バーターが撤廃になり、さらに船便を見ますと、運輸省の調べでは、毎月一回、定期便ということではないけれども、事実上は定期便という格好で、大阪――清津間。積荷の状態を見ますと、東京からおもに出ているという状態で船便が通っておるということもあるわけであります。で、もちろん常時こういう格好になっておるわけでありますから、その他の方法をとってすれば、たとえば日本からナホトカ経由天津航路とか、あるいはまあその他の、定期便と言えないまでも、船の荷物が多くなった場合には不定期に出て行くというような状況になっておるのでありますから、郵便の場合にももう少し積極的に問題を解決をする、そういう態度があっていいのではないかというふうに現在の状態から私はまあ考えるわけでありますけれども、郵政省としては、現在まで、北鮮とのこの郵便物の交換、それから電信電話についての監督者の立揚から努力をされた内容についてまずお伺いをいたしたいと思います。
#63
○政府委員(佐方信博君) 北鮮との郵便関係につきましては、先生のおっしゃいましたとおり、ただいま直接に送る方法がございませんので、香港郵政庁を通しまして、通常郵便物につきましては、中共北京の郵便局にしめまして、そこから北鮮には配られておるという現状でございます。そこで、小包郵便物につきましては、今のところ、何ら香港郵政庁もその仲介はしたくないということでございますので、通常郵便物は、香港経由で中共を通り、北鮮に入っているという現状でございますが、相当に郵便物がおくれるというような実情から、何らかの方法はないものかということで、ソ連の郵政庁と話をいたしまして、ナホトカ経由で、ナホトカから北鮮に入りますとずいぶん早くなりますので、その話をいたしましたら、ソ連としてもその仲介をしたいということでございますが、具体的なあて地の問題でありますとか、あるいはしめ方の問題につきましての細目等はきまっておりませんが、そういうことによりまして、ひとつ香港経由以外にも、もう一つナホトカ経由もやりたいということが、今まで努力いたしました経過でございます。北鮮と直接話し合ったことは今までございません。
#64
○横川正市君 これは、外務省の方はだれか来ておりませんか。日本と北鮮との関係については特殊な関係を持っておりますから、たとえば日韓交渉等の問題があって、直接北鮮との貿易が相当額あるにもかかわらず、政府間の話し合いということはできない。しかし、輸出とか輸入の問題につきましては、逐次――逐次ということよりか、一九五六年の九月には、これは為替では中国銀行を経由し、それから品物の受け渡しについては中国の大連港を主にして、ここで約一年八カ月ばかし事実上の取引を認めておりました。長崎の国旗事件で日中貿易関係が停止をしてから、自動的にこれが停止をされているようでありますし、その後香港経由、それから先ほど言いましたように、一九六二年十一月に直接決済を認められ、事実上はこれをずっと認めてきているわけですが、外務省としては、こういう事実について、なしくずし的に事実を黙認という、そういう格好でこれから本ずっと推移をしていくつもりなのか。事実上はこれはすでに取引をしているという実際から、それを認めて正式なものとしていこうとしているのか、前向きの姿勢でこれを解決しようとしているのか。これは事実の問題だけでいいのです。政治問題のことは、あとで大臣か政務次官に来てもらって聞きたいと思いますから、事務当局の答えられる範囲内でお答えいただきたい。
#65
○説明員(前田利一君) ただいま御質問の点は、なかなか事務当局として一存で申し上げにくい問題でございますが、ただいま先生御指摘のとおり、日本と北朝鮮との関係というものは、日韓国交正常化の問題と、過去において種々微妙な関係がございまして、現在の政府の方針といたしましては、この種北朝鮮との接触の問題は慎重に取り扱わねばならない、諸般の情勢をにらみ合わせて慎重に研究して参りたい、こういうところに政府の方針があるように私ども承知いたしております。御指摘のように、貿易ということが問題になりますと、これは貿易為替の自由化というような大きなまた方向がございまして、そのような情勢をにらみ合わせて、ただいま先生の御指摘のように、三十六年四月一日から強制バーター制ということで、現実に取引が行なわれて参ったのは事実でございます。しかしながら、その他の問題は、それぞれその問題の包蔵しております内容に照らしまして、純然たる経済問題であると同時に、またいろいろ政治的な問題の性格も含んでいる場合には、一そう、先ほど申し上げましたように慎重に取り扱わねばならない、こういうことで参っているように私ども承知しております。
#66
○横川正市君 何といいますか、日中間の貿易関係については、高碕さんが出かけたり、いろいろ政府のほうでも、相当信用のおける人たちが行って、そうして協定を結ばれてきておるのですが、北鮮との場合には、そういう格好で、たとえば政府間協定じゃなくても、民間の代表者間で正式に取りきめをするというところは、外務省としては認めていく考え方ですか、それとも、今のまま時間待ち、こういう格好なんですか、どちらですか。
#67
○説明員(前田利一君) 日中貿易との関連において日本と北朝鮮との関係を説明するようにとの御質問でございますが、これは、先ほどの御説明の繰り返しになってまことに恐縮でございますが、貿易の問題は、一面経済問題であると同時に、他面、それに伴う人事交流一般というようなことを含めますると、おのずから政治問題の性格をもあわせて持って参りますので、政府としては特に慎重に取り扱わねばならない、今後とも情勢をにらみ合わして研究して参りたい、こういうことを繰り返すほかございませんのですが、ただいま御質問の、前向きで考えるのか、あるいは情勢待ちか、こういう御質問に対しましては、私ども現在待っております感触といたしましては、むしろ、ただいまのお話にもございましたように、情勢をにらみ合わせて慎重に研究していきたいというところから考えまして、後者のほうになるやに感じております。
#68
○横川正市君 北鮮との間は、人事交流はもちろんありませんけれども、帰還船で在日朝鮮の方々が向こうに帰られております。その場合には、もちろん同伴をされて、日本の方々も渡ることは認められておるわけであります。実情を聞いてみますと、南鮮よりかは、北鮮のほうに非常に人間的なつながりや、それから事実上何といいますか、財産関係とか何とかということはなくても、非常に北鮮のほうが日本の実情について明るいというような状況も見受けられるわけでありますが、大体外交当局としては、たとえば日本人が一人外国旅行する場合でありましても、ビザの発行については、ずいぶん慎重なかまえで行なれれているわけですけれども、そういうふうな格好で、北鮮に行った日本人については、これはもう勝手に行ったのだから、勝手に向こうで生活をしなさい、こういう格好で、ほとんど日本、いわゆる祖国との関係については、中断、遮断をしてしまう、これは人情的に言って非常に忍びがたいものがあるのじゃないかと思うのでありますけれども、外務省省としては、この点についてどうお考えになっておりますか。
#69
○説明員(前田利一君) 私、直接に担当しておる問題の外にわたります面もございますので、いささか責任ある御説明ができかねる点もございますが、現在、赤十字同士の北朝鮮帰還協定によりまして、日本におられる朝鮮の方が次々に帰っておられまして、この場合に、家族で、実際上、日本の方が御主人とともに北朝鮮に帰られるという事実がございますことも承知いたしております。ところが、現在、日本と北朝鮮との関係におきましては、これは正式の関係はございませんので、北朝鮮に何ら日本政府の出先も行っておりません。こういう事情におきまして、こういった、帰られた人たちがいかなる境遇にあるや、そういった人たちのことにつきまして、直接に日本政府としては手を及ぼし得ない実情にあることは、ただいま先生の御指摘のとおりでございますが、この点につきましては、この帰還協定そのものが、北朝鮮の赤十字会と日本の赤十字社との間で取りきめられ、それに基づいて帰られた人たちのことでもございますので、まず、直接には、赤十字同士の連絡によりまして、そういった問題も取り扱われることになろうかと、このように考えております。
#70
○横川正市君 郵政当局に、これは大臣も来ておられることでありますから、単に事務的なものだけでなしに、政治的な意味も含めて、外務大臣とも相談をして、ぜひ解決をしてもらいたいと思うのは、北鮮との外交関係は、今言ったように、きわめて消極的な状態でありますけれども、入間的なつながりの面は、非常に南鮮よりか強くなっておるのですよ。ですから、郵便というものの持っている性格上からいきましても、北朝鮮と日本との郵便物の授受とか、それから、電信電話の交信とかいうものについては、郵政当局としてはもう一歩ひとつ力を入れて、前向きで解決をするようにしてもらいたいと思うんです。これはぜひお願いをいたしたいと思います。
 それからもう一つ、ちょっと私歴史の過程があまりわからぬものですから、こうではないかということを言い切れないのでありますが、北京との交信をしている現状をちょっと聞きますと、実は、おそらく台湾政府と交信をしている状態というのは、新たに設けられたのか、また、旧日本領土当時の交信状態をそのままにしてあるのか、これはわかりませんけれども、北京との交信は、蒋介石政権当時に結ばれたものが自動的に延長されてきて、現在北京と交信しているのであって、何かその辺が少しあいまいなようなんですね。ですから、あいまいだからやめるというのじゃなくして、そういう事実が行なわれているんだとすれば、日本と天津間の電信電話の交信というようなことは、ある意味じゃ可能なんじゃないかというように思うのですけれども、どうも事実を私はっきりと認識しておらないので、質問があいまいになっておりますけれども、郵政省としては、この点どうお考えになっておるか、関係の方から聞いて、それから大臣に御答弁を願いたいと思います。
#71
○説明員(西村尚治君) ちょっと途中から入りましたので、先生の御質問をあるいは誤解しているかもしれませんが、北京、中共政府との直接の電信電話という御趣旨でございましょうか。――北鮮との問題につきましては、中共経由で現在やっているわけでございます。ですから、私、ちょっと今監理官がおりませんので、詳しいことは申し上げられませんけれども、北鮮の分も中共経由でやっているわけでございますので、中共政府との直接の交信もやっているはずだと思うのであります。今、浅野監理官が参りましたので、浅野監理官のほうから……。
#72
○横川正市君 それではもう一ぺん私のほうからお聞きをしましょう。
 私も事実の認識が非常にあいまいで、的確な質問をするのに、こうではないかということが言い切れないわけでありますけれども、中共と日本との交信線路ですね、これは蒋介石政権のときに結ばれた協定に基づいて、その後中共政府にかおっても、それを有効と認めて交信をしていると、こういうふうに私は聞いているわけです。それが今北京と日本との電信の直接交信の状態だ、それなら天津と日本との間に直接交信をする、そういうこともできるのではないかと思うのでありますけれども、北鮮と日本との交信線路を新たに開拓をするという考え方なのか、それとも前に天津と交信があったのだから、その交信を再開するという格好でできないものかどうか。実は、これは北京経由で電信を出しますと、非常に日にちがかかるそうです。ことに内容が、たとえばあまり知られたくないものもあるでありましょうから、そういうことで、ぜひ北鮮とは直接交信をしたいということを強く希望しているわけでありますけれども、その点、直接交信がなぜできないのか、それをお聞きいたしたい。そういう理由があるからやれるのではないかと私は思うのでありますけれども、その点をお答えいただきたい。
#73
○政府委員(浅野賢澄君) ただいままでの御質問のございました点、ちょっと今失礼いたしておりまして、ちぐはぐなお答えになるかも存じませんが、その点はお許しをいただきたいと思います。
 北鮮との間につきましては、ただいままでお答えがあったことと存じますが、現在通数が比較的少ないといった点がございます。それから中共経由で一応の通信連絡手段があるわけでございまして、そういう点で、なお当分北鮮関係の通信回路の設定は時間が要るのではないかと、かように考えています。
 ただ、ただいまお話のございました天津経由の点でございますが、現在電話は北京経由でありまして、電信は上海経由でございますが、今お話のように、そんなに日数がかかるとはどうも考えられないわけでございます。その点につきましては、さっそく調査いたしたいと思います。同時に、お話の、同じく中共であります天津との通信回路の設定につきましては、これは相手方の問題もございますので、これも一ぺん調査いたしたいとかように考えております。
#74
○横川正市君 いや、これはちょっと私が間違っておりました。平壌ですね。北鮮の平壌と直接に東京から通信回路を開発することはできないかということ、これが質問の趣旨です。それの理由としては、北京とのやつは、蒋介石政権のときにそれをやっていたものを、そのまま今中共政権になってからも引き続いてやっておるというのです、これは事実、現状ですね。それならば、日本との間に、東京一平壌のやつがあるはずだから、だからそれで、新しい開発ではなくして、昔のやつを、それを利用して実際上の通信ができないか。それは協定が結べない、国交未回復の国との問題ですから、その点は少しむずかしく考えればむずかしくなるかと思いますけれども、郵便とか電信の場合には、そういう便宜、両国間で了解さえつけば交信ができる、こういう建前で、平壌との直接交信を認めて復活させるということはできないか。で、KDDと何か話をしてみたそうですが、私はまだ聞いておりませんけれども、KDDとの話では、結局郵政省からの認可といいますか、承認があれば、大体周波数は南鮮と同一周波数だけれども、時間帯を変えて、京城と交信する、それから平壌と交信する、たとえば夜の何時から何時まで、こういうふうに時間をきめれば、KDDでは事実上交信はできます。直接ですね、ということを言っておるそうです、これは担当者の方ですが。そういう技術上の問題が解決しても解決しないのは、結局日本と北鮮との外交上の関係が解決しておらない、こういうことなんだけれども、その点を、郵政省としては、中国ともやっているわけですから、北鮮ともやるように承認することができないか、ここで「やります」と言うことができなければ、ひとつ検討していただきたいと思うのですが。
#75
○政府委員(浅野賢澄君) 先ほど申し上げましたように、五日ないし一週間かかるとのお話でありますが、この点につきましては、どうもこれは間違いではないかと思いますので、そういった点で、ひとつこれは中共経由のほうを調査さしていただきます。
 ただ、ただいまの、天津でなくて、平壌または京城、北鮮との直接の電信回線の設定の問題でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、現在一カ月の通数が千通ないわけでありまして、九百何通、電話が五十回足らず、といった量から参りますと、非常に少ない部類に入っております。もしこれを取り上げるとしますと、その前に各地に相当そういった回線の設定をするところもあるようでありまして、そういった点等を考慮しまして、なお直ちにやるのは早いのではないか、こういった点が一つございます。
 それからもう一つ、今お話しございましたが、国と国との問題ということになって参りますと、国連の決議等もございまして、なかなか国と国との話し合いということもなお時間を要するのではないか、こういった点等もございまして、なおしばらくこれは猶予をちょうだいいたしたい、かように考えております。
#76
○横川正市君 まあ私は、北鮮との国交上の関係があるから、今の答弁はやむを得ない答弁だと思うのでありますけれども、事実上他にまだ回路を持たなければならないところもありますので、という意味からいくと、日本と北鮮との関係というのは、そういう他に何があるかわかりませんけれども、比べてみて、それほどとんでもない回線の回路開発だとは思わないのですよ。ことに、先ほども言いましたように、もう何千という人が帰っている中には、日本の人が一緒に帰っているわけですね、向こうへ。事実上、もう南鮮よりかは、戦後においては日本人がたくさん北鮮に行っているという事実もありますし、それから北鮮の生活様式その他を見ますと、南鮮は何か新しくなっておりますけれども、北鮮は、日本的な様式を取り入れて、私は見て来たわけではないのですけれども、非常に日本の事情に明かるいということがいわれておりますので、そういう関係からいえば、情の問題からいけば、北鮮との交信は何とか回路を持ってやりたい、しかし国交上の問題があるからむずかしいけれども、北京との交信の関係もあるので、そういうものと同じだというふうにとらえて、北鮮の平壌との直接交信というものを郵政省が認めた、こういうことになればKDDとしては事実上何ら支障を来たしません。通数とか何とか、通話数は少ないけれどもやってもいい、こういうふうになれば、私は認めていいのじゃないかと思うのですがね。浅野さんで無理なら、ひとつ大臣からお答えいただきたい。
#77
○政府委員(浅野賢澄君) ただいまのお話でございますが、確かに中共との間につきましては、先ほど来何回も御指摘のように、現在同じような状態でありながらやっているわけでございます。これは、当初国民政府のときに設定いたしまして、それから中央になりまして引き継いだままやっております。ただ、これにはいろいろの業務協定、こういった料金分収とか、いろいろな点につきまして、当時国民政府のときにすでにでき上がっているわけであります。あとは、単なる技術的な連絡をもって足りるわけであります。少なくとも、北鮮と新たに開始いたします場合には、条約にも入っていない関係であります以上、そういった技術協定以前の問題、二国間の話し合いというものはやはり出て参ります。そういった点につきまして、やはり北鮮全体に対する政府の一般方針、こういったところへ結局関係いたして参ります。
 それで、おっしゃいますように、たくさん帰った方もおられますので、確かにそういった点はございますが、何分にも、まだ通数が少ない点、これがもう少しふえて参りますと、また変わって参りますが、中共の場合とは比較にならないほど少ないわけであります。この点はまた、世界各国見ておりましても、北鮮との間には通信回線の設定は、中共とソ連としかないようであります。中共の場合には、世界各国ほとんど回線を持っておりますから、中共と北鮮におきましては、同じ状況にありながら、比重が非常に違っているだけに、そういった意味におきましては、国交全体、外交上の問題、こういった点から、なおしばらく日数をいただきたい、かように思います。
#78
○横川正市君 外務政務次官が参りましたので、私のほうから希望だけ申し上げておきたい。
 先ほど、事務当局の方に私からいろいろ質問をいたしましたが、外務省は、北鮮との関係について、一体これから前向きで解決をするのか、それとも時間待ちか、こういう点では時間待ちだと、こういうお答えでした。ただ私は、第一には、たとえば中共貿易が二国間の協定にはならなくても、政府代表の形にかわるぐらいな実力者が行って協定を結んできているわけであります。北鮮との交流関係を見ますと、資料をちょっとあれですが、去年の一九六二年には、一月から九月までの間に、二十四億一千百万円の輸出入の合計金額が出ております。これは一九五六年からずっとありまして、一時中断したときでも貿易というものはあって、これは現状の状態だから、大体三十億ぐらいのところに停止しているけれども、これがもし何らかの形で前向きで解決されるならば、相当な額に上るんではないかというのが今の日中貿易を事実上やっている人たちの意見です。品物を調べてみますと、日本ではやはり機械とか、事実上向こうで使われる工作機械、それからそれに付随する品物が多いようでありますが、向こうから入ってくるものと日本とを比べてみますと、いつでも出超になっておる。そういうことからいっても、私は北鮮との関係について国交回復がないまでも、もう少し前向きで問題を解決するという姿勢が必要なんではないか。
 もう一つは、帰還船で帰られる北鮮の方々には、現地妻という形でありましょうけれども、日本の方がずいぶんたくさん行っていられて、外務省は、国内から海外旅行される人には厳重な査定と身分の保証をしなければビザを出さないのに、帰還協定があるから、お前勝手に行ったんだからと言ってはみても、何ら北鮮との交流関係を持たないということは、これは情の面から許されないことじゃないか。もちろん赤十字を通じてこの問題については努力をしているといえばそれまでだけれども、私は、これは日本の同胞の立場に立てば、もう少し祖国としての親心があっていいんではないか、こう思うんです。さしあたって、そういう面から、郵便とか電信とか電話の問題だけでも、北鮮との関係にもう少し直接な回路の設定とか、郵便物の送受ができるようにすべきではないか、こういうふうに思っているわけでありますからして、そういう点から、ぜひひとつ郵政当局とも前向きで相談をしていただいて、これの解決に努力をしていただきたい、かように思うのでありまして、それに対して、ひとつ政務次官から、政治的な問題でありますので、お答えいただきたいと思います。
#79
○政府委員(飯塚定輔君) 横川委員のお話、私よく承っておきます。北鮮との関係については、北鮮関係の方々からもいろいろと直接陳情を受けておりますので、それらの点につきましては、大臣ともよく相談の上で、できるだけ努力をいたしたいと考えます。
#80
○横川正市君 浅野さんの答弁の中にあります。もう少し時間を、ということに私は期待をかけておりますが、ことに蒋介石政権のときに業務協定その他が結ばれ、それから一般の国際的な回路の設定は、中国の場合には各国と行なわれているということで、北鮮はそれが行なわれてないというような比較対照がずっと出てきましたけれども、北鮮との関係については、今言ったような貿易の問題とか、それから非常に交流といっても変則な交流であります。帰還船を通じての交流でありますけれども、そういう形で、日本との間には非常に肉親的なつながりを持っているという事実もあるわけですから、時間を幾らか短縮するように努力をして、北鮮との直接交信、回路の設定等ができますようにお願いをしたいと思いすす。
#81
○説明員(浅野賢澄君) 「もう少し時間を」というのは、非常に近いようなふうに、こう……(笑声)。その点につきましては、ただいま外務政務次官から御答弁をいただきましたが、その線で御答弁いたしたということでお願いいたしたいと思います。
#82
○鈴木強君 ちょっと時間がおそくなっておりますが、私、かねて大臣に二、三御質問したい点がありましたのですが、予算委員会の関係で大臣御出席ができませんでしたから、きょうは少し、もう昼も過ぎましたけれども、二十分くらいひとつごしんぼういただきたい。
 大臣、国有財産というものに課税するということに対しては、あなたはどうお考えになりますか。答弁して下さい。
#83
○国務大臣(小沢久太郎君) どうも私は税のことにつきましてはよくわかりませんし、所管事項でもありませんので、ここでむしろお答えして、間違ってお答えするといけませんので、ひとつその専門の方に聞いていただきたいと思います。
#84
○鈴木強君 専門のことでなくても、大体とにかく大臣ですからね。あとの事業を執行する場合にも、やはり問題が出てくると思うのですが、一体、国有財産に税金をかけられる、それで妥当と思うかどうか。世界に国有財産に税金をかけている国はありますかね。――そういうことはわかるでしょう。おかしいじゃないですか、国有財産に税金をかけるということは。そう思わぬですか。
#85
○国務大臣(小沢久太郎君) どうも私は、はっきりしたことは言えませんけれども、一般論としてはかけないのじゃないかと思うのですが、それは私のしろうと考えでありまして、専門的に言ったら、あるいは聞違っているかもわかりませんが……。
#86
○鈴木強君 確かに国有財産に課税をするということはおかしいと思うのです。しかし、現実にそういうことが日本にある。それを聞きたいと思うのですね。しかもあなたの監督をされている事業の中にそれがある。郵政大臣は御就任でしたか。国会に三十八年度の電電公社予算が提案されましたのは、あなたの就任前でございましたね。それにしても、電電公社の三十八年度の予算を見ますと、諸税公課として、約五十億円が予算に計上されております。これは知りませんか。
#87
○国務大臣(小沢久太郎君) どうも不敏にして、まだそこまで知りませんが、政府委員からお答えさしたいと思います。
#88
○説明員(秋草篤二君) 鈴木先生の御質問は国有財産とおっしゃいましたが、あるいは御質問の趣旨が違うかもしれませんが、私どもの来年度の予算に、五十億と記憶しておりますが、計上せられておりますのは、諸税公課としてでございますが、これは電電公社の財産に対する納付金及び税金でございまして、国有財産ではございません。その点は、電電公社の財産は国有財産法の適用を受けておりませんものですから、納付金その他のものでございます。御質問の趣旨と違うかもしれませんが。
#89
○鈴木強君 今の、国有財産法が適用されておらないので、電電公社の持っている財産は国有でないというんですね。何なんですか。
#90
○説明員(秋草篤二君) 電電公社の財産でございます。
#91
○鈴木強君 電電公社の財産だというんだが、この公共企業体という経営は国有公共企業体と私たちは聞いております。財産が電電公社の財産だというけれども、一体電電公社はどういう立場に立つんですか。国有財産ではないんですか。
#92
○説明員(秋草篤二君) 国有財産ではございません。国有財産法の適用は排除されております。その点は、公社法その他で明快になっております。
#93
○鈴木強君 国有財産ではないというんだが、それは国有財産法で排除されても、明治二年以来国有で一貫的に経営されてきたものですから、これは民間の人が金を出して電電公社の財産を今日になさしめたわけではないのでありまして、当然国の財産によってこれは作られたものでしょう。財産法が適用されていないというのは、これは形式論であって、実際今ある電電公社の設備その他の問題については、やはり国有財産と同じように考えてしかるべきじゃないですか。電電公社の財産だというんだが、じゃ電電公社は一体何かということになると、公共企業体、日本電信電話公社法に基づいて運営されているものでございましょう。ですから、それは観念論ですよ。形式論ですよ。私は、やっぱり実質的にはこれは国民の財産である、こういうふうに考えるのが妥当だと思うんですね。
#94
○説明員(秋草篤二君) この財産が終局的にだれに帰属するか、あるいは再評価積立金の処分をした場合に、どこのものになるだろうかとか、いろいろこうした議論を展開すれば、発生の原因とかその他から議論はまたあろうかと思いますが、現在は、一応財産の所有とか管理とかいうものは、厳正に法律の規制、あるいはそれに伴う法規の規制によって実施せざるを得ないわけでして、いろいろの考え方とか、将来の処分の仕方とか、こういう場合になれば、先生のおっしゃったような、いろいろの歴史的な過程とか経過というものも考慮に入れて、また別途高い地位の審議会等の御議論によって支配されなければいかぬと思いますが、現在私どもは、法律規則によってそうした管理処置をしなければならぬと考えております。
#95
○鈴木強君 この財産の今までの経緯につきましては、大臣も御承知のとおり、昭和二十七年の八月から公社経営になっておりますので、形式的には国有財産法の適用を除外されておりますが、長い九十年近い歴史の中で、やっぱり国有財産として処理され、そのものが公社に形態が変わって引き継がれてきているわけですから、私は、そういう意味において、国有財産と全く同じ性格のものである、こういうふうに判断をしておる。
 そこで、公社発足以来、昭和二十七年の八月一日から昭和三十一年四月二十四日までは国有財産と同じようにみなして、電電公社の財産に対しては何ら課税というものはなされておらなかった。ところが、三十一年の四月二十四日になって、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律というものが新しくできました。そして、専売、国鉄、電電の三つに対して納付金を一電電公社の国有財産の所在地に対して一定の納付金を出す、こういう法律ができている、ここにも「国有資産所在市町村」という名前が使ってある。したがって、それと同じような性格と見て課税をしていることは事実だと思うのです。しかし、少なくとも、二十七年から三十一年までの間、免税措置をとっておった、こういうことは事実ですよ。ところが、三十一年の四月二十四日にこういう法律ができ、今日まで電電公社におきましては、かなりの納付金をやっておる。ことしは、そのうち約四十数億というものがそれに該当する金だと私は聞いているのですね。それからさらに加えて、昭和三十六年度から、地方税法が改正になりまして、自動車税、こういうものが新たに電電公社の資産に対して課税されるようになってきたのですね。私は当時予算委員でございましたから、安井自治大臣との間にもかなり激しい論争をやったのですけれども、何かわけのわからない理屈をこねて、とうとう電電公社の使う自動車にまで税金をかけて地方税として取り上げている。こういう事実がある。これは、公社経営、公社というものの性格からして、このような課税措置をすることは不適当である、こう私は思うのですが、大臣はどう思われますか。
#96
○政府委員(浅野賢澄君) ただいま秋草総務理事からいろいろお答え申し上げましたが、むしろこれは鈴木先生が一番御存じなわけでありまして、電電公社が出発いたしますとき、全額これは政府出資という形で出ております。公社財産ということになっております。したがいまして、まあ国有財産ではない。それも、さっきから先生の御指摘のとおりでありますが、公社財産である、ただそういった場合に、かつては国有財産であり、国の企業としてやっておりましたものを、公社出発以来、少しでもそういった形で自主性を与えていくといった意味で、一歩々々、今そういった形をとりつつあるわけでございます。同時に、終戦後、国の会計、財政がそれぞれ分計をはっきりしておるといった一つの政策がとられまして、一般会計と特別会計の間におきまして、貸し借りは厳重に処理していく、こういった線が出て参りました。そういった線が出て参っておりますので、国の機関におきましても、いろいろ分担におきまして会計同士のやりとりをやっているわけでございます。いわんや、公社の形になりまして、公社財産ということになり、一つの法人格を与えまして、十分じゃございませんが、経済活動をやっておるわけでありまして、こういった点におきましては、そういう分担も、現在の情勢においてはやむを得ないのじゃないか。ただ、先生御指摘のように、必ずしもこれは満足じゃないわけであります。今後とも、そういった点につきましては、国としても公社としても、研究努力して参らなければいけないと思いますが、現在におきましては、これが精一ぱいのところじゃないか、かように存じております。
#97
○鈴木強君 まあ、財源がほしいものですから、どっかにないかということで、いろいろ考えた末に、こういうところに目をつけたのだと私は思うのですが、しかし、そもそも公社にスタートするその段階において、そういうことも十分考えて、その上で、課税措置はせぬ、免税していく、ということからスタートしているのですから、少なくとも、二十八、二十九、三十、三十一年と、約四年間そういう措置をとっておったにもかかわらず、がぜん、こういうふうな法律を作って課税しなければならぬという、その意図が私にはわからぬのです。
 要するに、あなたが言われるように、公社になったからには、相当の自主性と独立性を与えていくことは当然でしょう。ですから、そういう点が、何かしら、だんだん、だんだんと、次に述べる給与総額の問題にも出てくるのですけれども、公社発足当時に与えた自主性自体が制約されてきているという現実に立って、逆に今度は、税金だけは取り立てていくということは、私は本末転倒じゃないかと思うのです。ですから、そういう意味において、少なくとも公社発足に際して慎重に政府も検討されたことでしょうが、しかし、その財産の性格からして、課税するのは適当でないということから課税しなかったということは正しいと思う。それを、中途において理屈をつけて取るということは、これは私はやはり行き過ぎだと思う。これが、民間の経営であるとか何とかということなら別ですけれども、少なくとも、国が持っておった財産をそのまま出しているのですから、それは形式論はあるかもしれませんけれども、やはりこれは国民のものですよ。そういう立場に立てば、課税措置をしなかったということは当然である。それを、途中で、課税もできないので、こういうふうな国有資産所在市町村納付金というような名前を作って、わざわざ法律をそのときに制定したのですね。そうして課税してきたというようなことから見ましても、明らかにこれは、与えた自主性を侵害するものであるし、国有財産に対する免税措置というものを一般的にやっておきながら、何らその内容において変わらない電電事業に対して課税するということは、明らかに行き過ぎですよ。これは大いに私は再検討してもらいたい
 この点、大臣も少し内容を御研究下さって、私の言っていることは、そうむちゃくちゃなことを言っていないと思う。ですから、ひとつ十分に御再考をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(小沢久太郎君) この問題は、まあ税法の改正のいきさつは別といたしまして、ただいま現行の税法でやっておるわけでございますから、今これをどうというわけにはいきませんけれども、ただいまの御趣旨に従いまして、研究したいと思います。
#99
○鈴木強君 それからもう一つは、公社予算制度そのものに対する改革については、きょうは時間がありませんので、その原則論は一応おきますが、ひとつ大臣に考えていただきたいのは、三十八年度の政府関係機関予算の中をごらんになってもおわかりのように、ここには予算総則がございます。この中に、政府関係機関の予算のいろいろな制約が書かれた規定がございますが、特に私がきょう指摘したいのは、電電公社の給与総額のことについてです。
 これは、公社発足当時、労働組合に団体交渉権が付与され、したがって、賃金は団体交渉によってきめられるべきものですが、やはり予算的に制約をしておかなければならないということで、実は給与総額という制度というのができたわけです。そのかわり、定員法が撤廃されているということです。
 そこで、その当時は、給与総額という大ワクにおいて電電公社の給与を押えたのですが、これがやはり昭和三十二年になりまして、基準内の賃金と基準外の賃金の相互の流用を電電公社総裁の権限から取り上げているのです。郵政大臣の承認を得ない限りは、その流用はできないというふうに制約を加えているのです。これもやはり私は、今の問題と同じように、一度公社に与えた権限というものを中途において奪ったという、極端にいえば、こう言われて毛申し開きができないことだと思うのですが、今日労働問題も非常にやかましくなっているときですし、こういうふうな制約を加えたということは、やはり公社経営の妙味というものを一つそぎ取ってしまったというように考えるのですけれども、どうですか。
#100
○国務大臣(小沢久太郎君) この問題は、電電だけに限った問題でございませんで、三公社五現業みな共通の問題でありまして、そういう点につきまして、いろいろひとつ研究をしてみたいと思います。
#101
○鈴木強君 この公社法制定当時のいきさつも、私国会におりませんでしたけれども、いろいろ傍聴さしていただいて、国会の審議の様子もよく知っておりますけれども、当時給与総額制度というものができることについても、かなり論議があったのです。やはり、物価の変動その他の経済情勢によってベース改定の必要が起こったときにはどうするか、というような問題もございました。もし、できるならば、給与総額のうち、たとえ五%でも一割程度でも、給与予備費というような、そういう性格で予算には計上したらどうかという意見も出ていたのです。しかし、積極的に給与総額という大ワクで押えていこうということできまったわけですが、私は、そういう国会審議の経過からしましても、やはり給与総額そのものを今設けているのだが、これも、本来公労法の建前等からいうとおかしいのです。おかしいのだが、その基本論はきょう述べられませんから、たいへん後退したような意見になるのですけ力ども、この給与総額制度というものに対して、やはり一考をしていただく必要がある。これは、法律を改正するとか何とかいうことではなしに、昭和三十二年のときにも、この予算総則というものを政府は変えて提案された。第一条、第二条とありますけれども、そういうように簡単にこれは流用を禁止された経過があるのです。ですから、大臣の御決意で、ことしはこうして原案がきまっておりますからどうもならぬとしても、明年あたりは、ひとつそういう点についても、この給与総額制度に対して、せめて移流用等は認められて、大ワクで押える程度のところまでひとつ考えてもらいたいと思いますが、どうでしょう。
#102
○国務大臣(小沢久太郎君) 給与総額の弾力的使用の問題につきましては、これは研究の余地もありますので、ことしはどうということはできませんが、将来の問題といたしまして研究してみたいと思います。
#103
○鈴木強君 昭和三十八年度の公社予算のうち、きょう私は大臣にちょっと伺っておきたいのですが、資金調達の面で、財政投融資関係から大体百八十七億円の金を見つけていただいたのですが、しかし、自由民主党、与党の皆さんが、少なくとも四百億よりももう少し多いくらいの財政投融資をことしは導入しようということで、電電公社の第三次五カ年計画について御検討いただいたようです。大体三百八十億ですか。ところが、これが百八十七億になっておりますが、その内容を見ますと、縁故債というものが四十七億ぐらいあるようです。公募債六十八億、外債が七十二億になっておりますが、一体この外債については、予算総則にも述べられておりまして、一昨年からやっておりますようなことをもう一回やろうということで、予算総則の二十二条の二項にお書きになっておりますが、三十七年度の外債については、これはいろいろ新聞等でも間違った情報も載っておったようですけれども、一体三十七年度にきめられた外国における電電債の発行した額、金というものは、今一体どうなっておりますか。
#104
○説明員(秋草篤二君) 発行した額でございましょうか、それとも……。
#105
○鈴木強君 向こうで発行した額、ちょっと七十二億よりことしは少ないようです。それからその金が実際に日本に入ってきていると思います。その経過はどうなんでしょうか。
#106
○説明員(秋草篤二君) お答えします。
 予算で二千万ドル許されておりましたけれども、金融市場の関係から、一千八百五十万ドルの発行で終結いたしました。形式的には、その発行残余というものは繰り越しが可能なようなことになっておりまして、その残余を含めて本年度に発行する権限と申しますか、可能性はあるのでございますが、そうした予算の具体的な、実際問題として発行するかどうかということは別途の問題といたしまして、その次に、現実に発行した金はどうしたか、これは当然、発行しますと直ちにニューヨークから内地のほうに送金いたしまして、ドルを円に直して、公社の会計に、それを何の金に使うかということは、予算できめられている計画に使う形になるのでございますけれども、こういう金には区別ございませんで、公社の資金として一元的に活用せられると、こういうことになっております。
#107
○鈴木強君 そうしますと、新聞にちょっと載っておったように何か、物を外国から買うために充てるようなやり方というのは、もう断じてしてないわけですね。その点を明確にしておいていただきたい。それはストレートに持ってきて公社の資金に充てる、こういうことだと思うのですが。
#108
○説明員(秋草篤二君) ただいまのような、オブジェクト・ローンと申しますか、目的のために、器材を買うことにひもつきで外資を導入するという例はたくさんあるようでございますが、少なくとも、うちの外債につきましては、一切の条件というものはございません。
#109
○鈴木強君 それから縁故債というのが四十七億円あるのですが、これは新しく設けられたものだと思うのですが、縁故債というのは、一体どういう性質のものですかね。
#110
○説明員(秋草篤二君) 二十七億は、私どもの共済組合の資金を引き当てに縁故債を発行するように内示を受けておるわけであります。あとの残りは、大蔵省が一切めんどうをみてあげるからということに相なっておりまして、具体的に、どこの金ということをまだ言い渡されておるわけじゃございません。
#111
○鈴木強君 結局、百七十八億という額については、確かに、電電公社発足以来一番大きい額だと私も思うのです。これは、今までの努力していただいたことには私も感謝しますけれども、ただ、もつとしさいに内容を検討してみると、今お話しのように、二十七億の共済組合からの縁故債で金を調達するということになるし、実質的には、六十八億も何か借りかえがあるようですから、実際の公募債は三十億ぐらいじゃないかと私は思うのですけれども、そういうわけで、外債というのは別ワクに私は考えたいのですけれども、そうしてみると、そうかけ声のような、財政投融資から依存する問題についても、期待が持てない。第三次五カ年計画の初年度において、資金調達がこのような状態ですと、はたして、総体五カ年間に五百万をつげるための資金調達がうまくいくかということは、非常にわれわれは疑問を持っているのですよ。私は、大臣も十分に電信電話事業の実態というものを御研究なさっておると思いますが、ひとつ、今後におきましても、どうしても資金がないと電話はつきませんから、思い切った資金調達を考えていただくと同時に、少なくとも、この電電公社が策定しておる第三次五カ年計画というものは、私は、与党の諸君も十分その内容を考えられて、相談に乗っておるのじゃないかと思うのですよ。ですから、それだけに、ひとつこれからも、そういう財政投融資方面からの資金調達については、格段の大臣の御努力を、今から、早目ですけれども、お願いしておきたいと思うのです。
 それからもう一つ伺っておきたいのは、これは公社のほうに伺いたいのですが、第三次五カ年計画の中に、十八ページに、たった一行ですけれども、「事業の近代化に伴う生産性の向上に対応し、従業員の処遇の改善について努力するものとする。」と、こういうふうに書いてあります。これは、過去何回か、この委員会において、法律案等が通る場合にも、従業員の処遇については公共企業体にふさわしいものにしてもらいたい、特に電電の場合は非常に成績も上がっておるので、できるだけ成績に見合うよう、待遇改善に努力していただきたい、ということを何度か決議しておるのです。これは与党の皆さんも一緒になって。そういうような点もありまして、一体これだけの大きな計画をしようとするのに、わずか一行足らずの文字ですけれども、文字は一行でも半行でもいいのですけれども、具体的にこれはどういう処遇を考えているのでございましょうか。
#112
○説明員(佐々木卓夫君) これはなかなかむずかしい問題だと思うのでございますけれども、一応第三次五カ年計画の所要資金の中で、給与的なものの見方、計算の根拠といいますか、そういうものを御披露申し上げますと、現内閣の所得倍増計画による場合の国民一人当たりの所得の伸び率をとりまして、それで給与的な年間の所要資金というものを計算していくのでございます。
#113
○鈴木強君 ちょっと抽象的でね、わかりませんが、もっと言うならば、一体五年間にどういう待遇改善をしていこうとするのか。やはりその青写真を示してもらいたいと思うのですが、そういう池田内閣の所得の方針に乗って一人当たり何ぼという、それじゃ、ちょっと答弁にならないのじゃないでしょうか。もう具体的に、これは計画として出てるんでしょうからね。
#114
○説明員(秋草篤二君) 五カ年計画の経費をどう見るかということは、非常に大きな問題でございますが、その中で、特に人件費の占めるウエートというものは、支出の中で大宗をなすものでございます。したがって、見方によっては、収支差額ないし財投金額の多少にも影響するものでございますが、一応定期昇給だけでは従業員に相すまぬだろうということを考えておりまして、生産性の向上に伴った一般の経済の成長、それに伴う国民所得の増加というものを、過去の統計その他から見て、先ほど佐々木技師長が申しましたように、定期昇給に加えた生産性向上に伴う所得の増加というものを加味して人件費を計上していく、こういうことになっております。
#115
○鈴木強君 他の一般産業との比較もけっこうですけれども、現実に、第三次五カ年計画によって具体的にふえる施設と、それから収入というものははっきりしているわけですから、その中で、一体電電公社職員にどれだけの生産性向上に伴う待遇改善をしていくかということは、これは私、もう少し具体的にお考えになっていると思うのですよ。たとえば、昭和三十八年度の予算を見ても、収支三千八百六十億、損益勘定の中でいろいろ諸経費を差し引いて、なおかつ六百四十八億円の残、三十七年度の場合は決算してみなければわかりませんが、一応予算上は六百五十三億というものが見込まれているわけですから、これだけの収支差額の黒字を出して、しかもこれを建設勘定へと繰り入れられるということを見ても、これだけの生産を上げ、施設を拡充していく従業員に対する待遇改善というものは、そんな、あなたが抽象的に言っているようなものじゃなしに、具体的に、じゃ三十八年度はどれだけその中から、あるいは三十七年度の場合はどうするかというような、そういう結論が出てしかるべきだと私は思うのですね。
 特に私は、この前の委員会でも最後に申し上げたのですが、現に、国家公務員諸君との賃金問題を論じておる。すでに人事院勧告が出て、それに対する予算も不満足でしょう、不満足でしょうけれども、十月以降七・九%近いものがべース・アップされるし、予算は通っておる。法律もやがて通るでしょう。そういう段階に、公社職員は一体べース・アップをやられるのかやられないのか、団体交渉でやれるというのですが、どうもそこでは思わしい回答がない。公社になったが、現実に今、年度末を控えて、国家公務員の五カ月なり六カ月の差額がもらえるというときに、公社職員はそれすらもらえないのじゃないかということで、一体勤労意欲をもってほんとうに応じてくれるかどうか、これを非常に私は心配するところなんです。そういう意味からいって、これはいろいろな制約もありますから、公社当局にここで金額をどうこう言えということは現在考えておりませんが、もう少し、経営を預かって、面接その衝に当たる皆さんとしては、一つの考え方を持っておるべきだと思うのです。それを実現するために、法の制約があるならば、それは大臣もおられるから、御相談をして、そうしてそれの措置がとれるような方法をとるとか、何かやはり具体的に、公社当局がべース・アップその他の処遇改善について努力しておるという姿が、私は、職員の中にからだをもって感得できるかどうか、そういうことにあると思うのです。なかなか、政府機関ですから、言いたいことも言えないという気持はわかりますが、もっとそういうことは、経営者もきぜんたる態度で意見を出すべきだと思うのです。
 きょう具体的に、五カ年計画の一兆一七千八百億の中に、今言ったようなべース・アップ的な、定期昇給だけでは物足りないので、従来幾らかみておるはずだから、ここで数字を聞こうとは思わないが、一兆七千億の中に、毎年度どの程度そういうものを計上されておるのか、出してもらいたいと思うのです。
 もう一つは、ついでに資料要求しますが、この十八ぺージのところにございます。この前質問した三万三千名の配置転換、職種転換等の流動要員、このうち六〇%は配置転換可能で、四〇%は困難だという話を聞いて胸を痛めておるのですが、そこで、少くとも三十八、三十九、四十と、五カ年間における皆さんの御計画の中で、公社直轄と郵政委託と区別して、配置転換の可能の人と、そうでない人とを、ひとつ詳細に調べて資料として出していただきたいと思います。聞くところによると、郵政省のほうでは、三十八年度流動要員は、これには千五百と書いてありますが、千九百四十一名で、約四百四十一名ふえております。おそらく、これは計画ですから増減あると思いますけれども、ぜひ各年度別の要員措置について資料を出していただきたい、こう思います。
 それから最後に一つ大臣に伺っておきたいのは、電話料金のうち、法定外の料金について、今の有線電気通信法によると、大臣が認可をしてきめる料金があるのですが、こういう料金について、もう少し民主的に事を取り運ぶ意味において、審議会というか、相談するような、そういうものを作ったらどうかと思うのですけれども、そして、その中で大臣は諮問してきめていく、こういうふうにしたら非常に民主的じゃないかと思いますが、そういうことはどうでございましょうか。
#116
○国務大臣(小沢久太郎君) その法定外料金の問題につきましては、大臣認可の問題でありまして、われわれのほうとしましては公平にやるつもりでございまして、ただいまのところは考えておりませんが、必要によっては、そういうことも研究していきたいと考えております。
#117
○鈴木強君 それから、郵政省は私のこの前の質問に対して答弁することを忘れていないですか。岩元さん、この前の意見書のことをどうしましたか。
#118
○政府委員(岩元厳君) この前の委員会で鈴木先生から御質問のございました地方自治体からの陳情のことでございますが、十二件ほどだったと思いますが、参っております。これに対しましては、鈴木先生の御意見もございましたので、しかるべく措置したいと考えております。
#119
○鈴木強君 大臣、この前約束してくれた、今田会に提案ある法律案のうち三つは閣議の決定をなされておる、それはもう国会に提案をされましたか。質権の問題なんかどうなっておりますか。
#120
○政府委員(武田功君) 公社法の改正と、それから需給調整資金の臨時措置法、この二件を御提出いたしました。なお、質権の延長法は、多分明日には御提出できると思っております。
#121
○鈴木強君 そのほかは、まだだめですか、いつになりますか、あとの二つは。
#122
○政府委員(武田功君) たいへんおくれて参りましたけれども、今一生懸命各関係方面と折衝を重ねておりますので、ちょっとその時期はもう少し御猶予いただきたいと思います。
#123
○鈴木強君 まだ意見がありますが、時間がありませんから、きょうはこれで。
#124
○委員長(伊藤顕道君) 本件についての質疑は、本日は、この程度にとどめておきます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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